くにさくロゴ
2000/05/17 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 共生社会に関する調査会 第8号
姉妹サイト
 
2000/05/17 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 共生社会に関する調査会 第8号

#1
第147回国会 共生社会に関する調査会 第8号
平成十二年五月十七日(水曜日)
   午後二時四十二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任   
     福山 哲郎君     今泉  昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井 道子君
    理 事
                有馬 朗人君
                南野知惠子君
                佐藤 雄平君
                大森 礼子君
                林  紀子君
                三重野栄子君
                堂本 暁子君
    委 員
                岩永 浩美君
                釜本 邦茂君
                末広まきこ君
                竹山  裕君
                鶴保 庸介君
                橋本 聖子君
                森下 博之君
                今泉  昭君
                小川 敏夫君
                小宮山洋子君
                千葉 景子君
                松崎 俊久君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                八田ひろ子君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
       総理府政務次官  長峯  基君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大場 敏彦君
   政府参考人
       内閣総理大臣官
       房男女共同参画
       室長       大西 珠枝君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
       厚生省児童家庭
       局長       真野  章君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○共生社会に関する調査
 (男女等共生社会の構築に向けてのうち女性に
 対する暴力についての現状と課題に関する件)

    ─────────────
#2
○会長(石井道子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十六日、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(石井道子君) 共生社会に関する調査を議題とし、「男女等共生社会の構築に向けて」のうち、女性に対する暴力についての現状と課題に関する件について調査を行います。
 本日は、昨年六月、議長へ提出いたしました中間報告書における提言に関し、政府の対応、関連する施策の取り組み状況等について、総理府、文部省及び労働省から説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。
 なお、発言は、説明、質疑、答弁とも着席のままで結構でございます。
 まず、総理府より説明を聴取いたします。長峯総理府政務次官。
#4
○政務次官(長峯基君) 総理府総括政務次官の長峯でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日は、女性に対する暴力に関する総理府における取り組みについて御説明させていただきます。
 お手元に要点をまとめました「女性に対する暴力に関する取組」と題する資料がございますので、それをごらんいただきたいと思います。
 男女共同参画審議会における調査審議の経緯でございますが、平成九年六月に内閣総理大臣から女性に対する暴力に関する基本的方策について男女共同参画審議会に諮問がございました。これを受けて同審議会では精力的に調査審議を行い、平成十一年五月に我が国における女性に対する暴力に関する初めての答申である「女性に対する暴力のない社会を目指して」を内閣総理大臣に答申いたしました。
 この答申は、注意書きにもありますように、基礎的な部分を中心としたものであり、女性に対する暴力の実態を踏まえ、引き続き諮問について調査審議を行うといたしておりました。
 平成十一年六月には共生社会に関する調査会の中間報告も出されたところでございます。
 このため、平成十一年八月から同審議会において答申後の調査審議を開始いたしました。平成十二年四月には、女性に対する暴力は重大な問題であることから、幅広く各方面から意見を求めるため、同審議会女性に対する暴力部会では、「女性に対する暴力に関する基本的方策についての中間取りまとめ」を公表いたしました。
 その概要ですが、前回の答申は総論的な議論を中心にいたしたものでありましたが、今回の中間取りまとめでは、総理府の実態調査の結果も踏まえ、夫、パートナーからの暴力、性犯罪、売買春、セクシュアルハラスメント、いわゆるストーカー行為であるつきまとい行為といった暴力の形態ごとに現状と今後の取り組みを記述しています。その中で、現在の関係機関による取り組み状況、現行の女性に対する暴力に関するさまざまな法的な措置について記述するとともに、今後の期待される取り組みについて検討しております。
 中間取りまとめに対する意見は五月末まで募集する予定であり、五月十二日には審議会委員と関心を持つ方々との意見交換会も行っております。今後、男女共同参画審議会女性に対する暴力部会では寄せられた意見をもとに調査審議を進める予定でございます。
 次に、男女間における暴力に関する調査の実施です。
 本調査は全国レベルでの初めての調査でございます。昨年九月から十月にかけて実施し、本年二月に公表いたしました。調査対象としては、全国二十歳以上の男女四千五百人を対象に実施し、回収率は七五・七%となっております。内訳は、女性千七百七十三人、男性千六百三十二人でございました。
 主な調査結果ですが、夫から命の危険を感じるぐらいの暴行を受けた経験のある妻が四・六%であり、約二十人に一人が被害を受けていることとなります。なお、男性も〇・五%はそうした被害の経験がありました。また、そうした身体的被害を受けた女性でだれかに打ち明けたり相談した人は約半数ですが、その大半は家族や友人、知人に相談しており、警察などの公的な機関に相談した者はごくわずかで、被害が潜在化している状況がうかがえます。
 また、嫌がっているのに性的な行為を強要された経験のある女性は六・八%であり、警察に相談した者はそのうちのわずかでありました。
 いわゆるストーカー被害であるつきまとわれた経験のある女性は一三・六%で、交通機関や路上などで痴漢に遭った経験のある女性は四八・七%でした。
 女性に対する暴力の実態はこれまではっきりしませんでしたが、今回の調査により、この問題が社会的に大きな問題であり、また潜在化している状況がわかります。
 最後に、予防・啓発活動です。
 共生社会に関する調査報告においても、予防、啓発を図るため、広報活動の推進が提言されておりますが、男女共同参画審議会女性に対する暴力部会の中間取りまとめにおいても、女性に対する暴力についての社会の理解が不十分であることが指摘されております。
 これまで総理府においては、女性に対する暴力についてその現状と今後の課題を明らかにし、社会の意識啓発を図るとともに、関係者の連携を図るため、平成十年十月には女性に対する暴力の根絶を考えるフォーラムを、平成十一年十月には女性に対する暴力に関するシンポジウムを開催しております。本年も同様にシンポジウムを秋に開催したいと考えています。また、本年より、従来の社会の風紀、環境を浄化する運動を見直し、新たに女性に対する暴力をなくす運動を関係省と連携して実施することといたしております。期間といたしましては、五月二十四日を中心とするおおむね二週間としており、ポスターやリーフレットの配布、政府広報の活用を通じて広報啓発などに努める予定です。
 なお、こうした取り組み以外にも、昨年には政府広報のテレビで女性に対する暴力を取り上げるなど広報啓発に努力いたしております。
 以上、女性に対する暴力についての総理府の取り組みを説明させていただきました。
 女性に対する暴力は女性の人権を著しく侵害するものであり、男女共同参画社会の形成を阻害し、決して許されるものではないと考えております。今後とも、女性に対する暴力への取り組みに努めてまいる所存でございますので、よろしくお願いをいたします。
 以上です。
#5
○会長(石井道子君) 次に、河村文部政務次官。
#6
○政務次官(河村建夫君) それでは、文部総括政務次官の河村建夫でございますが、文部省の取り組みについて御報告をさせていただきます。
 事前に「女性に対する暴力に関する取組について」という資料もお届けを申し上げていると存じます。それに基づきながらやらせていただきます。
 女性の人権が尊重され、暴力のない社会を実現するためには、さきの中間報告で御提言をいただいたとおり、学校教育、社会教育等を通じた教育啓発活動を充実させるとともに、女性のエンパワーメントのための施策を推進することにより、固定的な男女の役割分担意識の是正や女性の自立を促進することが重要であります。そのために、教育を所掌する文部省の役割は極めて重要であることを認識し、教育改革プログラムにおいても、男女共同参画社会の形成に向けた取り組みの促進を掲げて、男女平等等を推進する教育、学習の充実に努めているところであります。
 さて、女性の人権が尊重され、暴力のない社会を実現するための教育についてでありますが、初等中等教育における取り組みといたしましては、まず男女平等に関する教育が挙げられます。
 女性に対する暴力のない社会を実現するためには、人々の男女平等の意識をはぐくむことが大切であります。このため、学校教育においては、小学校、中学校、高等学校を通じて、児童生徒の心身の発達段階に応じ、社会科、家庭科、道徳及び特別活動等において、男女の平等及び相互の理解、協力について適切に指導することとしております。
 また、昨年三月までに小中高等学校の学習指導要領を改訂したところであり、これまでの扱いに加え、中学校の特別活動や高等学校の公民科、家庭科等において、男女が相互に協力して家族の一員としての役割を果たし、家庭を築くことの重要性、職業生活や社会参加において男女が対等な構成員であることなどについて指導の充実を図ったところであります。
 また、新しい学習指導要領の趣旨や内容をできるだけ早く生かす観点から、平成十二年度より移行措置を実施し、道徳や特別活動等については新学習指導要領によることとしております。さらに、この新学習指導要領の解説書の発行や新教育課程説明会の開催などにより、その趣旨の実現に努めているところであります。
 なお、新学習指導要領は平成十四年度から実施されるわけでありますが、前倒しでやっておるということであります。
 次に、学校における性に関する教育について御説明申し上げます。
 学校における性に関する教育については、人間尊重を基盤として、児童生徒の発達段階に応じて性に関する科学的知識を理解させるとともに、児童生徒が健全な異性観を持ち、これに基づいて望ましい行動がとれるようにすることをねらいとして、体育科、保健体育科、特別活動、道徳などを中心に学校教育活動全体を通じて指導することといたしております。
 学習指導要領の改訂においては、児童生徒の発育、発達の早期化等に対応するため、小学校の体育科で新たに第三、四学年に保健領域を設け、身体の発育、発達に関する内容を指導することといたしました。
 また、中学校の保健体育科で、新たに性の問題行動への対応として、妊娠が可能となる生殖機能の成熟に関する正しい理解や性の尊重、性情報への適切な対処などについて指導することとするなど、各学校段階において性に関する指導の内容を充実し、異性の尊重、性に関する情報への適切な対処、性感染症の予防などの内容について充実を図ったところであります。
 また、性の逸脱行為等の課題に適切に対応するため、性教育の基本的な考え方、指導体制等を示した教師用参考資料、「学校における性教育の考え方、進め方」を作成し、各学校等に配付をしております。
 さらに、小中高等学校を含む地域をエイズ教育・性教育推進地域として指定し、効果的な指導の方法等について調査研究を行うとともに、その成果を教職員等に対し周知徹底を図るため、中央及び地方研修会を開催する事業を実施しているところであります。
 その他、学校教育における人権教育の取り組みといたしましては、小中学校及び高等学校においては、児童生徒の発達段階に即して、各教科、道徳、特別活動等のそれぞれの特質に応じて、学校の教育活動全体を通じて人間尊重の意識を高める教育が行われております。
 例えば、社会科においては、日本国憲法を学習する中で人間の尊厳や基本的人権の保障などについて理解を深めることとされ、また道徳においては、だれに対しても差別することや偏見を持つことなく人間尊重の精神をはぐくむよう指導することとされています。
 次に、高等教育における取り組みといたしましては、大学については、文部省が行った昨年の調査によると、全国百九十三大学において、例えば女性学、女性と労働、女性問題と社会教育など、教育、文化、法制度等、学際的分野にわたり女性の観点からとらえた授業科目が開設されているところであります。今後とも、女性学等の意義にかんがみ、この分野における教育、研究の充実について適切に配慮してまいりたいと考えております。
 次に、社会教育における取り組みについて御説明を申し上げます。
 女性に対する暴力のない社会を実現するためには、男女平等に関する教育や男女共同参画に関する知識の涵養に加えて、女性自身がみずからの意識と能力を高め、力をつけること、いわゆる女性のエンパワーメントが不可欠であります。
 このため文部省では、平成十二年度から新たに、年少の子供を持つ親が家庭で理由のない男女の固定的役割分担意識にとらわれることなく子育てを行うための教育について調査研究を行うゼロ歳からのジェンダー教育推進事業を実施することとしているほか、女性団体・グループが男女共同参画の視点から地域社会づくりに参画し、その過程を通じて女性のエンパワーメントに資する事業や青少年の男女共同参画に関する学習機会を提供するための手法について実際にセミナー等を開催して調査研究を行う事業を実施しているところであります。また、国立婦人教育会館においても、婦人教育、家庭教育に関する各種の研修、交流、調査研究、情報事業を実施し、女性に対する各種の学習機会の充実等に努めております。
 さらに、家庭教育手帳、家庭教育ノートの作成、配付や家庭教育に関するフォーラムの開催等、家庭教育への支援を通じて、男女でともに取り組む子育てや男女が協力する家庭像等についての普及啓発を行い、家庭における男女共同参画を推進しているところです。
 また、平成十二年度から新たに子育てやしつけに関する悩みや不安を持つ親に対して気軽に相談に乗ったり、きめ細かなアドバイス等を行う子育てサポーターを配置し、地域における子育て支援ネットワークを形成する事業を実施することとしております。また、父親の家庭教育への参加を促進するため、フォーラムや家庭教育出前講座の開設、子供の職場参観事業などを実施しているところであります。
 また、女性に対する暴力をなくすためには、男女共同参画社会基本法においても基本理念に定められている男女の人権の尊重が重要であります。そのため、社会教育において人権教育を推進するため、公民館を初めとする社会教育施設等を拠点とした学級・講座の開設など、人権に関する学習機会の充実に努めるとともに、人権感覚を持って行動できる人材を育成するための先導的な人権学習プログラムの開発や人権教育に関する指導者の養成、指導資料の作成等の施策を推進しているところであります。
 具体的には、すべての人々の人権が真に尊重される社会の実現を目指し、広く人々の人権問題に対する理解と認識を深め、差別意識の解消を図り、人権にかかわる問題の解決に資することができるよう、地域における人権に関する学習活動を総合的に推進する人権教育総合推進事業を実施しているほか、昨年の人権擁護推進審議会答申を踏まえ、平成十二年度から新たに、さまざまな人権問題や地域の特性等に応じた人権学習のモデル事業を展開しながら、人権感覚を持って行動できる人材を育成するための先導的な人権学習プログラムを開発することといたしております。
