くにさくロゴ
1950/12/02 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第5号
姉妹サイト
 
1950/12/02 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第5号
昭和二十五年十二月二日(土曜日)
   午後一時三十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (地方財政緊急対策に関する件)
 (教育費確保に関する件)
○地方公務員法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 先ず御報告を申上げます。昨日議決をいたしました要望事項につきましては、当委員会の決定に基きまして本日午前十一時四十分、参議院議長及び事務総長に面会いたしまして議決になりました要望事項を書面で手渡しをいたしました。成るべく速かに決定の趣旨の実現方について適当な措置を講ぜられるように要望いたしました。なお続いて予算委員長の波多野君に面会しまして、要望事項を手渡し、特段の配慮を煩わしました。いずれ予算委員会においては適当な時期に私からその趣旨の説明をしてくれということでございました。これは予算委員長と打合せましてその運びにいたしたいと思います。右御報告を申上げます。
 尚本日午前中連合委員会の最中でありましたが、参議院の堀越文部委員長から地方行政委員長宛に、教育費確保に関する件という書類を手渡しを受けました。その趣旨とするところは、教育費確保に関する件について左記のように文部委員会全会一致申合せをしたから、これに対して造かに善処せられるように切望いたします。つまり地方行政委員会が善処するように要望すると、こういう意味だろうと思います。それは、
一、義務教育に従事している地方の教員に対する、昭和二十四年年末手当の半額七億二千七百四十三万三千円は、義務教育費國庫負担法により当然政府はこれを負担すべき義務を持つているにもかかわらず、今期國会提出の補正予算において計上されていないのは甚だ遺憾とするところである。政府は造かにこれが予算を地方財政交付金は別途に計上し、地方に交付すべきものと認める。
二、級別推定表に基き地方公立学校教職員の俸給を改訂し、これが実施をするに当り必要とする四億九千百万円の財源は立法の趣旨に鑑み、政府において地方交付金の増額によりこれが確保を図るべきものである。然るに今期政府提出の補正予算案中にはこれが計上されていないのは遺憾とするところである。政府は速かに地方財政交付金中に右の財源に充て得べき経費を計上すべきものと認める。
 以上でございます。これにつきまして当委員会の措置をどうすべきか、皆さんにお諮りをいたしたいと思います。
#3
○堀末治君 これは如何でございましようか。すでに当委員会におきましては昨日同趣旨の要望書を作つて議長を経て適当な措置を講ぜられるように要望しておる次第でありまするから、これは当委員会でこのままお預りをして置くということの軽い処置をとられたら如何でございましようか。
#4
○委員長(岡本愛祐君) 只今堀委員からこれを当委員においていろいろ論議を尽して、而も要望事項を決定して議長並びに予算委員長に対して適当な措置をすることを申出てやつたのだから、このままで受けて置いていいじやないかという御意見が出ましたが……。
#5
○竹中七郎君 只今の堀さんの御意見も御尤もでありますが、やはり受けたのでございまして向うでも相当強い御意思があつてかようになされたのでございますから、我々の方の処置を口頭でもいいから委員長から、我々はこういうふうにしたからこれはお受取りだけをいたしておきます。こういうような親切を尽して差上げた方がいいじやないか、かように考えますが如何でしようか。
#6
○西郷吉之助君 この取扱方法ですが、地方税の場合にも各常任委員長から修正案を出した場合に、一応委員長から事情を聞き、そして最後にそういうものについて全員に諮つた例もあるので、今質問最中ですから、今諮るのもいいと思いますけれども、成るべく皆さんが顔を見せた席上で諮るようにして、それは質問の後に記載の問題等もありますけれども、今度は昨日出したあの取扱方を政府がどうするかというふうなことと見合つて、これを後ほど討議する、それも今日に限りませんが、質問でも終つた頃、委員長から受取りましたが、その取扱をどうするかというふうなことは、昨日出したこちらの要望に対する政府の出方、そういうものを勘案しましてやつたらどうかと思います。さつき堀君が言われたように、大きい意味で言えばそういうふうなこちらの要望の費用はあの中に当然入るのだと思うが、政府が但しどういうふうに出ますか、これを見た上でそれに対処する場合にこの問題も併せて考えてはどうかと思うのですが。
#7
○委員長(岡本愛祐君) 外に御意見ございませんか。それではこういう只今の皆さんの御意見を総合いたしまして、こういうふうに取計うことにいたしたらどうでございますかお諮りをいたします。この文部委員長から出て来ました教育費確保に関する件は、もう当委員会におきましても相馬委員、小笠原委員からすでにしばしば政府当局に質問され、いろいろ御意見出たのでありまして、それを十分考慮いたしまして昨日当委員会においても要望事項を決定いたしたのであります。それで先程も御報告申上げましたように、それに基いて議長なり予算委員長に当委員会の要望事項を書類で送付いたしたのでありますが、なお地方財政の緊急対策につきまして、地方財政委員会において大蔵省から出ました書類について審議することが残つておりますから、この文部委員長からの送付の件は暫くこのままにして置きましてそうしてもう少し審議が進みましたあとで、もう一度処置する必要があるかどうかお諮りし、今日は一応報告にとどめて置いたら如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(岡本愛祐君) じやそういうふうにいたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(岡本愛祐君) それでは地方公務員法案の予備審査に移ります。今大臣は直ぐ出ますが、質疑を継続いたします。御質疑の方は御質問願います。
#10
○中田吉雄君 このたび國会に提案されました地方公務員法が吉田内閣の案として出されたわけでありますが、従来の慣例からいたしましても、我が國は占領下であるということから、この法案がここに上程されるまでには関係筋といろいろ折衝されたいきさつがあると思うわけであります。そういう点から考えまして、この六十二ケ条の中のどういう点を関係筋が最も強く法案の中に織込むことを主張したか、更にどことどこを特に吉田内閣において強く法案に織り込むように主張したか、全文に亘つて大体どことどこが関係筋の強い要請によるものでありどことどこを吉田内閣において織り込んだかということを一つ知らして頂きたいと思うわけであります。
#11
○政府委員(鈴木俊一君) 関係筋とのいきさつにおきましてどういう点を特に強く先方から主張があり、こちらから主張したかというような趣旨のお尋ねでございます。昨日小笠原委員の御要求にございました資料をお手許に配付し、差上げたと思いますが、それに若干そういうようないきさつがございますので、それに基いてお話を申上げたいと思います。
#12
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとどめて下さい。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#14
○中田吉雄君 只今の鈴木政府委員の御説明によりましてこの法案がまとまつた背景がよく分りまして非常に参考になつたのですが、二ページの政治活動の制限につきまして、(1)(2)(3)は政府の態度は最初から一貫しておつたということを申されたのですが、この点は特に吉田内閣において強く主張されたのであると了解して誤りありませんか。
#15
○政府委員(鈴木俊一君) この政治的行為の制限につきましては、この一月三十一日以前の段階におきましていろいろの案がございました。その一つは、國家公務員法並びにこれに基く人事院規則に規定する政治的行為は一切地方公務員はやつてはいけない、こういう案がございます。これが実は関係筋側……ちよつと速記を……。
#16
○委員長(岡本愛祐君) 速記をとどめて下さい。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(岡本愛祐君) 速記をつけて下さい。
#18
○中田吉雄君 岡野國務大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 地方自治の振興と確立のためには、結局その担い手でありますところの地方公務員の質の如何にかかわると思うわけであります。そういう点で今回御提案になりました近代的な民主的な公務員の体制を確立されようという点につきましては、我々としましても趣旨におきましては非常に賛成するわけでありますが、私の見ますところによりますと、この公務員の体制の確立と共に、或いはこの確立よりもつと地方自治の振興と発展のために考えなくてはならん基本的な問題があると思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。それは一つはこの知事選挙が、知事の制度が従来のような官選から公選制度に移りましたために、従来の地方庁の公務員の諸君が或る意味では希望を失つたということが考えられるわけであります。公選制度がとられます以前におきましては、例えば東京帝大であるとか京都帝大であるとかいうような、高文をとりました最も優秀な分子が、例えば大蔵省と内務省に最も優秀な分子が就職すると言われておるように、だんだんと一職員から課長に、部長に、そうして知事にというふうに一つの大きな登用の制度がありましてそういう制度が優秀な人材を地方庁に非常に確保できおつたわけであります。ところが今度選挙制度になりましたために、せいぜいとまるところは部長である、なかなか副知事になるには議会の承認を要するというようなことになりまして私は現在最も問題になる点は、地方庁にそういう高い希望を持つた優秀な人材が入らんということが非常に大きな欠点であります。