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2000/11/16 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 内閣委員会 第9号
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2000/11/16 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 内閣委員会 第9号

#1
第150回国会 内閣委員会 第9号
平成十二年十一月十六日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 佐藤 静雄君
   理事 大野 松茂君 理事 阪上 善秀君
   理事 平沢 勝栄君 理事 持永 和見君
   理事 荒井  聰君 理事 山元  勉君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 塩田  晋君
      岩倉 博文君    岩崎 忠夫君
      岡下 信子君    熊谷 市雄君
      自見庄三郎君    砂田 圭佑君
      谷川 和穗君    谷田 武彦君
      近岡理一郎君    根本  匠君
      二田 孝治君    森  英介君
      井上 和雄君    石毛えい子君
      中田  宏君    楢崎 欣弥君
      山花 郁夫君    白保 台一君
      松本 善明君    植田 至紀君
      北村 誠吾君    粟屋 敏信君
    …………………………………
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (総務庁長官)      続  訓弘君
   総務政務次官       海老原義彦君
   科学技術政務次官     渡海紀三朗君
   沖縄開発政務次官     白保 台一君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   政府参考人
   (人事院任用局長)    上村 直子君
   政府参考人
   (人事院給与局長)    大村 厚至君
   政府参考人
   (人事院職員局長)    中橋 芳弘君
   政府参考人
   (総務庁人事局長)    中川 良一君
   政府参考人
   (労働省職業能力開発局長
   )            日比  徹君
   内閣委員会専門員     新倉 紀一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十六日
 辞任         補欠選任
  谷田 武彦君     岩崎 忠夫君
  森  英介君     砂田 圭佑君
同日
 辞任         補欠選任
  岩崎 忠夫君     谷田 武彦君
  砂田 圭佑君     森  英介君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案(内閣提出第一七号)(参議院送付)

    午前九時開議
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として人事院任用局長上村直子君、人事院給与局長大村厚至君、人事院職員局長中橋芳弘君、総務庁人事局長中川良一君及び労働省職業能力開発局長日比徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○佐藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡下信子君。
#5
○岡下委員 おはようございます。自由民主党の岡下信子でございます。
 質問の機会を与えてくださいまして、本当にありがとうございました。
 この任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案の申し出に何点か私なりに疑問がございますので、限られた時間でございますから、率直にお伺いしたいと思います。
 日本の公務員制度は、新規学卒者と終身雇用制を基本としてこれまでやってきております。非常に難関な国家公務員試験を突破した優秀な人材を各省庁は確保しまして、また、技官におきましては、高度な専門的知識を有する人材であると思います。
 そして、適切な行政運営がこれまでなされてきたと思いますが、このような中で、今般、民間の人材を公務部門の中に入れる制度を整備する必要があるのか、そういうこと、この法律案に意見の申し出を行った人事院に、申し出に至る背景とその趣旨を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#6
○中島政府特別補佐人 一言で申し上げますと、行政組織の行政課題への対応力というものを強くしていこうということでございますが、少し詳しく御説明申し上げますと、やはり経済社会というものが非常にテンポ速く発展しておりまして、その経済社会の発展に伴いまして行政として処理しなければならない課題が複雑多様化しております。非常に国際化も進んでおりますし、また経済も非常に激しく変わっております。
 それらの中で、今先生がおっしゃいますように、今までは学卒者を採用し、それを部内で育成するということでそういう行政課題に対応してきたんですが、それでは対応し切れなくなっている分野が幾つかございます。そして、そういう分野というのは、課題というものが有期限であったり、また職というものが、一定の期間設置すれば足りるというものも出てきておりますので、やはりこの際、行政組織の行政課題への対応力というものを強化していく、そして、そのための専門的な知識を持った職員を採用して、国民が行政に対して期待しておる成績を上げていこう、こういう趣旨でございます。
 いずれにいたしましても、一般の行政職員にないような専門的な知識経験を持っておる職員を採用するわけでございますから、それにふさわしい給与というものも用意して、今回法案として提出していただくように、政府の方に意見を申し出たわけでございます。
#7
○岡下委員 そうしますと、そこで、任期付職員の採用の要件の一つといたしまして、高度な専門的知識経験またはすぐれた識見を有する者とありますが、この人たちを採用することは、この法案の制度の目玉になっていると考えます。
 ついては、具体的にどういう人材が予定され、どのような業務に従事していただくことを想定しているのか、これは総務庁長官にお伺いいたしたいと思います。
#8
○続国務大臣 お答えいたします。
 御指摘の、本法律第三条第一項により採用される「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者」とは、例えば弁護士、公認会計士や、大学、研究所、シンクタンク等で専門的な業績等を評価された実績のある学識経験者、また、民間企業において幅広い分野で活躍し、一企業にとどまらず、広く社会的にも評価されているような実績を上げ、創造的、先見的な判断力等を有する方々であり、いわばその人ならではという知識経験等を活用し、業務に従事することが期待される方々を念頭に置いている次第であります。
#9
○岡下委員 そうしますと、専門的な知識経験等の判断は各任命権者が行った上で、人事院の個別の承認を求めるという仕組みは理解をいたしますが、一方で、任期付職員が採用される職種を限定しておりませんので、さまざまな職種に判断基準を設けるということは非常に難しいことじゃないかと思うんですけれども、個別の承認を行う人事院は、どのような事項を採用する方がチェックして採用なさるんでしょうか。そのことについてお伺いいたします。
#10
○中島政府特別補佐人 三条の一項、二項というのをよくお読みいただきますとそこに書いてあるわけでございますけれども、一つは、従事させようとする業務、その業務というものに専門的な知識が必要であるかどうか、そして、採用しようとしている人間がそれにふさわしい専門的な能力を持っておるかどうかということをまず人事院としてはチェックいたしたいというふうに思います。
 それから二番目に、任期を付すわけでございますけれども、その任期が担当しようとしている業務から見て期間が妥当なものであるかどうか、そして、その期間が当該職員の身分保障という観点から見てふさわしい期間であるかどうかということを第二番目にチェックしたいと思います。
 そして第三番目に、選考採用でございますので、そのそこにやはり情実任用とか、あるいは特定の団体とか特定の力というものが作用して、採用というものが公正に行われないようなことがあってはなりませんので、そういう面についてのチェックもいたしたいということで、以上の三点をチェックして、人事院としては承認を与えるか与えないかということを判断いたしたいというふうに考えております。
#11
○岡下委員 よくわかりました。
 次の点について、私は、この法案の中で私なりに最も危惧する点がございます。
 それは、高度の専門的知識経験またはすぐれた識見を有する者として採用された職員は、特定任期付職員として、特別の俸給表の給与上の処遇を受けることとなります。この制度が、一般の公務員より高い給与を支払うことによって優秀な民間の人材を採用しやすくするという観点からは必要なことと考えますけれども、一方で、例えば国家公務員に採用されて長年職務に従事し、そして机を並べて同じような業務を行っている職員が、自分よりも高い給与を、特定の任期でもありますけれども、支払われるということになったり、あるいは、場合によっては上司よりも部下の方が給与の面では優遇されているという事態も起こり得ると思うんですね。
 そうしますと、国家公務員というのは非常に難しい試験をパスしてきまして、滅私奉公の精神、あるいはプライドを持って仕事に、業務に従事してきたと思われますけれども、こういう方たちの精神面におきましても、一般の職員の士気が低下する、そういう懸念はないものであろうか。それから、そういう悪影響というもの、そういうものが起こらないとも限らないと私は思いますけれども、この点についての見解をお伺いいたします。
#12
○海老原政務次官 お答え申し上げます。
 いわゆる特定任期付職員の給与が高くなっておるということで、部内のアンバランスを生じないか、また士気の低下を生じないかという問題でございますけれども、この制度によりまして、任命権者が所管の行政課題の解決に特に寄与することを期待して、いわばその人ならではという形で高度の専門的な知識経験、あるいはすぐれた識見を活用して業務に従事してもらうために職員に採用する、そういう場合でございまして、その方の専門的な知識経験などの程度や従事する業務の困難さ、重要度に着目して、ふさわしい給与を確保できるような枠組みを設ける必要があることから、特定任期付職員を対象として新しい特別の俸給表を設けることとしたものであります。
 したがって、各任命権者におかれましては、この特定任期付職員については、高度の専門的な知識経験等を有することが客観的に明らかな方を採用するということ、そういったこの制度の趣旨を踏まえまして、職員の士気の低下をもたらすようなことがないよう、いわばみだりにこの制度を適用することのないようということも含めて、しかし、必要な高度の専門的知識経験を有する場面においてはぜひ採用していただきたい。そういうことで適切に対処されるということを期待しております。
#13
○岡下委員 今の件につきまして、一般職員の方々にそういう御配慮をぜひお願いいたしたいと思います。
 そして、次に、時間もございませんので端的に質問いたしますけれども、この任期付職員については、五年間という任期が決まっておりますけれども、採用して任期が終わった後の復帰保障の問題ですけれども、これはどういうふうになっておりますでしょうか。また、公務員法に定められております再就職の規制がかかるのかどうか、この点についてちょっとお伺いをいたします。
#14
○海老原政務次官 お答え申し上げます。
 今回の任期つき採用制度は、個人の専門的な知識経験等に着目した採用を可能とするものでありまして、国と民間企業との間で組織的に人事交流を行う、前にできました官民交流制度とは異なるものでございます。したがって、任期終了後の雇用保障につきましては、法律の中では特段の規定は設けておりません。
 しかしながら、実際の任期付職員の採用に当たりましては、当然任命権者において、採用前に所属していた組織への復帰の可能性など、採用候補者と十分に相談した上で採用を行うというふうに考えております。任期終了後の職員の復帰が円滑に進むよう適切に対処されることを期待できると思っております。
 なお、再就職規制についての御質問がございましたけれども、営利企業への就職については、現行制度において厳しく制限しているところでございます。しかし、現行制度におきましても、在職中のポストと密接な関連にあるものでなければ民間企業に就職することはできるということになっておりまして、全く同じように、密接な関連にあるものでなければ、もとの企業に復職することは可能であります。
 密接な関連と申しますと、権限的な、裁量権限などの関係が生じておる場合が中心でございまして、特定の政策の企画立案とか調査研究などの事務に従事しておられる通常のケースの場合には、再就職が規制されるケースはほとんどない。また、仮に密接な関連がありましても、国家公務員法の百三条三項の規定により人事院の承認を得た場合、復職は可能となっておりまして、多くの場合は、こういったケースであれば人事院の承認の対象になるのではないかと考えております。
#15
○岡下委員 ぜひ、五年間という期間お勤めいただくのですから、後のことについても御配慮をいただきたい、そのように思います。
 それから、本制度によって民間の優秀な人材を公務部門に採用してその知識経験等を活用することは、中央省庁再編体制のもとでは大変重要なことであると認識をいたしております。これは財界からも歓迎されていることも承知をしておりますので、質問の結びといたしまして、これは総務庁長官に、法案担当大臣としてこの制度に期待するところをお聞かせいただきたいと思います。
 私の質問は、お聞かせいただいたところで終了いたします。よろしくお願いいたします。
#16
○続国務大臣 今、いみじくも岡下委員がおっしゃいました。行政の外部から民間の有為な人材を登用して国家国民のために大いに活用すべきだ、こういうお話がございました。せっかく法律が通りました暁には、各任命権者が今御質問の趣旨に従ってこの制度を大いに活用していただく、そのことを期待しております。
#17
○岡下委員 どうもありがとうございました。
#18
○佐藤委員長 山花郁夫君。
#19
○山花委員 民主党の山花郁夫でございます。
 私は、実は昨年まで、資格試験の予備校の方で講師を務めていた者であります。資格試験と申しますと、司法試験であるとか公認会計士の試験など、最近は予備校を使う学生さんが非常にふえているわけでありますが、私が担当していたのは、国家公務員の採用試験に関する分野を担当しておりました。
 そう申しますと、一昔前、二昔前でありますと、公務員試験について、何かそういう予備校のようなところに通ってまで、あるいは卒業して浪人をしてまで受けるという人は少なかったのではないかと思いますが、人事院からもかつて予備校の方にいたときに調査の依頼がございましたので御承知のことかと思いますが、大変最近は予備校を使う学生がふえております。
 そしてまた、国家I種の試験についても大変最近は既卒者がふえておりまして、採用者ではなくて合格者は実に五割前後が既卒者というような状態になっているわけでありますが、昨年も、ちょうど今ごろ、十一月の中ごろは、国Iの法律職の受験生の受験指導をしていたというような経験があるわけです。
 そういった中で、受験生と接していて感じたことがあるわけであります。受験生の中には、非常にいろいろなことに関心を持っていろいろな勉強をして、その上で試験の方もパスしていくという学生もたくさんいることはいるのでありますが、御案内のように、国家I種の試験でありますと、自然科学、人文科学、社会科学といった教養の試験だけではなくて、専門試験で、例えば法律職でいいますと、もう御存じのことかと思いますが、憲法を初めとして行政法、民法、商法、労働法、国際公法、刑法などの多くの科目があって、非常に勉強に追われるといったような姿を見てまいりました。
 こういった中で、勉強に非常に追われていく、そうすると、本当に試験一本で、国家I種の試験一本でということで、非常に視野が狭くなっていってしまうのではないかというような感じも受けていたわけであります。
 しかし、実際に学生と接してみると、本当に、ちょっと視野が狭いんじゃないかなという学生さんもいらっしゃいましたが、おおむね、非常に多くのことに関心を持ち、また自分が希望する役所についての研究なんかをして、場合によっては、自分はこういう役所に行きたいんだけれども、この役所の方針はちょっとおかしいんじゃないかというようなことを言う学生さんもいらっしゃったりして、最近キャリア批判というものがありましたが、そういうのを見ていると、入り口のところでは非常に普通の感覚を持った人たちがキャリアとして採用されていくんだなという思いを持ったわけであります。
 本日たくさんキャリアの方がいらっしゃるところで、こういうことを申し上げるとおしかりを受けるかもしれませんが、そういって入ったときは非常にフレッシュな感覚で入っていくのに、五年たち十年たちすると、ややもするとそういった民間的な感覚を失ってしまったり、あるいは組織の中に組み込まれてしまって、非常にセクト主義的な面も出てきてしまうのかなというような印象を持っているわけであります。そういった意味からいたしますと、今問題となっている法案でありますが、一般職の任期付職員の採用という形で民間人がこうしたキャリアのシステムの中に部分的にでも入ってくるということは非常に歓迎すべきことであると考えるわけであります。
 この法案について立法の趣旨などを拝見いたしますと、本法案というものは、公務員の人事管理システムというものについて、その閉鎖性とか硬直性というものが是正されなければいけないとか、あるいは能力とか適性に基づいた柔軟で開放的なシステムの改革を行う、そういった趣旨で作成されているわけであります。ただ、この法案というのは、あくまでも新規学卒者の採用ということ、そしてまた部内育成ということを基本としながら、限定的な場合において民間人を採用するのだということになっているわけであります。
 そこで、総務庁長官にお伺いしたいと思います。
 また私ごとで恐縮でございますが、昨年のちょうど今ごろ、警察庁の方に合格した合格者と話をする機会があったのです。そのとき、ちょうど今ごろですから非常に警察批判というものがその時期はあって、その合格者の方もちょっと戸惑いがあるというような時期でありました。実際、彼は今、採用されましたので警察の方に勤務していると思いますが、その方が言っていたわけであります。実際、これだけ不祥事があって、普通の民間の企業でこれだけ、例えば社員の中で不祥事を起こすような人間がいたらもう会社なんてつぶれている、そういう意味ではやはり、自分がこれから行く役所だけれども、少し民間的な感覚がないのではないかと。
 よく民間感覚の欠如という批判がされますが、一つは費用対効果などの収支感覚がないという意味で使われることもございますが、やはり倫理的な意識であるとか、あるいは民間であると接客の態度であるとか、そういう意味で民間感覚の欠如ということが言われることがあると思います。こういった今のキャリアに対して民間感覚が欠如しているのではないかという批判に対して、総務庁の長官としていかなる御認識をお持ちか、伺いたいと思います。
#20
○続国務大臣 今、山花委員が御自分の御経験からいろいろなお話をされました。私も三十八年間、キャリアではありませんけれども、東京都庁に勤めておりまして、今のお話は大変感銘深く、そしてまた反省すべき材料として伺いました。
 確かに、大きな組織の中にずっと勤務しておれば、ともすれば今お話しのような感覚になりがちだ。そこで、この制度ができたゆえんのものは、そういういわば弊害を除去して、そして民間の活力を、そしてまた柔軟な思考をそれぞれの要所要所に生かそう、そのためには一定の法律が必要だ、こういうことで任期つき採用制度の法案をつくり、そして御審議をいただいているわけであります。
 いずれにいたしましても、先ほども岡下委員に御答弁申し上げましたように、国家国民のためにどのような組織が、そして行政が必要であるのかということを考えながらこの法律の運用を期してまいりたい、このように考えております。
#21
○山花委員 ありがとうございます。
 今、続長官の方から東京都のお話が少々ございましたが、例えば東京都のような地方公共団体ですと、経験者採用試験という制度があって、民間で仕事をしていた人から一定程度の、まあ多少人数が多い少ないはありますが、自治体の中ではそのような形で民間から供給源を求めるというような制度がとられていたりすることがございます。この場合、しかし本法案とは違いまして、競争試験で、多くの場合は筆記で教養の論文などを課して、まあそのほかの事情もありますが、それで採否を決めるというような制度であるというふうに認識しております。
 先ほど申し上げました、民間的な感覚を持った人を役所の中に入れるという意味で申しますと、本法案よりもむしろ自治体などで実施されているような、そういった経験者の採用試験のような形で恒常的に、五年という任期ではなくて恒常的に勤めているという人がいる方が、私は好ましいのではないかというような気がするわけであります。
 この点、長官と人事院にお伺いしたいと思いますが、こういった民間人を恒常的な形での人材供給源とするということについては、民間感覚が欠如しているのではないかということに対する、もちろんそれがすべてではないですが、民間感覚のある人が役所にいるという意味では一つの処方せんになり得るのではないか、もう一歩進めることができるのではないかと私は思うのでありますが、この点についてどのような御所見をお持ちか。また、現在の話ではなくて、将来的にそういった方法を検討する余地はないかどうかということについてお伺いしたいと思います。
#22
○続国務大臣 ただいまもお答え申し上げましたように、民間の人材を広く求めて、そして国家国民の御要望に沿うような柔軟な行政組織でありたい、そのために、すべてがそうではなくて、例えば内閣府に、あるいはこの制度を利用することによって国民のニーズにこたえられるようなセクションに対して人材を広く求める、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、本来の、先ほど御質問がございましたように、終身的な雇用制度の採用の欠陥を補う、また行政へのニーズに柔軟にこたえられる、そういう人事の制度を新たに構築する、こういうことでございますので、その辺のことは各任命権者がそれぞれ責任を持ってこたえられる、こういうふうに私は期待をしているわけであります。
#23
○中島政府特別補佐人 いろいろな発想というのを私たちも勉強していかなければならないというふうに思います。現在、私たちの方では、今先生がお話しになりますように、民間的な感覚といいますか、効率性とか、あるいはまた国民と同じ価値観で物を考えるといいますか、そういうような素養を身につけるためにいろいろな経験を国家公務員にさせておりますけれども、やはり国民に対する行政サービスというものを充実していくためには、いろいろな経験をさせる、いろいろな勉強をさせるということが必要だと思います。
 ただ、おっしゃるような、そういう採用の仕方というのは、国と地方団体の担当している事務の違いといいますか性格の違いというのがやはり基本にあるのだろうというふうに思います。私たちは、そういうことを盾にして先生のお話に耳を傾けないというような態度ではございませんけれども、いずれにいたしましても、民間的な発想とかあるいは地方団体の仕事の仕方というものから学ぶべきものがあれば積極的に学んでいって、よりよい行政サービスができるように心がけていかなければならないというふうに思います。
#24
○山花委員 ただいまの御答弁によりますと、法律に基づいて運用面でできるだけ配慮をするというお話だったと思うわけでありますが、例えば九八年から採用されている中途採用制度によりますと、今まで弁護士さんあるいは公認会計士さんなど十二年度までに二百八人を登用している、また今年度から実施しております官民交流制度では八人が登用されているということのようでありますが、今問題となっている法案によりますと、必ずしも採用予定数あるいは採用数というものが毎年毎年固定的なものではないわけです。
 そこでお伺いしたいのですが、民間からの採用についての適正人数というのは一体どれぐらいだと思われているのでしょうか。と申しますのも、かつて新聞報道では、内閣府などにおいては百人以上の民間人を採用するつもりだというようなどなたかの御発言があったということが報じられておりましたが、十一月四日の朝日新聞によりますと、どうも内閣府で新たに採用するのは恐らく二十人余りにとどまるのではないかというような報道もあったわけであります。そういたしますと、ちょっと随分人数にギャップがあるなという印象を受けるのでありますが、この点について、適正員数は大体どれぐらいと考えておられるのか、御答弁いただけますでしょうか。
#25
○続国務大臣 せっかくできる法律、しかも国民の皆様が大いに期待しておられる法律、だとすればこの法律を活用して、少なくとも百人程度はぜひ採用させていただきたいなというのが私どものいわば期待でございます。
#26
○山花委員 もう十一月も半ばというわけでありますから、もし二十人程度に今とどまっているということであると、ちょっとこれから大変ではないかと思われるのですが、ぜひその点、御努力いただきたいと思います。
 それでは、少し法案の細かい中身について御質問申し上げたいと思います。
 法案の第三条の一項に関係することでお伺いをしたいと思いますが、第三条の一項によりますと、高度の専門的な知識またはすぐれた識見を有する人材に対して、競争試験ではなくて、いわゆる国家公務員法三十六条に言うところの選考という方法で採用するということになっているわけでありますが、選考ということに際しては競争試験並みの客観性というものがなければいけないと考えるわけであります。
 しかし、もともと三条関係というのは、どうもあるお役所にそれに関する専門的な知識を持つ人材がいない、あるいは民間の方にもっとすぐれた人がいるという趣旨で採用するわけでありますから、そうであるとすると、選考をする側の方がアマチュアであって、むしろ選考される側の方がプロフェッショナルである。言ってみれば、アマチュアがプロを選考するというようなことになるという側面があることは否定できないと思うわけでありますが、このような選考という方法によって採用するに際して、採否の妥当性ということについて客観性というものは担保できると言えるのでありましょうか。具体的なケースをちょっと想定して御答弁いただきたいと思います。人事院の方に。
#27
○上村政府参考人 今お話のございました三条一項の選考でございますけれども、これは高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する人を、当該高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる、そういった場合に、任期を定めて、選考により採用するというものでございます。
 この選考というものでございますけれども、公務員試験にお詳しい先生でいらっしゃいますので改めて申し上げるまでもないのですが、競争試験以外の能力の実証方法ということでございますので、能力の実証であるというからには、それはそもそも客観的であるべきものであるということでございます。
 この三条一項に基づく職員の選考に当たりましては、その者を従事させようとする業務の内容に照らして、その業務に必要とされる高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有するかどうかということを、その選考される人の資格、実務経験あるいは活動実績、そういった客観的な経歴評定その他の方法によって公正に検証するということを考えております。
 その選考は、その業務に従事させようという、その業務を十分把握している任命権者の方々が行うものでございますので、適切に行われるものというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、その採用に当たりましては人事院の承認を得て行うということになっておりまして、人事院としては、そういった任命権者の方々が行った能力の検証が客観的な評価の方法によって公正に行われたかどうかということも承認に当たってのチェックポイントというふうに考えております。そうした上で、客観的な評価の方法によって公正に選考が行われたと認められれば承認を行うというふうに考えております。
#28
○山花委員 要するに、人事院の承認というところが一つの担保になるということだと思われます。
 続きまして、三条の二項の二号の方の関係でお伺いしたいと思います。
 選考ということに当たっては、その客観性とともに公正性ということも確保されなければいけないと考えられます。先ほど岡下委員からの御質問にも、公正性ということは御答弁の中にございましたが、条項でいいますと、三条二項の二号について特に問題となる可能性があるのではないかなというふうに思っているわけであります。
 つまり、この三条の二項の二号に言うところの、例えば、急速に進歩する技術に係るような知識経験ということになりますと、具体例としてシステムエンジニアを採用するというようなケースが考えられます。こうした職種のような場合には、今までの官民交流制度であるとか中途採用制度などと違って、弁護士や公認会計士など、そういう士関係のところから、例えば弁護士会の推薦を受けてという形ではなくて、システムエンジニアのような方ですと、まさに、民間のある特定の企業から人材を募るというケースも想定できるわけであります。
 そうだとすると、その際、例えば具体的な事例を挙げて申し上げますと、例えばAという民間企業から選考をしようということでやってみたところ、任期であるとかあるいは報酬などの点で折り合いがどうもつかないなどの事情で、実は、A、B、CのBという企業から選考しておけばもっと優秀な人材が採れたにもかかわらず、Aというところから選考を図ったばかりに、Bから選ぼうとしたときよりも劣位の人材が選考されてしまったというケースも想定されるわけでありますが、こういった事態を回避するためには、選考によるという場合によっても公募の方式というものを原則とすべきではないかというふうに考えられるわけであります。
 この点について、この点も人事院の方にお伺いしたいのですが、選考に当たって公募方式を原則とすべきではないかという点についていかなる御所見をお持ちでしょうか。また、仮に、公募方式によらないのだというか、公募方式ではちょっと無理だろうというケースがあるとすると、どのような場合が想定されるのか。もう一点、もしそういった例外的なケースとして公募じゃないケースだとすると、選考の公正性ということはいかにして担保されるのかということについて伺いたいと思います。
#29
○上村政府参考人 三条の二項も一項と同様に、専門的な知識経験を有しているかどうかということを選考によって検証するということでございます。二項の場合は、今先生がおっしゃいましたように、専門的な知識経験とはいっても、一項のように高度ではないという意味においてその人材がかなり広い範囲でいらっしゃるということがあると思いますが、その場合はやはり、先生がおっしゃったように、原則として、できれば公募で選考する、公募方式で採用をするという手続をとることが望ましいのではないかというふうに思います。
 ただ、従事させようとする業務の内容によりまして必要とされる専門的な知識経験がさまざまでございますので、必ずしもそういう人材が広く世の中にいらっしゃるということではなくて、特定される場合ということもありますので、すべて公募制ということはできない、公募になじまないものもあるのではないかというふうに思われます。
 そういう公募になじまないケースとしては、例えば、すぐれた識見を有する民間企業の役員の方を内閣の審議官として、国全体にかかわるその時々の政策課題に係る施策の企画立案業務、そういったものに従事をさせる場合で、その特定の人ならではというすぐれた識見を活用したい場合、そういったものが該当するのではないかなというふうに思われます。
 いずれにしましても、職員の選考に当たっては客観性、公正性を担保する必要があるということで、必要な専門的な知識経験またはすぐれた識見を有するかどうかということは、先ほど申し上げましたように、その人の資格、実務経験、あるいは活動の実績、そういった客観的な経歴評定その他の方法によって公正に検証する必要があると思います。それをさらに人事院がチェックした上で承認を行うということによって公正性が確保されていくというふうに考えております。
#30
○山花委員 三条の二項のお話を今伺ったんですが、またちょっと三条の一項の関係についてお伺いしたいと思います。
 第三条によりますと、主語が「任命権者は」ということで、述語が「採用することができる。」ということになっております。これは、例えば民間の企業から採用するということになった場合、先ほどの岡下委員のときの御答弁にもございましたが、基本的には退職をして入ってくるという形になる、なぜならば兼職の禁止など国家公務員法の規律がかぶってくるからだというお話だったわけであります。
 そうであるとすると、採用ということに当たっては、事実上、第三条の、任命権者によって、五年は無理だったら三年はどうでしょうかであるとか、二年だったらどうでしょうかというような、こういう交渉をするというケースが出てくることかと思います。そしてまた、採用される側だけではなくて、場合によっては、会社側に対して、この人材を一年だったら何とかしてくれないだろうか、二年ならどうだろうかという交渉をするというケースも出てくるかと思います。こういったケースが出てくる際に、かりそめにもそういったケースがあったときに官民癒着ということが疑われてはいけないわけでありますが、こういうような官民癒着が疑われるという、疑いを防止するための方策についてどのようにお考えでしょうか。人事院にお伺いしたいと思います。