 また、平成十二年度から、関係省庁と連携をして女性に対する暴力をなくす運動に取り組んでいるところでありますが、文部省といたしましても、女性に対する暴力の根絶に向け、各都道府県教育委員会、国公私立大学等の関係機関にもこの運動の実施について周知いたしまして、取り組みを促したところであります。
 さらに、いわゆるセクシュアルハラスメントの防止対策等といたしましては、国家公務員を対象としたセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する人事院規則の制定を受け、文部省においても、他の職員及び学生等に対するセクハラの防止等について文部省におけるセクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規程、文部省訓令を制定し、平成十一年四月一日から施行するとともに、その周知徹底を図るため、運用通知を発出したところであります。
 以上のとおり、文部省において、学校教育、社会教育を初めとして、女性の人権が尊重され暴力のない社会を実現するための各種の施策を推進しているところでありますが、今後とも一層の充実に努めてまいる所存であります。
 以上であります。
 ありがとうございました。
#7
○会長(石井道子君) 次に、長勢労働政務次官。
#8
○政務次官(長勢甚遠君) 女性に対する暴力の問題につきまして、労働省の施策にかかわる内容を説明資料に基づきまして御説明申し上げます。
 資料の表紙をおめくりいただきたいと思います。
 労働省におきましては、女性に対する暴力にかかわる施策といたしまして、職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策に取り組んでおります。
 以下、資料に沿って御説明させていただきます。
 まず、一、セクシュアルハラスメントについてをごらんください。
 セクシュアルハラスメントにつきましては、平成十一年四月から施行されている改正男女雇用機会均等法におきまして初めて事業主の配慮義務についての規定が設けられたものであります。職場におけるセクシュアルハラスメントは、女性労働者の個人としての尊厳を不当に傷つけるとともに、女性労働者の就業環境を悪化させ、能力の発揮を阻害するものであります。また、企業にとりましても、職場秩序や円滑な業務の遂行を阻害し、社会的評価に影響を与える問題であります。このため、男女雇用機会均等法におきまして、事業主は職場におけるセクシュアルハラスメント防止のために雇用管理上必要な配慮をしなければならないとされており、配慮すべき事項については指針が定められております。
 具体的には、二つ目の枠をごらんいただきたいと思います。
 均等法第二十一条第一項におきまして、事業主は、職場において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により女性労働者がその労働条件につき不利益を受け、または性的な言動により女性労働者の就業環境が害されることのないよう雇用管理上必要な配慮をしなければならないとされております。
 また、同条第二項に基づきまして指針が定められております。指針においては、一番下の枠にありますように、事業主が雇用管理上配慮すべき事項といたしまして次の三項目が挙げられています。
 まず、事業主の方針を明確化しその周知・啓発を図ること。これには例えば広報啓発資料の配付や就業規則への記載などが考えられます。次に、相談・苦情処理窓口の明確化を図るなど相談・苦情に対応すること。最後に、事後の迅速かつ適切な対応。これには事実関係について迅速、正確に確認することなどが含まれます。
 続きまして、二ページをお開きいただきたいと思います。
 二の都道府県労働局雇用均等室における対策等についてでございます。
 セクシュアルハラスメント防止対策といたしましては、女性労働者からの相談に対応するため、雇用均等室に専門的知識を持ったセクシュアルハラスメントカウンセラーを配置するとともに、先ほど御説明しました均等法及び指針により配慮が求められている措置を講じていない事業主に対し是正指導を実施しております。さらに、企業に対し具体的な取り組みノウハウを提供する講習会を実施するとともに、研修用の手引を作成しております。
 次に、三といたしまして雇用均等室に寄せられた相談の状況について御説明申し上げます。
 雇用均等室に寄せられたセクシュアルハラスメントに関する相談件数は、下の表にございますとおり年々増加の一途をたどっております。特に、改正均等法の施行を目前に控えていた平成十年度においては七千十九件と平成九年度の二千五百三十四件から約三倍に急増し、平成十一年度においてもそれをさらに上回る九千四百五十一件の相談が寄せられております。
 相談の内容としましては、企業からの相談では、事業主の方針の明確化の方法や相談窓口の設置方法など防止対策に関するもの、社内で生じた事案にどのように対処すべきかなど相談・苦情への対応に関するものが多く見られています。また、女性労働者からの相談では、セクシュアルハラスメントを受けているがどう対処したらよいか、セクシュアルハラスメントを受け会社に訴えたが十分に対応してもらえないので指導してほしいという内容のものが多く見られています。
 一枚おめくりいただきまして、三ページをごらんいただきたいと思います。
 最後に四といたしまして、セクシュアルハラスメントに対する企業の取り組みの状況について御説明いたします。
 これは平成十一年十一月から平成十二年三月の間に行われた調査の結果でございまして、回答企業数は五千二百十八企業であります。
 まず、均等法において事業主の雇用管理上の配慮が求められている方針の明確化と周知・啓発、相談・苦情への対応、事後の迅速かつ適切な対応の三項目すべてに対応している企業は二九・四%となっています。
 企業規模別に見ますと、三項目とも実施している企業の割合は、従業員数千人以上規模の企業では七〇・九%、三百人から九百九十九人の企業では四五・四%、三十人未満の企業では六・八%となっており、大企業での取り組みは進んでおりますが、小規模企業では取り組みにおくれが見られるところであります。
 また、産業別に見ると、三項目とも実施している企業の割合は、金融・保険業で五六・五%と高く、取り組みが進んでおります。
 次に、事業主が配慮すべき事項の具体的な実施方法については、方針の明確化のための方法としては、社内通達で明記、就業規則に規定などが多くなっております。意識改革、啓発のための方法としては、パンフレットや手引の配付、管理職が各職場で注意喚起、管理職研修を実施などが多くなっています。相談・苦情窓口の設置方法としては、人事労務担当者が対応、各職場の管理職が対応、相談室を設置し専門の担当者を配置の順に多くなっております。
 簡単ではございますが、セクシュアルハラスメントに関する労働省の対策及び現状は以上のとおりであります。
 労働省といたしましては、これらの施策を着実に推進していくことにより、女性労働者がその能力を十分に発揮できる環境づくりに今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
 以上であります。
#9
○会長(石井道子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○橋本聖子君 自民・保守の橋本聖子です。よろしくお願いいたします。
 この調査会を通じて、女性に対する暴力ということについて、私自身実際にすぐ近くにそういう暴力を受けた方がいなかったせいか身近に感じていないという部分があったんですけれども、実際、最近、暴力ではなかったにしても、バスジャックの少年を見ても、子供と女性を残して強行したというようなことになると、やはり弱者という扱いを女性に対してしている。そういうことを考えたときに、真の男女共同参画社会を目指す上で女性に対する暴力をなくしていくことは前提になることと思っているんですけれども、少しでも現状の改善が行われるようにしたいということをこの調査会を通じて強く感じております。
 当たり前のことが当たり前でない社会になったということですごく恐ろしいことと思うんですが、女性に対する暴力に関する中間取りまとめというのを中心にして、まず最初に総理府に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 女性に対する暴力の問題が取り上げられたというのは最近のことであるように思いますけれども、特に最近は夫やパートナーからの暴力が関心を集めております。総理府の行った実態調査の結果を聞きますと、先ほど御説明もありましたけれども、命の危険を感じる暴行を受けた女性が四・六%。日本の女性は全体で六千三百万人、結婚されている方が三千二百万人ということなんですが、もし四・六%の女性が被害を受けているとすれば、全国で百四十七万人の女性が何らかの形で命に危険を感じるくらいの暴力を受けた経験があるということになるんですけれども、オーストラリアでは、女性は自分自身の家庭にいるよりも路上の方が安全であるというような報告が政府の委員会で行われたぐらい大変な状況だというふうにお聞きしております。
 これは外国の問題ではなくて、日本でもこれと同じように深刻ではないかなというふうに思っているんです。この実態を聞いて私自身もびっくりしたんですが、この結果について総理府ではどのように受けとめていらっしゃるか、率直な感想をお聞きしたいと思います。
#11
○政務次官(長峯基君) 先ほど御説明申し上げましたように、総理府では、女性に対する暴力についての全国的な調査を本年の二月に公表したところでございます。初めてこのような調査をいたしまして、夫から命の危険を感じるぐらいの暴行を受けたと回答した妻が四・六%という数字でございます。従来はその実態が明らかでなかったわけでございますが、社会的理解も十分でなかったと感じております。
 私自身もこの数字を見てびっくりしたというか驚いておりますけれども、そういう意味では、この暴力に関する問題は真剣に取り組まなければならない重大な社会的な問題であるというふうに認識いたしております。
#12
○橋本聖子君 女性に対する暴力のPRポスターが配られていると思うんですが、先ほど政務次官もびっくりされたというふうにお話しになりましたけれども、二十人に一人というふうな数字、また性的な行為を強要されたという方が十五人に一人というふうに数字で示されています。
 私自身だけかもしれないんですが、この数字をぱっと見たときに、多いのか少ないのか一瞬見てわからない部分があったんですけれども、政務次官はどのように感じたのか。これを見たときにどういう、ポスターのできについて感想をお聞きしたいんです。
 いつも政府の方では数字というのを常に感覚的に体で感じる部分があるかと思うんですが、一般の方にしますと数字をぱっと見たときにそれがどのようなのかというのが、なれていない方ですと全体的な物事の大きさがわからない部分があるんではないかなというふうに私自身感じたんですが、それについてはどのように、庶民的な感覚と政府の感覚とのずれというか、そんなのは感じなかったでしょうか。
#13
○政務次官(長峯基君) 感じ方の違いだと思うのでありますが、こんなにたくさんいるのかと私は感じましたけれども、表現についてはちょっと政府参考人から答弁させます。
#14
○政府参考人(大西珠枝君) 今御指摘ありましたように、命の危険を感じるほどの暴行を受けたと回答した妻が四・六%ということ、その数字自体がどうも小さいような形で印象があってはいけない、なるべくわかりやすい表現をしたいと思いまして、二十人に一人というような表現を考えてみたところでございます。
 御指摘の点につきましては、より効果的に広報啓発活動を行っていくという観点から、今後とも一層表現を検討してまいりたいと思います。
#15
○橋本聖子君 今お話しあったように、やっぱり二十人に一人ですとか十五人に一人、また痴漢に遭った経験のある女性は四八・七%、ここまで行くと私もすごく多いんだなというふうに思うんです。やはり夫またはパートナーからの暴力の実態というのは物すごく大きなものというふうに、深刻なものであるというふうに思いますけれども、これまで十分な対策が本当にとられてきたのかとなると、そういうふうなものでもないように今感じているんです。
 その背景としては、先ほど御説明もありましたけれども、女性に対する暴力が潜在化しやすい、表面化しにくいということではないかと思うんですけれども、性犯罪の場合も含め、実態調査においては潜在化に関する調査も行われているんですが、女性に対する暴力が潜在化しやすい理由をどのように考えていられるかということをお聞きしたいと思います。それに対してどのようにこれから取り組んでいくべきなのか、どのような考えがあるかというのもあわせてお聞きしたいと思います。
#16
○政務次官(長峯基君) 中間取りまとめの五十八ページ以降をごらんいただきたいと思いますけれども、男女間における暴力に関する調査の結果が載せられております。
 夫、パートナーから身体的暴行を受けた者のうち、警察、人権擁護委員に相談した者は〇・九%、婦人相談所に相談した者は〇・四%となっております。また、性的行為の強要の被害を受けた者のうち、警察に相談した者は一〇・七%、その他の公的機関に相談した者は〇・八%となっておりまして、被害者はなかなか公的機関に相談しておらず、女性に対する暴力が潜在化していることが明らかでございます。
 相談していない理由としては、夫、パートナーからの身体的暴行については、「自分さえがまんすれば、なんとかこのままやっていけると思ったから」四一・二%、「自分にも悪いところがあると思ったから」四一・二%。性的行為の強要については、「恥ずかしくてだれにも言えなかったから」というのが五五・三%と大変多くなっております。
 このように、女性に対する暴力が潜在化している背景には、女性に対する暴力が人権に直接かかわる深刻な問題でありながら、その重大性が国民に十分認識されていないということがあると考えられます。
 このため、総理府としては、国民の女性に対する暴力への認識を高めるとともに、先ほど御説明申し上げましたように、被害女性が相談しやすい環境をつくっていくためのシンポジウムあるいは女性に対する暴力をなくす運動の実施等により、引き続き広報啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
#17
○橋本聖子君 この取りまとめの五十八ページを見せていただいたときに、やはり恥ずかしさという部分が結構あるのかなというふうに思いました。公的機関の数が少ない、またはPRが足りないということがあるというふうなお話も聞いたんですけれども、やはり実態は公的機関に行きにくいというところではないかなというふうに思います。
 先ほど政務次官もお話しされたように、ぜひ真剣な対応を行っていただいて、だれもがこういうことを公的機関に相談に行きやすい、行けるようなそういうものをしていっていただきたいなというふうに思います。
 私は、昨年なんですけれども、この調査会の中で警察庁に同じような質問をさせていただいたことがあるんですけれども、従来、法は家庭の中に入らずというふうに言われてきましたが、近年の状況を見ますと、そういうことだけではいけないというようなことも感じております。家庭は社会の重要な単位でありますけれども、その中にあっても一人一人の尊厳というものは守られなければいけないというふうに思います。
 児童虐待に対してもこれからさまざまな方策が講じられようとしておりますが、同じように夫やパートナーの暴力についても対策を講じる必要があると思います。国民も公的関与を期待しているのではないか。特に、最近はいろいろな家庭内での暴力、子供を殺したりまた親を殺したりというようなことがある中で、公的機関の助けを求めているところもいっぱいあります。そういう意味では、国民は公的な関与をどのように考えているのか、政府としてどのようにその点受けとめていますでしょうか、調査をもとに説明していただきたいなというふうに思います。
#18
○政府参考人(大西珠枝君) 総理府の行いました男女間における暴力に関する調査におきまして、夫婦の間で行われた身体的な暴行について警察や公的な機関などが解決に向けてかかわるべきかどうかということを質問した項目がございます。
 これによりますと、命の危険を感じるくらいの暴行を受けるについては九三・三%の人が警察や公的機関がかかわるべきであると回答しております。また、医師の治療が必要とならない程度の暴行についても、何年かに一度受ける場合には、かかわるべきと回答した人は三一・一%でしたが、頻繁に受ける場合には、かかわるべきと回答した人が七六・九%となっております。
 一般的に、夫婦間の事柄につきましては行政は関与すべきでないという意識があるとよく言われるわけでございますが、暴力の程度が重い場合はもちろんのこと、軽いものであっても暴力を頻繁に受けるような場合には公的な関与を必要とするという意見が強いというふうなことが読み取れるかと思います。
