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1950/12/07 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 法務委員会 第5号
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1950/12/07 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 法務委員会 第5号

#1
第009回国会 法務委員会 第5号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
   午前十一時十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○刑事訴訟法施行法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○裁判所法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○裁判所職員の定員に関する法律等の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○民事訴訟法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (人権擁護及び国内治安に関する
 件)
 (朝鮮動乱に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(北村一男君) それでは委員会を開きます。
 刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案に対して衆議院において修正せられましたので、この修正点を便宜政府委員より御説明願います。
#3
○政府委員(野木新一君) 政府提出にかかわる刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案に対する修正案が、衆議院法務委員会で提出されて、お手許に配付してあるように議決になりました。この趣旨は政府員として当時議場におつた関係で承知しておりますので、その点を御説明申上げたいと思います。
 政府原案におきましては、第二條の改正をいたしまして、第二條中に「この法律及び裁判所の規則に特別の定があるものを除いては、」ということを加えて、現行法の第十三條を削るというものでありまして、この趣旨は過般来申上げましたように、裁判所の規則で定める事項に関して現在一部の間に行われておるような疑義を避け、多少ゆとりを持たせたいという考えでございましたが、この法文自体から見ますと、誠に広汎な委任のようになつておりまして、このような広汎な委任の形で法律にするのは非常に面白くない。やはり裁判所の規則で定めるものとしても、現在の十三條程度のことで然るべきであろうという趣旨で、この二條の改正規定が削られたわけであります。あとはその條文の整理に過ぎません。政府側といたしましてもこの点につきましては、衆議院で御心配になるように、広く実際裁判所の規則できめるということは予定しておりませんでしたので、而も法文の形が成るほど非常に広い委任の形になつておりまするので、衆議院の修正については特段の異議もないようでございます。
#4
○委員長(北村一男君) そのほかに本審査として付託されております四件、即ち裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案、民事訴訟法等の一部を改正する法律案、この四件につきまして御質疑のある方は御発言願います。
#5
○伊藤修君 只今政府委員から説明がありました衆議院の修正案に対するところの問題につきまして、お確かめして置きたいと思いまするが、今の修正案に対しましては、当委員会におきましても御承知の通り修正のごとき意見を持つておつたのでありまするが、恐らくそれに対しまして、委員会として賛成だろうと思います。従つてその結果、政府の改正案というものが先の施行法に戻つてしまうわけでありますが、そうするというと、いわゆる十三條で以て今後におけるところの旧件の処理が賄えるのかどうか、その点を確かめて置きたいと思います。
#6
○政府委員(野木新一君) 十三條の委任による或る程度のルールの規定で旧件の処理は賄つて行けるものと存ずる次第であります。
#7
○伊藤修君 賄つて行くということは、新らしくルールを規定する意味ですか、又は規定するとするならば、どういうような趣旨のものを規定しようとするのですか。
#8
○政府委員(野木新一君) 第十三條の委任に基きまして、特に控訴審につきまして、或る程度のルールが作られるのではないかと予想しておる次第であります。そのルールは先般最高裁判所事務局のほうから申上げた程度でありまして、控訴審についてその限度を明らかにさせて、そこに審理を集中して行くというような程度のものでありまして、その程度のことならば、現在十三條について作られておる施行規則に比して特に被告人に不利益というようなこともありませんので、先ず十三條の委任の範囲内で賄えるものと考えておる次第であります。
#9
○伊藤修君 そうすると、こういう問題が起つて来るのですが、その点を明らかにして置きたいと思います。いわゆる二條の範囲内において十三條というものが生きて行くのかという見解に対して、政府はどういうふうに考えておりますか。
#10
○政府委員(野木新一君) すでに御承知のことと思いますが、第十三條の解釈につきまして、若干疑義があつて最高裁判所でも争われて先般判決が出たわけでありますが、私どもといたしましては、その十三條と二條と比べて見まして非常に十三條を嚴格に文字通り読むとすると、十三條の立案の意味というものは全くない、というのは旧刑事訴訟法におきましては非常に細かい点まで、言い換えて見れば新刑事訴訟法におきまして最高裁判所の規則に任かしてあるというような程度のことまで非常に詳しく規定してあるわけでございます。ところが施行法全体の考えから見まして、十三條の趣旨は旧法事件については一応旧法の根本構造を維持して旧法によつて行くのであるけれども、多少程度の軽い、いわば新法で規則に任してあるという程度の事項につきましては、経過事件の処理として規則で、十三條の委任による規則で多少の旧法の修正なんというような程度のことはできるのでないか、そういうような考えを持つておるわけでありまして、判決も大体その考えによつておるように心得ておる次第でございます。
#11
○伊藤修君 そういたしますと、この十三條の場合においては、第二條との比較対照して解釈するというと、少くとも十三條において賄えるところのルールの制定範囲というものは單なる手続に関するものというふうに限られると解釈してよろしいですか。
#12
○政府委員(野木新一君) 旧刑事訴訟法の基本的構造に触れる分野、又被告人の利益に非常に大きな関係があるという部分、又別の言葉で申上げますれば、新刑事訴訟法においてルールに讓つていないというような部面、その限界はやや具体的な場合になりますと多少問題になる点もありますが、大まかに申上げますならば、そのような事項のみを十三條では予定しておるものと存ずる次第であります。
#13
○伊藤修君 往々にいたしまして最高裁判所はいわゆる規則制定権というものを拡大視せんとする傾向がある。又規則制定権というものを牙城にしようというような考え方もある。そういう片鱗がともするとこういう條文を利用して現われて来るということがあり得ると我々は見ておる。我々は衆議院及び参議院において第二條を修正……、参議院のほうでは修正に同意するわけですが、そういう事実というものは、そういう点を明らかにして行こうというところから出て来ておる。いわゆる十三條を利用いたしましてその趣旨を没却するがごとく拡大して任意に規定されることは嚴に愼しまれたいと思うのです。この点はあらかじめ我々として強く要求して置きます。
#14
○政府委員(野木新一君) 政府といたしましては法律と規則の関係につきましては、従前から法律が優位である。即ち新憲法の構造全体から考えて見まして、ルールでは法律ですでに規定した事項を変更しないという見解をとつて参りまして、その見解は今でもなお堅持しておるわけであります。この法律と規則との関係につきましては、実は衆議院の法務委員会におきましても、いろいろ議論がありまして、裁判所事務当局もその際列席しておりましたので、国会側の強い意見もよくわかつておるものと信じておるわけであります。のみならず規則制定の実際のところを見ますと、法律に衝突しないように、法律の範囲内で規定して行きたいというような取扱のようでありまして、時として條文の不出来という関係で疑義が生じた例もありますが、大体基本的の考えといたしましては、最高裁判所事務当局はやはり法律を尊重して、法律の下でルールを作つて行くというような運用のように私ども承知しておるわけであります。政府側もルール制定委員会の委員、幹事等として列席する機会もありますので、その機会を利用して、そうして国会の意のあるところも反映して行きたいと存じておる次第であります。
#15
○伊藤修君 それに関連しまして、最高裁判所のほうでは何か通牒か、或いは指令ですか、規則でしたか、全国の裁判所に向つて集中審理の指令を出しておるようでありますが、いわゆる集中審理というものは机上の考え方としては成るほど首肯されるのでありまするが、これを実際の面において行なつた場合において、或る特定の事件のみ集中審理が行われ、他の事件がその後に入れられて行くという結果を生ずる。現に日常今日行われておる場合でも、すでに集中審理を行うために、今日行われておる三月、四月というふうになつて、そのときにまだ片付かんという、それが又五月、六月になつて事件が順ぐり先に送られるという傾きがあるのじやないですか、却つて集中審理をする、それによつて他の事件を遅らせる結果になり、一つの特定の事件のみをやつて、他の大多数の事件は遅らされることになりやしないか。これは集中審理一本でやるというのではなくして、集中審理を必要とする事件のみを行なつて行くという方法で、その審査というのは相当ゆとりのあるものをして現場に任すべきものじやないか、こう思いますが、その点に関してはどうですか。
#16
○政府委員(野木新一君) 通達の点につきましては、別に最高裁判所事務当局から御説明をすることにいたしまして、政府側の意見といたしましては、成るべく集中審理の方式は今までの方式と大分違うわけでありまして、英米で行われているような集中審理の方式はすぐそのまま直ちに日本で実行できるかどうか、又実行してうまく行くかどうかという点につきましては、いろいろな見方もあるものと存じますが、少くともやはり議論の争点とか、証拠の申出とかいう点は準備手続でみつちりやつて置きまして、そうして公判になりましたらその準備手続をすつかり整備せられて、論点につきまして証人を喚び審理を集中してやるということにいたしますれば、裁判官の記憶も非常にフレツシユでありますし、事件の正確な裁判及び記憶のフレツシユなうちに裁判ができますし、その事件を、一つの事件を見ても結局早くなりはせんか、従つて事件全体を見ましても、経過的の場合、即ち集中審理の方式に切替える場合につきましては、若干今まで一カ月あとに入れられた事件が二カ月あとに入れられるということが起り得ると思います。全部に切替つた曉におきましては、やはり全体として見ても集中審理のほうが早く行くのでありまして、勿論理想的に行うためには、なおいろいろの各方面の御協力を願わなければならないし、なお法的手当も場合によつては必要かと思いますが、今度の法案におきましては、差当つてそういう集中審理もできるという基盤を作るという程度でありまして、これ以上どの程度嚴格な集中審理をするかどうかという点は相当運用に残されている面もありますので、その点は実際の我が国の現状に応じて集中審理の方向に向いつも、適当に調整されつつ運用されて行くものと信ずるわけであります。
#17
○委員長(北村一男君) 最高裁判所のほうから御答弁を求められますかどうですか。
#18
○伊藤修君 今のこれに関連して……。集中審理の効果及びその真実発見、事案に対する促進ということにつきましては、お説を伺うまでもなく私さように信じております。ただ私の言うのは、その特定の事件はそれによつて相当スムースに、而も親切に事案の進行がなし遂げられるということは御説の通りだと思います。併しそういうことをやることによつて特定の或る事件によつて、例えば六月三十日までに旧件を皆な片付けるということになれば、その期間中にどんなふうに事件が処理されるかということは、あらかじめわかる、そうすると今日一万数千件ある旧件が果してそれで処理できるのかどうか、或いは六月三十日までに処理できるという方針でそういう方式をおとりになるのか、そういう点を併せて御説明願いたい。
#19
○政府委員(野木新一君) 六月三十日までに旧件を処理するという点につきましては、旧刑訴事件はたしか通達にそのような目標を掲げておつたように承知しておりますが、民事については只今のところ私記憶にはつきりしておりませんので、後ほど最高裁判所事務当局に連絡してお答えいたしたいと思つております。ただ集中審理の方式が事件全般について行われて行きますれば、やはりその個々の事件のみならず、事件の総量と申しますか、全事件を通算して見ても、やはり結局早くなるのではないか、一応理論的には……そう考えられるわけでございます。
#20
○伊藤修君 理論的ということになりますと、あなたも現場にいらつしやつたかどうか存じませんが、それははつきりとですね、集中審理はあらかじめ六月三十日までの百八十日の間にその事件を現在の一万数千件を割当てたらできつこないですよ。理論的にできないですよ。それは一件に例えば三日なら三日要する、或いは二日なら二日要するのであります。たとえ一日として計算しても百八十日では片付かないし、一日で片付けられる事件はないのであります。それで全部割当てて計算なさつても数字的に出て来ないですよ。一日に一件ずつ片付けたつて……それはどういうふうにお考えか。六月三十日までに片付ける、こういうお考えかどうか。
#21
○政府委員(野木新一君) この法案自体がすでに六月三十日までに片付けることを直接の目標にしておるかどうかという点につきましては……。
#22
○伊藤修君 この法案によつて片付けるというのではなくて、この法案と関連して、通達とこの法案と関連しておるからお聞きしているのです。
#23
○政府委員(野木新一君) その通達の点につきましては、やはり最高裁判所の一つの司法行政の運営になりますから、むしろ最高裁判所の事務当局に御説明願いたいと思います。
#24
○説明員(内藤頼博君) 私から旧件の処理の問題についてお答え申上げようと存じます。旧刑事件につきましては最高裁判所の通達におきまして来年の六月三十日を目途として第二審の審理を終了するようにという通達を出しております。只今お話のように現在一万数千件からある旧法事件が、一体六月三十日までに処理できるかどうか、それは審理を集中いたしましても、或いはいたしませんでも同様の問題があろうかと存じます。実はその点につきましては、先般高等裁判所の長官の会議を催しまして、各管内の事情をそれぞれ検討いたしました結果、一応六月三十日という目標を定めたわけでございまして、一万数千件と申しますが、実はその中には例えば被告人が逃亡しておりまして進行できないもの、或いは被告人が病気で進行できないもの、そういう事件が相当の数に上つております。そういつた事件の処理をどうするかは又別途に考えなければならないのであります。只今その計数を、詳しい計数を私持つておりませんので、はつきりした数字を申上げられませんが、そういう事件がかなりあるのであります。そのほかの事件を実際の審理に入れる事件は果して六月三十日までにやれるかどうか、これは最高裁判所といたしましては、判事の臨時的な職務の代行の制度を活用いたしまして、主として繋属しております各高等裁判所の控訴審で是非とも終らせるような措置を講じたいというふうに考えておるわけであります。只今伊藤委員から御質疑がございましたような、果してそれが本当にやれるかどうか、これはやれるだけやる。長官会議の協議の結果では大体やれる見通しが立つというふうに考えております。
#25
○伊藤修君 私のお尋ねしておることは、要するにこの通達は関係方面の示唆に基いて通達なさつたことと存じますが、この通達を有効に実現するためにこのたびの刑事訴訟法施行法の一部改正、及び裁判所法の一部改正、民事訴訟法等の一部改正というものが出て来たものと考えております。要するに主として旧件の処理ということに主体が置れておる。かように考えます。現在御承知の通りいわゆる旧件として残つておるものは複雑なものが多く残つておるわけです。簡易のものはすでに片付いておるはずですが、現在残つて全国の裁判所に繁属しておる旧件というものは少くとも相当の日時を要するものであるということが言えるのであります。お説のことくそのうちで、病気で出て来れんとか、或いは逃亡して出て来れんというものはどのくらいであるか存じませんが、旧件の中では私は少いのじやないか、而もそういうものは新刑事件の中に多く数えられるべきものであり、旧刑事件のものはその数字をお示し願わなければわかりませんが、私は少いと考える。大部分というものは片付けなければならん、処理しなくちやならん、取扱わなくちやならんという事案に属するのじやないか。六月三十日というのは一応の目途というお考えならよいのですが、六月三十日までに片付けるという御方針であるとすれば不可能じやないか、こう考えるのであります。その点のお見通しはどうですか。
#26
○説明員(内藤頼博君) 被告人の逃亡、或いは被告人の病気の事件は私の承知しております限りでは相当の数に上つておると存じます。それからなお六月三十日はこれは目途ということでございまして、それまでに処理できない場合どうするかということも考えざるを得ないわけでございますけれども、これは目途というふうに御承知頂きたいと思います。
#27
○伊藤修君 そうすると六月三十日までに片付けなくてもいいわけなんですね。
#28
○説明員(内藤頼博君) 片付けられない場合にそれが法律上何らかの効果を生ずるということは別にないと存じます。
#29
○伊藤修君 ついでにもう一つ伺つて置きますが、これはどなたか、羽仁さんでしたかどなたかから示されたのですが、簡易裁判所の判事のいわゆる特任による方の経歴の資料でありますが、この資料に基きまして出て来るところの、いわゆる特任の人の取扱つた事件の破棄率というものはわかりませんか。昨日岸君の御答弁によりますと、簡易裁判所の破棄率は二〇%だと言つておりますが、その二〇%というものは、いわゆる有資格者の簡易裁判所の判事をも含めておるのですか。大体特任判事の取扱つた事件ですか。
#30
○政府委員(野木新一君) 簡易裁判所判事の上訴審における破棄率のうち、いわゆる特任の判事のものとそれ以外の弁護士等の資格を持つたもので判事になつた者との破棄率の相違は只今のところは、その区別した資料は持つておりません。
#31
○伊藤修君 最高裁判所は或いはおわかりになつておらないのではないですか。いわゆる特任判事というものが問題になつておりますね。その特任判事というものは存置すべきか、又将来ともこれは採用して行くかということは一つの大きなこれは研究課題だと思いますが、それが調査なさつていないというと怠慢じやないですか。
#32
○説明員(内藤頼博君) 御尤もなことだと存じますが、現在私どもの手許にございます統計では簡易裁判所全体についてあるだけでありまして、実は特任の判事については特別の統計を手許に持つておりませんので、直ちに御希望に副いかねますことを甚だ遺憾に存じます。
#33
○伊藤修君 これは重要な問題でありますから最高裁判所において、いわゆる特任判事の能力というものに対する一つの研究材料として、常にそういう点を御注意願つて置きたいと思います。そして我々に教えて頂きたいと思います。そうすることによつて、将来特任判事というものを立法上留め置くかどうかということを副検事の存廃というものからも考慮しなければならないと思います。これは直接基本人権に大きな影響を及ぼす重大な事項だと思いますから、その点を十分御注意の上御研究を煩わしたいと思います。できましたら次の国会でもよろしいから資料をお示し願いたいと思います。
#34
○説明員(内藤頼博君) 最高裁判所のほうで十分考慮させて頂きたいと思います。
#35
○委員長(北村一男君) 羽仁さん、ございませんか。
#36
○羽仁五郎君 それじやこれらに関する一般的な問題について最高裁判所及び法務府の当事者に伺いたいのですが、現在御承知のように十日に世界人権宣言の記念日が行われようとしておるが、我々の国会、国会図書館においても展覧会を開催しておりますが、それを見ました。その場合にも人権蹂躙に関する事件が非常に多い。なかんずく警察官による人権蹂躙、或いは検察官による人権蹂躙というものが非常に多いのですが、こういう問題について特に、その十二月十日の世界人権宣言を迎えるこの際に、最高裁判所及び法務府では、こういう人権蹂躙が警察官及び検察官によつて行われておるというような悲しむべき事態が非常に多いという問題について、どういうお考えをお持ちであるか。それを伺いたいと思います。
#37
○政府委員(田中治彦君) 羽仁さんからの御質疑にお答え申上げます。
 只今仰せの通り、世界人権宣言の記念日が参りました。一方人権侵犯と申しますか、人権擁護と申しますか、それを要する事件というものが追々に多くなつております。法務府の人権局におきましてもこれに対応するところの努力をして参つたのでありますが、特にこの中で御指摘の警察官による人権侵犯という件数も相当の数に上つておるのであります。併しながら特にこの人権侵犯という、特に警察官の人権侵犯、それを取上げてそれに対応した対策を考え、或いは一般的な警告を発するということを只今考えていないのであります。と申しますのは、人権擁護局でも警察官或いは各方面の人権侵犯ということには重大な関心を持つております。本年の八月九月に入りましてその件数を全国的に集めております。本年内にはそれを集計いたしまして、一つの結論を持つて意見の発表をして行きたいという計画を持つておりましたが、残念ながらこの週間に間に合わなかつたような次第であります。併しながら只今御指摘の警察官、検察官の人権侵犯事件につきましては、或いはときによりますと警察官を告発をした事件も二、三件あるのです。そのほか告発に至らないような事件につきましては公安委員会、或いは警察署長、或いは国警長官に向いまして、その当該警察官の行政上の処分を求めて、なおその上に民主的な警察のあり方を普及徹底せしめるように警告を発して参つておるのであります。
#38
○羽仁五郎君 只今の問題に関連して法務総裁の御所見も商事に伺つて置きたいのですが、現在人権擁護週間、或いは世界人権宣言の記念日というものを迎えて、そうしてそれらについていろいろな啓蒙的なことが行われているのですが、要するに啓蒙程度のことではこの重大な問題について恐らく十分とはお考えになつていないと思うのです。先日人権蹂躙関係の御答弁の際にも、或いは関西地方における事件とか、或いはいま一つの事例をお挙げになつて、そういう面について十分の関心をお持ちのことはよくわかるのでありますが、この際特に世界人権宣言の記念日第二周年を迎えるに当つて、連合軍の司令部からもその問題についての所見の発表もあつたようでありますが、法務総裁としてどういうふうにお考えになつておるか。なかんずく私は最も重要な点では、第一には人権尊重という問題について私は絶えず法務総裁が、そのことに関係する警察官、検察官、或いは判事、そういう方々に伺つて高邁なる識見を以て訴えられるということが必要じやないかと思うのであります。
 それから第二には現在日本において起つておる人権蹂躙の性質を見ますと、依然として強い者が弱い者を圧迫するという傾向が非常に強いと思うのです。ですから主として蹂躙される人々が統計を見ても万遍なく平均しているのじやなくして、先日も例におとりになつたように、第一には政治上圧迫される状態に置かれやすい共産党、或いはそれに関係する人々が多い。それから第二には女性とか少年とかそういう人々が多いと思うのでありますが、これらについて恐らく現在日本のそういう関係について法務総裁としては一党一派に偏しない御見識がなければならないと思うし、又警察担当の国務大臣としてもそういう点についての御所見があるはずだと思います。併し一般の、殊にいわゆる末端といいますか、そういう立場においてはそういうような共産党員、或いはそれに関係する人々、或いは婦人だとか、少年だとかいう場合には、得てして必ずしも人権を尊重するという観念が徹底していないのじやないか、而もそれは基本的人権の確立の上に非常に大きな危險をそこへ孕んでいるのではないか。そうしてそういう意味で私は特に法務総裁にお答えを願いたいと思うのは、世界人権宣言記念日を迎えるに当つて、特に一般及びこれに関係する人々に向つて直接職務上、或いは政治上訴えられるというようなお考えをお持ちかどうか。
 それから第二には、特にその問題に関して今申上げたように、特に人権を蹂躙されておる場合が非常に多い政治上の関係とか、そういう問題について特に御所見をお述べになる機会を持とうとしておられるかどうか。
 それから最後に第三点として、法務府に人権擁護局というものがありますが、併し実際においてその活動は非常な期待を寄せられておるにもかかわらず、十分だというふうには世論は認めていないのです。その原因はどういうところにあるか、若しその原因が予算などにあるならば、それらの予算の裏付を持つて、非常な期待を持つて考えられておるところの人権擁護局というものが、十分な活動をなし得るような具体的な処置を現在、少くとも二十六年度の予算などにおいてはお考えになつているかどうか、そういう三点について伺いたいと思います。
#39
○国務大臣(大橋武夫君) 先ず第一に警察官、或いは検事等人権擁護に特に重要なる関係のありまする機関に対しまして、法務総裁として人権擁護の観点から訴える、これは私は極めて適切な方法でありまして、必ずやその効果は大なるものがあると存ずるのであります。是非さようなことの措置をとりたいと思つております。ただ時期といたしましてはいろいろな都合がありまするので、この週間のうちにやり得るか、又その訴える方法といたしましては如何なる方法によるかということは、今後研究して見たいと思うのであります。併しすでに先般当委員会におきまして、一松委員、或いは鬼丸委員よりこの問題について御熱心なる御意見が述べられて、私といたしましては即日管下の各検事局に対しましてはこの旨を伝えて、特に今後人権擁護の観点から、検察における権限の運用に当つて、格段の注意を促すように通牒を発した次第であります。又特に人権を侵害されやすい部類の人たち、政治的に現在における比較的弱い立場にあると認められる人たち、或いは又年齢層、或いは性的に弱い立場にあると認められる人、これらの取扱に当りまして特に注意を促すということはもとより必要でありまするし、さようにいたさなければならんと考えております。現に先般当委員会においてお答えを申上げたる通り、最近におきましても共産党員に対しまして、特に軽微なる犯罪にもかかわらず不必要な逮捕状を出しておつたというような事例がありましたので、これに対しては直ちに処置をいたしたこともあるわけであります。如何なる人に対しましてもかようなことが必要でありますが、特に弱い立場にある人たちに対しては一層注意をする必要があると考えるのであります。それからこの人権の尊重という意味におきまして、国民諸君の協力を受け、同時に人権をややもすれば侵しやすいというような職責にある警察その他の人たちに対する国民の人権擁護の立場からするところの監視というような努力、或いはそういつた方面における理解を促進いたしますために、国民一般に対して人権擁護の必要性並びにこれに対して協力方を要望するということもこれ又目的の達成上適切な処置でありますので、この点については十分に考えて見たいと思つております。それから最後に御質問になりましたが、人権擁護局の予算或いは機構の問題でありますが、これは従来、御指摘の通り、極めてその使命の重大なるに比較いたしまして陣容が十分でなく、又経費も足らず勝ちであつたのでありますが、かような時期でありまして、各方面におきます経費の要請は極めて多端でありますので、到底所期の必要な経費を獲得するということは困難であつたのでありますが、併しできる限りの努力をいたしまして、昭和二十六年度におきましては地方機関を増員する、又その経費を増額するという話合いになつているわけであります。いずれ近く予算案として御審議願いたいと思つている次第でございます。
#40
○説明員(内藤頼博君) 今羽仁委員の御質問の中に判事という言葉がありましたので、最高裁判所としてお答えいたします。裁判官が人権を蹂躪した例というのは聞いておりませんわけでありますけれども、併し人権擁護という建前から裁判所といたしまして問題がいろいろあると存じます。一つは訴訟の遅延の問題、訴訟の遅延によりまして人権の擁護が十分でないということが実際の問題としてあるのでございます。この点につきましては弁護士のほうから訴訟の促進を強く求められておりますし、裁判所のほうといたしましてもできる限りの訴訟の刷新を図りたいということで今回法案の御審議を願つているのであります。もう一つは逮捕状の問題でございますが、逮捕状は、ご承知のように、検察官或いは警察官の請求によりまして裁判官が出しているのであります。勿論その請求が当を得ないという場合には逮捕状を出すことを拒否しているのでありますが、この点につきましても人権尊重の趣旨を一層徹底いたしまして、逮捕状の発付に遺憾なきを期したいと存じている次第であります。
#41
○羽仁五郎君 人権尊重の思想は恐らく法務総裁の最高の名誉に関係する問題だと思います。私は法務総裁とか或いは最高裁判所長官や、或いは実際の第一線に立つている方としては警察者長とかいうものが人権擁護を何よりも至高の任務であると十分認識していると固く信じているのでありますが、併し実際の場合には必ずしもそうでない。依然として單に法律を施行するという程度のことしか認識されていないのじやないかというような誤解を招いている場合もあると思う。只今の法務総裁のお答えで大体の趣旨においては私満足でありますけれども、その点なお一層御考慮下さつて、特に只今の点についての所見をもつて社会秩序担当当事者に訴えられるという時期などの問題も、やはり十二月十日というのは随分重大な時期であります。そういう点も更に再考を促したいと思うのであります。それからこれは只今すぐ御答弁を頂かなくても適当の時期にまたお答え願いたいと思うのでありますが、検事とか警察官、それから裁判官それらに関係する人々の教育及び再教育をやつておられますが、それらの面、それからまた警察署長などについても、それらの人々がそれらの職責に適当であるということを判断する上において、基本的人権に関するその人の認識というものをどの程度に重要視されておられるかというふうなことも具体的の仕事の上で、或いは司法研修、訴訟の場合、その他の場合について伺いたいと思うのでありますが、これは今日直ちにお答え願いたいというふうに考えない。
 それから最高裁判所のほうからの只今御答弁でありましたが、判事が基本的人権を守らなければならないという一つの大きな場合としては、やはり訴訟に当つて、例えば検事なり、検察官なり、或いは警察官なりが人権蹂躪をしているような事実があると判事が認めた場合にそれらについて非常に重大なる判事としては考え方をしなければならないのじやないかと思うんですが、私どもはちよいちよい傍聽している限りでは、余りそういう問題について非常に深刻なる認識というものを持つておられないのじやないか。人権蹂躙があつたという場合には全然その訴訟というものは初めから成立しないというくらいの深い考えが十分に徹底していないんじやないかというにも思いますので、そういう点なども御留意願いたいと思うんです。
#42
○国務大臣(大橋武夫君) 只今お述べになりました趣旨は全く同感でございます。その線に沿いまして善処いたしたいと存じます。なお先ほど申落しておりましたが、逮捕状濫発の問題につきましては、検察庁側に対して通牒を発しますると同時に、国家警察におきましても丁度各府県の警察隊長会議を催しておりましたので、その席上において本部長官より特にこの問題につきまして懇篤なる訓示をいたすことを要請いたしまして、さように取計らうという報告を受けております。
#43
○説明員(内藤頼博君) 裁判官につきましても誠に御尤もなる御意見と存じます。裁判官の研修であるとか、或いは告示の趣旨などを徹底するようにいたしたいと思います。
#44
○左藤義詮君 只今いろいろ逮捕状の問題がありましたが、先に実例を申しますと、私どものほうの大阪府でこの警察官が自分の上司である署長の逮捕状を司法警察官であるが故に直接判事に請求をして、それが出たというような事件があつて、これは警察署長でありますためにいろいろ問題になつたのでありまするが、或いは曾つてこの参議院に議席を持つておりました方に対して逮捕状が出たんですが、非常に誤りであつたというような事件もあるのでございまするが、これはまあ私法律には素人でございますが、これは非常に精神的な大きな圧迫でありますので、それが誠に今お話でありましたが、事実は簡單に出されておる、殆んど盲判を捺して出すというような実情であると思います。私は二つの今挙げましたような実例が出て来るのですが、実際は今羽仁さんの言われたような、そういう訴える途を知らない無辜の者に相当私は多いのじやないかと思う。その点について今挙げましたような実情等もありますかどうか。只今判事が……。まあ検察官は私はどうかと思いますが、末端の一司法警察官が請求し得る。それに対して盲判を捺しておるとすれば非常に重大な問題だと思うのですが、判事が相当拒絶しておるというようなお話もございましたが、どのくらいの一体要求がございまして、どのくらい拒絶をしておりますか。どの範囲において実際末端においてどの程度まで判事が逮捕状の請求に対して愼重にやつておられまするか。その点について実情なり、その統計なり、又それに対する今後の策を一つお伺いしたいと思います。
#45
○説明員(内藤頼博君) 逮捕状のような身心を拘束いたします効力を生じますものにつきましては、御承知のように憲法で現行犯のある者に限り発することができるようになつております。裁判官にとりましても極めて重要な権限であるというふうに私どもも考えている次第でございます。只今お話のございました実例及び逮捕状の拒絶の件数等につきましては、只今手許に資料がございませんので、調べまして御答弁を申上げたいと存じます。
#46
○左藤義詮君 実例につきましては後刻で結構でございますが、私が後段に申しました実際末端においてどういうふうな処置をしておられるか。一つ要請したらすぐとれるのか。どういうようなそのとき取扱をしておられるのですか。その具体的な実情について一つお尋ねいたします。
#47
○説明員(内藤頼博君) 裁判官がその請求につきまして、盲判で逮捕状を出しておるというようなことはまあないと存じます。併しそういう詳細な末端の事務について、やり方につきまして所管の検務局長が参りまして御答弁申上げたいと存じますが、御了解願いたいと思います。
#48
○委員長(北村一男君) では後刻検務局長が……。
#49
○伊藤修君 先ず先般お尋ねして置きましたいわゆる文芸春秋の問題について法務総裁から御答弁をお聞きしたい
 と思いますのですが……。
#50
○国務大臣(大橋武夫君) 七月二十九日の法務委員会におきまして伊藤委員から御質問がありまして、その際取調べの上お答えを申上げるというので答弁を留保いたしておつた問題でございます。この御質問の御趣旨は、東京地方検察庁の所属の河井検事が八月号の文芸春秋に執筆投稿いたしましたる獄中の大野伴睦氏、これに対して小見出しといたしまして、大野伴睦代議士の放談に答うる。こういう題をつけましたる記事が、河井検事の私的な意見として出されたものであるか、それとも法務府に伺いを立て、或いは検察官の協議を経てなされたものであるかどうか。若し私的意見としてなされたものであるならば、一体検察官が職務の執行によつて知り得た被告の取調中の私事を公開をいたし、或いはその職務遂行の過程をかような方法により披瀝してもいいものかどうか。こういう御質問の要旨であつたのでございます。これに対してお答えを申上げます。河井検事の獄中の大野伸睦氏と題しました文章は、その副題において示しておりますごとく、七月号の文芸春秋に掲載せられました大野伴睦氏の獄中獄外放談と題しました記事に対しまして、河井検事個人の立場から一応の弁明を試みたものでありまして、全く同検事が私的意見の発表に過ぎず、法務府に伺いを立て、或いは検察官の協議を経て発表せられたものではございません。而して右記事を投稿いたすことに至りましたる事情は、大野氏の獄中獄外放談という記事が河井検事の実兄のことに及び、又同検事の取調べ態度その他若干個人的問題に触れるところがありまして、而も同検事の立場からいたしますと、その内容にはかなり誇張と歪曲があり、真相と齟齬すると感じまして、若しこのまま放置するにおきましては、読者、或いは延いては一般の誤解を受け、検事自身及び実兄等の名誉が侵害せられることがありはしないか。又検察一般に対する信用を失墜する慮れがありはしないか。かように考えまして、これに対する世人の誤解を一掃するという趣旨を以ちまして、全面的な記事を投稿いたし、これに答えようといたしたものなのでございます。併しながらこの記事がかようなる雑誌にかようなる形において掲げられましたということは、検事の職務上の地位から考えまして、又その内容の記述が特に一般世人を対象とするものといたしましては、内容或いはその書き方等につきまして、より一層注意を行うべき点があつたという点から考えまして、法務総裁といたしましては、これは遺憾に存ずるところであります。直勤の監督官を通じまして同検事に対して訓告の処分をいたした次第であります。御報告をいたします。
#51
○伊藤修君 只今の法務総裁の御報告によりまして、いわゆる検事のあり方といたしましても、誠に法務総裁として適切なる御処置をおとり下さつたので、この点敬意を表します。少くとも検事といたしましては、法務総裁の御答弁のような趣旨において今後の検察の運営を図られることを強く望みます。
 次にお尋ねいたしたいのは、人権擁護問題につきましては只今羽仁さんからお尋ねがありまして、詳細御答弁があつたのでありますから、これは省略いたします。
 治安問題について一言お尋ねいたしたいと思います。私が申上げるまでもなく、現在世界は二つの陣営に分れておりまして、我々といたしましては日本の憲法の立場から申しましても、又国際情勢の上から申しましても、日本の現在置かれておる環境から申しましても、この二つの陣営に対しまして、共に、又同時に、平等に我々は平和を望んで止まないのであります。併し事実は、世界の情勢は、こういう我々の理想を裏切られる傾向に流れつつあることは、これはもはや否定すべき何物もないと思います。恐らく今後の世界のあり方といたしましては、東の陣営、西の陣営と各分れて異つたところの人類生活というものが醸し出されるとかように信ずる次第であります。誠に不幸な次第であります。而してさような環境に立つ場合に、日本の国民といたしまして、一体我々は西の陣営に行くのか、東の陣営に行くのかということが、いろいろ指導者の、いわゆる政府当局その他の人々の言葉を総合いたしますというと、おぼろげながら西の陣営に行かざるを得ないというような傾向にあることは、これは顯著な事実だと思います。そういう環境の中に立つている日本といたしまして、日本国民といたしまして、一体八千万の国民が安んじて今後我々の生活権というものを保持し得るかどうか、この環境において、即ち国際混乱の余波というものは、即国内の治安に影響して参ることは申すまでもないことであります。又国内治安の影響が延いて国際治安に波及して行くことも想像に難くないと思います。こうした場合において、一体政府は現在の機構において、国内治安が保たれるところの確信があるかどうか、言い換えて申しますれば、国民はこれによつて生存の保障が期せられるかどうかということを先ず御確信のほどをお伺いしたいと思うのです。
 第二にお伺いしたいことは、それに備うべき国家警察というものを、いわゆる示唆によつてお作りになつたことと存じますが、いわゆる警察予備隊と通称言われておりますが、一体この警察予備隊というもののあり方ですね、仄かに私が聞くところによりますれば、名は警察予備隊でありますが、そこにおいて訓練されるところのものは、いわゆる警察行政に関するところの知識というものは、少しも訓練されていないように聞くのであります。例えば具体的に申しますれば、法律的な素養は少しも與えられていない、ただ日常鍛錬と攻防ということ、兵器の使い方ということのみに専念されているように聞いております。若しそうであるといたしますれば、一体日本が再軍備の基礎をこれによつて養いつつあるという誤解を招くのではないかと思うのです。若しこの警察予備隊が国内治安の機関となるものであるというお考えなれば、少くとも警察の範疇においてこそ存在を認められるものと思うのです。して見ますれば、少くとも国家警察が他の警察、即ち二万五千の者と、同様なところに置いてこれを教育し、運営して行かなくてはならんと思うのであります。そのように大きな騒擾に対するところの訓練ということも或いは附加えてなさるることもあり得るかも存じませんが、そういう行き方にあるべきではないんでしようか、そうでなくして現在のごとき形において訓練されておるといたしますれば、それは再軍備の基礎をなすものであるという世界の誤解を招く慮れがあるんじやないでしようか。少くとも日本国民が平和国家、平和主義の国民であるという言葉を事実において裏切ることになるんではないでしようか。世界といたしましては、ドイツの再軍備、日本の再軍備を今日期待して止みません。これは世界の情勢であります。人的資源を求めて止まないことは今日のあり方であります。併しそれに直ちに日本国民が受けて立つて再軍備をするがごとき形に持つて行くということはどうでしようか。少くとも今日講和條約を迎えんとする今日の日本人のあり方としては、そういう私は誤解を招くのではないでしようか。この点に対するところの御所見をお伺いしたいと思うのです。
 それから第三に、一体警察予備隊というものが、或いは法務総裁のお答えを想像いたしますれば、飽くまで国内治安のために存在するのであると、こういうお答えを得ることと存じますが、併し先ほど申上げましたごとき趣旨の下に訓練されておるところの警察予備隊というものは、今日特に西にこれを移動し、或いは北に移動して、そうしてあたかも極東におけるところの紛争の第二基地、即ち兵站部基地を担当しておるがごとき形にこれが移動されておるということは、国民に大きな不安を與えるのです。この形自体から申しますれば、即ち日本国民が今日の連合国の基地を代行しておるがごとき感覚を與える。これは関係方面の意図に基くというならば、これは又別であります。それが占領政策に、より必要なことであるというなら別でありますが、そうじやなくして、日本の国家警察がこういうような形に運営して行くということは、これは又非常に国民に不安を與えると共に、国家警察の本質に対しまして、大きな疑点を投げかけるものではないかと思うのです。
 それから第四にお伺いしたいことは、一体今日のようなこの情勢において、中共が果してどこまで侵攻するかわかりません。恐らく中共は停戰に対するところの最後の発言権を確保するために、三十八度線までは必ず来る。これは火を見るよりも明らかなことです。併し勢いの赴くところ、朝鮮全土に中共の軍がなだれ込むかもわかりません。そうした場合において、日本の国内治安というものが、果して現在の警察制度若しくは警察の陣容のみによつて保ち得るという御確信があるかどうか。今日の傾向から申しますれば、先ず思想の侵攻があり、次に思想に伴うところの暴力の侵攻があり、最後に思想と暴力とを前衛としたところの軍備の侵攻がある。この三段階の侵攻によつて、他の一つの陣営は、他の陣営を席巻せんとしつつあるのです。かような場合におきまして、安易な考え方で以て日本国民八千万の生命というものが片付けられるということは、私は如何にも不安で堪らないのです。少くとも日本国民の今後の生活、生存の保持の面からして、確乎たる信念を御披瀝願いたいと、かように考える。この四点に先ずお答えを願いたいと思います。
#52
○国務大臣(大橋武夫君) 伊藤委員にお答えいたします。
 先ず第一の御質問は、今日世界が二つの陣営に分れており、これに関連いたしまして、国内において種々治安上の問題を生じておるのであるが、現在の警察力において、この国内治安を十分に維持できるかどうかという御趣旨に拝聴いたしたのでございます。現在国内の警察力といたしましては、一般警察といたしましていわゆる九万五千の自治警察、ほかに三万の国家地方警察、都合十二万五千、そのほかに警察予備隊といたしまして七万五千、都合二十万、これが正規の警察力ということに相成つておるわけであります。この警察力の人員の数というものが必ずしも今日の日本として少きに過ぎるということはないのでありますが、併しこれが運用におきましては、この二十万の警察力を治安の確保のために完全に有効に活用できる態勢ができておるかどうかという点になりますると、いろいろ問題があるわけじやないかと思います。特に地方警察、自治警察この両者の活動がおのおの別々になつておる。そうしてこれの両者についての連絡関係が必ずしも理想的ではないという批判がございまする。この点は従来一本にまとまつて運用されておりましたる日本の国家警察というものに対しまして、その一部が分かれて自治警察を作り出した。そうしてこの自治警察ができる際におきまして、特にこれは従来の国家警察に隷属したごとき従来の地方の警察ではなく、これは自治体の独立したところの警察であるという趣旨が非常に強く強調されたわけであります。もとより基本的人権を擁護し、警察として真に民主的なあり方を期待いたしまするためには、従来のごとき国家の中央集権的な形をとるよりも、むしろ地方分権的な行き方にするということのほうが、或いは地方の地元地元における住民の監視を容易ならしめるというような点から申しましても、適切な処置であつたと考えられるのでありまするが、併しながらこの警察を国の全体の警察力として考えて参ります場合におきましては、一朝有事の際においてはこの折角存在いたしておりまするすべての警察力が有機的に統合的に活動をいたし最高度に能率を発揮するということを常に政府としても又各警察としても考えるべきことは当然なのでありまして、かような点から申しまするというと、自治警察というものは必ずしもその自主独立性を強調することによつてのみ警察法における自治警察としての真面目を発揮し得るものではなく、国家地方警察その他他の自活警察との連絡協調というようなことについては、常に独立自主性を主張すると同じ強度を以て、これを主張し又念頭に置くべきものであると考えられるのであります。併しながら今日までの段階におきましては過渡的に従来の統一せられたるものが分裂いたしましたために、反動的に独立性を強調する、自主性を強調するという点が非常に強くなつておりまして、連絡という点におきましては必ずしも十分ではないという状態にあるのでございます。今後この制度の運用又要すれば或る程度の改正によりまして、これらの自治警察と国家警察との連絡協調が平素より十分に保たれるようにいたしたいと考えておるのであります。これが完全に行われまするならば十二万五千の警察力というものが殆んど終戰当時又戰時中におきまする我が国の警察力に比較いたしましても殆んど五割以上増加いたしておるわけでありまして、相当な警察力として活動が期待できるのであります。殊に今日におきましてはそのほかに七万五千の警察予備隊の発足を見た次第でありまするので、これらを総合いたしますると現在における治安の維持というようなものについては十分に信頼を置き得るものと確信をいたすのであります。ただでき得る限り先に申上げましたるごとき各機関の徒らなる小さい立場から自主独立性を強調するばかりでなく、国家的な大きな立場から見るべきところの相互の連絡協調性を今後増すことによりまして、全体の能率を上げて行くということが尚必要であると考えておるわけであります。
 第二の御質問は警察予備隊のあり方についての御質問であつたのでございます。警察予備隊はその設けられましたる趣旨が、一般警察力の補充的な作用を営むものである。その任務といたしまするところは勿論国内の平和と秩序を維持し、公共の福祉を保障することでありまするけれども、具体的に申しまするというと一般警察が処理できないような事態の発生に際しまして出動をするということになつておるのでありまして、その活動は補充的と申しますか、或いは補強的と申しますか、そういう使命を與えられておるのであります。併しながらそれは飽くまでも警察の任務に従事する警察であることは明らかでございまして、マツカーサー元帥の書簡及び警察予備隊令においてもこの趣旨は明らかにされておるのでありまする従いまして警察予備隊は軍隊とは明確に異なるものと言わなければならんのでありまして、軍隊というものは元来外敵と戦うということがその第一の任務と相成つておるものである。過去の我が国の軍隊も国内において出動することもございました。いわゆる地方長官の出兵請求に基いて出動いたす建前になつておつたのでありまするが、併しそれは飽くまでも第二義的な任務であつて、主たる任務、第一義的な任務というものは飽くまでも外敵と職かうということが任務であつたのであります。かかる過去の軍隊と異なりまして、警察予備隊は過去の軍隊が第二義的の任務としてのみ考えておつた国内の治安維持という、これを第一義的而も唯一の使命として設けられたものなのであります。従いましてこれはかようなる性格の上から申して軍隊とは全く異なるものであります。警察の性格、性質を持つておるものであると考えておるのであります。而してこの警察としての性質、即ち一般警察が処理できないような事態が起りました場合において出動をする、こういう性質から考えまして、警察の予備隊の持つ武器は、当然一般警察の持つ武器よりも重い装備を持たなければならないということは、その任務から来る当然の結果となるわけであります。即ち現在の警察予備隊におきましては、占領軍より貸與せられておりまするカーバイン銃を全員携帯することにいたしておるのであります。これは極めて小型の小銃でございまして、約十八発を連続発射し得るような装置でございますが、併しその射撃距離、有効距離というものは数百米の程度でございまして、むしろ威力という点から申しますると、従来日本の軍隊の用いておりましたる歩兵銃等に比較しますると、小銃というよりはむしろピストルに近いものでありますが、これを全員に持たしておるようなわけであります。且つ又その目的が警察の通常処理できないような事態という場合の出動を予想いたしておりまするので、これは国内におきましては、いわゆる集団的な破壊行動というものを予想いたすわけでありまして、これらの集団的破壊行動に対して出動する警察予備隊といたしましては、これを部隊として編成をいたし、そうしてそれに対処するような特殊な訓練を平生から実施することが必要となるわけであります。従いまして訓練の上におきましても、部隊としての行動を威力あらしめるという趣旨からの訓練か先ず第一義的に必要となるのであります。通常の警察と相異なりまして、日常社会に発生いたしまする警察事犯の取締を行い、或いは一般警察行政の手伝いをするというようなことは、最初から使命として考えていないのであります。むしろそういうことから離れまして、非常事態に出動するという使命一本によつて、この警察予備隊を編成いたして参りますることが、少数の人員によつて最も威力のある警察力を作り得るゆえんであると、かような趣旨を以ちまして一般警察事務等からは切離しております。又配置から申しましても、一般警察とは切離して、特殊の部隊として各地に配置をいたしておるのであります。従いまして、現在の段階におきましては、先ず訓練の順序として、差当り一時も早くこの第一義的の使命に向つて、有効に働き得るものにいたしまするような、新らしい武器の操作、或いは集団的破壊行動に対処するところの部隊行動というような点の訓練が主眼になつておりまして、警察行政に関する知識等につきましては、今日の訓練におきましても殆んどこれを実施いたしておらない状態です。ただ併しながら現在の警察予備隊の編成は、一般隊員が募集せられ、幹部として指導、監督、訓練の責任を負うべき機関がまだ十分にできておりません。今日隊長その他の幹部となつておりますのは、仮に任命されたものでありまして、これは将来において本式な訓練を受けた正規の幹部と交替せしめるということになつておりまして、さような次第でありまして、現在の警察予備隊は幹部の配置が殆んどできておらない。従いまして訓練といたしましても、特に現在は部隊訓練というような点のみを行なつておるのでありまして、精神的な指導の面でありますとか、或いは学課でありますとか、そういう面が非常に遅れておるということはこれは事実であります。私どもといたしましては来月中旬頃までに、一応新幹部を配置いたし、これらの新幹部によつて今後の教育の重点といたしまして、従来からの部隊行動、或いは武器の操作という面と並行いたしまして、民主的な警察予備隊としての必要な学課という面の訓練も行うようにいたして参りたい。でき得るならばそういう段階に相成りますれば、警察としては一般的な知識を訓育するようにいたして参りたいという考えは持つておりまするが、現在におきましてはさような状態でそういうところまで参つておらないのであります。従いまして現在の警察予備隊の部隊としての訓練の仕方、又装備が一般警察に比較して重い、こういつた点から見まして、この警察予備隊というものは普通の警察と全く違つた、むしろ軍隊のごときものであるというような世間の誤解があるということは、私どもも十分承知いたしておるのであります。この点は全く誤解でありまして、その誤解のよつて生じまするゆえんのものは、現在までの警察予備隊が未だ創立の過程にありまして、十分私どもが計画いたしておりまする完全な姿になつておらない、それがために訓練等におきましても、私どもの計画いたしましたような線でなく、むしろ軍隊に近いような、そういつた教育の面が先行をいたしておる、この結果軍隊ではないかというような感じを隊員みずからも持ち、又世間においてもそういう誤解を生じておる、かように考えるのであります。この誤解の生じましたことにつきまして、私どもも今日までのそうしたところの仕事の進行が、必ずしも期待通り手際よく行かなかつた、それがために教育におきましても現在のような状態である、その結果かような誤解を一般に生じておるのでありまして、この点につきましては私どもも深く遺憾に考えております。併しながら本来の警察予備隊の性格は先ほど申上げましたごとく、一般警察にもあらず、又軍隊にもあらず、一つの新らしい国内治安のための警察力でありますから、その線に沿うた編成、訓育、これを早く完成いたしまして、世人の誤解を解くように努力をいたしたいと考える次第でございます。
 第三に予備隊の現在の配置が連合国軍の兵站基地を守るようになつておるではないかという御質問の点でございます。これは事実におきましてさようにお感じになつたといたしますれば、それは十分理由があることだと存ずるのであります。即ち警察予備隊七万五千の募集ということは非常に急に行われたのでありますが、警察予備隊の募集を考えまする上におきましては、これら募集いたしましたる隊員をどこに收容するかという容れ物が一番の問題となつたのであります。ところでこの容れ物ということになりまするというと、従来の陸海軍その他の持つておりました国有の建物について今なお不用に帰しておる、そうしてこれらの警察官を收容いたしまするように転用できるものは各地に相当あつたし、又現在もあるのでございまするが、併しそれは長年使用いたしておりませんでした関係上、内部の設備等におきましても直ちに利用し得る状況にはなかつたのでございまして、これには相当の金もかけ、又時間もかけて修理をしなければ、警察予備隊を収容するには不適当であるというふうな状況であつたのであります。幸い連合国軍司令部におかれましては、この新らしい人たちを急に募集する、ついてはその收容の施設としては司令部の側においてできるだけの心配をしてやる。ついては丁度朝鮮動乱のため米軍部隊の一部が退去したままになつておる。連合国軍の兵舎として用いておつた建物もあるし、又曾つて連合国軍が使用いたしておりまして、そうして撤退いたしましたために現在空いておる建物、これらの建物を取りあえず指定するからそこに収容してはどうかというお話があつたわけであります。そこで政府といたしましても、他に急に收容すべき適当なる建物がありませんでした関係上、取りあえずの運びといたしまして、連合国軍の兵舎として使用いたしておりまする建物であつて、現に空いているところに仮に容れてもらうということにいたしました。その結果は当然連合国自体の兵舎として管理されておつた建物でありまするから、連合国の兵站基地を守るような地位にあるのはこれは当然であつたわけであります。結果的には御指摘のような形になつたのであります。併しながら現在使用いたしておりまする建物、これは連合国軍の建物を使用する、建物を一時借用いたしておるわけであります。警察予備隊側といたしましては、今後でき得る限り速かに日本政府の警察予備隊の専用の庁舎として使用すべき建物、これを決定いたし、それを修理して使用に耐え得るようになり次第、そこに引越をさせる。こういうことに相成つておりまして、今すでに殆んど毎日のごとくに一部ずつ新たなる庁舎が完成し次第そこへ移動しておるという実情でございます。従いまして今後におきましては日本政府の必要に応じまして、建物さえあればそこへ配置するというような運びにあるわけであります。これは必ずしも連合国軍の兵站基地を守るように配置しなければならんものであるというふうには私ども考えておらないわけであります。
 それから第四に、現在の朝鮮の動乱の状態の将来というものを考え、仮にこれが朝鮮全土に拡がつた場合において日本の治安は大丈夫であるかどうか、特に思想の攻勢、遂には暴力による侵入、最後には軍の力によつて侵入をいたして来る。これに対処して万全の措置があるかどうかという御質問であつたのであります。少くとも思想攻勢、或いは国内におきまする暴力の攻勢に対しましては、これは国内治安の問題でございまして、この点につきましては警察予備隊及び一般警察、この力を十分に活用いたしまするならば、国内の治安は十分に確保できるものと考えております。併しながら将来において外国軍隊が我が国に侵入して来るというような場合におきましては、これは私どもは単なる国内治安の問題と考えまするよりは、むしろ日本国の安全保障の問題として考えるべきものではないか、さようなる意味合におきまして、この外国からの軍の侵攻というような問題となりますると、單なる国内治安の問題ではなく、従つて又現在の警察力のみによつて処理できるものであるとは考えておりませんし、又警察としても、国内治安だけの建前から警察予備隊にいたしましても装備をいたしておるのでありまして、現在における外国の正規軍隊によりまする侵入ということに対しましては、国の安全保障の問題として別途に考えて行くべきではないか、かように考えておる次第であります。
#53
○伊藤修君 時間も大分遅いですから関連してお尋ねしたいことは午後に讓ることにいたしまして、二点だけお確かめして置きたいと思います。第一点は先ほど御説明にありましたごとく、現在の自治体警察及び国家警察並びに予備隊警察ですが、この三本建のものを完全に運営して国内治安の万全を期し得られる。こういうお説でありますが、国家警察及び警察予備隊は然りとは言うことは言い得るかと思いますが、地方自治体警察につきましては、御承知の通り御説明申上げるまでもなく、各個独立して権限を行使して、その間において何ら横の連絡又は縦の連絡というものは法律上禁じられておる。こういうように訓練されているところの現在の自治体警察というものは果してあなたのお説のように運用し得るかどうか。これについては検事総長の二、三日前の何か解釈か訓令か存じませんが、いわゆる協力という解釈をとつて、すべて横の連絡をとるようにするという単なる解釈問題で片付けられるとは考えられないと思いますが、むしろ抜本的に今日の自治体警察のあり方を少くとも地方自治体や県單位にこれを集約して行くことでなくつては、いわゆるあなたのお説のような万全を期せられるということは言い得ないと思いますが、その点に対するところのお考え若しくは見通しはおありになるかどうかということが一点と、第二には、現在例えば広島あたりに移動されておるとかという警察予備隊が皆曾つての往年のいわゆる出征というような気分で駅頭において別れを告げ、若しくは歓呼で送るというような風景を演じておるし、又行く者も、家族の関係者もいわゆる出征するような気分で出掛けておるというのが事実であります。広島に移動するゆえんのものはどういう理由のものであるかこれはわかりませんが、巷間流布されているごとく朝鮮に出動しておるという、この点をはつきり明らかにして頂きたいことと、朝鮮へ移動しておるというようなことが非常に流布されておりますから、それを明確にして頂くことと、加えてトルーマンの二、三日前の声明のごとく、いわゆる日本の警察予備隊は橋の袂まで来ている。それを通す通さんは、それはそのときの事情によつて当然考えられるだろうという言葉は、少くとも通し得るのだ、橋を渡り得るのだという解釈に我々はとれるのです。そういたしますと、いわゆる国連若しくはアメリカとしては日本の警察予備隊というものを第一線に使用するという考え方があり得るものと思います。然る場合において一体日本の政府として、日本国民としてそういういわゆる国連軍に参加して第一線に出て行くということに対して我々は拒否し得るかどうか、又拒否する考えがあるかどうか。少くとも私としてはそういうものに使用し得べきものではないとかように考えておるのですが、これに対する御見解を伺いたいと思います。
#54
○国務大臣(大橋武夫君) 第一点の現在の自治警察では到底国家地方警察等と組織ある協力的な活動は期待できないのではなかろうかという問題であります。実は私も先般の内閣改造に際しまして警察についての仕事の担当を命ぜられまして以来、いろいろこの警察の今後の行き方というものについては考えて見たところがあるわけであります。実は一つの考え方といたしましては現在の警察法というものについて、これはこれでは駄目だ。運用は無理であるというふうな見通しをつけまして、そうして努力をして、先ずどういうふうに改正するがいいか。その改正をむしろ第一に考えて行く。これも警察制度の改善からいつて私一つの考え方であると思います。併しながらこの考え方に対しましては私といたしましてはむしろ次のように考えておるのであります。即ち現在の警察法はまだ制定以来殆んど時日を経ておらない。そしてむしろ今日の、特に自治警察のあり方といたしましては、従来の国家警察の一翼として中央に隸属しておつた、それが一つの独立を持つたという、その独立を強く強調するという面がむしろ第一に出ておる。そうして国の警察力というものはばらばらの式によるものとしても、併し国家全体の治安というものを考えた場合にはこれででき得る限り協力して進むべきものである。その協力に対する努力というものが現在までの警察法の運用においては欠けているというふうに私は考えるのでありまして、この点は改正ということを考えて行くことも勿論必要でありまするが、併しこれと同時にこの新らしい制度の運用ということをそういつた線においてできるだけ努力をいたし、これは将来法規が改正せられました場合におきましても一旦ばらばらになつた警察を統合いたした場合においては、やはり制度だけは統一いたしましても、実際の動きにおいていろいろまずい点もあり得るわけであります。いずれにしましてもこれらの警察が統一ある一体として動き得るように相互に協力的な精神を以て協力しようという精神を強く打出して行き、又協力の実践をいたして行くということが今後の日本の警察のあり方として必要なことである、こういう考えを持つておるわけであります。かような意味におきまして私は今日の警察法の下において自治体警察相互の協力と、或いは国警との協力というものは法律上保証されておらないからして、従つて事実上実行不可能であるというような悲観的な考えでなく、法律したとえそういう途が開けておらなくても警察本来の使命からして警察の能率的な運営という面からいつて是非とも警察はそうなければならんという実際上の必要からの見地に立ちまして、そういう実践によつて協力をあらしめて行くということが大切である。又それは法律の改正の問題をこれによつて回避するという意味ではございません。一方において如何にすれば統一的運用を可能ならしめ、そうしてそれによつて時局に対処する警察力というものを確保することができるかという点を研究する意味におきまして、地方警察というものに対して或る程度の制限を加える、或いは国家地方警察に或る程度の権能を與えるというような制度の改正ということについては、無論熱意を持つて研究調査をいたしつつあるわけであり、又そうしなくてはならんものであると考えております。それと同時に相並行いたしまして、現行制度の下における警察相互の協力というものについて、如何にすればこれが実践上、実行上可能であるか。又それによつて可能なりと認められるあらゆる措置を実行して見る。そうして又それに習熟して行くということも必要である。これを並行して只今進めて行きたい、こういうふうに考える。そういう意味におきまして国家公安委員会に対しても要望をいたしておるような次第でございます。
 次に朝鮮に対して警察予備隊が出動するようなことがありはしないか、又そういう場合にこれを拒否できるかどうか、又拒否すべきではないかというような点の御質問でございました。政府といたしましては、警察予備隊は国内の治安のためにのみ、又それを唯一の目的として創設せられたものでございまして、これが朝鮮に出動するがごときことはあり得ないことであると考えております。
#55
○伊藤修君 後日に又保留して置きます。
#56
○委員長(北村一男君) それから先刻左藤委員の質問に対して刑事局長からお答えがありますか、どうですか。
#57
○左藤義詮君 先ほど最高裁判所のほうに逮捕及び拘留令状の請求数と実際の発付数の統計資料を要求したのでありますが、この機会に法務府のほうにも逮捕状及び拘留状を発付せられました数と実際の起訴数、それから逮捕状、拘留状の執行を受けた者で不起訴処分となつた者の数及びその不起訴処分の種類、例えば嫌疑がなかつたとか、或いは起訴猶予とか、それから逮捕状又は拘留状を発付しながら現実にそれを執行しなかつたところの数及びそれを執行しなかつた理由、実はこれは法務委員長から請求しておるはずなんですが、まだ参つておりませんから……。実は人権擁護週間の関係もありますのでこの機会に一つ御質問したいと思いますからそれを即刻一つ資料を御提出頂きたいと思います。
#58
○須藤五郎君 法務総裁に地尋ねしたいのですが、最近の神戸事件に関しまして私のほうにいろいろな情報が集まつたのですが、そのうちに長くなるといけませんからただ一つ伺つて置きたいと思いますのは、或る署長が取締に当つて俺はこれまで民主的な方法で取締をやつていたがもう今後はその態度を全然変えるのだと、変えてやるのだということを明言しておるわけなんです。これは一署長の態度であるか、日本の警察官の態度がそういうふうに変つたのか、その点一つ伺つて置きたいと思うのです。必要ならば署長の名も申述べますが……。
#59
○国務大臣(大橋武夫君) 神戸市の自治体警察の署長の言動についての御質問でございまするが、私といたしましてはその内容についてはまだ聞き及んでおりません。併し御質問になりましたような言動がありましたといたしまするならば、それは政府の方針とは何ら関係はないことなのでございます。ただ政府といたしましては今回の神戸事件が随時各地においても同様な事件として発展する可能性がある、かように考えましてできるだけこれを予防するという意味におきまして、このたびの神戸事件の処理に当りましては検察当局に対しましては嚴重なる態度を以て臨むようにということを指示いたしてございます。これは検察官の取調べに当りましてその背後関係等にまで詳細取調べ、そうして事件の実体を明らかにいたしますると共に、将来起訴、不起訴を決定する場合に当りましてできるだけ、他地方において或いは今後において起るべき類似の事件に対して一般社会の戒めとするという意味において起訴できるものはできるだけ起訴をする、又将来公判におきまして刑の論告をいたします場合におきましても法令の範囲内におきまして重い罰を求刑する、こういう内容のことであります。これはもとより検察官の職務執行についての指図でありまするが、併しその職務については取調べのやり方であるとか、或いは身柄の取扱方であるとか、こういう点においては勿論基本的人権を尊重いたし、又民主的な検察官のあり方としての態度を以ていたすべきことは当然でございます。ただ職務上のいろいろな場合において法令の適用に当つて嚴重な処置をとり得るという意味でございます。従いまして取調べを民主的なやり方を改めて高圧的なやり方で調べるとか或いは又捜査に当つて一般人に対しまして、圧迫的な態度、そういうような内容を意味するものでは全くないのでございます。従いまして政府といたしましてはこのたびそういう点におけるやり方は却つてやりたくないし、又その点から考えますと神戸市の警察署長のさような言動があつたといたしますると、それは政府の指示とは関係ない問題だと、かように考えております。
#60
○須藤五郎君 勿論真相は明らかにしなければならん。これはもうどんなことでも同じだ。私も真相を明らかにするという点は同感なんですが、それを明らかにする方法におきまして、警察署長がそういうことを大衆の前に吐いたことがある。それが非常に大衆を刺戟する結果となつてますます紛糾が大きくなるのじやないか。ですからどうも地方警察のやり方を見てみると非常に最近のやり方がいわゆる行き過ぎがたくさんあると思うので、その点大いに注意して頂きたいとそういうふうに考えます。
 それから先ほどから伊藤委員から予備隊のことでいろいろ御質問がありましたが、どうも国民は実際のところ予備隊の性格に対して非常な疑いを持つておるわけです。法務総裁の御答弁だけでもまだ釈然としない点がたくさんあるだろうと思うのです。予備隊と警察官との待遇になぜいろいろな差異を設けたかというその点も一つの疑いの出て来るところじやないかと思うのです。それからまあ早い話がその一例としまして、二年後に六万円の金を予備隊には出すというその六万円という金額の点、それから二年という期間を区切つたその根拠ですね。なぜ二年の後にするという二年という期間を作つたその根拠、それから今年度から応募する者には六万円を出さないということをおつしやつておる根拠、それから教練の性格、今日伝わつておるところによりますると、まだ日本人の幹部ができていないからとおつしやるかも知れませんが、いわゆる外人によつてこの予備隊の訓練をされておるということ。命令の言葉にしても、外国語に近い言葉でこの予備隊が訓練されておるというところにいわゆるトルーマン声明と一貫して時が来れば、橋を渡るときが来ればその橋を否応なしに渡らさせるのじやないか。又橋を渡らされるための準備としてそういうことが行われておるのじやないかという、そういう心配が一般の国民にもあり、又予備隊全員にもあるわけです。こういう点をはつきりして頂いたほうがいいと思うのです。それから若しも朝鮮や満洲へ行かなくちやならんときに、今総裁はそういうことはないとおつしやいましたが、我々もそういうときになつた場合、若しも不幸にしてそういうときが来た場合に、予備隊員は個人としてそういうことを拒否する根拠があるのかどうかそういう点も伺つて置きたいと思うのです。
#61
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊に対しまして二年後に六万円を支給するということを言いました趣旨は、七万五千の警察予備隊は急に集めなければならない。それから警察予備隊の性質上、集団的破壊行為、その他危險の多い場合に出動するのでありますから、この隊員には相当な危險もあるということを考えなければならん。そうしますると、一般からこれを募集します場合には、いろいろと待遇上においても優遇を與えなければ十分なる優秀なる隊員を得ることができないのであります。そうして又特に訓練その他の性質上、相当なる体力を要しますので、従いまして長期に亘つて勤務を期待するということはむずかしい、又その結果募集上も困難があるのじやないか、かれこれ勘案いたしまして一応は二年ということで募集をする、勿論二年過ぎまして、引続き勤務してくれることが政府としては望ましいわけであります。教育をいたしました人が、そのまま引続いていてくれるというのが望ましいわけであります。併し募集当時の私どもの考え方といたしましては、こういう点で余ほど待遇をかえなければ所定の優秀なる人員を集めることはむずかしかろう、こう考えてこういうふうにいたした次第であります。併しその後の実情から見まするというと、意外に優秀なる隊員が多数応募いたしておりまするので、今後六万円の給與を引続きしなくも、明年から或いはその後におきまして、募集をいたしまする場合には、募集ができるのであろう、それでこれは本年を以てやめるということになつたわけであります。
 それから教練の性格と申しますか、現地において各キヤンプで、現在アメリカ人の指導を受けておる。こういう点について御質問があつたのでございまするが、実は隊員に対して指導、訓練をいたしまする際におきまして、私どもとして考えましたることは、これは一つの部隊編成を持ち、部隊行動をして参ることでありまして、その形だけから見まするというと、昔の陸軍のごとき編成に相成るわけであります。従つてこれを部隊としての基礎的な訓練をするに当りましては、陸軍の指導をやつた経験のある人たちにやつてもらう、これは軍隊の精神を打ち込むという意味でなく、技術としてそういつた経験者の指導を仰ぐことが必要である。こう思つたわけであります。併し、御承知の通りに、日本の陸軍において正規の教育を受けましたところの元将校の諸君は、これは追放令によりまして採用することができなくなつた。従いまして一般隊員の中から募集いたしました者のうちで、ややさような面において能力があると認められる人を選びまして、これを仮の幹部といたし、その仮の幹部に、仮の幹部が一般隊員を教育するにつきましての指導を要請をいたしたわけであります。従いまして、現在教練としてアメリカ人が直接隊員を教育しておるというのではなく、教育の衝に当る仮幹部が、顧問として必要なる知識をアメリカ人の将校に仰いでおる、そうして指導上の参考にいたしておるという状況でございます。併し一方、並行的に日本人の今後の幹部としての特殊な教育をいたしておりまするから、これらが漸次幹部として働き得るようになりますると、これらのやり方は勿論変更されるべきものと考えております。
 それから朝鮮へ派遣されるというような問題が仮にあつた場合に、隊員が個人として拒絶できるかどうか、という点の御質問でございます。政府といたしましては、先ほど申上げましたる通り、警察予備隊は、国内においてのみ治安の確保に当るべきものであるという考えを持つておるのであります。
#62
○説明員(岸盛一君) 左藤議員のお尋ねに対して御説明申上げます。逮捕状を裁判所がどのようにして出しておるか、ほんの盲判をやつておるのじやないかという御懸念でございますが、これには決してそういうことはございません。逮捕状を請求する場合には、捜査機関がその請求書を書面にしたためて出さなければなりません。その書面にはどういうことを記載しなければならんかということを刑事訴訟法で詳細に規定しております。ただ請求書ばかりでなく、同時に逮捕状発付の要件が備わつておることを認めるに足る資料も提供しなければならんということにしております。犯罪が、罪を犯したことと疑うに足る相当の理由があるかどうかを裁判官が審査した上で出すことになつております。そのために、夜は特に宿直の裁判官を置いて何どきそういう請求があつても処理できるようにいたしております。これまで逮捕状の請求がありました件数は、昭和二十四年、つまり新刑事訴訟法が施行されましてから今年の九月に至るまで、全部で六十二万六千五百七十三件、そのうち却下された数が合計三千三十四件ということになつております。拘留状の場合は、合計四十万七千六百四十一件、そのうち却下されたものが千八百八十二件ということになつておりまして、比率から言えば非常に少いものでありますが……。
#63
○左藤義詮君 〇・五%くらいですね。二百件請求すると一件くらい却下になつておりますね。
#64
○説明員(岸盛一君) 法律上、逮捕状の発付について、別に犯罪の種類とか何とかいう限定がありませんから……。
#65
○左藤義詮君 そうすると、先ほど私が必配したことが非常に多くなつて来ると思うのですが、そういう点は法務府のほうにお願いして置きます。その後の起訴数、その他について御質問したいと思いますが、時間がありませんから詳細は午後に譲ります。
#66
○委員長(北村一男君) それでは裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案、民事訴訟法等の一部を改正する法律案、以上四件につきまして、他に御質疑のある方はございませんか。別に御発言がなければ四案に対する質疑は終局いたしたものと認めまして、只今より各案につきまして、討論採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(北村一男君) 御異議がないと認めます。先ず裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もなければ討論は終局いたしたものとみなしまして、直ちに採決に入ります。本案に賛成のお方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#68
○委員長(北村一男君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決されました。
  ―――――――――――――
#69
○委員長(北村一男君) 次に裁判所法の一部を改正する法律案につきまして討論に入りますが、御意見のおありの方はお述べ願います。……別に御発言もなければ討論は終局いたしたものとみなしまして、直ちに採決に入ります。本案に賛成のお方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#70
○委員長(北村一男君) 全会一致でございます。よつて本案は可決されました。
  ―――――――――――――
#71
○委員長(北村一男君) 次は刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案につきまして討論のおありの方は御発言を願います。なおこの刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案は、衆議院において修正されまして本院に送付されまして、それが本案となつておるわけでございます。そういうことをお含みの上、討論のおありの方は御発言をお願いいたします。
#72
○羽仁五郎君 念のために……、その衆議院で修正されて本院に廻されておる原案とどういう点がこの配付されておる案と違うのかを伺います。
#73
○委員長(北村一男君) それは先刻政府のほうから御説明を願つたのでございますが……その修正案は皆お配りいたしております。
#74
○羽仁五郎君 了解いたしました。
#75
○委員長(北村一男君) 別に御発言がなければ討論は終局いたしたものとみなしまして、直ちに採決に入ります。本案に賛成のお方の御挙手をお願いいたします。
   〔挙手者多数〕
#76
○委員長(北村一男君) 多数と認めます。よつて本案は可決されました。
  ―――――――――――――
#77
○委員長(北村一男君) 次に民事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、討論のおありのお方は御発言を願います。……別に御発言がなければ討論は終局いたしたものとみなしまして、直ちに採決に入ります。本案に賛成のお方の御挙手をお願いいたします。
   〔挙手者多数〕
#78
○委員長(北村一男君) 多数と認めます。よつて本案は可決されました。
 それから議院に提出する報告書には多数意見者の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
   〔裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案及び裁判所法の一部を改正する法律案〕
   伊藤  修   左藤 義詮
   長谷山行毅   齋  武雄
   須藤 五郎   鈴木 安孝
   羽仁 五郎   宮城タマヨ
   岡部  常
   〔刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案及び民事訴訟法等の一部を改正する法律案〕
   伊藤  修   左藤 義詮
   齋  武雄   長谷山行毅
   鈴木 安孝   羽仁 五郎
   宮城タマヨ   岡部  常
  ―――――――――――――
#79
○委員長(北村一男君) なお本会議における委員長の口頭報告につきましては、本委員会における質疑応答の要旨、表決の結果を報告することについて御承認を頂きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(北村一男君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれで散会いたします。
   午後一時三十四分休憩
   〔休憩後開会に至らず〕
 出席者は左の通り。
   委員長     北村 一男君
   理事
           伊藤  修君
           宮城タマヨ君
   委員
           左藤 義詮君
           鈴木 安孝君
           長谷山行毅君
           齋  武雄君
           岡部  常君
           羽仁 五郎君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   国 務 大 臣 大橋 武夫君
  政府委員
   法務府法制意見
   第四局長    野木 新一君
   刑 政 長 官 草鹿淺之介君
   民事法務長官  田中 治彦君
  説明員
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局総務
   局長)     内藤 頼博君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局刑事
   局長)     岸  盛一君
ソース: 国立国会図書館
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