くにさくロゴ
2000/04/03 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号
姉妹サイト
 
2000/04/03 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号

#1
第147回国会 国民生活・経済に関する調査会 第5号
平成十二年四月三日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月六日
    辞任         補欠選任
     渡辺 孝男君     山本  保君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     阿曽田 清君     入澤  肇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         久保  亘君
    理 事
                中原  爽君
                海野  徹君
                沢 たまき君
                畑野 君枝君
               日下部禧代子君
                入澤  肇君
    委 員
                斉藤 滋宣君
                田中 直紀君
                長谷川道郎君
                日出 英輔君
                真鍋 賢二君
                松村 龍二君
                勝木 健司君
                谷林 正昭君
                堀  利和君
                簗瀬  進君
                但馬 久美君
                山本  保君
                西山登紀子君
                大渕 絹子君
                松岡滿壽男君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       文部政務次官   小此木八郎君
       厚生政務次官   大野由利子君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
       建設政務次官   加藤 卓二君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        白石 勝美君
   政府参考人
       厚生大臣官房総
       務審議官     宮島  彰君
       厚生省健康政策
       局長       伊藤 雅治君
       厚生省児童家庭
       局長       真野  章君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済に関する調査
 (少子化への対応と生涯能力発揮社会の形成に
 関する件)

    ─────────────
#2
○会長(久保亘君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月六日、渡辺孝男君が委員を辞任され、その補欠として山本保君が選任されました。
 また、去る三月十七日、阿曽田清君が委員を辞任され、その補欠として入澤肇君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(久保亘君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(久保亘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に入澤肇君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(久保亘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、本日の調査会に厚生大臣官房総務審議官宮島彰君、厚生省健康政策局長伊藤雅治君、厚生省児童家庭局長真野章君、厚生省保険局長近藤純五郎君及び労働省女性局長藤井龍子君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○会長(久保亘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○会長(久保亘君) 国民生活・経済に関する調査を議題とし、少子化への対応と生涯能力発揮社会の形成に関する件のうち、少子化対策推進基本方針、重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画、新エンゼルプラン及び平成十二年度少子化対策関連予算について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○松村龍二君 自由民主党の松村でございます。
 貴重な機会をいただきまして、本日、国民生活・経済に関する調査会、少子化の問題について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、昨日午前一時に我が国の総理、小渕内閣総理大臣が体調を害されまして入院された。何か集中治療室に入っておられるということでございます。一億二千万おるこの日本を、経済の運営、教育の問題、福祉の問題あるいは外交、すべての問題について心を砕くということはなかなか大変な激務ではないかというふうに思います。民主主義のよいところで、いろいろな批判も自由に国民から受けるわけでありますけれども、そういう中で倒れられたわけでございますので、まず冒頭、一日も早い御快癒をお祈りしたいと思います。
 さて、少子化の問題でございますが、私もきのう地元で結婚式がありまして、結婚式のごあいさつで何と言ってあいさつしたらいいのかなというふうに迷ったわけですが、やはり新しい門出に際して、子供をたくさんつくっていただきたいということはだれもが考えるごあいさつでございます。私もこの調査会におります関係で、女性が生涯持つ子供の数は一・三八人である、しかし結婚した方が持つ子供の数は二・二人とか二・三人とか二・二三とか、そういう数字で推移しているということを申し上げまして、子供さんを少なくとも三人持たないと夫婦の平均を上回りませんよ、ぜひ三人以上つくっていただきたいというごあいさつをしたわけです。事ほどさように、この少子化の問題が今、日本の大きな課題であるということでございます。
 そういう中にありまして、このたび大蔵、文部、厚生、労働、建設、自治、六大臣が合意いたしまして、平成十一年の十二月に新エンゼルプランがつくられたということでございます。
 その中身は大変すばらしい時宜にかなった内容が入っていると思います。低年齢児受け入れの拡大、平成十一年は五十八万人を平成十六年度に六十八万人にする、延長保育の推進、七千カ所を一万カ所にする、休日保育の推進、百カ所を三百カ所、乳幼児健康支援一時預かりの推進を四百五十カ所から五百市町村にする、多機能保育所等の整備、地域子育て支援センターの整備、あるいは一時保育の推進等、ファミリー・サポート・センターの整備、六十二カ所を百八十カ所にする、また放課後児童クラブの推進、九千カ所を一万一千五百カ所。保育に関係するような問題を中心に大変な意気込みの目標値が決められたということで敬意を表するところであります。ぜひこれを実現していただきたい。
 その実現する際に、やはり地域差がありまして、例えば保育所に入れない子供が都会地を中心に、大きな都市を中心に五、六万人の方がおられる、待っているという反面、私の地元福井県などでは子供の数が少なくなってきまして、いかに保育所を運営しようかというふうなことあるいは選別化というようなことに意を砕いているわけでありまして、まず地域の実情を十二分に加味して今後とも進めていただきたいというふうに思いますが、厚生省政務次官、まずお答えいただきたいと思います。
#9
○政務次官(大野由利子君) 今委員が御指摘のように、今日本は大変な少子化が急速に進んでおりまして、この急速な少子化によりまして働き手、支える側の減少とか子供同士の健全な育成等々、さまざまな弊害もあるということで、さまざまな今少子化対策を講じているところでございます。
 地域によってかなり出生率の差があるという、こういうことでございますが、確かに市町村別に大きな差がありますことから、各地域での少子化対策は当然その地域ごとの状況などを踏まえながら実施すべきものではないか、このように思っております。
 政府といたしましては、少子化対策推進関係閣僚会議で決定をいたしました少子化対策推進基本方針におきまして政府の基本的な考え方や施策をお示ししているところでございますが、その基本方針においても、「地方公共団体においては、本基本方針の策定趣旨、内容を踏まえ、少子化対策の計画的な推進を図るなど、地域の特性に応じた施策を推進するものとする。」と、このようにされているところでございます。
 保育所の待機児童の解消を初めといたしまして、平成十一年度の第一次補正予算においても少子化対策臨時特例交付金が計上をされまして、約三万八千人の保育所待機児童の解消が見込まれるなど効果が期待されているところでございますし、各自治体が地域の実情に応じた幅広い取り組みをしている、その幅広い取り組みを支援する、こういう状況でございます。
 今後とも、新エンゼルプランなどに沿って地方公共団体を支援し、各地方公共団体における実情に応じた対策が行われるように努めてまいりたい、このように思っております。
#10
○松村龍二君 大変にそれぞれ充実を目指すということはいいことである、なかなか重い腰がようやく動き出したかなという面もあろうかと思います。
 ただ、ここでぜひきょう私、質問したいと思いますのは、ゼロ歳児保育を先ほどの数字のように伸ばすということは、その家庭、職業を持った女性の方にとって大変ありがたいことで、社会的に進めなければならないということで、本当にその当事者からすれば必要なことであるということではあると思います。しかし、一面、三歳以下の子供を保育して、本当に責任を持って育てられるのかといったことが心配になるわけであります。
 私も、ちょっとこのたび勉強いたしましたところ、戦後、ジョン・ボールビーという方が、アメリカの学者がいまして、三歳児までは親が育てた方がいいという一つの神話があったと。これが最近ではその神話が崩れまして、小さいときでも特定の人、おじいさんとかおばあさんとか、おじいさんは育てられないと思いますが、おばあさんとか特定の人であればいいと、十分子供はしっかり育つんだと。あるいは、時間だけでなくて愛情があれば、ゼロ歳とか一歳とか小さな低年齢児の保育でも大丈夫なんだと、こういうふうになってきておるというふうに伺うわけです。
 しかし、本当にそうだろうかと。私も孫がおりまして、母親が手をかけているのを見ますと、やはりきめの細かいところで子供の信号に一々こたえながらやっている母親の教育にすぐるものはなかなか難しいんではないだろうかというような感じもいたします。
 また、私の身近な方のお子さんが保母さんをしていまして、ゼロ歳児、低年齢児の保育から育ってきた子供は、保母さんの気を引くのが非常に上手だということだそうです。ほかの低年齢児からの保育でない人とまじっていると、低年齢児から保育をしてきた方は非常に保母さんの気を引くのが上手だと。それだけある意味で愛情に飢えているということの表現ではないかなというふうにも思うんです。
 日本の社会は、なかなか動かないかわりに、今度は動き出すと無批判にその方向へどっと拡大していくという傾向があると思いますので、このゼロ歳児保育を拡大するについてどのようなお考えであるのか、今言った教育的観点といいますか、そういう点についてどういうふうにお考えであるか、お聞かせいただきたいと思います。
#11
○政務次官(大野由利子君) 今、大変低年齢児、ゼロ歳から二歳の低年齢児の保育のニーズが非常に高いということもございまして、新エンゼルプランでは五十八万人から五年間で六十八万人と拡大をする、今そういう方向でございます。
 委員が御指摘のように、三歳児神話というのがあるという、そういうお話でございましたけれども、平成十年の厚生白書の際にも、この三歳児神話について、三歳児神話というのは、子供は三歳までは常時母親の手で育てないと子供のその後の成長に悪影響を及ぼすという、こういう三歳児神話が厚生白書の作成の際にも調査、検討を行ったわけでございますが、少なくとも合理的な根拠はないと、こういうふうに厚生白書の中でも検討結果が示されているところでございます。
 ただ、乳幼児期は、非常に特定の者との深い愛情関係、愛着関係を通して大変人間としての成長があるということで、人間に対する基本的信頼感を形成する大事な時期であることは事実でございます。
 この基本的信頼感は、乳幼児期に母親が常に子供のそばにいなければ形成されないというわけではなくて、愛情を持って子育てをする者が母親を含めまして複数人あっても問題視すべきものではないと、このように考えております。
 両親が親として子育て責任を果たしていく中で保育者や地域社会などの支えも受けながら多くの人の手と愛情の中で子供を育てることができれば、たった一人母親が孤立化した中で非常に悩みながら戸惑いながら子育てするよりも子供の健全発達にはかえって望ましい場合もあると、こういうことでございます。
 保育所の低年齢児の預かりの問題でございますが、厚生省といたしましても、保育サービスについては、低年齢児を中心とした受け入れの拡大の施策を推進しているわけでございますが、この場合、特に乳児にとっては特定の保育者との愛情深いかかわりがあって基本的な信頼関係が形成されることが重要であるということから、保育所において保育士の担当制みたいなものを取り入れることによって工夫をして保育をしていくということを保育所保育指針において指導しているところでございます。
#12
○松村龍二君 私は、きょうのテーマは、保育所あるいは幼稚園におきます教育という問題に絞ってお聞きしたいわけですが、その前提といたしまして、私は自分の父親から、子供を何者かに仕上げたいと、英語で言うとサムボディー、関西弁で言えば何ぼのもんやと、こういうことになるんでしょうか、何ぼの者かに、立派な人間に仕立てようと思ったらまず親の命令を絶対に聞く子にしないといかぬということをリンカーンが言っていたということを私は小さいころから耳にたこができるほど聞かされましてあれしたわけです。
 最近の教育の現場を見ますと、親の命令もさることながら、学校の先生の言うことを聞かない。もう三十年も前から大学においては、大学の先生が講義をしてもがやがやして、てんで学生の方が注意を払わないというようなことが指摘されていたわけです。
 それが、昨今は高等学校とか、高等学校の先生をやった同級生に聞きますと、授業中もう先生に断りなしにぽっとトイレへ行って、昼休み、休み時間にみんなでトイレへ行けばよさそうなものですが、男同士何か隣に並んで小便をするのが嫌だということで、自分が自由な時間に授業中抜けてトイレへ行く、黙ってまた教室へ帰っているというようなことを聞くわけですし、昨今、テレビ等を見ますと、学級崩壊というので、一年生が、昔は一年生というと一番、一年生というのは小学校の教育の現場では難しい、学校の先生になり立ての人は一年生は持たせないということは聞くわけですけれども、そのベテランの教師が当たっても、教室で子供たちがもう勝手に自分の席を離れてわいわいがやがやで、先生の統制が全くきかないと。ボール投げまで教室の中でしないと思いますが、そんな状況である。勝手に教室の外へ出ていって、運動場にいる子供と教室の中の子供が大声で話し合って先生の言うことをちっとも聞かないというようなことを聞くわけですね。
 このこと自体はまた文部省に独立してお聞きせぬといかぬことかと思いますけれども、保育所でいろいろゼロ歳児、低年齢児保育をあれするとか、保育の延長、十一時間以上保育所が預かる、親が帰ってくるまで預かる、あるいは休日にも預かるということで、のべつ幕なしにというか、非常に長い時間保育所が社会の役割を果たして面倒を見るということは非常にいいことなんですけれども、一面、保育所における教育がしっかりしたしつけ等ができているんだろうか、できるんだろうかというふうに思うわけです。
 そこで、保育所の問題は厚生省が所管する、文部省は知らぬ顔と、厚生省は子供の教育についてまでは責任はないというふうに役所の性質上思うんですが、保育園におきます、保育におきます教育ということについてどのように取り組んでおられるのか、まず厚生政務次官にお話を伺います。
#13
○政務次官(大野由利子君) 保育所におきましては、遊びを通して自発性とか自立性とかまた社会性をはぐくみまして、将来の社会生活に必要な基礎を培うことを基本的な目標にしております。
 また、今幼児教育のお話もございましたけれども、非常にこういう小さい低年齢児で大きな役割を果たすという保育所はそういう役割も果たしているわけでございまして、幼稚園と保育所の教育内容等の整合性を確保する、こういう取り組みを現在しております。
 保育内容のガイドラインであります保育所保育指針におきましても、まず内容でございますが、日常生活に必要なあいさつをすることはもちろんといたしまして、子供の発達支援の主要な柱であります人間関係面において、人に対する愛情と信頼感を育てることを基本にいたしまして、自分の考えを主張できる、また相手の意見を受け入れることができる、また集団とのかかわりの中で協調性というものをはぐくんでいく、また決まりの大切さに気づいて守っていくと、こういうような協調性とか道徳性の育成に関することを留意しているところでございます。今後ともこの保育指針の趣旨、内容に沿った保育が行われるように指導をしてまいりたいと思います。