その一点と。更に地方自治が確立されましてから、特に内務省が解体いたしましてからこの人事の全國的なプ―ルができない、こういう点におきまして、大学のある所でありましたら別でありますが、例えば東京や或いは仙台、福岡、或いは京都というような所でありましたら最寄りに立派つな大学がありますから、その附近の人でも高い教育を受けた人が就職いたしますが、田舎のつ府県におきましては殆んどそういうことができないわけであります。従つて我々が地方庁を見ました場合に、田舎の府県におきましては殆んど徒弟制度のように、せいぜい中学校を出たような人がだんだん叩きして、庶務主任から課長になるというような制度でありましてこういう欠点、先に申しましたように知事が官選から公選に移つた点と、内務省が解体されまして人事の全國的なプールができないということによつて非常に地方には人材が欠乏いたしまして、何も高文を取つた、高い大学を出たばかりがすべてではありませんが、そういう将来性のある人が殆んど地方庁にはない、私の調査したところによりますと、或る府県におきましては高等文官の試験を通つた課長は一人もないというように人材が払底しております。従つて私はこの法の実施を見ましても、そういう欠点は除かれないと思うわけであります。結局素質の非常に低い人にただ平均的な公正な登用制度をとるといつても、先にも申しましたような欠点が除かれないと思うわけであります。従つて私はこの法案と同時に、或いはこの法案に優先いたしまして公選制度から、知事が公選されるような制度をとつたことによつて若い世代の人がこういう方面に魅力を感じない、更に内務省が解体して人事の全國的なプールができないという欠点を是正して、併せてこの法の実施を見なくては、私は地方自治の確立は言うべくして殆んど不可能であろうと思うわけであります。一こういう点につきまして岡野大臣はどのようにお考えでありますか、お伺いしたいと思います。
#19
○國務大臣(岡野清豪君) 中田委員の御質問にお答え申上げます。
 成るほど知事が公選になつたために県庁に勤めておる役人が選挙でなければ知事になれない、即ち昔のように累進的に知事になれないということにおいて魅力を失うということになつたことは、これはお説の通りでございます。併しその魅力を失つたということと、それから民主的な都道府県を自治させて行くということの大昔な自治確立という問題とは天秤にかけて見なければならないと思いますから、今一概にこれは議論を決定する時期はなかろうと思います。
 それから人事の交流ができないものですから、人材がうまく配置できないだろうというこういうお説も至極御尤もであります。この辺は無論よく考えなければならんところであると思います。それで私はこの公務員法を作りつつありますから、私の個人の意見ではございますが、こういうふうに日本の将来というものを考えておるのでございます。と申しますことは、或る学者のかたが地方自治団体に対しては昔といえどもやはり人材が集らないのだ、今後地方自治に優秀なる人材を集めようとしてもこれは望み薄すだからというようなお話もありましたけれども、併し私自身といたしましてはそうは考えておらないのでさす。と申しますことは、御承知の通りに日本は領土の約半分を失つております。そうして人口が今八千万人おる。そうしてこの経済が元のありし日の日本になつて来るのはなかなか容易なことではなかろうと思います。併しながら八千万の國民は何かに職を求めなければ食つて行けないのでございます。でございますから、恐らく地方自治団体に従事する公務員といえども、やはりこれは自治が発達すればする程サービス行政というものは殖えて参りますから、即ち人に職を与えるという意味において就職口の一番いいプールだりろうと思います。そうして若しほかの経済界が非常に発展しまして、財界にどんどん人が流れて行つて、優秀な人が呑まれてしまうだろうという時期は相当将来のことだろうと思いますし、又中央政府といたしましても、戰時以来統制が拡張いたされましてそのために國家公務員が非常に増加したということでございますけれども、御承知の通りにもう軍國主義を放擲して、軍事並びにそういう方面に対するところの拡張はなくなつた次第でございますかりら、中央政府といたしましては人を入れる余地はなくなつたわけでございます。でございますから、我々八千万の國民が財界に進出しようと思つても行く場所は余りないし、中央公務員になろうと思つてもそう入れる余地はない。こういうことになれば恐らく人材はは入り易いプールのところに入つて行くだろうとこういうことを、私は長い将来、この日本が元の昔の優秀な國になるまでの間はやはり就職口を求めて、國民は皆四苦八苦することだろうと思いますが、私はその点においては余り摩れをいたしておりますん。併しながらまあ人情の常といたしまして、中央の都市とか、東京、大阪というような方面に職を求めて入りたいというのは人情の常でございますから、これはまあいたしかたないといたしましても、併しそういうふうにして地方の公務員となつた人が素質が惡いとか、いい人が行かないということに対しては、或いは御懸念のようなこともないとは限りませんから、私自身といたしましては一個の考えを持つておりまして、実は自治大学というものを私は構想を持つております。その自治大学ということはどういうことかと申しますと、地方の公務員を再教育する。即ち近代的の自治行政を行なつて行くのに必要な素質を与える、知識を与える、こういうようなことを先ず第一にし、同時に将来地方公務員としてやつて行きたいという有為な青年があるならば、そつの自治大学に入学させてそうして教育させて行こう。それには地方公共団体が無論その費用を出し、即ち昔あつた高等師範学校のように官費でやる。その官費は地方自治団体が一部分やりますけれども、併し私自身といたしましてはこれは日本の画期的な政治の変革でございますから、そのよき日本を作り上げるためにはやはり相当にアメリカが今援助をしてくれでおるのでありますから、アメリカも片棒を担いでくれたらよかろうというような構想を持ちまして、或いは見返資金がその日その日ただ生産力の拡充というようなことによつて使われてしまうよりは、そういうような日本の運命を発達させて行くと、いうような方向に見返資金が使われたらよいだろう、こういうような考えで初め構想を起したのであります。幸いにしまして、只今のところ或るアメリカの有力なる団体がこれに応援してやろうというような一つの光明が現われて参りました。私自身といたしましては、その自治大学をアメリカから有力なる財団の援助を受けて設立し、そうしてその自治大学において先ず今まで古臭かつた封建的の行政をしておつた地方公務員の優秀なるものを再教育するという機関に使い、同時に新らしく自治行政に携つて國家に奉仕しようというような青年をそこに入れましてそうして若しできるならば世界各國の自治行政も視察さして行くというふうにして、中央の官庁に務めているよりは、地方自治の行政に携つている公務員は、若し本当に勉強するならば世界各國の自治行政まで視察ができるというような魅力ある大学にして行きたい。こういうものを一つ構想しておりまして、そういうことで自治行政をますます発展させて行きたい、こう考えておりますので、人事の問題につきましては、まだほかにも考えておりますけれども、具体的に歩を運びつつある一つの構想は只今申上げましたようなものでございます。まだほかにいろいろ考えておりますけれども、これはまだ具体的になつておりませんから、申上げられません。
#20
○中田吉雄君 地方公務員の養成機関を建設したいという構想につきましては、私も全く同感というより、賛成の意を表するものですが、八千万の人口がこの狭い領土におつて工業の方面にもさして雇用の機会がないから、優秀な人材が相当いる筈だというお考えに関して異論があるわけでありますが、これにつきましては、ここで議論をしてみても仕方がありませんので、今日は駄目だと思いますが、私は地方のこの自治体がどういう人によつて担われているかということを知るために、鈴木政府委員に、今日でなくてもいいのですが、お願いしたいと思うのですが、各県別に部課長の学歴、その他資格等の統計表でもありましたら、一つ今日でなくても結構ですから、少くとも自治庁としてはそのぐらいのものは整備されてあると思いますから、今國会中に一つ各県別に、例えば中等学校、高等学校、大学、或いは高文の有資格者というような一つの一覧表を作つて御提出をお願いしたいと思います。
#21
○政府委員(鈴木俊一君) 折角の御要求でございますから、できるだけ御趣旨に副うて用意いたしたいと存じまするが、なかなか中学校の辺まではわかりかねると思いまするので、今私どもが手許にございまする資料でわかりまする最大限のところで一つ御勘弁を願いたい。そのいう趣旨で数日のうちに差上げたいと思います。
#22
○高橋進太郎君 今中田委員の質問に関連いたしまして、一言岡野大臣にお聞きしたいと思いますが、今中田委員から言われた通り、実際地方行政の実態を見ますというと、各県相互間の人事の交流というものは先ず非常にむずかしいということ、それから中央地方を通じての人事の交流というものは、殆んど不可能になつたというところに非常にせめて地方団体が一団となつておりますならば、相互的な交流ということもできるのでありますが、内務省が廃止になり、その間において何ら人事交流についての調整する機関がなくなつたわけであります。従つて恐らく中田委員の質問もそうであろうと思うのでありますが、要するに政府はそういう意味から申しまして、今回國家公務員法に準ずる地方公務員法を作るのでありますから、従つてこういう一方においては人事の交流で常に新らしい新鮮なる空気を入れるという意味で、将来自治庁とかそういうようなところで、この人事交流その他についての調整機関というものを十分考えて頂けるかどうか、その点をお伺いしたいと思うのであります。
#23
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。
 現状においては現状の通りの制度でございまして、お説の通り人事の交流はできないのでございます。併しながら私はやはり中田委員、高橋委員の仰せの通り、人事の交流ができることが人事刷新の意味においても非常によくなるし、これは延いては地方自治行政が革新されて行くという意味において大きな意義を持つものとこう存じます。でございますから、将来元の内務省のようなものがあつて然るべきだという御議論は一応肯けますが、併し只今のところではこの通りの制度でございますから、人事交流に対しては至難に考えております。でそれを考えましたから、私どもとしては自治大学というものを作りまして、そうしてその自治大学の中にはいろいろの事業部を分けて置いて、私の構想を申しますれば、病院も置くし、それから図書館も置くし、自治研究所というものを置くし、又地方団体の世話をする指導的な事業部も置きまして、そうして人事のお世話もする、こういうこともいろいろ詳しく申上げますれば構想の中に入つておるのでございます。でございますから、今の現制度における自治庁と地方公共団体との欠陥を、その自治大学の各種の事業においてこれを一つ幾らかでも実質的に直して行きたい、こういうことが私の念願でございます。併し地方制度と中央制度との繋りの関係をどうするかということは、これはまあ将来の問題で制度の大きな改革でございますから、只今私から御説明申上げる具体案は持つておりません。
#24
○中田吉雄君 今のに関連いたしまして私もお伺いいたしますが、今の自治庁の存在につきまして、私は自治庁がそういうことをやる権限はないと思うんですが、それを何とか拡大と申しますか、大学が今人の交流その他をやるということをちよつと考えられる、又は推薦するというような形になると思いますが、その点につきましてはどういう構想がおありですか。
#25
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは法的のなにじやございませんで、ただ大学の中に人事の世話をするというような一つの事業部を置きましで、そうしてまあ教育をするかたわらその教育をした効果を狙つてあちらこちらと推薦をしてやつて行きたい、こう思つております。今までそうじやありませんか。自治庁で地方の御依頼を受けてそうして人のお世話なんかはしておるようなこともしておりますから、法的にはいけませんけれども、実質的にそういう方向を進めて行きたいと思います。皆さんの御説そ通りなんでございますが、その欠陥を幾らかでも補うべき意味において、そういうことを考えておるというわけでございます。
#26
○高橋進太郎君 岡野大臣が折角自治大学の構想をお話になつたので、これは誠に私も適切なるお考えだと思うのであります。ただ問題はその自治大学でそれらの養成された人が各府県に配属になつて、今の各府県ごと、或いは各町村ごとのその吏貞の素質が向上するということは考えられるのですけれども、それが相互間に更に交流し得るような制度が欠けておりますれば、これは丁度仏を作つて魂がないんじやないか。従つて大学の構想までお考え頂いているんですから、一歩進んで更に自治庁を拡大強化されまして、そういう構想の下にそのお考えを更に発展されて整備される御構想がないのかどうかお伺いいたしたいと思います。
#27
○國務大臣(岡野清豪君) これは私は構想を持つていないわけでもございませんけれども、何分講和会議でも済みました後に実現しなければならんと思つておりますから、御了承を願います。
#28
○竹中七郎君 実は議事進行に関するようなことになりますが、私もこの条文の中に入りましてからいろいろ御質問申上げたいのでございますので、先ず条文からずつとお進めになりまして、その間一般的なものもお進めになつて御進行になつたら如何かとかように考えますので、皆様にお諮りを願いたいと思います。
#29
○委員長(岡本愛祐君) 只今竹中委員から議事進行の御発言がございまして、各条文について逆上審議をしつつ、一般質問を兼ねて進行したらどうだろうかという御提案でございます。過般の一応の審議日程におきましては、六日の午後から逐条審議をすることになつておりましたけれども、七日の午前は連合委員会にとられてしまいますような関係もありますので、若しそういうふうに御変更願えればそのほうが結構じやないかと思いますが、御意見如何ですか。
#30
○中田吉雄君 大体それでいいと思いますが、併し特に私どもとしては、逐条審議の中に一般的な問題も十分取扱う機会を与えられるということを条件にして一つ賛成します。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(岡本愛祐君) それじや御異議ないものと認めましてそのようにして進行いたします。勿論各条に関連して一般質問をお願いして結構と存じます。それでは第一章総則から各条について御説明を願います。
#32
○政府委員(鈴木俊一君) 第一章の第一条でございますが、これはすでに提案理由の説明の際に申上げたと存じますが、「この法律は、地方公共団体の人事機関」からずうつと二行目の終りのところの「団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより」、こういう中に書いてありますことが、この法案の大体を簡單に尽して表現いたしたわけであります。こういうような手段によりまして、「地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする、」こういうふうに言つておるのであります。要するに、狙いはこういう人事行政の法律を確立いたしまして、行政の一方において民主的であり、一方において能率的である運営を保障するその結果として地方自治の本旨の実現に資する。こういうことを謳つたわけでございます。
#33
○委員長(岡本愛祐君) 第一条について御質疑願います。
#34
○相馬助治君 只今の鈴木政府委員の御説明で、この法律の目的というものがはつきりするわけですが、私どもがこの地方公務員法の審議に当つて常に考えて見なくてはならないことが一つに、この法律の親法案とも言うべき國家公務員法というものが先に成立しておるというこの現実です。國家公務員法が成立いたしますときにもいわゆる民主的にして能率的な運営をさせるために諸般のいろいろ規定を設ける一方、その國家公務員の福祉及び利益の保護というものは十分行われる、こういうことが規定されて百二条の政治活動の制限というようなものも現われて参つたわけでありまして、これは法律の体裁から言つても内容から言つても、当然この二者がバランスがとれて行かなかつたならば、この法律の意義というものはまるきり反対な方向に行つてしまう。いわばこういう法律を成立せしめた意図とは全然逆の結果が生れるということを思いみなければならんと思うのです。そこで國家公務員法によつて國家公務員はいろいろな点において制限を受けております。その第一の問題は例の政治活動の制限です。それで國家公務員がストライキをやつてはならんとか、或いは政治的中立は飽くまで保有しなければならんということは理の当然なのですが、それに見合つて國家公務員のごの給与その他の福融及び利益の保護というものが行われなくちやなうん。ところが御承知のように人事院という用のができて、これを法律の上では十分に保護すると言いながら、その人事院の勧告というものが法律としての強制的な権限を持つていないために、勧告はした、併し政府の財政的都合によつてそれは受入れられない。こういうことがしばしば今まで行われて参つたわけであります。従いまして、これを國家公務員の立場から見まするというと、制限される面だけはもう十分制限され保護される面は案外保護されていないという現状を生んで来たわけです。この一つの事実を思い合せてこの地方公務員法を考えてみたときに、一体地方公務員の福祉及び利益の保護ということについて、この原案を出した政府としてはどれだけの自信を持たれておるか。こういう点について概略の御説明を伺いたいと思うのです。勿論逐条で……、後でこの条項の所でこの問題が問題となりまするので、総括的で結構ですから、その点お伺いしたいと思います。
#35
○政府委員(鈴木俊一君) 広い意味で地方公務員の福祉及び利益の保護をどういう点で図つておるかというお尋ねでございますが、先ず簡單に申しますと、この分限、懲戒というのがやはり身分を保障する意味において最も根本的な利益に関係があるわけでございますが、この分限、懲戒は必ず法律に書いてあるか、然らずんば法律に代る条例で事由なり手続なり効果をきめなければならん、こういうふうにいたしておりまして、その意味で勝手に任命権・者が首切ることができない、こういうことにいたしております。そういう点は身分の保障を厚くしております。又懲戒処分につきましても、同様にすべてこれはその事由、手続、効果等を法律並びに条例でやるごとにいたしております。それからなおこの勤務時間その他の勤務条件に関しましては、積極的に例えば俸給を上げて貰いたい。こういう行政措置の要求を職員が人事委員会に対してすることができるようにいたしております。人事委員会はそれを審査いたしまして、自分がやるべきことは自分でやるし、他の機関がやるべきものに対してはこれを勧告するというようなことを考えております。又不利益処分の審査というような制度も、懲戒処分等につきましては同様のことを考えております。なおそのほかにいろいろ恩給の問題、或は共済の問題、公務災害の補償の問題というようなことをそれぞれ考えておりまするが、労働基準法という職員の勤務条件の最低を定めておりまするようなこの法律案、労働法の範囲ではございますが、これは公務員法の性格に反するものではありませんので、これも適用するようにいたしたい。そのような各種の手段によりまして職員の利益を確保する次第であります。
#36
○相馬助治君 政府の原案によりますと、労働三法から外すという基本的な立場をとつたにもかかわらず、労働基準法も適格の面については採用しているのだという点について考慮が払われておるということは私たちも認める。これに対しては一応の敬意を表するのです。従つて法律の上では成るほどそのように十分考えて、分限及び懲戒についても、不利益処分についでの審査の件についても、或いは給料、恩給等の勧告等についても守られているということははつきりいたしておりまするが、現案の問題として、財政の大出きな國家公務員の場合においてすら人事院が勧告してもなかなか裁定もして貰えないし、俸給も上らない。今度は地方公務員であつてその財政措置をやる單位というものが非常に小さい。従つてこれを財政的な力から言つて非常に弱いということが言える。そういうことに相成りますると、法律的の条文としては一応守られておるような形はあるけれども、現実の問題として一体どういうふうにお考えであるか。で、成るほど國家公務員よりももつと不利益になることが財政的に予想せられるというような場合には、何か法律の上でこの利益を保護する規定を政府は用意してあるかどうか。ここにないから私聞いておるのですが、例えば人事委員会の勧告については、地方自治体の長はどういうような方法で必らずこれを実現しなければならんというような、そういう規定等を設けることなしには地方公務員の利益は確保されないと私は思いまするので、実際問題としてその点についての政府の見通しをお尋ねして置きたいと思います。
#37
○政府委員(鈴木俊一君) 職員の給与の問題に関しましては、大体國の人事院と同じように、毎年少くとも一回給料表が適当であるかどうかということについての調査をいたし零して、議会及び町民に同時に報宙するようにいたしております。又給料表の定める給料額を増減することが適当である、例えばベースを上げることが適当だと認めるときには、そういう勧告もできるようにいたしてございます。なお基本的にはこの給与の基礎を定めるに当りましては、一般生計費なり、その他の國及び地方公共団体の職員、又民間事業の従事者というようなものを考慮して定めよという方式を定めることによりまして、こういうような点からおのずから地方団体の給与の額というものは適正に定められるものであろうと思つております。基本的な財源の問題につきましては、これはひとり給与の問題のみならず、地方財源一般の問題として考えなければなりませんが、給与に関しましてはそのような法律上の保障を考えておるわけであります。
#38
○相馬助治君 地方自治庁としては別な観点から地方公務員の給料が確保されないような脆弱な財源しかない地方公共団体に対して特に平衡交付金の面において特別平衡交付金というような面において将来大いに見てやる。こういうふうな意味の立法措置といつてはどうか知らんが、まあ立法措置をお考えでございましようか。
#39
○政府委員(鈴木俊一君) 給与をできるだけ厚くして安心して仕事をできるようにするということにつきましては、私ども全く同感でございますが、ただ地方財政全体の配分の問題、即ち当該地方公共団体の予算の編成の問題はやはり地方がこれを編成をし、議会がこれを審議して決定をするという基本的な地方自治の体制というものは維持しなければならんと思いまするので、法律的に一定の拘束を加える。給与につきまして拘束を加えるということにつきましては、その拘束と申します意味は抜差しのならんようなくらいの拘束を加えるということは、如何かと考えておりますし、又そういうようなものにつきまして特別交付金というところまで行きますよりも、これはやはり基本的な基準財政需要におきまして職員の給与というものの測定の單価を出しまして、それによつて定めて行くというのが公平な方式であろうと、かように考えております。
#40
○相馬助治君 もう一点お尋ねして私の質問を終りますが、教育会務員特例法の中に地方公務員である職員は國家公務員の例によると、こう書いてある。給与の点につきまして、これが地方公務員法が成立いたしました曉には、この特例法に示された一項目と、それから地方公務員法に示されるそれらの連関の条文とではその効力はどちらが優先するのですか。
#41
○政府委員(鈴木俊一君) お話のように現在都道府県の職員、或いは教育公務員につきましては官吏の例による、或いは國家公務員の例による、教員の場合は都道府県の教員の例による、そういうので結局みな國家公務員の例による、こういう建前に相成つておりますが、この点につきましては実は過去において数回裁判事件なども起つております。と申しますのは、例によるということにおのずから拘束力がございまするから、それに違反をして給与を支給したということの結果、いろいろな涜職であるとか、職権濫用というようないろいろそういうようなことで問題が起つた例がございまするが、そういうようなことはやはり余りにも自治の行政の運用の実体に法律が立入り過ぎておりますから、そのような結果に相成りますので、この地方公務員法案におきましては、今申上げましたような國や地方団体や民間事業の従業者の給与、或いは生計費を考慮して定めなければならん。同時に國や他の地方公共団体の給与との権衡を失しなようにしなければならん、こういう二つの保障を置きまして、例によるという方式は実はやめたのであります。教育公務員の特例法の施行令にありまするその規定とこの地方公務員法との優劣の関係は、ついでに第二条に入りまして申上げますと、要するに……。
#42
○委員長(岡本愛祐君) 第二条をついでに説明して頂きましようか。
#43
○相馬助治君 そうですね。第二条のことはわかつているのですが、具体的の問題として私は聞いておるのです。
#44
○政府委員(鈴木俊一君) 第二条でこの法が優位するという原則を謳つているのでございまするが、この規定の適用を受けまして、教育公務員特例法並びにそれに基く法令は一応そのままにいたしておきますというと、この地方公務員法が優先をいたすわけでございます。教育公務員特例自体につきまして、これは文部省当局と話合いをいたしまして、政府としての改正案はすでにまとまつておるのであります。その点につきましては別の政府委員から御説明申上げます。
#45
○政府委員(藤井貞夫君) 只今相馬委員の御質疑に対しまして補足的に御説明申上げます。只今の問題でございまするけれども、これは教育公務員にとりましては非常に重要な問題でありますることは御指摘の通りでございます。現在教育公務員特例法の施行令によりまして教育公務員の給与については國家公務員たるものの例によつてやつて行くということに相成つておりますることは御指摘の通りでございますが、これは地方公務員法が施行になりました場合の効力の優劣関係はどういうことになるかということになりますと、今次長から御説明申上げましたように効力についてはこの法律ではそれぞれの公共団体の公務員につきましては、当該公共団体の条例で定めて行くということに相成つておりまする結果、効力には結局疑問が生じて来るわけでございます。
#46
○相馬助治君 その通りだね。
#47
○政府委員(藤井貞夫君) そこでこの点につきましては、現在給与の支給の責任者というものが市町村立学校職員の給与負担法によつて都道府県ということに相成つておるのでございます。而もその点については國家財政、地方財政が確立いたしまする曉まではこれを急に建前を変えるわけにも参りません。従いましてこの給与負担法というものはなお当分の間存続して行くものと解釈せざるを得ないわけであります。従つてこの法律がありまする場合におきましては、その限りにおいて或る程度特例を設けることはこれは私たちといたしまして当然のことであるというふうに考えておるのであります。この点につきまして文部省においては現在立案中でございまして、私たちも御相談を受けております。これは目下関係筋のほうとも折衝をしておるように伺つておるのでありましてこの案によりますと、市町村立の学校給与負担法の職員の給与その他勤務条件につきましては、地方公務員法の規定にかかわらずなお都道府県の条例で定めて行くというふうな規定を設けましてその間の適切なる調整を図つて参るということになるだろうと考えておる次第であります。
#48
○相馬助治君 私が聞いておりまするのは、具体的な問題でして、先般京都府において起きた事件というのは、超過勤務につきまして教員が府知事を相手どつて行政訴訟を起し府が敗れたわけです、即ち超過勤務手当を支払えという判決が下つておる事件があるわけです。これは超過勤務の問題でありまするが、私が先ほどから問題にいたしておりまするのは、そういう条例等においてきめた問題ではなくて、教育公務員特例法も又國会を通過した國の法律であります。地方公務員法も國会を通過して今成立しようとする國の法律である。その関係から文部省が教育公務員特例法の一部を改正でもしてしまえばそれは問題はありません。併しその、してしまえばというような仮定に立つて物はこの際論じられない。少くともそれは先に起る問題でありまするので、差当りその教職員の給与に対してはどちらの法文が優先するのであるか。こういうふうに尋ねておるわけです。非常に疑問がありますということまでは分つたのでありますが、その先が分うんものですからお聞きしておるわけです。
#49
○政府委員(藤井貞夫君) はつきり申上げますと、今の、教育公務員特例法の施行令は本法の給与に関する部分が施行に相成りますと、この法律の趣旨に反しまするので、この通り参りますれば本法の適用を受けて行くわけですそこでこの点につきましては先刻も申上げましたように困る部分があるので、現在文部省のほうで特例法の改正についてできるだけ早く特例措置を講じたいということで努力をいたすということを申上げたのであります。
#50
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記をやめて。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
#52
○相馬助治君 只今私が質問いたしましたことにつきましては、具体的な問題でもありまするので、政府側としてもいろいろな点についてなお研究の余地もあるでありましようから、いずれその条項に合つたときに改めて御質問いたすことにして、これでやめます。
#53
○委員長(岡本愛祐君) 第一条、外に御質問ございませんか。第二条に移ります。
#54
○政府委員(鈴木俊一君) 第二条は今ちよつと具体的の例がございましたので、御承知のごとく地方公務員法は今までありまする地方公務員に関する法令とか条例或いは地方団体の規則、地方団体の機関の定める規定というようなものがこの法律の規定に牴触するものに対してはこれが優先するということを謳つたわけでありまして当然と言えば当然でございます。新らしい法律が古い法律に優先するということは従来の確認された原則でございますが、それを地方公務員法は地方公務員に対する統一的な基礎法典であるということともからみ合せまして、明確に謳つた次第でございます。
#55
○中田吉雄君 この法律が施行されますと、従来地方公共団体で公務員に適用するために自治体自体で作つておりります規則が条例とかいろりろなものに優先するわけですが、従来におきまても各自治団体とかいろいろな公務員に対する内規のようなものをたくさん作つておるわけです。そういう一つ従来の御調査をされたものがありましたら今日でなくても結構ですから、一つお願いしたいと思います。
#56
○委員長(岡本愛祐君) 政府にお聞きいたしますが、この第二条によつてこの法律が優先をして、牴触するために廃止されるというか、その従前の法令、条例というものの一覧表があるのですか。
#57
○政府委員(鈴木俊一君) これは各府県でそれぞれ今まちまちになつておつりまするから、条例、規則等につきましては、従つて具体的にどれがどうということはちよつと申上げかねますが、一、二の地方団体につきましての問題を取上げますればどの点が牴触し、どの点が牴触しないということはわかつて参ると思いますが、これはこの法律が假に國会を通過いたしまして成立いたしたならば、施行に至りまするまでの間に公布後二カ月ありまするので、その間に十分調査をいたし、地方団体において齟齬を来さないように努力いたして参りたい、かように考えます。
#58
○委員長(岡本愛祐君) その条例以下はともかくとして、法令に抵触して廃止さるべき運命にあるものの一覧表がありますか。
#59
○政府委員(鈴木俊一君) これは今お話の出ました教育公務員特例法、それから警察法の中に警察吏員の任免、服務等につきましては、國家公務員法の精神に準じ、市町村条例で定めるというような規定がございますが、この國家公務員法の精神に準じというのは、地方公務員法の精神に準じというふうに当然直さなければならんと存じます。形式的ではございますが、それから消防組織法の中にも國家公務員法の規定に基きという規定がございます。これもやはり直さなければならんと思います。大体主たるものはさようなものでございまして、なお細かいものにつきましては、例えば厚生省所管の兒童福祉法の施行令等に保姆の資格要件とか、保姆試験委員など厚生大臣が定めるということになつておりますが、これが地方公務員でありますと、こういうような規定につきましてはやはり効力を失うことになると思うのであります。
#60
○委員長(岡本愛祐君) それでは中田委員からの要求がありました資料をできるだけ出して頂きたいと思います。
#61
○相馬助治君 第二条に連関してやはり具体的な問題を一つ尋ねておきたいと思うのです。地方の自治体では、県庁職員等につきまして、互助会式のものをやつて給与の低い面を補つているという県があるわけです。ところがこれは御承知のように共済組合法という法律がありまするために、そう勝手に各府県が互助会制度のようなものはやれない規定になつておりましてこれをやる場合は府県会において条例を決定し、その条例に基いて互助会というようなものをやつておるというのが前例です。これは政府委員の鈴木さんだつて御存じだと思う。若し何だつたら具体的なことをお示ししてもよろしい。そういうふうに明らかに地方公務員の利益を保護するためにとられておる条例につきましても、本法が成立いたしまするということを、直ちにこれを廃止宣告をしなければいけないということに相成るのですか、その点をお尋ねしたいと思うのであります。
#62
○政府委員(鈴木俊一君) 只今お話の互助会、言い換れば共済制度でございますが、これは法案の四十三条に「共済制度は、すみやかに実施されなければならない。」と、こう書いてございまして、むしろそういうことをやらなければならんと書いてございます。なおその内容的にも他の地方公共団体との間に権衡を失しないように考慮しなければならんと考えております。
#63
○相馬助治君 その他の公共団体と平衡を失しないようにしなければならんということがあるから、私はこの問題を尋ねているのであります。というのは、地方公務員の福祉を護るために、そういう共済組合法的なものがやられなくちやならんと、こう言いますが、現に地方自治体にこういう例があるのです。大阪には県庁の職員及び教職員に対して互助制度というのがある。これは普通条例によつてやつているわけであります。そういうふうな地方公共団体のうちの全部でなくて、取るそのうちの特殊なものに対して特に府県が条例を以て制定して。オーバしてその公務員の福祉を守つている実例があるのであります。そういうものが本法が成立することによつて一体どういうことに相成るのかと、こう聞いておるわけであります。
#64
○政府委員(鈴木俊一君) そういうようなりものは一向この法律の趣旨とも条項とも直接にぶつかるものはございませんし、条例で定めておりますわけでもございまするし、何ら支障はないと思います。
#65
○相馬助治君 わかりました。
#66
○委員長(岡本愛祐君) 第二条について外に御質問ございますか。それでは第三条に移ります。
#67
○政府委員(鈴木俊一君) 第三条は、地方公務員を分けまして、一般職と特別職に分けておる基本的の規定でございます。先ず建前としては特別職を列挙しまして、それ以外の職はすべて一般職と、こういう建前になつております。特別職につきましては、すでに御説明申上げました通りでございまして、三項の第一号では「就任について公選」と言いますのは、知事、市町村長や教育委員、「地方公共団体の議会の選挙」というのは選挙管理委員のようなものであります。教育委員の議員の中から選ばれるものもこれに当ります。それから「議決」というのは國民健康保険運営協議会の委員等の議決でありまして、それから「同意による」ものはこれはもうたくさんございまして副知事、出納長、助役皆そうであります。それから第二号の「法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程」というのは、例えば教育委員会の規則のようなものでありますが、そういうものによつて「設けられた委員及び委員会の構成員の職で臨時又は非常勤のもの」。 第三号は同じく「臨時又は非常動の顧問、参与」、「これらの者に準ずる」というのは例えば嘱託のようなものであります。それから第四号は、丁度國務大臣の秘書官に当るようなものでございまして、同様議長の秘書で条例で定めるものであります。それから五の「非常勤の消防団員及び水防団員」は特別職でありまして、常勤の消防団員は一般職であります。これは水防団員というのは水防法に基ずきましてできております。水防団体団長もあります。それから第六号は「失業対策事業及び公共事業のため公共職業安定所から失業者として紹介を受けて地方公共団体が雇用した者で、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外のもの、」高級監督者以外の者というような意味でございます。それ以外のものはすべて一般職である。こういうわけであります。
#68
○竹中七郎君 第五の内容の、非常勤の消防団員及び水防団員も今まではこれが普通の職員であるというわけで常に問題となつておつたのですが、これではつきりして、これは特別職だということをきめられたわけでございますか。
#69
○政府委員(鈴木俊一君) これがお話のように特別職にいたしましたので、地方公務員法のいろいろな面倒な規定は適用されない。公務員というような名前は持つけれども、非常に自由な立場になつておりまするが、公職選挙法の方で一般的に公務員と称されておるのですが、そこうを分けてありませんと、それはいかんと思います。
#70
○相馬助治君 今の鈴木政府委員の御説明の点ですね、公職選挙法の条文を訂正する用意はあるわけですか。
#71
○政府委員(鈴木俊一君) 政府としてはその点につきまして熾烈な御要望があることは承知いたしておりまするので、何らかの措置をいたさなければならないものと考えておる次第であります。
#72
○相馬助治君 その点は極めて重大な問題であつて地方の議員等の優秀な人を集める問題としても大きな引つかかりになつておりますので、特に岡野國務大臣のこれに対する答弁を伺つて置きたいと思います。
#73
○國務大臣(岡野清豪君) 次長が只今申上げましたように、考慮しなければならないものと考えます。
#74
○委員長(岡本愛祐君) 相馬君に申上げて置きますが、今衆議院で消防組織法の一部を改正する法律案というものを提案をいたしまして、小委員会を開いて大体決定をしてGHQに法律案を出しておるという連絡が今しがたございました。その附則で公職選挙法の一部を改正いたしまして、消防団長、その他の海防団員、常勤の者を除く、それをそのままで一公職の選一挙に立てるような今改正を企てられておるのであります。そういう成り行きになつておりますから……。
#75
○相馬助治君 はい。
#76
○中田吉雄君 ちよつと鈴木政府委員に伺いますが、頂いております地方公務員法案に関する参考資料のり五ですね。五に基いて一つもう少し特別職の内容を詳しくこれで説明して頂きたい。具体的なことを……。
#77
○政府委員(鈴木俊一君) 五の特別職に属する三十一ページでございますが、特別職に属する主なる地方公務員資格、ここにはずつと二十五ページまで四十五種類に分けていろいろ書いてありますが、特別に公選によるものというのは、今申上げました第一号に当る就任について公選によることを必要とする職であります。
#78
○中田吉雄君 一部と書いてあるのは……。
#79
○政府委員(鈴木俊一君) これは教育委員会の委員というのは、御承知の通り議員が一人出ておりますから、それが一八とこういう意味であります。公選による者が一部、そういうものであります。次に二号に議会の選挙によるものというのがございますが、「一部」というのは、教育委員会の委員のうちの一部、そういう意味でございます。大体皆そういうような事例でございます。特にこれは御説明申上げませんで一も、同じようなものでございますから……。
#80
○中田吉雄君 農地委員会の委員は……。
#81
○政府委員(藤井貞夫君) ここに農地委員会の委員で二部」とございますが、これは市町村の農地委員会の委員は御承知のように公選でございますが、都道府県の方はそれぞれ地区別に選ばれた者か又は互選をするという恰好になつております。いわゆる公選ではございません。そういう意味でございます。
#82
○相馬助治君 基本的な問題ですが、第三条の一般職と特別職を分けた基準を改めて明確に承つて置きたい。その答弁によりまして、私たち質問をする条項がございます。
#83
○政府委員(鈴木俊一君) その点は申し落しましたが、要するにこの法律案の中に書いてございまするのが近代的人事行政制度と申しますか、その、原理でございますが、そういう原理を適用する職と見るべきか、そういうものを適用すべからざる職と見るべきかということがこの振分けの基本になると思います。これを言い換えますれば、やはり職階制を適用いたしまする職か、或いは職階制を適用しない職として置いた方がよいかというようなことが一つの判断の基準になると思いますし、更に言い換えますならば、要するに人事委員会の人事行政についての一つの統制の枠の中に入れた方がよいか、入れない方がよいかというようなことが判定の基準になろうと思います。そういうような判定の基準から申しますならば、例えば最も大きな例は府県庁で申しますと、部課長というようなところ以下の者と、こういうふうに考えているわけでありまして、その上の副知事以上はいわば政策を決定するような地位でございますので、そういうような者にこれを適用するのは適当でないと、こういうことになるわけであります。それをこの法律では形式的に議会の同意を得たり公選或いは選挙というようなもので抑えておりまするが、そういう者は即ち政策を決定する地位にある者でございますので、特別職といたしておるような次第でございます。
#84
○相馬助治君 極めて明快な答弁でよく分りました。一般職と特別職とに分ける基準の第一は職階制を適用するかしないかが判断の第一点であるということであります。これはお説の通りであります。実に鈴木政府委員の説が正しいということをここで再確認いたしまするというと、一体教員というものはどういうことになりますか。御承知でもありましようが、教員には職階制がない。改めてこれについて御答井を願いたい。
#85
○政府委員(鈴木俊一君) まさにそのように、國家公務員法におきましてもまだその点は明確なる決定がないように伺つておりまするが、私が今申上げました基準は、そういうような各種の基準でこれを考えておるわけでこぎいまして、それだけでぴたつとものがきまる物指ではないのでございます。いろいろ大体のものの考え方の判断基準を三つばかり申上げたわけでございまして、その点はさように御了承願いたいのであります。
#86
○相馬助治君 答弁の趣旨はわかりましたが、改めてお聞きいたしまするが、私は一般の行政官としての公務員と違う教員、それから一般の公務員の任用の形式とは全然別に教育委員会によつて任命されている教員、そして又職階制のない教員、これらをですね、ここで区別しなかつた理由、これは私は論理的にもわからないわけです。それについて一つ御説明を……。
#87
○政府委員(鈴木俊一君) 教員に関しましては、確かにその勤務の内容から申しまして一般の行政職の公務員と違う点があることはおつしやる通りでございます。ただそのことは以て直ちにこれを特別職にするという理由にはならないように私ども考えておりまして、地方公務員ではありますけれども、即ち一般職職員でありますけれども、その職務と責任の特殊性に基いて別に特例を設けるような種類の一般職であると、かように考えております。
#88
○相馬助治君 もう鈴木政府委員の御読の通りです。私はこれを特別職にせよと言うておるのではなくて、これはもう法の建前から申しましても、地方公務員と別個に教育公務員法というようなものを設けてこれを律しなければならない。教員にはこういう法律が要らないなどということを私は申しておるのではなくて、これは当然建前から特別に独立した法律を以て律すべきであろうと、かく確信するわけです。ところが政府原案によりますると、これも一括してこの枠の中に入れて上程されておりますが、それは不日ですね、そういう特別立法を試みてこれを枠外に外す御用意があるのであるかないのであるか、それが先ず第一点あるとするならば、それは具体的にどういうふうな形で進んでおるか。これを一つお聞きしたいと思うのであります。
#89
○政府委員(鈴木俊一君) 地方公務員法案を制定いたします一つの理由といたしましては、現在非常に各種の地方公務員に関する法令ばらばらに散在いたしておりまして、これの適用を受けまする地方公務員の側から申しましても、又これを運用しまする管理者の側から申しましても、非常に不便を来たしております。そういう意味で地方公務員法案という統一法を作りまして、それによつてできるだけ律して行く、ただそれが困難なものにつきましては特別に特例を考えて行く。こういう建前で立案をいたしておりまして、これは教員でも警察職員でも消防職員でも、およそ地方公務員にすべてこれを適用する建前で、ただ特例だけを特別に書く。こういうふうに考えておるのであります。
#90
○相馬助治君 そうしますと、独立した特別立法を持たずして基準法としてこういうものをきめて、その枠からはみ出したり、或いはこの法律で律することがちよつと無理なのは特例を別に規定してこれを以つて律する、こういうふうに聞いてよろしいのですか。
#91
○政府委員(鈴木俊一君) お説の通りでございます。
#92
○相馬助治君 お説の通りでは実際問題として私は極めて無理な面が多々あると思うのですが、それに対しては如何お考えですか。
#93
○政府委員(鈴木俊一君) この法律は非常に枠的なものでございましてそう細かなところまできめておりませんので、そうがちんがちんとぶつかるものはないと思いますが、そういうようなものにつきましては特例を法律で別個に定めて頂くことにいたしまして、その他の法令なり規則なりにおいて更に特例を要するような点がございますれば、それは当該地方団体において調整をするのが可能であろうと、かように考えております。
#94
○相馬助治君 曾て國家公務員法が両院において問題となりましたときに、衆議院の本会議において淺井人事院総裁は明らかにこういうことを申しております。教員公務員は極めてその置かれておる立場からして特殊なものである。理想としてはこれは特別立法によつて國家公務員である教職員を律するのが正しいと思うけれども、諸般の事情上、そのような時期的な余裕がないために一応公務員法というものを成立せしめて、この枠内に入れて置き、その俸給表のごときは別表を作つてこれを律して行くと同時に、将来教育公務員法というようなものを作る予定である。こういうふうに言明しております。この精神は私今に至つても政府部内において変つていないと思う。そういたしますというと、時期的余裕がないから云々ということはもうすでに理屈にならない。そこで私は再度答弁を求めたいと思いますることは、実際問題としてやはり一応無理なことだけれども、教職員をこれで縛つて置く、縛つて置くというか、これで以て律して置く、そうして将来そういう考慮を持つておるのだ、こういうならば話はわかるが、それ以外だつたならばこれは全然わからないし、それに連関して私は逐次質問を展開しますが、そこをはつきりして頂きたい。
#95
○政府委員(鈴木俊一君) 私は今御引例になりました。淺井人事院総裁の御説明になりました文言は直接承知いたしておりませんが、それに基いて先程来いろいろ問題になつておりまする教育公務員特例法が昭和二十四年に制定せられたように聞いております。地方公務員法案も教員に対しまする法案の基本的な態度におきましては何ら変りはございません。同じような体形を考えておるわけでございます。
#96
○相馬助治君 無理があれば別途考慮する、こういうことを含んでおりますか。
#97
○政府委員(鈴木俊一君) その無理の点が教育公務員特例法という姿を以つて現われて来ておるわけでございまして、その以外の事項はやはり國家公務員である教員に対しては國家公務員法を適用しておるわけです。そこで地方公務員法案もいろいろそれと同じ体形に立ちまして特例を要する点は教育公務員特例法の中に書き上げて貰いまして地方公務員法案はそれ以外の事項について一般的に適用して行く、こういう体形にいたしたわけでございます。
#98
○相馬助治君 そうすると、教育公務員特例法案と、これから成立しようとしておりまする地方公務員法の両案を睨み合せてこれを律し、その結果矛盾なく事を運ぶであろう、こういう見通しである、かように承知してよろしうございますか。
#99
○政府委員(鈴木俊一君) そういうふうに進めて行きたいと思つております。
#100
○中田吉雄君 主としてこの町村の自治体なんですが、公選によりまして農業調整委員会とか、農地委員会とかあるのですが、役場の中に事務局を置いてそこに職員を雇用しております。これはどうなるのですか。
#101
○政府委員(鈴木俊一君) この地方公務員と申しますのは、結局任命権者が地方公共団体の機関であり、その給与が地方公共団体から出ておる。その仕事が地方公共団体の仕事であろというようなものが地方公務員であるということになると思うのであります。そういうような一般的な基準から申しまして仮に役場の中に事務所を持つておりましても、それがそういう条件に該当するかしないかによつて違つて参ると思います。今申しましたような条件に該当いたしまするものであれば、この特別職に該当しない限り、すべて一般職の地方公務員である、こういうことになります。
#102
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#103
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて第三条、別に御質問ございませんか。なければ第四条に移ります。
#104
○政府委員(鈴木俊一君) 第四条は「この法律の規定は一般職に属するすべての地方公務員に適用する。」この法律で一般職に適用する法律であるということを宣言したわけであります。それから特別職に属する地方公務員に対しては、これを適用しない。ただ法律に特別の定めがある場合は別である。そういう例としては、例えば第九条の第項、「第三章第六節の規定は、委員の服務に準用する。」人事委員というのは議会の同意を得ておりますから特別職でありますが、特にこういうように書いてあるわけであります。大体人事委員の規定自身はみな特別職である、こういうことになるわけでもあります。
#105
○委員長(岡本愛祐君) 第四条で御質問ございませんか。――では第五条に移りますが……。
#106
○相馬助治君 第四条の二項のこの「法律に特別の定がある場合を除く外」、これはどのような場合を予想されておりますか。
#107
○政府委員(鈴木俊一君) 今申上げましたが、ちよつと具体的に申上げますると、第六条、九条、十条というような規定、これはいずれもそれに相当いたします。第六条というのは、任命権者でありまして、ここに書いてあります地方公共団体の長議会の議長というものはいずれも特別職でありますが、そういうものを特に選んで書いてあります。第九条の人事委員会に関する規定、これも同様であります。それから第十条も同様、要するに人事委員に関する規定はみなそうであります。それからなお三十六条の第三項の、何人も前二項に規定する政治的行為を持つ者は、これは何も特別職に限りませんけれども、特別職もこういう「何人」に入ります。三十七条の三行目のところに、又何人も、このような違法な行為を企てはならないこの「何人」にも特別職が入ることになつております。大体そういうような意味のものであります。
#108
○相馬助治君 この特別職については、この法律は適用しないというのが基本であつて、今、政府委員の説明を聞きまするというと、こういう権限を有するというようなものが特別に規定されておりまするが、私はむしろですね、特別職の職員即ち知事、市長、町長、村長、こういういわゆる任命権者にですね、罰則に似た規定が幾つか必要であろう、こう考えるのですが、その点についてどういうふうにお考えですか。
#109
○政府委員(鈴木俊一君) 罰則に似た規定と申しますと非常に含みの多いお言葉でございますが、例えばそういうものの政治的行為を制限したらどうかという御議論もあつたように記憶しておりますが、これはやはりこれらの地位にございまするものは、選挙なり、公選なりによつて出て参りまするものでございまして、これは今の地方自治機構の建前から申しましてその人たちは政策を持つて選挙に打つて出て来るものでありまするし、又政策を実行するためにその地位に就いたとも言えるわけでございまして、そういう人たちの政治的活動というものは、むしろその面から申しますると当然であると思います。それが仮に非常に逸脱した行為になりまする場合には、これは衆議院議員選挙法の罰則の規定も適用されるでありましようし、刑法の涜職の規定もあるでございましようし、そういう規定に牴触いたしません限り、やはりそれらのものが積極的なる政治的活動に干与いたしましても、これは住民自身の批判によつて選挙の機会に、或いはリコールとか、そういう、一般の投票の機会において、或いは議会の不信念決議といつたようなそういう機会において政治的に運命がきまるわけでございましてそれを罰則の問題で押えるのは適当でないと思います。
#110
○相馬助治君 私がお聞きしたがつたことは、それじやない。人事委員会が勧告したり何かする、給与に関してですね、故意に知事であるとか市長がその財政措置をすることを怠つたり、或いは感情的な問題から無茶に首を切つて見たり、こういうふうな問題に対しましては、不利益処分をされた公務員の側からこれを訴えるというような規定はあるけれども、これは消極的な規定です。どこまで私といたしましては、そういう明らかに何びとが考えても許すべからざるような地方公務員に対する権力を振つて不利益を与えたこれら任命権者に対しては、やはり法的にこれを処罰する項目があつて然るべきだと思う。従いましてですね、この点について法的措置を別途考えておるかどうかそれから只今鈴木政府委員が説明したように、飽くまで必要がないと判定するのであるかどうか。この点について明確なる御答弁を願います。
#111
○政府委員(鈴木俊一君) その問題につきましては、この法案におきましても十分配慮いたしておりまして、例えば不利益処分の審査をいたします。こういう場合におきまして、その審査の結果として指示いたします。例えば或る者がやめさせられたというものが、その不利益処分は適法でないというようなことから取消しを命ぜられるということになりますと、俸給その他につ
        一きましてもこれを回復する措置を指示いたします。若しその指示に従わなかつた場合におきましては、罰則を設けておりまして一定の罰を受ける、こういうようなふうにいたしておりまして、身分保障とか、そういう公平機構の適実を期するようにいたしております。
#112
○相馬助治君 今の点を一歩私は突込んで聞いておるのですが、不利益処分を受けたときに訴え出て裁かれて、これは明らかに不利益処分であつたという場合には、失われておる給与等を遡つて給与されることは当然なのであつて、私はむしろ一歩進んでですね、そういう何びとがこれを見ても常識的に考えて許せないような状態において不利益処分をあえてしたところの町村長に対しては罰則的な規定が必要であろうと私は申しておるのです。と申しまするのは、その地方自治体が非常に大きい府県というような場合には問題にならないのですが、実際問題として僅かの吏員を擁しておりまする村役場等においては、そういう実例がもう頻発しておるのです。従つてそういう積極的規定を以てこの任命権者を律する法的措置が私は別途必要である。こう、考えるのですが、政府側としてはそのような必要はない、こういう建前をとられるのですか。
#113
○政府委員(鈴木俊一君) これはそれぞれ法律上一定の権限を与えられておりまするものは、その権限に従つて一応自己の権限を行使するわけでございます。それが違法であるというような場合におきまして、事後において不利益処分を審査をすると、こういう形をこの地方公務員法はとつております。で事後において、而もその証拠調べについても罰則がございまするし、指示につきましても罰則があるというふうに、愼重なる手続で審査が行われるということが法律上明確でありまするから、却つて任命権者というものはその処分について勢い愼重にならざるを得ない。ところが現在の制度はこれに反しまして事前審査であります。事前審査というのは懲戒審査委員会或いは処分委員会にとにかく案をぶつけまして、そこできまつたらきまつたところでやる。これはむしろ任命権者としては責任が軽いのであります。責任は委員会に転嫁されてしまいます。ところがこの事後処分で参りまするというと、却つて非常に愼重になる。そういうところにこの法案といたしましても御心配になりまするようなことに対しまして配慮を払つておる次第でございまして、私どもといたしましてはそういうこの実質上の保障によつて不公正な点が避けられる、仮にそれが不公正に行われても事後において是正せられる、かように考えております。
#114
○中田吉雄君 ちよつとこの三条のほうにあと戻りするかと思いまして恐縮ですが、この知事が公選になりましてから、はつきり自由党とか社会党とか民主党とかいうようにまあ打つて出ている人もありますし、まあ無所属の人もありますが、そういう政党的な色彩をはつきりして出て、そうしてこの立候補に際しまして公約した施策を実行するために、最近の都道府県庁におきまして調査課とか或いは調査室、企画室というようなものを置きまして、そこでかなりこの立候補した色彩をはつきりして、政策樹立のようなことをやつておる職員があるわけですが、そういうようなものもこれは一般職ですか、そこに使われている……。
#115
○政府委員(鈴木俊一君) これは國にも同様に法務府に特別審査局というようなものがあるわけでございまするし、警察等におきましても若干そういうような地位を持つておるわけでございますが、その程度のことでこれを特別職にするというところまでは参らないと、かように考えております。
#116
○安井謙君 今の関連ですが、非常勤、臨時職員というような制度がありますが、これは大体特別職に入りますか。
#117
○政府委員(鈴木俊一君) ここで書いておりますものは非常勤、又は臨時の顧問、参与及びこれらの者に準ずる者ということでございまして、單なる臨時雇の人夫というようなものでございまするというと、これはやはり一般職の適用を受けることになります。
#118
○安井謙君 今のはそういう意味ではないのであります、中田委員の質問と同じようなのですが、特別の庁なんか、特別のようなもので非常勤務の臨時職員という制度で採用する場合が今あると思います。これは数は多いものではないと思いますが、そういう人の取扱は特別職ではなかろうかと思います。
#119
○政府委員(鈴木俊一君) それについては大体お考えの通りであります。
#120
○委員長(岡本愛祐君) 四条よろしうございますか。――第五条に移ります。
#121
○相馬助治君 突然最初予定しているプログラムを変更して逐条審議に入つたためにどうも誠にかようなことを申しては恐縮ですが、勉強不足なんですがね、従つて本日は委員会をこの辺で切上げて明日というわけに参うんですか、動議を提出いたします。
#122
○中田吉雄君 今日は土曜日ではありますし、一つ安息に解放して頂きたいと思います。
#123
○委員長(岡本愛祐君) もう一つだけやりますと第一章の総則だけが済みますから……。
#124
○政府委員(鈴木俊一君) 第五条は条例の制定に関する規定でございますが、地方公共団体は「この法律に定める根本基準に従い、条例で、人事委員会又は公平委員会の設置、職員に適用される基準の実施その他職員に関する事項について必要な規定を定めるものとする。但し、その条例は、この法律の精神に反するものであつてはならない」。ここで申しておりますることは、この地方公務員法案において第一次的に優先する効力を持つ地方の法規は条つ例であるということを謳つております。議会の議決を経て制定する条例を優先的に考えておりまして、人事委員会規則は特に人事委員会規則で定める、或いは人事委員会の権限にするというふうに書いてあるもの以外は定めることができないようにして条例と人事委員会規則との関係を明かにいたしておるのであります。「但し、その条例は、この法律の精神に反するものであつてはならない。」何でもかんでもどんな条例を作つてもよろしいということではなくてやはりこの法案の精神に反してはならないという大きな制約を加えておるわけでございます。それからその次は第七条第一項又は第三順の規定により人事委員会を置く、これは七条の一項はいわゆる都道府県、五大市の人事委員会を置く場合であります。第二項はそれ以外の市で人事委員会を單独に置く、或いは共同して置く、或いは他の地方団体の人事委員会に事務を委託するというような場合の規定であります。又そういうような場合におきましては、人事に関しまする条例を作ります場合におきましては、或いはこれを改廃しようとする場合におきましては、地方団体の議会は人事委員会の意見を聞かなければならない、こういうようにいたしておるのであります。これは意見を聞くことは法律上の要件でありまして、聞いた意見を必ず容れなければならないというわけではございません。ここに人事委員会と地方議会との間の調整を図つておるのであります。
#125
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。二
#126
○相馬助治君 この際特に岡野國務大臣にお尋ねいたして置きたいと思うのでありますが、法律ができますと、地方公共団体の長が一番先にひやつとすることは又職員が殖えはしないかと、そういうことです。この法律によりまするというと、人事委員会並びに公平委員会というものが設置され、明らかに地方財政上特別な負担がかかるわけです。従いましてこの点に見合つて政府としては財政上の措置を何か考慮されておりますか。
#127
○國務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。これは人事委員会としてこういうようにするのは、新らしく法律ができておりますけれども、只今までに都道府県では職員委員会というのがございますし、それから外の方面では懲戒審査委員会というのがございまして、これが振替つて行くわけでございますから、これがために殊更に人が殖えるのではなくて、そういう名前と内容が変つて来るということになりますから、経費の点においては余り差もない、又人も殖やさんでもいいとこう私は考えて借ります。
#128
○相馬助治君 それはですね。大臣の御認識は一応尤ものように聞えまするけれども、本当にこの地方公務員法の精神を考えて参りますというと、さようなわけに参らないのであります。大体が今県にありまするところの委員会は副知事を大体委員長といたしましてそういう組織がただあるだけにとどまつている。その実はその委員会にかけて行政上の処分をしなければならないなどということは今までの例によりますというと、一県、一つの県ですね、一県について一年間にたかだか一件くらいにとどまつている。とてもそれを振替えらせて財政上特別の負担をかけずにやろうなどということは、これは非常に考えが聞違つているのであつて、そういうことではてんでこれはだめなので、改めて大臣の答弁を要求します。
#129
○國務大臣(岡野清豪君) お言葉の通り多少は人が殖えることと思いますけれども、私はとにかく公務員の身分を保障してやる。又公平なる人事をやつて行くということは、これは公務員でなくても外の会社の雇傭員でも同じことでございます。やはり労務者というものをよく尊重してやつて行く、そのために労務者が尊重されれば安心してその行政がよくできて行くのですから、これはむしろ好ましい経費の増加じやないかとこう考えております。
#130
○竹中七郎君 ちよつとお伺いしますが、今のに関連しますが、実際今まで県やなんかの人事課でやつておつたその問題は割に少いのでありますが、こうやつてはつきりした人事委員会ができまして、委員が三人でき、はつきりしたものができますというと、やはり相当な課ができて来る、そういたしますというと、今の抽象的な新たに少しぐらい殖えるだろう、これじやいけませんので、大体どのくらいの、一つの県で見ますというと、愛知県とか或いは神奈川県くらいの県でやるというとどのくらいの規模でやるべきものであるかということを一つお知らせを願いたい。と同時に、その経費というものはどのくらい大体予定しておられるか、そういたしますというと、結局このいろいろの予算面も関して参りますが、今この点を一つはつきりさせて頂きたいと思います。
#131
○政府委員(鈴木俊一君) 今少し具体的に申上げますと、大体人事委員会を設置いたしますところが、五大都市、都道府県でございますが、このようなところでは一応私どもといたしましては、人事委員会の事務局としては、職員は二十人くらい予定をいたしております。勿論そのほうの人事委員三人というのはこれは新らしい職でございますから、これは増員いたすわけでございますが、この二十人につきましては、旧人事課の職員その他の、或いは教育委員会の職員等、適当な人を募りまして配置転換等によつてこれができるだけ補充をして行きたい、こういうふうに指導いたしたいと考えておりまするが、それに伴いまする経費といたしまては、これはいろいろまあ見方があると存じますけれども、大体一の府県で百万から二百万くらい、まあ大小によつて違うと思いますが、それから大体総体の経費といたしましては来年度一億くらいではないだろうか、こう考えております。なおこの普通の市等におきましては、そういう計算の下にどの程度まで置くことが適当であるかということでございますが、大体人口二万で職員数が千人くらいというようなところを押えて行つたらどうだろうかというくらいに考えております。こういう意味において若干の負担の増加になりまするけれども、今大臣も申上げましたように、こういう制度を施行いたしますことで県としては人事行政が合理的に行われ、職務の配分が合理的に行われ、勤務成績の評定、その他すべて合理的に行われることに相成りますので、結果的には却つてこれは経費の節約になる、こういうふうに私ども考えたのであります。
#132
○竹中七郎君 只今の職員二十名ということはこれは県だけならばよろしいのでございますけれども、その他人事委員会を作らん地方公共団体のほうも代行しなければならないとすると、私は二十名ばかりでは如何かとこう考えるのですか、この点御考慮に入れられておるのかどうか。
#133
○政府委員(鈴木俊一君) 県が町村の公平事務の委託を受ける。或いは小さい市の人事委員会の事務の委託を受けるということが法律上は可能に相成つております。私どもも経費節減の見地から申してそういうようなことが行われることは非常に望ましいと存じております。そういうことが行われる程度に応じて今申上げましたようなめど、二十人というような数もこれも増加いたして行かなければならん点は御指摘の通りでございますが、なかなか初めから直ぐそういうふりに行くことは非常にむずかしいようにも考えておりますので、まあこれはできるだけその趣旨で指導いたしたいと考えております。
#134
○相馬助治君 この件は極めて私重大だと思うのです。と申しますのは人事委員会というもの、それから公平委員会というものは職員の勤務成績の評定等にも加わるのであつて、これは單なる事勝局の構成だけでは什事が渉どりません。指導機関としての性格も持つておると思うのです。調査機関としての性格も持つておる。それからこの委員会が決定しましたことについてこれを実際に執行する執行機関でもある。従いましてこの問題につきましては、地方公務員法が成立いたしました瞬には各府県会よりこの地方自治庁に向つてどのような規模でどのような運営をするのがよろしいのであるかというモデル的なものを照会して来ることは明らかであります。従いましてこの問題につきましてはもう少し系統的にこの際、明日でも結構ですから、改めて鈴木政府委員よりこの人事委員会並びに公平委員会の規模並びにその運営、財政的措置について一応の研究を遂げられ、本委員会に提出されることを以て本日は散会にして頂きたいと思います。(笑声)
#135
○中田吉雄君 それでは私も相馬委員の申されたことに附随して……公共団体の条例を設定するのですが、従来もそうだと思いますが、いずれ雛形を示されることと思うのでありますが、その雛形も見せて頂きたいと思います。それからもう一つ、今日ではないのですが、お願いしますが、主として地方公務員法というものが、アメリカが主たる占領國である関係からアメリリカの制度が非常に参考にされているつと思いますが、この民主的な基盤としての実際桁違いのアメリカのような富のある所と日本とは実際いろいろな点が相違していると思うわけであります。そういう点で私はアメリカばかりモデルにするということはいろいろな点で危険でもあるし、思わざるいろいろな障害ができると思いますので、アメリカの公務員制度の何を頂いたのですが、イギリスとかフランスなどの公務員の資料も一つ出して頂きたい。いずれ一方的な見解ではなしに、世界各國の最も自治体の発展した資料を参考にされたと思いますから、一つ今日ではありませんがお願いいたします。
#136
○委員長(岡本愛祐君) 今の資料は出せますか。
#137
○政府委員(鈴木俊一君) 先程から非常にいろいろ資料の御要求がございまして、自治庁といたしましても非常に手薄でございますが、最大限度の努力をいたしまして御要望に副うようにいたしますがただ仰せになりましたものに完全に合致いたしました資料を出しますことはいささか困難ではないかと思いますので、大体その線に沿いまして私どものところで只今ございますようなものを基礎にいたしまして、適宜取捨いたしましたものを出すことを御了承願います。
#138
○委員長(岡本愛祐君) それを出して頂きます。それでは今日の地方公務員法案の審議はこれで打切ります。
 それではこれで散会いたします。
   午後四時四分散会
 出席者は左の通り
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           堀  末治君
           竹中 七郎君
   委員
           石村 幸作君
           岩沢 忠恭君
           高橋進太郎君
           安井  謙君
           相馬 助治君
           中田 吉雄君
           西郷吉之助君
           石川 清一君
  國務大臣
   國 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治庁政務
   次官      小野  哲君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁公務
   員課長     藤井 貞夫君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト