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2000/05/10 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
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2000/05/10 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号

#1
第147回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
平成十二年五月十日(水曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     鎌田 要人君     仲道 俊哉君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         立木  洋君
    理 事
                鴻池 祥肇君
                末広まきこ君
                笹野 貞子君
                福本 潤一君
    委 員
                海老原義彦君
                月原 茂皓君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                森田 次夫君
                山内 俊夫君
                郡司  彰君
                輿石  東君
                松崎 俊久君
                風間  昶君
                小泉 親司君
                照屋 寛徳君
                田村 秀昭君
                堂本 暁子君
   国務大臣
       国務大臣
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
   政務次官
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        鴫谷  潤君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁自然保護
       局長       松本 省藏君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       沖縄開発庁振興
       局長       襲田 正徳君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   八木橋惇夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(立木洋君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁自然保護局長松本省藏君、環境庁水質保全局長遠藤保雄君、沖縄開発庁総務局長玉城一夫君、沖縄開発庁振興局長襲田正徳君及び外務省北米局長藤崎一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(立木洋君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に沖縄振興開発金融公庫理事長八木橋惇夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(立木洋君) 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 きょうは沖縄公庫法の改正について、長官を初めお尋ねをしたいと思います。
 まず最初に、財投改革との関連についてでございますけれども、財投改革については既に大蔵省、総理府その他の中で昨年十二月に抜本的な改革案という骨子が公表されまして、既に関連法案が四月二十五日には衆議院で可決をされ、参議院の方に送付をされている状況だろうと思っております。
 そうした中で、政府の財投改革の取り組み、このことが沖縄開発公庫の将来、その他業務運営に影響を与えるんではないかというふうに考えられるわけでありますけれども、その点についてまず長官の方からお聞かせをいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(青木幹雄君) 今回の財政投融資改革は、御承知のように、郵便貯金等が全額資金運用部に預託される、そういう制度から特殊法人等の施策に必要な資金を市場から調達する仕組みへの抜本的な転換を図ろうとするものであることは、議員も御承知のとおりでございます。
 今回の沖縄公庫法の改正におきましては、債券発行等資金調達手段の多様化の措置を講ずることといたしておりますが、これは財政投融資改革が予定される中で、資金の安定的な確保を公庫として図ろうといたしておるものでございます。
 今後の公庫の業務運営に当たりましては、市場原理に沿った資金調達を図るとの財政投融資改革の趣旨を踏まえながら、沖縄の振興開発の推進を図るとの政策目的を達成できるよう適切に公庫としては対応していきたい、そのように考えております。
#9
○郡司彰君 今、長官から御答弁をいただきましたように、この改正の中身につきましては、大きく業務の拡大あるいは資金調達手段の多様化ということが挙げられているわけでありまして、その業務の拡大のさらに中身につきましては、新たな資金供給手法の導入ということで、社債の取得でありますとかあるいは貸付債権の譲り受けということが載せられているわけであります。
 今回の公庫の方の年間の予算等も拝見をさせていただきましたけれども、その中には新たに社債の取得が可能となるような予算措置そのものが見えてこないというふうにも思いますけれども、これは事業費の中での扱いになるんだろうと思います。
 どのような形の取り扱いになるんでしょうか。
#10
○国務大臣(青木幹雄君) 議員御指摘のように、今回の改正で社債の取得が可能になることになりました。これは社債の発行が自由化され、沖縄公庫においてもそうした企業の資金調達方法の変化に対応しようとするものでございます。
 社債の取得につきましては、沖縄公庫の事業計画の中の産業開発資金において取り扱っていくことになりますが、平成十二年度予算における産業開発資金は八百億円の事業枠を予定いたしておりまして、具体的にはこの中で対応していくことになろうと考えております。
#11
○郡司彰君 今、産業開発資金八百億というような数字が出されました。
 もし長官の方でお答えいただければ、現在の八百億の中で、何社で幾らぐらいを当年度見込んでいらっしゃるか、おわかりになれば教えていただければと思いますが。
#12
○参考人(八木橋惇夫君) 私の方からお答えさせていただきます。
 八百億の事業費の中で、どれが社債で引き受ける分か、どれが証書貸し付けという格好で引き受けるかということにつきましては、相手方の希望によりまして決定いたしますことから、事前にこれを分別することは極めて困難でございます。相手方が社債引き受けという格好で融資していただきたい、または証書貸し付けという格好で融資していただきたいと、相手方の要望によりましてそれを決めていくことになりますので、事前に社債引受分が幾ら、証書貸付分が幾らというような区分けはやっておりません。
#13
○郡司彰君 通常ですと、予算を組む八百億円のおおよその流れについても予測をするのではないかということでお聞きをしましたが、そのようであれば、結果としての報告等も年度が変わりましたときにまたお知らせをいただきたい。こちらもつかんでいきたいなというふうにも思っております。
 さらに、財投改革の中では、当然でありますけれども資金運用部資金というようなものの制度が変わるということになるわけでございまして、この法案がもし成立をいたしますと、こちらの方は来年の四月一日、さらにこの改正法の方は成立後二カ月以内の施行ということになるわけでありまして、その間のタイムラグのようなものが生じるのか。生じた場合にはどのような形でもってそれを埋めていこうとなさるのか、その点についてお聞かせをいただきたい。
#14
○国務大臣(青木幹雄君) 御指摘のように平成十三年度から財政投融資改革が予定されておりますが、特殊法人等の資金調達は、これまでの資金運用部からの借り入れから、一つには財投機関債の発行による方法、また一つには政府保証債の発行による方法、また一つには財投債により調達した資金から借り入れる方法等へ移行されるものと考えております。
 平成十三年度以降の沖縄公庫の資金調達につきましては、こうした財政投融資改革を踏まえて対応していくことになりますが、具体的にどのような方法で資金調達を行うかにつきましては、タイムラグ等が、業務への支障が生じることがないように私どもも適切に対応していきたい、そのように考えております。
#15
○郡司彰君 私の方もそのようなことがないように長官にお願いをしたいと思いますし、流れからすると、より大きな形の財投の成果といいますか、成立によって、その後本来こちらの方ですることの流れの方がよりベターだったんではないかなという、そういう思いをちょっといたしております。
 それから、理事長にもおいでをいただいていますので理事長の方にお聞きをしたいと思いますが、昨年の六月二日、就任をなさった直後なのかもしれませんけれども、沖縄タイムスのインタビューを受けて、それをさらにまとめた記事だろうと思いますが、出ておったものを見させていただいております。
 この中で、理事長のそのままの言葉かどうかわかりませんけれども、新聞記事によりますと、「強調したのは情報発信機能を持つこと。「創業資金貸付とか、ただお金を貸すだけでは駄目。その仕事ならこういうことを考慮すべきとか、こういう業種に目を付けたらどうかという相談機能を身に付けてはどうか」。要望があるからお金を貸すという受け身の姿勢でなく、公庫から打って出る積極さを説く。」というふうに記載されておりまして、私自身もこの理事長がおっしゃっております「積極さを説く。」ということに対して、必ずしも否定的な意味合いからだけではなくて、考えを持っているわけであります。
 しかしながら、一方、民業との兼ね合い、補完的なというようなこともありながら、沖縄においては三五%というようなシェアにも立ち至っているわけでありまして、その辺のことも含めまして、理事長の基本姿勢についてお聞かせをいただければと思います。
#16
○参考人(八木橋惇夫君) ただいま私が就任した際に記者のインタビューを受けました記事につきましての御引用をいただいたわけで、恐縮しておりますが、このとき私が申し上げましたのは、金融機関というのは単に資金の要請に対してお金を貸すというような受け身の姿勢ではなしに、沖縄公庫の方から借り手の必要とする情報等を積極的に提供していくことによって、借り手にとりより身近で利用しやすい金融機関に脱皮していく必要がある、それが沖縄の振興開発につながる道であるという趣旨のことを申し上げたかったわけでございまして、したがってこのとき念頭に置いておりましたのは融資規模とかシェアの問題ということではございませんでした。
 ただ、先生御指摘になりましたように、私どもの公庫の県内金融機関融資残高に占める割合を見ておりますと、平成十年度末で三五・二%に達しているところでございます。これは、ここ数年数次にわたる経済対策によりまして、中小企業等資金、また住宅資金等において、事業枠の追加や融資制度の拡充が図られたという事情が一つあること。さらには、この間民間金融機関、県内には六行がございますが、ここにおきまして平成十年の前半から翌年の前半にかけましての貸出残高が前年比マイナスに転じておったと。すなわち、いわゆる貸し渋り現象というものが民間金融機関にあったということから、沖縄公庫のウエートが徐々に高まってきたという事情があろうかと思います。
 ただ、もっと基本的に申し上げますならば、こういった数字に至った沖縄県内の経済または金融上の基盤ということを私どもは認識しておかなければならないというぐあいに考えております。
 と申しますのは、沖縄県内の金融構造は、全国平均に比べまして県民所得は三分の二から七割程度、したがって貯蓄現在高、これは総理府の貯蓄動向調査によって調べたものでございますが、それが全国平均に比べまして三二%にしかすぎないということでございまして、こういうことから民間金融機関の預金量の水準が低い一方、資金需要が強いことから、預貸率が全国平均に比べて高目に出ているという事情がございます。すなわち、資金需給が逼迫状況に絶えず置かれているというのが沖縄の現状なわけでございます。
 こういうことにさらに加えて、沖縄県内においては都銀の進出というものがございません。現在、第一勧銀一行ございますが、実質的な活動というのはほとんど行われておらないというようなこともやはり資金需給をタイトなものにする一つの要因になっております。
 こういったことが影響しまして、ただいま約定平均金利も高いとか、そういった問題もあるわけでございまして、そういった金融情勢を背景にしまして、沖縄の振興開発を図っていくという政策金融を担っていく私どもといたしましては、沖縄が経済の自立化に向けて必要となる資金を供給していかなければならぬというようなことから、先ほどの経済対策もあって、この三割を超えるといったような状況になっているというぐあいに考えるわけでございます。
 もちろん、この三五%という数字は極めて大きい数字でございまして、この持つ重みを十分認識した上で、民間金融機関、もともと政策金融というのは民間の補完をするということがその趣旨でございますので、民間金融機関との協調体制ということを十分とった上で政策金融を遂行していかなければならぬということは、常に私ども胸に刻んでいるところでございます。
#17
○郡司彰君 今、理事長の方から話がありましたように、私自身もそのシェアのパーセントだけを問題にするということではなくて、沖縄が抱えておりました歴史的なあるいは地理的なそういう特性がございますから、将来へ向かっての施策がやっぱり問われているんだろうというふうに思います。
 同じ記事の中で理事長はこのようにも申したそうでありますけれども、「沖縄の特色を生かした経済発展追求が沖縄のため」だと、これはそのとおりだろうと思うんですね。
 そこで、より具体的に、とりわけ公庫運営のあり方や抱える課題、具体的に理事長の方でお考えがありましたらばお聞かせをいただきたいと思います。
#18
○参考人(八木橋惇夫君) 私どもといたしましては、沖縄の特色というものを生かした経済発展をしていっていただきたいということを念願にしているわけでございまして、これにつきましては基本的には政府及び沖縄県の政策目的に従った運営をしていくべきであるということが大原則ということをまず最初に申し上げた上におきまして、どういう展開を図っていくかということを考えてみますと、やはりよく言われているように沖縄という亜熱帯の特性を生かしました観光産業、これは特に沖縄県が長寿県であるということから健康と結びついたような、また環境保全と結びついたような観光産業というものの発達でなければならぬというぐあいに考えております。
 またもう一つは、最近よく言われていることなんですが、沖縄の振興開発計画を進めるに当たって必ずしも第二次産業を育成するという意味では成功してこなかったと思います。それは、やはり若干その点に関しては弱いところがあったのかなと。しかし、情報産業ということになりますとこれはかなり沖縄にとってはメリットのある、また沖縄は人口増加県として日本で唯一の県であるような今地位にあるかと思いますが、そういった労働力を基盤にした情報産業、しかもそれを環境のいいところでやっていくという意味ではかなり優位性のある産業であるというぐあいに考えております。
 概して言うならば、沖縄の気候、風土、それから人的資源、そういったものを基盤にした観光産業、それから情報産業、さらにはウエルネス産業、そういったものを充実していくべきではなかろうかというぐあいに考えております。
#19
○郡司彰君 今、第三次産業を含むあるいは情報通信の関係についてもということでございまして、実は、これは長官もよく御存じのとおりでございますけれども、全国の中で失業率が昨年でも八・二四%だったでしょうか非常に高い地域でありますので、こうした政策金融の施策が今理事長もおっしゃったような県民所得の向上なりにつながるような形での事業というものを念頭に置いて進めていただきたいなというふうに思っております。
 そこで、今、健全性ということがまた別な面でも改めて問題になるわけでありますけれども、沖縄公庫そのものは二・五七とか三・四五とかという数字も出ておりますけれども、全体として見れば政府系金融機関の中では必ずしも健全性が低いということではなくて高い方の部類に入るんだろうと思います。
 しかしながら、公的資金でありますとか税金の投入ということになればこれはまた国民の多くの理解を得る必要もございますので、そうならないためにも、この沖縄公庫が政策金融の立場を踏まえつつも財務の健全性の確保と厳格なリスク管理に努めているということは当然でありますけれども、公庫の現状と債権のリスク管理についてどのようなお考えでしょうか。
#20
○参考人(八木橋惇夫君) 沖縄公庫におけるいわゆる破綻先債権や元金の返済及び利息の支払いが三カ月以上延滞している貸付金の合計額は、先生ただいまパーセントは二・五七%という数字をお引きになりましたが、十年度末で四百五十一億ございまして、これは総貸付残高に占める割合は二・五七%になっておりますし、これは前年度と比較すると〇・一六ポイント減少したという格好にはなっております。また、十年度分より新たに開示することになりました条件緩和債権、これは債務者の経営再建または支援を図ることを目的といたしまして条件緩和を図ったような貸付金額を集計した数字でございます。そういったリスク管理債権と申し上げるべきものを十年度末の数字で見ますと六百五億程度になっておりまして、これも先生先ほど御指摘になりました数字、三・四五%というぐあいになっております。
 私ども、債権のリスク管理につきましては、財務の健全性の確保を図るべく、長年の出融資実績をもとにいたしまして、これまで蓄積してまいりました金融ノウハウに基づきまして適切な審査基準と審査体制を構築いたしまして、これに対応してきているところでございます。
 具体的には、事業計画、資金計画の妥当性はどうかといったようなことを初めとする各種の審査項目につきまして総合的な検討を行いつつ審査業務を推進しているとともに、多種多様な業界調査、うちの方も調査部を置いておりますが、そういった調査の分析結果を審査に結びつけてこれを利用しまた活用していくといったようなこともやっておりまして、適切な債権管理が行われるように努めているところでございます。
 特に私どもちょっと心配しておりますのは、延滞債権額の過半を占めるのは住宅資金ということで、ここ数年かなり経済対策によりまして住宅資金の貸し付けをふやしてきたという経緯がございます。これが今後不良債権化いたさないようにということを考えていかなければなりませんので、これにつきましては実際に業務をやっていただいております代理店との連携を密にいたしまして、そういったものが出てこないように、また減少するようにということで取り組みの強化を図っているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘になりました沖縄公庫の貸付原資が公的な性格を帯びた資金であるということをこれまで以上に認識いたしまして、償還確実性の原則を踏まえながら、不良債権の抑制また適切な融資審査ということに向けまして公庫の体制の整備を図ってまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
#21
○郡司彰君 次に、これは本来は長官の方にお聞きをすべきものかもしれませんが、国全体として政策金融の政策効果等を客観的に評価する、そういう流れが今できつつあるんだろうと思っております。
 そこで、個別公庫についても政策分析をする必要があろうかと思っておりますし、政策コスト分析による評価の手法等これまでになかったところの問題でございますので、そういったものを開発といいますか考えていくということが求められるかと思いますが、この点についてのお考えをお聞きしたいなということと、そのことは具体的には国民に対する説明責任といいますかディスクロージャーの問題とも関連をしてまいりますので、今どのような取り組みをなさっているかをお聞かせいただきたいと思います。
#22
○参考人(八木橋惇夫君) 財政投融資事業に対する政策コスト分析の導入ということにつきましては、まさに先生御指摘になったように、将来の国民負担に関するディスクロージャーの充実という観点から極めて大事であり、また特殊法人の業務、財務の改善、財政規律の向上、また財政投融資の対象分野をどういうぐあいにしていくのかといった見直し問題にも関係するものとして導入されているということは私どもも承知しているところでございます。
 したがって、沖縄開発公庫につきましても、こういった趣旨の政策コスト分析の重要性を踏まえながらその取り組みを現在やっているところでございます。いろいろ難しい問題もございましてまだ公表するに至ってはおりませんが、私どもは分析指標の一層の充実に努めながら要望にこたえる方向に従って努力してまいりたいというぐあいに考えております。
#23
○郡司彰君 理事長に最後に一つお尋ねをしたいと思いますが、本部の方においでになることが多いんだと思いますけれども、昨年の就任以来、何回ほど沖縄の方に行かれましたでしょうか。その感想も含めてちょっと、簡潔で結構でございます。
#24
○参考人(八木橋惇夫君) ちょっと今正確に数えておりませんので正確な数字をお答えすることはできませんが、私が沖縄に参りますのは大体平均すると月に一回から一・五回というところでございます。
 ことしに入りましては、四月は二回行っておりまして、五月はこれで三回ぐらい行く予定がございますから、かなりの頻度において沖縄には行っております。
#25
○郡司彰君 ありがとうございました。
 できれば、そのぐらいの頻度であれば沖縄の方にお住まいになった方がより効果的かなということをちょっと申し上げまして、長官の方にお尋ねをしたいと思います。
 先ほど、理事長のお話の中にもありましたように、県民総生産額の中で約八割が第三次産業ということになるわけであります。そして、沖縄の金融機関の現状も、先ほど言いましたように県民所得が七割でありますとか、あるいは貯蓄が低いとか、すべからく県民のより生活が向上する、所得が安定をするということにかかってくるのだろうと思いますし、八割を超える第三次産業を私は農業というものがかなり大きな意味での下支えをしているのだろうと思っております。
 ちなみに、所得については七割ということを申し上げましたが、農家所得はさらに下回りまして五六・一%というような数字でございまして、金額に直しますとこれは戸数で割っておりますから三百八十七万円。これを振り返ってみますと、昭和四十八年といいますから、復帰直後が五三・四%。五十七年には七八・〇%まで一時上がっているわけであります。現在は、またさらに五六・一%、先ほど申し上げたような数字にまで落ち込んできているわけでありますけれども、沖縄の農業のこの間の推移に対して長官はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
#26
○国務大臣(青木幹雄君) 沖縄の農業振興につきましては、復帰後三次にわたる沖縄振興開発計画に基づきまして、政府といたしましても、生産基盤の整備を初めといたしまして、特色ある亜熱帯農業や農業経営の安定のためにいろいろ地元の皆さんとともに努力をしたところでございます。
 今、議員御指摘のように、そうした中で復帰当時と平成十年度とを比べますと、非常に農外所得も含めた農家所得が伸び悩んでおることは事実であります。ただ、考えなければいけないことは、沖縄の農業の場合農外所得が低いという点が非常に大きな特徴になっておりまして、昭和五十七年度に七八%と非常に所得が上がりましたのは、これは農家所得の全国比が特に大きくなっておりますが、全国が水田利用再編対策によりまして米の生産が非常に減少した、その半面に沖縄ではサトウキビの最低生産価格が高水準にあったということが昭和五十七年の七八%に結びついたんじゃないかと考えております。
 ただ、県全体の農業総生産額では全国平均が一・六倍ですが、沖縄の場合は二倍でございます。それから、一戸当たりの農業所得は、全国比が五二%から八五%になるという数字でございまして、我が国唯一の亜熱帯性地域の特性を生かした農業、農産物の供給地として一定の評価を得つつあることも間違いのない事実でございます。
 しかしながら、台風、干ばつ、離島性等の非常に厳しい条件に加えまして、農業従事者の高齢化や担い手の減少が非常に進んでおりまして、生産性の高い特色のある農業の育成のためには今後とも農業振興の施策が一層大切なものと考えておりまして、私どもも真剣に今後取り組んでいく考えでございます。
#27
○郡司彰君 長官には大分詳しくお話をいただきました。実は私も、今長官がお話をされたような同じ考えを持っておりまして、サトウキビということになりますと全農家の約四九%ですから、約半分がかかわっている、面積でいいますと。それから、農家の関係でいいますと七二%がサトウキビにかかわりがある農業でございます。
 そういうふうなことで沖縄の特色というのは、亜熱帯ということもありますけれども、条件の不利な部分もございます。この問題だけで時間をとるわけにはいきませんので簡単に申し上げますけれども、一番沖縄で農地に適しているところ、これは平たんなところということになると基地ということになるわけであります、そこを除いたところでの農業だと。
 しかも、私、茨城でございますけれども、茨城に沖縄の方々を農業の視察で一回連れてきたといいますか、一緒に回りました。お土産に茨城の何を持って帰りたいかという話をしましたところ、作物ではなくて土を持って帰りたい、土壌が全然違うんだというような話をされました。あの地域、あの土壌のもとでつくられる作物というのは限られてくるというふうなこともございます。
 そしてまた一方で、観光に参る方々も亜熱帯のパイナップルあるいはパパイア、マンゴーとかサトウキビというものを脳裏に描いて沖縄のイメージをつくられているということも大変多いわけでございます。また、沖縄の場合には本土と違いまして専業中核農家という割合が非常に高い地域でございます。そういう意味で、県民総生産の中の割合は徐々に減少を来しておりまして絶対数から見ると少ないわけでありますけれども、この振興というものをやっぱりきちんとやっていただきたいなというふうに思っております。
 そこで長官、これは細かいことでございましたので通告にはなかったわけでございますけれども、例えば先ほど長官の話の中で台風ということがございました。私どもの県ですと簡易なビニールハウスをつくってもう大体何年かはそこでもつということになるわけでありますけれども、沖縄は御存じのように台風が来れば私どもと同じような施設では飛んでいってしまう。そういう施設費が相当かかるというようなこともございます。
 それから、今では数が非常に少なくなってまいりましたけれども、防疫の関係で、なかなか沖縄の人気が出てまいりましたベニイモ等もこちらの方には搬出するわけにいかないと。そういうところでは技術会議あるいは生研機構等の努力もあって大分改善されてきておりますけれども、なお一層この沖縄の農業に携わっている方々が元気を出していけるような、そんなお考えを聞かせていただければと思いますが。
#28
○国務大臣(青木幹雄君) 確かに、今おっしゃいましたように、沖縄特有の台風というような問題もありますし、それからやはり沖縄の場合、私は将来観光面で非常に発展していくんじゃないかと思っております。ことしのいろんな統計を見ましても、本当に全国一、毎月毎月非常に観光客がふえておりまして、そういう観光客がどんどん沖縄に行かれる、そういう人たちに対して沖縄が沖縄特有の果物とか野菜とか、自分がつくったそういうものを自分のところへ来られた人にきっちり提供できるということもまた一つの大きな問題じゃないかと考えております。私どももそういう問題も含めて沖縄の農業振興については今後とも全力を挙げて取り組んでいく考えでございますし、先般も沖縄の北部の農業振興の問題で農水大臣初め農水省の皆さんにも現地へ行っていただいて、現地と直接いろんな話し合いをして回った経過もございますので、今後とも真剣に取り組んでいく考えでございます。
#29
○小泉親司君 沖縄振興開発金融公庫法の改正案について質問させていただきます。
 私どもの党は、今回の改正案は第三次振興開発計画、いわゆる三次振計の諸事業を達成するということと、沖縄県民の暮らしと利益を守る事業を財政面から支えるという点で、賛成であります。
 沖縄の返還以来、三次にわたってこの振興開発が進められてきたわけで、沖縄では社会基盤の整備を初め産業の振興、県民の暮らしの向上という点では大変大きな前進を遂げてきたというふうに思います。
 しかしながら、三次にわたる振計ではどういうことが掲げられたかといいますと、本土との格差是正と、それから自立的発展の基礎的な条件整備、いわば二大目標的なものが掲げられているわけで、ところが先ほども御指摘がありましたが、県民の一人当たりの所得格差の問題でありますとか、貯蓄高の問題でありますとか、いわば県民の暮らしの中心的な問題という点では格差が微少ながら拡大しているような状況がある。
