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2000/05/19 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第10号
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2000/05/19 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第10号

#1
第147回国会 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第10号
平成十二年五月十九日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     海野  徹君     谷林 正昭君
     齋藤  勁君     朝日 俊弘君
     峰崎 直樹君     小林  元君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     畑野 君枝君     須藤美也子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         真鍋 賢二君
    理 事
                河本 英典君
                須藤良太郎君
                溝手 顕正君
                山崎  力君
                小川 敏夫君
                直嶋 正行君
                日笠 勝之君
                笠井  亮君
                山本 正和君
    委 員
                市川 一朗君
                岩城 光英君
                上杉 光弘君
                景山俊太郎君
                佐々木知子君
                鈴木 正孝君
                世耕 弘成君
                中川 義雄君
                日出 英輔君
                星野 朋市君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                山内 俊夫君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                勝木 健司君
                小林  元君
                櫻井  充君
                谷林 正昭君
                羽田雄一郎君
                簗瀬  進君
                浜田卓二郎君
                益田 洋介君
                森本 晃司君
                池田 幹幸君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                大脇 雅子君
                田名部匡省君
                西川きよし君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       金融再生政務次
       官        村井  仁君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       金融監督庁検査
       部長       五味 廣文君
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       法務省民事局長  細川  清君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産大臣官
       房協同組合検査
       部長       山岸 晴二君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       水産庁長官    中須 勇雄君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       日本中央競馬会
       理事長      高橋 政行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○預金保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫
 と信用農業協同組合連合会との合併等に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十八日、海野徹君、齋藤勁君及び峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として谷林正昭君、朝日俊弘君及び小林元君が選任されました。
 また、本日、畑野君枝君が委員を辞任され、その補欠として須藤美也子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 預金保険法等の一部を改正する法律案、保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に金融監督庁検査部長五味廣文君、金融監督庁監督部長乾文男君、法務省民事局長細川清君、農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産大臣官房協同組合検査部長山岸晴二君、農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省畜産局長樋口久俊君及び水産庁長官中須勇雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(真鍋賢二君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 預金保険法等の一部を改正する法律案、保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君及び日本中央競馬会理事長高橋政行君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(真鍋賢二君) 預金保険法等の一部を改正する法律案、保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案の両案について、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。玉沢農林水産大臣。
#8
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農漁協系統の信用事業のセーフティーネットにつきましては、従来から、他の金融機関の預金保険制度と同様の農水産業協同組合貯金保険制度を設けているところでありますが、ペイオフの解禁に向けた金融情勢の急激な変化の中で、今後とも農漁協系統の信用事業の安定を図り、組合員等が安心して農漁協系統金融機関を利用していけるようにするためには、そのセーフティーネットについて、他の金融業態と基本的に同様の整備拡充を図っていくことが必要であります。
 このため、農水産業協同組合貯金保険制度の充実強化を図るとともに、農漁協系統金融機関が破綻した場合の迅速かつ円滑な破綻処理システムを確立することとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。
 第一に、ペイオフ解禁時期の一年延期であります。
 貯金の全額保護のための特例措置の期限を一年延期して平成十四年三月三十一日までとすることとしております。
 第二に、農水産業協同組合貯金保険制度の適用対象の拡大であります。
 農漁協系統信用事業全体としてのセーフティーネットを構築するため、保険制度の適用対象として、これまでの農協等のほか、信用農業協同組合連合会、農林中央金庫等を追加することとしております。これに伴い、信用農業協同組合連合会等が破綻した場合の資金援助の限度額について、その信用農業協同組合連合会等のペイオフコストだけでなく、連鎖破綻のおそれのある会員農協等のペイオフコストを加算することとしております。また、付保対象として、農林債券等を追加することとしております。
 第三に、農水産業協同組合貯金保険機構による資金援助の充実であります。
 これまで、経営が困難となった農協等の合併と信用事業の全部譲渡のみが貯金保険機構の資金援助対象となっておりましたが、多様なスキームにより円滑に破綻処理を行うため、信用事業の一部譲渡等も資金援助の対象に追加することとしております。
 また、このこととの関係において、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律を改正し、信用農業協同組合連合会から農林中央金庫への事業の一部譲渡が行えるよう措置することとしております。さらに、資金援助の手法を充実し、優先出資の引き受け、事後的な損失の補てん等を追加することとしております。
 第四に、貯金保険機構の不良債権等の買い取り・回収業務の円滑化であります。
 貯金保険機構は、経営が困難となった農協等の不良債権等の買い取り・回収を円滑に行うため、債権回収会社に対して業務委託を行うことができることとしております。
 第五に、公的管理人制度の導入であります。
 経営が困難となった農協等の合併等を迅速かつ円滑に進めるため、その農協等について、行政庁が公的管理人を任命する制度を導入することとしております。
 その他、金融危機への対応等につきまして、他の金融機関と基本的に同様の規定の整備を図ることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 続きまして、農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農漁協系統の信用事業のセーフティーネットにつきましては、従来から、他の金融機関の預金保険制度と同様の農水産業協同組合貯金保険制度を設けているところでありますが、ペイオフの解禁に向けた金融情勢の急激な変化の中で、今後とも農漁協系統の信用事業の安定を図り、組合員等が安心して農漁協系統金融機関を利用していけるようにするためには、そのセーフティーネットについて、他の金融機関と基本的に同様の整備拡充を図っていくことが必要であります。
 そのセーフティーネットの一環として、農水産業協同組合が破綻した場合に、組合員・貯金者の利益の保護を図るためにも、迅速かつ円滑に破綻処理を行っていくことが重要であります。
 このため、農水産業協同組合の再生手続及び破産手続について特例を設け、迅速な破綻処理が可能となるよう措置することとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、監督庁は、裁判所に対し、農水産業協同組合について再生手続開始または破産の申し立てをすることができることとしております。
 第二に、農水産業協同組合貯金保険機構は、貯金者表を作成して、裁判所に提出することにより、貯金者を代理して、再生手続または破産手続に関する一切の行為をすることができることとしております。
 第三に、再生手続開始後において、農水産業協同組合がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、信用事業の譲渡について、総会または総代会の決議にかわる許可を与えることができることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(真鍋賢二君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 それでは、これより四案に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 ただいま趣旨説明がございましたこの法改正でございますけれども、金融審議会の答申によりますと、金融機関の破綻により信用秩序全体の維持や国民・地域経済の安定に重大な支障が生ずることが予想されるような危機的事態、システミックリスクには通常の枠組みでは対応できない、こういうことでセーフティーネットを整備しようとして今回の提案になったものであるというふうに思っております。
 金融情勢あるいは金融機関の経営状況というのは大変今も厳しい状態にある。危機的な状態は脱出をしたと言う方もおられますけれども、厳しい状況だろうと思います。しかも、やはりそういう中で今回の法案にもございますようにペイオフの一年延長というようなこともあるわけでございますが、そのような現状認識につきまして、大蔵省の御見解をお伺いしたいと思います。
#11
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。
 金融システムの現状認識ということで、委員の今御指摘もありましたように、大変に幅広いお問いであるとは思いますけれども、今の金融システムは、委員御指摘があった中にも、委員御自身の御意見というか引用された御意見の中にもありましたように、非常時といいますか、大変な状況の中から、いろんな方々に御協力をいただきまして、預金保険法、金融再生法、早期健全化法というものの枠組みを整備いたしました。これらを用いることによりまして、官民一体となって努力をすることによりまして、不良債権処理やまた金融機関の再編整理等に集中的に取り組んでまいった結果、安定化してきておるという状況であるというふうに認識をしておるところでございます。
 また、今委員御指摘がありましたように、ペイオフを一年延長するということになったわけでございますが、これは我が国の経済を確実な安定軌道に乗せるために、一部の中小金融機関について経営の一層の実態把握を図ってその改善を確実なものとするということ等を含めて、より強固な金融システムの構築を図る必要があるという観点におきまして、昨年末の与党間の合意も踏まえまして、ペイオフ解禁を一年延長するということが適当であるという判断をいたしたところでございます。
 いずれにいたしましても、我々といたしましては、十四年三月末までが与えられた期間でございますから、その中で今申し上げました与えられた枠組みを活用いたしまして、さらに強固な金融システムの構築を図るべく最大限の努力をしてまいりたい、こう考えておるところでございます。
#12
○小林元君 同じことを金融再生委員会にお尋ねしたいと思います。
#13
○政務次官(村井仁君) 私どもは各金融機関を監督しているという立場でございますので、その立場から業態別に若干申し上げさせていただきたいと存じます。
 主要行でございますが、これにつきましては十一年三月に公的資金の資本増強を行いまして経営基盤の安定を図ったわけでございますが、その後大規模な再編統合の計画なども進んでおりまして、今後収益力の向上も期待される状況にある、こんなふうにまず認識しているところでございます。
 それから、地域銀行でございます。いわゆる地銀それから第二地銀とございますが、これにつきましては、集中検査やあるいは金融検査マニュアルを踏まえた適切な自己査定、増資等によりまして、全体として見れば相当程度経営改善が進んでいるというのが現実でございますが、金融サービスをめぐる非常に広範な競争の進展が行われておりまして、そういう意味では引き続き厳しい環境にある、このように認識をしております。
 それから、信用金庫でございますが、これは会員以外からの増資手段がないわけでございまして、資本基盤が必ずしも強固と言えない。そういう中で、合併等の再編あるいは会員からの地道な出資増強によりまして経営基盤の強化の取り組みが行われていますものの、基盤とする地域経済が低迷しておりますことやら、あるいは金融システム改革に伴う競争の激化、こういったところでかなり厳しい環境のもとにある、このような認識でございます。
 それから、信用組合でございますが、これはことしの三月まで都道府県の監督下にございまして、現時点では国による十分な実態把握がなされておりません。私どもといたしましては、国に移管されたことを契機に主として三月末の決算が整います七月くらいから本格的に信用組合の実態把握に努力をしたい、このように考えているところでございまして、大体来年の三月までには信用組合の一通り実情把握ができると思っております。
 それから、保険会社でございますが、まず生命保険でございますけれども、これにつきましては有価証券含み損益の改善は見られておりますものの、依然として保有契約高の減少、それから運用利回りの低下などに見られるような厳しい経営環境にございまして、多くの生命保険会社におきましていわゆる逆ざやがございまして、生保協会の試算によりますと十兆円というような逆ざやがあるということでございまして、かなり厳しい状況と概して言えるのではないか。
 それから、損害保険会社でございますが、これはやはり経済が低迷しておりますと新しい保険がとれない、あるいは競争も非常に激化しているということで、やはりこれも厳しい環境にある。
 いずれにいたしましても、各金融機関どの業態をとりましても経営効率化の推進、自己資本の充実等経営基盤の強化に努めておりまして、効率的かつ安定した金融機関として預金者等からまた市場から十分な信用を得られるように努力をしているというのが現状でございます。
#14
○小林元君 それぞれ御答弁をいただきました。大変厳しい状態であるというふうに私は理解をしたわけでございます。そういう中で、今回の法案といいますか、そうはいいましても本当に危機的という言葉が妥当かどうかちょっとわかりませんが、危機的な事態が起きる可能性は否定できないというふうにもこの答申の中で言われて、こういうシステムを、セーフティーネットをつくろうということになったんだと思います。
 万が一にも起きてもらいたくない事態でありますけれども、いわゆる全国、我が国あるいは当該地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障がある、そういう事態というのは一体具体的にはどういう事態なのか。これは林政務次官にお願いしたいと思います。
#15
○政務次官(林芳正君) 今回の改正をお願いしております預金保険法の改正の中で、今委員御指摘がありましたいわゆるシステミックリスク、どういう場合がそれに該当するのかというお尋ねだったと思います。
 これは今委員が御指摘になっておりましたように、法文には、金融機関の破綻により信用秩序全体の維持や国民また地域経済の安定に重大な支障が生じることが予想されるような危機的な事態と、こういうような書き方がしてあるわけでございます。そういった場合を、これは何回もここでも御議論があったところでございますけれども、個々のケースごとにこういう場合がこれに当たるというふうに限定的に列挙をいたしますと、それに想定していないことが起こった場合になかなかその対応が難しくなる、こういうことがありますので、厳しい手続、これは内閣総理大臣が金融危機対応会議の議を経た上で最終的には判断をし、その事後国会にも御報告をする、こういうような非常に厳しい手続を定めて、そこにいわば幅を持って任せるということになっておりますが、いわゆる連鎖的に取りつけが起こるとか、そういうようなことは想定をしておるところでございまして、そういうことを含めて、今申し上げました国民また地域の経済に重大な支障が生じるというようなことを定義として設けておるところでございます。
#16
○小林元君 何となく周辺事態と似たようなことで大変わかりにくいんですけれども、こういう事態が起きないことを願っているわけでございます。
 それで、同じ質問でございますけれども、系統信用事業、これは住専問題で平成八年、もう四年前でございましたか、大変な問題になったわけで、そういう中でいわゆる系統信用事業の関係で六千八百五十億円という公的資金を投入する、あるいは五千三百億円だったと思いますけれども系統で金銭贈与したと。大変なことが浮かび上がったわけでございますけれども、その後といいますか現状はどういう状況にあるか、大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農協系統の金融機関の状況いかん、こういう御質問だと存じます。
 農協系統金融機関も、我が国金融システムの一員として、他の金融機関と同様に情報開示の充実、監査体制の整備等を図ってきておりまして、健全な経営の確保に努めております。
 この結果、総資産に占めるリスク管理債権の比率を見ますと、全国銀行が三・八%、信用金庫、信用組合が四・四%であるのに対し、農林中金が一・八%、信連が一・一%、農協が一・四%といずれも低い水準となっております。
 また、自己資本比率につきましても、農林中金が一一・六%であるほか、すべての信連が国内基準である四%を超えております。農協の中には四%に達していないものがありますものの、その数は十年の八十八農協から平成十一年には三十九農協に減少しており、合併や自己資本の増強等により確実に改善しつつあります。
 このようなことから、農協系統金融機関の経営状況は総体的には問題ないものと考えております。
 今後とも、農協系統金融機関の経営のより一層の健全化、安定化が図られるよう適切な指導を行ってまいる所存であります。
#18
○小林元君 次に、もうちょっと具体的にお伺いしたいと思います。
 不良債権の処理について、今農林大臣から系統関係の御答弁が先にございましたけれども、一般の金融機関といいますか、金融機関全体として大変な不良債権を抱えて倒産をした拓銀あるいは長銀というようなことが続いたわけでございます。低金利政策というようなこともあって、銀行は史上空前の業務純益を上げるというような状況の中で不良債権の償却といいますか処理が進んでいると。
 しかし、依然として、その当時も百兆円もあるんではないかとか、いろいろなことが言われました。三十八兆円、四十兆円近いというような数字も発表されたと思いますが、現在でも、償却をし続けても二十兆円に及んでいると、これは主要行でございますけれども、そんな状況でございます。
 その辺の不良債権の処理の状況、そしてまたこれが正常な状態というんでしょうか危機的な状況は大体回避したという状態というのはどういうものなのか、そしてそれはいつごろになるというふうにお見通しになっているのかお伺いしたいと思います。
#19
○政務次官(村井仁君) いわゆる主要行でございますが、それにつきまして申し上げたいと存じます。
 十一年三月期におきまして、自助努力による増資に加えまして金融機能早期健全化法に基づく資本増強等も活用しまして十分な自己資本を確保した上で、担保・保証で保全されていない不良債権のうち破綻懸念先債権について七〇%、それから要管理先債権について一五%を目安とした償却引き当てを行うなどによりまして不良債権の徹底的処理を行ってきたところでございます。
 全国銀行の平成四年度から平成十一年九月期までの不良債権の処理額の累計でございますが、約六十一兆円、こういうことになっております。このうち、不良債権の直接償却をやりましたのが二十六兆円、それから不良債権の売却等に伴う既引当金の取り崩し、これが約二十一兆円でございまして、合わせて約四十七兆円が既にオフバランス化されておるわけでございまして、不良債権の実質的な処理が行われておると、このように見ていただいてよろしいかと思います。
 私どもの見方といたしましては、これによりまして金融機関の不良債権処理の問題については一応十分な進展が見られている、このように理解をしております。
 ただ、ここでぜひ御注意いただきたいことは、この不良債権というものは、例えば地価の変動でございますとかあるいは株価でございますとか、ないしは借り手の側で思わざる事由で破綻を来すというようなことで、これはどうしても折々出てこざるを得ないものでございます。これがなくなるということは、これはないわけでございますから、そういう意味では、私ども、これから出てくるであろう不良債権に対しまして十分に耐え得るような、そういう体力を各金融機関につけてほしい、そういう観点から監督検査に努力をしておると、そういうことであるという本質を御理解いただきたいと存じます。
#20
○小林元君 貸し付けをするわけですから、リスクがゼロで貸し付けをして金利をという御商売であれば、これは楽な商売で、もうみんなやりたいということになると思います。ですから、そういう政務次官のお話は当然のことというふうに私も理解はしております。
 両政務次官、結構でございますので。ありがとうございました。
 次に、系統金融機関の、先ほど大臣のお話では、経営状況は心配ないと力強い発言をいただいたんですけれども、そうはいいましても、農協あるいは漁協という単協ベースになりますと、なかなかこれは小規模経営ということもありまして大変であると。後ほどまた議論の機会があると思いますけれども、漁協等につきましては一県一漁協というようなことも考えておるほど危機的といいますか、大変な状況にあるわけでございます。
 そういうことでいわゆる主要行については不良債権の処理とか早期是正措置のために財政支援措置というものが手厚く仕組まれたわけでございます。これは国の信用秩序にかかわるということでそういうことになったというふうに理解はしておりますけれども、ただ系統金融機関の場合はそのような支援措置といいますかについては何も組まれない中で自主的な努力をされたということであります。
 そうはいいましても、いわゆる早期是正措置といいますかそういうもので基準に達していないんだというものが、一昨年八十八農協が昨年三月には三十九になったと。漁協も百十六から七十九ということで、漁協の方は大変だと思いますが、そうはいいながら自主努力は多とするものでございますけれども、この早期是正措置に言われているような、いわゆる計画を提出せよとか命令を出せとか業務停止を場合によってはかけろというようなことが決まっているんですが、そこまではおやりになっていないようでございますが、これらについてのお考えをお伺いしたいと思います。
#21
○政府参考人(石原葵君) お答えを申し上げます。
 ただいま早期是正措置につきましていろいろお尋ねがございましたが、先ほど委員の方からもお話ございましたように、系統といたしましてこれまで自己資本の充実等につきまして努力してまいりまして、最近の数字では、平成十一年で自己資本比率四%未満の農協が三十九という改善措置が図られたところでございます。
 この自己資本比率四%未満の農協につきましては、我々といたしまして、増資等による自主再建または隣接農協との合併を内容とする経営改善計画を都道府県知事に提出していただく、そして当該計画に基づきまして経営の健全化を図ってきているということでございまして、もちろん、十一年の数字を申し上げましたが、十二年の数字はまだこれからでございますが、恐らくこの四%未満の農協は着実に減少しているものと考えておるところでございます。
#22
○小林元君 ぜひ今後とも努力をお続けになっていただきたいというふうに思っております。
 それから、先ほどもちょっとお話をしましたが、不良債権の処理というようなことで銀行の業務純益極めて史上空前の状態にあるというようなことを申し上げました。
 そういうことに関連しまして、一昨日ですか、ゼロ金利の維持を決定するというふうに日銀の政策委員会金融政策決定会合で決めたということも伺いました。四月にも、そうはいいましても、総裁は低金利政策を再考する時期に来ていると。まあその辺はちょっと微妙な受けとめ方だと思いますけれども、そういうことがあったわけでございます。そうはいいましても、いろんな反響もあって維持されると。十七日にも、そのような中でゼロ金利を維持するということが決められたようでございます。
 この低金利政策、いろいろ今まで言われておりますし当委員会でも恐らく議論をされた、あるいは他の委員会におきましても議論をされたと思いますけれども、ゼロ金利政策についてこれは一体何のためにやるのかと。
 私ども、選挙区へ帰りますと本当に、私年も年なものですから同じ友達などに会いますと、本当に汗水垂らして働いて退職金をもらって年金生活をしている。景気が回復するのはだれも望んでいるわけでございますが、そういう金利を単に受け取れない、だから消費もできない。そういうぼやきだけではなくて、やはりこれは金融資産といいますか、貯金というものは個人にとりましてはこれは一種の財産で、一種といいますかまさに財産であります。それを、財産を確かに銀行に預ける、金融機関に預けるというのは、金庫の中に入れるという意識はないわけですね、一般の庶民の方は。だれもが預けたら利息がもらえるというふうに思っているわけでございます。
 これ、資本主義の経済原則でいっても、借りたものには対価を払う。経済学でも、利子の問題とか地代の問題とか、いろいろ今までに大きな問題として取り扱われた。これがただで使うというようなことは、まさにこれは資本主義経済の崩壊につながりかねないというようなことも言われているわけでございます。
 この辺のことで、確かにですからやはり個人のそういう金融資産が千三百兆円を超えているという中で、それを使って、使ってといいますか利用して活用して、産業活動に使うあるいは国債を買うということに協力をしているわけでございます、役に立っているわけでございますから、やっぱりそれ相応の対価は支払うべきではないかと。そんなことを考えていろいろ言われておりますし、私もそうだなというふうに思っているんですが、総裁のお考えをお伺いしたいと思います。
#23
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 低金利政策という意味では、一九九五年から日本は公定歩合〇・五%と。昨年になりまして、昨年の二月、デフレスパイラルといったようなものが瀬戸際に来ている、それから金融システムの不安といいますか大銀行の破綻が起こってくる、そういう危機的な情勢になって、それまでも低かったんですが、もう一段下げていわゆる翌日物の無担保コール、インターバンクのレートをゼロにすると。このインターバンクの翌日物というのが私どものアメリカのフェデラルファンドに相当するおおよその金利なんですね。それをゼロまで持っていく、もうほとんどゼロに近いところまで持っていったということでございます。
 ゼロ金利が金融環境の改善、企業や家計のマインドの好転といったいろいろな経路を経てかなりきいてきたと思っております。
 例えば、その具体的な経路というのを幾つか挙げてみますと、金融市場におきます流動性懸念というのが払拭されたということ。あるいは長期金利の安定、これは国債の金利を含めてですが、長期金利の安定。それから、株価がじわじわ上がっていった、金融が緩んで資金が潤沢に出ていくということで。それから、金融機関や機関投資家のリスクテークの姿勢が積極化してくる。これは新しい投資を始めるといったような形になってくるわけです。あるいは社債市場などとかCP市場とか、そういった直接金融市場において企業の資金調達環境をよくしていったといったようなことを通じまして、ここまで一年四カ月ほど続けてきたわけですけれども、日本経済の景気を持ち直す、それからそれによって内外の信認を強化していくといったようなことと同時に、企業等を通じて雇用者の所得を下支えして、それが家計に若干の豊かさを与えていったといったようなことは指摘できると思います。
 こういうことでこれまで続けてきたわけでございますが、反面、デメリットのサイドといいますか副作用といいますか、こういうものもそろそろいろいろな形で出てきているわけでございます。
 何と申しましても、先ほど先生が御指摘になりましたように、預貯金の利子がほんのわずかしかないといったようなことは私としても大変心苦しく思っておるところでございます。
 日本の家計の総金融資産残高、今、昨年末で千三百六十兆円、GDPの約二・七倍ぐらいになるものを持っているわけです。その所有者のやはりかなりの部分が年金生活者といいますか、お年寄りの方が多いわけです。そういう方々にとって元本が目減りしないということは、これは私どもとしても自信を持って申し上げられる。むしろ物価は横ばいないし若干下がりぎみであったわけでございますから。しかし、利回りが利益を生まないということにつきましてはいろいろな面で問題が起こっておりますし、もともと、先ほど御指摘のように、資本主義経済の中で資金の貸し借り、翌日物であるにしても多額の金がただで貸し借りができるというのはやはり不自然な形であるということは私どもも十分認めております。
 そういうものがどういう形で出てくるかといいますと、市場参加者の間でゼロ金利がいつまでも続くといったような非常に安易な気持ちが生じてくる。例えば、最近の社債なんかも金利が下がってきておりますが、いい企業でも悪い企業でも社債の金利が余り変わらないといったようなところへいっちゃうわけです。競争原理とかそういう質の面での金利差というのが出てこない。こういうことから、いわゆる金融市場のモラルハザードといいますか、それと同時にインターバンクの市場というものがだんだん小さくなってきているというのは、私どもも非常に気にしているところなんです。
 それからもう一つは、非効率な企業の存続をむしろ助けることによって、今やってもらわなきゃならない構造改革を先延ばししていくという、企業にとっても、お金があるからもうしばらくこのままでいけというような安易な経営に陥りがちであるということ。
 それから三つ目は、そういう先ほどおっしゃったような家計でお金をためて持っておられる方々も、ゼロ金利というようなことになりますと、先々どうなるんだろうかという不安があって、もっと使ってもいいものを、いやもう少し使わないでためておかないと先が危ないといったような気持ちを生ませるということによって、家計の消費がどうしても萎縮していくといったようなマインドの面でのマイナスが出てきているのではないかというふうな感じがいたします。
 こういうメリット、デメリット、ある程度ここまで効果を上げてきた。そうすれば状況が、去年の二月に比べますとかなり今はよくなってきているわけですから、もう少しはっきりして消費もよくなってきそうだという感じがつかめれば、日本銀行としては、デフレ懸念の払拭が展望できるというところまで来たと思えば、これを正常化、確かに今は異常な低金利だと思います、正常化していくことは私どもの役割だというふうに考えております。
 この辺の判断というのは、今後、内外経済情勢が変わりますし、政治、社会情勢も変わってきますので、まさにタイミングをうまくつかまえてやっていくことが必要だというふうに考えておりまして、それが私どもの責任であるというふうに思っております。
#24
○小林元君 大変率直な御見解をいただきまして、ありがとうございました。
 総裁のおっしゃるように、やはり個人消費が伸びないということは先行き不安、この金利の問題だけの話ではないと思いますが、社会保障とかいろんなことで先行き不安があるという中で、自分しか自分は守れないという気持ちが非常に強くなっているわけでございます。そういう中で、やはり金利の問題というのはないがしろにできない大変重要な問題でございます。
 それから一方では、市場原理といいますか、そういう中で厳しくこれから律していくんだというような社会を目指しているわけでございますけれども、今総裁がおっしゃったように、ゼロということは競争がないということでございますから、やっぱりモラルハザードといいますか、そういう問題が起きてしまうのではないか。構造改革が先送りされてしまう。やはりそういうことで、これは一方的に個人消費の拡大拡大という気持ちではなくて、そういうトータルのバランスのとれた判断で、やっぱり政府の方では景気はよくなって回復しつつあるというような非常事態を脱したというようなことを言いながらゼロ金利政策を続ける。これは金利の決定は日銀でございますから、政府と一心同体ではありませんので、そういう政府の判断と同じ判断をするということではないと思いますけれども、そういうような判断、的確な判断をされて、一刻も早く普通の状態といいますかに脱していただきたいことを心からお願いをする次第でございます。
 総裁、結構でございます。ありがとうございました。
 今回の制度を、これまでは信連それから農林中金につきましては制度の対象としないというふうに農林省はずっと言い続けてきました。今回は、みんなで渡れば怖くないでありますか、農協いわゆる単協、信連そして中金、系統信用事業全部でこれに参加するということになるわけでございます。
 時間がないので、ちょっと一緒にお話をさせていただきたいと思いますが、農林中金は三十四兆円もの金融機関なんです。これは都市銀行の平均よりも上回っている。信連は一兆円程度そこそこでございますが、農協は四百億円にも満たない。漁協はもう金融機関とは言えない十六億円というような規模でございます。これが一緒になって保険事業をやる。農林中金は倒れない、心配ないよと、こう言われても、中金こけたらもうどうにもならないという状態なんです。まさかそんなことは起こしてもらいたくないし、起こってもらっては困るんですけれども、でも万が一というふうに皆さんがおっしゃっていますから。
 やっぱり本来はそうなりますと、いわゆる信用金庫、一般金融機関の方に農林中金は参加をしていただく、そして信連以下は系統機関というような保険制度の対象とする。何か中金が入ってくれないと親方がいないからこの保険は成り立たないみたいなことを言う方もいるのですけれども、どうも親方がいないと保険は成り立たないということはないんじゃないかと思うんです。我々の生命保険などは、これみんな、法人で入っている方もおられるようでございますけれども、いわば個人が入っている、それでお互いに助け合っているという状況でございますから、その辺のお考えについて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 貯金保険制度におきましては、これまで基本的に単協を対象としてきておりまして、下部機関からの預かり金を主体としている信連、農林中金をその対象とはしていなかったところであります。
 しかしながら、単協または信連が破綻したときの受け皿として信連や農林中金を活用する必要があること、また他の金融機関と同一の競争条件を確保するため、信連、農林中金の直接貯金、農林中金の金融債についても貯金保険の対象とする必要があることから、系統信用事業全体として信頼性の確保と金融機能の維持を図るため、今回、信連、農林中金を含めたセーフティーネットを整備することとしたものであります。
 なお、預金保険制度におきましても、今回、全国信用金庫連合会、全国信用協同組合連合会等、協同組織金融機関の連合会を新たに対象とすることといたしておるところであります。
#26
○小林元君 次に、その中金、信連、単協で信連が破綻するという場合に、いわゆる資金援助の限度額といいますか、信連自身のペイオフコストだけではなくて、連鎖破綻に陥るおそれのある会員単協のコストを加算するというような仕組みになっているのでございますが、これはいろいろ問題があるのではないか。
 つまり、今大臣もお話がありましたが、単協から単協で余裕金があれば三分の二は信連に預ける、そしてまた信連で余裕金といいますか貸付対象がなかなか見つからないというときには農林中金に二分の一以上、以上ですから、余裕金を預けるということになっているんですね。それぞれの段階で保険を掛けてあるから、その上部団体というんでしょうか信連なり中金では保険は掛けないと。
 しかし、信連が破綻したときには連鎖倒産をするかもしれない単協のコストまで加えるということになっているんですが、つまり自分が保険にも掛けない金を預かっているということは、そもそも経営責任がさっきの話じゃないんですけれどもますます希薄になってしまうんじゃないか。やっぱり信連は信連でそれなりに預かっているわけですから、単協からとはいいながら、やっぱり保険に掛ける、負担をする、あるいは単協で掛けた保険を肩がわりする、単協の方はなしにして信連の方で掛けるんだというぐらいの気持ちがないとどうなのかなと。
 いわゆるモラルハザードといいますか、そういうことで責任意識が非常に薄くなるのではないかということを危惧しているんですが、いかがでしょうか。
#27
○政府参考人(石原葵君) 中金それから信連、それから単協の預け金の仕組みにつきましては、ただいま委員の方からお話があったとおりでございます。
 そういう状況であるわけでございますけれども、そういう場合で信連が破綻したということになりますと、会員である農協の経営に重大な影響を与えまして、単協自身が連鎖破綻を行う可能性があるということでございます。その場合、農協段階への影響が顕在化するのを待ってそれから個別に農協の方に処理していくということも一つの方法ではあるわけでございますけれども、この破綻処理につきましてはまず処理の迅速化というのが大事であろうかと思っております。そういうことからしますと、信連の破綻の段階で、その早い段階で処理を行った方が結果的には地域経済社会への混乱を回避できまして処理コストも少なくなるのではないかという判断で、今回、我々が提示しておりますような方法をお願いしているわけでございます。
 こういう形でやりますと、農協のペイオフコスト相当額の支援を行う時期を信連の破綻時期に前倒ししまして処理するという、そういう性格のものになろうかと思いまして、我々、そういうことをいたしますと処理の迅速化により全体としての支援額が減少する、そういうことも期待できますので、結果的には、国民経済的には非常にいい方法ではないかというふうに考えているところでございます。
 そういうこともございますので、我々は、農協が預かっている貯金につきまして農協が保険料を払うわけでございますので、その農協の段階で保険料を支払っていただければ、その分につきましてさらに信連段階で保険料を徴収するということは必要ないのではないかと考えているところでございます。
#28
○小林元君 説明はわからないことはないんですけれども。
 いわゆる破綻をして、連鎖倒産といいますかいろんな影響が単協に及ぶわけでございますが、そのいわゆる単協の範囲というんでしょうか、それを特定する段階で、いやこれぐらいの損害なら我慢しろということでどんどん何といいますか単協にしわ寄せをするというようなことも、いわゆる裁量で単協の範囲を加えるというんですが、加える範囲というのはどの程度なのかということが大変問題で、ここに何といいますか裁量の余地が働くということになると、これはまたいろんな問題を引き起こすわけでございます。
 今までの破綻処理と単協なりの破綻処理を見ますと、破綻をしてだれが負担をするか。保険機構なり貯金機構なり県なり、いろんなことがあったわけでございますが、どうしても自分の保険機構の例えば負担を小さくするというようなことに、小手先のことばかり考えているというような状態があるわけで、そういうことがないように、時間がありませんのでこれ以上やりませんけれども、十分に考えてほしい。
 それから、ちょっと時間がオーバーして恐縮でございますが、最後の質問にさせていただきます。
 今回の改正で貯金保険機構が強化されるということになるわけでございますけれども、一方には依然として系統信用事業の方で、これは信金とか信組でもいわゆる相互援助制度というものを持っているわけでございます。ところが、最近は、信金や信組の方は大変に保険料も保険料率が高くなる、負担が大きくなる、そして経営的にも大変だということで、その自主的な相互援助制度というのはもうやっていけないというような状態になっているやに聞いております。
 ところが、農林省といいますかこの系統信用事業におきましては、保険機構もしっかりやる、保険料率もアップする、そういう中でJAの方では、非常に協力的といいますか前向きというのかわかりませんけれども、相互援助制度も強化をするというふうに聞いているわけでございますが、その辺のことについて政務次官はどのようにお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#29
○政務次官(金田勝年君) 委員ただいま御指摘の貯金保険制度とそれから相援制度の役割分担、あるいはその相援制度についてどういうふうに考えておるかという御質問でございますけれども、これまで貯金保険機構からの資金援助は系統の自主的な制度でありますただいま御指摘の相互援助制度等によります支援が行われてもなお不足する部分につきまして行ってきておるわけであります。
 ペイオフの解禁後になりますと、貯金保険制度の資金援助額はペイオフコストを上限とすることになりますことから、今後、系統組織において相互援助制度の見直しというものも行っていかなければいけない、こういうふうに承知しておるわけであります。
 いずれにしましても、農林水産省としましては、貯金保険制度と相互援助制度を適切に組み合わせていきたい、そして農協系統信用事業全体として健全な運営が確保されるように指導してまいりたいと、このように考えておる次第であります。
#30
○小林元君 二つの制度ができるといいますかあるわけでございますが、ただいまの答弁にもございましたが、十分に役割分担を明確にして適切な対応をされることを希望しまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#31
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫です。
 今、農協のセーフティーネットの法案に関して審議しているわけですが、セーフティーネットが適用される前に、そもそも農協が経営が安定していれば一番好ましいと思われるわけですが、一つの具体的な例として、行政の不適切な扱いによって農協の経営に影響を与えるという例を取り上げて質疑をしたいと思っております。
 それで、軽種馬の市場取引につきましては、奨励金がその賞金に加算されますが、この適用となる市場の公平性、これについてはどのような取り扱いになっているんでしょうか。
#32
○参考人(高橋政行君) ただいま先生お尋ねの市場取引奨励賞というのが、我々日本中央競馬会でそういう奨励賞を交付しておるわけでございますけれども、それの対象になる市場、どこの市場で取引された馬がそういう対象になるかということでの市場がどういうものかというお尋ねだと思います。
 これにつきましては、家畜取引法の規定に基づいて開設された市場、あるいは軽種馬に関する事業を行っている法人が開設した市場、それから軽種馬の取引を主たる目的として開設された市場、そういった要件をすべて備えておればよろしいということによりまして、市場についてはそのほかの特別な分け隔てというようなことはしておりません。
#33
○小川敏夫君 もっとわかりやすい言葉で言いますと、市場の売る人も買う人もだれでも参加できるという原則があるのではないでしょうか。売る人の方、すなわち上場馬の申込者に対して公平な取り扱いをするという原則があるのではないでしょうか。
#34
○参考人(高橋政行君) ただいまの私が御質問にお答えいたしましたのは、市場としてどういうものかということをお答えしたわけでございますが、では、そこに上場される馬の所有者であるとかあるいは馬について何か制限といいますか不公平な扱いがあるかないかということだと思います。
 それについてお答え申し上げますと、我々といたしましては、一般的にまず市場については、生産者であればだれもが上場できるというふうに開かれたものでなければならないというふうなまず取り扱いをしております。それから、そこに上場される馬、その馬につきましては、市場といいましても顧客、需要者のニーズに応じましていろいろな市場があるわけでございますから、どういう馬をそこに上場するかということについては一定の資格が設けられておるものもあります。しかし、これは市場としての性格から当然くるそういう要件でございますので、これが何か差別をしているとか公平でないとかというものではないというふうに思っております。
#35
○小川敏夫君 それで、この奨励金が適用される市場が幾つかあるんですが、軽種馬農協が開設している市場はどのような馬でも、いい馬でも安い馬でも上場を希望する生産者の馬は上場しているというのに、ある一方、セレクトセールというセールにおいてはいい馬だけを集めて売っている、こういうような実態にあると。その結果、いい馬だけを集めて売るということになれば、その市場だけがお客さんがついて活況を示すけれども、その結果、農協が開設している方の市場は、いわばくず馬といいますか、いい馬とは言えない馬が集まるというようなイメージになって、そちらの方の市場に大分影響を受けていると思うんです。
 それで、もっと具体的にお尋ねしますが、社団法人日本競走馬協会というところが開設しているセレクトセールですが、ここが要するに良質な馬だけを上場するということで、良質と判定されない馬に関しては上場を認めていない。これはやはりだれでもが上場できる開かれた市場という原則に当てはまらないと思うんですが、いかがでしょうか。
#36
○参考人(高橋政行君) 確かに、日本の今までのいわゆる市場取引、これは取引が少のうございまして、ほとんどが庭先取引ということでございました。どうもそういうことでは閉鎖的な市場であるからこれではいけない、やはりもっとオープンなそういう市場をつくっていくべきだということで我々市場取引を推進しております。
 そうすると、そういう中で今度市場取引といった場合に、これもいろいろな形態がございまして、例えば、当歳馬を取引するもの、それから二歳馬を取引するもの、あるいは三歳馬を取引するもの、それからさらに先生が今おっしゃいましたように良質馬の取引、これをセレクトセールというような言い方をしておりますが、そういうものもございます。
 それからさらに、トレーニングセールといいまして、トレーニングをしてその結果を見ながら競りを行うというようなことで、需要者の要望においていろいろな市場の形態があるということでございまして、今先生のお尋ねのセレクトセールというのは、そういった上質馬といいますか資質の上位なもの、そういうもののセールとしての市場というもので形成されております。
 それで、日高農協もやはり同じようなセレクトセールというようなものを実施しております。そういうものと御理解願いたいと思います。
#37
○小川敏夫君 まず質問に端的に答えてください。
 ですから、いい馬だけしか上場させない、こういうセールがだれでもが上場できる開かれた市場なのかどうかということを聞いておるわけです。端的に答えてください。
#38
○参考人(高橋政行君) 我々は、いい馬を上場するという、そういう市場として開かれた市場というふうに理解しております。
#39
○小川敏夫君 しかし、じゃ、買う方はお金持ちしか行けないようなルールをつくってもそれはいいんですか。今のは答えは要りません。
 だれでもが上場できる開かれた市場で、しかしいい生産物しか扱わないというのは、やはりこの原則に反すると思うんです。
 では、この軽種馬の市場以外に、家畜取引あるいは青果物の市場でもいいですよ、そういう例はあるんですか。
#40
○参考人(高橋政行君) 私はほかの市場の例をつまびらかにしておりませんからわかりませんが、例えばいろいろな青果市場とか家畜市場に上場されるものについて一定の規格なり一定の品質を求めるということはあり得ることだと思っております。
#41
○小川敏夫君 物理的にできないとかそういうことであるなら別ですけれどもね。
 このセレクトセールですが、実際のこの実施状況を見ますと、その上場馬の半分が社台グループという特定の牧場グループの生産馬、残りの半分のほとんど全部に近い馬が社台グループが係養している種馬の産駒あるいは社台グループが販売した繁殖牝馬の産駒ということで、九〇%以上が特定の牧場の生産馬に限定されておるわけです。それで、ほかの生産者が上場を申し込んでも上質でないという理由で上場できないという現実がある。
 このことについて理事長はどうお考えですか。
#42
○参考人(高橋政行君) まず、ちょっと実態について申し上げますと、今お話しの日本競走馬協会が主催をしているセレクトセールの実態でございますが、例えば平成十一年度で見ますと、申し込みの頭数が二百九十九頭ございます。それでそのうち社台グループのものが百三十八頭、それから一般グループのものが百六十一頭ということで、実際に、これはセレクトセールでございますから、馬の品質、そういうものによってセレクトされて上場決定されましたものが二百九十九頭のうち二百七十九頭です。そのうち一般のものが百四十二頭、それから社台グループのものは百三十七頭というふうになっておりまして、大体一般グループと社台グループのものが五〇%、五〇%というような割合になっております。
 そういう意味では確かに社台グループのものが多くなっているということは言えると思いますが、これは特に社台グループは高質馬を多数生産しておりますので、そういった関係から結果的に社台グループのものが多く上場決定されているという結果だと思っております。
#43
○小川敏夫君 今の説明は大分都合よく引いている。これは社台の馬は半分と初めに決めているんですよ。これ自体が大変おかしいわけですけれどもね。つまり、社台の馬はもう半分無条件で出る、残りの半分の枠を一般馬が選定されているという大変不可思議な取り扱いになっている。それから、社台の馬が当然全部いいようなことを言っていますけれども、しかし生産馬が全部いいということはないんで、実際上この競りでも一番安い方から十番目ぐらいの馬は全部社台の上場馬ですよ。
 この日本競走馬協会ですけれども、これは実質的にその社台の経営者が支配権を持っている協会じゃないですか。
#44
○参考人(高橋政行君) 日本競走馬協会でございますが、これは……
#45
○小川敏夫君 端的に答えてください。
#46
○参考人(高橋政行君) 別に社台が何というか支配権を持っているとかそういうものではございませんで、現在、会長代理の方は社台のグループの一人であるということは言えますが、そのほかの役員の皆さんが社台のグループであるというようなふうには理解しておりません。
#47
○小川敏夫君 このセレクトセールは、社台の建物を利用して、それから社台の職員が派遣されてきて実施する、そういう実施状況のセールになっておりますね。
#48
○参考人(高橋政行君) 実際にこの日本軽種馬協会がたくさんの人を抱えた協会ではございませんで、実質にお仕事をされて……
#49
○小川敏夫君 競走馬協会ですよ。
#50
○参考人(高橋政行君) 競走馬協会。日本競走馬協会ですね。そこがたくさんの職員を抱えているわけではございませんから、実際の市場の運営に当たっては社台の職員の方も働きを手伝ってもらっているということは事実でございます。
#51
○小川敏夫君 それから、時間がないんでどんどん先に行きますけれども、いい馬ばかり集めるということですけれども、何をもっていい馬と言っているんですか。サラブレッドは、これは名前のとおり全部血統馬ですよ。何をもって良質馬ということの基準をつくって適用しているんですか。客観的な基準をもってこれは上場されているんでしょうか。
#52
○参考人(高橋政行君) 御存じのように、馬につきましてはまず血統が物を言うわけでございますから、しかもこれは当歳馬でございますのでまだどれだけ走るかはよくわからないという状況でございますから、血統、それから母馬とかあるいは兄弟馬の競走成績、そういったものを勘案して決めておると、こういうことでございます。
#53
○小川敏夫君 今、当歳馬だから走るかどうかわからないと言いましたね。ですから、すべての競走馬はそういうものですよ。であれば、そうであるほど良質馬と良質馬じゃない馬と分けるのは困難じゃないですか。しかも、良質馬と判定する際に、では上場するに当たって馬を実際に見て判定しているんですか。見てないで判定しているんじゃないですか。
#54
○参考人(高橋政行君) 実際馬の取引には、トレーニングセールといって、実際に走らせてそれでやるセールもあるわけです。
 しかしながら、今お話しのセレクトセール、これについては当歳馬でございますから、結局はやはり馬というのは血統がまず第一といいますか、それによってこの馬は走るだろうか走らないだろうかということを考えるわけでございますので、先ほど申しました血統あるいは母親、兄弟馬の競走成績、そういったもので判断をしておるということで、これは競馬の世界においては一応皆さん御納得いただけるんじゃないかと思っております。(発言する者あり)
#55
○小川敏夫君 委員長、中川委員が私を誹謗したことを発言しておりますので、注意してください。(「関係ないだろう、これと」と呼ぶ者あり)関係ありますよ。
#56
○委員長(真鍋賢二君) 静かにしてください。
#57
○小川敏夫君 諸外国の例は、私は言っているんですよ、競りをやるなと言っているんじゃないですよ、諸外国だって幾らだって競りをやっていますよ、結構ですよ。
 ただ、中央競馬会という公の金を補助するのにふさわしいかどうかということを聞いただけですよ。ですから、だれでもが上場できる開かれた市場でないところに公の奨励金をつけるのはふさわしくないじゃないかと。その結果、こうした不公平な競りが、いいものを集めていますよ、しかも競馬会から奨励金がつきますよということで、そちらばかりが活況になる。その結果、軽種馬農協が開設する競りの方は斜陽化するわけですよ。そういうことで軽種馬農協の経営が沈んでくれば、本来セーフティーネットなんか要らないでこういう法案だってなくたって済むものが、実際には農協の経営が傾けばこういう法律が必要になるということでこういう法案の審議に関係してくるわけですよ。
 どうですか、そこのところ。今、軽種馬農協が、ここは上場希望者の馬は全部上場させる、それで奨励金がついていると。一方、こういういい馬しか上場させない、しかもいい馬ということに対しての客観的な選定基準もないという市場に対して公のお金である奨励金を適用していることは正しいと思いますか。問題があるんじゃないですか。最後の質問です、答えてください。
#58
○参考人(高橋政行君) 私たちは、この日本競走馬協会が主催しているセレクトセールにつきましては、良質な当歳馬を求める購買者のニーズにこたえた、そういう市場だというふうにまず思っております。
 それから、先ほど申し上げましたように、そこに上場してくる生産者の皆さんに対しても公平に開かれていると思っておりますし、また良質馬を選定するということにつきましても、委員会を設けてそこで先ほど申しましたように決定をしておるということからしまして、これは公平な措置をとっている、そういう市場であると思っております。
 したがいまして、これに対してこの賞を交付することについては問題はないのではないかというふうに考えております。
 以上です。
#59
○小川敏夫君 とても開かれた市場とは言えないところに適用していることは大変な問題があると思いますので、また改めて別の機会に質問させていただくこととしまして、きょうはこれで終わります。
#60
○須藤美也子君 日本共産党の須藤美也子でございます。
 私は、早期是正措置に伴う経営改善計画についてお尋ねをいたします。
 前回の審議で、私は、一般銀行と違う農協金融の特殊性を踏まえ、リストラ、農家への犠牲につながる早期是正の一律な適用を見直すよう要求いたしました。当時の経済局長は、銀行と一緒には論じられないとし、必ずしも一律に一定の方針というより、地域の実情に応じて話し合いの積み重ねの上に行われる、こう述べられました。しかし、現実は地域の実情に合ったものではなく、大変過酷な合理化が進められております。
 私は先日、岩手県に行って早期是正措置の対象となっている中山間地域の農協の実態について調査を行ってまいりました。どの農協も自己資本率をゼロ%にするために大変な身を削るような努力を行っています。農家は三十万円もの出資金が求められ、その上販売代金からの出資、手数料の引き上げ、ただでさえ米価や乳価など農産物の価格が低下しているのに、相次ぐ出資金の負担により農業所得は落ち込み、生産意欲が極端に低下し農協離れが進んでいると、こういうふうに訴えられました。
 また役員は、三年間で七千万円の出資金に、管理職手当のカット、支給はバス代のみ、退職する役員は退職金も差し出している。涙の出るようなその組合長の訴えを聞いて、私は胸の詰まる思いをして帰ってきたわけですが、こうした中で役員のなり手はない、総合農協としての機能が低下しないか心配している、こういうふうに言われております。
 また、こうした農協で働く職員はどうか。出資金を出すが給与は定昇のみ、ボーナスは年四カ月を二カ月に削減され、諸手当も半減されています。経営改善計画は労働契約変更も無条件に認めさせるものになっております。団体交渉もできるような雰囲気はない、職員のなり手もなくなるのではないか、このように心配されています。
 これらの農協は、ワンマン経営や乱脈経営でこのような状態に陥っているのではないんです。国の政策を信頼して農協経営を行ってきたところなんです。組合長は今、まないたのコイだ、そういう心境だ、こういうふうにおっしゃっておりました。余りにも過酷な措置ではないでしょうか。
 この点で、地元でありますし、玉沢大臣の御感想なり、やっぱり気持ちにじんと響くでしょう、その点をひとつお願いします。
#61
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員におかれましては、私の地元の岩手県の県北地域の農業の実態について調査されてこられまして、この委員会においても御報告を出されております。その努力には御苦労さまでございましたと申し上げたいと存じます。
 県北地域の農協、こう申されたわけでございますけれども、自己資本比率零%未満の農協が確かに四つございます。二戸市農協、軽米町農協、九戸村農協、一戸町農協でございます。こうした農協におきましては今懸命の努力をいたしております。例えば、今おっしゃられました組合員による追加出資、役員報酬の削減、資産の積極的な売却、職員の賞与等の削減等の自助努力のほか、県内系統組織及び県、市町村からの支援等、関係者が一体となった経営の健全化に向けての取り組みが行われていると承知をいたしておるわけでございます。
 ただ、同じ県北でありましても健全な農協もあるわけでございまして、一概にこの理由を特定することにはならないとは思いますけれども、しかしながら、できるだけ今経営困難に陥っている農協がさらに努力を重ねまして立ち直っていくということを、できるだけ私も見守りながら、できることでありますならば協力もしてやってまいりたい、こう思っております。
#62
○須藤美也子君 こうした地域の実情をきちんと把握しながら、強引なやり方でなくて、やはりこうした農協が生かされてこそその地域の農業も生かされる、そういう点で国が支援をすべきである、こういうふうに私は申し上げたいと思います。
 さらに、ただでさえ過酷な自助努力を求めながら、今度は出口で達成度を厳しくチェックする仕組みがつくられました。昨年七月に策定した金融検査マニュアルであります。
 ある農協は、これまで担保百万円、どのくらいの土地かそれはここでは詳しく言いませんけれども、百万円と見ていた土地が四割足切りになって六十万円になった。不良債権額が新たにふえる、そういうことになり、一層深刻に受けとめているわけです。この検査方法で経営改善計画の達成度合いがはかられれば大変なことになる、こうおっしゃっております。
 金融監督庁にお尋ねします。
 マニュアルの性格、強制力、この点はどうなっているんでしょうか。
#63
○政府参考人(五味廣文君) 昨年七月に発出されました金融検査マニュアルは、金融監督庁検査部長から検査官に対する通達という法的性格のものでございまして、金融検査についての基本的考え方、それから金融機関のリスク管理体制をチェックいたします際の着眼点といったようなものを検査官に対して示したものでございます。
 したがいまして、この検査マニュアルは、検査官のいわば検査に当たっての手引書というような位置づけのものでございまして、各金融機関におきましては、こうした手引で検査官が検査を考えておるということを前提にいたしまして、それぞれの金融機関の特性に合いましたリスク管理手法というものを、さらに詳しく独自のマニュアルなどをつくって管理をしていっていただくということが前提になっております。
 そういったものでございますから、当然のことながら、この検査マニュアルに示されました各チェック項目の達成というようなものが法的に金融機関側に義務づけられるといったような性格のものではございません。
 また、そうした性格のものでございますから、マニュアルのチェックリストに書いてあります字義どおりのリスク管理の対応ということを金融機関がしていないというケースでありましても、金融機関のリスク管理として合理的な対応である、また十分な対応であるということが金融機関側から御説明がございますれば、それを踏まえて判断をするということで、字義どおりの画一的な適用というものを前提としたものではない、こういった性格のものでございます。
#64
○須藤美也子君 検査官の手引書ということですね。
 金融監督庁検査部長の通達では、「マニュアルの適用にあたっては、金融機関の規模や特性を十分踏まえ、機械的・画一的な運用に陥らないよう配慮する必要がある。」、こういうふうにしてあります。新たな検査マニュアルの一律的な適用はやめること、経営改善計画を提出したときの検査方法は関係者とよく協議し実情に即した方法をとるように求めたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
#65
○政府参考人(五味廣文君) お話のありましたとおり、通達の中に機械的・画一的な運用に陥らないような配慮が必要だということが明記されております。
 そのために必要なことと申しますと、金融機関側がどういったお考えでどのようなリスク管理をしているのか、これを検査官側が十分に説明を聞き、確認をし、またその合理性について納得のいかない部分があれば十分な意見交換をするということが前提でございます。
 あくまで金融機関側の自己責任によるリスク管理というものが前提になりますので、金融機関側の具体的な考え方というものをよく聞いた上で判断し意見も交換をするというのがこのマニュアル適用の大前提でございます。
#66
○須藤美也子君 今おっしゃった答弁を誠実に実行していただきたいというふうに再度お願いしたいと思います。
 とりわけ、早期是正措置は三年間で自己資本比率をゼロ%にしろ、そのための自主的なリストラを行えと、こういう努力をさせながら出口でも厳しくされたら、もう現場ではあきらめざるを得ない、こういう状況になっております。農協を中心に集落が暮らしているわけですから、そういう人たちに影響を与え集落が喪失しないように、そういうことを改めて申し上げたいというふうに思います。
 さらに私は、農協の経営を困難にしている責任の一端は農林水産省にもある、こういうふうに思います。
 政府の規模拡大路線にまじめに取り組み、農協は農家への貸し付けを行ってきた。特に、一九七〇年ころから国や県により畜産などの規模拡大が進められてきました。北上山系開発事業などに見られる大規模プロジェクトはその典型的な例だと思います。
 せんだって、私は北上山系にも行ってまいりました。この方々は多額の借金を抱えております。当時、生乳はキロ百円から百十円、ところが現在はキロ八十円に落ち込んでしまった。当初計画した償還計画が狂ってしまった。そういう焦げついた負債が農協にどっとふえてきているわけです。
 規模拡大を推進しながら、一方で輸入自由化を拡大する。農畜産物の価格が下落し、負債が増大するのは当然のことだと思います。こういう点で非常に農水省の責任は大きいのではないか、こういうふうに私は思いますが、そういうことになると玉沢大臣の答弁を求めなくちゃなりません。余りかっかしないで答弁をしていただきたいと思います。
#67
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 北上山系の開発でございますけれども、これは昭和五十年度から平成二年度までの十六年間に、北上地域の九地区において公共牧場等の建設を行う広域農業開発事業を実施したところでございます。
 これらの事業につきましては、地元からの要望を踏まえて計画を策定しており、完了後の事業の負担金の償還も県を通して滞ることなく行われていることから、事業計画の策定、事業の実施に問題があったとは考えておりません。また、岩手県からも建設した公共牧場等についてはすべて利用されているという報告を受けているところでございます。
 なお、今牛乳価格等のお話があったわけでございますけれども、昭和五十年代半ばから加工原料乳の生産地域の対象外となったことに見られますように、価格面では有利な飲用乳としての取引のシェアが増大をしてきておりまして、生産性の向上等に伴うコストの低減と相まって、生産者の手取りは確保されてきたものと考えているところです。
#68
○須藤美也子君 私はそういう答弁をまさかするとは思いませんでした。
 今、私が申し上げましたように、規模を拡大したのは農水省です。その当時の価格で計画を立てているわけです。当時キロ百十円以上あったものが今八十円になっているわけですから、農家の手取りそれから借金、これは当然農家の所得も減少し借金はどんどん膨れ上がっている、こういう現状になっているわけです。
 今農協に返済するこういう借金が焦げついている。これが現状なわけですから、農水省が計画し推進した事業に一生懸命まじめになってやってきた農家や農協が今も莫大な負債を抱えている、そういう点では私は農水省の政策上の問題についての責任があるのではないか、そういうふうに思うんです。
 それで、北上山系開発事業は、一九六九年新全総の計画の中で進められた国家プロジェクトです。規模拡大は資金の低利融資で国、県挙げて進めてきたわけです。しかも、県の責任者は農林水産省の出向者だったわけです。この表を皆さんに配付しておりますので、ごらんいただきたいと思うんです。岩手県は、全国的に見て出向者が非常に多いんです。畜産課長は七〇年代から九八年まで、九九年以降は非常に厳しくなった農協が多いために農業経済課長を出しているわけです。なぜこれだけ出向者がこのように岩手県に多いのか、その点は大臣どうなんですか。
#69
○国務大臣(玉沢徳一郎君) その前に、最初に申し上げた県北の農協と北上山系との関連の中で申し上げますならば、北上山系の開発計画というのはほとんどこれらの四つの農協とは余り関係がないということだけは申し上げておきます。
 それで、今の質問でございますけれども、農林水産行政の円滑な推進を図るためには、それぞれの地域の実情を踏まえた施策の企画立案、さらには国と地方公共団体の相互理解と協力による施策の展開が肝要であると考えております。
 このような観点から、当省におきましては、これまで地方公共団体からの要請に基づいて適切に出向人事を行っているところであり、岩手県は農林水産業のウエートが高いこともあり、他県と比較すれば出向者がやや多いものとなっておりますが、出向人事を通じて国と県との相互理解と協力により、より円滑で効果的な農業施策の展開が図られるものと考えておるわけでございまして、決して岩手県だけが多いということではないわけです。やや多いと、こういうことでございます。
#70
○須藤美也子君 東北では一番多いです。石川県と岩手県が多い。
 そういう点で、とりわけ岩手県は畜産関係が非常に多いわけです。畜産の規模拡大は七〇年代から始まっているわけです、岩手県では。この表を見れば、時々の県の農政や公共事業の推進に出向者が大きくかかわっていると、こう考えざるを得ません。地方分権と言われる時代にいわば指定席になっている。現地の農家は、県に大丈夫だからと言われて規模拡大を行った、こう言われているんです。出向状況やその部署を見ても、国と県が推進した、こう思われても私は当然だと思うんです。
 こういう規模拡大をし、一方では輸入自由化を拡大し、そして農家の手取りはさんざん低下をしている、さんざんな状況に遭っている。そういう中で、農協が今それをかぶっているわけですよ。銀行と農協は違うわけです。そういう点から、私は農水省のこういう規模拡大、無理な規模拡大と、そのときに計算として出していた価格に責任を持たない、ここに私は問題があると思うんです。
 計画を立てて、その算定基準はその当時の価格なわけですから、それがどんどん下がっているわけですから、その価格に責任を持つには、やはりその価格を支援する、農家にも農協にも支援する、そういう体制、努力こそ今求められているのではないでしょうか。その点どうですか。
#71
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 我が国の酪農は、岩手県のみならず規模の拡大を図りながら発展をしてまいったわけでございますが、その過程におきましては、今委員の御指摘のように負債等が重なってきたということもございまして、この負債対策に対しましては国も対策を講じて懸命の努力をいたしてきておるわけでございます。
 農家の皆様の自助努力と国の施策とまた地方公共団体もその対策に当たっておるわけでございますが、こうした負債対策等が克服されれば私は今後の可能性というものは十分あると、こう考えておるわけでございまして、必死に努力されておる農家の皆さんをできるだけ応援して、この危機を乗り切るようにしていくことが大事であると思います。
#72
○須藤美也子君 そういう状況の中で、経済局長でしょうか、農協統合、合併を急げ、こういう圧力をかけているわけですね。これは朝日新聞のこの記事によればですよ。
 そういう内部通達、これは「恥を知れ」、「未合併農協を多く抱える都道府県は「恥を知れ」と言いたい気分です」。これは局長さんがおっしゃっているんですね。「自分で決めた合併目標も達成できないで、農協人として恥ずかしくないのか」と恫喝的な言動を行っている、こういうふうに批判的にマスコミ等で扱われているわけです。
 私はこの合併問題、こういう状況の中で例えばゼロとゼロとゼロの農協が合併して、そして展望もなく際限なくますます落ち込んでいく、こういう心配も一方ではあるわけです。
 そういう点で経済局長はどういうつもりでこういうふうなことをおっしゃっているのか、農協を本当に考えておっしゃっているのか、再建のめどがあってやっているのか、そういう点で一言お尋ねをしたいと思います。
#73
○政府参考人(石原葵君) 四月二十二日付の朝日新聞に私の発言として引用されております。表現は必ずしも正確なものではございませんが、そのような趣旨の発言したことは事実でございます。
 これは、皆様方御案内のとおり、農協系統では二〇〇〇年度までに農協を約五百三十にするという目標を立てまして懸命の努力をしております。しかしながら、現在までの進捗状況は、率にしまして六六%ということで、はかばかしいものじゃありません。あと一年しか残されておりません。
 それからまた、全中ではこのような状況の中で一月二十日でございますが、理事会におきまして、来年の三月までの残された期間に残った合併構想を実現できるようにということで、これまで合併の取り組みが行われていなかったところにつきまして協議会を設けますとか、そういう積極的に取り組む方針を決定したところでございます。
 このような農協系統が必死の努力をしておりますので、そのような努力を支援するという趣旨で私はあのような発言したものでございまして、先ほど委員の方からお話しありました通達につきましても同様の趣旨から出したものでございます。
#74
○委員長(真鍋賢二君) 須藤君、時間が来ております。
#75
○須藤美也子君 農業協同組合はそう簡単に合併できないんですよ。一人組合員ですから、一組合員ですから、総代会で決定することなんです。これは協同組合の自主性を尊重してほしい。
 時間が来ましたので、最後に、今農水省がやっていることは、こうしたようなやり方をやめて農業経営が成り立つための価格保障を行うこと、農協の購買事業、販売事業がふえるよう援助することだと思うんです。さらに、早期是正措置の一律な適用を見直すこと、経営改善計画ができなかったからといって一方的に業務改善命令や業務停止命令措置をとらないことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#76
○大脇雅子君 農漁業政策というのは、食料の安定供給という国家の基本政策を担う重要な柱であり、国土環境の保全、循環型社会の再構築という側面からも二十一世紀に向けて積極的な政策を打ち立てる必要があります。農漁業者の自主的な相互扶助組織として運営されている農協、漁協は、これらの政策推進の中心として今後一層活発な取り組みが求められていると思います。
   〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕
 このような観点から以下質問をいたします。
 まず、今般の改正法案で農漁協、信連、農林中金が行う信用事業も貯蓄等の全額保護のための特例措置期限が一年延期されることになります。しかし、これまで来年三月末の期限切れに向けて農協系統信用事業では体質改善等さまざまな経営努力を行われてきたと思うわけですが、農水省ではどのような指導をしてきたのか、また今後どのように対応するのか、お尋ねをいたします。
#77
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省としましては、農協系統組織再編促進事業等を活用し、信用事業の体質強化を指導してきたところでありまして、これを受けまして農協系統はペイオフ解禁の当初の予定であります平成十三年三月末をめどに経営体質の強化に積極的に取り組んできたところであります。
 具体的には、十三年三月を目標とする広域合併構想を強力に推進し、規模拡大による経営基盤の強化及び業務運営体制の強化を図りますほか、特に経営困難農協の合併等につきましては、県中央会に設けた基金から資金援助を行うなどの取り組みを行っているところであります。また、内部留保の充実に努めますとともに、増資を行い、不良債権についても早期処理に努めているところでございます。
#78
○大脇雅子君 農漁協の事業の一環である信用事業におきましては、貯蓄量に比べて貸し出しの規模が小さく、金融機関として収益力が弱い、いわゆる貯貸率の低さということが指摘されています。
 一九九八年度末の実績では、農協が三一・九%、信用農業協同組合連合会が一三・九%、農林中金が四九・四%であるのに対しまして、いわゆる都銀、地銀等の中で一番低い信金でも預貸率は七〇・八%であります。
 農家の負債を増大させるという帰結にはもちろん問題がありますが、この原因はどこにあるとお考えなのでしょうか。また、今後この問題についてどのように取り組もうとされているのでしょうか。
#79
○政府参考人(石原葵君) 農協の貯貸率でございますけれども、ただいま委員の方からお話がございましたように、他の金融業態に比べまして非常に低うございます。
 この理由といたしましては、農村部におきましては、都市部に比べまして企業が少ないということもございまして、非常に資金需要が小さいということがあろうかと思います。また、農業におきましては他産業より設備需要が少ないということで、これも資金需要が小さいことにつながっているのではないかと思っております。さらに加えまして、農協は協同組織でございますので、員外貸し付けにつきましては制限を受けております。こういうような理由で貯貸率が低いのではないかというふうに考えております。
 このような貯貸率が低いということは、先ほど申し上げました理由からやむを得ない面もあると思っておりますが、先ほども委員の方からお話がございましたように、農協の収益性の向上という観点からいたしますと、この貯貸率の向上が望ましいのは言うまでもございません。そういうこともございまして、農林水産省といたしましても、これまで融資先の拡大を図ってきたところでございます。幸い、ごくわずかでございますが、近年貯貸率は上昇傾向にございます。
 農林水産省といたしましては、信連それから農林中金を含めました農協系統信用事業全体が健全に運営される、こういうのが一番重要でございますので、そういうものを念頭に置きつつ、この貯貸率の問題につきましても十分留意いたしまして適切な指導を行っていきたいと考えているところでございます。
#80
○大脇雅子君 バブル経済崩壊によって不良債権が増大し、経営が困難となっている単位農漁協、あるいは信農連、信漁連が近年ふえつつあるということであります。貯金保険制度の発動件数が増加しているとのことでありますが、既に資金援助を受けた団体以外にも欠損金や不良債権を抱えた団体があるということが予想されるわけです。
 経営困難に陥っている団体数、不良債権額、不良債権が生じた理由等を具体的にお示しいただきたいと思います。
#81
○政府参考人(石原葵君) 平成十事業年度末時点のリスク管理債権、これの総額でございますが、信用事業を行う農協では一兆八百十六億円、それから信用農業協同組合連合会、信連でございますが、これが五千二百七十六億円となっております。
 このように不良債権が生じました主な理由といたしましては、景気の低迷による債務者の経営不振や担保価値の下落ということがあろうかと考えております。
 それから、自己資本比率四%未満の農協でございます。先ほど経営困難の農協とおっしゃいましたが、自己資本比率四%未満の農協ということでとらえますと、平成十一年三月末で三十九農協となっているところでございます。
#82
○政府参考人(中須勇雄君) 漁協系統についてお答え申し上げますが、平成十事業年度末における漁協関係のリスク管理債権は、単協で千二百三十七億円、信漁連で四百十一億円となっております。
 こうした不良債権が生じた主な理由としては、厳しい漁業経営環境あるいは信用事業執行体制の脆弱さ、そういった問題があろうかと思っております。
 なお、自己資本比率四%未満の漁協は、平成十一年七月時点で七十九漁協ということに相なっております。
#83
○大脇雅子君 規模が小さい中でかなりリスクを負った比率というのは相対的に高いということが憂慮されます。そうしますと、系統信用事業においてペイオフ解禁の一年延長措置というのがどのように影響してくるのでしょうか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#84
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 我が国経済を確実な安定軌道に乗せるためには、一部の中小金融機関について経営の一層の実態把握を図り、その改善を確実なものとすること等により、より強固な金融システムの構築を図る必要があるとの観点から、与党間の合意を踏まえ、政府といたしましてもペイオフ解禁の一年延長の措置を図ることとしたところであります。
 系統金融機関におきましては、当初予定どおり十三年三月末を目途に合併や自己資本の増強等による経営体質の強化に積極的に取り組んできたところでありますが、今回の一年延期の決定は、我が国金融システム全体をより強固なものとすることを目的としたものであること、ペイオフといった金融機関の基礎的な競争条件は同一である必要があることから、農協系統金融機関につきましてもペイオフ解禁を一年延期することとしたものでございます。
#85
○大脇雅子君 一九九八年に策定された農水省の農政改革大綱というのによりますと、「事業機能の一層の強化や経営の効率化が求められている中で、農業者の協同組織として、農家農民のために各種事業を行う総合事業体としての本来の役割を十分に果たし得るようにする。」と、こう目的に書かれているわけです。こうした再編整備計画が実施されており、その進捗状況は六五・六%と言われているわけですけれども、今年度末までに全体で五万人の職員削減計画が打ち出されておりますが、これまでの経過と削減された職員の再就職支援、再雇用保障対策というのはどのようになっているのかお伺いいたします。
#86
○政府参考人(石原葵君) 農協系統組織では、平成九年十月のJAの全国大会におきまして組織再編とあわせまして農協系統全体で五万人の人員削減を行うことを決定いたしまして、現在実行しているところでございます。具体的には、平成七年三月末の三十五万人から平成十三年三月末に三十万人にするということでございます。
 これまでの進捗状況でございますが、平成十一年三月末、昨年の三月末現在の職員数は三十二万七千人となっているところでございます。
 このような人員削減に当たりましては、系統といたしましては、新規採用等の抑制、それから早期退職優遇制度の導入、こういうような措置によりまして雇用上の問題が生じないよう努めているところでございます。
 それからまた、職員の再雇用につきましても、定年退職者の再雇用のための人材センターを設置したり、あるいは定年年齢に達した者をそのまま雇用するあるいは再雇用するというような措置を講じているところでございます。
#87
○大脇雅子君 冒頭述べましたように、農漁業政策というのは国の政策の柱であります。人体に害の少ない安全な食料の安定的で自立的な確保というのは平和的な生活を希求する国民の要求に沿う政策として基本的に受け入れなければならないものでありますし、二十一世紀にふさわしい農協活動の今後のあり方というものについてどのようにお考えなのか、大臣の御見解を伺います。
#88
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員御承知のとおりでございますが、食料・農業・農村基本法の理念の実現を積極的に推進していくことが農協系統にまず求められておると思います。また、大銀行の再編等の金融情勢の変化の中で、信用事業の体制整備、体質強化も重要な課題となってきております。こうしたことから、農協系統におきましては、本年十月のJA全国大会を目指して事業、組織の改革を進めようとしておりまして、先般におきましても理事会で取り組み方向の骨子を決定したと聞いております。
 農協系統の事業、組織の改革は、基本法に基づく農業政策の推進の観点からも極めて重要であるため、農林水産省といたしましても、経済局長の私的検討会として農協系統の事業・組織に関する検討会を設置し、検討を開始したところであります。経済社会の大きな変化の中で、今後とも農協が担い手や女性を初めとする農家、組合員に対して地域農業の振興や農村社会の発展にとって必要なサービスを的確に提供していけるようにすることを旨として検討を進めているところでございます。
 全中理事会で決定した取り組み方向の骨子のポイントを申し上げますと、食料・農業・農村基本法を踏まえて消費者との連携を強化していくこと、地域農業の振興や担い手農家の支援に積極的に取り組んでいくこと、農村社会のニーズに適応した的確な住民サービスを提供していくこと、金融情勢の変化を踏まえてJAグループの総合力を高め、高度なサービスを提供できかつ健全性の高い信用・共済事業の体制を確立していく、こういうことが決定をされておるわけでございまして、こうしたことが二十一世紀において農協が果たしていくべき大きな役割ではないかと考えておるわけでございますので、これにできるだけ協力をしてやっていくことが大事であると存じます。
#89
○理事(須藤良太郎君) 時間です。
#90
○大脇雅子君 はい。
 戦後、私は、農村におりましたときに、やはり農協というのは農村地域の一つの司令塔であり一つの道しるべであったということでありますので、二十一世紀におきましてもそうした展開をぜひ御検討いただきたいと思います。
 どうもありがとうございます。
#91
○田名部匡省君 私が質問するのもちょっと、何となくやりにくい思いがしますが。
 私が大臣のときに新農政というのをつくりまして、農業も企業的感覚でということを一項入れろというので随分議論しまして、それから地域の実情に応じてということを入れなきゃだめだと。要するに、北海道のようにあの広いところでやる農業、雪の降るところ、沖縄のように雪の降らぬところに、法律一本つくってこれで全部やらせようというのは無理だということで、この二つは入れました。
 それから、株式会社の参入というのが、これが一番もめまして、構造改善局長えらい反対したんですけれども、しかしこれからの日本の農業というのはやっぱり株式会社が参入して、経営内容をはっきりし、自己責任というものを感じてやる農業に展開していかないと、ということで実はやりました。
 それから、部会でかつて申し上げたのは、外部から専門家を登用すべきだと。特に財務の専門家がいないと、なかなか農協によっては立派な農協もあるし、あるいは小さいところでは本家の父さんだからやっておけというので農協の組合長になっておる、年とった人たちですから、経理が何やというのはもう全然わからない。あのころは商業高校の学卒の女の子なんかに何千万もごまかされても、それすらどうなっていたかわからないというようなことがあって、こういうことを私はずっと提言してきたという経緯があるんです。
 それで、さっき信連、農協の経営のことは伺いましたから、これはもう結構です。大体、地方によって、バブルというのはこれはもう全部に影響ありまして、割合地方はバブルの影響を受けなかったんですが、都会で受けたところの影響を受けておかしくなったというのは多いんです。
   〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕
 それから、私の方の津軽地帯というのはリンゴと米なものですから、これ以外ないから信用組合は恐らく、合併もしたりしたけれども、経営は相当厳しいのではないかと思うんです。これ以外にないわけですから。だから、これも地域によってばらつきもあると思うんです。
 そこで、私が一つ心配しておるのは、金融業の競争が激化する中で、農協が相互事業の一環として信用事業をやり切っていけるんだろうかなという実は心配をしておるんですね。この辺のところについてのもし所見があったらお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産大臣の経験者であり先輩である委員の御質問でございますが、やはり田名部大臣のときに新農政の方向が定まったわけでございまして、そういう中におきまして、例えば農協の合併等におきましても財務調整の指導を行う合併推進法人の制度、こういうようなものが設けられた。それからまた、地域に応じて地域の実情を十分踏まえた政策も展開をされなきゃならぬ。それからまた、株式会社等におきましても、やはりこれは新しい方向として、農業というものをつまり専一にしていくという一つの枠を明確にしましてやっていく。こういうことで、今回は農地法の改正等においてそれも入れてやっておるところであるわけでございます。
 また、信用事業におきまして、ただ構成している理事だけではこれに対応できないんじゃないかと、こういう御指摘であるわけでございますが、やはりこれも農協の業務内容が高度化、専門化する中で迅速的確に業務を運営していくということが大事である、こういう観点から平成八年の農協法の改正で経営管理委員会と理事会の併用方式が選択肢として導入されました。
 経営管理委員会は、その全員が組合員代表の中から選ばれ、農協の事業運営の基本方針の決定と理事の任命を行い、一方で理事会は経営管理委員会の決定した基本方針に従って日常の業務運営を行うこととされておるわけでございまして、経営管理委員会制度が積極的に活用されるようになれば専門家等が登用されまして新しい時代に対応できる、こういうことも可能になってくるものと思われるわけでございます。
#93
○田名部匡省君 合併問題も私のときに随分進めるべきだと。これは農家がどんどん減ってきまして、もう農協自体が成り立たなくなっていくだろう。であれば、合併して効率のいい農協をつくるということでなかったら、農協がおかしくなると農家がおかしくなるんです。
 私のところに現にあったんです。鶏卵か何かに手を出しておかしくなって、それで合併しろというのでやったら、十の合併をやりまして、あと二つ、また。ですから、私の方の八戸市内の農協はもう全部合併しちゃっているんです。一つだけは赤字農協なものですから、合併したくない、あんな赤字のところと、という問題が、これは津軽の方でもあるんだ、あそことはしたくないとか、こことは嫌だとか。そうすると、悪いのとだけが一緒になると。こういうことで、ここの解決の手だてをやっぱりきちっとするということが大事だろうと思うんです。
 それと、結局、私の三戸郡で一つ、やっぱり缶詰工場を誘致して、金を貸して、缶詰工場が倒産しちゃった。それで農協がおかしくなっちゃった。そうしたら、理事の中に、おれは理事をやめたと。これやめたと言ったって、もう責任があるわけですから。
 ですから感覚的に、組合長さんもそうで、ちゃんとした農協は別ですけれども、そうでないところは、農協の組合長の選挙なんていうと、理事の選挙だってまあ熾烈なものですよ。なることには一生懸命だが、責任を伴うということの意識というのは若干薄い人もおるんでないかなと。
 ですから、やっぱり農林省でも、経営感覚と理事になるということはこういう責任が伴いますよということをこれは徹底しないと、なるだけはなったが、あとは知らぬ、やめたなんて言われても困るわけでして。
 そういうことをどうですかもう少し新しい農協のあり方の中に含めて、これから内部をしっかりしていくことがまずスタートだと思うんです。それがない限りは、時々にこういうことをやってもまた起きてくるという心配を私はしておるので、そういうことで新しい時代に、今みたいなことを経営管理委員会もしっかりする、理事の人たちもしっかり感覚を持ってやる、外部からも専門家を入れて心配のないような体制をつくるということが私はまず最初だと思うんですが、どうですか。
#94
○政府参考人(石原葵君) ただいま田名部委員がお話になったとおりでございます。
 我々といたしましては、その農協の経営を健全なものにするためには、やはり立派な理事、理事長さんのリーダーシップのもとに農協の運営がなされていく必要があると考えておるところでございます。
 そういうこともございまして、先ほど大臣の方から答弁をさせていただきましたような、経営管理委員会というそういう制度も平成八年に入れまして、これを積極的に導入しようとしているところでございます。
 しかし、残念ながら、これまでのこの制度の導入のぐあいを見ますと、奈良県とか香川県、これはほぼ一県一農協という大きな農協でございます。こういうところではこの制度が導入されておりますが、単協段階ではなかなかこれが導入されていないということでございます。
 我々はこの制度を積極的に導入させていただきたいと思っておりますし、また、先ほどおっしゃいましたように、農協の理事さんはなることには非常に熱心ですけれども、その責任を果たすことについては若干問題ありということでございますので、この点につきましては、社会慣習としましてこれは刑事責任のほかに民事責任、何かありましたときに、刑事責任ももちろんでございますけれども、民事責任も問うということでございます。こういうことで、我々厳しく理事さんに対応を求めまして、経営の健全な運営を図っていきたいと考えているところでございます。
#95
○田名部匡省君 漁協は個人というよりも経営体が漁協に入っているわけですね。私の方の漁協も大変な負債で、今、県から市から相当の助成も受けて、それでもだめになって大変苦労しているんです。ところが、経営体なものですからいい漁師の人たちは入らない、これまたおかしな人ばかり集まってさらに苦労しているわけですよ。ですから、こういうことを本当にどうすればいいのかなと。特に漁業の場合は船を一杯つくるといっても大変な億単位の金ですから、それはおかしくなるともろに来ますよね、大きいですよ、農家と違って。ですから、健全なところは、私は漁協に参加しないで一人でやりますと。
 しかも最近、農村に行ってみても都市化が進んで、裕福な農家は農協から物を買わないんです。安いところを見つけて現金で買ってくる。そんな時代で競争していかなきゃならぬわけですから、やっぱり相当の決意を持って、農協の役員さん方は先を見て、やめるものはやめていくと。スタンドでも宿泊施設でも、漁協でも何でもやっているところはありますけれども、結局、時代の変遷に合った切りかえができないんですよ。
 どうぞそういうこともよく見て相談してあげなきゃいかぬし、もろもろありますけれども、時間が来ましたから終わりますけれども、何と言ってもそういうものになれていない純朴な人たちですから、それだけにだまされやすいところもあるし、どうぞしっかりそういうことにならぬように体制をつくって、この法律も十分生かして頑張っていただきたいと思います。
 最後に大臣の御所見を伺って、終わりたいと思います。
#96
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農協も漁協も、合併を妨げる要因の中にやはり農協間の財務格差がある、委員の御指摘のとおりだと思うんです。
 それで、平成四年に農協合併助成法の改正、これは委員が大臣のときにやったわけでございますが、これもう一つ言いますと、農協の固定化債権を償却するための資金を貸し付けている信連等に対し利子補給を行うということも決めているわけです。ですから、そうした格差をできるだけ是正しながら合併をしていく。
 先ほど岩手県の県北農協のお話もありましたが、自己資本率を高めていくという上におきましては、一つは、例えば新幹線とか高速道路が通りますと土地の価格も上がってまいりまして、そういうものを加算してまいりますと自己資本率は上がっていくので、そうしたことを踏まえて合併等をやって経営難に対応する、こういうこともやっておるわけでございますので、個々にそれぞれ財務格差等の問題を解決しながらやっていく。
 漁協におきましても、岩手県とか青森県はリアス式の海岸ですから浜ごとに漁協がある、極めて小さい。そういうものをやはりできるだけ説得して、地域主義にこだわらないように、大きな合併をしながら経営体を安定したものにしていく。こういう努力が大事かと思いますので、一生懸命努力していきたいと思います。
#97
○田名部匡省君 ありがとうございました。終わります。
#98
○西川きよし君 よろしくお願いいたします。
 今回の法案では、貯金保険制度の充実を図りまして、また系統金融機関が破綻した際にどのように預金者を守っていくか、これが一番の目的であると思うわけですけれども、預金者の保護を考えていく上でやはり基本となるのは、系統金融機関が収益力の高い健全な経営をいかにしていくかということであると、こう思うわけです。
 そこで、破綻を未然に防ぎまして経営の健全性を確保するために重要な役割を果たします系統金融機関への検査の体制ですけれども、これについて冒頭お伺いしたいと思います。
 これらの金融機関の行政検査そしてまた外部監査は、どの機関がどういった形で行っているのかというのを御答弁いただきたいと思います。
#99
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 系統金融機関につきましては、金融をめぐる情勢が大きく変化する中で、経営環境も厳しいことから、行政検査や外部監査の一層の充実強化を図る必要があるものと考えております。このようなことから、農協に対する検査を担う都道府県におきましては、公認会計士等を検査補助職員として活用するなど、検査体制の強化に向けた取り組みに努めていると承知しております。
 農林水産省としましても、各種研修の実施等を通じた都道府県の検査職員の資質の向上、検査項目等を盛り込んだ標準的な要領の作成、都道府県知事の要請による国と都道府県との共同検査制度の活用等を推進しているところであります。
 また、農協、信農連の監査を行う農協中央会には公認会計士を置くこととされておりますけれども、農協中央会におきましては、この公認会計士との連携を強化し、その検査手法の有効活用等により中央会監査の水準の引き上げを図っていると承知をいたしておるわけでございまして、今後とも国、都道府県、農協中央会が緊密な連携を図りつつ検査、監査の充実や強化を図ってまいりたいと考えております。
#100
○西川きよし君 農林水産省の懇談会の答申でも充実や強化の必要性が指摘されているわけですけれども、例えば単位農協の監督機関である都道府県の検査につきましては、検査に当たる職員が頻繁に異動するためになかなか検査の能力の高い専門家が育たないということもお伺いしております。当然定着もしないわけですけれども、そしてまた、農協中央会によります外部監査につきましても、系統内部の監査のために厳格な対応はやっぱり難しいのではないかというような指摘もございます。
 そうした点につきまして、監査の充実強化のために何が必要かということをよくお考えいただきたいと思います。例えば、今まで信用組合の検査に当たっていた方を活用するとか、そして具体的な対策をこういった細かいところから、ずっと身近なところから活用できるものはしていただきたい。
 今後、農林水産大臣といたしましてはどういったお考えでしょうか、御答弁いただきたいと思います。
#101
○政府参考人(石原葵君) 検査、それから外部監査につきましては先ほど大臣の方から御答弁させていただいたところでございますけれども、ただいまお話のありましたように、都道府県の検査のあり方を考えましても、能力的によりあると思われるこれまで信用組合の検査をやってきた方、こういう人を活用すればいいのではないかということでございます。
 我々、その点につきましては、今回、信用組合の検査につきまして都道府県が関与しないという体制になりましたので、これは既に金融監督庁の方でもその辺に目をつけまして、金融監督庁の方でも、これまで都道府県におきまして信用組合の検査をしていた人に手伝っていただくとかということを考えておりますけれども、我々も都道府県の農林水産担当部局の方にお願いをいたしまして、できるだけ人事でそういう信用組合の検査をしていた人を農林水産部の方に持ってくるように、そこでまた検査に従事できるようにということでお願いしているところでございまして、我々もこういう方向で努力していきたいと考えておるところでございます。
#102
○西川きよし君 少しでもよりよい方向で、我々が納得できるような方向をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 もう時間も残り少ないものですから、次に農協の高齢者介護について少しお伺いをしたいと思います。
 若者が都会へ出ていったり出生率の低下、いろいろございます。そんな中で、現在農協が行っている高齢者介護活動の取り組みについてぜひ本日お伺いしておきたいと思います。
 農協を取り巻く経営状況も厳しい中ですけれども、高齢者介護活動事業による例えば採算面などはいかがでしょうか。懸念がないものかどうか最後にお伺いして、終わりたいと思います。
#103
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 高齢化が急速に進行しておる農村地域におきましては、農協が高齢者福祉活動に果たす役割は大きく、住民が自発的に家事その他の面で助け合うJA助け合い組織を設置するなど、地域に密着した高齢者福祉活動を推進してきているところであります。
 これは、平成十一年度にボランティア組織で約七百五十組織と、こうなっております。そのうち高齢者介護活動につきましては、これまで訪問介護員を独自に養成するなど介護保険制度に対応するための体制整備も進めておりまして、現時点では三百二十二農協が訪問介護の事業者指定を受けているところであります。
 高齢者介護事業の実施に当たりましては、農協経営に悪影響を与えないためにも採算性をよく検討して適切に行っていくことが重要であると考えておりまして、農協合併の推進により事業規模の増大を図りますほか、特に市町村との連携を密にすることが大切であると考えておるところでございます。
#104
○西川きよし君 よろしくお願いします。ありがとうございました。
#105
○日出英輔君 せっかくの機会をいただきましたので、玉沢農林大臣と金田政務次官に一問ずつ御質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、先ほど大脇先生もお話しになっておりましたが、二十一世紀の農協のあり方という点につきまして、農林大臣のお考えを伺いたいわけでございます。
 といいますのは、きょう議論しております農協貯金保険法が預金保険法と別の世界で必要なのは、これは多分私の理解によりますればですが、農協というのが信用事業だけではなくて、販売事業でありますとか購買事業でありますとか、共済、福利厚生、いろんな事業、総合事業をしておるという中での、この農協というもののあり方を預金保険制度の中で位置づけることはできないということでできたんだろうというふうに理解をしておるわけであります。そういう意味で、これからの農協のあり方につきましては、信用事業の問題もさることながら、販売事業でありますとか購買事業でありますとか、そういったもろもろの事業のバランスの中で二十一世紀の農協のあり方というのを探っていくんだろうという感じがいたしております。
 先ほど、経済局長が合併の話もなさいました。五百三十といいますか、五百二十九と言っておりますが、今合併構想を目指しているわけでありますが、農協の合併が進んだからといって、この農協のあり方がきちんと達成されるというわけでもないような気もいたしております。そういう意味で、農協法ができましてからもう五十年ということで、さまざまな期待がこの農協にかかっているわけであります。今、西川委員がお話しになっておりますように、特に高齢化が進んでまいりますと、農協のあり方としては特に福利厚生なんかの問題で重要性もまた認識されているところでございます。
 そういう意味で、先ほどの大脇委員に対するお答えで私は大臣のお気持ちは大体わかったような気もするわけでありますが、どうやら将来のあり方ということになりますと、何といいますか、組織論に偏った特に合併等の話なんかが出てきて、それでよしとせいと、事足れりというような話ではなくて、もう少し総合事業をやっておる農協の力を満度に出すという観点から二十一世紀の農協のあり方というのを考えたらどうなんだろうかと。これを、実は玉沢大臣の肉声を伺いたくて御質問をした次第でございます。よろしくお願いいたします。
#106
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今の農協の方向としましては、やはりいろいろな経済社会の中におきましてその変化に対応しながら合併をしてやっていこうと。今、指摘をされました購買事業あるいは信用事業等におきましても、やはり合併をして統合して、それを通じまして経済の変化に対応していく、競争力もつけていく、こういうことが要請をされておると思うわけでございます。
 それから同時に、やはり食料・農業・農村基本法が基本計画として打ち出されまして明確にその目標がなされたわけでございますから、これらの実現を図っていくという観点からは農協の果たすべき役割は大変大きいものと、こういうふうに考えるわけでございまして、そうした面での期待も大事だと、こう思うわけでございます。
 それから、同時にまた、農協が大きくなったからといいまして、農家、組合員に対してサービスが低下するというようなことであってはならない。やはり協同組合の精神にのっとって、一人は万人のために、万人は一人のためにという言葉がありますが、そうした精神を大いに高揚されまして地域社会のためにも貢献をしていく、こういうことが最も大事なことかと思うわけでございます。
#107
○日出英輔君 ありがとうございました。
 さて、貯金保険法の改正案の話でございますので、信用事業の話に参りたいと思っております。
 政務次官に伺いたいと思っております。
 農協の信用事業は、何といいましょうか、郵便局と同じように一般の金融機関がなかなかないところでもある、あるいはなきゃいけないということで、大変大事な金融機関の一つになっていると思います。先ほど私の尊敬する田名部先生がお話しになっていた議論にもちょっと関係するわけでありますが、農協の経営内容が外から見ますと一見ブラックボックスのような、何も見えないようなふうによく言われることがございます。
 実は、私もそういう印象もあった時期もございますが、この関係の仕事をしている中で違った印象も別に持っているわけでございます。
 こういった総合的な事業をやりますと、信用事業で言われておりますような健全性の確保以上に、例えば経済事業はちゃんとうまくいっているかどうかとか、共済がうまくいっているかどうかとか、こういった面でいいますと、経営の健全性というのは信用事業で言われている以上のことを実は要求されているんではないかという気もいたしております。余りいい例ではありませんが、幾つかの農協が債務超過に陥ったり、私のふるさとの信連が、これは破綻ではございませんけれども、累積の欠損金がかなり大きくなりまして、昨年全国の支援組織の中で助けていただいたということがございます。
 この中で政務次官の御感触を伺いたいのでございますが、こういった貯金保険制度が運用されるとか、こういった援助制度というものが発動されますときに、実は地元の体制といいましょうか、地元の責任を発揮するということがまず実は大前提になっているようでございます。端的に言いますと、貯金保険制度も全額ではありません、地元で大体半分ぐらいは負担をするというのが一つの前提になっているようでございます。そういったことで、私は一般的に組織関係者のモラルハザードが防げているんではないかという感じを実は持っているのでございますが、この辺につきまして金田政務次官から、大変金融についてもお詳しいし、農業のことについてもお詳しい政務次官から、そういった私の印象は間違っているのかどうかちょっと伺いたいと思います。
#108
○政務次官(金田勝年君) 委員からただいま御指摘がありました、農協が破綻します際に隣接する農協との合併あるいは事業譲渡によりまして処理を行ってきているという状況なんですけれども、その際に、地元の責任体制が非常に重要だと。モラルハザード、いわゆる関係者のモラルハザードが発生しないようにしているのではないかと、こういう御指摘なわけですけれども、その際に、破綻農協の組合員も出資金を放棄する。それから破綻農協の役員の民事責任あるいは刑事責任を厳格に追及する。そしてまた、さらに破綻農協自身の自助努力に加えまして、県内の県段階での相互援助制度という系統組織の最大限の支援を行う、こういうことをやりました上で、不足する部分を全国相互援助制度、そして貯金保険制度という形で負担をしてきておるという状況にあるわけであります。
 このような仕組みによりまして、委員ただいま御指摘のように、農協関係者の倫理観が欠如する、いわゆる関係者のモラルハザードが発生するというような安易な事業運営が行われることのないようにしてきているところであるわけでありまして、申し上げるまでもなく、今後とも農協系統の信用事業につきましては、自己責任原則を踏まえまして、農協系統みずからが健全な事業運営に努めていくことが何よりも重要である、そして農林水産省としても、そういう観点からしっかりと指導してまいりたい、こういうふうに思っております。
#109
○日出英輔君 今、政務次官お話しになりましたように、単協が破綻しましたときに、例えば隣接の農協に合併しますとき、当然のことながら金融機能といいましょうか、それは引き継ぐということをしております。これは地域の金融機関として大変大事なことだと思っております。さらに、お話の中にもちょっと触れておられますが、例えば私の地元の信連のときは各単協からの出資金を百億の減資をするということも実はやっております。
 さらに、ちょっと印象だけ政務次官に伺って恐縮なんですが、農協法三十三条に、職務を怠ったときの理事の連帯責任という規定がございます。実はこれは商法にも同じような規定があるようでございます。なかなかこの忠実義務違反で理事さんが連帯して責任を負うということ自体を問うのは一般に訴訟等でもなかなか難しい世界じゃないかと思いますが、ただ、私の知っている限りにおきますと、農協等ではこれが意外に多く、この規定を前提にした役員の方の責任追及というのが非常に多いようでございます。あっさり言いますと、家屋敷まで全部売って債務に充てるということをやっているのも随分多く聞きます。
 印象で結構でございますが、私は、先ほど田名部先生がおっしゃったように、農協の役員になるというのが地域の名誉職的な面でなられる場合が確かに多いことは多いのでありますが、ただ、一般にサラリーマンの役員と違いまして、そういった責任を負っているということも十分踏まえているようでございます。印象だけで結構でございますが、一般の企業経営家の責任に比べて少し重くこの規定を認識しているのではないかという気がするのでありますが、感想だけひとつ。
#110
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘のとおり、役員の損害賠償責任の追及に当たりましては非常にしっかりとやっておるという印象を持っております。
#111
○日出英輔君 いずれにしても、経営基盤その他薄弱な農協であり、さらに漁協でございますので、なかなかに指導につきましては大変だと思っておりますが、よろしくお願いをしたいと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#112
○益田洋介君 再生委員長、御苦労さまでございます。
 クレディ・スイスの検査の際に、グループ一体的な検査を行って法令違反の摘発をした、それから今月中にも行政処分が予定されておりますドイチェ証券についても同じ手法を用い、さらには日本国内にありますドイツ系の銀行六行についてもやはり法令違反があったということがこのグループ一体検査の成果として判明しているわけでございます。
 基本的には、将来、七月に今度は衣がえをして金融庁になるわけでございますが、こうした手法を国内の金融機関についても取り入れる、それは具体的には証券子会社でありますとか海外の拠点、それから信託銀行子会社についても取り入れると。私は、これは大臣、非常に賛成なんですけれども、むしろ遅きに失したんじゃないかと思っているんです。
 例えば最近の例ですと、東京三菱銀行、これはデリバティブで上げた収益を海外の子会社にツケ回したと。言ってみれば、これは旧来ありました山一証券ですとか日債銀ですとか長期信用銀行は不良債権を海外の子会社に、グループ一体の検査が行われていればこういうものが随分前から摘発できたはずなんですね。
 どうしてこんなに遅くなったのかということと、それからこの検査方法を取り入れるということについての御決意を伺っておきたいと思います。
#113
○政府参考人(五味廣文君) お話にございましたように、検査事務年度と申しますのは七月から六月でございますが、前検査事務年度では金融グループに対する検査は外国金融機関二グループのみにとどまっておりました。
 その国内の金融機関に対するグループ検査あるいはコングロマリット検査がおくれていた理由ということでございますが、結論から申しますと、非常に緊急度の高い検査が実は幾つかございまして、限られた人的資源をそちらに集中的に投入をしていたという事情がございます。
 具体的に申しますと、御承知のように、金融監督庁が発足いたしました直後の平成十年七月に金融再生トータルプランが取りまとめられました。その中で、主要行を初めといたします銀行の資産内容の緊急的な把握が必要であるということで、主要行、地銀、第二地銀全行につきましてその資産内容の実態把握を緊急的に行うということがございました。これに日銀と連携をいたしましてまず取り組み、次に昨年の四月から保険会社につきまして、ソルベンシーマージン比率に基づく早期是正措置制度というものが導入をされました。このため保険会社なかんずく生命保険会社に対しまして、その財務実態を把握するため、緊急的な集中検査を実施いたしておりました。
 また、御承知のようにY2K問題がございました。一九九八年から九九年にかけましては専門チームを編成いたしまして、Y2Kに関する専門的な検査を緊急に実施をしておりまして、これは日切れ物でございますので、待ったなしということでございました。
 このような幾つかの緊急度の高い検査にヒューマンリソースを集中投入したという結果、グループ検査というものがおくれていたという、これが理由でございます。
 それから、今後の取り組みでございますが、この点につきましては、平成十一検査事務年度、すなわち昨年の七月からことしの六月までの検査の基本方針を定めました検査基本方針というのがございますけれども、この中で金融機関等グループ、コングロマリットの一体的な実態把握ということで、連結ベースでの監督ということを踏まえまして、親金融機関と金融機関等子会社のグループを一体に検査する、また本店の検査の実施とあわせ海外の拠点についてそのルール遵守状況等について実態把握を同時に行うといった、こういった重点事項を定めまして、これに基づきます検査を実は今年度から指導いたしております。
 一応、生命保険会社に対します集中的な検査に大体めどが立ってまいりましたことと、金融検査マニュアルの全面適用の対象となります昨年の九月期決算が出そろったということを受けまして、ことしの一月から主要行につきまして二巡目の検査に入りますときに、このグループ、コングロマリット検査という手法を導入し、子会社あるいは海外の拠点というものを同時に実態把握するといった方式の採用を始めたところでございます。
 間もなく本事務年度を終了いたしまして来事務年度に入りますが、今後とも引き続きまして連結ベースでの資産内容あるいはグループ間の取引関係を効果的に把握する、そのために親金融機関等と金融機関等子会社、海外拠点、この一体的な実態把握を行う、こういうような考え方でおります。
#114
○益田洋介君 次に、前回も再生委員長とお話し合いをしました異業種業界から銀行業への参入でございますが、これについては、再生委員会と監督庁が先日ガイドラインを発表しました。
 しかし、残念なことに、まだ不透明な部分が幾つかございます。例えば、子会社の銀行から親会社が安易な資金調達をするのではないかと、いわゆる機関銀行リスクというのがこのガイドラインからは解消できるというふうには見えてこないわけでございます。
 それからさらに、親会社への立入検査権限が付与されるのかどうか、これもやはり銀行法の改正の問題とつながっているわけでございますが、この点もはっきりしない。
 さらには、ベンチャービジネスで海外の親会社が一〇%程度出資をしているときには、これは融資制限条項に抵触するのかどうかもはっきりしておりません。
 それから、この間できましたニュー・LTCB・パートナーズ、NLPに出資する欧米の金融機関というのは大体一〇%前後あるいは一〇%に満たない程度である。そうすると、これも事実上の監督の対象外になってしまうんじゃないか。
 そういうふうなさまざまな懸念が残っているわけでございますが、この点は将来的にどういうふうに取り扱われるおつもりか、伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(谷垣禎一君) お答えをいたします。
 先ほどの検査の御質問でも七月一日から新しい組織になるという御指摘がございまして、七月一日から大蔵省から大部分の金融企画機能を金融庁ということでいただく。そうしますと、今の御質問は立法論にわたるところが多分にございましたので答えやすくなるんですが、現在私はどちらかというと執行官庁の長でございますので、立法論は正直申し上げるとお答えしにくいわけでございます。
 ただ、今御指摘のように、プロジェクトチームを設けまして、他業種の参入につきまして海外の調査を重ねたりあるいは中で議論を重ねてまいりまして、結論はまだ出ておりません。現行法の枠内での運用上の指針についてはその基本的な骨格は固まりつつあるわけでございます。
 それで、事業親会社へ立入検査ができるかという点ですが、現行銀行法上はそういう権限が私どもに与えられておりませんので行うことはできないわけですが、今検討している運用上の指針の中で事業会社を親会社等に持つ形態の銀行に対する対応について、子銀行の健全性を確保していかなきゃならない、そういう観点から、例えば免許申請時に事業親会社の事業リスクが子銀行に波及していかないための遮断策と申しますか、そういうものの策定を求めて、その確実な履行を免許の条件とするとか、あるいは事業親会社等の財務状況などについては免許申請時にチェックするとともに、免許後も定期的に事業親会社等の財務状況などを示す資料を当局に提出することを免許の条件とする、こういうようなことを現行法の中でやっていったらどうだというふうに考えているわけであります。
 いずれにせよ、異業種参入等新たな形態の銀行に対する免許審査やあるいは監督上の対応につきましては、今後最終的な詰めを行いまして、今月末までに一応運用上の指針案を策定、公表してパブリックコメントにかけて、その上で最終的に取りまとめることにしたいと思っております。
 それから、事業親会社等いろいろ今の銀行法ではできないだろう、もう少しこういうことをはっきりさせよという御指摘でございましたけれども、それは今後金融審議会等において検討していただくべき課題であろうと思っております。
#116
○益田洋介君 ありがとうございました。
 次に、法務省にお尋ねいたしますが、四月一日に施行されました民事再生法、非常に申請が多くて、具体的にはそのスピードというのは前の和議法の三倍ぐらいのペースで申請が行われている。
 それで、結局、余り簡単に申請がなされて、経営者が要するに自力で再建するという努力がないまま倒産に向かっていく、これがやはり企業のモラルハザードにつながるのではないかという声が非常に多くなっております。倒産が進みますと、債権の大部分は放棄せざるを得なくなるわけで、このことからやはり株主の代表訴訟なんかにつながりかねない。
 この民事再生法というのはやはりもう一回見直す必要があるんじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
#117
○政府参考人(細川清君) 民事再生手続におけるモラルハザードの問題についてのお尋ねでございますが、再生手続は申すまでもなく再生債権債務者が一方的に債務の減免等を得て企業再建を図る手続ではなくて、再生債務者が再生計画案を提示して、再生債権者の多数がこれに同意することが必須の条件でございます。
 したがいまして、再生手続においては、再生債権者の多数の同意を得られる再生計画案を提出しなければならず、その前提として経費削減等の経営努力や経営責任の明確化が不可欠なものとなるものでございます。
 また、再生手続におきましては、従前の経営者が事業経営を継続するのが原則でございますが、その事業経営に問題がある場合には裁判所により管財人が選任され、従前の経営者の業務執行権が奪われることとなるわけでございます。
 これに加えて、経営者等の役員の損害賠償義務を簡易迅速に追及するため、訴訟手続ではなくて決定手続による査定の制度を設けております。
 さらに、企業の財産を隠匿するなどの債権者を害する行為に対しましては、詐欺再生罪を新設いたしまして、十年以下の懲役または二百万円以下の罰金という刑罰を定めております。
 倒産前後に違法行為を犯した経営者の民事上、刑事上の責任は、こういった制度によって厳格に追及することとしているわけでございます。
 したがいまして、民事再生法におきましては、モラルハザードを防止するための十分な方策がとられているものと私どもは考えておりますが、この四月一日から施行になったところでございますので、今後ともその運用状況を十分注視してまいりたいと考えているところでございます。
#118
○益田洋介君 次に、公正取引委員会に伺いたいんですが、北海道庁発注の農業土木工事の入札の談合事件が指摘をされまして、実に二百九十七社が排除勧告を受けたわけです。しかし、それ以上は何もできない。特に発注者側については責任を追及する手だてが既存の独禁法ではない。こういう欠陥がまた明るみに出たわけでございます。
 平成七年に日本下水道事業団の部長と次長が、これは独禁法違反の幇助罪容疑で逮捕されました。このときもやはりここで終わりです。上層部には責任が至らなかった。さらに、昨年十一月の防衛燃料談合では、改善要請がなされただけで、やはり発注側の責任は問えなくなった。
 この法の不備というのについて、相当やはり繰り返し問題が明らかになってきたと私は思っています。
 ことしの一月に公取の根來委員長が官製談合を取り締まれるように独禁法の改正をすべきであると、そういうふうにおっしゃったわけですが、その後何にも進んでいない。一方で、アメリカではやはり刑事罰というのはかなり厳しくしているわけでございまして、ロバート・グロンディンという在日アメリカ商工会議所の会頭については、競争原理、競争政策の不徹底が日本の経済の最大の問題点だという指摘までしている。この点いかがでしょうか。
#119
○政府特別補佐人(根來泰周君) ただいま御指摘のように、本年五月十五日に北海道の上川支庁管内の建設業者あるいは測量業者に対しまして排除勧告をいたしました。この結果は、まだ本人らは応諾するかどうかという最終的な結論は出ていないのでございますが、御指摘のように、本件につきましては発注者がこの事案に関与しておるところが多いわけでございます。そういうところで、私どもの方から発注者であります北海道庁に対しまして要請というのを行っております。
 そこで、この発注者の責任をどういうふうに考えるかということは、私ども法執行に当たる者としましては、発注者の責任も大きいんじゃないかということを考え、また発注者に対してどういうふうな対処の仕方をするかということをいろいろ考えておるのでございますが、現行の独占禁止法では事業者または事業者団体が対象となっておりまして、発注者は対象となっていないというところがございます。だけれども、この問題は大変大きな問題でございますので、そうきょうあすという改正を国会にお願いできる問題ではございませんので、私の方も十分検討いたしまして、成案ができましたら国会の方へ改正をお願いしたい、こういうふうに考えております。
#120
○益田洋介君 ぜひ鋭意努力して実現をさせていただきたい、そのように思うわけでございます。
 これは道庁の発注ですので農水省直接は関係ないわけですが、監督官庁として、政務次官、どのような感想をお持ちですか。
#121
○政務次官(金田勝年君) 委員ただいま御指摘の北海道庁の上川支庁発注の農業農村整備事業に関しまして、公正取引委員会が五月十五日関係業者に対しまして排除勧告を行った、そして北海道に対して入札制度に係る改善措置を求める要請を行ったという点につきまして、本件につきまして、このような事態は農業農村整備事業の補助事業に係ります予算の適正な執行の観点からまいりますと極めて遺憾であると受けとめております。
 このため、私ども農林水産省といたしましては、補助金を交付する立場から、十五日に構造改善局長より、北海道知事あての遺憾の意を副知事に対して伝えております。そして、改善措置についての早急な報告を求めたところであります。
 また、農林水産省といたしましては、排除勧告がなされた業者に対しましては、工事請負契約指名停止等措置要領に基づきまして北海道における直轄事業につきまして指名停止を行うことになると、そのように農林水産省としては対応することとしております。
#122
○益田洋介君 ありがとうございました。
 三月十三日、宮澤大蔵大臣は、昨年の第四・四半期、五・五%のマイナス成長であったにもかかわらずことしの秋は補正予算を組まないということで、事実上の景気回復宣言をされたわけですけれども、そうしますと二〇〇一年にかけて相当のデフレの要因になってくるんじゃないかということが懸念されておりまして、現政権になりましてから財政政策の転換というふうにもお見受けできるわけですが、政務次官いかがでしょうか。
#123
○政務次官(林芳正君) お答え申し上げます。
 これは大臣がいらっしゃれば直接お答えいただいた方がいいかと思いますが、大臣がおっしゃっているのは、まず一―三の数字が六月に出てくると。これはQEでございますが、それから四―六が九月に出てくると。毎年本予算をやって補正をやってということを二年ぐらい繰り返してまいりましたから、ことしもそういうことが要るかどうかを考える上で、多分六月に出てまいります一―三の数字というのは、大臣が今おっしゃって、委員が御指摘になったような方向が出てくることは恐らく間違いないであろうと。そして、その次の四―六の数字が九月に出るときが本当にそれでいいのか。まさに公需から民需にきちっとバトンタッチをして景気が自律的に回復できるかどうかというのをやっぱりそこで確認をしなければならない。自分はそれはそういうふうな方向でいくことを期待していると。こういう趣旨でございまして、まだ今の段階で必ず要らないという御趣旨ではなくて、そういう方向で考えていきたいという考え方ではないかというふうに理解をしておるところでございます。
#124
○益田洋介君 ありがとうございました。
#125
○委員長(真鍋賢二君) 四案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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