 以上でございます。
#19
○橋本聖子君 女性に対する暴力の問題について関係者から法的措置を求める声が強く出されているというふうにお聞きしているんですけれども、明確にどのような法的措置を受けたらいいのか、していただいたらいいのかということが明らかでないということも言われております。
 男女共同参画審議会女性に対する暴力部会の中間取りまとめの中に、「共通事項」のところで、ちょっと読ませていただきたいんですが、「女性に対する暴力についての総合的な対応に関する法的措置や、夫・パートナーからの暴力など女性に対する暴力のそれぞれの形態に対応した措置など、新たな法的措置を検討することが必要ではないかとの意見がある。」というふうに記述されているんですけれども、審議会で具体的にどのような議論が行われたのか、お聞きしたいというふうに思います。
#20
○政府参考人(大西珠枝君) ただいま御指摘ございました中間取りまとめの六ページのところでございますけれども、この記述等の背景にあります審議会における議論の概要でございますけれども、ここにありますとおり、女性に対する暴力全般をとらえて総合的な対応をとるような法的措置を検討するべき、まさにそういったような御意見や、女性に対する暴力は夫、パートナーからの暴力、性犯罪、セクシュアルハラスメント、つきまとい行為などさまざまな形態をとっておって、問題の所在も異なりますので、その形態に対応した法的措置を検討することが必要であるというような意見があったということでございます。
 また、既存の法律の中には、一方、仮処分に関するものなど、対応に当たる関係者にも、また被害者や加害者にも十分理解されていないものもございます。それで、まず運用面で的確な実施を図った後に不十分な点について議論をすべきではないかという意見もございました。
 なお、こういった法的措置を検討するに当たっては、また審議会の中では、暴力の形態によって問題の所在が異なるとともに、諸外国における対応を参考にして考える場合、我が国の法体系との関係も考える必要があること、夫婦間の暴力やつきまとい行為などについては男性の被害者もいるので、女性だけを対象に対応を考えてよいのかという議論も考えられること、また、夫、パートナーからの暴力については家庭内などでの暴力ということで児童虐待と同様に議論される場合もあるわけですが、一方では異なる面もあることなどが議論されたわけでございます。
 この問題につきましては、この中間取りまとめに対しまして各方面から寄せられた御意見を参考に、今後、女性に対する暴力部会において引き続き調査審議が行われることになることと考えております。
 以上でございます。
#21
○橋本聖子君 この中間取りまとめの中で、暴力の形態ごとに「現状」と「今後の取組」というのがまとめられていますけれども、これはいろいろ御検討された結果このように記述されていると思うんですけれども、一つ気になる点は、性犯罪について、よく一般にセカンドレイプというふうに言われているんですけれども、セカンドレイプという言葉が一つもこの中には入っていないんですが、そのことについてどのように触れて記述されているのか、御説明をしていただきたいというふうに思います。
#22
○政府参考人(大西珠枝君) 御指摘の点でございますが、この中間取りまとめの十二ページ、「性犯罪」におきます記述の「現状」のところでございますが、ここでは、この審議会でも御議論がこの点については出たわけでございますが、中間取りまとめの中では、セカンドレイプという表現は直接は用いておりませんけれども、この「イ」の「司法手続過程での被害者の負担」というところで、「強姦や強制わいせつの被害者の多くが、捜査に対する協力や証人出廷に負担を感じている」と、法務省総合研究所の調査結果を引用するとともに、「法廷における証言が過度の負担になる」という指摘のあることなどを述べまして、こうした問題に対する部会としての問題認識を示しているところでございます。
 なお、今後の取り組みにつきましては、この中間取りまとめの中では、「被害者に配慮した制度」ということで、被害者対策要綱、犯罪捜査規範等に基づく被害者支援のための各種の施策の推進や、ビデオリンク方式による証人尋問等が盛り込まれた刑事訴訟法等の改正の今国会に提出されました法案の早期成立への期待など、被害者に対する配慮のための取り組みの一層の推進や、女性捜査官の活用など被害者の立場に配慮した事情聴取の励行などを提言されているところでございます。
#23
○橋本聖子君 先ほどもお答えしていただいたんですけれども、司法関係者も含めまして、今後、女性に対する暴力の特質や実態というのを十分理解した対応が必要になってくると思いますので、そういう意味では、今回このポスターを見ましても、新たに女性に対する暴力をなくす運動というのが始まったというふうに書かれているんですけれども、ぜひ国民の幅広い、専門家も含めてですけれども、幅広い理解を得るように運動を進めていっていただきたいというふうに思います。
 次に、文部省の方に質問させていただきます。
 女性に対する暴力の問題というのは簡単には解決しないことだと思いますけれども、でも、そうは言っていられない、早くに解決をしなければいけない一つでもあるんですが、結局は、私は子供の教育というのもやはりこの暴力に対して何らかの形でかかわっているように感じています。子供のころの家庭教育と学校教育に問題があるから暴力になっていくんだということに結びつけるわけではないんですけれども、どう考えてもそういうふうに結びついている部分も今のいろんな怖いニュースを見る中で感じてしまうんです。
 特に、義務教育の段階において暴力を振るってはいけないということが明確にあらわされているものがないということをお聞きしているんですけれども、例えば小学校の学習指導要領を見て、これは小学校五、六年生の道徳からなんですが、1から4までありまして、「時と場をわきまえて、礼儀正しく真心をもって」、「だれに対しても思いやりの心をもち、相手の立場に立って」ですとか、「互いに信頼し、学び合って友情を深め、男女仲よく協力し助け合う。」、「謙虚な心をもち、広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。」、そのように書かれておりますけれども、直接的に暴力は絶対にいけない、暴力はいけないというようなポジティブな記述ではないんですね。
 これは当然なのかもしれないんですけれども、日本においていかなる形であっても暴力はいけないというようなことはどのように学校の中で教えられているのか、聞かせていただきたいと思います。
#24
○政務次官(河村建夫君) 御指摘のように、暴力というものは絶対いけないことだということを教育の中でいかにして徹底させるかということが大変重要な課題だというふうに思います。
 いじめの問題が起きたときに、いじめは絶対これは悪なんだということをもっと徹底させようということで、教育現場も今取り組んでおるところなんでありますが、この男女共同参画の形においても、特に男女が仲よくしていく、人間が生きていく上でこれだけはやっぱり守っていかなきゃいけないという規範があるわけですから、そこのところをやっぱり繰り返し繰り返し教えていくことだろうというふうに思うんですね。
 なかなか言葉だけで言って、それがそのまますっとしみ通るかということが懸念されるわけでありますが、まずは指導要領で、暴力を振るうということは絶対に悪いことなんだ、悪なんだということをもっとはっきり教育現場でもきちっとしなきゃいかぬ。道徳の授業等では、そうしたいじめ等を題材にしながら、さっき申し上げたようにそれは許されないということを今指導しているわけでございます。
 また、そういうものは、学校全体がそういうものに取り組むという姿勢が必要であろうし、ひいては家庭、地域社会を含めて暴力を振るうということが悪であるということを徹底させるような取り組み、これをどうしてもつくっていかなきゃいけないだろうというふうに思っておるわけであります。今の教育では、学習指導要領をお読みいただきましたが、当然それにのっとってやっているわけであります。特に暴力、またはいじめにかかわる問題にもなりますが、それは悪であるということを徹底させるということが大事だろうというふうに思っております。
#25
○橋本聖子君 今の質問と少しダブってしまうところがあるかとは思うんですけれども、昨年の十二月にこの調査会で仲道委員が小此木政務次官に質問をしたものなんですけれども、これまでの日本の男尊女卑思想に学校教育が大きな役割を果たしてきた、思想に根差したものがあるので暴力に関係しているところがあるんじゃないかというふうに質問をしたことがあったんです。
 教育現場における男女平等、人間の尊厳、人権の尊重といったものに関しては、どのように教育をされていますでしょうか。
#26
○政務次官(河村建夫君) 男女平等、人権尊重教育は、これは児童生徒の理解力といいますか、心身の発達段階に応じて、社会科、家庭科等の各教科ごと、あるいは道徳または特別活動ということで行われているわけです。
 それで、小中学校においては、日本国憲法の学習においては男女の平等ということを取り上げておりますから、それによって個人の尊厳と両性の本質的な平等についてきちっと指導をするということになっておりますし、教科書においてもそのことが触れてあるわけであります。
 例えば、小学校六年では男女の人権が平等に尊重されることがいかに大事であるかということ、それから中学校では女性差別の解消に向けた関係法律がどのようにつくられているか、この制定それから男女共生社会の考え方について具体的な記述がしてありますから、そういうところできちっと教え込んでいくということであります。また、道徳の時間では、読み物、物語等を通じて男女の協力や助け合いなどを指導していくとか、学級の活動において男女の役割などについてディベートをする、お互いに話し合いをさせる、そして考えながらそれをもって指導にかえていくというような方法が行われているわけであります。
 高等学校におきましても、公民科という学科では、人間の尊厳と平等、職業生活や社会参加において男女が対等の構成員としてあるんだということを指導しているわけです。そして、教科書においては、近年の女性の社会参加の機会あるいは女性の自立、保障が具体的に表現されております。それから、ホームルームの時間等においては、男女交際あるいは性の問題等についても男女間で話し合いをさせる、そして男女平等という認識を深めさせるということの指導が今行われているところであります。
#27
○橋本聖子君 最近、続発する青少年の非行、凶悪犯罪を見ますと、学校の場でどちらかというとドロップアウトされたといいますか、そういう子供たちが事件にかかわっている。そういうような世の中になってきたときに、言うことを聞く子だけが教育をされて、そして言うことを聞かない子が排除されていくというか、そういう子たちが問題を起こしているというふうに見られております。
 学校は教育だけ、家庭は基本的なしつけというふうなことがよく言われておりますけれども、特に暴力を振るったり騒いだりする子は家庭が責任を持つようにと学校から指導を受けているケースがあるというふうに聞いているんです。これはもちろん家庭でしっかりと基本的なしつけがなされていなければ問題を起こしやすいというのがあると思うんですけれども、学校もどちらかというとそういうことに関してはちょっと逃げ腰になっているのではないか、もっとしっかり強く厳しく学校内でも基本的なしつけをするべきではないかというふうに最近の事件を見ると強く感じているんです。
 学校と家庭が一体になって全人格的な教育を行っていくべきであるというふうに考えるんですが、文部省としてはこういった学校と家庭の役割分担の現状についてどのように、PTAの総会にしても連携をとって教育をしているのかということをお聞きしたいなと思います。
#28
○政務次官(河村建夫君) 橋本委員御指摘のように、これまではどちらかというと学校は教育、家庭でしっかりしつけをということであったんでありますが、家庭の教育力が非常に低下しているということがありまして、今学級崩壊等々の問題が起きておりますが、やっぱり家庭のしつけに起因するようなことが学校現場でもそのまま残っていて学級運営が非常に難しくなるというケースが現実にあるわけであります。
 だからといって、それをそのまま家庭に返していって解決する問題じゃありませんから、学校もしつけの問題について真剣に考える、そして同時に家庭にもしっかりお願いをするという、学校から家庭へも働きかけをやりながら、学校側も、これは負担は大変なんでありますが、学校においてカウンセリング機能といいますか、そういうものを充実させて、生徒指導総合研修講座なんかを持ちまして、先生方にもそうしたカウンセリングの機能を持ちながらしつけの問題にも対応していくということが今必要になってきております。
 家庭教育ノートとか家庭教育手帳とか、そういうしつけに関する部分を含めた、そういうものもつくりまして家庭にもお願いをするということで、連携を組んでしつけの問題には当たっていこうということがどうしても今は避けて通れない大きな課題になっておりますので、御指摘のように学校もその辺を分担しながら、あわせて家庭への奮起を促してともにやっていく体制を今とっておるわけであります。
#29
○橋本聖子君 家庭といいますか、母親または父親も含めてですけれども、子供を育てる上で悩んでいる方もたくさんおりまして、学校に相談を求める方も多いというふうにお聞きしていますので、ぜひ連携を保っていっていただきたいなというふうに思います。
 最後に時間がなくなってきたんですけれども、ずっと私自身スポーツをやってきて、体力テストですとか運動能力テストのデータというのをずっと毎年見ているんですけれども、ここ二十年といいますか、ここまた十年、物すごい低下をしているんですね。最後の質問で無理やり結びつけるような感じになってしまうかとは思うんですけれども、そういう体力が低下をしている子ですとか精神的に弱い子がいじめに走るのが実態の調査として出ているということなんですね。
 そういうふうに考えたときに、大人、成人になっても家庭内で女性に対して、またパートナーに対して暴力を振るうというのは、結局は精神的、体力的に弱い男性がまた自分自身よりも弱い女性に対して暴力を振るいがちだということも調査の中に入っているというふうにお聞きしているんです。
 そういうふうに考えますと、文部省としては、子供たちの小さいころからの体力づくり、精神的なものをつくるという面で、将来の人間づくりというものをしっかりと子供のころからしていかなければいけないと考えたときに、教育の中でドメスティック・バイオレンスに対する考え方というのをこれからどのように進めていくか。決意というのではないですが、取り組みについて、今後の考え方を最後にお聞きしたいと思います。
#30
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘の点ですが、前段の子供の体力と暴力との因果関係といいますか、このことの調査は全くこれまでしていないわけでありますが、現実に体力が落ちておる、それに並行するようにそうした子供の暴力というか凶悪犯罪とかがふえている、何か因果関係があるんじゃないかという御指摘でございますが、これは今後の研究課題にしなきゃいかぬと思います。
 子供たちは、体育、スポーツ、そういうものを通じてしっかりとルールを守ることとか仲間を大事にするとか連帯感とか、同時に男女共同参画というものの意識を高めていくということが必要でありましょうから、そういうことはしっかり取り組んでいく。
 健全な体に健全な心が宿る、これは断定をするとちょっと問題があるので、宿ることが望ましいというのが本当の言い方だそうでありますが、まさにその精神で子供の心身の発達ということ、非常に体と心のバランスのとれた発達を図っていくということが教育上極めて重要な課題でありますから、そのことについては御指摘のようにしっかりと取り組んでいくということでお答えにいたしたいと思います。
#31
○橋本聖子君 ありがとうございました。
#32
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。総理府、労働省、文部省に順次伺っていきたいというふうに思います。
 まず、総理府に伺いたいんですけれども、まとめられました実態調査、これは全国の実態調査としては初めて取り組まれたものですので、それなりの全体像がわかったという意味での評価はあると思うんですけれども、この実態調査の結果をどのようにこれから扱われるのかということ。それから、その全国調査の前に東京都がしました調査が各自治体の調査としては非常にいいもので、こういうペーパーなどで調査をした後、フィールドの専門の人たちが個別に会って具体的に調査をしたので、かなり中身の濃いものを東京都はまとめているのですが、総理府の場合は、この全国調査をさらにそういうふうに突っ込んでいかれるおつもりがあるのかということと、どのようにこの調査結果を使われるのかを伺わせていただきたいと思います。
#33
○政務次官(長峯基君) 先ほど御説明申し上げましたように、初めてのこのような調査でございますが、いろいろ問題点が出てまいりました。
 特に、公的機関に相談することが少なくて非常に問題が潜在化しているということ。それから、今もずっとお話がございましたけれども、夫婦間の暴力等、そういう問題もございます。女性に対する暴力の問題の大きさが認識されたと。
 これは、こういう調査結果をもとに今後の対策について審議会でこの出されたデータを十分検討していただきまして、対策をつくっていきたい、その基礎データにしたいと、そのように考えております。
#34
○小宮山洋子君 一部分重ねて伺いますけれども、では、さらに、先ほど申し上げたような突っ込んだ調査を問題のあるケースについて個別になさっていくというような予定はございませんか。
#35
○政務次官(長峯基君) 今のところは、ケーススタディー的な調査は予定しております。
#36
○小宮山洋子君 男女共同参画審議会では二つの部会を持っていて、基本法をつくるための部会の方の成果で昨年基本法ができたわけです。それに比べまして、両方一遍に動かすわけにいかなかったというのはわかりますけれども、この女性に対する暴力の問題も、日々被害に遭っている人がいますから急いで対応しなければいけないのに、どうも外から見ていると対応がまだるっこいというか時間がかかり過ぎているのではないかというような感じも持ちます。
 先日、中間取りまとめが行われまして、いろいろ現状の把握、これからの取り組みということがあらわされていますけれども、これもまだ現状の把握というところにどうもウエートがあって、これからどういうふうに取り組むという方向性がいまいち、外から見ていますとテンポそれから中身、足りないのではないかというような感じを持つのですが、次官はどのようにお考えでしょうか。
#37
○政務次官(長峯基君) 御指摘されますと、そうかなという感じもしますけれども、まずその現状の把握というのが時間がかかったということ、そして出された結果が思った以上のというか想像以上の現状があるということ。
 そして、これは審議会にかけまして、今後どのような対応をしていくかということも審議会の中で議論していただくことになりますので、短時間に結論を出すということはなかなか難しい面がございます。今のペースでしようがないんじゃないか、そう思っております。
#38
○小宮山洋子君 しようがないでは済まないのではないかなというふうに思うのですけれども。
 もちろんいろいろな体制整備をして、すぐにも例えばシェルターなどをきちんと国の方もバックアップして充実するというような体制整備の面に加えて、やはり法律の面でも対応を早急にしなければいけないというふうに多くの人たちが考えていると思うんです。
 例えば、中間取りまとめの中に、既存の法律の中にもまだ十分理解されていないものもあるので、まず運用面で的確な実施を図ると。政府はすぐに今ある法律の運用面でまずとおっしゃるんですが、それがうまくいっていないからこういうことが起こっているんじゃないかということがあるわけですね。
 もちろん、運用面の実施も的確にやっていただきたいと思うんですけれども、今の日本の法体系の中では足りない部分があるわけですよ、この新しいドメスティック・バイオレンスなどについては。
 ですから、ぜひその法制化の取り組みというのが、もちろん今の法律で対応できるものはどれかという精査もした上で新たな法律の枠組みが必要だと考えておりますけれども、積極的にそちらへ取り組んでいただける御決意を伺いたいと思います。
#39
○政務次官(長峯基君) 御指摘のように、今の法整備の中でどれだけ解決ができるのかという問題もございます。
 ただ、このような現実がはっきりしたわけでございますから、積極的に必要な法整備をし、各省庁ともよく話し合って、一日も早く解決するように、スピーディーにやるように努力をしたいと思っております。
#40
○小宮山洋子君 積極的にという言葉、しっかり覚えておきたいというふうに思っております。
 私ども、この共生調査会でも、去年一年かけてこの暴力のことにずっと取り組んでまいりまして、ついせんだって、超党派でこの暴力のためのプロジェクトチームを設けて、法律について積極的に、それこそ総理府の方にも連携をとっていただきながら進めたいと考えています。それはもう超党派で、党を超えてこの問題は取り組もうと。どうもそちらの審議会でやっていらっしゃるテンポでは私どもは遅過ぎると思っております。そちらの労を多としないわけではないのですけれども、そのあたり、私どもで、国会の方で、できることはなるべくいろいろ提起をしていきたいと考えております。ぜひそのあたりはともにいい形のものをつくれるように力を尽くしていただきたいと思いますので、そのことについて一言伺って、総理府への質問はこれで終わります。
#41
○政務次官(長峯基君) 私も一昨年まではこのメンバーでございましたから、よくわかっております。
 ぜひ国会の方も積極的にその法整備については御努力をいただいて、両輪になってやっていけたら一番いいと思いますので、よろしくお願いします。
#42
○小宮山洋子君 心強いお言葉をいただいたと思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、労働省に伺いたいと思います。
 労働省からはセクシュアルハラスメントについてのペーパーをいただいておりますけれども、均等法の中にセクシュアルハラスメントの管理者の責任が盛り込まれ、指針でいろいろなことが定められているわけです。
 これをつくる過程など、私も取材をしたりいろいろなことをしておりましたが、指針にグレーゾーンといいましょうか玉虫色といいましょうか、いろいろ難しい部分がかなりあったというふうに思っておりますが、この改正均等法が施行され指針が定められて効果がどのように上がっているとお考えでしょうか。
#43
○政務次官(長勢甚遠君) 先ほど御説明いたしましたように、雇用均等法に基づきまして、セクシュアルハラスメント防止のための指針では企業が雇用管理上配慮すべき事項を定めておるところでございます。この規定が改正雇用機会均等法に盛り込まれることになったことによりまして、同法の施行前から指針の周知を進めてまいりました。企業の関心はこの問題について大変高いものがございまして、都道府県労働局雇用均等室には、防止対策の具体的な方法について多くの相談が寄せられておったわけでございます。
 法施行後におきましても、大企業を中心に指針に沿った取り組みが実施されておる状況は先ほど御説明したとおりでございまして、大きな効果がこの指針によってあったと、このように認識をいたしておりますし、さらに進めてまいりたいと思っております。
#44
○小宮山洋子君 私がグレーゾーンと申し上げたのは、なかなかどこまでがセクシュアルハラスメントでどこからがそうでないかというようなことは、いろいろな認識の違いなどもございまして、例えば仕事が終わった後どこか外へ行ったときの部分はどうなるのかとか、やっぱりそれはお互いの信頼関係などということもありますから、一概にどこからどこというのが非常に線が引きにくいということで指針をつくるときにいろいろ心配をされたと思うのですが、そのあたりはかなりうまくいっているんでしょうか。それとも、何かこういうところはもう少しやっていかないとなかなか法律の効果が上がらないというような問題点をお持ちでしたら御紹介いただければと思います。
#45
○政務次官(長勢甚遠君) 具体的なケースについて我々もいろんな場で話題になることもありますし、相談のときにもそういうことが多いわけでございますが、なかなか一律に、おっしゃるとおりグレーゾーンといってもこちら側、相手側、いろいろケースがあるわけでございますので、今、指針にさらにそういうことをどういうふうに表示できるかということよりも、やはり相談の体制なり内容等の充実を図っていくことがいいんではないかと思っております。
#46
○小宮山洋子君 都道府県の労働局の雇用均等室にはセクシュアルハラスメントカウンセラーが配置されているということですけれども、いつも労働省の方では均等法の問題などについても一生懸命いろいろ取り組んでいらっしゃるのはわかるのです。なかなか人手が足りない、十分に行き渡らないという実情がいろんなところであるかと思うのですが、セクシュアルハラスメントカウンセラーについては、人員の配置の人数とか予算の面とかいろいろな面で十分に行われているのでしょうか。
#47
○政務次官(長勢甚遠君) 何か全国で三十人配置になっているそうでございまして、このセクシュアルハラスメントによって精神的なダメージを受けている方も多いわけでございますから、確かにこれからこの方々にきちんとした対応ができるようにしていくという意味でまだまだ不十分なのじゃないかなと今思っております。
#48
○小宮山洋子君 この御報告をいただいたところ、まず第一番にセクシュアルハラスメントカウンセラーを配置しましたと書いてあるわけですね、都道府県の部分については。それで都道府県全体に一人ずついないわけですよね、三十人というと。その数字を次官も御存じないということは、次官はやはりこのセクシュアルハラスメントのことはそんなに重要だとお考えでないのかなと考えてしまったりするわけですけれども、やはりこういうものについてはまだまだ企業の認識もはっきりしていませんし、実態に合わせてケース・バイ・ケースでいろいろ対応しなければいけないことが多いと思うんですよ。
 そういうときにこういうカウンセラーの存在というのは非常に大きいと思いますので、ぜひもっと充実するように、いろいろなところにばらまかれるのではなくて、これは重要な人権の問題でございますし、女性がこれから能力を精いっぱい発揮して働けるかどうかということは、この日本の社会全体にとっても、それから過労死しそうなほど男性が働いていらっしゃるようですけれども、男性の皆さんにとっても非常にこれは有益なことだと思いますので、それを阻害するようなセクシュアルハラスメントについてはぜひ真剣に取り組んでいただきたいと思います。
 もう一点労働省に伺いたいのは、御報告の中にも小規模企業の取り組みのおくれということがございます。これもやはり小まめにやらなきゃいけない部分だと思うんですが、小規模の企業についてはどういうふうにこれから進めていかれるおつもりでしょうか。
#49
○政務次官(長勢甚遠君) 小規模企業におきまして対応がおくれておるということは先ほど御報告したとおりでございます。これらに対しては、指針の一層の周知、啓発や積極的な行政指導ということによりまして企業の認識を高めるということと、講習会等の開催によりまして具体的な取り組みの方法や事例について情報提供を行う、こういうことを通じまして促進を進めていきたい、こう思っておる次第でございます。
 なお、先ほどカウンセラーの問題につきまして御叱責をいただきましたが、カウンセラーの機能の状況その他を見ながら、おっしゃるとおり問題が少なくなるようにぜひ改善を進めていかなきゃならぬという認識でおります。
#50
○小宮山洋子君 その周知とか行政指導をなさるのにもやっぱりそれをする人が要るわけですから、その辺の人員配置を含めて、今、答弁書ではなくてみずからお答えいただきましたところをぜひ実行していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 続きまして、文部省に伺いたいと思います。
 もちろん、いろいろ実態を調査して法整備をするとかセクシュアルハラスメントの部分は労働省で対応していただくとか、そういうことも現実に合わせてなるべくスピーディーに対応しなければいけませんけれども、私、この女性に対する暴力の問題の一番基本のところは、小さいころからの教育にあるのではないかと思っていますので、文部省に一番たくさん時間をとって伺いたいというふうに思っております。
 やはりジェンダー、男女の性差、今私はそんなに性差というのは言われているほどないと思っているんですけれども、どうしてもやっぱり男の子らしく、女の子らしくということがいろいろなところにございます。性にとらわれず、一人一人が個性を認め合う、そういう教育が小学校のころから行われていれば、性差がないといってもやっぱり力、筋力だけは男性の方が強い、そのあたりの違いを認識した上で、女性、男性にかかわらずお互いが大事にし合う、本当の平等な教育ということがまだまだ行われていないということがこの問題の一番大きなもとにあるというふうに思っております。
 現在、やはり教えられる先生方の意識あるいは教科書、そういうものがまだまだ平等の視点になっていない部分があるのではないかと私は思っているんですが、どのようにお考えでしょうか。
#51
○政務次官(河村建夫君) 前の御質問の中にもありましたが、男尊女卑社会といいますかそういうものがずっと根づいてきて、それを教育現場においても、学校にももちろん男性の先生、女性の先生もいらっしゃるわけであります。その間の人間関係といいますか、また仕事の上での協力の関係はどうなっているんだろうかということを私も思うのであります。
 教員については、もちろん日本国憲法あるいは教育基本法、それから新たにできました男女共同参画社会基本法、まさに男女平等に関する基本的な理念、特に男女共同参画社会基本法というのは新しい法律でありますから、改めて研修したりして、その理念はまさに男女が対等で協力し合う社会をつくっていく。それはやっぱり今委員御指摘のように、教育が非常に大事なんだと。もう小さいときから繰り返し繰り返しそういうことを教え込んでいかないとなかなか身につかないんだということを、研修の場でもしっかり理解をいただいて、教育現場に立ってやっていただいている、このように思っておるわけでございます。
 これからもその点は非常に重要な文教の一つの根幹の理念として貫いていかなきゃいかぬ、このように思っております。
#52
○小宮山洋子君 そして、使っていらっしゃる教科書の中だけではなかなか十分でないし、検定についてもちょっと意見がありますが、いろいろ言っていますと時間がないので、教科書を既定のものを使うだけではなくて、今いろいろなところで工夫されたものができていますので、そうしたものを副教材として、積極的にこういうおくれている分野といいましょうか、対応がなかなか間に合わない分野についてはしていただきたいと思うんです。
 例えば、私は文教委員ですので、大臣と質疑をしたときに次官もいらしたかと思うんですけれども、東京都の女性財団が「ジェンダーチェック」というカラフルな副教材をつくっております。学校生活の小学校編、中学・高校編、それから教師編、大人編。かなりこれは専門家の意見も入れて、気がつかないところのジェンダーがチェックできるような、そういうものになっております。
 例えば大人編の中に、PTAや父母会の保護者参加者欄に、実際は母親が出席するのに父親の名前を書くことがよくある、母親も保護者のはずですがどう思いますかというようなことがあるんですけれども、次官はこういうことはどうお考えになりますか。
#53
○政務次官(河村建夫君) 副読本といいますか副教材、これも活用して具体的な話で子供に話していきませんと、こうしなさい、ああしなさいだけでは私も効果が上がらないと思います。今御指摘のような教材は、私は大いに活用すべきだろう。それから、今各教育委員会、各地域でもいろいろな取り組みをなさっておりますので、各教育委員会においてはぜひそういうものを大いに活用していただく。
 ただ、文部省でも、さっきもお答えしましたが、家庭教育手帳あるいは家庭教育ノートというものもつくりまして、子育ては母親の仕事、そう思っているお父さんは要注意というようなことも書きながら、ともに一緒に子育てをやっていく、父親、母親の役割の重要性、一緒にやっていくことの重要性とかを訴えたりしておりますが、今のそういう非常に意味のある副読本的なものが出ておることも事実でございますので、その活用については大いに進めたいというふうに思います。
#54
○小宮山洋子君 今お話が出ました、小さい子を持っている家庭のための家庭教育手帳、それから小中学生のための家庭教育ノート、これはこれまでの感じからするとかなりよく考えてつくられているとは思うのですけれども、例えばこうした挿絵の中に、子供の手を引いているのはやっぱりお母さんとおばあさんとか、それからあと、こうやって子供に洋服とかお料理とかしているのはお母さんとか。ここもできれば少なくとも片方はお父さんにしてもらうとか、こっちはおじいさんにするとか、そういうところまでちょっとまだ配慮が足りない点もあるのかなというふうに思いますけれども、ぜひこういうものも使っている人からまた意見を聞いて改訂していただくことも必要かと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○政務次官(河村建夫君) そういうきめ細かな配慮がやっぱり必要で、うっかりするとすぐ今までの長年のそういう思いで、例えばこのノートについても女の子のところは赤で男は青でという御指摘もあったんです。やっぱり絶えずそういう視点を持ち続けないと今までの流れを変えるというわけにいかないと思いますので、御指摘の点はもっともだというふうに感じております。
#56
○小宮山洋子君 それから、私が男女平等という意味で非常に大きいと思っていつも伺っているものに名簿のことがございます。男女混合名簿。これはたかが名簿、されど名簿でありまして、男の子をずっと毎日いつも先に呼んで、渡辺君まで行って青木さんとなったら、やっぱり男が先なんだというふうになって、これは問題だと思うんです。
 それで、文部省の方に伺いますと、これは都道府県がなさるので私どもは関知しておりません、実態も把握しておりませんというお返事が必ず参ります。いつも日教組が調査されたものしか公式のデータが手に入りません。例えば九九年の日教組の調査、全校で実施しているのが小学校で四〇%、中学校で二四%、高等学校で四二%。数年前に比べると確かに進んではきています。
 だけれども、なぜならないかというと、中学が低いのは、何か高校へ推薦するときに男女別に名簿をするからとか、私どもからするとささいなことだと思うんですが、手間がかかる。あと、健康診断のときにどうするか、体力テストのときにどうするかというようなことを言うわけです。
 ところが、例えば大阪の堺市のように時間をかけて、七、八年かけて、今全体の公立の学校でやっています。そういう学校では、手間暇ということよりも、混合名簿にしたことで先生方も無意識にしていた差別がなくなったりとか、よい効果の方が多いということを言っているんです。
 確かに、私どもはもっと教育も分権をと言っていますけれども、こういうベースになることはもう少し積極的に文部省が動かれていいんじゃないかと私は常々思っているんですが、次官はいかがお考えでしょうか。
#57
○政務次官(河村建夫君) 文部省がどこまでこの問題に出ていったらいいかということでありますが、今委員御指摘の日教組の女性部の資料等を見ましても、男女混合名簿がなかなかできない理由というのは、今御指摘のように、健診、保健体育が別になっているということ、あるいは管理職とか教育委員会が反対しているとか、今までの慣例から、あるいは事務処理上不便とか、混合名簿の意義についての意識がまだ低いのではないかという指摘がここにあるんですね。事務処理の問題は、今はもうコンピューターを使えばほとんどそういうことは余り理由にならないのではないかというふうに思うんです。
 私どもの時代は混合名簿ではありませんでしたから、それを当然のように受けてきたわけでありますが、しかし地元へ帰りまして自分の母校の高等学校の同窓会名簿を見ますとそんなことを分けていないのです。上からずっと男女全く同じように入っていますから、私は、これは文部省がどんどん出ていってああしろこうしろというよりも、今既に半分の学校はそういうふうになっているということの現状から見ますと、それぞれの地域性というのもあろうと思いますが、校長さん方の判断がそういう方向へ今向いておるんだというふうに思います。
 ただ、これは文部省においても実態調査をしておりませんが、私は実態調査はやっていいと思うんです。そして、今できるだけ学校とか教育委員会の自主性というものを大事にしようということで来ておりますから、そういうことを十分配慮しながら積極的にこういう問題については話し合っていただく、そういうことが必要であろうというふうに感じております。
#58
○小宮山洋子君 いろいろ伺いたいんですが、残りが少なくなってまいりまして、最後の質問かと思いますけれども、性に関する教育というものがどうも私はスタンスが違ってスタートしてしまったのではないかという気がしております。
 というのは、エイズにかからないようにというところから実態面からいくと入ってきたわけです。今回のもやはりエイズ教育、それから性の逸脱行為等の課題に適切に対応するため。何々をしないために、こうしないために性教育しましょうというのではなくて、本来は男性と女性がいて、それぞれが個性を大事にして愛し合う、それが必要なんだというような、人間としての性教育からスタートしていないというところが非常に大きいのではないか。
 例えば、養護の先生たちがもう十年、十五年チームを組んですごくいい性教育をしていらっしゃるところが九州にもございますし、いろんなところにあるわけです。そういううまくいっているところの例などをぜひ広げていただいて、性教育のあり方というのも非常に男女平等の基本にあるものではないかと思いますので、これもいい方向で積極的に取り組んでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
#59
○政務次官(河村建夫君) 先ほどの一般的な御説明の中でも申し上げたのでありますが、今御指摘のようなそういううまくいっているようなケース、そういうモデルケース、そういうものをひとつ大いに参考にさせていただいて、各地域ごとにモデル地域をつくりながら、そうした先進的な性教育、進んでおるところをさらに広めていくということは非常に私は大事なことだというふうに思いますし、委員御指摘のように、人間尊重の一番の根幹のところに男女の問題があると思います。
 ただ、取り組みとしては逸脱行為とかエイズの問題とかということが入りやすいということもあろうと思います。それから、まだまだ性教育について、私も十年ぐらい前に代議士になった当初に文部省と話し合ったときに、この問題についての意識が非常に低かったですね。そういう点からいくと、先生自体にそういう意識がまだまだ弱いのではないかと思うんです。もっとその意識を高めていく、そういうことに文部省としても真剣に取り組む必要があるというふうに感じております。
#60
○小宮山洋子君 もうあと四十秒ほどになりましたけれども、社会教育の中で依然として「婦人教育における取組」とあるんですが、今、婦人という言葉は余り使わないのではないか。このあたりもやはり男性と女性とどういうふうな教育を社会教育でしていくかということも考えていただきたい。
 あと、先ほど労働の場のセクシュアルハラスメントの話をいたしましたけれども、学校の中のアカデミックハラスメント、アカハラと略して言ったりしておりますけれども、こういう閉ざされた中で、やはりいろいろ権力のあるなし、生徒との間とかいろいろな形でそういうものが起こっていたり、いろいろ取り組んでいただかなければならない点もございますので、ぜひ、また委員会の方でも質問させていただきたいと思いますが、文部省の取り組みに期待して、私の質問を終わらせていただきます。
#61
○政務次官(河村建夫君) 先ほど国立婦人教育会館と申しましたが、これは今度の省庁再編で、国立女性教育会館法という法律でそういうふうに変わってまいりますので、文部省としても婦人教育は女性教育というふうに変えてまいるわけでございます。そういうことです。
 それから、アカハラというのは初めて聞いたのでありますが、キャンパス・セクシュアル・ハラスメントと言うんじゃないかという話もございましたが、この問題についても、いろいろ国立大学教官等を対象とした訓令等も行っておりまして、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#62
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 三省庁に御報告いただきましたけれども、順繰りに質問していきたいと思います。
 最初に、総理府に対して質問いたしたいと思います。
 先ほどから話題になっておりましたけれども、昨年の九月から十月にかけまして総理府が全国レベルで初めて行いました男女間における暴力に関する調査の結果の概要が本年の二月に発表されたわけであります。その中で、私もちょっと見させていただいたんですけれども、被害者に関しての調査結果という項目がございまして、男女ともに年代別比較で最も構成比が高いのは六十歳以上という結果が出ておりまして、六十歳以上になりますと、退職とか病気になりやすいとかパートナーの介護とか、さまざまな年齢的な特徴も影響して、夫婦間あるいはパートナーの間でトラブルが起こりやすいのかなというようなことも考えたわけですけれども、この結果について総理府の方ではどのようにとらえているか、お伺いしたいと思います。
#63
○政府参考人(大西珠枝君) ただいまの御指摘の点は、先日お配りしております男女間における暴力に関する調査の概要版の十二ページのところがそれに当たるところだと思いますけれども、この項目は、実は夫や妻からの暴行につきまして、その暴行を受けた方の相手方の、配偶者の方に何か特色があるのではないか、例えば、年齢別、職業別とか年収別とか学歴別で何か特色があるんじゃないかということで分析した項目が十二ページ以下でございます。
 これは、調査に御協力いただいた方のうち、現在配偶者がいる、または過去に配偶者がいた等の条件に該当している方たちを母集団といたしまして、それを該当者といたしまして、そのうち配偶者から身体的暴行を受けた方たちを被害者としております。その配偶者の年齢のところでございますけれども、この全体的な年齢の構成、例えば、暴行を受けた妻の方と質問して回答いただいた女性全体の方の構成を見ますと、そんなに加害者の年齢構成との間には違いはございません。たまたま御回答いただいた方の年齢構成自体、全体の母集団の年齢構成が、二十代が四・二%、三十代が一六・六%、四十代が二五・〇%、五十代二四・三%、六十歳以上の方が大変丁寧にお答えいただいたということで二八・五%と構成比が大きいわけです。
 しかし、それではその該当者のうち被害を受けた方の年齢構成はと見ますと、やはり二十代のところは三・七%、三十代一八・〇%、四十代二四・二%、五十代二五・五%、六十歳以上が二六・一%と、そんなに差異がないということで、これは特定の年齢層の方が特に暴力行為を行っているわけではないというふうな分析の仕方をしているということでございます。
#64
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
 では、続きまして総理府に同じく質問したいんですけれども、男女共同参画審議会の女性に対する暴力部会は、本年四月二十一日に女性に対する暴力に関する基本的方策についての中間取りまとめを公表しましたけれども、その中で、今後の取り組みの一つとしての調査研究に関しては、今後も「定期的な実態把握が必要。」と述べております。
 この実態調査は大変貴重な資料と考えるわけでありますけれども、今後、政府がいろんな対策を行っていくに当たって、その効果等も検証する意味で定期的にこういう調査を行っていった方がいいのではないかというふうに考えるわけでありますけれども、この点、長峯総理府政務次官はいかが考えておられるでしょうか。
#65
○政務次官(長峯基君) 今、先生御指摘のように、中間取りまとめでは「定期的な実態把握が必要。」だと記述されております。今後、同部会においては、中間取りまとめに対して各方面から寄せられた意見を参考にしながら、さらに審議を進められる予定だと聞いております。
 御指摘のように、どのような形でやるかということは別にしまして、今回の実態調査は大変貴重なデータだと思いますので、またいろいろな角度から本年度も計画をされているようでありますけれども、例えば弁護士さんあたりに話を聞くとか、いろいろな被害者の具体的な実態も調査するとか、いろいろな形で定期的にこういった実態調査は進めていきたいと思っております。
#66
○渡辺孝男君 また、この中間取りまとめでは、今後の取り組みとしまして、「夫・パートナーからの暴力については、被害者への対応だけでなく、加害者への対応も図るべきとの指摘もある。このため刑事的、民事的、行政的対応を効果的に講じていかなければならない。」、そのような記述もございます。
 加害者に対する対策では、再発防止のための教育、啓発というものが非常に重要というふうに考えるわけでありますけれども、総理府として各省庁と連携しながら、この点どのように進めていく方針か、お伺いしたいと思います。
#67
○政務次官(長峯基君) これは先生も御専門でございますが、例えばアルコール依存症が暴力と結びついた場合は、精神保健福祉センターでアルコールの専門員が対応する場合もございますし、性犯罪の加害者については矯正施設によってやるとか、いろいろ各省庁にまたがっております。それで、こういう省庁連絡会議みたいなものをつくりまして、加害者の男性が暴力を繰り返す場合もありますので、そういう研究が今後必要ではないかなと思っております。
 この加害者への対応についても、中間取りまとめに対する各方面からの御意見などを踏まえて、さらに男女共同参画審議会において調査審議されることになるだろうと思います。
 以上でございます。
#68
○渡辺孝男君 次に、労働省に対して質問をしたいと思うんですけれども、男女雇用機会均等法の第二十一条では、事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメント防止のため、労働大臣が定めました指針に従って雇用管理上必要な配慮をしなければならない、そういうふうにされておりますけれども、今回いただきました二十一世紀職業財団の調査結果によりますと、労働大臣の定めた指針の三項目、すなわち「方針の明確化と周知・啓発」、「相談・苦情への対応」、「事後の迅速かつ適切な対応」についての企業の取り組み状況は、従業員一千人以上の企業では七〇・九%、三百人から九百九十九人の企業では四五・四%、三十人未満の企業では六・八%と、中小規模の企業でおくれが目立っているということであります。
 この原因について、また今後の改善に向けての方針について、長勢労働政務次官からお伺いしたいと思います。
#69
○政務次官(長勢甚遠君) 小規模企業において対応がおくれておるということは御指摘のとおりでございます。
 総じて、小企業におきましてこの問題についての認識というか、防止対策の必要性についての認識というのがおくれておると言わざるを得ないのではないかと思っておりますので、労働省といたしましても、この指針の一層の啓発、周知徹底を図る。また、具体的な取り組みのやり方についても十分御理解をいただけていないというケースも多いと思いますので、この具体的な取り組みの方法ですとか事例等々の周知、情報交換をできるような講習会を開催する等、そういうことを進めまして御理解を深め、対応の促進を図っていきたい、このように思っておるところであります。
#70
○渡辺孝男君 もう一つ資料をいただいたのを見させていただいたんですけれども、セクシュアルハラスメント防止に関しての事業主の方針の明確化の方法について書いてありましたけれども、「朝礼など口頭で説明」というのが三二・八%とまだ多いわけであります。これは、やはり社内通達とか就業規則などに明文化するように事業主に求めていくべきと考えますけれども、労働省としましては今後そういう事業主に対しましてどのように啓発、指導を行っていく方針か、お伺いしたいと思います。
#71
○政務次官(長勢甚遠君) 事業主の方針の明確化の方法といたしまして、社内通達で明記している企業や就業規則に規定している企業がそれぞれ約四割ということになっておるわけで、多くの企業が何らかの形で方針を明文化しているわけですけれども、小規模企業では朝礼などで口頭説明のみで対応するというところも多く見られる、おっしゃるとおりでございます。
 小さい企業になりますと、この問題に限らず方針の徹底の仕方というのは必ずしも文書等でやる習慣があるかないかという点もあると思いますけれども、防止対策が有効に機能するためには、やはり明文で示すということが望ましいと思いますので、就業規則への明文化も含めまして、啓発、指導は進めていく必要がある、このように思っております。
#72
○渡辺孝男君 その点、やはり進めていただきたい、そのように思うわけであります。
 次に、文部省に対してお伺いしたいと思います。
 女性に対する暴力が行われる背景には、やはり女性の人権無視、あるいは暴力を容認しがちな風潮がある、そのように分析されているわけでありますけれども、小学校、中学校、高等学校では女性に対する暴力防止のために、女性の人権を守る、あるいは暴力を容認しがちな風潮を改善するといった観点で現在どのような教育がなされているのか、また今後さらにこれらをどのように推進していくのか、時間もございませんので簡潔にお答えいただきたいと思います。
#73
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘の点が特に教育段階においてきちっと行われることが大事だと感じております。
 小学校では、日本国憲法の学習の中で男女の平等を取り上げるというような形でやる、あるいは男女の協力が大事だということをやっておりますし、中学校では、家族制度における両性の本質的な平等とか男女相互の理解、協力というような形で指導する、あるいは高等学校では、さらに人間の尊厳とか平等とかそういうようなこと、あるいは男女が対等な構成員であるというようなことで指導しているわけでありますが、これはもちろん学校現場が非常にそのことに絶えず細心の注意を払いながらやっていくということが大事であります。
 特に、女性の人権が尊重される、暴力のない社会を実現するということは、これは男女平等の理念に基づく教育、そしてそれがやっぱり家庭、学校、地域、これが一体となってやっていくようなものでないと進まないというふうに考えておりますので、家庭のことは家庭に任せるということじゃなくて、教育も家庭にも働きかけながら、あるいは逆に地域にも働きかけながら一体となってこれから取り組んでいくということが大事だろう、またこのように進めていかなきゃいかぬというふうに思っております。
#74
○渡辺孝男君 人権を守るという面では今お話があったんですけれども、暴力を容認しがちな風潮を改善するという意味では、特にこういう点を注目しながら教育しているんだというのはございませんでしょうか。
#75
○政務次官(河村建夫君) 教育現場では暴力はとにかく悪だ、いじめのときに問題が非常にクローズアップされて、特にいじめというのは悪なんだということを徹底しろということが教育の中で言われてきたわけです。これは全く暴力も同じ、同類ですから、そのことをやっぱり徹底させるということだろうというふうに思います。
 もちろん、教科書で、口だけで言ったってどうにもなりませんから、暴力について男女間で話し合わせるとか、ディベートさせるとか、これを体験させるといったってなかなかそうはいきませんが、そうしたものができるだけ身につく教育をやる、これは地道に繰り返しやる、これが大事だというふうに思っております。
#76
○渡辺孝男君 大学教育の面では、近年、今回資料もございましたけれども、女性学に関しての関連科目が開設されるようになっております。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、受講生の数というものがふえてきているのかどうか、そして男女比というのがどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
#77
○政務次官(河村建夫君) 国公私立大学、女性問題、特に女性学とか家族とジェンダーなどの女性学関連の授業科目を開設している大学が今ふえつつありまして、平成十年度の文部省の調査では、国立が三十九、公立十四、私立百四十で、百九十三の大学がそういうものを取り入れている。平成八年度では、公立が五、国立二十五、私立五十五ということでありますから、倍増しているわけであります。この傾向が今続いておりますから、平成十二年度においてもさらにふえているだろうというふうに思います。
 それから、いわゆる講座をどの程度受講しているかということでありますが、これは平成八年度の国立婦人教育会館が調べたものでありますが、平成八年度では男性が九千七十三名だったものが、十年度では一万一千九百五十五、三二%ふえている。女性も二万五百七十名だったものが三万一千七百五十六、五四%ふえているということでございまして、この講座に対する関心が今高まって、ふえつつあるということは間違いございません。
#78
○渡辺孝男君 最後の質問になるんですけれども、このように大学の方でも女性学等々の受講生もかなりふえているということであります。きょうの別な資料では、国立学校等の各機関におけるセクシュアルハラスメント防止の取り組みについて見ますとまだまだ未実施というような点が多いわけですけれども、これは平成十二年度中にはほぼ実施になるというふうに考えてよろしいんでしょうか。その点をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#79
○政府参考人(小野元之君) 大学におきますそういったセクシュアルハラスメントは許されないわけでございまして、文部省といたしましても訓令を定めてきちんと指導いたしております。
 ただ、ことしの三月一日現在の状況では、まだ若干研修が全機関では実施できていない、あるいは苦情相談体制も一〇〇%に至っていない、啓発活動もまだ一〇〇%に至っていないという状況になっております。
 文部省としては、もう十一年度は終わったわけでございますけれども、恐らくこの三月から四月までの間にかなり実施していると思っておりまして、さらに一〇〇%実施すべく全力を挙げて指導していきたいというふうに思っております。
#80
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#81
○政務次官(河村建夫君) 今の答弁の中で、統計調査は八年、十年と申し上げましたが、平成四年度と八年度の間違いでございましたので、訂正させてください。
#82
○小池晃君 最初に、総理府にお伺いをしたいと思います。
 ドメスティック・バイオレンスの被害者のための民間シェルターへの公的補助ですが、これは四月十七日の本調査会で私は民間シェルターの厳しい経営実態を示して、公的補助は必要だということをただしました。厚生省の社会援護局長は、男女共同参画審議会での民間シェルターに関する議論の結論を見て検討したいと答弁をされたんです。
 きょうの資料として提出されている男女共同参画審議会の中間取りまとめでも、民間シェルターについては、「民間活動として、他機関との関係も含め支援の在り方の検討が必要。」というふうに位置づけられております。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、他機関との連携、支援のあり方の検討、こう言っているわけですから、これは公的助成に一歩足を踏み出すべきではないか、そういう方向で総理府として政策的なイニシアチブを発揮すべきではないかと思うんですが、いかがですか。
#83
○政府参考人(大西珠枝君) ただいま御指摘ありましたいわゆる民間シェルターに関しまして、これは女性に対する暴力部会の中間取りまとめの中では、八ページでございますが、民間の先駆的自主活動として取り組みが行われているものであり、近年注目を浴びているわけでございます。
 この民間シェルターに関しまして、部会におきましては、その御議論の中で、地域によっては行政と連携した取り組みが行われつつあるが、行政の側として民間が既に自主的に活動しているからそれを利用するという姿勢では適切ではないので何らかの支援が必要ではないかという意見もあり、ここにありますように、「他機関との関係も含め支援の在り方の検討が必要。」と記述されたものでございます。
 支援の具体的なあり方は余り議論されておりませんで、いわゆる民間シェルターについては、その実態もさまざまでございまして、また公的機関との連携が図られていないところもまだあるわけでございますが、そうした公的機関との連携自体が支援という形にもなるとともに、他の支援措置の基礎にもなるものであると考えられます。
 その支援の内容については、今後、中間取りまとめに関して寄せられた御意見も参考に部会においてさらに調査審議が行われることとなると考えておりますし、また総理府もそれを受けて今後対応を考えていくことになろうかと思っております。
 以上でございます。
#84
○小池晃君 連携が一つの支援だとおっしゃるんですけれども、実態として見ると、多くのシェルターというのは連携しながらやっているにもかかわらず公的補助が得られていないと。それが問題だという声が上がっているわけですから、これはやはり補助は補助として、一つの方向としては前向きに検討すべきだと思うんですが、それはいかがですか。
#85
○政府参考人(大西珠枝君) この部会の場では、具体的な支援の方法は余り御議論はありませんでしたけれども、確かに民間シェルターの関係者からいろいろお話を伺う中でそうした財政的支援というようなことの御意見も出されておりまして、そうしたこともこの審議会の部会の委員の皆様方の念頭にはあるかというふうには思っております。
#86
○小池晃君 ぜひこれは前向きに検討していただきたいというふうに思っています。
 労働省に次にお聞きしたいんですけれども、五月十二日に労働、文部両省が発表した調査で、今春大学を卒業した学生の就職率は過去最低だ、女子は二年連続で九〇%を下回っていると。超氷河期と言われている女子学生の就職難、企業による就職差別とかセクハラというのは引き続き社会問題となっています。労働省は、この女子学生の就職難、就職差別の問題について調査、把握されているでしょうか。
#87
○政府参考人(藤井龍子君) 労働省といたしましては、全国の四十七女性少年室、ただいまは労働局の雇用均等室でございますが、こちらで年間を通じて女子学生からの就職問題についての相談に対応するという形で実態を把握し、かつまたそのシーズンには大学の就職担当者の方からのヒアリング等々を行っております。また、適宜アンケート調査も行ったりして実態の把握には努めているところでございます。
 また、そういう実態を把握する中で、個別指導が必要と思われる事案につきましては事業場の指導をしておりますし、また雇用均等室が年間を通して計画的に事業場を訪問するということを行っておりますので、そういう訪問を通じて実態の把握、これは事業場の実態の把握でございますが、把握した上で、必要であれば是正指導を行っているという状況でございます。
#88
○小池晃君 私、きょう持ってきたのは就職難に泣き寝入りしない女子学生の会というところが出している九九年秋「就職黒書」というものなんです。これは大手金属会社あるいは旅行会社、デパート、ホテル、企業の実名入りで就職差別の実態あるいはセクハラ面接の実態というのが告発をされております。
 これは中身を見ると、例えば電話でセミナー資料を求めたら満杯と断られた、男子の友人に電話してもらったら資料が届いてきたという例とか、パンフレットには営業職百名としか書いてないのにセミナーに行ったらその場では男子のみと言われた、あるいはセミナーの受付で女子だけ全国転勤が可能かというふうに聞かれて、これに無理だと答えると中に入れてもらえなかった、こういう実例が山のように紹介されているんです。
 質問の中身もかなりセクハラ質問と言われているような質問が横行しておりまして、女の営業は生意気だ、よい人がいないとセミナーで言われた、恋人の有無をしつこく聞かれた、あるいは、外資系の商事会社なんですけれども面接で、女性は外見も重要、胸元のあいた服とかも女性の武器ですよと言われた、こういうことが紹介されているんです。
 こうした就職の場での女性差別あるいはセクハラの実態というようなことについて、労働省として把握しておられるか、またその対策をどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思うんです。
#89
○政府参考人(藤井龍子君) 実態の把握につきましては、先ほどお答え申し上げたとおり、雇用均等室等での御相談なり就職担当者の方々からのヒアリングを通じて詳細な実態の把握に努めているところでございます。
 それから、今先生御指摘になられました採用におけるいろいろな取り扱いでございますが、男女雇用機会均等法第五条に採用、選考段階においての男女の差別的取り扱いというのは禁止されているわけでございます。この法律に基づきましてさらに具体的な指針というのをお示ししてございますが、そこでは、例えば、女性であるということを理由として募集、採用の対象から排除するとか、男性にのみ資料を配付し女性には配付しないとか、あるいは女性に対して面接等において一定の事項を質問するといったように、男女異なった取り扱いをするというようなことは均等法第五条に違反するということを明確に示して事業主等の指導をしているところでございます。
 また、御質問にございましたセクシュアルハラスメントではないかと思われるような面接における質問につきましては、事業主に義務を課しておりますセクシュアルハラスメントというのは事業主とそれに雇用される労働者との関係でございまして、まだ雇用関係のない女子学生との間のそういう質問等は直ちに均等法上のセクシュアルハラスメントを構成するというものではございませんが、先ほど御説明いたしましたとおり、仮に女子学生にのみそういった質問がされる、つまり男女異なった面接が行われているということであればこれは均等法第五条違反になるわけでございますので、そういう事案が明らかになりましたら、私どもは明らかになり次第個別事業場の是正指導に努めているというところでございます。
#90
○小池晃君 相談窓口を置いているというふうにおっしゃるんですが、この「就職黒書」の中では就職差別やセクハラを相談する労働省の窓口が各県にあることを知っているかということも調査されています。これに対して、アンケートに答えた女子学生の八九%は「知らない」というふうに言っているんですね。
 ですから、窓口を置いているから大丈夫というようなことでは問題は解決しない。相談待ちにならずに労働省の方から、窓口を置いているから大丈夫というのではなくて、やはり実態把握に踏み込んでいくべきだ。均等法でいろいろと手を打っているとおっしゃっているんですが、実態がそうなっていないからこれが問題なわけです。
 均等法があるからうまくいっているかというと、例えばここを紹介したいんですが、人材派遣会社のパソナが全国五百七十人の女子学生に行ったアンケート調査があります。
 「法改正に伴い、女性の雇用機会は拡大したと思いますか」という設問に対して、「そう思う」と答えた女子学生はわずか一一%です。「そう思わない」、「全くそう思わない」、これが合わせて四〇%に上る。「就職活動中に感じた差別」はという設問への回答で、「大学名」とか「専攻学部」というのがあるんですけれども、これを抑えて「性別」差別が断トツのトップです、四一・四%。調査を行った人材派遣会社のパソナというところも、均等法が実施されたとはいえ、「企業の男性優位の採用方針に変わりはなく、均等法改正の効力もない」とまで言い切っているんですね。「女性の深夜・現場勤務者の採用、営業・総合職の採用の拡充など、企業の採用のあり方に変化はあったものの、それは表向きの繕い」、ポーズでしかなかったと、こういうふうに厳しく批判をしています。
 次官にお伺いしたいんです。再度求めたいと思うんですが、私、こういう就職差別の実態、やはり労働省として一歩踏み込んだ実態把握に努めるべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#91
○政務次官(長勢甚遠君) 就職差別をしてはいけないという認識はそれなりに浸透しつつあるとは思っておりますけれども、現実、我々もいろんな方々から今先生御指摘のような不満というか苦情というものもよく聞くわけでございます。当然、そういう実態を十分把握して適切に対応していくことが労働省の役割であると認識をしておりますが、個々の状況に応じて実態を把握してそれに対応していくという性格のものでございますから、なかなかそのやり方等々も工夫を要するところもあろうかと思っております。
 いずれにしても、我々の役目はそこでございますから、均等法の実効が上がるように御指摘の点も踏まえてひとつ努めてまいりたいと思います。
#92
○小池晃君 ぜひこれを前向きに調査していただきたい。
 この同じパソナの調査の中で見ると、女子学生に対して働く目的は何かという質問もあるんです。「能力を生かす」、「視野を広げる」、「社会貢献を図る」、こういうかなり積極的、前向きな答えが回答の六割を超えているんですね。「豊かな生活を求める」とか「レジャー・余暇の資金を得る」、こういったものを大きく上回っています。五四%の女子学生が二十年以上の勤続を希望しているんですね。その人たちになぜ働き続けたいのかと聞いたところ、九五%が「社会と関わっていたい」からと答えているわけです。
 政府は男女共同参画社会を提唱されているわけですが、社会の中で能力を生かしたい、社会に貢献したいと非常にまじめに考えておられる若い女性たちに、就職の入り口で冷や水を浴びせるような日本企業社会の実態があるんじゃないか。ぜひこういった調査と改善、私、労働省にもお伺いしましたけれども、一言ずつで結構です、文部省、総理府にもイニシアチブを発揮していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#93
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘のように、就職活動、女子学生が男子学生に比べて採用情報が入手しがたいとか、実際の採用において不利な扱いを受けたというような情報があることは文部省としても承知をいたしておるわけでありまして、おっしゃるように、特にこういう不況時でありますから採用が非常に難しい現状にあるわけであります。
 文部省としても、文部大臣が先頭に立ちまして、各経済団体に対しましても採用枠の拡大、特に女性について差別なき採用ということを特に強く求めておるわけでございます。御指摘の点についても十分心して取り組んでいきたいというふうに思っております。
#94
○政務次官(長峯基君) 御指摘のようなことがあれば大変これは問題だと思っておりますので、男女の人権が尊重される男女共同参画社会の実現に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#95