 やはりこの点が今大変大事な問題で、この沖縄の自立的な経済をどういうふうに発展させていくのか。本土格差をどういうふうに是正していくのか。特に第三次振計はまだ二〇〇二年の三月まで続くわけでありますけれども、主に中間的な総括というのも何でありますけれども、この自立的な経済の発展をどう進めていくかという点で、現時点で開発庁長官はどういうふうに今までの計画を中間的に総括されているのか、この点をまずお聞きしたいというふうに思います。
#30
○国務大臣(青木幹雄君) 御指摘のように、今、三次計画、一生懸命努力をしているところでございますけれども、やはり沖縄の経済社会の現状を踏まえまして、計画に基づき所要の予算も確保し、また施策の推進も図っているところでありますが、やはり今後とも活力と潤いのある沖縄の実現に向けまして計画に基づきながら私どもも進めていきたい、そういうふうに考えております。
#31
○小泉親司君 政府の沖縄政策協議会は昨年六月に二十一世紀の沖縄のプラン、中間報告を発表された。これから二十一世紀に沖縄をどういうふうに発展させるかという点、大変大事な問題であるというふうに思いますが、この中で沖縄の自立型の経済をこれから確立していく上で二つの課題があるんだと。二重の課題ということで、一つは財政依存体質からの脱却を図る必要がある、もう一つは米軍基地の整理、統合、縮小を進めなければならないという課題を提起しているわけですけれども、この点では二十一世紀の自立型経済を確立する上での二つの課題をどういうふうにやろうというふうにお考えになっておるわけですか。
#32
○国務大臣(青木幹雄君) 二十一世紀の沖縄をどうするかという問題、二十一世紀懇においても非常に真剣に議論をしていただいておりますし、私どももSACOの合意に基づきまして、今回も北部開発、それから跡地の問題、真剣に取り組んでおりますので、そういう中で一生懸命今後とも取り組んでいく考えでございます。
#33
○小泉親司君 SACOの問題が出ましたけれども、やはり私は二十一世紀プランの中間報告の中で政府自身が言っているような米軍基地の整理、縮小という点では若干やはり逆行していて、キャンプ・シュワブへの新たな基地の建設などはその象徴だというふうに思います。
 マスコミでは沖縄振興策について何と言っているかというと、これはある新聞では、沖縄への振興策はこれまで何度も基地をめぐるあめとむちとして使われてきたんだと。例えば九五年の少女暴行事件の際には大変大きな基地撤去の高まりの中で二十五市町村に七年間で総額一千億円の振興策をやった。九六年の大田県知事の代理署名問題では強制手続に応じた見返りとして特別調整費五十億円。これを今度は大田知事が普天間の代替基地反対を表明すると政策協議会を中断する。さらに稲嶺知事の誕生で、これは新聞の言っていることでありますけれども、御祝儀として特別調整費が百億円つけられる。今度の普天間基地の受け入れの問題でも、普天間飛行場の移設にかかわる政府方針の中には、代替基地受け入れに伴い新たな負担を担うことになる地域の振興として北部振興開発ということで十年間で一千億円だというふうに言われておるわけですね。
 実際、やはり北部地域というのは御承知のとおり名護を初めとする南部地域との格差、これは沖縄全体と全国の格差もありますけれども、沖縄県内でも北部と南部の格差があるんだというふうに指摘をされているところで、そもそもこの北部開発というのは、基地の受け入れかどうかという問題よりは、やはり三次振計の中で政府自身が本格的にやっていかなくちゃいけない性格のものだというふうに思うんですね。
 やはりこういう基地の受け入れということを前提にしてお金をつけていくというやり方をいつまでも続けていくと、実際にやはり政府が言っているような、二十一世紀プランの中間報告でも言っているような、そういう自立型の経済に果たして沖縄が進むことができるのかという点で私、大変疑問なんですね。
 そこで、その点、開発庁長官としてはどういうお考えなのか、その点を少し伺っておきたいというふうに思います。
#34
○国務大臣(青木幹雄君) 議員御指摘のように、確かにことしから約十年間、北部振興として年間百億、十年間で一千億という予算をことしも計上していることは事実でございます。しかし、議員も御指摘のように、北部が非常に沖縄の中では取り残された過疎地であって、非常におくれているという現実がございまして、私どもは基地の問題とは別に、やはり北部振興ということは当然国策として考えていかなきゃいかぬ、沖縄振興のために考えていかなきゃいかぬ大きな問題だという認識をいたしておりまして、それを直ちに基地のものと一緒に結びつけていいのかどうかということも非常に私も疑問に思っておりまして、たとえ基地の問題がなくても、当然沖縄の北部振興というものは沖縄の均衡ある発展のためにやっていかなきゃいけない一つの大きな政策課題だと、そういうふうに私は理解をいたしております。
#35
○小泉親司君 いや、しかしその北部開発の問題でいけば、代替基地の受け入れに伴う新たな負担を軽減するための地域の振興ということで一千億円がつけられるわけで、基地を受け入れることを前提にしたいわばひもつきの振興策でこういうことをやっていると、結局そういうふうなことで基地依存の経済体質がこれまでどおりずっと続くというふうに私思うんですね。
 特に、今開発庁予算が約三千二百億円ぐらいですか。これに対して米軍基地にかかわる問題というのは約二千億円近くあるわけですね。そのうち思いやり予算が七百億円と。
 例えば北部でいくと、これは防衛施設庁にも確認したことだけれども、例えば思いやり予算でつくっているのは、北部にキャンプ・シュワブという御承知の米軍基地があるけれども、ここに形は一応海兵隊の水中訓練のものだというんですが、大変大型の五十メートルの八コースあるプールが約五億円でつくられる。その一方で、北部地域の特に名護地域の小中学校のプールの問題でいくと、私ちょっと調べましたら、名護市では十七校ある小学校のうち四校しかプールがない。中学校の場合は、八校のうち三校しかプールが設置されていないですね。沖縄全体の格差でいくと、小中学校のプール設置率というのは全国平均でも七〇・五%なんですね。それよりも、名護市の場合だと、小中学校二十五校のうち七校、つまり両方、小中学校でわずか三〇%に満たないという設置率で、大変そういう教育問題が軽視されて、その一方で米軍には非常に豪華なプールが設置されるという、こういう異常な問題も生じてくるわけですね。
 だから、その点で私自身も、基地を維持するということを主眼にしないで、沖縄県民の暮らしや福祉を中心にしたそういうやはり資金の運用というのが大変大事なんじゃないかな、この点は指摘させていただきたいというふうに思います。
 一つだけ、今度の振興開発金融公庫の問題で理事長にお聞きをしたいのは、今度の改正案では産業開発資金の関係が改正の主眼になると思うんですが、産業開発資金の方は御承知のとおり大企業、一般的に私たちは本土大企業と呼んでいるんだけれども、本土大企業も支店を持てばそれを使える仕組みになっているわけですね。
 ところが、中小企業資金というのは主に一億円以下、いわば中小業者の営業に資するような形になっているわけですけれども、どうもこの年次の約十年ぐらいのスパンを見ますと、九〇年代に入って産業開発資金と中小企業に運用する資金の割合というのは、これまでが若干産業開発資金が中小企業資金の三分の一ぐらいのシェアだったのが、今は約二五%前後でほぼ比率が同じようになってきているわけですね。
 やはり私たちは、沖縄開発公庫が今度十二年度で運用する貸付資金が二千二百億円というふうにも聞いておりますけれども、そういう資金の貸し付けに当たっては、中小企業とか地元の零細企業とか生業資金とか、こういうものをやはり重視した形で貸し付けが行われるべきだというふうに考えますが、その点、理事長に一言伺っておきたいというふうに思います。
#36
○参考人(八木橋惇夫君) 先生御指摘の議論は一つございます。
 ただ、私ども、もう一つ先生がお触れにならなかったことでちょっとお考えいただきたいのは、私どもの金融機関は民間の補完機能としての性格があるという一点がございます。例えば、中小金融等でございますと、これは地元における金融機関もそれについて何がしかの役割負担ができるという問題がございます。ところが、大規模な、まさに沖縄経済のインフラストラクチャーをつくるような事業について見ますと、これはやはり民間金融機関にも協調融資ということで御負担を、一緒に協調融資はしておるわけではございますが、そういったものにつきましての需要というものは、ある程度私どものところがちょっと大きなウエートを持って融資をしていかなきゃならぬという問題があることについても御理解をいただきたいと思います。
 私どもは、決して中小金融、生業金融につきまして、ウエートを置いていないというわけではございませんし、また先生御承知のように私どもは総合金融機関でございますから、資金需要の繁閑によりまして、例えば産業開発資金が余って中小企業資金の方が需要が強いということになりますと彼此融通することも可能でございます。私どもは、先生のおっしゃるように、中小企業金融、そういったものについては積極的に対応してまいりたいと思いますが、その時々の経済情勢によってあるいは先生御指摘になるような数字になったことがあるかもしれません。
 それから、先生御指摘になりましたが、昨年の国会でちょっと中小企業の定義を直していただきましたものですから、そういった点で中小企業の範囲は若干これからは広がってまいります。
#37
○小泉親司君 では次に、この法案に関連して、沖縄の基地問題で前回、四月二十一日の当委員会で取り上げた幾つかの問題についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 一つは、PCBの問題であります。
 先日の当委員会で、有害物質であるPCBが沖縄の米軍基地や東京周辺の米軍基地から相模補給廠に集められて、そこからアメリカ本国に移送された、しかしアメリカ本国やカナダから拒否されてまた日本に戻ってきたという事件がありました。
 この点については、米軍が一カ月以内に移動するというふうな旨を通告したというような議論がありましたが、報道では何かウェーク島に移設されるというふうなことが報じられておりますけれども、外務省はこの点は確認されておられるんですか。
#38
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 今御質問の米国のPCBを含む廃棄物についての取り扱いでございますが、米国防兵たん庁は、今月の五日でございますが、五月十八日までに日本からこれらの廃棄物をハワイのウェーク島に移送するということを発表した次第でございます。これは私ども、そういうこととして確認をさせていただいております。
#39
○小泉親司君 この前の委員会で、一体PCBが沖縄基地を初めどこにどれだけあるのか米軍に確認して、しっかりとした廃棄物の処理体制を米軍ないしはアメリカに対して要求すべきだということを私は質問しました。その際、河野外務大臣は、合同委員会の枠組みを使ってどれぐらいの数字があるのか先方に確認すべく努力してみますと答弁されたわけです。
 外務省としては、どういうふうな確認の努力をして、どういう結果になったわけですか。
#40
○政府参考人(藤崎一郎君) 先ほどハワイのウェーク島と申しましたが、ウェーク島はハワイから三千キロメートル離れておりますので、ハワイのウェーク島というよりウェーク島と申し上げた方がよかったので、ちょっと訂正させていただきます。
 今御質問ございましたPCBの保管状況につきましては、先般外務大臣が当委員会でお答えいたしましたように、私ども合同委員会の枠組み、外交チャネルを使いまして、現在、米側に照会しているところでございます。
#41
○小泉親司君 既に三週間たったのにまだ確認されておられないんですか。
#42
○政府参考人(藤崎一郎君) まだ私どもとして回答を得ておりません。
#43
○小泉親司君 それは非常に怠慢でありますし、当委員会でも外務大臣が確認をする、努力をすると言っておられるのに、三週間近くほうっておくというのは私は問題だというふうに思います。
 そこで、アメリカの議会で外国製のPCBに対する一九九九年三月の報告書が出ております。外務省、入手されておるでしょう。
#44
○政府参考人(藤崎一郎君) その報告書については承知しております。
#45
○小泉親司君 これは、アメリカの国防総省が一九九九年、昨年の三月にアメリカ議会に報告した報告書です。この中に、日本関係のPCBがどのくらいあるかということが詳細に書いてあります。
 その詳細に書いてあるものを少し御紹介しますと、国別でいきますとベルギー、ドイツ、イタリア、日本、韓国、スペイン、トルコ、イギリス、この八カ国のうちPCBの廃棄物がどれくらいあるかという国別のものがまず記載されておりまして、この中で日本がトップであります。最高のいわゆるPCBの廃棄物が、米軍の廃棄物が存在している。その中で、この九九年の一月三十一日付の資料によると、バーゼル条約で移動禁止とされている五〇ppm以上のPCB廃棄物が三十九トン、いわゆる超高濃度と言われた四九九ppm以上の廃棄物は日本に十四・三トンある。総計は二百二十八トン。
 この前、外務大臣は、相模補給廠には百二十トンが貯蔵されていると言いました。ということは、相模原以外にも約百トンのPCBの廃棄物が沖縄や全国の各地に散在しているということになるわけです。
 実際にこういう問題について外務省は、こういうふうな公式に出された文書自体も確認されておらないんですか。
#46
○政府参考人(藤崎一郎君) ただいま申し上げましたように、この報告書について承知しております。
 今お尋ねがございましたのは、現時点においてどういう保管状況にあるかという御質問でございまして、四月二十一日の当委員会におきまして外務大臣の方から米側に照会いたしますということを申し上げまして、今照会しているところでございます。
#47
○小泉親司君 これだけ公式の報告書があって、アメリカの議会に米国防総省がきちんと報告をして、それに対して外務大臣が合同委員会を通じて調べると言っているわけです。しかも、超高濃度のものについては、この前たしか照屋委員が質問されたときにも、この点については確認していないとおっしゃっているわけですよ。
 ところが、ここに、あなたが入手されたと言っている報告書の中に超高濃度のものだって含まれているというふうに書いてあるわけですから、そのものをなぜ確認できないのか。しかも、当委員会で四月二十一日に再三にわたって議論されているものを、報告も全くしない、確認もされていないというのでは、これはもう怠慢のそしりは免れないと。
 この点で、地方自治体が今立ち入りを要求して、実際に確認をすべきだということを要求されておるし、実際に地位協定の運用に当たっても、こういう問題についてきちんとやはり合同委員会を通じて外務省が米軍にただすべきだと。このことは十分可能なことなんですから、一体いつこれを明確にするおつもりなんですか。
#48
○政府参考人(藤崎一郎君) 私どもといたしましても、米軍のPCBを含みます廃棄物についての関係地方公共団体、国民の方々の強い関心についてよく承知しておりますし、本件問題の重要性というものは認識しておりますので、引き続き関係省庁とも協力いたしまして、米側への照会に努めてまいりたいというふうに存じます。
#49
○小泉親司君 最後に長官に、この問題は沖縄の基地の問題というばかりではなくて、これからの跡地利用の問題でも大変重要な問題ですので、きちんとやはり当委員会に対して外務省その他という形で報告をして、米側にも確認をして、直ちにこの廃棄物についてはアメリカ本国において処理すべきだという点をきちっとやっぱり言うべきだというふうに思いますが、最後にお聞きして質問を終わります。
#50
○国務大臣(青木幹雄君) この前の委員会で外務大臣がアメリカ側に照会をして報告をしますということを言っておりますことからすれば、非常に期間的にもおくれていると私も今の議論を聞いておってそう思います。外務省にも私の方からもできるだけ早く正式な形で回答をもらうように努力をしていくつもりでございます。
#51
○小泉親司君 終わります。
#52
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
 最初に、沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について数点質問をいたします。
 私どもの会派は今度の改正法案には全面的に賛成でございます。私もまた沖縄選出の国会議員として、他の同僚の委員の先生方にもぜひ速やかにこの法律案を可決していただきたいということを御要望申し上げたいと思います。
 今回、改正法によって沖縄開発金融公庫の業務の拡大を図っていく、もう一つは開発金融公庫の資金調達手段の多様化を図る、こういう大きな目的があるだろうと思うんです。この資金供給との関係で新たに改正法で社債の取得ということができるようになるわけでありますが、現在沖縄県で社債を発行している会社というのは幾つぐらいあるのか、そして発行している社債の規模はどれぐらいのものなのか、開発庁の白保政務次官にお伺いをいたします。
#53
○政務次官(白保台一君) 沖縄県内企業の社債発行について申し上げれば、平成十一年度までに五社の企業が十一回にわたって社債を発行しております。発行総額は百四十三億円であり、このうち公募債により発行されたものが八十億円、私募債により発行されたものが六十三億円となっております。なお、発行企業の業種は、電気事業、スーパーマーケット、薬品卸業、信販会社と承知しております。
#54
○照屋寛徳君 ありがとうございました。
 あと一点、改正法が成立をいたしますと、沖縄振興開発金融公庫債券、公庫債が発行できるようになるわけでありますが、これは公庫の業務に要する資金の調達手段の一つだろうと思うんです。改正法が成立をしますとすぐにでもこの公庫債券を発行する、そういう御予定があるんでしょうか、お伺いいたします。
#55
○参考人(八木橋惇夫君) 御指摘のように、ただいま政府から御提案申し上げているこの公庫法の改正につきましては、沖縄振興開発金融公庫債券を発行する権限をお認めいただくことをお願いしているわけでございます。
 この規定は、今般の財政投融資制度の改革につきまして現在関連法案を国会で御審議いただいているところでございまして、それと平仄を合わせた格好での御提案になっているわけでございます。したがいまして、この現在提出している沖縄公庫法の改正案が御承認いただけました暁には、沖縄公庫の資金調達の多様化も制度としてはできることになるわけでございます。
 当公庫の資金調達につきましては、低利かつ安定的な資金調達になるように努めていかなければならぬということが当然でございまして、したがって平成十三年度、平成十二年度は今回もう既に予算が決まっておりますから、平成十三年度以降におきましてどういった方法で資金調達を行うかということにつきまして、これは先生よく御指摘になりますように、沖縄の振興開発を図っていくという政策目的を十分に踏まえると同時に、そのための低利、安定的な資金を調達しなけりゃならぬ、この両面から考えていく必要があろうかと考えております。
 財投改革につきましては、これは全政府的な方向になっておりますので、私どもとしましては、この財投改革の趣旨を十分踏まえながら、どういった方法をとり得るのかということを今後真剣に考えてまいりたいというふうに考えております。
#56
○照屋寛徳君 私も二十五年前に公庫のお世話になりまして、住宅資金を貸していただきました。まだ全額返しておりませんで、構造体は鉄筋コンクリートでありますが、中身は借金コンクリートでございます。今後も、開発金融公庫、沖縄の振興開発のために御尽力をいただきたいと思います。
 それで、防衛施設庁と外務省に、今大変大きな社会問題になっております四月二十七日に宜野座村松田の沖合で発生した在沖米海兵隊所属の水陸両用車、六台と言われておりますが、この演習による漁場破壊事件についてお伺いいたします。
 これはもう大変大きく地元でも報道されまして、あのおとなしい沖縄のウミンチュが直接米軍に抗議をする、施設局に要請に参る、こういう事態にまで今発展をしております。防衛施設庁、この件について施設庁は調査を実施されておりますか、そういうことをやっていなければ私は速やかに実施すべきだと思いますが、どうでしょうか。
#57
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 四月二十七日の事故につきましては、私どもも非常に重大な問題といいますか、非常に憂慮しているところでございまして、私どもの認識しますところでございますと、米側の方の操作上のミスといいますか、米側の発表によりますと視界不良で提供水域を超えて水陸両用車が航路を誤ってというふうなことのようでございますが、いずれにしましても非常に遺憾なことであるということで、直ちに二十八日には私ども防衛施設局の方でも米側の方に遺憾の意と事実関係、また再発防止ということで申し入れたところでございます。
 また、実際被害を受けておられます漁業関係者の方にも直ちに参りまして、私どもも遺憾の意を示すとともに、事実関係につきましていろいろ状況を聞かせていただきまして、また当然私どもといたしまして、被害につきまして適正な補償をしなきゃいけませんので、そこは漁業関係者の方の同意を得てやることになると思いますけれども、その点は今話を進めさせていただいておりまして、なるべく早く実際の現場調査をやりたいというふうに思っております。
#58
○照屋寛徳君 これは施設庁長官、幅三十メートル長さ百メートルにわたってサンゴ礁を破壊したというんですね。地元紙にはこんな生々しい写真も出ておるんですね。それから、ウニの放流をやっておりまして、そのウニもつぶされたと。近くにはモズクの養殖もやっておりますしね。
 こういうことはやはり速やかに、漁民も一日も早い現場調査を強く求めているわけですから、アメリカに対して補償要求をするにも、どういう被害を受けたかという実態調査をやらないといけないわけですから、ぜひ速やかに実施するという御決意のほどをお聞かせください。
#59
○政府参考人(大森敬治君) 今、照屋先生御指摘のとおりでございまして、私どもも一刻も早く漁業関係者の了解といいますか、御協力を得ながら実態調査をし、その適正な補償ができるようにやりたいというふうに思っております。
#60
○照屋寛徳君 外務省にお伺いいたします。
 今、防衛施設庁長官からも少しお触れになりましたけれども、どうも目撃情報などによりますと、これは提供施設、提供水域を外れて漁民が現に漁業をしているすぐ付近に突如として水陸両用艇があらわれたというんですね。これは人命にもかかわることですし、提供施設外でそんなことをやられるとはとんでもない話なんですね。
 まずひとつ、提供施設内のことであったのか、提供施設外であったのか。それから、これは地位協定五条で許されている施設間移動、そうではなかったんじゃないかという目撃者がおるんですよ、漁民には。私は話を聞いてきました。外務省、その二つのことについて調査をされておりますか。
#61
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 先ほど施設庁長官から答弁いたしましたとおり、本件は視界不良のために提供区域の外に出てしまったと。そこで、旋回して提供水域に戻った、過ちに気づいた時点で戻ったというふうに私ども聞いております。これはそういう事情があったにせよ、今委員御指摘のとおり、極めて遺憾ということでございまして、私どもの方から外交チャネルを通じまして遺憾の意を表明するとともに、再発防止に努めるようということを申し入れたところでございます。
 今、地位協定上の施設・区域間の移動なのかという御質問でございますが、これにつきましては、今申し上げましたように過って施設・区域の外に出たというふうに認識している次第でございます。
#62
○照屋寛徳君 外務省、ごまかしたらだめですよ。施設間移動であったかどうかということは、提供区域内であったかどうかとは別の問題ですよ。地位協定で言う、知っているでしょう、地位協定五条の部隊間の移動であったんですか、軍事演習であったんですか、どちらなんですか。提供区域外に天候不良で過って入ってしまったという問題とは別ですよ、私が聞いているのは。
#63
○政府参考人(藤崎一郎君) 今お答えしましたとおりでございまして、施設・区域間を移動しようという目的のもとに行動されたわけではなくて、当日の悪天候によります視界不良のために航行が過って施設・区域の外に及んだということと承知しております。
#64
○照屋寛徳君 そうすると、地位協定五条で認められている施設間移動には今回は当たらない、こういうことですね。
#65
○政府参考人(藤崎一郎君) 今回の航行というものが施設・区域の移動ということに当たるかどうかということの御質問でございますが、そういうことを目的としたものではなくて、繰り返しになって恐縮でございますが、過って施設・区域の外に出てしまったというふうに認識しております。
#66
○照屋寛徳君 外務省はいつもそういうふうに酢のこんにゃくだのと言ってまじめに対応しないから県民の怒りを買うんです。漁民の皆さん怒っていますよ、おとなしい漁民が。漁場というのは漁業者にとっては財産権なんです。そんなことじゃだめですよ、外務省は。施設間移動でなければ、そんなこともっと強くアメリカに要求せぬといけないでしょう。
#67
○政府参考人(藤崎一郎君) 繰り返しになって大変恐れ入りますが、ただいま申し上げましたとおり、私どもとしてもこれは重大な問題であると認識いたしまして、直ちに米側に対して、かかることが起こったことは極めて遺憾である、こういうことが再発することがあってはならないということを申し入れたところでございます。
#68
○照屋寛徳君 最後に、施設庁長官、漁場破壊に対する補償、これは調査をされた上で速やかに行われるでしょうね。
 それからもう一点、せっかく開発庁長官おいででございますので、私はちょっと外務省に腹が立っているんですが、沖縄を担当される開発庁長官として今回の件、私は、サミットをもう目の前に控えて、こういうことをきちんと政府が対応しなければいかぬと思うんですよ。御決意もお聞かせいただければありがたいと思います。
#69
○国務大臣(青木幹雄君) 内容がたとえ過ちであったにしろ、漁民の皆さんに大きな不安を与え、大きな損害を与えたという事実は間違いのないことでございますので、そういう観点に立ってやはり外務省としてもこういう問題が起きたときには米側に対して強い態度で臨むのが私も当然だと考えております。
 ただ、詳しい本当の内容については私もよく承知しておりませんので、ここでコメントする立場にはございません。
#70
○政府参考人(大森敬治君) 御指摘の補償の点に関しましては、私ども誠意を持ってやらせていただきたいと思いますし、関係の漁協の皆様とお話をさせていただきつつ、また現場を十分私どもも調査をさせていただきまして、適正な補償を速やかに実施したいというふうに思っております。
#71
○照屋寛徳君 終わります。
#72
○堂本暁子君 参議院クラブの堂本暁子です。
 まず、沖縄振興開発金融公庫は沖縄の産業の開発促進を目的としていますが、沖縄の豊かな自然環境への十分な配慮が本土以上に求められているというふうに思っております。しかし、平成十二年度の業務運営方針を見ると、サミットを控えて新たな振興開発の段階を迎えている中で環境面に対しての配慮が一切触れられていない。そして、方針そのものが公表もされていないということです。その点、日本政策投資銀行の業務運営方針は、毎年業務報告に掲載され、そして環境面についてどういう部分に重点を置くかということが明確に触れられているんですね。
 沖縄振興開発金融公庫も、今後環境面への配慮を明確に記述して、業務運営方針を毎年きちっと公表すべきだというふうに思っておりますが、長官の御所見を伺いたいと思います。
#73
○参考人(八木橋惇夫君) 先生ただいま御指摘になりましたことでございますが、環境保全に対する配慮を十分行うべきであるということは当然のことでございまして、私どもは業務方法書によりまして、沖縄振興開発計画を基礎に、それを基準にしながら業務運営をするという前提になっておりまして、政策投資銀行の場合は融資方針というのを毎年度定めるということで、若干法制面の違いはございます。
 ただ、先生が御指摘になりましたように、業務運営方針そのものにも書くべきじゃないかという御議論は確かにあろうかと思います。私どもは、振興開発計画におきまして環境配慮を行うべきであることは十分に書き込まれておるものですから、再度業務運営方針に書き込むということは従来してまいりませんでしたけれども、再度それを書くべきであるという御議論はあろうかと思います。検討させていただきたいと思います。
 それからもう一つ、業務運営方針について公表すべきであるという御議論でございます。これにつきましても、今政府の方で特殊法人等の情報公開について鋭意検討中であるというぐあいに聞いております。政府の方針が固まり次第、私どもはその方針に従って情報公開の推進に取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
#74
○堂本暁子君 今は環境アセスはもう常識だと思います。世界の常識です。G8サミットを開こうという沖縄で環境影響評価すらしない日本というのは、これは世界じゅうからやはり軽蔑されると思うし、一体日本は何をしているんだということになると思うんです。ましてや情報公開というのも同時にこれは当然のことというふうに思っておりますので、そこはぜひとも、検討ではなくて、今後その方針で行くというぐらいのことをはっきりおっしゃっていただきたいけれども、おっしゃれますでしょうか。
#75
○参考人(八木橋惇夫君) 若干、環境影響評価の問題につきまして先生お触れになりましたが、それをすべきことについては当然すべきです。ただ、私ども沖縄開発金融公庫の仕事をやっておりますのは、産業開発資金から、本土におきます国民金融公庫の資金、年金福祉事業団の資金、それから住宅公庫の資金といったものを総合的に扱っているわけでございます。
 産業開発資金の面で環境評価を行った上で事業をすべきものは先生おっしゃるとおりにこれは当然のことでございますし、私どもは政府がやっております環境基本法、環境基本計画、また沖縄振興開発計画、そのもとにおいて仕事をさせていただいているわけでございますので、それにのっとった仕事を誠実にやってまいりたいというぐあいに考えております。
#76
○堂本暁子君 今の答弁は、全然そらしておしまいになった。私は、今後はきちっと毎年の業務計画の中に入れるかどうかということを一言で、検討ではなく、そっちの方向でやるということがお答えになれるかどうか伺ったわけで、回りくどい御答弁ではなくて、ずばっと答えられますか。答えられないのでしょうか。
#77
○参考人(八木橋惇夫君) 融資を行うに当たって環境配慮を十分行うべきであるということは書けます。
#78
○堂本暁子君 はい、わかりました。結構です。
 では、今後はきちっと毎年ぜひとも書き込んで、公表もしていただきたいというふうに思います。
 次に伺いたいのは、公庫の仕事の中で自然公園のようなものもございます。自然動植物公園というのがつくられたけれども、何かこれを業績不振で会社が解散したり、そしてまたそこに公庫が五千万円を融資したり云々かんぬんというのがあるそうですが、このことについて質問しようとは思っておりません。
 むしろ、こういった人工的な施設をつくってその中に自然の一部を封じ込めるような、そういったようなやり方よりは、もともと沖縄は豊かな自然のあるところなので、維持コストもかからない、自然を体験できるような、そういった形で自然を残すべきだろうというふうに思っております。
 そういった中で、広大な在日米海兵隊の北部訓練場の一部返還に伴う北部の国立公園は大いに期待されるところなんですが、国立公園の中をどういうふうに、どこを観光に利用するのか、ゾーニングをどう進めるかということが今大変重要な問題になっておりまして、豊かな北部の自然を、持続的な利用という観点から、どのように保護し活用していこうと検討していらっしゃるでしょうか。
 これは環境庁の自然保護局長と、それから沖縄開発庁長官に伺いたいと思います。
#79
○政府参考人(松本省藏君) 沖縄本島北部の国立公園化の検討状況あるいはゾーニングの考え方についての御質問かと思います。
 環境庁では、今お話のありました北部訓練場の一部返還というのが予定されているわけでございますが、それを契機といたしまして、山原地域の自然保護と、結果としてまた地域振興にもつながってくると思いますが、それを図るために、国立公園指定を念頭に置きながら平成八年度から自然環境などの調査を実施してきております。特に、平成十年度からは地元の有識者の方々を含めました検討委員会を設置しておりまして、今後とも地元の方々の御意向も伺いながら国立公園指定に向けて調査を実施していく考え方であります。
 また、ゾーニングにつきましては、現在そういうような事前の調査をやっているところでございまして、現時点ではまだ決まっておりません。今後、詳細なゾーニングにつきましては、地元とよく協議をしながら検討していきたいと考えているところでございます。
#80
○国務大臣(青木幹雄君) 議員今おっしゃいましたように、沖縄本島北部の山原地域は亜熱帯性の自然林に覆われて貴重な生態系を擁する地域と認識いたしておりまして、ただいまお答えをいたしましたとおり、国立公園の指定に向けて自然環境等の調査を前向きに進めているところでございます。できる限り早い時期に結果を出したい、そういうふうに考えております。
#81
○堂本暁子君 私もできるだけ早く行ってみたいと思っているところなんですけれども。
 前回、ヘリパッドを七カ所北部地区に移転する計画があると。防衛施設庁は三月中にも報告を出すということで、四月二十一日の当委員会での官房長官の御答弁ではまだ調査中ということでしたが、まだこれは環境影響評価の結果は出ておりませんでしょうか。
#82
○政府参考人(大森敬治君) お答えいたします。
 防衛施設庁で、平成十年十二月から北部訓練場返還予定地になっております場所を中心といたしまして環境調査また影響調査を実施しているわけでございまして、三月をもちまして調査は終了いたしました。現在、防衛施設庁でその調査結果、予測の分析といいますか評価をちょっとやっておりまして、できるだけ早くまとめたいと思っております。
 いずれにしましても、先ほどから御議論がありますように、北部訓練場の一部返還につきましては、ヘリパッドを移設するわけでございますけれども、自然環境への影響というものを非常に大切にしなきゃいけないといいますか、最小限にとめなきゃいけないということでございまして、この点は防衛施設庁も十分に認識しておりまして、私どもの調査を踏まえまして、また沖縄県ですとか関係のところ、また専門家の方のいろいろな御意見も聞きながらこれは進めていかなければならないというふうに思っております。
#83
○堂本暁子君 ということは、去年七月ですけれども、大森長官は日本応用動物昆虫学会の方たちと岩垂元環境庁長官にお会いになっている。そのときにヘリパッドの予定地の見直しに関する要望書をお受け取りになった。そのときに大森長官は、真摯に受けとめ、専門家とも相談しながら決定したいと、非常に前向きな御答弁をされたというふうに聞いています。しかし、今おっしゃったことを伺いますと、地元の専門家への連絡も何もない、だけれども大体調査はまとまったと。専門家に相談しないで調査をなさったんでしょうか。とても今ちょっと腑に落ちないところなんですが。
 そして、実際に北部の訓練場にヘリパッドをつくる計画なんですか。決めているわけではないと思うんですが、今の御答弁だとそういうニュアンスも持っていらしたと思うんですけれども、専門家ときちっと相談しながら決めたいとおっしゃっていながら地元の専門家とは御相談はなさったんでしょうか、なさっていないんでしょうか。現時点ではどういうふうになっているんですか。
#84
○政府参考人(大森敬治君) 北部訓練場の一部返還につきましては昨年の四月に合同委員会で基本的な返還の方針が決められたわけでありますけれども、そのときに北部訓練場の一部返還につきましてはヘリパッドの移設を条件として返還ということが決められているわけでございます。
 私ども防衛施設庁といたしましては、それをもとに一部返還が実現するように努力しているわけでございますけれども、私、先ほど申し上げましたのは、防衛施設庁として実施しております環境調査、これは平成十年から一年間かけまして実態調査をやり、またそれを踏まえた影響調査というものを実施いたしました。これにつきまして、防衛施設庁としての調査の内容を現在取りまとめるべく作業をしておりまして、なるべく早いうちにこの内容をまとめまして関係のところにも御報告して、先ほど申しましたように、沖縄県を初めといたします地元、また環境庁とかその関係のところと十分調整の上進めていきたい。そのときには当然専門家の方の御意見も聞いて実施いたします。そういうことを昨年の七月にも確かに私申し上げたところでございます。
#85
○堂本暁子君 いや、やはりおかしいですよ。七月に地元の専門家に相談しながら決定しますとおっしゃりながら何も相談しないで、防衛庁はどれだけ昆虫の専門家や植物の専門家を抱えているのかわからないけれども、それは沖縄の地元の専門家が沖縄のことは知っているわけですよ。どういう人が研究し、どういうアセスをしたのか、それはもうぜひ私は見せていただきたい。果たしてそれが信用できるアセスなのかどうかということもちょっとわからないという気すらいたします。
 何か本当におかしいです。専門家と相談して決定するとおっしゃっていながら、実際には専門家と相談しない結果をこれから公表しようとしていらっしゃる。これは本当に約束違反じゃないですか。おかしいです。もう答弁いただく必要はありません。
 これは、去年ですが、アメリカのアカカ上院議員に対してハワイのフルフォード四軍調整官は、最終決定する前に地元の専門家の調査結果を参考にするよう沖縄の司令官に指示すると、こう手紙を書き送っています。当然なんですね。どこの国に行ったって、何で北海道の人が沖縄の調査なんかする国がありますか。そうでしょう。今はっきりしていることは、沖縄の専門家には何ら相談していらっしゃらない、それでまとまったと。これは一体どういうものをまとめているのか私にはわかりません。それで、米軍の方でも地元専門家の意見を聞くということになっているわけですが、同時にもう一つあります。
 世界自然保護連合、IUCNと申します。たまたま今私は日本から初めての副会長に就任しております。この秋、世界大会、三年に一回開くんですが、その世界大会で世界じゅうで一番危ないということに対しての決議が出されるわけですが、その決議にこれが載っているわけです。私は副会長として一体どんな顔ができるんですか、今のあいまいな、何とも言えずあいまいな御答弁で。しかもアメリカの方では、きちんと地元の専門家とも連絡をとってやるということをアメリカの軍の方でさえ言っている、上院議員に報告している。それに対して日本の防衛施設庁の対応は余りにもあいまいじゃないですか。これだったら私は、IUCNの副会長としてはこれに対して日本はこういう責任を持った環境アセスをやっているということは言えないじゃないですか。これは大問題だと思います。
 そして、北部は今長官も言われたように大変豊かな自然のあるところです。日本で残された本当に宝物のようなところですので、何も北部ではなくて中部の訓練場内に建設することだって可能だと思いますが、この点について御答弁ください。
#86
○政府参考人(大森敬治君) 私、申し上げましたのは、若干重複になるかもわかりませんけれども……
#87
○堂本暁子君 重複した御答弁は結構です。
#88
○政府参考人(大森敬治君) 合同委員会におきまして、ヘリパッドの移設を条件に北部訓練場の一部の返還ということになっております。また、現在使われている七カ所の移設ということが前提でございますので、そこで防衛施設庁は、環境への影響を最小限にするということで防衛施設庁の独自の調査を実施したということを申し上げたわけでございます。
 今後、この結果を踏まえまして、さらに地元の方、またその専門家の方の御意見を十分聞いた上で適切にやっていきたいということでおりまして、何も移設場所とかそういうものを既に決定したというふうなことではありません。
 しかし、合同委員会では七カ所の移設を基本的に条件としてやっていく、返還だということになっておりますので、それを踏まえて私ども防衛施設庁としては仕事をやっているわけでございます。
#89
○堂本暁子君 メキシコで三菱が開発した塩田もIUCNが調査に入りまして中止することになりましたけれども、私は、米軍もこういうふうに地元の専門家の意見を聞くと言っている以上、アメリカ側もやるかもしれない。IUCNも実際に、めったにはやらないんですが、いざというときは専門家を、国連の一機関のような形で、例えば世界遺産条約の自然保護についてはIUCNが責任を持っている領域ですが、ユネスコは文化、それでIUCNは自然保護についてやっている領域ですけれども、そういったところが調査に来たときに一体何と言うんですか。去年の七月からことしまで約一年間あったわけですよ。その間に施設庁としては調査をやったとおっしゃる。だけれども、専門家を入れずにやって、これから専門家を入れてやる。そんな二重のことをやるというのはちょっと腑に落ちないことであります。
 私が今伺ったのは、北部ではなくて中部の訓練場内に建設することを検討すべきではないかということを伺ったので、そのことに対しての端的な御返事をいただきたい。
#90
○政府参考人(大森敬治君) 先ほど申し上げましたように、昨年の四月の合同委員会におきまして、北部訓練場の一部返還につきましては、七カ所のヘリパッドを他の北部訓練場の中に移設するということを条件に返還になっておりますので、私どもはそれに従って仕事をしているわけでございます。
#91
○堂本暁子君 青木長官、例えばアメリカ側にやはり自然環境の関係から中部の訓練場に移設することを再交渉することはできないんでしょうか。
#92
○国務大臣(青木幹雄君) 現状において私は非常に難しいことだと考えております。
 ただ、今、議員おっしゃいましたような、やはり地元の専門家の意見をよく聞いていろんな問題を決めていくという約束があったということを伺っておりますので、その約束は約束として非常に大切なことでありますので、施設庁としても当然地元の詳しい専門家の意見を聞きながら、場所等については最終的な決定がなされるものと、そのように私は理解をいたしております。
#93
○堂本暁子君 もちろんアメリカだってIUCNのメンバーです。日本は遅いですけれども、アメリカはもう本当に最初からのメンバーですが、そういったところから科学的に、ここは世界的な自然の遺産とまでいかなくても、壊すべきところではないという、そういった調査結果が出たり、それから米軍の方で言っているように、当然地元の十分な調査が必要だということになった場合に、アメリカがそこまで強引なことを日本にできるのかどうかというのも私は大変疑問だと思います。国際世論の問題もあるかというふうに思っておりますので、そこはもう本当に何が大事かといえば、やはりいかにこれから厳密な調査を、環境アセスをするかということだと思うんです。今までそういった環境アセスを地元の専門家を入れずにやってきたということに大変不信感を抱きますし、余りにも遅い。
 最初から地元の専門家を入れてやるというふうに大森長官はおっしゃったわけですよ、去年の七月に。一年たっているわけです、それから。岩垂元長官に対してそうおっしゃった。にもかかわらず、それをなさらなかったということは大変遺憾だということは申し上げさせていただきます。
 次の質問に移りますが、沖縄本島の中城湾にある泡瀬干潟を埋め立てるという計画があると聞いています。これもいささか時代おくれの公共事業なのではないか、本当に経済効果を生むのかどうか疑問だという気がいたします。ここも藻場があるし、それからサンゴの群集分布が非常に大きいと。ここについても環境影響報告書がつくられて公告縦覧されているんですけれども、それによると、人工干潟の造成などの計画が実際にあって、藻場を移殖するというようなことがあるようなんです。
 こういったような形で移殖を、生えているその藻を海の中で移殖するなどということはもうほとんどできないということが今や専門家の常識になっているんですけれども、開発庁としては追加調査をして、環境影響評価を補正と申しますか、そういったものをもう一回どのように進めていくか検討なさるおつもりがあるかどうか伺いたいと思います。
#94
○国務大臣(青木幹雄君) 私が伺っておる範囲では、多少議員のおっしゃることと違っておりまして、藻場の移殖については専門家の指導、助言を得ながら移殖実験を行っております。これまでの実験結果では、移殖した株は順調に生育をしている、そういうふうに私は聞いておりまして、そういうことから考えますと、移殖は可能であるというようなことを私は今までの調査実験から聞いております。
 ただ、それはそれといたしまして、本当にそれで十分なのかという調査は今後とも継続して実施していく必要は当然私も同感でございます。
#95
○堂本暁子君 青木長官は藻の専門家じゃないし、私も藻の専門家じゃないものですから、この辺はもう少し厳密に、現場へでも行って、私の聞く限りでは大変海の中の植物の移殖は難しいというふうには聞いております。滋賀県へ行ったときも、アシを移殖したけれども思うところにアシは生えてくれない、生えてもらっては困るところに生えると言っていらっしゃいましたが、やはり自然はなかなかそう人間の思うようには動かない、試しに植えて大丈夫でも実際には大きく動かせない。しかも、今さらこういった開発をすることがいいのかどうか、やはりどうしてもそういうことをすれば沖縄県の中でいろいろ問題が起こってくるんじゃないかというふうに思ったりもいたします。
 次に、沖縄全域における赤土対策について、機構改革で県の土木部と農水部の赤土担当が廃止されるか、県と対策会議の成果をどういうふうにこれから実行していくかということを伺いたいと思います。
 もう時間だそうですので、これで終わらせていただきます。
#96
○国務大臣(青木幹雄君) 今の赤土対策についてでございますが、先生がおっしゃりたいのは、平成十二年の機構改革で、沖縄県の土木建築部と農林水産部を含めた関係がいろいろ機構改革の中で変化をいたしておりまして、その中で引き続き赤土担当の職員が配置されておりますので、私は対策に今後支障があるようなことはないと、そのように考えておりますし、そういう中でしっかりと対策をやっていきたいと考えております。
    ─────────────
#97
○委員長(立木洋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鎌田要人君が委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉君が選任されました。
    ─────────────
#98
○委員長(立木洋君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#99
○委員長(立木洋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 笹野君から発言を求められておりますので、これを許します。笹野君。
#100
○笹野貞子君 私は、ただいま可決されました沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。
 一、沖縄振興開発金融公庫においては、今回の法改正の趣旨を踏まえ、二十一世紀を迎える沖縄の経済振興や社会開発に対し、総合的な政策金融機関としての役割を十分に果たすよう努めること。
 二、沖縄振興開発金融公庫の融資等に当たっては、償還確実性の原則の趣旨等を踏まえ、財務の健全性の確保及び適正なリスク管理に努めること。
 三、沖縄振興開発金融公庫の業務運営については、民業補完の原則を踏まえつつ、今後とも、沖縄をめぐる経済社会情勢等の変化に対応して適切に改善するよう随時検討するとともに、効率的かつ効果的な業務運営に努めること。また、同公庫の出融資に当たっては、民間金融機関等との協調及び連携の確保に努めること。
 四、沖縄振興開発金融公庫においては、政策金融の政策効果等についても、政府機関としてアカウンタビリティの確保に努めるとともに、財務内容の透明性の一層の向上を図るため、ディスクロージャーの更なる充実に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#101
○委員長(立木洋君) ただいま笹野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(立木洋君) 全会一致と認めます。よって、笹野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、青木沖縄開発庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。青木沖縄開発庁長官。
#103
○国務大臣(青木幹雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえ、十分配慮してまいります。
#104
○委員長(立木洋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(立木洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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