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1950/12/01 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 内閣委員会 第1号
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1950/12/01 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 内閣委員会 第1号

#1
第009回国会 内閣委員会 第1号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
   午後二時二十七分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     河井 彌八君
   理事      大島 定吉君
   理事      梅津 錦一君
           郡  祐一君
           中川 幸平君
           横尾  龍君
           上條 愛一君
           カニエ邦彦君
           椿  繁夫君
           楠見 義男君
           竹下 豐次君
           中井 光次君
           林屋亀次郎君
           西園寺公一君
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十四日議長において尾山三郎
君を委員に指名した。
十一月二十九日委員中川幸平君辞任し
た。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○行政機構の整備に関する調査の件
 (調査報告書に関する件)
○理事の補欠選任の件
○出入国管理庁設置令に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
 第一に問題といたしますのは、継續調査の未了報告を提出する件であります。この委員会は前回の国会の会期の終りに議長の承認を得まして、閉会中に行政機構の整備に関する調査をいたすことにたりまして、行政機構改革、警察予備隊令外三件のポツダム政令追放解除、各種の公団及び特別調達庁の事務運営等につきまして、閉会中委員会を八回ほど開きました。又警察予備隊、海上保安庁の施設、執務の状況の実地視察を二回いたしまして調査をいたして参つたのでありますが、これらの訓育項目につきまして結論を得るためには、更に愼重な調査が継續されて行く必要があるのであります。今日の段階では全部調査が完了したと申すことができないのでありまするから、ここで参議院規則第五十五條によりまして、その調査に関する未報告書を議長に提出しなければならないのであります。そこでその手續き、内容等につきましては委員長に御一任をお願したいと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決定いたします。つきましては調査報告書をここに作つてあらかじめ用意いたしてありまするから、多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   大島 定吉   梅津 錦一
   カニエ邦彦   楠見 義男
   竹下 豐次   中井 光次
  ―――――――――――――
#4
○委員長(河井彌八君) 第二の件についてお諮りをいたします。それは理事の仁田竹一君が運輸委員にお変りになりました。そこで仁田君はこの委員会の理事をしておられまする関係上、理事の欠員が生じたのであります。よつてここに理事の補欠をいたしたいと思います。このことをお諮りいたします
#5
○カニエ邦彦君 理事の補欠についてぱ成規の手續きを省略いたしまして、委員長において御指名あらんことの動議を提出いたします。
#6
○委員長(河井彌八君) カニエ君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。それでは委員長から指名をいたします。尾山三郎君にお願いいたします。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(河井彌八君) それでは次の事項に移ります。出入国管理庁設置令、これはこの前の委員会において審議に取かかりまして、政府から管理庁の次長が出て来られまして一応の説明を聞いたので、本日は管理庁の長官、鈴木一君が御出席になりましたので、この設置令の内容等につきまして御質疑がありますれば、この際お願いいたします。
#9
○カニエ邦彦君 只今の出入国管理庁設置令でありますが、実はこれの説明を伺いましたときは非常に委員の数も少くありまして、現在各委員も十二分に御了承になつていない点もあろうかと思うのです。この際甚だ恐縮ですが、改めて一応概略の御説明を一つ長官から願つて質疑に入りたいと思いますが……。
#10
○政府委員(鈴木一君) 前回の委員会で私のほうの田中第一部長から一応の概略を申上げましたわけでございますが、更に私から出入国管理庁ができました経過並びに出入国管理庁の仕事の内容につきまして、簡單に申上げたいと思います。
 出入国管理の仕事につきましては、いろいろ問題があつたようでございますが、昨年の十一月三日に総司令部の覚書を以ちまして、覚書二千五十五号によりまして不法入国の阻止に関する件という題名の指令を最初にいたしまして、更に二十五年、今年の二月二十日覚書二千八十二号、同日附にもう一つ覚書二千八十三号、そうして極く最近では九月十五日覚書二千百二十二号、この四つの指会を受けたわけでございます。これはいずれも出入国管理に関しまして、不法入国を阻止する方法につきましてやや具体的に方法を指示して来られたのであります、このように数々のものが出ておりますが、これを一口で申しますれば、この指令が一つ出ますごとに政府としましていろいろ各省の関係もございまして、協議をしつ進んでおつたわけでございますが、協議の定まりませんうちに又吏に指令が来る。これは主として朝鮮の動乱もございますし、或いは長崎県の針尾に引揚者の收容所がございましたが、そこで朝鮮の不法入国をしました人も合せて收容をいたしておつたわけでございますが、それらの針尾の收容所を閉鎖するというような問題もございまして、結局九月十五日の覚書によりまして、至急に出入国管理に関する機種を作り、予算を作つて九月三十日までに完成するようにという指令を受けたのでございます。これに基きまして出入国管理庁というものが十月一日から出発をいたしまして、役所として成立いたしたのでございますが、数次に亘る覚書が重なつて、最後には急速に仕事を始めよということで役所の成立をみたわけでございます。尚その出入国管理庁の大体の仕事はどういうことであるかと申しますと、従来出入国関係で外務省の方に入国管理部というのがございまして、これは正規の入国、例えばアメリカから外人が日本に来るというようなときに一々パス・ポートを調べるなりしまして、正規の入国を管理いたしておりましたが、これが出入国管理庁の従来から引き継ぎました一つの仕事であります。もう一つの仕事は、日本に入りました外国人が日本におります間に登録をいたしまして、その所在をはつきりする外人登録の事務が一つあるわけであります。最近に急遽役所を作るようになりましたのは、もう一つの不正入国のほうでございまして、正規のルートにのりませんで、主として朝鮮方面から或いは密輸船或いほ連絡船その他で名前を騙つて入るというような不正入国でありますが、それらのものが非常に多数に上つておりますので、これらの不正入国者を日本政府としまして一つの受入態勢を作りまして受入れる。そして然るべき処置をいたしました上で還すものは還す。そのために一つの大きな收容所を設けまして、そこに集めてそして船を求めて還す。この不正入国の取扱い、これが出入国管理庁の一つの大きな仕事であります。正規の入国、それから不正規の入国、この二つの仕事に分かれておるのでございます。なお朝鮮だけではございませんので、北緯三十度以南の南西諸島と申しまして、主として沖縄、小笠原方面の島嶼に曾ては日本人であつた人たちが今その帰属がはつきりしておりません関係で、それらもやはり日本人以外の者として出入国の管理を受けることになつております。これらの人たちに対しましても私共の方の役所で管理をし、扱いの適正を期して参りたい。
 極く簡單に申上げますれば以上になるわけでございます。御質問に応じまとて御答弁申上げたいと思います。
#11
○カニエ邦彦君 丁度政府も来ておられますので、この際伺つて置きたいと思いますが、この設置令がなぜ政令によつてできたのか。政令によらねばいけなかつたという理由について、一応の御事情を官房長官に伺いたいと思います。
#12
○政府委員(岡崎勝男君) 私も実はその理由ははつきりは知らないのでございます。ただ恐らく……あとから来まして聞いておりませんでしたが、出入国管理長官のほうから御説明したと思いますか、これはずつと司令部と話し合つておつたことでありまして、趣旨においては我々も関係方面も全く一致しておつたのであります。それはどこか政府の一ヵ所に出国のほうも入国のほうも皆集めて、そうして正規の方も不正規のほうも皆一ヵ所でやる。こういう趣旨においては一貫しておつたのであります。ただ今年の五月、六月、七月頃までの相談のときは、そう急に必要が起ろうとは思いませんで、主として仮用の收容所を今まで厚生省でやつておりましたが、それを厚生省ではいかんということになりまして、これをどこへ移管するかという問題が、主として我々の研究主題だつたのであります。そこで暫定措置として取りあえずこれは外務省でやろう、そうしてその根本的の全部一ヵ所でまとめて然るべき役所を作つてやるという組織については、今月の十日までに始まる臨時国会にかけて愼重に討議をして来年度から始めよう、こういう予定で進んで来たのであります、ところが恐らく朝鮮事変が六月の終りに起りまして、大分一時は避難民がたくさん来るというような様子もありまして、実際は余り来なかつたのですが、それから北鮮のほうの人が密航して来て国内で擾乱を企てはしないか、こういうような虞れもあつたのではないかと思います。そこでいろいろやつているうちに、九月になりまして至急この筋でもうやつてしまえという通報が来たわけです。このスキヤツピンの趣旨は我々も了承しまして、大体この趣旨で以てゆつくり考えて国会の承認を得てやろうという予定になつておりましたか、恐らく朝鮮事変の関係ではないかと思うのですが、これは想像です。我々も予期上ないところヘスキヤツピンが来たということでありまして、正確には私も事情を知らないのでございます。又説明を受けに行きましても、向うの人もこれはお前の方と趣旨は同じじやないか、急いでやる必要があるから急いでやるように、こういうわけであります。
#13
○カニエ邦彦君 只今の官房長官の説明でば、具体的に納得ができないのでありますが、併し又自分もそれ以上余り詳しいことは知らんとおつしやるのでは、これはいたし方がないと思いますが、ただ、いま長官からの説明を承つておりますと、この問題についてのスキヤツプのほうの意思というものは、相当早くからそういう強硬な意思があつたということは、一番初めはすでに昨年の十二月からもうそういう指示が日本政府にあつたのですね。それからその次には又二月にもあつた、その後もあつた、のみならず四度までそういう催促があつた。然らばそれまでの間にですね、もう二度くらい催促されれば、もつと早く司令部の意思に従つてやるべきでなかつたか、同時にそうであれば、それだけ長い一年からの距離があれば、その間に政令でやるときまで待たなくとも、優に国会にかけてやる時期は早晩あつたのではなかつたか、これは御事情を承わらなければ何とも言えませんが、一応今の御説明に上ればそういうように考え得られるのですね。その点の理由がはつきりと呑み込めませんので、その点について一体どういう事情で一年もかかつたか、この点について一応官房長官から御説明ができなければ、長官からでも結構ですから一つ……。
#14
○政府委員(岡崎勝男君) 私の知つている限りのことを一つ申上げます。実は私もこの五月に官房長官になつたのでありまして、その前の事情は余り明るくないのです。五月になつてからのことでは、そう急がなくてもゆつくりやつていいように、私はそういう印象を受けております。他方政府の内部におきましては、これはふだんと違いまして、ふだんは成るべく自分の方にたくさん管轄して取るような方向に向いているのが普通ですが、これは取扱いが非常にむずかしい問題らしいのです。それで厚生省も遠慮する、法務府も遠慮する、外務省も遠慮する、なかなかこれを引受けようと言わないのです。それで内部におきましてはどこにそれを責任を持つて……私が十分にやりますというかけの納得付くで、責任秘持つてやるところまで話合が進まないものですから、政府の内部では遅れておつたことは事実であります。併し非常に早くやらなければならんと思えば無理にもやつたのでありますが、私の印象としてはそんなに早くしなくても、取りあえずその問題を外務省か引受けて、そうして通常国会頃に提案をし得ればいいつもりでおつたのであります。その後朝鮮の突発事件があつたために事情か変化したのではないかと、私はこう思います。
#15
○カニエ邦彦君 これはまあ官房長官と議論ではございませんが、一応議論となるかも知れませんが、我々か仮に考えて見ても、そういつた国際情勢の見通しが大体当時から險惑であることは分つているのに、従つてそうであれば、やはり何らかの形においてこれは早急にでつち上げなければ日本政府としてはいけないのではないか。又司令部の方のそういう強い指示があるのですから、何とか我々はやらなければならんのではないかということは、一応考えられると思うのですね。それが一年になんなんとして而も最後に、十二分に国会の審議にかけることができなくして、政令で国会まぎわにやらなければならんということについては、何か政府の方でいま官房長官が言われたような、厚生省或いは外務省のそれぞれの役所においてまるで臭いものを扱うように譲り合つておつたというようなこともあり得るかもわからないが、併しそこはやはりそういうような見通しの上に立ては、何とか処理ができそうにあつたと思うのです、そういう点についてこれは果して司令部からそういう強い指示があつたことに対して、政府の措置が怠慢であつたかどうかということは、これはまあ別としてですね、一応その点がもう一つ納得が行かないのですが、重ねて今度は長官から一つ、当初から長官がこの仕事に関係されておられるのでしたら承りたい、こう思います。
#16
○政府委員(鈴木一君) 私は実は十月一日に任命を受けまして、それまでは宮内庁の方に在職しておりましたので、過去のことにつきましては全然知らないのでございます。ただ今まで申上げましたことは、今まで残つておりました覚書を見まして、又いろいろなことを聞きまして、多分そうであろうということを申上げた程度でございまして、御期待に副うようなお啓えはいたしかねると存じます。
#17
○カニエ邦彦君 只今の御説明によりますと、長官よりはむしろ官房長官の方が事情についてはまだ詳しいらしいのでありますが、官房長官も五月からなつて、その間の事情は自分もはつきり知らん、こういうことでありますから、この質問に対しては私は留保いたしまして、後日政府の答弁のできる、事情のわかる人の出席を求めて再度質問したいと思つております。と申上げますのは、非常にこの問題については当委員会としてもやはり一応確めておく必要はあり得ると思う。相当重大な要素を持つておると思うので、さような措置をとられることをお願いいたします。
#18
○政府委員(岡崎勝男君) ちよつと速記をとめて頂いてよろしうございますか。
#19
○委員長(河井彌八君) 速記をとめて下さい。
   〔記速中止〕
#20
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて。
#21
○竹下豐次君 今のカニエ委員の質問に関連いたしましてお尊ねしたいと思いますが、先程鈴木長官の御説明を私承わつたところによりますと、第四番目の覚書で以て大変急がれて九月三十日までに施行しろというようなことの命令を受けたということを承わりましたが、その通りですか。
#22
○政府委員(鈴木一君) はあ。
#23
○竹下豐次君 カニエ委員の質問を承わつておりますと、問題は二つに分けられるのではないかと思います。一つは過去一年間における政府の態度が怠慢ではなかつたかという問題と、それからこの際国会を待たずに閉会中にポツダム政令で決めなければならない事情にあつたのかどうかという二つの問題になると思います。そうすると先程の長官の御説明の通り、九月三十日までに切られて、而もそれをポツダム政令で施行しろという命令がはつきり来ておるならば、これは今度の国会まで待てなかつたという事情にあつたと思います。ただ急げばそれまでに早急に国会を召集することができたかどうかという問題が一つ残つておりますけれども。それは少し無理ではなかつたかと私の見通しとしては考えられます。国会に提出しなかつたということについていろいろの疑いも議員の立場から申しますれば、或いは政府の方が国会に出すのをいやがつて、さように取計らわれたのではないかという疑問を起し得られないでもありませんけれども、幸いにしてその最後の覚書をあとで見せて頂けますと、その問題は大変はつきりするので、政府の方でも或いは納得させるのに大変都合かいいのではないかと思います。問題は過去の政府の態度が怠慢であつたかどうであつたかということも大きな問題でありますが、差当りの問題としては、この国会を待てなかつたかどうかということを一つ……。
#24
○カニエ邦彦君 只今の竹下委員のお話ですが、これは結果としてはそういうことになるかと思いますが、併しながら最後の覚書は、幾ら一度二度三度までやれやれと言つたつてやれない。事態はこういう工合に窮迫化して来る、だからこれではしようがないので、これはいついつ日までやれということは当然だと思う。これはそれができるまでの間に別に臨時国会を召集しなくとも、前の国会閉会中にでもやろうと思えばやれる、そこに私は問題があり得ると思う。だからこの問題については別に深く議論をして政府の怠慢であるかどうかというようか議論をやるのでなくして、参議院としては御承知のように自主権の問題については強く決議等もなされているし、要望しているこの際でありますから、私ばこの点についてはなおはつきりとやはり事情を承つておきたいと思う。だからその意味において一応私の質問は留保しておいて、又適当心機会に政府としては準備されて、そうして我々に納得の行くような御説明を願えればそれで結構だと、こういうことなんですから……。
#25
○梅津錦一君 これは正直に聞きたいと思うのですけれども、何故これをどこも引受けないかということなんですね。それには引受けたがらないのは何か理由があると思う。これは余りいい役所でなければ引受けないと思うが、その中でもどこのところが非常に役所として運転しずらい、やりにくいというところがあると思う。この管理庁の性格がはつきりすれば、恐らくそうした正直に言えば迷惑な役所だ、こういう役所は俺の方は要らない、こちらも要らないということでつかけはつかけしているうちに覚書が出てしまつて、外務省の外局にやつと落着けたというのが今までの話の様子ではそうとれます。そこでどこのところにそういういやがられる性格ですかがあるのだか、そこのところをお聞きすれば内閣委員会としては多少考えて見る必要があると思う。これはあちらさんとの関係のことも含まれておりますから、速記をとどめるなりして忌憚のない内明け話をしたいと、こう思うのです。速記をとめて頂いて結構でありますから。
#26
○委員長(河井彌八君) じや速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。
#28
○カニエ邦彦君 そこで問題は、まあ内閣委員会として官房長官に伺つておきたいと思うのは、実は政府の方針が行政機構の大きな再編成をこの際やりたいというような意見が可なり強いんですね。そうして而もそれはどういう目的のためにか、これはしばしば現内閣が幾度も表示されている通り行政機構の簡素化、そうして国の経費の節減というようなことがしばしばやはり言われておるんですね。ところがこの出入国のこの設置法を見ますると、そういつた方面から考えて行つても我々としてはできる限り外局或いは委員会等のこういつた機関をできるだけこれを集約して、そうして行政の單一化を図りたい。こういう考え方でおる。従つてこれは政府の考え方も一致していると思うんです。ところがこの場合は尤も向うの書簡によつて設けられた申し子でありますから別だとはいたしましても、この今梅津君からもちよつと話があつたように、事の性質は正規の入国をやるのは、まあ外務省でもこれはいいと思うんです。ところがこの不正入国の場合ですね。これを扱うのが又これと同じように外務省であるということになりますと、従来これが外務省の不正入国を扱うその分野だけでこれが完全にでき得ることなれば又これも一つの方法であろうかと思うんです。ところがそうでなくして――、これにはやはり国警とか、或いは大多数は日本の実情から申しますと、何といつても海を渡つて来るんですから、だから海上保安庁がこれは可なり活動せなければ目的が、防止ができ得ないのじやないか。そういたしますと、外務省でも同じ不正入国の事柄を事務的なこともやり、又この前の次長から承れば外務省のやつていることは事務的なことでなくして現場のことをも、或いは武装等もさして少数の警備負も置くというようなことになりますと、海上保安庁は保安庁で武装した警官がおり、そうして外務省にも又それを置きいたしますると、結果において行政の分野が今私たちの考えておる、且つ政府か考えしいるような趣旨に反しまして複雑になつて来る。この場合私は少なくともこれは海上保安庁の任務は密輸入或いはそういうものの防止或いは海難の防止にこれを当らしめる、一に不正入国に関しては出入国管理庁がこれは單一的に扱うということであれば、これはいいと思うのです。ところが現在の話を承り、又これを眺めてみますときに、そういつた両が出て来ると思うのです。その点は政府としてばどうも政府のお考えになつておる行政組織整備の上から見まして常非に反するのではないか、のみならず現実に非常に複雑化しはしないか、こういうように考えるのですが、その点について官房長官はどういうお考えを持つておられるのですか。
#29
○政府委員(岡崎勝男君) それでは失礼ですが、お二人の御質問を一緒にお答えさして頂きたいと思います。先ず今おつしやつた外局にしなければからんということは、これはどこへ置くかによつて違いましようが、外務省に置くといたしますと、外務省の職員は外務省の職員としまして、例えば在外事務所ができればその課長が出て行く、或いは課長から何番目が出て行くというような資格ができまして、自然に外国へ行くような資格ができてしまう。ところが出入国管理庁の中には外務省の部面もありますが、全然国内的の仕事たしておると思いますので、これを外務省の職員と一緒にして何年たつたらお前は外国へ行く資格があると言つても、語学その他過去の経験からいつて外の職員と一緒に取扱い得ない部面があるので、止むを得ず外局にしたのが一つ。それから海上保安庁の問題になりますが、海上保安庁は無論密入国者を捕え、防いで貰うのですが、海上保安庁というのは政令によりまして海の上とそれから海岸のところだけをやることになつておる。それで海上保安庁ができるだけ密入国なんか防いで捉えて行くのですが、そのこぼれたものをこつちで捉えろ。こういうわけです。で若しあなたのおつしやるように出入国管理庁で密入国は全部引受けて押えるのだいうと、出入国管理庁もやはり海上保安庁のように船を造つてそこらの沿岸を歩かなければ防げないのですが、そこで密入国なら密入国を海上保安庁へ渡すということになればもつと複雑になるのです。そこで今は分業であつて海上では海上保安庁がやり、そこで捉えて来たら出入国管理庁の方へ持つて行く、そして收容して送り帰えす。送り帰えすときは海上保安庁が海の方をやる。運用においては出入国管理庁が無論やりますが、国警や警察等もこれに援助をしておのおのの分野を含めてその元締が出入国管理庁だと、こういうふうに考えている。このほうが私は分業の趣旨で以て完全とは言わないまでも、現在の各般の仕事をうまく総合できるであろうと思つております。それから行政整理というようなお話もございましたが、今度の出入国管理庁につきましては、殆んど全部の人は外務省で只今までやつていた人間をここに移し、法務庁でやつていた人間をこつちへ移ししておりますので、人間が殖えたという点は余りないだろうと思います。長官はこれはよそから無理に貰つて来た人ですが、そのほかには余り人が殖えたところはないと思います。
#30
○竹下豐次君 先程私の質問が終えないうちにほかの方がされてしまつたのですが、委員長から只今渡しで頂きましたこの九月十五日附の連合国からの覚書、これを拝見いたしまして、この第四によりますと、先程鈴木長官から御説明のように、九月の三十日までには政令でも出さなければならんところまで担いつめられたようなことが了解できるのであります。一応私はそういうふうに了承できるのですが、カニエ君から先程の重ねての質問も、過去一年間における政府のとられた態度がよかつたのか悪かつたのかということにつきましては、私どもとしても十分了承はできません。官房長官の説明によりますると、途中で少しく中ゆるみがしておつたかのように、そう急がれなかつたかのような気持を持つておられたように窺われますが、つきましては第一回目から第四回目のものでありますが、第三回目の分として委員長のお手許に持つておいてだつたらあとで拝見したいと思います。ありますか。
#31
○委員長(河井彌八君) ええ、あります。
#32
○竹下豐次君 それではあとで拝見しまして、私は少しこの問題について又考えてみたいと思います。
 それからこの際官房長官にお尋ねいたしたいのですが、実はこの間の電力再編成の問題が政令で出たということにつきまして大変もめました。そのときに、参議院の運営委員会における総理の御説明と衆議院の運営委員会における長官の御説明とが少し食い違いがあるというようなふうの問題、どちらが本当であるかという問題、その後運営委員会からでしたか、どこからでしたか、とにかく参議院のほうから総理にお願いしまして、向うのマツカーサー元帥の書簡を公表するようにして貰いたい、それに対して総理の答弁として、できるだけそういうことに努力するというお返事をなさつたようであります。ところが衆議院における何かの委員会で誰かの質問に対する総理の答弁を新聞で見ますというと、どうも外交文書というものは公表しないということになつている。そういう慣例にもなつているからということ、ちよつとそれだけ見たところではもう発表はできないのだというふうに言われたかのようにとれたのであります。若しそういうことになつているならば、ちよつとこれの取扱と電力問題の書面の取扱かまちまちになつている。言い換えればこつちは公表されている。併し電力問題のほうは公表されないということに辻褄が合わないように疑われるので、その経過を、私は直接関係の委員ではありませんけれども、一つ御説明願いたい。
#33
○政府委員(岡崎勝男君) これはこの委員会と直接関係ありませんから……、ちよつと速記を止めて。
#34
○委員長(河井彌八君) 速記止めて下さい。
   午後三時十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十七分速記開始
#35
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて……。大体御質疑も終了したと思いますから、本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     河井 彌八君
   理事
           大島 定吉君
           梅津 錦一君
   委員
           カニエ邦彦君
           楠見 義男君
           竹下 豐次君
           中井 光次君
  政府委員
   内閣官房長官  岡崎 勝男君
   出入国管理庁長
   官       鈴木  一君
ソース: 国立国会図書館
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