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1950/12/02 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 法務委員会 第2号
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1950/12/02 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 法務委員会 第2号

#1
第009回国会 法務委員会 第2号
昭和二十五年十二月二日(土曜日)
   午前十一時二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月一日委員山田佐一君辞任につ
き、その補欠として平岡市三君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○訴訟費用等臨時措置法の一部を改正
 する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○裁判所職員の定員に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(北村一男君) これより委員会を開きます。
 先ず昨日本委員会に付託されました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして政府の御説明を願います。尚訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案は本院先議でありまして、裁判所職員の定員に関する法律等の一部改正法律案は予備審査でございます。政府の説明を願います。
#3
○政府委員(高木松吉君) 只今議題になりました訴訟費用等臨時措置法(昭和十九年法律第二号)の一部を改正する法律(昭和二十四年法律第五十五号)の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 現在一般公務員につきましては、昭和二十五年法律第百八十四号の恩給法等の一部を改正する法律によりまして、昭和二十五年一月分以降は、その給與事由の生じた時期を問わず六千三百七円ベースに基く恩給が支給されております。執行吏につきましては、訴訟費用等臨時措置法第五條及び第六條によりまして、その手数料に対する國庫補助基準額を俸給額とみなして恩給年額を算定することになつておりますが、この基準額は昭和二十四年一月一日以降六千三百七円ベースの「七万一千円」に引き上げられ、その当然の結果として同日以後給與事由の生じた執行吏は、六千三百七円ベースによる恩給が支給されておりますが、昭和二十三年十二月三十一日以前に給與事由の生じた執行吏の恩給は従来のままに据置かれているわけであります。従つて、これらの者につきましても、昭和二十五年一月分以降七万一千円を俸給年額とみなして算出した恩給を支給するように改定する必要がありますので本案を提出した次第であります。この改印によりまして、執行吏につきましても、一般公務員と同様給與事由の生じた時期に関係なく、昭和二十五年一月分以降は一率に六千三百七円ベースによる恩給が支給されることになる次第であります。
 以上簡單でありますが、提案の理由を御説明申上げました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
   〔委員長退席、理事伊藤修君委員長席に著く〕
 次に裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨を御説明申上げます。
 本年十月十八日附の連合國最高司令官の覚書第二、一二七号により、去る十一月一日から連合國人に対するわが裁
 判権が拡張されたことに伴いまして、
 高等裁判所以下の裁判所に通訳等の事務に従事する裁判所事務官及び裁判所技官を増員する必要が生じ、又、検察庁及び刑務所等におきましても、新らしく連合國人にかかる犯罪事件の処理に当る検察官及び通訳等の事務に当る検察事務官又は法務府事務官を急速に増員する必要が生じましたので、ここにこの法律案を提出いたした次第であります。
  何とぞよろしくお願いいたします。
#4
○理事(伊藤修君) 提案について御質疑がございますか。
#5
○鬼丸義齊君 ちよつと私はこの際資料の提出をお願いしたいと思いますが、簡易裁判所の裁判官の現在その職にあられる人の経歴ですね、今度の議会に提案された簡易裁判所の事物管轄の拡張に関しては、当然これに対する受入態勢について検討を要するわけであります。従つて簡易裁判所の裁判官にして発足当時に人員補充のために三級の書記の人を相当量任命されて現存あると思うのです、そういうことのために従来検察庁の方で以て二百三十五條の窃盗罪に対する三年以下の懲役に該当する管轄権をきめてから以来、検察庁の方で手心を加えて、審理官としては適当でないというふうなところから、特に簡易裁判所の土地管轄があるとしても他の裁判所の方に起訴の手続をしているように私は聞いております。現在も若干手加減を検察庁の方でしておつてその欠陷を補つておるように聞いております。かたがたして見れば今度事物管轄を拡張されるについては、先ず簡易裁判所の現在における受入態勢が、果して完全なりや否やということを検討する必要があると思います。そこで現任簡易裁判所判事の中で、従来書記より採用された者、それから裁判官から採用された者、これについて特にこの書記、裁判官以外の方面から採用された者の中で、いわゆる従来書記であられた人で三級官の人、二級官の人、そういうことに区別して一つ資料を提出して頂きたいということをこの際要求して置きます。
#6
○理事(伊藤修君) 今鬼丸さんの御趣旨はいわゆる簡易裁判所の判事の中で、特に判事と称せられる人の経歴に関する資料を提出して貰いたい、こういう意味ですね。
#7
○鬼丸義齊君 そうです。
#8
○政府委員(野本新一君) 簡易裁判所の判事のうちどの部分が特任であるか、どの部分がいわゆる弁護士の資格を有するものから選任されたか、その程度のことでしたらお手許に一応配付して置きました資料の中に出ております。
 一応それだけ簡單に御説明いたしますと、本年十一月十五日現在におきまして、簡易裁判所判事が六百十二名おります。そのうち判事から任命されたものは百十九名、判事補から任命されたものは九十名、検察官から任命されたものは十名、弁護士から任命されたものは百十二名、選衡による任命がは二百五十九名その他二十二名となりておりまして、いわゆる特任の簡易裁判所裁判官とでも申しましようか、従来の裁判所書記等から選衡によつて任命されたもの六百十二名のうち二百五十九名であります。二百五十九名が従前どの程度三級官で或いはどの程度二級官であつたという点は御必要があれば、裁判所と連絡して後日書類を提出いたしたいと思います。尚この選衡による任命二百五十九名のうち、全部が裁判所書記出身というわけでもないようであります。
#9
○鬼丸義齊君 その点は分つております。それで只今御説明になりました資料が出ておりまするが、選衡による任命その他この二項目中の内容を承わればよいのです。この点の資料はたやすく出ると思いますが、経歴書をそれによつてどうぞ。
#10
○理事(伊藤修君) 経歴を示して頂くわけですね。
#11
○政府委員(野本新一君) その点は早速最高裁判所の事務局とも連絡して資料を整えて出します。
#12
○鬼丸義齊君 尚現在簡易裁判所に対して検察庁から起訴いたしております、先程私の申しました簡易裁判所の判事に、判事自体に対してはそういうことは言わないでありましようが検察庁の方で手心を加えて、土地管轄はその簡易裁判所にあるとしてもその裁判官では適当ならずという考え方から、他の裁判所の方に起訴の手続をしているように承知しておりますが、そういうことがどのくらいの程度に現在やつておられるかということも一つ検察庁の方で資料がありますならば、大体資料は困難かも知れませんが、御意見を承わりたいと思います。今即座には或いはお分りにならんと思いますから、お調べ願いまして他日御説明頂きたいと思います。
#13
○政府委員(野本新一君) 只今の御要求を全部充たすわけには或いはいかないかも知れませんが、差当りお手許に差上げてある資料で一応御説明いたしまして、足らない分は又調査の上御返答いたしたいと思います。……今資料を御提出してあると申しましたが、その資料はまだこちらに留保してあるようでございますから、資料を提出いたしましてからそれについて御説明いたすことにいたします。
#14
○鬼丸義齊君 極めて大雑把な伺い方でありまするが、執達吏の收入に関する現在の状況はどういうふうになつておりますか。それから手数料は勿論全國一律であろうと思いますが、或いは共同事務所というように統一されているのであるから、若し收入の点においてでこぼこがあるとするならばそれに対する何か調節の方法でも裁判所の方で考えておられるのか、この点を一つ伺いたいと思います。
#15
○政府委員(野本新一君) 執達吏の收入の点でございますが、執達吏は御承知のようにその場所々々によりまして收入の多いところと少いところがあるわけであります。國家といたしましては執達吏の手数料による收入が非常に少い場合にはそれに一種の補助をすることになつておりますが、その基準額が決つておるわけであります。その基準額は執行吏國庫補助基準額令昭和二十三年政令第七十五号できまつておりまして現在は……。
#16
○鬼丸義齊君 ちよつとその名前をもう一遍。
#17
○政府委員(野本新一君) 執行吏、今は執達吏じやなく執行吏になつておりますが、執行吏國庫補助基準額令昭和二十三年政令第七十五号七万一千円ということになつております。
#18
○鬼丸義齊君 これが今度変るのですか。
#19
○政府委員(野本新一君) この金額を基礎にして執行吏の恩給が査定されるわけでありますが、今度は恩給だけでございます。
#20
○鬼丸義齊君 恩給だけですね。そうすると併しこのベースの変更によつてはそのほうは顧みないのですか。
#21
○政府委員(野本新一君) 実は官吏のほうの俸給のベースが変更になつた場合に執行吏のこの補助基準額令も変更になつたわけであります。ところが官吏の恩給は俸給等の増加に従つて先般変更になりました。今執行吏のほうだけ取残されておつたという状態にありますので、今度のこの改正法案によりまして執行吏の恩給も官吏の恩給のベースを上げたのと合せようということになつたわけでございます。従いましてこの改正法律案が成立いたしますれば、執行吏の俸給及び恩給ともに一般官吏と同じ併行したベースになると、そういうことになるわけであります。
#22
○鬼丸義齊君 併し恩給額をこの際変えるよりも、すべて一般官吏の給與ベースが変つたならば、先ず以てこの國庫補助の基準額というものを自然基礎的に変えて行かなければならんのじやないか。又それが変つてその後に恩給も合せ改正するということにならなければならないのじやないかと思いますが、今日恩給の方だけをここで決めて、一般官吏の給與ベースが又変つて来ますね、又それを変えなければならない、更に又これを改正しなければならん。そうするとあべこべじやないですか。本末顛倒しているようですから先ず以てその線を考慮されるのならば一般官吏の給與ベースの変更をそれに準じて基準額にきめて来て、それに準じて今度改正される恩給の額というものを変更してやるならば二重の手数をかけずして一気に解決するのじやないかと思いますがその点どうですか。
#23
○政府委員(野本新一君) 実は執行吏のほうは一般官吏とちよつと給與及び恩給等が違つた法律でできておりますので、どうも一般官吏よりも法律のできるのが一歩々々遅れ勝ちになりまして、今度の恩給法は実は官吏のベースが今度の國会で今問題になつておる。その上がるベースに対応して執行吏の恩給額を決めるというのではなくて、すでに過般一般公務員につきましては俸給等は上りましたが、それと照応して執行吏のそれに相当するものも当時上つたわけであります。そうして一般官吏のこの前のベースが上つたのに照応して恩給も又その前の改正のとき上りました。ところが執行吏は恩給の分だけ取り残されておつた。この前の國会に出すべく準備したのでありますが会期の関係で出せませんで、今度漸く今の一般官吏の恩給と同じ基準に執行吏の恩給を上げようというのが今度の改正案でありまして、今度一般の官吏の俸給が上りますれば執行吏のほうも基準額を上げまして、従つて又それに照応して一般官吏の恩給が今度恩給法の改正か何かによつて上りますれば、又執行吏の恩給についてもそれに追つかけてこれと同じような形になりますか、或いは別個の形になりますか、執行吏の恩給も上がる、そういうことになつております。それで今度のも時期が遅れました関係上遅れましたが、適用は実質的には一般官吏のベースが上つたと同じように、執行吏についても計算上は同じような関係になつて一般官吏と併行理て行く関係になつております。
#24
○鬼丸義齊君 一体執達吏に対して一般官吏よりも特別な扱いをする趣旨において常に遅れがちになるというのが原則であつて、それを守らなければならない理由は一体どこにありますか。
#25
○政府委員(野本新一君) 誠に尤もな御質問でございまして、遅れがちになるのが原則というわけじやございませんで、國といたしましては同時にしなければならないわけでありますが給與関係の法律はいろいろ問題がありまして、きまるのがいつも國会の間際になつたりいたしまして、時間的にどうも直ぐ……私共が努力の足りない点も十分あると思いますが、どうも間に合わなくなつてしまつたりしまして、一歩向うがきまつてからこれをきめるというような形になりまして、一歩あとになるという状態になつて来ておるわけであります。今度は成るべくそういうことのないように努力をしたいと思つおりますが、いろいろ事務上の関係でややそんなことになり勝ちで恐縮に思つております。
#26
○鬼丸義齊君 すでに官吏のベースの上がることは殆んど公知の事実であつて、而も今國会においても更に昇給ることになつておりますとき、如何に別な取扱をしておるといたしましても、今頃恩給だけを僅かに変えて、直ぐ目の前にこの補助基準額を併せて上げなければならんことがわかつておるのならば、そんなにきざまなくても一気にすべてを改訂したほうが安定するのではないか。相成るべくは安定した行き方をして法律はやはり朝令暮改を成るべく避けなければならない。それにかかわらず今この際目の前に我々は一般官吏の給與ベースの増額について審議しておる、又これの見通しについても誤りなく上げることになるのです。さすれば上げたことを見越して必ずこの基準額も上げなければならん。上がるならばやはり同時に給與額も上げなければならないということは目に見えておるのでありますから、むしろそれを一気に上げるということをお考えにならなかつたか。又それをお考えになつてそうしたことのほうが却つてよいのではないですか。
#27
○政府委員(野本新一君) その点も考えて見ましたが、公務員の給與に相当する執行吏に対する補助額につきましては、これは政令でできる形になつておりまするので、今度公務員の給與が上ればそれに照応して予算の手当がつく限り政令でできるということになつております。ただ恩給につきましては一般の公務員の給與が上つたことに伴つて、過去に給與事由の生じた恩給まで新しい給與ベースの際に引上げるかという点につきましては、一般官吏のほうにそういうことにする法律が万一出ますれば、それにならつて執行吏についても同じ手当をすることになると思いますが、まだそちらがきまりませんし、又果してそうなるかどうかわかりませんので、而もすでに一般官吏と不均衡を出しておる部分については、この際一刻も早く是正したほうがよいのではないか。むしろそちらを待つておつてずつと遅れては誠に執行吏に対してお気の毒であるというような関係で、取りあえずこの分だけを立案した次第であります。
#28
○鬼丸義齊君 そうしますと、この基準額令のほうは政令で出すのであるからこれは出るか出んかわからない。だから取りあえず今まで遅れておる分をこの際恩給令だけ改正しようと、こういうことらしいのですが、併し如何にしても従来の例からいたしましても、やはり執行吏については一般官吏の給與ベースに準拠して扱つておられることは動かすべかざらる事実とするならば、関係者のほうから申出がないからといつて現に不公平であるならばどうしてもやらなければならんことになるのですから、さすれば必ずや補助基準額令のほうも近く政令で似て改正されることも目に見えておる。さすればそのときに同時に恩給のほうもそれに準じて動かさなければならんことになるのですから、そのほうと眺み合せて今まで遅れたならば一挙に上げるという手はないのですか。
#29
○政府委員(野本新一君) 大体執行吏の補助基準額関係は、一般官吏の絵與の関係に準じて今まで取扱われて来ましたので、財政の許す限りできるだけ早く政令をそのように改めたいと思つております。
#30
○羽仁五郎君 その問題はあれなんじやないですか。昭和二十三年十二月三十一日以前に給與事由の生じた執行吏の恩給は、従来のまま据置かれておるというところに問題があるので、給與べースが今後変更されるかどうかということは関係なく、今後は昭和二十三年十二月三十一日以前に給與事由を生じた執行吏の恩給も、新しい給與べースによるということとしたいというのがこの法案の提案理由ではないですか。
#31
○政府委員(野本新一君) 今度の法律案は一般官吏に対応して考えますれば、すでに当然上つておつて差支えなかつたその分だけを上げようという趣旨であります。一定の期間内に給與事由の生じたものについてだけの関係でありまして、今後給與事由の生ずるというものについては関係ないわけであります。
#32
○羽仁五郎君 何だか説明が甚だあいまいではつきりわからないのですが、さつき述べられた法律案提案理由に従えば、要するに要点は一般公務員の場合には給與事由の生じた時期に関係なく、新しいべースによる恩給が支給されることになつておるが、執行吏の場合だけは二十三年十二月三十一日以前に給與事由の生じた場合には従来のままに、据置かれておる、だからそれを是正したいということのように了解するのですが、そうじやないのですか。
#33
○政府委員(野本新一君) 全くその通りでございまして、一般官吏につきましてはこの前の恩給に関する措置によりまして給與事由の発生した時期如何にかかわらず六千三百七円ベースになつておる。ところが執行吏につきましては、昭和二十四年以降に生じたものにつきましては一般官吏と同じベースになつておりますが、二十三年十二月三十一日以前に執行吏の職を退いたということによつて給與事由を生じたものにつきましては、まだ従前のまま低いベースに恩給が据置かれておる、その点について一般官吏と不均衡を生ずるので、その点だけ是正しようというだけのことであります。今後今度の給與ベースによつて一般官吏が上る、一般官吏の俸給が今度の給與ベースの改訂によつて上つたという場合には、給與べースが上つたのちに退職した公務員について恐らく新しいベースで行くと思いますが、今までに退職したものの恩給までも今度の新しいベースで行くかどうかということは別途措置を講じなければならないのではないかと思います。従いまして一般公務員についてそういう措置が講じられてのちに執行吏についてもその部分の恩給の改訂は考えて行くと、そういう考えであります。
#34
○羽仁五郎君 それでは質問しますが、一般公務員の場合には、給與事由の生じた時期に関係がなく六千三百七円ベースによる恩給が支給されておるのに、執行吏の場合だけが二十四年一月以降に給與事由が生じたということだが、六千三百円ベースによる恩給が支給されておるという理由はどういう理由によつてそういうことになつておるのですか。
#35
○政府委員(野本新一君) 一つはこの法律案、今度提出いたしましたような法律案が当時間に合いませんでしたので遅れておつたわけでありますが、今度出しますことによりまして実質的には或る意味で遡及して適用されると同じような関係になりましてその不利益は除かれる、そういうような関係になつております。
#36
○羽仁五郎君 一つはと今言われましたが外にどういう理由があるのですか。
#37
○政府委員(野本新一君) 一般公務員の恩給法と別の法律で執行吏の関係ができておりますので執行吏の性格といいますか、公務員としての性質がいろいろまだ問題点もありますので、従来と同様に別個の法律で規定しようということになりました関係上、この法律案が少し遅れてしまいまして、この前の國会にも準備しましたが会期の関係などで出せなくなりました。併し非常に遅れては誠に執行吏に対してお気の毒でありますので、臨時國会でありますが今度提案いたしました、そういう関係であります。
#38
○羽仁五郎君 それではなぜ執行吏に対しては一般公務員に対する給與の原則によらないで、執行吏についてだけ特別の措置を講じられておるのでしようか、その理由を伺いたいと思います。今の御説明の中で、一般公務員と同じように取扱い得るかどうかということについての問題がありましたが。
#39
○政府委員(野本新一君) 執行吏の制度は、旧裁判所構成法時代の執達吏の制度から大体受継いで来ました制度でありますが、執行吏は普通の役人とは勤務状態とかその他が非常に違いますので。
#40
○羽仁五郎君 それを詳しく御説明して下さい。
#41
○政府委員(野本新一君) 尚詳しく申しますと、執行吏の制度を立て直して裁判所所属のいわゆる普通の役人と同じようにしてしまつて、執行手続をやらした方がいいのじやないかという立て方もありますし、今のようにそこまでにしないで一定の執行吏の手数料で先ず執行吏事務を営まして、足りない部分を國庫が補助してやつた方が執行手続が合理的にはかどるためによいのではないかというふうな考え方もありまして、そこらの考え方はどちらがいいか今後根本的に研究する必要があると存ずるわけでありますが、少くとも現在は前の制度を引継ぎまして執行吏を全く普通の裁判所の事務官、書記官と同じようにしてしまつて、これで今少し何といいますか役人的色彩を弱めて置いて、その当事者の委任によつて執行事務を行い、その手数料で先ず生活を立てて行く、そうして一定の額に足りなかつた場合にはそれは國庫が補助して行くというような制度が一応とられておりますので、従つて恩給などもまあそれに対応して考えて来たわけでありまして、やはり給與なりその執行吏の立て方を尚どちらにするかということを将来の問題にして研究いたしまして、それがきまつてから給與とか恩給をどうするかという問題になつて行くのではないかと考えておる次第であります。
#42
○羽仁五郎君 その問題ですね。つまり執行事については一般公務員と違つた取扱をしておられるということは、妥当でないかということが毎回いずれかに決定されないでいるために、このように一般公務員と若し同様に取扱うべきものであるとするならば、その取扱が毎回遅れることになりますが、ですから私はその妥当か妥当でないかということについては問題があると思う。だけれどもこの改正法律案の提案理由を見れば、一般公務員とできるだけ同様に扱いたいという意向がここで出ておりますね。そうだとするならば、執行吏については一般公務員と他の点についても同様の取扱をするということが妥当だという考えに立却されておるのじやないかと思う。若しそうであるとすれば、その点をできるだけ早く決定されることが必要じやないか。その点を十分はつきりしないでおいて、それで今問題になつておるのは、恩給支給に関して給與事由の生じた時期、関係も一般公務員と同等に取扱うというふうにされると、そういうふうにされることの結果、責任ということが絶えずこれは生じて来ると思うのです。若しこういうような措置を絶えずなすべきものであるとするならば、絶えずこれは遅れる。さつき鬼丸委員の質問の中に言われたことととりようによつては同じ結果になるわけです。それは執行吏に対する当局の怠慢の責任を負わなければならん。それからいつもこういうふうに中途半端の考えで進められて、いつもその措置が遅れるということをいつもやつておいでになるということは面白くないのじやないか。だから執行吏については一般公務員と同じような取扱をすべきでないというお考えであるならば、そういうお考えをはつきり出すべきではないか。それから一般公務員と同様に取扱うべきだというならば、そういう考え方をはつきり出して行かなければならん。その点について当局の説明がどうもどういうお考えなのかはつきりしない。
#43
○政府委員(野本新一君) 執行吏の根本的性格なり制度をどうしようかという点につきましては、これは諸外國にもいろいろの考え方がありまして非常に大きな問題になるのでありまして、なかなか短時日には解決できません。いわゆる成るべく早い機会に再検討しなくてはいかんという問題で、よりより準備はいたしておりますが、併し現在のところはそつちを解決してから恩給などを解決するということになつてはますます遅れますので、差当つてこの措置でできるだけ御指摘のような不都合のないように努力して行きたいと思つておる次第であります。
#44
○羽仁五郎君 この昭和二十四年一月一日以降というのは、つまり六千三百七円ベースが決定されて以後というのですか。
#45
○政府委員(野本新一君) さようであります。
#46
○宮城タマヨ君 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案のこの参考資料によりますと、刑事裁判所の拡張に伴う裁判所職員の定員の増加は、高裁と地裁とその通訳官とそれから地裁の技官と合せますと、ちよつと四十九人になつております。それから民事並びに刑事裁判権の行使に関する覚書の実施に伴う法務府職員の定員の増員を要するものは全体で六十七名ということになつておりますが、その両方を加えますと、ちよつと百二十八人近くになつておりますけれども、これはその言葉ができるということだけじやなくて、やはり法律も分り司法も行政のことも分つた人ということになりますと、一時に百二十人というものの用意ができておりますでしようか、如何でしようか、ちよつと伺いたいのです。
#47
○政府委員(野本新一君) この点は大体趣旨としましてはここに掲げてあります通訳、言葉の関係が主でございまして、何分必要になつて来るものでありますから、この程度の人員なら十分できるのではないかと思つておる次第であります。
#48
○理事(伊藤修君) 今宮城さんの御質問の趣旨は、通訳といつても普通の通訳では駄目だ、司法行政若しくは法律に明るい通訳でないとできないのだから、それを賄えるという普通の通訳より特別の技能が要るという意味ですね。それは私が実際向うへ行つても連れて行つた通訳が役に立たなかつたですから、法律を知らなかつたですから。それをどうして賄うかということをお尋ねしているのですね。
#49
○政府委員(野本新一君) 法律もでき言葉もできるという通訳は日本では今のところなかなか得がたいと思いますが、差当つて言葉のできる人を採用いたしたい。法理的の訓練は順次指導して行くということになるのではないかと思いますが、詳しくは人事担当の方から質問があれば御説明いたさせようと思います。
#50
○説明員(磯崎良譽君) それでは只今の政府委員の説明に少し補足をさせて頂きます。宮城先生のおつしやる通りこの通訳官は法廷の通訳の仕事に携わるのでございますから、訴訟手続、その他法律に関する基礎的な知識が少くとも必要でございます。併しこれまでの経験によりますとなかなかそうした通訳官は容易に得られませんので、比較的言葉の達者な人を雇入れまして法廷事務に馴れて頂くということで人を採るより外には方法はないと思つております。而も最近では言葉の達者な人だけおくことさえ容易でございませんで、民間の会社とか司令部方面に相当高給の額で雇われておりますから、その人さえなかなか困難でございますが、特にその事情を大蔵省に訴えまして、十一級乃至八級という事務官といたしますと相当な高級なところの給別のケースを貰いましたから、今までのところよりは比較的言葉のできる人が得られるのじやないかというふうに思います。
#51
○宮城タマヨ君 先ほど委員長からもおつしやつたようでございますけれども、私は最近しみじみ思いますことは言葉だけが上手にできて、法律の解釈もございますけれども、その精神の分らない人が通訳をすることによつて、非常な齟齬があるということをしみじみ思つておりますから、どうかこのことは大事なことでございますのでもう少し教育するにしましても、この予算措置がどういうふうになつているかということまではつきりしたいので、次の機会でもよろしうございますがお答え願いたいと思います。
#52
○政府委員(野本新一君) 承知いたしました。
#53
○鬼丸義齊君 今のに関連して、通訳官を任命されたときには、調書の作成、公判の運営についてはやはりたとえ通訳官であつても法廷においては宣誓の上通訳することになるのですか。その点どうでしよう。
#54
○政府委員(野本新一君) 訴訟法にありまする通訳準用規定によりまして法廷でやる場合には宣誓するということになると思います。
#55
○鬼丸義齊君 通訳官はやはり宣誓の上でやるわけですね、その都度。
#56
○政府委員(野本新一君) さようでございます。
#57
○鬼丸義齊君 何か外國人の裁判権を得ることによつて、調書の作成上について従来の刑事訴訟法を変えて行く行き方に違つた方法のことは別にないのですか。
#58
○政府委員(野本新一君) 只今のところは差当り調書その他について特別措置ということは裁判所事務局等からまだ聞いておりませんし、私どもの考えるところでも直ぐ何か特別措置ということは必ずしも必要ではないかと存ずる次第でございます。
#59
○説明員(岸盛一君) 新刑事訴訟法に伴いましで、その刑事訴訟規則の中では調書をとる場合に録音機を使用することができることになり、録音機の設備の予算を先國会からお認め願いまして、逐次各地方裁判所に録音機を備え付ける手配をいたしており、現に東京あたりではすでに使用しております。むずかしい通訳を伴う事件についてはそういう録音機を使つてやつております。そういう措置がございます。
#60
○鬼丸義齊君 通訳は大体どこの國の通訳のできる者ということに今のところ裁判所の方では予定しておるのですか。
#61
○説明員(岸盛一君) それは英語と華語です。
#62
○羽仁五郎君 さつきの訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に関係してなのですが、先ほど質問しました趣旨は政府委員のほうでもよくお分りになつたと思うのですが、その問題をできるだけ早く解決されたい。又諸外國の例をお調べになることもそれは結構でございますが、併し我々にこういう法律案の審議を御希望になるときには、やはりその点をできるだけ早くはつきり、ある意味においてはやはり議論をそこまで持つて行かなければならないわけですが、特別に別個に取扱つてあるそういうその立法の精神を尊重するならば、やはり別個に扱つて行かなければならん。成るべく同様にというほうの趣旨を尊重するならば、そつちに進んで行かなければならない。その点について現在当局はどつちにお考えになつておるのか。つまり執行吏と一般公務員の性格の異なる点と共通する点をいずれを重く考えるのかということについては、できるだけ早くやはり見解の統一を図られたいということを希望するのであります。
#63
○政府委員(野本新一君) 御趣旨のある点は誠に御尤もな点でありまして私ども十分研究いたしたいと思います。併し何分執行吏制度というものは司法制度の一環に繋がりまして非常に大きな問題でありますので、若干の日時は要すると存じますが、農高裁判所事務当局とも連絡いたし十分御趣旨に沿うように早く研究を進めて参りたいと思います。
#64
○羽仁五郎君 それから裁判所職員の定員に関する問題もさつき宮城委員からも御発言があつたのですが、その点はやはり私としても非常に愼重に考えて頂きたい。で新しいいわゆる民主主義の法律の教養というものは非常に急を要するものであつて、單に法律一般を知るばかりではなくて、古い法律と新しい法律との変化についての自覚も一般に低いように思われるので、何とかやつて行くというお考えではなく、差当つては今増員なさろうとする人々の教育ですが、その他にも一般にそういう教育を現在やつておられる程度でいいというようにお考えになつておるのか、或いはもつと進んだもう少し十分な教育をするということを必要とするというようにお認めになつておるのかどうか。そういう点についてもやはりいつか機会をみてもう少し十分な御説明を願いたいというふうに考えるわけであります。
#65
○政府委員(野本新一君) 御指摘のように通訳は裁判の上におきましては非常に重要な役割を演ずるものでありまして、單に語学ができるのみではなく法律的素養も相当心要であるということはその通りだと思います。ところが現実にはなかなか両方兼ねた人は少い、而もやつて行かなければならん。そういう者を雇つて使つて行かなければならないという事態に立至つたわけでありますが、教養訓練の点につきましては、最高裁判所におきましても司法研修所というものがありまして、司法研修所とか裁判所書記の研修所というようなものがありまして、研修研究を努めておりますので、恐らくこういうものにつきましてもそこに收容して特殊の又訓練をするということになるのではないかと思うわけでありますが、尚詳細は事務当局と連絡して、次の機会にでも御説明いたしたいと存じます。
#66
○鬼丸義齊君 執行吏に対する報酬或いは恩給等の規定があるのですが、同様な性質にある公証人ですね、これはやはり同様な扱いになつておるのですか。
#67
○政府委員(野本新一君) 公証人は自分で事務を取扱つた報酬を受けるだけで、國庫からは別に補助ということはございません。
#68
○鬼丸義齊君 そうすると勿論恩給等についても何ら考慮が拂われていないのですか。
#69
○政府委員(野本新一君) さようでございます。
#70
○鬼丸義齊君 そうすると執行吏に対する場合とその公証人に対する場合とは全く同質のように思うのですが、その点は非常に不均衡ではないのですか。公証人の場合と執行吏の場合と全然同じ行き方をしておりますね。
#71
○政府委員(野本新一君) 公証人はどつちかというと弁護士の方に似たようなもので。
#72
○鬼丸義齊君 そんなことはないでしよう。(笑声)
#73
○政府委員(野本新一君) 執行吏の方は裁判所の機関という色彩が強いのと、従来の沿革があるのではないかと思うのでありますが。
#74
○理事(伊藤修君) 一つ十分研究して下さい。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#75
○理事(伊藤修君) 速記を始めて下さい。では訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対するところの質疑を終了して御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○理事(伊藤修君) それでは質疑は終了いたしました。本案については討論を省略いたしまして直ちに採決することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○理事(伊藤修君) それでは本案につきまして全部を問題に供します。本案全部に御賛成の方は挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#78
○理事(伊藤修君) 全会一致原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容はあらかじめ御承認を願つておきます。本案に御賛成の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    齋  武雄  羽仁 五郎
    須藤 五郎  岡部  常
    一松 定吉  鬼丸 義齊
    宮城タマヨ
  ―――――――――――――
#79
○理事(伊藤修君) では裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案はこの程度にいたしまして、次回に質疑を継続することにいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○理事(伊藤修君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     北村 一男君
   理事
           伊藤  修君
           宮城タマヨ君
           鬼丸 義齊君
   委員
           齋  武雄君
           岡部  常君
           一松 定吉君
           羽仁 五郎君
           須藤 五郎君
  政府委員
   法務政務次官  高木 松吉君
   法務府法制意見
   第四局長    野本 新一君
  説明員
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局総務
   局第二課長)  磯崎 良譽君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局刑事
   局長)     岸  盛一君
ソース: 国立国会図書館
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