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2000/08/09 第149回国会 参議院 参議院会議録情報 第149回国会 交通・情報通信委員会 第2号
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2000/08/09 第149回国会 参議院

参議院会議録情報 第149回国会 交通・情報通信委員会 第2号

#1
第149回国会 交通・情報通信委員会 第2号
平成十二年八月九日(水曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月九日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     今泉  昭君
     谷林 正昭君     寺崎 昭久君
     簗瀬  進君     菅川 健二君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         齋藤  勁君
    理 事
                景山俊太郎君
                寺崎 昭久君
                簗瀬  進君
                日笠 勝之君
                渕上 貞雄君
    委 員
                泉  信也君
                岩城 光英君
                鹿熊 安正君
                鈴木 政二君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                菅川 健二君
                高橋 千秋君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                吉田 之久君
                弘友 和夫君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       運輸大臣     森田  一君
       郵政大臣     平林 鴻三君
   政務次官
       運輸政務次官   泉  信也君
       運輸政務次官   実川 幸夫君
       郵政政務次官   佐田玄一郎君
       郵政政務次官   常田 享詳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       運輸大臣官房長  小幡 政人君
       運輸大臣官房総
       務審議官     藤野 公孝君
       運輸省運輸政策
       局長       岩村  敬君
       運輸省鉄道局長  安富 正文君
       運輸省自動車交
       通局長      縄野 克彦君
       運輸省海上交通
       局長       高橋 朋敬君
       気象庁長官    山本 孝二君
       郵政省郵務局長  松井  浩君
       郵政省通信政策
       局長       鍋倉 真一君
       郵政省電気通信
       局長       天野 定功君
       郵政省放送行政
       局長       金澤  薫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査
 (IT革命の推進・基盤整備に向けた取組に関
 する件)
 (NTT回線接続料引下げをめぐる日米規制緩
 和交渉の経過と内容に関する件)
 (家計における通信費負担の引下げに関する件
 )
 (電子署名並びにハッカー対策の国際的枠組み
 の確立に関する件)
 (情報の地域間格差の解消に関する件)
 (鉄道事故調査のための常設組織の設置に関す
 る件)
 (路面電車の現状と活性化方策に関する件)
 (郵便物の海上運送委託契約に関する件)
 (運輸大臣の政治献金に関する報道問題に関す
 る件)
 (生活路線の維持に向けた運輸省の取組に関す
 る件)
○理事補欠選任の件
○ペースメーカー装着者のための公共交通機関に
 おける携帯電話の使用規制等に関する請願(第
 一〇号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査のため、本日の委員会に運輸大臣官房長小幡政人君、運輸大臣官房総務審議官藤野公孝君、運輸省運輸政策局長岩村敬君、運輸省鉄道局長安富正文君、運輸省自動車交通局長縄野克彦君、運輸省海上交通局長高橋朋敬君、気象庁長官山本孝二君、郵政省郵務局長松井浩君、郵政省通信政策局長鍋倉真一君、郵政省電気通信局長天野定功君、郵政省放送行政局長金澤薫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(齋藤勁君) 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○景山俊太郎君 それでは、そう長くありませんが質問をさせていただきます。
 最近、カラスが鳴かない日があってもIT革命について出ない日はないと言われるほど、最近はやり言葉になるほどIT革命について言われておりますけれども、この点について概略的なことをお聞きしたいと思います。
 IT革命により世界的に経済社会活動の変革が起きていると言われております。特に九〇年代のアメリカの経済成長に最も貢献したのは情報技術関係の投資であると、これも言われております。
 我が国でも、最近ではIT革命を起爆剤とした経済発展というのが期待をされております。日本のインターネットの世帯普及率は急激に普及もいたしておりますけれども、まだ世界各国と比べると統計的には十三番目であるというふうなことも言われております。
 そこで、森内閣は、総理を本部長といたしまして情報通信技術戦略本部と、有識者から構成されるIT戦略会議を七月に設置されました。IT革命の推進を国家戦略として位置づけていかれる方針のようであります。IT革命を進める上においては、郵政省のリーダーシップというのは非常に重要であると思います。そこで、IT戦略本部の副本部長としての大臣の所見をまず伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(平林鴻三君) 景山委員のお話のとおり、国家戦略としてIT革命を強力に推進するということが、総理からも直接私にもお話がございましたけれども、森内閣の主要課題であると認識をいたしております。
 郵政省といたしましては、IT革命が進展する中で、世界最先端の高度な情報通信ネットワークを整備する、先進的な情報通信技術の開発を行う、電子商取引促進のための規制改革を推進する、教育の情報化や電子政府の推進を行う、情報セキュリティー対策の徹底を行うなどのことを今後図っていきたいと思っております。
 我が国における新たな発展基盤を構築するために非常に重要なものでございますので、これまでもIT関連施策の推進に努めてまいりましたけれども、今後とも、今回設置されましたIT戦略本部の副本部長として、関係省庁との連絡強化を図っていきますとともに、IT戦略会議における御議論を踏まえながら、IT革命の恩恵をすべての国民が享受できるように、またスピードということを大事にして関連諸施策の推進、強化を図ってまいりたいと存じております。
#7
○景山俊太郎君 今、大臣も言われましたけれども、IT革命を進めるためにはインターネットを利用した電子商取引を拡大することが急務であると思います。この委員会でも電子認証法等を法律化いたした経緯もございますけれども、まだ我が国の電子商取引の規模は三千五百億円と聞いております。アメリカと比較するのがどうかわかりませんけれども、ちなみにその先進地のアメリカでは三・九兆円の市場規模であるというふうに言われております。だから日本の十一倍の規模である、こういうことでありますので、今後我が国としては相当にこれを拡大していく必要があろうと思います。
 そこで、書面による契約を義務づけている法体系もありますし、こういう点をまた改善したりしまして、民間企業がITを活用して自由に事業展開ができるように、環境整備とかまた法体系の整備というものも必要であればやっていかなくてはいけないと思いますが、そういう点につきまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(平林鴻三君) さきに申しましたように、IT戦略会議の課題として、電子商取引を拡大するといいますか、さような対策を急いで講じる必要があると思っております。既に法律も制定していただいたわけでございますから、いわゆる書面、対面での取引を義務づけておる制度などを直していくということを急いでやるように、若干の具体的な法律等も対象にしながらこれから作業をしていかなければならぬと思っております。
 郵政省といたしましても、この電子商取引の促進のための規制改革など、関係省庁における総点検に対応いたしまして、こうした作業や議論に積極的に参加して、IT革命の推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#9
○景山俊太郎君 それで、IT革命を進めるために、具体的な施策として通信料金のさらなる引き下げが必要であると思います。さきの通常国会におきましては、電気通信事業法を改正いたしました。NTT回線の接続料算定に長期増分費用方式というのを導入いたすことになりました。
 NTT回線接続料につきましては、引き下げ率をめぐり日米規制緩和協議におきまして随分協議がなされてまいりました。それで七月十九日に合意に達したわけでありますが、日米規制緩和協議における日本の姿勢についてはこの委員会でも随分議論がなされてまいりました。
 当時の八代郵政大臣は、接続料の急激な引き下げによるNTTの経営に与える影響を配慮して、特に西日本の方ですか、四年間で二二・五%引き下げるという日本側の提案を変えるつもりはないと、こういうことをこの委員会の席でも言明されました。
 しかし、先般の合意内容では、三年間で二二・五%引き下げ、そのうち約九割を二〇〇〇年四月から二年間で引き下げる、二年後には接続料の算定方式も見直すという結果になったと聞いております。これは二年間で二二・五%引き下げるという米国の提案にほぼ沿ったような気がいたしますけれども、この経緯等につきまして大臣の御意見、御所見を伺いたいと思います。
#10
○国務大臣(平林鴻三君) 景山委員の御指摘のように、さきの国会以来このお話が国会側におきましてもあったわけでございますけれども、経過を申し上げますと、東西NTTの接続料の引き下げについては、さきの国会で議論をされました後に、平成十一年度の東西NTTの財務状況が当初の見通しよりも好転したということが判明いたしました。これを受けまして、収支見込みの見直しを東西NTTにおいて実施されました。この見直しを踏まえて、七月の米国との対話において、従来の四年間で二二・五%引き下げを三年間で二二・五%引き下げに変更した提案を行いました。この基本的枠組みで日米間で決着をいたしました。
 なお、米国の提案は、ケースAを二年間で実施し、その後即時にケースBに移ることを基本としたものでございましたが、郵政省としてあくまで東西NTTの経営に破壊的な影響を及ぼすことのないよう確保すること、またケースBの考え方を採用するには、国民的なコンセンサスを前提とすることを主張いたしましてそのような決着を見たわけでございます。
 交渉でございますから、双方の意見を十分に交換いたしまして、アメリカ側の意見に一方的に押し切られたということではございません。その点はここで明確に申し上げておきたいと存じます。
#11
○景山俊太郎君 そういたしますと、NTT法の改正というものも考えていかなくてはいけないと思います。
 今回の日米規制緩和協議の合意によって、大幅な接続料の引き下げが今おっしゃるように実現されることになりまして、諸外国と比べて割高とされておりました通信料金の引き下げの実現も期待されております。日本テレコムとか、十月に合併予定のKDDIが市内通信にも参入する見込みであります。地域通信網における競争も非常に促進されてくると思っております。一方では、急激な接続料の引き下げはNTTの経営に、今、経営は大丈夫だというふうにおっしゃいましたが、大きな影響を与えるというふうに私は思っております。
 そういう中で、NTTの試算では、今回の合意によりまして二〇〇〇年度の西日本の経常赤字が九百二十億円に達する、こういうふうに見込まれております。現状の法体系のもとではユニバーサルサービスの確保が困難となるとも指摘されております。ユニバーサルサービスが困難ということになりますと、我々国民にも大きな影響があるわけであります。
 郵政省は、接続料問題を契機としましてNTTの業務範囲を規制しているNTT法を改正する検討を始めておるやに聞いております。報道では、次の臨時国会に関係法案を提出するんじゃないか、こういうことも流されているんですけれども、その真偽のほどはわかりませんが、今後のNTTの経営のあり方、または経営の内容、こういうことでNTT法、持ち株会社等にもなっておるわけでありますが、そういうことで私は法改正も必要じゃないかと思っておりますので、もし概略がお話しになれれば、今後のスケジュールもあわせてお話をいただければと思います。
#12
○政務次官(佐田玄一郎君) 今の委員のお話にもありましたように、先ほど大臣の方からも発言がありましたように、接続料を下げるということで経営はどうなるのかと。基本は何といってもNTTの経営にあるわけでありますから、その辺もしっかりと見据えて考えていきたいと思っております。
 去る七月二十六日に、先生御指摘のNTT経営のあり方を含め、IT革命を推進するための電気通信事業における競争政策のあり方について電気通信審議会に諮問したところでありまして、この中には、ネットワーク構造の将来像または競争の基本的枠組み、NTTの位置づけと公正競争の確保方策、また、今、先生の方から御指摘がありましたように、ユニバーサルサービスの確保方策等、通信政策の根幹にかかわるさまざまな重要課題について幅広い観点から審議をいただくということで今諮問しておるわけでありますけれども、そういう中においてできるだけ中間報告等ありましたら、それを踏まえて法改正等も視野に入れて考えていきたいとかように思っております。
#13
○景山俊太郎君 もう時間ですけれども、具体的なまだ法改正はわかりませんね、具体的にこういうふうにするとかというのは。
#14
○政務次官(佐田玄一郎君) それは電気通信審議会の方に諮問をしている最中でありますので、その答申、中間報告等出た後に考えていきたいとかように思っております。
#15
○景山俊太郎君 いつごろ出ますか。
#16
○政務次官(佐田玄一郎君) 今のところ、中間報告は来年の一月ぐらいになるんではないかと。できるだけ早く報告が出るように努力していきたいとかように思っております。
#17
○景山俊太郎君 十七分になりましたので、終わります。
#18
○高橋千秋君 六月の補欠選挙で初めて当選させていただきました民主党・新緑風会の高橋でございます。初めての質問でございますので、いささか緊張しておりますが、よろしくお願いいたします。
 先ほど景山委員の方からも話がありましたが、毎日のようにITという言葉が出ております。IT、ITといいながらもITといえば何でも済んでしまうのではないかと、玉手箱のような形で言葉が使われているような気がいたします。私は四十四歳でありますが、私たちの世代でいうと、アメリカに次ぐ世界第二位の工業先進国だということでずっとそういうふうに教わってまいりました。
 そのつもりでずっとまいりましたが、ここ数年を見ておりますと、もうすべての分野にわたってどうも日本は大分下位の方に落ちてきたんじゃないか。その意味でも、ITという分野は特に、時々アメリカへ参りますと、どんどんその格差が広がってきているように思います。
 さまざまなパソコンを使うにしても、基本的なOSについてはウィンドウズがほとんどですし、それからその次にあるのがマックというOSですが、この両方でほとんど一〇〇%に近い形でアメリカに牛耳られています。それから、インターネットを見るにしても、インターネットエクスプローラーというのとネットスケープというこの二つのブラウザがほとんどでありまして、これもアメリカのものであります。それから、パソコン本体の中の心臓部であるCPUについても、ペンティアムというものがほとんどでありまして、ほとんどがこれはアメリカに牛耳られているように思います。
 この現状について、工業先進国であった日本がITについてどのぐらいの位置に今あるのかという評価を政府としてされているのか。いろいろな分野があるからなかなかわかりづらいとは思うんですけれども、特に最近その格差が広がってきているように思うものですから、その辺をどの辺にとらえているのか、お聞きしたいと思います。
#19
○国務大臣(平林鴻三君) 外国との比較で、我が国のITのレベルがどのような分野で進んでおり、どのような分野でおくれておるかということは我々も重要な関心を持っておるところでございます。
 御指摘のように、アメリカに比べておくれておる分野がございます。具体的には、先ほども御質問がありましたが、電子商取引の市場規模、これはアメリカとは随分差がございます。また、インターネット閲覧ソフトやパソコン基本ソフトなど、ネットワークの関連技術におきまして米国の技術が事実上標準化してしまっておる、いわゆるデファクトスタンダードになっておるというような現象がございます。これらの背景といたしましては、例えばインターネットやGPS、カーナビなんかに使われておりますが、そのようなものに代表される国防技術の積極的な民間転用がアメリカでは行われたというようなこと、また政府主導の情報通信振興策が積極的に推進されてきたことなどが考えられます。
 一方、我が国の方で進んでおるというところを考えてみますと、携帯電話や家電の分野、携帯電話の加入が既に固定電話を日本では超えております。また、テレビやDVD等におきましては高い国際競争力を持っておるというようなことで、さような面におきましては高水準にあると考えられます。
 これらの現状を踏まえまして、郵政省としましては、国際的におくれた状況にある分野につきましてはこのおくれを解消したい、それから得意な分野についてはさらに発展をさせたい、こういう観点から、予算的に申しますと、平成十二年度予算では、現在のインターネットをさらに高速化、高信頼化する、いわゆる次世代インターネットの開発、またモバイルや情報家電など我が国の得意分野を生かしたインターネットの総合的な開発等のプロジェクトを提案いたしまして、これがミレニアムプロジェクトとして採択をされたところでございます。今後、御指摘の点につきましてはさらに努力をしてまいりたいと考えております。
#20
○高橋千秋君 おくれてしまったという分野について、やはりその原因を分析していかなければいけないと思いますし、その対応について早急にしていただきたいと思うんですが、やっぱりかなり多くの部分でおくれてしまっているように思うんですが、その原因について何かとらえているところはございますでしょうか。
#21
○国務大臣(平林鴻三君) これは若干アメリカとだけ比べますと国情の違いというのが、先ほどちょっと触れました国防で開発された技術を民間に非常にうまく転用されたなと、そこらのところは我が国との国情の違いというものがあるのかなという感じがいたしておりますが、我が国の技術を考えてみますと、今申しましたように、家電とかモバイルとかそういうようなもの、それこそ我が国の特徴を生かしたようなところはやはりアメリカに劣っておらぬ、むしろ進んでおると、そういう感じで原因を眺めておるところでございます。
#22
○高橋千秋君 アメリカだけの話ではなくて、例えばインターネットの普及率にしろ、パソコンの何人に一人というそういう数字にしろ、昔はやっぱり二位とか三位とかその辺にいたように思うんですが、今は統計を見ると、例えば十何位だとか二十何位だとかそういう数字がかなり出てきていると思います。それは、例えば近辺のアジアの諸外国と比べても劣っている分野も出てきているというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。
#23
○国務大臣(平林鴻三君) アジアの一部の国において急速にやはりいわば国策として力を入れていったのではないかなという感じがいたしておりますが、私どもも、そういう意味におきましては、このたびIT戦略会議を設けて、いわば官民一体となってIT革命に対処していくというような体制をとりつつあるところでございますので、これからIT戦略本部を中心に新たな二十一世紀のIT時代への対応を素早くとっていくように努力をいたしたいと考えております。
#24
○高橋千秋君 ということでは、やはり日本もアジアの諸外国と同じように国策でとらえるから今後急速に追いつくというか、かなりのレベルまで行くというふうにとらえているということでよろしいんですか。
#25
○国務大臣(平林鴻三君) 国策というのが言葉として一番適切かどうかはわかりませんが、政府といたしましては、今申し上げましたように、戦略本部や戦略会議というものを設けまして新時代への対応を急いでおるということを御了解いただければと思っております。
#26
○高橋千秋君 先ほど大臣の方から戦略会議、戦略本部の話が出ましたので関連して質問をしたいと思うんですけれども、このメンバーを見させていただくと、今考えられる中ではかなりすばらしいメンバーだと思います。いろいろな分野で一生懸命やられている方だと思いますが、この中に、ITということになると、やはりすべての人に、後で質問したいと思うんですが、デジタルディバイドということでいえば、一番肝心なのはユーザーだと思うんですね。つくり手ではなくて送り手ではなくて、使う側がどういうことが困るかとかどういう方向でITを進化させてほしいということだと思うんですが、この戦略会議のメンバーを見ますと確かにすばらしい方々ばっかりなんですが、ユーザーとしての声が出にくい会議になっているのではないか。いわゆる一般の方、主婦だとか高齢者だとかそういう方々の声がなかなか届きにくいメンバー構成になっているように思うんですが、そういう方々を入れていくという方向にはないんでしょうか。
#27
○国務大臣(平林鴻三君) ただいま御指摘の面は非常に重要なことだと私も思います。現在の戦略会議のメンバーはIT産業を実際にやっておられる方が相当たくさん入っておられますから、企業側がユーザーから伺ったといいますか吸い上げたユーザー側の知見というものは相当に反映されると思いますが、ユーザーから直接に伺うということを戦略会議でどのように取り計らうかということは非常に大事なことであろうと思っております。
 対応の仕方としましては、なるべく多くの方々から御意見を得て今後の検討の参考にさせていただくために、官邸のホームページでITに関する意見募集を行っていく予定でございます。これを早急に具体化いたしまして対応していきたい、そういうぐあいな考え方でございます。
#28
○高橋千秋君 そのホームページでやっていただくというのは本当に重要なことだと思うんですが、ただ、先ほどのデジタルディバイドのことからいうと、ホームページを見れるという人はもう既にそのデジタルの分野に携わっている方でありますから、そのデジタルディバイドということでいえば、それにまだ携わっていない方の声を入れるべきなんですね。ぜひそういうユーザーの方の声、本当にまだパソコンもさわったことがないような方の意見を吸収できるようにしていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#29
○国務大臣(平林鴻三君) これは、郵政省だけでなくて、政府全体でそういうことについて対応策を考えていかなければならぬと思いますけれども、例えば、すぐにできることという考え方で、私の隣におります常田政務次官の地元は鳥取県でございますけれども、地元にお帰りになるたびにでも、鳥取県のような比較的ITのチャンスにまだ恵まれておりません地域、そのような地域で、地域格差とかあるいは高齢者と若い人との格差とかあるいは障害者とそうでない人の格差とか、そういうものの実態を市町村でよく聞いていただきたいというふうなことも私と常田さんの間ではお願いをして、既に着手してもらっております。
 さようなことで、今まで比較的縁の薄かった人たちのお話というものも、できるだけ我々は政府として積極的に聞いていきたいと思っておるところでございます。
#30
○高橋千秋君 ぜひそれをさらに拡大していただきたいと思います。ただ、大臣と政務次官の間だけの話ではやはりちょっと心もとないと思います。やっぱりこの戦略会議、戦略本部というこれだけ大がかりなものがあるのであれば、その中に分科会のようなものでも結構ですから、ぜひそういう方々の声が届くような組織をつくっていただきたいなというふうに思います。
 先ほど鳥取の話が出ましたが、デジタルディバイドということですね、片仮名でデジタルディバイド、デジタルオポチュニティー、私は日本語にしてもいいと思うんですけれども、こういう部分について政府としてどのようにお考えになっておりますでしょうか。
#31
○政務次官(佐田玄一郎君) 今、委員が言われましたように、デジタルディバイド解消というのは非常に重要なことでありまして、情報通信政策においては特に早急にやらなくちゃいけない、こういうことであります。
 地域間におきましては、郵政省では、携帯電話等の移動通信サービスが利用できない地域や、民放テレビ放送が良好に受信できない地域等をできるだけ少なくするためにも、市町村等が行う鉄塔や中継施設の整備に対し電気通信格差是正事業として補助金として支援をしている、こういうこともあります。また、地方公共団体による行政、教育、医療、福祉等公共サービスの高度化のための情報通信拠点施設等の整備に対しても、補助金により支援をしているところでございます。
 また、年齢や障害によるデジタルディバイドの解消に対しまして、お年寄りや障害のある方を含め、だれもが情報通信の利便を享受できる情報バリアフリー環境の整備に向け、だれでも情報通信を易しく使えるようにする技術の研究開発や民間における機器の設計、開発等のガイドラインづくりを支援するための施策を推進しているところであります。
 今後、これらの取り組みを進め、家庭、企業、地域など生活のあらゆる場面において、すべての人がITの恩恵を十分に享受できるデジタルオポチュニティー社会の実現に向けて努力をする所存であります。
 以上です。
#32
○高橋千秋君 今、最後の方にさっきの関連に出ておりました高齢者の話だとか子供の話、ぜひそういうふうにやっていくのであれば、そういう方々が本当に電話が使えるぐらい、そういう簡単になるような社会になって初めてITが完璧に社会に入っていくことだというふうに思うんですね。その分野を特に力を入れていただきたいなというふうに思います。
 そして、さっきのデジタルディバイド、デジタルオポチュニティーということであれば、やっぱりインフラの整備というのは当然重要なことだと思います。その中で今考えられるのは、光ファイバーの敷設だとか、それからADSLだとか、それから衛星で流すだとかいろいろあると思うんです。
 特に、現実的なものとしては光ファイバーの話が、自民党の中では建設国債の使い道等についても出ておりますけれども、郵政省としては民間がやるのが基本だというふうなことを聞いておりますけれども、建設省の方では某テレビで建設大臣が一戸一戸に光ファイバーを全部引いてというようなことを言われたのもたまたま見ていたんですが、郵政省としてこの光ファイバーの敷設についてどのように考えておみえになりますでしょうか。
#33
○国務大臣(平林鴻三君) 先ほどのデジタルディバイドの問題でございますが、障害者とか高齢者とかそういう方々が手元で便利に使うためにITというものを開発、利用を促進するというのがむしろ、何といいますか、優先的といいますか、すべきものではないかというような気持ちも私は持っておりますので、デジタルディバイドの解消ということに力を入れていきたいと思っておるところでございます。
 次に、光ファイバーでございますが、この情報通信のネットワークインフラの整備というのを民間主導で行うというのは従来からの政府の基本方針でございます。効率性の面から考えましてもそれが筋だろうなと、政府がやると非効率だというわけでは必ずしもございませんけれども、それが筋だろうなと私も思っております。
 したがいまして、郵政省としては、主体となる民間事業者の投資負担を軽減するための支援措置を講じてきたということでございまして、昨年末には政令指定都市等の主要エリアにおきましては光ファイバーの普及率が九割を超えるというような状況になっておりまして、従来やってまいりました民間主導の原則で一定の成果は上がってきたと考えております。ただし、一方で小規模都市などの整備は十分に進んでおりません。町村などは特にそうでございます。そこで、IT革命の進展に伴って情報通信の重要性が一層高まる中で、こうした地域的な格差の解消を今後重要な政策課題として取り組まなきゃいかぬ。
 そこで、現在、与党を中心にして行われておりますけれども、公共事業の見直しの検討の中で、この情報通信ネットワークインフラの整備にかかる経費を道路等の整備と同様に公共事業関係費として位置づけたらどうかと、そうすれば建設国債ということにつながっていくわけでございますから、そういう議論が課題の一つとして取り上げられておりますが、まだきちんとした結論には至っておりません。
 私どもは、政府の検討状況も踏まえながら、とにかく今申しましたようにネットワークのインフラを早く整備する。早く整備するにはどういう方法が適切か、方法は一つには限らないと思います。幾つかあると思いますが、そういうものを十分に総合的に検討しながら今後に対処したい、そう思っております。
#34
○高橋千秋君 光ファイバーについては私も非常に重要なことだと思うんですが、新聞等の情報でしかないんですけれども、建設省の方はどうも下水道に引いている、下水道の水位をはかる光ファイバーがあるそうですね、それをもっと敷設していくという考えだというふうに聞いたんですが、そうなると、さっきの大臣の話で田舎には下水道がありませんから、私の地区も特に下水道の普及率が非常に悪いんですけれども、それを考えると下水道をつくらなきゃいけない、結局土木工事になってしまうんじゃないかというおそれが一つあります。
 それと、先ほどの公共事業ということの話でいえば、結局ITといえば何でも通ってしまうというところから、また公共事業のばらまきにつながってしまわないかというおそれがあります。
 そのことについて、いかがでございましょうか。
#35
○国務大臣(平林鴻三君) 下水道に光ファイバーを入れるということは、下水道の管理のために例えば水位を絶えずテレメーターではかるとかいろんなことがございますので、下水管自身に光ファイバーを入れるということは下水道自身の管理の方法としてあるわけでございます。それを一部転用して各家庭に光ファイバーが入り込めるような、そういう方向に持っていきたいということは考えられることだと私も思っております。けれども、それがすべてではございませんし、下水道を敷かなければ光ファイバーも入らないというわけではございませんから、そこらのところは決して限定することなしに、もっと広く光ファイバーがおくれておる地域にも早く入るような方法をいろいろと考えてみる必要があるだろう、そう思っておるところでございます。
#36
○高橋千秋君 この後もう同僚議員の方の質問に移りたいと思いますが、最後に、私、初めて当選をさせていただいて、きのう予算委員会に出させていただいたんですが、実はきょうも持っておるんですが、委員会にパソコンを持ち込めない。いや、開いておりませんから、まだ。通信機器は持ち込んではいけない、そういうことを衛視から注意を受けました。
 ぜひ、電子政府を目指す、特に交通・情報通信委員会という一番重要なところでは、せめてこういうもので常に情報を見ながら質問ができるような形にでも持っていく必要があるんではないかなというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
#37
○政務次官(常田享詳君) ただいまの御指摘のことにつきましては、当委員会の理事会等で御検討いただくことだと思います。
#38
○高橋千秋君 疑問に思ったことでございますので、それを率直に述べさせていただきました。
 それでは同僚に移りたいと思います。よろしくお願いします。
#39
○内藤正光君 おはようございます。民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 先ほどの景山理事の質問と重なるところが少なからずあろうかと思いますが、NTTの接続料問題について何点かにわたって質問をさせていただきたいと思います。
 まず、端的にお尋ねをさせていただきますが、接続料問題についてさきのサミット前の日米合意で決まったこと、具体的に何なのか、端的に御説明していただけますでしょうか。
#40
○国務大臣(平林鴻三君) 七月に行われました日米規制緩和対話におきましては、NTTの接続料問題、これを長期増分費用方式の当初の導入方策として考えたわけでございます。
 第一は、平成十二年度から三年間でモデルケースAを実施することとしており、具体的には平成十年度の接続料との比較でGC接続の場合二二・五%を引き下げ、ZC接続の場合六〇・一%引き下げること。二といたしまして、前半二年間で平成十年度トラフィックベースで見た場合、その引き下げのうちGC接続で約九〇%、ZC接続で約八〇%を前倒し実施すること。三としまして、今秋に認可予定の平成十二年度の接続料については、平成十二年四月一日にさかのぼって適用すること。
 それから、大きな第二点としまして、ケースAのモデル見直しを今秋から開始し、平成十四年にその適用の是非について決定すること。
 第三点といたしまして、ケースBの取り扱いについては今秋から検討を開始し、国民的なコンセンサスの確立を前提に平成十四年に結論を得ることというような内容を定めたところでございます。
#41
○内藤正光君 ありがとうございます。
 私は今も覚えているんですが、五月十一日、当委員会において長期増分費用方式の問題が審議をされました。その中で、私は一つの質問をしたわけなんですが、四年間で二二・五%引き下げると、ついては各年の引き下げはどのように決められるのか、私は当時の八代英太郵政大臣に質問をさせていただきました。それに対して大臣は明確に述べられたんですが、どのように述べられたのか、改めてちょっと大臣の口からおっしゃっていただけますでしょうか。
#42
○国務大臣(平林鴻三君) 八代郵政大臣が平成十二年五月十一日に当委員会で答弁をしておられます。「接続料の各年ごとの引き下げ率につきましては、東西NTTの自主的な経営判断に基づき認可申請されるものでありまして、東西NTTの経営判断は当然に尊重されるべきものでございます。」、かような答弁をされておるはずでございます。
#43
○内藤正光君 それは、四年間にわたってあくまでもNTTの自主的な経営判断が尊重されると。先ほど景山理事の質問に対して、そうはいっても予想外にNTTの収益が悪くはなかった、だから見直したんだとおっしゃいましたが、しかしこの答弁は当然尊重されるべきものだと私は思うんです。
 そう考えますと、この当時の八代郵政大臣の答弁と、つまり国会での質疑と実際とが余りにも大きな乖離があり過ぎるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(平林鴻三君) 五月時点の八代前大臣の御答弁、その後の事情の変化と申しますか、端的に言いますと、NTTの平成十一年度の決算が確定数値ではございませんけれども、ほぼ確実な数値として出てまいったという、そういう事情の変化があったということを先ほどお答えいたしたところでございます。
 そこで、国会答弁と日米の合意内容とでは距離があり過ぎるのではないかという御質問でございますが、実施期間を四年間から三年間に短縮いたしました。これは当初、先ほど申したとおりでございますが、平成十年度決算をベースにして東西NTTの収支見込みに基づいて四年間としておったところでありますが、五月末になって発表されました平成十一年度決算結果が当初見込みより好転をいたしましたことから、収支見込みが変化したことを受けて実施期間の短縮化をいたしたものでございます。
 したがって、東西NTTの経営状況等に配慮するものとした国会の御審議には沿ったものと認識をして、さような変更を行ったということで実は御了解を賜りたいと思うわけでございます。
 また、もう一つ申し上げますが、三年間のうちの前半二年間での前倒しにつきましては、前大臣の東西NTTの経営判断は当然に尊重されるべき旨の国会答弁を踏まえまして、東西NTTに事前に意向を確認いたしました。その自主的な経営判断を尊重して日米間で決着をいたしたと、そういう経過でございます。
#45
○内藤正光君 しかし、当委員会での質疑は、いろいろな国益的な観点からいろいろ議論の末、郵政大臣のああいう答弁を得たわけなんです。結局、それ以降この国会に何ら問うこともなくああいう実質的に二年間で前倒し実施をするということを決めてしまった。私は、これは完全に国会軽視だというふうに言わざるを得ないんです。
 時間もありませんからもう一つ言いますと、はっきり言えば、アメリカの電気通信市場にも多くの参入障壁があるわけです。通商上の懸念だとかいってわけのわからないような障壁があるわけなんです。今回は、規制緩和対話というからには双方向でなければならない。では、実際、今回の交渉でアメリカに何か約束させることはできたんですか。
