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1950/11/30 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 予算委員会 第3号
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1950/11/30 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 予算委員会 第3号

#1
第009回国会 予算委員会 第3号
  公聽会
――――――――――――――――
昭和二十五年十一月三十日(木曜日)
   午前十時三十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度一般会計予算補正
 (第一号)(内閣送付)
○昭和二十五年度特別会計予算補正
 (特第一号)(内閣送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算補
 正(機第二号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(波多野鼎君) それでは予算委員会の公聽会を開きます。
 二十五年度の補正予算に関しまして、公聽会におきまして公述人の方々の御意見を拜聽しまして我々の審議の上の参考に資したいと思つてこれを開いたわけであります。公述人の方々に大変御迷惑をかけたことを一言お詫び申上げなければなりません。それは臨時國会の会期が非常に短いために公聽会を開く準備が十分でなかつたのでありまして、そのために急にお願いしまして急に御承諾を得たというようなわけで大変御迷惑をかけました。併しそれにも拘わらず公述人の方々が万難を排して当委員会に御出席下さいまして、我々のために貴重なる御意見を開陳して頂くということは誠に感謝に堪えないところであります。元来この公聽会による審議の運営形式というものを私はもつと充実して行きたいと考えておつたのでありますが、何分にも先ほど申しましたように、会期が短い関係上二日間に限定いたしたような次第であります。併し今後は尚一層この公聽会形式を充実して参りたいと考えております。公述人の方々には大体三十分くらい公述をして頂いて、後十分見当委員との間の質疑に答えて頂きたい、こういうふうにお願いして置きました。どうかそのおつもりでこの運営に御協力をお願いいたしたいと思います。
 それでは日本官公庁労働組合協議会議長岡三郎君にお願いいたします。
#3
○公述人(岡三郎君) 只今紹介を受けました日本官公庁労働組会議長の岡であります。所属は教職員組合でございますが、本日の公聽会について私一昨日二十八日にこの御案内を受けまして、いろいろな点から不十分な公述になると思いますけれども、その点はお許し頂きたいと思います。
 それで初めに私考えますのは、今年の、昭和二十五年の総予算に対する公述人として出たこともありますが、この神聖なる國民の総意を結集して討議せられる國会において、我々がつたない知識であつてもこれがどの程度御勘案頂けるかという点が我々の四六時中考えて、而も真劍に見つめておつた問題でございますが、私のこれはちよつとした短見かも分りませんけれども、この公聽会というものが民主主義の一つの装飾品として儀礼的にこの國会で受けられておるのではないかというふうな非常に淋しい一つの印象を持つたわけであります。というのは、もう大体きまつてしまつて新らしい角度から検討する余地がないような國政の運営という面が非常に多くなつて来ておるということを考えまして、少くともこの予算委員会において真劍に勤労大衆のみならず一般の國民の本当の意向を反映した、本当の実質みのある予算公聽会であつて欲しい、こういうふうに考えております。その点について特に予算委員諸賢の御考慮をお煩わししたい、こう考えておる次第でございます。それで今日は各新聞紙上その他雑誌におきまして、補正予算の批判が各紙に出ております。その中において依然として超均衡予算であるというのは、インベントリイ・フアイナンスの問題その他を分析されて申しております。
 それからもう一点は、勤労大衆をやはり圧迫しておる批判ではないかというのは、これは民主党の方々も言つておられる点で、そういつた広汎な公述は一応避けさせて頂きまして、端的にこの補正予算に組まれておる國家公務員、地方公務員の給與というものが、今日の予算でどういうふうに実質に変化が起るのかという点について端的に時間もありませんので申上げたいと思うわけでございます。
 第一点に、今は日本の官公庁労働者が九十七百円ベースの要求をしております。これに対して巷間、ややもすれば、非常識な数字であるというふうに申しますけれども、私たちが調べたところ同じような事務系統の銀行の職員にしても、やはり金銭出納の責任という立場から俸給が一万円以上という、これは常識でございまして、その他労働省の調べによりますと、鉱業全般の平均が、これは山の鉱業ですが、二十五年の四月に九千二円、それが五月に九千四十三円、六月に九千五百二十三円、七月に一万百九十八円、八月一万五百六円、九月に九千八百九十九円というふうに、殆んど官公吏から言えば、三千五百円乃至四千円上廻つた給與を取つております。これは労働力によるとは言え、國家公務員も地方公務員も、國家公務員法或いは今次制定されるような、されんとしているような、ああいつたような嚴重な法律によつて公共の福祉に任じておる者から言えば、同じ立場においてやはり一般民間のこういつたような平均賃金と同じ程度の、少くとも同じ程度の待遇をして貰いたいということが無理ではないと私たちは思つておるわけであります。なお製油工業の平均賃金を取つて見ましても、四月には八千三百六十二円でございましたが、九月にはこれも九千三十円になつております。朝鮮の特需景気というものが潤おつているとは思いますけれども、一般公務員もやはり國家全体が多忙になれば、公務員も多忙になるというふうな段階において我々は従来非常に閑却されておつた公務員の待遇を九千七百円ベースにして貰いたい。こういう点について私たちは不当ではないと思つておるわけであります。併しながら、國家公務員法に基く人事院の勧告が出ました八千五十八円という数字は我々としては非常に不満ではございますけれども、現状においてやはり我々は人事院というものの存在を肯定し、一応あの数字を実施して貰うという点において心をとにかく靜めて参つたわけでございます。この不満ながらも何んとかこういつたような仲裁とか調停とか、或いは一つの機関の決定を実施して貰いたいという公務員のこの衷情を政府は口には尊重するとは言つておりますけれども、千円のベースの改訂は誠に欺瞞であるという点がはつきりとして参つたわけでございます。その欺瞞という点について、これから私たちが分析した点を申述べたいと思います。
 先ず第一に、ここに図表がございますが、これはよくもう常識化されているとは思いますけれども、非常に下級の公務員ベースが上つても地方税の、まあ住民税ですね、それからガスとか水道とかその他家賃の値上りとか、地代の値上りとかそういうものがからんで来て、おまけに来年から又米が値上りするという段階において、ここにあるのが六千三百円ベースの筋なんですが、こういうふうに比較して戰後の特殊経済状態において生活費というものは重んじなくてはならん、つまり一般の青年層においても、何んとか國政に協力するという立場なら、最低の生活は自分がまじめに働いておるならば政府は與えるというふうな、そういつた角度で一応下級のほうの吏員に相当ウエイトがかかつておつたのは当然であります。併し、この点についても我々は過去において批判して参つたわけでございますが、このいわゆる数字を取つておつたわけでございます。ところが今度の人事院の勧告は大体最下層と局長クラスは七倍ちよつとですが、今度の人事院の勧告はこの上の一番この線から始まつて、こういうカーブをとつておるわけです。つまり三万二千円の先、三万二千四百円でとまつておりますが、今度の政府の給與審議会という……。これは私たちにとつては訳のわからない代物ですが、この給與審議会から出しておる案というものは、二千四百円を三千円に上げてずつと大きくして最高をこの上に持つて来ておるのであります。この点でとめておりますが、この水準は大体八千の少少になつておりますけれども、ここの交錯しておる政府と人事院の案を比較してさえも、丁度八級のところで八千六百八十円ですか、ここで交叉しておるわけですが、この下の人事院よりも低まつておるこの人間の数が、これが非常に莫大な数で、大体八級どまりで全國家公務員の九三・四%、百人について九三・四人が人事院の勧告と比べて非常に削られておる。大多数の國家公務員は人事院の勧告よりもずつと落されて、その落された数字が上へ持つて行つて重なつて、こういうふうに伸びておるわけであります。この点はただ数字を比べるよりも、グラフを書いて見れば一目瞭然でありまして、この最下層に積まれておる國家公務員の給與改訂は、誠に微々たるものであるという点が明確になつて来たわけでございます。而も、ここで話が逸れますが、政府は口を開けば、國家公務員法を尊重する、或いはマ書簡によるところのああいう制度というものをわざわざ作つて来たのですが、過去においてこの人事院の出した数字というものを本当に政府が尊重して来たかどうか。今回急速に内閣に給與審議会という訳のわからん、法律的にも何らの裏付けのないようなものを作つて、そこからこういうふうな勝手極まるところの給與体系という法律を出して来た。こうなると、人事院というものは全く私は要らないのじやないかと思う。特に人事院の給與局というものが細かく精細に調査した結果の給與体系までも発表しておる。そういつた具体的な專門のものまでも、政府が取上げて給與審議会でこれを又各所にいびり廻すというならば、私はこういつた二頭政治というものはやめて、どちらかにはつきりして貰いたいと思うわけです。それは國会の審議を重複させるばかりではなくして、やはり人事院で相当の経費を使つておる國家の費用というものが、私は一面借しくなつて来るのではないかと、こう考えられるわけでございます。そういう意味で、とにかく今回の政府の給與法を二十三日に閣議に提出し、この二十七日に國会に上程するといつた、こういう際どい処置に対して、断固として反対しなければならんと、こう思うわけでございます。なおこの給與グラフに現われておる問題ではなくして、お手許の一般職員の給與に関する法律というのがあるのですが、この一番末尾にある表を御覧になつて貰いたいと思うのです。一番末尾の俸給の切替調整表というやつです。これは重要なんですが、これによるというと、今回の切替によつて、政令四百一号の十二條の三項というところに、従来特殊の勤務をしておる者には号俸を一号乃至二号、或いは税務職員というふうな特殊の仕事をしておる者には三号というふうに、一応加俸してあつたわけでございます。これはそこに職種がありますように、癩病を取扱う者とか、盲聾唖学校、かわいそうな盲の生徒とか、そういう者を教えておる先生、或いはその他の教師、その他一般の現場に働いておる特殊の事業をしておる人、そういつた職種がここにずつと出ておりますが、この人たちの今までの即得権が、この法律によつて簡單にもぎ取られておるということでございます。この問題について、丁度官庁業務に習熟したという程度の九級以下の職員が、これによつて殆んど打撃を受ける。九級以上の人は打撃を受けないで、大体九級以下の人が殆んど、二号、或いは税務職員でいうと三号というふうに切り落とされるわけであります。それですから、仮に千円上つたといたしまして、千円上つた中から税金その他の問題を考え、なお地域給の五%の切り下げを考えて、そうしてその上にこういつたような既得権の調整号俸を又切り落されるといつたならば、そういつた特殊勤務をしておる者自体がどのくらい落胆するばかりでなくして、政府の措置が、俸給を上げるということの蔭に隠れて上級官吏のみ肥やし、そうして特殊のそういつた人の厭がる仕事をしておる人までも皆同じように地均しをして、而も地域給を下げて、その他物価の騰貴や税金とかいろいろな関係で、どのくらいこれで上るかというと、我々が具体的に数字を調べたところによりますと、下級官吏は殆んど問題にならない。否むしろ、この特需景気による物価の上昇、繊維品その他の物価の上昇と併せて、来年更に米価の問題との関連、或いは地方税が拂われていないわけであります。地方税が今借金をしておるわけであります。これを十一月末日を以て納めなければならんというところを、又借金をして行くという形になつて参りますと、とにかく地方税法の問題とからみ合せて見ると、下級職員は殆んど問題にならんということになるわけであります。その下級職員と上級職員との具体的な区別は、その八千円ベースの批判に書いてございますので、御熟読頂くことにいたしまして、大きく全般的に言つて、政府の千円のベース引上げと半カ月分の年末手当というもの、この三十二億の予算が、殆んど下級職員の待遇、生活を実質的には向上させないと、そういう点を私はここで明確に言つて、もう少し現状のような経済においては、等しく耐乏し等しく努力をして行くという段階において今この段階において下級職員を削つて上のほうへ持つて行くという処置をもう暫らく待つて貰いたいということを私はここで言わざるを得ないわけであります。
 その外この給與法について尚申しますというと、特別昇給というものがなされておりますが、これはよく働いた者が特別に二号俸なり昇給するということになる問題でありますけれども、ややもすればこの基準が非常に重大だと思うのでありますが、どういう判定、どういう基準でそういつた人たちが外の人たちと比べて二号俸なり三号俸上へ持つて行くかという点については、従来戰時中戰後を通じて、上級職員に媚び諛う、或いはともかくその場をうまくごまかして、同僚間はいざ知らず、上級官吏のみに追随して行くというようなことに全部がなりかねないというふうに私は考えておるわけであります。そういうわけで、この基準、判定というものを明確に呈示しない限り、こういつた特別昇給というものも、やはり現状の生活困難なる段階において、徒らに神経を疲れさせる、そういうふうな身分給みたいな惡影響を與えるので、この点はしつかりとここで政府のこういう処置について分析して頂きたいと思うわけでありまして、惡用される虞れが十分あると考えます。なお昇給期間についても、従来は六カ月、九カ月、十二カ月、十五カ月、二カ年、二十四カ月ですね、そうあつたものを、今度十二カ月止りにしたわけですが、昇給期間は上級者のほうがより優遇されておる。これは比較の問題ですけれども、上級者のほうが一年期間を短縮されておる。九カ月で昇給したのが六カ月になつておるものもありますけれども、大体十三給以上の人が非常に昇給が早くなつておるということでございます。
 それから、すべてこの法律案の中に予算の範囲内、予算の範囲内という言葉が使つてあります。これも一つの常識でございます。確かに予算の範囲内でものを処理しなければならないと思いますが、今まで考えて見ても、予算の立て方が一番問題である。初めから予算が出ないようにして、そうして予算が出ないようにしてそうして予算がないからお前たちの昇給ができないというふうな方式ではこの予算の範囲内というものはまるで無理を強いるという方向になります。それから変な予算の立て方をしたならばこういつた給與法律案は殆んどからになる、空になるという心配があるので、この予算の範囲内という言葉はこの給與法から我々取つて貰いたい、こう思うわけです。やはり一定の昇給期間が来てまじめに働いて順次昇給できるという方式を確立して貰わない以上私はもう予算の範囲内という言葉に再びごまかされないということを考えております。それから俸給支拂日がこの法律の中にはつきり書いてない。俸給支拂日をいつにするということを書いてない。職員の給與に関する法律というのはどういう意向かわかりませんが、やはり明確にして、今のこういつたような経済情勢下で税金その他の過重に喘いでおる職員に対して、もつとベースを大幅に引上げるか、或いは我々はたびたび俸給の金額拂いを要求して来たのですが、俸給支拂日は月初めなり、或いは月半ば、二回なら二回に明確にここに謳つて貰いたい、こういうふうに考えております。それから人事院の意見書で年末手当一カ月ということを人事院が言つておりますが、最底限度少くとも私は一カ月という問題では我慢ができないと思うけれども、とにかくここに明確に年度末手当というものを法律で謳うべきだ、こういうふうにこの給與法律では考えております。そこで総括的に國家公務員の今の給與法律に基くところの要望を申上げたわけでございますが、予箕面からいつて是非とも我々は政府のごまかしの千円値上げではなくして、当面暫定的に九七ベースの改訂として、とにかく人事院のあの勧告を忠実に実施して貰いたい。つまり六千三百七円、これは現物見積りとかあらゆる問題を引張り出して加えて今の給與は約七千円になると言つておりますけれども、これもその文章の中にはつきりしておる通りでたらめでございます。我々の給與はこうなれば順次俸給昇額とか特殊勤務手当というものまでそのベースの中に皆ぶち込まれるならば、殆んどベースの六千三百七円とか八千円ベース、八十五十八円ベースとかいうことは意味がなくなるわけで、我々は六千三百七円というものと八千五十八円の差額の一千七百五十円というものを当面不満ながらも、これを予算化して貰いたい。この予算の我我の資料はここに書いてあります。それから年末手当三カ月要求しておるわけでありますが、新聞紙上で拜見するように大変頂いておるような職員もあります。我々は飽くまでも三カ月の要求をしたいのでございますけれども、現在、この予算の段階において少くとも最底ぎりぎりの線として一カ月分これをはつきりとこの予算の中に組んで貰いたいということが我々の最後の國家公務員としての要望でございます。
 次にこの國家公務員の問題から更に地方公務員に移るわけでございますか、地方公務員の問題について昨日衆議院において地方行政委員会で八十三億の地方平衡交付金の決議がされたと伺つておりますが、八十三億というのはこれは地財委の意見書でございまして、我々が分析したところ、少くとも百六十六億の平衡交付金というものを要求しなければならないのじやないか。この点についてはお手許のプリントに書いてあるわけであります。八十三億は、四十億の節減をして大体八十三億になるのでございますが、我々としては教育職員の特別給與切替に要する予算として四億九千一百万円とか、或いは年度末手当をやはり先ほど申しました一カ月分ということをこの中に含めて貰いたい。こういうふうな計算からこの表の第四例のこの数字というものを是非とも尊重して頂きたい。給與関係増加額として百七十一億二千六百万円、給與ベース改訂による増として七十五億七千九百万円、年末手当支給に関する経費として九十億五千六百万円、教職員の特別給與切替、これは二年間ほつたらかされておつた問題ですが、これが四億九千百万円、こういつたものを含めて百六十六億一千百万円の平衡交付金の増加をお願いしたい。こういうふうに我々はこの資料から申したいと思つております。そこでこの内訳は全部小学校、中学校、一般市町村、県庁職員のどれだけ單価を要するかという問題については第二表に全部書いてございます。そこで結論を申しまして、現在の予算のあの平衡交付金三十五億では何にも先生方には行かない、黒川厚相が河崎ナツ氏の質問に対して母子保護その他の面で厚生省は平衡交付金から二十億出す予定である。農林省は農林省で十何億、そういうふうにして、文部大臣はあの中から二十六億何千万円、これは足らないのですが、三十億ぐらいということになれば三十五億という平衡交付金が如何にむちやくちやであるかということが私たちははつきり言えると思うのであります。三十五億では大蔵大臣も文部大臣も先生方のそういつたような賞與或いはベース改訂の費用、或いは県庁職員、村役場の人の給與改訂、年末手当があの中から拂われると言つておつてもとても抑えたものではない。今の地方財政の現状から言うならばとても抑えるどころではなく、一銭も出せないであろうがとこういうことをはつきり言えると思います。そういうわけで我我としては是非とも國家公務員と同様に、國鉄職員と同様に本当の平等の原則によつて賃金を最低限度我々不満であるとしても人事院勧告の千七百五十円の値上げと、もう一点は今言つた最低限度一カ月の賞與、年末手当を頂きたい。その念願にほかならないわけでございます。そこでなおこの平衡交付金の所要額についてはここに明細に書いてございますが、大体そこにありますように、もう一遍申しますが地財委の要求額がこの欄でございます。この第七番目になつております。この数表と、逐次この下に説明がございますので、数字を御検討頂ければわかると思うのですが、くどいようですけれども、是非とも平衡交付金の増額はこの予算公聽会、公述人の立場としても予算の委員の立場としても地方のほうの節減四十億を引いたところの百六十六億ですか、この点是非とも御検討を煩わしたいと思うわけであります。地方公務員は全然この問題が処理されない限り、この平衡交付金が処理されない限り給與というものが殆んど入らないのじやないか、東京とか大阪とか、或いは六大都市は入るかもわかりませんが、貧弱県は殆んど入らないというふうになつております。そうなれば地方自治確立ということを言つているこの建前上全國的なアン・バランスができてやはり國家的な見地から立つても由々しい問題である。こういうふうに我々は考えておるわけでございます。
 以上によつて大体國家公務員と地方公務員の給與の問題について年末手当の問題について申上げたのですが、最後に私は一つの案を持つて参りました。それは税金の問題です。お手許の一枚の紙に書いておるのが税金でございますが、この紙だと今回政府が結果全体の問題として勤労所得税の基礎控除一五%二万円まで、最高三万円、同上二万四千円まで一五%、最高三・六万円、これは一つの修正案をここへ一緒に書き上げたのですが、一番わかりやすいところとしては上の欄から四番目の扶養者四人の標準家族、一万円の所得者この列を見て貰いたいと思います。私は少くとも現在四人の家族を持つて、妻と子供三人を持つて一万円の俸給生活者が税金が納められるとは思わない。四人の、妻と子供を抱えてまじめに働いている官公吏が一万円の俸給で税金が出せるわけは私はないと思う。先ずポイントとして、月額一万円の給與の人で四人の家族を持つた標準世帯はやはり現行においては四百八十三円のこの税金を取つておるが、政府案によつても二百三円かを取るようになつておりますが、ここのところではやはり給與所得税は取らない、四人の家族を持つて必死と働いている一万円程度の俸給生活者に税金を出せということはむちやくちやだという点をはつきりと私はここに出したいと思つているわけでございます。現行と、政府案と、私の試案がここに出ております。これを比較対照して頂ければわかりますが、一番問題なのは現在の申告税の見積りがうんと下がつて、源泉所得税のほうがうんと殖えていることです。これは私びつくりして来たのですが、申告税のほうがずつと下がつて給與所得のほうが……。申告税が何故取れないかというと政府が申告税をうんと落しているわけです。それで源泉所得をうんと殖やしているわけです。役所に勤めている人はもう随分取られるのです。いわゆる徴税の見積り徴收が非常に殖えているわけです。申告税のほうをもうむちやくちやに落している。大体二対三の比率で源泉所得が二で、申告所得が三の割合で政府は当初予算で見積つておつた。ところが現在ではこれが逆に源泉所得のほうが多くなつて、申告所得のほうを少くしてある。というのは、これは一つの原因は取れないわけですね、何故取れないかということになるというと当然最低限度を二〇%と抑えている、この点私は無理があるのじやないか、とにかく二〇%で抑えておるということになれば下のほうは出しにくい。それからなお一般特需景気や、そういつたもので儲けておつてもその時間的なズレからやはり申告そのもつが過少評価されて取れて行かない、そういつたような原因がありますので、少くとも現行の二〇%、政府の今度の案も二〇%ですか、一・二万円までは一〇%程度に抑えて、少くとも下のほうを安くして申告所得税が取れるようにしなければならん、無理をしないで申告所得税が取れるようにしなければならん、如何に名目的に取れる額を計上しても取れなければ何にもならないので、下をもう少し落してとにかく納められるようにしてやりたい、こういうふうに考えて一・二万円を超せる場合は一五%、三万六千円からは現行の二〇%の課税額をやつて行つて順次これを上のほうへ持つて行けば大体現在の徴税においてもそれほど無理がないのじやないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 私の所論については大体この税金はもつと詳しく言いたいのですが、時間がございませんので簡潔に省きたいと思います。併しながらやはり現在政府が税金を減らしておる、減らしでおると言つておりますけれども、殆んどあれでは何にも我々のような下級勤労大衆にはならないという点が一番問題だと思うのです。先ほど申しましたことをもう一遍言いますが、昭和二十五年度の租税及び印紙收入、補正予算について源泉が九百八十三億三千二百万円、申告が千五百億になつたわけです。それが現行法による場合の收入見込が、源泉のほうはずつと殖えて九百八十億が一千二百億に超えているわけです。源泉のほうをそれだけ取ろうとしているわけです。それに対して申告のほうは一千五百億が一千百七十億、大体三百三十億の申告のほうを税收で削つているわけです。そういうわけで差引補正予算としての收入見積りが源泉では千百八十億、そうして申告が千百七十億と初め三対二であつたつのが、今では源泉のほうを多く收入見積りとする、こういうことは、官公吏からは手嚴しく一銭も間違いもなく取上げて、申告税のほうは非常にルーズになつている。そういうような点でとにかく税制をもう少し実質的に徴税できるような方向に具体的な案を立ててやり直して貰いたい。こういうふうに思うわけでございます。これは、我々の希望としてはほど遠いものですが、とにかく現実において不満であつても、建設的な問題の処置として私はここに一つの問題を提出したわけでございます。その他失業者の問題にしても、当初予算から当然足りなかつたという予想があるのに、失業に対するそういつた予算が軽視されて、現在これを多額に計上しなければならなくなつており、而も現在の失業状態では足りないという点、その他社会保障審議会を作つてあつても、それを尊重しないでこの予算案に計上しておらないという点。とにかく形式的には社会保障制度のことも考えており、或いは失業者のことも考えており、公務員のことも考えており、人事院の勧告も尊重しておると口の先では言つても、この予算の中に盛られた数字からは全然からつぽか、或いはその一片だに過ぎないということを私はここに皆さん方に本当に訴えて、是非とも國会の審議権を我々は本当に尊んでおるわけでございますので、この國会において本当の自主的な立場において國民輿論であります我々地方公務員関係の切実な声を真劍に御討議頂いて、そうしてこういつた子供を持つているこの大勢の公務員の年度を暖かく過ごさせるような温か処置を私はここに全國の公務員を代表してお願い申上げまして、私の口述を終りたいと思うのですが、特に私はあの電気分断の問題にしても、これをいわゆるファイナンスに持つて行つたときに〇・Kがとれるかとれないかということよりもとにかく人事委員会は一つの成案を作り上げて、國会議員としての自主的な立場を明確にして最後まで御努力願いたい、こう思うわけであります。とにかく政府は一応あの線において引下つておりますけれども、今度は國会議員の諸賢の本当の熱意によつてこの年度末特に最も危殆に瀕しているところの地方公務員の給與の問題、そういつた問題を真劍に取上げて、平衡交付金の増額と給與、年末手当のもう少し大幅の改訂をお願いしたい。最小限度お願いして私の口述を終ります。
#4
○委員長(波多野鼎君) 有難うございました。何か御質問ございませんか。
#5
○佐多忠隆君 今のお話で政府は一千円ベース・アツプして、現在は推計実績七千円の平均給與になつているので八千円ということになつて、八十五十八円の人事院勧告ベースにほぼ近いものを達成したことになるというふうな説明をしておるのですが、それに対して簡單にお触れになりましたが、もう少しその点を詳しく御説明を願いたいと思います。
#6
○公述人(岡三郎君) これは八千円ベースの改訂を批判するという中にはつきり書いてあるわけでございますが、この六千三百円の数年の解明でございますが、政府は現行給與ベースによる公務員の平均給與月額が昨年九月現在で六千六百七円であり、昭和二十五年六月一日現在では六千八百四十円になり、本年十二月末の推定が六千九百三十七円になる。従つて暮に一千円を入れると、これは数字が間違つておりますが八千円ベースになる、こう説明しているわけです。それでよくこの前も追及したのですが、現物一切を先ずそこに入れている。全逓の職員のような場合には勧誘した保險とかいろいろな月掛の貯金、こういつたものを勧誘したその手当、これは従来入つていなかつたのですが、こういつたものまでもみんなぶつ込んで、そうしてお前たちの給與はそれをぶつ込むと六千五百両になるというふうに洗いざらいのものを全部ぶつ込んでいる。そうしてその後の定期に当然昇格、昇給するもの、これをも含めておるというふうな点でここに分析しておるわけですが、併しベース改訂をするということは人事院の勧告にある通り、最低生活費を基礎として給與体系を作り、給與表を改正することである。たとえ現在の公務員の給與ベースが七千円になつたとしても、それは公務員の学歴、年齢等による自然の結果に過ぎない。ベースは飽くまで六千三百七円ベースである。故に平均給與の月額七千円に千円を加えて八千円ベースであると宣伝する政府の給與の改訂は次の表の通り、七千四百三十五円ベースに過ぎない。僅か千百二十八円のベースの引上げである。これはそこにはつきり謳つておるわけですが、一番私は不可解に考えておるのは、政府のほうで出しておるこの数字があるわけですが、大体この千円の昇給によつて十六億大体見積つているわけです。それで半カ月の予算として十六億三千万円ですか、大体。そうすると政府の言つておるように千円のベースを三カ月の補正で大体十六億でやつておるわけです。そうするともう一つは半カ月の年末賞與ですね。十六億三千万円でやつておる。そうすると政府は七千円をお前たち取つているんだと言つておつてもですよ、半カ月分を三千円と計算しているのですね。この政府の予算表から言うと、大体一カ月の三倍、千円の三カ月分を十六億と計算されているわけなんです。千円の三倍を十六億と計算されている。年末賞與半カ月分を十六億三千万円と計算しているわけなんです。そうするというと、我々の年度末に貰える賞與というものは、大体三千円ちよつとなんです。これを政府が半カ月と一応言つておるので、この点についてはまだ分析が足りないと思いますけれども、要するに三千円が半カ月じやないか。そうすると一カ月は六千円になります。六千三百円が一カ月だということを政府が予算上のほうからは肯定しながら、口で言う場合にはお前たちの俸給は七千円になつているのだ。七千円になつているのだから千円足せば八千円になつて人事院の勧告に近付けると言つておきながら、予算措置としては大体半カ月分大体三千円ちよつとだと言つておる点ですね、この点についてはもう少し分析が足りないとしても、我々としては納得できない。こういうふうに考えております。同時に諸雑費すべてもうあらゆるもの全部こみにして、今まで別にしておつたものをこみにして全部やつておる。ぶつ込んでやつておる。丁度私たちははつきり、この高利貸に行くというと、一万円借りたいという、これを出さにやならん。そうすると天引き三千円なり二千円なり取つて手渡し六千円くれる。このやり方をどうも政府はとつておる。これはもう大道におる香具師の親方です。とにかくお前たちに千円やろう。千円やるけれどもこういう費用があるからお前たちは三百円で我慢しろ。香具師か或いは高利貸のやり方だと私は思うのです。他面からは千円だと言つておきながら、実際からいつて見るというと下級官吏のほうは三百円か二百円の、もうひどいのは今日ここで言つているのですが、師範学校を卒業して出て来ている者は一割六分上るのですが、地代、住民税その他の値上りによつて一割六分の値上なんということは吹つ飛んじまう。こういうふうに考える。千円の額面の証書はくれているけれども、内容は全部金を引つ下げて、今までほかに出しておつた実物給與も何も全部入れて、これだけお前たちに現品をやつてるからこれを引く、これを引くというやり方で、殆んど内容は、名目千円実質は二百円或いは三百円で、下級官吏はその程度で、而もそれが米価がはね上ると或いは地方税の問題と、その他電気、ガス、水道こういつた値上りの問題を引つくるめて千円値上で、これはほんのからくりのペテンの数字だ。私は如何に上品な言葉で言おうとも、こういうふうに言わざるを得ないのです。実際額面と手取りとが非常に違つている。而も給與階層の九級、八級以下の職員が最も大多数の九六%を擁する。殆んど大部分がその打撃を受けて、而も上がぎゆつと伸びているのですから、総理大臣が六万円取ることについては、いいでしよう、私たちも反対はしません、國会議員の歳費が殖えることについても私共は喜んでおりますが、尚それ以上に、そういつた方々のよき指導によつて下級職員が、本当に公平の立場から見て、政治をしている人も内閣をとつている人も或いは一般の國会で討議している人も、皆のことを考えて然る後に自分らが遅れて取るというような従来の考え方をやはり下級官吏に持つております。そういうわけで、是非ともいろいろなからくりをもう一遍分析されて、國会の歳費を上げる、そういつたような……総理大臣の歳費を上げることも何ら反対することはなく、喜ぶべき面でございますが、そういつた下級の公務員に対する温かい配慮もお願いしたいと思います。答弁がちよつとわきへ外れましたが……。
#7
○委員長(波多野鼎君) それではどうも有難うございました。
#8
○公述人(岡三郎君) 失礼しました。お願いいたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(波多野鼎君) 次に全國指導農業協同組合專務理事の武正総一郎君にお願いいたします。
#10
○公述人(武正総一郎君) 只今御紹介にあずかりました全指連の武正でございます。先ほどお話がございましたように、実際的には昨夜私のところに連絡がありまして、まあ今日公述人として出ろ、こういうお話でありました。従つて具体的な数字とかいろいろな資料をお手許に御配付いたしまして、十分農業者の立場からいろいろ御注文をお受けして頂く、そういう機会を得なかつたことを非常に残念に存じております。問題が抽象的になるかも知れませんが、その点は御了承願いたいと思います。
 何と申しましても、我々農業者ほど各県において或いは中央に対しましてしばしば陳情なり請願している職業者はいないと思うのであります。そのくらい農業の経営が如何に困難であるか、こういつた点について、この補正予算と農業者の立場から、その関係につきまして若干述べさせて頂きたいと思うのであります。私は補正予算の検討に入ります前に、基本問題を一応提示いたしまして、そうしてその次に災害関係の予算に関する件、或いは公共事業費に関係する件、農業金融関係に関する件、更に農業協同組合再建整備の問題に関しまして述べさせて頂きたいと思うのであります。私がお話するまでもなく、補正予算の根抵を流れておりますものは、何と申しましても均衡予算は堅持しなければならん。而も國外なり國内の物価高の傾向に鑑みまして資本の蓄積を実現するというのがこの予算の究極の目的でなければいけないのではないかと思うのであります。そういたしまして、日本の再建なり更に農業の日本における再建というものがしつかり講ぜられて頂くことは必要でないか。そういう点から申しますと、本日ここにこの二十五年度の予算補正を見ますというと、農業の資本の蓄積という点については、少しも考えられておらないように見受けられるのであります。これはもう申上げるまでもなく、実際農業を取巻くところの環境が、これは非常に不利な條件に満ちているのであります。私個人の問題を取上げますと、おかしいのでありますが、私も父祖伝来二町ぐらいの田畑を耕して来ておりますが、日本全國のいわゆる農家を仮に六百万と押さえます。一戸当り八反、平均まあ一町としましてこの收入がどのくらいあるか。現在米価が一応予算の上においては、五千数百円が計上されておりますが、これを闇だとかいろいろなものを勘案いたしまして、一石六千円で売れたといたしましても、一町の経営では、一年に十五万円ぐらいのいわゆる收入しか上らないわけであります。この十五万円で一家五人が食つて行く、而もこの十五万円のうちは、半分は流通経済に乗らないのであります。半分が供出という、非常に価値と価格から乘離したような、我々から申しますと、極めて遺憾な価格によつて、強制的に商品化せられる農産物である。そういう点から申しますならば、一月に大体六千円、或いは七千円前後でそうして暮して行かなければならん。更にそれは一切家族の労働が結集して常に労働しておるわけであります。その中から肥料の問題を申上げますならば、昨年よりも肥料代金は、七割も高くなつております。その他租税はお陰様でだんだん減つて来ておるようでありますが、併しながら全体を比べると、地方税とか、いろいろな寄附金等についてもそう軽減しておらないのでありまして、そういたしますと、一体農家の本当に手許に残る金はどのくらいであるかという点を大体予想されるならば、こういうプリミテイブな計算で出しましても、農業の経営が如何に困難であるかがおわかりになると思うのであります。只今いわゆる官公職員の給與の問題が出ておりますが、我々百姓から申しますと、最近農村におきましては、私も村において、村長なり、或いは組合長なり、P・T・Aの会長とか、いろいろなことをやつて参りましたが、最近の農村におきましては、次男坊、三男坊の問題が、非常に大きな問題となつて来ておる。私のところに夜参りましては、一つ官吏なり、公吏になる口はないかということが、非常に多いのであります。我々農業者から見ますならば、現在の官公職員の待遇は、これは確かに今お話がありましたように、低位のものでありましようけれども、我我農業者から見ると、それが一つの羨望に値するところの職業であると見られておるのであります。このように現在の農業の置かれておる地位が、極めて低いということは、私は何としても遺憾なことであります。そういう点から見ますならば、この補正の中には、我我が要求するところの一割も、恐らく何分にも当らない微々たるものしか計上されておらない、数学的には、各省に常に我々の要求といたしまして数字を計上いたしまして運動しておるのでありますが、なかなかそれが取上げられて頂けないのであります。農林省におきましても、年々農家経済調査をやつておられますが、最近の調査によりますと、中流以上の農業経営においてさえ赤字を示しておるのであります。従つて我々が如何に思想が堅固であろうとも、その切実な農業経営を調査する場合には、農家が赤字があるばかりでなく、調査員が赤くなるということも、これ又必然性を持つておると思うのであります。そういうふうな根本的な問題を十分御勘案を頂きまして、今後この予算につきましては、できるだけ農業に対して優位にお取計らいを願いたいと思うのであります。更に今春におきまして、いわゆる救農國会を召集して貰いたいと、我々の農業者なり、農協関係で常に要望しておつたのでありますが、幸いに廣川農相が興農國会を開いてそうして千分その問題を討議しようという朗報を頂いたわけであります。然るにこの問題にいたしましても、その救農國会、或いは興農國会としてのその性格が少しも予算面の上におきましても、あらゆる点におきましても、その片鱗さえ窺えないということは、極めて遺憾に考えるわけであります。要は私申しますのは、農業がいわゆる統制経済体制から自由経済体制にすべての社会経済界が移行しておりますときに、農業界だけがその市場が非常に狭められており、而も農業を営むところの資本の蓄積が不可能なような、そういう環境を十分に是正するように予算を組んで頂きたいというのがこの予算全体を通じてのお願いであります。
 次に基本問題はそのくらいにいたしまして、個別的に問題を展開して行きたいと思うのでありますが、次に災害対策についてこの補正予算の内容を検討いたしたいと思うのであります。
 第一に災害対策について申上げます。今夏のキジアとか、ジエーン台風が相踵いで近畿、中國地帯を襲つてその被害は非常に甚大なものがあるのでありますが、特にそのほか、五月、六月には関東なり、東海に局部的な台風も参つたのでありますが、その関東等に襲つたそういう被害においても甚大なものがあるのでありまして、ましてキジアとか、ジエーン台風は、総額におきまして五百九十四億円に上り、キジア台風だけでも百八十四億、ジエーン台風で百五十億というようになつておりますが、こういうふうな甚大な被害を受けておるにもかかわらず、この災害に対する対策、それに対する予算というものは、極めて軽微であるということはお話にならないと考えるのであります。僅かに災害防除の薬剤費だけが一応認められておるようでありますが、そのほか農村におきましても、肥料の資金でありますとか、種籾の対策費であるとか、いろいろあるのでありますが、そういつたことも十分御勘案できておらない。更に農業倉庫の被害は極めてこれ又重大な問題であるのであります。農業協同組合は農業倉庫を経営しておりますが、実質的にはこれは政府の管理の米麥が貯蔵されておるのでありまして、従つて農業倉庫は、経営は農業協同組合でありますが、実質は政府の管理倉庫であるというふうに我々は考えておるのであります。そういう性格を持つた農業倉庫が被害を受けた場合には、一体その被害に対する補償と申しますか、その修理はどこでやつて頂くか、これを單に協同組合が経営しておるからと言つて、協同組合自身とか、農業者自身にその責任を全部とらせることが至当であろうかという問題であります。私はこれは絶対に政府が十分責任をとつて、これに対する対策を講じて頂かなければならないと考えるわけであります。而もその倉庫に納められますときに保管料の問題であるとか、細かいことでありますが、そういうふうな点については企業経済に載せるような、そういう保管料で、ないために、農業の資本の蓄積というものが十分この点においても可能な形になつておらないのであります。こういう点につきましては、十分一つお考を願いたい。農業倉庫などの災害につきましては、約一億五千万となつておるのであります。このぐらいは私共はやろうと思えばやつて頂けるのではないかと思うのであります。皆様十分御承知だと思いますが、昭和の十年前後でございましたでしようか、例えばいわゆる農業部落団体の活動助成費という、そういう一つの小さな助成費だけでも、年間二百万、それからそれが三年間ぐらい続きましてその後には三千万円も助成金を出しておられるのであります。当時部落団体は二十万くらいあつたと思うのでありますが、一部落団体百五十円の助成になるかもわからないのでありますが、当時の金で百五十円で現在のいわゆる価格に評価替えいたしますならばどのくらい大きなものか、いわゆる農業のそういう部落団体だけにおいても與えておつたということがよくおわかりになると思うのであります。ところが現在農業倉庫は政府の管理倉庫のような形になつておる。それがいわゆる我々としては非常に大きな金額でありますが、額といたしましては約一億五千万円、これすら政府が何らかの形で助成ができないということは我々いわゆる農業者の立場から見ると非常に遺憾な極みであります。更にそれならば自主的に解決しようというお話があるならば我々の自主的な力で行うためには、どうしてもその場合には融資をお願いしなければならない。更にそれに対する利子補給というような点についても十分お考え下さらなければならない問題があるのでありますが、この点についても十分考慮が拂われていないのであります。この点につきましては十分御出席の各先輩議員に十分御努力をお願い申上げたいと思うのであります。なお災害地の農業者につきましては農業手形の返済期間等についても延期して欲しいということを要望しておるのでありますが、これさえも認めておられない。僅かに災害地の税金の減額申請手続が簡單に少しなつたというに過ぎないのであります。更に地方財政平衡交付金制度の中でもいろいろ問題があると思いますが、本日資料をあいにく持つておりませんので、又次の機会に述べさして頂きたいと思うのであります。
 次に公共事業費の問題について述べさして頂きたいと思います。公共事業費は我々の農業者の立場から申しますと、土地改良なり災害復旧というものが十分考慮されておるかどうかという点でありまするが、補正予算にも四十一億内外の増額が計上されておりますが、農業につきますと年々絶対値は多くなつておりますが、公共事業費の中に占める割合がだんだん減少しておるということはこれ又我々としては遺憾なことであります。特に農業生産性が現在まだ米にいたしまして反二石、よく行つて二石五斗であります。御承知のように徳川、いわゆる鎌倉幕府時代におきましても、ああいう封建性がこれから展開しようというときにおきましても中田においては一反当り一石とれておる。現在近代的な社会において僅かに二石数斗でおるという、こういうふうに生産性が極めて低いということは如何なる理窟を並べて見ましても、現在の農業というものが本当に國家の手厚い助成によつて一日も早く近代的な社会のレベルまで持ち上げるようにして頂かなければならない、さように考えておるのであります。土地改良のごときは、農業協同組合などの行う団体経営事業に十分やらせるように、そのためには相当の補助も出して頂かなければならん。これは昭和二十四年まで行われておつたのが、昭和二十四年以来打切られておるのでありまして、これはむしろ我々といたしましては逆行しているのではないかと思うのであります。そういうものは全部打切られておるのでありまして、私はこういう問題こそこの予算に十分計上して頂かなければならないのではないかと思います。勿論國営事業という形で出ておりますが、國営事業は私から申上げますならば非能率的であり、而も小規模の土地改良事業にはどうしても自主的な団体、農業協同組合であるとか或いはいろいろな土地改良区の問題、そういうふうな団体に十分やらせるようにして頂くことが一番いいのではないかと考えておるのであります。現在我々協同組合関係におきましても盛んに土地改良事業を促進するように勧誘いたしておるのでありますが、何と申しましても相当の固定資本が要りましてどうしても最初は助成を十分行なつて頂かなければならないのであります。例えば田と畑の問題がありますが、私は田と畑というものが区分されて考えられておる間は、いわゆる近代的農法というものは採用されないと思うのであります。田と畑というような区別が取除かれて、従つて畑が人工灌漑によつて水田にもなり、或いは水田が畑にもなる、こういう條件を満たしてこそ初めて機械化農業も有蓄農業もできるのであります。そういう一つの現われといたしまして、関東の埼玉でありますとか、或いはその近くでやつておりますいわゆる陸田農法という畑に人工的に水を灌漑することによつて水稲を植える。こういうかつこうでやつた場合に、水田も畑も何と申しますか差がなくなり、灌漑用水のような水に関する技術が十分に伸びて行き、従つてそういう点では機械力も畜力も推進して行き、水の灌漑が自由に調節できるから、その場合には普通の水田よりも二割ぐらい増收ができる。そういうものが起つておりますが、供出制度がある限り、それが、表面化して動いておらないというだけであります。こういう問題も一切がやはり土地改良事業に発しておるのでありまして、十分御勘案願いまして今後とも、そういう問題につきましては、この予算の中に十分計上しで頂きたいと思うのであります。
 更にいろいろございますが、時間もだんだんと過ぎて参りましたので次に移りたいと思います。政府の農業関係に対する財政投資は公共事業費で見ましたように若干増額をしておりますが、その割合は減少しておる。公共事業費以外の農業関係は二十五年度の補助金の内容を見ますというと、單作地帯、それから温床苗代、こういつた関係に二億円ほどの補助金が計上されておりますが、このくらいでは我々といたしましては何といたしても承服できないのであります。例えば農業所得税だけを見ましても二百二十億円も取上げておるのであります。そういう点から農業に還元されるものは如何にも少いのでありまして、これはマイナスだけしか残つておらない。見返資金や預金部資金の融通の措置がとられおるかと申しますと、これ又さような措置は全く受けておりません。農業金融に対する根本措置を政府は何ら講じておらないと私共には考えられるのであります。併し見返資金の融資が今春十億農業に許可されましたが、これとても七分五厘の優先配当をしなければならない。こういう点についても全く困つたものだと考えておるのであります。今度農林漁業金融公庫を作るというふうな話が出ておりまして、我々は一切それに期待をかけておりました。土地改良事業にいたしましても、或いはいろいろな問題にいたしましても、そういう金庫によりまして融資が十分行われると思つておつたのでありますが、又最近それがふいになつたように聞いておるのであります。かくのごときは我我といたしまして遺憾至極に存じておる次第であります。併しその代りに特別会計を設けまして、最低六十億の資金、並びに預金部資金から七十億の繰入れ、合計百三十億の融資をする。こういう話か進んでおるようでありますが、これにつきましても今までの経過からいたしまして果してこれが実現するかどうかについて危惧の念を抱くのであります。十分この点は農業金融のあり万からお考え下さいまして、この問題が十分の結果を生むように御努力をお願いしたいと思うのであります。そのほか現在のこの特別会計による金融措置では、問題はやはり利率にあるかと思うのでありますが、伝えられますところによりますと一割前後の利息で、その上にいろいろの制限或いは枠がはめられるのではないかと言われておるわけであります。我々といたしましてはそういう高い利率ではなかなかそういう特別な金融措置が講ぜられても、今度は利用がしにくいかと思うのであります。私たちが考えておりますのは農漁業金融法案というふうなものを作つてそうして利率は少くしも五分以下で貸出ができるように是非あつて欲しいと考えておるのであります。例えば輸出銀行のほうだけはすらすらと進んで決定しておりますが、農業金融のほうはいつでもデツト・ロツクにぶつかりましてそれが解決しておらないということは誠に遺憾であります。
 いろいろございますが、次には農協再建整備の問題について述べさして頂きたいと思うのであります。
 農業協同組合再建整備の必要性についてはその都度我々陳情なり請願いたしましてお願い申し上げておるのであります。先ほども申上げましたように日本の農協というものの根抵がまだまだ近代社会の他の経済部面と十分対等に競争することができない立場にあるのでありまして、少くとも或る期間はそれを政府が手厚い助成の下に、一人前に近代社会で他の部面と肩を並べて経済的にも競争ができるような形にして貫いたい、それまでは手厚い一つ保護政策をお願いしなければならないのではないか。農業協同組合も終戰後皆様の御盡力によりまして急激にこれが全國的に普及いたしました現在、三万数千の協同組合を擁しておりますが、その協同組合もいわゆる自由経済体制に転換するに当りまして、この春購買事業部面から端を発しまして、いわゆる農協の第一次危機という危險な状況にさらされたわけであります。そこでこの問題に対処いたしますのに、官民一体となりましてこれを再建するためにいろいろな方途を講じたい。そのときに例えばその問題といたしましてどうしても農協を十分指導育成しなければならん、その費用といたしまして農協の検査費、或いは検査をした事後の処理をどうするかというそのための費用といたしまして四千万円の格別の御盡力を頂こうと運動したのでありますが、まだこの点については十分成果が挙つておらないのであります。経過的に申上げますと、これは皆様十分御了承のことと思うのでありますが、本年の四月二十日、皆様方の御盡力によりまして、農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議を出して頂いたわけであります。これに対しまして五月に吉田総理六百より佐藤参議院議長への回答がありました。これにつきましては、十分予算的な措置を講ずるということをはつきりそこに書いておられるのであります。我々は初めてこれによつて政府も或いは國会も一丸となつて我々の唯一の経済団体である農業協同組合の育成のために御盡力を頂けるものと思つて非常に喜びを以て期待しておつたのでありますが、これとても現在ふいになつておるのであります。我々農業者といたしましては、一國の総理大臣なりこの一國の國会の議長は最も権威ある方、最も信頼する立場にある方と存じておつたのでありますが、御両者の間で取交されたところのそういういわゆる回答が少しも実現されておらないということは、私は國会並びに政府の不信、これに過ぎたものはないと考えるのであります。従いましてこの点につきましては皆様方の御努力によりまして御解決をお願い申上げたいと思うのであります。甚だ不遜なことを申上げましたが、一応取りとめもないことを申上げまして、公述人としての責を果したいと考えております。
#11
○委員長(波多野鼎君) 御質問がございましたならばどうぞ……。
#12
○藤野繁雄君 再建整備に対してもう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
#13
○公述人(武正総一郎君) 只今御質問がありましたのでお答えいたしたいと思います。
 実はこの農業協同組合の再建整備に関しまして、この数日来全國の協同組合の会長会議なり、更に昨日は第三回の全國農業協同組合代表者会議を招集いたしまして、そこでいろいろ当面の問題につきまして決議いたしておるのであります。で、この中に劈頭掲げられておるのが、いわゆるやはり現在御質問のございました再建整備の問題でございます。本日一応この書類をお手許に御配付する予定でありましたが、間に合いませんので、この点につきまして一応朗読させて頂いて只今の御質問にお答え申上げたいと思うのであります。
   (農協育成強化に関する決議案)
 一、農業協同組合の経営を合理化し、これが再建整備を促進するため農業協同組合再建整備法(仮称)を速かに制定公布すること。
   (理由)
  農業協同組合は農業会資産の引継又は経済事情の変動によつてその経営は極めて困難なる実情にある。現在我々は真劍に経営の建直しを図りつつあるが、この再建整備計画に資金の裏付けを與えるため左の内容の法律を制定して農業協同組合の再建整備促進の措置をとられたい。
   (目的)
 農業再建のための金融措置に関する要綱
 これはいろいろございますが、大体そういう骨子でその再建整備法というような單独法案を作つて頂いて促進して頂きたい。そういうわけであります。
  ―――――――――――――
#14
○委員長(波多野鼎君) 外にございませんければ次に東洋経済新報の編集局長綿野脩三君にお願いいたします。
#15
○公述人(綿野脩三君) 今御紹介を得ました綿野であります。
 私に與えられました題目は平衡交付金をどうするか、これをもつと増額したらいいのか、或いは現状でいいのか、こういう問題であろうと思います。時間を省略する必要上、先ず結論から述べて見たいと思います。
 私はこれに二つの問題があると思います。一つは金額をどうするかという問題と、もう一つはこの地方財政の実情をもつとしつかりと把握する方法を考究する必要がある。この二点についてお話を申述べたいと思うのであります。
 第一点の増減の問題でございますが、これは私の現在知り得る資料から総合して参りますと、やはりもう少し増額するのが本当ではなかろうかというふうに思います。併しながら第二にこの増額と申しましても地方自治団体の財政状況についての資料というものが非常に不十分でございまして、自分らは勿論恐らく國会議員の皆様も政府の諸君も本当の地方財政の実態というものははつきりとわかつていないのじやなかろうかというふうに想像するのであります。従つてどうしてもそこから減らせる減らせないという水掛論が生れて来る。一方で大蔵省は減らせると申しますし、地方財政のほうはどうしても減らせないという主張になつて参りますが、これを判定すべき資料が現在非常に不十分である。これはどうしてもしつかりとした案を作る必要があるのじやなかろうか、こういうことになつて参つたのであります。先ず第一のもう少し現在知り得る資料から見ると、殖やしたほうがいいじやないかという根拠についてでございますが、この補正予算に、國の補正予算に並行しまして地財委から地方財政の補正要求というものが総括せられて参つておるようでございますが、その計数を拜見しますと、経費全体が四百七十億、そのうち國庫負担が八十一億円、差引きまして三百八十九億円が地方諸団体の負担になる、こういうふうに見ております。その中で百三十三億円はどうしても平衡交付金に依存しなければやつて行けないというのが地財委の要求のようであります。これは大蔵省がどういうふうに査定したかと申しますと、経費の全体は二百九十五億と見積つてよろしい、そのうち國庫の負担は七十六億円になり、差引きまして地方負担は二百十九億円でよろしいと、従つて國の負担すべき平衡交付金の増額は三十五億円でよろしいと、こういうふうな査定になつております。もとより全然平衡交付金を増額しないという初あの方針から見ますると三十五億円でも殖えたのはこれは大きな成功であると言えば言えましようが、併し百三十三億の要求の約四分の一しか平衡交付金の増額を承認せられていない。こういう状況では果して地方財政というものがうまく行けるかどうか、國の予算はうまく参りましても果してまた地方税の増徴というふうな面で心配がないかどうかというのは非常に自分は疑念を持つのであります。この國の補正予算というものの内容を拜見しますると、補填を要する金額というものが大体五百七億円計上せられていると自分は思います。その一番大きいのは新規の歳出の増加の三百六十三億円、これに專売益金の減少が八十億円入りまして四百四十三億、それ以外に更に減税の財源を要するものが六十四億円、これを合計しまして五百七億円となつております。この財源をどういうふうにして調弁しているかと申しますと、実はその中の三百三十二億円というものが経費の節減になつております。経費の節減もとより非常に結構なんでございますが、併しながらこの経費の節減の内容を見ますと、大して中央政府が努力を要しないで殆んど自然に減つて参つている経費の減少が相当多いのでございまして、先ず価格調整費の二百六十億円というものはこれはだんだん経済が安定して参るにつれて当然に縮小して参つていい経費である。國債費の減少十四億円ほど入つておりますが、これも債務償還をやつて参りますと当然に減つて来る経費でございます。その他細かく申せばいろいろとありましようが、要するに相当楽に組めた予算である、こういうふうに思うのであります。ところが地方財政におきましては、かようなうまい財源がちつともない。これはもう明白な現実であると思うのであります。それからもう一つ政府は國の予算において約六十九億円ほどの自然増收を一つの財源に挙げておりますので、これは朝鮮の動乱以来日本の財界が好転して参つたので当然の歳入であると思うんですが、併しながらこれは地方財政においてはなかなかそうは参らない。勿論事業税であるとか、或いは住民税の中で一部増收になる面もございましようが、併しながらこの農村を中心とする地方自治団体においてはなかなかまだ景気が思うように直つていない。そういう面から見ましてなかなか自然増收などというものは明年一ぱい過ぎましてもなかなか思うようには進まないであろうと思うのであります。而も一方においてはだんだんと経費が殖えて参つております。國の事務というものがだんだんと地方に委讓せられて参りますばかりでなく、地方の自治というものをあまり急速にやつて参つた、或いは税制を急速に変更して参つたのでいよいよ人員が殖えて、職員を増加しなければやつて行けないという面が非常に多いと思うのであります。こういうものを勘案して参りますと、國の財政とは非常に様相が違つておつて、地方財政というものはもう少し平衡交付金を増すというような方法をとつて参らないと非常に苦しい事態に入るのではなかろうかというふうに自分は信じております。併しながら今申上げたいのは、初めにも申したように、現在私の知り得る資料から得た結論であつて、なおそこには相当の問題か残つている。まず第一に地方財政というものは苦しい苦しいといいますが、果して十分にこの税の徴收を能率的にやつているかどうか、どうも自分らの周囲を見てみますと、非常に税の徴收というものは生ぬるい、或いは不均衡であるという面が非常に多いのであります。これをやはり相当嚴重にやつて行く必要があるのじやなかろうか。それから又経費のほうを拜見しましても相当にやはり冗費というものはまだ残つている。出張が非常に多いとか、或いは宴会が多いとか、どうも甚だ理解し難い経費が相当に入つている。これも否定できない事実であろうと思うのであります。大蔵省のほうで相当の経費の節減ができるとか、或いは收入の増加が図れる。今年の九月に池田蔵相は現在の税制を以てしても三百億円の減税ができるんだというようなことを発表になつて相当あつちこつちで問題になつたように思うんですが、そういうような計算も或いは成立するんじやなかろうかという点に実は疑問を持つて参るのであります。こういうふうに議論を進めて参りますと、これは結局実態がわからんので甲論乙駁、どうも群盲が象を撫すというに過ぎないので、幾ら何年経過しましても、はつきりした結論は得られないと思うのであります。そこで私が少くとも三つの点で一つ大いに改革をやつて貰いたい、自分らとしましても大いにこれは主張したいと思うのですが、國会の皆さん、或いは政府の皆さんにおいても、三つの点で一つ大いに改善をやつて貰いたいと思うのであります。
 その第一点は先ず先ほど申しましたように、地方財政の実情というものをもつとはつきりと調査する、そうしてこれを皆に公にすること、私は少くとも都道府県及び市、この範囲内においては全部を詳細に予算と決算について審議するようなオルガニゼーシヨンがやはり是非必要であらうと思うのであります。町村になつて参りますと、非常にこれは数が多いので、なかなか厄介でありましようが、これはサンプル調査でいいと思うのですが、相当はつきりした歳出歳入の調査をやる特別の組織というものを作る必要があるのじやなかろうか。現在地財委のほうでは、この地方財政の状況について國会、政府に報告する義務を負うているようでございますが、どうも併しながらその報告が非常に表面的である、実態をちつとも把握していないというふうに自分は想像するのであります。こういうふうな大きな調査を毎年やるということは非常に厄介であるというのであつたら、最初の一回でもいいですから、相当徹底したものをやつて、それを参考に次年度からの地方平衡交付金を算定して参る、こういうことにするのが一番いいのじやないかと思うのです。
 それから第二の問題は、どうも総合予算制と言いましても、國と地方との連絡が非常に惡い。地財委がこの國と地方及び地方自治団体相互間の調整を図るということに法律ではなつているのですが、どうも私が見ている範囲においてはこれがうまく行つていない。なかんずくこの地財委の意見というものが閣議にちつとも反映しない。首相に勧告するばかりでちつともその間の連絡がうまく行つていない。これはできるだけ必要な場合には閣議に出席しまして、地財委の委員長は國の予算が一体どういうことになつているか、従つてそこから地方財政としてはどういうふうに持つて行く必要があるか、というふうな方針をはつきり知る。又國のほうでも、地方財政の状況はこうであるということを常にはつきりと了承ができる。こういうふうにして参ると、現在のような正面衝突というのは相当緩和せられて、両方の意向がよく斟酌せられた案が僕はできるのじやなかろうかというふうに思うのであります。
 第三の問題は、どうもこの税制の中に入つておりまするいろいろの法規を拜見しますと、地方自治というものが少し行過ぎておるのじやなからうかというふうに思うのであります。できるだけ地方には自治的に行政をやらせる、國がその中に介入をしないというのは、この精神は非常に立派であつて、これがうまく運営をせられて参りますと、非常にいい、これは否定する人はないと思うのですが、現実はなかなかそうは参つていない。現在のような状況で参りますと、或る地方自治体に非常な財政の紊乱があつたということになつて参りましても、國としてはどうにもこれはできない。地財委はこの地方自治団体にいろいろと助言ができるというふうに法文の中には入つておるのですが、助言ぐらいではどうにもしようがないので、若干の監視をするというふうな項目をやはりどうしても入れる必要があるのではなかろうかというふうに思つております。万が一に或る地方自治体の財政が非常に工合が惡いということになつて参りますと、これに警告を発する、お前のところはこういうことになつておるがこれでは困る、それでもどうしても聞かないという場合には、これはやはり平衡交付金の交付を中止する、延期するというふうな非常方法も採用していいというようなことにする必要があるのじやなかろうかというふうに思うのであります。勿論地方の行政に細かく干渉する、中央政府が干渉するということは、これはもうよくないというのは明白でございますが、併しながら國の負担においてその歳計の六分の一前後の平衡交付金を國が地方に拂うという以上は、それくらいの干渉というものが地方財政に加わつておつても当然であるというふうに自分は思うのであります。要するに平衡交付金の増減というのはじかにやはり自分らの生活に響いて参ります。國がよくても惡くても、又地方自治団体がよくても惡くても、それがじかに自分らの税負担に響いて参るわけであります。従つてこの両方が非常にうまく密接に連繋をして無駄のないようにして行く、こういう方法を考究すると、今申上げたような三つの点を応急策として改善して行くのが最も早いのじやないかと思います。
 甚だ抽象的な議論で申訳ないのですが、これを以て一応公述人の責をふさぎたいと思います。
#16
○委員長(波多野鼎君) 御質問ございましたら……。
#17
○佐多忠隆君 平衡交付金に関する非常に適切な御意見を伺つたのですが、綿野さんには更に平衡交付金に限らず、もつと一般的な問題で少し御意見を聞きたいのです。と申しますのは、今度の補正予算は御承知の通り、政府がインフレの危險性が非常に大きいということを前提に立てまして、従つてそのインフレ要因をチエツクするためには、やはりインベントリイー・フアイチンスというような問題で、超均衡予算を更に続けなければならないということで、あの百億の厖大な経費の支出をやつていると思うのですが、果して今後の日本経済の見通しをそういうふうに立てていいかどうか。仮に今後相当な物価騰貴があるとしても、それをチエツクする方法として、ああいう金融の極度の引締めによつて解消することが適当な方法かどうか、それらの点について御意見を承わりたい。
#18
○公述人(綿野脩三君) なかなか大きな質問を受けまして、ちよつと即答するのには非常にむずかしいと思うのですが、私はこの日本のインフレ問題というのを考える場合には、四つの面をどうしても知る必要がある。一つは今の國の予算というものが一体赤字になるかどうかということが一つ、それから二番目には日本銀行の信用膨脹というものが実際に経済の運営上非常に必要なことであります。第三番目には一体必要なものが輸入し得るかどうかという問題、つまり輸出が殖えて輸入ができないというので、物の不足が起るという現象がないかどうか。第四番目にはそれと関連して参りまして、世界的なインフレがどうなるかという問題、この四つを考える必要があると思います。
 それで第一、第二の問題はこれは純粋の日本の問題であると思いますが、これは今佐多さんがおつしやつたように全然超均衡予算というものを維持する必要はない。インベントリイー・ファイナンスというものは行過ぎたものであつて、こういうものはできるだけ自分としては中止して貰いたいというふうに思うのであります。その中味の理由の細かいことは抜きにしまして、第二番目の金融関係の問題ですが、これも最近は若干預金部資金を民間に流す方法がだんだんと実現のほうに進んでおり、見返資金も大いにこれから出ようというのですが、併しこれは従来不当に抑えられておつたものが正常に戻つて行くというに過ぎないので、これが別にインフレの原因になることは全然ない。そうしますと残る問題が輸入がうまく行くかどうかという問題と外國の物価の上昇がどこまで進むか、この二つの問題になる。この問題以外にはインベントリイー・ファイナンスを中止しても或いは預金部資金をもつと円滑に運用しましても、見返資金を予定通り放出しましても、インフレになる心配はない。従つて日本のインフレ問題は要するに全部外國の問題であるというふうに自分は思つております。
#19
○委員長(波多野鼎君) 他に御質問ございませんければ、午前の公聽会はこれを以て閉じます。午後は一時半から開くことにいたします。
   午後零時二十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十分開会
#20
○理事(藤野繁雄君) それでは只今から午前に引続いて公聽会を再開いたします。清船工業会事務局長吉田佳雄さんにお願いいたします。
#21
○公述人(吉田佳雄君) 本日は御要請によりまして、造船業者の立場から鉄鋼補給金の撤廃の問題につきまして、私の意見を申上げて見たいと思います。本題に入ります前に申上げて置きたいことは、この造船の船価というものは、少くとも航洋船につきましては、オーシヤン・セーリング・ベツセルにつきましては、國際的のものでなければならないということであります。換言いたしますと、外國から造船の注文を獲得するには、世界が一番安いイギリスとかドイツ等の造船國の出す値段以下でなくちや注文はとれないのであります。又日本の船三の注文されますところの大型航洋船は全部外國航路に就航いたしまして外國船と競争する立場上、その運行費が安くなくてはなりません。運航費を安くするためには、やはり船価を安くして、年々の償却費を少くする必要があります。そこで外國注文船たると内國注文船たるとを問わず、航洋船はすべて國際船価を目標としてやつて行かなくちやならないことになるのであります。それで造船船価を國際並みにやつて行くためには船価を構成する材料費の中の過半を占むところの鋼材も又欧洲並みの値段で売つて貰わないとなかなかやつて行けないのであります。
 さて本日の問題の日本の造船用の規格鋼材、この規格鋼材と申しますのは、ロイド或いはアメリカン・ビユーローの検査に合格したものであります。この規格鋼材の値段は従来どういうふうに扱われておつたかと申しますと、昨年の八月までは大体物価庁で欧洲の鋼材値段を基準についたされまして、日本の製鉄所で出しておつた製造原価と見合つて不足する分は鋼材補給金、石炭補給金、銑鉄補給金の三本建の補助金を國費から出しておられたようであります。従つてこの物価庁できめられております公というのは、大体コストをカバーするのが建前であつたために業者のコスト引下げに対する努力は十分なされていなかつたのではないかと考えます。昨年ドツジ顧問の来朝によりまして日本の経済のバランスを図るために取上げられたのはこの補給金をなくすることでありまして、その結果二十四年の八月以前までは、造船用の規格鋼材、これは無規格物のベース値段に規格料及び寸法のエキストラを加算したものでございます。この規格鋼材は一万七千五百円でありまして、この値段は大体欧洲並みの値段でありましたのですが、昨年の九月には石炭の補給金の撤廃によりまして二万二十円になりました。次いで二十五年の一月には銑鉄補給金の一部及び圧延補給金の一部が撤廃されましてその結果二万九千円にはね上りました。更に本年の八月からは銑鉄補給金の一部三千九百円を残しまして他の補給金は全廃されました。同時に公も撤廃されましたので、製鉄業者は造船規格鋼材に対しましては三万四千五百円と言つております。更に現在残つております銑鉄の補給金三千九百円が全廃されますであろうと思われる明年四月以降の値段は一トン四万三千円見当となる見込であります。この鋼材の値上りが船価にどういうふうに影響を及ぼすかと申しますと、鋼材一万七千五百円をベースにいたしますと、現在の三万四千五百円の鋼材を使えば一万七千五百円のベースを使つたときに比べまして船価は一割五分上ります。又明年四月以降の四万三十円の鋼材を使いますと二割四分だけ、それより船価が上つて参ることになります。尤もこの値上り率は鋼材だけを考えたものでありまして、他の非鉄金属その他の値上りは考慮しておりませんからさよう御了承願いたいと思います。それで仮に総トン数七千トン、重量トン数一万トン、五千馬力のデーゼルエンヂンの貨物船を例にとつて見ますと、昨年第五次船として三十万トンを建造いたしました、この全体の平均の船価は、その当時は鋼材は一万七千五百円でございますが、それをベースにいたしまして、契約された総トン一トン当りの値段はデーゼル船は七万七千円になつて、おります。総トン一トン当り七万七千円であります。ところがこれが三万四千五百円に鋼材が値上げになりますと、総トン一トン当り八万八千五百円に上ります。又来年の四月以降鋼材、銑鉄の補給金が全廃されました曉は、鋼材が四万三千円となりますと、総トン一トン当り九万五千五百円になるわけであります。一方外國の造船用の規格材料の値段はどうかと申しますと、朝鮮事変の勃発までは大体FOBで一トン二万二千円乃至二万三千円見当であります。当時の日本の鋼材の公二万九千円と比較いたしますと実に七千円の開きがありましたために、造船業界としてはかように高い鋼材を使つていては外國船の注文は言うに及ばず、内國船のほうでも非常に困りますから、その差額に対して特殊鋼材の助成金として、政府から補給して貰いたい。それで日本の製鉄業者から外國並みの鋼材値段で造船業者に供給して貰いたいと思いまして、政府にお願いいたしまして、次官会議までは一応通過いたしたようでございますが、その後閣議に上程されましたところ否決となつておるというように聞いておるのでございます。元来外國では規格材が鋼材値段のベースになつてつおりまして、日本のように規格料としてトン当り五千三百円の規格料を別途に支拂わねばならんようなことはなく、ただ特殊寸法の分にのみエキストラが徴收せられておるだけで、これは全鋼材値段の二、三%に過ぎないのであります。然るに我が國におきましては無規格品が値段をきめる上のベースとなつておりまして、造船規格材に対しましては規格料としてこのベース値段の上に五千三百円を取られておるわけであります。更に特殊寸法のエキストラは外國では二、三%でありますのに反しまして、日本では実に二八%という破格のエキストラ料金を取られて参つておるのであります。これは製鉄業の製品の歩留りが惡いことと、戰時中の質よりも量の問題がそのまま継続されておつたため、かような始末になつておつたものと我々は考えるのであります。それで造船業者としてはこの規格料及び寸法のエキストラに相当する金額を特殊鋼材助成金として政府から出して貰いたいとお願いいたしたわけでございます。然るに朝鮮事変が勃発いたしまして、國際的な不安が高まり、第三次世界大戰に発展して行くであろうという気構えで、欧米各國ともに軍備の拡充に大童になつておりまして、その結果英國を初めベルギー、ドイツ等の鋼材生産國は全部輸出を禁止しております。そうして專ら國内用に充当しておる始末でありまして、従つて我々が外國に只今鋼材の引合をいたしましても値段をオツフアーしてくれません。又たとえ値段を出して貰うにいたしましても、それは法外な、例えば百二十五ドルとか百二十ドルとかという高い値段をつけて参つておる次第でございます。それで先般来日本の鋼材が南米アルゼンチンとか、或いはインドとかに大量に輸出せられておりますのはその現われであろうと思います。我が國におきましては、製鉄業者は先般決定されました造船の第六次船、十七万三百トンの船に対します鋼材は従来三万四千五百円と主張しておられましたが、種々交渉の結果漸く三万三千円乃至三万三千五百円でお引受け下さることになつております。一方外國における新造船の船価もだんだん値段が上つて参つておりまして、ロンドンの傭船料相場のごときは昨年の秋、第五次船を引受けました頃は十四シルリングがベースになつております。ところが現在は実に二十六シルリング六ペンスにはね上つております。従つて新造船でも十分採算がとれる状態になつて参りまして、先般募集いたしました第六次船のごとき、船主の新造船の建造意欲が非常に旺盛であつたのはその現われであろうと思います。
 以上申上げましたような状況でございますから、今回補正予算におきまして、鉄鋼補給金を打切られるということは一応現状としては止むを得ないことと考えておる次第でございます。最後に甚だ勝手ながら今日の機会を利用さして頂きまして、一言お願いを申上げたい。それは現在の國際不安に際しまして、船舶は一隻でも多く、一トンでも多く用意せねばならんことは議論の余地はありません、然るに船主は第六次船を以ていよいよ自己資金調達の限度に到達しておるように見受けられます。然るに本年度の司令部からの許可を得ておりますところの造船許容量は三十万トンでありまして、第六次船の十七万トンを差引いても、なお十三万トンを建造できるということになつておるのであります。併し見返資金も、自己資金もないので、実は手を出しかねておる次第であります。先般預金部資金に肩替りをされました見返資金の一部を根幹といたしまして、更に日銀や、市中金融機関寺の協力を結集いたしまして、是非三十万トン限度まで作らして頂きたいと希望するものでございます。又アメリカの援助も早晩打切られることでございますから、この際政府資金その他を以ちまして、来年度以降の建造さるべき新造船の資金源を一日も早く作つて置く必要があるのであります。幸い運輸当局におかれましても、この海事金融機関の新設につきましては、大体の構想をおまとめになりまして、ドツジ顧問にしておられるように承わつておるのであります。何とぞ昔様におかれましても、以上申上げました二つの問題につきまして、格別の御援助と御協力を與えられんことを懇願いたす次第であります。
   〔理事藤野繁雄君退席、委員長着席〕
#22
○委員長(波多野鼎君) 有難うございました。御質問ございましたならばどうぞ。御質問ありませんですか。
#23
○佐多忠隆君 そうすると、今のお話だと補給金を外しても、今の外國の船価でも競争は十分可能だというような結論と拜承していいですか。
#24
○公述人(吉田佳雄君) ええ、そうです。現在補給金を外されまして鋼材が値上りをいたしましても、十分に今の傭船料その他で保持して行ける。新造船その他の船価で保持して行けると我々は思います。それから外國船は、最近横浜で大きなタンカー二万四千トンというのが生産されまして、この値段は又大分安うございますが、まだ鋼材の値上りが船価のほうに響いて参つていないように思います。かたがた外國で日本に注文する場合には、外國の船価より二割くらいは安くないというと、なかなか注文してくれないものですから、この後漸次外國船の船価も上つて行くだろうと思つておりまして、将来に非常に望みをかけておるところでございます。
#25
○委員長(波多野鼎君) もう外にございませんでしようか。
#26
○佐多忠隆君 それから造船金融の問題ですが、海事金融機関の設立その他を考えるというお話ですが、この間ドツジ氏に私たちが会つたときに、見返資金からの融資がばかばかしく行つていない、特に私企業投資がうまく行つていないから困るということを……、例えば割当としては百三十五億海運に割当てておるにかかわず現在までに三十九億しか行つていない、こういうことは困るのだ、これを積極的に出してくれというような問題を出しましたが、そのときにドツジ氏はいや、見返資金がうまく行つていないのはいろいろ電力その他の特殊事情のあることは別問題としてその他の方面では日本側が使い切つていないのだというようなことを頻りと言つて、むしろその責任は日本側にあるというようなことをお話をしておられましたが、造船に関する限りそういう問題があるのかどうか、その点……。
#27
○公述人(吉田佳雄君) 造船にはもともと今年は新造船計画といたしまして継続費は別といたしまして五十四億の見返資金が用意せられておるのであります。ところが初め運輸省では見返資金七、自己資金三という割合で第六次造船をやろうという計画でやつておりまして、ドツジさんにお当りになると五、五でなくちやいかんという要請がありまして、七、三の線が駄目になつたのです。ところでこの見返資金以外の資金源をなします市中の金融機関は、四十億しか出せない。一応第五次造船で相当に多額の資金を出しておるから、この長期金融……、造船みたような十五年もなかなか資金が返らんような長期資金には四十億限度だというふうにおつしやられた。それだものだから、その四十億も本年度と来年度両方合せての話ですから本年度に出るであろうと思われる四十億の中では二十四億しかお金が出ないことになつて、大体六割です。そうするとそれに見合う見返資金だけしか使えないということになります。それでその五十四億の用意された見返資金のうちであと十億ほど残つておる、これはこの間十七万三百トンの第六次船の募集が終りましたが、尚約十億円の見返資金が残つております。これは恐らく近いうちに更に応募して今回第六次船に漏れました大型タンカーの建造その他をやられるんじやないかと私たちは思つております。それでそれにいたしましても大体十七万トンに三万トンくらいしかできませんから、二十万トンがせいぜいでございまして、司令部の金で許可されておる、三十万トンではなお十万トンほど造つても差支えないのでありますが、ただお金がないなめにできないという非常に哀れな状態であります。この点を一つ特別にお取上げ願つたならば我々のみならずこれは日本の経済自立を早める根源になりはせんかと我々は考えております。
#28
○羽生三七君 造船のうち鋼材の部分とその他鋼材を除く以外の部分との占める比重というのはおわかりになりますか。
#29
○公述人(吉田佳雄君) 大体鋼材が一万七千五百円のときに船価の一割五分が鋼材であります。ところが現在それが三割五分になつております。
#30
○委員長(波多野鼎君) ちよつとお伺いしますが、第六次造船の入札のときだつたと思いますけれども、当然入札に入るべきものが落つこつて、入つちやおかしいと思われるような小さな会社が入つたとかいつたようなことか随分新聞に出たのですが、あれはどういうことですか。
#31
○公述人(吉田佳雄君) これは金融業者が……要するに金のできたところが入つたということでございまして、金ができなければ造れんものですから、仕方がないじやないかと……。
#32
○委員長(波多野鼎君) つまり生産技術とか生産設備なんかの優良ということじやなくて、金融機関の連絡があるところが入つた……。
#33
○公述人(吉田佳雄君) まあそういうわけです。それから従来金融機関が造船業者或いは船主に金を相当に貸しておりまして、今度第六次船がそこでできないとなつて来ると、その回收も困難になりはせんか、そうすると何がなんでも一つ多少ともそこの造船業者なり船主さんにやはり船を造らして置かないと自分が困るということで、相当無理をされたのじやないかと思います。
#34
○委員長(波多野鼎君) 外にございませんですか。それではどうも有難うございました。
  ―――――――――――――
#35
○委員長(波多野鼎君) 次の公述人の堀越禎三さんがまだおいでになりませんから、暫らくこのままで速記中止いたしたいと思います。
   〔速記中止〕
#36
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて。次に経団連專務理事堀越禎三君にお願いいたします。
#37
○公述人(堀越禎三君) 堀越でございます。今日補正予算について意見を述べろというお話で伺いましたのですが、財界全般としましてざつくばらんに申上げれば、補正、予算そのものについではどうこうという大きい注文はないのでありますが、むしろ特に私から申上げれば、酒の税なんかを早く下げて頂いたということは誠に結構だなと思つております。併しこの補正予算に現われました点から、従来からの政府の政策、更に来年度予算にも現われるであろういろいろな政策の面につきまして、多少注文と申しますか、我我の意見を申述べたいと存じて上つたような次第であります。
 先ず第一に補正予算を見まして、一等最初の項目に上つておりまする外國為替特別会計への繰入れ百億の点でございます。これは先般外國為替特別会計が、その外貨を日本銀行へ現売先買するという操作によつて、その資金面に多少融通性がつくことになりましたことは大変結構であり、その操作のできます限りにおいては、さして問題とするにあたらないかも知れないのでありまするが、予算において百億来年の三月末まで繰入れるという面から、常にそういう予算によつて外為会計の資金繰りが制約を受けるという点に、輸出、輸入の面に多少の阻害を来たす虞れはありはしないかということを業界としては懸念をいたしておる次第であります。むしろ予算の面からは外して頂いて、外貨を日本銀行へ売るという、申すまでもなくこれが金本位の時代でありますならば、外貨が入ればそれに代つて通貨が出るのは当然の措置でもあります。それが今日におきましては、いわゆる管理通貨の形になつておりまするために、その自然の形がとれない面もあるわけでございますが、成るべくこういう外國為替の輸出、輸入の資金を賄うようなところは、その自然の形でやつて頂きたいということを希望いたしておる次第であります。
 次に政府出資等の最後の項目に出ておりまする日本輸出銀行出資金であります。これは業界長年の、多年と申しては申過ぎでありますが、ここ昨年来強く要望いたしておりましたものがここに輸出銀行として今度でき上りましたことは、我々の喜びに堪えない次第でございますが、現在本当に各企業がどの程度にこの銀行の出資金に当る外國からの注文を持つておるかということになりますと、その金額はさして大きなものではないのでありますが、従来金融面に非常に窮迫しておつた面から、折角の注文があつても取れないで入札ができなかつたというようなものも相当あります。現在注文が来ておりまするが、請負うかどうかということで迷つておるような面も相当にありますので、それらが、この輸出銀行ができますると、割合に順調に運んで行つて、日本の輸出に相当貢献するものではないかと我々は推測いたしておりまするし、又大いにそうあつて欲しいと念願しておるのであります。漏れ承われば、来年は五十億ずつの出資で本年と合せて、この追加予算と合せて来年、再来年の三月までで百五十億というところで行くような予定になつておるように聞いておりますが、当初業界としての希望は三百億ぐらいの面にして欲しかつたのでありまするので、これが途中において、折角の注文があつても、輸出銀行の金がないために注文を取れないというような状態にならないように、来年においてはその趨勢を見て、追加予算を組んで頂く。そういう画を考えて置いて頂きたいと存ずる次第であります。
 その次は災害関係経費でございますが、災害関係の経費は日本の、特に先般大阪にありましたジエーン台風につきましては、相当な被害をこうむつております。特に産業界といたしましては、輸出に相当寄與しておる業界がかなりな災害を受けておつて、而もそれをいわゆる通常の金融によつて、採算の面からこれを復旧しなければならないというような面で、相当苦境に立つておる面もあるようであります。これにつきましては、特にいろいろな税の面から、或いは企業の自己保険と申しまするか、自分のほうで災害復旧のために積立てるもの、その他につきましては、特に内部的に減税の措置を講ずる。日本には災害が非常に多いのでありますから、平素からこの災害の予備的な積立を自己保険的に認めてやるということの措置が必要ではないかと思うのであります。勿論このジエーン台風による災害を國家で全部負担するということは到底不可能でありますので、平素からそういう措置をとつて置いて頂いて、企業が自分の力で以て災害の復旧ができるような措置を平素から講じて置いて頂きたいということが我々の特に強い希望であります。
 その他につきましては特にございませんが、最後の修正減少額のほうに移りまして、価格調整費の減少であります。この価格調整費につきましては、朝鮮事変の勃発いたしますまでは、かなり業界としても強い要望を持つておりましたのでありますが、その後國際価格が高騰を示しております。現に鉄鋼その他の価格につきましても、すでにベルギーあたりにおきましては相当高い価格が出ておるような現状であり、アメリカあたりへすでに相当高い値段で売られた実績もございますので、銑鉄その他の補給金が削除されるということは、これは従来我々は削除して貰つては困るという主張をいたしておりましたが、今日になつてはその主張はあまり強くできないと存じておるのであります。ただ価格調整費というもの、いわゆる物価統制から参りまする価格調整費いうものは、物価統制のなくなつて参りました今日としましては、すでに意義の非常に少いものでありまするから、これは当然の形に任して削除して行くのは自然でありますが、これに関連いたしまして、政府として日本の産業政策を如何ように考えていられるかという点に、私業界に身を投じましてここ一年半、非常な……時折疑問に思うことがあるのであります。と申しますのは、日本の輸出その他の重要産業のことを考えました場合、非常に企業として自力のあるものもありますが、中には日本の将来の輸出のことを考えました場合に、特に重工業方面においてはかなりの助成的な措置を必要とする面があるのではないかということは考えられるのであります。特に今後の日本の産業構造というものについて確たる見通しを持つた政策をやつて頂きたいというのが業界からの強い要望であります。私一個といたしましては、やはり日本といたしましては非常に日本の最大の弱点であります人口が非常に多い、この面を考えます場合に輸出の面から言つても大切であり、その雇用量というものは特に多いという点、更に関連産業が非常に多いというよう々面から申しましても造船業が非常に日本にとつて大切なことは申すまでもないのであります。従つて造船業並びにその資材を提供しております鉄鋼業その他についてはいろいろなことでいろいろな話があるようでありまするが、日本の原材料という面から考えれば日本で鉄鋼を造るということは非常な無駄なようであるように見えるのでありますけれども、併し日本で鉄鋼を造らずに置いて、外國から鋼板を輸入して船を造るということになつた場合のことを考えて見ますと、現在のように外國から仮に買うといたしまして安い値段で買い得るかどうかということは大きな問題であります。日本の内地において供給者がない品物につきましては相当高い値段で押付けられても止むなく買わねばならんという窮地に立つだろうと思うのであります。そういう意味から申しましても、雇用量が大きいという面から申しましても、これらの産業については相当政府としては肚をすえた政策をとつて頂きたいということが一つであります。もう一つは、この価格調整費の減少に直接関連いたしまする米の値段でありまするが、業界といたしましては米の消費価格はいささかでも上げられることは非常な迷惑に感ずる次第であります。たとえ税金の減税の部分がありましても減税というものと米の値段というものとは労働界の受ける感じとしては全く別個のものであると思うのであります、従つて米価値上りによる賃金増給の要求は必ず生ずると思うのであります。更にそれによるあらゆる物価への影響、これらを考えるとかなり問題は複雑であり、又重大であると思うのであります。特に最近米の値段を國際価格へ鞘寄せするということが言われておるようでありまするが、非常に我々としてはその点は大きな疑念を持つておる次第であります。と申しますのは、米の値段というものはビルマ米にしましても、シヤム米にしましてもいろいろ値段が各國によつて違うのであります。甚だしい場合は百四十ドルから百二十ドルくらいの幅が國によつてはあるのであります。殊にタイのごときは生産者に対しては非常に僅かしか拂つておりませんので、タイ米の百二十四ドルという価格は殆んど中間搾取の価格が大部分であるのであります。又各國において価格の統制をいたしておる國もあります。又アメリカの小麦を中心とするかと言えば、アメリカの小麦には政府によつて相当に価格が統制せられている、そうして日本が仮に國際小麦協定に入りました場合のことを想定して、先般ドイツでやりましたように國際協定価格の小麦の最低値段をとつてそれに國内価格を鞘寄せするという措置をとれば一応理屈は立つわけでありまするが、然らばその麦の値段に対して米を幾らにするかということは戰前の市価へ戻すかどうかということにおいて又いろいろ問題が残ると思うのであります。簡單に國際価格に米の価格を鞘寄せするということによつて米の値上りが合理化されることは相当私は危險をはらませるように感ずるのであります。なお米の消費者価格に相当の部分の政府の行政費が転嫁されている。こういう点につきましてもかなり問題があると思うのでありまして、これらについては國会におきまして十分に御検討願いたいのであります。特に米の生産者価格に附加いたします価格が、その価格を成る程度國民が税で負担したらよいか、或いは米の消費価格を以て負担するのがよいか、いずれが國民大多数にとつて利益になるかという点を十分御検討を願つて置きたいということを申上げ、特に価格調整費の減少につきまして希望として申述べて置く次第であります。
 その他歳入の部分につきましては、別に申上げることはございませんが、所得税の減税ということは誠に結構でありますが、それに副つて、これが消費インフレに向わないような手を一面において打つて頂きたい。ということは、要するに資本の蓄積ということが今我が國においては最も緊要であり、最も大事な問題になつております。この蓄積ができますまでの間は相当政府としては資本の業績ということを優先させて考えて頂きたいのであります。皆様御承知かと存じますが、現在のいわゆる金融機関、銀行も全部含めまして金融機関のいわゆる預貯金の金額は、これを昭和六年の当時に比較いたしますと、昭和六年の当時は百七十億でございましたが、それを当時の通貨購買力で換算いたしますと、今日の預貯金というものは僅か四十億でありまして、約四分の一になつております。昭和六年と申すと最も不況の時代で井上財政最後の年であります。従つてかかる不況の年に比べてもなお預貯金としては四分の一にとどまつておるという現実を見られて、そうしてここに資本の蓄積ということに対していささかでも障害になるようなことは……、特に資本の蓄積政策は大名行列というふうにお考えになつて、それに邪魔になるものはすべて除くというような考えでこの政策を進めて頂きたいと存ずるのであります。國会の皆様に対して特にその点についてお願いを申上げまして私の口述を終ります。
#38
○委員長(波多野鼎君) 御質問の方はどうかお述べを願います。
#39
○木村禧八郎君 米価の國際価格の鞘寄せですね。そうしますと、輸入補助金を損して低米価を維持しろ、そういう御意見なわけですね。
#40
○公述人(堀越禎三君) つまり現在の内地で生産されておる米と輸入の米との比重は、輸入の米の量は少いのであります。日本においてその僅かしか輸入しない米の他校に國内の多数の米を鞘寄せすることは非常に危險であるという考えを持つております。農家方面は別に考えて頂きたい。
#41
○池田宇右衞門君 ちよつとお尋ねいたしますが、今農家方面は別に考えると申されましたが、御承知のごとく農家は現在の米価といたしましては生産費を上廻るというような実状になつておる。その見解から行きますならば、農家方面に対して所得税は勿論、その他の税のもつと値下げをするか、或いは農家必需物資たるところの肥料、農薬、そうした方面に対するところの農家購買物資に対する価格の値下げと申しますか、適正化を図つて、そこに現在の農家の米価に対する生産価格の上廻りを適正化ならしむるのが至当だと、こういうような見解にお立ちのようなふうにも拜聽されますが、この点は如何でございますか。
#42
○公述人(堀越禎三君) 私が申上げましたのは二重価格にしろという意味であります。消費者価格を抑えて、生産者価格は償う価格にする。それだけの必要があるのではないかということでございます。
#43
○佐多忠隆君 そうしますと、消費者の米価の引上げに反対する、併し生産者価格は上げることは止むを得ないだろう。二重価格をとるとすればやはり補給金で、従つて税で取つてでも補給金制度が食糧に関する限りはやれという御意見と聞いていいのでありますか。
#44
○公述人(堀越禎三君) それは止むを得ないと存じます。いわゆる金額の問題の点がありますが、いずれが國民大衆にとつて利益になるかという比重によつて変つて来ると思います。
#45
○佐多忠隆君 外為会計が予算によつて制約される結果になるから、一般会計からの繰入れというような問題は考えられないので、自然の運営をやるように心掛けろとおつしやる、自然のというのは、例えば今度の計算のように外為にあきができた場合には、自然の措置というのはどういうことをお考えになつておりますか。
#46
○公述人(堀越禎三君) 持つている外貨が使わずに、外貨が溜ればこそ円資金が不足するわけでありますから、その持つた外貨は随時日本銀行に入れるようにしたらいいだろうということであります。
#47
○佐多忠隆君 日銀に入れる……。
#48
○公述人(堀越禎三君) 今現売先買の操作をやつておりますが……。
#49
○佐多忠隆君 外為自身が持つ必要はない。日銀に売つて……。
#50
○公述人(堀越禎三君) そこに講和條約においてどういうことになるかという問題が一つあるのでございます。ということは、日本銀行が全部これを所有した場合には、現在日本銀行の倉に入つております金と同様に連合軍の所有に移る危險がある。従つて講和条約においてその金を賠償に使われる虞れがある。従つて日本銀行が全部これを所有するということになると、多少問題があると思うのでありますが、今度現売先買をして一時日本銀行が持つということは認められたのでありますから、そういうことになれば外為特別会計のいわゆる財政的な形にしないで、もつと自由な日本銀行の一部勘定の形にでもしてしまつたほうがいいんじやないかというふうに考えます。
#51
○佐多忠隆君 そうすると、その場合にはやつぱり日銀が保有している外貨に見合う日銀券だけはそれだけ出て行くことになりますか。
#52
○公述人(堀越禎三君) なります。
#53
○佐多忠隆君 そうすると、若し制度的にそういうことができればそれでいいんだが、若し制度的にそういうことができないということになれば、やはり自然な形でやるという方法は……外為が若し外貨をば持つたら、それは日銀のフアイナンスでやつたらいんじやないか。
#54
○公述人(堀越禎三君) 外貨を持つておつて円が不足した場合には、その不足の円はその外貨を売つて賄う。常にその形をとつて行けばいい。
#55
○佐多忠隆君 日銀に売る制度ができればそれでいんですか……。
#56
○公述人(堀越禎三君) 現にやつております。
#57
○佐多忠隆君 ああ、そうですか。そつちで売つてしまつて……。
#58
○公述人(堀越禎三君) 売買いしておるわけです。現売先買という制度でやつていますから日銀に任せればいいじやないですか。
#59
○野田卯一君 今日本銀行が外貨を買つているのは、いわゆる為替銀行に外貨を貸付ける必要があるから買つているのではないか……今のお話を進めて行くと、為替銀行に外貨を貸付ける必要のない分までも日本銀行が買上げる、そうするとやはり外貨資金というものを日本銀行が持つていて國内で新らしく資金を放出する、そうするとドツッジ氏の言つているいわゆるインフレになるということは免かれませんね、方向においては……。
#60
○公述人(堀越禎三君) 私はインフレになるとかならないという、そういう窮屈なことをやつておつたが故にオーバー・ローンというものが起つたのだと思います。
#61
○野田卯一君 オーバー・ローンの問題は別になると思いますが、外貨資金が溜つても使う範囲においてそれを日本銀行が貸付ける場合には輸入資金になるのですから、インフレにならんでしようけれども、どんどん進行して外貨があつた場合には、それを片つ端から日本銀行が買上げることになりますと、輸出インフレには当然なるわけですね。そうしたら前のいわゆる金本位時代はどうだつたかということになりますね、そういう問題があるのですね。
#62
○公述人(堀越禎三君) それは市場操作によつて日本銀行が國債をオペレーシヨンするとかそういう市場操作で別に金融政策でくつ付いて来ると思います。
#63
○野田卯一君 そういうことを私……。第一次世界大戰中に起つた現象で、その際には日本銀行はどんどん外貨資金を買つておつたわけです。いわゆる輸出インフレが起つたので、時の日本銀行総裁だつたと思いますが、井上さんは、むしろこれは政府の資金であつて、日本銀行の金で外貨資金を買うことはよろしくないから、政府の資金で以つて外貨資金を買つて来る、そうしてインフレを制する、こういう要請をされたのです。そういう問題が再燃するのではないでしようか。
#64
○公述人(堀越禎三君) それは再燃すれば大変結構なんですが……、私は再燃しないようにどんどん輸入して貰いたいと思います。
#65
○野田卯一君 輸入することは大賛成ですが、外貨資金をどんどん買つて行くと、程度にもよりましようが、やはりインフレに多少なることにもなりましようが……。
#66
○公述人(堀越禎三君) 輸出のできた範囲において円が出て来るのですから、当分私は差支えないと思います。
#67
○野田卯一君 当分産業関係と資金操作との相対的な関係だと思いますね。
#68
○中川以良君 鉄の補給金の問題でございますけれども、これは我々が非常に懸念をしておつたのですが、今のお話のごとく、最近は全く反対の現象になつてしまつた。殊に輸出等においては、私も大変心配したのでありますが、いわばさつきのお話のように百五ドルくらいに……。
#69
○公述人(堀越禎三君) いや、百五ドル限度に入れましたのは……。
#70
○中川以良君 最近の話を聞いたのです。
#71
○公述人(堀越禎三君) 最近の話ですか……。
#72
○中川以良君 國内の価格より上廻つた注文がアメリカから来ている、これは大変面白い現象だと思いまするが、ただこれも今お話のように、勿論鉄鋼業、こういつた関連産業を沢山持つた産業に対する助成の方法でありまするが、補給金を出すとか、又は価格操作で以つて政府が助成をしろという意味ではなかろうかと思いまするが、いわゆる設備の助成とか、その他産業の合理化に対する助成という意味でございましようか、その他それとも何か業界としてこういうふうにして貰いたいというような御意見が出ているのでございましようか。
#73
○公述人(堀越禎三君) 造船業のほうからはかなり設備の合理化とか、或いは鋼板の規格料が外國と比較して日本が非常に高い、そういう面について政府の補助を求めております。それはまあ補助金の形になると思います。又或いは価格調整費の形になるかも知れません。併し鉄鋼業におきましては、私はそういう助成ではなくむしろ低利資金的な助成が必要であると思います。
#74
○中川以良君 金融上の措置でございますね。
#75
○公述人(堀越禎三君) はい。
#76
○木村禧八郎君 先ほどのお話にもあつたのですが、三十六年度の予算ですね、伝うるところによれば約五百億円のインベントリイー・フアイナンスで、そうすると予算の性格はいわゆる超均衡を続けるように思われるのですが、その二十六年度の性格ですね、それに対してはどういう御意見ですか。
#77
○公述人(堀越禎三君) この問題はまあどういうふうに……。
#78
○委員長(波多野鼎君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
   〔委員長退席、理事藤野繁雄君委員長席に着く〕
#79
○理事(藤野繁雄君) 速記を始めて。
 それでは本日の予算委員会公聽会はこれを以て閉会といたします。明日は午前十時から開きます。
   午後三時五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     波多野 鼎君
   理事
           野田 卯一君
           羽生 三七君
           伊達源一郎君
           藤野 繁雄君
           櫻内 義雄君
           東   隆吾
           木村禧八郎君
           岩間 正男君
   委員
          池田宇右衞門君
           泉山 三六君
           大島 定吉君
           工藤 鐵男君
           中川 以良君
           長谷山行毅君
           一松 政二君
           深水 六郎君
           安井  謙君
           山本 米治君
           岩崎正三郎君
           内村 清次君
           佐多 忠隆君
           下條 恭兵君
           吉川末次郎君
           原  虎一君
           若木 勝藏君
           楠見 義男君
           高良 とみ君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           前田  穰君
           菊田 七平君
           中井 光次君
           一松 定吉君
           堀木 鎌三君
           森 八三一君
  公述人
   日本官公庁労働
  組合協議会議長  岡  三郎君
   全國指導農業協
  同組合專務理事  武正総一郎君
   東洋経済新報社
   編集局長    綿野 脩三君
   造船工業会事務
   局長      吉田 佳雄君
   日本経営者団体
  連合会專務理事  堀越 禎三君
ソース: 国立国会図書館
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