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2000/04/21 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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2000/04/21 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
平成十二年四月二十一日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     木庭健太郎君     月原 茂皓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         立木  洋君
    理 事
                鴻池 祥肇君
                末広まきこ君
                笹野 貞子君
                福本 潤一君
    委 員
                海老原義彦君
                鎌田 要人君
                月原 茂皓君
                中川 義雄君
                橋本 聖子君
                森田 次夫君
                山内 俊夫君
                郡司  彰君
                輿石  東君
                松崎 俊久君
                風間  昶君
                小泉 親司君
                照屋 寛徳君
                田村 秀昭君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       外務大臣     河野 洋平君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
   政務次官
       外務政務次官   江崎 鐵磨君
       外務政務次官   山本 一太君
       総務政務次官   持永 和見君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       総務庁北方対策
       本部審議官    坂巻 三郎君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁水質保全
       局企画課長    長尾梅太郎君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       厚生省保健医療
       局国立病院部長  河村 博江君
       水産庁長官    中須 勇雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件
 )

    ─────────────
#2
○委員長(立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として月原茂皓君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(立木洋君) この際、江崎外務政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。江崎外務政務次官。
#4
○政務次官(江崎鐵磨君) このたび外務総括政務次官に就任いたしました江崎でございます。
 立木委員長を初め、委員各位に謹んでごあいさつを申し上げます。
 沖縄に関する事項につきましては、SACO、沖縄に関する特別行動委員会最終報告の着実な実施とともに、最重要の外交課題であります九州・沖縄サミットの成功に向け誠心誠意努力をしてまいります。
 また、北方領土問題につきましては、東京宣言及びクラスノヤルスク合意等の一連の合意及び宣言に基づき、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くす考えであります。
 私といたしましては、山本政務次官とともに河野大臣の御指示を仰ぎ、でき得れば補佐役として外務総括政務次官の立場からこれからの問題について全力を挙げて取り組む決意であります。
 立木委員長を初め、本委員会の各委員の御指導と御鞭撻と御協力をお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。
 よろしくお願いをいたします。(拍手)
    ─────────────
#5
○委員長(立木洋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に総務庁北方対策本部審議官坂巻三郎君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁水質保全局企画課長長尾梅太郎君、沖縄開発庁総務局長玉城一夫君、厚生省保健医療局国立病院部長河村博江君及び水産庁長官中須勇雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(立木洋君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○中川義雄君 自民党の中川義雄です。どうぞよろしくお願いします。
 いよいよもって、あと三カ月少々で沖縄県におきましてサミットが開催されます。東京以外で我が国初めてと、大変国民も期待しておりますが、私自身も実は感無量のものを持っているんです。ちょうど二年前の三月の当委員会におきまして、そのころサミットの開催をどこにするかという話題が全国それぞれ期待を持って要請が続けられておりましたが、私どもの北海道札幌市からもその要請が強く出されておりました。
 しかし、私は本委員会で、当時の野中官房長官と議論したときに、ぜひ沖縄で開催していただきたい、沖縄県民のこれまでの苦渋、そういったものを考えたとき、沖縄県で開催していただきたいというお願いをしたことがありましたから、なお一層思いを深くしておるわけです。
 考えてみますと、戦中、戦後を通じて、本当に同じ日本人としては、沖縄県民が大変な苦悩、苦渋、苦労の連続だったと思うわけでございますから、沖縄県民もそうでありますし我々もそうでありますが、このサミットを通じて沖縄県民に、そして沖縄県に対してどんな形で報いていこうとしているのか、外務大臣と沖縄開発庁の立場からそれぞれお示しいただければ幸いだと思います。
#9
○国務大臣(河野洋平君) 中川議員のお話を伺っておりまして、本当にうれしく存じます。
 私もあの当時のことを思い出しますと、随分多くの都市が、東京以外でサミットを開催するという考え方が伝わりますと、手を挙げてその誘致に大変取り組んでおられた中で、北海道選出の中川議員が沖縄がいいだろうという御提案をされたということは、本当にそれこそ沖縄の方々を初めとしてまことに立派な御提案と考えられたに違いありません。その後いろいろな紆余曲折がございましたけれども、最終的にまさに小渕前総理が万感の思いを込めて沖縄開催を決断されたということでございました。
 まだまだいろいろ申しますけれども、インフラにおきまして必ずしも十分でない、いや十分でないという言い方は、もっと十分な場所もあったに違いない、そういう中で思い切って沖縄に前総理が開催地をお決めになった。それは、今議員がお話しになりましたように、戦中、戦後、大変な苦難を背負ってこられた沖縄県民に対する小渕前総理の思いがあったと思います。
 現在でも、米軍基地全体の七五%を沖縄に持って沖縄県民の皆さんはほかにないさまざまな問題を抱えておられるわけでございます。また、県民所得まで申し上げるのはどうかと思いますけれども、これらについても恐らく前総理は思いをめぐらせたに違いないと私は思っております。
 そういう前総理の決断というものがございますだけに、私も、前総理の御指示もあって欧米各国、G8メンバー国に参りましたときにも、なかなか沖縄ということは耳なれない言葉、日本といえば東京、大阪あるいは京都という中で、沖縄と向こうから言われかねない場所でございますが、今回のサミット開催で沖縄が国際的にも大きな知名度を得ると同時に、沖縄からさまざまな新しい情報が発信される、そしてその沖縄には大変多くのマスコミの人たちも来るでありましょう。そういう人たちが送り出す沖縄についてのさまざまな情報というものがこれまでの沖縄県民の皆様方の御苦労に幾らかでもプラスになってほしいというふうに、今、私としては考えております。
#10
○政務次官(白保台一君) 私は、地元選出議員としても大変喜ばしい限りであり、またありがたく思っております。
 前総理が昨年の四月二十九日に決定をされましてから、間もなく一年を迎えようとしておりますが、あとまた三カ月でいよいよサミットを迎えるわけでございます。二〇〇〇年の区切りのときのサミットとして、二十一世紀の沖縄の発展につなげるために全力で取り組んでいきたい、このように決意いたしております。
#11
○中川義雄君 どんなことをしても沖縄のサミットだけは成功させていただきたいものだと。
 特にこのサミットが始まって以来この国は参加しておりますが、考えてみますと、人種問題を言ってはいけませんが、有色人種が大半を占めている国の代表では我が国だけですし、アジアからも我が国だけであります。ですから、サミットの我が国の存在というのは、単に日本を代表してという意味よりは、私は、アジアを代表して参加しているというようなもっともっと大きな視点からぜひこのサミットに参画していただきたい、こう思うわけであります。
 今回の主要テーマは、一つにはIT革命、一つにはグローバル化に乗りおくれた途上国の開発問題、そしてまたエイズなど感染症の対応、文化の多様性の重要性といったような四本の柱だ、こう聞いておりますが、どれをとりましてもアジアにとっても非常に大切な話題、課題である、こう考えますから、日本としては、アジアを代表して、アジアの諸国民の声をどのような形でこのサミットに反映していくつもりなのか、その気構えみたいなものを外務大臣に示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、アジアで行われますサミットでございますだけに、小渕前総理はぜひここでアジアの声をこのサミットに反映させたいというお気持ちが強かったと思います。
 そうしたことを踏まえて、小渕前総理はUNCTADの会議でございますとかその他アジアで行われます会議に相当強行日程を押して出かけられまして、アジアの首脳の方々とかなり広範囲に意見の交換をしてこられました。私は、そうした積み重ねが、議長としての小渕前総理からアジアの声というお気持ちでいろいろと取りまとめ、その他に反映をされるのではないかというふうに思っておったわけでございますが、急な病を得て、残念ながらサミットを目前にして交代せざるを得ないという状況になられたことは、まことに痛恨事でございます。
 しかし、その小渕前総理の気持ちを引き継いで、森新総理もまたサミットに向かいます姿勢は小渕前総理のお考えをできるだけ引き継ぎたいということでございます。多少時間が短くて、相当時間をかけてヨーロッパを回りアジアを回られた小渕前総理の準備期間に比べると、時間的には相当な制約がございますけれども、しかし組織的には積み重ねはございますから、そうしたことを十分に使っていただいて、森総理にもアジアの声を反映する、アジアの意見をうまく反映していただくように私どもとしても全力を挙げてサポートしたいというふうに思っている次第でございます。
#13
○中川義雄君 いずれにしましても、本当に小渕さんが今こういう形にいるときに、森総理の責任は重大だと思います。しかし、これまで河野大臣がずっとサポートしてきたわけですから、私は河野大臣の活躍に大きな期待を寄せておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 また一方、アジアというともう世界の人口の過半数以上を占めている大きな大きな地域でありまして、そういう中でアジアからもう一カ国ぐらい、せめてもう一カ国ぐらいサミットに参加していただきたい。具体的に言うと中国をどうかというようなことを、私はよく知りませんが、新聞その他でそんなことが話題になっておりますが、その点について何かありましたら、外務大臣、教えていただきたいと思います。
#14
○国務大臣(河野洋平君) 中国がG8に参加をするかどうかという議論は、実は最近はございません。
 少し以前にさかのぼりまして、非公式にとあえて申し上げますが、中国をサミットに参加させることについてどうかという議論を、私はG8メンバーの外務大臣と、全く個人的にしたことがございます。そのときには、まだ当時はG7と言われていたころでございますが、G7は自由主義とか民主主義とか基本的人権の尊重とか、こういったものを共有する、そういう先進国の首脳が集まるんだ、それが基本であるということが非常に強調されました。そこでロシアが入ることがいいかどうかという議論にはなったわけでございますが、当時ロシアは、つまりソ連が解体されてロシアになって、ロシアは自由主義あるいは民主主義に向かって改革を進めるという、そのことを鮮明にうたわれた時期でございまして、ロシアが民主化の努力をする、あるいは市場経済化の努力をする、そういうことであるなら価値観が共有できるんじゃないか、そして、こういう大国を仲間に入れておくことがいいのではないかという、そういう議論でございました。
 当時は、やはり中国は体制が違うということもあって、それからもちろん中国の立場もG8に、当時はG7ですけれども、G7に参加をしたいという気持ちは中国にはないと。中国は、むしろ非同盟の多くの国々のリーダーとして国際社会に発言をするということを望んでおられるということもございまして、中国がG7なりG8に入るということは、まあG8メンバーとしてそういうことはないだろうねというのが当時の話でございました。昨今そういう話はございません。私の知る限りございません。
#15
○中川義雄君 本当にちょっと残念な気がするのは、G8、サミットがこれだけ実質的に存在していて、世界に大変な影響を及ぼしているときに、できるだけ中国も、みずから進んでいろんな制度だとか、そしてまた体制を変えていくというような気持ちを持っていただきたいものだ、そんな願望もあったものですから、あえてそんな話をさせていただきました。
 また一方では、今回いろんなテーマが、先ほどの四つのテーマ以外にいろんなテーマが考えられると思いますが、我が国からはどんなテーマを、例えば沖縄というような問題についてもテーマとして出す気持ちがあるのかないのか。国民はどんなことが話されるのか大変期待していると思いますので、率直な大臣の御意見をいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(河野洋平君) G8サミットという、今申し上げました先進国の首脳が集まりますこの会議、しかも今回はまことに二〇〇〇年という、先ほどお話がありましたように節目の年でございます。それだけに多少気負いもございまして、議論はでき得べくんば二十一世紀をずっと視野に入れて、これからのミレニアムに一体我々はどういう方向を目指せばいいか、どういう問題を克服することが必要かという、少し気負ったテーマをそれぞれの首脳は考えておられまして、今各国首脳の間をいわゆるシェルパという人が集まっては議題の整理などをいたしております。
 そういうことで、まだ正直整理された議題ということにはなっておりませんけれども、それでも、例えば心の平安とか繁栄であるとか、あるいは不安の除去でありますとか、そういったようなことについて大分議論がございます。
 繁栄といえば、世界経済を一体どういう方向に持っていくのかというような議論があろうかと思いますし、それから安全とか安心とかということを考えれば、現在ある国際的な犯罪をどうやって除去するかとか、先ほどもちょっとお話がありましたが、エイズを初めとする疾病、非常に悪性の疾病をどうやって根絶するかということについて議論を進めようとか、そういった議論がございます。あるいは紛争予防をどうするかとか、そういった議論がございます。
 実は、沖縄の問題をどういうふうにするかということについてはG8の首脳間の話の中には、正直申し上げてまだございません。しかし、いずれにしてもG8の首脳が沖縄に来られるわけでございますから、まさに首脳の方々は沖縄の地をみずからの足で踏んで御自身で沖縄の実情をごらんになるわけでございます。あるいは沖縄の方々の気持ちを、恐らく賢明な首脳の方々でございますから、察知されるに違いない、いろいろなことをお感じになられる、あるいはお聞きになられるということになると思います。ということになれば、そうしたことがおのずから話題になるということは十分あり得ると思っております。総理がどういう形で沖縄の問題に触れられるかということについてはまだ十分な整理ができておりませんが、とにかく沖縄でサミットが開かれるというこのことが極めていろいろな問題の中でベースをつくるということは申し上げていいのだと思っております。
#17
○中川義雄君 次に、北方領土問題といいますか、日ロ関係について若干お話を聞きたいと思います。
 御承知のように、平成九年十一月、クラスノヤルスクにおいて日ロ首脳会談が開かれまして、西暦二〇〇〇年まで、ことしまでに平和条約を締結できるように全力を尽くすというお話が成り立ちました。当時、エリツィン大統領の物すごい大きな体と、橋本総理は小さかったが胸を張って、本当に橋本総理が大きく見えるぐらいの、我々道民といたしましても大変な期待を持ったわけであります。しかし、その後川奈における会談もありましたが、エリツィン大統領は辞任し、プーチン首相が大統領代行として、そしてまた次期大統領に当選するというような形の中で、何となくこの問題が二〇〇〇年までというのはもう不可能ではなかろうか、一体いつになったら平和条約が締結されるのか、領土問題が解決されるのか、非常に不安になってきているわけです。
 そこで、まずお伺いしたいと思いますが、四月四日、前総理特使がクレムリンにおきましてプーチン次期大統領と会談して、小渕前総理の親書を手渡し、四月二十八日から三十日の間で総理がロシアを訪問して首脳会談が開かれるということになったこと、これは明るいニュースだと思っているわけですが、その際、小渕前総理の親書の概略とそれに対するプーチン次期大統領のコメントみたいなものがありましたらお知らせいただきたいと思っております。
#18
○国務大臣(河野洋平君) 今月の初めに小渕前総理の特使として鈴木議員がモスクワを訪問されてプーチン次期大統領と会談をされる、これは小渕前総理からもプーチン氏に、自分の特使を向けるので手紙も持たす、よく話を聞いてくれということを直接電話でも言われて、そして鈴木特使が行かれたわけですが、まことに残念なことに、鈴木特使はたしか飛行機の中で小渕前総理の入院を聞かれて、総理を退陣せざるを得なくなるという状況を知ったということに時間的になると思います。
 そういう中で、鈴木特使は東京の私どものところにも、あるいは官邸にも党本部にも再三電話連絡をされて、自分はどうするか、もう引き返すか、小渕総理の特使ということで来たんだけれどもどうするかということを随分確認されましたが、東京からはそのまま役割を果たしてくれという指示がございまして、私からもぜひそのまま仕事を続けてくださいということをお願いして今月末のプーチン次期大統領と我が国首脳との間の会談をセットされたわけでございます。
 小渕前総理としては、欧米の首脳とも繰り返し会ってサミットの話をされる、アジアの首脳ともいろいろな話をされる、そうした中でG8メンバーの中でロシアの首脳だけ一度も面識がないということもございました。これは、十二月三十一日、突然のエリツィン大統領の辞任でございましたから、小渕前総理としてもどうしてもサミット前に会っておきたいという強い御希望があって特使を派遣されたということでございます。ところが、こういう事態になりまして、結果として森総理はプーチン氏と会談をするに当たってG8メンバーの中で恐らく最初にロシアの首脳と会うということになるのだろうと思います。
 特使とプーチン氏との間の会談でございますが、小渕前総理の親書の中には、胸襟を開いて、場合によってはネクタイなしで最も早い機会に懇談したい、そういうことが有益だと考えるということを述べておられました。そして、鈴木特使との間では、承知した、できるだけ早い時期に、つまり今月末に会いましょう、その上でモスクワ以外の場所で会いましょうというような話で原則的に合意に達したということでございます。
 先ほど、私ちょっと小渕前総理の入院は飛行機の中でと言いましたが、飛行機に乗る前に入院を知って、しかし飛行機に乗られたということで、事実関係をちょっと間違えておりましたので訂正させていただきます。
#19
○中川義雄君 そういうような本当に劇的な中で、G8の中では初めてプーチン、今度大統領に就任する方と森総理が会談するということになったと思いますが、我々はその中身、その中で少しでも領土問題の前進と日ロ平和条約の締結について前進することを期待しているわけでございますが、政府としてこの会談に臨む決意などがありましたら、お知らせいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(河野洋平君) 森総理としてはG8の議長としてG8メンバーにはG8の折に初めて会うということでない方がいい、これは橋本元総理からのアドバイスもあって、G8の会議の前にはとにかくメンバーとは事前に会っていろいろ話をしておくことが大事だという御忠告もあったというふうに伺っておりますが、私は森・プーチン会談で一番大事なことは、まず個人的な信頼関係をつくり上げることだというふうに思います。
 と同時に、今、議員がお話しになりましたように、私どもとしては東京宣言あるいはクラスノヤルスク合意、こういったものを確認すると。これは、もう既に数次に及んでこの点は確認はいたしております。例えば、私どももいたしましたし、それから特使もそういう話はいたしておりますし、先方からもエリツィン氏の日本とのもろもろの合意、宣言はすべて継承するということを言ってきておりますけれども、やはりこれは森・プーチン会談でさしで会って、生の声が届くところで、お二人でもう一度ここは確認をされるところから始めていただくのが一番いいというふうに思いますので、今回の会談におきましては、従来の両国間の首脳の合意とか宣言というものは、すべてそれは継承されるという確認をしていただくことがその次に重要なことだというふうに思います。
 そうしたことをベースに、私どもはこの宣言、合意をぜひ実行するべく全力を挙げたいと思っております。
#21
○中川義雄君 そういうことで領土問題を含めて日ロの平和条約の締結が延びに延びている。そういうことで領土問題から派生する北海道でのいろんな問題があります。
 その中でまず第一に、水産問題について中須水産庁長官にお聞きしたいと思います。
 いわゆるロシア主張海域における日本漁船の操業問題でいろんなことがあったわけですが、そこで話し合いにおいて操業するということを迎えて三年目になるわけであります。しかし、ことしになってこの海域で操業直後から北海道の漁民が敷設した漁具にロシア船が不法な操業をすることによって多大な被害を与えておりまして、北海道沿岸漁民にとりましては本当に悲鳴みたいな声が聞こえてくるわけでありますが、その実態と対応策についてお伺いしたいと思います。
#22
○政府参考人(中須勇雄君) ただいま先生から御指摘がありましたとおり、九八年に発効いたしました北方四島周辺における操業枠組み協定、これに基づきましてスケトウダラの底刺し網漁業につきましては二回目、昨年とことし二度行われているわけであります。
 昨年は若干の問題がございましたけれども、基本的には平穏に推移したわけでありますが、ことしの操業、一月一日から三月三十一日までが漁期ということでございますが、本年一月八日の未明から二月一日にわたりまして無漁、十五回にわたり我が国の刺し網漁具が破壊をされる、こういうことがございました。被害状況は、漁網五百二十反、ぼんでん三十七組等でございまして、金額に換算すれば一千万円を超える被害が出た、こういうことでございます。
 私ども、実はこの羅臼沖の漁具被害については、我が国の操業が始まる前にロシアもトロール漁船が操業しているという情報を得まして、事前にロシア政府に対し、万が一にも漁具被害が起きないようにという申し入れをしておりました。ところが、ただいま申しましたように、一月八日以降発生したということで、発生のたびにモスクワあるいはロシア極東におきましてロシア側に事実関係の調査と被害の再発防止にわたって再三申し入れを続けてまいりました。途中では、大使にも御出馬をいただいて漁業国家委員会の議長、そういう方にも申し入れをするということでお願いをしたわけであります。
 ただ、率直に申しまして、漁具が敷設してある夜の間に被害が起こるということで、明確な形でだれが一体加害者であるのかということが特定されていないということをもちまして、申し入れは行っておりますが、先ほど申しましたように、被害が続いたという状況があるわけでございます。
 これで、もちろん外交面、外務当局と協力しながら、私どもは再発防止ということに努めるとともに、被害が出た分については、実はこれは外国漁船の被害対策特別基金というのが国と民間での出資によりまして造成されております。そこから利子補給をして復旧資金等の融資を行う、そういうことを活用するというような道もございます。
 いずれにしても、解決はまだ見ていないわけでありまして、次の操業に向けて再びこういうことが起きないようにしっかりと対応していかなければならない、そういう状況にございます。
#23
○中川義雄君 今出た羅臼、この地帯はソ連時代、ロシアになる前のソ連時代ですと、羅臼というのは日本でも最も豊かな地帯と言われておりました。羅臼へ行きますとスケトウ御殿が建つというぐらいの本当に豊かな漁村だったわけですが、それがロシアの代に入りまして、無政府的な漁業が行われて乱獲に乱獲を重ねております。
 私も見ましたが、羅臼のすぐ前の沖に三千トン、四千トンというようなトロール漁船であります。昔の青函連絡船みたいな大きなトロール漁船がまっすぐ前まで来て根こそぎとっていくものですから、これはもう今は羅臼は大変な苦悩の中にあるわけであります。
 そして、お互いに共補償しながら、資源管理をしながら何とか持続的な漁業をやっていこう、地元の漁民は頑張っているわけですが、そんなことと無関係に無秩序な漁業が行われているのが実態であります。ですから、私は政府に対して二つのことをお願いしたいわけです。
 共補償しながらお互いに羅臼の漁民、あの地域の漁民は二十一世紀に向かって何としても漁業だけは後継者を残していきたいと頑張っているわけですが、しかし全滅状態にある。これに対してどんな補償措置をとるかというのが一つであります。何とかして財政的な支援をいただきたいというのが一つであります。
 もう一つは、これをやはり外交問題としてきちっと取り上げて、こんな無秩序な、だれが見ても資源を収奪するようなこの漁法をいかに、しかもそれは領土的にはお互いに主張の違ったそういう地域であることはロシアも知っている地域でありまして、政府の最大の努力をしていただかなければなりません。
 そんな点で水産庁長官、それにこれは外交問題もありますので、これは外務大臣のコメントをいただけるかどうかは別にしましても決意ぐらいをいただきたいものだ、こう思います。
#24
○政府参考人(中須勇雄君) 今お話しございましたように、羅臼のスケトウダラ漁業、かつては十万トンの水揚げというものもあった時代があるわけでありますが、現在ではそれが一けた小さなものになっている。大変厳しい状況に置かれております。このため、御指摘のように平成八年には五十隻の減船をいたしまして、現在百二十五隻規模で操業しているということでありますが、漁獲量は資源的にやっぱり大変厳しいものがあるというのが率直な状況だろうと思っております。
 ことしの一月に、漁民の皆様方含めて私どものところにもおいでいただいて、大変な苦境にあるのでぜひいろいろな支援をお願いしたいというお話がありまして、私どもも承りました。率直に言って、漁具被害だけにとどまらず、今の状況でございますと百二十五隻の操業自体がちょっと困難である、さらに減船をしなければならない、そういう事態にあるという認識でございます。
 この漁業は、御承知のとおり、北海道知事による共同漁業権に基づく漁業あるいは許可漁業ということでございますので、基本的に道庁としてどういうふうに考えるかということが大変重要でございます。道庁においても今検討しておりますが、私どもも北海道庁と一緒になって、ここのスケトウダラをどうしっかりと守っていくか方針を考えていきたい、こういうふうに思っております。
 それから、言うまでもなく被害の問題、あるいはあのような漁業がロシア側から行われていたら将来がないのではないかという問題については、やはりせっかく安全に操業できる枠組み協定が決まったわけでありますから、それを実現するという意味でも、現在のような事態が続くということは、我々にとっては大変耐えがたいことであります。そういう意味におきまして、外務省と私どもも協力して、安心して操業できる、こういうものの実現に全力を挙げていきたい、こういうふうに思っております。
#25
○中川義雄君 時間がなくなりましたから、総務庁長官に、本当はたくさん聞きたかったことがあったものですから来ていただきまして申しわけありませんが、実は元島民の問題なんです。
 本当に多くの島民は、残念ながら、ふるさとへ帰りたいという願いを込めながら、多くの方々が亡くなってしまいました。今、北海道にもある程度の元島民、私の知っている人もおりますが、もう年老いているんです。
 元島民に対する対策、これはほとんど何もなされていないんです。例えばあの地域、根室管内の各自治体にはいろんな補償措置をとったり政府としての補助金でいろんな施設をつくったりしていますが、肝心の元島民に対しては何もされていないんです。元島民の財産がどうなっているのか、その調査もようされていないんです。しかし、聞くところによりますと、登記簿も全部日本にあって、大体政府がしっかり調査したらできるはずだと聞いておりますが、細かいことは別にしまして、長官の元島民に対する対策というような基本的な問題についてここで決意を述べていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#26
○国務大臣(続訓弘君) 中川委員は、先ほど来おっしゃっていますように、元島民の関係をよく知っておられる議員のお一人でもございます。
 私は実は、一月でしたか、元島民の方々の御要望をじかに承るべく根室に向かう予定で出かけました。札幌に伺って、あとは雪のために根室に行けませんでした。しかし、札幌で、実は元島民ないし関係団体の方からの陳情を承りながら、今中川委員がおっしゃったようないろんな御要望を承ってまいりました。
 ただ、残念ながら、御案内のようにいまだ領土が返還をされません。御指摘のように、登記簿等はありますけれども、現状ではいわばソ連の管轄下にございますので、私どもは手も足も出ない。しかし、返還された暁においては、今ちゃんとした登記簿等もございますので、万全な対応をしてさしあげたい、このように考えております。
#27
○中川義雄君 終わります。
#28
○笹野貞子君 民主党・新緑風会の笹野貞子と申します。
 外務大臣に質問をさせていただきます。
 東洋レーヨンの重役だった森本忠夫さんという方が「ロシア商法の知恵」という非常に大作の本を書いております。この本を読みますと、世界の商人の中で一番商売が上手で、そして日本人が一番手ごわい相手がロシア人だ、ロシア人というのは一番商売上手で、交渉相手としては手ごわいということを非常にわかりやすくおもしろく書いた本です。
 なぜ私がこの本を読んだかといいますと、私は北海道の出身で、私の父は戦前から冷凍船を持っておりまして、世界の七つの海を駆けめぐって外国貿易をしていた男でして、北方四島、北方というのはこれはもう古来から日本のものであるということで、そこら辺で操業していて、そして戦時中、戦後、非常に拿捕が次々と起きたという歴史の中で、私の父は、自分の領土で操業することの何が悪いのかという、そういう信念のもとで、当時のソビエトと大変交渉をした男性でもありました。
 このときに、私の父が申しましたのには、非常に手ごわい相手だ、少々のことでは交渉ということの障害を日本人は乗り切ることのできない最も手ごわい相手だということを私は子供のときによく聞いておりまして、それで、国交のないときに、私の父が音頭をとりまして、初めて拿捕された船を返還するべく、国家にかわって日ソ協会というのを鳩山一郎さんをトップにして北海道につくったという、そういう経緯があります。
 そういう経緯で、これからロシアを相手に日本が領土問題、ロシアは非常に領土問題に対しては一種独特の敏感な思いを持っておりまして、あの大きな国がなぜあれだけ小さな島にと思うぐらい領土問題にはその過去の歴史の中で紛争を重ねながら歴史を進めたという、そういうことがありますので、私は大変危惧をいたします。
 今、ロシアの大統領はもうすぐでプーチン大統領になるわけですけれども、この方の御出身を見ますと、元KGBという、そういう御経歴であります。そして、今私が言いましたように、なかなか手ごわい、世界で一番交渉ごとの卓越した能力のある、そういう相手に、非常に今日本は重大な時期を迎えました。二〇〇〇年を節目にしてというこの重大なときに、これから森総理大臣を初め、河野外務大臣がそれにぶつかっていって交渉して、本来の日本の姿に戻すということであります。
 しかし、どうもこのごろのニュースを見ていますと、先ほど大臣は、再度確認をした、いろんなことを確認したというふうにおっしゃいますが、ニュースなんかで見ますと、かえって後退しているようにいろんな方が発言しているんですね。特にロシアの高官は、二〇〇〇年内の平和条約の締結は困難であるとか、それよりも中間条約の締結が妥当であって、領土問題の解決を含む平和条約とは別に平和友好協力条約を締結すべきだとか、私にしたら心臓がとまりそうになるようなそういう発言を繰り返している。
 いよいよ手ごわい相手にこれからぶつかっていくわけなんですが、しかし、先ほども鈴木特使のお話がありましたように、今、小渕前総理は大変、私からもお見舞いを申し上げたいのですけれども、重大な時期に差しかかって、四月二十八日から三十日までロシアのサンクトペテルブルクにおいて交渉がなされるということを聞きました。元レニングラード、非常に寒いところで大変だと思うんですが。
 そこで、大臣にお聞きしたいのは、非常に手ごわい相手ですね、そして初めて総理になられてまだお元気な方ですけれども、寒い地に行って、違う文化のところに初めて行って、最も重大な領土問題をお話しになるということは、大変私は何か不安を覚えてならないわけです。
 私が御質問をしたいのは、ロシア人というのは急いだ方が負けですね、佐々木小次郎になった方が負けで、宮本武蔵流にじっと相手を観察し、状況を把握し、そして一瞬のチャンスをつかむというこの戦法で日本外交をしなければ、何か非常に不安だというふうに思うんです。
 そこで、沖縄のサミットとは別に、先ほど外務大臣は、相手を知らなければいけない、信頼関係を築かなければいけない、これも確かに一理あります。でも、相手によりけりだと私は思うんです。向こうはKGB御出身の方ですから、いろんな情報を御存じだと思います。ですから、そういう点で、私は、総理大臣が直接行って知らない土地で知らない人にそういう重大なことを切り込む前に、外務大臣がお行きになったり、あるいはサミットはこれはサミットとしてお話をしたらいいと思いますので別に考えて、もうちょっと急がない方がいいというふうに思うのですが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
#29
○国務大臣(河野洋平君) いろいろ御経験を交えての御忠告をいただきましたことを感謝いたします。いろいろ考え方があるのだと思います。
 私は、先般来より、総理が行かれる前におまえが行ったらどうだとか、もう少し外相同士で事前の打ち合わせが必要ではないかとかいろいろな御意見も伺っておりますが、実を申しますと、プーチン体制ができ上がりますのは五月の半ばでないと、つまりプーチン大統領のもとで組閣が完了するのは五月の半ばごろに恐らくなるのではないかと。
 現在、私のカウンターパートでございますイワノフ外相でございますが、外務大臣として御活躍中ではございますけれども、プーチン体制になってこの外務大臣が留任されるかどうかということについてもいろいろな情報がございます。非常に有能な方でございますから、私はぜひ留任をしていただきたいとはるかかなたからそういう思いは持っておりますけれども、モスクワにおきます状況はどういうことでございましょうか。何でもイワノフという同じ名前のライバルがいてどっちになるかなどとおもしろおかしく伝えるところもございますし、そういうことで、ロシアの体制がまだ整っていないという状況もございます。
 しからば、体制が整うまで総理の訪ロも少し延ばしてはどうかというあるいはお考えも一方ではあるかと思いますけれども、先ほどから申し上げておりますように、何といっても七月二十一日の九州・沖縄サミットでの議長職を務めなければならないというのは、これはもう期限がはっきりしているわけでございまして、この七月二十一日までの間にG8のメンバーの方々とやはり一度は会って、どういう考え方か、あるいはどういうタイプの人間かということを、我が身もさらすけれども先方の人となりもよく見ることができる、そういう必要、やはり少なくともサミット前にやっておかなければならないのではないかというふうに私は思っておりますし、これはサミットを経験されました橋本元首相からもそういう御忠言があって、サミット前に必ず総理はメンバーに会っておいた方がいいぞという御注意などがございまして、それらを受けて総理は訪ロを決断しておられるわけでございます。
 今、笹野議員がお話しになりましたように、今回の森・プーチン会談で領土問題の交渉をやるかどうかということになりますと、先ほども申し上げましたように、私は、まず今度の会談で大事なことはお二人の中で個人的な信頼関係をつくる、これが何よりも大事、その次はこれまで築いてきた、橋本元総理が築かれた、さらに小渕前総理がそれをさらに確固たるものにしてこられたクラスノヤルスク合意でございますとか東京宣言でございますとか、そういったものは両国首脳の約束事でございますから、これはこのまま我が国は継承するよ、そちらも完全に継承するだろうね、もちろんそうですと、こういうやりとりはしておいていただかなければなりません。
 そうしたことをやった上で、このクラスノヤルスク合意、東京宣言にございますように、二〇〇〇年を一つの目標として何としてもこの交渉を成立させようという両国首脳の決意に基づいて作業を進めるわけでございますが、何はともあれ、両国首脳が会ってその確認は最低限度しておいていただかなければならないと思っているわけでございます。
 それ以上の交渉を、テーブルをたたいてちょうちょうはっし領土問題についての交渉を初めてお目にかかる中でやるかどうかということは、これは案外お二人の気心が合って、一遍におい、おまえという仲になってそういう話まで進むということを私は決してないとは申しませんけれども、常識的に考えれば、今回は信頼関係を構築し、これまでの約束事の継続を確認する、そうしてさらにその次に、次の首脳会談をいつにするかということの確認まではしてきていただければいいなと、少し出過ぎたことでございますが、外務大臣としてはそんなふうに思っているわけでございます。
#30
○笹野貞子君 聞くところによると、外務大臣は御同行なさらないというふうに今聞いたので、私としては初めてなられる総理大臣が成功するようにと祈っておりますけれども、そんなに簡単に胸襟を開くような相手でもないというふうに思いますので、その点は、日本の国の将来をかけた会談になるわけですから、ひとつ頑張ってきていただかなければいけないと心からそのように思っております。
 さて、続いてチェチェン問題についてお話をしたいんですが、これもプーチンさんが非常に強権的な軍事力によってこのチェチェンの問題、紛争を抑え込んでいるんですが、日本の外交政策を見ると、最初はプーチンさんを支持するような御発言をなさっている。これは北方問題もありますので、ロシアに加担をするというのはわからないでもないんですが、このごろ欧米の批判に前言を翻して、欧米の方の加担をするかのような発言をなさっているのは、ちょっと日本外交としてはどちらなのかなということをお聞きいたします。
#31
○国務大臣(河野洋平君) 基本的なことを申し上げますと、チェチェン問題はロシアの内政問題だということが基本的な認識でございます。しかし、内政問題とはいえ、その解決の仕方によっては多くの市民を巻き込むということになりかねません。そうした多くの市民を、市民の人権というものを全く無視するということは適切な解決方法ではないのではないかということを懸念していますよということを伝えているわけでございます。
 私どもとしては、繰り返しますが、チェチェン問題はロシアの内政問題だと、しかしその解決に当たっては政治的に適切な方法で解決してください、その適切な方法というのはやはり市民の人権、そういったものを大事にした、尊重した解決方法を考えてくださいということを申し上げて、そうした人権問題にも懸念を我々は持っておりますということを申し上げているところでございます。
#32
○笹野貞子君 大臣はロシア人の気質というのを御存じだというふうに思いますが、つい最近までは非常に一党支配的なそういう体制の中にいた国でもありますし、世界史の大変な歴史の中で、ある種力によって力を制すというそういう軍事的な考え方、それから私たち日本からいうと、まだ民主主義というのが定着していない、そういう中で、内政干渉とはいえ、あのように一般市民を巻き込んだ、軍事的な力によって抑え込むということはやっぱりちょっと余り歓迎できないような気がいたします。これが偽らざる日本人の今の考え方というふうに思います。
 こういう国に対しまして、日本が経済的に援助をしたり、あるいはいろんな問題で援助をするというようなことが外交の中でもしあったとするならば、これはやっぱり日本の今の経済状態、とりわけ大変リストラが厳しい中でこれからの対ロシア援助政策というのを間違いますと、いろんな意味で国民感情としては私はよくないのではないかというふうに思います。
 そういう点、これからのロシアの、経済援助を含めて、いろんな問題について、大臣のお考えをお聞かせください。
#33
○国務大臣(河野洋平君) ちょっと戻りますが、チェチェン問題については私どもも、先ほど申し上げましたように、人道的な問題、見地から懸念を持っておりますということを伝えましたが、ロシア側の認識は、少なくとも自分たちはテロリストを何としても根絶したいという気持ちを持っていると。ロシア国内におきますテロリストの動きというものは、極めて市民生活を逆に不安に陥れている。それから、全く何の罪、とがのない一般市民がテロに巻き込まれるというような状況、おそれもあると。こうしたテロを封じ込めるといいますか根絶するために自分たちはやっているのだ、こういう説明が聞こえてきておりますことを一言申し添えます。
 今、議員が御指摘のように、ロシアに対します我が国の支援というものは一体何を目的に支援などするかというお尋ねだと思いますけれども、これは我が国もそうでございますし、例えばG8のメンバー、ロシアを除いたG7のメンバーはロシアに対しまして、ロシアの民主化あるいは市場経済化というものをぜひ進めてほしいということを願っているわけです。
 これはプーチン氏の前任者でございましたエリツィン大統領が、エリツィン氏は非常に積極的に民主化を自分は進めるつもりだ、あるいは市場経済化を進めるつもりだということを言っておられて、そしてまたそうしたことも現実に行ってこられました。
 それがうまくいったかどうかは、これはまた別の評価がいろいろあるだろうと思いますが、現実に市場経済化も進められましたし、民主化を進めて大統領選挙というものを民主的に行うということなどをやってこられたわけで、G7のメンバー国を初めとして自由主義の国々からは、ロシアをぜひ民主化させたい、これを後戻りさせてはならない、ロシアがかつての国のように戻るようなことがあってはいかぬ、この民主化はぜひみんなでサポートして民主的な国にロシアがなってほしい、あるいは市場経済をしっかりとやっていける国になってほしい、そういう思い、そういう気持ちがまずあって支援をしてきたというのが基本的な認識でございます。
 我が国からの努力も、こうした改革努力に対する支援というふうに御理解をいただきたいと思います。
#34
○笹野貞子君 大臣は、日本の平和外交という非常に理想高きそういう理念を追ってこれから国際的に外交を進めていくわけですから、どうぞお隣のロシアに対しても、大変大きな課題の中、ひとつ全力で頑張っていただきますことを祈念いたします。
 総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。
 今、北方領土を含むロシアの問題をお話ししているわけですが、私も平成九年、北方四島にビザなし交流で行ってまいりました。小さな船に揺られて、もう生きて帰れないんじゃないかというぐらい大変な思いをしまして、やっぱり行くなら行くでもっときちっと体制を整えなきゃいけないというこの私の考えに、船がちょっと大きくなったということを聞きましてほっとはしているのですけれども。
 私は、ビザなし交流というのは大変重大なことですし、また北方四島を返還させるというこの国の思いというのは、ただ表面的にやっていますというアドバルーンを上げているようなやり方じゃだめだというふうに思うんですね。
 それで、私が北方へ行ったときに日本のことを全くわからない人が日本人の受け入れをやっておりまして、大変仏頂面をして、何か途中で私も検挙されちゃうんじゃないかというぐらいの不安を感じるような人でした。これはやっぱり日本をわかっていない、日本のいろんなことをわかっていないからそういう態度になる。
 私たちが行くのもいいんですけれども、北方四島の方に日本を理解してもらうという、これは行政の縦割りはあるんでしょうけれども、どちらにしても北方四島を返すという、そういう思いにこれからもっともっとしていただかなければいけない。そのためのいろんな環境整備をするために、ひとつ長官のこれからの思いというんでしょうか、そういうものをお聞かせいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(続訓弘君) ただいま笹野委員がみずからの体験を通じたお話をされ、大変貴重な御示唆を賜りまして、ありがとうございました。
 色丹島に平成九年の九月においでになったということを伺っております。
 今お話でございましたように、この十一年末までにビザなし交流は延べ六千五百人の方々が相互に交流し、四島在住ロシア人と日本人との交流を深めたということを伺っておりますけれども、今お話によれば、相互理解はまだまだ深まっていない、これからだ、こういう御指摘もございました。それを踏まえながら、これからも継続的にやらせていただきます。
 いずれにいたしましても、こういうビザなし交流の成果を踏まえまして、交流のさらなる充実を図るために、平成十年度からは新たに北方領土問題の解決に寄与する活動を行う学術、文化、社会等の各分野の専門家を訪問対象に加えたわけでございます。これを受けまして、毎年日本語講師を派遣し、さらに昨年は新たに教育関係者を派遣したほか、これまでに野鳥あるいは火山、絵画、ラッコの専門家の訪問を認めたところでございます。
 本年度におきましても、日本語講師派遣事業、教育関係者交流事業の充実を図るほか、他の専門家の交流につきましても検討しており、このビザなし交流をさらに充実させ、北方領土問題の早期解決のための環境整備に私どもとしては積極的に立ち向かっていきたい、このように考えております。
#36
○笹野貞子君 私の感想では、やっぱり言葉の障害というのは大変大きかったと思いますので、例えば通訳さんをたくさん同行するとか、そういう点はひとつこれからいろんなところで御配慮いただきたいというふうに思います。
 時間がなくなりましたので、青木長官に、これから非常に長官にとっては嫌な質問をさせていただきますので御容赦いただきたいと思います。
 真理は単純なところにあるということわざが私は大好きですけれども、長官にお聞きした方がいいのか外務大臣にお聞きしたらいいのかわかりませんが、日米安保条約という条約、これは私の学生のときにいろいろな思い出がありますが、安保条約というのは一体何を守ってくれるものでしょうか。そこからお聞きしたいと思います。
#37
○国務大臣(青木幹雄君) 初めに、衆議院の本会議とちょうど時間が重なりましたのでおくれて参りましたことをおわび申し上げます。
 日米安保条約というのは、御指摘のとおり、日米安全保障条約として我が国及び極東の平和と安全を守るのが日米安保条約だと、そういうふうに理解をいたしております。
#38
○笹野貞子君 大変失礼な質問をいたしましたけれども、全くそのとおりなんですけれども、一つ欠落しているものが私はあると思うんです。それは、女性の人権は安全の中に入っているんでしょうか。
#39
○国務大臣(青木幹雄君) もちろん、我が国の平和と安全が維持されるということは、我が国国民の命、暮らし、さらには女性の人権も含めた国民の基本的な人権を守る上で不可欠な前提であると考えておりますので、当然女性の人権は入っているものと私は理解をいたしております。
#40
○笹野貞子君 私は、沖縄の女性から涙ながらに訴えられまして、沖縄の女性は、この安保という問題によって基地がある、その基地というものの中で今まで並々ならぬ辱めを受けてきた、もっとはっきり言うと、暴行、性犯罪というのが数え切れないぐらいあった、守ってくれるはずの兵隊さんがかえって守ってくれなかったという、この現実を一体どういうふうに考えたらいいのかという涙ながらの訴えを聞きました。
 長官は、まずこの沖縄の女性が今までどれだけ辱めを受けてきたのかというこの問題に対してはどのようにお考えになりますか。
#41
○国務大臣(青木幹雄君) これは沖縄であるとなしとにかかわらず、私は、女性に対する性犯罪につきましては犯罪の発生場所、今沖縄のお話をなさいましたが、場所のいかんにかかわらず、また何人であろうとも、捜査当局において法と証拠に基づいて厳正に対処されていかれるべきものだと、そういうふうに理解をいたしております。
#42
○笹野貞子君 資料によりますと、アメリカのオハイオ州の一新聞社がアメリカの軍人の犯罪を調査したところ、性犯罪は世界の中で日本が一番多く起きているという、そういうデータを調べたということがあります。このことを御存じですか。
#43
○国務大臣(青木幹雄君) 私も、アメリカのこれは恐らく一地方の新聞の報道だと思いますが、それを受けてかなり大々的に報道されたということは承知いたしておりますが、事実関係については承知いたしておりません。
#44
○笹野貞子君 私も同じ日本の女性ですが、世界各国の中にアメリカの基地があると思うんですが、日本の基地で一番性犯罪が多いというのは、これは驚くべきことですし、大変私は怒りに燃えております。
 そこで長官に、こういう現状の中で日本の国として、沖縄が一番多い、沖縄がもう驚くべき数字で多いというこのことに対して、これからどのような対処をなさるつもりでしょうか。
#45
○国務大臣(青木幹雄君) 私どもも、沖縄におけるそういう問題が起きるたびに、厳重にアメリカ側に対して抗議も申し込み、また厳正な処分が行われることを今日まで行ってきたわけでございますが、今後とも強い態度で万一そういう問題が起きた場合には対処していきますし、まずその前に、そういう問題が絶対起きないように私どもも全力を挙げて取り組みますし、またアメリカの基地の皆さんもそういうことを十分理解して対応をしていただきたい、そのように考えております。
#46
○笹野貞子君 欧米を見ますと、基地がある周辺には、そういう性犯罪が起きるということを前提にしていろいろな手を打っております。
 例えばヨーロッパなどは、基地のあるところでそういうことが起きたときに、それに対してすぐ相談をするそういう役所、精神的、肉体的に大変ショックを受けますので、そういうカウンセリングをする専門の機関があるということですが、日本にはありますでしょうか。
#47
○国務大臣(青木幹雄君) 現在、日本にはございません。
#48
○笹野貞子君 そこで、長官、先ほど全力を挙げてと言いますが、これは簡単なことなんです。
 沖縄でそういう犯罪が起きたときに、すぐそういう女性に対して精神的なもの、肉体的なもの、いろんなものに対してやろうと思うとできるわけですが、二十何年来これができていないということは、これは長官、沖縄に大型の公共事業でお金を持っていくというのは、それはそれなりに意義があるんですけれども、そういうことを今まで二十年ほうっておいて、今長官は絶対ないようにと言いましたけれども、私は、沖縄の女性から資料をいただきますと、まあ毎月起きています。毎月毎月必ず起きていますね。びっくりするような資料です。
 犯人は検挙されているかというと、大体一九七〇年代ぐらいまでは全部検挙はできておりません。この事実を見ましても、いかに沖縄の女性が大変な犠牲を強いられているかということがよくわかります。もう検挙できないんですから、後は、あなた方運が悪かったですね、勝手にしなさいという、こういうことで、これはやっぱりいけないというふうに思うんです。
 ですから長官、これはすぐにそういう相談をする、事後の対処をきちっとするという、そういう施設、機関をおつくりになりますか。
#49
○国務大臣(青木幹雄君) 正式なそういう機関はございませんけれども、相談窓口というものは現在もつくっておりまして、それから、これは民間の機関でございますけれども、強姦救援センター・沖縄という民間の組織がございまして、そこと警察とが常時連絡をとっていろんな対処をする、民間を中心としたそういうものは現在でもございますが、政府としても、そういうことじゃなくて、もっと真剣に取り組んでいくことをお約束いたします。
#50
○笹野貞子君 私も、相談を受けたのはNPO、民間の女性の機関なんですね。
 今までずっと沖縄の民間の組織が自分たちでお金を出し合って、慰め合い、相談に乗るということを今までやってきたその女性たちが、今度はもうこれ以上黙っていられないということで私のところにも相談に来ているんですが、今長官はお約束をいたしますと言いましたので、これは議事録にも残ると思います。ただ、私は別に長官を疑うわけじゃないんですけれども、どうも官僚というのは、お約束しますと言う、時間を切らないでお約束しますと。これはロシア商法だそうですが、一体いつまでに約束を果たしていただけるんですか。この二〇〇〇年のうちですか、それとも二十一世紀にかかるんですか。
#51
○国務大臣(青木幹雄君) 政府として、いろんなそういう相談の窓口といいますか、正式な形につくるにいたしましても、やはり民間の皆さんや、今までのいろんな相談の経過やそういうものをいろいろ考えまして、どういう形のものをどういうふうにしてつくったらいいかという問題もございますので、できるだけ早く政府としても対応をしたい、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
#52
○笹野貞子君 二十世紀に起きたことは、どうぞ二十世紀以内に解決いただきたいということをお約束していただきたいと思います。
 さて、この資料を見ますと、そういう性犯罪が起きたのは、戦後アメリカ軍が来た一九四五年三月二十六日から始まっております。これが始まってコザの騒動が起きたりいろんなことが起きまして、そのときは全部検挙できず不明不明というふうに、そういう性犯罪は全く放置されました。その性犯罪が起きた次の一九四六年の一月ごろから、この性犯罪によって子供が生まれ始めました。これは大変私は悲劇だと思いますが、放置されたそういう性犯罪によって生まれた子供、これがアメラジアンということになって沖縄に三千人も今いるわけです。
 これもまさに女性の人権問題なわけですが、小渕前総理が沖縄に行ったときに、このアメラジアン問題について何か対処しましょうとお約束をしたわけですが、もう一度再度お聞きしますが、どのようなことをどういうふうに対処するのか、もう一度お知らせください。
#53
○国務大臣(青木幹雄君) このアメラジアンの問題につきましては、既に少なからず改善措置が講じられているところでありますが、依然、課題が残されているものと私も認識をいたしておりまして、先般、直接私から事務局に対して検討を指示したところでございます。
 それを受けまして、現在、内閣官房を中心にしまして各省庁間で非常に緊密な連携をとりながら、さらに具体的対応について幅広く検討を行っているところでございまして、文部省、沖縄、現在いろんなケースを考えながら相談を続けているところでございますので、私もそう遠からずこの問題についても何らかの方針が出せるものと、期待をしながら見守っているところでございます。
#54
○笹野貞子君 時間が参りましたので、再度私からお願いをして、質問を終わらせていただきます。
 日本は経済大国だ、G8に入っているんだと胸を張るその裏側に、こういう悲劇が日本の国内でまだ解決されていない。それによって本当に泣き寝入りを強いられている女性がいっぱいいるわけです。ですから、安保条約という大変大きな問題の中で、守らなければならない最も大切なものが守られていないというこの現状をやっぱり政府はしっかりと腰を据えて知っていただく。
 特に、最も弱い立場にある女性の人権がこういうことで踏みにじられているという事実をどうぞおつかみになって、二十世紀に起きた問題はこの二十世紀のうちに片づけていただいて、こういう悲劇をサミット前に早く片づけて、世界の皆さん方に沖縄を御披露していただきたいと思いまして、切にお願いして、私の質問を終わります。
#55
○福本潤一君 公明党・改革クラブの福本潤一でございます。
 今、沖縄の問題で女性の人権、またアメラジアンの問題までございました。
 私ども、参議院沖縄北方特別委員会で沖縄へ行かせていただいたときに、岸本名護市長から沖縄サミットの陳情というのを決定する以前に要請いただいたときには、候補選は大丈夫だと思いますけれどもサミットというのはまず難しいですよというお話をして帰った後、小渕前総理が沖縄でサミットをされるという決意、決断をされました。若いときからアジア、ヨーロッパのみならず沖縄にも何度も足を運ばれて、戦後処理の終わっていない沖縄の問題に常に心を痛められていたというお話を伺っています。
 私も、参議院議員になってからも、沖縄の心というのは、例えば沖縄特措法また沖縄の振興計画、また新ガイドラインのときもさまざまな方から語っていただいておるわけでございますが、小渕前総理がこの沖縄サミットを決断されたというのは並々ならぬ御決意ではあったろうというふうに思います。
 そこで、小渕前総理と御友人でもございました青木官房長官の方にぜひとも、若いときからそれだけ沖縄の心、また沖縄へ行動し、沖縄への思いがあった小渕前総理のサミットを決意、決断されたときに至るまでのお話、私、時間はたっぷりお上げしたいと思いますので、お聞かせいただきますと、今後の沖縄サミット開催に向けて、我々はさらなる深い決意を知った上での成功を目指せるというふうに思いますので、ぜひともお願いしたいと思います。
#56
○国務大臣(青木幹雄君) 小渕前総理、現在も入院中でございますので、以前にどういう形でこの沖縄サミットを決定したかということは、恐らくいろんな面から、いろんな考えから決められたものだと考えております。
 議員御承知のように、小渕前総理は学生時代から沖縄に何回も足を運ばれ、沖縄に対して常時、非常に熱い思いを持っておられました。このことは、御承知のように、百四十七回国会の施政方針演説の中で小渕前総理が、沖縄でのサミット開催に関していろいろなことが言われましたけれども、まさに「万感の思いを込めて決断いたしました。」と、こういうことを表現しておられます。私は、それに尽きるんじゃないかと考えております。
 といいますのは、サミットの開催を決めますまでにサミットの開催地に立候補したのは八都市でございました。それぞれの都市にはサミットを開催する上で決定的な障害というものはありませんでした。それをあえて沖縄に決定されたということは、やはり今申し上げたような学生時代からの熱い思い、そういうものが沖縄の決定になった、そういうふうに考えておりまして、沖縄の長い歴史とまた痛み、そして知事を初め沖縄の皆さんの何とか沖縄でという熱意、そういうものがいわゆる前総理の考え方と一致した、そういうものが沖縄の決定になったと、私はそういうふうに考えております。
#57
○福本潤一君 そういう意味では、小渕総理御自身の手で沖縄サミットということもございました。また、そういう病床のときに当たっては、サミットをさせてあげたかったという友人の声を涙ながらに語られたということもお伺いいたしました。
 私も、昭和二十四年、戦後生まれではございますけれども、原爆の傷跡冷めやらぬ広島で生まれまして、戦争の悲劇等々は数限りなく聞いてきておりますし、また沖縄と広島は数限りない行事で連帯していろいろなことをやってきております。ことし二〇〇〇年というそういう年に沖縄サミットが行われるということは、非常に重い意味があるというふうに思います。
 我が党の公約の中でも、戦争の世紀を平和にしていくのだという文言もありますし、さらには三ゼロ社会ということで、エゴ社会を共生社会にしていく、またむだの多い財政運用も有効的に使っていく、さらにはごみゼロ社会、これも循環型社会にしていくということで、さまざまな基礎的な政策提言をして、自民党に乗っていただいて、合意を得て与党になったわけでございます。
 今回、四月十六日から十八日に再度沖縄へ寄らせていただいて、岸本市長にこういう形で決まったと、御本人も、私もびっくりしたんですよと、市庁舎の奥で草むしりをしていたときにそのお話を聞いて、まさかということで思わずカチャーシーの踊りも出たところですというお話をしておられました。ぜひとも森総理、また青木官房長官のもとで大成功に進めていっていただければと思います。
 ということで、万国津梁館もでき上がっておりますし、プレスセンターも現実に行って視察してまいりました。現在の進行状態とまた警備状態、これをお伺いさせていただければと思います。
#58
○政務次官(白保台一君) 万国津梁館については三月三十一日に完成し、五月十四日には沖縄県主催の落成式が行われると聞いております。
 また、プレスセンターについては本年一月より設置作業を開始し、本年五月末には建物の基本部分が完成する予定であります。現在の進捗率は約八〇%であり、基本部分完成後、プレスセンターとして必要な設備を順次設置する予定です。
 警備体制につきましては、現在、警察においてその万全を期するための情勢等を勘案しながら検討しているものと承知しております。
#59
○福本潤一君 警備状態ということもありますけれども、と同時に、沖縄というものの現実を世界の首脳に見ていただく大変大きないい機会だと思います。ぜひとも沖縄の文化を、また基地の現状もさまざまな形で首脳に見ていただいて、現状把握もしていただいた上で今後の沖縄についても考えていただければと思います。
 今回沖縄に行っていたときに、ちょうど四月十六日から十八日でございましたけれども、現地でシンポジウムをやっておられました。その中で、沖縄サミットが決まった、それに伴ってさまざまな行事も行われると。さらには、平和という意味でいいますと、サミットが無事大成功した暁には国連アジア本部を沖縄に誘致したいという意味のシンポジウムをされておったようでございます。
 これは恐らく、外務大臣にお話を聞くとすぐ色よい返事になりそうな形に思えませんので、まず官房長官の方に先に、この沖縄サミットを誘致したいというシンポジウムを、これは国連大学元副学長だった武者小路公秀さん、また下地さんという沖縄大学教授、白保さんもそこに行かれていたようでございますけれども、ぜひとも青木官房長官、そういう地元の熱烈なる声を聞いておられる、経験あられる方と思いますので、ぜひともそういう地元の声に対してのお返事をいただきたいと思います。
#60
○国務大臣(青木幹雄君) 外務大臣にお聞きになってもいい返事がないことを私がいい返事をできるはずもございませんが、気持ちの上では議員と同じ気持ちでございまして、やはりそういう機関を沖縄に設けるということは沖縄の地からいろんな面で平和を発信するという意味においては非常に大きいと思いますし、また国連重視の立場からもそういうものが沖縄にできることは私も歓迎でございます。
 ただ、この問題はそれだけで解決する問題でございませんので、私どももその気持ちを持ちながらこれからも努力を続けていきたい、そういうふうに考えております。
#61
○福本潤一君 外務大臣、難しい立場でございましょうけれども、お答えしたいということでなければ先に進めさせて……
#62
○国務大臣(河野洋平君) 私も官房長官と同じ気持ちでございます。
 沖縄は、十六世紀以来、アジアの国々との交流が極めて盛んであったところでございます。中国大陸とも朝鮮半島とも、あるいは遠くアジアの国々とも交易の拠点となっていた歴史もございます。さらには、先ほど来お話がございましたように、平和の沖縄という気持ちを込めて、あの沖縄に何かそういう施設ができることがあればいいなという気持ちは私も十分持っております。
 問題はいろいろございますが、それらの問題を沖縄県民の熱意、あるいはまた現実的に一つ一つ将来を見通して問題をクリアして、そして何でもつくればいいというものではございませんから、効果的ないい施設が沖縄にできることを私も期待いたしております。
#63
○福本潤一君 期待をしておられるという、我々にとってもまた沖縄の人にとっても力強いお答えがございました。ハードと限らずにソフト、または研究機関のようなものを含めて、沖縄の平和に対する思いをきちっとサミット後も発信できるような、そういった組織も含めて御検討いただければと思います。
 と同時に、普天間基地移転、また北部振興、年間百億円、これを十年間継続する方向性での今国会での予算、来年度に向けて決まっておりますけれども、そこの中で、沖縄は第二次産業というのが非常に弱い。これは日本で高度経済成長期があった昭和三十年代において沖縄は日本の国内に入っていなかった。そういうときに、日本の国政で第二次産業を含めて大変な振興策をしたにもかかわらず恩恵を受けなかったということも大きな背景にあると思います。
 その中で、特別FTZというのを具体的に進めておりました。従来、FTZということで空港のそばに、ささやかな建物に企業を誘致していたけれども、なかなかうまくいかなかったということがございました。十二年度予算で特別FTZの調査費も計上されております。この沖振法改正が平成十年三月にあったわけでございますが、特別FTZの中城湾、ここに新たに一部地域指定して進んでおりますので、あのときのFTZとは違う特別FTZとして進んでいるのかどうか、現状についてお話しいただければと思います。
#64
○政務次官(白保台一君) 御質問の特別自由貿易地域については、昨年三月三十一日に中城湾港新港地区の一部区域約百二十二ヘクタールを指定したところでございます。指定の後、沖縄県において積極的に企業誘致を進めた結果、現時点では分譲用地につきましては一社の進出が内定しており、また同地域内で整備が進められている賃貸工場につきましては三社の入居が内定していると聞いております。
 沖縄開発庁といたしましては、他の制度に例を見ない優遇措置を有する特別自由貿易地域制度が大いに活用され、さらに多くの企業が同地域に進出し、沖縄の産業振興につながることを期待しております。
#65
○福本潤一君 私自身も、また参議院特別委員会でも中城湾の現地視察もさせていただきました。
 当時よくあったのは、税制も一国二制度という方向で進めるぐらい沖縄に対する、ある意味では日本の情報の中心のみならず、産業もひとつ振興させる方策、ただ単なる経済、財政的な支援だけじゃなくて、産業振興にまで向けて進めていったらどうかという話がありました。そういう意味では、沖縄を特区にというので白保政務次官もみずから言っておられたことを聞いておりますけれども、そういう一国二制度のような形での税制、ある意味ではシンガポールとか香港のように、買い物に行ったときにメリットがあるというような形での方策というのは非常に難しいんだろうと思いますが、現状についてわかることがございましたらよろしくお願いいたします。
#66
○政務次官(白保台一君) 先ほど申し上げましたように、そのような議論の経過を経て一昨年の法改正の中で特別自由貿易地域が制度としてスタートしたわけでございまして、この制度を活用することによって新たな企業進出等を展開し、振興策に結びつけていきたい、こういうふうに考えております。
#67
○福本潤一君 もう一つ、沖縄の基地また横田の基地、嘉手納の基地、三沢の各基地から、最近PCBを海外に陸揚げしようとしたときに、アメリカから拒否され、カナダから拒否されてまた日本に帰ってきたという、PCBというある意味では自然には分解しない物質に関する基地内の問題、また基地を返還した後の環境の問題というのは大きな問題になってきております。
 そこで外務大臣に、日本国内ですと基地を整備した上での返還でなくても済む、ドイツでは環境汚染されていたらきちっとそれを原状に直して返還する。さらには、こういう形で基地内のPCB等もまた日本に戻ってくるというような基地跡地また基地内の環境の問題、こういうふうに差が起こっている現状をどういうふうに具体的に、今後基地返還も含めてあると思いますので、対応されていかれるか、ここの点をお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(河野洋平君) このたびのPCB問題といいますか、相模総合補給廠にございましたPCBが残留している、これは日本製の変圧器と聞いておりますけれども、これらを含む廃棄物がパナマ船籍の船に積まれてカナダへ行ったということを承知いたしております。
 カナダの国内法によりますれば、五〇ppm以下のものであればこれは国内に持ち込むことが可能である、バーゼル条約でもまたそれを認めているということもあったんだろうと思います。これは私、そこまで確認をいたしておりませんが、カナダに向かってこの廃棄物が持ち込まれようといたしました。しかし、船がカナダに到着する前に、カナダの連邦環境相アンダーソン氏の発言によりまして持ち込みはできないということになりまして、船からおろすことができませんでした。
 その結果、廃棄物はそのまま船に積まれてシアトルに向かったわけでございますが、シアトルではおろすことを認めるというふうに聞いておりましたけれども、港湾荷役の業者の組合の反対によりましてこれまたおろすことができず、船はそのまま横浜港に戻ったということでございます。
 横浜港におきましては、私ども米側に、この廃棄物を日本以外の場所に持っていってもらわなければ困るという申し入れをいたしましたのに対しまして、アメリカ側から一カ月以内に必ず日本以外のところに持ち出すと、持ち出すまでの間、適正な管理をするので米軍の施設内にそれを置きたい、こういう話でございまして、一カ月以内に持ち去るということを私ども米側に確認をして、現在、物は横浜の施設にございます。
 それから、今、議員がお尋ねになりました、米軍基地の中におきます例えば土地の汚染でございますとかそういったものが発生したときに、その基地が返還をされる場合に一体それはどういうことになるのかというお尋ねだと思いますが、これは、これまでもそうした場合にはきちんと処理をされて返還をされるという事実がございます。
 政府といたしましては、日米合同委員会の枠組み、特に同委員会のもとに設けられました環境分科委員会などを活用して米側と十分協議の上、適切に対処するということでございますが、米側とのやりとりの中では、相当米側も神経質にこの問題には対応しておりまして、日米双方で共同して調査をしたこともございますし、米側の調査結果が出ましたけれども、さらに日本側として調査をしたいという申し入れに対して、米側もそれを認めて日本側独自の調査を行ったこともございます。
 こうした問題は、やはりきちっとした処理が必要であろうというふうに私ども考えておりまして、できる限り米側と話し合い、共同またはそれぞれ独自にこうした問題の調査、確認を行いたいというふうに思っております。
#69
○福本潤一君 きちっとした対応をして返ってきていると言っておられるようでございますが、ドイツと日本の違いは、地位協定の問題が絡んでなかなか難しいところにあるという私の方の現状認識、また照屋寛徳先生もそこらのところをかなり検討されておりますので、これはまた後日含めて対応させていただこうと思います。
 水産庁に来ていただきましたけれども、先ほど似たような質問がございましたので、きょうは質問できないまま終わらせていただきます。
#70
○小泉親司君 沖縄米軍基地と環境問題について、外務大臣と沖縄開発庁長官にお尋ねをさせていただきます。
 まず、今問題になりましたPCBの廃棄物の問題であります。
 このPCBの廃棄物については、アメリカの太平洋軍のスターズ・アンド・ストライプス、星条旗紙という新聞によりますと、この廃棄物は沖縄米軍基地から出されたもの、それから東京の五つの大変大きな米軍基地から出された二年分の廃棄物をカナダ、米国に送ったけれども送り返されたと。
 そもそもこういう問題については、私どもは、アメリカ軍がアメリカ政府の責任できちんと処理すべきであるという、本国でやるべきだというのは当然であると思いますし、そもそも送り返すというのは言語道断の行為だというふうに考えております。
 そこで、先ほども議論になりましたが、衆議院でもきょう議論がありまして、外務大臣の衆議院と今の御答弁をまとめてみますと、すべてアメリカ側の説明ということを理由にいたしまして、一つは、今度の廃棄物は相模補給廠にある百二十トンのうちの百トンであること、二つ目は、相模補給廠では安全に保管されているということ、私、大変疑問がありますが、三つ目は、カナダ、アメリカから拒否されたけれども、今度の措置は一カ月の暫定措置であるということ、この点について、ほぼ外務大臣はそのような御答弁をされておられます。
 報道によりますと、今度のPCBの廃棄物はバーゼル条約に基づく五〇ppm以下の百トンであるということが報道されておりますが、私、そこで幾つかお尋ねしたいんですが、今度の相模補給廠から持ち出されたというものは、外務大臣、相模補給廠には百二十トンのうちの百トンとおっしゃっておりますが、スターズ・アンド・ストライプス、アメリカの星条旗紙によりますと、三十五万ポンド、つまり百六十トンである、こういう報道がされております。
 そればかりじゃなくて、最近の報道によりますと、アメリカの昨年三月の下院の報告書によると、日本には三百五十一トンのうち在日米軍に約二百五十一トン存在している。そのうち、五〇ppm以下がほとんどだけれども、四九九ppm以上という大変高濃度なPCBが十六トン含まれているという報告書もあります。
 実際、日本にあるPCBの廃棄物というのは相模補給廠だけではない、保管されているのは。その他に保管されている、ないしは現在もあるということは、外務省は確認されておられるんですか。
#71
○国務大臣(河野洋平君) 今、議員は恐らくスターズ・アンド・ストライプス紙の記事から引用をされてお尋ねだろうと思いますが、私どもも在京米大担当官に確認をいたしておりますが、在京米大の担当官からは、相模総合補給廠にあるPCB含有廃棄物の総量は百二十トンである、そのうち今度搬出されたものは約百トンであるということを口頭でございますけれどもそういう説明を受けておるのでございまして、そこで私は、きょう、衆議院の委員会におきましてもその旨御答弁を申し上げたわけでございます。
#72
○小泉親司君 いや、私の質問は、百二十トン、百トンというのはお聞きしましたので、アメリカ側の見解と違う、事実関係と。ということは、相模補給廠以外にもPCBの廃棄物がどこかに保管されているのかということをお尋ねしているんです。
#73
○国務大臣(河野洋平君) 日本全国にどのくらいあるか、こういうお尋ねだと思いますが、これは実はまだ確認ができずにおります。これらの数字につきましては、確認方努力はいたしますが、現時点におきましては、まだ先方からこれまでございました説明の中にはその数値はございません。
#74
○小泉親司君 ということは、相模補給廠の百二十トンばかりではなくてもっとたくさんあるということをおっしゃっておられるんだと思いますが、先ほど言いましたような有害物質の移動に関する条約、いわゆるバーゼル条約というのは低濃度の五〇ppm以下のものの搬出以外は認められていないわけで、という意味は、相模補給廠の中にも高濃度のPCBの廃棄物が存在するということなんですね。
#75
○国務大臣(河野洋平君) 委員会で御報告を申し上げるほど確たるものを持っておりません。まことに申しわけありませんが、確認した数字というものは御報告、現在できません。
#76
○小泉親司君 私が申し上げておるのは、相模補給廠に百二十トン、そのうち百トンが今移動されておるということは、少なくともこの問題を、私が米軍の発表をうのみにしたとしても、二十トンは移動できないものかどうなのか、いわゆるバーゼル条約に基づいて五〇ppm以上のものなのかどうなのかということを確認しないんですか、そこがやはり一番問題なんじゃないかと思いますが、どうですか。
#77
○国務大臣(河野洋平君) いや、実はそこまで私どもは米軍に確認をしておりません。百二十トンのうち百トンを船に積みましたけれども、残りの二十トンも都合のいい船便があればそれに積むつもりであるかもしれませんし、もちろん議員がおっしゃるように濃度が高いために積み出す先を別にしなければならないということもあるいはあるかもしれませんし、その辺のところについては先ほど来申し上げておりますように、大変恐縮ですが、確認ができておりません。
#78
○小泉親司君 確認していただくことはできるんですか。
#79
○国務大臣(河野洋平君) 私どもとしては、いつも申し上げていることでございますが、日米合同委員会の枠組み、特にこの枠組みの中で委員会のもとに設けられております環境分科委員会というのがございますが、この環境分科委員会などを活用して米側と意見交換をこれまでも行ってまいりましたし、今後ともこの枠組みを活用して米側に尋ねたり、米側の現状について確認をしたりということをするべく努力をいたします。
#80
○小泉親司君 その点については、私が先ほど質問いたしましたように、実際に在日米軍のPCBの廃棄物が現在日本にどれくらいあるのか、総量として。相模補給廠には百二十トンあるということらしい話でありますけれども、先ほども報道で示しましたように二百五十一トンという報道もある、つまり報告書もある。さらに、星条旗紙によると百六十トンだということもある。そこのところは正確に私は当委員会にもきちんと、この問題というのは沖縄の米軍基地のPCBの問題と関係して大変重大な問題だというふうに思いますので、その点、当委員会にもぜひ報告いただきたいと思いますが、それはお約束いただけますか。
#81
○国務大臣(河野洋平君) 恐らく多少の移動がある、出入りがあるということもあろうかと思います。したがって、どこの時点でどういう数字がつかめるかということについて検討をしてみなければしかと申し上げかねますが、できる限り努力をしてみたいと思います。
 ただ、この問題はPCBの含有量の問題、つまり五〇ppmを超えるか超えないかとか、そういったことによって多少仕分けがあったり、いろいろな数字の分け方があるかもしれませんし、これも専門的な問題として私どもも検討をさせていただきます。
 今、議員からのお尋ねでございますが、先ほどから申し上げておりますように、合同委員会の枠組みを使って先方に確認をすべく努力をしてみます。
#82
○小泉親司君 五〇ppm以下というのはバーゼル条約で移動する場合の基準だけですから、日本の場合の基準は、地位協定の壁はありますが、基本的には検出をしてはならないというのが、水質においてはゼロであるということは基本でありますから、その点はもう外務大臣も御存じのこととして答弁されておるということを前提に私はお話をしておりますので。
#83
○国務大臣(河野洋平君) 動きやすいかどうかということですね。
#84
○小泉親司君 はい。
 そして、もう一つの問題というのは、先ほどからカナダ、アメリカで拒否されたというお話は衆議院でも繰り返しあるんですが、なぜカナダとアメリカで拒否されたんですか。アメリカ国内で拒否されたというのは、報道によりますと、何かアメリカの国内でつくっていないものだったんだ、つまり日本製だからだということをおっしゃるけれども、実際にこの在日米軍のPCBの廃棄物は、いわゆる日米安保条約における治外法権を持った在日米軍、米軍基地という米本国と同じ扱いをしているところから公用貨物として米国に出されたものでありまして、これ自体は安保条約のもとであれば当然アメリカ軍の、つまりアメリカのものであるということは間違いないわけで、それをなぜアメリカが拒否したのか、ここら辺が鮮明にならないと、実際に例えば外務大臣は一カ月の暫定だと今度の問題はおっしゃるけれども、カナダもさらにアメリカ本国も受け取らないというものをどこかの国が引き取ろうというんですか。バーゼル条約では開発途上国にこういうものを置いちゃいけないという規定もあるわけで、実際にこの二つの国で拒否された理由というのは外務省としてはどういうふうに認識されておるのか、その点をお尋ねしたいと思います。
#85
○国務大臣(河野洋平君) お尋ねの問題にまず申し上げますが、カナダが引き受けなかった理由は、本来カナダは、カナダの国内法上五〇ppm以下は輸入規制の対象にはならないということであったわけでありますが、アンダーソン・カナダ連邦環境相が、カナダ政府としては積み荷がカナダの環境基準を超えるものであるかないかを問わず当該積み荷は引き受けない、こういう発言をしたために、カナダにおろすことができなくなった。
 アメリカにおきましては、今、議員がおっしゃるように、これはアメリカ製ならともかくも、アメリカ製以外のものはだめというたしかルールがございまして、シアトルにおきましても、本来、アメリカ環境保護庁は三十日以内に廃棄物の受け入れ先を見つけることを条件にシアトルでおろしてもよろしいと、こう言ったんですが、港湾労組の反対に遭って荷役ができなくなった、こういうことでございます。
 それで、議員のもう一つのお尋ねでございますけれども、そういう状況下で一カ月以内に持っていけると思うか、こういうお尋ねでございますが、これは私の方は米側に対して一カ月以内に必ず日本以外の場所に持っていきますねという確認をいたしておりまして、米側は必ず一カ月以内に持ち出します、こういうことを言っているわけでございます。
#86
○小泉親司君 私たちは、すぐにPCB廃棄物はアメリカが責任を持ってやるべきだという立場なんだけれども、外務大臣は一カ月の保証があるんだ、米軍が保証してくれたんだと言うけれども、実際に米国国内自体からも拒否され、その同盟国であるカナダからも拒否され、一体どこに行く先があるという、そういう保証を外務大臣はどういうふうに考えておられるんですか。
#87
○国務大臣(河野洋平君) そこまで私が指図をするという立場ではございません。私は、アメリカに対して、一カ月以内に持ち出しますというアメリカのその約束が実行されるということを確認するという立場でございます。
#88
○小泉親司君 外務省のホームページを見ますと、日本国内で処理すべきではないということを米側に対して再度申し入れたという河野外務大臣の記者会見のものがありますが、実際に外務大臣として、アメリカ政府とこの問題を私はきちんと外交ルートを通じて話し合うべき性格のものだというふうに思うんですよ。
 例えば神環保、いわゆる神奈川のダイオキシンの問題についてはわざわざ米側が日米外相会談、日米防衛首脳会談で、アメリカ側の住宅がダイオキシン被害に遭っているということで国務長官や国防長官が乗り込んできて外務大臣や防衛庁長官に対して言うのに、なぜ日本国民が今大変に問題視しているこのPCB廃棄物について、外交ルートを通じてアメリカ政府に外務大臣が正式にきちんと話をして、一日も早くこれについてはもう一度アメリカ国内に持ち帰ってきちんと処理すべきであるということを言うべきなんじゃないでしょうか。私、その点、外務大臣はいかがお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
#89
○国務大臣(河野洋平君) このPCBを一カ月以内に持ち出すべしということを日米間で話し合いましたのはもちろん外交ルートでございます。かなり高いレベルの外交ルートと申し上げていいと思います。東京でもワシントンでも双方で申し入れをきちっとしております。
#90
○小泉親司君 九二年に横須賀、厚木、岩国、佐世保、沖縄のほとんどの米軍基地でのPCB汚染が大問題になっているという米下院のいわゆるレイ報告というのが出されたときに、九二年の二月二十六日の外務委員会で当時の渡辺美智雄外務大臣が何と言っているかというと、まず調査をさせること、これは必ずやらせますと。合同委員会でどうするか、いろんな問題については考えます、調査をしますということを約束されている。当時の佐藤北米局長も、例の今おっしゃっている環境分科委員会で、アメリカともただすべきことはただしまして、その結果を見て必要な措置をとりたいということまでおっしゃっている。
 先日の外交・防衛委員会でも、外務大臣は言うべきことを言う外交とおっしゃったので、この点については外務大臣としても、この調査、先ほど言いましたようなPCBの廃棄物の総量がどのぐらいあって、それをどういうふうに実際問題として処理しようとしているのか。今回の問題については、一体この濃度がどのぐらいあって、高濃度のものが一体どこに保管されているのか、こういう問題も含めてこのPCB問題をきちんと調査もして、外務省としてもきちんと対応すべきだということについて最後にちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#91
○国務大臣(河野洋平君) 外交ルートを通じてきちっとした申し入れをいたします。
#92
○小泉親司君 もう一つ、ちょっと時間もありませんが、SACOの報告に基づきまして、北部訓練場のいわゆるヘリパッドというヘリコプターの訓練場の問題についてお尋ねをいたします。
 SACOによりまして、北部訓練場の一部が返還されることに伴って七カ所のヘリパッドがなくなるということで、それを移設するという計画があるそうですが、まず防衛施設庁長官にお聞きしたいのは、北部訓練場には何カ所ぐらいのヘリパッドが全体として存在するのか、その点をお尋ねします。
#93
○政府参考人(大森敬治君) お答えいたします。
 北部訓練場には、現在、二十二カ所のヘリパッドがございます。
#94
○小泉親司君 ここに北部訓練場内のヘリパッド建設予定地の見直しに関する要望書という、琉球大学の先生方が調査をされておられまして、これは防衛施設庁長官の大森さんあてに出している文書でありますが、私は外務大臣と沖縄開発庁長官にお尋ねしたいんですが、今回のヘリパッドの建設が予定されている一帯は、最も自然度の高い水系が、推定樹齢百年を超えるという巨木を含む植生や、分水嶺から海岸線まで切れ目なくつながる自然植生で覆われている、このような地域はやんばるのこの一帯だけであるということを前提にしまして、絶滅危惧種がたくさん存在していて、これに対する保護をきちんとやる必要があるということが指摘されております。
 防衛庁の調査を見ますと、確かに環境調査はやられておるんだけれども、七カ所の本当に周辺区域をやっておるだけで、実際にここの中でヘリコプターの訓練が行われるというのが環境調査としてしっかりやられているかどうかという点については大変疑問がある区域なんです。
 そこで、このヘリコプター訓練と環境問題についてはアメリカでも非常に調査が進んでおりまして、一九九三年の米空軍の超低空、いわゆる低空のヘリコプター訓練の際の絶滅危惧種を保護する問題についてもきちんと報告書も出されておりまして、ヘリコプターが絶滅危惧種に与える影響は非常に強いんだということが指摘されております。
 その点でもやはりきちんとこの問題については、防衛施設庁の、私から言わせていただければいいかげんな調査ではなくて、ヘリコプターが、実際にこの訓練場が一体どういうふうな影響を与えるのか、もっときちんとした環境調査も含めて、アメリカ空軍の調査などもぜひ検討していただいて、そういう調査も、きちんと環境影響評価もすべきだという点を長官と外務大臣のお二人にお尋ねして、質問を終わらせていただきます。
#95
○国務大臣(青木幹雄君) 沖縄本島北部の自然環境の保全にできる限り配慮をしなきゃいかぬという観点から現在調査を進めておりまして、ヘリコプターの着陸帯の移設に当たりましては、自然環境に与える影響を最小限にとどめるという考え方で現在進めているところでございます。
#96
○国務大臣(河野洋平君) 今、官房長官御答弁のとおり、環境アセスは現在行われているというふうに聞いております。
 かねてから沖縄の問題につきましては、豊かな自然というものに十分配慮がなされるべきだというふうに考えておりまして、そうしたことをしっかりと踏まえて事態が進んでいくようにしたいと思っております。
#97
○小泉親司君 終わります。
#98
○照屋寛徳君 沖縄は、先ほど外務大臣からお話がありましたように、十六世紀ごろから朝鮮半島、中国あるいは台湾、東南アジアの国々と交易をして栄えてまいりました。特に朝鮮半島とは文化それから工芸、非常に深い交流の歴史を持っておるわけであります。
 今、日朝国交正常化へ向けて政府間の交渉が進められておりますし、また六月には南北首脳会談が行われる、このようなニュースに接して大変喜んでおるところであります。日本と朝鮮が近くて遠い国から、文字どおり近くて近い国の関係になるように、また南北首脳会談の進展いかんによっては北東アジアの安全保障環境にもいい影響を与えるのではないか、そのことがまた結果的には膨大な米軍基地を強いられている沖縄の基地問題にも私はいい影響を及ぼすのではないか、こういうふうに思っております。
 それで、五月三日から七日まで、沖縄から初めてチャーター便で大型の民間訪朝団、これは前知事の大田さんが団長で、私も一緒に行くことになっております。そういう点で、私は非常に画期的な訪朝団ではないかと思いますが、民間外交のあり方等を含めて、外務大臣の所感をお伺いいたします。
#99
○国務大臣(河野洋平君) 照屋議員がお話しになりましたように、地理的には極めて近い距離にあるわけでございますが、これまで近い距離にありながら人の往来というものはなかなか頻繁にというわけにいかなかったわけでございます。しかし、今回大型の訪朝団が北朝鮮に向けて出発をされるというお話を伺いまして、これは大変明るいニュースになるだろうと思います。
 ぜひひとつ、多くの方々が北朝鮮をみずからの目で見て肌で感じて、お互いに理解し合える、そういう感じを感じ取ってきていただければ大変ありがたいというふうに思います。
 でき得べくんば、我が方が行くだけではなくて、先方からも大型の訪日団でも来ていただければ、さらにそれは効果が一段と上がると。ぜひ訪朝団の皆さんには、北朝鮮の皆さんにも日本訪問を要請されるなど、両国の関係が官民ともどもに近まっていく、そういうことを期待いたしたいと思います。
#100
○照屋寛徳君 官房長官・沖縄開発庁長官、大変お忙しそうでございますので先に質問をして、一点だけですのでお願いをいたしたいと思います。
 森さんが総理になられました。幹事長のころに、三月二十日、石川県で講演をやりまして、そのときに、沖縄の教職員組合、先生方が組織をしている労働組合は共産党が支配をしている、沖縄の新聞の沖縄タイムスや琉球新報も共産党が支配している、だからいつも反権力的なんだと。こういうふうなことで、大変沖縄の近現代史を踏みにじるというか、沖縄の人たちの心を踏みにじるというか、恐らく歴代の総理大臣、当時は幹事長ですけれども、政治家でこれほどあからさまに沖縄を侮べつした人は僕はおらなかったんじゃないかと思うんです。
 それで、小渕前総理は、沖縄に来られたときに、それは極めてまずい発言だ、不適切だ、こういうことで率直に県民におわびをしたんです。
 私はこのことは来週の予算委員会で総理に厳しく追及しようと思いますが、沖縄開発庁長官としてはその森発言をどのように受けとめられておりますか。
#101
○国務大臣(青木幹雄君) 先日の森総理の発言、当時は幹事長でございますが、その発言の本意は、学校における国旗・国歌の指導に万全を期していただきたいという願いがそういう発言になったということを私も聞いておりますけれども、少なくとも、当時、一大政党の幹事長としては、たとえ本意がどうあろうと、その発言については当然これは気をつけて行わなきゃならない、誤解のないような発言をしなきゃならないと私も考えております。
 来月の十四日に初めて総理として沖縄にお邪魔をすることになっておりますので、できればその機会をとらえて、自分の発言の本意はこうだった、誤解があったことは申しわけないと言っていただけば、私はそれが一番の方法だろうと考えております。
#102
○照屋寛徳君 どうぞ官房長官、私の質問の限りでは退席して結構でございます。
 厚生省、おいでですか。厚生省に一点お伺いいたします。
 国立療養所宮古南静園の緊急通報システムでありますが、大変設備が老朽化をしておって緊急通報システムの機能を果たしていない。しかも、昭和六十年七月に設置したもので、故障しても交換をする機材がないというんです。これじゃ私は困ると思うんです。
 入園しておられる方々は、今平均年齢七十三歳と伺っております。ハンセン病の患者さんは、特に沖縄では二十七年間アメリカの支配下にあって、本土におられる入園者よりもっと過酷な状況に置かれておったわけで、私はこの通報システムを優先的に新しい緊急通報システムに速やかに変えるべきだ、こういうふうに思っておりますが、いかがでしょうか。この写真もお渡ししてありますから。
#103
○政府参考人(河村博江君) 国立療養所宮古南静園の通報システムにつきましては、先生おっしゃいましたように、昭和六十年に設置導入いたしまして、導入後約十五年経過いたしておるわけでございます。
 宮古南静園におきます緊急通報システムの導入につきましては、入園者の生活状況等を勘案いたしまして検討してまいりたいというふうに思っております。
#104
○照屋寛徳君 ぜひ優先して予算措置をして速やかに改善していただきたいということを強く御要望申し上げたいと思います。
 さて、PCB問題について、外務大臣、私も二、三お聞かせをいただきたいと思います。
 まず、今度のパナマ船籍でカナダ、アメリカに運ぼうとしてまた横浜へ戻ってきたこのPCBは五〇ppm以下のようでありますが、相模補給廠の倉庫には沖縄の米軍基地から運び込まれた五三万ppmという極めて超高濃度の物質が倉庫の中に残っておる、こういうことが言われておりますけれども、そのことは外務省は確認をしておられるんでしょうか。
#105
○国務大臣(河野洋平君) 確認しておりません。
#106
○照屋寛徳君 確認をするおつもりはありますか。
#107
○国務大臣(河野洋平君) 伺いましたので、確認をしたいと思います。
#108
○照屋寛徳君 沖縄の米軍基地では、返還されて後からPCBやカドミウムなどの有害物質等が発見をされて大変大きな問題にこれまでなってまいりました。恩納通信所も返還されたけれども、結局PCBなどが発見されていまだに跡地利用ができない、こういう事態なんです。
 先ほど外務大臣は、福本委員の御質問の答弁の中で、返還基地の浄化をアメリカはやっているんじゃないか、やっているんだ、こういうふうなことをおっしゃっておりましたけれども、地位協定上、返還に当たっての原状回復義務、要するに環境浄化の義務はアメリカは負わされていないんでしょう。どうなんですか。
#109
○国務大臣(河野洋平君) そうした義務はございません。ただ、先ほど私が申し上げたのは、そうした義務はないけれども、これは本来原状回復をすべきものである、そういうことを申し上げたわけでございます。
 今、照屋議員から、特定の地域を明示して、あそこはやっていないではないかという御指摘がございました。今事務方から、残念ながらそこはできていないという説明を聞きました。私の答弁はそういう意味では間違っておりましたので、訂正をさせていただきます。
#110
○照屋寛徳君 私は、一番大きな問題は、在日米軍基地すべてにおいて、環境問題との関係では環境関連法令、国内法令が全く適用されない、これは主権国家としてあるまじきことじゃないかと思うんです。だから、私のように基地の島で五十余年生きておりますと、さまざまな問題が起こりますけれども、やっぱり基地問題というのは環境問題でもあるんです。
 それで、これまでも嘉手納基地から重油が地下水に浸透をして井戸が燃え出す。それから、嘉手納基地から排出された油が県民の水源地である比謝川を汚染する。さまざまな問題が起こってきた。嘉手納基地では、またPCBを不法投棄したということで、一昨年でしたでしょうか、大変大きな問題になったわけであります。しかも、そういう環境問題が起こっても日本政府の立ち入りもなかなか認めない。こういうことでは私は非常に困ると思うんです。
 だから、PCBなどの有害廃棄物や、あるいは基地内の一般廃棄物、産業廃棄物、医療廃棄物、こういうものについて政府はどういうふうに掌握をしておられるのか。あるいはそのことについて防衛施設庁や環境庁はどういう対応を、対策をとっておられるのか、お教えいただきたいと思います。
#111
○国務大臣(河野洋平君) 在日米軍は基本的に我が国の法令の適用は受けないということになっておりますけれども、我が国の法令を尊重する義務というものはございます。
 しかし、今、議員がお話しになりましたように、環境問題という極めて重大なと申しますか、重要な問題がここにございます以上は、この問題について日米間で協議をする必要があるのではないか。私自身もそういう認識を持っておりますので、どういう状況、どういう場面で協議をすることがいいかどうかを含めて、これは当然日米合同委員会ということになろうかと思いますけれども、この問題については、私かねてから申し上げておりますが、この環境問題については研究をし、できる限り解決をしたいというふうに思っております。
#112
○照屋寛徳君 沖縄を含めて、在日米軍基地を抱えている自治体から、環境問題との関係でぜひ日米が共通のテーブルに着いて、日米合同委員会で私はしっかり協議をして、しかも当該自治体からは今のような地位協定ではだめだと。特に、環境問題との視点で地位協定の変更なり、あるいは地位協定の運用の改善なり、これは私は政府が総力を挙げて緊急に取り組まないと、やっぱり私たちの国土が、日本の国がアメリカの軍事行動によって、そして軍事基地によって汚染をされる。
 こういうことは私はいかぬと思いますので、どうですか、外務大臣、ここはもっと強力に、外務省として日米合同委員会でこのことを具体的に真剣に協議をするんだ、こういう決意をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#113
○国務大臣(河野洋平君) お考えはよくわかります。私も議員のお考えを共有いたしております。方法論について少し検討をさせていただきたいと思います。
#114
○照屋寛徳君 時間がなくなりましたので。
#115
○田村秀昭君 沖縄開発庁長官にお時間をちょっといただいて質問をさせていただきたいと思います。
 前にも私は御質問したことがあると思うんですが、沖縄県に対して、一元的に沖縄県のことを考えるというところが日本にはない。政府にはなくて、あるとすると内閣総理大臣ただ一人ということになるわけであります。
 なぜそういうことを申し上げるかというと、沖縄開発庁は、在沖の米軍基地の存在が沖縄の発展の障害になっていると認識をする、沖縄振興計画は市町村の発案により開発庁がまとめ上げる、基地の返還は所管にあらず、こうなっております。外務省は、安全保障上の観点から基地の存続は不可欠だという考え方です。防衛庁は、防衛上の観点から基地の存続は不可欠だ。沖縄県は、基地反対、基地撤去の立場からの要求はするが、基地との共存、整理、縮小の現実的な絵は描けない。したがって、沖縄県の十年後の青写真はどうなっているのかといったら、どこにもないわけです。
 だから、そういうことを私は省庁再編のときに、来年の一月には、例えば内閣府の官房長官の下に外務省、防衛庁、沖縄開発庁が入って協議をしないと、実際に十年後の沖縄をどうするのかということが描けない。機能的にそういうふうになっているわけです。
 そこのところをぜひお考えいただきたいというふうに思っておるんですが、長官のお考えをちょっとお尋ねします。
#116
○国務大臣(青木幹雄君) 議員のおっしゃることは私も全く同感でございます。そうしなければいけないと考えておりまして、中央省庁の再編に当たりましては、そういうことを考慮に入れまして、一体的に物事を推進するというために、各省庁よりも一段上に位置づけられております内閣府に沖縄担当部局を設置することを既に決定いたしております。
 そして、現在、開発庁におきましては、その移行に向けて準備をするために全力を挙げて取り組んでおりまして、沖縄開発にかかわるいわゆる総合的な企画立案、調整、そういうものをするために現在も室を設けて、部屋を設けてその準備に取り組んでいるところでございますので、省庁再編の折には議員おっしゃいましたような体制でスタートができるものと考えております。
#117
○田村秀昭君 それはぜひ実現をお願いしたいと考えております。
 基地返還ということについてでありますけれども、今、日米合同委員会その他ございますが、私は基本的に平和平和と叫べば平和は保てるというふうに考えておりませんので、そういう観点から御質問させていただきます。
 ちょうど冷戦が始まったときに、冷戦中、我が国は日米安保体制をとって西側の一員として参画してまいりました。それは、我が国の置かれた条件が中立を保てないような地政学的な地位にあったからであります。したがいまして、対ソ連については最も最前線に位置していた。したがって、西側に位置せざるを得なかった。中立なんか保てないわけですね。
 そのときに反対派の人たちは、アメリカの戦略に巻き込まれるとか、戦争に巻き込まれるから日米安保を破棄しろとか、そういうふうに言いましたけれども、そういうことは一切ありませんでした。それは、そういうことで平和を一生懸命維持してきたからであります。
 それで、沖縄についても、長官も御承知だと思いますが、二千キロと三千キロの円を描いた場合にどういうところが入ってくるか。ごらんになったことがあると思うんですが、今の沖縄に米軍の海兵隊が存在をするということは必須条件であります。したがいまして、いろいろな問題はあると思いますが、私はぜひ基地を返還する場合の交渉に軍事的知識のある人を参画させていただきたい。
 例えば、ナイさんのときだと思いますが、あの人はトータル・フォース・コンセプトという考え方を打ち出してきたんです。それで、どういうことを言っているかというと、例えば海上自衛隊もP3Cを持っている、アメリカ軍もP3Cを持っている、それで同じことをやっている、それはむだじゃないかと。それで、P3Cという、自衛隊は攻撃的なことをやっておりませんので、警戒監視だけですから、警戒監視は日本側がやるというふうにすれば米軍のそれは要らなくなるわけです。
 それから、一八戦闘団というのは、これは航空団ですから本土に持ってきてもいいわけです。すぐ発進できるようにしておけばいいわけであって、そういう交渉を軍事的知識のない人が幾らしても、相手もミリタリー・ミリタリーで信頼感がありますから、そういう交渉が非常にうまくいくんではないかというふうに私は考えておりますので、そういう交渉の事務的な場所にぜひユニホームの統幕に勤務するような人を参画させることが基地問題をよりスムーズに縮小を実現できる道だというふうに私は考えておるんですが、長官の御意見をお伺いします。
#118
○国務大臣(青木幹雄君) 議員御承知のように、SACOの最終報告を受けまして着実な実施に向けて今政府も全力を挙げて取り組んでいるところでございますが、報告書の作成過程やその後の実施過程におきまして米国と調整を行う際には、もちろん外務省、防衛庁といった関係省庁が緊密に連携はとっておりますけれども、必要に応じて自衛官も参加してその専門的な知識を活用させていただくように現在も行っております。
 また、沖縄に関する特別行動委員会のメンバーには統合幕僚会議議長も参加しておられますので、いろんな問題解決をするためにそういうことが必要であれば、当然私どもも今おっしゃったような対応をしていきたい、そのように考えております。
#119
○田村秀昭君 長官に三番目の御質問でございますが、私も沖縄の政務次官をやらせていただきまして、多くの沖縄県民の皆さんとひざを交えてお話をしました。
 そのときに私が非常に強く感じたことを一つ申し上げますと、ちょうど憲法改正について、今国民の六〇%が改正すべきだ、そういう意見を持っているのが現状ですね。それと同じように、なぜ先生、我々が一生懸命こうやって米軍基地にいてアジアの平和を保っているのに、それに対して誇りと地位を与えないのか、あなたたちは何かというと振興計画とかそういうお金みたいなことで話をしてくる、非常に不愉快だ、なぜ自分たちにそういう本当に沖縄県民の地位と誇りを与えるようなことを政府はしないのかということを非常に強く私は言われた記憶がございます。
 そして、今も多くの方とおつき合いしておりますが、普通の県民の方はそういう気持ちで、特に名護の皆さんともこの前お話ししてきたんですが、そういう感じで、何か無理強いをして、物とかお金とかそういうのでやるという考え方が非常に不愉快だということを言っておられる方も多々あると思いますので、ぜひそういう沖縄県民の誇りと地位というものをきちっと与えるような、ちょうど自衛官に誇りと地位を与えると同じような、公共のために尽くしている人たちですから、そういうことをぜひ政府の施策として、今度のサミットも小渕前総理はそういうお考えでおやりになったと私は思うんですが、その観点を強く申し上げて、長官への質問は終わらせていただきます。
 ちょっと時間がまだございますので、総務庁長官にお尋ねをさせていただきます。
 私は、北方領土の返還ということについてロシアの駐在武官の人と、非常にその人は日本語がうまくできたものですから、ずっとおつき合いをさせていただいているんですが、彼が言うには、正式なコメントとして言っているわけではありませんが、まず北方領土の返還について二点その人は私に食事をしながら話していたんです。
 一つは、北方領土というのは絶対に返らないよと。それは幾ら、努力されているのは日本政府としては大変なことだと私は思っておりますが、戦争でとられたものは戦争で取り返せというのがロシア人の考え方だと、まず基本的に。
 それから二番目に、北方領土というのは海軍が管理している。海上自衛隊から一回もそういう話を聞いたことはない。外務省はそういうことを言っているけれども、我々はそういうことを聞いたことがない。だから、管理者と話もしないのに、外務省というんですか、外交ルートだけでは返らないと思うよということをロシア人が言って、それはロシアの多くの人がみんなそういうふうに思っているかと言ったら、大体そういうふうに思っているということでございました。
 日本国民は一丸となって北方領土の返還を期待し、ロシアとの友好条約を早く結びたいというふうに思っておられると思うんですが、これは外務大臣は担当で責任者でございますので、外務大臣にはお聞きしませんので、閣僚である総務庁長官、そういう世論を沸き上がらせて御努力をされている長官に、そういう考え方もあるんだよということをお聞きになって大臣としてどういうふうにお考えになっているかお尋ねして、質問を終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(続訓弘君) せっかくの田村議員の御質問ではございますけれども、私自身は実は日ロ議員連盟というところに所属しておりまして、つい昨年、ロシアの国会議員とお会いいたしました。その国会議員の中に軍人さんが三名おられました。五人おいでになりまして、海軍もおられましたし、陸軍もおられましたし、空軍もおられました。その方々に率直なお話を申し上げました。北方領土は日本の固有の領土だ、あなた方はどういう意向を持っているんですか、こういう話を私は単刀直入に伺いました。
 議員さんが答えていわく、実は世論は二分している。今お話しのように、返すべきでないという世論もあります。しかし同時に、法律的には自分たちの固有の領土ではないという意見もあります。しかし、いずれにいたしましても、今の状況では非常に難しいということを私どもは認識しております。しかし、このことは日本が粘り強く我々に議論を吹っかけ、そしてお互いが胸襟を開く、そしてそのことによって解決するでありましょうというお話も実は承りました。
 そこで、私どもとしては、既に昨年の九月現在で七千百万人もの方々が何としても北方領土を返還すべきだという国民運動が盛り上がっておりますので、今、国会議員の議論は議論として、何としても世論を盛り上げ、外務大臣にお願いをして外交交渉の実を上げていただきたい、こんなふうに思います。その辺のところも御理解賜りたいと存じます。
 そういう意見もあるし、今申し上げたような意見もあるということを御理解賜りたいと存じます。
#121
○田村秀昭君 ありがとうございました。
 終わります。
#122
○委員長(立木洋君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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