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1950/11/29 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第2号
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1950/11/29 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第2号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第2号
昭和二十五年十一月二十九日(水曜
日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○本委員会の運営に関する件
○連合委員会開会の件
○公聴会開会に関する件
○地方公共団体の議員及び長の選挙期
 日等の臨時特例に関する法律案(内
 閣送付)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方財政に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 先ずお諮りをいたします。昨日委員長、理事の打合会を開きまして、地方公務員法審議の日程の案を作つて見ましたので、委員会にお諮りをいたしたいと思います。お手許にお廻しをいたしました地方公務員法案審議日程表を御覧頂きまして、まあ大体こういうような予定でやつて見たらどうだろうか。特別のことが起れば又別でありますが、順調に審議が進んだといたしまして、こういうふうにやつて見たらどうか。こういうつもりで案を作つたのであります。これにつきまして御質問ございましたら……。
#3
○堀末治君 実は私昨日理事会でこの御相談にあずかつたのでありますが、ちよつと私錯覚を起しておりまして、これでいいだろうと私も賛成をいたしましたが、実は最初参議院のほうでは今度の会期は九日までというふうにきめた。それが先入観になつておつたものですから、八日に終れば九日の本会議にかけられるということで、私は結構ですと実は賛成いたした次第であります。あとで聞いて見ると、衆議院は八日までと本会議できめてある。従つて今國会は八日までになつておるのであります。これは審議の過程でどうしても、時日がなければいたし方ありませんが、成るべくならば八日の本会議に本法案は無事にかけられるように一つお変えを願いたい。こういうふうにお願いいたしたいと思います。
#4
○委員長(岡本愛祐君) その意味は、この日程案では委員会の討論採決が午後になつておるけれども、できれば十二月八日、金曜日の午前にやるような運びにして貰いたい。こういう主張でございますか。
#5
○堀末治君 さようでございます。
#6
○小笠原二三男君 私のほうでも協力するつもりで、こういう案を作つておるのですが、併しここで一応申上げて置きたいのですが、地方公務員法案の内容を見る場合に、このままで進捗するかどうか。これは單なる予定であると思われるほど重要な又複雑な問題があるわけです。ですから我々としては法案を愼重に審査するということを建前にして進みたい。こういう意味でこれでよろしいというふうにも考えられるわけです。
#7
○委員長(岡本愛祐君) 如何でございましよう。大体昨日きめたのですからこの案を予定しまして、できればその進捗の工合で八日の午前に討論採決ができるように努力して見るということでお願いしたらよろしうございますね。
#8
○西郷吉之助君 今堀君が與党側として言われた気持もよく了解するのですから、今委員長が言われたように、何せ臨時國会で期間が短いのです。而もこの公務員法は相当重要な内容を持つておりますから、午前中に上げたい気持は私もよくわかるのです。全体の期間が短いことを考えて、午前中に上げるということを決定するのはどうかと思うので、やはり昨日の理事会の案を頭に置いて努力して行かなければならんということが一番いいと思います。
#9
○委員長(岡本愛祐君) じやそういうふうに御了承願つて置きまして、それではこの案で進むことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(岡本愛祐君) ではそうお願いいたします。
  ―――――――――――――
#11
○委員長(岡本愛祐君) そこで連合委員会でございますが、これは人事委員長、文部委員長、労働委員長から連合を願いたいという申入れがございました。それで地方行政を中心とした四委員会の連合委員会を明日から三日間開く、こういう予定にいたしたのでございます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうに計らいます。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(岡本愛祐君) なお公聽会でございますが、これは小笠原委員、社会党のほうから申入れがありまして、二日に亘つて聞くほどの人数が必要であるからというので、いろいろ御案が出来ました。それは又別にお手許に案を廻してございます。それで知事代表一名、市長代表一名、町村長代表一名、自治労協代表一名、日教組代表一名、都市交通代表一名、市従業員組合代表一名、都労連代表一名、その他有識者四名、これはいろいろ昨日理事の方々と御相談しまして東大の宮原教授又は宗像教授、それから末弘巖太郎氏又は蝋山政道氏、それから田中次郎東大教授、辻清明重大教授、こういうふうにお願いいたしたいと思います。それから新聞公示により公述人を二名選びたいと思います。それは又選ぶときには理事にお任せ願いたいと思います。で十四名ですから七名ずつやつたほうがその人も予定がたちますし都合がいいのじやないかと思います。それでどうせ二時頃に済むだろうと思いますから、後は委員会をやりまして外の法案があればその外の法案をやる。こういうふうに運びたいと思います。それで御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(岡本愛祐君) ではそういうふうにおきめを願います。
  ―――――――――――――
#15
○委員長(岡本愛祐君) 次に本委員会に予備審査で付託になつております地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、これを議題に供したいと思います。
#16
○小笠原二三男君 その前に本日の日程についてお伺いして置きたい。と申しますのは本日の本会議は社会党の河崎さん、緑風会の堀越さんがあるわけです。我々地方行政委員会の立場に関する質疑を行わんとするかたに堀越さんがあるわけです。これは地方財政と文教問題と聞いておるのですが、我々が今地方財政について緊急質問をしたい。何とかしたいと考えておることに重要な関連があるのです。それでこういう本会議を聞きたいということが第一の理由、更に第二の理由として、岡本委員長が昨日本会議でやられたような場合には皆様の出席を願つた。然るに我々の委員長が本会議の質問を終つたから後は本会議には出ないで、こちらはこちらで委員会をやるのだということは、どうも聞えない話であるというのが第二の理由です。第三の理由としては、今朝の新聞論評等を見ますと、あれだけ野党が國会の審議権の問題で争いながら一旦本会議が開かれると、だらけて低調で出席も誠に少いという批判があるのです。我々野党としてはこういう批判を受けることは誠に何と申しますか、的が外れておると言いたい点などで、本日一日本会議中委員会を開くことについて我々として異論があるわけなのです。それでどの程度に本日の委員会をやられるお考えであるか、一応承わつて置きたいと思います。
#17
○委員長(岡本愛祐君) 昨日委員長、理事で打合せをいたしまして、連合委員会は四委員会に亘ることですから、本会議の開会中は連合委員会を避けようというふうに、大体申合せの案を作つて頂いたのであります。それで地方行政委員会だけの單独委員会につきましては、何分この地方公務員法という大物を控えて、連合委員会等に時日を取られる関係もありますので、又地方公務員法にかかります前に、地方財政の緊急対策についての継続春査をいたしましたそのけりを付けたという小笠原委員からの申出もありましたから、それで今日は委員会を開きまして、今議題に供しました選挙法関係の法律案、それから地方行政の緊急対策、それを本会議に差支えない程度にやりたい。こういうふうに考えておるのでございます。なお小笠原委員のおつしやるように成るべく本会議に差支えないようにしなければならないということは、これは御尤もでありまして、そうしなければならないのですが、これは議長の許可を得れば開いていいことになつておるのでございますから、單独委員会なれば議長の許可を得られるのでありますから、そういうふうに運んで行つたらどうか、こういうふうに思うのであります。それで若し緊急対策についてそれほど御質問ないかたは御欠席になつてもいいと思いますが、まあなるたけこの委員会に出て頂いて、その大事な緊急対策についてのいろいろ皆さんからの意見が出、それを又聞いておるうちに自分の意見が出ますから、そういうふうにしん頂いたらと、こう私は思つておるのであります。
#18
○小笠原二三男君 それはこの会議を進行させたいという意図を持つて、そうお考えになることはこれは我々も異存のないところであります。併し委員長御自身道義的にどうお考えになるかということであります。自分が質疑をするときには皆に聞いて貰いたい。それからよそのかたが質疑するときには、いやこちらはこちらでやるのだということ、こういうことについて委員長は如何かということをお聞きしたいのであります。うちの党の連中もそういう関連で本会議に出席しておつて、こちらに出て来ておらないわけであります。
#19
○委員長(岡本愛祐君) お答えいたします。私は別に、委員会で急にやらなければならないことがある委員の人には、是非とも出て貰いたいとは思つておりませんでしたが、現に大分おらないかたもあつたのであります。又昨日の午後におきましても在外同胞の特別委員会のみならず、そういう委員会がやはり開かれたのでありまして、こういう緊急のときにはいたし方がないのじやないかと思うのです。
#20
○小笠原二三男君 それでは今日ずつと続いて財政問題までやつて行くということならば、それができるように委員長のほうで御準備願えますか。途中でもうできなくなつた。まあこの辺でやめましようということのないよう、そういう御準備を願えますか。関係者にも出て頂いて……。
#21
○委員長(岡本愛祐君) 大蔵大臣は本会議が済んだら出ると言つておりました。だから本会議が済んだ後に大蔵大臣には来て頂きます。それから岡野國務大臣はおいでになつており零す。野村委員長も今おいでになります。ただ残念なのは西郷君から御要求のあつた表がまだきていないことであります。これは今日は間に合いません。
#22
○西郷吉之助君 今日は予算委員会が午後一時からあるのですが、今大蔵大臣は本会議が済めばこちらに出るということでありますが、本会議が済むのは午後四時頃だろうと思いますから、それからそういうことをやるのが妥当かどうか。それから予算委員会が午後一時からあるのです。それは今度のはどういうことをやるのか私は存じませんが、御説明を聞かなければならない。今日は第一回でありますから大蔵大臣が出ないで済むかどうか。向うのことでありますからわかりませんが、今日は午後一時から予算もあり、本会議も継続しておりますから終るのは四時頃だろうと思います。それが済んでから出るということでは、こちらのほうの日程が非常に遅くなるのじやないかと思います。最初は大蔵大臣の意見をいろいろ聞くのはいいと思いますが、そういうことになつて来ると、予算委員会のほうからも出ろということを要求して来ると思いますが、今言つたようになかなかうまく行かないと思うのであります。
#23
○小笠原二三男君 結局は大蔵大臣、それから岡野國務大臣、それから野村委員長、この御三人は同時に出席して頂いてそれぞれ関連する問題について質問したければ、何と言いますか中核になる点を衝けないのじやないか。
#24
○委員長(岡本愛祐君) 小笠原委員から御意見が出ておりますが、他の方々は如何ですか。
#25
○堀末治君 小笠原君のお話も非常に御尤もですけれども、会期が差迫つた場合にはこういう事例が今まで何回もある。私ども片山内閣の時代に國管問題の審議をしたとき、そのときも日曜日も殆んど休まずに、夜八時、九時まで審議を継続して、そうして会期が差迫つているので、片山内閣の重要法案でもあるから、それを審議未了に終らせるなどということは、参議院の態度として甚だ面白くないから、書夜兼行でもやろうじやないかというので、夜九時、十時までもやつた事例もあるのであります。さようなことでありますから、小笠原君の言われた通り、この法案は重要な法案であり、だんだん会期も追つていることでありますから、できるだけ我々としていよいろな事情を差繰つても、参議院としては審議を継続させるのが本当じやないか。審議もせずに……、十分審議を盡して尚且つ審議が終らんということなら、私ども委員会としても十分職責も蓋したことになりますが、審議もしないでこの選挙法を徒らに遷延させるということは、参議院の地方行政委員会としても又いろいろな非難をこうむつてもどうかと、実はかように思うのであります。どうかさようなことでございますから、本会議と並行してやることにして差支えないと思いますが、どうか一つ昨日も大体そういうことで、今日はこのほうの問題をやろうじやないかというて進めたのでありますから、取あえず進めまして、或いは資料が集まらない、表が出ないというようなところから、それがうまく行かないということなら、それは又そのときそのときにお考えになつたらどうかと、かように思います。
#26
○西郷吉之助君 今堀君の言われたことは僕は理事じやないから知らなかつたのですが、昨日は選挙法のことをなさるということと、予算関係のことも今日することにきまつておつたのですか、どうですか。
#27
○委員長(岡本愛祐君) 選挙もやり、それから緊急対策の問題についてやつてしまおうという計画だつたのであります。それで、大蔵大臣から説明して貰おうという計画であつたのであります。
#28
○西郷吉之助君 やつてしまおうというのは、予算関係と選挙と一緒に、今日のうちに片付けてしまおうというわけですか。
#29
○委員長(岡本愛祐君) 選挙のほうは提案理由の説明だけです。
#30
○西郷吉之助君 予算関係のことを今日中にやつけてしまうのですか。
#31
○委員長(岡本愛祐君) やつけてしまうのじやないのです。(笑声)今日できるだけ説明を聞こうというのです。
#32
○西郷吉之助君 昨日の取きめはどうか知りませんが、私個人の意見としては、予算に関係する問題ですから、予算委員会はまだ一回も開かれないので、予算関係の審議の途中にいろいろ問題が出て来るのじやないかと思いますが、この最初の一、二日だけやつて途中で審議を打切るということには絶対反対です。これは期間中かけなければ、予算のほうの本格的審議も済まない。而も私の要求した資料もないのに、最初の一日か二日で重要な問題の審議を打切ろうなどということは以ての外です。全期間を通じて、公務員法のほうの審議も始まつて、最後まで兼ね合せて、これは予算のほうの問題も出ておりますから、さように打切るとかいうことには私は絶対反対です。最後まで出で質問しなければ重要な問題で、而も地方の要求が殆んど通つていない。そういうことを最初のうちに打切るということには絶対反対であります。臨時國会の期間が短くても初めのうちに打切るということには絶対反対です。
#33
○委員長(岡本愛祐君) 打切るということは、私言葉を滑らしたかも知れませんが、そういう意味じやありません。関連して御質問が出るのは仕方がないのでありますが、併し公務員のほうを始める前に、一応この地方財政の緊急対策について質問を盡して置こうじやないか、こういう意味なんであります。
#34
○西郷吉之助君 質問を通告してある委員として、予算のほうもこれから始まる、向うの國家財政的な大蔵省の意見を聞いた上で、そういうことも睨み合せて私は地方財政の質問をして見たいと思うので、向うの大蔵大臣以下の説明が全然ないから、それをよく逐條的に、大ざつぱのことはわかりますが、逐條的のことがないから、そういうことを聞いて、それからやはりそれはこちらで岡野國務大臣と地方財政委員長に聞きたいから、関連してやらなければ、こつちだけ先にやるということは事実上無理なので、盡すことができませんから、やはり全期間中に補正予算に関連する地方財政の審議を盡さなければならないのです。これは最初の二、三日でやるということは私は到底不可能だと思う。これは特に委員長にお願いして置きたいのですが、この公務員法の予算の審議もありますし、時間が遅くなろうともやはりこの際私として是非伺わなければならんことは、非常に財政のほうはむずかしいし、而も地方財政委員会としては政府に別途意見が出ておるのですから、そういうふうなことになつて来ますと、こちらの意見も聞きまして、これに関連して来るというようなことになつて来まして、そう簡單に審議を盡すということは私は事実上不可能である。全体の期間が短いのは非常に遺憾なんですが、止むを得ませんからこの十日くらいの問に何とか審議を盡したい。審議を盡す上からは最初の何日かで打切るということは実際できないのですから、十分審議を盡すために期間を置いて質問をしたいと思う。この意向をよく委員長において取上げて頂きたいと思います。
#35
○委員長(岡本愛祐君) それは一向差支えないと思います。
#36
○竹中七郎君 昨日の理事打合会におきましては主として選挙の問題をやろうじやないか。こういうことになつておりましたから、選挙の問題をやつてそれから財政の問題も審議願うという程度でお進めになつてはどうですか。
#37
○小笠原二三男君 只今のお話で私としては反対はしないわけです。ただ堀先生は誤解があるようですから、一応申したいのですが、地方公務員法については私どもは重要法案だと考えております。本当に愼重審議したい。あとで堀先生からは適当にして、この辺でいいじやないかと、多分言うであろうほど愼重にやりたいと考えております。(笑声)併しその地方公務員法と今私が申上げていることとは関係がないことで、昨日理事打合会でも申上げました通り我々委員会が閉会中に満場一致超党派で要望した要望について、政府がどれだけこれを取入れたか。その真僞のほどを確かめ、そうして地方の公共団体は現在地方公務員法をしでかす以上に、財政問題を緊急な問題として考えておるので、その輿論に従つて我々がこれを処置すように全力を挙げて努力する。そういう方向でやるがために、先ず委員会の当初においてこれを取上げたいという話だつたわけなのです。而も地財委の野村委員長から今度新らしく八十三億の平衡交付金を要望する意見書が出て、我々閉会中に出した前の地財委の要望三百八十九億を満たすだけの財政を確保する、こういう要望とは全然又変つて来たわけなのです。ですから極端に言うならば振出しに戻つて、地財委のほうの意見書なるもので、財政計画がどうしてこういうふうに変つて来たかという点もお聞きし、我々委員会の態度もそれに伴つてきめ、そうしてこれが実現方に努力するということは、自由党の諸君においても我々逆に質問されたりして、一緒にやろうということで閉会中結論を得ておる方向のことなのです。従つてそれをやろうということで、さつき委員長に質問しましたことは、本日申そういうことができ得る準備がとれるかどうかということだつたのです。従つて資料が出ないとか、特に地財委の資料に対照する大蔵省査定による資料が出ないとなれば、これは西郷さんの言われるように、当然時日としては延びて行くかも知れないけれども、こういうことについては重要であるから万全を期してやりたいという意味で申上げておるのです。徒らなる議事遷延というふうにとられれば、誠に的外れであるということを申上げて置きたいと思います。
#38
○委員長(岡本愛祐君) それでは先ほどお諮りいたしましたように、これから地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案、予備審査につきまして國務大臣の御説明を聞くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○西郷吉之助君 異議ないのですが、ちよつとその前に念を押して置きたいのです。今委員長から財政問題の討議についていろいろお話がありましたが、先ほど来御承知のことく大蔵省側の資料は私はこの際非常に必要なのです。それを出さないと早くこれを審議しろといつてもできませんから、その点を改めて委員長から大蔵大臣に資料を要求して頂きたい。これも國会が始まる前から要求しておるのですから、それをまだ今日出さないようでは、委員長初め我々が審議をしようと思つても資料が未提出では甚だ私は不満足でありまして、政府みずから審議を促進できるように要求資料を早急に出すことを改めて委員長から大蔵大臣に言つて頂きたいと思います。そろでないといつまでたつても向うが要求に応じないで、そのまま審議して、結局最後まで出ないということがたくさんある。予算のほうでもそうなんです。それを一つ強く要望して頂きたい。
#40
○委員長(岡本愛祐君) 承知いたしました。
 それでは右法案につきまして岡野國務大臣の提案理由の説明を求めます。
#41
○國務大臣(岡野清豪君) 只今上提されました地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案につきまして、その提案の理由並びに内容の概略を御説明申上げます。
 全國大多数の地方公共団体におきましては、その議会の議員及び長の任期が明年四月に満了となり、従つて後任者の選挙は、公職選挙法の規定によれば、三月上旬乃至四下旬の間、各地方公共団体が任意に定める期日に施行されることになるわけであります。然るに、この選挙の期日並びに選挙運動の期間は、たまたま地方公共団体の予算編成時期に当つているのでありまして、地方公共団体の議会の議員及び長をして、選挙に煩わされることなく、明年度予算案の編成並びにその審議に当らしめるため、選挙の期日を四月下旬以降に定めるとともに、これらの各選挙をできるだけ同時に行わしめて、選挙事務の合理化と経費の節減を図ることが適当であると存ぜられるのであります。
 以上の趣旨によりまして、公職選挙法に対する特例を設け、昭和二十五年十二月十一日から昭和二十六年四月二十九日までの間にその任期が満了すべき都道府県及び市町村等の議会の議員の任期満了による一般選挙は、四月二十九日に、昭和二十五年十三月十一日から昭和二十六年五月二十日までの間にその任期が満了すべき都道府県知事及び市町村長等の任期満了による選挙は、五月二十日にそれぞれ、同時に行うことといたしたいと存ずるのであります。又、同一の趣旨に基きまして、議会の議員の数がその定数の二分の一を欠き、議会が成立しない状態となつた場合の外は、議員の再選挙又は補欠選挙を行わず、又、本年十二月十一日にすでに退職の申出をしている長の後任者の選挙の外は、明年五月二十日までの間に、長が欠けましても、その選挙は、すべて五月二十日に行うこととしたのであります。
 なお、議員の選挙に立候補した者については、同時選挙の趣旨の徹底と選挙の公正とを期するため、同一区域について行われる長の選挙の候補者とはなれないものといたしました。
 最後に、現在公職選挙法の規定中、地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了前に行う任期満了による選挙の告示後に、議員又は長が欠けた場合の選挙の取扱い並びにそれらの後任者の任期の起算方法に関する部分について、この際規定を整備する必要を認めましたので、所要の改正を公職選挙法に加えることにいたしたいと存ずるのであります。
 以上が、この法律案の提案の理由並びにその内容の概略であります。何とぞ愼重御審議の上、御賛成あらんことを御願い申上げます。
#42
○委員長(岡本愛祐君) 右法案につきましては、今日は提案理由の説明だけを聞くことにいたしまして打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(岡本愛祐君) ではさよう計らいます。
  ―――――――――――――
#44
○委員長(岡本愛祐君) 次に十一月二十五百付を以ちまして内閣総理大臣から参議院議長宛に、地方財政委員会委員長提出の別紙「昭和二十五年度における地方財源追加増額に関する意見書」を阿付いたしますというので、意見書を送つて参りました。その意見書は過般お手許に廻つております昭和二十五年十一月二十五日付で地方財政委員会委員長から出された意見書でございます。それにつきまして野村委員長の説明を求めたいと思います。
#45
○政府委員(野村秀雄君) 地方財政委員会におきましては、昭和二十五年度補正予算に対して、地方財政として必要なる財源措置を講じて貰うように、政府に対して意見書を提出いたしたのであります。その政府に対して提出いたしました意見書は、お手許にありまする意見書と、内容において数学的に少し違つたところがあるのでございます。それと申すのは平衛交付金の増額において約四十億、又地方債の点におきまして約二十億、それぞれ多いのであります。と申しまするのは、政府において最初公務員の年末給與を給與ベースの一カ月としておりましたけれども、あとで半カ月ということに改まつたために、地方公務員も又年末給與を半ヵにするために、その額が約四十億違つたのであります。又地方債におきましては政府の施設において多少異なるところがあつて、計数的にも減額を見たために、地方債も又約二十億ばかり減らすことに相成つたので、お手許に差上げたような意見書を、政府を通じて過日國会へ提出いたした次第でございます。而してこの國会へ提出いたしました意見書は地方公務員の給與ベースを引上げること、年末給與半カ月を給與すること、又本年度平衡交付金決備後、法令の改正並びに発布等によつて地方の財政需要額の増額を見たこと、又補正予算の実施に伴うて地方の負担の増額を見た。このことによつて約百二十三億の平衡交付金を増額いたして貰いたいと思いまするけれども、全部を平衡交付金によるということもさることでありますけれども、地方においても地方の経費をできるだけ節約する意味において、地方の経常費から約五分の節約を求むる意味において四十億をその財源に充てましたために、結局において八十三億の平衡交付金の増額を要求いたしたのであります。尚地方債におきましても百九十億の地方債を増して貰いたいという意味におきまして、この意見書を提出したわけでありまするけれども、政府においては補正予算において三十五億の平衡交付金増額を認めたに過ぎないのであります。これは地方財政といたしましては地方財政の現状から見て、到底地方財政の運用の上に困難なことであることを認めまして、私どもは是非私どもの要望するように、又國会へ提出いたしました意見書のことく、八十三億の平衡交付金の増額を認めて頂きたいということを熱願しておるのであります。このたび國会へ提出いたしました意見書の概要並びに私どもの要望しておる趣旨の大要は右申上げたところであります。御了承を願います。
#46
○委員長(岡本愛祐君) 右につきまして御質問ございませんか。
#47
○小笠原二三男君 この前口頭で、意見を申出たという、前に我々に資料として出された意見書による計数とは随分違つて来ておる。例えば教職員の待遇改善費四億九千一百万ですか、これが削られたり、その他今御説明のように殖えて来たりして、その理由を一々計数に亘つて御説明願いたいと思います。
#48
○吉川末次郎君 ちよつと右に関連して……、只今の野村委員長のお話でありますが、我々の手許に廻されました書類の中に書かれておる数字、計数等に基いて、この書類を基盤にして我々はもう一度よくわかるように数学的に御説明を願いたいと思います。
#49
○説明員(武岡憲一君) 私から今回提出いたしました意見書の内容に関しまして、只今の委員長の御説明に補足して申上げたいと考えます。
 今回國会に地方財政委員会から提出いたしました地方財政に対する措置についての意見書を見まするというと……。
#50
○吉川末次郎君 どの書類の、どこの頁のどこにあるというふうに説明して下さい。
#51
○説明員(武岡憲一君) 全体の計数が変つておりまするから、その計数の変つておりまする部分を一つ一つ御説明を申上げたいと思います。
#52
○委員長(岡本愛祐君) 私から申上げます。書類は今日配付いたしました地方財政委員会委員長から出しておる意見書であります。それは昭和二十五年十一月二十五日発地財委第三百九十七号という、こういう書類です。その裏に表が附いております。
#53
○説明員(武岡憲一君) 前に地方財政委員会から内閣に提出いたしました意見書の内容となつておりました数字、即ち当委員会におきまして地方財政委員会からその当時御説明を申上げました数字におきましては、地方の財源措置に要する総額が三百八十九億二千五百万円となつておつたのでございます。それが今回は総額におきまして地方負担分の増を三百十八億八千九百万円と算定をいたしたのであります。この減少は財源措置についての根本的な考え方、基礎的な部分におきましては変つておらないのでございまするが、政府予算がその後確定をいたしまして、当國会に御提出になられました最後の政府の予算案、これに伴いまして計算上変つて参わました数字でございます。
 一つ一つ御説明申上げますと、先ず第一の給與ベース改訂によりまする増、四十三億八百万円は変つておりません。その次の年末手当の支給に要する経費でございまするが、これは前回の資料におきましては九十億五千六百万円というものを掲げておつたのでございます。これは年末手当を一カ月支給する、こういう当初の予定でございましたので、一カ月分を見込んで計上いたしたのでございまするが、その後國家公務員につきましても手当の支給は半カ月ということに相成りましたので、その半額分四十五億二千八百万円を今回計上いたしたのでございます。それからその次に教職員の待遇改善に要する経費として、前回は四億九千百万円というものを見込んであつたのでございまするが、これは当初におきましてこの教職員の待遇改善につきまして、いわゆる級別推定表の適用の改正について人事院規則のようなものが公布され、事務的に待遇改善が行われるというふうに闘いでおつたのでございまするが、その後これは特に規則の公布によらないで、人事院からの通牒による現行法の解釈によつて行われるということに相成りまして、政府予算におきましても、國家公務員についての予算措置は特にとられないことに相成つたのでございます。従いまして地方公務員につきましても、この関係の所要経費を地方の事務的な経費として算定することは如何かと存じまするので、今回はこれを削除いたしたのでございます。以上が給與関係の増加額でございますが、その次の平衡交付金決定後法令の改正等による財政需要の増加額、これは前回と同様でございます。
 それから二の災害関係、その他の臨時的経費の増でございます。そのうちの1の災害復旧公共事業費、この数字が変つて参つております。これは前回算定をいたしました際におきましては、災害復旧公共事業費関係の総額は四十一億として、これは変つておりませんけれども、その内容におきまして、当初の予定では、いわゆる防潮堤の関係が十四億八千六百万円、それから地盤沈下に八千四百万円、鉱害を一億三千八百万円、それからその他の災害一般を二十三億九千二百万円、こういう振り分けになつておりまして、而もその中の防潮堤の分は國の補助率を三割、一律に三割ということで計算をいたしておつたのでございます。ところがそれがその後の折衝によりまして、内容が変つて参りまして、総額の四十一億は変つておりませんけれども、防潮堤の関係は十二億、それから地盤沈下及び鉱害は前の通りでございまするが、災害関係一般として二十六億七十百万円と相成りまして、而も補助率が防潮堤の関係につきましては、大部分が四割の補助ということに相成つたのでございます。そこで地方負担の計算がそれによつて変つて参りまして、前回におきましては四十一億一千九百万円という数字が出ておりましたものが、今回のこの基準によつて計算をいたしますると、二十三億一千六百万円、こういうことに相成つたのでございます。それによりまして数字の修正をいたしたのであります。それからその次は失業対策事業費の関係でございますが、これは二億ほど前よりも減つております。この関係は國の國庫の支出金を前回は十五億ということで計算をいたしておつたのでございまするが、このうちの二億は前回の予備支出のほうに、充てられることになりましたので、計算といたしましては國庫支出金十三億ということになつたのでございます。その計算に伴いまして、地方の負担額は十二億九千百万円と、こういうことに計数が変つて参つたのでございます。それからその次の、災害関係單独事業費、これは変つておりません。全然前回通り六十七億七千万円でございます。それから前回の資料におきましてはその次に、災害救助費をその項目に挙げておつたのでございますが、今回提出いたしました資料におきましては、この政府の補正予算による増の中の厚生省分……、その点は別に計算をいたしまして、災害救助費はやはり前回と同じように五億七千万円、そういうことで計上いたしておつたのでございます。
#54
○西郷吉之助君 時らしい部分もないじやないか。
#55
○説明員(武岡憲一君) 前個の計算に入れておりました災害救助費の関係は、厚生省の所管の政府補正予算の増額の分、その中に一緒に合せて計算をいたしておつたのでございます。それを合せまして約十三億、こういう数字に相成つておりまして、内容の数字においては変りございません。それからその他の政府の補正予算に伴いまする地方負担の増加分の計算は、文部省関係及び農林省関係につきましてはそのままでございます。大体以上のような理由で計数が前回よりも多少変つて参つたのでございます。御了承をお願いいたします。
#56
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと皆様にお諮りいたします。衆議院の地方行政委員会のほうから岡野國務大臣に出席を求めておりますが、今野村委員長、地方財政委員会に御質問の間あちらへ行つて頂きたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうことにいたします。
 御質問願います。
#58
○小笠原二三男君 この財源措置のほうの起債ですが、この百九十五億という起債の中には前の予算関係の場合に認めたとか、認めないとか言われておつた三百七十億という起債の七十億ですね、それがこれに入つておるのか、入つておらないのか。
#59
○説明員(武岡憲一君) ここで百九十五億の地方債の増額を要するという計算は元額を三百億としての計算でございます。従いまして只今お話になりました七十億はこの百九十五億の中に入つております。
#60
○小笠原二三男君 そうすると新らしく百二十五億ばかりの起債を認めるということになりますか。
#61
○説明員(武岡憲一君) 二百七十億から計算いたしますと、さようなことになるのでございます。
#62
○小笠原二三男君 それから今の教職員の待遇改善費が人事院規則によらないで、現行法の解釈、通牒によるものだというので、地方はそれによつて当然義務支出……、いわゆる級別推定表を新らしく使わなくてもよろしいと、こういうような形になるから、交付金のほうでは見なくともいいんだというお考えなのですか。
#63
○説明員(武岡憲一君) その点につきましては、当初法令措置によるということで考えておつたのでございまするが、人事院及び文部省の話によりますると、特にこのための規則の改正が行われるわけではなく、單に通牒によるものだ。従つてこれを地方の義務的な支出として財源計算の中に取入れることについては疑問を生じたのです。國家予算におきましてもその点については別途の予算措置は考えないで、既定経費の範囲内におきまして新たな解釈による級別推定表の適用をやるという方針でございますので、地方における財源の計算からこれを一応除いたということでございます。
#64
○小笠原二三男君 そういう方針や、そういう答弁は政府側から聞くことで、地財委の性格としてそれでいいかどうかということをお聞きしたいのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)と申しますのは、地方の既定経費を四十億も節約せよと言つておる場合に、それが義務支出でないにしても、通牒が出れば何らか地方としては國家公務員である教職員同様に扱わなければならない状態になるので、経費節約をさせたほかに、それは地方でまあ適当に賄つておつたらいいんだということを、地財委の立場として言えるかどうか、こういう問題になるのです。ひとつこの点野村委員長にはつきり考え方をお伺いしたいと思います。(「重大な問題だ」と呼ぶ者あり)
#65
○政府委員(野村秀雄君) 四十億の経費節約ということを、地方へ強いることは実際において私どもとしても現在の地方財政としては相当困難なことであるということは十分承知しているのであります。併しこの際は地方としてもできるだけ経費節約をして四十億を捻出して貰いたい。こういうことを考えているのであります。実際に地方に対しては随分困難であり、迷惑であろうということは重々私ども承知しております。その点は今御質問のように、同じような感じを持つております。而してこの教職員の問題でありますが、地財委といたしましては、政府の法令等の改正に伴うものという範囲においてこれを取扱うことにいたしたものでありまして、それに政府の法令等の改正によつて地方財政がすぐ負担をせねばならんようなものだけをここに扱うようにいたした次第であります。
#66
○小笠原二三男君 只今の答弁では、ちよつと腑に落ちないのでして、國家公務員の場合は、この級別推定表の改正に伴つて実際上は給與の引上げが一部分あるわけなんです。その場合に、地方が地方自治法なりによつて、國家公務員の例による、或いは準ずるということになつておるので、それを軽い意味の通牒であろうが、当然地方では措置したいと考えるでありましようし、又そうなければならんと思うのです。その場合に政府の予算となるならないの手前において、地方財政委員会がこれについて何らかの具体的な措置を考えることなしに、一方経費節減四十億というようなことは片手落じやないか。こういうことが考えられる。而も政府において基準財政需要額に見られないでおつた。そうして当初予算で、各地方が使つている手数料、雑收入の六十五億を絞り出せというようなことをしている場合において、なおのこと地財委の性格としてこの問題は愼重に扱う必要があつたのじやないかと思われるのでありまして、地財委としてほつたらかして置いていいというのであるか。何らかの考え方でこの四億九千一百万円というものを今後に見ようという含みがあるのか。もう一度御答弁願いたいと思います。
#67
○説明員(武岡憲一君) 御指摘の通り、この級別推定表の適用改正によりまする待遇改善の問題につきまして、直接法律による強制のものではないにしでも、國の公務員について待遇改善が事実上行われるとすれば、勿論地方の教員につきましてもそういうことは考えられるわけでございます。ただ特に地方の義務的な支出として考えられない、法的に強制されたものでないという意味におきまして、この私どもの考えておりまするぎりぎりの、地方としてどうしてもこれは考えなければならんというぎりぎりの財源措置を考えまする場合には、一応この計算からは除いて計算したのでございまするけれども、勿論それにつきましては、それは地方の勝手であるということを考えておるわけではございませんけれども、國の予算におきましても特別な予算措置を考えておるわけでもございませんし、只今の節約の問題にいたしましても、地方でもこの程度の節約が十分できるとはなかなか考えられない。相当困難なことを強いることではございますけれども、國の予算との歩調もやはり考えなければならないと存じまして、國におきましてもやはり五%程度の節約は見た上の予算になつております。そういう関係から地方におきましても節約額は、別途この程度のものは何とかやつて頂かなければならんのじやないかということで計算を立てたわけでありましてその辺のことにつきましては、まあ考え方の問題になるかも知れませんが、財源計算におきましてもぎりぎり地方として法律的な強制、或いは國の施策に伴つて当然補助費に伴う負担分というような意味での計算だけを最小限度において取上げたというようなかつこうでございます。そういうような意味合いで一応今度の計算から除いて考えるというわけでございます。
#68
○小笠原二三男君 先ほどからお聞きすると、法令によらない、義務支出でない。だからまあ我慢して貰う、こういうような話でしたが、そうしますと年末給與だつて國家公務員のほうは給與の改正法で今度出るかも知れないが、それだつて地方は出していい、出して惡いということは地方の自由なわけです。國が半月分見たのだから、見なくちやならないというわけで、こういうふうに四十五億という金を出しておること、これも同様じやないかと思つておる。而もこの問題をしつこく聞くことは、地方公務員法の審議の関係があるからなんです。一方地方公務員法においてはそういう問題について保護しなくちやならない、やらなくちやならないということで保障を與えることを言つておつて、実際上財政問題になると、こういうふうにすつぽかしてしまうというようなことでは、これは今後の審査においても重要であるから、私どもお聞きするので、年末給與の四十五億をここに盛つたということと、教職員の待遇改善費四億九千万円を盛らなければならないということとは同意義に解すべき問題ではないであろうか。地財委としてはこういうふうに考えるか、念を押してお聞きしておる次第なんです。
#69
○説明員(武岡憲一君) 年末手当の問題につきましては、地方自治法によりまして全体的に國家公務員の例による、或いはこれに準ずるということになつておりますので、ベース改訂及び年末手当の問題は取上げましたし、又これにつきましては特に今回法令措置が行われるように伺つておるのであります。そういう意味で特に取上げたわけであります。教職員の待遇改善費の問題につきましては、御意見誠に御尤もでございまするが、この分については直接の法令による……、この分について人事院規則というようなものも出ない。直接の法令措置が行われないということで、多少形式的と言われますか、形に囚われた財政措置であるという御非難、誠に恐縮に存ずるのでありますが、ぎりぎり最小限度ということで、直接関係のある部分だけを拾い上げまして、こういうことにしました。考え方といたしましては小笠原さんのおつしやること誠に御尤もで、同感でございます。
#70
○小笠原二三男君 それじや最後にお聞きしますが、これは野村委員長にお伺いしたい。そうしますと教職員待遇改善費は、特に項を設けて出さなかつたが、給與ベース改訂による増四十三億という中に含めて、これを考えて欲しいという意向であるのか、将来においてもこの部分は見ない、切るというお考えであるのか。いつかはその財源を地財委として特別平衡交付金、その他において見ようというのか。このどの途をとるのか、やらないならばやらないでもよろしい。はつきり御答弁を願つて置きたいと思います。
#71
○政府委員(野村秀雄君) 今日の問題としては、これはぎりぎりのところをここに提出したわけでありますが、将来については大いに考慮しなければならん問題と思つております。
#72
○相馬助治君 同僚小笠原委員の質問で、地財委の事務的な立場からの説明はわかりました。了解ではなくてわかりました。で野村委員長に重ねてお尋ねして置きたいことは、この教職員待遇改善に要する経費の四億何がしという金は、教職員が待遇上今非常にまずいから、それで上げてやらなければならないという、こういう性質のものじやないのです。御承知のように前からの関係をお知りだと思いまするが、当然法的に、地方の財政措置としてそれだけを法的に上げてやらなければならないように義務付けられているわけなんです。従つてあとで委員長が給與ベース改訂による増加のところで考慮するのかという小笠原委員の質問には触れておりませんが、これはここでは考慮できない分なんです。給與ベース改訂による増加のところではこのことは当然できないことなんです。そこでさつきの説明をだんだん聞いておりますと、法的に強制されどうしても出さなくちやならないぎりぎりのところだけ考えて置いたと言いますが、この四億何がしというものは、これはぎりぎりの線なんです。これこそ私どもに言わせたらば年末手当支給に要する経費と同じだと小笠原君が言つたが、同じであるし、むしろそれ以上に、地方としてはやらなくちやならない経費なんです。それで大蔵省がこういうことを言うたのだというならば一応私はわかる。ところが御承知のようにこの地方税法が成立して、その過渡期の現在におきましては、当然今度だけはこれをはつきり地財委が政府から取つて、そうして地方へ流してやるということなしには、これは各府県の知事はもう全然措置ができない。教育委員会から昇給されます、その昇給は教員が働きがあるから上げるとか何とかいうことじやなくて、法律に上げなくちやならないようになつているから……、それで知事が一体どういうふうに処置するかということで非常にこれは重大な問題ができるのです。できると思うじやなくで、できるのです。これは従つてこの問題は将来考慮するじやなくて、この問題について差当り本日答弁なさらなくてもよろしいから一つ研究して、改めて答弁するなり、研究して新たにこの意見書に又加えるなり、そういうふうなお考えがあるかどうか。一つこの際委員長にお尋ねして置きます。
#73
○政府委員(野村秀雄君) この意見書は、これを以て私どもとしては最小限のものであつて、又これが今日において絶対に必要なものであるという建前で出したのでありますが、このたびこれを今御質問のようた趣旨で織込んで改めて出すということについては、今日においてはそれはいたしません。併しこれは極めて重大な問題でありまするから将来においては大いに考慮いたしたい。かように考えておるのであります。
#74
○相馬助治君 ちよつと速記をとめて下さい。
#75
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
#77
○小笠原二三男君 私は教員出身であるために言うのではないので、地方財政全体についてもう一つの緒としてお聞きするのですが、一般補正の会計で、教職員の過年度の年末資金の半額を國が見るとして置いたのを、当初のもくろみでは七億三千万円か載せて置いたのをこれを切つた。落してしまつたのですが、これは國の地方に対する債務だと言つてもいいようなものなんです。それでそれはこの今出ている意見書の中に入つておるのか。又政府と地財委との関係ではこれをどつちのほうで措置するようにしているのか。先ずこの点からお伺いします。
#78
○説明員(武岡憲一君) 只今御指摘の前年末に支給いたしました教職員の年末手当の半額の財源措置の問題でございますが、これにつきましては御承知のように、当初大蔵省で計上しておつたものの原案にございましたものが、今回提案の予算案から落ちておる。そこでこれについてはいろいろ言われておるようでございまするが、地方財政委員会としての解釈から申しますると、考え方から申しますると、今回提出いたしました意見書の中にはそういうものは考えておらないのでございます。で合同提出いたしました意見書の中で、本年度の分として交付金の増額をお願いいたしたいということの基礎に挙げておりまするのは、先にも御説明申上げましたように、本年度になりましてから本年度の当初に財源措置をいたしました以降、新たに財政需要額の殖えたものに対応いたしまして、それに対する財政措置の必要なもの、こういうことでお願いをいたしておるのであります。今問題の七億何がしというものは、これは前年度の財源の問題でありまして、本年新たなる財政需要の増加ということには関係がないものと考えております。従いまして今高政府において提案せられました三十五億の算定の基礎の中に、そういうものが入つておるということは、地方財政委員会といたしましては了承いたしておらないのであります。
#79
○小笠原二三男君 それで済むなら、こんな質問はしないのです。それでこつちは知らんと言いますけれども、政府もこれを落したと言えば、それはどこにしわ寄せされるか。現在の地方財政にその部分がしわ寄せされて来るわけなんです。されて来て、それが又中央に上つて来る場合においては、地財委として地方財政を考える立場で、いつかは当然これは考えなければならない問題になつて来る。而も二十六日の衆議院の地方行政委員会において、大蔵大臣の答弁では、今度出ておる三十五億の中にこの過年度分の七億三千万円は入つている。だからそれでやつて貰うということを言明しているのです。そうしますと今の御答弁とは重大な食い違いがあるわけです。そこで私まあお伺いしたいのですが、昨年度分は配付税を減らさなければ、この分ぐらいはとうに見て貰えておつたはずのものを、事ここまで引張つて来て債務を國が果さない。そうしてそれが地方財政にしわ寄せられる。逆に地財委の問題になろう。ところが直接大蔵大臣は三十五億の中に入つていると言う。私たちから言えば、今の説明から言いますと、政府は補正予算による増十九億、平衡交付金決定後の法令改正に伴う十六億、これだけで三十五億飛んでしまうと思つている。この案から言つても……。それでどこからも七億三千万円は入りようがないと思つているのですが、大蔵大臣はそう言つている。そうすれば政府の考えはこうであるとなれば、その方面に金が使われるとなれば、その他のことは賄えないじやないかという問題が起つて来るわけです。そうしてこの点についてはあとで関係大臣には追及しますけれども、その前提として、委員長の野村さんの考えをはつきり私たちは聞いておいて、そうして指許したい点は指示したいと思うのであります。追及のための追及でなく実はお聞きしている次第であります。懇切に御答弁願いたいと思います。
#80
○政府委員(野村秀雄君) 七億三千万円は國が地方へ借金しているのでありますから、私はこれは当然國のほうから別途に金が出るものだと我々は期待しておつたのであります。然るに先日衆議院の地方行政委員会において、政府のほうでは三十五億の中に七億数千万円が含まれているのだということを聞いて、実は私どもは心外に思うているのであります。七億数千万円が三十五億に含まれるということになると、我々が八十三億を要求したものですから、その中には入つていないと思うているのにかかわらず、三十五億に含まれるというに至つては、実際地方財政委員会としては当惑せざるを得ないのであります。これは國として別に考えて貰いたい。こういうように私どもは考えておるのであります。
#81
○小笠原二三男君 そうしますと、地財委としては、この三十五億に含まれている、含まれていないの問題について、政府側と折衝し、或いは何らか意見書その他の措置を以てこれを明らかにするというだけの手続をお取りになられるかどうか。この際お伺いしておきたいと思います。
#82
○政府委員(野村秀雄君) この点は一つ私どもとして十分研究して態度をきめたいと思います。御了承願います。
#83
○小笠原二三男君 それではこの点は関係大臣に質疑をした後で、地財委のほうに関係する場合に、又御答弁を願いたいと思いますので、保留いたしますが、そういう関連から考えても、政府の計画による財源措置を見ますというと、既定経費の節約四十億の外に、手数料六十三億というものを見込んでおる。これは地方の既定予算から絞り出すというような結果であつて形を変えた経費節約ということになるのじやないかと思いますが、これはて財政上、どういうふうなことになるのでしようか。その点技術的な御説明を先ず承わつて質問を続けたいと思います。
#84
○説明員(武岡憲一君) 手数料その他の雑收入を今回の財政措置の歳入の一つとして、政府で考えておられることにつきましては、地方財政委員会としては意見が違うのでございます。この点は前の委員会におきましても、御説明申上げたかと思いまするが、当初大蔵省との間に本年度の、並びに来年度の予算の折衝をいたしました際にも問題となつた点でございまして、大蔵省の事務当局で主張しておりまするところによりますると、昭和二十五年度の地方財政委員会で立てましな二十五年度の地方財政計画が、雑收入として百七十五億を計上いたしておつたのでございます。それに対して二十四年度の決算の見込から見ますると、手数料及び雑收入の数字が大体四百八十億ほど上つておる。そこで地方財政委員会が財政計画において雑收入を百七十五億しか見ないということは、收入の見方が足りないのではないか。即ちそれだけ余裕の財源があるのを見落しておるのではないかというのが大蔵省の事務当局の考え方であつたわけでございます。併しながらこの点につきましては、私どもの見解は全く異なつておるのでございまして、地方財政委員会としても全体的な雑收入が、地方を通じまして四百億乃至は五百億あるということは認めておるのでございます。ただ地方財政計画を樹立いたしまする際の一般財源として取上げるべき雑收入というものは、その中の普通性があり、又継続性のあるものだけに限るのでありまして、その他の一般を除きました特殊な雑收入の大部というものは、特定財源として特別な用途を持つた、支出の使途を持つた財源でございまするので、これを一般財政計画の財源と見るのは適当でない。こういう見解で、これを收入に挙げておらないのでございます。ただその点につきましては、大蔵省との間に全く意見が異なつておりまして、そういう大蔵省の考え方から、今回の財源措置におきましても、それを六十何億程度のものは歳入として挙げて、全体の蔵内歳出のバランスがとれるという数字を作つておられるのでございますが、私どもは実のある歳入だとは考えておらないのであります。従いまして実際問題としてどういうことになるかと申しますれば、十何億の雑收入というものを財政計画に立てるということは、実際上空收入を挙げるということなのでありますから、現実の問題としては、若しそれで押しつけるとすれば、節約をするか或いは事業の繰延をする。こういうようなことが地方財政に実際に起つて参るのではないか。かように私たちは考えておるのであります。
#85
○小笠原二三男君 そうすると、端的にその部分だけ取上げてお話しますと、國から三十五億やる、その代りお前たちのほうは節約して四十億、その他既定予算にも盛り込んでおるものの中から、と申しますのは、手数料の増額その他のことはできないですから、その中から六十三億持出せ、こういうことで、合計して百三億地方から出せ。國からは三十五億やるということになつて、差引六十八億なら六十八億というものを地方から持出し、搾り出しを考えているということは、平衡交付金の問題でいえば、一千五十億プラス三十五億それから七十何億減らした一千億程度の平衡交付金に減額されたという結論になるんじやないか。地方財政全体としては、そういうふうに、我々まあ素人考えで考えるのですが、そう考えていいものかどうか、お伺いしておきたい。
#86
○説明員(武岡憲一君) 交付金の減額と申しまするか、実際に殖えて参りまする地方の財政需要との見合いから申しますると、それに応ずるだけの國の財政措置が行われない、それを地方に押つけるということになりますれば、地方としては、今申上げましたように、どこかに財政上の穴があいて来るわけでございます。そのしわ寄せがどこに来るかというのは、これはまあ一万もある団体でございますから、団体の態様によりまして、それは法的にはいろいろ変つて参りましようけれども、総体的な問題として私たちに考えられますることは、若し節約の余地のあるところは、極力私たちが予定しておりまする五%以上の無理な節約をするところもできて参りましようし、或いはぎりぎりで節約のできない団体、殆んど多くのものがそういう団体であろうと思いますが、そういうところにおきましては、事実上やるべき專業もできない。繰延をする、或いは支拂の次年度送りをする。或いは又会計の辻棲を合わせるために、歳入の繰上流用をする。こういうふうないろいろ財政上の無理を侵してやつて行くということの外はないんじやないか。そういう結果になるんではないかということを憂えておるわけであります。
#87
○小笠原二三男君 そうすると、先ず起債のほうの地財委の要求百九十五億の中には、七十億というものが、もうさつきから見られておつて、それを除くと百二十七億、今回政府が見ておるのは五十億ですから、その差額七十七億は足りない。起債分としても政府との間にそれだけの開きがある。それから平衡交付金で、一方八十三億と見ておるのに、政府は三十五億見ておつて、四十八億不足する。而も節約で四十億、手数料のほうで六十三億持出せ。こういうふうになつておるのでして、このまま推移して行けば、来年度にいろいろのものがしわ寄せされて行くという今のお話ですが、来年度の平衡交付金、地財委の要求千三百何がしですか、それを政府が千百何がしと見ておる。そうしますと、それ自体でももう少いのに、こういうものがしわ寄せされて行くということになつたら、地方財政の確立ということは、もう到底及びもつかない問題であり、而も緊急にもう今年度において地方財政が破綻するんじやないかということが、数字の上で若しも地財委の計算の基礎に間違いがなければこれはもう当然そうなつて来るわけなんであります。そこで今度の政府の補正予算が修正にならん、政府原案通りになるといつた場合に、地財委は地方財政のそういう破綻をどうして收拾するお考えでおられるのか。この何と申しますか、地財委の決意というようなものについて一応お伺いして置きたいと思います。
#88
○政府委員(野村秀雄君) 只今小笠原委員からの御質問、全く私ども同じように考えております。実際地方財政というものは今日においても相当困難な状態であるが、今補正予算においても僅か三十五億しか平衡交付金を認めていない。更に今お話のように私どもとして四十億の経費節約を地方へ強いねばならん。その上又この大十三億というようなものをしわ寄せするような結果になると、地方として低今年度においても困ると思うておるんです。来年度に至つては更に困つて来やしないか。大蔵省方面では来年度はこの雑收入百七十億を経営歳入のほうへ繰入れるとかいうようなことを考えております。こうなると来年度としてはますます困つて来る。果して私どもが見ますところで、税收入が千九百億確保できるかどうかということについても懸念しているのであります。歳入においてもそうでありますが、その上地方債も三百七十億か、三百億を基本にして今後これは折衝しておりますが、せいぜい五十億くらい上か殖やさない。併しこれは殖やすのではなくして、むしろ現在よりも減るような状態になる。こうなれば地方としては実に財政上大きな危機になるのではないか。これがために法定外の課税をする。或いは標準率以上の又税率を課するのではないか。寄附金を取るのではないか。事業の繰延べだとか、中止だとかをするというようなことになりは上ないか。或いは公有財産を売つて一時を凌ぐようなことになるのではないか、こういうようなことを私ども杞憂でなければいいけれども、これを憂慮しております。地方財政としては折鶴財政的の変革を加え、又地方税制においても一大変革があつて、これから地方財政の独立の歩を踏み出そうとするときに、こういうようなことになるのでは、誠にただに地方ばかりでなしに、國のためにも困つたことと我々としてはこの前途に対して多大な危惧を持つております。これから先地方財政委員会としてはどうかしてこれを收拾し得るように、地方各団体ともいろいろ相談して善後の措置を講じて行くことに努めて行きたいと考えておるのであります。
#89
○小笠原二三男君 只今地財の考え方を伺つたのですが、これは関係大臣のほうにも質疑して考えを明らかにした上で又お伺いする点を保留いたしますが、最後に政府側の考え方について地財はどういう批判を持つているか。最近の政府答弁について地財の考え方をお伺いしておきたい。昨日社会党の羽生君の一般質問に答えて、年末給與の問題に答えて、蔵相は既定経費の節約、それから收入の増を図つてやれば十分できる。こういうことを言つておるのであります。それから岡本委員長の質問に対しては、幾多の答弁があつたのでありまするが、手つ取り早く結論を言うと、税收を早期に確保し、そうしてやはり節約すればいい。そして税收の増を図るという方向に行けばいいというふうな御答弁だつたので、節約という点は再三聞いておるから、これはその内容はわかるのですが、この牧人の増を図るということは、先ほど委員長お話のように、地方税において標準課率その他を直すとか、法定外課税をするとか、そういうことまでさすのじやないかというようなことを考えて、実に愕然としたのでありまするが、こういう政府側の考え方に対して、それではいけないのだという点をもう少し、見込計数でもいいですから、お挙げになつて御説明を願いたいと思います。
#90
○政府委員(野村秀雄君) 大蔵省のほうでは地財委の見積つておる税收入は低い、こういうように見ておるのであります。事業税なんかのことをよく引合いに出しますが、事業税の徴收は確かに部分的には惡いところがありますが、その他遊興飲食税にしても、入場税にしても、まだまだ取れる。地財委の見積りは低いというように言つておるのでありますが、私どもは今の経済情勢から見て、果して私どものこの地財委の見積つておる額が確保できるかどうかということについては、実際において懸念しております。大蔵省の発表では地方財政は厖大であるということをよく申しまするが、地方財政が厖大なのは何を標準としてその規模をかれこれ言うのか、私どもにおいて了解できないのであります。従つて私ども地財委としては勿論経費節約するものは十分節約して貰わにやならんけれども、要るものは出さねばならん。殊に地方は戰争中、或いは戰後においていろいろの事業をやめておりまして、これから先に伸ばして行かねばならん。地方が仕事をやめておるために伸びることができない、こういう状態にあるのでありまして、これから大蔵省の言うようにいろいろのものを整理節約するということは限度があると思います。従つて私どもはできることならば地方債なんかも枠を拡大して、地方の仕事で今まで放つて置いたものを始めるとか、或いは伸ばすとかいうようにして行きたいというように考えておるのであります。
#91
○中田吉雄君 二十五年度の補正予算に関しまして、地方財政委員会並びに自治庁のあらゆる要請と努力にもかかわりませず、平衡交付金がたつた三十五億になつたということは、いろいろ考えなくてはならんと思うわけであります。大蔵省がそういうふうに非常に嚴重な査定をしました唯一最大の基礎は、私は先般大蔵省自体がやつた広汎な調査に基くものだと思うわけであります。我々は地方財政委員会並びに自治庁からいろいろな資料を提供して頂きまして、それに基いて論戰を展開しているわけでありますが、どうしても大蔵省の査定を通りまして、本会議にかけられました三十五億の予算の妥当性を検討しますためには、大蔵省がやりましたこの調査の資料を十分検討することが、必要であると思うわけであります。全國の知事会議からその要約されたものを得ていますし、更に私は先般財政金融協会がサマライズしたものを持つていますが、そういう資料においては大蔵省の主張が正しいかどうか、十分究明することができないわけであります。そこで我々としましては、どうしても大蔵省のやつている生の資料を手に入れまして、大蔵省が自分に理論を有利に展開するために計画的に集計したような資料でなしに、生の資料を頂きまして、これを地財委の提供された資料と比較検討することによつて、問題の所在を追及することが必要だと思うわけであります。大蔵省と折衝されるために、大蔵省の持つている貴重な資料を地方財政委員会でも入手しておられると思いますが、果して入手しておられるかどうか、並びに私はこの委員会に対しまして余り加工しない、一定の見解を持つて、特に地方財政に余裕があるというような見解から一方的に集計したような、判断を誤らせるような資料でなしに、生のままの資料を一つ至急に提供して頂きまして、両者の資料を比較検討しまして、誤りのない判断をいたしたいと思うわけであります。従つて若し皆さんの同意が得られますならば、午前中はこれで休憩にいたしまして、午後そういう資料を提供して頂きまして、我々はつぶさに検討したいと思うわけであります。委員長にお伺いすることは、そういう資料を入手して、相手の主張の欠点を衝くようなことをされたかどうか。並びに午後直ちにそういう資料が提供して頂けるかどうかについてお尋ねいたしたいと思います。
#92
○説明員(武岡憲一君) 大蔵省との間に事務的に私たちが折衝をいたしておりました経過につきましては、委員会の際にも申上げたこともあると思うのでございまして、いろいろ大蔵省の考え方、それから私たちの考え方、又その論拠となつております資料につきましては、お互いに交換し合いながら交渉を進めて参つておつたのであります。そこで大蔵省のほうでお調べになつておられます資料につきましても、それが全部であるかどうかわかりませんけれども、提示して貰つたものもございまするし、又私どものほうで作りました資料は殆んど大蔵省のほうに提供をいたしております。そういうものはございますが、ただ今御要求になりまする資料が、これまでにもときどき差上げておりまするものの外は、どういう資料がございますか、物によりましてはすぐ間に合うものもございまするし、又午後では間に合いかねるものもあるかと思いますが、それは具体的に御要求のものを伺いました上で御返事申上げたいと思います。
#93
○安井謙君 今中田委員の御提案の大蔵省の資料と言われますのは、大蔵省当局は大体完全な資料はないんだと言明しておるので、恐らくないだろうと思います。あの主査や担当者が一名や二名で調べておる資料ですから、結局こちらから出し合つた資料を向うは腰だめに、これだけ大きい予算だから最後には厳密な資料の検討もなしにきめてしまつたことに、結論的にはなつておると思うので、その資料を取寄せて、もう一回ここでこね合わすということは非常に時間と手間をとる割合に効果がないのではないかと思うのでございます。
#94
○中田吉雄君 大蔵省の主計局の地方財政係の考えでは、全國の各府県市町村に対して通牒を出したが、現在三十八府県、四十一市六十町村に亘つて実態調査の報告が来たが、なかなか協力しない。併しその後も調査をやつておるのが集まりつつあるというわけでありますが、大蔵省がどういう様式でその地方庁に対しまして通牒を出してそうして現在どれだけ集つておるかというようなことを見れば、相当具体的な資料が集まるのじやないかと思うのですが、大蔵省がいろいろ金融財政協会なんかに出した資料なんかにそういうことが書いてあります。それを生のまま一つ……。
#95
○吉川末次郎君 安井さんのお話がありましたが、大蔵省が果して嚴密なるところの調査に基かないで、地方財政委員会の要求に対処しているのかどうかということは、若し安井さんのお話通りであれば、極めて我々も心の中に入れて臨まなければならん問題でありますから、その有無にかかわらず中田委員が提案しておられるように、一つお取運びが願いたいと思うのであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)なお、それに加えてちよつとしたことでありますがこの機会に、休憩に入る前に伺つておきたいと思うのでありますが、先ほど来の野村委員長と小笠原委員との質疑応答の間におきまして、後半質疑されました雑收入、手数料等の質問に関連いたしましては、大体において地方財政委員会の側の御意見と合致する結論になつておつたかと思われるのであります。その点につきましては我々も全く同感なのでありまして、野村委員長によつて代表されておる地方財政委員会の御意見に共鳴するものでありますから、予算委員会その他の機会におきまして、そうした意見に副うたできる限りの協力をしたいという考えを、私個人としては持つておるのでありますが、そういう我々があなたたちに、極めて好意的な態度においてちよつとしたことをお尋ねするわけなんであります。それは、先ほど財務部長の質疑応答のお言葉の中に、雑收入というものは大体において使途を予定しているところの取入である。いわば租税について言いますならば、目的税的なものとして收入しているというお話があつたと思うのでありますが、それをもう少し具体的に、雑收入はこういうことに当てるつもりであるというようなことを一つ、お話を願いたいと思います。
#96
○相馬助治君 それは午後にでも……。
#97
○吉川末次郎君 午後でも結構です。
#98
○相馬助治君 中田委員の休憩動議に私賛成ですが、午後財政委員長に是非ともこの段を、財務部長ともよく御検討の上で劈頭にお願いしたいことを質問しておきたいと思うのであります。先ほどの問題の四億九千万円の問題は教職員の待遇改善の問題ですがぎりぎりでないと言つているが、こういう意味でぎりぎりなんです。と申しまするのは國家公務員法が先に成立したときに、教職員というものは職階制もない、任免の形式も違うので特殊なものであるということが、衆議院、参議院において問題になつたわけだ。併しあの國家公務員法による級別表というものができたときには、諸般の事情上教職員についてはあとで考えるということで、これを込みにした級別表ができて、御承知のように大学の教授であるとか、或いは学芸大学あたりの附属小学校の先生であるというような、教職員で一般公務員、これについての級別表というものはあとで作るということになつていた。ところがそれができなくて今日に及んで先般級別推定表というものができて、國家公務員の教職員はこれによつて俸給というものが給與されることになつたのです。従つて國家公務員の教職員に関しては、問題はここで解決ついたはずです、それがまあ一つ。委員長よく聞いて置いて下さい。それが一つ。次に教育職員特例法というものがあつて、この教育職員特例法によれば、地方公務員の教職員は國家公務員法によると書いてある。國家公務員に準じてやるということがちやんと書いてある。そういうふうないきさつ上今日級別推定表によらなければ教職員の俸給というものは決定すべき根拠がないわけなんです。前の俸給表というものは無効になつてしまつたわけなんです。そういうふうな二つの法的なちやんと理窟があつて、根拠があつて、これは当然地方で以て今度教職員の俸給決定については、先ほど地財委が計算したように四億九千万の金が要るのです。従つてこれは勝手に地方では処置できない。大蔵省は法律的な見解からこれは地方が適当にやつたらいいと言うが、地方財政委員会が大蔵省のこの意見に追随して今度このことを予算から、この意見書から削つたということはとんでもないことでありて、一つそれらの法的な根拠、それから具体的な実情等を調査されまして午後適当に地方財政委員長の明確なる答弁をお願いし、地方の知事が安心するようにして貰いたい。
#99
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#100
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。それでは休憩いたします。午後二時から再会いたします。
   午後零時三十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十八分開会
#101
○委員長(岡本愛祐君) 午前に引続き委員会を開会いたします。
#102
○小笠原二三男君 文部大臣が出席せられましたので、午前に引続いて地方財政の補正予算上の措置について文部関係についてお伺いして置きたいと思います。文部委員会等において文部大臣の御説明になられておる点等を間接に伺いますと、我々委員会において地財委或いは自治庁方面からお聞きしておるようなことは非常に違う点が多いのでありまして、以下二点についてお伺いしたいと思います。
 一つは、地財委が補正予算において平衡交付金を要求する意見書の原案の中には、教職員の級別推定表の改正に伴う教職員待遇改善費四億九千百万円というのが載つておつたのが、これが今回の意見書においては落されておりますし、勿論大蔵省の査定においても落ちているのであります。その理由として地財委で言うところによりますと、これは人事院において規則によることをしないで、現行法の解釈という形で通牒を以てこれをやることになつたがために、國家公務員である教職員の推定表に基く増額分も國の予算に載つておらない。而も義務支出でないから地方の教職員のためにそうしたものを、平衡交付金その他で地方財政委員会が見ることを必要としないということになつて、これを落したのである。こういう御説明が午前中にあつたのでありますが、再三質問によつて御承知のことと思いますが、教職員の級別推定表の改正は、國家公務員の職階制に基く給與推定表作成の場合に、法律によつて教職員には別表を作ることができるという、その規定に基いて、第一着手として始められた一つの案だつたわけでありますが、それが通牒によつて、規則によらないということになれば、文部省においては國家公務員である教職員の場合も、これが実現実施について義務付けられることがないというお考えであるのか。又地方教職員の場合も義務付けているのではないのであつて、地方の自由である。上げたいものは上げる、上げたくないものはそのままでよろしい。そうすると地方自治法により地方公務員は國家公務員の給與の例により、或いはこれに準ずるという規定があるにもかかわらず、自由であつてよろしい、こういうお考えであられるのか、お聞きしたいと思うのであります。この答弁如何によつては、地方財政委員会の考え方に過ちがあるということになるか。或いは午前中答弁せられた考え方が正しいということになるか。非常にポイントの分れ目であるというふうに考えるので、御質問を申上げる次第であります。第二点については、この問題が二応終つてから御質問申上げます。
#103
○國務大臣(天野貞祐君) 只今の質問は、会計課長が今参りますから、それからお答えしてはいけませんか。第二のほうから先にやつて頂けませんか。
#104
○小笠原二三男君 どうも天野先生には駄目だとは言いかねるので、第二点から……。第二の点は天野先生の責任ではないのですが、前文部大臣高瀬氏の場合に、去年の年本給與について地方の財政がこれを負担するに足りないとして、給與の半月分を國家公務員に出す場合に地方もそれを出す、併し財源がないから義務教育費半額國庫負担法の例によつて、これを半額國に見て欲しいという要望が地方からあつた際に、文部大臣並びに大蔵大臣は何とか面倒を見るということで、その約束があつて、地方は借金或いはその他の方法を以て平月分を支給したわけであります。そのことは結局配付税の減額その他によつて延び延びになつて今年に立至つて、我々当然地方に支拂われておつたものと考えておつたにかかわらず、未だ支拂われていないということでありまして、これは明らかに國の地方に対する債務である。然るに今回一般補年予算においても、國がその債務を果さんとして七億三千万円の過年度の支辨分を計上しておつたのが、一般会計から落されてしまつたのであります。従つてこれは地方財政に直接影響する問題であり、緊急の問題としては本年の年末給與そのものに影響がありまするので、なぜこれが一般会計から落されたのであるか。その場合における文部省と大蔵省の折衝の経緯はどういうものであつたか。そうして又これが落された以上どういう措置を以て、この債務を果そうとお考えになつておられるのか。それは大蔵当局は大蔵当局のお考えでしようが、本日は一応文部大臣のお考えとして以上の点についてお答えをお願いしたいと思います。
#105
○國務大臣(天野貞祐君) 実は補正予算は國会の始まるすぐ前に私はあれを見たのです。それで今おつしやる七億二千七百万円というものが落ちておるので、これは到底承認できない話だと言つて、大蔵大臣に私はそのことを申したところが、これは三十五億の平衡交付金を今までなかつたのをそこに出したから、その中に入つておるのだというお話ですから、私はそれなら必ずそういうことを大蔵大臣がはつきりとそういうふうに言つて貰わないと困ると言つておりますし、大蔵大伍も現にその通り言つておられるのです。ただ法律としては平衡交付金というものにそういう紐を付けますということに行かないかも知れませんが、私はこれは徳義上の問題として、当然成立するということを信じております。
#106
○小笠原二三男君 文部大臣は大東につかんで、その大蔵大臣の話で一応これは処理されるものとお考えになられることはいいのですが、文部大伍を補佐しておられる文部省自体は、この大蔵大臣の考えそのものを地方財政上いいというふうにお考えになつておるのかどうか。これは文部省の大臣を補佐せられておる責任者の御答弁を願わないと、文部大臣にそんな馬鹿なことはないのだと言つて、ここで追及したところで、これは大変申訳ないことなんで、一つお願いしたいんですが、ここに御出席なかつたら出席されて答弁させるようにお願いしたいのです。と申しますのは、平衡交付金三十五億というのは、二十五年度の地方財政にかもまる問題でありまして、過年度のものを本年度必要とするものの中に入れるはずはないし、入れるわけにも行かない。而も三十五億は法律改正その他に伴つて國が出すのに、地方が付合いをしなければならん金を平衡交付金として出すというので、一ぱい一ぱいに、三十五億はもうきまつておるので、七億三千万円が入る余地はどこにもないのです。その答弁を聞いて、まあ文部省としては安心だ、うまく行つたなどということでは文部省は何を考えているのかということを言いたくなるのでして、一つこれは文部大臣にお聞きするのは失礼に当りますから、この補佐しておる責任者にお伺いしたいと思います。
#107
○説明員(寺中作雄君) この補正予算が決定になります前の原案というのがあつたわけでありますが、それは七億三千万円を例の年末手当の分に当てるという案でありましてその外義務教育の教員のベース・アップのため九億を平衡交付金に計上してあつたわけであります。で、その後の関係方面との折衝等によりまして、それが一括して三十五億の平衡交付金になつておるという経路を経ておるわけでありまして、私どもとしては大蔵省とこの問題ですつと交渉して参りました。その交渉経過から見まして、これは当然例の七億二千万円と九億円とを合せたものが三十五億円に入るというふうに了解をしたわけであります。当然にこれが含まれておるものと了解をいたしますし、又大蔵大臣もさように言明をせられておるようであります。成るほど七億三千万円は二十五年度に計上されるものであるということでございますが、過年度といえどもそれが年度に計上をされて今年度の経費として必要なものとなり、又その約束で補正予算編成の際には入れるという大蔵省との約束によつて、原案では計上されたものでございますから、やはり本年度、二十五年度に必要な金とい方ように了解していいものだと私は思うのでありまして、平衡交付金に相当額のものが計上されますれば、先ずその年度に一番必要とせられる金にこれが充当されるものであるというふうに了解するのは当然であります。そういう意味で私は過年度の金といえども、先ず従来の約束であるものに充当して行くということば普通の考え方ではないかというふうに思うのでありまして、そういう意味に事きまして我々といたしましては、飽くまでこれは平衡交付金中に包含されるものであるというように了解をしておる次第であります。
#108
○小笠原二三男君 只今の文部当局の御説明によると、大蔵省との補正予算査定における約束であるということでありましたが、もう一度この点についてその通りであるかどうか、はつきりお答え願います。
#109
○説明員(寺中作雄君) それは二十四年度に年末手当を出しますときに、その当時は例の義務教育費國庫負担法というものがはつきり生きておつた法律でありますし、地方教員の俸給関係の金は、半分は國庫で負担するという建前になつておりまして、國家公務員に対して年末手当が出される以上は、地方にも出すべきである。地方に出す場合には國で半分持つべきである。併しながら財政の都合上現在どうしてもそれが出せないけれども、これは将来補正予算編成の機会があれば入れるということを大蔵省と約束をした次第であります。
#110
○小笠原二三男君 二番目の約束ですが、今回の補正予算の査定において三十五億に一括したということを今お話になつたが、一括するということは大蔵省と文部省との約束であるということなのですか。
#111
○説明員(寺中作雄君) 只今言いましたような交渉経過がございまして、七億二千万円と九億円が落ちた代りに、三十五億が入つたというような経過から見て、当然入つておるのであろうということを念を押しました際に、それはそういうふうに見て差支えないということであつたわけであります。
#112
○小笠原二三男君 それでは地財委の野村委員長にお伺いいたしますが、野村委員長は地財委のほうで大蔵省と今回の予算査定をします場合に、そういう御了解はなかつたということで心外であるということに午前中お話でありましたが、従来平衡交付金を配分するに当つて文部省が教育関係の地方の費用については配分の單位費用を計算し、或いは規則を作るに当つては地財委と文部省と相談もし、或いは文部省のほうから地財委のほうに文部省の考えを持つて打つたというのが今日までの経緯ではないかと思つておる。然るに同じ平衡交付金、追加になる平衡交付金三十五億の問題については、文部省はそういうふうに大蔵省と了解をしたという点について地財委のほうと相談をし、地財委のほうの了解を得たことがあるかどうか。この点についてお伺いいたします。
#113
○説明員(寺中作雄君) 七億二千万円に関しましては、これを平衡交付金に入れて貰いたいということを地財委に了解を求めたことはございません。ただ七億二千万円を文部省の補助として補正予算の最初の案には入つておりました。その後関係方面との折衝の結果、三十五億に変つたという報告を得たわけでありまして、私としましてはそれが平衡交付金に入つたものという了解で差支えないかということを念を押した場合には、それはそれでよいということであつたわけであります。
#114
○小笠原二三男君 だからそれはそれでよいという大蔵省の話を聞く、或いは話を聞かない前にこれが落ちた。それから平衡交付金の中に入れて貰いたいということを文部省が考えるならば、その所管である地財委に相談すべきはずである。然るに大蔵省の了解を得れば地財委のほうはどうでもよい。そうして地財委に三十五億あるから取れるのだなどと、そんなことを文部省は考えたのですか。
#115
○國務大臣(天野貞祐君) 今寺中君の言いましたのはその事前ということなんです。それは私ども全然知らなかつた。補正予算が出て来て、そうして一遍承認されておるものが國会へ提出するその日、或いはその前日落ちておる。だからしてそこで私は大蔵大臣に聞いた。そうするとこれは入つておるのだと言う。だからその後においては幾ら私のほうの文部省のほうは地財委のほうへ連絡してその了解を求めたかわからない。現に求めつあると私は考えております
#116
○小笠原二三男君 了解を求めようとする努力を予算提案後にやつておるという話ですが、それは地財委にやつておるかどうかについてはあとでお伺いいたします。それならばもう一遍お伺いいたしますが、給與ベース改訂のときの地方財政の増四十三億という中の教職員関係は二十億あるのです。約十八億と見てよいでしようが、その半額を國が見なければいかんというので、九億という金が一般会計に出ておつた。これも落ちた。落ちれば当然これは、十八億はまるまる平衡交付金、その他地財委関係で見て貰わない限り、教職員の給與は上らんということになるわけなんです。この関係については、然らば地財委のほうと折衝せられたことが当然なくちやならんので、地財委との折衝の経緯についてお伺いしたい。
#117
○國務大臣(天野貞祐君) それは今小笠原さんの言われる通りである。ただ私どもは突然落ちてから知つたのだが、大蔵大臣が入つているのだとこう言う。あそこの主計局長も私に入つていると言つている。だからそれで本当は道徳的にはよいのです。けれども私どもはこの地方財政委員会に対してただ自分らがよいじやいけないから私どもの事務の者が十分折衝をし、お願いをして、私どもは道徳的に言うならばお願いする何も筋はない。併し法律的に言えば、これは地方財政委員会の十分に了解を得なければならんことですから、飽くまで熱心に文部省の事務当局から御了解を得ているわけです。
#118
○小笠原二三男君 では、その了解を得ている経緯について、野村委員長にお伺いします。
#119
○政府委員(野村秀雄君) 事務的に折衝が行われたというような文部大臣の具体的なお話でありますが、私、誠にここでそういうことを言つては相済みませんが、何も存じません。事務的のことであつたら事務当局をして御答弁をいたさせたいと思います。
#120
○説明員(武岡憲一君) 只今の問題につきまして、昨年の年末手当の政府負担分でありまする、七億二千万円、それから今年の教職員のべース・アップ財源の半額に当りまする九億円、この問題につきまして、文部省におかれましてはこれを三十五億の平衡交付金の中にあるという大蔵省のほうの見解であるから、地財委としてもその配分には特にそういう意味で考えて貰いたいという事務的なお話は伺つております。ただ私のほうといたしましては、先に午前中、意見書につきまして御説明申上げました際にも申上げたのでございますが、平衡交付金の算定の基礎についての委員会の考え方からいたしまして、今回の三十五億円の内訳がどうなつているかということは承知いたしておりませんし、それから殊に七億円の問題につきましては、それが今年の財政需要ではございません関係から、配分につきましても法律の規定するところによつて配分することに相成りますると、その七億円をどういうふうな配分をしたらよいのか、これも相当に疑問もあるわけでございます。そこでその問題につきましては、事務的にも私のほうでこういうふうに了解するとか、或いはこういうふうに配分をしたいということはまだ申上げてございませんので、私のほうとしてのその点についての御意見はまだ申上げておりません、
#121
○小笠原二三男君 そうすると、この地財委としては非常に大きな金額です。七億二千万円に九億、こういう政府が査定せられて國会に出しておる総額からいえば、非常にこれは大きな問題です。この問題を事務当局同士で話をして、野村委員長の耳にまでそれが入つておらんということは、これは到底地財委としては取上げることができないというお考えなのか。又この文部省の要望を容れるためにも、研究と準備が必要であるということで、事務当局が野村委員長の耳に入れないで今日に至つておるのか。この点についてももう少し伺つて、結論としては地財委で研究しようが何しようが、この金は出せないなら出せない。出せるなら出ぜるという御答弁如何によつて、私たちも心構えが違うわけなんです。この点について地財委の明確な御答弁をお伺いしたい。
#122
○説明員(武岡憲一君) 二十五年の平衡交付金の増額の予算につきましては、地方財政委員会といたしましては現在のところ飽くまで必要な八十三億を頂きたい、こういう見解を持つておるわけでございます。予算もまだ國会で御審議中でございますから、三十五億円で決定した段階ではございませんので、申上げることが仮定的なことになるかと思いますので、三十五億円に仮に決定になつたという場合に、それをどういう基準で配分するかということにつきましては、まだ地方財政委員会としての具体的な配分基準は定めておりません。ただ若しこの予算を組まれた政府におかれましても、今の七億二千万円というものが入つておるし、又そういう意味でこの予算が國会において議決されまして、その執行を地方財政委員会がやれと、そういう意味で配分をせいと、こういうことでございまするならば、その趣旨における具体的な配分基準を研究しなければならんじやないか。こういうことは考えておるわけでございます。
#123
○小笠原二三男君 その後段の分のこの七億二千万なり、九億なり、これを三十五億の中に入れよと言われる段になれば、午前中の質疑の経過からしますと、地財委自体の自殺であり、矛盾であるという結果になろうかと我々は考えるのです。今のように入れろと言われればそれはそれで配分をしてもいいというようなこと、そういう可能性も許すというような余裕があるとするならば、その点に関してもう少し説明して頂きたい。
#124
○説明員(武岡憲一君) 私の言葉が足らなくて或いは誤解されたかと思いますが、地方財政委員会といたしましては三十五億あれば何とかするという意味で申上げておるのでございませんで、私のほうといたしましては國会に特に意見書で申上げておる通り、只今の計算で八十三億というようなものはどうしても要るという考え方においては変りはないのでございます。ただ若し國会においてこの予算が最終的に御決定になりまする際に、三十五億しか交付金としては計上ができない。而もその中に今の七億何がしというものを含めた意味で、これは交付金として配分せよと、こういう趣旨の予算として御決定になれば、執行の責任は私のほうにございまするから、そういう趣旨で配分方法も考えなくちやならんじやないか、こういうことを私は考えておるわけであります。
#125
○小笠原二三男君 國会が決議した場合に限ることであつて、そういうことの議決なしに地財委の要望している意見書に基く起債、或いは平衡交付金が削減されたにせよ、國会が政府原案を決定して地財委にその執行を委せる場合には、今言うたような諸経費を盛り込む余地はないというふうに、今度は逆から考えられるのですが、そういうふうに考えてよいかお伺いします。
#126
○説明員(武岡憲一君) この交付金の配分につきましては、法律に配分方法が規定してあるわけでございますから、法律の規定する範囲内においてでなければ、法律の改正なしには配分はできないわけでございます。そこでこの予算がどういうふうに國会において御決定になりまするかわかりませんが、その御決議の中で先のような意味を含めて、こういう趣旨でこういうものもあるのだから、こういうものも考えて配分せよ、こういう御趣旨の御決議でありますならば、地方財政委員会といたしましては、その執行に当つて十分その御趣旨を体した方法を考えなければならんと考えております。
#127
○小笠原二三男君 そのことは十分わかりました。そこで私の聞いているのはその逆で、何らそういう條件も付けない。そうして地財委の要求しておる金額は削減せられた。こういう結果に今回の國会において予算がきまつた場合にはそういうものを入れる余地はないという論理の帰結になるが、そういうふうに確認してよいかと聞いておるのです。
#128
○説明員(武岡憲一君) それは交付金の配分は基準財政需要額と、財政收入額の差額に按分して配付することになつておりますから、その基準財政需要額の中に、そういう特殊のものを財政需要額として加えない限りは、今のようなものを、特殊の需要額と申しますか、要求のものを入れて配分するということにはならない、できないと思います。
#129
○小笠原二三男君 只今の答弁で一応はつきりしたわけですが、そうしますと、岡野大臣は今の質疑の経緯をそこでお聞きになつて内容は十分御承知かと思いますので、簡單にお伺いしますが、地財委との間を取り持つて、そうして地方財政確立のために、大臣御努力頂いたことと考えるのですが、今度の三十五億決定の場合に、只今申上げた教職員の年末手当、過年度支拂に要する金七億二千万円を一般会計から落し、或いは給與改善、ベース・アップに伴う教職員の増額の半額分五億、これも一般会計から落し、これが三十五億に入つたものとして今回の予算を査定せられたのであるかどうかお伺いします。
#130
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは文部大臣並びに文部当局がお話になつたようないきさつがありまして、そうしてそういうことになつたのでございますが、併し結局結論的に申しますれば、九億並びに七億二千七百万円というものは全くなくなつてしまいまして、新らしい補正予算としましては、平衡交付金八十三億の要求に対して三十五億が認められた、そういう形になつております。
#131
○小笠原二三男君 そうしますとですね、大蔵大臣は入つておると言い、今の岡野大臣は八十三億に伴う査定の結果が三十五億ということであれば、この地財委の意見書に基いたものですから、地財委の意見書の計数には一切入つていない計数なのですから、これは認められておらないという自治片側の見解になるわけです。ここは誠に自治庁並びに地財委は一緒ですが、その他の関係においては不統一です。どういうふうにしてこれを賄うかという点については、改めて文部大臣に、今早急に御答弁願うことは困難かと思いますので、お伺いすることを保留して置きたいと思いますが、文部大臣におかれても、十分今のような経緯については御検討を加えられることが必要ではないかと考えるのであります。一応他の委員の御質問があつて継続したいと思いますが、第一間ですね、第一問も、この教職員の級別推定表の改正に伴う特撮改善費四億九千万円、これは地財委の意見書の前の案には載つておつたものです。それが今回の最終案には切られておる。その事情は午前中お伺いしましたが、この切られたことの理由は重ねて申しますが、人事院が規則によることなしに、現行法の解釈上の問題として通牒によつて措置をするということにきまつたがために、國の補正予算で國家公務員である教職員の待遇改善費も予算化せられておらないのだから、地方においても又同様義務付けられた問題でないことをして、これを落したというのが地財委の考え方なのであります。ところがこれが落されて一般会計に乗る問題でなく、落されれば落されつ放しで、そのしわ寄せば地方に廻り、或いは地方はその推定表を実施する、しないは自由であるというような見解なのだからということになれば、この推定表を作つた本義がもう滅却されてしまうわけです。かねがね主張せられておる文部大臣の、教員の特殊なる性格に基く待遇改善のこの問題は水泡に帰するわけです。この問題こそは、もう政府自体の問題ではなくて、地財委そのものを通して実現方を願わなくちやならんというような文部省の立場ではなかつたかと思うのであります。それで自由であるから落してしまつたのだということに対して、文部省はどういうお考えを持つておられるか。又事実通牒による場合には義務付けられないものであるということであるのか。又地財委にこの四億九千万円を落さないで、何とか措置してくれというふうに折衝したとするならば、その折衝の経過についても改めてお伺いしたい、こういうわけです。
#132
○國務大臣(天野貞祐君) 私はこれは給與べース改訂の前提として是非成立たなければいかんという考えを以て今まで進んで来たのですけれども、今度のようなことが起ると、地財委のほうと十分了解を経ないといけないと思いまして、事務当局に、これは地財委のほうとよく打合せるようにということを命じてあります。だから事務当局からお答えさせることをお許し頂きたいと思います。
#133
○小笠原二三男君 それではその事務当局の答弁、今のを聞いておつたことについて答弁を願いたい。と同時に折衝した結果、地財委は何と言うたか、お伺いしたい。その辺のことを相談しないようにしてやつて下さい。今相談して解決するならば尚いいけれども……。
#134
○委員長(岡本愛祐君) 文部省同志ですから……。
#135
○相馬助治君 これは内容は、岡野大臣が言つておる通りだから問題だ。
#136
○説明員(寺中作雄君) 級別推定表によります教員の優遇案につきまして人事院はこれを承諾いたしまして、それを地方に流すということにいたしますと同時に、自治庁に対しましては、それに必要な金額を組んで貰うようによく交渉をいたしております。その平衡交付金の算出基礎の中には入つて大蔵省へ過つたわけです。大蔵省でこれが切られたという形になつております。
#137
○小笠原二三男君 どうも文部省の言うことは、本当に折衝したものか何かわけがわからんですよ、そういう答弁を聞くというと、專門官の答弁として……。尤もこれは会計課長でなく別の局のほうでやつておると思うのですけれども……。
#138
○國務大臣(天野貞祐君) 今地方財政委員会のほうと交渉した者がここにおらないから、交渉した者に御返事いたさせます。
#139
○小笠原二三男君 それならば文部大臣に最後に、保留して置く分はあと廻しにして、総括的に質問しますが、今回の補正予算だけで見ても、地方の教職員関係の費用というものは莫大なものなんです。と申しますのは、一々列挙しますが、一月からのべース・アツプに伴う増額分が十八億必要なんです。それから年末給與に要する金が二十億必要なんです。それから今言いました四億九千万、或いは過年度分の七億二十万円、総額で五十億を超える金なんです。この五十億を超える金を、今平衡交付金三十五億などと大削減を食つた地財委のそれによつて賄なつて貰おうということは、なかなか容易でない問題であることは、初めから文部省としては御承知、御覚悟になつて然るべきことだと思う。そういう問題について、今地財委の折衝経緯を聞きますと、事務的に折衝しておるとかというようなことですが、そうしたことが今の問題として起つて来るのではなくて、当然予見される問題であつて、これは大臣としても実は総力を挙げて地財委、或いは岡野さんのほうとこれらについてお話合いになり、一般会計からこうしたものが一部落されるというような場合には、こういう措置をして貰いたいというような第二、第三のあの手この手を打つてですよ、そうして何とかこれを解決しようという努力がなされておるのが当然ではないかというふうに、非常に歯がゆさを我々としては感ずるわけです。もう少し関係事務当局を鞭撻されて、又大臣も直接乗り出してこの問題を解決しない限りは、例えば緊急に迫つておる年末賞與の問題でも、國家公務員が半額支給されるにしても、去年同様地方は財源なしとして葬られる。而も國が見てくれるというところで初めて地方も安心して出すけれども、それさえも見ない、まして去年の分さえも見ないということになれば、地方が安心してこの金をぬくぬくと出すことになるということは考えられない。従つて半額そのものは不満な地方公務員が多いでありましようが、きまつた半額さえも取れないという地方公務員が大多数出て来る。こういうことについては所管である文部大臣の責任も相当考えられるのじやないかということを思う。一つこの程度にして、あと事務当局から御説明を聞いて、なお納得の行かない点については改めて後刻大臣に御答弁を頂きたいと思いますが、善処がたをお願いして、私の大臣に関する限り質問は本日は終ります。
#140
○委員長(岡本愛祐君) 事務当局からの説明は要らないですね。
#141
○小笠原二三男君 人が来なければ説明でき「ない……。
#142
○相馬助治君 午前中、地財委委員長に質問して、晝休み中に御研究を願つて置いた件についてですが、幸いにも文部大臣も列席されておるので、改めて一つ明確に御答弁願いたいと思うことは、只今同僚小笠原委員も触れられましたように、教職員の特別給與表切替による増加、即ち四億九千百万円の金というものはぎりぎり必要の金で、それについて地財委が政府に出した意見書には、これがつい先だつてまでの案には載つていながら、最終的の案にはこれが出てない、これはおかしいじやないか、こういうことを尋ねたわけでありまして、それについて改あてここで地財委委員長の御答弁を承わつて、事務的な間違いであつたのか、やはりぎりぎりだとは思わない、地方が勝手に財政措置をすればいい、だから落したというのか、この点について明確に一つお願いします。
#143
○政府委員(野村秀雄君) 午前中お尋ねの教職員の待遇改善に対し、増額の四億九千万円が前の意見書には載つておつたけれども、國会へ提出した意見書には載つていないが、どういうわけかということの御質問でありまして、それについてお答え申上げたいと思います。地方財政委員会におきましては、昭和二十五年度における地方財源増加所要額を算定するに当つては、文部省と協議の上で四億九千万円を所要額としたのであります。その当時、この教職員待遇改善の俸給切替は、法令の制定乃至改正に基くというのでありましたので、財源の計算に入れたのでありますが、その後これについて特に法的措置を講ぜず、級別認定格付基準の解釈ということになつたということでありますので、而もその解釈に関する人事院の決定も、現在においてはまだ正式に行われておりませんために、國会に対して提出した意見書にはこれが財源を算定しなかつたのであります。併し文部省と人事院との間にはいろいろ折衝が行われて、近くこれが解決を見るということでありますから、その決定を見た上において、地方財政委員会といたしましては、何分の適当な財源措置を講ずることが必要であろうと考えておるのであります。
#144
○相馬助治君 只今地財委員長御答弁の通りなのでして、この際文部大臣にお尋ねして置きたいと思いますことは、只今の識別推定表のことが、人事院においても最終的結論に達していないというような今の答弁ですけれどもこれは十一月末を期して実施されることに相成つております。その場合において、地方公務員である教職員に対しても当然これに見合つたところの措置をしなければならない。地財委員長の説明では法令の改正が行われたわけでないから、そういう必要も今のところないのだというのでありますが、それは全然納得か行かないわけです。御承知のように、教育公務員特例法によりますというと、地方公務員である教職員は、國家公務員である教職員に倣うということが法文に明記してあります。公家公務員である教職員が、特別の給與表によつて切替えられた場合に、当然これは文部大臣として地方に通達をして切替えさせなければならない。このことは地方の財政事情の面から見まするというと、これを扱つております県知事その他においては、どうでもこうでもそういう財政措置をしなければならない問題でありまして、いわゆる法律的にもそういうふうにやらねばならんことを命ぜられている財源であるはずであります。にもかかわらず大蔵省側が削つたということならば、一応事のよし惡しは別としても、わかるとしても、地財委の意見書においてすらこれに落着いているということを遺憾といたしまして、午前中野村委員長に対して数回に亘つて我々は質問を試みておるわけであります。この点に関しまして文部大臣としては、この四億九千百万円の問題についてどういうふうにお考えであるか、即ち人事院の決定に関し早急に通達を出すとか、それから通達を出す場合には財源をこういうふうにして貰うというようなこと、そういうことをどうお考えになつておるか、これを一つ文部大臣にお聞きして置きたい。
#145
○國務大臣(天野貞祐君) その点について、今もそういう問題を扱つている者を呼んでおりますから、来たらその者にお答えさせますから御了承下さい。
#146
○相馬助治君 それでは岡野自治庁長官にお尋ねします。先程の答弁によりまするというと、三十五億の平衡交付金というものは、地財委の要求する八十億なにがしのものを切下げてこういうふうに措置した、こういうお話でして、その中に過年度分の七億二千万円ですか、それが今日まれているか含まれていないかという論争になつておりますが、実際問題として地方としてはこれはどうしても支拂わなくちやならん問題である。それで三十五億という平衡交付金を計上してやつたことに対して、十分これはその分までも賄い得るという見通しですか。
#147
○國務大臣(岡野清豪君) これは地方財政委員会のほうでお答えしなければならんことでございますが、これは御承知のように、國の財政が非常に財源がないということで三十五億にされたんですが、併しながら地方財政委員会としては八十三億を是非欲しいということで意見書まで出ておるわけです。でございますから、今後これを如何にしてやつて行くかということを地方財政委員会においてお願いして、何とか一つ給與べースあたりのことは、中央の國家公務員が貰つておるのに、地方の公務員が貰えぬということは、これはあり得べからざることであると同時に、法的見地から言いましても、地方公務員は國家公務員に倣つてやるということになつておりますからどうしても出さなければならん、こう考えております。でございますから、それを出して頂くように地方財政委員会に、私としては先般来、あの補正予算の概算がきまりましたときからお願いしておるわけでございます。そういたしますれば、結局落るところは、できるだけ地方税のほうに力をうんと入れ、それから又若し歳出の方面において縮減ができるものならば縮減もして貰うし、それから又或いはこれは私だけの考えでございますけれども、急を要しない事業があるならば、それは一つ繰延べても、やはりこの年末を公務員が楽でもありますまいが、越せるようにしてやつて行きたい。そういう方策をできるだけ地方財政委員会でやつて頂きたいということを、今地方財政委員会、自治庁が協力一致いたしまして、その方面に進んでおる次第でございます。
#148
○相馬助治君 そうすると結論的に伺いたいことは、吉田内閣の閣僚であり、地方自治庁の長官である岡野國務大臣としては、具体的な問題としては、教職員をも含めた地方公務員に対しては、國家公務員に支給されたと同額の年末手当並びに國家公務員に措置いたしまするベース・アツプ等に見合つた、それと同等のベース・アツプ、これを必ずやる、かように了解してよろしいのですか。
#149
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申し上げます。地方財政委員会で八十三億欲しいという要求が出ておりまして、それに対して閣僚の一員といたしまして、それに応ずることができなかつたことは、私の誠に微力のいたすところで申訳のないところでございます。けれども一般地方公務員が中央の國家公務員の待遇と同じようにやつて頂かなければならんというのは、先ほども申上げましたように、社会的見地から見ましても、法的見地から参りましても、やらなければならないと存じておる次第でございます。でございますから中央財政を何とかやりくりして三十五億を貰つた上でも、地方公務員が中央の公務員と同じような待遇をされることを目標にして、いろいろの措置をして行きたい。これを地方財政委員会に切にお願いして、同時に我々も協力してその方策を今考えつある次第でございます。
#150
○相馬助治君 この際、文部大臣に一点伺いたいと思います。先般来朝せられました米國の教育使節団の報告書を読んで見ますと、非常に重大な示喚が含まれておりますが、その中で要約して私どもが理解いたします第一点は、教育財政について、教育に投ずる金というものは、民主國家においては最も有意義なる投資である、こういう意味のことを申して、教育財政というものは独立しなければならんということを示唆しております。これに従つて文部大臣といたしましては、この臨時國会等に何か早急に標準義務教育費法案というような法律案なり何なり、いわゆる教育財政を独立せしむべき法案の提出の用意があるかどうか、これが第一点。
 第二点は、先般行われた教育委員選挙の問題は、種土教育委員の性格がよくわからないから、あの選挙は低調だつたと言われておる。私をして言わしめればあれは逆です。教育委員会というものはまるつきり役に立たない無用の長物である、過去二年の歩きというものが國民によく徹底したならば、馬鹿馬鹿しくて誰も選挙に行かなくなつてしまう、そういうふうにも一応考えられるのです。特にそのうちで重大なる関心事でありますることは、昭和二十七年度になりまするというと、市町村ごとに教育委員会が設けられるということに法律的になつております。ところがあの勧告は、財政的にも、人的にも、交流等にも、地域社会というものを單位にして教育委員会は設けられなければならないという、非常に実際的な、而も有意義な勧告が行われておる。それに伴つて教育委員会法の一部改正案というものを文部大臣は用意されておるかどうか、この二点についてこの際お尋ねして置きます。
#151
○國務大臣(天野貞祐君) 第一の点につきましては、私は教育使節団の勧告にある学区というようなことも、考え方としてはアイデイアであると思います。こういうことによるか、或いは標準義務教育費法という法律のあの形を、何かもう少しモデイフアイしたものによるか、或いは私はやはり元のように國庫負担というようなことも一つの案ではないか、こういう問題を今よく検討するようにいつております。併しながら臨時國会は短くて間に合わないと思つておりますが、通常國会には提出いたしたいと思つております。
 第二の点につきましては、関係方面の意見を聞いて十分これを検討して改正をいたしたいと思つております。それは通常國会には間に合わないかも知れませんが、その次の二十七年度には是非ともそれを提出して改正をしたいという考えを持つております。
#152
○小笠原二三男君 先の答弁者がまだ見えないのですが……、今の相馬委員の質問に対する岡野さんの御答弁なんですが、政府側の答弁やら、地財委側の答弁やらどうもはつきりわからんので、立場をはつきりして答弁して貰いたいと思つて、質問をしたいことがあります。ということは、三十五億にきめられたから、これらを以て不都合のないように措置したいという岡野さんのお考えのように拝聞したのですが、先ず第一にお尋ねしたいのは、最終的に出された地財委案なるものを、自治庁長官としてこの内容をお認めになつておられるかどうかということです。そこから先ず始めたいと思います。
#153
○國務大臣(岡野清豪君) 認めております。
#154
○小笠原二三男君 そうしますと、大蔵省との折衝の結果、一般会計で削られたその分は、大蔵省に言わせるならば、認めていない、地財委の案を削減した極く小部分の三十五億のほうで見るのだというようなことを言つておるというようなことですが、そうすると、その折衝の経道において、それを長官は認めておらなくちやならないはずなんです。ところが私の質問に対しては、八十三億という要求が三十五億に削られたという結果なのだから入つてはいないのだというお考えなんですが、あなたの心ではどちらのほうが本当なのか。
#155
○國務大臣(岡野清豪君) 質問の要旨がわからないのですが……。
#156
○小笠原二三男君 もう一度申しますが、この地財委のほうのこの案を内容としてお認めになつておられるかどうか。これでいいのだと思つたが、残念ながら三十五億に八十三億が削られた。そうすると八十三億というものを要求する要素として入つておらなければならない七億二千万円という金、教職員の年末給與、或いは給與改訂に伴う平額國庫負担的な立場による九億の増、これが切られておる。これらのものは切られて、而も大蔵省の意見では三十五億の中に入つておるということを言つておる。大蔵大臣もはつきり言つておるが、そうすると、この三十五億になるまでの自治庁と大蔵省との折衝の経過の間においては、この話が当然出て来ておつたのじやないかとも思うので、この際に自治庁長官としてそれをお認めになられたのじやないかという点も考えられる。そこではつきりお伺いしたい。
#157
○國務大臣(岡野清豪君) 三十五億になるのは、一夜のうちに出て来たものでありまして、私はその外は何も知りません。
#158
○小笠原二三男君 それは知らないという事実に対しては追及のしようがないからそれでいいでしよう。併しそうなるならば、成るべく速かに要望が満たされるように研究したいという先ほどの相馬委員に対する御答弁であつたが、自治庁自体の考えとして、國の言うておる既定経費の節約四十億、それから起債の五十億、それから手数料、雑收入の六十三億、それに加えるに三十五億、それで以て財源措置をするという大蔵省の案のその財源を、この地方財政委員会が要求いたしておる各項目に照して、その歳出の区分をして置くのは、或いは区分をする試案を作るというようなことは、やはり自治庁の一つの仕事じやないかと考えるのであります。そういう資料が出ておるかどうか、お伺いしたい。
#159
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは少し法律論に亘りますけれども、財政の区分とか、財政の切り盛りということは、これは全く地方財政委員会の独立した権限でありまして、ただ私は自治庁の長官をしており、同時に地方自治を確立して行く上において、財政が確立して行かなければ地方自治の確立ができないという意味において、実は余計な心配をし、余計なおせつかいをしておるのであります。でございますから、自治庁にどういう案があるか、どういうふうにして行く考えであるかということは、これは私のほうではないのでありまして、ただ財政委員会が独立されて、地方の財政というものに対しては、これだけの財政需要があるのだ、それからそれに対して財政確立にはこれだけの財政收入を貰わなければならないということを言われるものですから、それで上げなければならないというので、自治庁はこれに援助をして、そうして私は閣僚でございますから、財政委員会の代弁をして、閣内においてその地方財政のことについて発言をしておるわけであります。でありますから、若し責任を私におかけ下さるならば、なぜ地方財政委員会というものが、八十三億も平衡交付金をくれなければ立つて行かれないと言つておるのに、貴様は閣内におつて三十五億しかよう取れなかつたじやないか、それはお前の責任である。こう仰せられたら私は一言もございません。でございますから、たとえこれが主管大臣の大蔵大臣が査定する問題でありましても、その閣議決定に対して、私が一枚加わつて八十三億を三十五億に削つた形になつて決定をしておることに対しては、私は先ほども申上げましたように、微力を以て甚だ申訳ありませんが、こういうことに決定をいたしたということであります。でございますから、地方財政を確立して行き、又同時に先ほども申上げましたように、地方公務員が年末の賞與を貰いたい、ベース・アップをして行かなければならないという実情にある、こういう法律的の立場も社会的の必要もあるということについて、自治庁としては地方自治の確立という面において非常に関心を持ち、援助して行かなければならないとこれについて苦心をしておるわけでありますから、地方財政の内容につきましては、実は私は喙を入れる権限もございません立場でございます。
#160
○小笠原二三男君 その話は半分御尤もなのでありまして、半分だけが納得できないのであります。ということは、早く言えば大臣が今お話なされた通り、仲人役なのであります。で閣議において三十五億と決定したのは、大臣の責任であることは当然であります。私はその責任として追及しておるのじやなくして、三十五億でよろしいということは、不満であつても納得した形で出ておるものだと思うのです。それで事実それが自治庁の長官となつておれば、三十五億でも何とかしてやつて行けるということについて、一つの試案というものをその前後においてお考えになつて、そうして対策を立てるということが仕事の一つじやないだろうか。同じ努力する、今後において援助するとしても、自治庁自体においてそういうことの研究をなされるということも必要ではないだろうか。検討しているとすれば、検討している歳出区分等についても、資料があつたらそういうものを出して欲しいということを申上げているので、検討してないといえば別のことを質問するだけのことだ。又責任なんということを追及しているのじやないのですから……。
#161
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。実は私八十三億を取らんがために一生懸命でございまして、後のことは考えておらなかつたのであります。結局一夜にして三十五億に削られたものだから、それで非常に困つているのです、で今後如何に対処すべきかということに対しては、地方財政委員会にお願いして、どうか一つやつて貰いたいということをお願いして、それにつきまして先ほど申上げたように、こうなれば私たちの意見といたしましては、收入をうんと確保し、それから歳出を減じ、又或いは國の事業の振替をするとかいうような方法までしなければならんのじやないか、そういうことを一つ大いに御研究願いたいということで、地方財政委員会では今一生懸命でその方向に向つて進んでおるわけであります。自治庁としましては、今その資料を持つておりませんし、又その資料を作る立場にもないのでございますから、それを御了承願います。
#162
○小笠原二三男君 只今の御答弁は、再三大蔵大臣が御答弁しておるのと同様なことになつて来ます。そうすると大蔵大臣の考えに閣員の一人として御同調なさつておるようにも聞えるのですが、卒直にそこでお伺いしますが、大蔵大臣は三十五億の中に先ほど申上げたような金額が入つておると言つておる。岡野大臣は当時三十五億に削られた建前からいつて、入つておらないものと現在までお考えになつておられたにしても、今後大蔵大臣の考えそのものがこう出ているということになれば、それに御賛成になられるか、或いは反対の立場をおとりになられるか、二つのうち一つしかないと思います。先ほどから地財委のほうをカバーするような建前の御発言もあれば、又大蔵大臣の言うように簡約をする、收入の増というはうを支持する話もあれば、で、どうもやはり仲人役になつておる人はどつちにもいいお話なんで困るので、卒直に大蔵大臣のほうの意見をとられるか、地財委のほうの意見をとられて御努力になるか、岡野大臣の見解をお伺いして置きます。
#163
○國務大臣(岡野清豪君) お答えいたします。或いは三十五億というものが平衡交付金の形において與えられたとしますれば、これはどうしても地方財政平衡交付金法並びに地方財政委員会が平衡交付金を如何に配分するかという規則によつて縛られて配分するより方法がないと私は考えております。
#164
○吉川末次郎君 文部大臣は非常にお忙がしいので、伺いたいのですが機会がほかにありませんが、丁度今日お見えになつたので、今御論議になつておることから少し離れるようでありますが、現在日本國内の一つの大きな問題になつておりまして、又我々地方行政を担当いたすのでありますが、地方行政は教育行政をも又主要なものとして取扱い、極めて広汎なる意味においての地方行政の範囲内のものでありますから、特に委員長の御許可を得ましてこの機会に、時間は長くかからないつもりでありますから、お伺いいたしたいと思うのであります。
 それは天野文部大臣の御指令によつて、日本の各学校その他のところにおいて「君が代」を復活して歌わすということを御指令になつたと大体新聞紙上で承わつておるのであります。これは私の見るところ、私見を以ていたしまするならば、教育上、政治上、日本の國民思想上における極めて重大な私は問題であるというように考えておるのであります。申すまでもなく新憲法は、その全文並びにその前に書いておりまするところの前文よりいたしまして、民主主義の精神によつて立つておるものであります。即ち國民主権を謳つておるのであります。もとより天皇は國民の象徴として存在しておられるということは規定しておりまするけれども、憲法の前文並びに全部の法文というものが、日本國民がこれから世界において歩むべきところの態度を示しておるものでありまするならば、それこそが又取りも直さず日本國民教育の基準でなければならないことは申すまでもないと思うのであります。然るに國歌、ナシヨナル・ソングが國にあるということは、私は必要なことであると思います。それは当然にその國民が國民の理想として、國民生活の一つの理想として、ナシヨナル・アイデイアとして考えているところのものがそこに表明されたものでなければならないと思うのであります。ところが、明治憲法と新憲法と対比いたしまするならば、明治憲法は即ち君主主権を中枢としたところの思想であります。或いは又一部の学者はできるだけそれを民主的にリードしようと思いまして、主権は國家にあるというようなことも言つたのでありますが、少くともそれは國民に主権があるということは、全然反立するところの見解にまで立つて明治憲法が制定され、又その明治憲法の中枢的な思想を根幹として、日本の学校教育及び國属の思想というものが今日までリードされて来たということは、言うを俟たないところであると思うのであります。そうした君主主権或いは國家主権の思想の上に立つていたところの日本の國民生活の基本であるところの憲法が、主権は人民にあるのであるということをここに高揚いたしましたということは、それは一部の人が言つておりまするように、これは明らかに革命が起つたものであると言うて実質的には決して間違いはないのであります。然るに今日まで我々が子供のときから教育されて来たところの日本の國民思想、教育思想を現わしたところの「君が代」ば何を認つておるのでありますか。我々は日本の國民の思想の理想といたしまして、考え方の理想として「君が代」が、即ち天皇陛下の御代というものが、千代に八千代にさざれ石に、岩に苔が蒸すまで続くことな望むというようなことは、これは明らかに新憲法が規定いたしりておりまするところのデモクラシーの精神に真正面から反対するところの、何といいますか、君主親権主義、或いは一個の迷信の上に立つた、一個の神話の上に立つたところの、最も新憲法の精神より排撃すべきところの私は見解でなければならんと思うのであります。成るほどイギリスの國歌には「ロング・リブ・ザ・キング」というような歌が今日なお残つておりまするけれども、併しながら若しイギリス國民にして、この大戰において日本の國民が喫したようなこの惨澹たるところの敗北を喫するようなことがありましたならば、私は如何に保守的なるところのイギリス國民といえども、「ロング・リブ・ザ・キング」というようなことをぼ國民に歌わすようなことはないと考えるのであります。明らかに一つのデスポテイズム、明らかに一のつ神話的迷信、明らかに一つの帝王親権主義に立つて、民主主義を全面的に否定するというような内容を持つたところの古い時代の國歌というものをば、一時それがすたれておつたにもかかわらず、文部大臣が指令を発して、各学校の生徒や或いは國民に歌わすようなことを復活されるというようなことは、私は日本の政府、文部大臣、吉田首相、今日の反動的な政府が新憲法の精神を蹂躙しておるところの由々しき重大事であると言わざるを得ないと思うのであります。文部大臣はそうした「君が代」の復活というようなことについて、私が今申上げたようなことについて、どのようにお考えになつておるかということを先ず御答弁を願いたい。
 それからそうした君主親権主義、民主主義の否定の精神を高揚しているところの時代錯誤的な古い國歌であるところの「君が代」のようなものをば、廃棄するところの意思をお持ちになつておるかどうかということを第二に御答弁願いたい。
 第三番目には、真に新憲法が謳つているようなデモクラシーの精神を基礎にしたところの新しい國歌を制定し、これを日本の國歌とするというような意思を持つていられるかどうか、この三つの点についてこの機会に御答弁が願いたいと思います。
#165
○國務大臣(天野貞祐君) 私はこの頃の日本のこの状態を見ていて、青少年の非常な堕落とかいろいろなことを見、また子供が全然どこの國の者だかわからんというような有様を見て、どうしても子供から、おれは日本人なんだ、自分は日本という國が自分らのことに生れ、ここに生き、ここに死ぬ國なのだ、自分のいわば基体なんだという自覚を持たないというと、日本の将来というものは非常に憂うべきものがあるということを平生から痛感いたしておるものであります。
 そういう精神からして私が希望することは、祝日とか、そういうときには、皆が國旗を立て國歌を歌うということである。國歌といえば今あの國歌よりほかにない。ところがそれは非常に不都合だというお考えは、私は法律というものをただ抽象的に考える考え方であつて、日本は現在といえども天皇が象徴として認められている。日本國の象徴であり又日本國民統合の象徴なんだ。主権在民といつても、一々の太郎、次郎が主権者じやないんで、國民への総意というものに主権があるわけなんですから、その象徴たる天皇は、我我は依然として認めておるのが現在なんだ。だから「君が代」といつても、その君というのは象徴たる天皇、即ち言い換えれば「君が代」というものは、日本國の存在という象徴なんだ。我が國といつても同じなんだ。そういうような考えで、ともかく子供が國旗も知らなければ、國歌も知らないということでは、日本の将来というものは非常に憂うべきものがある。國家の将来というようなことを考えれば、私は世界國家というようなものが國家の理念だと思つております。そういう場合にでも、世界國家というものもすべての國家を解消してしまつて、一つの國家にするということではなくして、すべての國家がそれぞれの歴史と伝統とを以て、文化創造の中心としてすべてが連合することでなければならないと思う。どこまでも考えは、コスモポリタンの考えではいけないのであつて、インターナシヨナルの考えでなければならない。そういう國家理念の下に、私は日本國民がどこまでも國旗を立て國家を歌うということが必要なんだ。差当つて國歌といえばあれだけしかないが、その國歌も何も差支えない。強いてこれを抽象的に考えるからいけないんで、我々がすなおな心を持つて現在の日本の國歌として歌えば何も差支えない。一体主権在民といつて見ても國民の総意なんだ。私は大多数の國民はここで國歌を楽々と歌えることを喜ぶと思つております。そういう意味ですから、この國歌を廃棄するという考えはございません。
 第三番目に、何か新らしい國歌を作る考え、これはイギリスであつても、ドイツたどであつても、幾つもあるのですから、他の新らしい國歌を作つて、そうして任意にそれを歌うということも私はいいことだと思つております。ただ併しどこの國の歴史を見ても、國歌を今制定するといつたことはないと思います。すべて自然発生的である。であるからして我々は古い歌なんかの中に本当に國をうまく言い現わす歌があるならば、そういうものを将来研究し探し出して、そういうものを第二の國歌とするということも考えられると思います。けれども現在の國欧を廃棄するという考えは私にはございません。
#166
○吉川末次郎君 私は天野大臣の御答弁を承わつて、このような時代錯誤の人が日本の新憲法の下に立つておるところの文政の再脳者であるということを、日本國民の将来のために本当に衷心から慨歎せざるを得ません。私はあなたのおつしやるのは、あなたの御專門であるところのドイツ哲学の考えで、日本人はそれで非常に誤られて来たのです。即ち國家というものは、一つのデル・シュタートというものであつて、それは一つの抽象的な考え方である。そして日本の天皇というのは、そういう抽象的なドイツ哲学が意味している、或いはドイツの法学というものが意味している國家というものをば代表しておるものである。天皇は即ち國家であるというようなことは、あなたのほうが御專門であると思いますけれども、ヘーゲルその他のドイツの観念哲学者は教えて来た。それを日本の馬鹿な法学者や教育者がそのまま受入れて、そして明治憲法を制定して、そういうことを國民に教えて来た。日本がこうした敗戰を喫した原因は、そうした帝政時代のプロシアの誤れるところのドイツの國家観から来ておる。それをあなたがまだ新憲法になつているにもかかわらず、何にもそれを、清算することなくして、依然としてそれでいいというお考えの上に立つていらつしやる意味で、あなたは新憲法の精神というものを否定していらつしやるものであると私は考えております。そういうことをここでいろいろ議論いたしましても、これは仕方がありませんから、議論することは差控えます。結論だけ申しまするが、私は、あなたのようなそうした帝政時代のプロシア主義の見解、プロシア主義の誤れる國家観を持つて、それを日本の天皇というものに結付けて、そうして日本をこうした惨憺たるところの敗戰に隔れたところの思想的根拠というものに対して、何らの今日に至るも反省をするところの能力のないところの人が文部大臣であるということを、日本國民のために深く慨歎するものであるということを申上げて、私は質問をこれで打切ります。
#167
○西郷吉之助君 大蔵大臣が見えましたから、大蔵大臣に対しまして、今回補正予算に三十五億の平衡交付金が認められましただけで、従来御承知のことく、全國知事会、全國市長会、全國町村長会等から一致した要望として三百八十九億を要求せられておつたのであります。従いましてこの臨時國会の前に、本委員会におきましても愼重に種々練りまして、御承知のような要望書を政府に提出したことは御承知のことくであるのでありまするが、尤も数字等につきましては計上いたしませんでしたが、十分大蔵大臣におきましても、地方の要望の経過は御存じであつたと思うのであります。然るところ今回御提出になりました補正予算の中には、僅かに三十五億の平衡交付金しか、計上せられておりませんので、この際どういう理由によつて三十五億の平衡交付金と相成つたか、その点を大蔵大臣から詳細に承わりたいと思います。
#168
○國務大臣(池田勇人君) 平衡交付金の増額につきまして、各方面からの御意見、陳情は受けたのでありまするが、國の財政状況から申しまして、私は精一ぱいと考え、これで我慢して頂くよりほかにないと考えておるのであります。当初地方財政委員会からの申出もございましたが、その後年末の手当は半月分になり、で私は極力平衡交付金を殖やす、こういうので関係方面との話も進めて行つたのでありまするが、まあ大体今三十五億円というのは、百七十三億円の地方財政委員会からの御要求の点を、手当半月分とし、その他平衡交付金決定後の法令の改正によるもの、或いは補肥予算の編成によりまして、地方の殖えるもの等を勘案し、又節約等も見まして、この程度で止むを得ない、こういう考えで行つておるのであります。細かい計算につきましては、いすれ事務当局より御説明させたいと存じます。
#169
○西郷吉之助君 今大蔵大臣が御説明になりましたが、そういうふうなお考えでは、我々は絶対に承服ができないのであります。重ねて二十五日に地方財政委員会から、委員長の名前を以て政府並びに國会にも意見書を提出されたと思うのでありますが、その中にも、今大蔵大臣はいろいろ説明されるけれども、地方公務員の給與ベースの改訂とか年末手当の支給並びに教職員の待遇改善の費用だけでも八十八億に相成りますので、こういうふうな、例えばこの問題は例でありますが、こういうふうなものは國家公務員のほうとの関連において当然しなければならない、而も時日が切迫しておるのでありまするが、こういうふうな大項目を考えましても、百二十三億が平衡交付金において必要であり、そのうち四十億は地方団体の節約によつて賄う結果その差額がどうしても必要と相成つて来るのであります。なお地方の要求につきましてはそれだけでは非常に不十分なので、地方起債の増額を約二百億程度要求したわけであります。然るにそれも全然沒却されたということになりますと、御承知のことく地方の財政は非常に窮迫しておる結果、この年を越せないという結果になつて、非常に財政的に崩壊の危機に直面せざるを得ないという結果に相成ると思うのでありますが、大蔵省のほうの側におきましては、昨日地方財政委員長の本会議における答弁にもありました通り、どうもややもすれば大蔵省は地方の財政の上に非常な冗費があるという観点にのみ傾き過ぎた結果、今回も僅かに三十五億の平衡交付金の計上にとどまつたと思うのでありますが、この三十五億につきましても、今議会の始まる前から平衡交付金の数字その他について大蔵省の詳細なる資料を要求してありまするが、未だに手許に届かないので、今朝も委員長を通して大蔵省に嚴重に、審議の上に必要であるから早く資料を提出して貰いたいということを要求しましたが、未だに提出がないわけであります。委員会は御承知のことく、地方財政のほかに公務員法案という重要なものを控えておりますので、短期間に両方審議することは非常に努力を要するので、補正予算に関して先ず第一にできるだけ早く審議を遂げたいというふうな見地から資料の要求を迫つておりまするが、今日まで提出がないのであります。先ほど来いろいろ予算の問題についても論議せられておりまするが、今回のような僅かに三十五億の予算計上にとどまるというようなことでは、これはもう我々委員会としましては問題にならないのであります。是非とも大蔵大臣においでを願いまして、再び今回地方財政委員会からの意見書の提出もあつたのでありますから、もう少しこれを何とかお考えを頂かないと、僅かに三十五億のやりくりだけでは、今期からも論議をして参りましたが、てんで問題にならないのであります。岡野國務大臣、地方財政委員長がおられるけれども、もうこれだけでは議論の余地がない、どうしても何とか起債の枠を殖やすとか、そういうような点を御考慮に入れて頂かないことには問題にならないことです。大蔵大臣に重ねてお伺いしますが、地方の起債の枠は、現在、今年度は三百億であつて 一時それが七十億の増額が認められるに至つたのでありますが、途中でそれが崩壊して又元の三百億に返つてしまつた。これまでに、地方財政委員会のほうを見ますと、三百億をすでに上廻つたものが仮決定してあると思うので、今回のことく地方起債の枠が全然増額されないということになると非常に重大な結果に相成つて来ると思うのであります。そういう点につきまして、起債等も一切認められないという理由はどこにあるかということを詳細に承わりたいと思います。
#170
○國務大臣(池田勇人君) 預金部の資金運用として、地方の起債を当初三百隠と見込んでおつたのであります。併しこの当初の起債の見込額というものは、予算がきまりまして、その使途がはつきりしますと、かなり動くものでありまして、従つて二十五年度の予算が大体きまりました直後、私は三百七十億の起債額の増額方を交渉いたしたのであります。大体認められたと了承いたしました。話をつけて、自治庁と玉一言七十億で行こう、こういうことにしておつたのでありますが、最近又三百億だという話が出まして、あいにく私と話をつけた人が……ちよつと速記をとめて下ざい。
#171
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#172
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#173
○國務大臣(池田勇人君) 最近のところでは、まあ三百五十億も、補正予算を加えて三百七十億と言つておりますが、私は四百二十億で交渉を今進めておるような状況でございます。
#174
○西郷吉之助君 この地方財政の問題は、大蔵大臣とその他の大臣とただ議論のやりとりだけでは、実際に地方公共団体の財政上の窮乏は救えないのでありますから、大蔵大臣に対しましても、一つ腹蔵のない意見をここで伺いたいと思います。單に速記を取つての議論のやりとりではなく、速記を中止して懇談会にでも移して頂いて、大蔵六百から地方財政のこういうふうな要求を蹴られた理由を、もう少し心を割つてお話合うことができないかと思うのでありますが、如何でございまししようか。
#175
○國務大臣(池田勇人君) 機会あるごとに聞いておりますし、私は國の財政に携つておるものといたしまして、國の財政に相当心を碎いておるのでありますが、私は國の財政以上に地方の財政につきまして十分検討しなければならぬ問題が多々あると思います。お話の通り、地方財政委員会からこれだけの歳出が必要だ、こういう話は私は尤もな点が多々あると思うのでありますが、然らば財政收入のほうについてはどうかという問題につきまして、余りに議論が少い、私は所管の大臣であつたならば、先ず第一に、今國会に法人の事業税なんかを申告納税にする、こうすれば相当の收入が早期に確保できる、えてして歳出のことばかりに頭が行で過ぎて、歳入確保にいての十分なる処置がとられておるかどうかということであります。これが歳出の増を考えると同時に、收入を早期に確保するという点につきまして、格段の工夫を講じなければいかないと思うのであります。御承知の通り財政收入のことを見ますと、実に遅々たる点があるのであります。財政需要のほうで節約し得る金がどうとか、こうとか言つておりますが、それは第二として、收入のほうを確保することが第一じやないかというふうな気持でおります、従いましてこの前も別のあれでお話申上げたのでありが、今年度の本当の決算見込かどうなるかということが、私にはまだ十分わかりません。西郷委員も、誠に失礼でございまするが、本当に今年度の決算見込がどうなるかということについて御確信があつたならば教えて頂きたと思います。とにかくこのままではなかなか行きませんから、歳入確保に万全を期する、そうしてその次に歳出を決定するということであろうと思うのであります。
#176
○西郷吉之助君 大蔵大臣から今地方の財政上の收入面の点についてお話がありましたが、大蔵大臣は特に税関係におきましては工キスパートでおられるから、その点は特にお感じになると思つて、そういう点は我々も同感であります。併しながら御承知のように、殊に二十王年度の租税收入が、地方において極めて困難をしておるという結果は、單に納税者の努力が足りないというのでなく、御承知のようにシヤウプ勧告によりまして、ああいうふな地方税の一大改革をした趣旨は賛成でありますが、その課税率、徴收額が非常に過大なために、日本の経済の状況から考えまして、どうしても拂いたくても拂い切れないというのが今日の現状であることは、大蔵大臣もよく御承知だと思うのであります。同家財政の上におきましては、いろいろ多年の経験もあり機構も違いますし、それでさえも地方の收入を考えて、地方の税の收入の惡いこともはつきりわかりますが、そういう点になりますとやはり私は大蔵大臣はどうお考えになるかわりませんが、國税の收入の面においても随分大きな滯納があるのであつて、そういう点だけで私は地方財政を批判するのはどうかと思うのであります。殊に二十五年度め地方税は、ああいうふうに重い地方税を課したために、殊に我我は第七國会において、ああいうふうな課税は苛酷であるという見地から、不適当であるというふうな見地から、これが否決をしたわけであります。併し第八國会において政府が再提出され、その間非常に時期がズレて参りましたので、地方団体の財政が非常に苦しくなつた、背に腹は代えられないから通してくれというふうな状況にもなり、國際情勢の変化もあつたので、我々も全面的に今後改訂することを條件としてあれに賛成した次第は、大蔵大臣もよく御承知なんであります。これが何も適当な課税であつて、成績が惡いというのならば大いに考えざるを得ないのでありますが、もともと非常に重い意税金を課している結果、なお且つ本年度におきましては、一カ月ごとに徴收して行くような現状で、而も経済界が不況のために、國民は非常に窮乏に喘いでいる、そういう際にそれだけを責めるわけにいかぬと私は思うのであります。大蔵大臣の言われるそういう点も、その一部は我々も同感であつて、單に必要な経費だけを我々は強く支持するのではない。冗費があるならば、そういう点は嚴重に愼しまなければならないことは勿論で、こういう点は議論の余地がないのでありまするが、ただそういう点だけで、大蔵大臣が今いろいろな説明をされたけれども、そういう点だけで單に三百八十九億の要求が三十五億に減つたということには私はならんと思うのでありまして、殊に地方自治の発足は僅か数年であり、その裏付たる地方の財政は、まだ軌道に乗りつつある今日であつて、而もその間いろいろ災害等もあるために、なかなか地方自治を唱えても財政上確立しないということが現状であつて、大蔵大臣にしてもその選挙区からのいろいろの事情をお聞きになつていると私は思うのでありますが、そういう際にもう少し大蔵省の側としては、地方財政の上に愛情を持つて頂いて、單に税收入が惡いというふうなことだけでなく、多少のもう少し地方財政の上に努力をして頂かないと、どうにもこうにもいかなくなるのじやないか。殊に地方財政委員会がこれを担当しておりますが、委員長は國務大臣ではないので、発言力がないので、そのためにその関連の地方自治庁の國務大臣が代弁されるわけでありますけれども、こういうことでは非常に弱いのでありますから、そういうところで非常に不利な点が多いのでありますから、そういう点を十分考えて頂いて、こういうふうな、殊に本年度の補正予算のことく、日本経済界、殊に地方の財政の上に非常に困難なことを考えて頂ければ、軍に三十五億の平衡交付金増額だけではこれば済まないと思う。先ほどちよつと、努力しておるというお話でありましたが、そういう点を池田大蔵大臣においても格段の努力を今後頂いて、多少なりとも地方財政のほうに、平衡交付金が今更増額が困難であるというならば、地方起債の百九十五億でありますか、こういう点を大いに努力して項かないと、單に地方自治、そういうふうなことをいつても裏付たる財政の上から崩壊してしまうという結果になつてはもう話にならんと思うのでありますが、そういう点を今後更に大蔵大臣において考えて頂きたいと思うのです。
 大蔵大臣に更に伺いますが、この地方財政委員長の名によつて國会並びに政府に提出されたこの書類がお手許にあると思いますが、それをこういうふうな点はどういうふうにお考えになるか、具体的にもう少しお話を願いたいと思うのでありますが、それを一つ大蔵大臣に……
#177
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと小笠原君、相馬君にお諮りいたしますが……
#178
○西郷吉之助君 ちよつと待つて下さい、すぐ終りますから……。大蔵大臣に今申上げましたように、御覧の通りの数字が出ておるのでありますが、その八十三億のうち僅か三十五億が計上されておつて、そのほかのものは皆才ミツトされたわけですが、そういう数字に基きまして、いま少し大蔵大臣としてどういう点に努力をされるのか、是非伺いたいと思います。
#179
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと小笠原君、相馬君にお諮りいたしますが、文部大臣に対する衆議院の地方行政委員会から請求が、もう三度も呼出しがかかつております。それで先ほどこの質問にお答えすべく文部省の初等中等教育局庶務課長内藤説明員が来ておりますから、そのかたが残つておりますから、今文部大臣に御退席願つてよろしうございますか。
#180
○小笠原二三男君 それは平衡交付金内の操作の問題なんで、事務当局にお聞きするのでなくて、大蔵大臣の衆議院における行政委員会の答弁は、或いは自治庁長官、地財委の考え方とは違い、文部大臣は大蔵大臣の考えを御信用になつておられるという御答弁でございましたが、結果が明らかに出ておりますので、これについて大蔵大臣の見解を質す場合に、文部大臣もよく御承知を願い、文部大臣にたつてもお聞きしなくちやならんので、大変失礼ですが、この点は本日できなかつたら、明日御同列でいる場合にでもやらなければ……、これは地方財政自体の問題でして重要なんです。
#181
○委員長(岡本愛祐君) そういう事情ですから、文部大臣御辛抱願います。大蔵大臣西郷君の質問にお答え願います。
#182
○國務大臣(池田勇人君) 数字で亘る問題でございまするから、主計局長より答弁さすことにいたします。
#183
○政府委員(河野一之君) 地方財政委員会から意見書の御提出がありまして、平衡交付金として百三十三億必要である、即ち経費としては百七十三億増加を必要として、これに対して既定経費の節約で三十九億ほどありますので、差引百三十三億という平衡交付金の増額を必要とするというお話であるのであります。
#184
○西郷吉之助君 それは違うよ、前のだ。
#185
○政府委員(河野一之君)  失礼いたしました。前の数字を申上げましたので、新らしい数字では、私のほうの平衡交付金の計算を、こういうふうにして計算をいたすのがいいのか、これはいろいろ議論があろうと存じますが、私どものほうの地方財政委員会の意見書に対する意見といたしましては、先ず給與問題でありますが、給與ベースの改訂による増四十三億円というふうに言われておるのでありますが、國のほうにおきましては、全部の職員百七十万人ほどの職員にとりまして、一人当り全部千円ということで財源を見ておるのであります。地方団体のほうは給與が少し國のほうよりか高いということで、千円の経費を、一般の給與水準が高い割合で單価を上げておられるのでありまするが、國のほうにつきましては、いろいろ会計その他によつて單価の違うものもありますが、全体を一律に一人当り千円ということにいたしますと、私どもは三十九億ぐらいの経費じやないかというふうに考えるのであります。それから年末手当の支給で四十五億、これは半分でありますが、昨年度におきましてこの制度は行われたのでありまして、今回は前年の制度そのままを踏襲いたしておりまするので、新らしい地方財政の負担になるのではないというふうに考えておるのであります。
 それから、その次の補正予算に伴う経費の増加十八億八千万円というふうに数字が出ておりますが、これはたしか十三億二千四百万円という前の数字だつたかと思いますが、これは國の補正予算に伴うものですから、補助金の計算上当然出ておるものでありまして、私のほうとしては十三億千万円程度のものだと考えております。
 それから平衡交付金決定後の法令の改正等による財政需要の増加でありますが、これはこの十五億九千六百万円の経費につきましては、これほど要るものではないと、例えて申しますると、この中にはいろいろな経費があるのでありますが、一番大きいものは八億ばかりの食糧管理制度の改正に伴う経費でありまして、食糧配給につきましては、大分来年度から制度が変ると思うのでありますが、従来と同じように人を置いてこの監督をする必要があるかどうか、数千人の人を府県に置きましてやる必要があるかどうかという点につきましては、必ずしも地方財政委員会のおつしやつているような行き方を賛成できないのでありまして、若し殖えるものがありますとすれば、食糧配給の台帳と申しますか、配給手帳みたいなもの、これは数千万円程度のものであります。米屋の登録をやつて従来のようにぴしぴし監督をするというようなことがいいのかどうかというような点については、認識の相違があると思うのであります。そのほか社会福祉主事などの経費につきまして、たしか二億程度だつたかと思いますが、これは前年におきまして、平衡交付金を計算いたします上におきまして、民生保護委員なんかの経費を振替えておりますので、地方財政委員会のおつしやるように、すぐにそれだけの経費の増加になるのではないのじやないか。それから飲食営業臨時規整法というような法律によりまして、新らしく人を殖やされるというようなことはないはずでありますが、これは西郷さんもよく御存じの通り、法律は一年延期になりましたので、従つてその関係から許可手数料が入つて来ないというその点の経費を要求されておるのでありますが、これは收入でありまして、経費の増加になるべき性質のものでありません。まあそういつたような関係から、私どもとしてはこれは二億程度でいいのじやないか、こういうような考え方をいたしておりおります。そういうふうな関係で、一応地方財政委員会の案を、そのまま取上けられておりまする経費そのままを……そのほか災害復旧、救助費といたしまして五億七千万円程度のものがあるようでありますが、これは御承知のように特別平衡交付金の中で災害の関係を考慮して配付する、こういうような建前になつておりまするので、この点については特に地方財政の負担増加、従つて平衡交付金の増加ということに相成るまいというふうに考えたわけでございます。
 以上のような点を総合勘案いたしまして、五十五億程度の経費は新たに負担増加があるというふうに思いまして、それから節約を二十億程度というふうにしますと、一応三十五億という数字が出るわけであります。平衡交付金の算定に当つては、勿論地方財政の收入というようなものもよく見て、地方財政全体として平衡交付金を増加する必要があるかどうかを決定すべきでありましようか、一応地方財政委員会の御意見に対して、そのままのラインで取りますとこういうふうな数字になる、こういうふうに考えるわけであります。
#186
○西郷吉之助君 今河野主計局長から数字について御意見がありましたが、地方財政委員会の勧告数字についていろいろと伺いましたが、私はそれでは大蔵省に伺いたいのですが、常に大蔵大臣は、さつきも言われましたが、地方の財政は要る要ると言うが、二十四年度の決算手続もされておらないというようなことを始終言われる。そういう点に基いて地方財政をいろいろ考えておるのでありますが、今もお話の通りに、主計局長の地方財政の数字は全く違つた意見を持つておられるのでありますが、それで私伺いたいのですが、実際大蔵省は地方の財政、例えば平衡交付金の増額は大蔵省で決定されるのだが、地方財政の面でどれぐらいの実態を把握しておられるのか、その点を私は伺いたいと思います。聞くところによれば、地方財政委員会のほうの数字は、どうも地方財政全体の数字が的確でないために、大蔵省は大蔵省として独自の立場から、地方公共団体に対しいろいろの数字を請求せられておるということはよく伺いますが、それは全國の数字を集めたものではなく、地方公共団体の極く一部の数字を集めたに過ぎないもので、それから類推して全國の地方財政の数字を考えておられる。こういうふうな極めて杜撰なことであると思うのですが、そういうような事柄で、そういう資料が十分でないために、事ごとに專門の地方財政委員会の考えと大蔵省の考えとは変つて来るのではないか。國家の財政については、それは大蔵省が多年やつておつて、何もこの数字をどうこうということはないのですが、地方財政委員会は発足も新たであり、地方自治が始まつてからも数年間に過ぎないので、それは大蔵大臣も時々ここで言われるように、随分不手際も大蔵当局から見られてあると思いますが、それは何せ経験が浅いので、そういうものはだんだん改良すべきものは改良すべき必要があると思うのでありますが、実際に地方財政を把握される上において、地方財政の或る程度の資料しか扱つておらないで、独特の数字を大蔵省は要求されるが、そういうこと自体が誤りであると思います。そういう数字が必要であるならば、地方財政委員会が政府の一環としてやはりあるのですから、地方財政委員会から資料を取られて、同じ資料に基いて、同じ数字に基いてこういうことを決定されるのが國のためでもあり。地方のためでもあると思います。大蔵大臣は均衡予算、均衡予算と言われるけれども、それは單に國家の財政の均衡予算ではないか。だがこれは國家並びに地方財政を勘案してのものであるはずだと思う。そういう見地から勿論大蔵大臣はそういうことを考えておると言われるとは思いますけれども、地方財政を把握する十分なる資料を持たないで、一部の資料を取つて、それから類推して行くというところに私は非常な誤りがあると思います。というのは、地方自治体は、例えば鹿兒島と北海道とは随分経営上に違いがあり、いろいろの特色もあり欠点もあると思います。そういう地方の財政を考えないで、極く一部の杜撰な資料から全体を推して考えて行くというところに、大蔵省自体の非常なる僕は誤りがあると思います。同じ政府のことであるのだから、その同じ資料に基いて勘案されて、そして意見が違うというのならばわかりますが、同じ団体から取る数字が違つて、而もそれも全部のことではない。大蔵大臣は二十四年度の決算もできておらない。杜撰であるということを言われますれども、我々はそういうことが実際であるならば、我々も非常に遺憾に思いますれども、これは馴れないことでもあり、発足早々の自治体でありますから、だんだん改良すべきものである。そう見て面倒を見てやらんことには、そういう結論には私はならんと思います。殊に大蔵省の事務当局に対しては、今主計局長も説明されたけれども、実際の全國の数字を以て言われたのではなく、極く一部の数字からそういうような判断を下されるということは、私は非常に遺憾に堪えないと思う。いろいろ言われるけれども、前の二十五年度の平衡交付金でも一千五十億を大蔵省は同意して決定されておる。そういう際でも十分の資料なく杜撰ではないから。昨日岡本委員長も本会議の質問で言われたように、非常に冗費がある冗費があるというようなことを言われるから、それでこの委員会で何遍も河野主計局長にその冗費を出して欲しい。数字でどこにどういうようなと、具体的にその数字を伺いたい。そういう点は我々としても是正すべきものは是正するように地方に要望するのであるということを言うのですが、そういうような数字はただの一回も出されたことなく、單に抽象的な議論なんです。今大蔵大臣も租税の收入が惡いと言う、その惡い理由もさつき申上げた通りであります。その点は何も地方税だけでなく、國税の場合においても相当額の滯納があるのですから、そういうことだけでは水掛論であると思います。もう少し同じ資料に基いて的確にこの数字を出して頂かないことには、今主計局長が言われたけれども、それは單なる見解の相違で、そういうふうなことであつては地方の財政は救えないと思う。例えばこの二十五億はどういうふうな見積り三十五億を出されたか。その資料は今朝も委員長にお願いしてこれを早く出して欲しいということをお願いいたしておるので、そういう資料がないというと、單に國家財政との睨み合せから来たというのは話にならんと思う。そういう点はもう少し考え直して頂きたいと思うのです。特に大蔵大臣に今申上げましたが、もう少し大蔵省としても地方財政平衡交付金を決定する等のこともあるのですから、又地方の起債を考える上にも、地方財政委員会が全國の資料を持つておるのですから、その資料をお取りになつてなされば、何も苦労して大蔵省主計局が独特の数字を同じ団体に要求される必要もなく、お互いに非常なる懸隔がなくて大体の意見が一致して来るように思うのですが、その点は大蔵大臣はどのようにお考えになりますか。
#187
○國務大臣(池田勇人君) 大蔵省が杜撰な資料を以て結論を出したというお話でございまするが、我々が結論を出す上におきましては、できるだけ正確な資料を持ちたいと思つて、この七月以来苦労したのであります。二十四年度の決算ができていないというためではない。二十四年度の決算について報告を求めたのが、これが集まらなかつた。こういうことを申上げておるのであります。決算はできたと思います。
 次に、資料につきまして、勿論我々は地方財政委員会のほうに連絡をいたしまして、資料のある限りは、それによることは当然でございます。事実は同じことでございますから、できるだけ連絡はとつてやつております。私は繰返して申上げまするが、それは國のほうでも滯納はございます。地方税のほうでもありましよう。併し地方税の過年度收入がどのくらいになつておるか、或いは二十四年度の剰余金が全体としてどういうふうに使われているか。併し又國税におきましても、地方税の対象となりまする農業を除きまして、千五百億円の個人の事業税收入、この中で又営業関係のものが千一、二百億あると思いまするが、これは殆んど滯納になる。併し片一方の法人税のほうは、御承知のように殆んど倍額に近いものが取れる。こういうふうに状況でありますけれども、倍額取れるようなこの法人は十分営業のほうを補うことができるような状況になつておるのであります。この法人に関する事業税が申告納税になつて、而も過年度の分が、二十四年度も残つておる。私はこの前もお話しましたように、東京の各会社について法人税は納まつているが、地方税はどうなつているかということを見ますと、一、二年或いは二、三年も遅れているものがある。こういうものを残して、閑却したとは申しませんが、これについて地方財政委員会にしても再検討を加えたい。私はこれはここで申上げるのはどうかわかりませんが、本当に地方が困るのだということは想像がつきます。而して府県が困るのだということは、この國会に、法人に対する事業税は申告納税にするということで、年度内に相当集まるのではないかと思います。今日から一、二日の間には私は法人税だけで七、八十億、百億ぐらいは一日のうちに入つて来る。これは申告納税になるというと、これを放つて置いたならば、法人は、國の方は七、八十億、百億円になんなんとしておる税金がじつとして納まるのに、地方のほうは納まらない。これでは收入確保に対して万全の措置をとつておるとは言えないのでありまして、地方もこうなつておるということは言つておりますが、收入面は全然拔けておるとは申しませんが、かなり拔けておる。それを西郷さんがこれだけじや足らん、これだけじや足らんとおつしやいますが、それじや二十五年の決算見込みはどうなつておりますか。前年度の剰余金が百六十億円でありますが、國のほうでは増收を見込んでおる状態であります、租税收入で……。それを考えて頂きますと、私は雑收入は六百億円あつたということはここでは申しませんが、前年度、二十四年度の剰余金が百五、六十億あるということは確かであります。國のほうでは法人関係で非常な増收が多く、それをどんどん取つて行くのに、地方税はまだ申告納税になつていない。併しこの法人の利益の増加は、個人の営業者の分を相当カバーしているということを考えますと、私は決してこの地方財政委員会のほうの数字を信用しないとか、何とか言うのではありません。本当に我々政府は地方の財政の状況を歳入、歳出に亘つて検討して、しつかりしたものを梱みたいというわけであります。今後も努力いたしまして、各府県の状況、或いは一万有余に亘ります市町村の状況がどうなつておるか、今後交付金の分け方その他につきましては、直接のものではありませんが、財政当局といたしまして、地方財政委員会と連絡をとりながら、できるだけの検討を加えて行きたいと考えております。
#188
○小笠原二三男君 只今のような質問の繰返しを逐次やつておつても問題はなかなか進展して行かないと考えます。やはり西郷委員が言うておるような計数に亘つて大蔵省の資料を出して貰つて、それを検討し、地財委の意見も聞くというところからだんだん研究して行くのがいいのじやないかと思われますので、本日は時間も或る程度まで来ておりますから、今の主計局長の数字の説明だけではどうも聞き取れない部面もありましたので、こういう資料を出して頂けないか、希望を一応主計局長に申上げて、それが納得が行くようであれば、総論的な質問は本日は保留して次回に廻すということにして頂きたい。第一に、大蔵大臣は一般施政方針演説で、地方財政に関しての意見を申され、或いは前回も申され、今回も申され、一貰したやはり考え方の上に立つて申されておるのですが、この点を一つ、補正予算を今回提案するに当つて地方財政に関して、大蔵省として、大蔵大臣としてこういう希望、こういう考えを持つておるという点を簡單にでもいいから総論的な文書を出して頂きたい。これが第一であります。一々答弁されて質問のたんびに、こうすればああだ、ああすればこうだということでなくて、大蔵省の基本的な地方財政に対する現在における考えを要領を得て簡單にした文書を第一に出して頂きたい。
 第二には、地方財政委員会の提出した意見書に基いて大蔵省がこれを査定し、その歳入として見たもののうち、我々わかつておるのは既定経費の節約四十億というのかわかつておる。その他起債要求を五十億に切つたという点は我々においては不明なのであります。従つてこの起債を五十億にしたという理由について簡單に摘記して頂きたい。
 それから次には、手数料その他雑收入六十三億を地方財政から出させていいという根拠を計数に亘つて出して頂きたい。これは蔵入に亘る我々の資料の要望であります。
 それから歳出面については、只今御説明がありましたが、それを地財委が出しておる意見書の歳出面の計数に従つて、対照表として大蔵省の案というものを計数を載せて出して頂きたい。そうして各項目に亘つて削減し、或いは全然削除し、或いは加えたという点については備項に簡單にその理由を摘記して頂きたい。以上のような資料を出して頂くことによつて、それを基礎にして検討を加えて行かない限り、ただ單に地方がかわいそうではないか、或いは節約したらいいじやないか、これだけでは我々としては納得できないと思います。委員長においてそういうふうにお取計らい願つて本日の議事はこの程度にしたら如何ということが第一の議事進行……。
 第二としましては、文部大臣、文部省の関係の地方財政に関連する部面では、文部大臣に再度の御出席を願うのも如何かと思われますので、これは計数が出て来ればなおはつきりするのでありますから、簡單に大蔵大臣と、その他自治庁長官その他との意見の食い違いになつておる部面だけ大蔵大臣から一応御答弁頂いて、文部大臣の御意見をお聞きして、それはそれだけでもう終りにして、一般的な地方財政の問題は、その資料を取つた後に討議する、こういうふうにして頂くことを希望いたします。
#189
○委員長(岡本愛祐君) 只今小笠原委員から、一般的の大蔵大臣に対する質問は、只今小笠原委員が要求された計数の資料が整つた後にして頂きたいという御意見が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#190
○中田吉雄君 それに関連しまして、大蔵省のほうが調査されました資料が、我々決して偏狭な考え方を以て地方財政だけを一方的に見ようとするのではありませんので、貴重な調査をされておるやに聞いていますので、一つ是非頂いて、我々に誤りのない判断をする基礎資料の提供を是非お願いしたい。
#191
○委員長(岡本愛祐君) 大蔵大臣並びに河野主計局長にお尋ねいたしますが、今要求された資料は出せますか。
#192
○國務大臣(池田勇人君) これはなかなかむずかしい問題で、全部……。
#193
○政府委員(河野一之君) 地方財政の今年の七月からやりました調査、これは非常に浩瀚なものでございまして、全部は非常に印刷の都合その他もありますので、追つてその要領をピック・アップして、例えば職員一人当り人口何人を持つておるか、或いは徴税費が納税金額に対してどの程度になつておるか。御参考になるような資料を只今こしらえております。それは御提出できると思います。
#194
○委員長(岡本愛祐君) 中田君それでよろしうございますか。
#195
○中田吉雄君 そういう参考になるようなところを抽出してというようなことでは、なかなかこれは判断の資料にならんと思うので、これはやはり大蔵省の一方的な見解と、そういうような大蔵省の立場を擁護するようなところだけをサマーライズしたように取られても、大蔵省としても迷惑するわけだと思うのです。決して我々は偏狭な考えは持つておりませんから、どういうような訊問調査をされたかという調査項目並びに加工されない生の数字を是非御提供願いたい。そういうことなしにこの議論のやり取りをしても進展しないと思うのです。
#196
○委員長(岡本愛祐君) 今中田委員の言われた意味は、つまり加工しないで生の資料で余り活瀚なものではなくて、まとめて貰つてよろしゆうございますから、提出ができますかどうか。
#197
○政府委員(河野一之君) これは非常に活瀚なものでありますので、消化のなされよう如何によるわけであります。
#198
○中田吉雄君 消化します。
#199
○政府委員(河野一之君) 調査いたしました各都道府県と市町村の予算書は全部ございます。それがまあ項目ごとに、向うの予算書によつたものでございますからございますが、これをそのまま出しますのは非常に浩瀚なものでありますから、予算書はむずかしいと思いますが、できるだけ御趣旨に副うようにして行きたいと思います。
#200
○委員長(岡本愛祐君) それでは小笠原君の要求されたものと、中田君の要求された資料を成るべく早く御提出願いたい。そうしないともう一つ差しかかつておる地方公務員法の審査に非常に差支えが起るのです。その点を要求いたして置きます。
#201
○國務大臣(池田勇人君) 私はこの主計局の資料を見ましたが、なかなかわかりにくいのです。而も早急に府県のほうへ頼んだものですから、予算書、自体ははつきりしておりますけれども、サマーライズするときになかなか厄介なものです。それだから御要求の趣旨に副えるかどうか、これでミス・リードしてはいけませんが、私が見ましても、ここはどうだ、ここはああじやない、こういうふうなことになつて来ますので、地方公務員法の御審議の前提になるように、よほどサマーライズして出すということは困難だと思いますが、條件に一つなさらないように、例えば小笠原君のお話のようにはこれはできますが、今の予算書は主計局だけで背負い切れなくて統計局に頼んで、そうしてやるような状況でございますので、そう一週間か十日で……、私にもまだ報告がない、一部分しか……。それを今國会の審議の前提になさるようなことになさると大変なことになると思いますから、その点大蔵大臣としてちよつと申上げて置きます。
#202
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#203
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#204
○小笠原二三男君 それでは第二番の、文部省の方に関連する地方財政の問題ですが、午前中から賛同していたことを継続したいと思います。大蔵省の補正予算の原案に出ておつた昨年度の教職員の年末手当に対する國庫負担分七億二千万円ばかりの金が、提案された予算書で落されておる点にういて、二十六日、衆議院の地方行政委員会においての質問に対して、大蔵大臣は、それは三十億の平衡交付金の中に入つておるというふうに御答弁になつておられたようであります。そこで私たち一応地方財政委員会の意見書なもので見ますというと、政府補正予算の増十九億、それから平衡交付金決定後、法令に基く増加分の十六億で、両者合してさへも、地方財政法なりに基いて國のほうで財源措置をしなくちやならんという平衡交付金分に当る金が三十五億にもうなつておるにもかかわらず、この地財委の経費というものが正しいということを前提にして申すのですが、にもかかわらず、この七億というのが平衡交付金に入つておるということであれば、総体の歳出区分というものが変更するであろうと考えられるのであります。でその点は先ほどお願いしました資料が出て来れば明らかになると思うのでありますが、ところが先ほど地方財政委員会の野村委員長にこの点をお聞きしましたところが、大蔵大臣のそういう答弁は、私も聞いておつたが、心外であつたという御答弁だつたのであります。それから岡野國務大臣に聞きましたところ、岡野國務大臣は、八十三億という平衡交付金が三十五億に削減せられることを閣議において承認した趣旨は、八十三億という地方財政委員会の平衡交付金の要求及びその内容を是認して、そうしてその削減止むなしとしたのであるという御答弁であつたのであります。従つてこの関係においては七億二千万円という金は、この平衡交付金に入ることは……これは入る以外の問題であるというふうに確認されたのであります。然るに文部大臣の御答弁においては、大蔵大臣はそういうお話であつたということで、少しく安心せられておつたような御答弁であつたのでありますが、而も文部省の事務当局が大蔵省と折衝して三十五億となる過程において、三十五億の中にこの七億二千万円が入ることの了解があつたという御答弁があつたのであります。併しこれは過年度分の、きつい言葉で言えば、國の地方に対する債務であろうかと思うのでありまするが、そうしたものがこの二十五年度の補正として出て来る平衡交付金の中に入るということは、筋合上から言つてどうも我々としては納得できない面がある。併しこれは大蔵大臣の措置によつて、そうした可能性もあるのであるかどうかはつきりしないので、大蔵大臣に重ねてどういうお考えであられるのかお伺いしたいと思います。
#205
○國務大臣(池田勇人君) 御承知の通り、当初私のところで補正予算として内定いたしました輪郭は、地方との関係におきましては、昨年年末に出しました平均三千円の七億二千七百万円を別途に出し、そうして又平衡交付金の中に一―三月の義務教育関係職員のベース・アツプと申しますか、千円支給の問題の九億円を組んだわけであるのであります。そこで予算の折衝に当りましたところ、過年度分はもう賄いできているのたからこれはいいじやないか、それでその分は削られまして、それじや片一方のほうを、やつぱり地方団体の負担の増加になりますので、千五十九億円というものを殖やすように交渉いたしまして、やつと千八十五億になつたのであります。而して法律的に申しますると、三十五億の増加は何に充てるということを大蔵省で指定するわけには参りません。そこで文部大臣からお話がありましたときに、とにかく三十五億の分はいろいろな理窟はつくが、自分としては極力案の千五十九億円というものを殖やそうというので進んで行つたのであります。理窟はどうでもつくと言いますものの、私の肚づもりはありました。若し小学校の職員のかたの千円引上げとか、或いは今年末の手当の分とか、或いは昨年の借り、まあ倍りとはつきりしておるわけではありませんよ、政府はあれは出すというはつきり約束はしていないのですが、気持としては借りの分なんかも賄い得るという気持で、私は九億円を三十五億円にしたのであります。併し三十五億円の私の肚づもりは、平衡交付金を出すときの紐付きにはなりません。これは法律がそうなつているわけであります。で私は予算の折衝で、昨年の七億二千七百万円につきましては、出さないということにきめました。そうして片一方九億円を三十五億円に殖やしたのであります。文部大臣から言われましたときには、まあ三十五億円殖えれば、若し地方のほうで今までの國と義務教育関係のことを或る程度考えるとすれば、まあ賄いつくのではないかというふうなことは申上げたことがあります。併し私としてはこの使途について、地方財政委員会のほうへとやかく申出る筋合ではないと思います。
#206
○小笠原二三男君 それではつきりしたように思う。そうしますと、衆議院で御答弁になつたやに言われておる含まれるというようなことは、まあ三十五億を地方に出してやるのだから、地方ではいろいろ考えて、それで我慢する点は我慢してくれるであろうと、こういうふうに漠とした話であつて、やはり今お話になるように、平衡交付金の配分の規則によつて配分される場合の、その算定の基礎の中に七億二千万円は入ららないことは、地方財政委員会のそのほうの規則の建前ではつきりしておるのですから、そういう計算の中には入らないものなんだ。併し地方では行つた金は何に使つてもいい金なんだからいろいろにまあ考えて行くのであつて、昨年度分の支拂を特に國としては今後するのではない、こういうふうなお考えだというふうに端的に了解してよろしうございますか。
#207
○國務大臣(池田勇人君) 私の気持としては、大体その通りであります。昨年の分は、できれば出したいと思つたのでありますが、出さないことにきまりました。そうしてその代り、今年の実際要る金等を勘案いたしまして三十五億といたしたのであります。入つているか入つていないかという問題につきますと、今申上げたように、気持としては入れたような気持があつたのでありますが、実際問題としては、法律上はわからない。こういうことになるわけであります。
#208
○小笠原二三男君 これでどうも真相が判明したようですが、文部大臣は、こういう大蔵大臣の財政措置としては誠に正しい、身も蓋もない話ですけれども、事実そうなのですから、そうなつた場合に、昨年来の政府の公約というようなものをどうしてお果しになろうとせられるか、これは今答弁を願うことは……、(「それだけ聞いて置こう、はつきりしているのだから」と呼ぶものあり)じや、今大臣のお話を聞いての文部大臣の所感を一つお聞きして置きたい。
#209
○國務大臣(天野貞祐君) 私は池田大蔵大臣にも、主計局長にも、あの三十五億の中には今の七億二千というものとか九億というものは入つておるのだというふうに承わつて、そう承知いたしております。ただこれは、法律上から言えば、確かに地方に渡してしまつたものに大蔵大臣が紐をつけるわけにいかんとおつしやるのは、法律上としては尤もだと思つております。けれども、大蔵大臣も私も國務大臣なんですから、いわば國が地方に借りたものが抑えぬなんて、そういうことはあり得ない。それから又教員のベース・アップというものがどこかで消えてしまつてなくなるなんということもあり得ない。それから國家公務員が年末手当を貰うのに、地方の教員が年末手当を貰えぬなんということはあり得ない。法律上はそうでしよう。けれども、國家はただ法律によつて成立つておるのではなくして、いつでも道徳的な制約というものがそれにくついておる。自分はその道徳的制約を信じて、そうしてあなたは私に、それで呑む気になつているとか……私ここで少し附加えさして頂くならば、國務大臣に対してその考えをどこまでもお問いになるのはよいけれども、私に呑気にしていちやいかんとか、いろいろおさとしになることは、私はあなたよりも年をとつておるのだし、國務大臣に対してものをさとすというのはどうか、やはりいろいろな理論的なことをお聞きになるというのでいいのじやないか。自分としては今のことについては、只今申したようなことを信じてやろうと思つております。
#210
○小笠原二三男君 私は天野先生をさとそうなどとは思つたことはないので、だから先ほどからも、後日答弁を願おうかとさえ思い、どういう言葉にしたらいいかわからんので、所感を伺うというぐらいに、それほど愼重に緻密に考えておるわけなんで、さとすのではなくて、鞭撻しておる。そういう大臣の道理の感覚でこの金が浮んで来るかどうかということについて、我々は非常に心配だから、是非しつかりやつて頂こうという気持で申上げておることなんです。併し法律上の建前からはそうであろうが、道徳的に、道義的にそれはこうなるのだというようなことは、それはできないであろうということをはつきり申上げて置きたい。というのは、地方財政委員会においては、國会が條件を附して三十五億の金を使うんだというようなことをきめない限りは、現在の平衡交付金の配分に関する規則によつて、その計算の基礎の中の七億二千万円というものを如何に配分するかということはない、全然それは要素としては入らん、そうして平衡交付金三十五億が配分されるということは明らかにされたのです。このことが明らかなのに、文部大臣は、いや私は大蔵大臣、主計局長から聞いておるように、これは入つておるものとして考えると、こういうことを言われたところで、それは成立たぬ話ではないかと思うので、重ねてこの点についてはどういうふうに……。紐をつけるのではないですよ、それは大蔵大臣御承知のように、地方は自由に使つているのでありますが、その計算の基礎として七億二千万円の過年度支拂を今度の平衡交付金三十五億からとつて各府県に配分するのだという、こういうような措置をどうしてとらせようとなされるのか、文部大臣の見解をお聞きしたい。
#211
○國務大臣(天野貞祐君) 私は只今小笠原さんから感想を聞きたいというから感想を述べたんです。その方法等についてはあとでよいということであるから、よく又考えてお答え申上げます。
#212
○小笠原二三男君 これはあとでよろしゆうございます。
#213
○相馬助治君 文部大臣、大蔵大臣の同席の所で、その七億二千万円の問題が大体わかつたのですが、そこで私は大蔵大臣としてその立場から三十五億という平衡交付金を決定し、その内容としては肚づもりとして云々ということを了解いたしましたが、今度は而を別にいたしまして、吉田内閣の一閣僚としての池田さんは、現実の問題として、本年度末において地方公務員も又國家公務員と同じように年末手当要求の、いわゆる労働攻勢と申しましようか、そういう熾烈なる要求が展開されると、こういうふうに我々は考えておるのでありまして、その際いつでも全國の知事さんが言うことは、財源を國でしてくれないことには、どうしようにも何にもならないんだという、こういうことを言つておりまするので、そういうふうにして地方としては出すであろうというような、出し得ない場合には現政府のただ道義的責任においても別途考慮して、方法はいろいろあるだろうが、結論的には地方公務員に対しても國家公務員と同じように年末手当の支給をする決意であるということであろうと思うのでありまするが、さように了解してよろしいかどうか、池田大蔵大臣にお尋ねして置きたいと思います。
#214
○國務大臣(池田勇人君) お話の点がわかりませんが、地方公務員のほうにつきましても、全部國家公務員に出しますような措置をおとりになるだろうということを期待しております。
#215
○相馬助治君 聞いたことがわからないで答えられたのでは、私もわからないのですが、現実の問題として、地方でも取るであろうと言うても、地方で取れなかつた場合には仕方がないとおつしやる考えなんですか。
#216
○國務大臣(池田勇人君) そういう問題は、私が答えなくてもあなたはおわかりになると思いまするが……。
#217
○相馬助治君 わからんから聞いてるんですよ。
#218
○國務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣としては、地方が出せなかつたらどういう措置をとつたらよろしゆうございましようか、それはその場合におきまして、地方の個々の団体があるでありましようが、そういうものが来られたときの話であつて、予算上の措置ができないことは御承知の通りであります。予算上の措置はできません、國としてですよ。個々の場合にそういうものが起つたときに、どういうようにするか、そのときでないと、ここで國務大臣としては御返事できません。
#219
○相馬助治君 それは内容的に金額を切詰めて三十五億しか出して置かないので、そういう事態が起きたときには。まあ平衡交付金を増すなり何なり、そのときになつて考える、こういう考えがあるか、こう聞いているわけです。
#220
○國務大臣(池田勇人君) そういう場合は、國会を経で平衡交付金を増すような予算を出すつもりはございません。
#221
○小笠原二三男君 それで、もう大蔵大臣のほうは、私のほうの質問範囲から拔けます。さつき事務当局の……
#222
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと向うで今呼んでおりますから、大蔵大臣、文部大臣はよろしゆうございますか。じやお帰り願います。
#223
○中田吉雄君 文部大臣には一つ後刻に御質問したいと思います。今日はもう遅いですから……。
#224
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#225
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#226
○小笠原二三男君 どうも天野先生に叱られるかも知れませんが、成るべく大臣のほうには質問しませんから……。内藤課長に伺いたいのですが、地方財政委員会の第一次の財政需要見積の中には、教職員の級別推定表に、改正に伴う教職員の待遇改善費四億九千一百万円というのが計上されておつたのを、地財委の説明によりますと、人事院においてはこれを規則として出すことなく、解釈上の問題として通牒でやるということになつたために、地方に対して支出を義務付ける問題ではないという見解に立つてこの金額を削除したのであるということだつたのであります。而も削除した金額は、ベース・アップに伴う一般地方公務員の費用として出ている四十三億の中に、それなら突つ込みになつているのかと聞きましたら、それには入つておらないということなのであつて、完全にこれは地方で措置しようとする場合においては、地方自治体だけにしわ寄せされて措置される問題であり、而も地方で上げたくなければ上げない、級別の改正をしたくなければしなくてもいいのだ、こういう自由な措置に委されているように地財委のほうから御説明があつたのであります。従つてそうなりますと、再三申上げているように、教員の特殊な立場に鑑み、而も内藤さんなど御承知のような中労委の裁定を受けた問題、或いは國家公務員の給與改正に当つての法律で、教員の場合別表を作るという趣旨に基く今回の一段進歩したやに見える措置は水泡に帰する、こういうことになつてしまうのであります。従つてこれは通牒であつても拘束するものであるやの含み、或いは拘束するものであるというような見解に立つならば、地財委は当然財政要求として四億九千万円というものを復活しなければならない。而もこれは一般の補正会計に関する問題ではないのでありまして、地財委自体で措置して貰うということの要求が可能ではないかということが考えられ得るのであります。従つて先ほども御質問したのですが、第一点としては、地財委とどういう交渉の経過を辿り、その結果どういう話合いになつて来ておるのか、これが第一点であります。四億九千万に関するだけの交渉経過並びに結果についてお聞きしたい。
 それから第二には、通牒を以て、それでやつてしまうのはけしからんことであります。文部省もそういう人事院の考え方に同調するのであるかどうか。
 第三点は、この通牒においても、先ほどから申しますような義務拘束があるかないか。
 又第四として、ないとするならば、地方公務員である教職員のこの級別推定表による給與改正を、どういう措置を以て実現させようと文部当局は考えておられるか、この四点についてお伺いします。
#227
○説明員(内藤譽三郎君) 初等中等教育局長が病気で出られませんから、私から説明さして頂きます。
 第一点の交渉経過につきましては、地方財政委員会と私どもは飽くまでこの教員の待遇改善と申しますか、級別推定表の改正の財源措置についても交渉して参つたのでありまして、一度もこの点について文部省は態度を翻えしたことはないのであります。最後に地方財政委員会がこれを勝手に削減されたことは非常に私は遺憾に思つておるのであります。元々地方教員の給與につきましては、教育公務員特例法によりまして、國家公務員の例によるということになつておりますので、例によるという解釈の問題があるのですが、少くとも國家公務員に保障されたと同様以上の保障があると私どもは解釈しておるのであります。
 そこで第三点の問題に移りますが、これは人事院規則であろうと、通牒であろうと同等の私は効力があると、かように考えておるのであります。そこでこの通牒が、実は出ましたのが昭和二十五年十一月二十七日ですから、昨日の目附になつておるのですが、私どもはこの通牒の出ることを非常に督促いたしまして、成るべく早く現実のものを出して頂きたい、そうでないと予算折衝に非常に支障があるからということをたびたび人事院に申上げたのであります。そうして一方大蔵省及び地方財政委員会には、大体の素案を提示して、こういうふうに進行しておるから、財源措置については万全の手配をして頂きたいということを、重ねてくれぐれもこの点は申述べてありますので、地方財政委員会がこの点を知らないということは、私もけしからんと思います。それで地方財政委員会が最後に文部省に相談なしにこれを移されたという理由の一つは、國家公務員については、つまり國立学校の先生については、新らしい財源措置をしていないということを大蔵省から言われた、だから地方についても財源措置をする必要はないということが第一点、第二点は、今小笠原さんのお話のように、これが委員会規則なら考えるけれども、通牒なら考慮する必要はなし。こういう見解のように承わつたのであります。ところが國家公務員については、これは学制改革の点もありまして、来年度の予算の中で、國立学校の予算が二億五千万円程度殖えておりますし、更に本年度の補正予算にも或程度考慮されておりますから、やりくりでできるはずであります。ところが地方の教育については、二十四年度の定員定額のときに、教員の平均給が、小学校が五千五百六十九円、中学校が六千九十三円という平均給で、非常に低い平均給で押えられておる、現在小学校の教員の平均本俸が大体五千八百円を若干上廻つておる、中学校の場合には六千三百円程度になつておりますので、定額が非常に低かつた、ですから待遇改善をするならば、この定額を、國が補助金で見た定額を或る程度上げなければならない、本年度の補正予算で約四億九千万円程度の増額をしないならば、折角きめた定員の一・五とか一・八というものが崩れてしまうということを、強くこの点を主張して参つたのであります。そういうわけで、私どもは当然この財政委員会が勧告書を政府並びに國会に出される場合には、この経費が入るべきものだということを今でも確信しておるのであります。これは新らしい待遇改善でなくて、従来の級別推定表というものを、教員については、御承知の通り今お話がありましたように、別表を作るごとになつておるのですが、この別表を作ることが間に合わないというわけで、現在の一般の公務員の級別推定表を解釈して読み替をするわけなんです。ですから今までのものを廃止して新らしいこの基準が適用になるとするならば、やはり私は拘束力を持つという見解をとりたいのであります。ただこの拘束力がどの程度かということは、それは教育公務員特例法によつて、國家公務員の例によるというのが建前になつております。その例というのは解釈なんですが、その例をきつく取れば、拘束力を持つと言えると思うのであります。そういうわけで、この点は私は國会のほうで、特に財政委員会のお考えも検討されて、文部省の見解をおとり頂くようにお願申上げたいと思います。
#228
○小笠原二三男君 その拘束力を持つという問題ですが、文部省は拘束力を持つとお考えになる点は、私も合点ができる点がある、ということは、地方公務員の場合、國家公務員よりも特段な措置をして貰おうと考える場合に、文部省へ地方がいろいろ当る場合には、法律で、その例によるとあるのだから、それ以上のことはできないんだ、その通り行えばいいのだというようなことを再三話されたこともあつたやに聞いておるので、それはその通りだろうと思います。地方においても又同様、地方の理事者は、その例によるということは、そのままということが慣例である、この考えておる。併しこの考えをどこに肯定させたらいいかといえば、これは人事院だろうと思います。各地方財政委員会にこれを承認させなくちやならんじやないかと思うのであります。その義務付けられてその通り行わなくちやならんということについては、そういう方面の承認を得られるようにしなくちやならんというのでございますが、今後においてそうさせるお見通しがあられるかどうか、内藤さんにお伺いすると共に、今の事情ではつきり大臣もおわかりのことと思いますが、こうなつて、文部大臣は如何にしてこの級別推定表を、地方公務員である教職員に対して実施させようとなさるのか、この際お伺いしたいと思います。
#229
○説明員(内藤譽三郎君) この人事院につきましては、人事院は御承知の通り國家公務員しか扱つておりませんです。ですからこれを地方に実施させるということは、これはやはり文部省が地方に通牒を流す、参考通牒を流すということになると思います。地方はこの基準を適用して実施して頂くというふうになると思うのであります。ただ財源をどういうふうに心配するかということは、文部省と地方財政委員会との宿題になるわけであります。そこでこの第一次の勧告の中にありまして、第二次に突如として移された理由は私どものほうには何ら連絡がなかつたので、その後になつて私はお聞きしたような次第であります。そこでこれは拘束力を持つか持たぬかということが、一つの見解になると思いますので、なお重ねて地方財政委員会と折衝を続けて行きたいと思います。
#230
○委員長(岡本愛祐君) 今の小笠原君の質問にお答え願います。
#231
○國務大臣(天野貞祐君) 今内藤説明員から申しましたように、よく向うと折衝して貰いますし、これは私は池田大蔵大臣と岡野國務大臣とよく話合おうと思つております。今も岡野さんが私を待つておりますから、三人で話合おうといつておるから、できれば私はこれで失礼したいと思います。
#232
○小笠原二三男君 ではこの國会中によい結果が出られるように、御努力頂くように一つ、我々もお願いしたいと思います。
#233
○國務大臣(天野貞祐君) 私も相当このことは心配しております。で、できるだけのことをやろうと思つておるのです。それからあなたが鞭撻して下さるということは、大いに感謝いたします。       円
#234
○西郷吉之助君 先刻の説明員の拘束力を持つ、拘束力を持つということは一体どういうことかわからんのですが……。
#235
○説明員(内藤譽三郎君) 先ほど私申上げたと思いますが、教育公務員特例法によりまして、地方の教員の給與は、國家公務員の例によるということになつております。その例によるという意味から、拘束力を持つと申したのであります。
#236
○中田吉雄君 天野文部大臣がおられますので、この機会にお伺いしたいと思いますのは、大臣は前國会におきまして、教員の政治活動制限についてどういうふうに考えるかという質問に対しまして、特殊な職業柄として例外的なものはあつてもいいというような御返答で、暗にこの政治活動の制限を是認されるような答弁をされたように記憶しておるのですが、今町の補正予算におきまして、いろいろな努力を重ねられましたにもかかわらず、平衡交付金は三十五億円であります。教員関係だけ見ましてもベース・アップの十八億、年末手当の二十億、過年度の七億二千というようなことを考えましても五十億ぐらいな経費が要るわけであります。併しそういうことが完全にこの予算でネグレクトされてしまつているわけであります。こういうようなことこそ、私は教員が政治活動を始めるに至つた大きな原因だと思うわけであります。日本の再建の唯一の期待を青少年の教育に繋いで、極めて薄給な生活に甘んじて、そして六・三制の完成のために全エネルギーを投じてやつているにかかわらず、歴代の内閣がかような要請に応えない。こういうようなことこそ、十分教育に理解のある選良をすぐつて、そして日本の再建に努めなくてはならんというような考えから、そういう必然性があつて、私は教員の政治活動というものが、好むと好まざるとにかかわらず、起きたと思うわけであります。ところがそういうような教員の最低限の生活を保障するだけの予算的な措置もとられないというような際に、教員の特殊性に鑑みて政治活動を制限するというようなことがありましたら、一体全國の教職員の諸君はどういうような希望と感激を持つて次代の青少年の教育に精励できるでありましようか。そういう今回の予算的措置と政治活動の制限との関係に対しまする大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#237
○國務大臣(天野貞祐君) 私は今岡野國務大臣がわざわざ私を待つて大蔵大臣と三人で話合おうと、それをいつまでも待たして置くことはどうかと思う。今の問題は新らしい問題で、これは大いに論議を盡さなければならん問題でありますので、私は明日でもひまさえあればいつでもここに来ますから、それまで譲つに貰おうと思います。
#238
○委員長(岡本愛祐君) それでは時間も大分たちましたから、又この問題は重大問題ですから、一つ今日はこのくいらで散会したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○委員長(岡本愛祐君) それでは散会いたします。
   午後五時五十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           堀  末治君
           吉川末次郎君
           竹中 七郎君
   委員
           岩沢 忠恭君
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           安井  謙君
          小笠原二三男君
           相馬 助治君
           中田 吉雄君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           石川 清一君
  國務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
   文 部 大 臣 天野 貞祐君
   國 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主計局長 河野 一之君
   地方財政委員会
   委員長     野村 秀雄君
  説明員
   地方財政委員会
   財務部長    武岡 憲一君
   文部省大臣官房
   会計課長    寺中 作雄君
   文部省初等中等
   教育局庶務課長 内藤譽三郎君
ソース: 国立国会図書館
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