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2000/10/03 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 本会議 第4号
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2000/10/03 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 本会議 第4号

#1
第150回国会 本会議 第4号
平成十二年十月三日(火曜日)
    ―――――――――――――
  平成十二年十月三日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(綿貫民輔君) この際、内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣津島雄二君。
    〔国務大臣津島雄二君登壇〕
#4
○国務大臣(津島雄二君) ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 今後の急速な高齢化等による医療費の増加を考えますと、良質な医療の確保とともに医療の効率化は避けて通れない課題であります。このため、国民各層の御理解と御協力を得つつ、抜本改革を着実に進めていくことが必要であります。
 このため、医療保険制度及び老人保健制度の安定的運営を目指し、給付と負担の見直し等の所要の措置を講ずるための健康保険法等の一部を改正する法律案を第百四十七回国会に提出いたしましたが、衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。
 しかしながら、今回の改正は、抜本改革に向けた第一歩であり、一刻も早くその実現を図る必要があることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一は、健康保険法等の改正であります。
 まず、高額療養費の見直しであります。高額療養費における自己負担の限度額については、これまでの患者負担が家計に与える影響に加えて、患者が受けた医療サービスの費用も考慮して定めることとしております。
 次に、健康保険の保険料率の上限の見直しであります。現在、医療保険料率と介護保険料率を合算した率に適用されている保険料率の上限について、医療保険料率のみに適用することとしております。
 このほか、健康保険組合の円滑な事業運営を図るための所要の改正、傷病手当金の見直し、育児休業期間中の事業主負担分の保険料の免除等の措置を講ずることとしております。
 また、船員保険法等についても、これに準じて所要の改正を行うこととしております。
 第二は、老人保健法の一部改正であります。
 老人医療の一部負担金について、薬剤一部負担金を廃止するとともに、定額の上限額を設け、過度の負担増とならないよう配慮した上で、定率一割負担制を導入することとしております。なお、診療所については定額負担制も選択できることとしております。
 第三は、国民健康保険法の一部改正であります。
 まず、高額療養費については、健康保険法と同様の改正を行うほか、被保険者等が日本国外にある場合についても、療養の給付等の対象に加えることとしております。
 また、病院または診療所への入院によって他の市町村に転入した者については、転入前の市町村の国民健康保険の被保険者とすることとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、一部の事項を除き、平成十三年一月一日としております。
 なお、健康保険法等の薬剤一部負担金については、平成十四年度までに、薬剤一部負担金を廃止するために必要な財源措置について検討を行った上で、廃止するものとしております。
 また、医療保険制度の改革については、平成十二年度の改正に引き続き、この法律の施行後における医療費の動向、医療保険の財政状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、抜本的な改革を行うために検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。
 次に、医療法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 高齢化に伴う疾病構造の変化や医療の高度化、さらに医療についての情報提供のあり方など、医療を取り巻く環境は今大きく変化しようとしています。こうした状況の変化を踏まえ、今後とも良質な医療を効率的に提供することができるよう、入院医療の提供体制を見直すとともに、医療における情報提供の推進、さらに医療従事者の資質の向上を図るための医療法等の一部を改正する法律案を第百四十七回国会に提出しましたが、衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。
 しかしながら、今回の改正は、抜本改革に向けた第一歩であり、一刻も早くその実現を図る必要があることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、入院医療の提供体制の見直しであります。
 これまでは、精神病床、感染症病床及び結核病床以外の病床は、すべてその他の病床として取り扱われておりましたが、これを長期療養のための療養病床と看護婦の配置を手厚くした一般病床とに区分し、それぞれの機能にふさわしい基準を定めることとしております。また、人員の配置が基準に照らして著しく不十分であるため適正な医療の提供に著しい支障が生じた場合には、人員の増員または業務の停止を命ずることができることとしております。
 第二に、医療における情報提供の推進であります。
 医業等に関する広告規制を緩和し、診療録などの情報を提供することができる旨などを広告事項として追加することとしております。
 第三に、医療従事者の資質の向上であります。
 医師及び歯科医師に対する臨床研修については、現在、努力義務とされていますが、診療に従事しようとする場合、医師については二年以上、歯科医師については一年以上の臨床研修を必須化することとし、病院または診療所の管理者は、臨床研修を修了した者とすることなどを規定することとしております。
 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から六月以内の政令で定める日としておりますが、医師の臨床研修の必須化に関する規定については平成十六年四月一日から、歯科医師の臨床研修の必須化に関する規定については平成十八年四月一日から施行することとしております。
 以上が、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#5
○議長(綿貫民輔君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。鈴木俊一君。
    〔鈴木俊一君登壇〕
#6
○鈴木俊一君 私は、自由民主党、公明党及び保守党を代表して、健康保険法等の一部を改正する法律案及び医療法等の一部を改正する法律案について、総理並びに厚生大臣に質問をいたします。
 御案内のように、今世紀の後半、我が国は高齢化の坂を急速に駆け上がってまいりました。老人医療費の無料化が行われた昭和四十八年当時、高齢化率はわずか七・五%であり、現役世代九人が一人の高齢者を支える時代でありました。しかし、今日、高齢化率は一七・二%と二倍以上になり、現役世代四人で一人の高齢者を支える時代となっております。そして、今後、団塊の世代が高齢期に差しかかり、現役世代二人に対し高齢者が一人という時代を迎えます。まさに二十一世紀は高齢者の世紀と言っても過言ではありません。
 このように、高齢化が進む一方で高齢者の姿も大きく変わってまいりました。昭和四十八年当時を顧みますと、とかく高齢者を健康面でも経済面でも弱者ととらえる画一的な見方が多かったように思います。老人医療費の無料化といった施策もこうした見方に基づくものと言えましょう。
 しかし、最近では、引退や隠居といった言葉とは無縁の健康で活動的な高齢者も数多く見られるようになっております。所得水準を見ても、年金制度の充実などにより、一般的には現役世代と遜色のない水準となっております。
 こうした高齢者像の変化を考えるとき、高齢者は支えられる存在という一方的な視点を改め、自立した個人として、そのありようを尊重する立場から政策を組み立て直すことが必要であると考えます。高齢者だから負担を一律に免除する、軽減するという考えは、旧来の高齢者観に基づくものであり、今日の多くの高齢者の方々にとっては、むしろ本意とは言えないのではないでしょうか。
 今回提案されている健康保険法等の改正案では、長年の懸案であった高齢者の定率一割負担制を導入するなど、旧来の高齢者観を乗り越え、新しい時代への第一歩を踏み出したように思われますが、厚生大臣は、今回の法案について、高齢者像の変化という観点からどのように評価しておられるのか、お伺いをいたします。
 一方、高齢者の方々の生活実態はさまざまであります。一般に豊かになったとはいえ、ひとり暮らしの女性を初めとして低所得の方も多数おられます。高齢化時代の社会保障政策は、画一的な対応ではなく、多様な高齢者の生活実態に合った、きめの細かな配慮の行き届いたものでなければなりません。
 こうした観点から、今回の健康保険法等の改正案ではどのような配慮を考えておられるのか、お尋ねいたします。
 また、近年の急速な医療技術の進歩に伴って、医療費が高額化しております。一月で三十万円以上の医療費を使うケースは、件数で見ると一ないし二%にすぎませんが、医療費で見ると、医療費全体の三〇%以上にもなると言われております。負担能力の高い方にはその能力に応じた負担をお願いするとともに、医療を受ける人と受けない人の負担の公平といった観点から、高額の医療費を使う方々には、ある程度その医療費に見合った御負担をいただくことも必要であると思います。
 今回の改正では、こうした高額な医療費の問題についてどのような対応をとられているのか、厚生大臣にお伺いをいたします。
 今後、高齢者の世紀を迎えることを考えると、人口の高齢化や慢性疾患の増加といった状況に対応した医療提供体制の整備が不可欠であります。
 今日、我が国の医療提供体制を人口当たりの数字で見る限り、医師、看護婦の数は諸外国に比べて引けをとらない水準となっていると思いますが、実際の医療の現場を見てみますと、病床当たりの看護婦の数や病床の面積などは、決して満足できる水準にはなっておりません。また、療養型病床群が制度化されているにもかかわらず、長期にわたり療養を必要とする患者とそれ以外の患者が混在して入院しており、平均の入院日数は諸外国に比べて長いといった問題もかねてから指摘されております。
 そこで、厚生大臣にお尋ねいたしますが、こうした問題点に対応し、入院医療の質の向上と効率化を図るため、今回の医療法の改正においてはどのような考え方で改正を行おうとしているのか、御答弁をお願いいたします。
 また、こうした制度面での改革に取り組むだけではなく、決して見過ごしてはならないのが最近の医療事故の問題であります。頻発する医療事故により、医療に対する国民の安心感が失われかねない状況となっております。総理も所信演説の中で取り上げられましたように、医療に対する国民の信頼を確保するため待ったなしで取り組まなければならない問題であります。医療事故防止対策の推進について、厚生大臣の決意をお聞かせください。
 今後の急速な高齢化などによって、現在、毎年一兆円というペースで増加している医療費はさらに増加していくことが予想されます。このような中で、国民が安心して良質な医療を受けられる体制を整備するとともに、その効率化を図っていくことが不可欠であると思います。そのためには、薬価、診療報酬、高齢者医療制度、医療提供体制といった四つの課題を中心に、医療制度の抜本的な改革をやり遂げなくてはなりません。厚生大臣は、こうした医療制度改革をこれまでどの程度実現できたとお考えでしょうか、また今回の二法案をどのように位置づけておられるのか、お伺いをいたします。
 先日、平成十一年度政府管掌健康保険の赤字が三千億円に上るとの報道がなされました。老人保健制度への拠出金が大幅に増加したことが大きな原因であります。近年の老人医療費の急増などもあわせて考えると、高齢者医療制度の見直しが緊急の課題でありますが、厚生省ではこの課題についてどのように検討をされているのでしょうか、また、今後どのように取り組んでいかれるつもりなのでしょうか、厚生大臣の御所見をお伺いいたします。
 国民皆保険が達成された四十年前には予想すらしなかった急速な高齢化が進む中、国民の老後不安を解消するためには、国民生活のセーフティーネットである社会保障制度に対する信頼を確実なものとすることが必要であります。このためには、医療のみならず、介護、年金といった社会保障制度全般について抜本的に見直し、改革を進めることが必要であると考えます。最後に、社会保障制度見直しについての総理の御所見をお伺いいたします。
 今後、より多くの国民が高齢者となっていくことを考えれば、二十一世紀をだれもが安心して豊かに暮らせる社会につくり上げていくために、医療制度改革を初めとする社会保障制度の改革がどうしても必要であります。森総理及び厚生大臣の強いリーダーシップのもとに抜本改革がなし遂げられることを希望し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣森喜朗君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(森喜朗君) 社会保障制度の見直しについてのお尋ねがございました。
 社会保障については、国民生活のセーフティーネットとしての重要な機能を有し、我が国の経済社会においても重要な位置を占めるものとなっております。しかしながら、今後の少子高齢化の進行に伴い、社会保障に要する費用の増大が見込まれる中で、国民の間にはその将来に不安を感じる声も出ております。生涯を安心して暮らせる社会を築くため、経済との調和がとれ、将来世代の負担が過重なものとならないように、将来にわたり持続可能で安定的、効率的な制度を構築することが必要であると考えております。
 現在、社会保障構造の在り方について考える有識者会議において、社会保障全体のあり方について御議論をいただき、近く考え方を取りまとめていただくことといたしておりますが、広く国民的な議論を喚起しつつ、年金、医療、介護等の社会保障全般につきまして、横断的、総合的な見直しを行い、実際に費用を負担し給付を受ける国民の立場に立って社会保障の改革を進めてまいりたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣津島雄二君登壇〕
#8
○国務大臣(津島雄二君) 鈴木委員から、私に対しまして、幾つかの重要な点について御質問がございました。逐次お答えさせていただきます。
 まず、高齢者像の変化という観点から、今回の健康保険法改正案をどのように評価しているかという御質問でございました。
 御指摘のように、少子高齢化の進展や年金制度の成熟化などによりまして、高齢者の経済的地位の向上など、高齢者を取り巻く社会経済状況は、老人医療費の無料化が行われた昭和四十八年当時と比べて大きく変化しております。これに伴い、高齢者観も変化しているのも当然と考えられます。
 こうした変化を踏まえまして、かつて無料化された高齢者の一部負担は、昭和五十八年の老人保健制度の創設とその後の数次の改正により、次第に見直されてまいりました。
 そして、今回の健康保険法改正案では、高齢者の自己負担について、低所得者への配慮を加えつつ、かかった医療費に応じて負担していただく定率一割負担制を導入することとしております。これは、高齢者についても、若年世代の負担方式、二割または三割というものを踏まえて見直すものでございまして、高齢者を一律に弱者としてとらえず、自立した個人として尊重するという今日の考え方にも合致するものと考えておるところでございます。
 次に、高齢者の生活実態がさまざまであるが、特に低所得者に対してどのような配慮をしているかという御質問でございましたが、低所得者の方々への配慮につきましては、今回の改正案における老人定率一割負担の導入に当たりましては、定額の月額上限を設け、高齢者の方々に無理のない範囲で現行制度とほぼ同水準の負担をお願いすることとしております。また、低所得者の方々の入院時の負担につきましては、現行制度よりも負担の限度額を引き下げることとするなど、多様な高齢者の生活実態に配慮したきめ細かな措置を講じることとしております。
 次に、負担能力のある方や高額な医療費を使う人には相応の負担を求めるべきであるがどうかという御質問でございました。
 高額な医療費の取り扱いにつきましては、医療保険では、かかった医療費の二割または三割を自己負担とし、この自己負担額が一定額を超えた場合には、その超えた部分について高額医療費を支給するということとしております。現在、この自己負担の限度額は、医療費の多い少ないにかかわらず、低所得の方を除き、一律六万三千六百円となっております。
 この点に関しまして、国民皆保険を堅持していくためには、自己負担の限度額を負担能力やかかった医療費を踏まえて設定すべきとの御議論があり、今回の改正案では、所得の高い方には応分の負担をお願いするとともに、給付を受ける方と受けない方との公平を図り、コスト意識を喚起するような観点から、医療費に応じた負担を一%だけお願いすることとした次第であります。
 なお、こうした医療費の一%の負担は、過度な負担が生ずることのないよう、低所得の方や高額の負担が一定回数以上続いている方には求めないという配慮をあわせて行っているところでございます。
 次に、入院医療の現状を見ますと、病床当たりの看護婦数や病床面積など、決して満足すべき水準ではないではないかという御指摘から、今回の医療法改正についてどのように対応しているのかという御質問でございました。
 委員御指摘のように、我が国におきましては、病床当たりの看護職員数や病床面積が必ずしも十分ではない、諸外国に比べて平均在院日数が長いというような問題点が指摘されております。この問題の背景には、高齢化が進展する中で、慢性期の患者が増加する一方、病院において長期にわたり療養を必要とする患者が、それ以外の患者と混在した状況で入院医療を受けていることがあると考えております。
 このため、今回の医療法改正案におきましては、病院の病床区分を見直し、現行のその他の病床を療養病床と一般病床に区分することにより、長期にわたり療養を必要とする患者とこれ以外の患者との混在を防ぎ、それぞれの患者にふさわしい医療を提供できる体制を整備することといたしました。
 具体的には、療養病床におきましては、充実した療養環境のもとで、医学的管理下における介護、機能訓練などに重点を置いた医療を提供する一方で、一般病床におきましては、手厚い看護基準を定めることによりまして、手術などにより傷病を治癒させることに重点を置いた医療を提供するための基盤整備を行うものでございます。
 次に、医療事故防止についての御質問でございました。
 医療事故防止対策につきましては、御指摘のとおり、国民の医療に対する信頼は、医療事故の頻発によりまして、大きく揺らいでおると考えざるを得ません。この状況を謙虚に、また真摯に受けとめ、医療の安全性向上と信頼回復のために、行政はもちろん、医療関係者が一体となって取り組んでいくことが求められております。
 このため、厚生省では、医療従事者一人一人が安全に十分配慮するとともに、医療の高度化や分業化に対応した組織的な取り組みが進められるよう、医薬品、医療用具等を医療事故を起こしにくいものに改める仕組みの構築、国立病院等における事故防止マニュアルの作成指針の策定などを行ってきたところであります。
 また、先般、総理の御指示を踏まえまして、医療関係者に対し取り組み強化のための緊急要請を行うとともに、高度医療を行う特定機能病院における対策をさらに進めることといたしました。引き続き、国民の医療に対する信頼を確保するために、専門家による対策検討会議の開催や事例分析に基づく医療事故防止対策など、総合的な対策を全力で進めてまいる所存でございます。
 次に、医療制度改革をこれまでどの程度実現できたと考えているのか、そして、その改革という観点から今回の二法案をどのように位置づけているのかという御質問でございました。
 医療制度の抜本改革につきましては、鈴木議員御指摘のとおり、薬価制度、診療報酬体系、高齢者医療制度及び医療提供体制といった四つの課題を中心に取り組んできたところでございます。今年度は、抜本改革の一環として、薬価と診療報酬の改定におきまして、薬価差の縮小を図るとともに、高齢者の慢性期入院医療におきまして包括化を推進するなどの措置を講じたところであります。
 また、今回の健康保険法改正法案及び医療法改正法案は、高齢者医療制度につきまして、月額上限つきの老人定率一割負担を導入いたしますとともに、患者の病態にふさわしい医療の提供のため、病床の区分を見直すことなどを内容とするものでありまして、医療制度の抜本改革の第一歩となるものでございます。
 いずれにいたしましても、これらの改革だけで抜本改革が達成できるものではなく、引き続き制度改革を精力的に進め、国民が安心して良質な医療を受けられる体制を構築してまいりたいと考えております。
 最後に、高齢者医療制度の改革についてどのように取り組んでいくかという御質問がございました。
 高齢者医療制度の改革につきましては、本年三月、厚生省に高齢者医療制度等改革推進本部を設置し、検討を進めているところでございます。また、今後、総理のもとに設置されております社会保障構造の在り方について考える有識者会議における御議論等を踏まえつつ、改革のための具体的措置につきまして、平成十四年度を目途に検討を進めることとしております。
 なお、検討に際しましては、高齢者医療制度をめぐる問題の所在や改革のあり方について、国民の皆様の御理解を得ることが不可欠と考えておりまして、まずは制度の現実の姿や問題点、今後の目指すべき方向をわかりやすくお示しし、国民的な御議論をお願いしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#9
○議長(綿貫民輔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#10
○議長(綿貫民輔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時三十五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  森  喜朗君
        厚生大臣    津島 雄二君
 出席政務次官
        厚生政務次官  福島  豊君
ソース: 国立国会図書館
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