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2000/03/15 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第3号
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2000/03/15 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第3号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第3号
平成十二年三月十五日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十四日
    辞任         補欠選任   
     森本 晃司君     日笠 勝之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                岡崎トミ子君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                末広まきこ君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                日笠 勝之君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                月原 茂皓君
                奥村 展三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      二階 俊博君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   政務次官
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
       北海道開発政務
       次官       米田 建三君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       国土政務次官   増田 敏男君
   政府特別補佐人
       公害等調整委員
       会委員長     川嵜 義徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁自然保護
       局長       松本 省藏君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       外務省北米局長  藤崎 一郎君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       農林水産省構造
       改善局次長    佐藤  準君
       建設大臣官房長  小川 忠男君
       建設省都市局長  山本 正堯君
       建設省河川局長  竹村公太郎君
       建設省道路局長  大石 久和君
       建設省住宅局長  那珂  正君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十二年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十二年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (総理府所管(公害等調整委員会、北海道開発
 庁、環境庁、国土庁)、運輸省所管(港湾建設
 局、気象庁、港湾整備特別会計)、建設省所管
 、総務省所管(公害等調整委員会)、国土交通
 省所管(地方運輸局、地方航空局、船員労働委
 員会、海上保安庁、海難審判庁、自動車損害賠
 償責任再保険特別会計、自動車検査登録特別会
 計及び空港整備特別会計を除く)、環境省所管
 及び住宅金融公庫)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨十四日、森本晃司君が委員を辞任され、その補欠として日笠勝之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十二年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁自然保護局長松本省藏君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、外務省北米局長藤崎一郎君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、農林水産省構造改善局次長佐藤準君、建設大臣官房長小川忠男君、建設省都市局長山本正堯君、建設省河川局長竹村公太郎君、建設省道路局長大石久和君及び建設省住宅局長那珂正君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石渡清元君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成十二年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に、住宅金融公庫総裁望月薫雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(石渡清元君) 昨十四日、予算委員会から、本日一日間、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会・北海道開発庁・環境庁及び国土庁、運輸省所管のうち港湾建設局・気象庁及び港湾整備特別会計、建設省所管、総務省所管のうち公害等調整委員会、地方運輸局・地方航空局・船員労働委員会・海上保安庁・海難審判庁・自動車損害賠償責任再保険特別会計・自動車検査登録特別会計及び空港整備特別会計を除く国土交通省所管、環境省所管、住宅金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の概要について政府から順次説明を聴取いたします。清水環境庁長官。
#8
○国務大臣(清水嘉与子君) 平成十二年度総理府所管一般会計環境庁予算案及び環境省所管一般会計予算案並びに環境保全経費等について御説明申し上げます。
 まず、平成十二年度の環境庁及び環境省関係の予算案について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十二年度総理府及び環境省所管一般会計歳出予算要求額のうち、平成十二年四月からの分として環境庁に計上いたします予算要求額、いわゆる九カ月予算分につきましては九百三十二億八千五百万円であり、また、平成十三年一月六日以降年度末までの三カ月の間環境省に計上いたします環境省所管一般会計歳出予算につきましては、現時点で総理府及び厚生省が所管し環境省に移管される施策に係る予算要求額を含めて環境省関係のいわゆる三カ月予算となりますが、その要求額は五十億四千二百万円であります。ちなみに、これらを合わせて、環境庁及び環境省の予算要求額は九百八十三億二千六百万円であります。これを平成十一年度の総理府所管一般会計環境庁予算の当初予算額八百六十億一千五百万円と比較すると、百二十三億一千百万円の増、一四・三%の伸びとなっております。
 まず、環境庁の九カ月予算要求額の主要な事項について御説明申し上げます。
 第一に、環境保全の全般にかかわります企画調整等に要する経費については、環境基本計画に盛り込まれた施策の方針を各方面に徹底していくほか、持続可能な二十一世紀の地球社会づくりに向けて、物質の循環的な利用を促進し、地球温暖化を初めとする地球環境問題への取り組みを積極的に推進するとともに、化学物質対策の強化、環境影響評価制度の充実など、基盤となる施策の一層の展開を図ることとし、これらに必要な経費として六十一億二千五百万円を計上しております。
 なお、循環型の社会づくりの具体化のための各種の調査研究、循環型社会に向けた事業者、国民、地方公共団体の取り組みに対する支援等に必要な経費につきましては、企画調整等に関する経費に加え、後に御説明申し上げますその他の各事項の中にも盛り込まれており、合わせて百五十四億七千四百万円を計上しております。
 また、去る一月十五日に施行されたダイオキシン類対策特別措置法に基づく大気、水質、土壌に係る環境基準等の維持達成等に必要な経費等のダイオキシン類関係経費やいわゆる環境ホルモン関係経費につきましても、同様に企画調整等にかかわる経費に加え、その他の各事項の中にも盛り込まれており、合わせて七十五億二千四百万円を計上しております。
 第二に、大気汚染等の防止については、低公害車普及事業、有害大気汚染物質対策等を推進することとしております。
 また、騒音、振動及び悪臭対策についても引き続き推進することとし、これらに必要な経費として二十六億一千七百万円を計上しております。
 第三に、水質汚濁の防止については、健全な水循環の回復のための取り組みを推進するとともに、海域における富栄養化対策及び水質総量規制、湖沼水質の保全、海洋環境の保全等を推進するための経費として二十六億六千八百万円を計上しております。
 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策として四億三千五百万円、各種有害物質による土壌汚染の防止及び農薬対策として二十二億六千六百万円をそれぞれ計上しております。
 第四に、環境対策の現場における取り組みの支援を行う環境事業団については、建設譲渡事業、地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援するための地球環境基金事業等の推進を図ることとし、同事業団の諸事業に対する助成等に必要な経費として六十八億九千万円を計上しております。
 第五に、環境保全に関する調査研究のための経費については、地球環境の保全、環境汚染による健康影響の解明、大気汚染、水質汚濁等の施策等に関する各種調査研究を進めることとし、合わせて百一億七百万円を計上しております。
 第六に、自然環境の保全対策については、国土のそれぞれの場所における生物多様性の保全施策を総合的に推進することとしております。また、野生生物の保護対策については、絶滅のおそれのある野生動植物の保護対策の強化を図るとともに、野生鳥獣の科学的、計画的な保護管理に関する対策を充実することとしております。これらに必要な経費として、合わせて二十八億六千四百万円を計上しております。
 次に、自然公園等の整備事業については、人と自然との豊かな触れ合いを確保するため、我が国を代表するすぐれた自然を有する国立・国定公園等における施設の整備を進めるほか、新たに人と野生鳥獣との共生環境を整備することとし、これらに必要な経費として百七十三億六千四百万円を計上しております。
 第七に、環境庁研究所については、国立環境研究所において、地球環境問題を初め環境全般にわたる研究を推進するために必要な経費として七十二億四千百万円を計上し、また、国立水俣病総合研究センターにおいて、水俣病発生地域に根差しつつ、有機水銀による公害を国内外で防ぐことに貢献し得る研究を推進するために必要な経費として五億三千九百万円を計上しております。
 第八に、公害による健康被害者の救済等については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、環境保健に関する各種調査研究を推進することとし、これらに必要な経費として百八十一億四千万円を計上するとともに、水俣病対策に係る熊本県の地方債償還に必要な経費として五十八億五千九百万円を計上しております。
 以上、環境庁の九カ月予算要求額について御説明申し上げましたが、引き続き、環境省の三カ月予算について御説明申し上げます。
 平成十三年一月六日に環境省が設置されることに伴い、地球環境問題への取り組み等、環境庁としての施策を一層強化するとともに、新たに廃棄物行政を一元的に実施し、化学物質対策を初めとする幅広い事務を関係府省と共管して実施いたします。このような環境省の責任を全うし得るよう、必要な組織、定員を確保し、体制の充実強化を図ることとしております。これらのため、いわゆる三カ月予算においては五十億四千二百万円を計上しております。
 以上、平成十二年度環境庁及び環境省関係の予算案の概要につきまして御説明申し上げました。
 次に、各省庁の平成十二年度環境保全経費等の概要について御説明申し上げます。
 まず、歳出予算について御説明申し上げます。
 地球的規模の広がりと将来の世代にわたる広がりを持つ今日の環境問題に対処するため、平成六年十二月、政府全体の環境保全施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画である環境基本計画が策定されました。
 環境保全経費につきましては、この環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から、環境基本計画に示された施策の体系に沿って取りまとめております。平成十二年度における環境保全経費の総額は三兆六百二十七億円であり、前年度の当初予算に比べ四百十四億円、一・四%の増となっております。
 これを事項別に見ますと、循環を基調とする経済社会の実現のために二兆六千八十五億円、自然と人間との共生の確保のために六千四百九十八億円、すべての主体の参加の実現のために四千六百二十九億円、共通的・基盤的施策の推進のために二兆五千三十九億円、国際的取り組みの推進のために九百三億円、その他として百七億円が計上されております。
 なお、予算によっては複数の事項に重複して計上されているものがあります。
 さらに、近年の地球環境問題に対する取り組みの重要性にかんがみ、環境保全経費とは別に環境庁において各省庁の地球環境保全関係予算を取りまとめたところでありますが、これによりますと、平成十二年度における総額は六千六百九十九億円であり、前年度の当初予算に比べ二百六十六億円、四・一%の増となっております。
 これを事項別に見ますと、国際的枠組みづくりに係る経費として八十四億円、観測・監視、調査研究に係る経費として千三百二十四億円、技術開発、普及に係る経費として四千三百七十八億円、環境協力の推進に係る経費として二百五十一億円、環境配慮に係る経費として八億円、国内の持続可能な社会の実現に向けた取り組みに係る経費として六百五十三億円となっております。
 次に、環境保全関係財政投融資は、貸付規模等において総額三兆四百九億円を予定しております。
 機関別の主な内訳としては、環境事業団が事業規模で二百四十一億円を予定しているほか、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理等の事業を推進するため、地方債計画において三兆百十六億円を予定しております。このほか、日本政策投資銀行等において、廃棄物・リサイクル対策等、所要の融資を引き続き行うこととしております。
 最後に、環境保全関係の税制改正措置について御説明申し上げます。
 まず、循環型社会の構築に向けたダイオキシン類対策の推進を図るため、公害防止用設備に係る特別償却制度及び固定資産税の課税標準の特例措置等の対象にダイオキシン類排出削減設備を追加する予定であります。
 さらに、低公害車の普及を通じた大気汚染対策等として、平成十三年排出ガス規制適合車に対する自動車取得税の軽減措置の新設等を行う予定であります。
 このほか、廃棄物・リサイクル対策等に関する所要の税制上の措置を講ずることとしております。
 以上、平成十二年度の各省庁の環境保全経費等の概要につきまして御説明申し上げました。
#9
○委員長(石渡清元君) 次に、川嵜公害等調整委員会委員長、お願いいたします。
#10
○政府特別補佐人(川嵜義徳君) 平成十二年度公害等調整委員会の歳出予算要求額について御説明申し上げます。
 当委員会の歳出予算要求額は六億一千七百万円であり、これを前年度の当初予算額六億三千七百万円と比較いたしますと、マイナス三・一%、二千万円の減額となっております。
 次に、その内訳でありますが、第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として五億八千三百万円を計上し、第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として三千四百万円を計上しております。
 以上が平成十二年度公害等調整委員会の歳出予算要求額の概要であります。
 よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
#11
○委員長(石渡清元君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 本日は、平成十二年度予算案についての委嘱審査ということで、よろしくお願い申し上げます。
 今も長官から御説明がありましたとおり、環境庁は来年の一月六日、環境省になられるということで、昨年に比べると当初予算で一四・三%の伸びの予算案になっている。これは、裏返しは、やはり国民の皆様の環境庁もしくは来年の環境省に対する大変大きな期待のあらわれだというふうに思っておりまして、私もいつも厳しいことを言うんですが、実は環境庁の応援団の一人だと自分では自負しておるんです。きょうはそういう点も踏まえてよろしくお願い申し上げます。
 私ごとで恐縮なんですが、私は、まだ議席をいただく前に、ドイツに環境の問題を視察に行きたいということで、自腹でお金をはたいてドイツに行ったことがあります。そのときに泊まっていたホテルで、バスタオルとかタオルを一日使っても連泊の場合には何回も使い直してください、もしタオルやバスタオルをかえてほしいときだけ床にタオルを落としておいてください、それ以外は水資源や洗剤を流さないことも含めて環境に対してあなたは貢献をしてくださいというメッセージがちゃんとホテルのおふろ場にありまして、私は、なるほどな、こうやってお客さん一人一人のサービスに対しても環境というメッセージを与えることによってみんなが気づいていく、そういう積み重ねによって循環型社会ができるんだなということを非常に痛切に感じた経験がございます。
 このたび、与党三党でいわゆる循環社会基本法を出すという政策合意をされて、現在、各省庁間で法案作成作業を進められているというふうに伺っておるんですが、決して僕は悪いことではないと思っていますし、逆に日本での動きが余りに遅過ぎたと思っているぐらいなんですけれども、ただ、現実にその法案作成の中身とか内容とかが余り表に伝わってこない部分があって、いろんなNGOやNPO、市民グループの皆さん、そして私たちも、一体どういう具体的な循環型社会を目指しているのかと。
 ドイツは同様の法案がもう既に九四年にできているんですが、それは循環経済法という名前になっておりまして、やはり経済的な仕組みとともに、先ほど申し上げた国民の意識の徹底も含めて大変いい仕組みができている。
 今回、この法律を制定される意義を長官はどのようにお考えなのか。また、どういった背景でこういう循環型社会という法案を出そうという動きになってきたのかをまず冒頭お教えいただければと思います。
#13
○国務大臣(清水嘉与子君) 非常に環境問題にお詳しい先生からの御質問でございます。
 御指摘のように、今、日本の国で、これまでのような大量に生産し、大量に使い、そして大量に捨てていたような経済社会の仕組みを変えなきゃいけないという意識が随分広がってきていることも事実でございます。
 環境庁におきまして、かねてから中央環境審議会等におきましてもこのことをずっと研究してきて答申も出ているわけでございます。ちょうどこの内閣が発足いたしますときにも、三党合意の中でこの循環型社会、平成十二年を循環型社会元年として必要な法制をまとめるようにという方向が出たわけでございますけれども、私たちが持っている問題意識をやはりこの機会に法案としてまとめたいということで今作業をしているわけでございます。
 その制定の意義とか内容にちょっと触れたいと思いますけれども、今申し上げたような、これまでの経済社会の仕組みを、やはり物質の効率的な利用だとかリサイクルを進めて途切れのない物質循環の輪をどうしてもつくりたいという意識が強いということ、それから、廃棄物・リサイクル対策を中心にいたしまして、施策の総合的、計画的な推進を図るということがやっぱり急務だというふうに考えております。
 具体的には、今環境庁が考えております、そして政府の中で取りまとめております中心的な考え方は、循環型社会の構築に関する基本理念を明らかにすること、それから国、地方公共団体、事業者、国民の責務を明確にすること、あるいは計画の策定とそのフォローアップをすること、国が講じようとする施策を明らかにするということをいたしまして、そして今の循環型社会の構築に関する基本的な枠組み法案をつくろうということでございます。
 他方におきまして、各関係省庁におきまして廃棄物あるいはリサイクル関係法案が幾つか考えられているわけでございますが、そういうものと一体として循環型社会の構築に向けた取り組みを実効的に推進すること、そういうことを可能とするような法案をつくりたいと考えているところでございます。
#14
○福山哲郎君 今の御説明も、理念としてはよく私もわかります。長官のおっしゃりたいことも理解をしているつもりですが、そうすると、今のお話ですと環境基本法と一体どこが違うのか。
 その大枠の枠組みならば、わざわざ慌ててこの循環型社会基本法を本当に今すぐに、まだ国民もこういう準備が進められていることを知らない方が多分多いと思いますし、先ほど申し上げましたように、ドイツは随分時間をかけてこの循環経済法というのをつくり上げた経緯があります。私は作業されることに関しては先ほども申し上げましたように全然否定はしておりません。しかし、やっぱりもう少し国民の意見を聞くなりパブリックコメントを広く集めるなり、製造者責任等を明確にするなりという前提の中でこの法案の策定というのは実は慎重にやっていただきたいなというふうに思っております。
 個別の法案の中身については、まだ出ているわけではございませんし、今日は詳しくお尋ねする気も毛頭ないんですが、ただ、この間お伺いをした長官の所信においても、循環型社会の実現のために草の根活動等に対する支援の充実強化を図っていくと述べられているわけです。
 実は、私、NGOや市民グループにとどまらず、これからの社会が循環型になっていくためには、多分、問題意識のあるNGOやNPOではなくて、本当に環境ってどうなんだろうと思っているような国民に対してきちっとメッセージを伝えないと、法律をつくっても、仏つくって魂入れずではないですが、枠組みだけできてもなかなか循環型社会にはならないと。そのために、今回いろんな方が法制化の動きについて、気がついたら何やら法律がつくられている、情報も来ないし意見もなかなか聞かれないと。それは、自分たちが知らされなかったとかいう狭い了見の話ではなくて、私はもっともっとこの問題に関しては国民に広く意見を聞いて意識を高めていかないと現実に長官の言われている目的が達成できないというふうに思っているわけです。
 そういった意味で、今の事態についてどのようにお考えなのかということと、この循環社会基本法について、その策定過程、プロセスについて何らかの形で今お考えになられていることがあるかということをちょっとお伺いしたいんです。
#15
○国務大臣(清水嘉与子君) まず、先生は、環境基本法があるじゃないかと環境基本法のことをおっしゃいましたけれども、環境基本法は、確かに環境の保全に関するすべての施策分野を対象に環境基本計画、これにおきまして環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱を定めることとされているわけでございまして、長期的な視野に立った着実な取り組みが求められております。
 当然そうでございますけれども、今考えております仮称でございます循環型社会基本法、これは、これとは別に、社会におきます今緊急な問題でございます物質循環の確保、そして環境負荷の低減を図るという観点から新たな法律をつくりたいというふうに考えているわけでございます。
 ただ、先生は、少し拙速じゃないか、国民の意見を聞いていないんじゃないかという御意見でございますけれども、先ほどこの内閣発足に当たりまして三党合意でその法案の提出のことが求められたということを申しましたけれども、決して国民の皆様方は循環型社会というのを初めてここで取り組んだというふうには受けとめていらっしゃらないんじゃないかというふうに思います。
 ここに至るまで、先ほどちょっと環境庁の取り組みも申しましたけれども、実は平成八年十一月に、中央環境審議会に対しまして「廃棄物に係る環境負荷低減対策の在り方について」ということを諮問いたしました。
 そして、この諮問に対しまして審議会が非常に慎重に御審議いただきまして、平成十年七月には総合的、体系的な廃棄物・リサイクル対策の基本的な考え方のたたき台を取りまとめていただきました。そして、このたたき台をもとに、全国的な活動を行っております団体からのヒアリング、あるいは全国を三ブロックに分けましたヒアリングでありますとか、あるいは電話、郵便、ファクス、電子メールによる意見公募を行ったわけなんです。かなり多くの方々から御意見も聴取しているわけでございまして、そして平成十一年三月には「総合的体系的な廃棄物・リサイクル対策の基本的考え方に関するとりまとめ」を公表したところでございます。
 実は、今の検討されています法案の議論の背景にはこういうことがありまして、こういう御専門の皆様方の御意見あるいは国民の御意見も十分踏まえたものとして法案の作成に当たっているということを御理解いただきたいというふうに思います。
 いずれにいたしましても、政府といたしましては、やっぱり喫緊の課題でございます廃棄物・リサイクル対策推進に向けまして政府・与党一体となってできるだけ早く成案を得たいということで作業をしているところでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#16
○福山哲郎君 ということは、今国会の上程を前提とした法案策定作業で、法案が出てくるということは今の段階では変わらないというふうに受けとめてよろしいわけですね。
#17
○国務大臣(清水嘉与子君) そういう方向で努力しております。
#18
○福山哲郎君 では、別の問題に移らせていただきます。
 長官も御承知のように、昨日も建設省に対して我が党の岡崎委員の方から吉野川の住民投票について質疑がございました。
 ことしの一月二十三日、可動堰に対する住民投票が行われたわけでございます。この住民投票についてはもう委員の先生方、長官もよくよく御存じだと思いますので、余り繰り返す気はございませんが、何とか五〇%の投票率というのをクリアして、可動堰の建設反対が九〇%を超えたということなんですが、これは建設省がよく注目されているんですけれども、現実には、今住民投票というのは全国で条例制定の要求が三十四連敗をしておりまして、ほとんど各地方議会で否決をされている。そして、この問題については、いろんなイシューがございますが、実は環境庁にかかわる、地域の環境にかかわるものが大変多いというふうに私は伺っておりまして、今回は吉野川の可動堰だということで建設省ばかりがどちらかというと注目を浴びましたけれども、今のこういった状況に対して、まず一問目は、吉野川の住民投票の結果について長官御自身はどのように御判断をされているのか、お伺いをしたいと思います。
#19
○国務大臣(清水嘉与子君) 吉野川について環境庁から考えましても、ここは渡り鳥の飛来地でもあります干潟を河口部に持っているというようなことで、良好な環境を有している河川だというふうに了解しております。
 この一月の徳島市におきます住民投票、この関係地域でございます徳島市の住民の方々のこの問題に対する関心の高まりがあらわれたものというふうに私は了解しております。
 こうした国が公共的利益のためにある特定のところの住民の方に犠牲を強いるというようなことに対して住民の方々が意見を述べる一つの方策かと思いますけれども、一面におきましてもっと広い国民の利益ということもあるわけでございますので、この問題に関しては建設省が、やはりこれだけの住民の方々の意見でございますので、十分引き続き御理解をいただくような努力をするべきではないかというふうに思っているわけでございます。
 建設省におきましても、この結果については十分御理解を得るような努力をするというふうに言っておられるわけでございますので、ぜひそういった議論が進むことを期待しているところでございます。
#20
○福山哲郎君 長官としては言いにくいことでしょうが、吉野川の住民投票については、国民の理解、徳島の住民の皆さんの理解を得るように建設省に努力をしてほしいというふうな御意見だというふうに受けとめてよろしいわけですね。
#21
○国務大臣(清水嘉与子君) そういうことでございます。
#22
○福山哲郎君 では、次にその住民投票についてなんです。
 今、吉野川の話をお伺いしたんですが、中山建設大臣の民主主義の誤作動だという話がございました。私もいつかどこかで中山大臣にこのことをお伺いしたいと思っているんですが、現実には、あれは間接民主主義によって選ばれた市議会の構成員の皆様の多数決によってあの条例案は、修正をされましたけれども、結果として徳島市議会で可決をされてやることが決まったわけです。
 そこを経て住民投票が行われたわけで、よく間接民主主義の誤作動だとか、間接民主主義を冒涜するものだという議論がありますが、私は、憲法上の手続も含めて、しっかりと間接民主主義の手続を経た上であの住民投票はされたというふうに思っています。もっと極端な話でいえば、その直前の市議会議員選挙に当選した議員がその条例案を出したということも含めて、私はあれを間接民主主義の誤作動だと言うことは非常に乱暴な議論だなというふうに思っているんです。
 長官御自身の御意見で結構でございます、これは環境庁の意見というのは出しようがないと思いますので。長官御自身として住民投票についてどのように御見解をお持ちなのか。環境庁というのは、環境省になれば恐らくこれからこういった問題が出てくるときにいろんなところで矢面に立たされると思いますので、長官の御意見をお聞かせいただければと思います。
#23
○国務大臣(清水嘉与子君) 先ほど申しましたように、私は、住民投票というやり方に対しては、やはり住民の方々の御意見が直接反映できる一つの方法であるというふうにもちろん理解をしているわけでございますけれども、ただ、どういう事項に対してそういうことが有効であるのかどうかということは問題があるだろうと思います。
 そういう意味では、さっきも申しましたけれども、公共的な事業に対しての問題あるいは公共的な利益のために決することに対しての御意見が特定のところで決められる、御意見をどこまで反映できるかということは、やはりたくさんの問題があるんじゃないかというふうに思います。
 ただ、吉野川のときでも出されましたけれども、こういった個別の御意見を十分反映しながら政策を進めていくということは当然のことでございますから、それはそれなりの意見を反映させなきゃいけないだろうというふうに思っておりますけれども、現実問題としては、一体どういう問題、事項が住民投票になじむかという選択等の問題についてもこれから十分検討されなきゃいけない問題ではないかというふうに思っております。
#24
○福山哲郎君 環境庁の中で住民投票について今、長官は検討していかなければいけない問題だというふうにおっしゃられましたが、今後、住民投票についていろんな検討なり議論なりを積み重ねていく御予定はございますか。
#25
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、先生の突然のお尋ねなんですけれども、特に今環境庁の中でそういうことについて検討しようという体制をつくっているわけではございませんけれども、一つの問題提起として受けとめていきたいというふうに思います。
#26
○福山哲郎君 私も、今議席をいただいている議会人として、間接民主主義を否定する気も毛頭ございませんし、直接民主主義、住民投票が一〇〇%正しい選択をされるというふうに思っているわけでもありません。
 ただ、今余りにも地方議会と住民の意見の乖離や国の政策とたまたまそこの地域の住民との政策判断の乖離がある中で、私は補完的な装置としての住民投票というのは大変実は重要ではないかと。それは行政や議会人や住民、国民のお互いが緊張関係を持つために実は大変重要な装置だというふうに思っております。
 できれば政務次官にも、住民投票についてどのようにお考えなのか、御意見をお披瀝いただければというふうに思います。
#27
○政務次官(柳本卓治君) 個人的に発言をさせていただきますが、住民投票というのは憲法上、法律上、肯定も否定もされておらない状況でございますが、重要な判断材料といたしまして、法的な拘束力を持つものではございませんけれども、実施をなされたところでございます。
 この問題は、地元の行政が住民の要望を受けて住民投票を行ってあのような圧倒的な投票結果が出たということ、これは国政にある政治家として厳粛に受けとめる必要があると考えております。
 というのも、建設行政のみならず、ある重要案件を計画立案して実施する際、地元住民に対して説明責任というものが必ずあるわけであります。これまでは、よらしむべし知らしむべからずというような傾向があったと否定できないところがあると思います。これはややもすれば閉鎖的、一方通行であったとも言われておりますが、事前にきちんと情報開示を行って、そして関係住民に対して説明責任を果たすことが行政として一番大事なことだと考えております。しかし、住民の方も理性的、建設的な議論に参画していくことが大切であるようにも考えております。
 いやしくも行政を担う立場といたしまして、このような問題に対し、住民投票によってしか意見表明ができないような状況をつくらないように政治家として努力をしていきたい、かように考えております。
#28
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 もう余りこれもしつこくは突っ込みません。
 続きまして、別の問題に行きたいと思います。
 前回の臨時国会でも長官とちょっと質疑をさせていただいたんですが、例の温暖化防止の六%削減について、地球サミット、いわゆるリオ・プラス10、リオ・サミットから十年の開催の予定が二〇〇二年ということで、大変重要な地球サミットがもう目の前にやってまいりました。
 この地球サミット、リオ・プラス10をどこで開催するかという問題がことし国連で議論されていくというふうに思うんですが、実は私の地元の京都ではCOP3が御案内のように開催をされました。それで、京都の中では環境問題について京都市民、京都府民の関心が大変高まった。ことしのお正月の経済四団体の賀詞交換会で、商工会議所の稲盛会頭が、ぜひこのリオ・プラス10を京都でやりたいというような御意見の表明がありました。京都市もそれをやりたいというふうに思っておりまして、私も地元の議員としては、京都でCOP3もありましたし、このリオ・プラス10があれば大変京都としてはいいなと思うんです。
 反面、環境問題に関心を持っている議員としては、私としては日本ばかりでやるのもどうかなと。逆に言うと、途上国でやることによってこの温室ガス効果について途上国にも一歩中に入ってもらう。要は、先進国の議論だけではなくて途上国についても一歩中へ入っていただくということで、例えば途上国でやる。これからの環境問題に対して非常にキーになる十数億という人口のいる中国、あそこの環境問題というのは恐らく世界でこれから大変な影響力がいい意味でも悪い意味でも出てくる。そうすると、こういう問題について前向きに進んでもらうために中国あたりでやる方がよりいいのではないか。私個人としてはいろんな考えがあるんですけれども、ただ、京都でやるのも悪くはないなというふうに思っております。
 今、環境庁としては、このリオ・プラス10について、開催地域についてはどのような見解をお持ちなのか、また開催地の選定についてはどういった状況なのか、お教えいただければと思います。
#29
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、二〇〇二年に予定されておりますリオ・プラス10、二十一世紀最初の地球規模の環境会議でもございますし、その成功というのは世界の環境政策の飛躍にとっては非常に重要であるというふうに認識しております。
 最初の会議についての検討というのは、リオ・プラス10のあり方につきましては、本年四月の国連持続可能な開発委員会第八回会合におきまして最初の議論が行われるというふうに伺っておりますけれども、私といたしましては、やはりこの問題に非常に関心を持っておりまして、各国の環境大臣などの意見も伺うことが大事だというふうに考えております。
 ちょうど、先月でございますけれども、二月二十六、二十七と北京で日中韓の環境大臣会議がございました。そこで中国、韓国の大臣にその開催の場所等につきましてもお尋ねしたわけですけれども、中国の解振華国家環境保護総局長からは、アジア地域の開催について大変関心がある、そしてリオ・プラス10への積極的な参加の準備をしている、今後も日本あるいは韓国と十分議論していきたいというようなお答えをいただきました。韓国の金明子環境部長官も、リオ・プラス10のアジア開催には非常に意義深いものがあるという御意見でございました。もちろん、私の方からアジア開催についていかがかということに対しての御意見でございますけれども、そんなことでございます。
 そのほか、その問題について、まだ十分なあれじゃないかもしれませんけれども、幾つかのところでお話し合いがされているようでございますが、先生おっしゃるように、途上国での開催に意義を求める方も随分いらっしゃるように伺っております。
 私といたしましては、リオ・プラス10につきましては、どのようなテーマを取り上げ、どこで開催されるかということにつきまして、これからまた四月にはG8の会議もございますし、いろいろなところもございますので、いろいろ各国とも意見を交換しながら政府としての対応を固めていきたいというふうに考えているところでございます。
#30
○福山哲郎君 中国と韓国の環境大臣は大変アジアでの開催に関心があると。長官御自身はいかがですか。
#31
○国務大臣(清水嘉与子君) 今申しましたように、私もアジア開催について関心があるということでお二人の御意見を伺ったところそういう御返事が返ってまいりましたということを申し上げました。
#32
○福山哲郎君 現実にはどういう段取りで開催地というのは決まっていくんでしょうか。
#33
○国務大臣(清水嘉与子君) まず、開催場所の検討の手順でございますけれども、四月二十四日から五月五日まで国連の持続可能な開発委員会第八回会合というのがございます。そこで最初の議論が行われるのではないかというふうに思っております。次には秋に開かれます第五十五回の国連総会でございまして、ここで具体的な開催場所については討議、決定される見込みというふうに考えております。
#34
○福山哲郎君 ありがとうございます。非常に私も複雑なのですが、京都でやりたいという気持ちもありますので、ぜひまたお力をおかしいただければというふうに思います。
 それで、もう時間もなくて、あっという間に時間がたってしまって予定の質問がほとんどできていないんですが、二〇〇二年にそのリオ・プラス10でいわゆる京都議定書を発効させるというお話がありまして、我が国としては、これも昨年ちょっとお伺いをしたんですが、その二〇〇二年までにやはり批准をしておかなければいけないだろうという議論がございまして、二〇〇二年批准の見通しについて長官の御意見をいただければと思います。
#35
○国務大臣(清水嘉与子君) 前回のときにも先生から御質問いただきましたけれども、我が国が京都でCOP3をやったということもありまして、二〇〇二年までには京都の議定書を発効させようということを昨年のボンでもそういうふうに表明したわけでございます。そのためには、ことしの十一月に開かれますCOP6での各国の議定書締結の引き金となります合意を確実に取りつけるということがどうしても大事になってくるわけでございます。とりわけ、京都メカニズム、遵守、吸収源等につきまして明確な決定が行われなければならないということでございます。
 こうしたCOP6の結果も踏まえまして、地球温暖化対策推進法に基づきます国内対策の一層の充実を図るとともに、さらに二〇〇二年までの議定書の締結を目指して総合的な国内体制を整えていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
#36
○福山哲郎君 またこの質問の続きはゆっくりやらさせていただきます。
 最後に一つだけ。今の批准の見通し、何とかしたいという長官のお言葉なんですが、その前提となる原発の問題について、十日ですか、小渕総理並びに深谷通産大臣がこれまでの二十基の増設計画については疑問で見直さなければいけないという発言をされました。これはもう大変根本的な我が国のエネルギー政策に対する転換というか、これまでの前提を変化させることになります。
 この中身また詳細はいろいろこれからお伺いをしていきますが、そういった発言に対する現状の環境庁の見解をお聞かせいただけますでしょうか。
#37
○国務大臣(清水嘉与子君) この原発、原発と言わずに現在の長期エネルギーの需給見通し策をこれから見直しするということでございまして、この原発がどういうふうになるかはこれからの問題だというふうに思いますけれども、特に原発についてのお尋ねでございますので、今の段階では、この京都議定書の六%削減目標を達成するためには今この原子力立地の推進というのがやっぱり大きくこの中に入っているわけでございます。ですけれども、今見直しがされるとすれば、それはこれからの六%にもいろいろ影響が出てくるのは当然のことでございます。
 現在、中央環境審議会におきまして環境基本計画の見直しをしておりますけれども、そういう作業の一環といたしまして、通産省からのヒアリングだとかエネルギー分野の有識者と意見交換をする予定でございますので、こういったところから、エネルギー政策の観点も踏まえ、この温暖化対策のあり方を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#38
○福山哲郎君 今、長官の六%の削減計画についても影響が出てくるかもしれないというお言葉は、実は大変重要なお言葉だというふうに受けとめさせていただきまして、きょうのところはこれで質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#39
○高野博師君 前回の長官の所信表明と今回の所信表明の中で若干違うところがありますので、ちょっとお伺いをしたいと思うんです。
 前回の所信の中で、地球環境問題とかあるいは廃棄物の問題、さまざまな環境問題は、いずれも大量生産、大量消費、大量廃棄という社会のあり方に根差している、その根本的な解決のためには、我が国の社会自体のあり方を見直して最適生産、最適消費、最少廃棄を内容とする循環型社会を構築していくことが二十一世紀を迎える我が国のみならず世界にとっても必要でありますと、こう言われたんです。今回、ほとんど同じ文章なんですが、最適生産、最適消費、最少廃棄という言葉はなくなっておりますが、これはどうしてでしょうか。
 前回、私がこの問題を取り上げたのは、削れという意味では全然なくて、非常に重要な概念だからそれを目指すというのは非常に意味があると、こういう意味で質問をしたんですが、消えた理由をちょっとお聞かせください。
#40
○国務大臣(清水嘉与子君) 今の先生の御質問でございますけれども、前回は確かに最適生産、最適消費、最少廃棄という考え方を申し上げました。そして、循環を基調として持続的に発展することができる社会のために経済のあり方をどのようにしていく必要があるかということで、象徴的にそういう表現をいたしたわけでございまして、循環型社会の構築の方向を示したわけでございますけれども、今回の所信、たまたまそういう言葉でなくて、もう少しわかりやすいかなという感じで、「環境への負荷が少なく、かつ豊かな暮らしを確保することができる循環型の社会」というふうに述べたのですけれども、考えている趣旨は全然変わった内容ではございません。前申し上げたことと同じことを考えているわけでございます。
 いずれにいたしましても、こうした考え方は、循環型社会を構築していく上で非常に重要な考え方で、先生の御指摘もありますけれども、今国会に提出するべく検討作業を進めております循環型社会の構築に関する基本的枠組み法の制定及び同法に基づきます個別の措置を通じましてそのような社会が実現されるように環境庁としても努めてまいりたいということでございまして、特に他意があってこれを消したわけでは全然ございませんので、御理解いただきたいと思います。
#41
○高野博師君 所信というのは非常に重いものだと思うんです。今回の所信とは考え方は相当違っているのかなという気はいたします。前回も言いましたように、特に最適化、オプティマイゼーションというのは、具体的な定量を設定する必要があるという点ではもう全然違うことだと思うんです。それはそれとしまして、こういう考え方が基本にあるということであれば、それは結構だと思います。
 それでは、違う質問ですが、これは国立環境研究所、茨城県のつくば市にあるこの研究所がディーゼル排気ガスに関する研究調査、この報告書をまとめる際に、環境庁がこの調査報告書の中身について百カ所近くも削減ないしは修正を求めたというような報道がありますが、これは事実でしょうか。
#42
○政府参考人(廣瀬省君) お答えいたします。
 先生の御指摘の特別研究の成果報告書は、環境庁の組織として研究成果をまとめるものであるために環境庁内で意見照会をされたものでございます。このときに、考え方は、事実関係の誤認等について質問、意見を提出しまして必要な調整を図ったものであって、研究によって得られたデータなど報告書の内容そのものについて変更を求めたものではございません。
#43
○高野博師君 それでは、お伺いしますが、この研究は、日本でもディーゼル排気ガスと健康影響の関係では国内第一人者と言われている嵯峨井勝氏が中心になってやった研究ですが、その中で、粒子状物質の中のダイオキシン量を測定したときに、全国の自動車からの年間排出量、これは約十七グラムだと推定しているんですが、環境庁の別の調査では二グラムだと。ダイオキシンというのは一グラムで数万人の致死量があると言われているんですが、全国のこの排気量が二グラムと十七グラム、こんなにも違うものかどうか、これはどうでしょうか。
#44
○政府参考人(廣瀬省君) お答えいたします。
 この研究発表は、最初に、まとまる前の段階で嵯峨井先生は科学雑誌に具体的に英文で発表してございます。そのことについても報道されてございます。
 そして、別な形で動いてきましたのは、ダイオキシンの法律にかかわるときに重要なダイオキシンの排出インベントリーというのを別な委員会で検討してございました。これを六月にやってございまして、このときにこのデータを提出しなきゃいけない状況に私の方がございました。
