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2000/08/09 第149回国会 参議院 参議院会議録情報 第149回国会 農林水産委員会 第1号
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2000/08/09 第149回国会 参議院

参議院会議録情報 第149回国会 農林水産委員会 第1号

#1
第149回国会 農林水産委員会 第1号
平成十二年八月九日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         若林 正俊君
    理 事         亀谷 博昭君
    理 事         小林  元君
    理 事         須藤美也子君
    理 事         谷本  巍君
                岩永 浩美君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
    ─────────────
   委員の異動
 八月九日
    辞任         補欠選任
     小林  元君     小川 敏夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                亀谷 博昭君
                小川 敏夫君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                岩永 浩美君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   谷  洋一君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        三浦 一水君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       科学技術庁研究
       開発局長     結城 章夫君
       農林水産大臣官
       房審議官     中川  坦君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     西藤 久三君
       農林水産技術会
       議事務局長    小林 新一君
       食糧庁長官    高木  賢君
       林野庁長官    伴  次雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (農業者年金制度の改革方向に関する件)
 (産業としての林業の活性化方策に関する件)
 (中海干拓事業に関する件)
 (有珠山、伊豆諸島の噴火・地震被害と復旧対
 策に関する件)
 (雪印乳業食中毒事故と酪農問題に関する件)
 (米の在庫増と政府買入れ、経営安定対策に関
 する件)
 (イネ・ゲノム解析に関する件)
○理事補欠選任の件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房審議官中川坦君、農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長木下寛之君、同畜産局長樋口久俊君、同食品流通局長西藤久三君、農林水産技術会議事務局長小林新一君、食糧庁長官高木賢君、林野庁長官伴次雄君、水産庁長官中須勇雄君及び科学技術庁研究開発局長結城章夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(若林正俊君) この際、谷農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。谷農林水産大臣。
#7
○国務大臣(谷洋一君) 私はこのたび森内閣の成立に伴いまして農林水産大臣を拝命いたしましたが、本日は参議院農林水産委員会を開催していただきまして、まことにありがとうございます。
 農林水産省の重点事項につきましてお話をさせていただきたいと思いますが、委員長以下委員の皆さん方のお手元にお配りしておりますので、私は簡潔に説明させていただくことを御了解いただきたいと思います。
 まず第一に、雪印乳業食中毒事件につきまして、皆さん方に御報告申し上げます。
 この事件は、我々としては全く想像のできなかった事件でございましたが、一万五千人に近い中毒患者を起こしたということは重大なことでございまして、我が国歴史にかつてないことだと思っております。しかも、我が国三大メーカーと言われておりますその一つの大メーカーがこういう事件を起こしたことはまことに遺憾だと思っております。そして、この患者の方々が一日も早く回復されることを心から祈っておるわけでございまして、私どもは、先ほど申し上げたとおり、二度と繰り返さないということを念頭に置いてこれらの処置について考えておるわけでございます。
 第一に、この事件が起きたことによりまして牛乳並びに牛乳製品の消費の減退につながっては大変だと思います。私どもは、牛乳並びに牛乳製品の持つ国民に対する大きな責任というものを感じておりますので、その消費が減退しないことを今後も持続的に継続いたしまして国民の皆さん方に、消費者の方々に浸透を図っていきたいと思っております。
 また、中間業者の方々の意気阻喪をしてはならないということはもちろんでございますし、また酪農の業にいそしんでいらっしゃる方々にいたしましても、夢と希望を持って今後の自分の事業に取り組んでいただくということが大切だと思っておりますので、これらの問題について厚生省と十分連絡をとりながら、一体となってこの処置に当たっていく所存でございますし、今後もこういう方向で、業界の方々はもちろんのこと、消費者の方々にも浸透を図っていくことを皆さんにも御報告申し上げたいと存じます。
 それから、次の課題は、我が国の農政の大きな課題でございますが、我が国農政は極めて限られた農地、そして山地の多い我が国の農業立地条件でございますから、これらの問題を踏まえまして、何としてでも農業の振興を図っていきたいと考えております。
 昨年、国会の議決を賜りまして新しい農業基本法をつくったわけでございますけれども、この農業基本法はあくまでも新しい時代に沿って、そして国民の皆さんが、生産する農家の方々はもちろんでございますけれども、消費者の方々も一体となってこの農業問題に取り組むことを考えていかなきゃならぬと思っております。
 そこで、我々は、食料自給率でございますが、我が国の食料自給率は、近代工業国家という立場だけでなくて全世界の国家を眺めてみましても極めて偏重な情勢に到達しております。自給率四二%と言われておりましたけれども、今や四〇%台に下がっておる。そういうことを考えますと、自給率を高めてやはり我が国の国民の生活に安心と安定を与えるということが必要だろうと思います。
 その点につきまして、四五%の自給率の達成を期していきたい、そして同時に、目標を五〇%にまで持っていきたいというふうな気持ちから申し上げますと、何としてでも自給率を高めることの施策を今後展開しなきゃならぬと思っておりまして、平成十二年度におきましては、小麦並びに大豆あるいは飼料作物等を取り上げまして、米と同等の所得水準になるような考え方で、積極的に農家の方々にもお取り組みいただきたいと思っておりますものの、現実の問題としては容易でないわけでございまして、品種の改良等々の問題を踏まえて十二分に今後も持続的にやっていきたいと思っております。
 また、WTOの関係につきましては、世界の情勢が一方的な偏った情勢ではいけないと思いまして、加盟国百三十カ国の皆さん方が、やはり十二分に我々の主張も、日本の主張も十分お聞きいただいて、そして理解を深めていくことが必要じゃなかろうかと思いまして、私も八月十六日からフィリピン、タイ等に出向きまして十二分にそういう点、常日ごろの浸透を図っていくような努力をしてみたいと思っておりますし、もちろんこれは農林省、局長、審議官等々こぞってこういう方向で向かって、そして本年末に求められております集約をしたいと、こういう考えでおります。どうか御理解をいただきたいと思います。
 また、農業者年金等の問題につきましても、本当に農業者に夢と希望を与えるためには、この年金制度というものの拡充をしなきゃならぬと思うわけでございますが、現実の問題はもう破局の状態になっておることも事実でございますので、このことを考えてみると、もう一日も置き去りにすることなく、解決の方向へと前進したいと思っております。
 等々いろんな課題がございますが、また今後委員会の席上で十二分に委員の皆さん方と意見の交換をして、お互いの意思の疎通を図っていきたいと思っております。
 次に、林業につきましては、新しい林業の体系をつくらなきゃならぬと思います。小径木とか、あるいは間伐材の利用だとか、そういうことも必要ではございましょうけれども、我が国の木造住宅の建築に当たりまして一割しか我が地域材を使わないというふうなことでは、とてもとても我が国のこの気候風土に合わせて健康な国民生活を送ることは非常に至難だと思っておりますので、やはり木造住宅というもの、そして厚壁を利用するということ、それは我が国の島国という住居環境には最もふさわしいものだと私ども思っておりまして、我々の先祖が何百年何千年前からこれを利用しておるということはやはりゆえあるかなと思っておるわけでございます。
 そういう点で、地域材の振興につきましてもいろいろと手配をしてきたわけでございますけれども、今後ともに積極的な体制でもって当たることが必要じゃなかろうか、そして新しい林業基本法をつくって、これを、山を管理していらっしゃる方々、管理、所有していらっしゃる方々や山地に住む方々の山に対する考え方を変えていただきたい、そういう思いをしております。
 今や山はまさに資産価値を失ったと、私自身も山地に住んでおりますのでそういう感を深くしておりますものの、現実には国土の保全であるとかあるいは大気の浄化であるとか水資源の涵養であるとか、本当に偉大なると言ってもいいような大変な大きな使命を帯びておるわけでございますから、そういう点での私どもは大変な価値あるものと考えざるを得ません。
 そういうことを考えると、やはり世界共通の大きな課題としてこの林業問題を取り上げていくことが必要だろうと思っております。
 次に、水産の関係につきましては、昨年の末に水産基本法に相当するものの骨子を固めたわけでございますが、本年度は法制化をいたしまして国会に提出して皆さん方の議論を仰ぎたいと、こう考えております。
 我が国の水産を振り返ってみますと、数十年前には世界を雄飛する水産業と言われておりましたけれども、今や五七%の自給率しかないというところまで低落しておりますので、海洋法を中心とする二百海里問題を考えてみますと、ある意味では、やはりもっと、従前の考え方でなくて、これからの水産業というものに対しましては深い理解を国民全体が寄せなければならない。同時に、その理解のもとに水産に携わる方々が意欲を持って取り組んでいただくということが必要だろうと思います。
 そういうことを考えますと、農林水産委員会の皆様方の御発言を十二分に体しまして、今後の施策を展開していきたいと思っております。
 簡単に申し上げましたけれども、どうか皆さん方の十分な御質疑を賜りまして、農林水産省の今後の運営を期していきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#8
○委員長(若林正俊君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 ただいま谷大臣から所信の一端をお伺いいたしました。私は、農林水産大臣の所信表明が配付されていたので、それを事前に読んでおりました。その中に、農地法の改正はできるだけ早い機会に再度国会に提出したいと考えておりますという文言があり安心をしておりましたが、農業者年金問題等々についてはこの中には何一つ文字としては出ていなかったので心配をしておりましたが、今大臣から農業者年金の問題についても所信表明の一端として申し述べていただき、私はほっと安堵いたしました。
 その中で、具体的に農業者年金の問題について私は今から質問をしたいと思いますが、特に大臣は、長い間、与党の中で総合農政調査会の会長や、それぞれの部会の部会長を歴任をされて、農業問題については大変精通しておられる大臣でありますから、個々の問題、過去の経緯について十分御承知おきであることは私自身もよく存じております。
 その中にあって、喫緊の課題として、農地法の改正の問題はさきの国会のときに提出をされ、さらに今国会では時間的な余裕もありませんので次国会で提出をされることは間違いないと思いますが、それと並行して、農業者年金問題は、概算要求を今月末までというその一つの時期を考えると、最も避けて通ることのできない大きな一つの政治課題の一つだと私は思っています。
 そういう中で、まず、農業者年金の問題について大臣にお伺いをしたいと思いますが、そもそも昭和四十六年に創設された農業者年金制度、制度発足以来、農業者の老後生活の安定と農業経営の若返り、農地の細分化防止等規模拡大に寄与してきたことは承知をいたしています。一方、年金をめぐる情勢が大きく変化をして、世代交代、若返りよりも担い手の育成が急務となっているという政策面の問題、また加入者一人で受給者二・五人を支えなければならないという財政的な問題が生じていることは御承知のとおりです。
 このために政府は、去年の八月に、この問題に対応して、平成十二年、今年度に予定されている財政再計算に合わせて農業者年金制度について見直しを行って、そのための改正案をさきの通常国会に提出する意向で準備をされました。しかしながら、去年の十二月政府当局が示された改正案では、平均三割の年金額の削減、四十六歳以下で保険料が掛け損になることが盛り込まれていて、これには農民や農業団体が大変な反発をし、意見集約ができずに、結局政府はさきの通常国会に改正案を提出をすることができなかったことは御承知のとおりです。
 そこで、私はまず、先ほど簡単に大臣は農業者年金の問題に触れられましたが、この農業者年金制度の改革について大臣は具体的にどういう一つの考えを持って事に臨もうとしておられるのか、まずそれを伺ってから質問に入りたいと思います。
#10
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘いただきました農業者年金の問題につきまして、私も重大な問題だと考えております。いわば、この問題はもうこれ以上延ばすことのできない、決着をして本当に農家の皆さん方に夢と希望を与えなければいけないということになっておると思いますので、私が党におりました昨年にいたしましても、四十回に近い会合を開きましてこの問題を論議したと思っております。本年になりましてから私自身も二十回に近い会合にも出ました。
 そういうことを考えてみますと、この問題の指摘されたことは、そのまま我々どういう形で実行に移すのかということでございますが、構造改善局が試案として発表いたしました三割削減というのは余りにも農家の立場からいいますと約束が違うじゃないかとおっしゃると思いますが、非常に我々がつらいのは、農業者年金を現在いただいていらっしゃる方々のうちで六割に近い方々が、農業後継者であるべき方が厚生年金に入っていらっしゃるということを考えてみると、今後の農業者年金というものの立場が非常に苦しいということは間違いないと思います。
 そこで、どうして国がこれを支えていくかと、また農家の方々も、従前のことは理解できますものの、しかし農家の方もどの程度ひとつ御辛抱いただくかというふうなことを考えながら、決着を進めていかなきゃならぬと思っております。
 そういうことでございますので、我々は来年度、平成十三年度の概算要求のときに決着をつけるべきだと思いますけれども、これが決着がつかなくとも、少なくとも来年度予算を編成するときには確実にこれを片づけるということをして、国会の皆さんの御理解をいただきたい、そういう思いでございますので、どうか御理解いただきまして、よろしくお願いしたいと存じます。
#11
○岩永浩美君 三浦政務次官もきょうは御同席をいただいています。
 三浦政務次官も、愛隣農園という農業生産法人の代表をしておられて、特に農業者年金の制度の改革については党においても今まで大変御熱心に議論をしてこられた方であり、今政府の立場にお立ちになって、この改革に向けてどういう決意で臨もうとしておられるのか、伺っておきたいと思います。
#12
○政務次官(三浦一水君) 農業者年金制度は、農業者にも他産業並みの年金をと、農業者の強い要望を踏まえまして、各方面での議論を経て、昭和四十五年に農業者の老後生活の安定とともに農業経営の近代化、農地保有の合理化等を目的としまして創設をされました。
 若干思い起こすこと等おさらいをすることをお許しをいただきたいと思いますんですが、第一番目に、九十六万人に対しましてこれまで三兆六千億の年金が支給されてきておりますこと等、農業者の老後生活の安定に寄与してまいりました。二番目に、三十歳代前半の後継者を中心に、八十五万件の経営移譲が行われてきております。
#13
○岩永浩美君 決意だけでいいです。
#14
○政務次官(三浦一水君) いずれにしましても、短くしろという御指摘でございますので、現在の経営移譲先が、その大半、六一・四%がサラリーマン後継者であるという状況の中で、私どもも、私は党内の議論におきましても抜本的な改革が必要であるということについては了解を持ちながら今日まで来たところでございます。
 しかしながら、まことに、昨年の暮れに大綱をまとめるべく議論をしたわけでございますが、まとまらなかったという結果におきましては、先生御指摘のとおり、私も三割削減全く容認できないという姿勢で怒らせていただいたところでございます。
 その気持ちにおきましては、今回いろんなまだ平行線をたどっております農業の現場、あるいはそれを代表する団体の皆様方、あるいは農林省の立場と財政当局と平行線をたどっておる今日までの現状でありますが、私自身は農林省内部の政務次官としても同じ立場でありまして、農業者がこの際納得がいかない案には私としましても決して同意はできないという気持ちで農林省内部の議論を詰めてまいりたいと、こう思っております。
 以上でございます。
#15
○岩永浩美君 ただいま政務次官から力強い御発言がありました。それは、すべて数字をもって示すことが農業者が理解することのゆえんだと私は思います。
 それでまず、ことしに入って農林水産省と農業団体との間で農業者年金の制度改革について意見交換が四回ほど行われています。しかし、まだ両者の間でその話が詰め切っていない、相違点が依然存在しています。
 きょうの新聞を拝見すると、きのう自由民主党の農業者年金等に関する小委員会の中で、党の小委員会として政府・与党との間でいろいろな意見がなされたことが新聞に報道されていますが、まだまだ具体的なことが煮詰まったというふうには示されておりません。
 私は、本制度を運営していく上において、年金額のカット、掛け損の発生といった農家の皆さんにとって魅力を欠いたままでは新規に加入しようとする意欲ある人はどこにも出てこないと思う。今、三浦政務次官がおっしゃったように、農林水産省にいても農業者の利益にならない年金の制度改革はしないんだという力強い御発言、それに沿って具体的な一つの形をお示しいただかなければいけない大切な時期だと私は思います。そういう中にあって、受給者の犠牲によって財政問題を解決しようとするのは、農業者年金制度は政府が責任を持って運営する政策年金として今まで位置づけしてきたことですから、その責任を放棄するというような全く筋の通らないことにならないようにしてもらいたい。
 そこで、大臣は、今まで農業団体と農林当局、その中の相違点について、その四つの相違点をどういう形で解決し、かじ取りをしようとしていかれようとしているのか、それを大臣にお伺いをしたいと思います。
#16
○国務大臣(谷洋一君) 御指摘のように、私どもも、例えて言いますと、農業委員会の最上部団体であります農業会議所の方々、あるいはJAの最高幹部であります農協中央会の方々、あるいはそれを中心として下部組織の農業委員会の皆さん方等々と党で十二分にお話をしましたが、意見はいろいろと聞いておりますものの、それをどういう方向でやるということをきょうここで発表することはできないと思います。
 それは、近日中というのはちょっと早いんですが、いずれにいたしましても、近いうちにこの結論を出すということでございますから、出すという方向で決意を固めておりますので、そういう時点で、私どもはいわゆる農林省の構造改善局の案でなくて農林省全体としてのまとまった意見をまとめたいという考え方でございますので、どうか委員の皆さん方におかれましてもその様子を見ていただいて御協力を賜りたいと思います。
#17
○岩永浩美君 私は、党は党でいろいろな御意見が出てくるのは当然なことだと思う。ただ、農民並びに農業団体と農林当局との間の相違点、その一つの相違点について具体的な解決策を見出さない限り、あるいは相違点に対する回答を示さない限り、もう一歩進んだ農業者年金制度の改革はできないという心配をするから、それについてのかじ取りをどうなさるのかお尋ねをしています。
#18
○国務大臣(谷洋一君) 今御指摘になることはよくわかるんです。わかりますけれども、ここで私どものこういう問題についてはこういう考えを持っておりますということを具体的に言いますと、相手の方からまたいろいろと変わった意見が出るかもわかりませんし、あるいはもう腹を決めておるからこれ以上のところは言わないとおっしゃるような単純なことじゃないと思っておりますので、その点ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
#19
○岩永浩美君 それは、どちらかから、発言をすると何かまた反論が出てくるから、それは申し上げられないということでは事は進んでいかないと思います。
 どちらかがやっぱり意見を出すことによって、そのことがたたき台になり、そのことによるある程度の修正がなされたり、それに対する賛意が出てきたりという、そういうたたき台があって具体的な一つの制度の改革というのが出てくるわけですから、それは責任を持ってやっぱりお示しいただくことの方が前向きに解決をする糸口ができるのではないかという思いがいたします。
 少なくとも、今私の申し上げたように、農家の皆さん方が掛け損になってはいけない。それから、受給者の人たちが三割カットは相ならぬ。将来新規加入者が出てくるためには、新規加入者が出てくる施策が並行して出てこなければいけない。そのためには、農林当局は政策年金として誘導してきたその一つの責任を明確にしなければいけないという、それぞれの課題があります。そういう四項目ないし五項目の課題に具体的にこたえて初めてその糸口ができ、農業団体も安心して農林当局のやることに信頼を寄せてくるんだと私は思っています。
 そういう問題が先送り先送りになることによって農家の皆さん方の不信感を増幅することになるので、その問題はやっぱり示すべきだと私は思いますが。
#20
○政務次官(三浦一水君) 御指摘のとおりでございまして、個々の今後詰めるべき問題という部分が各種ございます。掛け損の問題もそうであり、受給額を削減しようという問題についてもそうかと思っております。
 これらの問題も、今農林省としましてもそこの接点を求めるべく鋭意検討中であるということで、取りまとめた案につきましては、大臣が今お話しになったような状況ということで御理解を賜りたいと思います。
#21
○岩永浩美君 それから、去年の財政支援七百億というその一つの数字が、去年は農林当局が七百億の数字はどうしてもやっぱり財政支援はできない、こういう話でした。しかし、今度事務的に詰めていこうとされる十三年度の予算の中で、これは上回って財政支援をしていく方向で事務的な方向を示しておられるんですか。
#22
○国務大臣(谷洋一君) 今御指摘になりましたのは、本年度予算では八百億ということになっておるんですが、それを私どもはもっと下げるとか、そういうことは考えておりません。
 だけれども、それでは構造改善局の試案として発表いたしました三割というのをどこの程度でおさめるのか、掛け損にならない点はどうするのか、御指摘のとおりでございまして、そこが問題なんです。
 そこが問題でございますが、ここで、この委員会で発表いたしますことは、農業会議所の方々あるいは農協中央会の方々ともう何回もお話し合いをさせていただいておりますので、そこでもって話をすべきだと思いますので、少なくともきょうここではっきり言えますことは、我々は農家の皆さん方が真剣に農業者年金に加わっていただく、そして後継者も農業をやっていただくという方向、そして、この農業者というのが我が国の食料確保の担い手でございますから、そのことを十分考えてやらなきゃならぬということをお互いが自覚し合って結論を出したいと、こう思っております。
#23
○岩永浩美君 掛け損にならないようにするためには、財政支援を新たにしていかない限り掛け損になってしまうんですよ。だから、その一つの財政支援をどういう形でしていこうとするのかという、財政支援もいたし方ないという方向で今後は解決をなさるおつもりでしょうか、そのことをまずお伺いをしたい。
 そしてまた、今月の末の概算要求の提出に向けて事務的な詰めの作業がもう行われていなければいけないと思いますが、その事務的な作業の詰めは既に行われているんでしょうか。
#24
○国務大臣(谷洋一君) 御指摘のとおりでございまして、私どもは七月の概算要求に何としてでも詰めたいと思っておりますが、また反面、農林水産省の事務当局とそれから団体の皆さん方との話し合いは最後の段階になっておりません。そこで、そういうことでございますから、我々は、政治的な解決と申しますか、そこまで持っていって解決をしたいと思っておりますから、いましばらくの、数字を申し上げるのは最後の詰めの話でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
#25
○岩永浩美君 私は、数字そのものを、幾らということを明確にお示しいただかなくても結構なんです。具体的にそういう一つの財政支援も含めて今後御検討いただく、そのことは、農業者の皆さん方が今後掛け損にならない、信頼して農業者年金を掛けていくことに安心してもらえる、そのことが加入者をふやしていく要因になっていく、一つの施策を具体的に示していくことが農業者年金問題を解決する大きな一つのゆえんになると私は思っています。そのための御努力をぜひお願いをしたい。
 この問題については、ただ単に事務当局の積み上げ方式による財政支援だけでは問題の解決になりません。あくまでも政治決着、その一つの政治決着を本当に本気になっておやりになるお気持ちが大臣にあるのかどうか、そのことを最後にお尋ねして、私の質問を終わります。
#26
○国務大臣(谷洋一君) 言葉足らずでまことに申しわけなかったんですが、私の気持ちは、七月の概算要求、そして八月の終結と、そういうことでございますが、それまでに何とか決着をつけたい、それはもちろんのこと、八百億という現在の積み上げをいかにふやすかということを基本にしておるわけでございまして、まさに政治解決でやりたいと、こう思っておるわけでございます。
 そういうことでございますので、今お話のあった趣旨を十分体してやるということはもちろんでございます。
#27
○岩永浩美君 よろしくお願いいたします。
#28
○鶴保庸介君 同僚議員岩永先生の後にお時間をいただきまして、続けて大臣にお伺いをしたいと思います。
 大臣は林業のことについて通暁していらっしゃるというふうに仄聞をしております。私も地元が地方、和歌山県でありまして、林業については非常に危惧を覚える者の一人として、これを機会にこの林業問題について少しお伺いをしておきたい、その決意のほどをお伺いをしておきたいというふうに思います。
 所信表明の中にも先ほどお話がございました、本年中をめどに政策大綱を取りまとめて、来年の通常国会をめどに森林基本法の策定を企図しているというふうに仄聞をいたしておりますが、環境問題等々の林業政策の効能というものは大切なことであろうと思いますけれども、やっぱり産業としての林業を活性化するためには、何が問題でどのような方策があると大臣はお考えであるか、決意のほどを含めてお伺いをまずしておきたいと思いますが。
#29
○国務大臣(谷洋一君) ただいまの御指摘はまことに厳しい御指摘でございまして、私ども、山林は資産価値を失ったということをよく聞きます。確かにそういう、山林所有者の方々がそういうお気持ちを持っていらっしゃることは間違いないことで、現実の問題として、今私が持っておる山を売ったとしたらそういう考え方になることは間違いないと思っております。
 そういうことから判断いたしまして、現地の声として厳しい今御指摘があったと思うんですが、それをどうして克服していくかということが現実の問題でして、我が国を代表するような大住宅メーカーの人のお話を聞いても、木造住宅を建てるときには一割ぐらいしか地域材を使わない、つまり国産材を使わないと言いますし、中堅メーカーの方々も、あるいは大工の棟梁にたくさん集まっていただいてお話を聞いても、まあせいぜい一割だなというようなことで、何せ外材を使えば安くつくんだと、早くできるんだというふうな考え方が非常に言葉に出るわけであります。
 しかし、我々は、日本というこの国土がいかに島国であるということ、これは何百年何千年続いておるわけでございますから、そこに生活する者が、石材の家やあるいは土塀の、土で固めた家があるわけじゃない、やっぱり木造住宅に住んできたということを考えてみると、なぜかといえば、やはり気候風土が一番木造住宅に適しておると私は思っておるんです。その意味におきまして、木造住宅を建てる、そして厚壁をつくる、そうすることが冷暖房を使うよりもやはり一番我々の体にもいいというふうに私は思って信じております。
 そういうことでございますから、やはり間伐材の利用とか小径木の利用も大事でございましょうが、それより以上に、私は、やはり従前の木造住宅を思い起こしていただいて、早くつくることが能じゃない、やっぱり百年もつ家をつくることが大事だと。そうすることによって、人一代一回住宅を建てるというふうなことになれば、ますます私はいい傾向じゃなかろうかと。そうすると、やはり木材の利用もどんどんあるから我が国の木材業というものも発展していくだろうと、こういう思いを込めて、新しい林業基本法にはそういう気持ちを込めたものをつくっていきたいなと、こういうふうな思いをしております。
#30
○鶴保庸介君 いろいろとお話をしていただいたんですが、少しだけちょっと私の考えと違うのかなと思うことがあるんですね。
 大臣、確かに住宅のことについてお話をいただきました。そして、林業については、林業政策の需要の部分においては住宅の部分がもうかなりのパーセンテージを占めているということも私もよく知っております。
 ただ、これまでのように、思いだけを訴えて産業としての林業を復活させるというのは非常に難しいんではないか。だからこそ、今こそ政治的主導あるいは民間の活力も生かしながら、声高らかに方針を示しやっていく必要があるんじゃないか、もう新しい政策の転換を図っていく必要があるんではないか、私はそんなふうに考えるんです。
 したがいまして、私なりの考えで、時間もありませんから論を進めさせていただきたいと思うんですけれども、林業については、最大のポイントになっていくのは、木材の安定的供給の面と、それからそれを必要とする需要の面であるというふうに思います。その需要が、恐らく今大臣がおっしゃられたとおり、一番必要なのは住宅政策の問題であろうと思いますが、その新たな需要の開拓なども視野に入れていく必要もあるんではないかというふうな気がいたしております。
 この点について、大臣、新たに需要の新規用途を開拓していくというようなことについてどのようなお考えをお持ちか、まとめてお話をしていただければなというふうに思うんですけれども。
#31
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘の木材の多目的な使用ということがもちろん大きな課題であることは、私は、言葉を落としましたけれども、木造住宅だけでなくて、多目的にいろいろと使うということが必要だということは十分考えておりまして、そういう方面にも全力を尽くしてやりたいと、こう思っております。
#32
○鶴保庸介君 もう本当に時間がなくなってしまいましたので、私の方から御紹介をさせていただきたいと思うんですけれども、例えば廃材を利用したバイオマスの発電なんというのは、北欧の方で、もう御存じのとおり、その発電力全体の、エネルギー供給の中でも二〇%、三〇%を占めるというようなことも情報として入ってきておりますし、また今ここで御紹介をすることにとどめるのですけれども、例えば、今度は高速道路の防音壁にこういう木材を使った、組み合わせた、景観なんかでも非常にいいというような部分、こういうものも研究開発をしていくという努力を、本当に継続的な努力をしていかなければいけないんではないか。
 政務次官にお伺いをしておきたいんですが、その中で、これまでも林野庁の方からもお取り組みがあったと聞いております公共施設での利用促進について、現状とそれからこれからの展望をお伺いしておきたいと思うんですが。
#33
○政務次官(三浦一水君) 今、委員御指摘いただきました防音壁については、現状で十四カ所ほどの実績がございます。それからまた、御提案いただきましたバイオマスエネルギーの活用、間伐材の利用促進ということにつきましても、農林省としましても鋭意進めている状況であることもつけ加えておきたいと思います。
 それから、国産材の公共施設への利用促進をするに当たってという問いであるかと思いますが、公共施設につきましては、既に建設省を初めとしまして関係省庁への木材の積極的な利用促進を働きかけております。公共施設の木造化や内装の木質化等積極的な取り組みが行われているところでございます。
 一方で、自治体にもより働きかけを強めろという御指摘であろうかと思います。その点につきましても、都道府県の土木や教育等の関係部局に対しまして木材利用推進を働きかけるためのキャラバンも実施をしているということでありまして、委員の御認識も十分踏まえながら、今後も推進を図っていきたいと考えております。
#34
○鶴保庸介君 ぜひそうしていただきたいと思います。補助金、補助、それから助成のみであればなかなかインセンティブは高まらない、こういうことですからということを本当に切々と訴えていく、アピールをしていく、まずそういう地道な努力から始めていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんから、こうした助成措置のいわば補助金に頼ったような林業活性化についての行政というのは、おおむねハードの充実に終始していたような気がいたします。林業機械であるとかタワーヤーダだとかプロセッサーだとか、そういったものに対する補助に終始していたような気がするのでありますが、林野庁、農水省全体を挙げてみて、こうした方策をもう少しソフトの面にシフトしていくべきではないか。例えば林業家を育てるための労働者の教育助成措置みたいなものを労働省と組んで教育訓練給付の一部を助成してみるとか、本当にやる気があるのかという部分を含めて、時間がございません、もうこれ最後になってしまいますが、新しいそういうソフトの面で林業を興そうとしていかれる、そういう用意があるか、これ最後にお伺いをしておきたいというふうに思います。
#35
○政務次官(三浦一水君) 林業における人材育成対策、これもソフトの面での方策の一環かと思いますが、各県の林業労働力確保支援センターを拠点としまして、技能研修を初め就業相談あるいは実地研修等によりまして、就業前の相談、研修から育成、定着までの一貫した施策を講じているところでございます。
 今後とも、これらの施策を総合的に推進してまいりたいと思います。
#36
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。
 先ほどの大臣の所信表明、みずからのお言葉で語られておりまして、非常に新鮮さを感じたところでございます。
 そこで、その所信の中に、今非常にマスコミ等にも話題になっておりますけれども、公共事業の見直しについてというようなことの言及がなかったんではないかなと思っておりまして、私は中海干拓、特に本庄工区のことについて質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、大臣にお伺いをいたしますけれども、マスコミ等で、中止を決めた、中止だというふうなことの報道がございますけれども、中止を正式に決められたんでございましょうか。
#37
○国務大臣(谷洋一君) 島根の中海につきましては、私は、どういいますか、委員会派遣とかあるいは党の派遣とかということではなしに、個人的に何回も見に行っておりまして、いわば裏から眺めたというのか、やはり私も山陰路でございますから、島根、鳥取、兵庫というのがもう俗に言う昔の山陰路でございますから、心安いという気持ちでお伺いして、従前から何回も聞かせていただいております。
 まあそういうことでございますが、中海につきましては、このたびの中海問題がやかましく言われましてからは全くマスコミ主導でございまして、私から見ますと。農林水産省は、例えて言うと島根県の農林部長も行っておる、そこからの情報が入る。もちろん、ある程度の情報は入るでございましょうけれども、そういうことでなくて、マスコミ主導でございますから、全く知事の動きというのは新聞で見る以外知らなかった。ところが、七月三十一日に知事が中国四国農政局長とお話しになった。その明くる日に、私に早朝に局長からそのときの事情を聞かせていただきました。
 事情は、最初に知事の方のことを簡潔に申し上げますと、従前、私が就任して以来の経過としては、ずっとこの問題はやってほしいという気持ちできょうまでやってきた、以後も変わらないと。ところが、情勢の変化は非常に進んできておるのでこのままの状態ではいけないということがはっきりしてきたと。そこで、県会並びに団体、そして市町村の皆さん方と十二分にお話し合いをして結論を出したい、こういうことを言ってこられたようです。そして、本日五時から知事からの要請に基づきましてお会いすることになっております。そこで島根県の意向がはっきりすると思います。
 どうもマスコミから得た情報だけで我々が即断することはできないと思っておりましたので、きょう、知事との話し合いをやりまして十分知事の意向も聞かせていただいて、我々は、よく私の方にも農林水産省は決断せよということでございますが、農林水産省が決断する前に、やはり地元の島根県の十分な判断とその判断に基づく決断を聞かせていただくのが正当だと思っておりますし、決断をはっきりしないということなら、決断するようにこれは私どもも言わなきゃならぬ。しかしながら、決断をするということをおっしゃるんですから、私はきょうの会談の状況を見たい、こう思っております。
#38
○郡司彰君 知事の方は凍結ということを議会にも報告しているわけでありまして、了承されたということになっておりますから、きょうの知事の決断というのは凍結という意味で大臣はお考えなんでしょうか、それとも踏み込んで中止ということの決断ということなんでしょうか。
#39
○国務大臣(谷洋一君) 凍結と、言葉の意義はどういう表現がいいのか、私はそこにそれを訴えようとは思っておりませんが、いつまでも凍結凍結と言われても困るんですよね。ですから、はっきりした態度をとってもらうことが先決だと。情勢の変化があるということははっきりしておるんです。
 例えて言うと、私も知人が多いので思うんですが、大根島というのが隣にあって全国に花木を売り回っていらっしゃる。それが業として相当な収益があった。ところが、今としては、これから自分たちの子供にあるいは友人の方にそれを勧めて、私どもがきょうまでやってきた生活を続けよと思わぬとおっしゃる方もたくさん私はお会いいたします。
 そういうことを考えてみると、そこを例えて言えば干拓することによってある産業を興すということが可能かどうか。それから、地価の問題もどうかとか、そういうことはこれから地価がどんと落ちていくというふうなことを考えるのも無理かもしれませんし、というのは、地価の評価というよりも今まで投資した金額もわかっておるんですから、お互いに。そういうことを考えてみると、きょうだけは何かやめるようなことをおっしゃって次のときにはやるんだという、こんな話では困ると私は思っておるんですよ。
 だから、はっきりするところははっきりしてもらいたい。それは方々の方々の意見を十二分に聞かれたんでしょうから、やっていただきたい。それから、もっと聞きたいとおっしゃるなら、どんどん聞いてその結論を待ってほしい。ただ中途半端な結論をおっしゃっておられたら、いつまでたってもこれはじれったい話になってしまうと私は思っておるんです。
#40
○郡司彰君 大臣のお話をお聞きしまして、ここのところ毎日地元の新聞を私のところに送ってくださる方がいらっしゃいますが、地元の兵庫よりも多分山陰中央新報とかそういうところに大臣の名前が連日のように出ているのではないかなと。
 きょうの朝刊でありますけれども、そこの記事を読みますと、今おっしゃっていたことと同じようなことになるかと思いますが、県の方の凍結方針、大臣の方の発言、これはそのままなんでしょうか、「(この期に及んで)まだ(問題を先送りして将来に)つないでいくようなことを言っている」というようなことを昨日言われたというようなことが記事になっておりますが、これ以上手続の問題を含めて新しいルールをどうするかということ、党内の手続等もあろうかと思います。その意味では、私の方の解釈として、大臣は知事との話し合いの後、新しいルールをつくり、そして中止を前提としてこれから進んでいくというように理解をしておきたいと思っております。
 この間の四工区八百ヘクタールぐらいが既に完成をしていたわけでありますけれども、この完成部分のこれまでの利用状況、あるいは入植といいますか入られた方の農業収入、予測に対しまして現在どのようになっておるか、概略で結構でございます。
#41
○政府参考人(渡辺好明君) 四工区が既に完了して農地として利用されております。
 平成十一年度の調査では、主力は野菜、これはシロネギ、キャベツ、タマネギ、それから飼料作物、この両者で約四百二十ヘクタールであります。それから、そのほかに果樹としてイチジク、ブドウ、ナシ、花はこれは伝統的なボタン、工芸作物など四十ヘクタールということで、合計四百六十ヘクタールが作付をされております。
 経営規模は、この四地区はいわゆる増反であります。つまり入植方式ではないわけですので、既耕地も含めての経営ということになりますけれども、規模は比較的小さくて約二ヘクタール、小規模な家族経営主体ということになっております。
 個々の農業所得全体を把握しているわけではありませんが、平成十年度の干拓地内の優良経営体の事例調査というのがございますが、これでは年間七百万円ないし一千万円程度という事例が相当数あるというふうに聞いております。
#42
○郡司彰君 八百のうち四百六十、そして収入については七百から一千万ということですけれども、この七百から一千というのは農外収入を含めての数字になるのかなというふうに思っておりますが、いずれにしましても、当初の見込みを下回っているということも今回の事業の判断に大きな影響を与えているんじゃないかと思っております。
 これまで、前大臣でありました玉沢農水大臣の方にも私どもの峰崎議員の方からも、これまでの公営の土地改良事業、いわゆる公共事業そのものでむだな分はなかったのか、農地造成について考えはないのかということに対しまして、これはもう当然行っていくということでの答弁を繰り返しお聞きしたわけでありますけれども、この中海干拓は、これは建設省その他のところと違って、農水省の事業そのものはもともと地元の合意から始まるものでありますから、そんなに長い工期にわたるということはほとんどないわけでありまして、全般的に中海と同じような工事を行っているというふうには私も思っておりません。
 しかし、三十七年に及んだというこの工事のことに関して言えば、これまでの玉沢大臣その他の公共事業、土地改良事業に対する考え方、今の段階で何かコメントすることがありましたならば、大臣の方からお願いします。
#43
○国務大臣(谷洋一君) 先ほどお話し申し上げたところと関連があると思うんですが、私は、農地をつくって売買するときの価格を想定されておるわけですよね。その価格ではとても近辺の農地と比較すると高いというお話も聞かせていただきました。あるいはそういう経営規模を高めるといってみたってそんなに何をするんだと、花木をつくれと仮に言われたって、隣の町が花木の町として名を売ってきたのが今は低迷し続けておるじゃないかと、そんなことを考えるとだめじゃないかというお話も聞かせていただきました。
 ですから、要するに農地としての使用が非常に困難だという考え方を持っていらっしゃる人が大部分だというふうに思うんですよね。そういうことで、工場用地でもいいんだといったって、なかなか、我々残念なことでございますけれども、山陰と言われておるところはそう簡単に工場誘致がないということも事実でございます。
 そういうことを考えますと、先ほどの、知事さんときょうお会いしたときにも端的に知事のお気持ちもお聞かせ願って、表面はこの際はやめるとは言わぬけれども、もうやめるということを前提としての話だということであれば、そういう対応をこちらもきちっとしなきゃならない。そしてできるだけ、まあ正直なところを申し上げますと、島根県という県は四十七都道府県の中でも財政の極めて緊迫した厳しい県であると聞いておりますので、そこらあたりの判断から農林省の対応もどうするかということになろうかと思います。
#44
○郡司彰君 今、大臣の方から例えば用地を工業用地としてはどうかというふうな話が出されましたけれども、やはり現地の方ではそういった声が非常に多く出ているということも今回の問題を投げかけているのではないかと思っています。
 若干振り返れば、六三年の開始、そして六八年の着工、八八年に凍結ということが決まったわけでありますけれども、これは特に農業の関係だけではなくて、汽水湖を淡水化するというようなこと、環境の問題に関しましてもいろいろ議論がされてきたかと思っております。
 私、ここに八二年の当院の公害及び交通安全対策特別委員会の議事録をちょっと読ませていただきましたけれども、当時の原文兵衛環境庁長官が、この淡水化についてはもう慎重の上にも慎重に慎重にという、慎重を三回もお使いになって、結果としていろいろな意見もあって一時凍結がなされた。その後九七年に再推進、開発ということの知事の意向があったわけでありますけれども、三十七年かかったということ自体が私は問題だろうと思っております。
 実は私の茨城のところにも緒川ダムという計画がございまして、これは三十三年たってことしになって中止がほぼ決まったのでありますけれども、この三十三年の間には、集落の方々で賛成をする、反対をする、そこの土地から出ていって新たに生活をするとかということが非常に起こってきて、集落の中にとても深い溝をつくったということがありました。多分、この本庄工区も含めまして、いろいろな産業に従事をする立場、あるいは地域的な個人的な生活設計そのものがこの三十七年の間に相当変わらざるを得なかった人が多かったと思うんですね。
 私どもは選挙中も通じましてそのようなことを訴えてまいりましたけれども、特に選挙後、与党自民党の中で、反省からかもしれませんけれども、公共事業を見直す検討委員会ができた。その中での発言、やりとりというものもこれは大変マスコミに出てきているわけでありまして、そのようなことで今回農水省も動いたのかというような声があるわけであります。
 省内の職員の士気の問題にもかかわることでございますので、そのような形の中で出されたのか、農水省みずからの考え方として先ほどのような考えに至ったのか、お聞かせをいただきたい。
#45
○国務大臣(谷洋一君) これは、自民党の方が政調会あるいは自民党の三役の方が御議論になってそのことをやったというふうには新聞で伺っておりますけれども、私どもの方には全く関係ありません。私どもは農林水産省の立場での発言を私はしておりますし、党にこだわる話ではありません。
#46
○郡司彰君 今に至っても御相談がないということに理解をしたいと思いますけれども、それはそれでやっぱり不自然な形だなと。
 常々いろいろな、この委員会に関することに関しましても、例えば三者協議等というような名称で常々政府・与党、それから自民党、場合によりましては系統を含めての話し合いというものがなされてきたという経過を私どもよく聞かされておりましたから、今回のことについては、丸々相談がないということであれば、これは相談があるなしにかかわらず、同じような話がされているとすれば、農水省からもそのようなところを、お互いの見解というものを出し合うということもこれはまた逆に必要なんではないかなという感じがいたします。
 いずれにしましても、そうしますと、自民党の方としてはそういうことが検討委員会が出されてきた、農水省もたまたま同じような時期になってきた、県の方は自民党の見直し検討委員会の方の動きに合わせてということでありますから、これは偶然の一致ということで考えてよろしいんですか。
#47
○国務大臣(谷洋一君) 農林省の立場からいいますと、従前からこういう長い事業にわたっておりますものはあるんです、農林省にも。そういうことでございますから、つまり長いといいますのは、ダムがあってそのダムの工事が長いとかそういうことは、農林省の場合はまずまず二、三年、四年までで片づいておりますからいいんですけれども、事業を着手してから長引いておるというのはあるわけです。そういうことを考えて、前々から農林省としてはそれに対する対応といいますか、それに対する考え方については部内でいろいろとまとめておったことは聞いております。私も党にありましてもそういう話は聞いておりました。
 だけれども、今回起きた問題につきましては、農林省が結論を出したからそれに従ってやっていらっしゃるんでなくて、党の方は党の方で、政調会の方でこういうことは、これは農林省にかかわらずどの省庁でもこういう長引いて結論が出ない、そして結果はどんどんと世の中が変わっていくと。そういうことを踏まえてみると、結論を早く出して早く実行に移そうと、こういう意味から発案されておりますので、私どもは全く知らないという言い方じゃないんですけれども、言い方をしましたけれども、そうでなくて、前々からの党の考え方あるいは我々の考え方はお互いに知り尽くしておると私は思っております。
#48
○郡司彰君 次に、先ほど大臣の方からも言葉の上では凍結と中止というものがという発言がありましたが、具体的に凍結と中止の違いというものをどのように認識されていらっしゃいますか。
#49
○政府参考人(渡辺好明君) 大変恐縮なんですが、凍結という言葉は新聞では報道されておりますけれども、知事の方からも出ておりませんし、私どもも凍結という言葉は使ったことはないわけであります。
 知事からは、直ちに本庄工区の工事を再開することは難しいというのが農政局長に対する表現ぶりでありました。私どもは、したがいまして、大臣からお話しいたしましたとおり、具体的にどうするかということをお聞きした上で事に当たりたいと考えておりますので、表現ぶりの比較をするというのは差し控えさせていただきたいと思っております。
#50
○郡司彰君 言葉の上での凍結と中止のことについてはそれで結構でございますが。
 次に、中止ということになった場合に、現行の仕組みといいますか、その中でいきますと、どのような国と地方の負担割合というものが出てくるのか。あるいは新しいルールというものも検討されるということでありますが、この新しいルールというものがどの程度の検討の段階まで行っているのか、それに基づく試算というものが可能なのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(渡辺好明君) これも仮定のお話なのでそのようにお聞き取りいただきたいと思いますけれども、本庄工区の取り扱いを具体的にどうするかということが決まりました後、関係行政機関、財政当局もございますし、島根県と協議をいたしまして検討したいと思っておりますが、その中には、当然のことながら財投から借り入れをした地方負担金の償還をされていない額、これが計算上は七十七億円あるわけでございます。それとか、既に造成済みの施設の処理をどうするかという問題がございます。こういう問題につきましては、取り扱いが決まりました後、どういうふうにするかという話し合いになるべきものというふうに推量いたします。
 ルールというお話でございましたけれども、多分けさの日経新聞をごらんになった上での御指摘かと思いますけれども、あの報道はどうも土地改良法の改正の問題と今回の処理の問題が混同されておりまして、土地改良法上には国営事業廃止の規定がございませんから、この際そういった規定を設けるべきではないかという議論が土地改良法の見直し検討の中で出ているわけでございます。それを今日、中海に適用してはというのはちょっと短絡かなと思っておりますが、これはその場における話し合いで現実的解決を図るべきものと思います。
#52
○郡司彰君 これもマスコミの報道ですから、それはということに言われてしまえばそれまでかもしれませんが、いわゆる県の方、知事の方が、言葉として凍結という言葉を使わせていただきますが、凍結という方針を出したのは、今話をした中止に伴っての国と地方の負担割合というものがどちらが先に言い出すかによって違うのではないかというような記事が大変多いわけであります。
 きょうの地元の新聞等も見ますと、島根県は条件闘争に入ったんだというようなことを含めていろいろ書いてあるわけでありますけれども、大臣、先ほどからのこの期に及んでつないでいくようなことを言っているという批判が記事にも載っておりますけれども、今のような今後の国と地方の負担のことも念頭に置いてのことでございましょうか。
#53
○国務大臣(谷洋一君) もちろん、それも含めての気持ちで申し上げました。
#54
○郡司彰君 これは私自身は、地元は地元なりの意見というものが当然あるわけでありまして、国は国としての基本的なものがなければ今後それぞれに土地改良事業そのものが立ち行かないということも出てくるかもしれませんので、それぞれの言い分があるかと思いますが、私自身は、国の方の決断ということもあらかじめ意思をきちんとするということが大事ではないかというようなつもりで最初冒頭の質問をいたしましたが、改めてこの負担の関係も含めてお伺いをいたしますが、国として先に決めるということに対して、大臣は負担以外のことでは何かお考えのことはございますか。
#55
○国務大臣(谷洋一君) 何回も申し上げておることでございますが、農政局長がお会いしたのは七月三十一日でございます。そして、私がそのお話を聞いたのが一日の朝でございました。そして、きょうの知事との会談でございます。これが正式な話し合いでございますから、余り予測をして、知事がどう言うだろう、こう言うだろう、知事の腹はどうだろうとか、そういうことなしにきょうは聞かせていただきたいと思っておりますので、その点お許しいただきたいと思います。
#56
○郡司彰君 これまで検討委員会というのは、中海の本庄工区の方の委員会ですね、その中で大きく三つぐらいの案が出されておったと思いますけれども、全面干陸とそれから部分と、それから全然干陸をしない案ということがありました。
 今回の、表面的には例えば中止ということが決まったときには、全然干陸をしませんよということと同じような形で受け取る向きが出てくるのではないかなという感じがいたします。場合によりまして、全然干陸をしないという場合のこれからの支出額でありました八十億という、水産全面利用というような形のことと中止ということの場合にはまるきり関係ない、例えば全面干陸の場合の五百二十億、部分の場合の五百十億ということ、それとの関連で言う水産利用の八十億というものとこの中止というものとはまるきり関係ないというような理解でよろしいですか。
#57
○政府参考人(渡辺好明君) 本庄工区検討委員会の報告の中で、干陸をしない案、これは(水産利用案)と書いてあるんですが、これは三つの要素から成っておりまして、本庄工区を干陸せず、これが第一であります。それから第二に堤防の一部を開削する、そして第三に底質がアサリ漁場として適さない範囲を覆砂して漁場環境を改善するということで、水産振興によって地域の活性化をもたらすという内容になっております。したがって、だれが投資するかは別にして、新たな投資が必要であり、その結果、雇用と経済効果が生ずる、こうなっておるわけでございます。
 中止というふうにフラットで考えますと、これは事業を途中でとめるということでありますので、水産の利用については未定である状態というふうに考えてよろしいかと思います。
#58
○郡司彰君 今の答弁をいただきましたことで、いずれにしましても地域の振興ということが新たな課題として出てくるんだろうと思いますし、地元の方では既に具体的な動きも始まっているようであります。
 例えば、八束町などは今も推進をすべきだというような意見が大半であるそうでありますけれども、松江市などは具体的にきのう、きょう、東京の方に市長がおいでになって、総額四百億円の地域振興計画というものを出していこう、そんなことも言われているようでありますけれども。
 いずれにしましても、中止ということになった場合、その振興策というものは基本的には地元の方ということのお考えでよろしいでしょうか。
#59
○政務次官(三浦一水君) 現段階では中止を仮定してお話しすることはできないことを御理解いただきたいわけでありますが、いずれにしましても、事業の取り扱いを判断した後には、島根県と関係市町が主体的に検討されるべき事項だと考えております。
#60
○郡司彰君 そのような形の仮定の話ということになりますとなかなか先に進まないわけでありますけれども、いずれにしましても、もともと対岸の方の米子、境港というのは淡水化そのものにもずっと反対でございましたし、いずれにしましても、今回の新たな決定があるとすれば、その地域に対する新たな地域振興策というものは出さなければいけないんではないかなと思っております。
 きょう、知事との話し合いの結果、あるいはその後の経過を経まして、いずれにしましても計画が出されると思いますけれども、そして、その間に自民党の亀井政調会長の方が二十一日か二十二日、私ども民主党の菅政調会長が十九日に伺うことになっておりまして、大臣につきましてはこれまでもたびたびお訪ねになったそうでありますけれども、方向が決まった後に、あるいはそれ以前にも、大臣、もう一度現地に入ってというようなお考えはございますでしょうか。
#61
○国務大臣(谷洋一君) 私は別に今入って決断の資料にしようとは思っておりません。
#62
○郡司彰君 地元の松江市の市長は新しい市長でございまして、これまで態度については静観のような形であったわけでありますけれども、ここに来てもう中止以外は考えられないというようなことでの具体的な振興策四百億についてこちらの方にも伺っているわけでありますけれども、これについて地元の方は、国、県にその地域振興を求めていくこと、そのことそのものが可能かというような心配を非常に議会等でもしているようでありますけれども、改めてその点、三浦政務次官の方からお答えいただきたい。
#63
○政務次官(三浦一水君) 現段階までは具体的に島根県及び松江市から地域振興対策等について具体的なお話は伺っておりません。
 いずれにしましても、本庄工区の取り扱い方針にもよりますが、対策が必要となった場合には農林水産省でも対応可能なものについては十分検討したいと考えております。
#64
○郡司彰君 対応可能なものということについては、可能だというふうなところがあるということでお聞きをしておきたいと思います。
 それから、次にお聞きをしたいと思いますが、現在の、正式にはまだこれも、今の問題も議題に上がっているということにはならないのかもしれませんが、これ以外の国営土地改良事業の見直しを検討しているところがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#65
○政務次官(三浦一水君) 国営土地改良事業の実施に当たりましては、事業採択後一定期間を経過した地区を対象にしまして、事業の効率的な執行及び透明性の確保を図る観点から、諸情勢の変化を踏まえた事業の再評価を行い、その結果に基づき必要な見直しを行ういわゆる再評価システムを平成十年度から導入したところであり、平成十二年度におきましては対象となる二十八地区について再評価を実施中でございます。
 今後とも、再評価の活用等によりまして事業の効率的な執行及び透明性の確保に努めてまいりますが、具体的には十年度の主な事業の見直し地区としまして数件、それから平成十一年度の主な事業の見直し地区としまして中止をしましたもの二地区等々、具体例がございます。
#66
○郡司彰君 再評価の中で二十八地区ということでございます。この評価制度につきましては、これからまた十分に実効あるものに中身を検討していくことも必要かと思っておりますが、これまでの事前の評価というものは、これまでのところについては無理だと思いますけれども、再評価ではなくて事後評価で今そのようなことを検討あるいは検討した結果というものがありましたらちょっと、もしおわかりになれば。
#67
○政府参考人(渡辺好明君) 事後評価制度は今年度から実は実施を着手したところでございまして、もちろんでき上がってしまったものの話でありますので、この結果が他の地区の事業を開始するときにどういう判定要素になるかとか、あるいは他の地区での営農にどういう参考になるかといった観点でやっておりますが、今年度実施したのでまだ結果が出ておりません。結果が出ましたら、またお話をいたしたいと思います。
#68
○郡司彰君 済みません、ちょっと関連をいたしておりますといいますか、通告にちょっとなかったかもしれませんが、UR対策の関係につきましては一定、中間の評価というものがなされましたけれども、新しい評価システムと、URの場合にはほとんど事後の評価ということになろうかと思いますが、これは同じような手法でございましたか。
#69
○政府参考人(渡辺好明君) 事後評価という点では、同じ対象と手法が最終的にはかかることになります。
 ただ、UR対策は、御指摘のとおり、土地改良長期計画に基づく事業の加速的推進ということで、地域を絞って短期間に集中的に投資をする、その結果、効率がどれぐらい上がったかという観点でございますので、一般的な評価よりもより詳細にウルグアイ・ラウンド対策という特別な対策に即した評価を行うということになります。
#70
○郡司彰君 これまでの国営の土地改良事業後に用地転用をしたところがあれば、区切り方によるんでしょうけれども、おおよそ何年で何万ヘクタールぐらい、そしてまた転用をされた場合にはどのような用途で使用されているかがおわかりになれば教えていただきたい。
#71
○政府参考人(渡辺好明君) 転用面積自体は全体としてとらえているんですけれども、国営土地改良事業に係る転用ということでは、全体の中に溶け込んでおりますので把握しておりませんが、たまたま国営干拓に関しては転用の実績がございます。
 戦後、国営干拓で造成された農地の面積が四万二千ヘクタールでありますが、そのうち農地転用されました面積は、これはちょっとセンサスの関係で年次が古いんですけれども、平成二年度調査時点で二千九百ヘクタール、約七%であります。転用目的としては工業用地、公共用地、宅地等でありますけれども、その中で一番多いのはやはり工業用地でありまして千八百ヘクタール、六二%を占めております。
 そのほかの国営の農地造成等々での事例でありますが、これは茨城県の事例だと、岩井市の森戸地区では六百十四ヘクタールを造成して、その後八ヘクタール公共用地に転用、潮来の延方地区では二百三十六ヘクタール造成して四ヘクタール転用、桜川の西の州地区では百九十三ヘクタールを造成して一ヘクタール転用というふうに、農地造成の系統では非常に転用の割合が小さいというのが実情でございます。
#72
○郡司彰君 年間の農地の消失といいますか、それから比べれば全体としてそう多い面積ではないのかなというような感じをいたしております。
 それで、このような一連の関係の中海の問題、いずれの時点で、おおよそ大臣の方でいつごろまでにはいろんな意味での決着がつくというふうに見通していらっしゃいますでしょうか。
#73
○国務大臣(谷洋一君) 先ほど来申し上げておりますように、きょう知事とお会いするのが最初でございますから、知事の意向も十分聞いて、二回、三回とお会いして、そして知事の意向も確かめて、その上で決着ということになろうと思いますが、これはやはり概算要求というのが、先ほど来申し上げるように、七月の概算要求あるいは八月の最後の締め切りというところまでには決着をつけたいぐらいに思っております。
#74
○郡司彰君 その際、決定を見た段階で改めて大臣の方から国民に対しても説明をするというようなことが必要になってくるのではないかなと思っております。どのような視点で説明をなさるお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(谷洋一君) 農林省の立場だけから申し上げましても、構造改善局でやっておる事業にそごを来してはいけませんし、そういうことから考えますと、おっしゃるとおりに、国民に向かってこの問題に対する考え方を農林省として毅然としたところを申し上げたいと思っております。各省庁にわたりますと、また多岐多般にわたりますので、私は農林省の立場だけを考えての処置として今申し上げたとおりでございます。
#76
○郡司彰君 大臣、通告をしていなかったことについてちょっとお聞かせをいただきたいと思いますが、これはいつでしょうか、八月の五日でしょうか、記者会見に臨んだ際に農協のことについて言及をされたというような記事がございましたけれども、その中で、端的に言うと、農協の合併その他に関して、耕作面積じゃなくて預金量、農協銀行になっているというようなことが書いてありますが、これは大臣の短い言葉だけ取り出しているものですからよく真意というものが伝わらないのでありますけれども、よろしければその辺のところについてお聞かせをいただけますでしょうか。
#77
○国務大臣(谷洋一君) 私の記憶が間違いなければ、そのときに申し上げましたのは、私の地元兵庫県におきましては、神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市、川西市、伊丹市、猪名川町、それから三田市、そのうちで私の選挙区は三田と猪名川が私の選挙区に当たりますが、そういう大合併をいたしまして六甲農協という立場に立ちました。それは結構なことでございますが、預金高だけを目標にする農協じゃ困る、やはり営農指導ということを徹底的にやって、農家とJRが直接対話をするということが必要だという意味のことを申し上げました。
 以上でございます。
 JAでございます。失礼いたしました。
#78
○郡司彰君 今の私は大臣のお話をお聞きしまして、常々私自身も考えているようなことと同じような御発言だったものですから改めてお聞きをいたしました。
 実は私自身もそのように考えておりますが、しかしながら一方で、販売、購買、いわゆる営農関係に大変力を入れて頑張っている農協もございまして、何か全国一律にそのようにとられてしまう危険性があるものですからちょっとお聞きをしたのと、大部分については逆にそのような農協が多いという危惧をしておりますので、これについて大臣、今後、助成法がまた期限が参りまして切れる年月にもなってきておりますけれども、農協の合併について一言ちょっとお聞かせいただければと思います。
#79
○国務大臣(谷洋一君) 私の例に例えまして神戸の六甲農協ということを申し上げたんですが、神戸は、御存じのように、灘神戸生協というのが生協発祥の地でございますし、それが非常に根を張りまして県下一円というふうになっておることは御存じのとおりでございます。さてまた、今度はスーパーダイエーが神戸を根城にしまして、あそこが発祥の地でございますから、その意味でもまた兵庫県におけるダイエーの勢力も大きい。しかし、ダイエーや灘神戸生協があるから遠慮するなんてことはやっぱり商売の立場ではございませんから、もうどんどんとジャスコを初め全国のスーパー、大スーパーが兵庫県には入ってきております。
 そういうことを考えてみますと、大きい農協になってそれに立ち向かうということも必要でございましょうが、本来の使命は農家のやはり営農指導にありと私は思っておりますので、そういう点を忘れずにやっていただきたい。そして、十分それに農家の方々に迫力をつける。特に、農家のため農家のためというのでなくて、今は新しい農業基本法によりますと、やはり農家のことを十分考えると同時に消費者の立場も考えていかなきゃならない。中間施設の食品加工の皆さん方も農家と消費者の立場を十分考えてやっていただく時代に入っておるということでございますから、そういう点を込めて申し上げたわけでございます。
#80
○郡司彰君 大臣の方の今の考え方、私どもも地域の中でできるだけそのような考えを広めていきたいと思っております。系統農協の方にもよろしく伝えていただきましてやっていただきたいなと思います。
 これで終わります。
#81
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 最初に、北海道や伊豆諸島における火山・地震災害対策について質問をさせていただきたいと思います。
 質問に先立ちまして、被災者の方々には心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
 では、まず今回の火山活動が終息の方向に向かっております有珠山の火山・地震災害による農林水産関係の被害状況の中間報告と、農林水産省としてこれまでとってきた対策並びにもし結果としてあらわれているものがあれば、その点についてお伺いしたいと思います。
#82
○政府参考人(中川坦君) 有珠山噴火によります農林水産業関係の影響でございますけれども、まず農作物の関係では、避難中に管理が十分できなかったことなどから、ハウス内の作物あるいは苗等への被害が見られましたほか、水産関係では、ホタテ養殖の耳つり作業等でおくれが生じたところでございます。また、農林水産業の施設関係でございますけれども、水路等の農業用施設、治山施設、森林、漁港の施設などで被害が発生をしております。
 このような農林水産業関係の被害額でございますけれども、まだ立ち入りが禁止をされております地域がございますので、一部推計を含みますが、およそ百億円程度に達するものと見込まれております。
 次に、噴火以降の対策でございますが、こういった事態のもとでも農林水産業の活動が引き続き行われるということが大事でございますので、避難が行われました当初には、家畜の移動あるいはこういった家畜に対しますえさの緊急の手配、それから関係省庁との連携のもとでのホタテの養殖作業への支援、あるいは農作物の種苗の確保や被害を受けた施設の応急復旧といった対応を行ってきております。また、農林水産業施設の被害につきましては、立ち入りが可能になりましたところから順次災害査定を行ってきておりまして、今後できるだけ早期の復旧に努めたいというふうに思っております。
 それから、生産者の方々が必要といたします資金の関係でございますけれども、低利の制度資金の融通と、それから必要に応じまして既に貸し付けております資金の償還猶予等の措置が行われますように関係機関に要請をいたしておりますし、さらに、特に被害が著しかった農林漁業者の方に対します農林漁業金融公庫融資につきまして、北海道それから地元の市町村の負担と相まって無利子融資が行えるように措置したところでございまして、これは八月一日から実施に移しているところでございます。
 今後とも、できるだけ遅滞なく必要な対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#83
○渡辺孝男君 次に、伊豆諸島の火山・地震災害対策について質問させていただきたいと思います。
 三宅島で七月八日とそれから十四日に雄山が噴火しまして、その後も断続的に噴煙が上がり、島の北東部を中心に降灰が起こって被害が起こっているということでございます。また、新島や神津島近海を震源とする地震も頻発しておりまして被害が出ている、そういう状況でございます。
 公明党としましては、東京都三宅島に臨時火山情報が発令されると直ちに党内に対策本部を設けまして、魚住裕一郎対策事務局長を中心とする現地調査団を派遣しまして、現状調査それから救援活動を行っているところであります。
 そこで、三宅島の降灰による農作物の被害や、新島、神津島を中心とする地震による被害、あるいは避難行動に伴う農林水産業の損失など、被害の総額についておおよそどの程度になっているか、現状についてお伺いしたいと思います。
#84
○政府参考人(中川坦君) 伊豆諸島では現在も地震活動が続いておりますので、被害の状況につきましてはなお調査中でございますけれども、東京都からの報告によりますと、林地の荒廃、林道、それから農地、農業用施設、漁港、それに農水産物などにこれまでのところ総額では約八十五億円程度の被害が発生しているというふうに承知をしております。
 その中で、三宅島につきましては、火山灰が降ったということで、農作物で、これは内数でございますけれども五千百万円、うちアシタバが約一千三百万円の被害が出ているというふうに報告を受けているところでございます。
#85
○渡辺孝男君 政府・与党としましては、七月に今年度の公共事業予備費の使途を決めまして、有珠山や三宅島などの災害復旧や防災対策事業に約九百八十六億円を充てることにしたわけでございますけれども、その中で農林水産省関連事業の予算規模、事業内容、執行計画について三浦政務次官にお伺いしたいと思います。
#86
○政務次官(三浦一水君) 有珠山の噴火災害につきましては、林地荒廃等の被害に関しまして泥流災害等の未然防止を図るため、公共事業予備費を活用した災害関連緊急治山事業等によりまして十一カ所、二十八億円の事業費をもって緊急に対応することとしております。現在、八月末の工事発注に向けまして鋭意努力を進めておるところでございます。
 水産関係につきましては、緊急時においても当該地域の基幹漁業でありますホタテ養殖等に係る漁業活動が円滑に行われますように避難船泊地の、船が泊まるところでございますが、整備や効率的な作業のための用地の整備を図るため、公共事業等予備費を活用した漁港修築事業等により四カ所、四億円の事業費をもって緊急に対応することとしております。これにつきましては、九月末の工事発注に向けまして現在準備を進めておるところでございます。
#87
○渡辺孝男君 伊豆諸島に関しましてはどのような対応をされていく、二百億円ぐらいを確保しておくというようなお話がございましたけれども、この点はいかがでしょうか。
#88
○政務次官(三浦一水君) その点につきましては、伊豆諸島噴火・地震災害によります林地荒廃等の被害につきましては、現在なおまだ地震活動が続いており、大半の被害箇所で立ち入りが制限をされているという現状でございます。
 立ち入り可能な箇所につきましては、既に現地調査を終了した二カ所、事業費一億円について公共事業等予備費を活用した工事発注の準備を進めておりますが、引き続き現地調査を進めまして早急に工事が発注できますように努めているところでございます。
 また、立ち入りが制限されている箇所につきましても、安全が確保され次第現地調査を行いまして、早急の対策を講じてまいる所存でございます。
#89
○渡辺孝男君 被災地の方々、本当に大変な思いをしておられますので、農林水産業は大変重要な産業でもございますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、沖縄・九州サミットでの農林水産分野での議論がなされたわけでございますけれども、この点に関して質問させていただきたいと思います。
 九州・沖縄サミットにて、持続可能な森林経営の世界的な推進のために積極的に貢献するということでG8の合意がなされ、日本としても二国間協力を通じ、途上国において地域住民参加型の森林・林業プロジェクト等の実施を推進していくことになりました。
 また、国際熱帯木材機関、ITTO、それから国連食糧農業機関、FAO等の国際機関を通じた支援も積極的に行っていく、そのようなことになったと聞いております。
 これらの点に関しまして、農林水産省として今後どのように取り組んでいくのか、谷農林水産大臣にお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘になりました沖縄サミットにおける主要議題という立場には今回はならなかったわけでございますが、従前からの経緯がございまして、その点については我々としては重要議案になったというふうな思いでこの問題の処理に当たっております。
 つまり、環境と森林ということにつきましては、京都国際会議におきましてこれが環境問題として大きく取り上げられました。そして、世界じゅうがそういう方向に向かっておることは間違いございませんが、具体的にその内容を詰めることが大事でございますので、本年もその問題については各国が協調し合うということになっております。それが森林の関係でございます。
 そういうことでございまして、以下詳細につきましては政務次官の方から答弁をさせます。
#91
○政務次官(三浦一水君) 今回のサミットの結果を踏まえまして、農林水産省としましては、森林分野に関しまして、一点目は、二国間協力を通じました途上国における地域住民参加型の森林・林業プロジェクト等の推進、二点目に、国際熱帯木材機関、ITTO、あるいは国連の食糧農業機関、FAO等の国際機関を通じました支援、三番目に、国連等の国際的な政策対話への積極的参加、これらを通じまして世界的な持続可能な森林経営に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。
#92
○渡辺孝男君 熱帯雨林の乱伐や東南アジアあるいは南米での大規模な森林火災等による森林の消失というものは、地球温暖化に悪影響を及ぼすばかりでなくて、世界的な経済成長や政治的な安定にも非常に悪影響を与えるものでありますので、日本としてもしっかりこれからも取り組んでいただきたい、そのように考えております。
 次に、九州・沖縄サミットでWTOの次期多角的貿易交渉を年度内に立ち上げることでG8が協力することになったと聞いております。農林水産省としまして、農業分野における日本提案をまとめるための国内の意見集約をどう進めていくのか、また、諸外国との意見調整をどのように行っていく方針か、三浦政務次官にお伺いしたいと思います。
#93
○政務次官(三浦一水君) 本年末までに提出をいたします農業交渉提案につきましては、国民的な合意を得ながら取りまとめていくことが何よりも重要だと考えております。
 このために、現在、各地で開催をしております意見を聞く会、あるいはEメール、投書等を通じた各界各層の意見聴取を実施している段階でございます。特に、意見を聞く会につきましては、これまでのところ全国七カ所で開催をいたしました。内容的には、多面的機能に配慮して国内農業維持のための国内支持や国境措置が必要である、二番目に、国民が安心して暮らすための必要最低限の国内生産は確保すべき、三番目に、安全、安心を最優先して情報の公開、透明性を確保すべきといったような意見が具体的に寄せられております。
 我が国としましては、これらの意見や国会の御議論も十分踏まえまして検討を進め、年末を目途に提案を取りまとめてまいりたいと考えております。
 なお、提案の提出後は、EU、韓国など我が国と考えを同じくする国と協調しながら各国に対します働きかけを積極的に行いまして、その実現に向けて粘り強く交渉をしてまいりたい所存でございます。
#94
○渡辺孝男君 一九九九年四月より日本は米についての関税化の特例措置から関税措置への切りかえを行ったわけでありますけれども、この二次関税に基づいて輸入された外国産米の九九年度の実績と本年度の予想量といいますか、これについてお伺いしたいと思います。
 そしてまた、これらミニマムアクセスの水準とかそれから関税水準について、主に日本に対しての米の輸出国がどのような要求を持っているのか、その点に関しても簡潔にお聞きしたいと思います。
#95
○政府参考人(高木賢君) まず最初にお尋ねの二次税率を支払って輸入された米の量でございますが、一九九九年度、つまり九九年の四月からことしの三月までの間でございますが、二百二十五トンであります。二〇〇〇年度でありますけれども、この四月から七月までの四カ月間で三十七トンということで、前年同期に比べますと約百十トン下回っております。こんなペースで大体いくのではないかというふうに見ております。
 それから二番目に、主な米の輸出国が二次関税水準なりにつきましてどういう提案をしているか、こういうことでございますが、現在のところは、米の輸出国は具体的に二次関税水準なりあるいはミニマムアクセス米の数量に関しまして数値にわたる具体的な提案はしておりません。
 ただ、方針的に出ておりますのが六月にアメリカが出しております農業提案がありますが、ここにおきましては、市場アクセスに関しまして個別具体的な産品については言及しておりませんけれども、一般的に、一つには各国間の関税水準に格差がある、その大幅な削減・撤廃ということを言っております。それから二番目に関税割り当て量の大幅な拡大ということ、それから三番目に輸入国貿企業の排他的輸入権の廃止などを求めているということでございます。
 それから、豪州とタイにつきましては、それぞれの国というより、六月にケアンズ・グループという立場から輸出競争に関する提案を行っておりまして、輸出補助金の撤廃、禁止を求めておりますが、市場アクセスにつきましては言及はございません。
 以上が現在の状況でございます。
#96
○渡辺孝男君 新しい関税措置での輸入量というのはそれほど多くないということでありまして、またそういう輸出国からの圧力といいますか要求といいますか、そういうものもこれからも大きくなってくるのかなと心配しているわけでありまして、日本における水稲農業がきちんとこれからも守れるように頑張っていただきたい、そのように思っております。
 次に、遺伝子組みかえの食品の安全性についてちょっと質問しようかと思ったんですが、時間がないので、ちょっと申しわけありませんが省かせていただきまして、海洋資源の適切な管理についてお伺いしたいと思います。
 八月四日に国際海洋法の仲裁裁判所は、日本の実施しているミナミマグロ調査漁獲が国連海洋法条約に違反するとして同漁獲中止を求めておりましたオーストラリア、ニュージーランドの訴えに対しまして、仲裁裁判所には管轄権がないとの決定を下し、日本の調査漁獲がこれまでどおり認められることになりました。このことは日本の主張が通ったわけで、非常に喜ばしい思いを持っております。
 日本は、これから国際的に資源管理型漁業を推進していく立場から、今後どのように関係諸国と協議を行い持続可能なミナミマグロ漁業を確立していく方針か、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
#97
○政府参考人(中須勇雄君) ただいま御指摘がございましたとおり、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所が、ミナミマグロをめぐる紛争につきまして、この裁判所においては審理を行う管轄権がないという明快な判断を下していただいたわけであります。したがいまして、これに伴い、昨年の夏出されておりました暫定措置ということもあわせて失効したということでありまして、我が国の考えがこういう国際的な場で理解を得られたということで、我々も評価をしているところであります。
 ただ、今先生のお話がありましたとおり、我が国としては、このミナミマグロの問題について、今後ともその保存と持続的利用を推進するという立場に立って関係国と協力をして実施していきたいというのが基本的な態度でございます。
 このために、日本、豪州、ニュージー三カ国で行っておりますみなみまぐろ保存条約の枠組みの中で引き続き努力を払っていくということと同時に、この中で適切な資源管理措置の実施、それともう一つは、韓国、台湾等の加盟していない国、あるいは漁業主体の問題がございます。こういうものの加盟の実現、そういうことに向けてさらに努力を傾注し協力をしていきたい、こういうふうに思っております。
#98
○渡辺孝男君 日本人にとって大事なマグロの資源でございますので、これからも関係諸国と十分対話を続けましてこの漁業が続けられるように頑張っていただきたい、そのように思います。
 同じような状況にあるのが鯨でございますけれども、本年七月に国際捕鯨委員会の第五十二回総会が開かれましたが、会議の内容の概要と商業捕鯨再開に向けての今後の日本の取り組みにつきまして、三浦政務次官にお伺いしたいと思います。
#99
○政務次官(三浦一水君) 第五十二回の国際捕鯨委員会、IWCの年次会合につきましては、六月の十二日から七月六日までオーストラリアのアデレード市で開催をされております。参加国は四十一カ国中三十四カ国であったということでございます。
 本年のこのIWCの総会におきましては、商業捕鯨再開の前提となります改訂管理制度については残念ながら合意が得られず、また我が国の沿岸小型捕鯨における五十頭の暫定捕獲枠要求につきましても否決をされる、反捕鯨国が多数を占める状況には基本的には変化はございませんでした。
 しかしながら、強調をしておきたいところは、反捕鯨国が最大の目標としてまいりました南太平洋の鯨類サンクチュアリー、保護区の設定提案が否決をされました。さらに、改訂管理制度の早期完成を目指した決議が一方で採択をされました。このような前向きな成果も見られております。
 農林水産省としましては、商業捕鯨再開に向けて、関係国とも協力をしつつ改訂管理制度の早期完成を目指した決議内容の実現に向けて努力をしてまいります。
#100
○渡辺孝男君 鯨漁は日本の伝統的な漁業でありまして、それに基づいた食文化も築かれているわけであります。現在、日本ではIWC管轄対象外の小型鯨類についてのみ、政府の許可に基づいて宮城県の鮎川など数カ所で細々と捕鯨が続けられている状況でありまして、商業捕鯨の再開に向けての地元漁民の方々の要望はかなり強いものがございまして、やはり日本人としても何とか食文化を守っていきたいというような考え方もございますので、これからもしっかり理解が得られるように各国と協議をしていただきたい、そのように考えております。
 ゴーストフィッシングについてもちょっとお伺いしたいと思ったんですが、時間の関係上で難しそうですので、最後に谷大臣の方に、今年度中に水産の将来を考えました水産基本法をまとめたいと、先ほどの所信の中にもございましたけれども、その抱負につきまして、また今後の制定に向けてのスケジュールといいますか、そういうものにつきまして所信をお伺いしたい、そのように思っております。
#101
○国務大臣(谷洋一君) 海洋法が施行され二百海里ができた以上、昔の世界をまたにかけて回った時代とは違うとは思います。
 しかしながら、水産物の自給率が五七、我々は六六を目標にして何とか頑張りたいという時期でございますから、やはり漁民の方が夢と希望を持って頑張っていただくようなことを我々の施策として実行に移したい、こう思っておりますので、どうか水産基本法につきましては皆さん方の全面的な御協力をいただきたいと思っております。
 よろしくお願いします。
#102
○渡辺孝男君 先ほども食用の水産物の自給率が約六割に低下していると。やっぱり日本人としましては食用の水産物、お魚類やはり好んでいる国民でございますので、大事な資源を十分に管理しながら持続的に漁業が発展できるように、大変大きな問題もありますけれども、それをしっかり一歩一歩取り組みながら守っていっていただきたい、そのように考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#103
○須藤美也子君 日本共産党の須藤美也子でございます。
 基本計画の実施に取り組む最初の年に当たって、生産者の意欲をそぐような事件が多く起きております。私はまず生産者の立場に立って大きく三点質問いたしたいと思います。
 一つは、雪印の事件の問題であります。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 先日、私は群馬県の経済連と生産者の方々からいろいろお話を聞いてまいりました。酪農家の皆さんは毎日毎日体細胞、細菌数、それに乳脂肪などなど乳質のチェックを厳しく受ける。そのために、一日何回も搾乳の前後必ずミルカーを洗浄している。それなのにHACCPの認証を受けた雪印メーカーは三週間もバルブを洗浄しなかった。まさに牛乳という生鮮食品を扱っているという自覚がない。その上、にせ牛乳をつくってもうかればいい、こういう利益だけを追求している、モラルもルールもない、このようなやり方に生産者の方々は厳しく批判をしております。さらに、これを追認してきた厚生省あるいは農水省に対しても批判を寄せております。
 そこで、生産者が今この事件を受けて一番懸念しているのは来年の乳価が一体どうなるのか、こういう問題であります。さらに、今現在の問題としてはバター在庫が多くある。その上、消費が減退した場合に生産調整が行われるのではないか、さらに、メーカーからの買いたたきが進むのではないか、こういう不安を持っております。
 そこでまず第一に、農水省では七月二十六日、緊急の対応策を出しました。見せていただいて説明もいただきましたし、この間の集中審議でもその旨いろいろお話をされたと思います。それ以外に、まず第一に、さまざまな対策をとりながらも生産者が心配している生産調整は一切行わない、この期間でなく来年も含めて行わない、こういうことを農水省が約束すべきではないか。
 二つ目は、今までのこの事件のツケを生産者に回すようなことはやめてほしい、こういう事件を起こしておいてその負担を生産者に回すというようなことはやめてほしい、こういうことがまず皆さんから出されました。
 この二点について、まず政務次官でしょうか、答弁をお願いします。
#104
○政務次官(三浦一水君) 雪印乳業の問題が牛乳・乳製品への消費者の不信感を招いたことはまことに遺憾でございます。早急にきちんとした安全性確保のもとに信頼の回復に努めることが重要と考えております。
 これまで、一点は、一部の量販店からは、暑い日が続いているため牛乳の消費の落ち込みはない、堅調であるという状況が報告されております。二点目、乳業者からは原料乳の需給が逼迫ぎみであることなどの報告を受けております。これらのことを考えますと、現時点におきましては消費が大きく減少する等の影響は出ていないものと推測をされます。
 今後の需給見通しにつきましては、この場で明確に申し上げることはできませんが、まず第一に対応しなければいけないことは、信頼の回復のための安全性のPRと消費拡大対策であって、生産者、乳業者など関係者一体となって取り組む必要があると認識をしております。
 先般取りまとめられました雪印乳業食中毒事故に伴う対応策におきまして、一つの柱として所要の対策を行うことといたしております。これらの対策の的確な実施によりまして消費に対する影響をまずは最小限のものにするため、万全の努力を行ってまいりたいと思います。
#105
○須藤美也子君 そうしますと、生産調整とか不利益をこうむるような生産者に対する負担はかけないと、こう理解していいわけですね。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
#106
○政務次官(三浦一水君) 生産者は品質のすぐれたものを安定的に供給するために一生懸命努力をされておりますところは、須藤委員御指摘のとおりであると私どもも存じております。その努力を第一にむだにしないためにも、消費拡大のための対策に万全を期すということが必要であると考えております。
 あえて生産計画について申し上げるとしますならば、本来、生乳の計画生産は生産者の自主的な取り組みとして行われていることは委員も御承知のとおりでございます。行政を預かる立場の私たちがコメントすることは適当でないということについて御理解を賜ればと考えます。
#107
○須藤美也子君 私は、今のこのような異常な状況の中で、生産者に生産調整とか不利益なツケを回すようなことはしてはならないというふうに強く申し上げたいと思います。
 それから、もう一つなんですけれども、来年の乳価が一体どうなるのか、この事件を契機にして乳価が下がるのではないか、こういうことを大変心配しております。
 北海道を中心にした加工原料乳価は下がり続けております。生産者の経営が圧迫されております。そういう中で乳製品の需要が減退しかねない、こういう状況の中で、政府は来年四月から価格保証制度をやめて価格を市場原理に任せ、補給金制度に改悪をいたしました。これはこの前の国会でです。こうした異常のもとで新制度に変わるわけです。来年四月から実施されるわけです。今まで不足払い制度を進めてきた政府が、今度、来年の四月から不足払い制度をやめて市場原理にゆだねる、こういう中でもし消費の減退が続くならば、来年の乳価は一体どうなるのか、こういうことを大変不安に思っております。
 そういう中で、不足払い制度の廃止、これを撤回すべきではないか。つまり、ことし、前回の国会で決定したこの市場任せにする、こういうことに賛成した人たちの間からも来年の実施は延期すべきではないか、この改悪はやめるべきではないかという意見も上がっているんです。
 そういうことを考えて、来年四月からの市場任せ、不足払い制度の廃止、この制度をやめて今までの不足払い制度を続けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(谷洋一君) ただいま議員の御質問の趣旨はわかりましたけれども、私は、雪印問題はあくまでも雪印の責任だと思っております。これは企業責任として重大な責任を負わなきゃならない。我が国にかつてない一万五千人に近い大変な被害者を出しておるんですから、本当に自戒、自省してもらわなきゃならぬと思っております。しかし、どうもお話をお聞きしますと、政府の責任、政府の責任というのがたびたび出ますので、これは、政府においては指導監督をして二度とこういうことが起きないようにしなきゃならぬというところに私は中心があると思っております。
 そこで、今、不足払い制度の問題が出ましたが、今、この事件が起きたからもう変える、悪い法律だからやめろというお話には、私どもはこの問題が起きたからやめなきゃならないとは思っておりません。
#109
○須藤美也子君 政府に責任はないとは言えないと思います。厚生省にしても農水省にしても、これは責任ありますよ。
 そういう中で、今大臣が、企業の責任、こうおっしゃるのであれば、この事故を契機にして来年乳価が下がるようなことは絶対しない、そういうことをそれじゃ企業にきちんと指導する、こういう保証はあるんですか。
#110
○政府参考人(樋口久俊君) 私の方から補足して御説明申し上げます。
 今、大臣から御答弁を申し上げましたのは、今回の事故で最も心配をしておりますのは、生産者はもちろんでございますけれども、行政を含む酪農・乳業者全体、牛乳・乳製品の消費が落ち込むということを懸念をするわけでございまして、そのために、先ほど政務次官からも御答弁を申し上げましたように、先般取りまとめた対応策の一つの柱として牛乳・乳製品の消費拡大策、これをまず推進していくということでございまして、現在の状況から、今後のそういう生産者あるいは消費者、そういう皆さんのいろんな形の御心配を先取りしていろんなことを申し上げるという状況ではないと。
 ただ、先生お話ございますのは、生産者の皆さんがいろいろ御心配をされているということは私ども承知をいたしておりますが、それが前回の国会で改正をしていただきました法制度そのものに直接結びつくということはないんではないかということを考えておりまして、そのことから、新たに補給金制度を改善するということについて、このことから廃止あるいは延期をするという必要がないということを大臣が申し上げたということでございます。
#111
○須藤美也子君 そうすると、来年の乳価については下がらないと、そういうふうに受けとめていいですか。
#112
○政府参考人(樋口久俊君) これにつきましては、当然新しい法律に基づきましてきちんとした決定をしていかないといけないと思っておりますが、現状では全くそれに基づきますデータとかいろいろな条件がそろっておりませんし、むしろ私どもがこの場でそのことを申し上げること自体が適当ではないんじゃないかと思っております。
#113
○須藤美也子君 下がらないように指導するというのが農水省のこれは行政指導ではないですか、政治の責任じゃないですか。HACCPというものも、そもそも政府がそれを認証したわけでしょう。そういう点では、来年の生産者の生産意欲を高めて自給率を向上させるためにも、その点での責任はあると思うんです。
 絶対下がらないように指導してください、企業に対して。どうですか、大臣。
#114
○政府参考人(樋口久俊君) いずれにしましても、先般の国会で御決定をいただきました改正法の趣旨にのっとりましてきちんと対応していかなければいけないと思っております。
#115
○須藤美也子君 これ以上申し上げませんが、現場の生産者の声はきちんと受けとめていただいて、経営が成り立つように生産費を補うような価格を保証していただく、こういうことを強く申し上げたいと思います。
 二つ目の問題は、これは野菜の大暴落です。
 異常な状況になっております。関東では、レタス十キロ二百円、玉一つ二十円です。運賃百円、箱代が百円、市場手数料八・五%ですから、完全に赤字であります。京都では白菜一箱十五キロで百五十円、これも大暴落です。また、タマネギ、トマト、キュウリ、スイカ、ネギ、全部昨年の半値であります。全国有数のキャベツの産地である嬬恋村でも、地元の新聞を見ますと産地廃棄もあり得る、こういうふうに報道されております。
 この原因に野菜の輸入急増があると思いますが、この点はどうでしょうか。
#116
○政府参考人(西藤久三君) 平成十二年の野菜の価格の動向でございますけれども、三月に低温の影響があって三月はほぼ平年並みの価格で推移いたしましたが、本年に入ってその他の月は総じて平年を二割前後下回る状況で推移をいたしております。このように野菜価格が低水準で推移しておりますことについては、天候に恵まれ国産野菜の生育が順調であったことが主な要因であるというふうに思っております。
 野菜の輸入の動向について若干触れますと、平成十年産が、これは本年とは全く逆でございまして、気候が不順で野菜価格が通年を通じて高位に推移した年でございますが、その年に野菜の輸入が前年に比べて一割程度増加いたしました。昨年も一割程度の増加が続いております。本年も、年初は増加傾向ございましたけれども、一―六月の水準で見ますと前年に比べて四%増という状況になっております。
 このような状況から見まして、野菜価格の動向の主要な要因は、国産野菜が極めて順調に供給されていることが主因であるというふうに思っております。
#117
○須藤美也子君 順調に生産されているのであれば、農水省からいただいた資料、この資料を見ますと、生鮮野菜は九九年までの十年間で四倍も輸入がふえています。冷凍で二・五倍、トマト加工品は二倍。ことしは特に一月―六月、この期間にすごい暴落が起きています。この間、前年に比べて輸入は一三%も伸びているんです。
 きのうの日経新聞を見ますと、輸入増は国産の卸価格にも影響している。東京都中央卸売市場で今年一―六月期に取引された野菜の平均価格は一キロ百九十八円で、前年同期を一二%下回っている。これはそちらの資料と〇・一%違いますけれども、関係者の間では、この水準では国内産地の淘汰が進む、こういう危機感が強まっている。輸入急増が暴落の原因になっているのは明らかだと。これはみんな産地でもそう言っているんです。言っていないのはあなただけですよ、国内の生産が順調だと。
 今までですと、野菜の輸入はこれまで端境期、台風で品不足のときに輸入は入ってきた。しかし、今、現在では国内が豊作でも関係なく輸入が入ってきます。これは市場関係者がそう言っているんです。ですから、野菜の価格がどんどんどんどん下がって、例えば群馬県赤堀町でタマネギを生産している方は、資材費だけでも十万円、十アールですよ、手取りは八万円、労賃どころか持ち出しで赤字、養蚕がだめで、米、麦にかえてタマネギをつくった、しかし、こういうありさまではもう農家のつくるものはない、行き場がない、このままなら産地は崩壊する、ここで心配なのは東京の台所は輸入物ばかりになる、こういうふうに訴えております。
 これでも輸入は関係ないとおっしゃるんですか、大臣どうですか。
#118
○政府参考人(西藤久三君) ただいま先生から生鮮野菜の最近の輸入の状況についてのお話がございました。
 私も手元の数字で確認いたしますと、平成七年が年間を通じて生鮮野菜約七十一万トンの輸入でございました。それが平成十一年、八十八万トンでございますので、この四年間に約二五%の増加になっております。一方、加工品を含めまして輸入の国内供給に占める割合は現状でも一五、六%程度という状況にございます。先ほど申しましたように、価格低落の主な要因は、そういう供給の大宗といいますか、八五%を占める国内産の供給が潤沢であるということによると思っております。
 また、タマネギの例の御指摘がございました。タマネギ、十一年産の北海道が不作だったことから、タマネギの輸入増加が本年見られます。一番輸入増加量の多いものがタマネギでございます。これも、本年産の都府県産が出回る状況になってきた春以降、輸入の状況が減少傾向であれしてきておりまして、直近の数字が判明しております六月には前年を下回る輸入という状況になっております。都府県産が比較的潤沢に出回っていることで、私ども、先週末にはタマネギの緊急需給調整ということで産地の廃棄を含めて需給調整に取り組んでいるところでございます。
 天候次第で供給が変化する野菜の特質から、私ども、的確な需給調整はある面で価格の安定、これが長期的に見れば安定的な生産を通じて消費者に利益を及ぼすということで、そういう取り組みをしている状況にございます。
#119
○須藤美也子君 輸入に関係ないと言っていますけれども、この野菜の世界は一割供給ふえたら三割ダウン、三割ふえたら半値、こういう世界ですよ。しかも年々輸入がふえている。一五%ふえていると言いましたか。例えば、先ほど私が申し上げました、この十年間で四倍もふえている。こういう状況の中で、影響を与えないということはないんですよ、この世界は。そこをきちんと受けとめていただかないと次に進まないんですけれども。
 時間がありませんから、林産物のシイタケの問題に入りたいと思うんですが、九三年より輸入は約二倍になっています、このシイタケは。ことしになってさらに前年より落ち込んでおります。かつての半値になり、農山村の貴重な収入を奪い、産地が危機的な状況になっている。
 これら野菜、シイタケ、この価格の暴落に対応するために、群馬県、福島県、高知県、この自治体やあるいは農業会議で緊急輸入制限、つまりセーフガードの要求が相次いでいます。これに対してどのように対応するのでしょうか。
#120
○政務次官(三浦一水君) 野菜関係のセーフガードの発動につきましては、本年に入って地方自治法第九十九条に基づく地方議会からの意見書が具体的に七件提出されております。埼玉県、群馬県、和歌山県、熊本県下の市町村議会でございます。このほかに、予算に関する提案等において高知県等から輸入野菜の対策についての要請があるというところでございます。
 輸入の増加の事実及びこれによります国内産業に与える重大な損害、事実等について十分な証拠がある場合に、関税定率法によりましてセーフガードの発動を行うということとなっております。
 現況下におきましては、調査開始に関する定量的な基準をあらかじめ定めることは、問題となる品目についての国内産業の実情等がさまざまであることから困難であると、現況、考えております。
#121
○須藤美也子君 セーフガードについてはやる気がないということですね。
 これは三年前もニンニクの問題で、この問題を農水省にセーフガードの発動について調査するようにと、これで農水省はそれじゃ調査をしましょうということを言ったんです。ところが、ついにしなかった。大蔵省、通産省とのいろいろな関係があると。
 さらに、それも三年前ですよ、北海道のサケ・マスで、輸入増大でもう現地はがたがたになっていると、こういう中でセーフガードを発動してほしいと。そうしたら、当時の東水産庁長官は、セーフガードを発動するには現地が本当にがたがたにならなければ発動できませんと言ったんです、皆さんに。がたがたになってしまったら、これは生産できないんですよ。生産地崩壊、こうならなければセーフガードが発動できないというのはおかしいと思うんです。
 今既に隣の韓国では、ニンニク、乳製品についてセーフガードを発動しています。九五年以降、世界で八件セーフガードを発動しています。ガット時代には四十二件セーフガードを発動しておりました。
 このセーフガードを発動するにはその調査が必要なんです、今政務次官がおっしゃったように。生産地がこんなに苦しんでいるわけですから、その生産地の調査をする、農水省が、そのくらいはやらなくちゃならないと思うんですが、どうなんですか、それは。
#122
○政府参考人(西藤久三君) 先ほども申し上げましたけれども、私ども、現在、各生鮮野菜中心の輸入動向、量、価格の動向を注意深く監視いたしておりますけれども、現在の価格あるいは輸入の変化の状況の中で直ちに調査に入るという状況にはないというふうに見ております。
#123
○須藤美也子君 そうすると、シイタケとか野菜についてのセーフガード、緊急輸入制限をやってほしいという、こういう意見書あるいは請願は無視するということなんですか。
#124
○政府参考人(西藤久三君) 先ほど政務次官から御答弁がありましたように、本年に入りまして全国七市町村から要請をいただいているのは、そのとおりでございます。
 ただ、先ほども申しましたように、私ども、輸入野菜及びシイタケの輸入の量の問題、価格の動向を注意深く監視いたしておりますけれども、今後とも野菜及びシイタケの輸入動向の的確なかつ迅速な把握に努めていくというところが現在の状況かと思っております。
#125
○須藤美也子君 この問題について生産者や自治体が要求しているわけですから、まずセーフガードに対するこの現地の調査を行ってほしいと思うんです。いかがでしょうか。
#126
○政府参考人(西藤久三君) 今、私、先ほどまで輸入の状況についてだけ申し上げましたが、もちろん国内産の価格動向についても、それぞれ品目ごとに産地の状況も見ながら、価格動向を常に注視いたしております。
 そういう点から直近の状況を申し上げますと、一番最初、私、本年の野菜価格の動向が三月を除いて平年に比べておおむね二割前後の低い水準で推移していると申しておりますけれども、八月に入ってきて徐々に平年値に近づいておりまして、今週も月曜日の状況を見ますと、ほぼ平年に近いところまで、品目によってばらつきはございますけれども、指定野菜十四品目の状況を見ておりますと近づいてきているという状況がございます。
 先ほど申しましたタマネギに対する調整保管の実施、そのほかこれは自主的な取り組みでございますけれども、果菜類を中心に、産地のいわば並級品といいますか低級品の出荷調整等々の需給調整効果から、価格も徐々に回復基調にございます。その動向をしばらく注意深く見守りたいというふうに思っております。
 もちろん、そういう需給調整措置に対する支援措置は制度の枠組みの中で積極的に対応していきたいというふうに思っております。
#127
○須藤美也子君 どのくらい輸入がふえ、どのくらい価格が下がればやるというその目安はお持ちなんですか。ないんでしょう、あるんですか。
#128
○政府参考人(西藤久三君) セーフガードの発動要件が、輸入の増加の事実及び国内産業に与える重大な損害等の事実について十分証拠があるということで、先ほども政務次官の御答弁にありましたように、調査開始に関する定量的な基準ということは、これは品目により、野菜といってもいろんな、指定野菜だけでも十四品目ございますし、特定野菜を含めますと数十品目に上る状況の中で、あらかじめ、国内の実情もそれぞれ違うわけですので、基準を定めがたいという状況にあるところは御理解いただきたいというふうに思います。
#129
○須藤美也子君 目安も基準もない中でよくやっておられますね。生産者が一番大変なんですよ。そこをはっきりして、調査するルール、それからどういう場合に調査するのか、こういう目安、こういうものをきちんとつくるべきだと思うんです。
 通産省や大蔵省に気兼ねをしたり、あるいは相手国に気兼ねをするのでなくて、農水省ですから、生産地の生産者の意欲をそがない、こういう立場に立って緊急輸入制限、セーフガードの発動に対して真剣に取り組んでいただきたい、このことを要望したいと思います。
 三つ目なんですが、時間がなくなっているわけですが、WTOの問題なんです。
 WTOに当たって多面的機能に配慮した貿易ルールを日本は主張した。そして、この前のアメリカの関税の削減・廃止、ミニマムアクセス米の拡大、この提案に対しては、大臣は、そんなものは受け入れられない、こういうきっぱり答弁をした、この前の衆議院でそういうふうにおっしゃっておりました。
 こういう中で、ミニマムアクセス米が多面的機能に与える損害、非常に大きいと思うんですが、その点は簡潔にいかがでしょうか、大臣。
#130
○国務大臣(谷洋一君) 簡潔に答弁しろというふうに御注意いただきましたので、先ほど来のいろんなお話に対しまして私は遠慮しておったんですけれども。
 今おっしゃいますことは、農民の方が困ればすぐ政府が出動してやれというふうな声に聞こえるんですよね。非常にもっともな話なんです。もっともな話なんですけれども、今の日本の立場からいえば、世界の立場からいえば、それはできない仕組みになっておるんじゃないでしょうか。
 今、農家の方々が三割ないし五割の減反をしておる。にもかかわらず外国から六十万トンも七十万トンも輸入しておる。こんな不可思議なことはないですよ。日本で余り返っておるのになぜ外国から輸入しなきゃならぬのか。細川内閣のときにやったんだと私どもは言いたいけれども、そんなことを言ったってしようがないんです。今の現実の姿は厳しいんです。
 ですから、それじゃ、青森はニンニクをつくっておる、高知は何をつくっておると。そこの農民の方々は大変困っていらっしゃることはわかる。だから、そのことに、処置についてはするけれども、直ちに出動するようなことをやれとおっしゃるのはそう簡単な話じゃないです。
 私も昨年の十一月に党の代表の一人としてWTOのシアトル会談に行って現状を見ました。だけれども、やっぱりアメリカを初めとするケアンズ・グループの方々が、あの二万数千人のデモ隊があって、二日間、三日間は何も会議ができなかった。会議が開かれた途端に今度は二十カ国、二十五カ国の方々が集まって入る。確かに日本はその中に入っております。おりますけれども、百三十カ国が加入する中で、二十カ国、三十カ国にしたらそれはもう怒るに決まっていますよ、ほかの国は。旅費もないのに大変だと言って、本当に情けない顔をしておっしゃる人も、国の代表者もたくさん会いました。
 そういう姿から見ると、やっぱり世界がもっともっと謙虚な立場に立って、そして、お互いの立場を十分知り尽くした後において、そしてみんなで食料問題を考えていく。食料なくして我々人類の生命はないんですから、そのことを考えるべきであって、あっちから頼まれたから、こっちにせいこっちにせいと言われたって、そう簡単にいくものじゃないんです。局長の答弁も、ただ自分の局を守るためにやっているんじゃなくて、本当に日本の全体を考えてやっておるんですから、そんなにもう理詰めのようにきちきちぎじぎじおっしゃったって、できっこないというところはできっこないし、我々は全力を挙げてやっておるんです。全力を挙げてやっておるということもお酌み取りいただきたいと思います。
#131
○須藤美也子君 お言葉を返すようですが、私は今、日本が主張している多面的機能に対して、ミニマムアクセス米はそれに重大な損害を与えているのでないか、こういうことを聞いているんですよ。余計なことを言わなくたっていいです。
 それなのに、九九年度はミニマムアクセス米七十二万トン入りました。大臣がおっしゃるのも私はわかるんです。世界一の輸入国なんですから、日本は。そういう中で、こんな小さな島国で世界一の輸入国になってしまった。だから、WTO交渉の中で大臣が頑張ってもらわなくちゃならないわけです。ミニマムアクセス米の拡大はやめなさい。しかも日本共産党は、この主食である米は輸入自由化から外すべきだと一貫してこの五年間、これを主張してまいりました。今、そのときなんじゃありませんか。
 自民党の方々、この前、二月に韓国で開かれました農林水産議員連盟の設立総会で自民党の桜井新さんはこうおっしゃっています。国民の生命を守るために主食の供給体制を守ろうとしている各国の努力を打ち砕くようなミニマムアクセス米のあり方は改めなければならない、こういう演説をしております。
 さらに、衆議院の前農水委員長である松岡さんは、多面的機能について講演までしているんです。多面的機能とは、水田が生かされてこそ多面的機能が実現されるんだと、こういうことを、もう変わってきているんですよ、今世界各国も。
 この間、開かれたノルウェーにおける非貿易的関心事項における、この四十カ国が集まった会合でも変わってきているんです。ですから、こういう世界の流れに沿ってWTO協定において日本の主張、多面的機能を本当に役立てていくのであれば、ミニマムアクセス米は、米は自由化から外す、こういう主張をすべきだと思います。
 さらに、こういう中で、私は驚いたのは、きのうの各新聞で、ミニマムアクセス米を受け入れながら米余りで政府米が売れずに、このままなら政府買い入れがゼロになる、こういうことがマスコミで報道されています。こういうことを農水省はやるんでしょうか。この二点、ミニマムアクセス米を外すこと、米を輸入自由化から外すこと、それから、政府買い入れをゼロにするのかどうか、この二点、お答えください。
#132
○政府参考人(高木賢君) まず、米の自由化の問題ですけれども、我が国としては国会の御承認を得てWTO条約を批准しております。米についても、その枠組みのもとで対処すべきものと思います。
 それからもう一つ、政府の買い入れでございます。
 今、政府の国産米の在庫は六月末で二百六十三万トンという、適正水準を大幅に上回った水準にございます。このような中で、政府米の販売は自主流通米との協調販売という結果、今のところ低調でございます。今後、このようなペースで推移するとすれば、備蓄運営ルールによる政府買い入れが全く行われない可能性もあるということでございますが、まだ途中の段階ですので、現段階では確たることは申し上げられない状況にございます。
#133
○須藤美也子君 時間になりましたからやめますけれども、大臣、政府米買い入れをゼロにするということは絶対にやめていただきたい。これは、自給率向上どころか、ますます自給率が低下する、これにつながる、こういうことを申し上げまして、私の質問を終わります。
#134
○谷本巍君 初めに大臣に伺いたいと存じます。
 ことしの十月を展望してみますというと、米問題が例年になく深刻な事態を迎えるのではないのかというような気がいたします。そのために初めに伺いたいと思いますのは、相次ぐ米価下落の影響をどう受けとめておられるかということについてであります。
 九九年産米の十アール所得は三十年前の水準となりました。稲作経営安定対策による補てん額を加えてみましても十アール当たりで五万三千五百八十三円にすぎません。食糧法施行の九四年と比較しますというと三割の下落ということになっております。じゃ、ことしはどうなってくるのかと。超早場米の場合も前年度のやつと比べると下がっておりますが、きのうの自主流通米センターの第一回の入札の結果を見てみましても、去年の第一回の分と比較しましてマイナス七・五%という数字が出ており、そして新聞報道では、卸売業界の先行き安の感が強まってきたということと買い意欲が低下するであろうといったような記事が目立ちます。これは大変なことになっていくなという気がいたします。
 これまで政府は、規模拡大農政で、大型農家を育てていけば競争力はつくし後継者確保も可能だと、こう言ってまいりました。最近の米価引き下げの長期化の中で打撃を受けておるのが、大型農家であればあるほど打撃を受けております。そして、大型農家の皆さんの中に最近こういう話がふえてきました。私が米作、米づくりをこの地域でやめたらその先は一体どうなるでしょうか、やる人おりませんよという声が非常にふえ始めているということであります。
 大変な危機的状況であります。大臣、どのように受けとめておられるでしょうか。
#135
○国務大臣(谷洋一君) ただいま御指摘のあったことはよく理解できます。全くそのとおりと申してもいいかもしれません。
 しかし、今の日本の現状は、三割減反、五割減反ということを農家の方々にお願いしまして、それを実行に移しております。一方では、外国から六十万トン、七十万トンの輸入も受けておる。そこに農家の皆さん方の大変な不安感がある、また心配があると思っております。それはやはり、日本の米は余っておるのになぜ外国から輸入するんだという、減反政策に対する協力はしなきゃならぬけれども、なぜそこに問題があるのかという不安感だと思います。そういうことを総合的に考えてみますと、我が国の食料問題そのものが非常に危機に瀕しておるということも言えるかと思います。
 しかし我々は、共産党と自民党を除くすべての政党が与党時代のあのときに米の自由化が宣言されたということで今日の状態になっておる。それを我々は、勝手なことをやったんだから勝手に我々つぶすんだというわけにいきません。やっぱり国際場裏の中でこの問題を解決しなきゃならない。そこに我々はWTOに対するいろんな啓蒙、日本の立場における啓蒙をやっておるわけでございまして、前大臣も元大臣もすべてこの問題で苦労なさっておられたわけでございますし、私も八月十六日からフィリピンとかタイに行って、そして日本の考え方を強く主張してきたいと思っておりますことも、問題は、WTOでございますから要するに米の問題も入っておるわけであります。
 そういうことを考えますと、この先の問題はどうか。先ほどの議員の質問も一方的に日本の立場だけをおっしゃいますけれども、それは日本の立場だけを我々が考えていいのかということになりますと、あのWTOには百三十カ国の国々が入っている。その国々の立場を、一方的に強くおっしゃるところがそれを十分取りまとめていくということじゃいかぬ。やっぱり各国の皆さん方が十分WTOの意義を感じていただいて、そしてみんなで世界の食料問題を考えるということを思うんです。
#136
○谷本巍君 大臣、私が伺っているのは、もう米価がずっと下がってきちゃっている、このままじゃ大変なことになりますよ、ですから米価の安定と回復についてどうするんだということを伺っているんですから、それだけにお答えいただきたいんですよ。
#137
○国務大臣(谷洋一君) だから問題は、そういう情勢の中にある米問題でございますから、この問題につきましては我々も苦慮しております。ただ、結論はきょうのところ出しておりません。
 そういうことでございますから、できる限り農家の方々の安心感のあるようなことをしたいと思っておりますけれども、それはなかなか消費者の皆さん方の十分な意見も聞きながらやらなきゃならぬというところに問題があるわけでございますから、そういう点、農林水産省だけの判断といいますか、生産者だけの判断では決定できないと、こう思っております。
#138
○谷本巍君 次に、三浦政務次官に伺いたいと存じます。
 本年十月の持ち越し在庫は、前年の二百五十五万トン、二百十九万トンに減少する見込みであると言われてまいりましたが、実際は逆に五十万トンほど増大するのではないかというふうに言われております。ここへどうやら天候がよいという事情が加わってまいるでしょう。ところが、計画流通米では、先ほど食糧庁長官の答弁ですと、政府米買い入れゼロになる可能性が高いような答弁でありました。となると、全量自主流通米として過去に経験したことがない厳しい事態を生産者団体は迎えるということになります。
 そこへ、政務次官、二つの追い打ちがかかってまいります。一つの追い打ちは卸売業界の動向であります。米価下落による在庫差損を避けるために各業界が在庫米を持たないようにしていく。そして、在庫の過剰が押し上げられてくるという状況の中で入札意欲の低下現象が生まれてくる。これは米価形成に当然響いてまいります。これが一つあります。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 二つ目の追い打ちは量販店の動向ですよ。牛乳の場合もそうだった。大型量販店が大量仕入れを手段として買いたたきを強めてきた。そして、そういう状況の中から水並みの牛乳価格というのができ上がってきた。今、量販店の攻勢は牛乳だけじゃありませんよ。むしろ今、米にそれが移ってきているんです。こういうふうな新たな事態が出てきているという二つ目の問題があります。
 では、川上の自主流通米の入札の仕組みはどうなのかといいますというと、これは一般論として申し上げますというと、売り手は義務上場、買い手にはそれがない。ですから、過剰期には売り手がより不利な立場に立たされるという状況がございます。こういうあり方というのが果たして公正な価格形成と言えるのかどうなのか。牛乳に似た量販店の買いたたきがそれでありますし、入札の際の買い手、売り手の関係というのが対等な状況に過剰期にはないといったような問題があります。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
 こういう状態を放置して生産調整を一〇〇%やったって実効は上がりませんよ。ですから、ここのところをどう直していくのか。公正な価格決定ができるような見直しというのが私は必要になってきていると思うんだが、いかがでしょうか。
#139
○政務次官(三浦一水君) 自主流通米の取引の指標とすべき価格を形成いたしてまいります自主流通米価格形成センターは、御指摘のように、売り手代表、買い手代表及び消費者を含む学識経験者から構成する運営委員会のもとで透明、公平な入札の運営が図られる仕組みとしているところでございます。
 御指摘いただきました義務上場につきましては、取引の指標とすべき価格を公正に形成をするために不可欠のものとして定められている運営ルールでございます。売り手は毎回銘柄ごとに落札希望価格を申し出ることができる仕組みとなっております。義務上場がその意味からそのまま売り手に不利な制度とは言い切れないんではないかという認識を持っております。
 一般論といたしましては、持ち越し在庫が相当量御指摘のように存在するという現下の需給状況の中では、どうしても売り手の立場が弱くならざるを得ないことに十分留意する必要があるという認識でございます。
#140
○谷本巍君 政務次官、過剰在庫の中で売り手側が過剰に不利な状況に立たされちゃっている、不当に不利な状況に立たされているという認識は、これはもう農業団体大体共通の認識ですよ。だから、そこのところについてはしかとした受けとめをしてほしいと思うんです。
 それとまたこの際申し上げたいのは、現行法の食糧法をつくるときには、豊作もあれば不作もあるという前提なんですよ。しかも、凶作があった後やっているんですよ。ですから、最近のようにずっと長年豊作が続くということを前提とした議論というのは全くなかったんです、あのとき。そういう状況変化が一つあります。
 それからまた、流通の関係で見てみますと、当時は大型量販店が米の問題について価格形成の事実上の主導権的なものを持つような状況というのは全く想定されていなかった。そういう中ででき上がったあの現行法なんですよ。それだけに、こうした新しい事態といいましょうか、当時予測しなかったような事態が幾つか出てきているわけでありますから、それだけにやれることとやれないことがあると思いますが、ともかくもあり方是正について全力を挙げてひとつ検討してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#141
○政務次官(三浦一水君) 仮にの話でございます。もちろんこれについては十分な調査を鋭意やっていくところでございますが、仮に量販店が優越的な地位の乱用によりまして米の仕入れ価格の引き下げを要求している実情があるとするならば、これは重大な問題であるとまず一点考えております。
 現在のところ、業界団体からはそのような事実についての申し立ての事実はございませんが、今後とも実態の把握に努めてまいることはもちろんでございますが、売り手に不当に不利になってきているいわゆる状況の変化があるんではないかという谷本委員の御指摘でございます。この点は非常に重大なことでございます。さらに勉強を進めてまいりたいと思います。
#142
○谷本巍君 その点を強くお願いをいたしまして、次に過剰在庫の処理問題について参考人から伺います。
 以前は、米が過剰になりますというと生産調整を拡大する、それから対外援助をやるというようなことで処理をするケースが圧倒的に多くありました。生産調整は現状どうかといいますというと、史上最高の九十六万ヘクタールを少々超えるような状況で、二年連続でこれをやってまいりました。
 現場の状況で申し上げますというと、やっぱりこれ以上やりようがないなという限界感、これが強く出ております。さらにまた、その限界感というのは、生産調整をこれ以上拡大しますというと計画外米がふえてくる、需給調整を生産者団体がやるのも非常にやりにくくなってくるという声が強いのであります。
 そうしますと、この過剰米処理問題というのは、一つは対外援助ということについて力を注いでいく必要があるだろうということになってくるわけでありますが、もう一つ思い浮かぶのは、いわゆる別途処理であります。
 この別途処理は、去年十七万トン飼料化いたしました。これも生産者と政府が二分の一負担でやったやつであります。これもどうかなと思います。現場の方はやっぱりなかなか大変ですねという話が聞いてみますと強くあります。かといって、在庫問題、これを処理しないとどうにもならぬわけであります。その辺のところをどういうふうにお考えになっておるか、お聞かせいただきたい。
#143
○政府参考人(高木賢君) ただいま御指摘がありましたように、大幅な過剰在庫があるわけでございます。これが主食用として供されるという限りは、市場において価格低落要因になることは必至であろうと思います。
 したがいまして、今お話がありました生産調整の問題、それから対外援助の問題、それから今の別途処理と呼んで、三つ手法として主なものがあろうかと思いますが、別途処理の問題はやはり今の主食用の世界から消去をするといいますか、ということになりますと、一つ有効な方法であろうと私は思っております。ただ、これは強制してというものではございません。やはり生産者団体において組織討議を十分行われて対処されるべき問題というふうに考えております。
#144
○谷本巍君 それでは長官、もう一つこの際申し上げておきますけれども、今の別途処理問題ですね。これは去年実際にやったところの人たちの話というのは、やってはみたがそれによって米価は回復できなかったじゃないかと、この受けとめが一般的なんです。あそこで米価動向にうまくいったなという状況だったら、これはことしの受けとめ方はずっと違ってきたと思いますよ。去年の経験からすると、現場状況としてはそういう状況があるということはやっぱりこれ念頭に置いていただかなきゃなりません。
 それからまた、過剰米処理については、これからまたことしの作柄との関係がありますから、ですからそこのところについては生産者団体とよく話し合ってやっていただきたいと思うが、いかがでしょうか、結論だけで結構です。
#145
○政府参考人(高木賢君) 生産者団体からの御相談には十分応じたいと思っております。
#146
○谷本巍君 それから長官、政府米の買い入れ問題ですよ。先ほどの須藤委員に対する回答のおしまいの方がどうもごちゃごちゃごちゃごちゃとしておりまして、私はっきり聞き取れなかったのであります。
 そこで確かめたいと思いますのは、ルールどおりにあくまでもやるという見解なのか、それとも事態の推移を見ながら対応していくということなのか、いずれなのかということを伺いたいのであります。
 ルールどおりにやられますと、それはもう北海道とか青森は大変な打撃を受けますよ。北海道なんかは、米作地帯の農家の生活水準というのは今や生活保護世帯並みの人たちがふえてきていますよ。必要なら今ここで統計数字も言っていいんだ、北海道庁が調べたやつを。そういう状況に今なってきているんです。
 どこの市町村で、内地の場合で聞きますと、大体、町村の場合でいいますというと、年金の受給額と米代金というのはバランスがついていた、二、三年前まで。今は逆になってきていますよ。年金の受給額がふえていますよ。米問題だけで見てみますというと、地域経済は今や昭和恐慌と同じですよ。年金があるから、公共事業があるから何とか救われているという状況が真相なんですね。それだけに、特に北海道、青森は大変な状況になっていくわけでありますから、その辺のところも含めて、長官、どんなふうにお考えになっておるか、もう一度聞かせてください。
#147
○政府参考人(高木賢君) 現在のところ、六月末で政府の国産米在庫は二百六十三万トンと、適正在庫水準を大幅に超える水準にあるわけでございます。こうした中で、これは政府と団体とのいわゆる協調販売という結果、自主流通米は最近三月以降堅調に売れております。しかし、そのツケが政府米に来ておりまして低調な販売だと、こういうことでございます。こういうペースで推移すれば、備蓄運営ルールによりますと政府買い入れが行われない可能性もあるわけでございますが、今まだ途中の段階ですので確たることは申し上げられないということを先ほど申し上げたわけでございます。
 問題は、その備蓄運営ルールに基づかない、この二百六十三万トンもある在庫にさらに積み増すということになりますと、結局、今言われますように、物としては存在するわけですから、やはり価格低下圧力としては変わらないことになる。結局それはどこの段階にあるかということで、結局めぐりめぐって同じことではないかというのが一つ問題点でございます。
 それからもう一つの問題は、やはり政府が買い入れて残っていくということになりますと、その間の財政負担が増大するという問題もあります。したがって、私どもは今、現段階では、買い入れが行われない可能性があるけれども、確たることは申し上げられないということを申し上げておりますが、そういう状況でございます。
#148
○谷本巍君 どうもまた最後の方、ちょっとよく聞こえなかったんだが、時間がありませんから、先へ進みます。
 次に、経営安定対策について伺います。
 どうもこれも過去三年平均の米価で八割を補てんと、米価が下がるごとに補てん水準も下がってしまうということであります。アメリカでさえ五年平均ですよ。そして、補てん水準が九二%です。所得率は日本よりはるかに高い農業、そういう地帯で行われているのがそれですよ。ですから、何といったって際限なく米価が下がっちゃう、これは困る、何とか歯どめがかかる方法はないのかというのが大きな農家の悲痛なる叫びなのでありますから、それにこたえる意味でもこのあり方については、昨年若干の是正が行われておりますが、引き続き検討してほしいと思うが、いかがでしょうか。
#149
○政府参考人(高木賢君) やはり米価の安定あるいは回復を図るという上では、何としても需給バランスの確保ということが基本だろうと思います。
 その上でなおかつ生ずる価格変動、これについては稲作経営安定対策ということで、今御指摘のあったとおりで、平成十年から実行を始めたわけでございます。これは先ほど谷本先生から冒頭御指摘もありましたが、非常に効果を発揮しておりまして、十一年産の補てん金を足しますと、十一年産は約一割ぐらい価格は下がりましたけれども、農家の収入としては、手取りとしてはほぼ前年の価格並みの水準になったということで、十一年産米については大変大きな効果を発揮したと思います。
 そしてまた、昨年特例措置を講じまして、十二年産の補てん基準価格の算定に当たりましては、補てん金を加味した水準に特例として十一年産の価格をしておりますので、ことしの補てん基準価格は、全国平均全銘柄平均ベースで申し上げますと一万八千百六十六円ということが基準となりまして、これが基準となって補てんされると、こういうことになるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、現行の仕組みのもとで相当の効果が出ているというふうに思っております。
 ただ、今後の本対策のあり方につきましては、まずこの十二年産から拡充措置を講じました。稲作を主とする担い手につきましては、九割補てんの道を開くということです。そういうこともいたしましたが、そういう措置の実施状況あるいは生産者の意向、こういったものについて把握、分析を十分に行っていくと、そういう必要があると考えております。
#150
○谷本巍君 ですから、行政側がそういう、何といいましょうか、柔軟な対応ということでやってこられておることは、私も承知の上で申し上げているんです。ですから、引き続きその辺のところはきちっと柔軟性を持たせてやってほしいと言っているんです。
 なぜそれを申し上げるかといいますと、これは米の場合は特殊な事情があるんですよ。長官もお気づきでしょうけれども。百五十万トンプラス・マイナス五十万トンという備蓄制度がつくられた。あの制度をつくるときもいろいろ議論がありましたよ。私は少数派で敗れましたけれどもね。少々の豊作でも過剰感が出てきますよと、米の買いたたきが出てきますよと。不作になったときはどうかというと、放出米が出て、米価の下落状況は出てこない。つまり、市場原理の反映というのは、片面しか反映されないような状況になっていく可能性というのが高いと、こう申し上げてまいりました。
 そういう制度のあり方をどこでつじつまを合わせるかというと、この経営安定対策しかないんですね、今のところ。それだけに、これまでやってこられた努力は、私、前提として申し上げているんですが、引き続きそこのところは努力していただきたいということを強くお願いをいたしまして、時間が参りましたので、終わります。
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#151
○委員長(若林正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林元君が委員を辞任され、その補欠として小川敏夫君が選任されました。
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#152
○石井一二君 石井でございます。よろしくお願いをいたします。
 私は五つのテーマについて通告をいたしておりましたが、二〇〇〇年度産米の政府買い入れあるいは生産調整等については須藤、谷本両議員より質疑がございましたし、農林年金関係に絡んでも岩永議員より御質疑がございましたので、この部分はもうやめたいと思います。
 したがいまして、あと二、三の問題について質疑をさせていただきたい、そのように思っております。
 いよいよきょうで国会も終わりまして夏休みということですが、それだけ二十一世紀も近づいてくるということでございますが、この二十世紀の中で、我々は、三つの大きな大発明を人類は遂げたと言われております。一つは原子力であり、二つ目はコンピューターであり、三つ目が俗にバイオテクノロジーの中でもゲノムと言われるものであろうと思います。私は、このゲノムの研究開発において日本がおくれをとりつつあるのではないか、そのこと自体が、今既に二流先進国なんて言われかかっておる我が国がますます国際社会での地位というものが低下するのではないか、そのような心配をいたしております。
 ここは農水委員会ですから、イネゲノムについてまず論議をすべきですが、その背景にあるものはヒトゲノムと言われるまず基本論であろうと思います。そういった面で、来年度の予算案の要求というものを見てみますと、ヒトゲノム解析として六百四十億円、その中でイネゲノムの解析は五十六億円というような数字が出ておりますが、こういった数字で一体何をなさらんとしておるのか、またどういった成果を期待しておられるのか、また国際的なレベルの中でどのような我が国は位置づけにあると御認識なのか、その辺について、まず科学技術庁の研究開発局長、来ておられますか、御意見を賜りたいと思います。
#153
○政府参考人(結城章夫君) 今お話しのヒトゲノムの研究でございますけれども、我が国の基礎科学研究の水準の向上、あるいは医学の発展、新技術・新産業の創出につながる大変重要な研究分野でございまして、関係省庁が連携を図りながら、関連する研究を体系的に進めておるところでございます。
 特に今年度、平成十二年度からは、ヒトゲノム解析による痴呆、がん、糖尿病、高血圧といった疾病の克服と個人個人の遺伝情報に対応いたしましたオーダーメード医療の実現といったことを目指しまして、ミレニアム・ゲノム・プロジェクトというものを始めたものでございます。先生今御指摘の六百四十億円という予算はそのミレニアム・ゲノム・プロジェクトの予算でございまして、現在、関係の五省庁におきまして、ヒトゲノムの関連研究をそれぞれ鋭意取り組んでいるところでございます。
 また、ことしの六月には、我が国の研究者も積極的に貢献してまいりました国際ヒトゲノム計画におきまして、三十億個の塩基対から成りますヒトゲノムの全塩基配列の概要が解読されました。今後は、解読されましたこのゲノムデータをもとに、画期的な新薬の開発とか医療応用等に向けたいわゆるポストゲノム研究が世界的に本格化していくものと期待されるところでございます。
 我が国もこの動きにおくれることなく進めていく必要がございまして、科学技術庁といたしましては、今後とも関係省庁や産業界、大学等の連携のもとにヒトゲノム関連研究を積極的に進めていきたいというふうに思っておるところでございます。
#154
○石井一二君 今と同じような観点から、イネゲノムについて小林技術会議事務局長、どうですか。
#155
○政府参考人(小林新一君) 我が国は、世界に先駆けまして平成三年度からイネゲノムの研究に着手いたしております。特に、全塩基の配列ということの解析につきましては、我が国がリーダーとなりまして十の国と地域から成る国際コンソーシアムという体制で実施しておるわけでございます。
 今日までイネゲノム全体の、これは四億三千万塩基対あるわけでございますが、その二・五%に当たります一千六十万塩基対を解読、公開いたしております。このうち、日本は八百万塩基対を解読いたしております。平成十二年度、今年度からはミレニアムプロジェクトの一環というふうに位置づけまして、研究のさらなる加速を図っておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、この五年間でイネゲノムの重要な部分の塩基配列の解読を終わらせる。また、百個以上の有用な遺伝子の単離、機能解明、これを推進することといたしております。イネゲノムの研究により得られました成果につきましては、稲を初めといたします作物の品種改良などへの実用化を図ることといたしております。
#156
○石井一二君 今、世界に先駆けてイネゲノムの解析をやっておると誇り高らかにおっしゃいましたが、よその国はどこもこれはやっていないんだと私は理解しているんです。米というのは我が国の特有の文化的な食料品であり、したがって日本がなお頑張らなきゃならぬと思うんですが。
 例えば、今ここにカタログがありますが、これは島津製作所のカタログですが、四千五百万円ぐらいするヒトゲノム解析センターが使っておる機械ですが、一台でえっちらおっちら一日に三十万個の塩基配列を読んできた。ところが、アメリカを見てみますと、国家予算も日本の約何百倍ぐらいの規模ですが、例えばセレラ・ジェノミクス社とかインサイト・ファーマーシューティカルズ社というような会社があって、ここらではこの一機四千万円以上するような機械を三百台ぐらい持って、スーパーコンピューターを使ってやっておると言われているわけです。
 我々は、これも今やっておる六百四十億円とか五十億円というようなヒトゲノム、イネゲノムの解析に対する予算ではとても国際社会では通用しないんじゃないかと思うんです。したがって、もっともっとそういった声を大きく言っていただいて、十二月あるいは一月、二月、三月と我々予算も審議していくんですが、その辺決意新たにもっと違ったアングルの戦略を立て直す必要があろうと私は考えておりますが、研究開発局長、いかがですか、もう一声。
#157
○政府参考人(結城章夫君) 先ほど、ヒトゲノムの方ですが、三十億塩基対の大体の概要の解読が終わったというふうに申し上げました。これはアメリカ、ヨーロッパ、日本、国際協力で進めたわけでございまして、このうち日本の貢献度といいますか日本が読んだ分は約一割でございます。したがって、そういう意味ではこの貢献が多かったのか少なかったのか判断が分かれるところかと思いますが、それで三十億塩基対の配列解読は大体完了いたしましたので、これからはポストゲノム研究ということで進んでまいるわけでございます。
 この点は、先般の九州・沖縄サミットでも、その宣言文におきまして、ポストゲノム研究を国際協力のもとで行っていくことが重要であるという御指摘を受けたところでございます。
 次のポストゲノムの課題といたしましては、遺伝子発現の産物でありますたんぱく質の構造、機能を解析するという研究に入っていくわけでございまして、この分野では、我が国は世界に先駆けまして、核磁気共鳴装置、これは分析装置でございますが、NMRという分析装置を整備したり、兵庫県の方にSPring8という大型の放射光施設を整備したりしておりまして、比較的この分野ではリードしてきております。
 今後ともこのリードを守り、先ほどのゲノムの解析では一割の貢献と申し上げましたけれども、このたんぱく質の分野ではさらにもう少し貢献度を上げていきたいというようなことで努力していきたいと思っておりまして、来年度の予算におきましても日本新生特別枠といったことも活用しながら予算の増額に努力したいというふうに考えております。
#158
○石井一二君 小林さん、農水省のイネゲノム研究の資料を見ておりますと、十二年度ミレニアム予算の中で十六億かけて今後五年間で約百個の有用遺伝子の特許化を図るという項目があるんですね。世界的に見ると、私が先ほど申したインサイト・ファーマーシューティカルズ社は既に遺伝子の断片に関する特許を申請してアメリカではこの特許が認められておる、こういうことなんですよ。こういう中で、今申したこの五億円かけてやるイネのこの特許について、五年間でということですが、どの程度の勝算をお持ちでおっしゃっているんですか。その辺、予測があればお聞かせいただきたいと思います。
#159
○政府参考人(小林新一君) 私ども現在、先ほど御答弁申しましたこの五年間で約百個以上の有用な遺伝子を単離いたしまして、機能解明を図っていきたいというふうに考えております。今日のところ、今九個の遺伝子につきまして特許の申請を出しておるという状況でございまして、先ほど申しましたような目標に向かいましてしっかりと頑張っていきたいというふうに考えております。
#160
○石井一二君 百個百個と声を大にして言われるが、何ぼのうちの百個なんですか。全体の分母は。
#161
○政府参考人(小林新一君) イネにつきましては、遺伝子の数はいろいろなことがあるわけでございますが、通常言われておりますのは三万個の遺伝子があるというふうに言われておるわけでございます。
#162
○石井一二君 新しい分野でもあり、極めて重要な分野であろうと思いますので、各省庁挙げてひとつ前向きに、また我々も極めて力不足ですが応援もさせていただいて、よい展望が開けることを祈っておる者の一員でございます。
 次に、谷大臣にお伺いしたいんですが、いろいろ構造改善局の話だとか農水省もいろいろございましたが、今、国会で、今国会ではどうやらだめのようですが、あっせん利得罪という言葉が出ております。こういうことに対する御私見をちょっと賜れればありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(谷洋一君) ただいま石井議員から御指摘ございましたあっせん利得罪という問題、特に農林省は事業関係が多いのでそういう点には十分留意しなきゃならぬと思うんですが、私の考えますのは、やはり今の日本の制度といいますか、そういう意味におきましてはそれと関連するような問題もあるかと思いますので、そういう点のけじめをつけて、そしてそういうあっせん利得罪のような法律がつくられた場合でもはっきりした対応をしたいと、こう思っております。
#164
○石井一二君 かつて内閣総理大臣の竹下さんが言語明瞭意味不明という言葉を言われましたが、私はどうも今、通告をしておいてそのとおりお伺いした私の質問に対して、大臣の御私見というものが余り入ってなかったように思うんですが、こういった法律をつくる必要があると思うかどうかというような角度からの御所見を求めていたんですが、再答弁いかがですか。
#165
○国務大臣(谷洋一君) 再度答弁させていただきますが、確かにおっしゃるとおり意味不明という点もあろうかと思います。
 それが、御質問の趣旨からいいまして、これどういう法律になるのか私ども皆目わかりませんし、それで、例えて言えば公共事業の多い建設省とか農林水産省の立場からいえば、我々はそういう気持ちでなくても巻き込まれるということもございますから、はっきり言えないということもあろうと、私自身もはっきり言えない点もあると思います。
 しかし、現実の問題としましては、そういう法律がつくられることで、そういうことにならないようにするといいますか、疑惑を持たれないようにするということが肝要と思っておりますので、私自身は、そういう法律に縛られないような立場で、毅然とした立場でやることが一番大事だと思っています。
#166
○石井一二君 通告もしておりますし、どういう法律かわからぬと言われましたが、これは平成十二年の七月五日に民主党、自由党、日本共産党、社民党で提出しているわけです。したがって、通告が来れば、大臣のお立場として一応読んで自分の考えはこうかなという程度のお答えがいただけるかと思ったんですが、相変わらず言語明瞭意味不明なので、もうちょっと聞いてみます。
 例えば、百九十七条で収賄、受託収賄及び事前収賄の項目がある。これは、失礼ですが中尾前建設大臣は大体この感じで今論議をされていると思います。それから、百九十七条の四というのは中村喜四郎さんのケースに当たるあっせん収賄なんですが、これと違った角度からもう少し縛りをきつくしようというのが今回の野党の提案であり、与党も今後勉強されて新たな御提案も出されると、そう思うわけでありますが。
 例えばあなたの私見として、政治資金管理団体への正式な政治献金がなされ、それに対して領収書も出し、記載報告にも記載していると、こういったことが地位利用収賄の対象になるとお考えですか、ならないとお考えですか、なるべきとお考えですか、そうあってはならないとお考えですか、私見はいかがですか。
#167
○国務大臣(谷洋一君) その点、なるべきであるとは思いますけれども、その内容がそこが少々不明なところでございまして、今野党が出していらっしゃる程度という考え方でいいのか、それともまたそれがどういうふうに変化していくのか、そこらの点がわかりませんので、意味不明というふうなことに解釈されても仕方がないかもしれません。
#168
○石井一二君 次国会で具体的な案が出され、議題に供された後にまたこういった問題について論議をしたいと思います。きょうはこれで終わります。
 ありがとうございました。
#169
○委員長(若林正俊君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
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#170
○委員長(若林正俊君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小川敏夫君を指名いたします。
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#172
○委員長(若林正俊君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#173
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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#175
○委員長(若林正俊君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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