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2000/05/15 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 行政監視委員会 第8号
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2000/05/15 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 行政監視委員会 第8号

#1
第147回国会 行政監視委員会 第8号
平成十二年五月十五日(月曜日)
   午後二時十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     塩崎 恭久君     岩井 國臣君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     小泉 親司君     宮本 岳志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         浜田卓二郎君
    理 事
                太田 豊秋君
                田中 直紀君
                水島  裕君
                江田 五月君
                田名部匡省君
                渡辺 秀央君
    委 員
                阿南 一成君
                岩井 國臣君
                岩瀬 良三君
                海老原義彦君
                武見 敬三君
                星野 朋市君
                脇  雅史君
                小林  元君
                角田 義一君
                長谷川 清君
                松前 達郎君
                加藤 修一君
                益田 洋介君
                岩佐 恵美君
                富樫 練三君
                宮本 岳志君
                梶原 敬義君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   政務次官
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       金融再生委員会
       事務局金融危機
       管理課長     山崎 穰一君
       金融監督庁監督
       部銀行監督第一
       課長       佐々木豊成君
       防衛庁防衛局長  首藤 新悟君
       防衛庁人事教育
       局長       新貝 正勝君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       大蔵大臣官房審
       議官       筑紫 勝麿君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       厚生省保健医療
       局長       篠崎 英夫君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       厚生省保険局長  近藤純五郎君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       林野庁長官    伴  次雄君
       通商産業省貿易
       局長       中村 利雄君
       通商産業省環境
       立地局長     中島 一郎君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       自治大臣官房総
       務審議官     林  省吾君
   参考人
       石油公団総裁   鎌田 吉郎君
       石油公団理事   鴇田 勝彦君
       日本中央競馬会
       理事長      高橋 政行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (財政投融資対象機関の点検等に関する件)

    ─────────────
#2
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十二日、塩崎恭久君が委員を辞任され、その補欠として岩井國臣君が選任されました。
 また、本日、小泉親司君が委員を辞任され、その補欠として宮本岳志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(浜田卓二郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官田中節夫君、警察庁長官官房長石川重明君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、金融再生委員会事務局金融危機管理課長山崎穰一君、金融監督庁監督部銀行監督第一課長佐々木豊成君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁人事教育局長新貝正勝君、環境庁水質保全局長遠藤保雄君、大蔵大臣官房審議官筑紫勝麿君、大蔵省理財局長中川雅治君、厚生省保健医療局長篠崎英夫君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、厚生省保険局長近藤純五郎君、農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省畜産局長樋口久俊君、林野庁長官伴次雄君、通商産業省貿易局長中村利雄君、通商産業省環境立地局長中島一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び自治大臣官房総務審議官林省吾君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に石油公団総裁鎌田吉郎君、石油公団理事鴇田勝彦君及び日本中央競馬会理事長高橋政行君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(浜田卓二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(浜田卓二郎君) 次に、行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、財政投融資対象機関の点検等に関する件について、前回に引き続いて質疑を行うことといたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
 まず初めに、昨年来の補助金をめぐる農水省の接待汚職事件について玉沢農水大臣にお伺いいたします。
 農水省では、構造改善局職員と業者等との間の癒着疑惑を報道された時点で速やかに徹底した内部調査を行い、昨年十二月末、十八人の処分を行いました。しかしながら、ことしに入り、構造改善局の技官の職員が収賄容疑で逮捕、起訴をされたのに続きまして、農産園芸局の前職員で北海道庁へ農政部次長として出向中のキャリア官僚が逮捕、起訴をされました。
 これらの一連の事件は官僚汚職の続発を防止するために農水省が新倫理規程を作成した以降に発生をいたしておるものであります。特に北海道庁へ出向中のキャリア官僚の場合は、農水省が省を挙げて不祥事防止対策を進めておる間にも業者との不明朗な関係を続けていたとされております。このことは農水省の不祥事防止対策が機能をしていたのであろうかと不安に思うわけであります。そしてその原因は、私は、農水省の補助金交付行政が本省の一握りの人物の裁量で決まり、組織としてのチェック機能が働いていなかったからではないのかというふうに思うのであります。
 農水省では、今回の事件を契機に、構造改善局に続いて農産園芸局と畜産局に所属する約三百人の職員を対象に異例の徹底した再調査を実施していると聞いております。そして、補助金行政のチェック機構のあり方を見直しする方向で検討が進められているとのことでありますが、この一連の不祥事に対して玉沢農水大臣はいかなる指示をなされ、いかなる対応をとろうとしておられるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
#9
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省に在籍した職員二名が収賄容疑で逮捕、起訴されたことにつきましては、公務員の倫理が厳しく問われている中でまことに遺憾でありまして、不信を招くような事態に至ったことに対しましては大変申しわけないと考えておるところであります。
 今後、農林水産省の仕事のあり方全体を見直し、事業実施の適正化を図りますとともに、職員一人一人に公務員としての自覚を促し、国民の信頼を回復すべく全力を尽くしていくことが私に課せられた責務であると考えておりまして、これに向けた取り組みを進めているところであります。
 職員倫理の保持のため、本年四月一日から本省及び地方農政局すべての出先機関に職員倫理啓発対策室を設置し、職員の倫理管理に係る体制を整備したところであります。四月一日から国家公務員倫理法が施行されたことも踏まえ、当省といたしましては、適正な服務規律のもと、職員倫理の保持に一層努めてまいる考えであります。
#10
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、日本中央競馬会についてお尋ねをいたします。
 まず、日本中央競馬会の売上金についてでありますが、毎年その売り上げが落ちてきており、ここ三年間でも、平成九年度約四兆円、平成十年度三兆八千億円、十一年度三兆六千億円と毎年二千億円からの減収になっておると承知をいたしております。一般民間会社でもし仮に二千億円の減収があるとするならば、その経営陣に対する厳しい責任追及がなされることはもちろん、下手をいたしますとその会社は倒産の憂き目に遭う状態であろうかと思うのであります。売り上げの減少の原因はバブル崩壊の影響もあろうかと思いますが、これまでの競馬ファンが競馬離れをしつつあるということも考えなければならないと思うのであります。
 ここ数年、売り上げが毎年減少してきている原因を日本中央競馬会としてはどのように深刻に受けとめられ、どのように分析しておられるのかをお尋ねいたしたいと思います。
 また、二〇〇二年にはサッカーのワールドカップが日本においても開催されることになっております。競馬ファンとサッカーファンは異質なものであるとの説もありますが、私はサッカーブームが起こることによって競馬ファンが減ることはあっても増加することはあり得ないと思うのであります。したがいまして、日本中央競馬会の経営環境は一段と厳しくなり、ファンサービス事業部の仕事もさらに重要性を帯びてくるものと考えております。
 そこで、日本中央競馬会としてはファンサービス事業部を中心にどのような戦術、戦略を持って事業展開をしようとしておられるのか、高橋理事長にお尋ねをいたします。
#11
○参考人(高橋政行君) ただいま先生の方から御指摘がございましたとおり、中央競馬の売り上げに関しましてはこの二年間減少傾向にございます。対前年比で平成十年が五%、十一年が四%というふうに減じておりまして、本年につきましても今のところ対前年比で約九六%、四%の減というようなことで非常に厳しい状況になってきております。
 その原因をどう考えるかということについてはいろいろな見方があろうかと思いますが、やはり大きいのは一人当たりの購入額が減少をしております。つまり、金額の減が一人当たりの購入減に非常に大きく影響しているということでございますが、これはやはり経済の長期にわたる停滞や先行きの不安等が影響しているのではないかというふうに思っております。
 そのほか、ただいま先生からお話がございましたように、レジャーが多様化してくる、これからもそういうサッカーなども非常に人気を帯びてくる、またサッカーくじなども登場してくるというようなことで、レジャーの多様化によりまして他種レジャー産業との競合、他種産業といってもいわゆる公営企業と言われる競輪とかモーターボートとかいう、そういうものではなしに一般的なレジャー産業との競合激化も一つの要因ではないかと考えております。
 我々といたしましては、こうした情勢の中、やはり役員全員が責任を持ってどうしていくかということで対応していかなきゃいけないというふうに思っておりまして、より一層中央競馬が幅広く国民から支持をいただけるレジャーとなるように考えていかなきゃいけないと思っております。
 全体的に申し上げますれば、まず第一は何と申しましても公正で内容の充実した魅力ある競馬、おもしろい競馬といいますか、そういうものにしていく必要があると思っておりまして、強い馬づくりであるとか、本年度は特に番組の大幅な改善をしまして国際招待レースも増加するとか、そういうような試みを今しておるところでございます。
 それから、二つ目にはファンのニーズに合った販売システムの構築ということでございまして、販売システムというのはいわゆるワイド馬券、これの本格的な普及、徹底、またさらにはどういうような種類の馬券がいいかというような検討もしておるところでございます。
 さらには、ファンサービスの一層の充実を図っていかなきゃいけないと思っておりまして、特にそのファンサービスについて申し上げますと、やはり新規ファンをどうして獲得していくか、それから一たん競馬のファンになったけれどもただいまは休止している、そういった休止ファンをどういうふうに呼び戻してくるか、それから現在既存ファンでありますものをどういうふうに定着させていくか、こういうことが大切だというふうに思っておりまして、まず第一は放送事業のデジタル化などを初めといたしまして最近の高度情報化社会の進展に適応した情報提供体制をさらに充実していきたいというふうに思っております。それから二番目には、快適に競馬を楽しめる環境の整備ということで、競馬場の改築、あるいはウインズ、馬券場でございますが、そういったところのリフレッシュなどを考えております。それから、ファン参加型のイベント、やはりファンが自分たちも競馬そのものに参加しているんだという喜びの中でひとつ競馬振興を図っていきたいということで、いろいろなイベントの中にもファンが参加してもらえる、そういうきめ細かなサービスの実施を主体にいたしましてこれから展開をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
#12
○阿南一成君 ただいま理事長からもお話がありました。
 続いて場外馬券発売所、いわゆるウインズの問題について若干お尋ねしてみたいと思います。
 マスコミ報道によりますと、この五月二十日に鳥取県米子市にも新しく場外馬券発売所をオープンするとのことであります。場外馬券発売所は中央競馬会の売り上げに貢献するところ大であろうかと思います。また、米子市における新場外馬券発売所のオープンも売り上げ減少防止のための営業努力の一つと理解してもよいかと私は思っておる次第であります。
 そこで、売り上げ増とファンサービスを兼ねたこの場外馬券発売所の建設について、今後の全国展開の中でその適正規模についてお考えがあるならばお答えをいただきたいと思います。なぜそう申しますかというと、日本中央競馬会の場外馬券発売所は恐らく地方競馬の売り上げと競合をし、その売り上げに影響を与えるのではないかと思うからであります。
#13
○参考人(高橋政行君) 現在、競馬会といたしましては、場外が二十八カ所、ただいまお話がございました米子のオープンも含めまして二十八カ所ございますが、今まで競馬会ではこういった新規場外の開設に当たりましては、やはり何といいましても地方競馬との共存共栄ということを考えなきゃいけないということで、事前に近隣の地方競馬主催者とよく協議を行いますとともに、もう一つは地元住民を初めとした地域社会の理解を得なければいけないということ、この二つを基本にいたしまして円滑に事が進むようにということで対応をしているところでございます。
 したがいまして、全国展開の計画ということでございましたけれども、地元調整というクリアすべき大きな課題がございますので、例えば各県に一つつくるとか、あるいはブロックごとにつくるとかいうような考え方で進めてはおりませんで、地元からの要請があった場合に果たしてそこが適当であるかどうかということを市場調査等を行った上で決めていくというようなやり方をやっております。
 そういうわけでございますので、ひとつ御理解を賜りたいというふうに思います。
#14
○阿南一成君 ところで、日本中央競馬会は平成十一年度決算ベースで約三兆六千億円の売り上げがあったと承知をいたしております。この売り上げの一〇%、約三千六百億円が国庫に納付される仕組みとなっております。このうち、その四分の三が畜産振興のために、四分の一が社会福祉のために使われると承知をいたしております。そして、日本中央競馬会の納付金は、特別会計とは違いまして特定財源ではないため、最終的には何をどのように使うかは施策の問題だとも言われておると承知をしております。
 このような指摘のある中で、この国庫納付金の使途について実際にはどのように運用されておるのか、またその透明性、公平性をどのように確保しておられるのか、農水省にお尋ねをいたします。
#15
○政府参考人(樋口久俊君) お答えを申し上げます。
 お話しございましたように、日本中央競馬会、これは法律の規定に基づきまして売得金から一定のものを国庫に納付いたします。二つございまして、一つは売得金の一〇%、それから場合によって剰余金が発生した場合にはその二分の一を国庫に納付するということで国庫納付金と呼ばれているわけでございますが、これの使い方につきましては金額的な制約が定められております。
 お話しございましたように、日本中央競馬会法により、おおむね四分の三に相当する額を畜産振興事業等に必要な経費に充てるとなっているわけでございます。納付金の額自体が毎年異なるわけでございまして、この四分の三の額も毎年変化いたしますが、例えば平成十二年の予算におきましては日本中央競馬会の国庫納付金は四千百六十四億円と見込まれております。したがいまして、この四分の三相当額は三千百二十三億円ということになるわけでございまして、これが畜産振興事業等に充てられることになるわけでございます。
 一方、これらを充てます使途の方、つまり使い方を見てみますと、ややテクニカルな言葉で申しわけございませんが、地域の畜産の構造の再編等を早急に促進するということで、例えば畜産再編総合対策事業等々でございまして、これらを初めとしまして国の畜産振興事業等の予算は合計で一兆四百億円余りとなっているところでございます。つまり、法定の額をはるかに超える額がこの畜産振興事業等に充てられておりまして、私どもとしては法に則した使い方がされているというふうに考えております。
 このように、国庫納付金は国の助成システムを通じまして畜産振興を図るための財源として用いられておりますので、通常の国の予算執行の一環として使われるわけでございまして、例えば編成する場合には事前の予算審議でいろんな御意見をちょうだいする、それから使われた後では会計検査の対象になりますのでこういうチェックが働いているということで適切に運用されていると考えているところでございます。
#16
○阿南一成君 日本中央競馬会は先ほどの国庫納付金とは別に純利益の二分の一をさらに第二国庫納付金として国庫に納付し、残りの一部を特別振興資金として使うことができる仕組みとなっておると承知をいたしております。
 そこで、この特別振興資金の使われ方についてもお尋ねをしてみたいと思います。
 この特別振興資金の使途は競馬振興事業と畜産振興事業に充てられることになっております。注目したいのは特別振興資金の中の畜産振興事業の内容が国庫納付金の四分の三が充てられている畜産振興事業の内容と全く同じであるということであります。
 そして、この畜産振興事業の資金は日本中央競馬会が一〇〇%出捐する財団法人全国競馬・畜産振興会の窓口を通して最終的には農水大臣の認可によってその助成が決まることになっておると思います。さらに、その分配を実質的に指導しているのは農水省であろうかと思います。もしそうであるとすれば、特別振興資金は第三の国庫納付金の色を帯びてくると思うのであります。
 したがって、そのお金については、予算のように国会の議決を経たものではなく、その分配が担当省庁に任されているわけでありまするから、国民の代表である国会のチェックを受けずに農水省所管の社団・財団法人へお手盛りの補助金を配っているのではないかとの疑問も生じるわけであります。
 日本中央競馬会は、畜産振興事業に第一国庫納付金、第二国庫納付金、そしてさらに第三国庫納付金とみなされてもよいと思われる特別振興資金をつぎ込んでおるというふうに理解をいたしました。
 大蔵省の査定を経ないこの特別振興資金の透明性、公平性を確保するためにどのような措置をとられておるのか、農水省にお伺いをいたしたいと思います。
#17
○政府参考人(樋口久俊君) お答え申し上げます。
 今お話がございましたように、日本中央競馬会、昭和二十九年の設立以来二つの国庫納付金を納付してまいりましたが、さらにこれに加えまして平成三年から新しい畜産振興の仕組みが導入されております。これがお話がございました特別振興事業でございます。
 その中で畜産振興事業についてお尋ねでございますが、その場合の助成の方法といたしまして、国庫納付されたものは国の助成のシステムの中で流す、これが一つの考え方でございます。
 それからもう一つ、国庫納付後になお一定の剰余があった場合にはその一定割合を畜産振興事業を業務とする法人、これがお話ございました全国競馬・畜産振興会でございますが、ここを通じて流していくというシステムにしたわけでございます。その場合に、そういうものは全く畜産振興対策として同じじゃないかという御質問がございました。
 これは、お言葉を返すようで恐縮でございますが、いろんな特徴があるわけでございますが、端的に申し上げますと二つほど通常の畜産振興とは違うような部分がございます。
 一つは、研究開発とか、かなり長い期間といいますか単年度で処理できないようなもの、これを対象にするとか、それからもう一つは、畜産振興の場合は主として畜産に、端的に言いますと牛小屋をつくるとか、そういう直接的に畜産振興に役立つものというふうになるわけでございますが、別途の特別振興事業で対象にしますのは畜産だけではなくて、いろんな事業を含めました、それらを含めた多方面にかかわりを持つような、例えば環境対策であるとか、そういうものを対象にするという部分がございまして、私どもとしてはやや趣が異なるという部分もあるんじゃないかというふうに、制度上も仕切られておりまして、これは全く同じものではないというふうになっていると考えております。
 それから、きちんとチェックをしているのかというお話がございました。
 競馬会の事業につきましては、特別振興事業につきましてですが、一つは一般的にこういう事業内容をやるという認可につきましてまず農林水産大臣がチェックをするということになります。その場合にどういう事業を特別振興事業でやるかというときに、競馬会の中に運営審議会というのがございまして、そこは予算を全部チェックいたします。
 そのシステムに加えて、非常にわかりやすく言いますと、例えば日銀にございます政策委員会みたいな審査会という仕組みがございまして、そこでもこの特別振興事業、どういうものをやるかと事前にチェックをした上で理事長は運営審議会に相談しなさいという、二重といいますか、そういうチェックがかけられるというふうになっておりまして、そこをチェックされたものが農林水産大臣に相談をされるということになっておりまして、私どもとしては、いろんな形でいろんな角度から、その審査会の中には例えば司法関係とか財政関係とかいろんな学識経験者の方がおられますので、そういう面からのチェックも入っているんじゃないかというような形で扱われているというふうに考えております。
#18
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、マスコミで農水省構造改善局を中心とした技官と事務官との権限をめぐる熾烈な戦いがあるかのごとく取り上げられております北海道農政部次長の職にあった農水省キャリア官僚の汚職事件に関しまして、いま少しく詳しくお尋ねをしたいと思います。
 新聞報道によりますと、先ほどの中央競馬会の特別振興資金が四国大川農協の冷凍施設建設にかかわる約七億五千万円の原資となっているとのことであります。
 この構図は、日本中央競馬会の特別振興資金の中の百億円が中央畜産会に資金シフトをし、それがウルグアイ・ラウンド対策予算が不足したときの補充のためにプールされていたとのことであります。このプールされた百億円については農協や自治体はほとんど知らされる立場になかったため、このキャリア官僚の指導により四国大川農協がそのプール金を原資とする補助金獲得の秘策を伝授されたということが粗筋のようであります。
 農水省としては、再びこのような不祥事が起こらないようにどのような対策をとられたのか、あるいはこれからおとりになろうとしておるのか、お伺いをいたします。
#19
○政府参考人(樋口久俊君) 御質問の中に二つほどのフィールドといいますか、あったと思いますので、お答えをしたいと思います。
 一つは、先ほどもお話をしましたように、この大川農協の件が特別振興資金の対象になったゆえんといいますか、そういうかかわりでございますが、お話ししましたように、これは複数の年度にまたがって実施をされたかなり規模の大きい事業でございます。それから、冷凍施設ということで畜産物だけではなくていろんなものを入れるということで、先ほどお話をしましたように、特別振興資金の対象ということになったわけでございます。
 それからもう一つは、ウルグアイ・ラウンドとの関係でございますが、このウルグアイ・ラウンドの農業交渉にかかわりましては、この交渉でまとめられました合意が私どもの国の農業、農村に大変影響があると思いますが、農業、農村に及ぼす影響を極力緩和するということで、農業、農村を二十一世紀に向けて持続的に発展する、そういうウルグアイ・ラウンド関連対策を講じるということになったわけでございますが、その趣旨を踏まえてこの対策の実施について中央競馬会の振興資金でもできるだけ協力をした方がいいんじゃないかという話になりまして、平成七年度だったと思いますが、一括して百億円をそういう農業合意関連対策に活用しようということで基金がつくられた、その基金から原資が充当されたということでございます。
 なお、この事業につきましては、先生御指摘もございましたように、通常のといいますか本来のといいますか、いろんな言い方はあるかもしれませんが、畜産振興事業とは趣を異にしている事業であるというような御理解をちょうだいしたかと思いますが、そういうこともございまして、ややPR不足があったんじゃないかなというのは私ども否めない点がございます。
 それから、趣が違うということで、関係者の中ではやっぱり本来の畜産振興の事業で予算を実施したいというような意向もございまして、かなり私どもは努力をしたつもりでございますが、周知徹底されていなかったということでこの事業について知らなかった、情報がかなり特定のルートで通じたということに結果的になってしまったのかなという部分がございまして、私どもとしてはその部分は反省しないといけないということで、現在、補助事業全体の見直しが進んでいる中で私どもとしてもこの事業を対象にどういう改善の方法等があるか検討しているところでございます。
#20
○阿南一成君 ところで、日本中央競馬会の売上金のうち一五%が中央競馬会の業務費用として分配されることになっています。この業務費用は平成十一年度の決算ベースで約五千二百億円。
 そこで、この業務費用の使い方についてお尋ねをいたしたいと思います。
 日本中央競馬会の一〇〇%子会社で日本トータリゼータ株式会社という会社があります。この会社は日本中央競馬会の馬券業務の機械化に伴うコンピューター等の保守や運用の援助を行う会社であります。社長は農水省官僚が中央競馬会を経由して天下ってくることが多く、平成十一年度の営業収益は約二百億円、当期利益は二千九百万円程度になっています。
 問題なのは日本中央競馬会のコンピューター等の保守、運用については同社へ九〇%以上の業務が発注をされているということであります。日本中央競馬会は外部のコンピューター会社に仕事を外注した方が効果的だということを知っている、それをあえて実施しないのは官僚の天下りの受け皿や日本中央競馬会関係者の再就職先を確保するために存続させているようなもの、民間会社だったらとうにつぶれているとの指摘があります。
 そこで、農水大臣にお伺いをしたいのでありますが、このようないわれなき風評に対してどのような競争性を導入し透明性、公平性を確保していこうとされるか、お伺いをいたします。
#21
○国務大臣(玉沢徳一郎君) トータリゼータシステムは競馬における勝ち馬投票券の発売、払い戻しに関する業務を電算処理するシステムでありまして、日本中央競馬会と民間が共同で開発したものであります。このトータリゼータシステムの機器の運用、保守等の業務は馬券の発売、払い戻しという競馬会の基本業務と一体のものとして行う必要があり、また専門技術に基づく継続的管理を要するものでありますことから、従来より日本トータリゼータ株式会社に発注しているところであります。
 また、トータリゼータシステムにかかわるコンピューターにつきましては、複数の会社の関連機器を採用しており、機器の導入に当たりましては官報に公告し募集を行うプロポーザル方式を導入しており、透明性、公平性の確保に努めているところであります。
 農林水産省としましては、保守作業内容の検討による業務の合理化、保守作業体制の見直し等によるコストの節減が図られるよう、今後とも競馬会を適切に指導してまいりたいと考えております。
#22
○阿南一成君 ありがとうございました。
 次に、中央競馬会の関連団体、関連会社がコングロマリット化し利益移転、利益隠しを行っているのではないかとの風評があります。競馬関係者の福祉部門を担当する財団法人として日本中央競馬弘済会があり、名誉会長には歴代の日本中央競馬会理事長、つまり農水省事務次官経験者がつくことが少なくないのであります。この日本中央競馬弘済会が共栄商事株式会社の筆頭株主となっております。この共栄商事株式会社は日本中央競馬会の印刷物の受託等を行っている会社で、社長は日本中央競馬会の理事経験者の指定ポストではないかとも言われております。さらに、この共栄商事株式会社は損害保険代理業の新和サービス株式会社と施設の設計施工業者である日本競馬施設株式会社の筆頭株主となっております。
 そして、色眼鏡をかけて農水省及び日本中央競馬会をウオッチャーしているものは財団法人のもとに株式会社を設立していることに注目をする必要がある、日本中央競馬会は利益を助成金という形で財団法人に交付する、そうして営利事業ができない財団法人は傘下に株式会社を設立して利益を落とす、つまり日本中央競馬会が遠隔操作している共栄商事に日本中央競馬会本体の利益が中抜きされながら効率よく移転しているわけで、利益隠しと言われても仕方のない構図だと指摘する向きもあります。
 このような指摘に対して農水大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
 なお、堀内元通産大臣は、かつて通産省所管の石油公団についてその全体像を完全に掌握され、みずからその財務諸表を詳細に検討されて幾つかの問題点を発見し指導されたことを承知いたしております。
 私は行政監視委員会の委員として、玉沢大臣にも中央競馬会についてぜひしっかりとその全体を御掌握いただき、そこに政治の光を当てていただきたいと思うのでありますが、御決意のほどをお伺いいたします。
#23
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 日本中央競馬会の関連団体につきましての御質問であると、こう思います。
 いわゆる関係団体につきましては、ファンサービスの向上や競馬事業の効率的な運営等を図るため、競馬事業運営に必要なそれぞれに関連した役割を果たすために設立されたものと承知をいたしておるところであります。
 日本中央競馬会におきましては、監査部を設置し、これら関係団体の業務全般について毎年定期的に監査を行うとともに、関係会社との契約に当たりましても、経営の実態を十分把握し、行っていると承知をいたしておるところであります。
 農林水産省といたしましても、日本中央競馬会と関係団体との公正な取引関係の維持形成及び関係団体の業務運営の適正化については常に配慮する必要があると考えておりまして、今後とも日本中央競馬会に対する指導監督につきましては特段の配慮をしてまいりたいと考えております。
 いろいろと風評があるようでございますけれども、風評に対しましての私の見解は以上のとおりでございます。
#24
○阿南一成君 ありがとうございました。
 ところで、本日は余り時間もなく、私もにわか勉強でありましたので御答弁をいただいた方々には大変御苦労をかけたのではないかと心配しております。
 日本中央競馬会、非常に大きな組織で関連団体、関連会社も三十を超えております。引き続いて私もさらに勉強をさせていただきたいと思っています。
 したがって、この関連団体、関連会社におけるそれぞれの理事長、社長、役員等の氏名、年齢、出身官庁、そしてその財務諸表について資料要求をいたしたいと思いますので、委員長の御聖断を仰ぎたいと思います。
#25
○委員長(浜田卓二郎君) ただいまの阿南君の資料要求につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#26
○阿南一成君 次に、石油公団関係の質問に移らせていただきます。
 まず初めに、アラビア石油の問題についてお尋ねをいたします。
 アラビア石油は、昭和三十六年以来、サウジアラビアとクウェートの中立地帯で石油の生産を行い、それを我が国に供給してきました。この権益の期限が到来することから、我が国は会社だけでなく政府も参加してサウジとの間で権益の更新に向けて鋭意交渉を行ってきたところであると承知をいたしております。しかし、まことに残念なことに、サウジの王族が砂漠に鉄道を引くように要求し、これが原因となって交渉は決裂したと伝えられています。
 我が国にとって最大のいわゆる日の丸原油が失われたことはまことに残念でありますが、一方で我が国としても譲ることのできることとできないこととがあったのであろうと推察をするものであります。
 そこで、このような結果に至った経過について、いま少し詳しく御説明を願いたいのであります。
 そして、その結果アラビア石油においては大変なリストラを余儀なくされていると思いますが、これまで国家戦略の基本であるエネルギー確保のために頑張ってこられたこれら従業員の皆様の処遇について手厚い支援が可能であるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#27
○政府参考人(河野博文君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、サウジアラビアは世界最大の石油供給国でございますし、また中東産油国の盟主と言われる国でございます。日サ関係の維持強化は非常に重要なものだと認識をして対処してまいったつもりでございます。
 アラビア石油の利権交渉につきましては、利権交渉そのものはアラビア石油が、一方で日サ両国間の環境という意味から政府もこの協議に携わってまいりました。
 通産省といたしましては、環境整備という観点から累次サウジ政府とも話し合ってまいったわけですが、特に本年一月には深谷通産大臣みずから訪サをいたしました。ガス開発利用、こういったものへの支援を含みます事業規模にいたしまして総額約六千億円の包括的な投資促進策のパッケージ、そしてまた御指摘ございましたような鉱物鉄道事業に対します一千四百億円の低利の融資など日本政府としては最大限の協力策を提示いたしまして、訪サいたしました深谷通産大臣はアブドラ皇太子殿下、さらにはヌアイミ石油大臣等のサウジ政府の主要閣僚と協議をいたしたわけでございます。
 しかしながら、先生も御指摘になりましたように、これに対しましてサウジ側は日本側によります鉱物鉄道の無償供与を主張するということでございまして、私どもこれ以上国民の皆様からちょうだいする税金を使うという譲歩は困難であるという判断に立ち至り、妥結に至らなかったものでございます。
 協議が妥結に至らなかったということは本当に残念のきわみでございますけれども、世界最大の石油供給国でございますサウジアラビアと世界第二の消費国でございます我が国との相互依存関係の重要性というものは変わらないわけでございまして、また我が国の石油の安定供給に不安はないという状況になっております。
 これは一月の深谷大臣の訪サ後にもまた別の要件におきましてサウジアラビアのヌアイミ石油大臣が訪日をされ、いろいろの場面でお話をされているわけでございますけれども、日サの友好関係に変化はないのであるということをたびたび申されていると思います。また、日サの友好関係維持ということで本年四月には荒井通商産業審議官が訪サをいたしまして、両国の変わらない関係を確認するとともに、引き続き意見交換を行っている、そういう状況でございます。
 今後とも、日サの友好関係維持のために双方の努力が必要だということを肝に銘じているところでございます。
 また、アラビア石油のリストラについての御指摘がございました。
 そういう経緯でございまして、アラビア石油株式会社はサウジアラビアとの間での採掘権の終了という事態に至りました。残る半分の権利はクウェートとの関係で残っております。しかし、事業規模が半分になりますので、事業規模を縮小するために、本社機能の統廃合ですとか、あるいは在外事務所の廃止等の業務体制の簡素化を図ると同時に、本年四月以降、日本人の取締役員数を十二名から七名に削減する、また希望退職制度の導入によりまして日本人従業員数を約三百三十名から四五%程度削減するといった経営合理化策を実施してきていると承知いたしております。アラビア石油としましても、現在、退職者の他企業への再雇用のあっせんに努めているというふうに承知をいたしております。
 このアラビア石油の雇用問題自体は基本的には会社が対応すべきことでございますけれども、政府といたしましても必要があればまた可能な範囲内で適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#28
○阿南一成君 ありがとうございました。
 エネ庁長官、もう一問質問したいので、時間の配分がありますのでしばらくお待ちください。
 緑資源公団関係についてお伺いいたします。
 平成十一年十月に緑資源公団が発足しておりますが、緑資源公団の前身である森林開発公団及び農用地整備公団は、平成九年六月の特殊法人等の整理合理化についての閣議決定や事業改善に係る閣議決定において、そしてまた総務庁の行政監察等においていろいろと指摘を受けてきたところであります。
 これら各種の指摘事項についてこれまでにどのように対応されてきたか、そしてまた緑資源公団という名称に変わった後にこれらの指摘に誠実に対応していく必要があると思いますが、どのように考えておられるか、お伺いをいたします。
#29
○政府参考人(伴次雄君) 今、先生から指摘がありましたとおり、平成九年六月の特殊法人の整理合理化という案によりまして、平成十一年十月一日に農用地整備公団を廃止いたしまして、その受託事業等を森林開発公団が承継して新しい緑資源公団として発足した次第であります。
 また、旧両公団の事業改善につきまして行政監察やら閣議決定の指摘を受けているところでございまして、これらにつきましては、まず旧森林開発公団の関係であるわけでございますが、一つ目は大規模林道でありますが、計画延長の約一〇%の縮小、それから一部の路線につきましては林道幅員を狭くするというような措置、そして新たに再評価制度を導入していわゆる三区間の中止なり休止なりを図っておりますし、これの施工に当たっての環境面の配慮につきましては自主的な環境調査というものの導入を図っておりますし、環境保全の工法の採用も行っております。
 また、もう一つの事業であります森林整備につきましては、複層林の施業の導入とか広葉樹を植えるような施業の導入を図っております。
 また、旧農用地整備公団につきましては業務の効率化を図るべしとの指摘があったわけでございますが、OA化の推進によりまして工事の設計なり積算システムの合理化を図っておる次第でありますし、それから農道計画の調整を図りまして農道事業と圃場整備事業との一体的な整備の実施を進める等の改善を進めてきたところでございます。
 今後とも、この方向に沿って適切に対応していく必要があるというふうに考えておる次第であります。
#30
○阿南一成君 ありがとうございました。
 もう一度エネ庁、石油公団の問題についてはこれまでもたびたび国会でも取り上げられ、堀内元大臣が問題を提起されました。そしてさらに、与謝野前大臣の指示により外部の中立的専門家から成る委員会を設けて徹底した検討を行い、現在はこの検討結果に基づいて経済性審査の改善、情報開示、外部監査など他省庁の幹部諸君がそこまでやるのかと驚くほどの前向きの姿勢でその改善に取り組んでいることを承知いたしております。
 しかしながら、私は、石油公団が多額の不良債権を抱え、今日に至るまで何ゆえに歴代石油公団総裁が何の手も打たずに放置をしてきたのか、理解に苦しむところであります。資源エネルギー庁長官としては、先輩各位のことでもあり、答弁しにくいこともあろうかと思いますが、今日の結果をもたらした原因について冷徹に分析した答弁を求めます。
#31
○政府参考人(河野博文君) 先生から御紹介をいただきましたように、石油開発公団のリスク評価といいますか、こういうことの問題点につきましては開発事業委員会でまずさまざまな御検討をいただきました。ここでは、中立的専門家六名のみで構成される委員会ということでございまして、徹底した御分析をいただいたというふうに承知しております。
 昨年の二月に公団の業務改善あるいは情報開示等についての報告を取りまとめていただきまして、ここでは通産省あるいは石油公団の対応に迅速さ、的確さが欠けていたという指摘も正直なところ受けたのでございます。
 こうした事業運営への対応がおくれました理由として、この報告書では自主開発原油の量的確保に重点を置く傾向があった、したがって資金の効率的運用に対する配慮に欠ける面があったという指摘がまずございます。また、石油公団の出融資につきましては将来発生すると見込まれる損失額が石油公団の財務に適切に反映されるシステムとなっていなかったということも指摘を受けました。それから、石油公団の将来の損益見通しが行われていなかったといったようなことを挙げられております。こうしたことから、将来のリスクを十分織り込んだ経営ということについての御指摘があったものと理解をしております。
 もちろん、過去これに携わりました関係者は、御案内のとおり、二度にわたる石油危機の経験を私ども経ておりますので、その時点では我が国へのエネルギーの供給確保ということでベストを尽くしてきたものというふうには思っておりますけれども、現時点でこうした報告をいただきまして、またこうした状況認識に基づく対応を通産省としてはこの報告書の指摘を真摯に受けとめるべきだというふうに考えておりまして、事業運営の適正化のための措置を実施すべく全力を挙げて取り組んでいるという状況でございます。
#32
○阿南一成君 農林中央金庫、農林漁業金融公庫、その他質問通告を幾つかしておりましたけれども、次の先生の時間に食い込んでもいけませんので、これで質問を終わらせていただきます。
#33
○江田五月君 昨日午後四時七分に小渕前総理が脳梗塞でお亡くなりになりました。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 考えてみますと、私は小渕さんと直接対決したのはたしか三月十七日の参議院の予算委員会の締めくくり総括だったと思いますが、その際、ドコモ株のことなんかも聞きながら、人柄の小渕はどこへ行ったと、そんな質問もしましたが、しかしその中で小渕さんというのは私も好きなタイプの一人なんだということも言いました。困ったときは困った顔をするし、うれしいときはうれしい顔をするし、まことに平凡、しかし本当に非凡な凡人で、そこがまた人をまとめ上げていく非凡な才能であったのではないかと思ったりしています。本当に悔やんでもといいますか何といいますか、心中いかばかりかと思います。
 中村紘子さんというピアニストがおりまして、その人があるパーティーをやって小渕さんの奥さんがお見えになって、いや小渕もぜひ行きたいと言っておったと。彼はピアノが大好きで、寅さんも泣けるけれどもチャイコフスキーも泣けるな、こういうことを言っておったと。まことに小渕さんらしい表現でして、そういえば中村紘子さんのお宅でちっちゃなコンサートをやったりしまして、おととしの秋でしたか、小渕総理の就任をお祝いするホームコンサートをやって、私もバイオリンを弾いたりしまして、そんなおつき合いもあったりで、本当に心が痛む思いでございますが、続総務庁長官、小渕前総理の御逝去に対して何か思うところがあれば一言いかがですか。
#34
○国務大臣(続訓弘君) ただいま江田委員から今は亡き小渕総理に対する心からのお悔やみのお言葉をいただき、本当に内閣の一員であった私としては感謝申し上げます。
 私自身も、小渕前総理から総務庁長官を拝命するときに、論文を書けとかつてない指示がございました。そして、その論文を見て、私にこんな言い方をされました。自分の内閣はまさに行政改革を大前提として考えていると。今、君の論文にあったかつての都政におけるあの果敢な行政改革を我が内閣においても断行してほしい、泥もかぶり水もかぶるという私に対する指示がございました。その指示に私は懸命に従う、その思いで十二月のあの定数削減に努めました。
 十二月二十四日でありました。閣議の席上で、九千百八十五人のかつてない削減を果たしてくれてありがとう、ここにおられる閣僚各位の御協力にも感謝すると。私は、あの総理として閣議の席上で当然の仕事をやった私にそういうお褒めの言葉、ねぎらいの言葉、これをかけられた小渕総理、まさにこの人のためならば、そんな思いを深くいたしました。
 これだけではありません。ここに田中長官がおられますけれども、例の神奈川の不祥事の際に、私はこれらの根源はキャリア制度にあるのではないか、ついては総務庁が持っている監察あるいは組織あるいは人事、こういう面で厳しくという記者会見を申し上げました。その直後、やはり同じく総理から電話がありました。
 そういう一つ一つのことに細かく心を砕いていただいた総理、私、本当にこんな総理のもとで仕事ができて幸せだった。これは一つ二つじゃありません。何回も私はそういう電話をいただいた。そういう思いを今感謝しているわけであります。もう意は尽くせませんけれども。
#35
○江田五月君 いろんなエピソードをすべてお話しいただくと時間がありませんので、申しわけありませんが。
 本当に私は、小渕総理、無念の思いが強く残った御逝去だったという気がして仕方がないんです。続長官はこの人のためならと一生懸命努力をされる。私どもは一生懸命小渕総理を批判する。しかし、それは議会制民主主義を動かしていくお互いの立場でして、別に立場だからというわけじゃなくてそれは一生懸命やりますが、だからといって人間的に別にそこに恨みも何もあるわけじゃないので、私どもの批判が仮に小渕総理の病に倒れられる原因になったとすればそれはまことに遺憾ですが、しかしそのことをもって野党は人を批判するなというのはおかしな話、批判をするべきはさせていただきたい。
 しかし、好敵手といいますか、私なんかが好敵手と言うのもおこがましいですが、そういう気持ちでやらせていただきたいと思っておるんですが、私はやはり四月の二日から四日にかけての一連の出来事、これは本当に小渕総理にとって無念やる方ない、小渕総理にもし本当に御自分の意思をしっかり表明することができていれば私は森内閣は誕生していなかったと思っております。
 そこで、多少聞きますが、続長官、これは前に聞いたかもしれませんが、小渕総理が倒れられたという第一報はいつ、どなたからお聞きになられましたか。
#36
○国務大臣(続訓弘君) 私は、当日はある方の結婚披露宴がございました。夜の七時から十時二十分までその会場におりまして、帰ったのが十一時近くでありました。報道によれば、十一時半から緊急記者会見がある、官房長官の緊急記者会見があるというニュースを見ました。十一時半のニュースを見て小渕総理の倒れられたということを知ったわけであります。
#37
○江田五月君 官房長官の記者会見は、小渕総理がちょっとぐあいを悪くして、過労でという言い方でしたかね。検査で入院をしておられると、そういうことでしたね。
 そうすると、小渕総理が青木官房長官を首相臨時代理に指定をしたと、これはいつ、どこで聞かれましたか。いつ聞かれましたか。
#38
○国務大臣(続訓弘君) 翌日の三日の十二時四十分に臨時閣議が開かれました。そのときに青木官房長官から小渕総理の病状について報告があり、かつ九時に臨時代理に就任をしたという報告をいただきました。
#39
○江田五月君 その三日の午前十時でしたか、記者会見で青木官房長官は首相臨時代理への指名のことを記者の皆さんにお話ししているんですが、それはお聞きになっていないですか。
#40
○国務大臣(続訓弘君) 十一時に青木官房長官の記者会見があって、病名の公表があり、本日九時に臨時代理に就任したという記者会見、これは拝見いたしました。
#41
○江田五月君 十一時でしたかね。私の間違いだと思います。
 十一時、臨時代理に就任九時、それはいいんですが、どういうことを言われて指名を受けたかということはその会見でおっしゃったと思いますが、それは耳にされましたか。
#42
○国務大臣(続訓弘君) 当日のことはよく記憶しておりませんけれども、いずれにいたしましても九時に内閣法に基づく総理の臨時代理を受けたという報告を私は伺いました。
#43
○江田五月君 警察庁長官は第一報はいつ、だれから聞かれましたか。
#44
○政府参考人(田中節夫君) 四月二日に小渕前総理の入院及びその発表につきまして報道されましたが、その報道される少し前に警備局の担当官から報告を受けました。
#45
○江田五月君 報道というのは十一時半の会見のことですか。その十一時半の会見の前に刑事局のどなたから聞かれたと言いましたか、今。
#46
○政府参考人(田中節夫君) 十一時半の報道があります前に、既に十一時前後にNHKで十一時半ごろ発表があるという報道がなされておりました。時間はわかりませんけれども、その前後に報告があったわけでございます。
#47
○江田五月君 刑事局のどなたとおっしゃいましたか。
#48
○政府参考人(田中節夫君) 警察庁の警備局の担当官でございます。
#49
○江田五月君 その後、保利公安委員長には報告はされましたか、されませんか。したら、いつですか。
#50
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員長に対する報告でございますけれども、それは翌日、四月三日に報告をさせていただいたところでございます。
#51
○江田五月君 続長官、ここは細かなことと言えば細かなことなんですが、憲法七十条の総理が欠けたときとか、あるいは内閣法九条の臨時代理の話とか、やはり法律で決まっていることがきっちり行われているかどうか、行われていないとすれば、じゃ行えなかった状況、それはやむを得なかったのか、法律や憲法に決まったとおりに行えなかったんだとすると、じゃそのときはどうやったらいいのかというようなことをみんなで真剣に考えるところなんですよね。そこであえて伺っているんです。
 青木官房長官は、後に四月十日の衆議院本会議の答弁あるいは記者会見で「有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼む」と言われたと。これは前の言い方を実は修正していまして、前の言い方、つまり四月三日の記者会見では、検査結果によっては青木官房長官が臨時代理の任に当たり、一刻もゆるがせにできない課題に対応するようにと言われたと、こうおっしゃっているんです。
 しかし、この四月三日の発言ぶりは違うということは四月十日に青木官房長官御自身がお認めになっており、さらにきのうの医師団の説明によると、この四月十日のものもどうもこうであったのかどうか。
 いや、もう細かなことは言うなと、それは親兄弟よりももっと深い総理と官房長官の関係なんだから発言の順序などなど、そんなことはもう細かなことで、まあ言ってみれば目と目が合えばわかるか、あるいは以心伝心だと、そういうような口ぶりなんですが、私どもは本当に臨時代理に青木長官が指名されているのかということをやはり強く疑っているわけですが、続長官はその総辞職の閣議の際に……。
 総辞職の閣議はだれが招集されましたか。
#52
○国務大臣(続訓弘君) 青木臨時内閣総理大臣であります。
#53
○江田五月君 青木内閣総理大臣臨時代理ですね。そして、その閣議はだれが司会をされましたか。
#54
○国務大臣(続訓弘君) 青木官房長官御自身であります。
#55
○江田五月君 それは、司会は官房長官としてということですね。
 では今度は、総辞職の発議というのはだれがされたんですか。
#56
○国務大臣(続訓弘君) 青木臨時総理代理です。
#57
○江田五月君 そうすると、その臨時閣議の招集、そしてその閣議で青木官房長官が司会する中で、総辞職の発議を青木内閣総理大臣臨時代理がなさったと。青木臨時代理になっていなきゃいけませんね。その青木臨時代理になることについては、今の続長官の説明だと記者会見で九時の段階で自分がなったということを聞いたというだけで、その前の指名のことについては長官は余り意識をされていないということですか。
#58
○国務大臣(続訓弘君) 内閣法によれば、小渕前総理から口頭でもいいと、とにかく臨時代理を頼むと、こう言われればそれは成立するんだと、このように私は理解をしています。
#59
○江田五月君 したがって、続長官は、四月三日の午前の青木官房長官の記者会見でおっしゃった、検査結果によっては青木長官が臨時代理の任に当たり、一刻もゆるがせにできない課題に対応するようにというその言葉を根拠に、ああこの人が臨時代理になったんだなと、こう思われたわけですね。
#60
○国務大臣(続訓弘君) そのとおりです。
#61
○江田五月君 ところが、それが違ったんですね、その言葉が。だって、後で青木官房長官は「有珠山噴火の心配もあり、何かあれば万事よろしく頼む」と修正した。しかも、その言葉自体も、きのうの医師団の発表によれば、多少びっくりしたとか。どうもそこまでのことが言えたのかと大変疑問になってくる。
 そうすると、四日ですか、閣議で総辞職を提案されたとき、この人が臨時代理になっていると思った、それはきつい言葉で言えばうその説明でそう思い込まされてしまった、そうなりませんか。
#62
○国務大臣(続訓弘君) 私は長い間行政経験者であります。知事が仮に副知事に、先ほど江田委員がおっしゃいましたように、以心伝心、目と目で指図ができるという官房長官であり総理大臣の関係だと私は思います。
 したがって、今お話しのように、言葉がどういう言葉であったか、その辺のところはわかりませんけれども、少なくとも内閣法に基づいた臨時代理を頼むということは当然あったと私は理解をしております。
#63
○江田五月君 以心伝心、目と目でそういう指示ができる関係。さて、それでいいのか。これは大変疑問が私としてはありますが、青木官房長官の首相臨時代理の就任と小渕内閣の総辞職、これが内閣法九条、憲法七十条に抵触するのではないかという我が国憲政史上まことに重要な疑惑が出てきているわけで、私はやはりそこはもう目と目とか以心伝心じゃなくて、やはりこうこうこういうことになった、大変だ、臨時代理という明確な指名はないが臨時閣議をとにかくみんなで集まって開いて、あるいは閣僚懇談会という手もあるかもしれません、その中で十分議論をして乗り越え策というものを考えれば、閣僚みんなの支持のもとに青木さんが臨時代理にとにかく就任して、そして乗り越えていくというようなやり方をやってその後に、ここはとにかく窮余の一策でそうやったが、ちゃんと臨時代理をあらかじめ置いておくような、そういう制度をつくろうというようなことをすればこれは問題なかったと思うんですが、どうも憲政上の最重要事項を閣議も開かず、国民に真実を伝えず、自民党の五人のボスたちだけで勝手に決めた、こう言わざるを得ない。自民党の役員の皆さんが集まって、役員会か何かで今後のことを決めるというならまだしもわかりますが、本当にそういうことを考えれば、小渕さんの無念さいかばかりかと思います。
 続さん、小渕さんから森さんになって閣議なり閣僚懇談会の様子というもの、雰囲気というもの、変化はまるっきりないんですか。やっぱり総理がかわればこんなに雰囲気が変わるんだなというようなことがあるんですか、どうなんですか。
#64
○国務大臣(続訓弘君) 先ほどの官房長官と前総理とのやりとり云々というお話の中で、私はきのう医師団の発表を見ておりました。責任ある医師団の発表では、意思は伝えられたというお話がありました。私は、そのことからしても青木官房長官と小渕総理とのやりとりはあったと信じて疑いません。
 同時に今、今度は森総理と小渕総理との閣議の模様はどうかというお話でございますけれども、これは江田委員御自身が閣僚経験者であります。その閣僚の閣議の模様を公開するということは、これはできません。したがって、これは閣僚経験者の江田先生がよもや私にそういう御質問があろうとは知りませんでした。
#65
○江田五月君 閣議の内容を公開できないということはないですよ。それは皆それぞれ、閣議が終わったらそれぞれ記者会見するじゃないですか。そしていろんなお話をしますよ。閣議の中で、あるいは閣僚懇談会の中でこのことは伏せておこうというようなことをお互い申し合わせることはある。その場合には申し合わせに従って伏せておくこともあるけれども、申し合わせはあってもさらに記者の皆さんに話してしまうという場合だっていっぱいある。閣議の中身は公開しないということになっているというのは、本当にそれはよろしいですか。
#66
○国務大臣(続訓弘君) その雰囲気なんですね。要するに、前小渕総理のときと森総理のときとはかくかくこうこうですというようなことはやらないと。ただし、今おっしゃるように、閣議の中であったことは記者会見で申し上げます。
#67
○江田五月君 政治は人がやるのでトップの人がかわったらいろんな変化は出てくる。閣議の中の雰囲気一つとってみてもやはり変わる。そのことは個性といえば個性ですが、国の動かし方にとって非常に重要で、私は、続長官は小渕内閣の閣僚になられたので、今回、他の大臣全部、一人残らずかわらず引き続いて総理だけがかわったということではあるけれども、やっぱり続長官も総務庁長官を受けるかどうかについてはだれから言われたかということは極めて重要なことだと思う。それはお受けになるのは続さんで私じゃありませんから余計な心配かもしれませんが、やはりそこはだれになっても同じことだというわけではないと思います。いずれにしても、それはよろしい。
 もう一つ、政治家同士の議論をさせていただきたいんですが、最近、我が党の鳩山代表とか菅政調会長と公明党の神崎代表と大分火花が散っておりましてはらはらしているんですが、私自身は、公明党の皆さんが連立政権に参加をして閣僚になられる、そのこと自体が憲法違反だと、そういうふうには思っておりません。現に細川内閣で公明党の皆さんとも一緒に閣内にあって政治改革などの仕事もいたしました。しかし、公明党の皆さん自身が非常に気を使っていらっしゃるので、例えば今月十日発売の文芸春秋六月号、野中自民党幹事長へのインタビュー記事で野中幹事長がこう言われています。
 連立がスタートするとき、神崎さんがわざわざ官邸に来られて、「連立に参加し閣内に入ります。しかし、我々には条件があります」と切り出されたことを思い出します。公明党は、検察と裁判と法を扱う法務大臣は遠慮する、宗教法人を管轄する文部大臣、それから警察を所管する自治大臣、国家公安委員長も遠慮します。さらに我々は「福祉の党」と言ってきましたが、我々が厚生大臣を持つことによって、公明党の政策を政権のなかで押しつけたと誤解されてはいけないので、厚生大臣も遠慮しますと言われた。それ以外のポストで、しかも、今回は初めての入閣ですから創価学会員でない続参議院議員を、ひとりだけ入閣させてください、という申し出があったのです。
と、これは私が言っているんじゃなくて野中幹事長が公然と雑誌の中で言われているわけです。
 続長官、このような事情があって総務庁長官になられたと、こうなるんですが、なぜ公明党は、文部大臣、厚生大臣はともかくとして、法務大臣、自治大臣、国家公安委員長、これを遠慮されるんですか。どうお考えになりますか。
#68
○国務大臣(続訓弘君) それは神崎代表がそういうお考えで野中幹事長代理にお話をされたんですか。その辺のところは私よくわかりません。どういう意図で今の申し出があったかということを私自身はわかりませんので、御理解賜りたいと思います。
#69
○江田五月君 文芸春秋に出ている記事によればですよ、記事が違っているといったらまたこれは違うので。記事によれば野中幹事長がこう言っていると言って、その中で神崎さんが来られてこう言った、そういう構造になっているわけですから、幾つか伝聞の部分がありますから、そのとおりであるかどうかわからないので尋ねてみたわけですが、続長官としてはそれはわからないということですね。わからないということかもしれません。その方が正しいんだろうと思いますが、しかし公明党の皆さんがそこまで気にされるということは何か気にしなきゃならぬことがあるのかと、こういうことになるので、私はそんなに気にされることがあるようじゃ困るなという気がいたしますが、これもそういうことでどうぞ、私自身は自公保政権、実質自公の連立政権はこれは反対です。それは、長く自民党を批判し反対してきた公明党の政権へのすり寄りということもあるけれども、何より自公政権では公明党のよさが失われる。逆に悪いところばかりが表に出てくる。私は、長い間公明党の皆さんとずっとつき合ってまいりました。平和、環境、人権、福祉あるいは政治倫理、行政改革、このようにすばらしい政策を高く掲げておられて高く評価をしてまいりましたが、どうもしかし自公政権の中でそういうよさが見えなくなっている。地域振興券とか児童手当ばらまきという、こんなものが目立つようになる。政治倫理にしても、藤波元官房長官は事実上許す、ドコモ疑惑も、これも最初に国会で取り上げたのはここにおられる益田洋介さんなんですよ。しかも本会議で公明党の代表質問でやられた。そういうところを高く評価しているのに、どうもこの一年取り上げようとされない。
 公明党のよさが失われるじゃないかと思いますが、反論はございますか。
#70
○国務大臣(続訓弘君) 私は、お言葉ではございますけれども、公明党は公明党としての立党精神がありますし、そしてまた、連立は組んではいるものの、譲るべきところと譲るべきでないところとはちゃんと峻別をしておられる、こんなふうに思います。
#71
○江田五月君 譲るべきでないところは断固譲らないでいただきたいと思います。警察法の改正なんというのは、やっぱり先送りをせずに断固やってほしいと思います。
 政府参考人の皆さんに通告した質問をいたします。
 大蔵省理財局ですが、理財局は国の財政投融資が有効に活用されているかどうか、この結果について責任を持っている、そういう役所だと、これはこう理解してよろしいですか。
#72
○政府参考人(中川雅治君) 財政投融資制度は財政政策の中で有償資金の活用が適切な分野に対応する施策を効率的、効果的に実施する仕組みでございまして、理財局は各省庁、各機関からの要求を審査し、財政投融資計画を作成する事務について責任を有する部局でございます。
 今お尋ねの財政投融資の有効活用に責任を有する部局かどうかということでございますが、理財局といたしましては、今申し上げましたように、各省庁、各機関からの要求を審査し財投計画を取りまとめるという意味で財政投融資の有効活用に責任を有しているというふうに申し上げてよいと思います。
 なお、財政投融資が社会経済情勢等の変化に的確に対応し、将来においても適切に役割を果たしていくため、財政投融資改革を実施することとしておりまして、現在そのための法案について御審議をお願いしているところでございます。
#73
○江田五月君 各省庁、機関からの要求の審査と取りまとめをする、その意味で責任があると。
 ちょっとよくわからないんですが、審査と取りまとめをする責任であって、その結果がどうなろうとそれは責任ないという意味ですか。結果がおかしければ、やっぱり審査がおかしい、取りまとめの仕方がおかしいということになるんですか。何か責任があるようなないような、責任逃れをするつもりでおっしゃったのか、そうじゃないのか。
#74
○政府参考人(中川雅治君) 責任逃れをするつもりで申し上げたわけではございません。
 もちろん、個々の特殊法人の事業につきましてはそれぞれ主務官庁が第一義的には責任を負うべきだと思いますが、私どもといたしましても、きちっと審査をしている以上、その審査結果と違うような状況にならないようにいろいろな形で努めていく必要があるというふうに考えております。
#75
○江田五月君 審査結果と違うようにならないようにと。
 例えば国鉄清算事業団、当初のもくろみと違って十年間の土地と株の売却収入は利払い費にも満たず、債務は二十五兆から二十八兆に膨れ、国民負担も二倍になった、これは当初の審査の結果、こういうことは見通しておられたんですか。
#76
○政府参考人(中川雅治君) これは、昭和六十二年四月に国鉄の分割・民営化が行われたわけでありますけれども、そのときの債務処理につきましては十年間要したわけでございます。
 もちろん、この国鉄に対する財政投融資の使い方というのは、これは国の資源配分といった本来の財政投融資の目的とかけ離れたものであるというふうに言えるわけでありますけれども、本格的な債務処理までの間の資金繰りはいずれにしてもつけなければならなかったということがございますし、それから本格的処理の実行までの間における例えば地価高騰に対処するための土地売却が見合わされたと、それはその時々の政策判断で、いろいろ当初見通していなかったような、十年という非常に長い期間がございましたので、その間それぞれの時点において政策判断をしたといったような要因がございまして債務の額を減少できなかったという事情があるわけでございますので、当初の見通しと違ったということで、それで政策の失敗だったとかあるいは問題があるというふうには考えていないわけでございます。
#77
○江田五月君 当初の見通しとは違ったんですか、違っていないんですか。当初ここまで見通したんですか、見通していないんですか。
#78
○政府参考人(中川雅治君) これは恐らく、地価高騰に対処するための土地売却を見合わすというような政策判断をするということを当初見通していたというふうには思っておりません。
#79
○江田五月君 役所の皆さんは非常に言葉巧みでいらっしゃるのでいろんな説明をされるでしょうが、やっぱり十年かけてこうなったと。成功だったとはとても言えないんじゃないかと思いますがね。
 先日の理財局の御説明では、本四連絡橋公団、それから年金福祉事業団、日本下水道事業団、この三つが債務超過であるということですが、三つの事業体の財務の健全性、事業の存続可能性、これは、簡単にお答えください、どうお考えですか。
#80
○政府参考人(中川雅治君) 今御指摘のように、年金福祉事業団、日本下水道事業団、本四公団が債務超過になっているわけでございますが、まず年金福祉事業団の自主運用につきましては、安全かつ効率的な運用に努めているものと理解いたしておりまして、その累積欠損につきましては、現在作業中の十一年度決算におきましては、国内株式などの収益が貢献して、時価ベースで累積赤字を上回る黒字が発生する見通しであるというように聞いております。
 それから、日本下水道事業団のこれは建設業務勘定でございますが、そこで行っております下水汚泥処理事業につきましては、当面、施設整備に要する費用が先行し汚泥処理料金収入を上回っているため損失が生じているわけでございますが、今後、汚泥処理量の増加や料金見直しにより欠損は漸次解消していくことが見込まれていると認識いたしております。
 それから、本州四国連絡橋公団につきましては、現在いわゆる創業赤字の状況にあるわけでございますが、昨年の三ルートの全線開通に伴いまして本格的に業務が開始されることから、順次収支が改善し、採算の確保が図られる見通しであるというように聞いております。
 これらの機関に対する財政投融資は、これらの機関の事業は当初より超長期の期間で実施されることが前提となっておりまして、その財務状況が今後改善することが見込まれていることを踏まえれば、現在債務超過となっていることが直ちにこれらの機関の財務の健全性を問題視することにはつながらないと考えております。
 いずれにしましても、今後は政策コスト分析の活用などによりまして財政投融資の適切な運用が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#81
○江田五月君 国鉄清算事業団のようにならないよう祈る御検討ですが、しかし先例、前例がありますので大変心配です。
 毎年予算編成期の九月から十二月にかけて財政投融資の審査が行われますね。そこで理財局の担当者の皆さんが担当の方々とかんかんがくがくの議論をすると。その議論の内容、これは国民にとって国民の財産の有効活用のための判断材料として大変有益、貴重だと思いますが、私は、そのやりとりの資料は、行政機関の意思形成過程の資料というよりも、むしろ意思形成の基礎となる資料ですから、そしてそれぞれ出てくるときには別に意思形成過程というので出てくるんじゃなくて、それぞれ最終的な資料として出てくるわけですから、こういう資料は国民に対してぜひ情報提供してほしいと思います。
 当然情報公開法施行後はその対象になると思いますが、簡単にこれも一言でいかがですか。
#82
○政府参考人(中川雅治君) 来年四月の情報公開法の施行後におきましては、財政投融資に関する行政文書につきましても法の趣旨にのっとり適正に作成、管理、公開されていくものと考えております。
#83
○江田五月君 ちょっと話を変えます。もう時間が非常に少なくなりました。
 議会の中の努力でストーカー行為の規制法、これを仕上げようという合意ができました。ストーカー、この委員会でもいろんな角度から質疑が行われましたが、先日、法務委員会では例えば参考人質疑の中で女性の性暴力の被害者は、取り調べの警察官も診断や治療する医師も弁護士や検察官やカウンセラーなどの専門家も全部女性であることを望んでいるという、そういうお話もございました。
 ストーカー行為の被害者のほとんどは女性だと。六カ月後の法律施行までに、平成八年二月の被害者対策要綱やあるいは昨年十二月の女性・子どもを守る施策実施要綱にあるように、少なくとも八時三十分から十七時十五分までの通常勤務時間中は必ず女性の警察職員の相談員を、全国約千二百ですか、すべての警察署に配置をすべきだと思います。
 現在、女性の警察官、八千五百人と聞きましたが、生活安全部は五百五十人、これを大幅に拡充してこの相談員に女性を充てないと。今までも耳に入ってくるんですよ。警察に相談に行ったら、いや、まあ痴漢に遭って認められてよかったじゃないのなんということを言われてかえって傷つくという、そういう心ない対応ではだめなので、そういうストーカー根絶のための努力を具体的にする決意がおありかどうか、いかがですか。
#84
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、各都道府県警察におきましては、実情に応じてでございますが、可能な限り女性警察職員を担当者とする女性に対する暴力対策係を各警察署で設置いたしまして、被害女性からの相談に適切に対応できる体制を整備するようにということで都道府県警察に対して指導をしたところでございまして、現在これに基づいた取り組みが推進されているものと承知をいたしております。
 現在御論議をいただいておりますストーカー規制法案が法律として制定されますれば、警察のストーカー事案に対する取り組みの万全を期する必要があると認識しておりまして、被害女性からの相談により迅速的確に効果的に対応することができるように各署の相談窓口への女性警察職員の配置の推進につきまして警察として可能な限り努力してまいる所存でございます。
#85
○江田五月君 もう一つ、犯罪被害者支援ネット、東京中野の野方被害者支援ネットワーク、こういうものをつくったという新聞報道がございます。これは去年の五月一日にできたということのようですが、犯罪被害者だけではなくて医師、弁護士、カウンセラーなど女性の専門家のネットワーク、これもすべての警察署ごとに整備をすべきであると。いかがですか、そういう提案は。
#86
○政府参考人(黒澤正和君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、野方警察署におきましてはネットワークづくりを先進的に始めたわけでございますが、現在、被害者対策につきましては、都道府県単位でございますが、被害者支援連絡協議会、こういったものがございます。そこでは性犯罪被害者対策分科会でありますとかあるいは女性被害等の分科会、これは夫婦間暴力における被害者支援のための分科会といったようなものでございますが、あるいはまた警察と産婦人科の医師会等とのネットワークの構築などに努めておりまして、先ほど申し上げました性犯罪被害者対策分科会につきましては三十数都道府県、それから夫婦間暴力などの被害者支援のための分科会につきましては二十数都道府県、それから警察と産婦人科医師会等とのネットワークにつきましては三十九府県警察本部、それから二方面本部で構築をいたしておるところでございまして、今後ともこういった点に努力してまいる所存でございます。
#87
○江田五月君 ストーカー法案について一つ心配なのは、警察の皆さんに働いてもらう、その警察が実は今国民から大変信頼を失っているということでございまして、警察の信頼回復がすべてのこの種行政の基礎に必要なことだと思います。
 警察庁長官に、女性であればいいというわけでもなくて、訓練、教育、啓発、こういうことをしっかり積んだ人たちを配置していただいてストーカー根絶のために努力をしていただきたいと思いますが、そういう決意を伺いたい。
 それから最後に、今国会の行政監視委員会で警察不祥事について私は六項目の資料を調査要求しました。二月二十五日の国家公安委員会の持ち回り議決の書類、二月二十八日の国家公安委員会会議録、全国の警察のかけマージャンの実態調査、全国の警察の要保護記録簿の総点検、全国の警察の交通違反のもみ消しの総点検、全国の警察の裏金の実態調査、いずれも口にするも恥ずかしいという、初めの二つを除きですが、しかし残念ながらどうも答えはすべてそういう調査はしない、あるいは資料は出さない。そんなことでは警察の信頼回復につながらないということでさらに引き続き資料調査の要求をし続けたいと思います。
 総務庁長官、特に交通違反のもみ消し問題は極めて重要で政治家と警察とが国民から信頼されない根本問題の一つだと思うので、ひとつ思い切ってうみを出し切って、警察と政治家に対する国民の信頼回復の第一歩として交通違反もみ消し問題を総務庁の行政監察の対象にしてほしいと思いますが、警察庁長官は今の覚悟のほどを、総務庁長官はもみ消しのことを行政監察で取り扱ってはいかがかと、二つのことを聞いて終わります。
#88
○委員長(浜田卓二郎君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
#89
○政府参考人(田中節夫君) ストーカーに関するところの法律案につきましてはただいま国会で御議論されているところでございますが、この法律が真に実効が上がり、そして国民の警察に対する信頼回復につながるよう第一線に立ちまして教育訓練その他体制の整備等に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
 また、資料要求等につきましては理事会で御議論されているというふうに私どもは承知をしているところでございます。
#90
○国務大臣(続訓弘君) 江田委員も御案内かと存じますけれども、私ども総務庁の仕事は国の行政機関を対象にするということでございます。本件の場合はいわば地方の警察の問題でもございますので、その辺のところはひとつ御理解を賜りたいと存じます。
#91
○江田五月君 要するにやらないと。わかりました。
#92
○田名部匡省君 石油公団の問題について八四年にも国会で問題になった。あるいは平成九年十二月三日に衆議院決算委員会で石油開発に関する問題について集中審議が行われた。その月の二十六日に特殊法人等の整理合理化について閣議決定が行われて、その中で石油公団の開発事業に関して次の方針が決定された。あるいは十年になって六月十六日に堀内通産大臣、そして十年七月に堀内通産大臣から原田衆議院決算行政監視委員長に指摘内容に関する文書が提出されたと。
 今までいろんなマスコミの方々も特殊法人のことを書いておる。特に前回参考人でおいでいただいた猪瀬直樹さんは二度にわたって、九七年、九九年に本を出されている。私もあれをずっと読ませていただきました。
 前回も質問したんですけれども、北極石油、担当の皆さんから話をきょうも聞きました。なかなか理解できないんです。情報公開がきちっとなされていないものですから、どこにどうやって、最後はどうなったかというのは聞いてみて初めてわかった。理解したかというとなかなか理解できない。
 石油公団が北極石油に一千二百七十二億出資、融資をしているわけですけれども、結局カナダのドーム社と私は契約をしていたものだと思っていたんです。そうしたら、親会社も一緒になって契約をしたというのがきょうわかりました。結局、それが持ちこたえられなくて、全部を新しいアムコという会社が引き受けて、いつやるんですかと聞いたら、二十年たっていますけれどもあと三十年権利みたいなものがあって、それで結局為替の問題で、今一バレル三十ドルぐらいですか、上に行けば掘削できる、そうでなければずっといけないと。その間、三十年もし掘れなかったら利息は一体どうなんですかという心配をしてきょう聞いたんですね。
 いずれにしても、私が聞いておって、こんなことをやっているんじゃ相手の方は元手なしで事業ができるなと、率直にそんな感じを受けました。そのときにこれだけの金を融資するのに相手の会社の経営内容を、普通の日本の民間企業だったら大量に注文が来たらやっぱりこの会社は大丈夫かどうか調べますよね、物は送った、お金はもらえなかったとしたら倒産しちゃうんですから。
 公団の場合、子会社でも結構ですけれども、そういう話が持ち込まれたときに、その会社の経営が一体どうだったかということを調べているんですか。
#93
○参考人(鴇田勝彦君) 今、委員御指摘の点でございますが、北極石油につきましては一九八一年に公団の投融資プロジェクトとして採択をしているわけですが、その際北極石油の方からドーム社を相手に融資買油契約ということで本プロジェクトを採択してほしいという話がございます。
   〔委員長退席、理事太田豊秋君着席〕
 私ども石油公団といたしましては、採択に当たりましては技術的な、地質的な成功確率性あるいは経済的生産性を当然のことながら審査して採択に至っているわけでございますが、ただいま先生御指摘の契約の相手方といいますか、パートナーになりますドーム社に対する評価につきましても当時以下のような審査をいたしてございます。
 先生も御承知のように、本プロジェクトは北極海域という、ボーフォート海という従来開発生産実績のないフロンティア地域における探鉱でございました。ただ、当時ドーム社の探鉱成果といいますのは、当時のガルフ・カナダ社、これは大変立派な企業でございますが、実績が大変目覚ましい、そういった探鉱の成果を当該ドーム社は上げておったわけでございます。また、ボーフォート海鉱区の約三分の一ほどを当社は保有してございまして、氷海、つまり氷の海におきます開発、生産、輸送技術についても豊富なノウハウを蓄積していたというように我々は評価もいたしております。
 また、経営能力の点につきましても、世界的に当時石油需給が大変逼迫をしておったわけでございますが、ドーム社の株価も上昇してございまして、具体的に申し上げますと、公団といたしましてはカナダの調査機関でございますAMES社に委託をいたしまして経営能力の調査もいたしてございます。この評価といたしまして、十分信頼に足るパートナーであるという評価は当時受けて採択に至ったという経緯がございます。
#94
○田名部匡省君 ここばかりではなくて、石油公団はエム・ジェー・シー石油に九十八億八千百万を出資して、結局これはベトナムの探鉱事業から撤収したと。いろんな事例があるんですね。
 確かに、石油がなきゃ困るのでいろいろなところへ手を出すというのは私もわからぬではないですよ。ないんですけれども、公団が出融資した会社は二百六十数社あるんでしょうか、そのうち百五十以上がつぶれて四千八十一億ぐらいが消えてなくなったと。もう少し慎重でなければならぬのでないかなという気がするんですよ。日本の国の石油をいろんなので半分賄うというのなら別ですけれども、気持ちはわかるけれども、やっぱり国民の大事な税金を使っているという認識がなければならぬ、こう思うんです。
 私はなぜこの特殊法人を問題にしているかと。
 かつて行革委員会官民分担小委員会の座長さんが、財投の性格を巨大な社会主義金融で第二の予算として年間五十兆円近くが運用されている、過去の累積を含めると四百五十兆円、この制度は整理されなければならぬ、こう言っていたというんですね。四百五十兆のうち郵貯が二百十何兆ぐらいあるんだろうと思うんですが、いずれにしても資金の金利とか融資先を自由に決められるわけですね。しかも、金利市場を通らない、国民の預金量の二五%が市場を通過していない。これも異常だと思うんですね。
 公団の中でも目に見えるのは、道路公団とかかつての住都公団、こういうものは二十二兆円借金があるとか十三兆円の会計処理、その中で返済必要のない国庫補助金だとか補給金、これがあるものですから赤字が表面化しないんですね。ですから、財投の仕組みというのは本当にわかりにくくなっちゃっている。それを情報公開しないものですからいよいよわからない。
 これは本当に国民の全部税金ですから、その認識を持ってこれからどういうふうに皆さん方が取り組もうとしておられるのか、その辺の考えをお伺いしたいと思うんです。
#95
○参考人(鎌田吉郎君) 先生御指摘ございましたように、石油の探鉱開発というのは大変リスクの大きい仕事でございます。しかしながら、そういった中で最新の知識、技術を使ってできるだけ効果的、効率的に事業をやっていくということが大変重要じゃないかというふうに思っている次第でございます。
   〔理事太田豊秋君退席、委員長着席〕
 そういった意味で、いろいろ工夫をいたしておりまして、例えば今回経済性の審査につきまして定量的評価という方式を導入したわけでございますが、これなんかも従来は経済的に成功した場合の報酬率、当たった場合にどのくらいもうかるかということだけで判断しておったわけでございますが、近時欧米のメジャーズ等で採用されつつございますが、新しい手法を入れまして、経済的に失敗する場合もあるわけでございますので、そういった失敗した場合のリスクも入れて総合的にやるだけの経済性があるかどうか、こういう判断をするようにするということにいたしておりますし、またそういった経済性評価をできるだけ客観的にやる、公正にやることでプロジェクトの担当部から切り離しまして新たに経済評価部というような部をつくりまして、できる限り客観的に、それも今メジャーズ等が使っております最新の手法を使ってやっていこうということでやっております。
 そのほかいろいろ御説明もございますけれども、時間の関係もあると思いますのでこの程度にさせていただきます。
#96
○田名部匡省君 今度新しくいろんなやり方を改善していこうということで計画が出されて、私もちょっと見させていただいて、このとおりきちっとやっていただければもう少し不透明さがなくなるのではないだろうかと、こう思っているんです。
 採算のとれない石油開発事業に巨額な金を投じて損失を先送りしたということで総裁が更迭されたということがありまして、それ以来改善計画に従って損失を会計処理した石油開発会社向けの融資や債務保証のうち返済不能となるのは今後約十年間で四千二百九十四億に上る、そのうち三千三百九十四億円を損金に引き当てた結果、九八年度は三千三百四十二億円もの赤字となったという報道がなされておりました。
 この損金の穴埋めの財源は石油開発会社の未公開株式の含み益を中心とする、こういう見通しのようでありますけれども、これで再建の見通しはどのぐらい立つんですか。
#97
○政府参考人(河野博文君) 詳しくは公団から補足的に説明をさせていただくかもしれませんが、私どもが石油公団から報告を受けておりますことを御説明させていただきます。
 公団がこれだけの欠損金を計上いたしますに際しまして、これは平成十年度決算にあわせてでございますけれども、将来の長期的な損益見込みもあわせて計算結果を発表いたしております。これは、将来の結果といいますものは油価と為替レートによるものでございまして、将来どういうふうにこれを見通すかということにかなり依存するわけでございますけれども、公団の発表いたしました見通しは、非常に経営環境が厳しい場合として油価が十一ドル余り、為替が九十円強というような円高の場合、また比較的経営環境が好転している場合としまして油価が二十ドル強、為替が百四十八円程度ということでございまして、その場合の最終損益見込みは四千六百八十億円の黒字から六千九百六十億円の赤字に至るまでの幅があるという状況でございます。
#98
○田名部匡省君 もう時間がありませんので、もっといろいろとお伺いしたいことはありましたが、いずれにしても橋本内閣も火だるまになって行革をやると、前総理の小渕さん、まことに残念でありましたが、行革は内閣挙げての最大の政策だと、こう言って就任されたんですね。
 その後見ておると、NTTとJRが民営化、そしてようやく省庁の統廃合、この程度で終わっちゃっているんです。特に特殊法人、公益法人の中でも法律の規定が一番緩い社団法人、財団法人、特に総会を開かなければならないという規定のない財団法人、こういうものに補助金や委託費が投入されておる。しかも、中央省庁で最も多く持っているのは学校法人という関係もあって文部省の千七百七十八法人、全部合わせて六千八百五十九あるんです。
 いずれにしても、ここにまたOBの皆さんがどれだけ天下っているのか私はわかりませんよ。わかりませんけれども、これも順次また次の機会に明らかにしていきたいんですが、ぜひとも情報公開をして、できれば民営化した方がいい。
 皆さんに大変失礼ですけれども、経営感覚というのがなければやっていけないですよ。下の職員はいろんなノウハウを持ってやることは結構ですけれども、上に立つ人は事業だという意識を持たないとこれは絶対私はうまくいかぬと思う、これは皆さんの方ばかりではなくて全体を含めて。
 いずれにしても、今後もこの特殊法人の問題は引き続き全般にわたって私はやっていかなきゃいかぬと。それは何といったって、これから国の財政から少子高齢化を見ておって、むだなものをまず徹底的に削減して、国民に負担を求めない努力を先にすることが大事だと、こう僕は言っているんですよ。どうしてもだめなときは初めてそこで国民にお願いするというのならわかりますよ。これだけむだに使って、困れば税金を上げるという発想では国民はついてこないと私は思う。
 お互い、皆さんだって子供や孫を持っているんでしょう、その子や孫のために一体どうしなきゃならぬぐらいのことはみんな考えてやらなきゃいかぬと思いますよ。どうぞこれからも本当に真剣に努力するという考えを持っていただいて、その決意を最後に伺って終わります。
#99
○政府参考人(河野博文君) 私ども政府側といたしましても、石油公団の事業の効率的な実施、そして関連いたします情報の公開、透明性の確保に万全を期してまいりたいと思います。
#100
○参考人(鎌田吉郎君) ただいま先生が御指摘になりました点は大変重要なことだと私ども強く認識いたしております。そういった気持ちでこれから前向きにぜひ取り組んでまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
#101
○田名部匡省君 ありがとうございました。
#102
○益田洋介君 まず、十一日に警察庁がストーカーに関する全国調査、初めてのことですが、平成九年一月から二年半に及ぶ調査の結果を発表いたしました。
 その中で驚くべきことは、かなり悪質でありながら既存の刑罰法令に該当しないということで摘発をしなかった事案が八百二十二件、さらに全国の警察に相談があった事案が八千二十一件。結局、刑罰法令がないから、あるいは軽犯罪だとか、都道府県によっては迷惑防止条例といったようなものをつくっているところもありますけれども、全国的に今度は今国会で規制法を成立させると、これは私たち国会議員の意思でそういうことが発案されたわけです。きっかけになったのは桶川の女子大生の刺殺事件だった。
 今までこれだけ多くの事案があって、法律がないから摘発ができなかったという現状を何で放置しておったんだ。それを説明して。
#103
○政府参考人(黒澤正和君) ただいま御指摘の件でございますが、私どもといたしましては、昨年には女性、子供を守る要綱を発出いたしましたり、それから本年三月には犯罪等の未然防止活動ということでこれまた通達を発出するなどいたしておりますけれども、いろんな女性、子供等が被害となっておる事案が近時大変ふえておるわけでございますけれども、このつきまとい事案につきましては、私どもは対応といたしまして、罰則法令に触れるものにつきましては罰則法令を適用して対処いたしますとともに、また罰則法令に触れない案件につきましては、事案に応じまして例えば自衛の方法でありますとかあるいは他機関を教示いたしますとか、さらにはまた相手方に対する警告指導、こういったことも行ってまいるよう指導し、またそのような対応もしてまいったわけでございます。しかし、遺憾ながら、桶川の事件に見られますように、不適切な対応の事案もあったということでございます。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、罰則法令に触れなくとも事案に応じて適切に対応するよう指導してまいり、また今後ともそのように対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#104
○益田洋介君 私が問題にしているのは、何でこういう状況を過去において放置してきたのかということなんです。法律がないんだったら法律をつくってくれと言えばいいじゃない。何でそういうことを言ってこないの。そういう警察の姿勢というのは、できることなら事なかれ主義で表面に出さないでいようという、そういう体質がある。それを僕は指摘しているんだ。
 今後それは具体的にどういった方法でそうしたことが国民の前につまびらかになるようにするのか、またこれは調査をして、半年でも一年でもいい、結果を報告してもらいたい。
#105
○政府参考人(黒澤正和君) ただいまの件でございますが、私どもといたしましても、実は法律の制定の要否につきまして検討をしてまいったところでございます。
 そしてまた、過去においてこの種つきまとい事案についての実態調査、この前も公表させていただきましたけれども、立法事実の検討という観点からいろんな実態把握に努めておったわけでございまして、また外国の法制等も勉強いたしますとともに、また都道府県によりましては条例を制定するなどいたしましてこの問題に条例で対処しておる、そういった動向も見きわめるなどいたしておったわけでございますが、今後とも、今御論議されておりますストーカー法が制定されますれば、今御論議いただいておる案によりますと、罰則規定だけではなくて、被害者のニーズに応じて迅速的確に対応できる行政措置の手続も議論されておる、盛り込まれておるということでございまして、この種事案の重大性にかんがみまして、私ども、過去において反省すべきは反省をし、これからいろんな勉強もし、この問題につきまして的確に適切に対応してまいりたいと思います。
#106
○益田洋介君 次に、金融監督庁にお伺いしたいんですが、東京三菱銀行が金融新商品、デリバティブなんかで得た利益を六十五億円ほど海外の子会社につけ回した、利益隠しをしていた。それで、国税庁から二十五億円程度の追徴金を含めて支払う命令が下ったわけですけれども、これは脱税して追徴金を払えば済まされるという問題じゃないでしょう。
 なぜこういうことがわからなかったのか。まるでこれは、一時の日債銀とか長銀とかあるいは山一証券なんかが要するに不良債権を海外の子会社に飛ばしていた、それの逆のことだ。大手十五行は公的資金の注入を受けて、それで結局こういうところでもうけた金を今度は隠そうとしている。そういう姿勢を監督庁は許している。
 どういう調査をしているんですか。調査結果を発表してください。
#107
○政府参考人(佐々木豊成君) 東京三菱銀行が金融派生商品の取引等の利益を海外現地法人につけかえておって、それが申告漏れの問題があるという報道が四月二十八日になされておりますが、私どもとしましては、まさに一般的に申し上げまして、銀行業務の健全かつ適切な運営を確保するという観点から必要に応じまして事実関係等のヒアリングや調査を行い、内部管理体制等に係る問題点を把握した上で、仮に金融機関の業務運営の適切性などにつきまして疑義がある場合には法令等にのっとりまして厳正に対処をしてきているところでございます。
 今回の件、そのような報道がなされていることを承知しておりますけれども、まさに個別の取引及び課税関係に関する事柄でございますので、それ以上の答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#108
○益田洋介君 きちっと監督していれば報告できるでしょう。書面で報告書を出してもらいたい。
 それと、東京三菱だけじゃないと思いますよ、こういう手法を用いて利益隠しをしているのは。ほかの銀行、特に公的資金の注入を受けた銀行について、三菱はもう返したと言っているけれども、まだ借りている最中で返し切っていない時期に起きた事件だから、ほかの銀行についても調べてください。その結果を報告してください。よろしいですか。
#109
○政府参考人(佐々木豊成君) 先ほど申し上げましたように、報道がなされておりますような海外での取引につきまして海外現地法人が関与をしてそれについて手数料を得るというようなことは、そういうことがあるということは承知しておりますけれども、監督当局といたしまして個々の取引につきましてすべてを承知しているわけでは当然ございません。
 それで、今般の報道がなされております東京三菱銀行の件につきまして報告をせよというお話でございますが、私ども、先ほど申しましたように、一般的にこういう事例がありましたときには必要に応じましてヒアリングを行い、調査を行い、仮に銀行経営の健全性につきまして疑義がある場合には法令にのっとりまして厳正に処置をしているところでございまして、その内容につきまして、特にこういう個別の課税関係につきまして具体的な内容に報告というような形で公表、言及いたしました場合には取引先等に対して不測の損害を与えたりあるいは善意の第三者に影響を与えるというような問題もございますことから、個別のそういう案件につきましての御報告はなかなか困難であろうというふうに思っております。
#110
○益田洋介君 困難なはずないでしょう。調べればわかることだ。だから、調べて出してもらいたい。いいですか。
 委員長、これは後ほど理事会でまた検討していただけますか。
#111
○委員長(浜田卓二郎君) 益田君に申し上げます。
 ただいまの御要求に関しましては、後刻理事会で協議をいたします。
#112
○益田洋介君 ありがとうございます。
 金融再生委員会に、金融監督庁に質問ですが、経営の健全化計画を大手十五行が提出いたしました。その中で中小企業融資については数値目標までうたってある。急にここのところその数値が上がってきた。だから中小企業融資が進んでいるのかというと、現実はそうじゃない。どの経営者に聞いても貸し渋りはおさまっていないんだと言う。
 ここで一つ、非常にロットの大きい土地開発公社というのが、これは私も初めて聞いたんですけれども、に相当貸し込んで、それで残高のかさ上げをしていた、そういった事実が判明しているわけです。四月十八日には衆議院の大蔵委員会で全銀協の会長、それから富士銀行の頭取に来ていただいて事情聴取したそうですが、かさ上げの事実はないと言っている。だけれども、実際にこれは大変な問題になっている。
 この現状について、監督庁、掌握していますか。
#113
○政府参考人(山崎穰一君) お答え申し上げます。
 まず、先生のおっしゃいました計数でございますが、四月四日に全銀協から国会に提出されました計数は、国会での御議論等を踏まえまして全銀協が三月末の見込み値を報告したものでございまして、この計数は各銀行の今後の決算作業を経て固まっていくものでございます。
 固まり次第、金融再生委員会、金融監督庁におきましては、計数を精査いたしますとともに、御指摘の点のようなことを含めまして、各行より下半期に中小企業向け貸し出しがどのような要因によって増加したのかというようなことにつきましてもヒアリングを行いまして、実態把握に努めていきたいというふうに考えてございます。
#114
○益田洋介君 自治省に伺いますが、土地開発公社というのは各自治体で設立をさせて入札で融資を受けるという非常に変わったタイプの会社です。これは通産省の産業区分上は不動産業、中小企業に該当するから中小企業といえば中小企業なんですよね。何かこの辺のからくりをやっぱり銀行は利用して大きくかさ上げしている。ロットが大きいから便利なんだ。
 この公社の実態について概略説明していただけますか。
#115
○政府参考人(林省吾君) お尋ねの土地開発公社でありますが、この開発公社は、昭和四十七年に成立いたしております公有地の拡大の推進に関する法律に基づきまして、地域の秩序ある整備を図るために必要な公有地となるべき土地等の取得及び造成その他の管理を行うために地方団体の出資により設立されているものでございます。
 土地開発公社の主要な業務につきましては、法律によりまして、地方公共団体の依頼に基づきまして公共用地等の先行取得及び地方公共団体が再取得するまでの間の当該用地の管理を行うこと、さらに住宅用地、工業用地、流通業務団地等の造成を行うことというふうにされております。
 土地開発公社の設立の根拠及び主要な業務はそういうことでございますが、このために要する資金につきましては、地方公共団体の資金も入っておりますが、主として民間金融機関等からの借り入れによりましてファイナンスされているところであります。
#116
○益田洋介君 これでからくりが明らかになった。中小企業ということを名目にして大手の銀行が相当入れ込んでいる。さらにこれについては次回また質問させていただきます。
 それから、防衛庁に伺いたいんですが、いわゆるROEという交戦規定、これは解釈の問題ですが、敵と実際に海上自衛隊が遭遇した場合に、武器の使用のルールというのが判然としていないのが現状だ。憲法でもしっかりこの点はうたっていませんし、それから有事法制も今ない状態で、これについてはしっかりした形で法律をやっぱりつくるべきだろうと私は思っています。
 問題は、昨年の国会で通過させた日米ガイドラインの中の周辺事態安全確保法で、日本の領域外で日本は戦闘はしないけれどもアメリカ軍を支援する場合に、ですから日米両国の船が一緒にいる場合に敵に遭遇した、このときは日本の船は何をすることができるのか。
#117
○政府参考人(首藤新悟君) 今、益田先生お尋ねの趣旨は、いわゆる周辺事態におきまして領域の外、いわゆる後方地域において我が国自衛隊がどのような支援をアメリカに対してできるかという御質問かと承らせていただきましたが、そういった場合におきましては、法律にございますように、後方地域支援あるいは後方地域捜索救助活動、こういったことが行えるということになっておるわけでございます。
#118
○益田洋介君 二十六日にアメリカ国務省のジョン・ホラム軍備管理上級顧問が発表したところによると、ことしに入ってから北朝鮮は、テポドン二号、これは射程距離が約六千キロだと言われていますが、などを初めICBMと言われる大陸間弾道弾ミサイルロケットエンジンの燃焼実験を複数回にわたって実施しているということが偵察衛星にキャッチされたと。これは日本が一番危険にさらされるわけですけれども、防衛庁はどういうふうな認識を持っていますか。
#119
○政府参考人(首藤新悟君) この点につきましては、益田先生も御高承のとおりでございますが、アメリカは従来から北朝鮮あるいはイランといった国が近い将来にICBM級の射程を持つ弾道ミサイルを開発する可能性があるということを示唆しまして懸念を表明してきているところであると私どもも承知しております。防衛庁といたしましては、北朝鮮の弾道ミサイル開発の動向につきましては、関係諸国間で緊密に連絡をとりながら細心の注意を払いまして、継続的に情報の収集、分析に努めているところでございます。
 北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化といった問題でございますが、これにつきましては、まず射程が千五百キロ以上と推定されますテポドン一号の開発は急速に進展していると判断されます。さらにまた、今、先生のおっしゃられたことへのお答えになるかと思いますが、射程約三千五百キロから六千キロメートルというふうにさらに長射程になっておるテポドン二号も開発中であるとされておりまして、北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化が一層進展することが予想されるところでございます。
 このために防衛庁としましても、その動向を従来から強く懸念しているといった状況にあるわけでございます。
#120
○益田洋介君 ミサイルの開発が非常に進んでいるという今説明だったんですが、輸出用にも開発している非常に危険な状態。二十九日に総理が韓国に日帰りで行かれるわけですけれども、総理と金大中大統領とのアジェンダの中に当然その防衛問題というのは入ってきていると思うんですが、差しさわりのないところで、この問題は話し合われる予定ですか。
#121
○政府参考人(首藤新悟君) 大変恐縮でございますが、率直に申しまして、今、先生がおっしゃられた会談につきまして、防衛庁がそういった問題に関して具体的に承知しておるという状況にはないということを御理解賜りたいと存じます。
#122
○益田洋介君 外交とか防衛上の機密であるということだと思いますが、ぜひ総理にこの問題を提起して、話し合いを持たれるように言っていただけますか。
#123
○政府参考人(首藤新悟君) 戻りまして、関係当局にお伝えしたいと存じます。
#124
○益田洋介君 もう一点、STARTVというのが、これはアメリカとロシア間の交渉ですけれども、なかなか出発しない。
 この点については、先日訪米されたときに総理はクリントン大統領と話をされましたか。
#125
○政府参考人(首藤新悟君) この点につきましても、防衛庁関係者は随行いたしておりませんので直接お答えする立場にはございませんが、一般的には、日米首脳会談でございますので、戦略的問題も含むグローバルな問題も話の俎上にのったのではないかというふうに判断いたしますが、具体的な答弁につきましては御勘弁いただきたいと存じます。申しわけございません。
#126
○益田洋介君 何も答えてくれないね。もう少しフランクに胸襟を開いて話し合いをしないと、国の問題を真剣に考えているんだからね。
 では、平成十三年からの次期防の中で、当然武装ゲリラだとか不審船対策なんというのを検討されることだと思いますけれども、それについてはいかがですか。
#127
○政府参考人(首藤新悟君) 十三年度以降の防衛力整備につきましては、つい先日、防衛庁長官のもとで防衛庁としての検討が開始されたということで、さらにいわゆる次期防というものを政府としてつくられるかどうかまだ決まっておらないと承知いたしておりますが、いずれにしましてもこういった問題について防衛庁としては前広に検討しておくべきであろうという認識から今申しました大臣のもとでの検討が開始されたわけでございまして、そういう意味では具体的な項目についてどのようにするかということはまだ全然決まっておらないというのが率直なお答えでございます。
 ただ、今、先生おっしゃられたような問題、例えば既に十二年度予算にも一部計上させていただいておりますけれども、最近の我が国周辺の情勢にかんがみまして、いわゆるゲリラコマンド攻撃あるいはNBC対処、さらには最近目覚ましい発展を遂げております情報通信の分野、いわゆるIT革命とか申しておりますが、そういった点につきましても当然ながら防衛庁としては今後の防衛力整備計画において重視していかなければならない問題であろうとは認識いたしております。
#128
○益田洋介君 中国の二〇〇〇年度の国防費予算が発表されましたけれども、国防費は前年比一五・一%ふえている。実に十二年間連続して二けたの成長をしている。
 この中国の軍備力の増強について防衛庁はどういうふうに考えていますか。
#129
○政府参考人(首藤新悟君) 今、先生おっしゃられたように、十二年連続でしたか、二けたの伸びを中国の国防費は示しております。
 特に今回の防衛費の伸びに関して中国当局は、人民解放軍がこれまでやっておったいわゆる商売を今後させないといったようなことに対する見返りあるいは処遇改善、そういったことのために必要な分を増額したのであって、いわゆる防衛力増強とかいうものではないといったような説明をされていると承知いたしておりますが、他方で、私ども従来から見ておりますと、中国の国防費の計上の中身は必ずしもはっきりいたしません。いろいろ言われておりますところでは、例えば装備の購入費あるいは研究開発費といったものが本当にどの程度防衛費の中に入っているのかといったような不透明な問題もございますので、中国の軍事力整備を語りますときに必ずしも国防費だけで判断はできないと考えるわけでございます。
 ただ、最近見られます中国軍事力整備の中身を見てみますと、例えば最近ロシアからソブレメンヌイ級の駆逐艦を買うとか、あるいは最新鋭の戦闘機をやはりロシアから買うとかいったようなことで、主としてロシアからそういった最新鋭の装備等を購入することによって特に海空戦力の近代化を図りつつあるという認識を持っております。
#130
○益田洋介君 終わります。
#131
○岩佐恵美君 五月十日、警察によって社長が外為法違反などの容疑で指名手配をされましたニッソーのごみ違法輸出問題について質問いたします。
 日本から大量のごみがフィリピンに輸出され、フィリピン政府からバーゼル条約違反で日本に対し回収が求められ、二億八千万円の税金で国が回収処理をしました。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 バーゼル法違反での立件は見送りになったといいますけれども、この経緯について、時間がありませんので簡潔にかいつまんで説明いただきたいと思います。
#132
○政府参考人(中村利雄君) 通産省といたしましては、昨年の十二月に告発をいたしたわけでございますけれども、これは政府調査団による現地調査の結果、輸出された廃棄物がバーゼル法の特定有害廃棄物等に当たるということを確認した上で行われたものでございまして、適切なものであったと考えております。
 なお、警察が逮捕状を取得するに当たりまして、本事件を刑事事件として立件するために他の理由が取り入れられたとしましても、これはあくまでも警察当局の判断であるということでございまして、特段問題があるとは考えておりません。
#133
○岩佐恵美君 ニッソーに対する回収命令はバーゼル法に基づいて行われ、従わなかったということで国が代執行したわけですけれども、医療廃棄物などの有害廃棄物を含まない、つまりバーゼル法違反でない事例、そして今回のように大量に産廃の不正輸出が行われるとすると相手国で大問題になることは当然だと思います。日本が国際的に非難をされるということになります。
 そういう場合には、どこの責任でどういう名目で回収処理をするということになるんでしょうか。
#134
○政府参考人(岡澤和好君) バーゼル法の対象物でないものが廃棄物として相手国に輸出された場合には、国内処理の原則を規定する廃棄物処理法上、現況においては認められない廃棄物の輸出に相当するわけでございまして、廃棄物の輸出確認義務違反に該当するというふうに考えられます。
 また、例えばバーゼル法の対象物でないものが製品とか原料として輸出された場合に、相手国において腐敗して無価値になるというふうなことが考えられるわけですけれども、そういう無価値になった、廃棄物になったというふうな場合には相手国の法令が適用されるというふうに考えております。
#135
○岩佐恵美君 その場合、こちら側で向こうへ送られる前に腐ってしまう、あるいは廃棄物に変化をしているというものが向こうへ行った場合、向こうはもう引き取りを拒否しますよね。今回の場合がそうでしたよね。引き取りを拒否されたわけですね。たまたまその中に医療系廃棄物が入っていたということになってバーゼル法違反で摘発が行われたわけですけれども、医療系廃棄物が見つからないでこんな事件が起こった場合は一体どういう処理をするということになるんですか。
#136
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物として輸出された場合には廃棄物処理法の違反になります。ですから、この場合には廃棄物処理法違反を行った当事者にその責任があるということになります。
 それからまた、廃棄物でないものとして輸出された場合には、それがどこの段階で廃棄物に変わるかということは非常にケース・バイ・ケースだと思いますけれども、輸出したときの状態が廃棄物でなければそれは国内を出るときには廃棄物処理法上の廃棄物にはなりませんので現地での扱いになると思います。
#137
○岩佐恵美君 大変廃棄物については国内法が整備をされていきまして、そして厳しくなっていくと外国にいろんな形で出ていくということを想定しなければいけないと私は思うんですね。そもそもそうした廃棄物ないしは廃棄物もどきというのか、あるいは有価物と称して廃棄物が出ていく、こういうことを防止していくことが肝心だと思います。
 それで、国際的に問題になる事件が発生しないように、どういうふうにこういう事件が起こらないように再発防止を図るのかということについて伺いたいと思います。
#138
○政府参考人(中島一郎君) お答え申し上げます。
 不正輸出の再発防止策につきましては、通商産業省、環境庁、厚生省その他の関係七省庁が共同して検討を行ってまいりました。本年の三月三日に廃棄物の不正輸出の再発防止策ということで取りまとめさせていただきまして、これの着実な実施を図ってまいりたいと考えております。
 この再発防止策を踏まえまして、当省といたしましては、関係省庁と緊密に連携しながら、まず第一に不正輸出につながる廃棄物等の発生を抑制するための国内における適正処理の推進、こういったことを進めるための法整備を進めてまいりたいと考えております。第二に関係者への制度の周知、あるいはバーゼル法対象貨物に係る事前相談体制の整備、税関との連携の強化、その他輸出管理の強化等を行ってまいりたいと考えております。
#139
○岩佐恵美君 その税関なんですけれども、大蔵省は、各省庁からの情報提供も踏まえて、税関において選別的な審査、検査を実施するなどの税関の対応の強化、これに取り組むというふうになっているんですけれども、ニッソーの事件が起こったときに全国港湾労働組合協議会は、港湾における不正行為を阻止するためには関税法の本旨にのっとった港湾におけるチェック機能を強化することが重要である、そう指摘をして税関の体制の強化を求めているんですね。ところが、税関の定員というのは四年連続で純減となっているんです。
 これで本当に事件の未然防止ができるのかどうか、どういう手だてをとろうとしているのか、その点について御説明いただきたいと思います。
#140
○政府参考人(筑紫勝麿君) 税関におけるチェック体制についての御質問でございます。
 まず、委員御指摘の税関の職員数でございますけれども、これはこの三年間減少をしております。平成十年から十一年、十二年ということで三年間残念ながら減少しておるわけでございますが、私ども、一方で業務量は大変に増大をしておる、税関の職員の方は少しずつ減ってきておるというような中におきまして、事務の重点化、機械化を図るということで業務運営の効率化の努力というものを続けてきております。あわせまして、厳しい行財政事情のもとではございますけれども、必要な定員の確保に努力してきているところでございます。
 今後とも、実態に即した税関定員の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
#141
○岩佐恵美君 必要なところには必要な人員を配置する、これは当たり前のことですので、人の命にもかかわるような大事な仕事をしているところですからきちっと配置をしていただきたいと思います。
 次に、関連して、荏原製作所藤沢工場のごみ焼却炉からダイオキシンが七年間という長期にわたって川に垂れ流されていた、そういう問題について質問したいと思います。
 この荏原製作所というのは、ごみ焼却炉を自治体などに多数納入しているメーカーであります。ですから、大変この事件は全国的にも大きな衝撃を与えました。藤沢市引地川の支流で環境基準の八千百倍という高濃度のダイオキシンが検出され、神奈川県の立入検査で荏原藤沢工場の焼却炉の排水が未処理で川に流されていたということが明らかになりました。
 環境庁は、ダイオキシン法と水質汚濁防止法に基づいて荏原製作所に報告を求めて、八日に荏原製作所が報告書を出したということですけれども、どういう報告を求めたのか、一体何が明らかになったのでしょうか。
#142
○政府参考人(遠藤保雄君) 今回の事件に関しまして、先生御指摘のように、環境庁、神奈川県あるいは藤沢市と連名で四月二十七日に報告の提出を求め、五月八日に回答を得ております。
 その提出を求めた内容でございますけれども、まずダイオキシン類対策特別措置法関係では、ダイオキシンの発生の可能性のある施設とこれまでの調査結果、二点目は廃棄物焼却炉からのスクラバー排水を雨水管に接続した際の設計施工状況とその原因、三点目には廃棄物焼却炉の設置以降今日に至るまでのダイオキシン類の推定発生量等でございます。
 また、水濁法に基づきましては、スクラバー排水を雨水管に接続した際の設計施工状況等につき報告を求めたところでございます。
 これにつきましては、五月八日に同工場から報告がなされましたけれども、現在その内容について環境庁、神奈川県、藤沢市で精査を行っているところでございます。
#143
○岩佐恵美君 今回の事件は、環境庁の九八年度の緊急全国一斉調査で、引地川富士見橋付近の水から四・五ピコグラムのダイオキシンが検出をされ、藤沢市が引地川への流入水をすべて調査した結果発覚したものです。
 環境庁の最初の採水から摘発まで一年七カ月もかかっているんですね。その間に汚染水は垂れ流され続けた、もっと早い対応があってしかるべきだった、地域の住民の方々は非常にその点を訴えられるんですね。ところが、環境庁が緊急全国一斉調査の結果を発表するまでに十三カ月間もかかっているんです。
 環境庁として、もし高い値が検出された、そういう地点については、全体の集計を待つまでもなく、自治体に連絡をするなど臨機応変に私は対応すべきだというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
#144
○政府参考人(遠藤保雄君) 御指摘の緊急全国一斉調査でございますけれども、これにつきましては平成十年度の補正予算をもって実施したものでございまして、実際の試料採取は平成十年夏から平成十一年の初めにかけて実施いたしました。
 それで、これの公表につきましては平成十一年の九月二十四日ということになったわけでございますけれども、これにつきましては、非常に検体数が多かった、あるいは採取から検体の前処理をきちんとやらなきゃいかぬ、分析についてもきちんとやらなきゃいかぬ、精度管理につきましても大規模な調査が初めてなものでございますからきちんとやらなきゃいかぬということで、そのプロセス自体を慎重にやらなきゃいかぬということで時間を要したということでございます。
 なお、この調査結果によりまして引地川の富士見橋のところで環境基準を超える値が出ましたので直ちに神奈川県、藤沢市におきまして追加調査を平成十一年十月以降実施いたしまして、それで稲荷雨水幹線路では平成十二年一月及び二月に採水いたしまして、そして三月二十二日に報告がありましたので直ちに対応したということでございます。
 そういう御事情を御理解賜りたいと思います。
#145
○岩佐恵美君 確かに試料は膨大であるかもしれませんけれども、やっぱりダイオキシンの問題というのは地域の人たちにとっては大変大きな命や健康の問題なわけですから、膨大だからということで言いわけをするのではなくて、本当に臨機応変にこれからきちっとやっていくということで進めていただきたいと思います。
 それで、五月十二日に神奈川県、藤沢市が、環境庁も入っているんですか、引地川水系ダイオキシン汚染事件対策連絡調整会議の結果を公表いたしておりますけれども、それについて簡単にちょっと内容を教えていただけますでしょうか。
#146
○政府参考人(遠藤保雄君) 結果でございますが、まず工場敷地内の調査結果でございますけれども、スクラバー排水、側溝土砂あるいは燃えがら、ピット汚泥等を三月二十三日、三月三十一日、四月七日、三日間実施しております。
 四月七日のものにつきましては、スクラバー排水、側溝土砂から一万三千ピコのダイオキシン汚染の土砂が検出されております。工場排水につきましては、総合廃水処理施設から四十三ピコの原水、処理水は八ピコでございます。
 さらに、付近の環境調査も実施しております。引地川本川、支川、海域、井戸水・湧水、海水浴場、それに農作物調査と魚介類の調査をしております。
 ただ、詳細につきましては何らかのデータでお示ししたいと思います。
#147
○岩佐恵美君 この資料を見ますと、調査結果に対する評価というのが二つあります。
 一つは、ダイオキシン類の主要な発生源は廃棄物焼却施設のスクラバー排水であることが判明した、つまり焼却炉の灰を水で冷やす装置、そういう水に今度燃えた灰がまざるわけですから、それにダイオキシンが多量に含まれている。この排水がちゃんと処理されていなかったということから出ているわけですが、そういうことが判明したと。
 もう一つは、総合廃水処理施設の処理原水からダイオキシン類が検出されていることから、そのほかにも発生源としてスクラバー排水以外に発生源があることが判明し、調査の結果、化学分析棟、総合研究所、ガス化溶融炉が発生源であることが判断されたということなんですね。
 私は、今回のこれら工場敷地内にある化学分析棟とか総合研究所、ガス化溶融炉が発生源であることが判明したということが非常に重要なことだと思っております。
 つまり、このことはスクラバー排水は間違って雨水管につながれてしまったからそのまま川に流れたんだと、汚水管につながれていれば何とかなったでしょうという言いわけがあったわけですけれども、実は汚水が汚水管につながれていてもダイオキシン汚染は浄化されなかったということを私は示していると思うんですね。しかも、雨水、汚水の混合水の汚染というのは、稲荷雨水幹線合流点で藤沢市の調査で二万七千ピコグラム、環境庁の調査で三万八千ピコグラム・パー・リッターに達していたと。これはすごい汚染なんですね。
 そもそもスクラバーの汚染水が誤って雨水管に接続をされて、汚水の処理がされないでダイオキシン類が川に大量に垂れ流されていた、このこと自体信じられない事件です。そして、配管は地下に埋設されているので立ち入りまで気づかなかったと荏原は言っているんですけれども、私は、工場から外へ出す水について、汚水にしろ雨水にしろ、水質検査をしないで川に流していた、このことが問題だと思うんですね。
 九八年四月に能勢町で焼却炉の排煙の処理水が周辺の土を高濃度のダイオキシンで汚染していたことが大問題になりました。排煙の洗浄水に高濃度のダイオキシンが含まれている、このことは焼却炉メーカーである荏原であれば当然知っていたはずだと思うんですね。つまり、汚水はもとより雨水の測定を当然すべきだったと、あの事件が起こった後。つまり、雨水管と汚水管の取り違えだけでこの問題は私は済まされる問題じゃないというふうに思うんですけれども、環境庁、どうですか。
#148
○政府参考人(遠藤保雄君) 先生御指摘の点は、まず総合廃水処理施設に流入したものにつきましてきちんと対応していたのかということでございますが、その点につきましては今回、四月七日に原水と処理水につきましてそれぞれ調査しておりますので、そこを精査の上、きちんとした考え方を出したいと思います。
 次に、雨水もきちんと調査すべきではなかったかという点でございますけれども、水質汚濁防止法十四条一項におきまして特定事業場からの排水につきましての測定の規定がございます。この規定の運用でございますけれども、有害物質などが汚水管を通じて排出される事業場の場合には汚水管に着目して測定を行うという運用方針をとってまいりました。
 ただ、今回の荏原のケースは、そもそも有害物質が汚水管を通じて排出されるのじゃなくて、誤って雨水管に接続していたということでございます。したがいまして、このような問題の再発防止はぜひ必要でございまして、今回のこういう問題が生じた原因を十分解明して、御指摘の点にも留意しつついろいろ対応を検討してまいりたいと思います。
#149
○岩佐恵美君 私は、雨水管、汚水管の取り違えというような、そういう問題だけで済まないということを言っているんですね。
 焼却炉メーカーであるならば、産廃を燃せばダイオキシンが発生する、そんなことはわかっているわけですね。その処理をどうしなければいけないかということを考えるプロなわけでしょう。そのプロがこういう、あといろいろ調べていくと、何も雨水管に流れたものだけではなくて、そのほかガス化溶融炉などがその汚染の原因だったということも判明してきているわけですから、そこはきちっと対応していくべきだというふうに思います。
 それで、先ほど工場内の側溝土砂が一万三千ピコグラムという話がありましたけれども、私は工場内が汚染されていると危惧をします。また、富士見橋のフナが三十ピコグラム、コイが十三ピコグラム、ボラが五・八と異常に高いダイオキシン汚染なんですね。これは荏原工場のすぐ下の地点ですから、排水が流れているすぐ下の地点ですから重大だと思います。
 私は、土とか水を初め環境浄化対策が必要だと思います。例えば、もう時間がなくなったので余り言えませんけれども、底質について、引地川本川の底質は二・六から二十一ピコグラムですね。それから海水浴場も、東海岸、西海岸、鵠沼、片瀬ですね。片瀬の東浜で底質が二、それから西浜でも一・五というところがあるわけですね。ですから、こういう環境実態調査、そして必要であれば浄化対策というのをきちんとやっていくべきだと思います。
 それからもう一つ、引地川について不動川合流、一色川合流地点での魚の汚染濃度、これは荏原工場の水が流入する地点よりもっと上流部分に当たるわけですけれども、そこでコイが六・三ピコ、フナが十二ピコグラムと高いんですね。
 引き続き原因をきちんと解明すべきだと思いますが、二つあわせてちょっと簡潔にお答えいただけますか。
#150
○政府参考人(遠藤保雄君) 工場内におけるいろいろな他の汚染源についてきちんと対応すべしということにつきましては、今回報告を求めておりますので、その点検をしながらいろいろの対応を考えてまいりたいと思っております。
 あと、上流部につきましては別途これも調査をしておりまして、その結果を見つつ対応してまいりたいと思います。
#151
○岩佐恵美君 荏原製作所は流動床炉の中心メーカーなんですね。ところが、その荏原の流動床炉というのは埼玉県所沢市や静岡県三島市など数カ所で水蒸気爆発を起こしていて、三島の事故では死者も出ているわけですね。昨年八月には流動床炉の建設受注価格をめぐる談合で公正取引委員会から警告も受けているという企業です。
 荏原が販売しているプラントというのは排水のダイオキシンをチェックする仕組みにはなっていないという説明です。さきの最新鋭のガス化溶融炉の飛灰系排水のダイオキシン汚染、これが九十八ピコグラムであったことを見ると、やはりそういうことなのかなというふうに思います。
 環境庁はダイオキシン法の水質基準対象施設について緊急点検を指導しているわけですけれども、排出経路の点検だけなんですね。既設施設についてはダイオキシンの排出規制が一年間猶予されている。その間放置されるということになってしまいます。これは私、許されないと思います。このような事故を繰り返さないように、焼却炉のプラントメーカーを初めダイオキシンを発生させる危険のある工場あるいはごみ焼却施設等の総点検を行っていくということが必要だと思います。
 技術に過信をするということではなくて、本当に慎重に対応していくということが基本姿勢として求められるというふうに思うのですけれども、最後に長官、いかがでしょうか。
#152
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、先生御指摘のように、この引地川の汚染事故につきましては、今、局長も申しましたけれども、速やかな全貌の解明に向けて県、市と協力して努めておりますので、もうしばらくお時間をいただきたいと思います。
 また、今御指摘がございましたダイオキシン類対策特別措置法に基づくフォローでございますけれども、これはダイオキシン類を排出します廃棄物焼却施設の構造等に係る届け出書類の審査でありますとか、あるいは排出基準の遵守等を徹底させるとともに、大気あるいは水質及び土壌の汚染状況につきまして都道府県や政令市におきますモニタリングの充実がございます。まずは法の適切かつ厳格な運用に努めてまいりたいと思います。
 そして、御指摘の総点検を行うかどうかということでございますけれども、当該事件の全貌解明でありますとかダイオキシン類対策特別措置法の施行の成果を待ちまして、必要に応じて改めて検討するかどうか判断していきたいというふうに考えているところでございます。
#153
○梶原敬義君 去る五月八日に海上自衛隊の佐世保地方総監部の自殺事件にかかわる問題を質問いたしましたが、また引き続いて質問をしたいと思います。
 自衛隊の自衛官全体の自殺者については大臣から答弁がありました。平成七年度が四十四人、八年度が五十二人、九年度が六十二人、十年度が七十五人、十一年度が六十二人。
 国を守る若き自衛官がこんなにたくさん自殺をするということに驚きを感じたんですが、これはもう一度大臣、どのようにお考えなのか、お聞きします。
#154
○国務大臣(瓦力君) ただいまの梶原先生からの御質問は、自衛隊においての自殺者、このことを憂慮いただきまして、那辺に原因があるのであろうかというようなお尋ねでございます。
 さきの委員会での御質問にお答えをさせていただきましたが、確かに自殺そのものは家族にとりましても、また自衛隊にとりましても有為な人材を失うことでございまして、組織としてこれは大きな損失でございます。極めて残念なことでございますから、それらの防止に当たりましては全力をもって取り組んでいかなきゃならぬと。
 一つ背景には世代の大きな物の考え方、意識の変化、そういったものもあるでありましょうし、また集団の生活をする、そういう営みになれない嫌いなしとはしないと思うわけでございますが、いずれにいたしましても私どもは隊員の個人的な悩み、これらにつきまして定期的に個人面接をいたしましたり、また管理者によるきめ細かな観察により心情を把握する、そういったことに努力しているわけでございます。また、カウンセラー制度なども取り入れまして、階級でございますとか指揮系統にとらわれることなく積極的に相談に応ずるよう指揮し、指導してまいらなければならぬと思い、行っておるところでございます。
 いずれにいたしましても、一方におきましての集団としての要請もありますし、その生活になれることもありますし、また幹部は幹部としてそれらについて対応していかなきゃならぬ、そういうものもございますので、私どもも鋭意細心の注意を持ってこれからも事に当たりたい、そういう指示をいたしておるものでございます。
#155
○梶原敬義君 日本は物をつくる国でありまして、品質管理が非常に進んでおりますね。品質管理をやる前というのは非常に不合格品がいっぱいできる、それをゼロにするような工夫を現場でしてやっておりますね。特に、半導体のように非常に小さな、本当に小さな単位の工場なんかもほとんど不良品が出ないような形のやり方をやっていますよね。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 だから、何か防衛庁もこのくらいは当たり前だという考えを持っている人が多いんじゃないかと思うんですが、そうじゃなくて、これはやっぱりゼロにする、そのためにはどうするか、本格的なその取り組みをこの際やっぱりやってもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#156
○国務大臣(瓦力君) 梶原先生からの御質問でございますし、先生は来し方こういう問題に一つの時代の変化の中にも十分に対応してこられた先生でございますので私も言わんとするところは理解するわけでございますが、半導体、物と人の関係は若干違う問題もありますが、デリケートなそういう心情も含めて、私どもは、防衛庁そのものは全体として教育機関である、そのような気持ちを持ちまして若手の指導に当たっておるわけでございまして、人教局長もそのかなめにありながらいろんな課題に遭遇して、どうすれば練度を積み、たくましい自衛官が育つか、またどういう仕事が環境になじむのか、これは機材の部品とは違って貴重な人材でありますので、あらゆる面で配慮をしながら取り組んでおるわけでございますので、これらを含めて私どもはこれでよしということを先生に申し上げておるのではありません、これからもいかなる努力が必要かということにつきましては一層細心の注意を払ってまいりますが、また人教局長からこれらについてこういう取り組みをしておるというようなことも含めて、先生、御必要とあらば答弁の一部をお聞きいただければありがたいと思います。
#157
○梶原敬義君 ぜひお願いします。
#158
○政府参考人(新貝正勝君) 先ほど大臣からもお話がありましたけれども、自殺の防止対策に力を入れるためには、隊員の個人的悩みにつきましては定期的に個人面接をしたり、あるいは管理者によるきめ細かな観察等により心情を把握する、あるいは上司、先輩等が一体となって親身に問題の解決に当たるように指導する、あるいは最近は非常に有用かつ今後力を入れていかなければならないというのがカウンセラー制度であろうかというふうに考えております。
 これにつきましては、これまでは部内のカウンセラー制度というものをつくってきているところではございますけれども、やはり部外の専門家によるカウンセラー、こういうものが非常に有用ではないかというふうに考えているところでありまして、これらは予算措置等を要するところでございますが、今後積極的にこういった施策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#159
○梶原敬義君 私はやっぱり国を守る自衛隊員が一人でも自殺するというのは恥だと思うんですよね。どこに問題があるのかという原因をしっかり把握する、そういう防衛庁の意識づけというか位置づけがどうも私はまだ弱いんじゃないかと思うんです。労働組合があればまたそこで相談相手もあるんでしょうけれども、労働組合がないところ、自衛隊なんかないですな。
 だから、どこで比較したらある程度わかるかということで、警察庁にお願いしたんです。警察庁の全国的な警察官の数で自衛隊の自殺者とどうなのかというのを見るしかないのかなと。警察庁はなかなかそんな資料は出しにくいんです。しかし、佐世保のある長崎県ぐらいはいいだろう、こう言って調査をお願いしたんですね。
 大臣、そうしましたら、ここ長崎県警の定員が二千九百十五名。過去五年間、大体二千九百十名ぐらいで推移しているらしい。それで、自殺者はこの五年間にゼロなんです、ゼロ。二千九百十名でもゼロなんです。
 何が、どこがどう違うのか、私はやっぱり本当に真剣に防衛庁は内部のことをもう一回見直さなきゃいかぬのじゃないかと。いかがですか。
#160
○国務大臣(瓦力君) 梶原先生から御心配をいただく諸点につきましては私も感ずるところございますが、確かに時代というものを背景にしておることも間違いございませんで、ここ数年の自殺状況を見てみますと、病苦、こういったことは人間だれしも避けることはできない悩みの一つでございますが、近年多く心配なことは借財でございます。若き自衛官がいわゆるサラ金とかそういったことで、借財についての問題も原因の大きな一つになっております。それからまた、家族問題とかということに悩みますのもそういう社会の変化に対しましてある面では別の意味で教育が要るのかもわかりません。
 でありますので、先ほど人教局長が話された以外にも、やはり自衛官というのはチームをもって仕事をするわけでございますから、あるいはスポーツでありますとか、日常の時間を費やして強き体力をつくることの一環と、お互い人間関係を強くすること、また上司に相談ができる人間関係とか、そういう環境を整えていくことにつきまして配慮をしておるものでございますが、一層これらの問題についての御指摘、貴重な御指摘等を踏まえまして、強い、また頼りになる自衛官をつくり上げていくためには私どもとしてなせることは何がなせるかということを検討してまいりたい。
 ただ、私どもは非常に多くの過酷なことを要求しておることもあります。訓練そのものよりも、今日におきましては、私も長官に就任する前にナホトカ号による日本海の油濁の問題に出会いましたが、寒い寒風の中、がけの下という危険な場所で若い自衛官に油をすくうような過酷な使命もかかるわけでございます。みんなが必死になって努力してくれたおかげで年を越しましてから海岸でまたワカメがとれる、そういったことで漁民にとってはありがたいことでありました。
 これから災害に応じましてそういうようなことも自衛隊に期待するところが多いわけでございますので、潔くそういう困ったことに力をかすという自衛隊にならなければならぬわけでございますので、一般的に若い者が求めるものと違う、そういう環境における使命感というものを旺盛にするためにはどうすればいいかというようなこともまた真剣に考えてまいらせていただきたいと、こう思う次第でございます。
#161
○梶原敬義君 よくわかりましたが、自衛官の原因別自殺者の中に病苦、借財、職務、家庭、その他不明、これは自衛官だけじゃなくて警察官だってやっぱり同じことでありますから、長崎の県警の例じゃないですが、それを佐世保の数と引き直していけば長崎県警だって相当出るはずですが、それはゼロでいっているわけですね。原因別というのは人間ですからほとんど変わりませんから、やっぱりどこかに問題がある。どこかにある。なきゃそういうことにならない。
 私は、自衛隊全体にヒューマンな血の流れがあるのかどうなのか。やっぱり一回プロジェクトをつくって、毎年四十名から七十名ぐらいの差がありますが出ている、これをゼロにするぞと、プロジェクトを大臣のもとでつくって検討会をやるぐらいの価値のある問題だと思うんです。それをよしやろうということにひとつ前向きに取り組んでいただきたいと思うんです。
#162
○国務大臣(瓦力君) 確かに今、先生からの御指摘もいただきました。我々は配慮をしつつも、もっと積極的に自殺者ゼロの環境をつくる、よりたくましい環境をつくるためにどうあるべきかということにつきまして、そういう課題に真っ正面から取り組んでいく体制、いわゆるそういう機関をつくれという御指摘はよく理解いたしますので、帰りましてまた組織、機構の中におきまして適切な人材、いなければ外部からも応援を頼みながら、快適な環境といいますか、過酷にしても、なおかつ意欲旺盛な自衛官が育つような環境づくりということで、今具体的な御指摘もございましたから、それらを含めまして取り組んでまいるということで御理解を賜りたいと思います。
#163
○梶原敬義君 お願いをしたいと思います。
 それで、佐世保の護衛艦「さわぎり」における三等海曹の自殺の問題ですが、もう時間がなくなりましたが、調査報告書をきょう理事会でいただきました。その一般事故調査結果という、これは途中抜いてありますから読みながらわからなくなるところが多いんですが、よく読ませていただいて、そしてその結果もう一度本委員会で質問をさせていただきたいと思うんです。私どももこれはいじめによる自殺ということはあり得ることではないかという感じがしてならないんですが、我が党の方で現地にも調査に行かせていただきたい、御協力をお願いしたいんですが、もう時間が超過しておりますから。
#164
○委員長(浜田卓二郎君) 時間が超過しておりますので、簡潔にお願いいたします。
#165
○政務次官(依田智治君) この調査報告書をお読みいただく前提として、この事故は、自殺者自体は十数倍という倍率で、二士、一士、陸士長を経て曹という位に行くんですが、曹候補学生ということで入って二年訓練して、「さわぎり」に配置になっていよいよ基礎訓練の後自分が責任を持つという立場に置かれたときに実はいろいろ悩み事もあり、亡くなった、こういう背景のある事件でございますので、そのあたりのところを踏まえながらぜひこの調査報告書を読んでいただいて、私どもとしては、もしいじめ等によってそういうことがあるということになれば大変なことなので、相当念入りに調べたつもりでございますので、その点をよろしくお願いしたいと思います。よく見た上で判断していただければありがたいと。
#166
○梶原敬義君 そう一方的に言われても、客観的に調査をさせていただきたいと思います。
#167
○石井一二君 二院クラブ・自由連合の石井でございます。
 私は医療費について若干の質問をいたしたいと思います。予定の時間を大幅に過ぎておりますので、要領を得て簡潔に質問をし、また簡潔な答えを期待いたしたいと思います。
 御高承のごとく、国家財政は今大赤字で大わらわでございますが、そういった中で医療費の伸びも年間約三十兆円に及び、さらに年々一兆円ずつふえている、こういった中で国家財政に及ぼす深刻な影響という面もございますが、片や国民の健康管理、維持という意味で大きな使命をも得ておることも事実でございまして、我々もその恩恵者の一人でございます。
 こういった中で、まず医療費を削減すべきだという観点から、厚生省のビジョンを一言で言うならば、今どのようなお気持ちで日々の業務に従事しておられるのか、まず基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
#168
○政府参考人(近藤純五郎君) 先生御指摘のとおりでございますが、医療費というのは人口の高齢化等に伴いまして増加を続けておりまして、国民経済の面からも大変問題だと、こういうふうに認識いたしているわけでございます。
 この医療費の問題につきましては、制度面、それから運営面、両方から総合的な対処が必要だろうというふうに思っておりますが、運営面におきましては保険医療機関等の指導、それから診査の充実、こういったものが考えられるわけでございますけれども、制度面におきまして診療報酬体系の合理化、こういうのが必要だというふうに考えております。これまで薬価の合理化、それから慢性疾患の支払いの包括化、こういったものをやってきておりまして、現在では薬剤費の医療費に占める割合はだんだんと減ってきているわけでございます。
 それから、やはり医療費につきましてコスト意識を持ってもらわなければならない、こういうことで患者に定率の負担をお願いしてきているわけでございまして、今国会におきましても老人医療の原則定率一割負担を提案させていただいているところでございます。
 それから、大きな問題といたしまして健康づくりというのが大事だろう、こういうふうに思っているわけでございます。慢性疾患がふえてきておりますので、これからは健康を増進して発病そのものを抑制する、こういう一次予防を重視した健康づくり対策というのが必要だというふうに考えておりまして、健康寿命を延ばす、こういうことが大事だということで、新しい国民運動として健康日本21計画を私どもとして推進したい、こういうふうに考えております。医療費の伸びを抑制するということによりまして、国民の医療の質を確保しながらなおかつ国民皆保険体制を堅持したい、こういうふうな考え方のもとに推進しているところでございます。
#169
○石井一二君 言葉の上ではあなたのおっしゃることはすべて正しいんです。ただ、結果だけ見ればどんどん赤字がふえておると、こういう中でその原因をもう少しつぶさに見てまいりますと、一つは国立病院会計への一般会計からの借入金とか、あるいは財投からの未払い残高の増とかいったような格好であらわれておりますが、国公立の病院とか療養所の経営内容の改善ということが一つ大きく問われるべきであろうと思います。
 次に、会計検査院が年度別の報告書を出しておりますけれども、不適正な経理の指摘としてその大体五割を占めるのが厚生省だと。しかも、その最も大きな原因の連続ワーストワンをここ十年ぐらい続けておりますのが医療機関への診療報酬の払い過ぎ、これは出来高払いというような制度を野放しにしておるということから来る過剰請求ということであって、発見された数字というものはごく氷山の一角にすぎないということであります。
 それからまた、薬剤費というものはどんどん下げていかにゃならぬわけでありますが、また片や診療報酬はどんどん上げてほしいというイタチごっこの闘いがあると、こういう中で先般も参照薬価制度というものが案として出てきながらこれが葬られた。
 こういう中で私は、政治家も大いに襟を正し、反省すべき面もありますし、厚生省の役人も理論上は美辞麗句を並べて答弁等は上手にされますが、実際心からやる気でやっておるかどうかということになると議論の余地があると思うんですね。
 例えば、ここに幾つかの雑誌等を持っておりますが、二〇〇〇年二月十一日付の週刊ポストでは「日本医師会が私に持ちかけた実弾工作」とか、九九年八月号のテーミスは「五十億円の政治献金を武器に医療保険の抜本改革つぶし」とか、あるいはまた二〇〇〇年三月十日の週刊ポストでは「八十五億円補助金を食い散らす厚生省の「天下りビジネス」を掴んだ」なんというのがあります。
 結局、皆さん方ももう数年たてば製薬会社かどこかへ天下らなきゃいかぬ、そういう中で薬価基準を余り下げ過ぎてもいかぬなというような手心がある。また、我々も国家財政とかいろんな意味から具体的な努力をすべきだということはわかっていても、先ほどの政治献金の話ではありませんが、具体的な名前入りで何ぼ献金がなされた結果どのような制度の改革がつぶされたというようなことがはっきりと報道されておる中で、通り一遍の話ではこれは済まぬ話だと私は思うんです。
 だから、そういう意味で、局長、さっきあなたは上手に答弁されてやれやれと思っているかわかりませんが、もう一枚皮をむいて本音の答弁をもう一度やってみてください。どうですか。
#170
○政府参考人(近藤純五郎君) 先生御指摘の参照価格制度でございますけれども、これは確かにドイツでこういう制度がございまして、日本でも抜本改革の一環としてやったらどうか、こういう御意見があったわけでございます。
 これはいろいろ検討いたしました。我々も真剣に検討いたしました。ただ、関係者間で残念ながら意見がまとまらなかったわけでございまして、参照価格を上回る部分につきましては患者負担がふえますので、その患者負担についてどうかという問題でございますとか、この制度を導入しても薬剤費の削減効果というのは余りないのではないか、こういうふうな御指摘もございまして、残念ながら意見集約に至らなかったわけでございます。
 私ども、薬価差の解消というのは非常に重要な課題だということで、本年度におきましても薬価改定におきまして従来のR幅というものを必要最小限の率にするということで五%のものを二%にする、こういうふうなことにいたしたわけでございまして、現実には薬価差によります医療経営はしない、こういうのが医療関係者の間ではかなり浸透してきているわけでございます。そういう意味では、薬の関係というのはこれまでより非常に少なくなるであろうし、もちろんその中で医療費に占めるシェアというのはこれから、徐々でございましょうけれども、さらに低下していくであろうということで、私どもとしてはこの傾向をさらに強めるために努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
 確かに、利害関係者からいろいろ御意見をいただくというのは当然のことでございまして、私どもとしましてはそういう意見も踏まえながら私どもの主張も当然していく、結果として国民の医療が確保できるように努力してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#171
○石井一二君 参照薬価制度にしろ関係者の意見がまとまらなかったなんておっしゃっているが、私はそうじゃないと思うんです。やはり政治的な産物として、結果として今回は見送り、そういうことであろうと思いますし、薬価基準を下げたなんて言われても診療報酬を上げていますから、そういう面ではまだまだ赤字をどんどん拡大していくということから脱却することはかなり難しい、そう思いますよ。
 それから、私は先ほど国立病院の話に触れましたが、いよいよ二〇〇四年から独立行政法人化されて、利益を上げた場合は、今までだったら国庫へ持っていかれるけれども、これから自分でどんどん内輪的な投資にも使えるということにもなってくると思いますし、あなたもいつまでも局長をやっているわけじゃありませんし、我々もまた同じような立場でどんどん人はかわっていくわけですが、非常に大きな問題であると同時に、国家としてこれ以上の医療費の膨張は許されない、そういうことの現実を重く受けとめていただいて、どうかひとつ発奮して行政に今後取り組んでいただきたいと思います。
 時間が若干残っていますが、皆早う帰りたいという顔をしておられると思いますので、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#172
○委員長(浜田卓二郎君) 本日の調査はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。
   午後五時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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