#14
○松村龍二君 それでは、文部省は、保育所におきます教育、生涯教育といいますか、保育所におきます教育ということについて、どの程度関心をお持ちで、どの程度介入といったら言葉は悪いんですが、どのように関係しているのか、また決意をお聞かせください。
#15
○政務次官(小此木八郎君) 幼稚園と保育所というのは、もうさまざま、それはそれぞれ違う、異なる役割、目的の、機能の施設ではありますが、一方で、ただいま厚生次官がお答えになりましたように、就学前の幼児の指導に当たるということでありますから類似したような機能を持つ。特に重要な幼児期のことでありますから、そういう期間では、先ほど次官がおっしゃいましたあいさつをするですとか、あるいは遊びを通じていろんなことを学ばせるそういう期間だというふうに思います。ほとんど、朝のあいさつから始まって、例えば鬼ごっこですとか砂場遊びですとか隠れんぼうですとかいろいろ遊びがありますが、その中でも必ずルール、決まりというものがありますから、そういった中でそのことを教える、あるいは子供たちにその決まり、ルールを自分たち自身でつくらせるというようなことも重要なことだというふうに思っております。
 保育所における保育内容については保育所保育指針、そういうものに従ってその充実が図られているとは私自身も承知しておりますが、幼稚園と保育所における教育内容、保育内容については、幼稚園の教育要領、保育所保育指針の改定に双方の関係者が参加するなどにより一層の整合性、連携というものの確保を現在図っているところでありまして、幼稚園教育課程説明会などに保育所関係者が参加していただいて、幼稚園教諭と保育士の合同研修を現在実施しているところでもございます。
 今後も文部省としては幼稚園と保育所の在り方に関する検討会というものを引き続き開催するなど、厚生省との連携を深めてまいりたい、このように思っております。
#16
○松村龍二君 文部省は幼稚園教育要領、それから厚生省児童家庭局は保育所保育指針、おおむね同じような、しかも協議してやっておられるということであります。
 しかし、この前もこの調査会で宮崎かあちらの方へ視察に委員派遣で参りましたときに、たしか保育所が、先生が入学前の子供を連れて学校を見学に来ておりまして、それで、学校へ入ったらこういう生活になるということを予備的に勉強に来ていたことを私ら見てきたわけですけれども、やはり保育園ではどちらかと言えば今御説明がありましたように仲よくとか、そういうようなことの教育が中心になろうかと思いますが、さっきも言いましたように、やはり小学校へ入ったら先生の言うことをぴっしり注意して聞いている。東南アジアや中近東やら開発途上国へ行って教室を見ますと、もう目をきらきらさせて先生の言うことを食い入るように聞いているという姿があるわけでありまして、やっぱり教育の原点はそこにあるんじゃないかというふうに思いますので、その辺のしつけということも保育の中に十分入れて今後進めていただきたいということをお願い申し上げます。
 時間になりましたので、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
#17
○日出英輔君 自民党の日出でございます。
 私、昨年もちょっと申し上げたんでありますが、この国民生活・経済調査会で実は大変少子化の勉強をしているということがありましたので、一昨年からこの調査会に籍を置かせていただきまして勉強させていただいております。やっぱりいろんな議論を政府からも有識者の方からも伺うんですが、全体像がぼけておりまして、一体この少子化という問題をどういうふうにとらえたらいいのかということについて、伺えば伺うほど実は混迷をしてくるわけであります。
 多分、その混迷の原因は二つあると思っております。一つは、少子化対策あるいは少子化への対応というのは、少子化を是正するとか克服するとかという議論をしているのか、あるいは少子化というものをしようがないと一応受け入れた上で、その中で上手に生きていこうという議論をしているのか、この二つが仕分けされていないというのが一つだろうと思います。それからもう一つは、この少子化への対応を考えますときに、数字的な目標が一つもどこにも示されていないという、何を目指して何をやっているんだろうかというのがいまいちよくわからないわけであります。
 質問の機会をいただきましたので大急ぎで実は調べてみたのでありますが、平成二年から関係省庁連絡会議がこの問題を取り上げたということでありますから約十年の歴史があるようでありますし、特に昨年はこの推進基本方針あるいは新エンゼルプランといったものが出されまして一つの画期的な年だったと思いますが、どうも私は、今申し上げたような少子化への対応というのをどういう視点でとらまえているのかというその視点がぼけていることと、もう一つはある種の政策目標が明確でないというか、数字的なというふうに申し上げた方がいいかもしれませんが、その辺がはっきりしていないことがこの問題をなかなか難しくしているんではないかという気がいたしております。
 そこで厚生政務次官に伺いたいんでありますが、まず北欧諸国の少子化、私から言えば是正克服対策なんでありますが、あえて少子化対策というふうに申し上げておきますが、これがなかなか効果的に進んだということを聞いておるわけであります。一般的に福祉についてはかなり高負担という形で進んでいるということはあるんですが、この北欧諸国の少子化是正の対策がどういう点ですぐれているのか、あるいはその中で先ほど私が申し上げましたようにある種の政策的な目標なんかがあるのかどうか、もし御存じでしたらお答えをお願いしたいと思います。
#18
○政務次官(大野由利子君) 今、北欧の少子化対策についてのお尋ねでございますが、北欧諸国、特にデンマークとスウェーデンでは女性の社会参加が進んでおりまして、一例を挙げますと、二十五歳から四十四歳の女性の労働力化率は八割程度から九割弱と、このように大変高くなっておりまして、子育てと仕事の両立が進んでおります。その背景には、低年齢児に対する保育サービスが普及充実をしている、また育児休業給付の普及、そしてまた職場及び家庭における男女共同参画社会の進展、このような一つの社会風土、そういうものが大きく貢献をしているのではないか、このように思っております。
 我が国におきましても、昨年十二月に策定されました少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランにおいて、子育てと仕事の両立にかかわる負担感を緩和する観点から、保育サービスの充実、育児休業制度の充実を初めといたしまして、仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備、固定的な性別役割分業等の是正に努めていくこととしております。
 子供を産む産まないということは、それはやはり当人同士の決断、選択に任せられる問題であろう、産めよふやせよという国家の方針で進めるものではないと思うんですが、子供を産みたくても産めないという阻害状況になっているものを取り除きながら、子供を産みたい人が安心して子供を産み、そして家庭や子育てに夢を持ち、希望を持ちというような状況をつくっていくということが肝要なのではないか、このように思っております。
#19
○日出英輔君 北欧の話は大分前からいろんな話を、今政務次官がお話しのようなことを伺っているわけであります。
 我が国では、昨年のこの新エンゼルプランを見ますと、いろんなことが書いてあるわけでありますが、私、先ほど申し上げましたように、少子化への対応という幅広くとらえられていて、実は克服是正ではないというふうに私が申し上げたかった、例えば中高一貫教育の推進とか、教育の部分にもかなり、政務次官がおられて申しわけないのでありますが、何か少子化というものの焦点が少し広がるような書き方になっておりまして、ちょっと私、意見ですけれども、何かこれがまたわかりにくくしている原因じゃないかと思うんです。一方で、この中で低年齢児の受け入れの拡大、今松村先生からの御質問がありましたが、これでいいますと、何か十一年に五十八万人、十六年度で六十八万人ということで待機児童の解消を目的にしていると、これは非常に明確な目標を持っていると思います。私は、こういう目標が非常に大事なのではないかという気がしておるわけであります。
 そこで、ちょっと質問を変えまして、昨年でありますけれども、私がちょっと伺いましたのは、都道府県別の合計特殊出生率、単純に出生率と申し上げておきますが、この推移の表をいただきました。七五年、八五年、九五年、九七年という四つの区分になっているわけでありますが、これを全国とこの四十七県を見ますと、実は上位は常連、下位は常連という、若干の移動はありますけれども、実はかなり常連県がそろっているわけであります。この全国の平均の、例えば平成九年の一・三九で、これしかございませんが、これで見ますと、実は一・三九を上回っている県の方が数が多いんです。下回っているのはかなり数としては少ないわけです。つまり、大都市圏がかなり低くなっている。例えば、東京の場合ですと一・〇五ということになります。
 実は、この都道府県別の出生率、先ほどもちょっと松村先生のお話にも出ました、多分都道府県別に違うということは市町村でも違う、あるいは都道府県の中でも違う。こういう出生率が際立って違うというのは一体どこに原因があるんだろうかというのがちょっと昨年来からの疑問なんですが、これは厚生省の事務方ですが、局長から御答弁願います。
#20
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘のように、都道府県別の合計特殊出生率につきましては、沖縄県、島根県、福島県などが比較的高く、東京都、北海道、千葉県、そういうところが低くなっております。
 この地域差と特殊出生率との関連でございますが、正直なところはっきり因果関係、これによるものだということはございません。ただ、人口問題審議会が研究をいたしておりましたときに、いわゆる一人あたりの県民所得、それから産業構造、一人あたりの部屋面積、女子の高等教育進学率等との間に一定の相関関係があるということでございますが、ではどれが最もといいますか、これによってそれが起因しているんだというのはなかなか難しい部分でございます。
#21
○日出英輔君 私が明確に解説ができるのであればもっともらしい解説をするわけでありますが、私も解説ができませんので、よくわかりませんが、多分今お話しになったような幾つかの事項のほかに、多分私は、独断と偏見で申し上げますれば、地域差の中に家庭を大事にするという雰囲気があるかどうか、あるいは一つの家庭よりももう少し広い親戚といったようなこともあるんでしょうか、そういう共通の連帯感を大事にしているかどうかというところが私は何かあるのではないかという気がいたします。
 昨年でしたか、アメリカの全米オープンだか全米プロだったかで、あれはスウェーデンか何かのプロのゴルファー、ミケルソンというのが上位の何位かに入っていたんですが、子供ができるということで、子供ができればすぐにヘリコプターで飛んでいくんだということで、決勝戦でも何か心はここにあらずでたしか優勝はしなかったようでありましたが、その人は北欧人だからということじゃなくて、やはり家庭を大事にするということが非常に感動を持って伝えられたニュースだったと思います。こんなに何も派手でなくても、地域によって大分差があるということ自体は少子化への対応を考えますときの出発点ではないかというふうに思うわけです。
 そこで、私はこの新エンゼルプランを例えば厚生省さんの分野で発動していきますときに、確かに社会的制約でありますとか、国がある程度制度的な関与を持って直していける部分はもちろん国がやりますが、この分野の相当部分は地方公共団体、あるいは市町村がやる分野というのが非常に多うございます。
 それで、私は、今申し上げたように、少子化への対応を考えますときに、都道府県あるいは市町村が自分の県内の少子化の推移あるいは状況、あるいは今まで講じてきた施策、こういったことを十分やっぱり踏まえてこの少子化対策をやりませんとうまくないという気がしますけれども、この辺については政務次官はどういうふうにお考えでございますか。
#22
○政務次官(大野由利子君) 都道府県によって随分出生率の差があることは委員の御指摘のとおりでございます。
 どうしても大都市圏になりますと地縁とか血縁も乏しくなってまいりますし、核家族化の中で子育て、非常に苦労をしながら核家族化、都市化の中で母親が孤立をしながら子育てをしているというような状況もあると思いますし、地方に比べて長時間通勤等々の勤務形態もあるでしょうし、また固定的な雇用慣行や男女の役割分担、このようなものもあると思います。育児サービスの利用がしやすいかしやすくないか、こういうこと、さまざまな問題があろうかと思いますが、それぞれの都道府県また市町村がそれぞれの地域の特性を生かしまして、そしてこうした少子化対策の十分な対策を講じていくということは非常に大事なことであるというのは委員御指摘のとおりであろうと思っております。
#23
○日出英輔君 若干意見にわたるわけでありますが、今、政務次官のお話については別に格段の異議はないわけでありますけれども、各地方公共団体は自分の地域の特性に応じて施策をする、これは当然であります。
 ただ実際には、先ほど冒頭申し上げましたように、自分たちの政策の目標が明確になっていない中で、言葉としては地域の特性に応じて施策を講ずると言いますけれども、結果的にはそこの目標が明確になっておりませんと何か箱物をべたべたつくってしまうとか、あるものを特定のものだけ足りないからといってつくってしまうとか、そういったようなことになってしまうんではないかということを実は案ずるわけであります。
 少子化の基本方針で少子化を克服して、将来、例えば二十年後には二・〇八でしょうか、置きかえ水準まで戻すとか、なかなか難しいから多分この基本方針には載せないということなんだろうとは思います。だれが考えても、どうやったら、どういう道筋をたどったら出生率をこれだけ上げていけるのかということを説明するのは非常に難しいだろうと思うのであります。
 そういう意味では国がつくれなかったんだろうということ、これを私実はきょう質問したかったのでありますけれども、ちょっと次回に譲らせていただきます。それはそれとしてわかるんですが、それじゃ都道府県あるいは市町村も、お題目とすれば地域の特性に応じてやるわけでありますが、それぞれのところで目標がなくて本当に施策はできるんだろうかというところが実は私は非常に懸念をするところでございます。
 少子化というものを国民が気を合わせてやっていきますときに、国の役割あるいは企業なり地域の役割、あるいは家庭の役割、それぞれあると思いますけれども、そういう数字になかなかなりにくいところもありますが、数字になりそうなところもどうもあるのではないかという気もいたしておりまして、そういう意味で、先ほどお尋ねをいたしましたのは、そういった地域にもう少し具体的な目標を明確にして、出生率であらわせれば一番いいのかもしれませんが、国ができないものを地方公共団体がつくれというのはまたこれもひどい話だろうと、こう言われそうな気がしますが、いずれにしても、そういった目標を明確にしながら政策を講じていくということでないと、どうもこの中の事業を重点的にやりましたとか効果的にやりましたとかということだけで話が済んでしまうのではないかという懸念をしているわけであります。
 こういう質問を政務次官にお出しするということは実は通告しておりませんでしたけれども、いかがでございましょうか、私はこういう意見を持っているんですが、御感想がありましたらお伺いしたいと思います。
#24
○政務次官(大野由利子君) 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、出生率の目標というものを立てるということがいいのかどうかという、これはちょっと大きな一つは問題がやはりあるんじゃなかろうか。一・三八、特に東京は一・〇五、地方ですともっともっと高い一・七とか一・八というところもあるわけでございますが、出生率の目標を掲げるということは、決してこれがいい方向とはちょっと思わなくて、ただ、先ほども申し上げましたように、子育て支援のそういう基盤整備ということは非常に大事でございますので、新エンゼルプランで低年齢児の受け入れの拡大だとか、また、低年齢児だけではございませんで、今、母親の孤立ということも言われておりますので、在宅時の子供の支援をどのようにしていくかということも非常に大事でございますので、地域子育て支援センター、各市町村で最低一カ所つくっていこうという、このような目標も出しております。一時保育とかそういうことも十分対応して拡大できるようにというようなことをやっておりますし、育児休業の拡大等々とあわせまして、その周辺の目標みたいなものを掲げながらやっていくというのがいいのではないか、このように思っている次第でございます。
 厚生省といたしましても、昨年、全国子育てマップというようなものもつくりまして、市町村ごとに保育施策の取り組み状況がどういうことになっているのか他の市町村と比較しながら取り組めるということで、わかりやすい形で取りまとめたところでございます。
#25
○日出英輔君 今政務次官お話しになったこと自体、私もそういう気もいたしますけれども、ただ、出生率は確かに目標になりにくいというのは何となくわかるような気もしますが、何か期待値であるとかという形で、いろんな環境整備をした結果においてこのくらいのものは期待したいというようなことなどはあるのではないかという気もいたしますので、私は次回以降もう少しこの辺を私の頭も整理してまた別な機会に御質問したいと思います。
 若干時間がありますので、最後に一問だけ伺いたいと思いますが、先ほどちょっと伺っておりました低年齢児の受け入れの拡大の関係でありますが、この中で家庭的保育の導入というところがございます。いわゆる無認可保育所ということでしょうか、これにつきまして、受け入れ拡大の中の五十八万から六十八万という数字の中でこれを達成しようとしているのか、あるいは外でやろうとしているのか、これについて局長の御意見を承りたいと思います。
#26
○政府参考人(真野章君) 先生今御指摘をいただきました家庭的保育でございますが、これはいわゆる保育ママと言われているものでございまして、保育者自身の居宅におきまして主に低年齢児の保育を行うというものでございます。
 私ども、これまで保育というのは原則集団保育といいますか保育所で保育をしていただく、我々の助成はそういうところへということでございましたが、大変都市部を中心に待機児童が多いということで、今回、先生今御指摘のとおり、新エンゼルプランでは低年齢児の受け入れ枠を五年間で六十八万人までに拡大しようとしているわけです。ただ、正直のところ、これでもなかなか地域的には難しいところもある。したがいまして、今の御質問からしますと、家庭的保育の部分はこの六十八万の外で私ども考えております。
 そして、ただ、この家庭的保育、今まで私どもがなかなか助成に踏み切れませんでしたのは、やはり保育が非常にいわば密室的になる、保育者の居宅で行いますので、外から見る方はいない、保育を受けている子供はなかなか発言ができないというようなこと。それから、私ども、これからは原則保育者を保育士とか学校の先生に限ろうと思っておりますが、やはりサービスを提供する方の資質というものに非常に左右されるというところがございまして、私ども今回エンゼルプランの中に入れさせてはいただきましたが、まだ数値目標を持ってこれを行うというところまでは行っていない。何とか拠点的な保育所との連携を保つことによって今申し上げましたような家庭保育の問題点をできるだけ解消しつつ事業を進めていきたいというふうに考えております。
#27
○日出英輔君 先ほど、このエンゼルプランの中で低年齢児の受け入れ拡大のところにつきましては明確な目標がはっきりしているということで、私はこれは非常に立派だというふうに思ったのでありますが、松村先生が御質問のように、都市部でのある意味では見かけ以上の不足ということもあります。それから、今お話しのような家庭的保育の導入、この話もそうなのでありますが、地域をもう少し明確にターゲットとしてとらえて数字でしっかり目標をつかんでいかないと、やっぱり非常に大づかみの話になってしまうというような気がいたしております。
 一応、私の質問はこれで終わりますが、ぜひとも少子化対策という言葉、通常、少子化対策というのは少子化をするための対策になってしまいます。ですから、そうではなくて、やはり少子化是正あるいは克服のための対策を具体的な目標を持って進めていただきたいというお願いをいたしまして、質問を終わります。
#28
○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。
 今のお話にもありましたように、少子化傾向を改善するのか、少子化社会を前提に社会あるいは経済産業のシステムをどうつくっていくのか、さまざま問題は非常に複雑でありますし、ある意味では総合的に考えないとこの問題は前に進まないなというふうに考えます。
 そこで、まず働き方、日本人は働き過ぎだ、会社人間だというふうに言われて久しいんですが、九〇年代になりましても、当初、欧米に比べて働き過ぎということで、大体二千時間を超える程度年間働いている。ようやく千八百時間程度になってきているわけですけれども、これはどうも、そうした働きかけもあるんですが、この不況の中で働く時間が減る、それによって収入も落ち込んでおるわけなんですけれども、こういう流れの中で、しかしこの少子化問題を取り上げるについても働き方というのは大変やっぱり重要であるわけです。
 そこで、もちろん政府としてこの問題全体を取り上げなきゃいけないわけですけれども、少子化対応有識者会議やら、昨年十二月の関係閣僚会議でも基本方針が出される中でもこの働き方について言及されております。基本的な施策においても固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正ということにも言及されておるわけですけれども、果たして労働省として働き方についてこの間どういう取り組みをして、あるいはどういう成果が上がったのか、その辺をまずお伺いしたいと思います。
#29
○政務次官(長勢甚遠君) 御指摘の働き方につきまして、まず一つの点は職場における固定的な性別役割分業を是正するということでございますが、この点につきましては、平成十一年四月から施行されております男女雇用機会均等法に沿いまして、募集、採用、配置、昇進など雇用管理のあらゆる面につきまして男女の均等取り扱いが実現するように、周知徹底、指導に取り組んできております。
 特に女性労働者に対しまして、固定的な役割分担意識にとらわれない適切な職業選択、キャリア設計を促すための情報提供を行うとか、また女性労働者の能力発揮を促進するためのポジティブアクションの推進を具体的に進めておるところであります。
 また、第二の、職場優先の企業風土の是正、あるいは仕事と家庭の両立のための雇用環境の整備のために育児休業制度の定着、促進を図るとともに、仕事と子育てが両立できるさまざまな制度の構築をする、そういうファミリー・フレンドリー企業の普及促進を図っておるところであります。
 また、そういう中で労働時間の短縮も重要な課題の一つでございますので、週四十時間労働制の遵守の徹底でございますとか、年休の取得促進でございますとか、また所定外労働の削減等を柱とした年間総実労働時間を千八百時間にする、その達成、定着に向けた対策に取り組んでおるとともに、フレックスタイム制の普及等によります自律的、創造的かつ効率的な働き方の実現に向けて種々指導また制度の構築に当たってきたところでございます。
#30
○堀利和君 労働時間、働き方をめぐっては当然経営サイドは経営サイドの主張がありましょうし、働く側は働く側の当然権利要求もあると思うんですね。事この少子化問題ということを考えたときに、どういうふうにしたら本当に子育てをしながら働きやすい状況をつくるか、このことを考えたときに、私は、労働省はいかに働きやすい職場をつくるかということで、働く側の立場に立った政策、施策を講じていかなきゃいけないんじゃないかと。余り経営サイドに引っ張られるようなことがあってはならぬなというふうに私自身は思うわけであります。
 そこで、今お話にもありましたように、基本施策の中での職場優先の企業風土の是正ということでは、国民的な広報活動の実施ということもあるんですが、具体的にこれどんなふうに進められておるのか。また、ファミリー・フレンドリー企業のお話も出ましたけれども、これがどういうもので、現実的にどんな形で普及が具体的に進められているのかもお伺いしておきたいと思います。
#31
○政府参考人(藤井龍子君) 労働者の方々が子育てと仕事を両立していかれるためには、我が国でよく言われます職場優先の企業風土の是正というのを図っていくことが大変重要であるということで、先ほど総括政務次官から種々施策を講じておるとお答えを申し上げたところでございます。
 それで、昨年の暮れ閣議決定いたしました少子化対策推進基本方針では、お尋ねのように、国民的な広報活動の実施というのを掲げてございますが、これにつきましては、私どもとしては、毎年十月を仕事と家庭を考える月間ということで、全国的にシンポジウムあるいはさまざまなポスターをつくったりして広報活動をしてございますので、こういった機会を利用して広報を進めてまいりたいと考えております。
 特に、職場優先の企業風土の是正ということは行政だけで進められるものではございませんで、お尋ねのとおり、経営者の方々あるいは働く方々の意識の問題に起因するところが多いかと存じますので、積極的に労使の方々の御協力を得ながら、経営者、管理職の方々を対象としたセミナーなどを実施することによりまして、着実な周知、広報に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
 それから、平成十一年度からファミリー・フレンドリー企業普及促進事業というものを実施してまいっておりますが、このファミリー・フレンドリー企業といいますのは一九八〇年代から欧米等で普及し定着をしているものでございます。家庭にやさしい企業といいますか、労働者の家族的責任に配慮した経営、人事管理をやっている企業というものでございまして、女性の職場進出や家族形態が核家族化する、あるいは男女の労働者の意識が変化する、あるいは少子高齢化が進むという中で、こういう概念といいますか理念を掲げる企業というものが必要であるということで欧米諸国では定着をしてきているものでございますので、我が国でもぜひこういった企業が広く普及するようにということで十一年度から普及促進事業を手がけたものでございます。
 普及率はそういうことでございますのでまだそれほど高くはないという状況でございます。そのために具体的には、厚生省と共同で十一年度は国内シンポジウムをやりましたが、十二年度は先進的な国々から有識者の方をお招きして国際的なシンポジウムを我が国で開催する予定にしてございます。
 それから、ファミリー・フレンドリー企業表彰というもので労働大臣表彰をさせていただいております。
 それから、ファミリー・フレンドリー企業づくりに取り組む事業主団体に助成金を支給いたしまして、自発的にこのファミリー・フレンドリー企業普及促進事業に取り組んでいただいているというような施策を行っているところでございます。
 私どもといたしましては、これらの取り組みを通じまして、ファミリー・フレンドリー企業の普及促進、そして職場優先の企業風土の是正というのが図られるよう推進をしてまいりたいと考えているところでございます。
#32
○堀利和君 働き方、それによってやはり社会、暮らしが変わっていくわけですので、大変重要な課題だろうと思います。
 ちょっと話を、角度を変えまして、次代を担う子供たちがどういうふうに成長していくのかということも大切な課題であるわけですが、働くことの価値というものを子供にどう認識してもらうのか、私これは大変重要だと思うんですね。
 そこで、これは文部省、労働省にお願いもあるんですけれども、実は平成六年六月に産業・資源エネルギーに関する調査会で、企業の社会貢献というテーマでこういった形の調査会で審議させていただいたときに、社会貢献ということでボランティア活動なんですが、私としてはまさに今回テーマになっているような意味で、子供たちの教育といいいますか、働くことの価値を深めていただきたいということで、一般的に学校では社会見学というのがありまして、私もいろいろな会社等に社会見学も子供のころに行ったんです。
 やはり、今何が失われているかというと、自分の親、お父さんなりお母さんが働いている姿が見えないということなんだと思うんですね。これはよく言われることなんですが、日曜日なり休みに疲れてごろごろしているか、つき合いのいいお父さんになれば遊園地なりに遊びに行くということもあるんでしょうけれども、疲れ切っているか遊んでいるかの姿を子供は見るわけです。
 サラリーマンの非常に悲しい川柳でも、粗大ごみ朝出してまた夜帰ってくるなどと言われるように、あるいは昔は給料を現金を持って家庭に来たのが、何か給料は銀行がくれるかのように錯覚してしまうという、こういう姿ではどうしても子供というのは、本当に親のありがたさといいますか、働いている姿が見えないものですから、私は、なかなか制度上は難しいと思いますけれども、お父さんなりお母さんなりの職場にその子供が社会見学ということでまさに見に行くといいますか、半日でも一時間でもいいですからそういう姿を見る、一つの学校教育の中で取り入れるべきだと思うんですね。
 そういう意味で、これは受け入れる側のこともありますので、やはり文部省だけじゃなくて、労働省の協力もいただきたいわけですけれども、ちょっと難しいんですが、子供が自分のお父さん、お母さんの働いている姿を見る、こういう社会見学教育というのをやはり私はやっていただきたいなと。
 聞くところによると、文部省ではお子さんが文部省、役所に来て、今申し上げたような形でお父さんなりお母さんなりが働いているところを見ているというふうに聞いているんですが、その辺をちょっとお尋ねしたいと思うんです。
#33
○政務次官(小此木八郎君) 今御指摘をいただきましたように、文部省内に小学校の子供たちが見学に来ていただく機会を設けておりまして、実際私も政務次官といたしましてその見学に応じたことがございますけれども、子供たちが部屋に来ていろんな質問をする、国会のようにこれは通告がありませんから、子供たちがはっとするような質問をする場面もありましたが、こちらにもいい刺激になりまして、大変すばらしいことだというふうに思いました。
 小学校、中学校の段階でそれはそれなりの発達段階に応じてそれぞれの職場に見学に行くという意義は、委員が御指摘のように大切なことであるというふうに思っております。
 このため、小学校の社会科では身近な地域の商店街や工場などの見学や調査などを行い、そこで働いている人々の工夫やあるいは努力といったものについて子供たちに考えてもらう、こういうことを指導したり、道徳では働くことの大切さなどを理解させることとしております。
 中学校段階では、社会科で社会生活における職業の意義と役割等について指導するとともに、生徒が将来の生き方をみずから考えて、目的を持って進学先や就職先を選択できるように、進路指導の一環として地域の企業や工場などの職場見学や職場体験学習などに取り組んでいるところであります。
 また、一つの例として今、子どもインターンシップといいまして、文部省が全国の商店街連合会にお願いをいたしまして、生徒を例えばパン屋さんですとかあるいは自転車屋さんですとか、そういうところに、仕事をまさに見学するだけじゃなくて、みずからもその仕事をお手伝いするというようなことも企画しております。
 ここに、ある中学校の生徒さんがそういったインターンシップ制度に参加をしまして、感想を寄せられたものを一つ紹介いたしますと、これは中学校二年生の女子の生徒でありますが、ある総菜店に行って自分でつくったもの、盛りつけたお弁当などが売れるのがうれしかったし楽しみだった。コロッケを揚げたりチゲうどんやお弁当を盛りつけたりしてよい経験になって楽しかったです。よい経験をさせてくれてありがとうございました。
 こういった意味で、感謝というそのものの意味も子供たちがこういうふうにわかってもらえるということで、ますますこういったものを奨励し、受け入れの問題ももちろんございますが、いいことはどんどん進めてまいりたい、このように思っております。
#34
○政務次官(長勢甚遠君) 働くことの価値を子供のころから植えつけていくということは大変重要なことだと思っておりますし、今文部省さんの方でいろいろ施策も考えておいでのようでございます。一次産業、二次産業と産業の進展に伴って、なかなか子供のころから日常生活の中でそういう意識を涵養することがだんだん難しくなった時代かなと思いますが、教育のあり方をいろいろ文部省さんにも工夫をいただいて、労働省として協力しなきゃならぬことは一生懸命やってまいりたい、こう思っております。
 ちょっと先生の御指摘とは違うかもしれませんが、あわせて、近年、若年者の職業意識ということが大変大卒、高卒の方々を含めて議題になっておるわけでございます。こういう点で、職業の選択がきちんとできるように、またそういうきちんとした職業意識を持ってもらえるように、労働省としては就職、採用の段階での施策としてインターンシップ制度等いろいろ施策を講じておるところでございますし、再度繰り返しますが、文部省とよく相談しながら我々の役割を果たしていきたい、このように思っております。
#35
○堀利和君 私ごとですけれども、中学二年の娘が先日お肉屋さんに行って、恐らく迷惑かけたかと思うんですけれども、やっぱりコロッケを揚げてきまして、うちへ持ってきて私も食べておいしかったんですが、こういう社会見学があるんですね。以前の農村型といいますか、共同社会型で生活、消費の部門と生産部門が接近していたのと違って、今は完全にそこが分離されていますので、やはり自分の親が働いている姿を見るということは私大変必要なことではないかなと思っています。
 もちろん、受け入れる側にしてみればこれは大変なことですから簡単にはいかないと思いますけれども、そういう意味での、一般的に仕事とは何ぞや、働くというのは大変だというだけじゃなくて、自分のお父さん、お母さんが本当に大変だなというのを私自身も親になってからつくづく感じているんですが、そんなふうなことを進めていただきたいというふうに思います。
 次に、やはり少子化をめぐってお尋ねしたいんですが、この先、能力を前提にした雇用形態が大分変わっていくと思います。これまでの終身雇用、年功型の賃金から労働の流動化、給与も能力給ということでこれ変わらざるを得ないと思うんですね。その場合、私自身、日本の国民性というところで見るとそこがちょっと不安が残りまして、ライフステージを通して生活設計、収入も支出も立てやすい、家のローンにしても組みやすい、そういう安定から若干不安を伴う雇用形態になるわけですから、この辺が果たして今後の少子化の動きにどんな影響を与えてしまうんだろうか、マイナスの影響を与えてしまうのではないかなという不安もあるんですが、この辺を含めて、先日予算委員会で厚生大臣にもお聞きしましたけれども、労働省としてはお答えにくいと思いますけれども、雇用慣行が変わっていく中での少子化という問題をどんなふうに認識されるのか、お伺いしたいと思います。
#36
○政務次官(長勢甚遠君) 少子化という問題をわかりやすく、子供を産むか産まないかとか、どうやって育てるかということの観点からいえば、能力給等が進展をすれば従来の終身雇用賃金体系の仕組みとは違う感覚で生涯設計をせざるを得なくなるということはそのとおりだと思いますが、だから少子化に深刻な影響を与えるということになるのかならないのかは、その給与体系の中で我々自身がそれに合ったような形での人生設計を考えていかなければならないということなんだろうな、こう思っております。
 いずれにしても、少子化の問題と給与体系の違いというのが、従来とは違った考え方を入れていかなければならないということはそのとおりだと思いますけれども、だから一概にいいとか悪いとかということはないのではないかと。
 例えば、子育てのために退職された方々が再就職するような場合には終身雇用賃金体系よりも能力給体系の方が都合がいいとか、高齢化が進んだ場合に高齢期において再就職する場合には終身雇用体系というのは若干マイナスに作用する場合も起こるというような部分も言われておるわけでございますので、殊さらに少子化と連動して考えるべきことかどうかについては私自身まだはっきりした考えを持ち合わせておりません。
#37
○堀利和君 いずれにしましても、やはりこれから大きなそして速い変化があるわけですけれども、それについても国民が本当に安心して暮らせる、そのセーフティーネットを含めてどうするか、これはまた政治の責任でもあろうと思いますので、ぜひその辺の御努力をお願いしたいと思います。
 そこで、やはり働き方ということで、恐縮ですけれども、厚生省なり労働省で働いている皆さん、公務員の方についても基本方針の中でこの少子化対策について触れてもおるわけです。
 昨年厚生省が、これ大ヒットかどうか知りませんけれども、ポスターを作成しました。このコピーに、「育児をしない男を、父とは呼ばない。」という非常にラジカルといいますか、説得力があるといいますか、なるほどといいますか、こういうキャッチコピーのポスターがあって、厚生省あるいは労働省の関係で働いている皆さんが果たして省内でこの辺のところをどんなふうに取り組んでいらっしゃるのか。
 残業時間を見ましても、労働省は昨年三百八十三時間、それから厚生省は二百八十五時間という、かなりやっぱりオーバーしているんですね。それの責任も、恐らく国会運営にも問題があるんで、参考人の方もそうおっしゃっておりましたけれども、そこは十分反省しなきゃいけないんですが、これは省内でどんなふうな取り組みをなさっているんでしょうか。
#38
○政務次官(大野由利子君) 厚生省といたしましても、少子化対策の主務官庁の一つといたしまして、固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正というものが大変重要であると、このように認識しているところでございます。
 厚生省職員に対しましても、育児休業をとりやすいこういう環境づくりとか、充実した家庭生活を送るための労働時間の短縮に向けた取り組みを行っているところでございます。
 まず、育児休業につきまして申し上げますと、男性職員については平成十年度までに七名が取得をいたしました。この中にはT種の職員も含まれておりまして、さらにこの四月一日からは新たにT種職員一名が育児休業を取得しているところでございます。
 労働時間の短縮については、年次休暇の取得促進や超過勤務の縮減に努めているところですが、本省における年次休暇の年間平均取得日数は、平成六年の七・七日から平成十年は八・八日となっておりまして、余り伸びているとは言えない状況ではないかと思っております。
 労働時間の短縮は、今委員も御指摘のように、近年業務が大変増大をしているということもあります。国会の審議のあり方にも大変大きな関連もございまして、この勤務時間の短縮についてはなかなか進まなくて、今後より一層の業務の合理化、効率化に努めていく必要がある、このように思っております。
#39
○政務次官(長勢甚遠君) 労働省といたしましても、先生御指摘のとおり、率先して御指摘の方向で努力すべき役割があると、このように思っております。
 育児休業取得等も今進めておるわけで、相当高い率で取得をさせておりますが、男子につきましてもこの七年間で六名取得いたしておりまして、小さい役所の割には大変いい率ではないかととりあえず思っておる次第でございます。
 また、時間短縮について、大変残業が多いんではないかという御指摘をいただいたわけでございますが、昨年、超過勤務対策要綱も改正をいたしまして、年間三百六十時間の上限時間の目安を盛り込むということにしたほか、定時退庁日を設けるなど、できる限り時間短縮を率先して進めたい、このように思っております。
 ただ、大変雇用状況も悪い中で国民のニーズにこたえるために一生懸命みんな努力しておるわけでございまして、そういう中でぜひ御指摘のような先駆的な取り組みができるようにこれからも努力を進めてまいりたいと思います。
#40
○堀利和君 我が国はまさに経済大国になりました。豊かになりました。預貯金も千四百兆ほどになんなんとするということで、確かに金持ちにはなったけれども、しかし時間持ちにはなれなかった。いつもいつも、二十四時間と限られていながらその中できゅうきゅう追われている。
 そういう中で、子供の夕食の姿、これよく絵をかかせるとひとりで食べている絵をかくとか、あるいは詩や作文でも、結局お父さん、お母さんもいない、ひとりで電子レンジで温めてハンバーグを食べていると、こんなふうな詩が書かれる。これは私はやはり大人社会の責任かなと。本当に子供社会をつくれなかったという、そんなふうにも思うわけです。
 生物学的に見ても、人の場合は特に出産、育児、これは大変なコスト、あるいはリスクというのが高いわけなんですね。もちろん、そういう意味では人間は人間として家族なり地縁血縁、コミュニティー、要するに子を産む母親だけじゃなくてみんなで総力を挙げて子供を育ててきたわけですね。これが残念ながら今問われているわけです。
 歴史研究を見ましても、古代ギリシャもなかなか結婚をしたがらない、結婚してもなかなか子供を育てたがらない、せいぜい一人か二人子を産む程度だというようなことも指摘されておりますし、ローマ帝国滅亡の直接の原因が出生率の低下によって人口が減少したんだというような見解を持っている研究者もいるわけですけれども、そういう意味でも、やはり我が国の将来を見たときに非常に暗く感じてしまうわけです。
 そういう意味で、社会そのものをどう変えていくのか、経済のあり方をどうするかという根本的問題があるわけですけれども、まず緊急的に必要なのは、行政、政治といいますか、がどういう施策を講じるのかということが重要だろうと思います。
 そういう意味で、今度は新エンゼルプランというのが策定されたわけですけれども、このエンゼルプランの策定状況を見ましても、市町村では九百五十六市町村になっていると思うんですね。それで、これ人口比でいいますと何%ほどカバーしているのか、まずお聞きしたいと思いますし、今後市町村の計画を策定する際にも国との関係、どんなふうに協力していくのか、その辺をまずお伺いしておきたいと思います。
#41
○政務次官(大野由利子君) 今、九百五十六市町村で地方版エンゼルプランを策定しております。全都道府県と、あと市町村は九百五十六市町村ということでございますが、これが人口でどれぐらいをカバーするかという御質問でございますが、平成十一年三月三十一日の住民基本台帳をもとに算出をいたしますと六八・五%という状況でございます。
 市町村によるエンゼルプランの策定は、地域の実情に応じまして少子化対策を計画的に進めることが重要と考えておりまして、少子化対策推進関係閣僚会議で決定をいたしました少子化対策推進基本方針におきましても、「地方公共団体においては、本基本方針の策定趣旨、内容を踏まえ、少子化対策の計画的な推進を図るなど、地域の特性に応じた施策を推進するものとする。」と、このようにされているところでございます。
 厚生省といたしましても、今後とも新エンゼルプランなどに沿って、都道府県と市町村が連携をとりながら、必要な保育サービスとか子育ての相談支援体制、母子保健体制の整備など、地域の実情に応じて計画的に進められるように地方公共団体に対する支援を行ってまいりたいと思っております。
#42
○堀利和君 最近感じるのは、こういう大事な計画が義務ではなく努力規定にされてしまってくるんですね。障害者の市町村計画もそうですし、今衆議院に法案が出されましたけれども、社会福祉事業法の改正の関係なんですが、ここでも地域福祉計画が当初義務化というふうに聞いていたんですけれども法律を見ましたら努力規定になってしまっているんです。私は、こういうものは国を挙げてきちっと義務化する、それくらいのやっぱり意気込みが必要ではないのかなということを指摘させていただきたいと思います。
 それで、少子高齢社会といいますと、少子社会はまさにここで審議されているようなエンゼルプラン等のことなんですね。高齢社会というと介護あるいは年金、医療ということで、少子社会と高齢社会がある意味でそれぞればらばらに制度の中で論じられているんですが、私は問題意識の中で、少子社会において高齢者たちがどんなふうな役割を果たせるんだろうか、つまり言いかえれば高齢社会の中で子育てをどうするんだと。行政的な、一義的なもちろん施策、責任はあるんですけれども、先ほど申し上げたように、家族なり地縁血縁、おじさん、おばさん、近所のおじいさん、おばあさん含めてみんなで子育てをしていくという、そういうことをしていかないとならないのではないかなと思っているわけです。
 高齢者問題というと介護保険、高齢者問題というと年金、これは重要なんですが、やはり子育てのところでどう高齢社会と向き合うかということも私は重要だと思うんですね。例えば子育てヘルパーだとかファミリー・サポート・センターだとか、こういった一つのNPO的な活動もかかわってきますから、行政サイドが一方的に決めることはできないにしても、今申し上げたような問題意識で高齢社会の中での子育てというのはどうあるべきかということも私は御検討いただければと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○政務次官(大野由利子君) 委員が御指摘のように、高齢者の社会参加というのは非常に重要でございます。個々人の経験とか資質を生かしまして促進をしていくということが大変重要であろう、このように思っております。こういう経験とか資質を持った高齢者の方が一時預かりなどの育児支援に参加をしていただくということは、高齢者自身の生きがいづくりにもなりますし、世代間の交流促進ということにもなりますし、大変これは有意義ではないか、引き続き高齢者の方の多様な社会参加を推進してまいりたい。
 ただし、今おっしゃったようにNPOとかNGO、ボランティア活動とか、そういう意味で高齢者の豊かな経験を生かしていただくのは大変重要ではございますが、今公共施策として実施をしております保育所におきましては、保育サービスは資格者、保育士の資格を持っている人の配置基準を満たす、決してこれが質の低下を伴うようなことがあってはならない、このように思っておりますので、その周辺の部分と申しますか、より配置基準を満たした上でのさらなる援助みたいなものを高齢者の方に協力をしていただきながら進めていけるといいのかな、このように思っているところでございます。
#44
○堀利和君 Aという子育ての家庭が行政ですと、保育所との関係、Bという子育ての家庭がまた保育所との関係という、これは行政ですとそうなるんですが、今度は住民の中でAとB、Aとお年寄りの家庭とか、そういうことで地域挙げてみんなで子育てに取り組むといいますか、そういう地域社会をどうつくっていくかというのが私は本当の意味で安心のできる地域社会をつくれるのかなと。そこにはもちろん行政側がきちっと施策をしっかりしないと周りも動きませんから、そういう意味ではまた行政の大きな役割があろうかと思うんです。
 次に、子供というのは、私自身も二人の娘を今でも育てておりますけれども、突発的に熱が出るというまさにけがから病気から非常に毎日毎日が心配であるわけですけれども、そういう意味で、共働き夫婦にとっては子供がけがをしない、病気をしないでいるだけでも安心という、そんなふうに思ってしまうんです。
 そこで、基本方針にもありますけれども、子供の看護のための休暇制度、現在は育児にしろ介護休業というのがあるんですけれども、この辺についての御検討は労働省としては今どんなふうに進めていらっしゃるのでしょうか。
#45
○政府参考人(藤井龍子君) 先生御指摘のとおり、子供、特に小さい子供は突発的な病気にかかることが多うございます。そういうときに、年に三日とか五日とか六日とかそういうのが多いようでございますが、短期間休暇をとることができる制度、子供の看護のための休暇制度というのがございます。これは働く方たちが仕事と子育てを両立していくという上で、企業に支援していく制度としては大変重要な制度であると位置づけているところでございます。
 ただ、普及率を見ますと、平成八年の調査でございますが、子供の看護のための休暇を含めた家族の看護のための休暇制度を設けている民間事業所の割合は八・二%にとどまっているところでございます。一方、平成九年に男女雇用機会均等法を改正していただいたわけでございますが、この際に衆参の両労働委員会で附帯決議をいただいております。その中で、「少子・高齢化の進展を踏まえ、看護休暇など職業生活と家庭生活の両立支援対策を充実強化すること。」と決議をいただいているところでございます。
 こういう現状それから流れを踏まえまして、昨年十二月の少子化対策推進基本方針に御質問にあるような文言を盛り込ませていただいたところでございます。これに基づきまして、私どもではただいま、子供の看護のための休暇について制度の導入それから利用の実態についての大規模な調査を進めているところでございます。
 私どもといたしましては、この調査結果を踏まえまして、年次有給休暇制度との関係あるいは制度の具体的な必要性いかんというようなことも十分踏まえながら、また関係者の御意見も広く伺いながら、制度のあり方について検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
#46
○堀利和君 時間がもう余りないようでして、申しわけありませんけれども、厚生省に対しての質問で終わらせていただくことになってしまうかと思うんです。
 少子化によって小児科病院というのがだんだん経営が苦しくなって減ってきているわけですけれども、減れば減るほど子供が少ないから病院が減っていいかというとそうではないわけですから、その辺が非常に深刻なんですが、子供の、小児科診療の休日、夜間の当番医というのがあると思いますけれども、この辺がなかなか遠隔になってしまっているという現状があります。
 この辺についての実態をどのように御認識かということと、乳幼児に対して医療費補助制度を都道府県が単独事業でやっておりますけれども、乳幼児あるいは小学生ぐらいまでは病気、けがをしやすいわけですけれども、この辺の医療費補助というのはやっぱり国としても考えるべきときに来ているのではないんだろうかと思います。そういう意味で、仮にこの辺を実行するとした場合にその費用がどの程度になるか、試算ができるのでありましたらそこら辺をちょっとお聞きしたいと思います。
#47
○政府参考人(伊藤雅治君) 小児科の診療体制の御質問でございますが、実態を御報告させていただきますと、小児科を標榜する診療所の数でございますが、平成五年が二万七千三百七十カ所でございましたが、平成八年に二万七千九十五と若干減少しております。それから、小児科を標榜する一般病院の数でございますが、これ毎年統計をとっておりますが、平成五年以降少しずつ減ってきておりまして、平成九年が三千七百六十八、平成十年におきましては三千七百二十となっております。
 このように、委員御指摘のように小児科の医療機関、小児科の標榜診療科につきましては若干減少してきておりますが、私どもといたしましては、少子高齢社会の進展の中で適正な小児医療の確保が極めて重要な課題だと認識しておりまして、平成十一年度から小児救急医療支援事業を開始しておりますし、また本年の診療報酬改定におきましては、小児科につきまして重点的な評価を行っていただいたところでございます。今後、これらの実態を見ながら、小児救急医療の確保のために万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
#48
○堀利和君 大変申しわけありません。時間が来ました。建設省そして官房副長官、大変申しわけありませんでした。
 小渕総理が一日も早く回復されることを心からお見舞い申し上げて、質問を終わります。
#49
○但馬久美君 公明党・改革クラブの但馬久美でございます。
 少子社会問題につきまして何点か質問させていただきます。
 先ほどから少子化問題、いろいろな角度からお話がありました。少子高齢社会の急速な進展が懸念されている昨今、日本人口の動向について国連から高齢化日本を予測する報告書が発表されました。これによりますと、一九九五年当時の高齢者一人当たりの生産年齢人口の割合が四・八人という水準を五十年後も維持するためには、定年七十七歳か移民を年に一千万人受け入れるか、いずれかの政策をとらなければならないというショッキングなものでした。さらに、移民を年一千万人を受け入れた場合には二〇五〇年には日本の人口が八億人になっているということです。
 しかし、高齢者に対する生産年齢人口比率四・八人を維持することももう困難というよりもまず不可能だと思います。定年を七十七歳まで延長することもどだい無理な話であります。もちろん定年のない社会ということも一方にはありますけれども、また移民の受け入れにしても年に一千万人などできるわけがないと思います。ただ、この日本社会の置かれている現況と現状を維持するための究極の対応策としてこうやって示されたことは感謝したいと思っております。私たちは、このように示されたこの大枠の中でいかに効率的な政策を駆使して対応していくかということにあると思うんです。
 そこで、先日、総務庁が日本の人口推計を発表されました。実態の推計だけではなく移民の受け入れをも加味した適正人口推計、今後要請されてくると思いますけれども、どのようにお考えか、まず厚生省にお伺いいたします。
#50
○政府参考人(宮島彰君) 日本の適正な人口規模についていかがかという御質問かと思いますが、この問題につきましては私どもの人口問題審議会などの専門家の間でも議論が出たことがございますが、いろいろ意見が分かれておりまして、必ずしも一致した見解にあるというふうには伺っておらないところでございます。政府の少子化対策におきましても、一定の人口水準の確保を目標にするというふうな形のものは行っておらないわけでございます。
 しかしながら、急激に少子化が進行し、人口構造が従来と極端に構造が変わってくるということは社会面、経済面、いろんな面でマイナス的な影響をもたらすというおそれがあるという点は比較的共通した認識かと思いますので、そういう認識のもとに、政府としては、仕事と子育ての両立支援なり、安心して子育てができる環境整備などのいわゆる少子化対策を現在積極的に取り組んでいるというところでございます。
 なお、国連の人口部が行いましたいわゆる移民の受け入れ等の問題につきましては、日本のあり方といいますか、根幹にかかわる問題でもございますし、出入国管理政策の観点からも十分検討すべき課題であろうかというふうに思っておるところでございます。
#51
○但馬久美君 そこで労働省にお伺いいたします。
 この移民の受け入れということが、今後日本の産業社会を維持発展させていくためにはどうしても先行き不可欠ということが考えられております。この移民の受け入れということは日本の労働力が不足していくということのあらわれでもあり、またそれの補完、補充のために移民が実行されるということでもあります。そのためには、労働力不足というふうに言っておりますけれども、推計していくというようなことがまず必要になってくると思います。
 そこで、女性や高齢者を含めた労働力、いわゆる生産年齢人口の動向とはまた別の、日本の産業経済が必要とする労働力の実態あるいは産業別の労働力の今後の推移、そのシミュレーションが要求されますけれども、これがしっかりできているのかどうか。例えば、将来この分野にはどれくらいの労働力の不足があるのか、また日本人以外の外国人労働者の手助けがどれぐらい要るのか、そのような推計が必要になってくると思いますけれども、現在どのように取り組まれているのかお聞かせください。
#52
○政務次官(長勢甚遠君) 今後の労働力人口でございますが、二〇〇五年ぐらいがピークになると、このように考えておりまして、推計としては二〇〇五年には六千八百五十六万人というふうに考えております。そこから初めて日本の労働力人口というのは減少に転ずるわけでございますが、二〇一〇年には六千七百三十六万人、ピーク時から約百二十万人ぐらい減少するのではないか、こういうふうに見込んでおります。
 ただ、この場合、高齢者の継続雇用制度など雇用環境を整備することによって労働力人口の減少を食いとめる部分が出てきますので、あらゆる政策を講じた場合には労働力人口、二〇一〇年にもピーク時から二十五万人程度の減、つまり現在の、今二〇〇〇年の労働力人口とそう大差のない状況を維持することが可能ではないか、このように見込んでおるわけでございます。
 ただ、問題はその内訳でございますけれども、今後、現在から二〇一〇年までの間には二十九歳未満の若年層の労働力人口が約四百万人減少する、また一方で五十五歳以上の高齢者が約三百八十万人増加するという年齢層が大きく変わるというところが大きな問題である、このように思っております。
 今、先生お尋ねの今後の労働力の必要というか供給必要な問題でございますが、経済のグローバル化、情報化、あるいはサービス経済化の一層の進展があるでしょうし、また規制緩和などによりまして経済・産業構造が大きく転換をいたしていくことが見込まれますので、産業別の就業者数というものにつきましても、サービス業については医療・福祉分野を中心に一九九八年の千九百三十八万人から二〇一〇年には二千百八十七万人、二百四十九万人増加するであろう、また製造業については一九九〇年をピークに減少に転じておりますけれども、さらに現在から二〇一〇年までの間には百七十一万人ぐらい減少するだろうというようなことを見込んでおります。
 先生御指摘のように、厳密な分析まで十分できておるかどうかという点についてはさらに検討を進めなければなりませんけれども、総じて申し上げられることは、労働力人口は減少の方向に行くわけでございますけれども、労働力不足という事態を生ずるかどうかということになりますと、総量としては労働力不足という問題はないと、こういうふうに思っております。
 ただ、産業なり業種なりによりまして、何らかの事情によってそこの供給が不足をするということが起きる、それがどういう分野でどういう事情でそういうことが起き得るのかということはさらに検討しなければならない課題である。そういうことを含めて、外国人の方々の問題やら移民の問題というのは早急にきちんとした政策を構築していかなきゃならないんじゃないか、このように思っております。
#53
○但馬久美君 今のお話では、産業の発展の仕方によってまだまだわからないということで、外国人労働者の受け入れに対してもまだこれからの推移ということでありますね。わかりました。
 厚生省の方に、先ほどと同じ、重複した質問でありますので、これはちょっとカットさせていただきます、合計特殊出生率の話でありますけれども。
 次に、総理府が昨年行いました調査によりますと、男女十八歳以上の五千人を対象にしたアンケートであります。結婚に負担を感じると答えたのが男性で三二%、女性で四〇%でありました。その理由として、男性は経済的負担を、また一方女性は仕事との両立が困難ということを挙げております。つまり、結婚しない層がふえている理由があらわれております。
 結婚、出産はもちろん個人の自由な選択であります。本来他人がそれに介入を許されないということはもう私も心得ております。ところが、今日の少子社会の進行は既に放置できない状況にあるというのは先ほどのいろいろな質問からも言われておりますけれども、普通、出産は結婚を前提として考えているのですけれども、最近は形式にこだわらないで事実婚を選択する人もいると言われております。結婚しないで出産することは、今この日本の社会ではまだまだオープンな形にはなっておりませんけれども、行く行くは一つの権利として認識しなければならない課題であると、私はそういうふうに自覚しております。
 こうした事実婚に対してどのような認識をお持ちか、お伺いしたいと思います。最近は夫婦別姓を願う男女も大変ふえてきております。この事実婚を余儀なくされているケースもあるというふうに伺っておりますので、そういう認識をどういうふうに考えていらっしゃいますか。これは内閣官房副長官にお願いいたします。
 それでもう一点、厚生省の方にお伺いしますけれども、こういう出産に伴う実態についてどのように把握されていられるのか、この二点、お伺いいたします。
#54
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 今のお尋ねは、いわゆる事実婚の関係にある方々の間に生まれた子供の法的な地位についてどう考えるかというお尋ねであると思いますが、嫡出でない子と嫡出である子については、民法上は法律婚制度を尊重するという立場から、例えば相続分に差異を設けております。戸籍法上は、認知がありますと認知者である父と被認知者である子供の双方の戸籍の身分の事項欄にその旨を記載し、かつ子供の名前のところに父の氏名を記載するということになっております。
 今のお話の法律婚と事実婚の間に差があるとすれば、やはりそれは相続関係でないかと思うんですが、確かに相続分には差異が設けられておりまして、現在の法律上は、民法第九百条におきまして、「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。但し、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一」とすると、こういうふうになっているわけです。これは平等にすべきではないかという意見もありますが、これについては世論調査等では反対の意見が多い。
 なお、嫡出でない子の法定相続分を嫡出である子の二分の一とする民法九百条の規定は憲法十四条一項に反するのではないかという訴訟がございましたが、これについては最高裁判所は、反するものとは言えないというようにしております。
 ただ、先生がお話しのように、これからそういうような状況というものはかなり現象としてあらわれるんじゃないか。現にヨーロッパでもそういう状況が見られます。ヨーロッパでも、例えばフランス等で少子化のスピードが若干鈍ってきたというのはそういう事実婚による子供が増加してきたんだということでもございますので、こういうものをどう考えていくかというのはまさにこれからきちっと検討していくべきことではないかというように考えております。
#55
○政府参考人(宮島彰君) 事実婚から出産に至る実態の状況について御説明いたしたいと思います。
 国立社会保障・人口問題研究所が平成九年に実施いたしました第十一回の出生動向基本調査によりますと、これは十八歳から三十四歳の独身の男女を対象にしたものでございますが、現在同棲しているというふうに答えた者は男性が一・七%、女性も同じく一・七%でございます。それから、過去に同棲経験ありというふうに答えた者は男性が三・一%、女性が三・〇%でございます。
 また、平成十年の厚生省の人口動態統計によりますと、いわゆる正式な婚姻をしていない夫婦から生まれた非嫡出子の出生数は約一万七千名というふうになっておりまして、全体の出生数の一・四%を占めております。この割合を過去十年間見ますと、若干微増しておりますけれども、ほとんど余り変化しておりません。また、国際比較を見てみましても、スウェーデン、デンマーク等は四〇ないし五〇%、非常に高い比率がございますけれども、それに比べますと極めて低い比率というふうに言えるかと思います。
#56
○但馬久美君 どうもありがとうございました。
 そこから、今回シンガポールで、報道によりますと、昨年の十二月三十一日に千年紀を祝うパーティーがありました。千年紀を祝うパーティーというのは別に珍しくもありませんし、どこの国でも派手にやっておりますけれども、シンガポールのそのパーティーは、主催は政府系の結婚あっせん所で、いわばお見合いパーティーでありました。シンガポールでも一九七〇年代から少子化が進み、女性が産む子供の数が一・五人に下がっております。今日では、政府の結婚奨励策として語学教室から海外旅行まで企画して、国の未来を、恋が芽生えるように託していると言われております。
 我が国は、かつては親を初め親戚とか隣人とか友人、知人からお見合いの話があって、しつこいぐらいそういうのがありましたけれども、今日そうしたよき風習が廃れてきたように思われます。お互いに結婚を希望していてもなかなか相手が見つかるそのきっかけがつかめない、そういう現状にあると思われます。
 そこで、政府が率先してイベントの企画やあるいは地方自治体でのそうした企画への助成策をしっかり確保すべきではないかと思いますけれども、男女独身の方々の出会いを支援していくことはまさに国の将来がかかっているということですから、これも立派な一つの事業ではないかと考えます。
 そこで、厚生省はこのことについてどのようにお考えであるか、お聞かせください。
#57
○政務次官(大野由利子君) 少子化は、今委員が御指摘のように、晩婚化、未婚化というのが大きな要因になっております。平成十年十二月の総理主宰の少子化への対応を考える有識者会議の提言におきましても、「結婚や出産は当事者の自由な選択に委ねられるもの」、こういう留意点が示されているわけでございますが、委員が御指摘のように、今シンガポールの例を挙げられましたけれども、国が直接というのはどうなのかな、直接結婚を奨励するような対策をとることよりも、若い男女が明るい家庭をつくって子育てに夢や希望を持てるような、こういう環境づくりをしていく、また子育ての負担感を減らしていく、こういうふうなことが非常に重要だろうと思っております。
 しかし、地域でもっともっと、なかなか今出会いの場も少ないということで、各地域レベルで住民の理解を得ながら結婚したい人がその希望をかなえられるような、そういう促進するための事業を実施されるということは大変有意義なことであろうと思っております。
#58
○但馬久美君 地方の自治体からもこういうような特別なこういう例を挙げましてやっていく方向にやってはどうかなという話も伺ったものですから、ちょっとこの質問をさせていただきました。
 ところで、今度は建設省にお伺いいたします。
 この三月二十三日、国土庁が二〇〇〇年一月一日現在の全国の公示価格を発表いたしました。この発表によりますと、景気の長期低迷で全国平均がマイナス四・九%で、昨年のマイナス四・六よりも下落幅が拡大しております。しかし、都心部や住宅地では下落幅が縮小している傾向が見られるということです。これはどうも、ライフスタイルの変更、職住近接、老後を考えての都内への移住がふえているという結果とも言われております。しかも、終身雇用の崩壊や、そしてまた年俸制の拡大などで、持ち家から賃貸へローン離れが進行しているとも言われております。私ども、常々世帯構成の変化に応じて住みかえができることが理想であると言ってきましたけれども、その環境がようやく整ってきたようにも思われます。
 建設省もこの住みかえ策を提唱されておりますけれども、具体的にはどういう対策をとっていらっしゃるのかお伺いいたします。
#59
○政務次官(加藤卓二君) 世帯構成の変化に応じて住みかえについてのお尋ねがありました。
 子育て期、高齢期それぞれの世帯構成にふさわしい住宅を選べるようにすることは最も重要だというのは、先生のおっしゃられるとおりでございます。
 このために、子育て世帯に対しては、住宅金融公庫によるより広くゆとりある住宅取得の支援をし、特定優良賃貸住宅などファミリー向け賃貸住宅を供給するようにいたしております。また、高齢者世帯に対しては、住宅のバリアフリー化の推進、福祉施設との連携によるシルバーハウジング、高齢者向けの優良賃貸住宅の供給などの施策を推進しているところでございます。さらに、適切な住みかえが容易に行われるよう、中古住宅市場や賃貸住宅市場の活性化を図るように努めてまいるところでございます。
#60
○但馬久美君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、これから結婚を考えている若い世代に対しましてとても大事な対策でありますので、これからもどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
#61
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 当調査会では少子化について一年以上にわたって取り組んでまいりました。先日は、国立社会保障・人口問題研究所が発表した、男女共同参画社会が進むならば出生率は一・七八に上がるとの試算も紹介されました、保育園などの支援がもっと進んでいれば、こういうことでございます。
 女性が家庭と仕事を両立する上でぶつかるのが、妊娠、出産、そして保育園への入所、さらに小学校入学時のいわゆる学童保育の問題と、次々と越えなくてはならないハードルの存在です。もちろん、男性の働き方の改善や家庭責任、あるいは教育や住宅など、各省庁を越えた取り組みが求められているのは当然でございます。
 そこで、私は、きょうはいわゆる学童保育について伺いたいと思います。
 当調査会では、ことし、山口、広島両県に調査に伺った際にも学童保育への取り組みを伺いました。ある保育園では学童保育を建設中だったんですが、炊事もできる一戸建ての、子供たちがただいまとがらりと戸をあけて帰ってこられるような温かい雰囲気の新しい施設がつくられているところでございました。
 そこで伺いたいのですが、一つは、この学童保育というのはどういうものなのか。つまり、法律が変わりまして全児童対策の児童館事業とは区別して学童保育という法制化がされました。これを少子化の中でどのように位置づけて取り組まれるのか伺いたいと思います。
 あわせて二つ目に、学童保育の生活の場ということがございます。単なる遊びの場ではない学童保育の持つ役割について、生活の場ということでどのようにとらえるのか伺います。
#62
○政務次官(大野由利子君) 放課後児童クラブと、このように厚生省では呼んでおりますが、放課後児童クラブは、放課後、家庭に保護者がいない小学校低学年の児童を対象といたしまして、児童館とかまた学校の空き教室を利用いたしまして適切な遊びと生活の場を与える、そういう事業でございます。
 このような放課後児童クラブにつきましては、少子化対策の一環として、子育てと就労の両立を支援するとともに、お母さんが安心して仕事ができる、こういう環境づくり、また利用する児童の安全、利便のために身近な場所を確保するという、こういう必要があることから、引き続き事業の普及を図る、こういう必要があると思っております。
