くにさくロゴ
2000/08/08 第149回国会 参議院 参議院会議録情報 第149回国会 予算委員会 第2号
姉妹サイト
 
2000/08/08 第149回国会 参議院

参議院会議録情報 第149回国会 予算委員会 第2号

#1
第149回国会 予算委員会 第2号
平成十二年八月八日(火曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月七日
    辞任         補欠選任
     森下 博之君     木村  仁君
     直嶋 正行君     小川 敏夫君
     高野 博師君     魚住裕一郎君
     緒方 靖夫君     阿部 幸代君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                弘友 和夫君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                市川 一朗君
                入澤  肇君
                大野つや子君
                木村  仁君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                野間  赳君
                浅尾慶一郎君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                高橋 千秋君
                竹村 泰子君
                堀  利和君
                本田 良一君
                魚住裕一郎君
                松 あきら君
                山本  保君
                阿部 幸代君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                水野 誠一君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       法務大臣     保岡 興治君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣     大島 理森君
       厚生大臣     津島 雄二君
       農林水産大臣   谷  洋一君
       通商産業大臣   平沼 赳夫君
       運輸大臣     森田  一君
       郵政大臣     平林 鴻三君
       労働大臣     吉川 芳男君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  扇  千景君
       自治大臣     西田  司君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       中川 秀直君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    相沢 英之君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  虎島 和夫君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  川口 順子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   政務次官
       外務政務次官   荒木 清寛君
       大蔵政務次官   七条  明君
       文部政務次官   松村 龍二君
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
       通商産業政務次
       官        坂本 剛二君
       通商産業政務次
       官        伊藤 達也君
       運輸政務次官   泉  信也君
       郵政政務次官   佐田玄一郎君
       郵政政務次官   常田 享詳君
       労働政務次官   釜本 邦茂君
       自治政務次官   荒井 広幸君
       金融再生政務次
       官        宮本 一三君
       総務政務次官   海老原義彦君
       北海道開発政務
       次官       橋本 聖子君
       防衛政務次官   仲村 正治君
       防衛政務次官   鈴木 正孝君
       経済企画政務次
       官        小野 晋也君
       環境政務次官   河合 正智君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   蓮実  進君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       金融再生委員会
       事務局長     森  昭治君
       金融庁検査部長  西川 和人君
       金融庁監督部長  高木 祥吉君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  五味 廣文君
       総務庁統計局長  井上 達夫君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本道路公団
       副総裁      村瀬 興一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑の割り当て時間は百五十九分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党五十分、民主党・新緑風会五十分、公明党十四分、日本共産党十八分、社会民主党・護憲連合十五分、無所属の会八分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁速水優君及び日本道路公団副総裁村瀬興一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(倉田寛之君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、これより質疑を行います。中島眞人君。
#6
○中島眞人君 自由民主党の中島眞人でございます。
 昨日までに各分野についての質問がなされましたが、私はきょうは教育問題と福祉問題と労働問題に絞って、各論について質問をしてまいりたいと思います。
 小渕前総理、また森総理が教育問題に限りない情熱を傾けております。その中で、過日、二十六日に教育改革国民会議の分科会が報告書を提出いたしました。大変すばらしい報告の内容に目を通したわけでありますけれども、中でも、曽野綾子委員が呼びかけている「日本人へ」という最後の結びに、「変化は、勇気と、時には不安や苦痛を克服して、実行しなければ得られない。 私たちは決して未来に絶望していない。 道は厳しい。しかし厳しくなかった道はどこにもなかった。だから私たちは共通の祖国を持つあなた達に希望し続ける。」という結びを持っております。
 さて、このような報告書が出されたわけでありますけれども、まず官房長官に、これからこの教育改革国民会議がどういうスケジュールでこれを具体化していくのか、その辺についてお聞きをいたしたいと思います。
#7
○国務大臣(中川秀直君) 中島委員にお答えさせていただきます。
 今御指摘ございましたとおり、教育改革国民会議、先般、第一分科会、第二分科会、第三分科会、三つの分科会における審議の結果を審議の報告として取りまとめたところでございます。
 そもそも教育改革とは何ぞやという原点に立ち返って戦後教育について総点検するとともに、現在の教育の問題がなぜ起こっているかを含めて分析検討していただき、新しい二十一世紀の教育百年の計を策定していただくという観点から御審議をいただいていると存じます。
 国民会議は今後、この審議の報告をもとに、八月の後半から開催される全体会議においてさらに審議を行い、九月中には教育改革国民会議としての中間報告を取りまとめる予定と、このように伺っております。
#8
○中島眞人君 この教育改革国民会議のメンバーを見ますと、非常に国民的な各界、教育界のトップレベルの方々がいるわけでありますけれども、私は、このメンバーを見た中に、実際これを具体化していくという過程の中で、このメンバーだけでいいんだろうか。もっと汗をかき、そして現場で子供たちと接している教師、教育経験、実践をしている方々、こういう方々を入れた分科会といいますか専門部会を設置していく必要があるんではないか。そして、国民会議と銘打つなら、専門部会のメンバーというのはある一面は公募などをしていく形で国民各層に呼びかけていく、そして国民全体がやっぱりこれに取り組んでいくという一つの手続を導入したらいかがかと思うんですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
#9
○国務大臣(中川秀直君) 今、委員御指摘のとおり、発足に際しまして、総理から、教育についての国民の御意見を公募するとともに、また一方、国民会議の委員についても広く国民各界各層のできるだけ幅広い分野の方々にお願いしたところでございます。学校の校長、教員やPTAなどの教育関係者を初め、経済界、マスコミ、文化関係者、学術関係者、外国人など、広くそうそうたる各界の方々に御参集いただいているところでございます。
 しかし、他方、委員御指摘のとおり、この教育改革の問題は国民に身近で関心の高い事項でございますし、また一つの国民運動として国民的な議論が必要であることはまことにおっしゃるとおりだろうと存じます。
 したがって、今後、例えば教育改革国民会議として直接国民の意見を伺う場、シンポジウムだとか公聴会だとか、もちろん公募をして、教育現場の子供のそばに、あるいは地域でいろいろな活動をなさっている方々、こういう方々にもそういう意見をお伺いする、そんな場を設けるなど、教育改革国民会議の審議に広く国民の考え方が反映されるように、中曽根総理補佐官、教育改革国民会議担当を中心に十月以降お取り組みをいただけたらと、こんなふうに考えております。
#10
○中島眞人君 私が申し上げるのは、国民会議がこういうものをつくってみても、実際にやっていくのは国民サイドでやっていくわけですね。ですから、絵にかいたもちにならないように配慮しなきゃいかぬと。
 端的に、国民会議の報告書の中には、義務教育五歳開始とか、十八歳になったときに奉仕活動をするというように、実際は国民の皆さん方のサイドでこれを受けとめていくという形があるわけであります。これを発想の具体化をしていかなければ、まさに魂が入ってこないわけでありますから、この点を危惧するわけでありますけれども、幅広い国民各層の意見を聞く機会をお持ちになるということでございますので、大いにこれを期待したいと思います。
 さて、私は若干申し上げたいのでありますけれども、戦後教育の中で中曽根内閣が教育改革を掲げて臨教審をうたいました。そして、第三次にわたる答申をなされたわけでありますけれども、中曽根元総理がその当時のことの意気込みとあわせて反省点を随所で述べられておるのを私も耳にしたことがございます。臨教審はつくったけれども、骨抜きにされたのは文部省に骨抜きにされて、これは一つ遺憾といえば遺憾であったという反省点を述べているんですけれども、役人、役所がついてこなかったという中曽根元総理の述懐に対して、官房長官、文部大臣、それぞれ御意見をお聞きしたいと思うんです。
#11
○国務大臣(中川秀直君) 森総理自身もまた当時の文部大臣経験者でございますので、関係者の一人であろうかと存じますが、そういう経緯も踏まえまして、所信表明演説においては教育の新生ということを日本新生プランの三本柱の一つにいたしまして、教育改革にはもはや一刻の猶予もないと述べるとともに、国民的な議論を踏まえながら思い切った改革を積極的に推進する旨述べているところでございます。
 政府として、提言の実現に向けて文部省を初めとする関係省庁とともに積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。大島大臣から御答弁があろうと存じますが、政府挙げてやってまいりますので、よろしくお願いします。
#12
○国務大臣(大島理森君) 中島委員御自身、教員の御経験がおありで、そしてその後、教育問題に数々の御意見をちょうだいしていること、大変参考になりますが、私はこのように考えます。
 中曽根総理のときの臨教審というのは、私はその後、文部大臣になりましてからずっと文部行政の変遷を勉強しました。教育問題というのは、きょうからあしたすぐに変えられるものと、中期的にじっくり取り組みながら変えていかなきゃならぬもの、あるいはまた皆さんの意見を聞かなきゃならぬものと、こういうふうにあるんだろうと思いますが、臨教審の精神というのはかなりその後生かされてきたとは私は思っております。
 今度の国民会議は前小渕総理が、一番きっかけにある意味ではなったのは、私は昨年のケルン・サミットだと思うんです。先進国がそろって新しい世界、新しい時代に教育というものをどう考えなきゃならぬかということをあのケルン・サミット、サミットで初めて教育という問題が取り上げられました。
 一方、我々の日本を見ると、そういう中において、先ほど官房長官がお話しされたようにさまざまな問題がある、そういうことで国民会議という総理の私的諮問会議ができたと私は思いますが、あの中間報告を拝見しますと、先生御指摘のように非常に幅広い御意見、御議論をしています。国民の皆さんは、あのすべての議論が今にでもすぐできるんだろうかという、逆にそういう今度は問題意識を持つのかもしれません。
 私は、いずれ総理のところに答申が出てまいり、そのことを内閣でどう扱うかということを決定していただき、そして文部省としてどう対応するか、そういう順序の流れになってくるんだろうと思いますが、少なくとも今の分科会の中間報告を拝見しながら、やはりこれはもう大変重要な議論をしていただいておるわけでございますので、これは今すぐやらなきゃならぬことだな、あるいはこれはまた国会の場で大いに議論していただいた上で結論を出さなきゃならぬものだな、あるいは少し長期的に国民の皆さんの御意見を聞かなきゃならぬものだな、そういう整理をしながら、着実にあの問題提起された最終答申をいただき、その後に進め方としてそういう覚悟を持ってやっていかなきゃいかぬだろう、こう思っております。
#13
○中島眞人君 実は臨教審の中で、一言で言うと教育の自由化という形で臨教審を表現したんですね。細かく分けると、生涯学習の体系への移行とか個性重視の原則、変化への対応、教育の自由化。そして、あの臨教審で問題を提起されたことが今やっぱり教育界の中で大きな課題になっているということを考えれば、幾つか取り上げていったであろうけれども、やっぱり中曽根元総理にしてみるとじくじたるものがあったんだという御指摘だろうというふうに思うんです。
 昨日、大蔵大臣からも、必要な金があるならばこれは出していく、こういう御決意もいただいたものでございますから、すばらしいこの発想が具体化されていく過程の中で停滞が起こってはいけない、私はこのことを強く御要望申し上げておきたいと思います。
 さて、数日前に学校基本調査が出されまして、十一年度の不登校の子供たちがやっぱり昨年も十三万人を超えたんだという結果が出ております。さらに、高校中途退学者は平成十年度で十一万一千三百七十二人。中退率にいたしますと、九年、十年、二・六%でございまして、これまた過去最高でございます。
 そういう中で、私は、この不登校、高校中退、十七歳問題というのは、一つの原因はこの不登校、高校中退というものの中に潜んでいるものではなかろうか。片方で少年法の改正という問題もあってしかるべきであろうけれども、このいわゆる不登校の問題、高校中退という問題の中に大きな一つの原因が潜んでいるのではないか、そう思うときに、これに取り組むいろんな対応をなされておると思いますけれども、さらにこの実態に対してどういう御決意か、文部大臣にお聞きいたしたい。
#14
○国務大臣(大島理森君) 今、委員は高校の不登校あるいは中退という問題を出しましたが、小学校、中学校、高校ともに不登校あるいはまた高校の中退という問題は大変大きい問題だと思っております。
 私たちは、そういう中にあって、ともかくその分析をきちっとするということを改めてしなきゃならぬだろうと。先生がおっしゃるように、そこに今の十七歳の問題の基本があるのではないか。
 私は、少年犯罪の問題も含めて、やっぱりぎりぎりした分析なしに対応は生まれないというふうに文部省に言っておりまして、まずその分析をお互いに研究し合おう、いずれにしても今起こっている問題には最善のことを尽くして対応していくことが必要だと。その基本は、もう一度挑戦の機会を与える。もう一度挑戦の機会を与える、そこにおいてどういうことができるか、今やっていること以外に、こういうことでさらに努力してまいりたい、こう思っております。
#15
○中島眞人君 不登校の子供が全国で十三万人、高校中退十一万人という、これは大変な数ですよね。カウンセラーという問題に取り組んで、その成果も出ておると思うんですけれども、私は逆に、定数改善の問題等もありますけれども、もう一歩進んだ形で取り組んだらいかがかと。
 例えば、養護学校等におきまして、体の不自由な子供たちに対して訪問教育というのは制度化されていますね。不登校の子供に対して、積極的にこちらから訪問教育というような形で制度的に家庭の中に入っていく。そして、閉鎖された親と子供の中に、拒否されるであろう場合もあるけれども入っていく。こういう形を制度化していく中に、ここに定数配分をしていくことは私はぜひ必要ではなかろうかと思うんですが、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(大島理森君) 養護学校での訪問教育という仕組みに合わせて、年来からの先生の御主張でございます訪問教育をまさに不登校あるいはそういう方々に対する制度として取り入れたらどうかと。御主張は、結論から申し上げますと本当に研究しなきゃならぬな、こう思っております。
 ただ、我々、来年から五カ年計画でさまざまな習熟度的なものに対する対応も、あるいはその心の問題も含めて、やはりまず定員増という問題に、新しい定員という問題に取り組まなきゃなりません。その一つは、二十人クラスの学習システムみたいなものをつくってやっていきたい、こう思っております。そういう中に、まず第一弾として、不登校やあるいはそういう生徒たちに対する対応というものをどのように考えたらいいか。
 いずれにしても、今すぐに制度的にそういう養護学校での訪問教育、その制度というのはなかなか今、来年からというのは厳しゅうございますが、研究はいたします。そして、まず第一段階として、定員増を図りながらそういうふうなことに対応をどのようにしていくか、まずそれを第一歩に考えてみたい、このように思っております。
#17
○中島眞人君 文部大臣が、全体像をつかむ前に定員増を考えていくということ、これも一つの方法かと思います。
 例えば、四十人学級から三十人学級といいますけれども、四十人学級の実態例を見ますと、四十一人になりますと二十人と二十一人の学級に二つになるんですよ。小学校ではその平均は二十六人になっておるんです。
 こういう形で全体を考えることも必要かもしれないけれども、計数的なものを積み上げていく定数問題というものも私は一つの構造改革の中では考えていくべきだろうというふうに思うんです。
 例えば、不登校の子供を訪問教育という中で、週二回なり三回訪問教育をする、そのための定数増、定数配置を考えるということ。あるいは、不登校になっていく子供にまず一番先に起こってくる前兆というのは、教室の中で頭が痛くなっておなかが痛くなってきて、まず保健室へ行くと。養護教諭をいわゆる定員増していくということ等々の具体的な実態に合った積み上げ方式というものを、その定数増の中で検討されるべきだと思うんですけれども、その点、いかがですか。
#18
○国務大臣(大島理森君) 中島先生おっしゃるように、不登校の理由はさまざまでございます。もう精神的に、学校へ行くこと自体が嫌だとか、あるいはまた授業についていけないとか。
 したがって、来年から五カ年計画で私どもは二十人程度の授業体制というものをある部分においてきちっとやれるようにしていく、そういう中で定員計画というものを進めてまいりたい。そういうことをいたしながら、今、先生がお話しされるような制度というのは一体どのようにできるのであろうかとか、あるいはどのように対応したらいいんだろうかということを積み上げていく、そういう定員増の中で委員の御提言等をしっかりと積み上げて研究してみたい、こう思っております。
#19
○中島眞人君 もっともっと教育問題をしたいんですけれども、後がつかえておりますけれども、一つだけ。
 私は今、楽しく英語を話せる教育という問題が論議になっておりますけれども、ちょっと文部大臣にお聞きしますが、外国でよその国の言葉を入学試験の中に位置づけている国というのはございますか、私の記憶ではないと思うんですけれども。入学試験の中で大変重要な位置づけをしている国というのは日本だけだろうというふうに思うんですけれども、この辺が日本のいわゆる入学試験制度の問題に切り込んでいく一つの形のものの提起ではなかろうかと思うんですが、どうですか。
#20
○国務大臣(大島理森君) アジアでは結構そういうことがあると伺っておりますが、ヨーロッパやアメリカでは余りそういうものはないと伺っております。
#21
○中島眞人君 もっとこの辺で話をしたいんですけれども、これはまた後にさせていただきたいと思います。
 そこで、学校教育法の中に、私の持論ですけれども、特殊教育という言葉がございます。特殊教育とは何ぞや。盲聾、今は精薄という言葉が知的障害になりましたが、この子たちの教育をやっていくんだと書いてある。では、障害を持った子供の教育というのは特殊な教育なのか、普通の教育じゃないのかと私は言い続けてきた。そうしたら、今度は文部省では来年度から特別支援教育課というふうに名称を変えるそうです。これは大変結構なことだと思う。
 しかし、学校教育法の中に盲とか聾とか、そういう言葉が依然として残っております。まず、特殊教育という言葉、この改正に私は取り組むべきだという持論を持っておりますけれども、ぜひこれにひとつ取り組んでいただきたい。お願いを申し上げます。
 次に、厚生大臣にお聞きをいたしたいと思います。
 実は厚生大臣にお聞きする前に、基礎年金の問題、三分の一を二分の一にしていく、来年度から実施すると二・四兆円かかりますよと。これは安易にいろいろな形で行われておりますけれども、財政面でいろいろな問題を検討してみますと、私は二〇二五年までの間に積み上げていくと百兆円単位の金が必要になってくるというふうに思えるんですね。こういう問題をもう少し財政論議の中で論議を重ねていかなくて、ただこれを軽減するとか負担をするとかという問題でいくと、厚生大臣、この問題をどういうふうにとらまえているのか、私はちょっとこの辺についての御見解をお聞きしたいと思うんです。
#22
○国務大臣(津島雄二君) 中島委員、大変大事な角度から物事をとらえていただいて、私も感銘を受けておりますけれども、基礎年金の国庫負担の三分の一から二分の一への引き上げ、そのことについては、もう御承知のとおり、ことし三月の年金改革法において「当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の二分の一への引上げを図るものとする。」という附則がございます。それはそれといたしまして、基本的に年金に対する若年世代の不安を解消し、年金制度の安定的な運営を図っていくということからいえば、これは必要なことでございましょう。
 しかし、問題は、非常に大きな財源が要ることでございますし、それからこれまでの福祉行政あるいは社会保障制度の議論で一番反省点があるとすれば、いい方の話はだれも反対しないからそうだそうだとなるんですね。ところが、せんじ詰めると、最後は負担をだれがやりますかということになると、お互いに押しつけ合って、あっちが悪いこっちが悪い、あっちの政党が悪いということになってしまう。私はやっぱりこれは適当でないということで、今、総理のもとに置かれている有識者会議等におきましても、絶えずだれがどのように負担をするかという将来構想まで含めて選択肢のある姿を示し、これを国民的に議論をして、やはり国民全体が納得をして先へ進んでいくように私は考えていきたいと思っております。
 委員の御指摘はそのとおりであろうと思います。
#23
○中島眞人君 時間がだんだん来てしまっておりますけれども、そこで厚生大臣、ここの予算委員会の中で論議が余りされておりませんけれども、介護保険が四月から実施されましたね。
 私は、短い時間の中で見ることはできませんけれども、大方うまくいっているんではないのか、しかし問題もあるんではないのかと。しかし、問題があるとするならば、これを克服していく。例えば、答申を待ってなんということでなくて、早急にやっぱりこの問題に手をつけていかなければいけないんではないか、こんなふうに思うんですけれども、まず介護保険の実施状況に対する厚生大臣の受けとめ方はどのように受けとめられていらっしゃいますか、お聞きしたいと思います。
#24
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。
 いずれにしても、全く新しい大型な、しかもトータルシステムであるという介護保険制度が四月に始まりまして、現場や市町村の方々等、多大な御努力をしておられることを感謝しております。
 全体として見ますとおおむね順調に実施されており、具体的にはサービスの利用者数やそれからサービスの提供量も拡大をしている。これは制度導入のいい面があらわれていると思います。
 ただ同時に、これまでいろいろな課題が指摘をされておりまして、例えば二、三挙げてみますと、いわゆる介護支援専門員、ケアマネジャーがもう介護の現場で忙しくて忙しくてへとへとになる。確かに、新しい制度でございますから大変だったと思います。そういう方々が期待される役割を今後十分に果たすようにするにはどういう配慮が要るか、こういう点がございます。
 それからもう一つは、テレビ等でもしばしば言われておりますように、訪問介護がどうも本来の身体介護中心でなくて家事援助中心型になっていきつつあるんじゃないか、それをどういうふうに考えるかという問題。それから、いわゆる短期入所サービスというものについて、どうも実態に合わないので利用しにくいことになっているんではないかというようなこともございます。
 今後とも、現場の御意見を真剣に受けとめて、課題があれば柔軟に対応し、国民の皆様方が全体として介護保険を始めてよかったと言っていただけるように私ども努力をいたしたいと思っております。
#25
○中島眞人君 大臣から、私が質問する問題についても指摘をされております。
 例えば、社会的入院をなくしていくんだという一つの大きな大前提の中で療養型病床群というのを掲げましたけれども、これが地方によっては四割に満たないというような実態がございます。同時にまた、ショートステイ、短期入所が非常に利用しにくい、そういう問題が起こってきております。これはやっぱり早急に改善をしていかないと、介護保険がうたっておった柱の欠落していく部分になるのではなかろうか、こんなふうに思えるわけでありますが、この辺について。
 さらに、随所に医療保険と介護保険がまじり合っている。例えば、医療保険適用の訪問介護では一回定額二百五十円ですね。例えば、必要があれば月十二回まで認められる。介護保険制度の適用の場合には大体一回一割負担で八百円程度。要支援の人の場合も月八回程度が限度となっているという。これなら要介護認定を受けなくて医療保険でやった方がいいんだという声まで出かかっている。
 これらの整合性を図っていく必要があるのではなかろうかと思うんですけれども、この辺についてお気づきになっていらっしゃいますか。
#26
○国務大臣(津島雄二君) まさにそのとおりでございまして、療養型医療施設について期待ほどの手が挙がってこないというようなこと、それから今のように医療保険との間の接点でふぐあいがあるということも私どもも十分に意識をしておるところでございますが、もし委員におかれて少し詳細な御答弁が必要だということでございましたら、政府参考人から御聴取をいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(大塚義治君) 介護保険が医療と福祉をいわば総括して全体的な仕組みをつくろうという面が一つの大きな理念としてございますけれども、その一方では、御指摘のように、逆に医療との関連で不整合な面が出てくるという点について我々十分関心を持っていかなければならないと思っております。
 ただいま御指摘の二点について申し上げますと、一点目の介護療養型医療施設、大臣から御答弁申し上げましたように、市町村が積み上げました計画全体よりはかなり下回る状況でございます。また、地域による差も率直なところございます。ただ、これは、一つにはいわゆる介護報酬あるいは診療報酬といったまさに経費に係る部分が比較的施行の直前に至って実質的に決まるというような事情もございまして、医療機関側の態度の決定というのも多少おくれているということもございます。
 全体としてはまだまだでございますけれども、その後、そう大幅なものではございませんけれども増加の傾向も見られますので、引き続き市町村あるいは関係団体、都道府県、関係者の間での御協議を進めていただきたいと私どもは考えておるところでございます。
 二点目の訪問看護に関連する負担のアンバランスの問題でございます。
 これも御指摘のとおりでございまして、医療保険、老人医療の制度の中で支給をされます訪問看護につきましては、末期がんの方でありますとかあるいは難病の方でありますとか、比較的頻回に訪問看護を必要とする方を対象とし、介護を中心にした医療系のサービスということについては介護保険制度でという考え方でございますが、その利用料につきまして、介護保険は原則一割の御負担をお願いする、一方、医療保険、老人医療は現在のところ一回当たり二百五十円の利用料をちょうだいするということになっておりまして、その間の差がございます。
 これにつきましては、健康保険法等の改正案を前国会に御提出をいたしたわけでございますが、現時点で成立するに至っておりません。この改正案の中でこの訪問看護、老人医療によります訪問看護の費用負担の問題につきましても改正を考えておりまして、この改正が実現をいたしますとほぼ負担の面でも均衡のとれた、バランスのとれたものになるというふうに考えているところでございます。
#28
○中島眞人君 介護認定の問題、今六カ月ですね。これを私は、現場ではお年寄りの認定というのは一年でいいんじゃないのかという問題が指摘されておりますけれども、この問題と、同時にケアマネジャー、これは利用者が利用してもらわないと幾ら忙しくやってみてもケアマネジャーの報酬というのはないんですね。特に住宅改修なんかでも、理由書を書いてやっても一銭の報酬も得られないという実態がございますので、このケアマネジャーを安定的にやる、忙しい中でやっていただくためにもこれらについての改善が必要ではなかろうかと思うんですが、この辺についても御所見をお聞きしたい。
#29
○政府参考人(大塚義治君) 要介護認定の期間の問題でございますが、御指摘ございましたように、原則と申しましょうか、六カ月というのが一つの区切りでございます。おっしゃいますように、現場からの御意見、さまざま聞いております。
 要は、基本的には高齢者の心身の状況、要介護の状況、これに沿って判断するというのが突き詰めれば基本ということになろうかと思いますが、確かに心身の状況や病状が安定しておられましてそう短期間で状況が変わるという方ばかりではないわけでございますので、審査会に御了解をとる必要はございますけれども、例えば先般、ごく最近でございますが、先月末に開催をされました全国会議におきまして、私どもからも、状況が安定しておられるような方につきましては、市町村の事務局から、六カ月を超える、例えば十二カ月までの範囲の期間で認定をするというような事務局からの提案といいましょうか、付議をするような、そういうことについても十分配慮してくれというような指示をいたしました。現実、現場の実態に応じた適切な運用が行われることを期待いたしておるところでございます。
 それからもう一点でございますが、簡単に申し上げますが、ケアマネジャーにつきましてもお話しのようなことを正直耳にいたします。耳にいたしますが、ケアマネジャーにつきましては、いわば個々の行為、一つ一つの行為というよりも、ケアプランの作成からサービス事業者との利用調整、さらには給付管理という一連の業務についての評価をし、それに対して報酬をお支払いするというのが現在の仕組みでございます。
 いろいろ御意見はございますけれども、制度が動き出したばかりでもございますし、ケアマネジャーそのものがまさに新しい制度でございますから、実施状況を見守りながらいろんな御意見を承ってまいりたいと考えております。
#30
○中島眞人君 いろいろ申し上げたいことがあるんですけれども、一つだけ申し上げておきます。
 四月から介護保険に適用されました特別養護老人ホーム等が保険になったことで四月、二カ月おくれで収入が途絶えてしまった。それをつなぎ資金でいわゆる医療事業団が貸し付けをした。この総額は、調べていただきましたら全国で七百二十七億六千七百四十万円。これは制度が変わって、施設の責任じゃないんですよ。二・一%の金利を私は施設にしょわせるというのはおかしいと思う。やっぱり国が介護保険の中でこれは見ていくべきものである。当初からわかっていることなんで、これは強く要望しますが、大臣、これについてひとつ御所見をお聞かせいただきたい。
#31
○政府参考人(大塚義治君) 現在の扱いにつきまして御報告をいたしますと、今、委員御指摘のような状況でございますが、確かに措置制度から介護保険制度に変わる、変わること自体はそれぞれの事業者の責任ではございませんけれども、一方では、新しく入ってこられる方につきましては当然のことながらこうした特別の措置はございません。そうしたバランスもございますし、金利そのものも現在全体的に低い金利ではございますが、その中でも政策的融資ということで通常の金利よりも低い金利を設定しておりますので、そうしたことからこうした取り扱いをいたしております。経過的な措置ですので、ぜひ御理解をいただきたいというのが私どもの考えでございます。
#32
○中島眞人君 理解できないから質問しているんです。
 少なくとも全国の特養が七百二十七億六千七百四十万円このために必要だった。特養は余裕がない運営をしてきたんですよ。それを、やっぱり金利を、保険の制度の移行に伴って発生するお金なんですから、これは保険の中で二カ月間収入が途絶えるんですから、これはやっぱり十分検討していただかないと施設いじめになりますよ。申し上げておきます。
 時間がございませんから、労働大臣、大変恐縮ではございますが、一つだけ質問させていただきたいと思います。
 機関委任事務の廃止に伴いまして、すべてこれがいろいろな形で移行されていったんですけれども、私は、労働行政の中で機関委任事務という、例えば各県の職業安定課、雇用保険課あるいはハローワーク、これは知事の指揮命令の中にあって中央と非常にうまくいったものなんですね。ところが、今度は機関委任事務の廃止に伴いまして、地方労働局という形になって県庁を出ていっちゃった。ここにはざまが今生じていますよね。
 大変御努力をいただいていると思うんですけれども、今まではハローワークあるいは職業安定課あるいは労働省あるいは県のいわゆる知事部局の間にうまくいった労働行政というものが、安定行政というものが非常にはざまが出てきている。特に、いわゆる有効求人倍率とか失業率というような点については、各自治体に非常に格差が出てきている。地方自治体の独自な労働政策というものを展開していく上で、これは非常に問題が私は提起をされた問題だというふうに理解をしているんですけれども、これを補うためには自治体も労働省もかなり歩み寄って新しい方策を考えていかなければいけないだろうと思うんですけれども、大臣、この辺についての御所見をお聞かせいただきたいと思います。
#33
○国務大臣(吉川芳男君) 中島委員の質問に答えさせてもらいます。
 せっかくうまくいっている制度を何も変えなくてもいいじゃないか、こういう御質問かもしれませんけれども、私は就任のとき、総理から三つの点について留意をするようにと言われました。
 一つは失業、完全失業率のさらなる低下に努力をしてくれ、いま一つは労働のミスマッチに対しまして改善をするように、それから三番目は、来年の一月に施行される、つまり厚生省と労働省の円滑なる統一にさらに努力をしてくれというわけでございまして、行政改革の精神からいたしましても、この限られた期間でございまするけれども、有効に利用して前進をさせなければならぬというわけでございまして、過去の国の行政と地方行政とがうまくいっているという委員の御指摘もあるわけでございまするけれども、しかしとうとうとした流れはもう進んでいるわけでございますので、過去のことに思いをいたしていただくのは大変大事なことかもしれませんけれども、ぜひこの流れはひとつ認めていただきますように、よろしくお願いして、答弁にさせていただきます。
#34
○中島眞人君 時間がございません。
 大臣も数少ない地方議会出身の大臣でございます。労働政策、安定行政というものは、ますます地方独自の発想を生かした雇用対策がこれから必要になってくるわけでございます。私は、そういううまくいっていたものがこういう地方労働局で分かれた、ですからこれを補うに足りるようなすばらしいものをいわゆる国も地方もが考えていただきたいということを要望申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#35
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。小山孝雄君。
#36
○小山孝雄君 同じく自民党の小山孝雄でございます。
 最初に、警察庁に伺いますが、この八月三日に、ことし上半期の少年犯罪、そして刑法犯のまとめが発表されましたけれども、特にその中で最近の少年犯罪の傾向についてお答えをいただきます。
#37
○政府参考人(田中節夫君) 本年上半期におきますところの刑法犯の認知件数の状況、それから特に少年犯罪の状況はどうかという御質問でございます。
 刑法犯の認知件数につきましては、この上半期、百万件を超えまして百十一万一千七百五十二件ということでございまして、昨年に比しまして一二・一%の増加でございまして、これは史上初めての数字でございます。
 また、少年犯罪でございますけれども、少年犯罪につきましては、これは件数そのものは減っておりますけれども、特に殺人、強盗等の凶悪犯、粗暴犯の検挙人員が増加するなど、極めて厳しい憂慮すべき状況にあると認識しております。特に、本年に入りましてからは、突発的に逆上して犯行に及ぶ事件、あるいは動機や原因が一見して明らかでないような特異重大事件が相次いで発生し、社会を震撼させ、国民は大きな不安感を抱いているところでございます。
 警察におきましては、こうした深刻な情勢を踏まえまして、現在、全国に設置しております少年サポートセンターを中心に関係機関、団体との連携を強化して重大な非行の前兆段階での的確な対応に全力を挙げて取り組むとともに、特に少年捜査体制の強化にも努力しているところでございます。
 特に、昨今の深刻な少年非行情勢に対しまして、現在の第一線の捜査体制は必ずしも十分なものではございません。こうした観点から、過日、警察におきますところの内部の要員の再配置あるいは合理化等によりまして、少年事件特別捜査隊の設置拡充や少年事件指定捜査員制度の導入等を内容とする通達を各都道府県警察に発出いたしまして少年事件捜査力の充実強化を指示したところでございます。
 しかし、先ほど申し上げましたように、刑法犯の認知件数が史上初めての大きな数字となっておりますほか、交通事故の件数もふえておりますし、また困り事相談等も激増をしております。そういうことで、第一線の全体としての業務負担というのは極めて過重な状況となっております。
 しかし、少年非行問題の実態あるいは重要性にかんがみまして、私どもといたしましては、その捜査力の体制の強化になお努力をいたしますとともに、関係機関、団体との連携を強化いたしまして非行の初期の段階での対応を図りまして一層強力な少年犯罪対策を推進してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
#38
○小山孝雄君 今お話がありましたように、その動機が今までの事件とは違う様相を呈しているということを非常に憂慮するものであります、人を殺してみたかったとか、あるいはだれでもよかったとか。生活に困窮して、そして刑法犯に触れる犯罪を起こしたのは昔のこと、今は理由がわからない、そういうことの現象を憂えるものでございます。安全と水はただだと言われたのは昔のこと、日本の社会も決してそのような状況にないということを今憂えるものでございます。
 総務庁長官、長官は政府の青少年対策本部の本部長であるわけでございますが、今お話のありました特に少年犯の状況、これをどのように認識を持って、そしてまたその原因をどうお考えでありますか。
#39
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 凶悪化する少年犯罪の状況に関する認識についてのお尋ねでございますが、最近における青少年の問題行動につきましては、新たな特徴として挙げられるものは、今、委員自身もお述べになりましたけれども、いわゆる非行歴がない少年が突発的に凶悪、粗暴な犯罪を行っている例が目立っております。
 このような重大問題を起こす少年につきましてその原因はどういうものなのかというお尋ねでございますけれども、まず一つは社会の基本的ルールを遵守しようとする意識が希薄になっていること、二番目は自己中心的で善悪の判断に基づいて自己の欲望や衝動を抑えることができないこと、三番目は言葉を通じて問題を解決する能力が十分でないことなどの特徴があると言われております。
 また、その原因としては、青少年が成長していく環境において人間関係が希薄化していることや、家庭のしつけや学校のあり方、地域社会の青少年問題への無関心、青少年を取り巻く有害環境の悪化等の要因が複雑に絡み合っているものと考えられます。
 このため、総務庁では、青少年対策推進会議を開催し、関係省庁と連携して、重大な非行の前兆段階での的確な対応及び悪質な少年犯罪に対する厳正な対処について検討を進めており、青少年行政の基本的な方針を定めております青少年育成推進要綱を近々見直すことにしております。
 今後とも、関係省庁と連携して、青少年の非行防止と健全育成に関する社会全体の取り組みの促進に最大限努力してまいります。
#40
○小山孝雄君 今お答えいただきましたが、実は私ども自由民主党政策審議会で、特に教育問題の担当部門の者たちで真剣に論議をして、さきの国会に出そうと用意をした法案もございます。しかし、総務庁長官、なかなか実際、総務庁で青少年対策の何かをやっただけで事が済むものではない。各都道府県、市町村、そこらあたりまでいくと、もう本当に人の手が足りない、薄いと。
 そこで、実効ある青少年対策、どんな妙案があるのかなということをお尋ねいたします。
#41
○国務大臣(続訓弘君) 小山委員もただいまお述べになりましたように、これは一所管省で対応できるものではなくて、先ほど答弁でも申し上げましたように、社会全体が真剣に取り組むべき課題でございます。
 この五月には神奈川で、あるいは愛知で、あるいは鹿児島でああいう凶悪犯罪が発生をいたしました。その原因は先ほども申し上げたような分析の結果ではございますけれども、いずれにしても、このような凶悪犯罪を何としても防止するというその手だてについて、今、委員がお述べになりましたようないろんな手だて、これはもう社会全体が真剣に取り組むべき課題であり、私ども二十二名の委員から成る実は青少年対策推進会議の中でいろんな手法を考えております。その結論が近々発表されますけれども、これとてあるいは万全なものでないかもしれません。
 いずれにいたしましても、今申し上げたような会議を通じてとりあえずの万全の策を発表させていただきたいと、このように考えております。
#42
○小山孝雄君 ありがとうございます。そのとおりだと思います。本当に社会全体の、国全体の私ども国民的なテーマになってきている、こう思うわけでございます。
 文部省にお尋ねいたします。
 先ほど中島委員から不登校の質疑もございましたが、校内暴力の動向について発表してください。
#43
○政府参考人(御手洗康君) 平成十年度において発生いたしました学校内暴力はおよそ二万九千七百件となっておりまして、前年の二万三千六百件に比べまして二五・六%と相当程度ふえております。
 最近の特徴といたしましては、注意されたことに腹を立て突発的に教職員を殴るとか、あるいはいらいらして校内のガラスを破損する、こういったケースがふえているところでございます。
#44
○小山孝雄君 校内暴力におきましてもやはり同じように突発的、突如としてという状況が見られるということでございます。
 文部大臣に伺いますが、総理の諮問機関でございます教育改革国民会議、この第一分科会の報告が既に、中間報告というんでしょうか、出されております。
 子供はひ弱で欲望を抑え切れない、自身で考える力、苦しみに耐える力、人間社会の必然と明暗を、善悪を超えて冷静に正視する力を失ったとし、戦後教育の危険性は、はるか以前から意識されていたが、ここへ来て、教育の欠陥はにわかに明らかになった、こう記して、そして教室で道徳を教えるのに何でためらう必要があろうかという指摘もございます。
 こうした報告書の指摘に対して、文部大臣の所見を伺います。
#45
○国務大臣(大島理森君) 先ほど来、総務庁長官の御答弁を伺いながら、小山委員の御質問を伺っておりまして、私は、国民会議の第一分科会における根本的な問いがなされているがという御質問だったと思います。
 小山委員と私は三つぐらいしか違わないので、ある意味じゃ戦後世代と言っても同じ世代なんだろうと思うんです。戦後五十年の教育というものを受けた立場で考えてみたり、そして今の現状を考えてみたりすると、私は大臣就任時にこのように申し上げて、自分の意見といたしました。
 それは、今の子供の世界に孤の世界が広がっておると。孤というのは個人の個ではなくて、孤立の孤でございます。つまり、社会性を失っているんではないだろうか。しかし、考えなければならないのは、それは子供たちが自分たちをそういうふうにしたのではなくて、やっぱり大人である我々がそういう社会の中に子供を置いたということではないだろうかということを思わなきゃいかぬと私は思うのです。
 したがって、今、教育力が落ちているという御批判をいただいています。それは家庭においても、地域であるコミュニティーにおいても、ましてやもちろん学校の現場である教育においても、どうやって社会性をしっかりと身につけるか。そういう中に道徳という問題も大きな柱としてあるわけでありますから、そういうふうな問題意識のあり方をこの国民会議の第一分科会がしたもの、そういう意味では、共通な認識を持っているというふうに言っていただいてよろしいかと思います。
 いずれにしても、今時の青少年のさまざまな犯罪、あるいはまた不登校の問題、そういうものを考えますと、ともに心が痛む。心が痛むけれども、それはまず第一義に我々大人社会がそういう環境をつくってきたということから物事を考えてスタートさせなきゃいかぬのではないかと、このように思っております。
#46
○小山孝雄君 大変大事な御指摘だと思います。私どももそのような考えを持ってこれからもこうした問題について取り組んでまいりたいと、こう思っておるところでございます。
 ところで、大臣、大変答弁は難しいかもしれませんが、道徳というのはどういうものでございましょうか。社会生活を送る我々にとって道徳とはどういうものだとお考えになりますか。
#47
○国務大臣(大島理森君) 国語の辞書を引けばそれなりの答えがあるのかもしれませんが、私自身はこのように考えます。
 法律は最低の道徳だと、こういうことを教わったような気がします。だとすれば、道徳というのは、人間社会に生きていく上で常識の中の法的な存在ではないか。つまり、人間が社会の中で生きていくために必要なマナーと言ってもいいんではないだろうか、このように私は思っております。
#48
○小山孝雄君 既に二年前、心の教育のあり方ということで、文部大臣の諮問に対し既に中教審も答申を出しまして、いわゆる道徳教育の充実という答申も出しているわけであります。その内容及び対応状況について文部省に伺います。
#49
○政府参考人(御手洗康君) 中央教育審議会の「幼児期からの心の教育の在り方について」、学校、家庭、地域を通じて子供たちの心の健全性を確保するという答申でございます。
 文部省といたしましては、これを受けまして、学校教育におきましては道徳性を養う体験的活動を充実するという観点から道徳教育の充実を図っております。
 また、スクールカウンセラー等、心の教室相談員も含めまして、教育相談体制の充実等を図っているところでございます。
 さらに、子供たちがさまざまな地域活動に参加する機会を提供し、魅力的な体験活動を行う機会を提供するために、子ども地域活動促進事業など地域におきます子供の体験活動の充実も図っているところでございます。
 また、子育てサポーターの配置、子育て支援ネットワークの充実、さらには文部省で家庭教育手帳あるいは家庭教育ノート等を配付いたしまして家庭教育の支援など総合的な施策を推進しているところでございます。
#50
○小山孝雄君 二年前、私はここの本委員会で学校教育の現場に立つ中学教師を参考人として招きまして教育の現状を語ってもらいました。そのときに、道徳教育の状況について、まずやっていることにはなってはいるけれども、実際の子供たちの持っている授業時間割りにも入っていないよ、こういうのがたくさんあったよと、私の調査では三割近くがあったよということを申し上げたわけであります。
 そして、そのときに道徳教育の現状について調査したらいいということを要請したわけですが、その結果がこの五月に発表されておりますが、どのような調査結果になったんでしょうか。
#51
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございました調査は、平成九年度中の道徳の実施状況について調査したものでございます。
 この結果によりますと、道徳の時間が、各学校で全国平均いたしますと、小学校では年間三十三・九単位時間、中学校では三十一単位時間ということでございまして、年間およそ三十五時間行うと、こう定められております授業時数を確保されていない学級が全国的には小学校で三二%、中学校では五九%まだ存在するという状況になってございます。
#52
○小山孝雄君 内容についてはどうですか。
#53
○政府参考人(御手洗康君) 申しわけございませんでした。
 道徳の名称についても調査をしておりますが、これにつきましてはほとんどの学級で道徳という形で実施されておりまして、調査結果では、小学校は九九・五%、中学校では九八・九%が道徳という名称で実施されております。
 しかしながらまた、先ほどの道徳の時間の関係でございますが、道徳の時間を他に振りかえて行われた授業もございまして、そういった振りかえた内容といたしましては、学校行事あるいは学級活動、さらには教科の指導等に充てた時間ということもございます。
#54
○小山孝雄君 確かに時間数等々は以前よりは少しくふえているということですが、私はまだまだ中身は極めて憂慮すべき内容だと、こう思っておりますが、文部大臣、現状の道徳教育の内容について、充実ぶりについてどう思われますか。十分だと思いますか。
#55
○国務大臣(大島理森君) 今も局長に御報告をさせていただきましたが、問題は身につくかどうかだと。私、小山委員御心配のように、それが一番のポイントだと思うんです。一週間に一時間の道徳時間を設けていろんなお互いに学ぶことと同時に、やはりどうやって子供たちに先ほど申し上げた思いやりだとか、あるいは社会性の中における自分というものだとか、あるいは命を大切にするかということを身につけませんと、頭の中でばかり考えたってこれは本物の道徳にならないんだろうと思います。
 そこで、その単位数の問題は問題として、先ほども申し上げましたように、私どもは生きる力と、こういうふうな大きな目標を持って総合学習という中で体験学習を大いにふやしていく、あるいはまたボランティアというような活動もふやしていく、そういうことの中で教室で教えることと体験で教えること、学校の現場としてはそういう二つの面から道徳教育に一層これは力を入れていかなきゃならぬ。また一方、家庭、地域社会ともにそういうことに力を入れていかなきゃならぬ。問題は内容である、身につけさせるということが肝要だと、このように思っております。
#56
○小山孝雄君 おっしゃるとおりだと思いますが、私は文部省からこの道徳教育の実施状況の調査をお聞きしましたときに、相当時間がふえておりますよ、ちゃんとやるようにしておりますと、こういう御報告をちょうだいしたんですが、この二日、三日、本院で子ども国会というのが開かれました。全国からえりすぐられた子供の議員、子ども議員とこう申しますが、集まってまいりまして、各委員会に分かれて審議もいたしました。
 その中で、教育第一委員会という委員会が開かれました。その委員全員が、三十三名でございますが、この三十三名の子ども議員たちで道徳教育のあり方についても真剣な論議が行われました。
 その抄録をこうやってお手元にお配りしておりますのでごらんいただきたいと思いますが、どうも文部省の調査結果で上がってくる、この調査は教育委員会それから学校現場等を通して行ったようでありますが、実際授業を受けている子供たちの生の声、これは非常に生き生きとした、さもありなんと、こう思われる内容が語られております。
 M・Y君、福井県。最近、週休二日制になって授業内容を詰め込んでいるので、昔より道徳とかそういう授業を削られていっているような気がします。それで、やっぱり数学とかも大事だけれども、道徳は人間として一番大事な授業だと思うから、もうちょっと道徳の時間をふやしてほしいと思います。道徳で心の豊かな人間になれば、思いやりとか人の痛みがわかるようになって、きっといじめも減って、いじめがなければ少年犯罪というものもだんだん減っていくと思うので、道徳をもう少しふやしてほしいと思います。
 次の東京のT・N君というのは、道徳は人から教えられるものじゃないんだから、自分でいろいろ行動して学ぶものだから、時間をふやすだけでは解決できないという意見もありました。
 H・I君、熊本県。これも道徳の時間をふやすという意見に賛成だと。Y・K君、島根県。これもそうですね。そしてまた、長野県のS・G君。この学校では一学期で二回しかやっておりません。新潟県、M・I君も、道徳心が社会全体に足りないと思いますという鋭い指摘もございます。兵庫県のA・T君。ここの学校では四月から一度も道徳の授業は行われておりません。こういったのは、これは文部省、学習指導要領違反で教員は処罰されちゃうんでしょうかね。
 その次にもあります。ずっとこんな調子で続きます。
 宮崎県のH・S君も、道徳の教科書はあるけれども、教科書というのは恐らく副読本のことだと思いますが、道徳の授業は一時間もありませんでしたという証言もあります、ちゃんとしてくださいと。
 こういう大変、単なる子供じゃありません、子ども議員でございますから、本当に真剣に耳を傾ける必要があるんじゃないかと。この子供たちの、子ども議員の皆さんの発言というのは大変生々しい。現場で確かにそうなんだろうなと。担任の先生が行うので、ついつい数学の補習授業みたいになってみたり、あるいは自習時間に割り当てられる、こういうことが語られております。
 所管の大臣として、どのようにこの子供たちの発言を受けとめられましたか。
#57
○国務大臣(大島理森君) 子ども国会に、私も本会議に出させていただきました。
 あれは最初は三年前でございましたですか、参議院の先生方の決断で子ども国会を開くということをお決めになったのはたしか三年前だったと思いますが、私はそのとき国会運営をやっておりまして、どういうふうにやるんだろうかというふうに非常に興味深く思っておったんですが、参加させていただいて、非常に有意義な子ども国会というものを参議院の先生方がおつくりになっていただいているというまず感想を持ちました。
 第二点に、今、小山委員お話しされましたように、本会議場でございまして、文相としてひな壇に上がらされて、あの子ども議員の皆様方の率直な意見を聞きましたときに、第一に、私は、子供たちも悩みながら非常に健全に頑張っているという感想を一つ持ちました。それから第二点は、そういう中で校内暴力のこと、いじめ、そのような問題を率直に話し合いながら、やっぱりみんなでそういう問題に向かう勇気が必要だということを言い合っていることを非常に印象を持ちました。
 そういう中で、道徳の時間が少ないという率直な分科会の意見等を小山委員が今お話しされたわけでございますが、もちろん私ども文部省の立場で道徳教育の時間という問題を改めて各教育委員会にもさらにお願いをして、しっかりきちっととるようにお願いを、また指導もいたさなきゃならぬなと今思いましたし、もう一つは、そういう中にあって、新しい学習指導要領の中にもありますように、総合学習の中で体験学習とか、そういうふうなこと、やっぱり本当に実体験の中からもまた道徳という問題を、知の世界から体験の世界から、両面から、さらに申し上げると恐縮ですが、家庭、地域の場でも同じ意識を持ってやってまいることが肝要だと思っております。
 小山委員の御指摘、あるいは子ども国会の子ども議員の皆様方の率直な意見を本当に感動して聞きながら、なお道徳教育のあり方に今御指摘にあったような文がないようにするために、各県の教育委員会等々に対しても徹底してまいりたい、このように思っております。
#58
○小山孝雄君 大臣の御所感、承らせていただきました。
 初中局長、お見えでございますが、申し上げます。
 わずかばかり、実施率が数%ふえたとか、その程度でよくなったとか言うことは、これは間違いです。この現実に教室にいる子供たちがどう感じているかということを、この証言録をぜひ、もうインターネットで声も出てちゃんと聞けますから、ぜひそれを真剣に受けとめて対応策を進めてもらいたい、こう思います。いかがですか。
#59
○政府参考人(御手洗康君) 大臣からも御答弁申し上げましたけれども、私どもといたしましても、特に授業時数の確保という点に限って見ましても、先ほど申し上げましたように、まだ相当程度の学校で問題があるということは十分承知いたしております。引き続き、今後とも各都道府県教育委員会等を通じて指導してまいりたいと思っております。
 特に、各都道府県ごとに見てまいりますと、都道府県によって相当平均的な授業時数の確保に差があるということも事実でございますので、そういった具体的な状況を踏まえながら指導を徹底してまいりたいと考えております。
#60
○小山孝雄君 ところで、道徳教育の中においてどのようなことを教えているのでございましょうか。大臣、お願いいたします。
#61
○国務大臣(大島理森君) 今、学校における道徳教育は、まず人間としてのあり方を自覚して、人間としてよりよく生きるための基盤となる道徳性を育成するために、自分自身に関すること、それから他人とのかかわり合いに関すること、自然や崇高なものとのかかわりに関すること、集団や社会とのかかわりに関することなどを柱として、そういうことを中心にして教えております。
#62
○小山孝雄君 今、大臣が御発表いただきました道徳の内容、御参考までに配付資料として皆様のお手元に配付しておりますのでごらんをいただきたいと思いますが、実に立派なことを、そして大変大事なことが書かれてございます。
 小学校一学年、二学年、「父母、祖父母を敬愛し、進んで家の手伝いなどをして、家族の役に立つ喜びを知る。」。三学年、四学年、「約束や社会のきまりを守り、公徳心をもつ。」。五学年、六学年、小学校高学年では「生命がかけがえのないものであることを知り、自他の生命を尊重する。」。「父母、祖父母を敬愛し、家族の幸せを求めて、進んで役に立つことをする。」。「郷土や我が国の文化と伝統を大切にし、先人の努力を知り、郷土や国を愛する心をもつ。」。このような、たまたま目についたことを申し上げたまででございますが、大事なことだと思います。
 そうした大事なことを教えるテキストに「学習指導要領解説 道徳編」というのが小学校、中学校でおのおのつくられております。この冊子はどれくらいつくられて、どのように配付され、どのように活用されておるでしょうか、文部省当局。
#63
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘の小学校、中学校の学習指導要領の解説につきましては、教師用の手引といたしまして、新しく平成十年に告示いたしました学習指導要領に基づきまして、昨年度、小学校では四十一万部、中学校では二十三万部、それぞれの全国の学級数に相当する数でございますが、文部省がこれを作成いたしまして、各都道府県教育委員会並びに市町村教育委員会を通じまして各学校に、すべての学級担任が活用していただくようにという趣旨で直接送付しているものでございます。
#64
○小山孝雄君 道徳には教科書がありませんので、全国共通して使われる資料というのはこの小学校、中学校の「学習指導要領解説 道徳編」だけでございます。小学校で四十一万、中学校で二十三万部印刷されて配付されているということでありますが、学級担任に配付されているということでありますが、たまたま私の知り合いの十四県の小中学校の教諭の皆さんにお聞きいたしました。
 岩手県、これは配付されております。宮城県、配付されておりません。東京も配付されておりません。神奈川も配付されておりません。岐阜県も配付されておりません。大阪も配付されておりません。兵庫県は各学校に学級数に応じて配付されている。福山、広島県、配付されておりません。北九州市、学校で購入し配付しております。同じく福岡県の大牟田、配付されておりません。長崎県諫早市、配付ありません。佐賀県佐賀市、配付されておりません。京都も配付されておりません。宮崎県、配付されております。こういう配付なしという方が圧倒的に多いんです。
 これを各県に問い合わせてくださいということできのうのうちにお届けしておりますが、調査の結果、どうでしたか。
#65
○政府参考人(御手洗康君) とりあえず各県市等に配付について問い合わせいたしましたけれども、都道府県教育委員会等からの報告では、各学校まで配られているという報告でございますが、なお御指摘ございますので、十分精査をしながら確実に届くことができるよう今後とも対処、また私どもとしては心してまいりたいと考えております。
#66
○小山孝雄君 事ほどさように現状と、現場に立っている教師がそう言うのでございますから、ぜひそれは、国の予算を使ってやっているわけですから、徹底して活用いただくよう、各現場に臨んでほしいと思うわけであります。
 なお、主計局長、大蔵大臣もお見えでございますが、配付されていないということで来年から予算がカットされるようなことがないようにあらかじめ申し上げておく次第でございます。
 これは本当に、道徳をどう教えるかということはこれしか資料がないんですから、これしか資料がないということをぜひ文部当局はしっかりと肝に銘じて徹底活用いただくよう、現場を指導していただきたいと思うわけでございます。
 そこで、この五月の十六日に、本院の文教・科学委員会におきまして同僚の仲道議員が質問をいたしました。道徳教育のための、子供たちに渡す資料をつくる必要はないのか、教科書をつくる必要はないのか、こういう質問がありました。それに対しまして、当時の総括文部政務次官が、学習指導要領に定める道徳の内容をもっとわかりやすくしていく、そういうものも必要だと思います、児童生徒用の資料もつくるということにいたしておりますと、こういう御答弁をされております。
 その進捗状況、どのような内容なのか、有償なのか無償なのか等々も含めまして現状を御報告ください。
#67
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございました児童生徒用の資料につきましては、現在、学習指導要領の内容、先ほど御指摘ございました項目を児童生徒向けにわかりやすく解説できるものというような趣旨で、現在どういう内容にするか、あるいは予算等も伴いますので、どういった配付方法にするかということも含めまして部内で鋭意検討中でございます。
#68
○小山孝雄君 いつごろをめどに作業を進めておりますか。
#69
○政府参考人(御手洗康君) できれば来年度中にはこれを完成させたいというペースで進めているところでございます。
#70
○小山孝雄君 それは再来年度、十四年度以降には使ってもらいたいと、こういうことでしょうか。
#71
○政府参考人(御手洗康君) 現在、いずれにいたしましても検討してございますが、御指摘を踏まえまして対処してまいりたいと考えております。
#72
○小山孝雄君 それともう一点、この道徳教育というのがないがしろにされているもとに、教える側がよくわからないということもあるんじゃないでしょうか。
 大学教育の中で、教員養成課程の中でどんなカリキュラムになっているのか、そしてまた試験問題としてちゃんとそのテーマが取り上げられているのかどうか。やはり試験に出なければ一生懸命勉強しないということになろうかと思いますが、現状を発表してください。
#73
○政府参考人(矢野重典君) 大学における道徳教育の内容についてでございますが、道徳教育の目的、歴史あるいは道徳の授業方法等を教授しているところでございます。
 また、採用試験についてのお尋ねでございますが、悉皆ではございませんけれども、私どもが調査した限りでは、ほとんどの都道府県におきまして何らかの形で道徳の問題が取り上げられているところでございまして、例えば二次試験で道徳の指導案を作成させたり、あるいは道徳の模擬授業を行わせた、そういう例もございます。
#74
○小山孝雄君 もっと追いたいところですが、時間も迫っております。
 先ほど来、文部大臣の御発言にもありました、教育というのはひとり学校教育に任せておいていいものではない、家庭教育、社会教育すべてが相まって人間の完成といいますか社会教育が行われていくんだと、こう思うわけであります。
 今、授業が始まっても席に着かない、わいわい騒ぐ、人の話をじっと聞けない、こういう子供がふえているということがあちこちで指摘されておるわけですが、やはり学校に入る前には既にそういったことがちゃんと身についているということが大事だろうと思うわけでありますが、幼稚園あるいは家庭における幼児教育の対応、これも文部省でございます。大臣、いかがでございますか。
#75
○国務大臣(大島理森君) まさにそのとおりでございますし、それから、先ほど委員が御質問されて局長が答弁されておられた中で、最後に一言だけ、一層道徳教育の体系的な教育制度のあり方というものを研究しながら、委員の御指摘をちょうだいして充実させていくことを大臣として改めて申し上げます。
 幼児教育における道徳の教育でございますが、まず第一に、やっぱり文部省としては幼稚園の皆さんとよく整合性をとりながら、生活慣習、自制心、そして自立心、豊かな情操、基本的な倫理観、そういうものを育成していくことが大事でございます。
 それから、若いお母様、お父様方に対するいわば教育のあり方も問いかけていかなければなりません。そういう意味で、委員もごらんになったことがあると思うんですが、家庭教育手帳というものを渡して、やっぱり親御さんたちに対しても、少なくともこういう基本は子供たちにしっかりと教え込んでくださいよと、そういうこともやっております。
 いずれにしても、幼児教育の時点からの道徳のあり方というのがむしろ最も大事ではないかなと思うぐらいの気持ちでその点に関しても努力してまいりたい、こう思っております。
#76
○小山孝雄君 一層の御努力を求めて、次に進みます。
 官房長官、お戻りでございますが、森総理の所信表明の中で、教育改革、日本新生プランの第三の柱を教育の新生と位置づけられまして、教育改革として重大視する御意向が述べられました。その教育改革の課題について述べられた中で、例えばIT教育の充実だとか大学九月入学の推進だとかいろいろありましたが、その最後のところで、「教育委員会のあり方なども重要課題であると考えております。」と、このように述べられました。
 それ以前のことは大体想像がつくのでございますが、この「教育委員会のあり方なども重要課題である」と述べられた背景、総理がおられませんので官房長官にお答えを願いますが、この中には、地方教育行政の組織及び運営に関する法律等で非常に大事な教育委員会の任務と定められている教科書採択の問題も当然私は含まれるだろうと理解をするわけですが、いかがでございましょうか。
#77
○国務大臣(中川秀直君) 小山委員にお答えを申し上げます。
 今、御指摘のとおり、総理は所信表明の中で、教育委員会のあり方も教育改革の重要課題であると所信の中で申されたわけでありまして、今後の教育委員会のあり方としては、地域の実情に応じて主体的かつ積極的な教育行政を展開していくことが求められていると思います。
 また、学校の設置者としてその管理運営の責任を十分に果たすとともに、学校の創意工夫ある教育活動の取り組みを支えていくことが大切であると認識をしておられるわけであります。このような観点から、教育委員会の機能の充実を図っていく必要があると、このような考え方であろうかと存じます。
 今、御指摘の法律の二十三条六項に示されております教科書の採択でございますが、これも各学校を設置する教育委員会が行うこととなっておりますので、それぞれの教育委員会が責任を持って適切に採択を行うことが必要である、このように考えていると思います。そういう意味での重要課題と、こう認識をしておられると思います。
#78
○小山孝雄君 教育委員会の機能について、本当にそのように願うわけでございます。
 文部大臣にお尋ねいたしますが、教科書採択に関しましては平成二年の文部省通知が出されておりまして、これは教育委員会の専権事項であると、こういうふうにしているわけでございますが、実際は学校票であるとか、あるいは単なる諮問機関にすぎない選定委員会による絞り込み等、教育委員会の権限を空洞化させる慣行がまかり通っているというのが現状だと私は非常に憂えているものでございますが、ぜひ教育委員会の権限において、責任において作業が進められるよう願うものですが、今後の御指導について見解を伺います。
#79
○国務大臣(大島理森君) 昨日も保坂委員から国立の問題についていろいろお話がございました。
 教科書選定については、毅然としてやはり教育委員会の判断で行うことが当然であろうと思いますし、間違っても組合の意見によってとか、そういうことがあってはならぬことだと思っております。今、委員から御指摘いただきましたように、平成二年の初中局長のいわば通知がございます。この基本は一切変わっておりません。改めて各教育委員会等に対しては、そういう先生方の熱心な御議論があったことを踏まえながら適切にしっかりとした指導をしてまいりたい、このように思っております。
#80
○小山孝雄君 教科書の問題についてもう一点、文部大臣、お願いいたします。
 先般、一部の新聞が、今現在検定が進行している、申請中の教科書についてこのような内容があるということを報道いたしました。これは非難めいた内容も含まれておったように思うわけでございますが、制度として、これは教科書検定制度の趣旨を損ねるものだ、このように考えますが、いかがでございますか。
#81
○国務大臣(大島理森君) あってはならないことだと、このように思っております。
 教科書選定に関しては、それを決定した後に公表し開かれていくわけでございまして、経過の中ではあってはならぬ、このように思っております。
#82
○小山孝雄君 ありがとうございました。
 ことしは五千円札の主人公の新渡戸稲造博士が「武士道」を著しましてちょうど百年でございます。その「武士道」をフィラデルフィアの小さな印刷所から新渡戸博士が出版をなさった。その第一版の序文に、ベルギーの法律学者と懇談をしているときに、日本では、あなたの国では宗教教育がないのですか、宗教教育がないのにどうして道徳教育を施すのですかと大変驚いて、あのときの声は新渡戸博士は最後まで忘れられないと人に語った。そのことが初版本の冒頭に出てまいるわけでございます。
 明治期には我が日本国では武士道というものが非常に多くの国民の心の支えになった。そしてまた、心を養うもとになった。その後、道徳教育は教育勅語によって行われた。それが廃止されて数十年、さまざまな努力を通して今日に来ているわけでございますが、私が道徳教育の問題をあえてこの時間、その一点に絞りまして質問させていただいたのは、それしか、日本の国が健全な社会になっていくのはそれがもとだ、こう思うからでございますので、これからも御努力を願いたいと思うわけであります。
 西洋の教育では三つのR、日本でいえば読み書きそろばん、リーディング、ライティング、アリスマティック、それにもう一つ、レリージョンあるいはレスポンシビリティー、宗教、責任、これを加えた四つのRが教育の基本だということが西洋社会では言われているわけでございまして、我が日本国においてもしっかりした教育が施されるよう心から願って、質問を終わります。
#83
○委員長(倉田寛之君) 以上で中島眞人君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#84
○委員長(倉田寛之君) 次に、峰崎直樹君の質疑を行います。峰崎直樹君。
#85
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎ですが、まことに総理大臣がおられないというのは残念で仕方ありません。
 いよいよ来年の一府十二省体制ですか、そうなればますます総理大臣の役割は大きいわけですから、これからも予算委員会、全大臣にきちんとやはり出席をしていただきたいものだということを冒頭申し上げたいと思います。
 最初に、NPO法について質問をしたいというふうに思いますが、もうNPO法施行から二年たとうとしているわけでありますが、これは経済企画庁にお聞きしたらよろしいんでしょうか。最近までの状況はどうなっておりますでしょうか。
#86
○国務大臣(堺屋太一君) 御指摘のように、NPO法が施行されまして約二年がたちます。その間に、この法律を議員立法としてつくっていただきましたときに、附帯決議といたしまして二年後に見直すということがございました。
 これは、立法府の方でそれぞれ各党御検討いただいていることと思いますが、私どもの方でも、税制上の優遇措置の見直しなど、いろんな点が議員の方々で議論されておると伺っておりまして、国民生活審議会総合企画部会中間報告でこの見直しに当たり一つの材料を提供しようということで議論をいたしました。
 その結果、六月二十一日に公表いたしました中間報告をいただきまして、これを議員、先生方の議論の参考に提供したいと考えているところでございます。
#87
○峰崎直樹君 この二年以内に、ある意味では税制上の優遇措置の問題をどうするかということになっておりますが、薄井前大蔵省事務次官は四月にマスコミで、大蔵省はNPOの事業報告書がまとまる六月からNPO関連の税制改正を本格化させたい、こういうような趣旨のある意味ではマスコミにお答えをなさっているわけでありますが、大蔵省としてこれは四月の二十七日でしょうか、同僚の櫻井議員の質問にも大蔵大臣は答えておられますけれども、税制上の優遇措置の問題についてはどのように今、現段階でお答えでしょうか。
#88
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も申し上げたと思いますけれども、私としてはNPOというのはやはり新しい時代の流れに沿うものだと思いますので、なるべく先入観を持たずに大事に考えろということを事務当局に申しておるわけで、それで、ただいまおっしゃいましたように、経済企画庁が中心になって、どういう活動が行われているかということを一般的に把握しようと努めておるわけでございます。その中で、いわば公益性の高いものについてどういう税制上の優遇措置が与えられるかという、全体でどのぐらいでどういうことをしていらっしゃるのかということを一応基本的に知っておきたい、今まだその段階にあるわけでございます。
 優遇措置といいましても、例えば収益事業であれば、これは一般的にすべての収益事業には法人はかかりますから、それが免税になるということはなかなかないかと思いますが、しかしNPOに対する寄附に対する免税といったようなことはこれは考えられることではないかとも思っておりまして、したがって一般的に公益性のある、責任のある活動をしていると認められるところを、ならばできるだけ早く、いきなりたくさんというわけでなくとも、いい、理想的なケースを拾い上げて考えてみたらどうかということを事務当局には、国税庁には申しておるところでございます。
#89
○峰崎直樹君 政府税調の今度答申が出ましたね。この中では何か言及がございますか。
#90
○国務大臣(宮澤喜一君) あれは経済企画庁の方の答申であったと思いますが、課税については別に何も言っておられなかったと思います。
#91
○峰崎直樹君 そこで、これはまた厚生省にもお聞きしたいんですが、NPO法人の中で非常に要望の強い収益事業の関係で、前回も、四月二十七日の財政・金融委員会ですか、そこで大臣がお答えになっておられましたけれども、きょうは厚生大臣がお見えになっていますが、NPOが介護保険をやろうとするときに、社会福祉法人はこれは実は無税であるけれども、同じ仕事をするのにNPOでやろうとしたときに税がかかってくるという、これはイコールフッティングじゃないんじゃないか。将来的に、これは自治省にも本当はお聞きしたいところですが、NPOにやはり依存しなきゃいかぬ分野というのがこれがどんどん出てくるんじゃないかと思うんですね、そういう分野が。
 そういうことについてはどのようにお考えなのか、まず厚生省からお聞きしましょうか。それから大蔵大臣にもお聞きしましょう。
#92
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。
 厚生省といたしましては、介護サービスの重要な担い手としてNPOには期待をしておりますので、活動しやすい環境づくりには努めたいと考えておりますけれども、税法上の扱いにつきましては、先ほどの大蔵大臣の御答弁にもございますけれども、NPO全般についての税制上の取り扱いと無関係にはこれは議論はできないのではないだろうかと。社会福祉法人の場合にはそれなりの定義がございまして、その定義に応じて税法上、非課税容認をしていただいているわけですけれども、NPOという存在について税法上どういうふうに扱われるかというのは、私どもは大いに応援をしたい気持ちはございますけれども、税法上どうかというのは私どもが最終的な判断をするにはちょっと越えているんではないかというふうに思っております。
#93
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、厚生大臣がお答えになったのは結論でございますけれども、例えば介護活動等々を、介護サービスをしておる法人あるいは主体というのは、一番厳しい方から言いますと社会福祉法人でございますが、その次に公益法人がございます。それから、その次にNPOがありまして、こちらの方は民間法人、営利法人、みんなが介護サービスをやれるし、やっておるわけでございます。
 その中で、ただいまの税法の扱いは、社会福祉法人だけに免税を与えているというのが今の制度でございます。それは、今、津島大臣が言われましたように、社会福祉法人というもののあり方について非常に厳しい規制をかけておりますし、生活困難者に対する無料サービスなどもしなければならない。したがって、一般的に社会福祉法人だけが公益性が高いという、そういう判断が現に行われておりますので、したがって、そこにNPOが入ってまいりましても、まだ社会福祉法人の方にいる公益法人みたいなものも収益事業には課税を受けておりますから、NPOが入ってきたから社会福祉法人の扱いを、同じ扱いを受けるというわけにはまいらないというのが従来の税法の扱いでございます。
 そこで、もし問題に峰崎委員としてお考えになるとすれば、一体社会福祉法人だけが何でそういう特典を受けておるのだという、こういうことをお問いかけになるそういう性格の問題でありますものですから、今、大蔵省も厚生省もいろいろ相談の上で、社会福祉法人だけはこれは別に扱っているという、そういう考え方そのものが問われるかどうかということであろうと思います。
#94
○峰崎直樹君 経企庁長官はどう考えますか、担当大臣。
#95
○国務大臣(堺屋太一君) このNPOという仕組み自体が、従来の公益法人とかそういうものは官僚、所管官庁がこれは公益だという形で認めた。このNPOというのは、民間の人々が自分たちでこういうところ、こういう分野というのを言ってこられますと、ほとんど審査せずにその人たちの公益性の認定によって行っております。
 したがって、これに一般的な税制の優遇を社会福祉法人と同じにかけるといたしますと、やはりいろんな義務をかけていく、このことはNPO本来の、民間の人が自分でこれは社会のためだと思ったことを官僚が介入しないでやるということと矛盾してまいりますので、やはり大蔵大臣がお答えになりましたように、その間、どういう事業ならとか、そういうところをかなり税務当局の審査が厳しくならなきゃいけない。
 この答申の中にも幾つかのそういう案を並べて、こんな考え方がアメリカにあります、こんな考え方がイギリスにありますということをやっておりますけれども、今どれがいいか立法府の方でひとつごらんいただいて御検討いただくのが筋かと考えております。
#96
○峰崎直樹君 問題は、その公益性の認定をだれがするかというところにかかってくるのかなと思うんですね。
 そこで、大蔵省にお聞きすれば、いや、それは国税庁にというふうに言われるのかもしれませんし、経済企画庁長官は民間におられた立場も含めて、第三者がこのNPOは非常に公益性がある、しかもディスクローズしているしきちっとやっている、それはどこがやったらいいと思いますか。
#97
○国務大臣(堺屋太一君) NPOでやるということの認定自身は、向こうから出てきた書類その他が整っておりますと、一都道府県のものは知事さんが、複数の都道府県にまたがるものは経済企画庁がやっております。
 これを今度税制の問題ということになりますと、イギリスの場合には、そういう大きな委員会がございましてそこで判定をすると。それから、アメリカの場合には、パブリックサポートというのがございまして、みんながたくさん寄附をするところはみんなが認めて寄附しているんだからいいんだというような基準をつくっているのもございます。
 日本で初めてのことでございまして、まだ二年で実績も、実を言いますと、この法律が出まして認可してからようやく早いもので一年たつかどうか、最初のまだ決算が出るか出ないかというような段階でございますので、今どういうのがいいのか。
 これはやはり立法府でおつくりいただいた法律でございますので、そういう材料をいろいろ提供させていただきますので、ひとつよく御検討いただくようにお願いしたいと思っております。
#98
○峰崎直樹君 あと十二月まで四カ月ですよね。そうすると例年でありますと、この仕組みがいいかどうかは別にして年末に税制改正をやって年度税制改正に入るわけです。そうすると、その間はもう、法案をつくってこの税制をどうするかということについては、来年の通常国会でないと間に合わないんじゃないでしょうか。そうすると今、六月に大体出てまいりますけれども、これについていやこれからいろいろ議論しますよというんじゃ、法の趣旨というか、つくったときの経過からすればちょっと遅いんじゃないんですかという気があるんですよ。
 その意味で、ここら辺はもうしっかりと方針を固めなきゃいかぬ時期なんですが、経済企画庁どうです、これは閣法で出した方がいいのか、それとも、法律そのものは議員立法でつくりました、これはやはりNPO議連というのもございますから、企画庁長官としてはどちらがよろしいと思いますか。
#99
○国務大臣(堺屋太一君) やはり、これは議員立法でつくっていただきました経緯からいいまして、立法府といいますか議員法でお考えいただくのが筋だと考えております。
 私たちの方は、その先生方がやっていただくのに最大限材料を提供させていただく、いろんな資料を提供させていただくことでは最大限の御協力をさせていただきたいと思いますが、これを閣法に変えてというのはちょっといかがなものか、難しいんではないかと思っております。
#100
○峰崎直樹君 官房長官、それでいいですか、きょうは総理大臣がおられない。まず大蔵大臣に、では聞きましょう。
#101
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の経済企画庁長官のお答えはそういうことなんですが、もう少し立ち入って申しますと、私どもがNPOに期待しているのは、無論いろいろございますが、その民間性というのをやっぱり非常に期待しているわけですが、つまり、先ほど申しましたように公益性、そのNPOが公益法人ほど公益性を持った活動をしておっても税法の恩典は受けないということを先ほど申し上げました。ですから、社会福祉法人だけが恩典を受けているというその事実も取り上げませんと、どのようにNPOが公益的であっても、それは公益法人を出ることはございませんから、公益法人が税法の恩典を受けていないということと同じことになってしまう。いろいろお考えのところを余計なことを申し上げるようなんですが、問題のエッセンスはそこのところにも実はあるということでございます。
#102
○峰崎直樹君 何か大蔵大臣の話を聞いていると、もうNPOには税制上の恩典はありませんよというふうに聞こえるんですが、そうなんですか。
#103
○国務大臣(宮澤喜一君) そこは冒頭に申し上げましたように、税制上の恩典というのは、例えば峰崎委員のおっしゃいますことは、活動の中で収益活動であるとかそうでないとかという部分が一つございますが、別にそのNPOに寄附をするという問題がございまして、それがどのような税法上の免税を受けるかということは、これはNPOが認定をいたしました法人になりますとその恩典を受けることができる、これは公益云々とは、一応収益事業への課税とは関係ない問題だと思います。
#104
○峰崎直樹君 実は、寄附金税制のところはまた後で聞こうと思っていたんです。
 一番重要だと思うのは、こういう収益事業を、やっぱりこれは非営利団体ですから、非営利団体である以上は利益を上げちゃいけないということじゃないですね。利益が上がったものは個人に分散するなと、そしてそれを再び公益性のあるところに使えということですから、そういう点で私は民間の法人とは違うんだろうと思うんですね。そういう点で、社会福祉法人と全く同じ機能が期待され同じように仕事をしているのに、それはイコールでないということについての不公平というのがあるんじゃないですかということを指摘しているわけです。
 この問題については、だからいずれにしても閣法でやってください、いや閣法がいいですかと言ったら、いや議員立法でやってくれということですから、議員立法で、議連がありますからそこでやりますけれども、しかしそこの基本的な考え方をやはりあらかじめ聞いておかないと進まないと思ったわけです。それで聞いたわけであります。
 そこで、改めてもう一回、収益事業のところで、今申し上げたように、当然これは同じようなことをやっているのでいえば、同じようなやはり社会福祉法人並みのいわゆる改正をするべきじゃないかという考え方でよろしゅうございますか。
#105
○国務大臣(宮澤喜一君) そこのところを申し上げているわけでございまして、現在の税法上、公益法人であっても、宗教法人も御存じのとおりですが、収益事業というものは定義をいたしてございまして、これだけの部分は収益事業である、それである限りはそれは課税される、それ以外のものと別除されて課税されるというのが今の税法でございますので、したがいましてNPOがそういう事業をやっておっても収益性がある限りは課税をされるということになってしまうので、何で公益法人だけそうでないのかということはこれは十分御議論の余地がありますけれども、現行はそうでございますから、したがってNPOは公益法人を飛び越えて社会福祉法人と一緒の取り扱いを受けるということは今の税法上できないという、そういうことを申し上げようとしておるわけであります。
#106
○峰崎直樹君 税法上できないと言うが、それは法改正すればできるんじゃないですか。
#107
○国務大臣(宮澤喜一君) 法改正となりますと、例えば大きな宗教団体がございますが、いろいろな事業をしている中で収益事業を随分やっております。これは、宗教団体だけれども収益事業の部分については課税をいたしております。したがって、そういう問題、例えば牽連してくる問題はその種類の問題であろうと思います。
#108
○峰崎直樹君 いずれにしても、民法第三十四条ですか、そこの明治につくった法律がいまだにここでずっと脈々と生きて、二十一世紀を迎えてこれからそういう市民活動が地域社会に広がって、今、大臣もおっしゃったように、これを育成していかなきゃいけないというふうに思われているときに、いやいやそれ以上できませんよとかという、明治の基準がそのまま残っていくということ自身が大変問題なんです。
 法務大臣、おられますか。法務大臣、事前に質問通告しておりませんでしたが、このような事態、つまり、明治につくった民法第三十四条の規定がいまだにこういうふうにして大きく影響力を持っているというのは一体いかがなものか。法改正なんかの考え方、そういったものはございませんか。
 企画庁長官が見解ありますか。ちょっと言ってください。
#109
○国務大臣(堺屋太一君) お説のとおり、民法三十四条で、所管大臣が公益法人を決める、逆に言うと、何が公益であるか役人が決める制度だという批判がございまして、それでこのNPO法をつくっていただいた経緯がございます。
 このことと、特に国民生活審議会などで議論になりましたのは、むしろそういうところに個人が寄附した場合、その個人がこれは公益だと思って寄附したのだから、これをどうするかという議論は相当ございました。
 ただ、収益事業ということになりますと、いかなる団体でもそれ相応の税金がかかる。社会福祉法人というのは特別の義務を負っているから外れておるわけです。だから、委員のお説をとりますと、介護という事業を収益事業とみなすかどうかというところには議論があると思いますけれども、はっきり収益事業だとわかれば、これはNPOであろうと民法法人であろうと税金がかかるというのが今の税法の筋書きだと考えております。
#110
○委員長(倉田寛之君) 法務大臣はいいですか。
#111
○峰崎直樹君 法務大臣よろしく、もし見解があれば。
#112
○国務大臣(保岡興治君) 民法の定めてあります公益法人については片仮名の古い法律であるという点の御指摘でございますけれども、社会の情勢の変化あるいは国民のニーズ、こういったものには的確に対応する法改正というのが一般的には必要であるということは言えると思いますが、今御質問のことについては私もまだ就任直後でつぶさに承知しておりませんのでお答えできませんが、今申し上げたような一般的な原則はあると存じております。
#113
○峰崎直樹君 これ以上やってももう時間ありませんからあれしませんが、収益事業といった場合でも、非営利団体というのは、NPOというのはノンプロフィットですから、そういう意味ではそれを社会の公益のためにやるということがきちんとディスクローズされて、そこで第三者が審査をして、そしてこれはやはり十分公益性があるということであれば、それはやはりイコールフッティングにできる限り近づけていくということが私は望ましいと思うんです。ぜひそういうふうにしていただきたいんですが。
 今度は寄附金税制についてお聞きしますが、大蔵大臣、日本の寄附金税制というのはどうも企業が寄附をするときは非常に簡単にできる、これは外国に比べても随分何か日本の制度というのは僕はやりやすくできていると思いますが、個人が寄附するとき非常に実はやりにくい。だから、政治家とお金の関係で個人献金がなぜ広がらないんだろうかということにも一つ関連するんですが、その点今の寄附金税制、問題があると考えられませんか。
#114
○国務大臣(宮澤喜一君) せっかくいろいろお考えいただくのに砂をかけるつもりで申し上げるのではないんですが、前の部分でございますが、結局公益法人でも収益事業をすることができる、することがあるという前提がありまして、したがって収益事業とは何かということを厳格に定義をしなければなりませんで、税法上の定義がございます。たしか三十幾つの行為が収益事業、そうでございますね。ですから、そこのところに問題がある。よくおわかりでございましたから、そういうことでございます。
 次の問題は、今、政治家に対する個人の寄附は法律がございましたのに、あれが切れております。昨年の末に議員立法をなさるはずであったのが、たしか衆議院が解散になりましたので切れておりますので、これを知っていただきませんと明年からはできなくなるという問題がございますので、これは国会の方の、でございます。それによれば、個人に対しても無論、個人からする寄附も免税がきいておるということでございます。
#115
○峰崎直樹君 それも指摘しようと思ったんです。
 この間、ある資料を読んでいたら、今、私どもも結構寄附したりしているんです。それが来年の三月三十一日に戻ってくると思って期待しているんですが、今のまま行ったら、全議員にお知らせしておかなきゃいけないんですが、寄附金、個人では法律が今切れていますので、ぜひこれは議員立法でも何でもやらなきゃいけないと思う。
 そのことはちょっと別にして、私が問題にしているのは個人の寄附のとき、一万円以下足切りですね、これやめませんか。
#116
○国務大臣(宮澤喜一君) 行政上の煩瑣ということから出ておる一つの理由であろうと思いますが、確かに法人は事務をやる人もあるからであろうと思いますけれども、比較的寛大ですが、個人はちょっと、まあ国の習慣もあったのかもしれませんが、少し狭い感じは私もいたしますですね。
#117
○峰崎直樹君 大変いい大蔵大臣の答弁聞きました。
 これは、私どもが寄附してくださいと個人に頼んだとき、五千円、千円、一万円というのが実に多いんですよ。その方々に、全額税額控除とは言いませんが、例えばそのうちの半分、五〇%でも六〇%でも返してあげると。やっぱり年末に返ってくると、そうするとやはりじゃもっとしてやろうかというインセンティブにもなるのかなというふうにも思いますので、今の提案ぜひ年度税制改正でひとつ法改正をよろしくお願いしたいと思います。ぜひもう一度よろしく。
#118
○国務大臣(宮澤喜一君) せっかくいいことなんだと私も片方で思っていますけれども、なるべく個人が寄附できるように、行政上の煩瑣な問題がきっとあるんだと思いますので、よくもう一遍研究させます。
#119
○峰崎直樹君 どうも大蔵省は、例えば申告納税とか年末調整とか源泉徴収とか、まあ源泉は構わないんですが、どうも国民の税意識というものを高めていく方向を考えなきゃいけないのに、要するに事務作業がかかるからといってずんずんずんずんそこのところを国民が税のことを意識させないようになっていっているような気がしてならないんですよ。そこは国税庁の職員が必要だったら必要だということで、私はやはり民主主義国家として徴税というのは極めて重要なことですから、そこは大臣どうでしょう、大蔵省出身の大臣でもあります、そこのところはぜひ大改革をしてもらいたいと思うんですが、改めてひとつよろしくお願いします。
#120
○国務大臣(宮澤喜一君) 余り正直を申すと困ることもあるんですが、本当は国に入る金を自分が使うんだと、そういう意識があるものですから、だからそう勝手に使ってもらっても困るんだというような、国に入らないうちに、本当は国に入るんだからと、そういう意識がありますので、どうもそこを少しずつ直していかなければならない問題がございます。
 自分の金だから自分が寄附するんだというふうに欧米人が考えるところを、徴税する人は、いやこれは本来国に入る金なんだと、そう思ってしまうところでどうも鈍るんだろうと。そういう教育がひとつ入り用だと思います。
#121
○峰崎直樹君 そこはもう大蔵省、徴税当局も発想を変えていただいて、これは国民の皆さんからすると、自分の税がどう使われるか、自分の税の一部は、例えば一割までなら一割は寄附金税制としてどこかに寄附したいということの自由度みたいなものを、逆にそこは民営化といったら非常に発想はおかしいですけれども、そういういわゆる発想の転換というのは必要なんではないかと思いますが、どうでしょうか。
#122
○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、それが自分の利益と関係ない、公益といいますか、自分を利するためでない行為であるということの証明が要るとか、大変厄介な議論に発展しますので、その辺のところは一遍また考える必要があるんだろうと思います。
#123
○峰崎直樹君 まだ議論したいことはたくさんありますけれども、また別の機会にしたいと思います。
 そこで、ロシア外交についてちょっとお聞きいたします。
 もう昨日も久保委員からお話があったんですが、実は地元の北海道新聞なんかにもロシア外交について随分大きな新聞記事が載るんです。「領土、経済協力を同時決着」、十年をめどに提案、対ロ方針を政府は転換と書いてあるんです。
 改めて、外務大臣にちょっと転換かどうか。
#124
○国務大臣(河野洋平君) 昨日も御答弁をいたしておりますが、九月三日にプーチン大統領が訪日をされまして森首相との間で首脳会談を行う予定になっております。この首脳会談は、我々は極めて重要な首脳会談だと考えておりまして、もちろんこの首脳会談は双方が関心を持つすべての問題、もうどれでも議論をしていただこうと思っておりますが、せんだって沖縄で行われました首脳会談でも、難しい問題も避けずに議論するよということになっておりますから、今、御指摘の問題についても議論がなされるだろうと私どもは期待をしておりまして、その際にはこれまで考えておりました東京宣言というものを踏まえて議論をしていただくことになるだろうと私は思っております。その方針に変わりはございません。
#125
○峰崎直樹君 今、くしくも東京宣言に基づいてと。クラスノヤルスクの合意というのはどうなったんですか。
#126
○国務大臣(河野洋平君) 東京宣言を踏まえましてクラスノヤルスクにおきます合意がございます。御承知のとおり、クラスノヤルスク合意は東京宣言で合意されました問題を二〇〇〇年を目標に全力を挙げようと、こういう合意でございます。当然そのことも生きていると思っております。
#127
○峰崎直樹君 これは正確な報道かどうかわかりませんが、クラスノヤルスクでエリツィンさんが二〇〇〇年の合意という話をされたときに、ロシア国内の受けとめ方あるいはロシア外務省の受けとめ方というのは、日本側が思っているような形での発言というふうに受けとめてもらったら困るということがもうそのときから既に念押しをされて、ところが日本側は、いや、これは二〇〇〇年で領土が返って平和条約だと、こういう考え方なんだということで、どうもそこの受けとめ方を、正確に受けとめられたかどうかという問題があったんじゃないですか。だから、この三年間というのはもう領土、領土、領土ということで一方的に来たんじゃないですか。そこら辺はどうなっているんですか。
#128
○国務大臣(河野洋平君) 二〇〇〇年をめどに合意をしようということはあくまでも双方の努力目標と申しましょうか、そういったことでございまして、二〇〇〇年という、二十世紀に起きた問題を二十世紀中に片づけようという、こういう意図もあったと思いますが、そうした期限について言及をされましたが、その間に十分全部が合意できるかどうかということはこれはまた別の話でございますから、二〇〇〇年という期限を目標に領土問題を初めとする問題を合意する努力をしなければなりません。その合意するための努力が今続いておりまして、事務レベルにおきましても一つずつ合意すべく努力がなされているところでございます。
#129
○峰崎直樹君 問題は、この東京宣言があって、さあいよいよこれから北方四島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を締結するという文言がありましたね。そのとき以降、これは本当にどういう形で戦略を組み立てていったらいいのかというときに、エリツィンさんという、当時皇帝と言われていましたけれども、エリツィンさんという方の意向に依拠していたけれども、ロシア国内の政治状況、ロシア国内の経済状態あるいはいわゆる北東アジアをめぐる状況の中で、どう本当にそのことを実現していくのかという冷静な戦略分析が成り立った上でこのようないわゆるクラスノヤルスク合意とかそういうものが続いていったんですよ。そういったことのプロセスというのはあったんですか。
#130
○国務大臣(河野洋平君) もちろん領土問題とか平和条約の問題は最高首脳の決断がなければできないわけでございますから、最高首脳の意思というものは我々にとっては極めて重要なことでございますけれども、ただ単に何の理由もなく、何の根拠もなしにできるかというと、それはなかなかそうはきっといかないだろうと思います。
 その間に私どもは、例えば経済問題にいたしましても、その他さまざまな問題について事務レベルで詰められるものは詰める、あるいは経済・貿易委員会などで議論すべきところも議論をする、つまり環境を整えるという意味の努力はそれ以来ずっとなされているわけでございます。
#131
○峰崎直樹君 これから恐らく年末にかけてプーチンさんと会われる機会も数多いんですよね、ことしは。だから、そういうときに本当に今の現時点でもう一回、新しい何か戦略の再編成みたいな感じですから、一度そういったことについて徹底的に戦略、ロシア国内における政治構造から含めてやはり相当分析をされて対応されていかないと、ここは、はい今度は、ある意味では軽々にプーチンさんが厳しいようだからこうしようとか、その場の相手を見て機械的に対応されているような感じがして、そうではないとおっしゃるんでしょうが、ぜひその点はより戦略を組み立てていただいて今後進めていただきたいものだなというふうに思います。
 ありますか。
#132
○国務大臣(河野洋平君) 確かに御指摘の問題は十分考えなければならないと思います。
 こういう言い方は多少言いわけがましい言い方と聞こえるかもしれませんけれども、私どもとしては、やはりエリツィンさんが向こう側の代表でいてこうした問題を組み立ててきたわけでございますが、我々が想像できない状況で昨年の十二月三十一日に突如エリツィン辞任ということを知らされまして、これについては私どももタイムテーブルからいってこれはちょっとこれまでと違うなという感じがございました。
 御承知のとおり、大統領が辞任を表明され、プーチン氏が大統領の代行をやり、選挙をやり、正式な大統領をやるまでにやはりやや半年近い時間のロスがございまして、この間の作業というものは私どももちろん事務的にはいたしましたけれども、エリツィン氏がトップにおられるときとはいささか違う状況であったことは、正直申し上げてそのとおりでございました。それをキャッチアップするために相当努力を総理以下しておられますが、これからいよいよ九月の首脳会談に臨むというのが現在の状況でございます。
#133
○峰崎直樹君 いよいよじゃゼロ金利の問題、日銀総裁がお見えになっておりますので、そちらに移していきたいと思います。
 昨日も久保委員の方からゼロ金利の解除の話、日銀総裁はきのうかなり断定的に、ゼロ金利解除の条件は整ったというふうに思っておられると。もう一度再確認でございますけれども、その点、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#134
○参考人(速水優君) 昨日、デフレ懸念の払拭が展望できる情勢、デフレ懸念というのは景気と物価の悪循環をもたらすような物価低下圧力、需給ギャップの需要不足ですね、それをどういうふうに見るかと。
 最近の物価の下落は、WPI、卸売物価は〇・三%前年比アップ、消費者物価はマイナス〇・三%前年比ダウンといったようなことがどうして起こっているのかと。消費者物価につきましては、技術革新などの動きが特定の物価指数を押し下げる方向に働いている、それが経済活動の活発化とか企業収益の増加につながっているような場合にはデフレ的ととらえる必要はないんじゃないか。
 こういうふうに考えますと、デフレ懸念の払拭が展望できるということの意味は、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力が十分に小さくなっているんだと。さらに、言いかえますと、民間需要の自律的回復の展望が得られるということであるというふうに考えられます。
 七月の決定会合、十七日でございましたけれども、このときもデフレ懸念の払拭が展望できるところまでほぼ近づいているということが委員の方々の大半の御意向でございましたけれども、たまたまそごう問題がありましたし、株が下がったりしておりましたし、それからもう少し消費の、確実に底を打ったかどうかということを見きわめたいという意見、声も伺いましたし、そういうことで、七月の決定会合ではゼロ金利を継続するということを多数決で決めたわけでございます。
 そのときに、その後一カ月たってみましていろんなケースを見ておりますと、やはりみんなよくなってきておるわけでございますし、今、このデフレ懸念の払拭は展望できると思うかというきのうの久保先生の御質問がございまして、あなたはどう思うのかと、私は個人的にはもう払拭できる、したと思っておりますということを答えました。
 だけれども、これは決定会合でみんなで議論して政策を決定するわけでございますので、みんながどういうふうな意見を持っているかということはまだわかりません。それだけ申し上げさせていただきたいと思います。
#135
○峰崎直樹君 総裁、もう少しちょっと元気に、力強くお話をいただければ。ちょっと聞こえにくいところがありますので。それと同時に、やはり国民も金融政策というのは、私、後でちょっと申し上げますが、経済の安定にとっては非常に重要な役割を持っていると思っておりますので、もう少し元気を出して、声を出していただきたいと思います。
 その前にちょっと総裁、私、きのう聞いていまして、株価のことはおっしゃいましたけれども、GDP統計の中のデフレーターを見ると、実は依然としてマイナスなんですよね。
 今、日本がバブルの後始末を、これが終わったか終わらないかという議論はありますが、そのときに借金を抱えているいわゆる過剰債務、それから過剰雇用というのは、実は賃金水準とかそういうものも実はなかなか下げられない、そこでデフレが起きると実質賃金は上がっていくわけですね。当然これはコスト要因になります。
 ということは、いわゆるいい物価下落と悪い物価下落があるとおっしゃるんですが、私には、今の日本経済の病状の最大の問題というのは実は物価が下落をし続けることじゃないか。そこのところに実は目を向けてもらわないと、しかもそのときに向けてもらいたいのは、実はフローだけでなくてストック、資産のデフレを日銀はどう見ているのかということについてちょっとお聞きしたい。
#136
○参考人(速水優君) 物価といいます場合にいろいろございますので、今私どもの方でも物価の安定というのは何と何をしっかり把握すればいいかという検討をいたしております。既に適宜出たところから公表いたしておりますけれども、今おっしゃるGDPデフレーター、こういうもので見る限り、おっしゃるようにまだマイナスになっております。
 しかし、先ほど私が申しましたように、日本の消費者物価が今下がっている大部分は、需給ギャップによる需要不足ではなくて、むしろ技術革新や外からどんどん安くていいものがつくられて、それは日本の業者が出ていってつくるのが多いようですけれども、そういうものがどんどん日本に直接輸入されて若い人たちに安く売られている、そういうもので物価が下がっていくと。あるいは、その他の流通改革が行われているとか、そういったようなことが随分事実上機能しているように思うんです。
 そういう意味では、物価の統計自体も価格調査の対象とする商品の選定とか集計方法など難しい問題があります上に、最近では技術革新とか流通革命などの動きの中で新しい課題にも直面しておるわけでございます。例えば、パソコンのように質の向上とともに値段が下がり続けているケースもありますし、新興の小売店のシェア拡大といったような動きを十分に把握し切れていないのではないかといったような問題点が指摘されております。
 こうした中で、物価統計を物価の実勢を極力正確に反映するものとしていくためには、やはり経済の実態の変化に応じて絶えず見直していく必要があろうかと思っております。日本銀行も、卸売物価指数や企業向けのサービス価格指数を作成している立場から、こうした観点で日々努力を続けておるわけでございます。
 今、御指摘の不動産価格等につきましては、これは物価に含まれておりませんし、今実態がどうなのかというのは非常にわかりにくい。二極化していることは確かでございますし、その資産価格というものが庶民にとって、あるいは市民にとってばかにならない非常に大きなウエートを持っていることは確かでございますけれども、これをまだ上がっていないし、今の状態でやるのはおかしいじゃないかということだけをとらえても、これはちょっと金融政策の対象になり得ないものではないかというふうに思います。
 私どもは、昨年の二月に金融システムの不安、そしてまたデフレスパイラルへの懸念といったようなものが同時に出てまいりまして、GDPはもちろん御承知のようにマイナスでございますし、これからどうなっていくのかというときに、既に過去十年金利をずっと下げてきているんです。公定歩合も一九九五年からずっと〇・五%で来ておりまして、実際の運用レート、いわゆるFFも下げてはきておったんですけれども、もう一段下げようということで思い切ってゼロまで落としていくということにしたわけでございます。それが結果としては、随分資金の供給をふやして短期、中期、長期の金利を低いところで安定させ、そしてまた株式、債券等にも資金が流れ、企業にも資金が流れていったという効果は十分出ていたと思います。
 しかし一方で、やはりこの今の信用を供与しながら、信用リスクを持ちながら金利がつかないというのは、これは市場経済にとっては非常におかしなことでございます。貸す方も借りる方もおかしいし、これによって市場というものが小さくなってもいくでしょうし、金融というものが成り立たなくなってくる。そういうことを先々考えながら、やはりゼロではなくて、もう少し微調整をして、ゼロにする前のところぐらいまで金利を上げておくことは決して金融を引き締めることにはならないというふうに思います。
 そういうことをやっておくのが今私どもとしては先を見て打つべき手ではないかというふうに考える次第でございますし、そのことがまた千三百六十兆円もある日本の一般の個人の預貯金、このうち四百兆ぐらいは個人借り入れがございますけれども、そういうものがここ十年非常に低い金利で皆さん我慢してこられておるわけでございますし、そういう方々にも多少これからは明るくなっていくぞという兆しにもなると思いますし、こういう方々は明るくなってくださいますが、一方で借り入れ主である企業と、そしてまた政府だと思いますが、これはやっぱり金利が高くなるのは困るとおっしゃるのは、これまた自然の動きだと思います。
 そういうものをタイムリーに両者を考えて調整していくというのが日本銀行の役割ではないかというふうに思うわけでございますし、日本銀行法にもはっきりそういうふうに書いてございます。そういうことを今、議論を決定会合においていたしておるわけでございます。
 そういう状態であるということをお考えいただきまして、どういう結論が出ますかは私がここで申すわけにはいきませんので、こういうことを議論しておるんだということを、同時に物価についてはいろいろ調査を進めておるということを御承知いただければありがたいというふうに思います。
#137
○峰崎直樹君 閣内でこの金利問題について発言をされておる方は何人かおられます。大蔵大臣、経済企画庁長官、それぞれ御意見をお聞かせ願います。もちろん日銀の専権事項だということはよくわかっております。
#138
○国務大臣(堺屋太一君) 委員御指摘のように、日銀の専管事項でございますが、私どもの見方から申しますと、現在経済は徐々に回復してきておりますが、依然として消費あるいは雇用の面には非常に厳しいものがございます。
 また、ここ三カ月ぐらい倒産件数がかなり増加、高い水準になっておりますし、この七月には大型倒産等もございましてかなり負債金額が高くなっている。そういうことに市況が非常に敏感にといいますか、過敏になっているといいますか、神経質な状況になっておりまして、七月後半、株は下がりました。きょうは少し前場は下がっているようでございますけれども、八月になってからは一進一退、やや神経質な動きを繰り返している。こういうような短期、長期両方の状況を十分把握しなければならないと思っております。
 また、物価の問題につきましてもいろんな見方がございまして、いい値下がりなのか悪い値下がりなのかということでございますが、確かに総裁が御指摘になりましたような輸入物価の値下がりあるいは技術革新による値下がりというものもございますが、その反面、やはりGDPギャップとGDPデフレーター、いわゆるホームメードデフレというものでございますが、これはかなり高い相関関係が存在すると思っております。
 そういう意味で、今はまさに公需から民需へのバトンタッチ、そして景気の中での構造の変化、一方でもうかる企業が出てきて企業収益がよくなったけれども、一方で倒産が出てくる。そういう大変微妙な時期でございますので、この問題は大変慎重にいろんな要素を十分に考えていただきたい、決定していただきたい。もちろん、日銀の政策委員会でもそういうことは十分考えていただけるものと信じておりますけれども、念には念を押して考えていただきたいと思っております。
#139
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本銀行の専権事項でございますので、自分の意見を申し上げることを極力控えております。
 ただ、昨日、久保委員のお尋ねがこの国会でございまして、そのときに日銀総裁が、今いわゆる官需から民需にタッチをしようとする日本経済の中で、企業についてはほとんど問題がない、それから雇用、消費、物価等についてもまずまず問題がないという趣旨のことをお答えになりまして、久保委員がどう思うかというお尋ねでございましたので、これは国会の場のお尋ねでございますので、企業につきましては私もそう思っておりますが、雇用、消費、物価の面につきましては総裁がおっしゃるほど強くは私は感じておりませんということを申し上げました。これは国会の場でございますので申し上げたわけでございます。
#140
○峰崎直樹君 そこで、日銀総裁にお尋ねしますが、総裁が考えておられる、ちょっとさっき私聞き取りにくかったんですが、今の状態から解除するとした場合にはどういう状態に解除されようとしているのか。私見で結構ですが、要するに、恐らく一番緩やかな段階を考えていらっしゃるんだろうと思うんですが、その点もし何か御意見がありましたら。
#141
○参考人(速水優君) ゼロ金利の前の段階へ持っていくというのがとりあえずの方法だと思います。今のこれは、引き締めではございません、ゼロ金利政策、金融緩和の程度を微調整していくということなんです。
 これはアメリカでも、御承知だと思いますけれども、九四年の二月にアメリカは三%のFFレートを三・二五に上げているんですね。このときはまだ物価は下がっているんです。それで、デフレはここで底を打ったという感じのところだったと思います。そのときに、まずFFレートを少し上げて微調整して、これはもちろん公定歩合は動かさないで三%だったと。これをア・レスアコモデーティブという表現を使ってステートメントでグリーンスパンは、行き過ぎた緩和をやや弱くするんだと、そういう表現で、まずここから始まっているんですね。それがその後、成功していったんだと思います。
 そういう意味でも、前例のないことでもございませんし、私どもも、いつまでも今のゼロ金利を続けていくというのは金融が本来の姿に立ち直れないということだと思いますので、そういう意味で、若干のタイミングを少し急がなければいけないんじゃないかという感じが私はいたしております。
#142
○峰崎直樹君 官房長官、お疲れのようですが、実はきょう総理がいないので、ぜひ肝心なところではかわって答弁していただきたいと思います。
 今、私、宮澤大蔵大臣あるいは企画庁長官の見解も聞きましたし、そしてたしか総理もゼロ金利にはちょっと待ってほしいと。今おっしゃられた中身、お聞きになったかどうかわからないんですが、超緩和をやや緩和の度合いを緩めるぐらいだと、こうなんですが、今、日銀が決めたことに対して政府ができることというのは、決定をするときに延期請求権がありますね、それを発動する考え方はありますか。
#143
○委員長(倉田寛之君) 大蔵大臣じゃないのか、これは。
#144
○峰崎直樹君 もし、あれでしたら大蔵大臣に。
#145
○国務大臣(中川秀直君) お答えいたします。
 委員、御質問のように、金融政策の所管事項は日銀にございます。また、法律上は、御指摘のように延期要請をする、そういうことができますが、今、大蔵大臣から私が御注意をいただいたことは、正直に申し上げますが、政府の委員がこの政策決定会合において、二人おりまして、意見をその決定会合で申し上げることができます。それから、政策決定会合が決定をされたことについて政府が意見を言うこともできます。その上でこれを延期していただくという手続がある、こういうことでございますが、今その手続を発動するかしないか、そのことについて政府の中で検討しているという事実はございません。
#146
○峰崎直樹君 そこで、日銀総裁、もう一点お聞きしたいんですが、去年の十二月にY2K対策等で随分金融をさらに緩和いたしましたね。そのときに実は円安の方にちょっと振れたんじゃないですか。今私どもは、為替政策を日本の経済政策の根幹に置けという気持ちは毛頭ないんですが、先ほど申し上げた日本の経済全体がデフレに非常に苦しめられている、もしそれをある程度緩和するのに円安政策をとるということであれば、先ほどおっしゃられたこととはちょっと違うベクトルをとった方が今はいいんじゃないかという、そんな見解もあると思うんですが、その点はいかがですか。
#147
○参考人(速水優君) 今、円ドル相場の方は大体百八、九円というところで落ちついております。御承知のように、日本はずっと一貫して輸出超過です。経常収支は年間八百億ドルから千億ドル近い黒字になっているんですね。アメリカが四千億ドルの赤字なんです。日本の円がこの辺のところにあるということは、もうそれでも日本は輸出超過なんですね。
 アジアの諸国はみんなそれを、日本が、円が強く保ってくれているので、彼らは再生を輸出にかけているわけですから、日本の円が強いということが日本の市場にも出ていきやすいし、第三市場でも日本と戦って市場に物を売り込んでいくのには非常に助かっているんだ、ぜひ余り円を安くしないでくれというようなことを強く、もう会うたびにアジアの中央銀行の人たちから言われます。
 それは、日本はこういうふうに経常収支の黒字に恵まれて、海外債権超過が八千億ドル近く残高がありながら、ネットで債権超過がありながら、まだ千億ドルぐらいずつ毎年経常の黒字を生んでいるわけですから、これ以上円を安くしなければならないというのは、私は余り通用しない議論だと思っております。輸入超過にでもなって輸出が伸びないというなら別でございますけれども、今、輸出も輸入も水平貿易でどんどん両サイドに伸びているわけでして、彼らも喜んでいるし、我々も、輸出が伸びていることによってそれが景気を刺激しているわけでございます、持ち上げているわけですから、ここで殊さらに円を安くしなければならないというようなことは、余り私どもとしてはその必要はないというふうに考えます。
#148
○峰崎直樹君 平常時だったら、私、それはそうだろうと思うんです。日本はアジアの発展途上国からどんどん輸入しているという、ある意味では国際的な公共財を提供するということだろうと思うんです。
 だけれども今は、金融再生委員長に聞きますけれども、依然として不良債権問題というのは、これは残っているんでしょう。この間も新聞で見ると、この一年間金融機関の抱えている不良債権はふえている。そして、この間の日本経済新聞で見ますと、二〇〇〇年三月期で主要上場企業九十五社が連結対象会社の債務超過は一兆円を超すとか、いろいろ出てきている。先ほどから、まだ不良債権問題は残って、資産デフレは終わっていない、そういうときにこの問題を解決するのに依然としてデフレーションでは困るんじゃないかということですね。
 だから、そこのところをよく考えて、一時的にはアジアの国々の皆さんに本当に円安になったら申しわけないと思うかもしれないけれども、早く日本の経済構造が立ち直っていくということが一番重要なことだろうと思うんです。そこがやはり、私はそういう説得をするということも一つ大きな役割だろうと思うんですね。
 私は、なぜ日銀総裁とこうして経済議論をしているかというと、いわゆる経済というもの、後で財政の役割を出すんですが、我々はよく政治家に会うと、タクシーに乗るといや峰崎さん何とか景気をよくしてくれませんかと、すぐ政治家に、財政に頼もうとするんです。もう財政では経済はきかない時代になっているんじゃないかという気がしてならない。
 ヨーロッパの国々、アメリカやあるいはEUの国々はもう経済政策を財政政策で、スペンディング政策でやっているところというのは大蔵大臣、最近どうですか、ないんじゃないですか。もし何か御意見あったら。
 日銀総裁、その点どう思われますか。金融政策が経済の安定化機能にとってどう役立つか。
#149
○参考人(速水優君) これだけ潤沢に資金を出しているわけですから、銀行にとってもこれは非常にプラスで助かったと思っております。それは、銀行の収益をごらんになったら非常に大きな黒字を出しているわけですね。それで、引当金も十分積んでおりますでしょうし、それでもなお不良貸し出しがあるというのは、これは銀行としては長いつき合い、長い取引の中でやはり護送船団方式に守られて、余り厳しく、取引先を大事にするということが先でどうしても切れるものが切れなかったと。今ここに来てもまだバランスシートから落とすというのがなかなか難しくて、引当金を積むのがかなり精いっぱいといったような感じが残っていることは確かであります。
 そういうときに金利機能が働かないというのはこれはおかしなことだと思うんです。むしろいいところ、将来伸びていくところへどんどん貸していくと。将来これはもう無理、競争ができないというところにはやっぱり転換の道を考えてやるのが銀行の役割ではないか。そういうことも金利機能に期待するところが大きいと思います。
 片方が全部ただでずるずる金が出ていくというようなことはこれはおかしなことでありますから、なるたけ早い時期に正常に戻していきたいというふうに思っております。
#150
○峰崎直樹君 総裁、私が質問したのは違うんです。そういうことじゃないんです。
 経済のいわゆる財政に期待されていた今までの機能で、所得配分機能とか再配分機能とか、あるいは資源配分だとか経済安定化機能と、これは三つありますね。経済安定機能というのは、財政じゃなくてこれからは金融政策に大きなウエートがかかるんじゃないのか、こういうふうに私どもは最近EUやアメリカの動きを見て知ることができるんですが、そのことについて、自分たち日銀は通貨の価値が上がるか下がるかということだけじゃなくて、日本経済全体が、世界の中の日本もそうですが、そういうような認識を持たれて金利政策、これからの金融政策をおやりになる意思があるかどうかということを聞いている。
#151
○参考人(速水優君) 日本の銀行が過去二年の間にどれだけ再編成を進めたかということをごらんになってもおわかりのように、かなりの勢いで変わっております。これはびっくりするぐらいのことだと、特にこの一年そうだったと思います。そうやってグローバルなマーケットの中でほかの国に対しても負けないようなマネーセンターバンクスであり、またそれぞれの特色を持った銀行機能を発揮しようとして今懸命に動いているところであります。私どもも、それをそばで見ながらできるだけのお手伝いをしていきたいというふうに思っております。
 そういうふうにして変わっていかない限り、やはり今までのようなやり方では世界で日本の経済をリードしていく力も出てきませんし、銀行としても国際的に競争できない立場に立ってしまうだろうと。
 それから、おっしゃるように、金融政策が経済を動かしていくということは全く私どもそのとおりだと思って一生懸命経済の動きを分析検討し、それに対する対応を考えてその政策を議論しているわけでございます。そこのところはぜひ私どもにお任せくださいまして、一生懸命やっております。その議論は約一月後に議事録が開示されておりますから、お読みくださいましたらどういう議論をしているかということがおわかりだと思います。
#152
○峰崎直樹君 日銀総裁、お忙しいようですから最後にお聞きしますが、来年一月から一府十二省の中で経済財政諮問会議が発足します。たしか経済企画庁長官は日銀総裁も中に、とにかくこのメンバーに入れたいとたしかおっしゃられました。
 何かもし先に、企画庁長官、見解があれば教えてください。
#153
○国務大臣(堺屋太一君) 経済財政諮問会議は総理大臣の主導、知恵の場として重要なところでございまして、その中には経済関係の閣僚とそれから政府機関の必要な長、それから四割以上、四人以上の民間委員と、こうなっておりまして、その政府機関の長が、中に日本銀行総裁が一つの候補と考えられるという議論はこの法案の審議の段階でも出ておったかと思います。
#154
○峰崎直樹君 いや、そういうことを聞いているんじゃなくて、日銀総裁も入ったらいいんじゃないんですかということをおっしゃいませんでしたか。
#155
○国務大臣(堺屋太一君) まことに個人的にはそういうことを申したことがございます。
#156
○峰崎直樹君 そこで、日銀総裁、要請された場合はこの中に入る意思はございますか。
#157
○参考人(速水優君) 私もどういう性格のものかいま一つよくわかりませんので、入ることが日本銀行の政策の独立性を害するようなものになる可能性もあるんであればこれは入るべきでないと思いますし、その辺はできる委員会の性格にもよるということで、正直申しましてまだ私どもは検討いたしておりません。
#158
○峰崎直樹君 そこで、今度は金融政策の問題から財政、予算編成のあり方にちょっと移らせていただきたいと思います。
 そこで、大蔵大臣、何度もくどいようですけれども、財政再建について、どういうめどが立ったときに財政再建を組み立てるべきだと。たしか大蔵大臣、もう次の予算からは中立的にいかなきゃいかぬということで、まさかと思っていたら、きょうの新聞を見ますと、予算編成、今度は補正予算も組まれると言っている。来年まさかまたあの五千億の公共事業予備費というのは復活することもないんだろうなと思っているんですが、そのあたり、財政再建との関係、景気の関係、ぜひ御意見をいただきたい。
#159
○国務大臣(宮澤喜一君) これは前から申し上げることと変わっておりませんが、以前から平成十二年の夏か秋ごろに官需から民需にバトンタッチができればと思っておりまして、そのうち企業関連はもうまず問題なくそうなりそうである、ただ消費等々、雇用の面には問題がございますけれども、というのが今の状況でございます。
 したがいまして、予算編成について申しますならば、四―六がわかりますのが九月の上旬でございますので、それによって非常に雇用あるいは消費等々の成績が悪いというようなときにはそれなりの対応をしなければいけないと思いますけれども、ただ、その場合でも、恐らく従来のように公共事業をどんどん積み重ねるということではなくて、二十一世紀に向かって我が国が必要とするようなものにつきましての、それへの対応を主に考えていきたい、まあ新生政策の内容ということになりますでしょうか、考えるならそういうふうに考えたいということは申しましたが、それが補正をするというふうに見出しになりましたのは少し私の真意と違っております。
 そこで、その次に、いつになったら財政再建をスタートできるかということですが、これも前から申し上げておりますとおり、我々の経済が大体必要な歳入を予想できるような回転、つまりプラスの成長というものがまず間違いなく、大小はございましょうけれども循環できるということになりませんと、自分自身の歳入がわからなくては財政再建は立てませんので、そういう時期に入ったらば直ちに始めたいと、こういうことを申し上げております。
 と同時に、しかしそれは財政だけの再建では話は済まなくて、直ちに税制にもなるし、中央、地方の行財政ということにも関係するし、恐らくは福祉政策全体の給付と負担ということに及ばざるを得ないということになりますと、これは非常に大きなマクロのモデルを必要とするような作業にならざるを得ないだろう。その中から国民に選択を求める、そういうことにならざるを得ない。その作業そのものは、モデルをつくるんでも随分時間がかかるわけでございますから、新しい省庁再生の中でやっぱりだんだん考えていくべきではないだろうか。
 大体のスケジュールとしてはそういうことを以前から考えておりまして、これは前にも申し上げたことがあると思います。
#160
○峰崎直樹君 今、大臣のお話、ちょっとまた後で振り返りたいんですが、経済企画庁長官なんかがよく何%とか経済成長の数字の問題をよくおっしゃられるんです。例えば二%成長とか言っているんです。そこで、官庁統計の最近における評価というのは極めて落ちているということを問題にしておきたいんです。
 GDP統計を私、実はある人から教わりまして、数字、本当は皆さんに差し上げればよかったんですけれども、企画庁長官のところには資料が行っているかもしれません。四年前の一―三月、とにかく四年前というのはちょうどうるう年ですから、ことしもうるう年だと。一―三月でGDPの成長率、名目で、最初の統計、対前期比一四・四%という高い伸び率、年換算ですよ、これが第二クオーターで修正されたときに一四・〇になり、第三クオーターで修正されて九・六になり、そして何と三年先の九八年の第三クオーターで発表されたときは八・八になる。実質でも同じように下がるし、デフレーターになると九六年一月は二・四%のアップだったものが九八年三月、マイナス二・八と、全く逆転しているんですね。
 これは一体統計上の数値というのはどうなっているんですかということを、要するに経済成長だとか経済の実勢をはかるのに物差しが、体温計が狂ってお医者さんが体温をはかっているようなものじゃないですか。血圧計が狂っていて血圧が高い低いと言っているんじゃないですか。そういう問題だというふうに思われませんか。
 日銀総裁、もう結構です。本当はもう二、三問あるんですが、時間の関係できょうはもうできないと思いますので、ありがとうございました。
 その点、経済企画庁、まず答えてください。
#161
○国務大臣(堺屋太一君) 経済統計につきましては、速さと正確さというのが非常に難しい問題になっております。
 このGDP統計につきまして、当該四半期を約二カ月と十日後、七十日後に第一次速報を発表し、そして第二次速報、それから確報値、確々報値、基準確報値と、次々と正確なものを出していくようにしております。速報値から確報値、確々報値へと訂正する際に、その精度がますます高くなっていく段階でいろいろと修正が行われております。
 このようなGDP統計についての確報などの年次推計におきましては、より精緻なものを出すために、早い段階のものからだんだんと改訂していくということで今おっしゃったようなことが起こります。これは世界じゅうどこでも起こっておりまして、日本だけではございませんし、またこれを修正する統計上の技術というのは非常に難しいものがございます。
 ただ、日本の場合は非常に正確を期しまして、生産と消費とそれから所得、この三面等価というのをきちんと出すために家計調査という日本独特の、独特でもございませんけれども、日本で非常に重視している統計があります。これのサンプル数が少ないとか、そういうことがちょっと影響しております。アメリカの場合は消費統計を生産から推計するということをやっておりますので、この一致が非常に高いと。そういうような点で、国際的に日本の統計は、統計学者に評価されるけれども、実務家には批判があるというところがございます。
 ちなみに申しますと、GDPの速報値とそれから確報値との訂正幅を見ますと、日本の場合は平均いたしまして〇・三七、アメリカの場合は〇・二五、少し日本の方が修正が高くなっておりますが、特別日本だけが高いというわけでもございません。
#162
○峰崎直樹君 相当評判よくないですよ。
 そこで、そのうちの今度、政府固定資本というのは政府がやるものですから、これまた正確かなと思ったら、これがまたよろしくないんですわ。
 自治省それから建設省、公共事業の数字なんかは、公的資本形成なんというのは当然そこから入ってくるんですが、もしかしたら、ああこの質問なかったなと扇さんは思われるかもしれませんが、どうです、そこら辺の統計類の整備というものに関心を持たれたことはありますか。自治省と建設省の方に。
#163
○国務大臣(扇千景君) 今お尋ねの件でございますけれども、政府としてはあらゆる省庁の情報を集めて、そして計算するというのが当然なことでございますし、今私ども昨年度あるいは昨々年度、決算委員会でも御報告いたしておりますけれども、その建設省の数値というものと各省庁の数値というものをまとめて、今、企画庁長官がおっしゃいましたような数字として政府が出しているということでございますので、私どもの建設省としてもそれぞれの数値は正確に御報告申し上げ、その基礎の一つになっていると存じております。
#164
○国務大臣(西田司君) 今、建設大臣からも御報告がございましたが、自治省といたしましても経済企画庁へ確かな情報を提供していく、こういう姿勢でおるわけでございます。
#165
○峰崎直樹君 総務庁長官、総理府統計局というのがございまして、私も何度か通ったことがあります、たしか新宿の方にあったと思うんですが。
 これ、だれが所管大臣なんでしょうかね、統計という問題に関しては。
#166
○国務大臣(続訓弘君) 総務庁所管の統計に関しては私が所管大臣であります。
#167
○峰崎直樹君 官房長官、これ一度、実は民間からも、次々にいろんな調査が来ると。それは省庁だけじゃなくて省庁の出先からも来るとか、いろんな調査が来て企業としても悲鳴を上げているし、何か中には前回の改定のコピーを置いてちょっと一部修正して出すとか、そんな不正確な情報も実は出しているんですというような情報も入ってくるんです。
 一度これは官庁統計のあり方を、国際社会においても、先ほどそれほどアメリカに比べたら差はないと言うけれども、私はそうは思っておりません。ぜひそこのところを一度主管大臣を決めて、この統計のあり方について、日本の信用にかかわるところですから、きちんとしていただけませんか。
#168
○国務大臣(中川秀直君) 法制上の主管大臣はちゃんと総務庁長官としていらっしゃいます。これ統計センター、統計、昔の局かな。主管大臣は総務庁長官と私は承知しております。
 今しかし、御指摘いただいた点はいろいろ今後検討してまいります。
#169
○峰崎直樹君 総務庁長官、今、総務庁の所管するところは私が所管大臣と言っているけれども、今、官房長官の言っていることと違うんじゃないですか。それは責任問題だよ。
#170
○国務大臣(続訓弘君) 私どもの方で重複調整をすべて総合的にやっておりますので。
#171
○峰崎直樹君 ということは、総合調整をするということはやっぱり自分が所管大臣だということですね。ぜひそれはやっていただきたいと思うんです、これ。先ほどから何かほかの省庁のことだと思われていたかもしれませんが、大変重要なことですから、よろしくお願いしたいと思います。
 さて、そこで、お昼休みが来ましたので休憩を挟んだ方がよければ休憩を挟みますが、もう一問させていただきます。
 そこで、財政首脳会議というのが持たれましたね。官房長官、財政首脳会議というのは何のために持ったんですか。
#172
○国務大臣(中川秀直君) 議院内閣制のもとで、特に法令上の定めがあるわけではございませんが、重要な政策課題について、政府及び与党が一体となって総合的かつ効果的な対策を推進していくために、政府・与党により会議等を時折設置いたしているわけでございます。
 今般の財政首脳会議もそのような観点から、来年度の予算編成、特に明年の二〇〇一年度、新世紀の予算でございますので、また省庁ごとの中央省庁再編等もございまして、縦割りを優先する予算配分がもたらします財政の硬直化、これを打破して、財政の効率化とそれから質的、内容的な改善、これを図っていくために総理のリーダーシップをより強く発揮して取り組んでいくこととした次第でございまして、このために、冒頭申し上げましたような観点の政府・与党による各種会議の一つとして財政首脳会議を開催して活発な御議論をいただいているところでございます。先般、その会議におきまして、新年度予算の概算要求に係る基本的指針というものも定めさせていただいたところでございます。
 以上でございます。
#173
○峰崎直樹君 それじゃ、官房長官、来年から発足する経済財政諮問会議との関係はどうなんですか。
#174
○国務大臣(中川秀直君) 経済財政諮問会議は御案内のとおり明年発足でございます。
 今申し上げましたとおり、財政首脳会議の方は、この十三年度の予算編成について総理のリーダーシップがより強く発揮できるような新しい方法で行うために、政府・与党一体となって予算編成を進めていく場として設けたものでございまして、他方、来年一月から発足する経済財政諮問会議は、総理のリーダーシップは同じなんですけれども、有識者の意見、例えば四割は民間の有識者と、こう定めておりますように、これを十分政策に反映させていくために、それを目的として経済財政政策に関する主要閣僚、有識者等を構成員として内閣府に新たに設置される機関でございます。
 したがって、両者の機能は重複するものでは必ずしもないのでありますけれども、しかし両者の関係について今後どうするかということは、この十三年度の予算編成の状況及び経済財政諮問会議が設置をされたその後、その趣旨も踏まえて今後改めて総理を中心として検討していこうということで、この両者の関係について今直ちにこうだと、こう決めているわけではございません。
#175
○国務大臣(堺屋太一君) 今の統計というのは非常に信用性のあるものですので、名誉のためにちょっと言わせていただきます。
 私、これに就任いたしましてから速報のためにも委員会をつくりました。また、総理府等に御協力いただきましていろいろと改善の政策も今とっております。特に、先ほど御指摘のありました政府の資本形成につきましては、従来一年分の統計しかなかったものを、建設省等公共事業団体と地方自治体にお願いをいたしまして、ことしからは四半期ごとに報告をいただくことにしておりまして改善に鋭意努めておりますので、ぜひこれは御信頼いただきたいと思っております。
#176
○峰崎直樹君 それじゃ、午前中の質疑を終わります。
#177
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#178
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。峰崎直樹君。
#179
○峰崎直樹君 それでは、財政首脳会議というのはことし一年限りだと、来年からはもうなくなるというふうに理解してよろしいでしょうか。これは官房長官ですか。
#180
○国務大臣(中川秀直君) それも含めまして、総理中心にまた明年の経済財政諮問会議が設置された段階で協議して決めていくべきことではないかと思っております。
 と申しますのも、経済財政諮問会議自身は、中央省庁再編に伴いまして経済財政政策に関して有識者の意見も十分反映することを目的として内閣府に設置をされ、そして総理大臣を議長に、官房長官あるいは経済財政政策担当大臣、またそれ以外の議員は有識者議員も含めまして内閣総理大臣が指定、任命をいたしまして、そしてこの会議が総理の諮問を受けまして予算編成の基本方針について調査審議を行いまして、取りまとめられたその答申等は閣議決定を経て内閣の重要政策に関する方針になる、こういう運びになっておるわけでございます。
 しかし、その際、やっぱり与党との調整という場がどこかで必要でございますので、そういう形の中でこの財政首脳会議がどう位置づけられていくか、それは中央省庁再編後、それをにらんだ時点で総理を中心に御議論いただく、こういうつもりでおるわけでございます。
#181
○峰崎直樹君 それで、本来、この精神には合っているんでしょうかね。これは企画庁長官、大蔵大臣にもちょっとお聞きしたいんですが、いわゆる経済財政諮問会議を設置したときの趣旨というものからして、こういうものが両方併存するというような状態はあっていいんでしょうかね。
#182
○国務大臣(堺屋太一君) 経済財政諮問会議は、総理大臣のリーダーシップによって経済政策、財政政策を推進する中核的な、行政改革の中核的なものとしてつくられたわけでございますけれども、今、官房長官が答弁されましたように、これはあくまでも政府の中の審議機関でございます。
 それで、政府と与党の間に何かの調整が要るかどうかと、こうなりますと、やはり議会制民主主義というのはそれは何か要るんでしょうね、何かが要る。その財政首脳会議という名前がつくかどうか、それは別といたしまして、まず政府としてこの経済財政諮問会議で審議をいたしまして、これは決定機関でございません、決定機関は閣議でございますから、そこで審議をして、その経済主要閣僚と総理が主宰されて民間委員で審議したものを一つの政府の指針といいますか基本方針としてつくり上げる。そして、それを閣議で決定する前に議会の方と何らかのやはり調整段階は必要だろうと思っております。
#183
○峰崎直樹君 大蔵大臣はどのように思いますか。
#184
○国務大臣(宮澤喜一君) それは総理がお決めになったらいいことだと思っていまして、私は、会議に出てこいとおっしゃいますから、これは今年度の予算編成をやるんだろうと、私はそう思って出ておるわけです。
#185
○峰崎直樹君 官房長官は、四月の所信表明で総理はどういうふうにおっしゃっていますか、わかりますか。
#186
○国務大臣(中川秀直君) 明年の十三年度予算はまさに新世紀のミレニアムの予算でもあり、中央省庁再編等をにらみまして、その中央省庁再編後にいろいろなそういう予算編成について総理の、あるいは内閣総理大臣のリーダーシップを強化し、そしてその総理主導のもとで明確な予算編成がしていけるように、経済財政諮問会議の精神を先取りして財政首脳会議の取り組みを始める、こういうふうに申されたと、このように記憶いたしております。
#187
○峰崎直樹君 正確には、「平成十三年度予算編成に際しては、来年一月の中央省庁再編の理念を踏まえ、経済財政諮問会議で経済財政政策の総合調整を図るとの考え方を先取りして、私みずからの主導で二十一世紀のスタートにふさわしい予算編成を行ってまいりたいと考えております。」、こう言ったんですね。ほぼ記憶に間違いないです。
 今度の財政首脳会議は、その精神を先取りしたと言っているんですね。そうしたら、十三年から始まるときには先取りしたものは要らなくなるんじゃないですか。
#188
○国務大臣(中川秀直君) ですから、財政首脳会議にも二つの側面がございまして、先取りしている部分と、つまりその先取りしている部分の共通項は総理のリーダーシップという点でございます。その部分は先取りをして始めさせていただいたと。
 他方、中央省庁再編後、一月六日以降は経済財政諮問会議という正式の機関が法令に基づきましてきちんとできるわけでございます。そして、そこで定められた、決められた答申は閣議決定を経て政府の基本方針になる、こういうふうに位置づけられているわけでございまして、その後、この閣議決定に至り、そしてまた国会に提出するまでの間、与党との調整はまた別途必要でございまして、その与党との調整の部分もこの財政首脳会議の中には、現在行われている中にも多少入っております。そこの部分はそこの部分としてどうか残るのではないか、そういうことを申し上げておるわけでございます。
#189
○峰崎直樹君 また二重組織になっちゃうんじゃないかと思うんです。つまり、財政首脳会議はできる、そして経済財政諮問会議はできる、この関係はまた、政府税調あって党税調があるのと似たものになりませんか。
 大蔵大臣、こんなことで予算編成というのはきちんとやっていけるんですか。
#190
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理がやりいいようにやられたらいいんじゃないかと思います。
#191
○峰崎直樹君 総理のやりいいようにじゃなくて、これは私は、きょう時間がありませんから、そんな与党の側の皆さん方の意見だったら、与党の皆さん方の重要人物が政府の閣僚の中に入っていくという、それで初めて完結するということなんじゃないですか。
 この二つがあるがために、どちらに責任があるのか。物事を決めても、与党の重要人物が決めても、実はこれは収賄罪に問われない。なぜか、職務権限がありませんと。しかし、実際にやっていることは同じようなことをやっているんじゃないですか。その意味では、こういうものをまたつくったら、またぞろ無責任な体制、スピードがおくれる決定、こういったものをもたらすんじゃないですか。
 総務庁長官、この種問題についての責任者ですが、どう考えられますか。
#192
○国務大臣(続訓弘君) 今回の省庁改革の目玉は何といっても、総理の強力なリーダーシップ、これを発揮するための組織ですね。そういう意味では、今お尋ねの経済財政諮問会議でのそういう総理のリーダーシップ、あるいは与党の関係の財政首脳会議での総理のリーダーシップ、ともに総理が強力なリーダーシップを果たされればそれで私はいいんじゃなかろうかと。
 いずれにしても、経済財政諮問会議が目指すところは、それこそ大所高所から我が国の経済政策やあるいは財政政策を慎重に議論する、そして一定の結論を出す、こういう場ですから、同時に、大蔵大臣もおっしゃったように、やはり強力なる総理のリーダーシップのもとに党の調整も図っていただくということでよろしいんじゃなかろうか、私はこのように考えます。
#193
○峰崎直樹君 扇党首、かつておられた自由党の党首小沢一郎さんもこの問題について指摘されているんですよ。これは建設大臣というよりも、扇党首は今のこのような仕組みをどういうふうにお考えになりますか。
#194
○国務大臣(扇千景君) 党首としてはどうかという今、峰崎委員のお話でございますけれども、私どもは与党三党と一体になって、新しい二十一世紀を切り開くために、省庁再編を確実に実行するために、少なくともよりスピード感を持って、より余分なものを削って、そして国民の皆様の信頼にこたえるということのスタートとしては、いろんな御意見を聴取するというのが政府としての大きな役目だろうと思っておりますし、また与党三党といたしましても、私も党首としても、少なくとも与党三党で、三つ寄れば文殊の知恵というのも変な話ですけれども、少なくとも私たちはそれぞれの持ち味を総合して来年度の新しい出発をしたい、そのように与党の一員としても思っておりますので、三党の連携したその政策の実現性のために、予算も含めていい案をつくっていきたいと、そのように思っております。
#195
○峰崎直樹君 私は、扇党首のように党首がそのまま入閣をされる、それは建設大臣であれ無任所であれ、そういう形で閣議決定イコール即決定と、そしてそこで議論される、それが決定される、そういう仕組みであるべきだと思うんですが、その点いかがでございますか、扇党首。
#196
○国務大臣(扇千景君) 党首が入るか入らないかというのはその党のいろいろな御事情がございますから、私は人の党のことが、あの方が入っていないのはおかしいと言うことは私としては越権行為でございます。私はたまたま、私も入るはずではなかったんですけれども、たまたま私も党首として入ったという事情がございまして、何らかの責任を持つのは閣内でありあるいは与党であり、私は責任の持ち方に差異はないと思っておりますので、よりスピーディーな点といえば、党首が入っているのはよりスピーディーだなという感は持っております。
#197
○峰崎直樹君 この問題はまた別に議論いたしますが、そこで官房長官、さっき総合調整とおっしゃいました。総合調整の要諦は予算では何ですか。
#198
○国務大臣(中川秀直君) 総合調整と私どこかで申し上げたでしょうか、調査審議をする、こういうことは申し上げました。
 総合調整の要諦は予算で何かと、非常に大きなお尋ねで、どうお答えしていいのか、すとっとお答えは出てまいりませんが、少なくとも来年の十三年度予算は新しい中央省庁体制に移行した後の満年度の、つまりフルの予算でございます。それだけに、今度の概算要求基準と申しますか、概算要求に当たっての基本的指針というのを財政首脳会議で決めさせていただきましたが、そのために各省庁の縦割りのそういった政策を融合化し、そしてまた効率化をし、そして質的な改善もしていただくように、根っこから見直していただくと同時に、これは公共事業等でもございますが、あるいは非公共においてもそういう制度を融合化した、そういうために公共、非公共両方について留保枠も設けさせていただき、そしてまた、さまざまな新しい仕組みを今度は取り入れたところでございまして、そういうことも総合調整の非常に大事なところだろうと思っております。
#199
○峰崎直樹君 今、縦割りとおっしゃいましたですね。
 そこで、公共事業の問題について今与党三党やっていらっしゃいますね。今やっておられる方式、このことによって公共事業のいわゆる省庁別配分というのは、これは変わりますか、変わりませんか。建設大臣、それから農水大臣、それから運輸大臣、ちょっとお答えください。それから、最後に大蔵大臣も、今進めている与党の動きで変わるだろうか、そのことについての見通しをお聞かせください。
#200
○国務大臣(扇千景君) 私、少なくとも、与党三党の公共事業に対する見直しを論議しておりますけれども、建設省としましても、その論議をいただくまでもなく平成十年度から見直し制度というものを取り入れております。
 ちなみに、御存じのとおり平成十二年度予算では三件を中止あるいは九件を休止等々に努めているところでございますけれども、少なくとも私どもは公共事業というものに関しては、特に建設省、御存じのとおりこれからは、総理のお言葉もございまして、二十一世紀のために少なくともIT革命、あるいは環境問題、高齢化、そして都市基盤整備等々に重点を置いて、少なくとも私は、公共事業の事業評価というものをしていこうということを建設省自体もみずから前向きに検討しているところでございますし、与党三党で、自由民主党の中で公共事業の論議をしていらっしゃいますけれども、今後、与党三党においてこの話し合いが行われますときに、私どもの今まで建設省なら建設省がしてきた行政に対しての評価、そういうものも改めて与党の中で洗い直しして、私ども建設省としても、それを参考にさせていただきながら判断するべきところは判断していきたい。今まで建設省自体がしております評価と、そして政府・与党三党でしていただきます何らかの御提言があればそれも勘案しながら評価していきたい、そのように思っております。
#201
○国務大臣(谷洋一君) 公共事業の見直しの関係でございますけれども、私ども自由民主党の党内にございましていろいろと審議をする中で、この問題はもう三年も四年も前から議論をしておったところでございます。そこで、今日、政府の方でも、また自民党内部におきましてもそういう論議をされておりますことは当然なことだと思っております。
 例えて申し上げますと、今、農林水産省の中で集落排水事業が非常に進んでおるように見えますけれども、しかし漁村の集落排水事業は今は全国平均一七%程度でございます。こんな程度かと皆さん方驚かれると思いますけれども、現実はそういう姿でございますし、また山地崩壊が近年多うございますが、二十三万件の地点が山地崩壊の場所と言われております。
 こういうことを考えてみますと、予算配分というものはその年々歳々の事情を十分加味してやるというのが当然なことでございますから、私ども農林水産省の立場で申し上げますと、やはり重点配分を年々歳々決めていただいて、その重点配分に基づいて予算を配分していただくというのが当然なことかと思っております。
#202
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 まず第一点、公共事業の見直しにつきましては、私が就任の記者会見で見直しをやろうということを言ってまいったわけでございまして、自民党の方でも検討していただいておりますが、これが決まったならばその線に沿ってやってまいりたいと思っております。
 それから、シェアの問題でございますが、峰崎先生御存じのように、来年の一月六日からは運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁が一緒になって国土交通省になるわけでございます。そういたしておりますと、今、道路とそれから鉄道と港湾というふうに分かれておるわけでございますが、これらの総合的な交通体系が考慮できるようになるわけでございます。
 そのような中で、今、扇建設大臣ともよく協議をしながら概算要求をしようということで進めておるわけでございまして、その結果、どのように現在のシェアが変わるかは今のところはわかりません。私は、最初にシェアありきという発想はおかしいと思っております。
#203
○峰崎直樹君 大蔵大臣、見通しは。
#204
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、省庁統合との関係がございます。
 今のところは、まず、この月の末に概算要求が出てくるわけでございますけれども、それが本当に省庁統合という状況でもう現実の問題として査定なり折衝が行われるのは、私はぎりぎりはもう十二月に近くなるのではないかという想像をしております。
 それまでにもちろんそういう努力をお互いに各省庁も私どももいたしますけれども、やっぱりその新しい役所を代表される大臣がどなたなのか、あるいは役所にとっては次官がだれなのかということの方がこの問題にはもっと大事かもしれませんが、そこのところが決まってこないと、本当に腹の据わった今のいろんな意味での統合なり調整というものは、最後のところはやっぱりかなりおくれないとできないのではないかなということを一つ頭に思いながら、それに向かってアプローチをいたしておりますが、それともう一つは、いわゆる新生枠の中の公共部分でございますが、これはそもそもそういう性格を持っておるはずでございますので、そこへ持ち込んでいく努力も私どももしなきゃいけないと思っていますし、各省庁の方もそういうつもりになってくれればあそこで少し仕事ができるのじゃないか。
 そういうことを頭に置きまして、今与党内でやっております公共事業の抜本見直しという作業もそっちの方に向かってくれると、ただいまのところはまだそっちの方へ向かっていくまでに至っていませんが、そういう三つの場でもって、こういうチャンスは本当になかなかございませんから、何とかやってみたいと思っておるわけでございます。
#205
○峰崎直樹君 また先ほどの公共事業三官庁にお尋ねしますが、公共事業に関連する長期計画を持っていらっしゃいますね。例えば土地改良十カ年計画、あるいは建設でもありますね。それらを根本から見直す考えはございますか。
#206
○国務大臣(扇千景君) 今まで大体五カ年計画ということで計画的にやってまいりましたけれども、それは省庁再編とともに、先ほども運輸大臣からお答えがございましたけれども、私たち四省庁、一つになるものですから、その辺のグランドデザインというものを私はぜひ本年度中にしたいということを含めまして、政策も含めて四省庁で何ができるか、また何を削減し、そして何をコストダウンし何をスピードアップするかという、そういう基本的なグランドデザインというものをもう一度私は考え直したいということで、私が年度内、大臣であるかどうかは別としましても、その路線だけは引いておきたいというふうに就任の日から申し上げてあります。
#207
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘の、農林水産省の土地改良事業についての御質問でございました。
#208
○峰崎直樹君 全部です。
#209
○国務大臣(谷洋一君) 全部でございますか。
 農水省全般としましては、やはりそれぞれ的確に重要度を見ましてやっておるのがきょうまでの現状でございますから、その中でも特にこういう事業がふえたと、先ほど申し上げたように農村の集落排水がおくれておるとかあるいは山地崩壊が最近ぐんとふえてきたとか、そういうことを見まして、そういうところにも重点配分をしていかなきゃならない。それで全体のバランスをとりながら農林水産省としましての公共事業をやっておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#210
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 港湾、航空等の長期計画につきましては、多額の投資と期間を要する社会資本の整備につきましてこれを長期的に総合的に考えていこうというものでございまして、事業実施の目標や事業規模を定めておるものでございます。これは峰崎先生よく御存じのとおりでございます。
 そして、これらの長期計画は、個別プロジェクトの見直しが行われるからといって直ちに長期計画を変更する必要はないというふうに私は考えております。
#211
○峰崎直樹君 この長期計画というのは国会の審議の対象になっておらなかったんです。単年度になって予算に出てくるんですよ。だから、最初の段階の計画のところからしっかりと国会で論戦をして議論して、これは必要かどうかという、将来的にこれがいいかどうか。
 それと、今事業評価制度が入っていますが、最初の段階から事業評価を第三者を入れてやらないとだめだと思うんですが、三省庁の方は皆さんどうお考えですか。
#212
○国務大臣(扇千景君) 峰崎委員、私は御党から出ておりますコントロール法案等々、勉強させていただきました。また、それも今の時期にコントロール法案というものをお出しになったその精神に関しては私も敬意を表したいと思いますけれども、少なくとも今仰せのように、年度、単年度ということではなくて、国の大型の事業に関しては本来は私は事業別予算というものをとって、先ほど大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、縦割りであるということではなくて、私は本来は国の根幹にかかわる大型事業に関しては事業別予算というものをとる方が国民にはより鮮明に目に見えて、しかもそれがどこに必要かということになれば、私は早くできるという意味でもスピードアップして時宜を得たものであろうと考えておりますけれども、私は、民主党がお出しになってあります公共事業のコントロール法案も拝見もいたしました。まだ細かいところまでは行き渡っていないと思いますけれども、少なくとも事業の再評価というものに関しましては、私は行政としてもきちんと今の場合はその行政の評価制度というものを、枠にはまっておりますし、少なくとも私は今の段階では、お出しになっておりますコントロール法案と今行政がしております評価制度との総合性というものをもう一度勉強させていただきたいと思っております。
#213
○国務大臣(谷洋一君) ただいまの問題につきまして、農林水産省の立場から申し上げますと、重点配分という立場できょうまでやってきたと思います。
 ここ少なくとも四、五年、五、六年の間の様子を見てまいりますと、農林水産省の中で重点配分をどこにするかというふうな議論をたび重ねてやりまして、その結果重点配分はここにするというふうなことでやってきたと思いますので、もう年々の予算がマンネリになりまして、非常に活力がないということは私は決してなかったと思っております。
#214
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 運輸省におきましては、公共事業の効率性、透明性という観点から、所管のすべての事業につきまして新規に採択時に評価をしておりますし、また実施中の案件につきましてもこれを評価しておるところでございます。そして、中止すべき案件は中止する、休止するべき案件は休止するということでやっておるわけでございます。
 なお、つけ加えて申し上げますれば、長期計画につきましては閣議決定を経ておるものであることを申し添えます。
#215
○峰崎直樹君 三大臣、何かこう非常に積極性ある方とそうでない方があるんですが、建設大臣、その積極性を生かして、道路特定財源についてはどのように考えておられますか。
#216
○国務大臣(扇千景君) すべてに対して前向きでございますので、このことだけというわけではございませんけれども、私ども道路財源というものは、私は現段階、特に国土庁に申し上げまして全国のマップをつくっております。それをなるべく早くお見せしたいと思いまして、その特定財源で果たしてどこまでどうできたのか。まだ全国、差がございます。果たして、その差を埋めるためにはどうしたらいいかと。また、僻地は僻地、まだ通っていないところの先生方からはどうしても早くこっちへ持ってこいという御要請もございますし、地元の知事さんも御熱心な御要望もございます。
 ですから、全国惜しむらく、国民の皆さんが平等の利益を配分できるようにというふうに考えた場合は、まだ道路財源で、特定財源でしなければいけないこともるる残っていると。けれども、少なくとも生活関連の、例えば駅周辺でございますとかロータリー周辺、高速道路の出たところでありますとか、広範囲な生活の関連といいますか、ライフサイエンスといいますか、そういうことへの新しい使い方というものを少しは拡大解釈して、これだけですよという限られたものではなく、少しは普遍的なものに使えればいいなと。
 もしも、変更しないで、今のままで特定財源の使用範囲というものを私は少し広げていただければ、もっと早く、よりスピーディーにより公平になると思っております。
#217
○峰崎直樹君 難しい問題ですから、これもまた議論しますが、何かこうなるとちょっと省益になっちゃったかなと思う。
 今度は農水大臣に聞きますが、農水大臣、技官の世界は御存じですか。農業土木技官の世界。
#218
○国務大臣(谷洋一君) はい。
#219
○峰崎直樹君 この技官は構造改善局というところに集中していますね。構造改善局の人たちがこんなふうに言っているのを御存じですか。要するに、これは何年か前の新聞に載った記事あるいは学者の記事ですが、要するに彼らの一人がこういうふうに言っているんだそうです、農水省の技官ですよ。我々が認めた事業しか陳情はない、大蔵省より先に査定すると、こういうふうに言っています。こういう世界があるんだそうですよ。そして、この構造改善局の局長さんは文官ですが、技官は御存じのように構造改善局の次長なんですね。この方々が参議院の全国区へ出られるわけです。この世界どのように思われますか、こういう世界。きちんとこれはコントロールできているんですか、農水省は。
#220
○国務大臣(谷洋一君) ただいま農林省の構造改善局の問題についてお話がございましたが、構造改善局は確かに大きな予算を持ってそして構造改善事業、つまり土地改良事業に専念しておるわけでございますけれども、それの代表として参議院に送るということをずっとたび重ねてきておりますので、今御指摘のような問題があったかと思います。今、御指摘でこういうふうなことを言われておるということでございますが、それはちょっと傲慢な話でございまして、私どもにはそういう声は聞こえておりませんけれども、しかしながら、そういうことがもしありとすれば、それは大いに心改めて謙虚な気持ちでやらなきゃならない。
 私は、絶えず言っておりますことは、農林省出身者が参議院に出る、あるいは構造改善局の人が出るということは、農民の代表で出るという気持ちを忘れてはならない、こういうことを絶えず言っておるわけであります。やはりそれは、ただ官界におられた方が参議院に出られることが悪いというよりも、真剣にその地域の声あるいは土地改良なら土地改良の代表として農民の立場に立ちかわって自分がこの仕事をやるんだ、そういう気持ちが強く出ればそれで私はいいんじゃなかろうかと、そうすることが農民の代表だと私は思っております。
#221
○峰崎直樹君 全然私はそう思いません。
 農家の人とよく接触する機会がございますが、きょうは同僚の質問が待っておりますのでもう最後にしなきゃいけませんが、私は、先ほどから聞いていて、この公共事業もそうですが、省庁の縦割りはきっと比率は直らないだろうというふうに思うんですよ。根っこの議論もしていない。
 そして、実はこれを直せる方法は何だろうかと。先ほど業績評価のことをおっしゃいました。先ほど私は総合調整の要諦は何だろうかと、予算について。宮澤大臣、何かこれについて御意見ございますか。予算の場合の総合調整の要諦、かなめは何だろう、これだけやらなきゃいかぬよと。
#222
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと、余り立派なお答えはありません。なるべく文句が出ないように、なるべく皆さんに満足していただくぐらいがせめてのことであります。
#223
○峰崎直樹君 総理大臣もやられ、大蔵大臣も長くやられて、優先度をどうつけるかということなんです。その優先度をつけるための材料を各省庁が議論を出さなきゃいけない。優先度を最終的にだれかと、総理大臣、閣議で決定するわけですから、その優先度がつけられるようなものにするかどうか。もちろん、絶対量をどうするかということはあるわけですが、そこのところをしっかりとメスを入れなきゃまずいし、その優先度をつけるときに、従来どおり官僚の皆さん方の縄張りをある意味では温存したままやっていたのでは、これは結果的にはその配分比率は変わってこないんじゃないかと思えてならないんです。
 この点はまた来年の予算編成に当たって、来年のいわゆるこういう財政首脳会議などがつくられてまた同じような結果をもたらすのであれば何のためにやっていたんだということになりますので、ぜひともその点をこれからも追及していきたいということを申し上げて私の質問を終わって、次お願いいたしたいと思います。
#224
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。櫻井充君。
#225
○櫻井充君 クロイツフェルト・ヤコブ病について厚生大臣にまずお伺いしたいと思います。
 事実確認からですが、一九八八年二月に厚生省の研究班の方でクロイツフェルト・ヤコブの感染ルートとして保存硬膜が危ない、可能性があるということが指摘されていたという新聞報道がございましたが、これは事実でございましょうか。
#226
○国務大臣(津島雄二君) 御指摘の報告は、一九八八年二月に特定疾患調査研究事業の各研究班長から研究成果の報告が行われた機会に、当時の遅発性ウイルス感染調査研究班の班長のレジュメの中で、保存脳硬膜の使用後にクロイツフェルト・ヤコブ病を発病した症例が報告されていることが記載されているものであります。
#227
○櫻井充君 それでは、日本でいわゆる保存硬膜を使って発症したクロイツフェルト・ヤコブの患者さんの数とアメリカの患者さんの数を教えていただきたいと思います。
#228
○国務大臣(津島雄二君) 平成八年六月から平成十一年三月にかけて実施されたクロイツフェルト・ヤコブ病及び類縁疾患調査によると、研究班で作成された診断基準に該当するクロイツフェルト・ヤコブ病の症例のうちヒト乾燥硬膜移植の既往のある症状は六十七例把握されております。
 また、平成十一年四月以降は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律により診断基準に該当するクロイツフェルト・ヤコブ病の症例の届け出が義務づけられたわけでありまして、平成十一年十二月末日までにヒト乾燥硬膜移植の既往のある症例が五例報告されてあります。
 しかしながら、これらの調査等で用いられた診断基準は、いずれも臨床症状から見てクロイツフェルト・ヤコブ病の疑いのある症例まで含んでいるものであり、必ずしも病理学的に診断が確定されたものではございません。
 一方、アメリカでございますけれども、アメリカにおきましては我が国のような全国規模の調査は行われておらず、また診断基準も我が国とは若干異なることから、単純に我が国と症例数の比較を行うことはできません。その前提の上で、アメリカの国立予防衛生研究所によると、ヒト乾燥硬膜移植の既往のあるクロイツフェルト・ヤコブ病の症例として把握されているのは平成十二年五月現在で五例であると言われております。
#229
○櫻井充君 それでは、日本とアメリカで硬膜移植を必要とする脳外科の手術の年間の件数を教えていただけますか。
#230
○国務大臣(津島雄二君) 大変技術的なお話でありますが、私が報告を受けたところで御報告をいたしますと、平成八年度の厚生省特定疾患調査研究事業全国調査研究班によれば、我が国において一九七九年から一九八九年の間のヒト乾燥硬膜の使用件数は年間二万件、平均ですよ、年間平均約二万件と推定されております。全体で見ますと、一九七三年から九七年まで約四十万件、このような手術を行っております。
#231
○櫻井充君 アメリカはなぜこうやって患者さんの数が少ないかといいますと、結局、八七年の二月に疾病対策予防センターが硬膜移植による感染を報告して、四月には危険な感染硬膜を廃棄しろと、そういう勧告を行っているわけです。しかし、日本ではずっと見逃されてまいりました。アメリカがこれだけ早期に危険性を指摘できたのに日本でできなかった理由というのはどこにあるんでしょうか。
#232
○国務大臣(津島雄二君) 私の承っているところでは、今の委員の御指摘と若干事実は異なっているようでございまして、御指摘の一九八七年の米国の疾病対策予防センターで第一症例の報告がございまして、そして米国食品医薬品局が同年四月に国内の医療機関に対して第一症例、つまり一つそういう症例が出た、そういう報告と関連するヒト乾燥硬膜、ライオデュラと言われているようでありますが、その特定のロット番号の製品に限って廃棄を勧告したと承っております。このロット番号の製品は我が国には報告がございませんでしたのは、当該製品の製造業者及び輸入販売業者において、そのロット番号の日本への輸入がなかったという前提から報告がなかったものと理解をされます。
 しかし、正確に申し上げますと、この第一症例報告を受けてアメリカが講じた措置も、一部のそのロット番号について限って行われた廃棄勧告であり、また米国の情報を得たイギリス、ドイツ等の各国においても、この乾燥硬膜、ライオデュラの輸入や使用を禁ずるような措置は講じていなかったと理解をしております。
#233
○櫻井充君 それでは、日本で第一例が報告された後にその同じロット番号を使わないようにと、そういう勧告を出されましたか。
#234
○国務大臣(津島雄二君) お答えをいたします。
 そのような報告がなかったと申し上げましたので、そのような通知はいたしませんでした。
#235
○櫻井充君 おかしいじゃないですか。八八年の二月にそういう症例があるという報告があったと先ほどお話しされたじゃないですか。つまりそれに対してどうされたんですか、じゃ。
#236
○国務大臣(津島雄二君) その症例についての正式な報告ではございません。そして、先ほど申し上げましたように、これは一九八八年二月の特定疾患調査研究事業の研究班長からの報告の中に、レジュメの中に、保存脳硬膜の使用後にCJD、つまりクロイツフェルト・ヤコブ病を発病した症例が報告されているという記載があるということであります。
 ちなみに、その記載を正確に申しますと、こういうふうに書かれております。ヒト脳下垂体から精製した成長ホルモン製剤の投与後や、角膜移植、保存脳硬膜の使用、これはいずれも併記しているわけですよ。脳外科手術後などに発病したCJD症例が報告されている、こう書いてあるだけであります。
#237
○櫻井充君 本当はその資料を先に読ませていただきたかったんです。厚生省にその資料を下さいとお話ししたところ提出していただけませんでした。そして、今そういう言い方をされるというのは、本当のことを言うと、非常に私からすればルール違反じゃないかと思います。内容を確認した上でこちらは質問したかったんです。その資料を提出しなかった厚生省の責任というのはどうなんですか。
#238
○国務大臣(津島雄二君) 委員も御承知のとおり、国会において正規の手続で予備調査のお申し出がございました。それを受けまして鋭意資料を収集いたしまして準備をいたしておりましたところ、国会が終了をいたしまして、そして予備調査は終了をいたしました。この間、前大臣は、その調査を継続してしかるべき時期にまとめてすべて御報告をいたすということを国会でも答弁しておりまして、そのようなものをまとめて御報告するのが一番適切な段取りであると私も考えております。
 いずれ、予備調査のお申し出もございましたし、私は、関係者に対してすべての資料を開示、公開して、透明性のある議論をしていただくのが至当であると申し上げているところであります。
#239
○櫻井充君 きのうは、レクをとりにいらっしゃった方はそういう形で話はされておりませんでしたけれども。
 それでは、角膜についてお伺いいたしますけれども、現状、この角膜移植に関して、どなたの角膜かきちんとわかった上で移植されていますか。
#240
○国務大臣(津島雄二君) お答えいたします。
 臓器移植法に基づく臓器あっせん機関アイバンクを通じて行われた角膜移植につきましては、記録があっせん機関に保存されており、角膜提供者を特定することは可能であります。
 また、国内では提供される角膜が限られていること等から、外国から輸入された角膜の移植も行われております。このような場合は、医師が個人輸入により角膜を輸入した上、その責任において移植に用いており、臓器移植法の対象となるものではございません。このため、外国から輸入された角膜の提供者を特定することが可能かどうかについては厚生省としては知り得る立場にございません。
#241
○櫻井充君 要するに、厚生省はわからないんですよ、そこは。
 なぜアメリカが八七年にやめたのかといいますと、こうやって報告を受けて、だれの硬膜なのかをまずきちんと調べたわけです。しかし、だれの硬膜かもわからない、こういういかがわしいものはやめようじゃないかという話になって、まず使用を中止しているわけです。
 大事な点は、二次感染を防ぐとかそういうことから考えたときには、だれのものを移植したのかということをきちんとはっきりしなければいけないわけです。今だって、だれのものなのかがわからないものが人の体の中に移植されていっているわけです。この現状についてどうお考えですか。
#242
○国務大臣(津島雄二君) 委員にお言葉を返すつもりはありませんが、今確認できるかというお話は角膜でございました。ところが、今の御質問は硬膜について確認できないというお話でございまして、それは御質問としては入れ違いになって、私は適切にお答えはできません。
#243
○櫻井充君 なぜ角膜について言っているかといいますと、角膜でもクロイツフェルト・ヤコブの症例が報告されているわけです。その危険性がわかっているわけです。つまりは、だれのものなのかがわからないものをいまだに移植し続けるということが果たして許されるのかどうかということについて聞きたいと思っているんです。
#244
○国務大臣(津島雄二君) 角膜については今申し上げたとおりでありますが、硬膜につきましては、私は詳細には理解しておりませんけれども、ロット番号は確認できて、それに基づいてあのようなことをアメリカではやったと承っております。しかし、完全に提供者が特定されているかどうかは、私は知る立場にはございません。
#245
○櫻井充君 では、別な観点からお伺いしますが、だれのものかわからないものを移植し続けて構わないというふうに厚生省ではお考えですか。
#246
○国務大臣(津島雄二君) ただいまの質問は大変技術的な御質問でございますから私は御答弁は差し控えたいと思いますが、一つだけ申し上げておきたいのは、アメリカは今でも硬膜を使用しております。そして、それはアルカリ処理をしたら大丈夫だということでかなり広範に使っておるということは私は報告を受けております。
 なお、我が国ではそういう人からとったものは今は使用はさせておりません。
#247
○櫻井充君 しかし、危機管理という点で、何かが起こったときにすぐ対処できるかどうか、その点についてアメリカと日本の危機管理は全然違っていると思います。
 それでは、結局、先ほど御報告がございましたけれども、クロイツフェルト・ヤコブ病の患者さん、保存硬膜での移植によって発生した患者さんの数ですけれども、日本で七十二名です。アメリカで五名でございます。
 とにかく、今回のこういう保存硬膜を使用したことによって発生したこの責任というのはどなたにあるとそれでは厚生省ではお考えでしょうか。
#248
○国務大臣(津島雄二君) まさに今の点が問題でありまして、ですから私は申し上げますように、一九八七年というのは第一症例がそのロット番号を特定した上で問題になって、そのロット番号が使われたところについては使用するなという連絡をしたが、それ以外のものは引き続いて利用されていたという事実。
 それから、この乾燥硬膜と今のクロイツフェルト・ヤコブ病との関係につきましては、いまだに完全には病理学的に解明されていないと聞いております。プリオンという物質がかかわっているということは大体定説になっておりますが、それ以上のことは委員を含めて医学の専門家においても恐らく確定した知見にはなっていないであろうと。
 まして大臣であります私がそのことについて議論のできる立場ではございませんので、私が申し上げているのは、すべての資料を公開いたしますから、法に照らしてどこに責任があったかは透明性のある議論をして決めていただくのが適当である、これが今までのいろいろな事件の反省の上に立った私どもの一番いいあり方であるというふうに思っております。
 しかも、今司法手続が始まっておりますから、そのようなすべての資料を公開した上での司法判断も私たちは大変重要だと思っておるところであります。
 以上でございます。
#249
○櫻井充君 そうしますと、現時点では、厚生大臣の判断としては厚生省の責任に関してきちんとはっきりと述べることはできない、それの判断はまだできないということでございますね。
#250
○国務大臣(津島雄二君) 先ほど私が答弁したとおりでございます。
#251
○櫻井充君 それでは、あと、大臣の方から、先日、CJDの患者さんたちに対して可能な限り国の支援策を打ち出していきたいというふうなお話がございました。大変喜ばしいことだと思いますが、具体的にどのようなことを行っていきたいと思っていらっしゃるんでしょうか。
#252
○国務大臣(津島雄二君) 委員のその質問になりますと、私も責任を感じつつ、しかと答弁をさせていただきます。
 このクロイツフェルト・ヤコブ病はもう御指摘のとおり大変重篤な病気でございまして、患者さん方や御家族の御苦労は大変なものであると私は拝察をしております。したがいまして、現行の医療、介護、福祉の枠組みの中でできる限りの対応を行わなければならないと私は信じております。
 このため、具体的には、平成九年一月から特定疾患治療研究事業の対象疾患に指定をいたしまして、医療費の自己負担分を全額公費負担といたしました。したがって、患者さんの医療費負担はゼロでございます。それから、難病患者居宅生活支援事業によります訪問看護員の派遣、短期入所、日常生活用具の給付、難病特別対策推進事業による在宅療養支援計画の策定、訪問相談事業等を実施しておるところでございまして、これはつけ加えますと国費の二分の一の補助という形でやらせていただいております。
#253
○櫻井充君 ありがとうございます。
 そして、もう一つお願いしたいことがございますが、ベッドの確保はどのようにお考えでございましょうか。
#254
○国務大臣(津島雄二君) ベッドの確保は、それぞれの地域で問題が起こらないように、平成十年度より重症難病患者入院施設確保事業を創設いたしまして、入院加療が必要な患者に対し適時適切な入院施設の確保等が行われるように、都道府県ごとに地域の医療機関の連携による難病医療体制の整備を開始したところでございまして、今後もこの事業の充実に努めてまいりたいと思います。
 委員におかれましても、具体的にそういう困っておられる例がございましたら、どんどん私どもの方にお寄せをいただければ、できるだけのことをさせていただきます。
#255
○櫻井充君 実際、ここ一カ月ほど私、患者さんの方から、関西のある私立の附属病院に入院されている方ですが、どこかほかの病院に転院させてほしいという要望がございまして、きょうこの場でそれであればあえて申させていただきますが、実は厚生省の方から、とある京都の療養所を紹介していただきました。しかし、京都の方の療養所の受け入れ態勢は全くできておりませんでした。断られました。厚生省から推薦を受けた病院で断られました。私も国立病院にいましたからよくわかっておりますが、上の方と現場の人間の感覚とは全然違っております。
 具体的に、今後こういう患者さんたちはきちんと国立で診るとか、そういうことをぜひ決めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#256
○国務大臣(津島雄二君) ただいまのお話については私は報告を受けておりませんでしたが、もしそのようなことがあればまことに遺憾でございます。早速、実情を調べて、最大限のことをさせていただきたいと思います。
#257
○櫻井充君 もう一つついでにお願いがあるんですが、エイズの拠点病院と同じように、クロイツフェルト・ヤコブのやはり拠点病院をつくっていただきたいと思います。患者数が少ないこともありますけれども、現場の認識が大分違ってきておりまして、病名を聞いただけで受け入れてくれないというところがかなりございますので、政策医療としてぜひ早急に国の施設で診てもらえるようにお願いしたいと思います。
 それでは、続きまして、金融再生委員長にお伺いしたいんですが、この間も私、金融特でお伺いさせていただいたんですが、金融再生法の五十二条の第二号に「その他の処分」というのがございます。私は、長銀は果たして譲渡しなければいけなかったのかという疑問がございまして、この五十二条の第二号に対しての金融再生委員長の解釈について教えていただきたいと思います。
#258
○国務大臣(相沢英之君) お答えいたします。
 金融機能再生のための緊急措置に関する法律、この第五十二条は特別公的管理の終了に関して規定をいたしておりますけれども、それによりますと、「金融再生委員会は、平成十三年三月三十一日までに、機構又は特別公的管理銀行に次に掲げる措置を行わせることにより、この章に定める特別公的管理を終えるものとする。」と。この一号が「特別公的管理銀行の営業の譲渡」。それで、その二号に、おっしゃる「特別公的管理銀行の株式の譲渡その他の処分」と、このように書いてあるわけであります。
 この処分とは何かというお話でございますが、この処分につきましては、株式の譲渡のほか株式交換や当該株式による代物弁済などが該当すると解釈するのが相当であると考えております。
#259
○櫻井充君 済みません。それに清算というのは含まれないということでございましょうか。
#260
○国務大臣(相沢英之君) 含まれないという解釈でございます。
#261
○櫻井充君 それでは、法制局にお伺いしたいんですが、こういう金融再生法の施行権限と、それから、これは議員立法なんですが、議員立法の場合、発議者の意図というのはどこまで認められるのか、それについて教えていただきたいと思います。
#262
○政府特別補佐人(津野修君) 金融再生法の施行権限者は基本的に、いろいろな条文によって若干違うところがあるかもしれませんが、金融再生委員会が施行権限者でございます。
 それから、発議者の意図はどこまで認められるのかというお話でございますけれども、一般的にこれは法律の解釈の問題になろうかと存じますが、一般論として申し上げますと、これは議員立法であろうと内閣提案であろうと一緒でございますけれども、一般の法令の解釈につきましては、当該法令の規定の文言とか趣旨とかあるいは他の規定との整合性等に即して論理的に確定すべき性質のものであると考えているところでございます。その際に、国会における法案審議の過程等で発議者あるいは立案者の意図が明らかにされているというような場合には、これもまた考慮されるべき一つの要素であるというふうに考えているわけでございます。
 そこで、どこまで認められるか、どこまでかというようなことにつきましては、これはおよそその事柄の性質といたしまして、一般的、抽象的にそういったことについての基準を示すというようなことはできないものと考えております。
#263
○櫻井充君 発議者にこの点について確認したんですけれども、その他の処分というのは一応清算も入っているんだというのが発議者の意図でございました。そういう発議者の意図があったとして、先ほど金融再生委員長は清算というのはこれから読み取れないというふうになっております。どちらが優先されるべきだとお考えですか。
#264
○政府特別補佐人(津野修君) これは先ほど申しましたように、解釈につきましては、文言と趣旨とそれからほかの規定との整合性等を勘案しつつということがまず基本でございます。そして、先ほど再生委員長の方から御答弁がございましたように、たしか三十一条の承継バンクの方でございましたか、そちらの方では清算という手続が特記されているわけでございますけれども、この五十二条の方にはそれが特記されていないというような、条文の両方を読み合わせてみた上で論理的に解釈すれば、再生委員長がおっしゃられたような解釈でいいのではないかと私は考えております。
#265
○国務大臣(相沢英之君) 私がもう少し親切に御答弁をすればよろしかったんですが、ただいま申し上げましたように、第三十一条に、今おっしゃるように、これは承継銀行に関する規定でありますが、それには、承継銀行に関しまして管理終了の場合に、「当該承継銀行の合併」、「当該承継銀行の営業の全部の譲渡」、「当該承継銀行の株式の譲渡その他の処分」とありまして、これは三号は同じ規定を使っているんですね、「当該承継銀行の株式の譲渡その他の処分」。それと別に、第四号に「株主総会の決議による当該承継銀行の解散」ということが書いてございます。これが金融再生法の第五十二条には、その前三号と同様の規定があるにかかわらず、この「株主総会の決議による当該承継銀行の解散」ということが書いてございませんので、その反対解釈として、ただいま法制局長官からお答えいたしましたように、その解散は含まれていない、こういう解釈になるということであります。
#266
○櫻井充君 そうしますと、一時国有化された銀行の資産が、もしもの仮定の話なんですが、全部不適だった場合、こういう場合にはどうなるんですか。
#267
○国務大臣(相沢英之君) そもそもこの金融再生法の規定は、法律に終わりの期限がございますように、平成十三年三月三十一日まででありますから、その間にできるだけ手を尽くし、知恵を絞って処分をするということが建前になっておるわけでございますから、特にそのような事態に立ち至ることを想定していなかったのであります。
 強いて言えば、もしそれまで待ってもどうともならないということになれば、これはもうRCCに営業譲渡をするということしか仕方がないのじゃないかと思っています。
#268
○櫻井充君 そうしますと、今売ることが、譲渡することができなければRCCに送っても仕方がないんだという御答弁だったかと思います。
 ちょっと通告していないので大変申しわけないんですが、日債銀の場合も、これは東京新聞の試算ですけれども、譲渡可能と判定された問題の資産の総額が四千五百五十億円に上るというふうに言われています。いろんな手を尽くしてというのは、こうやって譲渡可能と無理に判定して送っているというところにあるんじゃないか、それが結局瑕疵担保などというものをつけなければいけなくなったような気がいたしますが、この東京新聞の記事に関して反論は何かございますでしょうか。
#269
○国務大臣(相沢英之君) その東京新聞の記事の無理にそういうような判定をしたということについては、私どもはそのように考えておりません。
#270
○櫻井充君 例えば、そごうの場合にどう判定されたかといいますと、メーンバンクの支援が強固だからということで譲渡可能だというふうになっておりましたが、結果的には倒産するというようなことになっていて、ここの委員会でも随分話になっていますが、資産査定の問題というのはやはりかなりあるんじゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#271
○国務大臣(相沢英之君) 資産判定をいたしましたときの状況と最終的に処分をするときの状況との間には御案内のように一年と一カ月時間の経緯もあったわけでございますから、その間に経済情勢の変化等、あるいはその保証をすべき、援助をすべきところの金融機関のあり方等々、いろんな要因がございますから、結果的にそのようなことになったからといって当初の判定がそれでは間違っておったということには相ならぬのじゃないかと思っております。
#272
○櫻井充君 済みません、景気は回復しつつあるんじゃないんですか。
#273
○国務大臣(相沢英之君) それは、私の個人的な見解になるかもしれませんけれども、いろいろな経済的なデータを見ても少なくとも悪くなりつつあるというふうには存じませんが、余計なことかもしれませんけれども、いわゆるゼロ金利が解除するような状態にまでよくなっているというふうには私も考えてはいないのであります。
#274
○櫻井充君 しようがないと思うんですが、ではもう一つお伺いしたいんですけれども、九八年十月に幸福銀行に四百五十六億円の公的資金が注入されておりますけれども、これはなぜ注入されたんでしょうか。
#275
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げますが、御指摘の幸福銀行に対する預金保険機構による資金援助でございます。四百五十六億円の援助がなされております。
 これは、平成九年十月に破綻した京都共栄銀行の幸福銀行への営業譲渡が平成十年十月に行われた際に、破綻した京都共栄銀行の預金者等の保護、これを図る観点から、一般保険料で賄われておりますペイオフコストの範囲内で行われたものであります。
 この資金援助について、預金保険法に規定する要件がすべて満たされていると認められるということでございまして、当時の大蔵大臣が適格性の認定を十年六月十五日に行いました。そして、預金保険機構の運営委員会の決定を経まして実施されたものであると承知いたしております。
#276
○櫻井充君 しかし、ここの銀行は七カ月後に破綻していますよね。大蔵大臣、そのときにこの銀行はいい銀行だと認められたんですか。
#277
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げます。
 判断基準でございますけれども、預金保険法には六十一条で三つの基準を示しております。
 まず第一は、当該合併が行われることが預金者等の保護に資すること。これが第一でございます。それから第二は、預金保険機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うためにどうしても不可欠だという要件が必要です。また、第三は、当該合併等に係る破綻金融機関について、合併等が行われなかった、そして業務の全部の廃止とかまたは解散というようなことになった場合に、当該破綻金融機関が業務を行っている地域または分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に非常に大きな障害ができると、こういった三つの要件を満たしているかどうかということでございます。
 具体的に、幸福銀行による京都共栄銀行の営業譲渡でございますけれども、第一の点につきましては、これは共栄銀行が多額の不良債権を抱え、また自力再建のめどが立たないという状況でございましたので、預金者等の保護のためにはどうしても営業譲渡が必要だというような判断をされました。
 また、預金保険機構以外の資金による援助が受けられる先があるかというと、どうしてもございませんで、どうしても営業譲渡先である幸福銀行に京都共栄銀行の抱える損失や不良債権をも強いるということになりますと、これまた支え切れません。そういうことで、営業譲渡をどうしても、預金保険機構による援助が不可欠であるという判断をしたわけでございます。
 第三の、地域の問題でございますけれども、御承知のように、非常に多くの預金者または貸出先を有しておりまして、共栄銀行としては京都府下で非常に大きな影響力を持っております。もし営業譲渡が行われることなく破綻したような場合には、当該地域における資金の円滑な需給なり利用者の利便ということを考えますと非常に大きな障害が出てまいるというふうに判断されました。
 こういうことを考えまして、適格性の認定、必要だということが認められまして、当時の大蔵省におきまして平成十年六月十五日に認定がなされたものであります。
#278
○櫻井充君 しかし、九五年の大蔵省の検査で、もう債務超過に陥っているということはわかっていたことじゃないですか。
#279
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げますが、確かに幸福銀行による京都共栄銀行の営業譲渡を受けるについては金融監督庁の方でも銀行法三十一条の規定によりまして十分な検討を行ったわけでございますが、銀行が業務を行っている地域における、今申しましたような地域の受給、そういうものを考え、また営業譲渡が金融機関相互の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すことのないようにというふうなことも考え、さらにまた銀行が営業譲渡を受けた後にその業務を的確に、公正かつ効率的に運用できる見込みがあるというように判断したわけであります。
 ただ、御指摘されるように、その後七カ月でつぶれたではないかという質問でございますけれども、当該営業譲渡の譲り受けの認可があった直前でございますが、平成十年の三月期決算によりますと、幸福銀行は不良債権の処理によりまして大幅な赤字になっていたということはそのとおりでございますが、決して債務超過となっていたわけではございませんで、自己資本比率も当時四・六六%ということで、四%の基準を上回っておりました。そんな状況でございましたので、御理解を賜りたいと思います。
#280
○櫻井充君 大蔵省に確認したいんですけれども、九五年の検査のときに債務超過であるということは既にわかっていたんじゃないんですか。
#281
○政務次官(宮本一三君) その段階では債務超過であるというふうにはわかっていなかったというふうに理解しております。
#282
○櫻井充君 私が得ている情報と違うんですけれども、今もはっきりとした答弁をいただけないので、この際ですからきちんとした答弁をいただきたいと思います。
#283
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。
 今、先生がおっしゃっています九五年の検査というのはちょっとあれなんですが、そもそも京都共栄銀行が破綻を公表いたしましたのが平成九年の十月十四日、それでその後十年に入りまして適格性の認定だとかあるいは営業譲渡の認可等を経まして、十月二十六日に幸福銀行へ営業譲渡がなされております。
 それまでの間ですが、確かに、さっき総括政務次官の方から申し上げましたが、十年三月期決算は大幅な赤字決算となっておりますが、債務超過とはなっていないで、自己資本比率も四・六六%という状況にあったわけでございます。特に、京都共栄銀行が破綻公表いたしました平成九年に、受け皿でございます幸福銀行の方があわせて改善計画等を策定するということも公表しておりまして、その結果、十年三月に幸福銀行は自己資本の充実のために六十億円の増資等を行っております。そういうことを受けて、十年の三月期決算では自己資本比率も四・六六%という状況にあったわけでございます。
 その後、破綻に至る経緯を申し上げますと、十年十月二十六日に幸福銀行へ営業譲渡したわけですが、十一年の一月二十日になって幸福銀行へ検査が入っております。その後、検査結果等を踏まえまして、結局五月二十二日には破綻に至ったという経緯でございます。
#284
○櫻井充君 自己資本比率も四・二%あったということですよね。そうすると、四百五十六億円の公的資金を注入されて自己資本比率はどのぐらいまで改善したんですか。
#285
○政府参考人(高木祥吉君) 四百六十五億円はいわゆるペイオフコスト範囲内で京都共栄銀行のロスを埋めるために注入されたわけでございますので、それによって、ちょっと正確なことを申し上げられませんが、基本的に自己資本比率を上げるという性格のものではないというふうに承知しております。
#286
○櫻井充君 しかし、七カ月で破綻してしまったんですね。こういうところに大事な税金使って、結果的にこれでよかったとお思いですか。
#287
○委員長(倉田寛之君) 櫻井君、どなたに質疑しますか。
#288
○櫻井充君 それではまずお伺いしたいんですが、このときに公的資金の注入を決定した責任者にお伺いしたいと思います。
#289
○政務次官(宮本一三君) それがよかったかという御質問でございますが、当時の判断としてはやはり十分な検討を加えた上での判断であったというふうに思っております。
 それから、だれの責任かということでございますけれども、もちろん当時の結論というか決定をされたのは当時の大蔵大臣であり、そして現在は金融庁が引き継いでおります。
#290
○櫻井充君 十分な判断をされて公的資金を注入されたとおっしゃっています。十分な判断、資産判定をされて譲渡しているとおっしゃっています。しかしながら、結果的には七カ月で破綻に陥ったり、次々瑕疵担保特約を使わなきゃいけないような状況になっているわけです。やはり、その資産判定なりそういう判断が非常に甘いと思うんですけれども、金融再生委員長、いかがでございましょうか。
#291
○国務大臣(相沢英之君) まだ金融再生委員会ができる以前の話でございまして、御答弁を申し上げるのもつらい点がありますが、当時、所管の大蔵省としては、諸般の情勢上そのことが適当であるというふうに判断したものと当然思っております。その後における経済情勢の変移等がございますから、当初の思惑どおりいかなかったということはそのほかの金融機関についてもあることだというふうに思っております。
#292
○櫻井充君 これだけ危ない銀行なんですけれども、金融当局の検査が少なかったと言われておりますが、事実でございましょうか。
#293
○政務次官(宮本一三君) お答え申し上げますが、最近の調査状況でございますけれども、直近の検査実施日は十一年一月六日でございます。また、その前が七年八月十八日。その前が四年八月でございます。大体三年から三年ちょっとという周期で検査をしてまいったわけでございますし、ほかの銀行、第二地銀でございますから、そういった第二地銀の調査の頻度というものと検討いたしましても大体似たような周期で検査をさせてもらっております。
#294
○櫻井充君 いずれにしろ、結局、十分な判断とおっしゃいますが、税金が結果的にこうやってむだに使われていっているわけです。きちんと検査して、公的資金の注入をお願いしたいと思います。
 それでは、政治資金規正法についてお伺いしたいんですけれども、活動の手引に、これは毎度聞いていることですが、みずからは政治的キャンペーン等の活動をすることは、およそ目的とせず、また実際にも何らの活動をしないで、政治家のために資金上の援助をすることのみを目的とし、かつこれのみをする団体は政治団体に該当しないというふうな記載がございますけれども、官房長官、こういう記載があるのは御存じでございましょうか。
#295
○国務大臣(中川秀直君) そういう場合は政治団体に該当しないということは、そういうふうに記載されていることは承知をいたしております。
#296
○櫻井充君 そういう観点から、耕道会、未来経済研究会、育秀会は政治団体として認められるとお思いでございましょうか。
#297
○国務大臣(中川秀直君) 御指摘の自治省がつくりました記述というのは、その団体の目的が専ら資金上の援助だけという場合、またそれしか行っていないというケースを想定しているものでございまして、その団体の本来の目的が例えば政治上の主義あるいは施策を推進したり支持したり、あるいはまたこれに反対したり、あるいは特定の公職の候補者を応援するあるいは推薦するというような場合、あるいはそれの反対の場合もそうですが、以上のようなことを主たる目的として組織的に行う団体であるという場合は規正法第三条の「政治団体」に該当するものであると考えますし、御指摘の私の三つの団体も、過去の経緯からいうとそういうことを目的にしておりましたので政治団体、こういうふうなものに該当すると認識をいたしております。
#298
○櫻井充君 過去はそうだったかもしれませんが、現在はいかがでございましたでしょうか。
#299
○国務大臣(中川秀直君) 過去というのはいつまでのことかと言われますと、私も手元に資料がございませんが、五十一年とかあるいは六十年にできた団体で、それぞれセミナーをやりましたりあるいはまたいろいろな講演、支持の集会もやっていた経緯が幾多もございます。そういう意味で、そういう団体に該当しているものと認識をいたしております。
#300
○櫻井充君 同じ観点から自治大臣、いかがでございましょうか。
#301
○国務大臣(西田司君) 御指摘の問題につきましては、その団体の目的が専ら資金上の援助のみであり、かつそれしか行わないようなケースが想定される場合がございます。
 その団体の本来の目的が政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、またはこれに反対すること、もう一つ、特定の公職の候補者を推薦し、支持し、またはこれに反対すること等である場合、もう一つございます、あるいは政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、またはこれに反対すること、または特定の公職の候補者を推薦し、支持し、またはこれに反対することを主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体である場合には、当然、政治資金規正法第三条の一、「政治団体」に該当するものと考えております。
 個別問題については、私の立場からお答えは控えさせていただきます。
#302
○櫻井充君 それでは別な観点からですが、亡くなった小渕前総理もこのような政治資金団体をつくっておられましたし、それから森総理も実は東京都内に九つ同じ場所にこういう政治団体をつくっておられるわけです。
 結果的にその趣旨から反するような脱法行為が日常行われているとすれば、この際、法律を改正してしまった方がいいんじゃないかと思うんですが、自治大臣、いかがでございましょうか。
#303
○国務大臣(西田司君) 政治資金規正法におきましては、個人が複数の政治団体に対して法に定める限度額の範囲内で政治活動に関する寄附をすることは同法に違反するものではないと理解をいたしております。
 また、当該複数の政治団体が同一の公職の候補者の資金管理団体に対して寄附をする場合には、金額の制限はなく、寄附することは同法に違反するものではないと。個別問題には先ほどお答えをしたとおりでございます。
 この法律を改正してはどうかという最後のお尋ねでございますけれども、政治資金、政治団体、これは政治家の基本に関することでございますから、各党各会派の皆さん方でよく御議論をいただいて方向を出していただきたい、このように考えております。
#304
○櫻井充君 もう一つあるんですが、ちょっと通告なしで申しわけないんですが、森田運輸大臣にお伺いしたいんですけれども、自民党の香川県西部商工開発支部というところを通じてあるゼネコンさんから全部で一千六百万円、結果的に迂回献金されていたという報道がございましたが、事実でございましょうか。
#305
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 きのうに至るまで全く知りませんでした。
#306
○櫻井充君 一千六百万円も献金されて、知らないというのはうらやましい話ですが。
 ここで一つ問題になるのは、その献金の相手が、関西二期工事などの運輸省絡みの大規模公共工事を請け負っているところから献金を受け取っております。御存じでしょうか。
#307
○国務大臣(森田一君) 私は全く存じませんでした。
 これは、後で聞いてみますと、大平のお父さんの時代からずっと続いておるようでございまして、私自身はその社長に会ったこともなければ役員に会ったこともございません。
#308
○櫻井充君 しかし、こういう報道をされますと、また癒着しているんじゃないかという疑いを持たれるんじゃないですか。
#309
○国務大臣(森田一君) 関西空港に関して一切紹介したこともございませんし、頼まれたこともございません。
#310
○櫻井充君 それでは、中川官房長官にお伺いしたいんですけれども、またこれはちょっと別件なんですが、財団法人の敷地に自宅と事務所を構えていたという報道がございました。これは事実でございましょうか。
#311
○国務大臣(中川秀直君) 本件は、たしか私が科技庁長官になりましたときにも報道されまして、事実を御説明いたしまして、その後は御指摘をいただくこともなかったわけですが、その財団法人が財団法人として地域の人たちのいろんな文化活動のための、約三百二十名ぐらい入りましょうか、そういう集会をするホールを建てております。それからまた、その別館を建てております。
 しかし、全く財産がそれしかございませんので、先代が私財を出して寄附したものでございますが、その維持運営費が必要でございます。また、四十四年も経過をいたしまして、どうしても修繕もしなきゃならぬということで、私が事務所としてお借りをし家賃を払って維持しているものでありまして、私個人がその財団の土地に家屋敷を建てたとか事務所を建てたとかというのは、よく事実を調べてからお書きをいただきたい、かように考えております。
#312
○櫻井充君 わかりました。後で調べてみたいと思います。
 それから、ついでにですが、この際ですから。
 森内閣では、営利企業などとの兼業自粛というのは申し合わせておりますでしょうか、官房長官。
#313
○国務大臣(中川秀直君) 申し合わせております。
#314
○櫻井充君 そうしますと、今、労働大臣がある企業の取締役になっていたりとか、それから谷農林大臣が兵庫県のゴルフ場を経営する会社の相談役などを務めておりますが、この点に関してどうお考えでしょうか。
#315
○委員長(倉田寛之君) どなたに質問ですか。
#316
○櫻井充君 官房長官。
#317
○国務大臣(中川秀直君) よく事情を伺ってみたいと思います。
#318
○櫻井充君 それでは、御本人がおりますので、農林大臣、いかがでございましょうか。
#319
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘のゴルフ場の関係でございますが、私はゴルフもいたしませんし、ゴルフ場とは全く関係ございません。そういう関係したゴルフ場もございません。
#320
○委員長(倉田寛之君) 労働大臣もですか。
#321
○櫻井充君 労働大臣もいらっしゃいますか。
#322
○国務大臣(吉川芳男君) 新聞に出ました会社は、すべて兄弟か、その前はおやじがつくってくれた会社の分割で渡してくれたものがそのまま出たというような形でございまして、現在はなかなか不況でもありますし、私は何らの金銭的な応援はいただいておりません。
#323
○櫻井充君 先ほどの谷大臣にですけれども、要するに、ある会社から相談役で年間二十万の報酬を得ているという、これは違うんですか。
#324
○国務大臣(谷洋一君) 今、年間二十万ということをおっしゃいましたので、私もふっと思い浮かべたんですが、それは違います。ゴルフ場もございませんし、私とは関係ないところでございます。
#325
○櫻井充君 では、もう一度こちらで調査をさせていただきます。
 それではもう一つ、ちょうど我が宮城県の出来事なんですが、川崎町という町がございまして、そちらの町長選挙に絡みまして、一人一万円から大体五千円ぐらい現金を現町長が配りまして、そして立件されました。
 しかし、立件されたんですが起訴猶予ということなったんですけれども、この経過について教えていただきたいと思います。
#326
○国務大臣(保岡興治君) お尋ねの事件につきましては、検察は本年三月十七日、寄附の目的、性格、相手方の数、寄附の総額及び被疑者の反省の態度などを総合的に考慮して、起訴猶予により不起訴処分といたしたものと承知しております。
#327
○櫻井充君 実は、こちらの地域の方々がおっしゃっているんですけれども、こうやってお金を配っても捕まらないんだったらやってもいいんじゃないかという話が出ております。これは本当の話なんです。
 そして、もう一つ宮城県内で、私の友人でしたが、宮城六区の代議士がああいう形でやめることになりました。今、金額的に多い少ないというお話が出ましたが、じゃどこで線引きされるんですか。
#328
○国務大臣(保岡興治君) 個々の案件について、不起訴の理由を比較してここで詳細に私が述べる立場でないので、御容赦を願いたいと存じます。
#329
○櫻井充君 しかし、今そちらで、額が少ないから、人数が少ないからということを理由でお話しされたじゃないですか。つまりは、どこでそういう形で区切る、その区切りも何もないんですか、あいまいなままなんですか。
#330
○国務大臣(保岡興治君) いろいろな事件がある場合には、その事案の内容に応じて適切に検察としては証拠と法の適用をいたしておりまして、そういった個々の線引きがどこにあるかということは、これは検察の判断するところでございますので、ここで私が有権的に答えを申し上げる立場でないことを御理解いただきたいと思います。
#331
○櫻井充君 わかりました。
 時間がないので先に行きたいと思いますが、今度は地上波のデジタル化について郵政大臣にお伺いしたいと思います。
 国と国民にとって、地上波のデジタル化によって得られる利益というのは一体何でございましょうか。
#332
○国務大臣(平林鴻三君) アナログの放送をデジタル化いたしますことは、電波利用の効率化をもたらす、デジタル化の完了後において新たに他の用途にも利用可能となる周波数を生み出すこととなります。また、大きな経済波及効果を有して、我が国経済の再生、構造改革や、我が国が諸外国に対して比較優位を有する情報家電産業の発展に寄与することが期待されておるというところでございます。
 また、国民の、利用される側といいますか、国民の側にとりましては、高品質な映像、音声サービス、データ放送、通信網と連携した高度な双方向サービス、話速変換等の高齢者、障害者に優しいサービスの充実など、多くのメリットをもたらすものと考えられます。
 したがって、郵政省といたしましては、地上デジタル放送のこのような意義について、国民視聴者への一層の周知活動を含め、今後とも地上デジタル放送の円滑な導入に向けた環境整備を積極的に推進してまいりたいと存じております。
#333
○櫻井充君 しかし、デジタル化されますと今のテレビでは全く映らなくなるのですが、そのことを国民の方々は御存じでございましょうか。
#334
○政務次官(佐田玄一郎君) 委員御指摘のように、地上デジタル放送につきましては、今進めておるわけでありますけれども、関東、近畿、中京の三大広域圏におきましては二〇〇三年までに、そしてまたその他の地域におきましては二〇〇六年ということで放送開始を企画しております。と同時に、二〇一〇年にはアナログ放送を終了していく、こういうことでありまして、委員も御存じのとおり、アナログ放送からデジタル放送への移行の過程では、デジタル放送が普及するまでは要するに同一番組をデジタルとアナログで両方ともやる、いわゆるサイマル放送を行っていく、こういう状況があるわけであります。
 これによりまして、デジタル放送が始まっても、直ちに放送が見られなくなる、こういうことではなくて、デジタルの方になれ親しんでいただきまして、買いかえやまたアダプターを購入していただくということと同時に、これで、これはむだになるんじゃないかというお話がありましたけれども、テレビの受信機自体が七年から九年の大体サイクルでありますから、二〇一〇年ということの廃止ということになりますと、大体その辺で加味できるんではないかというふうに思っております。
 それともう一点は、周知の問題でありますけれども、国民の皆さん方に御理解いただくためには、放送デジタル化の動向等を紹介するリーフレットやホームページの作成、地上デジタル放送のパイロット実験のデモンストレーションであるとか、こういうことによって十カ所の研究開発用施設の一般公開などの施策を実施しまして国民の皆さん方に周知徹底を図っていきたい、かように思っております。
#335
○櫻井充君 先ほど、経済効果があるというお話がございました。総額二百十二兆円の経済効果、七百十一万人の雇用が確保できるというお話でございますが、その根拠について教えていただきたいと思います。
#336
○政務次官(佐田玄一郎君) 簡潔に申し上げますけれども、平成十年十月の地上デジタル放送懇談会報告書でありますけれども、これは大臣の要するに懇談会でありますけれども、この中におきまして、放送事業者側の設備投資需要の創出、そしてまたアナログ放送受信機からデジタル放送受信機への買いかえ、これが二つ目ですね。三つ目が、データ放送等による新たなコンテンツの展開やそのためのシステム開発関連投資、いわゆるデータ放送することによって、デジタルでありますから双方向のいろんな事業が生まれてくる。こういうことも含めまして、経済波及効果を含めますと十年間で総額が約二百十二兆円、雇用創出効果として十年間で総計約七百十一万人という試算がなされているところでございます。
#337
○櫻井充君 それでは、このことによって放送局が得る利益は何でございましょうか。
#338
○国務大臣(平林鴻三君) 高品質なテレビジョン放送、それからデータ放送、双方向サービス、多チャンネル放送等のサービスの多様化によります新たな事業機会の創出。それから二番目といたしまして、デジタル編集機等による番組制作の多様化、効率化の実現。三番目といたしまして、より地域に密着したサービスの提供などのメリットが放送事業者側によって期待されているというところでございます。
#339
○櫻井充君 それでは、アナログ放送からデジタルに移るときにアナログとデジタルが並立しなければいけないわけですが、そのときに一時的にチャンネルを変えなければいけないことが起こります。要するにアナ・アナ変換ですが、この対策のために税金が投入されるんではないかという指摘もございますが、この場合に民放の各局の設備投資にまで税金を投入するのでございましょうか。
#340
○国務大臣(平林鴻三君) デジタル放送のための民放自体の設備投資について税金を投入するということは考えておりませんが、アナログ周波数変更のために必要な経費というのがアナ・アナ変換と申しまして、この方は放送事業者にもあるいは視聴者の方にもちょっとこの負担をお願いしかねるようなやり方であるようでございます。したがって、このアナ・アナ変換のときの費用というものは税金で賄ってほしいというのが事業者側からの要望でございますし、これはごもっともな面があると思いますので、来年度予算に要求をしてみたいと、そう思っておるところでございます。
#341
○櫻井充君 しかし、先ほどお話があったとおり、放送業界にとっても利益が大きいと。そして、しかも電波利用料というのは、我々例えば携帯電話を持っていますと年間五百四十円支払っておりまして、個人の利用全体で合わせますともう二百七十億円に達しているわけです。じゃ、放送業界はどうかといいますと、せいぜい四億二千万程度しか負担していないわけです、電波利用料に関しても。たかが二百億円程度であれば、これは本来であれば放送業界が持つべきものではないでしょうか。
#342
○国務大臣(平林鴻三君) ちょっとこれは込み入ったわけがあるようでございまして、申し上げますと、我が国におきましては、中継局がきめ細かく置かれておりますことから周波数事情が極めて逼迫をしておりまして、デジタル移行に先立って、今申したアナ・アナ変換でございますが、アナログ周波数の一部変更が必要となりまして、このアナログ周波数変更については、民放、NHK、郵政省から成る共同検討委員会におきまして詳細に検討したところでございます。
 それで、送信側に要する対策経費は約三百十二億円、受信者側に要する対策経費が約五百四十億円、この影響世帯数が実に二百四十六万世帯と多数に上るという結論でございます。それで、送信側におきましては、この受益と負担の関係が対応するものではありませんで、例えば福岡県でやろうと思いますと、佐賀県側でこの費用が必要になってくるというようないわば特定地域にしわ寄せ的に集中して発生する、こういうことがございまして、周波数変更が必要な地域の事業者にのみ負担させることは不公平だという話なんだそうでございます。
 それからまた、受信者対策につきましては、放送事業者には視聴者に対する義務がないということから、放送事業者にその費用を負担させることは適切ではないということになります。
 放送のデジタル化は周波数の効率的使用を可能とするものでありまして、デジタル放送への全面移行が実現すれば、周波数の一部についてはあきが生じて新たに他の用途に利用できるという可能性があります。
 そこで、そのアナログ周波数変更に必要な経費につきましては、これらの点を勘案して、国会におきまして附帯決議が先般なされております。「公的支援の在り方を含め検討すること。」、そういう附帯決議でございまして、さようなことも勘案いたしまして、デジタル放送のメリットを広く国民が享受できるように来年度予算に向けて検討していきたい、さようなことでございます。
 ちょっと長々と申し上げまして、相済みません。
#343
○櫻井充君 それでは、デジタル化によって余る、現在地上波テレビに使用されているアナログ波は何に利用する予定でございましょうか。
#344
○政務次官(佐田玄一郎君) 先生が言われるとおりでありまして、今、大臣も答弁させていただきましたけれども、アナ・アナ変換の場合は、もう先生も御存じのとおりで中継基地、アナログの場合中継基地から中継基地に飛ばすときに周波数が違うわけですね。そこについて、デジタルの場合は直線的に行きますから、多い。非常に込み入った周波数のときにはやはりぶつかるところがあるから変換していく、変換してどいていただくということは、やっぱりそういう意味においては……(「要するにアナログは何に利用するのか」と呼ぶ者あり)ですから、それはこれからいろいろと議論をしていきたい、かように思っております。まだ決まっておりません。
#345
○櫻井充君 それでは、もう一つだけ。
 デジタル放送懇談会報告書によれば、導入プロセスにおいて、親局レベルについて既存事業者に限定したデジタル放送免許の申請交付期間を設定することが必要であるというふうに明記されているわけですけれども、これは要するに既得権益を認めることになるんじゃないでしょうか。
 それともう一つは、免許制度がいいのか、それとも入札制度がいいのか、その点について郵政省はどうお考えか、教えていただきたいと思います。
#346
○政務次官(佐田玄一郎君) ですから、既存の要するに事業者の方々、こういう方々のアナログ的なものをデジタルにするというのは、そういうふうに移行するという考え方でありますから、特別に優遇しているということではありません。
#347
○委員長(倉田寛之君) 平林郵政大臣、極めて簡明に願います。
#348
○国務大臣(平林鴻三君) 御質問の後段の方でございますが、テレビ局の免許について入札制をやったらどうかという御意見でございます。
 確かにそういう御意見もあり得ると思いますが、このことにつきましては放送の公共性の確保といった点も含めて相当慎重に検討しなきゃいかぬ、さように存じております。
#349
○櫻井充君 それでは、あと道路公団の方においでいただいているので、道路公団に質問させていただきますが、財投改革が行われた後、財投機関債を発行して資金を調達する予定はございますでしょうか。
#350
○参考人(村瀬興一君) 平成九年の十二月二十六日の閣議決定で、「特殊法人等の整理合理化について」ということで、私ども日本道路公団は「財投機関債を発行し、自力での資金調達の拡大を図る。」ということとされております。
 そういったことを踏まえまして、私どもといたしましては、平成十三年度から財投機関債の発行等自主調達の拡大に最大限の努力を払うべく、現在準備、検討を進めているところでございます。
 ただし、低利かつ長期の資金を大量かつ安定的に必要といたします私どもの有料道路事業の特性を考えますと、すべての資金を財投機関債で賄うということは難しいというふうに考えておるところでございます。
#351
○櫻井充君 宮澤大蔵大臣にお伺いしたいんですけれども、この間、財金の委員会で、要するに市場原理を働かせるから財投機関が整理縮小できていくんだというお話をされたかと思います。
 今のように、現実はほとんど財投機関債が発行できないんじゃないかとおっしゃっていますが、今の答弁を聞いていかがお考えでしょうか。
#352
○国務大臣(宮澤喜一君) これから各財投機関が苦労されるところだと思います。すべての財投機関が楽々と発行できるという状況でないことはそうでございますけれども、中には相当の長い間の実績も持ち、また信用も持っているところもないわけじゃございません。そういうところは市場で、いわば市場に受け入れられるランクに入れてもらえるかどうかで決まるわけでございますが、したがって大変に苦労があるだろうということは予想しております。
 そこで、市場に受け入れられないようなものはすぐ仕事をやめろと言っているわけではございませんが、どうやれば市場に受け入れられるようになるかという工夫をしてもらうというところがこの財投改革の意味だというふうに思っておりますので、みんなやすやすと受け入れられるようなことではないと、そこが改革の意味だと片っ方で言いながら、しかし他方で、それなら全部やめてしまえと言うわけには、なかなか国会もそれはいいとはおっしゃらないということがございますから、その中で、場合によっては財投債そのもので救っていくこともあるでございましょうし、また実績のあるものにとっては機関債でやってもらいたいと、そういうのが予算折衝過程におけるこれからの関係者の苦労だということになってまいると思います。
#353
○櫻井充君 そうしますと、日本道路公団の諮問機関であります経営改善委員会の方から、結果的には財投資金だけではその整備が困難であるということで、高速道路建設を税金で行っていくべきではないだろうかという格好で答申してきております。これは事実でございましょうか、公団の方。
#354
○参考人(村瀬興一君) 今回の、今、先生御指摘のありました経営改善委員会の意見書でございますが、この意見書におきましては、整備計画区間、現在九千三百四十二キロでございますけれども、これを超える高速道路の整備は、現在の制度、条件下では困難であるというふうな認識を示しております。
 今後どうしたらいいかということについては三つの選択肢を示していただいております。
 その一つは、現行の制度、条件による整備は、おおむね現在の整備計画区間によるネットワーク程度と考えるというのが一つでございます。
 それから、二つ目でございますが、国の整備目標時期、二十一世紀初頭ということでございますが、これからは大幅におくれることになりますけれども、現行の制度、条件のもとで償還可能な投資計画の範囲で九千三百四十二キロを超える区間も逐次整備を進めるというのが二番目でございます。
 それから、三番目でございますけれども、現行の制度、条件に加え、国費負担を強化するなど、制度、条件の拡充を行い、目標とされる完成時期の達成を目指すというものでございます。
 さらに、意見書では、三つの選択肢を示しておりますけれども、どの選択肢を選ぶかということにつきましては、国民のコンセンサスが得られるように進めていくことが重要であるというふうな認識もあわせて示していただいているところでございます。
#355
○櫻井充君 そこで、扇大臣、ちょっとお伺いしたいんですけれども、今の道路公団のあり方でいいのかどうか。
 そしてもう一つは、今後高速道路建設の場合に、今行っている薄皮方式といって、税金を九〇%ぐらい入れて財投資金一〇%ぐらいで道路をつくって、そしてそこから有料道路として通行料を取っていくような、そういうやり方を今後ふやしていかなきゃいけないんじゃないかという話になっているんですが、こういうやり方でいいとお考えでございましょうか。そして、そういうやり方で道路整備をやっていくべきとお考えでございましょうか。
#356
○国務大臣(扇千景君) 今、道路公団副総裁からお話しございましたように、御存じのとおり経営改善委員会からの報告書が出ております。それにつきましても、高速道路の話に、高速自動車道につきましても建設とかあるいは管理とかそういうことにおけるコストの削減、それは私は重点的にやっていかなければならないと思っておりますけれども、要するに、現在、今、副総裁がお話しございましたように、九千三百四十二キロメートルという、それにつきまして整備計画を策定しているところでございますので、もしそれが現在、これを超える整備というのは、それは困難になるわけでございます。
 けれども、少なくとも私が先ほど申しましたように、コストの削減等々含めて今後、今申し上げましたように、経営改善委員会の報告によりまして公団が改めてどう対処するかということも含めまして、新たに整備する区間の整備手法によりましては、道路特定財源を活用した、あるいは国と地方の負担による整備方式も加えるという必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、少なくとも、この整備手法につきましては、現在、道路審議会において審議中で検討していただいておりますので、その結果を私は待たせていただいて判断していきたいと思っております。
 それから、今、委員がおっしゃいました薄皮道路という話でございました。私も、薄皮道路という聞きなれない言葉は、これは常識ですかと申し上げたら、通常薄皮道路と言われている名前が通っているというんで、薄皮まんじゅうから来た薄皮道路なんでしょうけれども、少なくとも有料道路の事業と一般道路との事業を組み合わせるいわゆる合併施行方式、これが言われている薄皮道路と言われているんですけれども、少なくとも私はこの関係に対しましても、道路審議会において高規格幹線道路の整備手法、これもあわせて審議しております。
 私は、今おっしゃいましたように、改めての道路公団のあり方あるいは高速道路の薄皮方式と言われていることの継続やいかんということに関しては、今後の審議会の答申を待って検討していきたいと思っております。
#357
○櫻井充君 道路公団の考えもお伺いしておきたいんですけれども、つまりは、十割税金でつくってしまえば国民の方々は無料でその道路を通ることができます。しかし、一割道路公団からの資金が入ってしまいますと何十年もの間、有料道路ということになってしまいまして、結果的には国民負担が非常に大きくなるんだというふうに思いますが、その点について道路公団はどうお考えでございましょうか。
#358
○参考人(村瀬興一君) 今、大臣からも御答弁がございましたように、近年、高規格幹線道路等の整備におきましては用地取得及び工事施行の一部を国等が一般道路事業として行いまして、私ども日本道路公団が残りの用地取得及び工事施行並びに有料道路の管理を行う合併施行方式が活用されておるところでございます。
 私ども日本道路公団では、有料道路事業として分担できる部分につきましては、建設大臣の許可をいただきまして一般有料道路事業等を実施しているところでございます。
 今、申し上げましたような合併施行方式の活用によりまして、利用者負担を軽減する、あるいは一般有料道路の採算の確保を図るというようなこと、それから料金水準、それからネットワークの形成において並行する高速道路と整合性を持たせることが可能であるというふうに考えておるところでございます。
 ただ、今後の方向につきましては、先ほど大臣の方からもお話がございましたように、道路審議会でいろいろな御議論がされているところというふうに伺っているところでございます。
#359
○櫻井充君 こういう形で税金を投入しなければいけなかったというのは、道路をつくる際の見積もりがかなり低く設定されていることと、それから料金収入が高く設定されていることによって、結果的には財政難に陥っていることが原因なんだと思います。
 例えば、その典型的な例を申しますと、東京にありますアクアラインですが、着工前の計画を三千億円以上オーバーいたしまして一兆四千四百億円使っています。そして、通行量の見込みですが、一日三万三千台の見込みでした。しかし、実際、今通行しているのが一万台以下です。そして、その通行料金を最初五千五十円に設定いたしましたが、今四千円に引き下げまして、償還を三十年から四十年に延ばしてきています。このような形で、予定と全然異なってきている。この辺の責任というのはどなたにあるとお考えでございましょうか。
#360
○参考人(村瀬興一君) 今、当初の交通量の見積もり、先生、三万三千台とおっしゃいましたが、これは計画をした当初の数字が三万三千台でございまして、供用の当初では二万五千台と見込んでおったわけでございますが、開通後の実績交通量は一万台程度ということで、二万五千台に比べますと大幅に落ち込んでおるわけでございます。
 この要因でございますけれども、ちょうど開通した時期が我が国におきます戦後最大の不況を反映いたしました経済活動が鈍化しておる時期というようなこともございまして、料金の割高感によりまして予定しておりました他の路線からの転換が進まなかったというふうなことがあろうかと思います。
 今回、これらのこうした要因分析を踏まえますとともに、関連道路網の供用時期の見直し、さらにはアクアラインを有効活用するための料金調整をさらに行おうという前提で交通量の見直しを行ったところでございます。この結果、平成十四年度で一万二千台、関連道路網の整備が進むと考えております平成二十二年度には三万五千台を見込んでおるところでございます。
 ちなみに、料金につきましては、三千円に七月二十日から料金調整を実施いたしておりますけれども、その料金調整を実施いたしましてから、七月二十日から八月二日までのわずか二週間でございますけれども、一万五千台というふうな交通量が実績として上がっているところでございます。
#361
○櫻井充君 今のは多分プール制のことをお話しされているのかと思いますけれども、いずれにしても結果的にむだなことをやっていくとだんだん税金の投入される額が多くなるので、ぜひその辺のことに関してきちんとやっていただきたいと思います。
 最後にですが、財源が限られている中、日本国内の交通網をどのように整備していこうとお考えなのか、扇大臣とそして運輸大臣にお伺いしたいんです。
 もう一つは、私の個人の考えを申させていただきますと、道路と鉄道と同時に今、並行につくられています。しかしながら、例えば整備新幹線でいえば二十年後にきちんとでき上がるということになりますが、経済効果が生まれてくるのは恐らくその二十年後からになるんだと思います。三本一遍につくるよりも、むしろ一本ずつつくっていった方が、一本ずつつくっていって七年ずつつくっていった方がむしろ経済効果が生まれてくるんじゃないだろうか。それから、こちら側は道路、こちら側は鉄道というふうに考えていくべきではないかと思うんですが、その辺に関して答弁いただいて、これで質問を終わります。
#362
○国務大臣(扇千景君) 財源が限られているからというのはおっしゃるとおりでございまして、私どももできるだけの知恵を絞って考えております。
 結局、重点停止の分野を明快にしていこうということで、御存じのとおり、例えば、時間がございませんから例を挙げますけれども、空港、港湾等々、交通拠点へのアクセスを整備して駅前広場など広域的に使っておりますし、例えば例を挙げますと、関西空港というのをつくりましたけれども、関空の事業は一兆五千億円でございますけれども、それの関連道路事業費というのは二兆五千億円使って、その高速の空港との関連を位置づけて国民の皆さんあるいは利用する皆さん方の便宜を図って、その空港の事業よりも関連の道路交通網の整備の方が、それだけお金を使っても立体的に政策を完備しながらやっているということで、私は運輸省と国土交通省になる前提の例として申し上げました。
#363
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 交通関係の社会資本の整備につきましては、全総計画等を踏まえまして五カ年計画をつくって整備を進めておるところでございます。
 また、優先順位を考えるべきではないかということでございますが、確かに整備新幹線におきましても、東北、北陸、九州ということにつきまして優先順位を定めておりまして、実質的には既着工区間については東北新幹線が最優先、そして新規着工区間については東北新幹線と九州新幹線が最優先、このように順番をつけて実施しておるところでございます。
#364
○委員長(倉田寛之君) 以上で峰崎直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#365
○委員長(倉田寛之君) 次に、松あきら君の質疑を行います。松あきら君。
#366
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
 そごう問題で、今まで国会で余り議論されてこなかった点につきまして本日は質問させていただきたいと存じます。
 神奈川県商工会連合会また連合神奈川を初め、神奈川県では、今回のいわゆるそごう問題につきましては、神奈川県下の経済、働く者の生活に大きな影を落とすのではないかと大変心配をしているわけでございます。
 金融再生法は、資産の査定をする際、再生委員会が金融機関の資産を各債権ごとに厳密に査定するかのように規定をしております。評価の基礎的資料としてこのような作業は行っておられるようですけれども、最終的には健全な債務者か不健全な債務者かを区分して判定するというように運用されているわけでございます。そごうも同様でございます。
 例えば、横浜そごうの場合は、そごうがその一五%の株を保有する千葉そごうの関連会社ではありますけれども、独立の株式会社です。本来、独立してその資産査定を受けるのが当然な対象だというふうに思うわけです。しかし、どうも横浜そごうは、そごうグループの一員として、ほかの会社とひっくるめて資産の適否を判断されているようでございます。
 横浜そごうは、莫大な初期投資があるとはいいましても、営業成績は非常に好調でございます。横浜そごうは神奈川県では大きなデパートで、また非常に人気のデパートでございます。そごうグループの数社の経営状態が悪ければ、せっかくよい業績を上げているこの横浜そごうがそごうグループの一員として見られることになりまして、本来、単体として見れば健全な債務者でありましても、そごうグループの一員であるから不健全な債務者であると評価をされてしまうことになるわけです。そうなると、株式会社横浜そごうが単にそごうという名前を付しているからといって経営の危機に陥ることにもなりかねませんし、また多くの取引会社及び従業員に多大な悪影響を及ぼすことにもならざるを得ないというふうに思うわけでございます。
 このような背景におきまして、そごう問題をグループ問題として統一的にとらえるのではなくて、グループの各会社ごとにその資産の評価をして、瑕疵担保条項適用の有無を各会社ごとに検討することが重要であったのではないかというふうに思います。
 この点につきまして、横浜でお育ちになりまして横浜に非常に縁の深い金融再生委員長にお伺いしたいと思います。
#367
○国務大臣(相沢英之君) お答え申し上げます。
 私も根っから浜っ子でございますから、横浜そごうの問題についてもいささか関心を持っております。ただ、お話しのそごうグループの各社の金融再生委員会における資産の判定におきましては、株式会社そごうは要注意先であるということでありますので、これを適と判定をしたわけであります。
 そこで、そごう以外の各社につきましては、そごう各グループが相互に保証をするなど、債権債務の関係におきまして極めて密接な関係があり、言うなれば株式会社そごうと一体として判定すべきものと考え、適と判定をしたものでございます。
 今回、そごうが債権放棄の要請を行ったということで、そのことがちょうど瑕疵に該当することになるわけでありますが、そこで、株式会社そごうと一体として判定された横浜そごうその他のそごうグループの各社につきましても、株式会社そごうが瑕疵に該当することになったことに伴い、瑕疵に該当すると判断されたものでございます。
 また、瑕疵担保条項に基づく資産引き取りのもう一つの要件である二割以上の減価につきましては、横浜そごうを含む各社ごとに二割減価が生じているかどうかを検討し、該当するものとして各社ごとに引き取りを要請したものでございます。
#368
○松あきら君 大体想像していたお答えだというふうに思います。
 そごうグループの各社はそれぞれ個別に形式的には民事再生法の申し立てをしているようでございますけれども、実際はそごうグループの一員として行っているんですね。このような民事再生法の適用をグループ全体として考えることについて、法務大臣、いかがお考えでしょうか。
#369
○国務大臣(保岡興治君) お答えいたします。
 複数の会社がグループを形成している場合であっても、御指摘のように、民事再生法の適用においては各社ごとに別の事件となって、会社ごとに適用の要件が判断されるわけでございます。
 ただ、一般的に複数の会社が親子関係にある場合には、親会社は子会社の経営に多大な影響力を有するなど、両者は経済的に密接な関係に立っております。したがって、親子関係にある会社がともに経済的に破綻し、事業の再生を図ろうとする場合には、これらの会社の再生手続を同一の裁判所で同時並行的に進めるということが、再生の実効性を確保する上で、また手続のコストからいっても望ましいと言うことができると思います。
 そこで、民事再生法においては、親子関係にある会社については同一の裁判所で再生手続を進めることができるように手続を工夫しているところですが、そごうグループ二十二社については、錦糸町そごう及び八王子そごうが東京都内に存することから、今申し上げた管轄の特例を利用して、いずれも東京地裁に申し立てられたものであると思います。横浜そごうについては、再生手続の開始要件が個別に認められたので裁判所がそのような判断をしたものと思います。
 しかし、いずれにしても経営のいい横浜そごうが民事再生手続で簡便迅速に再建型の倒産手続で再生することを願っております。
#370
○松あきら君 ありがとうございます。
 横浜そごうの今後のあり方につきましては、西武百貨店との統合の問題も話題に上っておりますけれども、社会経済不安を早く解消するためにも、またこれは国民の税金にかかわる問題でございますので、できる限り情報公開を行っていただきたいなというふうに思います。
 また、今後の再建計画につきましては、裁判所の最終的な判断によるものとは思いますけれども、具体的にどのような従業員対策、また取引業者の連鎖倒産を防ぐための措置をとられるのか。これにつきましては、既に今までの審議で御答弁はございますけれども、横浜そごうのような営業成績のよいところにも同様の措置の適用があるのか。これは労働大臣、通産大臣に御説明いただきたいというふうに思います。
#371
○国務大臣(吉川芳男君) お答え申し上げます。
 労働省におきましては、七月二十一日にそごうグループの計二十六社を大型倒産等事業主に指定し、雇用調整助成金により、関連企業の従業員の雇用の安定を図ることといたしております。この措置につきましては、横浜そごうの関連企業も対象となるものであります。
 また、横浜そごう自体については、現段階では従業員の雇用に大きな影響は見られないものの、現在、民事再生法に基づく再生計画の作成が進められているところであり、他のグループ各社についてと同様、今後の状況の推移を見守りながら、従業員の雇用問題については適切に対処していくことといたしております。
#372
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。
 御指摘のとおり、そごうが七月十二日に民事再生手続等の開始申し立てを行ったことを受けまして、通産省といたしましては、連鎖倒産を防止するために関連中小企業者への悪影響を軽減しなきゃいけない。そのために、相談窓口の設置をいたしましたし、政府系中小企業金融機関及び県の信用保証協会による別枠での融資、保証等による対策を講じてきたところであります。
 これらの対策は民事再生手続等の開始申し立てを行ったそごうグループの二十六社と関連のある中小企業者が対象となっておりまして、今、委員御指摘の、内容がいいという横浜そごうと関連をしている中小企業も対象とさせていただいております。
 今後とも、関連中小企業者の動向を注視しつつ、これらの施策を通じて関連中小企業者への対策に通産省としては万全を期していきたいと、こう思っております。
#373
○松あきら君 ありがとうございます。
 やはり横浜そごうに関しましては神奈川県民は非常に心配をしております。横浜そごうはかなり業績がいいので、これへ関係している自分たちは外されちゃうのじゃないかと。いろんな思いがありますので、きょうの大臣の御答弁は非常に力を得たというふうに思っております。
 続いて、全く今度は違う質問でございますけれども、出産一時金について質問させていただきたいと思います。
 前回の予算委員会でも私はこの質問をいたしました。働く女性が安心して子供を産み、そして育てられるように私ども努力を続けていかなければならないというふうに思っております。
 健康保険法第一条に、四カ月以上の妊娠期間があり、分娩を担保して出産について一時金三十万円が支払われることになっております。これは御存じのとおりでございます。
 出産には非常にお金がかかるわけでございます。例えば、妊娠二十八週目までに四週間ごと、妊娠二十八週から三十六週までは二週間ごと、妊娠三十六週目以降は一週間ごとと、このたびごとに非常にいろいろな検査をするんですね。超音波検査あり、一々申し上げませんけれども、そのたびにいろいろな、扇大臣うなずいていらっしゃいますけれども、検査がいろいろあるわけです。そして、その検査ごとにかなりのお金を、一万円とか一万五千円ですとかかなりのお金を払わなければなりません。これは妊婦の家庭にとりましてはとても負担感が強いわけでございます。
 ここに「ご妊娠おめでとうございます」という病院の、私の地元のある病院ですけれども、大きな病院です、ペーパーがあるんですね。ここに最後にこう太字で書いてあるわけです。「尚、当院での分娩費用は約四十五万円位です。 妊娠二十八週になったら分娩費用の一部として三十万円の予納金を一階入退院窓口にてお支払い頂くようになります。」と、こういうふうに書いてあるわけです。二十八週ですから、出産前にその三十万円は先に払えと、こういうわけですね。予納金はこのように先に徴収をされるわけなんです。
 少子化を何とか解決したいといろいろ施策を練っているわけでございます。やはりこういった負担感を取り除いてあげるということは非常に大事なことであるというふうに思います。私も、本当に若いお母さん方から何とかしてほしいという声を随分聞くわけでございますけれども、そこで、ぜひ退院どきに一時金分の三十万円、これを差し引いた差額だけを本人が払って、後で病院が国にその三十万円を請求するようにしてあげればどれだけ負担感が減るかわかりません。厚生大臣、いかがでございましょうか。
#374
○国務大臣(津島雄二君) 大変大切な政策課題でございます少子化について、非常に身近な御質問でございます。
 私も、気持ちとしては若いお母さん方ができるだけ負担を感ぜずに子供を産み育てられるようにということは賛成なんでございますが、これを病院に渡すというやり方になりますと、今の一般の疾病の場合の支払いと同じ診療報酬の支払いに似たような形になってきますね。そして、お一人お一人の事情に応じてどのくらい入院費がかかったかとか、最後にそれを精算するとか、結構事務的には厄介だというふうに事務当局は言ってございます。
 まず、それは申し上げた上で、しかしできるだけその負担感を減らしたいというお気持ち、松委員の御熱意もございますので、何とか出産育児一時金の支給を早くする手はないだろうかと。それで、ほかの例を見ますと、利子をつけずに貸し付ける制度がほかの、このケースでなくてあるそうでございますので、そのことを含めて検討してみたらどうだろうなと。
 直接のお答えにはなりませんけれども、結果的にはその問題に対する一つの方向ではないかということでお答えさせていただきます。
#375
○松あきら君 ありがとうございます。これは非常に大きな今お答えだと思います。
 前に実は伺いましたときは、二重請求されるとか、モラルハザードが起こるとか、いろいろなことでいいお答えが全くなかったんですね。(発言する者あり)いや、もう与党でございましたけれども、与党、野党じゃなく、そういういたし方がなかったんだと思いますけれども、やはり私は、病院からの代理請求が難しいというのは厄介な事務的ないろいろな処理があるからそれは実はわかるという気もいたしますけれども、請求してから半年とかそれ以上たってからお金が振り込まれてきて困っているという、もう新聞の投書とかいろんな方から聞いていたんですね。ですから、私は、今の大臣の利子をつけずに貸し付ける、こういう制度があったら非常にこれは喜ばれると思いますし、私は実は、出産後申請すれば例えば一週間以内とか十日以内には必ず払いますよとか、百歩譲ってですね、そんなふうにもしていただけないかな、そういう検討チームでもつくっていただけないかなという御要請を申し上げようと思っていたのでございますけれども、今のお答えを伺いまして、さらによきお返事がまたこれからもいただけるというふうに思っております。ありがとうございます。
 それでは次に、無認可保育について伺いたいと思います。
 昨日、堂本先生の御質問にもございましたけれども、神奈川県大和市の託児所で虐待死というショッキングな事件が起こりました。神奈川県では本日から九人の相談員を置きまして電話相談を始めたそうでございます。うちの子供も無認可の保育所に預けているんだけれども、こういう問題があるということで、きょうの朝から始めて随分たくさんの電話相談があったということでございますけれども、丹羽前厚生大臣はこのスマイルマム大和ルームと同種の無認可保育所への立ち入りの強化を年内に実施するよう都道府県に指示をしたとの報道がございます。また、都道府県には届け出をするように指導されていると聞いておりますけれども、これがなかなか難しいんだそうですね。そして、神奈川県でも実態を把握するための開設届の制度化や指導基準の拡充強化など無認可保育施設の適切な運営に向けた措置を国として講じてほしい、こういう要望がされております。
 この点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
#376
○国務大臣(津島雄二君) 神奈川県大和市のスマイルマム大和ルームの事件はまことに痛ましい遺憾な事件だと思っております。この件については、委員、そしてまた堂本委員からも前の大臣にもいろいろお話がございまして、定期的な立入調査をやる等々しっかりと実態を踏まえて間違ったことの起こらないように進めておるところでございますし、またきょうからの電話相談も大変いいことであると思ってございます。
 そこで、神奈川県の方からも届け出制を公式に採用したらどうだろうというお話がございますが、認可外と申しましても、やっぱり子供さんを預かるわけでありますから、ある程度おやりになる方は周知徹底を広報される、PRをされるわけでございますね。そういうことで、行政側がしっかりしていれば、届け出制をしなければ把握できないというものでもないなと。
 その一方で、届け出をいたしますと、これはもうすぐおわかりのとおり、何々省届け出済みとか、よくございますね。中身は別として、何々省あるいは神奈川県届け出済み、それが今度はお墨つきというような感じになることの方もこれ問題でございまして、私どもはその届け出制を入れるということよりも、早く問題のある無認可保育所を把握して是正をするということと、それから認可保育所がきちっとふえていってニーズにこたえられるようにすることがやっぱり常道ではないかというふうに思わせていただいております。
#377
○松あきら君 ことしの三月三十日に認可保育所の基準が緩和されました。これは周知徹底されていない、残念だ。これはかなりの前進だと思うんですけれども、これについてちょっとお話しいただきたいと思います。
#378
○国務大臣(津島雄二君) まさにその点でございまして、私ども今度の規制緩和による設置主体制限の、例えば社会福祉法人でなくても設置できるとか、それから土地建物の賃貸し方式でもいい、自分で持っていなくてもいいということや、それから定員要件を緩和したとか、これは認可に向けて努力をする上で非常な緩和であると思っておりますので、今無認可でやっておられる方もこの際しっかりと認可をとりたいというような動きにつながってくれる要素になり得ると思っておりますので、委員御指摘のとおり、その周知徹底には一層の努力をしてまいりたいと思います。
 また、都道府県等においても、個別事業者からの相談によく応じて、こういうことを徹底できるようにしていただきたいと努力をしております。
#379
○松あきら君 まだ伺いたいことがあるんですけれども時間なので、最後の質問をしたいと思います。
 総理は所信表明演説で、「我が国が世界の平和と繁栄により大きな貢献をしていくためにも、」「国際社会で我が国が占める地位にふさわしい役割を果たしていかなければなりません。」と表明をされているわけでございます。
 現在、大勢の外国人が日本に入国をしているわけでございます。また、それによって種々の事件もふえているという。総理の表明のように、日本において国際人権規約の批准に沿って日本人の人権とともにやはり外国人の人権も十分守らなければならないと思います。
 しかし、残念なことに、刑事裁判において十分な法廷通訳人が確保されておりません。一審の刑事事件で通訳を必要とする被告は九七年で七千人を超えていると聞いております。また、通訳人の研修が不十分なので、その裁判用語についての知識が未熟なまま通訳がされて、かえって被告の人権が奪われかねない事態も憂慮されております。この際、人権問題として、アメリカの法制度を念頭に置いておりますけれども、法廷通訳人の資格制度の創設をしていただきたいと思います。
 保岡法務大臣は過去にこの御質問、熱心に訴えておられましたけれども、これについて大臣の御見解を伺って、私の質問を終わります。
#380
○国務大臣(保岡興治君) 裁判手続等において、あるいは捜査の段階においてもそうですが、しっかりした通訳がいるということはとても大切なことで、これは我が国における外国人の人権のみならず、外国人が証人になって来た場合などを含めて、裁判の適正化ということに非常に重要であるし、また邦人が外国で裁判を受ける場合に、相互主義で相手の国にそれを求めるというためにも、みずからの国においてしっかりした制度があるということは非常に大切なことだと存じております。
 国際化の進展に伴って増加している外国人による刑事事件、適正な刑事手続を実現するために有能な通訳を確保し、公正公平な通訳が行われる必要があって、通訳人の確保に努めるとともに、そのデータベース化を図って、通訳人向けの刑事手続の説明資料、法律用語の対訳集の作成のほか、全国規模で通訳人セミナーも実施しておりまして、通訳人の人たちに我が国の刑事手続への理解を深めていただくための施策をいろいろと講じているところでございますけれども、今後も有能な通訳人を確保するための施策の整備充実に努めてまいりたいと考えております。
 諸外国の一部で採用されているいわゆる司法通訳制度、すなわち法廷通訳人の資格認定制度についても、今、議員がおっしゃったように、前から私はそのことが大切だと思っておりまして、いろいろその後、司法制度にかかわる通訳のいろんな施策の充実が図られてきて、むしろ日本は諸外国に比べてかなり進んでいるということで外国から見学にお見えになるぐらいになってきております。
 そういう状況を踏まえて、そろそろこの問題について検討をする必要があると法務省としても判断をいたしておりまして、本年度は米国の通訳人資格認定制度についての調査研究を予定しております。
 委員の御質問の趣旨に沿って、できるだけ頑張ってまいりたいと思います。
#381
○理事(竹山裕君) 関連質疑を許します。魚住裕一郎君。
#382
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 関連で、伊豆諸島の地震災害についてお聞きしたいと思います。
 選挙が終わった六月二十六日、翌日からですが、三宅の避難、火山情報からの避難、そこから約一カ月半になるわけであります。住民の皆様には心からお見舞いを申し上げる次第であります。
 一カ月半の間に震度六弱が四回、五以上は十七回、有感地震は一万回以上、今でも現実に多分十分置きぐらいに感じる地震があろうかというふうに思っております。住民の皆さんは、これはいつまで続くのかということ、また台風シーズンがもうすぐ来ますので、崩落した土砂、さらにこの水で土砂崩れが起きるんではないか、また観光シーズン、観光で成り立っている部分もございます。この生活不安をどうするのか、こういうような問題が生じているわけであります。
 そんな中、与党三党の幹事長が、先月の二十一日ですか、ヘリコプターで四島を訪問をしていただきました。また、扇先生にはその前に訪問をしていただいているところでございますけれども、この与党三党の幹事長が行ったときに、野中幹事長が激甚災害の指定ということを与党の方針だというふうに述べられたことがございますが、早期指定の要望というものが出てきているところでありますが、この点の見通しにつきまして、国土庁長官、いかがでしょうか。
#383
○国務大臣(扇千景君) 私も七月に行ってまいりまして、現地の皆さん方、お目にかかり、七月十九日でございますけれども、状況も見てまいりました。また、通行どめのところも試験的に通ってみてくれということで、私も皆さんが安全になれるように、私が二次災害に遭ってもいいからということで試験的に通ったこともございます。
 今の激甚災害の話でございますけれども、大事なことは、私どももそれを考慮しておりますけれども、もともと市町村の負担します復旧工事、これに関しましての査定額が当該の都道府県、市町村の標準税収入の五割を超えるという基準がございます。御存じのとおり、三宅村は一億七千万、そして新島は一億九千万円、神津島は一億という程度でございますけれども、私が拝見したところだけでも既に神津島、新島におきましても被害が大きくて、指定の基準を超えるのはほぼ確実であるというふうに私は見てまいりました。
#384
○魚住裕一郎君 私も、もう六月末から何回か訪問をし、また党としても街頭募金も何とか展開をしているところでありますが、何とかお手伝いをしたいというふうに思っておるんですが、この関連で、平成七年に地震防災対策特別措置法というのがつくられました。これは阪神・淡路大震災を受けての話だと思いますが、五カ年計画をつくって、それで国庫補助率のかさ上げというような手法がとられているところであります。これが来年の三月三十一日までで、かさ上げの有効期限というものがあるわけでございますが、これも何とか延長してくれ、あるいは次期の計画にもかさ上げをしてもらいたいと、そういうような要望が有珠の問題あるいは各地の地震、そういう災害の部分で要望が出てきているところでございますが、この点についての見通しはいかがでしょうか。
#385
○国務大臣(扇千景君) 今、魚住先生お話しの、この法案は阪神・淡路大震災のときに平成七年に議員立法で制定されたというのはおっしゃったとおりでございますけれども、これはちょうど十二年度までの地震防災緊急事業五カ年計画をこれで作成したわけですね、この法案によって。それがちょうど切れますけれども、今までの総額が総計で十八兆五千億円をもって鋭意推進してきたわけですけれども、今年度で終了するということになっておりまして、まだいろんな地方からいろんな御要望が出ております。それは小学校の耐震化をもっとしてほしいということだとか、耐震性の貯水槽を初めとしまして防水用の施設を整備してほしい、その補助をしてほしい等々の御要望がたくさん来ております。
 そこで、いずれにしましても、この法律の改正につきましては、議員立法によっておつくりになりましたので議員立法によって改正手続をおとりになるんであろうと思いますけれども、少なくとも私たちとしましても、今後各方面と必要な連絡調整をしていきたいと思っておりますので、ぜひ先生方の議員立法での延長の御提出を私たちも後押しできればと思っております。
#386
○魚住裕一郎君 復旧にはやはり道路の問題があろうかと思います。都道、村道が中心になるわけですが、土砂崩れで通行できなくなっている、大きな岩が落ちてきている、そういうところでどうやって人力で移動できるのか。そういうような困難にも直面しながら一生懸命現場で対応しているところでありますが、ただいかんせん地震が続いているものですから二次災害ということもあり得るということで、なかなか遅々として進まないという側面があります。
 また、三宅については、扇先生も見られたと思いますが、灰が三センチから十六センチぐらい積もっているということもございまして、それに粘着質ある灰でありまして、ほとんど葉っぱに落ちても葉っぱから落ちない。私が行ったときちょうど雨が降って、その重みで木が曲がってしまう、しなってしまう、そういうようなところがあって、今度流れたら物すごい状況になるというようなことがございました。
 また、地震で道路自体が崩落しているような部分もありました。これは新島でございますが、そういうような復旧の見通しということと、それから土砂崩れの防止策をどういうふうにお考えなのか。例えば、神津島の場合、のり枠工法で今までやってきたものが、そののり枠自体が全面的に崩れてしまっている。また同じことをやっても、また今度は何かあったらあるんじゃないか。やはりこれは改良復旧というものを思い切ってやるしかないんじゃないかというふうに思っておりますが、この点についていかがでしょうか。
#387
○国務大臣(扇千景君) 今お説のように、私も見てまいりまして、それぞれの島にそれぞれの特徴がございます。今おっしゃいましたように、三宅島にはまさに泥流がございますし、山積しておりますものをどう処理するかという大変大きな問題になっておりますし、また先生が今おっしゃいましたように、二次災害ということも含めてこれは大きな問題になっておりますけれども、少なくとも私どもは七月五日以降現地へ、建設省の総括災害査定官というのがございまして、その査定官を専門家ですので派遣いたしまして、そして応急復旧工事の技術指導に当たっております。
 これは少なくとも東京都及び村において既に応急復旧をやっておりますけれども、建設省としましても早期復旧のために引き続いて技術提供をしようということで、技術を持っておりますので、早期の災害査定の必要から、八月十日から三宅島については第一次の災害の査定を行うように現地に査定官が参ります。
 それから、今御質問の二次災害につきましても、砂防工事というのが大変難しゅうございまして、再度の災害防止のために災害関係緊急事業を十カ所、約三十六億円を七月の末に採択いたしました。そして、既に仮設防護柵を現地に設置しておりますけれども、東京都と一緒に、神津島におきまして斜面の緊急点検を今、魚住先生がおっしゃいましたように東京都は行っておりますけれども、土砂災害に対する警戒避難基準雨量というのがございまして、これを早く、より厳しく設定するというようなことで、これも建設省の技術指導というのを、特にこの技術を持っておりますので、これも派遣をして現地でそれをしているところでございます。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
 それから、最後におっしゃいました、泥流が発生しているけれどもというお話でございましたけれども、これも七月二十六日に雨が予想外に降ったものですから泥流が発生して、都道及び砂防流路工に泥流が堆積いたしました。それに関しましては、建設省の土木研究所の支援をいたしまして、これも専門技術を持っておりますので、東京都が泥流の被害状況の調査を行いまして、その道路に流出した泥流の撤去に着手して、八月十五日、間もなくでございますけれども、これを八月十五日までに完了するという予定で全面的に建設省、国土庁、応援に行っておりますので、東京都と連携をして対策に当たっているというところでございます。
#388
○魚住裕一郎君 七月二十五日にこの公共事業の予備費の使い方を決めたと思うんですが、その中で二百億、有珠山の分も含めて枠というものを確保しましたが、この使い方といいますか、それはどういうふうなものになるんでしょうか。
#389
○国務大臣(扇千景君) 今の予備費のことでございますけれども、伊豆諸島の被害状況あるいは復旧状況に関しまして、私自身も先ほど申しましたように現地に参りまして、何としても地元の皆さん方の御意見を聞いて、この公共事業の予備費につきましては先般閣議で決定をいたしましたけれども、その中で二百億円の使用を保留しました。
 と申しますのも、これから災害にかかる復旧工事の費用がどの程度になるかという計算ができませんので、とりあえずこれを保留して、災害の確定あるいはどの程度かということを決めまして、これを改めてそれに対処して使用したいということを閣議決定したところでございます。
 私は、地元の皆さんの御要望も十分配慮してこれに充てたいと思っております。
#390
○魚住裕一郎君 農水大臣にお尋ねしたいんですが、まとめてお聞きいたします。
 林道復旧なんですが、同じようなことがありますが、神津においてはし尿処理場とかごみ焼却場、それから火葬場もこれ林道を通っていかなきゃ行けない。そこはほとんど使えなくなっている。その復旧の状況はどのようにお考えなのか。
 それから、農業も大きな被害が出ております。ビニールハウスはつぶれる、あるいはアシタバ栽培もほとんど火山灰でやられる、あるいは野菜栽培もやられてしまっている。それをどのような形で救済していくのか。
 それから、漁業。イセエビとかテングサも非常にとれなくなってきている。そういうようなことをどのような形で救済していくのか。まとめてお聞きいたします。
#391
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御質問の地震の関係につきましては、関係者の方々が大変な被害を受けられまして、本当にお見舞いを申し上げたいと思います。
 農林水産省といたしましては、農地の関係、林道の関係あるいは水産の関係、それぞれの分担の職員を現地に派遣いたしまして、その詳細なところを私どももお聞きしておるわけであります。
 そこで、ただいま御質問のございました林道につきましては、九カ所の被害がございましたうち現実にすぐ工事ができるのは一カ所だそうでございまして、あとのところは災害復旧の様子を見ながらこれに着手するというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この林道関係は災害復旧の立場からやりたいというふうに思っております。
 また、農地の保全につきましては、相当な灰が降っておるということでございますので、そういう点、災害復旧で農地の復旧をするのが一番よろしいわけでございますけれども、それほどでもないところもございますので、融資制度等々もございまして、そういう制度も活用しながらやっていただきたいということも地域住民の方々に広く普及をお願いしておるわけでございます。
 また、海岸、いわゆる水産につきましても、テングサ等の問題、特に干し場は村の所有だそうでございますので、村の所有については村が責任を持って復旧するということでございますが、でき得る限りの復旧についての援助も政府の方でもやりたいと考えておりますが、今のところまとまったところまでは行っておりません。
 そういうことでございまして、今後の水産の被害というものが相当あるんじゃなかろうかという危惧もあるわけでございますが、しかしそれは今後の対応を見ながらやっていきたい、こう考えております。
 以上でございます。
#392
○魚住裕一郎君 全力を挙げて救済策をお願いしたいと思います。
 続いて、運輸大臣にお願いをしたいんですが、港湾施設の状況、私もちょうど三宅に行ったときに、三池港に泥流がどっと流れてきて泥の中を歩いたということもあります。また、神津の多幸湾の方も都道が崩落して港へのアクセスがほとんどできないという状況でございました。この点についてと、それから式根を含めて四島については民宿といいますか観光がかなり大きな収入源になっておりまして、ほとんどキャンセルされている。新たな投資をしてもこれも回収できない。一年の稼ぎを七月、八月でみんな生活費を稼ぐ、そういう状況の中での大変な生活不安が生じているところでございまして、この救援策についてどのようにお考えなのか、運輸大臣にお願いをいたします。
#393
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 三宅島の港湾施設につきましては、これまでの伊豆諸島の地震について特別の被害は生じておらないようでございます。港湾施設に関しまして、泥流が確かに発生いたしましたが、既に除去いたしまして、旅客船等は通常どおり通っておるわけでございます。
 ただ、降灰地の道路について、現在、道路管理者が復旧に努めておるところでございまして、住民の生活や経済活動に影響が出ないように関係各省と相談をしながら全力を挙げてまいる所存でございます。
 また、民宿の宿泊等のキャンセルでございますが、確かにキャンセルが出ておるようでございます。運輸省はその実態の把握に努めておりますけれども、現在のところは東京都が調査をしておる最中でございまして、まだよくわかっておりません。ただ、輸送人員から推計いたしますと、相当のキャンセルが出ておる、そしてまた自主的に安全上の問題などからお断りをするというような民宿もございまして、相当なキャンセルが出ておる。輸送人員から推計いたしますと、大体五割になっておるというような状況でございます。
 地元の宿泊施設対策としては、政府系の中小企業金融公庫あるいは国民生活金融公庫あるいは商工組合中央金庫、災害復旧貸し付け等の対象にしておるわけでございまして、引き続き現地では地震活動が続いておるわけでございますが、これから全力を尽くしてその復旧に努めてまいりたい、このように思っております。
#394
○魚住裕一郎君 実際、そのキャンセル量は私の感覚だと九割方キャンセルされているのではないか、いるのは報道陣と私どもと都庁の関係者しかいないんじゃないか、これが実感でございまして、しっかりお願いしたいと思います。
 それで、だんだん時間がなくなってきましたのでまとめてお伺いしたいんですが、今、災害復旧貸付制度という話がございましたが、現場で聞きますと、非常に金利も高い、こういう災害時ですからぜひ低くしていただきたい、あるいは期間を長くしていただきたい、それから、わざわざ罹災証明が必要になってきて余計に大変だ、こういう声も上がってきておりまして、これらについて御答弁をいただきたいということと、それから文部大臣に一点だけ。
 新島の若郷小学校、裏に四メーターぐらいの大きな岩がありまして、私も現場へ行って見たんですが、あと一メーターぐらいで柱にぶつかります、これは。授業中だったわけですが、大変な災害になりかねなかった。それから、神津の方も、小学校の裏が矢割地区と言いまして、これも雨が来たら危ないなと、こういうような地域でございまして、実際に新学期になって使えるんだろうかと、その辺についての御見解をお伺いしたいと思いますが、通産大臣と文部大臣。
#395
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えいたします。
 御要望が二点あったと思うのでございます。
 まず、いわゆる金利を安くすべきではないか、こういうお話でございますけれども、災害救助法の発動を受けて直ちに政府系中小企業金融三機関が現在基準金利二・一五%でやっているわけであります。先ほどのお話にも関連いたしますけれども、激甚災害の指定等がつけばそこはまだ下がる、こういう余地になっておりますけれども、ここも我々としては別枠で融資をする、いわゆるかさを大きくして対処させていく、こういうことで当面対応させていただいています。
 それから、政府系中小企業三機関及び信用保証協会に対して返済猶予、少し延ばしたらどうだと。このことに対しましては、そういう既往の債務のいわゆる条件変更については、それぞれの中小企業の皆様方の立場を考えて弾力的に対処させていただきたい、こういうふうに思っております。
#396
○国務大臣(大島理森君) 魚住議員、早速に視察に行かれたそうでございまして、まさに若郷小学校につきましては大変な今御報告をいただいたような状況であると認識いたしております。
 いずれにしろ、今夏休み中でございますので、また地震も継続中ではありますが、夏休みが終わるあたりにどうするか、しっかりと対応できるように全力を尽くしてまいりたい、このように思っております。いずれにしろ、設置者からの要望に基づいて学校教育に支障を来さないようにしてまいりたい、こう思っております。
 神津小の場合におきましても、土砂崩れによって通学路の一部閉鎖、通学時の危険回避のそういうふうな道路がどうも相当いかれているということも承知いたしております。万全の体制をとるよう努力してまいりたい、こう思っております。
#397
○魚住裕一郎君 まだまだ問題点たくさんありますが、政府を挙げてこの災害支援に取り組んでいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。
#398
○委員長(倉田寛之君) 以上で松あきら君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#399
○委員長(倉田寛之君) 次に、阿部幸代君の質疑を行います。阿部幸代君。
#400
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。
 初めに、景気回復に軸足を置いた経済財政運営はどうあるべきかということに関して質問したいと思います。
 最初は、日本経済の現状認識と雇用対策についてです。
 総理は、財政運営が効果を発揮して明るい兆しである、しかしながら雇用と個人消費についてはまだ厳しい、こういう認識を所信表明演説でなさっていました。また、経済企画庁は、九九年の四月を景気の谷であるとして、しかしながら経済が拡大し続ける景気の本格的な回復軌道に乗ったということではないということで、景気回復宣言ではないということを強調しておられました。個人消費が弱いからだと思います。
 こういう認識に立つならば、景気回復に軸足を置いた経済財政運営と言うからにはこの雇用や個人消費にどういう手を打つのか、このことが最大の課題になるというふうに思うのですが、この課題認識、長官、お持ちですか。
#401
○国務大臣(堺屋太一君) 委員仰せのように、日本の経済は、各種の政策効果もあり、またアジア経済の回復もありまして、一時よりは回復をしてまいりまして、特に生産の面ではかなりの回復があり、企業の業績もよくなってきております。
 しかし、消費は依然として横ばい状況が続いておりまして、これが今大きな課題になっています。また、雇用の面は少し改善の兆しが見えまして、完全失業率も少し減りましたけれども、まだ高水準であります。新しい求人の数あるいは所定外労働の賃金総額なども少しはふえておりますが、まだまだ厳しい状況にあると思います。
 一般に申しまして、経済の回復の中では消費そして雇用というのは回復のおくれる方、遅行指数と言われるおくれる方でございます。やはり経済の回復の最大の目的は人間の生活を豊かにすることでございますから、消費を拡大する方向に持っていかねばならない。そのためにさらに景気を確実に自転して、みずから回転して回復する段階に進める必要があると、そういう強い認識を持っております。
#402
○阿部幸代君 深刻な雇用や個人消費にどういう手を打つのか、このことが課題であるということで共通ですね。
#403
○国務大臣(堺屋太一君) そのとおりでございます。
#404
○阿部幸代君 そうしますと、それではどういう手を打つのかということに次は議論を進める必要があるんだと思うんですが、参考のために長官にお聞きしたいんですけれども、日銀はいわゆるダム論というのを展開しています。企業収益というダムに水がたまれば、いずれは下流の雇用、所得にも水が流れ改善する、こういうダム論ですね。私は、このダムがどうやってできたのかが問題なのだと思うんです。
 ダムというのは大企業を中心とした企業収益と設備投資です。この収益改善の中身を見てみます。東証上場企業の経常利益は三一・四%と大幅なプラスです。ところが、売上高の方は〇・四%のマイナスです。売り上げが減りながら増益になっているわけです。これは売り上げが減ったよりも一層コスト削減、人件費というコスト削減、そのことによってもたらされた減収増益、リストラ増益だというふうに思うんです。このリストラ増益のために水がたまってきたのに、そのダムの水がいずれは下流の雇用、所得にも流れていくという認識で、これでは政策を誤るのではないかと思うんですけれども、長官はどうお考えでしょうか。
#405
○国務大臣(堺屋太一君) 企業の労働分配率というのがございますが、景気が非常にいいときにはあらゆる設備がフル回転いたしまして売り上げがふえる、その割に人は同じだ、ふやさないということで労働分配率が下がってまいります。
 バブルが崩壊してから不況の間、非常に労働分配率が上がりまして企業がもうからないという状態が続いたんです。それがようやくここへ参りましてやや回復してきた。そういう状態で、御指摘のように売り上げがふえないけれども利益が上がってきた、こういう状態ができております。
 これが続くと、本当に下流、つまり家計の方に水が流れていくんだろうか。日銀の言うダム論は正しいかどうかということでございますが、ごく一般的に言うと大体そうなるだろうと思うんですが、これには二つの条件があります。
 一つは、ダムにたまった利益が過去の不利益あるいは不良債権などに充てられるという、いわゆるダムの底抜け現象というのが起こっているんじゃないかというのが一つの問題点であります。もう一つは、第二のダムがあって、そこからあふれたのが家計に行かないで設備投資に行くとか外国へ流れるとか、そういうようなことがあるのではないかというような危惧もございます。
 一般的に言いますと、企業の利益が拡大し、それが設備投資に進み、そこで雇用がふえ、そしてまた残業手当や賃金にも回る、ボーナスも上がるというのが普通の現象でございますが、そういった幾つかの危惧があるということも事実でございます。
 今のところ、利益が上がってまいりまして、最近、ボーナスも夏のボーナスがわずかに上がってきた、あるいは新規雇用が少し出てきた等から見まして、日銀が言うほど楽観できないにいたしましても、やはりその傾向は、ダムに水がたまったから人々の生活も豊かになるという方向性は少し見えてきたんじゃないかという感じを持っております。
#406
○阿部幸代君 長期的な目での経済論ということではなくて、今国会、景気回復に軸足を置いた経済・財政運営ということで、景気最優先、そういう立場を総理は所信表明で打ち出したわけです。そういう意味では、今の答弁は非常に不徹底だというふうに私は思うんですね。
 それで、長官、経済白書というのがありますね。ここで経済企画庁、日本政府の立場は国民に明らかにされているんですね。百三十六ページです。生産増から雇用増へ、雇用増から所得増へ、所得増から消費増へという家計部門に通じるリンクについては時間がかかっている。企業は人件費削減努力をしており、一つ、中小企業を中心に雇用者数が減少していること、二つ、企業収益が改善しても賃金を抑制している動きが見られていることなどから、生産増が雇用増、所得増につながりにくくなっているためである、こう言っています。つまり、雇用減と所得減が消費が増大しない原因である、こういうことを認めているわけです。
 こういう分析、現状認識に立つならば、政府がとるべき立場はまず第一に雇用対策だと私は思うんですが、そうではありませんか。
#407
○国務大臣(堺屋太一君) 仰せのとおり、雇用増につながらなければ本格的な景気回復にはならないのでございますけれども、そのためには企業がまず設備投資ができるだけの新しい力を蓄える必要がある。今、やはりバブル崩壊以来、大変大きな負債が企業にも金融機関にもたまっておりまして、これにデフレギャップという、設備投資が多くてなかなかそれが追いつかない、そういう現象がございますので、従前の成長、右肩上がりの経済に比べますと、企業の回復から、これが雇用につながり賃金増につながるのが非常におくれているというか時間がかかっている、これは事実で、その経済白書の分析しているとおりでございます。
 さらに景気の回復を推進し、さらに新しい産業、新しい雇用の場がつくれるような構造改革をやっていかねばならない、私たちも一生懸命それを考えているところでございます。
#408
○阿部幸代君 長期的な議論になると、新しい雇用、新しい産業ということも私も議論になると思うんですが、やっぱり今国会で景気回復に軸足を置いたそういう経済・財政運営を打ち出して、景気最優先を打ち出したわけですから、今この局面で何をやらなければならないかということを私ははっきりさせたいと思うんです。
 長官おっしゃいましたように、右肩上がりの高度成長の日本経済ではなくなったという、低成長安定期というんでしょうか、こういうときの経済政策、財政運営、本当に問われるんだと思うんです。
 それで、きょう用意しました資料の一を見ていただきたいんですが、東洋経済統計月報八月号によりますと、生産増から消費増への定説が逆転、消費減から生産減となる可能性もある、こういうことを言っていて、きょう用意したグラフが載っているんですね。このグラフです。(資料を示す)
 景気の谷時点の数値を一〇〇としたグラフの鉱工業生産指数と民間最終消費を比べてみます。鉱工業生産指数は確かに回復基調を示しています。太い実線です。ところが、民間最終消費の方は谷を過ぎても下がり続け、上向く気配があるとはいうものの、いまだに谷の水準より下です。企業の業績が改善されれば家計の所得増、消費増という流れに結びついてもよさそうなものなのに、そうはならないということをこのグラフは示しています。
 それは、リストラと所得減が邪魔をしているからなんです。企業の業績を上向かせるために幾らてこ入れしても、それが消費に結びつかないのはリストラと所得減が邪魔をしているからなんです。財政・経済運営で企業業績に一層てこ入れをしても、リストラとそれによる所得減を放置しておけば消費は伸びない、そのことをこれは示していると思います。
 やっぱり長官、今政府がやるべきことは雇用対策ではないんでしょうか。
#409
○国務大臣(堺屋太一君) この図で見ていただくとわかるように、もうちょいでございます。
 まず企業が業績を回復し、いろいろバブルのときにあった傷跡あるいは設備が古くなったところ、そういったところを回復してまいりまして、そしてそれがやがて雇用増になり、賃金の増加になり、消費の増加になる、これが我々の言っている自律的回復ということなんです。ところが、まだ自律的回復が確認できるところに至っていない、もう少したたなきゃいけないというのがこの章でございます。
 これは、最初はまず景気が底抜けをしないように下支えをした、そしてようやく企業がこういうぐあいに自分で立てるようになった、そしてその次に企業が設備投資をして新しいものができていく、こういう順序がございまして、もうちょいでよくなってくるんじゃないかと思っております。
#410
○阿部幸代君 長官、やっぱり日銀のダム論だと思うんですね、私は。日銀のダム論と同じ立場に立っておられる。やはり低成長期、安定期の経済運営、財政運営というのは変える必要があるんだと思うんです。結局、経済の牽引力が個人消費に変わったんじゃないんですか、設備投資ではなくて。このことも実は経済白書で指摘をしているんですね。
 ちなみに、ダムなんですけれども、ダムの堤防を高くしていく、もっともっと水をためようという傾向がどうも見えるんです。
 ことしの夏のボーナス、労働省の調査では四年ぶり増加ということですけれども、一たん下がったものが少し上がった程度です。もとには戻っていないんですね。公務員が下がりますから、平均すると下がるんです。それから、三和総研の調査では、雇用者数の減少、リストラですよ、そのために支給総額が減少しているというんです。日経新聞の大企業百社社長アンケートでは、大幅に利益をふやしていても今後も雇用を削減すると、こう答えた社長さんが六割に上っているんです。今後も減らし続けるというんです。
 ですから、もうちょっとだなどと言って指をくわえていてはだめだし、企業業績にてこ入れをする従来型をやっていてはだめなんだと思うんです。
 長官、違いますか。
#411
○国務大臣(堺屋太一君) やはり、日本の経済は民間主導の自由経済でございますから、民間企業が利益が上がって、そしてどんどん設備投資をして新しい産業を起こしてくれないと本当に好景気にはならない。仮に、国が何らかの方法で雇用を擁護して、それが企業の利益を損なう、企業の将来性を損なうということになりますと、日本に投資をしないで外国へ投資をしてしまうとか、あるいは経営者が意欲を失うとかいうことになります。
 やはり、ここはまず企業を発展させるとともに、それが雇用につながるように、新しい産業が起こるような自由な労働市場をつくっていく、そういったことが必要だと思います。そういう政策でまず最初は下支えをし、それから徐々に構造転換の方に政策を変えておりまして、この雇用問題でも、従来はできるだけ今の雇用のまま、今の職種で保つのを、最近は新しい職種で雇われる、流動性を高め新しい求人にマッチした需要をつくり出そうと、そういうふうに転換してまいりました。
 だから、ちょっとこれは時間がかかっておりますけれども、そろそろよくなってくるんじゃないかというように期待しているところでございます。
#412
○阿部幸代君 景気の谷が九九年の四月ですから、もう一年以上たっていますね。それから、これから先も何か不透明な、私は期待感を持てませんけれども、指をくわえて待っていなければならないというのは、日本の国民、労働者にとっては本当に不幸なことだと思うんですね。
 経済白書で、企業業績がよくなってもそれが消費に結びつかないのは企業が人件費削減の努力をしているからだ、雇用減と所得減があるからだと、要するに消費が拡大しない理由をここまで認めて言っているんですよ。それなのに、それにてこ入れをする政策的な実行をしないというのは、言っていることとやることが違う、言行不一致になるというふうに私は思います。
 それで、じゃ雇用はどうするのかということなんですが、今まで政府がやってきたこと、やっぱり私は、雇用を悪化させる蛇口を閉めなければ、つまりリストラの規制です、これをやらなければどんなに緊急雇用対策を重ねてもやっぱり効果は出ないんだと思うんです。そのことも実は試され済みです。
 昨年春の七十万人の雇用増を目指した緊急雇用対策も効果が上がりませんでした。政府が新機軸として打ち出した新規・成長分野雇用創出特別奨励金、これは目標十五万人に対して千五百八十六人で、目標の〇・八%にとどまりました。この実績を踏まえて手直しをしてつくられたのがミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策、今度は三十五万人雇用増を目指すとされていますが、その中の目玉、新規・成長分野雇用創出特別奨励金は、今度は七万人の目標で、一カ月平均ですと五千八百人になりますが、六月の支給申請は七百二十八人です。うまくいっていない、そう思いませんか。
 これは労働大臣。
#413
○国務大臣(吉川芳男君) 雇用対策の効果等についてのお尋ねでございますが、創業や異業種進出を行う企業が労働者を雇い入れる際の支援策や、地方公共団体の創意工夫に基づき雇用・就職機会の創出を図る事業につきまして成果を上げているところであります。
 一方で、御指摘のように、この効果が不十分な支援策もあるところでありますが、このために各般の雇用対策の企業への周知を強力に推進するとともに、本年五月に策定したミスマッチ解消を重点とする緊急雇用対策において制度の利用の促進を図るための抜本的な拡充を行っているところであります。
 また、雇用保険三事業による今後の雇用対策のあり方について関係審議会において検討していただいているところであり、さらに実効性のある対策を講ずることができますよう引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
#414
○阿部幸代君 効果のないことをやっていて努力をしていても、それは徒労に終わるんではないかと思うんです。
 私も埼玉県で、政府がよく言う緊急地域雇用特別交付金ですか、この事業がうまくいっているということでおっしゃるんですが、ちょっと調べてみましたけれども、これは六カ月間という短期なんです。あくまでもつなぎの仕事ですね。埼玉では、旧石器時代の長尾根遺跡の発掘作業、これは人手が要るんです。こういうところに採用してこの事業を進めていますけれども、これはあくまでつなぎで、今失業している人たちは六カ月では次の仕事につけないんですよ。ですから、やっぱりこのリストラという雇用を悪化させる蛇口を閉めなければ政府の努力は実らないというふうに私は思うんです。
 よく情報通信関係ということで期待されていますけれども、この分野が一番リストラを進めているんですよね、NTTの二万一千人削減を初め。ですから、今雇用の受け皿がない状態になっているわけですよ。ですから、政府がやることはやっぱり実を結ばない。
 日本共産党は、解雇規制法、それからサービス残業根絶法、こういうのを提出して雇用を確保するということを提案しています。実は、これは単純に雇用対策というだけではなくて、景気回復、日本経済を再建する上でも有効な道につながるということ、このことはお認めになりますよね、大臣。
#415
○国務大臣(堺屋太一君) リストラを禁止いたしますと、企業の各分野の労働が固定されまして、各分野では赤字企業が続出してまいります。
 私も、一九六〇年、通産省に入りましたときに、石炭産業で雇用を維持するために解雇をしちゃいけない、あるいはその後国鉄でも同じことをやりました。しかし、大きな赤字を出しただけで、結局その職場を守ることはできませんでした。だから、リストラを禁止する、古くなっていく産業、効率を悪くする産業を規制するとか禁止するとかいうことは、やはり経済のバイタリティーを失わせるものだと思います。
 政府がいろいろと政策をとってまいりました結果、まだもうちょいと、先ほど申し上げましたけれども、ようやく新規求人数などがふえてまいりまして、新規求人倍率がこの四月から一・〇を超えるような状態になってまいりました。そういうように、やはり新しい産業が徐々に生まれてきている、この事実もやはり重要なことだと思っております。そういう産業が変わり技術が変わり世の中の需要が変わるに従って、やはり就業者の形態、就業形態も変わっていくのが世の中の進歩だと私は考えております。
#416
○阿部幸代君 長官、やっぱりもっと現実を直視していただきたいんですけれども、新規産業大いに結構です。でも、今、日本で問題になっているのは、新規産業、開業率よりも廃業率、廃業者がどんどん出ているということなんです。そのために失業者が出ていくんです。
 ですから、私どもは解雇四要件を知っています。これがきちっと守られるように、不当な解雇、人減らしが行われないように解雇規制法をつくるべきだ、そういう立場で法律を出したんですよ。禁止じゃありませんよ。産業のリストラクチャリングというのはあると思います。しかし、不当な解雇はいけないということなんです。
 それから、サービス残業を根絶すれば九十万人の雇用が確保できるというのは民間のシンクタンクの発表でもあるということで、ここでも雇用を確保していこうということで私たちは提案をしている次第です。
 次に、家計消費の実態と暮らしの支援ということで質問したいと思います。
 総務庁が行っている家計調査を見てみますと、消費支出が低迷し、ここ十年はほとんど変わっていません。資料二を見ていただきたいと思います。
 ところが、家計消費の中身を二十年前と比べてみますと、GDPは約二倍この間ふえているんですが、消費支出は名目で一・四五倍、可処分所得は一・五八倍、一方、医療費と年金や健康保険料などの社会保険料を足した支出を見ると二・三三倍に増加しています。教育費も二・〇六倍に増加しています。
 念のために総務庁にお聞きしますが、これは間違っていませんね。
#417
○政府参考人(井上達夫君) 総務庁が実施しております家計調査の結果のことでございますが、家計調査の結果による全国勤労者世帯における一九九九年、平成十一年の消費支出、可処分所得、教育費、保健医療費・社会保険料は、一九八〇年、昭和五十五年と比べまして、それぞれ一・四五倍、一・五八倍、二・〇六倍、二・三三倍となっております。先ほど読み上げたとおりでございます。
#418
○阿部幸代君 お配りした資料のグラフを見ていただきたいと思います。(資料を示す)
 この一番上が医療費と社会保険料の負担増をあらわしています。それから、二段目が教育費の負担増をあらわしています。三番目が、教育費とそれから医療費、社会保険料の負担増がどれだけ所得を圧迫し消費を窮屈なものにしているか、このことを読み取っていただきたいと思います。
 医療費と社会保険料を足して二十年前と比べたのは、医療改悪で窓口の患者本人の直接負担がふえましたから、この分があたかも自由に使えるお金であるかのように扱われることにちょっと不合理を覚えたからなんです。つまり、生きるのに最低限必要なお金という意味でも、医療費を自由な消費に回るお金と区別してみました。
 家計における医療費と社会保険料の合計が二十年間で二・三三倍に増加。ちなみに物価上昇率は一・三倍です。ゆとりのある暮らしに必要な自由な消費を妨げているとお思いになりませんか。
#419
○国務大臣(堺屋太一君) 大きく言いますと、人間の生活の中で、エンゲル指数という食費が減って、こういう医療費あるいは教育費がふえるというのは一般的傾向ではあります。
 特に日本の場合、医療費がどんどん上がってきているというのは、一つは人口の高齢化によります医療の増加、それからもう一つはやはり医療の高度化、そういったものと深く関係があると思います。ただ、アメリカあたりに比べますと、日本の医療が出来高払いであるとか、そういうような細かい問題点はいろいろあろうかと思いますが、医療費が増加するというのは、この人口構造や高度化の面から当然の傾向、日本の社会の流れだろうと思っております。
#420
○阿部幸代君 「景気回復に軸足を置いた経済・財政運営を行い、景気を自律的回復軌道に乗せていく」、これが総理の公約ですよ、今度の国会の。いわば、景気最優先の立場をとりながら、秋には医療改悪をやろうとしています。既に行われた通常国会で年金改悪等と含めると、二兆円の負担増並びに給付減になります。これでは家計はますます防衛姿勢を強めて消費を抑圧する、抑制するようになるのではないでしょうか。
 長官、この景気、経済の側面から見てほしいんですね。
#421
○国務大臣(堺屋太一君) ちょっと医療保険の内容につきましては厚生大臣の担当でございますので詳しく私が申し上げるわけにいきませんけれども、やはり医療の合理化あるいは技術進歩によって医療コストの引き下げ型の技術進歩をつくる、そういったような医療制度全体が経済的合理性を持ってくるというような方向は必要だと思います。
#422
○阿部幸代君 要するに、個人消費を温めるということは、ゆとりある暮らしをするために必要なそういう所得ですね、そこが膨らんでいかなきゃいけないわけですよ。ところが、最初から社会保険料だとかあるいは医療費だとか、そういうものが余りにも大きく削られますから、本当に自由に使えるお金が乏しくなり、消費が窮屈になるんですよ。このことが、経済の低成長期に入って、本当に経済発展、景気をよくする上で大きな妨げになっているということを私は言っているんですね。
 もう一つ、教育費の問題なんですが、教育費が、負担が二・〇六倍に増加したことも、これも深刻です、物価上昇率一・三倍ですから。私は、中でも高等教育費の負担が日本では余りにも大きいということにずっと胸を痛めてきました。国立大学の授業料、この二十年間で二・六六倍ふえたんです。ちなみに、私の学生時代と比べますと四十七倍です。この話をすると皆さん驚きます。この授業料、学費を含む教育費が二十年間に二・〇六倍も増加したこともゆとりのある暮らしに必要な自由な消費の妨げになっていると思いませんか。
#423
○国務大臣(堺屋太一君) 医療も教育も、それぞれの個人の選択の分野がかなり大きいだろうと思います。
 教育費につきましては、例えば教師一人当たりの生徒数などを見ましても、昭和五十五年に小学校では二十五・三人だったのが現在は十八・二人、あるいは高等学校では十九・〇人だったのが十五・五人と、いろいろと教育の高度化といいますか、十分な教育をしようということもございます。また、親御さんたちもいろいろと、お子さんの数が減ってまいりましてさまざまな教育の負担を、新しい教育をなさる、あるいは多様な教育をなさる、そういうことから教育費が高くなってきているということだと思います。
 これは、経済の面から見ますと教育も医療も一つの需要でございまして、その回転はもちろんあるのでございますが、それが他の消費を抑えているということは確かにそうでございます。したがって、教育においてもそういった経済性というものを無視できない時代に来ているとは思うのでございますけれども、やはり教育は教育で大事なことでございますから、これにお金を惜しむべきかどうか、これはまた文部大臣その他いろいろお考えのことだと思います。
#424
○阿部幸代君 最後に一言。
#425
○委員長(倉田寛之君) 阿部君、時間が参っておりますが。
#426
○阿部幸代君 教育費の公費負担の国際比較をしてみますと、日本がどれだけ公費負担が少ないかということがよくわかります。きょう用意した資料の三枚目と四枚目になります。この分、本当に日本の国民は暮らしを豊かにする自由な消費のお金がないんです。そのために景気や日本経済がよくなるその条件が奪われているということを直視していただきたい、そのことを主張して終わります。
#427
○委員長(倉田寛之君) 以上で阿部幸代君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#428
○委員長(倉田寛之君) 次に、清水澄子君の質疑を行います。清水澄子君。
#429
○清水澄子君 私は、河野外務大臣にお伺いしたいと思います。
 六月十三日、朝鮮半島では南北分断以来初めて南北の首脳会談が開かれて、日本周辺の東北アジアに劇的な変化が起きていると思います。まさに脱冷戦の始まりと言えると思うわけです。
 この鮮やかな和解外交を実現した南北朝鮮の両指導者の政治的決断力、そしてそのリーダーシップをどのように評価しておられるでしょうか。
#430
○国務大臣(河野洋平君) 半世紀を超える分断された民族を統一しようという両首脳の決断というものはまことに、評価は幾ら評価してもいいというふうに私は思います。
 キム・デジュン大統領は、もう二十年あるいは三十年近く包容政策というものを主張し続けて、その結果、政治的には大変厳しい状況に何度も遭うという経験をされながらも、その主張を変えずに一貫してこうした事態をつくり上げる努力をしてこられたわけでございますし、一方、キム・ジョンイル総書記も恐らくさまざまな厳しい状況に直面をしたこともあったに違いないと思いますが、今回思い切ってこういう和解といいますか話し合いをされた。この決断は、何と申し上げていいかわかりませんが、非常に個人的な感情でいえば見事だというふうに思います。
#431
○清水澄子君 そこで、分断後初めて両首脳が南北共同宣言に署名をいたしました。その南北共同宣言の内容、その意義、そしてそれが具体的にどのような進行をしているのかということについてお伺いをしたいわけです。同時に、この民族和解が進展していくために日本はどのような協力が可能だとお考えでしょうか。
#432
○国務大臣(河野洋平君) 両首脳はピョンヤンで会談をされまして、統一の問題、離散家族の問題、経済協力の問題、あるいは当局間対話の問題、それからキム・ジョンイル総書記の訪韓などについて書かれた南北共同文書に署名をされました。首脳が直接意見を交換し、文書にしてこれに署名をされたということは、まさに画期的なことだと思います。
 我が国といたしましては、そうした事態を受けまして、G8の首脳会議等でこの動きを歓迎し、これを後押ししようではないかということを呼びかけて、G8のメンバーの合意を得て後押しをしようという文書を特別に発出したところでございます。
#433
○清水澄子君 ことしの八月十五日というのは、これは私ども日本にとれば敗戦の日ですが、朝鮮民族にとれば日本の植民地支配から解放された解放記念日に当たる。その日の光復節というのは、両民族が合同でいろんな行事をやり、そしてこの南北共同宣言を実行していくことをお互いに誓い合うと。そういう非常に急速な和解への行事などが周辺で行われていくわけですから、私どももよほど、この歴史の変化にやはり対応できる、そういう日本の中での政策状況もつくり変えなきゃいけないことが多くなると思うわけです。
 そういう中で、大臣、日本が朝鮮民主主義人民共和国に対する歴史的責任を果たして一日も早く日朝国交を回復するということが、これらの動き、両民族だけでなくて東アジアの冷戦解消に、非常にこれは大きな貢献につながると思うわけですけれども、それらについてはどのような御認識でしょうか。
#434
○国務大臣(河野洋平君) 朝鮮半島がその緊張を緩和するという方向に進みますことは、我が国にとって大変いいことだと思います。
 まだ両首脳が会談をしたというだけで、幕があいたという段階だろうと思います。実態としてどういう状況がこれからその舞台の上で展開をするかということはまだわからない状況でございますけれども、少なくとも緊張緩和の方向に動き出したということについては我々は評価をしていいかと思います。したがって、この動きを後押しする、この動きが後戻りしないことを願って後押しをするということが重要ではないかと思います。
 ただ、我が国にとりましては、韓国との間は大変今いい関係になっておりますが、他方、朝鮮民主主義人民共和国との間は国交が不正常な状況のままでございます。この不正常な状況を正常化する、そういう努力が我々にとって重要だと思います。
#435
○清水澄子君 七月二十六日に外務大臣はバンコクで、これもまた初めて朝鮮民主主義人民共和国の白南淳外務大臣と会談されました。そして、共同文書で、日朝間の過去を清算する、その早期実現のために互いにあらゆる努力を払うということを表明されましたけれども、これらの具体的な内容というのはどういうことをお考えになっているんでしょうか。
#436
○国務大臣(河野洋平君) 朝鮮民主主義人民共和国の外相と史上初めての外相会談を行いました。時間も二十分間という限られた時間でございますから、ごくごく原則的なお話し合いでございました。
 お互いにお互いの人物を確かめるということと同時に、私どもは新しい善隣友好関係を築こうということを申し合わせまして、その一環として、現在我々が持っている諸問題についてこれを適切に処理するために双方が誠実に努力をしよう、こういうことを申し合わせたわけでございます。さらに、八月二十一日から東京で第二回、再開後第二回目の、一回目からいえば第十回目の日朝国交正常化交渉を行うという合意をした次第でございます。
#437
○清水澄子君 やはり日朝間の関係正常化の第一の原則は、過去の歴史を清算するということが第一であると思いますので、そのことについてはやはり積極的に進めていただきたいと思います。
 もちろん、金大中大統領の南北首脳会談の成功も、敵対ではなくて和解と協力という、そういう政策がああいう今日の状況を開いたと思いますし、そのことがアメリカの対北朝鮮政策をも変えていった、ペリー報告に変わっていった。やはり、冷戦をどう終わらせるか、そこに大きな眼目を置いているということについても日本の役割は大きいと思いますので、その点の積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 そこで、実はきょう八月八日という日は、もう日本人はほとんど忘れておると思いますが、きょうは韓国の金大中氏が東京のホテル・グランドパレスから拉致されて二十七年目に当たります。きょう参議院会館で、韓国からも国会議員やいろんな方がおいでになりまして、改めて金大中事件を考える会というのを今やっておりますけれども、大臣、この金大中拉致事件とはどういう事件であったのか。その経緯と日本政府のとった処置について御説明いただきたいと思います。
#438
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘のとおり昭和四十八年、すなわち一九七三年に東京の九段のホテルからキム・デジュン氏が拉致された事件でございます。発生以来、ことしで二十七年でございますが、本件につきましては、当時の捜査の結果、在京韓国大使館書記官が犯行に加担した容疑が濃厚となったものの、結局、韓国側の公権力の行使を裏づける確証を得ることができずに、当時の日韓双方の最高首脳が日韓友好関係の維持という日韓関係の大局を考えて、高度な政治判断から外交的決着を図ったものでございます。
#439
○清水澄子君 この事件は、もう今私は深く申し上げませんけれども、はっきりしていることは、日本政府は金大中氏の人権を守れなかったということ、それから日本の主権が侵されたということだと思います。これらの事実についてはもう既に明白になっておりますけれども、当時の被害者でありました金大中さんは今や韓国の大統領になっておられます。しかも、対立と緊張が続いたこの朝鮮半島は、やはり金大中氏の外交努力によってこれだけの和解と協力の関係に変わってきていることであります。
 私は、だからこういうこの今の時期にこそ私はこの問題の解決のチャンスではないかと考えております。私は、日本政府はこれはやっぱり主体的に金大中氏に謝罪をして、そして私はこの政治決着を見直すということで、日韓両国間に刺さったとげを、これをやっぱり取り除くというそういう英断が今求められていると思うわけですけれども、大臣、ぜひこの政治決着を見直す積極的な答弁をお願いしたいと思います。
#440
○国務大臣(河野洋平君) キム・デジュン氏拉致事件はまことに不幸な出来事であったと考えておりますが、本事件に関する外交的決着は、その当時の日韓双方の最高首脳が日韓関係の大局を考えて高度な政治的判断を下したものであると考えております。
 以来、本事件が発生して既に二十七年が経過をしましたが、この間、韓国の政権は、パク・チョンヒ大統領からチョン・ドゥホアン大統領、ノ・テウ大統領からさらにキム・ヨンサム大統領を経て、一九九八年二月には金大中氏が大統領に就任するに至りました。その間……(「キム・デジュン」と呼ぶ者あり)失礼、キム・デジュン氏が大統領に就任するに至りました。
 その間、韓国国内では民主化が進展し、また日韓関係については、キム・デジュン大統領の一九九八年十月の我が国への公式訪問において二十一世紀に向けた新たな日韓パートナーシップの構築に合意して以来、飛躍的な進展を見せ、極めて良好に推移している状況にございます。このような過去二十七年の歩みと現在のかつてなく良好な日韓関係の現状を見るとき、私としても、この間の日韓関係の大きな歴史の流れに深い感慨の念を禁じ得ないものがございます。
 本事件について申し上げれば、キム・デジュン大統領御自身が、当事者の責任は問わないが真相は解明されなくてはならないとの考えとともに、この問題を両国政府間で取り上げる意向はないこともあわせ表明されていると承知をしておりまして、我が国としては、大統領のこうしたお気持ちを尊重したいと存じます。
#441
○清水澄子君 大統領が、国家間で今さら犯人を捜して処罰するということはしないということをおっしゃっています。しかし、歴史の事実は、きちんと日本が原状回復をできなかったことについては謝罪し、本来なら、その次には韓国は日本の主権を侵したことを処理しなければならないだろうと思いますけれども、やはり日本にいて起きた問題ですから、このことについては、私はこのまま金大中事件を封印してしまわないで、歴史のゆがみというものはやはり正していく、そういう誠意ある政治というものが非常に重要だと考えますので、ぜひ人間の良心に基づいた政治の決断をされることをあえて求めて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、今度は公共事業の予算でございますけれども、政府や自民党挙げて公共事業の見直しを唱えているように見えますけれども、その内容には私は非常に異論がございます。それは、見直し論議の一方で、今年度当初予算でもまた五千億円の公共事業予備費を組んでおります。しかも、ことしは早々と七月二十五日にその使用、つまり分配を決められました。
 そこで、大蔵大臣にお伺いしたいわけですけれども、これだけ政府・与党も公共事業の見直しを言っておられるわけですが、なぜ五千億円の使用を凍結されなかったのか。その使用を去年よりも早く決めなければならなかった理由、その緊急性は何なのかということです。
 そしてもう一つは、こういう状況であるならば、九月には補正予算で重ねて公共事業を積み増しするということはないのであろうと思いますが、その点、大蔵大臣、どうなのでしょうか。
#442
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年よりもことし、早く公共事業予備費を使用決定いたしました、七月二十五日でございましたが。
 これは、やはり感じとしましては、昨年はかなり大きな補正予算を年の秋あるいは暮れにかけて組まなければならない。これは当然十五カ月予算みたいな感じでおりましたから、それに至るまでの間という感じが五千億にございまして、したがってこれが少しおくれております。
 ことしは、ここが今、清水委員の御質問の大事な点でございますが、四―六がどういう経済になるかはともかくとして、昨年のように大きな補正予算を公共事業を中心につくらなきゃならないという感じとはちょっと違っておりまして、もし何かあるとしてもなるべく二十一世紀に向かってというようないわば新生対策費のようなものを中心にやりたい、もしやるとしても、と思っておりますものですから。そうしますと、この五千億は少し早い時期に施行した方がいいだろうということで施行をいたしました。たまたま火山活動があったりしたことも一つの誘因にはなりましたけれども、実際として、後に大きな補正を去年のようには考えていないという意味で、この五千億の分を比較的早く施行した方がいいんではないかというふうに私としては考えたわけです。
#443
○清水澄子君 ちょっとわかりかねますね。それはよく言われている、選挙対策じゃないかとも言われましたけれども、それじゃなくて、私はやっぱり大蔵大臣が本当に今の財政状況の中でどのように今後この公共事業の予備費を考えていかれるのか、また補正予算について、いろんな合唱はあるでしょうけれども、どういうふうにお考えになっているかということをもっと根本的な今後の財政対策からもお伺いをしたかったわけです。
 そこで、ちょっと官房長官にお伺いいたします。
 中川官房長官が各省庁に各種の予算獲得大会を中止するように指示をされました。これを野中幹事長が補足をしたと報道されているわけですけれども、官房長官が指示された内容はどういうことなんですか。そして、野中さんと同じ考えなんでしょうか。
#444
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。
 来十三年度予算編成に当たっては、中央省庁等改革の実施を踏まえ、国民のニーズに即応した政策立案や二十一世紀の我が国にふさわしい行政運営を実現していくための財政の効率化、質、内容の改善、これに努めていく必要がございまして、特に公共事業については、十三年度予算においてそのあり方について抜本見直しを行うこととしておるわけでございます。
 この点に関連しまして、七月二十八日の財政首脳会議において、与党側から、各省庁がその既得権益を守るため関係議員等に根回しを行うようなことのないこと、第二として、その関連の諸団体等が予算獲得のために行う大会開催等は厳に慎むべきことについて各省庁に徹底する必要がある旨の御意見をいただいたところでございます。
 このような与党側からの御意見を踏まえて、七月三十一日の事務次官会議において各次官に、事務当局にこの点を徹底していただくようお願いしたところでございます。
 諸団体が行う大会にはさまざまな性格のものがございますが、与党側の御意見の趣旨も、省益のために各省庁の方からそういう大会を働きかけるような、そういうようなことはすべきではない、こういう御趣旨であると理解をいたしまして、各省庁にその旨役所の方から働きかけたような大会は厳に慎んでいただきたい、こういうふうに各次官にお願いしたものでございます。
#445
○清水澄子君 そういうことはとてもいい指示をなさったとは思いますけれども、役所が主導して開く予算獲得大会という、こういう形がこれまでは普通だったということになりますね。
 そして、野中幹事長は、業界が自主的に開く大会は中止させるものではないというふうにおっしゃっているわけですけれども、例えば業界の自主開催といっても、そこに担当の省庁の局長とか課長が出席して説明するならば、それはほとんど変わらないんじゃないかと思います。特に、今までもこういう大会で、公共事業の分配というのは担当課長の予算獲得とか高級官僚の権限を広げるという側面があったと思うわけですけれども、今回、官房長官がこのような役所主導の予算獲得大会の禁止を具体的に指示された、これをどのような方法で担保されるおつもりですか。
#446
○国務大臣(中川秀直君) 私は政府の立場でございますので、政府の関係各省庁、次官を通じて、それに対して厳にこういう点については慎んでいただきたいということを財政首脳会議の議論を踏まえて指示をさせていただいたということでございまして、民間の団体、それぞれ任意の独自の性格を持った団体にそういう指示を出すということは私の権限の及ばざるところでございます。その点が第一点。
 では、各省庁がすべて今までそういう大会ばかりだったとは必ずしも思いませんが、各省庁が根回しをし、そして働きかけてそういう大会を持ったということ、これは慎んでいただきたいと申しておるわけでございますから、さようなことがございますれば再度注意をして慎んでいただくようにしていくということに尽きると思っております。
#447
○清水澄子君 ぜひそれを本当に厳正に対処していただきたいと思います。
 次に、大蔵大臣にお伺いいたします。
 自民党の一部では、公共事業の定義を拡大しようとしてそのための財政法の改正までも検討をされているというふうに聞いております。
 大蔵大臣、この財政法第四条に言う公共事業をどう解釈されているでしょうか。また、財政運営上のこの四条の意味というのは何なのか、それに基づく公共事業の耐用年数というのは一体何年なんでしょうか。
#448
○国務大臣(宮澤喜一君) もうよく御承知のとおり、財政法四条で言いますところは、政府の資本的支出でも非常に耐用年数の長い支出、耐用年数の長いものについては、これは場合によっては後の世代の負担にしてもらってもいい。世代間の負担の分配というのですか、そういう思想に基づいて書かれておると思いますから、一般に今、建物ならば六十年とかいったようなことを言っているわけですが、別に六十年と書いてあるわけではございません。ただ、税法の耐久消費財の耐用年数がたしか六十年であったりなんかしたもので、まあその辺だなということ。
 したがって、そのための国債も六十年償還というようなことに、何となく六十年と考えられてきておりますけれども、きちんとした規則があるわけではありませんで、現実には建物をつくりましたときに空調設備なんかを入れますと、それは建設国債の対象になっております。実際は六十年はないんだと思いますけれども、これはむしろ分けるのが不自然だというようなことで現実には行われておるわけです。
 ところで、今度、自民党に起こりました議論は、公共事業の抜本的見直しをするときに今の問題にぶち当たって、たまたま行政ではもうそういう問題は既にありまして、ある程度の解決がなされていたわけですけれども、そのような同じ問題に、恐らくは何かコンピューター関連の施設をするときに、そういう施設がどうだろうかこうだろうかとか、それは建設国債の対象になってもいいじゃないかとかいうことが具体的に出てきまして、そうだそうだと、それを一遍六十年で分けるのはおかしいじゃないかという議論に発展していったように見えますけれども、オプティカルファイバーなんかの関連だったと思うんですが、私どもはその問題は現実的にある程度のものは解決してきたものですから、その話だったら財政法四条を書きかえるということでなくても現実な解決というのは幾つかあるんではないかということをまたお話ししたりしているうちに、今の段階は財政法四条を改正するということから少し展開いたしまして、実際に必要な、情報化に必要な施設のある部分が仮に何十年という耐久消費財でなくても、一緒に工事として考えてもいいじゃないかといったような現実的な解決ができるのではないかというふうに今模索をしているという段階だと思っております。
 もともと、ちょっと一部報道されましたように、何でもかんでも建設国債でやりゃ楽になると、やっちまえというようなことではどうもなかったように思います。
#449
○清水澄子君 でも、その点はやはり明確にされないと、やっぱり今おっしゃっておられるように、第四条を改正しなくてもいろいろ現実的に対応できる部分があるんじゃないかという点は、一面的に聞けば善意なんですけれども、しかしそれらが拡張していく、無限に制限なしに広がるという、こういうことになれば、やはり今までは六十年間の耐用のものだから次の世代への財産だなんという形で国債発行を、建設国債の発行が認められてきたわけだと思うんですね。それが非常に短い、そういう耐用年数が一世代以下しかないといったときには非常に今度は建設国債だけがふえていって、そしてその借金がずっと残っていくという、こういう問題が起きてきて、しかも今日の財政法の違反にもなると思うんですね。
 ですから、そういう意味で、これをやはり寿命の短い設備投資に法を曲げてこういう適債事業の範囲を広げるということは、今後の財政上、財政秩序の上でこれは短期的そして長期的にどういう影響を及ぼすか、このことについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
#450
○国務大臣(宮澤喜一君) 御趣旨はよくわかっておりますし、十分注意するつもりでございますが、正直言いまして、借金の少なかった昔ならともかく、これだけ借金してしまいますと、ちょっとやそっとカンニングしたってどうにもなりませんので、どっちも借金なんですから。それはなるべく少なくしようという、割にそういう常識の方が私は勝ってくるだろうと思います。
#451
○清水澄子君 ぜひこの公共事業見直しという名のもとでそういう国債会計とか、こういう事業が公共事業という名のもとでいろんなことが広がる、こういう拡大や改悪をすることというのは絶対に注意をしていただきたいし、私は絶対それはやめていただきたいと思います。
 次に、やはり公務員の今度は人材バンクについてお伺いをしたいわけです。
 総務庁の方、いらっしゃいますか。──公共事業による官民癒着と関連をして、高級官僚の天下りについて伺いたいと思うんです。
 四月に発足しました国家公務員の人材バンクの背景、それと……
#452
○委員長(倉田寛之君) ゼロになると関連質疑なくなりますよ。
#453
○清水澄子君 はい。
 この就職状況、現状ですね、それと、それに対してこれらが隠れみのにならないために……
#454
○委員長(倉田寛之君) ゼロになったらだめですよ。
#455
○清水澄子君 総務庁はどのような手段を講じられるかということ。
#456
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 国家公務員人材バンクは、平成十一年三月の公務員制度調査会答申における「公務員の再就職について、権限等を背景とした押し付けではないかという批判にこたえうる透明な仕組みの一つとして、人材バンクを導入すべきである。」との指摘を踏まえまして、政府として同年四月の中央省庁等改革推進本部決定において、再就職の公正性、透明性を確保するため、公務員の人材情報と企業等からの求人情報を集め、両者の調整等を行う仕組みとしてその導入の方針を決定したものでございます。この方針を受けまして、十一年の九月、内閣に国家公務員退職者等人材バンク推進連絡会議を設置し、具体的な仕組みを検討し、本年四月から人材バンクの円滑な導入に資するため、試行人材バンクとして運用を開始したものでございます。
 その対象職員は、本省庁課長職以上かつ年齢五十歳以上の国家公務員で、現在九百人が登録されております。本年四月以降、政府広報、インターネット、経団連等を通じまして仕組みの周知等に努めており、民間企業等から若干の求人登録等は出ておりますけれども、まだ就職には至っておりません。
 以上でございます。
#457
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。照屋寛徳君。
#458
○照屋寛徳君 外務大臣にお伺いをいたします。
 十五年使用期限の問題ですが、外務大臣は十五年使用期限の設定について、稲嶺知事や岸本市長は県内移設受け入れの前提条件として政府に要求しているのか、単なるお願いというふうに理解をしているんですか、どちらなんでしょうか。
#459
○国務大臣(河野洋平君) 閣議決定を私どもいたしましたときに、地元の話につきましては、知事及び市長から要請がなされたことを重く受けとめというふうに閣議決定の中に書き込んでございまして、私どもの受けとめ方は地元から要請があった、こういう受けとめ方になっております。
#460
○照屋寛徳君 そうすると、知事や市長ははっきりこれは前提条件だ、だから十五年が約束されなければだめなんだ、こう言っているんですが、その限りにおいては、知事や市長と政府の受けとめ方は全然違うわけですな。
#461
○国務大臣(河野洋平君) 私どもは重く受けとめると言っておりますことは、まさにただ単なる地元からのお話というふうに軽く受けとめているわけではございません。十分重く受けとめておるわけでございます。
#462
○照屋寛徳君 重くとか軽くとか、これで決められたら困るんです。市長ははっきり、それから知事も十五年は自分の公約なんだ、十五年が日米間で約束できなければこれはだめですよと言っているんですよ。
 どうなんですか、重い軽いの問題じゃないんです。
#463
○国務大臣(河野洋平君) 私は、地元の知事さんあるいは市長さんの文書等を拝見をいたしました。たしかその中には、移設に当たって整備すべき条件というふうに書いてあったと記憶をいたしております。これは、移設に当たって整備すべき条件と、こう書いてあるわけでございますから、今、照屋議員がおっしゃるように、これは条件じゃないかとおっしゃるお気持ちもよく理解をいたしております。
 しかし、私は、閣議の中では御要請を重く受けとめろ、こういう閣議決定がございますので、その閣議決定というものを今御説明をしたわけでございます。
#464
○照屋寛徳君 そうすると、知事や市長が県民に説明をしている移設の前提条件だということと政府が受けとめていることとは、私は今の大臣の答弁だと全然違う、こういうふうに思わざるを得ない。
 それでは大臣、この十五年使用期限を付すということが日米間で決着を見ないまま、合意を見ないままに普天間飛行場の代替施設の位置や規模や工法を決めていこう、こういうことなんでしょうか。
#465
○国務大臣(河野洋平君) 私どもは、今も御説明を申し上げましたように、閣議決定というものがございまして、しかしその閣議決定を念頭に置きながら、やはり地元の方々の生活環境でございますとかあるいは自然環境でございますとか、こういったことに極力配慮をしながら基本的な作業をしていくということではないかと考えております。
#466
○照屋寛徳君 この代替施設の位置や規模や工法を決める国、県、市の協議機関、これはいつまでにつくる予定なんでしょうか。
#467
○国務大臣(河野洋平君) 目下、それらについて話し合っているところでございます。
#468
○照屋寛徳君 今の件について、防衛庁長官、協議機関はいつまでにつくるんですか。
#469
○国務大臣(中川秀直君) 担当は私ではないかと存じますので御答弁申し上げます。
 できるだけ早く立ち上げるべく、今、地元と調整をさせていただいているという状況でございます。
#470
○照屋寛徳君 それでは、官房長官にもお伺いしましょう。
 内閣のかなめの官房長官、この十五年の使用期限ですね、官房長官としては移設受け入れの前提条件だとお思いですか、単なるお願い、要望、こういうふうに受けとめておられるんですか。
#471
○国務大臣(中川秀直君) 先ほど来外務大臣が御答弁申し上げておりますとおり、地元から、それも条件という御要請がある、その御要請を重く受けとめて対処していく、こういうことであろうと存じます。
#472
○照屋寛徳君 私は、この使用期限の問題というのは、日米間で合意を得る、こういうことでなければ今の知事や市長が言っていることは県民をだますことになると思うんですよね。この十五年問題が決着つかないのに、官房長官、協議会において位置や規模、工法を決めていくんですか、本当に、どうなんでしょうか。
#473
○国務大臣(中川秀直君) 先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、そのことも含めまして協議機関を立ち上げると。これは一方的に国が決めるということではございませんで、県やまた関係地元自治体、こういった方々と御一緒に協議をする、その場を立ち上げるということでございますので、先ほど来委員がおっしゃることも御答弁申し上げているつもりでございますし、そういう中で対処してまいりたいと思っています。
#474
○照屋寛徳君 防衛庁長官、あなたは七月五日の報道各社とのインタビューで、十五年使用期限なんというのは至難のわざどころか不可能だと、こういったことを記者会見で発表した。ところが、深夜になってあれは撤回しますと。くるくるくるくる、防衛の最高責任者が知事や市長が言っている十五年使用期限を付すのは不可能だと言ったり、ころりと撤回したり、どういう真意なんですか、あなたは。
#475
○国務大臣(虎島和夫君) 本件に関しましては、関係皆様にいろいろと御配慮をいただきましたことに感謝を申し上げたいと存じます。
 当初の私の発言が不十分であり、その意を尽くしておりませんでしたので、お説のように、同発言を撤回させていただきました。
 私といたしましては、使用期限問題につきましては、平成十一年十二月二十八日の閣議決定、すなわち、「政府としては、代替施設の使用期限については、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しているが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくこととする。」との具現化に努めたいと改めて述べさせていただくものであります。
 以上であります。
#476
○照屋寛徳君 防衛庁長官、あなたはアメリカに対して防衛の責任者として十五年使用期限を要求していきますか。
#477
○国務大臣(虎島和夫君) 沖縄の知事さん、名護市長さんからの要請がなされたことを重く受けとめる、これはもう内閣の決定であります。これを米国政府との話し合いの中で取り上げるということは申し上げます。
#478
○照屋寛徳君 不可能だと言ったのがあなたの本音だと思うんですよね。あれは正直に言ったことだと思いますよ。
 さて、七月の二十六日に、防衛庁長官、航空自衛隊の三等空佐が入間基地から那覇基地まで引っ越し荷物を運んだ、こんなひどい話がありましたね。
 事案の経過と、この事件についての処分はどうなったんですか。
#479
○政務次官(鈴木正孝君) お答えをいたします。
 今、先生、ひょっとして七月の二十六日とおっしゃったかもしれませんけれども……
#480
○照屋寛徳君 六月。
#481
○政務次官(鈴木正孝君) 事案につきましては、平成十二年六月二十六日の月曜日、航空自衛隊の航空支援集団の飛行点検隊、これは入間にございますけれども、ここの三等空佐が機長としてU125飛行点検機により入間飛行場から那覇空港へ操縦士等の技量維持のための錬成訓練を目的とする飛行を行いました。
 この際、当該隊員が、那覇基地への転勤、これが七月一日付で予定されていましたので、私物を空輸したものと、こういうような事案でございます。
 私どもは、私物を運ぶという公私混同の行為があったということで、その詳細について今調査をしているということでございまして、まだその調査結果が出ておりませんので、法に照らして規律違反というような問題が出てまいりますれば処分をするということに当然なろうかと思っております。
 以上でございます。
#482
○委員長(倉田寛之君) 照屋君、既に時間が参っております。
#483
○照屋寛徳君 私の質問主意書にきょう政府から答弁書が出たんです。何を運んだと思いますか。テレビ、掃除機、パソコン、それから自分の荷物じゃないですか。こんなのを積んで飛行機を使うなんというのは、これは私は言語道断じゃないですか。これこそ公私混同でしょう。しかも、この飛行機は航空保安施設の点検をする飛行機ですよ。専らそういうものに使う飛行機なんです。
 率直に、これはまずかった、そういうことを言わないと国民は何と思いますか。自衛隊はいつから宅配便をやるようになったんですか。冗談じゃないですよ。もっと答えてください。
#484
○政務次官(鈴木正孝君) 今、御指摘のような、私物を運んだというようなことでございまして、大変私ども遺憾に思っておりますし、調査結果、詳細についての調査結果が近々出ると思いますので、その結果に基づきまして厳正に対処したい、このように思っております。
 以上でございます。
#485
○照屋寛徳君 私は、厳正な調査とこれは本当にきちんとした処分をやらなければひどいことになりますよ。
 それを申し上げて終わりますが、法務大臣、済みませんでした、通告していてできませんで。
#486
○委員長(倉田寛之君) 以上で清水澄子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#487
○委員長(倉田寛之君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
#488
○堂本暁子君 きょうは、沖縄開発庁長官、今までは前の官房長官でいらっしゃったものですから、初めて質問させていただきますが、よろしくお願いいたします。
 きょう私がまず伺いたいのは、沖縄県の中城湾、この湾にあります泡瀬干潟を埋め立てる計画があると聞いています。いささか時代おくれの公共事業だと私は思うんです。その第一の理由は本当に経済効果を生むのかどうかということ、そして第二の理由は自然環境破壊を伴うということからです。
 泡瀬干潟は南西諸島で最大の干潟で、ここには四十七ヘクタールものサンゴが群生分布している、そしてジュゴンのえさになるリュウキュウアマモとか、それからボウバアマモといった沖縄の特徴のある藻が生えている最大の藻場でもあります。
 一九九九年の五月に第七回のラムサール条約の締約国会議が開かれまして、そのときに、干潟に悪影響を与えるような政策の見直しと、それから干潟の長期的な保全策を導入するということを求める決議を採択しています。もちろん日本も賛成しているわけなんです。沖縄の経済振興のために特別自由貿易地区がつくられることに反対するものでは決してございませんが、国際的にも非難を浴びかねないような貴重な干潟の埋め立てが行われるということについていかがなものかということを思っております。
 愛知万博が大変大きな教訓を残したと思うのですけれども、やはり開発をするに当たって自然環境といかに調和をしていくかということが求められているのが二十一世紀なのだろうというふうに思っております。(「そうだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。七月七日に九つの自然保護団体が意見書を関係当局に送りまして、八月二日には記者会見も行われ、計画の見直しを求めております。
 沖縄開発庁長官に伺いたいのですけれども、しゅんせつ用の土砂を利用計画のそこへ埋めることで、今干潟を埋めることになっているわけですが、その計画を何とか変更することができないのか。それから、干潟の埋め立て自体をやっぱり視野に入れていただけないのか。再度、徹底的な環境の視点からの持続可能な水産振興という観点からもう一回調査をしていただきたい。なぜならば、環境影響評価が大変ずさんだとも言われているわけでございます。この点についていかがでしょうか。
#489
○国務大臣(中川秀直君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、中城湾におきまして地元の振興計画、強い御要望もございまして、特措法に基づきます特別自由貿易地域に平成十一年三月にここを指定したわけでございます。内外の企業誘致を県が中心になって今進めておるわけでございます。あわせまして、その工事の関連で、今御指摘の泡瀬地区において国際交流リゾート拠点、マリンシティーを整備していこう、こういうことで今御指摘のような計画が立てられているわけでございます。
 これは、委員が私の前任の青木前長官にも御質疑をいただいておると承知をいたしておりますが、まず第一は、藻場がございまして、その藻場の整備について本当に技術的に可能なのかと、こういう御指摘がございまして、青木長官は可能であるということを今までの調査実験から聞いておると、こういう御答弁を申し上げておるわけでございます。
 きょう、改めてこういう御質問をいただきまして、それについての状況を私も聞き取りましたが、十年度から行っております移植実験、その実験結果では、移植した株は順調に生育している、こういう状況であるそうでございます。したがって、技術的には移植は十分可能であるということでございます。また、これについても専門家の指導、助言を得ながら、継続してそれがさらに確実になりますように努力をし、環境への影響も可能な限り低減させるように努めてまいりたいということでございます。
 それから、お尋ねにございました、今からこの手続を変えられないのかと、こういう観点からのお尋ねだと存じますが、既に公有水面埋立法等の法律に基づきまして手続を行っているところでございまして、環境影響評価、アセスメントに関する一連の手続も終了いたしておりまして、現在、公有水面埋め立ての申請が行われているところでございます。
 また、このアセスメントや公有水面埋め立てに関する手続において、委員のお立場からすれば残念ながらということでありましょうが、御指摘のような再調査を行うべきだという意見はその段階では出されておりませんでした。
 そういうことも聞いておりまして、いずれにしても、今ここまで進んでおりますこと、地元のいろいろな御要請、御要望に乗っていること等々から考えますと、環境への影響を極力低減させるように努めながら事業を進めていく、こういうことにならざるを得ないのではないか、このように考えております。
#490
○堂本暁子君 今、長官は、藻を移植することは技術的に可能だとおっしゃったんですが、私は別に藻の移植だけの問題ではないと思いますね。やはりサンゴがあり、非常に大事な干潟を埋め立てていいのかどうか。
 最近、埋め立てをやめるという公共事業の決定も出されたばかりです。そして、日本で大変大きな干潟がどんどん、明治から大正、昭和という間になくなってしまったということも報道されたばかりでございます。そういったときに、果たして今から埋め立てていいのかということです。
 しかも、三年前から専門家が湾内のそういう藻を一生懸命移したそうですが、やはり移植することは大変難しいと。しかも、海の中は一度の差が陸上の十度ぐらい差があるので、藻場の移植は非常に難しいということを地元の専門家はおっしゃっていらっしゃいます。
 ということなので、この辺については、沖縄開発庁は本気でそういうことを、藻を移すことが可能だと。移せるのなら私はもうとっくにそこに生えていたと思うのですが、そこには生えていないということなんですが、いかがでしょうか。
#491
○国務大臣(中川秀直君) 現地の沖縄総合事務局からの報告で、ボウバアマモ、リュウキュウアマモ、またクビレミドロといった種類の海藻類、この移植調査を行い、現実に株は順調に生育している、こういう報告でございまして、私も現場にまだ就任浅いので行ってはおりませんが、うその報告はしていないというふうに理解をいたしております。
#492
○堂本暁子君 今回のケースで明らかになったことは、地方分権一括法によりまして、国のこういった埋立事業は知事の許認可を行うに当たって運輸、建設両省に承認を求める、そして両省が環境庁長官に意見を求めるという手続が前はあったんですが、その手続がなくなってしまったことなんです。ですから、アセスメントはもっと前の段階で行われていまして、その次にそういうアセスメントの段階を踏まない。
 公有水面の埋め立てについては、環境面だけではなくて、きょう運輸大臣、建設大臣お越しでございますけれども、やはり国の事業である以上はきちっとそこでもって、国のレベルでの見解と申しますか、意見が言えることが大事だというふうに思っております。
 そこで、運輸大臣、建設大臣、環境庁長官の三大臣にお答えいただきたい。
#493
○国務大臣(扇千景君) 今、堂本先生のお話でございますけれども、おっしゃいましたとおり、国が今まで行っておりました埋め立てに関しての公有水面埋立法というものがございましたけれども、これを都道府県知事が行います場合には、従前は、法令上規定はないものの、埋め立ての面積が五十ヘクタールを超えるもの等については通達をしておりました。
 私、その通達というのを調べてみましたら、何とこれが大正十一年の内務省の土木局の通達ということで、古式豊かなものが残っているなと思ったんですけれども、この通達によりまして運輸大臣もしくは建設大臣の認可を得るということになっておりましたけれども、今、堂本先生がおっしゃいましたように、地方分権に基づきまして地方自治法が改正されましたので、地方公共団体は、今までのこの事実の処理に関しましては法律または法令によらなければ国の関与を受けることはないということとされていたのが、今度は知事さんの認可に基づいてこれができるということになりましたけれども、地方分権の推進のために私はどうしてもこれは避けられない処置の一環であるし、まさに地方分権そのものがこれであろうと思いますので、地方分権に関しては堂本先生も御賛成であろうと思いますので、これは地方分権の代表的なものの一つであるという認識にお立ちいただきたいと思います。
#494
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 ただいまお話がありますように、地方自治法の改正によりまして、国が通達でやっておった、国に認可を求めていくということができなくなったわけでございます。
 そこで、環境庁の意見聴取の手続もなくなったものでございますが、しかし、港湾につきましては、事業主体が国である場合も港湾管理者が策定する港湾計画というものに位置づけられておりまして、この港湾計画がその港湾の開発や利用や保全上著しく不適当であると認めたときには、運輸大臣はこれを変更すべきことを求めることができるわけでございまして、また実行上も関係者間でいろいろ話がなされたことでございまして、現時点で特に大きな問題があるとは考えておりません。
#495
○国務大臣(川口順子君) 今、建設大臣と運輸大臣がおっしゃったとおりだと思いますけれども、このお話は、二十一世紀によりよい日本を築くために地方分権を進めるということと、それから環境保全をどういうふうにするかということの文脈の中で考えるべき問題だというふうに思っておりまして、地方分権の推進というのは非常に重要でございますので、私はそれは推進すべきものではないかというふうに思います。
 ただ、他方で、地方分権を推進するという中で環境保全に問題が生じるというようなことがあってはならないわけでございまして、私は、その二つは相反するものではなくて、両立するものではないかというふうに思っております。
 それはなぜかということでございますけれども、先ほど運輸大臣がおっしゃいました港湾計画の策定ですとか変更について、環境庁からは事務次官が委員として出席をしておりまして、環境庁の意見は申し上げられることになっております。
 それから、今後は公有水面埋立法の中で手続が行われるわけでございますけれども、それに関しては沖縄県の知事が既に御意見もおっしゃっていらっしゃいますし、環境保全という観点から問題を把握されて行動なさるということだろうと思います。
 環境庁といたしましては、従来も沖縄県知事と綿密に御相談をしておりまして、今後とも、お求めがございましたら、いつでもそういう方向で対処させていただきたいと思っております。
#496
○堂本暁子君 私も地方分権に反対するものでは全くございません。建設大臣がおっしゃったとおりなんですけれども、やはり国際的に見ておかしい、あるいは国家的な見地で見ておかしいというときに、そういった建設行政の中で知事だけの判断でよろしいのかというまたもう一つそこを突っ込んで伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。建設大臣に伺います。
#497
○国務大臣(扇千景君) 今おっしゃるとおりでございますけれども、国家的あるいは国際的に貴重な自然環境保護というのはこれはもう当然のことでございます。あるいは国家的あるいは国際的に貴重な自然環境というものは日本の財産でございますし、関係をしますすべての行政機関がこれは連携して保全していくというふうにもちろん取り計らっておるところでございますから、堂本先生が御心配いただいておりますような国全体の環境に関することに関しては、全省庁挙げてこれは取り組んでいるということを重ねて申し上げておきたいと思います。
#498
○堂本暁子君 私はやはり今回の埋め立てというのは相当な環境破壊であろうと。特に、沖縄の南西諸島の環境というのは日本の宝ですので、これはやはり何らかの形でもう一度考えていただきたいと。その手続がこれからどういうふうにしてできるのかということもございますけれども、きょうはここまでにさせていただいて、次の機会に譲らせていただきたいと思います。
 次に、ここに「奪われし未来」という本がございますけれども、これはいわゆる環境ホルモンに関しての本です。(資料を示す)今まではどちらかというと動物のことが主に言われておりましたけれども、もう人間についても環境ホルモンの影響が出ている。
 七月二十一日に、建設省は日本の百九の一級河川で調査をなさったところが、環境ホルモンの含有量は少しずつですけれども、いろいろあって、食器などに使われているビスフェノールAとかそういう物質が四十二の河川から検出されております。日本の七十の河川からも七つの物質がいずれも検出されております。
 アメリカ、それからカナダなどではもう非常に前からそれが問題になっておりますが、日本ではまだそういうことが大きく問題になっていません。私、カナダのキングストンというところで行われた乳がんの会議に行きましたら、女性の八人に一人が乳がんの患者さん。これはオンタリオ湖の近くで、そういった汚染に遭うことが原因だろうというふうに言われております。
 今回、こういった調査結果が建設省からも出される、それから環境庁も七物質の環境ホルモンについてリスク評価を行うことをやっていらっしゃる、そしてなおかつ厚生省もそういうことについていろいろ内分泌に関しての調査をやっておられるわけですけれども、ぜひとも三大臣から、大変これは女性の健康だけではなくて、もちろん男性についてもそうですが、三大臣にお伺いしたいと思います。
#499
○委員長(倉田寛之君) どなたとどなたとどなたに。
#500
○堂本暁子君 お三人です。環境庁長官と建設大臣と厚生大臣に伺います。
#501
○国務大臣(扇千景君) 大事な御質問であろうと思います。
 女性にとっても大変大事なことでございますけれども、環境ホルモンの問題につきまして、水質や水生生物の水環境に与えます影響が大であるということで、これは平成十年から環境庁等の関係省庁と連携をとりまして、建設省としましても、全国の一級河川及び下水道における実施調査をいたしました。
 その結果によりまして、河川水中に環境ホルモンの作用の疑いがあるというようなこともありますし、また疑われる化学物質が広く存在するということも判明いたしましたけれども、下水道においてはこれらの物質が削減されているということも判明いたしました。
 けれども、それらは今後、関係省庁と連携をしながら、より国民の健康に密接に関係する水の環境に関しては責任を持って実施調査をいたして検討していきたいと思いますし、なお、つけ加えますと、この結果は速やかに全部公表しておりますこともあわせて申し添えます。
#502
○国務大臣(津島雄二君) お答え申し上げます。
 環境ホルモン、すなわち内分泌攪乱化学物質の問題、これは国民の健康を保護する観点から極めて重要な課題と認識しております。
 ただ、現時点では、この物質による人への健康影響についてはまだ科学的に未解明な点が多うございまして、国際的にも一生懸命調査研究が進められているというところだと認識しております。
 厚生省では、平成十年十一月に中間報告書を取りまとめ、国際的動向も踏まえながら総合的に調査研究を推進しているところでございます。
 具体的に各種の疫学調査並びに動物実験によってどういうふうに作用するのか、そのメカニズム等の研究をしておりますけれども、女性の健康への影響ばかりでなくて、これは男の方も、やっぱり私も心配でございますので、体内ホルモン濃度と、それから例えば子宮内膜症の関係とか、こういうものについて今一生懸命検討しているところでございます。
 それから、国際的な研究と協力をしなきゃいけないということで、OECDにおいて進められてございます動物を用いた内分泌攪乱作用に関する試験法、どうやったらきちっとその関係がわかるかという試験法とか、それから評価方法の検討に積極的に参加しているところでございます。
 これからも国際的な連携を図りながら引き続き熱心に調査研究をしてまいりたいと思います。
#503
○国務大臣(川口順子君) 前に厚生大臣と建設大臣が私が申し上げようと思ったことをほとんどお話しになられましたので繰り返しになってしまうんですけれども、委員おっしゃられますように、安全と安心という二つの観点からいわゆる環境ホルモンの問題というのは大変に重要で、一生懸命に取り組まなければいけない問題だというふうに思っております。これは、前にも出ましたように、国際的な連携ということも大事でございますし、それから各省間の連携というのも大事だと思っております。
 やることは、その実態がどうなっているかということと、それから人の健康ですとか環境への影響がどうなっているかという二つの側面から調べる必要があるわけでございますけれども、環境庁は平成十年からSPEED98という、環境ホルモン戦略計画ということでございますが、それで実態調査を進めてきておりまして、建設省ですとかあるいは地方公共団体の御調査と相まってかなりデータが蓄積されてきていると思います。
 それから、健康や環境への影響はどうかという点についてですけれども、これもOECD等で調査方法についての国際協力がございますし、環境庁といたしましてもほかの省庁と連携して取り組んでいきたいというふうに思っております。
 国際的な連携という意味では、環境庁は十二月に環境ホルモンの国際会議を考えておりまして、これには「奪われし未来」の著者であるシーア・コルボーンさんですとか、ビスフェノールAのエキスパートでいらっしゃるフォン・サールさんという方もいらっしゃるということでございますので、一生懸命に取り組んでいきたいと思っております。
#504
○委員長(倉田寛之君) 堂本君、既に時間が参っておりますが。
#505
○堂本暁子君 ありがとうございます。各省ができるだけ連携していただきたい。とかく日本は通産省とそれから厚生省と環境庁で三つでやっていらっしゃるので、連携をよくとってやっていただきたいと環境ホルモンの問題については思っております。
 ありがとうございました。
#506
○委員長(倉田寛之君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。
    ─────────────
#507
○委員長(倉田寛之君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
#508
○佐藤道夫君 残られたのは四大臣だけで大変寂しい限りではありますけれども、実のある質疑を行いたいと思いますので、どうか御協力ください。
 最初に扇建設大臣にお伺いいたしますが、現在、中尾元建設大臣に対する収賄事件が捜査中ということであります。この件に関連してでありますけれども、大体において内閣で初閣議が開かれますと、そこで申し合わせというのがある。新聞にも報道されますが、その中に必ず登場してくるのは政治倫理確立のため関係業者との接触は厳に慎むことと、こういうことがうたわれております。今内閣でも多分うたわれたと思います。
 それにもかかわらず、関係業者そのものである建設業者から大臣の就任祝いをやりたいといって、その席にほいほいと出かけていった大臣、これはやっぱり倫理感覚がもうない、ゼロだと、こう言われても仕方がないと思います。
 大体、一流料亭で豪華な料理を出してやること自体、もう贈収賄そのものだと、こう言ってもいいわけでありますけれども、それにつきましては中尾大臣は現在司直の手にかかっておるというのでとかく言ってももう仕方のないことだと思いますが、私が問題としているのは、この席にかつて内閣を組織した竹下登氏、もう故人ではありますけれども、出席していたということを私大変いぶかしく思うわけです。自民党の最長老議員、政界の長老と、こう言ってもいい、すべてをわきまえた方が、しかも総理として自分の前でこういう申し合わせが何回も行われる、それを無視して堂々と出席したと。中尾君、これはやめておきたまえ、申し合わせに反するぞということをなぜ言えなかったのか。この点から見まして、自民党の長老議員である人たちの倫理感覚を疑うのは当然だろうと思います。
 これにつきまして、扇大臣の御見解も承りたいという気もいたします。
 それともう一つ、この集まりには事務次官以下、大勢の高級官僚が出席していたということでありまして、この人たちは何か大臣が言うから仕方なく出たんだと。仕方なく出て、たらふくごちそうになりましてお土産をもらって帰る。何が仕方なくだと、こう言いたくもなるわけでありまして、大変いぶかしいと。これに対して、建設大臣は何か注意をしたということが報道されておりました。果たして注意でいいんだろうかと。贈収賄だと言いましたけれども、これは、豪華な料亭でごちそうを出す、贈収賄そのものですよ。
 この前は、長野県で職務熱心なお巡りさんが暴走族をつかまえてピストルを示したと。突きつけたか示したかはともかくとして、そういうことをやったら逮捕されて懲戒免職になっちゃったと。この国の処分というのは下の者に厳しく上の者に甘いのかと、こういうことも言いたくなりますが、いかがでございましょうか、大臣。
#509
○国務大臣(扇千景君) 佐藤先生のお立場から当然そういう御意見が出るであろうと思っておりましたし、佐藤先生の目からごらんになれば厳重注意の通達ぐらいでは甘過ぎるではないかというお話もしかりだろうと思います。
 今、現段階では私があれこれ申せませんのは、既に逮捕されている方もございますし、先生御存じのとおり司直の手によって明らかにされておりますし、そしてなおかつ申し上げれば、建設省の、今、先生がおっしゃいました、当時、平成八年の五月と七月でございますけれども、出席した九名の中、一人は故人でございますけれども、あとの八名は建設省にいろいろと事情を聴取されておるようでございます。
 私が八人を全部そろえまして聞きましたときも、捜査上これ以上は言うなということも言われながらも私にはある程度その状況を話してくれましたけれども、ただ私は検察でもありませんし検事でもありませんし弁護士でもございません。公正に私が判断して、現段階では五月と七月、料亭に出席したということ自体に対しては私は厳重な通達をしたわけでございまして、他のことに関しては今後司直の手によって明らかにされたときに改めて私は考えなければいけないという、そういう自覚を持って対処しております。
 そして、今冒頭におっしゃいましたように、閣僚になりましたときには総理からの通達というのは当然ございます。私もちゃんと閣僚になったときには通達がございまして、総理からもございました。これは時間が長くなりますので読まなくても先生は御存じだと思いますけれども、そういう通達を受けて、厳に私どもは一人一人の政治家として慎まなければならないことを厳守していきたいと思っております。
#510
○佐藤道夫君 中川長官にお尋ねいたします。
 亀井静香元建設大臣の件でございますが、彼は、平成九年、建設大臣をしておりましたけれども、そのときに、何と何と二百社余りの建設業者から政治献金を受けていたと、こういうことでございます。
 建設大臣が建設業者から献金を受ける、何、届ければいいだろうと、こう簡単におっしゃるかもしれません。届けたからいいというものでもございません。李下に冠を正さず。世間から見ますると、やはり建設業界にあの大臣は非常に甘いと、なるほど二百社余りの政治献金を受けて。これは総額にすると五、六千万円にもなる。これだって、やはり最初の申し合わせに抵触するんじゃないかと。関係業者との接触そのものだろうと思います。
 少なくとも、大臣就任時代、任期中はもう建設業界からの献金はお断りする、これは当たり前のことだろうと思いますけれども、その当たり前のことが守られていない。一体この申し合わせというのは形式的にただやっていることだけなのかどうか。
 それから、平気でこういうことが破られている、どういうふうにお考えになるのか。もう少し厳しい申し合わせをしていって、違反した者は即辞職を求めていく、辞任を求めていくと、それぐらいの腹構えで臨んでいただきたいと思いますけれども、総理がおられないので、内閣を代表して官房長官、お願いいたします。
#511
○国務大臣(中川秀直君) 組閣時の申し合わせでございますが、閣僚は関係業者との接触に当たっては国民の疑惑を招くような行為は厳に慎むと。例示として挙げておりますのは、未公開株式の譲り受け、特定企業における講演会に出席して社会的常識を著しく超える講演料を得ることなどについても厳に慎み、倫理の保持に万全を期すと。今後とも関係業者との接触に当たっては国民の疑惑を招くことのないように本申し合わせの趣旨を徹底してまいりたい、こういうことでございます。
 今、佐藤委員がお触れになりました官僚がこういう会に出席するということは、もう御案内のとおり、国家公務員倫理法並びに国家公務員倫理規程というものがそれぞれ昨年の八月と本年の三月において決められまして、一般職国家公務員については関係業者の接待を受けることは禁じられているところでございますので、これはその後そのような措置がなされたと、このように思うわけでございます。
 最初のお尋ねでございますが、他方、政治資金規正法という立場で考えますと、これは量的制限がございますことと、それから、例えば国等から補助金等を受けている場合、その会社その他の法人は寄附をできないという質的制限が設けられているということで、例えばこの分野のこの業界は政治献金をしてはいけないと、そういう特定の分野を対象にした規制は定められていないわけでございまして、十分なお答えになるかどうかわかりませんが、政治資金の観点からいうとそういう整理に相なるわけでございます。
#512
○委員長(倉田寛之君) 佐藤君、時間が来ております。
#513
○佐藤道夫君 一問だけ。
 建設大臣が建設業者から政治献金を受けることについて私は提起しているわけであります。これについてのお答えがなかったのは極めて遺憾でありまして、恐らくこれからも建設大臣、どんどん建設業者から政治献金を受けて、届け出さえすりゃいいやと、こう居直っておるのかとも言いたくなりますが、以上をもって質疑は終わります。
#514
○委員長(倉田寛之君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。
 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。
 明日は午後一時二十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト