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2000/08/09 第149回国会 参議院 参議院会議録情報 第149回国会 文教・科学委員会 第1号
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2000/08/09 第149回国会 参議院

参議院会議録情報 第149回国会 文教・科学委員会 第1号

#1
第149回国会 文教・科学委員会 第1号
平成十二年八月九日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事         岩瀬 良三君
    理 事         野間  赳君
    理 事         石田 美栄君
    理 事         松 あきら君
    理 事        日下部禧代子君
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                松村 龍二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                菅野  壽君
                田名部匡省君
    ─────────────
   委員の異動
 八月九日
    辞任         補欠選任
     石田 美栄君     佐藤 泰介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰三君
    理 事
                岩瀬 良三君
                野間  赳君
                石田 美栄君
                佐藤 泰介君
                松 あきら君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                有馬 朗人君
                井上  裕君
                亀井 郁夫君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                松村 龍二君
                江本 孟紀君
                小宮山洋子君
                本岡 昭次君
                福本 潤一君
                畑野 君枝君
                林  紀子君
                田名部匡省君
   国務大臣
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       大島 理森君
   政務次官
       文部政務次官   鈴木 恒夫君
       文部政務次官   松村 龍二君
       科学技術政務次
       官        渡海紀三朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        巻端 俊兒君
   政府参考人
       科学技術庁原子
       力安全局長    今村  努君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       文部省高等教育
       局長       工藤 智規君
       文部省体育局長  遠藤純一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、学術及び科学技術に関する調査
 (学生等の学力水準の低下に関する件)
 (新しい教育への取組に関する件)
 (大学、高校における入学者選抜制度に関する
 件)
 (野外活動における事故防止に関する件)
 (教育基本法の改正に関する件)
 (科学技術振興のための重点施策に関する件)
○理事補欠選任の件
○国立大学の独立行政法人化反対、学費値上げ・
 学部別授業料導入反対に関する請願(第五五号
 )
○学校施設の改善と三十人以下学級の実現に関す
 る請願(第六八号)
○学生・父母の教育費負担軽減、私立大学・短期
 大学の教育・研究条件の充実に関する請願(第
 七〇号)
○国立大学学費値上げ反対、私学助成と文教予算
 の大幅増額、大学学費の値下げに関する請願(
 第八〇号外二件)
○私立大学・短期大学への国庫助成の拡充、奨学
 金制度の改善等に関する請願(第八八号)
○継続調査要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る七月二十七日、扇千景君が委員を辞任され、その補欠として松村龍二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(佐藤泰三君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(佐藤泰三君) この際、大島文部大臣、鈴木文部政務次官、松村文部政務次官、大島科学技術庁長官及び渡海科学技術政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。大島文部大臣。
#6
○国務大臣(大島理森君) このたび文部大臣を拝命いたしました大島でございます。
 間近に迫りました二十一世紀に我が国が心の豊かな美しい国家として発展していくためには、国民一人一人の生きがいにつながる教育、学術、文化、スポーツの振興が極めて重要であります。とりわけ、教育は国家百年の大計であり、あらゆる社会システムの礎となるものであります。私は、子供たちに豊かな心と創造性、みずから学びみずから考える力などの生きる力をはぐくむため、二十一世紀にふさわしい教育のあり方を目指して不断に教育改革を推進してまいる所存であります。
 このほか、生涯学習社会の構築、学術研究、文化、スポーツの振興など重要な課題が山積しておりますが、文教行政の責任者として全力で取り組んでまいる決意でございます。
 佐藤委員長を初め、各委員の先生方の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐藤泰三君) 鈴木文部政務次官。
#8
○政務次官(鈴木恒夫君) このたび文部総括政務次官を拝命いたしました鈴木恒夫でございます。
 以前に政務次官を一度経験してございますけれども、まだまだ努力が足りません。佐藤委員長を初め、先生方の御鞭撻をいただき、松村政務次官を初めとする文部省の諸君と力を合わせ、文教行政のよりよい状況に努力をするつもりでございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。ごあいさつといたします。
#9
○委員長(佐藤泰三君) 松村文部政務次官。
#10
○政務次官(松村龍二君) このたび文部政務次官を拝命いたしました参議院議員の松村龍二でございます。
 私は、大島大臣、鈴木総括政務次官をよく補佐し、心身ともに健康な子供たちの育成や、文化、スポーツの振興など現今の教育課題に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。
 佐藤委員長を初め、委員の諸先輩の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(佐藤泰三君) 大島科学技術庁長官。
#12
○国務大臣(大島理森君) このたび科学技術庁長官を拝命いたしました大島でございます。
 科学技術の振興は、新技術の新産業創出等により経済構造の改革を実現するために不可欠のものであるとともに、人々の健康の増進と生活の質の改善に重要な役割を果たし、また地球温暖化等世界各国が共通して直面している諸問題の解決に資するものであります。
 政府として、これまで科学技術創造立国の実現に向けて努力をしてまいりましたが、まさにこれからが正念場であり、次期科学技術基本計画を鋭意検討しておるところでございます。
 私は、今後、機動的、戦略的かつ重点的な政策展開を図り、我が国の発展の原動力であり、人類の平和と繁栄の基盤である科学技術の振興に全力を尽くしてまいる所存です。また、来年一月に控えた科学技術庁と文部省の統合が円滑に進み、その効果が十分発揮できるよう、引き続き両省庁の緊密な連携、融合を進めてまいります。
 委員長を初め、委員の諸先生方の御指導、御協力を心からお願い申し上げます。
#13
○委員長(佐藤泰三君) 渡海科学技術政務次官。
#14
○政務次官(渡海紀三朗君) このたび科学技術総括政務次官を拝命いたしました渡海紀三朗でございます。
 ただいま大臣からもお話がございましたように、科学技術の振興は、二十一世紀の日本の繁栄や、また人類の幸せな未来実現のために大変重要な政策課題であると認識をいたしております。
 今後、大島科学技術庁長官のもとに、科学技術創造立国実現に少しでも寄与できますように最大限の努力をしてまいります。
 委員長を初め、委員各位の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
    ─────────────
#15
○委員長(佐藤泰三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に科学技術庁原子力安全局長今村努君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、文部省教育助成局長矢野重典君、文部省高等教育局長工藤智規君及び文部省体育局長遠藤純一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#17
○委員長(佐藤泰三君) 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#18
○有馬朗人君 皆さん、おはようございます。
 大島大臣は、就任以来、青少年の世界の中に孤の世界が広がり、社会性が欠如しているのではないかなどの御心配をたびたび表明され、子供たちに社会性を涵養するにはボランティアのプログラムが必要であるというようなことを述べておられます。また同時に、家庭教育の重要性についても強調しておられます。私は全く同感でございます。
 大臣は、ある会合でごあいさつをなさいました。縄文より二十二世紀まで自分の役割とおっしゃられたことも感銘いたしましたが、一つお願いがございます。
 それは、私たち物理をやっている人間、天文学をやっている人間はビッグバンというものを研究いたしております。これは文部省にも属する大学や研究所、科学技術庁にも属する研究所で働いている人間のやっていることでございます。そういう意味で、ビッグバン以来の宇宙の発展の研究も大臣のもとにあるわけでございますので、縄文よりいささかさかのぼっていただきまして百五十億年前ぐらいまでを視野にお入れいただきたいと思いますので、よろしく。
 中央教育審議会の会長をいたしておりました平成九年に、少年による神戸の殺人事件、栃木の先生の殺傷事件等の後、心の教育につきまして当時の小杉文部大臣より諮問を受けまして、いろいろその方策を検討いたし、答申いたしましたが、残念ながら少年による殺人事件が依然として続いております。また、不登校生の数はふえ続け、今回の調査では十三万人に達したと聞いております。このような点で改善が見られないことは、長年教育に携わってまいりました私も大いに責任を感じているところでございます。
 一昨年、神戸のトライアルウィークの成功をつぶさに一日をかけて見てまいりましたが、成功していたと思います。しかしながら、まだまだこのような努力は少数でございます。
 文部大臣はこのような心の教育について御抱負をお持ちと思いますので、ひとつお聞かせいただけませんでしょうか。
#19
○国務大臣(大島理森君) 有馬委員、まさに教育の大専門家でございます。先ほど縄文から二十二世紀という言葉を、私が申し上げたことをおっしゃっていただいたんですが、私は一方、分子から宇宙までということも申し上げております。森羅万象ことごとく文部省、科技庁の対象であることは承知しておりますし、天文学あるいはそれらについても本当に大変広範にわたって我々がやらなければならないことを、特に科技庁、文部省を担当してからつくづくに感じました。
 先般もゆめテクに行きまして、特に科技庁は原子力の問題ばかり焦点が当てられるときがあるんですが、多様に頑張っているということで、改めて委員の御指摘に対して心してまいりたいと思います。
 さて、心の問題でございますが、私は、教育問題について各先生方の御議論を聞いたり国民会議のいわば報告を聞いたりしておりまして、子供の問題というのは今の日本の社会の問題ではなかろうか、このようにつくづくに感じます。大臣就任のときに、孤の世界が広がり、社会性がなくなっている、実はそれは今の日本の全体にわたる私はある意味では問題なのではないかと。長くなりますのでそこのよって来ることは私申し上げませんけれども、我々戦後教育を受けた者にとりまして、ふと考えてみますと、自由という問題について、日本人は西欧的あるいはそういう自由主義というものを本当に根づいた形で理解しているんだろうかと自問自答しながら文部行政にこれから当たっていかなきゃならぬ。
 しかし、いずれにしても、数々のまことに痛ましい少年犯罪を私は今文部省の皆さんに一つ一つを徹底的にともかく分析してみようと、我々の頭の中で。そこの中で共通した問題点というものもあるだろうし、個別的な問題点もあるだろう。
 一つ私は、今そういう中間の議論でございますが、中学生ぐらいまでとてもいい子だった、そのいい子がいきなり犯罪を犯す、そういうふうな事態に今の時代の青少年犯罪の一つの特徴がどこかにあるような気がしてなりません。
 それは、先ほど申し上げましたように孤の世界、つまり家庭でも孤の世界、社会においても孤の世界、何かその世界が広がっている。それは、本来は社会が、あるいはコミュニティーと言っていいんでしょうか、そういうところで教育をしていくという教育の力がやっぱり落ちていることも一つでありましょう。家庭教育の中でのそういうふうな教え込みというんでしょうか、そういうこともひょっとしたら落ちているのかもしれないし、そういう家庭、地域社会が同じ責任を持ってやっていくと同時に、やっぱり教育の現場でそういう社会性をどう身につけるかということを本当に真剣に考えていかなければならぬな、こういうふうな思いを強くしておりまして、委員御承知のとおりでございますが、私どもは体験学習あるいはそういう中にボランティア、そういうものを積極的に取り入れていくことが大事であろうと。そういう観点から来年度の予算要求もしてまいりたいと思っております。
 一方、子供はみんな悩みを持っていると思うんです。その悩みを聞いてやる。そういう意味で、やっぱり現代の多量な情報が入ってくる、あるいは変化が激しい、そして少子化、そういう状況の中で子供たちが、この間参議院で行っていただいた子ども国会でもストレスという言葉を非常に発表の中で出すんですね、子供さんたちが。そのストレスというものを抱えながら、一生懸命学び、勉強し、生きていこうとするときに、そういう悩みを聞くという場をやっぱり教育の現場でしっかりと充実させていく必要があるんじゃないだろうか。
 したがって、私どもとしては、スクールカウンセラーをやっぱりできるだけ、特に中学生あるいは中学生の全体に、そういう今の悩みを聞いて、今の心の悩みを解決してやるという、一方においての体験学習とかボランティア学習とかそういうものをしながらも今の悩みを聞いてやるという、そういう施策が必要ではないだろうか。したがって、七年、八年とかということをかけないでスクールカウンセラーをすべての中学校にきちっと配置させて、児童心理学をきちっと勉強したりしたような先生方を置いて、子供たちに同じ目線でその悩み、彼らの言うストレスみたいなものを聞いてやる、そういう対処的な対策も必要であろう。
