くにさくロゴ
1950/12/09 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第7号
姉妹サイト
 
1950/12/09 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第7号

#1
第009回国会 厚生委員会 第7号
昭和二十五年十二月九日(土曜日)
   午前十一時四十七分開会
  ―――――――――――――
  本日会議に付した事件
○社会保障制度に関する調査の件
 (調査報告書に関する件)
 (平衡交付金中児童措置費問題、庶
 民住宅問題及びヒロポンの製造販売
 に関する件)
○健康保險法の一部を改正する法律案
 (内閣提出衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山下義信君) これより厚生委員会を開会いたします。先ずお諮り申上げたいことがございます。社会保障制度に関する調査につきましては、右は調査進行中でございますが、今期国会開会中には調査が完了いたしませんので、未了報告書を提出いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山下義信君) 御異議ないものと認めます。文案作成その他につきましては、委員長に御一任願いたいと、思います。
 それから本院規則第七十二條によつて委員長が議院に提出する報告書には多数意見着の署名を附することになつておりますので、御賛成の方は順次署名願います。
  多数意見者署名
    小杉 繁安  井上なつゑ
    有馬 英二  大谷 瑩潤
    長島 銀藏  中山 壽彦
    城  義臣  藤森 眞治
#4
○委員長(山下義信君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れはないと認めます。
#5
○委員長(山下義信君) 日程に入るに先立ちまして、緊急質疑がございますから、通告に従いまして発言を許可いたします。河崎委員。
#6
○河崎ナツ君 岡野国務大臣においで願いまして厚生委員といたしまして、この厚生委員会におきまして、もう一度岡野国務大臣に御意見をお伺いいたしたいと思うものでございます。それは、児童保護費のことでございますが、丁度各児童福祉の施設に入つておる者に対しまする保護費は大体十八億二千三百万円、事業総額を見込みまして国庫はその八割を負担するということになつておりまして、十四億五千八百万円を補助する立場になつております。今まではそれが補助金制度でやつておつたので賄われておりましたが、この四月から御存知のように地方財政平衡交付金のほうに入つたわけでございまして、これと同じ性質の生活保護法によりますところの生活保護費のほうは、百五十億余りございますが、それは平衡交付金から離されまして、別途になつておりますが、この児童の保護費が十四億五千八百万円は地方平衡交付金に入つたわけでございます。それにつきまして私ども憂えておりましたが、果せるかな好ましからざる各種の事件が起つておりまして、丁度十八府県の民生部長から報告が来ております。なお、ほかの県のは手控えておる形もございまして、報告は十八府県の民生部長からございますが、実際視察いたしまして得ました様子、及び全国社会事業大会におきまして出席の、直接の施設に当つております人たちから受けました陳情なんかを総合いたしまして、これは非常な数のものでございますが、この施設におきましての遅滯いたしておりまする事柄といいますと、大体四つくらいに分けて考えられると思うのでございますが、第一その保護費の、或いは措置費と申しましようか、保護費の支払いが遅れておりまして、従つて随分子供も困りますが、そこに働いておりまして世話しております人たちも随分困つておりますようなわけでありますばかりでなく、又福祉施設の新らしいもので、それが認可の取消がございましたり、人が殖えますのにもう今度はこれ以上殖やさない、或いは又里親を新規にきめなければならんのをきめない。ここで停止しておる形になつておるのもござごいましたり、或いは又入手します事実は、調査がなかなか嚴重でございまして、少しでも收入が、ほんの申訳のような收入がございましても、これは資格に欠けるというふうにして、できるだけそういう福祉施設を活用する上におきましての消極的な方向へそれが向けられておるというばかりでありませんで、そういう困窮児童の指導を引受けなければならん施設の使命であるにもかかわりませず、却つて富裕児童に置き変えられて行くというような傾向の現われておるところもございますし、又措置費が大体基準がきまつておりますが、その最低基準より下廻るような立場で措置費が細々と出されておる。そういう條件もたくさんございますが、又そういうふうで平衡交付金のほうに入れられたから、これは暫らくそこへは送れんというて何となしに出ししぶつておる市町村もあるというような、四つの形に現われて来ておりますのでございまして、これでは終戰後連合国軍の司令部の指導によりまして到達して参りましたところの児童福祉法の施行が先ず出立いたしまして二年、だんだんと日本にもそういう厚生行政におきましての政治の新らしい面においてだんだん進んで参りましたのが、丁度この平衡交付金という一つの問題にぶつかりまして、暫らくこの福祉行政が立ちすくむ、或いは却つて退歩させられるというような形になつて来ておりますことは、私ども非常に憂えるところでございますが、殊にそれが憲法の第二十五條によりましての生活権の保障、人間の最低生活維持というような意味で、この児童の保護行政というこの面におきまして、これはほかの仕事の性質と違いまして、こういう遅延になりますことは非常に問題が重大だと存ずるので、何とかこのことにつきまして方法を講じなければならない。地方への平衡交付金の基準が、算定が少し低過ぎて、それで児童のほうには、福祉施設のほうには渡らないというのであれば、基準を整理して、平衡交付金の高を増さなければなりませんし、又それは正しくあつてもほかのほうへ流される。政治力の強いほうへ流されるという形がありますならば、改めて別の方法でこの児童保護費の問題は考えて行かなければならんじやないかと思うのでございますが、この間、予算委員会で岡野国務大臣の御所見もお伺いいたしましたのでございますが、なおこれは重大なことでございますので、厚生委員会におきまして改めてお考えのほどをお聞かせ頂きたいと存じますものでございます。
#7
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。御説の通りに児童福祉の費用は平衡交付金ができますまでは紐付で地方にやつておつたのでございますが、平衡交付金の制度が起きましてその費用が平衡交付金の中に含まれて来るということになつて、そうして平衡、交付金の性質といたしましてこういうものを入れて算定するのでございますがさてこれを地方に分配いたしますときには、分配の基礎にはなりますけれども、財政委員会といたしましては、これをこうしろああしろということを自治団体に干渉することはできないのでございます。でございますが、併し私といたしましては、政治と申しますものは、私の個人の見解でございますが、ほかにもいろいろ目的がございましようが、悪を除き弱者を保護する、殊に児童福祉というような項目は、この次の世代を背負つて日本の国を守つて行く、又形作つて行くというような大事な種類のものでございますから、そういう方面は十分保護して行かなければならん、こう考えております。只今の平衡交付金の性質といたしましては、先ほど申上げましたように、中央からこれを指図するわけには参りませんけれども、事の性質が重大なものでございますから、自治庁といたしましては地方に対してできるだけ趣旨に副うようにこれを使つて頂く、こういうふうに一つお勧めをしたいと、こう考えております。尤もそのお勧めと申しますのは、地方自治の自主性というものを尊重しますけれども、これは命令でも干渉でもございません。併しできるだけそういうふうにして頂きたいというお勧めをしたいと、こう考えております。併しながらこれを根本的に考えますならば、やはりこれを確保するためには、生活保護費のごとく、平衡交付金によりまして地方の自由に任せるということよりは、これを完全にこの通りに使わなければならん、こういうようなことにすることが一番大切なことだと思いますけれども、只今の法制上は、平衡交付金法を改正しない以上はそれはできないわけであります。いずれこれは根本的に十分考慮しなければならんと存じます。併しながら私どもといたしましては、平衡交付金が本当にその目的の通りに使われておるかどうかということを常時監視、と申しますか注意いたしますために、最近に至りまして、地方財政委員会に監査委員というものがございますが、そり監査委員の数を殖やしまして地方へ派遣いたしまして、本当に平衡交付金を如何に適正に使用しておるかということを監査して見たいと思いまして、そんな制度も作つて、おりますような次第でありますから、法律の改正がありませんその間は、実質的にそういうような指導の方面において実質を挙げ、河崎委員の仰せのごとき御趣旨に副いたいと、こう存じておる次第でございます。
#8
○河崎ナツ君 御趣意のほどよくわかるのでありますが、そうして監査委員で以て実施を督励するという一つの方法もございますが、すでに干衡交付金の性質上、そういう四月以来の様子から見ましても、もう実に、この報告を御覽下さればわかりますが、たくさんの押し潰されかけております様子が出ておるのでありまして、而もそれは皆が毎日の生活にかかわることでございますから、これから監査委員をお殖やしになつて、これから地方を御覽になつてという待てしばしでは、なかなか参りませんものですから、そういうふうにうまく行きます監査も無論して頂かなければなりませんけれども、なお一方ほかのものと違いまして、根本的にこの問題を確保しますようなことにつきましてのこの措置をお考えを願うような御意思はございませんですか。もう一度伺います。
#9
○国務大臣(岡野清豪君) 十分事態を研究いたしまして、早急に善処いたして御趣旨のほどに副うように努力いたしたいと存じます。
#10
○河崎ナツ君 早急にと申しますのは、二十六年度くらいは予算のときにはそういう御措置を講じて頂くようなところまでは行かないのでございましようか。その早急ということにつきましてもう少し、何といつてもみんなの生活にかかわることでございますから、もう一度念のため伺わせて頂きたい。
#11
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。先ほども申上げましたように、平衡交付金法を改正しない以上はこれは的確に御趣旨に副うようにする措置はとれないわけでございますが、実質的においてはもうすでにお説のようなことも二、三私今伺つておりますから、先般も予算委員会でお願い申上げましたように、河崎委員のお手許にお集まりの資料がございましたら、その資料も頂きますし、又積極的に監査委員に命じましていろいろ事情を調査させまして、現下の段階におきましては実質を得るということに努力するよりほかに方法がない次第でございます。
#12
○河崎ナツ君 御誠意よくわかりましてございますが、その平衡交付金のそのほうをこういう枠から出すというような方法を法的に講ずるというふうなことにつきまして、お考えはございませんでしようか。
#13
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。平衡交付金の運用につきましては、まだ実施いたしましてから日が浅いものでございまして、單に児童福祉法の問題ばかりでございませんで、いろいろ地方団体のほうから要望もございますし、又我々の気付きました点もございまして、その点もいろいろ整理しなければならんと思いますから、只今法制的措置をとりますのには、なお研究しなければならんほかの方面つ事情もございますので、早急に法律改正とかいうことにはまだ立ち至りませんけれども、これは先ほど繰返し申上げましたように、実質を得るために万全の措置を講じたい、こう考える次第でございます。
#14
○委員長(山下義信君) この問題は厚生委員会として実は重大に扱つておりますので、この際関連いたしまして大蔵当局に伺うのでありますが、先般私ども委員の数名の者が大蔵省に、休会中でありましたか、参りましたときに、長沼大蔵次官はこれは児童福祉法は事人命に関する問題で、只今河崎委員の御要旨の通りでございまして、よく了承されましたが、当然これは紐付に戻すべきであるという意見を事務次官は述べられたこともあるのでありますが、先日の本会議の河崎委員の質疑に対しまして大蔵大臣は、今岡野国務大臣のお述べになりましたように、平衡交付金の使用方が慣れんのであるからそういうミスが出て来るのであると軽く御答弁なさつたのでありますが、真劍にこれは大蔵当局ではお考え願わなければならんのでありまして、児童福祉費を地方が使わないことによつてかような悲惨な事態が起きているのでありますが、それを使わないのは、一応岡野国務大臣の御答弁にありましたように、分配の基準というものの算定をしておいでになるけれども、その通りをずつとお配りになつておるわけではなくて、一応の基準にはなさつておりますけれども、分配の内容というものにおきましては一緒になつておると申しますか、極めて不明瞭になつておりますために、そういうような額は来ておらないというようなことを言つて、地方は金が来ていないのだから仕方がないということによりまして、末端にそれらの費用が行つていない実情なのでありますから、大蔵当局におかれましてもその本質を御検討願つて、ただ使い慣れないとか、当初はいろいろ指示が不完全な点もあつたとか、或いは平衡交付金の配付が遅れた関係で末端が少し混雑したとかいうような單なる一時的の現象でなくて、根本的なものに考え直しする必要があるのじやないかというのが当厚生委員会の意見でもございますので、この際私は当局の御意見を承わつて置きたいと思います。
#15
○政府委員(西川甚五郎君) この問題につきましては、只今岡野国務相も申上げましたことでありますが、この問題につきまして自治庁並びに地財のほうとよく検討いたしまして努力をいたしたいと思います。
#16
○藤原道子君 この問題に関連してちよつと……。
#17
○委員長(山下義信君) 簡單にお願いいたします。
#18
○藤原道子君 私大臣にお願いがあるのでございます。今あの交付金の法的な改正をしなければできないというお言葉でございますが、特にお考え願いたいことは、この児童措置費は生活保護費とその性質を同じうしておるものでございます。生活保護費は生活保護費として支給されておるのでございます。交付金の枠に入つていないのでございます。でございまするから、私たちは同じ性質を持つものであるから、是非ともかわいい子供たちの人命に関する問題、これを考えまするとき段と御考慮を願つて処置して頂かなければならないと思うのであります。(「同感」と呼ぶ者あり)この点を親心を持つてどうぞ……子供の背後には誰もついていないのでございます。どうも弱い者が犠牲にされる今の世の中の悪いあり方に対しましても、根本的なお考えを願いまして、私は枉げてもこの児童措置費は平衡交付金の枠から外して頂きたい、これは決して無理な私たちの言い分ではないと思いますが、(「賛成」「しつかり」と呼ぶ者あり)この点をよくお考え頂きまして是非とも平衝交付金の枠から外して頂きたいと強く要望するものでございます。それからこの間今山下委員長が言われましたように私御一緒に参りましたときに、大蔵次官はこういうことを言われたのです。今平衡交付金の額が少いからこれはこれ以上外すと問題になる、地方がおさまらないだから平衡交付金は今この額に相当するものが殖えたときには外してもいいだけの心構えがあるというようなことを言われたのです。そうして見ますると、平衡交付金は私は少し増額されておると思う。ただ平衡交付金を減らすと地方がおさまらないからということで、声なさ子供の仕合せを無規するということは私当らないと思いますので、この点も併せてお考えを願いたい。これに対してちよつと大臣のお考えを伺わして頂きたいと思います。
#19
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。お説至極御尤もでございまして、私も同感いたしております。これは河崎委員にお答え申上げました趣旨の通りでございます。でございますから只今のお説をよく尊重いたしまして、できる限りそういう方向に善処いたしたいと存じますから、御了承を願いたいと存じます。
#20
○委員長(山下義信君) 岡野国務大臣に対する質疑は終了いたしました。欠は藤原委員の緊急質問を許します。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(山下義信君) 速記を始めて下さい。
#22
○藤原道子君 私は厚生大臣にお伺いいたしたいのでございますが、先日来大きな社会問題となつておりまするヒロポンの問題でございますが、私たちも取上げました以上は安心の行く方向へ結末をつけなければいられないと思うのでございます。この問題について厚生大臣は固い決意を持つて善処するというお言葉ではございましたけれども、この問題をどういうふうに処理されるのか、社会国民が納得するような方法を一つ私はここで言明して頂きたいと思いますので、二、三お伺いいたしたいと存じます。先日東医務局長に当委員会からお質しいたしましたところが、医療に対してこのヒロポンが必要な点もあるけれども、大きな社会悪から考えるならば、これは製造禁止をしてもやつて行けるというようなお言葉がございました。そこでこの問題に対しましてよさせるといつてもどういう法律的な根拠でおやりになるか、或いはまた聞くところによると賠償等の問題も起るから強い処置ができないというようなお言葉も私たちは聞いているのでございます。けれども今犯罪の温床と言われるような状態になつている、而もこれの犠牲者と申しましようか、その中毒患者を見ますときに、十七歳から二十三歳の者が八三%もいるということでございます。私たちが恐れますのはモヒ中毒も恐ろしいけれども、それにもまして恐ろしいのは精神的にも、肉体的にも未熟な者が侵されている。未熟な者がこの中毒にかかつているのでございます。若しこのままで参りましたならば、ヒロポン亡国とさえ言われる大きい危險があると思いますので、これに対して、大臣はどういうふうな方法でこれを喰止めようとしておいでになるかということを先ず最初に私はお伺いいたしたい。
#23
○国務大臣(黒川武雄君) これは、保、健衞生上も万全の処置を講じなくちやなりませんので、今どういう方法にやるべきかということを検討中でございます。
#24
○藤原道子君 いつものごとく検討中というお言葉でございますが、私は現行法でもやれることがやれてないと思うのです。この法律を見ますと、医者の証明書がなければ売つてはいけないということになつているのです。けれどもこの警視庁からの覚醒剤に関する調査資料と、委員会から提出されましたこの警視庁の報告を見ましても、先日私たちが調査に行きましたときの席上でも、一つのグループに対して一つの薬局から石油カン一ぱいのアンプルの殻があつた。それは一つの薬局から売られている。或いはまたあのとき集まりましたお母さんの悲痛な叫びの中に、どうぞ売つてくれなければいいと思つて行つたところが薬局で売つている。併しこれに対しては監視員ができていて十分監視がなされているはずである。ところがこういう状態にあるのでございまして、今の点から参りましても、もつと当局が熱意があるならばここまで被害を殖やさなくても済んだのではないか、私はかように考える。そこで私は厚生当局に対しまして今製造を禁止する意思があるかないかということ、そして又今ありますヒロポンを考慮中考慮中ではますます被害が殖えるんですから、従いまして全部これを国家で回收してしまつて、ヒロポンを、モルヒネのようにアンプルに番号を打つて、一つの製造会社なら製造会社を指定いたしまして、そうしてこれに対しては製品に番号を打つて、これを保健所なり、或いは県の衞生課というのですか、なりの手を通じまして、そうして必要なところだけに必要なものを流すというような方法を採つたらこの被害が防げるのではないか。こういうふうに考えるのでございますが、それに対して大臣はどのように考えられますか
#25
○国務大臣(黒川武雄君) 製造禁止のことは現在の法律ではできないのでございますが、最近中止を嚴重に勧告いたしております。併し今おつしやいました手持の品を皆買上げて、番号を打つてやるという方法も、実は検討中というのはそういうことも考えておるわけでございまして、今臨時国会も今日でおしまいでございますが、何とかこれは早急に思い切つた処置を講ずる必要があることを痛感しております。そういうことをお答えいたして置きます。
#26
○藤原道子君 痛感いたしておると言われまするがどうも頼りないんです。而も製造中止の命令を出していると言われますけれども、それも聞いていないんじやないですか、今日その製造会社が……、そして同時に私は罰則規定がありながらこれの適用が非常に軽いと思うんでございます。この書類を見ましても富山化学ですか、その他の会社二件がこれに引つかかつているゆですが、たつが十五日の営業停止なんです。たつた十五日くらいの営業停止ならば、ヒロポン成金ができている今日、單に十五日くらいの営業停止なら決して中止命令なんか効くはずはないと思うんです。こういう手ぬるいことだからこういうことになる。従いまして私は断乎たる決意を以て、考慮中、憂慮中であるということでは国民は納得しないんです。私どもの手許に子供をヒロポン中毒に侵されたお母さん、家族の方から悲痛な投書が来ているんです。こういう参考資料は大臣は、こんなものは大したことでないからと思つてお読みにならないかもわからないですが、これは本当に重大なことなんです。これに侵されておるものが未青年者に多いということを真劍にお考えになつたことがあるのですか。それと併せて私がここでお伺いしたいことは若しこういうことの製造禁止等も一つの措置でございましようけれども、国民の衞生教育というものが私は本当に大切だと思うのです。このヒロポンはもともと戰時中に軍が労働者を酷使いたしますために、労働強化をいたしますため、眠くてはできない、そういうところからヒロポンを使つて労働強化をやつたということを私は聞いておる。で、こういうところから発して、そうして全国民にこれが滲透して来たわけなんです。従つて衞生教育というものがもつと真劍に考えておられたならばこれだけの悲劇に至らずしてこれは喰止めることができたと思う。この衞生教育というようなことに対しましてはどういうふうな方法を今日までおとりになつたか、或いは医師会に対して協力を求めてあらゆる機会にやるべきであつたのではないか、或いはこのヒロポンのこれだけに被害が殖える前にこのヒロポンの害毒というようなものを国民に周知させるためのパンフレットが作成されるとかいろいろな方法が講ぜられなければならなかつたと思いますが、今までにどういう方法をおとりになつて来たか。医師会等にはどういうふうな御協力をお願いされたか、というようなことについて一つお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(黒川武雄君) 私としては真劍に考えております。断乎としてやることは藤原君に誓います。細かいことは局長からお答えいたさせます。
#28
○政府委員(慶松一郎君) 細かいことになります点は私から申上げます。冨山化学の十五日の営業停止等の問題につきましては、これは今日国家警察におきまして調査中でございまして、その点が判明いたしました曉におきまして断乎たる処置をとることになります。と申しますのは、私どもがたとえ行政処分をいたしますにいたしましても、或いは司法上の処分をいたしますにいたしましても、これは十分なる証拠その他がはつきりしませんことにはできませんことは改めて申すまでもございません。その点目下国家警察、検察当局と十分密接なる連絡をとつておる次第であります。なお一般に対しまして周知させます点につきましてときどき新聞等に私どもから申しておりますし、又医師会に対しましても協力方を求めておる次第でございます。
#29
○藤原道子君 新聞等ということでは駄目なんです。もつと真劍にヒロポンの被害の如何に恐ろしいかということ、それからこういう社会に起つておるあらゆる悲劇等々をわかりやすく書いてパンフレツト等にしてこういうことをやられて来たか、今後そういうことをやる意思があるかどうか、新聞で書くくらいのことは今までどれだけのことを書かれたのですか、むしろ新聞は昨日あたり……一昨日でしたか読売新聞ではヒロポンの問題を騒いでおることを阿諛しておる記事が出ておる。ヒロポンの害ということが書かれるよりも、ヒロポンによつて小説家がその仕事が進行するとか、或いはヒロポンを打つことによつて眠くないからやれるのである。興味本位のことのほうが大衆の眼には映りやすいのです。ですから今新聞に報道したということは、当局のとられた態度とは受取れない。医師会にはどういう協力をお求めになつたか。
#30
○政府委員(慶松一郎君) 医師会に対しましては、たびたび覚醒剤に対しまする指示、その他についての協力方を求めておる次第でございます。
#31
○藤原道子君 それから私は素人でわからないのですけれども、医者の証明書というようなものはどういう病気のときにヒロポン使用の証明書が出るのでございましようか。
#32
○政府委員(慶松一郎君) これは非常にむずかしい点がございます。その点につきましていささか御了解を得たいと存じます。旧薬事法の第四十一條によりまして医師の処方箋又は指示によつて使うべき薬といたしまして指定されております、若しくはペニシリン或いは、ズルフアミン剤がございまして、それに昨年でございましたか、私ちよつと日附はこの前申しましたが、今忘れましたが、ヒロポン等の覚醒剤も同様なものとして扱われるようなふうにいたしたのでございますが、その後医師の指示若しくは処方箋等によらなければこれを使用することができないという意味の、当然処方箋のことは改めて申すまでございませんが、指示或いは指示書に基きまして薬を渡すということになりますけれども、この指示という意味は、それは処方箋に準ずるものでございまして、併しながら処方箋により難いような場合でありましても予防の意味で薬を使うというような際には大体指示で以て行うということが先ずこの法の精神であろうと私は考えております。従いまして最近地方庁から医師が、この覚醒剤に対しまする指示といたしまして一ヵ月分であるとか、或いは一年分であるとかというような指示書をまま出しておるのでございます。それはすべてこの法の精神に合しておらない、従つてその点は十分改めしめるようにということを私どものほうから通牒を出しておる次第でございます。従いましてこれは全く医師の良識の問題にも関する次第でございますが、併し又一面におきましては更にこれが法的にどうであるかと申しますと、法的にはどうも違反であるとは言えない点、むずかしい点がございます。従いましてその意味で私どもが只今大臣からも十分拔本的な意味での措置を考えておると仰せになりました意味は、これはいわゆる薬事法のごときものによつてこの問題を解決しようというところに無理があるのでありまして、従いましてこの問題の解決は何らかの独立的な法規を作らない限りは非常に困難であるということになります。例えて申しますと、中毒者に対しましての施用をするということは今日の薬事法によつては禁止することはできませんです。従いまして例えば自分はこの覚醒剤の中毒者である、もうこれがなくちやとても堪らんのであるということを医者のところへ持つて参りますれば、医者はそれはかわいそうであるということでまあやられるかやらないか、或いは脅迫されてやられるかということは一応別にいたしまして、そういう指示なり処方箋を渡すことも、これは法的に申しますれば違反ではございません。併し例えばこれは麻薬取締法にございますがごとく中毒者に対しまする施用を禁止するとか、或いは例えば今日素人のものがこれを持つておりましても何ら罰則がございません。又密造されましたもりを所持しておりましても、これを所持するだけでは罰することができませんのです。ただ若しも密造されたものや、たくさんの僞造のレツテルを持つておるというような現場を掴まえるとか、或いは売つております現場を掴まえない限りはこれに法的な措置をすることはできませんことは、先般この委員会の方々と御一緒に浅草等で実地の調査をいたしました際にも刑事連中が私に訴えたところでございます。従いましてその点で例えば何ら資格のないものがこういうものを所持しておることを禁止するとか、或いは中毒者に対しまする施用を禁止するとか、そういうような立法的な措置が行われない限りは拔本的にはこれを取締ることに極めて難点があるということを御了解願いたいであります。
#33
○藤原道子君 私は今まで薬局でこれに違反して来ておるもりをどのくらい監視員の手によつてそれが挙つておるか、それらに対してどういう措置をとられたかということを一応薬務局長にお伺いしまして、最後に一口大臣にお伺いしたいことがございます。
#34
○政府委員(慶松一郎君) これは先般も藤森委員からでしたか御質問がございまして、今年の一月から十月一ぱいにこの問題につきまして、この覚醒剤だけにつきまして薬局その他販売店につきまして処分いたしましたのが七十九、約八十ございまして、その中で半数以上は業務の停止等をやつたのでございます。勿論これは全般に比べますれば確かに少いことは想像できるのでございますが、併しながら何しろ非常に多い例でございますので、その点私どもといたしましても遺憾な点もございますし、苦慮しておる点もございます。なお地方々々の薬剤師協会等におきましては、このものの販売を申合せによつて中止しようというところも多多出て参つております。例えば福岡県等におきましては、全県の薬剤師協会におきましてその申合せをしておるという例も出て来ておることも御承知願いたいのであります。
#35
○藤原道子君 私、大臣に一つ最後にお伺いいたします。法的根拠ではどうすることもできないということを、今縷々局長から述べられたのでございますが、取締るべき法的根拠がないから仕方がないということで、刻々とこういう被害者が殖えて犯罪の温床になつて来る。中毒者がときに親を斬りつけておるものさえ出ておる。これによつて十七の少年が殺人未遂を犯しておるというようなこともある。或る中毒患者は金をやるからと言われても駄目だけれども、中毒が切れようとしておるときにヒロポンを見せられて、これをやるから人を殺せと言われたら恐らく人殺しもいたしましようということを言つておる。この恐ろしさは我々の想像以上なのでございます。従つて社会不安を助長するこの問題、犯罪の温床となつておるこのヒロポンの問題に関しましては、緊急処置ということが私はとれると思うのです。個人の自由も、社会の福祉のためには縛らなければならないというくらいな、法律にはそういう精神が強く織込まれておるのでございますから、この社会の不安を是正し青少年の未熟なものを守つて行くという大きな立場からここでヒロポンの問題に対しましては緊急処置というようなことで、ヒロポンの販売禁止等の手も打てると、私は思うのでございますが、大臣はそれだけの決意がおありでございましようか。ただ法的根拠がないからといつて法的根拠ができるまでこのまま放置されておるのか、これをよく我々が納得の行くように一つ大臣の決意をお伺いしたい。厚生委員会といたしましてもこれを取上げました以上はどうしてもこれを最後まで持つて行かなければ国民に申訳がないと存じますので、私はくどいようでございますけれども大臣の決意を伺いたい。
#36
○国務大臣(黒川武雄君) 仰せの通りヒロポンの使用が如何に罪悪を犯すようなことになるかというような非常な恐るべきことはよく承知いたしております。それにつきまして製造の禁止とか、或いは衞生思想の高揚とか、あらゆる方面からこのヒロポンの使用を実際しないというように持つて行かなければならないと思うのであります。急速の処置を必要としますが、なかなかこれが一日にしてなるものではございません。厚生省といたしましても先ほどおつしやつた通りパンフレツトとか、そういう方面において、そういうことの知識を国民に知らせると同時に、又藤原委員外各委員におかれましても、是非地方の観察、或いはあらゆる会合において普及に御努力下さることを私はお願いしたいと思います。
#37
○藤原道子君 いま一つ、このヒロポンに番号をつけて、そうして本当に嚴重に取締るということはできませんものでごさいましようか。
#38
○政府委員(慶松一郎君) それは十分私は至急に考えますけれども、実際問題は正直に申しますれば極めて困難なものだと私は思います。ただ仰せになりました行政上の措置といたしまして、販売を一応中止せしめるというようなことも当然考えております。
#39
○委員長(山下義信君) ちよつと関連して……今の製造禁止の強い勧告ですが、次官通牒のあれを励行しなければ意味をなさんことになる。政府の勧告が業者に軽んぜられて空文に終るということはあろうはずがないから、御励行にならなければならん。あの製造禁止を励行されるということになると、私どもはあのままでは憲法違反の嫌いが起きて来るのじやないかと思う。それは勧告だからといつてそこで逃げれば意味をなさん。やはりあの勧告が来て製造禁止される。その勧告の趣旨を強く行政的に押して行くということになりますというと憲法違反の嫌いを発生して来る。これはどうしても合法的な行政措置の根拠がないといかんのじやないかという気持が厚生委員会ではいたしておりますので、今の全面的に販売禁止ということもやはり同様に法的根拠があいまいでありまして、これらは又却つてその処置そのものが紛議の種になる虞れがありはせんかと考えられますが、今薬務局長の全面的に販売禁止の措置ができるという御説明は非常に重大な点でございますので、それはどういう法的根拠によつてできるのでしよう。
#40
○政府委員(慶松一郎君) 私は全面的に販売禁止ができるという意味を申述べたのではございません。その点を十分考究して行くということを申上げた次第でございます。
#41
○委員長(山下義信君) 他の問題にお移り願います。
#42
○藤原道子君 私は住宅問題についてお伺いしたいのでございます。庶民住宅が非常に渇望されておることは申すまでもないことなのでございます。今日住宅がないためにどれだけ家庭悲劇が起つておるか、或いは又上野地下道初め各所の浮浪者たちが住宅さえあるならば相当更生できる人があるということも明らかになつておるわけでございますが、ときたまたま朗報といたしまして、厚生省で庶民住宅でしようか、要保護者を対象とした住宅ができるというようなことを聞いておりまして、非常に喜んでいたのでございますが、その後建設省とのごたごたが大分起つておるというふうに伺つておりましたが、その後これはどういうふうに解決されたか、それからどういう程度の規格か、どの程度に建設されるのかということをちよつとお伺いいたしたい。
#43
○国務大臣(黒川武雄君) 厚生省は初め四十八億でございますか、要求を来年度の予算にしたのであります。その後六億程度ということになりましたが、遂に住宅は建設省において建設する、そうして私どもの考えております更正住宅は七坪半でありまして、家賃は約三百三十円ぐらい、それをせめて来年はそれでは一万戸拵えたいという希望を持つて只今交渉中でございますが、建設大臣と私とはすでに話がついておりまして、共管でやろうという話がついております。事務的の折衝を今いたしております。
#44
○藤原道子君 一万戸の建設は話がついているけれどもまだ決定していないのでございますね。
#45
○国務大臣(黒川武雄君) そうでございます。
#46
○藤原道子君 これは是非強行して獲得して頂かなければならん。厚生省は一つ強くなつて頂きたいと思います。それと併せ、この嚴冬を控えまして、あの浮浪者の対策ですね。こういう問題はどういうふうに進められておるでしようか。
 それから引揚住宅が各地で腐朽して見るに堪えないような状態に置かれておりますが、これが対策も時間がございませんので、叱られると思つて私非常に急いでおりますので、他は省略いたしますが、この対策をちよつとお伺いしたい。
#47
○国務大臣(黒川武雄君) 浮浪者に対しては相当に今その寮等ができております私もこの間大阪で浮浪者の寮を見て参りましたような次第でございます。
 なお引揚者につきましては、二十一年来相当の新築をしましたり、或いは又改築をしましたりしておりますが、現在では十分ではございませんが、来年度はもう少し相当数然るべく増設ができると考えております。
#48
○藤原道子君 相当浮浪者の住宅ができておると言われましたけれども、現在多数の浮浪者がああしているのでございます。それからこの間何寮ですか、淀橋寮ですか……のところへ参りましたけれども、そこに收容されて住宅を与えられて本当に明るい気持になつたと言つて更生いたしまして、あすこにおります者の六割は安定所を通じて仕事をしておる。家さえあればこの人たちに本当に社会人として更生することができるのでございます。でございますから、来年度これらに対しましてどの程度の予算をお取りになつておるかということを伺いたいことと、いま一つは国民生活の安定、この根源をなすものはこれは住宅だと思う。住宅対策が非常に弱いと思うのでございます。従いまして今後本当に通り一遍の御挨拶でなくて、住宅問題はもつと真劍に取上げて貫いたい。浮浪化防止の問題がやかましく叫ばれておりますけれども、この大きな原因をなしておるものは住宅に基因しておるものが多いのでございます。三疊の中に八人も住んでおるいもの子を洗うような状態です。でございますから、子供の性的犯罪の殖えて参りましたのも、そういうところで結局幼い子供たちが性的の芽生えが早められておるのです。こういう点を考えますときに、私たちはこういう点から参りましても、住宅対策というもの、殊に庶民階級を対象とした住宅対策が立てられなければならない。いま一つは、今庶民住宅と言われておりまするものが非常に基準が高くて、一般の者が入れないのでございますから、そういう点から言つて、こういう人が入り得る住宅をもつとどんどん建てて頂きたいということを私は要望いたしまして、来年度の浮浪者に対する住宅の対策というものをもう一回聞かして頂きたい。
#49
○委員長(山下義信君) なお関連して私ちよつと伺いたいのですが、援護局長官かどなたか、おわかりになつておられる方でよいのですが、もう嚴寒が迫つておるこの状態にですね、只今浮浪者の收容対策はどういうふうにお立てになつておられますか。この目前に迫つた厳しい厳寒を控えての悲惨な浮浪者の收容対策はどのように立てておられるか。この点関連してお答えを願いたいと思います。
#50
○政府委員(宮崎太一君) 私は引揚者のことだけについて藤原委員に申上げたいと思いますが、引揚者の住宅につきましては御承知のように応急住宅といたしまして、毎年多額の経費を出しまして、今年も五億の経費を以ちまして無縁故住宅を作つたわけでございますが、先ほどお話になりました集団住宅でございますが、集団住宅と申しますのは引揚が盛んでありました頃に、現在の建物とか、或いは会社の工員宿舎とか、或いは公共の建物とかを借りましたり、或いは国有財産を使いましたりいたしまして、收容いたしました建物でございますが、これが仰せのように腐朽甚だしいものが多くございまして、昨年もその修理をいたしたのでございますが、本年に至りまして修理だけでは間に合わない、修理しても使い途のない住宅が相当あるということが十分わかりましたので、本年の予算の流用を以ちまして、約三億三千万円ぐらいの流用を以ちまして、腐朽の甚だしい集団住宅におります人たちを疎開するという経費を案出いたしまして、約三千ぐらいの疎開住宅が本年度の間にできるはずでございます。なお腐朽はありますけれども、住むに堪えざるものではないというものにつきましては、雨漏りを直しますとか、或いは窓を拡げますとか、或いは疊を直しますとかいうような修理の経費もそれに含まれておりますので、そういうものにつきましても三億三千万円のうちでやることになつておりまして、すでに疎開住宅につきましては地方庁に通牒を出した次第でございます。今修理をする補修住宅につきまして案を練つておりまして、近々中に各県へ通知を出すことになつております。なお経費が余りましたならば、大臣が大蔵大臣とも御相談になりましたので、なお若干の経費を投じたいという考えを以ちまして、大蔵省とも折衝いたしておる次第でございます。本年で終りませんならば、明年もそういうふうにいたしたいということを事務的には考えておる次第でございます。
#51
○委員長(山下義信君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(山下義信君) 速記を始めて……。
#53
○説明員(越田得夫君) 只今の住宅の問題について、浮浪者の住宅の問題について御説明をいたしますが、浮浪者の住宅につきましても今度厚生省で考えております低家賃住宅について住宅対策を考えておる次第でございます。この低家賃住宅は、大体の規模は木造で、一戸建八坪、且つ家賃は月額三百円以下というふうに考えております。これはCPSその他いろいろな調査によりまして、大体三百円以下の家賃であれば、浮浪者につきましても、勤労意欲のある浮浪者でありますれば、どうにか食べられるのではないだろうかその他生活保護法の該当者などにつきましても、本法によつて三百円程度の家賃の給付が行われます関係もありますので、大体この見当に定めたいと考えておる次第でございます。
#54
○委員長(山下義信君) 浮浪者とCPSとどういう関係があるのですか。
#55
○説明員(越田得夫君) これは、CPSと申上げましたのは、この住宅は只今申上げましたように、浮浪者のみならずその他の生活程度の低い人たちに対する住宅を考慮いたしました結果、その面からCPSの調査もいたしたのであります。
#56
○委員長(山下義信君) ですからどういう関係があるかと言うのです。CPSと浮浪者とどういう関係があるか。
#57
○説明員(越田得夫君) CPSと申上げましたのは、一般の收入の少い勤労者の場合を考慮して、CPSを参照いたしましたのでして、浮浪者に直接の関係はございません。
#58
○委員長(山下義信君) あなたは今関係のあるようなことを説明したではないですか。
#59
○説明員(越田得夫君) 家賃の三百円という算定の基礎を御説明申上げたのであります。
#60
○委員長(山下義信君) ですから浮浪者と何の関係があるかというのです。CPSと家賃との関係は出て来ましたでしようけれども、浮浪者とどういう関係があるかということです。よろしうございます。今の嚴冬に差迫つての浮浪者の收容対策はどうなつておりますか。御答弁はあとからでよろしうございます
#61
○藤原道子君 一つお伺いいたしたいのでございますが、病院の入院患者の入院料についてでございますが、結核療養所でございますが、司令部の指示では一日二千四百カロリー以上ということになつておる。ところがこれに対して今の生活保護法などによる給与は低いわけです。今までは本人負担で最低千円から五千円ぐらい負担させられた。これは非常にやかましくなりましたので、健康保険ではこれが一日二十円増額されたというのです。ところが生活保護法は同じような状態でありながら、同じ病院へ入院しておりながら健康保險には二十円が認められ、ところが生活保護法にはこれが認められていない。非常に困つておるのでございます。こうなると生活保護法の精神から考えましても、これは憲法違反になるのではないか、こう思うのです。一律平等でないわけです。殊に結核で入院しておるものは、それだけの基準でなければいけないということの命令を受けておりながら、生活保護法なるが故にこれが適用を受けることができない。健康保險はこれを受けておるということに対して、私はこれは是非とも生活保護法で見るべきものである。かように考えるのでございますが、この点に対してどういうふうにお考えであるか。同じことが完全看護の面でも現われて来ております。健康保険ではこれが認められていて生活保護法では認められていない。ここに非常に扱いの上に不平等がある。人権擁護の叫ばれておりまする今日、この際、生活保護法の人々も是非とも保険の患者と同じようにこれがなさるべきではないか、かように考えるのでございますが、その点について一つ御答弁を願いたいと思います。
#62
○政府委員(安田巖君) 私の御答弁では不十分かと思うのでありますが、御承知のように先般社会保險の医療協議会を開きまして、現在の入院料につきまて、いろいろ仰せのようなやかましい基準も出て参りましたので、完全給食、完全看護をいたしました場合には、現在二十点のものが二十四点になつております。こいうような取決めをいたしまして実は実施しておるわけでございます。生活保護法のほうの医療給付につきましては、大体社会保險と私同じような基準に基いてやつておると思いますので、あとで取調べますけれども、恐らく入院料の問題も、社会保險の点数に倣つておるのではないかと思います。この点あとで取調べましてお答え申上げます。
#63
○藤原道子君 これは昨日療養所から陳情を受けたのでございまして、この点間違いないと思います。今年の九月から保險のほうはその扱いを受けておるが、生活保護法のほうはどうしても認められない。そのために非常に困難しているから、この点何とか厚生委員会において一つお質しを願いたい、是非とも生活保護法の人もこの線に沿う恩点が、給与が受けられるように一つ御配慮を願いたいという速達の陳情を受けておりますので、私間違いないと思います。是非今のお言葉通り生活保護法の人もこの線で受けられるように一つ御配慮を願いたいと思います。
#64
○委員長(山下義信君) 通告の質疑は終りました。議事の都合によりまして暫時休憩いたします。
   午後零時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十六分開会
#65
○委員長(山下義信君) 休憩前に引續いて会議を継續いたします。
 日程によりまして健康保險法の一部を改正する法律案を議題に供します。御審議の御續行を願います。
#66
○委員外議員(赤松常子君) 私ちよつと先ずお聞きいたしたいことがございますが、健康保險法の一部改正、特に料率の引上げなどに関しまして、最も影響の深いのは労働者階級なのでございますが、かける側の者の意見をも徴するような処置、例えば公聴会をお開き頂いたのでございましようか。ちよつとその点をお確かめいたして置きたいと思います。
#67
○委員長(山下義信君) お答えいたします。委員会といたしましてはそういう措置をとりませんでございました。
#68
○委員外委員(赤松常子君) この船員保險法の改正につきましては、そういう公聴会などの処置をおとりになつたと聞いておりますし、両者の意見もよく愼重に御調査なさいました上で御決定と伺つておりますが、それよりももつと多くの人数を持つております、又関係筋のほうの人数も多い健康保險法の料率の額などにつきましての公聴会を開かなかつたということについて、私ども誠に遺憾且つ不満の意を表する次第でございますが、申すまでもございませんこの健康保險法の歴史につきまして、又その後いろいろな経過につきまして、さまざま労働者側及び診療していらつしやいます側からも問題のあつた制度でございます。特に今までのいろいろ経過を私見て参りますと、社会全体に対しまする不備の点ももつと根本的な改正もしなければならないという点もあると思つているのでございます。そういう重要な法案の改正に対しまして、まあ今度の直接の問題であります保險経済の危機に際しまして、これを如何にするかということについて国家財政の危機もよく労働者階級は存じておるのでございまして、ただ徒らに反対しているというわけのものではないと思つております。でございますから、私といたしましても納得して国家財政に協力するという建前をとつて喜んでかけるようにするということが一番政治の大事な運営の仕方だと思つております。私の意見といたしましては公聴会を是非お開き頂きたいと思うのでございますが、今会期も今日一日でございますので、時間的に無理かと思つておりますが、併しながら明日から通常国会も開かれるのでございますし、これを是非とも継續調査の形において来国会にお持ち込み頂いて、そうして会期の第一にこれをお取上げ下さいまして、労働者の声も十分にお聞き願いたい、こういうふうな処置をおとり頂けないものでございましようか。この点について委員長の御意見を伺いたいと存じます。
#69
○委員長(山下義信君) 只今労働委員長から御指摘になりました労働者に非常に重大な関係のある本問題について、或いは公聴会その他労働者側の意見も聴取する審議方法をなぜとらなかつたかという御指摘に対しましては、十分そういう方面に対しましての影響等につきましては当委員会の委員各位が御関心をお持ち下さいまして御審議を願うわけでございまするし、又御審議もあつたことと存じておるのでありますが、全くその点に関しまして労働委員会の関係の方々との間の審議上の連絡を十分持ち得なかつたということに対しましては、委員長といたしまして若干遺憾であつたという点は率直に認めまして遺憾の意を表したいと存じます。今日午前中に労働委員会との連合委員会の持ち方につきましてお申入れがありましてお諮りをいたしたのでございましたが、審議の時間的状況からいたしまして、遂に御要望に応ずることができませんでした点は遺憾に存ずる点でございます。
 なお只今本件は十分に審議をするために継續審査に付してもらいたいという御要望につきましては、委員長といたしましては委員会にお諮りしてお返事申上げたいと存じます。速記を止めて。
   午後三時三分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十六分速記開始
#70
○委員長(山下義信君) 速記を始めて下さい。休憩前に引續いて会議を續行いたします。労働委員長御発言でございますか。
#71
○委員外議員(赤松常子君) この健康保險法の一部改正につきましていろいろと私どもの要求を聞き入れて下さいまして有難うございました。只今から労働委員会の代表質問をいたしますが、時間の関係がございまして労働委員会の成規の手續を経て踏む時間もございませんので、今いろいろ協議いたしまして、労働委員のうちでこの問題に対して質疑のある議員が委員外議員としての形で発言を許して頂きたい、こういうふうに存じておるのであります。その方どなたでございましよう。
#72
○委員長(山下義信君) その方どなたでございましよう。
#73
○委員外議員(赤松常子君) 山花議員です。
#74
○委長員(山下義信君) 只今委員外の議員としまして山花議員から発言の御希望がございますが、許可することに御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○城義臣君 時間をあらかじめ制限して頂きたいと思いますが、御申合せを、その辺理事会で打合せたのでございますか。
#76
○委員長(山下義信君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(山下義信君) 速記を始めて。それでは委員外議員の山花秀雄君の発言を許します。
#78
○委員外議員(山花秀雄君) 大変時間が切迫しておりますときに、委員外質問を許されましたことについては深く感謝をするものであります。朝方労働委員会といたしまして、この問題に関して、外くの労働者に関連性のある法律案の改正であるから、労働委員会との連合審査をやつて頂きたい、こう申入れたのでありますが、厚生委員会のほうでは時間の関係でそれは不可能である。そして労働委員としての意見があれば代表の意見として開陳してもらいたい。こういう御趣旨の御回答を承わつたのでありますが、代表意見を開陳するにいたしましても、一応質すべき点を質さないと正確なる意見が出て来ませんので、若干いろいろな点について質問をいたしたいと思うのであります。併しながらこの質問は今までの委員会に列席していなかつたものでありますから重複する点があるかも知れませんが、その点は一つ御容赦願いたいのであります。
 第一に質問いたしたい点は、この保險給付金の資格の問題を第五十五條の一項に謳つておるのではなかろうかと思うのでありますが、これは従来と今度の改正案について、どういう関係に改正せられておるかという点を一つ政府委員のほうから明快にして頂ければ結構だと思うのであります。
#79
○政府委員(安田巖君) 御承知と思いますが、被保險者がやめましてからも、被保險者の資格がありましたうちに病気になつておりました場合は継續給付と申しまして、その後二カ年間の給付がございます。そのうちで六カ月未満の期間においても、六カ月も経たないうちにやめてしまつたというようなものの病気につきましては、給付を今後しない、こういう解釈なのであります。
#80
○委員外議員(山花秀雄君) 只今の回答によりますと、被保險者の或る程度有利な点が、今度の場合には不利になると、こう解釈して間違いないのでございましようか。
#81
○政府委員(安田巖君) その通りでございます。大体継續給付というのは、被保險者が本来ならば保險では在職いたしております期間の疾病につきまして保障するというのが趣旨でありまして、いわば附助的に給付になつておるわけであります。ところが最近の実績を見ますというと、継續給付が大体年に十億何がしあるというと、そのうちで六ヵ月未満のものが二億四千万円くらいになる。つまり五分の一くらいがそれに該当しておるというような状況でございます。これはいろいろ事情もあると思いますけれども、中にはむしろ病気を直すために人づて来てすぐやめるというようなものが相当あるわけであります。そういう点はこれは保險の掛金をかけまして同じように給付を受けておるのでありますから、そういつた公平の観念から言いましてもこの際是正して行きたいということも一つの理由になつております。
#82
○委員外議員(山花秀雄君) 第七十一條のこの改正の事項でありますが、千分の五十を千分の六十、若しくは千分の四十五及至五十五を千分の五十五及至六十五というふうに改正点が明らかにされておるのでありますが、これは労使の保險負担金の増額になると思うのでありますが、私の解釈が間違いないのかどうか、一つ御回答を願いたい。
#83
○政府委員(安田巖君) 料率の引上げでございますから上げられたものの半分くらいを事業主と被用者で負担をすることになつております。
#84
○委員外議員(山花秀雄君) 第七十五條の改正点でありますが、「千分ノ三十」を「千分ノ三十五」に改めること、これは労働者にとつてやはり掛金の増額になると思いますが、この解釈は間違いないのでありますか。
#85
○政府委員(安田巖君) 従来千分の三十であるまいしたのが三十五までの最高限を認めるわけでありますから、そうなる場合もありますけれども必ずしもそうでないのであります。と申しますのは御存じと思いますけれども事業所ごとに持つております健康保險組合におきましては、料率が千分の八十までになつております。千分の八十というのはこれは政府管掌の保險料率に比べますと非常に高くなつておる。併しおのおの事業の性質によりまして、そういうふうに高く料率が殖える場合があるものもございますが、健康保險組合舌、そういう料率でも差支えないというのなら八十までは上げてもよさそうだ。併しながらその際に健康保險組合が八十まで上げたのだから、労働者のほうの負担がその半分だということになりますと、結局組合管掌のほうが労働者の負担が政府管掌より多いことになりますから、そこで政府管掌のものとその最高限を併せておつたわけであります。従いましてその限度が上りますと、その限度を三十五まで上げるのが論理的の帰結だと思う。現在は御承知の通り千分の三十五まで上つているのが実情であります。どうしても殖えるという、こういうものではないかと思つております。
#86
○委員外議員(山花秀雄君) 七十五條の点に関してはあながち労働者側の不利であるとは断定し難い。こうような御答弁でありましたが、とにかく最高を三十五にするという点は、やはり我我ははつきりして置きたいと考えておるのでありますが、その点議論はさておきまして第七十一條の改正案は労働者の掛金が先ほど政府の答弁によりましても高くなるということは、言葉を換えれば労働者がやはり不利になるという改正案と私共は解釈したいと思うのですが、この私の解釈は政府当局としては間違いないかどうか、一つ御回答を願います。
#87
○政府委員(安田巖君) この保險料を納めます関係から言いますと、千分の五でありますから大体現在の標準報酬を六千七百円くらいに見ますというと、千分の五でございますから約三十五円、それの半分十七円五十錢くらいが、従つて高く取られるということになります。そこで余計なことかも知れませんが、確かにそういうふうに上りますが、それは後で……。
#88
○委員長(山下義信君) 不利になるかどうかということを政府は認めたかどうかということ、それから標準報酬保險料率を言つたのでありますが、この料率の算定のときは七千三百円……。
#89
○政府委員(安田巖君) 七千二百円になつております。料率の引上げという点では確かに被保險者並びに事業血にはそれだけたくさん負担をかけることになります。ただ併し実は最初から申上げますと長くなりますけれども、最近の被保險者の健康保險の利用の率というものが非常に殖えて参つたのであります。それではつきりわかりやすい例で申しますというと、一枚の被保險考証を本人及び家族が、大体一人半、一人七点くらいの割になるかと思いますが、本人及び家族が、大体年に五回半ぐらい、一枚の被保險考証を使う、それで一回の診療日子というものが、現在でありますと、十日を超えておりますから、仮に十一回といたしますというと、年に六十日ぐらいが一枚の被保險者証によつて健康保險が利用されておるという状況になつておるのであります。これは健康保險の当初から考えましても或いは終戰直後の状況から考えましても、非常に激増になつている、そういうふうに利用が激しくなりましたので、現在のように保險料の徴收によりまして健康保險を賄つて行くという場合には、どうしてもそれに伴つて若干のものを上げないと赤字になる。保險経済の現在の状況から申しますと、大体二十五年度の頃におきまして、十一億幾らの赤字が出るということになつております。赤字が出るということになりますと、自然医師に対する支払いも遅れ勝ちになるというようなことになりまして、健康保險の運営が不円滑になる、それは同時に今度は診療制限であるとか、或いは差別診療であるというように、被保險者にはね返つて来る。実は私どもはこの料率を上げることにつきましては、いろいろと苦心をいたしたのであります。先ほどからいろいろ審議が一方的だというようなお話もあつたのでありますけれども、実は社会保險を運営して行きます上に、いろいろ各方面の意見を聞くという意味で、社会保險審議会というものが設けてあります。これには勿論事業主も入りますし、被保險者も入りますし、学識経験者も入るのであります。ざつくばらんに申上げますけれども、この社会保險の審議会にこの案をかけましたときには、最初は否決されたのであります。料率を上げるのは、今おつしやるように、負担を増すことであるからよろしくないということで、否決されたのでありますが、併し、否決しつぱなしでなくて、その否決しつぱなしでありますと、保險制度の運営が、不円滑になつて、又大きな問題になりますので、何かもつと妥当な方法はないだろうかということを、各審議会の委員の方に考えて頂きまして、三日、四日経ちまして、再びこの審議会を開いたわけであります。その席でいろいろ私共は料率の引上げに代る案を、十幾つ練つて頂いて、これでどうだろうか、あれでどうだろうかということで、愼重に御審議願つた結果、やはり今労働者に、或いは事業者に影響を与えますけれども、この料率の千分の五の引上げの案がその中でも最も影響が少いのではなかろうかという結論に達しましたわけでございます。それから又、社会保障制度審議会もございますが、これも御承知かと思いますが、いろいろ被保險者の代表の方も人づておりますし、事業者の代表の方も、学識経験者の方も人つているのでありますけれども、この審議会におきましても、結局現状においては本旨には不賛成であるけれども、現状においては応急の措置として止むを得ないであろう、こういうような御意見があつたわけであります。そこで私ども、実はこれが望ましいことではありませんけれども、現在の応急のやり方といたしましては、これが一番影響の少い案ではなかろうかということで、こちらに対しまして御審議願つておるわけであります。
#90
○委員外議員(山花秀雄君) 只今のお話によりますと、労働者に、掛金の上るということは、その意味から考えては不利になるけれども、いろいろな実情で止むを得ない点から、こういう改正案が出た、こういうように私は伺つたのでありますが、そこで問題になりますのは、給付金を一方においては少くする、掛金を一方においては多くするという点は、保險経済で相当赤字が出たから、それを埋める点にもこういうような改正案が出て来た、こういうように聞いておるのでありますが、赤字が出たということは私も了承しておりますが、どの程度の赤字が出て、これによつてどの程度埋まるものであるかという、そういう数字的根拠がはつきりしておられるだろうと思いまするので、一応お聞かせを願いたいと思います。
#91
○政府委員(安田巖君) 十一億幾らの赤字が二十五年度の年度末に起つて来るだろうという見込でございますが、一月からこの料率にいたしますというと、大体三億五千万円ばかりが、それによつて少くなるわけであります。なお残りました八億ばかりのものは、この料率で二十六年度一年やつて参りますというと、二十六年度の末には保險経済の、バランスが合つて来ると、こういう計算でございます。
#92
○委員外議員(山花秀雄君) 大体いろいろ質問いたしまして、この改正案のよつて来るところの内容は了承できたのでありまするが、そこで赤字を埋めるためにこの保險掛金の率を引上げて、二十六年度末にはバランスをとると、こういうふうに説明を承つたのでありますが、若干これは意見になりますが、昨今の労働階級の生活状態からいたしますと、現在の保險掛金でも相当負担で、或る意味から申上げますと、堪え切れないような高額掛金というふうに実情はなりておるのであります。これになお掛金が殖える。そうして一方では病気、疾病その他の関係で受けるべき救済の給付金が減ると、こういうことになりますと、勤労者の生活ははつきり申上げまして上つたりになると思うのであります。大体法律の根本の趣旨は勤労者を保護する、そういう建前からこの法律ができておると思うのでありますが、法律制定の意義から申上げましても、只今の政府当局が法律改正案を提出された趣旨は、法律の本義に悖るものと私どもは解釈いたしますが、この点につきまして政府当局はどうお考えになつておるか、一応お考えをお聞かせ願いたいと思います。
#93
○政府委員(安田巖君) 御尤もなお考えと思いますけれども、保險の給付に対して保險料をとつてやつて行く、その場合に受診率と申しますか、病気になつて診てもらう率でございますが、これがだんだん上りました場合に、それではそのバランスをどうして合せるかという問題になつて来ると思うのであります。その場合にいろいろございましようけれども、一つは收入の面で今回のようなことをやるのが一つ。いま一つは支出の面で例えば一部負担を講ずるとか、或いは労災保險のように百円以下の病気は自分の貯えでやつて行くということで、一定の額以上の疾病だけを現在やつて行くというようなこと、或いは家族給付を制限するとか、或いは歯科の補綴をどうするというようなことをやるとかどつちかの方法になつて来るわけであります。そこで確かに労働者のそういつた生活を保障する立法の趣旨ではありますけれども、若しこれをやらない場合には、現在でもいろいろな客観的な情勢を前提にいたしましてものを考えますと、若しこれをやらなければ、結局給付はできないし何かそこに破綻が起つて来て、そのことが結局は大きな意味での労働者の利益にならないのではないかというようなことを考えまして、私ども今出したようなわけであります。
#94
○委員外議員(山花秀雄君) 保險の收支のそのときの実情によつて、バランスをとる。支出を削減したり、收入を求める。それも一つのやり方だろうと思いますが、健康保險法そのものが先ほど私が申しましたように、勤労者を保護する、こういう建前に立つて、この立法ができておる。特にこの扱いが厚生省関係に扱われているという点も十分加味して扱われているのではなかろうかと思うのであります。そこで二十五年度にとにかく現行通りやつて十一億の赤字が出た。これを若し継續して二十六年度やりますと、まあこれも私はつきりわかりませんが、倍以上の赤字になるだろうと思いますが、そういう赤字を社会保障、或いは勤労者の保健、勤労者の保護、こういう意味から考えて、国家の財源でこの補填ができないものだろうか、どうだろうか。この一点を一つお伺いしたいと思うのであります。
#95
○政府委員(安田巖君) 国庫で足りないところを負担すればそれでバランスがあるわけでございますからそれも一つの案だと思うのでありますが、ただ二十五年度の補正予算におきましてはもうその問題は大体私どもといたしましては無理じやないかと思いますし、それから二十六年度の補正予算もすでに御承知かと思いますけれども、社会保障制度議会の答申が十六日に出ましたけれども、そのときはもうすでに、大体予算の国内的及び国際的の編成その他が終つておりますし、いろいろ関係方面との連絡も半ば済んでおつたような時期でございます。いろいろその点について努力いたしましたけれども、現在のところではそれがむずかしい、こういうふうな状況になつておるのであります。
#96
○委員外議員(山花秀雄君) 只今政府委員の説明を聞きますと、国庫のこれに対する援助補填はむずかしい、こういうような説明をされたのでありますが、私どもといたしましてはその説明にちよつと納得行きかねる点があるのであります。それは皆さん御承知のように最近あらゆる公団が赤字を出しておるのでありますが、この赤字は不正に伴う赤字であります。そういう赤字をやはり国庫が負担をして行くというのが実情であります。何百万という勤労階級の健康保險の問題についてこの補填ができないというようなことになりますと、或る意味から考えますと不正を擁護し、そして国民健康の保持を顧みない、こういう結果を国民の間に植付ける、こういうことが思想関係にも悪い影響を及ぼすのではなかろうかというふうに私は考えるのでありますが、余儀ない事態に陥つたというよりも、むしろこれはこの問題に取組んで働いておられますところの厚生省の関係が少し放任し過ぎたのじやなかろうか、もつと計画的に、二十五年度の初めから赤字が出るということがはつきりわかつておるのでありますから、予算を組む前の計画性をもつと発揮されたならばこのような事態に至らなかつたのではなかろうかと、こういうふうに考えられるのでありますが、今ここでそれを論議しても止むを得ませんが、公団赤字の穴埋めができて保險行政の穴埋めができないというような御答弁には私としては納得しかねるのであります。これ以上政府当局に質問をしようとは思いませんが、厚生委員会に対して労働委員会の一員として申上げたい点は、労働者に相当大きな影響のあるこの保險法の改正の問題につきまして連合委員会をやられなかつたという点について私どもは遺憾の意を表したいと思うのであります。併せて先ほどからいろいろ問題になりました社会保險の審議会、或いは社会保障制度の審議会ではいろいろメンバーを集めて公聴会的な或いは審議をなされたということをたびたび説明されておりますが、さて最後の仕上げの法律案にいたしまするときにはやはり国会においてそういう形がとられなくてはならないの舌はなかろうかと思うのであります。あらゆるところにおいて連合審査が行われ、公聴会の制度が活かされておるのであります。ひとり厚生委員会でこの数百万の労働者に影響を与える重大なる法律審議にそういう点が欠けていたということについては委員外の者でございますが、労働委員会のメンバーといたしまして一応遺憾の意を表して私の質問は終りたいと思うのであります。
#97
○委員外議員(赤松常子君) ちよつと簡單に二、三私厚生大臣にお伺いいたしたいのでございますが、こういう数百万の労働者に関係のございます保險料率の引上げがどういうふうに現実の労働者の生活に影響を与えるかということは私がここで言うまでもなくおわかりのことと存じます。赤千が出たということをすぐに労働者側に押しつけるようなこういう御処置をおとりになる、而もこの臨時国会は非常に会期も短いのでございまして、十分審議の時日もございませんのにこういう重大な法案をおきめになるその根拠を伺いたいと思つております。
#98
○国務大臣(黒川武雄君) 正月から実施したいと思いますので、どうしても臨時国会に提出せざるを得ないのでございます。
#99
○委員外議員(赤松常子君) 現在赤字が出ております、その赤字の内容を簡單でよろしうございますが、御説明願いたいと思います。
#100
○政府委員(安田巖君) 赤字の内容と申しますのは、結局医者にかかる人が多くなりまして、医者に対する支払いが保險料の收入よりか超えておる、こういう單純なものであります。
#101
○委員外議員(赤松常子君) 滯納金もあるのではないのでしようか。
#102
○政府委員(安田巖君) 滯納はほかにございますけれども、滯納の穴埋めを今度の料率の引上げで当てにしておるわけではございません。
#103
○委員外議員(赤松常子君) 最近事業家のほうでは労働者の賃金から差引いておりますこういう掛金を事業の不振のために資金に流用しておるということを私どもはたびたび耳にもし、実際見ておるわけなのであります。それが滞納の大きな理由になつておるのでございますが、こういう点に関して御調査をしておりましようか。その処置をどういうふうにしていらつしやいますか。
#104
○政府委員(安田巖君) 滯納に対しましては、私どもびしびし嚴しい手を打つておるつもりであります。昨年は約九割でございます。まあ大体本年も九割は年度末までに取れるというような見込でおります。勿論今お話のように事業の不振によりまして事業主がこれを納めぬのでございますから金のやり繰りがつかないで納めないということになると思うのでありますが、事業主が故意にそういうことをやります場合は、これはどしどし取立てをいたしますし、場合によつては告発をいたしております。併し最近までの実情を見ますと、遅配や欠配になりまして内払い内払いで払つておるという場合、その場合にはむしろ事業主が労働者の保險料を納めないで自分で取つておるというよりか、保險料に当る分までもいろいろな労働者の賃金の中に入つておるというようなかつこうのものもありますので、一概にして言えんものもあるのじやないかと思います。
#105
○委員外議員(赤松常子君) その御処置ということをもつと具体的におつしやつて下さいませ。
#106
○政府委員(安田巖君) 滯納いたしますと督促状を発しますし、督促して納めなければ差押えをいたしまして、そうして公売いたします。それからなおそういつたもので悪質なものがございましたならば告発をいたしております
#107
○委員外議員(赤松常子君) 最後にもう一つ……いつも抵抗力の弱いもの、而も取立てやすいほうへこういう場合には重圧がかかつて来るわけでございますが、ここに例えば政府の二十四年度の政府の合計の剰余金を流用するとか、そういう方面への何か御処置と申しましようか、なすつたでございましようか。
#108
○政府委員(安田巖君) お話のような国庫剩余金を繰越し使用ということもやつております。これは結局入るべき金が年度末までだんだん延びて参りまして、年度末になりますとどつと入りますからそういう意味で一時繰越使用いたしておるわけであります。従いまして借りましてもすぐに年度末に返さなければならん金で、二十五年度におきましては三十億実は借りておるわけであります。それは三月になりますと全部返します。そういうわけでありますので、純粋の赤字、絶対的な赤字をそれで埋めるというわけにはまあ行かんと思つております。
#109
○委員外議員(赤松常子君) よくわかりました。要するに私ども労働委員長といたしまして、こういう実際の労働者に関係のございます国営事業が厚生省或いは労働省の両方に跨つて運営されておるというところに根本的に不備の問題があると存じます。まあ将来そういう点に関しても大いに改正したいとこう考えておる次第でございますからどうぞその辺のところも厚生省当局もよく御認識下さいまして、労働者の実情に副うように運営願いたいと、こう希望を申上げて私の質問を終ることにいたします。
#110
○委員長(山下義信君) 外に御質疑の方はございませんですか。
#111
○深川タマヱ君 患者が殖えましたら、この赤字が殖えるのはどういう機構になつておるのでございましよう。将来衞生思想が発達するにつれて患者が次第に殖えるでございましようし、失業者がだんだん就業するに従つてこれに加入する人々が非常に殖えると思いますが、患者が殖える、従つて病人が次第に殖えると思います。患者が殖えて来ると、赤字が多くなるというのは、独立採算制になつていないという証拠だと思いますが、如何でございましようか。
#112
○政府委員(安田巖君) 保險経済は、この独立採算制と申しますかどうか、私もよくわかりませんが、保險料をとりまして、それに若干の国庫からの補助金なんでございますが、それが收入になるわけでございます。只今問題になつております千分の五十五とか六十がその收入になる。事業者の方と労働者の方と半分ずつ負担する。愚者が殖えると赤字になると申しますのは、患者がお医者さんのところに行つて診てもらう、今は点数單価制というものをとつております。例えば一点が十円、そうすると初診料が四点だから四十円、お薬一日分もらうと、二点で二十円、手術すると何点となるから、お医者さんにかかればかかるほど支払いが殖えるわけでございます。改入が一定でございますからして、支出が殖えればバランスがとれなくなる、こういうわけであります。
#113
○深川タマヱ君 実は将来ともだんだんこの保險料金が殖える可能性を持つておりますね。
#114
○政府委員(安田巖君) これはどこまでその受診率が上るかということはわかりませんけれども、併し一般健康保險で以て、無料で診てもらえるということになりますと、自分のふところから出すときに比べまして気易くお医者さんのところに行けるということもございまして、受診率が上つて、又衞生思想に目覚めて来て、軽い病気でも医者にかかるようになれば、支出が多くなる。今の保險料率の問題で、問題になるのは結局個人の負担力と、それから医療費の問題になつて来る。併し国全体の大きな立場から申しますと、国民所得というものとだんだん医療内容が向上して行きまして、同時に衞生思想が芽えて来て、そうして医療費が上つて行く、その国民所得と、医療費というものがバランスがとれるかどうかということになると思うのであります。
#115
○深川タマヱ君 これが厚生行政だと思う。大体勤労者は、税金は高いし、收入は少い、そこへ持つて来てだんだん保險料金なんか引上げられておる。払える余力はございませんので、国家はたくさん金を持つておるのです、クツシヨン経済と申しますか、ドツジ・ラインに副いまして、インフレ抑制のためだというのでだんだん政府は資本蓄積を持つておられるので、厚生大臣は敏腕をお振いになりまして、そういうところから資本金をお出しになりまして、こういうように労働者に重い負担をかけないで、このくらいの補助金は予算で取つて頂きたいと思います。如何でしようか。
#116
○藤森眞治君 大蔵政務次官が見えましたので、昨日の御質問に續いて、一言簡單に……。
#117
○深川タマヱ君 厚生大臣の答弁がないのに……。
#118
○委員長(山下義信君) 失礼いたしました。
#119
○国務大臣(黒川武雄君) そういうようになつたら甚だ結構ですが、せいぜい努力いたします。
#120
○藤森眞治君 丁度今深川委員の質問にも関連しておりますので、政務次官も、昨日あたりからよくここの空気も、おわかりになつたと存じますが、保險経済を打開するためには、どうしても国庫負担をしなければならない。そうするよりほかに十分な解決策はな
 いという段階になつておることはよくおわかりになつたと存じます。大蔵当局としての御所見を承わりたい。
#121
○政府委員(西川甚五郎君) 今日疾病者の数も殖えまして、なかなか財政上むずかしいのでありますので、いたし方なく引上げの問題が起つておるのでありますが、この点につきましては、勧告によりまする保險の給付費の問題に対しまして、只今内閣においては鋭意検討中でございます。この結論を得まして、これと関連して懸命なる努力を申上げたいと存ずるのであります。又大蔵省当局といたしましても、その医療費の問題につきましては、将来懸命なる努力を申上げたいとお答え申上げて置きます。
#122
○委員長(山下義信君) ちよつとこの際議事の進行について御報告申上げて置きます。地方公務員の法案が五時には上程されることになつたそうでございます。五時に上程されますると、約討論、その他一時間四十分を議事のために要する予定だそうでございまして、その際は予算委員会を除くすべての委員会は本会議場に御入場を願いたいということでございますので、でき得れば、議事は五時までに終了を願うように願いたいということを一応委員長として申上げて置きます
#123
○小杉繁安君 大抵議論も尽きたと思いますので、この辺で議事を打切つて頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#124
○堂森芳夫君 第七国会のときに、衆議院のほうで岡代議士が健康保險の財政的危機突破に関する緊急質問をいたしております。その際に総理、それから当時の厚生大臣であります林さんが、或いは当時の官房長官でございました増田さんが、早急に健康保險を財政的に建直すために努力いたしますという答弁が記録によつて残つております。このたび又保險料金の値上げによつて健康保險の財政を賄つて行くという事柄は、同じ内閣の僅かの間において、そうしたことをやられるということは、非常に矛盾したことではないかというふうに思いますが、厚生大臣、或いは政務次官もおられますから御答弁願いたいと思います。
#125
○国務大臣(黒川武雄君) 総理と前厚生大臣林国務相も非常に努力されましたのでありますが、止むを得ないこととして、このたび保險料率値上げをお願いすることになつたのでございます。
#126
○堂森芳夫君 厚生大臣は止むを得ないからこういうことをするのだ、さつき山花君が申されました通り、不正が行われる公団に対して、これを守ると共にこれを救うためにはこれをなすが、労働者に関係するような、或いは私の地方の一開業医でございますが、医者について殆んど数カ月間払われておりません。これは医者も、勿論医者も非常に犠牲を払つておるわけであります。そういう意味からも、どうしても政府が根本的な対策を立てない限り、健康保險行政というものは、特別これはうまく行かん、こう思うのであります。そういう意味で、政府が社会保障制度審議会の結論が出たならば、よく善処するというふうな御答弁を今までしておられる。併し社会保障制度の審議会には政府の代表として、関係省の次官が加わつておられまして、これは当然政府には早くからわかつているわけです。且つ二十六年度の予算に間に合わなかつた。或いは二十五年度の補正予算に間に合わないということは、これは言い逃れでありまして、決して誠意のある政府の態度でない、こう思うのです。こういう意味においても非常に自由党の政府の方には極めて問題は小さいかも知れません、併しこれは数百万の労働者のいわば賃金切下げの問題なんです。そう、いう意味では非常にこれは重大な問題でございます。今後健康保險制度をどうして守つて行かれるか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#127
○国務大臣(黒川武雄君) いろいろの方面から守つて行かなければならんと思いますが、第一は相互扶助の精神の涵養ということも必要であろうと思います。そうして保險料の完全な納付という、そういうことも必要であります。又堂森委員はお医者さんでいらつしやいますけれども、乱診乱療の点も十分に監督して、そうして行かなくちやいかん、いろいろな方面から進めて参りましたならば必ずや社会保險は確立できると私は信じております。
#128
○堂森芳夫君 第四国会に保險料金を値上げし、又今度の国会で値上げする。これが次々毎年のように、さつきの深川委員の御質問のように、毎年上げて行くというようなことになるというと……そういうふうな方法しか政府はお考えになつていないのじやないか。もう一度お尋ねいたします。
#129
○国務大臣(黒川武雄君) 私といたしましては、これ以上に上げる意思はございません。
#130
○堂森芳夫君 この前の第四国会の質疑応答を見ましても、政府はそういう御答弁をされているんです。もう今後上げません、こういう御答弁なんです。今後それでは国庫の補助をこのくらいはやつて行く意思はあるか、そういうふうなつもりでやつて行く意思があるか、何かお考えがなくちやならんと思うのですが、厚生大臣の御意見を承わりたいと思います。
#131
○国務大臣(黒川武雄君) 医療給付の点につきましては、先日藤森委員にお答えいたしました通り、私は国庫の補助の実現に絶対に努力をいたしますということをお答えしましたが、それと同じお答えをいたして置きます。
#132
○小杉繁安君 只今の動議に一つ御賛成を願います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#133
○委員長(山下義信君) 今の動議は質疑を打切り、討論に入れということですか。
#134
○小杉繁安君 そうです。(城義臣君「賛成いたします」と述ぶ)
#135
○委員長(山下義信君) 小杉委員の動議は、質疑を打切つて、討論に入りたいという御動議でございますか。
#136
○小杉繁安君 そうです。
#137
○委員長(山下義信君) 小杉委員の只今の御動議に御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(山下義信君) 御異議があるようでございますが、如何いたしましようか。
#139
○城義臣君 採決をお願いしたいと思います。
#140
○委員長(山下義信君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#141
○委員長(山下義信君) 速記を始めて。動議につきまして、異議がございますから採決いたします。小杉委員の質疑を打切つて、討論に入るのに御賛成の方の起立を願います。
   〔起立者多数〕
#142
○委員長(山下義信君) 多数でございます。従いまして小杉委員の動議は成立いたしました。質疑を打切りまして、これより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにして、お述べを願いたと存じます。御発言を願います。
#143
○中山壽彦君 私は連日委員諸君の御熱意ある御質問なり、又意見の加わりましたお話を終始拝聴いたしまして、お話の内容につきましては私どもも全然同感であります。昨年この保險料率の値上げの改正法律案の出ました当時、私は保險料率の値上げによつて社会保險の経済の安定を図るということは不可能である、根本的に現行制度の建直しをしなければならんということを強く要望して置いたのであります。先般社会保障制度を審議会におきまして、勧告案を発表をいたしたのであります。この勧告案の内容の中には、医療費の一部国庫負担ということが明記されております。私どもこの勧告案の作成に当りました立場におきましては、今後速かにこの一部負担の実現に努力いたさなければなりません。併しなおこの健康保險制度の全般に亙りまして、あらゆる角度から再檢討を加えて、今日の我が国の社会診療に鑑みまして適当なる結論を得なければならんと存じます。当厚生委員会におきましても、今回の臨時国会に保險経済調査小委員会というものを設置をいたしましておりまするが、なおこれは来たるべき通常国会にも引續き延長をいたしまして、あらゆる関係の面の意見も徴して成るべく速かに適当な結論を得たいと存じております。併しながらこれらを実現いたしまするのには、相当の時日を要するのであります。従つて現在保險診療を担当いたします保險医は、大体二カ月後に診療費を受取つている現状であります。而して地方においては殆んど全部が保險診療でありますし、都市におきましても大体自由診療に関する分は二割内外にとどまつているのであります。これ以上保險料の診療費の支払いが遅れるということになりましては、又これに伴つたいろいろな好ましからざる事情の発生する杞憂が多々あるわけであります。従つて私はこの改正法律案というものは甚だ私ども同意しかねるのでありまするけれども、以上申上げました暫定の期間、止むを得ざる改正法律案として私はこの原案に同意を、賛成をいたしたいのであります。併し政府当局におきましても、従来のような消極的の態度をとらず、積極的にこの社会施設の完遂を期するために、十二分な御検討をされて、再び健康保險料率の値上げをしないということの熱意を持たなければならんということを特に要望して原案に賛成をいたします。
#144
○委員長(山下義信君) 他に御討論の方はございませんか。あらかじめ申上げて置きますが、時間がございませんから簡單に願います。
#145
○松原一彦君 反対意見を申述べます。社会保險の窮状はもはや尋常のことでは救済すべからざる程度のところまで陷つております。中山委員もすでにこれを十二分にお認めになつておるのであります。この際には何とかして根本的の考慮を払わねばなりませんのにかかわらず、政府は極めて安易に保險料金の料率の増額によつてのみ片付けようとする態度を否定します。
 第二は、このたびの増率を、たとえ可といたしましても赤字はすでに十一億円に達する見込であります。増率による本年度内の收人増は三億五千円に過ぎません。八億円というものは明年度に赤字として繰越さねばならんということは政府当局のほうでもすでに言つておられる通りであります。この状態を以てするならば、私は明年度一ぱいにおいても決して赤字が解消するものとは思われない。再び至難の状態に陷るものと思われるのであります。政府は深く反省しなければならんと思います。
 第三の理由は、この不始末の原因の一つは政府側にあるのであります。今回社会保障制度審議会のほうから勧告をしておりまするところの医療制度のパーセンテイージは四・六%、つまり四十六であります。これは二割の医療に対する国の負担が入つての計算と聞いております。広く厚生行政の見地から今後この被用者並びに一般国民に対しての保險、衞生方面にはかように国の費用が加わらねばならないというはつきりした輿論がこう現われておるわけであります。それにもかかわらず今回政府は一方的に保險者のみの負担にさせて当面を乗切ろうとせられることは甚だよろしくない。仮に万止むを得ず、今中山委員の言われるような社会保障制度の確立するまでの一時的補いといたしましても、かような労働者の側に、被保險者の側に負担のかかる問題に対しましては、民主主義の立場から一応公聴会を開く、その他労務者側の意見を徴する適切な態度をとつて納得させた上にやるべきものだと信じます。一方的に時間がないからとか、或いは面倒だからとかいつたようなことで押切るものでは断じてないと思います。さようなことをしてはいけないのであります。事理を尽して然る後に納得の行くところで結論を出すというたけの親切さがなければ私はいけないものだと思います。かような意味におきまして、我が第一議員クラブでは総意を以て政府の反省を求めるために本案に反対いたします。
#146
○藤森眞治君 私はこの原案に賛成いたします。併しこれはすべてが非常に時宜を得た適当なものだという意味で賛成するわけではございませんので、私の質問、或いは各委員からの質問からよく、おわかりになりますように、非常に現在これを実行をいたしますことには難点があるのであります。併しながらこれが否決された場合に起つて来る、保險行政の上に及ぼす悪い影響ということを考えました場合には一応これを成立させまして、こういうことを避けたいという意味から私は賛成をいたします。併し厚生大臣は幸いにこの保險危機打開に対しては国庫負担が非常な重要な問題であるということをよく御認識なさいまして、そうしてそれについて努力すると言つておられますことを信用いたしますと同時に、又小委員会ができておりますので、この小委員会において十分これを検討して、政府において今後こういう轍を繰返さないように、且つ又保險料率の今後の値上げについても今後は決して上げないということを言明されておりまするので、これを信頼しまして、本案に賛成する次第でございます
#147
○堂森芳夫君 本案に反対いたします。保險料率の値上げによつて健康保險の財政の赤字を賄つて行くという政府のあり方に対して断然反対いたします。従来の保險料率の値上げに際しても、政府は常に今後は一切引上げはしないということを言明しながら再びこういう事態に陷つておるのでございます。従つて我々は政府が健康保險制度、社会保險を国庫の負担においてこれを運営するという態度に出ずに荏苒日を送つて来たという態度を強く責めまして、本案に反対いたします。
#148
○有馬英二君 私は本案に條件を付けて賛成いたします。
#149
○委員長(山下義信君) 有馬委員に御注意いたします。議事規則により條件付の賛否はできないことになつておりますから、御了承願います。
#150
○有馬英二君 私は全般的には賛成いたしませんが、先ほど藤森委員から述べられた趣旨によりまして、藤森委員と同じ意見で賛成いたします。
#151
○委員長(山下義信君) 他に御意見ございませんか。別に御意見もないようでございますので、討論は終結したものと認めて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(山下義信君) 御異議なしと認めます。
 それではこれより採決に入ります。健康保險法の一部を改正する法律案につきまして、採決いたします。健康保險法の一部を改正する法律案について、原案通り可決することに賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#153
○委員長(山下義信君) 多数であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
   小杉 繁安  井上なつゑ
   有馬 英二  大谷 瑩潤
   長島 銀藏  中山 壽彦
   城  義臣  藤森 眞治
#154
○委員長(山下義信君) 署名漏れはございませんか。署名漏れはないと認めます。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告するこことして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(山下義信君) 異議なしと認めます。本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山下 義信君
   理事
           小杉 繁安君
           井上なつゑ君
           有馬 英二君
   委員
           大谷 瑩潤君
           城  義臣君
           中山 壽彦君
           長島 銀藏君
           河崎 ナツ君
           堂森 芳夫君
           藤原 道子君
           藤森 眞治君
           深川タマヱ君
           松原 一彦君
  委員外議員
   労働委員長   赤松 常子君
           山花 秀雄君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 黒川 武雄君
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   厚生省薬務局長 慶松 一郎君
   厚生省保險局長 安田  巖君
   引揚援護庁長官 宮崎 太一君
  説明員
   厚生省社会局生
   活課勤務    越田 得夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト