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2000/11/10 第150回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第150回国会 本会議 第12号
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2000/11/10 第150回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第150回国会 本会議 第12号

#1
第150回国会 本会議 第12号
平成十二年十一月十日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第七号
  平成十二年十一月十日
    午後一時開議
 第一 未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 第二 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
 第三 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案(亀井善之君外十七名提出)
    …………………………………
  一 国務大臣の演説
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
 日程第二 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
 日程第三 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案(亀井善之君外十七名提出)
 酒税法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
 宮澤大蔵大臣の財政についての演説

    午後一時三分開議
#2
○議長(綿貫民輔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(綿貫民輔君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案(地方行政委員長提出)
#5
○議長(綿貫民輔君) 日程第一、未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。地方行政委員長増田敏男君。
    ―――――――――――――
 未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔増田敏男君登壇〕
#6
○増田敏男君 ただいま議題となりました未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律案についての趣旨弁明を申し上げます。
 まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
 近年、少年による路上強盗やひったくりの急増、覚せい剤等の薬物汚染や性の逸脱行動の拡大など、少年の非行や問題行動は深刻な社会問題となっております。
 少年非行は、平成八年から連続して悪化、深刻化の傾向を示しており、強盗、殺人などの凶悪犯の検挙人員も高水準で推移をいたしております。
 特に、最近の少年非行は、それまでに非行を犯したことのない少年が短絡的動機から重大な非行に走る、いわゆるいきなり型非行が目立っておりますが、こうした少年の多くにおいて、重大な非行に至るまでには喫煙や飲酒などの問題行動があることが指摘されております。
 そして、このような問題行動が路上、駅構内、列車内、繁華街で公然と行われる傾向が強いものとなっている一方、たばこや酒類を販売する業者の一部が、相手方が二十歳未満であることを知り、または知り得る場合であっても、必要な注意を払わずにたばこや酒類を販売している実態があります。
 少年の喫煙、飲酒は、少年自身の問題だけではなく、社会の責任の問題でもあります。
 平成十一年に、未成年者飲酒禁止法の改正により、未成年者に対して酒類を提供した場合における両罰規定が導入されたところでありますが、未成年者の健全な育成を図るため、未成年者に対するたばこ等の販売禁止違反に対しても両罰規定を設けるとともに、酒類の提供及びたばこ等の販売禁止違反に対する罰則を強化する必要があることから、本案を提出することとした次第であります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 まず第一に、たばこ等の販売禁止違反に対する罰則について、その法定刑を現行の二万円以下から五十万円以下の罰金とすることとしております。
 第二に、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、たばこ等の販売禁止違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人または人に対して当該罰金刑を科するものとしております。
 第三に、酒類の販売または供与禁止違反に対する罰則について、その法定刑を現行の科料から五十万円以下の罰金とすることとしております。
 なお、本案は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行するものとしております。
 本案は、昨九日、地方行政委員会におきまして、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 何とぞ速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案(菅直人君外十二名提出)
 日程第三 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案(亀井善之君外十七名提出)
#9
○議長(綿貫民輔君) 日程第二、菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案、日程第三、亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長自見庄三郎君。
    ―――――――――――――
 公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案及び同報告書
 公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔自見庄三郎君登壇〕
#10
○自見庄三郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、両法律案の主な内容について申し上げます。
 菅直人君外十二名提出の公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案は、いわゆる政治公務員の廉潔性とこれに対する国民の信頼及び被あっせん公務員が行う公務の公正性に対する国民の信頼を確立しようとするもので、その主な内容は、国会議員もしくは地方公共団体の議会の議員もしくは長またはこれらの者の秘書が、特定の者に利益を得させる目的で公務員等にその職務に関する行為をさせるように、またはさせないようにあっせんをすることまたはしたことにつき、その報酬として、わいろを収受し、もしくはその要求もしくは約束をし、または第三者にこれを供与させ、もしくはその供与の要求もしくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処するものとするものであります。
 次に、亀井善之君外十七名提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案は、公職にある者等の政治活動の廉潔性を確保し、よって政治に対する国民の信頼を確立しようとするもので、その主な内容は、国会議員または地方公共団体の議会の議員もしくは長が、国もしくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、またはさせないようにあっせんすることまたはしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、三年以下の懲役に処するものとするとともに、国会議員の公設秘書が同様の行為を行ったときは、二年以下の懲役に処するものとするものであります。
 両法律案は、去る十月五日に本委員会に付託され、三十一日それぞれ提出者から提案理由の説明を聴取し、十一月二日に質疑に入りました。
 質疑では、両法律案における構成要件の範囲及びその明確性、処罰対象の秘書の範囲、第三者供与の処罰規定の是非、政治活動の自由に対する影響など多方面にわたり真剣な議論が交わされました。
 昨九日両法律案に対する質疑を終了し、討論の後、まず、野党提出の公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案につきましては、採決の結果、賛成少数をもって否決すべきものと議決し、次に、与党提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案につきましては、採決の結果、賛成多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(綿貫民輔君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。長浜博行君。
    〔長浜博行君登壇〕
#12
○長浜博行君 長浜博行です。
 私は、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合の四会派を代表し、野党提出の公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案に賛成し、与党提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案に反対する討論を行います。(拍手)
 国会議員を初め、およそ政治家たる者は、高度な倫理観、正義感に基づき職務を遂行すべき責務があることは言うまでもありません。選挙によって選ばれた者は、主権者たる国民、住民から、政治に関する厳粛な信託を受けているのであり、国民全体、住民全体の奉仕者として行動すべき責務を負っていることもまた当然であります。特定の者の利益のために行動し、その対価を得るがごときは、政治倫理にもとるものであります。
 ところが、政界の一部には、あっせんは政治家本来の仕事であり、その見返りに金品等を受け取っても構わないという誤った風潮があります。この風潮を断ち切り、いわゆる口きき政治と決別し、政治倫理を確立することが国民から強く求められています。
 我々野党四会派は、与党の穴だらけのざる法では政治腐敗の防止に実効性がないとの国民の怒りの声を真摯に受けとめるものであります。もちろん、新法は、現行収賄罪の問題点を取り除き、政治腐敗を根絶し、政治に対する国民の信頼を回復できるものでなければなりません。このため、与野党の議論を国民にわかりやすく展開し、また、意図的な議論のすれ違いを忌避するためにも、より内容が適切で実効性が高い法案を提出したことは、再三委員会でも御説明をしたとおりであります。
 以下に、野党案と与党案を対比しつつ、野党案にこそ理があること、与党案に非があることをつまびらかにしてまいります。
 第一に、請託の有無の問題であります。
 現行刑法のあっせん収賄は、請託を受けたことを犯罪の構成要件としており、現実には、密室で行われるこの請託を立証することは事実上極めて困難であるため、結果としてほとんど適用されませんでした。そもそも新法制定の議論は、このような現状を踏まえ、請託などの要件を外し、より立件しやすいようにすることを第一としたものであります。
 今回、与党があえてこの要件を残したことは、事実上適用しづらい現行法の問題点を何ら改革しないものと断ぜざるを得ません。野党案では、当然のこととして、構成要件から請託を外しております。
 また、与党案は、対象となる行為について、契約の締結、そして行政処分に限定しております。しかし、これでは調査や企画立案などの政策決定過程への関与は対象外となり、例えば、特定の者の利益擁護のための箇所づけや税制改正、法改正等をあっせんし報酬を得ても、対象外となります。これでは、国民の新法制定に寄せられている期待にこたえることができません。我々の案では、契約の締結、そして行政処分に限定せず、職務に関する行為全般に及んでおります。
 同様に、与党案では、「その権限に基づく影響力を行使して」との表現がありますが、委員会での質疑を通じ、これでは現行法の職務権限と同様に法適用の大きなハードルとなることが明らかになりました。
 御存じのように、現行刑法の収賄罪は、職務権限の有無が要件となっており、政治家の犯罪を認定するときの壁になってきております。したがって、これも請託と同様に要件から外すというのが新法制定議論の発端でありました。当然のことではありますが、野党案ではこのようなあいまいな構成要件は外してあります。
 次に、犯罪の主体の問題であります。
 与党案は、犯罪の主体からわざわざ私設秘書を除いております。時あたかも問題となっている政治家と秘書の関係です。
 委員会の質疑でも、自民党議員は平均十二人から十三人の秘書を擁立していることが、自民党の答弁者によって明らかになりました。秘書の業務は公設、私設で明確に区別できるわけがないし、ましてや、今申し上げました数の点からも、公設秘書は政策秘書も入れて三人ですから、残り十人の私設秘書が担当する業務の比重は高いと言えます。したがいまして、今回の野党案では、処罰対象として私設秘書も含むこととしております。
 また、有力政治家のいわゆる金庫番の多くは私設秘書であるとの指摘もありますが、与党案が私設秘書を外したことは、あえて抜け道をつくったとの世論からも強い批判が寄せられております。(拍手)
 また、与党案は、第三者供賄処罰を法律に明記せず、国会答弁にゆだねてしまっております。しかし、司法の独立また罪刑法定主義に照らしても、国会答弁等の実効性には大きな懸念があります。きちんと明文化すべきことは当然であり、立法の大原則であると考え、野党案ではこれを明記いたしております。
 次に、与党案は、財産上の利益を収受または供与した場合に限っており、要求あるいは約束した未遂罪は対象外となっております。我々の案では、当然のこととしてこの未遂罪をも規定しております。与党がこの未遂罪をあえて忌避したことは、昨年、公明党も含め提出した当時の野党案よりもさらに後退していることと指摘せざるを得ません。
 さらに、与党案は、報酬の範囲を財産上の利益に絞っておりますが、これでは多くの便宜供与等が漏れ落ちる可能性があります。
 以上、申し上げてきたように、与党案は、この新法をでき得る限り甘いものとしようとしている姿勢、骨抜きの法案にしようという本心がありありと見てとれます。
 その象徴が、「この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない」との条文であります。当たり前のことをあえて書かずにはいられなかった心情、このような法案を嫌々つくったとの本音がにじみ出ています。この恥ずかしい条文こそ、政治倫理の確立に後ろ向きな与党の姿勢を象徴するものであります。
 これに対し、我々の野党案は、国民世論の声を背に、みずからを律し、政治に信頼を再生させる決意にあふれております。
 委員会質疑において、与党委員からは、野党案では政治主導が脅かされるなどといった発言が繰り返されました。野党案に基づいて口きき政治が一掃されることによって官僚優位になる、言葉をかえれば、口きき政治で幅をきかせているのが政治優先だというのでしょうか。だとすれば、現在与党が行っている政治は極めて国民の意に背くものであると言わざるを得ず、それこそ政治改革の理念に根本から反するものであります。
 そもそも、官主導に甘んじているからこそ、政治家が公務員に陳情したり、あっせんしたりするということがはびこっているのではないでしょうか。新法では、このような現状にくさびを打つものでなければならないと考えます。
 多数の不規則発言によって、同僚議員の皆様がこの法案に高い関心を持っておられるということに励まされるわけでありますが、あえて申し上げます。
 与党議員各位、もし野党案が制定されれば、各位の政治活動が立ち行かなくなるのでしょうか。言葉をかえれば、これまでの政治活動では野党案に抵触するもの、つまり口きき政治でわいろを得ている実態がそれほどまでに蔓延しているのでしょうか。一体何を恐れているのですか。国民は厳しく監視しております。
 また、本件は、政治家みずからの倫理確立の問題であり、本来は、与野党の垣根を超えて真摯に議論を重ねて、よりよい成案を得るべきであります。この視点から、我々四会派は、委員会審議と並行し、与党に修正協議を呼びかけてまいりましたが、与党はこれを拒否しました。抜け道をちょっとでもふさぐ改革はまかりならぬという与党の旧態依然たる姿を国民は決して見逃すことはありません。
 改めて与党案を顧みれば、一体現行法と比べてどこが厳しくなったのか、何のためにわざわざ政治倫理の確立を目的とする特別委員会で議論を続けたのかとの素朴な疑問が生じます。
#13
○議長(綿貫民輔君) 長浜博行君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#14
○長浜博行君(続) 審議を重ねていくにつれ、与党の法案はざるですらない、国民の政治不信の元凶である金権腐敗体質を温存し続ける、まさに底抜け法案であることが明らかになりました。(拍手)
 以上申し上げてまいりましたように、国民が期待し望んでいるものはどちらの法案にあるか、はっきりしています。そして、不完全な法案では、国民の怒り、憤りが募るばかりであります。二十世紀最後の段階で国会に議席を持つ政治家の一人として、本法案の持つ保護法益である政治公務員の廉潔性及びこれに対する国民の信頼の持つ意味を深くかみしめながら、二十一世紀の子供たちから笑われることがないように、与党も野党もなく、政治家たるもの、より厳しく身を処する方向で、勇気を出して個々人の判断で採決に臨んでいただきたいと思います。
 このことを最後に申し上げ、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案に賛成し、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案に反対する討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(綿貫民輔君) 細田博之君。
    〔細田博之君登壇〕
#16
○細田博之君 私は、自由民主党、公明党並びに保守党の与党三党を代表して、ただいま議題となりました公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案、いわゆるあっせん利得処罰法案につきまして、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 今日、国内、国外の経済社会の急速な変化の中で、これまでのような官僚主導では、政策立案と改革の実現は困難になりつつあります。政治には、今や短期的な利害調整にとどまらず、中長期の視点に立った総合的な政策を立案し、変化に敏速に対応することが強く求められております。
 今こそ、政治の担い手である政治に携わる公務員は、みずからの政治活動を律し、政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を得ていくことが要請されていると言わなければなりません。
 その意味で、今回、あっせん利得処罰法案の成立を期することは、時代の要請であると考えるものであります。
 与党案は、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の政治に対する信頼を高めることを目的に、政治公務員の行為に一定の枠をはめたものであり、これに反した場合には厳しい罰則を科し、その実効性を担保しようとするものであります。
 政治公務員は、本来、国民、地域住民全体の利益を図るために行動することを期待されているところでありますが、契約や処分の段階でのあっせん行為は、国民、地域住民の利益を図るというよりは、むしろ当該契約の相手方や処分の対象者等、特定の者の利益を図るという性格が顕著であり、そのようなあっせん行為を行って報酬を得る行為は、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強いため、与党案では、それがあっせんされる公務員に適正な職務行為をさせる場合であっても処罰するものであります。
 また、政治活動の自由との関係について申し上げますと、一般に、政治に携わる政治公務員は、国民や住民の意見や要望を踏まえて、通常の政治活動の一環として、他の公務員等に対して働きかけを行う場合があります。与党案は、このような政治公務員が行う政治活動と密接な関係があるあっせん行為により利得を得ることを処罰しようとするものであります。
 したがって、罪刑法定主義の観点から処罰の対象となる構成要件を明確に規定する必要があり、罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が妨げられることのないよう、細心の注意を払っているものであります。
 もとより、議会制民主主義のもとにおいては、政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利であり、政治活動の意義の重要性を正しく評価する観点から、公職にある者の正当な政治活動を不当に妨げることがあってはならないのは当然のことであります。
 与党案は、このようなあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスを十分に考慮しつつ、政治公務員の行為に一定の枠をはめ、国民の負託と信頼にこたえていくことを目的としたものであります。いわば、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性の確保と政治活動の自由の保障との双方の調和を図って組み立てられているものであり、極めて妥当なものであると考えます。
 このように、本法律案は、目的、保護法益、犯罪構成要件の明確化の要請、政治活動の自由との関係及び施行期日等について十分吟味されているものであり、私は高く評価をいたすものであります。
 以上、与党提出のいわゆるあっせん利得処罰法案について賛意をあらわすものであります。
 野党提出のあっせん利得に係る法案には、構成要件の不明確さなど種々の問題がありますので、反対であることを表明いたします。(拍手)
 最後に、一言申し上げます。
 あっせん利得処罰制度の創設に当たり、新しい時代にふさわしい新しい政治を実現していくことが、我々政治家一人一人に課せられた大きな課題であると認識しております。この意味で、二十一世紀への出発の決意を新たにしていることを申し上げ、賛成討論といたします。(拍手)
#17
○議長(綿貫民輔君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#18
○議長(綿貫民輔君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二、菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(綿貫民輔君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
 次に、日程第三、亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(綿貫民輔君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#21
○小此木八郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 大蔵委員長提出、酒税法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#22
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 酒税法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
#24
○議長(綿貫民輔君) 酒税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。大蔵委員長萩山教嚴君。
    ―――――――――――――
 酒税法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔萩山教嚴君登壇〕
#25
○萩山教嚴君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 本案は、本日大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出したものでありまして、最近における社会情勢にかんがみ、未成年者の飲酒防止に資するため、酒類の販売業免許の取り消し事由に、酒類販売業者が未成年者飲酒禁止法の規定により罰金の刑に処せられた場合を追加する等所要の改正を行うものであります。
 以上が、本案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(綿貫民輔君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説
#28
○議長(綿貫民輔君) 大蔵大臣から財政について発言を求められております。これを許します。大蔵大臣宮澤喜一君。
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定せられました日本新生のための新発展政策を受けて、平成十二年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政政策等の基本的考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。
 まず、最近の経済情勢とさきに決定されました日本新生のための新発展政策について申し述べます。
 我が国経済の現状を概観いたしますと、各種の政策効果もあって緩やかな改善が続いており、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いております。しかしながら、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費もおおむね横ばいの状態が続いております。
 国際経済情勢を見ますと、世界経済は、総じて見れば引き続き拡大基調にあるものの、米国やアジアの経済の動向、原油価格の動向などを注視する必要があると考えております。
 政府は、このような状況のもと、公需から民需への円滑なバトンタッチに万全を尽くし、景気の自律的回復に向けた動きを本格的回復軌道に確実につなげるとともに、我が国経済の二十一世紀における新たな発展基盤の確立を目指すとの観点から、経済対策として、日本新生のための新発展政策を決定いたしました。
 本対策においては、まず、日本新生プランの具体化を図る見地から、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備の四分野に重点を置き、二十一世紀の社会の基盤となる施設の整備や技術開発の推進等を行うとともに、国民のIT利用技能向上のための施策を講じることとしております。また、これらとあわせ、生活基盤充実、防災、災害復旧のための施策や中小企業等金融対策、住宅金融対策等についても必要な措置を講じ、全体としては事業規模十一兆円程度の事業を早急に実施することとしております。さらに、本対策においては、活力ある社会を築くための規制改革や企業活動の活性化のための法制度の整備等についても取り組むことといたしております。
 税制につきましては、平成十三年度改正において、現下の経済情勢等を踏まえ、企業の組織再編成にかかわる税制等、真に有効かつ適切な措置について検討を行い結論を得るとともに、株式譲渡益課税について、これまでの経緯を踏まえつつ、株式市場に関連するさまざまな見地から検討し、平成十三年度改正の中で早急に結論を得ることとしております。
 なお、財政構造改革につきましては、まず、財政の透明性の確保を図り、効率化と質的改善を進めながら、明るい兆しの見えてきた我が国の景気回復を一層確かなものとし、その上で、二十一世紀の我が国経済社会のあるべき姿を展望し、税制のあり方、社会保障のあり方、さらには中央と地方との関係まで視野に入れて取り組んでまいります。
 次に、今般提出いたしました平成十二年度補正予算の大要について御説明いたします。
 まず、歳出面においては、経済対策関連として、社会資本整備費二兆五千億円、IT関連特別対策費九百六十四億円、災害対策費三千七百七億円、中小企業等金融対策費七千六百四十億円、住宅金融・雇用等対策費千二百九億円を計上することとしております。このほか、地方交付税交付金を増額するとともに、義務的経費の追加等特に緊要となったやむを得ない事項等について措置し、あわせて既定経費の節減等を行うこととしております。
 他方、歳入面においては、租税について最近までの収入実績等を勘案して、一兆二千三百六十億円の増収を見込むとともに、前年度の決算上の純剰余金一兆五千百三億円を計上し、さらに、その他収入の増加を見込んでおります。
 なお、決算上の純剰余金につきましては、国債の追加発行を極力抑制するとの観点から、財政法第六条に基づく国債整理基金への繰り入れを行わないこととしております。この剰余金の処理につきましては、別途、平成十一年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。
 以上によってなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として公債の追加発行一兆九千八百八十億円を行うこととしております。今回の措置により、平成十二年度の公債発行額は三十四兆五千九百八十億円となり、公債依存度は三八・五%となります。
 これらの結果、平成十二年度一般会計補正後の予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも四兆七千八百三十二億円増加し、八十九兆七千七百二億円となります。
 以上の一般会計補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、経済対策を実施するため、この補正予算において、日本育英会、中部国際空港株式会社等九機関に対し、総額三百四十億円を追加することとしております。
 以上、平成十二年度補正予算の大要について御説明いたしました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#30
○小此木八郎君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、来る十四日午後零時三十分から本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。
#31
○議長(綿貫民輔君) 小此木八郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十六分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  森  喜朗君
        法務大臣    保岡 興治君
        外務大臣    河野 洋平君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        文部大臣    大島 理森君
        厚生大臣    津島 雄二君
        農林水産大臣  谷  洋一君
        通商産業大臣  平沼 赳夫君
        運輸大臣    森田  一君
        郵政大臣    平林 鴻三君
        労働大臣    吉川 芳男君
        建設大臣    扇  千景君
        自治大臣    西田  司君
        国務大臣    相沢 英之君
        国務大臣    川口 順子君
        国務大臣    堺屋 太一君
        国務大臣    続  訓弘君
        国務大臣    虎島 和夫君
        国務大臣    福田 康夫君
ソース: 国立国会図書館
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