 社会性を身につける教育と、そして今の子供たちの悩みを聞いてやるそういう対処的な対策と両面必要だと、このような思いでこれからの政策に生かしてまいりたい、こう思っております。
#20
○有馬朗人君 ありがとうございました。心強いお考えをお聞かせいただきましてありがとうございました。
 この心の問題についてさらに討論を重ねたいと思っておりますが、きょうはもう一つの問題である学力低下、これは本当なんだろうかについて主に質問をさせていただきたいと思います。
 いたずらに印象批評だけで学力低下と言うのでは世の人々を非常に惑わしますし、そこでその真偽をただし、もし本当に下がっているならばそれを是正すべく、もし誤解であればその心配をぬぐい取る努力をすべきだと私は思っております。
 最近、新聞報道等で学力が低下したと主張する記事が散見されます。そこで、初中教育に関するものと大学に関するものとを分けて考える必要があると私は思っているわけです。
 まず、初中教育に関しましては、第一に、国立教育研究所で行いました中学校二年生と高等学校二年生の四回にわたる調査を根拠にしたもの。
 二番目に、家庭での学習時間が減少していることを根拠とするものがございます。
 また、大学生に関するものといたしましては、三番目に、京都大学の西村教授たちが非常に詳細な調査をしておられまして、多くの経済学部の大学生に中学校で学ぶ二次方程式、二元一次連立方程式、小学校で学ぶ分数や小数の計算のテストをしたところが、解けない学生がかなりの割合でおりました。特に、その大学の入試に算数を課すかどうかで学力に明確な差があった、これを根拠にしている説がございます。
 四番目に、東京大学の工学部の二年生を対象にいたしました長期の四回にわたる数学のテストで、一九九〇年に大幅に成績が低下いたしましたこと。また、ある予備校の実施した学力テストの成績が低下しているということを根拠とするもの。
 五番目に、大学学長、学部長、教員にアンケート調査したところ、学生の学力が低下しているという回答が非常に多かったことを根拠とするなどということに大きく分けられるのではないかと思っております。しかし、大学の先生たちに伺ったようなときには直観的な、かなり印象的なことでございますので、私はこれは定量的に大学生の学力が下がったかどうかの結論は出せないと思っております。
 このような議論が長期にわたる定量的で多人数について行われた調査に基づいておればよろしいのですが、そういう調査がないまま印象的な批評が多く行われていると思えますので、大変残念に思っております。
 そこでまず、義務教育についてお伺いをいたしたいと思います。
 文部省では、一九六六年まで十年間ぐらいであったかと思いますが、長期にかなりの分野、ほとんどの分野にわたる調査を行っておりましたが、中断してしまいました。その後、教育課程の変更の際にその前後の学力調査を二回行ってはおりますが、このような定量的調査を長期間行わなかった理由は何か、お聞きいたしたいと思います。
#21
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございましたように、文部省では昭和三十一年から四十一年度にかけまして、時期はそれぞれございますけれども、小中高等学校の児童の全国的な規模での学力実態の把握に努めたわけでございます。
 私どもとしては、当時その時点でそれなりの学力調査としての役割を果たし、学習指導要領や教育条件の整備に役立つ基礎的な資料は得られたもの、こういう判断からこの調査についてはその時点で終わったもの、こう承知しているわけでございますが、その後も、御指摘ございましたように、学習指導要領の改訂の資料として、昭和五十六年から五十八年並びに平成五年から七年と断続的に教育過程の実施状況調査を実施しているところでございます。
#22
○有馬朗人君 やはり国の教育を預かっている文部省といたしましては、国民の学力についての実態をしっかり把握しておいていただきたいと思います。その点、お願いをいたしておきます。
 次に、ことしまたは来年度より全国的学力調査を行う予定であると伺っておりますが、その目的と予定についてかいつまんでお伺いいたしたいと思います。
#23
○政府参考人(御手洗康君) 昨年十二月の中央教育審議会の答申におきまして、全国的な学力の実態把握を図っていく、特に新しい学習指導要領のもとできちっと水準を確保していくということが極めて大事であるという御答申、御提言をいただいたところでございます。
 文部省といたしましては、この提言を受けまして、先ほど御指摘ございましたように、過去平成五年―七年に抽出調査をやっておりますけれども、これらの先行事例等も参考にいたしまして、現行学習指導要領におきます最終段階におきます調査を平成十三年度、十四年度、さらに高等学校も含めまして実施をしていきたいということで考えておりまして、現在、その具体的な教科、内容、方法等について専門家の会議を設けまして具体的に検討しているところでございます。来年度には小学校と中学校の実施をしたいということで鋭意準備を進めているところでございます。
#24
○有馬朗人君 ぜひ長期的にきちっとした調査をお続けいただきたいと思います。
 さて、私は、義務教育段階では算数、理科の学力は下がっていないと信じております。その根拠を申し上げます。三つございます。
 まず第一は、国際教育到達度評価学会で行われております数学・理科教育国際比較でございます。一九九五年まで既に三回行われましたテストで、我が国は数学は二番、一番、三番、理科は一位、二位、三位でございました。どちらも極めて上位でございます。
 次に、まだ日本のものしか公表されておりませんが、昨年、一九九九年の調査で、前回一九九五年と同じ問題への正答率が算数も理科も全く変動は見られなかったということを私は知りまして、心から喜んでいるところであります。理科離れと言われ、数学離れと言われていても変動がなかった。この判断は正しい判断かどうかをお尋ねいたしたいと思います。
 その次の二つの根拠は、算数のみに関するものでございますが、いろいろ教育研究所の方たちと一緒になって調査をした結果、埼玉県入間地区の小学校、中学校の調査がございました。また、私自身が調べたところでは愛知県の高等学校の新入生の調査がございました。どちらも学力がむしろ上がっているとすら思えても低下が見られません。どちらも長期で、しかも多くの学校が参加しております。それに反しまして、前に述べました国立教育研究所の調査は大変質はよいのですが、学校数が七校ないし八校でございまして、大局的な判断を下すには少な過ぎると私は思っております。このような判断について、見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、幾つかお聞きしたいのですが、全国的なこのような調査が地域社会において行われていると思うのです。先ほど申しました埼玉県の入間地区であるとか愛知県の高等学校の方たちとか、そういうものがあると思いますので、もしそういう情報がございましたら御教示いただきたいと思います。特に算数、理科の教科以外に関するものがあれば、ぜひともお教えいただきたいと思います。
 続けてもう一つ質問をさせていただきます。
 国際比較がOECDでも行われることになりました。OECD・生徒の学習到達度調査というものが行われる予定でございますが、そこで読解についてのリテラシー、数学についてのリテラシー、科学的知識についてのリテラシーの調査が行われることになります。その予備的段階の結果が既にわかっておりまして、日本の高校生の成績はかなりよかったと私は認識いたしておりますが、そこでこの詳細をお教え賜りたいと思います。
 以上、幾つかの問題をあわせてお答えいただければ幸いです。
#25
○政府参考人(御手洗康君) 最初に御指摘がございました国際教育到達度評価学会におきます調査は、昭和三十九年以来、大きく三回に分けて実施されております。
 御指摘ございましたように、第一回では、小学校の例えば理科ではトップでございましたし、また中学校の理科もトップでございました。現時点におきましても、御指摘ございましたように、平成七年度の第三回の調査結果は、小学校の算数では二十六カ国中三位、理科では二十六カ国中二位、それから中学校の数学では三十九カ国中三位、理科では四十一カ国中三位ということで、昭和三十九年以来、こういった国際比較という水準では、小中学校の理科、数学に関する基礎的な知識、理解を見る学力という点については私どもはトップクラスである、このように御指摘があったところでございます。
 なお、昨年、平成十一年に第三回の調査の後フォローということで数カ国を対象に第二段階の調査が行われているわけでございますけれども、これにつきましてはまだ国際比較ができるような全体的な調査は行われておりませんが、我が国でこの調査を担当しています国立教育研究所のレポートによりますと、数学、理科の同一問題の正答率は前回の平成七年と比べてほぼ同様ということで、国内で見る限り、平成七年と十一年につきましても学力は相変わらず維持されているというような状況でございまして、国際比較につきましてはもう少しこの調査結果を待ちたいと思っているところでございます。
 また、御指摘ございました埼玉県入間地区におきましては、昭和三十一年以来、地区の算数・数学教育研究会が非常に地道な調査を小中学校を対象にしておりまして、平成十一年度では百五十一校六万人ほど、中学校でも七十二校三万人ほどの小中学生が参加しております。この調査結果を見る限り、小学校一年から中学三年におきまして、どの学年におきましても一貫して平均点は上昇しているという結果が見られております。
 また、愛知県総合センターにおきます愛知県高等学校数学研究会と教育センターが行っております調査も、これも昭和三十年度以来、高等学校入学者の数学の学力の調査を地道に継続的にフォローしてきているわけでございますけれども、平成十一年度では高校入学者の約半数に当たる五万人を対象に行っているところでございます。この調査結果におきましても、詳細は申し上げませんけれども、過去十年間の推移を見る限り生徒の学力が下がっているというような結果は一切出ていないということでございます。
 また、国立教育研究所が理数定点調査という形で平成元年度から十七年度までの計画で行っている調査につきましては、これらの学力のその時点におきます実態を見るという調査とは異なりまして、中学校五地域で六校、それから高等学校三地域三校ということで、学校と地域の社会人、大学生を含めまして、理科や算数、数学の学習状況が子供から大人になっていくに従ってどう変化するか、こういう特定の目的のための調査を行っているわけでございます。したがいまして、この結果は単純に比較しますと、集団的に比較しますと下がってくるというような結果が出ておりますけれども、少しその時点の小中学校の子供たちの学力をはかるというのとは違った調査という形で受けとめさせていただいているところでございます。
 また、御指摘がございました各都道府県や市町村等で入間地区やあるいは愛知県におきますような他の調査もあるのではないかということでございますが、幾つかの県におきまして、例えば高校入学試験の調査をフォローアップするというような形で行われております。これは必ずしも、高校入試ということでございますので、厳密な意味での調査の難易度という点での比較が難しいわけでございますけれども、例えば鹿児島県教育委員会では高等学校入学者選抜の結果を一貫して教育センターで分析をしております。
 したがいまして、もちろん年によって点が上がったり下がったりということはございますけれども、そういった調査問題のばらつきということを含めますと県教育委員会としては時系列的な基礎学力が低下しているというぐあいには断定し切れないというような結果でございまして、文部省といたしましては、引き続きこういった各県や地域や研究団体等におきます調査結果を詳細に集め、それを分析いたしますとともに、来年度からの調査、全国的な学力調査を一つのステップにいたしまして、現在、教育課程審議会におきまして新しい学習指導要領のもとにおきます総合的な学力調査についての検討をいただいておりますので、今回の来年度から始めます調査と、それを踏まえてさらに引き続き全国的な継続的な総合的な計画的な調査ができるようなそういう体制を抜本的に検討してまいりたいと考えているところでございます。
#26
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 次に、高等学校教育の進学者が一〇〇%にほぼ近くなったこと、普通、総合、専門高校と多様化したことによりまして、学力を統一的にははかりにくいと思います。そのため、残念ながら私自身も系統的な検討を行っておりません。
 しかし、最近、大学入試センターで過去の試験の問題の難易を比較化した上で毎年の成績の変動を調査したところ、大きな変動は見なかったという話を聞いておりますが、その結果について、そうであるかそうでないか、イエス、ノーで簡単にお答えいただきます。
#27
○政府参考人(工藤智規君) 入試センターで三年計画でまだ調査中でございますけれども、過去昭和五十六年から平成八年度までの共通一次あるいはセンター試験の受験者について学力調査の比較、検討してございます。
 今のところ、英語についてだけしか調査結果がまとまってございませんが、その結果を見る限りでは、学力について長期的に低下するあるいは向上するという有意的な変化は見られなかったと聞いているところでございます。
#28
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 大学生の学力についてでございますが、先述した計算テストや年代テストなどで初中教育の基礎教育をはかっている部分に関して私は大変心配をしております。埼玉県の調査などでわかる学力より、二次方程式や小数・分数計算の学力は、入試に数学を課さない大学の学生の学力は小中学校の子供たちに比べて低いのです。大学生が低いのです、全部とは申しません。
 私は、一九八五年ごろから一芸型入試がもてはやされるようになったとき、繰り返して大学の入試は易しくてもいいから多科目でやれと主張してまいりました。自分が進学しようとする大学の入試に出ないことがわかりゃ、人情ですよ、勉強しないのは。ですから、易しくてもいいから出してくれと言っていたのです。大学で必要な科目と思えば、高校の時代の学習を条件といたしましたり、入試に課すべきだと思っております。
 もう時間がございませんのでここで文部省の見解をただすということはいたしませんが、少数科目で入試をやれという指導はおやりにならないでいただきたいと思います。やっておられないと思うけれども、よろしく。
 今日のような四年生大学でも進学率がもう本当に五〇%までなっております。そして、十八歳人口が急減しているようなときは平均的学力は下がるのは当然だと私は思っています。学生数を現状に保つ限り、各大学での一般教育をアメリカ並みに充実するほかに手はないと私は判断している次第でございます。
 また、先ほど東京大学の工学部二年生の数学力が、先ほど一九九〇年と申しましたが、一九八九年であったかと思いますが、がたっと下がったと申しました。実はこのとき私は総長でございまして、大変心配をいたしましたが、十八歳人口の急増がそのころ起こっておりましたので、工学部の定員を九百八名から千三名にふやしました。さらにまた千三十三人、その次にふやしておりまして、こういう事実を考慮に入れるべきだと私は考えているわけです。単に数字がこうだったからといって判断をしてはいけないと思います。予備校の調査につきましても、十八歳の人口の減少などを考え、多様化していることを考えておかなければならないと思います。
 家庭での学習時間の減少につきましては、大学進学率や高校進学率が上昇を続け、多くの子供たちが受験戦争に巻き込まれるようになりました昭和五十年代、六十年代の勉強時間と比較することが果たして適当であるかどうか私は疑問を持っております。私は、心のゆとりを持って生きる力、生きる力を育てることが二十一世紀の日本のためであると信じております。
 そこで、五分しか残っておりませんが、二〇〇二年より学校完全週五日制導入に伴います新学習指導要領に関する問題を議論させていただきたいと思います。
 いろいろな問題点が指摘されております。それに対して文部省のお考えを今からお聞きいたしたいのですが、まず第一に、新学習指導要領における授業時間の削減や教育内容の厳選の趣旨についてお聞きいたしたいと思います。今回の改訂で小中学校の教育水準は一体どうなるんだろうか、この辺についてお聞かせいただきたい。
 それから、これまで学習内容が未消化になりがちであった子供たちの基礎、基本を確実に習得させることと、深く学習したい子供たちのためにその能力を十分伸ばせるようにすることはともに大切でございます。両立させる必要があると私は考えておりますが、新学習指導要領ではどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。特に習熟度別の考えは入っているのかどうか。
 次に、総合的学習の時間のことでございますが、私は、インターネットのような新しい分野、今までの縦割りの教科では十分対応できない新しい分野の教育のために総合的学習の時間の導入が必要であると考え、賛成いたしましたが、この総合的な学習の時間ではどのような学力を育てるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 そして、最後に、中教審もゆとりを主張してまいりました。しかし、ゆとりとは単にぼんやりする時間を増すということを考えたのではなく、さまざまな知識を学んだ上で反復練習してそしゃくし、また屋外での自然体験や遊びにより体力を増進すること等を目的としていたはずであります。さらに、子供たちがお父さん、お母さんとゆっくり触れ合える時間を与えることも目的だったと思いますが、この点に対しまして手短にお返事をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#29
○政府参考人(御手洗康君) 御指摘ございました平成十四年度から始まります新しい学習指導要領におきましては、知識を一方的に教え込む教育、こういう知識注入型の教育から抜本的にこれを変えまして、子供たちがみずから学び、みずから考える力、こういった生きる力を育成するということを基本的なねらいといたしまして、授業時数を週当たり二単位縮減いたしますとともに、教育内容を基礎、基本に厳選をしたところでございます。
 新しい指導要領におきますゆとりとは、今御指摘がございましたけれども、こういった時間数を削減し、そして内容を削減することによりまして、一つは、読み書き、計算などの基礎、基本を確実に身につけることができるように、個別指導や繰り返し指導が徹底できる、こういった時間を指導の中に生み出していく。
 それからもう一つは、単なる暗記の知識ではなく、みずから考え、みずから課題を見つけ、そして判断して行動し問題解決していく。そのために、表現力を身につけたり、あるいは観察、実験、調査、研究、発表、討論、こういった体験的な実践的な活動ができるような時間的なゆとりを生み出していく。こういうことをねらいにして、授業時数の縮減や内容の厳選、あるいはゆとりということを生み出したところでございます。
 具体的には、小中学校につきましては、その学年では今までの経験にかんがみましてなかなか理解が難しいというような項目等につきましては、上の学年やあるいは中学校に移してその時点でより上のレベルの学習と同時にあわせて統合的に教えるという工夫をいたして三割削減しております。
 また、高等学校段階におきましては、最終的には中学校から来ました内容もほとんど必修教科の一年生の段階の中で学習するということにいたしておりまして、具体的には物理とか化学、あるいは地歴というような、高等学校を卒業する段階までの最終レベルの学習指導要領の水準は現在とは一切変えておりません。
 そういうことで、小中高一貫をいたしまして体系的な整備を図ったということでございます。
 また、総合的学習の時間は、特に知識の教え込みからみずから課題解決学習をしていく、そういう場として今までの教え方を抜本的に変えていくということで、教科横断的、総合的な課題につきまして、例えば福祉であるとか国際理解であるとか環境であるとか、こういった事柄について子供たちがみずから課題を見つけて問題解決的に学習をしていくということでございまして、特にここにおきます活動は、各教科で身につけた基礎、基本としての知識、技能、これを教科横断的に総合していくということが一つでございますし、あとは、先ほど繰り返し申し上げましたように、みずから考え判断し行動していく、こういった実践的な新しい意味での学力を身につけさせるということを主としてねらいとしているところでございます。
#30
○有馬朗人君 ありがとうございました。
 最後に、総括政務次官並びに大臣にお伺いしたいと思うことがあるんですが、時間が許されればお答えいただきたいと思います。それに先立ってお願いがあります。それは教員定数の是正ということでございます。
 私は、中央教育審議会の会長のときの答申で、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近づけるべきであるということを主張させていただきました。そこで、大臣、総括政務次官にお願いでありますが、やはり教員数、質のよい教員をふやすべく御努力を賜りたいと思います。
 この点をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#31
○国務大臣(大島理森君) 有馬委員の数々の御指摘、まことにありがとうございました。
 最後に数の問題でございますが、まさに来年から五カ年計画で私どもは新たな定員計画を考えております。来年がそのスタートであり、二十人クラスのいわば授業の姿をつくりたい。そういうふうなことも含めまして、少子化あるいはその他で、ほっておきますと四十人学級ということを前提にすれば約二万人を超えるぐらいの先生方が減っていくという計算になりますが、そうさせないでまさに二十人学級、二十人的な学習のその姿をつくるためにも、我々は、そこをしっかり減らさないでそのままにして、そういう計画でもって来年度から概算要求を始めたい。
 さらに、質のよいということでございますので、どういうふうな形で質のよい先生方に働いてもらうかということも念頭に置きながら頑張りますので、御支援をいただきたいと思います。
 最後に、ゆとりのある教育というのは、学校の現場だけではないし、文部省だけではなくて、ゆとりのある教育というそのねらいを家庭も地域も考えていただいて、その目標とするゆとりのある教育、すなわち生きる力を子どもたちにつけていくという、そういうことの意識を国民全員が持っていただくことが肝要であろう、こう思っておりますので、またこの点についても皆様方、先生方の御支援をいただきたい、こう思っております。
#32
○石田美栄君 民主党・新緑風会の石田美栄でございます。よろしくお願いいたします。
 新しく就任された大臣に、文教科学技術政策の全般的なことで、幾つかの点について率直なお考えをお聞きしたいと思います。
 まず、総理大臣の所信表明の中で、文教科学政策に関する部分について文部大臣、そして科学技術庁長官の御見解をお伺いしてまいりたいと思います。
 教育の情報化ということをおっしゃっておりますが、文部大臣はこれをどういう意味とお考えになり、また具体的には文教政策の中で何をやっていくとお考えでしょうか。
#33
○国務大臣(大島理森君) 私は、教育の情報化ということを総理がお話しされたことを踏まえて、文部省の皆さんにはこのように申し上げております。
 情報化時代の教育問題ということがまず大きな前提にあるでしょうと。情報革命の時代の教育というのをどう考えるかの中にあっての教育の情報化というものを考えなきゃならぬ。その中には、IT革命という非常に大きな世界的なインフラの変革です、これは。変革だと思います、インフラの変革。
 一方において、そこには影の部分もあるでしょうと。つまり、ITをどんどん進めていくということはいたしていかなければなりません。かつて我々の世の中に新しい手段ができたときに、例えば車でもあるいはその他電話でも、そのことによっていろんな影響が出てまいります。特に、教育の場合は教育のIT化ということを一方に進めると同時に、そこの逆の影の部分というものもきちっととらえていかなきゃならぬよということを言いながら、実はIT戦略本部というものを立ち上がらせまして、次官をヘッドにして今やっております。
 基本的な考え方ということで私は今申し上げました。
#34
○石田美栄君 具体的に何をやるのかということもお尋ねしたんですが、またそのことについては後ほどIT教育のところでもっとある部分についてお伺いしたいと思います。
 さらに、森総理大臣の所信の中に、「科学技術の振興は、新産業の創出と雇用増大を図るとともに、我が国の知的資産を豊かにするものであり、科学技術創造立国の実現に向けて先端分野の研究開発の重点的な推進や研究環境の整備などに精力的に取り組んでまいります。」というふうにおっしゃっておりますが、科技庁長官としてどういう先端分野の研究開発、どのような新産業が生まれてきたのか、そしてこれがどれほどの雇用増大につながっているのか、そういった点で現在まで、そして将来へのお考えをお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(大島理森君) 大変失礼しました。石田委員の御質問の中に、具体的にどういうふうに取り組むかということに対する答えがなかったということでございますが、あえて申し上げますと、まず来年、十三年度中にはインターネットを各公立学校に全部接続させるということがまず当面の目標でございます。
 それから、二〇〇五年度を目標にすべての学級、あらゆる授業においてコンピューターを入れさせ、したがって来年度中にはインターネットは接続されていますから、必然的に二〇〇五年には各クラスにはコンピューターを入れてまいりたいという計画に基づいてやっております。ということが、そのほかたくさんございますけれども、そういうことを今目標にしてやっております。
 それから、科学技術の振興によって何を重点的にやり、どういう雇用あるいは産業に影響するのかということについてお答えいたします。
 私どもの諮問会議で最も大事な科学技術会議でございますが、それらを受けましてライフサイエンス、それから情報・通信、地球・環境、物質・材料、この先端的研究開発に重点を置いてやってまいりたい。そして当然、総理の日本新生ということも踏まえながら、来年度の予算化に向けて努力してまいりたい。
 例えば、バイオの世界でどのぐらいのものがこれから産業として伸びていくんであろうかということでございますが、バイオテクノロジーの世界はどんどん広がっておりますけれども、二〇一〇年には約十兆円ぐらいの大きな産業を生み出すであろう、このようにも言われておりまして、雇用が十五万人ぐらい。
 情報通信でございますと、いろんなデータがあるのでございますが、私どもが一応こういうことであろうというふうにいつも申し上げておるのは、現在はどのぐらいでございましょうか、約五十兆か六十兆ぐらいかと思いますけれども、二〇一〇年には百二十六兆ぐらいの大きな情報産業関連の数字になっていくんじゃないだろうか。雇用は約二百四十五万人ぐらい。
 こういうふうな形で、技術開発というのはまさに産業と直結して産業を興していく。日本の二十一世紀に生きる、あるいは産業の大きな源は、やっぱり科学技術の発展ということが大きな一つであるということを改めて申し上げさせていただきたい、こう思っております。
#36
○石田美栄君 まさに科学技術そして教育というのは国の将来に非常に重要だということでありますが、さきにも申し上げた総理大臣の所信の中の「我が国の知的資産を豊かにする」という、この「知的資産」ということについてなんですが、大臣は、このことについてどういう問題があって、これからどうしなければならないとお考えでしょうか。
 特に、大臣所管になります国立大学や国立研究所の研究成果に関して、国際競争の中で特許の手続だとかその費用、そして知的財産権の維持、そしてまた特許の活用度や特許料、ロイヤルティー収入の問題といった点についてお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(大島理森君) アメリカと特に比べた場合に、私は、総論としてまず今の石田委員の御指摘で感じますことは、日本の大学というのは学校の中に閉じこもり学術的な研究に邁進していくという、何となくそういうふうな姿があったような気がします。アメリカの場合は、自分たちが持っている知的財産をどのようにマーケットで勝負するか、そういうふうな意味で、民間あるいはもっと言うとマーケットとの交流が非常にあった。
 そのことを踏まえまして、御承知のように、今私どもも、TLOに関連する法案を先般国会で成立させていただいて、これからの大学のあり方の大きな一面として、まさに民間とそして自分たちが持っている知的財産を社会のために、世界のために具体的に役に立たせていただくという、そういう窓口あるいはそういう道筋というものをしっかりとつける、あるいはまた推し進めていくということが大事だと、このように思っております。
 そのためにTLOという法律をつくっていただいたんですが、スタートしたばかりでございます。また、走りながら我々考えていかなければならないところもあろうと思いますが、まさにこれからそういうことに心していろんな施策を考えていかなきゃならぬ、こう思っております。
#38
○石田美栄君 このことはこれからの国立大学のあり方、独立行政法人化とも絡んで、日本の将来のために解決していかなきゃいけないことだと思います。
 私が持っていますあるデータでは、一九九七年、日本の国立大学の管理している特許収入は四千八百万円というふうに文部省調査は出ておりますが、ちなみにアメリカ、アメリカの場合は大学の形態も違いますが、でも同じ年にアメリカの大学での特許収入、ロイヤルティー収入は、これは七十億ドルですから百八円で換算してみますと七千五百六十億円という、比較にならない。こういったことも国の将来、文部大臣にしっかりお取り組みいただきたいというふうに思います。
 さて、教育の新生、すなわち教育改革でしょうか、森総理大臣、新生という言葉を四つの分野でお使いになっていますが、もはや一刻の猶予もないと述べておられます。文部大臣のこの教育の新生についてのお考え、何をどのようにしていくおつもりでしょうか。
#39
○国務大臣(大島理森君) 総理の所信演説の中に、豊かな創造性と高い社会性を身につけてそして頑張ってもらいたいということも言っておりますし、あるいはまた、日本の歴史、文化というものも大事にしてもらいたい、そういう観点からの教育改革というものが必要なんだということを言っておりますし、また、もう五十年たちましたと、教育基本法のことを一つとりますと。そういう意味で、あらゆる角度から教育改革を行い、そして二十一世紀に向けてたくましく生きる日本人になってもらいたいという思いで総理がおっしゃっておられると私は思っておりますし、今、国民会議等でさまざまな議論をいただいております。
 我々、それを受けまして、文部省といたしましても、実は一方、国民会議と同時に、有馬委員もかつてやっていただいた中教審の中で、教養教育のあり方というものも今議論させていただいております。
 そういうもろもろのものを考えたときに、私はどこへ行っても申し上げるのでございますが、ケルン・サミット、つまり昨年のサミットでございます。先進国の各国が、そもそも経済会議であったサミットで教育という問題を大変今変革の時期にお互いに考えなければならないとあのケルン・サミットの宣言の中に書き込まれたという意義は本当に私は大きな変化であるし、今各国の教育問題に課せられた改革をしなければならないという認識、それは国際化であろうし、先ほどお話があったIT化であろうし、やっぱり先進国も少子化という問題に今悩んでいる。そういう大きな社会変動の中にあって、それぞれの国の教育をどう考えるかという認識に立った。そういう意味で、森総理もやはり新しい時代に合わせた教育の姿をつくりたい、急がねばならぬという思いでお話しされたものと認識しております。
#40
○石田美栄君 教育のこと、私自身も自分の考えを申し上げて議論したいという思いはございますが、限られた時間ですのでそれは今回は控えさせていただきますが、私、一つだけ申し上げるとすれば、もちろん家庭から始まって地域ですけれども、私たちが本当に責任を持たなくちゃいけないのは学校教育。子供たちを学校にやっていれば安心で信頼できる、そういう学校教育が信頼される、機能を果たせる、そういうものをどうしたらつくれるかというところはしっかり責任を持っていかなくちゃいけない。そのために何をするか、そのように私はしっかり考えていきたいというふうに思っております。
 さて、森総理が教育改革、新生の中で具体的に挙げておられる中で、二つの点についてお伺いしたいと思います。それは、IT教育と中高一貫教育についてでございます。
 現在の学校現場でのインターネット教育の現状をどのようにとらえて、今後どうすべきとお考えでしょうか。先ほどちょっとお触れになりました、二〇〇五年までにすべての学校にインターネットとおっしゃったかと思いますが、これ、昨日文部省の方からお配りいただいた数字が出ております。例えば、小学校ではインターネット接続学校数というのはまだ二七・四%、こういう現状ですが、その点もう少し踏み込んでというか、詳しく文部大臣のやっていかれることをお伺いしたいと思います。
#41
○国務大臣(大島理森君) 先ほど申し上げましたように、IT化の中の教育ということを考えながら教育のIT化というものを考えなきゃならぬと、こう申し上げてまいりました。
 そういう中で、平成十一年度末までに公立学校のインターネットの接続率、これは小学校で四八・七%、中学校で六七・八%でございます。高等学校では八〇・一%、全体では五七・四%まで進んでいますが、いわば十一年度末の計画よりは進んでおりますけれども、少なくとも、先ほど申し上げましたように、インターネットの接続はまず十三年度末までに全部やりましょう、そして十五年度までには公立学校のすべての生徒がコンピューターのある部屋に入ると一人一台ずつ向かえるようにしたい、そしてなおかつすべてのクラスにコンピューターがあって、そしてそこでも活用できるようにしたい、これを平成十五年を目標にしてこれから進めます。
 一方、リテラシーの問題は、やっぱり教える人がいてそしてさわれるわけでございますから、教える人がこれは間に合うかどうかという、大変一方私は心配しておりまして、もちろん平成十三年度中にはすべての学校の先生がリテラシーに関してはやれる、半分ぐらいの先生はきちっと教えられるようにしたい。
 しかし、これもなかなか私はそういくかなと本当に心配しておるんです。そこで、民間の皆さんあるいは地域に大学があれば大学の先生、あるいは民間の企業の皆さん、そういう皆さんをどんどん活用できるようにもしていかなきゃなりません。これが次の一つ一方にある問題だと思います。
 それでもう一つは、ハードはそろいました。しかし、今度は中身の問題です。教育のまさにコンテンツの問題、こういう問題も次にあるでしょう。また、学校内のLANも、そういうふうに各コンピューターを全部そろえたとすれば、それらをLANできちっと築かなきゃいけません。そういうことを一つ一つこれからやってまいりたい、こう思っておりますが、まさにドッグイヤーと言われるほどこの世界はもう日進月歩という以上の速さがございます。
 私どもは、スピードとの競争だ、こういう思いの中で積極的にこの問題に取り組んでまいりたい、このように思っております。
#42
○石田美栄君 ぜひお願いしたいと思います。
 ちょっと具体的な私の考えている一つのことですけれども、小学校でコンピューターにさわらせる、その段階で、例えば本当に日本の将来、このITの世界でスピードも要する。打ち込み一つにしても、小学校で例えばローマ字入力ですね、二十六文字。今小学校の子供を見ていると、まだ一年生、二年生のような子でもファミコンなんかしますから、まだABCは習っていなくても自然に習う。
 私は英語が専門ですから、昔は英文タイプは必ず徹底的に二十六文字ブラインドで打てる、そういうことを重要視してきました。でも、私も学習の段階で、習った段階で数字だけきちっとマスターしなかったから、いまだに数字のところは見ないと打てない。だから、こういう点についても、いつから、小学生でも最初にきちっと、指でこんなことしているので始めたらやっぱり悪い習慣がつきますから、そんなことも含めてきちっと教育の、何というか学習のマニュアルというか、そういうものができるといいのになというふうに思います。
 このIT教育のことで、先日インターネット国際会議というのが七月十九日ですか、ありまして、私も興味があるので聞きに行きました。この会は総理大臣の政策提言のためのディスカッションとか総理大臣との会談も行われたその後の会議だったんですが、こういう世界のトップの方の集まった会議でしたけれども、その中でソフトバンクの孫正義さんという方ですか、結びのところで話をされたのが大変印象的だったんですが、世界の競争の中、将来国をかけて教育が最も大事だと。
 皆さん御存じのように、インターネット教育ではアメリカはもうずっと進んでいる。お隣の韓国も非常に進んでいて、日本はかなりおくれているということはだれも知っているところでありますけれども、孫正義さんが本当に強調されました。
 日本のおくれも指摘されて、その中で、文部大臣というのは、外務大臣、大蔵大臣がいかにも、偉いとかそういう言葉はまずいかと思いますが、重要視されるけれども、本当を言うと文部大臣の方がそれよりもより重要だ。力を国のために持たなくちゃいけないんだということを最後の結びで強調されたのが印象的で、日本でも今のようないろいろな政策について大蔵省に気兼ねするようではいけないので、教育にお金をかけるべきところはきちっとかけなくちゃということをぜひしっかり文部大臣に強調していただきたいというふうに思います。
 さて、次に中高一貫教育ですが、平成十一年度から制度化されたこの一貫教育については、中高一貫教育推進会議の報告書の中でも、「中高一貫教育には、高校入試の影響を受けずにゆとりある安定的な学校生活が送れること、六年間の計画的・継続的な教育指導が展開できること、異年齢集団による活動を通して社会性や豊かな人間性を育成できることなど、多くの意義がある。」ということを言って、次に「近年の中等教育を取り巻く状況を考えると、」、いろんな犯罪等もあります。含めて、「中高一貫教育については、平成九年六月に提言された時期以上に、その推進が強く求められる状況になっている。」というふうに言っております。
 生徒や保護者が中高一貫教育も選択できるよう、通学範囲内に少なくとも一校、全国では五百校程度設置と言っておりますが、そして前文部大臣も所信の中でこれをおっしゃっておりました。でも、現実を見ると、開設されているのはわずか十七校、平成十三年度開設予定を含めてもわずかに三十九校。しかも、そのうち私立が十四校と国立が三校となっていますから、いわゆる私たちが考えている公立のものというのはほんの二十二校にすぎない。
 私も岡山県出身ですが、先日、県政懇談会でお伺いしてみますと、ほとんど意欲がない。一校、県の北の方につくるかなという、そんなことで五百校の目標が達せられるんでしょうか。本当に保護者や子供が希望すれば六年間の中等学校で学べるようにするということ、そして最近のある報道にも私立の中学校への志願者がふえたというふうなそのことは、私が接してみても皆さんこの話をすると希望している。私自身も、孫が一番大きいのは四年生なんですが、間に合うように非常に願っています。これが間に合わなかったらどうしよう、岡山って私学ってほとんどないんですね。そういう思いは皆持っている。本当にどういう対策をとられるおつもりか。
 そして、ほかの資料で、「新たに国庫補助の制度を創設する予定」というのがこのパンフレットに書かれておりますが、そのことはもう創設され、実施されているんでしょうか。どういうふうになるんでしょうか。そのことも含めてお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(大島理森君) 先ほど私の答弁で、すべての学級にコンピューターが設置され、すべての子供たちに一台ずつ利用できるようにしたいというのを、どうも後で注意されたんですが、十五年と言ったようですが、平成十三年から五年間ぐらいかけて、もう十二年から始めておりますけれども、平成十七年にはそういう計画でやりたいということを改めて申し上げたいと思います。
 中高一貫教育の問題でございますが、第一点は、先生の御指摘のように、現在十七校ぐらいしかまだ設置されておりません。
 結論から申し上げますと、中高一貫教育のよさ、中高一貫教育の目的、こういうものをもっともっと県の教育委員会に積極的に理解してもらって、そして地域の御要望もあるところもあれば、まだ理解されていないところもある。やっぱり長い間の高校、中学のあり方が根底にどんとあって、どうぞ進めてくださいと言っても御理解をいただけないところもまだあるのかなと。なお一層、そういう意味で都道府県の設置者の皆様方にこの目的を改めて理解をしてもらい、目標をきちっと理解してもらい、地域の皆さんにもそういうふうなことを働きかけていただきながら、中高一貫教育のあり方を導入していただく努力をさらに私どもしてまいりたいと思っております。
 どういう補助を考え、実施しているのかということでございますが、実は中高一貫教育をやったときに、その施設整備費でございますね、高校の施設整備費、これは国が直接補助をするということは今までございませんでした。中高一貫教育をやった結果として施設整備費が高校として必要になった場合に、平成十一年度から国庫補助の対象として国庫補助をする制度にいたしました。
 それで十分かどうかという議論はあろうかと思いますが、そういうことは今、十一年度から始めておりますということだけを申し上げます。
#44
○石田美栄君 この五百校の目標、いつまでにとは限定していませんが、今大臣もおっしゃったように、長い間の習慣で、やろうと思うといろいろな問題が出てきて、それを乗り越えるのが大変だから、取り組むのに横着という言葉は悪いですが、大変だからまあまあという。そのままじゃ本当に困るので、ぜひ大臣、実現できるように日本全体で、このことはやってみなきゃわからないと言われたらそれまでですが、十七歳の子供たちの考えられないような凶悪な犯罪が最近連続して起こっていますけれども、こういうことを考えても、いろんな面で、少人数学級もそうですが、中高一貫のところというのはかなり多くの青少年の問題解決の大きな糸口というか、解決していく制度になっていくというふうに私は確信するところがありまして、ぜひ進めていただきたいと思います。
 さて、先ほども大臣もお触れになりましたけれども、総理の私的諮問機関の教育改革国民会議がこの三月末に発足してから、その議論の内容がさまざまに報道されてきております。今では中教審よりも教育改革国民会議が主導権を持っているような感じであります。一年後に提言としてまとめられるようでありますけれども、事、少人数学級については教育改革国民会議と文部省との間に深い溝があるというふうな報道もされております。
 今、学校現場で取り組んでいること、またこれから取り組まなければならない総合学習だの体験学習、地域協議会の運営、インターネット教育、そして奉仕活動が取り入れられるということも盛んに教育改革国民会議では話し合われておりますが、このようなさまざまな実践活動を実際にしていくということになると、私も小中学校ではありませんけれども教員生活が長い、そんな中で何かこういうことをやろうと思うと、企画立案から実際に児童生徒を動かすためのあらゆる指導とか責任が出てまいります。
 こんなこと等々を考えるとき、このたび報告されておる、先ほどもお触れになりました「今後の学級編制及び教職員配置について」という、これは基本のところは、要するに児童生徒数がここ五年間で約六十万減る、それによって教員の自然減が今の定数ですと二万数千人、これを活用してという、これから五年先の計画でありますが、本当にこれでこれから五年間に起こる、今申し上げたようなさまざまな現状を考えると、十分対応できるとお考えでしょうか。
#45
○国務大臣(大島理森君) 石田委員御指摘のように、もし来年から始まる定員改善計画が実現をした場合に、教員一人当たりの児童生徒数が欧米水準並み、先ほど有馬委員から御指摘いただいたように、欧米並みのものにしなさいというふうな御指摘であったと思います、数字的にはそういうことが生まれると私は思っております。
 さらに加えて、私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたが、やっぱり二十人程度の教室をつくってそこに柔軟に、いろんな形での習熟度的な授業もあるかもしれませんし、あるいは基礎をきっちりやってもらわなきゃならぬ子供たちには基礎をやってもらう、そういうふうな少人数クラスでの授業というものも一方に行いたい。その基礎には、学級というものを固定的に考えるのではなくて柔軟に考えながら、そしてさまざまな対応にこたえられるようにしてまいりたい。
 そういうふうなことをすれば、先生のおっしゃるように今のようなまことに胸を痛めるような事件がなくなるのか、こう問われれば、そういうことをなくしたいために一生懸命そういうことをやるわけでございますけれども、いずれにしても数の確保ということも大変大事な問題でございます。
 平成十三年度から新しい定員計画に基づいて予算獲得をし、まず今申し上げたような目標に向かって努力をし、そして先ほど来いろんな議論がさまざまにありました、社会性をきちっと身につけ、一方、高度な技術産業時代に入れるように、そういうものに耐えられる子供をつくっていく、そういう社会的な要請にもこたえられるような学校内容にしていくことが今我々の責務と、このように思って頑張りたいと思っております。
#46
○石田美栄君 先ほど有馬委員も最後に要望されましたが、私も、特に三歳から八歳の時期の自我形成、社会性、これがしっかり確立していないのが今の学級崩壊とかいろんな問題につながっているという研究も伺いました。
 今、幼保、保育園と幼稚園の問題と同時に、三歳から八歳というと要するに小学校の低学年、一年、二年、三年、ここのところは特に少人数で、学習の最初の段階では十五人でも二十人でもいい、そこのところできっちり学習習慣、社会性が身につく。三十人学級の実現ということは願っておりますけれども、特に小学校の低学年、これはぜひ考えていただきたいということを御要望申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#47
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。
 きょうは、文教また科学技術の一般質問をさせていただきます。科学技術庁の質問を私させていただくことが多かったわけですが、きょうは先ほどから教育の問題がたくさん出ておりますので、私も大学教官、長く国立大学で勤めておりましたので、そちらの方の質問をさせていただこうと思います。
 先ほどから有馬先生、石田先生、さまざまな形で教育の問題、文部省に質疑応答しておりました。特に、有馬先生の方は、世評でまたマスコミ等々での学力低下が本当なんだろうかということに対して、印象的評価じゃなくて長期的、数量的評価で、現実には学生の実力は落ちていないというデータをもとに言っていただいたというのが現実にあると思います。私は、現実には学力、実力は落ちていなくても、さまざまな形でそういうやゆされがちな世評、傾向性というのはやはりあるなというふうに大学教官を勤めていて思った一つなんですね。
 多数の方が、昔よりはるかに多く、五〇%近く大学へ行き出したという入学者の変化という問題もあると同時に、多様性の時代だ、個性を重視だということで、選択の幅を広げるということで、さまざまな形での選択をするために、現実の現場の中では、例えば高校時代に物理をやっていない者が工学部の学生に入ってきたり、例えば生物をやっていないのに農学部へ入ってきたり、化学をやっていないのにそれこそ理学部の化学科というのに入ってきたりというような形の学生がいたときに、専門の教育をしようと思っても、もう本来適切な試験の選択でないような形でも入ってきたりというようなことが起こって、大学に入った後の教育が現場では大変になってきておるわけですね。
 例えば、これは物理をやってきた人なら常識でわかっていることだという形で教えようとしていたら、習っていません、勉強していませんと。大学へ入って高校のことをもう一回教えなければいけないという形の現実の問題が起こっていますし、さらには入試の試験監督、共通一次テストというのが昔始まったとき我々やりましたけれども、昔は試験監督に行きますと、教室にほとんど九割方はおられる。試験監督に行ったときに二割、三割しかいないというぐらいの受験生の対応になるわけです。ですから、教室を三倍も四倍も昔の部屋より借りなければいけないという感じになるんです。これはなぜかというと、多様性ですから、選択するのが私はこれとこれとこれだけ選択しております、これは受けませんという形で、現場の監督がほとんど一、二割しかいない受験生の試験監督をしているというような現実が起こっていまして、これがまた教養教育の問題で大学の方には弊害としてさまざまな形で出てきているという現実がございます。
 それで、ここで共通一次テストという、一九七〇年代、私が大学院におったころですけれども、始まった制度がございます。今はセンターテストという名前になっておりますけれども、有馬先生も中教審のときにさまざまな答申を出されておるようで、「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」、入試の問題でございますが、これが平成十年度に出されておるわけです。また、平成十一年度を見てみますと、さまざまな形で接続、ある意味では入試の問題。
 中学から高校へ行く、高校から大学へ行くときの問題として非常に大きな問題がございますのは、最初共通一次入試、センターテストを導入したときに、高校生が受験戦争反対と。我々はもう大学院に行っていましたから、大学の中で、高校生の受験戦争の過酷さというのはベビーブームの後も続いているんだなという形で思っていましたけれども、受験戦争が解消するんだということで文部省肝いりであれを導入したんです。その後、さまざまな改良、改善、変化はしてきております。
 まあ、これも印象評価ではまずいですので、文部省として、あのとき受験戦争が解消するということで肝いりで入れた共通一次テスト、これはそれ以後センターテストになるまで三十年ぐらいの実績がございました。そういう形になっていった形で総括されているのかどうか、現時点での認識をお伺いしたいと思います。
#48
○国務大臣(大島理森君) 福本委員と私はそんなに違わないどうも年代のようでございまして、私も一次試験を受けたことがないのでございます。受験戦争と言われた世代のはしりは福本委員あるいは私たちの年代であったのかもしれません。
 戦争という言葉が余りに過激であったんですけれども、いずれにしても、そういう時代が過ぎて、昭和五十四年から実施された共通一次学力試験は、国公立大学の一次の選抜として実施することにより、それ以前の一回限りの学力試験によって合否が決められることを改めて、基礎、基本を問う良問を提供することにより難問奇問の出題を減少させたというふうな認識は文部省として今しております。
#49
○福本潤一君 難問奇問があったと。むしろ時々世評で言われる、よくマル・バツ入試は考える力を養わないというような形で言いやすい言葉で言うんですけれども、むしろ難問奇問、論文テスト等々も含めてあった時代から、一次テストということで基礎的な学力を調べるという形で導入し、これが受験戦争を解消するんだということに対して、これがどういう形での成果を現実に与えたのか、そこのところをお伺いしたいわけです。
#50
○国務大臣(大島理森君) 一つは、受験戦争というのは一体何かという定義が一つあるんだろうと思います。少なくともテストという限りにおいてはやはりこれはコンペティションですから、そういう意味でのコンペティションがなくなるという意味で受験戦争をなくするためということではなかったんだろうと思うんです。
 やはりそこには、一回限りの試験で大学の合否をやるということになりますと、どうしてもいわば受験をする子供たちにもある大学のところを先鋭化する、そこに塾がぐっと入ってくる。そういう中で、子供たちに対して幅広く高校時代に授業あるいは勉強するという、そういうふうなゆとりというんでしょうか、そういうものが狭まってきた。だから多様に、一つの一次試験というそういうものをやりながら、少しはやっぱり、一回だけじゃなく、二回チャンスがあるんだぞという中でのコンペティションのあり方を変えようという意味での効果はあったような気がします。
#51
○福本潤一君 さまざまな形で入試は青少年の精神衛生にも悪影響も含めて与えている。特にストレスが過大になると自殺者も出てきたりするというようなことが具体的にございます。
 それで、基本的に入試方法を変えたから要するに競争がなくなる、そういったものじゃないと思うんですね。だから、ある意味では、例えば成績評価ではなくて、今度は学力以外に徒競走や何かして、昔我々も駆けっこのときに一、二、三と順位をつけたのを、順位をつけるのはおかしい、例えば、みんなよく走りましたね、パチパチパチというような形の状況になる。そういう形での対応の仕方。また、入試が方式を変えたから競争がなくなるというふうに錯覚を覚えるのは、またそれは逆に問題で、むしろ成績は成績としての優秀さ、また駆けっこの速い子は速い子という形でさらにレベルアップしようとかいう形で話を持っていかないと、変に方式を変えただけで解決するという問題じゃない。
 競争ならば、どういう形でその入試をして、その大学また高校、どういう人材をまたさらに高等教育しようと思っているのかという形で考えていけばいいというふうに思うわけです。むしろ、ストレスを乗り越える力もつけていく、または先ほどの国民会議で、生きる力、そういったものの力、そういったものを乗り越える力というものをつける教育の方が大事だろうというふうに思います。
 ということで、具体的な問題として、共通一次テストの評価、とりあえずは聞きましたけれども、高校入試のときに今度はボランティアを評価に入れようとか、総合的選考をしたらいいというような形での今意見がかなり多くのところで出てきているという問題がございます。教育改革国民会議等でもそういう議論をされています。
 そういうときに、現場でそういったものを成績評価、入学選考に入れることは、いい子を強いるだけだし、逆にまた問題は大きいよという話が出ています。
 例えば、これは神奈川県で県立高校の入試等々をやるときに、こういうようなことが具体的にあります。T高校としておきます。生徒会の執行部を経験すると三点、ホームルームの学級委員で一点、部活はしているだけだと二点だが部長になれば三点というような形の成績評価。また、各種の大会で優秀、優良な成績をおさめれば最高八点。資格では、英検一級を取っておると八点とか二級でも四点、アマチュア無線で二点。さまざまな形で新しい方式が出てきているんだなと思います。
 それで、今度はボランティア活動をしていると何点とかというような形で、具体的にやるときに入試のためのボランティア、ボランティアの本来の精神とも反するわけですけれども、そういう形で現実に入試評価が総合選抜でやられている現状の地域もかなり出てきていますので、そういう入試評価に対するそういうボランティア得点とか、そういう特殊な項目の得点というものに対してどうお考えか、それをお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(大島理森君) 神奈川県の入学者選抜で、九年度から総合的選考に当たって今委員が御指摘をしたようなことを行っているということは伺っております。
 選抜方法の多様化というのは、これはあって私はいいことだと思っております。その人の個性や能力を多面的に評価するという基本姿勢は、私はこれからある意味では進めていかなければならないことではないかと思うんです。
 ただ、ボランティアとか、先ほどから私が申し上げた、一面そういう社会性というものをこれからうんと子供たちにつけてもらいたいということを、そのために我々は教育という世界の中でどうしたらいいかということを私申し上げましたが、それは評価のためにやるというよりは、ある意味では全人的な立場から全人像を考えたときに、そこは足りないからうんとそこは身につけてほしいという思いの中でそういうものに積極的に取り組む心を育てていくという面があって、そういう面を単純に点数だけで評価することがいいのかどうかということについては、なかなかこれは難しいだろうし、それを、それは結構ですから大いに進めてくださいというふうには今私の立場ではちょっと言いにくいなという感じがいたしております。
#53
○福本潤一君 さまざまな形で競争で入学者を数ある中から選ぶ。くじでやる以外ですと、さまざまな形での評価があるんでしょう。また、くじでやったらくじでやったで問題があると思います。
 私も、大学へ勤めているときに、入学者選抜方法検討委員会という委員会で、一次テストと二次テスト、また総合評価がどういう関係にあるかとか、コンピューターでデータ処理が回ってきて、研究者の足しになるような形で補助してもらったりしたことがありますけれども、基本的にどういうような方法でやるかというのは非常に大きな問題だと思います。
 特に、ボランティアというのは、ある意味では奉仕活動という精神でございまして、自分の利益のためにこれをやっていますよと見せつけて、お互いに競争し合うというような形でやったときに、その精神というのは非常にゆがめられていくという問題が起こると思います。
 それで、入試形態、いろいろな形でやる、またさまざまな学力がある人、また一芸に秀でた人、やるのはいいのでございますけれども、と同時に、総合評価をしようとするときに今度は推薦入試というのもかなり出てきます。
 私ども、推薦入試という入試作業をやり出したときには大変な状況がやはりございまして、点数をつけるわけですから、点数をつけるときに、ある子に何点というような評価をつけるときに、例えば後期試験で十人を選抜するというときに、推薦入試だけで決めるとやったときには受験者が殺到いたします、実際。四百人ぐらい来て、急に四十倍の倍率とかいうようになるわけです。四百人の人から十人を選ぶ推薦入試というのは何があるのかというのが現実の現場での状況です。一人やる時間帯でも二分以上やれません、四百人の方が入試に来られると。
 ということで、推薦入試もある時点で三割以下に抑えようとか、それ以上を推薦入試すると、あの子は推薦入試で入って、私はこれだけの過酷な状況ですというような話まで、推薦入試を受けて進める子とそうでない子というものの差別の問題がまた出てきたりしています。
 ですので、情実が入るとこれはまた違法な問題で、現実起こってくるということがございますので、今文部省がやられている推薦入試というのは国立大学また高校でも入っていますけれども、どのような現状認識を持っておられるか、それをお伺いしたいと思います。
#54
○政務次官(鈴木恒夫君) お答えを申し上げます。
 福本先生、私は一九四一年生まれで戦後教育のはしりの教育を受けた者でございますが、我々のころの生徒の能力に比べて今の生徒の能力は私はもう格段に今の方がすぐれていると思っておりますが、問題は、知力偏重あるいは画一化といいますか、そうした傾向は否めないと、そこに大きな問題を私は見出しております。
 そうした子供たちの全人教育を推進するという意味で、そのために入試選抜制度というものをどう変えていくかと、この視点に立っての御質問と思いますが、そうした意味では、地方分権の思想も背景にあって、かなりいろいろな選抜方法の多様化と選抜尺度の多元化というものが進んでおることは事実でございます。
 例えば、小論文、作文の実施などということももう四十二都道府県で実施をされていると文部省は承知をしておりますし、英語のヒアリングテストも全校でやっておるのはもう四十四都道府県にも上がっている。
 推薦入学について非常に難しい問題点があると思いますけれども、要はそうした制度を入学制度の中に重点化していくということが、学校教育の特に生徒自身にとって、やっぱり頭でっかちではいい学校には行けないぞという気構えを持たせるという意味では望ましいことだと私は考えております。
#55
○福本潤一君 さまざまな形態の入試がありますので、また文部省としても今後、共通一次テスト以来、国立大学の入試を一手に権限を握って、ある意味では文部省の権限はあの試験が入ったことによって強まったんじゃないかというぐらいの変化がございました。ですので、この入試に対する総括も含めて慎重にやっていただければと思います。
 と同時に、大学、また教育機関というのは、やはり最大の教育環境は教師である、また国立大学を含めて大学教官、高校の待遇改善に比べてはるかにおくれているという現状もございますので、きょうは詳しくやる時間はございませんけれども、その点についても御配慮、御検討をいただければと思います。
 と同時に、科学技術庁、全然質問できないままでいきますと私としても残念でございますので、一問だけさせていただきますと、科学技術会議政策委員会の方で四つの部門に予算をつけると。ライフサイエンス、情報・通信、地球・環境、物質・材料、さまざまないい前提はあるとしても、具体的にこれがどういう形で出されていくのかということをお伺いしたいと思うんです。
 よく大学で学科を新設するときにキーワードというのがございまして、今新設するときは国際、情報、環境、バイオという学科名をつけると新設できる。急に環境という名前がついて、建設工学科でも環境建設工学科とか、何でも環境がついて差がよくわからないぐらいの状態になっていますけれども、この四つの方面で予算がついた。具体的にどういう形でどれぐらいの予算がついて、具体的にどういう形で研究者に影響を与えているのか、それをお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(大島理森君) 基本的なことだけ申し上げて、もし具体的な金額が必要であれば、お許しいただければ参考人から答えさせていただきます。
 いずれにしても、ライフサイエンス、情報・通信、それから地球・環境、物質・材料、もちろんまずこの四項目について重点的に我々はこれから要望してまいりたい、このように思います。
 ライフサイエンスの中にはバイオインフォマティクスやたんぱく質、特にたんぱく質の構造、新しい医療技術、遺伝子組みかえの安全性、こういう項目を重点的にしてまいりたい、こう思っておりますし、情報・通信に関しては、もちろんデジタルディバイドの是正にもつながるヒューマンインターフェースの技術、情報セキュリティーの技術、地球・環境の分野では、化学物質のリスクの極小化、管理を実現するための技術、物質・材料分野ではナノ融合物質、そういうものを中心にこれから積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 そして、このことを各省庁にきちっと徹底し、またそのフォローアップを今度はまたする、そういう中でそういう重点の絞り込みをしながら戦略的に物事を進めてまいりたい、こう思っております。
 もし具体的な数字等々が必要であれば、また後ほど、後日ちょっと資料をお届けさせます。
#57
○福本潤一君 終わります。
    ─────────────
#58
○委員長(佐藤泰三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石田美栄君が委員を辞任され、その補欠として佐藤泰介君が選任されました。
    ─────────────
#59
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。大島文部大臣並びに科学技術庁長官に質問をいたします。
 まず初めに、野外スポーツの事故防止についてです。
 八月六日、群馬県湯桧曽川で埼玉県のサッカー少年団が鉄砲水に流されて一人が亡くなり、六人が重軽傷を負う事故が起きました。心から哀悼の意を表し、お見舞いを申し上げます。
 日本共産党としても、八月七日、現地に伺って現場を視察し、町役場などから、関係者から話も伺ってまいりました。
 また、昨年は神奈川県の玄倉川で十三人が犠牲になるというキャンプ事故が起きております。私も、昨年、ことしと現場に視察に行ってまいりました。
 そこで、キャンプを初めスポーツ振興法の言う野外活動の普及奨励を進めている文部省として、建設省など関係省庁とも連携をして事故原因の究明にも努めていただきたい。そのことを要望しながら、野外スポーツ活動の事故防止について質問をします。
 一つは、野外スポーツを安全に楽しむための啓発、啓蒙を強める問題です。この点で、関係者に対してさらに徹底する必要があるのではないでしょうか。
 それから二つ目に、その上でも野外スポーツ活動の専門的な知識と技能を持った指導者の養成と配置、研修の一層の推進が大事になっているという問題です。
 日本キャンプ協会も昨年の事故以来こうしたパンフレットをつくって全国でも配布をされておりますし、神奈川県野外活動協会も今玄倉川では啓蒙活動をされております。神奈川県もこうしたパンフレットを出しているわけですが、こうしたものもぜひ支援をして全国的に展開を進めていただくということが必要だと思うんです。
   〔委員長退席、理事野間赳君着席〕
 それから三つ目に、各省庁とも連携をしてキャンプ地周辺など総点検をして、危険箇所などを調査しての必要な措置を講ずるべきではないかというふうに思いますが、以上の三点について、制度の充実やあるいは予算の確保など含めて伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(大島理森君) まず、畑野委員にお答えをする前に、この六日の谷川岳の鉄砲水によってお亡くなりになった皆様方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された皆様方の一日も早い御回復を願っております。
 今、委員から数々の御指摘をいただきましたが、まずその前に、私どもは野外活動あるいは体験学習というものを積極的に進めてまいりたい。そういう中で、よりよい効果を上げるために、安全性を確保するためにどういう環境をつくるかという観点からの御質問だと伺っております。
 したがいまして、文部省では、まず野外活動指導者研修会の講義、実習において安全対策を取り入れていかなければなりませんし、今日までも取り入れてまいりましたが、一層今の痛ましい事件を契機に充実してまいりたいと思っております。
 それから、やはり野外活動者の養成事業を積極的に進めながら、優秀なしっかりした指導者を確保していくということが大事ではないか、このように思っております。
 いずれにしても、委員御指摘のとおり、各省ともよく連携をさらにとりながら、環境庁や建設省あるいは気象庁、そういう皆さんとも連携をとりながら、できるだけこういう事故のないようにいたさなければならないと思いますが、基本はやっぱりまたそういうところに行くに当たってリーダーの方々が、やはり自然というのは絶えず何が起こるかわからぬよという、そういう非常に自然に対して侮るのではなくて心構えをきちっと持っていただくこともまた大事なことではないか、このように思っておるところでございます。
#61
○畑野君枝君 大島大臣もおっしゃったように、二十一世紀に向けて自然と交わる野外活動、これが国民にとって一層大切な活動になっていくというふうに思います。そういう点でもぜひ支援を強めていただきたいというふうに思います。
 次に、三十人学級について伺います。
 五月十九日に教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議の報告が出されましたが、多くの保護者、教職員が期待した三十人学級については、学級規模と学習効果の相関について、学習効果の上での適正規模等に関する定説的な見解が見出せない、つまり学習効果があるかわからない、こういう理由で現行どおりの上限四十人としております。そして、学級と学習集団を別にして、学習集団は習熟度別ということにも触れながらしていこうということでございます。
 しかし、学習効果があるかないかということだけで今の子供たちの現状に対応できるのか、この点では三十人学級をぜひとも進めていく必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#62
○政務次官(鈴木恒夫君) 私からお答えをさせていただきます。
 畑野先生も私も同じ神奈川県で教育を受けた者でございますが、世代は大分違いますけれども、私どものころは、小学校、中学校、五十人、六十人規模の学校教育を受けた。生徒の数が多ければ多いだけまたおもしろいのもおりまして、一律に決めつけるわけにはまいりませんけれども、しかし欧米の教育の現状などを見れば、できるだけ少人数で先生の目の届く教育を受けるというのは主流的な見解になってきていることを承知しております。
 しかし、財政の問題を初めとしてさまざまな条件がございますので、我々文部省は、当面は一律に学級編制の基準を引き下げるというのではなしに、少人数の学習集団をつくって、そうすれば先生方が、先生が減らないように我々はこれから頑張りますから、余ったと言うと失礼ですけれども、複数の先生方が少人数の学習別集団に次々と顔を出して子供を教えると。子供の目から見ればいろんな先生に教わるチャンスもあるわけでございますから、当面はそうした方向で工夫をしていきたい、こう考えているところでございます。
#63
○畑野君枝君 当面はというお話がございましたが、もともと三十人という学級定数の御要望というのは、国民の皆さんの要望と財政状況の接点ということで、教育学会などは昨年、二十人を適正と打ち出すなど、もっと少人数のクラスの効果があるんではないかという主張もされているわけです。
 ですから、おっしゃったように、三十人学級、三十人以下、あるいは少人数学級については世界の流れでもあるわけでございまして、これは教師も、それから校長も教育委員会からも要望として出されていることでございますから、ぜひ国が責任を持って実施するように進めていただきたいというふうに思うんです。こういう点ではこの委員会でも、かねてから私も申し上げましたが、ぜひ小委員会を設置して審議を深めていただきたいというふうに思います。
 その点で教科以外の時間というのも大変重要でございまして、非常勤で済ますというのではなくて教職員の配置を正規で行う、特に若い教師の採用というのも正規で行うべきではないか、そのためにも三十人学級をと願うわけでございます。
 例えば、文部省科学研究費補助による教員の年齢構成と教職活動、教育効果に関する研究調査というのがございますけれども、例えば千葉県全体で二十歳代の教員が一人もいない小学校の割合は三六・六%、二十歳代の教員が一割以下の学校は六一・四%、これでほとんどだという、まさに首都圏では若手教員が極端に不足をしているということが浮き彫りになっております。
 同時に、非常勤でありますと、早朝ですとかあるいは放課後の活動という点では、指導という点では何の保障もないということでございます。
 それから、あわせまして、保健室の養護教諭の複数配置を初めとした増員の問題です。これはある高校ですけれども、二十クラス七百人の学校ですけれども、一日一日の保健室に来る生徒の数を調べますと三者面談、この前になりますと、もう急激にカーブがふえまして一日九十人来室をする、これを一人の養護教諭の方が見ていらっしゃるということですから、その方たちから、今を必死に生きている子どもたちの体と心をしっかりと受けとめていくという点でもぜひ複数配置を含めふやしてほしい、こういう声が出されております。
 今後、第七次定数改善計画ということがありますので、ぜひ進めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#64
○国務大臣(大島理森君) 先ほど総括政務次官がお話しされたとおりでありますが、一方、私どもはやはり第一に財政負担の問題があるということもよく御承知ください。
 現実の行政、政治を考えるときにその問題にもしかと目を向けた上で、今我々がやろうとすること、あるいは委員が御主張されていることを考えないと無責任な形になりますので。三十人学級を全部施すということに相なりますれば約一兆円かかります。半分半分として国が五千億、地方が五千億ですというふうな実態も我々は踏まえなきゃなりません。
 しかし、そういうふうなことを踏まえつつも、先ほど総括政務次官がおっしゃったように、これから、来年度から始まる五カ年計画で私どもが今予想している、計画しているとおりに何としても進めなきゃならぬと思いますが、そういうことの結果としてどういうことになるかというと、有馬委員にもお答えしましたように、欧米並みのかなりの実態が浮き彫りになりますということを申し上げたいと思います。
 それから、二十代の若い先生が足りないという御指摘がございましたが、私は、確かに若い先生の力というのも必要でありましょう。しかし、今働いておられる一番のピークは四十代の先生方でございます。働き盛りと言っていいんでしょうか。むしろ、今の先生方に今の教育の問題をしかと踏まえ、勇気と誇りを持って頑張ってもらうということもつけ加えて、何でも若ければいいという発想では私はいけないような気がするんです。
 ですから、もちろんそういう指摘は指摘としてちょうだいしますけれども、今頑張っておられる先生方にしっかり頑張ってもらおうという環境とエンカレッジをしていくことが教育行政のまた忘れてはならないことだということも、ちょっとお伺いしていて申し上げなきゃならぬなと思って申し上げました。
#65
○政府参考人(矢野重典君) 非常勤の問題と養護教諭の問題について私から御答弁させていただきます。
   〔理事野間赳君退席、委員長着席〕
 教員の定数措置につきましては、これは委員御指摘のように、常勤教員で対応するということが基本でございます。しかしながら、例えば特定教科を担当する教員の担当授業数が極めて少ない場合など、教員定数を有効に活用して多様な教育活動を展開する、そういう観点から、地域や学校の実態に応じて必要がある場合に常勤教諭にかえて非常勤講師を配置できるようにすることが必要であるわけでございまして、このことにつきましては中央教育審議会の答申においても既に指摘されているところでございまして、文部省といたしましては、そうした措置が可能になるような必要な制度改正を検討してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、養護教諭でございますが、養護教諭につきましては、救急措置あるいは保健指導などの従来の保健室における職務のみならず、今後は児童生徒の心身の健康問題等さまざまな場面で専門性を生かした相談活動や指導等にも適切な役割が期待されているところでございます。
 文部省といたしましては、このことを踏まえながら、養護教諭の定数改善を含めました新たな定数改善計画をスタートできますように、現在具体的な準備を進めているところでございます。
#66
○畑野君枝君 若い教員の問題でございますけれども、これはこの委員会の中でもかねてから論議がございましたように、やはり教育現場を維持していくという点では本当に働き盛りの教員も頑張っていただく、同時に若い教員も大いにこれは一体となってやっていただくということは当然だというふうに思います。
 今、不登校が十三万人、いじめやあるいは子供たちの荒れという、こうした子供たちの置かれている実態からも親身に対応できるような教職員の増員が求められております。特に、三十人学級は毎年二千万人以上の請願署名が出されておりまして、多くの国民の願いでございますので、ぜひその方向で努力を進めていただきたい、このことを申し上げて、次にまいりたいと思います。
 総理大臣の私的諮問機関である教育改革国民会議の第一分科会の報告の中で、満一年間の奉仕期間として義務づける、こういうことが言われて、具体的方策の例として、将来的には満十八歳すべての国民に一年間の奉仕期間を設定するということが言われております。
 この点については、文部大臣、大島大臣、どのようにお考えになるか、伺います。
#67
○国務大臣(大島理森君) 先ほどから申し上げておりますように、私は、今子供たちの世界のみならず日本社会全体と言っていいと思います、我々のことも含めて。孤立の孤の世界が広がっている、社会性がなくなっている、社会性をどうやって身につけるかということをそれぞれに考えなきゃならない。
 私は、もう少しちょっと申し上げますと、今時、自由主義、市場主義あるいはグローバリズム、そういうふうなことが毎日のように言葉の中にあって、改めて日本人は、個人、つまりよき市民、ある意味ではそういうものが本当に問われているような気がするんです。もっと言いますと、自由というのは社会の中にあって自由であろうと思います。
 そういうふうな意味におきまして、社会性をどう身につけるかという中で奉仕活動というものに対して体験学習するということは私はとても有意義だ、このように思っております。
 義務化を云々ということを国民会議で言っているがということですが、私は、結果として多くの子供たちがそういう奉仕活動の体験をする、あるいはまた何らかの形でそういう崇高な志を知っていくということはとてもいいことだ、このように思っておりますが、具体的にこれをどのようにするかということはまだ私どもの中にはございませんけれども、また国民会議そのものが私的諮問機関ですから、私的諮問会議、これからどういう最終答申が生まれ、そして内閣としてそれをどういうふうにしようかというときに文部省としての意見も申し上げなければならぬと思いますけれども、奉仕活動そのものについての私は教育的な効果、意義、そういうものに参加し体験することの意義は大いに評価している一人であります。
#68
○畑野君枝君 私が問題にしたいのは義務化、この問題でございます。その義務化についてはいいというふうにはおっしゃいませんでした。
 「個人の尊厳を重んじ」、あるいは「個人の価値をたつとび」、自主的精神に満ちた国民の育成、あるいは「実際生活に即し、自発的精神を養い」、こう書かれているのが教育基本法でございます。まさに自主的精神、これが根幹であるというふうに思いますが、奉仕期間の義務づけというのは、これは教育基本法に反するということになるのではありませんか。
#69
○国務大臣(大島理森君) 義務づけとは言っていませんね。義務化ということを言っているとすれば、要するにそういう奉仕活動に対する、体験して学習をし、高い志を学ぶということは、私どもはそれは大変いいことだと思います。したがって、大いに進めてまいりたいとは思っております。
 国民会議でおっしゃっている義務化とか義務づけということについては、具体的にどういう答申が来ますか、そういうときにおいてまたしかと勉強してまいりたいとは思いますけれども、文部省としては積極的に進めてまいりたい、こう思っております。
#70
○畑野君枝君 奉仕活動は、当然、ボランティアですから自主的にやるということですね。やっぱりきちっとそういうことについては、教育基本法の立場で大臣がしっかり進めるということは私は大事だということを申し上げて、時間がありませんので、最後の質問をさせていただきます。
 防災基本計画の原子力災害対策編がことしの五月に改定されました。これを受けて、神奈川、青森、長崎、沖縄を初めとする十四都道県から成る渉外知事会からも要望が出されております。原子力艦船の原子力災害に対する対策でございます。これについては当然国としても財政的にも支援を進めていくというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(大島理森君) 第一点は、委員も御承知のように、それは原子炉等規制法の対象にはなっていない、法体系として、ということは一つ申し上げたいと思いますが、モニタリングその他において、科技庁としてやれることをやっていくという立場から努力をしてまいりたい、こう思っております。
#72
○畑野君枝君 横須賀市が原子力軍艦事故防災マニュアルの作成をされましたけれども、これについてはいかがですか。
#73
○委員長(佐藤泰三君) 答弁は簡潔に願います。時間ですから。
#74
○政府参考人(今村努君) 原子力事故防災マニュアルにつきましては、いずれにいたしましても、今後、横須賀市が先般改定されました防災基本計画を踏まえましてみずから地域防災計画の修正を進められると、このように理解いたしております。
 科学技術庁といたしましては、地域防災計画が今後修正される、それに当たりまして関係自治体からの技術的な御相談があれば、それに積極的に対応してまいりたい、このように考えております。
#75
○畑野君枝君 マニュアルも当然そういう地域防災計画に生かされていくということでよろしいですね。
#76
○政府参考人(今村努君) 一つの重要な資料だというふうに考えております。
#77
○畑野君枝君 終わります。
#78
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部禧代子でございます。
 新文部大臣、科学技術庁長官、初めてお考えを承ることができるときょうは楽しみにして参りました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ところで、森首相は、その所信表明演説におきまして、教育改革というものを日本新生プランの重要な一つの柱と位置づけていらっしゃいます。そしてまた同時に、思い切った改革、単に改革ではなく、思い切った改革が必要だというふうにもお述べになっていらっしゃいます。
 文部大臣は、この総理のお言葉、特にその思い切った改革ということをどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。既に今まで文部省もかなり思い切った改革をお進めになっているというふうに思っておりますし、私どももそれに本委員会の委員の一人といたしまして携わらせていただいているというふうにも思っております。
 そういうことを含めまして、文部省がこれから進めていこうとしている教育改革と、この森首相の今回の所信表明演説におかれて述べられていらっしゃいますこの思い切った改革というものの関連性ということも含めて、お考えをいただきたいと思います。
 それから、もう一つ欲張りましてお尋ねを同時にさせていただきたいのでございますが、先ほど大臣、ケルン・サミットのことにお触れになりました。ケルン・サミットにおきまして、本当に教育の問題が議題になったというのはサミット始まって以来のことだというふうに思っております。そのことの意義は非常に大きいというのは私も大臣と同意見でございます。
 ところで、私、この間、六月二十六日から七月一日までジュネーブで開かれました国連社会開発の特別総会に出席いたしましたけれども、そこでIPU、国会議員の会でございますが、開いておりました幾つかのシンポジウムの中の教育のところに私は出席いたしました。
 そこで改めて感じたのでございますが、教育というのは非常に大きな、これは世界的な課題だなということが一つございます。しかし、それと同時に、これは余りにも先進国と途上国とにおいてこの教育の問題というのは違いがあり過ぎるということでございます。それと同時に、先進国の中でも、クリントン大統領あるいはイギリスのブレア首相が教育ということを非常に重要視しておりますが、それぞれに違っております。教育が重要であるという観点においては共通認識でございます。
 それでは、日本は先進国の一国でございますが、その中でもどういうところが他の先進国と違うのか、そういうことを含めまして、この三つの観点から、大変欲張った質問ではございますが、よろしくお願い申し上げます。
#79
○国務大臣(大島理森君) 総理が抜本的に改革を、見直したいと、こうおっしゃった根底には、もちろん教育基本法も視野に入れつつ、いろんな議論を呼び起こし、そして今日ある問題をいろいろと分析し、そしてあるべき姿を追い求めたい、その目標は心豊かな美しい国家をつくりたい、そこに新しい教育のあり方というものを考えていきたいという思いで、私は総理の大きな決意、思いをお話しされたものと、このように思います。
 それを受けて文部省は何を考えているんだということでございますが、私は、先ほど来申し上げましたように、子供たちというものが、一方には高度技術産業社会、堺屋長官流に言えば知価社会というものが一方においてどんどんどんどん急速な変化と発展を遂げている。しかし、そういう中にあって私どもは、子供たちに、そういう社会性をきちっと踏まえながら、二十一世紀にしっかりとたくましく生きる力をつけて頑張ってもらいたいという、そういうことを目標にして、今、私どもの合い言葉は学校新生プラン、そういうふうなもとで具体的な施策に取り組んでおります。
 それは、先ほど来議論にあったように、一つは学級編制のあり方、あるいは心の教育、そしてまた教室の態様、IT教育ということも踏まえながらそういう問題、そして先生方をそういう中にあって意欲があるようにしていきたい、文部行政の具体的な目標としてそういう四つの項目を設けながら頑張ってまいる所存でございます。
 さて、ケルン・サミット以来、世界との日本の教育の比較ということを今お話しされました。まさに私は、ケルン・サミットで教育問題が一つのアジェンダとしてきちっととらえられ、そして宣言の中に盛り込まれるということは、先進国すべてが、ある意味じゃ共通した問題で悩んでいるところもあるし、各国それぞれ独自の問題で悩んでいることもあるでしょう。しかし、どうやら教育という問題をみんなで話し合いながら、先進国の中で意見交換しながら、お互いに結論を出そう、頑張ろうということは非常に大きな今の我々に対する問題提起だという意識は日下部委員と同じでございます。
 そういう中にあって、発展途上国とのギャップというものを先進国としてどう考えるか、こういう問題も非常に大きな問題で、例えば今度のサミットにおいてデジタルディバイド、そういう国際化のデジタルディバイドという中で日本はそういうことにしっかりとした対応をしようという結論を出しましたが、私は、ささやかな私の経験からいたしますと、やっぱり環境庁長官をやったときも感じました、副長官をやったときも感じました、地球というものの視野で、我々は先進国が今、確かにIT競争だ、あるいは高度技術産業の競争だと、そういう状況の中で、発展途上国あるいはまた大変苦しんで今頑張っておる国々に対して思いやりを持つという基本的な精神を国の政治の中でも持たなきゃならぬし、あるいは教育の世界においても、そういうふうなことをどのように子供たちにお互いに共有する問題として持っていただくかということは、先生の御指摘のように考えていかなければならない問題だと思っております。
 いずれにしても、教育改革という問題の背景には、多分教育に課せられた課題というのは、普遍的な人格像、こういうものを追い求めたいというその仕事と、もう一つは時代の要請に合ってそれにこたえる子供たちを育てるということが仕事だとするならば、私たちは社会の変化、つまり戦後間もなくの日本が置かれていた環境と今の環境を考えた場合に物すごい大きな変化がある。そして、少なくとも先を見た場合に、先の変化も推測されるとするならば、そういうものを踏まえて今教育の改革に取り組まなければならないという、不断の改革に取り組んでいくというのが我々の責務ではないか、このように私は思っております。
#80
○日下部禧代子君 ありがとうございました。
 私も大臣のおっしゃいますこと、本当にもっともだというふうに思います。でも、私が考えますに、やはり一言で言えばどうしてこのようにサミットにおいても一つの重要な課題というふうにして提示され、あるいは今世界が教育問題に対して取り組もうと言っているかというのは、新しい世紀、つまり二十一世紀を迎えるに当たって、二十世紀がどういう世紀だったか。確かに、十九世紀後半からの科学技術の発達、そういったものは目覚ましいものがございました。その中で、やっぱり人間というのは何なのか。安全保障もいわゆるヒューマン・セキュリティー、人間の安全保障という言葉が今や一つのキーワードでございます。そういう中で、私は人間の復活、そのことに対して世界が二十一世紀に向けてようやく目を開いてきたと、そのことの私は一つのあらわれでもあるのではないかというふうに受けとめているところでございます。
 ところで、思い切った改革、森首相のおっしゃいます改革の中に、今大臣がお触れになりました教育基本法の抜本的な見直しの必要性ということが思い切った改革の中の一つとして位置づけられているというふうな御認識を今承ったように思うわけでございますが、これは文部大臣も同意見でいらっしゃいますか。
#81
○国務大臣(大島理森君) 大臣就任以来、私も同じような趣旨を申し上げて、議論にタブーがあってはいけないということを申し上げておりました。したがって、大いに議論をしていただき、そしてそういう中で得た結果について、できればそれを政治日程にのせていくということが必要ではないか、このように思っております。
#82
○日下部禧代子君 その教育基本法の抜本的な見直しの必要ということの理由の中に、その一つとしてやっぱり日本の文化、伝統、それから道徳というふうなことが触れられねばならないというふうなことがよく言われているのでございますが、改めて学習指導要領を見てみますと、例えば道徳教育の項でございますが、道徳教育は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かし、豊かな心を持ち、個性豊かな文化の創造と民主的な社会及び国家の発展に努め、ここに国家が出ております。進んで平和的な国際社会に貢献し、未来を開く主体性のある日本人を育成するため、その基盤としての道徳性を養うことを目標にしているというふうに、これは小学校の学習指導要領でございますが、中学の学習指導要領の道徳教育の目的というところでも既に教育基本法をもとにしてというふうに出ているところでございます。ですから、既にもうそういう重要な問題というのは教育基本法に述べられている、盛り込まれているのではないかというふうなことを私は思うわけでございますが、その点に関していかがでございましょうか。
#83
○国務大臣(大島理森君) 私自身の意見を今求められておりますのでお答えを申し上げますが、例えば国民会議では、国家や郷土、伝統、文化、家庭、自然の尊重などが抜け落ちているとの意見や、あるいは生涯学習でありますとかと、こう書いてあります。
 そこで、例えば昭和二十二年、あの教育基本法ができたときの、そこには確かに一生国民は教育を受ける場をつくるように努力しようというふうなことが書いてあります。しかし、当時の生涯教育、その当時の教育基本法に書いてあることを生涯学習とするならば、生涯学習の持つ意味合いが昭和二十二年のときと今とはかなり違うんだろうと思うんです。
 と申しますのは、労働の流動化やそういう側面も踏まえながら生涯学習というものがどうあるべきかということを根本的な教育基本法の中にきちっと位置づけるという議論も起こって当然かなと思ったりもしますし、あるいは国際社会の中における日本ということを、この一点だけを考えても、昭和二十二年のときに日本国及び日本国民に期待されているものと、今我々が世界に、先ほど開発途上国の問題が出されましたが、そういうふうな問題と、やっぱり大きな変化があるとすれば、憲法の範囲の中においてそういうことを改めて議論し、ここはこういうふうにしたらいいんじゃないかという議論をすることには私は何らちゅうちょがあってはならぬと思いますし、そういう視点からも教育基本法の議論あるいはそういうものについてのそれぞれの皆様方の御意見というものを大いに戦わせ、そして得た結論を、やっぱり新しい時代に合わせてこうあるべきだということを得たならば、そのときにそのことを政治日程に上げることは、私はあってもよろしいことだと思っております。
#84
○日下部禧代子君 そういたしますと、今の大臣のお言葉でございますと、やはり基本法、生涯学習という言葉そのものあるいは国際社会への貢献、そのことの意味が大分違ってくるとおっしゃったんですが、それは何も基本法の言葉を変えなくてもよろしいわけで、どのようなことを意味しているのかというのを議論すればよろしいわけで、基本法の言葉を変える必要はないと思うんです。
 そこで、もしお変えになるとしましたら、基本法そのものを、現行法を廃止するのか、廃止して新たな立法を行うというふうにお考えになっていらっしゃるのか、あるいは部分改正というふうなことをお考えになっていらっしゃるのか、あるいはこの教育基本法を改定なさるということでございますが、それはどのような手続を経て議論を進めようとなさっているのか、あるいは中教審にもう御諮問なさっていらっしゃって、そしてそれがどの程度のところまで今議論がいっていて、そしてそれをどのように受けていくのかということも含めましてお伺いさせていただきます。
#85
○国務大臣(大島理森君) この教育基本法の議論は主に今国民会議がやっているわけでございます。あくまでもこれは総理の私的諮問会議ということでスタートいたしました。したがって、そこで中間報告が出、最終的結論が出て、それを総理が受け取り、そしてそのことを内閣の中で多分議論する機会があるんだろうと思うのでございます。そういう場面に備えて我々としても勉強はいたしますが、今文部省自体の中で中教審にかけているのかということは、そういうことはございません。そういう幅広い議論をしてもらうということで、国民会議が中心になってやっているという事実だけを申し上げたいと思います。
#86
○日下部禧代子君 それでは、あと三分ぐらいいただいているというふうに思うのでございますが、ひとつ別の観点から御質問をさせていただきたいと思います。
 やはりこれも今進められていることでございますが、大学の問題であります。大学の独立行政法人化の問題でございますが、これは私、民間のある雑誌、名前を、タイトルを言った方がいいと思いますが、朝日新聞社から出ております「論座」という月刊誌の九月号、これは文部省の工藤高等教育局長のインタビューも一緒に掲載されている九月号でございますが、ここで国立九十九大学学長にアンケートをしております。その結果が発表されております。九十九の大学のうち九十大学の学長がお答えになっていらっしゃいますが、これは民間の調査でございます。そこで当事者の国立大学の学長の意見を聞いているわけでございますが、文部省としてこのような調査をなさっているのでございましょうか。それが一点でございます。
 それから、この民間の今私が申し上げた調査によりますと、独立行政法人化というのはプラス、マイナスどちらとも言えないというお答えをなさっている国立大学の学長が七二%を占めているわけでございます。マイナスあるいは大いにマイナスになるという方々が一五%、プラスになるという方は一三%、一番少ない割合なのでございますね。
 その理由として、なかなかどちらとも言えないというものの理由として、具体的な制度設計が示されていないから判断が難しいというふうなお答えが非常に多うございます。それと同時に、マイナスということの点でも、どういうところがマイナスになるのだろうかということも含めて、不安と懸念が非常にこのアンケート調査を拝見いたしますと多うございます。特に、それが行革本部のペースで進んでいるんじゃないかとか、あるいは競争原理、効率というものが果たして大学の自主性、自律性というものをきちんと守ることができるのか、あるいはまた地方の大学というのが非常にこれは危惧を抱いております。それと同時に、もう一つ、教育関係の大学が非常にこれは危惧を抱いているという、そういう結果が出ております。お目をお通しになっていらっしゃると思います。文部省の局長がちゃんとコメントをなさっていらっしゃるものでございますから。
 今、私がかいつまんでこの結果を申し上げましたけれども、その点を含めまして、私はきょうは含めましてというふうなことで大変失礼で、まとめてしまって御質問させていただいておりますが、御意見をいただきたいと存じます。
#87
○国務大臣(大島理森君) 日下部委員のお話にあった「論座」は、大変申しわけありません、私まだ読んでおりません。局長がお書きになったということもありますが、すぐに読んで勉強させていただきます。
 いずれにしろ、独法化につきまして、確かに新しい大きな明治以来のある意味じゃこれは改革でございますので、いろんな不安といろんな思いと評価、私はあると思います。私もあちこちで国立大学の先生方と会いますと、基本的にやっぱり財政的な問題なんですね。一番の問題は、財政的にしっかりしてくださいということが第一点でございます。
 いずれにしても、そういうことを踏まえまして、十五年度までに独法化についてどうあるべきかという結論を出せというのが閣議決定ではありましたが、文部省としては平成十三年度中に、今委員がお話しされたように、各大学の先生方のオブザーバー、いろんな調査もしたり勉強したりしながらも、どうあるべきか、調査検討会議を今開催しておりまして、十三年度中に一つの指針、方向性を出していかなきゃならぬな、こう思って一生懸命やっておるところでございます。
 数々の御指摘いただいた点は、ある意味では議論の過程において出されたところでもございますし、なおそういう独法化のよさがぐっと御理解いただける、あるいは実行できるような形でどうあるべきか、私どももさらに研究して進めてまいりたい、こう思っております。
 いずれにしても、十三年度中には検討会議の取りまとめを予定しております。
#88
○田名部匡省君 十五分ですので、お答えは簡潔、明瞭にお願いをしたいと思います。
 大島大臣、このたびは御就任、大変おめでとうございました。地元でありますので、心から就任をお喜び申し上げたいと思います。また、鈴木政務次官、この間、甲子園の開会式で立派なごあいさつをされて、大変私も感銘を受けて拝見いたしておりました。渡海政務次官もいよいよ、昔は同じ安倍派で、お父さんには選挙のときも建設大臣でおいでいただいて、そんな関係で三人とも頑張っていただきたい、こう思います。
 スポーツの方は後にしまして、私は、中体連、高体連でスポーツをやっている限りは日本のスポーツは強くなりませんよと。それから、企業に依存し過ぎて、企業は景気が悪いものですから実業団、バレー、バスケット、アイスホッケー、どんどんやめていっているんです。そういう仕組みを一体本当に日本としてどうつくるかということがこれからの課題ですが、きょうはやめておきます。
 文部大臣、昔から知育、徳育、体育ということが言われてきた。言葉はわかるんですよ、知育、徳育、体育というのは。それから、教育は国家百年の大計だと。これも長いこと私も使ってきた。具体的に何をするかというと、余り中身がないんですよね。
 そこで、私は国の基本方針として、これは財源を伴うわけでして、国の中でみんな重要なことをやっているんですが、特に重要なものは教育なのか社会保障なのか、あるいは高速道路を初め公団が、特殊法人がやっている事業なのか。こういうことはやっぱり明確にして、人づくりが大事なんだということであればその分野に予算というものは配分していくべきだ。
 さっきも三十人学級の質問がありまして、財政負担が一兆円もかかるんだと。そのとおりだと思うんです。だから、大事であろうが何しようが、本当に国として今やらなきゃならぬということならば、よそを削ってでもやっぱりやらなきゃならないんじゃないですか。
 私はそれで特殊法人は原則廃止しろと。こんなに赤字を出して、そして一般会計から三兆五千億、特別会計から一兆五千億も出しているばかなことをやめれば、こんな財源はすぐ出てくるんですから。野中幹事長が今度は、私がうるさく国会で毎回言うものですから、それで言ったかどうかわかりませんが、今度は特殊法人に手を入れると、こう言っていますので、これはいい機会だと、こう思っているんです。
 そこで、大臣にきょうは基本的な、通告もしていませんし、議論をさせていただきたい。そういう意味で、一体国の基本方針にきちっと据えてやるべきかどうかという、この考えをまず伺いたいと思います。
#89
○国務大臣(大島理森君) 同じ地域の大先輩、尊敬する先輩から今いろいろな御質問をちょうだいしましたが、平成十三年度、まさに田名部委員がお話しされますように、教育あるいは科学技術、こういうものの重要性を政府全体としても認識いたしまして、いわゆる新生特別枠及び重点化枠の中に人材養成、そして科学技術という項目を入れ、まさにそういうプライオリティーをつけ、重点的にやろうという項目の中に文部省、科学技術庁の項目が入っているということは委員あるいはまた皆々様方のそういう御意見のたまものと、このように思っておりますし、まさに限られた財源の中で政治というのは政策のプライオリティーをつけ、決断し実行していくというその基本にあることには全く同感でございます。
#90
○田名部匡省君 何かが起きると対策に追われているという感じを僕は受けるんですね。例えば、このIT教育もそうでしょうし、いじめ、不登校、あるいは校内暴力だとか、最近は殺人事件まで起きてみたり、あるいは覚せい剤もだんだんふえているとか、こういう話を聞くと、何かそういうのが起きると一生懸命やる。
 基本的に教育というのはどういう社会人になってどういう人間でなければならぬか、ここを教育するのがもう基本的に大事なところなんですね。それをそんな枝葉の方に力を入れておっても、昔は読み書きそろばんと私たちが子供のころは言われまして、読み書きそろばんができればいいんだという教育も受けたんですね。ですから、どういう人間を育てるかということになると、どういう教師がそれに必要かと。
 一方、家庭の責任というのは私は大きいと思うんです。先ほども三歳から八歳までが大事なんだと。三つ子の魂百までといって、大事な時期に今家庭でどうやっているか。子供が一人か二人しかいないものですから、もう家庭教育がなっていないでしょう。そうやって大きくなっていくんですよ。
 そういう時代がずっと続いて、その人たちが今学校の先生になっておるんですから。何かうちであの子供と遊ぶな、あんなのと遊ぶとだめだとか、この子はいいとかと子供に教えて育って、学校の先生になったら、あの子と遊ぶなと言うのもおるし、いや遊べと言った子供もおるしという中でやっておったんでは、だから私は、教員が大事ですよ、家庭教育がしっかりしなきゃだめですよということです。
 私が前に質問したことをちょっと役所で一遍見てもらっておいた方が質問しやすいんですけれども、同じことをもう何回も、有馬さんが文部大臣のときも言ったんですよ。成績と、スポーツや音楽や絵でも書道でも何でもいい、それからボランティア活動なんかもやって、その三つの総合点で高等学校や大学へ入れてやりなさい、ただ頭がよければ人間立派だというわけでないよということで、あれ言いましたよね。
 それで、今度はボランティアのことも教育改革国民会議、これも私は多過ぎると。審議会だ、いや何とかだ、これだそれだと言ってやって、金かけてやっておるが、その中でさっきも言ったように、奉仕活動をどうのこうのというのは、こんなものは一遍連れていって見せたら、好きなもの、どれを選択するかは子供たちに任せると。しかし、やってきた者は、何やっても一生懸命やった者は高等学校や大学の試験にはそれをちゃんと評価して正式に認めてあげますよと言えば、黙っていてもみんなやりますよ。やりたくない子供にやれと言ったって無理なんですから。だから、そういうことをもうちょっと柔軟に考えてやられたらどうかというふうに思うんです。
 ですから、本当に親の背中を見て子供は育っているんですから、だから子供を責める前に、今の社会状況を見てごらんなさいよ。ピストルで乱射したとか、警察はこうした、いや、あれはこうした云々でしょう、問題は。これ見て子供に一生懸命うるさく言ったって、それは子供は言うことを聞きませんよ。しかも、もう少なくて大事に育っているから。私はそう思う。大臣はどういうお考えを持っているんですか。
#91
○国務大臣(大島理森君) 委員が豊富な経験から、特にスポーツ関係でいろんな御経験をされてきた中で、教育論、今お話を伺いましたが、一つは家庭が大事だと、まさに私もそのことは同感でございます。
 冒頭に有馬委員の質問に答えたと思うんですが、今家庭の教育力、地域の教育力、こういうものが落ちているということを私どもが申し上げるのでございますが、IT化の中の教育という問題もそういう視点からの教育のあり方も考えなければなりませんが、男女共同参画型社会というものがこれからどんどん進んでいく中にあって、そういう中における家庭教育のあり方、制度、そういうものも考えなきゃならないのでございましょう。
 いずれにしても、委員が先ほど最後にお話しされたように、教育という問題は、例えば最初にこの世に出てきた無垢なる生命を持った子供たちが初めからいいとか悪いとかということはないわけでありまして、結局、教育の問題は大人、我々の問題だ、この認識に立って教育の問題を責任を持ってやらないといけない。こういうふうな中に社会があり家庭があり、もちろん教育の現場、教育の行政をつかさどる文部省の役割がある。こういう基本論である意味では同感でございます。
 それから、いろいろな各審議会があってこれもいかがなものか、こういうふうな御意見でございました。
 確かに、数々の審議会等がございますが、必要なものもあれば、どうかなと、文部省関係だけでなくて議員として思うこともございますけれども、要は、国会で御論議いただき、そして国会が出す結論に我々全員が責任を持っていかなければならないということにおいて、政治がやっぱり教育の責任の大基本にあるということを思って文部行政に携わってまいりたい、このように思っております。
#92
○田名部匡省君 私はスポーツからよく見るんですけれども、スポーツというのは基礎が大事なんですよ。そして、いろんな基礎をたたき込んでおくと、後は見て考えるように育てろと。それを余り教え過ぎるものですから、もう見ようともしない、考えようともしない。
 同じことで、学校教育もIT教育だなんて騒いでいますけれども、あんなものは遊びでやらせておけばすぐ覚えちゃうんですよ。一たん覚えればその先はないんですから、その程度に考えて、余り小さいときから教室の中で教育するようなことは私はやるべきでないと。楽しいことはやるんですから、子供たちは。スポーツだって楽しくないものはやりませんよ。それさえきちっとやっておけば、後は自分たちが考えて、だんだん大きくなってきたらこういうふうに生きていこう、こういう自分は貢献をしようとかなんとか。その前提として、家庭の親がそういう教育をされていない親なんですから、これをどうするかというのが私は今一番大事なところだと。親がしっかりしていれば、それは行きますよ。それを学校の教室の中でそんなこともやれと言うからおかしくなっていくのであって、もう時間が四十分で終わりだと、こういうことですから、残念ですけれども。
 青森県でもこれやったんですね。教育にゆとりが重要だということで、子供の文化をはぐくむために今後どんな取り組みが必要かと。子供が安心して遊べるスペースの整備、これが一番多いんですよ。それから、遊びを通した仲間づくりのできる行事の開催というのが多い。
 だから遊びなんです。よく遊びよく学べというでしょう。このよく遊びの部分がなくなっちゃって、遊ぼうにも今度は相手がいないというんですから。そんなことから、根本からもう一遍見直して、どういう体制をつくって、本当に子供たちが人と交わりながら、そして自由に、奉仕活動もこんなものは強制するものでもないし、一回り見せて歩けばいいんです。ああ、おれは、こうしてこういうふうにやろうとか思うんですから。そう思えるような心をつくっておかなければ、飲みたくない馬に水を飲ませるようなことをしたってこれは無理なんですから。どうぞ、最後にそれだけの感想です。
 渡海政務次官、せっかくおいでになったけれども、あの六ケ所村で高レベルの廃棄物が炉の中から出るのを、その処理をどうこうというような話が出てきましたが、やっぱりバルク、将来こうなりますよということを最初にぴしっと出してやっておかないと、だんだん途中から、こんなものが出てくるから何とか置かしてくれとか、今度はあれになったからと、そんなことを言うから不信感ができるので、最初からわかっているのは情報としてきちっと公開して、最初のスタートの時点で了解したらそれをずっとやっていくというようなことをやっていただきたい、これは要望だけです、答弁は要りません。どうぞ、以上のことで大臣。
#93
○国務大臣(大島理森君) 例えばスポーツの点に関しまして、田名部委員、年来からのいろんな御主張をされておること、サッカーくじがいよいよスタートをいたします。そういうことも機会に、やっぱり地域においてよきリーダーをまずつくって、そしてやっていくということがポイントの一つであろうと。
 それから、施設的には学校の開放等も含めてみんなが使えるように安全な場所をつくれ、そういう青森県での要望があった、要望というかいろいろな行動があった、これも大事なことと思います。
 家庭教育の問題につきましても、まさに今、若いお父様、お母様に対しましてやはり基本的なことを、そういうふうなことで、家庭教育ノートだったか、家庭教育手帳、それとノート、え、こんなことまでお父さん、お母様方に教えなきゃいけないのというぐらい非常にベーシックな、しかしとても大事な、あるいは自分たちが読んでいても、ああ、こういうことが大事なんだと。その大事なことを今委員おっしゃったように基本とするならば、どんどんどんどん繰り返してもいいから、そういう手帳、ノートを配布してともに考えていく、家庭教育の力を復活させていこうと。
 それから地域でございます。やっぱりコミュニティーの教育という問題もこれから一つの政策としてやっていかなければならない。
 いずれにしても、委員の御主張されることと私が申し上げていることとある意味では同じだと思いますが、社会性というのは、人間は一人で生きていけない、みんなで社会の中の一人として生きていく。そのためには、私はよく申し上げますが、最小限度の道徳としての法律があり、そして必要なものとしての道徳があり、そこに規律というんでしょうか基準というんでしょうか、そういうものを踏まえながら社会の中の一員として生きていく、それを社会性というのでございましょうか。
 人の思いやり、そういうものをどうやってさらに身につけていくかということが一方にないと、IT化あるいは高度技術産業化の中においての人間というのは非常に際どい存在になっていくのではないか。今そこにしっかりと基礎をつけていき、それが我々の言う生きる力だと、そういう思いでこれからも取り組んでまいりますので、またいろいろ叱咤勉励をちょうだいしたいと、このように思っております。
#94
○委員長(佐藤泰三君) 本日の調査はこの程度といたします。
    ─────────────
#95
○委員長(佐藤泰三君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に佐藤泰介君を指名いたします。
    ─────────────
#97
○委員長(佐藤泰三君) これより請願の審査を行います。
 第五五号国立大学の独立行政法人化反対、学費値上げ・学部別授業料導入反対に関する請願外六件を議題といたします。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
    ─────────────
#99
○委員長(佐藤泰三君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、学術及び科学技術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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