#31
○中島政府特別補佐人 考えておかなければならないポイントだと思います。
 官民癒着というものが生じないように、まず、そういう専門的な知識経験を持っている者というものが複数の企業とか複数の団体とか複数の研究機関におる場合には、できるだけ一つの企業、一つの団体から継続して任用することを避けていくということが一つあるだろうというふうに思います。可能な限り他の研究機関とか他の団体等から任用するということがまず考えられるでしょう。
 そしてもう一つは、任用する者、採用する者の従事する職務ということにやはり着眼せざるを得ない。採用して行政機関の中で仕事をしてもらうわけですけれども、出身企業に対する行政権限の行使にかかわるようなセクションには配属しない、そういう業務は遠慮していただくというようなことも考えていく必要があるだろうというふうに思います。
#32
○佐藤委員長 持ち時間が終了しておりますが。
#33
○山花委員 時間が来ましたので終わりにしますが、採用の段階ももちろんですが、今度、終了して、先ほど職場復帰の点についての質問がありましたけれども、今度、仕事が終わって退官するに際して、仕事を今度あっせんしたりとかそういうようなことがあって、また同じように官民癒着ということが疑われてはいけないと思いますので、その点についても御配慮いただくことをお願い申し上げまして、質問を終了いたします。
#34
○佐藤委員長 井上和雄君。
#35
○井上(和)委員 おはようございます。民主党の井上和雄でございます。新人でございますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日は、冒頭、多少お時間をいただきまして、労働省にちょっとお伺いしたいと思います。これは直接法案とは関係はしていないんですが、今非常に社会的に注目を浴びているKSDに関連する問題でございます。
 つい先日も、KSDの理事長古関さんが逮捕されました。このKSDに関係する団体に、労働省が認可されている財団法人の中小企業国際人材育成事業団、アイム・ジャパンというのがございます。この財団は、主に外国人の研修を行うための財団でありまして、いわば中小企業が人手不足で本当に困っている状況がある、そういうわけで、外国から研修生ということで人を連れてきて少しでも中小企業の人手不足に貢献していこう、そういう目的でつくられた財団なんです。
 目的自体は非常にいいとは思うんですが、この設立の経過を見ますと、KSDとその政治団体である豊明会中小企業政治連盟、豊政連というのが、労働省、法務省など関係官庁に働きかけてこのアイム・ジャパンの設立に関して許認可を得て、一九九一年に設立されたというわけです。そして、理事長としては、逮捕された古関さん、そして理事には関係官庁、例えば専務理事、常務理事には労働省の元労働基準局長とか、常務理事には法務省。その他、警察、外務省。警察でいえば元県警の本部長や、外務省であれば大使クラスの方と、非常に多くの有力なOBを天下りとして迎えている。いわば、うまくやっているなというような印象を私、覚えたんですね。
 一九九二年からこのアイム・ジャパンというのが、インドネシアから研修生を受け入れ始めて中小企業に派遣を始めているわけなんですが、基本的にこの研修というのは全部で三年間です。一年目が研修、二年目、三年目は技能実習というふうになって、都合三年間は日本にいて外国人の方が働いておられるという現状があります。
 私、いろいろこの問題について調べまして、問題点は大きく言いまして二つあると思うんです。
 まず一つは、研修、特に、最初は研修、その後は技能実習というような名目なんですが、それはどちらかといえば名ばかりで、実質は単純労働をやっている方が非常に多いということがあると思います。
 実際に、NPOの方がいろいろアンケートを研修生の方に送って調べたところによりますと、やはり七〇%ぐらいの人が、ほとんど研修なんて受けていないと。研修といっても、最初、日本に来る前の研修とか、仕事を始める前の研修は受けていますが、要するにオン・ザ・ジョブですね、そういう研修なんかはほとんど受けていなくて、要するに単純労働者のようなことをやっているということを言っておられる。
 基本的に中小企業の方は本当に人がいなくて、特に三K労働なんかの場合は、なかなか人が見つからないということでお困りになっている。しかし、国としては単純労働者というのは認められないから、あくまでも研修という名目で、研修生には研修ですよというようなことを言って日本に連れてきたが、実際にはやっていることは本当に単純労働で、一般の労働者と同じようなことをやらされている。しかし、賃金に関しては、研修だから安いんですよ、例えば月八万円しかくれない。そういうようなことになっているわけですよ。
 もう一つの問題は、研修目的ということで、基本的に研修生には非常に安い給料でしょうか、研修手当というのでしょうか、そういうものしか払われていないわけですね。アイム・ジャパンは各企業から一月十八万円、研修中受け取っているわけですよ。八万しか払っていない。では、一体その十万円はどうなっているのか。これはかなり大きな額ですよ。アイム・ジャパンが一人の研修生について月々十八万円企業から受け取って、研修生は八万円しかもらっていない。十万円はアイム・ジャパンの手に入る、一人ですよ。年間一人でいえば百二十万円。数千人の研修生がいるということですから、これは相当な額になると思いますね。
 古関理事長は、アイム・ジャパンのパンフレットで、「日本における外国人研修・技能実習生受入団体として最大の実績を持つ」というふうにおっしゃっているのですが、ここで労働省にお伺いしたいのですけれども、日本ではこのような外国人研修をやっている団体というのは一体幾つぐらいあるのか、そして一体どのように監督されているのか、そういうことに関してちょっとお伺いいたします。また、あわせて、アイム・ジャパンの研修実績というものについても、もし数字がわかれば教えていただきたいのですが。
#36
○日比政府参考人 まず最初に、数字の点でございますが、研修生という形で日本に入国している者、これは平成十一年に約四万八千人でございます。それから、技能実習に移行した者、移行といいますのは、これは入国時の在留資格あるいは切りかえ後の在留資格の問題でございまして、研修生という在留資格の者は四万八千人ですが、平成十一年に研修というものから特定活動という在留資格、そのうちの技能実習でございますが、これに切りかわった人、移行した人の人数は約一万一千人でございます。
 それから、いわゆるアイム・ジャパンでございますが、そこの受け入れ実績でございます。大変恐縮ですが、ちょっと正確なものを今手元に持っておりませんが、年々約二千人強の研修生受け入れをし、ほとんどが技能実習に移行いたします。それで、最初の一年目が研修でございますので、切りかえ後とダブりますけれども、研修生、技能実習生合わせて、アイム・ジャパン関係で、ある年ということでいきますと六千人強が在留していると思っております。
 それから、指導面でございますが、私ども、アイム・ジャパンにつきましては二重の立場を持っております。
 一つは、技能実習制度、これは入管法が中心でございますけれども、技能実習制度そのものにつきましては、法務省、私ども、その他通産省等も含めまして、JITCOと言われております国際研修協力機構という法人がございますが、それぞれ所管庁の所管権限に属することは各省庁それぞれ独立して行いますが、技能実習制度ということでの指導面につきましては、国際研修協力機構を通じて行う指導面が相当ございます。
 それから、いま一つの労働省の立場といたしましては、いわゆるアイム・ジャパンというのは労働省が許可をしました公益法人でございますので、公益法人の指導監督という面で労働省は指導を行うべき立場にございまして、従前のことはさておきまして、今般いろいろなことが起こりましたので、指導を今やっておるところでございます。
#37
○井上(和)委員 ただいま、アイム・ジャパンで約六千人ぐらいの研修生がいるというお話でしたね。
 研修中は、先ほども申し上げましたように、企業は十八万アイム・ジャパンに払って、本人が八万円受け取る。そうすると、月々十万ぐらいアイム・ジャパンに入る。例えば二千人の研修生、それだけでもう一年間二十四億円になるのですよ。技能実習の場合は、月七万五千円を企業がアイム・ジャパンに払っているわけですね。そうしますと、やはりこれも二千人ぐらいとしますと約十八億。三年目になるとこの額はちょっと減らして月五万五千五百円になる。これも、二千人といいますと約十三億。計五十五億ぐらいのお金がアイム・ジャパンに自動的に入ってくるというふうな仕組みになっているわけです。
 一体この五十五億はどういうふうに使われているのですか。労働省にお伺いします。
#38
○日比政府参考人 アイム・ジャパンが各企業から、研修生もしくは技能実習生一人分当たりということで受け入れている金額、そもそもの金額の問題でございますが、委員御指摘の十八万円という研修生の場合、この十八万円の中から研修手当として本人に払う分八万円、それを除いた十万円が問題だという御指摘でございます。
 その十万円の中で、実は内訳がございまして、最終的に本人に渡るもの、その他いろいろございますが、主なるものを申し上げますと、財団の研修生指導管理のための経費、これが約三万円と見積もられております。それから、研修生が帰国後に事業奨励基金というような形でもらうお金のいわば事前徴収分といいますか、それが月に一万円ほどございます。
 その四万円を除きますと六万円ということになりますが、これは研修費用あるいは渡航費、それから民間の傷害保険料、傷害保険に入ることになっておりますので、そういうもの等、実費額支払いのための経費が約六万円見積もられておりまして、この六万円部分につきましては実は精算を行うことになっております。一たん概算で受け取って、実費ですので、帰国時に計算をしまして、もし差額があればお返しする。その差額でお返ししているのは、月額にしますと約数千円程度というふうに聞いております。
 したがいまして、アイム・ジャパンとの金の流れに関しましては、フローで見ますと確かに大きなお金が一たん流れ込んでおりますけれども、同様、大きな金が出ておるという関係になろうかと思っております。
 なお、技能実習生につきましても、金額等はやや異なりまして、総額自体が、一年目七万五百円、二年目五万五千五百円というようなことで、これも、本人に渡る金、それから財団の管理費等を除きまして、先ほどの六万円に見合うものとしましては、研修費用、民間の傷害保険料等、これは実費部分ということになっておりますが、後で精算する部分としては月額二万五百円なり一万五千五百円というようなことになっておりますので、これもフローで見ますと確かに大きな金が流れ込み、大きな金が出ていっておる、そういう関係になっていようかと思っております。
#39
○井上(和)委員 そこをもっとはっきり調べていただきたいのですよ。
 例えば、私の持っている資料の中に、アイム・ジャパンが出している研修生受け入れについてというパンフレットがあるのですが、ここに書いてあるのは、月額十八万円、研修生には月八万円を支給します。その他は、研修生管理費、研修指導費、航空運賃等の経費ですと書いてあるわけですね。また、技能実習生の期間のときにも、アイム・ジャパンへの納入が六万五百円と書いてある。研修生管理費、研修指導費、航空運賃等の経費ですと書いてあるわけですね。
 しかし、同じ研修生が技能実習に移行するわけですよね。だから、航空運賃なんというのはそんな何回も何回もかかるわけじゃないでしょう。一回来た人はそのまま三年間日本にいるわけですから。ところが、このアイム・ジャパンの資料を見ると、研修のときにも航空運賃を払う、そしてまた技能実習でも航空運賃が入っている、そんなふうに書いてあるわけですよね。非常にいいかげんだと思うわけです。かなりインチキじゃないかと思っているのです。
 あと、決算書を見ましても、例えば研修のための費用というのが、この五十五億のうちから出されていると言いますが、この決算書の中には、研修生受け入れ関係事業費といって、例えばインドネシアにおける日本語教育担当職員費用とかビデオ制作費と、かなり研修費が入っているわけですよね。そして、この決算書を見ますと、貸借対照表には預かり金として百億ぐらいあるというふうに書いてあるのです。
 一体これはどうなっているのかというのをもっとちゃんと労働省に本当に真剣に調べていただきたいのですが、どうもその辺が、先ほども申し上げたように、ナンバーツー、今もう理事長はいませんから、専務理事が労働省、常務理事も労働省の出身の方だというので、身内がやっているから手心を加えるというようなことでは本当に国民の信頼を失ってしまうので、ぜひ労働省には、今もうやられているなら、さらにきちっと説明できるように、私がきょう挙げた点に関して説明できるように調べていただきたいのですが、いかがでしょうか。
#40
○日比政府参考人 委員御指摘の点、まことにごもっともだと思っております。
 それで現在、実は、既に不適切なやり方というものが若干わかっているものもございまして、御指摘の、例えば渡航費の点、これは往復の渡航費を月々積み立てるというようなことでやっておりますが、その額が本当に適正かどうか、その他、確かに業務を精査すべき点があろうかと思っております。したがいまして、今御指摘のような点も、私ども、必要があれば、立ち入ることも含めまして十分調査いたしたいと思っております。
#41
○井上(和)委員 そういうことがわかっているんなら最初から言ってくださいよ。もう本当におかしいということがはっきりしているわけですから。ぜひよろしくお願いします。
 それでは、法案に関してお伺いいたしますが、今回の任期付職員の採用ということに関してちょっとお伺いいたします。
 私個人としては、これは非常によい制度だと思います。民間では、これまでの終身雇用制度というのはもう本当に壊れている状況です。これまでのように一つの職場に一生勤めていくということも、ほとんどもう若い人は考えていない状況にあると思います。
 また、個人的なことなんですが、私、政治の世界に入る前には国連の職員をやっておりまして、三年間ほど、ユニセフでなんですが、人事担当もやったことがございます。国連では、基本的には中途採用が普通であるし、期限つき職員というのも非常に多いんですね。逆にパーマネントの職員が少ないぐらい。ほとんどの人が、キャリアの一つとして国連なんかで数年間働いてみて、そして専門性をさらに高めてキャリアアップしよう、そういうことを考えるのが、国際的な、要するにグローバルスタンダードの考えであると思います。
 そういう意味で、日本もこういった期限つき、任期つきの職員の採用を始めるということは、政府における人事におきましても、グローバルスタンダードに一歩近づいてきたなというふうに私印象を受けますので、ぜひこれに関しては頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 特に、民間で働いている方は、やはり給料が役人では安いのではないかというふうに、普通、一般には思われている場合も多いでしょうし、優秀な方であればあるほど、十分な給与が保障されなければとても仕事をかえるということも考えられませんから、そういった意味で、今回給与面でも非常に、東大総長並みの、最大二千八百万円の給与の支給が可能であるというような待遇を実現されているというのは、私は評価できると思います。
 ただ、私が懸念しているのは、要するに、制度をつくっても絵にかいたもちになってしまうのではないか。マスコミの論調なんかを見ましても、官僚の抵抗が強いから制度そのものが看板倒れに終わってしまう、そういうふうにも言われています。そういった意味で、ぜひここにおられる政府の幹部の方には尽力して、本当にこの制度がきちっと機能するように御努力をお願いしたいのです。
 そこで、ちょっと官房長官にお伺いしたいのですけれども、内閣府が今回、相当の民間人を採用されるというふうに伺っております。先ほどの山花委員のお話にもありましたけれども。森総理が、内閣府の人事に関しては古川官房副長官が今やっているんだというようなことをおっしゃったと私も聞いております。
 そこで、本来でしたら古川副長官に直接お伺いしたいと思ったのですが、どうも慣例で古川官房副長官は御出席されないということなんです。内閣改造ももう間近なので、古川さんだったら恐らく改造後もずっと残られて監督されているのではないかという意味でも、私は古川さんにお話をお伺いしたいと思ったのですが、古川さんの上司に当たります福田官房長官にお伺いいたしますが、現在の内閣府の人事に関しては、総理のおっしゃるように古川さんがやっておられるのでしょうか。
#42
