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2000/11/08 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 商工委員会 第5号
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2000/11/08 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 商工委員会 第5号

#1
第150回国会 商工委員会 第5号
平成十二年十一月八日(水曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 古屋 圭司君
   理事 青山  丘君 理事 小此木八郎君
   理事 岸田 文雄君 理事 武部  勤君
   理事 中山 義活君 理事 松本  龍君
   理事 久保 哲司君 理事 達増 拓也君
      伊藤 達也君    小野 晋也君
      大村 秀章君    岡下 信子君
      奥谷  通君    梶山 弘志君
      木村 隆秀君    小林 興起君
      後藤田正純君    河野 太郎君
      坂本 剛二君    新藤 義孝君
      野田 聖子君    林  義郎君
      細田 博之君    大畠 章宏君
      北橋 健治君    小泉 俊明君
      小林 憲司君    後藤  斎君
      鈴木 康友君    中津川博郷君
      松野 頼久君    山内  功君
      山田 敏雅君    赤羽 一嘉君
      太田 昭宏君    塩田  晋君
      石井 郁子君    吉井 英勝君
      大島 令子君    原  陽子君
      宇田川芳雄君    西川太一郎君
    …………………………………
   通商産業大臣       平沼 赳夫君
   総務政務次官       海老原義彦君
   経済企画政務次官     小野 晋也君
   通商産業政務次官     坂本 剛二君
   通商産業政務次官     伊藤 達也君
   政府特別補佐人
   (公正取引委員会委員長) 根來 泰周君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君
   政府参考人
   (金融庁総務企画部長)  乾  文男君
   政府参考人
   (金融庁総務企画部参事官
   )            浦西 友義君
   政府参考人
   (大蔵大臣官房審議官)  竹内  洋君
   政府参考人
   (厚生省健康政策局研究開
   発振興課長)       本間  泉君
   政府参考人
   (厚生省医薬安全局企画課
   長)           霜鳥 一彦君
   政府参考人
   (厚生省社会・援護局長) 炭谷  茂君
   政府参考人
   (通商産業省機械情報産業
   局長)          太田信一郎君
   政府参考人
   (運輸省運輸政策局観光部
   長)           鷲頭  誠君
   政府参考人
   (労働省職業安定局次長) 青木  功君
   政府参考人
   (建設大臣官房総務審議官
   )            林  桂一君
   政府参考人
   (建設大臣官房審議官)  尾見 博武君
   政府参考人
   (建設大臣官房審議官)  松野  仁君
   政府参考人
   (建設大臣官房技術審議官
   )            佐藤 信秋君
   商工委員会専門員     酒井 喜隆君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
  新藤 義孝君     木村 隆秀君
  山口 泰明君     後藤田正純君
  大谷 信盛君     小林 憲司君
  大畠 章宏君     小泉 俊明君
  塩川 鉄也君     石井 郁子君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 隆秀君     新藤 義孝君
  後藤田正純君     岡下 信子君
  小泉 俊明君     大畠 章宏君
  小林 憲司君     大谷 信盛君
  石井 郁子君     塩川 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  岡下 信子君     山口 泰明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第一五号)

    午前九時二分開議
     ――――◇―――――
#2
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として通商産業省機械情報産業局長太田信一郎君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、金融庁総務企画部長乾文男君、金融庁総務企画部参事官浦西友義君、大蔵大臣官房審議官竹内洋君、厚生省健康政策局研究開発振興課長本間泉君、厚生省医薬安全局企画課長霜鳥一彦君、厚生省社会・援護局長炭谷茂君、運輸省運輸政策局観光部長鷲頭誠君、労働省職業安定局次長青木功君、建設大臣官房総務審議官林桂一君、建設大臣官房審議官尾見博武君、建設大臣官房審議官松野仁君及び建設大臣官房技術審議官佐藤信秋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○古屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。梶山弘志君。
#5
○梶山委員 自由民主党の梶山弘志でございます。今回の法律案に関連して、何点か質問させていただきます。
 近年、我が国においては、インターネットの急速な普及に見られるような情報通信技術の発達に伴い、電子商取引の普及を初めとして、経済社会の急激かつ大幅な変化が進行しているところであります。
 政府におきましても、所信表明演説において総理が、IT革命という歴史的な機会と正面から取り組む決意が必要と述べられ、日本型IT社会の実現を目指すと言われているように、同様の認識を持たれているのではないかと承知しておりますが、まず、この点においての通産大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#6
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 今御指摘のように、総理は今国会の所信表明演説において、我々の目指す日本型IT社会というのは、すべての国民がデジタル情報を基盤として情報、知識を共有し、自由に情報を交換することが可能な社会である、こういうふうに位置づけておられます。私といたしましても全く同様の認識を持っております。
 現在、委員御承知のように、この日本型IT社会の実現に向けたIT戦略本部そしてIT戦略会議が開かれ、検討が進んでおりまして、先日は第五回の戦略会議が行われました。
 そして、そこで、まず超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策、これをきちっとしようということで、五年以内に超高速のアクセス網を引こう、少なくとも三千万世帯が高速インターネット網を、また千万世帯が超高速インターネット網を接続可能な状態にしよう、こういう目標を掲げました。また二番目は、電子商取引等新たな環境整備をしよう、こういうことで、これは二〇〇二年までに電子商取引を阻害する規制の改革、民事、消費者保護等に関する法整備などによってインターネット時代にふさわしい制度整備を行っていこう。三番目は、電子政府の実現をしていこう、これは二〇〇三年までに行政のいろいろなオンライン化、こういうものを達成していこう。四番目は、人材の育成、こういうものをとにかく強化して、IT社会の一日も早い実現を達成していこう。こういうことで、IT戦略会議でも、まず国家戦略の草案が出たところであります。
 恐らく、次回のIT戦略本部、戦略会議の合同会議でこれが取りまとめられることに相なると思いますので、私どもといたしましても、私はIT戦略本部の副本部長でございますから、そういう趣旨で、全力を尽くして頑張ってまいりたい、このように思っております。
#7
○梶山委員 IT革命の現状、進捗状況につきましては、欧米諸国、特にアメリカと比べた場合に、例えばインターネット普及率については、平成十一年においてアメリカの約四〇%に対して日本は約二〇%にとどまるなど、大きな差が生じてしまっているのが現状でございます。我が国は、アジアの中でも決してフロントランナーと言えるような状況ではなく、アメリカとの間ではこのような大きな格差が生じてしまった原因を通産省としてはどのようにお考えになっているのか、また今後どのように対応していくつもりなのか、御意見をお聞きしたいと思います。
#8
○太田政府参考人 お答えいたします。
 私どもは、本年四月から、通産大臣の諮問機関でございます産業構造審議会の情報経済部会というところで、IT全般について御議論をいただいております。その中で当然、我が国のIT革命のおくれとその原因はどこにあるかという御議論もいただいておるわけでございますが、幾つかの御指摘があります。
 一つは、やはりサイバー空間の登場を前提としていない規制が多様な活動を阻害しているのではないかという御指摘。それから、サイバー空間に対応したルールが未整備ではないか。それからさらには、ネットワークサービスの高いユーザーコストということも言われております。そのほか、教育、雇用、金融などの制度の現状がITを活用した新規事業に適していない。もろもろの指摘をいただいております。
 私どもは、こういう指摘を踏まえまして、今後は、現在御審議いただいております高度情報通信ネットワーク社会形成基本法を初めといたしまして、やはり低廉な、高品質なネットワークサービスが提供されるための競争環境の整備、あるいは本日まさに御審議いただいている書面一括法案、さらには電子契約のルールの整備等、もろもろの課題に対して懸命に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
#9
○梶山委員 アメリカとの間で格差が生じてしまった大きな要因としては、従来からさまざまな規制の問題が指摘されていることと思います。
 規制のない分野では、通常私たちがパソコンを通じて商品を購入しているように、民間同士の契約自体はこれまでも電子的手段で行えたわけであります。にもかかわらず、契約する前と契約した後における情報提供義務について、数多くの法律が紙で行うことを強制しているため、民間の取引がゆがめられてしまい、電子的手段で商取引を完結することができなくなっているのが現状でございます。このような古い規制によっていかに商取引が阻害されているか、実際にビジネスを行ってみた者でないとわからないものがあると思います。
 そこで、本法案の取りまとめに当たられた通産大臣は、本書面法案の意義をどのように考えておられるか、御見解をお伺いしたいと思います。
#10
○平沼国務大臣 近年のインターネットの急速な普及に見られるような情報通信技術の発達に伴い、電子商取引の普及を初めとして、我が国経済の急激かつ大幅な変化が進展しております。我が国においては、現在、インターネットの利用人口はまだ全人口の二割強でありますけれども、これが二〇〇五年には六割以上となる、約七千七百万人ぐらいになるだろう、こういう予測であります。
 他方、委員がただいま御指摘になられたとおり、我が国の行政法規においては、いまだに民と民の間の手続の義務づけについて、書面、紙によって行うことを強制しているものが多くありまして、民と民の間の契約自体は電子的手段で行えるにもかかわらず、これらの行政法規が民間のIT化の阻害要因になっているとの指摘もなされています。また、これらの行政法規は、その所管が多くの省庁にまたがっているために、個々の省庁の取り組みではその解決が非常に困難でありまして、個々の省庁ごとに制度改善に取り組んだ場合には、制度が省庁によってばらばらとなる、そういう危険がある。
 そこで、通産省といたしましては、本問題を一気に解決をしなければならない。内閣官房と御相談をし、全省庁に対して行政法規の実態の調査を行ったところであります。その結果として、七省一庁、これは金融庁でありますけれども、一委員会、公取の、関係法律の主務省庁を特定し、これらの省庁に御協力をいただいて、今般御審議をいただく総計五十本の法律を統一的な方針のもとに改正すべく、本書面一括法案を取りまとめさせていただいたところであります。
 私としては、本法律案の成立をいただいた暁には、この法律の円滑な施行に努め、規制によって民間の商取引がゆがめられることのないように、電子商取引の促進に取り組んでまいりたい、このように思っております。
#11
○梶山委員 今お答えいただいたことに関連するのですが、規制緩和をする場合の最大の壁は、省庁間の縦割り行政であります。
 民間におりますと、一つの事業を行う場合でも、通産省だけでなく労働省や厚生省といった数多くの省庁が所管する法律の規制を受けることになります。政府が規制緩和を進めていることは評価するものでありますが、これまで、ともすると、ある省庁では規制緩和をされたのに、他の省庁ではこの件に関して規制緩和をされない、またあるいは、規制緩和をする場合の条件が省庁によって異なるといったばらつきが出ております。
 この省庁間の縦割り打破という観点から、今回の法案について、通産大臣の政治家としての評価と御所見をお伺いしたいと思います。
#12
○平沼国務大臣 委員御指摘のとおり、私も、規制緩和をする場合の大きな壁の一つに縦割り行政があるというふうに考えております。類似の行政法規であるにもかかわらず、所管する省庁が違うだけで規制の仕方が異なるとすれば、民間の自由な取引に不都合な結果を招くことになる。
 今回の書面一括法案についての取りまとめの経緯について御説明をいたしますと、七月十八日、第一回のIT戦略会議・IT戦略本部合同会議が開催され、この場の御意見を踏まえまして、電子商取引促進のための規制改革等の諸制度の総点検、そして見直しを行うことに相なったわけであります。
 通産省としては、内閣官房と協力して、特に民と民との間の書面交付を義務づける規制が電子商取引の発展を阻害しているという認識のもとに、同日付でこのような規制についてリストアップを行わせていただきました。全省庁に対して調査を開始し、この結果については八月三十日の第二回の会議の場で報告をさせていただき、その上で、統一的な基準で規制緩和及び法案作成作業を行うべく作業手引を作成して関係省庁に配付して、通産省と関係省庁の間でやりとりを繰り返しながら今回の法案を作成したところであります。
 通産省としましては、省庁再編により経済産業省として新たなスタートを切るわけですが、その所掌事務の一番目は経済構造改革の推進が掲げられています。これに先駆け、年内には政府で経済構造改革の行動計画を策定いたしますけれども、これからの我が国経済の命運を左右する構造改革について、私は、委員の御指摘を肝に銘じまして、関係省庁と緊密な協力体制をとって、政府一体としてこれに取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。
#13
○梶山委員 これまで書面による交付が義務づけられていたものには、証拠の保全や消費者に冷静な判断を求めるために必要があるなど、それなりの理由があったはずでございます。今回改正対象となった五十本については、そのような配慮が必要でないとの判断のもとに改正が行われたものと理解しております。
 そのような観点から、一つ薬品関係の諸規制を例として、なぜ今回改正の対象としたのかについて、以下詳しい説明を求めたいと思います。
 対象となりました法律を見ますと、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法、毒物及び劇物取締法及び薬事法といった法律が入っております。これら法律の書面の電子化に当たっては、違法な取引を助長しないかを十分考える必要があるかと思います。
 これらの法律においては、薬物の譲り受け人と譲渡人の双方に関して書面の交付義務を課しておりますが、その双方に関して電子化を認めるのかどうか、保健衛生の観点から厚生省に質問をさせていただきます。
#14
○霜鳥政府参考人 お答えします。
 今回のIT一括法の趣旨でございますが、電子商取引が行われる可能性が見込まれ、かつ法改正に支障のないものについて、可能な限り一括して省庁横断的に早急に改正を行うことが望ましいという趣旨を踏まえまして、双方ということではございませんで、毒物、劇物、麻薬等を譲り受ける際に譲り受け人が提出する書面の交付に限り電子的方法によることを認めることとしたものでございます。
 また、その際、麻薬等の譲り受けの際に譲り渡し人が交付する譲渡書につきましては電子的方法によることを認めない、毒薬、劇薬の交付については原則対面によることなど、譲り渡し人が譲り受け人に毒物、劇物を交付する際については従来どおりの取り扱いを維持することとしております。
 また、当該書面の交付を電子的方法によることを認める際には、内容の真正性が確保されること、当該書面に義務づけられております押印等について電子的方法により本人確認が行われること等の条件を満たすことを前提としております。
 したがいまして、今回の改正におきまして譲り受け人から譲り渡し人への当該書面の交付を電子的方法によることを認めることにつきましては、保健衛生上影響を及ぼすものではないと考えております。
#15
○梶山委員 今のお答えで、今回の法律が麻薬等の違法取引を助長しないことは理論的にはよくわかりました。
 許認可を受けていない人の間で違法取引は決して許されるものではありません。時代の変化とともに各種取引の形態も変わっていくことと思いますが、今後とも、違法な取引については万全の体制で摘発をしていただきたいと思っております。この点につきまして、厚生省当局の方針と見解をお伺いいたします。
#16
○霜鳥政府参考人 覚せい剤取締法及び麻薬及び向精神薬取締法におきましては、許認可等を受けた者同士での取引のみを認めておりまして、この法律によっても、正規に許認可等を受けていない者の間で行われる違法な取引を許すものではございません。
 先生御指摘のとおり、厚生省といたしましても、今後とも、麻薬等の違法な取引につきましては、立入検査等を通じての取り締まりを十分強化しつつ、麻薬等の適正な流通を確保していく所存でございます。
#17
○梶山委員 最後の質問とさせていただきます。
 ITは、国境とは無関係に情報を瞬間的に行き来させるものでありますから、IT革命を円滑に推進するためには、国際間で関連する制度の調和、調整を速やかに図っていくことが不可欠であります。この観点から、有害情報の規制の問題、知的所有権の保護の問題なども含め論ずべき点は多数ありますけれども、時間の制約もあり、今回は税制の調和の問題に焦点を絞って政府の認識をお伺いしたいと思います。
 今や、インターネットと国際宅急便とクレジットカードを利用すれば、だれでも海外の業者と直接取引をし、製品を入手することが可能な時代を迎えております。しかし、このような取引が一般的になってくるとすれば、関税や消費税、また印紙税など取引にかかわる税金はどのように捕捉されるのか疑問に感じております。従来の流通経路を利用する消費者のみが税を負担し、IT革命の利益を享受できる者は税負担を免れることができるというような不公平が生じないようにしなければなりません。
 このような税制上の予想される問題点について、政府がどのように認識しており、どのような対策を考えているのかをお聞きし、繰り返しになりますが、IT革命における国際的な視野と制度の調和の重要性を強調して、私の質問を終わらせていただきます。
#18
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 今先生から御指摘がございました、いわゆる電子商取引に対するさまざまな課税のあり方でございますが、国際的にも、御指摘のように、既存の商取引と同様に、いわゆる税の基本原則、公平、中立、簡素の租税原則を適用することとされているところでございます。
 このような観点を踏まえまして、従来から、主要先進国間で税制の議論をするところとされておりますOECDにおきまして、以下のような議論が行われているところでございます。
 すなわち、効率的な税務行政をいかに確保するか、所得課税に係る既存の国際ルールを電子商取引にいかに適用すべきか、クロスボーダーオンライン取引へのいわゆる消費課税等をどうすべきかを中心に、民間からの参加者を求めまして、現在、専門的、技術的な検討が行われているところでございます。
 特に、先般の七月に行われましたサミットの蔵相会合でございますが、ここでも、G7の蔵相から首脳への報告書におきまして、電子商取引の課税問題についてOECDでさらに検討を進めるということが奨励されているところでございます。
 私ども、我が国といたしましても、今後とも、電子商取引の発展状況や実態の把握に十分努めるとともに、OECDにおける議論に積極的に参加していきまして、国際的な議論の方向や成果を注視いたしまして、先ほど申し上げました公平、中立、簡素の租税原則を踏まえまして、電子商取引をめぐる課税の問題について、今後とも十分検討していく必要があると考えておるところでございます。
#19
○梶山委員 ありがとうございました。
#20
○古屋委員長 松本龍君。
#21
○松本(龍)委員 おはようございます。民主党の松本です。
 私は、この法案のいわゆる作業といいますか担当ではなく、きょうはこまがなかったのですけれども、実は同僚からお時間をいただいて、一言、現在の経済状況あるいは社会状況、政治状況等々、申し添えておきたいことがありましたので、質問をさせていただきます。
 この委員会は私も長くおりますが、今までは、この委員会も紳士的に、是は是、非は非として筋を通して運営をされてきたように思っております。昨日の大臣の趣旨説明でも、最後に、何とぞ慎重審議の上というお言葉を使われました。
 私どもの仕事は、まさにこの委員会で慎重に審議をすることが我々の使命であり、法案というものは、これは大事な法案だ、あるいは大したことない法案だという軽重はありません。いずれの法案も、我々の使命であるこの委員会審議を通じて、その内容を充実させる、あるいは明らかにしていくのが使命であるというふうに思います。したがって、時間が担保されて慎重審議をされるのが筋だと思います。
 私ども野党の主張がすべて正しいといった思い上がりは私どもにはありません。しかし、この間の例えば参議院の選挙制度改革、これは民主主義の根幹にかかわることですけれども、たった九時間という審議の中で採決が行われました。この国会、さまざまな委員会を見ておりましても、余りにも短兵急に物を進めているような気がしてなりません。そういう意味では、もっと堂々と腰を据えて審議をやっていただきたい。そして、時間をとって審議をやっていただきたい。このことを、まず冒頭申し添えておきたいというふうに思っております。
 せっかく大臣がお越しですから、一言お尋ねをしますけれども、経済の状況、私、いろいろな中小企業の方々、商店街の方々から話を伺いますけれども、厳しいという声が圧倒的に多くて、どうも政府の発表といささか違う、あるいは大きく違うということがあるのですけれども、経済の状況を今どういうふうにとらえられているか、通産大臣、お答えを願いたいと思います。
#22
○平沼国務大臣 今、我が国の経済の状況というのは、委員が言われたように、まだまだ厳しい状況があると思います。しかし、いろいろ、経済政策等あるいは金融政策も含めて、国民の皆様方の御協力をいただいて、厳しい厳しい、長い長いトンネルだったのですけれども、今その先に明かりが見えてきたかなと。ですから、緩やかな回復基調にあるということは言えると思います。
 しかし、例えば中小企業の倒産件数というのは千五百件を超えるような規模で、まだ厳しい状況にありますし、また、失業率も、五%を超えていたものが四・六に下がりましたけれども、しかし、またそれが四・七ポイントになるというようなことで、完全失業率も依然として厳しいものがあるわけであります。
 我々としては、長い長いトンネルでしたけれども、ようやくほのかな明かりが見えてきた。そういう中で、経済を預かっている通産省といたしましては、この日本のまだまだ厳しい経済状況を安定軌道に乗せるために、特に中小企業、そういった零細な方々、そういったところに焦点を絞りながら、やはりきめ細かな景気対策をしていかなければいけない。
 ですから、私どもも、今の経済というのはまだまだ停滞状況から脱していない、しかし、適切な政策を展開していけば必ず安定的な軌道に乗れる、そういうことで、今我々としては全力を挙げて頑張っているところでございます。
#23
○松本(龍)委員 長いトンネルからほのかな明かりが見えているというふうに言われましたけれども、景気というのも、私は、今大臣がおっしゃったような視点もあるかと思いますけれども、体感温度というのがありますよね。体感景気みたいなのが私にもありまして、どうも、いろいろな方々に会っても、明るさが見えていないというのが実態なんです。
 というのは、例えばこの夏に、自分の近所に遊園地があって、この遊園地は入場料が安いからよく入られるのです。どうですかと聞くと、去年よりも入場者数はふえました、しかし、このしかしが大事なんですけれども、客単価が半分になりましたと。つまり、今まではたくさん物を買ったりしていたのが、隣の子供にも物を買ってやったのが、そういうことをしなくなった、客単価が半分になったというふうに言われました。
 クリーニング屋さんでも、今まで二日に一回出していたワイシャツが三日か四日になる。床屋さんに先週行きましたけれども、今まで二十日で行っていた人は一カ月、一カ月で行っていた人は少し延びてくる。そういった小さな個人消費といいますか、そういう積み重ねが今の景気の落ち込みの実態ではないか。むしろ私は、こういう個人消費の小さな積み重ねが今の落ち込みの原因だということに大きな危機感を抱いています。
 これは何かというと、やはり将来に対する不安だろう。あるいは、我々政治家ですけれども、政治に対する不安や不信などがこの一因になっているのは否めないというふうに思います。我々政治家も、永田町の政局や政争といったものに振り回されないで、やはりこういった体感景気というか、普通の市民の方々の普通の声に耳を傾ける必要があるなというふうに改めて今思っております。
 昨今、モラルハザードということが言われております。しかし、ここ一、二年のいろいろな出来事、事件を見ますと、モラルハザードでは片づけられないものが起きているなというふうに思います。
 というのは、ここはちょっと大事なところですから聞いていただきたいのですが、考古学の研究所の前副理事長が発掘を捏造するという事件がありました。これは今までの事件と違う、自分の仕事、自分の身分、自分の誇りを打ち捨てるような事件でありますよね。例えば、去年のジェー・シー・オーの放射能漏れの事故にしても、あれは、職人はちゃんとしたものをつくらなければならないという基本の基本を全くないがしろにした事件でありました。そして、神奈川県警、去年の秋に事件が起きまして、またことしの春には新潟県警の事件が起きました。管区警察局長と県警本部長が一緒にいながら、九年半ぶりに少女が見つかったのにどちらも動かなかった、こういう事件がありました。雪印の問題にしても、食品管理というのはもう命です、生命線です。それをないがしろにした事件がずっと起こってきています。
 私も政治の世界をいろいろ見てきましたけれども、森総理の北朝鮮の拉致疑惑についての第三国発言がありましたけれども、私は、神の国発言は本人のお考えだから、それほど、選挙中にもほとんど言及はしませんでした。しかし、あの問題は、やはり政治家としての信義といいますか、そういったものに欠けている。
 いわゆる職人かたぎといいますか、さっきも言いましたけれども、自分自身の仕事、自分自身の身分、自分自身の誇りが損なわれるようなことがずっとこの間行われている。そういったハザード、モラルハザードよりもっとひどいハザードが今起きてきて、子供たちの問題、あるいは社会のさまざまな事件に結びついているなというふうに思えて仕方がないのであります。
 そういう意味では、世紀末とはいえ、こういったことをやはりきっちり正していく。私は、ここ二、三年のキーワードは基本だ、基本だというふうにずっと言ってきておりますけれども、やはり戦後頑張ってきた物づくりの基本、職人かたぎをしっかりまた持つ。我々も今この委員会で審議をしておりますけれども、ここが我々の仕事場でありますし、さっきも言ったように、慎重審議をやっていただきたい。あるいは、ここは我々の晴れ舞台ですから、しっかりやっていくのが筋だと思います。
 今まで申し上げたことについてコメントがありましたら、通産大臣、お願いいたします。
#24
○平沼国務大臣 今松本委員のお話を伺って、非常に、モラルハザードというのは日本の各分野で起こっているなと。これは、戦後いわゆる経済大国というのを目指してそれに狂奔した結果、やはり大切なものを忘れてきてしまったんじゃないかな、したがって五十年かかってこういう状況になってきた、こういうことも私はある面で言えると思います。今先生がおっしゃるように、ここで基本、原点に立ち返って、やはり政治家というものが率先をして、そして立て直しを図っていかなければならない。
 先ほど個人消費のお話もされました。確かにGDPの六割強を占める個人消費の低迷ということが経済の明るさが出ていないということにもつながっているわけです。そして、今お話を伺って、例えば貸し渋り対策としていわゆる特別保証制度というものをつくりまして、これは非常に利用していただいたわけですけれども、この中でもモラルハザードが起こっている。こういう現状を考えますと、今松本委員の御意見、私はごもっともだと思っておりますし、我々政治家が力を合わせて、そして本当に基本に立ち返ってやっていかなければならない、こういうふうに思っております。
#25
○松本(龍)委員 今までのモラルハザード、貸し渋り対策のときの信用保証のモラルハザードとはちょっと意を異にする。繰り返しますけれども、職人かたぎといったら難しいのですけれども、我々、ものづくり法を以前の国会でつくりましたけれども、我々も立法府におる、つまり法律をつくる物づくりであります。そういう意味では、そういった原点に立ち返りながら審議をしていきたいな、そういうふうに願うばかりであります。
 さて、書面等の電子化ということで、本法に入りますけれども、私は実はアナログ人間で、携帯電話も持っておりません、使えないからであります。そういう意味では、メリットを受けられる人もいますけれども、私のように、逆に対応できない、あるいは高齢者等も含めて、情報弱者が多く存在していることも事実であります。そういった意味で、十分この方々に対して考慮をする必要があると思いますけれども、この点について御所見をお伺いしたいと思います。
#26
○平沼国務大臣 御指摘のとおり、パソコン等が日常生活において不可欠の手段になってきておりまして、その中で、例えばお年寄りでありますとか、あるいは身体的にハンディキャップを持っておられる方々、こういった方々が情報通信技術を使いこなすのに困難な思いをされている、こういうことは事実あると思います。
 そこで、IT革命の成果を享受できるというのが一部の人だけに限ってはならない、これが基本的な考え方にございます。コンピューターを使いなれていない人や高齢者や障害者でもITを安心して活用できる、こういう環境を整備していくことこそ、私どもは大切なことだと思っています。
 それで、今御審議をいただいております本法律案におきましては、御指摘のような情報弱者の方々にも配慮した結果として、電子的手段を用いる場合に、送り手側が受け手側の承諾を得ることを条件としています。そして、受け手側が電子的な手段を使いたくない、こういう選択をした場合には、それがきちんと尊重される、こういう考え方もしっかりと取り入れているわけであります。
 また、私もそうですけれども、コンピューターにふなれな人が知らないうちに電子的手段で通知を受けていた、そういうことが生じないように、承諾を得る際にも、電子メールやホームページなど、いずれの電子的手段を用いるかや、ファイルへの記録の方式、使用するソフトウエアをはっきりと示して、受け手側の積極的な承諾を得なければならない、こういうことで防備体制をつくっているわけです。
 また、将来については、高齢者や障害者もIT機器を易しく使っていただけるように、通産省としては、高齢者、障害者等が容易に利用できるような情報処理機器の基本仕様、そういったものを盛り込んだ情報処理機器アクセシビリティー指針を本年六月に改訂をしたところであります。
 そして、障害者や高齢者が使いやすいITの普及に一生懸命今頑張っているところでありまして、さらに平成十二年度、これからお願いする補正予算や十三年度概算要求においては、高齢者や障害者が使いやすいITの機器それからシステムの開発、バリアフリー、詳細な見やすいディスプレー、そういった開発をしていこう、こういうことで、それぞれに予算要求をして対応しているところでございます。
#27
○松本(龍)委員 本法案では、送付側、いわゆる送り手が、受け手側の積極的な承諾を得た場合に限り、電子的手段が使えるようになっております。法律の書きぶりで言えば、当該顧客の承諾を得て、当該譲受人あるいは当該利用者の承諾を得てという書きぶりになっておりますけれども、ネットにふなれなユーザーや、会社間の力関係にあって一方的に電子書面を強制されるという事態が発生する可能性もあります。
 そういう意味では、このような観点から、電子書面交付はあくまでも受け取り側が選択をするという法改正の趣旨があるわけでありまして、この趣旨を政令の制定等を通して事業者またユーザー双方に対して周知徹底させることが必要であろうかと思いますけれども、どのような方法で政府は周知徹底をさせるのか、お伺いいたします。
#28
○坂本政務次官 本法案は電子的手段を強制するものではなくて、送り手側と受け手側の両方が合意した場合のみ電子的手段を利用することが許容されるわけであります。そして、この点については、政令において明定することを検討しております。
 すなわち、第一に、送り手は、電子的手段を用いるに当たっては、あらかじめその方法の内容を明示して、受け手の承諾を得なければならない。第二に、その電子的手段の内容の明示に当たっては、電子メール、ファクス等のいずれの手段を用いるか、いずれの記録方式すなわちソフトウエアを用いるかを明示して、承諾を得なければならない。第三に、承諾を得るに当たっては、書面または電子的手段により承諾を得なければならないこととし、口頭での承諾は不可とする。そして、これを広く国民一般に周知することで、本法律の趣旨どおりの運用を徹底していく必要がある、こう考えております。
 周知徹底の方法としては、第一に、各種事業者団体や消費者団体等に対して周知徹底を行います。第二に、全国に四百十二カ所ございますが、消費者の駆け込みセンターとなっております消費生活センターに協力をお願いして、日常の消費者相談の場を通じて消費者に周知徹底を図ってまいります。第三には、パンフレットの配布等々を通じて国民全般への幅広い広報活動を行うといった形でこれを図っていきたい、このように考えております。
    〔委員長退席、青山(丘)委員長代理着席〕
#29
○松本(龍)委員 周知徹底も大事ですけれども、例えば、いろいろなトラブルというか、そういうものがこれから想定されると思うんですよね。ですから、そういったものをやはりシミュレーションしていきながら、あらゆる事態に対応できるようなシステムづくりをやっていただきたいなというふうに、さらに念を押しておきたいというふうに思っております。
 最後に、これは事務方で結構ですけれども、疑問に思った点を一つだけ御質問いたします。
 書面というのは長期保存が可能であります、火事で焼けたりすることもありますけれども。それからまた、電子書面の場合は、機械のトラブルあるいはアクシデントがあって消失してしまうおそれがあります。この場合、電子書面は書面と同等の保存機能が担保されるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#30
○太田政府参考人 お答えいたします。
 電子的手段による記録は、コンピューターに備えられたハードディスクあるいはフロッピーディスクなどの磁気記録媒体に記録されます。コンピューター本体の機器のトラブルやアクシデントによりこの磁気記録が消滅してしまう可能性は、ゼロではございませんが、極めて小さいと考えております。
 また、磁気記録の場合、磁気テープや光記憶ディスクなどにバックアップ記録を保存するのが容易でございまして、このようなバックアップさえしておれば、仮に万一機器のトラブルやアクシデントによってデータが消失した場合でも、情報を復旧することができます。最近では、自動的にバックアップを行うソフトなども市販されております。
 それからさらに、電子的記録による保存のみでなく、受信者側で書面、紙による保存を行うこともできるように、電子的方法により送信を行う際には、受信側が電子的記録を出力することにより、まさにプリントアウトすることにより、書面、紙を作成できる方法をとらなければならないことを省令で義務づけたいと考えております。
 こういうことを考えますと、電子書面の保存性については、今、松本先生の御質問がございましたけれども、書面に比べてまさるとも劣らないというふうに考えておるところでございます。
#31
○松本(龍)委員 ありがとうございました。終わります。
#32
○青山(丘)委員長代理 中山義活君。
#33
○中山(義)委員 民主党の中山義活でございます。おはようございます。
 通産大臣、例のイランの優先交渉権、大変うまくいったと聞いております。これからいよいよ灯油が上がろうかな、これは世界的なことだと思うんですが、石油の動きに世界が大変注目していると思うんですね。
 アメリカがOPECに対してなかなかうまく自分たちの考え、そしてまた自分たちの戦略がうまく通っていかない、こんなところがあると思うんですね。特にイランに対してはアメリカがなかなかうまく交渉できないというところ、そこのすきを突いて日本がイランとの交渉の優先権を得たということは、大変私にとっては、今まで質問した立場で、ああ、大臣が思いどおりやってくれているというので非常に喜んでいるわけです。ぜひ、この報告をまずしていただきたいと思うんです。
    〔青山(丘)委員長代理退席、委員長着席〕
#34
○平沼国務大臣 中山委員から大変御評価をいただいて恐縮に存じているわけでございますけれども、一部新聞等でも報道されておりますが、ハタミ大統領への表敬及びザンギャネ石油大臣との会談において、私から、イラン改革・開放努力に対する支援を表明させていただきました。ザンギャネ石油大臣とは二回にわたって会談をさせていただきました。そして、日イ双方がやはり今後とも二国間関係を強化していく必要性を強調させていただき、それについて合意もすることができました。
 特に、ザンギャネ石油大臣との間では、エネルギー関連分野における両国関係の強化を図っていくという、その共通認識に基づきまして、今御指摘のあった油価の安定、あるいはエネルギー政策協議の推進、そして石油、天然ガス開発への我が国の企業の参加などについて、いろいろ事務方も努力をしてくれまして、合意に至りました。特に、最終段階では、事務方は両国お互いに三日三晩完全徹夜で努力をした、こういうこともございました。
 石油、天然ガスの開発に関する今回の合意については、私は、ポテンシャルの大きい中東地域における石油自主開発プロジェクトの実現は、今先生御指摘のとおり、石油安定供給の観点から非常に重要な問題となり、これは非常によかった、こういうふうに思っています。我が国企業のイランの石油開発事業への参入は、そういう意味では大いに歓迎すべきものだということでございます。
 具体的には、我が国企業がイラン国営石油会社との間で、アザデガン油田という過去最大級の油田があって、これは二本の坑井から試掘をして、そして、少なく見積もっても二百八十億バレルあるということが確認されています。あるいはもっと量がふえる、こういうふうにも見られているわけであります。その最大規模のアザデガン油田、この特定地域の評価及び開発に関して優先的に交渉を開始することで合意ができた。このことは本当に、御指摘のとおり、我が国にとってもいいことだ、こういうふうに私は思っています。
 また、我が国企業とイラン側との間で、今後具体的な契約が締結される、目下その作業が進んでいるところでございます。また、その他の油田への参加についても、適宜情報交換を行って、我が国企業の外国企業との交渉をイラン側が慫慂し支持する、こういうことも合意いたしました。あと、まだ幾つか油田だとかガス田がありますから、そういったところにも外国企業と一緒に参加できる、こういうようなことも合意ができたところであります。
 今後、これらの石油、天然ガス開発事業が早期に実現しまして、我が国エネルギー供給の安定性が高まるとともに、我が国にとって第三位の石油供給国であり、かつ産油国のリーダーであるイランと、世界第二位の石油消費国である日本との関係強化に大いに資することができる、こういうふうに思っております。
#35
○中山(義)委員 石油とともに、特に天然ガスは、クリーンなエネルギーとして大変これから大きな意味を持つと私は思っておりますし、COP3の目標が達成できないというような記事が新聞に躍っておりまして、何か日本が世界で責任を果たしていない、こんな感もするわけでございます。
 そういう面で、優先権を得て、今後どういうふうにやっていくのかはこれからの交渉だと思うんですが、三十億ドルとか、または貿易保険の六百億円とか、お金がもう既に紙面を躍っているわけでございます。私は、また森総理が、この優先権を得るために何かとんでもない約束でもしたんじゃないか、こんな疑念も持つわけでございまして、通産大臣はすごく信頼しているのですけれども、森総理は何となく私は信頼できない、こう思っておりますので、そういう面で、この三十億ドルと、もう一つの貿易保険六百億円、この辺についてちょっと御説明いただきたいと思います。
#36
○平沼国務大臣 御支援をいただいて非常にありがたいことだと思っておりますけれども、まず、貿易保険については、過去からずっといろいろな作業があって、そしてイランとは、御承知のようにいろいろな問題で、そういう貿易保険を付与するというようなことが途絶えておりました。しかし、イラン向けプロジェクトに対する中長期貿易保険の付与について、従来から、プロジェクトにおいてケース・バイ・ケースで審査を行ってきたところでございます。審査の結果、良好な条件があったために、十月末に新たに中長期貿易保険の引き受けに係る内諾を行うことに決定いたしました。
 具体的にどういうことかと申しますと、石油化学プラントプロジェクトの案件が二つございます。それから鉄鋼原料製造プラントプロジェクト案件が一件。計三件でございまして、我が国企業が実施する事業規模の合計は約六百億円、こういうことでございまして、これはやはり従来から石油のいわゆる供給国と消費国、こういう長い関係を保ってきておりまして、そういう形で、今後もそういう関係をきちっと持続していくためには必要な措置である、こういうふうに私は思っております。
 それから、三十億ドルの原油の前払いのことについての御質問でございますけれども、今回のザンギャネ石油大臣との会談においては、イランの石油、天然ガス開発への日本の企業の参加とあわせて、商業ベースでの原油輸入代金の前払いにもそういう形で合意をいたしました。中東依存度の高い我が国においては、現在の油価の高騰等にかんがみ、商社等の原油輸入者が原油輸入代金を前払いして、原油を中期的に安定して確保することを希望しております。政府としても、こうした動きを支援することは重要だという認識で決断をさせていただきました。
 こうした観点から、我が国原油輸入者から構成されるコンソーシアム、共同体が、二〇〇一年に約三千万バレル、現在の油価で約十億ドル、その代金前払いを実施するとともに、その後二年間にわたって同様の措置を講じよう、こういうことを予定しております。こうした商業ベースの取り組みに対して、国際協力銀行は非常に精密な金融判断をしまして、必要な融資を実施することにしている、こういうことで決定を見たところでございます。
#37
○中山(義)委員 六百億円というのは、日本で言えば保証協会みたいなもので、保証するというような意味合いだと今大体わかりました。三十億ドルの方も、政府が出すのじゃなくて、商社や何かが出すのだということも大体わかってまいりました。もう一つ、民間が開発するのを一生懸命政府が支援をしていく、または政府は政府でその外交的な立場でイランとの交渉をしながらバックアップしていく、こういう話もわかりましたが、民間といいますと、開発するのは、私が聞いている範囲では、この間、石油公団という話が出ました。
 この会社は、いわゆる天下り、通産省の皆さんの天下った方がたくさんいるようなところで、半官半民、いわゆる民間企業とは言えない、こう私は思うので、採掘する、または開発する、そしてまた民間の力でというのはちょっと違うのじゃないか。何だか知らないけれども、ちょっとまた、国と石油公団、第三セクター、こういう人たちがやっていて、本当に市場原理が働いていい開発ができるのかどうか不安なんですが、この辺、いかがですか。
#38
○平沼国務大臣 これは民間が主体で行うわけでありますけれども、具体的に言いますと、インドネシア石油、それから石油資源開発といった我が国企業が中心となって、もちろんそこには商社も入ると思いますけれども、イランにおける石油開発事業を実施していくことに相なります。
 石油公団においても、企業が実際の事業に関する契約の締結に至るのを待って、企業からの投融資の申請があった段階で厳格な審査を行わせていただいて、そして投融資による支援を行っていく。
 ですから、あくまでも、インドネシア石油と石油資源開発、あるいはコンソーシアムの商社、そういうものがまず一生懸命交渉して締結をする。その上で、石油公団というものが審査をして、それが投融資するにふさわしいものかどうか、こういうものを決定して行う。こういうことで、私どもも、通産省といたしましても、そこのところは厳密に、そして遺漏なきように期してまいりたいと思っております。
 また、我が国政府においても、イラン側との間でエネルギー政策協議の定期的な開催に合意したことを受け、我が国企業による交渉の進捗状況をフォローアップするなど必要な支援に努めていきたい、こういうふうに思っております。
#39
○中山(義)委員 またちょっと、今までの構造といいますか、半官半民の要するに石油公団が出てきているということで、業者、いわゆる民間企業と石油公団との癒着みたいなものがあったり、またはそれを通して通産省とのまた何か天下り先になっていったり、この三者が自由な競争を妨げるようなこともあり得るのではないか。やはり民間に、本当に競争原理の働いたしっかりした企業がやってもらわないと、非常に後で問題点が出るのじゃないかと思うのですね。
 今まで石油公団のやってきたこと、批判をここへ出せば限りなくあると思うのですよ、私どもは。そういう面では、民間の活力がしっかりそこで生まれてくるようにやっていただかないとよくないと私は思うのですね。
 この間、たしか前のときに御説明されたのは、民間の企業者がやるんだ、政府はバックアップするんだ、こういうことをはっきり言っていただきました。それをしっかりやっていただかないと非常におかしい。そこも厳格にできるだけやってもらいたい。前回のアラ石の問題がわかりにくかったのは、政府がやっているのか、企業がやっているのか、結局は何か最後までわからなかった、こういうことだと思うのですね。
 そういう面では、企業の力を引き出して、やはりエネルギーというものは非常にこれからの産業にとって大きな問題になってきますし、コストの問題としても、できる限り低廉なエネルギーが日本に入ってくる、これは大きな問題です。それからもう一つは、先ほど言いました天然ガスがこれからの新しいエネルギーとして、日本にしっかりパイプをつないでもらうことは大きなことだ、このように思っておりますので、ぜひ、民間の活力を活用しながら、政府がバックアップして、責任の所在を今からはっきりして、将来問題が起きないようにひとつよろしくお願いいたしたいと思います。以上でございます。
 それでは、今回の法律案について質問いたします。
 この間、合同審査といいますか、ほかの所管の皆さんも全部集まっていろいろやりましたけれども、これはある意味では、縦割り行政から、いろいろ一括的に審査をするということで意味があったと思うのですが、片やサイバーテロからITの中抜き現象の失業対策、この辺まで幅広く論議されて、何を論議しているのか、余り幅広過ぎてよく我々もわからなかったのですね。
 インターネットが普及した社会というのはどんな社会なのか、そしてまた新しい商取引というのはどういうことなのか、この辺を想定しながら、通産省としては、今回のこの書面一括法はどういう意味を持つのか、新しい世の中にどういうふうに機能していくのか、これはすごく大切な問題だと思うのですね。IT革命と言うから、サイバーテロの対策はどうするんだとか、それからITによって中抜き現象が起きて、この失業対策をどうするんだというような、私はそういう問題ではないような気がするのですが、新しい社会を想定して何を考えているのか。
 例えば、女性の社会進出によって、いつも家庭にいるわけではありません。夜遅く帰ってきて何か物を買いたいときにインターネットはすごく意味があると思いますし、いろいろな意味で世の中の変化というものに今度の書面一括法がどういう意味をなしているのか、この辺から御説明いただきたいと思います。
#40
○伊藤政務次官 今委員の御指摘がございましたように、やはり私たちとすれば、このIT革命が進展していくことによって、私たちの社会の中で一体何が起き、そしてそれをどうやって私たちの社会の恩恵につなげていくかという議論をしっかりやっていくということが重要であります。そういう意味からも、今、国会で審議をお願いしておりますいわゆるIT基本法というものを成立させて、そして、IT革命の恩恵を幅広くすべての国民の方々が享受できるような社会を具体的につくり上げていくためのこれからの方向性をしっかり確認し、そのための施策の展開をしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
 今御審議をお願いしております書面一括法というのは、いわゆる民間と民間の間で書面の義務づけをしている、これがある意味では電子商取引の進展を大きく阻害していく要因になっております。そうした面を取り除いて、消費者保護に配慮をしながら、電子商取引を安心して行われるようにする、そうしたことを目的として今回の法案の審議をお願いしているということであります。
#41
○中山(義)委員 ですから、私たちも、基本法の中でサイバーテロからいろいろ失業対策までやっていただくのはいいんですが、やはりここで考えなきゃいけないのは、産業という面からいえば、民と民の取引、いわゆる民間の活力をこれによってどう生んでいくのか、ここが一番大切なところだと思うんですね。
 政府に、サイバーテロの防止はどうするんだとか、危機管理はどうするんだとか、そういう、政府ばかりに押しつける、または政府に何かをしろというような問題ではなくて、民間と民間の取引がさらに今までとは違った形態も可能だ、しかも、夜遅く帰ってくる方とか、または小さな事務所で、または自分の家でも何か取引ができるとか、新しい商売ができるとか、そういういろいろな可能性を秘めているわけですね。そういう意味では、民間と民間のルールづくりをしっかりやることが今回一番大きな、重要な問題だと思うんですね。
 いわゆる情報弱者と言われる方には、もちろん書面を要求されれば書面を使うわけですから、問題は、これからの新しい世の中に民間と民間との活力をどうやって引き出すかというところに意味があるわけです。例えばインフラにしても、これは少しでも安く、定額でいえば五千円とか三千円とかというレベルに落としていかなきゃいけないし、これもNTTなんかの問題も絡んでいると思うんですが、そういうものも含めて、民間と民間の力を、または民間と民間の取引を、うんと新しいものをつくり上げていくという観点で考えなければいけないと思うんですが、その辺の視点はどうでしょうか。
#42
○伊藤政務次官 今、中山委員から御指摘がございましたように、一番大切なことは、民間の活力を引き出していくための環境整備をしっかりやっていくということであります。それとあわせて、御指摘がございましたように、ルールについてもしっかりしたものを用意していかなければいけないということであります。
 今回のいわゆるIT基本法の第十八条の中でも、今後電子商取引が進展していく中で、その特質に合わせた新しいルールづくりをしていかなければいけないということを明記してあります。このために、今国会においては今御審議をお願いしております書面一括法、そして次期通常国会においては、内閣においては個人情報の基本法についての法案の策定の作業を今進めておりますし、また通産省におきましては電子契約法制あるいは情報財の取引法制、そして仲介者の責任法制について関係省庁と連携をとりながらその法案の準備作業を今進めている状況でございます。
#43
○中山(義)委員 私は、やはり物を売るという一つの取引の形態にいろいろな形態があるということだと思うんですね。新しい世の中に向かって、このやり方については、今までなかなか物をゆっくり買いに行く時間がなかった人とか、夜遅くまで働いている人とか、いろいろな方がこの恩恵にあずかれるということが一つだと思うんです。
 それで、もう一つは、いつも消費者がいろいろな保護をされて、消費者がいろいろな迷惑があるから消費者サイドに立って物を考えますが、実は生産者にとってもすごくプラスがあると思うんですね。消費者からいろいろな情報をもらって新しいものをつくっていくのが生産者で、やはりニーズというものを的確につかまなきゃ物は売れないわけですから、生産者側から見てこれをどう生かしていくか。
 我々はよく、IT革命というすごい新しい分野で、一方、物をつくる、例えば、うちの地元なんかは、手ぬぐいをつくったり、それもハンドメードでつくったり、そういう方たちが手ぬぐいのデザインとかそういうものについて消費者からいろいろなニーズをもらうわけですね。ある人が、やはりメールを開いたら非常にいいアイデアをもらっている。私の地元にも大変すばらしい手ぬぐい屋さんがいまして、やはり、生産者と消費者、ユーザーとの直接のつながりがすごく大切だと思うんですよ。
 大田区なんかでも、今まで物をつくるというのは、確かに重いものをつくったり大きなものもつくる必要があるので、重厚長大、それをやっている人たちは三Kといって、大変、逆に言えば時代おくれみたいに言われて、それでITというとすごく新しいようなことを言われる。しかし、現実は、物を生産する、物づくりにこそITが生きてしかるべきだと思うんですが、通産省としては、この物づくりとITとの関係はしっかりつかんでおいて、これをどう生かすか。恐らく、ITはあくまでも手段なんですね。ITを目的として考えている人は、これはやはり間違えると思うんですね。あくまでもこれは道具だというふうに考えていただく。
 そういう意味で、生産者、物づくりとITの関係をちょっと御説明いただけるでしょうか。
#44
○伊藤政務次官 今委員から御指摘がございましたように、このIT革命というのは、ある意味では、今御指摘があったように、生産者とそして消費者との関係、コミュニケーションのあり方というものを大きく変えていくことになろうかと思います。その中で、日本が大切にしなければいけない物づくりのあり方というものについても大変大きな影響を与えていくわけでありまして、私どもからしましても、いわゆるITと物づくりの融合化をしっかりやって、そしてIT革命の技術革新というものを物づくりの活性化の中に生かしていかなければいけないというふうに考えております。
 具体的には、物づくりに携わる技能者の方々が保有をする技能やノウハウというものをコンピューターのソフトに転換をしていく、変換をしていく、これを有効に活用できるようにしていこう、そして、各工程をインターネットで一気通貫でつないだ新しい生産システムというものを開発していこう、こういうことを目指したデジタルマイスタープロジェクトというものを推進していきたいということを具体的に考えているところであります。
 このように受注、販売のみならず、生産現場そのものも含めた幅広い分野でIT革命の恩恵というものを付加価値として上げていく、そういう手段というものを積極的に活用して、そして物づくりの国際競争力というものを上げていく、そういう支援というものをしっかりやっていきたいというふうに考えております。
#45
○中山(義)委員 今までですと、問屋さんとか、流通の中でそういう人たちがニーズをしっかり聞いて、こういう商品をつくったらいいんじゃないかと。しかも、そこには間に在庫をするということがあるわけですね。やはり、消費者と生産者が直接結びつくということになりますと、注文を受けてからすぐつくるということだとか、的確にニーズが受けられれば、やはり在庫というものも少なくなってくると思うんですよ。商業形態を考えたときに、では流通業は要らないのかというと、その論議は別個にしまして、やはり生産者と消費者が的確に結びついていく、ここはすごく大きなことだと思うんです。
 もう一つは、今、物づくりの方になかなか後継者がいないということも事実なんですね。そういう面では、コンピューターによってそれを記録しておいて次の世代に伝えていくということもできますし、いろいろな活用の仕方があると思うんですね。
 先ほど、物づくりの中で、いろいろ今政務次官からお話があったようなこともありましたけれども、やはり現状はどうも何か違う論議がしょっちゅうされているんですね。例えば、ソニーのアイボなんというロボット犬がありますね。これを買うときでも、まだまだ本当は面倒くさい作業がある。それは、面倒くさいといいませんが、いわゆる書面の、それによって時間的にすぐ買えないとか、こういう部分があるわけですね。
 私たちは、これからの時代、私の子供なんかでも、全然私なんかよりもそういう方は進んでいるわけですね。やはりキーボードをたたくことが一日の楽しみであるとか趣味であるとか仕事ぐらいに思っておりまして、必ず何かやっております。そうしますと、こういう新しいものに着目して、すぐ買いたいとか、子供たちがすぐいろいろなものにアクセスしたいときに、やはり今の書面交付というものが、逆に言えば新しい時代を阻害している部分があるわけですが、新しい時代に書面というものがこれからどういう形になっていくのか。
 さっきから言っているように、要求すればもちろん書面でもできるんですよということがありますが、これからの先行きとして、今度の法律が新しい時代に向かってどういう絵を描いていくかということについて、もう一度、通産省の立場で大臣からちょっとお話を聞きたいと思います。
#46
○平沼国務大臣 これは、書面の取引、こういうことで、今委員も御指摘のように、あくまでも受け手側が書面を要求した場合には、それが最優先されて書面が残ります。そしてまた、書面というものはどうしても、例えば公証人がつくる公正証書みたいな、遺言状だとかそういうものに関しては書面という形がやはり残っていくと思います。
 ですから、これが起こったからといって、やはり紙というものがなくなるということはないわけでありまして、あくまでもインターネット網が整備されて、そして国民の中に、その利便性を求める、委員が御指摘のように女性や、あるいは昼間働いていて買いたいものがあっても時間的に買えない、そういう方々のニーズ、そういうものが非常に大きくなってきたわけでありまして、そういう意味で、アメリカなんかはもう既にこのインターネットの販売というものが二十兆を超すような大きな規模になってきております。
 ですから、やはり日本でも、今委員が御指摘されたようなそういう利便性と、消費意欲を向上する、あるいは製造業者と消費者が直接結びつく、そういう利点を考えまして、私どもとしてはこの一括法にまとめさせていただきました。私は、この一括法をまとめたということは、七省一庁にまたがるいろいろな問題がございましたけれども、非常に皆さん方が協力をしていただいて、そしてこの五十本の法律改正にまとめられたということは、非常によかったことだと思っています。
 したがいまして、やはり書面として残るものは残っていきますし、また、ちゃんと安全性を担保した形でこういった電子商取引がどんどん進展することも、我が国経済にとっては非常に好ましいことだ。ですから、私どもはこの辺の推進も一生懸命にやらせていただきたい、こういうふうに思っています。
#47
○中山(義)委員 時代の先行きを読んで、この三カ月間で五十本の一括法をこうやってまとめてやったということは、私はすばらしいことだというふうに思っております。
 ですから、この法律も常に、我々が考えれば、立法府ですから、例えば半年で、これは変えなきゃいけないと思ったらやはり即座に変えられるような、そういうシステムをしっかり、もちろん、閣法で出るか、我々の方から議員立法で出るかわかりませんが、どんどん時代が動いていますので、この新しい五十本のものがそのままで固定されるということでは決してないと思います。新しい分野でも、そろそろ、これは今はだめだけれども将来はこういう方法ならできるということも考えながら、この次の法案提出がいつかわかりませんが、本当に、これは三カ月でやったわけですから、また三カ月ぐらいに、この五十本以外、要するに、そろそろこれもできるんじゃないかと。
 例えば、今までもスーパーでは風邪薬は売っちゃいけないとかそういうふうにあったけれども、だんだん規制が緩和されてくる。つまり、ぱっと行って、コンビニで、夜遅いときに、急に体がおかしいんだけれどもといって風邪薬がコンビニで買えるとか、そういうふうに変わっていますね。そういう面では、私どももそういう可能性があるものについては考えなければいけないと思うのですが、薬事法やいろいろな厳しい規制がある中で、本当に緊急に、夜遅く帰ってきて急に発熱したとかなんとかこういうときに、どこで売っているか、またはそういうものが、特にすばらしいビタミン剤だなんだというふうに買えるとか、その辺のことについて厚生省はどういうふうに取り組んでいるんですか。
#48
○霜鳥政府参考人 先生御指摘のように、医薬品につきましては、有効性と副作用というのが不可分であるということで、患者への積極的な情報提供を行うことが肝要だということで、対面による販売を原則としているわけでございます。
 ただ、御指摘のカタログやインターネット等に販売をいたしますにつきましては、安全性の確保のための要件を課した上で、限定された医薬品に限って認めているところでございます。今御指摘いただきました胃腸薬など一定の範囲のものにつきましては、現在、カタログ、インターネット等に販売することを認めているわけでございます。
 ただ、風邪薬につきましては、副作用と疑われる事例の多い薬効分でございまして、過量使用による有害作用の発生とか、ほかの医薬品等との併用による相互作用の発生、あるいは患者の体調等による副作用の発生等の問題もありまして、現在のところ、このような販売を認めるのは困難だというふうに考えております。
 また引き続き検討させていただきます。
#49
○中山(義)委員 医薬品のことですから、専門家の皆さんが考えているんだろうと思いますし、いろいろな意味で、やはりインターネットだとよく説明書を読むことができるわけですね。そういう面では、この分野についてもこれからやはり考えられることができるのかなと思っているので、すぐしてくれというのではなくて、これから何カ月、また半年ぐらいで、どんどんこれは見直しをしていく必要があるのかなと思うのです。
 それから、職業紹介も、何か二十平米の事務所が必要だということを書いてありますが、インターネットこそ私は、これを駆使してどんな職業を得ようかと頑張る人たちは、新しい分野に適合しているかもしれないんですね。だから、インターネットを通して、職業を選ぶとか、または職業を紹介してもらうとか、こういうことはぜひもうちょっと規制緩和ができないのかなと思うのですが、その辺、労働省はどうですか。
#50
○青木政府参考人 インターネットを職業紹介に使うことは、インターネットは大量の情報が非常に上手に出てきますので、非常に有効なものだと思います。
 それから、職業紹介は、もともと対面で御相談をするという観念にとらわれておりまして、実は、今現在もインターネットでやっても法的には問題がないわけでございます。そこで、対面という考え方がございましたので、先生今おっしゃいましたように、事務所の面積だとかそういう規制がございました。そこで、そういったことをインターネットでもできるということを、はっきり関係事業者の方にわかってもらう。それから、専らインターネットを使うときには、そういった事務所の広さの規制などについても別の観点から見直していくということで、早急に検討をして実行できるようにしてまいりたいと思います。
#51
○中山(義)委員 いろいろな規制があるために新しい分野が開けないということがあるのと同時に、やはり職業を選ぶ人がインターネットを使うということは、その人は新しい分野に動かせる可能性のある人だというふうに見ていただいて、それをまた紹介する人たちも余り規制にとらわれないで、それからまた、本当に小さなところでも、または個人でもそういう職業を紹介できるとか、いろいろな制度にした方が可塑性があるのかなと思うのですね。この分野はだめだという限定ではなくて、この分野もできるかもしれないという考え方を常に持っていただきたいと思います。
 それから、例えば古物商の場合なんかも、だめだという視点がここへ出ていますね。その人たちが免許を持っているとかなんだとか、いろいろ提示しなきゃいけないとかとありますが、情報としては、やはりインターネットでそういう情報をもらえば、それからいろいろな動きが出てくると私は思うのです。何か初めからインターネットを通じての古物商の取引は難しいようなことを言われていると、何となく前提がそうなっているとやりにくい感じがするのです。
 こういう古物、そしてまた自分の趣味、こういうものについては、特にインターネットというのはうまく活用するし、また、こういうものが欲しいというものも幅広くインターネットでできるんですが、これはどちらの所管でしょうかね、趣味みたいな古物商みたいな、そういうものも情報を得るために必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
#52
○黒澤政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の中古品、オークションでございますが、現在広く利用されているような個人間取引にオークションの場所を提供するのみの形態のものについては格別、インターネット上で古物取引を行うことを業とする者、業を営もうとする、そういう場合には古物営業法の規制の対象になるものと考えておるわけでございます。
 委員も御案内のとおり、古物営業法でございますけれども、窃盗その他犯罪の防止及び被害の迅速な回復を目的としておりまして、古物取引における相手方の身元確認を行うための重要な方法の一つでございます。
 現状では、電子的方法によりまして現行制度と同程度に確実な身元確認を行う方法が存在しないと考えておりますが、今後、電子認証制度等の推移いかんによりましては、電子的方式による身元確認を採用する余地はあるものと認識をいたしております。
 したがいまして、警察庁といたしましては、今後とも関連業界等の御意見、御要望を伺いますとともに、電子認証制度等の状況を見きわめつつ対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#53
○中山(義)委員 いろいろありがとうございました。
 いろいろな可能性を秘めた今回の論議だというふうに思うんですね。世界の方はどんどん動いていて、OECDや何かはグローバルスタンダードな新しい社会というものを想定しているわけなんで、日本だけがそれに取り残されるわけにいかないわけですね。
 ですから、我々はこれは賛成の立場で、少しでも早く、世界に対応できる、調和のある法案をどんどん審議していく、しかも、ドッグイヤーと言われていますから、これは三カ月または半年ぐらいで見直さなきゃいけないということも出てくるかと思うんですね。訪問販売法でも新しい犯罪がどんどん生まれてきているわけですね、それに対応する規制であるとかまた罰則であるとか、こういうものを考えなきゃいけない。
 そういう面では、私どもも一生懸命新しい時代に向かって頑張っていきますので、通産省の皆さんも、ITがどうやって日本の世の中に活用され、それが民間の活力を生むのか、しっかり頑張っていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#54
○古屋委員長 後藤斎君。
#55
○後藤(斎)委員 民主党の後藤斎でございます。先週に引き続いて、書面一括法について、大臣並びに通産省にお伺いいたします。
 冒頭に、きょうちょうど信用保険月報の十一月号が配られております。その九ページに、「二〇〇〇年上半期の倒産状況とその特徴」というかなりまとまったおもしろい記事が出ております。そして、この中で、倒産件数が戦後四番目、負債額だと戦後二番目、特に小規模企業の倒産が増加というふうに指摘をされております。そして、鳴り物入りでスタートをしました特別保証制度関連倒産が上半期で千七百八十六件発生したというふうな数字が載っております。
 十月十九日の日本再生策なるものの中で、信用保証の枠を現行の五千万から八千万に拡大し、引き続き中小企業者の、金融の貸し渋り等に対応して何とか再生を図りたいというお気持ちはわかるんですが、実際私も地元の方や中小企業の方とお話をしていると、むしろ、猶予期間というか支払い期間を延長してくれた方が実質的に再生の道がもっと明るいものになるという指摘がたくさんございます。
 そんな中で、なぜ今回、補正予算に組み込んでいくと思われるのですが、五千万から八千万ということにとりあえず限定してお打ち出しなさっているのか、まず冒頭お伺いしたいと思います。
#56
○平沼国務大臣 後藤委員御指摘のとおり、中小企業、特に小規模零細企業に対する状況は今なかなか厳しいものがあるわけであります。
 特別保証制度というのは、委員も御承知のように特例の措置として、銀行の貸し渋りが非常に顕著になったときに、九九・七%と言われている日本の経済の基盤を支えている中小零細企業の方々に、やはり特別な措置を講じていかなければならない、こういうことで、最初は二十兆円の規模でスタートし、さらに一年間延長して、特例、異例の措置として来年の三月まで、こういう形であります。現在、この制度というのは、百四十万社を超える中小零細企業の方々が利用していただいて、そして保証の総額も二十四兆円、こういう形で非常に役に立ってきた制度だと思っています。
 したがいまして、今まだこういう厳しい状況の中で、その延長を望む声があるということは承知をしておりますけれども、しかし、これは異例、特例の措置でございまして、そして当初二十万件あった申し込みも今は三万件、こういう形になってまいりましたし、また、この措置を始めるときには、非常に貸し渋りがある、こう言った方々が企業経営者の中で七割を超えるような数字が、今は貸し渋りがあるという気持ちを持って分析をされている方が二〇%を切る、こういうことに相なってきました。
 そこで、依然として厳しい経済情勢に対応するために、この臨時国会で、今御指摘の一般保証を、今まで無担保で五千万円というものを八千万円に引き上げよう、枠を拡大して対応させていただこう、こういうことにいたしました。さらに、例えば取引先が倒産するだとか取引先の金融機関が破綻をするだとか、あるいは天然災害に見舞われた、そういったときには、八千万の倍の一億六千万まで保証させていただこう、こういう形で、やはり正規の形でやらせていただこう、こういう形で我々はこの臨時国会にお願いをしているわけです。
 しかし、中小企業の経営環境は非常にまだ厳しいし、融資実行時点以降さまざまな事情変更も生じることから、通産省としましても、各信用保証協会に対して、個々の中小企業の実情に応じて返済条件の変更など弾力的に対応すべきだ、こういう指導もさせていただきました。したがって、しゃくし定規に、これはだめだということじゃなくて、一生懸命頑張っておられる中小企業者に対してはその返済条件なんかも弾力的に対応をしよう、こういうふうにしております。
 それから、返済条件の変更について、月々の返済金額を減額する方法、あるいは返済期限や据置期間を延長する方法、こういうことも具体的に取り組んでいきなさい。特別保証制度においては、平成十二年八月末において、いろいろ状況をお聞きして、既に三万九千件の条件変更も我々は認めさせていただきました。
 新しい制度に切りかわって、既往の特別保証制度を利用されている方々はどうするんだ、こういう御心配もあると思いますので、既往の債務についても今後も必要に応じて弾力的に対応をしていく、こういうふうにしておりまして、やはり一生懸命業をなしている方々に制度が変更することによって不安のないように、我々としてはきめ細かく対応させていただきたい、こういうふうに思っております。
#57
○後藤(斎)委員 今のようなお話で、できるだけ時代というか環境に合った形で対応なさっていること、大変高く評価をしたいと思いますが、一方で、この信用保証制度、ややもすればブローカーまがいの方が介在をするということは本当に厳に慎んでいただきたい、そういう面も正してもらいたいというのをつけ加えてお話をさせていただきたいと思います。
 そして、確かに金融環境を充実していくということも必要だと思うんですが、特に品目別に一点だけきょうは御指摘をさせていただきますと、繊維が大変厳しい状況になっています。
 金融や例えばITを使っていろいろな企業内努力をし、情報をいろいろとってみても、繊維製品というのが急増し、地場のそれぞれ中核になっている企業体が大変苦況に陥っています。むしろ水際の措置、すなわちセーフガードの発動みたいなものも含めてきちっと国内、国外に目を向けながら対応していただくことも、日本の中小企業がこれから二十一世紀に向けて再生をしていくという大きな役割を担うと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
#58
○平沼国務大臣 確かに、輸入品の急増によって繊維産業が非常に大きなダメージを受けている、このことはよく承知をしております。
 いろいろなケースがございまして、日本の企業が、例えば中国あるいはその他の東南アジアの地域に安い労賃ということを目的として工場を展開して、それが日本に入ってくる、これが地場産業を非常に直撃している、こういうことがございます。
 かつてアメリカでは、やはり日本からの繊維の輸出が急増して大変大きな問題になりました。では、アメリカの現状はどうかというと、アメリカはそれぞれの業者がなかなかいろいろ工夫して、そして独特の商品価値を高めるなど、そういう工夫の中でアメリカの繊維産業というのはかつてに比べて非常に力を持ってきた。
 ですから、我々としては水際でそういった不当なものに対してはやはりきっちりとした形で対処をしていかなきゃいかぬと思っておりますし、また同時に、そういう繊維産業に従事されている方々がある意味では力を持つような、そういう支援もあわせてしていって体質改善を図っていく、こういうことも必要だと思っておりますので、御指摘の面、しっかりと受けとめて取り組ませていただきたい、こういうふうに思います。
#59
○後藤(斎)委員 繊維産業というのは日本の中小企業の一つの典型的な産業だということで、今御指摘をさせていただきました。
 そして、今回の書面一括法という中身の部分に入っていくわけなんですが、実際、経済のIT化がどんどん進んでいるというふうに言われて久しいというよりも、この数カ月わんわんそういう話が出ています。ただ、このIT化というときに、きょうも何人かの委員の方からも御指摘があったように、情報格差をどうしていくのかという点がございます。
 もともと、中小企業がベンチャーとなってそれぞれ新しい産業の担い手になっていくんだということが言われてきましたけれども、結局なかなかしっかり育っていかないという点もあると思います。むしろ、大企業と中小企業の格差がIT化によって進展をしているような感もございます。これは、資金であるとか人材であるとかそういう経営資源の問題がもちろんあると思いますけれども、先ほどの金融の、信用保証制度の枠組みをもう一度時代に合った形に見直す、中小企業をできるだけ支援していこうというお気持ちも意欲もよくわかるんですが、実際中小企業のIT化をこれからも進めていく中で、むしろ、今度は中小企業のベンチャーを目指すような方とそうでない本当に零細的な方、若い方もなかなか後継ぎがいないというところの格差が非常に広がってくるというふうなことも考えられます。
 通産省では、今の中小企業のIT化の現状をどう見て、これからどんな対応をなさっていくのか、御質問をしたいと思います。
#60
○伊藤政務次官 今委員から御指摘がございましたように、日本の経済というものを本格的な回復軌道に乗せていくためには、経済の担い手である中小企業の活性化というものが不可欠だというふうに思っております。その中で、中小企業者がこのIT革命というものを積極的にとらまえて、その対応をしていくことによって新たなビジネスチャンスをつかんでいく、そういう環境を整備していかなければいけませんし、一方で、デジタルディバイドと言われる、中小企業者がなかなかIT化の流れについていけない、そうならないようにしっかりとした対応策をやっていかなければいけないというふうに考えているところであります。
 そうした認識のもとに、私ども中小企業庁といたしましては、これから御審議をお願いします補正予算あるいは来年度の概算要求の中で、ITに関する中小企業向けのセミナーや研修の支援、あるいは先ほどもお話をさせていただいた物づくりとITを融合化させていく。あるいは、今商店街の中でも積極的にITというものを活用していこうという動きが見られますから、そういうものを支援していく施策。さらには、各中小企業者が個々にITというものを導入していくに当たって、その資金やあるいは情報というものを経営資源の中にしっかり確保できるような、そういう施策を講じるように、今概算要求の中でお願いをしているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、多くの中小企業者がこのIT革命に円滑に対応できるように、しっかりとした対応をしていきたいと考えております。
#61
○後藤(斎)委員 今のお答えの中で、確かにいろいろなセミナーや研修会をすることも一つの大きな役割だと思うんですが、ただ、実際に、先ほども御指摘をしたように、おじいちゃんおばあちゃんのやっている商店であるとか、そしてなかなか若手の経営者の方も後を継いでくれないというところについては、まさにもうあとは何年かたって廃業をするのを待つというふうなお気持ちになっておる方もいると思うんです。
 逆に言えば、ハードの部分で、うまくソフトも利活用し、もっともっと使いやすい機種ないし高齢者の方でも使えるような、まだまだ簡単になったといっても使い勝手が大変悪いし、今次官お答えになられたように、もっと経営に資するんだという視点を、本当にどこまで理解をしていただく、そのベースづくりを、もっとすそ野を広くしていくかということもやはり考えていかないとならないと思うんです。
 むしろ中小はまだ今次官が御指摘になられたような形で対応できると思うんです。では、零細商店のような方、零細企業のような方が、IT革命と言われるその本質ないしそれをツールとしてどういうふうに使っていくのかという、その現実の問題はどういうふうにお考えになっておるのか、もう一度お答えを願いたいと思うんです。
#62
○伊藤政務次官 私も零細な商店を経営しておりましたので、今委員が御指摘をされたように、こうしたパパママショップあるいは高齢の商店主にとって、IT革命にしっかり対応していくことが大変だということは十分認識をしております。したがって、何かIT機器を導入すれば明るい未来が開ける、何か機材を売るためのそういう支援をしていくということではなくて、このIT革命というものを積極的に活用していけばどういう形でみずからの経営というものを改革し、そして新しいビジネスチャンスをつかむことができるのか、具体的な成功事例というものを個々の経営者にわかりやすく理解しやすいような形で研修を展開していく、セミナーをやっていくというようなことが重要だというふうに思っております。
 またさらに、今、NPOの団体として、ITのアドバイザー、そういう方々をたくさんふやしていこう、当面千人以上の方々をつくっていこう、こういう動きも見られております。
 こうしたNPOのいろいろな動きというものも私どもは積極的に支援をして、そして、それぞれの地域の中でも、IT革命について自分たちの経営の中でどう生かせるのか、そういう相談に乗れるような拠点整備もしっかりやっていかなければいけない、そういう認識で対応をしていきたいというふうに思っております。
#63
○後藤(斎)委員 今の政務次官のお話はよく理解できます。
 そして、もう一点、ハードの部分にも関係をするんですが、実際、私もそれに近い部分がありますけれども、パソコンを買いました、じゃ、つなげたときに、立ち上げるのはやはり一〇〇%自分自身ではできない部分がもちろんございます。これは、先ほどお話をしました、御指摘をしました零細の高齢者の商店主の方は、多分もっとそうだと思うんです。業者の方に連絡をしても、なかなか、一週間か二週間待ってくださいということも現実の問題としてございます。
 ソフトの部分ももちろんですが、これはツールとしてどのように利活用すれば経営が伸びていく、これから時代に立ちおくれないということも結構です、これはやってもらわなきゃもちろん困るんですが、もっとハードの部分で、接続ができないとかそういうときの環境、民間がやっている部分ももちろんありますけれども、これは自治体ないし商店街がその主体になって、どの程度できるかということは別なんですが、官民がその部分も一体になって、できるだけハード、ソフト両面から零細中小の方を支援いただけるような体制づくりもぜひともお願いしたいと思います。
 次に移りたいと思います。
 今回の書面一括法で、中小企業の協同組合法や商工会法などがこの中に盛り込まれております。そして、その法律においては、議決権や選挙権の行使について、電子化、ITを使ったものを認めております。この法改正で組合や中小企業にどんなメリットが出てきて、逆に言えばデメリットは全然発生しないのか、その点についてお伺いをいたします。
#64
○伊藤政務次官 まず、書面を交付することを義務づけられている送り手側の事業者にとりましては、受け手側の同意を条件に電子的手段を利用することが可能になることから、これまで書面の交付のために要していた費用や時間、手間というものを削減することができます。これは零細中小企業者にとっては特にメリットが大きいのではないかというふうに思います。
 また、書面の交付を受けていた事業者やそして消費者にとっては、電子メールあるいはホームページを利用できた方が、迅速に、かつ自分に便利な場所と時間に送り手からの連絡を受けることができるというメリットが生じるわけであります。これは、日々の仕事に追われる中小企業者にとっては極めて大きいメリットがあるのではないかというふうに思います。
 さらに、今回の法律案においては、中小企業等協同組合法、商工会議所法、中小企業団体の組織に関する法律、商工会法といった法律を改正しており、定款で定めた場合には、総会での議決権等の行使の際、電子的手段を利用した手続を認めることとしておりまして、これによりまして、郵便で書面をやりとりする場合に比べて、組合といった組織においても、運営の省力化、業務効率化、そしてコストの削減を実現することができるということではないかというふうに思います。
#65
○後藤(斎)委員 もう一点、これは中小企業に関連をして具体的な法律に基づいてお話をしたいんですが、下請代金支払遅延防止法についても今回の一括法の中に改正が盛り込まれております。
 この下請取引というのは、先ほどの大企業と中小企業の問題ではありませんが、下請業者が望んでいる部分がこのIT化という流れで書面でなくてもいいというふうになっていくのか、それとも、いや下請というのはあくまでも親会社の言うことを聞いていくということになっていくのか。やはり、下請に過度なプレッシャーみたいなものがかかるようなことであってはならないと思っています。
 現状について、この下請取引に、実際、この電子商取引というのがどんなシェアになって、そして今回の法律改正でどのような政策的効果があらわれていくのか、お伺いしたいと思います。
#66
○伊藤政務次官 今御指摘がございましたように、下請に対しては関係の二法というものがございます。いわゆる系列の中での下請の方々が、この電子商取引において何か強制的な形で押しつけられるということがあってはならない。そういう意味では、その点について、私どもとしても、しっかりとした状況の把握というものをしていかなければいけないというふうに思っております。
 ただ、一方で、このIT化が進むことによって、個人も、系列を持つ大企業も、そして零細の中小企業も、ある意味ではフラットになっていく。同じ立場になっていきますから、そういう意味では、ダイレクトに、自分が欲する消費者に、あるいはこれからこういう形でビジネスを展開していきたいという相手方にアプローチをして、新たな需要、新たなビジネスというものを掘り起こしていくこともできるわけであります。
 そうしたプラス面もやはり積極的に支援をしていくということも考えながら、こうした問題について適切に対処していかなければいけないというふうに考えております。
#67
○後藤(斎)委員 今回の一括法にかかわる法律、全部で五十本あるということで、この五十本の法律を、書面だけではなく電子的手段を容認していくという趣旨なんですが、実際、よく規制緩和の中でも指摘をされるように、政省令の中でも、法律行為ではなくて、今、書面交付義務を課しているものが幾つかか、どの程度かわかりませんが、あると思います。
 その点につきまして、これから政省令の改正も含めて対応していかなきゃいけないと思うんですが、その辺のおよその数字がもしわかれば、大体政省令がどのくらいあるのか。わからなければ、その点につきましては、今後の手続等、万全を期して対応していただけるようにお願いをしながら、大臣ないし政務次官にお願いします。
#68
○平沼国務大臣 御指摘のとおり、民間における書面の交付あるいは書面による手続を義務づけている規制、そういうものは、法律に限りませんで、政令、省令もございます。ただ、数というのが今正確には把握できておりませんけれども、また後でお知らせできると思いますが、かなりあります。
 電子商取引の妨げとなり得る点については、やはり政令、省令、私は何ら変わるところがないと思っておりますので、本法律は、御審議をいただいて可決をしていただきますと、来年の四月一日から施行させていただこう、こういうふうに思っております。やはり、政令に関しましては、この本法律と同じように一括政令という形で、時期を合わせて同時に行えるようにしていきたいと思っております。
 また、省令については、御承知のように、これはちょっと技術的に一括、こういう形にはなかなかいかないと思います。したがいまして、内閣官房ともよく連携をとりまして、関係省庁に対して、できるだけ同時期に同様の基準で制度改正を行う、こういうことを私どもはやらせていただきたい、こういうふうに思っております。
#69
○後藤(斎)委員 ちょっと細かな御質問になりますが、今日本がインターネットでまだアメリカやヨーロッパ諸国、アジアの一部の国にもおくれているという中で、携帯電話というのが、現時点では世界に一番誇れるIT化の一つの成果だというふうに思います。
 今回の法律案の中では、実需がある場合はiモード等携帯電話を使ったものも認めているというふうにございますが、この例示にもありますように、現時点で対応が可能になっているのが旅行契約、旅行業法のものだけだというふうにお伺いをしております。たまたまきょう、中小公庫のマンスリーレポートの中に、インターネットユーザーをこれから利活用したいという中で、旅行関係は確かに多いのですが、法律規制の中にかぶっていないので対応が難しいと思いますが、仮にこれから実需が発生した場合はどんな手続で実際に書面の交付が義務づけられなくてやるのか、局長にお答えをいただきます。
#70
○太田政府参考人 お答えいたします。
 本法律案で認められる電子的手段につきましては、その詳細は府省令で規定することとしておりまして、具体的には、メール、ホームページあるいはCD―ROM、フロッピーディスクの手交、手渡しを共通的に定めることとしております。さらに今、後藤先生が言われたように、実需がある場合には携帯端末も追加することとしました。
 携帯端末、iモードほかにつきまして、当初は旅行業法のみを想定していますが、将来的には、商慣行の変化あるいは消費者の購買行動の変化等によって、追加も十分あり得ると考えております。そのときには、それぞれの法律の省令を改正して追加をしていくということになると思っております。
#71
○後藤(斎)委員 今回の書面交付一括法の改正、もちろんIT、インターネットを使っていろいろな利用者の方、関係者の方に周知徹底をなさると思いますが、ぜひとも、この改正をした、要するに阻害要因を外すという所期の目的の達成をぜひ十二分にしていただくのが一点。
 もう一点は、先ほどもお話しをしたように、ぜひとも中小企業の方々、特に零細の方も含めたところに対して、ハード、ソフトも含めた政策を、もちろん限られた予算になると思いますけれども、これから十二分に対応していただけるようにお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#72
○古屋委員長 鈴木康友君。
#73
○鈴木(康)委員 民主党の鈴木康友でございます。よろしくお願いいたします。
 この書面一括法ですけれども、これは規制緩和を大きく促進し、民民取引というのを合理化、活性化させる大きな意義を持っていると私は思います。
 ただ、一方で、今回五十本の法律にわたって影響が出るということでございますけれども、当然、国民生活に与える影響というのも大きなわけでありまして、その法律の趣旨あるいは中身を周知徹底させるということが今回一番重要なことではないかと思うのです。
 先ほど松本先生からその点の御指摘がございました。私は、特に電子的な手段になれていない方、ほとんどの方が実際にそうだと思うのですけれども、こういう人たちにどう周知徹底をさせるかという点について、再度御質問をしたいと思います。
#74
○平沼国務大臣 鈴木委員御指摘のとおり、非常にこれは私どもも重要な、大切なことだ、こういうふうに思わせていただいています。
 本法律案は、送付側が受け手側の承諾を得た場合にのみ電子的手段を利用することを認める、こういうふうになっておりまして、この点につきましては、御指摘のとおり、一般ユーザーに十分理解していただくことが非常に重要だと考えており、通産省といたしましては、次のように国民に対する周知徹底活動を行いたい、こういうふうに思っています。
 第一は、事業者団体、具体的には経団連でございますとか商工会、商工会議所、中小企業団体中央会といった団体に御協力をお願いして、傘下の事業者に対して本法律の周知徹底を図っていきたいと思っています。
 二番目には、主婦連合会、日本消費者協会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会といった各種消費者団体に対しても周知徹底を行い、そしてさらにその周知徹底を広めていただく、そういうことをしていきたいと思っています。
 また、三番目といたしましては、全国に四百十二カ所ある消費生活センター、ここに御協力をお願いいたしまして、日常の消費者相談の場を通じて消費者に本法律の周知徹底を図っていきたいと思っております。
 また、四番目には、パンフレット等を用意いたしまして、この配布等を通じて国民全般への幅広い広報活動を行うことや、ITでございますから、当然のことながら内閣や通産省のホームページにしっかりとその内容を記載して広報をいたしていきたいと思っています。
 通産省といたしましては、以上のようなさまざまな機会を通じて積極的に情報提供を図り、本法律の施行によって不利益を一般の方々がこうむらないように、そういう体制づくりに全力を傾注していきたい、こういうふうに思っています。
#75
○鈴木(康)委員 この周知徹底に関しては、なかなか一朝一夕ではできないと思いますので、これはやはりある程度時間をかけてきめ細かく行っていく必要があると思いますので、その点をぜひよろしくお願いしたいと思います。
 今の点にもかかわってくるのですけれども、現実の取引を見ると、電子的手段が一般化するまでの期間というのは、それになれていない消費者や立場の弱い取引業者の人なんかは不利益をこうむるケースが出てくるのではないかと思うわけであります。
 例えば、今回、受け手が受諾をすれば電子的手段を使ってもいいということでありますけれども、逆に、そういう趣旨が曲げられて、書面交付を要求しなければ自動的に電子的手段がとられるとか、あるいは電子的手段をとった場合は手数料を無料にするけれども、書面交付をする場合には手数料を課しますよといったようなケースが出てきて、そういう差別で実質的に電子的な手段を選択させるように誘導するようなケースというものが考えられてくるわけであります。こうした法律の趣旨をゆがめるような事態が起こってくる場合の対処について、御所見をお伺いしたいと思います。
#76
○伊藤政務次官 こうした電子的な手段にふなれな人たちに、今具体的にお話がございましたように、不利益が生じないように万全な準備をしていかなければいけないというふうに思っております。特に、今回の法律の中では、その承諾については、電子的な手段にふなれな人が知らないうちに電子的手段で一方的に通知され、承諾したことにならないように、いずれの電子的手段を用いるのか、あるいはファイルへの記録の方式、使用するソフトウエアというものを明示して、そして受け手側の方々が積極的に承諾の必要というものを明らかにするということになっております。
 加えて、承諾を得るに当たっては、書面または電子的手段により承諾を得なければならないこととして、口頭での承諾は不可とするということにしておりますので、これらの承諾の方式を満たしていない場合には書面を交付したものとはみなさないということになり、従来どおり書面による手続が必要ということになっております。
#77
○鈴木(康)委員 そうした法律の文言というか、規制の内容というのは、この前の訪販法でもそうですけれども、実際そういうものをかいくぐっていろいろな業者が逸脱した行為をするというのが大体現実のケースでございますので、これはやはり厳しくチェックをしていただきたいと思います。当然、新たな試みでございますので、そういうトラブルというものが多く発生をしてくるというふうに考えられますので、その点ぜひよろしくお願いします。
 さて次に、今回の規制緩和の恩恵を受けるであろうと思われる個別業種として、旅行業と建設業について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、旅行業に関して運輸省の方にお伺いをいたしたいと思います。
 インターネットユーザー調査によりますと、今後インターネットを使って利用したいサービスとして、ホテルなどの予約、あるいは航空、鉄道の乗車券の購入など、旅行関係のサービスというものに対して非常にニーズが高くなっていると思われます。
 また、通産省とアンダーセンの調査によりますと、我が国における電子商取引の市場規模が平成十一年で三千三百六十億円。このうち旅行の割合が七%、二百三十五億円でしたが、今後五年間で急成長が予想される。平成十六年には今の規模の二十倍、いわゆる電子商取引の市場規模が六兆六千億まで増加をすると予想されますし、その中でも旅行取引が一兆二千億、平成十一年の五十一倍、そして割合でも七%から一八%まで拡大をするというふうに予測されているわけであります。このように、今後、この旅行分野における電子商取引というものは極めて有望であるというふうに思われます。
 そこで、まず、こうした予測を踏まえて、今、旅行の業者さんの意識変化と消費者の購買行動の変化について、運輸省の方に実態と御認識をお伺いしたいと思います。
#78
○鷲頭政府参考人 お答えいたします。
 現在、インターネットによる旅行取引を行っております旅行会社の数は、正確にはちょっと把握できておりませんが、ホームページを開設するなどいたしまして旅行取引の何らかの段階でインターネットを利用している旅行会社というのは八百五十社ほどございまして、さらに増加する傾向にございます。
 ただいま先生御指摘いただきましたとおり、通信白書によりますと、ユーザー調査で、今後インターネットで取引したい商品のトップが旅行ということで挙げられておりますし、また、電子商取引推進協議会など民間の調査によりますと、二〇〇四年にはインターネットの取引が一兆二千億円、旅行に関して言いますと五十倍以上に伸びまして、シェアも電子商取引全体のうちの一八%を占めるまでになる、こういうふうに予測がされております。
 旅行業界全体といたしましては、今回の旅行業法の改正を期待を持って受けとめているという感じでございます。
#79
○鈴木(康)委員 全体の御認識はわかりました。
 今回の書面交付の規制緩和というのは、特に旅行業、今まで煩雑な書面のやりとり等ありまして、そういう意味からいくと追い風になると思いますが、具体的にどのような書面が電子的手段を導入できるようになるのか、そして、それによって消費者にどういうメリットが生じるのかについて次にお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
#80
○鷲頭政府参考人 お答えいたします。
 現在、旅行取引に関してはインターネットが利用されておりますけれども、書面の交付というものがそのプロセスの間に入ってまいりまして、現在では、予約までをインターネットでやるか、あるいはその先に進む場合には事前に書面の郵送あるいはプリントアウトというプロセスが必要となっているということでございます。
 法改正後は、消費者と旅行業者の間で事前に同意がなされれば、書面の郵送またはプリントアウトにかえて電子的手段により書面を送付することが可能になりまして、そういう意味では、書面のやりとりというのがなくなるという意味で、消費者にとっても、現在家庭用プリンターでプリントアウトしますと十五分程度時間がかかるわけですが、そういう手間を省くことができまして、そういう意味で利便性が向上するというふうに考えております。
 さらに、旅行取引につきましては、先ほどもお話ございましたが、携帯電話の活用に対する期待が大変高いわけでございますが、現在のところ、法律上、書面交付の義務があるために、携帯電話ではプリントアウトができませんので旅行契約の締結ができないという状況でございますが、法改正によりまして携帯電話だけでも旅行契約が締結できることになるというようなメリットもございます。
#81
○鈴木(康)委員 今の御答弁の中にもありました、いわゆる電子的な手段のうちでもiモードなんかの携帯端末の利用というのが特に旅行の分野で特徴的だと思うんですね。今回の法改正によって電子的手段の中でiモードがまず利用される唯一の業種が旅行業だと思うんですね。その辺の利便性の拡大についてもう一度お伺いしたいのと、一方で、非常に簡便な機器によって取引が可能になってくると、非常に安易になってまいりまして、取引上のトラブルというものも発生をしてくる懸念もされるわけですけれども、その辺の、iモードなんかの携帯端末の功罪というものについての御見解をお伺いしたいと思うんです。
#82
○鷲頭政府参考人 まず、iモードの需要の動向でございますが、NTTドコモ社のiモードのユーザーというのは本年九月で一千二百万人を超えておりまして、加入者が一日平均四万人から五万人というオーダーで増加していると言われております。そういう意味で、その拡大のスピードは予想を上回るペースとなっております。これに伴いましてiモードの対応サイトも急激に増加しておりまして、旅行関係サイトも同じようにふえてきております。
 今回、旅行業法の改正によりまして携帯端末でも旅行契約が締結できるということになりますと、宿泊や航空券の手配を中心に携帯端末による旅行取引というものが大幅に拡大していくというふうに予想されております。
 それから、トラブル防止という観点に関してでございますが、旅行業協会がことしの六月に、消費者保護の観点から、インターネットを利用した旅行取引に関するガイドラインというものを制定いたしまして、ガイドラインの基準に適合する優良サイトに対しましては、いわゆるマル適マークに当たりますe―TBTマークというものを旅行業協会が交付するという制度を創設いたしました。
 このマークは、インターネットを利用して旅行商品の予約、販売を行う場合に、当該ホームページ上でも登録を受けた旅行会社であることとか、あるいは消費者保護に関する事項の掲示など旅行業法を遵守しているといったこと、あるいはセキュリティー対策が講じられていること、個人情報の保護が適切に図られていることをチェックいたしまして交付をしております。
 このガイドラインをベースにいたしまして、今回の法改正にあわせて再度その審査基準の見直しを行いまして、インターネット取引ができるように当該マークの交付を行うとともに、消費者側にも当該マークの周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#83
○鈴木(康)委員 今くしくも御答弁いただきました業者さんの問題でありますけれども、特に旅行業の場合、非常に大手の会社から零細までいろいろ乱立をしていて、旅行代金を支払ったけれども旅行に行くまでに会社が倒産してしまったなんというケースがあるわけであります。
 今後、今おっしゃったように電子的な手段というものが増大するとトラブルが多くなる、そういう中でマル適マークというものを導入されたということでありますが、この審査基準を今見直されるというお話がございましたけれども、この審査基準についてお伺いをしたいと思います。どういう審査基準でマル適マークを発行しているのか、あるいは、今後その見直しをするというのはどの点を見直しをされるのかという点についてお伺いしたいと思います。
#84
○鷲頭政府参考人 お答えいたします。
 現在のガイドラインでの方法でマル適マークを発行します際の審査基準といたしましては、関係法令をちゃんと遵守していること、あるいはセキュリティーがちゃんとなされていること、あるいは個人情報が外に漏れないように会社の中の組織体制がちゃんとなっていることといったようなことがございますが、その審査基準の中に、現在は書面交付が必要ですので、そういうインターネットでのやりとりがある段階でちゃんとプリントアウトを利用者さんにさせるか、あるいは書面を交付するかということが書かれているわけでございます。
 そこの部分が今回法改正で書面が要らなくなりますので、その部分を、事前の旅行者の承諾がある場合には電子的手段で送信することができるといったような改正をいたしまして、マル適マークを発行するということになると思います。
#85
○鈴木(康)委員 今の基準の中に、いわゆる業者さんの経営内容というものが入っていなかったように思います。実際、問題になってくるのは、その業者さんが本当に信用できる業者かどうかという、その内容をどう担保するかという部分だと思うんですけれども、その点を審査基準に設けないのかどうかという点について再度お伺いをしたいと思います。
#86
○鷲頭政府参考人 お答えいたします。
 今のガイドラインの前提に、この事業者が旅行業法の登録を受けていることということが関係法令の遵守の中に入っておるわけですが、その旅行業法の登録を受けているという事実をチェックいたします。登録を受けている場合には、その旅行業者がちゃんとした業者である、したがって登録を受けているということですので、そういう意味では旅行業法の登録を受けている適切な業者であるという事実をまず第一にチェックするということでございます。それは現在でもやられております。
#87
○鈴木(康)委員 詳しく調査をしたわけではございませんので、軽々には物を申せないかもしれませんが、倒産企業なんかを見ると、かなり大手の企業もあったりしまして、当然旅行業法の登録を受けているであろうような業者さんも含まれているということもございますので、その辺のチェック体制、今後ますます厳しく行っていただきたいと思います。
 さて次に、建設省の方にお伺いをしたいと思います。
 今回の一括法では、建設業法を初めとしまして、建設業関連で六本が民民取引の改正対象になっているわけでありますけれども、かなり多くあるわけでありますが、この改正によって今後どのような効果が期待されるのか、まずその点について御所見をお伺いしたいと思います。
#88
○林政府参考人 お答えいたします。
 今回の法律につきまして、建設省関係では、先ほど御指摘もありました六本の法律の改正ということで対応しておりますが、それらにつきまして、やはり一番効果ということを考えたときには建設業法の改正、請負契約の関係が非常に大きな効果を持つものではないかなというふうに考えてございます。
 建設工事の書面による請負契約、これは確実な数字、統計的な数字はないんですが、推計でございますけれども、一年間で全国で三百万から五百万件程度の契約があるというふうに私ども推計しております。この法案が成立することによって直ちにすべての契約が電子的な手法になるということではございませんけれども、考えられますのは、この三百から五百万件のうちの大部分、八割近くは企業間の取引ということでございます。
 したがって、そういう意味では、企業の規模とか、あるいは経営形態によって多少の差は出てくるであろうとは思いますけれども、この分野については、前提としては相当可能性が高いというふうに考えているところでございまして、こういったところを中心に将来的に相当数の取引が電子的な方法によって行われるものというふうに期待しているところでございます。
 こういうことによりまして、当然のことでございますが、書面の場合に比べて、労力あるいは経費の節減、軽減、手続に要する時間の短縮というふうな効果がございますから、そういう意味で建設工事のコスト縮減ということに資するのではないかということがございます。
 そういった直接的な影響のほかに、さらに、このような電子的な取引が進むことによりまして、契約の分野のみならず、幅の広い、建設、不動産分野のIT化の促進というような意味での環境整備ということでかなり効果が期待できるということ。さらに言えば、そういうようなものを通じて、これらの業界の透明性、競争性ということが一層高まるということによります建設業関係の構造改善というようなことの効果も期待できる。
 それがどの程度数字的に把握できているというわけでもございませんけれども、件数的に申し上げれば、そういうようないろいろな効果があるだろうというふうに期待しているところでございます。
#89
○鈴木(康)委員 今、総論としてはよくわかりました。確かに、一番、合理化、透明化ということから遠い分野だと思うんですけれども、特に公共事業で合理化あるいは透明化というのが今非常に大きな国民的課題になっているというのは周知のとおりであります。私どもの建設委員会でも今大きなテーマとしてそれをやっているわけですけれども、失礼ながら、この一番おくれていて泥臭い分野こそ、ITというのが今後強力な武器になると思うんですね。
 特に入札の透明性あるいは公平性の確保のために、公共事業の電子入札システムの導入というのは、私は急務の課題だと思うんですけれども、建設省で今御検討中のこのシステムの内容と導入スケジュール等についてお伺いをしたいと思います。
#90
○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、建設省としましては、公共工事の入札契約について、電子入札という形でのシステム開発と標準化を進めてきております。
 直轄工事につきましては、今年度中にシステムの整備は大体終えたい。来年の十月を目途に本格的な実行といいますか、百件ほど来年度中に考えたいと思っております。建設省の入札契約、直轄工事で大体二万件弱ございます。そのうちの百件ぐらいを対象にしまして、実際の施行といいますか、やってみたい、こんなふうな目標を立てております。そして、平成十六年度、二〇〇四年度には、建設省直轄の入札契約につきましてはすべて電子入札による。代表的には、御存じのようにたくさんの図面や多くの手続がございますから、そうした部分を書面によらずにインターネット等の利用によって電子的に行う、こんなことをやっておるところでございます。
 ただ問題は、直轄工事といいますか、建設省としてはそういうふうに進めてまいりたいと思っておりますが、公共工事の入札契約、多くの中央省庁と地方公共団体と、さらに特殊法人等がございます。それらの標準といいますか、やり方がいろいろ異なっているということでは、またなかなか政府全体の行動がうまく進んでいかないという面がございますので、各省と連携を保ちながら、強力に連携し合って、標準化といいますか、お互いに同じ標準で、それぞれの入札が、受注される方も同じような様式でやれる、こんなことも目指しまして協力し合うことにしておりまして、特に地方公共団体に対しては技術支援を始めている、こんな状況でございまして、目標に向かって進んでまいりたいと思っております。
#91
○鈴木(康)委員 まさに今おっしゃられました問題というのは、省庁の縦割りの壁を取り払わなければできないことでございます。省庁間の連携あるいは地方公共団体との連携のもとに、早期に透明で公正な入札システムの確立を目指して今後も努力をいただきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、最後に一点、電子化といっても必ずしも業務の効率化に役立っていないのではないかというようなケースについて御質問をしたいと思うんです。
 一九九五年から、いわゆる建築の確認申請がフロッピーディスクでもできるようになったということでございますけれども、非常におかしなことに、フロッピーディスクとともにプリントアウトした書類も一緒に提出をしなければいけないという義務づけがされているというふうに聞いておりますが、これでは、紙の削減を含めて、効率化に役立っていないのではないかというふうに思うわけであります。また、フロッピーの扱いも、きちっとその中身を検討して、ほかよりも早く処理をしてくるようなところもあれば、全く無視をされるようなところもある。その扱いがまちまちだということも聞いております。
 フロッピーという媒体が多少もう時代おくれではないかということも含めまして、この事実関係と建設省としての御見解をお伺いしたいと思います。
#92
○松野政府参考人 お答え申し上げます。
 建築確認申請に関しましては、平成五年から、建築確認申請書類のうち電子化が可能であった書類の一部につきまして、フロッピーディスクによる申請を認めているところでございます。しかしながら、特定行政庁におきますOA化のおくれ等から、御指摘のように、フロッピーディスクとは別に、書面をあわせて提出させるというところの特定行政庁があると聞いているところでございます。特定行政庁の中にはそういう実態があるということでございます。
#93
○鈴木(康)委員 最後に、今くしくもOA化のおくれということが、対応がまちまちであったという御答弁がありましたけれども、そうしたことの間に、もうフロッピーディスクから次の媒体へと時代は移っていくわけでありまして、特にこのIT化というものに関しては本当にスピードが命だと思うわけであります。
 先ほどの電子入札システムの問題もそうですけれども、とにかくスピーディーに事を運んでいただきたいということを最後にお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
#94
○古屋委員長 達増拓也君。
#95
○達増委員 自由党の達増拓也でございます。
 私はまず、きょう、この書面一括法についてわずか一日、三時間五十分しか審議をしないことにつきまして、かかる決定を行った衆議院商工委員会理事会の一員といたしまして、議員の皆さんにおわびをするとともに、国民の皆さんにも深くおわびを申し上げたいと思います。
 この書面一括法の重要性、これはまず森総理大臣の所信表明の中にもあらわれているわけであります。森総理大臣の今国会における所信表明の中で、ITの重要性を訴える中で、「今国会においては、法制面の対応として、いわゆるIT基本法案と、民間同士の書面の交付等を義務づけた法律を一括して改正するための法律案」この書面一括法のことであります、「を提出いたします。」と。総理が、ITが重要である、日本のために決定的に大事であるという、そのIT関連二大法案のうちの一つがこの書面一括法案であります。そういう重要な法律を審議するのに一日、三時間五十分しかかけない。
 また、私たち自由党は、基本法については、これはほとんど意味がない法律であるという議論を今しております。同じ内容のことは、平成十年、二年前に政府が決めました高度情報通信社会推進本部の基本方針、その中にはっきり既に出ているわけであります。
 二年前の平成十年十一月九日付の高度情報通信社会推進本部決定、この内容を簡単に紹介しますと、まず第一に、高度情報通信社会に向けた基本的な考え方ということで、一、高度情報通信社会の意義、二、高度情報通信社会実現のための三つの原則、民間主導、政府による環境整備、国際的な合意形成に向けたイニシアチブの発揮、三、高度情報通信社会の構築に向けた官民の役割。IT基本法案の根幹部分は、二年前、既に政府が決めているわけであります。
 また、同じ基本方針の柱のIIといたしまして、高度情報通信社会の実現に向けた課題と対応、一、電子商取引推進のための環境整備、二、公共分野の情報化、三、情報通信の高度化のための諸制度の見直し、四、情報リテラシーの向上、人材育成、教育の情報化、五、ネットワークインフラの整備、六、基礎的、先端的な研究開発、七、ハイテク犯罪対策、セキュリティー対策、プライバシー対策、八、ソフトウェアの供給、九、コンテンツの充実、十、相互運用性、相互接続性の確保。もう既にやるべきことは二年前から決まっていたわけであります。
 今回IT基本法なるものが出てきましたけれども、審議を通じて、既に決まっている、政府が今までやってきたことを大きく踏み出す内容ではないことが明らかになってきております。要は、既にやると決めたことをきちんとやっていけばいいわけでありまして、なぜ今までそれができなかったのか。そういう深い反省に立つならば、今までと同じ内容のIT基本法案を今改めてつくることはないんだと思います。
 また、既にやらなければならないとわかっていたこと、その筆頭に掲げられているのが電子商取引推進のための環境整備であるということを、我々、特にこの商工委員会委員は肝に銘じなければならないと思います。
 基本方針の最後、これからの進め方。当面の目標、四つの目標、その筆頭が電子商取引普及であります。四つの目標とは、電子商取引普及、電子的な政府の実現、情報リテラシー向上、情報通信インフラ整備。
 この二年前に決めた高度情報通信社会推進に向けた基本方針に基づき、昨年四月には基本方針を具体化するためのアクションプランが決められ、ことしの五月にはそのアクションプランの第一回のフォローアップが小渕政権のもとで行われております。
 アクションプランでは、優先的に取り組むべき四つの当面の目標が、まず電子商取引の本格的普及、そして公共分野の情報化、情報リテラシーの向上、高度な情報通信インフラの基盤整備、この四つであることが確認され、そして、アクションプラン策定時からの状況変化と今後の主要な課題の中に、はっきり電子商取引推進のための制度等の見直しということも盛り込まれている。IT基本法というものがあってもなくても、やらなければならないことは既に明らかでありましたし、その中でも最も重要なものといってもいいのがこの電子商取引の推進であるということがはっきりしているわけであります。
 そういう意味で、今国会、新聞などによってはIT国会と呼ぶ向きもあります。そのような天下分け目のIT国会の中で、IT基本法よりむしろこの書面一括法の方が重要であると私は考えております。
 IT戦略会議の議論の中でも、第一回の戦略会議が開かれた中で、こういう七省一庁にわたる五十本の法律を一気に改正する一括法案を準備していますと政府から報告があって、IT戦略会議参加者の一人が驚いて、それはすごい、そういう一括法じゃないとだめなんだ、各省庁縦割りでやっていて今までさっぱり進まなかった、ぜひそういう一括法をやってほしい、そういう発言が記録されております。そういう発言の会議録自体、インターネットを通じてだれでも読めるようになっているわけであります。
 IT戦略会議の議論の中を見てみましても、IT基本法については簡単な報告に対し簡単なコメントが行われただけでありまして、むしろ電子商取引についてどのようにしていくのか、これに非常に時間を割いて議論されているのがわかります。そのように重要なこの電子商取引推進のための今国会の目玉である書面一括法について、一日三時間五十分のみの審議で採決までいってしまうことを深く憂慮するものであります。
 与党側は、当初三時間でやってしまおうと提案しました。野党側からは五時間は必要だと言ったわけでありますけれども、結果として三時間五十分。今、この会議場、委員会室、与党側はほとんど出席者が見られません。梶山委員はさっきからずっといらっしゃいましたけれども、その両側はさっきから空席のままであります。
 委員長、委員会の定足数というのは、何人、何割でしたか。
#96
○古屋委員長 二十人です。
#97
○達増委員 四十人中二十人、半分が定足数なわけであります。そういう中で、この人数で審議が進むことは極めて異常であり、特に、当初三時間の審議でいいという与党の提案を聞きますと、どうも政府・与党、組織的にIT革命をつぶしにかかっているのではないかという疑いを持つくらい異常な委員会審議ではないかと思います。
 傍聴席もだれもいません。記者もいません。確かに今、この委員会の審議はテレビでモニターすることができますし、また、その映像は国会が永久保存して、それをインターネットでダウンロードして見ることができます。しかし、だからといってだれもいないというのも、IT国会の目玉の法案の審議にしては異常ではないかと思うわけであります。
 一方、この書面一括法については、首相官邸の、総理大臣官邸のホームページにパブリックコメントが募集されて、さまざまな意見がそこに届いております。
 首相官邸のホームページを利用してのパブリックコメントの募集は、平成十二年、ことしの九月二十七日から十月四日まで約一週間行われて、そこに寄せられたパブリックコメントの件数は二十六件。経済団体連合会、全国商工会連合会、全国中小企業中央会、各県の中小企業中央会、全国下請企業振興協会、日本労働組合総連合会、連合であります、日本行政書士会連合会、日本GE社、ゼネラルエレクトリックですね、その他個人二件。
 パブリックコメントの概要は、法案に賛成という意見が十九件。サイバースペースでの取引環境整備上、不可欠な取り組み、迅速な省庁横断的な一括改正を高く評価。時宜にかなった法改正。組合運営の省力化、業務効率化とコスト削減につながる。本法案による電子商取引の振興は、地域の小規模事業者に新たなビジネスチャンスを生む。下請取引の実態変化を踏まえた法的な面の整備として評価など。
 また、対象法律についてのコメントが二件。雇用、労働契約に関する法律は除外してほしい。貸金業法第十七条、第十八条についても電子化を認めてほしい。
 その他として六件。電子的手段を認めるに当たり、送り手側に過度の条件が設定され、電子商取引の利用を妨げることとならないよう要望。条件設定に当たっては、実社会のニーズをよく見きわめて対応するよう要望。書面の交付にかえてインターネットが使えるよう要望。消費者間による手段の選択を認める等、情報弱者への配慮を希望。官民間等の、官と民ですね、官と民間等の電子化も要望。対官公庁、公的機関等の書面の電子化、行政書士法の書面の電子化。そして電子決済、電子マネー、誤操作への対応、電子商取引の契約成立時期に対する法的措置及び情報リテラシーへの対策を要望。
 こういう、思えば本来、この委員会で審議しなければならない、委員会で国民とともに国民の前で議論しなければならないようなことがネット上で行われているわけであります。政府が法案を閣議決定する前にパブリックコメントをやることは大変結構だと思いますけれども、それに匹敵する努力を国会の側がやらなければ、国会はますます形骸化、ネット社会から取り残されてしまいます。
 二十一世紀の政治というものは、恐らく政治とネットのチェック・アンド・バランスということになるでありましょう。国会や内閣といった既存のそういう意思決定の場、国の課題をピックアップして、何が課題か、そしてどうすれば解決できるのか、それを決める場が、伝統的にはこの国会であり、議院内閣制においてはそれと一体となった行政府でありますけれども、それがきちんとした仕事をしなければネットの側にその仕事をとられてしまう。
 今回のこの書面一括法をめぐる国民的な意思決定ということを考えると、どうもネットの方に分があって、国会ではなくネットの中で国民的な意思形成と意思決定が行われてしまうのではないか、そういう懸念を覚えるわけであります。
 やはりこれは、商工委員会としては猛省をすべきであって、何らかの形でこういう国民的な議論をこの商工委員会の中で行う工夫、そしてその前に、何より商工委員自身が、IT革命推進のための議論に積極的に参加する工夫、努力、これを行わなければならないはずでありますし、その点については、大臣や政務次官も、政府の一員であるということは議院内閣制においては与党の一員でもあって、与党内の国対なりあるいは政調なりそういったところに働きかける、それは資格も立場も権限も権力もあるのでございましょうから、そうした政府・与党一体となった努力と工夫を行って、国民の前でこのIT革命を推進するための法律についていい議論をする、きちんとした審議をしていかなければならないんだと思います。
 IT基本法が発表されても市場は冷淡で、日経平均はそれほど上がらない、むしろ下がってしまっておりますけれども、この書面一括法というのは本当に民間が求めていた法律であり、日本語では電子商取引でありますが、EコマースとEトレードと両方含んでいるんですね。物の販売のみならず、株や保険、金融先物といったそういうEトレード部分についてもきちんと規制を緩和、撤廃している。そういう意味で、この書面一括法に関する議論を国会としてきちんと国民の前で効果的にやることによって、日本の株を上げるくらいの、そういうことが商工委員会に期待されているのではないかと思います。
 以上、これは商工委員会理事としてのみずからの反省を込めての思いを述べさせていただきましたけれども、大臣、政務次官に改めて、この書面一括法の重要性、そして政府としてIT革命推進にかける思いについてそれぞれ伺いたいと思います。
#98
○平沼国務大臣 達増委員から大変鋭い御指摘もちょうだいいたしました。
 通産省は、IT政策を日本新生のための重要な柱と位置づけており、IT立国に向けた国民的な取り組みに早急に着手すべきと考えております。
 今後は、現在御審議をいただき、また達増委員からも御評価をいただいていますこういう今の電子商取引の法律案を初めとして、我々としては、基本法も含めてこの国会で成立をさせていただいて、そして一日も早い完全な形のIT社会実現のために頑張っていきたいと思っています。
 そして、まず我々が目指しているところは、低廉で高品質なネットワークサービスが提供される競争環境の整備、また、今も申し上げましたけれども、今まさに御審議をいただいております書面法案、契約成立時期の明確化などの電子契約のルールを初めとする電子商取引の特質に応じたルールの整備をしていかなければいかぬと思います。
 また、我々通産省でございますので、ITを担うこれからのベンチャー企業の育成、こういったものにも我々は一生懸命に努力をしていくべきだと考えておりますし、さらに、電子政府、これも一つの大きな柱でございますけれども、電子政府の実現も一日も早く達成をしなければならない、こういうふうに思っておりますし、また、IT社会を実現していくためには人材の確保が必要でございますので、ITの人材確保、こういった育成を含めての取り組みも我々は一生懸命行っていかなければならないと思っています。
 そして、二十一世紀にふさわしい経済社会システムの構築、こういうことを目指して、所要の施策を強力に展開をしていきたい、このように思うところでございます。
#99
○坂本政務次官 先生おっしゃるように、ITというのは、二十一世紀の人類社会のすべてに影響を与える分野である。しかも、それなしではあらゆる人類の生活が成り立たなくなっていってしまうのじゃないか、こういうふうなことを思われるほど重要な問題だと思っております。
 今大臣もおっしゃいましたように、通産省もそれぞれの分野で一生懸命頑張っておりますが、私は、我が国の景気回復やあるいは国民生活の潤いのために、中小企業にどのようにITを導入して、生産力のアップや収益増、そういったようなところに利用できるかということ、これをやはり一生懸命に頑張っていかなきゃならぬなと。
 先般も実は特許庁へ行って視察しましたところ、もう既に特許庁では官民の関係で幾つか整備をされておりまして、今まで三十三カ月かかった実用新案の申請が半分ででき上がるようになっているのですね。かなりのスピードアップがあり、さらにまた、ソフト面を充実すればさらに一層スピードアップ化も図れる。いろいろありますので、通産省所管の官民の問題も全力を挙げて、国民のために、この国のために早く整備をしていきたいな、こんなふうに思っております。
 幸い、まだ諸外国も、話は日本より早くIT、ITと進んでいるようでございますが、実態はそんなに伴っていないように、私が今までのお会いした外国の方々との感触では随分ありますので、今ならば我が国は国際社会の中でも優位性を保つことのできる、まだそういう段階にあるのじゃないか。したがって、しっかりこのITを考えていきたい、こんなふうに考えております。
#100
○伊藤政務次官 委員が御指摘をされたように、やはりIT革命の重要さということについては、私も、大臣そして総括政務次官と同様に大変強い問題意識を持っております。
 その中でも、電子商取引の大切さということはやはり十二分に認識をしておりまして、私自身も、政府代表として電子商取引についての国際会議にも参加をさせていただいて、アジアの取り組み、アメリカの取り組み、ヨーロッパの取り組みがどういう状況にあるかということについても十分認識をしているつもりであります。
 今まで、日本の場合には、IT革命への対応がおくれていたということはやはり事実でありますから、そういう意味では、そのおくれを取り戻して、一方では、このIT革命に積極的に対応することによって、要はかなり大きな潜在力というものがありますから、そういう潜在力というものを引き出して、そしてこの革命の恩恵がすべての国民の方々に行き渡るように、そしてデジタルデバイドのようなことがないように、しっかりとした対応をしていかなければいけないというふうに思っております。
 特に、通産省は、そういう意味ではこの問題に責任ある官庁でありますから、事務方は毎日徹夜に近い状況で今回の書面一括法を準備させていただきましたし、また、この後、サイバー空間の拡大に向けての規制改革あるいは電子商取引の特質に対応した新たなルールづくりについて、関係省庁と連携をとりながら、そのための法律の準備に当たっているところであります。国会での十分な審議というものを通じて、さらにそうしたものをしっかり国政に反映をしていきたいというふうに考えているところであります。
#101
○達増委員 ITの重要性については、先ほど紹介した二年前の平成十年十一月九日決定された高度情報通信社会推進に向けた基本方針の冒頭、「高度情報通信社会の意義」のところに次のように書いてあります。
  高度情報通信社会とは、人間の知的生産活動の所産である情報・知識の自由な創造、流通、共有化を実現し、生活・文化、産業・経済、自然・環境を全体として調和し得る新たな社会経済システムである。このシステムは、制度疲労を起こした従来の大量生産・大量消費を基礎とするシステムにとって代わり、「デジタル革命」とも言える変革の潮流を生み、経済フロンティアの拡大、高コスト構造の打破、活力ある地域社会の形成や真のゆとりと豊かさを実感できる国民生活等を実現するものである。
 二年前はデジタル革命という言葉を使っていましたが、今のIT革命とほぼ同じ意味。つまり、革命はもう二年前から既に始まっていたというか、やらなきゃならないということはわかっていたわけであります。その革命というのは、書いてあるとおり、今のシステムではだめだということでありまして、経済社会、そして政治や行政の大規模なシステムチェンジ、そのためのIT導入、全体としてのIT革命でなければならないわけであります。
 この十年間の不況というのはもう本当に異常事態でありまして、これを憂えて、天皇陛下も石清水八幡宮に参拝されたと聞いております。天皇が国難に当たって参拝する神社が石清水八幡宮。歴代天皇陛下の中でもめったにないことが、この平成不況に関して行われている。
 もっと身近なことを思い出せば、小渕総理大臣は、この国難突破のために過労死で亡くなっているわけですね。日本の景気回復、経済の立て直し、そのために奔走し、そして、決定的な改革、大胆な改革の道を歩むか、それともある程度安定性を重視したやり方でいくかの究極の決断を迫られ、安定の方を選ばざるを得なかった日に倒れられてしまった。
 そういうことを思えば、この商工委員会というのは改革委員会だと思うのです。通産省を初め関係省庁、通産省が中心となって経済の構造改革について取り組んでおられる。商工委員会もまた、経済の構造改革を通じ、社会全般の改革を進めていくための委員会であるという自負を持たなければならないと思います。
 そのためには、まず政治がみずから変わってみせて、今までの前例にとらわれ、本質を見失い、そしてやるべきことをやらなくなってしまうということがないように、思い切ったことをやって、本質に迫って、やるべきことをやっていく、そういう姿勢を示すことが重要なんだと思います。
 欠席が多いのですけれども、出席できないのであれば、ネット上に電子会議室を開いてそこで議論するとか、商工委員会ならできる工夫もあり得るのだと思います。そういったことをみずからやっていかないで、経済社会の構造改革と言っても、これは無理なんだと思います。
 いろいろな論点もあるのでありますけれども、最後に、これはやはり大臣に、電子商取引、今回の法律でまだまだカバーし切れていない分野が多々あるわけで、先ほどからの質問の中でも取り上げられていますけれども、特にこれからの政府の取り組みに絞って伺いたいと思います。
#102
○平沼国務大臣 先ほど申し上げましたように、既にこの国会で基本法とこの書面取引の法案をお願いして、次に、これは目標年度が掲げられておりますけれども、二〇〇三年までに電子政府を実現する、こういうことで、この電子政府の問題に取り組むに当たっても、今回通産省が七省一庁の御協力を得て、従来縦割りであったもの五十本を法改正にまとめて一括法案として出させていただきました。
 したがいまして、電子政府実現に関してもいろいろ問題があると思いますけれども、やはり各省庁が協力をして、これは政府の場合では一万件以上あるというふうに言われておりますから、一括でやるということはなかなか難しいかもしれませんけれども、統一的な一つの基準というものをつくりながら、その中で国民の皆さん方が利便性を享受できるように、そういう電子政府実現のために、今通産省はこの法案と同様に意欲的に取り組んで、必ず目標年次までの中で達成をしていきたいと思っております。
 さらにやらなければならないことは、先ほどもちょっと触れましたけれども、人材の育成、そういうものも必要ですし、また、デジタルディバイドというものをいかに解消するか、こういう問題についても、例えばディバイドというのはいろいろな面で存在しています。大企業と中小企業の間にもありますし、あるいはまたお年寄りと若年層の間にもディバイドは存在していますし、また体が健康な方と非常に体に障害を持っておられる方、そういうディバイドをあらゆる面で解消していく、こういうことにも力を入れていきたいと思っております。さらには、IT化のためにインフラ整備、こういうものも避けて通れない重要な課題です。
 そして、IT革命というのは、すべての国民の方々が同じ条件で、そしてスピードを持って、しかも安くそういう場をみんなが共有する、このことが大切なものですから、そういったIT社会構築のために一生懸命に、御指摘のように二年前からそういう革命は起こっていた、ただし、おかげさまでこういう形で具体化してまいりましたので、このスピードを緩めることなく、一生懸命に頑張ってまいりたいと思っておりますので、御協力をぜひひとつよろしくお願いします。
#103
○達増委員 終わります。
#104
○古屋委員長 吉井英勝君。
#105
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
 傍聴席にいらっしゃる方お一人お一人が、パソコンを使って物を買ったり、そういう取引、契約をしていく、こういう国民生活にかかわる法律なんですね。五十本の法律で各省庁にまたがるものを一本の法律にまとめて議論するわけですから、各省庁の方に来ていただいて十分な議論を尽くす必要があると私は思っておるのですが、これがわずか四時間弱の短い審議しかしないというのは本当にとんでもないことだ。私は、まずそのことを冒頭に指摘しておきたいと思います。
 最初に、電子商取引と下請保護、BツーBの問題について伺います。
 現在、下請取引における書面交付の状況は、三条違反、五条違反などが合わせて年間一千件前後あります。
 ところで、電子商取引の場合の下請取引については、八五年に公取の取引部長通知が出されております。ペーパーレス取引に応じるか否かは下請事業者の自由意思によること、親企業の強制の禁止、パソコン購入などでの費用負担を求めることの禁止、情報機器の故障で通知が到達しなかったときの措置など、当然の措置が示されておりました。それでも、この「公正取引」という雑誌に紹介されているものの中には、注文書の不交付の実例なども紹介されております。
 このガイドラインのもとで、ペーパーレス発注に際して違反の状況がどうなっているか。これは公取ないし通産の参考人の方から最初に伺っておきたいと思います。
#106
○根來政府特別補佐人 ペーパーレスの違反ということは、現在のところ把握しておりません。
#107
○吉井委員 一千件前後ある中で、現実に「公正取引」などの雑誌では不交付の実例の紹介があるのですが、しかし、区分けして集約しておられないということで、それが実態だと思うのですが、十五年間もつかんできていないというのは問題だと私は思っています。
 いずれにしても、書面交付の電磁的方法による代替をするか、あるいは書面交付でいくかという選択をするときに、承諾の強制や不利益扱いが生じないようにどう担保していくのか、それから、書面の保存、電磁的記録保存を行政としてどう確認し、何を調べていくのかということが非常に大事なところだと今度の法律にかかわって思うのですが、まずこの点について伺っておきたいと思います。
#108
○根來政府特別補佐人 電磁的方法による場合というのは、私どもの方で昭和六十年ぐらいに規則を改正して、それでも可というふうにいたしたわけでございますが、事務の方に聞きますと、今までそういう事例がないようでございます。
 ところで、最近、IT革命ということで、こういう方法をどうしても取り入れなければならないということでこの法案になったと思いますけれども、当然この法案では相手方の承諾を得るということになっておりますし、私どもも、取引部長の通達それ自身の思想は変えるつもりはございません。ただ、この調査ということについては、御承知のように、毎年下請事業者あるいは親事業者に対して書面調査をしているわけでございますが、その書面の中に、電磁的方法による場合承諾を得ているかどうかということの項目を入れまして、十分調査していきたい、こういうふうに考えております。
#109
○吉井委員 大体どういうことをお聞きしたいかということをあらかじめきっちりお話ししておいたのですが、書面交付の電磁的方法による代替をするか、書面交付をするかという選択のときに、承諾の強制や不利益扱いが生じないようにどう担保するのかということと、書面の保存、電磁的記録保存を行政としてどう確認し、何を調べるようにするのかということを今伺っております。
#110
○根來政府特別補佐人 これは、従来からそういう調査をしているわけでございますが、その調査の一環として、そういう承諾が十分になされたかどうかという観点も調べますし、調査の場合も、当然その電磁的方法というのは保存されているわけでございますから、それをディスプレーなりあるいはプリントアウトして十分確認する、こういうことに努めたいと思います。
#111
○吉井委員 承諾の強制や不利益扱いを生じないように、これはきちんと担保する手だては講じていかれますね。どう担保するかということでございますが。
#112
○根來政府特別補佐人 これは御説明するまでもありませんけれども、承諾を得ずにそういうことをしておれば刑事事件として担保されるわけでございますから、罰則が軽いか重いかという議論は当然ございますけれども、その点は心配がないところだと考えています。
#113
○吉井委員 実は私は、松下、東芝、三菱電機などと取引をしている家電製品の部品資材製造業者である下請企業のA社の調査をせんだって行ってまいりました。ここは各社とEDI化しているのですが、例えば松下電器産業のある事業部とEDI化し、順次他の製品分野にも拡大していくというところにあります。
 見積もり、受発注、出荷、売上伝票の電子データ交換システム、いわゆるEDIですね、これの端末用システムソフトが三十八万円、パソコンハードが三十八万円、専用回線を引っ張って、そして大体百万円オーダーで負担がかかっております。もちろん、担当社員もつけなければいけなくなっております。これがすべて自己負担なんですね。
 松下にとっては、大きな中堅下請とはこの電子データ交換、EDIを進め、中小企業下請とはインターネット接続の二つの方向で接続して、SCMと言われるサプライチェーンマネジメントによって、売れ筋商品の生産計画はスピードアップをしている。リードタイムや納期の短縮化の面でメリットは非常に大きいわけです。
 しかし、下請の方は、このSCMで発注指示が変更、変更で忙しくなってくる。結局うちにとっては何もいいところがない、親は在庫が減るだろうが、こちらは忙しくなって、その上在庫負担がふえるだけだとぼやいておりました。
 ぼやきだけで済まない深刻な問題が実は広がっているわけです。三千社を対象にEDIの導入ですから、仮に一社百万円の負担としても、下請企業が三十億円負担しているということになります。中小企業庁なり公取はこういう実態をまず把握していらっしゃるかどうか、このことを伺いたいと思います。
#114
○太田政府参考人 今、吉井委員御指摘になられた電機メーカーの下請との関係でございますが、こういう形でIT化が進んでまいりますと、電子、電機メーカーも、松下に限らず、いろいろな形で、最適調達ということで多くの下請企業とおつき合いをするようになってきています。下請企業も、ITを利用することによってビジネスチャンスがふえるという面もあるかと思います。
 ただ、やはり系列ごとに、業種ごとに、いろいろとシステムが違う面もございます。そういう面で、私どもとしては、先ほど標準化という、EDIということを言われましたけれども、まさにいろいろな部品番号の統一等も含めて標準化をしていく、そういう中でシステムを導入するときの負担を極力少なくして、まさにいろいろなメーカーと商売ができるような基盤をぜひともつくっていきたい、そのための努力をしているところでございます。
#115
○吉井委員 電子商取引で、このBツーBで、こういう形はどんどん広がると思うのですよ。そういうときに、下請法なり八五年公取通知の立場で強制の禁止とか費用負担の禁止というのが貫かれて当たり前であるのに、違反していると思われるケースも出てくるわけですから、まず調査をして、私、決めつけては申しませんから、まず調査をして、八五年通知の立場で対処をしていく、そういうことは必要だと思うのですが、これについてどうですか。
#116
○根來政府特別補佐人 先ほども申しましたように、昭和六十年に私どもの規則を改正したときに取引部長通達を出しているわけでございますが、この取引部長通達の大筋というのは、現在法律が改正になりましても通用するというか、公定力を有するものであると考えております。
 ただ、この中で、いろいろ先ほど御指摘のありましたような、自己が負担すべき費用を下請事業者に負担させるなど下請事業者の利益を害するような行為を行わないことという通知の一項目があるわけでございますけれども、そういう行為が果たして今度の新法が行われたときにどういう形で出てくるかということは若干不明なところがございますから、当然そういう実態について私どもも勉強いたしまして、遺漏のないようにしていきたい、こういうふうに考えております。
#117
○吉井委員 今御紹介しました件についてはよく調査もし、まず調査から始まるかと思いますが、本法の施行に当たって、八五年の公取のガイドラインの内容を一層生かしていくということが私は当然のことだと思うのですが、強制の禁止、費用負担の禁止など、弱い立場にある者が優越的地位にある者の力で不利益な扱いを受けるということがないように、これはまさに独禁法その他の法の精神にのっとって、八五年通知の立場で努力をされるということで理解しておいていいですね。もう一遍委員長に聞いておきます。
#118
○根來政府特別補佐人 当然のことだと考えております。
#119
○吉井委員 次に今度は、BツーBより今規模が小さくても、BツーCの方の巨大な広がりが予測されるときですから、電子商取引による消費者被害などが生まれないように必要な事項を政令できっちり定めておく、このことが大事だと思うのです。
 まず、消費者の承諾のとり方について具体的に何を定めるか、伺います。
#120
○坂本政務次官 御指摘のとおり、受け手の承諾を得る方法は政令で明確に定めることになっております。次のように規定することを検討しております。
 第一に、送り手は、電子的手段を用いるに当たっては、あらかじめその方法の内容、例えば電子メールであるとかホームページであるとかを、受け手の承諾を得なければならない。
 第二に、その電子的手段の方法の内容の明示に当たっては、電子メール、ホームページ等のいずれの手段を用いるかに加えて、いずれの記録方式すなわちソフトウエアを用いるかを明示して承諾を得なければならない。
 第三には、承諾を得るに当たっては、口頭での承諾は不可とすることであります。
 なお、承諾を得るに当たり、以上の三つの方式を満たしていない場合には、書面を交付したものとはみなさないこととなります。
 以上のように、政令に規定することにより、受け手、顧客の承諾をきちんと得ることを担保することといたします。
#121
○吉井委員 消費者が書面交付でなく電磁的方法を選択することについて、その承諾は、強制されることなく、本人の自由意思によるものであるべきですし、承諾しないからといって不利益な扱いを受けることがあってはならないというのが当然のことだと思うのです。
 今、承諾についての担保について政務次官から御説明いただきましたが、それを担保するために政府としても厳格な運用というものが求められております。ここは大臣に伺っておきたいと思います。
#122
○平沼国務大臣 お答えをいたします。
 本法案は、消費者や事業者に電子的方法を強制するものではなくて、送り手側と受け手側の双方があくまでも自由意思に基づいて合意した場合にのみ電子的方法を行うことを許容するものであります。したがって、この点については、法律の施行に当たり、事業者側、消費者側に十分な周知徹底を図るつもりです。
 また、法律の施行後、仮にも承諾を強制したり、または承諾しないために不利益な扱いをされるような事例が出てきた場合には、関係主務省庁から指導を行い、是正するように関係主務省庁にもお願いをしていきたい、厳重にやっていきたい、こういうふうに思っております。
 これらにより、本法律案の本来の趣旨どおりの運用が徹底していくように、十分な監視のもとに一生懸命やらせていただきたい、こう思っております。
#123
○吉井委員 電磁的方法を承諾したんだけれども考えが変わったとき、よくなれていない人とかいろいろな方の場合あり得るわけですが、後日、いつでもその承諾を取り消すことができるようにするべきだと思うのですが、この点についての考え方を聞いておきたいと思います。
#124
○太田政府参考人 相手方の承諾のとり方につきましては先ほど総括政務次官から御答弁申し上げましたが、一たん承諾をした後、受け手が承諾を撤回したい、やはり書面でもらいたいという場合に関しては、これを、撤回があったときから電子的手段を用いてはならない旨、政令において規定したいと考えております。したがいまして、承諾の取り消しは、消費者は、相手方事業者の場合もありますが、いつでも行うことができることとしたいと考えております。
#125
○吉井委員 書面交付を電磁的方法に代替した場合、電磁的方法をとることに伴う責任というのは事業者側にあるものと考えてよろしいですね。
#126
○太田政府参考人 たびたび申し上げますように、書面にかえて電子的手段をとるということは、両者の合意のもとで行われます。当然、提供するというのは事業者側の責任でございますが、法律上の整理を申し上げますと、我々いつも受け取っている郵便物の場合でございますが、民法の到達規定というのがございまして、相手方の郵便ポストに郵便物が入れば、相手方が見るか否かにかかわらず、相手方に到達したものとして取り扱うのが最高裁の判例等でございます。
 ただ、いまだこの電子的手段というのは我が国の経済社会に必ずしも十分に定着していないため、今回の法律案の円滑な運用が行われるよう配慮が必要であるというのは御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、電子的手段を用いる場合には、特に当面、当初、事業者に対しては、顧客に対していろいろと配慮するよう、いろいろと指導していきたいというふうに考えているところでございます。
#127
○吉井委員 次に、電磁的方法、いわゆる電子書面の利用のもとで、消費者保護、下請保護などの各法律の趣旨が守られるようにどのように担保していくのか。また、政府として運用状況を監視するという役割を果たすべきだと思いますが、これはどのように取り組んでいくか、伺いたいと思います。
#128
○坂本政務次官 本法案は、書面による手続を義務づけている法律につき、送り手側と受け手側の双方が合意した場合について電子的手段による手続を行うことを認めるものであり、手続の手段を規定しているものにすぎないものでございます。したがって、本法案により手続の手段として電子的手段を認めた場合でも、各法律のもともとの立法趣旨が守られるべきことは当然であります。
 このような観点から、通産省といたしましては、電子的手続に関する条件について各省庁の運用がばらばらとなり、規制の不統一によって国民が不利益をこうむることは言語道断でありますが、各法律の保護法益を十分に踏まえた運用を所管省庁が行われることは、当然必要と考えております。
 また、言うまでもなく、法律違反の事例が存在すれば、当然厳格な取り締まりが行われるべきであり、通産省としても、この点は十分認識をして、本法律の施行に当たっていきたいと考えております。
#129
○吉井委員 次に、各省庁にまたがってくる方の具体的な問題について伺っておきたいと思います。
 今、金融被害やトラブルが非常に多い時代になってきておりますが、そこで、証券取引や投資信託などの金融商品は継続性があるものですから、やはり年一回程度の承諾の確認はするべきだと思うのですね。これが質問の一つです。
 それから二つ目に、目論見書は、その金融商品を購入するか否かを判断する上で大変重要な書面だという理解が必要だと思うのですが、そういう理解でいいのかどうか。
 三つ目に、本法案で前倒し施行されることとなるわけですから、証券取引法上の目論見書の電子的交付については、法律上、相手方の承諾が求められていないことになりますが、その理由はいかなるものなのか。
 この三点を伺いたいと思います。
#130
○乾政府参考人 順次お答え申し上げます。
 まず最初の、証券取引や投資信託について年一回程度の承諾確認をするべきではないかというお尋ねでございます。
 証券取引あるいは投資信託に関しましても、取引報告書あるいは投資信託の運用報告書の交付等につきまして、今回の法律におきまして電子的手段を認めることとしておるわけでございます。この電子的手段による交付を選択しました顧客や受益者に対しまして、さらに年一回程度の承諾を確認することにつきましては、あえて選択された契約に対する書面交付の必要性というものをどう考えるかという問題がありますことから、私どもといたしましては、今先生御指摘ありましたように、投資者と業者との間のトラブルを防ぐことが最大の眼目でありますので、こうした観点から、先ほど来通産省からも御答弁ありましたように、一旦承諾をしました顧客が書面での交付を必要とする場合には、当該承諾をいつでも撤回することを認めることにより対応したいというふうに考えているところでございます。
 第二に、有価証券の募集または売り出しの際に発行者が交付することが義務づけられております目論見書につきましては、その発行体の会社の概況、事業の概況、経理の状況等、いわばあらゆる情報を記載した重要な資料であるということは御指摘のとおりでございまして、これにつきましては、実は今回の書面交付一括法に先駆けまして、さきの通常国会におきまして、既に電子的交付の方法を、法改正をお認めいただいたところでございます。
 さきの通常国会で成立をしました法律の中で、この承諾の点につきましては、内閣府令、いわば省令で定めることになっているわけでございます。その省令は今後定めるわけでございますが、今回御審議いただいております書面の交付法と同様の内容を今後この内閣府令において定めることとし、他の法体系と同様の措置をきちっと講じたい、そのようにするわけでございます。
#131
○吉井委員 次に、社会福祉法の福祉サービスの利用契約に係る書面交付義務が電磁的方法により行うことが可能となるわけですが、社会福祉法というのは意思表示に困難がある障害者等を対象としており、この承諾、契約における本人の意思確認が適切に行われるように、まず配慮をされることが必要だと思うんです。
 本法施行に当たって、こういう点でどういうふうに進めていくことにするのか、この点を伺いたいと思います。
#132
○炭谷政府参考人 先生ただいま御指摘されました社会福祉法は、前国会において成立いたしましたものでございまして、利用者本位の福祉サービスの確立を図ろうという趣旨でございます。その一環として、ただいま問題になっております、福祉サービスの利用者に対して事業者から福祉サービスの内容等の重要事項についての適切な情報提供がなされることを目的といたしまして、福祉サービスの利用契約のときに書面交付の規定を新たに創設いたしました。
 御指摘のとおり、福祉サービスの契約については、契約内容が利用者に的確に伝わるよう利用者の意向に沿う方法で行われることが重要であると考えておりまして、電磁的方法による場合であっても、利用者の承諾が確実に得られるということが重要であろうというふうに考えております。
 このために、社会福祉法の中におきまして、福祉サービス利用援助事業というものを新たに創設いたしております。これは、例えば、福祉サービスの利用者の中には知的障害の方、痴呆性高齢者の方といったような方々も含まれて、みずから意思表示が困難な方もいらっしゃるわけでございます。このような方の、例えば契約に当たってのいろいろな援助、助言、場合によっては代行、代理というようなことを置く制度を創設しております。
 この制度は既に実施されておりまして、多くの方々が利用されておりますが、このような仕組みをさらに推進するとともに、私どもといたしましては、利用者の意思がサービスの利用の際にきちんとつながるよう、事業者に対して今回の改正案の趣旨の周知徹底を図るとともに、福祉サービスの利用援助事業の活用の普及など、社会福祉法の定着に努めてまいりたいというふうに考えております。
#133
○吉井委員 いずれにしても、電子商取引、これはBツーBであれBツーCであれ、今後広がっていく、この方向はそうなると思うのですね。
 そういう中で、例えば、齋藤雅弘弁護士が「国民生活」九月号でも書いておられますが、ネット取引、ネットの特性として、事業者にとっても消費者にとっても新規参入が容易なため、未熟さなどからトラブルが生じやすいこと、被害が副次に、広範囲に広がりやすいことがある。さらには、参入容易性と匿名性のため、悪質商法にとっては格好の手段になる。
 これは訪販法その他の議論のときにもやってはおりますが、そういう性格を持っているだけに、インターネット通販などでどんどんBツーCも広がっていくというときに、どういうふうにそれに対する対応というものを今後進めていくかということについては、この法律の施行とあわせて、本当に時々刻々変化していく中で、それをやはりきちっと調査をして、よく検討して、それに直ちに即応した取り組みというものが必要になってくると私は思います。
 例えば、EUの方では、インターネット通販などのクーリングオフについて、遠隔地取引指令というので、もう時間が迫ってまいりましたから、もうちょっとここは詳しくやりたかったんですが簡潔に終わりますが、第四条、第五条、第六条というEU指令の中で、インターネット通販などについてのクーリングオフについての規定とか、電子商取引時代の消費者保護をどう進めるかということについて、やはり新しい展開をしているわけですね。
 私は、各国がそれぞれの国で取り組んでいる進んだところを取り入れて、消費者保護とか下請保護であるとか新しく対応を迫られる問題についてはどんどん新しい対応をやっていくということが、今後必要になってくると思うんです。
 そこで、EUの遠隔地取引指令を参考にするなど、今後進めていく中でそれぞれ出てくる問題に合わせて日本でもルールをきちっと設けて対応する、そういうことがこの電子商取引にとっては必要なんだというふうに私は思うわけですが、最後に、これからのこういう取り組みについての考え方というものを大臣から一言伺って、大体時間が迫ってまいりましたので、大臣のお考えだけ伺って終わるように締めくくっていきたいと思います。
#134
○伊藤政務次官 私からお答えをさせていただきたいと思います。
 私どもも、今御指摘がございましたように、国際的なハーモナイゼーションというものをしっかりやっていかなければいけないという観点に立って、EUやアメリカ、あるいはアジアの各国の取り組みをされている方々と緊密な連携を図っているところであります。
 これから電子商取引はいろいろな形で進展をしていくと思います。その状況の変化というものを的確にとらまえながら、過剰な規制にならないような形で民間活力を引き出し、しかし必要なルールについては、国際的な動向というものをしっかり押さえて環境整備に努めていきたいと考えているところであります。
#135
○吉井委員 時間が参りましたので、これで終わります。
#136
○古屋委員長 大島令子君。
#137
○大島(令)委員 社会民主党の大島令子でございます。
 IT革命という言葉がさまざまな場所で言われるようになりまして、本国会でもIT基本法が審議されるなど、私たち国民はいや応なしにIT革命の大きなうねりの中に巻き込まれています。このような中で、本当に個人の幸せと利益を守り、また、住みよい快適な日本をどうつくっていくのか、それが私たちの使命であると思います。
 ITによって生活が非常に便利になる部分もたくさんあると思いますが、それによって切り捨てられる人や、乗りおくれて不利益をこうむる人など出ないかどうか、きちんと監視していくこともまた私たちの役目でもあると思います。
 私の地元に愛知県立芸術大学というのがあるわけなんですが、実は三年前に、IT、ITと言われながら、県立芸術大学の事務局にインターネットがなかった。現在では数本回線がつながれているようです。国会でこういう大きな議論をしながら、一地方の県立の大学、そういったところにまだまだこういう部分でおくれがあるということも、私たちは忘れてはいけないことであると思います。
 こういう中で、今回、書面一括法案が政府から提案されたことは、IT革命の情報伝達の利益をできるだけ早く、また広範に国民が享受できるようにするものであると思っております。しかし、この法案は、従来どおり紙による手続も認められており、不利益をこうむる人が出ないことが担保されることが本法律を成立させる上で最も重要なことであると認識しております。そういう観点から、以下質問に入らせていただきます。
 今回の法改正は、民間対民間の契約に伴い法的に義務づけられている情報提供を電子化するということですが、企業だけがメリットを受けるのではなく、消費者等の受け手側にとっても本当にメリットがあるのかどうか、この点に関しまして、大臣の見解をお伺いいたします。
#138
○平沼国務大臣 電子メールやホームページ、そういう手段を利用するということは、消費者にとって大変メリットがあることだと私どもは思っております。
 すなわち、これまでの消費者というのは、事業者から書面の交付を受けるためには、事業者の事務所に出かけていくか、あるいは相手方が自分のところに訪ねてくるか、あるいは書面でそれを得るか、こういう必要があったわけであります。
 しかしながら、今の社会というのは、女性の社会進出も非常に進んできました。さらにまた、共働きというのがありますし、一人住まい、こういう状況になってきています。ですから、事業者が在宅時に自宅に訪ねてくるということは、それを待っているというのは事実上不可能になってきた、こういう傾向にもあるわけです。また、では仕事場に訪ねてくればいいじゃないか、こういう話ですけれども、迷惑な場合もあるわけですね。また、消費者の側から事業者の事務所に出かけるということも、特に事務所が遠隔地にあるというようなときには、消費者には非常に不便を強いることになります。
 そこで、これまでは郵送、こういう形が使われておったわけですけれども、電子メールやホームページを利用した場合には瞬時に情報が到達するのに比べて、郵送ははるかに時間がかかる方法でありますので、迅速に取引を行いたい消費者にとっては最善の方法ではない、こういうことであります。したがって、消費者にとって、電子メールやホームページを利用できた方が、迅速に、かつ自分に便利な場所と時間に事業者からの連絡を受けることができる、こういうメリットがあるわけであります。
 さらに言わせていただきますと、電子的手段の活用によって全体のコストが下がり、消費者も高コスト構造是正によるメリットを受けることも期待できるわけであります。
 なお、委員御承知のように、本法案は、送り手側と受け手側の双方が電子的手段の方が望ましいと判断する場合に限ってその選択肢を認める、こういうことにしたものでありまして、消費者側、受け手側にとってもメリットがある場合にのみ電子的手段が適用される、こういうことになっておりますので、私どもとしては、消費者側にとってもこの電子商取引は大変メリットがあるものだ、こういうふうに思っております。
#139
○大島(令)委員 今御説明いただきましたように、時間的また地理的条件の改善などメリット性があるということは評価できると思います。
 そこで、消費者保護の観点から、次に、貸金業法ですとか商品取引法などトラブルが多い法律については今回五十本の一部改正の中から除外されたと聞いております。書面交付義務がありながら、トラブルが多発するということで、書面の代替が困難であるということで今回対象とならなかった法律にはどのようなものがあるのか、御説明をいただきたいと思います。
#140
○太田政府参考人 お答えいたします。
 契約をめぐるトラブルが現に多発しておる等々、書面の代替が困難な法律として書面一括法の対象としなかった法律は、今回十六本ございます。具体的に申し上げますと、以下のとおりでございます。
 金融関係の法律としては、委員御指摘の貸金業の規制等に関する法律、それから抵当証券業の規制等に関する法律でございます。
 それから、商品先物取引に関する法律として、商品取引所法、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律。
 それから、雇用、労働に関する法律として、建設労働者の雇用の改善等に関する法律、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律、家内労働法、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、労働基準法でございます。
 それから、処方せんの交付に関する法律として、薬剤師法、医師法、歯科医師法でございます。
 そのほか、中小小売商業振興法、古物営業法、不動産特定共同事業法。以上、十六本でございます。
#141
○大島(令)委員 今の御説明の中で、雇用、労働関係法律、六本ございましたけれども、その中の一つ、労働基準法では、どのようなトラブルを問題として今回改正の対象にしなかったのか。御説明ください。
#142
○太田政府参考人 労働基準法では、雇用契約の中身を労働者に対して書面で交付することになっておりますが、その内容についていろいろとトラブルがあったと承知しております。
#143
○大島(令)委員 今の十六本の法律は書面交付の義務化がありますので、今後とも、法律も改正されていく流れにあると思いますが、やはり社会がその準備を整えたことをきちんと見きわめた上でこれらの改正ということも考えてほしいと思います。
 次に、電子的手段を認めるに当たりまして、受け手側の承諾を得ることが条件とされておりますけれども、承諾を得る方法、媒体が、本法律案を見ますと、この分厚い冊子の中に、政令や府省令で定められることになっています。政令というものが裁量で決められて、いいかげんな承諾のとり方になるのではないかということを私は危惧しているわけです。
 そこで、政令と府省令の具体的な内容をどういうふうにするおつもりなのか、これは担当の局長に御答弁をお願いいたします。
#144
○太田政府参考人 御指摘のとおり、本法律案におきましては、受け手、顧客の承諾を得る方法について政令で明確に定めることとしております。そして、政令の中身、内容につきましては次のように規定することを検討しております。
 まず第一に、送り手は、電子的手段を用いるに当たっては、あらかじめその方法の内容を明示して、受け手の承諾を得なければならないことを定めたいと思っております。第二に、その電子的手段の方法の内容の明示に当たっては、電子メール、ホームページ等のいずれの手段を用いるか、加えて、いずれの記録方式すなわちソフトウエアを用いるかを明示して、承諾を得なければならないというふうにしたいと思っております。第三に、承諾を得るに当たっては、書面または電子的手段による承諾を得なければならないこととし、口頭での承諾は不可とすることというふうに考えております。なお、承諾を得るに当たり、以上の方式を満たしていない場合は、書面を交付したものとみなさないこととなります。
 そういうことが政令でございますが、府省令におきましては、電子メールあるいはホームページ、先ほど旅行業法なんかの場合では、iモードというか携帯電話を含めて、それぞれ府省令で定めることになるというふうに考えております。
#145
○大島(令)委員 ここに一九九八年四月三十日付の朝日新聞の朝刊の記事がございます。それは裁量行政に関してのことが取り上げられておりますけれども、法律のほかにやはり政令や省令、各種の通達などが無数にあるという現状でございます。
 国会への報告では、最近五年間に出した通達の数は、大蔵省で千二百件、通産省は二千三百件、農水省は千四百件、建設省千七百件と、すごい数であると書かれております。これらはそこにいらっしゃる大臣や政務次官の決裁なしで実施されている例も少なくないというふうに報道されております。
 私ども議員はここで法律の大枠のことを審議するわけですが、法律が施行されて運用段階になりますと、細かな基準が裁量、政省令、地方自治体でいえば要綱行政と言われておりますが、一たん私たちの手を離れると、やはり官僚の方々による裁量というものが非常に出てくる。そういうところで私は心配しているわけです。今回はきちっとそういうものをこの委員会で答弁していただいたわけですので、しっかりそれを守って実施していただきたいと思っております。
 次の質問に入ります。
 先ほど、国民に対する周知活動に関しましては、他の議員の答弁では、事業者団体、消費者団体、あと消費生活センター、パンフレット、通産省のホームページを通して、来年の四月一日からの施行にあわせて大臣は一生懸命周知徹底活動をするということですが、今とにかくマスコミ、テレビや新聞を媒体とした報道の速さによって、例えば中川官房長官も辞任されましたけれども、そういうメディアの効果というのが非常に大きいわけです。通産省としましても、法律を制定して半年ぐらいの猶予期間でこれを実施していくわけですから、そういった、先ほど答弁いただいたような媒体以外のところで予算をとってしていくようなお考えはございませんでしょうか。
#146
○平沼国務大臣 先ほど答弁をいたしまして、そのほかに何か媒体を使ってということでありますけれども、もう一つ、政府広報というのがございまして、その中にも入れていきたい、こういうふうに思っております。
#147
○大島(令)委員 この前、土井党首が選挙のときのPRで賞をもらったように、本当に一瞬のテレビコマーシャルでもやはり非常に効果があった。ですから、従来の政府広報とか刊行物とかそういった目によるものではなく、まさにITですから、テレビ画面を通じてのスポットの広告、広告ではございませんけれども、そういった瞬時に目でわかるような、そういう周知徹底活動もやはり検討されることがいいのではないかと思いますが、改めて大臣のお考えを聞かせてください。
#148
○平沼国務大臣 政府広報の中には、そういうテレビを使った広報も入ります。
#149
○大島(令)委員 わかりました。ありがとうございます。
 では次の質問に入りますが、今回の改正の大きな塊として、組合活動の電子化というものが、五十本のうち二十一本ございます。そこで質問ですけれども、組合関係における改正の内容は、具体的にはどのようなものでしょうか。
#150
○太田政府参考人 本法案におきましては、中小企業等協同組合法、消費生活協同組合法、商工会議所法、商工会法等、先生御指摘のとおり総計二十一本、五十本中二十一本の組織関係の法律に規定する組合等について、総会での議決権等の行使の際、電子的手段を利用した手続を認めることといたしました。
 具体的には、中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合などの総会におきまして、組合員が議決権や選挙権を行使する際に、電子的手段により行うことができる旨を定款で定めた場合には、これを認めることといたしました。
 また、代理人の選定あるいは臨時総会の招集等につきましても、同様の場合について電子的手段を認めることといたしました。
#151
○大島(令)委員 空港をつくるときに海を埋め立てる、ごみの処分場として海や干潟を埋め立てるとか、いろいろな漁業権の問題が生じた場合に、往々にして最近は、組合の理事長の専横が目立つような問題が新聞でも取り上げられております。
 そこで、実際的に、パブリックコメントを求めたと聞いております。組合関係者はこの法案に対しましてどのような見解を表明しているのか、わかる範囲でお答え願います。
#152
○太田政府参考人 本書面一括法、いわゆる書面一括法に関しましては、九月二十七日より十月四日まで一週間、総理官邸のホームページに掲載をすることによりまして周知を図り、あわせてパブリックコメントの募集を行いました。いろいろな御意見が出てまいりましたが、この中で、今御質問の、特に組合関係者からいただいた御意見を具体的に御紹介させていただきます。
 組合運営の簡素合理化に資するための法改正については賛成であり、これにとどまらず、さらに積極的に推進していくべきと考えます。
 書面による議決権行使や代理権を証する書面について情報技術を利用する方法を認めることは、組合運営においてとても効果的で、合理化が図られると考えます。
 三つ目のコメントでございますが、中小企業組合の総会、総代会の運営をインターネット時代に適合させるため、議決権及び選挙権の行使に電子メールによる方法がとれるよう中小企業等協同組合法の改正を行うことを求めたい。
 四つ目でございますが、中小企業組合の運営においても、例えばITを活用した書面議決が認められれば大変便利になり、省力化が進むので、法改正には大賛成である。
 組合は中小企業が経営資源の補完のために連携した組織体であるが、その連携がITネットワークを利用して行われるということは、組合員中小企業のIT化が図られるということであり、中小企業のIT革命への対応にとって非常に効果的なものと考えられる。
 それから、SOHO等の組合からは、議決権行使等を電子メール等で行いたいという具体的な要望が寄せられていたところでもあり、今回提案された内容はまことに時宜にかなったものであり、早急に実現していただくよう希望いたします。
 若干組合とは関係ございませんが、電子商取引は、規模及び距離的なハンディキャップを負い、営業して回る従業員もいない、販売ルートもない地域の小規模事業者にとって、大きなビジネスチャンスを与えるもの。規制緩和の実施による手続の簡素化、効率化は欠かすことのできない要件。
 こういったコメントが寄せられているところでございます。
#153
○大島(令)委員 組合に電子的手段を認めることによってどのような効果があるのか。今のパブリックコメントはちょっと聞き取りにくい部分もありましたけれども、この法改正によって組合の意思決定が民主的になることを私どもはやはり望むわけです。担当大臣としては、今の御説明を聞いていただきまして、組合の民主化、広く意見を聞いていろいろ判断していく、そういうことにこの法改正が貢献できるのかどうか、そのあたりのことをちょっとお聞かせください。
#154
○平沼国務大臣 御指摘のとおり、組合の意思決定というものが民主的に行われることは、その活動が真に組合員の利益にかなったものとなるためには不可欠だと思っております。そして、組合の意思決定の民主化を図るためには、総会において組合員が議決や選挙に参加することのできる機会が可能な限り確保されることが重要です。
 ところが、これまでは、組合員が議決権を行使するには、一つは、総会にみずからが出席して議決権を行使する、二つ目は、自分にかわって代理人に議決権を行使するように依頼する、三番目は、郵送により書面で行使する、この三つの方法しかありませんでした。
 しかしながら、例えば中小企業経営者の組合員の中には、総会会場にみずから足を運ぶ時間がなく、適当な代理人を見つけることが簡単でない方もおられるわけでありまして、その場合には郵送による意思表示しかないわけですけれども、これも郵便ポストに投函する手間と時間がかかります。電子メールを利用する場合に比べれば、ある意味では、必ずしも便利な方法とは言えないわけです。このため、組合から、電子メールを利用した議決権行使を認めてほしいという要望が実はありました。
 本法案が成立すれば、組合員は、定款で定めた場合には電子的な方法により議決権を行使することが可能となるわけであり、これにより、時間的、地理的な制約で従来は積極的に議決権の行使ができなかった人々が、電子的手段の利便性ゆえに、棄権することなく、組合の意思決定のプロセスに参加することが可能となると考えております。その結果、これまで以上に多数かつ多様な意見が組合活動に反映されるようになり、組合活動の民主化がより一層進むものと考えております。
#155
○大島(令)委員 では、次の質問、大臣に伺いたいと思います。
 今国会、IT基本法、それに関連したこの書面交付の法案におきましても、私ども社会民主党としましては、消費者保護と弱者に対する配慮、これが税金で行われる以上、やはり広く多くの国民がこの享受を受けるということがこの法案を認めていく上での大前提でございます。
 そういう観点から、大臣としては、消費者保護対策に関してはどのような考えを持って進めていく考えなのか、聞かせてください。
#156
○平沼国務大臣 大島委員御指摘のとおり、IT革命に十分に対応していない人に対して必要な保護を図っていく、このことは大変重要だと思っております。したがって、本法律案の立案においては、十分な消費者保護措置を講じました。
 まず、契約をめぐるトラブルが現に多発している法律、例えば、サラ金規制に関する貸金業規制法、商品先物取引に関する商品取引所法、訪問販売法におけるマルチ商法規制等については、そもそも本法律案にはなじまない、ですから対象としないことにいたしました。
 加えて、再三申し上げていることでございますけれども、第一に、送り手側に受け手側の承諾を得ることを義務づけており、承諾が得られない場合には電子的手段を使えないということにしています。第二に、その承諾に当たっては、電子メール、ホームページ等のいずれの電子的手段を用いるかを明示し、また、文字化け等を防止するため、使用するソフトウエアを明示して承諾を得なければならないことといたしております。第三に、書面において押印を義務づけている場合には電子署名を義務づけることにしています。
 なお、受け手側の承諾を得ていない場合には従来どおり紙の交付が義務づけられる点について、各都道府県等の消費生活センター、消費者団体等に周知徹底を図って、消費者が本制度を十分理解できるように配慮してまいりたいと考えております。
 御指摘のように、消費者保護というのは大変大切なことでございますから、この件に関しては、こういう措置の中で万全を期していきたい、こういうふうに思っています。
#157
○大島(令)委員 この法律は、書面交付が義務づけられている法の一部改正ということでございますけれども、この次の段階に入ると、これで納得した場合、契約、代金の支払い、決済と進む。書面交付だから、相手の同意を求めた上だからということであっても、やはり法律を運用していく中で、課題も非常にたくさんあると思うわけなんです。例えば、フロッピーとかCD―ROMは、壊れやすくて、重要なデータが保管しにくいという問題も聞いております。
 そういう観点から、政府参考人の方に伺いたいわけなんですが、もし消費者間でトラブルが起きた際に、証拠物件となるものが担保されているかが、法案では非常に不明確なわけですね。先ほどから、府省令で、電子メール、ホームページ、フロッピーディスクの手渡し、CD―ROMという答弁をいただきましたけれども、それ以上の安全なデータの保管、そういうものは通産省としては考えていないでしょうか。
#158
○太田政府参考人 電子的手段を用いた場合の保存の問題について御指摘ございましたが、電子的手段を用いて情報を提供した場合におきましても、受信者側の電子計算機に備えられたファイル、ハードディスクなどやフロッピーディスクに記録がなされれば、電子的記録の形で十分保存性が確保されます。同時に、それをプリントアウトしておけば紙の形でも持つことができる。さらに、先ほども御答弁いたしましたが、保存用のファイル、ディスクもいろいろと今便利なものができております。そういうものを利用すれば、紙と、書面の形と劣らないものが十分確保できると思っておりますし、最終的に争いがあったときには、これは民事裁判になりますけれども、十分証拠能力もあるものと考えております。
#159
○大島(令)委員 以上で私の質問を終わります。
 電子化が進むということは、一歩間違えれば非常に危険性、リスクが伴う法案であると私は思います。ですから、なお一層、通産省におかれましては、消費者保護そして弱者対策を一層進める中で、慎重に進めていっていただきたいと要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#160
○古屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#161
○古屋委員長 この際、本案に対し、吉井英勝君外一名から、日本共産党提案に係る修正案が提出されています。
 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井英勝君。
    ―――――――――――――
 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#162
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案に対する修正案について、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 本法案により一括改正される書面交付義務等は、消費者や下請事業者の保護など、それぞれ法の目的があって定められたものであります。
 消費者保護に関していえば、単なる商品情報の提供にとどまらず、消費者の負担、不利益について警告し、契約内容を確認し、紛争を未然に防止すること、また、実際に紛争となった場合には、証拠として機能することにより、早期解決に資するという重要な役割を担っています。
 下請事業者保護では、下請事業者の利益を保護するために、トラブルの未然防止あるいは迅速な解決のために、親事業者に対し、書面の交付、保存の義務を課し、下請事業者の利益を保護するためのものであります。
 しかしながら、各法の現在の運用状況を見れば、ネット取引、金融取引における消費者被害は後を絶たず、下請保護違反も毎年一千件前後で改善されないという状況であり、なお一層の監視と周知徹底、運用強化が図られなければならないところであります。
 本改正案により、書面交付が電磁的方法により代替されることで、消費者、事業者の利便の向上が期待されるところでありますが、その一方において、消費者保護、下請保護等の法の趣旨が損なわれ、トラブルが増加するようなことがあってはなりません。また、電磁的方法による新しい取引形態が急速かつ広範に普及しているもとで、電子取引の特性に伴う新たな問題が生じ、消費者等の利益、権利が侵されるおそれもあります。
 本修正案は、消費者保護、下請保護等、法の趣旨が生かされ、厳格かつ慎重な運用を確保するため、本法の施行後三年以内に、個別各法の運用状況を調査検討し、電子取引における消費者、下請事業者等の権利擁護の状況を踏まえて、消費者等が安心して電子取引に参加できるための必要な措置をとることを、最小限の措置として政府に義務づけるものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますことをお願いし、提案理由の説明といたします。
 以上です。
#163
○古屋委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#164
○古屋委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、吉井英勝君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#165
○古屋委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。
 次に、原案について採決いたします。
 原案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#166
○古屋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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    〔報告書は附録に掲載〕
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#168
○古屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十六分散会

ソース: 国立国会図書館
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