#46
○国務大臣(平林鴻三君) 私どもとしては、国会での御審議を十分に認識しながら日米の規制緩和の対話に臨んだつもりでございます。
 なお、双方向でというお話はもちろんのことでございまして、この規制対話は双方向の対話という基本原則のもとで開始されたものでございます。
 今回の三年目の対話におきましては、この基本原則にのっとって、アメリカ側の措置に対する日本側の要望についても相当粘り強く交渉を行っておりまして、その結果、以下申し上げるような点で前進を、大きな前進と申してもよかろうと思いますが、前進をいたしております。
 一は、米国市場参入に関する審査基準の透明性に関する日本側の懸念について対話を開始することになった。二番目は、州レベルの、アメリカの州でございますが、アメリカの州レベルの規制の統一化に向けた対話を引き続き促進すること。三番目には、接続料算定方法について、FCC、連邦通信委員会でございますが、FCCの長期増分費用方式モデル作成プロセスの透明性を確保すること。四番目には、商用、商業用でございますが、商用衛星に係る輸出許可、技術情報移転の改善については日本側の主張が受け入れられて実現をしたというようなことでございまして、今後は四年目の対話に向けまして、今申し上げました措置についてその実施状況を注目して眺めますとともに、さらなる前進を求めていきたいと、そういう考え方でございます。
#47
○内藤正光君 ちょっと時間も過ぎてまいりました。一言だけ申し上げさせていただきます。
 私もその話は聞いております。ただ、中身を見ますと、対話を開始した旨の記述を盛り込むとか年限を定めたものは何一つないわけなんです。こんなの交渉と言わないんです。こんなことを続けていたら日本の国益は損なわれるばかりなんです。しっかりとこういったことを肝に銘じて、これからのアメリカとの交渉に臨んでいただきたい、このことを強く申し上げて、私の質問を終えさせていただきます。
#48
○国務大臣(平林鴻三君) ただいまの御発言を強い御激励と受け取らせていただきまして、今後、努力をいたします。
#49
○日笠勝之君 おはようございます。公明党の日笠勝之でございます。
 私も持ち時間が大変少のうございますから、短答式で簡潔に御答弁いただければと思います。
 サミット前にNTTの回線接続料のことが決着を見まして、その辺については先ほど大臣からも御披瀝がございました。私は労を多とするところでございますが、片一方、先日の郵政大臣の当委員会におけるあいさつの中で、IT革命の基盤となる情報通信サービスの向上を促進するため云々と続きますが、要は、通信料金の低廉化ということを明確におっしゃっておられます。
 ですから、国民側から見ればこの回線接続料の交渉は、二二・五%、三年間、それも二年間のうちにほとんど九割方はやってしまおう、二割方は回線接続料は下がるんだろうと。それが一体利用者にとってどれだけの効果があるのか、低廉化にこれが資するのかということでございますが、私がやっぱり一番、今から言うのもおかしいんですが、心配申し上げていることは、新電電、NCCは、今日まで接続料をNTTは引き下げてきましたけれども、どうも接続料の引き下げに見合うだけの本当に国民への還元をしたんだろうかと、こういう一つのお話もございます。
 そこで、郵政大臣に御答弁をお願いしたいことは、せっかくここまで交渉して、目に見える形で回線接続料が下がるということになった場合、新電電は一体どこまでそれを、一〇〇%といいましょうか、それに近い形で利用者に還元するのか、その担保ですね、担保。法律で強制的に同じように下げろというわけにいかぬと思いますから、担保とそれからそのことに対する検証ですね、担保と検証についてどのようにお考えなのか。一番これは肝心なところでございますから、明確な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
#50
○国務大臣(平林鴻三君) 料金の低廉化ということはこれからのIT社会を推進する上に非常に大切な要素であると思いますので、郵政省としても政策的な努力を怠りなしにやるべきだと思っておりますが、このたびのNTTの接続料引き下げ、長期増分方式を使ったということが引き下げ可能な計算ができるということにつながったわけでございますけれども、NCCの、新規参入事業者側が、したがいましてNTTに対する接続料支払いはその分だけ安くなるということでございます。
 そこで、この接続料支払いの安くなった分をどういうふうに利用者に還元するかということは、最終的には事業者の経営判断によるものだと。これは現在、料金が届け出制になっておりますから、さようなことになるだろうと思いますが、郵政省としましては、先般の国会で接続料引き下げの利用者還元については附帯決議をしておられますし、また、電気通信審議会の答申においてもそういうことをおっしゃっておられます。既に一部のNCCにつきましては、接続料の引き下げを契機に市内電話を三分十円よりも安く、例えば九円とか、そういう方に設定するといった計画を検討していると承知をいたしております。
 そこで、郵政省としては、制度の仕組みが届け出制でございますから、事業者の対応を注目するとともに、NTTの接続料の認可の際に当たって直接そのように促すということも検討をいたしておるところでございます。
#51
○日笠勝之君 その果実が利用者に還元されることを、ぜひ特段の御配慮をお願い申し上げておきたいと思います。
 それから次の質問に移りますが、いわゆるIT革命の基盤整備でございますけれども、先ほども御質問がございましたが、光ファイバーを構築していこうと、こういうことでございますが、建設省がおっしゃっておるのと郵政省がおっしゃっておるのとどうも整合性がない。これは下手すると内閣不一致になって、問題になる可能性もございますが、私個人のこれは見解でございますけれども、光ファイバー、ITの基盤整備は民間がやるのがやっぱり筋なんだろうなと、どうしても郵政省側に傾いたような話になってくるんですが。
 しかし、光ファイバーだけがその担い手じゃないわけで、先ほどもお話がございましたが、せっかく百年もかけて各家庭にまで同軸ケーブル、いわゆる導線を引いておるわけですが、これを利用したADSLなんというようなことも当然考えなきゃいけませんし、また無線という、こういうことも考えなきゃいけません。
 ですから、光ファイバーだけが云々じゃありませんけれども、光ファイバーも、下水道に光ファイバーと言っていますけれども、例えば私の住んでおります岡山市では地域情報水道構想というのがございまして、いわゆる下水道に光ファイバーを敷設します。それを今度地域ポイントであるNTTの交換所のところで立ち上げて、その交換所を通して、NTTの管路を通じて事業所であり家庭にまた光ファイバーの支線を引く、こういう構想を今考えておるわけでございます。
 しかし、下水道に光ファイバーを引くというのは、これは今おっしゃったテレメーターの水位を見るんじゃなくて、どうも岡山市が考えているのは、ぐるぐると光ファイバーを巻いて水の中に置いちゃおうと。ぶら下げないで下に置いちゃおうと。そうすると、一メートル二、三万円かかるものが六千円ぐらいでできるんだと。
 そういうようなことも考えながら、この構想を地域においてひとつ実験としてやりたいということですが、これ一体どこがその窓口になるのかなと。下水道に光ファイバーを置かせてもらうとなれば、これは建設省なんでしょうね。しかし、NTTの交換所を通して、NTTの管路を使いながらやるとなれば、これはNTT、民間が入ってきますし、いや、そこのところを国がやるんだとなれば、一体ではどこが、どういう補助金制度があるのか。コンテンツは一体ではどこが補助するのか。何か通産省じゃないかとかいろいろ言われています。
 そうなってくると、こういう岡山市において先導的なパイロットの一つとしてやろうとする、こういうふうな地域ごとのITの一つの戦略的な拠点をつくろうという場合、もう省庁が三つも四つも入ってきて、一体どこが窓口になって責任を持ってそれを推進していくのかということが明確でないと。それで市長さんも頭を抱えておるわけでございます。
 これは郵政省の所管じゃないといいますけれども、ITの関係の中心であろう郵政省として、一体こういうふうな問題をどうすくい上げて、それをうまくランニングさせていくかということをお考えなのか。時間がありませんから、所感で結構ですから、御感想でも結構ですから、どうぞお願いします。
#52
○国務大臣(平林鴻三君) もちろん、政府の、各省庁間で必要な調整を行って、むだのないようにしなければいかぬと思っております。郵政省はもちろん関係官庁でございますから、岡山市の御計画というのがまだ計画段階でございまして、これからどのようにというところをよく私どもも情報を聞かせていただきながら、必要な、むだのない、そういう対策を考えてまいりたいと思っております。
#53
○日笠勝之君 岡山市は来年度予算でいろいろ補助金を申請しようということでございますから、まだ計画の段階ではありますが、いよいよ概算要求、それ以降の、また年末までにかけてはいろいろ具体的な要請があろうかと思いますが、しっかりと対応をお願いいたしまして、終わります。
#54
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 大臣も昨日の所信表明で言及されましたけれども、九州・沖縄サミットでは世界に向けてIT憲章が採択されました。IT憲章の第三パラグラフでは、IT革命の推進に当たり「我々は、すべての人がいかなるところにおいてもグローバルな情報社会の利益に参加可能とされ、何人もこの利益から排除されてはならないという参加の原則に対するコミットメントを新たにする。この社会の強靱性は、情報及び知識の自由な流れ、相互の寛容性、多様性の尊重といった、人間の発展を促進する民主的価値に依存する。」と、こう高らかに宣言をいたしました。
 私は、特に「何人もこの利益から排除されてはならない」と言っていることが極めて重要だと思います。IT憲章に書かれたこの理念を推進する大臣の決意をまずお伺いしたいと思います。
#55
○国務大臣(平林鴻三君) 九州・沖縄サミットで採択されましたいわゆるIT憲章、グローバルな情報社会に関する沖縄憲章でございますが、ITが二十一世紀を形づくる最強の力の一つであり、何人もこの利益から排除されてはならないという、おっしゃいますように参加の原則が確認されたところでございます。国内的にも国際的にも、デジタルオポチュニティー、ITが提供します機会を活用して、だれもが参加できる情報通信社会の構築に向けた取り組みが重要であると私どもは認識をいたしております。
 そこで、郵政省といたしましては、このような観点から、情報通信ネットワークの整備と利用促進のための施策を進めるとともに、その関連の施策も積極的に実施してまいりたいと、さように考えて今後努力をいたしたいと思っております。
#56
○宮本岳志君 そこで、この第三項を我が国で実現するために何が必要かということを考えてみたいと思うんです。
 IT革命とはつまりインターネット革命のことだと言う人もいるぐらい、IT革命にとってインターネットの普及というものが決定的な問題になってくることは異論がないと思うんですね。
 そして、今回の憲章が「何人もこの利益から排除されてはならない」と宣言していることに照らせば、インターネットへのアクセスを従来のユニバーサルサービスという、この範囲に加えるということが当然検討されるべきではないかと、こう思うんですけれども、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(平林鴻三君) おっしゃいますインターネットへのアクセスをユニバーサルサービスの範囲に加えるということでございますが、現在は東西NTTの電話サービスがNTT法に基づいてあまねく公平かつ安定的なユニバーサルサービスとして確保されておるところでございますが、インターネットにつきましても、御指摘のように、九州・沖縄サミットにおけるIT憲章の採択に象徴されますように、デジタルディバイドの解消の観点から、地域などにはかかわりなしに需要をあまねくかつ公平に確保することが望ましいという考え方は、これは世間一般にだんだんと強くなってきておると存じます。
 そこで、郵政省としては、七月二十六日に電気通信審議会にインターネット時代を念頭に置いた今後の競争政策のあり方を諮問いたしまして、競争状況のもとでのユニバーサルサービス確保のあり方について、そのサービス範囲も含めて御審議をいただくことにしております。
 今おっしゃいましたようなことはこの審議会の審議の中で十分に御議論を願いたいと、そう期待をいたしておるところであります。
#58
○宮本岳志君 ぜひ積極的に検討していただきたいと思うんです。
 ユニバーサルサービス懇談会では、普及の状況なども踏まえて、まだ時期尚早とかつて言われたこともありましたけれども、そのとき同じように時期尚早と言われた携帯電話は既に加入電話を上回ったということですので、まさに秒進分歩と言われる分野ですから、機敏に見直すことを求めていきたいというふうに思います。
 ところが、このIT革命というのをそういう国民のニーズから考えるのではなくて、専ら都合のよいビジネスチャンスととらえる傾向も一方で存在すると私たちは危惧しております。
 例えば、この間ネットバブルということが問題になりました。これは事実の問題を確認したいんですが、つい先ごろまでIT関連ビジネスの旗手だと言われた光通信の株価がどうなったか、昨年末と現在の数字をお答えください。
#59
○政府参考人(天野定功君) 光通信の昨年末と現在の株価ということでございますので、お答え申し上げたいと思います。
 まず、昨年末の終わり値は二十万五千円であり、昨日の終わり値は四千五百六十円となっております。
#60
○宮本岳志君 ITといえば何でももてはやされる風潮に乗せられて、株を買ったらたちまち四十分の一以下ということになってしまったということなんですね。
 光通信だけではありません。ソフトバンクを初めこれまでIT関連ともてはやされてきた銘柄が軒並み暴落をしております。もちろん投機はいつの時代にもあるわけですし、仮に一もうけをたくらんだ人が失敗したとしてもそれは自己責任の問題だと思います。しかし、国の政策によってそうした投機が仮にあおられたり経済に無用の混乱を生んだりすることがあってはならない、それは九一年のバブル崩壊の際にも厳しく問われたことだったと思います。
 ネットバブル崩壊に対する反省の中で、これらの企業のビジネスの中身が本当にIT革命の担い手と言えるようなものだったのかということが言われております。光通信というのは、実際は携帯電話の端末の販売ということでありますけれども、もうけの手口はいわゆる寝かせと言われているものでありまして、架空の売り上げを計上してバックマージンを取る。そして、そのバックマージンを見越してダンピングするというものでありまして、これ自体は古くからある営業、販売手法なんです。さらに、最近では、小売業者の株式上場を仕掛けて創業者利益を吸い上げるということもやっております。
 こういう風潮について、大臣はどのようにお考えになるか、まずそこをお伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(平林鴻三君) 私は、実は商売をしたことのない人間でございますし、株式は若干持ったりしたことはありますが、今は一つも持っておりません。ですから、この方面のことに関しては大変疎いわけでございますが、やはり時勢に便乗して巧みにもうけ口を考えるという人はこれは常にございます。それが大きく伸びてしっかりした企業になるか、あるいはバブルのごとく消え去るかというようなことは、これはやはり私のような経歴の人間にはちょっと予測がつきがたい問題だなと思っております。
 いずれにいたしましても、経済の運営に非常に大きな影響を及ぼすような、悪影響を及ぼすようなことは、これはやはり政府としても気がつけば注意を促すということは大切だろうと思います。自由な世の中でありますし、自己責任ということが中心でございますが、経済全体に悪影響を及ぼすようなことは、これはやはり注意をしていかなきゃいかぬことだろうと、その程度の感想でございます。
#62
○宮本岳志君 総理の所信表明演説でも、いわゆるIT革命を新生経済の起爆剤と位置づけて、その中身というのはもちろんいろいろあるんでしょうけれども、しかし、やはりIT革命ということでひっくるめて論じられているというのは非常に不安を感じるわけであります。
 そこで、実際にそのIT革命を日本で進める上で中心的な問題は何かと。これは、やはり遅い、高い、危ないとよく言われるインターネットへの接続を、いつでもどこでも早く低料金で安全にという方向に政策誘導することだと思います。
 時間がないので、きょうは料金問題に絞ってお伺いをしたいと思うんです。
 それで、私、きょうは資料を配付させていただきました。これは郵政省からいただいた資料であります。一世帯の国内通信料金、これは月間の料金の資料であります。それで、加入電話、移動通信、またインターネット、その合計を右に計算しましたけれども、九三年度は七千二百八十三円だったものが、九九年度は一万四千三百十一円と、実に倍になっている姿がよくわかっていただけると思うんです。つまり、携帯電話やインターネットの普及がそのまま家計の中での通信費支出の増加となってかぶさっているということがあらわれております。加入電話の分は、この間七千円前後でほとんど変わらずに推移しております。
 こういう状況ですと、やはり通信料金への出費というものが大きく家計にのしかかっていると、国民がインターネットに新たな支出をするようになかなかならないというふうに思うんですけれども、まず家計における通信費支出の引き下げ、これがIT化の推進のために必要だと認識しているかどうか、ここをひとつお伺いしたいと思います。
#63
○政府参考人(天野定功君) 我が国では、従来からの加入電話に加えまして、近年携帯電話やインターネットのような多様な通信手段がふえて、家計における通信費の負担の比重もふえているところでございます。
 通信料金は、競争政策の導入だとか、あるいは規制緩和によりまして最近は低廉化しているところもございますけれども、さらにIT革命を推進させるための通信料金のより一層の引き下げ、中でも家計における通信費負担の引き下げを図っていくことは重要な政策課題であると私どもは認識いたしております。
#64
○宮本岳志君 インターネットの接続というのは市内のアクセスポイントで行うんです、大体。ですから、国際通話や長距離通話料金が下がってもだめなんですよ。この市内通話料金が下がらないとだめだと思うんですね。
 それで、この間、先ほど議論もありましたが、接続料の引き下げにもかかわって市内電話が三分九円とかいう議論がございます。しかし、私はその程度ではインターネットユーザーの期待にはこたえられないと。政府が本気でインターネットを普及しようとするなら、大臣の所信でも触れられたように、思い切って低い水準の定額料金制を、しかもインターネットに見合う通信速度のサービスと一体に提供できるように、そういう政策誘導が必要だと思います。
 同時に、電話料金についてはライフラインとしての電話網の性格というものもあるわけですから、私はインターネットはやりませんという人には定額制を押しつけない配慮も必要だと。もちろん基本料金の引き下げということも必要だと私たちは思います。大臣の抜本的な料金引き下げへの取り組みの決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(平林鴻三君) やはり、一番力が強いのはNTTであろうと思いますが、東西のNTTは例のISDNを利用した月額四千五百円の完全定額制サービスを本年の七月から大都市で始めておりまして、これを徐々に広げていくということで、これは低廉化の方向に行くものだと考えております。
 その他、いろいろの方法で低廉な完全定額制というものが実現をできるようにこれからも考えていきたいと思いますし、事業者側の努力を望みたいと思っております。
 それから、いわゆるプライスキャップ制というものをとった東西NTTの電話料金でございますが、この一年間全体の料金水準としては、少なくとも二・二%の引き下げということを求めてやっておるわけでございます。基本料金につきましても、このプライスキャップ制の中でもサブバスケットとして、少なくとも現行料金水準よりも引き上げられることがないように措置をしておるところでございます。今後も効率的な経営に努めてもらって、安易に基本料金の引き上げにつながらないようにひとつ願いたいと思っておるところでございます。
#66
○宮本岳志君 一言だけいいですか。
 ネットワークを事業に使ってそこから利益を得ている事業者というのは、当然それに見合った応分の負担をすべきだと私たちは思うんです。だから、できるだけ事業者からの収益を一般のユーザーの電話料金引き下げに使う、ネットワークを広げる、そういう料金体系への抜本的な改革が必要だと思います。
 我が党は、情報通信技術の進歩は国民生活の向上に大きく寄与し得るし、IT革命がこれから本格的に姿をあらわせば、人類の文化、技術の歴史の中でも画期的な一段階を画するものになり得ると思います。そのためには、ビジネスチャンスというようなことで専ら企業がもうけを吸い上げるものにするのではなくて、逆に企業にとってはあぶくのようなもうけはないが広く国民の役に立つ、そしてそのことがやがて地に足がついた新たなビジネスの場が開拓される、そういうものとして政策誘導していくことこそ国の責任である。このことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
#67
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 IT革命による雇用の創出についてお伺いをいたします。
 大臣は昨日のあいさつの中でIT革命による新規産業と雇用の創出について述べられていましたが、雇用の創出について具体的にどのように取り組みをなされようとしているのか、大臣のお考えをお聞きいたします。
#68
○国務大臣(平林鴻三君) これは、端的に申しますと、情報通信分野のベンチャー企業の育成とかあるいは新規産業の創出に役立つ技術開発等の施策をやっていこうということでございまして、具体的には新規産業を創出する情報通信分野のベンチャー企業の支援としてテレコム・ベンチャー投資事業組合という組合をつくって、そこに対して資金的支援をする、またベンチャー企業の行う先進的な情報通信技術の研究開発の補助金で支援をする、さらにはベンチャー企業及び創業を目指す個人を対象とした新規事業化資金の一部助成、これは平成十二年度につくられたものでございますが、そういうことをやっております。
 また、新規産業の創出に資する研究開発につきましても総合的に推進を図っておるところでございまして、例えばギガビットのネットワーク技術の研究とか、あるいは成層圏無線プラットホームの研究とか新しい分野について総合的な推進を図っておるということでございます。
#69
○渕上貞雄君 昨今の雇用状況を見ますと、失業率は、三百万人以上を超えるというような状況でございますし、やはり新規企業、産業の発展によってそこに雇用を供給していくということはこれから先最も大事なことでありますから、なお一層大臣の御努力を期待しておきたいと思います。
 次に、電子署名やハッカー対策などの国際ルールづくりについてお伺いをいたします。
 電子技術の進歩によって世界と職場、世界と家庭が隣り合わせになってきている。そういう状況になってきておりますし、瞬時にして世界の情報を手に入れることができる時代になってきております。しかしその反面、個人情報の漏えいやハッカーと言われるコンピューターへの侵入者、さらにはコンピュータープログラムを破壊するウイルスの問題などあらゆる問題が惹起しています。しかも、これらのことが国境を越えて行われるというのがコンピューター社会の特徴だと言えます。さきの沖縄サミットやOECDの理事会などにおいてもこれらの問題の対応のための国際ルールづくりが検討されておりますが、その後の進捗状況についてお伺いをしたい。
 また、電子署名の保護制度についてはEUとアメリカでは基本的な対応がかなり違っていますが、我が国として今後どのように対応されようとしておるのか、お教えを願いたいと思います。
#70
○国務大臣(平林鴻三君) まず、電子署名・認証でございますが、これは法律もつくっていただいてあるわけでございまして、我が国としては、我が国だけでこの法制を決めるということでなくて、十分に国際的な整合性のとれた制度にするということが大切であると認識をしております。
 そこで、この認証事業者の認定制度に関してアメリカには異なったアプローチもあるということも承知をいたしておりますし、既にヨーロッパやアジア諸国で制定された法律の内容を見ますと、電子署名に関する技術中立性への配慮、それから認証事業者に対する任意的な認定制度の導入が近時の主流となっておる。そこで、アメリカにおきましても一部の州ではさような考え方の制度をとっておる州もあるということでございます。
 我が国といたしましては、このような国際的な流れに沿う観点から、利用者が信頼性を判断するための目安としての任意的認定制度を設けながら、民間技術、事業の自由な発展を促す技術中立性に十分配慮する仕組みとしてこの電子署名・認証業務の普及、発展を促したいと考えております。
 また、ハッカーとかコンピューターウイルスとか個人情報の漏えいなどにつきましては、いわゆるIT革命に伴う影の部分といいますか、非常に困った現象が起こるわけでございますが、この点につきましても、世界的な情報通信社会の安全性と信頼性を確保するために国際ルールづくりということが極めて重要であると考えております。詳しくは省略いたしますが、OECDあるいはG8というようなところでいろんな研究、検討、協議が行われておるわけでございますから、そういう検討に我々も参加をしてきておるということでございまして、国際的なルールづくりにこれからも努力をしていきたいと考えております。
#71
○渕上貞雄君 次に、情報格差の縮小問題についてお伺いをいたします。
 二〇〇〇年版の通信白書でも指摘をされておりますけれども、パソコンなどの情報通信手段に接したり使いこなすための技術を習得するための機会を持つ者と持たない者との格差の拡大が懸念されておりますが、郵政省として、今後情報革命によるこれからのこういう情報格差の問題についてどのようになくしていこうとしておるのか、お考えを述べていただきたいと思います。
#72
○国務大臣(平林鴻三君) いわゆるデジタルディバイドでございますが、所得、年齢、教育、地理的な要因、障害などさまざまな要因で発生しておるわけでございますから、その解消に向けましては、それぞれの要因に応じた方策が必要だろうと思います。
 例えば、年齢や障害によるデジタルディバイドの解消に対して、郵政省は、だれもが情報通信の利便を享受できる情報バリアフリー環境の整備に向けて、だれでも情報通信を易しく使えるようにする技術の研究開発、あるいは民間における機器の設計開発等のガイドラインづくりを支援するというようなことをやっております。
 もう少し具体的に申しますと、個々の利用者のさまざまな障害に対応した音声読み上げや文字拡大など、パソコンやインターネットを使いやすくする機能が自動的に提供されるシステムを開発しようというようなことも一例でございます。
 今申し上げましたようなことで、デジタルディバイドからデジタルオポチュニティーへということで今後の社会の構造変革に資していきたい、そう考えておるところであります。
#73
○渕上貞雄君 あと幾つか質問通告しておりますが、時間でございますので、これで終わります。
#74
○岩本荘太君 無所属の会の岩本でございます。郵政省関係の最後の質問でございますので、よろしくお願いいたします。
 時間も限られておりますので、私、たびたび大臣がおかわりになったときに、所信表明、所信的ごあいさつというんですか、そういうものに対して基本的な点で幾つか御質問させていただいておりますので、今回もその点について何点か質問させていただきたい、こう思っております。
 まず最初に、きのう大臣がごあいさつなされたのをお聞きしまして、全く個人的な印象なんですけれども、何か科学者といいますか技術者といいますか、専門家の何かセミナーの冒頭のごあいさつを聞いているような私は錯覚をいたしまして、どうしてかなというような感じだったんです。先ほど何か高橋委員が明快に分析された中にあるのかなと思うんですが、いわゆるつくり手の方の理屈が非常に多いような気がいたしまして、産業政策としてそういうことも大変大事だと思いますけれども、やはりIT革命、それによって国民全体が平等に利益を享受できる、そういうものにいかに国がリーダーシップを発揮するか、そういう方向に向かってということが大事じゃないかなと、これは私の印象でございますし、ただ大臣も先ほど御答弁ございましたので、御要望としてつけ加えさせていただきたいと思っております。
 質問の方なんですが、私、この高度情報化社会、これの中で、いわゆるこれの果たす役割の一つの大きなものとして地域間格差があると思うんです。といいますのは、私はどちらかといいますと、個人的には農林行政とか地方行政が主だったものですから、地方の人との接触が非常に多くて、そういう観点からの物の見方に凝り固まっているといいますか、そういう面がございます。また、最近は地方分権の推進とか、やはり地方の位置づけも非常に大きくなっておりますので、そういう面から質問をさせていただきたいなと思っているわけでございます。
 それで、地域間格差の解消、いろんな手段があると思いますけれども、やはり情報というのが一つの大きな地域間格差の役割を果たすと、こう思っておりまして、大変期待しているわけでございます。このほかにも新幹線とか交通網の整備等がございますが、それは非常にお金がかかるものですから、なかなか地方まで回ってこないというようなこともございます。
 その点からもこの情報による地域間格差の解消というものが期待、地方にとっても大きな期待をしているわけでございますが、そういう面でこれからの高度情報化社会に向けて、大臣は地方をどういうふうにイメージされているか、お考えになっているか、また地方に対してどのようなお取り計らいをお考えになっているか、その点、まず基本的な姿勢をお伺いいたしたいと思います。
#75
○国務大臣(平林鴻三君) 私も実は田舎に住んでおるものですから、ただいまのお話は身にしみておりまして、実を言いますと私が住んでおる鳥取県では、まだテレビやラジオの難視聴地域というのが若干ございますし、ましてや携帯電話が通じないというところはあちこちにまだございまして、いわばそういう地域間格差をできるだけ早く解消して、すべての国民がITの利益を享受できるように努力をしたいと考えております。
 そこで、具体的に言いますと、やはりいろんなやり方はございますけれども、早く全国に光ファイバー網というようないわゆる基盤整備をやってしまいたい、そういうことでございます。また、地方公共団体が主体となってみずからが行政サービスの高度化や効率化のために地域の公共ネットワークというものをつくっていく、そういうようなことをこちらから促進できるように取り計らっていってはどうか。もう既にやっておりますけれども、さようなことを考えております。
 おっしゃいますように、これからは田舎に住んでおる不便な人が便利になるようにということを重要なことに考えて進めていくべきであろうと思います。
#76
○岩本荘太君 ぜひ基盤整備をまず全国的に張りめぐらせていただきたい。それと同時に、地域間の、地方行政の面も大事かと思いますが、もう一つは、やっぱり地域間ばかりではなくて、それぞれ、私は石川県でございますけれども、石川県の者が東京との接続、接触を、コミュニケーションを図る場合もございますので、そういうときにも地域間格差がなくなるようにしていただきたいということは、ある意味では、別の言い方をすれば料金がどこでもどちらからでも同じようになったらいいなということを思っているわけでございます。
 こういう面でたびたび質問させていただきまして、去年の暮れでしたか、この委員会でも当時の小坂政務次官からいろいろお話を伺いまして、御努力をされている点は伺いました。一昔前から比べれば通信料金は一般の電話なんかは相当下がっているというようなお話で、これはそういう面で御努力を続けていただきたいなと思うんですが、もう一方でインターネットで定額制を採用されて、同じような、公平公正なコミュニケーションの場を与えているようにも伺っておりますので、それをどんどん進めておられると思いますが、この辺はこれからどんどん先を急がなきゃいけないんじゃないかというような気がするんですが、この辺のお取り組みの基本的な姿勢といいますか、その辺をぜひお伺いしたいと思います。
#77
○政務次官(佐田玄一郎君) 今、委員が言われたように、地域間格差はこれからしっかりと是正していかなくちゃいけませんし、また日本におきましても、これから時間を気にしないで、今、委員の言われたように定額制を全国に普及させる、こういうことが非常にこれから重要になってこようかと思います。
 郵政省におきましても、NTTに対しまして定額制サービスの早期導入を要請するとともに、DSL、これは今韓国なんかでも随分評判になっているんですけれども、今ある既存のメタルの線も使ってやれるようなサービスでありますけれども、そういうふうな整備も行っていきたい、こういうふうに思っております。
 また、東西NTTは、昨年十一月に月額八千円で開始いたしましたISDNを利用した完全定額制サービスを五月に四千五百円に値下げし、本年七月から本格サービスとして開始して、現在十一万ユーザーを獲得している現状であります。今後、首都圏周辺、政令指定都市級の大都市から徐々にサービスエリアを拡大しまして、本年度末までに県庁所在地級の都市までカバーする計画を今しておるところであります。
 そのほかにいろいろあるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたDSLであるとかCATVであるとか、いろいろなそういうことを活用しまして、できるだけインターネットが低廉になるように、また情報通信の基盤が確立できるようにこれからも努力をしていきたいと思っております。
 なお、一層低廉な完全定額制を早急に全国さまざまな地域で実現できるように、多様なアクセス系ネットワークの導入の促進やNTT加入者回線のアンバンドル化の環境整備も行っていきたい、かように思っております。
#78
○岩本荘太君 よろしくお願いいたします。
 この問題は、これからも私自身もフォローアップしていきたいなと思っております。
 そこで、最後に一つだけ視点を変えまして、これもいつもお伺いしておることですし、私も非常に心配のあることですが、いわゆる高度情報化社会といいますか、IT革命といいますか、そういう今のコミュニケーションの仕方を見ますと、見ることと聞くことといいますか、二感しか使っていないような感じがするんです。もともと人間という、人だったら別ですけれども、人間という、人の間にこう、人と人同士がつながっているこういう社会であればやっぱりコミュニケーションというのはどうしても必要ですし、そのコミュニケーションというのは五感でもって初めて正当なものになるんじゃないのかなと。
 そういう意味で、今の情報化社会、これは結構なんですけれども、このまま進んでいってそういうコミュニケーションの仕方が二感だけに偏っていっちゃうとすると、何か人間社会というのが本当にそれでいいものかなというような社会になっちゃうんじゃないのかなという危惧を持っておりまして、これはだから何をせよとか、なかなか難しい問題だと思うんですけれども、常にそういう認識というのは私は持っておかなきゃいけないんじゃないのかなと。実際にそのことをやらなくても、そういうことがあるんだということでいろいろ取り組んでいただきたいなというような気がするんですが、その辺について大臣ひとつ御所見をお伺いします。
#79
○国務大臣(平林鴻三君) IT社会の理想に近づけというお話だろうと思います。
 私、十年余り前にこの方面の専門家に話を聞いたときに、東京と大阪でテレビで会議ができる、結論も出せる、いろんなこともやれるんだけれども、やはりたまには一緒になって一杯飲んで飯を食ってコミュニケーションはしないと商売にもならないんだという話を聞かされたことがございまして、ちょっとそういうものかなという気がいたしましたけれども、やはりこういうITの社会の中でコミュニケーションをさらに濃密なものにするという努力を続けるべきだと思います。
#80
○岩本荘太君 どうもありがとうございました。
 政務次官にも、通告していなかった質問をお聞きしようと思ったんですけれども、ちょっと時間がなくなりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
#81
○委員長(齋藤勁君) 答弁者が交代いたしますのでしばらくお待ちください。
 それでは、質疑を続行いたします。
#82
○景山俊太郎君 JR会社の完全民営化についてまず伺います。
 六十二年に分割・民営化が発足いたしましてから、国鉄時代より経営内容もよくなりましたし、また駅員の接客状況もよくなったと思っております。その後は、二十八兆円に及ぶ長期債務の処理についても決定を見ました。いよいよ完全民営化ということが課題になってまいりました。
 そこで、大臣は就任後の記者会見で、JR完全民営化に関して全力で取り組みたい、その前提として本州三社の意見を調整するのが大事と発言をされました。三社の意見調整の現状と、JR完全民営化に向けた今後の見通しをお聞きしたいと思います。JR東海は完全民営化にはまだ非常に慎重な姿勢ということも聞いておりますが、そういう点も含めましてお伺いをしたいと思います。
#83
○国務大臣(森田一君) JR東日本とJR東海とJR西日本、これは六十二年の国鉄改革以降、各サービス水準の向上その他、順調に推移しているところでございます。そして、運輸省としてはできるだけ早期に民営化するということが既定の方針でございまして、このことは過去においていろんな場で明らかにされておるわけでございます。
 例えば、最初には国鉄再建監理委員会の意見、昭和六十年でありますが、一番最近では平成十年二月の閣議決定におきまして、株式の処分について市場の動向等を踏まえつつ適切に措置をとるというような表明がなされておりまして、いろんな場で完全民営化ということが言われておるわけでございまして、運輸省もこれは既定方針でございます。
 ただ、今、先生がおっしゃられましたように、JR東日本とJR東海とJR西日本、JR東海と他の二社と意見が違うことも事実のようでございます。完全民営化に当たりましては、鉄道ネットワークの維持やJR会社の地域社会に及ぼす影響あるいは安全性の確保というような問題等について十分に配慮していかなきゃいかぬわけでございますし、JRや与党についても関係者の意見を伺っていかなきゃいかぬというふうに考えております。
 そういう関係で、近く三社の社長と会う段取りになっておりますので、そこで意見を聞いた上でまた私の態度を決めたい、このように思っております。
#84
○景山俊太郎君 総括政務次官に答弁をお願いしたいと思いますが、運輸政策審議会の鉄道部会答申の実現策についてであります。
 八月一日に運輸政策審議会鉄道部会が、鉄道整備の際に、線路や駅などのインフラ部門を第三セクターなどの公的主体が整備し、運営は鉄道会社が行うという上下分離方式の検討を新たに盛り込んだ答申を出されております。この上下分離方式は、投資負担が大きいために鉄道会社による整備が非常に困難な路線、また新増設に有効でありまして、整備新幹線の建設には採用されておるところもあるようでございます。
 この上下分離方式は、安易に採用されますと、非常に安易でありますから肥大化していくような感じもありますけれども、在来線への上下分離方式の導入ということは非常に有効な感じもいたしておりますので、その点につきまして政務次官の御答弁をお願いしたいと思います。
#85
○政務次官(泉信也君) 運輸政策審議会鉄道部会からの答申は、「新世紀の鉄道整備の具体化に向けて」という、新しい時代に向けての鉄道の方向づけをしていただいたものでございまして、その中に、先生御指摘のような上下分離方式についても、新しい高齢化時代あるいは環境問題等に対応する一つの手だてとして御提言をいただいたところでございます。
 この方式は、御承知のように、整備主体と運行主体を分離する、鉄道の整備に公的主体が関与する方式であるわけでございまして、政策的に大変重要な、整備を要請されているにもかかわらず、なかなか従来の方式では進められない、運行主体に重たい負担がかかる、そこを解放するという一つの方法として考えていただいたものであると思っております。
 在来線につきましても、高速化を図るために、施設を第三セクターでつくる、そしてJRに貸し付けるという方式を現在も採用いたしておりますが、そういう意味におきましては、既にこの方式が活用されておるということは事実でございます。しかし、今般の答申はもっとこれを活用すべきだという御提言だというふうに受けとめておりまして、運輸省といたしましても在来線の整備がさらに円滑に進むように対処してまいりたいと思いますが、御指摘のございました安易に入れて本来の目的にそぐわなくなるというようなことのないように十分注意してまいりたいと思っております。
#86
○景山俊太郎君 きのう大臣の所信にもありましたし、この答申にもございましたし、またこの委員会でもしばしば出ておりますけれども、フリーゲージトレーンを活用した新幹線から在来線への直通運転、これも私はだんだん実現が可能になったように思っております。
 といいますのは、私は去年もことしも、この間でありますが、アメリカのコロラド州のプエブロへ現地視察をしてまいりました。去年よりもことしの方が随分進んでおるようでありますし、また去年は二車両でやっておりましたがことしは三車両、そして在来線と新幹線の軌道も新たに建設されてトレーニングするような段階になっておりました。六十万キロ走ったら来年は下関の方に持って帰ってまたトレーニングをするということも聞きましたが、このフリーゲージトレーンはいわゆる新幹線が入らない地域、例えば私の住んでいる山陰には伯備線というのがございますが、それらに導入していただくということは非常に有効な手だてではないかと思います。乗りかえるというのは大変不便でもありますし、今後、フリーゲージトレーンがより機能化され、新しい客車ができて早急に導入してもらいたいと。そういう点につきまして大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#87
○国務大臣(森田一君) 新幹線と在来線が相互に乗り入れますと時間が短縮になりますし、さらにまた鉄道需要が喚起されるわけでございます。そのために地域の活性化にも役立つわけでございます。
 景山先生は御視察をいただいたわけでございますが、私が承知しておるところでは山内委員も視察をしていただいたと思っております。このフリーゲージトレーン、車軸が伸びたり縮んだりするわけでございますが、実験が本格的に行われておりまして、現在はアメリカのコロラド州のプエブロというところで実験が行われておるわけでございます。そして、これが終わりましたら日本に連れて帰って下関を基地とする実験をするわけでございまして、耐久性その他について実験をするわけでございます。
 このような開発状況も踏まえまして、九九年度から二カ年の予定で御指摘の伯備線等全国七路線においてフリーゲージを導入するということについての調査を行っておるところでございます。
 これは、各路線ごとに新幹線から在来線にどこで乗り入れたらいいのか、あるいは在来線を高速化するにはどうしたらいいのか、あるいは既設新幹線の影響はあるのかないのか、こういうようなことも検討を行っております。さらには、直通運転化した場合に需要がどうなるんだろうか、果たしてお客さんが乗ってくれるのかどうかというようなこととか、収支の採算がとれるのかどうかというようなこと、あるいは費用対効果、それだけの投資をしてそれだけの効果があるかどうか、こういうような広範な調査をしまして、二〇〇〇年度中には路線ごとの実現に当たっての各種の課題を明らかにして、実験が終わりますればできるだけ早い期間に導入ができるように今から準備を進めておきたい、このように思っておるところでございます。
#88
○景山俊太郎君 大臣の地元の四国も必要じゃないかと思いますので、より一層。
 それから、時間がありませんのでもう一つですが、鉄道事故調査のための常設組織の設置につきましてお聞きいたします。
 ことしの三月、営団地下鉄日比谷線におきまして脱線事故がありました。五人の乗客が亡くなられ、また多数の方が負傷されるという大変不幸な事故でございました。この事故原因の調査は、現在、鉄道局長の諮問機関である事故調査検討会によって科学的な観点から調査が行われているところであります。
 今回の事故調査の経験を踏まえまして、去る七月三十一日の事故調査検討会の意見や八月四日の運輸技術審議会鉄道部会の提言では、法的調査権を備えた鉄道事故調査のための常設組織の設置を鉄道局長に求めていると聞いております。これを受けまして、運輸省は既に必要な法整備または増員などを来年度の概算要求に盛り込む準備があるように聞いております。
 鉄道事故調査のための常設組織の設置に向けました取り組み方について、運輸省、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#89
○国務大臣(森田一君) 営団の日比谷線事故を起こしまして、まことに申しわけなく思っておるわけでございます。
 その教訓を踏まえまして、事故調査検討会から貴重な御意見をいただき、さらに運輸技術審議会の鉄道部会からも貴重な御意見をいただいておるところでございます。
 これを踏まえまして、専門技術的な立場から事故調査を実施することができるように、常設で専門の、法的な裏づけを備えた調査委員会が必要であるというふうに指摘されておりまして、これらの意見を踏まえまして、ただいまお話がありましたように概算要求に向けて最大限の努力をしてまいる、このように思っております。
#90
○景山俊太郎君 終わります。
#91
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。よろしくお願いします。
 質問に入る前に、少し気になったものですからお尋ねしますが、大臣、政務次官の胸につけておられる青い羽根、それは何の羽根なのでしょうか。
#92
○国務大臣(森田一君) これは、青い羽根は海難救助の羽根でございまして、ボートとかあるいはゴムの浮き輪とか、こういうのを配るわけでございまして、一個百円で売っておりまして、私の選挙区でも一万人ぐらいに買ってもらったところでございます。また、先生のところにお届けします。百円は要りませんから。
#93
○谷林正昭君 多分、海の日の記念ということもあってそういう取り組みをされたというふうに思いますが、海難救助、安全ということになろうかと思います。
 安全の話は後へ回しまして、一つお聞かせいただきたいと思いますが、所信の中に静脈物流という言葉をお使いになりながら、物流システムをより将来に向けて構築していかなければならないと、こういうような表明がされております。
 平成九年四月四日に閣議決定がされております総合物流施策大綱というのがございます。目標を二〇〇一年に定めながら、具体的目標も一方では持ちながら、そして大きな目標を三点に絞って、それを運輸省として推進されてきた、このように思っておりますが、一つは、基本的なその目標の進捗状況を大臣の方からお聞かせいただきたいと思いますし、二〇〇一年ということになれば、私はまだまだこの物流システムというのは新しい分野も開拓していかなければならないと思いますし、重要な国際協力分野だというふうに思いますので、この一次だけで終わるのではなくて、第二次あるいは次のステップ、こういうものも必要ではないかと思いますので、基本的には大臣の方から、もし具体的な数字がありましたら担当局の方からお聞かせいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 私がまず総論的なことを申し上げます。
 平成九年に、先生が御指摘のように、総合物流施策大綱がまとめられたわけでございます。これは非常に重要なものでございまして、これに基づきまして、政府としては国際港湾とか空港等の社会資本の整備に努めておるわけでございまして、規制緩和につきましても競争促進によって市場を活性化していくということで積極的に対応をしてきたところでございます。これらの結果、物流の効率化についても着実に前進をしておるというふうに認識をしておるわけでございます。
 一方、電子商取引が急激に拡大いたしまして、地球規模の環境問題の深刻化等、経済社会環境が急激に変化をしてきております。これらの環境の変化に応じて、新しい課題に対応していくことが物流効率化にとって非常に重要であるというふうに認識をしておるわけでございます。
 運輸省だけではうまくいきませんので、関係省庁とも連携して、新しい課題に対応して物流政策を総合的に進めていくように力いっぱい頑張っていきたい、このように思っておるわけでございます。
 何か事務当局の方、数字はあるんですか、数字ないんですか。──数字の把握は実はしておらないそうでございますので、お許しいただきます。
#95
○谷林正昭君 数字があるのかなと思ったんです。
 例えば、努力目標というのが幾つかございまして、営業トラックの分担率を五割にするとか、二十一世紀初頭までという前提がついておりますけれども、あるいは一貫パレチゼーション、こういうものを二割から三割に引き上げるとかという努力目標が一応あったものですから、どういうふうな進捗状況かなというふうに思ったものですから、ちょっと数字があればというふうに思いましたし、今、大臣の答弁からちょっと抜けておりましたけれども、第二次総合物流というものはあるのかどうか、あるいは検討されているのかどうか、あれば聞かせていただきたいと思います。
#96
○国務大臣(森田一君) 今のところは直接にそういう検討はいたしておりません。しかし、その必要性については十分に認識しておるところでございまして、今後十分に検討してまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#97
○谷林正昭君 それでは、私が一番これまで国会議員になりまして取り組んでまいりました交通運輸分野における安全問題について、少し議論をさせていただきたいというふうに思います。
 大臣の所信の中で安全を第一に取り組んでいきたい、こういうことをおっしゃっておられます。私もそのとおりだと思いますし、少しでもまたこういう立場で協力できるものがあれば協力をしていきたいというふうに思っております。
 そういう中で、この一年間ぐらいはまさに事故、予期せぬ問題が運輸関係、交通関係においては非常に多く起きてまいりました。前二階運輸大臣は、まさに陣頭指揮に当たられて、その解決、あるいは国民の不安、心配を取り除くためにまさに運輸省、省庁一体となって頑張られた、そういうふうに思っておりますし、敬意も表しておる次第でございます。
 そういう意味で、くどいようでありますけれども、大臣のこの安全に対する心構え、取り組みの心意気、こういうものをお聞かせいただければと思います。
#98
○国務大臣(森田一君) 谷林先生御指摘のように、安全の確保というのは運輸行政の最も基本中の基本でございます。私も、だから就任の最初の会見のときにそのことを指摘したわけでございます。
 しかし、需給調整を緩和していくということになりますと、効率性が求められる余り、安全性についてこれがないがしろにされるということになっては大変でございますので、これからは事業参入に当たっての資格審査を十分にやるとか、あるいは事業を開始された後においても検査を十分にやるとか、あるいは必要があれば行政処分をやるとか、あるいは交通従事者がちゃんとした資格を持ったようにするようにやっていくとか、そういうことについて、需給調整は緩和するわけでございますけれども、安全の確保はどうしても守っていかなきゃいかぬ、このように思っております。
#99
○谷林正昭君 そういう覚悟でやられるということを聞きまして安心しました。何分にも国民の生命と財産、これを守る交通、運輸ということになれば、おっしゃったようなことがポイントになってくるかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、気象庁の方、来ておられますか。
 大臣に基本的な考え、あるいは具体的なことは気象庁にお尋ねするわけでございますが、私は天気予報が物すごく好きです。天気予報を一日の最初に見て、そしてきょうはどういう気持ちでいくか、あるいはどういう気持ちで国民が一日を過ごすかというふうなことになると思います。
 ところが、今「ひまわり」という衛星が回っているんですが、これはもうまさに使用期限が切れてしまった。そして、残念ながら新しい「ひまわり」の打ち上げが失敗をした、こういうことも国民も十分承知をしております。
 そういう意味では、この後の気象衛星の打ち上げ、そして見通し、もしそれが先に、十五年だとか多分聞いておりましたけれども、十五年ごろになるとしたら、その間は本当に大丈夫なのか、ここらあたりを少し大臣あるいは気象庁の方からお聞かせいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(森田一君) ただいま御紹介のように、「ひまわり」の寿命が来ておりますので、このことにつきましては気象庁長官から詳しくお答え申し上げますが、平成十四年度に打ち上げる予定になっておりまして、これが無事に打ち上がるように、私の地元で高山航空神社というのがありますので、そこで今度は失敗しないようにお祈りをしてきたところでございます。
 あとは気象庁長官の方からお答え申し上げます。
#101
○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。
 運輸多目的衛星新一号機でございますが、これは衛星本体搭載機器の製作について最大限打ち上げが早まるよう努力しておりますが、最短でも平成十五年二月、平成十四年度末でございますが、この打ち上げになります。平成十五年の夏に運用開始の予定というのが現在の計画でございます。
 ひまわり五号は太陽電池パネル等の部品に現時点では大きな問題は発生しておりません。また、軌道制御、あるいは衛星の姿勢を保持するために使用する燃料でございますが、これも平成十五年夏までは現在のところ十分あるというふうに認識してございます。したがいまして、今のところ、観測及び「ひまわり」でとらえました地球画像の配信の確保、これは可能ではないかと考えております。
 しかし、先生御指摘のとおり、ひまわり五号は本年三月に設計寿命に達しておるわけでございますので、気象庁といたしましては五号の運用状況の監視を強化しております。それによりまして、運用の確保に最大限努めたいということが現在の状況でございます。
#102
○谷林正昭君 大臣の神頼みの気持ちは重々わかるわけでございますが、まさに先端技術の最たるものでございますので、科学技術庁ですか、十分連携をとっていただきながら、今度は絶対失敗のないような立場をおとりいただきたいなというふうに思います。
 それでは、ちょっと細かい話になりまして恐縮ですが、大臣の所信の中にも出てまいりましたが、これからの町づくりや、あるいは地域の公共交通の確保、こういうことを考えたときは、私は路面電車の活用というものを非常にこれから大事にするべきではないか。環境問題、交通渋滞、あるいは交通事故、あるいはもう一歩進んで交通バリアフリー、お年寄りに優しい、あるいは赤ちゃんを連れた乳母車の皆さん、こういうようなことを考えたときは、バス、タクシーというような公共交通もございますけれども、より路面電車というのがベターではないかなというふうに私は思います。
 そういう意味で、今路面電車がまさにピンチに立たされているところもあれば、いやそうではない、これから町づくりの中心に据えていきたいという町づくりの柱にしている町もございます。今、二十の路線が走っているというふうにお聞きいたしましたけれども、残念ながらいわゆる赤字経営と言われておるところが非常に多うございます。
 そういう意味で少しお尋ねをしていくわけですが、二億一千五百万人が年間利用している、そういう路面電車、これを公共交通機関として、運輸省として、その役割をどういうふうに評価されているかお聞きしたいと思います。
#103
○政務次官(実川幸夫君) 今、先生から御指摘がありましたように、エネルギー、また環境問題から大変有意性を持っているのが路面電車だと私ども認識いたしております。
 高齢者、あるいはだれもが利用しやすいような低床式車両、いわゆるLRTの開発、これは導入が始まったことも相まちまして、その機能が見直されているところでもあります。多様化するニーズに対しまして有効活用されることは大変望ましいことだというふうに考えております。
 もっとも、路面電車の導入、拡充を進めるためには、既に自動車が普及している市街地におきましては、まず道路等への導入空間を確保することが不可欠でありますし、このためには、地域におけます町づくりの取り組みの中で、これまでの車優先の町づくりを軌道修正することによりまして、地域住民の合意形成を図っていくことが重要であると考えております。
 このように、運輸省といたしましても、地域の取り組みが少しでも円滑に進むように、建設省とも十分に連絡をとりながら路面電車事業の活性化を支援したい、このように思っております。
#104
○谷林正昭君 今、政務次官の方から御答弁いただきましたし、より路面電車というものを大切にしていきたい、こういうような話がございました。
 ところが、一方では、私は富山出身でございますが、富山の高岡市、新湊市、これをまたにかけて走っている加越能鉄道というのがございます。愛称、万葉線と言われて親しまれておるわけでございますが、これは年間百万人ぐらい利用しております。ところが、大きな赤字を抱えながら、にっちもさっちもいかない、廃止をしたい、こういうようなところが今できてきて、いや、そうじゃない、廃止するべきでない、みんなで考えようよという今段階になっております。
 そういうこともありまして、私は、全国各地でどのような状況になっているのか、もう切り離したい、やめたい、そういうようなところがあるのかどうか心配になりますので、運輸省でそういうような情報を把握しておいでになれば、お聞かせいただきたいと思います。
#105
○政府参考人(安富正文君) 先生御指摘のように、現在、富山県高岡市の加越能鉄道が、平成九年でございますが、鉄軌道からバス転換にしたいということでその意思を表明しております。現在、地元の方でも何とか存続できないかということで、有識者あるいは沿線市議会議長等で構成する万葉線問題懇話会というものを開いて、場合によっては第三セクターで県、市が出資した形で存続できないかという問題も含めて検討しているというふうに聞いております。
 現在、その加越能鉄道以外で廃止しているところがあるかどうかというお尋ねでございますが、現在二十都市で路面電車が運行されておりますけれども、私どもで把握しておりますこの加越能鉄道以外について、具体的な形で廃止を検討しているというところはまだほかの都市ではございません。
#106
○谷林正昭君 そうしますと、たとえその部分が赤字であってでも、やっぱり町づくりの中心に据える、公共交通を守るという観点で多分頑張っておいでになる、そういうふうに思います。
 そこで、私の気持ちを言わせていただきたいのは、この路面電車を生かす政策、こういうものをもう少し運輸省としてとるべきではないか。一方では、いろんな補助金があるわけでございますが、路面電車を育てるというそういう補助金といいますか、何かそういうものがつくれないか。あるいは、赤字対策というものは民間に赤字だから補助をすると、そういう意味ではなくて、将来を考えたそういう対策がとれないか、こういうものをお聞かせいただきたいと思いますし、もう一つは路面電車の活性化策、後ほどまたLRTの部分で触れさせていただきますけれども、そういう活性化策というものを運輸省として打ち出すべきではないか、こういうふうに思っておるんですが、御所見があればお聞かせいただきたいと思います。
#107
○政務次官(実川幸夫君) 今、先生からもお話がございましたように、これまで路面電車事業者につきましては近代化補助を活用してまいりました。路面電車の車両更新、また電気設備等の近代化に対しましては国、地方公共団体によります支援措置を講じてまいりました。
 御承知のように、路面電車でありますけれども、道路交通に依存した地方都市におきましては、先ほどからも申し上げておりますように、地球環境問題に対応するとともに、町づくりを進める上でも極めて有効な公共機関として認識しておりますし、運輸省といたしましても、これからも関係省庁との連携を強化し、低床式路面電車の導入に対します支援措置というものを、路面電車に関する一層の活性化対策を推進していきたいと、このように考えております。
#108
○谷林正昭君 ぜひ施策と補助というものをしっかりミックスしていただいて、そして、より路面電車を広めたい、そういうような町づくり、あるいは自治体が考える、そういうような施策を打ち出していただきたいというふうに思います。
 そこで、今、政務次官の方からございましたLRT、俗に言う超低床電車というんですか、こういうものが今ヨーロッパを中心にして、まさにこれからの次世代の公共交通機関だというふうに言われながら、それこそ全世界で町づくりの中心に据えられております。
 日本では熊本市がいち早く導入をして、私も、電話でしたけれども、知り合いのところに電話をしてみまして、評判はどうかということを聞いてみました。極めて評判はよろしい、使いやすい、お年寄りも安心して利用できる、バリアフリーということにもマッチしている。残念ながら、その方は関係者ではないんですが、うわさで広まっているのは、非常にコストが高くついている、電車が高いというようなことを市民の一人一人までが知っている。しかしながら、熊本市としてそういうものを導入しながら町づくりの中心に据えている。非常に私はいいことだなと思っております。
 そういうことも含めて、続いて広島が導入をした、一方岡山市でもこういうLRTを中心とした町づくりができないかといって市民グループの人たちが一生懸命今研究をなさっている、こういうことも聞かせていただきました。
 そこで、大臣の所信表明にも、多分私の知っている限りでは初めて述べられたというふうに思いますが、このLRTの整備、これをやりながら次世代の公共交通機関をしっかり守っていくんだというふうな意味合いだというふうに受けとめさせていただきました。したがいまして、このLRTの導入実態、今ほど若干私の知っている範囲で申し上げましたけれども、この導入実態、そして今後のこのLRT導入についてのあるいは利用、あるいは活用、そして新たな施策、こういうものがございましたらぜひお聞かせいただきたいと思います。
 もう一歩踏み込んで意見を言わせていただくならば、あるいは質問させていただくならば、このLRTの普及あるいはLRTの導入に向けて何か運輸省の中で、建設省やあるいは自治省とのそういう連携の中で交通バリアフリー法案というものもでき上がりました。そういう中で一歩踏み込んだ、そういう審議会や委員会やあるいは国民会議や市民会議、そういうようなことまで踏み込めないかなというふうに思っておりますので、御所見があれば聞かせていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 先生が御指摘になられましたように、一九九七年の八月以降に熊本市の交通局で三両編成が導入されたわけでございます。また、九九年六月以降には広島電鉄において導入されたわけでございます。近く私はこれに乗りに行くことになっております。
 そして、このLRTというのは環境問題にも非常に優しいし、エネルギー問題にも役立つし、さらにバリアフリーという観点からも大変大切なものでございます。しかし、先ほど実川政務次官がお話ししましたように、自動車が発達しているところでは導入空間の確保が必要でございまして、町づくりとの関係で話し合いがなされていかなければならぬわけでございます。
 運輸省としましても、このような地域の連携のもとで、LRTに対する助成措置を大いに活用することなどによって導入促進を図ってまいりたいわけでございますが、先生御指摘のように、来年度からは運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁、一体となってやってまいりますので、関係省庁とも十分に連絡をとりながら、積極的な行動がとれないかどうかということについて十分に検討してまいりたいと、このように思っております。
#110
○谷林正昭君 ぜひ、大臣の所信で述べられたこの気持ちを生かしていただきたい、そして新しい二十一世紀に向けた公共交通機関の確立、地球に優しい、環境に優しい、そういう乗り物が日本全国走り回るようなそういう政策をとっていただきたいというふうに思っております。
 時間が迫っておりますので、先ほど大臣がおっしゃいましたように、安全というものを第一にしたい、こういう政策をこれから取り組んでいく、その中にあってちょっと心配だなということを少し質問させていただきたいと思います。
 それは何かといいましたら、まさに今、物流の主役と言われておりますトラック事業について、その実態、そしてそこに働く人たちがどういう気持ちで働いているか、あるいは荷主さんがどういう気持ちで利用しているか、こういうことを少しお話をさせていただきながら、心配な点を質問させていただきたいというふうに思います。
 先日、参議院の交通・情報通信委員会の調査室がつくっております新聞の切り抜きを中心としたこういう情報ファイルを読んでおりまして、その中にちょっと気がかりな点が出てまいりました。
 それは、トラック事業者の過積載など違反最悪、これは日経に出た記事でございますが、それをこういうふうにピックアップして載せております。その背景には運輸事業者のいわゆる規制緩和によって競争が激化をしているという分析も運輸省としてしているというようなことも載っております。
 そういうことを考えますと、違反している事業者がどれぐらいあるかといいましたら、五万二千社今あると言われております、五万二千社のうちの五千九百社、まさに一〇%強にわたる、十社に一社がもうそういうふうに違反をしながら仕事をして罰則点数を与えられて、こういうような状況が今あるということがわかってまいりました。運輸省からもらった資料でございますけれども、正式には五千九百四十一社が反則点を持っていると、こういう状況であります。
 では、その実態はどうかというふうに少し調査をさせていただきました。
 そうしたら、まず規制緩和になってから運賃料金というものは届け出制になりました。認可料金ではございません。そういったときに、荷主さんとの契約の仕方が、従来でしたら大体の枠がありまして、その枠の中で、荷主さんはこれまでの信頼関係も含めて、ではあなたのところでやってください、こういうような状況だったというふうに思っておりますが、最近は、特に不景気になってからは、やはり輸送コストを下げたい、むだな支出はしたくない、そういうのは当たり前であります。
 ところが、その中にどういう契約方法が出てきたかといいましたら、入札制度というのが入ってまいりました。A社、B社、C社、D社、いろんなところから、例えば東京―大阪間の一千トンの荷物を、ちょっとオーバーですが一千トンの荷物をどれだけでやってくれるか。こういうふうに、では入札をしてくださいということになります。そのときに荷主さんは自分の目安を持っておるわけですね。一千トンで一億円でやってもらいたいという目安を持っておるんです。
 ところが、何回入札しても一億五千万になる。運送会社としたら、一億五千万よりも下げたら採算が合わない、そう思いながら一億五千万ぎりぎりのところで出すんですけれども、ところが荷主さんの言う一億円には届かない。そういったときに繰り返し入札がされる。そして、最終的には一億円になる。そういったときに、その一億円という金額と届け出制というこの法律との兼ね合い、荷主との契約の仕方もございますが、私は、非常にそこに危うさがあるのではないか、そういうふうに思います。
 そういう意味で、繰り返し入札に対するそういう運賃と届け出運賃とのかかわり、これは法的に問題があるのではないかというふうに思うんですが、御見解があれば聞かせていただきたいと思います。
#111
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 トラック事業者が収受をする運賃は、当然でございますけれども荷主との間で決められるわけでございます。
 トラック事業者は、事業法の規定に基づきまして、あらかじめ運賃料金を届け出ることになっております。収受する運賃を決めるときに入札という方法で決めること自身は事業法に直ちに違反するということではないと考えております。
 ただ、届け出られた運賃、これは認可制のときから長期割引あるいは往復割引というような大口の荷主に対する割引制度は組み込まれているわけでありますけれども、その範囲を超えて、届け出られた運賃でない運賃を収受するということは事業法の違反になります。
 私どもとしましては、監査あるいは適正化事業実施機関の指導ということを通じまして、このことにつきまして繰り返し適正な運賃を収受するように求めているところではございますけれども、今後ともしっかりとその辺をやってまいりたいというふうに思っております。
#112
○谷林正昭君 なぜこういうことを言うかといいましたら、それが非常に無理な運行あるいは過積載、スピード違反、こういうことをしながら挽回するというそういう業界の実態が実は浮き彫りになってきて、違反や事故が多発をする、そういうふうな状況だと思いますし、一方では、先ほど言いました物流大綱の中では、トレーラー化だとか大型化だとか、こういうことを示しております。そういうことになってきますと、一たん、万が一事故が起きたら非常に大きな問題になると思いますし、これまでもなってきた。
 一方では、今一番心配されているのは、各ところでリストラが行われる。そうしたら、トラック運転手になったら収入もいい、体さえ使えばそれなりの金額が稼げる、そういうような人たちが大型を取ってトラック運転手になる。そういう人たちが残念ながら事故を起こすというケースもたくさん出てきているということも聞いております。
 そういうこともありまして、財産、生命を守る、そういう交通運輸部門における業界の実態、こういうものも行政としてしっかり把握をしていただきたいと思いますし、そのためには、九〇年に規制緩和になったわけでございますが、緊急調整措置というのが発動できることになっております。
 これまでいろんな状況があって発動していないわけですけれども、発動を検討したことがあるのか、あるいは、時間の関係で次の質問にも入らせていただきますけれども、私は発動要件というのはこのままでいいとは思いません。
 例えば、今ほど言いましたように、市場運賃がどうなっているのか、本当にそれが事業として成り立つ運賃なのかどうか、あるいはトラック事故がどの地域でどれだけ起きているか、過積載がどうなっているか、こういうことも緊急調整措置の目安に入れたらどうかというふうに思いますので、この二点について、少し御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
#113
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。
 トラック事業法におきます緊急調整につきましては、実働率、実車率それから輸送トン数等の基本的な数値を把握した上で発動を検討するということになっております。
 また、私どもとしましてはそのような数値の動向についてはフォローしてまいっておりますが、具体的に発動のための準備に入る、あるいは発動したということはこれまでありません。
#114
○政務次官(泉信也君) 経済状況が大変厳しい中でさらに競争をトラック業界がしておられる。そうしたことから先ほど御指摘の過積載の問題等が出ておるではないか、そういうのをメルクマールに取り入れるべきではないかという先生の御意見だと思います。
 確かに、いろいろの要件が厳しい方向にあることは事実でございますが、運輸省がこれまで調べました実働率あるいは実車率、そうした一つの目安となる数値は、若干の変動はありますけれども、ほぼ安定しておるというか一定の数値の枠の中におさまっておるというふうに私どもは見ておるわけでございまして、直ちに緊急措置の問題を取り上げなければならない状況ではないというふうに思っております。
 一方では、この二月だったと思いますが、荷主に対しまして過積載あるいは運賃というような問題に対しての注意を喚起する文書も差し上げ、トラック業界の状況を認識していただくように努力をしておるところでございます。
 したがいまして、できるだけ多くの要素を取り入れるということに努める必要があると思いますが、また一方では、その要素が一般的なものでなきゃならない、あるいは把握しやすい指標でなきゃならないということも重要な要件だと思っております。
 御意見を体しまして、これからもどうしたらいいかというのを考えてまいりますが、今のところは、これまでやってきた数値の中で判断をして、おおよその間違いはないのではないかというふうに思っておるところでございます。
#115
○谷林正昭君 そういうことを踏まえまして、トラック事業にかかわる安全というものを考えたときに、私は、これは私だけの考えでありますが、安全検査官のような、直接法律に基づいて指導できる、運輸省として、管轄する省庁として、そういう検査官みたいな人たちを配置したらどうかというふうに思っておりますが、これは御所見があれば簡単でよろしゅうございますので聞かせていただきたいと思います。
#116
○国務大臣(森田一君) お答え申し上げます。
 輸送の安全の確保というのは貨物運送事業にとりまして何よりも大切なことでございます。そのようなことから、今、地方運輸局に専門官、全国十八人でございますが、これをトラック事業の規制緩和を契機として配置したわけでございまして、これらを通じて監査対象の重点化を行って、法令違反に対して厳正な処分を行っていくということで輸送の安全を確保してまいりたい、このように思っております。
#117
○谷林正昭君 済みません、時間が来ましたが、最後に一つだけぜひ心配事でございますのでお聞かせいただきたいのは、冒頭、大臣がおっしゃいました、タクシー、バスの規制緩和をしながらこれからより活性化をしていきたい、しかし、その中にはそれを利用する国民の皆さんの生命、財産をしっかり守るために安全をしっかりやっていきたい、こういうふうにおっしゃいました。
 その見直しのといいますか、規制緩和の、道路運送法改正の現場での今実務作業に入っているというふうに思います。その進捗状況をあれば聞かせていただきたいと思います。それで終わります。
#118
○国務大臣(森田一君) 需給調整を緩和した後において安全確保をしていくという問題は、非常に難しい問題でありますが、最も大切な問題でございます。
 乗り合いバスやタクシーにつきましては二〇〇一年度に施行されていることになっておりますので、それまでに必要な政省令の改正や運用基準が決められるわけでございます。今回の制度改正というのは非常に国民生活にも大きな影響があるものでございますので、関係者の意見も十分に聞きながら安全が確保されるように円滑な施行に向けて全力を挙げてまいりたい、このように思っております。
#119
○谷林正昭君 終わります。ありがとうございました。
#120
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
 私は、離島に関しましての郵便物の運送等の問題、料金を中心としたそういう問題についてお尋ねをしたいと思いますけれども、これは運輸省と郵政省両方にかかわる問題で、まさしく当委員会にぴったりな質問だと思いますので、的確にお答えをいただきたいと思う。
 今、我が国は七千ぐらいの島々があって、また九州は特に多いんですけれども、そういうところに明治以来絶えることなくそうした郵便物の郵便ネットワークというか、そういうユニバーサルサービスが行われているということで、大変そうした事業に対しては敬意を表するものでございますけれども、その郵便料金の決め方というのは大変今の時代の流れに逆になっているというか、そういう実態なものですからお尋ねしたいと思います。
 海上運送法の一部改正等もこの十月一日から施行される。需給調整規制を廃止して、免許制から許可制、運賃については届け出制になる、こういうことで、全国的に同じだと思いますけれども、郵便の海上運送に参入したいという方がいらっしゃる。
 ところが、現状では参入できないと言うんですよ。なぜかといったら、郵便物運送委託法第三条では、「郵便物の運送等を委託する場合には、競争による契約によらなければならない。」、こうあるんですね。ところが一方では、これは運輸省との協議をして、運輸省と協議した料金の設定になっている。だから、その料金がきっちり決まっているわけですから、複数の業者と価格の面で競争はないわけですよ。なかったら、競争入札をしても一緒だからこれはやらない、随意契約をするということで、全国これは随意契約しているわけです。
 こんなばかな話はないんじゃないかと。じゃ、何を基準で随意契約しているんですか、いろいろ言いたいことはあるんですけれども、この仕組み、現在そうなっているというのは郵政省、間違いないですね。
#121
○政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 郵便物の運送委託につきましては、海上運送法だとかそういう一般の貨物のあれとは別に、特別法という形になろうかと思いますが、郵便物運送委託法という法律がございまして、これに基づきまして律せられると。それは郵便物の運送の特殊性といいましょうか、従来からいろいろと問題になっておるところでございますが、そういうことを踏まえた位置づけになっておるところでございます。
#122
○弘友和夫君 だから、私が言っているのは、何か運輸省にげたを預けているような感じなんですよ、これは。運輸省と協議して料金が決まるから、郵政省としては何ともできませんよ、料金はきっちり決められているから競争入札はありませんよ、随意契約ですよという形になっている。
 今何のために、先ほど谷林さんもいろいろ質問しました。陸上にしても海上にしてもそういう規制を撤廃していこうという流れなんですよ。その中にあって、郵便物だけに関しては運輸省と協議で、運輸省で決められることですから料金はきっちり一本ですと。そうなったら、入札はできませんよ、随意契約ですよというこの仕組みが全く理解できない。
 確かに、郵便物の海上運送料につきましては、郵便物運送委託法の中で、運送料金の基準は運輸大臣があらかじめ郵政大臣に協議して、運輸省設置法に規定する運輸審議会に諮って、その決定を尊重して定める、こうなっているわけです。ただ、今のもとになる海上運送法等のそういう流れ、料金等は届け出制でいいですよ、事業もどんどん参入もやりますよというもとの流れがあるのに、この部分だけ全く違う形になっているということに関しまして、運輸省として、郵便料金を協議して運輸審議会で決めるという今の流れに対して、今の法律はそうなっているかもしれませんけれども、果たして妥当なのかどうかということを運輸省の方にお尋ねします。
#123
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 郵便物の運送料金につきましては、今、先生御紹介ございましたように、委託法の五条一項に基づきまして、郵便物の運送原価に公正妥当な利潤を加えた金額を基準としなきゃいけないと書いてございまして、二項の方で、この基準は運輸大臣があらかじめ郵政大臣と協議して、運輸審議会に諮って定めるということになっております。要するに、基準を決めるということであります。
 私どもとしましては、運送料金につきましては、郵便物の荷主でございます郵政省がこの第五条の基準に従って個々の事業者と契約をして決めているというふうに理解をいたしております。
 海上運送法関係の規制ですが、十月から当然規制緩和がされます。先生御紹介されたような規制緩和がされます。郵便物の運送料金につきましては、従来より規制対象となっておりませんので自由運賃ということで運送法上はなっておりますけれども、どう決めるかは郵便物運送委託法の中で決めていたという経緯でございます。
 そこで、旅客船に係る郵便物運送料金につきまして、この五条二項で運輸大臣が決める、こうなっておりますけれども、このことが、今、先生御紹介がございました四条四号の関係だと思いますけれども、運送料金を確定額として決めたということになるということ、それがまた旅客船による運送について随意契約を行う理由というふうになっているのであれば、私どもとしては、今回の海上運送の規制緩和の趣旨にかんがみまして、この基準の設定について、見直しも含めて、当然郵政省とも相談しなきゃいけませんけれども、検討していきたい、こう思っているところでございます。
#124
○弘友和夫君 郵政省さん、運輸省の方はそう言っておられますけれども、どうですか。
#125
○政府参考人(松井浩君) お答え申し上げます。
 現在の郵便物の運送委託法でも、既に鉄道コンテナだとかあるいは軽四輪自動車による取り集めなんかは競争契約でさせていただいております。
 先ほど運輸省の局長からお答えありましたように、その料金設定について確定額でない方法で設定されるというふうな制度の変更が行われるということになりましたら、当然ながら私どももこの契約のあり方について見直しが必要になるものというふうに考えます。
#126
○弘友和夫君 ちょっと最後の部分がよくわからなかった。
 要するに、今まで運輸省としては、今の協議が、協議していることで決めることが随意契約の理由になったりいろいろそういう、郵政省は理由づけになるということであればこれは変更しましょうという趣旨だったと思うんですよ。それであれば、運輸省の方で別に料金を決定して、郵政省は独自にやればいいわけですから、料金の。大体、もともとは競争による契約によらなければならないという原則が一番最初にあるわけですから。
 ということで、せっかく大臣もおられます。最後にひとつよろしく。
#127
○国務大臣(森田一君) これは、確かに先生御指摘の点は非常に重大であると思っております。この点については十分考えなきゃいかぬのじゃないかという気がいたしておりますが、いずれにしても、この郵便物の運送が適切かつ効率的に行われますように、関係省庁ともよく相談をして適切に対処してまいりたい、このように思っております。
#128
○弘友和夫君 終わります。
#129
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。
 まず、大臣の政治資金についてお伺いをいたします。
 昨日の新聞で大臣は、党支部経由で東洋建設から三年間で一千六百万円の献金を受け取ってきたということが報道されました。新聞へのコメントでは、秘書に任せているので全くわからない、また昨日の予算委員会では、報道されるまで全く知らなかったとお答えになりました。
 私は、きょう、皆さんに資料をお配りしてあります。
 資料一を見てください。平成十年分の政治資金収支報告書であります。
 新産業政策研究会というのは森田大臣の資金管理団体です。ここに一企業が献金できる上限は当時の政治資金規正法で五十万円、この五十万円を超えると違法となります。ここには東洋建設というのはないんですけれども、この中に自由民主党香川県西部商工開発支部八百十二万円というのがございます。
 次に、資料二を見てください。こちらは香川県選管に届けた分の報告書であります。
 この自民党香川県西部商工開発支部の収支報告を見ますと、収入は、東洋建設株式会社五百万円を含む八百十二万円、そして全額が新産業政策研究会への寄附であり、それ以外に何の支出もないわけです。つまりこの支部は、森田大臣の資金管理団体に資金を流し込む、これだけのトンネル団体になっております。平成七年、八年、九年、念のために全部調べましたが、毎年同じやり方で、平成八年は六百万、その他の年は五百万、東洋建設から受けとっております。
 資料三を見てください。この東洋建設という会社は運輸省からどれだけの発注を受けているか。これは運輸省提出の資料であります。毎年二百億から三百億、五年間で実に一千二百億円の発注を受けております。
 大臣、これで運輸大臣が務まるんですか。知らなかったと、そんなことでは済まされないと思うんですよ。新産業政策研究会の収入というのは四千万ですから、東洋建設から八分の一を受けとっているわけですよ。これ、運輸大臣、直ちにやめるべきではないですか。
#130
○国務大臣(森田一君) 私は、おとといに至るまでこのことの事実は一切知りませんでした。
 と申しますのは、去年の八月にやめました齋藤という秘書がやっておりまして、この男はちょっと変わっておりまして、議員会館の中でも私と一切口をきかなかったわけでございます。したがって、報告は一切ございませんでした。赤旗に出ているということを聞いて、赤旗を読んで初めて知ったわけでございます。
    ─────────────
#131
○委員長(齋藤勁君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、高橋千秋君、谷林正昭君及び簗瀬進君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君、寺崎昭久君及び菅川健二君が選任されました。
    ─────────────
#132
○宮本岳志君 全く知らなかったということでは通らないと思うんです。
 だって、この東洋建設からのお金が現に資金管理団体に入って、それを使ってこられたわけでしょう。昨日の答弁では大平時代から続いてきたということもおっしゃっていました。だから、毎年ずっともらっているわけです。
 例えば久世金融再生委員長、辞任されましたけれども、これは三菱信託銀行という銀行から特別の利益供与を受けてきた、あるいは一億円という献金をマンション業界の会社から受けとった、その政治的、道義的責任をとっておやめになったわけですよ。大臣、五百万を二十年間もらえば一億円ですよ。あなた、そういう責任を感じないんですか。
#133
○国務大臣(森田一君) 私は、東洋建設の社長、役員、一切知りません。会ったことがありません。それから、東洋建設から何かを頼まれたこともございません。
 ただ、秘書官に確かめますと、大平時代からずっと振り込まれておるということをおとといになって知ったわけでございます。
#134
○宮本岳志君 事実だということは確認できるわけですね、五百万振り込まれてきたということは。
#135
○国務大臣(森田一君) そうです。
#136
○宮本岳志君 そうですね。
 では、そのことが実際にこういうトンネル、支部を通じて受けとってきたということですから、それはみずからの政治的、道義的な責任をぜひ述べてください。ないんですか。
#137
○国務大臣(森田一君) 私は、このことについては一切知りませんでしたので、このことについて、政治資金団体は適正に設立されたものと考えております。
#138
○宮本岳志君 これからどうするんですか。
#139
○国務大臣(森田一君) 運輸大臣として務めてまいりたいと思います。
#140
○宮本岳志君 これからももらい続けるんですか。
#141
○国務大臣(森田一君) これから運輸大臣の在任中につきましては、向こうに頼んで振り込まないようにしていただこうと思っております。
#142
○宮本岳志君 運輸大臣の在任中に受け取るべきでないお金はそれ以前でも受け取るべきではないんですよ。そうでしょう。
 私は、この問題は運輸大臣の資質にかかわる問題だと思います。委員長、ぜひこの問題で当委員会での集中審議をお願いしたいと思うんですが。
#143
○委員長(齋藤勁君) ただいまの宮本委員の発言につきましては、後ほど理事会で御協議したいと思いますけれども、いかがですか。──要望でよろしいですか。
 発言をし直します。
 ただいま宮本岳志君からの御指摘につきましては、要望として受けとめます。
#144
○宮本岳志君 ぜひ徹底的に調査をしていきたいというふうに思います。
 中尾前建設大臣が若築建設からの受託収賄罪の容疑で逮捕されました。若築建設といえば運輸省も直轄工事で平成十一年度百九十四億円、十年度百九十五億円など毎年二百億円程度の発注を行っている建設会社であります。運輸大臣はこの事件をどうとらえているのか。また、この事件の発覚を受けて運輸省についてきちんと調査いたしましたか。
#145
○国務大臣(森田一君) 本件につきましては、現在司法当局が捜査中でございますが、このような事件が起きたことはまことに残念だと思っております。
#146
○宮本岳志君 調査しましたか。
#147
○国務大臣(森田一君) 調査いたしました。
#148
○宮本岳志君 先日の衆議院の議論で我が党の大幡議員が関西空港の予想を上回る沈下問題を取り上げました。二期工事の中止、調査結果の公表、沈下に対する抜本対策の必要性を明らかにいたしました。それでも、あなた方は二期工事の中止はおろか再検討すらしようといたしませんでした。一度始めたらまさにやめられないとまらないというこの公共事業の裏に何があるのか、このことを明らかにしたのが中尾事件だと私は思います。政治家が建設業界からわいろや献金を受け取り、その見返りに公共事業をばらまく、ここにこの問題の本質があると思うんです。
 注目すべきことは、若築が新たな建設省関連の公共工事に食い込むために天下りを求めたという点であります。つまりこれは、若築は役所からの天下りの受け入れがその役所から公共事業を獲得する上で大変効果があるということを知っていたということなんです。そしてその役所というのは一体どこなのか、若築はマリコンなわけですから、私は運輸省との関係でそういうことをあらかじめ知っていたんだと思います。
 ここに若築建設の平成十一年の有価証券報告書があります。これに役員名簿がついておりますけれども、常務取締役の阪本浩氏は運輸省の出身となっておりますが、間違いないですね、運輸省。
#149
○政府参考人(小幡政人君) お話の同氏は、平成元年、一九八九年の四月一日に運輸省を退職しております。それまでの期間、運輸省の職員でございました。
#150
○宮本岳志君 運輸省の職員だということは確認をされました。
 この天下りは実は人事院の承認を得ておりません。なぜかといいますと、昭和六十年に沖縄開発庁に出向いたしまして、六十一年五月から平成三年まで五年間、本四連絡橋公団の調達補償部長などを務めた後、平成三年四月に若築建設に入社しているからです。大臣、これは立派な天下りではないんですか。
#151
○国務大臣(森田一君) 職員の営利企業への再就職に当たりましては、いやしくも官民癒着というような批判を招くことのないように十分注意しなきゃいかぬと思っております。
 ただ、一応適材適所という観点から今の公務員制度の中で職員が第二の人生を選ぶということは、これは許されておるというふうに思っております。
#152
○宮本岳志君 では、どのような適材適所かということをひとつ議論したいと思うんです。
 同じ有価証券報告書の経歴書を見ますと、この運輸省出身の阪本氏は、入社したわずか二カ月後、平成三年六月には取締役に就任しています。平成十年六月には第一営業本部営業担当兼第二期関西空港対策室副室長に、平成十一年一月にはそれに加えて兼任で中部国際空港対策室副室長になっております。
 これは資料四につけましたけれども、事前に運輸省が出した資料です。若築建設の関西空港二期工事受注実績は、平成十一年三月、護岸築造工事等地盤改良工事で百五十八億七千万円。平成十一年十月からことし三月二十八日までそれぞれの変更契約分として二十億六千三百万円。合計で百八十億円の受注を行っております。いずれも阪本氏が関空二期対策室副室長に就任して以降の受注であります。
 中部空港はどうか。中部空港は去る八月一日に工事が始まったばかりですけれども、ことしの二月十五日、護岸築造工事で四十一億四千九百万円、これも阪本氏が中部空港対策室副室長に就任して以降の受注であります。
 大臣、これが適材適所なんですか。これでは全く天下りの受け入れが威力を発揮している、そのとおりじゃないですか。
#153
○政務次官(泉信也君) 適材適所というものの考え方でございますが、阪本氏の御経験はまさに海の工事を技術者として今日まで幾つも現場を経験してこられた、そういう意味で若築建設が同氏を職員として採用されたものと思われるわけであります。
 特に、今御指摘のそれぞれの副室長あるいは営業担当というようなお話でございますが、これはそれまでの経験を生かそうという立場で恐らく会社がその役割を命じられたものと思いますが、若築建設が特段にこのことによって多くの仕事を受注したということにはなっていないと私は思っておりますので、御指摘は当たらない、このように思う次第でございます。
#154
○宮本岳志君 国民はこういうことを納得いかないと思うんですよ。
 先ほどの東洋建設の例も紹介しましょう。東洋建設の副社長も運輸官僚ですよ。これも有価証券報告書で明らかになっております。しかもこの副社長は営業部門管掌となっているんです。つまり仕事とりの責任者なんですね。そして、その人は平成三年一月から第三港湾建設局の局長をやった人なんです。平成五年から新東京国際空港公団理事を経て、平成七年に東洋建設に入っております。第三港湾建設局長といえば、これは工事を発注する側の責任者なんですよ。発注する側の責任者がマリコンへ天下って受注する副社長、責任者をやっている、こんな話が適材適所なんという話で通るわけがないんです。
 大臣、少なくとも、少なくともですよ、運輸省がそういう直轄事業などを発注している建設会社については、人事院の規定、二年とかということにかかわらず再就職すべきでない、そうは思いませんか。
#155
○国務大臣(森田一君) 今の公務員制度におきましては非常に若くしてやめなければならぬわけでございまして、これが定年延長がなされた後についてはまた別途考える必要があろうかと思いますが、現状においては適材適所によって第二の人生を選ぶということは認められるべきだというふうに思っております。
#156
○宮本岳志君 官僚は二年の冷却期間を置けば法的には問題ないといってマリコンに天下る、政治家は政党の支部を通せば献金を受け取って問題はないんだと、こういう政官財の癒着が、結局、公共事業がどんなにむだだと指摘されても、どんなに安全性が指摘されてもやめようとしない根底にあると思います。
 我が党は、そういった汚職、腐敗、政官財の癒着の根を絶って、本当に国民本意の公共事業に切りかえるために全力を挙げる、このことを申し上げて質問を終わります。
#157
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。
 総合交通政策の確立と交通基本法についてお尋ねをいたします。これまでも幾度となく私はこの委員会で質問をしてまいりましたが、改めて森田新大臣に総合交通政策の確立についてお尋ねをいたします。
 交通機関の乗りかえや乗り継ぎ、さらには異種交通機関への乗りかえ、乗り継ぎのみならず、これからはやはり道路建設や町づくりにおいても公共交通機関を位置づけていくことが必要でありますし、国土交通省という省庁再編を前にして、これまでの運輸、建設、各省で進められていましたこれらの施策を一本化し、あるべき総合交通政策を確立することが今最も望まれていると考えますが、大臣の見解を伺います。
 また、移動する自由、移動する権利としての交通権の保障を規定する交通基本法を制定する時期に来ていると思いますが、大臣の御見解をお伺いします。
#158
○国務大臣(森田一君) 渕上先生御指摘のように、現在の各交通機関の特性を生かして、そして総合的に取り組んでいかなきゃいかぬということはおっしゃられるとおりでございます。
 ただ問題は、法律の制定というのも確かに一つの方法でございますが、法によって規定すればこのようなメカニズムがうまく動くとも言い切れないわけでございまして、そのような観点から実態を進めていくということが必要であろうと思っております。
 来年の一月六日からは運輸省、建設省、国土庁、北海道開発庁が一緒になりまして総合的な交通体系が議論できるようになりますので、渕上先生の言われるような方向にぜひとも行政を持っていきたい、このように思っております。
#159
○渕上貞雄君 次に、鉄道事故調査会の常設と独立、日本版NTSBの設立についてお伺いをいたします。
 鉄道事故調査会の常設につきましては、さきに出されております鉄道事故検討委員会からの意見などを踏まえて実現の途についたような気がいたします。ぜひ確実な一歩を踏み出していただきたいと思います。そこで、鉄道事故調査会の常設から独立化の方向へ向けて取り組みをしていただきたい、このことについてどのようなお考えをお持ちか、お尋ねをいたします。
 また、鉄道事故調査会の常設、独立化とともに、将来はやはり航空、船舶、鉄道、自動車など交通運輸のすべてを網羅した事故調査委員会の設置が必要だと考えます。
 手本としてといいましょうか、あるものとしてアメリカにあります、先ほど申し上げましたNTSBのようなものを私は想像しているわけでございますけれども、これらの調査も含めて運輸省として実態調査をしていただき、設立に向けて御努力をいただきたいと思うんですが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#160
○政務次官(泉信也君) 渕上委員御指摘のように、日比谷事故の前から鉄道事故に関する調査委員会等の設置などの御提言をいただいておりますが、直近では八月四日に運輸技術審議会の鉄道部会から鉄道事故調査に関する御提言をいただいたことは御承知のとおりでございます。これは、データの蓄積でありますとかあるいは調査の継続性、そうしたことを踏まえて科学的な公正な判断をする、あるいは事故の未然防止をするというような趣旨で常設あるいは専門的な調査体制を整えるようにという御提言でございまして、先ほど大臣がお答えいたしましたように、来年度の概算要求に向けまして最大限の努力を運輸省としてはいたしたいと思っておるところでございます。
 また、例示としてお引きいただきましたアメリカのNTSBという制度につきましても、確かに幅広い分野をカバーしておる常設の委員会であることを承知いたしておるところでございます。これが直ちに我が国の制度として海も自動車も、そういう部分までオーバーオールにカバーできる委員会として適切であるかどうか、有効なものであるかどうかということにつきましては、今後も引き続き検討をさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
#161
○渕上貞雄君 ぜひとも、この設置に向けては私情熱を傾けておりますから、大臣以下ひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、生活路線の維持と整備についてであります。
 これはまことに残念なことでありますけれども、昨日の大臣のあいさつの中には一言も実は触れられておりません。どうしてかなと思うのであります。私ども地方に住む者にとってはこれはもう本当に大事なことでありますけれども、まさか運輸省は地方を切り捨てたという意味で言わなかったんじゃないと思いますが、結局、需給調整廃止というものが先に出てきてこういう発想になっているのかどうかわかりませんけれども、私はこれから先の国土の均衡ある発展などを考えてみますと、やはり地方もしっかりと見詰めているということが大事なことで、その視点が欠けているところが一番問題だと私は思っております。
 あわせて、ここで物を言わなかったことが生活路線の撤退に急速に傾いていくのではないかと非常に危惧をしているわけでございまして、そこら辺のところが大変問題でございますから、運輸行政の長としての大臣の見解をお伺いしたい。
 同時に、今必死になって私どもこれらの路線を守ろうとしている。本当にそこに働いている人たちが首切りだとか労働条件の低下だとか賃金の低下だとか、あらゆる犠牲を負いながらもやっぱり生活路線を守ろう、別会社にしたり子会社にしたりして、あらゆる施策を講じて民間で努力をしている、この上に立って生活路線を維持しよう、そのために今国からもいろんな施策で補助金などもいただきながら運営をしている実態があるわけですから、まさかそういうことはないと思いますが、大臣の御見解をお伺いしたい。
 それから、自治体が運行するバスについての安全管理、それから車両の管理などの責任の問題についてお伺いをいたします。
#162
○国務大臣(森田一君) 渕上先生おっしゃられますように、乗り合いバスというのは通勤、通学、買い物、通院等につきまして住民の日常生活を支える上におきましてまことに欠くことができないわけでございます。
 しかし、これまでは主として内部補助、もうかるところからもうからないところを助けるということでやってまいったわけでございますが、先生の御指摘になられましたように、このような内部補助というのは限界が来ていることは事実でございます。
 そこで、そのような中で需給調整が廃止されることになったわけでございますので、そのような中にあってどうやって生活路線を維持していくかということは、これは非常に難しい問題ではありますが、非常に重要な問題でございます。私どももこれはもう大変に重要な問題だと考えておるわけでございます。そして、そこで関係省庁等とも相談しながら、これがちゃんとやれるようにしっかりとやっていきたい、このように思っております。
 あと技術的な点について局長の方からお答えいたします。
#163
○政府参考人(縄野克彦君) 自治体が有償運送の許可を受けてサービスを行う場合の安全確保の問題につきましては、従来から許可を行う際に運行管理その他の措置をきちんとやっていくことを求めております。
 今後とも、地域協議会におきまして自治体の有償運送許可による運行が必要であるかどうかということについて協議をしてまいりますが、その結果として、許可に基づいてサービスを行う場合に、引き続き運行管理、安全確保につきましては必要な措置を講じていきますように徹底してまいりたいと思います。
#164
○渕上貞雄君 ただいま、言葉よりも実行、物に書く文章よりも実行していくという大臣の決意を伺いましてちょっと安心をいたしました。これから先の実行に期待をいたしたいと思っています。
 そこで、最後の問題ですけれども、ハイタクの問題で、需給均衡のための行政指導の問題でございますが、運輸省による今年度のタクシーの需給動向判断の結果によりますと、増車可能枠というのが生じていますのは、神奈川県の湘南交通圏のみと聞いておりますが、多過ぎるタクシーを減らして需給の均衡をとることが必要だと思います。何らかの行政措置、指導を行う必要があると私は思うんですが、いかがでございましょうか。
#165
○政府参考人(縄野克彦君) 現在の制度のもとにおきまして、新規あるいは増車の処分を行うべきかどうかということについての判断基準を、今、委員御指摘のようにお示ししているわけでございますけれども、現状から減車をするということにつきましては、憲法で保障されております財産権の侵害ということも考えて、一般論として慎重に考えるべきでありまして、現行の制度におきましてもそれは適当ではないのではないかというふうに考えております。
#166
○渕上貞雄君 終わります。
#167
○岩本荘太君 無所属の会の岩本でございます。最後の質問でございますので、よろしくお願いをいたしたいと思っております。
 私、大臣の所信に対しまして常々基本的な姿勢、同じような質問をさせていただいていますので、きょうもそういう観点からさせていただきたい。
 と同時に、私は地方行政に長かったものですから、地方におってつくづく思いましたのは、いわゆる地方の生活基盤あるいは経済基盤の整備に運輸省の事業というのは非常に大きなかかわりがある。大変地方にとってはありがたい官庁というか大切な官庁だという認識は基本的に持っておりまして、その点はまず御理解をいただきたいと思うんです。
 そのような御理解をいただいてやっていただきながら、あるいは今地方の時代、地方を大事にしなきゃいけない、地方の人間の物の考え方を中心にしなきゃいけないというふうな、そういう風潮が世の中にありながら、一方では過疎化がとまらないというか、だんだん地方が寂れてくるというのが現状であるわけでございまして、その点私も大変憂えているわけでございます。
 これからいわゆる運輸省所管、これは省庁再編でまた変わりますからもっと新しい格好でどうということもあるかと思いますけれども、私の認識として運輸省に今まで大変にやっていただいたという観点から、運輸省の事業ということで質問をさせていただくわけでございますけれども、いわゆる基盤整備なんかをやる場合に、今のごく当たり前の経済性の判断からいきますと、どうしても都市に負けちゃうんですね。これはごく当たり前の話で、経済性云々を言ったら人口の多い方がはるかに高くなるというような気がいたしますし、一たびそういうことになりますとどんどんまた都市に人が動き、どんどん格差が広がっていく、こういうことになってしまうんじゃないのか。
 これは日本の国土の均衡ある発展、あるいは先ほど言いましたような地方の時代の確立からいいますとゆゆしき問題でありまして、やはり国としては、国政としては均衡あるという、経済性ばかりでないそっちの面からの視点もぜひ入れていただきたい。
 端的な例で整備新幹線問題があると思いますけれども、私は整備新幹線、今のプロジェクトというのは大賛成でございまして、ああいうことはむしろ遅きに失しているので、国の骨格というものは、まずこれは国家プロジェクトですから、骨格というものをきちっとしてあげて、あとは地方がそれぞれどういう努力をするのかと、こういうスタイルでなきゃいけない。最初から経済性経済性ということばかりで国家プロジェクトと言えるのかという気がするわけでございまして、私は今新幹線問題についてどうこう言うわけではございませんし、運輸省の方で大変御心配いただいておりますのでそれはそれとして別でございますが、運輸省の所管の事業について、国土の均衡ある発展といいますか、そういう面で大臣の地方の整備に対する思い、どのように思っておられるのかお聞かせ願います。
#168
○国務大臣(森田一君) 実は、地方の時代というのを最初に唱えられたのは大平総理が現職のときでございました。私もその後を継いで地方の時代ということを唱えてまいったわけでございますが、残念なことに一時下火になったわけでございます。そして、最近に至ってまた再び地方の時代ということで、地方分権一括推進法等が制定されてそのような高まりを見ておるわけでございます。
 これまた大平総理の話になりますが、生前、地方の時代ということを言うと同時に、新幹線はぜひ必要だと言っておったわけでございまして、私もそのような先代の思いを胸に秘めながら力いっぱいやってまいりたい、このように思っております。
#169
○岩本荘太君 ぜひ地方の時代の確立のために御努力をいただきたい。
 私は、個人的な意見を言わせていただくと、地方分権といいますか地方の時代の認識というのは、やはり戦後の復興といいますか、その時期はむしろ都会中心といいますか、国が画一的な基準でやらなきゃいけない時代であったであろうと思います。それはそれで間違いなかったけれども、だんだん時代が豊かになってきて、人々の、国民の判断が地域地域によって違ってきた。そうでないと満足した社会が築けないという時代になったので地方にそういうことを任せるようになったんじゃないのか、こういう思いでおりますので、これは決して一朝一夕で評価されたりされなかったりということじゃなくて、長い目で見た日本の方向だと思っておりますので、ぜひこの辺、大臣もよろしくお願いいたしたいと思います。
 それともう一点、地方にも関係して、先ほど渕上委員もちょっと御質問されたんですが、いわゆる規制緩和、それと生活路線といいますか、いわゆる規制緩和、これは運輸省の方、大変規制をたくさん持っておられるということで、この委員会でも随分規制緩和に関する法律を審議させていただきまして、もう終わりかなと思ったら、先ほど何か答弁でまだおありになるようなので、それは結構なことでございますけれども、これも地方ではいわゆる今事業者が一方的にできるとか、あるいは事業者と地域、地方自治体も含めてその地域でいろいろ協議をして合意に達せよというようなことになっているやに思いますけれども、やはりそうした場合に、いわゆる事業者の関心と地域住民の関心というのは違うんだと思うんですね。やっぱり事業者というのはどうしても経済性云々になっていきますし、地域住民は実際の自分の生活がどうなるか、非常に切実な問題になってくる。その辺の接点が必ずしも一致しない。
 しかし、そういう場合でも、何らかの格好で新しい方向に向けなきゃいけないという場合に、やはり規制緩和されましたけれども、運輸省の方でまた規制をしてくれとは言いませんけれども、いわゆる調整あるいは行司役としてしっかりと見ていただきたいという思いを持っているんですが、その辺について、運輸省として現在実際やっておられるのか、あるいはこれからどんなふうにやっていかれるのかお聞かせを願いたいと思います。
#170
○国務大臣(森田一君) 最初にちょっと感想を述べさせていただきますと、私は十年前に政務次官をやりまして、今度大臣になってまいりまして非常に大きく変わったことは、認可とか許可とかがどんどん少なくなっておることでございます。しかし、これは同時に生活路線の確保という問題につきまして大きな問題提起をしておるわけでございまして、非常に微妙な難しい問題になっておるわけでございます。
 しかし、運輸省としては、生活交通の確保というのはぜひとも必要であるというふうに認識をしておるわけでございます。したがって、離島や過疎地域などにつきましては、国と地方公共団体が分担あるいは協力しながら財政上、税制上の公的支援措置等によって維持していくことが必要である、このように考えておるわけでございます。
 また、いろんなサービスを配置するに当たりましては、その期間をさらに先に延ばすとか、あるいは関係者の間でよく話をするとか、そういうことを十分にやっていきながらやらなければならない、このように思っておるわけでございます。
#171
○岩本荘太君 先ほども申しましたとおり、なかなか地域間では決まらない場合に、やはり国として、これは予算を配分するという以外にやはり全国を見ている国としてのお立場が非常に有効な場合があると思いますので、その点よろしくお願いいたしたいと思います。
 準備いたしました質問はそれだけでございます。大臣に的確にお答えいただきましたので、以上で終わりにいたします。どうもありがとうございました。
#172
○委員長(齋藤勁君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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#173
○委員長(齋藤勁君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 現在理事が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に寺崎昭久君を指名いたします。
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#175
○委員長(齋藤勁君) これより請願の審査を行います。
 第一〇号ペースメーカー装着者のための公共交通機関における携帯電話の使用規制等に関する請願を議題といたします。
 この請願につきましては、理事会において協議の結果、保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#177
○委員長(齋藤勁君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情、情報通信及び郵便等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#180
○委員長(齋藤勁君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
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#182
○委員長(齋藤勁君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 昨年の八月、委員長に就任して以来、約一年間委員長を務めさせていただきました。この後開かれます本会議で委員長を交代する予定になっております。
 委員各位の皆様方には大変お力添えいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。引き続き、またどうぞよろしくお願い申し上げます。
 本当にありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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