○福田国務大臣 おっしゃるとおり、総理の御指示に基づきまして、今、民間人登用ということについていろいろと作業しておるところでございますけれども、これは、内閣官房におきまして、内閣府を構成する関係省庁の人事担当者と随時会議を開催しながら相談をしておる、こういうことでございます。基本は、適材適所の考え方に立って民間人の積極的登用を行う、こういうことを指示いたしておるところでございます。
 古川官房副長官に総理から指示というお話でございますけれども、私も指示を受けている者の一人でございまして、そういう意味において、今申し上げました手順に従いまして一緒になってやっておる、こういうふうにお考えいただきたいと思います。
 関係省庁は、これを受けまして民間人の登用を想定するポストとその適性を検討した上で、内閣官房と協議しながら、具体的人選と相手方との交渉に当たっている、こういうことでございます。
#43
○井上(和)委員 古川さんも、内閣府には民間も含めてオール・ジャパンの感覚で、えりすぐりの人材を集めるというふうにおっしゃっているようなので、ぜひ官房長官にも本当に御努力いただきまして、日本の超一級の人材を集めて、この国の将来をしっかりと導いていただきたいというふうに思います。
 それで、各省庁におきましては、この民間人の登用の見通しというのはどういうふうになっているのかちょっとお伺いしたいのですが、これは総務庁でしょうか、人事院でしょうか。総務庁。
#44
○続国務大臣 来年一月の六日から新しく省庁が発足をいたします。それに対して、今お尋ねの本法律に基づく民間人の登用につきましては、それぞれの省庁が今準備作業に入っております。そこで、山花議員にもお答え申し上げましたけれども、我々としては、少なくとも百人程度のこの法律に基づく採用といいますか、それを期待しております。
 いずれにいたしましても、任命権者であるそれぞれの大臣が、それぞれの必要なセクションに対して必要な人員を確保される、そしてあわせて、今申し上げた百人程度の採用を期待している、こういう状況でございます。
#45
○井上(和)委員 今、百人ぐらいのということをおっしゃいましたが、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思うのです。
 そういう採用する面で、私、ちょっと一点、以前から考えていたことなんですが、先ほども私が国連に勤めていたというお話を申し上げましたけれども、例えば国連では、親が国連に勤めていた場合は子供の採用というのは基本的にはしないという原則があるのです。日本の場合は、どうもそういう規定がないですよね。以前、ある省庁の高官が、同じ省庁に勤める息子さんのポストに関してどうのこうのというような話もあって、かなり大きな話題になったことも私は覚えております。
 やはり公務員ですから、そういうネポティズム的なことを、実際になくても、疑われるようなことは決してすべきではないと私思うのですけれども、そういうことに関しては、例えば近親者の採用を少なくとも同一省庁では禁止するとか、そういうことをしっかりと政府としても決めたらどうでしょうか。どういうふうに思われますか。これは人事院でしょうか。人事院総裁、お願いします。
#46
○中島政府特別補佐人 御指摘の問題意識は私たちも共有しなければならないと思いますけれども、現在の日本の公務員制度のもとにおきましては、平等取り扱いの原則、成績主義の原則というのがございまして、その二つの原則のもとに五十年間運用してきた実績がございます。
 したがいまして、現在の制度のもとにおいてはそういうようなことはできないというふうに私は思いますけれども、やはり公務組織の中で働く人間の倫理観の問題として、自分の親戚とか自分の子供等について特別な扱いをするというようなことを要求するとか、またはしてはならない、これは幹部公務員として当然の倫理だというふうに思います。
#47
○井上(和)委員 当然の義務なんでしょうけれども、やはり親と子の結びつきほど大きいものはないということもありますから、とにかく私は、やはりちゃんと法律でこういうことをきちっとさせた方がいいんではないか、そういう時期ではないかというふうに思っておりますので、一言申し上げたいと思います。
 最後に、先ほどの山花議員も公募のことがございましたけれども、インターネットを使って公募をするというふうなことも本当に考えた方がいいと私は思いますね。そうじゃないと非常に透明性がない採用になり得ることもありますし、逆に言えば、たびたびで失礼なんですが、国連の場合では、採用する人が大体目鼻がついていても、やはりすべてのポストは公募するということになっています。
 だから、すべてを公募する、インターネットなんかで公募する必要はないと思いますが、なるべくそういった幅広く、日本または世界ですね、世界で活躍されている日本人も多いわけですから、そこから人材を募集するというようなことを考えていただきたいと思うのですが、インターネットの使用についてはいかがでしょうか。
#48
○中島政府特別補佐人 専門的な知識経験を持って執行しなければならない業務というのは多種多様でございます。したがいまして、その業務の中でかなり多くの人を採用するということになりましたら、できるだけ多くの方にそういう事実というものをお知らせして、広く人材を募っていくというやり方が望ましいというふうに思います。
 業務によりましては、やはりこの研究機関、この大学のこの教授でないとだめだという仕事もございますので、必ずしも今先生がおっしゃるような方法がすべての場合に適用される、また、しなければならないということではないと思いますが、先ほどから皆さん方が議論されておられますように、できるだけ公正な方法で人材を募っていくという面においては、知恵を絞っていきたいというふうに思います。
#49
○井上(和)委員 ぜひよろしくお願いします。
 終わります。
#50
○佐藤委員長 斉藤鉄夫君。
#51
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
 今回の任期付職員の新法には、いわば先輩ともいうべき法律がございます。これが、いわゆる任期付研究員の法律でございます。平成九年に導入されました。きょうは、この先輩ともいえる任期付研究員の法律が実際どのようになっているかということを振り返ってみるのも、この新しい法律を議論する上で参考になるのではないかと思い、まずその質問をさせていただきます。
 平成七年に科学技術基本法が成立をいたしました。私も、それから、きょう科学技術総括政務次官で来られている渡海先生も、その科学技術基本法を一緒に超党派でつくらせていただきました。
 そのときの基本的な問題意識は、二十一世紀の日本が、世界の中で平和で豊かな国として生き残っていくために、科学技術が大事である。その科学技術が、今、日本で大変危機に瀕している。その科学技術創造立国を目指して何が必要かという議論の中で、一つは、大学や国立研究所の古い、固定した徒弟制度にも似た制度の中で、お金の分配が非常に固定化している。また、研究員の人事制度も非常に固定化をしていて、アメリカやヨーロッパのように、優秀な若い研究員がたくさんのお金をもらって自由濶達に研究するという状況にない。これをいかにして打破するか、こういう問題意識でこの科学技術基本法がつくられました。
 まず、お金の面については、これまでの固定したその学会のボスが自分の恣意で配るような、そういう制度を改めて、競争的資金、公募で研究資金を配っていこうという制度を導入いたしました。そして、人事制度については、任期付研究員、若い優秀な研究員がいろいろなところで研究を重ねていく。アメリカ等では、ここの国立研究所に何年いた、ここの大学に何年いたというのがキャリアパスとして非常に優遇される。そういう社会に日本もしていこうということで、この任期付研究員制度をこの科学技術基本法の中で提案をし、そしてそれが平成九年に実現をしたものでございます。
 九年からもう三年ないし四年たっているわけでございますが、まず人事院にお伺いしますけれども、この任期付研究員の採用状況はどうなっておりますでしょうか。
#52
○上村政府参考人 平成九年六月に任期付研究員法が施行されまして、国の試験研究機関における研究活動の活性化を人事管理の面から支援するための方策の一つとして、給与の特例、それから裁量勤務制を含む研究者の任期制が導入されたところでございます。
 この制度による任期つき採用には二つの型、タイプがございまして、要約して申し上げますと、一つは、特にすぐれた研究者を招聘する招聘型、もう一つは、若手研究者の能力涵養のための若手育成型、この二つの型がございます。
 それぞれの型についての採用状況を申し上げますと、平成十一年度末現在で、招聘型の任期付研究員は十一機関で十五名、若手育成型の任期付研究員は二十六機関で百三十七名の方が採用されておりまして、着実に活用が図られているというふうに考えております。
#53
○斉藤(鉄)委員 招聘型が十五人、若手育成型が百三十七名ということで、若手育成型の方がかなり活用されているというふうに思うわけですけれども、人事院としては、この任期付研究員制度、これまでの三年の実績を見て、よかったというふうに評価されるのか、その評価がどうなのかをお聞きしたい。それから、科学技術基本計画が平成十三年度から第二期に入ります。これについても、この科学技術基本計画第二期の中で、人事院としては、今後この任期付研究員制度をどうしようとされているのか、どう考えていらっしゃるのか、お伺いします。
#54
○中島政府特別補佐人 ほぼ所期の目的を達成しているのじゃないかというふうに思います。
 現在、今までの運用の経験から、若干問題が指摘されております。原則三年という任期でいいのかどうかとか、あるいは給与の水準はどうかというような話が出ておりますので、関係方面の意見を聞きながら、また、それぞれについての原理原則的な考え方もございますので、そういうものを踏まえながらこれから検討してまいりたいというふうに思います。
#55
○斉藤(鉄)委員 人事院としても、この任期付研究員制度はよかった、所期の目的を達している、こういう評価をしているというお答えだったかと思います。
 それでは、科学技術庁渡海総括政務次官においでいただいております。日本の科学技術の研究開発を所管する省庁として、この任期付研究員法の実績をどう評価されているか、また、科学技術基本計画第二期に当たって、これからこの制度をどのようにされようとしているのか、お伺いいたします。
#56
○渡海政務次官 一緒に基本計画、また、いろいろ基本法をつくらせていただいたときの仲間であります斉藤委員からこの御質問をいただいて、本当に時間がたったな、そんな思いもいたすわけでございます。そして、今人事院総裁からもお話がございましたように、この制度が着実に今のところ進展しているという報告を受けておりまして、このことを大変喜んでおるわけであります。
 もとより、やはり研究開発、斉藤議員も実は宇宙の住宅、そういうものをやっておられたというような経歴をお持ちでございますけれども、新しい分野で自由な発想をしていくためには、やはり独立した研究の立場が守られている、そして、それだけではなくて、自由な人事交流が行われるということが大変重要だと思います。本制度はそのような発想でつくられたものと承知をいたしておるところでございます。
 この独立性、また流動性を発揮するためには、やはり競争条件といいますか、そういったものが公平に取り扱われる、先ほどから議論になっておりますように、競争的な環境のもとで自由に活動できる、そういった環境をつくっていくということが一番大事であろうというふうに考えておりまして、そのような意味において、この制度が各種国立研究機関等で採用されて順調に進んでいるということが日本の科学技術にとって大変重要なことであろう、今後ともそれは変わらないというふうに思っておるところであります。
 そして、科学技術基本計画が来年から新しい年度に入るわけでありますけれども、この話も委員の方から先ほどちょっと出されたわけでありますが、もうそろそろ取りまとめの時期に来ておるというふうに承知をいたしております。年末までにこれをまとめるわけでございますけれども、今月のある時期、近いうちにはほぼ最終的な取りとめ前の取りまとめ、これからパブリックアドレスをかけて広く意見を聞くという手続に入る段階だと承知をいたしております。
 その中で、これは人事院とも相談をしなければいけませんが、今までの運用の中で出たさまざまな工夫点、これは、要は、問題点というよりはこれから工夫していかなければいけない、例えば、一例を挙げますと、先ほど御説明がありましたように、若手研究員に関しては今のところ三年というのが原則になっておりますが、やはり研究をやるためには三年ではちょっと短いのではないかとか、そういったいろいろな点について、この科学技術会議はまだ途中の段階でございますけれども、いろいろと議論がされておるようでございます。
 そういった点も踏まえて基本計画を作成し、また、今後この制度の運用の定着を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
#57
○斉藤(鉄)委員 今世界の若い研究員の仲間では、研究員として認められるまず第一の難関は博士号を取ること、第二がこういうキャリアパス、任期付研究員として認められて、かつその仕事が認められる、これが第二の、世界的な研究者になる一つの次のパスだ、このようにも言われておりまして、ぜひこの制度を活用してノーベル賞がどんどん日本から出るように、科技庁としても努力をしていただきたいと思います。
 次に、任期付職員も、任期付研究員が成果を上げているように、ぜひ成果を出していかなくてはならないかと思うのですけれども、この第三条に二種類ございます。第一項、第二項。
 第一項は「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者」、これは大変高い給料も保障されているということで、これは何となくイメージするのですが、第二項「専門的な知識経験を有する者」、これはどうもイメージがわきにくいわけでございます。俸給も、いわゆる年齢に相応した俸給表を適用する。だったら、たくさんいらっしゃる国家公務員の中からそれにふさわしい人を持ってくればいいじゃないか、わざわざ外から持ってこなくてもいいじゃないかという気もするのですが、この第二項の「専門的な知識経験を有する者」を、もっとわかりやすく、具体的なイメージがわくように御説明いただけますでしょうか。
#58
○中川政府参考人 この法案の三条二項でございますが、第一項で言うところの高度の専門的な知識経験とまでは認められないけれども、行政の部内では人材の確保あるいは育成に時間がかかるような場合、あるいは、有効に活用できる期間が一定の期間に限られるような知識経験を有している人を採用するような場合ということを念頭に置いた規定でございます。
 具体的なイメージということでございますが、この三条二項は三号立てになっております。そのうちの第一号について申しますと、例えば、原子力保安体制を拡充強化するために、原子力保安に関する専門技術者であって、行政の部内では人材の確保育成に時間がかかるような場合、さらに、第二号について申しますと、例えば、情報収集衛星の受信機器の画像処理の技術者でありますとか、コンピューターに関するシステムエンジニアにシステム開発の業務をしていただくために採用するようなケースというような場合を想定しているということでございます。
#59
○斉藤(鉄)委員 よくわかりました。イメージがわいてきました。
 最後に、総務庁長官に、先ほどの任期付研究員制度の現在の状況等の議論をお聞きになり、また、今回の任期付職員制度が公務員制度の中で非常に大きな、またバイタルな活性剤になればという思いもいたしておりますが、このことにつきまして所見をお伺いいたします。
#60
○続国務大臣 先ほど来、山花委員やあるいは岡下委員や井上委員等にお答え申し上げましたように、今までのいわば官主導の行政を政主導の行政に変えよう、制度がいろいろと疲労してきている、そしてまた、新しい時代に即応するような制度、仕組みに変える、そのためにこそこの法律ができ、そして、この法律を大いに活用することによって、国民の皆様の御期待に沿えるような仕組みをつくろうというのがこの法律の目的であります。
 また、私は二十年前に、実は世界に冠たる東京都の老人研究所の理事長も副知事時代に兼ねておりました。任期付研究員は、もう既にそのはしりを実験しました。痴呆症問題解決十年戦略あるいはがん撲滅十年戦略、そういう戦略を立てながら、民間の研究員を大いに活用し、インターフェロンも発明をいたしましたし、あるいは痴呆症の解明にも一定の成果を挙げております。
 したがいまして、この制度は、私の経験を通じても、大いに民間人を活用することによって、国民の皆様の御期待に沿えるような行政も、研究もできるものだと思います。せっかくの法律を各任命権者が生かさせていただくことを、私としては期待しているわけであります。
#61
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございました。終わります。
#62
○佐藤委員長 塩田晋君。
#63
○塩田委員 自由党の塩田晋でございます。
 一般職の任期付職員の採用及び給与の法律につきまして御質問いたします。
 まず、「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者」となっておりますが、これは具体的にイメージといたしまして、例えばその部門の博士号を持っている人とか、あるいは先ほど御説明ありました第三条の二項の一号、二号、これは原子力の発展あるいはハイテクの情報産業等の例を挙げられましたが、もう少し具体的に、これに類する者といいますか、当たる人はどういう方であるか、御説明をいただきたいと思います。
#64
○続国務大臣 御指摘の本法律案の第三条第一項により採用される「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者」として想定している者は、弁護士、公認会計士のほか、例えば、大学、研究所、シンクタンク等で専門的な業績等を評価された実績のある学識経験者、民間企業において幅広い分野で活躍し、一企業にとどまらず、広く社会的にも評価されているような実績を上げ、創造的、先見的な判断力等を有する方々であり、いわばその人ならではという知識経験等を活用し業務に従事することが期待される方々を念頭に置いているわけであります。
#65
○塩田委員 かなり具体的にイメージが浮かび上がってくるわけでございますが、これは年齢、性別、その他、そういうものにかかわらずということでございますか。
#66
○中川政府参考人 御指摘のとおり、年齢とか性別にかかわらず、採用可能でございます。
 なお、付言いたしますと、一般の職員には定年制が適用されまして、普通の職員でありますと六十歳が定年でございますが、本法によります任期つき採用職員については定年制は適用しないということになっております。
#67
○塩田委員 この知識経験という点についてはかなり客観的なものがあると思うんですけれども、「又は優れた識見を有する」とありますが、これはかなり幅が広いといいますか、また見方によっては、評価の仕方によってはかなり違ってくる、そういうこともあるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#68
○続国務大臣 今お説のとおり、いろいろな幅があると思います。
#69
○塩田委員 今の年齢にかかわりなくということ、それから、すぐれた見識を有する者、これを考えますと、官公庁で長年にわたってその道を歩んでこられた人、定年退職された方、そしてまた民間の企業、あるいは他の関係の団体等に再就職をしておられる方、こういった人も対象になり得ると考えてよろしゅうございますか。
#70
○続国務大臣 塩田委員も御案内のことではございますけれども、今回の任期つき採用制度に基づく採用は、行政部外の人材が有する専門的な知識経験等に着目して行うものであり、今御指摘ございましたように、中央省庁等に勤務した経験を持っているキャリアOBを採用することは、本制度の趣旨には合いません。したがいまして、中央省庁の退職者の再就職機会を設けるような制度ではございません。
#71
○塩田委員 行政経験があれば一切だめだというように受け取られる回答でございますけれども、そうでございますか。
#72
○中川政府参考人 ただいま大臣からお答え申し上げましたのは、本制度が、中央省庁に勤務したことにより得られました知識経験等に着目してOBを採用するということであれば、この制度の趣旨には合致しないということでございまして、行政経験があればそれだけで本法の適用からすべて外れてしまうということではございません。
#73
○塩田委員 わかりました。
 そこで、この制度によって採用を予定している人数、これは各省庁によって違ってくると思いますが、定数の範囲内でやるということでございますね。そうすると、欠員になったか、あるいは定数を割って、あるいは定数を少なくするために外へ人を出して余地ができたその定数内でこういう人を採用するということになると思うんですが、大体どれぐらいの規模を予想しておられるか、お伺いいたします。
#74
○中川政府参考人 ただいま先生御指摘のとおり、本法で採用されます職員も行政機関の定員の内数ということになるわけでございます。したがいまして、各省庁それぞれ年間を通じまして定員管理の計画が当然あるわけでございまして、その中で外部からどの程度の人材を採用できるかということを毎年度それぞれ検討していくということになろうかと思います。
 したがいまして、今のところ、各省庁でどの程度の職員を採用するのかというところまでは私ども厳密な意味でつかんでおりませんけれども、先ほど総務庁長官からお答え申し上げましたのは、総務庁の期待といたしましては、百名程度はこの制度を活用して採用していただけないだろうかというふうに思っておるということでございます。
#75
○塩田委員 その数にもよるわけでございますが、各省庁によってまた違うと思います。定数の範囲内で、頭数はその範囲内ということでわかるんですが、給与は相当高額、各省庁の事務次官あるいはそれ以上の指定職相当の俸給が与えられるということでございますので、予算的には縛りがあるんでしょうか。足らなくなれば、それはプラスをするということでございますか。お伺いいたします。
#76
○中川政府参考人 予算で計上されております人件費というものは、定数と給与単価が基本になって積算されておりますけれども、毎年欠員が生じたりというような事情がございまして、必ずしも予算計上してある人件費を毎年全部使い果たすというようなことではないわけで、予算の範囲内で適正なる執行が行われるということでございます。
 なお、特定任期付職員につきまして、全員が事務次官クラスを超えるような俸給をもらうというようなイメージではございませんで、新しい俸給表で定めておりますのも、基本的には課長補佐に相当するクラスから、あるいは審議官クラスに対応する仕事をしていただくクラスを想定して俸給表自体はつくってございまして、さらにそれを超えて、最も高い場合には東大、京大学長並みの処遇まではできるということでございますが、これは極めて例外的なケースというようなことになるのではないかと思っております。
#77
○塩田委員 そこで、専門的な知識経験またはすぐれた識見ということが問題になるわけでございますが、任命権者は、該当する方をまず採用しようという意思決定をしなければならないわけですが、人事院の承認を得るということが要件になっておるわけでございます。そして、選考によりということになりますが、この二点について。任命権者の決定というか、最終決定ではないわけですね、採用したいという決定をするわけですね。そして、それを人事院に持っていって照会をし、承認を求める、そして選考する。この辺の手続上、どういうふうに事務が進んでいくのか、お伺いいたします。
#78
○中島政府特別補佐人 任命権者が採用予定候補者というのを内定いたしますと、人事院の方へ定められた経歴とかその他いろいろな様式に基づくデータというものを提出していただく、それを人事院の方でよく確認してから、承認するかどうかを決める。その後、人事院の意思というものをその任命権者にお伝えして、任命権者に採用していただくということで、任命権者に採用していただく前に人事院の方の承認というものをかませる、そのことによって公正性の確保等を担保していくということでございます。
#79
○塩田委員 その後に選考というのがありますね。これはどういうことを実際やられるわけですか。
#80
○中島政府特別補佐人 候補者というのを一人に任命権者が絞るわけでございますけれども、その絞る過程の絞り方といいますか、候補者の選定の仕方でございます。
#81
○塩田委員 そこで、承認をされる際には、人事院で一定の基準、承認を与えるべきかそうでないかという判断をする基準というものがやはり用意されていると思うんですが、それはもちろん用意しておられるわけですね。
#82
○中島政府特別補佐人 先ほどからいろいろ議論されておるわけでございますけれども、やはり従事させようとしている業務が専門的な知識経験あるいはまたすぐれた識見を要する業務であるかどうかということ、そしてまた、その採用予定者がそれにふさわしい能力を持っておるかどうか、知識経験とか識見を持っているかどうかということを人事院としては確認するわけでございますけれども、それを確認する際に、必要な資料といいますか、任命権者の方から御提出願う資料というものを、人事院規則あるいはそれに基づく通達等によってはっきりさせていきたいというふうに考えております。
#83
○塩田委員 専門的な知識とか経験とか、これはいろいろなデータを出してもらえばかなり客観的に判断ができると思うんですけれども、すぐれた識見という、これはどういう基準をつくられるのでございますか。お伺いします。
#84
○中島政府特別補佐人 客観的な基準というのは、かなりつくるのは難しいと思います、先生御存じのとおりだと思いますけれども。
 結局、その予定者の従来の社会における活動実績、そしてその活動実績に対する社会における評価、そういうものをやはり私たちの方ではできるだけ客観的に把握いたしたい。そして、そのことを任命権者側にお知らせして、任命権者側からそれに関するデータとか説明というものを受けていきたいというふうに思います。
#85
○塩田委員 今抽象的にお話がございましたけれども、実際、具体的な例になってそれを判定する場合には、すぐれた識見という、これは基準をつくるというのはなかなか難しいんじゃないかと思いますね、いろいろな人の見方もあるでしょうし。どういう評価をして、識見が高いとかすぐれているとかいうふうに認定をするか、非常に難しいことだと思うんですが、実際問題としては、すぐれた知識と専門的な経験があれば、まあいいやというようなことになるんじゃないでしょうか。
#86
○中島政府特別補佐人 なかなか答えにくい御質問でございますけれども、当該候補者が今までどういうような実績を公務外の世界で上げてこられたか、その実績に対する評価というものがその世界でどういうふうな評価を受けておるかということをやはり克明にお聞きする。また、そういうものを示すデータがあれば御提出願うということによって、人事院としては確認していく以外に確認のしようがないというふうに思います。
#87
○塩田委員 人事院がそれを判定される場合に、本人を呼んで口頭試問といいますか、面接をするようなことはありますか。全然予定はしておられないですか。
#88
○中島政府特別補佐人 やはり、第一次的にも第二次的にも、任命権者側でそれは責任を持っていただくということが基本でなければならないと思います。
 と申しますのは、やはりつかせようとしている業務そのもの、業務の執行責任者というのは、その業務の性格とか業務の執行に必要な見識というものについてよく御存じでしょうから、第一次的にも第二次的にも任命権者側でよく御判断いただいて、その上で私たちの方はその御判断の根拠といいますか、過程というものをお聞きするということによって固めていくということだと思いますね。
#89
○塩田委員 今お話がございましたように、非常に難しい問題だと思うんです。大体、技術系等についてはある程度客観的なものが出てくると思うんですが、文科系といいますか、いわゆる知識、政策あるいは経済等、そういうところのすぐれた識見というのは、客観的に基準を設けることはなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。ですから、任命権者がいいと言われたからまあいいんだろうというふうになってしまうんじゃないかと思います。
 その辺は、人事院で非常に厳密にやっていただくということはもちろん必要でありますけれども、その際、任命権者と人事院との見解が、例えば基準が合わないといって見解が異なった場合、最終的にはどうなるんですか。任命権者は、人事院の承認を得なければ任命できないわけですね。その場合に、例えば、人事院がノー、こういう基準に照らして合わないからだめだと言われる場合に、任命権者はそれを無視してやれるかやれないか、やったらどうなるんですか。
#90
○中島政府特別補佐人 先生はよく御存じですから、いろいろ申し上げませんけれども、法律の仕組みとしては、人事院の承認がなければ、任命行為というのはやはり法律上効果を持たないでしょう。
 しかし、私が先ほど申し上げましたように、当該専門的な知識経験とかあるいは識見を要する業務、その業務の性格とか、あるいはまたその業務を執行するに当たって必要な素養といいますか、素質というものについては、任命権者が一番よく御存じですから、私たちとしては、やはり任命権者の御判断というのはできるだけ尊重してまいりたい、そういう姿勢で臨んでいきたいというふうに今ここでお答えする以外にしようがございません。
#91
○塩田委員 非常に難しいといいますか、微妙な問題でございますので、これは実際の運用を見てまた判断すべき問題かと思います。
 ただ、この際お伺いしたいと思いますのは、大臣も内定する際には十分考えて、これが一番適任だと人事院にも説明し、人事院は一定の基準に照らして、これはよろしいということで承認をした。五年間としますね、五年以内ですか、その際に、どうも、非常に識見のある人だと思ったけれども、そうでもなかった、これは不適任だというふうに判断する、これは適正に判断すればあれですが、その他の要素等もあってこれを外さなければならぬという場合には、どういうことになるのでございましょうか。
#92
○中島政府特別補佐人 任期をつけて採用するわけでございますが、その任期の期間というのは、当該職員は身分保障がございます。したがいまして、予定した業務に必要な専門的な知識経験がないといって、当該職員に対して分限免職をする等のことはできないというふうに思います。
 ただ、その期間というものにつきまして、公務員としての身分を持っておられますから、当該職員の知識経験あるいは識見というものにふさわしい業務に従事していただくというようなことをやはり考えていくべきだというふうに思います。
#93
○塩田委員 これも非常に微妙な問題で、本当に役に立たなかったというふうに周りの人からも、また客観的にそういうふうに見られてしまう、いわゆる窓際族というか、窓際に追いやられて五年間じっと座っているということも、これはあってはならないことでございますが、そういうことも考えられる。
 また、片や、そういう人を途中でやめさせられないということを今人事院総裁はおっしゃいましたが、やめさせる場合もあるとすれば、これはまた、役所の現職の職員がそういう人を採用することに対して非常に反対の気持ちがある、排斥してしまうようなことに使われても困りますから、だから身分保障ということも言われると思うんですが、なかなかそこは微妙な、難しい問題が起こるのではないかと思うのでございます。その点は、各省庁、また大臣、任命権者の良識と、そして人事院の公正な、また客観的に認められるような基準に基づいて承認をし、やはりその状況、推移を監視してというとあれですけれども、見守っていただく必要がある、このように考えます。
 最後に、任期を五年とした根拠はもう既にいろいろと説明が出ておりますから別といたしまして、業績手当を別に出すことになっておりますね。その額は予算の範囲内という規定でございますけれども、大体どれぐらいを考えておられるのか。一般職の公務員と同じような、勤勉あるいは期末手当等、それを勘案しながら出されるのか。それとも、業績を上げた場合、相当な大金を業績手当として出されるのか。大体どれぐらいのイメージか、お知らせいただきたいと思います。
#94
○中島政府特別補佐人 御審議いただいておる法案の第七条の第四項に書いてございますように、俸給月額というものが上限になっております。俸給月額に相当する額というものを出すということでございます。
 その、出すか出さないかということにつきましては、誤解を招かないように、また公正に決定されるような運用を考えていきたいというふうに思います。
#95
○塩田委員 ありがとうございました。終わります。
#96
○佐藤委員長 松本善明君。
#97
○松本(善)委員 今回の法案は、大学教員、研究職に続いて一般職にも任期制職員の採用を導入するもので、特例法とされております。任期付職員採用制の導入は、国家公務員の根本基準にかかわる問題であります。
 初めに、任期つき採用が何に対して特例なのかということについて質問をしようと思います。
 人事院規則八―一二の十五条の二では、「任命権者は、臨時的任用及び併任の場合を除き、恒常的に置く必要がある官職に充てるべき常勤の職員を任期を定めて任用してはならない。」としております。この規定を設けている理由は何でしょうか、総裁でも任用局長でもいいですが。
#98
○上村政府参考人 先生がおっしゃいましたように、国家公務員法は任期の定めのない任用というものを原則にしております。ただ、任期の定めのない任用ではありましても、臨時緊急の場合ですとか、そういう任用に内在的に必要性があって任期を定める必要があるということで、国家公務員法においては臨時的任用というものを定めておりますけれども、また、人事院規則の今おっしゃった八―一二の規定は、この国家公務員法の原則に基づきまして、そういった臨時的な場合あるいは官職が有限であるというような場合を除いては任期の定めをつけてはいけないという趣旨で設けているものというふうに理解しております。
#99
○松本(善)委員 聞いたことに答えていないんですよね。これを設けている理由は何かと。今答えていることは、臨時雇用もあるということを、任期を定めての任用もあるということを言っただけなんです。
 私はこれは公務の安定性、公平性を守るためではないかと思いますが、人事院総裁、どうですか、この規定が設けられている理由ですね。
#100
○中島政府特別補佐人 現在の公務員制度というのは、採用をしますと原則として定年までの継続雇用というものを前提として採用いたします。その趣旨というのは、やはり、公務員が定年までの間安心して仕事ができる、そのことによって行政というものが中立にかつ公正に、安定的に執行できる、そういう趣旨でそういう制度ができ上がっているということでございます。
#101
○松本(善)委員 今度は総務庁長官に聞きましょう。
 任期を設けてはならないというのが原則だ、言葉は少し違いますが、それが公務の安定性とか公平性を守るということの趣旨だということの総裁の答弁がありましたが、これは国公法第一条に定めているように、「国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障する」ためであり、ひいては憲法第十五条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」とする立場からのものではないかと思いますが、総務庁長官、いかがお考えになりますか。
#102
○続国務大臣 新規学卒者等の採用及び部内育成を前提とした任期の定めのない採用を基本とする国家公務員制度の中にあって、今回整備する任期つき採用制度は、民間人材の採用の一層の円滑化を図る観点から、任命権者にとって採用形態の選択肢をふやすため、一定の要件のもとで任期を定めた採用を可能とする特例として位置づけられるものであります。
 したがいまして、今回新たな任期つき採用制度が整備された後においても、国家公務員制度が任期のない採用を基本とするという点については変わりはございません。
#103
○松本(善)委員 私もちゃんと事前に言ってはあるんですが、問いにやはり答えないとぐあい悪いと思うんですよ。用意したものをただ読み上げるだけでは、国会の議論としては活性化しないですよ。
 私の言っていることは、任期をつけて採用するというのは例外的でしょう、原則ではないわけですよ、その原則はなぜあるのかということを聞いているわけです。それは、わざわざ国公法一条とそれから憲法十五条を引いて言ったわけですよ。違うのかそうなのか、どっちなんです。
#104
○佐藤委員長 中川人事局長。
#105
○松本(善)委員 だめだ。長官から聞きたい。わからないならわからないから答えさせるでいいですよ。
#106
○佐藤委員長 続総務庁長官。
#107
○続国務大臣 人事院総裁からお答え申し上げます。
#108
○中島政府特別補佐人 私が先ほど御答弁申し上げたとおりです。
#109
○松本(善)委員 国公法と憲法との関係は。もう一回言いましょうか、国公法は「国民に対し、公務の民主的且つ能率的な運営を保障する」ためであり、憲法十五条は「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」という立場から、さっき長官が答えられた人事院規則八―一二の十五条の二ができているのではないかということです。趣旨はそうだということのようですが、改めてきちっとお答えいただきたい。
#110
○中島政府特別補佐人 今の先生の理論を否定するものではございませんけれども、そういうことが直に法律的に結びつくというような議論は私たちはいたしたことはございません。
#111
○松本(善)委員 私は、今の人事院総裁や総務庁長官の答弁をお聞きしますと、やはり公務員のあり方についての十分な検討がされているのかどうかということについて疑問を持ちます。任期付職員の採用は、公務の根本基準の特例として設けられるものであると思います。
 今回の法案では、任期つき採用職員の対象となる官職を特定あるいは限定していない、したがって、法律上は既に導入している大学教員、研究職を除く一般職職員のすべてがその対象になるのではないか。参議院の議論でもありましたけれども、公務員である看護婦も一応法律としては対象になるということの答弁がありましたが、大学教員、研究職を除く一般職職員のすべてがその対象になるのではありませんか。
#112
○中島政府特別補佐人 抽象的には対象になるでしょう。なりますけれども、その法律というのをよく読んでいただきますと、看護婦の場合、看護学校を卒業した方がその法律の第一項ないし第二項で任期つきで採用されるというのは、普通の場合はまず考えられない。そういうことは一項にはまず該当しないし、二項の場合でも、一号、二号、三号というのを読んでいただくと、該当しないだろうと。
#113
○松本(善)委員 これは抽象的には対象になるという、そこがやはり問題なんだと思うんですよ。実際にはないと言われるけれども、そういう制度をつくるということになる。だから一般職職員のすべてが対象になる、その点では制限がないということを一応法律上は認められたんです。
 法律にある要件というのは、今人事院総裁が言われたように第三条一項と二項ですね。一項は「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者」。二項は「専門的な知識経験を有する者」。二項に一、二、三の一定期間の業務という抽象的要件しかない。看護婦さんの場合も、専門的職員といえば専門的な知識もあるんですね。そういうことはしないとはいうものの、法律上は制限がない。やはり何か基準をきちっと設けてそういうことはないんだということをしないと、原則を侵すことになるんじゃないだろうか。その点は総務庁長官でも、人事院総裁でも、お答えいただきたい。
#114
○中島政府特別補佐人 少し、法律をお読みになるときに、私たちの考えていることを誤解し過ぎておられるんじゃないかというふうに思います。
 看護婦の場合、三条の二項というものをよく読んでいただきますと、一号の場合、その職員というものを養成するに時間がかかると。看護婦の場合は、現在国立病院にいたしましてもあるいは大学病院にしても、たくさんおるわけでございます。また、看護婦の持っている知識というものは、二号に書いてありますように、時の経過とともに使えなくなるような知識ではないでしょう。そして、三号はそれに準ずる場合ですから、いずれにいたしましても、看護婦が、先生は一項に該当しないだろうというふうにおっしゃいましたけれども、二項にも該当しないでしょう。ごく通常読むと、そういう読み方をするのが法律的な常識じゃないかというふうに私は思います。
#115
○松本(善)委員 これは、私は、人事院総裁がやはり働いている人たちのいろいろな懸念ということについての配慮、考慮、そういう点が非常に浅いんだと思いますね。今おっしゃったことは、実際上は人事院の裁量権に任されているということになるんですよ。三号は、前二号に掲げる場合に準ずる場合として人事院規則で定める場合でしょう。それを緩く定めれば、幾らでも緩くできるんですよ。
 それで、これはなぜそういうことを問題にするかということをちょっと申し上げますと、労働基準法の第十四条に有期雇用契約条項というのがあります。我が党は、この条項は、短期雇用の労働者の権利を守る立場から反対しました。これは、御存じかどうかわかりませんが、一年の短期雇用を繰り返すこと、これで実際上は期間の定めのない雇用と同じようになる。一年を繰り返していくから、解雇が簡単にできるんですよ。これは裁判で争われて、そういうのはいけないということになりまして、三年間ということにしてそれができるようにしたということで、私ども反対をいたしました。この法律も、「一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、一年を超える期間について締結してはならない。」としながら、特例として、専門的知識等がある場合三年まで許されることにしたんです、これは。
 労基法では、この専門的知識などを大臣告示で定義をしております。それによると、専門的知識とは、博士の学位、修士の学位を有する者とか、公認会計士、一級建築士、弁理士、社会保険労務士等の資格を有する者、こうなっています。このように特例措置で法的な限定を加えているんです。
 この労基法と趣旨が全く同じとは言いませんけれども、しかし、特例措置である以上、何らかのやはり限定基準を設けるべきではないか。むしろ、逆に第二項の三号ではそれを緩めるようになっている。これは、私は労基法以上に労働者の権利を侵す危険があるのではないかというふうに思います。その点はどう考えるかということと、それから、これらの点について公務員の労働組合と話し合ったことはありますか、人事院総裁。
#116
○中島政府特別補佐人 先生の御懸念というものはよくわかります。わかりますけれども、もしも先生が懸念されるようでしたら、私は、この法律の第六条というのを設けてなかったと思います。先生がおっしゃるように、そういうような職員というものを採用していくならば、第六条を設けて後の人事運用というものにたがをはめるようなことはしない。やはり第三条の規定の趣旨から申しまして、極めて専門的な知識を持っておる人間に限るんだということでございます。
 さらにまた、法律の専門家にこういうことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、やはり国家公務員法を改正せずにこういう特別法で出したというところをまたよく理解していただく必要があるんじゃないかというふうに思います。
#117
○松本(善)委員 やはり、結局人事院を信用してくれということなんですよ。それではやはり私は法律としては不備だというふうに思いますね。
 それで、実際の問題として聞きますが、総務庁長官は、この制度を使って、今度新しくできる内閣官房や内閣部門に百名程度以上の民間人の採用をしていただく、また、具体的には、内閣の経済財政諮問会議や総合科学技術会議の事務局機能、内閣官房の情報収集衛星の運用組織が検討されているということを参議院の審議の中でも答弁をされました。そういうことかということと、あわせて聞きますが、これらの採用は、主に三条二項の方の採用者が多くなるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#118
○続国務大臣 今、参議院での質疑のことについて御紹介がございましたけれども、百人程度というのは、三条一項と三条二項、両方ございます。
 やはり、今御質問の中にもございましたように、内閣本府あるいは内閣官房、あるいは金融庁や財務省等々に今予定をしておりまして、懸命に採用の手続をしておられると思いますけれども、いずれにいたしましても、今御指摘の三条一項と三条二項、この二つを合わせて百人程度だ、こういうふうに考えております。
#119
○松本(善)委員 私の聞きましたのは、一項、二項、それは併用するでしょう、だけれども、百人ということになれば二項の方が多くなりはせぬかということを聞いたのですよ。
 それと、あわせて聞きますが、情報収集の部分では、現在運用されている高度専門職の中途採用制度というのがありますね。これを利用してかなり採用している。高度な専門的知識経験という点では、この法案と重なっているんですね。人事院は二つを併用すると言っていますけれども、関連が、あるいは区別が不明確ではないかというふうに思います。
 人事院の資料でも、これで採用している人が、人事院規則一―二四に基づく採用状況、平成十二年度は百六十八人ですね。結構多い。これは、この関連、区別が不明確ではないかということと、やはり三条二項が多くなるのではないかということを聞きたいと思います。
#120
○上村政府参考人 今回の法案と人事院規則一―二四の関係ということでございますけれども、今回の法案の制定について、八月の十五日に人事院勧告に合わせて意見の申し出をしましたときに、この意見の申し出をする理由といいますか、問題意識といいますか、そういうものを最初にお書きいたしました。
 それは、行政の高度化、多様化あるいは国際化、そういったものが進展する中で、こういった変化に的確に対応して国民の期待する行政を遂行していくためには、行政を担う公務員について、新規学卒者等の採用、部内育成を基本としながらも、部内育成だけでは得られない有為な部外の人材を活用していくことが求められているという現状認識、そして、そのために、多様な有為の民間人材を公務に円滑に確保するための制度の整備を図ることが必要である。本日冒頭に総裁からも申し上げましたように、端的に申し上げれば、行政の対応能力の強化ということを申し上げたわけです。
 こういう問題意識を人事院として持っておりまして、平成十年の三月に、民間での専門的な実務経験等を有する人を競争試験によらず……(松本(善)委員「途中ですけれども、ちょっと、聞いていることに答えてもらわないと困るんだ、時間がない」と呼ぶ)はい。ということで、規則一―二四を先ほど申し上げたような認識のもとにつくった。そういうことで、この法律も、それから規則一―二四も、制度をつくる精神というものは同じでございます。
 ただ、一―二四は、任期を限った採用ではございません。任期の定めのない採用であります。今回の法律は、任期を定めて採用することができるという法律。そこが違うということでございます。
#121
○松本(善)委員 では、一般職の方がいわゆる一―二四を活用して何でやれないんだということの説明がはっきりしないんですよ。
 私は、総務庁長官の先ほどの答弁を聞きましても、人事院の答弁を聞きましても、やはりこの制度の導入が国家公務員の皆さん方についていろいろな不安をもたらすものだ。その点についてさっきは聞いたけれども答えなかったけれども、労働組合と話をしたかと言ったら答えなかったわけです。恐らくしてないんだと思うのです。
 私は、こういう法律をつくるときに、公務員労働者がどういうことを心配するのかということをやはりちゃんと考えて立法するというのが、こういう場合の必要なことではないかと思う。人事院は労働三権の代償機能だと言われているんでしょう。それを、やはり労働者の意見も聞かないでこんなことをやるというのは、私はよくないと思いますね。
 それで、採用の量的制限、裁量が人事院に全く任されている感じです。専門的知識経験という名目で際限なく採用される危険があるということを指摘しておきましょう。
 それから、次に、任期付職員の採用が選考採用されるという問題です。
 先ほど与党議員の質問の中でもありましたけれども、例えば民間企業から採用する場合には再就職を考えているというでしょう。そうすると、いわゆる天上がりというようなことの心配もある。財界はこれを歓迎しているということのお話も与党質問の中にございましたけれども、この選考採用の問題ですね。
 私は、そういういろいろな問題がこの選考採用には含まれているので、先ほど来、同僚議員の質問もかなりありましたけれども、国公法三十三条では、すべての職員の採用は、受験成績、勤務成績またはその他の能力の実証に基づいてこれを行うとしています。この規定は、言うまでもなく、任命権者の意図的な任用を排除し、平等で公平かつ公務の能率を確保するために設けられている任命の根本基準だと思います。
 任期つき採用の場合は選考採用となるわけですが、これは公務の公平性、中立性を担保することができるかどうか。これができるというならば、その根拠を法案で明らかにしてほしい。人事院総裁に聞きましょう。根本問題には何もかも任用局長に答えさせるというのはよくないよ。総裁に。
#122
○中島政府特別補佐人 今お話しの件でございますけれども、国家公務員法で成績に基づいて採用するという原則がございますが、選考採用も成績に基づいて、能力実証に基づいて採用するわけでございますから、別段、今お読みになりました条文に反する採用ではございません。
 そしてまた、採用された後の公務員が中立公正に職務を執行するということは、これは公務員の世界においては今まで守られておりますし、これからも守っていかなければならない原理原則でございます。
#123
○松本(善)委員 先ほどの答弁では、しかし、その実績と評価も社会的な実績というでしょう。それの評価というのは物すごく、客観的な基準というのは非常に難しいですよ。その人が見る社会的実績によって、企業の例えば幹部、片っ方から見ればとんでもないというような実績を上げているという者も、評価によっては社会的実績があるということになって採用される。それは十分あり得ることですよ、社会的実績の見方というのはいろいろ人によって違いますから。
 これは、そういう点でいいますと、やはり公務の公平、中立性ということを担保するということに果たしてなるのかどうか。これは重ねてでありますが、お聞きしましょう。この法律にそういうことを担保する条項がありますか。
#124
○中島政府特別補佐人 今お話しになりましたように、公務員として公正に、またかつ中立に仕事をするということは、先ほど申し上げましたように当然でございますし、そのことをわざわざ法律に書くというようなことはございません。ございませんけれども、そういう精神で、いろいろな身分保障制度があるとか、また、その他いろいろな制度が整備されておるわけでごさいますから、そういう制度の整備というものがどういう趣旨でなされておるかということは、国家公務員というのは採用に当たっての研修等で十分会得しているはずでございます。
#125
○松本(善)委員 もう時間でありますので終わりますが、やはり私は、下手をすると政官財の癒着というものを促進するという危険があるということを指摘して、質問を終わります。
#126
○佐藤委員長 植田至紀君。
#127
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。
 まず、法案にかかわる認識及び趣旨にかかわってお伺いしたいのでございますけれども、当然ながら、今回、これは特例法で提出されているわけですから、確かに私どもも、社会構造の変化、雇用環境の変化等々で、必要な場合、必要に応じて公務員制度を改革していくということは十分理解するわけですけれども、その制度の根幹そのものをやはり変えるべきではないであろうと。
 そういう意味では、国家公務員法の改正ではなくして、特例法であるということで、この法案についてはきちっと受けとめておきたいと思うわけです。ただ、この法案が成立いたしまして実際に運用される場合、公務労働の世界に任期を切ったそういう採用がどんどん広がっていけば、やはり、労働市場の弾力化、流動化というものが懸念されることは当然事実でございます。
 といいますのは、現に、先ほどもいろいろ話題になっていますけれども、例えば第三条二項を適用すれば相当幅広く採用ができるということも考えられますし、現行でも人事院規則の一―二四、公務の活性化のための民間人材の採用というものもあるわけですから、こういうものをあわせもってあれしますと、かなり広く採用、任用できるようになってしまう。やはりそういう懸念もございます。そうなりますと、そもそもの今回の特例法として出された法律の制度の趣旨からいって、それと本末転倒したような事態が起こることも正直心配するわけです。
 その点についての御所見をまずお伺いしたいと思います。
#128
○中島政府特別補佐人 公務員の世界というものを外から眺めた場合に、今いろいろなことが指摘されております。
 一つは、閉鎖的であるとか、あるいはまた公務員の世界の価値観というのが国民から離れ過ぎているとか、いろいろなことが指摘されておりますけれども、そういう指摘というものを受けまして、先ほどから議論されておりますように、公務の世界と外の世界との交流をしっかりやっていって、そして公務の世界を活性化していくということで、官民交流法とか人事院規則の一―二四というのが整備されておるわけでございます。
 そういうものにプラスして今回こういうものを設けましたというのは、私が最初に御答弁申し上げましたように、公務の世界には、やはり時代の進展とともに大変多くの困難な課題というのが次から次に生まれてくる、それに対応するためには専門的な知識経験を持った人間がどうしても必要だ、そういう人間が公務の世界にいないときにはそういう職員を採用していこうということでございますので、私たちが意図しているところというものを余り誤解していろいろ議論されますと、我々はどうも答弁が非常に難しくなってくるということでございまして、私たちの意図というものをそのままお受けいただきたいというふうに思います。
#129
○植田委員 私も、誤解をしておるというよりは、そういう心配もありますということを申し上げておりますので、素直にこの条文を読ませていただいておるつもりでございます。
 さて、ただ、一方で行政改革の名のもとに削減が進められている、一方で民間人の採用ということになれば、これは現場で公務員労働者の方々の士気、それで高まるかというと、なかなか高まりづらいだろうし、きちんとした運用規制が必要ではないかと思うわけです。
 その辺のところは、現場の、例えば労働組合、職員団体等々とも意見交換を進めながら、運用についてはやっていく必要があるのじゃないだろうか。全般としてのいわゆる公務員制度の根幹を変えるわけではございませんから、その辺のところは、実際に働いておられる方々との意見交換というのは当然必要になってくるかと思うわけですけれども、その点はいかがでしょうか。
#130
○中島政府特別補佐人 今先生がおっしゃいましたように、今回の制度というのが公務員制度の根幹を変えるものでないという意識を私たちは持っておりますし、そういうようなつもりで運用していきますので、一般の公務員の諸君には御心配をかけないという自信がございましたので、特段意見を聞いておりませんけれども、私たちは、今申し上げましたような趣旨でこれからも運用してまいります。
 もし公務員労働組合の方で特に意見を聞いてほしいという御要望があれば、私たちの方は、十分聞いて御説明を申し上げたいというふうに思います。
#131
○植田委員 ぜひそこは、現場で働いておられる方々の意見を十分に聞くという姿勢は持っていただきたいと思います。
 それと、今回、制度の趣旨を踏まえた運用が行われるためには、第五条、非常に重要になってくると思うのです。
 八月十五日に人事院が出されましたこの法律の制定についての意見の申し出の中でも、「人事院規則への委任等」ということで、「この制度の実施に関し必要な事項は、人事院規則で定めること。」というふうに書かれてあるわけです。当然そういうことがないというふうに私自身も信じながら質問しておるわけですけれども、恣意的な制度の運用、そういう危険性をあらかじめ防ぐためにも、この規則の中で、採用基準であるとか承認の基準というものを明確にしておく必要があるのじゃないかと思うわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#132
○中島政府特別補佐人 失礼ですけれども、今先生が五条の人事院規則というふうにおっしゃいましたけれども、それは条文として見当たりませんので、もう一度、恐れ入りますが……(植田委員「人事院の承認にかかわってでございまして」と呼ぶ)三条でございますか。(植田委員「そうです、済みません」と呼ぶ)
 私たちは、三条で承認する場合には、先ほども申し上げましたように、専門的な知識経験を要する業務かどうか、そしてまた、候補者がそれにふさわしい専門的な知識経験を持っておるかどうかということを第一点として確認いたしたい。そして、第二番目は任期の問題でございますが、第三番目は、やはりその選考採用が公正に行われておるかどうかということを特に留意して承認に当たりたいというふうに考えております。
#133
○植田委員 私自身、この法案に別に反対するわけでもございませんし、この制度の趣旨については理解したいと思います。
 むしろ、そういう制度が画餅、絵にかいたもちにならないように私自身お伺いしているわけですけれども、そういう意味で、例えば採用枠等々も閣議決定でちゃんと一定の枠を定めるとか、そういうことをお考えになったらいいかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#134
○中島政府特別補佐人 何人採用するとかあるいは採用枠の話でございますけれども、それぞれの省庁で専門的な知識経験等を要する業務があるかどうかということが基準でございまして、あらかじめ何人採用するとか、あるいはまたどこの省庁でどれだけの枠を設けておくか、そういうような運用というのは、この法律の趣旨からいってふさわしくないのじゃないかと思います。
 ただ、もし先生が、公務員の世界の硬直性といいますか閉鎖性というものを是正していくために民間と交流した方がいいだろうという趣旨でございましたら、やはり官民交流法とか人事院規則一―二四を活用して、公務員の世界に新しい血を流す、外の空気を受け入れるということは、これまた別の観点から積極的に進めていく必要があるだろうというふうに思います。
#135
○植田委員 次に、先ほど来からも幾つか、質疑の中で伺っておりましたら、やはりこの第三条にかかわっていろいろと議論があったように思います。確かに私自身も、ここの条文は果たして第二項というのが必要なのかどうかという疑問があるわけなんです。
 というのは、例えば行革会議の最終報告でも、行政の内外からすぐれた人材を登用し、処遇するための人事ルールを確立する、そういう報告がなされております。また、九八年四月の中央省庁等の改革に関する方針でも、「内閣官房及び各府省に行政の外部から特定分野に関する専門的知識等を有する人材を任期を限って採用し、給与等の適切な処遇を行えるよう、新たな任期付任用制度の整備を図る。」というようなことが描かれているわけですから、この文言から、この趣旨からすれば、基本的に、高度の専門的な知識を持った者という三条一項の条文だけで十分なんじゃないか。だから、そこは、なぜ二項というものを設けられたのかということを含めて、ちょっと御説明いただけますでしょうか。
    〔委員長退席、大野(松)委員長代理着席〕
#136
○海老原政務次官 ただいま御質問の法案の三条一項と二項の関係でございますけれども、まず包括的に申しますと、一項では、例えば弁護士であるとか学者であるとか、そういった高度の専門的な知識経験を有する方、二項では、行政部内で育成するのに時間がかかるような専門的知識を有する方を採用する場合を想定しているわけでございます。
 もう少し具体的に申しますと、三条一項により採用される高度の専門的な知識経験またはすぐれた識見を有する者として想定しているものは、例えば弁護士、公認会計士といった方々、あるいは大学研究所、シンクタンクなどで専門的な業績を評価された実績のある学識経験者、あるいは民間企業において幅広い分野で活躍されて、一企業にとどまらず広く社会的にも評価されているような実績を上げ、創造的、先見的な判断力を有するというふうに一般的に見られている方々、そういった方々でありまして、いわばその人ならではという知識経験を活用して業務に従事することが期待される方々を念頭に置いておるものであります。
 これに対し、二項の方は、高度というのが法文上も抜けておりまして、高度にまでは至らないけれども、専門的な知識経験があって、行政部内で人材の確保、育成に時間がかかる場合、例えば、原子力保安体制の拡充強化のために、原子力保安に関する専門技術者であって行政部内で急には育成できないというような場合。それからもう一つ、有効に活用できる期間が一定の期間に限られているような知識経験を有している方々、例えば、情報収集衛星の受信機器の画像処理技術者でありますとか、コンピューターに関するシステムエンジニアでありますとか、その専門的な知識経験が有効に活用できる期間が一定の期間に限られておる、いわば陳腐化が激しいというようなこともありまして、最先端の知識の方を入れる必要があるというようなことであります。
 二項のようなケースが本当に必要なのかという御質問でございましたけれども、やはり行政の高度化、多様化、国際化など進展する中で、これらの変化に的確に対応し、国民の期待する行政を遂行していくためにはさまざまな部外の人材の活用が求められていることに対応して、高度とは言えないまでも、専門的な知識経験を有する民間人材を任期を定めて採用する必要がある場合もある。選択肢はいろいろとあった方がいいということで、人事院の意見の申し出に沿って、第二項により採用することができることとしたものでございます。
#137
○植田委員 その説明はよくわかります。よくわかりますけれども、今おっしゃられた、例えば科技庁でいけば、七月一日現在の人事院規則一―二四に基づく民間人材の採用状況でいけば、原子力保安検査等で平成十二年度で十名とかあるわけですけれども、実際に今の人事院規則一―二四でそうした方々は十分採用できているわけですね。そうなると、この三条二項にかなう、今おっしゃった説明でいけば、非常に重なり合いますね。そういうところから、私、では二項というのは必要なのかということも疑問に思ったわけです。
 また、今後この三条二項と人事院規則一―二四というのを同時並行的に運用していく、そういうお考えなんでしょうか。
#138
○中島政府特別補佐人 この法律が成立いたしますと、任期づきで採用する場合にはこの法律で採用していきたい、一―二四の場合には任期がつかない職員を採用していく、そういう運用になろうかというふうに思います。
 今おっしゃいますように、三条の二項で採用が予定されている職員は、一―二四でも現在採用しておりますけれども、やはり任期づきでないためにどうしても採用官庁の方がもう一つちゅうちょするという実態がございまして、行政の対応がそれだけおくれるという懸念も出てきておりますので、どうしてもこういう任期づきで採用するという道は開いておきたいというふうに考えております。
#139
○植田委員 わかりました。
 ただ、それだったらなおさら、任期つきでなかなか来る人も少ないのじゃないかというふうにも思いますけれども。それだったら、一―二四を適用してもらって採用していただく方が働く側としては気分は楽ですので。
 さて、次に、民間から採用される任期付職員、確かに、有為の人材を民間からということですから、その趣旨自体は非常にいいのですが、やはりさまざまな予想される不利益というものは生じるだろう。例えば雇用保険の扱い等々、民間を退職するわけですから、当然そうした不利益は生じるだろうというふうに思うわけです。
 例えば、任期付職員の場合、やはり在職官庁と関係のある業界というのには、その後なかなかいわゆる就職というものはできませんね。退官後二年でしたか、たしかできないわけですね。また、そういう場合ですと、自分のもともとの出身企業に戻れないという場合もやはりあるのじゃないかなと思うわけです。また、雇用保険との関係でいきますと、加入期間の継続性が切れてしまうわけですから、これも非常に不十分だと私は思うわけです。
 これは、今の制度としてそうあるわけですけれども、任期つき採用職員が不利益をこうむるであろう、当然容易に予想できるわけですけれども、そうした問題については、この法案策定過程において具体的にどういう検討をなされたのかということについてお伺いしたいのです。
#140
○海老原政務次官 フリンジベネフィットについてのお問い合わせだと思いますけれども、まず共済年金でございますが、これは、任期付職員は国家公務員でありますから、その任期中、年金についても国家公務員共済組合の組合員となるということで、そうしますと、厚生年金との通算も当然行われるということに相なるわけでございます。
 また、退職手当については、一般の職員が退職した場合と同様に、国家公務員退職手当法に基づく退職手当が支給されるわけでございます。
 それから、雇用保険につきましては、雇用保険法の適用の対象から除外されるということ、これは、一般に適用対象事業所と非対象事業所との間を行き来する方々みんなそういう形をとっておるというふうに労働省から聞いております。
 それから、再就職の問題も御質問ございましたけれども、これは、お呼びするときに戻ることも一つ当然条件としてお話ししておるわけであります。それに対して、また国家公務員法上の制約があるじゃないかということにつきましては、民間企業への再就職ということについては非常に厳しい規制があるわけでございますけれども、それは役所の権限官庁としての側面で権限下にあったような企業を対象に考えておるわけでございまして、このケースの場合には、通常研究的あるいは企画的職務でありますので、基本的にはそういった意味での関連はない。また、仮に関連のあるようなポストでありましても、人事院の特別の承認という手だてもございますし、まず戻れないようなケースはないだろうと考えられるわけでございます。
#141
○植田委員 今申し上げました、その種の、特に雇用保険にかかわる心配事につきましては、実は、官民人事交流法の国会審議の中でも議論になっておったところなんです。
 昨年の十二月七日ですか、私ども社民党の畠山健治郎前代議士がこの点指摘しておりまして、特に民から官に来る者については民間の籍を切ることが条件になっているわけですから、そこの派遣職員に対する配慮は制度的に皆無じゃないかと。そして、特に民に働く者の社会的セーフティーネットである雇用保険の打ち切り問題をやはりそのときも畠山前代議士は指摘され、そして総務庁にこの質疑の中で検討を要請された。かいつまんで言いますと、その趣旨で質問をされたわけでございます。
 そして、そのときの答弁といたしまして、当時の持永総務政務次官の御答弁の中で、「仮に雇用保険等の選択の余地がないかどうか、これは労働省とも相談しながらこれから検討させていただきたいと思っております。」そしてまた、長勢労働政務次官も、「若干問題のある点であることは御指摘のとおりでありますので、さらに検討させていただきたいと思います。」ということで、この当時、官民人事交流法の際にも、こういうことで検討させていただきたいということを答弁でいただいておるわけなんです。
 ですから、当然今回も雇用保険にかかわる問題は検討されたのでしょうということを私伺ったわけです。この後の、いわゆる現段階で結論が出ている、出ていないということを私は追及するつもりではないですけれども、まだ十分に検討されていないのか、検討中であるのか、ではそれはどういう形で結果として明らかにされるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
#142
○海老原政務次官 先ほど御説明申し上げたように、現時点においては、そのような話を労働省から聞いておるという段階でございまして、今後とも労働省において検討を続けられると思っております。
#143
○植田委員 これは可及的速やかに検討して、やはりその結果は出していただきたいというふうに思います。いずれまた、その点については結果を伺う機会があろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、今も幾つか話題にいたしました官民人事交流法と、この今回の特例法も非常によく似ている法制度やと思うのですけれども、今後その辺、官民人事交流法と今回の特例法をどういう形ですみ分けられるのか。その辺のところを御説明いただけますでしょうか。
#144
○中島政府特別補佐人 官民人事交流法は、国会の御審議でもいろいろ議論いただきまして、私たちがその際よく御説明申し上げましたように、やはり公務の世界に民間から人を受け入れて、民間の方で培われた効率性の観点、あるいはまた柔軟な発想というものを公務の世界に受け入れていこう、そして公務の世界というものを改革していこうということで制定していただいたわけでございます。そして、対象者は民間企業の従業員ということでございます。
 一方、今度の法律というのは、そういうことをもちろん視野に置いておりますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、専門的な知識経験が必要な業務というものを、無事にといいますか、首尾よく執行していい行政サービスを提供していこうという趣旨でございます。
 どちらも任期づきであるという点は変わりませんが、法律の趣旨というのがそれぞれ異なる。そしてまた、片一方の官民交流法の場合は、対象が民間企業の従業員であるという点が異なっております。今回の法律というのは、やはり専門的な知識経験を要する業務についていただくわけでございますから、その中の高度な知識経験をお持ちの方についてはそれにふさわしい給与を準備しておるという点において異なっておるわけでございますから、目的もまた異なっておるということでございます。
#145
○植田委員 もう時間が詰まってまいりましたけれども、あと、七条の給与にかかわる特例、これも先ほども幾つか議論があったと思うのですけれども、この七条四項の特に顕著な業績を上げた場合というのがまた、特に顕著な業績の判断基準というものがやはりつまびらかになっていないなと思わざるを得ないわけです。
 この種の公平性を期すために、やはり一定具体的なガイドラインというものが必要だと思うのですけれども、その点はそうしたものを設けるお考えはあるのかないのか。ないとするならば、では実際にどういうふうに判断するのか、その点、お答えいただきたいと思います。
#146
○中島政府特別補佐人 高度な専門的な知識経験を持って公務員に採用された場合には、採用される段階において、ある一定の段階の業績というのはもちろん期待されて採用されるわけでございます。採用するに当たりまして人事院が承認いたしますけれども、承認の際に、どういう業績を期待しておるのかということも実は確認いたしたいというふうに考えております。
 その採用当初に期待しておる業績を超えるような業績といいますか、特にその分野で高く評価されるような業績をお上げになった、そしてまた、非常に責任の重いといいますか、重要な仕事を果たしていただいたというような場合にこの規定を適用したいというふうに考えておりますけれども、今先生がお話しになりましたように、その適用といいますか運用が恣意的でないように、公正に運用されるように、それぞれの任命権者側において判定するための委員会を設けていただくとかあるいは第三者の意見を聞いていただくとか、そういうような方途によって公正な運用ができるように配慮してまいりたいと思います。
    〔大野(松)委員長代理退席、委員長着席〕
#147
○植田委員 もう時間が過ぎておりますので、最後に一言だけ申し上げて終えたいと思うのです。
 私自身、この制度、今回の法案で非常に危惧を持っておりますのは、これが杞憂で終わればいいのですけれども、いわゆる民間と官庁との癒着の防止にかかわってやはりこの法案では心配が残るところなんです。ですから、これから運用される、その中でまた問題も起こってくるであろうと思われますから、そうした面での歯どめの措置というものもこれからやはり検討課題として十分御認識いただきたいということだけ申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。
#148
○佐藤委員長 北村誠吾君。
#149
○北村(誠)委員 21世紀クラブの北村誠吾でございます。
 通告に従いまして質問をさせていただきます。時間も余りございませんし、重複する部分もあるかもしれませんけれども、お含みの上、御答弁をお願いいたします。
 まず、けさほど来、いろいろ視点を変え、角度を変えて質問があっておりますけれども、任期付職員制度によって、公務に民間人材を積極的に活用して行政が活性化することを期待しておるわけでありますけれども、採用のためには人事院の承認が必要であるとなっております。人事院は、任期つき採用の承認に当たってどのような対応を考えておられるか、先ほど来お答えがあっておりますけれども、改めて、整理の意味でも御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
#150
○中島政府特別補佐人 三点についてチェックいたしたいというふうに思います。
 第一点は、従事していただく業務というものが専門的な知識経験が必要な業務であるかどうか、そしてまた、採用しようとする職員がその業務を遂行するにふさわしい専門的な知識経験等を持っておるかどうかということをまず第一点としてチェックいたしたいということでございます。
 第二番目は任期でございますが、その業務というものを遂行するためにふさわしい任期であるかどうかということ、そしてまた、その職員というものの身分保障の観点からも十分な任期であるかどうかということを確認いたしたい、それが第二点でございます。
 第三点は、選考採用でございますので、その選考が公正に行われるように、特定の勢力とか特定の団体というものの圧力に押されて選考採用が進むことがないようにいたしたいということでございますので、そういう観点からもチェックをいたしたいというこの三点でございます。
#151
○北村(誠)委員 さらに、任期付職員制度による民間人材の採用、これについては、政府は一体となって積極的に推進するべきと考えますけれども、総務庁長官の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#152
○続国務大臣 本法律が可決、成立された暁におきましては、本法律の趣旨に沿いまして、今御質問の趣旨にも沿いまして適切に運用されることを私どもとしては努力させていただきたい、このように思います。
#153
○北村(誠)委員 さらに、この制度の積極的な推進が望まれる、期待をするわけですけれども、その反面で、採用に当たって情実的な任用や採用は認めがたい。これはけさほど来申されておりますけれども、公正な能力の検証、実証、これに基づく任用を確保するために、答弁はあっておりましたけれども、さらに確認の意味で、どのようなことを考えておられるか、整理をして答弁をいただきたいと思います。
#154
○中島政府特別補佐人 その職員が有する専門的な知識経験というものを客観的に判断するにふさわしいデータというか資料というものを任命権者側から提出していただきたい。具体的に申し上げますと、その方の経歴、その方の今までの業績、そういうものに対するその分野における評価、そういうものを出していただいて、能力というものをしっかり確認いたしたいということでございます。
#155
○北村(誠)委員 おっしゃられることを踏まえてよりよい制度を築き上げていくというためにも、特定の企業やあるいは組織、団体などがかりそめにも順送りに人を派遣する、あるいはそれを偏って採用するということがないように、特に国民の疑念が生じないように努力をすべきというふうに考えますけれども、そこら辺についてはどのようにお考えですか。
#156
○中島政府特別補佐人 趣旨はよくわかりました。そういうふうに努めてまいりたいと思います。
#157
○北村(誠)委員 民間の人材の積極的な活用をという反面、組織の活性化のためには公務の部内で育ってきた職員のモラルを高め、またこれを維持するということも、けさほど来も話があっておりましたように、大事なことであるというふうに存じます。
 そこで、専門的能力を持つ民間人材を公務に積極的に受け入れる一方、公務の部内の積極的な、またこれまでにも増した育成ということについて、専門的能力を身につけている職員の活用、既存の公務員の活用ということについてさらに努力をするべきであるというふうに思いますけれども、この新しい特例法を誕生させるに当たってどのようにお考えでありますか、お聞かせをいただきたい。
#158
○続国務大臣 北村委員の御懸念のないように、任命権者がそれぞれ意を用いてこの制度を活用する、このように思います。
#159
○北村(誠)委員 さらに、特定の任期付職員の給与、これが円滑な民間人材の採用を実現するためにも専門性にふさわしい給与の水準を保持すべきであるというふうに思いますけれども、また一方では、部内の公務員の一般の職員とのバランスを考える必要もある。いたずらに高い水準の給与にすると、部内の職員から不満が出るということも考えられる。適切な給与の決定に当たって、これら二つ、この両方を十分考慮して決定すべきものというふうに考えておりますけれども、この辺について人事院はどのようにお考えですか。
#160
○中島政府特別補佐人 三条の一項に基づいて採用した場合、高度な専門的な知識経験等を要する場合でございますが、その場合には、原則として、現在公務の世界にそういう人がいないということで採用いたしますので、特別な俸給表を適用して、若干高い俸給というものを出して処遇していこうという考えでございます。これは、既に公務の世界で働いている方も了解してくれるだろうというふうに思います。
 第二項で採用した場合には、やはり公務員の正規の試験採用で採用されたという前提で経歴換算をする、初任給を決定するということで給与を決めてまいりたい。
 最初に岡下委員から質問がございまして、既に公務の世界で働いている人たちの意気を阻喪しないように注意しなさいということでございますので、重ねてのお話でございますので、十分その点もまた配慮してまいりたいというふうに思います。
#161
○北村(誠)委員 最後のお尋ねでありますけれども、これが国において特例法ということで成立をいたしまして制度がつくられていく、私は、地方議会に十三年ほど、短い期間でありますが籍を置いた者として、質問というわけではないですが、お聞かせを願えればと思いますのは、さらにこれが動き出すということになれば、都道府県等地方においても、このような公務員、あるいは民間からの専門的、また特別の才能、知識、識見というものを持った人を地方においても必要とするということはあるというふうに思います。
 これらのことについて、やはり国が、政府が一体となって取り組んでいこうとする、国家公務員あるいは地方公務員の制度というものを考えるときに、政府部内において、今申し上げる地方の部分についてどのようにお考え、進めようとしておられるか、そこら辺をお聞かせ願えるところがあればお聞かせをいただきたい。
 これは多分総務庁の方になりますか、よろしくお願いします。
#162
○中川政府参考人 今般、国家公務員につきましてこのような新しい任期つきの制度を採用することに伴いまして、地方公務員の方の任期つき採用制度をどうしようかということにつきましては、自治省の方におかれまして、国と地方の行政機構の相違等も踏まえまして、地方公共団体にふさわしい制度のあり方を検討されておるところだというふうに承っております。
#163
○北村(誠)委員 これは、自治省を中心にして今後制度の設計かれこれということに当たるのでありましょうから、期待を申し上げまして、私の質問は終わります。
 ありがとうございました。
#164
○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#165
○佐藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。松本善明君。
#166
○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 今回の法案は、これまで研究職と大学教員に限られていた任期つき採用を一般職全体に広げ、公務の幅広い分野に導入できる仕組みをつくろうとするものであります。しかし、採用の条件が抽象的、あいまいで、任期つき採用が今後一方的に拡大していくことになりかねません。
 このような状況が生まれることは、まず、公務の継続性、安定性の確保という点から見て問題があります。
 また、任期つき採用は選考によって行われ、政府の意向に沿った民間人の登用が進み、新たな官民癒着を生むなど、公務の公平、中立性が損なわれるおそれもあります。
 さらに、公務のさまざまな分野に任期つき採用が拡大され、公務分野における雇用の不安定化が進み、公務に支障を来すものとなりかねません。
 以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。
#167
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#168
○佐藤委員長 これより採決に入ります。
 一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#169
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#170
○佐藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、平沢勝栄君外五名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山元勉君。
#171
○山元委員 民主党の山元でございます。
 ただいま議題となりました自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、社会民主党・市民連合及び21世紀クラブの各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び人事院は、本法律の施行に当たり、次の事項について配意すべきである。
 一 任期付職員制度導入の趣旨にかんがみ、各任命権者及び人事院は、真に専門的な知識経験又は優れた識見を有する者に限って採用するとともに、その任期及び任用について厳正を期すること。
 一 特定任期付職員の採用の円滑化を図るため、その高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者にふさわしい適切な処遇を確保すること。
 一 任期付職員制度が官民癒着等の疑惑や批判を受けることがないよう、その適正な運用を図るとともに、国家公務員法及び国家公務員倫理法等関係法律の適用について厳正を期すること。
 本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。
 よろしく御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
 以上です。
#172
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#173
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。続総務庁長官。
#174
○続国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨に沿い努力してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#175
○佐藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#177
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会

ソース: 国立国会図書館
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