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2000/03/01 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第2号
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2000/03/01 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第2号

#1
第147回国会 予算委員会 第2号
平成十二年三月一日(水曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十九日
    辞任         補欠選任
     浅尾慶一郎君     小川 敏夫君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     大沢 辰美君     須藤美也子君
     林  紀子君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                市川 一朗君
                上杉 光弘君
                大野つや子君
                岡野  裕君
                釜本 邦茂君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                小川 敏夫君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                竹村 泰子君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                本田 良一君
                魚住裕一郎君
                松 あきら君
                山本  保君
                小池  晃君
                須藤美也子君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                入澤  肇君
                高橋 令則君
                奥村 展三君
                松岡滿壽男君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法務大臣     臼井日出男君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
       労働大臣     牧野 隆守君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       外務政務次官   山本 一太君
       大蔵政務次官   林  芳正君
       文部政務次官   河村 建夫君
       厚生政務次官   大野由利子君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       運輸政務次官   中馬 弘毅君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       郵政政務次官   前田  正君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
       自治政務次官   橘 康太郎君
       総理府政務次官  長峯  基君
       金融再生政務次
       官        村井  仁君
       総務政務次官   持永 和見君
       北海道開発政務
       次官       米田 建三君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
       経済企画政務次
       官        小池百合子君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
       国土政務次官   増田 敏男君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       宮内庁次長    森  幸男君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十二年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を総括方式により行うこととし、質疑の割り当て時間は二百七十九分とすること、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議九十七分、民主党・新緑風会七十一分、公明党・改革クラブ二十五分、日本共産党二十九分、社会民主党・護憲連合二十二分、自由党十二分、参議院の会十五分、二院クラブ・自由連合八分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(倉田寛之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十二年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#5
○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十二年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁速水優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(倉田寛之君) 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。峰崎直樹君。
#8
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 いよいよ予算が参議院にやってきたわけでありますが、衆議院において大変十分な審議が尽くされたかというと、私はそうではないというふうに思っています。またこのことについては後で申し上げたいと思いますが、参議院としてどうしても予算委員会で解明しておかなきゃいけない問題があると思っております。それは、今通常国会の冒頭の、ある意味では異常とも言える事態が招いたことでございます。
 衆議院でも議論があったようでありますが、ここは参議院でございます。また、官房長官はかつて参議院の本会議場で、自分は参議院議員として誇りに思う、そのために全力を尽くしたいということもおっしゃっておられました。
 私どもは、そのことを聞いて、ぜひとも解明していただきたいことがあるわけでありますが、それは私どもの菅政調会長が衆議院でも質問いたしました、某新聞に載った、二十八日でしょうか、参議院議長に電話を入れられて、その電話で、参議院も議長の対応にかかっている、あんたはもう議長を五年やったわな、ひょっとしてあと一年のために内閣倒すんかねと、我々は新聞報道を通じて知ったわけでありますが、そのことについて改めて官房長官は事実をここの参議院の場で明らかにしてもらいたいと思います。
#9
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。
 私が就任当初、参議院の本会議で申し上げた私の気持ちは今日も何ら変わりません。
 また、今の御質問は、私が一部新聞報道に基づいての御指摘だと思いますけれども、そういう事実は一切ございませんで、斎藤参議院議長は私にとってはそれこそ長年御指導をいただいた尊敬申し上げる先輩でありまして、そういう方に対し、私が採決を迫ったり強要をしたという事実は一切ございません。
 ただ、こうして国会が始まりましたので、私は斎藤議長に対し、電話で、国会も始まりましたので何分よろしくお願いを申し上げますということは申し上げました。それは当然の礼儀だと思っております。
 それに対して斎藤議長は、あんたも大変だろうけれどもしっかり頑張ってくださいということで、新聞報道は一切そういうことはございません。
#10
○峰崎直樹君 官房長官、それはいつですか。いつのことですか。
#11
○国務大臣(青木幹雄君) 正式には覚えておりませんが、二十七、八日ごろであったと、そういうふうに記憶いたしております。
#12
○峰崎直樹君 国会が始まったのは二十日でしたね。始まったんだからどうぞよろしくという、そのときに発言されるのなら意味がわかるんですが、二十七日、二十八日、一週間以上たってやるというのは、どう見ても私どもは儀礼的なあいさつだというふうに思えないんです。そのことの我々は疑念があるがゆえに今も尋ねているんですが、もう一回、どうでしょうか、この点。
#13
○国務大臣(青木幹雄君) 意図があって私が、二十七日か八日か記憶いたしておりませんが、電話をしたわけではありません。初めに衆議院が始まって、その後で参議院が始まりますので、参議院が始まる前にと思って私は電話を差し上げたわけでございます。
#14
○峰崎直樹君 始まるといっても、国会というのは開会式から始まるわけですね。議席の指定も始まるわけです。そこが始まりであって、その意味で、今の官房長官の答弁ではどうしてもその新聞報道のようなことがあったという疑念がぬぐえないわけです。そのことだけを、もう時間もありませんからこの辺にしたいと思います。
 次に、いわゆる衆議院議員定数二十の削減された法案が参議院にやってまいりました。この参議院で、いわゆる委員会に付託もされないで、中間報告という国会法の手続がとられたわけです。
 私どもの和田洋子委員長のところに付託をされ、当然、和田委員長はその審議をしようということで呼びかけた。集まってこない。そして、国会の中で中間報告を議長が求めて、そして採決をされたわけです。
 ここに、今皆さんのお手元の一番最後になると思いますが、一枚の紙っぺらがございます。だれが書いたのか、ここに書いてあるわけじゃありません。これは参議院議長が、後ろから二枚目ですか、最後に集約的に出されたわけです。
 参議院に誇りを持っておられる青木官房長官、大変恐縮ですが、後ろの四行は結構です、最初の十行をちょっと読んでいただけますか。
#15
○国務大臣(青木幹雄君) 読めということでございますので、配付された資料をそのまま読ませていただきます。
 一月二十八日以降、今日に至るまでの異常事態の打開について、私なりに円滑な解決に努力をしてきたつもりでありますが、結果として、異常な形で議事を進めざるを得なかったことは、まことに遺憾であり、参議院の独自性を守れなかったことについて、自分の力不足を痛感いたしておりますということです。
#16
○峰崎直樹君 一カ所、円滑じゃなくて円満でございましたけれども、その次の五行、私が読んでみます。
 ここに至った経緯については、与党、野党それぞれの主張や立場のあることは理解できるものの、これ以上異常な事態を放置しておくことは、まさに議会の自殺行為と言わねばならず、特に、参議院のあり方を互いに真摯に論じてきた私ども参議院議員にとって耐えがたいことである。こういう形で、あと四行ございますが、出されたわけです。
 議長がこういうふうにある意味では語られている。文書で我々参議院議員全員に配られたわけでありますから、そのことについて改めて官房長官の決意、そしてこれは参議院の問題ではございますが、そういうことをある意味では結果的に強いた、いわゆる冒頭におけるこの法案に対する総理としての責任問題も含めて、あわせて見解をお二人からいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(青木幹雄君) 今の御質問は定数二十名削減の問題にかかわった問題であろうと思いますが、衆議院議員の定数削減については、国家公務員の削減、地方議会の定数削減、民間企業における経営努力なども踏まえ、また国民世論を十分勘案し、国会においてもまずみずから身を削る姿勢を示すことが大切であるとの観点から行ったものであり、今般の定数削減法案の成立は国民の期待に沿ったものと私は考えております。
 また、この法案は法案提出以来三回にわたる国会において議論され、正規のルールに従って処理されたものであると承知しておりまして、自自公三党の横暴とのそういう指摘は私は当たらない、そういうふうに考えております。
#18
○国務大臣(小渕恵三君) 定数削減法案につきましては、衆参両院におきましてこれを議決されたわけでありまして、議員立法としてこれが法律化いたしました以上は、政府としてはそれにのっとって行政を行うということだろうと思っております。
 そこで、今私自身がこれを強いてそうしたことに力を尽くしたと、こういうお話でございますが、私は、衆参両院とも内閣総理大臣といえども強制によって動くようなところではない、まさに両院の権威をもってすれば、私は両院の判断において行ったものと考えております。
#19
○峰崎直樹君 この問題、もう本当に重要な問題を私は抱えていると思います。中間報告というのは、ある意味では議会に付託されていて、国会の最終盤になって時間がないからとにかく法案を上げてきて、そして何としてもやっぱり採決しなきゃいかぬ、こういう課題ならいざ知らず、議会が始まったばかりで何にも審議していない中で中間報告を求める、こんな中間報告は私はあり得ないと思うんです。
 その意味で、私どもはこのような議会運営を二度とやってはならない、そのように考えますが、官房長官、もし何か御意見があったらお伺いいたします。
#20
○国務大臣(青木幹雄君) 国会の運営につきましては、政府として云々することは差し控えたいと私は考えておりますが、いずれにせよ正規のルールに従って私は処理されたものと、そういうふうに解釈をいたしております。
#21
○峰崎直樹君 先ほど読んでいただいたのは、議長はそのように感じていないからああいう文書を出されたわけですね。その意味で私は大変重大な問題を抱えているというふうに思います。
 これは、もうこれ以上追及していても終わってしまいますので、ぜひこの点引き続きまた進めたいと思いますが、この問題はもう二度とあってはならないことを私どもも通告をしておきたいと思います。
 そこで、これから予算委員会審議に入っていくわけです。どうしてもやはり私どもは総理に尋ねなきゃいけない。それは、皆さんのお手元の資料、何番目になりましょうか、五枚目になりますでしょうか、「小渕首相、どちらが重要ですか 空席総理の二週間」というふうに書いてあります。これは二月二十五日までのあれしか見ておりませんが、ごらんになっていただいて、クエスチョンタイムもございましたけれども、予算委員会で総括質疑をされたのは二月十四日だけです。これはもちろん与党、野党の野党だけになっているわけでありますが、以下大変重要な問題がずっと左側に、衆議院予算委員会で審議されているわけですが、そのころ総理は何をされているのかということを右に書いてあります。ちょっとゴシックで書いておりました。総理、これは間違いございませんか、特徴的な点をとらえていますが。
#22
○国務大臣(小渕恵三君) 私の日々日程を新聞紙上で発表されておるものはこのとおりと思います。
#23
○峰崎直樹君 この間、総理の出席を求める野党の議員もおりました。もちろんであります、我が民主党、ずっと一貫して要求しておりました。与党の中にも、総理がいないから議論にならないじゃないか、こういう声が上がったのは御存じですか。
#24
○国務大臣(小渕恵三君) 新聞等でそういう御意見があったことは承知をいたしております。
 私の国会における出席は、もとより憲法によって院が招集をされれば内閣閣員すべてこれは出席する義務を負っておると思っております。ただ、今般、国会活性化法によりまして新しくいわゆるクエスチョンタイム等が設けられたことと同時に、政府委員制度の廃止という大変大きな制度改革も行われておりますし、またその他副大臣制度等がございまして、これは来年の一月六日から新たに出発するわけでありますが、現在は総括政務次官、政務次官が答弁をさせていただいておりまして、まさに政府と、党によってはネクストミニスターもおるわけでありまして、政策をもってそれぞれ大臣同士がお話し合いをされるということの中で新しい国会が進んでいくということだろうと思います。
 したがって、私としては、法律に基づいて、院の要請があれば憲法の規定によって出席をいたしますが、各党間の話し合いによってそうした改革の中で進められておるということに相従ったと、こういうことでございます。
#25
○峰崎直樹君 総理はこの予算を提案しておられる責任者でもありますよね。それから、閣僚の皆さんを任命されていますよね。大変な権限です。最高責任者です。その総理自身がみずから問われていることもある。あるいは予算について総理自身の見識も問いたいことがたくさんあります。きょうもあります。そのことについて、いや、院から言われれば出ますよ、こういうことではなくて、みずから国民に向かって積極的に説明していく責任があるんじゃないか。
 よく説明責任という言葉がございますね。そのことについて総理はどう思われますか。
#26
○国務大臣(小渕恵三君) 閣僚を任命したことでございますし、内閣総理大臣としての重き任は十分承知をいたしております。また、いわゆるアカウンタビリティーといいますか、そのことを国民の皆さんにお知らせすることの必要性も痛感いたしております。
#27
○峰崎直樹君 特に、クエスチョンタイムが入った。私は、クエスチョンタイムが入ったから予算委員会はある意味では最初のテレビが入った総括だけでいいんだと。このことに私たち参議院は納得しておりません。これはもう我々ずっと一貫して主張しているんです。ですから、衆議院はどうであれ、これから参議院において、私どもは総理の出席を求めてそして従来どおり総括質問をするべきだと思っているんです。
 そして、この参議院にはクエスチョンタイムに出られない少数会派もあるんです。そのことについてどう思われますか。
#28
○国務大臣(小渕恵三君) これは行政府の長たる内閣総理大臣が決めることではなくて、国会が国権の最高機関として、国会の活性化の問題も含めましてもろもろ政党間で話し合われてされることであって、そのことに国会によって御指名をいただいた総理大臣としては従う、こういうことであります。
#29
○峰崎直樹君 総理は、内閣の長であると同時に、自由民主党の総裁なんですよ。与党側のリーダーでもあるんでしょう。そこのところを私は履き違えたらだめなんじゃないかと思うんです。
 イギリスだってそうでしょう。内閣の長であると同時に、与党のリーダーとして、トップリーダーとして実はさまざまな権限を振るっているんでしょう。先ほどおっしゃいました政府委員の廃止、国会改革、クエスチョンタイム、全部イギリス型の議会運営のところに持っていこう、デモクラシーを充実させていこうと。そのときのイギリスの内閣総理大臣というのは、まさに与党のリーダーとして、よし、このときには国会に対するアカウンタビリティーがあるね、そのことを実際にやっているじゃないですか。与党のリーダーとしてあなたはできるじゃないですか。お答えください。
#30
○国務大臣(小渕恵三君) しばしばこの予算委員会において、ここに出席をさせていただいて内閣総理大臣として御答弁申し上げております。その過程において、与党の党首たる者としての御質問もいただきます。この点については御答弁申し上げられる範囲においてはいたしたいと思いますが、少なくともこの場は内閣の首班たる総理大臣に対して行政全般にわたる御質疑をいただくということが主たるものだろう、こう考えております。
 それから、イギリスの例をおとりになられましたが、たしかイギリスの首相、現ブレアさんもそうでありますが、議会における出席問題については、まさにこのクエスチョンタイムの発祥の地でございますけれども、一週間一遍のこの三十分間のクエスチョンタイムの出席、その他のことについては閣僚を任命し、閣僚が影の閣僚とかんかんがくがくの政策論をいたしておると私は承知をいたしております。しかし、日本は日本としてのことでございますので、国会でお決めいただいた趣旨にのっとって対応しておる、こういうことであります。
#31
○峰崎直樹君 日本には日本のやり方がある。私も日本のやり方があっていいと思います。しかし、国民に対して説明責任が最高の責任者としてあなたにはあるんですよ。
 ついては、今度、参議院で私たちはこれから予算委員会の運営のあり方についてまだ審議をしていきますが、それであるなら、我々予算委員会で決定をして、総理の出席を求めるということについての決定があれば総理は当然出てくる。これは憲法第六十三条で規定されています。そのことについて間違いございませんね。
#32
○国務大臣(小渕恵三君) 日本国憲法を遵守する義務を私は負っておると思っています。
#33
○峰崎直樹君 当然のことだろうと思います。ですから、私たちはこれから、もちろん三十日間以内、自然成立してしまいますから、そういう制約はあるけれども、総理の出席を求めて私たちは審議を充実させていきたい、そのことをあらかじめ申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、国民から見て一番今切実に関心を持っている、あるいはいら立っている、この国は一体どうなっているんだというふうに思っているところに私は質問を移させていただきたいと思います。
 これは国家公安委員長に聞いたらいいんでしょうか、自治大臣あるいは警察庁長官からまず聞いた方がよろしいんでしょうか。二月二十八日から二十九日、どのような行動があり、何があったんでしょうか。国民はそのことをこの国会の中で明らかにしてもらうように、新聞等では知っていると思いますが、改めてお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公安委員長として御答弁を申し上げたいと存じます。
 お尋ねの二月の二十八日でありますが、私は衆議院の予算委員会等で答弁にずっと立っておりましたが、時間のあいたときがございまして、そのときを見計らいまして、五時から緊急の国家公安委員会を招集いたしました。幸いにして五人の委員が全員出席することができまして、そこで既に警察庁長官から発表されておりました今回の新潟県の県警本部長並びに関東警察局の局長の処分にかかわる問題について国家公安委員会で御議論をいただいたわけであります。
 このことにつきましては、御承知と思いますが、任命権者がそれぞれ違います。新潟の県警本部長につきましては国家公安委員会であります。委員長ではございません。それから、もう一人の警察局長につきましては、これは警察庁の人事でありますので警察庁長官が持っております。
 これを二つに分けまして、まず国家公安委員会としての本部長に対する処分についての御意見を改めて聴取いたしました。その時点におきましては、国家公安委員会が設けておりますホームページあるいは新聞等でいろいろ御議論があったことも承知をいたしておりまして、大変厳しい世の中の御意見もある、この処分でいいかどうかということで五人の御意見をいろいろ伺ったわけであります。
 そのときに出てまいりました意見は、いろいろな御意見があるけれども、国家公安委員会としては冷静に判断すべしというのが御意見でございまして、それに基づきまして、いろいろ御意見がございましたけれども、県警本部長の処分に関してはこれでよいということが五人全員の判定で決まりまして、それで国家公安委員長としては会を取り仕切っておりますけれども、実は私は表決権がございません、御存じのとおり。国家公安委員会に政治が過剰に介入するということについては、これは避けなければいけないという趣旨だと思いますが、表決権がございませんが取りまとめは私が行いました。そして、新潟県警本部長の処理についてはこれでよいという判定がついたわけであります。
 次に、警察局長中田氏に関する問題については、これは警察庁の処分でありますので、警察庁長官から改めてもう一度考え方を述べていただいて、それに基づいて議論をいたしました。その時点におきましては、新潟県におきまして監察に行った者が遊興飲食をしておったということは承知をいたしております。承知をした上で警察庁長官の御説明をいろいろ伺わせていただきました。
 警察庁長官によりますれば、この問題は、中田氏がまず自分からこういうことがありましたということを警察庁長官のところへ届け出をしてきた、申し出をしてきたという事実、さらにもう一つは、警察庁長官が引責辞職を求めたということがございます。それで、引責辞職ということで形をとらせていただきたいということであります。
 もとより、懲戒処分その他を考えたわけでありますが、みずからその申し出をしてきたということも勘案し、懲戒処分は行わず引責辞職をさせることによって責任をとらせたいということでありました。この件について、五人の国家公安委員の皆様方がそれぞれ御意見を述べられましたが、最終的な判断としては、警察庁長官の報告を了とするという形で判定の決着を見たところであります。
 そういう形で二十八日は推移をしておりまして、私自身、その経緯につきまして、それからまた委員会に呼ばれまして九時まで、夜の九時まで委員会をやっておりましたが、その後記者会見をいたしまして、国家公安委員会での取りまとめについて私から便宜御報告をさせていただいた、そういう実態であります。
 したがいまして、県警本部長については、国家公安委員会としてこの処分妥当という結論を出し、それから中田氏については、警察庁長官の報告を了とするという形になりましたことを御報告申し上げたいと思います。
#35
○峰崎直樹君 ちょっとその前に、警察庁長官お見えになっていると思うんですが、具体的に、今のはいわゆる国家公安委員会における処分内容といいますかそういう報告だったんですが、一体この中田局長は何をしに行ってそして何をやったのか、そこら辺をちょっと局長、ぜひ国民の前に明らかにしてください。
#36
○政府参考人(田中節夫君) 御指摘の中田前関東管区警察局長でございますけれども、昨年来の一連の不祥事案に対するところの不祥事案防止対策の一環としての特別監察につきまして、一月二十八日、新潟県に赴いたものでございます。
 当日、十一時半ころに新潟県本部に到着いたしまして、本部長から事情聴取その他を行いました後、新潟西港の視察あるいは新潟中央署におきますところの監察等を終えて一応監察を終了したというのが特別監察の内容でございます。
#37
○峰崎直樹君 それですべてですか。もう一回詳しくちょっと話をしていただけますか。
 終わって何をされて、そしてその間小林本部長との間でどんな会話があって、そしてその後どうなさったのか、ちょっと正確にやってください。
#38
○政府参考人(田中節夫君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、一月二十八日の午前十一時半ごろ新潟に着きまして、五十五分に本部に参りました。本部に十二時十分ごろまでおりまして、いろいろ事情聴取をしております。それから、十三時十分ごろに昼食会場から新潟西港、これは北朝鮮の万景峰号が入る港でございますけれども、そこの警備状況等を視察いたしまして、十五時ころ新潟中央署に参りました。新潟中央署で、これは特別監察の一環でございますけれども、新潟中央署からいろいろ監察事情を受けております。十六時に新潟中央署を出ました。この時点で本人の特別監察は終了したという判断でございます。
 その後、宿泊所と申しますか、当日予約をしておりました東蒲原郡のホテルに向かった。この部分は私的な行動でございます。
 以上でございます。
#39
○峰崎直樹君 その私的な行動の中身、もう私的でなくなっておるんじゃないですか。ですから、ちょっとそこは具体的にもう新聞等でも報道されていますが、改めて田中長官自身がこの問題が国民的に見ても大変な問題になっているがゆえに、実は責任を問われているんですよ。
 ですから、そこのところを明確にはっきりもう一回答えてください。
#40
○政府参考人(田中節夫君) お答えいたします。
 特別監察としては十六時ごろ終えたということを申し上げたわけでございますが、その後の行動でございますが、一応十七時ごろに東蒲原郡の宿泊所に着きまして、ここで新潟県の本部長と合流をしております。
 これは一応仕事を終えた後の行動でございますけれども、特別監察の後の行動としてとらえますと極めて不適切な行動でございますけれども、一応私的な行動というふうに理解をしております。
 その後、十七時ごろに本部長と合流いたしまして、十八時ごろから夕食をいたしました。二十時三十分ごろから遊興といいますか、マージャンをしておる。零時半ごろ終えたというのが一月二十八日の行動でございます。
#41
○峰崎直樹君 次の日はどうされましたか。田中長官、次の日。
#42
○政府参考人(田中節夫君) 一月二十九日の行動でございますけれども、午前十時ごろ宿泊所を出まして、途中車で、十一時半ごろ昼食会場まで行きまして、十三時三十分ごろ新潟駅発で帰京しておるという状況でございます。
#43
○峰崎直樹君 国民はほとんどもう報道によって知っているんですよ。だから、正確に言わないとだめなんです。
 じゃ聞きますが、なぜやめさせられたんですか。
#44
○政府参考人(田中節夫君) 今回のこの中田前関東管区警察局長の行動につきましては、特別監察の意義、重要性その他を全く認識しない行動である。特に、その監察とは、特別監察を終了したとはいえ、この特別監察におきましては受監対象、監察を受けることとなる本部長等とは酒席をともにしてはいけないと強く言っておりましたので、そういう意味で全く、特別監察終了後ではありますけれども、極めて不適切な行動であるということで、私からこれは職を辞すべき行動であるということを申し渡して、その結果、本人から職を辞す旨の辞表が出たというのが実情でございます。
#45
○峰崎直樹君 それで長官、特別監察というのは、これは何でやったんですか、何のために。
#46
○政府参考人(田中節夫君) これは、先ほど来申し上げておりますように、神奈川県警察に始まりました一連の昨年の不祥事案がございました。その後、不祥事案対策を各県に指示してまいりましたけれども、この不祥事案対策の推進状況がどうなっているのか。具体的には、教養とかあるいは証拠品等の問題もございましたので、その管理がどうなっているのかという具体的な事故防止対策の推進状況につきましてそれを監察する、そしてまた具体的にどういうようなところがさらに問題点なのかということを把握するというためのものでございます。
#47
○峰崎直樹君 それが全くやられていなかったんじゃないですか。雪の見えるようなところの旅館をとってもらいたい、次の日は瓢湖という何か白鳥のよく見えるところに公用車で行かれたとか、夜はお酒を飲んでマージャンをやったとか、要するに何のために行ったのかといったら、物見遊山に行ったんじゃないかというふうに国民の皆さんは見ているんです。
 長官、それは間違いないですね、そういう意味で。
#48
○政府参考人(田中節夫君) 今回の特別監察につきましては、中田前関東管区警察局長がリーダーとなってチームをなしていったものでございますけれども、ほかの全員につきましては所定の目的を達していると思っております。
 ただ、今御指摘の中田前関東管区警察局長の行動につきましては極めて不適切、監察の目的を達していないというようなことにつきましては、私もそのように感じております。
#49
○峰崎直樹君 極めて不適切、もちろんそのとおりであります。
 この経緯は、今の状況に置かれると、これは中田さんだけではなくて、小林同県警本部長の今度はまたもう一つ大きい問題があるんです。
 マージャンをやりながら、どうやら九年ぶりに少女の監禁事件のあれが見つかったようだと情報が入ってきた。行った方がいいんじゃないのというふうに言ったけれども、途中でそのままうやむやになっちゃったと言いましたね。何できちっと指令してやらせなかったのか、そういったことについて国民の皆さん方は、警察は一体何をやっておるんだと。
 九年ぶりに見つかったその第一報のあのうその記者会見もそうだけれども、そこもまた県警本部の最高責任者が監察に来た人と一緒になって酒席をともにし、マージャンをしていた。このことの状況は、もう日本の警察というのはとてもじゃないけれども信頼できない、神奈川県警があって、そのための監察に行ったのに、同じことあるいはそれ以上のことをやっているじゃないか、このことを実は明らかにしたんじゃないですか。
 田中長官、それで、この処分は、あなたは今向こう側から言ってきたとおっしゃって、自分も了としたと言っていましたけれども、その処分で妥当だと思われますか。
#50
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど大臣からも申し上げましたけれども、この中田前関東管区警察局長の処分についてのお尋ねでございますけれども、これは一月二十四日に私どもに本人が申告をしてきたものでございます。
 それで初めてその状況を知ったわけでございますけれども、それを踏まえての私の処分でございますけれども、私は妥当であったというふうに思っておりますし、またそのことにつきまして国家公安委員会にお諮りいたしましたところ、それが了とされたところでございます。
#51
○峰崎直樹君 もう今のお話を聞いていて、テレビを見ておられる方はどう思われたでしょうね。全く国民の感覚からずれている。
 田中長官、先ほど国家公安委員長は懲戒免職ということも考えられるがとおっしゃいました。これは状況的な問題や、しかも、これは目的が神奈川県警の問題があって改めてやらなきゃいかぬというときに再度また起こったという点では、これは事実上懲戒免職に値するんじゃないですか。田中長官、どうですか。
#52
○政府参考人(田中節夫君) この事案につきましては、いろいろな御判断があろうかと思いますけれども、私はそのように判断したわけでございます。
#53
○峰崎直樹君 警察庁長官はああいうふうに答えているんですよ。
 任命権者は保利自治大臣になりましょうか。どういうふうに判断されますか。懲戒免職に値するというふうに私どもは思いますが、そうでない判断をした人に対するあなたの判断は。
#54
○国務大臣(保利耕輔君) 御答弁に先立ちまして、この件につきましては、被害者それから御家族の皆様、御親族の皆様に大変御心配をおかけいたしておりまして、心から私はおわびを申し上げなければならないと思います。そのことだけを述べさせていただきます。
 その上で、私も、実は神奈川県警の問題が起こりまして以来、公安委員長としてできるだけのことをいろいろやってまいりました。時間的な制約がかなりございまして、警察庁に入り浸りということができない状況にありますのが非常に残念であります。できるならば、私は専任大臣になってでも切り込んでいきたいぐらいの気持ちは持っておりますが、状況はそういうことを許しません。
 そこで、今の警察庁長官のお話でありますが、私自身、神奈川県警の問題いろいろ携わってまいりましただけに、今回の行動というものは本当に私自身許しがたい気持ちでありますが、立場上それ以上申し上げることは差し控えさせていただきますが、どうぞ私の心中をお察しいただきたいのであります。
 その上で、今の判断につきましては、国家公安委員会の中で御論議をいただいたということは先ほども申し上げたとおりであります。私自身は、意見の取りまとめをいたしますが、私自身の判断というものはそこの中に入れることができないわけであります。五人の方が一致して長官の御判断を了とされましたので、私はそれを取りまとめて御報告をしたということであります。
 国家公安委員会のあり方そのもの、国家公安委員会と委員長の関係、これは非常に微妙なものがございまして、私もいろいろ勉強させていただいておりますが、公安委員会制度ができましたときには政治家というのは入れないで判断をするということになっておりまして、その後、やはり内閣との連絡調整が必要だということで政治家が送り込まれたのでありますが、依然としてそのときの精神は生きておりまして、表決権を持たないということであります。
 したがいまして、私自身の判断は入っておりませんが、五人の委員全員の判断ということを申し上げさせていただきます。
#55
○峰崎直樹君 国家公安委員会の性格を私は聞いているわけではないんです、直接は。
 今、国民の皆さん方は、監察に出向いた中田局長、そして新潟県警の本部長小林さん、このやったことというのは、とてもではないけれども一般的に減給だとかあるいは自分が退職したからそれを許すとか、そういうたぐいのものではないんではないかということを我々は思うわけです。国民もそう思っているはずなんです。
 それで、まず最初の管区の中田さんについては長官がいわゆる処分の権限を持っている。そして、それを公安委員会に報告をして了承をもらったと言う。であるとすれば、そこの警察庁長官の判断がいかにも甘いじゃないですかと、このことを私は言っているわけですね。
 そのことを我々は、あの人、前は関口長官でしたね、前の長官はおやめになりました。私は、そんな軽い処分でいいですということを言った今の長官に対しては、これはやっぱりもう責任とってもらう以外にないんではないかと思うんですよ。そのことを実は聞いているのであって、いわゆる長官に責任をとるその直接の任命権者というのはどなたになるわけですか。
#56
○国務大臣(保利耕輔君) 直接の任命権者は国家公安委員会であります。国家公安委員会の決するところによりその人事処分は決まると承知をいたしております。
#57
○峰崎直樹君 そうすると、この合議制の国家公安委員会が決める。しかし、国家公安委員会の責任者はどなたなんですか。
#58
○国務大臣(保利耕輔君) ここのところが、先ほど申し上げましたように、非常に微妙なところであります。国家公安委員会を代表いたしますが表決権がないということから考えますと、それはいかに考えたらいいのかということは私自身も思い悩んでいるところでございます。
 もし、おまえが責任者だということであれば、法的根拠がはっきりするならば、私が責任者と言わざるを得ませんけれども、そこの法的根拠は明白ではないと私は考えております。
#59
○峰崎直樹君 そうすると、これは官僚のこの種の問題の不祥事が起きたときなんか、だれがその責任をきちんと問う主体になる、責任がある所在になるんでしょうか。改めてその点をお伺いしたいと思うんですが。
#60
○国務大臣(保利耕輔君) だれが判断をするのか、だれが最終責任をとるのかということは、国家公安委員会全体であろうかと思います。
#61
○峰崎直樹君 きょう国民がみんな、この問題は一体あの国家公安委員会の決定でいいんだろうかという、その疑問をみんな持っていらっしゃると思う。
 ですから、そのことで国家公安委員会以外には決められません、そうすると私たちはここから先は何にも言えませんということになっちゃうんですが、先ほどおっしゃった国家公安委員長が政治が介入しないというのは、戦前のような形になることは恐らく好ましくないだろうと、特高警察だとか。そうではなくて、このようなある意味では私は官僚機構もそうだと思うし、警察というのは日本の国家機構の中枢をなしているところですね。そこが今もうメルトダウンを起こしているわけでしょう。そして、それが独走し始めているわけでしょう。そのときにあくまでも、いや、私は形式的にその上に乗っかっているだけでございますからということだったら、何のために国家公安委員長というのはおられるんでしょうか。改めて私、そのことを明らかにしていただきたい。
#62
○国務大臣(保利耕輔君) その点はいろいろ私も思い悩んでおりますし、国家公安委員会の性格というのは警察法五条で規定されておるわけであります。私は、就任以来この警察法五条についてはいろいろ読んでみておりますけれども、どう解釈していいのかというのはまだ私の中でも整理がし切れていない部分があります。
 それが無責任だと言われれば、そこは責任をとらなければならないと思いますが、ただ形の上で国家公安委員会全体だということは、任命書、県警本部長が県に出てまいりますときの任命書は国家公安委員会と書いてございます。それは私自身が見て確認をいたしておりますが、国家公安委員会の任命だということでございまして、したがって、私はそういう意味で、国家公安委員会全体が責任を負うべきものと、こう考えるわけであります。
 もし、これは、私から国家公安委員会の先生方に、委員の皆さんに提起をして、今回の処置が妥当であるかどうかということを諮れということが国会から、国権の最高機関からそういう御要請があれば、諮らなければならない義務はあるだろうと思います。
#63
○峰崎直樹君 これ、今ずっと問題をやっていても先へ進まないと思うんです。要するに、警察で起こっている今の不祥事については、公安委員会が決めました、公安委員会が決めた以上、私は何もできません。そうすると、我々はこの国会の場で今これからこの問題について審議するとき、何の権限もない人を相手にして論議しているということになります。これで本当に国会が、いわゆる警察行政についてのコントロール権というのを持っているんでしょうか。その点、明確にしてもらわないと、私、ここから先ちょっと質問できません。明らかにしてください。内閣として明らかにしてください。
#64
○国務大臣(保利耕輔君) 御納得いただくためには、私が責任者であると断言してしまわなければなりませんけれども、そこには警察法五条の解釈の問題がございますので、これはその点を立法府として十分お考えをいただきたい、そのように思います。法律の若干のあいまいさがあるのではないかと、私はそう思います。よろしくお願いいたします。
#65
○峰崎直樹君 いや、改めて聞いているんですから、我々が国政調査を今しているわけですから、しかも警察行政の予算も全部ついているわけですから、その問題、どうやったら、じゃ私たちが審議をしてそこの責任解明ができるのか、その点を内閣として一応方針を出してください。そうでないと論議できませんよ。
#66
○国務大臣(保利耕輔君) 責任の問題ということで、だれが責任者だということをはっきりしろと、それでないと質問が続けられないということでありますれば、私が責任者だと、こう言えばいいんでしょうけれども、そういう法解釈がなかなかできないものですから、今そのような御返事を申し上げておるわけであります。
#67
○峰崎直樹君 それでは、再度今のお話を聞いていて、総理大臣、どのように見解を持っていますか。
#68
○国務大臣(小渕恵三君) お時間をおかりして私の考え方も申し上げさせていただきますが、今回の事案が、神奈川県警等の不祥事を踏まえ、全国警察の信頼回復に向けた取り組みが進められている中で、県警の最高責任者とこれを指揮監督すべき立場にある幹部が、その立場もわきまえず、幹部として自覚に欠ける不見識、不適切な行動をとったものであり、弁解の余地もなく言語道断であり、警察の信用を著しく失墜せしめたものであると考えております。
 新潟県警察本部長に対する懲戒処分及び両名に対する引責辞任の措置につきましては、私としても国民の間にいろいろな御意見があることを十分承知をいたしております。懲戒権者及び任命権者たる国家公安委員会及び警察庁長官が、事実と法に基づき事案の重大性を踏まえて対応されたものであると考えております。
 そこで、国家公安委員長が警察法五条に基づきまして、みずからの責任を法律の指し示すところによって明確化されないという形でおるわけであります。そもそもこの国家公安委員会制度は、委員も御承知のとおり、戦前のあの内閣が警察権を指揮して、事においては選挙干渉まで行ってきたという苦い経験を持ちまして、内閣としては極めて権限についてこれを行使することを避けるべきであるということで、恐らくこうした行政委員会、公取等と同じような形で設けられたものと考えております。
 そこで、今、国家公安委員長につきまして、法的なそうした権限を与えられておらない者が行使するということになりますると、これは法律の企図しておることと差異ということになると法治国家としての対応はできかねるという問題もここに存在するのではないか。
 強いて申し上げれば、お聞きをしておって考えることは、行政府すなわち内閣がかつてのああした戦前の忌まわしきことを振り返ってみて、新憲法下では第三者的機関においてこれを行うというシステムを構築しておるということであるとすれば、内閣としてその権限を行使すべき法改正を企図するか、あるいはまた、これはやはり国権の最高機関であり、行政府に対して監督をし、しっかりとした内閣に対する国会の権限として考えた場合に国会としての御判断をいただけるものか、実は今お聞きをいたしておりまして、なかなかもって難しい課題だと思っております。
 ただ、申し上げたいことは、この問題については、今回のことについて言えば、本当に委員御指摘のように、国民の素朴な感情からしてこれでよろしいかということは大変私も、できる限り国民に目線を合わせていこうという気持ちといたしましても、政治家としては私もさような気持ちを持っておるつもりでありますし、先般も衆議院におきまして、もちろん法的な限界のあることは十分承知をしておりますが、官房長官自身も衆議院の予算委員会におきまして今回の処置は生ぬるいという個人的な考え方を申されました。その後、官邸に参りまして二人で鳩首協議し、いろいろと判断をめぐらしましたが、結論的に言いますと、現下の法的根拠の中で内閣として、すなわち内閣総理大臣が指揮してその行政処分を行うということは、これは法の限界、許されざることであるということにおきまして今回のような措置を講じたわけであります。
 国家公安委員会におきましても、当然のことでありますけれども、内閣がこれを御提案しておるわけでありますが、衆参両院、国会におきまして国家公安委員会の委員の御同意を得ておるということでございますので、そういうことからいいますと、国家公安委員会は国会の御了承のもとに委員が任命をされておるという前提を考えますと、この問題の措置というものは非常に難しい問題であろうと思います。しかし、委員が御指摘されておることは私もよく理解をいたしております。
 したがって、私としては、既にこの一連の事案を重く受けとめておりまして、警察に対する国民の信頼を回復する方途について、近く国家公安委員長及び各委員を交えて意見の交換をいたしたいと思っておりますが、事後のことと言われるかもしれませんけれども、こうした形で国家公安委員会のそれぞれの委員の方々の御意見も拝聴しながら、今国民のお気持ちとしては当然現下の処分についていろいろと厳しい御批判をいただいておりますが、こうしたことが国民の意思がどのように反映していくかということについては、私としては今の御議論をお聞きしながら、前向きで考えていき、努力をしていかなきゃならないというのが現下私が率直に申し上げられることでございます。
#69
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、国家公安委員会に出席をしております都度、国会でのいろいろな論議については立場上御報告をいたしております。きょうこのような御指摘があることは、明日十時から国家公安委員会が開かれます、そこで私自身から説明をしたいのでありますが、明日は総括質疑で私はここにいなければなりませんからそれが不可能でありますので、警察庁から十分に説明をさせたいと思います。
 その上で、委員の皆さん方からいろいろ御意見が出てくるかもしれません。それに基づいて、もし不適当ということになれば警察庁長官の責任を問うていかなければならないわけでありますが、同時にそれはまたその報告を認めた国家公安委員会の責任にもなるわけでありますので、その辺は十分にわきまえて私どもは対処していかなきゃならないと思っております。
#70
○峰崎直樹君 あす国家公安委員会があるんですね、毎週一回やっておられると。どうですか、それ時間を変更してもらって、この予算委員会が終わった後にやったらどうですか。それぐらい重要でないですか。全国からも電話がじゃんじゃん鳴っているんでしょう。国民の投書もどんどん来ているんでしょう。どうですか。
#71
○国務大臣(保利耕輔君) 時間の変更は、私は、ちょっと今の時点では難しいと思いますけれども、ただ休憩をして再開するという、そういうことはできるわけでありますから、そういう手だては、先生方がそれぞれ職業を持っておられてお忙しい方ばかりですけれども、そういうことができるならばやってみたい、こう思います。
#72
○峰崎直樹君 国家公安委員長ですから、それはぜひ、いわゆる政治的介入はいけないけれども、要するに日程をちょっと延ばしてくれと、夜六時なら六時からやってもらいたい、ここは五時で終わりますから。そういうことは僕はできると思うんですが、それすらできませんか。何か今お話を聞いていると何となくまだないようですが、そういう方向をぴしっと出してくださいよ。
#73
○国務大臣(保利耕輔君) 私自身がそういう気持ちを持っておりますから、その線に向かって努力をいたします。
#74
○峰崎直樹君 そこで、私きょうは、後で小川委員もこの問題を追及していただきますから、まだ終わってはいないということで、またきっと恐らくきょうはそのことに集中するだろうと思います。
 ところで、国家公安委員会の事務局はだれが担っているんですか。
#75
○国務大臣(保利耕輔君) 事務局は便宜警察庁がやっております。
#76
○峰崎直樹君 国家公安委員長、総理大臣のもとにリストが上がってきますよね、この人を選びたいと。どこから上がってまいりますか。
#77
○国務大臣(保利耕輔君) これは国会承認人事でありますから、国会で御承認をいただいた者が委員を務めております。
 なお、委員の現在の名簿等については、国家公安委員会としてのホームページの中に記載をしてございます。
#78
○峰崎直樹君 我々は、人事案件、国会で承認を求められることがあります。簡単な略歴を見て、それで判断せざるを得ないんです。情報ギャップが大きいです。
 ですから、事務局が総理のもとにこの人を国家公安委員に推薦しますと上げてくるでしょう。それをだれが上げるのかというと事務局なんでしょう。国家公安委員長、答えてください。
#79
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員会の国家公安委員の人事の関係でございますけれども、私どもは管理を受ける身でございますので、積極的に私どもがこういう方になってくださいということを直接申し上げる立場には実はございません。
 基本的には、内閣の方で具体的にいろんな方から恐らく情報収集されるんだろうと思いますけれども、私どもの方で具体的に、法律の性格上、私どもがこの方をということはなかなかできにくい、御意見を求められることはありますけれども、直接私どもがこの方をということで申し上げることはできにくい、そういう仕組みであるというふうに私どもは理解しております。
#80
○峰崎直樹君 それでは、官房長官でも総理でもどちらでもいいですが、どうやってそれは上がってくるんですか。皆さんどうやってその名簿を上げてくるんですか。
#81
○国務大臣(保利耕輔君) 私が就任した時点で一人の欠員がございました。その欠員の候補につきましては、警察庁長官と前大臣とで相談をされてお決めになって、現在渡邊氏がそれに就任をしておられます。
#82
○峰崎直樹君 今お話しなさったことと、ちょっと何か長官のおっしゃったことと違うんじゃないですか。
 警察庁長官、どうです、今のお話を聞いていて。
#83
○政府参考人(田中節夫君) 私どもが申し上げておりますのは、国家公安委員会の事務局と申しますか、国家公安委員会を補佐するのは警察庁でございます。そういう意味では事務局でございます。しかしながら、国家公安委員の選任ということにつきましては、私どもが名簿をつくってそれでお示しをしてお選びするとか、そういうものではございませんということを申し上げているわけでございます。
#84
○峰崎直樹君 保利大臣の言っていることと、長官、違うじゃないですか。ちょっと調整してください。
#85
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員の指名について私どもに意見を求められることはあります。しかしながら、これは、基本的には内閣の方でいろんな方のお話を聞かれて国会に御提出されますので、私どもの意見がそのまま通るとか、あるいは私どもが候補者を選んでこうやるという性格のものではございません。ただ、具体的なケースによりましては、私どもに御意見を求められてその方が御就任されることはこれは当然にあることだというふうに思っております。
#86
○国務大臣(保利耕輔君) 今、警察庁長官からお答えを申し上げましたとおり、相談にはあずかっていると思います。いろいろその世界のことについて詳しい人事をいろいろ承知の事務局がやはり参考意見としては申し述べるでありましょう。しかし、この国会に同意人事として提出するのは内閣でありますから、最終的には内閣が決断を下すという意味からいえば、一義的には国家公安委員長が持っているものと思います。
#87
○峰崎直樹君 形式的なことは私はもうこれ以上聞かないことにしますが、今、私が明らかにしたいと思っているのは、国家公安委員会の五名の方のことは、全部これは警察庁が仕切っているんです。人選に当たっても、そのいわゆる参考になるこういう人がいますよということの材料も、全部それは警察でやっています。その上で、もちろん形式的には総理のところに行って国会で承認を求めている、こういう手続ですよね。
 これで、実はもう五名の方が決めれば何でもできるということです。実際上、この五名の方には、この五名の方に忠誠を誓ういわゆる独自の、警察庁以外の方の情報が入っていくルートというのは公安委員会の中にはないんでしょう、委員長。
#88
○国務大臣(保利耕輔君) 私が接しております国家公安委員の皆様方は、それぞれ立派な方々でありまして、学界、それから法曹界、さらにマスコミ、それから経済界というような各方面からの有識者で、それぞれ見識のある方々が選ばれておると、私はそう思っております。
 なお、外からの情報につきましては、私もできるだけこの国家公安委員会の中にそういった情報が入るように、国家公安委員会としてのホームページを開きまして、いろいろなさまざまな御意見をいただいております。この件についても大変多くの方々から御意見を寄せられておりまして、非常に厳しい御意見が大宗を占めております。
#89
○峰崎直樹君 結局、私は、戦前の例でいくと、警察が関東軍になっちゃっているんじゃないかと。要するに、五名の委員の方、ある意味ではその人たちが合議すれば何でもできる。この人たちを実際上推薦してきたりする、それも全部警察を含めてやっている、事務局もそれをやっている。
 そうすると、全く、権力行政に携わっていながら、もちろん政治の不当介入という問題はあるけれども、この方々の言ってみれば治外法権になっちゃっているんですか、これ。治外法権になる危険性があるんじゃないですか。今私が責任はだれにあるんですかと言ったら、委員会ですとなっちゃっているから。その点についてはどう判断されますか。
#90
○国務大臣(保利耕輔君) 関東軍であるかどうかということは、私もよく承知をいたしませんけれども、しかし今回の件は、体質というものが一つ露呈をしたという感じを私自身は受けております。この体質というものがほかに病巣がないかどうかということについては、十分に検証していくということについては、これは国家公安委員会の仕事としても持っていると思っております。
 こういった観点から厳しく警察庁を監督していかなければならぬ、督励をしていかなきゃならぬというふうに私は思っております。
#91
○峰崎直樹君 あす開かれる国家公安委員会でこの国会での論戦、衆議院もございましたですね、参議院のきょうの議論あすの議論、もちろん正しく報告してくださるんでしょうね。そして、きちんと反映してくださるんでしょうね。その点はいかがですか。
#92
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、このやりとりについて、厳しい御意見等について、実はもうビデオをお見せしてでもお知らせをしたいぐらいの気持ちであります。同時にまた、これは全国の警察関係者にこういったやりとりについてはきちんとお見せをしたいという気持ちを持っております。
#93
○峰崎直樹君 ぜひ、その点をまたお伝えいただきたいというふうに思います。
 と同時に、私は、警察庁長官、先ほど県警本部長とそれから関東管区の局長を先ほどのような処分をされたわけでありますが、そのことについての再考も私どもはやはり求めたいというふうに思っておりますので、そのこともよろしくお願い申し上げたいと思います。
#94
○国務大臣(保利耕輔君) 再考についての御意見がありましたことは、私から正確にお伝えをいたします。ただ、その上での国家公安委員会としての判断はどうなるかということについては、今私は申し上げられません。
#95
○峰崎直樹君 それでは先に進みたいと思うんですが、その前に、きょう新聞で知ったわけですからちょっと事前に通告できません。
 続長官にお尋ねしますが、四月から警察の監察行政についてその監察をするというような報道がございましたが、わかっている限りで、どういうことを、何を対象に、何をどのように監察をされるのか、ちょっとお尋ねをしたいと思いますが、事前に連絡していませんでしたので。
#96
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 神奈川県警の不祥事が起こった際に、私どもは、総務庁として監察の権限があるし、あるいは人事制度の権限があるし、あるいは組織管理の権限がある、そういうことを踏まえながら警察行政に対して監察できる範囲の中で対処をしたいと、こういう話を申し上げました。その結果、警察自体が、いや、私どもの方で直ちに対応したい、こういうこともございました。
 しかしながら、そうはいうものの、私どもとしては、従来いろんな監察をやっております、その監察の一環として警察行政に対する監察がどういう方法でやれるのか、その辺のことを事務当局同士で話し合いをしながらこれから詰めさせていただきたい、こういう考え方でございます。
 以上です。
#97
○峰崎直樹君 役所が役所を監察するということで本当に成果は上がるんだろうかというのは、私は今の国民の一般的な感情じゃないかと思うんです。
 農水大臣にちょっとお尋ねします。
 例の農水省の構造改善局の疑惑の問題ですが、この経過ちょっと、国民の皆さんもしかすると初めてかもしれませんので。
#98
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省におきまして、構造改善局をめぐるところで不適切な行為があったのではないかといういろいろな情報等がございまして、みずからを省みてみずからを正しく律する、こういう観点から、これは異例なことでございますけれども、十一年一月六日に中川大臣の訓令によりまして調査委員会を設置されまして、そしてその調査の結果、二月十九日に中間報告があったところでございます。
 その後、調査委員会は継続をされまして、私が十月の五日に就任をいたしましてから、また新たな事実等も指摘をされましたので、これを十月の二十一日に再調査の指示を行いまして、調査の結果によりまして判明した事実に基づき、職務の点におきまして遺憾な事実があった者十八名を処分いたしました。同時に、この監督責任を感じて十三人から自主的にみずからを律する、こういうことを決定いたしたのが経過でございます。
#99
○峰崎直樹君 聞いていてわからないと思うんですね。遺憾な事実というのは何だったんですか、ちょっと具体的にもう少し説明してください。
#100
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 例えば、倫理規程に反する行為としまして、海外旅行に行った者、これはほとんど報告なしで行った者、それから会食等を行い、ツケ回し等を行っておった者、そういうところでございます。
#101
○峰崎直樹君 まだ何となくかばおうとされているんでしょうかね、よくわからない。要するに、業者と一緒に韓国と中国に旅行に行ってきたとか、あるいはその業者にツケ回しをしたとか、あるいはタクシーでチケットを局ぐるみ使ったとか、その種のたぐいのやつがぼろぼろ出てきたんでしょう。
 そこで聞きますが、去年、構造改善局長が責任者になってつくったこの調査委員会で一応一カ月足らず調査をしたんですよね。そうしたら、またぼろぼろ出てきたんですね。まだこれから出る危険性はあるんじゃないですか。いかがですか。
#102
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今日まで調査委員会を存続させまして、今後も存続をさせるところでありますけれども、調査の問題等につきましては、私どもは司法機関ではございません。したがいまして、国家公務員としての自覚に基づく本人の申告を前提とするものでありまして、そういう中におきましてできる限り幅広い調査を行いましてやったわけでございます。
 したがいまして、その調査結果等におきましても、司法機関にも当然報告をし、さらにまた今後もし調査漏れとかそういうことがあった場合におきましては引き続き調査をして処置をとる、こういう決意でやっております。
#103
○峰崎直樹君 調査の方法は自己申告に基づく調査、そうですね。調査はわざわざ韓国や中国へ行ってどういうことをしてきたかということ、それも含めてその調査をしてこられたんですか。あるいは実際にゴルフクラブを買ってもらったとか、そういう衆議院の予算委員会でぼろぼろ明らかになっていますよ。官房長官はよく御存じです。
 そういったことについて、本人から、いや、私はしています、していませんだけでこの問題は調査ができるんですか。しかも、内部の構造改善局の問題を構造改善局長がやることでできるんですか。お答えください。
#104
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 倫理規程に反して行動をとったということで処分をしたわけでありますから、どこでどのようなことをしたかということまではここではつまびらかにはしませんが、倫理規程に反しておったという事実は明確に調査したわけでありますから、その処分等におきましても決して甘いものではないということを申し上げたいと思います。
#105
○峰崎直樹君 甘いものではないのが、一回調査をしてぼろっと結論が出て、そしてまた調査をしたら、また出てくる。新聞で出てきたから、また調べたらそうでした、これじゃ全然調査になっていないじゃないんですか。大臣、何ですか。
#106
○国務大臣(玉沢徳一郎君) あえて申し上げますが、新聞等の事例のことを今言われましたが、我々も新聞情報その他については一つ一つ確認をしまして、その中におきましては既に処分の中に入っているものもあるわけでありまして、新聞情報で全部出たからぼろぼろと出ているというお話でありますけれども、我々としましても、事実をそれぞれ一つ一つ確かめた上でやっておるわけでございますので、そういう点について決して手を緩めたというようなことはございません。
#107
○峰崎直樹君 幾らそうおっしゃっても、構造改善局長のもとで中の問題を中の人だけがやっているから、さっぱりこれはほかから見てそうだという信頼が得られないんですよ、またぼろぼろ出てくるから。
 そこで、法務当局、来ておられますね、法務大臣、この問題について何らかの調査をされておりますか。
#108
○国務大臣(臼井日出男君) 捜査機関がどのような事項につきまして捜査を行うかにつきましては、捜査機関の活動内容にかかわることでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論として申し上げるならば、検察は、常に不偏不党、厳正公正にして、法と証拠に基づき、もし刑事事件として取り上げるべきものがあるならば、適宜適切に処理するものと承知をいたしております。
#109
○峰崎直樹君 当たり前のことを強調していただきました。
 だけれども、私は、検察の方に行って、検察でもう事終われり、それは司法府の方へ行くんですから、当然これは立法府の方で、議会の方でもしっかり解明していかなきゃいけませんから、この問題は引き続きこれから始まります予算委員会の中でも、玉沢大臣、やりますから、その点はぜひ前向きに改革をしていただきたいと思うわけであります。
 通産大臣にお聞きします。
 これはもうずっと今のところ官僚の皆さん方の方に言っているんですけれども、前の通産大臣は文芸春秋に、石油公団の一兆三千億円ですか、こんな欠陥が出ているぞということを、実に私も読んで丁寧にやっておられましたですね。その後どうなりましたですか。
#110
○国務大臣(深谷隆司君) 御案内のように、石油公団のあり方につきましては、平成九年の決算委員会で集中審議が行われて、そして堀内大臣のもとでさまざまな問題点が指摘されて、通産省といたしましては、それらの指摘につきまして、まず省内に検討する委員会をこしらえ、そしてさらに外部の有識者も御参加いただいて、各般にわたって協議をいたして、あるいは通産大臣が決算委員会で指摘された事柄については、一つ一つ改善をいたし、またかつ現在も一層の改善を図っているという状態です。
#111
○峰崎直樹君 アラ石問題とか、通産大臣のところ、また後でちょっとお聞きしようと思ったわけですが、実は先ほどの警察の問題も農水省の問題も通産省の問題、みんな役所の中のキャリア組の官僚の犯している問題なんですね。農水省の場合は、構造改善局はキャリア組以外の方ももちろん入っています。だんだんと、その高級官僚の皆さん方の動きに対して相当やはりこれはメスを入れないと大変だぞという思いが非常に強いわけであります。
 建設省、建設大臣のところにも実はありますが、ちょっとこれ、構造改善局次長の再就職先というところですね。(図表掲示)ある新聞その他、我々が調べられる限りで調べてまいりました。A、B、Cという名前。お手元に資料も行っておりますから、そちらをごらんになっていただいて結構です。
 Aさんという人は、昭和五十七年に水資源開発公団の理事をやって、日本農業土木総合研究所の専務理事、理事長、顧問とやって、今、農村環境整備センター。もう何年ここに勤めているでしょうか。
 Bという方は、水資源開発公団、全国農業土木技術連盟委員長、農業農村整備情報センター、畑地農業振興会会長。これももう二十年以上勤めていますね。
 Cという人もそうであります。水資源開発公団、農業土木技術連盟、日本農業土木総合研究所。これらは補助金の出ている団体、日本農業総合研究所二億円、農村環境整備センターは三千万円という形で出ておるわけであります。
 先ほどの石油公団、前の大臣は前の石油公団総裁の退職金を減額させましたよね、これはひどいと。
 そして、これは建設大臣に、建設省のが最近出ておりました、これもちょっとお手元の資料の中に加えておりますけれども、この資料の中でも実は大変な方がおられるわけでありまして、実名で。
 たくさん資料を出したもので、大変恐縮です。一番最後のところなんですが、「建設省「御用達会社」の錬金術を暴く」ということで、現代三月号に載っていたやつですが、豊蔵一さん、七十二歳。昭和六十年事務次官に昇進、六十二年退官、そして、退官後、住宅・都市整備公団の副総裁から阪神高速道路公団理事長、住都公団の総裁、そして平成七年、東日本建設業保証の取締役社長と。この間、事務次官の退職金ほか、合わせて九千三百二十七万円の退職金をいただいていますということがそこに記載されています。
 一般的に言って、このような渡り鳥、こういう高級官僚の渡り鳥、政治家の中にも最近渡り鳥というのがいまして、これはまたいつかちょっとあれしなきゃいけないと思うんですが。
 官房長官、我が衆議院の安住議員の質問に対して、このような実態について解明をするべきだ、調査をしましょう、こういう約束をなさいましたですね。その点、どうですか。
#112
○国務大臣(青木幹雄君) 御指摘の調査につきましては、質問が終わった後、直ちに指示をいたしました。
 そして現在、総理府の管理室において、過去十年間のいわゆる所管公益法人、国家公務員出身者の役員在任及びいわゆる渡りの状況、そういうものについて鋭意調査をいたしております。
 調査の対象が非常に数も多いし広範囲に各役所わたっておりますので、多少の時間はかかると思いますが、大体今月中にはすべての集計ができるものと、そういうふうに考えておりまして、その上で御報告をさせていただきたいというように考えております。
 ただ、この問題、今A、B、Cという例をお示しになりました。それから、私も、この前衆議院で質問があった方について調べてまいりました。しかし、ほとんどの方が、考えなきゃいけないのは、五十二、三歳で役所をやめております。
 ですから、やはり定年制の問題を含めて、六十歳まで勤めることができるわけですから、そういう根本的な問題にもメスを入れないといけない、そういうふうに考えておりまして、それから人材バンクの問題、これにもやはり精力的に取り組むことが、調査の結果、恐らくそういう問題が出てくるんじゃないかと、そういうふうに考えておりますが、大体今月中にまとまると考えております。
#113
○峰崎直樹君 警察庁長官、またもう一回お尋ねしますが、おやめになるお二人に、きょうもちょっと新聞に載っていますが、もう一回正確に確かめますが、退職金出るんですか、中田さんと小林さんに。どのぐらい出るんですか。
#114
○政府参考人(田中節夫君) 急な御質問でございますので、額までははっきり記憶しておりませんけれども、国家公務員退職手当法によれば退職金は出ます。両名とも三千万を超える退職金だと思います。
#115
○峰崎直樹君 これは個人のもちろん生活にかかわる問題ですから私どももあれですが、率直に申し上げて、我々は、懲戒免職にも当たる、該当するような、そういう私ども今回の事件ではないかなというふうに思うんですよ。
 保利委員長、このことについてはあすは議論になりますか。
#116
○国務大臣(保利耕輔君) 特段の予定はございませんけれども、委員の皆様方から御質問があれば当然やはり警察庁がお答えをすることになろうかと思います。
 ただ、引責辞職でありますので、自己都合退職でありますから、通常のものよりか大幅に減額をされているということは私も承知をしております。
#117
○峰崎直樹君 先ほど来から公務員の皆さん方の問題にずっと触れているわけですが、総理、直接私は質問しておりませんけれども、警察のこの実態、実は石油公団の事例の問題あるいは農業土木の関係、本当に今、日本の国が音を立てて何か崩れつつあるんじゃないかということを感ずるんですが、その点どのように感じられますか。
#118
○国務大臣(小渕恵三君) 基本的には、日本の官僚機構といいますか、お役人それぞれの資質、また警察についても年来の信頼感が国民の中に横溢しておりまして、交番制度を含めまして二十数万人の警察官そのものに対しての国民の信頼度は高かったと思っております。
 しかし、こうした幾つかの事例によりまして、日本の最も特色である、世界にもまれに見るような官僚制度、機構あるいは資質、こういうものが問われてきておる現下ということをまことに象徴的にあらわす事案が起こってきつつあるわけであります。
 行政の責任を持つ者といたしまして、戦後を顧みて、日本を支えてきた大きなこの制度、これがやはりどこかに緩みがないのかということについては、いま一度行政府も、そしてまた国会の力もかりまして、こうした点をしっかりつくり直すといいますか、再構築をしなければ日本の将来は危ういと、こういう気持ちを、切なるものがあります。
 したがいまして、こうしたことを十分反省の材料にして、よりよき国家のひとつ運営をいたしてまいりますのは官僚でございますので、こうした方々がきちんとした国に対する責任感を持って、それぞれ推進のできることを顧みて、この機会に大いに反省をし、そして新しい姿を目指して何らかの検討をさらに深くいたしていかなきゃならぬ。きょうの御質疑を聞いて、私自身しかと受けとめさせていただいた次第でございます。
#119
○峰崎直樹君 総理、ぜひ政治家の立場で議論させていただきたいんですが、このいわゆる官僚機構という、本当に日本では明治以来ずっと続いているわけでありますが、立法府に我々はかつて日本版GAOというのを提案したことがあります。
 予算の問題にしても、専ら大蔵省をもちろん中心にしながらその予算を組まれている。議会の方で、アメリカではもちろん大統領制をとっておりますし、法律は議会がつくるということで違いはあるにしても、大統領府といわゆる議会予算局と両方持っているんですね。
 そういう意味で、今お話なさった、今非常に日本の屋台骨が揺らいでいるんではないか。二十一世紀にそういう国権の最高機関としての立法府の体制を強化していくという方向がもう一方でないと、これは行革に逆行するんじゃないかとかいろんな意見がありますから、もちろんやり方は変えなきゃいけないと思うんですね。そういう形へと二十一世紀の行政のスタイルをやはり大きく変えていくべきじゃないだろうかという思いを持つのですが、この点はどのように考えておりますか。
#120
○国務大臣(小渕恵三君) がちがちのことを申し上げるつもりはありませんけれども、やっぱり国権の最高機関たる国会におきまして御討議をいただいて、我々は常に監視、サーベイされておるわけでございますので、行政府としては常に身を引き締めてみずからいたしますが、やはりこれは国会という国民を代表する国権の最高機関において、現在でもいろいろの委員会が存在をしておることは承知しておりますけれども、そのことについては、私の方がどういう組織体がよろしいかということを申し上げることは僣越かと思いますので、差し控えさせていただきたいと思います。
 内閣としては、先ほども申し上げましたように、私は、日本のお役人というものは本当に明治以来それなりに国を思い、大きな責任を果たしてきたということは事実でありまして、諸外国の例と必ずしも対比するつもりはありませんが、かなり国によってはこの層が安定をしないという意味で国が揺らいでおるというようなところもあることを考えますと、我が国としてはかなりその点ではしっかりとした組織を持ってきたと思っております。
 繰り返しになりますが、今顧みて、今日いま一度このたがをしっかり締め直すと同時に、常々反省をしていくためには、いろんな第三者、そしてまた特に国会の御指摘、こういうものが必要ではないかということを考え、そうしたものを受けとめながらみずからを正していくということでなければならない、このように考えております。
#121
○峰崎直樹君 時間がありません。先に移りますが、今度は政治家の問題についてちょっと話をさせていただきます。
 金融再生委員長が辞任をされました。このことについて、なぜ辞任に至ったんでしょうか。総理はどう受け取られますか。
#122
○国務大臣(小渕恵三君) 先週の予算委員会等における越智前大臣からの説明によりますれば、金融検査に関して不適切な表現を使い、誤解を招く話しぶりがあり、金融行政についての国民の信頼を損ないかねない結果となったことについて申しわけなかったとのことであり、こうした中で金融再生委員長がその職を辞任するに至ったものであります。
 こうした事態につきまして、任命権者である私としてはまことに残念かつ遺憾であると考えており、今後は現下の我が国の重要課題につき、金融システムの再構築につき、内閣として全力を尽くすことによりその責任を果たしてまいりたい、こう考えております。
#123
○峰崎直樹君 総理はあのテープレコーダーの、何か取り寄せておられたという話を聞いている。中身を読まれましたか。
#124
○国務大臣(小渕恵三君) 私のところには特に送付ございませんでしたので、じかにこれを聴取することはいたしておりません。新聞紙上あるいはまた越智前委員長の国会での御発言等、あるいはまたマスコミその他が詳細にこれを報道しておられますので、それを拝見させていただいたということであります。
#125
○峰崎直樹君 正確にそのもとをつかんで判断されたわけじゃないんですね。
 そのことはまた別にいたしまして、じゃ、なぜ認められたんですか、辞任されるのを。
#126
○国務大臣(小渕恵三君) ですから、今御答弁申し上げましたように、私的な会合といえども金融秩序を維持するために極めて公正な姿勢を保たなきゃならない委員長が、いかにしても、事によっては手心を加えてもよろしいというようなことを申されたということが、みずからが不適切な発言であったと、こう申されて辞意を表明されましたので、これを私も承認した、こういうことであります。
#127
○峰崎直樹君 公正を欠いておったということを総理も認識されたということですね。
#128
○国務大臣(小渕恵三君) 越智委員長は、これはもう御存じのところだと思いますけれども、自由民主党の金融問題調査会の会長として、長らくこの問題のエキスパートとして党の金融政策に大きなかかわりを持っていらした方であります。そういった意味で、前の柳沢委員長が内閣改造によって引かれるということになりましたので、そのお力というものを大いに発揮していただいて、幸いにして、金融システムも大きな二つの金融機関が国有化されるというような中で、ぜひその持てる力を発揮していただきたいということで任用したわけでございます。
 私は、その行為そのものについてはいささかの疑いも持っておらなかったわけでありますが、いかに私的な講演会の会合といえども、そうした中立中正、透明性、こういうものが極めて必要な委員長でございまして、これは財金分離のことから始まりまして、金融に関しまして合議制の委員会をつくり、その委員長が存在をしということで、その仕事の任に当たってこられたことでありますが、そのことが、御本人の録音にあるような御発言によりまして、国民の不信感、信頼感、こういうものを損ねたことはまことに遺憾である、こういうことでございまして、そのことをもってみずからも反省をし、恐らく辞意を表明されたんだろうと思いましたので、私はその点についてこれを承認し、谷垣新委員長を指名した、こういうことであります。
#129
○峰崎直樹君 何かまだよくわからないんですが、しかし、いずれにせよ不適切な発言、公正さを欠いている。私的な場であっても大変これは問題だと。本来やめさせるべきだ、首にするべきじゃなかったかと。その点はどうですか。
#130
○国務大臣(小渕恵三君) それはそういうお考えもあろうかと思いますし、新聞その他の一面トップを見ますと、みんな更迭と書いてありましたからやめさせたということなのかもしれませんが、手続上は辞表をいただいて、辞任を認めた、こういうことであります。
#131
○峰崎直樹君 総理のより前に、何か新聞辞令というのがよく出ているわけなんですけれども、私が何度もこれを聞いているのは、こういう金融再生委員長のもとで行われた過去の検査やあるいはペイオフの延期、それを一回全部見直さないと、こんな手法で全部手心をずっと加えてこられていたら国民はたまったものじゃありませんよ。何十兆というお金を使っているんでしょう。しかも、あの人は自分の金のようにやっていますよ。その点、私はもう一回そのことを見直してみる必要がありませんかということを聞きたい。
#132
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、金融監督庁長官のもとに、検査等に手心を加えるようなことは全くない、むしろ大変厳しい、法に基づいて徹底した審査が行われてきたという信頼感は私はあると思います。越智委員長になられてそれを枉法的手段で変えたというような事実は私は全くないというふうに思っております。
 ただ、発言そのものがそうしたことを想起させるようなことがあるとすれば、これはいやしくも国民の信頼を失いかねないことでございますので、その発言の重要性にかんがみまして私としては対処したと、こういうことであります。
#133
○国務大臣(谷垣禎一君) このところ、御承知のように金融行政の機関というものは逐次変化をしてきております。その中で、そこに流れる精神というのは、私は公正なルールをつくって透明な行政をやっていかなきゃいかぬと、こういうお考えで国会においてもいろいろ御議論をされて、こういうような仕組みの変化が進んできているんだと思います。
 そういう中で、金融再生委員会は一昨年の秋のいわゆる金融国会の中で、与野党の御議論の中でつくられたものでございまして、そして来年の一月まで、この中で集中的に、言葉は悪いかもしれませんが火事場のばか力的に仕事をせよ、こういう委員会であろうと私は思っております。今まで金融再生法と早期健全化法、こういうものを車の両輪といたしまして、その法の枠の中で一生懸命仕事をしてきたというふうに私は思っております。
 私、このたびここの委員長を拝命いたしまして、事あるごとにこの二つの法律を中心とする物の考え方、そしてその背後に流れる公正なルールのもとで透明に行政をやっていけということを事あるごとにみずからに思い出し、問いかけ、そして職員にもそのことを繰り返し語り、国民の皆様にもそのことを訴えて誠心誠意懸命に仕事に当たっていきたい、このように考えております。
#134
○峰崎直樹君 谷垣新大臣の決意を聞いたわけでありますが、決意は非常に、本当に意気込みはいいんですが、問題は、私が聞いているのは、ペイオフの延期だとか、過去決定したことについての見直しはやられるんですか、やらないんですか。
#135
○国務大臣(谷垣禎一君) 今まで金融再生委員会のもとで行われてきた行政につきましては、先ほど総理からもお答えがございましたけれども、私は金融再生委員会が総力を挙げて一生懸命取り組んできたというふうに考えております。
 もちろん、これから来年まで金融再生委員会というのが存続いたしまして、その中でいろんなものを、常に人間の決断というのは万全なものでありませんから、常に見直していくという気持ちは必要でございますけれども、今までのところ、そのようなことを特に考えなければならないというふうには私は思っておりません。
#136
○峰崎直樹君 このペイオフの問題とかあるいは介護保険の半年料金を取らない問題だとか、本当に一回決めたことがころころ変わっていく。本当に日本の政治はどうなっているんだというふうに、後でもそのころころ変わる例も申し上げなきゃいけないと思うんですが、そのことを国民あるいは世界が私は注目していると思うんですね、金融の世界が。
 ぜひ谷垣長官、そういう意味で、私は、この金融行政のあり方について先ほど決意表明されましたけれども、その観点からやっていただきたいと思うわけであります。(図表掲示)
 総理、これで結局何人小渕内閣で亡くなりましたですか。──ごめんなさい、亡くなりましたとは大変失礼いたしました。辞任をされましたですか。防衛庁長官額賀さん、これは背任事件。西村防衛政務次官、核武装発言、強姦発言。中村法務大臣、去年のこの予算委員会でした、憲法批判発言、何かシュワルツェネッガーの映画スター疑惑。そして、越智金融再生委員長に至っては検査に手心発言。ここまで来ると、一体どうなっているんだと。
 こういう一連の小渕内閣のこの閣僚辞任に対する総理の見解を求めます。
#137
○国務大臣(小渕恵三君) それぞれの事由がございまして辞表を提出され、これを承認いたしたということであります。
 申すまでもなく、内閣総理大臣として、閣僚の任命権を持つ者として、こうした事態になりましたことはまことにこれまた残念のきわみだと思っております。
 それぞれの事由と申し上げたのは、額賀防衛庁長官も、ここには防衛庁背任事件というふうに書いてございますけれども、やはり今までのいろいろの事犯のことについてきちんと責任をとられたというところもあるわけでございまして、一般的に、こうしてともに内閣を支え、そして行政責任を負っていただいておる方々がこうした形で半ばにして辞任をされたということは、まことに任命権者として責任を感じておりますし、残念なことだと思っております。
 こうしたことが今後とも起こりませぬように、それぞれの閣僚におかれましても十分心して国民のためにお尽くしをいただくように願っておりますし、私もその指導をしていかなければならないと考えておる次第でございます。
#138
○峰崎直樹君 何か他人事のようなちょっとお話に聞こえるんですが、もう時間もありませんから先に進みます。
 お手元にもございますが、小渕内閣の支持率、不支持率、これは時事通信のデータを採用させていただきました。これをごらんになって、とうとう支持を不支持が上回ってしまった。不支持が上回った。いつごろから上昇になっていったのかというと、一九九九年、去年の十一月ごろ。十月に自自公政権が発足しました。第二次小渕内閣になってからは一貫して不支持が上がってきています。
 そのことについて、小渕首相の見解を求めたいと思います。
#139
○国務大臣(小渕恵三君) いわゆる支持率につきましては、世論の動きを示す一つの指標として受けとめ、それなりに注目し、また参考にいたしておるところでございます。
 国政に当たりましては、支持率の動きに一喜一憂するのでなく、国民と国家のために何が必要かということを原点にして、内政、外交に臨んできておるところでございます。
 例を申し上げれば、私は竹下内閣の官房長官をいたしておりました。消費税の導入によりまして、最終的には一〇%を割るような事態にもなりました。この消費税の導入という問題についての歴史的な評価は私が申し上げる立場にありませんけれども、この支持率の低下は完全に消費税の導入によって国民的批判をいただいたことも原因だと思います。
 したがって、支持率となすべきことをなさなければならぬというところの間には、極めて難しい相互関係があると私は思っております。事によって支持率が仮に下がりましても、なさなければならないことをするということが、私は政治責任を後世においてとるべきものだと考えております。
 したがって、今申し上げましたように、一喜一憂とは申しませんけれども、私は常に国民の動向というものはこれをしっかり見据えていかなければならないし、謙虚に受けとめておるということではございますけれども、願わくば支持率も上昇し、かつ政策効果もあらわれ、そして国民的理解のもとに評価されることがあれば、政治家としてはこれにこす幸せはないと思いますが、必ずしも一致しないところが難しいことだと考えておる次第でございます。
#140
○峰崎直樹君 先ほど警察の不祥事に関連して、この国の統治機構、要するに今の政府というのはもう信頼できない、そのことのあらわれがこうして出てきているんじゃないかと思うんです。そして、私はこの自自公三党の連立政権ができてからこれが上がってきたと申し上げました。そこで、この連立政権というのは、私はやはりある意味では憲政の常道に反しているんじゃないかという気がしてならない。
 これは続総務庁長官、それから二階運輸大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、お二人とも首班指名では小渕恵三さんとは書かれなかったと思います。菅直人と書かれているわけですね。もう既に何度も聞いております。そして、小沢一郎さんが九八年八月十一日の衆議院の本会議で衆議院の解散・総選挙を求めて、国民の信を得た正統な政権に道を譲るのが憲政の常道だということを語っておられますね。そこで述べておられます。
 さらに、神崎武法さんが衆議院で、さらに自民、自由の連立政権ができた去年の一月においても、この自自連立政権に対しては相当厳しい御批判をなさっています。「自自連立政権についてお伺いします。 昨年秋から難航していた自自連立政権が誕生しました。あの参議院選挙では厳しく対決していた自民党と自由党が、このような連立政権を誕生させ、国民は、一体参議院選挙での国民の厳しい審判は何だったのかとの思いがするのではないでしょうか。」、こういう批判。
 今、改めてこのことについての御見解をお二人からお聞きしたい。
#141
○国務大臣(二階俊博君) お答えをいたします。
 百四十三臨時国会における首班指名選挙におきまして、総理候補として、私たち自由党は、衆参ともに第一回目の投票から当時野党第一党の民主党の菅代表に投票いたしましたことは御記憶のとおりであります。平成十年の夏のことでございます。
 その理由は、参議院選挙での国民の審判の結果、橋本内閣が退陣された以上、野党に政権を渡すのが憲政の常道である。小沢党首の本会議における発言にも言及されましたが、今もその考えはそのとおりだと思っております。
 野党は結束して政権を樹立し、国民の期待にこたえるべきである、我々はそのように考えておりました。しかし、残念ながら民主党に政権を担当する意思なく、我々の望みは実現しなかったわけであります。当時の小渕内閣はまだまだ発足間際でありますので、新内閣として明確な方針を打ち出せる状況ではなかったというふうに記憶をいたしております。
#142
○国務大臣(続訓弘君) 一昨年の七月の百四十三臨時国会で小渕自民党総裁が首班指名され、小渕新内閣が発足したと記憶しております。当時、公明は参議院だけでありましたので、代表である浜四津敏子参議院議員に投票いたしました。参議院ではいずれも投票が過半数に達せず、最多数を得た小渕、菅の両議員で決選投票の結果、菅議員を指名しました。両議院の議決が一致せず、憲法の規定により衆議院の議決が国会の議決となりました。公明も決選投票では菅議員に投票いたしました。
 また、先ほど神崎代表の連立政権についての代表質問の紹介がございました。確かにそういう発言をしております。自民、自由両党が昨年一月十三日に連立政権を樹立され、そして政策協議で合意して、十四日に連立政権が発足をしました。そのときの神崎代表の発言が今御紹介をされたわけであります。
 同時に、神崎議員はこんな発言をしておりました。また、参議院で過半数を割っており、連立の時代に入っている。理念、政策が一致する政党が連立を組むことは自然だと思うが、組む以上は国民の期待にしっかりこたえるべきだ、こういう意見も述べております。
 以上です。
#143
○峰崎直樹君 お二人の話を聞いていて、一刻も早くそういう判断を、例えば民主党が政権担当の意思なし、私どもはある、我々はいつでも政権を握りますよという気持ちは持っておりますが、そう判断をされ、そして国民に問うたこととは違う選択を実はされたわけですね、去年から。そのことをもう審判を国民に問わなければいけない時期に来ているんじゃないか。先ほどの統治能力の問題、支持率の低下の問題、三党の合意の問題、私は、国民は一体今の政治は何をやっているんだ、そういう気持ちで今日の状況を見ているんではないかと。
 その意味で、総理、やはり小渕政権というものの正当性という問題について一刻も早く国民に信を問うべきだと。先ほど来、いろんな不祥事が起きています。そのことも含めて統治能力を失われているんじゃないのか、そのことについて改めて見解を問いたいと思います。
#144
○国務大臣(小渕恵三君) お言葉ですが、統治能力がない、こうおっしゃられると私は辞職せざるを得ないことでございまして、解散は、むしろあるかないかを含めて国民に信を問うことが解散だろうと思います。そういう意味で、大変な大権を内閣としていただいておる以上は、適切な時点において国民の真の意思をお聞きするということが必要ではないかということは常々思っておることでございます。
 ただ、現下におきましては、こうして参議院におきましても十二年度予算の熱心な御審議をいただいております。内閣としては、やはり予算を確実に通過せしめ、四月一日からこれを執行できるようにということが国民に対する責務だと考えておりますので、そうしたことも十分念頭に置きながら対応していかなきゃならない、このように考えております。
#145
○峰崎直樹君 自自公連立政権の正当性の問題について、一刻も早く私は信を問うべきだという見解を申しましたけれども、今のお答えでは納得できないんですが、NTTドコモの問題について引き続き、実は後で小川議員からこの問題を集中的に補足質問していただくわけでありますが、その前にどうしても聞いておきたいと思うんです。
 クエスチョンタイムで我が民主党の鳩山由紀夫党首が要求しました、秘書官の古川さんのところに譲渡されたときの株式譲渡承諾書を出すべきではないのか。簡単なことじゃないんだろうかと。官邸におられるんでしょう。
 この点について、あのやりとりだけでは十分ではありませんでしたので、改めて総理のその点についての見解をお聞きしたいと思います。
#146
○国務大臣(小渕恵三君) そもそも、この問題について衆参両院でお取り上げいただいておりますことでございますけれども、このことについては既に本人が、告訴事案として捜査当局にこれが取り上げられておるわけでございます。そういう意味でいえば、その権力を持つ、捜査権限を持つところから要請されれば恐らく出すでありましょう。また、国会におきまして国政調査権をもって必要であるということであれば、これをお出しすることはあり得ることだと思います。しかし、私のところで確かに大きな責任を負って協力をしていただいておりますが、私がそうしたものを出すようにと慫慂をするつもりはありません。
 そもそも、一体この問題は何かということをこれからお尋ねいただくそうでありますが、そのことを明らかにしていただいた上で、私としてはこの問題に対する質疑については誠実にお答えをいたしてまいりたい、このように考えております。
#147
○峰崎直樹君 告訴があったから、それはもう司法の方にゆだねていこうと。我々は国会で国政調査権を使いながら解明していこうということですから、私どもはやはりこのいわゆる古川さんに渡ったと言われている株式譲渡承諾書を出していただかないと審議は進まないんじゃないかと思いますので、この点は資料請求をさせていただきたい。正式の文書は証明書で私の方で要求したいと思いますので、委員長の方で計らっていただきたいと思います。
#148
○委員長(倉田寛之君) ただいまの峰崎君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。
#149
○峰崎直樹君 次に、なぜ警察庁に告訴されたのかということについて総理は聞いておられますか。
#150
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま警察庁と言われましたが、これは警視庁の誤りであります。
#151
○国務大臣(小渕恵三君) そもそも、私は告訴人ではございません。聞くところによると、本人の告訴に当たりましての弁護人がそのような手続をとったということは承知いたしております。
#152
○峰崎直樹君 総理官邸には秘書官が来ておられる。警察庁の出身もおられますよね。
#153
○国務大臣(小渕恵三君) おります。
#154
○峰崎直樹君 そうすると、総理の秘書官と、古川さんと同じところで警察の人たちと席を並べておられるわけですね。
#155
○国務大臣(小渕恵三君) 同室で仕事をいたしております。
#156
○峰崎直樹君 これはもう李下に冠を正さずではないんですが、やはり自分が告訴しているところ、その情報をある意味では一番得やすい立場に何かあるのではないかという感じがしてならないんです。もちろん、官邸に出向している人が情報を漏らすかどうかという問題は別にしても、そういう疑われる危険性というのはないですか。
#157
○国務大臣(小渕恵三君) この事犯については告訴状を弁護士を通じて提出いたしておることでございまして、このことと秘書官が警察庁から入っておられるということについての何らの因果関係もございません。そのようにお疑いになられること自体が私には理解ができません。
#158
○峰崎直樹君 いや、私は、そういう今最高権力者にある人たちというのは、絶えずそのことを疑われないようにいくのが総理の、あるいは権力者であられる人のたたずまいだと思うんですが、その点はどうですか。
#159
○国務大臣(小渕恵三君) 国家のために必要な内閣総理大臣の仕事を、これはかねてから大蔵、通産、外務、警察、四省庁から派遣をされておられるわけでありまして、国家のために果たすべき役割を十二分に果たし、内閣総理大臣を補佐していただいているものと確信をいたしております。
#160
○峰崎直樹君 総理はかつて株が上がれということで、野菜のカブを持って上がれと、こういうふうにやっておられました。私、今から思うと、あのときは本当に素朴な庶民的な方だなと思っていたんですが、しかし聞いてみると、いわゆる資産公開で、NTTドコモの株は古川さんとそれからお兄様ですね、それから伊藤園の株を奥様が持っていらっしゃる。それ以外にもたくさんおありになりましたけれども、ある意味ではその株の、今推計すると何十億という、ファミリーで計算すると。
 そうすると、かつて総理は世界一の借金王だというふうにおっしゃったんですが、いや、とんでもない、私どもにすると随分資産を持っていらっしゃるんじゃないかというふうに、やっぱり国民の皆さん方はそういうお気持ちを持たれるのではないかというふうに思うんですが、先ほどの世界の借金王との発言に絡めて、総理はどのように思っておられますか。
#161
○国務大臣(小渕恵三君) 世界の借金王ということは、政治家の一人として、愛媛県の自民党の大会か何かでそういったお話をしたことは確かであります。
 それは確かに六百四十五兆円という、国、県、その他の債務を負っておるその総責任者として、常々これだけの大きな債務を背負っておるということを自覚しながら日々過ごさなきゃならぬということの思いでそういう表現をいたしましたが、これもまた私の気持ちとしては、諸外国から時々多くの要人が参られます段階におきまして、特にアジアの諸国の皆さんが参られまして種々日本のODAをも含む協力を要請されます。特に九七年のあの金融危機のときにおきまして、これはいわゆる新宮澤構想でありますが、八百億ドルになんなんとする協力を申し上げさせていただいた。このときに、我が国自身も国民の皆さんにこれだけの大きな赤字を背負って政府としている立場である、しかし、これはアジアのためにも、アジアのためになることは究極には我が国のためになる、こう考えましていたしておるということで、時々私はこの言葉をややユーモアまじりに使っておることは事実であります。さればこそ、我々としては、これを一日も早く何とか解消できることを日々忘れずに努力をしていくという必要があると思っております。
 それから、前段のことは何を申し上げたいのか私はわかりますけれども、ファミリーファミリーと言いますが、私の兄の財産形成について私は申し上げる立場には正直ございません。既に私ども兄弟も父母を失って、その財産については私はこれを限定的に兄にすべてお渡しをして、政治の道一筋ということでいたしておるわけでございまして、これは民法のことを申し上げるつもりはありませんけれども、それぞれのプライバシーについて全部お話しするということはなかなか難しゅうございます。
 例えば、兄のことについて言えば、これが私は非常に今その間の、兄弟別に不和な状況ではありませんけれども、いろいろな形態の中でこうした総理大臣としてそれぞれのプライバシーについて言及するということはこれは避けるべきことと思いますが、あえてお尋ねがあれば、お尋ねされたことについてはこれからお尋ねに答えたいと思いますが、当時、昭和四十五、六年に、県内において経済人同士の間で所有したものをそのままに保持しておったことが、最近、特に一、二年の状況の中で株価が非常に上昇したということをもって疑惑とかなんとか言われることは、まことに私は残念だというふうに、そんたくすればそういう気持ちであると思っております。
 と同時に、告訴はだれにいたしたかというと、それは日本の出版界で名門である講談社、すなわち多くの立派な本を出版されておられる、そこが出されている週刊現代というのが、私の秘書がこの株式を不当に取得した、のみならず盗み取った、あるいはこれはだまし取ったということを表紙の正面で書かれ、そしてかつ電車その他に中づりをされてまことに名誉を汚したということでございました。私自身の名誉ではありませんけれども、そうしたことが真実なればいざ知らず、まことに真実でならざることをもっていたしたとすれば、公的な立場にある者としては、それは本当に世に有名税なるものもありますから、できればこうしたことは公にいたさなきゃならぬとは思っておりましたが、万やむを得ず、これは刑事告訴に踏み切らざるを得なかったということでありました。私も上司として、その気持ちを理解し、これを認識し、そのような対応をしたということでございます。
 後々いろいろお尋ねがあるかと思いますが、懸命にお答えしたいと思っております。
#162
○峰崎直樹君 いずれにせよ、この問題は後で小川議員が関連質問させていただきますが、やはりこの参議院の予算委員会に古川秘書官を、どうしても御本人はいやもう本人の問題だと、告訴されていると、ぜひ証人喚問を要請したいと思いますので、これは委員長よろしくお願いいたします。
#163
○委員長(倉田寛之君) ただいまの峰崎君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたしたいと存じます。
#164
○峰崎直樹君 これは最後に、本当に財政再建問題あるいは地方自治体が今もう大変な問題だとかいうことでたくさんの、これは日銀総裁にもお見えになっていただくようにということでお願いしておったんですが、私の時間、もうはるかにオーバーしていますので、日銀総裁、大変恐縮でございましたけれども、私の時間、結構でございますので、きょうは質問できないと思いますので、また後日お願いいたしたいと思います。
 実は、富士銀行の不正融資問題というのがかつてございました。これは法務大臣、ちょっとお伺いしますが、その後あれはどうなりましたですか。
#165
○国務大臣(臼井日出男君) ただいま委員御指摘の事件につきましては、東京地方検察庁におきまして警視庁からの送致を受けて徹底した調査を遂げた上、法と証拠に基づき刑事責任を問うべきものにつきましては、平成三年十月から平成四年十二月にかけて富士銀行の課長ほか十一名を詐欺、有印私文書偽造、同行使の罪で起訴して、適切に捜査処理を行ったものと承知をいたしております。
 起訴された者以外の者につきまして捜査機関がさらに調査を行うか否かにつきましては、捜査機関の活動内容にかかわることでもございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
#166
○峰崎直樹君 これは、今お話しになられましたけれども、六千五百億円という大変な不正融資をして、結果的に二千七百億円が未回収になったという。しかも、それにはかつての総理大臣経験者、当時は大蔵大臣でしょうか、の秘書官も含まれておりますね。この結末をきちんとつけなかったがゆえにその後住専が起こり、そして公的資金の投入にまで至るわけでありまして、私はこの問題はモラルハザードを起こしてくる大きな原因の一つになっているんじゃないかなというふうに思えてならないわけでありまして、これは改めて、今、法務大臣は、この問題についてその後どうするかということについては捜査当局が自主的に判断しているとおっしゃいましたけれども、政治家の皆さん方にちょっとお聞きをしたいと思います。
 金融再生委員長、さらに大蔵大臣、総理にもこの点について、やはりバブルのときのこの金融の不始末、しかもそういう政治絡みで一番大きな問題を起こしたことが完全にこういうふたをされたままになっているということについて一体今どのようなお考えを持っていらっしゃるのか。また、その後の金融不祥事あるいは金融の大きな問題についてどのように考えておられるのか、その点についてもお聞きしたいと思います。
#167
○国務大臣(谷垣禎一君) お答えいたします。
 今、法務大臣から司法上の結果については御報告がございましたけれども、本件に対する金融監督当局の対応としましては、事件の重大性にかんがみまして、当時の大蔵省銀行局から富士銀行に対しまして、今回の事件によって銀行の信用を著しく失墜せしめたことはまことに遺憾であるという旨を伝えまして、それと同時に、銀行局長名で内部管理について総点検を実施して、その結果講じた措置等について報告を求める旨の指示文書を出しまして、内部管理の強化、再発防止策等を講じさせているというふうに報告を受けております。
 それで、富士銀行におきましては、当該不正融資事件の発生に伴って、平成三年十月に実行者四名を懲戒解雇し、取締役会長と取締役本店審議役が辞任したほか、全役員の報酬減額も行われているわけであります。
 こういうふうに、本件につきましては関係者に対して民事上あるいは刑事上の厳格な責任追及、あるいは富士銀行に対する監督上の措置がそれぞれ適切に行われたものと考えておりますけれども、いずれにせよ、先ほども申し上げましたけれども、従来のいわゆる護送船団行政や行政の不透明性に対する御批判というものがございましたから、公正なルールのもとで透明な行政を行っていこうということで平成十年六月に金融監督庁が発足をする、あるいはそういう中で市場規律と自己責任原則を基軸とした明確なルールに基づく透明かつ公正な行政を推し進めるように鋭意努力をしている、こういうことであると思います。
#168
○国務大臣(宮澤喜一君) 法的にはあるいは金融的には、今両大臣の言われましたように、話としては始末がついておるのだと思いますけれども、そういう御質問がありますとちょっと思い当たる節もありまして、この事件は昭和六十二年から平成三年ごろまでのことでございますが、私がこの事件で非常にショックを受けましたのは、その含まれております金額のことでございまして、二千五百何十億という金額でございますから、二けたぐらいは少なくとも違っているのではないかという思いをいたしました。それで、少しおくれてかもしれませんが、別の銀行で大阪の料亭に五千億の金を貸したという話は、これも信じられないことでございました。
 今になって思いますと、バブルがはじけたときにそういうとてつもない金額というものがだんだんみんなの頭にあり、コンピューターがそれを可能にして、あっという間にこういうことが起こっちゃったと。法的には、あるいは通牒としては始末が済んでいるのかもしれませんが、このときに根本的なモラルがやっぱり崩れちゃったのではないかとおっしゃると、私もそういう思いがします。
 ですから、やはりあのときに問題のきちんとした、殊に道徳面での立て直しというのが必要であったのではないかというのは、恐らく少したってだれかが歴史を書きますと、きっとそういうふうに言われるのではないかと思います。済んだことは仕方がないとしましても、そのことは我々がやっぱり十分学んでおかなければならないことだと思います。
#169
○国務大臣(小渕恵三君) 大蔵大臣からも御答弁をちょうだいいたしましたが、やはり議員御指摘のモラルハザードの問題等にかかわるさまざまな御批判につきましては、改めて真摯にこれを受けとめ、政府としては、御案内のように平成十年六月の金融監督庁の設置等により、市場の規律と自己責任原則を基軸とした明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の確立に努めてきておるところでありますし、また御指摘のようなモラルハザードについては、顧みてこの点についてしっかりとした企業家マインドも含め、また金融に携わる方々が本当の意味で信頼をかち得るようなことのために行政としてやるべきことを真剣にやっていくということをお誓いいたしたいと存じます。
#170
○峰崎直樹君 総理、特に私、今、宮澤大蔵大臣のお話を聞いていまして本当につくづくそうだと思いますし、私ども民主党としても、この問題はある意味ではきちんとやはり解決をすべきじゃないかという観点でこれからもまた追及させていただきたいと思います。
 実は、一兎も得ていないオブチノミックスということで経済論議に今から入ろうというふうに思ったのでありますが、残念ながら時間がありません。ところが、今一番国民が不安に思っているのは財政再建、どうするんだ、この財政を。経済は本当に大丈夫か。これも企画庁長官に聞きたいと思っていますし、将来の雇用やあるいは社会保障はどうなんだ、あらゆる面でたくさん総理に出席していただいて、本当にこれは国民にやっぱり解明しなきゃいかぬ私は義務があると思っているんです。
 ところが、もう御存じのように、ちょっときょうは本当に警察の不祥事問題で時間をとらざるを得なかったということで、残念ながら時間はもうこれで私の場合は使い果たしておりますが、どうぞお願いなんであります。最後にお願いです。
 私の質問のお願いでございますが、本当にしっかりと集中審議もしなきゃいけないし、総理が入って総括をきちっとやって、ぜひそういう場を引き続き持っていただきたいし、そのことのお願いを申し上げて、総理は先ほど国会の要請があれば必ず出るよというふうにおっしゃっていましたけれども、国会の要請がなくても、みずからそれは解明するために出よう、こういうぐらいの私はやはりその決意を明らかにしていただきたいということを申し上げまして、今その答弁を、もし決意をお聞かせいただければ、関連質問をお許し願いたいと思いますが、その前に答弁をいただきたいと思います。
#171
○国務大臣(小渕恵三君) 国会への出席につきましては、院の要請がございますれば、これは出席をして内閣としての立場を明らかにさせていただきたいと存じます。
#172
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。小川敏夫君。
#173
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 先ほど総理は世界一の借金王というお言葉が出ましたが、考えてみますと借金をするのは国でして、いわば国を支えている国民がその借金を返済しなくちゃならない。小渕さん個人の借金ではございません。
 一方で、小渕さん周辺の方がドコモ株を持っておられる。これが小渕さんの政治的な立場を用いて仮に財産を築いたんだとすれば、これは大変な問題でございます。そういった疑問がございますので、この点についてはきちんと答えていただかなくてはならない。
 実際ドコモ株、小渕光平さんは千三百五十株、平成十二年二月二十八日の引け値で四百五十二万円、総額で六十一億二百万円でございます。秘書の古川さんはその半分ですから、三十億五千百万円。いわば庶民から見て途方もない資産を持っておられるわけでございます。
 この点について総理は、平成十年九月二十五日の参議院本会議におきまして、兄そして古川秘書官ともに昭和四十七年の上毛通信サービス株式会社設立の際に取得した、このように答弁しております。これは事実を述べたものでありましょうか。
#174
○国務大臣(小渕恵三君) まず、秘書官及び兄の本件株式の取得の経緯についてこれまで累次誠実に答弁してきておるところでございまして、秘書官につきましては、六十三年、現在の会社の前身のまたその前身に当たる会社の役員をしておった方から頼まれ、その方が以前から別の方の名義を借りて所有していた株式を、秘書官本人がもとより正当な手続を経て譲り受けたものと報告を受けており、何ら不適切なものがなかったと考えております。
 また、兄についての質問は、兄弟といえども第三者のプライバシーにかかわる問題であるが、議員があえてこれを承知で答弁を求められるのであればお答えをいたします。
 調査に当たった弁護士によると、私の兄は、昭和四十八年十月、現在の会社の前身のまたその前身に当たる会社の役員をしていた方から、その方が別の方の名義にしていた株式を譲り受け、株式の引き渡しを受け、これを以後保管していたとのことであります。
 それから念のため、私が関与をしておったらばというお話がありましたが、さようなことはありません。もしそういうことがあるとすれば、委員は憲法五十一条は十分承知だと思いますけれども、私はあえて申し上げませんが、きちんと私が関与しておったということを明らかにした上で。そうであるがごときことを申し上げられることは甚だ遺憾であります。
#175
○小川敏夫君 まず関与していることについての合理的な疑いがあることは、これから順次私が質問させていただきます。
 今、総理は、私の質問に何も答えていない。私が聞いたのは、平成十年九月二十五日参議院本会議において、株の取得について、兄及び古川秘書官ともに昭和四十七年、上毛通信サービス株式会社設立の際だと、このように答弁しております。これが事実を述べたのか事実でないことを述べたのかについて私は聞いておるわけです。
#176
○国務大臣(小渕恵三君) 失礼をいたしました。
 御指摘の平成十年九月二十五日の参議院本会議における答弁が誤解を与えるものであるのは申しわけなく思っておりますが、正確な事実関係につきましてはその直後に申し上げているところでございます。すなわち、秘書官の株式の取得の時期については平成十年十月一日、平成十年十月九日の国会答弁において六十三年であると明確に申し上げておるところでありますし、また本人からの告訴状によりましてもこのことが正確な期日であると。少なくとも告訴する以上は正確な経過をお話ししなければならないということでございまして、当時、最初にお話がありましたときに、私自身も十分な状況を把握しておりませんが、たしか、この会社が設立したのがその当時ですから、その当時の取得ではなかったかという気がいたしておりましたが、その後、正確さを求められまして今答弁を申し上げたような日にちに相なっておるわけでございます。
#177
○小川敏夫君 本会議では兄及び古川秘書官から確認した上でと述べておられるわけですが、そうすると、本会議では正確を期さないで適当な答弁をした、こういうことになるわけですか。
#178
○国務大臣(小渕恵三君) これは率直におわびしなきゃならぬと思いますけれども、どのころこの会社が設立してどのころ取得したかと言われましたから、設立の期日等、本人が正確な月日について十分にそのときは報告を求め、告訴状に書かれるような意味での正確を期しておらなかったということは反省をいたしております。申しわけないと思います。
#179
○小川敏夫君 やはり本会議での説明と告訴状での説明が余りにも事実が違うということは、これはやはり本当のことを言っているのかと。事実のことをありのままに言っているのであれば、常に言っていることは同じであるべきであるのに、このように違うことはやはり説明が虚偽ではないかという疑いを持たせるわけでございます。
 今、小渕総理は、九月二十五日は間違いだったと。その直後に平成十年十月九日に訂正していると言っておりますが、平成十年十月九日は、昭和四十年代後半に頼まれた、そして手続が六十三年と言っておりまして、やはり古川秘書官が取得したのは昭和四十年代後半と言っておるんですが、そうすると、やはり告訴状、昭和六十三年と言っているのと十五、六年以上違います。総理、今十月九日には正しいことを言っていると言われましたが、告訴状で言っていることとはやっぱり違うことをそのころ繰り返し言っているんではないですか。
#180
○国務大臣(小渕恵三君) 議事録にありますとおり、答弁では会社の設立時期、また名義を借りていた個人の死亡について触れており、これらがいずれも昭和四十年代末であったので、そのように申し上げたものでございます。株式の取得時期については、同じ答弁におきまして、昭和六十三年であると明確に申し上げておるところでございます。
#181
○小川敏夫君 そのころの週刊朝日で、今、総理が間違えたと言っておりましたが、古川秘書官御自身がやはり二十数年前知り合いに頼まれて出資した、出資ですよ、株を買ったのではなくて出資したと、このようにインタビューに答えておるんですが。すなわち、参議院で本会議で総理が述べた、間違いだったとおっしゃるけれども、古川さん御自身が週刊誌のインタビューに答えて、その間違いだったという参議院本会議の総理の答弁と同じことを答えておられる。
 そうすると、これは本会議で述べた、その当時に述べたことが事実であって、告訴状で今言っていることは実は都合よくうそを述べているのじゃないかというような気も私はするんですが、いかがですか。
#182
○国務大臣(小渕恵三君) 告訴状の真実について、今、委員がうそを言っているのではないかということでございますから、そのことは告訴状を受けられました当局が判断をされるべきことであると思っております。
 週刊朝日についての発言は、確かにそのようにしておるようでございますけれども、すべからくその本人自身が出資あるいは株券を引き受けたというようなことにつきまして、当時の状況としては、あるいは言葉が不正確であったということ以外に申し上げることはないので、その後的確に、今回のような事件と相なったということになりますれば、それこそ法的にもきちんとこれは判断を仰がなきゃならぬということで、もろもろすべて研究、検討してきた結果、そのことが真実であるということで、少なくとも公の機関に出す告訴状におきましては、そのことをもってすべてである、こう御理解いただければありがたいと思います。
#183
○小川敏夫君 告訴状は名誉毀損のことについてされておることで、私は総理の政治責任についてお尋ねしておるわけですから告訴は関係ないので、総理御自身の政治責任について、あるいは総理が本会議で答弁されたことについて、事実でないことを答弁されたわけですから、そのことについてお尋ねしておるわけです。
 それで、先に行きますが、小渕総理は議員になられてからすぐ逓信委員会に所属されたと。そして、この通信分野に関してかなり深く携わっておられるようですが、どうぞ総理御自身から、議員になられてどのようにこの郵政あるいは通信ということの政策について関与されてきたか、その実績をぜひここで御自身から御披瀝していただきたいんです。
#184
○国務大臣(小渕恵三君) 四十年近い政治生活でございまして、その間の郵政関係とのかかわり合いということをすべからく自己宣伝するつもりはさらさらありませんが、国会に入りましたときに、長々になって恐縮ですが、橋本前総理と私、最年少でございまして、橋本総理が特に厚生問題について自分は勉強していきたいということでありました。
 私は、いずれ日本の将来を考えたときに情報通信を含めた郵政事業というものが非常に大事だということで、逓信委員会に入り、郵政政務次官になり、それから特定局関係の団体であります方々とともに郵政事業懇話会という会をつくりましてその会長を長らく務めておりまして、やはり私にとりましては、日本の第三の革命と言われるこうした情報通信というものについて深い意味合いを感じながら、情報産業議員連盟の会長等々、あまたのものをお引き受けさせていただいて微力を尽くしてきた、こう思っております。
#185
○小川敏夫君 そのお話を聞きまして、総理はやはり郵政、特に通信関係に相当なお力をお持ちではないかと思うのでございますが、総理が平成二年六月十四日、「情報化社会における政治の役割」ということで講演されております。その中で、「生臭く言うと私の選挙区は群馬三区で、福田先生と中曽根先生が、大御所でおられて、私が一年坊主で入りましても、政治的な影響力は二人に抑えられていて米ソ間の小国のような立場であるわけです。 二人が、大蔵、通産、農林とほとんどやっておられ、やっていないのを見ますれば、郵政大臣だったんです。」と、このように総理が郵政に取り組む抱負を語っておられます。
 ここで政治的な影響力という言葉を使っておられるんですが、そうすると、総理は政治的な影響力を持つために逓信、郵政あるいは通信という業務に深く関与されることになったんでしょうか。
#186
○国務大臣(小渕恵三君) どういう方向に持っていきたいかという委員のお心もわからないではありませんが、私は、影響力ということをどういうことととっていいのかわかりませんけれども、ぜひ日本の将来を考えて、郵政事業、三事業でございますけれども、あるいは電気通信の問題についてもやはり真剣に勉強をしていかなきゃならぬという思いは、当時非常に大きなものがあったことを思い起こしております。
#187
○小川敏夫君 この昭和四十年代後半は、電電公社が国内の通信業務を独占しておりました。このことは当然御承知ですね。
#188
○国務大臣(小渕恵三君) 日本は当時、いわゆる電電公社というところが国内における責任を負って、国際電話は、現在もそうでありますが、KDDが担っておったと認識しております。
#189
○小川敏夫君 そうすると、総理も通信に関する深い造詣を持たれた政治家として、電電公社の政策あるいは監督に関してやはり関与する立場にあったということでよろしいわけですね。
#190
○国務大臣(小渕恵三君) 質問をされますのですが、関与ということはどういうことですか。
#191
○小川敏夫君 電電公社の政策の立案に関与いたしましたかということです。
#192
○国務大臣(小渕恵三君) それは、会社の経営委員会かどこかで立案し、それを政策としていたすわけであります。
 当時、電電公社は、すなわち国の公社としての立場でございますから、そうしたものについて、自由民主党党内においていろいろとその政策の動向について議論することはこれは当然あったことだと思っております。
#193
○小川敏夫君 ところで、このドコモの前身となっております上毛通信サービスという会社でございますが、これはポケットベルの業務を電電公社から委託を受けて行ったわけですが、電電公社から委託を受けて行っているということは、電電公社の存在を無視して民間が勝手に会社をつくっても実際上業務ができない、こういう構造にあったと思うんですが、総理の御認識はいかがでしょうか。
#194
○国務大臣(小渕恵三君) 逐一それを全部記憶しろと言われてもなかなかできませんから、もしお示しをいただければ、どういうことの政策についてどうかかわりを持っていたかということを想起させていただければお答えいたしたいと思います。
#195
○小川敏夫君 では、昭和四十七年当時、ポケットベルに関する業務も本来的には電電公社が独占している通信業務の一つですね。
#196
○国務大臣(小渕恵三君) 郵政大臣をして答弁させた方が公正を期せると思いますので、委員長、お願いいたします。
#197
○国務大臣(八代英太君) お答えをさせていただきます。
 昭和四十七年、一九七二年でございます、昭和四十七年当時は、ポケットベル業務というのは電電公社の附帯事業として提供されておりました。電電公社の法的独占とされている公衆電気通信業務にはこれは該当しないものと位置づけられておりまして、規制の対象とはされておりませんでした。
 それから、ポケベルというものが始まったのはそもそも三十二年前からです。そのポケベル事業というものを電電公社がいろんな形でやっておったという流れはございます。
#198
○小川敏夫君 今の答弁は何か国民の耳をごまかすような答弁でして、私は、ポケットベルの業務が電電公社の独占業務ですねと聞いておるわけです。郵政大臣は、ポケットベルの業務を附帯する業務と言って、附帯業務について答えました。私はポケットベルの業務そのものについて聞いているんです。
#199
○国務大臣(八代英太君) お答え申し上げます。
 電電公社、当時は国営でございます。電電公社、これは独占業務ではございません。はっきり申し上げておきます。附帯業務としてそういうものが、いろんなところで移動通信体のものが出てきた。そこに関する中で附帯業務としてあったと。これは、電電公社の中にレストランもあれば、書籍のこともあれば、いろいろ附帯事業はあるわけですから、そういう範囲のものであったということを申し上げておるわけでございます。
#200
○小川敏夫君 どうも質問の趣旨と全く違う答弁をいただいているんですけれども、電電公社がほかのことをやっていいかどうかを聞いているんじゃないんですよ。国内の通信業務、ポケットベルの無線の発信を利用したその通信業務も電電公社が独占していましたねと聞いているんです。
#201
○国務大臣(八代英太君) 実態とすれば電電公社の附帯事業としてそういう形であったということでございます。
#202
○小川敏夫君 質問に答えていないじゃないですか。電電公社が独占していた事業ですねと聞いているんです。
#203
○国務大臣(八代英太君) よく私の答弁がおわかりいただけないようでありますが、じゃ、もう一回はっきりかいつまんで申し上げましょう。
 電電公社が独占していた事業ではない、こういうことでございます。
#204
○小川敏夫君 そうすると、電電公社以外に当時そうした国内の通信業務を行っていた事業体はあったのでございましょうか。
#205
○国務大臣(八代英太君) 電電公社とポケベルの販売委託会社との間では電電公社の業務の委託関係にあったことは事実でございますけれども、具体的な契約内容等についてはこれは郵政省として知るすべもない、こういうことでございます。
#206
○委員長(倉田寛之君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#207
○委員長(倉田寛之君) 速記起こして。
#208
○小川敏夫君 ポケベルの業務ですが、実際には電電公社が電波を発してポケベルを呼び出すわけです。ですから、ポケベルの業務そのものは電電公社が行っておりました。
 郵政大臣が言っておられるポケベルの通信会社の業務というのは、その電電公社の委託を受けて、ポケベルの加入の申し込みとか料金の請求とか、そういう附帯業務を行っていたということじゃないですか。ですから、ポケベルの無線の呼び出し、そうしたポケベルの通信業務の本体そのものは電電公社が行っていたんじゃないですか。
#209
○国務大臣(八代英太君) 申し上げます。
 電電公社の独占事業ではございませんが、したがってだれでもここに参入することは可能であったわけです。しかし、参入する事業者も、それから結構ふえてはいくのですけれども、どこも赤字会社というような過去のそういうことがございますが、いずれにしてもそれは電電公社のそうしたラインを接続しなければならないわけでありますから、電電公社としての附帯事業というものはあり得る、しかしだれでも参入できると。これは別に電電公社の独占じゃないわけですから、ですからそれはだれでも参入できますということを私は申し上げているんです。
#210
○小川敏夫君 時間が大変もったいないんですが、郵政大臣は、新規参入業者が云々かんぬんと言って、電電公社がNTTにかわった後のことも混同してごっちゃまぜにして言っておられる。私は昭和四十年代後半の電電公社のことについて聞いているんですよ。余りにも時間がもったいないしむだだから、行きますよ。
 総理、上毛通信サービスという会社がポケットベルの付随業務を電電公社から委託を受けて行っておったわけです。すなわち、この上毛通信サービスを含めてこうしたポケベル会社、昭和四十七、八年ごろできた、十六社できましたけれども、このポケベル会社は、やはり電電公社の委託を受けなければ業務ができない、すなわち電電公社のお墨つきをいただかなければ存立し得なかった会社ではないかと思うんですが、そういう御認識はいかがでしょうか。
#211
○国務大臣(小渕恵三君) 当時は電電公社しかなかったわけですから、いろいろの附帯業務をやろうとすればその力をかりなきゃならぬということは一般的にはそのとおり、ほかの今のようなDDIとかその他の会社があるわけじゃございませんから、それはそのとおりだろうと思います。
#212
○小川敏夫君 それでポケベル会社なんですが、ただ単にポケベルだけかと思いましたところ、いろいろ調べますと、実はこのポケベル会社というのは大変に将来性豊かな会社でございました。
 例えば、昭和四十三年四月十日、通信文化新報という新聞を見ましたところ、電電公社副総裁の秋草さんという方がこういうふうに言っております。将来は、いずれ自動車電話もこのポケベルの通信サービス会社に委託するつもりだと、こういうふうに将来を語っておられるわけです。ですから、当時、初めはポケベルだけであっても、いずれ自動車電話、そういった移動体通信も一緒にやるんだということが既に既定路線化されているんですが、総理は、その点は御認識ありましたでしょうか。
#213
○国務大臣(小渕恵三君) 移動体通信が、当時の話を秋草副総裁の話としてされていますが、以降今日二〇〇〇年の時代、ここ一両年七千万台に近いものになってきておるというこの携帯電話の状況などというものは、恐らく秋草さんにしても想像できなかったんじゃないかと思います。
 私は、記憶して承知しているのは、このポケベルの会社については今、委員は大変将来性があると、こうおっしゃっておる。それは電電公社の幹部は将来性がないとは恐らく言えぬだろうと思うんですね。しかし、私が承知しているのは、全国各地でできましたけれどもほとんどが赤字で、東京だけがうまくいったものですから、あとほかのところも、恐らく全国相当の数ができたんだと思いますけれども、そうしたことの経営上は非常に問題になっておって、だからこそいろいろ合併、合併、合併という形で今日になっておるんだろうと私は推測いたしております。
#214
○小川敏夫君 区切りでございますので、この続きは午後にお願いいたします。
#215
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#216
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。小川敏夫君。
#217
○小川敏夫君 午前中の段階で、上毛通信サービスというポケベル会社が電電公社のお墨つきがなければ成り立たないという点は御理解いただけたと思います。
 それで、上毛通信サービスの設立は鈴木弘さんという方が中心になって当たられたそうでございますが、この鈴木弘さんは、これまでの衆議院などの委員会での答弁を見ますと、昭和四十年代から選挙の応援もそれなりにしていただいた、小渕さんの選挙区のことでいろいろ関係があった、このように申し述べておられます。したがって、鈴木さんは小渕さんの有力な支援者だと思います。また、この上毛通信サービスを設立するまでは汚水処理の関係の仕事をされていて、特に通信関係の仕事をされていたわけではないという方であると、これまでの答弁、やりとりの中で出ております。
 そこで、総理にお尋ねいたしますが、この鈴木さんが上毛通信サービスを設立するに当たって、小渕総理に対して何らかの相談はありませんでしたでしょうか。
#218
○国務大臣(小渕恵三君) 定かに記憶いたしておりませんが、あるいはお話があったかもしれませんが、記憶を定かにいたしておりません。
 それから、念のためですが、鈴木さんという方は有力な私の支持者と、こういうお話でございますが、私も十分存じておる方でございますが、この会社を設立したときの株主、メンバー等を見てみますると、それこそ当時の群馬県における有力者を網羅されておられるわけでありまして、そういった意味で、私の有力なというところでは必ずしもなく、大変選挙等においては御協力はいただいたと思いますけれども、かなり幅広に県内の有力者とおつき合いされておったと記憶しております。
#219
○小川敏夫君 ただ、話に出ております告訴状等においても、鈴木さんが中心になってそのような取りまとめをされたということは既に述べておられるところでございます。
 そうすると、小渕総理が大変通信関係に影響力をお持ちの方で、既に政務次官もされておられるわけですから、鈴木さんの立場からすれば、電電公社にお墨つきをいただくこのポケベル会社の設立に当たっては、小渕さんに何らかの相談があったんではないかというふうに思うんですが、そこのところ総理の御記憶はいかがでしょうか、もう一度確認いたします。
#220
○国務大臣(小渕恵三君) この株主等についても私の知人等が入っておりますので、そういう意味では何らかのお話があったかと思いますが、具体的なことについての私は御相談にあずかったという記憶はございません。
#221
○小川敏夫君 上毛通信サービスというのは群馬県での会社ですが、沖縄には沖縄通信サービスという会社がございます。これについては大城宗憲という方が中心になってこの会社の設立に当たられたそうですが、この大城さんは、やはり小渕総理の学生時代からの親交のあった方で、沖縄における後援会のメンバーと聞いております。また、沖縄通信サービスを設立されるまでは書店経営等をされておられて、電気通信関係の仕事には携わっておられなかったという関係があるんですが、この大城さんから、この沖縄通信サービスを設立するに当たって首相との間で、総理との間で相談があったり、あるいは大城さんから何か頼まれたことはありませんか。
#222
○国務大臣(小渕恵三君) 恒例の御答弁になって申しわけありませんが、今、定かに記憶を呼び起こしておりますが、そのようなことはなかったかと思いますが、これは相手方にも聞いてみませんと私もわかりかねます。私が今ここで申し上げられることは、特に御相談があってということはなかったと存じます。
#223
○小川敏夫君 このポケベル会社は、先ほども言いましたように、将来、自動車電話という大変な成長部門の業務の委託も受けるということの方向性が出ていると。そして、電電公社の方針として、都道府県に一社しか認めないというような状況であります。ですから、だれでもが簡単にできる会社と違って、やはり相当電電公社に対する影響力というもの、あるいは電気通信業界に対する造詣というものが深くなくてはできないと思うんですが、そうしますと、全く電気通信関係に無関係な方が、共通して小渕総理の支援者である方が群馬と沖縄でそれぞれこのような通信サービス会社の設立に当たられているといいますと、どうも小渕さんに相談されたんではないかと考えるのが自然だと思うんですが、そこら辺のところ、御記憶はどうでしょうか、くどいようですが、もう一度お尋ねします。
#224
○国務大臣(小渕恵三君) そう記憶が弱いということではありませんけれども、昭和四十七年の段階かと思います。この九州のは何年だったか私は存じませんけれども、それを逐一記憶しているということはありません。
#225
○小川敏夫君 上毛通信は、その後吸収合併を経て現在のNTTドコモになっております。一方、沖縄通信サービスは、その後吸収合併を経てNTT九州ドコモとなっております。
 そこで、この沖縄通信サービスについてお尋ねしますが、小渕総理の御親族あるいは古川秘書官が株を持っていたことはございませんか。
#226
○国務大臣(小渕恵三君) 本件については私が、古川秘書官が告訴している件と何らの関係もなく、お答えをしなければならない理由はないと考えております。しかし、これを承知であえて委員が答弁を求められるのであればお答えいたしますが、古川秘書官はNTT九州ドコモの株式を保有していないとのことでございます。
#227
○小川敏夫君 小渕総理の御親族はいかがですか。
#228
○国務大臣(小渕恵三君) その会社についての資料をたしか要求されておらなかったと思いますので、私はそこまで存じておりません。
#229
○小川敏夫君 いや、この点については質問通告もしてありますが。
 そうすると、くどいようですが、NTT九州ドコモ、これについて小渕総理の御親族が株を有している可能性があるということですか。
#230
○国務大臣(小渕恵三君) その企業体について、私は今お答えを申し上げる資料を持ち合わせておりません。
#231
○小川敏夫君 上毛通信の株を総理の親族と秘書官が持って、それが未公開のままNTTドコモになって大変な資産を保有しているということを問題視して聞いておるわけですが、同じような構造で沖縄通信サービスが首相の、総理の支援者が中心となって設立されたと。上毛通信サービスと全く同じ構造でございますので、この沖縄通信サービスに関しましても、その後吸収されたNTT九州ドコモにおいて総理の御親族が株式を有していればまた同じ構造の問題があらわれてくるわけでございまして、大変に大きな関心を持っているわけでございますが、総理、その点の御答弁は、持っているかいないかということについては御答弁いただけないんでしょうか。
#232
○国務大臣(小渕恵三君) 御推測は御自由かと存じますけれども、それぞれ日本に存在してきたポケットベル会社の設立の経緯、あるいはまた株主その他について私が逐一承知をしておらなければならない立場であるとは思っておりません。
 念のため申し上げれば、確かに上毛通信の株式がいろんな経緯を経て私の兄並びに秘書官が保有していることはそのとおりでございますが、少なくとも両名とも、その当時の株価としてまことに配当が得られるか得られないかというような状況でございまして、今日の状況というのを見通すだけのものがあったわけではありませんし、またそれを売却して利益を得ようということではありません。
 いかにしても、今日、そのドコモ株が上昇したことは事実であり、保有した株価がそういって算定されることは事実でありますが、それをもって疑惑だとか疑念とか申されることは甚だもって私はおかしな論理だと思いますので、その点についてはぜひ御理解をいただきたいと思います。
#233
○小川敏夫君 しかし、普通の人が簡単にできる会社ではなくて、電電公社に特別な信頼関係なりお墨つきをいただかなければできない会社で、しかもポケベルが将来自動車電話、携帯電話というそういった将来の方向性が、明るい方向性が見えているという会社、しかも一都道府県に一社しか認められないという会社ですから、大変にこれを許認可というか利権というか、その言葉の説明は難しいものですが、非常にできにくい会社を小渕さんの御支援の方が群馬と沖縄で持っておられるということ、そしてその株が今日公開している、だれでも買える状態じゃないときに株を取得しているということは、私は、十分大きな疑惑であり、この疑惑に関しては積極的に総理から説明していただく必要があると思います。
 委員長に求めますが、NTT九州ドコモの株式を小渕総理の御親族が有しているかどうかは、このNTTドコモと同じ問題がまたほかにもあるということを、あるかないかを明確にする資料でございますので、NTT九州ドコモの株主名簿の資料要求を求めます。委員長に資料要求でございます。
#234
○委員長(倉田寛之君) 小川君の資料要求につきましては、後刻理事会で協議させていただきます。
#235
○小川敏夫君 なお、大城氏もどのような関係で沖縄通信サービスを設立されたのか、総理に御記憶がないということでございますので、この大城氏も証人喚問するように求めます。
#236
○委員長(倉田寛之君) 小川君の要求につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#237
○小川敏夫君 この古川秘書官が現在三十億円にも上る株式を持っておられる、この点について、先ほども申し述べましたように、総理の答弁とは変転しておりますが、告訴状の段階では昭和六十三年に取得したということになっております。ただ、どうもその説明を聞いて大変に納得しがたいところがある。
 それで、六十二、三年ごろの状況を調べましたところ、この時点ではポケットベルはだんだん機能がふえてくる、一方携帯電話はショルダーホンからだんだん小型化してくる、いずれポケベルもそのような携帯電話も統合しなければいけない、したがってポケベル会社は単なるポケベル会社ではなくて移動体通信の分野を扱う統合された会社に発展していくという方向性が既に見えておるわけです。例えば、昭和六十三年五月三十日付の電経新聞等にそのようなことが記載されております。あるいは昭和六十三年版の通信白書で、自動車電話、無線呼び出し等共同する必要性があるというふうに言っております。
 この昭和六十三年ごろ、ポケベルがそういった携帯電話も一緒になって移動体通信として統合される方向性があるということは総理は当時御承知だったでしょうか。
#238
○国務大臣(小渕恵三君) それは、電気通信が将来においては非常に発展するとは承知しておりますけれども、今のような具体的な経過についてのことをすべからく承知をしておるということは確言できることではないと思っております。
#239
○小川敏夫君 この告訴状によりますと、鈴木弘氏が、もう将来性もないし持っていてもしようがないから額面の五百円で投げるようにして古川氏に頼んだと言っておるわけです。しかし、その昭和六十二、三年ごろ、実は大変な成長性が将来うかがえるというような株であれば、その額面の五百円で手放すということがとても常識からは考えがたいわけです。
 その常識では考えがたいことを言っておられるから聞いておるわけですが、昭和六十三年ごろ、例えばこれはバブルの大変な好景気の中の上り坂のときでした。このころ総理は携帯電話というものの将来性についてどうお考えでしたか。
#240
○国務大臣(小渕恵三君) 年限を切ってその当時どう思っておったかと問われましても、なかなか今かくかくしかじかということを記憶をもって御説明することは私はできかねると思いますけれども、いずれにいたしましても、そうした携帯電話あるいは移動体電話、こういうものについての将来について、先ほど秋草副総裁の話をとられましたけれども、やっぱり一つの大きな発展、進展ということについては、そういう方向性であったと多分あるいは思っておったかもしれません。
#241
○小川敏夫君 ですから、どうも古川秘書官が六十三年に鈴木さんから株式を額面で購入したと言っていることが参議院本会議での当初の総理の答弁とは全く事実が違うと。それから、その株の名義人であった石井さん、今は未亡人でございますが、その方の話とも違うと。そうすると、この告訴状で言っていることは本当なのかという疑問があるわけですが、そうすると、どうも客観情勢からいって将来性があるこの株を額面五百円で投げるように手放すということも考えがたいと。そうすると、これは告訴状で述べていることは本当ではないんではないか、何か真相を隠しているんではないかというふうに私は感じておるわけです。
 そこで、この鈴木弘さんが五百円の株を、この株を五百円の額面で投げたという事情について、もう一度総理の理解している範囲で説明していただくようお願いします。
#242
○国務大臣(小渕恵三君) 私が取得した株式についてお話ししろと言えばお話しできるかと思いますけれども、当時の環境としては、将来性をといって今日の状況を推測をし期待をして秘書官もその株式を引き受けたなどということは私はあろうかと思います。私以上に先見性があったとも思えませんから、私はそのようなことはなかったと思います。
 それで、当時のことは、この鈴木さんという方自身も、一種の新しい事業を展開するということで熱心な方でしたから、もしそういう将来が予測されるとすれば、あえて私の秘書にそのものを譲るなどということはやらなかったんだろうと思いますし、それから御本人も、その後においてはついにみずから持っておる株式も譲り渡したと聞いておりますと、今から客観的に周りの状況をお話しされて、あのとき小渕恵三は今日の状況を知っておったから引き受けさせたんではないかなどと言われることは全く事実と反することでございまして、しかるがゆえに、本人としてはこの事実関係も含めまして名誉毀損の告訴をいたしておるわけでございまして、今私お聞きをしておりますと、この告訴状についての真実のあり方について委員は御疑問を持ってお尋ねのようでございますが、これはある意味では水かけ論になるんじゃないかと思います。
 したがって、公的な機関で十分御調査をいただいて、その上であるいはこれが検察庁で取り上げるということになれば当然これは裁判所によってきちんとした判断をしていただけるものだと、こう考えております。
#243
○小川敏夫君 刑事問題を聞いているんではなくて、総理の政治問題を聞いておるわけでございまして、やはりこの政治の場ですべてを明らかにしていただきたいと思います。
 この告訴状でございますが、この信用性を疑うべきことについては十分私が述べました。特に、参議院本会議での初めの説明と全く違うということは、これは大変に重要な事実でございます。新潟県警本部長が虚偽の発表をして辞職しました。もし首相が参議院の本会議で殊さら虚偽のことを述べたのであれば、これはこれでまたきちんと責任をとってもらわなくてはいけないことでございます。
 この告訴状に書いてあることが総理は正しいんだからと言っておられます。であれば、この告訴状とともに、告訴状に添付されている資料、これも提出するよう総理みずから自主的に秘書官に言って、資料を提出するように求めますが、その点、総理、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(小渕恵三君) これは、先ほど御答弁いたしましたように、捜査当局が権限に基づいてこれを要請されて取得されるか、あるいは国政調査権の名においてこれを取得するかという手段を講じていただくことでありまして、本件は私自身にかかわることでないんです。いいですか。
 ですから、このことをもって疑惑とか疑念とか言われましても私はお答えを申し上げる立場にもありませんけれども、しかし、こうした公の機関、公の予算委員会で、しかも総括的質疑というこの貴重な時間の中でお尋ねをいただく以上はしっかりとお答えをしなきゃならぬと思っているわけでございまして、もし疑念、疑惑がありましたら、そのことは、私に関することにかかわるということでありましたら、きちんと証拠を挙げて私にお示しをいただければ、私もまた正式にお答えをいたしたいと思っております。
#245
○小川敏夫君 告訴状をみずから提出しながらその資料を出せないというのは大変納得ができません。
 委員長に、告訴状のほかに告訴状に添付の資料、これの資料要求を求めます。それから、先ほど峰崎委員が言いました石井名義から古川名義への株主名義譲渡申請書、この資料要求を求めます。
 それから、警察庁のこの新潟の件に関しまして、国家公安委員会委員を参考人として招致するよう求めます。
 以上でございます。
#246
○委員長(倉田寛之君) ただいまの小川君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。
#247
○小川敏夫君 終わります。
#248
○委員長(倉田寛之君) 以上で峰崎直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#249
○委員長(倉田寛之君) 次に、岡野裕君の質疑を行います。岡野裕君。
#250
○岡野裕君 本題に入ります前に一言前置きとして申し上げておきたい、こういうことがございます。
 それは何かといいますと、このたびの新潟県警本部長、それから関東管区警察局長の不祥事についての責任のとり方、この問題でございます。この今の二つ、お話をいたしました新潟本部長に対する国家公安委員会の結論、それから管区警察局長に対しまするところの警察庁長官の措置、この二つにつきましては、余りにも軽いのではないかという批判がごうごうとしております。私も本件については、やはり問題があるな、軽いなというように考えるものであります。
 しかしながら、この両者につきましての処分というものは、措置は既に発令済みでございます。およそ国家公安委員会といいますのは、時の政党、時の政府によって左右されることのないよう警察行政の公正ということを旨として設けられた組織、機関でございます。かような意味合いにおきまして、本件につきましては、自民党・自由国民会議の岡野といたしましては予算委員会の場でこの問題をちょうちょうするということは慎んでおきたい、かように思っております。
 我が自民党といたしましては、本日でありますが、党政務調査会の中に警察行政刷新検討委員会というものを設けました。これは委員長に松永光元大蔵大臣を置き、加えまして野中広務先生ほか八人の大臣、閣僚経験者等をもって充てているところであります。あした早々、その第一回目の会合を開こうという次第に相なっておりますが、これは本件事件の背景、そうしてあるべき警察行政のあり方、これらにつきまして抜本的な改革を含む検討を速やかに行ってその結論を出してまいりたい、かように思っているところでございます。政府、閣僚におかれましてもよろしく御協力を賜りますよう、お願いをいたします。
 前置きで申し上げまするところは以上であります。(発言する者あり)厳粛に受けとめていただきたい。
 それでは、本題に入らせていただきます。
 去る二月六日でございますが、二つの地方選挙が行われました。一つは京都市長選挙であり、いま一つは大阪府知事の補欠選挙でございました。いずれも我が党の推薦する候補者が見事な勝利をおさめたところであります。大阪府につきましては全国初の女性知事の誕生ということで、我々も万歳万歳としたわけであります。本人のこれからの経綸を知事として発揮してもらいたいな、これが心の底からの思いであります。総理を初め閣僚の皆様も続々と現地入りをいただきました。厚い御支援を、応援を賜ったところであります。勝ちました。まことに御同慶の至りでございます。
 本件は地方選挙であります。しかしながら、新たな千年を迎えるというこの二〇〇〇年の冒頭の選挙でありました。その意義は大きいです。今年中には衆議院の選挙、これも当然あるということを腹に入れまして私どもは全力投球をいたした次第であります。民主党さんにも御協力をいただきました。おおきに、ありがとうございました。しかし、中央、国会事情等々もこれありまして、新聞でははてなというような言葉が書かれていたかと、こう思っております。そうしますと、私どもは地元大阪府連のねじれというものがありましただけに自自公結束してこの選挙を勝ち抜いた、そういう次第であります。したがいまして、この勝利こそは自自公三党連立の勝利だ、こう私は思っておりますし、京都市及び大阪府におきますところの有権者の皆さんからは、おお、自自公の連立、信頼が置けるということであったなと私は思っているところであります。
 総理がお入りのあの大阪、京都につきましては、私は、事前の迎え入れ態勢を整えた一人でございます。総理、お入りになりましたときの御感想、いかがでございましょうか。
#251
○国務大臣(小渕恵三君) 先般の大阪府知事選挙、京都市長選挙におきまして、私も自由民主党総裁として京都、大阪を訪問し、有権者の方々に支援と協力をお願いいたしたところであります。幸い、自民、自由、公明の三党のかたい連携と、また各党間の協力も得ながら、幅広い方々の御支援によりましてよい結果を得ることができたと思っております。
 先般の選挙結果は、大阪府、京都市の有権者の方々が地域の将来を考え選択されたものでありますが、自自公連立になって初めての大型選挙でもあり、勝利をできた意義は極めて大きいと考えておりますが、選挙は推薦した候補者が当選したというだけでなく、やはりそうした方々を中心に、京都におきましても大阪におきましてもより一層の発展を期していただき、また国と地方との関係は縦の関係でありませんで、新しい分権法にもよりまして横の関係ということになりましたので、相協力して地域社会の発展のために努力を政府としてもしていかなければならないのではないか。
 京都も、いわゆる二〇〇〇年になりましたが、やはり平安のみやびな京都が、近代的であると同時に古都としてのたたずまいを持つ世界にまれに見る都市として発展していただきたいと思いますし、大阪は、率直に申し上げまして、経済的にいいますと地盤沈下がかなり大きいものがあるのではないかという気がいたしておりまして、そうした意味におきまして、失業率も高いし、また中小企業の分野が大きいということもこれあって経済が低迷しておるということであります。女性知事として初めて誕生した太田房江知事の指導のもとに、大阪がこの東京にも負けぬ大きな発展をしていただきたいと願うのは応援した者の務め、こう考えておる次第でございます。
#252
○岡野裕君 さて、この自自公連立でございますが、この連立につきましては、かねてから野党、それから一部マスコミから批判のあるところでございます。言をなす者によりますれば、これは政権維持だけのための連立である、あるいは政策なき野合だと。何を言っていますか。三党しっかりした政治政策合意のもとでこの三党連立が決まっているところであります。甚だしきは、これは衆議院だけに着目をしているのでありましょうか、議席七〇%を超す巨大与党が出現をした、こう言っております。しかしながら、我々参議院といたしましては、我が自民党は過半数に二十二名も足りない、そういう政党であります。
 もうかれこれ二年前になりますが、前回の参議院通常選挙におきましては私どもは敗北をいたしました。したがいまして、その後できました我々自民党単独内閣にありましたころは、院の構成、これを本会議のイの一番に決めるわけでありますが、院の構成で幾晩も幾晩も幾晩も徹夜をする、あるいは参議院におきますところの首班指名、これも野党連合というようなことで野党の党首に指名が行くというようなあんばいでありました。そういった雰囲気の中で、我が永田良雄国会対策委員長が倒れる、極めてゆゆしい事態に至っていたわけであります。何しろ、自自公三党の連立がなければ、野党が反対をするものは、法律といい、また予算案件といい、一つも通らないというような実態にあったわけであります。非常に厳しい。
 しかしながら、あえて衆議院の若干名の同志の議員の諸君について、新聞で知っておりますが、このような事態を知りませんのでありましょうかどうでありましょうか、連立を組んでいる自公、特に公明党に対して、まるで失礼千万な、形而上学と思われるようないろいろな弁舌でこれを批判する、もってのほかの不心得者があるというように報道されているところであります。しかし、参議院自民党にはそういう無礼千万な不心得者はただの一人もおりません。やはり現実に基づいて政治あるいは政策推進を図っていくべきだなと。おかげさまで三党連立内閣のもと、我が小渕内閣は着々と政策を実現し、その成果を上げ、国民から喜ばれているという今日であります。
 今、日本は世界の動乱のるつぼの中であります。政治、経済、社会、環境、危機管理等、もう時を失することなく適時適切な施策を積極的に推進していかなければなりません。それこそ国家国民の負託にこたえるべく、自自公三党結束をして我々は小渕内閣を支えてまいりたい、かように思っております。
 内閣総理大臣、ひとつぜひ御抱負をちょうだいできれば、かように思います。
#253
○国務大臣(小渕恵三君) 三党連立内閣は、自自連立内閣が公明党・改革クラブの協力を得まして大きな成果を上げることができた実績を踏まえまして、三党の広範な政策合意をもととして樹立いたしたものであります。これは、この困難な時期に強力な政局の安定なくして国民の信頼と期待にこたえることはできないとの三党の共通の思いによるものでございます。
 自自連立政権の成果といたし、これは公明党・改革クラブの御協力を得てでありますが、平成十一年度予算の史上最速での成立、ガイドライン関係法の成立、地方分権法及び中央省庁等改革法の成立、国会活性化法、産業活力再生法の成立、国旗・国歌法の成立等であります。
 三党連立政権はこれまで、昨年の臨時国会において経済を初めとして実績を上げるとともに、今国会の冒頭で衆議院議員比例定数の削減をなし得る等、国民の期待にこたえてきたところであります。自自公連立政権の成果として、経済新生のための第二次補正予算の成立、中小企業基本法の抜本改正、原子力安全防災対策等であります。今後、景気の本格回復のかぎを握る十二年度予算の早期成立を強くお願いするとともに、予算関連法案を初め必要な政策を遅滞なく進める必要があろうかと思っております。
 連立政権につきましては、諸外国にいろいろの例もございますし、また現実に我が国におきましても、こうした形で連立内閣として相協力し相切磋琢磨しながら、究極は国民のために何をなすかということで政権が存在するわけでございますが、内閣を主宰する私といたしましては、自由党並びに公明党・改革クラブからも閣僚にお入りをいただきましての閣内協力をいただいておるということはまことに心強い限りでございますし、また議員の議席数から申し上げましても、議員御指摘のように、参議院におきましては自民党だけでは百五名かと思いますが、過半数を下回っておる中で、そうしたお力ともどもに協力しながら政策を遂行できるということはまことにありがたいことだと、慎重にかつ国民の批判も受けとめながら内閣としての成果を上げてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#254
○岡野裕君 総理、我が参議院自民党は議長を入れて百八名でございます。入れなければ百七名。
 次に、総理が提唱なさっておられる富国有徳、これについてお尋ねをいたしたい、かように思います。
 まず、富国の方であります。
 今日、我が日本の国民総生産は三兆八千億ドル、一人当たり国民所得はこれまた三万三百ドルということで、この二つの数字は世界的に見ましても有数な富める国だなということに相なるか、かように思います。また、去年一年で外国旅行をされた我々のはらからは一千六百万人を超えるというような数字に相なっております。
 日常の生活の中でどうも日本は富めるとか豊かだという実感が伴わないという皆さんも、外国へ行きますとブランド商品のまとめ買いをするというようなことで、その国の皆さんから見ると日本人はお金持ちなんだな、こういうような眼で見られている。そういう面においては豊かな実感を味わってもらえたかなと、こう思うわけであります。もっとも、そういう息子さんやお嬢さんを外国に旅行に出してやっているおやじさん、父親ですか、そのお父さんの方は住宅ローンが一千万、二千万あってふうふう言っているかもしれません。総理もこの間、私は三百六十四兆円の借金王だというような楽しい話をなさいました。
 それにしても、野党というのはいかがなものかと思うのでありますけれども、クエスチョンタイムといいますのは読んで字のごとく国の基本政策、これを論ずる場であります。にもかかわらず、総理がその場その場によって言葉の、物の言いざま、これが変わるのでありましょう。やはり、うん、借金王だと言うこともありましょうし、国債、地方債合わせて六百四十五兆円というようなことだという言い方もあるでありましょう。にもかかわらず、そういった言葉じりをつかまえて、借金王だとは何だというのをクエスチョンタイムのど真ん中で聞くというのは、これまたいかがなものであろうかなと、こう思っております。
 しかも、今のは修正しなさいなんということであります。総理は、はい、修正をしろと言うならば修正しますよと言われました。そうしたら、そんな軽々と訂正ということがあるかとまたかみつきます。言葉じりは何を言いますか。御本人は、君たちの命は預かった、こんなことを言ったのはどこのだれが言ったのでありましょうか。そう私は感じました。
 何はともあれ、日本は風格を伴ったそういう富国だというふうには私は言えないと、こう思っております。日本の富には蓄積というものがございません。二世紀、三世紀、四世紀もかけてその富を蓄積し、立派なインフラをつくっておりますところのヨーロッパあるいは南米ブエノスアイレス等々を見ますと、ああ、やはり日本は蓄積がないなというような感じがいたします。
 そういう意味合いでは、今後十年、二十年、三十年、言いましたような国民総生産とか国民所得、これを維持し発展をしていけるかどうか、そうしてその蓄積を言いますならばインフラに活用し、景観ある社会資本、町づくりあるいは地域づくり、これをやって初めて総理のおっしゃる富国というものに相なるのかなと、このように私は思っているわけでありますが、総理、これは総理のイメージはいかがでございましょうか。
#255
○国務大臣(小渕恵三君) 戦後、我が国は驚異的な経済成長を遂げ、国内総生産や一人当たりの国民所得では世界屈指の富める国となったことは事実であります。しかし、御指摘のとおり、国内総生産や国民所得は毎年生み出された価値をはかったものであり、国家や社会に蓄積されたものでは必ずしもありません。もちろん、経済成長を図り、毎年の国内総生産や国民所得を増大させていくことは大切でありますが、私はこの国の富とはそれにとどまるものではないと考えております。
 委員は社会資本の充実のお話もされましたが、急速に戦後もろもろの公共施設も増加してまいりましたが、他国の例を言えば、例えばフランスのパリの下水道は既に十七、八世紀から存在をしておるわけでありまして、有名な小説のジャン・バルジャンに出てくるような形での下水道は既に完備されておるということを考えますと、我が国におきましては下水道普及率もまだまだ十分でないと、こう考えておりますので、今後ともさらにそうした富を国民のためになる社会資本充実のために尽くしていかなきゃならないのではないかと考えております。
 さまざまな社会のインフラが整備されておることに加えまして、町並みの自然の美しい景観が維持されていることも富国であることの大切な条件であろうと思います。また、人材と言われるような創造性の高い人間がはぐくまれていること、進んだ科学技術を備えていることなど、将来の発展の礎をしっかりと築いていくことが重要であると考えております。
 幸いにして、戦後のあの廃墟の中に立ち上がった日本国民の汗と努力によりまして世界第二の経済力を誇りましたが、こうしたものを本当の意味で活用いたしまして、国民全体が真のクオリティー・オブ・ライフ、価値のある生活、こういうものが享受できるような社会にもっともっと積極的に取り組んでいかなければ、せっかく得たお金としての富が社会の中で生きていくことになり得ないと、こう思っておりますので、委員御指摘のことには再三留意をしながら政策を遂行していきたいと、このように考えておる次第でございます。
#256
○岡野裕君 それでは、次の有徳に入りたいと思います。
 徳とはうちの村上会長が高い品格だと、こういう本会議で定義づけをしております。私も、高い品格が日常の行為の中におのずと伴ってにじみ出る、これが徳のあるということではないかと、こう思っております。
 かつて一国繁栄とかあるいは一国平和、こういう言葉が使われた時代がございました。自国の繁栄のみ、あるいは自国だけ平和であればいいというようなことは、これは基本的に間違いだという意味を込めてその言葉が使用をされたところであります。やはり日本という個だと思います。日本という個は、全世界という全、あるいは世界秩序という意味合いで公、この二者あるいは三者がうまく調和、均衡がとれておらなければなりません。個のみを主張するところに有徳という判断は下されないと、かように思っております。
 もう七、八年前でありましょうか、あの湾岸戦争のみぎり、我が国はあの湾岸基金に百三十億ドル、こういう大きなお金を提供いたしました。しかしながら、クウェート侵略が矛をおさめられ平和になりました時点において、クウェートがアメリカの新聞に、いろいろなお国にお世話になった、ありがとうという新聞広告をいたしました。しかしながら、ジャパン、日本、こういう国名はその非常に大きなお国の中に入っておりませんでした。百三十億ドル、湾岸基金といいますものだけに終わった点についてあるいは徳に欠けている点があったのではないかな、クウェートの国民からするとそう思われたのかな、こういうふうに私は当時は理解をしました。
 しかしながら、戦後であります。落合たおさ艦長を指揮官とする掃海艇があのペルシャ湾に行きました。非常に大活躍をしていただきました。これによって我々は品格がいささかは補われたのではないかなと、かように思っているところであります。
 PKOのあり方、あるいはODAの進め方、あるいはユニセフ活動に対する支持、支援といいますか、あるいは自国の歴史、自国の伝統、自国の文化、これをとうとび、とりわけ自国及び他国の国旗・国歌、これを畏敬するという存念がなければ有徳ははるかかなたのものになるのではないか、こう思っております。
 総理、この有徳、一本といたしまして富国有徳、これにつきましてはどんなものをもって有徳とお考えでございましょうか。
#257
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、かねてから新しい世紀の日本のあるべき姿として、経済的な富に加え、物と心のバランスのとれ品格や徳を有する国家、すなわち富国有徳国家を提唱させていただいているところであります。このために、国際的にも、徳、すなわち高い志を持った国家でなければならないと考えております。
 昔の言葉に衣食足りて礼節を知り倉廩実ちて栄辱を知るという言葉もございますが、やはりこの富国という状態、先ほどその考え方については申し上げましたけれども、やはりこれに合わせて高い志を持たなきゃならぬと思っております。
 そういう意味で、これから、個のお話がありましたけれども、公に参加しともに公を築いていく社会をつくることが必要であると考えておりまして、これは国際社会における我が国のあり方にも通ずるものであると思っております。
 先般、河合座長のもとで二十一世紀懇談会から御答申もちょうだいいたしておりまして、従来、公と個という関係というものは、どちらかといいますと戦前で言えば国家あっての個人であるという考え方で、これを縦と考えるかどうかは別といたしましても、そういうことで、時においては個が国家のために圧迫され、国家の命によりましてはそれこそ命を投げ捨てなきゃならぬという状況もございました。
 しかし、これからは、むしろ個といいますか、確立した個を持つ人間が公に対していかに働きかけ、そして相協力していくかということで、この懇談会では協治という言葉を使わせていただいておったようであります。なじみのないことでございますけれども、いわゆるガバナンスということが、国家が個を抑え込むという意味での考え方でなくて、むしろ公に対して個が働きかけるということでございます。
 この点、実は参議院本会議におきまして、村上議員会長の代表演説の中で若干この点については御批判もいただいておるような点もございますけれども、私はこれからこの個と公の関係というものをきちんと方向性を定めていくことが国家の存立にとって極めて大切だということだろうと考えております。
 自国の利益のみを追求することでなくて、国際社会におきましても積極的に貢献し、世界が平和で安定するところに我が国の輝かしい未来があると考えております。
 特に、二十一世紀を平和の世紀と位置づけ、二十世紀に繰り返された数々の戦争の廃絶に向け、我が国としても全力を尽くしていかなきゃならないと思っております。
 さらに、自国の歴史や伝統文化、国旗や国歌を大切にし、それと同じように外国の文化を尊重することも国としての品格を高めていく上で重要なことであると考えております。
 このような思いで、昨年、国旗・国歌法案を提出し、国会において成立させていただいたところであります。
 お話の中で落合たおさ司令の話もされました。あの湾岸戦争直後に機雷除去のために海上自衛隊司令として大変大きな任務を果たされたわけでございますが、この司令が、顧みますると、あの沖縄戦で戦われて、最後に有名な大本営に決別電報を送られた大田中将の御子息であるというようなことを考えますと、そういうことの中で沖縄県の今回、敷衍いたしますれば、サミットの問題も含めましてぜひ成功させたいという思いの一つが私としてもございました。
 落合司令の話が出ましたが、私もその後クウェートに参りましてジャビル首長にお話をいたしました。今、委員が御指摘のように、百三十億ドルになんなんとする我が国民の協力をされたことに対して我が国自身についての評価が極めて薄く、ニューヨーク・タイムズにおける協力国の中に我が国が入っておらなかったというような事実については、その後ジャビル首長も大変遺憾であるということを申されておりましたが、しかし同時に、この落合司令が果たされた役割、日本国を代表してこの湾岸の機雷除去に生命を賭して努力をされたというようなことについては、私は国際的な評価というものが極めて確実なものにされたということでありまして、これこそ我が国が国際的な貢献として世界に尊敬をかち得る一つの事例であった、こう認識をいたして、さらに努力すべきところはしていかなきゃならぬ、このように考えております。
#258
○岡野裕君 私は、ニューヨーク・タイムズ紙上に日本がなかった、寂しいなと思っておりましたが、総理、今のお話でございますと、クウェートに行かれた、ジャビル首長にお会いになられた、首相がそういうお話をなさった、まことにありがとうございました。私もこれでまた外へ出てその話を申し上げることといたしたい、かように思っております。
 さて、総理、おっしゃいますような富国有徳の国、これが一つの理念だということであるとするならば、富国有徳の国はどうやったらつくり上げることができるのかな、こう思います。
 まず、国づくりは人づくりということであります。そうして、人づくりは広い意味での教育であり、教育は国家百年の計だということだと思っております。やはりある程度の言いますならば期間といいますかスパンといいますか、そういうものを教育というものは必要としているということだと思っております。
 もう去る十六世紀か十八世紀ぐらいにかけてでありましょう。我が国を取り巻くアジアのもろもろの国は、時の西欧列強、欧米列強の植民地支配に席巻をされるというそういう状態にありました。日本は幸いにしてその難を免れて今日に至っております。
 では、日本だけなぜ植民地にならないで済んだかと。これは当時の日本国及び日本国民に一つの英知というものがあったからではないかな。しからば、その英知というのはなぜそこに生まれたのであろうかな、こういうところに思いをいたしますと、やはり江戸三百年、この間に日本国民が言いますならば培われたその教育水準の高さの中からこの英知というものがおのずから生まれてきたのではないか。
 徳川三百年といいますが、この江戸時代には武士階級というものが厳として存在をいたしておりました。武士はそれぞれの藩がそれぞれ藩校をつくりました。米沢興譲館、会津日新館あるいは鹿児島造士館というようなものがそれぞれの藩にできておりました。藩士であるところの武士は、ここで言いますならば今に当たります知育、知識を十分蓄え、加えて詩吟とかあるいは謡曲とか仕舞とかいいますような教養というものに心をかけておりました。加えて、文武という意味で、武道修練によりまして、その気力、胆力あるいは体力というものをつけるというのが武士階級の定着をした日ごろのなりわいの姿でありました。
 その武士階級を取り巻く庶民階級に当たりましょうか、かつて農工商あるいは町民、村民というような言葉を使われた時代がありますが、そういった一般階層も、これまた、ちまたちまたにあります寺子屋によりまして、今言うところの読み書きそろばんという基礎学力、これを物にしていたところであります。
 したがいまして、そういう日本の国民各階層を通じて、やはり勤勉だと、加えて礼節はたっとばなければならないというようなものが日本の国民の間には定着をしていた、こういうことだと思っております。
 明治維新のあの大業、これまたこういった土壌の中から生まれ、明治近代国家の建設もこういう徳川三百年という時代に培われた何物かがもたらしたものだと、こう存じております。
 総理、このたびは教育改革国民会議と称しますものを近々発足をなさる、加えまして元文部大臣の町村先生を総理補佐官にと新聞記事で読んだ次第でありますが、この人づくり、教育改革にどう取り組んでいかれるのでありましょうか、総理の御抱負をこれまたお尋ねしたいわけでございます。
#259
○国務大臣(小渕恵三君) 施政方針演説におきまして、新しい時代を輝けるものにするために、まず創造への挑戦に全力で取り組むことを申し上げたところでございます。
 我が国の明るい未来を切り開き、同時に世界に貢献していくためには創造性こそが大きなかぎであり、創造性の高い人材を育成することがこれからの教育の大きな目標でなければならないと考えております。こうした観点から、教育立国を目指し、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革を内閣の最重要課題として取り上げることといたしてまいりたいと考えております。このため、三党派間の合意に相呼応して教育改革国民会議を設置することといたします。
 そもそも教育改革とは何ぞやという原点に立ち返って、戦後教育について総点検するとともに、現在の教育の問題がなぜ起こっているかにつきましても、例えば、教育という営みにとって大切な視点、基本理念は何か、家族、地域社会、それから先ほど申し上げました個人と公、さらには生涯学習の観点も含め、教育の基本にさかのぼって幅広く議論をしていただきたいと考えております。
 この教育改革国民会議を発足させるに当たりましては、議論をぜひ国民全体の広がりを持ったものとしたいと考えておりまして、教育のあり方について各界の有識者の方々から意見を伺うべく、文部大臣との連名で依頼するとともに、あわせて広く国民の皆様方からも御意見をいただくことといたしました。なお、国民の皆様から既に郵送、ファクス、電子メールを通じて、昨日まで三千三百六通に及ぶ多数の御意見が寄せられていると聞いております。
 現在、ここにおられる中曽根文部大臣ではございますが、そのお父上であります中曽根総理が総理の時代に臨時教育審議会を開催されまして答申を求めておるわけであります。
 中曽根総理の言をおかりいたしますれば、その意図やよし、ただし、またその結果についていろいろな問題がまだ残されておるということでありまして、今日、中曽根現大臣とともにこの問題に取り組ませていただき、そしてまた、この審議会というものが、いろいろ立派な方々を内閣の方で御指名をするということが一般的ではありますけれども、世の中でこの教育問題にうつうつとし、また真剣に考えておられる方が必ずや多くおられると、こう考えまして、まずは国民の皆様からお話をお聞きして、その上でこの会議を開催いたしたいというふうに考えております。各界の有識者の御意見は二月末までにいただくことになっておりますが、その上で教育改革国民会議を早急に発足させていきたいと考えております。
 この教育改革国民会議での議論を初め、教育改革全般をより実りのあるものにするために、直接具申をしていただくために内閣総理大臣補佐官を置くことといたしまして、文部大臣の経験もあり、教育行政の各般に精通しておる町村信孝衆議院議員を本日付をもって任命いたしたところであります。
 私は、教育は国家百年の大計と常々申し上げており、百年の大計をつくるという思いで腰を据えた密度の高い議論を積み重ねていただきたいと考えておりますが、西暦ではありますが時あたかも二十一世紀を前にしておるわけでありまして、まさに国家百年の計を立てるべく極めて大切な時期ではないかというふうに考えております。
 教育というものは、私専門ではありませんけれども、なかなか時間を要するものでありまして、そういう意味でいろいろな方々がいろいろなことを申されておりますけれども、例えば、子供の教育を本当に生んでいくためには二十年の父母の教育から始めなきゃならぬ、これは有名なナポレオンの言葉だそうでありますけれども、なかなかもって教育には時間のかかることでありますが、いざこれからスタートをさせていかなければならないのではないかというふうに考えております。
 なお、時間がかなり過ぎておるかもしれませんが、藩校について委員がお話しありました。この点につきましては、江戸時代に藩校や寺子屋が果たしてきた教育上の役割は大変大きなものがあったと議員御指摘がありまして、同感でございます。
 江戸時代の藩校として、例えば、上州というのは私の生まれたところでございますが、造士館、長州での明倫館、薩摩での造士館など二百五十五校が設立され、また寺子屋も各地に普及し、三、四万校が存在していたと言われております。当時の国民の高い教育水準はこうした教育機関に負うところが大変大きいと思っております。
 私は、こうした江戸時代の教育機関の中でも、特に江戸末期の医者である緒方洪庵が大阪で開いた適塾という私塾の教育の精神に深く感銘を受けておるわけでありまして、小学校の教科書にも掲載されておる司馬遼太郎氏の「洪庵のたいまつ」という文章にありますように、適塾では入学試験などはなく、学問を修めることを望む者ならすべて身分の別なく平等に受け入れた。その中には、大村益次郎や福沢諭吉といったその後の日本の発展において重要な役割を果たした人物がおり、洪庵の教えは塾生たち一人一人に引き継がれ、弟子たちのたいまつの火は後にそれぞれの分野で輝いたということであります。
 こうした江戸時代の寺子屋、藩校や私塾が果たしてきた教育的役割は大変重要なものでございまして、今、議員に改めてこのことを御指摘いただきましたので、その思いを実は新たにいたしておるところであります。日本が今日あるのは、明治維新あるいは戦後の努力もさることながら、顧みますれば、その以前からのこうした教育的な底辺といいますか、こういうものがあったことをいま一度思い起こしながら、これからの未来の教育の問題に取り組んでいかなきゃならぬと思っております。
 いずれにいたしましても、現在、新聞を開けば、あるいはテレビを聞けば、大変残念な言葉が表現されるわけであります。いわく、不登校、学級崩壊、校内暴力、学力・体力低下、学童自殺、援助交際、そして校内暴力、非行、いじめ、中退、心神喪失、学力崩壊、教育病理、こうしたことが普通名詞として現在使われておるというふうな状況は、ある意味で教育が本当に危機的な状況に来っておるんじゃないかというふうな思いがいたしております。
 世の中の立派なお考えをお伺いいたしますとともに、政府としてもこの教育改革国民会議、これは三党からの御要請ではありますけれども、せっかくの機会ととらえて、内閣としては全力で努力をいたしていきたいと思っております。
 いろいろと御意見、御叱正をいただき、そして真に百年の計を立てられることができれば大変もって幸いと考えて努力を尽くしていきたい、こう思っておる次第でございます。
 長くなりましたが、お許しをいただきたいと思います。
#260
○岡野裕君 私はかねて藩校につきましては非常に関心を持っておりました。しかし、総理から何藩は何々、何藩は何々という具体的な藩校の名前と、そこからどういう大きな人材が出たかというお話を承りまして、本当にうれしい気持ちであります。群馬の藩校を忘れておりまして失礼をいたしました。
 さて、人づくり、教育といいますものにつきましては三つの柱があります。一つは知育である、いま一つは徳育である、もう一つが体育という三つの柱によって教育はなされる。そして、その三つが、三本の柱が均衡よくバランスのとれた形で人づくりをするということによって初めて一つの人格というものができるのであろう、このように思っているところであります。
 ただ、戦後、最近の教育、これを一般的に素人として眺めますと、どうしても三つの柱のうちの知育というものばかりに重きが置かれ過ぎているのではないかなと。
 偏差値教育というような言葉もあります。偏差値教育、知だけの詰め込み教育というような感じがいたします。偏差値といいますのは、やはり順番が非常に関心の中心であります。全体で何ぼある、その中で自分は一体どの辺に位置を占めているのであるか、その位置というものを少しでも上の方に持っていきたい。これにもう鞠躬如として努めておりますし、教育ママも、さあおっこちたんじゃだめじゃないか、もう少し偏差値を高くと言いますし、隣近所の皆さんもそういう眼でそれぞれの子供を見ているというようなことで、子供だけではありません、周りの環境がこの知育だ、知だ、知だ、知だと。
 失礼でありますが、テレビなどもクイズ番組の中であります。私が知っているのは一つしかないものですから、その社に御迷惑をかけるといかぬのでありますが、「アタック25」などというものもあります。まるで百科事典を全部丸暗記をしてきた子が、問題が出るとだれよりも速やかにボタンを押すというようなゲーム。
 これは言いますならば、本というものは読んでその著者の訴えるところを十分読み取り、それを今の私なら私の体の血とし肉とするというのが読書の本来の務めだと、私ははや七十歳に相なりますけれども、そういう考え方を持っております。だけれども、このごろはもう本当に片々たる知識をいっぱい持ってりゃいいんだということであります。
 こういう、言いますならば知識だけという育て方をするからこそ、総理のいろいろなお話がありました中のオウムのあの幹部は非常に有名大学を出ていて秀才だと。いわゆる人間もいろいろあるということであります。しかしながら、知識にたけて人格、教養という面が欠けているから、全体の判断を間違ってああいう行動に出ちゃったのではないかな。やっぱり知育のみ先に走れば、頭だけ前へ出れば体はこけるということを踏んまえて、やはり徳育そして体育、これにまたひとつ力をつけていただけるような文教行政をこそ望みたいと、こう思っているところであります。
 それからもう一つは、やっぱりこのごろの子供は社会性というのかな、周りの皆さんとのつき合いというものがどうも欠けているのではないかな、かように思うのです。三つ子の魂百までもということが昔から言われるわけでありますが、およそ人間は三歳にして自我を知るのである、他人を意識するのであると。そういう中から、母親を独占したいとかおもちゃのとり合いっこをしたいというようなことが今の自我を知るあらわれだと思うわけですね。
 そうして、今、家庭、兄弟がどうしても少子化で少ないです。だから、兄弟げんかをするというような、我々にとっては非常に恵まれたチャンスだと私は思うのでありますが、そういうチャンスがない。隣近所、団地の子供も学校で一生懸命勉強を、したかどうかでありますが、それからすぐ塾へ通っちゃう。塾から帰ると、自分の部屋がある、その部屋でテレビゲームに没頭をするというのが最近の子供さんの姿だと、こう私は聞いているところであります。
 しかし、テレビというのは、これは疑似体験であって本体験ではありません。バーチャルの世界でありますが、そのテレビを見ている子供にはわかりません。けんかがあり、人が殺されて血が流れていても、自分が痛いな、殺されたと、こう思いません。そういう意味合いで、あのバーチャルと本物を間違えてしまう。けんかをちょくちょくやっておれば、たたかれた痛み、たたいたときに相手はどれほど苦痛があるだろうということをわきまえる。ところが、その経験がないうちに中学校あるいは高等学校の上級生になる。そこでけんかが始まる。もう腕力は非常に強い。したがって、間違って殺傷事件を起こすというようなことで、もともとの社会性というものが足らないところが、これ今日の教育の現状であり、そこにさお差していかなければならない。
 知、徳、体、これの教育を万全な均衡のとれた姿でやっていただきたいなと。文部大臣、中曽根先生、どうですか。体験学習、自然となじむというような教育をぜひ。
#261
○国務大臣(中曽根弘文君) 総理からもいろいろ教育についての、また教育改革国民会議についてのお話もありました。委員からは知育、徳育、体育のお話がありましたが、その前に品格というお話がございました。
 ちょっと横道にそれるかもしれませんけれども、慶応義塾の創始者の福沢諭吉は、気品の泉源、知徳の模範という言葉を残されております。気品の泉源、泉源というのは泉の源です。知徳の模範は、まさに知徳の模範でございます。ここで福沢諭吉が何を言いたかったかと申しますと、知徳というのはここでは知識というふうに理解してよろしいかと思うんですけれども、知識よりも気品の方が大切だと。そういう意味で気品の泉源と、気品を先に私は挙げてこられたんだと思いますけれども、慶応義塾はそういう学生をつくるんだというのが福沢諭吉の考えであります。
 今、知育、徳育、体育のお話がありましたけれども、まさに私はこのような考えに基づくものであると思っておりまして、委員がおっしゃいましたように、知育、徳育、体育のバランスのとれた人づくりをするということが今一番大切であります。このようなことから、学校教育におきましても、従来のような知識を一方的に教え込む教育、こういうものを改めまして、そして徳育とか体育にさらに一層の力を入れていかなければならないと、私はそういうふうに思っております。
 ある統計によりますと、今、委員がおっしゃいましたような体験、自然体験とか社会体験とか、あるいはお手伝い、こういうものを経験した子供というのは道徳心がほかの子供より高いと、そういう明らかなデータも出ているわけでありまして、これから学校の教育の場で、例えば各教科あるいは道徳、それから特別活動のそれぞれの時間におきまして、あるいは今後総合的な学習の時間というものが設けられるようになるわけでありますけれども、こういう時間におきまして自然体験やそれから社会体験、ボランティア活動、福祉体験等、どんどんどんどん積極的に子供たちが経験して、そして徳育、体育、知育のバランスのとれた子供を育成していきたいと、そういうふうに考えております。
#262
○岡野裕君 大臣、申しわけありません、抽象的なお話を承ったような感じがいたします。
 徳育のためにはいかに具体的にやるかと。私は体験学習というようなものを具体的に提示をしているわけであります。次の質問とあわせてお答えをその辺まで敷衍をしていただければ、こう思っております。
 人間というのは生まれたときは弱者そのものであります。シマウマにせよキリンにせよ、生まれ落ちた赤ん坊はもう直ちに立ち上がります。そうして、ぴょんぴょんとはねたりするものであります。しかし、人間の場合には、むつき、おしめでありますが、それからよちよち歩きというようなところから始まって、家庭教育あるいは学校教育、社会教育というようなものを受けながら一個の人間に成人をするということだと思っております。
 この間、そう思いつつおったところ、新聞を見てびっくりいたしました。文部省さんが世界の五つの国々、これは日本とお隣の韓国、それからアメリカ及びイギリスとドイツ、こういう五カ国の小学校五年生、それから中学の二年生、おおむね六千人ぐらいを対象として、あなたはいわゆる学習はどんなふうにしてきたのであろうかということで、アンケート調査をなされた。非常に立派な調査だと思いますが、それが新聞に出ておりました。一面トップなどという新聞もありましたから、皆様にはもうそれは知っておるということかとも思いますが、念のためパネルにして持ってきました。(図表掲示)
 テレビは見過ぎであるからやめなさい、テレビはもうやめたらどうだというように息子に言う。要するに、子供はとかくさっき言いましたようにテレビの見過ぎになるから、お父さんかお母さんからやっぱり見過ぎだからやめなさいというようなことを当該子供本人はどのぐらい受けているか。日本、お父さんからは受けているのはわずか二四%、それから全然そういうことは言われないし、たまに言われるというのが驚くなかれ八七%であります。お母さんも大体似たようなものであります。ところが、お隣の韓国へ行きますと、半分以上が言われるのであって、よく言われたりたまに言われるということを合わせるとこれ七〇%を超えるんです。いかに韓国においては子供を大事にしつけているかということだと思います。
 それから、私もしょっちゅうおやじ、おふくろから言われましたが、もっと勉強しろということであります。それが今日の家庭においては、これお父さんから言われた、お母さんから言われたんですけれども、言われない、たまには言われる、合わせて、両方で八一%が何にもそんなことは言われたことはないと。だから、勉強は、おやじが勉強しないからかもしれません。というような数字で、イギリスなどに比べれば、これだけよく言われるという白いところがあるんです、お父さんからもこんなに言われているのに、日本はどうだ、こういうことだと思います。テレビさんに皮肉を言っているわけではありませんので。
 ちゃんとあいさつをしなさいということについて、お父さん、お母さんからどのぐらい言われているか。言われないというのは九一%です。お母さんからも言われない、八六%です。もうあいさつをしないというような、朝、おはようございます、さようならということを言いなさいというのがさっぱりできていないんですね。
 先般来、この国会でも、内閣官房長官が、今度はいよいよ参議院が始まりますのでよろしくお願いしますというのは、もう総理みずから来てもいいくらいなのを、それを官房長官が電話で、これはけしからぬと思うんです。本当は来てから言えと。我々は、こういうあいさつをしなさいということだから官房長官やっぱりあいさつをなさったんだ。こういうことを言われないで育ったから、あいさつをしてけしからぬけしからぬと、こういうのじゃないか、こう思っているのであります。
 次は、これ言いますならば友情とかあるいは正義感とかいうものでありますけれども、いじめる子がいる、いじめられている子がいる、そういういじめに対して注意を積極的に、小学五年の子です、中学二年の子、これがどのぐらいしているか。余りない、全くない、これ合わせて七九%であります。義を見てせざるは勇なきなりなんという次元じゃ全然ないんです。もうどんなにいじめられても知らんぷりをする、電車の中の大人も同じかもしれません、というようなことだと。
 では、友だちがけんかをやっている、それではその中に分け入ってもうやめろよやめろよというようなことを言っているか。全くない、余りない、六八%が我が国であります。隣の韓国はいかがでありましょうか。これ六七%が時々ある、あるいはしょっちゅうやっているということです。
 つまり、日本の国は家庭のしつけというものがお父さん、お母さん全然やられておらないという実態が文部省調査によって浮き彫りになったし、やっぱり道義観とかあるいは友愛とかというようなものが今の日本の教育からするととても落第点だなということがこれで出ていると、私はそのように思っております。
 やはり教育というのは、家庭の中で言われるならばこれは経験の豊かなのがお父さん、お母さんであり、経験がより未熟なのが子供であります。そうだとするならば、親は指導的立場に立つべきであります。そうして、こうしなさいああしなさいと子供に言うのが当然であり、学校では、教師、先生は知識のより大きい存在であります。知識がより少ない生徒に対して知識を与えることによってはぐくみ育てる、これが教育ということであれば、何も私は、先生はこういうふうに威張っておれと言うわけではありません。やっぱり学生諸君の中に入っていって、やあやあおうおう元気かなと、こうやってほしいとは思うが、ただしかし、やっぱり教師には教師の自覚がなければだめです。なれ合いになっちゃってはだめです。お父さん、お母さんも、まるで兄弟のような親子だわって言われるのは、仲のいいことを褒められて言っているんじゃないんだと私は思いますね。仲のいい中にあっても親は親としての自覚を持った教育をしなければ。
 こういう童謡があるんですね。メダカの学校というのです。メダカの学校は川の中だけれども、お遊戯している、どれが生徒か先生かわからないというようなことじゃ困るじゃないですか。スズメの学校というのがあります。むちを振り振りなんていう必要はさらさらないけれども、やっぱり社会常識とか規範とかいうようなものを教える。このごろの学校には教壇がないのがうんと多いそうであります。何で教壇がないのかわからないのでありますけれども、このごろの生徒は背が高くなっております。私が先生だとすると、私より大きいんです。そうすれば、教壇ぐらいがなければ見えない。ごめんなさい、その逆ですか、というようなことに相なる。教壇がないのはなぜかな。文部省、アンケートをとってすばらしいでした。
 今、あれやこれやもういっぱい言いました。ひとつまとめて御答弁を。
#263
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほど体験活動の具体例を御説明いたしませんでした。
 改めて御説明させていただきますけれども、大事なことは親とか子供たち、それから地域社会一体となってこの子供の体験活動、これを進めていくことだと思います。そういうことから、文部省といたしましては全国子どもプランというものを策定いたしておるわけでございます。
 これの内容についてはもう委員御存じと思いますけれども、これは、親や子供たちのさまざまな活動やそれからボランティアに関する情報提供を地域ごとに行う子どもセンターを設置すること、それから子供が身近な商店街でさまざまな職業に触れる機会を提供する子どもインターンシップ、あるいは河川を子供たちの遊び場として整備する子どもの水辺再発見プロジェクトなど、そういうものがございます。そのほか、農業体験学習あるいは勤労体験学習等々、いろいろ準備をしているところでございます。
 それから、今、表をもってお示しいただきました子どもの体験活動に関する国際比較調査でございますけれども、委員もお話にありましたように、諸外国に比べまして我が国の子供たちは親から余りしつけなどについて厳しく言われていないと、そういうことが浮き彫りになっているわけでございます。家庭教育はやはりすべての教育の出発点でありまして、そういう意味では親がもっとしっかりとして子供にしつけなければならないことをきちっと教える、なれ合いは決してないようにするということが一番基本であると、そういうふうに思っております。
 そういうことから、教育改革、いろいろ行わなければなりませんが、私は、お父さんやお母さんの果たすべき役割というのは大変大きいと、そういうふうに皆さんもお思いと思いますが思っておりまして、これからお父さん、お母さん方にもう一度家庭を見詰めてください、御自分の家庭でしつけがちゃんと行き届いているか見直してくださいと、そういうようなお願いといいますか運動を展開していきたいと思っております。
 なお、先生と生徒の関係でございますけれども、先生は教える人、生徒はやはり教わるものでありまして、指導者でなければならないのは言うまでもありません。その際大切なことは、先生が生徒からやはり尊敬される先生であるということだと思いまして、そういう意味では、先生も親もやはり社会人として子供の手本になるような、そういう自分自身をきちっとしたものにしていくということがまず基本であろうと、そういうふうに思っております。
#264
○岡野裕君 総理、加えてお言葉をいただけるとか伺いましたが、よろしければひとつどうぞ。
#265
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほど寺子屋、適塾の話を申し上げましたが、我が国にとって最もそうした形で著名なのは松下村塾でございまして、このことを申し上げないと長州の方にしかられてはいけませんので申し上げたかったことが一つで……
#266
○岡野裕君 会津もございます。
#267
○国務大臣(小渕恵三君) 会津もございます。
 それから、子供の教育のお話がございまして、しつけのお話がございました。
 私も今回の施政方針演説で、必要なとき先生も親もきちんと子供をしかる、悪いことをしている子供たちがいたらよその子供でもいさめてあげる、そのような社会をつくり上げなきゃならないと考えております。子供たちは家庭や学校だけのものでなく、社会全体の宝であるということを申し述べさせていただいたゆえんのものもそこにあるということでございます。
 それから、最近は昔の多産でございませんで少子になりまして、極端な例を言いますと一人っ子の家庭が多くなっておりまして、このことはひとり日本だけでなくて、お隣の中国も一人っ子政策をとったために子供が小皇帝になっておるというような問題もございまして、この点も今後の教育課題としては非常に大きな問題ではないかと思っております。
 それから、最近は言うまでもなくIT、インターネットの時代になりまして、一人っ子である上に、先ほど先生御指摘のように、兄弟げんかあるいはまたお友達同士のいさかいがあって、お互いその中での限界というのを心得てみずから律していくということを体で覚えていくということがなくなってございまして、このインターネット社会というのも非常に問題があるんです。
 今、日本ではミレニアムプロジェクトも含めまして学校にインターネットを引いて、生徒たちにもいずれ一人一人に全部パソコンを置きたいということをいたしております。おりますが、実はドイツあたりでは最近、ドイツの有名な新聞のフランクフルター・アルゲマイネなどを見ておりますと、もうそうでないと、このインターネット問題が大きくこれは禍根を残す時代になってきているんじゃないかと、一人がもうすべて機械に面して、人間的な触れ合いというものがなくなってしまって、機械と自分との対話が中心であるということになりますと、これは教育の問題として大変だと。
 今は学校に全部インターネットを引くということで政府も全力を挙げていますが、いずれ将来の課題としての問題もあろうかと思っております。もろもろを含めまして、これからの教育のあり方ということを考えていかなければならない時代が差し迫っているのではないかと思っております。
 子供をしかるということ。実は、賀川豊彦という有名な宗教家がおりますが、その方のお言葉として、子供はしかられる権利があるという有名な言葉があります。したがって、やはりある意味では大人がしっかりしかってあげるということも必要ではないかなという気もいたしております。
 私は、最近この教育改革の問題を取り上げさせていただいて、学生時代読んだ「自由と規律」という、岩波新書でありますが池田潔の本をページを開いておりますと、やはり自由を本当に守っていくためには規律というものをしっかりしなきゃならぬ、これがイギリス教育の原点であるというようなことを聞いておりますと、我が国としても、こうしたものをもしっかり受けとめながら教育改革ということの原点としていかなきゃならないのではないか、こう考えておる次第でございます。
#268
○岡野裕君 いろいろと御教示をいただきまして、ありがとうございました。
 ただ、総理のお話の中に、パソコン、インターネットというような話があります。私は、パソコンと英語といいますのは、これは先ほど述べた寺子屋の読み書きそろばんというぐらいな今日の基礎学力であると、こう思っております。
 お尋ねを事前にいたしておりませんでしたけれども、やはり日本はこれからパソコンと英語、これを中核に据えた教育というものをやらなければ世界に通用する人材というものは出てこない、こう思います。
 あに大臣に限りません、政務次官でも結構であります。パソコンと英語、これを中核とするそういう学習、郵政大臣でありますか、どなたでも結構であります、どうぞ。
#269
○国務大臣(堺屋太一君) どうして私が答弁に立ったかといいますと、二十一世紀記念行事担当大臣でございまして、今、インパクというインターネットの上での博覧会というのを総理の御命令で企画しております。
 これは、日本全国の各地でリアルなイベントをやっていただいて、それをインターネットの上に載せて全国、全世界からアプローチしていただこうと。それで今、全国民にテーマを募集しておりまして、それぞれの府県、企業あるいはNPOでテーマを選んでいただいてこれにアプローチしていただく、そういう行事でございます。
 委員仰せのように、英語とパソコンというのはツールとして、道具として非常に大事でございます。まさに読み書きそろばんでございますが、そこに書ける文字がどんな文字が書けるか、そういういわゆる情報コンテンツ、これを広げていかなきゃいけない。
 私が考えますのには、アメリカは日本よりもかなり情報技術が進んでおりますが、非常にこのワイヤ、光ファイバーとか電線が発達しておりまして、今アメリカの情報環境はことごとく有線でございまして、机の上に置くデスクトップのブラウン管でございます。
 それに比べて日本は、携帯電話を中心とするモバイルではアメリカ以上に発達してまいりました。ところが、この画面が小さいんですね。こういうところで情報発信できる。これは和歌や俳句のような情報圧縮技術の進んだ日本に非常に向いている。これがうまくいきますと、日本は近い将来、情報技術で、世界じゅうこれから線を引くのは大変ですから、モバイルに来ますから、それでコンテンツで、うまくいきますと日米再逆転もあり得るんではないかと期待している次第であります。
#270
○岡野裕君 きょうは、テレビがあるわけであります。私は、国民の皆さんにわかりやすいような問題点を今まで幾つか挙げてお尋ねをしました。総理、閣僚の皆様と一対一の質疑という、質問、答弁というものを心がけてもともとおりません。やっぱり台所の皆さんにもわかるというようなお話を期待しておりました。先ほどから、特に堺屋大臣から、非常によくわかるという多分テレビを見ている皆さんの印象だろうと思っております。そういう調子で続けます。ただ、国対がうるさくてもう時間だ時間だって、まだ時間が随分、五十四分あるのに。
 では、この次は英才教育であります。
 この間、外交官でありました今は評論家として御活躍、岡崎久彦先生のお話を承る、そんなチャンスがありました。そうしたら、先生が言うのには、今ハーバードだとかケンブリッジの大学の教授はこう言っているそうであります。日本から来る学生、留学生の諸君、これは中国から比べると大分劣る、基礎的な勉強をようしとらんぞと。人間として話をしてみてもおもしろみがある人間とは思えないようなのが多いと。中国は文革のころ小中高校を送った者はちっとも勉強がなくて、ただわっしょいわっしょい騒いでいるだけだから、この時代に育った者はだめだと。しかし、文革が終わった後に中学、高校を出た、今で言うならば二十歳代の中後半、これらの人間は話も人間としておもしろいし非常に勉強していると。このままいくと日本はとても中国にかなわない、こういうお話でありました。
 それからもう一つです。どうも最近人工衛星用のロケットが二回も立て続けで失敗をしている。これは基礎的なところで欠けるものがあるのではないかなと。そういう意味合いで、そういった基礎力をつけること、これを目的とし、その中から英才の若葉が出てくる。その英才の若葉というものを真っ当に成木になるまで育てる教育というものは、日本は非常におくれていると。戦後、平等平等、チャンスの平等じゃない結果の平等というところに余りに中心を置き過ぎている。そういう意味合いで、言いますならば、どちらかというと平均よりもやや下だという人には補習を、ぬきんでている者はどんどん教養を高めるような勉強を、あるいは専門技術を物にするような教育、これ、英才教育であります。
 東大や京大の教授会ですら、千葉大学で数人やったあの飛び級というのを認めておらぬのですね。だから、そういう飛び級を経験したことのないようなもう教授になっちゃったことを慨嘆これ久しゅうするものであります。
 やはりこれから追いつき追い越せじゃない、世界をリードしていく、そういう意味合いでは、真の指導者のための英才教育、これをやらなければならぬのじゃないか。イギリス、フランスはこういう英才教育の本家でありますし、アメリカもいろいろな分野で英才教育に励んでいるわけであります。
 まず、中高一貫ぐらいはやるべきです。何ですか、全国で五百校、中高をつくるのだそうでありますね。しかし、飛び級というのをやらなきゃだめです。東大が中高一貫で、今現にある附属中学と高校をやるという話だそうであります。
 しかし、戦前から戦後しばらくにかけて七年制旧制高等学校というのが官公私立で立派に存在をしました。これは七年制高等学校でありますので、言いますならば飛び級と中高一貫両方を合わせたようなものであります。そういう七年制高等学校からは英才が続々と誕生をしております。大臣には失礼でございますが、我が大蔵大臣宮澤先生も七年制旧制高等学校の御卒業だと思っております。
 文部大臣、第二の宮澤先生、第三の宮澤先生をつくるためにも、こういった飛び級を入れた中高一貫、続々さおを差さなければだめです。どうぞ。
#271
○国務大臣(中曽根弘文君) 英才教育のお話がありました。
 エリート教育といいますか、あるいはエリートの育成といいますか、委員のお話にありましたように、戦後どちらかといいますと、平等というものが中心になりまして、その陰に隠れていた、あるいは遠慮をしていたような気がいたしますけれども、私は、すぐれた人材をどんどん伸ばす、そして日本の牽引車になるような人をどんどん引き上げていくということが非常に重要ではないかと思っております。そういうところから、今後の学校教育におきましては、一人一人の個性とか能力、そういうものを尊重して子供たちが将来それぞれの分野で活躍し、我が国の社会を支え、貢献しようとする意欲や態度、責任感などを身につけていくことが非常に大切であると考えております。
 中高一貫教育についてのお話がございましたけれども、これは平成十一年四月から制度化をしております。全国の高等学校を、一つの通学区域に一つずつ最低これを設置したいという目標を立てております。昨年度、平成十一年度は四校、今年度、十二年度は十五校程度の見込みでまだまだ少ないわけでありますけれども、これらもぜひ積極的な推進を図っていきたいと思っております。
 それからもう一つは、飛び級のお話がございました。これは平成十年度から十七歳から大学に入学できるようにしたものでありまして、科目は数学と理科の分野であります。希有な才能を有する者については大学入学年齢制限を緩和して、いわゆる飛び入学制度を導入しているものでありますが、残念ながら、まだ千葉大学で平成十年度に三人、十一年度で三人、ことしの四月予定が三人ということで大変少ない人数でありまして、ぜひこれらについても推進をしていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
#272
○岡野裕君 それでは、経済新生あるいは景気の回復、これについて若干のお話をいたします。
 総理はこの間のクエスチョンタイムで、二兎を追わず一兎を追う、財政構造改革についてはこれは将来の課題として重く受けとめる、しかしながら現時点においてはやはり景気の回復、経済再生、この一兎のみを追うと。言いますならば、アクセルとブレーキを両方踏め、一緒に踏めというようなどこかの党の党首の話もありましたが、毅然としてこれをはねつけられました。お見事であり、私どももテレビの前で拍手をしていた、そんな次第であります。
 小渕内閣は、既に金融安定、貸し渋り対策三十兆円、そうして大幅減税を含む積極的な財政出動というようなことで、景気のいわば光が見えてきたということであります。ここで大蔵大臣にいろいろ承りたいのでありますが、時間がもうないということであります。
 それじゃ、経済企画庁長官にお出ましをいただこうと思います。
 大臣は一昨年の十二月、我が経済成長率がマイナス一・九のときに胎動という新しい用語を発明しました。それから今日、プラスに回って〇・五か〇・六かというときに緩やかな回復基調にあるという表現を使われました。
 ここでひとつ、日本経済再生のシナリオ、特に病気は気から、景気は気からであります。その気というものを盛り上げる先生は一番名手だと思っております。花咲かじいさんのように、景気の気をあっちにもこっちにも振りまいてくれるとありがたい。どうぞ、御答弁。
#273
○国務大臣(堺屋太一君) 景気は気からに違いありませんが、せっかくの御質問でございますので、少し数字を並べて申し上げたいと思います。
 小渕内閣は発足以来、まず第一にデフレスパイラルの回避ということで景気の下支えに全力を挙げてまいりました。そして、経済緊急対策を一昨年秋に発動いたしまして、まず景気の下支えを行いました。そして、昨年の十一月に経済新生対策を行いました。このときには構造改革と景気対策とを車の両輪としてちょうど半々ぐらいのウエートでやってまいりました。その結果、かなり景気はよくなってきたのでありますけれども、緩やかな回復を続けてきたのでありますけれども、昨年の暮れ、十―十二月の数字が消費の面でやや停滞、足踏みをしております。
 経済を見るのに、三面等価と言いまして、生産と所得と消費という三つの面から見るんですが、生産は、鉱工業生産、第三次活動指数、これがずっと緩やかではございますが上昇してまいりまして、最近は企業の動向もかなりよくなり、その結果、設備投資の先行指数でございます機械受注なども十―十二月には前年同期を上回るようになってまいりました。これは大体六カ月から九カ月後に設備投資にあらわれるということでございますので、かなり期待が持てるということでございます。
 次に、所得でございますが、ボーナスが非常に低かった。このことが次の需要に深く影響するのでございますが、ボーナスというのは、この三月期の決算で春闘その他がございまして、大体四月から六月に決まります。これが年末に調整されるものですから年末の所得が少なくなった。所得が少ないから需要が減った。これがかなり影響しております。
 それ以外の面で見ますと、心配されました雇用は、まあまあ四・七%のところで一時より少しましになっている。有効求人数は増加してきております。それから残業手当、所定外労働でございますが、これもやや増加している。その他ボーナスの面を除くとやや回復しているんじゃないかと思われます。それから企業の利益率等もやや改善してまいりまして、短期借入金の返済がかなり進みましたし、利益率も上昇しました。全体として見ますと、ボーナスという一時的な問題を除けば所得もふえています。
 問題は需要でございますが、これはボーナスが少なくなったので、十二月の消費が少のうございました。そこにもう一つ、コンピューターの二〇〇〇年問題などで旅行を控えるとか大型の買い物をやめる人がございまして、十―十二月、間もなくはっきりいたしますが、どうやらかなり、ちょっと低いらしいという感じでございます。ただ、一月になりましてからはかなり消費も前期に比べて二・三%、これは勤労者世帯でございますが、増加しておりますし、自動車の売れ行きなども良好でございます。したがって、私は、どうやら消費の停滞という一番難しいところも去年の十二月ぐらいで底入れをして、ことしになってからよくなってきている。
 したがって、三つの面が全部そろって、ことしはよくなりそう。ことしの後半、九月ごろからは本格的な回復基調になって、そして来年度、二〇〇一年度にはいよいよ小渕内閣の目指します構造改革を含めた新たな成長の時代に入れるのではないかと考えております。
#274
○岡野裕君 ありがとうございました。
 実は各大臣の皆様にはこういう質問をする予定だという話をしておりましたが、私の時間はもうゼロなのだそうでございます。ゼロでありますので、一方的に一、二お話をして、この席を立ちたい、かように思います。
 一つは、公共事業はばらまきなどではありません。
 やはり日本の社会資本は、先ほどお話をしたようなことで外国に比べて劣っているのが実態であります。ばらまきじゃなくて四本の柱になっているわけですものね。ただ、郵政大臣経由の建設大臣に注文であります。電柱がにょきにょき立っているというようなところにとても都市の景美観、これは生まれてこないですね。ひとつぜひ電柱の地中化というものを心がけていただきたいです。電線にカラスのとまりける秋の暮れなんというのはもう古いですから、もう小枝で結構であります。
 それからPKFの凍結解除であります。
 これは三党合意の中にもあるわけでありますが、私はこういう記憶があるんです。あのUNTACのころ、タケオに我が京都大久保、渡辺二佐以下の皆さんの活躍ぶりを見ました。非常に感激もしました。地元の人と結婚をした自衛隊員もおいででした。ほほ笑ましいニュースだなと、こう思いました。
 だけれども、明石康代表の言いますならばSPをやっている皆さんは、いずれもガーナ国の兵士でありました。二メートル以上大きな、がっしりした体格で、もう本当にすばらしい隊員だなと思いました。ああ明石はこれで安心だなと思いました。
 しかしやっぱり、明石の心情を聞いてみませんからわかりませんけれども、日本から大久保部隊がいっぱい来ているんです。そうだとすれば、やっぱり本人としては自衛隊の近衛兵、これによって、あれは数が六人とか四人でしたけれども、守ってほしいなと。
 兵力引き離しは難しいかもしれません。武装解除も難しいでしょう。だけれども、防衛庁長官、ひとつ今言った程度のことはやっぱりやっていただけるとありがたい。
 長々と、またぞんざいな言葉もございました。失礼をいたしました。以上であります。
#275
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。上杉光弘君。
#276
○上杉光弘君 岡野先生の質問に関連をいたしまして、あすの国づくりということ一本に絞りまして若干の質問をいたしたいと思います。
 きょうは宮澤元総理もお座りでございますが、歴代総理は必ずキャッチフレーズを内閣の姿勢として示されるわけでありますが、宮澤総理のときには地球社会と共存する生活大国への変革ということで、生活大国、品格ある国家というものをその目標に掲げられました。小渕総理は富国有徳を掲げられておるわけでございます。
 このように歴代の内閣は、目指す政治、国づくりの方向というものを示して命がけで政治と取り組んでこられたわけでございまして、それぞれ御苦労は並大抵のものではなかろうと思うんです。
 しかし、私がうれしいのは、久々に、富国有徳の中には日本の伝統文化やあるいは日本人の美意識でありますとか、あるいは国家に対する愛情でありますとか、ふるさとに対する愛情でありますとか、あるいは人間愛でありますとか、いろいろなものを含めた精神論が入っておることに私は大変感服をいたしておるわけでございます。そのような意味からいたしますと、この富国有徳を中心にした国づくりこそは長年国民が求めていた方向でもあろう、このように考えるわけでございまして、このあすの富国有徳の国づくりの問題について質問をさせていただくわけでございます。
 私は、国づくりの基本は、岡野先生からもございましたように、それは教育にあると思います。人づくりであります。人をつくるものは家庭であり、あるいは学校教育、家庭教育と言った方がいいかわかりませんが、そのようなものであろうと思います。
 私、ある行事に参りました。行事というより結婚式ですが、そこに熊本県のある寒村の校長先生がお見えになって祝辞を述べられました。簡単にかいつまんで言いますと、こういう祝辞でございました。
 私は小さな過疎地の学校の校長をしている。そして、女性の先生が一人いらっしゃる。その先生に、先生申しわけないが朝お茶を出してください、できたら男子の先生方の机をふいてください、掃除をしていただければありがたいと。押しつけるわけじゃないけれどもそのようなお願いをしていた。しかし、男女平等だといって私の言うことはなかなか聞き入れてもらえなかった。
 ある日、雪がしんしんと降り出して積もり出した。皆それぞれ車に、チェーンをタイヤに巻かれている。女性の先生も巻かれようとしたけれども、手が赤くなり、背中に雪が積もって、なかなかうまくいかない。みんなはもう終わって教室でストーブに当たっていた。途中で先生はもう泣き顔で主人に電話されたが、会合で迎えに来ることができないということで、また始められたと。見る見るうちに手は真っ赤になり、もう泣きながら最後はされていた。私は皆さんにもう加勢をしてあげてよろしいんじゃないかと、こう言ったら、みんなが黙って一緒になってそのタイヤのチェーンを巻いて、そして帰れるようになった。その先生はみんなに泣きながらお礼を言われたと。
 翌日、私は大概朝早く行くけれども、学校に行ってみたら、校長先生でございますが、行ったらもうストーブがたかれて、お湯がしゅんしゅんと沸いていた。そして、すぐお茶が出された。机の上はきれいに掃除がなされていた。私はまた一人いい先生が誕生したなと、心の底から満足感を覚えたという話をされました。
 そこで落ちがございまして、夫婦といえども男女平等、これは私は否定はしない、するものではない、しかし世の中には男の役割と女の役割というものは暗黙の中に日本の国は培われてきたと、そのことを十分心得て幸せな夫婦生活をしてほしい、ざっと言えばそんなあいさつでございました。
 私は、感心をしてそれをお聞きいたしましたが、学校現場における校長先生のリーダーシップ、そのための環境整備は大変重要な問題と思います。文部大臣、この点について御質問をいたします。
#277
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育改革を進めていく上で大切なことの一つに学校教育があります。その中で、学校の校長先生初め教員の果たす役割というのは大変に大きいわけでございます。
 今、校長のリーダーシップのお話がございましたけれども、校長が十分にリーダーシップを発揮して、そしてその校長の指導のもとに教員一人一人がそれぞれの専門性あるいは個性を使命感を持って最大限に生かして学校の教育活動を展開していくということが非常に大切でございます。
 文部省におきましては、このため校長としてすぐれた人材を幅広く活用、確保する観点から、民間人の登用を可能とするなどその資格要件を緩和したところでございます。また、さきの教育職員養成審議会答申を踏まえまして、今後とも人物重視の方向で採用の試験を行っていく、見直しを図るとともに、社会体験研修などを通じて教員の養成を行っていくつもりでございます。
 その中で特に強調させていただきたいのは、教員の長期校外研修制度というものの一層の充実を図ろうとしていることでございます。
 学校の先生というのは、小学校に入学して大学を卒業するまで十六年間学校で教わる立場で勉強してきて、そして卒業の前に教員の資格を取るわけでございますけれども、卒業してまた引き続いて学校に入る。今度は教わる立場から教える立場で学校に残るわけでありまして、そういう意味では一般の社会の方に比べて社会を余りよく御存じではない、そういうことが言えるのではないかと思います。
 先生は子供を教えるわけですから、そういう意味ではより視野の広いバランス感覚のとれた方に先生になっていただくということが大事だろうということで、教員の方々に一定期間、半年から一年ぐらい民間会社等に行っていただいていろいろ現場での勉強をしていただく、体験をしていただく、その体験をもとにまた学校での教員活動をやっていただくことが先生の素質、資質を豊かにするためにも大事ではないかということで、この制度が今回強く打ち出されているわけでございます。
 今後も、校長のリーダーシップ、また教員それぞれが独自性を発揮して教育活動ができるように指導していきたいと思っております。
#278
○上杉光弘君 もう一つお尋ねしたいのは、私の手元に調査書がございます。それによりますと、日教組の教員に対する給与の不正支出問題についてでございますが、広島県では多数の教員が勤務時間中に組合活動をしておったことが明らかになりまして、既に支払われた教員二百五十四人分の給与二千百万円を返還するよう教育委員会が求めております。また、この不正受給に関連して、広島県教委は千三百七十人の教員を厳重注意処分にすることを決めております。さらに、三重県でも三年間で延べ三万二千人の教職員が勤務時間中に組合活動を行っていたことが明るみに出ておるわけでございます。
 私は、教育の立場にある者が、日教組の活動を否定するものではありませんけれども、こうした不正な給与の受給を受けておるということは極めて遺憾であり、また残念なことであると思います。真の教育の立場の上からも、こうしたことが再び起きることのないように各都道府県の教育委員会を指導すべきだと考えますが、文部大臣の所感をお聞かせください。
#279
○国務大臣(中曽根弘文君) 公立学校職員が給与を受けながら職員団体のための活動を行うことは、地方公務員法により厳に禁止されているところでございます。
 お話しありましたように、広島県におきましては勤務実態調査を実施いたしまして、勤務時間中における公立学校教職員の職員団体のための活動が明らかになったわけでございます。
 これを受けまして、広島県教育委員会におきましては、県教育長に対する減給十分の一を一カ月を含め、関係教育委員会幹部職員六人、それから県立学校長百二人に対して文書訓告等の処分を行いました。また、実際に勤務時間中に職員団体のための活動に従事していた県立学校教職員、委員からもお話しありましたけれども、千三百七十人を厳重注意とするとともに、このうち二百五十四人から約二千百万円の給与返還を求めているところでございます。
 また、三重県におきましては、勤務実態調査をやはり実施いたしまして、過去三年間に延べ約三万二千人、これもお話しありましたけれども、の教職員が勤務時間中に職員団体のための活動を行ったことを公表するとともに、県教育長に対する減給十分の一を四カ月を含め、関係教育委員会幹部職員二十一名、県立学校長七十六人に対して訓戒等の処分を行いました。
 今回の調査の発表は単純集計の段階のものでありまして、三重県教育委員会では現在正確な確認作業を進めているところであり、文部省といたしましては、その結果を踏まえ、適切に対応されることを期待しております。
 今後とも各教育委員会において適正な勤務管理が行われるよう指導していきたい、そういうふうに思っております。
#280
○上杉光弘君 もう一つでございますが、教科書の採択制度の改善についてのお尋ねであります。
 どの教科書を使用するかにつきましては、各都道府県の教育委員会が決めておりますが、教育委員会の権限が極めて有名無実化しておりますことは御承知のとおりであります。諮問機関の調査委員会や選定委員会の答申どおり決めているのが実態となっているのではないか、その疑いもあるところでございまして、こうした調査委員会の構成メンバーはもとより、どういう議論を経て答申したのか、また各教育委員会が答申を受けてどう議論したのかなど、決定の経緯が全く明らかにされておりません。
 小渕内閣は教育改革を基本政策の柱に掲げており、二十一世紀を担う子供たちを明朗健全に育てる上からも、教科書を採択する過程を国民の前に明らかにすることは極めて大事であると私は思っておるわけでございます。
 そのゆえ、こうした教科書採択のプロセスなどについて、各都道府県教育委員会に対し情報を公開し、また文部省としてそのような方向に指導すべきと思いますが、いかがでありましょうか。
#281
○国務大臣(中曽根弘文君) 教科書の採択は、委員からも御説明がございましたけれども、教育委員会が行うこととされておりまして、採択が公正かつ適正に行われるよう、文部省といたしましては従来から都道府県の教育委員会を通じて指導に努めているところでございます。
 採択理由やそれから採択結果、都道府県教育委員会における選定審議会の委員名簿等につきましては、採択手続終了後等に各地域の実情に応じてできるだけ公表していくことが望ましいと考えているところでございます。
 今後とも、このような考え方に立ちまして、引き続き都道府県教育委員会を通じて指導に努めてまいりたいと思っております。
#282
○上杉光弘君 もう一つの問題は、家庭におけるしつけが極めて私は重要だと思います。なぜなれば、人間の人格形成は七歳から八歳までに約八〇%程度のものが人間形成がなされると言われておるからであります。そのような学術的なものもございますが、ドイツにおきましては、ドイツの子供は祖父母のひざの上で人間形成がされるという格言といいますか、そのような言い伝えがあります。
 私どもは、この二つの事例をもってしても、家庭における小さいときからのしつけというものがいかに重大であるか、人間形成の上に大きな影響力を及ぼすかということを考えずにはおれないわけでありまして、そのような意味からいたしますと、何としても家庭のしつけに対する、制度でありますとかあるいは法律的な問題でありますとか、そのようなものも含めた上でこれは考えていかなければならないものがあるのではないか、そのようなこと等を含めて、文部大臣の見解をお聞かせいただきたい。
#283
○国務大臣(中曽根弘文君) 家庭教育はすべての教育の出発点でありますけれども、最近の都市化とか核家族化とか、あるいは少子化に伴いまして、家庭の教育力が著しく低下している、私もそういうふうに思っております。
 文部省におきましては、零歳から乳幼児、それから小中学生を持つ親に配布をしております家庭教育手帳というのがございますけれども、これにおきまして間違った行いはしっかりとしかる、それから子供に我慢を覚えさせるなどのしつけのあり方について盛り込むとともに、家庭教育の支援施策を進めているところでございます。
 また、平成十二年度には新たに子育てやしつけに関して気軽に相談に乗ったり、またきめ細かなアドバイスを行う子育てサポーターの配置による地域における子育て支援ネットワークの形成を促進することとしているところでございます。
 委員お話しのとおり、家庭のしつけ力というのが、先ほども岡野委員からのパネルを使っての御説明でもございましたけれども、大変に低下しているわけでありまして、教育改革、いろいろなことをやらなければなりませんが、まず、先ほど申し上げましたけれども、お父さん、お母さんが足元を見詰めてしっかりとしたしつけをしているか、家庭教育をしているかということから出直すことが第一ではないかと思っておりまして、そういう意味でこれからそのような施策を重点的にやっていきたいと思っております。
#284
○上杉光弘君 総理にお尋ねをしたいと思いますが、各国と比較をいたしまして、先進諸国、我が国における家庭生活の大きな変化もありましょうけれども、家庭のしつけ問題というのには大きな格差が生じておるのではないか、そのような将来を見詰めた上での心配もいたすわけでございまして、この点について総理の決意のほどをお聞かせいただければありがたいと思います。
#285
○国務大臣(小渕恵三君) 家庭教育はすべての教育の出発点であり、倫理観や自制心、自立心などを身につける上で家庭におけるしつけは極めて重要だと申し上げることは言うまでもありません。
 このため、親に対する家庭教育に関する学習機会の充実や相談体制の整備など、家庭教育を支援する施策の充実に努めておるところであります。さらに、子供たちは社会全体の宝であるという考え方に立って、悪いことをしている子供たちがいたらよその子供でもいさめてあげるというような社会をつくり上げることも必要であると考えております。
 先ほど、岡野委員にもお答えを申し上げましたが、フランス皇帝ナポレオン一世が、子供の教育は生まれる前、二十年前の父母の教育から始めるべきだ、こんな言葉を聞きますと、なかなかこの問題は各国とも、また歴史的にも大変繰り返して考えなきゃならぬ課題だというふうに思っております。
 それから、先ほども御紹介しましたが、賀川豊彦先生の子供はしかられる権利がある、これは裏返して言っておられることだろうと思いますけれども、やはりそうしたしっかりとしたいいしつけ、あるいはしかられ方というものができないと人間形成に大きな問題があるということも言われております。
 これは御紹介をされておりませんけれども、私も今回教育改革についていろいろ勉強しますと、なかなか各国とも悩み、苦しみを持っておるようでありますし、また具体的施策としてかなり強烈なものをやっておるわけでありまして、例えばイギリスのブレア首相などは第三の道、ザ・サード・ウエーということで、極めて進歩的というような印象を持っておりますけれども、これが進歩的か後退的かわかりませんけれども、具体的に言いますと、イギリスのブレア政権は教育改革について、不登校問題に関して子供たちのずる休みを黙認する親への罰則というのを決めまして、一九九九年十月、無断欠席を減らすための一策として、教育・雇用省は無断欠席を黙認する親に対する刑罰として科料最高二千五百ポンド、約四十二万五千円に引き上げることの考え方を明らかにした。この背景には、無断欠席を黙認する親に対し現在最高一千ポンド、約十七万円の科料が認められているものの、この科料額を引き上げるということでございます。
 別に罰則をしたから私はよくなるものだとは思いませんが、やはりこの教育に関しては各国ともこうしたかなりドラスチックな政策を持ちながらやっておるわけでありまして、日本としてはもう少しソフトな形でいかにいたすべきかということはともかくといたしましても、ぜひこの子供の教育といいますかその中のしつけの問題、こういうことは極めて大切であり、ドイツの例をお取り上げいただきましたが、ドイツにはこうした父母そして祖父母、そのひざで抱かれながら子供が学んでいくということもございますし、また宗教面からも、ドイツがそういった宗教教育の中でこうした子供の教育などをされておられるということも、大変各国の例としていろいろ苦心惨たんいたしておる状況でありまして、日本は日本としていかなる方策が望ましいということをぜひ教育改革国民会議でも勉強していくことができればと、こう考えております。
#286
○上杉光弘君 総理の決意のほどをお聞きいたしまして、諸外国等のことも含めて特に我が国のありようというものを模索されておるというふうに私は受けとめました。総理の考え方を存分にひとつ具体的な政策として打ち出していただきたいと思います。
 そのような家庭のしつけを行うためには、やはり私は三世代の住める住宅というものが大変必要なことではないか。特に、富国有徳を掲げられた経済学者の川勝平太氏によりましても、川勝氏は諸外国、特にイギリスと我が国を比べまして、日本の景色の悪さでありますとか、特に太平洋工業ベルト地帯の都市景観の貧弱さを指摘し、ここからが問題でありますが、住宅のコンセプトを一新して、ゆったりした居住空間を持てるようにすることを提唱されておるわけであります。
 三世代が一緒に住めるということは、これは必然的に子供のしつけというものがなされることにつながっていくわけでありますが、そのような意味で建設大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
#287
○国務大臣(中山正暉君) 教育面から見た住宅の問題という御指摘でございまして、確かにこれは大事な話で、親という字は立っている木を見ると書いてありますが、これは立派な大木を育ててその茂る葉のもとに人を憩わせるような人物をつくれというのが立木を見るという形になっているようでございます。
 その意味で、おじいさん、おばあさんにはぐくまれるお孫さん、そういう雰囲気をつくりますためには三世代住宅というのは大変大事だと思いますが、今四千三百九十万世帯の中で四百五十九万世帯しかございません。一〇・五%というのが三世代で住んでいるようでございます。
 このために、公共住宅におきましても、六十歳以上を含む六人以上が住めるような八十五平米の住宅を、床面積を広げていこうという考えを今私どもも推進しているところでございまして、民間住宅につきましても、税制とか、それからまたその多世代同居住宅を金融公庫の優遇措置、いわゆる融資の問題からも配慮していかなければならないということで、そういう方針でこれからも邁進してまいりたいと、かように考えております。
#288
○上杉光弘君 角度を変えて質問をさせていただきたいと思いますが、留学生制度があります。
 公費留学、私費留学あるわけでございまして、文部省は留学生十万人計画を打ち立てて取り組んでおられるわけでございます。進捗状況はいかがになっておるのか、お尋ねをいたします。
#289
○国務大臣(中曽根弘文君) 未来への大使とも言われている留学生の交流というのは非常に重要なことでございます。
 この留学生十万人計画でございますけれども、これは昭和五十八年から始められたものでございますが、近年減少傾向も見られました。平成八年、九年度はこの留学生の数が減ってまいりまして心配をいたしておりましたけれども、昨年五月現在の在日留学生数は前年より約四千五百人ふえまして現在五万六千人で、過去最高となったところでございます。
 この背景には、奨学金等の経済的支援が拡充されていること、それから英語による授業の特別プログラムの拡充など大学等の受け入れ体制が整備されていること、今、全国で三十一の大学が英語による授業等も行っているわけでございます。それから、身元保証書の廃止など入国・在留管理が改善されてきていることなどがあるものと考えられます。
 文部省といたしましては、日本での生活費がアジア諸国に比べまして非常に高いと、そういうところから特に留学生に対する経済的支援が重要であると認識をしております。
 そこで、さきの平成十一年度第二次補正予算におきまして、今後新規に来日する私費留学生二万六千人に一時金、これは一人十五万円でございますけれども、一時金を支給するための経費を確保したほか、平成十二年度予算案におきましても、留学生に対する奨学金の拡充や宿舎の整備を予定しております。
 残念ながら、ここ二、三年で目標の十万人というのは必ずしも容易ではないと思いますけれども、留学生に対するきめの細かい対応に心配りながら目標に向かってやっていきたいと思っております。
#290
○上杉光弘君 私の友人でございますが、下宿屋をいたしております。大学生、留学生を含めて一万六千名収容しておるわけでございますが、朝と夕飯二食を提供して月六万円しか取らない。それで成り立つのかと言ったら、そんなにもうかる仕事ではないけれども、私に言うのには、せっかく大学に来て勉強しようと思うのに、住宅費が高かったり生活費が高くて苦しい状況でアルバイトをしなくちゃならない、それでは学業に打ち込めないじゃないか、ましてや留学生は生活費が高いことに非常な不満を持っている、だからおれはこの事業を始めたんだと。朝食と夕食を二食上げて月六万円というのは並大抵のことではないけれども、これは材料の仕入れからやり方ではできぬことではないことを身をもって体験しておる、そういう話をしてくれました。
 我が国の歴史でありますとか伝統的な文化でありますとかあるいは民族性でありますとか、そのようなものを理解し、そして評価して、自国に卒業して胸を張って帰るという留学生を送り出すのか、不平不満を持った留学生をそのまま送り出すかということには大きな違いがあるわけでありまして、文部省としても努力をされておりますが、さらに一層の努力をひとつしていただきたい。
 また、こうした考え方に対する文部大臣、外務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思うわけであります。
#291
○国務大臣(中曽根弘文君) 我が国で学ぶ留学生が日本の歴史とか伝統とか文化、そういうものも理解をしてもらうということは大変重要なことであると思っております。
 そこで、大学における日本語、それから日本事情の授業というのがあるわけでございますけれども、日本の伝統や文化等について教育をしているほか、ほとんどの大学では歴史や文化に接する機会として見学旅行なども実施をしております。それから、大学所在地の地域の人々との交流を通じて国民性や地方文化に接する機会も設けられているわけでございます。
 私は、留学生の受け入れについては、留学生が学問を学ぶこと、これはもちろん当然のことであり大事なことでありますし、また今お話にありましたように、日本についていろいろ理解してもらうということは大変重要でありますけれども、まず本人が日本で学んで本当によかったと、そういうふうに喜んでもらえる充実した学生生活を送ってもらうことが一つ、それから滞在中に何でも話し合えるような友人をぜひつくってもらいたいということ、それからもう一つは帰国してその国のためにその学生が日本で学んだことが生かせてその国の発展に本当に貢献してもらう、そういうことが実現すれば、日本の留学制度といいますか、これも目的を達成するのではないか、そういうふうに思っておりまして、先ほど宿舎のお話ありました、委員の御友人でそのような事業をやっていただいているのは大変ありがたいことでございますけれども、そういう面の改善についても今後努力をしていきたいと思っております。
#292
○国務大臣(河野洋平君) 留学生の重要性は、今、文部大臣が申されたとおりだと思います。
 外務大臣の立場から少し申し上げさせていただくならば、受け入れる留学生、つまり外国から日本へ来られる留学生は若干地域的な偏りが多いと思うんです。もっと世界各国から来てほしい。例えばアフリカからも留学生がたくさん来てほしいと思いますし、アジアでもアジア各国から来ていただきたいというふうに私は思っております。さらにまた、今度は日本から出ていく留学生はどうしてもアメリカへ留学するケースが多くなりますけれども、これも日本からアメリカへ留学に行くだけではなくて、やはりアジアの国々にも留学をしてほしい、そういう期待を私は持っているわけでございます。
 外務省としては、留学生事業というものを手助けするために、在外公館を使いまして、留学生のための案内書の配布でございますとか、いろいろな問い合わせに対する答えでありますとか、さらには留学を終えて帰国された学生諸君に対しますその後の手当て、手当てといっても、帰られた人たちがたまに同窓会のように集まられるということであれば名簿をつくるとか、そうした作業には積極的にお手伝いをするということをするべく努力をいたしているところでございます。
#293
○上杉光弘君 厚生大臣にお尋ねをいたしますが、親が苦労して子供を大学に出す。特に私は栄養士の問題でお尋ねをいたすわけでございますが、栄養士は大学を出て資格を取るわけでございますが、ところが卒業した一割程度しか働く場所がない、多くても三〇%台、このようにお聞きいたしておるわけであります。
 そのような意味からいたしますれば、やはり社会に栄養士を学んだ卒業生の受け入れ体制をつくっていくことは当然の理でありまして、さような意味からいたしますと、例えば介護保険も始まります、そのようなものに組み込んで、食事という人間の健康とは切っても切り離せない、そのようなものに対する栄養士の活用というか、働く場所を創出していくというか、政府みずからがそのようなものにやはり思いをいたし、また対応していくということはいかがなものか、厚生大臣のお考えをお聞きいたします。
#294
○国務大臣(丹羽雄哉君) 栄養士の資格を持ちながらせっかくのその業務資格というものを生かし切れないということは大変残念である、こういうような委員の御指摘だと思います。特に、介護保険制度においてさらにこれを活用したらどうか、こういうような御提言でございます。
 介護保険制度におきましては、介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの受験資格の一つに栄養士を位置づけておるわけでございます。つまり、栄養士の資格のある方はケアマネジャーの試験を受けることができる、こういうことでございますし、また介護保険制度の対象となります施設でございますけれども、例えば特別養護老人ホームでございますけれども、四十人以上に一人の栄養士をつけるなど一定規模の介護保険施設には栄養士の配置を義務づけているところでございます。
 そのほか、管理栄養士の方々が介護保険施設や訪問介護で行う栄養指導を介護報酬などにおいて評価しているなど栄養士の活用をこれまでのところ図っておるところでございますけれども、このような介護保険制度のもとで栄養士の活躍も委員御指摘のようにますます期待されるところでございますので、厚生省といたしましては、今後、寝たきりのお年寄りに対する栄養指導など栄養士の養成課程の充実に一層力を入れていきたい、このように考えているような次第でございます。
#295
○上杉光弘君 ぜひ、厚生省として、大臣としてのお答えをいただきましたが、そのような方向で努力をしていただきたいと思います。
 次は、国家公安委員長にお尋ねをいたしますが、代表質問で岡野幹事長から冒頭にございましたように、我が国の良好な治安は警察なくしてこれは語れないわけでございます。しかも、我が国は世界で一番治安の安定した国であり、安全な国と言われてきたわけでございますが、そうではない国にだんだんなりつつある、そういう理解を国民がしておると思うわけでございます。これまで受けてきた高い評価というものは守っていかなければならない。神奈川県警から、このたびの新潟県警に関する不祥事件というものは、極めて遺憾千万、言語道断でありまして、国民の警察に対する信頼は大きく失墜をいたしたわけであります。
 私は、そのような意味から、国民の警察への信頼をかち取るのは当然のことでありますが、社会秩序を守る基本であるという考え方に立って、その信頼回復にどう取り組んでいかれるのか、決意も含めて具体的な御答弁をお願いいたします。
#296
○国務大臣(保利耕輔君) 今回の件、またさきの神奈川の件等、国民の皆様に御心配をおかけしておりますことを心からおわび申し上げたいと存じます。また、被害者の皆様、御親族の皆様方に対しても心からおわびを申し上げたいと存ずる次第でございます。
 その上に立って、国民の安定した生活を守り、日本の治安を維持する警察が襟を正し、そしてきちんと日本の安全を守っていく、治安を守っていくということは警察に課せられた大変重要な任務でありまして、大部分の警察官は本当に日夜分かたず苦労をしておられるという姿を私も承知いたしております。
 そういう中にありまして、一部の者によって起こされたこの事件、私どもとしても十分に内部を検証し、どうしてこういうことが起こったのか、そういうことが起こって襟を正そうとしていたところへなぜまた起こるのかというようなことをこれから厳しく検証しつつ、目的でございます日本の治安の維持に向かって、日本の警察が健全な姿で運営されるように私は努力をしてまいりたいと思います。
 ことしは、御承知のように沖縄でサミットが行われますし、御地元の宮崎におきましてもサミットがございます。福岡についてもございます。そういうことから、万全な警備体制をとっていくということは日本の国家にとっても大変大事なことだと思いますので、そうしたことも胸に入れながら、日本の治安の維持のために私も一生懸命に努力をしてまいるとお誓いを申し上げたいと思います。
#297
○上杉光弘君 国家公安委員長の決意のほどはよくわかりました。
 これを受けて、警察庁長官としては信頼回復のために、もう取り組んでおられると思いますが、具体的にどう取り組み、また今後取り組まれようとされておるのか、お聞かせをいただきたい。
#298
○政府参考人(田中節夫君) 私、一月十一日に警察庁長官を拝命いたしました。それで、神奈川県警事案を初めとする一連の不祥事を受けまして、その再発防止対策に組織を挙げて取り組んでいる最中に、新潟県警察本部長、関東管区警察局長ともども辞任させるという極めて重い事案に至ったことにつきましては極めて遺憾でございまして、国民の皆様に心からおわび申し上げる次第でございます。
 二月二十八日の公安委員会におきましても、この事案を反省材料として今後に役立たせていかなければいけないという厳しい御指導がございました。特に、神奈川県警の事案を受けまして警察本部長に対しましても指導を重ねてきたにもかかわらず、本部長、管区局長という組織運営のかなめ、責任を担う立場にある幹部に極めて不適切な行動があったことを重く受けとめまして、改めて管区局長、本部長等に対しまして、組織管理者としての職責のあり方あるいは報道対応等について厳しく指導していく必要があると考えております。
 さらに、一連の不祥事案の反省を踏まえまして、私どもといたしましては緊急に警察本部長会議を開催する予定でございます。
 また、今後の具体的な問題といたしましては、国家公務員T種採用者、いわゆるキャリアの育成方策の検討、さらには警察本部長の登用のあり方、研修の徹底、さらには倫理観あるいは幹部としての指揮能力に重点を置いた学校教養制度の改善等について取り組むほか、運営面では、国民からの解決の要望の強い児童虐待事案でありますとか、あるいはドメスティック・バイオレンス等のそういう事案にも真剣に取り組んでまいりたい。
 また、当面の課題でありますところのサイバーテロ対策、あるいは薬物対策、さらにオウム真理教問題、また今、大臣からお話のございました九州・沖縄サミット警備についても万全を期し、その成果を上げることによって国民の信頼をかち得てまいりたいと思っております。
 また、第一線で日夜苦労しておりますまじめな警察職員の心情を思うとき、私は組織の先頭に立って、渾身の力を振り絞って信頼回復のために努力してまいりたいと考えております。
#299
○上杉光弘君 国民の批判を受けないように、一日も早く国民の信頼を回復するために、組織の全力を挙げてひとつお取り組みいただきたいことを強く求めておきたいと思います。
 次は外務大臣でございますが、最近、中国が台湾に対する白書を公表いたしました。米国等では、これらを米国の主要マスコミが中心となり大きく取り上げて、問題視されておるわけでございます。
 他方、我が国としては、この問題につきましていかなる姿勢でおられるのか、対応というものも含めた上で外務大臣の所見をお聞かせいただきたい。
#300
○国務大臣(河野洋平君) 二月二十一日に中国の国務院台湾弁公室と新聞弁公室が連名で「一つの中国の原則と台湾問題」と題する白書を発表したということは、私ども承知をしております。
 この白書は、中国政府が台湾との関係についての中国政府の立場をまとめて書いたものでありまして、我が国としても強い関心を持って注目をいたしております。
 この白書によれば、台湾当局が平和的解決を無期限に拒絶すれば武力行使を含むあらゆる可能な措置をとる、それしかないんだということをこの白書は強調しているわけでございますが、この点につきましては、これまでも繰り返し申し述べてきておりますとおり、我が国としては、台湾をめぐる問題が海峡両岸の直接の当事者間の話し合いを通じて平和的に解決されることを強く希望しておりまして、この旨しばしば表明しているところでございます。
 この地域、ひいては世界の恒久的な平和と安定のためにも武力による解決はぜひとも回避されるべきでありまして、こうした立場を今後とも機会をとらえて訴えてまいりたい、こう考えております。
#301
○上杉光弘君 次は、我が国の国民生活や産業経済と直結したエネルギー問題についてお尋ねをしたいと思います。
 資源を持たない国としての宿命的な代替エネルギーの開発が大きな課題となっておることは、今さら申し上げるまでもありません。
 ある書物によりますと、一九九七年七月、ドイツのフランクフルトで国際モーターショーがございました。その折に革命的な車が登場し、全世界の自動車業界が唖然として大きな衝撃が走ったわけでございます。
 それは、環境保護の問題もございましょうが、最近開発されたハイブリッドカーでもなければソーラーカーでもなかったわけでございます。言うなれば、かつて宇宙ロケットで使われ一時脚光を浴びました燃料電池で走るという、燃料電池の搭載された車であったからでございます。これの開発が、いよいよ出品されて、地元ドイツの、当時はダイムラー・ベンツでございますが、二〇〇四年にはこれを実用化すると、同時に発表をいたしたわけでございます。
 しかし、かつて宇宙ロケットで使われたこの燃料電池は極めて高コストでございまして、とても実用化できないと思われておったわけでございますが、自動車にこれが搭載される。こうなりますと、燃料電池はガスで動かす極めて小型の発電機として搭載が可能であるという見通しがそこにはあるわけでございます。
 これまでの宇宙用の燃料電池であれば目の玉が飛び出るような高いコストがかかったのでございますが、これが一たび小型化して自動車に搭載される、家庭用にも開発された発電機が用意されるということになれば送電線は無用なものになってくる時代が来るのではないか、そういうことまで専門家筋ではもう既に語られ、見通しすらされておるという現実の姿があるわけでございます。
 少資源国日本としてはどのようにこれらの問題を受けとめておられるのか、まず環境庁長官にお尋ねをいたします。
#302
○国務大臣(清水嘉与子君) お答え申し上げます。
 今燃料電池のお話でございましたけれども、次世代のエネルギーとして大変期待されるところでございまして、今、日本だけではございませんで、ヨーロッパ、アメリカ、それぞれでこの開発が競争になっているところでございまして、私どもも大変期待をしているところでございます。
#303
○国務大臣(深谷隆司君) 子供のころに水を電気分解すると水素と酸素に分かれた、それを全く逆にすると水と電気が生まれる、これを利用したのが今お話しの燃料電池でございます。
 大変新しい発想でございますし、外国でも進んでいますけれども、日本ではトヨタが既にこれを車に利用しようというので、この間もトヨタさんともお会いしたんですけれども、既に試作車ができ上がっているようでございます。これは二〇〇三年に実用車として使うんだということで、大変な勢いで今研究が進んでいるようであります。
 そして、これらはまた家庭用の電気にやがて活用できるのではないかという期待もありますから、こういう新しいエネルギーを一層進めて、研究開発させて実現化に向かっていくことは大事なことだと考えます。
#304
○上杉光弘君 この問題は、もう既に日本でも取り組まれておるというのは承知いたしておりますが、驚くことには、少資源国と言われた我が国に初めて明るいものがニュースとしてもたらされておる。すなわち、日本近海の海底にはメタンガスが水と結合してシャーベット状になった膨大な量のメタンハイドレートが眠っていると言われておるわけでございます。既にこの点については調査も進んでおるやにお伺いをいたしておるわけでございまして、日本で現在消費されている天然ガスのほぼ百年分の埋蔵量が見込まれている。
 資源小国日本にとって初めての明るいニュースではないかと思いますが、通産大臣にその点お尋ねをいたしたい。
#305
○国務大臣(深谷隆司君) メタンハイドレート、これは低温高圧のもとで氷にメタンガスが閉じ込められるという、そういう状態で、言ってみればシャーベットみたいな感じらしいんですが、海底のまたその下にあるわけでございます。この間、御前崎で実験をいたしましたら取り上げることが成功したという、そういう報道がございます。
 五、六百メートルの海底の、その下の恐らく百から四百メートルのところに低温高圧でできたかき氷みたいなものがこうあって、ただそれを取り出す技術がまだ十分でないと。恐らく価格も相当なものではないか。これが着実に研究が進んで取り上げることができるようになりますれば、ただいまのお話のように、我が日本の近海にかなり存在すると言われておりますから、これは相当なエネルギー源になると思います。これらの新エネルギー開発にも全力を挙げるべきだと考えます。
#306
○上杉光弘君 今国民生活や産業活動で使われておる天然ガスのほぼ百年分というのは、これは相当なものだと思うわけでございまして、少資源国日本として、ただいま大臣からお答えになりましたように、それをどのようにして確保し、それをどのようにして活用していくのかという技術的な課題がそこには託されておるわけでございます。
 科学技術庁長官に、このこと等について関連的にどのような対応をされようとしておるのか、ひとつその考え方をお尋ねいたします。
#307
○国務大臣(中曽根弘文君) 我が国ではエネルギーの安定供給の確保、それから地球環境問題への対応の観点から、先ほどからお話ありますように燃料電池を初めとする代替エネルギーの研究開発を行っているわけでございます。
 平成七年七月に新たに内閣総理大臣決定されましたエネルギー研究開発基本計画におきまして、新エネルギーを含む代替エネルギー研究開発を積極的に推進しているところでございます。平成十二年度におきましては、我が国では代替エネルギーの研究開発について高温ガス炉を利用した水素製造システム、それから燃料電池の開発等、先駆的、基盤的なエネルギーの研究開発を実施しているところでございます。
 今後とも資源小国の我が国が将来にわたりまして経済社会の持続的発展ができますように、また国民生活がさらに発展しますように、この重要なエネルギー源であります原子力を初め代替エネルギーの開発研究に努めていきたい、そういうふうに思っております。
#308
○上杉光弘君 七九%を外国に頼らなければ国民生活も産業経済も回らないという我が国の実情からしてぜひ、ただいま積極的に取り組むという御意向は示されたわけでありますけれども、これこそ私は惜しみない予算措置や取り組みというものが当然必要なことであろうと。
 最後に総理から、そのようなものに対する総理としてはどのようなお考えでおられるか、取り組みをされております政府のことは万般御承知だと思いますけれども、総理のお考えを最後にお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。
#309
○国務大臣(小渕恵三君) 委員も御指摘のように、我が国は資源小国、地下資源はそうでありますが、しかし人間といいますか、人材資源というものは限りないものがあります。ありましても、やはり大切な資源が石油を含めて大変少量であるということでございます。その中で、新エネルギーにつきまして今御指摘がございました。
 本院におきましても、大変熱心にお取り組みいただいている先生もたくさんおられますが、ぜひ国を挙げてそうした人間生存のもとである新エネルギーを開発していく努力をいたしていかなきゃならぬ、こうしたことにつきましては予算に限界があるというような考え方でなくしてやっていくべきものと、こう考えております。
#310
○上杉光弘君 ありがとうございました。
 取り組む総理の決意のほどをお聞きして、大変安心いたしました。今後、我が国にとっては極めて重要な課題であると思いますがゆえに、総理にもその考え方をお聞きいたしたわけでございます。
 次は、国づくりのもう一つの課題として、神話、伝説、伝統的文化を土台といたしました国づくりは、大変大切な私は国づくりの柱だと考えるわけでございます。
 近年、文化財等の発掘調査が進んでおりまして、今までは神話、伝説でありましたものが現実の歴史として近づいておるわけでございます。このようなことを考えますと、大変我が国の長い歴史の中にはまだまだ日本民族の知り得ない歴史があるのではないか、文化があるのではないか、その古代ロマンというものが気持ちの中に強く覚えてきてならないわけでございます。
 こうした歴史的な伝統文化、あるいは神話、伝説、これを土台にした国家建設、この向かうべき方向あるいは考え方を文部大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#311
○国務大臣(中曽根弘文君) 近年、遺跡の発掘調査で発見されました遺構や遺物から新たな歴史的事実が明らかにされてきております。このような発掘調査の成果と神話、伝承との関係につきましては今後さらなる研究が必要だと思いますけれども、神話や伝承などを含めて我が国の文化や伝統、歴史を大切にすることは非常に重要であると思っております。
 このことから、史跡等によりましては、資料館における展示や体験学習施設における古代体験などを通じまして、地域の歴史や文化に対する理解を深められるようにしているところであります。
 また、学校教育におきましては、例えば神話、伝承などの学習を通じて国の形成に関する考え方などに関心を持つようにさせているところでございます。次代を担う子供たちが、我が国の文化、歴史、伝統また神話等を大切にして、日本人としての自覚を持つとともに、広く国際感覚を持てるよう取り組んでまいりたいと思っております。
#312
○上杉光弘君 同じお尋ねになりますが、我が国はこれまで物質文明を中心として非常に力をそこへ注いできて経済大国になりました。文化、歴史は非常に重要なものでありまして、外へ置かれていたわけではありませんけれども、神話、伝説、歴史的文化を中心にいたしました国づくりというものは、ある意味では、非常に隅の方に置かれていった印象はぬぐい切れないわけであります。
 そのような意味で、これらを十分生かした地域の振興という問題も国づくりとあわせて極めて大切なことであり、また、哲学者であり歴史小説家でもあります梅原猛先生が我が国の天皇から四代前までさかのぼった歴史の本を出され、店頭に並べれば三日もないというほど売れている。国民は古代ロマンに対し、我が国の昔の歴史に対する非常に渇いたものがあるのではないかと、そこから感ぜずにはおれないわけでありまして、そのようなことを含めてひとつ自治大臣の見解といいますか、所見をお伺いしたいと思います。
#313
○国務大臣(保利耕輔君) せんだって私、昨年でございましたか、フランスに参りましたときに、パリの日本文化館で縄文という展示会をやっておりまして、大変私感激をしたのでありますが、数千年前に住んでいた日本人があんなに立派なものをつくっておった、それが綿々と伝わってきて我々のところへ伝わってきている。
 委員御指摘のとおり、日本はまさに文化財の宝庫でありますし、そういったものを活用したいろいろな事業を文化庁も、それから私ども自治省もいろいろ事業をやっておるところでございます。
 自治省といたしましては、かねてから地域文化財の保存について重点的な財政措置を講じてきたところでございますけれども、平成十一年度からは、委員が御提唱になったんだろうと私は理解をいたしておりますが、地域文化財・歴史的遺産活用による地域おこし事業というのをつくりまして、地域文化財の保全あるいは地域文化財、歴史的遺産を活用するための集客施設の整備などの事業及び地域の伝統文化保存のための行動計画づくり、発表の場づくりなどに対しまして、地方交付税措置並びに地方債措置を講じているところでございます。
 また、少々長くなりますが、自治省の関係団体でございます地域創造という財団法人がございますが、ここにおきまして、市町村が行います伝統芸術などのデジタル映像による記録、保存、あるいは都道府県による地域伝統芸術等の評価、発表、シンポジウムなどのイベントに対する助成を平成十一年度から行っております。さらに、平成十二年度におきましては、地域の伝統文化などに対する国民の意識の高揚を図るとともに、二十一世紀への継承の重要性について国民に再認識をしていただくことを目的とした全国的なイベントを実施することにいたしております。
 地域文化財でありますとか、あるいは歴史的な遺産等の地域の個性を生かした地域づくりというのは今後ますます重要性が増してくるものと考えておりまして、地方公共団体におきます地域文化財等を核とした個性ある地域づくりが積極的に行われるよう、自治省としても委員の意図を大切にして頑張ってまいりたいと思っております。
#314
○上杉光弘君 小渕内閣は、経済再生内閣、景気対策に全力を挙げておられますから、国民から見ればそこだけしか見えないような気もいたしますが、どっこいそうではありませんで、地域戦略プランなるものを発表されて、その地域戦略プランの中には、神話、伝説、伝統的文化や芸能を多彩に盛り込んだモデル的なプランがたくさんあるわけでございます。きらきら光ったような企画も、地方でそういうものが出されております。
 そこでお尋ねいたしますが、宮内庁といえどもそうした地域振興に対しては御協力をされ、これまでまたいろいろな面で対応されてきたと思うわけでございますが、宮内庁は決して治外法権ではございません。そうした地域戦略プランやあるいは地域振興のために、発掘調査でありますとかあるいは歴史や文化を解明するための学術調査でありますとか、そういうものについては当然御協力をされるべきと私は考えておりますが、宮内庁の見解をお聞かせいただきたいと思います。
#315
○政府参考人(森幸男君) ただいま先生お話のございました私どもで所管しております陵墓につきましては、皇室の御先祖をお祭りしているお墓だということで、現に皇室におきまして祭祀が継続して行われております。皇室と国民の追慕尊崇の対象となっているところでございます。静安と尊厳を保持するということが最も重要なことでございまして、宮内庁といたしましては、その管理について過ちのないようできる限り努力をしているところでございまして、このようなことから、例えば陵墓を発掘するというようなことにつきましては慎むべきことではないかというふうに考えております。
 ただ、陵墓につきましては、今、先生も御指摘ございましたが、我が国の文化遺産の一つでもございます。長い間それぞれの地域の方々から大変大切にされてきたものでございます。このようなことから、宮内庁といたしましても、陵墓の本義に支障を及ぼさないよう十分配慮しながら、陵墓の保全工事に伴う調査の際には、研究者などに見学を認めたり、出土品の公開を行ったり、あるいはまた調査結果の公表を行うなどいたしまして、可能な限り学術研究上の要請にこたえるべく努めてきたところでございます。それからまた、地元において特別な催しであるとか、お祭りがあるときは特別に参拝を行うことができるというような配慮もしてきているところでございます。
 宮内庁といたしましては、今後もこのような考え方に立ちまして、地域の住民に親しまれ、地域の活性化に役立つようなやり方がありますれば、御意見や御要請も重く受けとめながら、地域の振興や歴史、伝統的文化のためにでき得る限り積極的に御協力を申し上げてまいりたい、かように考えております。
#316
○上杉光弘君 宮内庁から積極的に協力するという答えをいただきました。大変感謝をしたいと思いますが、そのような答弁のとおり、ひとつ積極的に御協力をお願いしたいと思います。
 もう私の持ち時間もあと四分程度になってまいりましたが、最後に、国土保全的視点からの国づくりについてお尋ねをいたしたいと思います。
 今、私の手元にあります一番新しい数字でいいますと、災害危険箇所は二十二万カ所と言われておりましたが、災害危険箇所は四十万八千七百十九カ所になっております。災害危険箇所がこれだけ多くなったということは、我が国は災害大国として、また国民の生命、財産は非常に脅かされておる、国家存立の基盤は極めてゆゆしき事態になっておると言わなければなりません。
 また、年間国土保全に対する財政負担は、長期計画で計画額が十四兆一千九百億円、実施額では九兆二千七百十四億円でございます。今年度の災害対策関係予算を見ますと三兆二千八百二十一億円でございまして、長期計画と治山治水、急傾斜地土砂崩壊対策事業、海岸保全事業等の長期計画、五年刻みでありますから、これらの予算を一年分に直しまして、長期とこの災害関係のことし分三兆二千八百二十一億円を足しますと、驚くなかれ、年間五兆一千三百六十四億円となるわけでございます。
 これらのものは極めてゆゆしき問題でございまして、しっかりした地方の農山村の健全さ、農林業の振興というものを図っていけば、これはこのような災害大国、あるいは世界一、国家存立の基盤を守るために国土保全の経費がかかる国にはならなかったわけでございまして、この点について、国土庁、農水省、建設省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#317
○国務大臣(中山正暉君) お説のように、この東京あたりで宇宙を時速千三百六十キロぐらいのスピードで走っておりますけれども、公転を入れますと秒速二十九キロと言われておりますし、日本の下にはフィリピン・プレートとか北米プレートとかそれから太平洋プレートというのが、マグマが国のこの下に、ユーラシア大陸の固定した地盤の中に潜り込むものでございますから、大変地震それから災害、特に日本は六千八百五十二の島でできておりますから、その海岸線はアフリカよりも長い、世界第三位の海岸線の国でございますので、先生御指摘のような災害に対する対応というのが大変重要な国政の役割になってまいると思います、治山治水。
 そういう意味で、国土庁、ことしは四千六百三十六億の予算を組んでおりますが、いわゆる国土デザイン、二十一世紀の国土グランドデザインというものでこれからの自然災害にどんなふうに備えるか。国土庁の責任といいますのは、自然災害に備える対応でございまして、事故災害をまた統括する役割も持っておりますので、そんな意味で十分注意をしながら対応してまいりたい、かように考えております。
#318
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 治山事業は、森林の維持造成を通じ、国民の生命、財産を守る国土保全事業として重要な役割を担っております。
 また、事業を効率的かつ効果的に実施するため、これまでも関係省庁との連携事業に積極的に取り組んでいるところでありますが、平成十二年度におきましても、建設省の砂防関係事業と連携し、市町村の行政区域を越えた流域単位で総合的な流れに災害防止対策を実施するなど連携事業を行う予定であります。
 今後とも、関係省庁と連携し、行政区画を越えた総合的な国土保全対策に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
#319
○上杉光弘君 国土庁。
#320
○委員長(倉田寛之君) 建設大臣、国土庁長官兼務ですので、先ほど御答弁申し上げましたが。よろしゅうございましょうか。
#321
○上杉光弘君 言うなれば、今、WTOの場でも多面的な農林業の機能というものは国際的にも認知をされるところまで行きました。さらにまた、議員連盟もできまして対応が動き出しておるところでございますし、せんだっては農協青年部が世界各国にこういうものを訴えようという、国土保全、農林業が持つ多面的な機能と役割というものについての対応も動き出しておるところでございます。
 特に我が国は、地方が果たしておる役割の中にこの農林水産業を中心にした多面的な機能というものがあるわけでございまして、それを国民が正しく理解、認識をし、評価し、そして、ばらまき予算だ、あるいはむだな予算を使っておると言われないような、地方の立派な社会資本の整備や公共事業というものが受け入れられ、進められるようにしなければならぬと思っておるわけでございまして、その点については、御答弁いただきましたとおり、強くひとつお願いをいたしておきたいと思います。
 それから、通告はございませんでしたが、最近にわかに、台湾の李総統がおやめになった後、幼稚園から大学まで我が国で学ばれた、一度も足を踏み入れていない我が日本国でありますから、ぜひ日本にお伺いしたいという御意向があるやにお伺いをし、また国会議員の中にも、あるいは首長さんの中にもそのような対応があるわけでございまして、最後にそういうことについて、そうなった場合、仮定において御答弁は難しいかもしれないが、外務大臣、一言最後にお聞きをしておきたいと思います。
#322
○国務大臣(河野洋平君) 突然のお尋ねでございまして、私どもにはまだ今お話しのような御意向は伝わってきておりません、承知をいたしておりません。したがいまして、御答弁は控えさせていただきたいと存じます。
 本来、我が国は日中共同声明の精神というものを守りながら今日まで来ているわけでございまして、そうした精神を踏まえて我々は考えていかなければならぬと、こう思っております。
#323
○上杉光弘君 突然で申しわけなかったと思うんですが、一九四五年でございますか、戦勝国の外相会議があった後、蒋介石総統が演説をされました。その中に、恨みに徳をもって報いるという名言を吐かれたわけでございます。また、戦争における賠償を放棄し、そして戦勝国における分割統治を放棄されて、それが我が国の今日の発展につながっておるという思い等も私は強く胸に今感じておるわけでございまして、そうした意味から、日本国で学ばれ、そして日本をこよなく愛しておられる李総統のお気持ちがひしひしと伝わるような気もいたします。
 いろいろとお考えになることが外相としてもあろうと思いますが、強くその点は私どもも感じておるわけでございますから、その点を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
#324
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。長谷川道郎君。
#325
○長谷川道郎君 自由民主党の長谷川道郎でございます。
 私も、新潟県の選出でございますので、冒頭、新潟県警問題についてお伺いをいたします。
 本件は、少女誘拐事件が発端となった事件であります。私もちょうど同じ年ごろの娘を一人持っております。私がもしも御両親の立場だったらと思うと、まさに胸の張り裂けるような思いがいたすわけであります。もちろん、国家公安委員会、警察の中立性、公正性ということは重要な問題でありますが、その問題と、しかし国民の気持ちが離れていれば、私はどこかでやっぱり検討をしなければならない問題であると思うんです。
 警察庁長官、おいでになりますかどうか。その時点でマージャンをしていたなんということは全く言語道断の話であります。そのマージャンの図書券、ぜひひとつ任意提出をしていただきまして、参考までに私に見せていただきたい。警察庁長官にお願い申し上げます。
 大変な国民の怒りを買った事件でありますが、懲戒免職をせよというような話まであるわけであります。きょうこの質疑をやっておりまして、けさからの流れで、公安委員会並びに警察庁で何か動きがございましたら御説明をお願い申し上げます。
#326
○国務大臣(保利耕輔君) 午前中の質疑の中で、明日の定例の国家公安委員会において国会での御審議の状況について私から御報告をするということを申し上げました。その段取りで今準備を進めておりまして、なお、国会での報告でありますから、私自身が出席をした方がいいと思いますので、定例の会議を十時からやりまして、委員会が終わりました段階で私が出席をしてさらに詳しくお話をするという手はずを進めております。
 なお、これは国会での御審議を正確に御報告するという意味でありまして、決定したものを覆すということは極めて困難であると思っております。
#327
○長谷川道郎君 組織の状況、法律上の問題、大変難しい問題でありますが、これにて一件落着というわけにはまいらないというのが国民の世論であり、私どもの気持ちであるわけです。どうかひとつ納得できる解決といいますか、方針をお示しいただきたいというふうに思うわけであります。
 総理、一問だけお伺いさせていただきます。
 私は、今国会の総理の施政方針演説で、どうしても耳について離れない一節がございます。総理が、医療、年金、介護制度について総合的な検討が求められているとおっしゃった節でございます。私の理解が正しければ、大変革命的なすばらしい御提案だと思うんです。この意味するところを総理にお伺いし、かつ厚生大臣、御見解がございましたらお伺いいたしたいと存じます。
#328
○国務大臣(小渕恵三君) 社会保障制度は国民生活に安定や安心をもたらすセーフティーネットでありまして、私の掲げる安心への挑戦のためにも、その安定的な構築が国政の重要課題の一つであると認識をいたしております。
 今後、少子高齢化の進展によりまして社会保障に係る給付と負担の増大が予想されており、とりわけ、いわゆる団塊の世代の人々がやがて高齢世代の仲間入りをすることを考えますと、社会保障構造のあり方についての検討が急がれるゆえんであり、私は、最後の検討機会との思いで、先般有識者会議を設置し、横断的な観点からの検討をお願いいたしておるところであります。
 私といたしましては、検討に当たりまして、従来の審議会等での議論の枠を超え、年金、医療、介護など、制度横断的に、かつ給付と負担を一体的に議論するなど、税制など関連する諸制度も含め総合的に論じていきたいと考えており、有識者のメンバーの方々からも同様の認識をいただいておるところでありまして、第一回のこの会議でそれぞれ委員の皆さんから自由に御発言いただきましたが、年金、医療、介護など一括して取り扱うことの意義は大変大きいと。自分はこれまで税調をやってきたが、税と社会保険負担を別々に扱っていた、両方まとめて議論する場がなかったことで一面しか扱えなかった、その意味ではこの会議は大いにいいことであるという意見もありました。
 なお、私は、この問題につきまして、特に社会保障の将来に不安を感じておられるいわゆる若い世代を念頭に置いて議論を進めていく必要があると考えられることから、会議の運営に当たりましても、特に若い世代の方々に参加いただく工夫をしていきたいと考えております。
 今後、精力的に議論を深めていただくことを大いに期待いたしているところであり、こうした議論を踏まえ、将来にわたり安定的、効率的な社会保障制度の構築に全力で取り組んでまいりたいと考えておりますが、今ほど申し述べましたように、現在も年金法改正を本院で御審議いただいておるわけでございますが、厚生省におきましても、それぞれの問題について審議会は別々にありまして、それぞれの結論を出す。
 しかし、総合的になりますと、その財源の問題はまた大蔵省でいろいろ財源問題も論じられるということでありまして、それぞれがそれぞれに解決をせられておられる時代はまだしも、私としては、これはある意味では最後の、本当にこうしたことを総合的に決着しないと一つ一つの問題解決だけでは相済まぬ時代に来ておるんじゃないか、こう考えております。
 橋本前総理はその道の専門でございまして、社会保障改革を六大改革の一つとして取り上げております。
 正直申し上げますと、しばしばここでも御議論になりましたが、私はどちらかというと郵政、電気通信ということが専門でございまして、社会保障は必ずしも深いかかわり合いを、三十七年の国会議員の中で社労委員会に一度も籍を置かなかったという意味では、反省もいたしておりますけれども、しかしこの身になって見ますると、今一番重要な問題は、このことを総合的に解決しなければならないぎりぎりの段階に来ている。医療費の問題も含めまして、そういうことでせっかくのこの審議会を大いに活用して、将来にわたる考え方を取りまとめ、これを実行していく責務を負っておるのではないか、この思いを新たにいたしておるところでございます。
#329
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、年金、医療、介護など社会保障に要する費用は年間およそ六十九兆円に達しております。これらの費用は国民が相互に助け合うために出し合っている保険料を中心にいたしまして公費を出しておる、こういう仕組みでございますが、これが、今総理からもお話がございましたように、いわゆるピーク時の二〇二五年には二百三十兆円になるんじゃないか、こういうことでございます。
 そういう中で、今豊かさの中の不安の時代だと、こう言われております。つまり、自分たちが年をとったときに果たして年金がもらえるだろうか、それからいわゆる国民皆保険と言われておりますけれども、これが維持できるだろうか、こういう問題があるわけでございます。そういうことで、総理の諮問機関といたしまして有識者懇談会を設けまして、その中でこれから御議論をいただくわけでございますが、強いて私、突然の御質問でございますから、個人的な見解としてさせていただきますならば、国民の皆さん方が一番御心配していることは、やはり年金の問題ではないか。
 つまり、今お年寄りの中で年金で生活をしている方は六割から七割に達しておるわけでございますけれども、特に現役世代の皆さん方が、自分たちが、例えば六十五歳になったとき、自分たちの年金は果たして要するに保障できるだろうか、こういうような問題があるわけでございまして、私は、年金を中軸にして、そして老人医療のあり方、そして介護保険のあり方、こういうような問題を総合的に、これまでどちらか、反省を込めて申しますならば、ばらばらにどちらかというと議論されてきた嫌いがあるわけでございますから、総理のリーダーシップのもとに総合的に検討いたしまして、まさに老後が安心して過ごせるような社会体制をつくっていく、これがねらいでございます。
#330
○長谷川道郎君 総理、御専門でないにもかかわらず、私は大変すばらしい御提案、私が感じたとおりのすばらしい御提案だと思うんです。効率化、国民サービスという点からも保健、医療は一元的、統合的に扱われなければならないと思うわけであります。ぜひそういう御見解でお進めをいただきたいと存じます。
 続きまして、経済企画庁長官。実は各大臣にですが、私の質問は明日の予定でございましたのでラフな質問通告しかしておりませんもので、ちょっと飛び飛びになるかもわかりませんが、お許しをいただきます。
 経済観測と国民の実感の乖離の問題であります。
 もちろん、経済観測というのは、科学の公式や定理と違って実験したり証明したりすることが難しい、ましてや人間の気持ちが入るわけです。しかし、新聞の世論調査によりますと、政府の緩やかな、穏やかなという景気回復の宣言が実感と違うという答えが七〇%もあるという結果が出ておりました。この実感の乖離というのがどこにありますでしょうか、まずお伺いいたします。
#331
○国務大臣(堺屋太一君) 二つ理由があると思います。
 第一は、私たちが申しておりますのは、やはりあの一昨年の後半、大変デフレスパイラルの危険なところから上昇してきた、だからどん底から上がってきたこの緩やかな上がりカーブのことを言っておりますが、現在なお、我々も申し上げておりますけれども、厳しい状況にある。一般に世論調査をいたしますと、この現在の厳しさ、そういうことが一つ言われるんじゃないかということが第一であります。
 もう一つは、先ほどもちょっと申し上げさせていただきましたけれども、ボーナスが少ないとかあるいはリストラが進むとかいうような消費の面での厳しさ、これを世論調査でいいますと強く感じられる方が多い。私どもの方は、企業の業績であるとかあるいは生産の状況であるとかいろんな面を加えて見ておりますので、実感よりややいいのじゃないか。
 ただ、委員御指摘の新聞の世論調査はやや私たちも驚くほど厳しいのでございまして、私たちの景気ウオッチャーの方から見ますとそれほど大きな格差がございませんし、二、三カ月後というのは楽観的な方がややいい、五〇で、真ん中のところを五一・一という数字が出ておりますので、ちょっと調査によっていろいろ差があるんじゃないかとも思っております。
#332
○長谷川道郎君 次に、政府参考人で結構ですが、平成十一年度並びに十二年度の経済見通し、特に物価の見通しをどういうふうに予測されていらっしゃるのか、御説明をお願い申し上げます。
#333
○国務大臣(堺屋太一君) 政府委員じゃなしに、私が答えます。
 物価でございますけれども、GDPのデフレーターで申しますと、国内卸売物価はマイナス〇・一、そして消費者物価はプラス〇・三ぐらい、こういう非常に小さな動きと見ております。去年、十一年度は卸売物価がマイナス一・〇、消費者物価がマイナス〇・三でございました。これに比べて動きが小さくなっておりますのは、原油の動き、為替の動き、それから国内の需給の動き、そういうところを勘案したことでございます。
#334
○長谷川道郎君 物価の下落とGDP、これは小学校、中学の教科書に書いてあるようなことでありますが、改めてお伺いいたしますが、物価の下落はGDPにどういうふうに反映しますか。
#335
○国務大臣(堺屋太一君) GDPと言うときに、実質と名目とございます。名目はそのときの物価をそのまま積み上げたものですから、物価が下がると小さくなる、物価が上がると大きくなります。実質はデフレーターという調整をかけるんですけれども、そのデフレーターが卸売物価と消費者物価の間ぐらいにあるものですから、卸売物価が非常に上がっているときにはデフレーターが緩いような感じがしたり、いろんな実感との違いは出てまいります。
 そういう二種類をつくっておる、実質と名目と二種類をつくっておるということであります。
#336
○長谷川道郎君 今このようなことをお伺いいたしましたのは、理論的には経済成長がゼロであっても物価が五%下がれば経済成長は五%あるわけであります。この十一年、十二年の経済見通しでも、それぞれ、名目は〇・四、実質で〇・六アップというような、いわば何といいますか、物価が下がれば経済が成長するというのは初めての経験になる、初めてといいますか、昭和七、八年にはございました。昭和七、八年にはあれだけ大不況で物価がどんどん下がった。ところが、成長率は一五%も上がっています、昭和八年。今同じような状況で、物価が下がれば経済が成長するという恐らく初めての経験というか近年珍しい経験を我々やっているわけでありますが、これは成長率を上げ底したとは言いませんけれども、実際そういう計算になっている。これは日本経済の流通構造を含めて構造的に変化をしたということなのか、それとも上げ底なのかという点で、まずお伺いいたします。
#337
○国務大臣(堺屋太一君) 浅学にして昭和七年の実質GDPちょっと今覚えておりませんけれども、近年物価が下がりました。それに伴って一緒にGDP、実質でも下がったんですが、ことしはプラスになりそうだ、そうすると物価が下がってプラスになる、こういう状況でございます。
 この理由は二つございまして、八〇年代の末から為替がどんどん上がって円高になった。このことによって輸入物価、特に原材料が下がったことによる卸売物価の安定、これがずっと続いてまいりました。そこへ、ここへ来まして賃金が上がらなくなって、むしろ卸売物価の値下がりが消費者物価にそのまま反映されてきた。
 今、ゼロ金利が大変話題になっておりますけれども、そういう意味では、七〇年代とは逆に今は預金が目ぶえするというんですか、目減りの逆の目ぶえするような状況になっております。これは事業の方からいいますと、原材料を買って製品をつくると値下がりしている、その間に値下がりしているということで、非常に景気にとってはやりにくい状況だということも指摘されております。
#338
○長谷川道郎君 すべての指数が下押し圧力が強い、ダウンサイジングの中でボトムアップを図るということは非常に難しいわけです。今この状況の中で、さっき構造改革の話が出ましたが、このダウンサイジングの中で経済成長を図りかつ財政構造改革をやれるということであれば、私はノーベル経済学賞をもらえると思うんです。それほど難しい状況であると思うんです。
 経済企画庁長官、最後にインフレターゲット論、これは新聞でありますが、日銀です。しっぽが犬を振り回しているという御発言があった。御存じないでしょうか。インフレターゲット論については、量的な金融緩和は外国からは非常にしきりに迫られているわけです。自由民主党の中でもインフレターゲット論について今議論が高まっているところでありますが、インフレターゲット論について長官はいかがお考えでございますか。
#339
○国務大臣(堺屋太一君) 秘書官が統計を持ってきてくれましたので見ますと、昭和六年には名目で九・六%物価が下がりまして、実質で二・九%上がったと、これが物価が下がって上がった一番大きな例のようでございます。この統計上によると、そういうことでございます。
 さて、御質問のインフレターゲットでございますが、インフレターゲットという言葉は元来物価が上昇するときにそれを一定に抑えるという方に使われておりまして、下がるのを押し上げるというのに使われた例は余りないんです。ところが、アメリカの有名な経済学者が日本に対して、インフレターゲットを設けて物価を上げろ、そのためには金融をどんどん供給して金余り状態にすれば物価は上がるんだと、こういう議論を展開しております。しかしながら、果たしてお金を、どんどん資金供給量をふやせば本当に物価が上がるんだろうか。
 物価が上がるときには二種類ございまして、一つはディマンドプル、需要が多くて引っ張り上げられる。どんどんお金を供給したら、金利が今ゼロの状態でまだ余るようにしたら本当に上がるんだろうかということにはかなり学界でも疑問を呈する向きもありますし、実業界でも疑問を呈する向きが多いようです。そして、もう一つのコストプッシュインフレ。これは無理やりコストが上がるようにする、何かに税金をかけるとかいうような形にすれば上がるわけでございますが、これは極めて国民生活に悪影響を与えてマイナスだろうと。
 したがいまして、私は、インフレターゲット論、アメリカの学者が言うようなインフレターゲット論というのはこの場合とるべきでないし、やや非現実的ではないか、こう判断しております。
#340
○長谷川道郎君 長官のお考えはわかりました。
 今、自由民主党の中でもこの議論がございまして、極めて魅力的な政策であるというような意見もあるわけです。
 日銀総裁、ありがとうございました。
 日銀政策会合の中でもインフレターゲット論が議論されているというのは私も承知をいたしております。政策会合の中での議論の経緯、それから日銀がお考えになるインフレターゲットというのはどういう場面であるのか、またそれに対して日銀の御見解はいかなるものか、お聞かせをいただきたいと思います。
#341
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 委員のおっしゃいますように、今内外にインフレターゲットということが騒がしくなってきておるわけですけれども、一般にインフレターゲティングと呼ばれるものの中に、私、大きく分けて二つの考え方があるように思います。
 まず一つ目は、やや高目にインフレ率を上げまして、目標を上げて、それを達成するためには何をやってもいいというようなものであります。そうした手法はいわゆる調整インフレ論に属するものだというふうに私どもは考えておりまして、これは絶対にとり得ないと思っております。
 もう一つは、物価の安定に向けた中央銀行の強い決意を示して政策運営の透明性を高めるといった意味のインフレターゲティングということも言われております。私どもの中でもこっちの方の議論はときどき議論の対象になっております。
 このような考え方については、これまでの決定会合でも議論が出て討議をしたところですが、そうした意味のインフレターゲティングというのは、国民にとって望ましい物価の安定という状況をある物価指標の特定の数値であらわすことができるのか、この点がなかなか技術的にも難しい問題であります。
 これだけ技術革新や流通革命が急テンポで進んでおりますときに、物価のとらえ方自体、これまで以上に難しくなってきていると思うんです。製造コストが下がったり流通革命で非常に物が安くなってきて物価が下がっていくこともあるわけで、一概に物価が下がることはデフレで悪いことだとは言えない面があるように思います。
 こういう問題をよく考えませんと、大義名分は物価安定であっても中身は調整インフレ論にもなりかねないということもあるわけで、もちろん物価の安定の意味とか、そのときどきの金融政策の考え方などについてできるだけわかりやすく私どもの考え方を国民にお示ししていくということは日本銀行の重要な使命であると認識しております。
 そうした透明性向上の観点からの検討というのは、各方面からの御意見にも耳を傾けながら、今後とも私どもの中で続けてまいりたいと思っております。
#342
○長谷川道郎君 ちょっと残念ながら私がそれについてしゃべると時間がなくなりますので、引き続き日銀総裁にお伺いさせていただきます。
 海外の金融財政当局から、日本は為替市場に介入した際の資金を回収せず流動化させる、非不胎化をとるべきだという、しきりにそういう声があります。これについて日銀の御見解をお伺いいたします。
#343
○参考人(速水優君) 為替介入をいたしましたときに、円が円売りであれば市場にまかれるわけでございまして、そういうものを金融政策の対象にどう扱うかという議論だと思うんですが、不胎化しない、すなわち非不胎化介入、為替介入額の分だけ日本銀行の資金供給額を拡大させる手法というふうに理解いたしますと、それが意味を持つのは金利が低下する場合でありまして、今私どものやっておりますゼロ金利政策のもとでは、不胎化しない介入と不胎化介入とは効果に差はございません。これ以上下げられないわけです、下がっていかないわけですから。
 日本銀行は、さまざまな資金の流れをすべて勘案して金融調節を行っているわけでございまして、為替介入資金だけを取り出してこれを吸収するとかしないとかいう議論には現状では意味がないと思っております。
 全体として、資金供給額という意味では、日本銀行はゼロ金利政策のもとで通常の為替介入額をはるかに上回るような潤沢な資金を供給いたしております。
#344
○長谷川道郎君 今、先ほど申し上げたような極めて難しい状況であるわけです。また、景気上昇、回復の手段というのは極めて限定的に、限られた条件になってきているということで、経済企画庁長官、日銀総裁にお伺いいたしたわけでありますが、残念ながら時間がございません。
 最後に一問、金融再生委員長にお伺いいたします。
 長銀、日債銀の売却のスキームが決まりました。このスキームについて御説明をいただき、かつリップルウッドに長銀を売却するということ、四兆五千億も投入した銀行を十億で売る、これが果たして、私、理屈ではわかりますよ、理屈ではわかるけれども気持ちではわからぬということでありますが、明確なメッセージをお伝えいただきたいと思います。
#345
○国務大臣(谷垣禎一君) 短い時間で要領よく御説明できるかどうか自信がないんですが、この話は要するに、二年前のあのときの緊迫感というのがやっぱり記憶にありますとすとんと胃の腑に落ちるんですが、あれを忘れてしまいますとなかなかこれはどうなんだという話になるんじゃないかなと、私は結局はそういうことのような気がいたします。
 そして、きのうも衆議院の大蔵委員会の方でもいろいろ御議論がありまして、宮澤大蔵大臣が当時のことを回想されながら、いろいろ信託銀行と合併をさせて何とか生かしていくというような処理の仕方も当時はあったんだと。しかし、国会の御議論の中で、やはりこれは与党、野党、いろいろな御議論の中で新しい法律の枠組みがつくられまして、そして特別公的管理という中で一度やっぱり破綻処理をしながら新しい、何というんでしょうか再生をさせて売り主を見つけていく、こういう手法をとったわけですね。
 今、金額のことを言われましたけれども、それを十億で売るというのは大変いかにも安いのではないかと。これは、このうちの三・六兆というのはやはり穴埋めで出しておりますけれども、私はこれは売り主がだれであった場合でもこういう処理の仕方をすれば三・六兆はかかったんだろうと思います。私も今までの処理の経過、ここへ参りまして一生懸命今フォローして勉強している最中でございます。
 人間のやることでございますから、この三・六兆というのがもう一二〇%知恵を集めたものであるかどうかということは、これはわかりません。わかりませんが、まあまあいろいろその買い手も率直に言えば、たくさんあって、どうもいいお婿さんを選ぶのに余りお婿のなり手があり過ぎて困ったという話でも私はないんだろうと思うんです。
 そこで、この三・六兆を投入するというのは、この仕組みの中で私はまあまあよくやったんじゃないかなと、実はきょうから出発するわけでありますけれども、そういうふうに思います。ですから、日本国民にとって、日本国にとって、今回のこの長銀がきょうから新しく出発をした意味はどういうことなのかといろいろ考えてみますと、それは、新生長銀というものが革新的な経営で日本の金融秩序に一種の刺激を及ぼしていくとか、いろいろな説明があると思いますが、要するに二年前を振り返って考えてみると、これだけの大きな銀行が倒産するというのは人類の経験で初めてなわけでありますから、その中でそれを日本発の世界金融恐慌にしないで今日まで持ってきて、おかげさまで金融秩序も安定を取り戻しつつあるということなのではないか、委員のお気持ちに合うかどうかわかりませんが、私はおおむねこのように理解をいたしております。
#346
○長谷川道郎君 私も理屈では理解をもちろんしております。ただ、四兆五千億、六千億という公費を投入し、それを外国の銀行に売っていいんですかと言われますと、それはまあというか、残念ながらと答えざるを得ない。もちろん理屈ではわかっていることではありますが、これを気持ちで納得させるにはやっぱりメッセージだと思うんです。
 十五年前、イギリスのビッグバンのときサッチャー総理が明確なメッセージを国民に送った。それと、委員長が今度新しく御就任でございます。国民に対してこの問題がこうだという明確なメッセージをお送りいただき、納得できるようにしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#347
○委員長(倉田寛之君) 以上で岡野裕君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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