○小池晃君 ぜひ前向きにイニシアチブを発揮していただきたいというふうに思っています。
 残された時間、文部省にお伺いしたいんですが、先ほどからちょっと話題になっております大学内でのいわゆるキャンパスセクハラの問題であります。この実態について文部省としてどのような調査を行っていらっしゃるでしょうか。
#96
○政府参考人(佐々木正峰君) セクシュアルハラスメントについては、当事者の保護に十分留意する必要があるわけでございます。そういった観点から、身近な機関が当事者間の信頼関係のもとに、かつ個人的な情報が保護される状態で取り組む必要があるというふうに考えておりまして、各大学がその実態を把握して対応することといたしておるところでございます。
 文部省といたしましては、各大学における実態把握の状況に配慮しながら、各大学の主体的判断を尊重する中で大学に対してセクシュアルハラスメントの被害の具体的例について照会して状況を把握するというようなことを行っているところでございます。
#97
○小池晃君 結局、大学に任せているということで、文部省として独自に被害の調査をされていないということだと思うんです。
 この間、女性の教官とか大学職組、こういった組織がさまざまな調査結果を出し始めています。
 きょうは、学生みずからが行った調査を紹介したいと思うんですが、東京女子学生セミナーの実行委員会というところが、昨年、都内の百人以上の女子学生に対してアンケートをやっています。このアンケート調査によると、学内でセクハラを受けたことがある、友人や先輩で受けた人がいる、こういうふうに答えた学生はいずれも回答者の一割を超えているんですね。この中身を見ると、かなりひどいです。女性べっ視的な発言あるいは性的な発言、言葉の暴力というのもあるんですが、実際に教官にホテルに誘われたとか、そういう例も紹介をされているということで、非常に悪質なものまで多岐にわたっています。
 こうした学生からの告発があるわけですが、文部省としてこういう実態をどういうふうにお考えになっているでしょうか。
#98
○政務次官(河村建夫君) 御指摘いただいた点でありますが、個別具体的に把握しているわけではございませんけれども、教育研究の場である大学で教員から学生に対してそのようなセクシュアルハラスメントがあるということは、これはもう絶対にあってはならぬことだというふうに認識しております、当然のことでありますが。
 これらの問題、セクシュアルハラスメントをめぐる問題が学生側から提起されているということを私は非常に憂慮すべき事態だというふうに思っておりまして、文部省としても学内研修をやってセクシュアルハラスメントに対する教職員の意識を高めていくとか、あるいは相談体制の整備、窓口をきちっとする、あるいは学内規定などを定める、そういうことによってセクシュアルハラスメントの防止のための各大学が取り組めるような体制をつくるべく指導に今努めておるようなわけでございます。高等教育局長名においても、各国公私立大学、あるいは放送大学、短大の学長等に対して、さきに取り組みの規定ができておりますが、それを通達したようなところでございます。
#99
○小池晃君 いろんな研修、指導あるいは窓口ということがあったんですが、その窓口の問題で言うと、この女子学生アンケートの調査の中に、「キャンパスセクハラを受けた場合、学内で相談できる窓口はありますか。」、こういう質問もあるんです。回答を見ると、「ない」というのが九%、「知らない」というのが五〇%、「あるが利用しづらい」というのが一二%です。この利用しづらいという理由については、男の先生が担当だから、あるいは名前も聞かれるし、詳しいことも聞かれるから、それから相談しても解決できそうにない、こういった声が出ているんですね。
 キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワークという組織の調査でも、セクハラ相談室を設置する大学は確かにふえている。しかし、その多くは教官、職員が兼任で相談に乗るというものになっています。被害者、加害者の双方をよく知っているわけですから、そういう教官や職員に相談に行くというのはなかなか勇気が要る。しかも相手は男性だということでは、相談しづらいのも当然だと思うんですね。相談業務自体も非常に不十分になったり、ただでさえ職員は大変今多忙ですから労働強化にもなる。
 東京経済大学では、こうした事態を避けるために相談窓口に専門のカウンセラーを置いているということだそうです。私、これの実態調査も必要だし、相談窓口の充実というか改善というか、設置基準の策定とか被害根絶に向けた、許せないというふうに先ほど次官もおっしゃいましたし、踏み込んだ対策を検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#100
○政務次官(河村建夫君) 御指摘の点、特に窓口相談体制がまだ十分でない、平成九年あたりの調査でもまだ国公私立大学の全体の二割程度でございますから、ふえつつありますがまだであります。専門のカウンセラーを配置するようにということも必要でございますし、それから今御指摘があったように、相談に行った場合の受け入れ側の体制の問題で、必ず同性の職員が同席することが望ましいということも、努めてもらいたいということも通達に入っておるわけでございまして、文部省としても、さらにそうした相談体制の整備を含めて、各大学が真剣に取り組めるように適切に指導していきたい、このように思います。
#101
○小池晃君 終わります。
#102
○三重野栄子君 社民党の三重野栄子でございます。
 労働省、事前に御連絡いたしておりませんけれども、きょういただきました資料について一、二お尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、二ページに都道府県労働局雇用均等室に寄せられた相談件数がございますが、これにつきましての内容を、簡単で結構ですけれどもお願いいたします。
#103
○政務次官(長勢甚遠君) お許しいただければ政府参考人から答弁させますが。
#104
○三重野栄子君 はい、結構です。
 申しわけありません、突然伺いまして。
#105
○政府参考人(藤井龍子君) 内容でございますが、事業主からの相談と女性労働者からの相談と二つございますが、事業主からの相談は、防止対策というのはどういうふうに講じたらいいかということがほとんどでございます。
 それから、女性労働者からの相談では、少し具体的に申し上げますれば、職場でセクシュアルハラスメントを受けたけれどもなかなか職場で相談に行けない、室の方から事業主さんに指導をしていただけないかといったような相談がございます。
 それから、中にはセクハラによって解雇されてしまった、このまま解雇されるというのは悔しいというか、それで何とか室の方でセクハラをやられた方、あるいは事業主さんの場合もあるようでございますが、そういう方にそれなりの法的な措置を講じていただきたいといったような御相談がございます。
 ちょっと今統計的に網羅的にお答えできるような資料がございませんので。
#106
○三重野栄子君 平成六年度から統計が出ておりますけれども、それから非常に多くなっておりますが、そこの内容は、なぜこういうふうにどんどん多くなっているかということについて御説明いただけましょうか。
#107
○政府参考人(藤井龍子君) たまたまこれは統計を平成六年度からとってございますので、多分その前から御相談はあったかと思います。
 御承知のとおり、平成九年に男女雇用機会均等法改正をいただきまして、その中で初めてセクシュアルハラスメントというのは事業主が防止する義務があるという規定が設けられたわけでございます。そういう法律の規定、それから各地でいろんな形のいろんな場でのセクシュアルハラスメントについての裁判が出てきたりというようなことで、やはり女性労働者の方々のセクシュアルハラスメントに対する意識といいますか認識というのが年々かなり高まってきている。そういう中で、私どもにこういった形で女性労働者からの相談件数がふえてきたんだろうと思います。
 それから、ちょっと御説明が後先になって恐縮でございますが、事業主の方々からの御相談件数もどんどん上がってきておりまして、それは先ほど申し上げましたように男女雇用機会均等法、改正均等法の中で事業主の義務というのが規定されたということで御相談が大変多くなってきたということであろうと私どもは分析しておりまして、決してセクシュアルハラスメントがこの件数のように急激にここ数年ふえたということではなくて、潜在していたものが顕在化してきている部分もあるであろうと分析しているところでございます。
#108
○三重野栄子君 三ページの方に従業員千人以上という規模のパーセントが出ておりますけれども、そういたしますと、三十人未満が非常に少ない。先ほど、これからも取り組みますということでしたけれども、大きいのも小さいのも一緒にやりましょうやりましょうというのではなくて、例えば少ないところを重点的にとか、そんなことがあった方がいいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#109
○政府参考人(藤井龍子君) 昨年の四月一日から施行ということでございましたので、四十七都道府県にこれまで女性少年室、この四月一日から雇用均等室と名前が変わりましたけれども、そこでかなり重点的に事業場に対する説明会、指導会というのを開催してございましたが、やはりどうしても最初は大企業、それから中堅企業が中心になってこざるを得ないというところがございます。
 こういう結果も出てまいりましたので、この結果も踏まえながら、これからは小規模企業、中小企業を重点に行政指導及びさまざまな情報提供、講習会の開催というのを実施してまいりたいと思っておるところでございます。
#110
○三重野栄子君 最後にもう一点、このチラシをいただきましたんですけれども、「ひとりで悩まないで」と。悩む人のことばかり書いてあるんですけれども、例えば相談に行ったら解決できたというような、そういう資料でもどこかに載っていれば、ではやっぱり私も行ってみようかということになるのではないか。これは私の個人的な問題ですけれども、その工夫も要るんじゃないかと思いまして申し上げました。下へずらずらと書いてあるから、労働省もありましたし、それから文部省も全部ありますから、ちょっとお尋ねしたんです。
 それでは、総理府にどうぞ。
#111
○政府参考人(大西珠枝君) 今年度から新たに始めました女性に対する暴力をなくす運動のこのリーフレットにつきまして、私ども総理府の方で作成させていただいておりまして、もちろん、主唱に入っていただいています労働省、文部省等も御一緒に進めさせていただいておるわけです。
 このコピー「ひとりで悩まないで」というのは、先ほど来申し上げましたとおり、女性に対する暴力の実態調査が、特に重大な暴行を受けた妻の方々が公的機関に相談をされていない、潜在化しているという点を受けて、一人で悩まないでという、まず最初の年のこれをこのポスターに載せたわけでございます。
 今後は、御指摘のような方向のことも踏まえまして、来年度以降もいろいろな形での広報に生かしていきたいと思っております。
 ありがとうございます。
#112
○三重野栄子君 労働省、ありがとうございました。
 文部省にお願いしたいと思います。私、時間が少ししかないものですから。
 十五日に森総理が発言なさいまして、きょう午前中も本会議がございましてこの会議もおくれたんですけれども、新聞、テレビで御存じの方もあると思いますけれども、日本は天皇中心の神の国という御発言があったんです。さらに、及び腰になるようなことでもしっかり前面に出して国民の皆さんのためにしっかり承知していただこう、日本の天皇中心の神の国ということの御発言だったと思ったんですけれども、けさの総理の御回答は、私としては理解に苦しんだわけでございます。
 文部省として、今、教育基本法の改正問題等々も出ておりますけれども、憲法と基本法と、それから男女共同参画の教育の内容についても憲法からずっと来ていると思うんですけれども、どのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。
#113
○政務次官(河村建夫君) 森総理の御発言についてでございますが、この問題についてはきょうの参議院本会議で総理は自分の意見をきちっと述べておられるはずでございます。そのように伺っております。
 文部省としても、総理がお述べになったことは、きょうの参議院の本会議場でおっしゃったことを私はテレビで拝見をしたのでありますが、天皇中心の国だとおっしゃったんですが、時代時代によって天皇の位置づけは変わったんだけれども、現在は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であると、憲法にのっとって、そのことであって、主権在民の考え方に反することを言ったのではないんだと、こう言っておられますし、また、神の国と言ったんだけれども、特定の宗教について述べたのではなくて、歴史を振り返ると、日本には古事記の中に見られるような神話もあったし、地域社会においては、その土地土地の山や川や海の自然の中で人間を超えるものを見るという考え方があったんだということをおっしゃっておりまして、決して天皇が神であるという趣旨で述べたのではないんだという表現をきょうはきちっとおっしゃっておりました。
 文部省としても、総理の発言が、主権在民の原則とか信教の自由を前提とした上で、命の大切さへの理解とか宗教的情操を深める教育が必要だ、大切だということで述べておられるというふうに理解をしておりまして、男女共同参画社会の推進を進める上でこれが障害になるとは全く考えておりません。
 今後とも、男女の人権の尊重、それから新しくできました男女共同参画社会の形成の基本理念、これをしっかり守りながら、これからの教育の中にそれを中心に据えてやっていくということでなければいかぬというふうに思っております。
 憲法と教育基本法は、教育基本法におきましても憲法に基づいて教育基本法と、こう書いてありますから、私は当然連携があるというふうに思っておるわけでございます。
 ただ、憲法も、御案内のように今論憲も言われておりますが、調査会で議論をされておるところでございます。その行方というものも注視をしながら、今日の日本の教育のあり方、教育改革国民会議においても幅広い議論をしていただくことになっておりますから、そういう方向を見据えながら、これから二十一世紀に向かっての教育はいかにあるべきか、当面それを、いろんな課題が現実に起きておるわけでございますので、教育基本法の重要な部分といいますか理念というものを生かしながらさらに二十一世紀にふさわしい教育のシステムをつくっていく、そういう気持ちで私は文部省もこれから取り組んでいくべきだと、このように考えております。
#114
○三重野栄子君 きょうは警察庁も来ていただいておりますが、やっぱり男性と女性が働く場合に警察庁はなかなか難しいんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味で、女性の能力を生かしながらどのように業務が進められておりますか。
 それからまた、セクシュアルハラスメント等々について、女性の問題が多く、女性だけじゃないんですけれども、女性からの悩み等々もあると思いますが、そこらあたりについて少し御説明いただきたいと思います。
#115
○政府参考人(黒澤正和君) まず、女性警察官でございますが、大変男性警察官が多いわけでございますけれども、現在約八千五百人に至っておりまして、全体に占める比率は三・七%ぐらいでございますが、ここ十年間で約二倍に増加しておる状況にございます。
 女性警察官の配置につきましては、男女の別なく本人の能力、適性に基づいて行っているところでございまして、近時その職域も大幅に拡大をいたしております。交通の指導取り締まり、少年の補導、女性の留置・保護、広報といった分野、さらには犯罪捜査、鑑識活動、暴力団対策、警衛警護、情報分析、レスキュー、ヘリコプター操縦等の幅広い分野に及んでおる状況にございます。
 今後とも、女性警察官の積極的採用を推進いたしますとともに、職域の拡大に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 それから、セクシュアルハラスメントにつきましては、その種の行為のないように指導、教養等を部内において徹底をいたしておるところでございます。
#116
○三重野栄子君 それでは、最後に総理府にお願いしたいんですけれども、これから中心的に御活動いただくわけでございますが、特に具体的な取り組みといたしまして、国の審議会等への女性の参画だとか、あるいは国家公務員の問題とか独立行政法人等々いろいろ研究もしておられますけれども、そういうところで委員のメンバーに女性が積極的に参加していただくために、やはり私としては重複しない方を出してくださいとか、特別の助言というか、そういうのがあった方が出す方も出しやすいのではないかと思うんですけれども、そういうことについてお尋ね申します。
#117
○政務次官(長峯基君) 先生の御指摘のとおりだと思います。
 それで、役職で出されると、同じ役職の方、例えば商工会議所の会頭さんだとかJCの理事長だとか役職でいくものですから、役職の人ばかり同じような審議会に出るということになりますので、そこはやはり工夫をして、できるだけ適切な助言のできる方をその会の中から選んでいただく、そういう形が一番いいのではないかなと思いますので、参考にさせていただきたいと思います。
#118
○三重野栄子君 ぜひそのようにお願いいたします。
 要請なさるときに御要望をいただかないと、出された方が、あれ、これは二重三重じゃないかと言われても大変失礼になると思いますので、ぜひそういう点で御努力いただきまして、できるだけ一つのグループには必ず女性が三〇%はいるというふうなことで御努力いただければ非常に前進するのではないかと思います。
 どうぞよろしくお願いします。
 終わります。
#119
○堂本暁子君 最後でございます。
 まず、総理府に伺いますが、私が通告させていただいた質問はもう同僚議員がお聞きになったので、最後にぜひ長峯次官に伺いたいんですが、予告していないことなんですけれども、長峯次官に私のお願いしたことはもう皆さんに次官がお答えなので最後に伺いたいんですが、このビラじゃございませんけれども、女性に対しての暴力の問題は、警察庁、総務庁、法務省、文部省、厚生省、労働省と実に多岐にわたっています。しかし、審議会は総理府に属しているわけですし、例えば警察と厚生省、あるいは警察と労働省、みんなそれぞれ関連して一つの事件にかかわるようなことだと思います。
 総理府としては、これらの各省庁の最終的なまとめ役をこれからやってくださるのかどうか、その辺の御決意を伺いたい。
#120
○政務次官(長峯基君) 実は、けさ、このレクチャーをするときに、これはやっぱり連絡会議をつくらなきゃいけないんじゃないかという話を皆さんと申し上げたところでございますが、各省庁にまたがっておりますので、問題ごとにやはり各省庁の責任者というか担当者というか、そういう方との連絡をしながら総理府が強力なリーダーシップを発揮していく、そういうことになろうかと思います。
 どうぞ御指導いただきたいと思います。
#121
○堂本暁子君 大いに期待させていただきたいので、強力なリーダーシップをぜひ発揮していただきたいと思います。
 先ほど次官は、法制化の要望はあるけれども、なかなか急げないというふうにお答えになったんですが、私、この間同じ調査会で、アメリカのマサチューセッツでは十三日に一日の割合で女性、妻が夫に殺されているということを申し上げたんですが、実は何のことはない、日本の方を計算してみましたら、日本は夫によって妻が殺されている件数は三日に一人の割合です。それから、傷害罪は大体一日に一人、これも検挙、先日警察庁が御報告くださった件数です、ここの調査会で。強姦罪に至っては一日三人、そして強制わいせつは一日十人ぐらいというようになっています。やはり、三日に一人というのは検挙数ですから、本当に氷山の一角、恐らくこれの二倍も三倍もあるんだろうと思います。
 そういう意味でいいますと、先ほど余り急げないというふうにおっしゃいましたけれども、事態は大変緊急なので、急げないこともあるかもしれませんけれども、やはりそういうまとめ役をなさるときに緊急対策をぜひとも御考慮いただきたい、これはお願いでございます。
 時間が短いので、厚生省に早速その件について伺いますけれども、昨年、厚生省は四月一日付で通知をお出しになったこと、これについては評価させていただきたいというふうに思っております。
 ただ、各県の婦人相談所の窓口で所長とか相談員の問題意識あるいは努力、そういったいろいろな様子によって実際に被害者を受け入れたり、それから受け入れなかったりということが今問題視されております。周知徹底するためにどのような努力をこれからなさるのか、その点を確認させてください。
#122
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま先生がおっしゃられましたように、私どもといたしましては暴力被害女子に対しての相談や必要な保護、支援については、福祉的な観点からも婦人保護事業を通じてこうした機能を行うことが必要であろうというふうに考えております。
 そこで、まず先生が引用していただきましたように、昨年四月にこの旨の通知を明確に示したところでございます。その後も各都道府県に対しまして直接全厚会議、具体的に申しますと、三月三日に全国の課長を集めましてこの趣旨を徹底して指導しております。また、このような機会をいろいろととらえまして指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
#123
○堂本暁子君 ぜひともよろしくお願いいたします。
 具体的な例で、警察に飛び込んで警察がすぐに婦人相談所に連れていったらばそこで断られたというケースも聞いていますので、まさにそういう命からがら逃げてきた方が断られないように周知徹底していただきたいというふうに思います。
 それから、二番目に伺いたいのは、一時保護所に関してなんですが、いろいろ条件が千差万別のようです。例えば、夜間には警備員しかいないので緊急の受け入れができないところだとか、それから妊娠している女性は受け入れないとか受け入れるとか。
 それから、一番問題は子供の場合です。男の子については母子分離を強要される場合があると。いろいろ東京都の方で婦人相談員たちのされた表を見ますと、原則として母子分離をするというのが三カ所。それから、学童未満なら十二カ所で受け入れる。男の子については小学校以下、それから小学校三年生以下、十二歳まで、中学生まで、十七歳までというふうに千差万別なんですね。
 これではやはり子供を連れて逃げたお母さんがそこで路頭にまた迷ってしまう。児童相談所が隣にあればいいですけれどもないケースもあると思います。ですから、やはりもうそういった緊急の場合にはその対応をぜひともきちっとしていただきたい。被害に遭った女性が逃げてきた場合のそういうきめ細かい整備に関して見解を伺いたい。
#124
○政府参考人(炭谷茂君) まず、婦人相談所の一時保護所につきましては、全国的な状況を見ますと定員と入所者の割合は二五・五%でございますので、まだ十分余裕があるわけでございます。
 しかしながら、大都市、例えば東京だろうと思うんですけれども、東京のような大都市では一時保護所の定員と実際の需要とは需要の方がやや多い、場合によってははみ出すというようなところもあるというふうに聞いております。
 このようなところについて、もし都道府県の方において整備を計画し、それを充実したいというような御計画がある場合は、それに対して私どもは財政支援を初め適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、そこにおける人員等、また運営につきまして、例えばお子さんが入れないというような問題をただいま御指摘されました。
 ただいまちょうど私自身視察したことがございますけれども、東京都の女性相談支援センターの事業案内を今持ってきて見ましたけれども、義務教育を越えた方は確かに預かれないというふうに書いてございます。これについて私が説明を求めたところ、高校生の男の子を入れるということになるとやはり施設の性格上、例えばふろの問題とか、何かいろいろと制約があるというような御説明をいただきました。
 これについては他の施設、例えば母子生活支援施設とかいろいろな他の社会福祉施設を活用して対応するということもまた考えなくちゃいけないのかなというふうに思っております。
#125
○堂本暁子君 次に、保護施設、これは総理府にもまとめていただきたいというお願いをいたしましたけれども、きのうこの質問をつくるので、厚生省の中ででも社会・援護局と児童家庭局、保険局というふうに分かれていて、きょう三人の局長に来ていただかなきゃならないほど一つの役所の中でも分かれていてお互いに相互の連絡が余りないように思います。その辺のところを役所の中同士、それから各省庁間でもぜひ今後対策をとっていただきたいと思います。
 まとめて両方の局長に伺いたいのは、広域的な措置でございます。
 秋田で起こったことをやっぱり秋田にいたのでは夫に見つかってしまうので北海道とか東京に移すというようなことで、婦人相談所、これはどうしても売防法のもとなので二週間が原則ということだそうですけれども、具体的に今後どのような重点政策をおとりになるのか。
 それから、児童家庭局の方について言えば、母子家庭支援施設、これについても広域の促進事業、ことしは予算もおつけになったようですけれども、全国に二百九十五カ所あるうちの実際には六十二カ所、大体五分の一しか予算を下さいということで手を挙げていない。そうすると、実際に二千百万円の予算がついたとしても、広域での入所がなかなか難しいという事情があるようです。実際に食事も出さなければならないし、お布団の問題もある、いろいろあるわけです。こういった対応がやはりおくれているのではないか。
 これは、ぜひ次官にお聞きいただきたいんですが、やはりそういった三日に一人殺されているという事実がある以上はやっぱり急がなきゃいけない。
 それに対しての対応を厚生省から御答弁いただきたいと思います。
#126
○政府参考人(炭谷茂君) ただいま先生が冒頭におっしゃいましたように、現在いろいろな局でドメスティック・バイオレンス問題をやっておりますけれども、来年一月からは私ども社会局で担当しております婦人保護事業はお隣の児童家庭局の方に移管しますので、一歩前進というふうになるということについて言わせていただきたいと思います。
 それから、御質問にございました広域的な入所の問題でございます。
 この問題につきましては、先ほど引用していただきました十一年四月の通知におきまして必要に応じ他の都道府県への施設の入所など広域的な対応を進めるよう指示しております。また、これについてはことし三月の課長会議でもさらに強調して指導いたしております。
 さらに具体的な取り扱いとして、広域入所の取り組みにおいて、例えば入所の決定はどこが行うのか、また費用の負担の場合どこの県が負担するのかという問題について県同士でいろいろ調整しなくちゃいけないところがあるようでございます。
 そこで、現在、私どもは各ブロックの婦人相談所長連絡協議会という組織がございますので、そこに具体的な取り扱いをどうしたらいいだろうかということで検討をお願いしております。その検討結果をいただいた段階で、一般的なこのような基準について示すことによって、さらに広域的な取り扱いが円滑にできるように推進していきたいというふうに考えております。
#127
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘いただきました母子生活支援施設におきましては、従来から母子の状況に応じまして区域外への措置ということが可能となっておりますが、平成十年六月に福祉事務所等の関係機関にその旨を再度周知いたしたところでございます。
 平成十一年度には、広域の緊急入所等を円滑化するために施設に寝具、調理器具等を備えるための御指摘いただきました広域入所促進事業を創設いたしました。全国で六十二の施設で実施されておりますが、今年度におきましては、より一層その普及に努めたいというふうに考えておりますし、また平成七年から子育て支援短期利用事業というものを創設いたしまして、夫の暴力により緊急一時的に保護を必要とする場合などを含めまして、一定期間保護をいたしておりますが、十二年度からは保護をいたしました児童の分だけではなくて母親の生活維持相当分を助成するということを講じまして、受け入れの体制の整備をしたいというふうに考えております。
#128
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 二つあわせて伺いますが、援護局長にまずは生活保護がなかなかつかない、下手に扶養照会を夫にしたために居場所が知れてしまって困ったというケースも具体的に聞いています。イギリスの場合では、ドメスティック・バイオレンスの被害者についても自動的にホームレスと同じ扱いをして保護する、住宅手当てなどもするということですが、やはり日本の場合には、福祉事務所とか婦人保護事業施設以外の担当部署にどれだけの連絡が行っているのか。結局、着のみ着のままの場合にはお金も持っていないわけですから、そういうことで非常に不便をする。そして、住み込みの仕事をするように勧めているそうですが、果たして、本当に心身ともに疲れ切った状態でどんな住み込みの仕事ができるのかということを私はちょっと危惧いたしますし、そこのところが問題です。
 そして、もう一つ、保険局にもお越しいただいていると思いますが、健康保険の問題です。
 健康保険の給付が受けられないだけではなくて、夫の健康保険に入っている場合には、骨折をしようが内臓破裂をしようが保険が適用されない。これではもう本当に泣き面にハチということになるわけなので、そこのところが問題です。それから、交通事故なんかの場合は第三者行為傷病届というのを要求されることがあるそうですが、この場合も加害者が医療費を負担すべきだということで、医療機関が健康保険を適用しないということが具体的にあるそうです。これは保険局の方にお答えいただきたいんですが、やはり医療機関にぜひそういうことを周知徹底していただきたいというふうに思うんです。
 私が具体的に関西で聞いた話は、夫にけられて内臓破裂をしたケースでした。病院は手術をすると言ったんですが、夫が連れ帰ってそのまま亡くなるわけなんですけれども、そういった緊急性がある場合にはやはり医療機関がもう少しそこのところを配慮すべきだと思いますので、その二つの質問をよろしくお願いいたします。
#129
○政府参考人(炭谷茂君) まず、生活保護の適用につきましては、現在の我が国の生活保護の原則から申しますと、暴力被害を受けた女子だからといって一律的に生活保護の適用というのはできないだろうというふうに思っております。
 しかし、判断に当たりましては、例えば生活保護の原則から申しますと扶養を求めるということになるわけですけれども、これは、暴力を受けただんなさんからの扶養というのを仮に求めた場合、居場所が知れるというようなことになりますので、私どもの取り扱いでは、このような場合、暴力の加害者である夫からの扶養は求めない、何ら接触はとらないということで徹底しております。
 それから、就労能力の活用ということもお願いするわけでございますけれども、もちろん暴力による精神的なショックからなかなか就労できないというような個別事案ももちろん勘案した上で生活保護の適用について判断するというふうな取り扱いをしているところでございます。
#130
○政府参考人(近藤純五郎君) 夫から暴力を受けた場合ということでございますが、医療保険の種類によって当然扱いが変わってくるわけでございまして、まさに被用者保険で被扶養者になっているケースの場合でございますけれども、これは、被扶養者への保険給付というのは被保険者本人に給付するということで、自傷行為等につきましては給付しないというのと同じように、当然給付しないという扱いになっているわけでございます。したがいまして、被用者保険制度からは給付ははっきり言って出ないと、こういうことになっているわけでございます。
 それから、国民健康保険の関係でございますけれども、これは妻の場合も被保険者本人でございますから給付は当然受けることができるわけでございますが、夫たる者が第三者として加害をしたということでございますのでそれに対して求償ができるということで届け出制度というのを一応設けているわけでございますけれども、届け出がなくても当然給付は受けることができる、こういうことになるわけです。
 それで、被扶養者の場合、確かにお気の毒な例があるわけでございますけれども、これは被扶養者制度全体をどうするかという根本の問題でございますので、これについて今すぐどうするかというのは申し上げることができないわけでございます。しかし、医療機関として、これは保険医療機関とかいう保険の方を離れて、医療機関としてそういうものを当然診る義務がある、こういうふうに考えております。
#131
○堂本暁子君 ただ、その場合、お金が払えなかったらどうしたらいいんでしょうね。医療機関は診る義務があっても、実際に支払いができないのはどうしたらいいのか。そのことだけちょっとお答えください。
#132
○政府参考人(近藤純五郎君) 残念ながら、御本人が、まさに加害者に払っていただく必要がある、こういうふうなことで、保険制度としてはお支払いすることはできない、こういうふうに考えております。
#133
○堂本暁子君 今後の課題だというふうに思いますので、厚生省もよろしくお願いいたします。
 どうもありがとうございました。
#134
○会長(石井道子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト