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2000/03/02 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第3号
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2000/03/02 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第3号

#1
第147回国会 予算委員会 第3号
平成十二年三月二日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月一日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     仲道 俊哉君
     小川 敏夫君     浅尾慶一郎君
     松 あきら君     白浜 一良君
     入澤  肇君     泉  信也君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     白浜 一良君     松 あきら君
     小池  晃君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                市川 一朗君
                大野つや子君
                釜本 邦茂君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                仲道 俊哉君
                浅尾慶一郎君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                竹村 泰子君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                本田 良一君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                松 あきら君
                山本  保君
                須藤美也子君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                清水 澄子君
                三重野栄子君
                泉  信也君
                高橋 令則君
                奥村 展三君
                松岡滿壽男君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法務大臣     臼井日出男君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
       労働大臣     牧野 隆守君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       青木 幹雄君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       外務政務次官   東  祥三君
       大蔵政務次官   林  芳正君
       文部政務次官   河村 建夫君
       厚生政務次官   大野由利子君
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       運輸政務次官   鈴木 政二君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
       自治政務次官   橘 康太郎君
       総理府政務次官  長峯  基君
       総務政務次官   持永 和見君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
       経済企画政務次
       官        小池百合子君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       沖縄開発政務次
       官        白保 台一君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    中島 忠能君
       内閣法制局長官  津野  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       総務庁行政監察
       局長       東田 親司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、質疑を行います。白浜一良君。
#3
○白浜一良君 公明党・改革クラブの白浜一良でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本題に入る前に、総理に一つお伺いしたいんですが、二月六日に大阪の知事選がございまして、総理にもお忙しいところ応援に来ていただきましたが、日本で初めて女性知事が誕生したわけでございますが、このことに関しまして若干所感を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(小渕恵三君) 地方自治体におきましては副知事さんでは何人か大変御活躍されておられる方がおりますが、まさにトップとなられた方に、初めて日本で女性知事が誕生したということはまことに画期的なことだろうと思いますが、画期的であることがある意味ではいけないのかもしれません。もっとどんどんと進出をされて活躍をされていただきたいと思いますし、また大阪は日本にとって第二の大都市でございまして、その都市を、大阪府を率いていかれるということについて手腕、敏腕を振るわれて、今後、女性知事のみならず首長、さらに言うなれば日本のトップを目指していかれるような、その先駆けになっていただければと心から期待を申し上げておるところでございます。
#5
○白浜一良君 もう一つ伺いたいんですが、いよいよ明年、二十一世紀ということでございまして、二十一世紀は女性の時代とも言われておりますが、日本を考えましても女性の能力というのがもっともっと発揮される、そういう社会を築いていかにゃいかぬというのはこれは自明の理でございまして、そういう意味では本院議員の橋本聖子議員も結婚されて懐妊されて、おめでたい話でございますが、本院規則を変更して産休制度を導入したということでございます。社会全体に女性の進出を考えた場合に、やっぱり政治がそのリーダー役を果たさにゃいかぬというように思うわけでございますが、そういう面ではこの国政の場ももっともっとやっぱり女性が活躍できるような、そういう場にしていく必要があろうかと思います、リーダー役として。
 重ねて、そういう時代の流れ、女性の参加ということに関しまして総理の所見を伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(小渕恵三君) 男女共同参画社会の形成に当たりまして、政策、方針決定の過程で共同参画を進めることは重要な課題であると認識をいたしておりまして、男女共同参画社会基本法第五条においてもその旨、基本理念を掲げておるところでございます。
 国政におきましても地方政治におきましても女性の参画は重要であると認識しておりまして、国会における女性議員の割合も増加いたしてきております。また、昨年の統一地方選挙におきまして、全体として女性の当選者が大幅に増加いたし、さらに先ほどのお話のように、二月に大阪府におきまして太田房江さんが女性として全国初めての都道府県知事に就任いたしたところでございます。二十一世紀に向けまして、政治、経済、社会などあらゆる分野において女性の参画が一層進むよう、その環境整備に引き続き努力してまいりたいと考えております。
 政治における女性の進出というものにつきましては、本来的には自然的に女性がそうした議員職並びに、地方自治団体におきましてもそうでありますが、トップの地位を占めて御活躍されるということが望ましいわけでありますが、なかなかもっていろんな要件が整いかねるということであります。環境整備については最善を努めておるわけでございますが、なかなか日本の社会構造、今日までやはりかなり因習といいますか、女性は家庭に男性は職場にという印象がぬぐい切れない中でのことでございますので、よほどの努力もいたしていかなきゃならないのではないかというふうに考えております。
 ちなみに、女性の政治進出等につきましては、隣の韓国では、さきの政治関係法改正におきまして、各政党がつくる比例代表候補者の名簿は三〇%以上は女性にすることを義務づけるというような形で法的な義務づけをするところもございます。いろいろ各国状況は違うかと思いますが、自然的に活躍をされておられるというようなところは、例えばイギリスはかつてサッチャー首相もそうでありますし、ニュージーランドの首相もかわりましたけれども、いずれも与野党候補者が女性であったというようなところもございますし、北欧では既に大統領その他あられるわけでございますので、我が国におきましても、今日の大阪府知事を一つの契機にいたしまして、ますます進出されることを期待いたしますと同時に、環境の整備をしていかなきゃならないのではないか、かく考えておる次第でございます。
#7
○白浜一良君 ありがとうございました。
 それでは、昨日もいろいろ議論されておりますが、警察の不祥事につきまして若干質疑をしたいと思うんです。
 当然、社会の秩序を維持するために警察は存在しているわけでございますし、その前提が、国民の信頼がなければ務まらない、当然でございます。そういう面で、あってはならない事件が起こったわけでございますし、まして十歳の女の子が監禁されている、そういう事件のさなかにこういう事件があったということで、ルールに従って対応したということでございますが、国民の理解はそれでは納得できないわけでございます。
 公安委員長、昨日もいろいろ議論されておりますが、当然そういう事件の背景があって国民の怒りがあるわけでございます。この国民の厳しい、処分は甘いという声に対して、国家公安委員長として国民の声にどうこたえていくか、もう一度決意を伺いたいと思います。
#8
○国務大臣(保利耕輔君) 昨日もいろいろと御答弁をさせていただいたわけでありますが、今回の件は、私が着任以来、神奈川県警におきますいろいろな一連の不祥事に対してあらゆる対策を警察組織挙げてやろうということで、私自身も中に入っていろいろ手を打ってきているそのさなかに、警察の新たな問題として新潟の問題が提起されました。これは、今お話しのように、少女が監禁をされ、長い間自由の身を奪われておった、ある意味では殺人よりも残酷な姿であったということを考えましたときに、大変警察としての対応が極めて不適切であったということを私自身大変腹立たしく思っておるところでございます。
 今回の処分につきましては、国家公安委員会の中でいろいろ御論議をいただきまして、さきに発表した処分のことにいたしましたが、両者とも引責辞職ということになっております。そうした中で、実は昨日、いろいろ御議論をいただきまして、その模様というのはきょうの公安委員会にお示しをして、私からも御説明をするという段取りになっておりますけれども、そういう設定を既にしております。
 こうした中、昨夜九時過ぎでございましたでしょうか、警察庁長官から私のところへ電話で御連絡がございまして、小林、中田の両名から退職金については受け取りを御辞退申し上げますという旨の申し入れがあったところであります。いわば、退職金請求権の放棄と申しましょうか、そういう申し入れがあったということであります。
 私も、この連絡を受けまして、両名が国民からの批判を真摯に受けとめてみずからの責任をこのような形であらわしたことに対しては、やったことは遺憾千万であり言語道断なことでありますけれども、本人たちが責任を感じてくれたということで幾分かの救いは私自身感じたところであります。
 再度申し上げますが、昨晩、私のところにそのような、両名から退職金については辞退をするという申し入れがあったことをもう一度つけ加えさせていただきます。
#9
○白浜一良君 今初めて昨晩の御両名の退職金辞退の話を伺いましたが、公安委員長、そのときお二人からいろんな心情的な吐露はございましたか。何かもしお話があったらお聞かせ願いたいんですが。
#10
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、昨日の電話のままでありますけれども、両名からおおむねこのような、次のような意思の表明があったと連絡を受けました。
 このたびは、私どもの極めて不適切な行動により、国民の皆様や日夜地道に活動している警察職員の皆様、そして信頼回復のため必死に努力をされている国家公安委員会委員長及び委員ほか関係者の皆様に多大な御迷惑をおかけし、まことに申しわけなく存じております。国民の皆様の厳しい御批判やお怒りは当然のことと受けとめ、ここに退職金を辞退するとともに、心からおわびを申し上げます、という旨の心情の吐露があったと承知をいたしております。
#11
○白浜一良君 もう一点確認したいんですけれども、今その心情のお話をされましたが、これは報告を聞かれてどう思われましたか。何か警察庁がそういうふうに言わせたのか、本人が本当にそういう国民の声を真摯に受けとめておっしゃったのか、警察庁から何かの働きがあったのか。その辺はどういうことになっていますか。
#12
○国務大臣(保利耕輔君) この点は、国会での御論議、それから国民からのいろいろな御批判、国家公安委員会が設けましたホームページにももう数百通の御意見が寄せられております。そうしたことを背景に、警察庁の方から、こういう国民の声があるよということを両名に伝えて、その結果、両名から自発的に退職金の受け取りについて辞退したい旨の申し出があったと、このように承知をいたしております。
#13
○白浜一良君 当然、引責辞職されているわけですから、それが退職金なんかもらうんかという国民の厳しい声を受けとめられたんでしょう。
 官房長官、この件、一貫して国民の理解が得づらい内容だと発言されてこられましたが、今、公安委員長のお話を伺って、重ねてどう総括的に受けとめていらっしゃいますか。
#14
○国務大臣(青木幹雄君) 私が先般衆議院の予算委員会で申し上げたことは、官房長官としてではなくて、私の個人の見解として今の不祥事に対しては許しがたきものがある、また処分についてはそんな生ぬるいものはないと、そういうことを申し上げたわけでございまして、そういう気持ちは私は今も変わりません。しかし、政府としてはこれに対してとやかく言う立場でございませんので、当事者の皆さんの判断で私はそれでよかろうと、そういうふうに考えております。
#15
○白浜一良君 総理、これは大変政治に中立でなければならないと、警察が、公安委員会制度ができているのですが、こういう事件の経緯を見まして、要するにそういう警察庁内の人事のあり方、それからいわゆる監察のあり方、それから公安委員会、県にも国にもございますが、そのあり方、いろいろ問われている問題があるわけですね。これをきちんとやっぱり今後の問題として検討していくべきじゃないか、これは当然の話だと思うんですが、これ総括的にどうでしょうか、総理のお考えは。
#16
○国務大臣(小渕恵三君) 昨日もこの件については私の考え方を申し述べたところでございますけれども、今般の事案につきましてはまことに言語道断なことで弁解の余地のないことだというふうに認識をいたしております。
 そのことに対する処分の問題等につきましても、ただいま官房長官が個人的な見解と申し上げたわけでございますけれども、恐らくこのことはある意味で国民の多くの方々が思いをひとしくすることではないかということにおきまして、いかなる対処をいたすべきかということは私自身も苦慮し、いろいろ悩むことも多かったわけでありまして、したがって当日にも官房長官としてその処分のあり方等につきまして鳩首協議をいたしましたけれども、これも既に御承知のように、国家公安委員会の制度というものがございまして、直接的に内閣としてその人事あるいは賞罰について指示をするということは許されない立場になっておるわけであります。
 私、すべからく経過を勉強しているわけではありませんけれども、やはりこれは戦前のいろいろ警察権力に対して中央の内閣総理大臣初め内閣の種々の指示が直接的にわたりまして、そのことがやはり多くの問題を引き起こしたということの反省の上に立って、戦後こうした制度が取り入れられたのだろうと思います。取り入れられる中で、いささか内閣としては、率直に言えば極めて神経質に、憶病に、このことはいいことだったと思いますけれども、今問題については国家公安委員会の中で、内閣総理大臣が任命することではありますけれども、自主的に、公安委員が国会で承認をされるという重要な人事であるということにかんがみまして、その国家公安委員会における措置ということにお任せをすると言っていいのかわかりませんが、そこにすべてゆだねることが望ましいという形であったわけでありまして、そのことがいささかなりともある種の、警察という組織が、その城が城として他の制肘を浴びることが少ないという誤解をされたとし、かつ国家公安委員会における今回のこの判断もそうでありますが、国民的視野で考えますとどうであったかということをいろいろと考えさせられる今回の事案じゃなかったか、こう考えております。
 今の段階で私がこの制度改革を申し上げることはまことにちゅうちょすることではありますが、昨日も国家公安委員長が申されておりますように、この委員会そのものにつきまして国会でのいろいろな御議論がこうして出されておるわけでございますから、こうした国会での御議論等を通じまして、よりよい、民主的に、国民に信頼され、そして二十数万の警察官は営々として職務に精励をして国家の治安を守るために身を粉にして努力をしておる、この信頼が瓦解するようなことが今回のことであってはならぬということから考えますと、率直に、真剣に今日までとってまいりました制度につきましてもやはり思いを新たに検討すべき時期ではないか、こういう気がいたしております。
#17
○白浜一良君 それぞれまた国会は国会でいろいろ議論が続くと思いますが、しっかりやってまいりたい、このように思うわけでございます。
 さて、小渕総理が誕生されまして、金融不安克服から一貫して日本経済の新生ということで御努力されてまいりまして、まだ予断を許しませんが、株価もやっと二万円を上回るぐらいのところまで参ったわけでございまして、きょうはそういう面で、日本の経済の活性化という点で一つの角度、いわゆる新しい産業をどうつくっていくか、企業をどうつくっていくかという観点、そこに絞って若干議論をしたいと思うんです。
 というのは、雇用を考えましても、また経済の成長を考えましても、どうしても新しい産業、新しい企業がどんどん起こっていくということがまず一番大事であるわけでございまして、そういう面でいわゆる企業の開業率と廃業率、これは経済成長期からバブル以降の停滞期、どのような形になっていますか、ちょっと御報告いただけますか。
#18
○国務大臣(深谷隆司君) 五〇年代当初のころの開業率というのは大変高いものがありました。ところが、近年非常に下がってまいりまして、廃業率の方が上になってしまった。今ある数字でいきますと、廃業率が三・二%、創業率が二・七%、これではどうしても活力がわいてこない。アメリカの今日の景気回復の状況を見ると、常に廃業率を超えて創業率があるということがエネルギーになっていると思います。したがって、今日の状態をどうしても乗り切るためには、開業率をふやす、創業率をふやすということが大変大事だと思います。
#19
○白浜一良君 それで、いわゆる企業を起こしていくという意味で、いろんな観点があるということを思いますが、私は日本の産業を支える柱が三つあると思うんです。
 一つは、その資金供給をどうできるか、事業を起こす場合。そこの手当てがどうあるかということが一つでございます。二つ目は、日本は資源がないわけで、やっぱり科学技術を世界に冠たるものにしていかなきゃいけない。でないと産業も事業も生まれないわけでございます。三つ目は、日本は物すごく技能がすぐれているわけで、物をつくるためには、科学技術といったってそれは製品にしなければ産業にならないわけで、その物をつくる技能というのは大変すぐれたものがあるわけで、この三つがそろわなければいけない、日本における産業というのは。
 まず、その資金供給をどうするか。創業する起業家にアンケートをとりましたら、これは中小企業庁の統計でもそうですが、一番何で困るかというのはやっぱり資金供給なんですね。これが八〇・六%、アンケートに出ております。
 そういう意味で、この十二年度予算というのは随分配慮されている面がある。エンジェル税制の拡充とかワラント債の引き受けとかございますが、ちょっとこの辺を説明していただけますか。
#20
○国務大臣(深谷隆司君) おっしゃるとおり、新しい事業を起こす場合の問題点はたくさんありますけれども、一つは資金面が大きいです。それから二つ目はやっぱり人材面、三つ目はノウハウといいましょうか、これらのものが総合されて用意されませんと新しい企業というのは生まれてまいりません。
 そこで、既に委員御指摘のように各般の政策を立てさせていただきましたが、その中で例えば創業に関して申し上げれば、今までは創業という、つまり不安定な部分に対する貸し出しというのはなかなか容易でなかったんですが、マル経などにおいてもいわゆる無担保無保証で貸し出すという資金など、これは五百五十万でございますが、これらを創業の場合にも使わせていただくようになりました。
 また、今御指摘のエンジェル税制、これはアメリカでは大変盛んでございますが、一つの新しいベンチャー企業でも何でも生まれようとするときに、みんながお金をそれぞれ出し合って協力する。新しい事業ですからリスクも非常に多いんですけれども、その覚悟の上で出す。その場合に、出しやすいような税制を行うということでエンジェル税制というのは生きているわけですが、我が国もエンジェル税制というのが既に発足はしているんですけれども、損をしたときに税の方でお世話しますよということですから、これは呼びかける場合も非常に呼びかけにくいんですね。ぜひこの新しい事業にお金を出してください、損したときは税でちゃんと配慮しますからというのではだめでございますから、今度はいわゆる利益を得たときにその利益の四分の一に課税をするというふうな、つまり利益を得たときに税の方で手当てをするというようなそんな仕組みなどもつくらせていただきましたから、そういう意味ではこのエンジェル税制などは生かされていくのではないだろうかというふうに思います。
 いずれにしても、新しいものをつくり出すということは常に危険性は伴いますけれども、そのことを恐れていたのではだめでありますから、できる限りの融資の支援体制というのはつくるべきだと思い、そのように進めていきたいと考えます。
#21
○白浜一良君 そのほかにもワラント債の引き受け、中小企業金融公庫が社債を引き受けるというのもあるんですが、もう時間がないのでそのぐらいにしておきます。
 ただ、いろんな、平成十二年度予算も総理の御意向を受けて配慮されているわけでございますが、しかしちょっとだけ過去を検証します。エンジェル税制が最初できたのは、平成九年の六月から創設されておりますが、二年半たつんですが、先ほど深谷大臣がおっしゃったキャピタルロスの相殺なんですけれども、これは実際、件数はどれだけございましたか。
#22
○国務大臣(深谷隆司君) 今手持ちにありませんが、非常に少のうございました。
#23
○白浜一良君 私、言います。
 これ、総理、なかなかいい制度なんです、エンジェル税制。六十九人、二年半で。せっかく配慮した政策でも、やってみたら二年半たって六十九人しかないということで、十二年度からこれはキャピタルロス三年間相殺するということなんですが、キャピタルゲインのいわゆる課税を二分の一から四分の一に下げる、今お話があったように。これも大きな前進なんですけれども、せっかく制度をつくって余り利用されていないというんじゃこれは話にならないわけで、そこで大蔵大臣に。
 これを利用しやすいようにするためには、問題はキャピタルロスの相殺といいましても、キャピタルゲインに対する相殺なんですね。個人の所得全体から引くわけじゃないわけで、いわゆる通常所得に対する損益通算すべきじゃないかという、これはかねてから議論がございますが、もっと使いやすいものにしないとそういうところに資金供給されないという要素があると思うんですが、ちょっとお考えを伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(宮澤喜一君) これからの日本経済の問題として、新しく業を起こすその創業という問題をお取り上げになられましたことは私は非常な御見識だと思います。とにかく日本人はリスクをとりたくないと言われている国民でございますから、どうしてもそれを直していかなきゃならぬと思いますが、政府も昨年そういうことで臨時国会を中小企業国会と銘打って、確かにおっしゃいますように金融でも税制でもかなりの新しい施策を出しました。
 その中で今お話しのキャピタルロスのお話でございますが、エンジェル税制の特例を確かに今までやってきましたが、それは、キャピタルロスを生じた場合にそれを何年間か繰り越して計算ができるというにとどまっておりましたものを、キャピタルゲインがありました場合にその課税を軽減する。それは今おっしゃいましたように半分にするということでございますから、創業者利益なら半分になりますのでいわば四分の一になる、それはかなりの思い切りだと私ども思っています。
 そこで、今おっしゃいましたことは、キャピタルゲインがあった場合に、あるいはキャピタルロスがあった場合に、それをその他の所得と通算するしないという問題でございます。
 これは白浜委員がよく御存じでございますのでくどくは申しませんが、今の所得税の体系の中で、これは御存じのように総合課税で累進ということになっております。その例外として幾つかのものをその外に置いております。利子所得もそうでございますし、殊にキャピタルゲイン、株によるもの、あるいは土地によるもの、譲渡所得も外に置いてございます。これは概して累進という高い税率から切りまして、フラットの税率なりなんなり、余り累進のかからないような課税をして優遇しているわけでございますので、そこで、こっち側にロスが出ましたときにこっち側の所得と通算いたしますと、それは今度は高い累進の税率を巻き込むということになります。
 つまり、表現は悪うございますが、税を取る側から言えば、利益が生じたときも分離して低い課税をしておりますと言っておきながら、損が出たときには今度高い累進税率の対象になるものと通算いたしますといいますと、取るものを取らないのみならず取れるものを取らない、こういうことになりますから、分類所得の基本のところで、どうしてもそこのところのいわば説明がつかないと申し上げたのがいいのかもしれません。そんなことをするぐらいなら、むしろキャピタルゲインの方をずっと小さくするということの方が私はまだいいんじゃないか。
 ちょっとこだわるようなのでございますけれども、私はベンチャーキャピタルのためには大抵のことはすべきだという考えでおるのでございますけれども、その他の所得との通算だけは、どうも分類所得税の建前からいってうまく説明ができないというのが正直のところでございます。
#25
○白浜一良君 それは所得課税のあり方の問題になるので、大臣がおっしゃったとおり私もよく理解しております。せっかく配慮されてもなかなか実効性がないというので、所得課税そのものを総合課税にしなければ標準化されないということもあるので、きょうはそのことを議論する場じゃないので、問題の指摘だけで終わりたいと思います。
 それから、二点目に申し上げました科学技術を振興するということで、これは十二年度予算はどのぐらい力を入れた予算になっているか、ちょっと御報告いただけますか。
#26
○国務大臣(深谷隆司君) 科学技術を振興させていくために小渕総理も大変力を入れておりますが、具体的に申しますと、国立研究所の基礎的研究資金、これは四十五億円、前年度三十七億からは少しふえました。それから、新規産業創出型産業科学技術研究開発制度、これは二十六億円から三百十五億円と大きく伸ばしております。
#27
○白浜一良君 本当はもっと政府全体の規模を聞きたかったんですが、もういいです。力を入れられているというのは実績があるわけで、その中で私ひとつ問題を指摘したいのは、特許の問題なんです。
 特許合戦になって、特許をとられてしまうといわゆる使用料を払わないかぬということで、そういう面では日本の特許政策の実態を見ますと、基本特許が大変少ない、応用特許が多くて。この辺も、もう少し政策的な誘導政策をとらなければ欧米社会に負けてしまうということがあるんですが、この点はお考えございますか。
#28
○国務大臣(深谷隆司君) いろんな研究が進んで、例えばバイオの研究で遺伝子の組みかえ等々が発明されますと、それが限りなくいろんな特許に広がっていくんですが、その一番もとになる特許をとれるかとれないかで将来が決まるという、そういう意味合いから委員の御指摘はまことに正しいと思います。
 ですから、我が国としては、できるだけ基本的な特許をとれるような研究開発を行うと同時に、この特許は国際的なかかわりを持つものでありますから、国際的な特許の制度の明確化とかルールの基本などをきちっとしていくということを我が国も訴えていかなきゃなりませんが、今、日米欧の特許庁長官会議等が行われまして、具体的なその作業に入っております。ですから、我が国もこのような流れにおくれないように国際的な視野に立って特許のあり方を考えていく、確立していくべきだと思います。
#29
○白浜一良君 そのとおりなんですが、それにしては、日本の特許の受理件数と処理件数の実態を見ましたら、随分いっぱいたまっておりまして、もっとどんどん特許をとらなければ、もう欧米社会の方にもっとしたたかにやられてしまいますよ。これ、どうですか。もうどんどんたまっていますよ。
#30
○国務大臣(深谷隆司君) 委員御指摘のように、特許を審査請求して、かつては六十万件ぐらい滞貨がありました。それを昨今ずっと切り詰めまして、ようやく滞貨が三十万件ぐらい、半減したわけです。大体一年に審査請求の来るのが二十一万件ぐらい、今処理能力が二十三万件ぐらいですから、そういう意味でいくと、この残っている分の消化ということを考えるとまだまだ十年ぐらいかかります。
 ただ、今全力を挙げて機械化とかあらゆる迅速化に向けて努力をしておりますので、大分変わってくるであろうとは思いますが、今度、来年秋以降に審査請求期間が従来の七年から三年になるというので、この点で非常に多くの心配が残っております。
 しかし、いずれにしても、ただいま申し上げたようなあらゆる手だてで、例えば機械化の推進とか新規性等の判断のための先行事例の調査とか、いろんな審査の過程での簡素化、迅速化を図っていくということで、ぜひこの特許についても効果が上がるようにしていきたいと思っています。
 前から比べると滞貨は半分に減りましたが、まだまだ十分ではありません。
#31
○白浜一良君 私が言いたいのは、役所の世界で頑張っているとかそういうのじゃなしに、国際競争をしているわけで、そういった面での先駆的な施策が要るということを私は言っているわけです。
 もう一つ、最近の傾向としてビジネスモデル特許というのがあるんです。商売の仕方そのもののソフトをつくってそれの特許をとる。これもアメリカなんかはどんどんやっているわけでございますが、この辺も日本の施策にないんです。これ、どうですか、このことに関して。
#32
○国務大臣(深谷隆司君) 従来、ビジネスの方法についての特許というのは本当に考えられなかったのでありますが、今はコンピューター、インターネットを通じて取引をするとか、そういう世界が始まりまして、これらのインターネットやコンピューターを介在とするビジネスについての方法に関する特許というのが大分アメリカなんかでも進んでまいりました。これは、日本でも早急に対応していかなきゃならないというので、通産省としてはこの問題に取り組んでおります。
#33
○白浜一良君 本当はどう取り組んでいるかということを伺いたいんですが、堺屋長官、この辺よく御存じなので、ちょっと所見があればお聞かせ願いたいんですが。
#34
○国務大臣(堺屋太一君) これは全く新しい概念でございまして、商売、ビジネスのやり方自体が一つの著作権のような形になりまして特許をとれるんです。
 今、日本でそういう習慣がございませんから、この特許の審査、申請、どういう範囲が新しいものでどういう範囲が古いものか、このノウハウのつくり方などいろいろと研究しているところでございます。これを余り広範囲にしますと、他の人の参入をとめますから、このバランスが非常に難しい。こういう点を通産省、特許庁で御研究していただいているんだと思います。
#35
○白浜一良君 このぐらいにしておきます。
 大事なことなんで、これは一つの企業にこういう負担をかけても大変なんですね。かといって、日本の商習慣だけでやっているとどんどんそういう特許をとられてしまって、そういう特許料を払えというような、そういう国際紛争にもなりかねない問題があるので、私は若干取り上げて、万全な対応をしてほしいということで申し上げたわけでございます。
 それから、ちょっと時間がないので、物づくりやめます。物づくりも大変なんですが、やめます。
 テーマを変えまして、循環型社会。
 これは、私どもが連立政権に入るときに、循環型社会を築くべきだと、資源にも限りがございますし、廃棄物も処理できる容量というのは決まっているわけでございまして、循環型の社会にすべきだということで、それで三党合意の中にも明確に入ってございます。
 施政方針演説の中でも総理が御発言いただいております。十二年度を循環型社会元年として取り組んでいこうということでございまして、十二年度予算にもこの関連の予算が各省庁いろいろちりばめられて入っていると思いますが、大蔵大臣、どのぐらいこの関係の予算が組まれておりますか。
#36
○国務大臣(宮澤喜一君) 循環型社会、循環を基調とする経済社会という意識は、私どもも予算編成の際に大事なこととして持っておりまして、御承知のように、いわゆる経済新生政策あるいはミレニアム等々におきましても、こういう問題を取り上げております。
 御審査いただいております十二年度予算におきまして、循環を基調とする経済社会の実現に関係をいたしております予算は二兆六千億円、一般会計で一兆九千六百七十三億円というふうに計算いたしております。かなり大きなものでございます。
#37
○白浜一良君 これは、私どもが連立政権に参加しまして、一つの大きな成果といいますか前進の結果だと、このように認識しているわけでございます。
 それで、この法律をつくろうということで今与党三党間で協議が進められているわけでございますが、詳細は調整に任せたいと思いますが、きょうは総理、大きな方向づけだけちょっと御意見伺いたいなと。いろいろ難しい問題ございます。省庁の関係もございますし、三党間の意見の相違もございますし、それはそれとして大きな流れ、方向づけだけちょっとお考えを伺いたいんです。
 これ省庁の意見に任すとばらばらになってしまいますので、閣法か議員立法かという形式は抜きにして、やっぱり政治主導でこの法律をつくっていくべきだというふうに思うわけでございますが、まずこの点はいかがでしょうか。
#38
○国務大臣(小渕恵三君) 廃棄物リサイクル対策の推進は我が国における喫緊の課題であると深く認識をいたしております。与党三党政策合意におきましても、この観点から今国会における法案提出をうたっております。このため、政府としては、来年度を循環型社会元年と位置づけ、今国会に循環型社会の構築に関する基本的取り組みとなる法案を提出する所存でございます。
 法案にいかなる措置を盛り込むべきかにつきましては、与党内で活発な議論をベースに、与党、政府が連携して検討を進めていると承知をいたしております。種々御議論があろうかと思いますが、私としては、与党、政府一体となりまして循環型社会元年にふさわしい法案を取りまとめたいと考えております。
 お尋ねにもありましたが、私自身も今般の施政方針演説であえてこの循環型社会元年、こういう言葉を使わせていただいております。そういう意味で、喫緊の課題として取り組み、一日も早くこれが成案を得て、その実現方を推進していかなければならぬと考えております。
 政治主導と、こうおっしゃられますので、もとより政治の大きな責任を負っておる政府、また私といたしましても全力でその方向に向かって大いに加勢をしていかなければならないということを考えておりますが、本件は既に公明党におきましても長い間御検討いただいておる問題でございます。同時にまた、自民党あるいは自由党におきましても熱心にお取り組みいただいております。ぜひ私といたしましては、そうした検討が一日も早く結実をし、そして法案の形は別といたしましても世に対して元年としてのスタートを切れるようにということで、私なりに努力をいたしてまいりたいと考えております。
#39
○白浜一良君 総理の指導力のもとで進めてまいりたいと思うわけでございます。
 もう少し角度を変えまして、やっぱり循環型社会というんですから、基本理念は基本理念といたしまして、特段日本の企業を縛りつけるとかそういうことじゃなしに、長いスパンで見て時代の流れという観点から、何らかのいわゆる実効性のあるそういう法案づくりをしていかなきゃならない、このように思うわけでございますが、この点に関してはいかがでしょうか。
#40
○国務大臣(小渕恵三君) 基本的御趣旨はよく理解しておるつもりでございますけれども、やはり三党におきましても万般にわたりまして今後この元年を期してスタートさせるに当たりましては、今後このサイクルを順調に日本の社会経済がこれを受け入れていくようなことにならなければならぬということで、恐らく今PTその他で十分検討されておるんだろうと思います。ぜひ一日も早くおまとめをいただいてスタートを切れるようにということで私なりの指導性を発揮する努力をいたしてまいりたいというふうに思っております。
#41
○国務大臣(清水嘉与子君) 公明党の方からたくさんの御提言をいただいていることも十分承知しております。
 しかし、今廃棄物リサイクルの対策につきましては非常に緊急を要することでございまして、政府といたしましてはまずそこに焦点を当てまして基本的な枠組みとなる法制定をしたいというふうに考えているわけでございまして、各省庁が今非常にこの機運が盛り上がりまして関連法案を幾つか出しておりますもので、それとの関連もございまして、ぜひ枠組み法をきちんとつくりたいというふうに考えているところでございます。
#42
○白浜一良君 それではテーマを変えまして、財政難ということもございまして、やっぱり行政のむだがあってはならないという、これも大きなテーマであるわけでございます。
 それにちょっと関連して、過日ニュース番組で、私どもが提案した、そして政府に実行していただいた地域振興券でございますが、全く消費効果なんかはなかったんだというような一方的な報道をされたんですが、経企庁長官、これ本当に経済学的に一遍きちっと述べてください。
#43
○国務大臣(堺屋太一君) 地域振興券の経済効果だけを摘出してみるということは結構難しいことでございますけれども、一応私たちの調査によりますと、六千百九十四億円が交付されました、それで新しい需要効果として二千二十五億円があった、こういうことを昨年の八月六日に発表しております。その後の調査でもう少し多かったというので二千三十二億円に訂正しておりますが、それで大体〇・一%ぐらい経済を押し上げた、こういうマクロ的な効果として言われております。
 二つ違った視点がございまして、一つは、全体として見ますと、この地域振興券が発行された九九年の一月から六月の間、一番使われたと思う、このときの消費需要は高いんですね、全体として。これは地域振興券がどの程度きいたのか、景気の循環がどうだったのか、マクロで見るとわかりませんが、とにかく当時の消費を活気づけたということはあったような気がいたします。
 それから二番目に、今度はミクロで見まして、私もあのテレビを見ましたけれども、あのテレビで撮ったところは非常に少ないという商店街の答えでございましたが、逆に非常に高かったという商店街もございます。だから、地域の使い方あるいはその地域の条件等々によって差があるんだろうと思うんですけれども、少なくとも幾つかの、かなりの場所でイベントを誘発したりして、初めて、珍しいということもありまして、地域的効果は、地域振興券の名のとおり地域的効果はあったんじゃなかったかと認識しております。
#44
○白浜一良君 これは、平成九年に九兆円の国民負担がふえた、それで個人消費が落ち込んだと。それで二兆円の特別減税をやったんですが、なかなか消費が上向かなかったと。要するに減税するんだったら消費が少しでも上向くように、消費に関連づけるようにということで商品券というのがあったわけでございまして、だから七千億円使って二千億かと。
 じゃ七千億減税した、七千億減税措置をしたということとこの商品券を出したという、これは比較するのは大変難しいかもわかりませんが、普通、消費効果としてどうですか。
#45
○国務大臣(堺屋太一君) これまた大変難しい御質問でございまして、消費に色がございませんので、こちらを商品券で使った分、ほかの現金を使うのをやめたかどうかという、こういう調査になりますと非常に主観的なんですね。
 一番低い方の数字では、減税効果は一般に九五年モデルで〇・四一と言われておりますのが〇・三八しかなかったという数字もあります。それから、場所によっては、いや、地域振興券と同時にイベントをやったから売り上げがふえたんだという調査もございます。だから、最初のことであったという効果もございまして、どちらがどちらとは一言に言えませんけれども、かなりの地域では期待された効果があったんだろうと思っております。(発言する者あり)
#46
○白浜一良君 ちょっと黙っていてください。
 ああいう時代背景の中で、少しでも消費喚起につながればいいということであって、あれはあれの時代背景の中でやったわけですから、一方的に間違った見解を示されるのは困るということで、長官の御意見を伺ったわけでございます。
 それで、話題は変わりますが、公共事業がすべて悪いというような何か一方的なイメージづけがあるんですが、公共事業といったって必要な事業はせにゃいかぬわけでございます、社会資本整備という観点で。
 それで、具体例で、十二年度予算でちょっと伺いたいんですが、例えばいわゆる都市部の交通渋滞、これも大変深刻でございますから、ここに重点配分をしようという流れもございまして、これは予算的にどうなっていますか。
#47
○国務大臣(中山正暉君) お答えを申し上げたいと思います。
 建設省の予算、六兆六千六百八十七億、来年度組んでおりまして、特に交通渋滞、ロンドンやパリは環状道路が皆ありますが、日本の三大都市圏は環状道路が全くありませんで、大体五十三億時間のロスがある。国民一人、大体一年に二晩、二泊ぐらい車の中で泊まっていただいているような勘定になりますし、経済効果として十二兆円ぐらいの損失がある、かように言われておりますので、私どもの務めというのは、国民の生活基盤をつくる、それから国家の治山治水の基盤をつくる、それから道路とか、特に高規格幹線道路は一万四千キロのうちで七千七百三十七キロしかまだございませんで、四三%の進捗率しかございません。これを早くいたしませんと経済の活性化につながっていかないということで、公共投資罪悪論のようなものがありますが、これは河川、道路、それから公園、特に先生も私も大阪でございますが、日本で一番公園面積一人当たり少ないのが大阪、住宅の広さも大阪が一番小さいと言われておりますから、それを経済活性化のためには公共投資、特に事業費を入れますと二十六兆ぐらいになると思いますが、そういう計画で都合のいい使いやすい国土形成、私は国土庁長官もやっておりますので、そういう意味での両々相まった公共投資は必要かと、かように考えております。
 また、直轄河川、百九ございます。急峻な山とそれから急流、日本人は滝を見るのが好きでございますが、滝が多いということはいかに急峻な川が多いかと。ヨーロッパの川は、フランスを例えますと、フランスは十本ぐらいしか川はございませんが、日本は百九本もありますので、そういう意味での国土基盤形成というのは、先ほどからお話のあります経済進展のために大変必要な基本的な国家政策だと思っております。
#48
○白浜一良君 いや、私は交通渋滞だけ聞いたんですが、総論的な公共事業のお話をされました。
 では、運輸省に聞きますが、運輸省も十二年度予算で交通機関のバリアフリー化ということに随分力を入れられております。これも随分力の入った予算になっておると伺っておりますが、どうなっておりますか。
#49
○国務大臣(二階俊博君) お答えします。
 交通機関のバリアフリー化は、もう御承知のとおり高齢化社会、そして同時に身体に御不自由な方々、またさらに妊産婦の方々の交通のバリアフリー化を図るために、今後十年間にわたって国、地方、交通関係の事業者等の協力を得て交通バリアフリー化の推進を図ってまいりたいと思っております。
 予算につきましては、ことし、平成十二年度、百億円を計上いたしております。そして、同時に国、地方合わせての補助率は六六%ということで大幅に補助率のアップを図っております。ノンステップバス等の購入等にそうしたことも活用できるようにいたしております。
#50
○白浜一良君 次は建設省に伺いますが、公営住宅のエレベーター、中層ですか、三階から五階、これも大変大事なことなんですが、これ予算化はどうなっていますか。
#51
○国務大臣(中山正暉君) 公営住宅、今いわゆるユニバーサルデザインと申しますか、先ほどからお話のありました高齢者、それから妊産婦、子供、そういうものにも適用するために、平成十年度実績で公団・公営住宅合わせて六千戸のエレベーター設置を実施いたしておりますが、本年もこれからいわゆる簡易エレベーターと申しますか、そういうものをつけまして、今これをつくってもらうためのいろいろな手だてをいたしておりますが、なかなか公営住宅の負担がふえるものでございますから、六百万円ぐらいの軽便なものを住宅に敷設するための施策をとってまいりたい、かように考えておりまして、公営住宅、大臣折衝で一万一千戸、大蔵大臣にお願いいたしまして最後は一万五千戸にしていただくことになっております。
 なかなか、まだエレベーターを外側につけるというような形の改良をしてまいりますので、これができるだけ入っていらっしゃる方の家賃その他に負担がかかりませんように配慮いたしたいと思っております。
#52
○白浜一良君 時間がないので、本当はもう少しいろいろやりたいんですが。
 それで、総務庁長官、結局、政策評価制度を取り入れることになっておりますが、やっぱり行政にむだがあってはならないという、国民から見た場合厳しい眼があるわけで、そういう観点での施策が大事だと思いますが、どのようになってございますか。
#53
○国務大臣(続訓弘君) お尋ねのように、限られた財源の中で効率的な事業を推進するためには、政策評価が欠かせないものでございます。そのために私どもは、七人の委員の先生方に御意見を伺いながら、二月に中間のまとめをいただきました。その中間のまとめを発表させていただきまして、その意見に基づきまして六月中に今度は具体的な最終のまとめをいただく。それらを受けまして私どもの中に、かねて衆参両院の附帯決議もございました、政策評価を実施して、そして法制化をしなさいという附帯決議もございました。その附帯決議を真摯に受けとめまして、それぞれの今申し上げたような民間の有識者の結論を踏まえながら、各省にガイドライン等々の方策をお願い申し上げながら具体的な法制化を進めていく。その法制化も、なるべく早く衆参両院の御議決を踏まえながら検討してまいる、こういう仕組みにしてございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#54
○白浜一良君 ちょっと重ねて、これは事前、それから事業中、事後という三段階の評価があろうかと思いますが、やっぱり国民がわかりやすいように、そのプロセス全体をわかるようなそういう制度にすべきだと、これはもっともな話なんですが、この点はいかがですか。
#55
○国務大臣(続訓弘君) 七人の先生方の御意見も、まさに白浜議員の御指摘と同じように、事前、そして途中、そして事後の政策評価をきっちりやりなさい、同時にデータも全部公開しなさい、そして国民の眼の中で議論していただくようなそういうオープンにしていただく、それが行政に課せられた責任だと、こういうふうな御指摘もございます。それらを踏まえながら、今御指摘のような方途で政策評価をさせていただきます。
#56
○白浜一良君 あと一つだけ伺いたいんですが、昨年度予算案成立前に、経済がもう大変だということで緊急採用奨学金制度ができました。親が失業したという方の御子息に対して奨学金制度を特別にやろうということで、一万人の枠でスタートしたんですが、今どのぐらい受給されていますか。
#57
○国務大臣(中曽根弘文君) この制度は、景気の低迷等によりまして保護者の方が失職をされたり、あるいは会社が倒産されたりしまして家計の状況が急変し、そしてそのお子さんたちが勉強を続けていくために緊急の奨学金が必要な場合に奨学金を与えるというものでございまして、平成十一年度、委員のお話のとおり、昨年から創設されました。一万人の枠がありますけれども、十二年一月現在で二千七百六十人となっております。
#58
○白浜一良君 これ結局、総理、ほんまにいい制度ができたんですよ。でも実際、一万人の枠で二千七百人しか実施されていない。知らないんですね。高校生、専門学校、大学生、途中学校をやめざるを得ない人もいるんですよ。せっかくいい制度ができたのに利用されていない。
 だから、文部大臣、政府の広報もそうだし、自治体もきちっと広報しなさいと。これもう一段、せっかくいい制度がもっと使われるように、せっかくつくった制度を使いやすいようにということで努力が必要だと思うんですが、私はそれを最後に伺って、私の質問を終わります。
#59
○国務大臣(中曽根弘文君) 私もこの制度によって多くの学生さんが勉学が続けられるということは本当にいいことだと思っております。
 この制度は昨年からできたわけでありますけれども、創設時の昨年三月には日本育英会から全国の学校やあるいは育英会の支部に対しましてこの趣旨を説明し、また八月と十二月にも活用の促進について通知を発出したところでございます。あるいは育英会のホームページまたは文部省も文部広報で宣伝をしておりますが、残念ながら今御説明申し上げましたような数字になっております。
 総理府の広報でというお話でございますけれども、四月上旬を目途に、総理府とそういう広報をやれないかどうか今検討しているところでございます。ぜひこの制度を多くの方に知っていただいて、学生さんに利用していただきたいと思っております。
#60
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。山本保君。
#61
○山本保君 公明党・改革クラブの山本保です。
 私は、今、国民の皆様が一番関心を持っております社会保障の制度について、基本的な考え方について少し議論をしたいと思います。
 日本は世界一のお年寄りの国になるわけでありますけれども、小渕総理、これについて、この将来像、どのような考え方を今持っておられるのか、教えていただきたいと思います。
#62
○国務大臣(小渕恵三君) 日本の人口が二〇〇七年をピークに減少していくということは、少子化の現象のあらわれだと思いますが、一方では高齢化社会が、ますます多くのお年寄りがふえてくるわけでございますが、したがってそれに対する、生涯、生きてこられた方々の老後も含めて、安定した生活を保障していかなきゃならない。そういう意味で、今回の介護保険もそうでありますが、あらゆる施策が高齢者対策ということにかなり絞られてきておるのがこの社会保障制度の一つの大きな特色ではないか、こう認識をいたしております。
#63
○山本保君 高齢者対策が基本になるということでございますが、私、いささか福祉の方をやってまいりましたので、少し総理とお話をしたいんです。
 これまで高齢者にいたしましても、その生活保障というときに、例えば年金は年金だけ、介護は介護だけ、教育は教育だけ、ばらばらになっておるわけです。ですから、現金給付をどうするのかといったときに、それだけの小さな枠だけで考えている。
 二点申し上げたい。
 一つは、こういう総合的な生活全体をどのようにカバーするのか、応援するのかという視点でありまして、もう一点は、これは実は福祉に特に今まで顕著だったんですが、今介護のこともおっしゃいましたけれども、これまでの福祉の考え方、福祉政策というのは、例えば介護でいえば、お年寄り、要介護の方が何百万人になる、だからこうしなければならないんだと。いつも後から追っかけていく。例えば元気で楽しく生活しているお年寄りをどれぐらいにしようかという政策目標を持って進めるということは今まで皆無だったんです。
 最近、ゴールドプラン21というところで厚生省が九割のお年寄りを元気にしようという数字を出されました。私、こういう見方というのは大変重要だと思うんですけれども、総理、もう一言これについてお話しください。
#64
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま総理の方から、これからの高齢者像について御答弁があったわけでございます。
 この四月から介護保険制度がスタートいたします。これは寝たきりのお年寄りに対する支援を差し伸べよう、こういうような考え方に立つものでございますが、委員御指摘のような、その一方でいわゆるヤング・オールド作戦というのは、二十一世紀に向けて活力のある、そして自立した高齢者をいかにしてふやしていくかという、大変重要なことではないか、こう考えているような次第でございます。
 高齢者の健康づくりであるとか、あるいは介護予防であるとか、さらに社会的連帯を積極的に進めるものでございますけれども、このゴールドプラン21の中にも、関連いたしましてお互いに国民の皆さん方お一人お一人が支え合って、そして補い合って、温かい地域づくりを進めていく、こういうようなことを盛り込ませていただいているところでございます。
#65
○山本保君 では次に、そうなりますと、お年寄りの生活、特に住環境の整備というのが最も重要になってくると思います。
 建設省ではどういう施策を進めておりますか。
#66
○国務大臣(中山正暉君) バリアフリー化ということで、高齢者に対しましては、これを推進するために平成十二年度では公営住宅三万七千戸、公団賃貸住宅一万二千五百戸を計画いたしておりますが、これに対しましては住宅金融公庫の融資、金利の優遇、貸付額の増額、それからまた新設の住宅をバリアフリー化いたしまして、既設の住宅に対しましても改善の実施をいたし、それからまた民間の土地所有者に対する高齢者向けの優良賃貸住宅の整備の促進をいたしております。
 十二年度の予算におきまして、公営住宅、先ほど申しました三万七千戸、それから公団賃貸住宅一万二千五百戸、高齢者向けの優良賃貸住宅、これを先ほども白浜先生に御答弁申し上げましたが一万五千戸ということで計画しております。
#67
○山本保君 厚生省はどういう対策をとっておられますか。
#68
○国務大臣(丹羽雄哉君) 住環境というのは大変重要な問題である、こう考えております。
 ちょっと私的なことで恐縮でございますが、私、一月にお暇をちょっといただきましてヨーロッパ、特に介護保険がスタートしたドイツと、そしてお隣のデンマークを見てまいりました。やはりドイツでは在宅を受けやすいような非常に環境が整っておるということでございますし、またデンマークでは在宅介護を支える福祉用具が非常に充実しておる。例えば、簡単な例でございますけれども、食器や手すりなどのちょっとした工夫でお年寄りが自立できる、こういうようなことが大変整っておるわけでございます。
 残念ながら、まだまだ我が国においてはその面が立ちおくれているのではないか、こういう認識を持っておるような次第でございますが、このゴールドプラン21の中においても住環境の問題を取り上げておりますし、積極的に取り組んでいく決意でございます。
#69
○山本保君 厚生大臣にちょっと粗っぽい議論なんですが申し上げたいんです。
 といいますのは、大ざっぱな計算をしますと、建物が、大きな特養ホームが四十年もつとしますと、そんなにもたないかもしれないんですけれども、もつとしますと、一人当たり粗っぽく考えましても二百万円弱のお金が建設費だけで使われているんです。これが二十年ぐらいしかもたなければその倍です。ランニングコストを含めますと、もう大変なお金でございます。
 私、ここで少し発想を転換して、在宅の方の家に公費をきちんとつぎ込む方が大きな建物をつくるよりもいいんじゃないかという気がするんですけれども、大臣、どうでしょうか。
#70
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員も御承知のように、私もかねてから、お年寄りは自分の住みなれた地域で最後を送りたい、こういう願いを持っておるわけでございますので、在宅福祉の充実ということは大変重要でございますが、その一方で、特別養護老人ホームなどに入りたい、施設の待機者でございますが、これが五万人弱現在おるわけでございますので、やはり両方相まってこの点は充実を図っていかなければならない、このように考えているような次第でございます。
 それから、今お話がございましたような点で、在宅サービスを充実させる意味において一番大事なことは、やはりホームヘルパーさんの数をふやすことでございます。これが最近になりまして大変需要がふえてまいりまして、要するに人数で申し上げますと、新ゴールドプランにおいては十七万人でございましたけれども、今度の新しいゴールドプラン21におきましては五年間で三十五万人まで引き上げていく、こういうような大幅な拡充を目指しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも地方自治体の住民のニーズというものを的確につかんで、安心して老後も過ごせるような環境づくりのために取り組んでいきたい、このように考えているような次第でございます。
#71
○山本保君 厚生大臣、それに関連しましてもう一つお聞きしますが、これは以前にも申し上げて、三年間ぐらい一人で言ってきたんですが、今、人のためのそういう福祉事業をやろうと思いますと、一億円のお金と、そしてそれ以上の土地、建物が要るということで、実は全国に一万六千ぐらいの法人しか認められておりません。もっとこれを小さい規模で、地域で本当にホームヘルプなどの仕事をできるようにしたいということでお願いしておるわけですけれども、どういう方針をお持ちでしょうか。
#72
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今後の社会福祉活動のあり方でございますけれども、住民あるいはボランティアであるとかそれからNPOであるとか、こういうさまざまな方々の活躍が期待されるところでございます。こうした中において、いわゆる地域における福祉サービスの基盤の拡充を図っていかなければならない、こういうことで社会福祉事業の改正を準備を進めておるわけでございます。
 具体的には、障害者のための授産施設の利用人員の要件を二十人から十人に引き下げる。それから二番目といたしましては、小規模の授産施設を設置する社会福祉法人などの資産要件を一億円から一気に一千万円程度まで大幅に引き下げる、こういうことでございます。さらに、小規模の授産施設の設置につきましては、これまでは土地建物を自分で取得しなければならない、こういうことでございましたけれども、今度は賃借を認める、こういうことをいたしておるような次第でございます。
 こういうような施策によりまして、より地域に密着した福祉サービスというものがこれから展開される、このように期待をいたしておるところでございます。
#73
○山本保君 ぜひ進めていただきたい。
 また一つ申し上げれば、今までの大きな施設がやっているそのすき間のサービスを小さいところでやってもらおうという発想がどうも見えます。そうではなくて、その地域に住んでいる方の必要なサービスから全体のサービスを積み上げていくという形をぜひとっていただきたいと思います。
 文部大臣にお願いしたいんですが、お聞きします。
 日本のお年寄りは本当に元気で、また勉強も一生懸命やりたいと思っていると思うんです。学校教育の中できちんとお年寄りを、どういうふうに学習の場をつくるのか、これが大事だと思うんですけれども、この辺についてどうですか。
#74
○国務大臣(中曽根弘文君) 近年、社会の生涯学習ニーズというのは非常に高まっておりまして、人々が人生のいろいろな機会にいろいろなところで勉強できると。職業に役立つ教育とか、あるいは学ぶ楽しみ、そういうものが感じられる、そういうような場、機会が多くできるように、そういう環境づくりに努めていかなければならない、そういうふうに思っております。
 そういうような観点から、大学あるいは大学院等におきましては、高齢者や社会人の方々が特別に入学できるような特別選抜、こういう制度を積極的に実施をいたしましたり、あるいはやはり夜間の学部、大学院、それから学生の都合によって昼間、夜間、授業が選択できる昼夜開講制の実施、それから特定の授業科目とかコースだけを履修できる科目等履修生の受け入れ、こういう取り組みが行われているところでありますし、また公開講座とかあるいは各種講習会の実施が行われているところでございます。
 文部省といたしましても、今後とも高齢者を含めた社会人の方々の受け入れの拡大に引き続いて努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
#75
○山本保君 教育改革論はまた改めて行いたいんですけれども、日本の制度の一番の問題は、青年期までのペーパーテストの成績が人生を決めるということだと思います。私は、これはまさにたくさんの優秀な子供が次々と生まれてくるという、こういうものを背景とした制度だと思いますので、ぜひお年寄り、もっと言えば就労している方の教育制度をぜひ充実させていただきたいと思います。
 ここで、今度は働きということでございます。
 お年寄りの雇用というのは、二〇一三年から年金の開始時期も遅くすると決まっているわけでございます。労働省はどういう計画をお持ちでしょうか。
#76
○国務大臣(牧野隆守君) 御承知のとおり、社会保障支給年限の後退、それと定年の問題というのが非常に大きい問題でございまして、私どもとしてはどうしても継続して働いていただきたい、今後人口構成も変わってまいりますし。
 そういう観点から今春闘においていろんな論議がなされておりますが、特に電機・機械産業や繊維産業等、大手企業を中心に六十五歳までの雇用延長についての大枠というものの労使合意が出てきておりまして、こういう真摯な話し合いによりまして雇用延長に向けた努力が図られているということは、今後社会におきまして高年齢者の雇用の安定に大きな効果をもたらす、そういうことで期待をいたしておりますが、労働省として具体的に今何をやっているかと申しますと、一つは定年六十から六十五まで継続して雇用しよう、そういう制度を会社がつくったときには最高千二百五十万円のお金を出しまして、すばらしい制度をつくってください、これが一つ。
 それからもう一つは、現在、六十五まで雇用していただく、こうなった場合には六十歳以降の賃金の最大二五%を、六十でやめたときの賃金の八五%以内の場合には二五%を補助しますよ、こういう制度を現在とっております。
 しかし、これではまだ不十分だという私どもの気持ちから、今高年齢者雇用安定法の改正の御審議をお願いしておりますが、この場合で一番大きい問題は、六十五歳までじゃなくて六十一歳まで、六十二歳までと、このような雇用契約をなさっていただいた場合も、今申しました六十定年のときの最終の給与の八五%未満の月給であるのであれば、それも二五%補てんさせていただこう、こういうことで、各企業が全部いきなり六十五歳までと言わなくても、六十一歳、六十二歳、六十三歳と、今の社会保険制度の変化に応じて継続してぜひ雇用していただきたい、こういう制度をお願いいたしたいと思います。
 もう一つは、六十五を過ぎた方々につきましては、シルバー人材センター、これは非常に評判がよくて、皆さん一週間に二日でも三日でも働きたい、こういう方が生きがいとしているものですから、この事業を取り扱う就業の範囲を拡大いたしまして、元気いっぱい社会生活に復帰いただきたい、こういう改正案をお願いいたしております。
#77
○山本保君 各論をもう一つだけ。
 今の雇用の話からいきましても、新しい生活、お仕事の場としてNPOというのが大変重要だと思います。全国のたくさんの方から、NPO税制についての優遇措置をお願いするという署名もいただいております。大蔵大臣または経企庁長官、この辺についてどうお考えでしょうか。
#78
○国務大臣(宮澤喜一君) NPOの実際にこの行政が始まりましてちょうど一年ぐらいになります。そういう法人格を受けた方々の書類が大体この六月ごろ出てまいります。それを拝見しながら、全国にどれだけのものがあってどういう仕事をしていらっしゃるのかということを拝見して、その上で、この問題は主務官庁というものが御承知のようにないものでございますから、税制の優遇を与えるとすれば国税庁でやることになるのかと思いますが、主務官庁がないのがNPOの値打ちでございますのでちょっとぐあいが悪い、行政上やりにくいことになっておりますけれども、私はしかし、この一年間、世の中のNPOについての感じが大分評価が積極的になってきていますので、できるだけ税制上の特典を差し上げたいと思っておりますが、ほぼ六月に書類が出てまいりますから、そのあたりで判断を進めてまいりたいと思います。
#79
○山本保君 経企庁長官、お願いします、主務官庁。
#80
○国務大臣(堺屋太一君) 主務官庁がないというお話でございまして、このNPOの認定、これは都道府県とそれから二府県以上にまたがるのは経済企画庁でやるということになっておりまして、二月二十五日現在で都道府県部分が千三百三十八、経済企画庁で認証といいますが認証しましたものが百二十一、合わせて一千四百五十九件ございます。
 国民生活審議会等でこういったものの活動状況をいろいろ見ていただきまして、税制その他どういう扱いをするか、発足二年ぐらいで見直すことになっておりますので、その際にいろいろと議論させていただきたいと思っております。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) 主務官庁がないようなことを申し上げまして、申しわけありません。
#82
○山本保君 では最後の質問に移ります。
 お話をいろいろ伺ってきまして、私は、今憲法の問題も議論されておりますので、総理にお聞きしたい。憲法二十五条、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」というこの条文の解釈を、これまでこれは直接個々の国民が具体的権利を持っているんじゃないんだ、プログラム規定だと、有名な規定があるわけです。
 しかし、今お話ありましたように、いろんな選択を認めたり、その主体者としての方法を進めております。この憲法規定といいますか、この条文解釈を変える必要があるんじゃないかと思うんですけれども、総理、いかがでございますか。
#83
○国務大臣(小渕恵三君) 憲法二十五条につきましては、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう国政を運営すべきことを国の責務として宣言したものであり、直接個々の国民に対して具体的な権利を付与したものではないと考えます。具体的な権利は憲法の規定の趣旨を実現するための法的措置によって初めて与えられるとする累次にわたる最高裁の判決があり、政府としてもそのように解しておるところでございます。
 政府としては、憲法第二十五条の趣旨を踏まえ、従来から各種社会保障施策の充実に努めてきたところでありますが、今後の急速な少子高齢化の進展も踏まえ、青少年も働き盛りの世代も老後を暮らす人たちも皆健康で豊かで安心して生活のできる社会をつくるために引き続き全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 委員御指摘のように、いろいろこの二十五条をめぐっての学説は、その他、抽象的権利説あるいは具体的権利説等がありますが、プログラム規定説につきましては、通説、判例によりまして先ほど申し上げましたような答弁とさせていただいておるところでございます。
#84
○政府特別補佐人(津野修君) 総理の答弁のとおりでございますけれども、若干私どもの方から補足をさせていただきたいと存じます。
 憲法二十五条は一項におきまして、御承知のとおり、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」ということで、いわゆる生存権についての規定を置いているわけでございます。
 これにつきましては、先ほど総理からも御説明ありましたが、累次にわたる最高裁判所の判例がございまして、これは昭和二十三年九月二十九日の食糧管理法違反事件判決とか、あるいは昭和四十二年五月二十四日の朝日訴訟判決とか、あるいは昭和五十七年七月七日の堀木訴訟判決というような最高裁の判決がございます。
 これらの判決を通じまして、憲法二十五条第一項は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまっておりまして、直接個々の国民に対しまして具体的権利を付与したものではないということ、それから憲法二十五条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定といいますのは、立法府の幅広い裁量にゆだねられていること、それから第三番目に、その裁量が著しく合理性を欠き、明らかに裁量の逸脱、乱用と見ざるを得ないような場合を除きましては、裁判所が審査、判断するのに適しない事柄であることというようなことを明らかにしているわけでございます。
 先ほど総理から御答弁いただきましたけれども、政府としてもこのような判例を踏まえまして、憲法二十五条はすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したものでありまして、直接個々の国民に具体的権利を付与するものではなく、具体的権利につきましては、憲法の規定の趣旨を実現するための法的措置によって初めて与えられたというべきものであると解してきているところでございます。
 なお、憲法の解釈につきましては、憲法八十一条に基づきまして違憲審査権を有する最高裁判所が最終的な有権解釈を行うものでありまして、判例としてその解釈が示されている場合には政府としても当然これに従うべきものでありまして、これを政府が変更できるというような性格のものではないというふうに考えております。
 以上でございます。
#85
○山本保君 問題提起させていただきました。
 ありがとうございました。
#86
○委員長(倉田寛之君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#87
○委員長(倉田寛之君) 次に、筆坂秀世君の質疑を行います。筆坂秀世君。
#88
○筆坂秀世君 日本共産党を代表して、質問いたします。
 まず、国民の怒りが文字どおり沸騰している警察の不祥事とその後の措置についてただしたいと思います。
 新潟県警に特別監察に入った関東管区警察局長が、監察はしないで任務放棄して、観光地を訪れたり温泉宿でマージャンに興じていたと。いわば空監察をやっていた。それが何の処分もない。あるいは、うその発表をし、捜査の指揮を放棄した新潟県警本部長は減給だけ。私は、これに国民の怒りが沸騰するのは当然だと思う。
 総理は、この措置が正しい措置だった、そして国民の納得を得られる措置だというふうにお考えでしょうか。
#89
○国務大臣(小渕恵三君) 今回の事案は、神奈川県警等の不祥事を踏まえ、全国警察の信頼回復に向けた取り組みが進められている中での県警の最高責任者、これを指揮監督すべき立場にある幹部がその立場をわきまえず、幹部として自覚に欠ける不見識、不適切な行動をとったものであり、弁解の余地もなく、言語道断であると考えております。
 その後の措置につきましては、昨日から国家公安委員長がその経過と考え方について申し述べておるところでございます。私も政治家の一人として申し上げておりますように、今回の事案について国民の怒りがまことに大きいものであるということ、警察の幹部のこうした行動が警察全体の信頼を損ねるものであるということ、こうしたことを考えますと、国の治安を営々として守っておられる警察全体の問題としてゆゆしき問題である、こう考えております。
 なお、処分につきましては、これもしばしば申し上げておりますように、戦後の新憲法下における考え方として、国家公安委員会におきましてこの処分を決定することであり、いたずらに内閣総理大臣がその処分を含めまして警察に対しての指揮、監督、命令を下すことを避けるべきであるという趣旨の公安委員会制度というものが存在いたしております以上は、そこでの判断を受けとめていくということでありますが、なお今回のことを契機に一層警察が国民の信頼をかち得て、職務に精励のできるような体制を整えていかなければならないと考えることは当然のことでございます。
#90
○筆坂秀世君 国民の怒りがおさまっていない、国民は納得していない。これはやはり正しい処置がされなかったからなんですよ。
 本来、国家公安委員会というのは国民の良識を代表する機関、つまり国民の良識、常識に照らして判断する機関なわけです。そういう組織なわけですよ。それが国民の常識から外れたことをやっている。そして、警察庁長官もそういう判断を下したし、そして国家公安委員会も国家公安委員長もそれをいわば了とした。
 警察庁長官官房が編集した「警察法解説」では、国家公安委員会というのは国民の良識を代表して民主的な管理をするというふうにあります。国家公安委員長というのは国家公安委員会の会務を総理する、つまり一切国家公安委員長が発言しちゃいけない、これは当然のことですけれども、そんなことはどこでも決めていない。あるいは「警察学論集」によれば、国家公安委員長、これは国務大臣だ。国務大臣がなぜ加わるのか、それは国家的な考え方を公安委員会にきちっと反映していく、そのために国務大臣が加わるというのが解説として書かれている。何もいたずらに指揮監督しろなんていうことを言っているんじゃないんです。
 よく政治的中立ということをおっしゃるけれども、政治問題でも何でもないんです。関東管区警察局長が本来の任務を放棄して、職務を放棄して、職務を懈怠して信用失墜行為をやった、それだけの話ですよ。そして、それをあなた方が不問に付すから今こうやって政治問題になっているんです。これをちゃんと正さなければ、国家公安委員長が国務大臣として一体何のために参加しているのか。
 あなたは一切発言しなかったんですか。
#91
○国務大臣(保利耕輔君) 大変微妙なポイントだと思います。
 私自身は警察庁を督励する立場にありますから、常にいろいろなことについて国民の声あるいは議会の声、政府の考え方を反映させるべく平素努力をいたしております。
 しかし、国家公安委員会の中は、御承知のように五人の委員と私、委員長とで構成をされているわけであります。総理をするという条項がございますが、この意味が必ずしも明確ではないように私は思っております。
 ただ、注意すべきことは、政治的な圧力をこの中正公正であるべき国家公安委員会の中に入れてはならぬという気持ちは非常に強く私自身持っておりますので、委員の意見をまず伺うわけであります。それで、御承知のように表決権はないと言われておりますが、委員の意見が全員一致して決まったときはそれに従わなければならないと私は考えておるわけであります。
 そういう意味で、委員会そのものの取り仕切りについてはそういう運びをさせていただきましたけれども、私、神奈川の問題に携わり、そして警察内部の規律の厳正化に自分自身努めてきた、そのことからいえば、もう気持ちの中では今回の事件というのはとても許しがたい事件だということを私は常々警察の方にも言っておりました。
 中田さんの事案につきましては、警察庁の長官が人事権を持っておりますから、そこの判断を国家公安委員会として冷静に伺い、そしてそれを了とするという決定が出されたということでありまして、法とそれから規則にのっとってこのことがなされた。それで、引責辞職という形になりましたから、これは公務員にとっては非常に大きなことであるというような御説明を国家公安委員会として了としたものであります。
 私が平素何も言っていないということではありません。今度の土曜日にも警察本部長が全員集まりますので、厳しく今度の事態について反省を促し、二度とこういうことのないように厳しく申し伝えるつもりであります。
#92
○筆坂秀世君 これは政治的圧力などということとは関係ないんですよ。
 昨日来の答弁を聞いていると、会務を総理するのがどういう意味か、これは非常に微妙でよくわからないと。だったら、一体どうやって国家公安委員長が務まるんですか。毎週やっとるんでしょうが。よくわからないで務まると。そんな無責任な発言ありますか。
 では、この事案について国家公安委員会でやったときに、どういうあなたは発言されたんですか。
#93
○国務大臣(保利耕輔君) 総理という言葉の意味、よくわからないと申しましたが、私は、公安委員会の取り仕切りをやるのが私だと思っております。したがいまして、国家公安委員会の先生方の御意見をよく伺ったわけであります。(「どういう発言をしたのか」と呼ぶ者あり)公安委員会の中では、この問題については発言をいたしておりません。
#94
○筆坂秀世君 だから、どういう発言されたんですか。
#95
○国務大臣(保利耕輔君) 公安委員会の中におきまして、私は、概括的に国民の声が公安委員会のホームページあるいは世論等で起こっておるから十分にそのことをわきまえて対処してほしいということを、前からも申し上げておりましたし、公安委員会の中ではそのことについて触れております。
#96
○筆坂秀世君 九六年に警察法が改正されたときに、当時の橋本首相はこう参議院の本会議で答弁されているんです。国家公安委員会というのは、市民の声を反映させ市民によってコントロールするための仕組みとして国家公安委員会制度があると。これは市民の声に全く公安委員会こたえてないでしょう。
 それで、きょう国家公安委員会が開かれて、また午後五時から再開されるんですか。決定を覆すのは極めて困難だというふうなことも言われておるようですけれども、私はやはり誤った判断、国民が到底受け入れられない判断、こういう判断をしたときには、それをやっぱり正していくのが当然だと思うんです。公安委員会自身が、いわば誤った判断をやってその誤りを正さない、それを固定化するというのでは、これは幾ら信頼回復といったって信頼回復しようがないでしょう、公安委員会そのものがそれじゃ。いかがですか。
#97
○国務大臣(保利耕輔君) 国民の声は、今のようにホームページその他を新たに設置しました。私になってから設置しました。そして伺うようにしております。それを警察庁は十分に見ております。そういう形で、国家公安委員会が集めた国民の声を警察の行政に反映させるように私自身努力をしておるわけであります。それが一つ申し上げることであります。
 それから……(発言する者あり)決定につきましては、公安委員会の中で既にされておりまして、両人は辞職をいたしております。そういう意味で、この決定を覆すことはできないものと考えます。
#98
○筆坂秀世君 公安委員長、国民も納得を得られないような、市民がコントロールと言いながら、その市民はだれも納得してない。そんな判断を公安委員会がやれば、公安委員会がやったとしたって、誤りがあればそれを正すのが当たり前でしょう。真剣にあなた方議論すべきでしょうが。それとも、誤りをずっと固定化する、そんな態度をとり続けるのですか。
 しかも、きょうNHKで、岩男さんという委員の方が、きょうどういう態度をとるんですかという問いをされて、どういう説明があるかによるというふうにおっしゃっているんです。ですから、あなた方がどういう説明をするかが、これ処分をやるかどうか、非常に大事なんですよ。
 どういうきょうは報告をするつもりですか。
#99
○国務大臣(保利耕輔君) この問題につきましては、先ほどから申し上げていますとおり、国家公安委員会の中では法並びに規則にのっとって冷静な判断をすべきであるという御意見のもとにこの決定をいたしております。
 もとより、国民の厳しい声は承知の上でございますが、一たんこれで決めておりますので、これを覆すことは私は難しいものと思います。また、両人は既に辞職をいたしております。引責辞職をいたしております。
#100
○筆坂秀世君 総理、私はこの問題というのは総理に無関係じゃないと思うんです。やはり行政内の問題です、広く言えば。国家公安委員長というのは総理が任命した国務大臣ですよ。警察庁長官は国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を得て任免すると。国家公安委員会は総理の所轄のもとにあると。これは決して総理も無関係じゃないと思うんです。
 私は、こういう判断を下した警察庁長官やそれを受け入れた国家公安委員長、これは責任を一切問わないのか、全く不問に付すのか、総理の見解を求めたいと思います。
#101
○国務大臣(小渕恵三君) 国家公安委員長は確かに私の任命によりましてその任に当たっております。それから、国家公安委員は私が任命をすることになりますが、その過程で、もう申すまでもありませんが、衆参両院の国会の御同意を得てこれを任命するという仕組みになっておりまして、そういう意味では、単に内閣が任命した人事ではなくして、まさに国会、すなわち国民を代表する院の御判断もその中に含まれており、そのことを得て任命するということでございます。
 したがって、そういう観点から、警察法上、国家公安委員会は内閣総理大臣の所管に置かれているところではあるが、当該行政事務については指揮監督権を有しないと解されるものと承知をいたしております。
 したがって、今回の事案について、警察法上、内閣総理大臣は、警察庁長官はもとより国家公安委員会に対し、個別具体的な形で指揮命令を行うことができないものと承知をいたしておりまして、こうした形になりましたことは、しばしばここでも申し上げておりますように、戦前からのいろいろの経緯を踏まえて、この国家公安委員会が直接的に内閣総理大臣の指揮監督を受けるものでないという形で独立しておることでございまして、私としてはその範囲の中で対処いたすことが当然と考えております。
#102
○筆坂秀世君 私は、そういう小渕内閣の態度にも国民の憤りが集まっておると。結局、小渕内閣というのは、前の金融再生委員長もそうだけれども、まるで公的資金を自分のお金であるかのような発言をやる、それでも罷免もしない。その前にも何人かの大臣、政務次官がいたでしょう。だれ一人罷免された人間はいない。今回もそう。つまり、何をやっても不問に付すというのが言ってみれば小渕内閣の共通の考え方になっておると。これでは問題は本当に解決しない。
 私は、絶対に、あれだけの誤りを犯した警察官僚、処分すべきだということを強く求めて、次のテーマに移りたいと思います。
 次に、財政問題について伺いたいと思います。
 総理は、先般の党首討論で、不破委員長との討論で、財政再建の計画、展望について、残念ながら申し上げられない、来年度に一%、そして次の年さらにそれを倍加できるような経済成長を求めて解消していかなければならないというふうにおっしゃいました。
 しかし、今の財政危機の規模というのは、一%や二%の経済成長で減らしていくということは、これは全く不可能じゃありませんか。
#103
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、極めて厳しい我が国の国家財政の状況に思いをいたし、財政構造改革という重要な課題が決して念頭より去ることはありません。しかしながら、我が国経済がようやく最悪期を脱し、緩やかな改善を続けている中、足元を固めることなく財政再建に取りかかるという過ちを犯すべきではない、一意専心に考えていくことだと思っております。
 今重要なことは、せっかく上向きかかってきた景気を本格的な回復軌道に乗せ、かじ取りを誤りなきよう万全を期し、着実に国力の回復を図ることであり、そのことこそ内閣の責務と考えております。
 我が国経済が低迷を脱し、名実ともに国力の回復が図られ、それにより財政、税制上の諸課題について将来世代のことも展望した議論に取り組む環境を整え、その上で財政構造改革という大きな課題に立ち向かっていかなければならないということでありまして、経済の足元が固まったかどうか見きわめることが大切でありまして、したがって、きょう、あした財政改革についてのプログラムを書けと、こう言われましても、このことは困難であると申し上げたところであります。
#104
○筆坂秀世君 もう一つ総理に伺ったのは、一%や二%の経済成長で、それで財政の立て直しが図れると、そんな見通しじゃないでしょう。
#105
○国務大臣(宮澤喜一君) そこへ行くまでにまだ大変でございまして、それができましてもそれだけではなかなか難しい。いろいろ基本的な、二十一世紀の初頭における経済社会全体の改革を巻き込むことにならざるを得ないかと思っております。
#106
○筆坂秀世君 私は、これは総理が党首討論で、一%、そして来年度一%、そしてその次がその倍加、そうして解消していくとおっしゃったからそれを聞いたんです。到底、今、宮澤大蔵大臣の答弁を伺ったって、そんな甘いものじゃない、それ自体がもう大変なんだということですよ。
 実際、私も若干の試算してみました。名目成長率が三%あるいは一・七五%、一般歳出の伸びが二%とゼロ%、四つのケースで、このままいけば、もちろんいろんな金利の変動もあるでしょうけれども、大体二〇一〇年度ぐらいまでにどういうことになるかと。調べてみましたら、やはり四つのケースどのケースを見ても国債費の伸びに税収の伸びが追いつかない、つまり借金がふえ続ける。そして、二〇〇七年度から大体九年度あたりには、今の推移でいけば国、地方を合わせた借金残高は、債務残高は一千兆円を超す、大変な規模になりますよ。本当にこれは絶望的になる。
 二兎を追う者は一兎をも得ずということをよくおっしゃるんだけれども、衆議院の公聴会に来られた神野東大教授は、そんなことはない、あれはアブハチ取らずだというふうにおっしゃったが、今の小渕内閣がやろうとしているのはそういうことだと思うんです。
 そこで、ここまで来た財政危機、これは総理の諮問機関である経済戦略会議だって、財政再建の見通しを示さないと経済の再建そのものにも大変な影響がある、こう指摘しているぐらいでしょう。これは真剣に考えないと景気回復だってままならない、こういうことにならざるを得ません。
 そこで、もちろん財政再建には歳出歳入両方の改革が必要です。しかし、中でも、国、地方を合わせて年間五十兆円という公共事業、これが総額六百三十兆円の公共投資基本計画のもとでやられている。この財政危機のもとでこれが今後もやられようとしている。これは今後もやろうとすると、二〇〇七年度、最終年度までやはり大体約五十兆円ずつやっていかなきゃなりません。この総額方式、総額先にありき、このやり方を改めるということに着手すべきだと思いますけれども、総理、いかがでしょうか。
#107
○国務大臣(宮澤喜一君) 公共事業が昔とちっとも変わらないという御批判は私ども厳しく受けとめておりまして、それでございますから今度の予算の中でも、四本の施策を中心に公共事業のいわゆる新しい需要を酌み取っております。それが全体の公共事業費の二割二分ほどになっております。そのほかにミレニアムもございますから、そういう批判には謙虚にこたえておるつもりでございますし、それに日本のインフラストラクチャーが不十分だということもこれも事実でございますから、そういうものは要らないということではない。効率的にやれ、新しく前向きに考えろとおっしゃることは十分反省をいたしておりまして、何か公共事業は土建屋がもうかる、そんなふうに簡単には考えておりません。
#108
○筆坂秀世君 あなた方はよく重点化と効率化、こういうことをおっしゃるんです。今、宮澤蔵相がおっしゃったこともそういうことだと思うんです。しかし、幾ら重点化、効率化と言ったって公共投資基本計画そのものは全くいじらない、六百三十兆円をそのままやるというんじゃ、これは総額は全然変わらないわけですから、幾ら効率化、重点化と言ったってそれは通用しない議論だと。しかも、その重点化するというものの中に物流効率化というのがあります。この物流効率化の中身というのは何かといえば空港、港湾、高速道路でしょう。これは今までむだの最たるものとしてやり玉に上がってきたものばかりです。これを物流効率化だとか重点化だとか言ってやるというのはこれはむだの重点化ですよ、むだと浪費の重点化をすることになる。
 総理は本会議で我が党の質問に、空港整備について、航空輸送需要や事業効果等を考慮しつつ、真に必要性、緊急性の高いプロジェクトについて、計画的かつ重点的な整備を行っているというふうにおっしゃっている。そこで伺いたいんですけれども、総事業費一兆五千六百億円という関西国際空港二期工事、関空二期工事もこういう位置づけを内閣としてはしておられるということでしょうか。
#109
○国務大臣(宮澤喜一君) 予算の面だけお答えいたしますけれども、ハブ空港としては新東京国際空港、関西国際空港、中部国際空港、羽田空港沖合展開、港湾のことは申し上げません、空港はそれでございます。
#110
○筆坂秀世君 今、大蔵大臣はハブ空港とおっしゃいましたが、最近はもうハブ空港と言わないんですよ。運輸省の文書じゃハブというのはほとんど出てこないですよ。なぜかというと、ハブというのは間違いなんです。前の運輸省の航空局長ですら日本にハブ空港なんか要らない、空港がハブになるかどうかは空港設置者が決めるんじゃないんです。航空会社がハブとして使うかどうか、拠点空港を乗り継ぎとして使うかどうかなんです。そんなものつくったって航空会社がそうしなきゃ何の意味にもならないからなんです。いまだにそんなことをおっしゃっている。まあ、それはいいでしょう。
 今度は運輸省に伺いますが、現在の関空の離発着能力、九八年度の離発着回数、幾らになっていますか。
#111
○国務大臣(二階俊博君) お答えいたします。
 関西空港における発着回数の推移でありますが、平成六年度で五万二千回、七年度は十万七千回、八年度十一万八千回、平成九年度は十二万一千回、平成十年度は十一万八千回、これはアジア経済の状況あるいは我が国の経済状況等でやや落ちておりますが、今後は経済の回復とともに順調な伸びを示していくであろうというふうに考えております。
#112
○筆坂秀世君 大臣、能力は。
#113
○国務大臣(二階俊博君) 十六万回でございます。
#114
○筆坂秀世君 今、関空の離発着能力というのは十六万回なんです。実績は、九八年度実績で十一万七千五百九十四回、十二万を切っている。つまり、四万二千回以上まだ離発着の余裕があるということなんです、今の関空というのは。四万二千回というのはどれぐらいかといいますと、広島空港、岡山空港、山口宇部空港、鳥取空港、この四空港を合わせた能力、これだけの分がまだ関空は能力として余剰がある。
 そこへさらに一兆五千六百億円かけて、そして第二滑走路をつくる。これが完成すると離発着能力二十三万回になるんです。十一万幾らしか飛んでいないんですよ。しかも、最近じゃ減っている。こんなときに何でこれが必要性、緊急性の高いプロジェクトというふうに言えるんですか。
#115
○国務大臣(二階俊博君) 御承知のように、関西国際空港は我が国初の二十四時間空港として大きな役割を果たしておるわけでございます。今後、先ほどの十六万回というのは年とともにこれをオーバーすることはもう十分見通せるわけでありまして、空港に新たに大きな需要が発生して初めて着工する、それはとても困難な事情であります。
 この関西国際空港は、御承知のように昭和四十年の初期からこのことについての必要性が生じ、その後長い歳月をかけてようやく一期の工事が完成し、今日のような状況になっておるわけでありますが、やがてこれからの国際化社会における航空需要、例えば今成田にでも乗り入れを希望している国は五十カ国ございます。そのような状況から、成田と関西空港との連携等を考えますと、関西国際空港はさらに大きな需要が生じてくるということが明らかであるわけであります。
 なお、経済波及効果につきまして一言申し上げておきたいと思いますが、経済波及効果、これは関西産業活性化センターの試算でありますが、約四兆六百億円となっております。開港後一年間だけでも五千二百億円の経済効果がもたらされておるわけでございます。
#116
○筆坂秀世君 一体何を根拠に伸びると言えるんですか。しかも、今減っているのは景気低迷のために減っているだけじゃないんです。
 日本に定期便を就航させている外国の航空会社四十一社が所属する組織にFAAJ、在日外国航空会社協議会というのがあります。ここが昨年七月に「高騰する日本の民間航空の経費」という声明書を発表して、関空の空港使用料が高いために外国航空会社の撤退が相次いでいるという指摘をしているでしょう。間違いありませんか。
#117
○国務大臣(二階俊博君) お答えいたします。
 FAAJからの「高騰する日本の民間航空の経費」ということで声明書が発表され、運輸省にもそれが届けられております。
 これは、御意見は御意見として承っておきますが、先ほども申し上げましたように、我が国の国際化の問題、そして関西国際空港周辺の空港におきましても、夜間の離発着等については騒音公害等で極めて厳しい状況の中に、海の中に関西空港を建設したわけであります。したがいまして、他の空港または外国の空港と比較して建設費が相当高騰することはやむを得ない事情であります。
 このことに対して、利用者にそれぞれ御負担を願うということはこれは当然のことでございまして、FAAJの御提案または声明につきましては今後十分検討してまいりたいと思いますが、私たちとしては、今直ちにこのことにこたえるというわけにはまいりません。
#118
○筆坂秀世君 大臣、今の答弁は二期工事を進めるという理由にならないんです。今関空はあるわけですから、四万回以上余裕があるわけですから、それを大いに使ってもらえばいい、それだけの話じゃないですか。
#119
○国務大臣(二階俊博君) 二期工事じゃなくて、今の一期工事の中における現在の関西国際空港の使用料を引き下げろという御提案でございますから、それに対して運輸省としては、あの空港がよって来る由来、そして今日たくさんの借金を抱えておるわけでありますから、これを返済していくために相応の負担を空港使用料としてちょうだいするということはこれは当然のことでございまして、さらに各国の御理解を得ることが大事だということは当然でございます。
 なお、関西国際空港としては、社長以下関係者、これからポートセールス等懸命に努力をして各国及び関係者の御理解を得るように努力をすることは必要だと思っております。
#120
○筆坂秀世君 今いみじくもおっしゃったように、ポートセールスをやらなきゃだめなような状態になっておるわけですよ。そんな簡単に伸びるんだったら、何で今減っているんですか。
 しかも、高いということを問題にしているのは、私、きょうパネルをつくってきましたけれども、(図表掲示)アジア各国と日本の主要空港の空港使用料がどれぐらい違うか。バンコクが二千二百三十九ドル、ソウル二千七百四十四ドル、こういうところですね。それで、香港が五千八百六十六ドル、これでも高いと国際的に問題になっている。ところが、成田は一万一千八百七ドル、関空に至っては一万二千五百六十一ドル、もうバンコクの六倍近いですよ。
 問題は、こんな高い空港使用料になっているために関空からの撤退が相次いでいるということを外国の航空会社自身が言っているじゃないですか。ですから、景気だけじゃない、この高さが関空から撤退していく、便数が減っていく、その原因になっているわけでしょう。
#121
○国務大臣(二階俊博君) 関西国際空港のみならず、それぞれの空港の使用料を引き下げるという努力をするということは、これは諸外国の、特に韓国の仁川等で近く膨大な空港が完成するわけでありますから、それらに国際的に競争する上におきましても我が国としては十分考えていかなくてはならない問題ではありますが、先ほども繰り返し申し上げておりますように、関西国際空港は沖合五キロのところに空港等を建設した事情があります。これは、騒音公害に対して周辺住民の皆さんの了解を得るためにやむを得ざることとして沖合に出たわけであります。
 私は、これが五キロも先まで出ていかなくても、もっと手前で何とか解決する方法はなかったのかと関西空港へ行くたびに思うわけでありますが、今となっては、関係の皆さんの十分な理解を得るためにあのような結論を下したという経緯が今日の料金につながっておるわけであります。
#122
○筆坂秀世君 そこへ今度はもっと水深の深いところへ二期工事をやるんですよ。それで、当初からだって一兆五千六百億円でしょう。恐らくもっと高くなるでしょう。これはどうしようもない空港使用料になる。しかも、本当に必要かというと、今の空港で、滑走路で四万三千回近く余っている。何でそんなむだなことをやって空港利用料金を上げて余剰ばかりいっぱいつくるんだと。
 それで、行政監察局に伺いたいんですが、関空の離発着が減っているのはもう一つ理由があるんですよ。成田第二滑走路の供用開始、中部国際空港、神戸空港、ここと競合する。あなた方がことし一月にまとめた報告書でそういう指摘をしていますね。
#123
○政府参考人(東田親司君) お答え申し上げます。
 私ども、行政監察の一環として特殊法人の財務分析結果を逐次公表させていただいておりますが、本年一月二十七日に関西空港株式会社につきまして調査結果を通知いたしました。
 その際に、今お尋ねの件につきましては、長期経営見通しの中に、前提といたしまして空港輸送需要予測がございますが、その中に一定の経済成長とか他空港との競合などが加味されてはおりますけれども、今回の私どもの調査結果から見ますと、今後新東京の平行滑走路あるいは中部、神戸等の他空港の供用が開始されるなど、経営をめぐる環境条件にはかなり厳しいものがあるという旨記述しているところでございます。
#124
○筆坂秀世君 今、行政監察局からあったとおりですよ。もう周りにいっぱい空港ができちゃう。そして今、関空を使っているのも成田がいっぱいだから関空を使っている、成田ができればそっちへ行きますという会社もあるわけですよ。それも行政監察局の報告にありましたか。
#125
○政府参考人(東田親司君) 私どもの調査結果の中に、現在、関西空港を利用している乗客の方々がどういう地域の出身の方かという分析をいたしました部分がございまして、その方々の中に例えば兵庫県の方々が一定割合おられる。そうすると、この方々は神戸空港ができた際にはそちらへ流れていく可能性もあるという旨も指摘しております。
#126
○筆坂秀世君 そうじゃなくて、本当は成田を使いたいが成田がいっぱいだから今は関空を使っているという会社があるでしょう。
#127
○政府参考人(東田親司君) 失礼いたしました。
 例えば、新東京国際空港につきましては発着枠制限のため多数の需要があるにもかかわらず新規乗り入れ、便数拡大ができない状況になっているため、関空国際空港に乗り入れている航空会社もあるものと見られるという記述もしておるところでございます。
#128
○筆坂秀世君 つまり、ふえる要素はないんです。減る要素ばかりですよ。二期工事をやったら高くなる、そのためにますます使わなくなる。競合空港ができる。そのときに何で余裕があるのにつくるのか。
 もう一つ行政監察局に聞きますが、今の関空会社の経営状況についてどういう分析をしていますか。
#129
○政府参考人(東田親司君) 関空会社は平成六年九月の開港以来いわゆる創業赤字が続きまして、十年度末現在で累積欠損が千三百三十三億円となっております。
 このような状況となった背景につきましては、一期事業のための巨額な投資が一兆五千億円ございましたが、これによりまして減価償却費、支払い利息などの固定的な費用が大きくなっております。一方、収益につきましては、航空輸送需要に依存することになるわけでございますが、航空機の発着回数などから見ました空港運営実績を見ますと、平成九年度までは伸びておりましたが、十年度には伸び悩みの状況となり、収益は十年度から減収に転じた状況でございます。
#130
○筆坂秀世君 つまり、もう一方では関空会社はこういう状況なんです。
 この上に二期工事をやってごらんなさい。関空会社はどうなりますか。行政監察局の見通しを言ってください。
#131
○政府参考人(東田親司君) 私どもは、ただいまのような財務状況を踏まえまして、今後の経営環境につきましてかなり厳しいものがあるということで三点指摘してございます。
 一点は、ただいま申し上げましたが、十年度におきまして航空輸送需要が予測を下回り減収に転じたという要素がございます。それから二点目といたしまして、今後新東京の平行滑走路、中部、神戸等の他空港の供用が開始されることが予定されております。それから三点目といたしまして、空港用地の造成を行う用地造成会社の債務も将来的には関空会社の費用に反映されること、この三点が大変厳しい経営環境だと思われますので、今後二期事業に対応し健全な経営を確保するため、航空輸送需要の動向、用地造成会社の状況などに対応して適時適切に経営見通しを見直すことが一つ、もう一つは深夜の発着枠の有効利用などの収支改善方策を推進していただきたい、この二点を今後の経営上の課題として指摘したところでございます。
#132
○筆坂秀世君 つまり、もうめちゃくちゃですよ。
 現滑走路四万二千回以上の余裕がある。ふえるどころか、競合空港もあって減る可能性が高い。空港使用料が高いために撤退企業が相次いでいる。そのときに第二期工事を一兆五千六百億円をかけてやる。そんなばかな話がありますか。しかも、それをやればますます、関空会社は今ですら長期債務が減る見通しがない、創業赤字が続いている、さらに債務、借金がふえ続ける。一体どうするつもりですか。
 しかも、大臣、せっかくお手を挙げていらっしゃるので伺いますが、一九九五年に、当時、武村大蔵大臣と平沼運輸大臣が合意文書を交わしているんですよ。そこを見ると、将来の需要動向、関空会社の経営の健全性確保について十分な検討を行いその結論を得ると、二期工事については。そして、かつて運輸省は国会でも、大体二期工事をやるとするのは、当時のそのままの需要予測で伸びていったとしても、昭和七十年代後半、つまり昭和七十五年、つまり西暦で今二〇〇〇年です、二〇〇〇年からだと説明した。ところが、需要見通しが狂っているのに前倒しでもう始めている。こんなばかげた話がありますか。
#133
○国務大臣(二階俊博君) 関西国際空港の周辺の状況、今各空港ごとのお話がございましたが、もう少し全体的に見ますと、人口にして二千五百万人の背景がありますし、経済規模としましても約百兆円の規模を持っておるわけでありまして、スペインやカナダに匹敵する、またそれを上回る経済力を持っている地域であります。
 先ほどの十六万回の発着回数でありますが、これは平成十九年に今の平行滑走路の供用を目標といたしておりますので、平成十九年をにらんで今から工事に着手し、着々と国際化社会のこれからの需要に対応していくことは必要不可欠なことでありまして、私どもとしてはこの件に関しては大いに自信を持って推進をしていきたいと考えておるものであります。
#134
○筆坂秀世君 それはもう破天荒な発言ですね。(「何が破天荒や」と呼ぶ者あり)何が破天荒、破天荒じゃないか、これは。こんなばかな話がありますか。一兆五千六百億かけて、今のままだとむだになることは確実な空港をつくって、滑走路をつくっていく。こんなばかな話がありますか。──いいです、もう。
 それで、イギリスの経済紙のフィナンシャル・タイムズがこういう記事を出しました、最近。関西空港は厄介な失敗作となってしまった、外国航空会社は定期便を引き揚げ、第二滑走路は予算をはるかにオーバーするのは必至だからだ、しかしこんなことで日本の野心的な空港建設計画はくじかれたりはしない。神戸空港、中部国際空港等々のむだを批判している。まさに世界の今や笑い者になっている。つまり、本当に採算性度外視、経済性が考慮されない。今や目的さえ失われている。ないない尽くしの公共事業がこんなことでやられている。
 総理、あなたはこの空港整備を、緊急性がある、必要性がある、こうやって進めようというんですか。これだったらどんなことをやったって財政再建どころじゃない、財政破綻をどんどん意図的に進めていくものだという批判は免れないと思うんです。
 総理、いかがでしょうか。──総理です。いいですよ、もう。
#135
○国務大臣(二階俊博君) いや、一方的なお話がずっと続いておるわけですから、ちょっと答弁させてください。
#136
○筆坂秀世君 一方的じゃないですよ、事実……(発言する者あり)
#137
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#138
○国務大臣(二階俊博君) 二期の方の経済波及効果を先ほど申し述べておりませんので、これで二兆二千八百五十億円を見込んでございます。そして、関西国際空港の整備については、国、地方の公共団体、民間からも事業費の三割の出資をちょうだいしておるわけであります。
 二期事業の実施につきましては、施設供用当初の関西国際空港株式会社の用地費負担の軽減をするために、無利子の資金の割合を一時期三〇%から五五%に高めておるわけであります。
 過去に、平成七年の七月に、着陸料をトン当たり二千四百円から二千三百円に引き下げを講じたわけであります。今その料金についての議論がなされておるわけでありますが、我々は今後この問題につきまして、新規の営業割引あるいは二〇〇〇年の三月から二年間の時限措置として国際線の着陸料に関してディスカウントの方法について今後検討してまいりたいと思っております。
 特に、関西空港の、例えば五キロの地点にございますから橋を渡っていくのは委員も御承知のとおりでありますが、あの橋の料金等も、橋を建設する費用がそれを御利用なさる人たちに分担されるものですから、そんなに安いものではありません。
 そこで、年に一回ぐらいこれを無料で開放する日があるんですが、その日の関西国際空港のにぎわいというものは大変なものがあります。したがいまして……(発言する者あり)静かにお聞きください。
#139
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#140
○国務大臣(二階俊博君) 関西空港の橋の割引などを今まで試験的に実施をしてまいりましたが、相当の効果を上げておりますので、今後これを着実に実施してまいりたいと思っております。
 やや便数等について三年間減少しておりますものの、将来にわたっての展望は大きな変動はないということを確信いたしております。
#141
○筆坂秀世君 二期工事の必要性についての説明は結局何もないんですよ。一兆五千六百億からの経済効果があるのは当たり前じゃないですか。だからといってむだをつくっていいということにはならないんですよ。
 大臣、私せっかくですから伺いますが、では一期工事、二期工事、大体中小企業の発注率はどのぐらいになっていますか。御存じですか。
#142
○国務大臣(二階俊博君) 大企業、中小企業の別々の事業量等今手元に持ち合わせておりませんが、何せ沖合五キロのところに展開する事業でありますから、中小企業の皆さんがその場で工事を行うということは極めて難しい技術的な問題があろうかと思います。
 それらの点を考え、また適当な下請等によって周辺の皆様に経済効果が及んでいることは当然のことでございます。
#143
○筆坂秀世君 一期工事でいいますと、中小企業の発注率、これは大阪府から調べたものですが、五・三%、二期工事はまだこれは始まったばかりですから、契約がされたばかりですから、これはちょっと大手かどうか不明なものを中小企業にカウントしても、中小企業は〇・三五%ですよ。つまり、ほとんど行かないんです、こういう大型プロジェクトというのは。
 もう一つせっかくですから示したいと思うんですが、建設省の公共工事着工統計というのがありまして、この統計というのは年間三千万円以上の工事を請け負っている建設業者を対象にサンプリング調査したものです。
 これによると、パネルにしてきましたが、(図表掲示)八五年度、九〇年度、九八年度と、この対象になった公共事業費は当然のことながら大きく伸びています。十一兆、十四・六兆、十六・六兆と。ところが、これは衆議院の志位書記局長もやりましたが、就労者数は減っているんです。それだけじゃなくて、こういう六百三十兆円の枠があって、ともかくこれを使い切るというやり方をやるために大型プロジェクトに特化していく。今の関空なんかそうです。そのために、中小企業への発注率を見てごらんなさい。例えば、資本金五千万未満は、かつては五五・二%あった。四七・三、三六、最近は。一方、資本金一億円以上は三五・五が四四%、五一・八%、こういうことになってくるんですよ。
 ですから、こういう大型公共事業というのがむだである上に、しかも就労者も減らしてしまう。中小企業への発注率も減らしていくということなんです。
 総理、ここで私答弁を求めたいと思うんですが、ここに総額先にありきというやり方のもたらす弊害があるんです。ですから、もう目的が失われても、採算性がどう考えたって、行政監察局は政府の行政を監察するところでしょうが、そこが見通し暗い、厳しいと言っている。それでも運輸大臣は自信を持って進めると言う。そんなばかな話がありますか。総理は一体どっちの立場に立つんですか。
#144
○国務大臣(堺屋太一君) 委員の御質問の趣旨は三点ほどあると思います。
 第一は、日本の公共事業、社会資本が十分であるか、なお不足であるか、また現金で残すべきか生産力で残すべきか、これが第一であります。
 第二番目は、将来の見通しでございまして、今の関空に代表されるように、ここ数年、アジア、日本の不況がございましたけれども、今後こういうものの需要が伸びるかどうか、これが第二番目でございます。
 そして、第三番目に御指摘になりました中小企業か大企業かということでございますが、これも工事の効率化、発注区域の拡大等々を行いました。
 そういうことが、どっちが正しいかという見方の問題がまず第一にございまして、委員が盛んにむだだとおっしゃいますが、むだではないということだと思うんです。
#145
○筆坂秀世君 そんなことは聞いていない。総理に聞いている。
#146
○国務大臣(小渕恵三君) 今御議論になっておりますのは……(発言する者あり)
#147
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#148
○国務大臣(小渕恵三君) 関西空港の第二次工事についての御指摘かと思います。
 政府といたしましては、先ほど来、二階運輸大臣からも御答弁申し上げておりますように、現下の日本の国際空港の存在ということを考えますと、国際社会における重要な地位を確保していく上で、関西圏における国際交流に不可欠な基盤施設として二十四時間運用の関西国際空港の果たす役割はまことに大きく、極めて重要であると考えておりまして、したがって、平成十九年度、平行滑走路の供用を目標とする二期事業の実施は必要不可欠であり、引き続き整備を進めていく所存でございます。
 今、筆坂委員にいろいろの点で御指摘をいただきまして、確かにいろいろ着陸使用料その他諸外国に比べて非常に高いものがあるということも事実かと思います。また、空港自体も一本の滑走路で全部処理をするというようなことは、これも御案内のとおりに、世界の空港の実態からいいまして、既に四千メートル級を四、五本持たなければ国際空港たり得ないということであります。
 確かに建設費は高くなっておりまして、したがって着陸料も高くなっておりますが、このままでいいかということになりますと、冒頭申し上げたように、さらなる工夫を加えながら、この空港を本当に意義あらしめるということが政府の務めだろうと思います。
 お聞きをして、私はクエスチョンタイムで言うわけじゃございませんが、しからば関西において共産党はどこに空港をつくり、どのように国際空港としてやっていくかということについてお示しをいただかないで、だめだだめだでは済まないのではないかと思っております。
#149
○筆坂秀世君 これは私は委員長に抗議したいです。片道方式ですよ、だったら往復方式にしてもらいたい。
 私たちの考えを言いますよ。関空の二期工事なんか必要ないということです。関空で十分間に合っている。四万三千回も余裕がある。何も関空が必要ないと言っているんじゃない。今の関空で十分間に合うじゃないか。何でそのときに二期工事を、むだなものをつくるのかという、関空は必要だと言っている。今の関空はあっていい、当然だと、それは。当然ですよ。当たり前じゃないですか。よくわかったでしょう。だから、何でむだな工事をその上にやる必要があるのかと言っているんです。まあ、いいでしょう。
 ともかくこれだけ私が、いかに余裕があるか、減り続けているか、減る傾向にあるか、減る理由がいっぱいあるか。それでもやるということは、あなた方が言っておる重点化というのは、私が冒頭言ったようにむだな重点化にすぎない、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。
 次に、雇用問題について移りたいと思います。
 総理は、私たちが、今リストラのあらしが吹き荒れているということに対して質問すると、必ずそれは労使間の話し合いでというふうにおっしゃいます。しかし、私はこれは労使間任せにできない問題だと思うんです。なぜなら、リストラがどんどん行われる、そのために労働者の所得が減る、消費が低迷する、低下する、日本経済にとってだってこのリストラというのは大問題でしょう。
 私は、労使間任せにするということは日本経済を真剣に考えないということとそれじゃ同義語になっちゃうじゃないか、こう思うんですけれども、総理、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(小渕恵三君) 現下の雇用失業情勢につきましては、所定外労働時間や有効求人倍率など、一部に上向きの指標も見られるものの、一月の完全失業率が四・七%と高水準にあり、また平成十二年度、十二年三月新規学卒予定者の就職内定率がこれまでになく低い水準で推移するなど、依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
 こうした厳しい雇用情勢の改善を図るために政府としては、現在、雇用機会の創出を最大の柱として、厳しい雇用情勢の影響を強く受けている中高年の非自発的失業者や学卒未就職者を重点にした緊急雇用対策を積極的に実施いたしておるところでございます。
 さらに、昨年十一月に策定いたしました経済新生対策におきまして、雇用不安を払拭しつつ我が国経済を早急に本格的回復軌道に乗せること等を目的とし、地域特性を生かして雇用機会の創出等を行う先導的な中小企業の支援、大規模なリストラ実施により大きな影響を受ける地域における雇用の創出など施策を盛り込んでいるところであります。
 今後とも、国民の雇用不安を払拭するため、政府全体でこれらの施策を積極的に推進することにより雇用の創出、安定が図られるよう、全力で取り組んでまいる所存でございます。
#151
○筆坂秀世君 総理は、私たちが解雇規制法をつくったらどうだ、あるいはリストラ規制法をつくったらどうだ、ヨーロッパにはそういうのがあるじゃないかということに対して、労使間の話し合いでというふうによくおっしゃいます。私は、その態度がどういう事態をもたらすか、ルノーによる日産のリストラ問題でちょっと明らかにしてみたいと思うんです。
 まず、労働省に伺いますけれども、日産の人員削減計画あるいは新規雇用計画、これはどうなっているでしょうか。
#152
○国務大臣(牧野隆守君) 日産のリバイバルプランにつきましては、日産自動車から、海外を含む連結ベースで従業員十四万八千人を二〇〇三年までに二万一千人削減して十二万七千人にする、それから二〇〇一年三月までに車両組み立て工場である村山工場、従業員二千四百五十人、日産車体京都工場、従業員千三百人、愛知機械工場九百三十人のリストラ、それから二〇〇二年三月までに久里浜工場三百人、九州エンジン工場五百八十人、こういう計画を発表したわけでありますが、これらにつきましては、全員他工場へ異動させ人員削減は自然減により対応する、こういう私どもに対する説明がございました。
 しかし、私としましては、日産の指導者を招致いたしまして、大企業の社会的責任の重要性にかんがみ、関係する方々の雇用の安定のために対策をとっていただきたいと強く要請し、日産自動車からは、企業としての社会的責任は承知しており、労使協議を十分に尽くして対処したい、こういう返事がございました。
 企業の大規模なリストラが実行に移されれば、当該企業はもちろんでありますが、下請だとか取引先企業、地域の労働者の雇用に大きな影響があることは、これは当然のことだと認識をいたしております。
 このため、私どもとしましては、下請企業、取引先企業、地域における労働者の雇用の安定を図るため、一つは休業等により雇用維持を図る事業主を支援するために雇用調整助成金、休業手当としましては中小企業に対しては賃金の三分の二、その他の企業については二分の一、この活用をまず第一に図りたい。その次は、地域の雇用情勢を見ながら必要に応じ緊急雇用安定地域に指定し、この場合は雇用保険を二カ月間、六十日分延長給付を行う。それから、当然でありますが、十二分に相談を受ける、こういうことでございまして、万全の策を講じなければならない、このように考えております。
#153
○筆坂秀世君 大臣、新規雇用は大体日産はどれぐらい予定しているか御存じですか、新規の雇用は。
#154
○国務大臣(牧野隆守君) 日産自動車の説明では、新規に百五十人採用する、こう言っておりまして、内定した者を取り消すことは現在やっておりません。
#155
○筆坂秀世君 ルノーは、大臣、フランスのルノー本体でもリストラをやっています。これはどういう規模か御存じでしょうか。
#156
○国務大臣(牧野隆守君) ルノー全体として世界各地に工場等を持っているわけでありますが、先ほど説明いたしました全体の中でどこのルノーの工場を停止するか等々については詳細はまだ承知いたしておりません。
#157
○筆坂秀世君 私ども、新聞赤旗でパリに特派員を置いておりますので、調べてみました。ちょっときょうパネルをつくってきました。(図表掲示)
 日産の場合には、おっしゃったように二万一千人、退職条件は退職金の割り増しだけ。新規採用今百五十人とおっしゃったが、私は百三十人と聞いたんですが、大きな差はありません。従来なら、最近でも千人規模は採用していました。それ以前はもっと多かった。フランス本体の方では、人員削減一万五百人、退職条件というのは、これは五十七歳以上を中心に、五十五、六歳も入るようですが、早期退職者には賃金の六五%の年金の繰り上げ給付、新規雇用は早期退職者の穴埋めとして三千九百人、そして三十五時間法制で二千百人、一万五百人の人員削減をやるが、新たに六千人の新規雇用もやるということなんです。
 大きな違いは何かといいますと、ともかくもちろん人員削減をやるわけですから早期退職を迫られます。しかし、何とか失業者にしないために年金の繰り上げ支給をやる。もちろん労働者にとってはこれだって大変ですが、こういう制度がある。しかし、日産の場合には退職金の割り増しだけです。勤続十年、二十年程度じゃ退職金だって大したことないですから、割り増しももちろん大したことない、こういうことになってくるんです。同じルノーがやっているリストラでも、日本の日産でやっているのとルノー本体でやっているのとではこれだけの差が出てくる、六千人の新規雇用ですから。
 こちらの退職者二万一千人というのは自然減とおっしゃったけれども、これはいわゆる自然減だけじゃないですよ。他工場へ移される、それじゃもう家族との生活をやっていけないから退職せざるを得ないという人だってこれは入るわけですから。つまりこれはすべての労働者が対象になる。しかし、こちらは高年齢者だけですよ、だからいいというわけじゃありませんが。
 この違いを総理どうお考えでしょうか。
#158
○国務大臣(牧野隆守君) ルノー本社のリストラにつきましては、各国の情勢によって違いまして、オランダ等では非常に激しい争議等がございました、政府も一緒になって実は解決いたしたわけでありますが。
 私どもとしましては、今はまず労使間で細部にわたるまで十二分に詰めてほしい、これを強くお願いをいたしております。その内容について、私どもとして特別結果を見ませんと何とも申し上げられないわけでありますが、しかし労働省が持っております先ほど申しました中高年齢層に対する対策あるいは新卒に対する対策、あの地域は、例えば武蔵村山市が雇用問題が大きくなってきた場合には地域として指定いたしまして、先ほど申しましたような措置も講ずる、万全の措置を講じましてやりたい。
 この場合、日産の場合ですが、実は事前に早目に地域指定をいたしたいなと。といいますのは、関係する皆さん、自分がひとつの状況になった場合、どういう措置があるかということは十二分に御存じありませんので、そういう形でやらせていただきます。
#159
○筆坂秀世君 全く答弁になっていないんですが、決定的な違いがあるんですよ。決定的な違いは何かといえば、法制度が、労働者を保護するルールがあるかどうかなんです。
 例えば、EUには大量解雇を規制する大量解雇指令というのがある。あるいは同じEUには大量解雇の労使協議を義務づけた欧州労使協議会指令がある。これは、例えばルノーがベルギーでやったリストラのときには、この労使協議会指令で、これで闘って、裁判で勝って、そして労働者の要求を前進させたんですよ。ちゃんとこれが力を発揮したんです。フランス国内には経済的理由による解雇の防止と職業転換の権利に関する法律というのがある。これは一遍廃止になったけれども、また復活された。そして、労働時間短縮の方向と促進に関する法律、賃下げなしの三十五時間法がある。だから六千人の新規雇用がある。日産では百三十人から百五十人しかない。来年は三十人から四十人と言われている。そして、不十分だけれども、ともかく失業者を出さないという対策がとられている。
 ですから、総理、労使の協議に任せると。もちろん労使の協議は必要ですよ。しかし、それがこういう成果を生むような法制度をつくることを政府として真剣に検討すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#160
○国務大臣(小渕恵三君) 労働大臣と同じ答弁になるかと思いますが、リストラは企業の経営に係るものであり、御指摘のようなリストラに対する規制を設けることは現下適当でないと考えております。
 解雇につきましては、我が国においていわゆる整理解雇の四条件や合理的な理由を必要とするという判例の考え方も踏まえ、具体的な事情に応じ労使間で十分話し合われるべきものであると考えており、法律をもって一律に解雇を規制することは適当でないと考えております。
 いずれにしても、リストラに対する対応としては、企業や経営者団体に対して雇用の安定に向けて最大限の努力を求めるとともに、国として必要な指導、援助を行うなど、雇用対策に万全を期してまいりたいと考えております。
 先ほどお示しをされましたフランスと日本との対比でございまして、パリにも赤旗の特派員がおられて十分調査されたということでありますが、労働者の雇用を守るということにおいては、私は、彼我の国のみならずあらゆる国においても政府としての責任を果たしていくことが極めて重要なことだというふうに思っております。
 しかし、私も不勉強ですが、ルノーについて、その前にもかつて厳しい経営難に陥られまして、今、日本に来てやっておられる方がかなり腕を振るわれたと。そのすべてをその中で包含してお話しされておるのかどうか、ちょっとそこも不明だと私は思いますけれども、いずれにいたしましても、その他の政策についてはそれぞれの国の事情があるかと思っております。
 雇用につきましても、長くなりますが、先般ジョスパン首相が日本に参られまして、失業率の問題を私議論いたしましたが、大変得意満面でお話しされておりましたが、フランスにおいては失業率が一三%から一一%に下がってまことにすばらしいと言っておられましたが、それにはそれぞれの国における失業者に対する保障制度もあるのではなかろうかと思っておりまして、そういった意味で彼我の間必ずしも一致することではないかと思っております。
 日本は日本の経営の方法論ということもございまして、労使でよく話し合って、そして何とか雇用を守るというために、その前提としては企業そのものが本当に厳しい環境で、そもそもこの自動車会社が生存し得るかどうかという問題の中で処理をしなければならないという苦心をいたしておる段階ではなかろうかと思っております。
 したがいまして、それぞれの国の状況を勘案し、我が国としては、冒頭私が申し述べた趣旨によってこの状況を乗り越えるように政府としては雇用問題に最善を尽くしていきたい、このように考えておるところでございます。
#161
○筆坂秀世君 総理、労働省が発表した資料だって、これは昨年の十二月、四十一社で十四万人の雇用削減計画がある。その後だって、JTや新日鉄、大規模な削減計画が相次いで発表されている。第一生命経済研究所の調査では、この一年半で企業は五兆円の人件費削減をやったと。それだけ所得がいわば奪われたということになるわけですよ。そういうもとで、こういう大規模なリストラがやられようとしている。
 もちろん、総理がおっしゃったように、国の制度の違いはあります。しかし、いいものは大いに参考にする、これが当たり前だと思うんです。フランスだって勝手になったんじゃないんですよ。フランスだって一たん廃止になったりまた復活されたり、それは当然そういう経過はあった。しかし、今の到達点でここへ来ている。
 しかも、これで大事なのは、同じルノーがやっているということなんですよ。ゴーンがやっていることなんですよ。それでもこれだけの違いが出るわけですから、私は労使お任せという態度というのは余りにも無責任だということを指摘して、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。
#162
○委員長(倉田寛之君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#163
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。照屋寛徳君。
#164
○照屋寛徳君 社会民主党・護憲連合の照屋寛徳でございます。
 まず最初に、一連の警察不祥事についてお伺いをいたします。
 質問に入ります前に、冒頭私は、九年二カ月余の異常な監禁状態から命の生還を果たした少女の勇気と生命力をたたえたいと思います。そして、家族の温かい支えで一日も早く健康を回復されるよう御祈念を申し上げるものであります。
 この事件は、我が国の犯罪史上まれに見る事件であります。そこで、総理と国家公安委員長に、まず今度の事件そのものについて、事件の捜査のあり方についてどのようなお考えを持っているか、同時に被害者の少女や御家族に対してはどういう思いを持っていらっしゃるか、所感をお伺いいたします。
#165
○国務大臣(保利耕輔君) まず、冒頭、委員からお話のございました被害者の方、さらに御家族、御親族の皆様方、心からおわびを申し上げ、お見舞いを申し上げたいと思います。
 私の率直な気持ちを申し上げさせていただければ、しばらくそっとしておいてさしあげたいという気持ちでありまして、手紙でも出したらどうかという御進言もございましたが、国家公安委員長がお手紙を差し上げるというのもしばらく差し控えて、御健康を回復されることを私は心から願っております。
 今回の一連の事件は、少女が新潟県の三条市でいなくなってから十年近く柏崎で監禁されていたという痛ましい事件でありまして、これを警察が発見し得なかったことについては大変大きな責任が警察にあるだろうと思います。
 歴代本部長を初め警察関係者全員、やはりこの問題については十分に反省をしながら、今後こうした事案についてきちんと襟を正して秩序の維持のために頑張っていかなければならない、このように考えている次第であります。
#166
○国務大臣(小渕恵三君) 長きにわたり異常な監禁を受けていた女性が発見された際、保健所から出動要請があったにもかかわらず管轄する警察署が結果として警察官を出動させなかった上に、このような重大な事件について新潟県警が事実と異なる内容を発表したことはまことに遺憾であり、今回の事案が神奈川県警等の不祥事を踏まえ全国警察の信頼回復に向けた取り組みが進められているさなか、県警の最高責任者とこれを指揮監督すべき立場にある幹部がその立場をわきまえず、幹部としての自覚に欠ける不見識、不適切な行動をとったものであり、弁解の余地なく、言語道断であると考えております。
 私としては、警察がたび重なる不祥事案を厳しく反省し、特に幹部みずから襟を正し、失われた国民の信頼を回復していくために文字どおり必死に取り組まなければならないと考えております。
 冒頭、委員がお話しになりましたように、まことに異常な事件でございまして、あたら少女時代をこうしたまれに見る、想像のできないような事件の中で拘束されており、恐らく心身ともに私は耗弱されておられるのではないかと思っております。一日も早く本来の姿に戻り、残された人生を生き抜くことのできるように心から念願いたしますとともに、改めて本人並びに御家族の皆さんに対しましてもお見舞いを申し上げ、御激励を申し上げる次第でございます。
#167
○照屋寛徳君 私は、総理を初め国家公安委員長、要するにこの国の治安の最高の責任者は総理なんですから、これはお見舞いを申し上げると同時に、深くおわびするのはごくごく当たり前だと思っています。そして、少女が心身ともに失われた時を一日も早く回復する、そのために医療面やあるいは心理学的な面や、専門的なチームを組んで、私はしかるべき機関でケアを十分に支えていく、そういう体制をぜひとるべきだと思います。
 それで、この事件の捜査について、警察庁長官、警察の責任をどう思っているんですか、一体。まずお答えください。
#168
○政府参考人(田中節夫君) お答えいたします。
 この今回の事件は、結果としてまことに痛ましい状態で、筆舌に尽くしがたい状態で被害女性が発見されたわけでございます。
 この案件、平成二年に発生して以来、地元三条署におきましては対策本部を設け、所要の体制で懸命の捜査を続けてまいりました。しかし、結果として九年二カ月余この少女が監禁された状態で発見された。その過程におきましては、当初におきまして犯歴資料といいますか、手口資料の入力ミスがあったりというようなこともございましたし、また平成八年には被疑者の母親の話によりますと柏崎警察署に相談に参ったことが言われております。私どもの資料では必ずしもそこが明確ではないわけでありますけれども、そういう申し出がございます。
 そういたしますと、その過程でこの被害女性を救出できた可能性があるということ、その他を考え合わせますと、我々の捜査といいますか、調査も含めまして、全体としてどういうところに見落としがあったのか、ほかに方法がなかったのか、あるいはもっと工夫すべきじゃなかったかということにつきましては、反省すべき材料は多いと思っております。
#169
○照屋寛徳君 一九九六年に被疑者の母親が警察へ相談に行った。それ以降もたびたび保健所からも警察に通報があった。にもかかわらず、警察は適切な捜査を怠った。そのことからどのようなことを反省し、検証し、具体的に今後の警察に生かそうと考えているのか、明確にお答えください。
#170
○政府参考人(田中節夫君) 御指摘のように、平成八年に被疑者の母親が警察に参っている、所轄の警察署に参っているというお話がございます。その他、この地区を担当いたします警察官が三回ほど被疑者宅を訪問しております。この際にも発見できなかったわけでございます。
 そういたしますと、こういうように具体的に地域住民の方が困り事とかあるいは警察に相談事があった、あるいはいろんな意味で私どもに話を持ちかけられたときに、その場ですぐさま対応ができない、即応できない、そういう体制があったということ、それから巡回連絡と申しますか、いろいろな家庭を訪問いたしましていろんなお話を伺いますけれども、それでも発見できなかったということがございます。
 そういたしますと、今のような体制でいいのかどうか、あるいはそれに限界があるとすればほかにどのような方法があるのかということについて、これは早急に検討する必要があるというふうに考えております。
#171
○照屋寛徳君 国家公安委員長にお尋ねをいたしますが、今論じられている空出張の問題、温泉宿でマージャンをした、十分な特別監察を怠った、それ以前に、今私が指摘をした今度の事件についての警察の捜査の不手際、このことについての責任の所在はどのように思っていらっしゃるんですか。
#172
○国務大臣(保利耕輔君) この事件の捜査、それから全体、ほかにもまだいろいろございました、神奈川の問題その他。これはやはり警察組織挙げて反省すべきことだと思っております。
 これを監督するあるいは警察庁をして督励をして秩序維持を図るべき国家公安委員会並びに国家公安委員長は、このことに対しては責任を持たなければならないと思っております。
#173
○照屋寛徳君 公安委員長にお伺いをいたしますが、今度の事件で、この事件をめぐる捜査の責任を問われた人がおったんでしょうか。小林本部長は確かに引責辞任をしました。しかし、それは虚偽の記者会見をやった、あるいは監察の際に中田局長とマージャンをした、こういうことでしょう。だれか捜査の責任をとった人はおるんですか。
#174
○国務大臣(保利耕輔君) 今回の件については、監察に十三名の人が行っておりますが、その監察結果等については後ほど私ども見なければならないと思っております。
 今度の事件そのものについての責任ということでありますが、現在、調査を警察庁でやっておると思います。その調査の結果を待って全体の、どこまでどう責任をとらせるかということについては考えていかなきゃならないと思っております。
#175
○照屋寛徳君 ぜひ、本当の意味での警察の信頼を回復する意味でも、今の責任の所在を明らかにしていただきたいと私は思います。
 今、全国の警察官が二十二万五千八百三十一名と言われております。そのうちキャリア組が五百二十人であります。一連の警察不祥事を考えた場合に、腐ってもタイという言葉もあるかもしれませんが、私は、タイは頭から腐る、このこともまた真実として強く言っておかなくちゃいけない。
 さて、国家公安委員長、公安委員長が国務大臣をもって充てられるというのは、なぜそういう定めになっているんですか。
#176
○国務大臣(保利耕輔君) 当初、国家公安委員会制度が成立をいたしましたときは、国務大臣は入っておりませんでした。二十九年の改正によって国務大臣が入るようになったわけでありますが、それは、政府には日本の治安を維持する義務がある。治安を担当する警察と治安維持の義務を持っている政府との間の関係をやはり密接に連絡関係をつけておくことが必要だという趣旨で、国務大臣が国家公安委員会に入ることになったものと承知をしております。
#177
○照屋寛徳君 国務大臣が国家公安委員会に入るんじゃなくして、国務大臣をもって国家公安委員長に充てるということになっているんじゃありませんか。
#178
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公安委員長には国務大臣を充てるという規定が、私ちょっと忘れましたけれども、法律にあると承知をしております。
#179
○照屋寛徳君 国家公安委員長はかねてから警察法の話をしており、警察法六条に明確に書いてあるじゃないですか。「委員長は、国務大臣をもつて充てる。」、国務大臣以外に、事故がある場合は別として、委員長になれないんですよ。なぜそういう規定になっているかというのが大変大きな意味がある。そのことを答えてください。わからないじゃ、あなた、済まないよ。
#180
○国務大臣(保利耕輔君) 国務大臣が国家公安委員会に入っているということは、警察法第六条「委員長は、国務大臣をもつて充てる。」ということが書いてありまして、「委員長は、会務を総理し、国家公安委員会を代表する。」とも書いてございます。そのことを私も承知をいたしております。
#181
○照屋寛徳君 国家公安委員会というのも一つの行政委員会であります。にもかかわらず、なぜ大臣が、国務大臣が委員長に充てられるのか、私はこのことを聞いているんですよ。
#182
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公安委員会に国務大臣が加わることによりまして、政府の治安に対する国家的な考え方が、国家公安委員会の中正な判断によってろ過された上、警察運営の上に具現されるように任命されているものと承知をしております。
#183
○照屋寛徳君 総理、これは大変大きな問題です。あなたが任命をした国務大臣をもって、なぜ国家公安委員長に充てられるんでしょうか。総理のお考えをお聞かせください。
#184
○国務大臣(小渕恵三君) なぜかと言われましても、当時、法律改正によりまして、そうした大臣をもって充てるというふうに決定をされておるからでございます。
#185
○照屋寛徳君 理由ですよ、理由。だから不祥事が繰り返されるんだよ。大変大事なことなんですよ、これは。
#186
○国務大臣(保利耕輔君) 警察法六条の規定によりまして小渕総理が私を国家公安委員長に任命しているものと承知をしております。
#187
○照屋寛徳君 国家公安委員長、私は本当に情けなく思います。そんなことじゃ同じように不祥事が繰り返されますよ。
 なぜ国務大臣を充てるかというのは、国家の治安について内閣の行政責任を明確にする、内閣の責任ですよ、あなただけの責任じゃない、内閣の責任を明確にする、こういう趣旨じゃないですか。法文に書いてあるからそうだなんというのはとんでもない話だ。これじゃ国民は納得しませんよ。総理、答えてください。大変だよ、これは。そんなことも明確にしないで議論できませんよ。
#188
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#189
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
#190
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 これは一般論としてお聞き願いたいと存じますが、行政委員会一般の話といたしまして、行政権限を行政委員会につきましては内閣から独立して行使する合議制の行政機関として置いているわけでございます。
 行政委員会につきましては、憲法六十五条あるいは七十二条の規定の趣旨から見まして、憲法上やや問題が存するところではありますけれども、以下の二つの条件を満たす場合には憲法上問題がない、合憲であるというふうに解されております。
 その所掌事務が、政治的中立性の確保あるいは専門的、技術的な知識または対立する利害の調整が必要とされる、そういったもので、公正かつ中立に行われることが特に要請される行政事務であること、あるいは内閣が当該行政委員会に対しまして人事、任命及び罷免等及び財務について一定の監督権を行使し得ること、そういうような条件のもとに行政委員会というものが設けられているわけでございます。
 そこで、行政委員会の関係での内閣の責任の問題でございますけれども、先ほど言いましたように、行政委員会といいますのは内閣から独立して設けられているものでございますから、おのずから内閣の責任というものも限界があろうと存じますけれども、ただ憲法六十六条第三項におきまして、「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」というふうに定めているわけでございます。これで国会に対して責任を負うということを規定しておりますのは、内閣に帰属する行政権の行使について、これを国会による民主的な統制のもとに置くという基本的な原理を明らかにする趣旨であると考えられるところでありまして、これは基本的にはこの責任というのは、法的責任というよりはむしろ政治的な責任であるというふうに解されているわけであります。
 そして、内閣の責任につきましては、行政権の行使の全般に及ぶというふうに考えられておりまして、同項は各国務大臣の個別の行政権の行使について各国務大臣が個別に責任を負うということを否定するものではないわけでありますが、行政権の行使全般に及んで内閣の責任というものはあるということでございます。
#191
○国務大臣(小渕恵三君) 警察法改正、これによりまして警察行政の民主的管理機関である国家公安委員会を設置して警察の民主的保障と政治的中立性の保持を図ることとされている、これは国家公安委員会をつくったときの趣旨だろうと思うんです。
 それで、国家公安委員会の委員長には国務大臣を充てることにより、同時に政府の治安責任を、先生もさっきおっしゃっておられましたが、明確にすることとした。これによりまして委員長を通じて国家公安委員会と内閣との意思疎通を図り、連絡の緊密化が図られることになったというのがこの解説の文章でございますから、このとおりかと存じます。
#192
○照屋寛徳君 これは内閣の治安に対する責任を明確にするというところが一番大事なので、そのことをぜひ私は肝に銘じていただきたいと思います。
 さて、国家公安委員長、今回の小林県警本部長、それから中田管区警察局長への処分について、国家公安委員会でどのような議論がなされたか、詳細、国民にわかりやすく御説明ください。
#193
○国務大臣(保利耕輔君) この問題が大変大きな姿として出てまいりましたのは、監察に行った者が夜マージャンをやっていたという非常にショックの大きい問題から発生をいたしました。それが私が耳にいたしましたのが二月二十四日の夜中のことであります。
 それ以来、警察庁については実情を十分調査した上できるだけ速やかに処分をしなければならないということで、国家公安委員会にお諮りがあり、中田氏については警察庁長官が人事権者でありますので、警察庁長官からの説明を聴取した後、国家公安委員会の中で御論議がございました。
 なお、私は念を期するために二月二十八日だったと思いますが、月曜日に国家公安委員会を緊急に招集いたしまして、こうした判断の問題についての各委員の御意見を聴取いたしました。全員の五人御出席でございましたが、御出席の皆様方がそれぞれこの長官の報告を了とするという御判定をいただきました。
 そこにはもちろん世間からのいろいろな御批判等も耳に聞こえておりましたが、警察に対するいろいろ御注文についても既に聞いておりましたけれども、法律とそれから規則にのっとって長官が判定をしたものを五人が全員了としたということで、その意見の取りまとめをしたのは私でございます。それを私が記者に対して発表いたしました。
 中田氏に対する経緯はそういうことであります。
#194
○照屋寛徳君 官房長官にお伺いいたします。
 内閣の官房として治安を預かる責任者として、今回の処分と、そしてそれの再考の過程での公安委員会の出した結論について、私は余りにも国民の常識からかけ離れていると思うんですね。その点について官房長官はどう思いますか。
#195
○国務大臣(青木幹雄君) 処分の内容について、内閣官房長官という立場でとやかく批判をすることは差し控えたいと思いますけれども、それから、基本的に私は官房長官として、いろいろな問題が起きたときに個人的見解を述べることはできるだけ避けるべきだと、そういうふうに考えております。
 しかしながら、今度の問題は、そういうことを通り越した非常に国民に理解しにくい、非常に残念な問題でありましたので、私は特に個人的見解として納得いかないと、こんな生ぬるい処理はないと、そういうことを申し上げてきたような次第でございます。
#196
○照屋寛徳君 国家公安委員長、きのうの峰崎委員の質問の中であなたは、やたらと私には表決権がない、持たないということを繰り返し繰り返し言っている。どういう意味ですか。
#197
○国務大臣(保利耕輔君) 表決権がないのは事実だと思います。
 ただ、政治的な観点から、私が国務大臣として公安委員会に出席をしております以上、やはりそのことについては公安委員会の皆様方にもいろいろお話を申し上げなければならないと思います。
 また、公安委員会以外の別の場所では随分警察庁長官にも私なりの感じを申し上げました。それは神奈川県警の問題が先にありまして、神奈川県警の問題の反省の上に立っていろいろやっているときにこのざまは何だということで申し上げた。きつい意見を申し上げたことを私は承知をしております。
 そういうことでございますが、表決権がないという解釈は、だからといって私がこの問題の責任を逃れるというために申し上げるものではありません。事実、法的解釈に基づいてそういうふうに申し上げたわけでありまして、私といえども、国家公安委員会を代表する立場ということで考えまするならば、当然、国家公安委員会全体の責任は私も負っておりますと申し上げたいと思います。
#198
○照屋寛徳君 これまた大変大きな問題で、国家公安委員会における議事の議決というのはどういう手続でなされるんですか。
#199
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、国家公安委員会の中での経験が浅いですから、今までどういうふうな議決の方法をしたかは知りません。
 しかし、投票をやったということは聞いておりません。もし投票が行われる場合に、五人おりますから可否同数ということはないんでございましょうけれども、例えば欠員が生じました場合には二対二ということが考えられますので、その場合に限りと申し上げてよろしいんでしょうか、国家公安委員長が表決権を持っておると、こういうふうに解釈をいたしております。
#200
○照屋寛徳君 あなたは、私には表決権ありませんと繰り返し繰り返し峰崎さんにはおっしゃっているんですよ。
 警察法十一条で、公安委員長の議決権、表決権はどうなっていますか。法制局長官、警察庁長官、答えてください。
#201
○政府参考人(田中節夫君) 警察法第十一条によりますと、「国家公安委員会は、委員長が招集する。国家公安委員会は、委員長及び三人以上の委員の出席がなければ会議を開き、議決をすることができない。」、同二項「国家公安委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。」となっております。
#202
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。
 今、警察庁長官から御答弁がありましたように、警察法十一条において、一項で議事の手続が書いてございます。そして、この十一条の三項におきまして「委員長に故障がある場合においては、第六条第三項に規定する委員長を代理する者は、前二項に規定する委員長の職務を行うものとし、これらの項に規定する会議又は議事の定足数の計算については、なお委員であるものとする。」というふうに書いてあるわけです。
#203
○照屋寛徳君 表決権の話をしなさいよ。
#204
○政府特別補佐人(津野修君) 三項でこう書いてあるということにつきましては、これは委員長である本来の国家公安委員長には表決権がない。そして、三項によりまして、国家公安委員長に事故がありまして、その委員の人が委員長に代理でなります。そのような場合には、その人はなお委員として表決権を行使できるという規定で三項が置かれているわけでございます。
#205
○照屋寛徳君 二項の議決権はどうですか。
#206
○政府特別補佐人(津野修君) この第二項の議決権と申しますのは、これは可否同数の場合にどちらかに決定する権限を持っておるということでございまして、それを表決権というかどうかということでございますけれども、最終的にそういった可否同数のときにどちらかの方に決定するという権限を委員長が持っているということでございます。
#207
○照屋寛徳君 それはまさに表決権じゃないか。
 法律論をやっていると、時間がございません。
 私は、最後に、今回の捜査のあり方、それから特別監察のあり方、このことについて警察庁長官は一切監督責任を感じておられないのか、それから国家公安委員長に対しては、警察庁長官の監督責任を問おうということは考えておられないのか、明確にお答えください。
#208
○政府参考人(田中節夫君) 今回の事案につきまして、特に中田前関東管区警察局長は警察庁長官の任命にあずかる人事でございます。この任命にあずかる人事である者が、今回、国民の信頼の回復を最大の課題としております不祥事案再発防止対策につきまして、その信頼を裏切るような行動をしたということにつきましては、大変私は警察庁の長として重く受けとめております。
 したがいまして、今回の事案につきまして、公安委員会から何らかの御判断があるということは当然あり得ることだというふうに思っておりますし、私も責任を大きく感じておるところでございます。
#209
○国務大臣(保利耕輔君) ただいまの警察庁長官の御発言につきましては、私が夕刻開かれます国家公安委員会におきまして、こういう御発言があったということを紹介し、国家公安委員会の委員の皆様方の御意見をよく承りたいと思います。
#210
○照屋寛徳君 きょうの夕刻の国家公安委員会に、警察庁から警察庁長官の懲戒処分が具申されるという報道がありましたが、それは事実でしょうか。
#211
○政府参考人(田中節夫君) 本日午前十時から国家公安委員会が開かれました。その国家公安委員会に国家公安委員長は御出席でありませんでしたので、その状況について御説明いたします。
 本日の午前中の国家公安委員会は、十時から始まりまして、十二時ごろ一たん休憩となりまして、午後五時から再開されることになりました。
 午前中の国家公安委員会におきまして、今夕の国家公安委員会におきましては、一連の新潟の少女誘拐事件にかかわります一月二十八日のこの虚偽報道といいますか、事実と異なる発表の件について、それから柏崎警察署におきますところの、被疑者の母親の、保健所からの応接に十分に対応できなかった件、それから一月二十八日の夜のマージャンに参加した者の責任につき、その責めを問うべき案件につきまして御協議をしていただくということになりました。あわせて、私の責任につきましても夕刻の公安委員会で問擬するということが決められたわけでございます。
#212
○照屋寛徳君 それでは次に、外交、防衛、安全保障問題に移りたいと思います。
 まず、普天間飛行場の代替施設の十五年使用期限の問題をお伺いいたします。
 戦後五十五年間、ひたすらこの国の安全保障、防衛の犠牲と負担を沖縄は強いられてきた。その沖縄県民の一人として、私は、沖縄の米軍基地の整理、縮小こそが県民の願いであるということをぜひ総理を初め国民の皆さんにおわかりいただきたい、そのことがまた平和な沖縄、平和な日本をつくることにつながる、こういうふうに思っております。
 残念ながら、稲嶺知事と岸本市長が普天間飛行場の移設を名護市辺野古沿岸域に受け入れるとの決定をいたしました。そして、その際に示したのが、移設される基地は十五年使用期限を付すんだと、こういうふうに知事も市長も言っているわけであります。
 総理並びに外務大臣、防衛庁長官にそれぞれお伺いをいたしますが、知事や市長が言っている十五年使用期限というのは、受け入れのための条件だというふうに受けとめておるのか、単なる要望、お願いだと受けとめているのか、それぞれお伺いをいたします。
#213
○国務大臣(小渕恵三君) 普天間飛行場の移設・返還問題につきましては、昨年、稲嶺沖縄県知事から移設候補地の表明をいただき、それに続き、岸本名護市長からの受け入れの表明をいただいたところでございます。こうした中で、稲嶺沖縄県知事におかれては基地の整理、縮小を求める県民感情から、また岸本名護市長におかれては基地の整理、縮小を求める観点から、普天間飛行場代替施設について十五年の使用期限を要請されたものと承知をいたしております。
 政府といたしましては、昨年末の閣議決定にあるとおり、国際情勢もあり厳しい問題であるとの認識を有しておりますが、沖縄県知事及び名護市長からの要請がなされたことを重く受けとめ、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき米国政府と協議していくことといたしたところでございます。
 そこで、今お尋ねの十五年使用期限は条件か否かということでありますが、稲嶺沖縄県知事が移設候補地を表明するに当たって、御指摘の点を移設に当たって整備すべき条件として具体的な方策が講じられるよう求めていることは承知をいたしております。また、岸本名護市長が、代替施設の受け入れ表明に当たって、御指摘の点につき具体的な取り組みを行うことを多くの前提条件の一つとして述べられたことも承知をいたしております。
 政府といたしましては、昨年末の閣議決定にあるとおり、国際情勢もあり厳しい問題であるとの認識を有しておりますが、沖縄県知事及び名護市長から要請されたことを重く受けとめ、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と協議していくことといたしたところでございます。
#214
○国務大臣(河野洋平君) ただいま総理御答弁のとおりでございます。
 私も外務大臣就任後、数次にわたって沖縄を訪問いたしまして、沖縄県民の気持ちの一端に触れてまいりました。このたび、知事及び名護市長の大変な御決断もあって、今、総理御答弁になられましたように政府に対しまして御返事がございました。私どもとしては、これを重く受けとめる必要があるということはもう肝に銘じているわけでございまして、外務大臣といたしましては、閣議決定に基づきまして懸命な努力をいたしたい、こう考えております。
#215
○国務大臣(瓦力君) 照屋委員にお答えいたしますが、今、総理、外務大臣から、昨年十二月二十八日の閣議におきましての決定を踏まえて、経緯につきましても御答弁がございました。
 私といたしましても、知事並びに市長のお考え、これを重く受けとめまして、これからこれらの問題につきまして鋭意最善の努力をしていかなければならないと。沖縄の歴史、経緯を踏まえましても、二十七年の施政権下、さらにその後我々はまだなすべきことが、整理されなければならない課題がある、かように考えておるものでございます。
#216
○照屋寛徳君 外務大臣、その沖縄の復帰の際に、沖縄の基地については政府はどうするというお約束でしたでしょうか。
#217
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄の復帰に当たりましては、それまでの沖縄県民の皆様方の大変な苦しみ、御負担というものを本土と申しますか、日本国民全員の気持ちでこれにこたえる、そういう気持ちが必要であるということを当時の総理以下私どもは考えたと承知いたしております。
#218
○照屋寛徳君 総理、総理は学生時代から沖縄に足しげく通っておられます。それで、復帰のときの件も承知しておられると思いますが、復帰の際に沖縄にある米軍基地は本土並みにするんだ、こういう約束であったのではありませんか。
#219
○国務大臣(小渕恵三君) 当時学生でございまして、どういう取り組みが日米間でされたか定かに記憶いたしておりませんが、いずれにいたしましても、整理、縮小、統合、今日なお努力をいたさせていただいておりますが、そういう方向性に向かって努力をしていかなければならないと、こう考えております。
#220
○照屋寛徳君 当時は学生じゃないよ。
#221
○国務大臣(小渕恵三君) 失礼しました。佐藤内閣の、復帰の時代は議員をいたしておりました。申しわけありません。
 その当時としては、これから沖縄の負担を軽減すべく努力をしていくという基本的姿勢であったと存じております。
#222
○照屋寛徳君 官房長官、沖縄開発庁長官を兼ねておられる官房長官にお伺いいたします。
 復帰の際に、本土並み返還と言ったんですよ。政府はそれが約束でした。二十八年間たちました。どうですか。いまだに七五%の基地が沖縄に集中しております。復帰の際の政府の約束、県民に対する約束は守られているとお思いですか。
#223
○国務大臣(青木幹雄君) 委員がおっしゃるように、その当時の約束がそのまま守られていると私は考えておりません。しかしながら、私どもはSACO合意に基づいて最大の努力を今続けているところでございまして、今後ともこの努力は続けて、沖縄県民の皆さんの納得のいく形で私どもは全力を挙げなきゃならない、そういうふうに担当大臣として考えております。
#224
○照屋寛徳君 防衛庁長官にお伺いいたします。
 一月のコーエン国防長官との日米防衛首脳会談で、十五年使用期限問題についてはどういう話し合いがなされましたか。
#225
○国務大臣(瓦力君) 照屋委員にお答えをいたします。
 先般、この一月に訪米をいたしましてコーエン長官と会談をいたしました。それは、日米安保体制は間断なき対話が必要でありますことから、幾つかの問題につきまして私がそれをコーエン長官に申し述べをさせていただいたわけであります。その際、コーエン長官に沖縄の問題につきまして昨年暮れの閣議決定を踏まえて提示をさせていただきました。
 それは、沖縄県知事が十五年の使用期間を強く主張されたことを重く受けとめる一方、将来の国際情勢の推移を予測することは極めて困難であるが、このことは使用期間の問題を考える場合に勘案しなければならないことであることは十分承知をしておる。いずれにしても、日米安保共同宣言に従いまして、国際情勢の変化に対応して日米間で協議していきたい旨申し上げたところであります。
 このことに対しまして、コーエン長官から、九六年の日米安保共同宣言を念頭に置きつつ、日米両国政府は、国際安全保障環境の変化に対応して両国政府の必要性を最もよく満たすような防衛政策並びに日本における米軍の兵力構成を含む軍事態勢について緊密に協議を続ける旨発言があったところでございます。
#226
○照屋寛徳君 私は、瓦長官は大変正直な人だと日ごろから尊敬をいたしております。
 長官、このコーエンさんとの会談の中で、コーエン国防長官は普天間飛行場の代替施設十五年使用期限はだめだと、こういうふうに明確におっしゃったんじゃありませんか。
#227
○国務大臣(瓦力君) お答えをいたしますが、先般の日米防衛首脳会談における使用期間にかかわるやりとりにつきましてはただいま申し上げたことに尽きておるわけでございまして、コーエン国防長官が使用期限を否定したとか拒否したという事実はございません。
#228
○照屋寛徳君 長官、明確に否定したという報道が幾つもあるんです。
 この十五年使用期限問題については具体的なコーエン国防長官からの言及は一切なかったんですか。なかったというふうに言えますか。
#229
○国務大臣(瓦力君) 重ねてお答えをいたしますが、先ほどの私のこの席における答弁にいささかも変わりはございません。
#230
○照屋寛徳君 それでは、外務大臣にお伺いをいたします。
 二月十八日のクリントン大統領との会談、それから二月二十日のオルブライト国務長官との会談において、十五年使用期限問題、あるいは沖縄の米軍基地問題、サミットの問題についてどのような話し合いがあったのか、まとめてお答えいただきたいと思います。
#231
○国務大臣(河野洋平君) お許しをいただいて二月十八日から訪米をいたしました。ワシントンにおきまして、今、議員御指摘のクリントン大統領、実は大統領にお目にかかる前に安全保障問題特別補佐官のバーガー氏ともお目にかかったわけでございますが、さらに二十日にオルブライト国務長官とお目にかかって、それぞれ日米二国間の問題、さらには国際情勢についてお話をいたしました。
 今、議員がお尋ねの沖縄の問題に絡むやりとりにつきましては、まずバーガー特別補佐官との間に普天間基地の移転にかかわる問題についてお話をいたしました。この問題につきましては、基本的に、先ほど来申し上げておりますように、閣議決定の線に沿って私から御説明を申し上げたところでございます。クリントン大統領とのお話の中では、大統領とは沖縄におきますサミットの問題について主としてお話をいたしまして、大統領からは、沖縄県民の気持ちに自分はセンシティブでありたいという御発言がございました。つまり、極めて沖縄県民の県民感情というものに十分配慮をしたいと自分は思っていると、そういう意味だろうと私は受け取りました。
 さらに、二十日のオルブライト国務長官との会談におきましても、サミットの問題及び基地の問題についてお話を申し上げました。オルブライト長官との間に普天間基地の移転について、これも先ほど申しましたように、閣議決定のいきさつ等について御説明を申し上げたところでございます。さらに、サミットの問題については米国の協力をお願いしたという状況でございました。
#232
○照屋寛徳君 外務大臣、オルブライト国務長官との間では十五年使用期限問題も話し合われたんでしょう。そのことを報告してください。
#233
○国務大臣(河野洋平君) 沖縄県知事及び名護の市長から大変な決断をもって普天間基地の県内移設、そして名護市における受け入れというものについてのお話が政府に対してございました。その中で、名護の市長からは四つの、つまり開発の問題、移転後の跡地利用の問題、さらには軍民共用の問題、そして十五年の問題、こういったことが含まれた名護市長の御判断、御決断というものがあったということを伝えたところでございます。
#234
○照屋寛徳君 私は、この稲嶺知事や岸本市長のおっしゃっている十五年使用期限というのはもう事実上空手形になった、アメリカから既にもう事実上ほごにされたというふうに考えているんです。もちろん、私自身は十五年と限定されたから基地をつくらすという立場じゃありません。あの世界的にも貴重な生態系が残されている地域に、新たに普天間の基地の機能を強化して、なおかつ一兆円という国民の税金をかけて基地をつくるなんというのはとんでもない、こういうふうに思っております。
 外務大臣、最後にお伺いしますが、単刀直入にお答えください。
 十五年使用期限という約束をアメリカに具体的に要求して、アメリカに約束をさせて、そういうふうに協定を結ぶことはできるんですか。
#235
○国務大臣(河野洋平君) お答えを申し上げる前に、一点だけお話をさせていただきたいことがございます。
 今、議員からは、普天間基地の移設について基地機能を強化し云々というお話がございました。こうしたことについて、今そうしたことを考えているものでは全くございません。軍民共用という点に着目をしてもしそういうことをおっしゃっておられるのだとすれば、これはまた話は、軍民共用というものについてどう判断するかということは一つあると思いますけれども、普天間基地の移転について、基地機能を強化するということが移転の目的だと言われるような考え方は全くないことをぜひ御理解いただきたいと思います。
 さらに、十五年の問題について申し上げれば、先ほど来から申し上げておりますように、私どもとしては、知事、市長の御判断というものはまことに重い御判断だ、議員おっしゃるように、沖縄県民の長い間の御苦労、御負担というものを考えれば、この御判断はまことに重いものだというふうに思います。
 他方、先ほど防衛庁長官からもお話がございましたように、国際情勢というものもまた我々は考えないわけにはまいりません。日本の国の安全保障ということが我々にとって極めて重大であるということは、ぜひ議員にも御理解をいただきたいと思います。そうしたことを考えれば、国際情勢を考えるという前提に立って物事を考えるという部分もあるだろうと思います。
 したがって、いかにも厳しいやりとりではあるが、こうしたことについては我々として努力をしてみようということを先ほど来から申し上げているわけでございます。
#236
○照屋寛徳君 私は、思いつきで言っているんじゃないんです。私自身、こういう場で政府に問いただす以上は、普天間飛行場の代替施設は間違いなく軍民共用という立場じゃないですよ、そうじゃなくして戦略的な機能が強化される、私は政治生命をかけてそのことを言っておきたいと思います。
 ところで、外務大臣、名護市長は移設される予定の基地について、その米軍基地の運用について国と名護市が特別使用協定を結ぶということを条件にしておりますが、そんなことができるんでしょうか。
#237
○国務大臣(河野洋平君) こうした例はこれまでございません。ございませんが、今回の場合には、極めて特殊な事情ということを考えて、つまりなかったところに新しく基地を移転してつくるという特別な状況というところに着目をして、名護市と国との間で使用のための何がしかの使用協定と申しますか、そうしたルールといいますか、そういうものをつくるべく考えようということで、政府としてはそうした考えを持っております。
#238
○照屋寛徳君 その名護市と国の特別協定でもって、米軍の基地の運用を規制することはできるんですか。
#239
○国務大臣(河野洋平君) 政府としては、米軍との間に協議がなければならないというふうに思います。
 現時点におきましては、まだ場所も決まっていないわけでございますから、そうした段階ではございませんが、やがて場所が特定をされ事態が進めば、これは一つ一つ個別に問題が提起をされて、名護市と政府との間にも何らかの話し合いというものが持たれると思いますが、そういう状況下にあれば、政府は米軍とも話し合う必要は出てくるかと思います。
#240
○照屋寛徳君 私は、またこのテーマについては引き続いて予算委員会等でやらせていただきたい、このように思っておりますが、とにもかくにも、立場を超えて県民の総意がアメリカの膨大な米軍基地の整理、縮小を図っていく、このことにあるということをぜひおわかりいただきたいと思います。
#241
○国務大臣(河野洋平君) 委員長、ちょっと一カ所訂正させてください。
#242
○委員長(倉田寛之君) 河野外務大臣。
#243
○国務大臣(河野洋平君) 申しわけありません。
 私、言葉を間違えまして、政府としては今後、名護市の御意見をよく伺い、また米国政府と協議を行って適切に対処するというのが政府の立場でございます。先ほど米軍と申しましたが、米国ということで御訂正を申し上げたいと思います。
#244
○照屋寛徳君 そうすると、米国政府がノーと言ったらだめになっちゃうと、こういうことでしょう。わざわざ答弁を追加したんだから、それを言いたいんでしょう。
#245
○国務大臣(河野洋平君) 名護市長からの御要請は、名護市と政府との間で使用協定を結ぼうと、こういうお話でございますが、この使用協定は米国政府の意向を全く無視して行うというわけにはいかないかと存じます。
#246
○照屋寛徳君 結局、この予算委員会の模様を多くの県民がごらんになっていると思いますが、そんなこんなで県民をごまかしてまた犠牲を強いていこうと、こういうことなんですよ。情けないですね、この国の政治のあり方、政府の外交の姿勢。
 さて、嘉手納RAPCONの機能とその空域とシステムについて御説明をお伺いいたします。
#247
○国務大臣(二階俊博君) お答えいたします。
 嘉手納RAPCONの空域においては、那覇空港、そして米軍の嘉手納、さらに普天間飛行場等にかかわる進入機及び出発機に対して米軍がレーダーを用いて管制業務を行っております。
 嘉手納RAPCONの空域につきましては、照屋委員も御承知のとおりでありますが、嘉手納飛行場を中心に半径約九十キロメートル、高さ六千百メートル及び久米島空港を中心に半径五十四キロメートル、高さ千五百メートルの空域を米軍がレーダーを用いて管制業務を行っておるということであります。
#248
○照屋寛徳君 外務大臣、いわゆる五・一五メモではこの嘉手納RAPCONについてはどのような日米合意をやっておるんでしょうか。
#249
○国務大臣(河野洋平君) 御指摘の五・一五メモといいますのは、沖縄におきます進入管制業務につきまして、昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会におきまして、我が国が同業務を実施できるまでの間、暫定的に米軍が行う旨の合意をしているということでございます。
#250
○照屋寛徳君 暫定的といって、一九七二年からもう何年たったんでしょうか。二十八年たちましたよ。
 運輸大臣、今我が国の管制業務は嘉手納RAPCONの管制業務を実施する能力や技術を備えていないんですか。
#251
○国務大臣(二階俊博君) 運輸省では、進入管制業務を国内多数の空港において実施しております。既に、那覇空港等への進入管制業務を実施できる能力及び技術を十分有しておると考えております。
#252
○照屋寛徳君 主権国家、独立国家が暫定的といいながら二十八年間も管制業務をアメリカにゆだねる、そんなことが国民の理解を得られますか。
 外務大臣、どうしてこの嘉手納RAPCONをアメリカに強く要求して、まさに我が国の空の主権を回復することでしょう。沖縄は地上だけじゃないんですよ。空も海も主権が侵害されている。基地がつくられている。空にも基地があるんですよ。そういう思いを持って我が国の空の主権回復という立場で嘉手納RAPCONの返還を強くアメリカに求める、そういう考えはありませんか。
#253
○国務大臣(河野洋平君) これまでも数次にわたって米側にこの点については申し入れはしてきた事実がございます。
 私といたしましては、先ほど御報告を申し上げました二月二十日、オルブライト・アメリカ国務長官との会談におきまして、実はこの問題に触れて申し入れをいたしました。私からはオルブライト国務長官に対しまして、在日米軍のよき隣人政策、これは在日米軍がとっている政策でございますが、よき隣人政策に言及するとともに、日米同盟関係に関する国民の理解を増進するためにも、基地問題などにおける米側の理解と協力が必要であるということを指摘した中で、沖縄におきますいわゆる嘉手納RAPCONの日本側への移管問題を取り上げまして、具体的、技術的な問題があるから国務長官と私との話し合いでは十分ではないので、日米間の事務レベルでこの問題を取り上げて話し合っていきたいということを提案いたしまして、オルブライト長官からそうした話し合いを行うことに異存はないという御発言を得ております。
#254
○照屋寛徳君 運輸大臣にお伺いをいたします。
 運輸行政を預かる責任者として、運輸省の立場でぜひここは強く、もし外務省がもたもたするのであれば運輸省が先になって、国民の声を背にして、嘉手納RAPCONを返せ、空の管制権を日本に返せと言ったらどうでしょうか。
#255
○国務大臣(二階俊博君) 嘉手納RAPCONの件につきましては、今、委員御指摘のように、那覇空港を離着陸する民間航空機は一日二百二十ないし二百三十機でありますが、これは嘉手納RAPCON空域を計器飛行方式で飛行する航空機の約七割でございます。したがいまして、これを我が国が一括して管制を管理するということは極めて適切なことだと私は考えております。
 したがいまして、先般、新聞の報道等で知る範囲でありますが、米軍のスミス司令官の発言等がございました。これは委員も御承知のとおりだと思います。省略いたしますが、私は先般の河野外務大臣とオルブライト国務長官との会談に期待をかけておりましたが、先般、二月二十五日でありますが、アメリカのスレーター運輸長官がおいでになりまして、約二時間にわたって運輸行政全般にわたる日米間の問題で協議をいたしました。
 私はその際、先方のスレーター長官はこの問題の直接の担当者ではありませんが、同じ民間航空に責任を担う立場でこの問題に対して協力をしてもらいたい、そして私は、河野外務大臣の御了解を得た上で、スレーター長官に対して運輸省としての考えをしっかり申し述べました。そして、オルブライト長官にこのことを適切に伝えていただくために、私は書簡を送るつもりにいたしております。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
#256
○照屋寛徳君 私は、運輸大臣のただいまの非常に積極的な力強い決意を、沖縄県民の一人として、国民の一人として高く評価をしたいというふうに思っております。
 ところで、こういう管制権も米軍が握っているからさまざまな事件、事故が現に起こっているんですね。平成十二年二月四日に発生したエアーニッポン機とアメリカの戦闘機とのニアミス事件のきょう現在までの調査報告、中間的にでも御報告をいただきたいと思います。
#257
○国務大臣(二階俊博君) 現在は調査をしている最中でございます。
 大体、このようなケースで入手したデータを解析するなど、また関係者の事情を聴取するなどを行い、また機長の報告等もよく原因を調査するなどいたしますと六カ月程度通常かかっておるようでありまして、私はこういう事案に対しましては、可能な限り調査を急げということで鋭意調査を進めていく方針でありますが、六カ月を一カ月でも二カ月でも前倒しをして結論を得るように努力したいと考えております。
#258
○照屋寛徳君 それでは、外交、安全保障の問題から一転いたしまして、最もホットな多くの国民が関心を持っておる総理秘書官のドコモ株疑惑の問題について何点かお伺いをいたします。
 この問題について触れることを、総理、あるいは不愉快に思っておるかもしれません。しかしながら、事は、総理御自身のことじゃありませんけれども、総理秘書官の株の問題であります。かねてから政治家と株の問題が大きな国民的な関心事として議論をされてまいりました。
 古川秘書官が二百万円で購入した現在所有している六百七十五株のNTTドコモの株は今や時価相場二十五億円を超えると言われております。しかも、NTTドコモの未公開株が上場される際にこの未公開株を手にした個人は全国でわずか九名、そのうち小渕総理のお兄さんと秘書官がどういうわけか入っておった、こういう問題でありますから、当然この国会の場で法的な問題を含めて、事実関係を含めて私は政治の責任として事実を究明されるべきだと、このように思っております。
 それで、総理にお伺いいたしますが、古川秘書官の名誉毀損による週刊現代の編集人並びに記事を書いた記者の松田さんを告訴した告訴状をお読みになりましたか。また、二月十二日号の週刊現代をお読みになったか、まずお伺いをいたします。
#259
○国務大臣(小渕恵三君) 秘書官の告訴状は読んでおります。また、告訴の原因となりました報道についても一読をいたしておるつもりでございます。
 また、照屋委員は大変お心をいただきまして不愉快なことと言われますが、私にとりましては、こうした公の機会に私の秘書官についてその名誉をただし、私自身が秘書官を今、秘書官としての責任を負わせている立場でございますから、秘書官に対する名誉毀損事案については関連いたしますれば私にもかかわることでありますので、その機会を得たことを大変ある意味では感謝申し上げております。
 と同時に、先ほど委員は疑惑と、こう申されました。一体、疑惑とはどういうことかということのお話をまずお聞きしたいと思いますが、照屋委員も人権を標榜される弁護士として大変御活躍されておることは私も承知をしておりますが、秘書官については公職にありますからでありますが、おのずと人権を持っておることは言うまでもないと思います。
 したがって、今お話しのように、本人が昭和六十二年に取得したものがたまたま今日になりましてその株式が大変な価格を生んでいるということは事実でありますが、その時点において取得をし、今日株価が値上がりしたことが疑惑であるのか、どこであるのか。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
それから、取得をしたことについて週刊現代が盗み取ったあるいはだまし取ったと、こう言っておられることについて委員もそのことを確かめられた上でそのことを疑惑と言っておるのか。また、本件について、私自身が郵政関係に非常に強いからそうしたことに関与したといって疑惑を持っておるのか、いずれの疑惑ということを明らかにせずして疑惑であるから答えろと言われましても、疑惑は告訴状によってあり得ない、こう申し上げておるわけでございますので、そのことを、私は委員が立派な弁護士として御活躍されていることも承知をしておりますが、天下のこうした公式な委員会において疑惑と称している以上は、単に週刊誌をごらんになって疑惑と言っておられるのでないと、こう思っておりますので、そのことを明らかにしていただいた上で御質疑いただければ、御答弁させていただきたいと思います。
#260
○照屋寛徳君 私は質問の突破口に、告訴状をお読みになりましたか、その告訴状のもとになっている週刊現代をお読みになりましたか、そこから出発しようと思っておる。
#261
○国務大臣(小渕恵三君) 読みました。
#262
○照屋寛徳君 はい、わかりました。
 それで、私も告訴状をここに持ってまいりましたよ。それで、被告訴人は、先ほど申し上げましたように週刊現代の編集人と記事を書いたジャーナリストの松田さんであります。総理はお読みになったと言うんだから、なぜ、この告訴状にも書いてありますけれども、週刊現代の記事のもとになった、いわば石井夫人を被告訴人にしなかったのか、そのことを聞きましたか。
#263
○国務大臣(小渕恵三君) 私が逐一お答えすることかどうかわかりませんが、この事犯についてこれが公に受理されて、その関係人、当方について、当然のことでありますけれども、十分な、これは受理された者が審査し、そして事件の概要をお調べいただければ、当然その双方の言い分というものはこれは明らかになってくるんだろうと思います。
 そういう意味で、私もこの石井さんというのは長い間私を支持してくれた方でもございますから、あえてこの方のことについて、そのことを取り上げて、どういう法律になるのか私はわかりませんが、誣告罪になるのかあるいはわかりませんが、あえてこれを裁判として取り上げることにつきましては、告訴人としては、いずれ事件としてこれが明らかになってきた段階では、万やむを得ざる状況の中でお互いの言い分が真実が明らかになってくることは、これはやむを得ないことといたしましても、この際は、発表をいたしました右週刊現代並びにこれを書かれましたジャーナリストを告訴されたというふうに、私は告訴人並びに弁護人から告訴人を通じてお聞きをいたしておるところでございます。
#264
○照屋寛徳君 私は、総理、弁護士ならずとも政治家含めて、すべからく人間たるもの、他人の人権を大事にする、何人も人権を侵害されちゃいけない、これは総理と同じ思いなんです。
 それで、私は、週刊現代の報道があったからその報道の内容をすべて真実だ、こういうことを言っているわけじゃないんです。逆に、告訴状があったから、告訴状に記載されているのがこれが真実だというふうにも私は思いません。そこで、いろいろ報道され、現に総理の秘書官が告訴をしておられる。この事態に至って、国会議員としてこの国政の場で真相を究明するというのは、当然これは議員の責務だと私は思っているわけですね。
 時間がなくなってしまいましたが、総理はお亡くなりになった石井康元さんとその御夫人のお人柄については、どのようにお思いになっておるんですか。
#265
○国務大臣(小渕恵三君) 余りプライバシーのことを申し上げることを控えますが、一応告訴状において意見を異にしておるということであります石井さんのことでございますが、これは、私が選挙に若いころ出ましたときに、特に高崎という福田、中曽根両大先輩の金城湯池の中で、当時恐らく御両者は五万票ぐらいの票を確保しておったと思います。
 当方、私は千票か二千票というところから出発いたして、その中で私を支持してくれ、そして当初は事務所も貸していただいたということであり、その夫人はその後、私の婦人後援会の幹部として常々応援もしていただいておりました。また、その御家族ともしたがっておつき合いをさせていただいて、大変御主人を早く亡くされてまことに残念のきわみだというふうに思っておる次第でございまして、それ以上のことについて、御本人については申し上げることはございません。
#266
○照屋寛徳君 残念ながら時間がやってまいりました。もっともっとお聞きをしたかったのでありますが、私の質問を終わらなければなりません。
 私は、結びに、だからこそ総理が積極的に国会の場に出てきて、予算案を含めて徹底的な審議を尽くす、こういうことを御要望し、同時に警察不祥事については、社会民主党は公開を前提とした監察制度やそれから警察の監視を独立性の高い行政委員会にするための警察監視委員会設置法案、仮称でありますが、そういうことを準備しておるということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#267
○委員長(倉田寛之君) 以上で照屋寛徳君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#268
○委員長(倉田寛之君) 次に、泉信也君の質疑を行います。泉信也君。
#269
○泉信也君 まず冒頭に申し上げます。
 警察の一連の不祥事に対する国民の怒りというものは頂点に達しておるのではないかと思います。国会としてまず第一に行うべきことは、これらの事件について、その責任の所在や国家公安委員会のあり方を含む抜本改革について明確に参議院の意思を国民に示すことだと私は思っております。
 自由党としましては、これらの改革を実現いたしますために、国会決議を行うことを提案いたします。
 委員長におかれましては、ぜひともこの思いが届けられますようにお取り計らいくださいますことをお願い申し上げます。
#270
○委員長(倉田寛之君) ただいまの泉君の提案につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議させていただきます。
#271
○泉信也君 それでは、まず総理にお尋ねを申し上げます。
 政策実現の実効性を高める、このような観点から、自自公三党の連立政権についてお尋ねをするわけでございます。
 京都大学の中西輝政教授が、総理のことにつきまして、金融危機に的確に対処し、自由党と連立を結び、歴史認識を言い募る江沢民を追い返した。そして、国旗・国歌法案など重要法案を次々と通していった。ところが、それ以降、一挙に失速してしまった。前半の八月までの総理の評点は九十点、現在は三十点だと、このように書いておられますが、この事柄について総理の御意向はどういう御感想でございましょうか。
#272
○国務大臣(小渕恵三君) 京都大学の中西輝政先生は、日ごろから私もその御著書を拝見いたしまして、大変賛同するところが多い、ある意味では私にとりましてもいろいろとよきアドバイスをいただける方と感謝いたしておるところでございます。
 ただ、今の評価につきましては、前半、後半というふうに分けられておりますが、私はまだ前半のうちの前半を一生懸命やっておると思っておりまして、まだ暮れ六つとは言いがたいというふうに認識しつつ、国民のために一つ一つ仕事を進めていかなきゃならぬという考え方でございまして、取り上げられました、また成果といいますか、法律案として、やはり国会ですから、政府はこの考え方を国会の御支持をいただきながら金融二法を初めとして今日まで営々努力をさせていただきました。
 その中身の評価についてはいろいろあろうかと思いますが、私としては、現在の日本におきましてなさなければならないことを一つ一つ積み上げさせていただいておる段階でありまして、まだまだこれからなさなければならぬことが山積しておるという思いの中で一歩一歩歩を進めさせていただいておるわけでございまして、御評価はお任せするよりしようがないことだと思っております。
#273
○泉信也君 今、総理お答えのように、懸命に取り組んでいただいていることを私も評価させていただきたいと思います。
 ただ、自自連立ができましたときの合意書には、今、日本は国家的危機の中にある、自自両党は、政権をともにし、日本国と国民のために責任ある政治を行うことで合意すると、こういう文章があるんですね。ところが、三党連立の合意書の中にはこういうほとばしるような熱意あるいは思いが全く出ていない。
 そういうところにあるいは、これは決して総理だけのことではございませんけれども、この自自公連立の思いが国民の皆さんにわからないのではないか、こんな思いを持つものですが、いかがでございましょうか。
#274
○国務大臣(小渕恵三君) これもその評価は他に譲りたいとは思っておりますが、自由党との連立を図りましたときには、私自身も党首とはそれこそ長い間政治行動をともにしてきたことでありまして、特に竹下内閣におきましては、私が官房長官、小沢党首が官房副長官として、相ともに消費税問題を含めまして難問に取り組んできたという、ある意味の同志的なお気持ちもございました。
 残念ながら党を分かれたことでございますけれども、改めて自由主義の本旨に立ち戻って両党が力を合わせることが、現下、国家国民のために果たすべき役割をなすにふさわしい、こう思いまして自自連立を図ったわけでございます。その後、公明党の御参加もいただきまして、現在三党で連立をいたしております。
 当然のことでございますが、それぞれ政党には政党の党の理念がございます。そしてまた歴史もございます。したがいまして、連立内閣という形で内閣をともにいたしておりますが、諸般の政策課題につきましては、二党でやる場合よりも三党の方が難しいのは、これはある意味では言うまでもないことだと思っております。
 先般、ジョスパンさんが来られまして、いかがですかと言ったら、五党連立だそうでありまして、なかなか難しいと言っておりました。
 いずれにしても、ある意味では三党でより連立の成果を上げていくという過程かと存じております。必ず、私は、公明党の御参加を得て、三党が基本的政策をさらに練り上げて、そして政策を実行していくということになりますれば、国民の評価というものが私は定まってくると思いますが、残念ながらまだその過程であり、かつ私自身もそのことについて国民の皆様に十分その意のあるところをお伝えし切っておらないという意味で、いろいろ世論調査その他の数字が必ずしも芳しくないことは承知をいたしております。
 しかし、重ねて申し上げれば、せっかく三党が力を合わせていこうということになっておる内閣でありますから、その所期の目的たるものを、これを完成させていくという努力を不断にいたしていき、必ず国民の皆さんの御理解を得ていかれるものと信じて努力をしていきたいと思っております。
#275
○泉信也君 ありがとうございました。
 三党合意の政策は二十項目に及んでおります。安全保障の問題あり、そして社会福祉の問題あり、教育の問題あり、いろいろあるわけでございます。
 そこで、きょうは福祉政策と教育問題についてお尋ねをさせていただきます。
 厚生大臣、御承知のように自自公三党の政策合意の中には、消費税を福祉目的税に改め、基礎年金、高齢者医療、介護等の財源に充てる、こういうことがしたためてございます。
 ところが、厚生省が出された年金白書とでもいうんでしょうか、「二十一世紀の年金を「構築」する」というこの本でございますが、この中には、「基礎年金の税方式化は年金や税制、ひいてはわが国の社会のあり方を根本的に変える問題であり、」云々という、非常に否定的な見解が述べてございます。これは、自自合意の約束、自自公合意の約束に反するとまでは言いませんが、違うんではないか。厚生大臣、いかがでございましょうか。
#276
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、三党合意でございますが、私もかつて党の政調会長代理として携わった者の一人でございますが、二〇〇五年までにこの問題について結論を出すと、こういうことでございます。その点をまず委員に御理解をいただきたいと思っております。
 それで、年金にしろ医療、介護、こういう問題を含めまして、いわゆる社会保障に要する費用というのは、先日来申し上げておるわけでございますが、六十九兆円に達しておるわけでございます。これらは大半が保険料であり、そしてまた公費も組み合わせている、こういう仕組みになっておるわけでございます。
 問題は、今後、高齢化の進展に伴いましてますますこの社会保障費が増大していくわけでございます。そういう中で、いわゆる安定的な財源をどうやって確保していくかということが最大の課題だと、こう考えているような次第でございます。
 私どもといたしましては、これまで申し上げてまいりましたことは、給付と負担の関係が明確で国民の皆さん方の御理解しやすい社会保険方式というものが国民の間に定着しているのではないか、それからこの社会保険方式の中で、特に保険料なんかはいわゆる事業主の負担に半分よっているところが非常に大きい、こういうような問題をどうやって解決していくかということも考えておりますし、私どもは社会保険方式が適当ではないか、こう考えておるわけでございます。
 いわゆる自由党さんが御主張なさっております税方式という問題も十分に考えられる問題として今後検討していかなければならない、このように考えておりますし、いずれにいたしましても、与党間、三党間の協議というものを見守りまして慎重に対処していきたい、このように考えているような次第でございます。
#277
○泉信也君 政府・与党一体という立場からしますと、この年金白書の書き方については私は大変不満でございます。書いてあることは先延ばしの議論ばかり。「十分な国民的議論が必要です。」、「慎重な国民的議論が必要です。」、「徹底した議論をお願いすることとしています。」と、こういうことばかり書いてあるんですね。そうではなくて、五年先まで延ばすわけにはいかないんですね、これは。もうすぐ今にもやらなきゃならないという問題だと思っております。
 介護については、土屋武蔵野市長、もう五期目の市長さんですが、このままの制度を続ければ介護費用は確実に上昇し、保険料も増大し、国民の負担能力を超えるときが来る、やがて介護保険の財政は破綻するとまで言っておられるんです。私どもも全くそのように思っておりまして、一日も早く新しい取り組みに、抜本改正に取り組んでいただきたい、このことをお願いいたします。
 次に教育問題、文部大臣にお願いをいたしますが、本会議で私ども自由党の扇会長が質問をさせていただきました教育基本法についてでございます。総理からもあるいは文部大臣からもお答えをいただきましたけれども、教育基本法を教育改革国民会議にお諮りをするのか、中央教育審議会にお諮りをするのか、お諮りをするとすればいつなのか、ここをもう一度お尋ねいたします。明快にお答えをいただきたいと思います。
#278
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育改革国民会議におきましては、広く国民各界各層の方の御意見を伺いまして、そして教育の根本にさかのぼった議論を行うこととなっております。この議論の内容につきましては、まだ現時点では未定でございます。同会議で、教育のあり方全般について議論を行う中で教育基本法についての議論も行われることもある、そういうふうに考えられるわけでございます。
 一方、中央教育審議会における審議事項につきましては、教育改革国民会議の動向等を勘案しながら、そちらでどういうことが議論されるのかということを勘案しながら検討していきたい、そういうふうに考えているところでございます。
#279
○泉信也君 文部大臣、それじゃだめなんですよ。文部大臣自身がこの場で教育基本法を改正しろという御発言をなさったお立場でいらっしゃるわけです。
 中教審は、昭和二十八年以来三十四回も議論していただいた。事態は一向に改善されていなくて、悪くなる一方である。中曽根内閣のときも、臨教審ではこの教育基本法には触れないということを前提にしてつくられたというふうに聞いておるわけです。
 文部大臣は、文部大臣私案というようなものを出してでも広く国民の議論の参考にするようなお心持ちはございませんでしょうか。
#280
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育基本法につきましては、本会議でも申し上げましたけれども、また二重になりますけれども、日本の伝統とか歴史とか、あるいは道徳教育についての記述がないとか、あるいは生涯学習に触れていないとか、あるいは今では当たり前となっている男女共学の規定があるとか、そういうさまざまな御議論があるわけでありまして、私も全く同様に思っておるところでございます。
 この教育基本法は、いずれにいたしましても戦後五十数年たっておりますし、それから学校現場を初めといたしまして教育のさまざまな問題が生じているわけでありますし、また中小企業基本法あるいは農業基本法も昨年改正され、憲法につきましても衆参両院で議論が始まっているということでございますから、教育の憲法とも言うべき教育基本法について御議論いただく、時代に合ったものかどうか、日本人の教育基本法となっているかどうか等、幅広く議論を行うということは大変大事だ、そういうふうに思っております。
 そういうことでございますので、今回設置されます教育改革国民会議で議論が出てくるものと私は期待をしておるわけでございます。
#281
○泉信也君 国民会議では二十一世紀の教育、百年の計をはかるというようなこともおっしゃっていただいておりますが、文部大臣としては、教育基本法を取り上げて改正するんだという意思表示を示していただきたかったわけでございます。
 今も大臣のお言葉に生涯学習というようなお言葉がございました。これは、伝聞的に例示としてお取り上げになったわけですから、大臣がそのことを思っておられるかどうかはわかりませんが、大臣の生涯学習というのはどういうことなのか、お話を聞かせてください。
#282
○国務大臣(中曽根弘文君) 人々は生涯のいろいろな機会に、御自分の職業に関することを勉強されるとか、あるいは学ぶ喜びを味わうとか、そういうような機会があるということは大変すばらしいことであるわけでございます。また、そういう学習の成果というものが適正に評価をされるような生涯学習社会というものも構築していかなければならないと思っております。
 非常に情報化の時代になり、国際化の時代になり、また社会の構造が随分変わってまいりまして、いろいろな新しい知識を吸収しなければならないとか、あるいはまた技能を吸収しなければならないとか、そういうことが求められているわけでありまして、私ども文部省といたしましても、こういう時代の変化、ニーズに的確に対応していく必要がある、そういうふうに思っております。
 それから、生涯学習の振興というものは二つの大きなまた意味があろうかと思います。一つは個人の生きがい、それからもう一つは、社会の活性化にも大きく寄与いたします。一度退職された方にまた経験を生かして働いていただくとか、そのために勉強されるということでございますから、さらに男女共同参画社会の形成のためにも、あるいは高齢化社会への対応という意味でも大変意義のあるものだと思っておりまして、この推進に一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
#283
○泉信也君 そういたしますと、今文部省が進めておられますいわゆる生涯学習、いつでもどこでもだれでも学びたいときに学べるという、こういう思想でしょうか。もう一度、恐れ入ります。
#284
○国務大臣(中曽根弘文君) そのとおりでございます。
 けさほどの質疑でもございましたけれども、大学や大学院におきましても昼夜の授業を開講しておりますし、それからいろいろな公開講座等々もございますし、そういう意味でいろいろな機会をこれからつくっていきたいとも思っております。
#285
○泉信也君 今の大臣のお話ですと素直に理解できるんですが、文部省の今進めておる生涯学習というのは、いわゆる学習内容を三割減らす、あるいはゆとりの中で生きる力をはぐくむ、こういうことで、基礎学力の低下、基礎知識の低下を非常に父兄の皆さん方は心配しておられるわけです。
 そういう意味で、生涯学習というものを教育基本法の中に位置づけるということは私は間違っておる、生涯学習は、一生涯学べるようにいわゆる義務教育と言われるような時期に基本的な基礎的なことをしっかりと教え込むということでなければならないんではないか、そういう思いでございます。
 文部省の抱えておられる課題は大変多いわけですが、ぜひとも教育基本法を変えていただく、そして教育というのは極めてルールを学ぶ不自由なものである、あるいは保守的な事業である、そういうことから取り組んでいただきたい。特に、二十一世紀の日本人のあり方、生き方、あるいは日本の国のありよう、そういうものも徹底して議論していただいて、その上で基本法をつくっていただきたい。男女共学がどうだとか義務教育がどうだ、それはその次の話だろうと私は思います。ぜひともよろしくお願いをいたします。
 さて、次に運輸大臣にお尋ねをいたします。
 公共投資に対するいろんな御意見がございますが、私は国際社会における日本の地位が低下することを非常に危惧しておるものでございまして、その一つは空港であり、一つは港湾であります。けさほど来もいろんな議論がございましたが、日本に果たして、マッハ二とか三、あるいは千人乗りの超大型機が就航することが目前に迫っておりますが、それを受け入れられるような空港があるんでしょうか。お尋ねをいたします。
#286
○国務大臣(二階俊博君) 御専門の泉委員からの御質問でございますが、そうした空港を準備すべく、ただいま関西国際空港、さらに将来におきましては成田空港また中部国際空港等の準備を進めているところであります。
 空港は、港湾と同じように、釈迦に説法でございますが、今必要だからすぐと言われてもこれはどうにも準備のしようがありません。少なくとも二十一世紀初頭をにらんでそうした準備を国際化社会における日本の責任において私はやっておく必要がある。
 既に御承知のとおり、成田空港には五十カ国を超える国々から日本に乗り入れを希望してきておるわけです。これは、最初は外務大臣がみんな応対していただくわけでございますが、恐らく外務大臣も国際会議において他の国々からそのことをしょっちゅう希望されておるわけです。これはもう歴代外務大臣がそういうお立場にあるわけであります。私はそうしたことに対して、五十カ国の皆さんをこの日本の国に迎え入れることがどれほど日本の国益に通ずるか。
 そして、これも委員御承知のとおりでございますが、例えば観光客など日本から年間千六百万人以上の方々が海外にお出かけになります。海外から日本にお越しになるのはわずかに四百四十四万人、ですから四分の一程度でございます。これを私たちは、今運輸省として八百万人、倍増計画を考え、これこそ外務大臣の御協力を得て今それぞれの出先と連携をとりながら、さらにそうした外国人観光客を迎え入れることを考えておりますが、そうすれば空港の準備というものが必要になってくることは当然のことであります。
#287
○泉信也君 けさほどの議論で、関西空港の能力が十六万回、現実には十二万回で四万回ぐらい余裕があるではないか、こういうお話がございました。
 この十六万回というのは、平均的に飛行機が飛んでくればそうかもしれませんが、私の感じでは、国際空港の場合は朝とか夜、そういうところに大きなピークがある。そこで、どう処理するか。処理し切れないものを二期工事の滑走路で受け入れる、こういうことが必要になるのではないかと思いますが、容量の点について御説明いただけますか。
#288
○国務大臣(二階俊博君) 四千メートルの滑走路を準備してというこの関西国際空港の第二期工事、いわゆる本格化でございますが、この必要性につきましては先ほど申し述べたとおりでございます。
 今、委員が御指摘の現在の空港についてでありますが、現在の空港は御承知のとおり我が国で初めての二十四時間空港ですが、委員も今御指摘になりましたとおり、外国からのお客様も含めて早朝とか夜間とかというのは余りお客様はこれを希望いたしません。したがいまして、航空会社もその間飛ぶことを希望しないわけであります。したがって、例えば朝十時台それから一時から夕方の五時、こういうところは既に満杯でございまして、もう空港機能麻痺寸前のところまで来ておることは事実でございます。
#289
○泉信也君 周辺アジア諸国に将来の航空輸送の基地を奪われないように、ぜひとも計画的な整備をしていただきたいというふうに思います。
 そしてまた、整備した空港を活用してできるだけ旅客の利便性を高めるために、私ども自由党は先月、東京―大阪間のシャトル便の実現を決議いたしまして、今関係方面にお願いをしておるところですが、シャトル便の実現について運輸大臣どういう御見解でしょうか。
#290
○国務大臣(二階俊博君) 御指摘のシャトル便につきましては、既に泉委員が部会長を務めておられます自由党の交通部会からもそういう御要望がありましたが、既に自由民主党また公明党からも同じような御意見、御希望が寄せられております。特に先般、太田大阪府知事及び地元経済界の皆さんがお見えになりまして、シャトル便についての大変強い御要望がございました。
 したがいまして、早速運輸省としましても、大阪府を初め関係府県、地元自治体、経済界や運輸省、航空会社、つまり乗り入れを希望する航空会社、関西国際空港株式会社等が参加する協議会の場を早急に立ち上げてこの場で検討していただく、そしてそれが今後、羽田の空港が拡大されますので、それらとの関連におきまして、先ほどお話のありました利便性の向上、これに力を注いでまいりたいと思っております。
 なお、現行の関空―羽田間は昼間のダイヤが空白になっておるということをよくこれ御指摘を受けるわけでございますが、協議会の場におきまして、こうしたダイヤの改善も含めて大阪―東京間の利用者の利便の向上を急いでまいりたいと思っております。
 また、我が国の航空会社が運航する国内便での外国航空会社とのコードシェアの羽田―関空間への拡大につきましては、先般、本年の夏のダイヤから開始したいとの認可申請が一部の企業から既に運輸省に提出されているところでございますが、所要の手続、審査を経た上で近く認可をする方向であることをこの際申し上げておきたいと思います。
#291
○泉信也君 せっかくの空港を活用する、あるいはまた一社だけではなく二社、三社というような乗り入れ空港でも同じ時間帯に出ることによって大変利用客としてはおもしろくない、そういうこともございますので、ぜひ利用者の立場に立った航空行政をお願いいたしたいと思います。
 最後に、外交政策について、ひとつ総理並びに外務大臣にお尋ねをいたします。
 プーチン大統領代行の親書では、これまでの継続したいろんな事柄を尊重していきたい、本年ということを言われておりますが、本年末目途の日ロ間の平和条約及び領土問題の見通しは、総理、いかがでございましょうか。
#292
○国務大臣(小渕恵三君) ロシアとの平和条約につきましては、クラスノヤルスク合意等により、二〇〇〇年まで四島の帰属の問題を解決し、平和条約を締結するよう全力を尽くすという、日ロ間で一致した交渉指針が確立をいたしております。さらに、両国間で、ロシアにおける政権交代後も右交渉指針に従って平和条約交渉を継続していくことが確認されております。
 政府といたしましては、引き続きロシアとの交渉を進め、クラスノヤルスク合意等の実現に向けて全力を尽くしていく方針でございます。
 ただ、この両国間の交渉というものは、双方相手国のあることでございまして、今、委員御指摘のように、ロシアにおきましては昨年暮れにエリツィン大統領が突如退任することになられました。
 前橋本総理もそうでありますし、私も田中首相以来二十五年ぶりにモスクワ・クレムリンに参りまして、エリツィン大統領とこの問題について話し合いました。まさに首脳同士での話に始まったことでございますので、私としても何としても今年中にということで努力を傾注いたしておるところでありますが、新しい大統領も近々誕生することだろうと思います。
 代行につきましては、私も直接お電話をいたしまして、現大統領でありますが、エリツィン大統領との関係につきましては継続してお約束をひとつ果たしていこうではないかということでいたしておるわけでございます。
 若干、首脳がかわることに相なるかと思いますけれども、日本側としては腹を据えてこの約束を守るためにあらゆる努力をしていきたいというふうに考え、今、外務大臣を初め関係皆さんともに督励をし、努力をいたしておるところでございます。
#293
○泉信也君 外務大臣にお尋ねしますが、川奈会談、そしてそれに対する回答を、もしお話しいただけるのでしたら、日本側の提案と回答をお話しいただけるのでしたらお願いをいたします。
#294
○国務大臣(河野洋平君) いわゆる世に言う川奈提案、あるいはそれに対するロシア側からの反応ということについて新聞で一部報道されたことがございますけれども、これらにつきましては、私ども外交上の交渉事ということでございまして、その中間におきましてこうした問題について公にすることについては御容赦をいただきたいというふうにお願いを申し上げます。
#295
○泉信也君 それが国益にかなうことであれば、この場でさらに質問はいたしません。
 そこで、ロシア側は、プーチン大統領の性格は正確にはわかりませんけれども、大変強い方だ、こういうふうに伝えられております。どうか、外交政策というのは、民主主義、自由主義経済、そうした共通する価値観の上に日本の国益を追求していただきたい。
 ロシア側に、領土問題さえあれば日本はどこまでもついてくる、こういう誤解を与えないように、総理、御一緒になって御健闘いただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#296
○委員長(倉田寛之君) 以上で泉信也君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#297
○委員長(倉田寛之君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
#298
○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡滿壽男でございます。
 まず最初に、きょう、地元の中国新聞のトップに国家公安委員の記事が出ておりまして、「週一回勤務でも「常勤」 四人、年収二千六百万円 国民の常識とズレ」という記事が出ております。
 今、不況下でリストラにおびえている国民の立場から見て、確かにこの見出しのものが事実とすれば非常にこれは問題があると思いますが、その事実関係と、そしてどうしてこういう形で決まってきているのかについてお答えをいただきたいというふうに思います。
#299
○国務大臣(保利耕輔君) 事実関係でありますから警察庁からお答えをいただこうかと思いましたが、せっかくお尋ねでございます。
 国家公安委員会は、御承知のように、俸給を特別職の職員の給与に関する法律で定められておりまして、委員会の性格でありますとか委員会の責務等を総合的に勘案して決められているものでありまして、常勤委員につきましては月額百三十四万六千円と報告を受けております。
#300
○松岡滿壽男君 都道府県の公安委員の場合は、これは非常勤で月額が、これは広島県の例でありますけれども、委員長で二十三万六千円、委員は二十二万六千円ということになっておるようですけれども、どうして地方と国の場合は異なっておるのかということについてお答えをいただきたいというふうに思います。
#301
○国務大臣(保利耕輔君) 詳細については事務方からお答えをさせたいのでありますけれども、先ほど申しましたように、公安委員会の俸給につきましては特別職給与法で定められております。
 そういった関係で、全体といたしましては国家公務員の給与体系に基づくものでございまして、私どもの方で恣意的に決めることができない形になっております。
#302
○松岡滿壽男君 やはり中国地方では、この記事を見て、公安委員会、どうもやっぱりそういうことなのかという認識を持つと思うんです。だから、一度やはりこういう問題についてきちっと整理をする、見直しをするということも必要だろうと思います。また詳細は地方行政・警察委員会でお話を申し上げたいというふうに思っております。
 この前のいわゆる異常国会と申しましょうか、参議院みずから結局、そのときの新聞記事によりますと、「ノーチェック「良識の府」 衆院の異常コピー 議員自ら「参院いらない」」というような記事にあらわされておりますように、二月八日に斎藤参議院議長が各党派に示された文書に、これ以上異常な事態を放置しておくことはまさに議会の自殺行為と言わなければならないと苦渋に満ちたことを言っておられるわけであります。
 私も参議院議員として非常に残念に思っておるわけでありますけれども、あのときの国民の受け取り方としては、こういう不況のもとでリストラにおびえている国民の目から見れば、やっぱり一種の職場放棄ともとれたでしょうし、また多数の数の力でねじ伏せる姿というふうにも映ったというふうに思うわけであります。
 本予算として参議院は四百三十二億円が計上されておりますけれども、やはり国民の期待にこたえる参議院であるべきだろうというふうに思いますし、無用の用という言葉がありますが、それほど今我が国は楽な状態ではないわけであります。
 総理の、参議院の果たすべき役割というものにつきましてのお考え方、これをお示しいただきたいというふうに思います。
#303
○国務大臣(小渕恵三君) 先般の参議院の代表質問におきまして、まず議員御出席のもと御質疑をいただきましたこと、改めて敬意を表したいと思います。
 衆参両院のあり方については国会の運営にかかわる問題でありますので、政府の立場からこれに言及をいたしますこと、必ずしも適当ではないと考えますが、お尋ねでございますので申し上げるといたしますれば、二院制のもとで参議院の役割は、衆議院に対する抑制、均衡、補完、こういうことだと思います。参議院がこのような役割を果たすためには、衆議院とは異なる独自性を発揮していくことが必要であり、そのことに留意をされておると拝察をいたしております。
 このため、参議院では立法機能の充実、参議院独自の調査会の設置、開かれた参議院などの努力が重ねられておると承知をいたしておりますし、また具体的には、最近の参議院議員提出の議員立法もかなり成立をされておりますし、また先ほど申し上げた調査会なども、国際問題に関する調査会、国民生活・経済に関する調査会、共生社会に関する調査会等、衆議院に見られない独自な調査会を設置し、独自の調査を推進しておるということであります。
 また、開かれた参議院の取り組みとして、子ども国会の開催なども挙げられるのではないかと思っております。その他、参議院の改革の取り組みとして、委員会の再編、行政監視委員会の新設、押しボタン式投票の導入、これなどは衆議院に見られない改革をされておられるのではないかと思っております。
 いずれにいたしましても、両院制度をとっております世界の議院内閣制を持たれる国におきまして、両院が果たす役割、おのずとそれぞれ独自の形で相補完し、相協力し、そしてまた均衡を保ってという形でお互い力を発揮し、そのことによって国民のために政治を行う体制が整うということが望ましいと考えております。
#304
○松岡滿壽男君 参議院が十分にチェック機能を果たし得ない背景に、一つは選出方法が、衆議院も比例を導入してきた、似通ったものになっているということが一つあると思います。もう一つは、やはり実際に参議院地方区、比例、それぞれどちらかというと衆議院主導で選ばれてくるというシステムになっているわけですね。だから、そういうものを何とか変えようということで、三十年前ですか、河野謙三議長が参議院改革の三原則ということを言っておられます。
 一つは、正副議長の党籍離脱ということであります。これは今実行されておるわけですけれども、若干この前はやっぱり与党側の圧力がちょっとかかったのかなという感じがするわけでありますけれども。二番目が、参議院から大臣、政務次官を出さない。三番目が、党議拘束を緩やかにするということであったと思うんですけれども、こういう改革案につきましての総理のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
#305
○国務大臣(小渕恵三君) 今、松岡委員からお話のありました、河野謙三議員が参議院議長就任前から正副議長の党籍離脱、大臣、政務次官への就任自粛等を主張され、昭和四十六年七月に実は河野先生が議長に御就任をされまして、直ちに参議院改革に取り組んだと承知をいたしております。
 その中で、公正な議事運営に疑念を抱かれぬようにするという観点から、河野議長以来、正副議長の党籍離脱の慣行は長い間尊重され、今日に至っておると承知をいたしております。
 大臣、政務次官の問題につきましては、憲法の規定、すなわち憲法第六十八条、「内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。」という条項のみでございまして、参議院に有能な人材が多数いることから見まして、これは私は現実的ではないというふうに考えますし、また、衆参両院の中で、この内閣において共同の責任を持っていただく形で入閣ないし政務次官に御就任をされるということにつきましては、私自身としては、それぞれふさわしい、またそれの任に当たってお仕事をしていただける方にぜひ御参加いただきたいというふうに思っております。
 党議拘束の問題については、これは長い、いろいろの議論のあるところだろうと思います。政党政治と議員個人の識見とバランスをどのように図るかという問題でありますが、基本的には、党議拘束を外すことは政党政治に対する国民の信頼を揺るがすことになりかねず、より慎重であるべきと考えておりますが、具体的には、御案内のように臓器移植法のときに衆参両院で、たしか共産党を除きまして党議拘束を外したという例もあります。
 なかなか党議拘束を外す、いわゆるクロスボーティングを認めるかということは、それぞれ世界各国とも政治的歴史の背景の中でなされておるわけでございまして、また、政党法のある国もありますし、政党自体がそれだけの拘束力を持つ国もあります。
 例えて言えば、アメリカなどは共和、民主、また独立党もございますけれども、それぞれ地域的に、ああいう広大な五十州の中で必ずしも一つの政党が政治をリードするという形にならず、議員それぞれがかなり積極的なみずからの立場を主張する、そのことによって、地域の問題もありますが、クロスボーティングというのがごく自然に行われているということがありまして、ただ、我が国におきましては、やはり政党政治ということで、政党法はございませんけれども、政党という一つの形の中で政策を練り上げていくという形でございますので、現時点では必ずしもこれを取り上げることではなかろうというふうに考えております。
#306
○松岡滿壽男君 先進諸国はほとんどやはり二院制を取り入れておるわけですね。そしてまた、我が国の国民性から見ても、和辻哲郎先生の「風土」ではありませんけれども、台風的忍従性という表現をしておられるわけですね。だから、やっぱりチェックするということは非常に必要だろうと思うんです。
 さっき総理がおっしゃった、そういう抑制と均衡と補完のほかに、実は国民の多元的な、あるいは多様な意思をより広範に国会に反映するという機能も参議院の機能としてはあるわけなんです。
 そういう面からすると、平成元年に国民があえて自民党に多数を与えなかったというところがあるんだろうと思うんです。国民は参議院でブレーキをかけようとした。ところが、今度は自自公でブレーキを外しちゃったという部分が、やはり国民のそういう思いをうまく体していないという部分が今回の自自公に対する国民の支持率の低さとかそういうものに私はあらわれているんじゃないかと思うんです。結局それで衆議院のコピー化してしまうとますます無用論が出てくる、国民から見ると非常にそういう思いがあるんじゃないかと思うんです。
 憲法五十九条に、衆議院と異なった決定をした場合に、法案が通らなかった場合は、衆議院に戻して三分の二以上の賛成があれば通るわけです。今、衆議院では七一%を占めておられるわけですから、参議院はある程度フリーにされるということをされないと、まさにこういう時代に参議院要るんですかという話が私なんかの地元の方でも出るわけです。
 ここは非常に大事なところに今来ておると思いますので、やはり私は参議院は無所属とかあるいは政党を衆参で分けるとか、さっきお話しになりましたけれども党議拘束を緩やかにするとか、良識の府としての存在をやはりこれ衆議院も考えていただかなきゃいかぬというふうに私は思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#307
○国務大臣(小渕恵三君) 先ほどあえてと、こう申し上げて御答弁させていただいたわけですが、これは衆参両院、特に参議院におかれてのその存在価値、理由、こういうことを中心に松岡議員が御議論をされておられるんだと思います。
 よって、これは参議院におきまして十分御討議をいただくと同時に、衆参との関係も、これは両院をもってやはり日本の国会が成り立っておるという姿を考えていくべきものじゃないかと思っております。
 この衆参両院のことについて、日本国憲法によれば、確かに参議院で否決されたものについて、衆議院における三分の二、スーパーマジョリティーで決すればこれが法律化できます。逆に言うと、三分の二という絶対多数でなければ法律化し得ない、参議院の考え方を覆し得ない、こういうことだろうと思います。
 イギリスの例は御案内かと思いますけれども、上院で否決をされて一年間経過した場合には、いわゆる下院において二分の一、一般的マジョリティーでこれを可決いたしますれば法律化されるという国もございまして、そういう意味でそれぞれの国の状況というものは必ずしも一致しておらないんだろうと思います。
 したがいまして、衆議院と参議院、特に参議院におかれましては三年に一遍選挙というものがありまして、そのときそのときの評価というものが得られるものだろうと思っております。そのことについては、両院によって、話し合いによって選ばれる内閣総理大臣としてはこの事態というものを十分承知しなければならぬと思いますが、参議院のそうした結果によって、しからば次に行われる衆議院の選挙でどういう結果が出るかということによって、それがすべてその前の参議院の選挙の実績を拘束することには私はならぬと思いますので、それぞれ院の独自性を発揮しながら政治が進められるものと、こういうふうに考えております。
#308
○松岡滿壽男君 先ほど国家公安委員会のことを申し上げましたが、総理がやっておられる有識者会議とか、それから審議会、各種諮問機関がございますね。そういうものについて、費用とかどういう選び方をしておられるのかとかいう点については非常にわかりにくいんですけれども、我が国の場合は議院内閣制でありますから国民の意見を広く聞くということはいいことですけれども、大統領制をやっているアメリカとはまた違うと思うんですね。国会がやっぱり一応中心だろうというふうに思うんです。
 そういう点で見ると、ある面では議会軽視かなという感じがしないでもないですけれども、そういうやかましいことを私は申し上げる気は一つもありませんが、やっぱり仕組みが違うわけですから、審議会をせっかくつくられてもそれがうまく活用されるかどうかということについて非常に我々から見てもわかりにくいところがあります。その辺をどのように総理はお考えであるのか、お伺いいたしたいと思います。
#309
○国務大臣(小渕恵三君) 国民を代表する方々がお集まりになるこの国会に出席し、政府としての考え方を説明し理解を求め、あるいは議論を重ねていくことは、国政を預かる者として極めて大事な職責であると考えております。
 一方、国会や政府に限らず、民間にもさまざまな見識をお持ちの方がおられ、野に遺賢なからしむというように、そうした方々の意見を伺うこともまた国政を預かる者として当然なことと思っております。このことが国会を軽視するというふうなことにつながるとは全く考えておりません。
 有識者による会議の議論につきましては、各党また国会において大いに議論をしていただき、それらも含めて的確な行政を進めてまいりたいと思っておりまして、私、内閣を組閣いたしまして以来、いろいろと審議会、懇談会を設立いたし、御議論をちょうだいいたしております。いただきました答申のすべてが今必ずしも法制化されておりませんけれども、そうした答申をまとめるに当たりまして、委員の先生方がいろんな意味で御発言もされ、世に問うてもおられるわけでありまして、そうした議論も国会におかれましてもこれを聴取していただくことによりまして、それぞれの民間の方々の貴重な御意見にお取り組みいただいておるんじゃないか。
 例えば、経済戦略会議におかれましても、座長あるいは副座長、樋口、中谷両先生が各党の政審の方々のところにお回りになられまして、この答申に至るその内容につきまして御説明をいたしております。もちろん、賛同を得たということではありませんけれども、そうしたものを御参考にいただきながら、両院の専門家の先生方と御討議をしていくということにおいてお考えがより高まっていくというケースもございます。
 そういった意味で、それぞれの懇談会というものを私といたしましては意義あるものとせしめ、その中で実行していかなければならない問題を、もちろんプライオリティーはございますけれども、政策とし、法律化、法律案として出させていただいて国会の御審議をいただくということでございますので、私は決して議会を無視するというようなことでこれをやっておらないことは御理解いただきたいと存じます。
#310
○松岡滿壽男君 総理、ありがとうございました。
 関連質疑、奥村議員にお願いをいたします。
#311
○委員長(倉田寛之君) 関連質疑を許します。奥村展三君。
#312
○奥村展三君 関連質疑をお許しいただきたいと思います。奥村展三でございます。
 経済成長のためにあらゆる手を尽くすのは当然であろうと思います。しかしながら、今日の財政を見ましても借金財政であります。この年度末には六百四十五兆円、天文学的な数字になるわけであります。その利息を考えてみますと、国と地方を合わせましても十八兆九千億利払いをしなければならない。そしてまた、一日に五百十八億円の利払いをしていく。私が今ここで質問に立たせていただいて、わずか一分間に約三千五百九十六万円の利払いをしていかなければならないという日本の財政状況であります、長期債務の状況であります。
 こういうことを考えますと、三世代にわたってこの負担を負っていかなければならない、そう考えましたときには、何としても一日も早く構造改革をしながら、一方では経済対策をやり、一方では財政の健全化を行っていく、両輪のごとくしていかなければならないと思うものでありますが、二兎を追う者は一兎を得ずとおっしゃるわけでありますけれども、私は二十一世紀の子供たちのために、孫たちのためにやはり健全な財政運営をやっていくということが大事ではないかと思いますが、総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。
#313
○国務大臣(小渕恵三君) 私は、極めて厳しい我が国財政の状況に思いをいたし、財政構造改革という重要な課題は決して念頭を去ることはありません。
 しかしながら、我が国経済がようやく最悪期を脱し、緩やかな改善を続けている中、足元を固めることなく財政再建に取りかかるという過ちを犯すべきではない、こう考えております。今重要なことは、せっかく上向きにかかった景気を本格的な回復軌道に乗せ、かじ取りに誤りなきよう万全を期し、着実に国力の回復を図ることであり、そのことこそ内閣の責務と考えております。
 委員御指摘のように、背負った多くの財政赤字というものを後世に回してはならぬということは私とて全く同じ気持ちであります。私というよりも、むしろ政治家たる者古今東西、入るをはかって出るを制するという基本的な考え方のもとに財政を考えておることは言うまでもないことだろうというふうに思っております。
 さりながら、私、内閣をお受けいたしましたときには二年間日本の経済が低迷をし、成長率はマイナスということでございました。〇・一、一・九というようなことで、このままいきますと、残念ながら引き続いて九九年、二〇〇〇年と下がってくるということになりますと、どこまで日本経済が沈没していくかまことにはかり知れないというところでございまして、お許しをいただいて財革法はこれを凍結させていただき、そして財政出動もさせていただく中で、予算を二年間継続してやらせていただいてまいったわけでございます。
 そのことによりまして、いささか景気が上向きになっておること、また、今日の指標として株式が今日二万円を超えてこの趨勢も、必ずしも株価だけで経済をすべて推しはかるということは私は危険なことだろうとは思いますが、就任いたしまして直後は一万二千円台であったことを考えますと、やはりある意味で日本経済もそろそろ、もちろん株価の中でよく精査すれば情報関連のみが上がっておるのではないかというような御指摘もありますけれども、やはり日本経済を押し上げていくということだろうと思っております。
 そういう意味で、委員の気持ちと決して私は差異していると思いませんけれども、今日はやっぱり二兎を追って一兎を得ずということになってはいかぬとの思いで景気回復のためにあらゆる手法を講じて努力をさせていただいておるということでありますので、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#314
○奥村展三君 景気対策、よくわかります。
 しかし一方では、やはり総理、景気対策の中に今後のプログラムといいますか、こういう方向でぜひやっていくんだという総理の決意というか決断も必要だと思うんです。だから、そこの点につきまして今後何らかのプログラムを提示いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#315
○国務大臣(小渕恵三君) 正直申し上げて、ここ十年というレンジでこれは絵を描けと言えば、数字で描くことはあるいは可能かもしれません。
 しかし、ここ一年、この二年続きのマイナスをプラスにし、今年度を何としても三月期までに〇・六、そしてまた十二年度におきましては一・〇と、こういう形の中で経済成長の大きなトレンドをしっかり確実なものにしていくというところも見定めないと、その後について鉛筆だけで財政を健全化すると、六百四十五兆円をかくかくしかじかということには相ならぬと私は思います。この点については、絵を描くことよりも、まずここ一両年しっかりとした底固めをするというところが極めて現実的には必要なことだろうと思っております。
 その暁において、委員御指摘のような将来にわたる財政の改革、そのためには、財政構造の改革を今日も続けておりますけれども、そうした政策と相あわせながら将来の目標をきちんと定めていかなきゃならぬと考えております。
#316
○奥村展三君 ぜひ国民の皆さん方に、そして世界の経済そのものに対しましても、日本の財政がどのようになっていくかというプログラムを一日も早く出されることをお願いしておきたいと思います。
 教育問題でありますが、先ほどもいろいろ生涯教育について、学習についてお話がございました。
 総理、私はやはり、経済もそうでありますが、日本のこれからの歩むべき道、介護保険もスタートするわけでありますが、国民が常に健康であってほしい、健康な国づくりというのが基本ではないかなというように思うわけであります。
 生涯学習、生涯教育、いろんなことを言われておりますが、活力のある国家を目指していくならば、やはり私は、スポーツ、文化、こういうものの振興については不可欠であると思います。特に、今後介護保険がどんどん推し進められていく、体制が推し進められていくんですけれども、できるだけ寝たきり老人をつくらない、そういうことにすると、やはり若いときから健康維持をし、その国づくりをしていくということは、ある意味では国としての政策として大事ではないかなというような思いをいたす次第であります。
 生涯学習、生涯スポーツとしてこの振興が大変大切であると思いますが、総理はどのように生涯スポーツについてお考えか、お伺いをいたしたいと思います。
#317
○国務大臣(小渕恵三君) 議員が、高校野球の監督として甲子園に出場するなど、これまでの経験を生かしましてスポーツの振興や青少年の健全育成に取り組まれておることに敬意を表したいと思います。
 いつぞやここでも、琵琶湖に船を浮かべて青少年の教育をされるお話を感銘深く私お聞きしたことを覚えておるのでありますが、いずれにいたしましてもスポーツは、心身ともに健全な児童生徒の育成、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものであり、社会状況が著しい変化の中でますますその重要性が高まっていると認識をいたしております。
 このため学校教育において、体育の授業や運動部活動などを通じて生涯にわたりスポーツに親しむ資質や能力の育成を図っております。また、地域におきましても、子供たちを含む住民のだれもが身近な場所でスポーツに親しむことができる環境の整備を図ることに努めております。
 今後とも、国民一人一人が生涯を通じてスポーツに親しむことによりまして、明るく充実した生活を送ることのできるよう努力をいたしてまいりたいと思っております。
 委員もそうでありますが、大変熱心にこういうことを民間でも取り組んでいる方がおられまして、ついせんだって、小野田さんが子供たちを栃木県で、大変、夏、自然に親しむということで、サバイバルといいますか、生き抜くことの教育をしておりまして、今ブラジルに帰られましたが、帰られてから私に手紙をよこされまして、ぜひ機会があったら出かけてくれというようなことを言われましたが、民間の中でもこうした方々が非常に熱心に取り組まれまして、青少年の教育を、単に机の前で勉強するだけでなく、野外でいろいろな活動をされるようなことがより盛んになってきておることについては、これは大いに助長していかなきゃならぬことじゃないか、こういうふうに思っております。
#318
○奥村展三君 ぜひ、総理に今お話をいただきましたように、健康な国づくり推進のためにもスポーツを振興いただくようにお願いをいたしたいと思います。
 そこで、文部大臣にお伺いをいたしますが、やはりスポーツにはルールもあります。国にもルールがあるのは当然であります。やはり連帯感といいますか、スポーツを通じて青少年の健全育成、あるいはまた体力の養成等があるわけでありますが、地域スポーツ、今総理からもいろいろ根幹についてお話をいただきましたけれども、もっとやはり地域の連帯感を、コミュニケーション、そしてまた最近の子供は遊びがない、そんな思いをしているわけでありますが、文部大臣はどのようにお考えになっているか、お伺いをいたしたいと思います。
#319
○国務大臣(中曽根弘文君) スポーツの果たす役割、重要性等について、総理からお話がありましたとおりでございます。
 私といたしましては、近年、青少年の体力の低下傾向にあることとか、また運動能力が下がっていることとか、そういう点も心配しておるところでございますけれども、学校の体育の授業あるいは部活動、あるいは地域でのスポーツ活動等を通じて健全な育成、また健康な肉体を持っていくということは大変重要だろうと思っておりまして、そういう意味でも今後全力で青少年の体育の向上、あるいは高齢化社会における生涯スポーツの環境づくり等に全面的に取り組んでまいりたいと思います。
 大切なことは、スポーツというのはルールがあるわけでございまして、スポーツを通じてルールを守り、それから公正さを重んじる精神などを子供たちが学ぶということは、大変に成長していく上でも極めて重要なことでございます。こうした視点からも、各種の施策を通じてスポーツの振興に当たっていきたい、そういうふうに思っております。
#320
○奥村展三君 ありがとうございます。
 ことしはG8、九州・沖縄サミットがあります。それまでに四月には東京で教育サミットもなされるようであります。ケルンの宣言をもとにしていろいろ教育も語られるようでありますが、やはり日本は日本の伝統文化、これを重んじたひとつ形の中で日本の教育というものをもう一度、先ほど来議論をなされておりますように、しっかりとしたものを構築いただきたい。
 そして、やはり私は、きのうもお話がありましたが、知、徳、体と言われましたけれども、体、徳、知ではないかなという思いをいつもしております。体力があってこそいろいろと勉強もでき、あるいは道徳も身につけられる、そういう思いであります。ぜひそういうような教育を、あるいはまた教育の根幹をぜひ議論の中でも、日本は知、徳、体、それを体、徳、知だと言うぐらい、中曽根大臣がサミットの中でぜひやっていただきたいということをお願いいたしたいと思います。
 同時に、それとやはりチャンピオンスポーツ、ことしはシドニーのオリンピックがあるわけでありますが、これはこれとして日本の国力、スポーツに対する情熱、そういうものも見られるわけであると同時に、やはり先ほど申し上げました地域スポーツとの連携を十二分におとりをいただきたいことも申し添えておきたいと思います。
 最後でございますが、地球環境とライフスタイルについてお伺いをいたしたいと思います。サマータイムであります。
 倉田予算委員長のもとに、私も平成七年からずっと、中曽根先生も中心になってサマータイムの勉強会に参画をさせていただきました。世界的にもどんどんサマータイムを取り入れているところもありますし、生活スタイルも変わってきております。そういう流れの中で、ぜひ中曽根文部大臣がずっと議連で取り組んでこられた思いをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#321
○国務大臣(中曽根弘文君) お話にありましたように、奥村議員には参議院のサマータイム研究議員連盟の世話人として、会長は倉田予算委員長でいらっしゃいますけれども、御一緒に長い間苦労をしていただき、また法案の作成にも大変な御尽力をいただきました。
 細かい制度については申し上げませんけれども、世界七十カ国で既に実施をされておりますし、OECD加盟国の中では日本と、それから日本と同じ時間帯である韓国と、夏は白夜であるアイスランド、この三カ国だけが実施していないわけであります。
 私は、いろいろもちろんメリットがあるわけですが、ここで申し上げたいのは、文部大臣の立場からも申し上げたいのは、夕刻の子供さんたちの下校時刻が明るくなる、明るい時間に帰れるということは大変な意味があることでございまして、子供さんたちの交通安全の面、交通事故は減っています。これは統計ではっきり出ておりますし、また夕刻の犯罪も、明るいわけでございますから当然これも減っておりますし、あるいは体の不自由な方々、お年寄りの方々、あるいは目の、視力の弱い方々がどれだけ助かるかと、そういう団体からもたくさんの陳情をいただいておりまして、いろいろ大きな効果があるわけでございます。
 文部大臣といたしましては、今後とも国民的な議論が広く行われるということを願うということでありますが、議連に長く携わってきた者として、個人的には、年二回の切りかえ日に環境について子供を初め大人全体が考えると、そういうよい機会を与えるものでありますし、それから、環境庁長官からも御答弁があるかもしれませんが、九七年暮れの京都での国際環境会議、COP3におきまして日本は六%温室効果ガス削減を国際公約しているわけでありまして、現在それが減っているどころかふえているという状況も考えますと、またさらに経済的な効果がたくさんあります、景気回復効果もあります、そういうことを考えますと、ぜひこれを早期に導入していただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。
#322
○奥村展三君 そこで、四月七日、八日、九日、私の地元で行われます環境サミット、滋賀県で行われるわけでございますが、地球環境について清水環境庁長官にお伺いをいたしたいと思います。
#323
○国務大臣(清水嘉与子君) 御承知のように、先生、環境先進県でございます滋賀県がお引き受けいただきまして、G8の環境大臣会議を開かせていただきます。
 着々と準備を進めてくださっているわけでございますけれども、ことしは地球温暖化問題等が重要な課題になるわけでございまして、気候変動の問題あるいは二十一世紀の持続可能な環境とリオ・プラス10といった問題が主要議題になるわけでございます。さらに、それに次ぐテーマとしまして、環境と健康の問題を提案いたしましてG8の国々と今相談しているところでございますけれども、ぜひ、私も初めてこの議長国として参加いたしますものですから、十分成功させて有意義な会議にしたいというふうに考えているところでございます。
#324
○奥村展三君 ぜひサマータイムのことも力をかしていただきたい。
 経済面で、堺屋長官、どうでしょうか。
#325
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁でもサマータイムにつきましてはいろいろと研究してまいりまして、省資源、省エネルギーの効果あるいは国民一人当たりの大量消費、大量廃棄のライフスタイルが見直せる、余暇時間が長くなるというような効果が挙げられておりますけれども、何より一番の効果はやはり気分一新になるということだと思います。
 個人的には私、朝寝坊でございましてちょっとつらいのでございますけれども、やはりそういう子供たちが育たないように、私のような子供が育たないようにサマータイムを取り入れた方がいいんじゃないかと思っております。
#326
○奥村展三君 ありがとうございました。
 通産大臣、省エネあるいはまた地球温暖化防止等からいかがでしょうか。
#327
○国務大臣(深谷隆司君) 委員がサマータイム導入で熱心におやりになっておられること、敬意を表します。
 地球温暖化対策推進大綱に基づいて、地球環境と夏時間を考える国民会議、そういうのができて、各方面からの意見を聞きながら、去年の五月に報告書をまとめた。その中には、特にエネルギー、要するに省エネルギーを考える場合にこのサマータイム導入は非常に有効であるという中身がございました。
 それで、そこには、サマータイム導入によって恐らく原油で換算して五十万キロリットルの節約になる、これは全家庭の照明需要の一カ月分に及ぶという非常に大きな効果があるような内容もありました。全体的にいけば〇・一%ですが、エネルギーを考える場合に、今日の日本の置かれている状況というのは非常に問題がございますから、そういう意味で、国民全体が省エネを考えていただくという一つの契機になることは私は大変結構なことだと思います。
 ただ、若干心配している向きもありまして、例えば商店街、中小商店なんかは、大規模の商店が時間を延長すると太刀打ちできるだろうかという不安とか、料理飲食業は経営がどうだろうかとか、あるいは宅配とか貨物運送の、これはコンピューターに全部インプットしていますが、システムを変更する場合にコストがかかるのではないかとか、そういう向きもございますから、この方たちのことを配慮しながら国民的なコンセンサスをまとめていくということがとても大事なことではないか、そう考えております。
#328
○奥村展三君 ありがとうございました。
 最後に、労働行政からいいますと、サービス残業だとかいろんな不安感があるとも言われておりますが、牧野労働大臣、いかがでしょうか。
#329
○国務大臣(牧野隆守君) 昨年五月に取りまとめられました地球環境と夏時間を考える国民会議、この報告書では、夕方明るい時間がふえることは労働強化につながる、こういう意見があることに関連いたしまして、昭和二十三年の夏時刻法の導入から二十六年にかけての年間総労働時間の推移、それから我が国における地域別の日没時間の状況と労働時間の長さの関係、それから諸外国の事例等から検証する限りは、サマータイムの導入によりまして労働時間が長くなるという関係はないものと、このようにこの報告書では考えております。
 同時に、この報告書で、労働組合等からサマータイム制度が労働強化につながるとの懸念が寄せられていることは事実である、こういうように申しまして、こうした懸念を踏まえながら時短の推進を図っていくことが必要である、こういうように指摘いたしております。
 労働省としましては、労働基準法に基づく時間外労働の限度基準の遵守の徹底、これによって長時間残業を抑制していくとともに、ゆとりを拡大し、時間にかかわる選択の幅を拡大する、こういう観点から、時差出勤だとかフレックスタイム制の一層の普及促進、こういう方向に努めてまいりたい、こう考えております。
#330
○国務大臣(清水嘉与子君) 済みません、G8の御質問をいただいたものですから、肝心のサマータイムの環境庁の姿勢をちょっと申し上げたいというふうに思います。
 このサマータイムの導入につきましては、先生御指摘のように、地球温暖化対策の一環といたしまして、また国民が地球環境に優しいライフスタイルを工夫するあるいは実現するきっかけとなるということで、非常に重要な課題ではないかというふうに考えているわけでございます。
 ただいま労働大臣からも申されましたけれども、地球環境と夏時間を考える国民会議におきましても昨年五月報告書が取りまとめられまして、その報告書におきましてもサマータイムの導入を図るべきとされたところでございます。
 ちょうど昨年の十一月に、通産省、経企庁と共同で地球環境とライフスタイルに関する世論調査というのをさせていただきました。これは今取りまとめ中でございまして、近日中に公表予定ということになりますけれども、これによりましても、サマータイム制、条件等整備されればということも含まれますけれども、賛成六〇%ということで、だんだんに国民の間に浸透してきているというふうに考えております。
 また、中曽根大臣が議連で一生懸命やっていらっしゃる、私も議連の一員として、環境庁の長官としてもまたこれをぜひ見守っていきたいというふうに考えているところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#331
○奥村展三君 二十一世紀に向かってあらゆる問題が、安心してゆとりのある暮らしができる日本国家になるようお互いに努力をし、また先ほど来の御答弁をいただいた方向に進むことを期待して終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#332
○委員長(倉田寛之君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#333
○委員長(倉田寛之君) 次に、島袋宗康君の質疑を行います。島袋宗康君。
#334
○島袋宗康君 二院クラブ・自由連合の島袋宗康でございます。
 現在の国政における最大の課題は、いろいろな見方はあるでしょうが、私は普天間飛行場の移設がいわゆる大きな課題だと思っております。当然、沖縄県政においても最大の課題はこの普天間飛行場の問題であります。
 この問題を最大の争点とした沖縄県知事選挙から一年と三カ月になろうとしております。この一年余の間に政府の沖縄に対する態度が百八十度も変わっているということを県民はよく知っております。例えば、沖縄政策協議会の再開、沖縄振興のための特別調整費の計上、特別自由貿易地域への立地促進の施設の整備、そして沖縄自動車道や航空運賃の引き下げなどであります。その後、沖縄県と名護市がそれぞれ普天間飛行場の受け入れを表明した後は、政府の洪水のような振興策が沖縄に押し寄せております。
 政府は、大田前県政に対する態度を手のひらを返すような状態で変更いたしました。理由は簡単です。政府の言いなりに米軍基地の受け入れを明確にしたからであります。この変更をもって稲嶺県政は閉塞感から脱却が図られたと宣伝をしております。
 政府との関係修復、政府との一体感は、今や沖縄県政の至上命題のように思われます。我が国内の一県と政府との関係がこのように論じられること自体が異常であると私は考えております。単に沖縄問題の特殊性では片づけられない、戦後政治、そして政府の沖縄に対する政策あるいはその病根が潜んでいるように思われてなりません。
 前大田県政は、海上ヘリ基地建設の受け入れを最終的に断ったわけであります。政府との関係は断絶状態となり、振興策は棚上げされ、あげくの果ては、橋本前総理の退任の際には人の道に反するとまで言われました。
 今、冷静に当時の状況を検証いたしますと、前述の一九九八年十一月の沖縄県知事選挙で大田前知事は、全国的な折からの不況や沖縄の恒常的高失業率という、本来政府が批判されるべき事実や汚名を一身に受け、結果的には県政を明け渡しました。その当時、稲嶺陣営から盛んに喧伝されたことは、県政不況という理不尽な大田県政への批判でありました。この沖縄の高失業率、低県民所得、県政不況は一向に改善されておりません。
 そこでお伺いいたしますが、沖縄県の前年度の県民所得が全国のランキングで何位に位置しているのか、その実態は幾らか、そして稲嶺陣営が攻撃をした沖縄の県政不況なるものは解消されたのかどうかということであります。私は、率直に言って総理にその問題についてお伺いしておきたいと思います。
#335
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。
 県民所得につきましては、稲嶺知事が就任される前の平成九年度までしか正式な統計がございません。平成九年度においては、一人当たり県民所得は二百十六万円となっておりまして、全国一人当たり国民所得に対し六九・八%、すなわち四十七位、最低の県民所得と残念なことになっております。そういうことであります。
#336
○島袋宗康君 県民所得は二百十六万、そして全国平均の六九・八%、四十七位、本当に最低の県民所得であります。このようなことを脱するために、政府はいかような政策をこれからとろうとしているのか、お伺いいたします。
#337
○国務大臣(青木幹雄君) 政府といたしましては、沖縄の振興対策、非常に力を入れておりまして、先般の予算でも、今計上いたしております予算でも、前年度からはるかに大きな予算を計上いたしておりますし、特に北部地域につきましては特別に毎年百億円という予算も計上いたしております。
 それだけじゃなくて、あらゆる振興面に今一生懸命取り組んでおるところでございまして、正式な数字は出ておりませんけれども、県民所得、また沖縄における雇用状態、そういうものも徐々に上向きつつあることも確かでございますので、私どもも全力を挙げてこれからも沖縄の振興に取り組んでいく考えでございます。
#338
○島袋宗康君 さて、この北部に対する年間百億円の問題でありますけれども、いわゆる沖縄の名護市を中心とした北部圏は山原と呼ばれ、豊かな自然と温かい人情にあふれた地域であります。
 この地域では、かつて我が国の著名な建築、都市計画家の集団、象グループが基本構想の原案を作成し、全国的に注目されました。いわゆる低い所得や経済のおくれを必ずしもハンディと考えない、いわゆる逆格差論が展開されたわけであります。その名護市役所側の当時の中心人物でありましたのが現在の市長、岸本さんだったわけであります。結果的に基地を受け入れたわけでありますけれども、いわゆる国の支援を引き出す、踏み込んだ岸本市長のいわゆる逆格差論というものが放棄されたわけでありますけれども、その精神は今でも名護市や北部地域の人々の間では脈々と受け継がれております。
 ということは、全国最下位の県民所得であってもなお基地の建設を拒否する市民が十二月十七日段階の朝日新聞、沖縄タイムスの世論調査で五九%もあるということでございます。ちなみに移設賛成は二三%であります。それでも政府は普天間移設を強行しなければなりませんか。総理、お答えいただきたいと思います。
#339
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘の報道につきましては承知をいたしておりますが、普天間飛行場の移設・返還問題につきまして、稲嶺沖縄県知事及び岸本名護市長から移設候補地の表明及びその受け入れの表明をいただいているところであり、政府としては、このような知事や市長さんの御決断に対し、心から敬意を表してきたところであります。
 政府としては、稲嶺沖縄県知事や岸本名護市長の要請を踏まえ、昨年末、普天間飛行場の移設に係る政府方針を閣議決定いたしたところでありますが、代替施設の候補及び具体的建設場所につきましては、地域住民の意向を尊重すべく、沖縄県及び地元地方公共団体とよく相談を行うことを最善の方法をもって対処することといたしておるところでございます。
#340
○島袋宗康君 さて、普天間の移設の問題を挙げれば切りがないわけでありますけれども、時間の都合上、ここでもう二、三点お伺いいたします。
 一九九六年十二月二日に発表されたSACO最終報告の附属文書に「3準拠すべき方針」という項目が設けられております。その(f)に「日本政府は、沖縄県民に対し、海上施設の構想、建設場所及び実施日程を含めこの計画の進捗状況について継続的に明らかにしていくものとする。」というようなことが明記されております。
 しかし、日米両政府の合意文書であるにもかかわらず、政府のこの文書に対する情報開示は全くゼロに等しいわけでございます。どの位置にどのような工法で基地を建設するのか等々、県民には皆目見当がつきません。このことの責任ある担当者、防衛庁長官、御説明を願いたいと思います。
#341
○国務大臣(瓦力君) 島袋委員にお答えをいたします。
 昨年十二月二十八日の閣議決定におきまして、「代替施設の工法及び具体的建設場所の検討を含めて基本計画の策定を行う。」との方針が示されているわけでございますが、そのスケジュール等につきましては、今後政府部内、さらには沖縄県、また名護市との間で話し合いをいたしまして、また米国政府とも緊密に協議する必要がある、かように考えております。
 現時点で工法についてでございますとか、まだ具体的に申し上げる状況にはございませんが、先ほど総理からも御発言がありましたように、政府挙げて誠心誠意取り組んでいく課題だ、こう認識をいたしておるところであります。
#342
○島袋宗康君 その場所は、キャンプ・シュワブ沖に間違いありませんか。
#343
○国務大臣(瓦力君) 今、キャンプ・シュワブ沖という委員からの御指摘もございましたが、昨年十二月二十八日の閣議決定におきまして、普天間飛行場代替施設の建設場所、これをキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域とされているところでございます。
 これは、昨年十一月二十二日、稲嶺沖縄県知事が普天間飛行場の移設候補地として提示されまして、また昨年十二月二十七日、岸本名護市長が受け入れ表明をされました。このキャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域の受け入れを表明されたわけでございまして、詳細につきましては今後検討していくこととなるわけでございますが、閣議決定にありますとおり、地域住民の意向を尊重していく、また沖縄県及び地元名護市ともよく相談を行いまして、最善の方法をもって対処することといたしております。
 防衛庁といたしましても、この方針に従いまして適切に取り組んでまいる、こういうことを既に発表いたしておるところでございます。
#344
○島袋宗康君 さて、そのキャンプ・シュワブ沖の問題でありますけれども、基地建設計画が発表された海域は、水産庁編の希少野生水生生物に関するデータブックによって絶滅危惧種、国の天然記念物ジュゴンの国内唯一の生息地として推定されております。しかも、この海域は、沖縄県自然環境保全審議会が厳正な保護が必要である評価ランク一に区分している第一級の自然の宝庫であります。
 国際的な自然保護基金、いわゆるWWF日本委員会も政府に基地建設の中止を要請していると思います。言うまでもなく、自然保護は国際的な趨勢であり、国内外の世論を無視して基地建設を強行することは許されがたいものがあると私は思っております。
 このことについて総理、そして環境庁長官、よろしくお願いします。
#345
○国務大臣(小渕恵三君) 今御指摘のような報道がなされたことは承知をいたしております。
 政府といたしましては、昨年末の閣議決定にあるとおり、「地域の住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」との基本方針のもと、普天間飛行場の代替施設につきましては、安全性や自然環境に配慮した最小限の規模とすることといたしておりまして、環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとどめるための適切な対策を講じる所存でございます。
#346
○国務大臣(清水嘉与子君) ただいま総理が御答弁されたとおりでございますけれども、代替施設につきましては環境影響評価が実施されるわけでございますので、その際、今後その建設場所あるいは工法等具体的な検討とともに、その環境影響評価、そして環境への影響についても十分環境庁としても役割を果たしていきたいというふうに考えております。
 それから、ジュゴン等の希少な動物がいるということでございますけれども、具体的に建設するということになりますと、そのときの環境影響調査につきましては事業者において対応するべきというふうに思いますけれども、ジュゴンというのは生態とか分布等が既存の資料も多くございません。そして、調査手法もまだ未確立でございますので、ただいま環境庁におきましては、そのジュゴンの生態等につきましての資料をたくさん集めているところでございます。
#347
○島袋宗康君 時間ですので、終わります。
#348
○委員長(倉田寛之君) 以上で島袋宗康君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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