 このため、新エンゼルプランにおきましては実施箇所を計画的にふやす、このようにしておりまして、平成十六年度までに全国で一万一千五百カ所、現在は九千カ所でございますが、一万一千五百カ所に十六年度までにふやすという、こういう目標を設定したところであり、この目標の達成に向けて努力をしてまいりたいと思います。
#63
○政府参考人(真野章君) 後段の生活の場というのをどういうふうに考えているかという御質問でございましたが、児童福祉法の施行令では、「衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施されなければならない。」ということになっておりまして、事業実施者におきまして小学校の低学年の児童が家庭でどのように過ごすかということをよく考えてほしいと。例えば、おやつを食べるとか休息するというようなことを想定して事業をしてほしいということを言っているものでございます。
#64
○畑野君枝君 そうしますと、そうしたおやつを食べたり休息をするために専用の部屋ですとか、それから、親がわりと言ってはなんですけれども、いつもその子供の様子がわかっている専任の指導員がいるということになるかと思うんですが、いかがでしょうか。
#65
○政府参考人(真野章君) そういうことが大変望ましいというふうに思っておりますが、ただ、先生御案内のとおり、この事業はそれぞれの地域でやっておられました事業を平成九年の法律改正で児童福祉法上の事業として位置づけたものでございまして、私ども、できるだけそれぞれの事業で取り組んでおられました多種多様な取り組みを御支援したいということで、一つの型にはめるよりはいろんな形の事業形態を御支援していきたいというふうに思っております。
#66
○畑野君枝君 厚生省としては、より充実をされていきたいということで法制化もされたというふうに思います。
 いろいろな場所でやられているわけですが、例えば児童館で学童保育を行う場合もやはり、全児童対策の場がもともと児童館ですから、学童保育を行う場合にはそれとは区別をして専用室あるいは専任の指導員などが必要だというふうに思いますが、そういう点ではいかがですか。
#67
○政府参考人(真野章君) 児童館はいわば児童の健全育成の拠点として私ども力を入れて整備をしていきたいというふうに思っておりますが、また一方、今、先生御指摘のように、放課後児童の健全育成事業のいわば拠点でもございます。そういう意味では、事業として児童館で取り組んでいただく場合にはそういう放課後児童をきちっとできるような場所並びに体制を整備して事業を行っていただいています。
#68
○畑野君枝君 そうしますと、例えば学校などで全児童対策の事業を始める場合にも、学童保育という場合には今の児童館と同じような考えで独自の体制をつくる必要があると考えてよろしいですか。
#69
○政府参考人(真野章君) 私ども、放課後児童クラブを実施していただくためには、場所は、先生御指摘のとおり、学校の空き教室その他でも結構なわけでございますが、そういう放課後健全育成事業を行えるだけのスペースと体制を整備して実施していただきたいということでございます。
#70
○畑野君枝君 大変よくわかりました。
 厚生省はこの法律の精神に沿って努力されているということなんですが、実態はそうでない状況も起こっているということを申し上げたいんです。
 例えば川崎市ですけれども、今年度、青少年プランの案というのを発表することになっております。そこでは、小学校施設を活用した児童の健全育成事業を推進することによって、留守家庭児事業の統合を図るということでございまして、留守家庭児事業というのはいわゆる学童保育のことですけれども、これまで要綱に沿って行われてきましたが、これをなくした上での統合という話が出てまいりまして、父母から、学童保育が川崎市ではなくなってしまうのではないか、あるいは全児童対象ということでこれまでの学童保育の内容が後退してしまうのではないかという不安が広がりまして、十万人近い署名が市に寄せられているわけでございます。
 こういうことが本当に進めば大変なことだし、今局長さんがおっしゃった学校施設の場合も別のものをということでなくなるわけですけれども、どのようにこの問題についてはお考えになりますか。
#71
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘の川崎市の事例につきましては、大変申しわけございませんが、今まだ実態を承知いたしておりません。
 どういうふうに市が事業を考えておられるか詳細を承知しておりませんのでお答えはしかねるところでございますが、私どもといたしましては、これまでこの事業につきましては、市町村の事業であること、それから社会福祉事業法に基づきまして第二種の社会福祉事業に該当することということを私どもの補助の要件といたしておりますので、川崎市がどういう事業をお考えになってどういうふうに変更されるのかということにつきましては、十分お話を聞かせていただきたいと思います。
#72
○畑野君枝君 ぜひ実態も含めて聞いていただきたいというふうに思います。
 次に、大きな二つ目ですが、国は学童保育の基準についておおむね二十人以上という基準で補助を出されておりますが、少子化の中で各学校子供が減っているところがございます。
 私の住んでいる横浜市の地域でも一学年四十人前後という状況でございまして、この春四つの小学校区が集まって一つの学童保育を発足させました。少子化とともに過疎化が進んでいるというのも都市部の中ではあるわけでございます。そういう点では、二十人以上という基準も見直して、必要と言われる地域にできるような対応が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府参考人(真野章君) 先ほど御答弁を申し上げましたように、社会福祉事業法に基づきます第二種の社会福祉事業ということで、第二種の社会福祉事業というのはいわば利用者が二十名以上というのが定義になっております。私どもこういう状況をお願いいたしておりますのは、国の補助事業でございますので、事業の安定的、継続的な実施をお願いしたいということでございます。
 今、二十人未満の御指摘がございましたが、そういう状況も踏まえまして、児童館の事業にあわせて実施をしていただくという場合には、いわば私どもの要件でございます安定的、継続的な事業の実施が期待できるということから、平成十二年度予算におきまして、民間で運営をいたします児童館が十人以上の放課後の児童を受け入れる場合には所要の事業費の加算をするということで、そういう対応をしていきたいというふうに考えております。
#74
○畑野君枝君 次に、子供たちにとってよりよい学童保育を実現するために施設の充実や指導員の待遇改善など国の補助をふやすことが必要だと思うんですが、その点はいかがですか。
#75
○政府参考人(真野章君) 先ほど来申し上げておりますように、この放課後児童クラブの事業といいますものは、それぞれの地域でいろいろ御工夫をいただきまして多種多様な形で事業が行われております。そういう意味では、私ども、そういう事業の中の基礎的な経費を補助するという考え方で補助基準額を設定いたしております。
 これにつきましては、平成十年度に、開設日数に応じて増額するように改善を図ったり、また平成十一年度予算では、長時間開設する場合に加算を設けるなど、随時その改善を図ってきておりまして、今後ともできるだけその改善に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#76
○畑野君枝君 そこで、千葉県の船橋市や埼玉県の三郷市などでは市が公設公営化するもとで逆に指導員が失業してしまうという問題が起きているわけなんですが、時間がありませんので詳しく申し上げませんが、例えば国もそういう点ではどういう対応をされているのか。これまで通知も出されて実施要綱も出しておりますので伺いたいと思います。
 ちなみに、同じ千葉県でも千葉市では現職指導員が引き続き雇用されておりますし、埼玉県では採用の継続性に配慮するという通知を出しまして富士見市では雇用の継続をしているわけでございます。いかがでしょうか。
#77
○政府参考人(真野章君) 私ども、平成九年の法律改正の後、市町村に対しまして法第二十一条の十一、これは放課後健全育成事業の規定でございますが、それに基づきまして市町村におきまして放課後児童に対します本事業の利用の促進ということをお願いいたしております。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、この事業そのものは市町村の事業でございまして、市町村がどういう形で事業を行われるか、私ども、補助の対象といたしましては、先ほど来申し上げておりますような二点で補助基準、補助要件といたしておるわけでございまして、市町村がこの法律の規定に基づきまして趣旨を体してこの事業を適切に運営していただきたいというふうに考えております。
 個別の市町村の状況につきましては、各都道府県を通じてまた実態を私ども調べさせていただきたいと思います。
#78
○畑野君枝君 ぜひ調べていただきたいと思います。
 そこで、労働省に伺いますけれども、こうした解雇をめぐるトラブルで個人で援助を求めることができるということが新しく労基法の百五条の三ということで言われておりますが、その点について伺います。
#79
○政務次官(長勢甚遠君) そのような制度が前回の法改正で労働基準法上設けられたところでございます。
#80
○畑野君枝君 ということで、こういうこともあるということですが、やはり子供たちのために本当にきちんと内容を含めて指導員の待遇も進めていく必要があるのではないかと思います。
 時間が参りましたので、実は待機児童の問題について伺う予定でございました、一言この解消に向けての御決意を伺って、私の質問を終わります。保育園の待機児童。
#81
○政務次官(大野由利子君) 平成十六年度へ向けての新エンゼルプランを作成しておりまして、待機児童をなくす方向で、目標値の達成に向けて鋭意努力をしてまいりたいと思います。
#82
○畑野君枝君 ありがとうございました。
#83
○西山登紀子君 少子化の問題を考えます場合に、生まれてきた命をやはり大切にしていくということは極めて重大な当たり前のことですけれども、こういう状況のもとでとりわけ私たちは心していかなければならないと思うんです。
 私は児童相談所で心理判定員という仕事をしておりました関係から、児童の虐待の問題についてきょうはお伺いしたいと思うんです。
 大変時間が短いですけれども、厚生省調査を見ますと、平成十年度の虐待の調査をいただきまして見ますと、平成二年を一〇〇といたしますと、平成十年度は六・三倍にふえて、その件数は六千九百三十二件になっているわけです。
 そこで、そういう虐待に対する対応策ということで、児童相談所に児童虐待対応協力員を配置するという予算が組まれました。しかしこの予算は極めて私は貧しい予算だなと、決してけちをつけるわけではありませんけれども、一人当たり百九十五万円で、百七十四カ所の児童相談所に一人一人嘱託を置いてくださいということでございます。
 現場でお聞きいたしますと、正規の職員、福祉司をふやしてほしいという要求がこの協力員をふやすということで何だかあいまいにされちゃう、チャラにされちゃう、こういうことでは困るんだという御意見も伺いました。あくまでもこの予算は緊急で、しかも臨時、初期的な対応策ということで受けとめてよろしいかどうか。私は、きちっとした正規の職員で、例えば虐待に対する児童福祉司の加算というような対策が今求められていると思いますので、その点が一点。
 それからもう一つ、今子供たち、通報がありまして、虐待されているという子供を直ちに安全に保護しなければなりません。その前の一時保護というのが件数がふえております。これは平成十年度は二千五十三件、児童相談所に付設しております一時保護所で受ける件数は千六百四十五件、虐待は非常に緊急に保護しなければいけないし、また長期化するということもあって、養護施設に委託をするという件数が四百八件、これもふえているわけです。
 問題は、そのときの費用でございます。養護施設に支払われております費用が生活費、一般生活費の一日千五百七十円しか支給されないということをお伺いしました。事務費、例えば月の一番最初におりますその児童の数で事務費が支給される、そのときには一人当たり十六万六千円の事務費が支払われるわけですけれども、その事務費の支払いの人数には虐待の緊急一時保護で委託をされた子供の数は入らない、だから支給されないということなんで、養護施設の場合は身出しをしなきゃいけないと大変困っているんです。だから、その点も、やはり施設に保護された子供が肩身の狭い思いをしなくていいようにちゃんと対策をとっていく、こういうことについて、二点、どのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#84
○政府参考人(真野章君) 先生御指摘がございました児童虐待対応協力員でございますが、これは大変単価が低いという御指摘を受けまして、なお大変役所の答弁で恐縮でございますが、予算上の統一単価ということで私どももその統一単価の中では一番高い単価をということで努力したつもりでございますが、確かになかなかこれで本当に児童福祉司のOB、そういういわば一番困っているところで即、戦力になれる方を確保できるのか、こう言われますと、大変なかなか正直つらいところがございますが、積算上はそういうことでございます。
 ただ、私ども、この協力員で事足れりというふうには考えておりませんで、今回、自治省に要請をいたしまして、先生御案内のとおり児童相談所の運営は地方交付税で行われております。その地方交付税の算定基礎におきまして、児童福祉司を一名いわば増員するということを算定基礎上明示していただきました。なかなか自治体にとりましてもこの行政改革の折から職員をふやすというのは大変難しゅうございますが、私ども、そういうことも可能になりましたので、そういう意味でぜひ各自治体にこの算定基礎にそういうことが入ったということを先日来PRをいたしまして、確保していただくようお願いをいたしているところでございます。
 それから、確かにまた一時保護、やむを得ず母子分離をするということの状況下で児童相談所の一時保護だけでは対応できないという場合に、児童養護施設に一時保護をお願いいたしております。その件数も増加をしております。
 確かに事務費は対象になっていないということでございますが、これは児童養護施設に一時保護をお願いいたします場合には、児童養護施設の定員内でお願いをするということでございますので、いわば定員に対して既に事務費をお支払いしている。実際に子供さんがふえましたその分の経費、それは一般生活費と言っておりますが、そういう分は当然措置をした子供と日額に計算をいたします同額をお願いいたしておるわけでございまして、確かに五十人の子供のところに二人、三人の一時保護ということになれば数はそういう格好になりますけれども、私ども、措置費の計算上は先ほど申し上げましたように定員内にお願いをするということで、施設にはできる限り御迷惑がかからないような形でお願いをしているということでございます。
#85
○大渕絹子君 少子化対策に対する質疑が続けられているわけでございますけれども、少子化の要因として未婚率の上昇ということが第一番に挙げられているわけですけれども、結婚適齢期の未婚男女の比率についてお答えいただきたいと思います。
#86
○政府参考人(真野章君) 適齢期というのをどうとるかということでございますが、一応二十五歳から三十四歳までというふうに便宜とらせていただきますと、平成七年の国勢調査によりますと、男性が八百五十七万人、女性が八百三十五万人でございまして、女性より男性の方が若干多いという状況でございます。
#87
○大渕絹子君 その数字を見るだけでも男性が結婚しにくい社会状況になっているということも事実でございますけれども、それと同時に、結婚をしたくてもできない人と結婚を最初から選ばない人というものの区別というのがあると思います。結婚を求めない選択をしている男女の比、パーセンテージというのはどのぐらいでしょうか。
#88
○政府参考人(真野章君) 大変恐縮でございますが、ちょっと今手元に資料がございません。後ほどまたお答えしたいと思います。
#89
○大渕絹子君 男性で八・九%、女性で五・一%という数字が挙げられていますけれども、この男性の八・九%の人の中には必ずしも結婚をしたくないということだけではなく結婚したくてもできないという状況に置かれている人たちが非常に多いのではないかなというふうに思うのです。
 私は新潟県の中山間地に位置するところに住まいをしておりますけれども、私の集落は六十戸ほどの集落ですけれども、その中で結婚できない適齢期の男性が非常に多くなっています。未婚の女性とそれから未亡人、夫を亡くした女性の数を合わせて適齢期の男性の数と同じというような数字が出ているんです、今の状況では。私の集落ではそうなっておりまして、結婚をするのが非常に困難な状況が起こっています。
 結婚をしたカップルはそれでは子供を産まないかというとこれは全く違いまして、核家族化が進む都会とは違いまして、子守をしてくれる両親も健在というような全体の空気の中で、三人から四人というのはごく当たり前のように子供をつくっているという状況でございます。
 こういう状況を考えていきますと、結婚できない男性、いや応なくそこの地域に住まわなくてはならなくて、そしてそこで結婚をする相手がもういないんです、女性がいないという状況の中で、今国際結婚というようなことが非常に多く現実として見られるようになってまいりました。私が知っているカップルでも、もうすぐ思い出されるカップルだけでも五カップル、六カップルというのは思い出されてくるわけですけれども、そういう国際結婚のあり方について政府はどのような考え方を持っておられるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
#90
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 今、少子化対策が非常に厳しい状況にあるということは委員の御指摘のとおりであります。
 特に中山間地域等におきまして、結婚する意思があるにもかかわらず結婚の相手が少ないというような場合に、これをどういうように政策的に解決をしていったらいいかということは非常に難しい問題でありますが、一つの解決のあり方として、今、委員から御指摘のように国際結婚というようなあり方もあるのではないかというふうに考えております。
#91
○大渕絹子君 あってもいいということでございますが、それに対してどんな助成をしていかれるかというようなことはまだきっと具体的に話し合いになっておらないというふうに思うのですけれども、こういうシステム化がもうされているということを御存じでしょうか。例えば韓国とか中国とかあるいはフィリピンとかインドネシアの女性たちが多く花嫁として日本に来てくださっていますけれども、その人たちを通じて新たな結婚がまた芽生えるということもございますし、組織的に仲人、仲介をするシステムがもう国際的にできているという事実は御存じでございましょうか。
 例えば、韓国、中国などで、現地の日本語がわかる人たちによって現地の女性たちに写真とか経歴とかというのをきちっと預かって、それをまた日本の国に持ってきてそれを紹介するというシステムができています。そして、そのシステムで写真や履歴などを見てお互いに納得をしますと、今度は、日本側から現地に赴くことが多いわけですけれども、現地に赴いてお見合いをする、そこで合意が得られると直ちにもう親族の人たちと会って結婚の儀式をするということなんですね。そして、結婚をされて一カ月ぐらいその当地にとどまるということが条件になってくるそうですけれども、相手の国ではその結婚の証明書というのを発行していただく。そしてその結婚証明書を持って日本に帰ってまいります。もちろん男性が一人で帰ってまいります。そして、日本の国に、今度はその女性に対して、結婚をしたのでその女性を受け入れるための体制、ビザを発行してもらって直ちに日本の国に来ることが可能にしていただきたいということ、手続をとるわけですけれども、その入国手続が非常に難しいんですね。難しいといいますか、長くかかるんですね。入国の書類を出してからおよそ半年ぐらいかかるということで、現地に残された花嫁さんも非常に不安な日々を送るわけですし、日本に戻ってきた男性も本当に大丈夫なのだろうかというような心配という状況が生まれてくるんです。
 こうした入国の手続、これはなかなか難しいんだろうと思いますけれども、審査をもう少し簡略化できないのかな、せめて期間をもう少し短くできないのかなという希望が私どものところに多く寄せられるんですが、いかがでしょうか。
#92
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 今委員からお話がありましたようなそういったシステムについては私は存じておりませんが、しかし国際結婚の一つのあり方という意味で、それが真正な結婚であればもちろんこれについて政府はきちっとした対応をすべきであるというように考えております。
 ただ、恐らく入国管理のシステムとして、若干事情は異なりますが、さきの埼玉県に見られましたような偽装結婚のようなことがあるとぐあいが悪いということで、それについて、その結婚が真正な結婚に基づくものかどうか、そういうことの審査といいますか、チェックに時間がかかっているんだろうと思いますが、しかし委員の御指摘でもございますので、これについては極力業務を促進するようすべきであるというように考えております。
#93
○大渕絹子君 大変悪徳な仲介業者がおりまして、結婚約束金といいますか、日本でいう結納金なんですけれども、それを納めて、手続も全部済ませてそして日本に連れてくる、そして三カ月くらいで離婚の手続をしてまた帰ってしまうというような事例もないわけではないことを私もよく承知をしています。ですから、こうした悪徳な業者がはびこらないような監視の目というのは当然必要だと思いますけれども、日本の農村地域に不足をしている女性たちを、それこそ本人の意思によってお互いに結婚相手と認めて、こうした状況ができてくることは私は日本の国際化にも資するのではないかというふうに思っています。
 例えば、来られた方は日本語を余りよく話せない人たちも多いわけですけれども、三カ月ぐらいしますと日常会話ぐらいは皆こなすようになります。そして、彼女は自分の母国語、そして大抵英語を話せる人たちが多いです。その英語や母国語を使う場所というのは今余りないんですね、限られています。ですから、彼女たちが持っている特性を地域全体で生かしていけるような仕組みづくりも必要だというふうに思うんです。
 今、小学校に英語の教師を、あるいは英語のボランティアをというような方法もあるわけでございますけれども、そうした農村地域に来ております英語の話せる女性たちは、十分にそういうことに対応ができるというふうに思います。もしかしたら、日本の農村部からグローバル化が進んでいくというような時代になってきているのではないか、そんな思いもありまして、こうした女性たちが活躍できる場所の確保。
 そしてまた、彼女たちは非常に日本という違う国に来て孤独感というものも味わっているのも事実でございます。そういう彼女たちに、同じような境遇にある人たちをお互いに情報交換をさせながら、何カ月かに一遍ぐらいは一堂に会するような交流ができるような手当てが自治体でできないものだろうかというふうに思うわけでございます。
 この質問を私は農水省それから自治省にお願いしたところ、きょうの質疑には両省とも出られないという縦割り行政なんですが、そういう状況の中で今、松谷官房副長官に聞かざるを得ないわけですけれども、そういう交流の場とかあるいは自治体による活用の場だとか、そういうものをつくり上げていくことが必要なんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#94
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 両性の真の意味の合意による真正な国際結婚であればこれを促進することは当然でありますし、それに対する入国審査が非常に業務上手間取っているということであれば、これについては機能的に合理化をすべきであると存じております。
#95
○大渕絹子君 それでは、厚生省にお伺いをいたします。
 現在、三歳に満たない幼児が入所をするときに未満児扱いとして保育料が非常に高い設定になっております。ところが、その子が三歳になった時期を選んで入所をさせると三歳児と同じ扱いが受けられるシステムになっていますけれども、私自身は、二歳、未満児で入所をした人たちでも三歳になった時点で三歳児の保育料扱いにはできないものだろうかというふうに思うのですけれども、これはいかがでございましょうか。
#96
○政府参考人(真野章君) 先生御案内のとおり、今、年度当初の年齢で何歳かというのを決めております。したがいまして、四月時点で二歳児であればその後三歳になられても二歳児と。いわば学校の学年制と同じような対応をとっております。
 これは、それぞれの児童の年齢に対応した保育士の配置を決めておりまして、そういう意味で保育料をいわば年度間で決めているというものでございます。そういう意味で、三歳児になって保育料だけ負担を軽減するということにいたしますと、いわば保育体制そのものを変えるということを行わないとなかなか難しい問題でございまして、そういう意味では、現在では保育体制と保育料とがリンクしているという状況からしますとなかなか難しいというふうに考えております。
#97
○大渕絹子君 そんなことを言っていらっしゃるから、子供を持とうとしない理由のトップがお金がかかるということになるわけでしょう。
 それでは、二歳児で、未満児で入所をして、誕生日前に一度退所をして、そして新たに三歳児として翌日申請したら三歳児の保育料になりますか。
#98
○政府参考人(真野章君) 実際の対応としてはそういうことが可能かどうかというのは別でございますが、今おっしゃられたように、三歳以降に入所、三歳に達した後入所ということになれば、今の取り扱いとしては三歳の児童の保育料として取り扱っているという状況でございます。
#99
○大渕絹子君 保育料の軽減というのはこれからも大きな課題になってきますし、実際に三歳になった時点で入所をすれば三歳児の保育料で預かるというシステムになっているわけですから、これは未満児で入所をしている子供たちも三歳になった時点で三歳児の扱いの保育料ということで私は何の問題もない。それは保育料を取る側にとっては大変問題だということで財政的に困難ということだと思いますけれども、じゃ何のための少子化対策を今話し合っているのかと言わざるを得ないと思っておりまして、保育料の軽減はこれからも大変重要な問題になると思いますので、せめてこの未満児、未満児の保育料が非常に高いんですよ。三歳になってからもまた未満児の保育料をずっと四月まで払い続けなければならないわけですね。ここの改善は私はやって当たり前なのではないかなというふうに思いますので、ひとつ検討をしていただきたいと思います。
 それからもう一つは、保育費用の所得控除制度を創設したらどうかというような参考人の御意見もありますけれども、この保育費用の所得控除の創設について、これは大蔵だと思うわけですけれども、これも大蔵省が出られないということでございますので、担当していらっしゃる厚生省に、こういうことを検討したことがあるのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#100
○政府参考人(真野章君) 過去、保育費用、保育料の控除を税制改正要望した経緯もございます。ただ、最近では特定扶養親族控除というような議論もございましたりして要求をしていない年もございますが、保育料の負担軽減ということでどういう方法が可能か、これからも幅広い観点から検討する必要があるというふうに考えております。
#101
○大渕絹子君 もう一点、子供を産むときに一番費用が心配になるのが出産費用の問題です。
 妊娠をしますと女性はすぐに、ああ九カ月後には五十万円ぐらい必要だなということになります。その出産費用の用意ができないときにどういう状況が起こるかということはもうおわかりのとおりというふうに思いますけれども、この出産費用は今は保険によって出産の後補てんをされるシステムになっておりますけれども、この出産費用を病院から出るときに即に払わなくてもいいようなシステムづくり、いわゆる保険から充当されるのを医療側で待つというようなシステムづくりはできないものだろうか、これは私は長い間そう思ってきたわけでございますけれども、そのことについて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(近藤純五郎君) 出産一時金の問題でございますが、この出産育児一時金につきましては医療保険から給付されているわけでございますが、これは分娩をいわば保険事故という形で給付をする、こういう形になっているわけでございます。
 したがいまして、保険者といたしましては、これは分娩した後にその分娩という事実を確認した上で適正に給付する、こういうことになっているわけでございまして、こうしてその後で事務手続ということになりますので、分娩されてからすぐといいますか、一週間未満で退院されるという事例が多いわけでございまして、その中で保険者の方で対応するというのは非常に難しいと思っておりますが、早期支給が何かできないかどうか検討してみたい、こういうふうに思っております。
#103
○大渕絹子君 ぜひ検討してください。
 出産したときに、退院時に払わなくてもいいというシステムになれば、恐らく出産を選ぶ女性は非常に多くなってくると私は思うわけでございますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、児童の虐待防止についてなんですけれども、もう時間がありません、済みません、早口で言いますね。
 虐待を防止するための現状と原因についてなんですけれども、虐待をするぐらいならば児童養護施設へ保護預けができますよというようなPRを本当に真剣にやったことがあるのかどうか。
 親は、子供を虐待する事実、自分がやりたいと思わない。冷静なときには、ああこんなことをしてしまってと全く反省をするんだと思います。ところが、またある時期に来ると虐待に走るというようなことが続けられてくる。そのときに、例えばテレビを通じて、本当に子供を虐待するぐらいなら児童養護施設に預けなさいというようなPRがぽっとその人の目にとまったならば、私は、ああこんな手もあるのかということになるのかなというふうにも思っています。非常に情報がたくさんある社会でありながら、ここらの分野は情報が閉ざされているのが多いのではないかと思っています。
 この間の宇都宮の餓死をした少女の姿を思い浮かべながら、その母親に政府がやっている政策が届いていないという実態があります。こういう虐待、私は餓死させるのも虐待の大なるものだというふうに思いますけれども、こうした虐待から救うためにはやっぱり徹底したPRが必要だと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#104
○政府参考人(真野章君) 先生おっしゃるとおり、徹底したPRと早期発見、早期対応ということであろうかと思います。
 そういう意味では、これまでも児童虐待に関し緊急に対応すべき事項ということで、いわば市町村なりの広報に、子供の虐待に対する広報をこういうふうにやっていただいたらどうでしょうかというようなこともお示しをいたしましたし、また啓発ビデオ、とにかく児童相談所その他のところにまず相談に行ってくださいと、そういうようなことを内容といたします啓発ビデオその他を作成いたしましてこれまで広報に努めてきたところでございまして、これからも積極的な広報を行っていきたいというふうに考えております。
#105
○大渕絹子君 済みません、もう一言。
 今までやってきたのでは防げていないわけね、どんどん虐待もふえているわけですから、もう少しショッキングなやり方をとるのも一つの方法だと思いますので、検討していただきたいと思います。
 終わります。
#106
○入澤肇君 少子化の原因と対応策につきましては非常にきめの細かい議論が各先生方から行われているわけでございます。これについては既に少子化対策議員連盟、これが基本法をつくっておりますし、それからまた与党三党が検討いたしまして、それに基づきまして二千億円の補正予算もついて、さらにことしの当初予算にその補正予算が引き継がれているわけでございます。
 いろんなことが言われております。今お聞きしましても、例えば原因としまして所得水準の問題あるいは女性の高学歴化の問題、それから働く女性の対策が不十分で、要するに育児施設が十分に整備されていないことも寄与しているんじゃないかと言われておりますけれども、まだ議論になっていないのは、一つは、これは質問いたしませんけれども、食品による生理化学的な分野の究明が必ずしも明確でない。
 実は私のところに先日順天堂大学の先生から研究成果の一つが送られてまいりまして、日本人学童が牛乳から摂取する女性ホルモンの量が環境ホルモンに比べて四千倍も大きい。前思春期、七歳から十四歳の子供たちがヒトの精巣発育にとって重要な時期である。このことから、学校給食によって前思春期の学童が半強制的に牛乳を飲まされているという日本特有の社会現象が日本人男性の生殖能力の低下と関連しているという、こういう仮説を山梨医大の研究者、九州大学の医学部の研究者が出して、これが学会で問題になっているということなんです。これは質問いたしませんけれども、ぜひ厚生省、この研究成果の報告を手に入れて一度検討してみてください。その成果をまたお聞きしたいと思います。
 私はきょうは、そういうふうに原因につきましてもまだまだ究明しなくちゃいけない分野があるんですけれども、なかなか難しい問題ですのできょうは取り上げませんけれども、過去の対策の実施状況と今後の対応策について若干お聞きしたい。
 と申しますのは、この調査会で少子化対策を取り上げる、私も少子化対策の検討を、少子化対策議員連盟それから与党三党の少子化対策のプロジェクトチームのメンバーで、三度目なんでございますけれども、そういう経験からしますと、調査会で報告書を出すに当たって、恐らく今まで議論された上乗せのさらに重厚な対策を打ち出さないとこの調査会の評価そのものにかかわってくるんじゃないかというふうな気がするわけであります。今までの対策を十分に分析して、それをさらに上回るような対応策を打ち出すとなりますと、相当精密な議論がこれから必要になってくる、論点整理をきちんとやらなくちゃいけないと私は思います。
 そこで、第一に、各省の少子化対策のための施策を機能的に役割分担をするとなると、文部省、厚生省、労働省、建設省等々でどのような視点からどのように取り組んでいるかということがまず第一に問題になるんじゃないかと思うんです。
 これは網羅的ですから余りたくさんのことを聞いてもしようがありませんので、ゼロ歳児から五歳児までの育児対策につきましてどのような役割分担がなされているか、これにつきまして、まず厚生省からお聞きしたいと思います。
#107
○政務次官(大野由利子君) 少子化対策は大変幅広い各省の行政分野にわたるものでありますので、関係省庁が密接な連携をとりながらそれぞれの施策を着実に進めていくことが大変重要である、このように認識をしております。
 昨年末に策定いたしました基本方針は、こうした観点から、今後政府が中長期的に進めるべき少子化対策の指針を総合的に取りまとめたものでございます。
 この中で大きく六つの柱を掲げておりますが、例えば労働省は仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備とか、厚生省では母子保健や保育サービスの整備とか、また子供が夢を持って伸び伸びと生活できる教育の推進という面で文部省、また子育てを支援する住宅の普及など生活環境の整備という面では建設省がそれぞれ中心となって所要の施策を展開することとしております。
#108
○入澤肇君 今御説明がありましたように、各省がそれぞれの分野から非常に範囲の広い政策を打ち出しているわけでございますね。ただ、その費用効果分析になりますと十分な検討がなされていないというふうに私は思っております。例えばことしの予算でも、文部省が家庭教育ノートというのを少子化対策の予算関連で要求していますけれども、各家庭に一冊ずつ主婦が学習するノートを配ったところで少子化対策になるのかなという疑問が率直に言ってするわけでございます。
 ですから、私は、これは厚生省がまとめるのかどうかわかりませんけれども、ひとつ既存の各省の少子化対策につきましてぜひ費用効果分析をやっていただきたいというふうに思うわけであります。
 ついでに、例えば児童手当、これも私は国民福祉委員会で質問したことがあるんですけれども、児童手当の制度が設けられてから子供がふえたかというと、日本の国はそうじゃないわけですね。しかし、これは公明党さんが出した資料によりますと、国によっては児童手当を出したおかげで子供がふえたというデータも一部ありました。
 この児童手当の効用につきましても、これは今度児童手当法の審議が始まっていますけれども、これも本当は厚生省がきちんと実証分析をやらなくちゃいけないと思うんです。これも一つ要望しておきたいと思います。
 そこで、第二番目の質問は、幼稚園と保育園の関係、これにつきまして、相互乗り入れの実態はどのくらい進んでいるかということにつきまして、幼稚園指導の保育対策、保育所指導の幼児対策、それぞれから御説明願いたいと思います。
#109
○政府参考人(真野章君) 幼稚園と保育所、それぞれ歴史的役割が違うというのはもう先生御承知のとおりでございますが、できるだけその中でもいわば相互乗り入れをしようということで行ってまいりました。施設の共用化でございますとか、先ほど文部政務次官から御答弁がございましたように保育士と幼稚園教諭の合同研修、そういう施策も行ってまいりましたし、それから、先ほど来御質問がありましたように、教育課程といいますか、幼稚園教育課程と保育所保育指針の教育分野の整合性というようなことをやってまいりましたが、今回私ども、保育所の設置主体につきまして、原則自治体または社会福祉法人という制約をしてきたわけでございますが、待機児童の解消等の対応を行うということで、設置主体制限を撤廃することといたしました。
 そういう意味では、学校法人等も認可保育所を設置していただくことができるということになりました。また、この規制緩和に伴いまして、幼稚園サイドにおきましても、保育所を設置いたします社会福祉法人による幼稚園の設置が可能になるというような配慮がなされるというふうに聞いております。
 そういう意味では、設置主体についても相互乗り入れが可能になったということでございまして、今後とも文部省と十分連携をとってまいりたいというふうに考えております。
#110
○入澤肇君 実は、この幼稚園と保育園に対する基本的な対策が私はこの調査会で従来の対策にない対策として大きく取り上げられてしかるべきじゃないかと思っているんです。
 例えば、就学前の子供たちの保育についての研究それから教育についての研究は、かなりの分量がある相当分厚い研究成果があるわけですね。そういう研究成果を踏まえまして、今の児童福祉法の保育園に入る要件として保育に欠けるという要件がございますね。これは財政上のいろんな理由からこの要件を入れていくことが必要不可欠だというふうな説明だと思うんですけれども、就学前の子供たちの保育と教育の一貫したあり方を打ち立てるために、この児童福祉法を改正して保育に欠けるという要件を外して、そして、相互乗り入れだとかいうのはこれは物理的にはあってもいいんですけれども、考え方の中では保育から幼児教育、これを一貫してやれるような仕組みをとることが私は今必要な時期に来ているんじゃないかと思うんです。
 これは歴史的、伝統的ないろんないきさつがございますけれども、ぜひこれについて前向きに取り組む姿勢をお聞かせ願いたいんですけれども、いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(真野章君) 先生の御指摘の、できるだけ幼稚園並びに保育所における保育と幼児教育といいますかそういう分野が一貫性を持って、整合性を持って行われるべきだというのは御指摘のとおりだと思いますが、ただ、今おっしゃられました児童福祉法上の保育所の入所要件としての保育に欠ける、この議論につきましては、これも長年議論がございますが、私どもといたしましては、現在の状況で、在宅におられる子供さん方に対する、在宅で保護者が保育可能な子供さん方に対する公的責任を前提とした公費補助というものが果たして社会的に合意が得られるかということにつきましてはなかなか難しい問題がまだあるんではないかというふうに考えております。
#112
○入澤肇君 何も在宅の親が子供を保育するのにお金を出せなんて言うんじゃないんですよ。要するに、施設に入れるときに保育に欠けるという要件を外して、そして、切れる子供だ、荒れる子供だとたくさんいろんな事件が報道されていますけれども、就学前の子供たちの保育と教育のあり方を基本的に見直す、その一環としてこの児童福祉法の要件を削除して新しい仕組みを考えたらどうかと。これは幼稚園側、文部省と厚生省が長い間争っているわけですね。
 だから、私は今のこういう答弁は本当は大臣からいただきたいと思ったんですけれども、きょうはしようがありませんけれども、このぐらいのことをやらないと実は調査会の権威にかかわるというふうな気持ちがあるんです。今、局長は事務的な答弁でございましたけれども、ぜひこれは、会長にもお願いしたいんですけれども、この調査会で基本的に検討していただきたいと私は思うんです。お願いしたいと思います。
 それから最後に、これも与党三党のプロジェクトチームで議論になったところでございますし、それから村上参議院自民党会長が代表質問で質問したところでございますけれども、中絶の実態ですね。これは余りにもひど過ぎる。表に出た数字は三十三万件というのが最近の数字だそうですけれども、これは報告がもとですから、やみを含めて大体三倍、百万件の中絶があると言っているんですけれども、中絶の実態ですね、年齢別、あるいは既婚、未婚別の実態とその要因につきましてどの程度把握しているかお聞かせ願いまして、質問を終わりたいと思います。
#113
○政府参考人(真野章君) 現在の人工妊娠中絶でございますが、母体保護統計によりますと、先生御指摘のとおり、今、平成十年で約三十三万人ということでございます。
 年齢階級別に見ますと、二十歳から二十四歳層が件数、実施率ともに最も高く、件数は約八万件、年齢階級別女子人口千対では一七・七という率でございます。その次に三十から三十四歳層で実施率が高くなっているという状況でございます。
#114
○松岡滿壽男君 小渕総理が倒れられたようで、一日も早い御回復を私も心からお祈り申し上げたいというふうに思います。
 せんだってから予算委員会等で小渕総理が多用しておられる有識者会議、この少子化対策も国民会議をつくっておられるわけですけれども、議院内閣制のもとでは一種の議会軽視につながらないかという角度からの御質疑もさせていただいたわけでありますが、現在のところ、私どもこの調査会で海外視察もし、いろいろなこういうディスカッションの機会も与えていただいておるわけでありますが、衆議院の方で議員立法が出ておりますから、当然当調査会としても何らかの政策提言を出していかなきゃいかぬ。その場合に、国民会議と、それから六省庁にまたがる閣僚会議もやっておられるわけですね、それとの整合性というのはどのように私どもは理解したらいいのか、官房副長官からお答えいただきたい。
#115
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 松岡委員からは予算委員会でも同趣旨の質問をいただいたわけでございますが、少子化への対応を推進する国民会議は昨年の六月に発足をいたしまして、少子化問題というのは大変重要な問題であるという認識のもとに、国民的な理解と広がりのある中で各界各層の御意見をいろいろいただこうではないかということから、内閣総理大臣主宰のもとに国民会議をスタートさせたわけであります。したがいまして、この国民会議の中でいろいろな御意見をいただき、かつそれが実行できるものにつきましてはそれぞれの担当する省庁を通じて推進をしていく、広く国民に向けた情報発信を行う場であるというように認識をしております。
 一方、本国民生活・経済に関する調査会は、立法府の立場から、少子化問題を含む国民生活や経済に関する課題について調査審議を行い、これを立法すべきものは立法していくということであろうと認識をしております。
 行政につきましても、少子化対策推進関係閣僚会議を昨年の十二月に発足させておりまして、国民会議ともども、行政各省庁の中でどういうような施策を講じていったらいいか、またその実施はどうあったらいいかというようなことについて閣僚会議で討議を重ね、昨年の十二月十七日に基本方針を定めているところでございます。
#116
○松岡滿壽男君 先ほど来、先行議員の方から、目標値を設けたらどうかとか少子化対策という名称がいかがなものかといういろんな意見が出ておりました。ドイツあたりはやはり第二次世界大戦の問題がありますから、子供の数が減っていっても国民の数をふやすという政策をあらわにはできないと近隣諸国に対して、そういう遠慮がはっきりあるわけです。
 我が国の場合は、アジア諸国に対して平素から、総理がかわるたびにいろいろ謝罪をしたり、ODAあるいは首脳外交の中でさまざまなお互いの対応をしてきておりますね。そういうことから、例えば国民の数を今よりどんとふやしていくんだということを国の政策として表に出したときに、外交面で問題が出てくる可能性があるのかどうなのか、その辺についての認識を伺いたいと思います。
#117
○内閣官房副長官(松谷蒼一郎君) 少子高齢化時代の到来ということは、高齢化そのものは大変いいことであろうかと思いますが、少子化になりますと、年金問題あるいは社会保険問題、いろんな問題に大変大きな課題が生じてまいります。
 そういう意味で、現在のように標準の人口を保つことができないような形での少子化問題というのは、やはりきちっとして政府で対応すべきものではないかというように考えておりますし、これを実行したがゆえに人口が大変にふえて国民の数が物すごくふえて、今お話がありましたようなドイツのようなそういう近隣諸国に影響を及ぼすようなことには私はならないと存じておりますし、また、効果がなくちゃいけないんですが、それほどの効果はなかなか出ないだろうというふうに思います。
#118
○松岡滿壽男君 本音の部分が思わず出たという感じがするんですが。
 私どもも視察に行きましたときに、フランスの女性の国会議員さんが、豊かになるとなかなか男女ともエゴイストになって難しいですよと。確かに一つの先進国病だろうと思うんです、人口が減っていくというのは。それにどう対応するかというのはやっぱり民族の知恵として乗り越えていかなきゃいかぬところだと思うんですけれども、スウェーデンあたりはもうあきらめてしまって、それこそさっき移民の話が但馬先生でしたか、出ておりましたが、外国人労働力に頼らなきゃいかぬ。
 そういうことになると、労働省にちょっとお伺いしたいんですけれども、そういう人口が減っていったときに、ある面で外国人労働力に頼るということと、今度の対応でお話しなさっておられるように女性の活用とそれから高齢者の活用、そういうことしか知恵はとりあえず出てこないんですけれども、女性の活用ということを言っておられるんですが、具体的にもう少しその辺のお話をお聞かせいただけませんか。
#119
○政務次官(長勢甚遠君) 先ほども御答弁申し上げましたが、労働力人口が減少するということと労働力不足が今起こるということとは必ずしも同じ意味ではございませんで、今後、労働力人口は間違いなく減っていくと思いますけれども、労働力不足が生ずるかといえば、現時点で量的にそのようになるということは見込んではおりません。ただ、産業なり業種なりによって何らかの事情でミスマッチというか、不足する部分が起こり得る、このことについて日本全体としてどう考えるかという問題はもとより分析をしなきゃならぬ、そういうふうに思っております。
 そういう観点から、少子化による労働力不足に対応するための女性労働力の活用ということよりも、少子化に対応していくために仕事と子育ての両立ができるような雇用環境をつくるとか、あるいは女性の方々が能力を発揮できるような雇用環境をつくるという観点からの対策に労働省としては今努力をしておるというふうに思っております。
 すなわち、こういう観点から、少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランに基づきまして、育児・介護休業法による育児休業制度の定着促進でございますとか、事業所内託児施設を設置運営する事業主に対する助成ですとか、あるいは従業員の仕事と子育ての両立を支援する取り組みに対する助成金の支給でございますとか、あるいはファミリー・サポート・センター事業等、子育てを行う労働者に対する支援、このような措置を講じて女性の方々が仕事と子育ての両立ができるような雇用環境の整備に努めておるところでございます。
#120
○松岡滿壽男君 今一千万人ほどいわゆるパラサイトシングルがいる、それを組み合わせただけで五百万組できたら大変な個人消費の拡大になるという意見もあるわけです。
 せんだって、参考人の椋野さんですか、結局男女の出会いの場が少ないということは、男性ばかりの職場とか女性ばかりの職場が多過ぎるんだという意見がありました。せんだっても地方行政・警察委員会の中で、警察官が今二十三万人のうち婦人警官が八千三百人しかいないということから、もう少し女性の警察官の数をふやしたらどうだという意見もありました。
 こういう男性だけの職場、女性だけの職場に対して、労働省としてはどういうふうにその辺を対応しようというふうに、今後のこういう少子化対策でお考えがあれば伺いたいというふうに思います。
#121
○政務次官(長勢甚遠君) 性別によるアプリオリの分業体制ということが従来の雇用慣行にあるとすれば、是正できる限り是正していってもらうべきことと思っておりまして、個々具体的な職種等によっていろんな事情もあると思いますが、できる限り男女それぞれ役割を果たせる部分はそのようにやっていただくのが望ましい、このように思っております。
#122
○松岡滿壽男君 もう私が最後でございますので、先行議員がほとんどいろんな角度で質疑をしておられますので、せっかく御出席いただきましたが全部はできないかと思います。お許しをいただきたいと思うんです。
 これも先行議員からお話がちょっと出ていましたけれども、最近マンションなんかでも、いわゆる大手企業が持っていた社有地を売りに出して駅の周辺にマンションが大分できる。そこはお年寄りが随分買っているらしいんですよね、そういうところは。建設省の方も、ゆとりある住居ということでいろいろとお考えのようですが、少子化対策としてどういう地域というものが適正地というふうに考えておられるのか、少子化対策として、住居として。
 それともう一つ、間取りその他についても、例えばいろんな今引きこもりの問題とか出ていますね。必ず居間を通って自分の部屋に行けるとか、そういうことについての対応についてのお考えがあるんでしょうか。
#123
○政務次官(加藤卓二君) 大変現実に沿った大事なお話をされました。私も、都市部に、住居に近いところに職場があれば一番いいなと思っている者の一人です。
 最近は、商業ベースをつくるよりも住宅もそれに合わせてつくっていくというような考え方が当然起きてくると思います。また、それに合うような地価になってきていると思いますが、特に家族のコミュニケーションが図られるような住宅はどうなのかという支援についてのお尋ねがございました。
 建設省としては、耐久性が高く、子供の成長などに合わせて間仕切り等の内装を容易に変えることができる住宅、スケルトン住宅の技術開発を普及しておるところでございまして、三世代同居住宅に対する住宅金融公庫融資の優遇だとか、家族の状況に応じた住まい方ができるような住宅の供給に努めているところでございます。
 家族内のコミュニケーションや教育の問題は基本的には個々の家族が主体的に取り組む問題だとは思いますが、今後とも家族のコミュニケーションに役に立つ住宅について考えてまいりたいと思っております。
#124
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。終わります。
#125
○会長(久保亘君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト