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2000/03/10 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第9号
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2000/03/10 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 予算委員会 第9号

#1
第147回国会 予算委員会 第9号
平成十二年三月十日(金曜日)
   午前十時十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     亀井 郁夫君     世耕 弘成君
     仲道 俊哉君     木村  仁君
     沢 たまき君     山本  保君
     小泉 親司君     緒方 靖夫君
     清水 澄子君     福島 瑞穂君
     高橋 令則君     鶴保 庸介君
     奥村 展三君     堂本 暁子君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     魚住裕一郎君     益田 洋介君
     山本  保君     福本 潤一君
     宮本 岳志君     橋本  敦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                竹山  裕君
                長谷川道郎君
                保坂 三蔵君
                溝手 顕正君
                伊藤 基隆君
                峰崎 直樹君
                荒木 清寛君
                笠井  亮君
                照屋 寛徳君
    委 員
                市川 一朗君
                大野つや子君
                釜本 邦茂君
                木村  仁君
                岸  宏一君
                北岡 秀二君
                久野 恒一君
                国井 正幸君
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                斉藤 滋宣君
                世耕 弘成君
                谷川 秀善君
                中島 眞人君
                浅尾慶一郎君
                木俣 佳丈君
                久保  亘君
                櫻井  充君
                竹村 泰子君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                本田 良一君
                魚住裕一郎君
                福本 潤一君
                益田 洋介君
                松 あきら君
                緒方 靖夫君
                須藤美也子君
                橋本  敦君
                宮本 岳志君
                福島 瑞穂君
                入澤  肇君
                鶴保 庸介君
                堂本 暁子君
                松岡滿壽男君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       法務大臣     臼井日出男君
       外務大臣     河野 洋平君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       通商産業大臣   深谷 隆司君
       運輸大臣     二階 俊博君
       郵政大臣     八代 英太君
       建設大臣     中山 正暉君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    保利 耕輔君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 青木 幹雄君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    谷垣 禎一君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  瓦   力君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  松谷蒼一郎君
   政務次官
       外務政務次官   山本 一太君
       大蔵政務次官   林  芳正君
       文部政務次官   河村 建夫君
       厚生政務次官   大野由利子君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       運輸政務次官   鈴木 政二君
       郵政政務次官   小坂 憲次君
       郵政政務次官   前田  正君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
       自治政務次官   橘 康太郎君
       総理府政務次官  長峯  基君
       総務政務次官   持永 和見君
       防衛政務次官   依田 智治君
       防衛政務次官   西川太一郎君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宍戸  洋君
   政府参考人
       警察庁長官    田中 節夫君
       警察庁長官官房
       長        石川 重明君
       防衛庁人事教育
       局長       新貝 正勝君
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
   参考人
       日本銀行総裁   速水  優君
       国際協力銀行副
       総裁       篠沢 恭助君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度特別会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)
○平成十二年度政府関係機関予算(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成十二年度総予算三案についての理事会決定事項について御報告いたします。
 本日の質疑の割り当て時間は百二十一分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・自由国民会議二十七分、民主党・新緑風会三十九分、公明党・改革クラブ十一分、日本共産党十六分、社会民主党・護憲連合十二分、自由党五分、参議院の会七分、二院クラブ・自由連合四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(倉田寛之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十二年度総予算三案審査のため、本日の委員会に国際協力銀行副総裁篠沢恭助君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(倉田寛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(倉田寛之君) 平成十二年度一般会計予算、平成十二年度特別会計予算、平成十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。斉藤滋宣君。
#6
○斉藤滋宣君 おはようございます。自由民主党の斉藤滋宣でございます。質問主意書に沿いまして質問をしたいと思います。
 まず、文部大臣にお伺いいたしますけれども、ことしの新規学卒者の就職状況が、昨年の十二月現在では、高校新卒者内定率七一・三%、短期大学新卒者の内定率四六・五%、大学新卒者の内定率は七四・五%、全部合わせまして就職が決まらない学生の総数は二十四万人と言われまして、過去最悪と言われておりますけれども、この三月末では大体この内定率がどのぐらいの数字になるとお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
 また、そのような状況というものを大臣におかれましてはどのように認識されまして、どのように対処されようとするのか、お伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員御指摘のとおり、今春卒業予定の高校生、大学生の就職内定率は大変厳しい状況となっております。お話しありましたけれども、昨年の十二月末時点のこの春卒業予定の高校生の就職内定率は七一・三%でございますし、また大学の内定率は七四・九%、昨年に比べまして大学で五・八ポイント減でございます。さらに、短期大学では九・八ポイント減の四六・八%となっております。
 こういう状況でありますので、文部省といたしましても各都道府県教育委員会に対しまして、職業安定機関との緊密な連携による就職面接会とか、あるいは内定がまだ決まっていない生徒を対象とした講習会等を行っているところでございます。
 私といたしましては、昨年来、このような深刻な状況を大変重く見まして、経済関係団体を訪問いたしまして、ことしの卒業予定者の雇用の拡大、また女子学生の採用等についてお願いをしてきたところでありますが、ことしに入りましてもこの状況が芳しくありませんので、先般、二月の末でございますけれども、また経済五団体の代表あてに改めてお願いのお手紙を出させていただいて要請を行ったところです。
 三月末までの日数が少なくなりまして、最終的にどういう数字になるかは現在のところまだわかりませんけれども、今後も労働省と密接な連携をとりながら一人でも多くの学生が就職できるように努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
#8
○斉藤滋宣君 文部省と労働省の共管でこの一月二十七日に教育労働問題に関する連絡会議が開催されておりますけれども、この協議会はどのような目的で、そしてまたどのような内容の話し合いがなされたのか、お伺いしたいと思います。両省の共管ですので、どちらでも結構でございますけれども。
#9
○政務次官(長勢甚遠君) 教育労働問題に関する連絡協議会は、今御指摘のとおり、大変に新規学卒者などの就職状況が厳しいということがありますので、緊急に両省の中で率直な意見交換を行うという目的で実施をいたしました。
 本協議会においては、新規学卒者の問題が大変厳しいという認識、また今後若年者の職業意識を啓発していくことが極めて重要である、さらに職業能力開発を進めることをこれからもっと拡大していかなきゃならぬということについて広く意見交換をし、そういう両省同じ認識のもとに連携を強化していこうということを確認したところでございます。
 これに基づきまして、今後、実務レベルによりまして新規学卒者就職問題研究会を発足して幅広く検討を進めてまいりたいと思います。来年に向けてこれらの成果が上がる具体的な方策も考えていきたい、このように思っております。
#10
○斉藤滋宣君 この協議会、前回開かれたのが平成八年の五月二十七日なんです。四年間協議会は開かれていないわけであります。
 そこで、平成八年の就職状況を見てみますと、平成八年三月末の卒業見込みの生徒においては、八一・六%が十二月現在で内定していました。三月末では九三・四%。前年度はどうだったかといいますと、十二月末現在の資料はありませんで、三月末が九三・九%。私は、この協議会というのは、就職戦線が大変厳しい、だから文部省なり労働省なりがそれぞれの知恵を持ち寄ってお互いに知恵をかし合う、そしてまた出し合いながらその厳しい就職状況を少しでもよくしていくために開いているものだと思います。
 当然に、これは事務次官以下の協議会でありますから、課長以下の実務者レベルではしょっちゅうそういう会をやっていると思うんですけれども、こういう性格の大事な協議会を、例えば去年ですと、去年も去年時点では史上最悪と言われる就職内定状況でありました。であれば、去年の段階でもこういう協議会を開いて、そして両省庁間で厳しい雇用環境をどうするかという、そういう議論をやっておく必要があったんではないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#11
○政務次官(長勢甚遠君) 経緯から申し上げますと、この協議会は、就職問題だけでなくて、労働者の生涯学習といいますか、そういうことも含めて、また職業能力に係る教育訓練、こういう連携を自由にやっていかなきゃならぬということを、両省連携してやろうということも大きな目的でございます。ただ、当然就職問題もこの大きなテーマでございます。
 先生も御承知のとおり、各実務レベルでは頻繁に会合をやってまいりまして、特にここに来まして大変厳しい状況でございますので、就職問題を中心にして今回開いた経過でございます。
 役所のありよういろいろあるわけでございますが、実務者レベルだけでやっておったんでは緊急に大胆な発想も出ないというのも御指摘のとおりでございますので、先生今おっしゃったように、もっと強力な進め方、また目に見える実効が上がる方策のためにこの協議会が活用されるようにこれからも指導してまいりたい、このように思います。
#12
○斉藤滋宣君 聞こうと思ったことを先に言われましたので聞けなくなりましたけれども。
 今、政務次官のお話のあったとおり、確かに課長以下実務者レベルでは相当突っ込んだ議論をしているように聞いております。しかし、せっかくこういう協議会をつくるわけでありますし、そしていただきましたこの協議会についての資料を読みますと、やっぱり新規学卒者の就職問題等が中心になっているようであります。
 それであえてお話をさせていただいたわけでありますけれども、確かに実務者レベルでしょっちゅうやっておりましても、やはり事務次官以下みんな集まったところで、例えば政策方針を決定するとか、それから省として何らかの決断を迫られるとか、そういう場面があるがゆえに事務次官も出席してこういう協議会を開くんだろうと思うんですね。ですから、せっかくこういう協議会をおつくりになられて、そして逆に言えば、事務レベルでもって随分積み上げをしているのであれば、それを吸い上げた格好でその協議会の中で政策をこの厳しい雇用環境の中に反映させていく、そういうことをぜひとも実現していく必要があるんではないか。
 大変きつい言葉かもしれませんけれども、やっぱり物をつくって魂を入れないということであっては、なかなかこの厳しい雇用情勢の中、新卒の採用の内定率が上がっていかないのではないのかなと危惧するものであります。
 大変申しわけございませんけれども、いま一度この協議会の活性化を含めて活用方法をお話しいただければありがたいと思います。
#13
○政務次官(長勢甚遠君) 先生の御指摘はそのとおりだと私も思います。
 どうしても従来のやり方になれている部分があったとすれば十分反省をしなきゃならぬと思いますので、先ほど申しましたとおり、迅速、大胆に現下の厳しい状況に対応できるようにこの協議会の活性化を進めたい、このように思っておる次第であります。
#14
○斉藤滋宣君 ぜひともよろしくお願いいたします。
 次に、先ほど来、特に高校生の就職状況が悪いというお話が出ておりますけれども、やはりこの不況下で企業が採用を手控えている。その上に、今までどちらかというと高校生の求人領域であった分野までに大学生や短大生が進出してきている。大変厳しい状況になっていると思います。文部省の発表を見ましても、昨年の暮れ段階で七万七千人の高校生が就職先が決まっていないという報告もなされております。
 政府においても、先ほどもお話がありましたけれども、緊急就職支援強化キャンペーンを開催しまして、高校卒業者就職促進連絡会議を開催したり、昨年の九月十日には労働省の職業安定局長と文部省初等中等教育局長の連名で各都道府県の教育長に就職支援の通達を出しましたし、さらに百件にわたる主要経済団体に人材確保の要請文書を送ったのも私も承知しておりますし、両省においていろんな対策を講じていることも十二分に承知しているつもりであります。
 しかし、こういうことをやりながら、それでもなおかつなかなか内定状況がよくなっていかない。先ほど文部大臣の決意の中に、少しでも三月末段階では昨年との比を縮めるように頑張ると。もうぜひともお願いしたいところでありますけれども、そういうことを考えてみると、今のこの就職状況の厳しさというものは、ただ単に周りの政策、支援体制、そういうことだけで上がっていくのかなということを危惧するものであります。もっと学生さんの基本的な部分の向上、例えばより一層の高卒者の質の向上、基礎学力だとかコミュニケーション能力だとか社会適応能力といった、そういう基礎的な部分の質の向上を図っていかなければ、なかなか今の就職内定率の改善ということを図るのは難しいのではないのかなと考えるものであります。
 そこで、文部大臣にお伺いしますけれども、今後高校教育の中で今言ったような質の向上という面をどのようにして図られようとするのか、お伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のお話にもありましたように、従来でしたら高等学校卒業生が就職する傾向の多かったような職場に大学生が随分就職しているようにも言われております。
 高等学校卒業後、社会生活とかあるいは職業生活で必要な基本的な知識とかあるいは技能というものを身につける、身につけさせるということは非常に重要なことでございます。高等学校の在学中から国民として必要な基礎、基本を徹底するとともに、みずから学びみずから考える、そして課題に自分から取り組んでいく、いわゆる生きる力を育成していくことが重要でありまして、そういうことによりまして委員がおっしゃいましたコミュニケーション能力とかあるいは社会的な適応能力などが身についていくものと、そういうふうに思っております。
 例えば、総合的な学習の時間などを通じまして、自分の考えを論理的に表現したりあるいは相手の立場を尊重して話し合うことができる、そういう能力を育成するとともに、またインターンシップなどの体験的な学習とかあるいは特別活動における集団活動などを通じまして人間関係を培うこととしておりまして、今後もこういうような教育に力を入れて高校生の職業意識が向上するように努力をしていきたいと思っております。
#16
○斉藤滋宣君 私は、確かに就職の内定率が悪い中に生徒の質の問題ということもあろうかと思います。
 これからちょっと具体的にお話を聞いていきたいと思うんですが、企業の採用担当者の中では七五三という言葉があるそうであります。せっかく就職をいたしましても、就職後三年たちますと、やめる人の割合が中卒では七割、高卒では五割、大卒が三割になる。労働省の調査を見ましても、九二年卒で高卒の早期離職者率は三九・七%でありましたけれども、九六年卒では四八・一%と非常に高い数字になってきています。やはりこの原因はいろいろあると思いますけれども、一つには、仕事の内容もわからずに就職してしまう、そういったことが挙げられるのではないのかなと思います。
 文部省では理科教育及び産業教育審議会、この審議会が九八年に、こういう問題を憂慮いたしまして、高校でのインターンシップというものを強力に進めていくということを提言されております。今言ったようなことを勘案しますと、それも一つの方法だと思いますけれども、今後文部省において本格的に導入する必要があると思っておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
#17
○国務大臣(中曽根弘文君) 七五三というお話がありましたけれども、高卒の就職者で三年以内に離職をする者の割合というものは、これまで大体三八%から四八%のレンジの中にあったわけでございます、推移しているわけですが、ここ数年増加傾向がございます。
 この要因といたしましては、委員から仕事の内容がわからないまま就職してしまうというお話がありましたけれども、三つぐらいに分けられると思うんです。一つは、求人が少ない中で希望職種に就職できなかった、そういうことが一つ。それから、小さい規模の企業への就職が増加をしているということ。それからもう一つは、自分の適職について十分考えないまま就職をする傾向などが指摘されているわけであります。
 そういうところから、文部省といたしましては、生徒が主体的な職業選択の能力やまた高い職業意識を身につけることができるように、理科教育及び産業教育審議会の答申を受けまして、お話がありましたインターンシップ制度の充実、またこの事業を進めているところでございます。現在、専門高校におきましては約四五%、それから高等学校全体では約二五%の学校でインターンシップを実施している、そういう状況でございますけれども、さらに多くの学校で実施されるよう、今後ともインターンシップの積極的な推進に努めていきたいと思っております。
#18
○斉藤滋宣君 今、大臣から専門高校で四五%、平均二五%のインターンシップ導入のお話がありましたけれども、仄聞するところによりますと、非常に積極的な学校とそれから非常に消極的な学校の濃淡がかなりあるやに聞いております。
 確かに、このインターンシップをやるに当たっては、先生そしてまたそれを受け入れていただく地元の企業の皆さんの理解がなければなかなか大変なのはわかりますけれども、やはり大臣の今御答弁の中にあったように、就職する側と、受ける側とする側の乖離が大分開いてきていると思うんですね、年々。であれば、やはりこういう仕事に接する機会を多くする、インターンシップ制度のようなものを有効に活用してどんどん仕事に対する、労働に対する理解を深めていかなきゃいけない、そのように私は思います。
 特に心配されるのは、教職員の中に、この制度を導入すれば自分たちの負担が多くなるということで懸念されている向きもあるやに聞いておるんですけれども、であれば、この今言った導入率を上げていくためにもう少し強力に文部省が指導をしなければその重い腰をなかなか上げられないのではないかと思うわけでありますけれども、もう少し突っ込んでこの導入策について大臣のお考えがありますればお聞かせいただきたいと思います。
#19
○国務大臣(中曽根弘文君) インターンシップの導入率については先ほど申し上げたとおりでありますが、これを高めるということは非常に大切だと思っております。
 非常に最近の厳しい雇用情勢を受けまして、高等学校卒業後の、進学もしない、就職もしない、そういういわゆる無業者が大変増加しておりまして、昨年三月の卒業者では約十二万七千人にこれが達しているわけであります。こういう無業者の増加の要因としては、厳しい雇用情勢とともに、高校生の就職に対する意識の変化も指摘されているところでございます。高等学校において、働くことの意義とか目的とかとうとさとか、また職業と職業生活などについて十分に考えてみる、そういう望ましい職業観とか勤労観を養うような指導をしていかなければならないと思っております。
 いわゆるインターンシップ、この就業体験、これをさらに積極的に推進するように努めていくとともに、先ほど申し上げましたけれども、今後設けられます総合的な学習の時間、こういう時間等を活用して企業や福祉施設での就業体験、また地域の方々の講話など、そういうお話を聞いてみる、あるいは自己の進路について考える学習を実施するなど、今後も一層そういう環境の充実を図っていきたいと思っております。
#20
○斉藤滋宣君 今、大臣から御答弁いただきましたけれども、そういう職場体験と同時に、やはり学内においてもそういう働く意味を学習するといいますか、そういったものをプログラムして生徒に教えていくということは大変大事なことだと思います。
 先ほども大臣の答弁にありましたけれども、高校生のこの厳しい雇用環境を見てみたときに、厳しい厳しいという反面、中小企業ですとか技能、販売、接客など、今まで高校生が卒業して担ってきた職域分野では逆に人が足りないところも出てきているのも事実だと思います。今、大臣のお話しのあったように、働きたいところでは働けない、人が欲しいところに人がいない、いわゆる求職求人のミスマッチが就職難の大きな原因にもなっていると思います。
 文部省の学校基本調査によりますと、昨年の卒業生百三十六万三千人のうち進学者が六一%、就職したのが二〇・二%、残りの二〇%近くの約半数が、最近顕在化してきたと言われる、自分も働く意欲に欠け、さらには少子化になってきましたから、今まで子供の多いときでしたら親はできるだけ早く働いてくれと言うわけでありますけれども、一人っ子が多くなってきたために、いい就職先がなかったら働かなくていいよ、しばらくぶらぶらしていたらいいんじゃないか、パラサイト族と言うようでありますけれども、そういう子供やフリーターがかなりふえてきている状況であります。
 日本労働研究機構の高等教育と職業に関する日欧比較調査によりますと、これは大学生の場合をとっているわけでありますけれども、卒業時にすぐ就職しなかった人は卒業後四年たっても無職のまま。正社員就職組とまた四年たって統計をとってみますと無職の割合というのは二倍になっているという数字があります。大学生ですらこれだけ高い数字でありますから、高卒においては卒業時に就職しなかった方がずっとそのまま無職でいくという割合はもっと高いものだろうと私は思います。
 そういったことを考えても、やはり先ほど大臣がおっしゃったように、インターンシップ制度とか、それからもう少し学校の中での子供たちに対する意識啓発、働くこととは何なのか、労働の意味は何なのかという、同じ言葉になって申しわけないんですけれども、そういう意識啓発をしながら生徒の質を高めていくということをやっていかなければ、やはりなかなか就職戦線は厳しい時代が続くのではないのかな、そのように思います。
 大臣のお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
#21
○国務大臣(中曽根弘文君) 最近、いわゆるフリーターと言われる方が本当にたくさんふえていますが、一般論として、また私の個人的な感想でもありますけれども、昔に比べると世の中が全般的に豊かになって、また平和であるということもこういうことの一つの原因なのかなとも思っております。
 しかし、若い方々が決まった仕事につかずにいわゆる無業者というような形でいるということは社会全体として余り好ましくない状況でありますし、そういうことからも、先ほどから申し上げておりますように、学校においてきちっと職業意識を持つように、職業観を持つよう、勤労観を持つよう指導していくことが大事だと思っております。
 そして、これも申し上げましたけれども、その一環としてはインターンシップということは大変私は大きな効果があるものと思っておりまして、そういうことで、仕事というものについて学生時代から認識をして、自分の進むべき方向を考えさせるということは大事でありますので、今後もこれの推進に努めていきたいと思っております。
#22
○斉藤滋宣君 先ほど来、就職がない就職がないという話をしておりますけれども、その一方で、労働省の外郭団体である中央職業能力開発協会が九六年に行った調査を見てみますと、高度熟練技能者が現在不足していると答えた企業が全国の製造業者の四七%。全体の六割の企業が技能者が将来不足が予測されると答えています。まさに技術力の低下に危機感を抱いているわけであります。また、技能伝承について何が阻害しているかという質問に対しましては、新規人材の確保が困難、それを挙げる企業が七六%になっています。
 技能工が不足しているのに高校生の就職状況が大変厳しくなっている。その背景には、高校生の側に技能職に目を向けようとしないということも一つありますし、目を向けても企業が求める技術の質が伴わないということも一因だと思います。今まで、どちらかというと日本の企業は高卒者などの若年労働者を自分たちの社内教育によって優秀な技能工に育ててきているわけであります。しかし、最近の雇用の流動化だとか不況下の中でそういう役割が果たせなくなってきていると思います。
 文部省でも労働省でも、そういった技能職の量の減少、そして質の低下ということを大変心配されておりますから、ものづくり教育・学習に関する懇談会を設置して、次代を担う若者たちに物づくりの楽しさやすばらしさを認識してもらうため、学校での体験学習だとか普及策のためにこの懇談会が平成十三年の三月末日までに検討をして提言をまとめようとしているわけでありますけれども、今言ったようないわゆる技能職の量の低下、そしてまた質の低下が言われているときでありますし、こういう問題の緊急性、日本の経済産業に与える影響も非常に大きいわけでありますから、来年の三月といわずにもっと早くにこういう提言を取りまとめて、その提言を文部行政だとか労働行政の中に生かしていくということを考えてみてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#23
○政務次官(長勢甚遠君) 技能労働者不足、特に熟練労働者の不足という問題はずっと高度成長期において継続して議論されてきた問題でございます。労働省におきましても、技能尊重機運を醸成するということに重点を置いていろいろ施策を講じてまいりましたが、その傾向は今日も依然として大変強く残っておるというのが実態でありまして、そのことが御指摘のミスマッチにつながっておるという問題も十分認識をしておるわけでございます。
 何といっても、物をつくる部分がきちんとしなければ日本の産業社会はきちんといかないわけでございますから、この問題に専念して取り組んでいかなきゃならないと思っておりますが、あわせて、これは産業政策その他とも当然絡むわけであります。物をつくることに興味があっても、その就業条件、就労環境等々の問題もあるわけでございまして、広範な検討が必要であると思っております。
 そういう観点から、文部省とものづくり教育・学習に関する懇談会を開催して、職業意識も含めた検討をしたいということで今検討を進めておるところでございます。大変難しい問題でございますのと、また来年の問題もありますので、早急に結論を出さなきゃならぬという御指摘のとおりでございまして、本年四月ごろまでには何とか中間的な取りまとめを行い、来年度予算要求等に反映させて成果を上げてまいりたい、このように考えております。
#24
○斉藤滋宣君 ぜひともそういう取り計らいをよろしくお願いいたします。
 それから、今までの議論の中で、やっぱり忘れていけないなと思うのは、高校に入学したけれども途中で退学してしまう、そういうのを文部省で調査しています、中途退学者の話でありますけれども。昨年、一昨年になりますか、全日制、定時制を合わせまして、高校を中退した生徒数が十一万一千三百七十二人、中退率は二・六三%となっています。この中退した理由を見てみますと、進路変更だとか、学校、学業への不適応とか、いろいろあるわけですけれども、この進路変更の中を細かく見てみますと、就職希望というのが五七・一%もあるんですね。ですから、約二万人の生徒は学校へ行ったけれども働きたくてやめているという傾向にあるようであります。先ほど言ったように、働きたくない、親もいいというパラサイト族の増加の中で、一方で、学校に行ったけれども働きたくて学校をやめていく、こういう生徒もいるというのはちょっと奇異な感じもしないでもないんですけれども、そういう調査結果が出ています。
 文部省の方でも、そういう学業だとか学校不適応、また進路変更ということに対して、そういう生徒の指導もしっかりやっていくということになっているようでありますし、また指導していきたいということもコメントされておりますけれども、この中途退学者の例えば働きたいという子供たちに対して、きちっとそういう、就職あっせんと言ったら悪いんですけれども、そういうようなことが行われているのかどうかちょっと危惧するところなんですが、やはりこの面にももう少し力を入れていってほしいなという気がいたしますので、答弁は結構ですけれども、御要望をさせていただきたいと思います。
 先日、昨年の十二月の二十七日に社会経済生産性本部が雇用政策特別委員会において緊急提言をまとめたのは御承知のとおりだと思います。その中で、いろんな提言をされているんですけれども、若年者の就職支援、特に中学校、高校の中途退学者や早期離職者に対しては、日本版のコミュニティーカレッジを設置したらどうか、そしてまた学卒未就職者に対しては、民間教育訓練機関での受講を受けた場合にその必要な経費の無利子貸し付けをするような就職準備奨学金制度みたいなものを設けてはどうかという提言をされました。
 文部省、労働省にかかわる問題だと思いますけれども、この提言についてどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(中曽根弘文君) 社会経済生産性本部の提言の内容につきましては私詳しく承知しておりませんけれども、早期離職者を含めまして社会人の再学習のために、大学とか短大におきまして社会人の積極的な受け入れを行っているところでございます。また、労働省と連携をいたしまして、離職した社会人の職業訓練のため、大学や大学院、専修学校の職業能力開発コースを整備いたしまして、労働省の教育訓練制度の対象としているところでございます。
 また、今お話がありました学卒未就職者に対する就業準備奨学金の創設ということでございますが、これは一つのアイデアであるとは思いますけれども、未就職者の対応にはいろいろなものがあるわけでございまして、なかなか難しいものと考えております。
#26
○政務次官(長勢甚遠君) 離職者等に関する訓練機会を与えるという意味で、学校制度との連携は大臣から今御説明のあったとおりでございますが、先生が特におっしゃっておられます未就職学卒者という方々に対しまして、今年度から大学生の方々には未就職の場合に無料で安定所等を通じて委託訓練が受けられる、こういう制度を設けまして、三千人程度を予定しております。また、高校生に対しましても無料でこの旨を実施するという計画で予算化もしておりますので、そういう意味で奨学金制度にまさる制度を今準備しながら未就職対策に努めてまいりたい、このように思っております。
#27
○斉藤滋宣君 もう少し今の問題でお聞きしたいんですけれども、政務次官、よろしくお願いします。
 高知県でことし、これだけ厳しい就職状況でありますから、就職先の見つからなかった高校生に対して、その高校生を採用した企業に対しては三カ月間に限って一人につき月額最高十万円を支給するという助成制度をつくりました。大変地方自治体、財政が厳しい中で、来年度予算の中に約三千万の事業費を盛り込んで、地方自治体が今こういうことをやろうとしているわけであります。
 今、確かに政務次官の答弁の中に未就職者に対する支援策、お話がありましたけれども、この高知県の例、いろんな議論、いいかどうかは別にしてもいろんな議論もあると思うんですけれども、このような支援策ということに対して、政務次官、どのようにお考えになられるでしょうか。
#28
○政務次官(長勢甚遠君) 就職された方、いわばその雇った事業主に対して助成を行うという仕組みだろうというふうに承知をいたしておりますが、今労働省、若年対策と同時に一番重要なのは中高年の非自発的な失業者に対してどうするかということが一番の最重点課題の一つでございます。そこの方ではそういう仕組みも活用しながら強力な政策を進めております。
 一方、未就職の学卒者についてどういう方策で強力に就職を進めていくかということにつきましては、先ほど申しましたように、まず職業能力をつけていただいて、就職のあっせんあるいは受け入れがより迅速に進むようにしたいというのに重点を置いておりまして、無料の職業講習等を受けられる機会をつくっていくということを今進めておるわけでございます。
 政策的なバランス、また必要度、その他の方々との公平な取り扱いということも含めて、高知県の方策も一つかとは思いますが、労働省としては、今やろうとしておる無料の職業講習等を進めて能力開発を進め、迅速な就職の機会をつくっていくということに重点を置いて取り組んでまいりたい、このように思っております。
#29
○斉藤滋宣君 政務次官のおっしゃろうとすることはよくわかるんですけれども、例えば今年度予算でも、労働省ではいわゆる雇用延長した場合には企業に対して助成をする助成制度の拡充を今やろうとしています。私は、これはこれで大変必要なことだと思いますけれども、先ほど来お話し申し上げているとおり、十二分にもう政務次官は御承知のことでありますけれども、今少子高齢化が言われて若年労働者が少なくなっていく、そして二〇〇五年以降には労働力人口が減っていく。確かに中高年者に対する手当てというのは大変大事であるけれども、やはり若年者が職につける、労働力人口としてカウントできるような職につけるということが私は大変大事なことだと思います。
 お金の話をして大変恐縮でございますけれども、いわゆる雇用延長にかかわる費用を考えれば、この場合は未就職者についてのみですから、そういうところに対する助成というのは逆に中高年者に対する助成制度よりもずっと低い額で済むのではないのかなと思いますし、それからやはりこれからの日本の産業構造を考えたときに、そういう若年労働者というものをきちっと育てていかなければ大変な時代が来るのではないのかな、そのように思います。
 今のお話を聞けば今のところそういうお考えがないようでありますけれども、やはり今後そういうことも含めて、いわゆる高校生、若年労働者の確保という問題を考えていただければありがたいと思います。
 それから、次に移りますけれども、先日、報道によりますと、人材派遣大手のパソナが、ことし卒業予定でまだ就職が見つからない大学生を対象にしまして、新卒者緊急雇用対策という就職支援サービスをこの七日から実施することを明らかにしました。
 内定の出ていない大学生にパソコンやビジネス英語、オフィスマナーなどの研修を受けてもらい、一年間コンピューターや通信関連、商社などで派遣社員として業務に携わる。そして、そういう実務経験を積むことが終わった後、当然就職試験に有利でもありますけれども、その派遣されたところで正社員に七割ぐらいの人がなることができるのではないのかなという予想をしています。
 私がちょっとお聞きしたいと思うのは、この就職支援サービスというものは労働省でもやっていますし、いろんな対策を練っています。簡単に言えば、無料の労働省の就職支援サービスがあるにもかかわらず、パソナの場合は一人十万円取るようでありますけれども、十万円のお金をかけても民間に行く。やはりそこに、お金をかけてもパソナ、民間の派遣業者の方に行った方が就職しやすいというような気持ちがあるがゆえに、こういう仕事が商売になるのかなと思うわけであります。(「ハローワークは機能していないぞ」と呼ぶ者あり)
 大変きつい御指摘でありますけれども、機能していないとまでは言いませんけれども、やはりそういう学生さんたちがお金を払ってでも民間に行って、かえって無料の就職支援をやっている労働省に来ないということは、私は、もう少し労働省サイドでも民間に倣うようなところがあるのではないか。例えば、支援センターでやっていることにまだ足りない部分があるのではないのかなという危惧をするのですけれども、いかがでしょうか。
#30
○政務次官(長勢甚遠君) 先ほど来御説明をいたしておりますように、労働省といたしましては、学生職業センター等におきまして、未就職の方々に登録をいただいて各般の職業指導を行い、また場合、必要に応じて職業講習等を委託する、能力をつけていただくということを無料で実施しておるわけでございまして、相当数の方々がこれを希望しておられますので効果を上げておる、このように思っております、十分であるかどうかはその他の状況もございますが。
 それから、今のパソナの件でございますが、私も十分承知いたしておりませんけれども、受けられる方が十万円を御負担なさるということではなくて、十万程度の負担は会社も考えて募集されておるということではなかろうかと承知をしておりますので、そういうことだという意味で、もし間違えましたら訂正をさせていただきますが、派遣会社の方々がみずからの社会的役割あるいは経営の問題も含めていろんなノウハウを開発されているということは敬意を表すべきであると思いますが、行政は行政としてやっておるということも十分御理解いただきたいと思います。
#31
○斉藤滋宣君 政務次官、お聞きしたいと思うんですけれども、今まで労働省が中心になりまして政府でも雇用対策というのは大変大きな柱になってきました。今までも総合経済対策緊急雇用開発プログラム、緊急経済対策雇用活性化総合プラン、そして緊急雇用対策と三次にわたって雇用対策を実施してきました。これらの対策をとられたときの完全失業率や有効求人倍率をそれぞれ見てみますと、総合経済対策では四・一%、そして〇・五六倍、緊急経済対策時は四・四%と〇・四七倍、緊急雇用対策時は四・八%と〇・四八倍となっています。
 現在はどうかといいますと、もう御承知のとおり、一月現在で完全失業率が四・七%、有効求人倍率〇・五二倍、完全失業者数三百九万人となっています。たしか緊急経済対策では百万人、そしてまた緊急雇用対策では七十万人の雇用創出効果が見込まれると計算していましたけれども、今言った現在の数字を見てみますと、確かに失業率というのは一たん上がるとなかなか下がらないという履歴現象もあることは承知していますし、また今までの政策が効果がないということは言う気もありません。雇用の下支え効果が働いたがゆえに今の数字だということも言うことができると思います。
 しかし、実際に今までこういう対策がとられた中で、いろんな施策を見てみますと、中小企業労働力確保法に基づく助成なんかは意外とその成果が上がっていますけれども、先日も議論があった新規・成長分野雇用創出特別奨励金なんというものは余り使われていないものもあると思います。そこで、やっぱりこういう今までやってきたことをきちっと検証することが大事だと思います。これからの雇用対策にも生きてくると思います。
 そこで、ぜひともお伺いしたいんですけれども、今までのこの三次の対策、それを受けていろんな施策をやってきたわけでありますけれども、この実施状況とその評価、そして今後これを受けてどういう対策が効果があるとお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
#32
○政務次官(長勢甚遠君) 雇用失業情勢が依然として大変厳しいという状況にあることは十分認識をし、我々もこの不安を取り除くために最大限の努力を継続していかなければならない、このように思っております。
 今まで、おっしゃるとおりの各般の政策をやってまいりました。しかし、景気の状況、あるいは産業構造の転換、企業組織の見直し等々を進めなければならないというのが日本全体としての状況の中で、どうしてもこういう状況がなかなか改善されないというのも事実でございます。しかし、これらの政策をとることによって一定の下支え効果を持ってきたと私どもは思っておるわけでございまして、今後ともこれからの経済社会の変動のしわ寄せが働く方々に来ないように全力を挙げてまいりたいと思っております。
 御案内のように、雇用創出を図っていく、また雇用の維持を図っていく、この二本柱が雇用政策の中心でございます。なかなか雇用の創出を図るということについて、今お示しの新規・成長分野についても現実の成果が上がっていないという御指摘でございますが、これはちょっと始めたばかりでございますので、我々も全力を挙げてまいりたいと思いますし、産業所管庁等との連携の中で、少しでも新しい分野、また雇用が必要な分野、あるいはまた少し無理してでも雇ってもらえる企業、産業等々に助成等を通じて強力な雇用開発を進めていただくということをこれからも継続してまいりたいと思っております。
#33
○斉藤滋宣君 ありがとうございます。
 佐藤一斎の「言志晩録」の中にこういう言葉があります。一灯を提げて暗夜を行く、暗夜を憂うることなかれ、ただ一灯を頼めとあります。
 今、大変雇用環境が厳しい折であります。職のない人やまた学生さんたち、これから職を求めて活動する皆さん方にとりまして、労働省や文部行政がそういう皆さんの暗夜の一灯になることを御期待申し上げまして、またお願い申し上げて、質問を終了したいと思います。
 ありがとうございます。
#34
○委員長(倉田寛之君) 以上で斉藤滋宣君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#35
○委員長(倉田寛之君) 次に、本田良一君の質疑を行います。本田良一君。
#36
○本田良一君 私は、民主党・新緑風会の本田良一でございます。
 今まで同僚議員、また先輩議員が警察の不祥事の問題など積極的に政府をただしてまいりました。
 しかし、民主党といたしましては、予算それから産業政策とか、もろもろそういう問題についても重要な政策でございますので、私にその分をやれということでございますので、私は産業政策のみに限りまして皆様方に質問をいたしますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、私の質問にお答えいただく前に前語りをさせていただきますと、私は地方、熊本市会議員、それから熊本の県議をやってまいりました。特に県議のときに、我々が地方で予算を、景気が悪くなる、そうした景気が悪くなったときに私どもが質問をするときに、景気をよくするための質問、その質問の原稿を書くときに、しばらくはマンネリ化して、政府の公共工事予算の前倒し、そのことのみの予算配分に我々は期待をしておりました。
 ところが、何回も書いているうちに、質問をするうちに、景気対策予算というのは国からの公共工事の予算の配分の前倒しだけ、これのみが我々の景気対策の政策だろうか、そういう疑問を持ちまして、はたとペンをとめていろいろ考えましたときに、日本は自由主義競争を基盤にした資本主義の国家だ。そうであれば当然産業政策、業を起こす、新しい産業を起こす、このことが常に政策としてなければいけないな、そういうことに思いをいたしまして、業を起こす政策、このことで地方でもしっかりとその政策を実現したい、そういう思いから産業政策に重点の目を置いた次第であります。だから、地方の方から見た国の地方政策に思いを込めて、今ここにたどり着きまして、皆様方にこの産業政策について質問をいたすことにいたします。
 特に、このたびは十二年度予算には新産業政策の予算が組み込まれております。この新産業政策、中でも起業家支援政策という政策そのものは、昨年からしきりに全国会議員、また多くの国民に熟知されるようになってきたところでございます。しかし、つい昨年の臨時国会までは産業政策そのものが総理の所信表明の中には実はここ数年登場をしていなかったのに気づきました。
 私が昨年、経済・産業委員として通産大臣に質問をいたしますときに資料を取り寄せましたところ、持ってこられた政府の方が、あなたがおっしゃるとおり、総理の所信演説には、小渕総理以前の四年前までは、四期前までは所信演説に産業政策のことがないというのがはっきりわかったわけであります。
 アメリカのクリントン大統領など先進諸国のトップの産業政策に比較をすれば、今回小渕総理が出されました所信演説の中の産業政策、これは本当に何かつけ足しの、日本経済を再生するための起業家群が誕生し雇用が創出をされる戦略的な産業政策には私はほど遠い気がいたします。皆さんもお手元に、既に説明を受けて、平成十二年度創業・ベンチャー企業対策予算案の概要、こういう予算の百十四億円の配分についても御存じと思いますが、そのようなところであります。
 こうした予算をして、小渕総理政権誕生の所信表明では、一両年中に景気の回復を図ると国民に公約をされました。しかし、全国の都会生活の中に、また地方の都市、農林漁村、ひいては離島の至るところに明るい兆しはあらわれず、ますます国民は景気不安と雇用の場となる産業の不足を訴えております。
 戦後五十年たった今日、日本の総理の所信演説に産業政策が薄れ、消え去り、今この一年にして産業政策、つまり起業家支援を重要な政策と政治家も学者も国民も意識することとなった原因はどこにあるのでしょうか。そのことを私はこの予算委員会で問いたいと思います。一体、日本という国の経済国家像をどう描けばよいのか、御質問をいたします。
 まず通産大臣に、経済体制についてはいかなる国家か。資本主義経済か社会主義経済か。個人の自由競争を基本にした市場原理、資本主義経済体制の国家であれば、これをいかなる方向に、何を目標として達成するために向かうのか。個人、つまり消費者に安くて安全で質の高い生産品を供給できることの理念にあるのではないか。
 堺屋長官がもし経済的論評を学者の立場でされるとしたら、今の政権、政策には厳しい批判をなさるのではないかと推測をしておりますが、いかがでしょうか。
 また、予算編成には宮澤大蔵大臣の新ニューディール理論があると言われておりますが、その宮澤経済イズムについて、つまり経済学的根拠はあるのでしょうか、意見をお伺いいたします。
#37
○国務大臣(堺屋太一君) 御指名でございますので、お答えさせていただきます。
 日本は、もちろん憲法によりまして資本主義体制、私有財産体制を認めておりますから資本主義と言えますが、戦後の復興の過程で非常に強い官僚統制、官僚主導が行われてきました。その意味で、資本主義ではあるけれども官僚主導だということがずっと長く続いてまいりまして、そして今、九〇年代になりまして、次々と規制緩和、規制改革を行いまして、自由競争の方向になっていこうとしているところでございます。
 その将来の像といたしましては、やはり市場経済を大前提といたしまして、それにセーフティーネットを加えて福祉社会を構築する、そういう方向に行くべきだろうと思います。
 私がちまたの物書きなら今の小渕内閣をどう批判しているか、こういう御質問でございますが、私は、今閣僚といたしまして小渕内閣の政策にいろいろと発言もさせていただき、実行面も携わっておりまして、今の政策は、細部はともかくとして、大きな流れとしては間違っているところはないと考えております。したがって、ちまたの物書きであって、今と同じ情報を得ていましたら、今のように、これでいいんだと言っていると思います。
#38
○国務大臣(深谷隆司君) 我が国が資本主義国家を目指し、個人の創意工夫、そして自由活発な経済活動が十分に認められるような環境をつくっていくという、その考え方は先生の御指摘のとおりでございます。
 ただ、今我が国の経済を取り巻く国際的な環境というのが非常に大きく変化しております。いわば、国際的な大競争時代が到来したと。そういうときに、我々が新たな発展をしていくためにどうしたらいいかということで、いわば大胆な変革に取り組むという姿勢が必要でございます。通産省としては、経済構造改革の推進に努めていくことが大変大事なことであると思います。
 また、御指摘のように、個人の創意工夫に基づいた自由な事業活動を促進するということは非常に大事でございまして、さきの臨時国会は、特に中小企業に関してこの点に着目をいたしましてさまざまな政策を皆様の御同意も得て立てさせていただいたのでございます。
 そういう中には、ただいまもお話がありましたように、創業・ベンチャー企業の育成といったような、そういうようなものもかなりウエートを置いて用意をさせていただきました。これからこれらを促進していくことによって創業率が高まり、経済が活性化していくことを期待してまいりたいと思っています。
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの分析をされましたこと、大変興味深く承りましたが、私に関しましてはそんなに難しいことを考えたわけではありませんで、小渕内閣ができました一昨年の夏でございますが、ともかくこの不況というものをどうかしなきゃなりませんので、とにかく大きな減税をして、公共事業を立てて、不況対策をやってと、それが第一着手でございました。
 しかし、それは一種の防戦策でございますから、我が国経済は当然二十一世紀に向かって新しいものにならなければなりません。そういうことと、金融に手入れをせざるを得ませんでしたので、金融機関の再編成がございますとどうしても企業の再編成がついてまいります。大企業になりますと一行でなくて何行かが協調融資をしておりますので、金融側の事情からだけでも大企業がこれと一緒に受けて立ちませんと、両方ともうまくいかないという問題がございました。それで昨年の一月には、金融の問題と一緒に大企業の強化策が必要だと考えまして、総理大臣に申し上げまして、そのころ企業家の会議もできましたし、大企業を中心に法制の整備などをいたしました。それが昨年の春まででございます。
 その次には、しかし当然に今度は中小企業にお願いをしなきゃならない番であるし、しかも中小企業が、ただ大きいものをとった残りの人たちを強めるというのじゃなくて、恐らく二十一世紀を考えると、中小企業が本当にリスクキャピタルでやってもらわないとやれないのはこれは当然でございますから。そのころ、通産省がまた従来の中小企業法を根本的に変えようと考えておられましたので、それでこれも総理や通産大臣とお話をして、次の国会は中小企業国会だなということで昨年の秋にそれをお願いいたしました。
 この部分は実はこれから非常に大事な部分でございまして、一遍で終わるわけではございません。むしろ、中小企業をそういうものに育て上げるという仕事は、これから二十一世紀に向かって一番日本にとって大事な部分になると考えておりまして、別にケインジアンとかいうことでありませんで、失業の手当てをしたり銀行の正常化をしただけでは二十一世紀の日本は生まれませんので、まさに中小企業の部分がその部分だというふうに心得ております。
#40
○本田良一君 次に、日本は護送船団方式という形を今日までとってまいりました。それで、護送船団方式の見直しに至った経済的、政治的背景について、これにはアメリカあるいは他の先進諸国の動向もあったのか、通産大臣にお伺いをいたします。
 それから、規制緩和についての重要性についてはどうお考えか。また、これは今後とも進めていくべきか。その場合何が問題になってくるか。
 それから、官経営の部分が日本には大変多うございます。今回通りました、設立をされました五十九独立法人、こういうものや、その以前のいろんな官の企業といいますか、そういうものがあります。そういうものについて、特に独立行政法人につきましては見直しをする廃止の条項も法律には入っております。これについて前倒しをして民にするという、そういう考えはないか。また、これ以上仮に設立をするのは日本経済に悪影響をもたらすと思いますが、いかがでしょうか。
 よって、民間移管を速やかに行って、より新産業創出と起業家の発生を促す政策見直しが急務と思われますが、通産大臣にお伺いをいたします。
#41
○国務大臣(深谷隆司君) 一番最初の、護送船団方式を変えていくというのがアメリカその他外国からのさまざまな動きの中から生まれたのかということでありますが、必ずしもそうではありませんで、今日の時代、特に二十一世紀に向けて我が国はどのような産業経済活動をしていくのか、その背景の政治や行政のあり方はどうか、そういうことを踏まえながら今日の方向が打ち出されたものというふうに思います。
 ただ、アメリカを初めとするさまざまな国の意見も十分配慮しているということは当然のことであると考えます。
 それから、規制緩和の問題につきましてのお話がございました。
 規制緩和については、高コスト構造の是正あるいはお話しの新規産業の創出など、我が国の経済構造改革を進めていくためには不可欠なものでございまして、政府としては規制緩和推進三カ年計画にのっとってこの規制緩和を進めてまいりたい。これらの動きの中で、例えば携帯電話加入者の急増など、新たな新規市場の拡大等が生まれていることは御承知のとおりでございます。
 それから、官民の役割分担の見直しということも今御指摘をされました。
 平成八年十二月に行政改革委員会官民活動分担小委員会が報告を取りまとめまして、それに基づきまして官民の役割分担の見直しに取り組んでいるところでございます。我々としましては、経済産業政策を講じていく上で、課題と展望について今産業構造審議会で検討しているところでございます。
 お話しのように、官がやるべきこと、民間がやるべきこと、これをきちんと区分けしながら一番活力が出るような方向を見出していくということは今後の政治、行政にとって極めて大事なことだと考えています。
#42
○国務大臣(堺屋太一君) 大変基本的な問題でございますが、この護送船団方式がなくなったという図式は、まず日本の経済が発展して、規格大量生産時代から多様な知恵の時代になったことと非常に関係があると思います。
 といいますのは、護送船団というのは出港地と入港地が一緒でないとできないんですね。今まで、例えば金融でございますと、零細な資金をみんなから集めて、それを規格大量生産型の産業あるいは流通施設あるいは道路等にどんと入れると。出てくるところと入るところと一緒だったからずっと護送船団ができたんです。
 ところが、多様になってきますとそれができない。そういった構造に対応するために、どうしても護送船団をあらゆる分野で外していかなきゃいけない。そのことがまた多様な産業の創業につながっていく。そういう大きな世の中の流れに沿っていると思います。これは、アメリカもヨーロッパもそうでございますから、アメリカもそうしているし日本もそうしているしということで相互関係がある、そういうことだと思うんです。
 それで、この規制緩和の件でございますが、この八分野というのが大きく取り上げられているところでございますが、九八年度までの累積で八兆六千億円ぐらいの効果があったと言われております。電気通信でありますとかあるいは石油製品でありますとかいうようなものが大きな利益を得ておりますが、さらに最近は株式手数料とか国内航空とかあるいは自動車の登録検定なども非常に国民生活にプラスになっているかと思います。
 これを進めていきますときに、やはり問題は既存の産業、既存の事業との調整でございまして、余り急激にやるとそういうところに失業が出るとか破綻が起こるということもございますが、私どもといたしましては、これはもう絶対に後戻りしないでどんどんと進めていかなきゃいけない、ぜひこの三カ年計画をおくれることなく推進し、さらに促進する方向で考えていくべきだと思っております。
#43
○国務大臣(続訓弘君) 五十九の独立行政法人の問題についてお答え申し上げます。
 御案内のように、さきの国会で活発な御議論をいただきました。今、本田委員はそれらの議論を踏まえながら、また御自身の経験を踏まえて独立行政法人のありようについて御質問をされたと存じます。
 御案内のように、独立行政法人は通則法に基づいて設立されました。その通則法の条項にもございますように、主務大臣は三年ないし五年間の中期目標を掲げて独立行政法人の業務運営に指示を与えることになっております。その指示に基づいて、それぞれの独立行政法人が国民の皆様の御期待にこたえられるような仕事を本当にやるのかやらないのか、そしてその結果、いわば評価が行われます。その評価が行われた時点で期待にこたえられないようであれば、これは当然のことながら予算がなくなるだろうし、あるいは国会の御議論があるであろうし、あるいは同時に国民のいろんな批判が起こってくるであろう。そういう意味では、今御質問の趣旨のように、独立行政法人の芽を生かせるか生かせないか。生かせない独立行政法人は私は当然のことながら淘汰されるであろうと。
 同時に今度は、これからそのほかの独立行政法人はつくってはならない、なるべくつくらない方がいいんじゃないかという御質問がございました。先ほど申し上げましたように、通則法に基づいた事案が出てくれば、それは当然のことながらもう一回議会の御同意をいただきながら検討させていただく、こういうことになるので、御理解を賜りたいと存じます。
#44
○本田良一君 私、今護送船団方式と規制緩和それから官の部分の経営をなぜ聞いたかといいますと、護送船団というのは既存の企業が存在をしていくそのための護送船団方式、あるいはまた規制緩和もそうであったと思います。ところが、自由を基本にしたアメリカの経済の理念というのは、そういう企業の存在よりも生活者、消費者、そこの根底にいかに安く安全なものを供給するか、そういう経済体制に徹しています。
 だから、そこを私は新しく日本が目指して、この護送船団方式も規制緩和も、ある面アメリカに押されながらやっているような気がしますから、そこをアメリカがついて、日本の国民のためには、アメリカの自由主義思想の原理というのは生活者を基本にしているから、我々は日本をあたかも何か経済開放してやっているんだというような理念で押しまくってきていると思いますから、そういう点の対応、私はアメリカのこの理念は実は好きなんです。好きだけれども、日本はもっとそういう点に、日本もそうした自由主義経済体制の国であればアメリカと対等にそういう面が開放されていく、そういうことにしっかりと目を向けていただきたいと。
 ただし、そこには大きな壁があるでしょう。私は労働組合出身ですから、労働組合の方々が規制緩和は余りやってくれるな、こういう立場で多くの方が陳情にも来られますし、またある一方では企業の、経団連あたりからもそういう点では、この護送船団方式とかそういうものについては、規制緩和についてはまだちょっと早いとか、そういう陳情もあろうし、だがしかし、そういうことをそれぞれが乗り越えてやっぱりやっていかないと、一気に農産物の米の自由化のようになってしまうと。
 そういう点と、やっぱり明治の政治家は偉かったと思いますよ。八幡製鉄所などを官でつくってぱっと民間に移しましたね。戦後五十年たった我々の官はそれを持つだけで、赤字になっても持っている、手放さない、そういう点を早く民に移管をして活性化を図る、それを私は言いたいから今のことを御質問いたしました。
 よって、日本の経済的国家像について、宮澤大蔵大臣、企画庁長官に再度お願いをいたします。
#45
○国務大臣(宮澤喜一君) 護送船団方式がなぜ失敗したかといいますと、いろいろ理由がございますけれども、結局、だれも落後しないためには一番足の遅い船に合わせるのが護送船団方式ですから、国際化しますと日本の船団は一番足が遅いということになります。それでは競争に負けるのは当たり前でございますから、とても持っていけなくなったということだと思います。
 それで、これは失敗しまして、まさに今おっしゃいましたように護送船団方式の中にある思想は和を求めるという思想だと思うんです。みんな、競争しない、緊張なんというものは困るんで仲よくやっていこうということですから、競争の社会では勝てないし、もっと言えば、おっしゃるように、何で競争するかと言えば、消費者がよく見ていますから、消費者が気に入らなきゃならないということで、そこに消費者本位という思想があらわれておったんだと思うんですね。そういうことは今我々わかってきましたから、もう護送船団方式はやめて、しかしリスクをとろうという精神はまだ残念ながら十分でない、これは残念でございますが、そうならなきゃならないと思いますし、統制というのはそういう精神を弱めるわけですからやめなければならないと。
 それで、最後におっしゃいましたことが私は実は非常に大切な難しい部分だと思うんですが、例えばアメリカの連邦準備銀行のグリーンスパンは、今アメリカの生産性というのは四半期ですともう六%にもなっているそうでございます、四半期だけでしたら。何でそうなったかと言えば、それはITだけれども、アメリカにできて日本やヨーロッパにはできない一番の問題は労働の流動性だと言うんです。
 それで、これはなかなか難しい問題ですから、それが今おっしゃったことで、我々はアメリカのやるようなことをそういう意味ではやるわけにはいかないし、またやるつもりもありません。それはしかし、やっぱり国内のそういう労使といいますか全員ということが大事であって、企業で首を切ればそれで済むというような考え方は我々は持ちませんから、我々は護送船団方式は脱却しますけれども、しかし企業だけの論理で日本の経済を築くわけにはいかない。いかないけれども、しかしそれはそれなりにそういうやり方でやっていくのが日本のやり方だろうと。
 私は、競争社会、競争経済、市場経済というものはどうしても基本だと思います。思いますけれども、しかしそこはやっぱり労使とか国民全体とかいうことを我々は忘れるわけにいかない。多分、日本経済の本質は何だとおっしゃれば、そういう部分が大事な部分じゃないかと思います。
#46
○国務大臣(堺屋太一君) 日本も護送船団方式がある段階では非常にうまく働いたんです。護送船団というのは単に業界があっただけではございませんで、国全体も政府の指導、官僚指導というものがあり、そして業界団体もあれば金融集団、金融系列もあり、また各企業の中でも年功序列、終身雇用というお互いにかばい合うような世界だった。これがみんな大きな力となって経済の復興をし、成長してきて、そしてこの規格大量生産の社会において日本は世界で冠たる国になれた。そこまでは非常によかったと思うんです。ところが、どんどんと世の中が新しくなってきて新しい知恵が出てきて、時代が変わる、技術が変わる、デザインが変わる、そういった時代になってまいりますと、日本のこの統制的な、上から順番に決めてくるのが非常に邪魔になり出した。
 それで、消費者との関係ですが、今まではこの護送船団方式の中で事前に官僚、役所がこれは安全だ、これはいいものだという安全基準とか等級基準とかいろんなものを決めておりました。ところが、これからはどんどん新しいものが出てくるから役所が追いつきません。例えば、JISマーク一つでも、パソコンとかああいうところになってくると追いつかない。そうなりますと、消費者の選択に任さなきゃいけない、いわゆる消費者主権の時代に今変わろうとしているわけです。
 そういたしますと、今度は今まで国が安全を決めていたものを消費者に任すとなりますと、どんなものがつくり出せるかわからない。そこで新しい市場ルールが要る。その一つはPL法というので製造物責任法、これは製造者が瑕疵のあるものをつくって消費者が損害を受けたときにはその責任を負う。もう一つは今国会に提出させていただきたいと思っております消費者契約法、これはサービス等につきまして消費者と事業者、業者ですね、これとの交渉条件を同じにして消費者も大いに選択の自由とそれからみずからの安全を守れる、また取り消しができる、そういう社会にしていきたい。
 今、大蔵大臣は日本経済の労働の方から、供給の方からおっしゃいましたけれども、マーケットの方からいうと、そういった新しい社会ルールをつくりたいと思っています。
 アメリカの場合は訴訟社会でございまして、この消費者契約法に当たるものは全部裁判所で判決を積み上げております。日本の司法の改革も重要でありますが、日本ではやはりもっと事前に予測可能性が高くて安全、こういったらこうなるということがわかっているような、一々訴訟をするようなことでなくして、なるべく予測可能なマーケット社会をつくっていきたい、こう考えている次第であります。
#47
○本田良一君 それから、今まで産業政策を政策化されるに当たりまして各大臣はもうあらゆる学者、あらゆる知識人、企業家、そういう方々からいろんな提言、そういうものを受けられたと思います。特に通産大臣におかれては、それはどうであるか。
 また、国として今回予算化したり法案化したりしなかった、以外の新産業創出の政策があれば御披瀝をいただきたい。そして、その政策を次にいつごろ具現化されるか。
 また、十分大臣の知識が政策として提出をされていない理由として何が原因でしょうか。例えば、ベンチャー産業の育成に当たっては開業どきの資金調達あるいはベンチャー企業に対するリスクマネーの供給の必要性、店頭公開型ベンチャー支援の必要性、そういうものなどが十分入っていないような気がいたします。官の体制がこれを受けるのに組織的、人的に問題があると思えるが、いかがでしょうか。
#48
○国務大臣(深谷隆司君) 新しい産業を創出させるということはとても大事なことで、委員がお考えになっていることと私どもは全く一致しております。
 この十年の間にアメリカ経済が非常に進展した、日本はその反対であったんですけれども、圧倒的な幾つかの条件の中の一つは、アメリカは開業率、創業率が高くて廃業率が低い、日本はその逆である。そういう意味では、新しい産業をしっかり起こしていく、創業とベンチャー企業の育成というのは非常に大事だというので、さきの臨時国会で議論させていただいてその政策の方向を定めたわけであります。
 ただ、去年の臨時国会だけですべてが網羅できたわけではありませんから、これからまだまだ新しい産業を開く分野というのは多くあると思います。既に十五分野に関してこれから伸びる分野だということで指摘をしておりますが、私たちはこれらを土台といたしながら新たな産業の創出のために一層の努力を引き続き行っていきたいというふうに考えます。
 それから、今御指摘のございました新事業創出の担い手であるベンチャー企業の創出、育成を図る上で大事なことは、御指摘のように例えば資金的なものです。新しくできるものでありますから、今までは、できるそのスタートのときには若干の融資が可能でしたが、五年か七年かたってやっと軌道に乗った、しかし社歴が短いからそこで資金をさらに足すということができなかったのでありますが、今度はそういう点にも着目をして形をつくらせていただいたわけでございます。また、民間からのリスクマネーの供給が円滑でないという点にも着目いたしまして、例えばエンジェル税制についての充実を今回は図らせていただきました。また、新事業創出促進法を改正して、民間からのリスクマネー供給の呼び水となるような公的な出資制度の拡充なども行ったのでございます。
 我々は、そういうあらゆる角度から新しい企業が積極的に生まれていくようなそういう体制をつくっていきたいというふうに考えます。
 また、同時に忘れてはなりませんのは、新規事業とかベンチャー企業とかいう新しいものに挑戦するということに対する社会全体の支える精神的な基盤というのがまだ日本には欠けておるようでありますから、この挑戦する精神を支えるという意識が国内に広がるような、そういう努力もあわせてしていかなければならぬと思います。
#49
○本田良一君 次に、民主党も政策を昨年、新規事業・ベンチャー企業創造、雇用創出ということでつくりまして、法案提案をいたしました。これは否決をされたわけですが、中でも民主党が提案をした女性起業家支援政策などはどうして関心を持たれなかったのか。クリントン政権は、アメリカのペンタゴンとか、そういう企業には何%は女性企業の製品を納入するという比率まで決めてやっております。よって、そういう考えはどうか。
 それから、今女子大生が卒業をしておりますが、雇用法の改正によりまして、終身とか四年、五年の大変長いスパンの雇用ができなくなってきました。そういう中で、特にこれから女性起業家が生まれるようなシステムが必要だと思いますけれども、これについてお伺いします。
 それと、新しい仕組みをつくることと数値等の目標を国民に明確に、この新事業創出を達成する数値を明らかにしていただきたい。
#50
○国務大臣(深谷隆司君) 新たな産業分野を創出して雇用機会の拡大を図るという上でも、女性を含む多様な事業者による活発な創業の促進というのは大事なことだと思います。このために、私どもといたしましては、今年度、女性起業家のための低利貸付制度、中小企業金融公庫あるいは国民生活金融公庫等でそのような形を創設し拡充していくという方向を打ち出しました。
 これからも女性が新しい事業に努力をしていこうという姿にいろんな角度から御協力を惜しまないというのが基本的な考え方でございます。
 雇用関係についても、御趣旨のとおりだと思っております。
#51
○本田良一君 幾つか主なものをさらに申し上げますと、金融政策について、貸金業者による人権侵害、そういうものに対して制度や環境をつくるべきではないか。先ほどのエンジェル税制の充実もそうで、これはできておりますが、これの国民的な利用をお願いしたい。
 それから次に、科学技術政策として、我が国が科学技術創造立国として発展をしていくためには、先端的、基礎的研究を戦略的に推進すべきである。よって、このことを科学技術庁にお聞きしたい。
 それから、大学の改革。
 特に、大学の改革において、特許とかそういうものをとるためには独立法人化しなければとれない。国立大学などはそうでございますから、その点を改革していただきたい。また、卒業と同時に学生が起業化する、そういう大学改革。
 それから、我が国学術行政への提言というのがありますが、日本学術会議が提案をいたしました教育改革、これについてのお考えを文部大臣にお聞きしたい。
 それから、教授陣の雇用のあり方と社会貢献、そういうこと。
 それから、もう一つは司法の改革。
 日本はやっぱり法の後進国だと思っております。先ほども、いろんな経済訴訟が起こる、アメリカでも訴訟が起こる、そうしたときに、結局日本は法が非常に不整備でございますから、常に法の後進国で、アメリカの法廷でそういう訴訟が行われる。そういうために弁護士体制、あるいは裁判所のスピーディーな改正、また日本の国内の司法過疎、そういう点をどう解消されるか。また、弁理士が法廷に立てる、そういう制度の改革。
 そういう点をあわせてお聞きいたします。
#52
○国務大臣(中曽根弘文君) 最初に、科学技術の関係を答弁させていただきますが、我が国が二十一世紀に向けて豊かな、また活力ある経済社会を構築していく上には科学技術の振興が欠かせないわけであります。科学技術創造立国を掲げておるわけでございますが、これの実現を目指すことが不可欠でございます。
 そういう観点から、委員もお話しありましたように、平成七年十一月には科学技術基本法が制定されましたし、また平成八年には科学技術基本計画が閣議決定されたところでございます。
 こういう計画に従いまして、新産業の創出、また地球規模の諸問題の解決、あるいは健康の増進、災害の防止などの社会的、経済的ニーズに対応した研究開発に力を入れるとともに、また知的資産を蓄積して、人類の発展に資する先端的、基礎的研究を積極的に推進しているところでございます。
 今後も関係省庁と密接な連絡をとりまして科学技術の振興に努めていきたいと思っております。
 それから、今度は文部の関係でございますが、国立大学についてのお話がございました。
 大学等におきます研究成果というものが広く特許のような形で社会に還元されるということは大変重要なことでございます。
 現在、国立大学の特許に関して申し上げますと、教員にインセンティブを与えるために特許権の帰属を原則教員個人としておるわけでございます。この個人帰属が約八割の状況。
 それから、国有となった特許権につきましては大学の学長にこの管理、処分が委任されているわけでございますし、さらに委員御承知のとおり、平成十二年度には特許取得のインセンティブを一層向上させるための措置を講じる予定でございます。
 教員個人に帰属した特許権につきましては、御案内のとおりTLOという制度、これに基づきまして国立大学関係で七つのいわゆる技術移転機関、TLOが既に設立をされておりまして、このTLOを通して特許が広く活用されるように、そしてその収入の一部がまたこのTLOを経由して大学に研究費として還元されるような仕組みをつくっておるわけでございます。
 そういうことから、広く大学での学術研究が社会の産業創出に役立つようにという今施策を行っております。
 それから、我が国の学術行政への提言、日本学術会議のお話がございました。
 お尋ねの提言につきましては、日本学術会議として公表するための正式な手続を経たものではありませんで、この会議の専門委員会が我が国の産業競争力強化の観点から取りまとめたもの、そういうふうに伺っておるわけでございます。
 この内容に関しましては、一つは特色ある研究家や研究所の整備、それから日本育英会による大学院生に対する育英奨学事業の充実、また受託研究費の取り扱いの弾力化による研究費の予算執行の改善等が提言されているところでございますが、私どもといたしましても、こういう提言を参考にしながら今後の施策の充実に努めていきたい、そういうふうに思っているところでございます。
 それから、大学の教員についてのお尋ねもございました。
 大学の活動を行う上で、教員の研究活動を一層活発化し、そして個性ある研究を推進していくということは大変に重要なことでありますし、また大学間の教員の流動性を高めるということも、そういう意味で大学の活動を活発化する上で大変重要でございます。
 平成六年の大学審議会の答申におきましても、教員の流動性を高めて、多様な経歴、経験を持つ者が相互に競争しつつ、そして教育研究を活性化することが望まれると提言しているところでございまして、私どもといたしましても、こういう趣旨を踏まえて教員の任期制を導入し得るよう制度を整備いたしまして、人事の流動性を高めるべく努めているところでございます。
 それから、大学の教員が大学の内部にとどまらずにやはり地域社会でもっともっと貢献すべきだというお話もございました。
 大学が有する教育研究機能、こういうものを地域社会に対しましてその求めに応じて積極的に開放し、また地域社会に貢献していくということは極めて重要なこと、そういうふうに思っておるわけでございます。
 そういう意味で、大学の教員は、自分の知識や能力を活用して、また地域社会の要請に応じて、例えば公開講座に出ていただくとか、そういうような形で積極的に貢献する、これは高等教育機関における人材活用の面からも望ましいものと考えております。現在では、国公私立大学の約九割が公開講座を開設しておりまして、講座数も一万を超える状況となっております。
 今後もこういう公開講座等が活発になりますように、そして大学の教員等が積極的に地域社会に出ていってもらって社会の産業、またあらゆる面で活性化に貢献するように私どもとしても指導していきたいと思っております。
#53
○国務大臣(臼井日出男君) 委員御指摘をいただきました特許裁判等の迅速な対応というのは大変重要な問題でございまして、例えば現在、裁判所におきましても知的財産権の保護のための訴訟手続の充実、処理体制の強化等を図っておりまして、特に全国の知的財産権関係の四分の三が集中をしております東京地方裁判所、大阪地方裁判所に専門部を設けたり、専門的処理の体制をとっておりまして、増員を行うなどいたしております。
 また、専門技術家でございます弁理士とかあるいは弁護士の専門的知識を生かした専門調停制度を開始いたしておるわけでございます。
 また、今御指摘の司法制度改革につきましても調査審議を現在行っているわけでございますが、その司法制度改革審議会におきましても、昨年十二月に公表いたしました司法制度改革に向けての論点整理の中に「専門的知見を要する事件への対応」という項目を掲げておりまして、今後、国民が利用しやすい司法の実現という観点から審議を行ってまいりまして、本年のしかるべき時点に中間報告を公表する予定ということを承知いたしているわけでございます。
 なお、審議会におかれましては、委員御指摘の点も含めまして、今後ともさまざまな御意見、御提言等を十分踏まえつつ審議を進めていかれるものと考えておりまして、私ども法務省といたしましても、同審議会の調査審議に最大限の協力をいたしてまいりたいと考えております。
 また、委員御指摘の弁護士の地域偏在の問題につきましては、このことについても的確な対処をしていくことが求められておるわけでございます。
 現在、従来七百名程度でございました司法試験合格者を平成十一年度から千名程度へ増加するなど、司法人口の適正な増加が図られておるわけでございまして、この問題に対処する上で基礎的なものも徐々に提供されつつあるように私どもは思っております。
 また、日本弁護士連合会におかれましてもこの問題に対処すべく種々の御努力を重ねておられると承知をいたしておりまして、さらに内閣に設置をいたしました司法制度改革審議会におきましても「弁護士過疎への対応」が論点項目として取り上げられているところでございまして、私どもも今後こうした審議の経過をしっかりと拝見しながら適切な方策というものを講じてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#54
○委員長(倉田寛之君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後二時二分開会
#55
○委員長(倉田寛之君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。本田良一君。
#56
○本田良一君 一つ残っておりました情報通信産業の位置づけとこの改革についてお尋ねをいたします。
 まず、教育現場のパソコンソフト、そういう関係の要員の確保についてお考えをお聞きします。
 また、過疎、離島のインターネットに対しまして、郵便局を基軸にした住民のボランティア的なパソコン教室、そういう点をどうお考えか。
 また、民主党の方で高度情報化プロジェクトの提言を資料として出しておりますが、この積極的な政策取り入れを郵政大臣にお願いいたします。
 また、放送と通信の融合、デジタル化、CATV、インターネット、これが基軸になろうと思いますが、アメリカのこの動向、これによるメディアビッグバン、これについてお考えを。一県に四局という放送業界の一つの形が、将来大きく再編をやらなければ対応できないんではないかと思いますので、それをひとつお聞きいたします。
 それから、あわせまして、NTTの接続料、これにつきまして日米交渉が今行われております。特に、私などNTTにおりました者として、この非常に国益と我々の、企業としても重要なものであります。ところが、NTTの電電公社時代を振り返りますと、第百臨時国会で一九八三年、電電公社時代に年金の統合が、二十年間積み立てておったものをJRと統合されました、当時の国鉄と。それから、六千八百億円の国庫納付あるいは民営、それから今回の再編。そういう中で、NTTの大変な職員の努力によってやってきたわけですが、このたびNTTの接続料が対アメリカの交渉で大きく経営と国益を損なうことになりますので、その考え方についてお尋ねをいたします。
#57
○国務大臣(八代英太君) まことにたくさんの御質問をいただきました。
 さて、まず、すべての小中学校にインターネット環境を整備する、ここから申し上げますと、情報通信時代、二十一世紀の子供たちのために、やはりこれから教育の中でしっかりとパソコンが教育のカリキュラムの中に入っていくことによって、子供たちがより親しくパソコンをゲーム感覚でまず小中高校から覚えていただきながら、これからの世界はまさにインターネットビジネスの時代になってまいりましょうから、そういう意味でのトレーニングはぜひ教育の分野でもやっていただきたいということで、中曽根文部大臣もその辺は前倒しをしながら、これからすべての義務教育、高等学校の中でそうしたものを実践していこう、そのための基盤整備を我々郵政省も積極的にお手伝いしようと。こういうことで、教育の情報化というのが大きなテーマになっておりますので、どうぞお力添えをいただければ、このように思っております。
 また、小中学校の子供たちがパソコンをやっている、家に帰ってパソコンで宿題をする、あるいは勉強をする。そばでおじいちゃん、おばあちゃんは子供たちは何をやっているんだろうと。ちんぷんかんぷんでもこれもいけませんので、これからやはりパソコンファミリー的な、インターネットファミリー的なものを育てていくには、高齢者や障害者の皆さん方にもこうしたコンピューター、パソコンの訓練をしていただこうということで、四月から全国千八百の郵便局でパソコン教室を開くことにいたしております。
 これは、かねてから本田委員からこうした委員会で御質問をいただいたことに乗っているわけでございますが、いずれにいたしましても、四月からは郵便局パソコン友の会のようなものをつくらせまして、そして全国千八百の郵便局で教室を開いていきながら、高齢者やあるいは障害を持った皆さん方にそうしたものをレッスンしていただこうということを今積極的に展開しているところでもございます。
 さて、二十一世紀をにらんだ情報通信政策の展開ということになりますと、まさに日本のリーディング産業としてこの情報通信というのは新規産業、雇用の創出を通じてまず発展基盤には欠かせないものだというふうに私たちも考えておりまして、郵政省といたしましては、二十一世紀を開く発展基盤の整備、それから新規産業と雇用の創出、だれもが参加できる情報通信社会の構築、これを三つの柱にいたしまして、関係省庁とも密接に連携しながら、情報通信分野におけるIT革命とでも申しましょうか、こういうものの世界の流れに日本もしっかりと沿っていく。それには時間との闘いでもございますので、まず技術力それから競争力をつけていくには、我々郵政省は一生懸命風を送る仕事をしていきたいものというふうに思っております。
 それには、光ファイバー網などのネットワークのインフラが重要でございましょうし、あるいはインターネットの教育利用を促進するための情報通信技術のそうした推進というようなものも必要でしょうし、あるいはまた大容量、テラビットからペタビットというぐあいに、今の千倍、一万倍というような大容量のそうしたインフラ整備もやっていかなければならないというふうに思っております。
 堺屋経済企画庁長官が情報新幹線などという構想も打ち出していただきまして、まさに地上を走る一つの交通網、それから見えないところの情報網というものもこれからインフラ整備では大変重要な時代になってくると思っております。
 また一方、不正アクセスとかサイバーテロというようなものもございますから、危ないという点もしっかり押さえておかなければいけないと思いますし、電子署名とか電子認証というような法制化になってまいりますと、当然、個人情報の保護の法制化ということもやっていかなければならないというように思っております。
 それから、今、委員からの過疎地、離島地域のインターネットの普及などということでございますが、IBMのコマーシャルだったでしょうか、社長さんを砂漠の真ん中へ連れてきて、こんなところで何の商売ができるんだと言ったら、ぱっと開いて、世界にはいっぱいのお客様がいるというので、ああインターネットだねというあのコマーシャルを覚えていらっしゃると思いますが、まさにそういうところが、これから私たちの情報時代は、都市部というよりも過疎であれ離島であれ山間地域であれ、こうしたもののインフラ整備をユニバーサルサービスのように張りめぐらせていきながら、そのためのインターネットの新しい二十一世紀というものを考えていきたいと思っておりますので、お力添えをいただければと思います。
 さて、もう一つ、日米で今いろいろ協議をいたしております例の事業者間の接続料の問題でございますが、これは長期増分費用方式はどうしても今国会では規制緩和の約束事でございますから法案化しなければなりません。
 そこで、A案とB案がありまして、電通審議会の方ではA案ということに落ちついたのでございますが、B案はやっぱりあまねくサービスするのに利用者が基本料で負担をするような形になったらこれも大変でございますから、A案というものに落ちつきました。
 このA案に落ちつきまして、このことを中心にしまして私どもはアメリカとも折衝をいたしております。そして、とにかく日本の事情を説明して、NTTも二万一千からの大変な削減をしながらこうした新しい時代への対応を考えておるわけでございますから、企業努力もしておりますから、日本の考え方をアメリカにしっかり御説明申し上げながら、私たちは、まず低廉な一つの事業者間の接続料をつくるということがこれからのインターネット時代には大切ということが第一でございますし、もちろん国民一人一人も、安く、従量制ではなくて定額料金で、もうオープンしっ放しでも一カ月は幾らだと、こう定額的なものが決まることによって随分普及も推進していくだろうと思っておりますし、しかもパソコン減税も一年延長していただきましたので、まさにここは、そういう意味での国内のもろもろの定額料金への道づくりをする。
 それから、事業者間の接続料金も、A案というものを基軸にしながら、アメリカと折衝しながら、私たちの国益を守るという観点に立ちながらこれは頑張っていかなければならない、こんなふうに思っておりまして、あくまでも日本政府の主体的な考えのもとに一つの法律はつくっていきたい、このように思っております。
 たくさんでございましたから幾つか取りこぼしがあるかもしれませんが、お許しをいただきまして、御答弁とさせていただきます。
 以上でございます。
#58
○本田良一君 あと残り、経済外交ということで、国会で日米問題などの外交上の課題、こういうのを積極的に論議をしていきたい、国会にしたい、そういう質問をしたかったわけですが、時間がございませんので、あとは関連質問で浅尾委員がやりますので、よろしくお願いします。
#59
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
 関連質疑を許します。浅尾慶一郎君。
#61
○浅尾慶一郎君 同僚の本田委員に続きまして質問をさせていただきます。
 私は、昨日に引き続きまして、一部警察の問題を取り上げさせていただきたいと思いますが、まず、この十年間で警察の不祥事がふえているかどうか、資料を配らせていただきますが、ちょっと御答弁を願いたいと思います。
#62
○政府参考人(石川重明君) 全国の警察職員の過去十年間の懲戒免職者の数についてのお尋ねでございますが、平成二年から平成十年までは十一人から二十人の間で推移をしておりました。昨年は三十九人ということになっております。
 それから、諭旨免職者の数でございますけれども、平成二年から十年まで二十一人から五十六人の間で移行をしておりました。これにつきまして昨年は八十人ということになっております。
 戒告者の数につきましては、平成二年から平成十年までは三十人から七十二人の間で推移をしていたわけでございますが、昨年は百二人となっている、こういうことでございます。
#63
○浅尾慶一郎君 公安委員長に伺いますが、このふえている現実についてどう思われますか。
#64
○国務大臣(保利耕輔君) 一つはやはり警察内部の士気の低下あるいは秩序の低下ということが考えられると思います。同時にまた、監察によりましてこうした者について発見をしながら処分をしていったということがあろうかと思います。
#65
○浅尾慶一郎君 比較のために伺いますけれども、大変恐縮でございますが、郵政大臣、郵政省の職員の方の過去十年間の懲戒事由を伺わせていただきます。また、その事由別の中身についてもお答えいただきたいと思います。
#66
○国務大臣(八代英太君) 郵政省の過去十年間の懲戒免職処分件数は、合計千二百三十三件でございます。年代別でなくてトータルでよろしいですか。
 次に、依願退職者数のお尋ねにつきましては、国家公務員の退職の類型としては、免職、辞職、定年退職に分類されておるんですが、不祥事に絡むいわゆる依願退職者の数については、これは統計的には数字は把握いたしておりません。
 懲戒免職に至らない重大な誤った行為、非違行為というんですが、これを行った職員から辞職願が提出されまして、懲戒停職処分を執行した後、辞職願を受理した件数は、平成九年が十三件、平成十年は三十四件でございます。
 懲戒処分の標準につきましては、公金を窃取、横領等した者、無届け欠勤した者、過失により国有物品をなくした者と、いろいろございますけれども、国民の皆様のお金を預かり、また保険等をやっておるものですから、かなり厳しく、また数も多いというところがあるかもしれません。まことに申しわけございません。
#67
○浅尾慶一郎君 ここで私は、郵政の方は、郵便職員の方はほぼ横ばいということが言えると思いますが、もう一つそれよりも大事なのは、郵政職員の場合は、例えば郵便物を横領した場合でも懲戒免職となるということでよろしゅうございますね。
#68
○国務大臣(八代英太君) その中身の事案によってはなる場合もございます。
#69
○浅尾慶一郎君 警察の方を調べましたところ、例えば私の地元の神奈川県で昨年起きました不祥事で、押収しましたネガを横領した職員は、最初は懲戒免職になりましたでしょうか。
#70
○政府参考人(石川重明君) 諭旨免職だったというふうに記憶しております。
#71
○浅尾慶一郎君 実は昨年の決算委員会におきまして、今お答えいただきました石川官房長にも、どうも警察官の場合は処分が身内に対して甘いのではないか、しかも客観的な基準がないのではないかということを御質問させていただきまして、それは検討するとおっしゃっていただいたんですが、果たしてその後客観的な基準はつくられましたでしょうか。
#72
○政府参考人(石川重明君) 平成十一年九月二十九日の御質問に対する私の答弁でございますが、この懲戒処分の客観的基準ということにつきまして、その後、この点については部内でいろいろ検討いたしておるところでございます。
 それで、不祥事案につきましては、あのときも申し上げましたがいろいろな態様がある、それぞれ固有の原因、背景がありまして、一律に罪刑法定主義みたいな形できちっと量定が出てくるというような意味での処分についての客観的基準をつくるということは大変難しいというふうに思っております。
 ただ、過去の不祥事案の処分量定というものを分析整理いたしまして、処分を決定する際の一つの目安にするということはやはり現実的なやり方であろう、こういうことで作業をしておるわけでございますが、例えば刑罰法令に該当して逮捕されたり起訴されるといったような事案は原則として懲戒免職というような形にする。ただ、そこに情状と申しますか、いろいろな事情があって軽減事由があったりということがある場合には、その点について考量する、こういうようなことだろうと思います。
 いずれにしても、過去の事例から事案を類型別的に分類いたしまして目安を策定いたしまして、具体的な事案ごとにその要素を考量する、こういうことでやっておるわけでございまして、今個別にその作業を急いでいるところでございます。
#73
○浅尾慶一郎君 公安委員長に伺いますけれども、きょう、このように郵政省からはちゃんとした処分別の事案の表をいただきました。警察の方は請求いたしましたが、処分別の理由はいただいておりません。それはどういうことなのか。管理するという観点からはそういうものがあった方がいいんじゃないかなと私は思うんですが、どうもそれがないというのが一点。
 それから、一般の方から見ますと、例えば郵便物を盗んだ場合は退職金がもらえない、年金ももらえない懲戒免職、警察の場合は諭旨免職、その程度の場合は諭旨免職というのは、どう考えても不合理だと思いますが、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(保利耕輔君) 御承知のように、警察制度は県警の制度をとっておりますし、またそれを管理しております警察庁、この二重の形になっております。
 しかし、一般論的に申し上げれば、今御指摘のようにそれぞれの処分基準というのを少なくともつくる努力をしていくということは、私も今後私の責任のもとにやっていかなければならないことだと思っております。
 なお、詳細については事務当局から御返事をさせます。
#75
○政府参考人(石川重明君) 先ほど議員の質問に対しまして、相模原南警察署の刑事課の巡査長による女子大生恐喝未遂、関係強要の関係の事案、これにつきまして諭旨免職と申し上げましたが、懲戒免職の誤りでございました。
#76
○浅尾慶一郎君 最初はどうでしたか。
#77
○政府参考人(石川重明君) 神奈川事案で覚せい剤の関係につきましては、諭旨免職でございました。
#78
○浅尾慶一郎君 もう一つ公安委員長に伺いますが、国家公安委員会に事務局がないということが一つ問題であるということを昨年の九月また質問をさせていただきまして、その後、事務局をつくるべきかどうか検討された形跡はございますでしょうか。
#79
○国務大臣(保利耕輔君) 私も就任してまだ日が浅いものですから、この点につきましては、一般論的には国家公安委員会の中でも話題が出ております。
 そして、事務局体制をいかにするかということでございますが、現在の事務局は警察庁がやっておりますけれども、ホームページの対応でありますとかいろいろな形で事務局体制は警察庁の内部ではありますけれども強化をしつつある、私はそういう認識を持っております。
 しかし、この事務局体制を抜本的にどうしていくかということについては、今後緊急に詰めるべき課題だと存じます。
#80
○浅尾慶一郎君 検討されたかどうか。
#81
○国務大臣(保利耕輔君) 詳細な検討までは至っておりませんけれども、概括的な検討、これをどういうふうな方向に持っていくかというようなことについての議論はいたしております。
#82
○浅尾慶一郎君 そこで、公安委員の方々は収入が多いというような議論もあるんでしょうけれども、ここで主たる収入の定義というものはどういうふうになっているか、また委員の手当はどうなっているかということを教えていただきたいと思います。
#83
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公安委員会の事務局をやっております警察庁から具体的に御答弁をいたさせます。
#84
○政府参考人(石川重明君) この主たる収入の定義でございますが、特別職の職員の給与に関する法律第四条第一項に規定をされておるわけでございまして、その他の職務による所得が主たる所得となる者の解釈に関するものというふうに承知をいたしております。
 この法律の解釈につきましては、警察庁として詳細をお答えする立場にございませんが、国家公安委員会の委員への手当の支給につきましては、所管の省庁の指導を受けながら判断をしているところでございます。
 また、委員の手当についてでございますけれども、特別職の職員の給与に関する法律第四条第二項の規定によりまして、勤務一日につきまして七万一千八百円の手当が支給されているということでございまして、手当の額に年間の実働勤務日数を乗じた額が年間の収入となる、こういうことでございます。
#85
○浅尾慶一郎君 そういうことを伺っているんではなくて、今いらっしゃる五人の方はどう考えてもほかにも収入があるんではないかと。なぜ四人の方は国家公安委員の収入が主たる収入になったのか、その点を伺っておるんです。
#86
○政府参考人(石川重明君) これは所管省庁でお決めになっておる考え方でございますが、概して申し上げますと、一般論として申し上げますと、その他の職務による所得が当該所得と国家公安委員会委員としての所得を加えた全体の所得の半分以上、六割以上、こういうことを超える場合には手当が支給される、こういうことでございます。
#87
○浅尾慶一郎君 どうもよくわからないんですけれども、それではどれぐらい過去五年間に開催されたか、お答えいただけますか。それから年平均、それから一回の開催時間をお答えいただきたいと思います。
#88
○政府参考人(石川重明君) 過去五年間の国家公安委員会の延べ開催回数でございますが、約二百三十回でございます。年平均回数にいたしますと、約四十五回ということになります。一回当たりの会議の時間はおおむね二時間、こういうふうに承知をいたしております。
#89
○浅尾慶一郎君 比較のために、金融再生委員会、公正取引委員会そして日銀政策委員会の過去の年平均の開催回数と一回当たりの開催時間を伺います。
#90
○国務大臣(谷垣禎一君) 金融再生委員会設立時からの延べ金融再生委員会開催回数ですが、一年二カ月余りの間に百四十回、それから一昨年十二月にできましてから昨年十二月までのちょうど一年間をとりますと、百十九回であったと思います。平均会議時間は一回約三時間弱でございます。
#91
○政府特別補佐人(根來泰周君) 私どもの方は常勤ということで、朝九時半ごろから夜五時ごろまでずっと勤務しておりますので、その間に委員会とかそれから打合会とかいうことでやっておりますので、何回ということは全くわかりません。
#92
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 日本銀行の政策委員会は九名から成っておりますが、総裁、二人の副総裁を除きまして、審議委員というのが六名おられます。
 政策委員会は、金融政策決定会合を原則として月二回開催しておりますが、そのほかに、金融政策決定会合で決めるべき政策以外の事項を審議する会合を原則として週二回開催いたしております。
 日銀法が改正されました平成十年四月一日、一昨年以降、平成十二年二月末まで、ことしの二月末までに、政策委員会の開催回数は延べ二百三十三回でございます。一昨年度は、平成十年度は百二十七回、十一年度は十一カ月間で百六回開催いたしております。
 平均会議時間は、二時間強でございます。
#93
○国務大臣(谷垣禎一君) 申しわけございません。先ほど申し上げた数字をちょっと訂正させていただきたいと思いますが、九八年の十二月から九九年の十二月までの一年間、百十九回と申し上げましたが、百十八回でございました。
#94
○浅尾慶一郎君 恐れ入りますが、金融再生委員長、公正取引委員長、そして日銀総裁、各委員の給与、再生委員会と公正取引委員会は国家公安委員と一緒ということであればその旨をお答えいただきたいと思いますし、日銀の政策委員の給与もお答えいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(谷垣禎一君) 金融再生委員会委員の報酬は特別職の職員の給与に関する法律に基づきまして給与または手当として支給されておりまして、給与の場合は俸給月額で百三十四万六千円、年額で約二千六百万円となっております。
 なお、金融再生委員会委員は内閣総理大臣の許可があれば他の職務に従事することなどができるわけですが、その際は、当該職務などから生ずる所得が主たる所得となる者については手当が支給されることになりまして、この場合には勤務一日につき七万一千八百円の支給となり、この手当の額に年間の勤務日数を乗じた額が年間の報酬額となります。
#96
○政府特別補佐人(根來泰周君) 公正取引委員会の委員の給与額ですが、ただいまお答えになったと同額でございます。
 ただし、私どもの場合は、兼業は理論的にはいいわけですけれども、実際問題として一切兼業は認めておりません。
#97
○参考人(速水優君) お答えいたします。
 総裁、副総裁を除きまして審議委員の六名の平均年齢は五十八・七歳でございますが一人当たりの年収は平成十年度実績で三千三十万円、本年度は二千九百五十七万円となる見込みでございます。
#98
○浅尾慶一郎君 公安委員長、国家公安委員で兼業されている方は何名いらっしゃいますでしょうか。
#99
○国務大臣(保利耕輔君) 御承知のように、那須委員はお仕事を持っておられますので七万一千八百円の形で支給されております。
 ほかの方々のお仕事につきましては、事務局から御返事をさせます。
#100
○政府参考人(田中節夫君) 五名の方のうち那須委員につきましては、今、大臣から御答弁があったとおりでございます。ほかの四名の方もいずれも別に職業を持っておられます。
#101
○浅尾慶一郎君 公安委員長、どうも公正取引委員会とか金融再生委員会の委員の方は兼職をされておられない、それからまたほかに収入がない、そして時間も長いというような感じでございますが、その点について、時間が長いからいいということではありませんけれども、率直にどういうふうにお考えになるか。
#102
○国務大臣(保利耕輔君) 公安委員の皆様方、公安委員会そのものに御出席をいただくのは今申しているような形でありますが、これも例えば昨日の例でございますと、朝の九時に始めまして、そして午前中いろいろ報告を受け、御議論をされ、そこには私も頭だけ出られましたが、私が帰ってきてからまたやろうということになりまして、夕方の十八時三十分から再開をしてやっているというような形で、これからは恐らくいろいろな事象等がございますので会議の回数もふえてまいりますし、そのように私はリードをしていきたいと思っているわけであります。
 なお、国家公安委員会としては、国家公安委員であるがゆえにほかのいろいろなところに出席をしなければならない、公安委員としての資格を持って出て行くべき会議等がございまして、委員会だけではないところでの働きがあります。例えば、先日行いました県警本部長の全国会議等については、国家公安委員の皆様方が御出席をされ、それぞれ聴取をしておるというような形で、目に見えないところでの御活躍もあると私は承知をしております。
#103
○浅尾慶一郎君 では、その委員の選任はどういうふうになっておるんでしょうか。例えば、具体的な名前は申し上げませんが、学界出身の方というのは過去三代慶応大学の教授、別に慶応大学が悪いわけではありませんが、ほかにもいろいろな大学があるわけでございまして、何かどうも引き継ぎをされているのかなと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#104
○政府参考人(田中節夫君) 国家公安委員の人選の仕組みでございますけれども、これは警察法第七条第一項に基づき、「内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命する。」こととされております。
 この具体的な選考につきましては、内閣総理大臣からその任命に際しまして私どもに意見を求められた場合には、その参考に資するため警察庁において意見を申し上げているところでございますけれども、今お話しのように、学界とかあるいは財界とか法曹界とか、あるいは言論界というようなことでございますけれども、この具体的な人選につきましては私どもから申し上げるべきではないと思っております。
#105
○浅尾慶一郎君 余りお答えいただいていないと思います。
 それでは警察法の解釈について伺いますが、まずこの有権解釈はどなたがすることになっていますか。
#106
○政府参考人(田中節夫君) 本当の意味での有権解釈と申しますのは、これは委員も御承知のように、確定判決を通じて行われる裁判所、それも最高裁判所の解釈以外にはあり得ないわけでございますけれども、通常、有権解釈と言われておりますものは、その法令の施行について責任を有する行政機関がその規定についてのその役所としての公の解釈をする、これが一般的に有権解釈と言われております。
 そういう意味では、警察法につきましては国家公安委員会及び警察庁ということになろうかと思います。
#107
○浅尾慶一郎君 その国家公安委員会は、警察庁を管理すると書いてありますが、管理とはどういう意味ですか。
#108
○政府参考人(田中節夫君) 委員御指摘の警察法第五条第二項におきましての管理と申しますのは、国家公安委員会の所掌事務につきまして大綱方針を定め、警察行政の運営がその大綱方針に即して行われるよう警察庁を指揮監督することを内容とするものでありまして、事務の個々具体的な執行について立ち入った指揮監督を行うものではないというふうにされております。
#109
○浅尾慶一郎君 公安委員会は、情報公開法のもとで公開の対象になりますでしょうか。
#110
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 行政情報の公開は国民主権の理念にのっとり、政府の説明責任を全うし、国民に開かれた行政を実現するために重要でございます。
 このような考え方から、国の行政機関につきましては、情報公開法第二条において国家公安委員会を含めすべての行政機関を対象としております。地方公共団体の公安委員会については、情報公開法第四十一条におきまして、この法律の趣旨にのっとり、条例の制定、改正に努めなければならない、こんなふうに規定されております。したがって、この規定を踏まえて各公共団体の判断により適切に対処いただくべきものだと存じます。
#111
○政府参考人(田中節夫君) 今、総務庁長官から御答弁がありましたように、国家公安委員会の情報公開につきましても、情報公開法におきまして国家公安委員会及び警察庁は同法の対象行政機関として規定されております。同法が施行されますと、国家公安委員会の会議録その他警察の保有する情報につきましてもその規定に基づいて適切に対処してまいる所存でございます。
 また、都道府県警察におきましても、昨年、三重県及び山梨県で警察を実施機関とする情報公開条例の改正が行われたところでございますし、また、現在、その他の七県でも同様の改正条例が県議会に上程されております。
 条例でございますので各都道府県で判断すべき事項ではございますけれども、今、総務庁長官の御答弁にございましたように、その法の趣旨にのっとり国の情報公開法と同様に個人情報の保護が図られ、警察業務に支障を生じることのない制度とされるならば、警察が情報公開条例の実施機関となることは問題はないものと考えております。
#112
○浅尾慶一郎君 警察について、さらなる透明性を求めたいと思います。
 そこで、財政構造について大蔵大臣に伺いますけれども、今の大変厳しい状況、この借金を返していくためには、インフレにするか、増税をするか、経済成長を行うか、歳出を削減するか、あるいは国家資産を売却するか、その五つのうちのどれか、あるいはその組み合わせだと思いますが、蔵相の見解を求めたいと思います。
#113
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前にも申し上げましたけれども、現実に我が国の今の財政状況、それから二十一世紀に向かって大きな変動が期待される経済社会の将来を考えますと、非常にいろんな各方面の改革を巻き込んだ一環としての財政改革ということにならざるを得ないと思っておりますが、しかし財政だけに仮に限って考えますと、とりわけ私は経済成長であると思います。
#114
○浅尾慶一郎君 そこで、経済成長に例えば公共事業が役に立つかという観点から費用対効果分析というものをいろいろな省庁で入れておられると思いますが、その中身について教えていただきたいと思いますし、また、その計算式を公開される御予定があるか、大蔵省そして建設省、運輸省、農水省、それぞれ公共事業所管庁に伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(中山正暉君) 費用対効果分析に対する取り組みについてのお尋ねでございますが、建設省におきましては、公共事業の効率性それから透明性の向上を図るために、平成十一年度新規採択事業から原則として所管事業について費用対効果分析の実施を始めたところでございます。
 費用対効果分析につきましては、各事業の特性に応じた計測手法を採用しておりますが、算定手法、それから分析結果などについては統一的な運用指針を定めて公表しておりまして、公共事業に対する効率性、透明性の向上を図るために今後とも計測手法や公表範囲の改善に努めてまいりたいと思っております。
 代替法として河川、それからまた消費者余剰計測法、これは道路、それからヘドニック法というものとか、それからCVM、これは評価がなかなか難しいものでございますが、いわゆる環境の問題とかそんなものに対するもの、それから旅行費用法、そういう遠近の効果、そういうものについての計算方法というものが費用対効果分析の代表的な手法としてございます。
#116
○国務大臣(二階俊博君) お答えします。
 運輸省では、平成九年度より順次費用対効果分析の導入に積極的に取り組んでおります。平成十一年三月には費用対効果分析に関する基本方針を策定し、費用及び効果の算定方式や計算期間、評価手法を定めた上で、運輸省の所管する公共事業すべてにわたって本格的に導入を図ったところであります。また、御指摘のとおり、算定式やこれに基づく算定結果についてはすべて公表しております。
 具体的には、平成十二年度予算案の策定に際し、新規事業について、鉄道三、港湾十四、海岸一、空港三、合わせて二十一の事業について費用対効果分析を実施しました。継続事業につきましては、合計三十事業について実施の上、港湾の三事業については休止、一事業については見直しを行い、新規事業の結果とあわせて国民の前に明らかにしたところであります。
 運輸省としては、今後とも国民に対する説明責任を果たしながら、事業の効率性、透明性の向上を図り、理解と協力を得て公共事業の推進に努めてまいる所存であります。
#117
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業関係公共事業のうち、土地改良法に基づき実施されているかんがい排水事業など農業生産基盤の整備に関するものにつきましては、昭和二十四年から費用対効果分析を実施しているところであります。また、農業集落排水事業などの農村生活環境整備に関するものにおきましても、平成十一年度から順次導入を図っているところであります。
 具体的な経済効果の評価指標として、事業を行うことが長期的に見て経済的であるかどうかの評価を行うため、総事業費に対する妥当投資額の比率である投資効率を算定しており、これが一・〇以上となることをもって採択の基本的な要件としております。また、受益農家が毎年支払う負担金の額が負担能力の限度内であるかどうかの評価を行うため、事業の実施によって増加する農家所得に対する負担金の額の比率である所得償還率を算定しているところであります。
#118
○国務大臣(宮澤喜一君) 以前にも申し上げましたけれども、昨年の秋以来、公共事業の重点化ということを考えておりまして、それはいわゆる構造改革の問題あるいは環境の問題、少子化の問題、そして情報通信の問題でありますが、ただいま御審議いただいております公共事業関連では、この四つで大体九兆何がしの二二%ぐらいになっておりまして、将来こういうものを中心に編成してまいりたい。
 それから、ミレニアムの方では、四本のうち事業のない三つでございますけれども、八分野で各省庁、学界を含めましてプロジェクトチームをつくっておりまして、それにつきましては単年度で仕事は済みませんので事実上多年度の予算を予定してやっております。
 そのほかに、公共事業の中でいわゆる時のアセスメントと申しますか、現実に中止、休止の事業がこの際二十三ございます。
#119
○浅尾慶一郎君 そこで、その費用対効果分析が実際に役に立っているかという観点から、たしかガットのウルグアイ・ラウンドで六兆百億円、農水省は予算をとられたと思いますが、その対策を実施されてからの全国の農家の農業所得の総額の推移についてお答えいただきたいと思います。
#120
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ウルグアイ・ラウンド対策は、ウルグアイ・ラウンドが決着しました平成五年、その翌年の六年の補正予算から実施をいたしておるところでございまして、効果として上がったとしますならば七年から計算をしなきゃいかぬ、こう思うわけでございますけれども、農業所得におきましては、平成七年は四兆六千億、八年は四兆四千億、九年は四兆円、十年は約四兆一千億円となっておるところであります。
 所得についてもですか。
#121
○浅尾慶一郎君 結構です。
 農業所得が減っているわけですが、効果は上がっているとそれで思われるわけですか。
#122
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 実施したところにおいては効果は上がっておる、こういうことでございます。
 全地域にすべてウルグアイ・ラウンド対策が講じられたわけではございませんから、またそのときによって農産物は豊作のときもあれば凶作のときもありますから、だから一概に、ウルグアイ・ラウンド対策をとったからすべてそれが所得にはね返って効果があったというわけではございませんし、むしろ自由化したことによりまして外国からの影響ということも考えなければならぬ、そういうことでございます。
 あえて具体的に申し上げますと、例えば担い手育成型圃場整備事業で平成八年から十年度に完了した九十八地区につきましては、事業の実施前に比べ担い手の経営規模が約二・五倍に拡大しますとともに、担い手の稲作の労働時間が約六割短縮するなどの効果が上がっているところであります。
 また、農業構造改善事業による水稲育苗施設、乾燥調製施設等の農業近代化施設の整備を通じ、水稲の育苗にかかる労働時間の半減、乾燥調製コストの約二割削減などの効果が生じておるところであります。
 さらに、農地流動化対策では、農地保有合理化法人等による利用集積の促進を通じ、平成十一年三月までの四年間で約三十五万ヘクタールの農地が流動化された結果、二百四万ヘクタールが担い手に集積され、担い手農家の経営規模の拡大に貢献しているところであります。
 今後とも残された期間内に本対策を着実に推進し、所期の目的が確実に達成されることになるよう全力を尽くす考えであります。
#123
○浅尾慶一郎君 所得が減っているということは、私は効果がないということだと思います。
 先ほど申し上げましたように、これから財政再建を行っていくということは、やはりむだをなくしていかなきゃいけないということだと思います。
 そこで伺いますが、ことしの一月から三月にかけて九州・沖縄サミットの宣伝がテレビで行われております。これは何回行われましたでしょうか。それから、幾らかかっておりますでしょうか。
#124
○国務大臣(青木幹雄君) お答えいたします。
 現在、実施中のテレビスポットにつきましては、議員おっしゃいました一月から三月までの間、全国民放等各局において一局平均約百三十回実施をいたしておりまして、これに要した費用は約二億三千万円と承知いたしております。
#125
○浅尾慶一郎君 二〇〇〇年対策のテレビスポットはお幾らだったでしょうか。
#126
○国務大臣(青木幹雄君) 予告にもございませんでしたので、承知いたしておりません。
#127
○浅尾慶一郎君 二〇〇〇年問題は約九千四百万円です。九州・沖縄サミットをこれ選べないんです、国民は。どこでやるか選べないんです。それを宣伝する効果というのはどういうものがあるか、それをお答えいただきたいと思います。
#128
○国務大臣(青木幹雄君) もう一回。
#129
○浅尾慶一郎君 何のために宣伝するか。
#130
○国務大臣(青木幹雄君) 幅広い国民各層の理解と協力を確保することが不可欠である、そういうことでやっておる宣伝でございます。
#131
○浅尾慶一郎君 七年前、東京でサミットが行われました。きょうは、そのときの首相の宮澤大蔵大臣がお越しでございます。テレビスポットを行われましたでしょうか。
#132
○国務大臣(宮澤喜一君) 記憶いたしておりませんが、やっぱり今回は沖縄でやるということに非常な意味があると私どもも思っています。
#133
○浅尾慶一郎君 東京サミットのときはテレビスポットは行っておりません。
 それで、では、その二億三千万円。先ほど来も申し上げておりますけれども、国民は沖縄でやるということは新聞、テレビで、もうニュースでわかるわけです。なぜあえてテレビスポットをやるんですか。
#134
○国務大臣(青木幹雄君) 議員は今、国民には新聞、テレビ等で十分わかっているとおっしゃっておりますけれども、私どもは全国民にまだ徹底しているとは考えておりません。特に若い人に対して、沖縄サミット、いわゆる二〇〇〇年最後の年でございますし、二十一世紀に向かっての新しいその扉を開くサミットでございますので、できるだけ若い人にということで、テレビスポットを東京サミットでは使っておりませんでしたが、今回は対応しているような次第でございます。
#135
○浅尾慶一郎君 若い方が知ると、その経済効果、費用対効果というのはあるんですか。
#136
○国務大臣(青木幹雄君) テレビ効果は経済効果だけを考えてやっておるわけではございませんので、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
#137
○浅尾慶一郎君 それでは、二〇〇〇年問題よりも多くのお金をかける理由はどこにあるんでしょうか。それほど周知徹底が大事なんでしょうか。テレビをあえて使って行うことが大事なんでしょうか。
#138
○国務大臣(青木幹雄君) 人それぞれによってサミットと二〇〇〇年問題との宣伝費の使い方に対する考え方は違うと思いますが、私はやはり今申し上げましたように、二〇〇〇年最後の年、そして二十一世紀に向かって、あれだけ大戦の被害を受け、そこから立ち直ろうとしている沖縄のサミットというものは非常に重要なものだと、そういう認識をいたしております。費用の使い方については、いろいろ個人的な見解が異なるのはしようのないことだと考えております。
#139
○浅尾慶一郎君 テレビで宣伝をすることが私はその答えになるとは思いませんが、次に移らさせていただきます。
 そこで、財政再建ということを考えた場合には、やはり政府資産の有効活用ということも考えていかなければいけないというふうに思います。
 きょうは、例えば高速道路ですとか、あるいは空港の離着陸枠ですとか、それから携帯電話の電波の割り当てといったような公共財の入札というのをそれぞれどういうふうに考えられるか、あるいは政府が持っておりますデジタル情報というものを、きょうは大変、知価革命ということでデジタル情報の価値を認めておられます堺屋長官もお越しでございますが、そういったようなものを有効活用して少しでも政府の収入をふやすということが考えられないかどうか。所管の理財局という観点からの大蔵大臣、それから建設、運輸、郵政、経企庁長官にお答えを求めたいと思います。
#140
○国務大臣(堺屋太一君) 大勢への御質問でございますので順不同になりますけれども、データその他についてのことを先に申し上げさせていただきます。
 政府の行っております統計類あるいは白書のたぐい、こういったものは著作権法の三十二条で一般に普及するのが目的だということでございまして、どなたでも引用、転載ができるということになっておりまして、特にこれは有料で取っておりません。だから、私たちの白書とか統計のたぐいも、新聞その他が報道するときには無料で転載できると。これはやはり政府の資産よりもそういった知的資産というのは全国民に御使用いただくことが大事だ、こういう考えに立っておるわけでございます。
#141
○国務大臣(八代英太君) 最初の方で御答弁させてもらいますが、次世代携帯電話に使用する電波、こういうものも競争入札がいいんじゃないかということでございますが、この電波は三つの均等なブロックに分割をするわけでございます。限られた一つの枠でございますから。そこで、その競争入札にする電波の売却ということになってまいりますと、アイデアはアイデアといたしましてお聞きはできると思っているんですけれども、私どもは慎重な検討が必要だという思いに立っております。
 と申しますのは、競争入札の落札金等のサービス料金への転嫁の懸念というのがまず一つあります。それから、こういう電波でございますから、資金の豊富なものへの周波数の集中の懸念、こういうものもありますね。それから、景気が厳しい状況の中での落札価格の高騰による事業者の経営基盤を圧迫する懸念というようなことを考えますと、私たちも競争入札ということも考えないではなかったものですから、パブリックコメントも含めていろんな方々の御意見を伺いました。そうしましたら、一昨年七月、次世代携帯電話の導入に関する考え方についてパブリックコメントを求めたんですが、競争入札制度の導入に反対する意見がほとんどでございまして、何と申しますか、競争入札でやれと、こういう支持する意見は一つもございませんでした。
 これらを踏まえますと、やっぱり競争入札は実施しなくて、申請者数が、申請者が三つを超えた場合は申請の内容を比較して事業者を決定する、いわゆる比較審査方式というふうなことで、公平を期した一つの決め方になるのではないか、このように思っているところでございます。
#142
○国務大臣(中山正暉君) 建設省に対する御質問、御通告いただいておりますのは、既存の高速道路網の株式会社化についてどうかということであったと思います。
 仮に道路関係公団を株式会社化するということになりますと、これは採算性の悪い新規路線の整備が一切行われないようなことになると。それからまた、公租公課の負担や一定額以上の利益の計上のために料金水準の大幅な引き上げにつながりかねないのではないか。高速自動車国道等は、広域的な連携による地域の自立の促進並びに活力ある地域社会の形成に欠くことのできない基盤施設でございまして、高速自動車国道の供用延長は現在計画延長の約半分、大体今一万一千五百二十キロ計画しておりますが、まだ六千五百六十四キロ、五七%の進捗率しかございませんで、建設省といたしましては、必要最小限の体制で効率的な事業が実施されるように関係公団を指揮してまいりたい。
 それから、入札の問題でございますが、これは建設大臣認可一万二千社、それから地方、五十八万六千社ぐらいが地方でございまして、件数でいきますと九割が地方でございます。金額にいたしまして七割が地方でございますので、そういう形で、平成四年は五十二万二千社ぐらいしかなかった建設会社が今五十八万六千社あるということになっておりますので、なかなか厳しい状況にありますので、いろいろランクづけがありますが、適正な、また透明性の高い入札制度を実施しておるというところでございます。
#143
○国務大臣(二階俊博君) 空港の発着枠の入札についてでありますが、まず第一は、企業体力の強い会社に有利な仕組みであるために、結果として発着枠の独占または寡占を招くという問題点があると第一に考えられます。
 次に、入札対象発着枠が極めて少ないために、入札料が高騰し、運賃の上昇等の形で入札にかかわるコストが利用者にはね返ってくることが予測されるわけであります。利用者利便の向上に逆行するという問題点があると考えられます。
 また、導入に当たっては、技術的にも、入札の対象とする発着枠の時間をどのように特定するかという問題点が指摘されているところであります。
 したがいまして、運輸省としては、我が国の高速交通ネットワークの形成上極めて公共性の高い社会資本である空港について、その発着枠を入札制で航空会社に配分するということには問題があると考えております。
#144
○国務大臣(宮澤喜一君) 小渕内閣が発足いたしました一昨年の夏に、総理から、ほとんど最初の指示でございましたけれども、国有財産の売り払いについて各省庁努力せよということで、各省庁集まりまして、一つは、各省庁の持っておりますいわゆる行政財産の中で実際はもう要らない、出してもらうものがあるのではないかという問題と、それから国有財産、これは大蔵省でございますけれども、そういうものの作業を始めまして、翌年の暮れに、国有財産情報公開・売却等促進連絡会議のまとめといたしまして、全部のリストを一覧表としてつくりまして公開をいたしました。
 それから、翌年の五月十一日に、その結果につきましてもう一遍公表をいたしまして、そうして昨年の九月十三日に、さらに使用状況、売却状況の結果を発表いたしております。
 こういうことで、現在、未利用地あるいは転換のできる国有地につきましては、その存在、それから引き合い等々がホームページアドレスに出ておりまして、いわば不動産のマーケットに参画をしているという格好になっております。
#145
○浅尾慶一郎君 今の建設大臣の御答弁あるいは運輸大臣の、力の強いところが全部押さえてしまう、建設大臣は採算性の悪いところに高速道路が敷かれなくなってしまうという御答弁がありましたが、午前中の本田委員の質問、護送船団方式に対する考え方という質問に対して大蔵大臣は、護送船団方式というのは一番弱いところに合わせるから国際競争に合わなくなってしまうんだというお答えもありましたし、また経企庁長官も同様なお答えをされていたと思いますが、インフラだから違うんだというお考えなのか、それともそこはどういうふうに思われるか、御答弁を経企庁長官と大蔵大臣に。
#146
○国務大臣(堺屋太一君) 護送船団方式と申しますのは、業界全体を保護するという仕掛けでございます。
 この公共事業につきましても……
#147
○浅尾慶一郎君 発着。
#148
○国務大臣(堺屋太一君) 発着便ですか。
 発着便は今かなり料金その他競争制になっておりまして、決して護送船団方式ではなくなってきている。かつては非常に、国際便は日本航空だけ、国内便は全日空というような仕分けがありましたが、今は相互乗り入れがございますし、国際競争もございますから、決してあれではございません。
 ただ、発着便自身を入札にするということは、本当に利便性と安全性が保てるかどうか。これは運輸行政の非常な根幹になるものでございますから、何でも入札にした方が護送船団でない、護送船団でなくしたから入札だということにはちょっとなりにくいんじゃないかと思いますね。
#149
○委員長(倉田寛之君) 大蔵大臣、よろしゅうございますか。
#150
○国務大臣(宮澤喜一君) どういう問題ですか。
#151
○浅尾慶一郎君 護送船団方式は否定的な見解をとられましたが、例えば空港の発着枠を入札するということは結果として強い会社のみが残るという運輸大臣のお答えでしたが、それについて何か。
#152
○国務大臣(宮澤喜一君) よく存じませんけれども、航空の自由化というのは浅尾議員が御承知のとおりカーターが始めまして、アメリカでやっぱりいろんな問題を呼びましたことは御承知のとおりでございます。
 大分いろいろ曲折を経てまいりましたけれども、ですからこれは安全の問題もありますし、ちょっと私は素人で論評をいたしかねます。
#153
○浅尾慶一郎君 それで、先ほど政府が集めておりますデジタル情報は無償でというふうにおっしゃっておられましたが、実は経済企画庁さんは、平成八年版で経済白書のCD―ROMというのを傘下の社団法人経済企画協会が編集して、このデータをベースに売っておられるんですが、これはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
#154
○国務大臣(堺屋太一君) 経済企画庁では、経済白書をできるだけ多くの人に普及したいということから、いろんな手段に利用したい、普及したいと考えております。
 それで、政府の発表いたしますものを大蔵省印刷局で印刷しておるものが一つございます。そのほかに普及版といたしまして、経済白書そのものに幾らか座談会とか評論をつけましたものを、エコノミスト、毎日新聞社、それから東洋経済新報などからも発行しています。
 それで、このCD―ROM、これは先ほど申しましたようにだれでも利用できるわけなんです。ところが、これを利用してCD―ROMにするというところがほかにございません。幾らあっても、三つでも四つでも出てきたらできるわけなんでございますが、これは一般の市売というよりは企画庁の記録として残すという意味で経済企画協会がやったものでございまして、一般に市売はされておりません。
 それで、できればそういうものも大いにいろんな形で普及したいと考えておりまして、このデジタル化計画というのを立てております。経済企画庁情報化五カ年計画というのがございまして、これは平成七年から五カ年でできるだけ情報をデジタル化していろんな方面に出したいということで努力をしております。その最初の試みが今御指摘のCD―ROMであったわけでございます。
#155
○浅尾慶一郎君 非売、一般では売っておられないというんですが、私はこれをホームページで見て九千八百円と書いてあるんです。売っているんではないんでしょうか。
#156
○国務大臣(堺屋太一君) その平成八年版についてちょっと存じておりませんが、事実関係を確かめて、一部売っているかと思いますが、今のCD―ROMは印刷したものをほとんどそのまま入れておりますので、余り数は出ておりません。事実関係をもう一度確かめて、文書でお返事をさせていただきます。
#157
○浅尾慶一郎君 経済白書は当然ワープロで打っておられますからデジタル情報になっておるわけで、それをCD―ROMにして経済企画庁編として社団法人経済企画協会で売っておられるわけです。
 そこで、九九年の経済白書について、堺屋太一長官みずから出られて、「DVD版 日本経済は今」というものをつくっておられますが、これはその経済企画庁編ではなくて、しかも社団法人経済企画協会ではなくて民間がやっておられます。
 これはどういう経緯でございましょうか。
#158
○国務大臣(堺屋太一君) 先ほど申し上げましたように、私どもは経済白書の趣旨をできるだけ多くの方々に知ってもらいたいということで、この経済白書を映像化したいと考えました。それで、私が一昨年の七月に就任いたしましてから、そういうような意図がございまして、これをDVD、当時まことに新しいメディアであったわけですが、これにしてほしいということをいろんな方々に言いました。そうしますと、日経映像、それからPHP研究所、パナソニックデジタルコンテンツという会社のグループと、それから東芝、電通、デジタルアーカイブズ社というグループと、三つのグループが名乗りを上げてまいりました。
 その中で、日経映像は、企画庁から委託費をいただいて、製作費をいただいて製作する、そうでないと現在のDVDプレーヤーの普及状態から見て引き合わない、そういう話でございましたので、企画庁にはそういう予算も意思もございません。だから、お断りするより仕方がありませんでした。
 それで、二社残ったわけでございますが、この二社につきまして、それぞれ三月末ごろに企画書をいただきまして比較検討をいたしました。それで、どうも後者、つまり東芝、電通、デジタルアーカイブズ社の方がいいなと我々は思っておりました。そのうち、いろいろとそれぞれのグループで研究動作をお進めになりまして、その結果、PHP研究所及びパナソニックデジタルコンテンツ社の内容は、非常に早く簡単につくると。それでございますと大体ビデオテープと同じようなものになるわけです。もう一方の方は、ごらんいただいたらわかるんですが、多チャンネルになっておりまして、しかもデータ、用語解説等を入れる、相当費用をかけてやる、こういう話でございました。
 私どもの方としては、別にどこに許可するとかいうことではございません。だから、そういうような、できるだけ間違いなくこの白書の趣旨を伝えていただく、普及していただくことが目的でございまして、だれでもできるわけでございますから、別に選んだわけではございません。それで、一番すぐれていると思うところに私及び企画庁の当時の担当局長、課長が出演しようということになりました。そのうちに、一方のPHP研究所とパナソニックデジタルコンテンツ社は採算性が合いそうにないからこの企画はやめたいということになりまして、PHP研究所は、そこに書いてございますように製作協力ということで、データの提出その他で御協力いただくということになったようであります。
 そこは向こうの話でございまして我々の関与するところではありませんが、そういう形で、結局、企画庁の有志が、企画庁ではございません、私及び局長等の有志がこれに個人として協力して、間違いなくいいものをつくって普及していただきたいということでそれに協力したわけでございます。
#159
○浅尾慶一郎君 確認させていただきますが、このデジタルビデオディスクをつくりたいという最初の案は今の御答弁ですと長官が出されたということでよろしいですかというのが一点と、それから私も多少ですがパソコンを使いますけれども、DVDという形よりかははるかに多分CD―ROMでやった方がパソコンを使う人にとっては使いやすいんじゃないかなと思うんですけれども、なぜDVDということを長官が思いつかれたか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
#160
○国務大臣(堺屋太一君) 明確に申し上げておきますが、私は経済白書の趣旨を普及するためにそういうデジタル化したい、それにはDVDが容量が一番多い、それから絵がきれいでございます、それから同時に多チャンネルが出る、そういう新しい機能があるのでこれがいいと考えたことは事実であります。
 しかし、そのものを企画したのは私ではございませんで、グループが企画書を、私がそういう意向を持っていることを伝え聞かれまして、それで最初の提案はたしか電通だったと思いますが、そこから二つの企画書が出てまいりまして、こういうことでやるから企画庁の人にも出演してくれぬかというような話があったわけであります。
 それで、CDと比較しますと、まず容量が圧倒的に多い。恐らくそこに入っておりますのがCDにすると五枚か六枚になると思います。それから、絵が非常に美しくて一般に見やすい。それと同時に、ボタンを押しますと、クリックいたしますとそれぞれの用語解説、データが出てくる。そういう点で非常にすぐれております。
 その当時はまだプレーヤーが少なかった時代でございますが、ぜひこういう学術的といいますか、経済情報もそういう分野で映像化すべきだということと趣旨が一致いたしましたので、公務員倫理規程に基づいて我々出演し、またそれ相応の対価もいただいております。
#161
○浅尾慶一郎君 そんなに一生懸命御説明をされていてよくわからないんですけれども、そこで一つだけ伺いますけれども、先ほどもおっしゃいましたように、デジタルビデオというのはCDと比べて普及はしていないということはそのとおりだと思われるわけですか。
#162
○国務大臣(堺屋太一君) この三月四日に発売されましたプレイステーションというのが大変売れておりますが、これはDVDが映ります。最近はそういうことでかなり普及しておりますが、それを企画した当時はCDに比べて非常に少なかった。だけれども、容量としては二十倍以上入りますし、絵も美しいから、ぜひそういう新しい機器を使ってもらいたいという意識は私にございました。
#163
○浅尾慶一郎君 一つだけ事実を伺いますが、この企画製作をされましたデジタルアーカイブズ社という会社は堺屋太一経済研究所が所有しているビルに、現在あるいは過去、たな子として入っていたことはありますか。
#164
○国務大臣(堺屋太一君) たしか九七年の春ぐらいから私の所有する、ビルと言えるほどではございません、廃屋を改造したようなところに入っております。
#165
○浅尾慶一郎君 その会社の役員とは別にそれ以上の関係はないということはお誓いいただけるということでございますか。
#166
○国務大臣(堺屋太一君) 先ほどちょっと間違えました。私の所有ではございません。私の関連する会社、堺屋太一事務所株式会社の所有でございます。
 それの経営しております人は私と、そういうビジネスの関係では作家時代おつき合いがございましたが、それはあくまでもビジネスだけでございます。それ以外のことは全くございません。
#167
○浅尾慶一郎君 堺屋太一経済研究所の株主は、大宗は、企画庁長官、お持ちでございますか、株は。
#168
○国務大臣(堺屋太一君) 今のその不動産を所有しているのは堺屋太一事務所というところですが、その大半というか、ほとんどは私が個人で持っている会社です。
#169
○浅尾慶一郎君 今、ビジネスの御関係とおっしゃいましたけれども、本日冒頭、いろいろと警察あるいは公務員のお話をさせていただいたわけでございますけれども、今、企画庁長官という国務大臣になられて、その後もそのビジネスの関係を続けておられるのか。あるいはどういう経緯でこの会社が企画庁の白書の中に入ってこられたのか。そしてまた例えば、では、先ほど普及するということをおっしゃっていましたけれども、必ずほかの会社がやられても出演をされるのかというような点について御答弁をいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(堺屋太一君) まず、企画庁長官となりまして、その会社との関係はそのDVDをつくるのに出演をいたしまして、その報酬といたしましてそのDVDの板を百枚いただきまして、マスコミや大使館などに配りました。現金は私の場合はいただいておりません。私の方の職員はそれ相応に正当な対価と思われるものをいただいておると承知しております。
 それから、それ以外、企画庁長官となりましてからそれ以外のその会社との取引といいますと、もう間もなく発売されるDVD、やはり東芝のDVDでございますが、関ケ原というDVDがございます。
 これは、ことし関ケ原は四百年でございまして、岐阜県の方で関ケ原の博覧会をやっている、それに出展するというものなんですが、それに私の昭和五十五年に書きました「巨いなる企て」の原作を使用したいということで、その原作料といたしまして五十万円、これは他の会社の場合も同じぐらいの値段で今までいただいておりますが、五十万円で原作を使用するということを許しております。これはまだ振り込みが入っておりませんけれども、そういう契約になっております。
#171
○浅尾慶一郎君 先ほど長官は、DVDの考えを自分が持っているということを、それを周りの人が漏れ聞いてこの案件を経済企画庁に持ってきたんだというふうにおっしゃいましたけれども、そうすると、直接長官からこのデジタルアーカイブズ社のどなたかに話をしたわけではないという理解でよろしいんですか。その間の経緯について。
#172
○国務大臣(堺屋太一君) 先ほどの答弁もちょっと違いました。
 原作を管理しているのは堺屋太一事務所でございまして、そこへ五十万円振り込むことになっておる。その著作権管理会社になっておりますので、私個人じゃございません。ちょっとそこを訂正させていただきます。
 それから、その話でございますが、私は就任以来あちこちでしゃべっておりましたから、PHPの方もお聞きになったし電通の方もお聞きになったし、いろんな方が私がそういうのをつくりたがっているというのをお聞きになったと思います。しかし、私の方から特定の会社にこういうことをやれとかやってほしいとかと言ったわけではございませんで、私がDVDで白書を普及することは情報デジタル化の上でいいという意思を持っておると聞きまして、日経映像も、PHP、パナソニックデジタルコンテンツグループも、東芝、電通、デジタルアーカイブズ社グループもやってこられて、企画書を出したりして御相談があったということでございます。
#173
○浅尾慶一郎君 大家さんの立場でお伺いさせていただきますが、このデジタルアーカイブズ社というのはどういう会社でございますか。
#174
○国務大臣(堺屋太一君) 一九九五年ごろに、そういうホームページの開設、例えば菊池寛のデータとか旅行記とかそういったもの、丸茂ジュンさんの旅行記とかいうのもございましたが、そういうものの開設と、それからそういう実験的なデジタルの制作企画をやるということで設立された会社でございますが、その前身といいますか、もとは同じ経営者がパソコン・ワープロ教室を、一九八五年ごろだと思いますが、十年ほど前からずっと経営しておりました。それで、最初はそういう専修学校でございましたが、それがそういう、そこを卒業した人あるいはいろんな才能のある若者が集まりましてこういう仕事を請け負う、委託を請け負うということで始めた会社でございます。
#175
○浅尾慶一郎君 このDVDの企画制作は、先ほど来企画庁長官おっしゃっていますように、東芝さん、電通さん、そしてデジタルアーカイブズさんということになっておりますが、その中でたな子さんでいられるということは、一般論で申し上げさせていただきますと、別にそういうことがあるわけじゃないと思いますけれども、何か特別な関係を連想してしまうのではないか、特に今警察の問題がいろいろ言われておりますけれども、そういう中で連想されてしまうと思いますけれども、それについて所見はございますでしょうか。
#176
○国務大臣(堺屋太一君) そのような連想に基づく捏造記事がある雑誌に出ておりまして、これは大変事実無根の虚言の塊でございますので、本日直ちに法的手続をとりまして告訴しておりますが、そういうこともございました。
 しかし、たな子といいますか、私の建物に入っておりますのは長官に就任する以前の全くの普通の商取引でございまして、家賃もいただいております。それから、今申し上げました、日経映像にいたしましてもPHP研究所にいたしましても、やはり二十年も作家、評論家をしておりますと、出版界には相当いろいろ知人がございます。だから、知り合いだろうと言われれば皆知り合いとお答えせざるを得ないわけでございます。
#177
○浅尾慶一郎君 それでは、話題を変えさせていただきたいと思います。
 きょうは日銀総裁にお越しいただいております。そして、経企庁長官もインフレについてはお詳しいということでございますが、昨今、インフレターゲット論、ターゲットインフレ論というのがいろいろ言われております。
 そこで、今はゼロ金利でございますけれども、金利というのは、申すまでもありませんが、インフレ率プラス実質金利が今のゼロ%ということになるんだと思いますが、そうだとすると、今のインフレ率は幾らで実質金利は幾らだというふうに日銀として見ておられるのか、また経企庁として見ておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#178
○参考人(速水優君) インフレ率をどう見ているかという御質問だと思いますが、期待インフレ率という場合に、将来のインフレ率に関する人々の予想でありますので、正確に計算することは大変難しいと思います。ただ、一般に、そうした人々の予想というのは現在ないし最近における実際のインフレ率からもかなり影響を受けている面があるのではないかというふうに考えています。
 そこで、最近の物価動向を見ますと、消費者物価指数、生鮮食品を除きまして、これを細かく見れば、若干のマイナスでございますけれども、おおむね前年比ゼロ近傍で推移していると思います。国内の卸売物価の方も、最近はほとんど横ばいの動きとなっております。また、最近の経済情勢を踏まえますと、物価は当面おおむね横ばいで推移していると見ております。
 以上のことから、現在の期待インフレ率というのももちろん幅を持って見るべきものであるとは思いますが、おおむねゼロ近傍にあると見て差し支えないのではないかと思っております。
 そうであれば、実質金利は名目金利から期待インフレ率を引いたものでございますので、現在は名目金利をほぼそのまま実質金利とみなしても大きな間違いではないというふうに考えております。
#179
○国務大臣(堺屋太一君) 物価でございますが、どの物価をとるべきかということで非常に難しくなります。消費者物価は今〇・三%ぐらい前年に比べてマイナス。東京都では、速報値では〇・四というような数字も出ておりますが、大体そんなものです。それから、卸売物価でございますと一%ぐらい。それでGDPデフレーターというのでございますと、マイナス一・〇%、こういう数字を出しております。
 インフレターゲットというのは幾つかの国でその例がございますが、いずれも上がり過ぎる物価を抑えるという方のターゲットでございまして、下がり過ぎ、上げようというターゲットは今までやった実例がほとんどございません。したがって、このインフレターゲット論を今、日本で適用することがうまくいくのかどうか、私は非常に疑問に思っております。
#180
○浅尾慶一郎君 今、日銀総裁は実質金利も名目金利とほぼ一緒だろうということでございましたが、経企庁長官のお答えですと、ちょっとデフレということになるのか。だとすると、実質金利が若干高目になる可能性があるんだと思います。
 そこで、仮に日銀総裁が言われるように、実質金利が名目金利とほぼ一緒ということは、例えばごく短いところでいうと、実質金利がゼロということになるんだと思いますが、実質金利がゼロということは、この日本という国は投資する価値がないということになってしまうのかなと思いますが、それは大変悲しむべきことなんではないかなというふうに思います。
 その点について、もし日銀総裁、何か御所見があればと思いますし、また経企庁長官あるいは大蔵大臣、投資するべき価値がないような非常事態なのかどうかという点についてお答えいただきたいと思います。
#181
○国務大臣(宮澤喜一君) 投資する価値がないということは、どういう意味でおっしゃいますか。
 例えば、今設備投資は現実に前期マイナスでございますから、そういう意味では明らかに設備投資は今のところマイナスである。また、不動産はまだ値下がりが続いておりますから、これもマイナスである。そこだけ見ますと、今の日本は設備投資にしても不動産投資にしても投資がマイナスになっておる。
 しかし、こんな状態が長く続くかといえば、浅尾委員も、だんだん設備投資はどうやらマイナス幅が小さくなって、機械受注なんかから見るとプラスに転じそうだということはおわかりですから、その点では投資する価値がないなんということはないはずです。不動産の方はちょっとまだわかりません。
#182
○国務大臣(堺屋太一君) 金利と投資の関係でございますけれども、金利が低ければ投資しやすいという環境をつくっているわけですが、それにもかかわらず前年度マイナス。ようやくここへ来て機械受注が上向きまして、そしてこの間の法人季報なんかでも下げ幅が非常に縮んできた。
 そういうことで、業種別には動きが見られるということを考えますと、投資する価値がないとは言いませんが、まだ景気が余りよくございませんから、アメリカなどに比べて魅力が薄いということは残っているんじゃないかと思います。
#183
○参考人(速水優君) 実質金利がゼロで投資の値打ちがないんじゃないかというお話でございますけれども、私ども今こういう状態の中で経済を安定的に成長させていくためには、やはり構造改革なり流通改革といったようなことがこの機会に行われて、企業の収益がふえていくというようなことが起こっていくことを期待しております。そういうことで、株価も上がり始めておりますけれども、これがこのまま続いていくことが大事だと思っております。
 一方、消費者、一般市民の立場からいきますと、今までは御承知のように日本は千三百三十兆という家計の大量の金融資産を持っているわけで、そのうち借り入れを差し引いても九百兆ぐらい家計が金融資産を、預貯金がそのうち七百三十兆ぐらいあるわけですけれども、そういうものが今本当に金利が低くて、特に年金生活者などは困っておられるわけですけれども、もしここでインフレ、物価がさらに上がって元本が減るようなことになりますと、これはみんな黙っていないと思うんですね。社会的に非常に大きな不安が起こってくる。
 御承知のように、ケインズが第一次大戦後に書いた「平和の経済的帰結」という中にインフレーションということが書いてあって、そこで社会を根底から覆す最も手短な確実な道は物価を上げること、通貨を堕落させてインフレにすることだということが書いてありますけれども、もしそういうことが起こるとこれは大変なことになりますから、インフレ率を高くしないということを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
 そういう意味では、インフレターゲット論というのは私は反対でございます。
#184
○浅尾慶一郎君 インフレターゲット論、経済企画庁長官も、そして日銀総裁も反対であるというふうに御表明をいただいたわけであります。
 そこで、先ほど来話に出ておりますように、今デフレ傾向にあるということは間違いがないんだと思います。ゼロ%なのかあるいは若干マイナスなのかということなんですが、デフレの一番の理由は家計の収入が落ちているというところにあるんだと思いますが、結果として収入が落ちているから個人消費も落ちるという側面も否めないと思いますが、それに加えて、果たして将来に対する不安があるから個人消費が落ちているのか、あるいは単に収入が落ちているから個人消費が落ちているのか、その点、企画庁長官、いかがでございますか。
#185
○国務大臣(堺屋太一君) 物価が下がっているだけでデフレと言えるかどうか、いろいろ議論があるところでありますが、個人消費について申し上げますと、個人消費は少しよくなりかけたかなと思ったら、十二月、大変悪くなりました。それはボーナスが非常に低かったからなのでございますが、ボーナスというのは、前年度の三月期の決算で、大体各民間企業は春闘から六月ぐらいにかけて決めます。それが十二月に出されるものですから、十二月のボーナス支給額が非常に低くなりました。その結果、個人消費が非常に十二月落ち込んだというのが大きな原因だと思います。
 同時に、もちろん将来に対する不安等がこの貯蓄率の高さに影響しているということもないとは申せません。ただ、日本はずっと伝統的に貯蓄率が高うございまして、これが現在の状況だけの問題ではなしに、やはり社会構造的な問題あるいは倫理的な問題とも関係があろうかと思っております。
#186
○浅尾慶一郎君 今、経済企画庁長官から、将来に対する不安あるいは社会構造的な面から個人消費が落ちているかもしれないというような御指摘をいただいたわけです。
 そこで、社会保障について、厚生大臣と、そして与党合意ということで、運輸大臣、総務庁長官に伺いますが、社会保障費を税方式にするということについてどのように考えておられるか、伺いたいと思います。
#187
○国務大臣(丹羽雄哉君) 御案内のように、我が国の社会保障制度は、いわゆる負担と給付の関係が明確である社会保険方式というものを採用いたしておるわけでございます。これは国民の皆様方のいわゆる一人一人の支え合いによって賄われておるわけでございます。
 税方式でございますけれども、例えば基礎年金を税方式にすることにいたしましても大変巨額の財源が必要になるわけでございます。平成十一年度で十三兆七千億円かかるわけでございますし、また社会保険方式と異なりまして、税方式の場合には、ほかの社会保障制度と同様に、所得であるとかあるいは資産に応じた所得制限というのは避けられないのではないか、こういったような問題があるのではないかと、こう思っておるような次第でございます。
 いずれにいたしましても、年々いわゆる年金、医療、介護など社会保障に対する費用というものは増大をいたしておりまして、六十九兆円に達しておるわけでございます。これは御案内のように保険料を中心として公費によって賄われているわけでございますけれども、これをすべて税方式で賄うには、例えば平成十二年段階で、高齢者の医療、介護、年金につきまして、国庫負担は合わせて九・〇兆円でございますし、一方の消費税収入は国分で現在六・九兆円ということでございますし、二・一兆円ほど不足いたしておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、これからの大きな検討課題と考えておりますけれども、私どもといたしましては、社会保険方式が適当と考えているような次第でございます。
#188
○国務大臣(二階俊博君) 自由党としてというお尋ねでございましたが、少子高齢化が進行する今日のような人口構成下にあって、減少する現役世代の保険料負担で増加する高齢者の社会保険給付を賄う現行の方式よりも、消費税方式によって賄う方が負担の公平化を図って国民全体で支えることができると基本的に考えております。
 そこで、このような考え方に基づきまして、自由党は、平成十一年十月四日の自自公連立政権合意におきまして、年金、介護、後期高齢者医療を包括した枠組みを構築する、そして消費税を福祉目的税に改めることなどを合意したわけでありますが、現在与党において検討が進んでおり、いずれ必ず成案が得られるものと期待をいたしております。
#189
○国務大臣(続訓弘君) お答えいたします。
 十一年十月四日の三党連立政権の政治政策課題の合意書がございます。これはもう御案内のとおりだと存じますけれども、その中に、「高齢化社会での生活の安心を実現するため、まず、二〇〇五年を目途に、年金、介護、後期高齢者医療を包括した総合的な枠組みを構築する。それに必要な財源の概ね二分の一を公費負担とする。基礎的社会保障の財政基盤を強化するとともに、負担の公平化を図るため、消費税を福祉目的税に改め、その金額を基礎年金・高齢者医療・介護を始めとする社会保障経費の財源に充てる。」。これが三党合意でございまして、今、運輸大臣からも御答弁がございましたように、私どもは三党がスクラムを組んで今申し上げたような三党合意の線で協議を進められるものだと、こう期待しております。
#190
○浅尾慶一郎君 厚生大臣のお立場は、給付と負担ということを言っておられまして、なかなか税方式ということには反対というようなニュアンスで受け取られましたが、運輸大臣、総務庁長官は将来の負担を考えると税方式やむを得ないということをおっしゃっておられたと思うんですが、このお二方の御答弁を受けて、それでも厚生大臣としては今の方がいい、やはり保険方式の方がいいというふうにお考えになるか、再度答弁を求めます。
#191
○国務大臣(丹羽雄哉君) これにつきましては、運輸大臣、総務庁長官からもお話がございましたように、三党間の与党間の政策協議の中で、二〇〇五年までに結論を出す、こういう立場でございますが、私といたしましては、現段階において社会保険方式が現実的ではないか、こういうことでございます。
 あくまでも今後の三党間の協議にゆだねる、こういうことでございます。
#192
○浅尾慶一郎君 繰り返しになりますけれども、そうすると、厚生大臣の意見はあるけれども、その三党合意に対してそれを積極的に、自分の意見があるいは厚生省としての意見が通るように発言をされていくということはなく、三党間の協議にゆだねられるということでよろしいわけですか。
#193
○国務大臣(丹羽雄哉君) あくまでも三党間の協議でこの政策合意が決定されたことでございます。意見を求められれば、私としての考え方を申し上げさせていただきたい、このように考えているような次第でございます。
#194
○浅尾慶一郎君 厚生行政としての主体性というか、その点についてはいかが思われますか。
#195
○国務大臣(丹羽雄哉君) 要するに、厚生行政をつかさどる者としてどうかと。
 現実問題として、先日来申し上げておりますように、我が国の社会保険方式は保険料によって賄われておるわけでございます。それに国の方が補助をしている。年金の場合には三分の一補助しておる。こういうことでございますし、現実問題として、また保険料の半分が事業主負担でございます。こういうものをすべて今仮定されておりますいわゆる消費税でやる場合に、現実的に莫大な消費税の引き上げということが必要になるんじゃないか、こう考えておりますし、私どもは、先ほどから申し上げておりますように、負担と給付の明確化という観点からあくまでも社会保険方式が適当と考えておるような次第でございます。
#196
○浅尾慶一郎君 そのほか質問通告をさせていただいておりましたけれども、時間が参りましたので、これで終えさせていただきます。
#197
○委員長(倉田寛之君) 以上で本田良一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#198
○委員長(倉田寛之君) 次に、福本潤一君の質疑を行います。福本潤一君。
#199
○福本潤一君 公明党・改革クラブの福本潤一でございます。
 きょうは、環境問題を中心に循環型社会のお話とともに質問させていただこうと思います。
 公明党は一昨年、ダイオキシン類対策特別措置法をまず出しまして、昨年の七月、全会派の賛同を得まして議員立法で通過したわけでございます。そして、ことしの一月施行になったわけでございます。
 官房長官がきょうは記者会見で退席されましたので、まずダイオキシンの問題で、具体的に施行になった法案、政令等で決めたもの、また措置等も具体的に起こっておると思いますので、環境庁長官に最初に、ダイオキシンの法案が施行になるまでの準備、または現実の運用、これをお伺いしたいと思います。
#200
○国務大臣(清水嘉与子君) 昨年の七月に参議院がダイオキシン類対策特別措置法を議員立法されたこと、そのときに先生が大変御活躍されたことをよく存じております。
 大変短い期間ではございましたけれども、中央環境審議会におきまして具体的に大気、水質、土壌にかかわります基準等をつくらせていただきました。審議会の御審議、またパブリックコメントを経まして昨年の十二月に決まったわけでございます。
 まず大気でございますが、大気は一立方メーター中〇・六ピコグラム。それから水質でございますけれども、一リッター中に一ピコグラム以下。それから土壌でございますけれども、一グラム中に千ピコグラム以下ということで環境基準を設定いたしました。
 なお、土壌につきましては、汚染の進行防止等の観点から、周辺環境や発生源の状況等必要な調査を行うという指標を設けまして、これは一グラム中に二百五十ピコグラム以上というふうに設定いたしました。
 また、次に廃棄物の焼却炉等の特定施設の排出基準でございますけれども、これは施設の種類ごとに実施可能な技術を勘案いたしまして、大気につきましては、新設の施設につきましては一立方メーター中に〇・一から五ナノグラム、既設施設につきましては一立方メーター中に一から十ナノグラムを設定いたしました。なお、既設の施設につきましては一年間の猶予期間を定めまして、さらに十四年十一月までの間の暫定基準もつくりました。
 また、水質につきましては一リットル中に十ピコグラムという基準を設定いたしました。なお、既設の施設につきましては、やはり一年間の猶予期間を設けまして、一部の施設につきましては平成十五年一月までの間の暫定基準も設定したところでございます。
 今後、こうした環境基準をつくりましたけれども、環境の状況の監視を行うとともに、科学的な知見の充実を図りまして各種基準の検証に努めてまいりたいというふうに考えております。
#201
○福本潤一君 環境行政の中で、予防また未然防止という意味で四ピコグラム以下というTDIが法案の文面の中に入った。ある意味では環境行政の中でエポックになるような法案でございます。
 具体的に市町村で運営をされるときに、かなり法律、法令厳しいということで、厚生省、この法案施行後問題等ございましたら、具体的に指摘していただければと思います。
#202
○国務大臣(丹羽雄哉君) 廃棄物につきましては、特別重要な問題はございません。
#203
○福本潤一君 廃棄物に関しては特別問題ないということでございますが、具体的に大規模都市におきましては、焼却炉、ダイオキシン対策の手当てをしたりしておりますが、中小の焼却炉等に関しては多少技術的な問題で困っているという話は聞いておりますが、その点どうでございましょうか。
#204
○国務大臣(丹羽雄哉君) 厚生省といたしましては、平成十二年度の予算案におきまして、まず市町村の設置するごみ焼却施設につきまして、経過措置でございますが、機械設備部分につきまして補助率を四分の一から三分の一相当の額まで加算する特別の措置を講ずるようにいたしております。それから二番目でございますが、百トン未満の小規模の施設であっても国庫補助の対象にしたい、このような対策を講じておるような次第でございます。
#205
○福本潤一君 具体的に、公明党は、与党に入りましたときに、基本政策で三ゼロ社会ということで、ごみゼロを基本政策の中の柱の一つに入れさせていただいて与党三党で合意を得ておるわけでございます。循環型社会元年ということでことし進めさせていただいておりますので、環境庁長官、具体的に今現在、循環型社会法、総理も施政方針演説で今国会で提出すると言われていましたけれども、この法案の成立に向けての現実の決意、お伺いしたいと思います。
#206
○国務大臣(清水嘉与子君) 循環型社会基本法と私ども仮称で申しておりますけれども、この法案につきましては、ぜひ今国会にお出ししたいと思っているところでございます。
 先生も与党の循環型社会づくりのプロジェクトのメンバーとして今最後の詰めをしていただけるというふうに伺っておりますけれども、私どもといたしましては、政府部内で調整いたしまして先般政府の素案をお出ししたところでございまして、これをたたき台にぜひいいものをつくっていただきたいというふうに考えているところでございます。
 二十一世紀に新しい環境行政の本当に重要な施策になると思いますので、ぜひ出させていただきたいというふうに思っている次第でございます。
#207
○福本潤一君 今言われました三党プロジェクトでは、今十六回の会合、また二十回の非公式の会合を含めて鋭意進めておるところでございますが、具体的にこの法案、循環型社会基本法という自民党案と循環型社会形成推進法という法案があって、その両者の違いを含めて最後詰めさせていただいております。きょうの段階で循環型社会形成推進基本法という、名前は両者の名前を含めた形で合意を得たところでございますので、今後具体的な差異等々も含めて推進させていただこうと思います。
 一九九二年にリオで地球環境サミットがありましたときに、サステーナブルディベロプメントということで持続可能な発展という大きな命題が我々に突きつけられた。その大きな命題を突きつけられたときに、現実に推進するためには実効性が担保される法案が要るということで、今鋭意推進させていただいております。
 と同時に、ドイツのような子どもの教育、学校教育で環境教育をどうしているのかというのも環境庁からお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
#208
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、循環型社会を構築するために、ライフスタイルあるいは経済社会システムを見直すことが非常に重要なことでございます。そのためには、どうしても法律をつくるだけではどうしようもないわけでございまして、国民一人一人の意識改革をしなければならないということでございまして、私どもといたしましても、この環境教育、環境学習をあわせて進めていかなきゃいけないというふうに思っているところでございます。
 その推進に当たりまして、今までは割と子供を中心に考えられておりましたけれども、子供だけでなくて、子供から高齢者まですべての年齢層の方々が日常生活の中で具体的に取り組みを進めていただくということが大事だというふうに、まず一点思います。
 それからさらに、今後とも中央環境審議会の答申も踏まえまして、さまざまな場、さまざまな機関あるいはさまざまな主体でそういう施策を結びつけながら、実践とか体験を重視し、そして具体的な行動に結びつくような環境教育、環境学習を着実に進めなきゃいけないというふうに思っているところでございます。
 先般も、私も越谷の市立小学校のエコクラブの活躍を見せていただきましたけれども、学校全体で取り組みを進めておりまして、クヌギ林の中で自然環境の観察でありますとか野鳥の観察あるいは堆肥を使って野菜をつくっているというようなことをずっと見てまいりまして、先輩が、先輩というか、上級生が下級生にいろいろと物を教えているという姿を見まして、やっぱりこういうところから環境に対する取り組みが出てくるのかなというふうに思った次第でございます。
 さらに、今そういうことを申しましたけれども、広範な学習を行うことができますように指導者がどうしても必要でございます。今私どもも環境カウンセラーなんてものをつくりまして登録制度を設けておりますけれども、シルバーの方々にもぜひ参加していただいてこういったことを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#209
○福本潤一君 同様に、環境教育、文部省また文部政務次官にお願いします。
#210
○政務次官(河村建夫君) お答え申し上げます。
 環境問題の重要性にかんがみまして、これを教育現場できちっと教育していく、非常に重要な課題でございます。このために指導要領も、新しく環境問題をしっかり取り上げようということで、平成十四年から新しい指導要領に変わっていくわけでございますが、その中で、社会科、理科、家庭科の各教科あるいは道徳、そうした時間でそういった教育活動を通じまして児童生徒が環境問題について正しい理解をしていく、そして環境を大切にする心あるいは態度、そういうものを身につけるように、さらに環境の保全とか、よりよい環境づくり、こういうことに主体的にひとつ取り組んでいけるようにということを考えながら、今学習指導要領も充実を図っておるようなわけでございます。
 またさらに、新たに平成十二年度、来年度になりますが、総合的な学習の時間というのを設けまして、その中でいろいろ体験的な、あるいはテーマを持って問題解決的な学習といいますか、テーマを与えてそれにどういうふうにこたえていくか、そういう中で環境問題を取り上げながら総合的な学習を深めていこう、こういうことも今やろうとしているわけであります。
 さらにまた、教師側も環境問題について十分な理解、指導力を持っていただかなきゃなりません。環境教育指導要領というのがございます。これも改訂をする。あるいは環境教育を担当する教員の研修会を行いまして、教員の環境問題に対する、あるいは循環型社会への転換に向けての指導力を増すように、一層さらにこれからも努力を続けていく所存でございます。
#211
○福本潤一君 環境教育と同時に、今現在環境庁の持っている法案、環境基本法というのがございます。それと同時に、今回、循環型社会基本法が自民党案として出ておるわけでございますが、公明党はあえて循環型社会形成推進法という現実に実効性ある法案として出させていただいておりますが、その下に各省個別法があるというときに、環境庁長官に、環境基本法と今現在自民党案で出ている循環型社会基本法、この関係はどういうふうになっておるか、お伺いしたいと思います。
#212
○国務大臣(清水嘉与子君) 私ども考えておりますのは環境基本法、これは同法に基づく環境基本計画におきまして、環境の保全に関するすべての政策分野を対象にいたしまして、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定め、そして長期的な視野に立った着実な取り組みを求めているところでございます。
 これに対しまして、今私どもが出そうとしております、ちょっと名前が、先ほど先生の与党の中では違った形で合意を得られているというお話でございましたけれども、循環型社会基本法はこの施策の対象分野を、人間社会の物質循環の確保を図る上で喫緊かつ中心的課題でありますいわゆる廃棄物リサイクル問題への対応に絞っております。
 そして、今国会に各省からまた出される予定でございます廃棄物リサイクルの関係法案、そういったものに基づく施策を循環型社会の構築という共通の目的のもとに、総合的、計画的に実施するための基本的な枠組み法案として整備したいというふうに考えているわけでございまして、いずれにいたしましても、私ども考えております循環型社会基本法案というのは、環境基本法とは、今申しましたようにリサイクルの対象範囲の分野の広さとか、それから取り組みの緊急性の程度におきまして違いはありますけれども、環境基本法の枠組みの一部を担い、そして相互に密接に関連して運用されるべき関係だというふうに考えております。
#213
○福本潤一君 今回、公明党基本政策の柱にさせていただいたのも、ある意味では、一九六〇年にローマ・クラブが「成長の限界」ということで、今のまま文明が進むと限界が地球環境に来る、さらには一九八〇年にはアメリカ合衆国政府が、人口、資源、食糧、このままで行くと必ず行き詰まる、環境に悪影響を与えるということで、世の中を大量生産、大量消費、大量廃棄の時代を循環型の社会にしようということで提出させていただいておりますので、最後の成案、私ども今きょうも名前が合意したということで進んでおりますので、ぜひとも最後まで極力エネルギーを注いで対応していただければと思います。環境NGO、NPOの方も期待が大きいということを申し添えさせていただいて。
 この予算に、大蔵大臣、循環型社会推進の関連予算として、先ほどの予算委員会で二兆六千億円の予算が入っているというお話を伺いました。二兆六千億円の中身でございますが、各省庁さまざまな形でありますし、どういう形の予算がその中に含まれているのかというお話をお願いします。
#214
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうお尋ねでございましたので、私の方で各省庁の中からそういうものに関するものを抜き出しました。廃棄物処理施設整備を初めとする廃棄物リサイクル対策の推進二千三百億円、二酸化炭素の吸収源、森林等の緑対策等の地域温暖化対策の推進約八千四百億円、水環境保全のための下水道事業の推進約一兆一千三百億円などを集計いたしました。
#215
○福本潤一君 重要な予算、特に先ごろ焼却炉関係だけのダイオキシン対策の予算でも千百五十億円、補正で組まれたりしておりましたけれども、非常に大きな額でございます。
 実効性を保つために公明党が提案させていただいて、非常に大きな予算をつけていただいているということでございますが、今回、法案の構成の中で見ますと、環境基本法、循環型社会形成推進基本法、さらには各省庁個別法を出しておるようでございます。その個別法と循環型社会の法案との関係を、予算も含めて、ねらい、目的を建設省、厚生省、通産省、農水省、環境庁から出ておりますので、五省からお伺いいたします。
#216
○国務大臣(中山正暉君) お答えを申し上げます。
 建設省が提出予定をいたしておりますものは、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案というものでございますが、ねらいと効果についてのお尋ねでございますが、建設廃棄物は全産業廃棄物の排出量の約二割、それから最終処分量の約四割、それから不法投棄に至りましては約九割を占めておりまして、そのリサイクルの推進は、これは重要な国家的な課題だと思っております。
 このため、建設省におきましては、特定の建設資材を現場で分別した上で再資源化施設への搬入等を義務づける、この義務づけるというところが大事なところだと思いますが、義務づけるとともに、解体工事業者に対しまして登録制度を創設したいと思っております。
 建設廃棄物の再資源化を促進するための所要の法律案を今国会に提出することといたしておりますが、これにより資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理が図られるものと期待をいたしておるところでございます。
 また、先ほどからお話のございました、今公明案といろいろなすり合わせが行われておるようでございますが、循環型社会の構築に向けた基本理念を定めるものに対し、建設省で検討中の法案は、その基本理念のもとに建設工事の実態を踏まえた具体的かつ実効ある廃棄物それからリサイクル対策を総合的に推進いたしたいと思っております。十一年の予算化で、解体に住宅金融公庫なんかから百五十万の基準金利で融資もいたすことにいたしております。
 先般も、東京都内でございますが、いわゆる混在した廃棄物の処理工場と、それからコンクリの再生工場、それからまた木場にあります木材の再生工場を見てまいりました。先生も水の博士とおっしゃられる方だそうでございますので、環境、何かといろいろそちらの方でも御指導いただきたいと思います。
#217
○国務大臣(丹羽雄哉君) 廃棄物につきましては、廃棄物の排出抑制であるとかリサイクルの促進を図るということは、先ほどから委員も御指摘のように、大変重要でございます。その一方で、処理せざるを得ない廃棄物を適正にそして安全に処理できる体制を確保するということも、これは委員先ほどから御指摘の循環型社会の構築を推進する上において極めて重要ではないかと、このように考えているような次第でございます。
 そこで、厚生省といたしましては廃棄物処理法の改正法案を今国会に提出をすることになっております。
 その法案の具体的な中身でございますが、簡単に申し上げさせていただきますが、一つは、近年、不法投棄の問題が見られるわけでございますが、悪質な産業廃棄物処理業者にとどまらず、場合によっては排出事業者の責任を問うということ。二番目といたしましては、都道府県内の産業廃棄物は基本的にそれぞれの都道府県の中でできるだけ処理する、こういうことをいたしまして、都道府県の役割を明確にいたしたいと思います。そして、三番目でございますが、廃棄物処理センターでございます。実はこれは十年前に計画されておるわけでございますが、必ずしも十分に普及しておらない。こういうことを踏まえまして、都道府県に積極的にこれをつくるための出資をお願い申し上げて、さらに要件を緩和するなどを通じましていわゆる建設設備の促進を図っていく、これが主な内容でございます。
#218
○国務大臣(深谷隆司君) 従来型の大量生産、大量消費、大量廃棄、この状況から脱却していかなければならない。そういう意味では循環型経済社会を構築することは極めて重要だと思っています。
 現行のいわゆるリサイクル法、再生資源利用促進法でありますが、これは製紙メーカーが古紙を原材料として利用することを義務づけるなど、リサイクルの対策の促進にかなり進んでいるというふうに思いますが、今度の改正でリサイクル対策をさらに強化すると。そのことで例えば製品の省資源化、長寿命化による廃棄物の発生抑制対策、部品等の再利用対策、こういうようなことを同法で位置づけることにして、廃棄物リサイクル対策の総合的な取り組みに貢献したいと思っています。
 また、委員御指摘の循環型社会基本法、これは今私たちがやっている法律以外に、例えば家電リサイクル法とかあるいは容器包装リサイクル法等々ありますけれども、その全体のいわば理念をまとめたもので、その枠の中で種々の具体的な成果を上げていきたいと考えます。
#219
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省は、食品廃棄物再商品化法案を今検討いたしているところであります。
 食品廃棄物は約二千万トンに及びまして、そのうち再資源化されているものは九%です。内容を申し上げますと、飼料に百四万トン、肥料に五十二万トン、その他十二万トン、こういうふうになっております。
 したがいまして、リサイクル推進のための具体的な方策を今検討しているわけでございますが、食品産業によるリサイクルの取り組みを助長することを目的として、飼料や肥料等へのリサイクルを念頭に置いた新たな法制度について今国会に提出に向けて検討中であるわけでありますけれども、この関連の予算もあわせて報告しろということでございますので申し上げますが、食品廃棄物総合リサイクル処理施設整備事業に二億二千五百万、資源循環型食品産業モデル展開事業に一億、さらに十一年度の補正予算におきましては、食品小売業等環境対策基盤強化事業に七億、食品廃棄物リサイクルシステム実証事業に一億六千万と、こうなっております。
#220
○国務大臣(清水嘉与子君) この循環型社会基本法というのは、廃棄物リサイクル対策を総合的に推進するというわけでございますけれども、リサイクルが幾ら進みましても、それを購入するところがないと行き詰まってしまうわけでございますので、私どもとしては需要面からの取り組みをあわせて講ずるということを考えております。
 そこで、そのような観点から、環境庁で検討中のいわゆるグリーン購入法案というのは、国等の公的な部門が率先いたしまして再生品等を購入することによりまして、これを呼び水として全体的な需要の底上げを図ろうと、こういう法案を考えているわけでございまして、現在、国等の公的部門におきます環境負荷低減製品等の調達を推進するための仕組み、あるいは環境負荷低減製品等の購入を促すための情報提供のあり方等について関係省庁あるいは関係民間団体の皆様方と協議、調整をしているところでございます。
#221
○福本潤一君 今五省から各提出法案についての説明を受けましたけれども、特に厚生省、今回、廃棄物処理法を改正されるということでございます。フィリピンでも、ごみを輸出するという案件がございました。さらには、具体的に事件になっていないものにも中国に、また台湾に廃棄ゴム、電線、それを焼却してダイオキシンも発生させながらというような問題も起こって、ごみの輸出の不法問題、これに関して具体的にどういうふうに対応されるかもお答えいただければと思います。
#222
○国務大臣(丹羽雄哉君) いわゆるフィリピンの方で違法と見られます医療廃棄物等がまざっていた問題を御指摘いただいていることかと思います。
 これはバーゼル条約に反するものといたしまして適正に処理をしたわけでございますが、今後ともこういう問題が起きないように関係省庁と十分に連携を保ちながら、万全の策を講じていく次第でございます。
#223
○福本潤一君 さらに、建設省、先ほど水の関係、建設の関係の環境問題と第十堰の問題も含めていろいろございますけれども、建設廃材の話でいいますと、ごみの五割は建設関係のごみであると。
 豊島等で車のごみ等々もございましたけれども、具体的に今回リサイクル、リユース、リデュースという形で考えたときに、一つのごみ自体を再生利用、循環利用していくという形になると、リサイクル業者の関係もかなり大きな話になってくるということで、建設関係の廃材の技術、それをリサイクル、リユースするための技術というものは何か具体的に建設省でも考えておられるか。ごみの割合が大きい、五割も占めているというところで、ございましたらお話しいただければと思います。
#224
○国務大臣(中山正暉君) 中身のことに関してはまだ、いわゆる大量に発生する建設廃棄物、これは全産業廃棄物の排出の二割、最終処分量の四割、これは標準的な木造建築解体廃棄物、約八割がコンクリートの塊と木材。いろんなこの間現場を見せていただきまして、技術、大変進んでおるようでございますが、まだなかなか費用として大変高価なものになるようでございますので、これから検討をさせていただきながら、法案が国会に提出されました際には、いろいろと技術的な面で御説明できるようなふうに法案提出の準備をいたしたいと思っております。
#225
○福本潤一君 先ほど言った日本の三Rは現実に法改正も含めてやっていかれるという中で、環境NPOの方、NGOの方の声を聞きますと、三Rの前にリフューズ、拒むというか、商品の不買運動までしないといけないような形で、大変世の中ごみがふえているということでございますので、関係省庁取り組むときに、現実に循環型社会を形成、推進できるんだという、その個別の法案になるんだという意気込みで対応していっていただければと思います。
 引き続きまして、これは我が党の基本政策の中にももう一つありますのでお話ししたいわけですが、ドイツ型の法案、これは循環経済廃棄物法というのが一つの基本法のようになって、その下に個別の政令が、日本の各省庁が今述べていただいたような法案があるわけでございますが、今回つくる必要があるのは、環境基本法の下に形成推進法であるということを述べさせていただいた上で、この循環型社会の法案の成案を見ていただければというふうに思っています。
 きょうは官房長官おられませんので、次の質問に移らさせていただこうと思います。
 もう一個の柱で、情報通信立国というのを我が党の基本政策で掲げております。その中で、通信料金の値下げ、公明党、千二百万人以上の署名を集めて提出させていただきましたけれども、人口の十分の一ということで、今現在値下げに向かっているようでございます。
 各省庁でいろいろな情報教育も進めておられます。千八百の郵便局でやられるというお話、先ほどありました。これは具体的に教育効果が出るような形で指導者側の方は体制が整っているかどうかを聞かせていただければと思います。
#226
○国務大臣(八代英太君) インターネット時代の到来を受けまして、教育の中にもインターネットを取り入れていこうと。しかし、家庭の中にあっては、高齢者、私も六十からの手習いでなかなかおぼつかないところがあるんですが、そういう意味では、もっともっとこれを高齢者の皆さん方や障害者の皆さん方に実践で学んでもらおうということを受けまして、千八百の郵便局で四月からパソコン教室を開くことにいたしております。
 これは、例えば定年退職された方々でパソコンに得意な方々は大いに応募していただいて、むしろボランティア活動を通じながら、何かライセンスのようなものがあるといいのかななんということも議論しておりますが、一つは、ボランティア活動をしていただいて、千八百の郵便局舎をパソコン教室にしながら、あるいは地域のプロバイダーの皆さんなんかの協力もいただきながら、これはもう郵便局パソコン友の会のようなもの、これは仮称でございますが、そういうようなものをつくりまして、みんなが家族ぐるみでパソコン、インターネットの時代が何の抵抗もなく迎えられるような、そんな思いで取り組みを四月から始めたいと、このように思っているところでございます。指導者は結構育っているような気がいたしております。
#227
○福本潤一君 ボランティアも含めてやっていただけると。
 もう一つ、大学の大型計算機センター関係で、機種更新の更新年度が若干従来より超過するという問題が具体的に現場では起こっているようでございます。予算的にはそんな大差ではないんじゃないかと思われますので、文部省、機種更新、なぜ短くする世の中の趨勢のときに長くしたのかというのをお伺いしたいと思います。
#228
○政務次官(河村建夫君) 近年の科学技術の進歩に伴いまして、大学におきましても複雑かつ大容量といいますか、そういう科学技術計算あるいはデータ処理、これが必要になってきておるわけでございまして、大学等においても研究用のコンピューター、大型コンピューター等の整備が急がれるわけでございまして、これを効果的、効率的に今進めておるところでございます。
 今御指摘いただきましたが、大学側で新しい大型コンピューターを導入してもらいたいという強い要請が今高まっておりまして、大学の利用実態等を勘案いたしまして、限られた予算の中でいかに効果的にやるかということになりまして、平成十一年度からでございますが、実は御指摘のように汎用コンピューターの期間が四年でありましたのを五年にいたしました。それから、スーパーコンピューターは五年の期間を六年に延ばしたわけでございます。この結果、かなりの大学で大型コンピューター等が導入できたわけでございます。
 福本委員御指摘のように、大したお金でもないだろうにと、こうおっしゃったわけでございますが、実はコンピューター予算だけでも平成十二年度、レンタルでございますが、六百五十九億円余りになっておりまして、一基レンタルいたしますと十億以上かかるというものでありますから、これを一遍になかなかできません。そういうことで、確かに財政的なこともあって期間を延ばしました。
 しかし、確かに、御指摘のようにそれによっていろんなものに支障が来してはなりませんから、改めて大学と、これは大学とも十分話し合った結果今こうしているわけでございますが、学術研究所のニーズとか計算機の性能向上等もさらに推移もございますのでその実態の把握に努めまして、さらに強い要請があればこれは弾力的に運用していかなきゃいかぬだろう、このように考えておるところでございます。
#229
○福本潤一君 高額な予算、また六百五十九億というレンタル料ということで、なかなか難しいとは思いますけれども、現実には困っておるところがかなりある。ということで、今言われたのは、集中型でインターネットが起こる前の使い方の話なのか、それとも具体的に分散型でネットワーク形成、インターネットに適したような形での予算の話なのかというのをお伺いしておきたいと思います。
#230
○政務次官(河村建夫君) 平成十一年度の段階でございますから、当然インターネットのことも含めて大学側とも協議をさせていただいたものでございます。
#231
○福本潤一君 じゃ、鋭意その点も協力、現場の声を聞いた上で対応していただきたいというふうに言わせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#232
○理事(竹山裕君) 以上で福本潤一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#233
○理事(竹山裕君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
#234
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 まず、警察問題について伺います。
 日本共産党国際部長宅盗聴事件、これが国会でも大きな問題になりました。今でも、警察は関与を一切していない、そう言われるんですか。
#235
○政府参考人(田中節夫君) いわゆる緒方宅事件につきましては、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査におきまして警察官による盗聴行為、これは未遂でありますけれども、があったと認められました。また、その後の民事訴訟におきましても同様の行為があったことが推認されたことを警察としても厳粛に受けとめ、反省しておるところでございます。
#236
○緒方靖夫君 関与があったかどうか聞いているんです。
#237
○政府参考人(田中節夫君) 繰り返して恐縮でございますけれども、いわゆる緒方宅事件につきましては、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査において警察官による盗聴行為未遂があったと認められ、また、その後の民事訴訟においても同様の行為があったことが推認されたことを警察としても厳粛に受けとめ、反省しておるところでございます。
#238
○緒方靖夫君 東京高裁の確定した判決は、この事件が警察の組織的、計画的な行為だということを認めているわけですね。そして、この判決を被告、国は、上告する理由がない、理由がないと言ってそして受け入れたわけです。
 したがって、この問題、明らかに警察官の組織的な犯行、そのことをしっかりと今認める、そのことを言ったらいかがですか。どうなんですか、その点。
#239
○政府参考人(田中節夫君) まことに繰り返して恐縮でございますけれども、いわゆる緒方宅事件につきましては、昭和六十二年当時の東京地方検察庁の捜査において警察官による盗聴行為未遂があったと認められ、また、その後の民事訴訟においても同様の行為があったことが推認されたことを警察としても厳粛に受けとめ、反省しているところでございます。
#240
○緒方靖夫君 全く無反省ですね。
 それならば、国家公安委員長、同じ質問です。いかがですか。
#241
○国務大臣(保利耕輔君) 御指摘の事件につきましては、当時の神奈川県警察におきます内部調査の結果におきましては、神奈川県警察が組織として関与したことがなく、職務命令も発しておらず、また警察官個人の関与については確認できなかったとの報告を私は受けております。
#242
○緒方靖夫君 それを認めますか。
#243
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、警察を信頼しておりますから、認めます。
#244
○緒方靖夫君 裁判所が確定した判決。しかも、確定したわけですよ。そこで述べていること、それについては認めますね。
#245
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、警察当局からそのような報告を受けておりますので、それを認めるという立場に立っております。
#246
○緒方靖夫君 それじゃ、言いなりじゃありませんか。言いなりの国家公安委員長と、このことでも改めてはっきりいたしました。
 この事件の当時から警察はうそつきと言われてきました。新潟県警の問題では、警察が女性を保護したとか、あるいは本部長の在所を偽るとか、うそにうそを重ねる。そんなことをやってきましたけれども、まさにこうした行為、国家公安委員長、言語道断であり、国民を欺くものと言うべきじゃありませんか。どう思われますか。
#247
○国務大臣(保利耕輔君) どの事象を指して言語道断ということなのか定義をしなきゃ……
#248
○緒方靖夫君 うそを重ねたことです。うそを重ねたことを言っているんです、新潟県警問題。
#249
○国務大臣(保利耕輔君) 新潟県警が虚偽の報道をしたということについては、私は極めて遺憾に思っております。
#250
○緒方靖夫君 一昨日、幹部職員の懲戒に関しては持ち回り決裁の前例は答えられなかった。昨日、二件あったと報告してきました。本当に二件ですか。
#251
○政府参考人(田中節夫君) 私どもが把握いたしましたのは過去において二件でございます。
#252
○緒方靖夫君 秋田の事案について。
#253
○政府参考人(田中節夫君) 秋田県警察本部長に係る事例でございますけれども、当時の秋田県警察本部長、これは平成十一年、昨年の事案でございますが、同人が神奈川県警察本部警備部長としての在任中の平成八年十二月ごろ、当時の本部長以下の関係幹部が外事課警部補による覚せい剤取締法違反の事実を認知し、かつ立件送致するに十分な証拠を得ていながら、現職警官による覚せい剤使用等の発覚を回避するため、これを隠ぺいしたものに係るものでございまして、本件についても国家公安委員会から、当時の秋田県警察本部長に対して減給百分の二十、二カ月の処分のほか、当時の監察官を懲戒免職、あるいは薬物対策課長に対して停職三カ月の処分を行ったものでございますが、この際、処分の意思決定の過程におきまして、各委員への持ち回りにより決裁を受けたものでございます。
#254
○緒方靖夫君 会議開いてないですか。
#255
○政府参考人(田中節夫君) 秋田県警察の事案につきましては、その前日、十二月の九日に国家公安委員会を開きまして、そこで事実上の意思の形成がありまして、十日になってこれは決裁をしてございますけれども、十日には会議を開いておりません。
#256
○緒方靖夫君 会議開いているでしょう。
#257
○政府参考人(田中節夫君) 今、秋田県警のお尋ねでございますけれども、秋田県につきましては、これは十二月九日の定例委員会で処分の内容を決めておりますが、これは決裁ではございません。具体的に検察庁の処分の見通しが確認されておりませんでしたので、最終的な懲戒処分の決定はしておりません。決裁はあくまでも翌日でございます。
#258
○緒方靖夫君 あなた方の資料でこの会議で合意が形成されたと書いているじゃないですか。資料出しなさい。
#259
○政府参考人(田中節夫君) 委員御承知のように、国家公安委員会は会議を開き、そこで表決をするということになっております。それが原則でございます。それ以外の国家公安委員会の開催という場以外での決裁は我々は持ち回り決裁というふうに呼んでおるわけでございます。
#260
○緒方靖夫君 会議は開いて合意が形成された、このことははっきりしていますよ。
 三重の件はどうですか。
#261
○政府参考人(田中節夫君) 三重県警察本部長に係る事件につきましては、平成三年の五月に、警察署の防犯課警部補が職業安定法違反事件の取り調べに関し、元暴力団関係者である容疑者から取り調べ警察官に暴行を受けたと主張され、同事実を表ざたにしないことの見返りとして保護中の外国人女性の返還要求に従い、名古屋入国管理事務所への移送途中に外国人女性二名を解放したという事案に係るものでございまして、本件について国家公安委員会から、当時の三重県警察本部長に対しまして減給百分の十、一月、警務部長に対しては戒告の懲戒処分を行ったものでありますが、この際、処分の意思決定の過程におきまして、各委員への持ち回りにより決裁を受けたものでございます。
#262
○緒方靖夫君 会議を開いたのかどうか。
#263
○政府参考人(田中節夫君) この三重県の事案につきましては、当時の資料がございませんので、その過程については明確なことを申し上げる状況ではございません。
#264
○緒方靖夫君 無責任だ、それは。そんな無責任な話はないよ。それを出しなさい。資料がないのはおかしいよ。どんないいかげんな仕事をしているんだ。
#265
○政府参考人(田中節夫君) 資料がございません。
#266
○緒方靖夫君 こんな重大な問題、資料がないというのはどういう仕事をしているんですか、ふだんから。責任を持って出しなさい。
#267
○政府参考人(田中節夫君) 委員会を開かずに出しておりますけれども、そのときにおきまして決裁はございますけれども、その合意形成に係るところの資料がないということでございますが、持ち回り決裁であることは明確でございます。
#268
○緒方靖夫君 なぜそう言えるんですか、文書がなくて。いいかげんだよ。
#269
○政府参考人(田中節夫君) 先ほど申し上げましたように、公安委員会を開かないでそこで決裁をする場合、これを持ち回り決裁と我々は申し上げておりますけれども、この三重県警の場合におきましては、その決裁に関し公安委員会が開かれてそこで決裁を受けたということではありませんので、持ち回り決裁であるというふうに我々は考えております。
   〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕
#270
○緒方靖夫君 委員長、納得できません。資料の提出を要求いたします。
#271
○委員長(倉田寛之君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#272
○委員長(倉田寛之君) 速記起こして。
 ただいまの緒方靖夫君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議します。
#273
○緒方靖夫君 秋田の事案は会議が行われている、三重についてはわからない。それで何で二件だと国会で答弁されたんですか。
#274
○政府参考人(田中節夫君) 私どもで、定例の国家公安委員会におきまして懲戒処分にかかわるところの決裁をしたというのが通常でございますが、そうでない場合の決裁としてはこの二例があるということで、持ち回り決裁という御報告を申し上げておるわけでございます。
#275
○緒方靖夫君 こういういいかげんなことを国会で答弁する。私は本当にひどい話だと思います。警察はうそをつく、そういうことがまかり通っています。それに加えて、国家公安委員長が、やってない会議をやったと称してうそと思われるようなそういうことも言う。うそつきの国家公安委員長という新聞報道すらあります。
 私は、はっきり言って、うそをつく警察、そしてそれを監督する大臣がこんなような状況では全くどうしようもないと思います。私は、その点でやっぱり大臣は即刻職を辞すべきだと思いますが、いかがですか。
#276
○国務大臣(保利耕輔君) いろいろ厳しい御指摘については真摯に受けとめさせていただきますが、私は、任命権者から特段のお話がない限り、私に与えられた職責を全うすることが私の責任である、そして日本の治安の維持のために、警察内部の規律の維持のために努力をしていくということが私の責任である、そのように感じております。
#277
○緒方靖夫君 即刻やめるべきだ、このことを要求いたします。
 次に、農水省の構造改善局をめぐる汚職事件について、逮捕された元課長補佐と大川農協幹部との癒着ぶりについては既に農水省の内部調査からも自明のことだった。にもかかわらず、今回の問題を見逃していた。農水省の調査が極めて不十分だった、そう言えるんじゃありませんか。
#278
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 構造改善事業に関する調査委員会の調査が甘かったんじゃないかという話でございますが、これは平成十一年一月六日に大臣訓令に基づいて設置されたものでありまして、その調査は農業構造改善事業の執行体制の適正化を目的としたものであります。
 このような立場に立ちまして、調査委員会は、本人の自己申告を基本として、強制権限がない中で、五年前にさかのぼって百六名の職員を対象としまして可能な限り網羅的に調査を行い、その結果を踏まえまして、十八名について職員倫理規程に照らして厳しい処分をしたものであります。
#279
○緒方靖夫君 それではお聞きしますけれども、元課長補佐が昨年の農水省の調査で農協側から会食接待をたびたび受けていたと自己申告をいたしましたけれども、その際農水省は、接待側の農協に対して事実関係を確認していますか。
#280
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大川農協との関連についてはできる限りその事実の把握に努めたところであります。
#281
○緒方靖夫君 確認したかどうかを聞いているんですよ。答えになっていない。
#282
○委員長(倉田寛之君) 緒方君、発言の際は起立してお願いします。
#283
○緒方靖夫君 はい、わかりました。
#284
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大川農協に確認したかということですか。──確認しました。
#285
○緒方靖夫君 確認していないんですよ。あなたは認めているじゃないですか、衆議院の農水委員会で。やっていないんですよ。そのときですよ。昨年のことですよ。昨年の末、そうですよ。
#286
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 時期がいろいろございまして、本年の一月になりましてからこの問題が出てまいりまして、大川農協並びに本人に確認をし、調査をした結果、明確になったものであります。
#287
○緒方靖夫君 やっていないわけですね。ですから、確認はやっていないんですよ。
 いいですか。あなたはクロスチェックできちっと確認する、相手側にも、あなたの訓令でそういう方針がつくられているじゃないですか。それをきちっとやっていない。これが明らかじゃありませんか。
#288
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、あなたと言われましたが、これは前大臣のあなたです。わかりましたね、訓令をしたのは。そういうことです。ですから、正確に申し上げていますから、よく御理解をいただきたいと思いますね。
 それで、いろいろと今言われましたように、事実確認についてはいろいろな形から幅広く調査を行った、しかしながらこの事実確認については、確かに委員のおっしゃられるとおり、本年になりましてからやった、こういうことでございます。
#289
○緒方靖夫君 みずから決めた調査方針に反したことをやったでしょう。反していますね、みずから決めた調査方針に。
#290
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 調査をできるだけやっておるわけでありますから、調査委員会はそのまま継続をしまして行ってきたわけでありますから、何も反するということではない。それは確かにいろいろと調査をやったわけでありますけれども、全部把握するには至らなかったということでございます。
#291
○緒方靖夫君 調査方針には「自己申告及びこれに基づくクロスチェック」と書いてあるでしょう。あなたもたびたび言っている。それを怠ったということをはっきり認めますね、この件について。
#292
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 怠ったというかどうかはわかりませんが、そこまではいかなかったということです。
#293
○緒方靖夫君 同じことなんですよ。
 だから、大臣、それを称して私は不十分だと言っているんですよ。みずから決めたこと、調査の仕方をやらなかった、これが重大だと言っているんですよ。やっぱりずさんな調査でしょう。
#294
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、確かにこの点については十分でなかったということは認めますよ。しかしながら、この案件だけではございませんから、いろいろとあるわけですから、それはやはり見ていただかなければ、これだけですべて怠っておって十分じゃないと言うだけでは不十分だと思います。
#295
○緒方靖夫君 みずから決めたことをやらないで、それでこういう事案になったわけでしょう。逮捕者も出したわけでしょう。ですから、その点ちゃんと反省してくださいよ、大臣。何ですか、それは。(発言する者多し)
#296
○委員長(倉田寛之君) お静かに願います。
#297
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、お互いに冷静に話し合いをしているわけですから、ですから私は確かにこの事案は不十分だったということは認めておりますけれども、しかし接待があったという事実はちゃんと確認をいたしておったわけでございます。そんなところですね。
#298
○緒方靖夫君 大臣は自分たちの調査が不十分だと認められた、やるべきことをやらなかったということを認められた。その時点で事実関係をきちっと徹底調査していれば、こうした海外旅行の問題だってわかったはずだし、また、今回のこうした事態がわかってから慌てて調査をやり直すという醜態をさらすことはなかったと思うんですよ。ですから、その点で私は、あなた方の調査が不十分だった、大臣言われたけれども、そのことをしっかりと確認しておきたいと思います。
 よく大臣は、自分たちは一生懸命やった、強制力がない中でやったと言われる。しかし私は、そうではないと思いますよ。特に重大なこと、それは調査対象を非公共の部門に限った。一兆二千億円のとてつもない予算がつく公共部門、この部門の癒着は非公共部門よりもさらに深刻だという指摘もありますけれども、その点について大臣、どういう認識ですか。
#299
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 公共事業につきましては、この土地改良事業の実施に当たりましては、土地改良法に基づき、事業計画書の公告縦覧、異議申し立てなどの手続を経ることとされております。また、事業計画の妥当性等の一層の向上を図るために、事前評価並びに事業採択後に一定期間ごとに行う再評価を実施しており、平成十二年度からは事業完了後の事後評価を実施することとしております。
 さらに、農林水産省における公共工事の発注は、会計法等に基づき、一般競争入札、公募型指名競争入札の導入によって透明性の確保を図るとともに、第三者から構成される入札監視委員会によりその妥当性について審議いただいているところであります。
 このように、公共事業は透明性や客観性を十分に確保して適正に執行されておると考えております。
#300
○緒方靖夫君 果たしてそうか。
 次に、それでは構造改善局所管の土地改良事業、その問題について検討したいと思います。
 農水省は現在、吉野川下流の総合農地防災事業を直轄事業として進めておりますけれども、この事業の概要、主な目的、これはどういうものですか。
#301
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 吉野川下流域地区におきましては、農業用水を吉野川等に設けられた多数の取水門等からの取水や地下水のポンプ取水に依存しております。しかし、近年、都市化、混住化により下流部の水質が悪化するとともに、地下水の取り過ぎにより塩水化が見られるなどの営農上の障害が見られるようになっております。
 国営総合農地防災事業吉野川下流域地区は、このような状況に対応するため、取水口を上流部に統合するとともに、用水と排水を分離した幹線水路の整備を行うことにより農業用水の水質を改善し、農業経営の安定と近代化を図ることを目的として平成三年度に着工したものであります。
#302
○緒方靖夫君 事業概要について。
#303
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 事業概要につきましては、事業計画において平成十四年となっておりますけれども、平成十年度末における事業量ベースの進捗率は二一%となっております。
#304
○緒方靖夫君 今言われたように、事業量ベースで二一%。これは全体でどのぐらいの距離になりますか。
#305
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、何キロということでございました。何キロということになりますとちょっと調べなければ、これは御質問を予定しておりませんでしたので、後でお答えします。
#306
○緒方靖夫君 これはレクもちゃんとしておいたんだけれども、六十五キロの長さなんです、水路の長さが。二〇%ということで、だから十三キロ完成しているということですよね、今のところ。そういう状況になっております。
 先ほど言われたように、平成三年度から着手して、そして平成十年度、そういうことです。事業開始から十年近く経過して、完成年度まで二年足らずになっているわけですけれども、全体の八割が手つかずで残っている状況です。
 この事業費、幾らになっていますか。
#307
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 総事業費につきましては、平成三年度の事業着工時には五百五十億円としておりましたが、その後、労賃、物価等の上昇で百六十八億円、軟弱地盤対策などの工法変更で二十五億円増加しており、平成十一年度現在、七百四十三億円となっております。
#308
○緒方靖夫君 大変な、一・四倍なんですよね、これ。
 それで、その理由を今、物価の上昇と言われましたよね。物価は横ばいなんですよ、ずっとこの間。何でそういうことになるんですか。しかも、百六十八億円という巨大な額ですよ。何でこうなるんですか。
#309
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 平成二年度から平成十年度の単価の変動率は、労務費においては普通作業員、特殊作業員などで七七%増加、資材費におきましては生コンクリート、コンクリート製品などで、これはマイナス二%、機械経費におきましてはブルドーザー、ダンプトラックなどで一五%増加となっており、これらの変動率を加味して得た額に消費税率の改定に伴う増加額を加えると百六十八億円となっているところであります。
#310
○緒方靖夫君 大臣、今すごいことを言われましたよ。計算してくださいよ。こんなことになるわけないんですよ。だって、私は徳島で物価を聞きましたよ。横ばいですよ。もちろん全国もそうだけれども。どうしてこんなことになるんですか。労務費が七七%の増。
 どうしてこういう中身になるのか、その資料を出していただきたい。おかしいよ。あり得ない。
#311
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この内容についても質問項目にはございませんでした。したがいまして、委員が提出しろと今言われましたならば、これから精査しまして、出すことにおいてはやぶさかではない。よろしいですか。
#312
○緒方靖夫君 重要な中身なので、資料を要求いたします。出してください。
 総事業費がどれほど膨らむのか。この問題で、今言いましたように、幹線水路の総延長が六十五キロ、これに対して完成したのが十三キロ。いいですか。そして、二百八十億円かかっているわけです。このペースで残り五十二キロ、これを完成させた場合、総事業費は最低でも当初の二・五倍、千四百億円になる、膨れ上がるんですよ。
 そうすると、問題になっている吉野川の可動堰のあの事業費、あの計画を上回る、そういう額になるじゃないですか。巨大な問題じゃありませんか、これは。
#313
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 先ほど計算をした分につきましては根拠があるわけでございますので、それについては申し上げますが、その後のことについての御質問については、私としましてはまだ明確に計算したわけではございません。
#314
○緒方靖夫君 資料は出していただきますけれども、一体どれだけ額が膨らむのか。これはかなり膨らむというのは、現地の農水省の所長も認めざるを得ないわけです。そういう状況です。ですから、額については本当に果てしなく広がる、こういう状況があります。
 それから、じゃ工期はどうか。事業の予定工期もどれだけ延長されるかわかったものじゃない、そういう状況です。完成工期は二年後の二〇〇二年度と説明されているんですけれども、先日の徳島県議会で農水省から出向中の農林水産部長は、農林水産省は平成十八年度完了を目標に工事を続ける、そう答えているんですけれども、そうですか。
#315
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは諸般の事情により事業がおくれているのは確かに認めますけれども、平成十四年の完成めどを今、委員は四年後、こう言われましたけれども、私はその年度までは十分聞いておりませんが、いずれにせよ、早期に完了するように努めているというのが今の現状であります。
#316
○緒方靖夫君 では、いつになったらできるのか、完成するのか。現在は二〇%です、進捗率が。仮にこのままのペースで進めるならば、あと二十五年かかるんです。しかも、これからのところは一番難しいところなんです、市街地中心で。これまでは易しいところからやってきた。
 ですから、一体いつになったらできるのか。どのぐらいめどと言えますか。
#317
○国務大臣(玉沢徳一郎君) やはり、受益者農家の皆さんもできるだけ早く、こう言っておりますので、その期待にこたえるようにできるだけ早く頑張りたいと思っております。
#318
○緒方靖夫君 大臣、受益農家の人たちが早くつくってほしいというのに何でおくれるんですか。そうじゃないからおくれるんじゃありませんか。それが問題ですよ。
#319
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 申しわけないですけれども、要するに、これはやはり私限りでは今のところにおいては十分その説明はできません、おくれている理由については。
#320
○緒方靖夫君 全国で最大規模の五千七百ヘクタール以上の、東京ドームで千二百個分の大事業についてきのうあれだけきちっとレクをしたのに、何で大臣答えられないか、本当に不思議です。無責任じゃないですか。無責任だ。
#321
○委員長(倉田寛之君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#322
○委員長(倉田寛之君) 速記を起こして。
#323
○国務大臣(玉沢徳一郎君) おくれている理由の一つは、先ほども言いましたように、軟弱地盤とかそういうものがありまして、こういうことで計画を変更せざるを得ない、こういうことでございます。
 それから、事業量ベースの進捗率は幹線水路の施工延長で算出しているため二一%になっておりますが、これは単位当たりの事業費の高い基幹的水路を先行実施していることによるものでありまして、事業費ベースの進捗率は約四割となっております。
 今後とも、効率的な事業の実施により、できるだけ早期に完了するよう努めてまいります。
#324
○緒方靖夫君 事業費ベースで言うのはずるいですよ。だって、金ばかりかかって事業は進んでいない。だから千四百もかかるという試算が出るわけです。
 ですから、はっきり言って、こうした事態を招いた、なぜこうなっているかということをよく見ていただきたい。地元農家、受益農家が喜んで協力していないからですよ。望んでいないからですよ。そういう事業を進めているということの自覚はありますか。
#325
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 工事がおくれているのは残念なことではございますけれども、地元の同意状況につきまして申し上げますと、土地改良法第三条に規定する資格者九千八百人のうち八千二百八十三人が同意をいたしておりまして、その同意率は九二%となっております。
#326
○緒方靖夫君 税金を使っておくれるのは残念だと言うのは、大臣、非常に問題な発言です。
 それから、受益農家の数、九二%と言われたけれども、私、現地に行っていろいろ話を聞いた。判をついたと言われている人からも聞いたけれども、実際判をついた覚えがない、そういう人がいるんです。これは大問題です。ですから、これは後日きちっとやりたいけれども、いろんな問題があるんです、この問題については。
 ですから、工期がおくれている問題、これは例えば構造改善局の次長が九八年四月に、工期遅延は一種の詐欺行為に等しいと言っているんですよ。だから、税金を使った事業においてこういうおくれ、これが重大なんだということ。したがって、この問題で私は、金もかかり過ぎている、金もどんどん大きくなる、そしてまたどんどん工期もおくれる、採算の見通しも立たない、こういう事業については抜本的に見直す、このことを求めたいと思います。
#327
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業農村整備事業につきましては、社会経済情勢の変化や農政の課題に即応して不断の見直しを行ってきているところであります。
 本地区におきましても、事業の一層の効率的な実施を図るため、計画上の重要な部分にかかわる変更の必要性の有無や営農、事業情勢の変化を踏まえ、平成十三年度に事業再評価を行うことといたしております。
#328
○緒方靖夫君 私は、抜本的な見直しが必要だ、このことを要求しておきたいと思います。
 さらに重大な問題がある。この事業での談合疑惑です。
 実は、業者から談合情報が寄せられました。それによると、中国四国農政局の発注工事をめぐって、構造改善局所管の業界団体、土地改良建設協会加盟の大手ゼネコンが長年にわたって談合を繰り返しており、この談合に技術官僚トップの構造改善局次長を初め地方農政局の建設部次長や設計課長らが組織的に関与している、こういうものです。事実なら重大問題だけれども、農水省、把握していますか。
#329
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 公共事業の発注は、会計法等に基づき、一般競争入札、公募型指名競争入札の導入によって透明性の確保を図るとともに、第三者から構成される入札監視委員会によりその妥当性について御審議をいただいております。
 このように、公共工事の執行に当たっては透明性や客観性を十分に確保して実施をされているところであります。
#330
○緒方靖夫君 資料配付をお願いします。
   〔資料配付〕
#331
○緒方靖夫君 配付資料の表1を見ていただきたいと思います。中国四国農政局が過去三年間に発注した建設工事、計二十八件の契約実績をまとめたものです。注目していただきたいのは落札率です。予定価格に対する契約金額の割合のことです。
 公共工事の入札は、上限の予定価格と下限の最低制限価格の間で業者が競い合う仕組みになっておりますけれども、通常、最低制限価格は予定価格の三分の二から八五%程度とされ、競争が激化すればするほどその金額は下がるもの。しかし、二十八件の入札結果を調べたところ、平均落札率が予定価格ぎりぎりの九八%、異常に高い。中には予定価格の九九・五%、これもある。こんな高値で落札することなど、予定価格を事前に知り得なければ不可能だ。
 大臣、不自然だと思いませんか。
#332
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 地方農政局が発注する工事の積算基準等につきましては、昭和五十八年度から諸経費等の積算に用いる基準について公表しております。平成九年度から労務単価を、また平成十年度から材料単価を公表しております。さらに、平成九年二月から積算参考資料を入札参加者に対して提示していることから、入札参加業者はかなりの精度で工事費を積算することが可能であると考えております。
#333
○緒方靖夫君 本当に競争しているなら、予定価格の七〇%台、八〇%台が普通なんです。
 さらに、表2を見ていただきたい。
 これらの入札のうち複数回入札が繰り返されたのは四件ありますけれども、いずれも本命業者が第一回入札から必ず一番札を入れる、一位不動の実態があるんです。これらの事実だけを見ても談合が行われている疑いが十分ある。
 発注官庁として責任を持って調査すべきじゃありませんか。
#334
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 第三者から構成されております入札監視委員会によりまして、その妥当性について御審議をいただいておるところでありまして、現在、それについて異議があったとか、そういうことがございませんので、私としましては適正に実施されていると思っております。
#335
○緒方靖夫君 通報があったら調べる、これは発注官庁としての役割ですね。国会でこういう形で問題にされて、大臣は調べろと指示されないんですか。
#336
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、今申し上げたとおりの積算根拠に基づいてそれぞれ積算をしておるものと考えておる次第であります。
#337
○緒方靖夫君 調べるか調べないか。
#338
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 現在は考えておりません。
#339
○緒方靖夫君 重大な発言ですよ。いいですか。これだけのものを出されて調べない、今のところはと言われたけれども、私は、また後手後手になる、そのことを警告しておきたいと思います。
 いいですか。問題はそれにとどまらないんですよ。それはこの事業に深く関与してきたある構造局OBをめぐる問題です。
 この人物は、構造改善局次長の経歴の持ち主で、次期衆議院選に自民党徳島一区から立候補を予定している人です。この候補者は、徳島県の耕地課長、農水省の防災課長、設計課長、建設部長を歴任し、しかもみずから宣伝物で、ここにありますけれども、「知恵を絞った末に新制度を設けて実施する、といった具合です。」と、この事業を称賛しているわけです。
 役人時代にこの事業に深くかかわってきたその候補者が、地元後援会の宣伝物で公約として、「徳島については公共事業費をどっさり取ってきて道路や橋などの社会資本を充実させ、」と、こうしたことを公的に記載しているわけですよ。これは重大な利益誘導発言だと思いますけれども、いかがですか。
#340
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まだその事実を確認しておりませんので、それに対するコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
#341
○緒方靖夫君 それについては、きちっと調べた上できちっとした対処を要望したいと思います。
 自治大臣に伺います。
 この候補者の徳島については公共事業をどっさりとってきて社会資本を充実させる、こういう発言は構造改善局次長の経歴を利用した明らかな利益誘導発言だと思います。この発言の重大性は、金融検査に対するあの手心発言で辞任に追い込まれた越智大臣の場合を見ても明白です。有権者の支持獲得を当て込んだ利益誘導発言は選挙の公正性からしても問題だと大臣は思われませんか。
#342
○国務大臣(保利耕輔君) この事案の詳細については私は存じませんが、お話を初めて伺ったんですが、一般論でいえば、利益誘導は好ましくないと存じます。
#343
○緒方靖夫君 それでは、自治大臣、その点でもやはりきちっと調べて後刻、報告していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 九七年の総務庁の行政監察を見ても、農業構造改善事業の約三割、約百九億円の大規模事業というのは生産性の向上に役立たずむだだった、行政監察がそう述べているわけですよ。私は、その点で、農民の必要から出発した構造改善局の事業の見直し、そして農業土木予算の大幅な圧縮、この二つが必要だ、このことを提案し、また強く要望して、質問を終わります。
#344
○委員長(倉田寛之君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#345
○委員長(倉田寛之君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
#346
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。
 英国核燃料会社、BNFLのプルトニウム・ウラン混合酸化物、MOX燃料についてお聞きをいたします。
 一九九九年十一月八日、英国原子力施設検査局、NIIからイギリスの日本の大使館にあてて文書が出ております。「統計分析に基づく当検査局の見解では、ペレット直径の二次的な抜き取り検査のデータの一部は捏造されており、データの他の一部は疑わしいと見なされるべきです。疑わしいデータのペレットを含む二体の燃料集合体は日本にあります。」。この文書が日本に届きながら、通産省はこれを握りつぶし、公表をしませんでした。通産省は、なぜこの文書を受け取りながら情報公開せず、握りつぶしたのか、答えてください。──いや、済みません、通産大臣お願いします。大臣。
#347
○国務大臣(深谷隆司君) 具体的な事実関係は担当者から報告した方が私はより正確だと思うのでそう申し上げたので、別にあなたの質問を回避するつもりは全くありませんので、誤解のないように。
 昨年の十一月一日に、関西電力から、まず最終報告書というのが出たんです。その十一月一日の最終報告書というのは、高浜発電所の三号機用の問題に不正があると思われると。二番目が、四号機用の燃料に不正はないか、一つのロットに統計的に疑義がある、こういう中身がまず関西電力から出ました。それから、あなたが御指摘のように、十一月八日付のNIIの書簡の中にも同じような内容が出された。これは大使館の方に送られた通知でございまして、そのときの大使館に対してのやりとりの中身でございます。
 現実問題といたしましては、関西電力と大使館とのこのやりとりはほぼ中身が同じであったという実際がございます。そしてその後に、十二月十日に、清水澄子議員から、これについてのコピーを提出するようにという御指示があったものでありますから改めてこれを出したわけでありまして、別に秘密にするとか隠しておくといったような、そのような意思はなかったと考えます。
#348
○福島瑞穂君 NIIからは、文面は違いますが、同じく九月二十一日付で書面が来ております。この第四号機についてのことは調査中であると言われながら、九月二十四日、関西電力は安全宣言をし、九月二十八日、通産省は安全宣言もしております。
 問題なのは、はっきりと十一月八日に書面が来ながら、十一月十九日、通産省と関西電力は福井県に対して四号機のMOX燃料は安全であると言っております。十一月八日にこのようなものが来ている、それ以前にも九月の段階で来ている、しかもこれははっきり疑惑のデータのものは日本にあると言いながら、なぜ関西電力と通産省は安全だと福井県に言えるのでしょうか。
#349
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま申し上げましたような内容の経緯は私が御説明したとおりでありますが、その後の経緯については長官から報告させます。
#350
○政府参考人(河野博文君) 私どもは、おっしゃるとおり、十一月一日に関西電力から報告を受けました。この見解を妥当と判断をいたしまして、中断しておりました輸入燃料体検査を再開したのでございます。
 その後、十一月八日に、御指摘のとおり英国NIIから書面をちょうだいいたしましたけれども、これも用語的にはデータの捏造という言葉と統計上の疑義という言葉を使い分けておりまして、私どもの理解ではこれは高浜にあります四号用の燃料体については統計上の疑義を指摘しているというふうに理解をいたしました。その点においては、私どもが最終報告で受けた統計上の過去のデータとの一致数がやや多いという点と軌を一にするというのが当時の私どもの理解でございました。
 ただし、今、大臣申し上げましたとおり、その後の展開をさらに申し上げさせていただきますと、輸入燃料体検査の最終的な合否の判断を行うということについては、十二月に入りまして、慎重を期すという考え方から、十二日に私どもの職員を英国に派遣いたしまして、再度NIIとの情報交換を行いました。また同時に、関西電力に対しましても、再度BNFLに対して確認を行うようにという指示をいたしたのでございます。
 そういう情報交換をしておりまして、まだ私どもの職員が英国にとどまっておりますときに、BNFL社から関西電力に対しまして、たしか十二月十六日だったと思いますが、全く別の燃料体に関してデータ捏造があった、それが発見されたという報告が急遽入りました。そこで、関西電力はこの輸入燃料体検査の申請を取り下げることになりましたので、最終的に私どもは合否の判断をすることにならなかったというのが経緯でございます。
#351
○福島瑞穂君 問題があるという指摘をされる途中においてなぜ安全だという宣言ができるのか、そのことに端的にお答えください。
#352
○政府参考人(河野博文君) このデータの捏造問題につきましては、たしかにそのデータの信頼性という問題はございます。ただし、そもそもの燃料体の各ペレットの大きさにつきましては、当初の検査で、一ロットと称しますのは約三千粒でございますけれども、それについて自動検査の工程で全量検査されております。そのデータもそろっておりました。
 その安全性という観点につきましては、私どももNIIと情報交換しておりましたけれども、先生お持ちの手紙にありますように、安全性についてはNIIの方も同様の見解を示しているという理解でございます。
#353
○福島瑞穂君 全く理解できないんですね。十一月八日に、疑惑のデータのものは日本にあると言われて、その直後になぜ安全宣言をしたのか。これは市民団体がデータをきちっと分析して、おかしいということから問題が始まりました。結局、指摘をされなければそのままやみからやみへ葬ったというふうに考えられるわけです。
 これは、最終的にはBNFL社はスキャンダルになって、社長は辞任をしました。日本にも報告書を持参し、持ってきておりますが、MOX燃料にねじの混入がある、あるいは最近の新聞でも、三月八日付でありますが、検査基準そのものを下げている、BNFL社が。
 つまり、個人の会社員に問題があったのではなくて、会社自身の組織的な犯罪があったということであって、その途中、結局最終的にはこれがわかったからいいようなものの、十一月八日の時点でなぜそれ以降安全宣言をしたのかについて、済みません、通産大臣お答えください。
#354
○国務大臣(深谷隆司君) 安全宣言をしたということについての経緯は長官が今申し上げたとおりであります。
 ただ、このBNFL社の今日までの歩み、特に最近になって明白になってきたのでありますが、まことに許されざる状況であるというふうに判断をしておりまして、その点については関西電力に対しましても直ちに私はこれらについての対応の結論を出すように、BNFL社と今後のありようについては厳格にあるように、そのような指示をしているところであります。
#355
○福島瑞穂君 通産省としては、いや先ほどからちょっと質問に答えていただいていないと思うんですが、なぜこういう手紙が来ながらその段階で情報公開をしなかったのか。それから二点目、なぜその後福井県に対して安全宣言ができるのか、それについて端的にお答えください。
#356
○政府参考人(河野博文君) 先ほどもお答えしたかと思いますけれども、この手紙を私どもは隠し立てするつもりは毛頭ございません。その趣旨は国会でも御答弁申し上げましたし、お求めがあったときに直ちに出せるように手配をしたところでございます。
 また、安全性につきましては、繰り返しになりますけれども、NIIの見解におきましても、関西電力が現地で調査をいたしました、それに同道するといいますか、私どもも現地に職員を派遣いたしまして全数データがどのように保存されているかなどについてはかなり調査をしたつもりでございます。
 そういう意味で、安全性の問題につきましてはそれなりの判断を下しているつもりでございますけれども、ただし、この問題はデータの信頼性という原子力行政にとっても重要な問題でございますので、慎重を期して再度十二月に職員を派遣し、先ほど申し上げたような結論に至ったということでございます。
#357
○福島瑞穂君 これは完全にデータを私は握りつぶしたというふうにしか思えないと思います。というのは、明らかに十一月八日に手紙をもらって、通産省は十一月十九日に福井県に対して四号機の燃料は安全であるということを言っております。
 実はこれはもっと前から、九月二十四日の段階で、その前にも手紙が来ながら、九月二十四日、関西電力は安全宣言をし、九月二十八日、通産省は安全宣言をしています。つまり、調査中である、問題があるということを指摘されながら、なぜ途中で何度も安全宣言ができるのか、それに対して明確な答弁は一切ありません。最終的にこの中にはねじの混入があった、あるいはおかしかった、データの捏造はあったとはっきりBNFL社は報告書を出したわけです。
 逆にお聞きします。なぜこれがチェックできなかったんですか。
#358
○政府参考人(河野博文君) 当時、私どもとしては関西電力に対しまして厳重な調査を指示し、また、私どもも職員を派遣いたしましたけれども、実際に行われましたことは、データに当たり、また当時、実はBNFL社は関係の職員に対して、関西電力という外部のものですけれども、直接のインタビューといいますか、そういうことまで認めたものですから、そういった経過を経て最終的に判断をしたという状況でございました。
 正直申しまして、意図的なデータの捏造があったというようなときに発見するのはなかなか難しい面があるのは事実だろうと思います。そういう意味で、今後輸入される燃料体の検査のあり方については工夫を凝らしていく必要があるというふうに考えております。
#359
○福島瑞穂君 何を変えるんですか。つまり、今のは、関西電力はちゃんとやっているだろうから、チェックができなかったということを自白されたようなものですよ。どうするんですか。これから何を変えるんですか。
 つまり、最終的にひどい捏造があった。BNFL社の社長は辞任をしたわけです。ひどい状態だった、とんでもない会社だった、言ったわけです、そういうふうに。それに対して、いや、そういうのは見抜けませんでした。でも、何もこういう報告書が出なかったら、日本でこの燃料は明らかに高浜四号機で使われたわけです。事故が起きたかもしれないんです、人が動かなければ。どうですか。
#360
○政府参考人(河野博文君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、十二月十二日に再度慎重を期しまして私どもはNIIに職員を派遣いたしまして、NIIの分析についても情報交換をし、また同時に、これも再度でございますが、関西電力に対してBNFL社に最終的な確認を行うように指示をいたしました。そういう意味で慎重を期したつもりでございます。
 そういうプロセスの中で、十二月十六日だったと思いますけれども、BNFL社から、これはまた全くそれまで私どもが疑義ありと思って、あるいはNIIから通知を受けていたものとは違うロットのデータでございますけれども、捏造というものが発見されたという一報が舞い込んだ、そういう状況でございます。
#361
○福島瑞穂君 通産省、関西電力が頑張って捏造を発見したのではなく、ガーディアン紙やNGOやいろんなところが明らかにしたためにこれがわかりました。そういうことがなければ、一切チェックがこれはできなかったわけです。
 通産大臣にお聞きします。
 規制ができない、チェックができないのであれば、規制の権限を通産省は返上すべきだと考えますが、いかがですか。
#362
○国務大臣(深谷隆司君) どこに移すのかちょっとわかりませんけれども、私どもはエネルギー政策を担当している役所としてあらゆる対策の中で万全を期すということは当然のことであります。
 先ほど、先方からの手紙が来たではないかというお話でありましたが、何回も繰り返すように、たまたま関西電力の報告と中身が同じであったし、それは大使館の方に行った第三者の返事でございましたから、情報公開といいましてもそれは一つの規則の中での範囲でありまして、何もかもどこまでも出せというのはいかがなものかなというふうな考え方もございます。
 また、確かに、検査制度のあり方については私は今後相当見直していかなければならないと考えております。
#363
○福島瑞穂君 いや、違うんですよ。この報告書は、先ほどもありましたけれども、清水澄子さんが経済・産業委員会で質問して、委員会の名においてやっと出てきたんですよ、これは。自発的に出したものではなくて、国会の中でやっと出てきたんです、これは。それを理解していただきたい。
 私は、原子力安全委員会に規制の権限を与えるべきだと考えます。
 再び質問します。
 これから、ベルギー、フランス、イギリスなどからいろんな燃料を輸入すると言われています。ところで、このBNFL社、こことの取引を関西電力はすべきでないと通産省としては行政指導すべきだと考えますが、いかがですか。
#364
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほどもお答え申し上げたように、清水委員からの要請で、別に渋々出したわけじゃなくて、即座に出しますとお答えして提出したわけでありますから、そこのところはやや御発言は違うのではないかというふうに思います。
 それから、BNFL社との取引の関係については、本来関西電力が行うものでございますが、このような状況をそのまま放置して継続的にやれなどとは全く思っておりませんで、私どもはこれらの対応についての結論が出るまでは全く動きはとらせない、そして私どもとしましては現在日本に来ているものについては持って返ってもらうということまで申し上げております。ただし、問題なのは、各般の法律がございまして、帰るときのコースの国の許可を得るとか、いろんなことがあるようでございます。目下はそういうことを前提にしながら交渉をさせているという状態であります。
 また、御存じかもしれませんが、この問題が起きましたときに、東京電力にベルギーの会社のMOXがございました。これは別に問題があるわけではないのでありますけれども、私は直ちに東京電力に電話をいたしまして、調査に入ってくれ、それまでは装荷することを遠慮してくれというので延期になっておることは御承知のとおりです。
#365
○福島瑞穂君 特に、外国から輸入する燃料に関してはブラックボックスになりやすいと思います。これを踏まえて、通産省はどう考えていらっしゃるのか。
#366
○国務大臣(深谷隆司君) これからの検査制度をどういうふうに見直そうかという話であろうと思います。
 今までの形というのは、入ってきたものについて外観を見る検査というのが一つ、それから品質管理のデータを書類上できちんとチェックするというのが二つ、これが主でございました。
 ところが、困ったことに、私もいろいろエネルギー庁の諸君と対応について、今後のあり方について検討しているのでありますが、でき上がったものが入ってまいりますと、それを解体して検査するということは不可能でございます。それから、エックス線写真でということでこの間も調査させたのでありますが、非常に誤差が多いということがわかりました。
 そうなってまいりますと、現地でつくっている会社についての状況を明確に監視するということが一つの方法ではないか。そういう意味では、先方の国の第三者というか、外部の検査機関を何らかの形でオーソライズしてそこがきちっと検査をする、そういうようなやり方も一つではないだろうかなというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、今月、当省といたしましては、有識者を含めた委員会をつくりましてこれらの問題を含めた早急な検討をいたしたいと思っております。
#367
○福島瑞穂君 私は、データを偽造しました、捏造しましたという会社と取引をしないようにぜひ行政指導をしていただきたいという点と、警察の問題も同じですが、第三者のチェック機能、原子力安全委員会が適切だとも思いますが、きちっとやっていただくように強く要望したいと思います。
 次に、警察の話に移ります。
 神奈川県警の問題があって特別監察制度ができました。しかし、新潟県警の問題でわかったことは、この特別監察制度が結局接待にしか使われていないという、そんな現状です。内部の人間がやるのでは全く意味がない。内部でチェックをするということは不十分であるということを警察はお認めになられますか。
#368
○国務大臣(保利耕輔君) 確かに、神奈川の事案が発生をいたしましてから、特別監察をしろということを国家公安委員会からも話をしまして、特別監察をあちこちやらせました。
 その中でああいう事件が起こったんですが、新潟に参りましたのは、御承知のとおり十三人で参りました。あの中田局長は極めて不適切な行為をいたしたのでありますが、他の十二名はきちんと監察行為をやっておりまして、それのレポートは私はやがてまとまるものと承知をいたしております。
 そういう形で行われておりますので、必ずしも内部監察制度が直ちによくないというわけでは私はないと思っております。事情を知った者が事情を知ったところをきちんと調べる、それは別の立場で調べるということは一つのあり方として私は考えられることではないかな、このように思っております。
#369
○福島瑞穂君 ほかの人はまともだったから、ほかの人が問題でも構わないのだというのはおかしいと思うんですね。問題なのは、内部でやるということはなれ合いが起きる。同じ人たちが同じところを見るのではチェックができない。第三者機関、外部の人がきちっとチェックするということでなければうみは出せないし、問題点の指摘はできない。それが今回の警察の問題だと思います。もし、委員長が内部でいいのだという認識だったら私は対応を誤ると思いますが、いかがですか。
#370
○国務大臣(保利耕輔君) 内部で監察をした結果を公安委員会がきちんとチェックをする、そういうことを考えております。
#371
○福島瑞穂君 国民が怒っているのは、その監察、それから国家公安委員会が何だということに怒っているわけです。内部の監察ではだめだ、従来の制度ではだめだとみんなが怒っているということがわからないんですか。
#372
○国務大臣(保利耕輔君) 監察においてトップであった者が極めて不適切な行動をいたしましたので、そういうふうな国民からのいろいろなお怒りがあったと思うのでありますが、そのやり方そのものは、あのときの警察局長がしっかりしていれば、そして指揮をとっていれば、決して私は間違った方向ではないと思っています。
#373
○福島瑞穂君 警察の制度全体が今本当にがけっ縁で、国民はきちっとうみを出せと。神奈川県警の問題、さまざまな県警の問題、これからだって県の名前をかえて次々に起きていくでしょう。そういうことが嫌だと言っていることが全然わかってないんですよ。私は緒方さんと同じように思います。あなたは辞職すべきです。
#374
○国務大臣(保利耕輔君) 国家公安委員会にもホームページを最近私になってから設けたのでありますが、大変多くの国民の声が寄せられていることを私はよく承知いたしております。そうした声を真摯に受けとめながら、今後しっかり運営をやっていかなきゃならぬ、このように思っておるわけであります。
#375
○福島瑞穂君 既存の制度ではだめだということがやっぱりわかっていらっしゃらないと思うんですね。きょうの朝日新聞にも載っておりますが、例えばイギリスではオンブズマン的な、第三者的な機関をきちっと置く。例えば、少数者に対して差別的な意識があることが捜査を誤らせたから、逆に警察の中に覆面で人を入れてきちっとチェックする。外部の目がなければきちっとチェックできないんですよ。内部で十分だという委員長の発言、ぜひ撤回してください。
#376
○国務大臣(保利耕輔君) 御承知のように、旧警察法は昭和二十三年から施行されておりますし、大きな改正がありましたのは昭和二十九年であります。それ以降改正は若干ございましたけれども、今度提案をしております警察法の改正というのは非常に大きい。そこはどこが違うかというと、国家公安委員会は、今まで警察が外に向かってやる行動に対して中立性それから民主制を立てまして、そしてチェックするという形になっておりましたが、今度は警察組織の内部にまで我々のチェックの目を、国家公安委員会のチェックの目を入れよう、そういう警察法の改正案を出しているわけでございます。
 ぜひ御審議をいただきたいと思うのでありますが、そういうふうに、昭和二十九年以来細かい改正はございましたけれども、大改正を今度やろうと。国家公安委員会制度を大きく変える今転換点にある、私はそういうふうに承知をしております。
#377
○福島瑞穂君 新聞報道によると、自民党も外部監察を本格検討とあるにもかかわらず、委員長の答弁がその程度だということは何もやっぱりわかっていらっしゃらないというふうに思います。
 それで、チェックするためには独立性と実効性が必要です。今の公安委員会は警察が事務局をやっておりますから、公安委員会は手足もなければ事務局も警察です。結局、独立性も十分ではありませんし、手足もありません。立ち入り権限、調査権限もありません。単なる合議制の機関です。これでチェックができないということを言っているのに、これはチェックできますか。これがチェックできないということが、これは変えなくちゃいけない、何らかの制度をつくらなくちゃいけないということが今提起されていると思うのですが、いかがですか。
#378
○国務大臣(保利耕輔君) 私は、今の制度にこだわるつもりはございません。いろいろ御意見がありますので、大きな転換点でありますから、警察が中立性を守り民主的に運営されるように、そして日本の治安が維持されるようにどうしたらいいかということをやはりみんなで考えていく時代に来ている、そういうことでありますから、今の制度を墨守するというような気持ちはございません。大きく変えていくべきところは変えていかなきゃならない、このように思っております。
#379
○福島瑞穂君 神奈川県警や新潟県警での問題は内部チェックでは不十分だということを教えていると思いますが、いかがですか。
#380
○国務大臣(保利耕輔君) それは、ある面で委員御指摘のとおりだと思います。そういう体質を今後是正していくために私たちが頑張らなきゃならぬ、こう思っております。
#381
○福島瑞穂君 頑張るって、何を頑張るんですか、教えてください。どう頑張るか教えてほしい。
#382
○国務大臣(保利耕輔君) 国会での御議論あるいは国民の声、そういうものをよく伺い、また有識者の御意見等もよく伺いながら、今度新しい国家公安委員会、これは名前には私はこだわりませんけれども、そういうものをきちんと改組していくということが頑張るの一つの点だと私は思っております。
#383
○福島瑞穂君 この腐敗をなくすためには、外部の第三者機関をきっちり設け、独立性と実効性を持つようにし、手足をきちっと持ち、立ち入り権限などを持たない限り、必ずや六カ月後、一年後、県名を変えた県警の不祥事が起きるというふうに思います。そして、今やらなかったら日本は腐っていきますよ。その危機感がないということが、申しわけないけれども、チェックができなかった、新しいことを言わない、きちっと責任とらない、それでぜひ辞職していただきたいと私は考えます。
#384
○国務大臣(保利耕輔君) 御主張は御主張で真摯に受けとめさせていただきます。
 しかし、私も神奈川県警の事案にタッチをしておりまして、一生懸命に努力をして新しい規律のある警察をつくろうと思っていたところにこの新潟の事件が発生をいたしまして、大変な危機感を持っております。このままでいけば、日本の警察は台なしになってしまうという危機感は非常に強く持っておりますので、その危機感を胸に入れて自分の責任を果たしてまいりたいと思っております。
#385
○福島瑞穂君 警察がだめになるだけではなくて、日本全体を非常に悪くすると思います。そこが本当に問題で、内部のチェックではだめだと。新しい第三者機関をきちっとつくれるかどうか、私たちはつくりたいと思っておりますし、その点について今後も国会の中で議論し、法案もつくっていきたいというふうに考えております。それは私は、超党派でも自民党でも、その件については承諾をしてくださるはずだというふうに思っております。
 では、次に自衛隊の問題に行きます。
 自衛隊佐世保管内にあります自衛隊の「さわぎり」という船、護衛艦があります。そこでこの二年間の間に、行方不明者が一人、自殺者が一人、自殺未遂が一人、そしてまた最近、船から飛びおりてずっと泳いで別の護衛艦に保護されたというそんな事件が起きております。同じ一つの船の中でそういう事件が起きること自身が非常に問題だと思っております。一人、二十一歳、自殺をされた宮崎出身の方は、遺族も非常に心を痛めているわけですが、いじめがあるというふうに遺族の方に、親にいつも訴えていたというふうに聞いております。
 この点について、防衛庁、お願いいたします。
#386
○国務大臣(瓦力君) 福島委員にお答えをいたしますが、多少経緯も含めて申し上げますと、この事案は、平成十一年十一月八日、海上自衛隊演習に参加いたしまして土佐沖を航行中の海上自衛隊第二護衛隊群所属の護衛艦「さわぎり」でございますが、艦内で発生した乗員の自殺に対しまして遺族から、当該自殺の原因がいじめであったと、こういう訴えがありましたことから、佐世保地方総監部は、十一月十六日、同地方総監部幕僚長を委員長といたしまして事故調査委員会を設置し、自殺の原因について調査を実施したという案件でございます。
 調査委員会では、職務上の上司、同僚等の部隊関係者等、本人の身近な関係者から事情聴取を行いまして徹底した調査を実施いたしました。しかし、いじめの事実は認められなかった、また職務上の指導は通常の業務を通じまして当然理解しておくべき事項に対する指導でございまして、他の隊員に対しても行われております一般的な教育指導の範囲を超えるものではなかったと、かように存じております。
 自殺の原因につきましては、自殺者個人に対する要因、教育訓練・指導に関する要因、勤務環境に関する要因、服務規律に関する要因と、多方面からの調査を行いましたが、遺書等もございませんで、原因を特定するには至らなかったと。
 いずれにいたしましても、前途ある若者がみずからの命を絶つという痛ましい事故が発生いたしましてまことに残念なことである、かように認識をいたしております。カウンセラーの技術強化であるとか個人の技能練度に応じたきめ細かな教育の実施でございますとか、あるいは風通しのよい隊風と厳正な服務規律の維持など、再発防止策の推進に努めてまいりたいと考えております。
 以上、経緯等を含めて申し上げさせていただきました。
#387
○福島瑞穂君 調査をして報告書ができたのですが、その報告書は遺族も国会議員もだれも見ることができないという状況です。ぜひその報告書を出していただきたいと申し上げたいと思います。
 最後に、中坊公平さんは司法制度改革審議会のメンバーですが、今回内閣の顧問になられました。ところが、司法制度改革審議会はやはり内閣の諮問を受けておりますので、独立性が非常に要求されると思います。この立場を兼ねることはできないと思いますが、官房長官、いかがですか。
#388
○国務大臣(青木幹雄君) お答えいたします。
 総理が中坊さんにお願いをしたのは、金融、環境、国民生活というような限定された問題で、国民の目線でいろんな参考の意見を聞きたいということで任命をしたわけでございまして、私は法的には何ら問題ない、そういうふうに考えております。
#389
○福島瑞穂君 もう時間です。
 ありがとうございました。
#390
○委員長(倉田寛之君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#391
○委員長(倉田寛之君) 次に、鶴保庸介君の質疑を行います。鶴保庸介君。
#392
○鶴保庸介君 自由党の鶴保でございます。
 今回、北朝鮮問題においては、残念ながら約十万トンもの米支援の決定がなされました。このことに対して自由党は、まず北朝鮮の拉致問題を初めとする各種の疑惑解明、そしてまた前回の人道的な米援助の実効性調査を前提にすべきだという立場から明確に反対の立場をとらせていただいております。
 ここでその当否について議論をさせていただくつもりはありませんけれども、このたびの件で少なくとも議論をしておかなければならないと痛感することがあります。外交という国家の命運を左右すると言ってもいいような政策課題において、果たして政府は、一体どういう責任機関がどのようなプロセスを経てどんな戦略を持って臨んでいるかということであります。
 従来、日本の政策の特徴として言われ続けておりますのは、猫の目のように変わるような内閣の性格から、政策に一貫性が欠ける、もっと申し上げるならば、国家としての明確な戦略というものは望むべくもないというような悪口も言われてきました。このことは、ひとり外交政策においてのみ妥当するものではない、ありとあらゆる分野で矛盾を噴き出しているのではないかというような気がいたしております。
 こうした風評に対して、内閣の中枢にある官房長官はどのような所感をお持ちか、まず冒頭にお聞きをしたいと思います。
#393
○国務大臣(青木幹雄君) お答えをいたします。
 議員がおっしゃるように、外交は国と国との関係でありますので、当然、御指摘のような持続性、永続性、そういうものを大切にしていかなければならないことは内閣も十分承知をいたしております。そういう前提に立って、米国との同盟関係を基軸として近隣諸国との関係強化、国連を初めとするグローバルな取り組みへの参加を現在も展開しているところでございます。
 例えば、我が国の対北朝鮮政策については、韓米両国と緊密に連携をとりながら、北東アジアの平和と安定に資するような形で第二次世界大戦の正常でない日朝関係を正すよう努力していくことを基本といたして、そのために緊張を緩和していくための対話と不測の事態を防ぐための抑止のバランスをとって対応していくとの方針を今日まで一貫して私はとってきたつもりでございます。
 米の問題については、私どもはただ米を北朝鮮に渡すだけで済む問題ではないということは、議員同様、十分に承知して対応しておるつもりでございます。
#394
○鶴保庸介君 それでは、具体的に外務大臣にお尋ねを申し上げたいと思いますが、外交政策の決定要因についてはまず何を重視いたしますか。言わずもがなのことをまずお聞きをしておきたいと思います。
#395
○国務大臣(河野洋平君) 外交政策決定の根本は国益の伸長でございます。つまり、言いかえれば、我が国の平和と繁栄、そうしたものを目指すというのが外交政策の基本にあると考えております。
#396
○鶴保庸介君 では、その責任機関、すなわち政策決定の最終的に責任を持つのはどの部署、セクションでありましょうか。
#397
○国務大臣(河野洋平君) 外交政策におきましても、政治の最終的な責任は内閣がこの責任を有するということは大前提でございますが、外交政策ということになりますと、つまりそれを担当いたします外務省、その外務省の長でございます外務大臣がその責任を担うということになろうかと思います。
#398
○鶴保庸介君 そうしますと、外務大臣が形式的には最終的な政策決定の責任を持つということ、これを敷衍して考えると、当然外務大臣が思いついたことは何でも実行できるということではないと思います。そしてまた、官房長官が今言われたとおり、政策の持続性、永続性ということの制約の中でやられることがまず大事なのではないかということであろうと思いますが、大臣はこのことを同意していただけるでしょうか。
#399
○国務大臣(河野洋平君) 日本の外交政策を決定していく上で、個人の思いつきなどがその決定要因になるなどということは決してあり得ないことでございます。
 外交政策は、最も我が国の政策の中で私といたしましては重要な問題というふうに心得ておりますから、さまざまな情報が外務省に集められて、その分析を十分に行った後、しかる後に外交政策というものは十分慎重の上に慎重に立てられていくということは当然のことだと思います。
#400
○鶴保庸介君 それでは、その外交の永続性、持続性とは一体何でしょうか。
#401
○国務大臣(河野洋平君) これはもう、日本の国の外交というものは、議員も御承知のとおり、先ほど申し上げましたように我が国の国益の伸長という基本的な考え方に乗って外交政策は立てられているわけでございます。
 すなわち、我が国の平和と繁栄というものを考えれば、先ほど官房長官からもお話がございましたように、我が国周辺あるいはアジア地域、そしてまた日米関係を基軸として、そして国連中心外交と、こういった考え方がそのもとになっているわけでございまして、そうした枠組みの中で考えられていくというふうに考えます。
#402
○鶴保庸介君 その枠組みにおいてどういう判断基準、判断を外務大臣はされるか、どういう要素、ファクターを重視されるか、そのことについて何かお考えがございますか。
#403
○国務大臣(河野洋平君) 何か具体的にこの問題についてというお尋ねでございましたら御返事を申し上げようと思います。
#404
○鶴保庸介君 では、今回の北朝鮮問題についてお伺いいたします。
#405
○国務大臣(河野洋平君) 先ほど官房長官御答弁のとおりでございます。日本と北朝鮮との間にございます長い間の不正常な関係というものを正していく、そうしたことが、我が国のと申しますか、我が国を含むこの周辺の平和と安定あるいは繁栄というもののもとにもなると思いますし、また、我が国と北朝鮮との歴史的な経過から考えまして、この問題を重視するのは当然のことと思います。
 あわせて、我が国と北朝鮮との間には拉致事件を初めとしてさまざまな問題がございます。例えば里帰りの問題もございます。そうした人道的な問題も十分考えながらこの問題に対応しなければならないと思っております。
#406
○鶴保庸介君 北朝鮮との関係を正していくとおっしゃいました。その正すという意味、もうちょっと具体的に教えてほしいんですけれども、どういう意味でしょうか。
#407
○国務大臣(河野洋平君) 現在、日本周辺に国交が正常化されていないのはロシアとの関係、そして北朝鮮との関係であることは議員もよく御承知のとおりでございます。
 こうした不正常な状況は正常な状況に直していくということは一つの重要な仕事と心得ております。
#408
○鶴保庸介君 そうすると、国交の回復と理解をさせていただきます。
 国交の回復ということであるならば、その目的に向かっての判断、この米支援をすることによって国交が回復するであろうと大臣は考えられたわけでありますか。
#409
○国務大臣(河野洋平君) 先ほどの答弁の中で、ロシアとの間の国交は正常に行われているというふうに訂正をさせていただきます。
 私は、今回の北朝鮮に対します私どもの考え方を進めることによって、両国が話し合いのテーブルに着くということがまずできると。これはもう議員も十分御承知のとおり、話し合わなければ何にも始まらないわけでございます。にらみ合っているというだけでは問題は解決しないと私は考えておりますので、いずれにせよ、テーブルに着いて話し合うということが何より重要だ、こう考えておりまして、今回の私どもがとりました政策も、テーブルに着いて話し合うという環境を整備するということが重要だと思います。
 このことが、拉致事件を初めとして、先ほど来申し上げましたさまざまな問題を解決する最初の糸口になってほしい、そういうふうに考えているわけでございます。
#410
○鶴保庸介君 やや内容的なことばかりになってきましたが、そうすると、話し合うということになりますと、北朝鮮のこれまでの経緯、信頼関係といいますか、このことに対して疑問を呈するということはなかったわけでありますか。
 もっと言いますと、これまで一連の協議の中で北朝鮮側は、拉致という言葉は敵対的だなどと述べておられます。疑惑の存在すらも認めていないという事実をどう考えられていらっしゃいますか。
#411
○国務大臣(河野洋平君) 問題を解決しようという気持ちが私には相当強いのでございます。その問題の、私が解決しようと願っております、あるいは解決しようと思っております問題の一つは、拉致事件でございます。
#412
○鶴保庸介君 大臣がその信頼ということを重視されたということは、以前どこかのマスコミの報道にもございました。
 ただ、大臣が信頼をされたという事実、この一事によって政策の一貫性あるいは持続性といったものがある意味では国民にわかりにくい形で変えられていっているのではないか、そういうおそれを私は危惧するわけであります。
 大臣が真摯にお答えをいただいたそのこと、きょうは大蔵大臣もお見えでございます、ちょっと話題、視点を変えまして、大蔵大臣に続けてお話をお伺いしたいんですが。
 こうした政策決定においては、最終的責任者その他の組織は存在しない、集団相互で意思決定を行って個々の責任者を明らかにしないという場面が数多くあるというふうな指摘がされておられます。経済的な問題についてもこのようなことが多くあるという指摘もありますが、大蔵大臣はどのような所感をお持ちでしょうか。
#413
○国務大臣(宮澤喜一君) 注意して伺っておりましたけれども、何について責任がないと言われるんでしょうか。
#414
○鶴保庸介君 国家的戦略という意味で、経済的な国家的戦略の策定という意味でございます。
#415
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、やはり我が国の国益、国民が最大に幸福であるということ、それによって我々が世界の経済に貢献できる、そういうことであろうと思います。
#416
○鶴保庸介君 ややすれ違いの答弁になってしまいましたけれども、そうしたら例えば、国家的戦略、国益を目指すということは当然のことでありますが、その戦略の立て方のうちの一つのものとして、例えば諮問機関のようなものがございますでしょう。具体的にもっと言いますと、経済戦略会議というようなものがございました。この会議の提言はその後どのような扱いを受けておられるか。このことも含めて、最後大臣に、もう時間がなくなってしまいましたので、お願いをいたしたいと思います。
#417
○国務大臣(宮澤喜一君) あの会議は私も大体拝聴しておりました。中期的に我が国が何をすべきかということについてのお話でありましたが、非常に一言で申しますとごく常識的な、多くの人がそう考えるであろうというようなことを提言していただきましたので、その線に沿ってほぼ政策を遂行しております。
#418
○委員長(倉田寛之君) 以上で鶴保庸介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#419
○委員長(倉田寛之君) 次に、堂本暁子君の質疑を行います。堂本暁子君。
#420
○堂本暁子君 参議院の会の堂本暁子でございます。
 私はきょう、日本からの融資の問題について質問いたします。
 二十一世紀に向けて環境や人口など地球規模の問題をこれからどう解決していくかということが時代の課題としてクローズアップされてきております。一九九七年の七月に国連のコフィー・アナン事務総長は、そのために国連を改革するということでのレポートを発表されました。そこには、国連機関の縦割りをやめて包括的なアプローチが必要なこと、それから各国政府のみならずNGOや民間企業まで含めた幅広い市民社会の参画が必要だと説いています。
 きょうは、こうした地球環境ガバナンスの視点から日本の公的な輸出金融のあり方について伺いたい、そういうふうに思っております。
 まず、現在、国際協力銀行はフィリピンでヘルスケアの非営利ビジネスに融資しようというような動きがあるというふうに伺っているんです。それで、ハードから、今まで大変ハード中心だったと思いますけれども、ソフト重視へともし転換するのであれば、大変画期的なことだというふうに思っています。
 そのビジョンについて、きょうは副総裁お越しいただいていると思いますので、御答弁いただけたらうれしいです。
#421
○参考人(篠沢恭助君) お答えを申し上げます。
 ただいまのフィリピンのフレンドリー・ケア・ファウンデーションの事業に対する融資ということで御質問ございましたが、ただいまその話は確かに私どもの耳に入っているわけでございますが、全くその細かい、詳細がまだ届いておりませんものですから、その問い合わせ等をしておる状況でございまして、ただいままだ非常に初期段階にあるということでございますので、方針をちょっと申し上げるのはこの場ではお許しをいただきたい、そういう段階でございます。
#422
○堂本暁子君 具体的なプロジェクトについて申し上げたのではなくて、ハードからソフトに転換する気があるのかということを伺いたかったわけです。
#423
○参考人(篠沢恭助君) 私どもの業務の中で、おっしゃいますようなハードの整備、インフラ整備等のみならず、途上国の経済構造改革でありますとか貧困対策、あるいは社会開発事業といったようなことについての支援は従来からかなりの程度で行い始めているというふうに考えております。その中には、ヘルスケアあるいは女性関連事業への融資の拡大といったようなこともあろうと思います。
 一般的に、このソフトの融資というものについても十分な配慮を行ってまいりたいと思いますが、全面的にその基本方針をハードからソフトへといったような段階ではない、そういうふうには考えております。
#424
○堂本暁子君 関心を持っていただくだけでもいいかと思っておりますが、去年のケルン・サミットで、輸出金融機関共通の環境指針を二〇〇一年までにつくるということが決まったようです。旧輸銀のガイドラインは、そのスクリーニングの基準とか環境アセスメントの対象が甘かったということで内容が大変不十分だったというふうに聞いています。
 そこで、今、国際協力銀行は新しい社会、それから環境配慮のガイドラインつくりに着手していらっしゃる。大いに期待するところなんですけれども、ワールドバンクは比較的高い基準を持っていますけれども、これから社会的配慮、それから環境の配慮、そして住民参加度あるいは情報公開度の高いガイドラインをおつくりになるつもりがおありになるかどうか御答弁ください。
#425
○参考人(篠沢恭助君) 現在のところ、旧日本輸出入銀行、それから旧海外経済協力基金の両機関で策定してまいりました二つの環境ガイドライン、これを十月の国際協力銀行発足後それぞれ引き継いできておるわけでございます。さらに、現在、その二つのガイドラインの統合に向けた検討も行っているわけでございます。
 その中で、これからそのガイドラインの中身の高度化に努めてまいりたいと考えておりますが、私どもの国際金融等業務は、やはり基本的には商業ベースの融資、もう一つは当然政府開発援助ということでございますから、その業務の違いへの配慮ということは必要になろうかと思いますが、中身についてこれからさらに綿密に検討してまいりたいというふうに考えております。
#426
○堂本暁子君 そのプロセスで、やはり情報の公開、あるいは今でも多分NGOの方と話していらっしゃると思いますけれども、そういった市民参加を徹底していただくことが大事かと思います。
 具体的なプロジェクトについて伺います。
 タイの南部でヒンクルット石炭火力発電所の計画が進んでいます。日本企業が三四%出資すると聞いていますが、当初はフィンランドやアメリカの企業がそれぞれ二八%ずつ出資し、そして事業の資金源として当時の日本輸出入銀行が名乗りを上げていました。
 しかし、石炭の火力発電というのはまさに地球温暖化に非常に悪いんですね。日本は京都会議をやった国ですし、そして、しかも現地では住民の反対運動があるということで、フィンランドは輸出信用機関、それから国営企業ともに撤退を決めました。それから、アメリカの企業も撤退を決めました。それで、もう一つ近くに計画されているボーノック石炭火力発電所も国際的に問題になっていますが、これもアメリカの輸出入銀行は先月融資を取り下げています。
 アメリカもフィンランドもこうやって環境的な配慮から融資をやめているので、最終的に決定しているかどうか知りませんが、日本がまさかこういうところに融資するようなことはないと思いますが、念のために伺わせていただきたい。
#427
○参考人(篠沢恭助君) このタイのヒンクルット火力発電所のプロジェクトに関しましては、私ども、この日本の出資者あるいは民間金融機関といったようなところから投資金融等の要請を受けまして、一九九八年の十二月だったと思いますが、この融資契約の調印ということを念頭に置いてかなりな綿密な検討をした経緯がございます。
 その後、反対派住民による大規模なデモがあった、そしてタイ政府の方が公聴会を開催する、あるいは環境影響評価を見直しするといったようなことを打ち出されましたので、私どもといたしましては、このプロジェクト自体の帰趨が定まっていないというふうに考えられ、また今後仮に前へ進むとしましても、プロジェクトの内容に今後変更が予想されるといったようなことで、私ども、現在は事態の推移を見守るという態度に変わっておるわけでございます。
 今後、タイ政府の方がいろいろ手続を経まして何か方針が定まる、あるいはそのもとで仮に前へ進むといったようなことがあるとしました場合には、そのタイ政府による決定でございますとかそういったものを踏まえながら改めて融資の可否を含めて検討を行うというのが私どもの姿勢でございます。
 なお、アメリカ及びフィンランドの企業の撤退についてお話ございましたが、私どもが得ております情報では、それは必ずしも環境問題によるものではなく、経済的観点からの投資戦略の変更によるものだというようなふうに聞いておるわけでございます。本邦出資者は引き続き案件を推進していく方針、そんなふうに承知しております。
 以上、客観的な状況として申し上げております。
#428
○堂本暁子君 私は、アメリカやいろいろなところからのNGOから要請というか、これは日本だけがやるようなことはやらないでほしいと。ですから、おっしゃったことと大分違って、結構アメリカのNGOの反対でアメリカやフィンランドは撤退したんじゃないかというふうに了解していました。これはもう一度調べますが、やはり日本だけがそういうところで世界の矢面で非難の砲火を浴びるというのは余りいいことではないと思いますので、十分に慎重に、そしてできれば撤退してほしいと私は思っています。
 きょう、通産大臣にもお越しいただきましたけれども、通産省でも環境ガイドラインをつくっていらっしゃる。どの程度市民が実際に参加したり、それから情報公開に徹しながら作業をしていらっしゃるか、ぜひ伺いたいと思います。
#429
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほどから委員の御発言を聞きながら、私どもが今やろうとしているのは、地球環境ガバナンスの視点から貿易保険の場合に環境ガイドラインの作成をどうするかということでございます。
 貿易保険の引き受けに当たって対象とするプロジェクトの実施者による環境配慮というのは適切になされているかどうか、これをきちんと確かめていくことは非常に大事なことだと考えます。そして、それを確認して、十分な環境に配慮した対外取引の健全な発達を図るということが私たちの方針でございます。そのために、環境配慮に関する確認のための基本的な考え方や手続等を環境配慮のための貿易保険ガイドラインとして取りまとめて、本年の四月一日からこれに基づいた引き受け検査をやろうとしているところでございます。
 現在は、ガイドラインの四月一日からの適用に先立って、ガイドラインの案について貿易保険利用者の意見を聞いたり、あるいはホームページを三月一日から始めました。そこでパブリックコメントの募集をして、広く一般の御意見も実際聞いているところであります。
 貿易保険ガイドラインの案は、昨年の九月から実施されましたただいまお話があった国際協力銀行の環境配慮のためのガイドラインとほぼ共通すると思います。
 いずれにしても、途上国等にさまざまな支援をする際に、そのことでその国の環境が破壊されるということに相なってはなりませんから、その場合に通産省としては、貿易保険のガイドラインということで十分な対応をしていきたいと考えています。
#430
○堂本暁子君 今のホームページですけれども、十五日までといって二週間しか大臣ないんですね。もうちょっと今度は何カ月かあるように、ぜひ御配慮いただけたらうれしいと思います。
 大蔵大臣、お越しいただきまして、まさにこの間、ケルン・サミットから帰られた総理に、私は沖縄のG8で日本は環境問題でリーダーシップをとるべきではないかということを申し上げたら、総理の方から積極的に取り組んでいきたいというふうにおっしゃいましたし、COP3を日本で京都でやって、それを具体化するということも目前に来ております。
 そういうときに、やはり今のお聞きくださいましたような貿易保険の問題、あるいは国際協力銀行の融資の問題、こういった問題が非常に注目されることになると思いますので、大臣として公的な輸出金融のあり方についてどのような方針で臨まれるおつもりか、御所見を伺いたいと思います。
#431
○国務大臣(宮澤喜一君) ひょっとしてお忘れになったかもしれませんが、数年前、もっと数年よりもう少し前であったと思いますが、当時日本のODAの何%を環境問題に充てるかということで、私が、何をやっておりましたか、国際的な約束をいたしまして、五年間でその約束は達成いたしましたが、ODAはその場合、大部分は今の篠沢副総裁の輸銀かあるいは……
#432
○堂本暁子君 OECFです。
#433
○国務大臣(宮澤喜一君) ええ。OECFでございますから、そのころからそちらにはそういう考え方は移っておりました。
 が、堂本議員のような方の御努力がありまして、どんどんそういう意識が進んでまいりましたから、今、篠沢さんがおっしゃったような対応になってくるわけでございまして、これはもうやっぱり大きな変化だと思いますが、殊に、ノンガバメントオーガニゼーションが活躍をしますものですから、相手国政府と話をしていても崩れる、あるいは一緒にやろうとしている政府とやっていても実はその政府も崩れるというようなケースがどんどん出てまいる、崩れるという言葉はお気に入らないのかもしれませんが。
 ですから、余り輸銀や協力基金が先へ行きますと、後になって取り返しのつかないことになることが多うございまして、このごろ非常に慎重になっております。それは恐らく堂本議員のお立場からいえばいいことであるんですけれども、大変慎重になっておりますから、今おっしゃったようなことは私ども部内で徹底させることはもう大変に抵抗のない今の状況でございます。
#434
○堂本暁子君 ありがとうございました。
 もう一つだけ。これは通告をさせていただいていないんですが、トルコで日本企業が参加した国際入札の結果が日本時間であした十一日の朝までに判明する予定のアックユ原子力発電所の計画というのがございます。これがまた国際的に注目されていて、そしてドイツはもう撤退を決めたと。ほかの国も、アメリカやカナダなど、いろいろ企業が参加しているんですが、そこでも今、大蔵大臣おっしゃったような大きいNGOのうねりが国際的に起こっている一つのプロジェクトなんです。
 今すぐにお答えいただけないかもしれませんけれども、通産省の貿易保険とかそれから国際協力銀行の方の出融資の点についても、やはりトルコはあれだけ地震国ですし、それから天然ガスパイプラインの使用が可能なんだそうです。ガス火力発電所の方が安全だし、日本国は何としてもCOP3の実績を具体化したいというところがございますから、こういったものについては、やはり今、大蔵大臣、慎重にとおっしゃいましたが、より慎重にしていただきたいと思っております。
#435
○国務大臣(宮澤喜一君) 今の具体的なケース、存じませんので申し上げられませんけれども、むしろ今、私どもお互いの立場としては相手国政府との約束みたいなものがあって、相手国政府じゃない実はNGOが世論をつくり上げているということになるものですから、こちらも非常に苦しい立場に立つのがこのごろの実況でございます。よく注意いたします。
#436
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
#437
○委員長(倉田寛之君) 以上で堂本暁子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#438
○委員長(倉田寛之君) 次に、佐藤道夫君の質疑を行います。佐藤道夫君。
#439
○佐藤道夫君 今回もまた警察問題を取り上げたいと思います。連日厳しい意見を吐いているようでありますけれども、これすべて実は警察を愛すればこそということであります。
 改めて断るまでもないと思いますけれども、私は三十数年、警察と一緒に仕事をしてまいりまして、キャリア、ノンキャリアの方々を含めて実に多くの警察官と知り合いになりまして、そのすべての人がと言ってもいいと思いますけれども、まじめで勤勉で熱心でそして心優しい人たちだと、こう言ってもいい。日本の警察は世界一優秀だ、こう言われておりましたけれども、やっぱりそういう人たちが支えてきた、その成果であろうかと思います。
 そこで、一体今日の警察のこの現状は何だろうかと。やっぱり一日も早く立ち直って国民の信頼を回復してもらいたい、そういう思いがあればこそこういう問題を再三再四、何か来週もあるそうですからまた取り上げてやろうと、こう考えておる次第であります。
 私、不思議でならないのは、四年前に、柏崎のあの犯人の母親が本当に困って警察を訪ねてきた。七十幾歳の、もう老婆と言ってもいい、その人が、一人で来たのでしょう、本当に困りますということで訪ねてきた。これは、プロの警察官であれば、一目瞭然、本当に困っていると、しかもこのおばあさんの背後には何か隠された事情があるらしいと、捜査官の興味というのもおのずと沸き上がってくるわけで、どうしたのでしょうかと、真剣に受けとめて聞くのが当たり前で、日本の警察官、それだからこそ国民の信頼も得てきたわけであります。
 交番に、前はよく見られたんですけれども、付近に住むおばあさんが、お巡りさん今お暇ですか、いつも大変ですねと言いながら花を生けに来る。そして、おばあさんが持参したお茶を二人で飲みながらいろんな世間話をする。そういえばあそこのうちの夫婦げんかが大変よ、何かこの前奥さんが血を流していたよ、あなた、ちょっと行って見てごらんなさい、できたら夫婦げんかの仲裁ぐらいしなさいよと。はい、わかりましたと言って出かけていく。それが日本の警察であったわけですけれども、最近の事象を見ておりますと、不思議なことに、忙しいからそんなものはやっていられない、それは保健所の問題だと、こういう警察官がいつの間に育ってきたのか本当に不思議でならない。
 そして、大事なことですけれども、こういう警察官が育ったことについては、やはり今の警察の首脳陣の責任も重かつ大だと思いますよ。やはり下の者は上を見ているわけですから、ははん、上があんなことをやっている、じゃ我々もと、こういうことになっていくわけでありまして、そこに座っておる警察庁長官の責任もまた重かつ大だと思いますし、それを指揮監督する公安委員長の責任もまた重かつ大です。
 わかっております、私は責任を感じております、しかし出処進退はそれは任命権者の決めることですと。これ、役人答弁なんですよね。どうして大臣ともいうべき方が自分の出処進退を自分で決められないのか、私は不思議でしようがない。何か一種の無責任な言い方じゃないか。上の者がやめろと言わないからやっているんだと、そんなことではないのかなと、こう思って、これまた不思議でしようがないんですよ。そういうことが実は今日の警察のこういう大変な問題を巻き起こしている一つの原因になっているのか、むしろ大きな原因になっているのかと、こういう気もいたすわけであります。
 何か警察論になりましたけれども、これは大事なことであります。我々が安心してこういう政治ができるのも、それから経済活動をやれる、教育、文化、芸術、スポーツ、これすべて警察がしっかりと秩序を守ってくれていればこそなんですね。私は、変な言い方ですけれども、世の中の基盤は警察だと、こう思っておるんですよ。だからこそしっかりと立ち直ってもらいたいと、こういう思いがあって、時間だそうでありますが、そこで私のこの話を前提として、官房長官と委員長、あわせてそこに座っておられる警察庁長官の御意見、御所見を承りたい、こう思います。
#440
○国務大臣(青木幹雄君) 今、先生のおっしゃったとおりだと私も考えております。
#441
○佐藤道夫君 ちょっとまじめに答えなさいよ。
#442
○国務大臣(保利耕輔君) 最初に、委員から長い御経歴に基づきます警察を愛する心からの御発言をいただきまして、大変感銘を受けました。
 このたびの責任の問題については、いろいろ繰り返し御答弁をさせていただいております。私がやめまして警察がすぐ立ち直っていくということならば、それはもうそれでもいいかもしれません。しかし、私は今の職にとどまって警察を督励して、そしてやっていくということが私に課せられた責任だということは、再三申し上げているとおりであります。
 私は、本当にこの議会でのお話、あるいは国民の声、そして識者の声等を十分に反映させて、今後警察の改革に向けて一層の努力をしてまいりたいと思います。今、この時点でいろいろな事件が仮に起こりましても、それを始末するのは警察でありますから、いじり回して警察がもうおかしくなってしまってはいけないという気持ちもあります。そういった気持ちもあわせ持ちながら、今後の警察の秩序維持そして治安維持能力の回復に私は全力で努めてまいりたいと思います。
#443
○政府参考人(田中節夫君) 警察の置かれた現状を厳しく認識し、また委員の貴重な御意見も踏まえつつ、国民の信頼を一日でも早く回復するよう全力で努力してまいりたいと考えております。
#444
○佐藤道夫君 以上でございますが、ちょっと官房長官の御答弁、大変私は心外に思っておりますので、このことだけはお断りさせていただきたいと思います。
#445
○委員長(倉田寛之君) 以上で佐藤道夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は来る十三日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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