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1950/12/04 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 予算委員会 第6号
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1950/12/04 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 予算委員会 第6号

#1
第009回国会 予算委員会 第6号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度一般会計予算補正
 (第一号)(内閣送付)
○昭和二十五年度特別会計予算補正
 (特第一号)(内閣送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算補
 正(機第二号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(波多野鼎君) 只今から予算委員会を開会いたします。
 労働大臣が出席しておられますから、労働大臣に対する御質問をして頂くことにいたします。
#3
○木村禧八郎君 私本会議で、朝鮮動乱が勤労者に及ぼす影響をどういうふうに見るかということを御質問申上げたのですが、それについての労働大臣の御答弁が非常に不満足で納得行かないために、ここで具体的に突込んで御質問申上げたいと思うのです。それで具体的に御答弁願いたいのです。数字に基いて御質問申上げますから、その点詳細に御説明願いたいと思います。
 先ず朝鮮動乱が勤労者に及ぼした影響として、大きく分けて二つあると思います。その一つは、消費水準が下つたということ、勤労者の生計内容が惡くなつたということ、これは朝日新聞の世論調査を見ましても、最近生活状態がよくなつたか、惡くなつたかという世論調査がありますが、惡くなつたという回答の方が多いのです。そういう点を見ましても、朝鮮動乱以後において國民生活水準、特に勤労者の生活水準が低下して来ておるということは明らかなんです。これに対して池田大蔵大臣なんかも、去年の九月と今年の九月を比較するような形において、賃金は上つておる、従つて生計内容はよくなつておるというお話ですが、私はそれを問うているのではなくて、成るほどトッジ・ライン実施以後徐々によくなつたことは私も認めます。認めますが、朝鮮動乱が起つて以後においては、その影響というものは、相当これは重大な影響を来たしておると思うのでありまして、特に國民生活、或いは勤労者の生活を守るという意味において、相当重大な影響を来たしておると思うのであります。特に私は朝鮮動乱以後における影響、これを聞いておるのでありまして、その前の数字と比較したのではお答えにならないのでありますから、その点御承知願いたいのです。先ず実質賃金ですね、実質賃金は、経済安定本部の官房調査課で調べました経済月報によりましても、実質賃金は下つて来ておるのですね。これは昭和九年―十一年を一〇〇としまして、四月は八四、五月は八二、六月は八九と上りました。七月も八九で保合ですが、八月になりまして八七と下つておるのです。その後の指数はまだありませんが、安本の意見でも、その後物価が上つておるから、八月以後更に実質賃金は下つておるものと思うと、こういうふうになつておるのです。そこで労働大臣は、勤労者の実質賃金は、朝鮮動乱以後において、特にもつと最近の数字が欲しいのですが、六、七、八、九、できれば十月頃まで、どういうふうになつておるか、それがどの程度下つておるか、先ずお伺いいたしたいのです。
#4
○國務大臣(保利茂君) 的確に申上げることは困難かと存じますが、端的に動乱直前と動乱後の影響はどうであるかということになりますれば、著しい現象は出ていないと思いますけれども、幾分低下いたしておるということは認められるのではないか。併し七月、八月は物価の騰貴傾向が現われましたけれども、九月に至りまして鎮靜状態に入つております。私どもの手許にも大体九月までの係数、資料だけしか持合わせません。十以降の状態はまだ的確に捕捉できませんけれども、九月までの状態を見ますというと、七月、八月に上りかけたのが九月には停滯状態に入つておりまして、実質賃金の上から申しますと、六月に比して九月は幾分低下いたしておると思いますけれども、併しながら実質賃金、まあそういう比較は聞いていないというお話でございますけれども、前年の九月に比べますと、約三〇%の向上を示している、そういうことになつております。
#5
○木村禧八郎君 その九月の指数はおわかりですか。あとでもいいのですが、若しか数字がありましたら数字をあとででも頂きたいと思うのです、労働省のほうのですね。
#6
○國務大臣(保利茂君) それはあとで差上げます。
#7
○木村禧八郎君 只今前年同期ということを言われますけれども、前年同期に比してよくなつたことは認めているのです。どうして私は朝鮮動乱後の……後は今労働大臣がお答えになつたように幾分惡くなつているというお話ですが、この消費水準、國営消費水準の上から見ると、もつと非常に顯著に惡くなつているのです。この経済月報の生計費表を見ますと、消費水準は、昭和二十五年四月に昭和九年―十一年一〇〇として七九までなつたわけですが、これは非常に結構だつたと思うのですが、その後ずつと下りまして八月には七〇になつているのです。九月にはちよつと回復して来ておりますが、七一なんです。これは私は重大な問題で、今後にもこの影響は現われて来ると思うのですけれども、池田大蔵大臣は、短期間の一月や二月のことを見たのではわからないと言いますけれども、朝鮮動乱の影響は、量的な影響として見るのは誤りで、質的な変化が来ているというふうに我々見なきやならないので、この実質賃金の低下の傾向、それから國民生活水準の低下の傾向は相当重大視しなきやならん。それはこの前も申上げましたように、日本の経済が國防経済に影響されるようになりますると、内需がそのために圧迫される、従つて國民生活水準がそのために下つて来る、それを如何にして防衛するかということが、今後の重大な問題になるのでありまして、輸入を早く促進するのも、その重大な政策の一環だと思うのです。そういう意味でお尋ねしているのでありまして、日本はもう戰争しないのですから、成るべく早く事変前の生活水準にまで早く達することが、日本の政策の大きな目標なんですが、それが朝鮮動乱によつて、この数字によつで明らかなように、折角その生活水準或いは実質賃金がずつと上つて来たのが低下している、このテンデンシーは今後も相当続くものと見なければならない。来年あたりはもつと特需とか輸出が殖えて、輸入がうまく行かない、内需が圧迫されてもつと実質賃金が減り、下がり、生活水準が下つて来ると思うのです。こういう意味で私は労働大臣にお尋ねしているので、前年同期に比してよくなつたことは認めておりますが、朝鮮動乱後において生じた実質賃金の低下の傾向、國民生活水準の低下の傾向、これは重要な問題だと思うのです。これはいわゆる再生産を確保する上にも重大な問題で、これからずつと生活水準或いは実質賃金が下つて、これから又自立経済に入る場合、非常に低い水準ですね、非常に低い実質賃金の水準或いは生活水準で、それで安定などされたのでは非常に困るので、そういう意味では実質賃金をもつとどんどん向上させなければならんと思うのです。こういう点について、只今労働大臣も成るほど事変後においては幾分低下して来ておるというお話ですが、生活水準のほうから見ると、幾分ではなく相当低下して来ておるのです。労働行政の面、即ち再生産の有力な一つの要因としての労働力保全の問題、そういう労働行政の面からはどういうふうにお考えですか。そうしてそういう実質賃金の確保のために労働行政の面からどういう対策をお立てになろうとしておるのか、こういう点をお伺いしたいのです。
#8
○國務大臣(保利茂君) 生計費の面から見ました動きを見ますと、だんだん消費者物価指数は漸落をいたして参つおりまして、本年の六月には最高時よりも約一三、四%低落をしておつたと思うのです。動乱が起きまして七月以降幾分上昇に転じまして、六月に比べて七月は二・七%、八月は四・九%、六月に比べて九月は五・三%高となつておりますが、併しながら大体本年二月のそれは物価水準に相当するのではないかと存じます。併しこの上り方が、九月に至りましてはほぼ鎮靜の状態にある。そういう動きを示しておりまして、大蔵大臣の言われます相当長い眼を以て見る、一時的の現象を捉えて全体の質を見ることは妥当ではないと言われることは、全く私はその通りだと思います。生活水準が朝鮮動乱の影響を受けてだんだん低下しておる。今後も引続き低下して行くであろうという
 御見解には、私は大体実質賃金の上から見ましても、生活水準の上から見ましても、今後、すでにもう立ち直りかかつておりますし、今後も生活水準が下つて行くであろうという御見解には、どうも私は御同感いたしかねます。今日まで日本の経済回復の足取りから見ましても、今後の予想せられますところのいろいろの特需乃至は輸出振張の面からみましても、生活水準が向上して行くであろうということは予想せられましても、下つて行くであろうということは私はどうも予想し得ないように存じます。なお又実質賃金の向上或いは生活水準の向上につきましては、私は全体の政策のとり方としてここを目標としてやつて頂かなければならないと、これは安本当局その他総合政策の立て方におきましても、そういうことを強く期待をいたしておる次第でございます。
  なお説明の足りない点につきましては、説明員から補足御説明を申上げたいと思います。
#9
○木村禧八郎君 労働大臣の朝鮮動乱、の影響というものの見方が我々と違うのです。それは相当國民生活の面から見ると、これは果していいのか」惡いのか、相当検討しなければならないので、例えば只今特需が多くなるから、或いは輸出が殖えるから生活水準が下ると見通すのは、了解に苦しむというお話であつたが、これは安本長官にもお伺いしたいのですが、内需と特需と輸出との調整の問題が非常に重要な問題です。ですから特需が殖え、それから輸出が殖えて、むしろむやみにこれが殖えたのでは困るのであつて、それは滯貸がなくなつて不景気が一応克服されたまではいいのです、それまではいいのです。それ以上になると國民生活のほうが圧迫されるので、それの調整が問題なのです。それで今後下ることはないであろう、むしろ上るであろうという御見解ですが、そういう御見解で労働行政をおやりになるということになると、その基礎認識において非常に違うのです。見通しもただ架空の見通しをするわけではないので、國民生活水準を確保する上に一番重要なのは、食糧と衣料だと思う。衣料は御承知の通り、やはり安本の調査したものでも、衣料の消費水準が著しく下つている、これが生活水準低下の一番大きな原因だと思う。それで四―六月平均で昭和九―十一年を一〇〇としまして五一まで回復したのです。戰前の半分まで衣料消費水準が回復したのが、事変後三二%まで消費水準が下つている
 のです。而もアメリカの綿花は、御承知の通り向うで生産制限をして、減收になつたので、日本の割当が減つたわけですね、減れば日本はよその國から買わなければならないが、よその國から買う綿花が非常に高くなつて来ているのです。それで大蔵大臣などは、輸入はこれから殖えて一億ドルくらいになるであろうと思うと言つておりますけれども、食糧でもそうなんです。
 成るほど輸入価格は高くなりますけれども、海外物価は高くなつておりますから、輸入数量としては計画通り入つて来ないのではないかと思う。そうなりますと、國民生活水準を確保する上の一番重要な食糧、綿花、こういうものが計画通り入つて来ないと、その価格は相当上ります。そうしますと或いはそういう面から國民生活水準が簡單に上る、実質賃金が簡單に上ると、そう甘く考えるわけに行かないのです。そこで労働大臣に、労働力保全という意味から、それから又特に私がお尋ねしたいのは、この自立経済に入るときに、実質賃金なり、生活水準が低いままで入つたのでは困るのです。成るべく事変前の状態にまで早く生活水準、消費水準を持つて行つてその水準で自立経済に入る、そういう條件をあちらさんでも日本に備えてくれるように仕向けなければいけないのであつて、例えば対日援助資金をアメリカのほうで議会に要求する公聽会の模様なんかを見ましても、日本國民はまあやや食糧などは戰前の水準に近くなつたけれども、蛋白質その他から見るとお話にならないほど惡いのだ、併し日本人というものは前からそういう食生活をしておつたのだから、この程度でいいのだろうと、こういうふうに見られたのでは困るのであつて、日本國民は、今後やはり欧米並みの生活水準まで持つて行かなければならない。事変前のようなああいうような勤労者にしても低い生活水準に甘んじておるわけには行かないのです。朝鮮動乱の結果、そういうふうに消費水準が下つて来ているのです。それから実質賃金も労働大臣が言われるように、動乱以後は名目賃金は上つても、実質賃金は下つているのです。而もそれは短期間とおつしやるけれども、成るほど動乱が起つてからは短期間でしようけれども、その動乱以後に起つた変化というものは非常に重大な変化なんです、質的な変化ですから……。期間によつて、量によつて計ることができない、質的な認識が必要なんです。最近では動乱の影響はもつと深刻になつて来ている。これがどんどん発展する場合、日本経済はますます極東経済の一環として動員されることは明らかです。補正予算及び二十六年度にもそういう点は現われて来ていると思うのです。そういう点で労働大臣は非常に考え方が甘いと思うのです。この動乱の影響というものの見方の再度が、どうもピントが外れているのではないか、こういうふうに思うのですが、この点非常に重大な問題ですから、今おつしやつたように今後よくなると、本当にそれを確言されてよろしいのですか。もう一度お伺いしたいのです。
#10
○國務大臣(保利茂君) 問題の性質から私がお答えいたすことは如何と思いますが、安本長官や大蔵大臣が屡次御説明申上げでおりますように、輸入政策におきましてもそういう憂いはないように総合的に努力をいたし、又そういう見通しを持つているということによつて御了解を願いたいと思います。
#11
○木村禧八郎君 それでは非常に心細いのですが、労働大臣は大蔵大臣とか安本長官にその答弁をさせようというのでありますが、やはり労働大臣は労働大臣としての一つのオーソリテイーを持たなければいけないと思う。大蔵大臣がどう言おうと、安本長官がどう言おうと、労働行政の面から、事変の勤労者に及ぼす影響、こういうものに対してはつきりした認識がないのはおかしいと思う。特に私は労働大臣に対して、米価の引上げについて何故労働大臣はあれを承認されたか、私は疑問に思う、國際米価まで引上げる、あれは勤労者に対する影響というのは相当重大なのです。大蔵大臣は減税によつてカバーすると言いますけれども、税金を納めない人に対しての影響をどうするか。それは非常な圧迫になる。それを労働行政という面から、ああいう米価政策についても、労働大臣は一応の見識がなければならない。只今お答えできないようでありますから、大蔵大臣とか安本長官に私はお伺いすることといたしまして、もう一つ、事変勤労者に及ぼす影響としては雇用の問題です。これはこの間労働大臣は雇用が殖えて来るというお話なんですが、この職業安定所の求人数ですが、私の手許にあるのは余り殖えていないのです。多少殖えかかつておりますけれども、一時に比較すれば殖えてない。これは安本の経済月報でありますが、七月しかここにはまだないのですが、例えば職業紹介の求人数、これは労働省労働統計調査部調ですが、これは四月においては二十万九千八十五人、三月は二十五万二千九百四十六人、五月にはそれが十七万七千人に減つております。六月は十四万六千人に減つております。七月はちよつと殖えましたけれども、十六万一千人、四月の二十万には達しないのです。而も雇用状態対前月増減率ですか、これはやはり労働統計調査部の調でありますけれども、前月対比で五月は〇・一%減つているのです。六月は〇、三%減つているのです。七月も〇、四%滅つているのです。八月がプラス・マイナス零なんです。九月、十月の資料がございませんが、生産が非常に殖えているにかかわらず、むしろ雇用が減つているのです。雇用がプラス・マイナス零というのはまだいいのですけれども、生産が殖えながら雇用が減つている、こういう影響はどういうのでありましようか。ですから失業者が非常に殖える。景気がいいと言われながら、失業者がむしろ殖えている。最近の資料としては、職定安定所の数字をお示しになりましたが、それを具体的におわかりになりましたらお示し願いたい。殖えているとおつしやるなら、どういうふうに殖えているのか。
#12
○國務大臣(保利茂君) 職業安定所で取扱つております求職求人の状態は、先般本会議でもお答え申上げましたように、常傭の面におきましては、六月が、求人が十四万六千、それに対する就職が六万七千、七月が十六万一千に対して八万三千、八月が十九万一千に対して十万二千、九月が二十二万六千に対して十二万一千というような数字を示しております。
#13
○木村禧八郎君 生産水準が非常に高まつているのに……これを見ますと多少殖えて来ているようです。それに比例して雇用は余り殖えない、特に金属
 等は余り殖えないのです。金属などは減少が著しいのですが、前年の比較では、これはどういうようなことが原因なんでしようか。生産が相当殖えながら雇用が余り伸びない。むしろ一時は減つておつたのです。
#14
○國務大臣(保利茂君) 絶対の雇用量は別におきまして、輸出産業関係におきましては、いわゆる製造工業と申しますか、分類をして申しますれば相当の雇用量の増大が示されておる、こういうふうに思つておる次第であります。
#15
○木村禧八郎君 それがよくわからないのです。相当増大していると言いますけれども、あなたのほうからお出しになつている労働省労働統計調査部調によりますと、減つているのです。
#16
○委員長(波多野鼎君) 木村君どうですか、職業安定局長が来ておりますが、職業安定局長に御説明願つたら……。
#17
○木村禧八郎君 お願いします。
#18
○政府委員(齋藤邦吉君) 安定所の窓口に現われておる求人と就職の状況は、常傭労働者につきましては、先ほど労働大臣が御答弁申上げました通りでございます。尚金属工業につきましてお尋ねがあつたのでございますが、毎月勤労統計によりますと、昭和二十二年の平均を一〇〇といたしますと、本年の七月が一番少うございまして、本年の六月も低いのでございまして、指数が一一二・二であつたのでございますが、七月になります一一一・八、八月になりますと一一二・〇、それから九月になりますと、それが一一二・八というふうに漸次金属工業におきましても、多少上昇の傾向を辿つておるような状態でございます。
#19
○木村禧八郎君 この日雇労働者の問題ですね、最近方々で、いわゆる職安でいろんな問題が起つておりますが、そのほうの就職の状態はどうなんですか。就職状態は。
#20
○政府委員(齋藤邦吉君) 日雇い労働者の安定所の窓口に現われておりまする統計をちよつと申上げますと、最近までは漸次上昇の傾向を辿つて参りましたけれども、七月頃から特需等の需要の要求等も殖えて参りまして、就労日数も多少殖え、現在の九月におきまする状況を申しますと、求人が約二十万五千といつたような状況になつておるのであります。最近におきまする状況を申し上げますと、日雇の求人が一番少なかつたのは本年の四月、廃べにいたしまして四百三十万であります。更に六月の例を申しますと求人が四百五十五万という数字になつておりますが、その後民間の特需関係或いは進駐軍関係等の労務要求もございまして、七月になりますと四百八十八万、八月は五百二十九万、九月になりますと五百二十三万というふうに、七月から漸次上昇の傾向を辿つておる、こういうふうな状況になつておる次第でございます。
#21
○堀木鎌三君 私先ずお聞きしたいことは、國家公務員の給與ベースの問題は官房長官が御主管だそうでありますが、労働問題御主管の労働大臣といたしまして、二十三年の七月から、國家公務員については給與がそのときの物価を水準にしてきまつて参つたわけでありますが、今回漸く平均して約千円の給與待遇の改善が図られるということでありますか、その間におきまして、民間の給與待遇等と比べまして、労働大臣として國家公務員が著しく低位にあるということをお認めになりましようか、お認めになりませんでしようか、その点を第一点としてお聞きいたしたいと思います。
#22
○國務大臣(保利茂君) 人事院の勧告の内容にもございましたように、民間との差が相当あるということでございますが、今回の給與べースの引上げによりまして、民間賃金との調整は相当改善せられるというように存じておる次第であります。
#23
○堀木鎌三君 無論千円平均上るのでありますから、その差が相当縮まつたことは、これは誰しも認めざるを得ない事実であると思うのであります。併しながら先ほど木村委員からもお話がありましたように、朝鮮動乱を契機にいたしまして、民間の工業平均賃金も相当上昇いたしております。そういう点から考えますと、まだ民間の賃金に比較して非常に低位にあるということだけはお認めにならざるを得ないのだと、こういうふうに考えるのであります。これが一つ。それから先ほど木村委員に対しましての御答弁のうちにございましたが、今後、成るほど労働大臣の言われるように、輸出入については恐らく今までよりも進捗いたしましよう。生産指数も或る程度上るかも知れませんが、併し國際物価高を反映いたしまして、國内物価はすでに相当高くなつて参つております。この傾向は各國の軍備の拡充或いは朝鮮動乱の影響等を考えると、日本の経済におきましても、或る程度物価は上昇するものとお考えになりませんでしようか。その二点をまずお答えを願います。
#24
○國務大臣(保利茂君) 第一点は、民間の非常に高い、又優良な職種乃至は待遇を受けられている所と、そうでな
 い所といろいろありますけれども、それは民間と全く同じになつたということは、どうも一概には申上げられんのじやないか。併し大よそ民間の待遇状態と公務員の待遇状態とが、大体足並みを揃えて改善せられているというように私は考えます。
 第二の点につきましては、これは物価政策の問題でございますから、安本長官からお答えいたすことが妥当かと思います。
#25
○堀木鎌三君 少くとも、これも数字が明らかなんでありまするから、約二年の間國家公務員が給與が釘付けになつておつた、その間に局間の工業平均は、二十三年の下期は非常に上つておりまするが、爾後も微騰を続けておることは、これは統計の示すところであります。でありまするから、この点について私は労働大臣として端的にこの事実はお認めにならなければならない数字である。かたがた朝鮮動乱以後、やはりすでに九月の統計によりますと、工業平均給與が九千円を突破いたしております。それからCPIも上つておりまするし、すべての点におきまして、むしろ先ほど木村委員が言われましたように、物価と労働賃金との関係及び消費水準の関係等におきましては、結局労働者の実質賃金は低下の状況にあり、公務員の生活水準はやはり低下の状況にある。又この推移は或る程度起つて参る、で、ここにやはり問題があるのだと思うのであります。で、やはり労働大臣がお答えになりました中にも、すでに二つの要素を含んでおる。先ほどの御答弁では、全体として生産は上昇し景気はよくなるだろう、雇用は増大するだろう、だからそう労働者の生活については心配することはないとおつしやりながら、賃金の問題を比較いたしますると、いろいろ民間にいい所もあれば惡い所もある、こういうふうな御答弁になつて参ります。いわゆる経済政策のしわ寄せがどこに行われて参るかという、ここに問題が生じて参るのでございまして、そこに政策があるわけだと、こう私は考えるのであります。どうか労働大臣としては、私も木村委員と同じように、要するに大蔵大臣が言われ、安本長官が全体として経済の動向を言われまするが、その影響がどこに起つて来るか、その影響は國民の各層にいろいろな違つた状況を起しておるのであります。そこに問題が私はあるわけである、こういうふうに考えるのであります。
 併しこの点につきましては、更に別に御担当の官房長官でもおいでになりましたときに問題を譲りたいと思うのでありますが、第二段にお聞きいたしたいことは、結局私の観点に従えば、最近のアメリカのグレイ報告によりまして、日本の経済が一刻も早く自立できるように、そうして対日援助見返資金はもう来年からは打切ろうと、こう言つておるような状況であります。即ち私どの予期に反して、私どもが日本の経済を再建しようという考え方から、現に安本で御計画になつておるところの自立経済審議会におきまする三カ年計画よりも、著しく早く日本の経済を自立経済に持つて参り、アメリカの援助を打切ろう。又今朝新聞が唱えますところによりますると、いわゆるドツジ、池田会談におきましても、その点に対する観点から、債務償還費等その他につきまして、諸種の会談が行われたようでありまするが、そうなつて参りますると、一番心配になりますることは、日本の経済を非常に縮小された現在のままで一定の安定した自立経済、つまり輸出入の点から見まするならば、大体戰前の三〇%程度の輸出入の下に日立経済を立てなくてはならんというふうなことに相成りますると、これは大変なことに相成ると思うのであります。従つて我が國といたしましては、至急に我が國の生産過程が急速に、従来よりも急速に再生産過程に廻らなければならん。その中で一番大切なのは、労働力を如何に使うかという問題だろうと思うのであります。この点につきましても、グレイ氏はその調査報告で指摘いたしておるのでありますが、この点に対して、労働大臣の御関係ありますことについて一、
 二お聞きいたしたいと思うのであります。
 先ず第一に、公共事業費でございます。これは本来は安本長官が御担当ではありますが、労働大臣は失業対策からこの問題に同じく御関係になつておるわけでありますが、私は、二十三年の四月に公共事業について失業者の吸收率というものを御きめになつた政府としても、何か失業対策の一環として、公共事業費が非常に殖えたということにつきまして、あたかも失業対策に非常に役に立つておるかのごとき観を與えておられるのでありますが、実際におきましてはこの公共事業費に対する失業者吸收率が非常に少い、この点が第一点であります。大体私ども地方を見て参りますると、一応この吸收率の割当につきましては、職業安定所が努力しておられるところは認めるのでありますが、如何に少いかという一例を一つ申上げて見たいと思うのでありますが、大阪におままして、六月におきまして職を得たいと思つて活動しておる者が十一万一千人であつたわけでありますが、それに対して約半数の五万五千人が救済されておる、何らかの形で救済されておる。その中で公共事業に就労した者は僅か千二百三十四人であります。失業対策事業によつた人が一万一千人、この十二万人の半分の中の一番大きなのは、失業保險金を貰つていて救済されしている三万四千人であります。即ち公共事業によつて救済されておるところの失業者というものは非常に少い、こういう点から考えまして、もつと安本と緊密な御連繋になつて、公共事業費にそれだけあの金額をお殖しになつておるに伴つて、できるだけ失業者の吸收ということにお考えをお向けになるべきでなかろうかというのが、これが第一点であります。
 第二点は、失業応急対策事業として、失業対策事業を非常に御推進になつて御努力になつておる点は認めるのでありますが、どうもその実態が日本の産業の復興と結付いてない。その点につきましては、事業の性質上むずかしいところがございますか、やはり計画的に、そうして労働者を組織化し、技術と訓練を與える方向に持つて行かなければならないと思うのであります。それでないと、草むしりやどぶ掃除ということが主たる仕事の対象になりがちになる。更にもつと進みましては、一番問題になりますることは、これに資材的な裏打がないために、非常にそういう仕事にだけしか向けられなくなつて来ておる。現に地方におきましては、これに資材的裏打があれば日、本の産業の復興と結付いた仕事になるのだがということは、もう全國同一に言うことであります。この点につきまして、もつとお考えをなさり、施策を推進なさるべきではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。ただ、職業安定所に参つて私どもあの実情を見て参りますると、中には全く職業安定所においでになることが無駄な時間であり、労力であつて、むしろ生活保護の対象、生活が非常に困窮しておる……生活保護の対象に持つて行かれるふうがある。その分については生活保護法のほうで十分吸收される、保護の対象として生活の道を考えてやる、こういうふうに区別をなされば、少くとも私は日本の産業復興と結付いて参るのじやなかろうか。こういう性格かもつともつとはつきり出ることによつて、初めて日本の労働力というものが高揚され、能率的に産業復興と結付くのである。労働大臣のおやりになることは、レッド・パージで失業者の数をお殖やしになるのでは無論ないだろう、こう私は考えるのでありまして、どうかこの際にそういう方向に物事を、殊に幾分金額が殖えました際に、特にそういう方向に新らしく施策を御推進なさることを希望するのでありますが、これらについての何か具体的な御考慮がありましたら、ここで御説明願いたいと思います。
#26
○國務大臣(保利茂君) お尋ねの点は二点あると存じますが、堀木委員のお考えと全く私は同感でございます。
 第一に、この緊急失業対策事業、府県或いは市町村で施行いたしております事業が、如何にもどうも草むしりやどぶ浚いといつたような、消極的な、建設的な方面に使われない、そういう御批判もこれは事実相当あるということは承知いたしておりまして、これにつきましては、私は緊急失業対策事業で行う事業は、申せば小規模の公共事業というようになるように持つて行きたい。特にこの草むしりとか、そういつたような、かなり御批判を受けているような事業については十分監督をいたしまして、そういうことがないように改善を図つて行くつもりでありますが、なおこの小規模の公共事業というようなふうに持つて行きますためには、お説のように資材の面につきましても、中央政府において特段の考えをいたすことが大事である。明年度予算では極めて低額ではございますけれども、その途を開きたいという心組みでおります。なおこの事業を円滑に推進して参りますためには、どうしても今日の地方費が、地方財政の状態から申しまして、地方の負担も相当大きいのでございますから、起債の面を拡充して貰つて、これによつて当面の地方負担を著しく増大せしめることのないように今努力しているところでございます。従いましてこの失業対策事業の内容改善につきましては、全く堀木委員と同じ考えを持ちまして改善に努力いたしたい、かように考えております。
 なお一般公共事業における失業者の吸收率が非常に惡いのじやないかこれはまあ惡いかいいかという判断は、一一の事例について見なければはつきり断定もできないと存じますが、只今行なつておりますのは、一般公共事業を行う場合に、その労務者の四〇%は公共職業安定所の紹介による労務者を使うように、地方のその他の地域では二〇%というような現行吸收率を定めておりますけれども、失業者の状態と公共事業の内容によりまして、更にこの吸收率を高める、これは労務者の質にもよりまして、事業主体のほうで喜ばれない場合もあると思いますけれども、これは又一つ労務者のかたに対してもよく事態を理解して頂いて、その事業に携わつて貰うように注意を拂いつつ、都市において行う公共事業は六〇%くらいまで吸收率を高めるということを、只今関係方面と折衝をいたしておるところでございます。全体につきまして申しますと、一般公共事業で、八月中の数中をここに持つておりますが、それによりますと、大体一般公共事業に六十万の労務者が就労しておるわけであります。その六十万の中におきまして、安定所紹介のいわゆる日雇、この人々が七万七千人ほど働いております。これは高いようでもなく又低いようでもなく、大体この辺のところじやないか、こういうふうに考えております。
#27
○委員長(波多野鼎君) 堀木君もういいですか。
#28
○堀木鎌三君 まあよござんす。
#29
○佐多忠隆君 先ほど木村委員から、朝鮮動乱以後における消費水準が低下したことは非常に憂うべき現象だし、今後もそういう低下の傾向が見られるのだというようなお話がありましたが、その消費水準低下の原因の一番大きなものは、経済安定本部の調査によりますと、被服品の消費量が非常に減返したためである。例えば被服品の消費水準は、戰前も一〇〇として、七月には五五であつたのが、九月には三二に低下しておる、極度な低下であるということを述べております。これは御承知の通り被服品が朝鮮動乱を契機にして暴騰したために、すべての人がこれらにさく費用がなくなつた結果であり、更に現在の給與ベース引上げをめぐつて、多くの労働者諸君から、勤労大衆から我々に訴えられた訴えは、この寒空に向つても被服に対する家計支出が全然できないで困つておるから、給與引上げに対して絶大の努力をやれということであるのですが、こういう大きな問題を含んだ被服の対策、それを労働大臣はどういうふうにお考えになつているか、これを先ずお聞きしたいと思います。
#30
○國務大臣(保利茂君) これは問題の性質から、物価政策を所管している通産当局に一つお聞き取りを頂きたいと思います。
#31
○佐多忠隆君 先ほど木村委員からも指摘がありましたように、消費水準が非常に減退していることに対する労働大臣の考え方が甘過ぎるし、更にはその最大の原因になつているところの衣料の問題が、労働者の生活状態において非常に重要な問題になつているが故に、私はあえて労働大臣にこの問題が今生活水準、庶民大衆の、労働大衆の生活水準の最も重要な問題になつているから、特に労働大臣に、これに対してどういう対処をしようとする見識を持つておられるか、そのことを特に聞いているのでありますが、それでもお答えにならんのですか。
#32
○國務大臣(保利茂君) これは所管大臣から一つお聞き取りを頂きたいと思います。
#33
○佐多忠隆君 いや、私は数字その他をあえて大臣に答弁をお願いしたいとは思つていない。ただ労働階級の、勤労大衆の生活を守るために、今一番重要なキー・ポイントになつているから、これに対してどういう、労働階級の、勤労大衆の生活を守るという点から、どういうお心組みでおられるのか、更には通産大臣その他所管大臣に対してどういう要求を出しておられるのか、その点をお聞きしたい。
#34
○國務大臣(保利茂君) 御説のように七、八月における実質賃金の幾分の低下のその大部分が被服費の高騰によつておることはよく承知をいたしておる次第でございます。従いまして安本、通産両大臣に対して、内需向きの繊維の増産、配給、それについての私どもから強い希望を申上げて、そうしてこの被服費の高騰による生計費への圧迫、それをできるだけ緩和するように努力をいたしております。
#35
○佐多忠隆君 その点に対してもう少し具体的に指示して頂きたいと思いますが、一応この問題は保留して置きまして、第三に租税の、特に地方税の圧迫の問題でありますが、経済安定本部の調査によりますと、東京都庁調べによつて、東京都勤労者の家計收支状況を見ますと、次のごとく、九月には地方税増徴によつて租税負担が増加し、その結果家計費が圧迫されると共に、收支バランスが多少惡化しているということを挙げております。例えば勤労者の收入を一〇〇として、二十五年一月から六月には租税公課が一四となつております。それが七月から八月には一三に若干下つておりますが、九月になると、急激に一九に殖えております。この九月に殖えたのは、申上げるまでもなく、九月から地方税が徴收され始めたからだと思うのです。我々は、政府の説明によりますと、地方税その他の増徴があるにしても、國税その他との関連においては、むしろ勤労者の租税公課は余り殖えない、或いは更には減ることすらあるというようなふうな御説明を聞いていたのでありますが、少くとも勤労者の家計收支の状況から見る限りは、むしろ非常に増加いたしております。この圧迫に対して労働大臣はどういうふうにお考えになるか。特に年末に際しまして労働階級、勤労大衆が給與引上げの問題を熾烈に願つておる最も重要な原因は、今までにも相当多額の地方税を取られたが、年末になつて更にこの上の圧迫が加わつて来るのみならず、今までも地方税を拂うことができないで、労働階級、勤労着たちはすべていろいろな方面から借り歩いて、漸く借金によつて今まで地方税を納めていた、その借金をこの年末に際してはすべて清算しなければならない、返さなければならないというような状況まで追い込まれておるので、年末手当の増額をあのように悲痛な声で要求をいたしておるのでありますが、それらの事情に対して、従つて又地方税或いは租税の家計費への圧迫に対して労働大臣はどういうふうな御見解を持つておられるか。
#36
○國務大臣(保利茂君) これはしばしば大蔵大臣からも申しておりますように税負担の問題は、年間を通じて中央、地方の両方の税を総合して、そうしてその人の負担が大きくなつたか、或いは低くなつたかということによつて税負担の問題は判断せられると思いますが、私はその両面を総合して、個人当りの税負担は低減しておるという大蔵大臣のお説を信じておる次第であります。なお尤もそのときどきによつて税が、徴税が参わましたときに、非常な税負担の圧迫感を生ずることは、お互いの生活の上におきましても感じますことで、例えば九月に徴税が参りますと、九月のそのときにおける税から来る負担の圧迫感と申しますか、非常に感じますが、併し全体を通じて、その一年間を通じて見なければならないのではないか。私は全体としてはやはり國民負担と申しますか、税は総合して低減をいたしておる、かように考えます。
#37
○佐多忠隆君 おつしやる通りに、税負担は地方だけでなく、國税全部を通じて見なければならないと思うのですが、私から申上るまでもなく、東京都の勤労者の家計收支状況の租税公課の部分には、確実に國税が入つておることは間違いのないことであります。國税をひつくるめてこういう状況になつておるので、今のお答えはお答えになつていないと思うのですが、どうでありましようか。
#38
○國務大臣(保利茂君) 政府委員から御説明申上げます。
#39
○委員長(波多野鼎君) 只今の給與の問題につきまして、労働基準局の給與課長宮島君が説明したいと申しますが、政府委員でございませんので、説明員として発言することを御承認願えますでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(波多野鼎君) それでは給與課長宮島君。
#41
○説明員(宮島久義君) 只今おつしやられました東京都の公課の数字は、私手持ちいたしておりませんが、御承知の通り地方税が九月から実際にかかり出した、こういう状態でございますので、四月から七月までの税金状態と、その以後とを比較いたしますと、確かに税金は殖えたという形に出て来ると思うのでありますが、問題は先ほど大臣から御啓弁がありました通り、二十四年と、それから二十五年とを比較いたしました場合に、勤労者の勤労所得税及び地方税を合算したもので考えますと、この点では二十五年度のほうが軽減されている、こういうことになつているのであります。
#42
○佐多忠隆君 その問題については、同じ家計收入の状況の中に、二十四年は一〇〇の中に租税公課が一四であつた、二十五年の一月から六月にも同じように一四だ、というはつきりした数字が出ておりますので、その点から言うと、地方税の増徴がない、國税の軽減が行われただけの結果においても、少しも、比率は減つていないということになつて来ると思うのですが、その点をどうお考えになるか、従つて一つ説明員でございますから、正確な数字を資料によつてお出しになつて、御説明をお願いしたいと思います。
#43
○説明員(宮島久義君) 只今資料を手持ちしておりませんので、直ちに調査いたしまして御報告申上げたいと思います。
#44
○佐多忠隆君 その点はそれでは留保いたしますが、もう一点、九月を例にとつたから、そのときには地方税が増徴されたので、これは恐らく九月の特別の状況というようなお話でございますが、私も直接に東京都勤労者の家計收支状況を見るひまがなかつたので見ておりませんので、九月までしか数字を実は知らないのでありますが、十月もすでに出ていると思いますし、十一月も間もなく出ると思いますが、その九月の数字はどうなつているかを、説明員で結構ですからお示しを願いたい。
#45
○説明員(宮島久義君) その点調査してあとで御報告いたします。
#46
○佐多忠隆君 それじや、その点は非常な重要な問題でありますから、数字
 の説明はあとに留保いたしますが、数字がいずれであるにかかわらず、今のように、非常に地方税の増徴か家計收支に、勤労階級の生活に圧迫を及ぼしていることは、これはもう紛れもない事実だと思うのですが、これに対して今後これをどういうふうに是正して行くべきか、どういうふうな政策によつて勤労者の生活を守ろうと思つておられるか、労働大臣の御所見をお願いします。
#47
○國務大臣(保利茂君) できるだけあらゆる努力をいたしたいと思います。
#48
○佐多忠隆君 そういう無責任な御答弁では満足ができませんので、具体的に今後の労働政策として、勤労大衆の生活を守るために、その見地から地方税、或いは一般の租税公課についてどういう対策、どういう方針を今後施行しようとしておられるのか、その点を具体的に述べて頂きたいと思います’。
#49
○國務大臣(保利茂君) 総理大臣もしばしば申しておられますように、今日の日本の國民生活上最も大事なことは、國民負担の軽減である、即ち減税であるということをしばしば申しておられますように、内閣の方針としましては、減税につきましては、今後國費のできるだけの節約を図つて、減税を図る。そうして國民生活の改善に資して行きたい、こういう線に沿つて努力いたしたいと考えております。
#50
○佐多忠隆君 私は労働大臣にそういう一般的な租税軽減の方針を聞いておるのではなくて、そのことならば今御答弁のように総理大臣或いは大蔵大臣に後刻お聞きする予定にしております。問題は先ほどから述べておりますように、政府が所得税その他で税を軽減していると称しながら家計收支その他に現われておる結果から見るならば、そういうことが実現していないと、それに対して労働大臣は、特に勤労者の生活を守るための租税対策をどういうふうにお考えになつておるか、このことを特に労働大臣にお聞きしておるので、労働大臣としての御答弁を願いたい。
#51
○國務大臣(保利茂君) 政府は今度行おうとする減税につきましても、勤労所得税の控除率等を高めるということについて強く意見を出し、そうしてそれがほぼでき上つているのじやないか、そういうふうに思います。
#52
○佐多忠隆君 一般國税についての問題は、まあ一応それで納得いたしますが、問題は先ほどから繰返しておるように地方税の増徴が勤労者に非常に重くかかつておる点でありますが、その点をどういうふうに是正しようとお考えになつておるか。
#53
○國務大臣(保利茂君) 私が申上げる範囲内ではないようでありますけれども、地方自治体を強化して参ります上におきまして、自治体の構成員であるところの住民が、その自治体を強化して参りますために税を負担して参りますことは当然のことでありますけれども、併しながら地方におきましても、今日の國民生活の実際から申しまして、一面の要請は、一面の要請ではありますけれども、同時に地方におきましても、できるだけ負担の軽減を図つて頂くように措置して頂くことか、私は最も望ましいことだと考えております。
#54
○佐多忠隆君 一般的に地方で負担の軽減を措置して貰うことは当然なんですが、問題は先ほどから言つておりますように、特に勤労者に対して地方税も非常に重くなつている。もつと具体的に言えば、法人その他における地方税の軽減は非常になされたにかかわらず、市町村民税その他の税負担の形において、特に勤労者に重くなつている。この点を労働大臣はどうお考えになりどう是正しようとお考えになるか、その点をお示し願いたい。
#55
○國務大臣(保利茂君) その点はよく研究して参ります。
#56
○佐多忠隆君 それじやその点についてとくと一つ御研究願つて、労働階級の、勤労大衆の生活を守る要求を労働大臣として強く出して頂きたい、こういうふうに希望して置きます。
 次の問題は、労働者住宅の問題でありますが、住宅問題には労働者、勤労者が非常に悩んでいることは、ここで私が縷々申上げるまでもない。問題は労働者に対して、労働者住宅、或いは産業住宅ういう形で住宅問題を解決してやるように、具体的な案を労働大臣はお考えになつているのかどうか。
#57
○國務大臣(保利茂君) これは全く所管が別になつておりまして、建設省のほうで專管をせられ、心配をしておられますので、無論この労働者の、勤労者の副利と申しますか、生活向上の面におきまして、関連します点が多うございますので関心は持ちますけれども、又改善を図つて行くことについては、私ども努力いたすことにやぶさかではございませんけれども、具体的には建設省の所管でございますから、建設大臣にお尋ねを願います。
#58
○佐多忠隆君 私は一般的な住宅問題をお尋ねしているのではなくて、一般的な住宅問題については勿論建設大臣に後刻お尋ねいたします。問題は労働者の住宅政策をどういうふうにお考えになついいるかという問題なので、これは所管通いであるというような簡單な問題で済まされない問題だと思います。殊に労働者の、特に産業住宅に対してどうお考えになつているかということをお聞きしているのでありますから……。更に所管の問題を申しますれば、成るほど大臣は労働大臣ではありましようが、同時に國務大臣であると私は承知しております。仮に所管の事項でなくつても、それでは國務大臣としての見識をどういうふうにお持ちになつておるか。
#59
○國務大臣(保利茂君) 労働者住宅を含めて、住宅問題は建設省の所管になつております。國務大臣としては、今日窮迫いたしております住宅問題が速かに改善せられるように措置することが最も望ましいと考えております。
#60
○佐多忠隆君 所管が人の所管であるからそつちに任じて置くんだというような態度で労働者の住宅問題に対しておられるから、今のような労働者の産業住宅に対して何ら考慮が拂われていないという結果になつているのだと私は思う例えばもつと具体的に言いますれば、住宅金融公庫に相当な金を持つております。この住宅金融公庫の金は、併しながらいろいろな事情もあるために、なかなか資金を持つておりながらこれが消化されていないという状態が、現在の状態だと思います。この住宅金融公庫の資金を、先ほどから言いますように、労働者の産業住宅として、各企業体が企業体として労働者の住宅を建てるという形にしてこれに参加して行くという方式を開くならば、もつとこれが積極的に大規模に使われて行つて非常に有効な政策になり得るのじやないかと、こういう点を労働大臣は少しも考えておられないのかどうか。これた労働者大衆が熾烈に要求をし、いろいろと具体的な案を出して労働省にもちやんと申出ている問題であると思うのですが、労働大臣はどうお考えになつているのか。(「彈圧することだけだ」と呼ぶ者あり)
#61
○國務大臣(保利茂君) 私は具体的な、まだそういうお話を伺つたことはございません。初めてでございます。(「労働大臣やめろやめろ、労働者のことを考えていないじやないか」と呼ぶ者あり)
#62
○佐多忠隆君 こういう、先の被服の問題といい、住宅の問題といい、非常に労働春の生活守るために重要な、今最も早急に解決をしなければならない問題に対して、労働大臣がまだ何にも聞いておりませんというようなお答えに至つては、私唖然とせざるを得ないのでありますが、聞いていないとおつしやるから、ここで私も引きますが、願わくはこういう重要な問題があることをば、もつとそういうしらばつくれた態度でなくて、もう少し真劍にこういう問題を取上げて、勤労者大衆の生活を守つてやるということに御努力を願いたいと思う。それは希望として延べて置きます。
 それから次に、民間の各企業、産業におけるレツド・パージの状況を具体的にお示しを願いたい。
#63
○政府委員(賀來才二郎君) 具体的にという御質問でございますが、どの程度まで申上げたう具体的になるか、あとで又御質問によつてお答えいたしたいと存じますが、只今のところ、十一月の二十日現在で報告を受けておりまする数は一万八千七十名に達しておるのでございます。
#64
○佐多忠隆君 各産業別にどういうふうになつておるか。
#65
○政府委員(賀來才二郎君) 只今手許
 に持つておりませんので、今取寄せましてお答えいたしたいと存じます。
#66
○佐多忠隆君 これらのレツド・パージで街頭に放り出された諾君の生活安定についてはどういうふうなことが考えられておるか。
#67
○政府委員(賀來才二郎君) 我々の得ておりまする報告によりますると、今度の追放を受けました諸君が貰つておりまする退職手当は、極めて概算でありまするが、一人平均六万一千円程度に達しておるのであります。なお失業保險によりまする給付も受けておるようでありまして、差当りのところはそれによつて生活をされておると考えておる次第であります。
#68
○佐多忠隆君 京阪神に御承知の通り非常な騒動が起つておるのですが、これの背後に、或いはこれの中心にレッド・パージの諸君が活躍しておるということがしばしば新聞に報ぜられておるのですけれども、具体的にどれくらいの人たちが、どういう方法でこれに参加しておるか。
#69
○政府委員(賀來才二郎君) 各地で最近起つておりまする騒擾に日本共産党の諸君が加わつておるという話は聞いております。併しこれは治安の関係の問題でございますので、労働省といたしまして確たる情報を持つておりません。
#70
○佐多忠隆君 共産党の諸君がやつておるということは、いろいろ新聞にも報ぜられておりますが、私が開いておるのは、レッド・パージで追放された諸君か共産党のそれと一体になつておるのか、或いは別にあるのか、その辺のことをもう少し具体的に、どういうような状況になつておるのかということをお聞きしておるのです。
#71
○政府委員(賀來才二郎君) 労働省といたしましては、今度のレッド・パージに関しましては、生活の問題とも関連いたしますので、これを最小限度にとどめるように努力し、注意いたしますと同時に、これによつて労働組合などに無用の紛争が起らないように注意をして参つたのであります。この点につきましての情報は持つておりますけれども、治安に関係いたしまする騒擾の問題に関連いたしまして、どの程度今度のレッド・パージされました諸君が加つておるかどうかということについての情報は、我々として取つてもおりませんし、持つてもいない次第であります。
#72
○佐多忠隆君 ではその資料をお持ちの、労働組合の紛争をどういうふうに引き起したか、その点に対する御説明を願います。
#73
○政府委員(賀來才二郎君) 今度のレッド・パージされました数は、先ほど申しましたように一万約九百名でありましてパージされました当該産業の従業員総数に比しますると〇・四%に当つておるのであります。この間我々といたしましては、先ほど申しましたように、このこと自体から無用の紛争が起らないようにという点につきまして、十分注意を拂つて参つたのであります。極めて例外を除きまして、この問題自体からの紛争は幸いにいたしまして殆んど起らなかつたと我々は見ておるのであります。
#74
○佐多忠隆君 レッド・パージについては、同調者の名の下にいわゆる行過ぎが各各方面に行なわれたということを我々は聞いておるのですが、そういう行過ぎがどの程度に実際になされたか、それに対してどういうふうな措置がなされたか。
#75
○政府委員(賀來才二郎君) このレッド・パージはもともと使用者、経営者が自己の企業の安全を守りますだめに、企業者の責任において実施いたしたものであります。併しながら労働省の立場といたしましては、それぞれ関係法規を持つておるわけでありますので、例えば労働組合法第七條違反がないようにという注意は十分して参つたのであります。従いまして我々が目下持つておりまする情報の範囲におきましては、行過ぎである、切り過ぎであるというふうなものは極めて例外的なものになつておるようであります。なおこのレツド・パージの行われております間、個々の事案に関連いたしましては、使用者に注意を喚起し、或いは組合とも十分連絡をとつて処置をして参つたのでありますが、更に労働委員会におきましても、労働者がみずから行過ぎであるというものの救済は、即ち提訴は受付けて目下それぞれ処理をいたしておるようであります。
#76
○堀木鎌三君 今の賀來さんの説明に関連してお聞きしたいのですが、今賀來労政局長は、労働組合法の第七條の不当労働行為に当らないように注意して来たということを言われるのでありますが、私が労働委員といたしまして労働大臣にお聞きいたしましたとき、そのとき参に賀來労政局長も御同席であつたのですが、ここにその速記録を持つておりまするからちよつと申上げます。私が、今のお話だと、企業防衛の見地かち解雇しなければならんという考え方は、企業経営者自身の判断に待つてそれを肯定することになるのか、ということをお聞きしましたところが、保利國務大臣は、大体御所見の通りだ、更に私が、党員であることが客観的事実としてありますれば、他に何らの行為がなくても企業防衛上解雇しなければならんと企業主自身が考えた場合、それがそのまま認められる、こういうふうに考えられるか、こういうのに対しまして、保利労働大臣は、御所見の通りであります。更にその場合に労働委員会によつて労働者が不当労働行為として提訴しても、労働者の権利の保護は受けられないものと考えていいのでしようか。というふうに言いましたところが、保利労働大臣は、そういうふうに解釈しておる。こういうふうに言われたのであります。私どもはその際やはり経営者自身の主観的判断があつても、労働者が労働組合法なり労働基準法によつて保護されておる権利はやはり守られるのだ、こういうふうな考えに立つてお開きしておりましたのでありますが、今の賀來労政局長のお話だと、この点やはり私どもの考えに近いように承わるのですが、労働省の御見解はどちらが正しいのか、その点はつきりここでお話を願いたい。殊にエーミス労働課長が、今やはり賀來労政局長の言いましたような方向によつて物事を裏付けておるように考えるのであります。その点はここではつきりして置きたいと、こう思うのであります。
#77
○國務大臣(保利茂君) 或いは私の言葉の足りないために誤解を拘かれておるとすれば大変私は恐縮でありますから、この場合申上げたいと思いますが、私どもとしては、このいわゆるレツト・パージが、その本来の目的は企業の安全を保持するというためにとられる措置であつて、その措置は妥当であると、こういう見方をいたしておるのでありますが、その場合にいやしくも健全なる労働組合運動を彈圧するという、抑制するというような誤解を抱かれないように、行過ぎや便乗解雇が行われないように特段の注意を拂つて参つたのでございます。そうして経営者の判断と責任において、企業防衛上必要な措置をとられる、その措置は大体堀木委員の御所見の通りであるという意味を申上げておるのでありまして、併しながらそれらの措置を受けられた人々が、地労委或いは中労委或いは裁判所等への法規上認められているところの提訴権を奪うというような意味では断じてございません。
#78
○委員長(波多野鼎君) ちよつとお諮りしますが、人事院総裁が出席しておりますが、午後所用があつて出にくいというお話でありますので、特に人事院総裁に御質問の通告がありました若木君にこの際発言を許しまして、佐多君の質問の継続はあとにして頂きます。
#79
○若木勝藏君 私は大蔵大臣に対する質問と関連して人事院総裁に伺おうとしたのでありますが、今総裁が見えられておるということでありますから、その部分を伺いたいと思うのであります。
 先ず第一に、今度の政府の一般職員に対する給與法案を見ますと、非常に不合理な点があると考えられるのであります。それはいわゆる今度の國鉄裁定の面から見まして、これはたしか今度の承認によつては、六月から八千二百円ベースになると私は了承しておるのであります。そういう際に、今回政府は来年の一月から一般職員の給與を八千円程度に引上げる、つまり千円引上げる、こういうふうなことが一つ考えられておるのであります。それから更に人事院の八月の勧告を見ますると、詳細な資料をつけまして、この点についてはいわゆる生計費の嵩んだ点、又もう一つは、民間の給與に比べまして、本年の五月の調査では、大体五割の差がある、つまり民間の方面に
 おいては五割高になつておる、こういうことが勧告に示されておるのであります。そういう点から今度の政府案に対しまして、人事院総裁といたしまし
 ては、どういうふうに考えられるか、この御所見を伺いたいのであります。
#80
○政府委員(淺井清君) お答えを申上げます。人事院といたしましては、今回の給與改正案に対しては、遺憾ながら甚だ不満でございます。
#81
○若木勝藏君 その不満の点を具体的にお聞きしたいと思います。
#82
○政府委員(淺井清君) 第一に内容について申しますれば、人事院が保持いたしておりました給與政策が採用せられていないということでございます。第二は、勧告の制度を設けました以上は、これを尊重すべきことは、國家公務員法上当然であろうかと見るのであります。この二点に対して不満でございます。
#83
○若木勝藏君 今の二点について、数字を挙げてもう少し具体的にお聞きしたいと思います。
#84
○政府委員(浅井清君) 詳細の数字を今ちよつと持合せないのでございますが、第一点について申しますれば、いわゆる俸給表の問題が
 第一でございます。人事院のとつておりまする給與政策によりますれば、下に厚く上に薄からざる程度の俸給表が作成されてございます。即ち標準生計費というものを二級一号に充てて計算されてあるのでございます。そうして一番上と一番下とは約七倍の程度になつておるのでございます。然るところ、政府の改正案によりますれば、これは二級四号になつております。政府の主張するところによりますれば、これを二級四号に引上げましたのは、この二級の職員の年齢が十六歳以上十八歳以内の程度というところから、平均のところへ上げたものと想像せられまするが、現在の任用資格では、十六歳の者にはこの二級一号の俸は給與えられておりません。即ち新制中学を出まして約一年くらいたちました者が二級一号に格付されておりまするから、およそ十七、八歳のところに該当いたします。即ちここに下に薄いという考え方が出ております。そうして一番上は、人事院の調査いたしました民間の給與の最高額に充てております。併しながら人事院は中位数を取つて一番上の俸給を定めておる次第でございまするからして、この点において下に薄く上に厚いという考え方を人事院は持つておる次第でございます。
 第二点といたしましては、特別号俸の切下げでございます。一体特別に号俸を調整されておりますものは、これすべて勤務時間のみじやなくて、その務の危險性、困難性等種々理由があつて今日に至つたので、ございまして、一木一草ことごとく存在理由があるものでございます。未だ職階制が採用せられずして職務分析が精密になされない今日におきまして、單に勤務時間等を云々いたしまして、これを乱暴に調整をいたしますることは、あたかも個々から生み出した財源を以て他に充てたという非難を免れないと存じます。
 この二点が内容について、人事院の持つておりまする最も不満の点でございます。なお詳細の数字等は若し御要求がございますれば、改めて提出させて頂きたいと存じます。
 次に、一体人事行政の專掌機関と申すべき人事院というものを設けました以上は、そうして勧告権というものを認めました以上は、これが尊重せらるべきことは、制度上当然のことかと存じます。然るところ、これを單に財政万能の考え方からいたしまして、この財政上金がない、ない袖は振れないということのみから、すべて給與政策又はこの勧告という制度が蹂躙されるということになりますると、これは何のために現在の制度があるかわからないと存じます。
  以上が不満の点でございます。
#85
○若木勝藏君 更にお伺いしたいと思うのでありまするか、それでは政府の言い分では、大体この年末におきましては、現在のペースよりも千円近くの、つまり七千円程度の実收になる。それでそれに対して千円を一月かう引上げて行くのだというふうなことを言つておるようでありますが、私は年末までにおいて七千円程度になるというふうなことについては、多分の疑問があるのでありますが、人事院といたしましては、これが、一体六三ベースがぺースとして上つたように解釈されておるかどうか。或いは他の理由でそれだけふくらんでいるというふうに考えておられるか、この見解を、解釈をお伺いしたいと思います。
#86
○政府委員(淺井清君) ベースという言葉にはいろいろ解釈がございまして、どの見解をとりまするかは自由ではございましようが、人事院のとつておりますベースという観念、及び内閣のとつておりますベースという観念には、只今のところ違いはございません。即ち現行給與法第一條によるベースでございまして、いわゆる総平均を指すものでございますから、この意味においては、人事院と内閣との間に見解の相違はございません。そこで現在の六三ベースのこの年末におきましてどの程度になるかということの御質疑があつたように承知いたしておりまするが、ベースが上りまするということは、必ずしも賃金の引上のみならず、一斉引上げのみならず、昇給の制度そのの他の人員の増減等種々なる原因があろうと思つております。人員の減少等によつて上りますのは、本当に上つたのではないという御議論もあろうかと思いますけれども、只今給與法第一條においてとつておりますところのベースは、さようなる原因の如何を問わずすべて総平均の意味であります。
#87
○岩間正男君 委員長、それに関連して……。先ほど人事院総裁が、政府の今度の処置は非常に不満である、そうして人事院の当然の職責から勧告権はもつと尊重されなければならない、而るに政府はこれに対して、財政の立場からこういう勧告権というものの尊重が不十分であると、不満の意を表明されたのでありますが、非常に今段階が窮迫しているわけです。そうしますと、人事院としては当然これに対して、政府の処置に対して再勧告をする、こういうことが非常に重大な段階に達つしておりますが、そういうふうな意思を持つておちれるか、はつきり伺つて置きたい。
#88
○政府委員(淺井清君) 人事院が勧告をいたしまする場合には、國家公務員法の二十九條の規定による外にございません。従いまして給與法に掲げた給與を五%以上動かす必要がありと認めるときに限られておるのでございまして、窮迫云々のお言葉は御尤もでございまするが、それだけでは再勧告はできないと存じます。
#89
○岩間正男君 法的にはそういうことになると思うのでありますが、非常に連関して重要な問題であると思います。そうして仮に再勧告という形は公式にとれないとしても、これに対する、政府に対する意見の申入れ、そういうようなことは差支えないと思うのでありますが、そういうような意思を表示をされるお考えがあるかどうか、その点非常に重要だと思いますので、当然先ほどの人事院総裁の不満の意思の表明から行けば、人事院の性格としては、そこまでやらなければこの仕事は完了しないと我々は考えるのでありますが、この点について伺いたい。
#90
○政府委員(淺井清君) これを法律的に論じますれば、人事院は勧告いたす権限しかございません。これを最終的に御決定になるのは國会の任務と存じますのでございますから、我々かように罷り出まして人事院の立場を申上げて、國会の御審議をお願いしておる次第でございます。
 なお政府に対して何かもつとやれとの仰せでございまするけれども、人事院といたしましては、常に政府と接触いたしまして勧告の実現に努力して参つえ次第でございます。
#91
○岩間正男君 併しそういうことになりますと、不満の意思を表明することもおかしいというふうに我々は考えざるを得ないのであります。不満の意思が今はこういうような公式の場合で表明されたのでありますが、これに対してもつと積極的に、これは何も法令に違反することじやないのでありますが、その折衝の過程を、もう少し強化する。そうして公式でなくても、非公式で、あつてもそういう意思を表明して、これをもつと問題を明らかにするという御努力をされることが必要だと思いますが、そういうお考えはないのでございますか。
#92
○政府委員(淺井清君) 國民の代表者であられる國会においてこれを明らかにしますほど、明らかにすることは私はないように存じております。
#93
○若木勝藏君 先ほどの質問を継続したいと思うのであります。そうしますというと、人事院の八月に勧告された、いわゆる八千五十八円ベースというふうなものは、生計費の嵩みというふうなことを考慮されて、いろいろの資料に基いてそういう勧告をされているように私は勧告書で見ているのであります。そういう点からいたしまして、今回の政府におけるところの、年末においてに約七千円近くになるという、そのふくらみは、六千三百円ベースからふくらんで行つたふくらみは、人事院の解釈している生計費の嵩みというふうなものが基本になつているかどうかということについて伺いたいと思います。
#94
○政府委員(淺井清君) ちよつと御質疑の御趣旨がわかりかねるのでございますが、このペースと申しまするものは、総平均でございまするからして、極端に申しますれば、一人死にましても数單的には何ほどかの響きを持つものでございますが、昇給その他の制度によりまして逐次上つて参つたのでございます。昭和二十三年の十二月一日に人事院が調査いたしましたところによりますれば、あの法律の施行期日である当日において六千三百七円に達していたことは確実でございます。その後漸次上昇をいたしまして、この暮に至りましては、政府の主張するところによりますれば、およそ七千円に達しようと、こういうのでございます。で、人事院も同時にこの点の調査はいたしておりまするけれども、何分にもこれは下からたくさんのデータを積み上げる仕事でございまして、完了いたさないのでございまして、政府のほうで非常に簡單にこの数字が出るということが、私どもは非常に驚いている次第ではございますが、大体只今までの人事院の調査によれば、およそ政府の主張せられるところと大差はないと存じております。
#95
○若木勝藏君 どうも総裁の答弁は、私はつきりしないところがあるのでありまするが そういたしまするというと、この人事院の勧告による八千五十八円ベースというようなものの中には、今の学歴とか年齢とか或いは昇給とかというようなものを含んだほかに、いわゆる生計費の嵩み、値上りというふうなものが含まれておるかどうか、こういう点を付いたいと思います。
#96
○政府委員(淺井清君) その生計費のふくらみと仰せられます点は、そういう生計費を増加させるという点に現われて参る、こういうことでございます。
 なお御参考までに申上げますが、このベースと申しますのは現行給與法第一條に規定されてございまするように、俸給、勤務地手当、それから扶養手当及び特殊勤務手当を指すものでございまして、それ以外のものは含まれておりません。
#97
○若木勝藏君 その程度にして置きます。
#98
○委員長(波多野鼎君) それでは午前中の委員会はこの程度で一応休憩に入ります。午後は一時半から再開いたすことにいたします。
   午後零時二十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十七分開会
#99
○委員長(波多野鼎君) 午前に引続きまして予算委員会を開きます。
 午前の御質問が中途で切れておるので、佐多君お願いいたします。
#100
○佐多忠隆君 それじや午前に引続いて、今回の給與水準改訂案の標準生活費三千三百四十円の基準カロリーは、独身青年男子が中等度の労働に必要な熱量は二千三百十一カロリーと言われておりますが、民間の労働者の基準カロリーは大体どれくらいになつておるか、労働大臣にお伺いしたいと思いまし、
#101
○政府委員(寺本広作君) 只今統計を持合わしておりませんので、取寄せましてお答えいたします。
#102
○佐多忠隆君 大臣が資料を持ち合わしていないからとおつしやるのならば解せるのですが、先ほどから政府委員或いは説明員のかたがたが資料がありませんからと言うのでは、何のだめにここに御出席になつておるのか、私了解に苦しむのですが、どうか一つそういう資料はちやんとお揃えになつて御出席を願いたいということと同時に、あなたがた自身がお持ちになつているのみならず、それを我々にも全部一つ配付して、その資料に基いて一つずつ御説明を願いたい。
#103
○政府委員(寺本広作君) 持ち合せがございませんで非常に恐縮でありますが、従来こうした関係の資料は、あらかじめ國会のほうから御要求を頂きまして、それに応じて提出するならわしになつていたものですから……。
#104
○佐多忠隆君 労働階級の生活を守るための最も基本的な問題であると思いますので、そういう資料は改めて我々が要求をするまでもなく、配付は要求されてからでいいと思いますが、少くとも自分たちのお手許には是非一つ揃えて置いて持つて来て頂いて御出席を願いたいと思います。(「関心がないんだ、初めから」と呼ぶ者あり)
#105
○木村禧八郎君 ちよつとその点で、これは私委員長の手を通じてそういう関係資料は要求しているはずなんです。(「労働者を彈圧する以外に関心はないのだ、労働省の役人は労働者の生活なんかどうでもいいのだ」と呼ぶ者あり)
#106
○委員長(波多野鼎君) ちよつと今調べています。政府委員に対して委員会から要求いたしました資料の中に、朝鮮動乱後の物価、生計費、賃金、雇用、それから米価改訂による生計費への影響等、そういうような資料の要求が出ておりますが、これは安本のほうに出ておりまして、労働省には出ていなかつたので、労働者からああいう答弁をされたのは、まあ一理あると思うのですが、併しそれにしても労働省側において今問題になつたような点についての調査があるはずなんで、今ここに給與課長も説明員として来ておられますが、そういう点について何か御答弁ができないのですか。
#107
○政府委員(寺本広作君) 労働省で國民の攝取栄養のカロリーの問題に関心を持たぬというような御批判が出ておるようでございますが、これは実質賃金の問題として、私ども関心は十分持つております。只今ここに数字がないということを先ほどから申上げておるわけです。
#108
○委員長(波多野鼎君) それでは至急取寄せて御答弁願いたい。
   〔吉川末次郎君「カロリーの問題だけでなしに、住宅の問題だつて、衣料の問題だつて、ちつとも答えられないじやないか、関心がない証拠じやないか。」と述ぶ〕
#109
○委員長(波多野鼎君) 佐多君に発言を許しておりますから。
#110
○佐多忠隆君 失業者の問題ですが、今度の補正予算に失業対策費か出て参つておりますので、先ず第一に、各四半期別の失業者指数が、過去においてどういうふうになつているか、それから第四四半期に大体どういうふうになるお見込であるか、その点御説明願いたい。
#111
○政府委員(齋藤邦吉君) お答え申上げます。失業対策事業に一番関係のありますのが日雇失業者の問題でございまして、最近におきまして特需関係並びに進駐軍労務関係等につきまして、求人の要求が少しずつではありますけれども、徐々に多くなつて参つておるような次第でございます。即ち本年七月に、延べにいたしまして四百八十八方でありましたものが、九月に至りまして五百二十三万というふうに徐々に増加いたして参つております。これらの日雇労働者の平均就労日数も徐々に増加いたして参つておりまして、本年六月には、一月間の就労日数が一五・三というふうでありましたが、それが七月には一五・八、更に九月には一七・八というふうに上昇いたして参つておるのであります。第四四中期におきましては、こういうふうな特需関係の民間雇用が或る程度増加するであろうということを頭に入れ、更に又公共事業は御承知のように、年度のおしまいになりますと就労数も多少増加して参ります。そうしたふうなことを頭に入れまして、大体本年の下半期、第四四半期におきます登録労働者の数を五十万というふうに計算をして見た次第でございます。本年の九月は四十六万四千人程度であつたのでありますが、更に失業保險等の関係もありまして、期間が切れますので、登録労働者の数を五十万くらいになるだろう、更に又安定所を利用する日雇労働者の数も現在よりは多少殖えるであろう、三十二万八千人くらいと見込んであります。本年の九月は三十一万人程度でありましたが、それが第四四半期におきましては三十二万八千程度になるであろう。そうして民間雇用のほうも、本年の九月は月雇労働者の求人口が四万三千程度ありましたが、それが第四四半期におきましては、大体四万から四万七千程度に多少殖えるのではないだろうか。公共事業も安定所が窓口で毎日紹介しておりました数が、本年の九月は三万五千人程度でありましたが、例年第四四半期にこの公共事業の就労者数が上昇いたしておりますので、その例から申しまして四万八千から五万二千程度に殖えるであろう、こういうふうなことを考えまして、大体第四四半期の平均就労日数は十九日から二十日程度を確保することができるではないだろうか、かように考えておる次第でございます。
#112
○佐多忠隆君 二、三の月についての大体の概数或いは推計をお伺いしたのですが。私が今要求しているのは、失業参対策費はあなたがたのほうで四半期別に幾らずつときめてお出しになつているので、それに対応する失業者数は、日雇その他一般労務者において幾らであつたのか、更に又それが失業対策費によつて吸收されたのが大体幾らであつたのか、それを特に更に第四四半期にはどういうふうに推計をなさつておられるかという数字をお聞きしたいのであります。
#113
○政府委員(齋藤邦吉君) 失業対策事業の予算は、第一四半期におきまして十億、第二四半期におきまして十二億、第三四半期十三億、第四四半期十四億支出いたしておるのであります。補正予算が成立いたしますと、補正予算の十五億で、大体十四万四千人という、三十五日稼働といたしまして十四万四千を就労せしめることができるというような計算になつております。第一四半期におきましては十億でありまして、ほぼ十万人、第二四半期十三億でほぼ十三万人、第三四半期十四億でありまして、これは約十四万人、十五億の補正予算では大体十五万五千という、こういうふうな計算でいたしておるような次第でございます。
#114
○佐多忠隆君 第三四半期は十四億ですか。
#115
○政府委員(齋藤邦吉君) 第三四半期は十四億……。
#116
○佐多忠隆君 第四四半期は……。
#117
○國務大臣(保利茂君) 只今予定いたしておりますのは、この第三四半期十四億ということでやつておりますけれども、そして第四四半期が空白になりますから、十三億の補正をお願いいたしておりますが、更にこの一億が本来第四四半期、年内に本年度分を繰上げ支出をする場合も考慮しておりまして、一億円をこの第三四半期に支出するか、第四四半期に持ち越すかは、労務状況と情勢と睨み合せて支出をいたしたい。で、第四四半期におきましては、最低五億円、その場合に第二四半期までに当初予定いたしております一億円を繰延べいたしますれば、十六億円を第四四中期、そこにはやはり労務の状況、情勢等に応じて彈力性を持つた扱い方をいたしたい、そういうふうにいたしております。
#118
○佐多忠隆君 第一四半期、第二四半期、第三四半期の経費の使い方は、大体今お示し願つたのですが、これは一応予算書にも出ておるので、それは承知するのですが、私が特に労働大臣、或いは労働省当局に聞きたいのは、各四半期ごとに大体どれくらい失業者があるとお見込になつたのか。それからそれの実績はどうなつておるのかということ。それから先ほど一億で一万人という單純な数字で十億のときは十万人、十三億のときは十三万人、十四億のときは十四万人等々と挙げられましたが、これならば小学校の生徒でもできることであります。一応計画は或いはそうであつたかも知れないが、実際にどれだけこれで救済をされたのか、その実績を正確にお示しを願いたい。
#119
○政府委員(齋藤邦吉君) 第一・四半期十億支出いたしました実績は、九万五千三百八十七人を二十五日稼働としては吸收いたしておる次第でございます。第二四半期は十二万四千六百六十五人、かようになつております。第三四半期の十月の当初でありますが、十三万三千八百二十二人という計算に相成つております。この吸收入員の日数は二十五日の計算といたしまして、さような数字に相成つておる次第でございます。
#120
○佐多忠隆君 吸收された実数は、それで大体わかつたのですが、大体失業者をどれくらいとお考えになつたのか。更に計画としてはどれくらいにお考えになつたのか。それの実績はどれくらいあつたのか。
#121
○政府委員(齋藤邦吉君) 大体におきまして本年の四月の日用労働者の安定所の窓口に常時現われて参つておりました数が二十五万六千人でございます。第二四半期の当初になりますと、七月になりますと約三十二万九千という数字になつております。それが九月になりますと、多少減りまして三十一万というふうな数字に相成つております。この安定所の窓口に現われて参りました四月、二十五万六千、七月、三十二万、九月、三十一万、これらの人々に対して公共事業、失業対策事業或いは民間雇用といつたような全傭労働の求人口に対しまして、適正な就労日数を按配して職業に就けるといつたふうなやり方をいたしておる次第でございます。今日までの最近の様子を見ますと、これらの日雇労働者か一月間に働きました就労数、失業対策事業、公共事業等全部引つくるめてでございますが、その就労日数は、本年の六月が一五・三百という僅かな就労日数でありましたが、七月に一五・八、八月に一六、九、九月に一七・八というふうにその月月平均就務日数を上昇せしめて参つて来ております。第四四半期の予想、今までのは過去の問題でございますが、第四四半期の予想といたしましては、安定所の窓口に来る者は大体三十二万八千人程度になるであろうと推定いたしまして、補正予算の成立の曉には公共事業への就労斡旋の強化、その他によりまして、第四四半期におきましては、更に十九日から二十日の平均就労日数を確保し得るのではないだろうか、こういうふうなことを考えておる次第でございます。
#122
○佐多忠隆君 日雇労務者の失業各期別のことは大体お示し願つたのですが、一般労務者が各期別にどのくらいあるか。
#123
○政府委員(齋藤邦吉君) 本年四月以降、即ち本年の四月常傭労働者を申上げますと、本年の四月の常傭労働者の求職者の数は八十二万六千六百四十四人でございまして、その八十二万六千六百四十四人のうち、失業保險金を受取つておりました数が三十九万、約四十万でございます。即ち八十二万に対しまして半分が失業保険を受ける。そうして就職いたしました数が十万でございまして、結局三十万程度が未就職に終つておる、こういう情勢でございます。更にそれが七月になりますと、求職者のほうは多少増加いたしまして八十五万程度に及んでおり、失業保險の受給者は約四十万、就職は八万三千でありますので、三十二万程度が未就職に終つております。それが本年の九、月になりますと、民間雇用も多少殖えて参つておりまして、安定所の窓口に参りました九月の求職者の数が八十九万、七月よりは多少殖えて参つておりますが、八十九万、それに対して失業保險を受けておりますのが約四十万、それに対しまして民間の雇用が伸びて参りまして、就職いたしました数が約十二万、本年の七月は八万三千という就職でございましたが、大体十二万というふうに及んでおるような次第でございます。四月以降の状況は以上申上げた通りでございます。
#124
○佐多忠隆君 大体過去の期別はそれでわかつたのですが、それでは来年度、昭和二十六年度を大体においてどういうふうに推計しておられますか。
#125
○政府委員(齋藤邦吉君) 明年度の雇用の見通しのお尋ねでございますが、まだ最終的には作業を完了いたしておりませんが、目下安定本部と打合せておりまする大体の点につきまして申上げて見たいと思います。明年度の失業の趨勢でございますが大体明年度におきましては、労働力人口といたしましては七十一万程度殖えて行くのではないだろうかというふうに考えられておるのでございます。なお七十一万の労働力人口の増加に照応いたしまして、明年度の雇用といたしましては、輸出産業の振興その他見返資金等によりまする事業の振興等によりしまして、全産業、これは製造工業その他すべてを引くるめましての全産業におきましては、大体五十五万五千から六十万五千程度の雇用量の増加を来たすのではないだろうかと、かように存じておる次第でございます。そういうふうな、即ち労働力人口は七十一万程度増加し、雇用量も殖えて参りますけれども、今のように殖えるだろうと想像されますけれども、労働力人口も相当増加して参る情勢にあり、而も現在の安定所の窓口等に現われております失業者の数も、相当な数に上つておりますので、明年度におきましての失業の様相は、本年度とほぼ大差ない形において推移するのではないだろうか、かようなことを目下経済安定本部と協議いたしておるような次第でございます。
#126
○木村禧八郎君 ちよつと今のに関連しまして……。先ほどの佐多君の質問に対するお答えとして、常傭労働者の数が殖えて来た。七月八万三千人、九月十二万というお話でしたが、この常傭労働者の中には臨時工とか、そういう形のものも含んでおるのですか。
#127
○政府委員(齋藤邦吉君) 常傭労働者
 の中には臨時工は含まないで、日雇のほうに入れて計算しております。
#128
○木村禧八郎君 もう一つお伺いしたいのです、か、職業安定所において、しよつちゆう新聞に出ておるのですが、失業者が大勢押しかけていろいろな紛争を起しておるのですか、その原因はどういうところにあるのですか、その根本の原因について伺いたいのです。
  それからその最近の状況を伺いたいと思います。
#129
○政府委員(齋藤邦吉君) 安定所の窓口におきまして行われております鬪争、まあ求職鬪争と言われておりますが、これの最近の数字を大ざつぱに申上げますれば、本年一月から本年九月までにありました件数は六千八十六件でございます。参加人員の数は延べにいたしまして約四十万というふうな数字に相成つております。このいわゆる求職闘争が最も盛んでありましたと申しますか、非常に数の多かつたのは本年の四月等でありまして、四月に約七万人が参加いたしておるような次第でございます。
 この求職闘争の原因は何かというお尋ねでありますが、結局この闘争のスローガンとして掲げられておりまする問題は、完全就労ということが一番大きな理由、要求項目と申しますか、そういうことに相成つております。そのほかに有給休暇等いろいろありますけれども、これらの要求項目の大半は、いわゆる完全雇用ということが中心になつておると存じておる次第でございます。
#130
○木村禧八郎君 完全雇用という意味はどういう意味なのですか。
#131
○政府委員(齋藤邦吉君) 安定所の窓、口に日雇労働者が毎日職業を求めに参る、これらの人々に対して一人もアブレを出しちやいかん、毎日々々日雇労働者が職業にありつけるように世話をしろという、いわゆるアブレ絶対反対ということで要求項目が出ておるわけであります。
#132
○木村禧八郎君 先ほどの日雇労働者の就労日数ですね、九月に一七・八、一カ月に十八日ですか、こういうふうなお話ですが、これはどうなんですか。この程度の就労では生活困難なことは明らかですね。そこでそういういろいろな職業安定所に押かけて今お話の完全就労ですか、そういう要求を出しておるのですが、労働省としてはこれに対してどういうふうに今後それを持つて行こうと考えておられるか。この程度の、九月に十八日程度の就労で満足しておるのですか。
#133
○政府委員(齋藤邦吉君) お答え申上げますが、日雇労働者につきましては、結局積極的にはできるだけ求人を開拓いたしまして就労の機会を増大せしめる、こういうことに努力をいたすということにいたしておりますが、それと相待ちまして、アブレたときにはどうするかという問題につきましては、御承知の失業保險法がございまして、先般の臨時國会でも改正して頂いた次第でございますが、このアブレたときには、失業保險法によつて失業保險金を支給するという線、即ち一方には日雇労働沓に対する就労の機会を増大せしあ、一方においてアブレたときには日雇失業保險金を支給する、こういうようなことを基本線として進めて参つておる次第でございます。従いまして先ほどもお答え申上げましたように、本年六月僅かに一五・三という就労日数でありましたが、その後第二四半期に失業対策事業の拡大があり、それから十月からも拡大があつた、こういうふうなことで徐々に就労日数は改善されて参つて来ております。而して大体九月に一七・八、第四四半期におきまして十九日か二十日程度は行けるのではないかというふうに考えられております、もとよりこれで何もかも満足だというところまでは参らんと思いますけれども、御承知のように日雇労働者は、戰争前は大体日雇労働者の平均就労日数は二十一日か二日であつたということも併せ考え、國の財政の許す範囲においてできるだけ就労日数を多くする、それには失対事業の枠を、拡大することと相待ちまして、民間雇用の増大を考え、その方面に求人を開拓する、それからアブレたときには日雇失業保險金を正確に支給して行く、こういつた線でできるだけ國の財政の許す範囲において就労日数を拡大して行くというふうに考えておる次第でございます。
#134
○木村禧八郎君 只今いろいろ御答弁がありましたが、併し失業対策としてはこの程度では非常に不安定なわけです。日雇的な就労かこういう状態では不安定なわけです。従つて労働大臣にお伺いしたいのですか、今後の失業対策の考え方、これは本会議でもちよつと質問したのですか、今までは輸出が殖えるとその方面に相当失業者が吸收できる、これか自由党の失業対策の根幹をなしていたと思うのです。そこで日雇的なものを失業保險でちよつぴり救つたり、職業安定所でちよつぴり救つたりする程度では、生活が非常に不安定なわけです。本格的な失業対策としては常傭的な雇用を多くするということがその目標でなければならんわけです。ところでその常傭的雇用を多くするという、これまでの一番重要な支柱であつた輸出産業が盛んになれば、そちらのほうに相当雇用が吸收される、失業者が吸收される、こういう構、想を持つていたわけなんですね。ところがそれがその通り行つていないのです。そこで今後の人口問題とも大きな関連を持つて来るのですけれども、失業問題に対しての根本的な、労働省としての対策、どういう構想を持つて行かれる、その点お伺いしたいのです。
#135
○佐多忠隆君 その問題があるのでしたら、その前にもつと私の質問を続けるあれがあると思うのです。
#136
○委員長(波多野鼎君) それでは木村君の質問に対する答弁はあとに留保いたしまして、佐多君。
#137
○佐多忠隆君 今の木村委員から根本的な今後の失業対策をどう考えるかという御質問があつたのですが、それに関連してもつと直接的に、私が先ずその前にお開きしたいのは、先ほどの御説明によりまして、失業者の数が、日雇が第一四半期に二十五万、一般労務者で八十二万、第二四半期に日雇が三十三万、一般労務者が大体八十五万程度、九月になると日雇が三十一万で、一般労務者が八十九万というようなふうに、いずれもこの両者を合せると百万を超していると思うのですが、然るに先ほどのお話によりますと、今の失業対策費で吸收された数は僅かに十三、四万というような、各期別十三、四万というようなことになつておるわけです。それで第四四半期においても相当殖えると思うのですが、にもかかわらず十五億程度の失業対策費しかお見込みになつていないのですが、果してこれでいいとお考えになるのかどうか。今までの失業救済も余りできなかつたし、今後更に殖えるのにも対応するものとしては、殆んど増額もできてないのですが、労働大臣はこれで一体御満足になつているのかどうか。これに対して更にどういうお考えを持つておるのか。先ず具体的にその問題からお聞きしたいと思います。
#138
○國務大臣(保利茂君) 局長からも詳しく御説明申上げておりますように、日々職業安定所の窓口にその日の職を求めておいでになるいわゆる日雇労働者、それらのかたがたに対する就労の日数を改善するということは、政府も今全力を挙げてその改善に当つておりますわけであります。今御説明を申上げましたように、この七月以降逐月上昇いたしまして、大体今日では月平均十八日から十九日就労の機会を得ていると確信をいたしております。従いましてこの改善して参りました十九日から二十日の線を第四四半期においても何とか確保して参りたい、こういうことを基としまして補正予算をお願いして十五億を計上いたしておるような次第でございまして、幸いに十五億の補正予算が成立いたすならば、十九日から二十日の、これは全國の月平均でございますが必ず確保いたし得るという見通しを持つておりますから、今日の財政、國民負担の現状から申しますれば、大体この線を、二十日前後の線を保持して行くということで満足しなければならないではないか。そういう上から行きますと、十五億の補正は決して大きくはございませんけれども、大体これで凌いで行くほかはない、かように考えております。
#139
○佐多忠隆君 十五億、非常に少いけれども、現在の財政状態から止むを得ないのじやないかというお話でありますが、併しこの失業者の問題を中心にして、先ほどからしばしば問題になつておりますように、京阪神におけるああいう騒動まで起きて来ておる。若しこの失業状態をこのままにおいて行くならば、今の騒擾は二、三の者の或る意図を持つた計画的な騒擾であるかも知れませんか、若し片方にこういう失業の状態を放置して置くならば、これかあの鬪争に巻き込まれないとも限らない。こういうふうな状態になつて来ると、非常に大きな社会的な不安の問題になつて来ると思うのでありますが、財政状態もさることながら、併し財政状態は、若し日本銀行に返さなければならない金であるというような場
 合には、一、二夜にして百億程度の財源が簡單に出て来るようなのが、今の日本の財政状態だと思いますが、そういう状態にあるときに、この最も重要な問題に対して十五億程度で財政上止むを得ないと言つて、大臣がけろりとしておるようなのは、私たちには受取れないのですが、この点を明確にお答
 え願いたい。
#140
○國務大臣(保利茂君) その点は、この予算を編成いたしました場合に最も私は心配もいたし、考えもいたして、そうして最小限度の要求として十五億を要求した次第でございます。
#141
○木村禧八郎君 さつきの質問に対する御答弁に対する御答弁も欲しいのですが、それと並んで最近の犯罪の数ですね、これは法務庁……、そつちのほうから資料を貰わなければならんと思いますか、新聞を御覧になつても、その犯罪が非常に多くなつておることは御承知の通りでございます。而もだんだんそれが金銭的な……、銀行を襲撃して現金を取る、こういうような犯罪が非常に殖えて来ておると思うのです。そういう傾向は、その日雇労働者の就労日数を十九日から二十日にするとか、十五億程度の失業対策費で何とか凌ぎがつくというような程度では防止できないので、潜在的な失業とからんで、それがそういう犯罪となつて現われて来ておると思うのです。それがやはり社会不安、治安の乱れる原因になつておると思うのですが、労働者がストライキなんかをやつたりすることを抑えたりする、そういうことに專念してお巡りさんをそつちのほうに使つておる間に、そういう犯罪がたくさん出て来ておるのです。根本はやはり生活問題であり、やはり完全失業或いは半失業、そういう状態、生活の困難なりが非常に國民の間に広くなつて来ておると思うのです。従つてそういう面を考えると、相当深刻な問題であつて、單に職業安定所でこの程度救うからいいというような甘い考えでは足りないのであつて、半失業者もその生活水準を引上げるというようにしなければいけないと思うのですが、先ほど大体日雇労働者は月に二十日か二十一日ぐらい働ければいいのだ、戰前の例によつて、こういうお話がありましたけれども、戰前の日雇労働者と現在の日雇労働者はその質が違うと思うのです。最近における日雇労働者というのは、失業して止むを得ずして日雇に行つておるのであつて、二十日程度の就労日数で生活ができると考えるのは、或いは二十一日でいいと思われるのは、これは間違いだと思うのですが、その点も質問したいのです。
 それからもう一つ、失業保險、失業保險は、料金は今三分されておると思うのですが、政府の負担をもつと多くする意思があるかないか、その点についてお伺いしたい。
#142
○國務大臣(保利茂君) 我が國の失業問題が非常に困難な事態に立つておるということは、これは何人も異論のないところでございまして、要しまするのに生産規模の縮小、それに加えて人口の増加、特に海外からの引揚による急激な人口増加という面からいたしまして、根本的に失業問題の解決を得るということは容易でないということは、これはもう何人も異存のないところであろうと思う。根本の失業対策について更に検討をし直す必要があるのではないか。政府は輸出産業の雇用の増大、それに期待をすることを以て根本の方針としておるが、それじやどうも十分ではないではないかという木村さんの御意見でございますが、この数月来の趨勢が、先般の本会議でも申上げましたように、輸出の増進による輸出産業の振興、この点から特に製造工業方面に常傭労務者の雇用の増大が現われつつありますことは、必ずしもその方針が妥当でないということは言えないのではないか。これは飽くまで、やはりこの産業の振興による雇用の増大、それに期待を掛けて行くことが一番正しいのではないかと思います。同時に何と申しましても、日本の人口の四割から五割を持つております農村の経済が回復しまして、そして農村経済が充実することによりまして、農村における人口吸收率が高まつて行くということは、全体の失業問題を緩和して行きます上に、一番大きなこれは問題ではないかと思います。従いまして、この農村経済の回復といいますか、充実といいますか、これと産業、いわゆる工業の、商工業の振興による雇用の増大、これが実現しまするように総合的な政策を考えて行くことが最も必要であろう、こういうふうに考えております。
 更に又職業安定所に毎日出頭して職を求めに来られる日雇労務者の実態でございますが、これはもう全く御意見のごとく、戰前と戰後とは大分その構成の実態が変つておるということは認めなければならんと思います。従いまして、今日の日雇労務者という中には、多極多様いろいろのかたがたが含まれておりまして、この扱いは最も愼重を要するというふうに思います。失業保險料の分担の関係でございますが、只今現行の料金を変更する考えは持つておりません。
#143
○木村禧八郎君 これは事務当局でもよろしいのですが、特需関係による失業者の吸收の人員です、これは先ほどの常傭労働者の就労十二万ですか、九月例えば十二万、この中には特需関係によつて吸收された人が入つているのか、又日雇労働者のほうも入つているかどうか、その点伺いたい。
#144
○政府委員(齋藤邦吉君) 先ほど申上げました中には、特需関係の数字も含まれております。
#145
○木村禧八郎君 その数字を、大体でいいのですが、わかりませんか。
#146
○政府委員(齋藤邦吉君) 常傭のほうで申上げますと、大体七月中に二万五千、八月、一月間に約二方一千、九月に約二万二千というふうな数字に相成つております。日雇のほうは延べにいたしまして、七月に二方九千、八月に六万九千、九月に八方二千、これは延べの数字でございます。
#147
○山田節男君 この失業対策費の追加予算の中で、失業保險費に必要な経費の増加として十二億三千五百万円要求してあるのですが、これは私は大臣にちよつとお聞きしたいのですが、この失業保險の給付というものが、近来、殊にこの中小工業者の中でかなり濫用されておるのではないか、その一つとしては、中小工業者がどうしても経営がやつて行かれない、そういう場合に、従業員が失業保險にかかつているのを幸いに、解雇する。それから最近我我の実際見た例でありますと、某造船会社のごときは、四百名に余る従業員を、失業保險にかかつているのに、全員解雇してしまう、こういうような、中小工業者が一つの整理、それから退職手当の支拂の延期、或いは拂わないために、失業保險の給付を予期して解雇する、こういうようなものに失業保險を給付することが正しいとかどうか、この見解を一つ承わりたいと思うのであります。
 なおこの僅か、九カ月過ぎて残る三カ月としては、十二億円余り補正が要求されているわけでありますが、この失業保險、これは労災のほうも言えまするが、殊に失業保険の給付については、いろいろ詐取といいますか、虚偽の申告をして取つておるという例を屡屡我々は聞くのでありますが、果してそういう事実があるかどうか。あるとすれば関係当局としては、こういつたようなものに対して、失業保險の給付を停止し或いは場合によつてはその給付した金を拂い戻す、こういうようにさるべきものだと思うのでありますが、今までの間にそういうような件数が何件あつて、金額においてどれだけの額があるかということを一つお聞きしたいと思う。
#148
○國務大臣(保利茂君) 御懸念のような偽装失業と申しますか、そういう御指摘のような事例がありはしないかということで、私はその機関の人たちに、特にその点は過ちのないように、そうして若しさような事態がある場合には、これはもういやしくも緩に流れないように嚴正に取締つて貰いたいということを再々注意をいたしております。具体的にそういう事例がどこにあるということは、実は私承知をいたしておりません。
 なお補足すべきことがあれば政府委員から御説明を申上げます。
#149
○山田節男君 今の第一の質問をもつとはつきりさして貰いたい。
#150
○政府委員(齋藤邦吉君) 失業保險の不正支拂の問題につきましては、そういうことの絶無を期するように、目下盛んに不正支拂等につきましては嚴に取締をいたしておる次第でございますが、只今のところ何件、金額にしてどのくらいという点でございますが、只今のところ全國的には今集まつていないような次第でございます。
#151
○山田節男君 今の安定局長の御返答ですが、これはもうすでに失業保險を実施して今日に至るまで、そういう件が一件も上らないということは、私は非常に奇異な感がするのですが、果してそういつたような職業安定所なり、並びに県の職業安定課なりで、そういうようなものに対して、まじめにその摘発といいますか、そういうことをやる係官が、專門の官が、公務員がいるのかいないのか。それから全然ないということを今言われますが、これはどうも私は常識としてもちよつと了解できにくいのでありますが、各安定所、県の安定課に、そういう專門の係官がいて監督をやつているのかどうか、それを一つお伺いしたい。
#152
○政府委員(齋藤邦吉君) 只今のところまとめた資料を持つてないと申上げたのでありましで、できるだけ速かに資料を提出することにいたしたいと思います。
#153
○山田節男君 先ほど申上げた中小工業者が首を切る一つの、これは何と申しますか、安全弁というか、そういう失業保險の給付を受けるというために全員解雇して、そうしてその経営者のほうの何といいますか、経営の合理化というか、そういつたものを、これを嚴密な意味においての失業保險金の給付と見得るかどうかということについて、大臣なり或いはその他の責任者の一つ見解を聞きたいと思うのでありますが……。
#154
○國務大臣(保利茂君) これは実際の事例に当つて見ないと、仮にそういう意識を持つてやつたとしましても、客観的に見ます場合に、普通の解雇措置と同様に解雇をして、そうしてそこに失業保險の適格性を、受給者としての適格性を備える場合も多いと思うわけでございまして、果してその偽装失業となるか、真箇の失業となるか、実際に一々の事例に当つて見たいとわからないと思いますけれども、この失業保險料の三者分担になつております上から申しましても、失業保險金が濫用せられるということは、私はもうこれは絶対にさような弊害の起らないように運営をして行かなければならんというように考えております。どうも各個の場合になりますと、失業保險運営の衝に当つておる係りの人たちの良心的な監督に待つほかは私はないと、かように思つております。
#155
○山田節男君 これは、なぜ私はこういうことを申上げるかというと、まだ日本では失業保險が、失業保險ばかりではありません、各保險もそうだが、これは欧米の各國を見ても、まあ失業保險はその給付、或いは受給者の状況をよく調査しない。非常にスキャンダルが多いと思いますが、これは最近でありますが、例えばアメリカの失業保險について巧妙な詐術を用いて給付を受けておることが非常にたくさんある。日本において我々が見聞する点から見ても、そういうことはむしろ行われておるということは、これは否定することができない。そのためにアメリカあたりでは、年間で言えば何千万ドル助かつておるかわからない。こういうような点について、労働省が来年度の予算において、こういう不正な、これはもう失業保險ばかりではない、一般の社会保險の掛金というものが濫用される。殊に日本におきましては、まだ不幸にして一般の道義心が低いと思う。だからこういつたような、一カ年の中で、もうすでに約二割五分に近いものがあり、又負担しなければならんこの失業の場合には、そういつた監督が足らないのではないかということを我々は疑わざるを得ない。
 それからもう一つ、最前申しました殊に中小工業者がやつて行けなくなつた。そうして退職金も抑えない、賃金も遅配、欠配になつておる、このときに窮余の策として、まあ全員解雇をすれば失業保險が貰えて六カ月は何とかして行けるから、それで我慢せいというので、四百人に余るものを全員解雇したという例がある。こういつた失業保險があるから、経営者のほうから言えば非常にイージーに行ける。こういう失業保險の本来の意味を逸脱したようなやり方をして、そうしてこの失業保險の給付を受ける。これが私のさつき申上げたように、純正なる失業保險としての給付ができるかどうかという見解を聞いておる。私はこれは抽象的のことを申上げておるのではない。それは私が最近知つた労働者の例でも、他に二、三の点を知つておる。まして当局者としてはそういうことを知りませんということは言える義理でないと思う。もう少しはつきり見解をここで明らかにして貰わないと、これは次の二十六年度の予算の審議に当つても、相当検討して行かなければならんことになる。殊に労働担当官としては、この労災とか失業保險のような非常に社会的意義の深い、又一方からいえば、むしろそれによつて國民の道義を低下させるようなことを奨励するようなことになつてしまう、これは私は重大問題ではないかと思うから、こういうことを御質問申上げたのであります、ですから大臣としまして、そういうことは知らん、又個々の何によつていろいろのことが違うからどうも判定ができないということでは、ちよつと納得ができない。だから解雇されたという事案は、これはもういわゆる失業保險を給付する事実はあるのですよ、あるけれども、これについては事実で動機というものを見なければならん。それがなければ政策になりません。私はその点を伺つておるのです。
#156
○國務大臣(保利茂君) ひとり失業保險のみならず、社会保險全体を通じての陷りやすい弊害、その点を懸念の上の御質問、私はそれはもう全く同感でございます。ただそこに解雇せられた事実がありますれば、それが偽装解雇にあらざる限り、失業保險金の給付の対象にして取扱うのは、これは止むを得ないものであると思う。又取扱わなければならんと存ずるわけであります。こういう場合が仮にあるといたしますならば、私は非常に反動的なもので、むしろ給付すべきものではない。例えば或る経営者が、失業保險を、一時工場を閉鎖して、そうしてその数カ月の閉鎖期間を従業員と相談して、保險給付を受けつつその労働力を培養して、そうじて或る期間後に又それらの人たちを話合いの上で採用するというようなのが、いわゆる偽装解雇ではないかと私は思う。最も失業保險を惡用する場合の考えられ得る一番典型的な場合ではないかと思う。そういう場合が起らないように監督者の注意を促しておるようなことでございます。大体そういう程度で御了承を願います。
#157
○山田節男君 先ほど申上げましたように、殊に失業保險は、非常に何と申しますか、乱用されるということがある。これは日本の場合も例外ということはできない。ですからこれに対して、労働省は、将来こういう監督を強化して、そうしてこれは被保險者にとつても、或いは政府にとつても、経営者にとつても、こういう金が濫用されるということはこれは非常に大きな問題である。この点については政府として、もつと嚴格にやつて貰いたいということをお願い申上げて置きます。次に今年度の緊急失業対策法による予算でありますが、これは最初には四十億円計上されたわけです。我々としてはこれはどうしても六十億円なくてはいけないということを言つたにもかかわらず、四十億円を計上したる。果せるかな第三四半期で以て使われてしまつた。第四四半期分としてここに十六億円計上されておる。それで大体四十億円を、一四半期に十億円ずつという割当で、ここに第一四半期においては十億円使われておる。第二四半期に入つて、これはとても十億円ではやつて行けないからして、これを十五億ぐらいに殖やして貰いたいということを言つたところが、関係当局は、これはどうしてもお許しにならんというような話を、私も実際聞きました。然るに第二四半期、第三四半期と、こういうように十三億、十四億となつて来ているのですが、この補正予算はやはり次年度、二十六年度の予算に関連して、それと一体化した予算だというように私は大蔵大臣から聞いておるのでありますが、そうすると二十六年度において、この緊急失業対策法による予算額をどのくらいの心構えにしておるか。同時に公共事業によつての、例えば災害復旧も含めての公共事業費による、これは日傭労務者になるわけでありますが、救済せられるべき失業者の数をどのくらいに見積つておられるか。これを一つお聞きしたい。
#158
○國務大臣(保利茂君) 明年度の緊急失業対策法に基きます失業対策の予算は、七十七億五千万円ぐらいを計上いたしたいということで、只今努力をいたしているところでございます。そういたしますと、そのうち極めて僅かではございますけれども、失業対策事業についてのいろいろ非難もあり、事業内容の改善を図つて参りたい。先ほどもお答え申上げましたように、私は失業対策事業は單なる草むしりとか、溝さらいとかいうような、極端な非難をされておる面もありますが、いわゆる手近にやれる小規模の公共事業、建設的な意味を持つた事業内容に是非改善して参りたい。そのために一つの穴となつております資材費の問題、この資材費について二十六年度に僅かでございまするが、國庫補助をいたして参りたい。そういうことにいたしておりまして、大体資材費を除きまし一四半期十七億ぐらい要求できるのではないか。こういうふうに今考えて、折角これが実現できますように努力をいたしておる状態でございます。
#159
○山田節男君 それからもう一つ、今失業保險或いは失業対策について最も多忙を極めている職業安定所の問題であります。聞くところによると職業安定所関係の人員を九百名殖やすということを聞いておるのでありますが、果してこれが事実かどうか。これは第七國会だつたか第六國会だつたか、たしか第七國会だというふうに記憶しますが、職業安定所のほうで、定員法で人を減らした、これは我々としても非常に反対した。ところが定員法によつて可なりの人が、二割までは行つてなかつたと思いますがとにかく多数が整理になつた。ところが失業保險の給付がますます多くなり、仕事が非常に多忙を極め、又求人開拓等におきましても、職業安定所としては今日人が足りなくて困つているのであります。こういう実情から今九百人増員されるということの必要が起きたと思うのでありますが、先ほど申上げたようにこの失業保險の行政に関しては極めて不完全であります。全くこれは無政府主義的な現状にあるということは否定することはできない。そういうようなことから考えて、九百人の増員というものはどういう面に向けるつもりなのか。或いは二十六年度の予算において、この職業安定所の最も今緊急を要する仕事に、十分廻らない点に対して何か政府として更に考えておられるかどうか、
 ということをお尋ねしたいのであります。
#160
○政府委員(齋藤邦吉君) 安定所の定員の問題でございまするが、現在なかなかたくさんの仕事を受け持たさなておりまして、なかなか困難な情勢にあるのであります。今年度におきましては、先般の臨時國会で御心配頂きまして八百八十三人増員いたされたのでありますが、現在の情勢では明年度も相当続くものと考えられます。そういつたふうなことから、現在のところ来年度におきまして約九百人ほど増員いたしたい。かようなことで目下折衝をいたしておるような次第でございます。
#161
○山田節男君 そうすると、今の九百人というのは一月から補正予算によつての増員ですか。そうすれば二十六年度においてはもうどんどん予算を殖やす必要がないということなのか、これをちよつと……。
#162
○政府委員(齋藤邦吉君) 九百人の増員は明年度の予算において増員をする。こういうことで折衝いたしておる次第でございます。
#163
○山田節男君 もう一つ最後にお聞きしますが、実は例の公契約法といいますか、パプリック・コントラクトの法案です。これは私は臨時國会に出されるやに聞いておつたのでございますが、もう数日にして閉会に迫つて提出がない。これはどういう御趣旨でお出しにならないのか。それから公契約法の中にある、何と言いますか、一般職種別賃金 こういつたものも公契約法が実施されないとできないわけでありますが、これは公契約法の実施されるまではどういう方法でこれを実施されるのかこれをお聞きしたいと思うのであります。
#164
○國務大臣(保利茂君) 公契約法は、前國会で申上げましたように、成るべく早く提出をいたしたいという考えで準備を進めておりましたけれども、この國会に間に合いませんことを非常に遺憾に思つております。できるだけ早い機会に御審議願うようにいたさなければならないと考えております。尚、一般職種別賃金の問題でございますが、これは即時改訂につきまして只今関係方面と折衝をいたしまして、折衝が終り次第成るべく早い機会に実情に即して改訂をいたしたいという考えで、今進めておるのです。
#165
○山田節男君 もう一つちよつと忘れておりましたが、今年度の、来年の三月までの、これはまだ期日が来ておりませんから、勿論明確な数字はわからんと思いますが、せめて九月頃までの半カ年間の数字でもいいのですが、失業保險と労災保險、これが一体國庫の負担となるような赤字がどのくらいな数字に上つておるかということをお聞きしたい。
#166
○政府委員(寺本広作君) 赤字の問題は特に重要なことになつておりますが、労災保険のほうだろうと思いますので、労災保険につて申上げたいと思います。労災保險は二十四年度におきまして災害が非常に増加いたしましたために、決算の帳簿上においては約二十八億近く赤字になつたと思つております。これは経過保險料、未経過保險料繰越金が入つて、数字の上ではそういうことになつております。ただ本年四月から保險料の一部引上げと行なつております関係で、現在では約十五億の赤字になつております。来年の九月までは、これは一に、起りますところの産業災害が殖えるか減るかということで、問題がきまつて来るわけでございますが、労働省といたしましては、産業災害の減少については関係方面の労資双方の協力を求めて、現在のところ懸命の努力をいたしております。来年の九月まで今の赤字がそう増加するものは考えておりません。
#167
○山田節男君 今の十五億円というのは、いつまでの赤字なんですか。
#168
○政府委員(寺本広作君) 本年九月現在で約十五億というふに記憶いたしております。
#169
○山田節男君 四月から九月までの半年間の数字ですか。
#170
○政府委員(寺本広作君) 累計でございます。
#171
○山田節男君 前年からの……。
#172
○政府委員(寺本広作君) はあ。
#173
○山田節男君 終ります。
#174
○委員長(波多野鼎君) ちよつとお諮りいたしますが、地方行政委員会のほうから先ほどから労働大臣に早く出席をしてくれということを何度も催促して来ておりますので、一応向うへお譲りすることにして、労働大臣に対する質問は暫らく後廻しにして頂きまして、警察予備隊の増原長官が来ておられますから、そちらのほうに問題を移したいと思います。警察予備隊の問題について御質問のかたはどうぞ……。
#175
○藤野繁雄君 警察予備隊についてお尋ねしたいと思うのであります。警察予備隊は我が國の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障するのに必要な限度内で、國家地方警察及び自治体の警察の警察力を補うために設けられたものであつて、総理大臣の命を受けて、治安の維持のため特別の必要がある場合に行動する。その行動は警察の任務の範囲に限られておるのであります。去る十月二十八日警察予備隊本部を視察した際の増原長官の話では、警予備隊は元の軍隊のよなものでもいけない。警察のようなものでもいけないというようなことであつたのでありますが、警察の任務の範囲と、警察のようであつてはいけないということと、その間にどのくらいの差があるか。先ずお伺いしたいのであります。又警察予備隊と、元の軍隊とう現在の警察と異なる点をお伺いしたいと思うのであります。
#176
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊は、只今冒頭にお述べになりましたような趣旨で設けられたのでございます。現在の日本國憲法の下において、我々軍隊を持ち得ないことは自明の理でございます。警察予備隊は軍隊ではないと申しまするのはそういう理由でございます。予備隊は現在の國家地方警察及び自治体警察の治安の維持の力が及ばない場合に出動をすることを目的といたしておりますま予備隊の編成、訓練の基本的な形は、いわゆる部隊編成であります。部隊編成でありますることが、外形的にいわゆる軍隊に似ておるということで、或いは現在の予備隊が機銃を訓練し、装備をしておるというふうなことから、軍隊らしいという批判を受けるわけでありまするが、警察予備隊は國内の治安を維持するために國家地方警察及び自治体警察の足らないところを補うという趣旨でございまして、國外に出て力を振うという軍隊とは、その目的を根本的に異にしておるわけであります。警察との相違は、一般の警察は司法警察を中心として平素民衆の治安維持のために当つておるわけでありまするが、予備隊は平素司法権を行使することは原則としていたしません。政令に謳つてありまするように、特に総理大臣の命により出動しました場合に、その出動に関連する限度において司法権を行使する。平素は予備隊員に対し、若しくは予備隊の施設等に対して犯されました犯罪について、これも極限された範囲で司法権を行うということでありまして、平素の警察の執行について國家地方警察、自治体警察等の手が足りないという、そういうときに、応援を出すということは予備隊の本来の建前ではないわけであります。従いまして目的は、警察目的と同じく國内の治安の維持にあるわけでありますが、執行の形態が、警察予備隊は部隊行動を建前とし、國家地方警察及び自治体警察の治安維持に関する力の足りないときに出動をするという意味において、現在の警察とも異なる線を引かれるわけであります。又特に従来の警察のようであつてはならいなと、一般的に言われまする場合の予備隊の性格は、従来いわゆる特高警察の名において、特高情報を收集し、司法警察権を背景として措置いたしましたいろいろの事柄が、民衆の権限に不当に干渉するというそしりを受けました。そうした旧来の警察、これは現在の警察にはないのでありまするが、そうした警察になつてはならないという世間の批判を、私どもは十分記憶いたしまして、そういうことにならないようにという意味でも、旧来の警察のようであつてはならないという言葉を使つているわけであります。
#177
○藤野繁雄君 次は予備隊の配置でありますが、総理府の機関として警察予備隊を置くとあるのでありますが、どこに置くかということは書いてないのであります。これはどこに置かれるのであるか。又全國を数区に区分されて置かれるものかどうか、又現在の警察予備隊が配置されているところの地方はどこであつて、そこにどのくらいの予備隊員が分散されているのであるか。又現在配置されているところの場所は、将来において変更される意思があるのであるかどうか。この点についてお尋ねしたいと思うのであります。
#178
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊の配置は、まだその規定を定めるに至つておりませんで、関係方面と折衝をいたしている最中であります。大体の見通しとして基本的にほぼ動かない線は、全國に大体四つの管区隊を置く。これはおおむね札幌、東京大阪附近、福岡附近というふうな建前……。
   〔委員長退席、理事羽生三七君委員長席に着く〕
管区総監部を置く予定にいたしているわけであります。併しそれは札幌におきまするものが北海道を管轄するとか、或いは東京におきますものが関東、東北を管轄するといういわゆる管轄区域は持たない建前にいたしたいと考えているのであります。四つの管区に分れましてそれぞれ適当な地に部隊の配置をいたしたい。かように考えているわけであります。現在は三十カ所に少々足らない数に相成つているのでありますが、部隊の配置は現在のところは、建前としては臨時的な配置ということに相成つているのであります。これは予備隊を設置いたしますのがマツカーサー書簡に基き、又その整備を関係方面より特に督励をされました等のこともありまして、時日が非常に少かつたために既存の営造物を使用する。これは経費の節約の面もあつたわけでありまするが、そういうことのためそれを取急ぎましたために、警備上の観点から見て十分理想的なものとは現在言えないわけであります。なお現在入つておりまする部隊でありましても、一部これを移動する必要の生じたものもありまして、現在一部分移動を実施いたしているような状態であります。現在の移動はおおむね年内に終る見通しでありまするが、移動の終りました後においても、まだこれは永久的な部隊配置とは言えないのでありまして、なお警備上の問題を考えまして、できるだけ予備隊設置の趣旨に副うような地方々々の部隊配置を考えで参りたい。なお編成、配置の問題については、関係方面の了解を得べき点もありまして、目下折衝中であります。まだ最終の決定は見ておらないような状況であります。
#179
○藤野繁雄君 予備隊員都道府県方面応募者受付数調査表という表によつて見まするというと、札幌管区、仙台管区、東京管区、大阪管区、広島管区、福岡管区、こういうふうにあつて、今お話の四つの管区じやなくて、六つの管区になつているのでありますが、この六つの管区と四つの管区との相違の点の御説明をお願いします。
#180
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊が発足をいたしまして、募集にかかりましたのはその発足が八月の八日でございました。当時予備隊のほうはまだ設置に至らない時代でございました。私と現在の次長江口君とが、予備隊設立準備の委員を命ぜられたにとどまつておつたような事情でございました。従いまして予備隊員の募集につきましては、総理大臣から國家地方警察に命令をしまして、國家地方警察の権限と責任とにおいて、予備隊員の募集をしてもらつたわけであります。従いまして今お述べになりました六管区は、國家地方警察の六管区でありまして、先ほど申上げましたのは、これより設置しようとする予備隊の管区でございます。
#181
○藤野繁雄君 次はマ元帥の書簡についてお尋ねじたいと思うのでありますが、七月八日のマ元帥から総理大臣宛の書面によりますというと、日本政府は七万五千人からなる警察予備隊を設置するようにと、こういうふうなことになつて、同時に昭和二十五年度に限り一般会計における國債費の金額のうち二百億円を警察予備隊の必要な経費に移用することが許されているのであります。然るに警察予備隊の職員の定員を七万五千百人といたしまして、百人増加しているのであります。この百人増加しているところのものを二百億から支出するということになれば、マ元帥の許可條件と違つているような結果になるのじやなかろうかと心配しているんでありますが、百人を定員増加しても、その増加したところのものは、二百億の範囲から支出されるのであるかどうか。この点お伺いしたいと思うのであります。
#182
○政府委員(増原恵吉君) 書簡に命じておりまする警察予備隊員の定員七万五千は制服を着ております隊員を称しておるわけでございます。
   〔理事羽生三七君退席、委員長着席〕
 これはその後司令部方面と折衝いたしました結果、そのことを明瞭に規定しておるわけであります。七万五千百という百は、警察予備隊の組織の上で制服を着ません者が百名あるわけであります。これは長官以下、予備隊令の中の警察予備隊本部を構成いたしますものであります。この百名はいずれも制服を着用いたしません要員であります。この百名の警察予備隊本部における大体の任務は、予備隊についての政策的な面、或いは基本的な計画を司どるというふうなことに相成つておるのであります。七万五千名は純粋に制服を着用しまして、治安維持の実働部隊に当るというふうなことに相成つておるのでありまして、これは司令部との折衝の結果、了承を得ておるところでありまして、七万五千百名全体について本年度二百億の使用を認められておる。こういう状態であります。
#183
○藤野繁雄君 次は、経費の支出のことでありますが、大蔵省から衆議院の予算委員会に提出せられた資料によつて見ますというと、十一月二十七日現在で大蔵省の支拂計画の承認を得た金額が八十二億であつて、差引き百十八億円残つておるのでありまして、昭和二十五年度内にこの残つておるところの百十八億というものは全部支出の見込があるかどうか。又警察予備隊令の附則第三項によつて見まするというと翌年度に繰越して使用することができる。こういうふうなことになつておるのであるが、翌年に繰越して使用せられる見込の金額であつたならば、その金額はどのくらいであるか。その点お伺いしたいのであります。
#184
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊は発足以来徐々に人員等を整備して参つておる状態でありまして、現在といえどもまだ経理方面におきましても十分の整備を終つておらないような実情でございます、なお発足当初にはそうした関係上我々予備隊自身の手で経理が行えないで、一部は國家地方警察に委任をして経理をしてもらつた分もあり、或いは関係方面の援助を得て調弁をいたしたというふうなところもありまして、こうした面は早急に予備隊員の整備を終りまして、我々自身の手で早く全面的な経理をいたしたいと考えておるのでありまするが、そうした状況で現在まだ相当の残を持つております。この残は施設、装備等に要しまする経費が主として残つておるわけでありまして、年末までにはなお相当の経費を支出する見込でありますることは当然でありまするが、来年度に若干繰越して使用することも当然できるものと予想をいたしております。併し、これは政令附則に謳つてありまするように、明白な必要止むを得ざる経費として、契約の締結をいたしまして、執行を明年度に繰越すという形で以て参りたいと考えておるわけであります。明年度にそうした形で繰越すものか幾らになりまするかは、実は目下数字を検討中でございまして、まだ申上げる段階に立ち至つておりません。
#185
○藤野繁雄君 次は特別退職手当のことであります。一等警察士補等は任用の期間は二カ年であつて、二カ年を経過した場合において再志願をやつたならば、長官の定むるところによつて引続いて任用することができる。こうなつておるのでありまするか、その引続いて任用することは一同でも二回でも三回でも差支えないのであるか。この引続いて任用するところの回数年限を先ずお伺いしたいと思うのであります。又二カ年間事故なく勤務した場合においては、六万円の特別退職手当を出すということになつておるのでありますが、これが二回、三回、四回と引続いて勤務したならば、例えば、五回勤務したならば十年となつて、その十年となつた場合においては五、六の三十万円の退職金を出されるお考えであるかどうか。この退職金の、引続いて勤移した場合の算出の予想をお尋ねしたいと思うのであります。
#186
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊の当初の募集に当りまして、急速に七万五千という人々を、而もいい素質の人を得られるかどうかは、政府におきましても相当に心配をいたしたところであり、関係方面でも非常に関心を持つたところであります。これに関連をしまして勤務についての年限等を考慮いたしまして、一応の勤務年限を二年といたしたわけであります。但し二年たたないでも事情あつてやめる者を認めないということはないわけでありまして、一応二年は勤めましようという約束で入らせるという建前にいたしたわけであります。従いまして、又二年たちますると、一応退職することを建前とするという方針にいたしておるのであります。実際問題としては二年近くなりました際には、これでやめたい者、なお引続いて勤める者を個別に調べまして、成るべく優秀な人々には引続き勤務をして貰うよう勧奨して参りたい。かように考えておるわけであります。従いまして、その人が予備隊員として的確に勤務をいたしてくれる者でありまする以上は、何年間でも勤務を続けてもらいたいというのが私どもの考え方であります。これに対して一応二年間を立派に勤め上げた人に対しまして六万円の特別退職手当を出すことにいたしておるのであります。これにつきましては給與政令に調つて置きましたように、本年十二月十五日までに入隊をいたしました警察士補以下の人人が、二年間満足に勤務した場合に、これを支給しようということに相成つておりまして、十二月十六日以後に入りました者については、六万円の特別退職手当は支給をいたしませんで、普通の退職手当はもとよりこれを支給するつもりであります。これは当初の私どもの考え方とは多少事情がありまして、変更をいたしたわけでありますが、給與の問題について関係方面といろいろ細かい問題について折衝を遂げました結果、十二月十五日までに入隊をした者に特別退職手当を支給する。それ以後入りました者には特別退職手当は支給せず、ただ通常の退職手当を支給するというような定めにいたしました次第であります。
#187
○藤野繁雄君 次は武器の調達についてお尋ねしたいと思うのであります。警察予備隊本部組織規定によつて見まするというと、整備局に武器課を置いて、その武器課では武器の調達、配分及び管理をなす。こういうふうなことになつておるのであります。そこでお尋ねしたいのは、どんな武器をここから調達される計画であるか。又これに要する経費はどのくらいであるか。現在どんな武器を調達しておられるのであるか。どのくらい調達しておられそのであるか。お尋ねしたいと思うのであります。
#188
○政府委員(増原恵吉君) 武器につきましては、現在機銃、カーバインを連合軍のほうから貸與されておるのであります。今後如何なる武器を機銃以外に持つかということにつきましては、今のところまだ決定を見ておりません。教育の段階として、江田島のほうで一般の幹部、或いは通信、経理、補給、武器というふうな特別の課目の者を、それぞれ教育をいたしたのであります。これは連合軍の手で教育をしてもらつたのでありまするが、その際には、武器訓練の中で機関銃の扱いを訓練いたしたのであります。併し一般の隊員には、現在機関銃は装備をいたしておらないのであります。機銃のほうはおおむね全隊員に渡つておるという状況であります。この武器については、将来更にどういう程度の武器を持つかということは、現在の段階ではまだ申上げる程度に決定を見ておらないという事情でございます。
#189
○藤野繁雄君 次は、退職者の取扱であるのでありますが、一等警察上等が退職した場合においては、これに一定の被服を給與いたしまして、退職後にあつても、在隊期間内に習得したところのものを、適宜の方法で更に修練を重ねる。そして突発事件が起つた場合においては、この在郷の者も適宜の活動ができて、我が國の平和と秩序を維持することか必要であろうと思うのでありますが、退職者に対する将来の計画はどういうふうに持つておられるのであるか。その点お伺いいたしたいのであります。
#190
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊員が退職をいたした場合に、そうした人々も何らかの形で予備隊と接触を保ちまして、将来何かの際に援助を受ける、役に立たせるという点は、現在私どものところで、は考えておらないのでございます。制服につきましては、冬服、夏服、これを貸與品といたしておりまして、部隊におり勤務をいたしております間は支給をいたしておりまするが、勤務をやめ、退職をいたしました場合には、制服は返納をさせるというふうな考え方であります。いわゆる在郷の者の制度ということについては、只今のところはその制度を採用をいたしておらない。さよう御了承を願います。
#191
○藤野繁雄君 次は警察予備隊の食糧の問題でありまするが、各地方の警察予備隊では、いろいろの食糧を必要とされるのであります。而してそれは、予備隊自身で調達される場合と、或る方面に委託をして調達される場合と、二通りあるのであります。委託して調達される場合に、こういうふうなものを持つて来いと、こういうふうなことになつても、現在の状況ではそういうふうなものか調達ができないような状態にあるのであります。例をとつて見ましたならば、豆腐を何丁ずつ納めるようにという命令を受けましても、豆が配給品である関係上、配給を受けなかつたならば豆腐の製造ができない。従つて、警察予備隊に迷惑をかけておると、こういうふうな実情にあるのであります。でありますから、そういうふうな必要なものであつたならば、警察予備隊と農林省と直接交渉をして、必要な食糧はその地方に直ちに流すような方法を講ぜられる考えはないかどうか。若しそういうふうなことがなかつたならば必要な品物が納入できないということになつておるのであるが、その納入できない場合の対策はどう考えておられるのであるか。その対策を承わりたい。
#192
○政府委員(増原恵吉君) 調達物品のうちで特に統制のあるもの、只今食糧についてお話がありましたが、主食につきましては、私どものほうで農林省と折衝をいたしまして、必要量を流してもらうように、現在まで話合いをいたして来ておるわけであります。具体的な豆腐の問題については明確な記憶を持ちませんが、必要なものについては、農林省に話をしまして、やはり適当に原料を流して頂くようにいたしたいと考えます。
#193
○委員長(波多野鼎君) 只今官房長官も出席しておられます。
#194
○岩間正男君 先ず第一に伺いたいのは、この前我々もあすこの本部を視察したのでありますか、そのときも募集状況を一応伺つたのであります。その後頂いて参りましたこういう小冊子とか、それからその後の状況によりますと、取消をやつた者とか、自発的な意思でやめた者とか、それから最近は呼吸器系統の病気でやめた者、やめさせられた者、こういう者が非常に最近目立つておるようなのでありますが、これについて大体統計的にどういうふうな数字になつておりまするか、御説明願いたいと思うのであります。
#195
○政府委員(増原恵吉君) 十二月一日の統計で以ちまして、入隊後予備隊より離れて行きました者が千百十三名という数になつております。このうち自発的に退職をいたしました者が六百十八名、その他は免職、病気その他であります。そのうち結核についての数字は、まだこれは最後的なものとは言えないのでありまするが、十二月一日では一応百七十七名という数字に相成つておるのであります。
#196
○岩間正男君 この自発的な中に、いろいろな立場があつて、一身上の都合とか、それから実際隊に入つてから、最初の意図と反しておると、こういうような面もあると思うのですが、その中でこの前の調査のときでは、やはり入つて見て銃を持たされてどうもびつくりしてしまつた。これは予備隊じやなくして兵隊じやないかというような観点から、やめた者も相当あるように聞いておりますが、こういう者が実際どれくらいあるのであるか。それから又病気でありますが、この病気でやめた者につきまして結核であるというのは……、少くともこれは九月ですか八月ですか、募集されたのに……、募集されたときにおきましてはこれは二度も身体検査がされたということを聞いておるのでありますが、そうしますと、そのときそういう徴候がなかつたのであるか。なぜ急速に二、三カ月の間にそのような結核の状態に追込まれたか。これは予備隊の食糧並びに給與、そういうような厚生方面と関係があるのであるか、それとも最初から、そういうような十分なレントゲン検査とかというような嚴密な検査をしなかつたのであるか。こういう点について伺いたいと思います。
#197
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊の編成が現在まだ完了をしておらない事情でありまするが、各部隊におきましても現在までのところ部隊責任者というものが仮の者であります。階級的に申しましても、階級のない者、或いはありましても一等警察士、二等警察士という階級でありまして、本来権限を持つて隊員を監督、指導するという地位の者はまだ残念ながら配置になつておらない。従いましていろいろの事務的な問題についてもまだ軌道に乗つておりませんで、退職をいたしました者の内訳、事由等を現在までとることができません。内訳、事由というものがまだ出ておらないような事情であります。なお結核につきましては、隊員を募集いたし、採用をいたしまする際に相当に取急ぎましたために、関係方面から急速にやれという慫慂もあり、そうしたことのために四十万近い応募者について、一応の身体検査をすることしかできなかつたわけでありまして、採用いたしまする際に、合格者について入隊をしまする際に更に行いましたので、都合二度行なつたということは確かでありまするが、結核の問題についても聴診、打診を行うかとどめたわけでありまして、御承知のように、現在の医学的な常識から申しましても、聽診、打診だけで肺結核等を的確につかむことは困難でございます。予備隊に入りましてから、その訓練の状況、或いは食事等の関係で急速に結核が出て参つたというふうには、診断をいたしましたお医者も見ておらない状態であります。結核の問題につきましては、事務取扱の上に多少の手落ちがございまして、誠に残念に思つておるのでありますが、現在二百名足らずの数が出ておりまするが、最終的な統計はもう少し上廻るものであろうと私ども予想をいたしておりまする。当初一千名近いとラフな報告がありましたのに比べますと、非常に少数で済んでおりますことは誠に有難いと思つております。この結核の診断は、レントゲン検査、間接撮影、直接撮影、血沈検査等も行いまして、責任ある医師二人以上の診断によりまして開放性結核と診断をされました者について行なつておるわけでありますが、この人々については、手続上の手違いもありまして、退職をさしたのでありますが、その措置を改めまして、この人々を復職させまして、当分の間專心療養をさせるため、に俸給及び共済組合法に基く医療費を支給をいたしまして、大体八カ月を限度として医療に專念せしめる措置をとりたい。今その手続を取運び中であります。
#198
○岩間正男君 まあ自発的なこの内容についてはわからないということでありますが、これは幹部ができていないので調査十分ということでありますが、この問題はやはり今後の予備隊を募集するというようなことに関しても非常に重要だと思いますので、こういう点を明らかに分析して置くことが必要じやないかと思います。それから今の、結核でやめさせられたと、こういう者の問題であります。こういう点については、最初政府側としては、そういう手続においては不備だということは考えていられるわけです。認めておられるわけです。非常にその点は、嚴密な身体検査を以てやるべきであると、こういうふうに考えられるのでありますが、二、三カ月後に……、いわば一身上から言えば非常に重要な問題になります。これは千人であるか八百人であるか、数字はまあわからないようでありますけれども、そういう人たちの生活権の面から考えますと、今度の結核患者というようなことで、まあ印を捺されとこういう苦しい世代の中で生汚して行くということは、これは非常に重要な問題になると思います。そうしますと、そういう不完全なる形で以て採用してしまつた。それは大急ぎで、何か取急いでせなければならないということ、これはまあ國会あたりにも諮られないので、わからなかつたのでありますけれども、それに対して非常に國民の全体の十分な理解の中から発せられたのでなくして、何か一方的に押し進められたようなことがあつて、そこで急がれたという、こういう事情があつたと思うのでありますが、そういう事情があつたためにこういう事態が起つた。この点については、政府としては責任を感じておられるのでありますか。その点をいささかお伺いしたいと思います。
#199
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊発足は書簡に基いて発足をし、急速にその編成を終れという慫慂もありまして取急いで行いましたことは事実であります。取急ぎ行いました結果、少数の人々を採用するように嚴密な結核等に対する審査をいたす間がなかつたということに相成るわけであります。予備隊につきましては団体的な行動、団体的な訓練を行うというわけで、特に身体強壮なる者を採用したいということは、当時の応募の際にも、新聞その他に記事を書いてもらいます際にも、十分に我々としては申上げて置いたのであります。一般応募者も体には自信を持ておるという人が応募して参つたわけであります。このたび開放性結核であると診断をされました人々も、おおむね自覚症状はなく、現在まで勤務においてを一日も休まないで、相当の激しい訓練を清澄にやつて来た。現在も自覚的な症状はないということを私どもにいろいろ訴えて参つた人々が全部であります。これは健康診断が早期に行われ、自覚症状なき早期に発見することができたという面においては、私どもは喜ぶべきことであろうと思うのであります。こうした人々は只今から療養に專念をせしめるならば又相当の期間のうちに十分に結核を克服して実際の勤務にも就き得るようになるだろうということを期待をし、念願をいたしておるわけであります。
#200
○岩間正男君 私のお伺いしておるのは、やはりそういう事態に立至らした政府は責任を感じておられるかどうかという問題なんでありますが、この点は是非お答え頂きたいと思います。これは当然私としては責任がある。こういう事態をとにかく早急の間ではあつたけれども、こういう形で募集されて、その後二、三カ月で……今度は八カ月の、而もそれは最初から政府の意向として休養させるというふうに伺つてはいなかつた。我々もこの國会においてこの人たちの陳情を受けたのでありますけれども、その以前においては政府が自発的にこれはやつたことはない。その人たちの意向が大きく輿論として取上げられた結果として、八カ月休養ということを考え出したのであります。八カ月休養でなおる人もあるだろうし、なおらない人もあるだろう。而もその間に精神的にも経済的にも大きな打撃を受けるだろうと思うのでありますが、これに対して給與の面、並びにそういう医療のような問題について、政府は十分にこれらのものを保障する考えがあるのかどうか。当然これは政府がなすべきところのものである。いわばこれらの人は早急な予備隊の発足によつて起つた犠牲者であると考えざるを得ないのでありますから、その犠牲を政府がはつきり補償するということは当然の建前であると思うのでありますが、この点についてどういうお考えを持つておられるか、伺いたいと思います。
#201
○政府委員(増原恵吉君) 結核検診の経緯は先ほど申上げました通りであります。政府といたしましても早期発見のこうした人々に対しまして俸給を支給し、療養費を支給するという形で療養に專念せしめまして、速かに恢復を促進させたい。かように考えておるわけであります。
#202
○岩間正男君 給與とか、ほかの保障の面はどうでございましようか。それだけでは済まんと私は思うのですが……。
#203
○政府委員(増原恵吉君) 結核罹患の人々に対する政府の措置は、俸給を支給し、療養費を支給して、療養に專念せしめる。医師その他の手配についても、予備隊内においても又関係の政府機関においても十分協力の手を差し伸べてもらうという形で、早期にこの人口の恢復を図るということで参りたいと考えております。
#204
○岩間正男君 これはまだ決定されていないとすれば寛大問題であると思うのであります。大体予備隊に志願したという人は、一体我々のいろいろ調査した範囲内におきましては、当人が心からこれはこういうような一つの防衞態勢に任ずる。こういう考えよりも、むしろ現在の吉田内閣の政策そのものが、ここに持つて行つたという点が非常に多いのじやないか。具体的に例を挙げますと、これは私の郷里に帰りまして、この夏に聞いたのでございますけれども、農村の二男、三男、こういうような人たちが非常に多く応募しております。どういう立場から応募しておるかというと、大抵これは貧農の場合であります。例えば貧農におきましては、現在では非常にまあ耕地面積が少い。それで十分な食糧さえも確保するということが非常に困難になつておる。日雇に出るというと、日雇は御承知のようにこれは十分行詰つておりまして、これは完全雇用という形になつておりません。そこでそのはけ口としてこれらの人たちがいわば五千円という給與、並びに二年後の六万円、これを目当にしまして、こういう事態においてば農村の二男、三男の大きな問題としましてこの六万円を日当にして、そうして二年間無事に勤めて来て、それを資本金としてまあ独立したいと、こういう考えで行つておる人が非常に多いと思う。然るにその後の給與の状況についても、これはお伺いしたいのでありますが、この給與の状況が非常に不安定である。六万円については果して確保されておるのかどうかわからない。こういう形でこれは出て行つておる人が、いわば何といいますか、政府の政策の中に現われておるところの、いわゆる産業予備軍的な性格、こういう人たちが、止むを得ず現在の政策によつて、そういう予備隊に行つておる人たちが相当多いということが考えられる。そうしますと、その中に、今の一千名に近いところの人たちが病気だという理由で以て、二カ月後にこれが放り出され、そうして療養費は来ておるけれども、これに対する保障の面については、十分に政府は決定されていないということは、單なる予備隊のそれだけの問題じやなく、一連の政府の政策と連関して重要な課題を我々ははらんでおると考えるのでありますが、この点についで長官は今後どういうような努力をされるお考えを持つておるか、伺いたいと思います。
#205
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊に志願をされました人々は、私が予期をした通りと言つてもいいのでありまするが、非常に優良な人々が多かつたわけであります。併し必ずしも職なき人々が予備隊に入て参つた。その数が非常に多いというわけではございません。職のあつた人々が転換をして参つたという人々も相当多いのであります。予備隊に今入隊をしており人々の感想を聞きましても、世間では予備隊が五千円程度の給料と、二年後に六万円くれるというわけで、何か六万円のために皆入つて来たように言われることが、自分たちとしては非常に心外であるという感想を漏らしておる人々も多いわけでありまして、もとより何もしないでも生酒に困らないというふうな人が来ておるわけではありません。いずれも営々として働いて、生活を立てて行く人々ではありまするが、今まで職のない人々がここに入つて来たという数は、必ずしも多くないわけであります。給與につきましては、実は関係方面との折衝で、未確定の期間が相当にありまして、これは我々としても遺憾に存じておるのでありまするが、二年円満に勤務をした場合の特別退職金六万円はもとより確定的のものであります。給與五千円程度という政府の約束も、初任の最低は四千五百円でありまするが、平均は警察士補以下で、五千円を遙かに上廻る平均になつておるわけであります。この点も政令を以て確定をいたしておりまして、現在のところでは不明確な点はないわけであります。併し相当の期間に亘つて決定を見ない時期があり、隊員の間にもそのために不安動揺を起した向もあることは否めないと考えるのでありまして、その点は誠に遺憾に考えておるわけであります。そうした建前で現在隊員の勤務の状況はおおむね良好でありまして、訓練にもいずれも熱意を以ていそしんでおるという状態であります。当初の基礎的な訓練は、各部隊ともおおむね終了し、或いは終了に近付いておるというふうな状況になるわけであります。我々としては給與の面においても、栄養、教養、訓練の面においても、十分に最善の注意を拂いまして、予備隊の所期の目的を達成するようにいたして参りたい。かように考えております。
#206
○岩間正男君 なかなかこの問題は重要であると思うのでありますが、職がなくて来た者もあるだろうし、それから職があるのをなげうつて来た者もあるだろうと思います。どつちにしても、重大問題、職があつてなげうつて来たなら、その人の保障の問題も重要だと思います。それから八カ月の休養の期間というのも、これは現在におきましては公務員では少くとも二カ年の結核休養期間はあるのであります。三カ年にこれを殖やさなきやならないという問題さえ起ておるのでありますから、これ並みに扱うということは非常に重要だと考えます。給與のそういう問題について十全の努力をされなくちやならないだろうし、そういう努力がなされないで、このまま放置されるという形においては、これは予備隊の今後の問題として大きくなると思うのであります。その問題につきましては十分な努力を長官としてされるのは当然である。こういうふうに考えるわけでありますが、次に問題を進めまして、先ほどのお話によりますると、幹部の選考が遅れておる。こういうことを聞いておるのでありますが、その理由とするところは、どういうところにありますか。これを伺います。
#207
○政府委員(増原恵吉君) 幹部の選考にきましては、予備隊がマ元帥書簡に基いて設置をされましたということにも関連をいたしまして、幹部の選任につきましては、関係方面と話合いをし、その了承を得て任命をするという建前に相成つております。当初幹部の一般的な任命について部隊的な活動をするということの建前上、或いは旧軍隊の経験のある者がよくはないかというふうな意見のある時代もありまして、そうしたことについての研究をされておる間にも、相当の期間を経過したわけでありまするが、更に又一般募集隊員のうちから教養をし、訓練をし、選抜をして、だんだん幹部を選任して行くという方式をとつてはどうか、という示唆のある時代もありまして、その後比較的上級の幹部、予備隊での名称で言いますると、警察士から警察士長に至りまする階級については、それが千名でありまするが、そのうち約八百名は、七万五千の募集が三十五歳を限度とした関係上、幹部には更に年令の上の人で適当な者があろうということで、約八百名については幹部採用の試験を行い、二百名についてはいろいろ特殊の事情を考慮して選考任用をするというふうな制度がきまりまするまでに、いろいろ経過を経まして、その後の段階においても関係方面との折衝に時日を費した時代もありまして、現在においては、管区総監その他の上級幹部は選任を終り、それに続く人たち約二百名程度が選考を終りまして、近くそれぞれ任につく。これは事前に基礎的な講習等を行いまして任につけるというふうなことにいたしておるのでありまして、近く必要限度の幹部は、それぞれの任につき、部隊の訓練に当る。その規律を維持することができるようになるという状態に立至つておるわけであります。
#208
○岩間正男君 次に訓練の内容について伺いたいのでありますが、先ほどもおつしやつた中に、銃を持たされてびつくりした。こういうことが端的に物語つておるように、予備隊は名称だけであつて、実際は軍隊じやないか。こういうことが随分世の中でも言われておると思うのでありますが、ここでお伺いしたいのは、訓練の中に操典のようなもの、そういうようなものが現在使われておるのか。それから訓練の内容に過去の旧軍隊を思わせるような、或いは又軍隊式な、現在の別な新らしい軍隊式な方法とか、そういうものが行われていないのかどうか。こういう点について伺いたい。
#209
○政府委員(増原恵吉君) 幹部の配置が現在までついておらなかつたという段階におきましては、訓練は連合軍将校の援助によつて行われたわけであります。機銃操作等につきましても、我々どもの承知をしておらないところでありまするから、関係方面に教えてもらいまして、大体は前日仮隊長等の幹部が教えて貰いまして、翌日これをその仮隊長が仲間の隊員に教えるというふうな形で、現在まではやつて来ておるわけでありまして、その訓練のよりどころ、参考というふうな意味の教程を持つておるわけであります。これは関係方面より借用をしたものであります。そうした用語の中に、部隊訓練をいなしておりまする関係上、或いは不用意にいわゆる軍用語といとふうなものが使われておるということがないではないようでありまして、これは我我としても不用意のうちといえども、そうした軍用語を使うことはいけないと考えまして、我々の手で、これから訓練課程も作り、用語等も統一をしまして、そうした予備隊は軍隊であるという誤解をなくするように、更に一層の細心の注意をしたい。かように考えております。
#210
○岩間正男君 私も戰闘とか、斥候とか、軍事情報とか、戰車とか、重機関銃とか、そういうような用語とか、号令にしましても、「廻れ右、前へ進め、」とか「かしらまなこ」、こういうようなものが使われておるということを聞いておるのでありますが、過渡期において、つまり連合軍の援助を受けておる。こういう形において、そういうことがあるので、飽くまでもこれは自主的に将来は直す。こういうような意味のお話でありますが、この連合軍の援助というものはいつまで受けられる見通しでありますか。いつで打切りになるのでありますか。恐らく過渡期の実に或る短い期間、これがいいかどうか。この問題については保留して置きますけれども、とにかく現実はそういうふうになつておる。そうしますと、この事態を一刻も早く我々の手に、我々自身の自主的な立場からこれが行われるということが、当然だと私は考えるのでありますが、そうするといつ頃その援助を打切られるか。その見通しについてお話を承わりたい。
#211
○政府委員(増原恵吉君) 急速に幹部の選任、それぞれの部隊の就任を終りまして、多少の時間を経過しますれば、そうした問題を自主的になし得ることになるわけでありまするが、現在のところ、およそ何月頃という見通しは、ちよつとつけにくい、状態であります。成るべく早い時期に、幹部の配置が終り、その後少々の期間を経過するならばなし得ることであります。決してこのあと六カ月、七カ月かかるという問題ではないと考えております。
#212
○岩間正男君 非常にこれは重要な問題だと思うのであります。なおこれと連関しまして、今言つたようなこの用語の問題ですが、單に用語だけの問題であるか。これを裏付けするところの訓練が実際成る所では行われておるのじやないか。更にこういうことから進みますと、これに対しまして、やはり國民が非常に考えておるのは、果して予備隊が軍隊化しない。こういう保障が一体あるのであるかどうか。この保障をどういうふうにして、はつきり合理的に説明されるかどうか。この問題と、もう一つ大きく連関して考えられまするのは、これは吉田総理の答弁によりますというと、予備隊は國外にば使わない、飽くまでも國内の問題である。こういうことが言われておるのでありますが、併し最近の國情、又極く最近の情勢から見ますというと、日本の予備隊については、これはいろいろな問題が起つて来るじやないか。それは最近の、例えば朝鮮の問題に対しまして、トルーマン大統領が、記者会見の中で発した言葉の中に、もう橋のところまで来たのだから渡らなければならない。日本の再軍備との関連の問題であります。こういう情勢の中に、日本警察予備隊は置かれておる。そうしますというと、これに対しまして、長官もこれは飽くまで國内の警備と、こういうような観点から、これを置いたというふうに言われ、吉田総理もはつきり言明されておるのでありますが、こういう一つの國際的な連関から考えまして、果してこれが軍隊化しない。或いはこれは外部に出るんじやない。こういうような保障がどのようにして保たれるか、努力されるか。はつきりその意思を貫くためには、はつきり具体的に、どういうような方法を考えておられるか。又もう一つお聞きしたいのは、現在でも予備隊は國外には少しも出ていないのであるかどうか。こういう点についてはつきりお伺いしたいと思います。
#213
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊は予備隊令で謳つてありますように、國家地方警考察及び自治警察の力の足らないところを補う警察力でありまして、もとより國内治安を維持することを目的といたします。予備隊設置の元となりましたマツカーサー元帥書簡にも、國内の治安を維持するために、國家地方警察、自治体警察の補完として、七万五千の予備隊を置くことを認めるということになつておるのであります。明瞭に國内における治安を維持するものであり、國外に出るべきものではありません。現在予備隊が國外に出ておるということもございません。警察予備隊の問題と別に、日本の再軍備、その他の問題を考えられることは、将来の國際情勢と睨み合わせて國会或いは國民等が、極めて愼重に考慮をすべきものであろうと考えるのであります。予備隊に関する限りは、國内治要維持の警察力でありまして、國外に出るものではないわけであります。
#214
○岩間正男君 そういうふうにこれは言明されておるのでありますが、情勢の変化により、又一片のそういうような書簡でも参りますとですね、そういう事態に対して飽くまで政府は國内治安のために予備隊を運営して行くのだ。こういう保障をどのようにして求められるか、こういう点なのであります。どうも今までの吉田内閣のやり方を見ますと、本当の自主性というものが確立されて、飽くまで自分の正しい判断において行動しでない面がある。それでこれはこういうような書簡でも参りますと、その書簡の命ずるところに全面的に従つてしまう。こういう形で問題をどんどん進められるのでありますが、私のここで問題にしたいのは、これは日本の憲法と関連を持つところの重大な問題なんだ。我々が戰争を放棄した。こういう事実も前からあつたことに考えまして、これは今言つたような一片のそういう覚書とか、書簡、そういうようなもので動かされないところの重大決意をしなければならない問題であると思うのでありますが、そのような覚悟を持ち、そうして更にもつとそれをはつきり保障するような努力をされる考えがあるのであるかどうか。この点非常に重要だと思いますので、重ねてお伺いしたいと思います。
#215
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊は國内の治安を維持するわけでありまするが、國内の治安を維持するということは、秩序を正常に保ちまして、我我國民が日本再建のために、十分それぞれの分野において、その全能力を発揮できる最小限の基盤を作るべきであります。治安維持ということは、その目的は平和を愛好するという考え方と同一の基盤であると、私も考えております。従いまして、私ども予備隊員は平和を確保するという基本的な考えの上に、予備隊としての訓練を積み、國内治安維持の責任に任ずるということにいたしたいのであります。そうした日本の國内の治安維持、或いは将来の問題として、日本が再軍備をされるかどうかというふうな問題は、これは予備隊としての問題というよりは國家の重大問題として、考うべき問題でありまして、私の御答弁申上げる限りではないと考えます。
#216
○岩間正男君 現在のこの予備隊を増強するというふうなことについては考えておられますか、どうですか。
#217
○政府委員(増原恵吉君) その点については、現在私どものところでは別に考えておりません。
#218
○岩間正男君 自主性の問題と関連しまして、ここで是非お伺いしなくちやならないと思いますのは、予算の執行状況でありますが、この前懇談会におきましては、予算がない、箒一本買うにもこれは向うの指揮官のサインがなければどうにもならない。こういうふうなことが、これは関係者が言われておるのでありますが、こういう状態にあるのですか。つまりこれは日本政府の責任におきまして、日本の会計法の命ずるところによりまして、こういう予算の執行がされておるのであるかどうか。こういう点について、今までの経過の実情をお話を頂きたいと思うのであります。
#219
○政府委員(増原恵吉君) 先だつて懇談会の際にも申上げたと思いまするが、我々予備隊員の幹部、その他の手の揃つておりません現在までの段階において、便宜上或る場合には國家地方警察に経理を頼むということもありましたし、又事実上の問題として、関係方面の援助を得たということもあるわけであります。併し関係方面の援助を得ました際は、形式的には予備隊の名において契約をするという措置をとつております。予備隊経費の支出は、当初の問題としては正常な契約の手続でなく、いわゆる随意契約という形をとりましたが、これもだんだんと正常の契約の形に、我々の手の揃うと共に移行して参ることにいたすわけでありまして、全般的に会計法規に従い経理を行う、ということにしたいと考えております。
#220
○岩間正男君 現在では又そういう形で進められておるのですか。先ほど申しましたような状態で今後努力すると、こういうようなお話ですが、その点をお伺いしたい
#221
○政府委員(増原恵吉君) 現在のところ、実はまだ手が揃い切つておりませんので、全面的に我々だけの手で経理を執行するという段階にはまだ至つておりませんが、成るべく速かに手を揃えて、我々のところで全面的に経理するということにいたしたいと思います。
#222
○岩間正男君 日本の政府の意向としまして、先ほどの訓練の問題、これは向うの幹部の援助を受けているという、只今の予算執行の面におきましても、これは完全に日本の手によつてなされていないということが明らかなのでありますが、これに対して政府の正式意向としまして、一日も早くそういうような自主性を取戻したい、それについて考慮されたいと、そういうような要請を関係方面になされたことがあるかどうか。それからこれに対してなされる意思があるかどうか。この点非常にこれは國政の運営の上におきまして、日本の民族の自主性をも考えまして、非常に重大な課題であると我々考えますが、これに対してお伺いします。
#223
○政府委員(増原恵吉君) 会計経理の問題は、いわゆる自主性の問題とは多少趣きが違うように考えるのであります。我々の手の足りないところを手伝つてもらうだけであるというふうに私は考えておるのであります。併しもとより手伝つてもらわないで、自分たちの手でやることが結構なのでありますから、早く手を揃えてやる。この問題については、いろいろ関係方面でも早く手の揃い次第自分たちが手伝つておるという形を、そういうことのだんだんなくなるようにするという意向を述べておるわけであります。この点については別に心配はないと考えるわけであります。
#224
○岩間正男君 非常に今の御発言重要だと思うのでありますが、手伝つてもらつたんですか。こちらからそういう意思を表明して手伝つてもらつたとしたならば、これは非常に重要だと思うのですが、そういう要請をされたんですか。それともこれは向うの意思によつて手伝つてくれたのであるか。他動的なんですか、自動的なんですか。これは非常に問題が大きいと思うのですが、手伝つてもらうことをこちらから要請したのでありますか、それともそういう事実はなかつたのでありますか。その点を明らかにして下さい。
#225
○政府委員(増原恵吉君) 急速に予備隊を発足するという現実の要請の上で、我々の手の足りないところを援助をされたということであります。我々のほうから要請をしたから援助をされたというわけでもなし、我々がいやだと言うのを援助をしたというのでもかい。事実上の問題として予備隊発足のために我々の手のないところを援助をしてもらつた。こういうことであります。
#226
○岩間正男君 この警察予備隊員につきましては、やはり國の内外におきまして、この動向についてはこれは眼が集つておると思うのであります。そういう中におきましてですね、実は我々の立場から考えれば、むしろそういう事態が起つて、手伝つてもらうというようなことがあつたにしてもこれを断つて、飽くまでもこれは日本の自主的な問題としてやる、こういうような決意を持つてお進みになるのが、これは政府の態度ではないかと、こういうふうに考えるのでありますが、官房長官が見えておりますが、官房長官はどういうふうに考えておられますか。
#227
○政府委員(岡崎勝男君) 実情は只今増原長官の言われた通りだと思いますが、同時にマッカーサー元帥から吉田総理に宛てた書簡が、あのとき渉外局から公表されております。お手許にありますか、どうか知りませんが、私も今持つておりませんから、正確な言葉は覚えておりませんが、その一番しまいに、司令部は本問題についてあらゆる助力を與える用意がある。こういうような趣旨のことがはつきり書いてあります。
#228
○岩間正男君 そのあらゆる助力の問題でありますが、助力されると言いましても、助力を受けてよいことと惡いこととあるのと思うのでありまして、これは日本の自主性の問題とやはり関連があるので、そういう建前について、政府は十分に、これは将来のこともあるのであるから、これを判断するところの叡知がなければならんと考えますが、その点についてどういうふうに判断されたか。それをそのまま鵜呑みにして、そうして向うのそういうようなお手伝いに対して、それを全面的に受け入れる。これに対して日本の立場から十分に批判的に出るというような態度は一切おとりにならなかつたのであるか。その点をお伺いしたい。
#229
○政府委員(岡崎勝男君) いや、決してそうではありませんで、我々でできることは無論我々でやるわけです。ただ例えばこれはほんのたとえでありますが、我々は武器を作ることも、持つことも公には法律上認められておりません。そこで警察予備隊の武器につきましても、カーバインと称するアメリカで使つておりまする銃の一種の、短かいものですが、これをアメリカ側から貸與されて使つておるわけです。この武器を借りるということが一つの援助でありますが、又アメリカの銃でありますから、その取扱い方も我々よりはアメリカ人のほうがよく知つておる。そこでその取扱も聞かなければならん。こういうような点で必要な範囲内において助力を求めておるのでありますが、原則としては我々の力で我々の警察を築き上げる。この点は間違いありません。
#230
○岩間正男君 武器を借りなくちやならない。そうしてそういうもので武装しなければならないほどこれは必要があるのでありますか。その点はどうなんですか。警察予備隊の性格として、今申しましたカーバイン銃ですが、そういうようなものを借りてやらなければならない。そういう必要があつたのでありますか、これはどうですか。
#231
○政府委員(岡崎勝男君) これは私より増原長官のほうが正確なお答えができると思いますが、一応私からお答えいたしますと、一般の警察でも拳銃を持つております。で警察予備隊は治安の乱れた場合等で、一般の警察で手におえないような場合に出動して、治安の維持を図るのでありますから、前提としては一般の警察……、現在ある國家地方警察或いは自治体警察、これで治安の維持はとにかくやつて行かれるわけであります。併しこれで足りないときに予備隊というものは出動するのでありますから、少くとも現在の警察の持つておる程度の武器は必要であり、できればそれ以上のものが必要であることは、これは当然だと思います。従つてその程度の武器を持つことは必要であろうと考えております。
#232
○岩間正男君 とにかく日本が再び警察國家に戻るというようなことは、世界の相当の疑惑の下にさらされておるのでありますから、非常にこれは愼重でなければならないと、こういうふうに考えられる節があるのでありますが、そういう点について政府では十分な判断もされないで、援助をするという、むしろ自分でそういうようなものを選んで受けられる。こういう点については我々は問題があり、これを保留したいと思いますが、なお簡單に二点ばかりお伺いしたいと思います。防衛態勢が参りまして、先ほど私が申しましたようにこれが軍隊化、或いは又外部に派遣されないという保障が十分にあるのかどうか。只今の御答弁ではわからないという、そういうような情勢におきましては、現在予備隊に勤めておられる諸君の間にも相当な不安が出て来ておるのじやないか。そこで私はお伺いするのでありますが、最初の契約通り二年間の期限が来たならば、そうして又その過程におきましても、いつでも自分の希望、そうしてそういうような條件、そういうものが出て参りました場合には、自分の意思で以てやるところの自由があるのかどうか。又自由があるとしますならば、その自由をどういう形で確保して行かれるか。これは今後、今現在の警察予備隊に勤められておる諸君の非常に重要に考えておられるところの問題だろうと思うのでありますが、この点について長官の御意見を承りたいと思います。
#233
○政府委員(増原恵吉君) 警察予備隊の勤務の二カ年という定めは、これは一応二カ年はむやみにやめませんという意味を持つたものであります。何らの意味のないものではありません。相当止むを得ざる事由のない限りは、二年勤めましようという約束で勤めるわけであります。併しいろいろ個人的な事情、家庭的な事情その他の変化もありまして、止むを得ざる事由によつてやめようという場合には、二年たちませんでもやめさせるということは、予備隊令の上におきましても明瞭になつておるわけであります。是非とも二年間は勤めなければならんという嚴格な拘束というものはないのであります。
#234
○岩間正男君 日本の過去の軍隊のことを取り出すのもおかしいのでありますが、一定の期限を置きまして徴集せられた兵隊がどんどんと勤務を延ばされ情勢の変化ということによりまして現役から更にそれが終つて予備、そういうものを過ぎましても新たにどんどん兵役が加重されまして、まあ十年以上普通の兵隊で勤めた人もたくさんあるわけであります。そうして戰争の犠牲になつて散つて行つた例もたくさんあります。現在こういうことでなかなか安心できない面があると思うのでありまするか、そういうところに当然日本の憲法の建前から落しちやならんし、落さないためのあらゆる努力をすべきであると思われるので、そういう面からもこの予備隊諸君の今後のそういう一つの年限の拘束に対するところの自由は、飽くまでも確保されるべきものであるというふうに考えるのであります。
 もう一つ最後にお伺いしたいのでありますが、これと連関いたしまして、最近警察予備隊の援護団体の何か組織、こういうようなもの、警察なんかでもそういう何か警察の援護団体というようなものができておるようでありますが、そういうものが組織されかけておるというようなことを承わつたのでありますが、こういう事実がありますか。若しあるとすれば組織、それからそういうものの役割、そういうものについてお伺いしたい思います。
#235
○政府委員(増原恵吉君) 現在援護団体か作られておるということはありません。我々の立場としましては予備隊員が共済厚生というふうな面において任意的な団体を作りまして、共済厚生の実を挙げる。まあ公の役人という形で扱いにくい面について、そうした任意的な団体を作るということについてはいろいろ他に例があるわけでありますか、これを研究いたしております。まあ予備隊の後援会というふうな後援団体については非公式な意見があるように聞いておりますが、まだ私どものところで話合いがありまして、それが具体的に進むというふうなものは承知はいたしておりません。
#236
○岩間正男君 隊員の家族援護というような名前で、そういう団体が満々今組織にかかられておるというようなこと、まあ発起人とか、それから組織の面、そういうようなことについても我我は一応承わつておるのでありますが、こういう点についてはその経過は御承知ないのでありますか、如何ですか。
#237
○政府委員(増原恵吉君) 只今も申上けたように非公式な話は聞いておりまするが、公式な話として具体化するというようなものは聞いておりません。
#238
○木村禧八郎君 二点お伺いしたいのですが、二十六年度の警察予備隊の予算、それは大体おわかになりますか。
#239
○政府委員(増原恵吉君) 二十六年度の予算につきましてはまだいろいろと話合いをいたしておる段階でありまして、およその見当がまあついておるという程度でございまして、まだ明確に申上げるところまでには至つておりません。
#240
○木村禧八郎君 およその見当と言いますと、最初政府が発表しました予算案ですね、当初予算、それは政府の案ではたしか百二十億というふうに思いました。でその後相当殖えるように聞いておりますが、およそでいいのですが、どのくらいのお見込ですか。
#241
○政府委員(増原恵吉君) まだはつきりしたことを申上げられないのであつて、見当を申上げるということも如何かと思いますが、百二十億よりは若干は増加するという見通しでございます。
#242
○木村禧八郎君 ドツジさんは大体もう今日帰られたように聞いておりますが、もう大体予算はきまつているわけなんだと思うのですが、これはまだ発表できないのですか。
#243
○政府委員(増原恵吉君) まだいろいろと話合いをしているところもございまして、百二十億よりはまあ若干増額をしてもらうということは大体見通しをつけておりまするが、数字についてはまだちよつと申上げる段階に至らんのであります。
#244
○木村禧八郎君 それではまあこれは、外の予算案とも併せて大蔵大臣にあとで聞くことにしまして、この警察予備隊の費用について、物件費と人件費はどのくらいの割合になつているのですか。本年度約二百億ですか、その内訳ですね、およそでいいのです。
#245
○説明員(窪谷直光君) 本年度の二百億円の内訳にきつましては、まだ最後的な使用計画は決定いたしておりません。只今のところでは大体人件費が三十二億円程度、物件費が百五億円程度、それから営舎、その他の施設費が六十一億円程度ということに相成つております。この中で特に施設費と物件費との割振りにつきましては、最近までの状況から研究をいたしまして相当程度の異動が起るのではなかろうかというふうに考えております、
#246
○木村禧八郎君 物を調達する場合に、特別調達庁の手を通ずるのですか。
#247
○説明員(窪谷直光君) 調達は予備隊自体でやつておりまして、特別調達庁の手は通じておりません。
#248
○木村禧八郎君 そうしますと、まあ特需みたいな形で、この日本のいろいろな経済計画の枠外みたいになつているわけですか。直接業者に注文されるわけですか。
#249
○説明員(窪谷直光君) 調達につきましては、統制をしております品物が若干あるわけでありますが、それらの原材料の割当等につきましては経済安定本部及びその他関係省との打合せを済ましました後で、発注をいたしております。決して日本の経済の枠に出ているというものではございません。
#250
○木村禧八郎君 例えばこの被服ですね、被服んなか注文する場合、発注する場合には具体的にどういうふうに発注されるのですか。それからどういう所に発注されておりますか、でき得ればその單価、そういうものがわかつたらば知りたいのです。
#251
○説明員(窪谷直光君) 従来におきましては先ほど長官からお答えいたしましたように、進駐軍の援助を相当受けて参りました。従つて例示的にお話のございました被服類につきましては國内の関係は勿論のことでありますが、総司令部側におきまして予備隊を担当しております民政部と経済科学局のほうと打合せを遂げまして、そのあと今までのそういう被服類を調達いたしておりました政府機関、例えば國家警察というものの従来の経験、智慧を拝借して優良な業者を選定をし、それから見積りをそれぞれとりまして、いいものをできるだけ廉価に調達をして行くというような方針で今日まで参つたわけであります。今後の方針といたしましても、その方針には変りはないわけでありますが、従来は非常に緊急の調達を要しましたために見積りはとつておりました。併しその後会計法に言う入札、嚴格な意味の入札ではないのであります。実際の実質におきましては入札に近いものではありましたが、若干成規の手続が省略されざるを得なかつたというかつこうになつておりますが、私たちの手で自治的に全面的にやれるという段階に至りましたならば、会計法に基く競争入札、少くとも指名競争入札によつて公正な値段によつてやつて行きたいと思つております。尚被服類の單価につきましては、極く最近調達いたしました被服は冬服でございますが、これは上下を合せまして平均約七千円見当に相成つております。
#252
○委員長(波多野鼎君) 木村君にちよつと申上げますが、官房長官は五時から衆議院の議院運営委員会に出なければならんという話なんです。ですから官房長官に対する御質問を先にしてもらいたいと思います。
#253
○山田節男君 ちよつとこれは速記をとめて頂きたいと思います。
#254
○委員長(波多野鼎君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#255
○委員長(波多野鼎君) 速記を始めて下さい。
 ちよつと御了解を得たいのですが、先ほど説明されました警察予備隊本部の経理局長窪谷直光君は政府委員でなかつたのでありますので、説明員として説明したことを御承認頂きたいのです。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#256
○委員長(波多野鼎君) ではそのようにいたします。
#257
○佐多忠隆君 先ほどからしばしば引合いに出されますので、マツカーサー元帥の書簡の原文を一つ資料として頂戴したいということが一つと、それからこの際先ほどからしばしば問題になつておりますような、最後の末尾の所に、総司令部経理局においても従来捕り技術士の忠告、助言を惜しまないであろうという最後の文句がございまして、この文句を逆に言えば、関係当局がアドヴアイスするのは、少くとも書簡によれば、経理局関係の問題に限るというふうな反対解釈もできるんじやないかと思います。ところがいろいろ御説明を聞いておりますると、むしろ乏れ以外の面において非常なアドヴアイスがなされつつあると思うのですが、それはどういう意味に日本政府としては解釈されていますか。
#258
○政府委員(岡崎勝男君) 私は今その書簡を持つておりませんので、どなたかお持ちになれば拝借したいのですか、経理局というふうに書いてあつたという記憶はないのでございますが……。
#259
○佐多忠隆君 正確かどうか知りませんが、少くとも朝日新聞の七月九日に出た書簡の内容という中には、最後のほうに、これらの機構拡充に要する経費は國家予算一般会計の公債償還費のうちから計上されるべく、総司令部経理局においても従来通り技術士の忠告、助言を惜しまないであろう。経理局においても、というふうになつているのですが、その外の文面には助言を附するというようなことはなくて、ただこの問題の経費の問題に関する限りにおいて、こういう説明がなされておる。
#260
○政府委員(岡崎勝男君) 私は今記憶で申上げるので正確でないと思いますが、当時司令部当局と私が直接に話をいたしましたときには、経理局といいますか、ESSだろうと思いますが、ESSは無論のことでありますが、そのとき警察問題を担当しておりますP・S・D、パブリック・セーフテイ・デイヴイジヨン、このほうも十分に助力するから、必要な場合には助力を申出てもらいたいということで、経費の問題その他一般の編成、技術、装備等の問題、両方であつたことを記憶いたしております。
#261
○佐多忠隆君 そうしますと、関係方面でもアドヴアイスをするから申出てもらいたいということがあつたので、そういう結果になつておるというお話と受取るのですが、そういうアドヴアイスその他のことをこちらからお申出になつたのかどうか。
#262
○政府委員(岡崎勝男君) 大体こちらから原案を作りましたけれども、先ほど申しましたように、装備の点などにつきますと、こちらには材料がないので、こういう点については先方のアドヴアイス、助力を求めたわけであります。
#263
○佐多忠隆君 装備に関する援助を求められたというお話ですが、更にそうでなくて、一般の警察予備隊の指導その他について顧問的な方々が来られて、相当援助しておられるというお話を聞いておるのですが、そういう面の援助をお申出になつたかどうか。
#264
○政府委員(岡崎勝男君) これは、特に申出たという記憶は私のほうにもありませんが、話合いのときに、それでは手伝おう、よろしく頼むということで、どちらが申出たというのでもありませんが、結局援助をその点では求めたのであります。
#265
○佐多忠隆君 援助をお求めになつた……。
#266
○政府委員(岡崎勝男君) そうです。
#267
○佐多忠隆君 その問題は非常に重要な問題でありますので、いずれ総理大臣に別途御質問をいたすことにしたいと思います。
 それからもう一つ、この手紙の末尾によりますと、総司令部経理局においても従来通り技術上の忠告、助言を惜しまないと言つておりますが、経理局における助言、或いは忠告というのは、具体的に言えば現在までにどういうことがなされておるのですか。
#268
○政府委員(岡崎勝男君) ちよつと速記をとめて下さい。
#269
○委員長(波多野鼎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#270
○委員長(波多野鼎君) 速記を開始して下さい。
#271
○佐多忠隆君 退職金は当初のを変更をして、十二月十五日までの入隊者には六万円を支給することにしたが、その後はこれをやめて普通退職金にした。いろいろな事情もあつたので、というお話だつたのですが、その事情というものはどういうことなのか。特に官房長官にお尋ねをしたい。
#272
○政府委員(岡崎勝男君) 私は警察予備隊の給與は一般の給與よりもやや高いことを理想といたしまするけれども、例えば警察予備隊員には平均して四千五百円を支拂いまして、その外被服、住居、食糧というものを與えまして、その上に二年後に六万円と申しますと、月に割つて二千五百円ずつ、利子を除いて二千五百円ずつの平均になるわけです。実はこれは余りに高過ぎる額なんです。そこで何故こういうことをやらなければならなかつたかといいますと、先ほども申しましたように七万五千人を急速に募集しなければならん。而もいい加減なものじや困る。立派な人が欲しい。こういう意味ですから、ぐんと手当をよくすることによつてのみ優秀な人が得られるという考えから、これだけの手当を出した。併しこれだけの人が集まつて参りますれば、あとはそうたくさん募集しなくても済むと思いますので、今度募集するときは普通の條件で募集して、来たものを受付ける。それで十分だろう。こういう考えから、ざつくばらんに言えばそういう事情から初めのほうが少しよ過ぎるということになるわけであります。
#273
○佐多忠隆君 その点は非常によ過ぎるというようなお話ですか、私たちの観察では、あの訓練の状況その他を考えると、そんなに官房長官が非常に御心配なるように飛び拔けていいと思わない。むしろ警察予備隊の諸君にはあれだけの御苦労を願うのだから、このくらいのことは当然やるべきだと思うのです。殊に單に急速に集めるための便宜的な手段として月二千五百円の退職金を考えたということも、ちよつと私たちにははつきりうなずけないのです。更に予算の問題から申しましても、先ほどの二百億の予算の中の人件費三十二億という、その中に入つておるのか。その辺はあとで経理局長によくお尋ねしたいのですか、相当な含みもあつて使い切れない状態に置かれておるような状況でありますから、それからの日本の予算の可能性からいつても、そういう必要はないというふうに考えるのですが、先ほども長官がいろいろな経緯があると言つてかなりぼかしておられるので、私はここにもう少し問題があるのじやないか。特に官房長官の御説明を求めるゆえんがそこにあるのですが、もう少し御説明を願いたいのです。
#274
○政府委員(岡崎勝男君) 私は少し正直過ぎるほど申しましたかも知れませんが、実情はその程度でおります。これは例えば國家地方警察の給與、これと今の警察の給與、予備隊の給與、これを比較して、私数字は今持つておりませんが、非常に細かい計算をいたしまして、結局六万円を除きましても、何とか合う程度であります。六万円入れると非常に一般の警察官に比べて給與が高過ぎる。それは一般の警察官を不平ならしめる原因でもある。そうかといつて政府の現在の財政状況から言うと、一般の警察も上げる。それに関連して政府職員も上げる。どこも上げるということには行かないので、止むを得ず今回限りの措置としてやつたので、主としてほかの警察官との比較の問題になろうかと思うのであります。
#275
○佐多忠隆君 そうしますと、十二月十五日までに入隊した者と、それ以後の入隊者との員数はどういうことになつておりますか。
#276
○政府委員(岡崎勝男君) これはまだ十二月十五日になつておりません。
#277
○佐多忠隆君 ああそうでした。それでは今後ということで……。
#278
○政府委員(岡崎勝男君) それで見込をつけておりますが、大体今までに予備隊の人間として面白からざる人とか、或いは体の弱い人とかいうものは、それまでに出して変えまして、きちつとしたものを作り上げる。それはとにかく二年勤めれば六万円又もらえるのだということで、もう殆んど特別の支障のない者は二年勤めるであろう。こう考えて、そうたくさんは欠員がなかろうという予想の下にやつております。まあ事実どうなるかわかりません。今までのところはそういう予想であります。
#279
○下條恭兵君 官房長官にちよつとお伺いしたいと思いますが、今官房長官がいろいろ御説明されるのを聞いてお参りますと、警察予備隊の当初の給與が少しよ過ぎるように解釈しておられるようでありますが、ついては今後の給與ペース改訂に、今の警察予備隊の隊員は含んでおるかどうかということを開いて置きたいと思います。
#280
○政府委員(増原恵吉君) 給與べース改訂に対しまして、一等警察士補以下、政令で一等警察士補等といいますが、これは部隊で生活し、訓練するという人たちで、この人たちの分はこの前出しました政令に定めておりまするものはいわゆる本ぎまりでありまして、給與ベース改訂後も改訂をいたさないのであります。二等警察士以上、いわゆる幹部警察官につきましては、給與べース改訂の率がほかの公務員の改訂率がきまりました際にきわめるというので、今は過渡的なきめ方をしており、これは他の公務員の給與ベースがきまりましたら、その率に応じて改訂をする。こういうふうになつております。
#281
○下條恭兵君 そうするとこの二等警察士補以上ですか、その分の他の公務員の給與ベースが変つたときに変るべき分が、この補正予算に計上されてあるのでしようか、どうでしようか。その点をお伺いいたします。
#282
○政府委員(増原恵吉君) その分は、二百億の中で支弁をするということになつております。
#283
○若木勝藏君 先般文部委員会が開かれておつたときに、千葉の水産大学の関係の人たちが陳情に参つたのであります。陳情の趣旨は、今度警察予備隊のために校舎を接收されて、そうして雨漏りするところの非常なバラツクの中で、実験室もなく学習をしておる。なお校舎と運動場の間に鉄條網のようなものを張つて、非常に窮屈な場所を生徒が通らなければならない。それでこの問題は、何とかこの文部委員会としても、文教の振興の上から善処をされるように取計らつて頂きたいと、こういう趣旨の陳情があつたわけです。これは進駐軍が進駐した場合でさえ、でき得る限り学校施設というものの接收は避けておられた。万止むを得ずして接收した場合も、直ちに都合のつき次第これは返還しておつた状態であるのであります。そういうふうなことがあるのにかかわらず、警察予備隊がその予備隊を收容するために、その校舎を接收するということは、甚だ私は解しかねる点がある。この点についてのいきさつを伺いたいと思います。
#284
○政府委員(岡崎勝男君) このいきさつは、もりすでに増原長官が就任された後のことでありますので、私よりも増原長官のほうが正確にお答えできると思います。ただし政府としましては、教育施設等を予備隊の宿舎に充てることは、御同様好まないのであります。この点は、只今の御意見に副いまして、できるだけ速かに適当な所に移せるものは移したいという希望と申しますか、考えを持つているわけであります。その点だけは御承知願いたいと思います。
#285
○若木勝藏君 塩原長官でも差支えありませんですが、この問題は、今後の場合を考えたときに、この予備隊の増加ということ、並びに今仮收容所があるというようなこと、これらが要素になつて再び私は起つて来る問題ではないかと思うのであります。その観点からいたしますというと、現在仮收容所に收容しておるというような状態があるのかないのか。その收容の状態について先ず伺いたいと思います。
#286
○政府委員(増原恵吉君) 現在收容をいたしておりまするのは、仮というのは、永久的でないという意味で仮と申したのでありまするが、建物の設備の都合から言いますると、相当立派なものと粗末なものと、これは随分段階がまちまちになつております。そういう意味で、非常に粗末なものは、場合によつてはもう少しよい隊舎があればこれに変えたいということも考えられるわけでありまして、仮というのはそういう意味で申上げたわけであります。一面警備情勢と睨み合せましても、必ずしも今の配置はよい配置にはなつていないわけであります。根本は非常に急いで予備隊を作らなければならなかつたという事情にあるわけでありまして、他の必要な施設を接收するという手続は予備隊としてはとつてはおらないのでありまするが、他の施設に使つておるものを使つたというものもなくはないのであります。この点は我々としても、先ほど官房長官の申しましたように、そうしたものはできるならばこれを避けまして、他の支障のないものに移して行こう、それが同時に警備上の目的をも達する。当初二百億予算を見積りました際には、少々のものは新らしく建てるということも考えまして枠を組んだのでありまするが、結局きまりまする際に、ラウンド・ナンバーで二百億、内容は四半期ごとに更にきちつときめて行くというふうな措置がとられまして、現在経理をいたしておるようなわけでありまするが、現在まだ新営をするということはいたしておりませんが、これは止むを得ない場合にはそういう措置をとりまして、他の施設、機関に迷惑をかけることのないように十分注意をして参りたいと考えております。
#287
○若木勝藏君 そうすると、今の御答弁で以て、今後においては学校施設をその使用に充てるというようなことは絶対にない。そうして若し必要であれば結局新設すると、こういうふうに了解して差支えありませんか。
#288
○政府委員(増原恵吉君) そのように御了解を願つてよいのでありまするが、多少将来の誤解がありましてはと思いまするので、現在具体的に申しまして、学校方面が元の兵舎などを使つておられるところが相当あるかと思いまするが、これは円満に話合いができまして、学校としては旧兵舎などを使うことは必ずしも適当ではない。予算、財政の都合上まあそういうところにおる。これが妥当な方法によつて適当な他の方面に移転できるというようなことで、現在学校が使用しておるものを予備隊か使うというふうな場合はあり得るわけでありまするが、無理やりに学校を退いてもらつて予備隊が使うことはないと、さような意味において御了解を願いたいと思うのであります。
#289
○若木勝藏君 それで今後の政府としての趣旨がよくわかつたのでありますが、それでは現在起つておるところの千葉の水産大学の処置については、同様の処置をとられるつもりであるかどうか。
#290
○政府委員(増原恵吉君) 具体的な久里浜水産大学、現に予備隊が入つて使用をしておるものでありまするが、これについて今直ちにとか、或いは近い将来にここを出るというふうなことは、只今申上げかねる事情にあります。
#291
○若木勝藏君 そうしますれば、予備隊のほうで出るということではないにしても、若しそこに予備隊がずつと收容されるとしたならば、代償としてのいわゆる学校施設を水産大学に対して心配してやるところの意思があるかどうか。この点を伺いたい。
#292
○政府委員(増原恵吉君) ほかに代るべきものを心配をしてやるという内容が、いろいろにとれるわけでありまするが、予備隊が自分の経費を出して心配をするというふうなことになりますると、ここではちよつと御返事はいたしかねるわけであります。他に適当な施設ができることについて、私どもが協力をするといいまするか、そういうことは勿論私どももいたしたいと考えます。
#293
○岩間正男君 ちよつと関連して、今の久里浜の問題は、同じ近くのところにいるので、その訓練の状況も聞えて来る。それから英語で指揮をやつたりするところの状況とか、そういうことが大学のほうの人たちにわかつて、そういう人たちが陳情のときに、我々も文部委員会で陳情を受けたのでありますけれども、実際見ておるわけなのです。そういう点から考えまして教育環境としては果してどうかという問題が一つ大きく出された。これはやはり早急に解決しなければならない問題と考えますけれども、その点如何ですか。今の御答弁ではどうもはつきりしないのですが、むしろ早く予備隊のほうで別な方法を探して、別なところに移るというほうが建前のように考えるのですが、どういうふうに考えられますか。
#294
○政府委員(増原恵吉君) いい方法があれば考えて見たいと思いますが、その場合どういう方法をとろうという程度にまでお答えをする用意は整つておりません。
#295
○河崎ナツ君 ちよつとお伺いいたしますが、予備隊の仕事だとかいろいろ皆さんがお話になりましたことにつきましては、意見もございますけれども、それは申しませんで皆さんがお触れにならなかつたことで二つお伺いいたしたいと思います。そのうちの一つは多少岩間さんがお触れになつたのでございますけれども、引くるめて予備隊に対して二百億の質問をお見積りになつて、そうして予備隊というものを、七万五千の人たちをお動しになるにつきまして、物件費、施設費、いろいろな人件費がございますが、私の考えではその人件費の中にあるのじやないかと思いますけれども、その人たちの生活のことです。訓練はいろいろ大事でございましようけれども、その人たちも生きておるのだから生活のことを考えて上げて頂かなければならんと思うのでございますが、生活の中で一番大事なことは、毎日のエネルギーの再生産、食生活のことでございますが、もう一つは毎日訓練していますから病気になる。この二つでございますが、そのうちで病気になつたり、あとの生活で……、退職のときに六万円というような、大変これが世間に大きくあれしておりますわけでありますが、そういうふうな病気になつたときであるとか、退職のときでありますとか、或いは又怪我をしたときでありますとか、そういう生活のときにおいての、殊に病気になつたときの治療がどこでされる、そういう施設が考えられておるか。この間なんかは考えられていなかつたかのことくに受け取れるのでありますが、非常に大あわてに……、最初に長官にお伺いしますと、それはもう仕方がないからどうともできんというようなお話がありましたが、だんだん大橋法務総裁も最初のときと、二日目のときと、三日目のときといろいろ今日の説明とだんだん変つて来て、だんだん考えて来ておるかのことくに受取れるのでありますが、一体あの人たちの生活のそういう面につきまして、今までははつきりしてなくてもこれからにつきましてはどの程度に考えてやつて行こうというようなお考えをおまとめのところかありましようか。そういうところについてお伺いいたしたいと思います。
#296
○政府委員(増原恵吉君) 今のは結核の人の問題でございますか。
#297
○河崎ナツ君 結核が一番主でございますね。いろいろ外にも病気があると思うのでございますが。
#298
○政府委員(増原恵吉君) お答えをいたします。警察予備隊は特別職ではありまするが、やはり公務員でありまして、共済組合法は適用をいたしませんが、共済組合法の例に倣う措置をいたしますのでありまするから、病気の場合には警察予備隊の経費を以て療養をいたしまするし、その間俸給等も支拂う。併しやはり一般の公務員の例に倣つて或る期間を過ぎますと退職をせしめるというふうな措置になるわけであります。このたび結核について取扱が分れましたのは入隊後短期間であり、医者の診断によりましても、この人々は結核を持つて入隊をしたものと診断をされるということでありましたために、多少の手続の手違いもありまして齟齬を生じたのであります。これは普通の場合には相当綿密なレントゲン撮影等の検査によつて科学的な現在の水準において結核なきことを確かめまして、皆入れておるわけであります。入つてから結核になりましたものは、もとより予備隊でありましようとどこでありましようと、これは十分面倒を見てやらなければならぬのであります。普通の公務員の例によりまして措置をする。併し予備隊の一応理屈で言いますと、責任と認めがたいと申しまするか、入隊前に持つておつたという病気のためということで、異なる措置をとるということに相成つたわけであります。隊員が、普通の状態で病気になるというふうな場合には、これは隊の経費を以ちまして療養をさせ、俸給を與えるということに相成るわけであります。
#299
○河崎ナツ君 病気の中で結核のことにつきましてはなお更日本でも多いのでありますし、又長い病気でもありますから、特に先のことも考えてして上げなくちやならんかと思うのでありますが、今のお言葉を伺つておりますと、どうも前から持つて来たのであるから、今度はそう重く考えなかつたかのごとくに聞えたのでありますけれども、最初に、あなたの御説明にもありましたように、見てなかつた。最初によく見なかつたとおつしやいましたね。見なかつたのでありますからなお更、その入つてから二ヶ月の間にそういうふうな傾向のありましたことにつきましては、これは外の場合と違つて、持つて来たのだろうというところに持つて行くという不親切よりも、とにかく前に見ないで入れたというところに一つ手落ちがあるということからいたしまして、病気の傾向が現われたときにすぐこれは前から持つて来たのだから、すぐ今日から出よというふうな、丁度前の軍隊なんかでも、一銭五厘で呼び出せば出て来るからというような、割合に軽く思つてするような気持が、やはりまだ残つている。ああいう人たちの生活というものを、割合に大事にしないというような空気がやはりどこかにあるのじやないか。そういうようなことが、やはりああいう問題が起つたときの取扱い方にそういう軽軽しく、そういう情の薄い取扱になるのじやないかと思つて、非常にこれから先のことを、やはり心にかかるので伺つたのでありますけれども、それにしましても、今もお話のように公務員、特別職ではあるけれども公務員である。あそこで今度はまあ改正になつて八カ月療養させるというようなことがございましたけれども、その八カ月というような療養は、どういうところから八カ月とお割出しになつたのでございましようか。そのことを一つ伺いたい。
#300
○政府委員(増原恵吉君) 一応医師などの意見も聞きました。大体自覚症状のない、今まで訓練にも励んでおつたというふうな人たちであり、これから療養に專念させるならば八ヶ月ぐらいの間におおむね回復をして、勤務につき得るのではないか。これは嚴密に、何と申しますか、何か計算をして出したというものではありませんが、医師の意見も聞きまして、おおむねそこらで回復ができるだろうというところに標準を置いたのであります。
#301
○河崎ナツ君 一般の公務員ですと、結核のときには一年でございますね、そうして休養できる。それから教育公務員ですと仕事の性質上二年、それも今度はまあ社会保障制度のほうから、すべて結核関係のときには誰でも皆三年ゆつくりして、立派になおつてもらうように考えて行きたいという傾向にもなつておる折からのことであるにもかかわらず、そのときの医者の見た都合で、これならば自党症状も起つてないし、あれだから八カ月でよかろうとそのときどきにあなたのほうで、そういう結核のときにはきめて行こうとなさるというところか受取れないのでございますが、ほかのほうと併せまして少し低いと思うのでございますけれども、それはどうでございましようか。
#302
○政府委員(増原恵吉君) 一応この採用しますときの形は、もとよりその予備隊が相当に訓練も激しいので、十分身体強壯であるということを前提にしたことは御承知の通り、ただ我々のほうの足らないところは非常に急ぎましたために、そのときに嚴格に検診をしなかつたというところにあるわけでございまして、併し入隊後すぐであつて、その病気は入隊前に持つておつたと医者の認定できるようなものについては、まあ一応理屈の上ではその後の面倒を見るということがむずかしいという理屈も成り立つ。そこを特に八カ月間だけで一応大体回復できるであろうという限度を見まして、八カ月という期間を作り專念療養させて、又隊務に就かせるというふうにしたわけであります。入隊後結核を出したというふうに認められるものにつきましては、これはまあいろいろの一般公務員と何様になるわけでありますか、そこに取扱の一応の線が引かれた。相違の線が引かれた、こういう次第でございます。
#303
○河崎ナツ君 まあ八ケ月の理由がよくわかりましたですけれども、今の後の補足の言葉で、これからの問題につきましてはこの八カ月は必ずしもそれで一つの線ときまつたわけでもないというふうに、なお言葉は違いまするけれども、そういうふうな意味に受取れましたが、それでよろしうございますか。
#304
○政府委員(増原恵吉君) 予備隊に入つてから発病したと認められるような、例えば、結核というようなものは一般公務員で、おつしやいましたように一年間、あと共済組合に準じて三年間の給料、医療費給付というようなものになるわけであります。
#305
○河崎ナツ君 もう一つの面の食生活のことは非常に大事だと思います。食事はどういうような組織になつているのですか。請負制度になつているのですか。それともあの人たちが参加したといいますか、自炊か何かやつている形になつているのでございましようか。そのことにつきまして一応伺つて置きたいと思います。
#306
○政府委員(増原恵吉君) 食事の問題は、初めの間は大体用意が整わないためもありまして、おおむね請負でやりました。併しこれは原則として隊自身でやる方針で、現在のところは大体準備がなつたと思いますが、或いは一、二残つているかも知れませんが、殆んど全部が自炊と申しますか、隊員の手によつて食事をいたしております。まだ私どものほうの手が足りない関係もあつて、專門の栄養士その他を派遣をして、指導をするということのできるまでに行つていません。この間北海道方面はやりましたのでありますが、カロリー計算は一応さしておりまして、だんだんと調理の方法も改善し、調理に関する器具、機械等も入れまして能率的にやることを考えると同時にカロリー、栄養等の問題も隊員自体に手によつてだんだん改善したいと思つております。
#307
○河崎ナツ君 あなたのお調べになつたのでは、カロリーは今どのくらいの様子でございますか。
#308
○政府委員(増原恵吉君) 大体私もそのほうは余りはつきりした知識はないのでありますが、三千二、三百カロリーで、先だつて北海道のほうを調べました際には三千五百、冬期に入りました際でありますから三千五百カロリーを支給するという建前にしております。
#309
○河崎ナツ君 建前はそういうつもりでおりましようが、現在どうなんでございましようか。そのところをもう一度伺いないと思います。
#310
○政府委員(増原恵吉君) 北海道において現在三千五百をやつているということでありますが、まだ三千五百を建前にして必ずそれをやるというはつきりした措置はまだとつておりません。
#311
○河崎ナツ君 是非現実にそう渡るような生活をさせるようにして頂きたいと思うのでありますが、この間からいろいろなかたに聞いておりますとなかなか三千何ぼにはなつていないようでありますし、又お話を伺いましても実際生活におきましては、今あなたは詳しく知らないとおつしやいましたけれども、大抵の場合知らないからまあ献立みたいなものができておればそれを見て、これに肉と野菜がついている。本当に御馳走のように思うんです。或いは豆腐の味噌汁にしたつて豆腐がたつた一切れしかついていない。家庭で皆さんが召上るときには三切れも四切れも入つている。実際大勢の生活のときには味噌汁といつてもちよつと味噌汁の本日のするような味噌汁なんですね。献立だけ見ていてもわからない。この間いらつしやつた皆さんがたのことを聞きますと、豆腐はどのくらい入つていましたと聞いて見ますと、或いはまあ大根にしてもほんの一切れあるかないかですね。ですからそういうふうな同じ大根の味噌汁といいましても、一日のカロリーを計算いたしますと非常に栄養がないでございましよう。そういうことが今までの集団生活においては非常にたくさんあつて、それで私たちは肉は一週間に一日くらいだ、こういつておりました。そのときにそうですか、それじや肉がちよびちよび野菜がたくさんでしようと言つたら、本当にそうです。あなたはうまいことを言うと言うんですね。そういうわけですから、まあ俸給が今度の何の報告では五千円渡るということになつておりましたけれども、実際受取る額はそうは受取つていない、三千円足らずのようでございました。そこから食費がたしか出ているようで、食費はどのくらいありましたかと聞きますと、二千円から二千二百円くらいと申しました。今日二千二百両、まあ家賃も何も要らないのですからいいとしても、二千二百円の食費としましてはまあ相当に行くけれども、あの人たちは四合四勺の主食であつたと思います。そう言つておりましたから……、そうすると、そのくらいな主食としてはまあいいと思うのでありますけれども、主食をたくさん食べたからといつて安心じやなくて、本当は副食物が大事なんで、そういうようなことが今伺つておりまして、又あの方々に伺つて見ますと、非常に形式はうまく行つているようでありますけれども、内容がなかなかそうでないということがわかります。そうすると、二千二百円といたしまして、そういう内容ですと、実際どこかに行くというような形になり易いのでありますが、これはなぜ私がこういうことを申しますかというと、食生活は、これはもう非常に朝早くから猛訓練をいたしますから、猛訓練をすればそれだけエネルギーが要りますから非常に食生活のことを考えてやらないと、入つて二カ月もしたら結核になつた。わしやもう知らぬというようなことになつてしまうのでありまして、二カ月でも若い人のことでありますからして、今までの生活からそういう人たちが急に補給の少い、不足な食生活では、もう死ぬほどの肺病になつても自覚しないけれども、レントゲンをとつて見ると多少よくないというようなことが出る。ああいうものは二カ月でも出て来ることは、これは私は專門の医者ではないのですけれども、私の周囲は肺病の專門の人ばかりいますから、これは痛感しておるのでありますが、あなたがたのお言葉だけでは受取れないと先から思つておりますが、済んだことはともかく食生活等のごときにつきましては、一体日本の人はいい加減にやりがちであり、殊に男のかたは本当にそんなに考えておられない。これは足りないのはどこかで食べるというようなことで、あの人たちも酒保や外で食べるから、そのためにお金がなくて、初め頃は随分故郷から取寄せておつたというふうなことも言つておりましたのです。そういうふうなことは結局そこでする生活がとにかく一旦採用されて、集団で宿舎の生活をさせるということになると、訓練というものは非常に大事でありますが、使命を果すために磨かなければなりませんが、もとの生活を考えるということは、これは皆さんがたの任務であり、又政治の任務であるとも思うのであります。そういうことにつきましてどこでそういう費用を、この人件費の中でお考えでしようか。又食費を出しておるとすれば、人件費の中の費用から出すことになるのでありますか、その運営の仕方でございますね。そういうことけれどにつきまして、これは希望になりますも、よほどそういう人たちをあずかつておるとしますならば、そうして訓練をして一つの使命を果させようとするならば、生活のことについても非常にほかのほうの厚生的な面と一緒に、今度責任者としてお考え下さいますときに、更にお考え頂かなければならんのではないか。これは希望になりますけれども、特に申上げたいと思うのであります。
#312
○委員長(波多野鼎君) それでは本日の予算委員会はこれを以て散会いたします。
   午後五時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     波多野 鼎君
   理事
           石坂 豊一君
           野田 卯一君
           羽生 三七君
           伊達源一郎君
           藤野 繁雄君
           櫻内 義雄君
           東   隆君
           木村禧八郎君
           岩間 正男君
   委員
           泉山 三六君
           大島 定吉君
           工藤 鐵男君
           中川 以良君
           長谷山行毅君
           深水 六郎君
           山本 米治君
           岩崎正三郎君
           河崎 ナツ君
           佐多 忠隆君
           下條 恭兵君
           山田 節男君
           吉川末次郎君
           若木 勝藏君
           楠見 義男君
           高良 とみ君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           前田  穰君
           中井 光次君
           堀木 鎌三君
           森 八三一君
  國務大臣
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  田村 文吉君
   労 働 大 臣 保利  茂君
  政府委員
   内閣官房長官  岡崎 勝男君
   人事院総裁   淺井  清君
   警察予備隊本部
   長官      増原 恵吉君
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主計局次
   長       東條 猛猪君
   大蔵省主計局次
   長       石原 周夫君
   労働事務次官  寺本 広作君
   労働省労政局
   長       賀來才二郎君
   労働省職業安定
   局長      齋藤 邦吉君
  説明員
   労働省基準局給
   與課長     宮島 久義君
   警察隊予備隊本
   部経理課長   窪谷 直光君
ソース: 国立国会図書館
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