 そのときの内容として一番重要視したことは、この研究の試料が何年にとられたかというのが一番気になってございました。つまり、どうしてそう気になるかと申しますと、ガソリンにかかわる、燃料にかかわる部分で一つの重要な変更がございました、六十三年ごろにだと思いましたが。鉛の入ったガソリンがございました。この鉛の入っている場合には塩素をかなり使う形になりますので、そうなりますとダイオキシンの排出量が変わってきます。この試料がいつ出たかというのは、この論文の中に詳しく記載されてございませんでした。私の方としては、この論文を具体的に排出インベントリーの専門家のところに提出するためには、何年にとられた試料をもとにして推計したものかということをぜひ知りたかったわけです。
 ですから、そこの間では私たち環境庁と研究所の間にはややあつれきがあったかと思っています。私たちが訂正を求めたときにはもう英文の論文は雑誌の方に提出してあったわけでございます。そういうことがあっていろいろあったかと思ってはおりますが、そういう意味よりも、ダイオキシンの対策を今後どうするかということに対して重要なものであったというふうに思っておりますので、そのようにしてございます。
 そして、先生の御指摘のとおり、この問題について試料提出の時期を本人と確認したんですが、この間にいろいろとやりとりもございました。詳しく調べましたら、昭和五十八年の試料を使ってということですから、六十三年のときの燃料が変わったときの関係からすると、今ダイオキシンがどのくらい出ているかということをインベントリーとして考えていくときには、それが資料に役立つか役立たないかという議論がございますが、そのために、この専門委員会に私の方はしっかりした資料を提出して議論していただくということになってございまして、このときには、平成十一年六月十四日の第七回ダイオキシン排出抑制対策検討会にこの資料を提出してございます。この論文について詳しく私の方は説明を求められました、各委員から。そして、昭和五十八年の試料であって、六十三年の鉛の規制ができる前のものであるということを含めたときに先生方の具体的議論をしてございまして、この議論は議事録としてここに公開してございます。それから、この論文を採用するか採用しないかに関しても、排出インベントリー関係ではきちっと報告をしようとしてつくられてございます。そういう状況の中にあっての問題としてとらえていたわけでございます。
 私の方は二つの問題を抱えながら動いていた。ですから、先生に圧力を加えるとかそういうことではなくて、あくまでも事実をきちっと知りたいということの問題、それから局長としての責任は、排出インベントリーの研究会の方に正確なデータを出し議論に供することができるという。それからもう一つ気になることがございましたのは、研究者のしっかりした自主独立性をどう保つかということ、自由な研究ということをどう保つかということですが、そこについて圧力を加えるような雰囲気ではなくて、私の方としてはあくまでも試料採取時期をお願いしたということでございます。
 長く説明しましたが、申しわけありません。
#45
○高野博師君 私は圧力を加えた云々ということは一言も言っておりませんで、圧力を加えたんでしょうか。
 今のお話の中で、昭和五十八年の資料を使っているということですが、この研究そのものは一九九三年から九七年にかけてやった研究を集大成したものでありますから、ガソリンの中身が変更になったのはその前であります。
 そこで、この報告書というのは、九三年から九七年にかけてマウスに排気ガスを吸わせて、ディーゼル排気の微粒子がぜんそくを起こしたり、あるいは生殖機能に影響を与えたりすることを明らかにした、こういうことですから、あなたが言っていることは全然違うんじゃないでしょうか。
#46
○政府参考人(廣瀬省君) マウスに関する研究は、具体的に現実のものを使ってマウスに吸わせた形で行っております。
 ですから、研究にかかわる部分の中身の中に先ほど申したダイオキシンの排出量を推定する部分としてだけの計算の部分が出ている。ですから、現実のやつを使って、現実の試料を、要するに最近の試料を使って行ったものかどうかということの確認の中で出てきたのが五十八年の試料で、それが自動車のダイオキシンの排出量に使われていたということがわかったということでございます。
 動物実験の方は、具体的には現実の今の排気ガスを使って実験をしてきたことは事実でございます。
#47
○高野博師君 どうもよくわかりません。
 それじゃ、この研究の報告書そのものは全く修正なしで出るということでしょうか、英文は出ていると言っていましたが。
#48
○政府参考人(廣瀬省君) 研究者の具体的な報告についてはそのまま英文で出ておりますが、環境庁の報告書として出た部分については、修正された部分がついて出てまいります。
 具体的には、修正という部分については本人に意見を申し上げて、本人がそれを納得した部分だけが修正される形、本人が学問上納得できないものについては修正は加えられません。つまり、意見は言いますが、こういう理由でこういう修正の可能性はあるのではないかという示唆をしていくわけですから、あくまでもそこは議論される形になります。本人、研究者が納得しない場合は修正されません。
 ただ、ダイオキシンの量のところは修正されました。ということは、先ほど言った事実に基づいて計算をしていく中で、それがきちっとお互いに了解されたがゆえに修正されている部分でございます。修正されたというのは、最初の研究論文では十七グラムがございましたが、それが研究報告書の中では十八グラムと量が多くなってございます。それは計算方法との関係でございます。そして、あくまでもその試料は昭和五十八年の試料に基づくという形の中で記載されてございます。そこは修正されてございます。
#49
○高野博師君 その五十八年の資料を使ったというところが私は理解できませんので、その資料を後で見せてください。いいですか。
#50
○政府参考人(廣瀬省君) 五十八年の試料というのは、別な形でたまたまとっていた試料だったわけです。それが保存されていたわけです。瓶の中に詰まって試料として別な形で残っていました。その試料を測定器にかけてダイオキシン量をはかりました。それがそのまま論文として載りましたという形でございます。
#51
○高野博師君 いや、ですから、その資料を見せてくださいと言っているんですよ。
#52
○政府参考人(廣瀬省君) わかりました。
#53
○高野博師君 余り追及するつもりはないんです。明確に答えてくれればさっさと終わるんです。
 要するに、かなり修正を加えたということなんですが、ある研究者あるいは研究機関がその独自の方法によってある時期にある場所で研究をすれば、環境庁がやった別な研究と違う結果が出てきてもそれは何ら不思議じゃない、あり得ることだと思うんです。ですから、この国立環境研究所がやった研究報告書はきちんと出せばいいと思うんです、そのまま。特にダイオキシンの問題は、全国でどのぐらい出ているのかというのが二グラムと十八グラム、十七グラムですか、こんなに違うのであれば、それは相当おかしいのではないかと常識的に考えられるわけですね。そこはどうでしょうか、長官。
#54
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、局長と先生との質疑のやりとりを伺っていたわけですけれども、おっしゃるように、今までは環境庁が環境庁としての報告を出すために研究者といろいろ意見を交わしながらまとめていたということでございますけれども、やはり研究者が高い自律性、透明性のもとに引き続き質の高い研究を推進していくということは大事なことでございますし、特にこの研究所はかなりレベルの高い研究所だと私も認識しているわけでございます。その結果をどういうふうに行政の上に利用できるかということについてはまた別の観点があろうかと思いますけれども、そういった点で、そのものについてはやはりきちんとすべきでないかというふうに思います。
 特に今回は、これから独立行政法人化されます研究所でございます。研究所が主体となって実施した研究成果報告書のまとめに際しましては研究所の責任で行うことを基本といたしまして、その独立性を尊重してまいりたいというふうに思います。
#55
○高野博師君 ありがとうございます。
 それでは、最後に一つだけ長官にお伺いしたいと思うんです。
 先ほどもちょっと原子力発電の関係でお話がありましたが、地球温暖化の問題あるいは廃棄物問題、いろんなさまざまな環境問題は結局はエネルギー問題に帰着するだろうと、そう思うんです。そこで、化石燃料を使う、あるいは原子力発電、これを使っていくということで、やはりどれだけクリーンなエネルギーをこれから利用していくかということが非常に重要ではないかと思うんです。
 原子力発電については、北欧あるいはドイツとかヨーロッパの国では原子力発電に依存しないような方向に今あるんですが、日本は依然として原子力発電に依存している、あるいはこれからまだ依存していくような方向にあるということを私は懸念しているんです。これからもっと新しいエネルギーの開発、特に燃料電池あるいは磁力発電とかいろんなことが考えられますが、自然エネルギーも含めて、そこに相当日本としては力を入れていく必要があるのではないか。
 原子力発電については、廃棄物の問題、その放射性廃棄物の半減期が何万年という長い期間かかるということも含めて、これは人類にとってもやはりこの発電に依存すべきではないと、将来的には。しかし、今すぐ原子力発電をやめるというわけには日本の場合はいかない。しかし、いずれにしても、そういう依存しないような体質、経済構造あるいはエネルギー構造にしていく必要があるのではないかと思うんですが、長官御自身はどういうお考えかお聞かせください。
#56
○国務大臣(清水嘉与子君) 今先生おっしゃいますように、原子力が今、日本のエネルギーの中で非常に大きな位置を占めていることは事実でございますし、今これをすぐにチェンジすることは難しいというふうに思います。しかし、いろいろな問題があって、国民の皆様方に原子力の安全性についてもっと御理解をいただく、また安全性の確保をきちんとしなければいけないということは事実でございます。
 一方におきまして、先生御指摘のように、二酸化炭素の排出を伴わないような太陽光でありますとか風力といったような自然エネルギーの活用を図る、これはもう大事なことだというふうに思います。
 平成十一年の四月に閣議決定されました地球温暖化対策に関する基本方針に基づきまして、政府におきましても太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギー等の自然エネルギーの開発、導入を積極的に推進しているところでございます。
 また、これに関しては議員連盟もできているというふうに伺っておりますけれども、ぜひそちらの活動も注目してまいりたいというふうに考えております。
#57
○高野博師君 ありがとうございました。
 終わります。
#58
○緒方靖夫君 私は、神奈川県厚木基地に隣接する産廃処理施設のエンバイロテック、旧神環保ですけれども、その問題をめぐって質問したいと思います。
 汚染の実態と調査、日米関係、対策、業者の問題など幾つかの側面に関連してこれまで質問してまいりました。米軍についていろいろ言われておりますけれども、私は、この根本問題というのは、被害が広範囲に及んで近隣の住民、工業団地、農家から何とかしてほしいという悲鳴が上がっている、ここに非常に大きな問題があると思います。農産物の調査も行われ始めました。この解決は日本の環境問題の対策の質、水準が試されている問題だと思いますけれども、その立場から今日の新しい問題について伺いたいと思います。
 日米間の首脳あるいは閣僚間で議論される懸案にもなっておりますけれども、ちょうど本日、コーエン国防長官が来日し、あす厚木基地のその現場を視察する、そしてまた会談では重要なテーマになると言われておりますけれども、その点についていかがですか。
#59
○政府参考人(藤崎一郎君) お答えいたします。
 神環保問題に関する日米間の主なやりとりでございますが、昨年五月三日の日米首脳会談におきまして、クリントン大統領から問題が提起されまして、小渕総理から、問題の解決のため全力を尽くしたいという趣旨の発言をいたしたわけでございます。
 その後、十一月三十日に行われました日米外相会談におきまして、やはりオルブライト国務長官の方から河野外務大臣に対して提起がございまして、河野外務大臣から、自分も関与して実効を上げるべく努力するということを述べたわけでございます。
 さらに本年、これは私どもではございませんけれども、一月五日に瓦防衛庁長官とコーエン国防長官の会談におきましても本件が提起されまして、瓦長官の方から、日本政府として事態を改善するために全力を挙げて取り組む方針に変わりはないという説明をいたしたということでございます。
 加えまして、本年二月にタルボット国務副長官が訪日いたしました際、タルボット副長官から、クリントン大統領も可及的速やかな解決を強く望んでいるということを述べられまして、小渕総理から、御指摘の問題については一日も早く解決するよう努力中であるということを述べた次第でございます。
 今政府といたしまして、関係省庁協議の上、本問題をめぐる事態が解決されるように努力中ということでございます。
#60
○緒方靖夫君 その経過を聞きましても、日米間で非常に大きな問題になっている、そのレベルで話されているということがよくわかりました。
 コーエン国防長官は、現地を視察し、そしてまたこの問題を提起すると言われておりますけれども、現地を視察するんですね。
#61
○政府参考人(藤崎一郎君) コーエン国防長官の正式な日程は現在詰められているところと存じますが、そういう計画があるということは私どもも耳にしております。
#62
○緒方靖夫君 米側はこの問題について、ちっとも解決しない、したがってエンバイロテックを相手に事業中止を求める裁判を提起すると、私はそのように米海軍関係者から伺っておりますけれども、それについてはいかがですか。
#63
○政府参考人(藤崎一郎君) 今議員からお話しのありましたような情報は私どもも耳にしたことはございますが、何か決まったものとしてどういう対応をするかということを聞いたことはまだございません。
#64
○緒方靖夫君 私は、そのように米海軍関係者から、これは決定したと伺っております。
 私は、米軍が裁判を提起する、これは日本の世論を相当考えて、非難を受けるということを覚悟しているということも言っておりましたけれども、厚木、横田、沖縄、そうした基地公害を垂れ流しにしているアメリカが、日本でそうした問題を裁判に訴えるということ自身、一体何を考えているのかという気もするわけです。しかし、この提訴そのものは、この間の日本政府の対応をあぶり出すものだなということで注目したいと思っているところです。
 そこで伺いたいんですけれども、アメリカがこの産廃施設の問題で何を求めてきたかという問題なんです。
 私は、この問題について以前に議論をして、アメリカが政府と神奈川県にあてた文書をもとにして、アメリカの根本要求というのは業者の許可の取り消し、あそこでああいう事業が行われていることはおかしいということだったと思います。決して炉の改善とか煙突を高くするとか、そういう部分的な要求ではなかったと思うんです。それに対して外務省も防衛施設庁もいつも否定された、そういうことは聞いていないと言われたけれども、その点について米軍は一体何を要求しているのか。これは事実の問題として伺いたいと思います、改めて。
#65
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。
 米側は、本件問題は健康にかかわる重大な問題であるという認識で、早急に事態の改善を希望するというふうに申しております。
#66
○緒方靖夫君 事態の改善と言われますけれども、それは根本的には業者の事業の中止なんです。確かに、夜間の事業を中止してほしいという、そういう部分的な改善も含まれておりますけれども、操業中止命令、これが一番の中心的な要求であったと思います。その点はいかがですか。
#67
○政府参考人(藤崎一郎君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、アメリカ側は、基地に在住する米軍人家族並びに周辺の方々も含めまして健康に直接影響を及ぼす問題だということで、早急に解決を希望するというふうに私どもにも言っております。
#68
○緒方靖夫君 環境庁長官、この問題は関係四省庁で協議しておられて、その関係ではここでは唯一環境庁長官が閣僚ということになります。
 私は、事実の問題として、アメリカは一体何を要求しているのかということについて、大臣に、もし今わかればお答えいただきたいんですけれども、調査し、報告していただきたい、このことを要請したいと思います。
#69
○国務大臣(清水嘉与子君) 私どもの承っているところでは、今北米局長が御答弁されましたように、米軍住宅のあるところ、ちょっと立地が悪いわけです、あそこの条件が。ちょうど谷の底というか、下の方になったところに産廃業者があって、そこの風が吹いてくるわけです。そういうことで、それを何とかしてほしいと。それで、実際調べてみるといろいろ出てくるじゃないかと。そういうことで、環境をよくしてほしいという要求をしていらっしゃるというふうに伺っております。
#70
○緒方靖夫君 恐らくその辺について長官にお尋ねしても難しいと思いますので、これについては調査していただけますね、どういうことをアメリカが求めているかということについて。単純な話です。
#71
○政府参考人(藤崎一郎君) 先ほど来お答え申し上げておりますが……
#72
○緒方靖夫君 同じ答弁なら結構です。
#73
○政府参考人(藤崎一郎君) アメリカは、健康にかかわる問題なので、早急に事態の解決を希望するというふうに申しております。
#74
○緒方靖夫君 これは裁判が提起されればいずれ明らかになるんです。
 そうすると、大臣も責任を持ってここで答弁しない。それから、北米局も外務省も国会に対して繰り返し、今回もそうだし、以前もそうだし、正確な報告をしなかった。部分的な要求は確かにあるけれども、根本要求については何かということを認めなかった。私は、そのことはいずれにしても早晩問題になる、このことをはっきりと申し上げておきたいと思います。
 そこで問題なのは、このことによってこれまで防衛施設庁を中心にしていろいろな措置がとられましたけれども、どういう措置をとって、幾ら国費を投入してきましたか。
#75
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 防衛施設庁といたしまして、いわゆる神環保問題につきましては、健康に非常に重要な問題であるというふうな認識を受けまして政府全体として取り組んでいるわけでございますけれども……
#76
○緒方靖夫君 措置と額でいいです。短く。
#77
○政府参考人(大森敬治君) 防衛施設庁といたしましてとりましたところは、神環保側と民事契約を結びまして、当時神環保と言っておりましたけれども、廃棄物の焼却量を抑制してもらうということで民事契約を求めまして、これは平成十一年三月五日に神環保側と契約したわけでございますけれども、いわゆるRDFという廃プラスチック類を固体燃料化する装置でございますけれども、これを設置してもらいまして、その焼却量を抑制してもらったというふうなことがあります。
 これの経費でございますけれども、これに関係する工事相当額十一億八千四百万円を防衛施設庁といたしまして神環保側に支出している事実がございます。
 以上でございます。
#78
○緒方靖夫君 煙突も。
#79
○政府参考人(大森敬治君) 煙突につきましては、今後の問題といたしまして、発生源そのものをやはり改善する必要があるというふうなことで、高煙突化というものも必要だというふうに認識しておりまして、十二年度の予算でございますけれども、現在御審議いただいております予算の中に高煙突化の工事費といたしまして十一億九千四百万円を計上しております。
#80
○緒方靖夫君 こういう措置がとられて実際税金が投入されているわけですけれども、その効果があったのかどうか。あったとしたら、その根拠は何か教えてください。
#81
○政府参考人(大森敬治君) 先ほど御説明しましたように、RDF化は燃焼量を抑制するというふうなためにとったものでございます。
 また、神環保側のといいますか、エンバイロテックの操業状況につきましては、昨年の八月に日米で共同モニタリングをいたしまして、基準値を超える非常に大きな数値が出てきたということで神奈川県を通じまして改善勧告を出しておりまして、それにのっとりまして現在エンバイロテックの方でバグフィルターの設置工事を実施しているところでございます。
 それで、また適正な操業を監視するということで日米での共同モニタリングを実施してエンバイロテックの操業状況を監視している状況でございまして、防衛施設庁といたしましても、関係省庁と連携いたしましてこの厚木基地を中心とした環境問題の改善に努力しているところでございます。
#82
○緒方靖夫君 効果があったのかどうかを聞いているんです。あったのかなかったのか。
#83
○政府参考人(大森敬治君) RDFの効果は、九十トンを三十トンに抑制するという効果を持っております。
#84
○緒方靖夫君 効果があったということは、今容量の性能だけを説明したんだけれども、証明されていないんです。根拠があったら言ってください。ないでしょう。ないんですよ。ありますか。
#85
○政府参考人(大森敬治君) 先ほど御説明いたしましたように……
#86
○緒方靖夫君 繰り返しはいいよ。
#87
○政府参考人(大森敬治君) 防衛施設庁といたしましてエンバイロテックと契約を結んでおりまして、契約履行上、誠実にエンバイロテックの方は容量を抑制するということになっておりますし、私どももまたそれを必要があれば監視するということでやっております。
#88
○緒方靖夫君 だから長官、根拠を示せないんですよ、数値でも。例えば、煙突を高くしたって出る量は同じ。それが飛散するわけでしょう、広範囲に。ですから、これまで税金を投入してやってきた対策というのは効果が示されていない。その証拠に、昨年七月から九月にかけて行われた日米共同の調査、これも私、一緒にやれと言ったんです、数字が余りにも違うから。一緒にやって、ダイオキシン類の濃度については六十六倍から七十二倍、環境基準を大幅に超える値が出ているわけです。それが事実です。
 そうすると、なぜこういう事業者に対して法的に措置がとれないのか非常に不思議に思うんです。法的に措置がとれないとなると法的な不備があるということになりませんか。これは環境庁長官にお伺いします。
#89
○国務大臣(清水嘉与子君) 今先生御指摘でございますけれども、昨年、環境庁といたしましてもこのモニタリングをいたしまして、その結果に基づきまして神奈川県が改善命令を出し、そしてそれに従ってこの業者がバグフィルターをつけることを実際にやっているわけです。そういう中で、これからもまたその状況についてチェックをするというふうなことになりますものですから、これ以上のことが今できないのではないかというふうに思います。
#90
○緒方靖夫君 あなた、環境庁長官でしょう。いいですか。ダイオキシン類が六十六倍から七十二倍の値が現実に出ているこういう調査がはっきりして、それに対して対応をとられないんですか。これでよしとするんですか、改善措置を出すだけで。
 改善措置は何をやられていますか。大したことやられていないですよね。数値が著しく低くなるような対応をとられていない。とすると、これが違法ではないとなるとやはり法の不備ということになりませんか。
#91
○国務大臣(清水嘉与子君) 昨年のモニタリングの結果……
#92
○緒方靖夫君 結果は聞いていない。今の質問に答えてください、時間がないから。
#93
○国務大臣(清水嘉与子君) 調べて、一カ所だけそういう先生おっしゃるような状況が出まして、その後、神奈川県におきましてこの業者に対しまして改善命令を出す、そしてそれに従いまして、何度も繰り返しになりますけれども、今バグフィルターをつける作業が進んでいるものですから、この後の経過を見たいということで、もう既に三月十一日からモニタリングも始まりましたけれども、そういった経過を見ているところでございます。
#94
○緒方靖夫君 政務次官、あなたにちょっと伺いたいんです。政治家として、今これだけの値が出ていて、環境行政上何もやるすべがないんですか。こんなおかしなことはないでしょう。あなたは政治家としてどういうふうに考えられるか、伺いたい。
#95
○政務次官(柳本卓治君) 今強く要望したところでございますけれども、しかし現況がそういう状況であるならば、環境庁としても積極的な形でそういう方向を求める努力はする必要がある、これがまた政治の務めだというふうに思っております。
#96
○緒方靖夫君 私、思うんですが、米軍が何も注視しているから私がどうこうと言っているんじゃないです。私は事実の問題としてこれがどうかということを尋ねた。これは裁判でこれから明らかになってくる、米軍の陳述の中で明らかになると思います。そうすると、外務省も防衛施設庁も国会で私の質問に対して偽りを述べたということが明らかになる、このことを確信しております。
 同時に、私は以前にも質問しましたが、この業者というのは悪徳業者なんです。なぜ厚生省が、環境庁が、そして外務省も防衛施設庁もかばうのか不思議でしようがない。
 ここの社長が脱税容疑で、そして長い間拘留されていた。また、さまざまないわくがあるわけですよ。どうしてこういう業者を国がかばうのか、これが不思議でしようがない。しかも、この業者に金を投入するわけです。金を投入して、そして効果がない。そして今、日米間で大きな問題になっている。環境行政も廃棄物行政もこれで成り立つんですか。これが私の問題提起です。地元の住民も農民もこの業者に対しては直ちに事業を中止してほしい、これが根本的な要求なんです。その点は米軍と一致している。
 ですから、こういう声をどう受けとめるか、これが問われているわけです。政務次官、いかがですか。
#97
○政務次官(柳本卓治君) これは、一般的に見て、住民もまたその地域の方々もだれが見ても間違っているということは、これはもう間違っていることであるわけだから、正さなけりゃならぬところは堂々と正していかなければならない。私の政治信条でもございます。
#98
○緒方靖夫君 この問題については、いずれにしても、日米間で問題になっているということでなく、私は地元の要求としてはっきりとさせていきたい。
 そして、この事業を停止する。それができないならば、やはりこんな違法なこと、つまりこんな途方もないダイオキシン類の放出をやっておきながら取り締まるすべがないということは法的に不備がある、私はそう思うんです。ですから、その点でやはりきちっと環境行政をしていただきたい、そのことを要求しておきたいと思います。
 次に、時間がありませんけれども、私は東京の日の出町にある産廃処理場の問題について質問したいと思います。
 谷戸沢処分場は八四年四月にオープンして、十四年間に二百万トンの焼却灰がそこに埋められました。そして、今、第二処分場が使われております。水源地での焼却灰の埋め立て、それに伴う汚水による汚染とか飛灰の問題、これは大変な問題になっております。それで、谷戸沢は日本で最大級の管理型最終処分場のモデルとされてきたわけです。
 先ほど伺っておりましても、循環型社会と言われている。焼却して灰を埋める、これは自然の体系と異質なものなわけです。循環しないごみを臭い物にふたをする形で埋めてしまう、やはりこのやり方が問われていると思います。私は、その点でやはり今このごみ処理のやり方については総括が求められているのではないかと思うんです。
 そこでお伺いしたいんですけれども、谷戸沢の有害物質の問題、その状況、それについての現状は把握されているのかどうか、お伺いいたします。
#99
○政府参考人(岡澤和好君) 御質問のあった谷戸沢処分場、それから二ツ塚処分場の件でございますけれども、これらの処分場からの放流水や周辺地下水等の状況につきましては、施設の設置者であります東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合におきまして継続的に調査が実施されて、その結果が公表されております。厚生省といたしても、東京都を通じてこれらの報告を受けているところでございます。
 施設組合による最近の調査結果は本年二月に公表されておりますけれども、その結果によりますと、放流水や周辺地下水に含まれる環境基準項目等の値は全体的に低い値で安定しているというふうに承知しております。
#100
○緒方靖夫君 そこが非常に大きな問題なわけです。処分組合、それから東京都、これは菅厚生大臣のときに、非常に有害物質が出ている疑いが濃厚である、したがって住民と一緒に調査をすべしという、そういう指示を出されている、九六年の三月だと思いますけれども。それで、それに基づいた形できちっとした形でやられない、そういう事態が続いてきたと思います、それはよく厚生省御存じだと思うんですけれども。
 私は、こういう処分場のあり方、これを考えたときに、やはり国としてこの処分場の環境汚染、ダイオキシン類から水質、それから大気、この調査をすることが必要だと思うんです。私も以前質問いたしましたけれども、この谷戸沢で風下と風上でがんの発症率が四倍から六倍違うという、そういう値も出ているわけです。ですから、これは非常に重大な問題だと私は思うんです。
 ならば、この問題について、東京都に任せるんじゃなくて、日本のモデルとされた管理型の最終処分場ですから、そこでどういうことが起こっているのかということについて国の責任でこれをきちっとやる、このことが求められていると思います。この点、これは環境庁あるいは厚生省、どっちになるかあれですけれども、これをきちっと国として把握する、これをやる必要があると思いますけれども、いかがですか。
#101
○国務大臣(清水嘉与子君) 最終処分場の環境対策につきましては、廃棄物処理法に基づきまして廃棄物の埋立処分の基準、これは環境庁がつくっているわけでございます。そしてまた、厚生省と共同で最終処分場の構造基準及びその維持管理基準を定め、環境汚染の未然防止を図っているところでございます。
 平成十年の六月に最終処分場の構造基準を改正いたしまして、要するに遮水シートを二重にするといったような遮水性能の強化などによりまして周辺地下水の汚染対策について実施しております。また、平成十二年の一月に廃棄物の埋立処分基準を改正いたしまして、処分場を埋め立てる際にはそれが飛散しないように加湿すること、あるいは最終処分場を速やかに覆土することなど、そういった廃棄物の飛散、流出による周辺土壌の汚染防止対策を推進しているところでございます。
 今後とも、これからのいろいろな知見を集めまして、必要に応じて最終処分場の基準の見直しを実施してまいりたいというふうに思います。
#102
○緒方靖夫君 私が質問したのは、大臣も所信で述べられているけれども、安心を取り戻していただくために必要な対策、国民の理解を深めていくと言われているわけです。そうすると、やっぱり谷戸沢のこの例というのは、日本のモデル、最大級の規模、そこでこの十四年間に一体何が起こったのかということについて国として調べる必要があるんじゃないかということを提起しているわけです。いかがですか、その点。
#103
○国務大臣(清水嘉与子君) 厚生省ともいろいろ協力いたしましてこの辺については十分対応していきたいと思います。
#104
○緒方靖夫君 終わります。
#105
○島袋宗康君 環境庁は、重点施策の一つとして国土のそれぞれの場所に応じた多様性のある自然の積極的な保全ということをうたっておられます。その観点から、沖縄の自然環境の保全について若干質問をしたいと思います。
 まず第一に、やんばる野生生物保護センターの開所以来現在までの活動状況と今後の活動方針についての問題についてお聞かせ願いたいと思います。
#106
○政府参考人(松本省藏君) やんばる野生生物保護センターについての御質問でございますが、やんばる野生生物保護センター、これは山原地域だけに生息をいたしますノグチゲラあるいはヤンバルクイナなどの大変希少な野生生物を対象といたしまして調査研究、保護増殖、普及啓発などの事業を総合的に推進する拠点といたしまして環境庁が整備をして、昨年、平成十一年の四月に開所、オープンをしたものでございます。
 センターでは、ノグチゲラを初めといたします野生生物のモニタリング調査を実施いたしますとともに、館内の展示や映像を活用した普及啓発事業を推進しておりまして、昨年四月から本年二月までの来館者は約一万六千人に上っております。
 これからでございますが、平成十二年度におきましては、これらの事業を引き続き推進いたしますとともに、ユニークな山原地域の動植物や生態系を一般に紹介するという観点で、自然観察会あるいは講演会を開催するなどいたしまして、地域住民の方々、旅行者の方々などを対象とした普及啓発活動をさらに一層充実していきたい、このように考えております。
#107
○島袋宗康君 よくわかりました。ひとつ頑張って山原の自然保護について積極的に取り組んでいただきたいと要望しておきます。
 二番目に、トキやオオタカなどの希少な野生動植物の保護、増殖や生息環境の保全等については、平成十二年度予算においても一定の手当てがなされております。しかし、我が国で唯一の生息地である沖縄のジュゴンについてはまだ何の対策もとられていないような感じがしております。早急な保護対策をとらないといけないというふうに思いますけれども、その辺の保護策についての御見解をお願いしたいと思います。
#108
○国務大臣(清水嘉与子君) ジュゴンでございますけれども、文化財保護法による天然記念物に指定されておりまして、これも捕獲が制限されているわけでございます。また、水産資源保護法によりましても捕獲が禁止されている。ワシントン条約によります附属書Tにも掲載されているというふうなことで、非常に貴重な動物であるというふうに関心を持っております。
 環境庁といたしましても、非常に関心を持って今生態だとか分布等にかかわる情報を集めているわけでございますが、なかなかわかりにくい点がございますので、ぜひこういったことにつきましても十分資料を集めまして保護、育成に当たっていきたいというふうに考えております。
#109
○島袋宗康君 ジュゴンはフィリピンあたりでも相当生息しているようでありますけれども、沖縄で生息しているジュゴンの生態系をフィリピンあたりから持ってくるというふうなわけにはいかないそうです。
 ですから、やっぱりジュゴンの生息地は北限が沖縄だというふうなことになりますと、しかも山原だということになりますと、これは相当な調査をして、専門的な立場からぜひその保護を推進していただきたいというふうに要望しておきますが、どうですか。
#110
○国務大臣(清水嘉与子君) 今申しましたように、ジュゴンの生態とか分布というのは資料も少なくて、特に沖縄あたりにつきましてなかなか難しいわけですけれども、今、環境庁といたしましても、できるだけの情報収集に努めているところでございます。
#111
○島袋宗康君 沖縄県の西表島の西表国立公園の管理状況は現在どのようになっているのか、お聞かせいただきたい。
 また、同島では農地開発問題が生起しておりますが、その後の状況及び環境庁のこれに対する考え方をお聞かせ願いたい。
 また、希少動物のイリオモテヤマネコの生息数や生息状況もあわせて御説明いただきたいと思います。
#112
○政府参考人(松本省藏君) 三点ほど御質問がございました。
 まず、西表国立公園の管理状況でございますけれども、西表国立公園は琉球列島の南端に位置しております。先生御承知のとおり、西表島を初めといたしまして、石西礁湖と呼ばれますサンゴ礁の海域、それからこの海域に点在いたします隆起サンゴ礁の島々などから構成されているわけで、中核となります西表島にはイリオモテヤマネコ、カンムリワシなどの貴重な野生生物が生息しておる。また、植物の方もマングローブ林あるいはヤエヤマヤシ群落を初めとして亜熱帯性植物が大変に豊かであるということで、島の面積の約三五%が国立公園に指定されておるという状況でございます。
 この国立公園の管理につきましては、那覇市にございます沖縄地区国立公園・野生生物事務所、このもとに西表の国立公園管理官事務所を設置いたしまして、この事務所は石垣でございますけれども、石垣市に当庁の職員二名が駐在いたしまして、サンゴ礁の調査の推進あるいは公園計画、各種行為や公園事業の許認可などの業務を地元地方公共団体と協力しながら実施しているという状況にございます。
 それから、西表島で農地開発が計画されているのではないかという御指摘でございますが、現在、西表の大富地区におきまして県営農地開発事業が行われようとしておるわけであります。計画がございます。そして、この地区は絶滅のおそれのある動物として種の保存法に基づく国内希少種に指定されているイリオモテヤマネコの生息地と重なるということでございまして、この事業自体沖縄県が主体でございますので、環境庁としては、事業者である沖縄県にイリオモテヤマネコの保護の観点から十分な配慮をしていただきたいということでお願いをしておるという状況であります。
 この事業につきましては、これまでのいろいろな経過からいたしまして、自然保護団体を含めた地元関係者の、四者協議と申しておりますけれども、協議が行われておりまして、その結論を待つということになっているわけでございます。
 今後、さらに地元での議論が尽くされて、イリオモテヤマネコの保護に十分な配慮がなされていくことを環境庁としても期待しているわけでございますし、イリオモテヤマネコの保護と地域の共生を図るという観点から、必要に応じて事業主体である沖縄県当局などの関係者に対しても環境庁として指導ないし助言を行っていきたい、こう考えております。
 最後に、イリオモテヤマネコの個体数あるいは生息状況についての御質問でございますが、イリオモテヤマネコは西表島だけに生息する希少動物でございまして、個体数は約百頭と推定されております。島内のほぼ全域に生息しているわけでございますが、中心部の森林地帯にはどうも余りいないということで、むしろ中心となる主な生息地というのは、標高二百メートル以下のマングローブ林あるいは沢沿い、さらには水田とか畑などの人里についてもヤマネコの生活圏域に入っている、こんな状況になっているかと思います。
#113
○島袋宗康君 開発かあるいは自然保護が大事かという面では判断は非常に難しいとは思うんです。ただ、貴重な動植物がそこに生息しているという状況でありますから、やはり環境を守るという立場からは、一言でいいですから、皆さんの姿勢を、ノーなのかあるいはイエスなのか、その辺はどういうことを考えていらっしゃるか、その辺をお聞かせください。
#114
○政府参考人(松本省藏君) 先ほどもるる申し上げましたように、西表島、大変に豊かな自然環境が残されている地域でございますので、いろいろな問題があるのは事実でございますけれども、基本的なスタンスとして、最大限に環境を保護していくという心構えで私ども環境庁としては努力をしていきたいと考えております。
#115
○島袋宗康君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから、沖縄周辺海域のサンゴ礁が貴重なものであることは申し上げるまでもありませんが、先年、いわゆる白化現象が発生してかなりの被害をこうむっているというふうな状況でございます。その後の再生状況、育成状況はどのようになっているのか、そしてその保全対策はどのように考えていらっしゃるか、それをお聞かせください。
#116
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生に御質問をちょうだいしまして、サンゴの白化というのを勉強させていただきました。
 異常に高水温が続いたり、淡水の流入によりまして海水等の塩分が急激に低下した場合にサンゴの白化現象が起きるということでございますけれども、一九九八年の夏に世界各地で海水温の上昇が原因と見られるサンゴ礁の白化現象が起きております。我が国の南西諸島におきましても大規模にそれが見られまして、例えば石垣の周辺なんかですと、サンゴの生息する面積が平均して六割程度減少する等、深刻な被害が発生したということが環境庁の調査によりまして判明しているところでございます。
 御質問のサンゴの回復状況でございますけれども、被害を受けた程度だとかサンゴの種類によって違うんですけれども、調査地点によっては以前の状況にまで既に回復しているところもございます。しかし、全般的にはまだ以前の状況まで回復するにはちょっと時間がかかるというふうに考えております。
 今後、環境庁といたしましては、沖縄県の石垣市におきまして整備を今しております国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター、ここを中心といたしまして、白化からの回復状況も含めましてサンゴ礁に関するモニタリング調査、情報の収集、提供に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#117
○島袋宗康君 最後になりましたけれども、ヨーロッパ諸国では既に導入している国が多い、いわゆる税制面からの環境対策に資するという環境税の導入について、環境庁としてどのような取り組みをなされているのか、そしてその実現の見込みについてどういう見通しでおられますか、お聞かせください。
#118
○国務大臣(清水嘉与子君) 御指摘のとおり、ヨーロッパ等でこういった税制を入れているところもあるわけでございます。確かに、地球温暖化対策あるいは大気汚染対策などからこの環境税が有効な手段だろうというふうに考えております。
 環境基本法あるいは環境基本計画ではその有効性が期待されていることを踏まえまして、環境庁におきまして、平成十年の三月に環境政策における経済的手法活用検討会というのを設置いたしまして、経済界、有識者の方々からヒアリングを行うなど検討を進めてきておりまして、現在、その議論の整理を行っているところでございます。
 一方におきまして、政府の税制調査会等におきまして検討されるというふうに伺っておりますけれども、そういった検討状況、あるいは今おっしゃったヨーロッパでの環境税の導入等の動きも勘案しつつ、環境税の経済的手法、まず国民の御理解を得られるように努力していきたいというふうに考えております。
#119
○島袋宗康君 終わります。
#120
○委員長(石渡清元君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#121
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公害等調整委員会・北海道開発庁・環境庁及び国土庁、運輸省所管のうち港湾建設局・気象庁及び港湾整備特別会計、建設省所管、総務省所管のうち公害等調整委員会、地方運輸局・地方航空局・船員労働委員会・海上保安庁・海難審判庁・自動車損害賠償責任再保険特別会計・自動車検査登録特別会計及び空港整備特別会計を除く国土交通省所管、環境省所管、住宅金融公庫を議題といたします。
 予算の概要について政府から順次説明を聴取いたします。中山国務大臣。
#122
○国務大臣(中山正暉君) 平成十二年度の建設省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、建設省関係予算に計上いたしました予算額は六兆四千三百二十四億円でありまして、新体制移行後は国土交通省関係予算として所要の予算額を計上しておりますほか、道路整備特別会計、治水特別会計、都市開発資金融通特別会計、特定国有財産整備特別会計について、それぞれ所要額を計上しております。
 また、財政投融資計画については、当省関係の公庫、公団等分として十四兆三千七百四億円を予定いたしております。
 建設省といたしましては、以上の予算によりまして、我が国経済を新生し、本格的な回復軌道に乗せるとともに、豊かで活力ある二十一世紀の経済社会を構築するための基盤となる質の高い住宅・社会資本整備を的確に推進してまいる所存であります。
 特に、平成十二年度におきましては、産業構造転換等に対応した都市の再生、再構築を推進する都市再生推進事業の創設、地域の創意工夫を生かしたまちづくりを推進するためのまちづくり総合支援事業の創設など経済新生を支える都市の再構築と地域の活性化、高規格幹線道路等の整備の推進、踏切道等総合対策事業、交通結節点改善事業の創設、光ファイバー収容空間の整備、スマートウェイの展開など連携交流を支えるネットワークの整備、高齢者向け公共賃貸住宅の整備、歩行空間のバリアフリー化等の推進、本格住宅ストックの形成、維持、流通の促進など、本格的な少子高齢社会の到来に備え、生涯の生活に安心を実感できる生活空間づくり、良好な水環境、生態系の保全等を図るための河川、下水道事業の推進、沿道環境改善事業の推進など環境への負荷の少ない経済社会の実現、総合的な水害、土砂災害対策の推進、地下空間・床上浸水対策の強化、防災公園、密集住宅市街地の整備の推進など安全で安心できる国土づくり、地域づくりの推進など、現下の重要課題に対応した住宅・社会資本整備を戦略的、重点的に推進することといたしております。
 また、公共事業予算の効率的、効果的執行と事業の透明性の向上を図るため、コスト縮減、事業間の連携、費用対効果分析を含めた事業評価などを積極的に実施することといたしております。
 次に、事業別の重点施策の概要について御説明申し上げます。
 第一は、住宅宅地対策及び市街地整備であります。
 まず、住宅対策については、公庫住宅、公営住宅及び特定優良賃貸住宅等合計六十七万六百戸の供給を図るとともに、特に少子高齢化、地域活性化等の課題に対応した良質な住宅の供給、安全で快適な住宅市街地の整備、定期借家制度の普及等による住宅市場環境の整備等を積極的に推進することといたしております。
 また、宅地対策については、大都市地域等において良好な町づくりを通じた優良な宅地供給、定期借地権の活用等を積極的に推進することといたしております。
 さらに、市街地整備については、産業構造転換等に対応した都市の再生、再構築の推進、地域の創意工夫を生かした地域が主役の町づくりを積極的に推進することといたしております。
 第二は、都市対策であります。
 都市対策については、都市の再構築に資する市街地整備とあわせて、特に立ちおくれている地方圏の下水道整備及び重要湖沼等における水質を改善するための下水道の整備、水と緑のネットワーク整備など、緑豊かな都市環境の創出等に取り組んでいくことといたしております。
 また、防災公園の整備など安全で安心できる都市づくりを積極的に推進することといたしております。
 第三は、治山治水であります。
 治山治水による安全性の確保は、昨年の広島・呉地方に甚大な被害をもたらした梅雨前線豪雨による土砂災害を初め、近年の災害の発生にかんがみても緊急の課題であり、緊急土砂災害防止対策や床上浸水地区緊急解消対策、緊急渇水対策など安全な地域づくりのための対策を強力に推進するとともに、被災地域における土砂災害の再発防止対策の短期集中的実施や、土砂災害情報の住民との相互通報システムの整備など、総合的な土砂災害対策の充実強化に努めていくことといたしております。
 第四は、災害復旧であります。
 災害復旧については、制度の拡充等により、被災した河川、道路の早期復旧等を図ることといたしております。
 第五は、道路整備であります。
 道路整備については、次世紀の暮らしを支えるとともに、地域連携による個性豊かな町づくりを創造するため、ノンストップ自動料金収受システム、ETCの全国展開などによる高度道路交通システム、ITSの整備・研究開発、情報ハイウエーの構築、歩行空間のバリアフリー化、高規格幹線道路、地域高規格道路等の幹線道路の整備などに取り組んでまいります。
 また、都市環境の再生、地球環境の保全、安心して住める国土の実現を図るため、バイパス、環状道路の整備、交通結節点の改善、踏切除却等による交通の円滑化、電線類の地中化、沿道環境の改善、防災・震災対策などに取り組んでまいります。
 第六は、官庁営繕であります。
 官庁営繕については、行政ニーズの高度化に対応し、環境に配慮した合同庁舎等の整備や、国民が安心して利用できる施設とするための耐震対策等を推進することといたしております。
 引き続きまして、政府関係機関である住宅金融公庫の平成十二年度予算の概要を御説明いたします。
 住宅金融公庫の収入支出予算は、収入三兆二千四百三十七億円、支出三兆三千二百四億円を予定し、住宅五十五万戸等について総額十一兆千六百四十三億円の貸付契約を行うことといたしております。
 以上をもちまして、平成十二年度の建設省関係予算及び住宅金融公庫予算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
 引き続きまして、総理府所管のうち、国土庁の平成十二年度予算について、その概要を御説明いたします。
 平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、国土庁に計上いたしました予算額は四千六百九億八百万円でありまして、新体制移行後は国土交通省所管等の予算として所要の予算額を計上しております。
 国土庁といたしましては、以上の予算によりまして、二十一世紀の展望を開く国土政策を積極的に推進してまいる所存であります。
 具体的には、一、二十一世紀の国土のグランドデザインの戦略的推進等の国土計画の推進、二、地域戦略プランの推進、三、土地の有効利用を図るための総合的な土地対策の推進、四、健全な水循環系の確立を目指した総合的な水資源対策の推進、五、新たな基本計画等に基づく三大都市圏の整備の推進及び首都機能移転に向けた検討等大都市圏整備の推進、六、多自然居住地域の創造等による国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進、七、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震、津波、噴火、洪水等の災害から安心して暮らせる安全な国土づくりに向けた総合的な災害対策の推進に重点を置くことといたしております。
 次に、事業別の重点施策の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国土計画の推進であります。
 二十一世紀にふさわしい国土づくりの指針となる二十一世紀の国土のグランドデザインを効果的かつ着実に推進することといたしております。
 また、物流効率化による経済構造改革の推進に資するため、物流効率化特別対策事業費により、複数の省庁間にまたがる広域的なプロジェクトについて、その一元的な執行体制を通じて、より緊密な連携及び実効性を確保するとともに、国土総合開発事業調整費により、公共事業の省庁間連携を推進し、公共事業の一層効率的かつ整合的な執行を図ることといたしております。
 第二に、地域戦略プランの推進であります。
 生活空間倍増戦略プランの一環である地域戦略プランに対し、引き続き国土庁を総合的窓口として、関係省庁が一体となった推進体制のもと、プランに盛り込まれた事業の円滑な推進を図ることといたしております。
 第三に、総合的な土地対策の推進であります。
 土地対策については、低未利用地の有効活用等適正な利用を推進するための土地利用計画の策定、土地情報の開示提供の充実、収益を重視した不動産鑑定評価の推進等に取り組んでいくことといたしております。
 また、平成十二年度を初年度とする新たな国土調査事業十カ年計画を策定し、地籍調査等の国土調査を緊急かつ計画的に推進することといたしております。
 第四に、総合的な水資源対策の推進であります。
 新しい全国総合水資源計画の考え方を踏まえ、健全な水循環系の確立を目指し、水資源の開発保全及び利用に関する総合的な水資源対策を積極的に促進することといたしております。
 また、水資源開発公団については、ダム、用水路の建設事業等を計画的に促進することといたしております。
 第五に、大都市圏整備の推進であります。
 大都市圏の整備と秩序ある発展を図るため、新たに策定された三大都市圏の基本計画等に基づく大都市空間の再編整備、業務核都市、大阪湾臨海地域、研究学園都市の育成整備、琵琶湖の総合的な保全、大都市防災対策及び大深度地下の利用に関する検討等を推進することといたしております。
 また、国政全般の改革と深くかかわる首都機能の移転に向けた積極的な検討を行うことといたしております。
 第六に、地方振興の推進であります。
 地方振興の推進については、多自然居住地域の創造に積極的に取り組んでいくこととし、特に参加、交流、連携による地域づくりの観点から、広域的な連携、多様な地域間交流、個性的で魅力ある地域づくりを推進するとともに、地方産業の振興・活性化、新しい地方開発促進計画の推進、地方都市圏の振興等の諸施策を総合的に展開することといたしております。
 また、特定地域振興対策については、立地条件に恵まれない過疎、山村、離島等の地域における生活環境や産業基盤の整備等を引き続き推進するとともに、特に過疎地域については、過疎地域の自立を促進するため、新たな過疎対策を推進することといたしております。
 第七に、災害対策の推進であります。
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、災害対策の充実強化を図るため、震災対策の推進、災害情報収集伝達システムの充実強化、災害対策の総合調整の推進、防災に関する国際協力の推進等、安心して暮らせる安全な国土づくりに向けた災害対策を総合的に推進することといたしております。
 以上をもちまして、平成十二年度国土庁予算の概要説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
 ありがとうございました。
#123
○委員長(石渡清元君) 次に、二階国務大臣、お願いします。
#124
○国務大臣(二階俊博君) 平成十二年度港湾・海岸関係及び気象関係予算概要につきまして説明をいたします。
 まず、平成十二年度港湾関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 港湾整備特別会計の歳出予算額として四千七百三億四千六百万円を計上しております。
 港湾整備事業につきましては、物流コスト削減による産業競争力の強化を図るための国家プロジェクトである中枢・中核国際港湾の国際海上コンテナターミナルの整備及び深刻なごみ処分問題に対応するための廃棄物海面処分場の整備を最重点施策として推進することとしております。また、全国的、広域的な視点から我が国全体としての効率的、効果的な物流体系の構築を進めるとともに、地域の主体性を高めるため、重要港湾の配置及び国庫負担率の見直し、統合補助金の導入などを行うこととしております。
 次に、海岸関係予算でございますが、歳出予算額として三百二十億八千八百万円を計上しております。
 海岸事業につきましては、新しい海岸法のもと、安全で美しく生き生きした海岸を実現するため、質の高い海岸防護のさらなる推進及び環境や利用に配慮した海岸づくりの積極的な推進を重点施策とし、海岸の計画的かつ着実な整備を進めることとしております。
 次に、気象関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 歳出予算額として六百三十九億五千百万円を計上しております。
 気象業務体制につきましては、気象、地震、火山等による災害を未然に防止、軽減することを目的として、その充実強化を進めていくこととしております。
 このため、残念ながら昨年打ち上げに失敗した静止気象衛星の早期打ち上げを初め、所要の観測予報施設の整備を推進し、台風、集中豪雨等の観測予報体制を強化するとともに、地震・火山対策として、地震津波監視システムの強化等による防災気象情報の高度化を進めてまいります。さらに、高度海洋監視システムの構築等による気候変動・地球環境対策の強化を図ってまいります。
 以上をもちまして、港湾・海岸関係及び気象関係の平成十二年度予算につきましての説明を終わります。
 次に、平成十二年度北海道開発庁関係予算の概要を説明いたします。
 平成十二年度一般会計予算につきましては、中央省庁等改革に伴う新体制移行を反映させたものとなっており、北海道開発庁に計上いたしました予算額は、歳出九千三百二十一億九千六百万円でありまして、新体制移行後は国土交通省所管の予算として所要の予算額を計上しております。
 次に、これら歳出予算の主な内容につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、国土保全及び水資源開発事業につきまして、石狩川等の重要水系や災害多発地域の河川の整備、多目的ダムの建設、砂防事業及び急傾斜地崩壊対策事業等の治水事業を推進するほか、治山事業並びに海岸保全事業を推進します。
 第二に、道路整備事業につきまして、道内各地域の均衡ある発展のため、基軸となる高規格幹線道路等の整備を推進し、道路網の体系的かつ総合的な整備を図るとともに、トンネル崩落事故を踏まえた防災事業、雪対策及び交通安全施設の整備を推進します。
 第三に、港湾、空港の整備事業につきまして、中核国際港湾である苫小牧港及び物流の効率化等に資する重要港湾、地方港湾の整備を進めるとともに、航空ネットワークの拠点空港である新千歳空港及び奥尻空港等の地方空港の整備を推進します。
 第四に、生活環境施設の整備事業につきまして、生活環境の向上を図るため、公営住宅等、下水道、環境衛生施設及び都市公園の整備を推進します。
 第五に、農林水産業の基盤整備事業につきまして、社会の変化や国際化の進展に対応して、北海道の農業農村が持続的に発展するための農業農村整備、水産業の振興を図るための水産基盤整備並びに森林の持つ公益的機能の高度発揮を図るための森林整備を推進します。
 公共事業以外の経費については、北海道経済の新生のため、道路、観光情報を総合的に提供するための総合交通情報システムのモデル事業、農産物など地域にある素材を活用した中小企業ベンチャーの育成のためのプロジェクトに所要の経費を確保いたしております。
 また、アイヌ文化振興に関する施策のフォローアップを図りつつ、必要な施策を推進します。
 これまで北海道の産業振興に政策金融機関として大きな役割を果たしてきた北海道東北開発公庫は、日本開発銀行とともに日本政策投資銀行となりましたが、新たな銀行においても、公庫が果たしてきた地域開発金融機能は引き続き継承されており、地域経済の自立的発展のために、資金の確保を初めとして積極的な活用に努めます。
 平成十二年度北海道開発庁関係予算の概要は以上のとおりであります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。
#125
○委員長(石渡清元君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#126
○岡崎トミ子君 連日御苦労さまでございます。
 今回の予算案を見まして目にいたしますのは、巨額な国債発行を予定しているということでございます。世界一の借金王であります小渕総理の政権は、総額十八兆円の第二次補正予算を組んだということで、国の借金残高は五百兆円を突破いたしました。大臣、この数字は九九年度の税収見通しの何年分になるかというのは御存じだと思います。九九年度の税収見通しであります四十五兆七千億円の十一年分になるわけでございます。
 一番新しい大蔵省の発表の数字では、二〇〇〇年度の末に国の借金は五百四十四兆円になるというふうに予想されておりますけれども、そのうち建設国債が二百三兆円を占めております。したがって、建設省としましてもこの数字を深刻に受けとめなければならないというふうに思います。
 政府は、まず景気対策をやって、その後に財政構造改革を行うというふうに言っているわけなんですけれども、大蔵省の財政の中期展望によりますと、名目三・五%の経済成長を達成したケースでも毎年三十兆円程度の国債の新規発行が必要というふうになっておりまして、もちろんこれはいろんな仮定を想定した上での数字ではあります。しかし、はっきりしておりますのは、今、建設国債をどんどん発行して、それで仮に景気がよくなれば自動的に借金が返せるのではなくて、そればかりか、今のままでは構造改革がなければ景気がよくなっても借金を続けなくてはならない、こういう状況だというふうに思います。
 大臣は、「公共投資や住宅投資により引き続き景気を下支えしつつ、」というふうにおっしゃったんですけれども、そのために二百三兆円の建設国債が正当化されるかというふうに思うんです。これだけでも九九年度の税収見通しの四倍に近い数字でございます。アメリカの格付会社も、日本の評価を下げるという報道をいたしました。
 そこで、お伺いしたいんですが、毎年数十兆円ずつ国債を発行して、日本の評価を下げて、それで景気の下支えをしていますと、これで許されると思いますでしょうか。
#127
○国務大臣(中山正暉君) 借金の種類によると思っております。
 答弁は短目にという御注文をいただいておりますので、簡単に申し上げたいと思います。
 会社でも従業員の給料を銀行から借りてきて払うようになったらもう余りいいことはない、終わりですが、新しい商売をするために設備投資をする借金は、これは大変有用な借金ということでございます。私は今歯を食いしばってでも、先ほどお話のありましたような六百四十五兆、税収は大体昭和六十二年の税収ぐらいしかないということでございますから、ここでひとつ歯を食いしばって、私はヨーロッパに日本にあった短期の資金二千億ドルぐらいがばっとシフトしたのがベルリンの壁の崩壊だと思っております。二回目は香港を返した後、モルガン・スタンレーというヘッジファンドの会社のバートン・ビッグスというのが、十月二十日と二十三日の二回にわたって電子メールでアジア投資をゼロにしろと言った、これがタイのバーツの暴落。それから、マレーシアのマハティールがジョージ・ソロスにやられた。あれでアジアはざっと底が抜けました。
 それを支えるために宮澤基金というようなものをつくって、そして今アジアの財政を支えて、行政改革と財政再建という二頭の馬を馬車の前へ立てていましたが、一頭を外さなきゃならなくなりましたので、今は歯を食いしばって建設省が頑張らなきゃいかぬときだ、こう思っております。
#128
○岡崎トミ子君 歯の食いしばり方が違うんじゃないか。
 やっぱり財政再建をきちんとするということで、みんな一緒に歯を食いしばって頑張りましょうというふうに一方でやらないと、ムーディーズが格付を下げてくるというような、そういう状況になるのは日本としては本当に深刻に受けとめなければいけないというふうに思うんです。
 金利もほとんどゼロに近い。積極財政も、小渕総理になってから八十兆円以上ですね、借金をするということですから。多少景気が上向きになったとしても将来に対する不安というのは消えないということですから、やっぱりこれまでのやり方を抜本的に変える必要があるというふうに思うんです。それも、やるというのはできることを今すぐやる、このことが大事で、効果が十分発揮されない分野、あるいは必要性が乏しくなった分野、こういう予算を大幅に減らして、必要だというところ、効果が大きいというところ、そういうところに振り分けなければいけないというふうに思うんです。
 縦割りで非常に硬直化した、そういう予算であって大変批判を受けているし、公共事業の景気ということへの対策、この効果というのも大変疑問視されているというのは、きのう、きょうのことではないというふうに思うんです。
 質問をしたいと思うんですが、建設省は今回予算の組み方をどう工夫されたのか、その工夫は予算案に数字の上でどう反映されているのか、また具体的にどのような効果が見込まれるか、工夫しなかった場合とどう違うのかを教えていただきたいと思います。
#129
○政務次官(岸田文雄君) 平成十二年度予算における景気刺激や経済構造改革に向けた工夫につきまして、先生から御質問をいただきました。
 まず、基本的に公共事業というものの効果の大きさあるいは波及の広さあるいは即効性、こういった部分におきましてすぐれた点は持っていると認識しております。
 今、先生から御指摘いただきましたように、公共事業の経済波及効果が低下しているのではないか、そういった議論があるということは聞いてはおりますが、少なくとも他の財政出動、政策手段、例えば所得税減税等、他の政策手段に比べまして、その経済波及効果はまだ依然高いものがあるというふうに考えております。これは経済企画庁の経済モデル等、さまざまな経済モデルにおきましてそのように確認されているところであります。
 ですから、こうした他の政策手段に比べまして経済波及効果の高い公共事業を執行するということ、このことは間違いなく大きな下支え効果につながっているというふうに感じております。それだからこそ、平成十二年度予算におきまして建設関係公共事業関係費としまして、前年度当初予算に比べまして二%増の六兆五千四百七十六億円を計上したわけでございます。
 しかし、経済波及効果の高い公共事業でありますが、より効果的にこれを使わなければいけないということから、内容につきましてもさまざまな吟味を行ったところであります。
 平成十二年度の予算の中を見ておりましても、例えば経済再生を支える都市の再構築と地域の活性化を目指すということから、まちづくり再生支援事業等の創設、こういったものを盛り込んでいるところであります。また、高規格道路の整備ですとか、あるいはITSの推進等、連携交流を支えるネットワークの整備、こういった部分につきましてもより重点化しているところであります。また、少子高齢化対策、あるいは障害者対策にもなりますバリアフリー対策、これにつきましても前年度より、より重点化しております。また、昨今、世界的に水の質の悪化によりまして多くの子供たちが死んでいるというようなことが言われておりますが、こうした良好な水環境を整備するような環境対策、こういった部分も公共事業の中に盛り込んで、この割合をふやしているところであります。また、昨年全国で土砂災害一千五百一カ所、三十四名の痛ましい犠牲が出たところでありますが、こうした災害対策につきましても前年度に比べましてよりウエートを高めて重点化している、こういった工夫をしているところでございます。
 このように、公共事業につきましては、質におきましても量におきましてもしっかりと吟味をし、活用することによりまして、平成十二年度におきましてこの公共事業がより大きな効果を発するようにという工夫をしているところでございます。
 そして、こうした質、量における工夫によりまして、ぜひ平成十二年度中には民間主導の景気回復の軌道に乗ることを期待するところでありますし、またこうした公共事業によりまして整備されました社会資本というもの、これは間違いなく豊かで活力ある二十一世紀の経済社会を構築するために資するものだというように感じております。
 そのように感じながら、先ほど申し上げましたような工夫を平成十二年度の中に盛り込んでいるところでございます。
#130
○岡崎トミ子君 工夫しなかったときはどうなるかについては伺えなかったようですけれども、大体必要であるという公共事業については私も納得をいたします。
 私が思っておりますのは、むだな大型公共事業も含めてということでありますけれども、どうもアリバイ的な工夫にしか思えない部分もあるということなんです。まず、役所ごとに局とか課というところで確保された予算を少しずつ削って、目新しいところにふやしたという感じでもありますね。
 新しいこれをやらなきゃいけない。水辺であるとかバリアフリーでありますとか、そういうことは本当にやっていかなきゃいけない。でも、これだけではやっぱりだめだというふうに思うんです。政府全体としてどういうような政策でどういうような事業が必要で、だからこれをずっと積み上げていくと各局のどの点にどういう程度の予算を必要なんだと決めていくやり方、これを導入していかなきゃ絶対いけないというふうに思うんです。本当に今までのやり方を改めるというのであれば、まず今までのやり方をしっかりと反省する必要があるというふうに思うんです。
 そのやり方なんですけれども、きのう指摘しました公共事業の再評価、あれは一昨年に行った再評価を昨年度予算に反映したものだ。今年度予算に向けた見直しはまだ結果が出ていない。まず見直しの成果があって、それに照らして予算案を組んだのではないのに、工夫をいたしましたと言われても、これは説得力が私はないというふうに思うんです。
 ですから、予算案で公共事業を幾らというふうにとってしまって、見直しの結果、今までよりも効率的に予算を使えることがわかったときにそのお金を返上するということがありますでしょうか。あるかないかだけお願いします。
#131
○政務次官(岸田文雄君) 返上するというか、予算に計上しないという形で反映するということはございます。
 ですから、今年度の御指摘をいただいたわけでありますが、評価対象の八百五十事業につきまして、予算が通った後、予算の実施計画策定時までに評価を終えるべく今努力をしているわけですが、昨年十二月時点までに既に四事業を休止するということにしております。秋田県の長木ダム、茨城県の緒川ダム、奈良県の飛鳥ダム、長崎県の轟ダム、この四つのダムにつきましては平成十二年度予算の中にゼロとして計上しております。要するに予算に計上していないわけであります。
 このように、この十二年度予算の中に、今まだ作業の途中ではありますが、もう十二年度時点で再評価を行って見直した部分につきましては反映させているということを御理解賜りたいと存じます。
#132
○岡崎トミ子君 そこで、きのうもお尋ねしましたが、また吉野川についてお伺いしたいんです。
 これから大臣がどう取り組まれるのかを見なければ、公共事業にこれから建設省がどのように取り組むのかを見なければ、建設省の予算案をどう評価するべきかということを判断できないと思うんですが、きのう大臣が、私はゼロに戻ると言っているというふうにおっしゃって、一方、住民投票の会の姫野さんが白紙撤回というむちゃなことを言っているというようなことをおっしゃいました。
 このゼロに戻るということと白紙にするということの違いを大臣は縦軸とか横軸とかいう言葉を使われて説明してくださいましたけれども、私はよくわかりませんでした。どちらもこれは建設省が推進してきた可動堰計画について、その必要性にさかのぼって、一番本当にゼロというのはそこの必要なのかどうなのかというところにさかのぼってこの共通認識の立場で話し合おうという意味だというふうに私は思うんです。
 まず一般論で伺いますけれども、アメリカの例でちょっとお聞きいただきたいんですが、アメリカでは個別の公共事業の実施を決める前に、事業を行わないことも含めた複数の選択肢についてアセスを行うんです。住民とか経済界とかがそれぞれの問題意識に従って選択肢の比較ができるようにデータを集めて、そしてアセスの結果を公表する仕組みがアメリカにはあるわけなんです。
 そこで、建設省も公共事業の決定に当たっては、当然幅広い選択肢について冷静な議論を納税者や地域住民の皆さんたちとすべきだというふうに思うんですけれども、この点は大臣、異存はないでしょうか。安心のために確認をさせていただきたいと思います。
#133
○国務大臣(中山正暉君) まだ予算がついたわけでも何でもありませんし、可動堰は上に道路が乗ったら千三十億とか、可動堰だけならば九百五十億とかといううわさが流れているだけでございまして、今のところ調査費がついているところでございますから、せきも慌てもしないと言いましたのはそのことでございます。ですから、第十堰の代替案といたしましては、建設省として提示している可動堰の中の三つの堰の構造タイプ、それから審議会で示した五つの代替案だけではなくて、市民から現堰の修復とか、それから堤防強化案とか、それからまた代替案が示されればそれらの議論も対象としてやっていくということでございます。
 議論に当たっては、それぞれの代替案の治水上の効果や環境面での影響とか、それから費用等も含めまして具体のデータを広く示しながら検討を進めることといたしておりますので、何の敵意もありませんし、皆さんがいいようにと思ってやっていることがちょっと誤解を受けているというだけでございますから、そんなに何にも気にしておりませんので、どうぞ先生も気になさらないでいただけたらありがたいと思います。
#134
○岡崎トミ子君 大臣、ありがとうございます。
 今もちょっと触れてくださったんですが、もうちょっと細かく言わせていただきますと、その費用ですね、採算性、それから費用負担の配分、受益者の特定、安全性について、効果、環境への影響、こういうことが指標とされるべきだと思いますが、先ほどおっしゃってくださったことに細かくいろいろあるということを考えてくださって、こういうこともどうでしょうか、考えていただけませんか。
#135
○国務大臣(中山正暉君) 河川局長が来ておりますから、技術的な問題とか水理学上、それから土木学上の問題なんというのは専門家でございますから聞いていただいたらいいと思います。
 私は、全くゼロからのスタートというのは、今まで私の前の昭和六十二年ぐらいからそれこそ計画してこの問題というのは進んでおりますので、私は去年の十月五日からでございますから、その意味で私は虚心坦懐に皆さんとお話し合いをしながら、この百九本の直轄の河川のうちで一番暴れ川ということで、また県庁所在地があって、鮎喰川という川がありまして、それと吉野川までの三本の堤防で徳島市は守られていますから、一番安全なのは徳島市のような気がします。予測浸水地域というのも徳島は四分の一しか入っていません。
 あとは、この間も四国の道路のことで田村先生から御質問のあった、ちょっとおしかりを受けましたが、あの道路のことで行ってまいりましたときにもまた上を通ってきましたけれども、岩津というところから上に行きましたら、竹林堤といいまして竹林で堤防のかわりをしているという大変物騒な川でございます。竹やぶがずっと続いていまして、この間そのそばからヘリコプターに乗りましたら、その竹やぶの中には川の流れのときにひっかかったごみで、竹やぶの中が、なるほどこれが竹林堤かと思うようなものを見てまいりましたから、あの百九十四キロという川、徳島市には十四キロしか接していない、この現状でその地域の人のことをしっかりと考えていかなきゃならないのが行政の責任、こういうふうな感覚でおりますので、こだわるものは何にもありません。そういう心境でございます。
#136
○岡崎トミ子君 そこで、大臣、代替案なんですけれども、起伏式というふうに大臣は真っ先に挙げられました。これはもう委員会でもいろんなところで代替案として起伏式を挙げていらっしゃるんですけれども、当然メリット、デメリットあるだろうというふうに思います。メリット、デメリットを教えていただきたいと思います。
#137
○政府参考人(竹村公太郎君) 起伏式の堰のメリット、デメリットをお答えいたします。
 起伏式と申しますと、ふだんは鋼製、メタルのゲートが立っております、このような三角形の形で立っておりますが、洪水が来たときにはその立っているゲートを静かにおろすという起伏でございます。
 この起伏の堰のメリットは、工事が非常に容易だということと低コストだということでございます。そして、景観上圧迫感を与えませんで、平常時のさらさらと水が流れる状態を再現できると考えております。
 一方、デメリットとしましては、ゲートをこのように倒しますので、ゲートの下に石が入り込んでしまったりすると不完全な倒伏ということになる可能性がございます。
 このデメリットにつきましては、二十年前の河川管理施設の施行令、構造令、施行規則では、三メーター程度ということになっておりましたが、その後、ゲートが倒れるときその下に石が入らないような技術的な改良を完全になし遂げました。実は簡単なことでございまして、ゲートが倒れるときにゲートを収納するためコンクリートの底に穴ぼこを掘っておったわけです。その穴ぼこにゲートを収納しようといった形式でございましたが、その穴ぼこに石が入ってしまって十分倒れなかったということでございますので、その凹形の穴ぼこをやめまして平らにして下流側に傾斜をつけてそのゲートを倒すという形式にしたところ、平成元年以降の起伏式ゲートでは全くそのような石が入り込むような状況はないということを確認しております。
 現在の基準では高さの緩和をしておりまして、この第十堰においても当然検討対象の堰構造と考えております。
#138
○岡崎トミ子君 今、この妥当性も含めてぜひ議論をしていけるように十分な材料を提供していただきたいというふうに思います。そのほかの例につきましても、さまざまな選択肢についてできるだけ広範な項目を出していただいて、メリット、デメリット、市民の皆さんがわかりやすいそういう材料を挙げて、交渉の場に全部出して、データも出して、そして話し合うということが大事だと思います。大臣、そうですね。
 先ほども市民団体が主張する修復が当然入っているというふうに私は思ったんですけれども、そのことだけをちょっと確認したいと思いますが、入っているんですね。市民の皆さんがおっしゃっている第十堰を修復するということも中に入っておりますね。
#139
○国務大臣(中山正暉君) 当然、そういう皆さんのアイデアは大事だと思っております。
#140
○岡崎トミ子君 現在、流域管理ということでは建設省として審議会に諮問をされておりますけれども、この答申の中身、どんなことを期待されているのかについてお伺いしたいんです。
#141
○政府参考人(竹村公太郎君) 本年二月四日、建設大臣より河川審議会におきまして、「流域での対応を含む効果的な治水の在り方について」という諮問がされました。現在、審議会計画部会へ付託されたところでございます。
 この趣旨は、近年、異常気象を原因としまして思わぬ集中豪雨が襲ってまいっております。具体的に申しますと、気象庁のアメダスという資料によりますと、平成十一年におきましては一時間の雨量が百ミリ、一時間の雨量が百ミリというとこれはとんでもない数字でございまして、百ミリ以上の観測点が全国で十カ所を超えておるということで、近年にないとんでもないデータが観測されております。私ども河川管理者としてさまざまなことを予測し計画いたしますが、自然の驚異的な力は私どもの計画したものを必ずいつかは上回るという認識のもとに、その際発生した思わぬ大洪水が、それまで築いてきた私たちの文明を一気に襲い、人々の生命と財産に壊滅的な被害を生じさせることを避けることが必要であるということで、被害を防ぐということではなくて、その被害を最小限とするための流域での対応が求められるという考え方で、この審議会で検討していただく内容となってございます。
 なお、吉野川は徳島県の中心部を流下する重要な河川でありまして、その安全性は阿武隈川、信濃川、筑後川等、全国の主要三十一河川と同程度の百五十年に一回の洪水に対して安全とするよう計画しておりますが、計画を上回るどころか、安全性はまだまだ計画まで至っておりません。このために治水安全度の向上が緊急の課題となっておりまして、その中でも特に第十堰の固定堰を可動堰にして洪水の水位を低下させることが大変緊急なことだと私ども認識しております。
#142
○岡崎トミ子君 大臣、少なくともまだ答申が返ってこないというところでございますので、選択肢のメリット、デメリットというのを固めてしまうのはまだ早計だと、きちんとこれを受けて、そして決めていくんだということは大丈夫ですね。時間の経過、いかがですか。
#143
○国務大臣(中山正暉君) そのとおりだと思っております。
#144
○岡崎トミ子君 四国の徳島にお入りになられるということで、どんなことを考えていらっしゃるのかについて、建設省の考え方についてお伺いをいたしました。
 これを見ますと、まず大臣と市町村長との懇談がありまして、その後、別に市民団体と関係住民の意見の表明の機会があって、その中身というのは推進、反対両方から一人数分ずつ発言してもらうというふうになっていて、その後で大臣が発言するという、こういうものなんです。
 私は、住民投票の結果というのは、専門家の意見をよく聞いた上で自分たちでも勉強して、その上で九割の市民が反対をしたということを受けとめてほしいわけなんです。ですから、こういう形のセレモニーではだめだというふうに私は思います。対話というのは、意見を表明して最後に感想を述べるというか、それで終わりではないですね。そしてまた説明責任、税金を託してそれを受け取った者がこんなことをいたしますというふうに説明するのは、その結果について納得できる説明ができるということが大事ですので、これは大臣の言われている、あるいは建設省が進められている対話路線ということとはこの方法はちょっと違うと思いますけれども、いかがですか。
#145
○国務大臣(中山正暉君) 河川局で準備をしてくれておりますので、河川局長から御説明申し上げます。
#146
○政府参考人(竹村公太郎君) 現在、建設省四国地建河川部長が地域の代表の方々と、大臣が現地に入ってどのような形でお話し合いをするかということについて内容を詰めております。
 その中で、各流域の首長さんの方々の御意見、そしてぜひ早く可動堰化の事業をやっていただきたいと強く要望されている流域の水防団の方、さまざまな流域の方々、岩津から上流のいつも洪水で大変苦しんでいるという方々とか、そして今回の住民投票の中心的な活動をされた第十堰事業に疑問を持っている方々、さまざまな方々と河川部長が会い、どのような形で大臣が公平に、そして静かに実のある話し合いができるか、意見をお互いに開陳できるかということについて現在詰めております。
 現在、まさにその話の内容を詰めている最中でございますので、現在進行中だということの御報告をさせていただきます。
#147
○岡崎トミ子君 実のある話し合いをするために話を詰めるんじゃなくて、大臣がお入りになって対話でゼロから、そしてまた白紙撤回というふうに言ったその意味は、そこから深めていくので、四国地建が入ったり建設省が中に入ったりしておぜん立てをして、結果こういうようなことではないということについて、私は大臣に伺いたいんです。対話の方法は、これは全然違いますので、セレモニーです、これでは。
#148
○国務大臣(中山正暉君) 大体、二十二団体ほど存在するようでございますから、その団体の調整も大変なようでございます。三つぐらいに種類が分かれるようでございますし、その方々とこっちの顔もあっちの顔も立てなきゃいけないという話し合いで、河川局は本当にどんなふうな話し合いをするかというのを、今それを相談しているところでございまして、我々の側の問題だけではないということで、その辺はひとつもう少しお時間を拝借いたしたいと存じます。
#149
○岡崎トミ子君 確かめたいのは、対話をしてくださるということですね。
#150
○国務大臣(中山正暉君) はい、大好きです。
#151
○岡崎トミ子君 それでは、ぜひともセレモニーではなく対話で積み上げていく……(「時間の制約がなければ」と呼ぶ者あり)それはもちろん、そういう御意見もあろうかと思いますけれども、ぜひそういう形式を持っていただきたいなというふうに思います。
 それですと住民投票の会の皆さんたちが、何か新聞にもこういうやり方について拒否しているようなそういうような書き方もありましたけれども、拒否しているのではなくて、本当に対話でなければいけないという、セレモニーであってはいけないという、そういう思いを込めて、セレモニーだったら意味がない、こういうふうな意味合いだというふうに私は思っておりますので、よろしくお願いします。話を聞いてやるから出てこい形式では信頼関係をつくっていくことができないだろうというふうに思いますし、その点をよろしくお願いしたいと思います。
 あと最後に、徳山ダムについてちょっとお伺いしたいと思います。
 事業が破綻していると多くの市民が考えている事業にこの徳山ダムがございまして、水源開発の面からも治水計画の面からもその必要性が疑われておりますけれども、これは自然環境の面からも問題が指摘されて注目を集めておりまして、建設が予定されております上流にイヌワシ、クマタカ、環境庁のレッドデータブックの絶滅危惧種、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の政令指定種に指定されております猛禽類にとって、良好な生息環境が残されている貴重な地域である。しかし、水資源開発公団などが十分で適切な環境影響評価を行わずに本体着工をしようとしているというふうに聞いておりまして、この問題について日本自然保護協会の意見も多分環境庁に行っているだろうというふうに思います。建設省の方に行っております。
 まず、水資源開発公団の猛禽類調査、環境影響評価保全対策について、今どのように把握していらっしゃるか、お願いいたします。
#152
○政務次官(岸田文雄君) 徳山ダムにつきまして、そして日本自然保護協会の意見書等につきまして御質問をいただきました。
 徳山ダムの猛禽類への対応につきましては、平成八年五月に本格調査を開始して以来、まず猛禽類専門家で構成するワシタカ類研究会の指導を受けながら調査を実施してきたところでございますが、一方、今、先生から御指摘いただきました徳山ダムの事業者であります水資源開発公団の方でも独自に希少猛禽類保全対策指針案を作成するなど、積極的に対応してきたところでございます。そして、昨年十二月には、その日本自然保護協会の協力を得ながら、こうした調査の結果をどこまで公表するべきなのか、そういった御意見を承りながらこの調査結果を公開する、こうした作業を続けてきたところでございます。
#153
○岡崎トミ子君 不備を正さなきゃいけないというふうに思うんですけれども、いかがですか。十分じゃない面について、正していかなければいけないと思うんですけれども。
#154
○政務次官(岸田文雄君) そういった作業を進めていきながら、まさにきょう本体工事の入札を予定しているところであります。用地取得率も九八%に達した、そうした事業の進みぐあいを見て、本日、本体工事の入札を予定しているところですが、従来もこうした猛禽類に対する対応、昨年も営巣等が発見された際には一時的に工事を中止する等こういった対応を続けているところでありますし、またこれからも専門家の意見を伺いながら工事を進めていかなければいけないと思っております。
 ですから、こうした調査の結果、専門家の意見を伺いながら、従来からも必要に応じて工事の中止をしてきたところでありますが、そうした必要な対策は検討していかなければいけない、そのようには感じております。
#155
○岡崎トミ子君 今おっしゃってくださったことでよろしいかと思いますけれども、猛禽類の専門家の方にぜひ話を聞いていただきたいなというふうに思いまして、それがダム建設事業にも十分反映されるように、建設省の方でもぜひ担保する仕組み、この仕組みをつくっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#156
○政務次官(岸田文雄君) そういった観点からの努力はぜひ進めていかなければいけないと思っております。
 しかし、一方でこの事業につきましては、用地取得も九八%という状況でございますし、また水資源開発公団の方でも、当の日本自然保護協会の指摘を受けまして、昨年十二月、徳山ダムの地元、岐阜県知事に対しまして事業の進め方につきまして意見の照会を行ったところでありますが、それに対しまして岐阜県知事の方から、地元二十五市町村の意見も添えた上で一日も早いダムの完成を希望するという回答も寄せているところでございます。これは事業の進捗ぐあいによりまして事業費のかかりぐあいも変わってくるわけでありますから、その辺もにらみながら、一方でそうした環境に対する配慮も忘れずに進めていかなければいけない。
 そういった事業を進めるべく、この事業主体であります水資源開発公団、これを指導していかなければいけない、そのように感じております。
#157
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
#158
○高野博師君 都市の再生、それから町づくりについての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 大臣は所信の中でも、二十一世紀にふさわしいすぐれた機能、環境を有する都市へと再生を図っていく必要があるということを述べておられます。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 そこで、都市、町づくりの理念、原則はあるのでしょうか。
#159
○国務大臣(中山正暉君) 大変大きな御質問でございますので、歴史と伝統の上に乱雑に計画されてきたのが何か終戦後の日本の都市のような気がいたします。昔はちゃんと条に分かれていたりした都市計画があったようでございますが、我が国の都市には人口の大半が居住するということで経済活動の大部分が営まれていますけれども、都市のあり方は我が国の経済活動や国民生活の質のあり方に直結するものとなっておりまして、我が国経済を新生し、夢と活力に満ちた次世紀を築き上げていくためにも、都市を再生し、二十一世紀にふさわしい魅力的な都市を創造していくことが大変重要であると思っております。
 特に、少子高齢化の進行とか、それから産業構造の変化など都市を取り巻く環境は大きく変化をしておりまして、こうした環境の変化を踏まえて、既成市街地の再構築と都市間連携、経済活動の活性化に寄与する都市整備、それから環境問題など新たな潮流への対応、そういう点を重点に置きまして、都市基盤の整備とか土地利用の調整など効率的な都市整備を展開して、都市構造の再構築を進めていくことが重要だと思っております。
 また、先般、総理の指示を受けまして、今後の都市構造のあり方やそれから都市再生の実現のための方策などについて検討する都市再生推進懇談会、これは二月二日に各界の有力な方々にお集まりいただいて総理官邸でやりまして、次は四月一日に関西圏でやろうと思っております。その次は中部地区もやろうと思っておりますが、懇談会における議論も踏まえながら、二十一世紀にふさわしい町づくりに向けた取り組みを強力に推進してまいりたい。
 私はいつも思うんですが、外国へ行きますと立派な銅像がありましたり、町に何かそういう歴史と伝統を語るものがあるような感じがするんですが、日本は余りそういうものがありません。乱雑に大都市というものの周りにいろいろな衛星都市がいっぱいありまして、都市間の連携というのはそれぞれ特徴を持った新しい二十一世紀の構築、典型的に首都機能の移転なんというのはそのモデルをつくるんじゃないかなと思って大変私は期待をしております。これも国会でこれから御審議をいただくということになっておりますので、昨年の十二月二十日に答申をいただいておりますが、これはもう日本だけでなしに、いわゆる経済的に大きな国とか、これから大きくなっていく国なんかに対して、私は日本のこれからの都市づくりの模範というふうなものを建設していくべきではないかと思っております。
 ちょっと抽象的でわかりにくいかもわかりませんが、なかなか既成の町の上での難しさというものはこれからひとつ、都市基盤整備公団みたいなものもできておりますし、そういう公団とも協力しながら建設省の使命を果たさなければならない、かように考えております。
 特に、また法律改正をして地域にお任せをするという地方分権の時代、これもまた基本になるかと思っております。
#160
○高野博師君 よくわかりません、これから聞こうと思ったことまで答えられておりますので。
 実は、やっぱりきちんとした原則がないんではないかという気がいたします。
 これから循環型社会を構築するために、高い生活水準を維持した上で環境負荷を少なくするように都市をコンパクトにしていく。ドイツなんかは、コンパクトで混合した都市という考え方がある。アメリカ等にはアワニー原則というような都市づくりの原則が、これは民間の学者が考えた原則ですが、北欧の諸国では持続・循環型都市エネルギーインフラシステム、こういう考え方に立った上で都市づくりをやっている。そこで、住宅・社会資本の整備ということもきちんとした都市計画、まずそういう都市計画、町づくり、これに基づいた上にきちんとこれにのっとってやっていく必要があるんではないか。
 大臣は博学強記でありますので、ちなみにこのアワニー原則というのは御存じでしょうか。──御存じない。このアワニー原則というのは、アメリカのあるホテルで六人の都市計画家が集まってこういう原則をつくったらしいんですが、これは建設白書に書いてありました。それは、例えば「できるだけ多くの施設が、相互に気軽に歩いて行ける範囲内に位置するように設計されなければならない。」とか、「できるだけ多くの施設や活動拠点が、公共の交通機関の駅・停留所に簡単に歩いて行ける距離内に整備されるべきである。」とか、あるいは一つのコミュニティーとコミュニティーの間には農業のグリーンベルトあるいは野生生物の生息境界などによって明確な境界をつくらなくちゃいけないとかこういう考え方、僕は日本の場合も何らかの原則をきちっとつくった上で町づくりをする必要があるんではないかと。
 そこで、なぜ日本が今のような住みにくいというか乱雑で魅力のない単調なそういう町になってしまったのか、これはまさに計画性がなかった。日本国内どこに行っても画一的な同じような町並み、風景、地方の個性も何もないというようなことで、これは限られた国土面積の中で戦後の急速な復興あるいは経済成長、そしてそれに伴っての急激な人口の集中化あるいは増加、そういうことで国土建設に社会資本の整備、住宅建設、これが急激な経済社会の変化に追いつかなかった、あるいは対応できなかったということが言えるんではないか。どちらかというと後追い型の開発をやってきた。それは具体的な数値目標をつくって、その数値を追うだけに重点を置き過ぎたんではないか。創意工夫というものがなかったんではないか。
 例えば、一人当たり公園面積を何平米という目標をつくったら、それだけに、その数値目標を達成することに重点を置き過ぎてきたということで、今の日本の画一的な単調な、国全体がどこに行っても同じような町になってしまったということが言えるんではないかと思うんですが、そこで都市の歴史とか文化とかそういう個性を重視した町づくりというのが必要なんではないか。
 これは大臣の得意な分野だと思うんですが、平安京とか平城京とか、あるいは江戸時代もそうですが、きちんと歴史的にもう都市計画というようなものがあって町づくりをやってきた。ヨーロッパでは、先ほど大臣からお話がありましたように、ヨーロッパあるいは植民地であった国なんかもまず最初に公園をつくる、その前に市役所をつくって、病院をつくって、そして教会をつくって、そこから町づくりをやってきた。町そのものが美しい景観を持った上に文化遺産でもあったということが言えるんですが、我が国はそういう都市計画をやってこなかった。やむを得ない部分も当然あると思うんですが、これからの少子高齢化社会に向けての町づくりの理念、原則、こういうものについてきちんとしたものをつくるべきではないか。
 そこで、これから逆都市化という現象も起こるだろう。都市集中じゃなくて、これからどんどん都市の人口が減っていくという中で、首都圏、これも減っていく。逆都市化になってきたときに土地利用のあり方とそれから都市交通体系、この整備の一体性が必要ではないか。そういう上に、循環型社会にマッチした町づくりあるいはバリアフリーの町づくり、気候変動等に対応できるような災害に強い町づくりとか、さっき言ったような地域の個性あるいは地域固有の歴史、伝統、文化、こういうものを持った町づくり、そして住民参加の町づくり、こういうものも必要ではないか。その上でまた国際化もあり情報化もある、そういうさまざまな要素があるんですが、きちんとした日本として国づくり、町づくりの理念と原則をつくるべきではないかなと思うんですが、大臣の所感をお伺いいたします。
#161
○国務大臣(中山正暉君) 都市局長も来ておりますので、そういう技術的な問題はまた都市局長からも御答弁を申し上げたいと思いますが、国家権力の強いとき、日本は大体二百七十四名ぐらいの大名が幕末にはおりました。旗本が三、四十人おりましたでしょうか。ですから、それが防衛を考えて城下町づくりをしたのが日本の点在した都市の基本ではないかと思っております。それから明治から百二十三年ばかりたって今、その途中に大戦争がありました。
 私も機会があってピョンヤンに四回ほど行きましたが、ピョンヤンの町を本当に遠くから見たら本当にすごいなと。近くへ行きますとまたいろいろなことが、中を通りますといろいろなことがあるのでございますが、やっぱり国民が理解をして町づくりにどんな協力をするか。
 私ども子供のころには疎開道路と言いまして、警防団の人がチョークを持ってくると、爆撃で延焼しないようにというので、あっと言う間に三十メートル幅ぐらいの、二十五メートルぐらいの道路がばっとできて、私らは疎開道路と呼んでおりました。ああいう強権力の時代にはそういうことができるかもわかりませんが、この民主主義の時代になりまして、個人の権利をいかに尊重するかという時代の町づくりの難しさというのを私はしみじみと考えております。
 その中でも、私はこれからの二十一世紀に向かう日本としてはちゃんとひとつ住民参加の、先ほどからの話じゃありませんが、住民参加の町づくりをどうしていくかという、どこをどうするんだ、どういう地域をどうするかというのは、私はこれからの再開発なんかの問題で協力を得られるモデル地域みたいなものをつくりながら、そして東京から、さっき申しましたような首都機能移転は東京には二百十二ヘクタールの官庁の場所をあけて、そこに新しい公園か災害のときの避難地かそういうもの、それから私は江戸城復元なんか言っております。私は大阪ですから、大阪城は昭和三年にできた、昭和天皇の御大典記念で大阪市民の浄財百五十万円でつくったのが昭和六年にできたわけでございますが、名古屋も城を見て、東京は私は石原慎太郎さんにも言ったんですが、どうだ、江戸城を復元したらどうかなんていう話もしました。
 ヨーロッパの町へ行きますと、ポーランドなんかでもお城が全部爆撃でやられたのに、アメリカにいるポーランド人が全部寄附して、何々侯爵と何々子爵がチャンバラをして壁に残った傷なんていうのまで復元しているというのを見ますと、その情熱たるやすごいなという感じがします。ヨーロッパは、教会とかそれからそういうものが中心になって本当に美しい都市国家でございますから、特にEUなんていうのは私はローマ帝国の再現だと思っておりますが、そういう意味でヨーロッパの町へ行くと本当にうらやましい。帰ってくると、日本ってなんてばらばらだろうと。町の景観は、パリなんかも中はきれいになっていますが、外側は昔のスタイルをずっと残して、そういう何か残そうというコンセンサスみたいなものが、私は日本に語りかける都市計画みたいなものが必要なんじゃないか、そんなふうに思っております。
 何か得体の知れない答弁をしておりますけれども、先生がそのまま言えとおっしゃるので、感じたままを、しかしこういう話し合いが私は大事なんじゃないかなという感じがするのでございます。
 詳しくは、法律的には局長が来ておりますから。
#162
○政府参考人(山本正堯君) ただいま大臣が御答弁されましたように、日本の都市が外国に比べて大変個性に乏しいといったような点につきましても、歴史的ストックが極めて少ないといったような点、あるいは戦災を受けまして、とにかく一律的に急激な人口増に対していろんな整備をやっていこうというような点等々から、昭和三十年代、四十年代にかけて大変急激な成長に伴って都市化が行われたという点等々で、ナショナルミニマムの充足が強く求められたといったような点から、日本の都市が画一的、余り個性がないといったようなことになっておったわけでございますけれども、最近、都市化が進行いたしまして、成長し、人口移動の鎮静化が図られてきたといったようなこと、状況変化あるいは社会状況の変化、国民意識の変化等に伴いまして、都市のあり方、町づくりが、地域の個性に合った町づくりをしていく必要があるといったようなことが大変強く指摘をされたわけでございます。
 都市計画中央審議会におきましても、都市化社会から都市型社会へと、都市の再構築というのを一つ大きなテーマに掲げて提言がなされて、私どもとしても、それを実現すべくいろんな施策を講じていこうというふうに考えておるところでございます。
 今回、私ども、その一つの手段でございます都市計画法につきましても、ちょうど制定以来三十年たったわけでございまして、そういった情勢の変化、国民意識の変化等に伴いまして、制度を抜本的に見直し、その制度に合ったような格好に変えていこうということで現在作業をし、国会に御提出して御審議をいただこうということで今現在検討しておるところでございます。
 今、先生おっしゃいましたように、都市のあり方、地域の町づくり、地域が主体になった町づくり、個性のある町づくりといったようなものを将来のいろんな基本の理念に掲げていきたいというふうに考えておるところでございます。
#163
○高野博師君 ありがとうございます。大臣の考え方、私も全く同感であります。
 ちなみに、メキシコなんかの本当に山の中の百人ぐらいしか住んでいない村で、立派な公園があって、教会があって、町役場があってと、町そのものが本当に文化遺産になっている。アルゼンチンなんかも、本当に田舎に行ってもドイツの移住者が立派な町をつくっているということで、日本にはもうそういうところが少なくなってきたということもありますので、ぜひ日本の歴史とか伝統とかというものを生かしながら町づくりを進めてもらいたいなと、そう思います。
 それでは最後に、町づくりに関する統合補助金を創設するということが所信にも書いてありますが、これについて、いかなる規模で、そしてその目的、対象はどういうものなのか、お伺いいたします。
#164
○政府参考人(山本正堯君) 十二年度予算につきまして、町づくりに関する統合補助金ということで、まちづくり総合支援事業という事業の創設を予定させていただいております。これは、地域が主体になって、地域主役の町づくりということを強力に推進する、先ほど先生からも御指摘いただきました、そういったような観点から町づくりに必要な事業をパッケージで一括助成するという制度でございまして、これまでにない制度でございます。
 具体的に少し御説明させていただきますと、市町村が中心市街地活性化とか、あるいは水、緑といったようなそれぞれの幅広いテーマにつきまして、一定の地区で連携して行われます公園でありますとか区画整理でありますとか下水道でありますとか、そういったような複数の事業をおおむね五カ年の事業計画に定めまして、これを地区単位で一括して採択するといったような制度でございます。
 補助金の交付につきましては、各年度ごとに地区単位で一括して行って、地区内における個々の事業の配分は市町村に任せる。したがいまして、下水道、公園等々がございましたら、それについての配分は市町村に任せる、こういったようなことでございます。
 こういう事業によりまして、市町村が町づくりの目標、例えば中心市街地の活性化を重点的にやっていきたいといったような個別の町づくりの目標を明確にした事業計画を策定いたしまして、これに基づきまして複数の事業を同じ進度で総合的に連携させながら地域の町づくりを進めていくといったような制度でございます。
 地域の創意工夫を生かした町づくりに大変私どもとしては期待をして、この制度が十分活用されることを大変期待しておる、こういうことでございます。
#165
○高野博師君 この統合補助金については、地方分権の流れにも合っているし、ぜひ地域の創意工夫を生かした町づくりの推進に努めていただきたいと思います。
 終わります。
#166
○岩佐恵美君 今国会には、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法案が提出をされています。公共交通機関について、新規の駅舎や車両のバリアフリー化について基準への適合を義務づけました。大きな駅などを中心とした重点整備地区については、市町村が目標時期を明記した基本構想を定める、事業者や道路管理者がそれに従って具体的な計画をつくってバリアフリー化の事業を実施する、そういうことになりました。
 九六年に施行された建設省所管の高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律、ハートビル法、これは不特定多数が利用する新築建築物を対象にバリアフリー化を進めるというものですけれども、努力義務を課しているだけです。今回のバリアフリー法案の水準に合わせて、例えば基本構想の決定だとか目標の設定だとかあるいは義務化等、そういう改正をすることになるのではないかというふうに思いますけれども、その点どうでしょうか。
#167
○国務大臣(中山正暉君) いわゆるハートビル法の義務化の問題でございますが、広く建築物をも対象としてバリアフリー化の義務づけを行うには、その規制の必要性について十分な国民的コンセンサスが求められるところでございますけれども、現段階ではなかなかすぐには難しい。交通事業者なんかには新法を適用することになっておりますが、まだ平成六年にできたばかりでございます。このような現状を踏まえまして、現行のハートビル法に基づきまして、不特定かつ多数の者が利用する特定建築物の建築主に対し、バリアフリー化の努力義務を課すとともに、補助とか税制、それから融資等の誘導措置を活用することによりましてバリアフリー化を早く推進を図っていきたい、こういうふうに考えております。
 当面はこれらの措置を活用しながら、積極的に建築物のバリアフリー化を一般の方々に広くPRをしながら御理解いただいて、そういう社会的な構築をしていく必要がある。
 今度、八代郵政大臣が出られたから、やっと総理官邸にも、国会にも二億円使って八代先生が参議院に出てこられたときに大分改造がなされましたが、国会も昭和十一年にできたもの、総理官邸も昭和四年、そういう古い建築物が残っておりますので、なかなか思うに任せませんが、これは周知徹底を図って早くその目的が達成せられますようにしてまいりたいと思っております。
#168
○岩佐恵美君 すぐに義務化というふうにいかないにしても、基本構想を決めて、目標を設定して、そこに進むように誘導していくということはできると思うんですね。ぜひそういう方向でやっていただきたいというふうに思います。
 次に、住宅の問題なんですけれども、障害者の皆さんが人間らしく生きる権利として、自分の力で生きられる限り自立して生活できる、そういう社会の実現を求めておられます。とりわけ、交通問題とともに安心して住める住まいの保障、これを何とかしてほしいというのが切実な要求であります。
 ところが、公営住宅法では、政令で重度障害者の単身入居を排除しています。なぜ、重度障害があるというだけで一律に単身者用の公営住宅から排除してしまうのか。その点について御説明いただきたいと思います。
#169
○政府参考人(那珂正君) 公営住宅法及び同施行令によりますと、身体障害者の方のうち障害の程度が最重度である一級から中程度である四級までの者が公営住宅への単身入居が可能な者として優遇されております。
 したがって、公営住宅法ではそういう方々、いわゆる重度の障害者の方々を単身入居として入居できるように取り扱っているところでございます。
#170
○岩佐恵美君 ところが、公営住宅法でいわゆる常時の介護を必要とする人たちというのははじかれているんですね。実際に、重度身体障害者で介護を受けながら単身しておられる方が公営住宅に入りたいといって手を挙げても入居は門前払いというのが実態なんです。単身の重度障害者が民間住宅を探そうと思っても、車いすで探すわけですけれども、三十件以上回ったってとても探せない、当たらない。大体、不動産業者の方々自体がもう無理だよということでなかなか相手にしてくれないということなんですね。ですから、公営住宅が率先して排除しないで受け入れてくれるということになると本当にどんなにか安心して暮らしていくことができるかということを言っておられるんです。
 私が直接お話を伺った方は、普通の車いすよりもちょっと寝台型の車いすですね、かなり大型の、横になって移動しなければならないというようなそういう方なんですけれども、この方は、民間のアパートで大家さんの好意で、いろいろ今の制度を使いながら玄関口を広げたりあるいはお風呂場を改造したりしてひとりで暮らすことができているんですね。ところが、その方が公営住宅に入ろうとしても、単身で重度の人は入れないというものがあってなかなか入れないわけです。
 これのもとは公営住宅法の法律そのものにある。この法律そのものが結局もとになって、例えば各都道府県がそれと同じ条項をもって排除するから入れないということになっているんだということなんですけれども、これをぜひ改善していく必要があるというふうに思うんですが、再度いかがですか。
#171
○政府参考人(那珂正君) 先ほど申し上げましたように、公営住宅法令におきましては、重度の障害者の方々は他の、例えば老人の方とか生活保護を受けていらっしゃる方と同じように特に居住の安定を図る必要があるということで政令におきまして限定列挙されて、一般の公営住宅入居資格要件であります同居親族要件というのがありますがこれが不要と。したがって、単身で入居が可能になるように言ってみれば優遇されているわけです。
 しかしながら、今、先生御指摘の点は、政令の書き方において確かに各号列記に重度障害者の方と書いてあるんですが、いずれにしても、「身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とする者でその公営住宅への入居がその者の実情に照らし適切でないと認められるものを除く。」と柱書きでこういうややあいまいな基準で除いているものですから、各事業主体において誤解が生じているというのが実態だろうと思います。
 事実、そういうふうに誤解している事業主体も多かったわけですが、昨今のいろいろな会議で周知徹底を図っておりまして、大分少なくなってきた、つまり本当に重度の障害者の方でも単身入居の要件はちゃんと満たせるということが徹底してきたと、こういうふうに思っているわけです。もちろん、この今申し上げた重度の身体障害者が常時の介護を必要とする者である、そういうことだけをもって一律に排除されているとすればそれは問題でありますので、指導方を徹底してまいりたいと思います。
#172
○岩佐恵美君 大臣、障害があるというだけで権利を奪う、こういう規定は今総点検が進められて取り除こうということになっていて、例えば運輸省では昨年十二月に公共交通機関への障害者の単独乗車、これをバスは規制していたんですね。その規制条項、通知ですけれども、これを撤廃する、削除するということになりました。
 四月からは介護保険制度が施行されるわけで、重度障害者でも本当に安心して、誤解のないように各運用がされるように、私は今の誤解されるような条項はやっぱり変えていく必要があるというふうに思うのですけれども、その検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#173
○国務大臣(中山正暉君) その重度の身障者の方のお立場を考えて、政令その他で配慮をしてあるものだというふうに私なら読むのでございますが、それで迷惑をこうむられる方がおられるということでございますならば、そういうものも含めて検討の課題にしなければならないと思います。特に、単身で何か事故があった場合にどうするのか。事故がないような住宅づくりをしなければならないと思いますけれども、そういういろんなことをおもんぱかりながら、先生の御趣旨に対応していきたいと思います。
#174
○岩佐恵美君 四月から介護保険制度が導入されるわけですから、そういう点でもぜひきちっと前向きに検討していただきたいと思います。
 次に、吉野川第十堰の問題について伺いたいと思います。
 第十堰の役割について、簡単に御説明ください。
#175
○政府参考人(竹村公太郎君) 吉野川第十堰の役割について御質問がございました。
 河川は自然の状態に置きますと、川の流量が減少しますと、川の水は川底に薄く張りついて流れたり細い筋となってあちらこちらへ流れを変えてしまったりします。さらに、この第十堰の地点では、満潮のときには海からの塩水が逆流してきまして川の真水が安定してとれなくなりまして、この吉野、徳島平野の方々の生活に重大な支障が生じます。そのため、二百五十年前の江戸時代、宝暦二年、第十堰地点で川をせきとめ、吉野川に流れる水が少ないときでも堰の上流の水位を確保して、旧吉野川に利水上必要な水を安定的に分派させることを目的としているものでございます。これにより、現在でも水道用水、工業用水、農業用水として約三十四トン、毎秒三十四立方メートルの水を取水してこの地域の発展に貢献しているものでございます。
 ただし、一たび洪水になると川の中にあるこの固定堰は流れの障害となって堰上流部では洪水の水位をせき上げてしまい、堤防の安全性を脅かしていることも現実でございます。
#176
○岩佐恵美君 農業用水で、私は現地へ行ったときに大平所長から伺ったんですが、夏場で二十八トン利用しているということでしたけれども、旧吉野川へは第十樋門からどれだけ分流しているのでしょうか。
#177
○政府参考人(竹村公太郎君) 吉野川から旧吉野川に分流している水量をお答えいたします。
 まず、水道用水としまして約一トン、細かい小数点がございますが約一トンということで、工業用水として約三トン、農業用水が許可水利権が約八トン、そしていわゆる河川法ができて水の水利権と明文化される以前から歴史的に取水されている農業用水、いわゆる慣行水利権が約二十トン、計農業用水二十八トンでございますが、これらの水量が旧吉野川に分派されて利用されております。
 ただし、分派されないで吉野川本川から直接徳島市の方へ水道用水で約二トンも取水しておりまして、第十堰上流部で水がとられておるのは計約三十四トンと申しまして、日本の取水堰の中でもベストテンに入る大変大きな取水量でございます。
#178
○岩佐恵美君 農水省に伺いたいんですが、吉野川下流域の左岸で国営総合農地防災事業が進められています。目的それから計画概要、事業費、そしてどこからどれだけ取水する予定か、あわせて教えていただきたいと思います。
#179
○政府参考人(佐藤準君) 現在、吉野川下流地区においては、農業用水を吉野川などに設けられた多数の取水門などから取水し、また地下水をポンプでくみ上げたりしてかんがいをしております。
 しかし、近年、都市化、混住化により下流部の水質が悪化するということと、それから地下水のとり過ぎによります塩水化が見られるというようなことから、営農上支障が生じておるところでございます。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 したがいまして、この国営総合農地防災事業吉野川下流地区では、このような状況に対応するために取水口を上流部に統合するとともに、用水と排水を分離した幹線水路の整備を行うことにより農業用水の水質を改善し、農業経営の安定と近代化を図ることを目的としております。平成三年から着工をしております。
 また、本事業の主要施設といたしましては、幹線用水路の改修約六十五キロ、揚水機場の新設一カ所、取水口の新設及び改築が各一カ所という計画になっております。総事業費は平成十一年度時点で七百四十三億というふうになっております。
#180
○岩佐恵美君 取水地点。
#181
○政府参考人(佐藤準君) 取水地点につきましては、吉野川本流の上流一カ所、それから第十堰地点で揚水ポンプによる取水、それから自然流入による取水、それプラス旧吉野川部分で当初計画では四カ所から取水をしたいという計画でございます。
#182
○岩佐恵美君 今、柿原堰から十五・四三トン、それから第十堰で十二・一二トン、要するに二十七トン上流部で取水するというのが農水省の計画です。
 建設省は、農水省とこの問題について合意をしているんでしょうか。
#183
○政府参考人(竹村公太郎君) 農水省の事業、国営吉野川下流地域農地防災事業につきましては今御説明ございましたので省略させていただきますが、私どもこの事業につきまして取水口を統合する等のことがございますので、河川法の手続が必要となってまいります。
 現在、四国地方建設局と農水省中・四国農政局と予備的な協議を受けておりまして、現在その内容について検討を進めている段階、経過途中でございます。
#184
○岩佐恵美君 農水省は、二系統の幹線水路で旧吉野川流域に二十七トン流す。もう既に幹線水路の建設工事は進んでいるという状況なんですね。旧吉野川の農業用水二十八トンのほとんどすべてがそこから供給されることになる。そうすると、第十堰が老朽化して損壊すると旧吉野川に分流できなくなる。そうすると、旧吉野川流域の水利用に大きな障害が発生をする。そういうことで可動堰計画が進められる。
 そういう一つの理由になっているわけですけれども、農水省が予定どおり計画を進めるということになると、この旧吉野川の水利用の大部分を占めているこの農業用水についてはその必要性がなくなってしまうのではないかというふうに思うんですが、どうですか。
#185
○政府参考人(竹村公太郎君) 先ほど冒頭に第十堰の役割を丁寧にちょっとくどく御説明しましたが、あくまでも水が少なくなったとき、水をとろうとしたとき、その水があのような大きな川で少なくなった場合、十分安定的にとれない。そのために川の中に堰を設けて、いわゆる水の流れをとめる堰を設けて水をかさ上げして、かさ上げをしたその貯水池の中から安定的に水をとろうというのが歴史的な吉野川の第十堰でございまして、例えばそこから毎秒一トンとろうが三十トンとろうが、実はその取り口の大きさは変わるかもしれませんが、その固定堰の規模、機能は全く変わらないわけでございます。
 私は、一トンと三十トンと極端な数字を申しましたが、この農水省の事業が予定どおり進捗して第十樋門からの取水量が一部変化したとしましても、現在第十堰で利水をしている上水道、そして工業用水道、工業用水は依然としてございます。そのために、この第十堰の堰上げをして水を安定的にとるという機能はこの地域にとって必要な構造物と認識しております。
#186
○岩佐恵美君 ところが、もう一つ旧吉野川流域では流域下水道事業、これが新規採択をされているんです。
 どんな事業ですか。ちょっと時間がないので簡単に御説明してください。
#187
○政府参考人(山本正堯君) 徳島県の下水道普及率が一〇%ということで、大変おくれております。
 こういう状況のために、徳島県におきまして旧吉野川等の水質汚濁の防止及び生活環境の改善を図るために、十一年度から徳島市、鳴門市、藍住町等の二市四町を対象といたしまして、計画人口十七万人、計画面積約四千三百ヘクタールの旧吉野川流域下水道事業を新規に着手いたしておるところでございます。現在、計画の策定、基本設計等を行っておるところでございます。
 建設省といたしましても、この河川等の水質保全あるいは生活環境の改善の観点からも、本流域下水道事業の早期供用に向けて支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#188
○岩佐恵美君 県の説明によりますと、この計画は末端の公共下水道整備と合わせると総額二千億円と言っています。農地防災事業とほとんど重なる地域なんです。そのほかに、この地域では、農業集落排水事業として旧吉野川流域内集排水事業が三町六地区で行われていて、その事業費というのが四十三億六千八百万円なんです。
 下水道とかあるいは農業集落排水事業、これが進んでいけば旧吉野川の水質も改善をする。農水省の柿原堰とか第十堰の上流から水を延々と引っ張ってくるような大規模な用水事業、これが本当に必要なんだろうか。あるいはまた、吉野川水系から取水する都市用水を使った後、幹線で海に流してしまう流域下水道事業、これは河川の安定した水量の確保とも相矛盾するのではないか。
 つまり、縦割りでそれぞれに事業目的を掲げているんですけれども、素人の私が見たところでもこの狭い地域にいろんな計画がひしめき合っている。これだけの大規模なものがそれぞれ必要だ必要だと言っているけれども、本当に必要なんだろうか、総合的に一体だれがどうこれを判断していくんだろうか。とりわけ大きな事業になればなるほど財政的負担が重い。それから同時に、環境破壊のリスクもあるわけです。
 私は、そういう点で、縦割りではなくて、それぞれが主張するんじゃなくて、もっと総合的に知恵を働かせて、先人の知恵にも学びながら、本当に環境保全をきちっとしながら、では今の文化的な生活、それをより前進させるためにはどうしたらいいのかということで考えていく必要があるというふうに思うのですけれども、私の持ち時間がもうわずかでございます。大臣、長い答弁をされるともうそれでオーバーしてしまうので、簡単に御感想を伺いたいと思います。
#189
○国務大臣(中山正暉君) 今、委員会でも初めてのそういう総合的な御質問がございましたので、私も拝聴をいたしました。
 内部で調整をして、また対応をいたしたい、こう思っております。
#190
○岩佐恵美君 終わります。
#191
○大渕絹子君 自治省では、一九九七年度の公共事業に投じた総額の概要というのを発表いたしました。その中で、総額は四十五兆八千三百七十九億円。そして、その中でも、事業主体が国であるものが九兆八千六百三十億円、都道府県が十五兆九千四百十一億円、市町村が二十兆三百三十八億円ということで、地方がその主体の八割を占めているという、こういう概要を出しました。
 それぞれの地方自治体に伺いますと、近年、不況対策ということで公共事業費がたくさん投ぜられるのは不況対策だからいいのだけれども、しかしそのことが国の直轄事業として地方におりてきた場合に、地方財政が非常に逼迫している中で地方の財政出動を余儀なくされておりまして、地方主体の単独事業、いわゆる生活に密着をした公共事業が非常におくれてしまっているという実情がございます。
 このことを地方に行きますとよく陳情を受けるわけでございますけれども、こうした現状になっているということを大臣は御存じでいらっしゃいますでしょうか。
#192
○国務大臣(中山正暉君) おっしゃること、よく理解をいたしておりますが、地方公共団体の実施する公共事業を見ますと、事業費の一部に国庫補助金が交付されるなどの財政上の支援措置がある補助事業については着実な取り組みがなされているところでございますけれども、地方単独事業は大変厳しい地方財政を反映して減少傾向にあるというのが現状だと思います。
 また一方、直轄事業については、地域の社会資本の充実や景気回復といった面で期待されておりまして、地方公共団体の要望も十分踏まえつつ、真に必要な事業を実施しているというのが私どもの方針でございますが、これが地方単独事業の減少と直接関係しているということはちょっと考えられないということでございます。生活に直結した道路建設等については、電線類の地中化とか、それから歩行空間のバリアフリー等の積極的な施策の実施とか、引き続きまたそういうことも続けてまいりたい。
 特に、地方分権の推進等に逆行しているような感じがあるという御指摘のように思いますが、建設省といたしましては、第二次地方分権推進計画等に沿いまして、直轄事業の一層の基準の明確化を図りますとともに、地域の創意工夫を生かす町づくりの総合支援事業等の統合補助金を創設するなど国と地方の適切な役割分担を、特にまた来年、国土交通省になりましたら、一月六日から新省庁が始まるわけでございますが、地方建設局とか地方の港湾が一つになっていろいろまた連携的な、地方に対する権限を移譲するいろいろな新展開も私は期待をいたしております。
#193
○大渕絹子君 ぜひそういう観点で地方分権の推進、それから省庁再編成の意義、それからできるだけ財源も含めて地方の思うような公共投資ができるような形で御指導をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 その同じ概要の中で、投資額を都道府県別に見ると、最も多いのが東京で、三兆八千三百六十八億円で全体の八・四%を占めているということは、東京自体も大変公共投資をしなければならない部分というのも多いし、人口も多いということでわかるわけでございますけれども、しかし東京の一人当たりの投資額を見てみますと、これは全国でももう本当に少ない方に類するということになっております。
 どの地域が一番手厚い投資を受けているのかという目安となる一人当たりの投資額を見ると、トップが六十九万千七十五円の島根県、十年連続の第一位と、こうなっているんですね。阪神・淡路大震災が起こったのが九五年だったでしょうか、そのとき阪神・淡路を中心とした大変な被災地に多額の公共投資が行われたんですけれども、それでも兵庫県が一位になることはなかったんですね、二位だったということでございます。私は、人口の小さな島根県になぜこれだけ多くの公共投資が行われるのか、十年も連続して一人当たりの投資額がトップであるという、このことに少し不思議な思いがいたします。
 北海道などはいつも上位の方にいるんですけれども、広大な土地に人口が少ないから一人当たりに割れば金額が大きくなるというのはわかるわけですけれども、面積が小さい島根県が、あの阪神・淡路大震災のときの復興事業を入れても兵庫県を抜いてトップだったというこの事実、これは一体何をしているのか。どういうふうに大臣はお考えになりますでしょうか。
#194
○政務次官(加藤卓二君) 島根県の公共投資についてのお尋ねでございますが、県別の行政投資実績を見る場合には、県全体の総額、可住地域単位面積当たりの額、あるいは一人当たりの額というような見方があるんですが、自治省が公表した平成九年度の行政投資額実績によれば、一人当たりでは、島根、鳥取、徳島、高知、岩手、北海道の順で、地方圏に属する道県で投資額が大きく、可住面積当たりでは、東京、大阪、神奈川、兵庫の順で大都市圏で大きくなっている。
 島根県は、県全体の投資額は全国では第三十五位で、可住地単位面積当たりでは第二十五位で、一人当たりになると平成九年から十年まで第一位ということになっている。
 この行政投資に関しては、公共事業の直轄事業や補助事業のほかに、地方単独事業や病院等医療、社会福祉施設、学校等の文教施設なども広く含まれており、その投資額は、その県の人口、面積、地域、社会資本の整備状況あるいは県や市町村がどの行政分野に重点を置くかということで決定されるものであると考えております。
 島根県は、人口が全国では第四十六位と少なく、面積が全国の第十九位と大きいこと、また社会資本の整備状況についても、下水道普及率は全国で第四十三位、平成十年度末でも二一%、一般道路の整備率は第三十五位、平成九年度四月一日現在で四三・一%と低いことになっておりますのが前述の結果となっているものと考えております。
 建設省関係の予算で補助事業、当省の予算事業費別ベースでは、島根県は一人当たり配分額は、平成十年で約十一万円で第三位、全国の平均では約六万円でございます。平成十一年度は約十一万円で、第二位でございます。平均でいくとこういうふうになっておりますが、全国平均では約六万円というので、人口割合でいくとどうしても北海道だとかこういうところは、埼玉県なんかもう日本で一番ラストでございますので、本当に恥ずかしい思いをしております。
#195
○委員長(石渡清元君) 答弁は簡潔にお願いします。
#196
○大渕絹子君 その島根県の前はどこの県だったでしょうか、わかりますでしょうか。
#197
○政務次官(加藤卓二君) 鳥取ですか、鳥取、徳島、高知というのがあります。
 今は、島根、鳥取、徳島、高知、岩手、北海道という順になっております。
#198
○大渕絹子君 いいえ、違います。島根県が十年連続ということですけれども、その十年前は山梨とか新潟とかだったのではないかなというふうに思いましてお聞きをしたのですけれども、もう時間がないので、次の質問に移らせていただきます。
 こういう象徴的な予算配分ができるだけ行われないように、富の再分配というのが税金の執行でございますので、豊かさの再分配はできるだけ公平に行き渡るような行政が望まれるのではないかなと思いまして私は今回取り上げさせていただきました。ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 もう一点だけお聞きをしておきたいのは、先日テレビの放映を見ていたんですけれども、そのときに温暖化によりましてヒマラヤ山脈の万年氷が解けて、そして巨大な氷河ダムというのでしょうか、そういうのがたくさんでき上がってきておりまして、もしそれが決壊をしたり、さらに解け出して下流に流されるようなことがあると、下流の国でありますネパールとかバングラデシュとかというそういう国に甚大な被害が起こるのではないかというような報道を見まして、私は地球温暖化の影響というのがこんなところにもあらわれているのかということで、ちょっと恐ろしいような肌寒い感じがいたしたわけでございます。
 そのテレビの中で、中国のその道の研究者の方がそのダムの監視をし続けながら、ネパールの国に頼まれたということだったというふうに思いますけれども、調査研究を進めているという姿も映し出され、そして現地の人たちがそのダムが決壊しないようにということで工事をしている姿も映し出されていたんです。四千メーターの高地でユンボがたった一台で、それからあとは現地の人たちが手積みで石を積み上げているのが映し出されていて、私はこんなことをやっていても間に合わないというか、本当に危険回避ができるんだろうかという思いで見ていたんです。
 その番組を制作した制作者はどういう意図であったのかというのはちょっとはかり知れないわけでございますけれども、日本の国として何か応援をすることができないのかなと思って、今までどんなことをしていたのかなと思って、この「国土建設の現況」という白書を読ませていただいたのです。その中にも、確かにアジア諸国の水害とか土砂災害対策の現状と課題について、意見とか情報交換を行うためのシンポジウムなどが開催をされているとか、あるいはネパール政府との間で技術協力を開始する予定であるというようなことが書かれてありまして、ちょっとほっとしたんですけれども、実際にどういうことが行われているのかと聞きましたところ、定かでなかったものですからちょっとお尋ねをいたしまして、これから先のことであろうかというふうに思うんですけれども、ああいう問題に対してやっぱり国際的にも日本が技術協力をする面というのは多々あるのではないかと思います。
 洪水を防ぐ、あるいはためてしまうことが私は危険につながるというふうにも思うわけなんですけれども、さまざまなそういう知識を持っている人たちの英知を結集して、応援をできることがあればアジアの人たちを救う道だというふうに思いますので、御努力をいただきたいと思います。
#199
○国務大臣(中山正暉君) 偶然私もその番組を見ておりまして、大変なことだなと思いました。
 ですから、建設省といたしまして相手国から外務省を通じて要請がありましたら専門家を派遣したりしなきゃいけないと思います。私はたまたまこの間、明日香村に行きまして、帰りに大阪の信貴山とそれから二上山の間、あそこは日本の地すべりの十一カ所ある中で四割の予算を使っているところだという話を聞きまして、八メートルぐらいの直径の中に百メートルの柱を埋めています。その揺りかごの上に川が乗っているみたいなのが大和川のようです。
 それを見ても本当にいい勉強になりましたが、ああいう技術が日本にあるのを見ましたら、そういうアジアのためにまたお手伝いをするようなことができれば、建設省としてもまた海外との関係もよくなるのではないか。先生の御意見、貴重な御意見として拝聴いたしておきます。
#200
○大渕絹子君 終わります。
#201
○月原茂皓君 月原です。
 それでは、質問をさせていただきます。
 昔のデータですが、私は大都市の都心部に住宅をつくるべきであるという考えを持っております。これは昔から議論されたことですが、昼夜間人口比を見ても、これはもう大臣、政務次官、御承知のように大変な形でありまして、ロンドンの都心三区では二・二六だ、東京の都心区では一〇・三〇だ、そしてまた中心部だけでも四・三九だと。通うにどうかというと、二年ごろの建設経済研究所のデータによると、これまた九十分以上とか六十分以上とか、こういうのは非常にロスも大きい。
 それから、かつて私は記憶しておるのですが、ソニーの亡くなった盛田さんが何かのところで話をされていたときに、二十四時間都市と、設備したらそれを二十四時間使う方が、八時間しか使わないのはいかぬじゃないか、かえって効率的でないじゃないか、こういう話がありました。昼間はオフィスとか、そういう大きな人口を抱えてちゃんと設備を持っておる、夜はその設備が寝ているわけですね、下水から始まってもろもろの。そういうことから考えたら、夜は今度生活の主力になってくる、そういうことを今申し上げたような要素から考えて、建設省は先ほど大臣が御説明になったこの予算の説明書にももろもろ非常にそれに重点を置かれておるということを私はわかったんです。
 もう一度改めて政務次官にお伺いしますが、こういう都市の居住施策の背景、どういう考え方でこういうものを推進しようとしておるのか、そのことをお伺いしたいと思います。
#202
○政務次官(加藤卓二君) 月原先生がおっしゃられるように、本当に東京は下手くそというか、下手に使っているんだという標本みたいなものでして、これは今の時代、やっぱりバブルがはじけて地所が安くなってきたので、随分住宅は東京へ戻ってきています。ですから、これはなぜかといったら、電車で通って何するよりも、やっぱり働くところに近い方がいいという月原先生のおっしゃられること、これはヨーロッパではそういうふうな考え方は当然初めからあった。日本では商業地域の家賃が高く貸せるからというので、上に住宅をつくればいいのに全部商業ベースで使うようにして、しかし今は商業ベースで使う家賃が世界と同じ水準にまで下がってきていると、むしろ家賃で貸した方がいいんじゃないかというので、家賃ということは住宅に貸してもいいじゃないかということで、随分今、住宅が建てられるようになって、採算も合うようになっているので、東京三区の昼間人口が前に比べれば随分是正されておりますよと、こういうことを申し上げたい。
 それから、工場敷地の跡なんかでも、今までは値段が高く売れるんじゃないかということで、住宅に使わずにそういうものに使うことを期待したんですが、都心をちょっと離れたところのビルなんかはほとんど借り手がいないんですから、それは住宅に直した方がはるかに効率がいい。そういう状況になっておりますので、先生のおっしゃっているような状況になるように、建設省も今後上手に指導していくつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。
#203
○月原茂皓君 加藤先生は事業的感覚にすぐれられておるので、今現状を把握されながらそういう話を伺いました。
 さて、今度の予算で建設省がこういうものについて具体的にどのように手を打とうとしておるのか、まずそのことをお教え願いたいと思います。
#204
○政務次官(加藤卓二君) 具体的に先ほどもちょっと触れましたのですが、東京都の中にやっぱり都心部で百万戸ふやそうじゃないか、こういう政策を今打ち出しておりますが、その実績はもうこの八年から平成十年で二十八万三千戸できていますから、約三割は達成できております。ですから、そういう意味で月原先生が言っているとおり、徐々じゃなくて急激に百万戸というその実績が予定どおりに進んでおる、こんなふうに御理解いただければ、今後何年かたたないうちに百万戸の住宅が都心に、そしてその近郷にできるということを実証できると思います。
 それで、前は人が住むと下水がかかる、何がかかるということで住まわせたがらなかった、そういうような事情もあるんですが、逆に言うと、今は平米をなるべく広く使おう、そして家族の単位も非常に小家族になっておりますから、それが来たからといって人口が急にあれする。むしろ学校なんかは、空洞地帯に小学校がなくなっていくなんというおかしな現象が起きていますから、それがないように、パリ並みにいかないまでにもせめてロンドン並みにいくとか、ぜひそんなふうにできるものならばと、こう思っております。
#205
○月原茂皓君 今お話しのように進められることを、できたらパリ並みぐらいにするようにお願いしておきたいと思います。
 そして、やはりこれは公的な仕事であるとともに、民間の方々がそういうことにチャレンジするについてもいろいろな施策で、税制とか規制緩和とかもろもろのことで支援するのが国民経済的に私は非常に大きいと思うんですが、政務次官、どうでしょうか。
#206
○政務次官(加藤卓二君) 先ほど申したとおり十年間で百万戸、この目標を達成できると。都市基盤整備公団なんかによる職住接近した良質な賃貸住宅をつくろうということもやっていますし、民間活力を活用しつつ、良質な中高層住宅を提供する都心共同住宅供給事業の推進を図ろうとか、それから低未利用地というんですか余り利用していない地域、この都市基盤整備を一本化して、買い取ってそれを供給しようだとか、具体的には今虫食いになっているところを基盤整備するところが買って、住宅をある程度含んだもので再開発しよう、こういうことに心がけております。
#207
○月原茂皓君 今、建設省の私の質問に対するお答えを伺いましたが、建設大臣が冒頭に説明された予算概要説明の中でも、トップに置いてそういうものに力を入れようとされておることを本当に心強く私は思うわけであります。
 今、加藤政務次官からるる説明をいただきましたが、そのような方向でよりそれが進捗するように、通勤地獄だとか、あるいは長い間疲れて、もう朝早く出て夜遅く帰るだけだ、家庭で生活することがないからおやじのことは知らない、どこのおっちゃんが帰ってきたのかなと、こんなことさえ言われないように、やはり国民経済的な意味で私は考えていただきたい。考えておられるので、それをさらに進めていただきたいと思います。
 最後に、これは私がちょっと意見を申し述べまして、大臣のお考えを伺いたいと思います。
 昨日の委員会からきょうにかけて私の頭にあるものは何かというと、景気対策ということは非常に大きなものであるし、これをストップ・アンド・ゴーとかやるんじゃなくて、やっぱり二兎追う者は一兎をも得ずという精神で進む必要がある。しかし、それは何を意味するかというと、赤字国債につながってくる。そして、赤字国債というのは、よく世間で言うのは、家族同士でお金のやりとりをしておるような印象を与えますが、私は決してそうでないと思う。我々より数代後の政府というものが新しいことをやりたいと思ったときに、恐らくその手を縛ることになる。所得再配分、歳出におけるそういうものも縛ってくるという非常に大変な話であります。
 そういう意味では、そういうことをおもんぱかって、後世の人がそのときに本当によくやってくれたなという公共事業に私は投資すべきだと思います。単なるGNPなら、穴を掘って穴を埋める、そのことを繰り返したって使った金そのものでGNPは上がるわけです。これはもう経済のイロハであります。
 そういう意味で、波及効果というものも考えながらやられておるわけですが、それのみでなくて将来の日本社会にとって必要な、しかも消費が構造的に内需拡大につながるような、目先の内需拡大じゃなくて。自然成長率なんてよく言われておるけれども、そういう設備をしていないから成長率が低いわけであって、今申し上げたような都市に住宅をつくるとか、その人たちが豊かに生活できるものをつくるとか、そういうことが自然と成長率を高めていくわけでありますから、政府が今一%とか二%とか言っておりますけれども、もっと伸びることはそういう基盤を今つくること、そのことが私は大切だと思っているわけであります。
 そんな意味で、建設大臣あるいは関係する大臣は、物すごく後ろの我々の孫ぐらいのことまで考えながら、そして神のような気持ちでやらなければ、大きな赤字で下手をしたら縛って、後で何だったんだろうか、あんなお金使ってと。私は政策を批判するわけではありませんけれども、この十年間ほとんど成長しなかった。なぜだといったら、かつてそれ以前にそういう基盤がつくれなかった、その日暮らしの予算だけしかしなかったところに問題があるという指摘さえあるわけであります。
 そういう意味で、今後の公共事業、これから非常に日本の国の大きな要素を占め将来を決める仕事をされる大臣の所見、仕事に対する取り組み、そういうものをお伺いして、私の質問を終わります。
#208
○国務大臣(中山正暉君) これは全く先生のおっしゃるとおりだと思います。
 どこへ投資をしてどういう投資効果を得るか。日本の予算というのは暦年制になっておりますから、それを補うために何カ年計画というのをかぶせていますけれども、かつてソビエトなんかの体制では、何カ年計画を失敗すると豚箱へ運び込まれる、そういう形になっておるが、日本の場合はうまくいかなかったらまた今度頑張ろうやという話で終わっているみたいなところがあります。ですから、そういう投資効果をどうするか。
 今、政務次官がお答えしましたように、十年間で三大都市圏に百万戸ぐらいの家をつくる。私は昔から、国鉄が赤字のときに、あの国鉄の駅の上に高層住宅を建てて、おりてきたら電車に乗って走る、すると国鉄もいいし土地もただでいけるんじゃないか、そんな話をしておったことがあります。大阪の御堂筋でも東京の銀座でも十階建てぐらいまでしか建っていませんので、もっとあれを高層化して都心に住んで、エレベーターをおりてきたら会社があるという職住一致といいますか職住近接といいますか、そんなことをする。
 私は、地方の再編成をしなきゃいけないというのは、私の大阪なんか特にそうなんですが、昼間百二十万も入ってきてそこでもうけて、そしてよその町で市民税を払っている。寝るだけで、よそで市民税を払っているという形になっています。だから私は、この間、前の知事さんの叙勲の祝賀会でも財界の人がおられたんで言ったんですが、ここに大阪に住んでいる財界人はおられませんよ、みんな神戸か奈良の学園前というところに住んでいるからと。もうそういう地域が一体化していないと、投資効果が自治体ばらばらで、なかなか話が一つにふわっとまとまらないという悲劇があります。
 一府十二省にまとまるときには、地方分権をするには地方分権を渡すに値するような地方の自治体をつくらないと、これも自分のところの例を引いたらいけませんが、大阪市内で課長にもなれないような人が今度は周辺の小さな町へ行くと建設部長なんていって、そこには技術者も何もいない。だから私は、地方分権と言うのはいいんですけれども、そんな美しい話だけでなしに、この際本当に地方分権にしていいのかどうか。そういうことをしていかないと、幾らやってもその投資効果が出てこない。
 それから、これは大変恐縮でございますけれども、その地域で本当にわずかな人が反対するために、道路が一メートルあくともうつながらないということでございますから、投資と効果をどう計算するかというのは本当に真剣にやっていきませんと、単年度でことしこうして予算を入れた、どうなんだと言っても、それが成果として得られないというようなジレンマ、そういうものを感じます。
 ですから、その意味での国土づくり、日本の国家づくり、それから物流のいい道路の建設とか、そういうものが西洋から見ると本当におくれていて、総理大臣がサミットに行くと、インフラストラクチャーが日本はないではないか、カラーテレビばかり外国へ輸出して外国のカラーテレビの会社をつぶすのかといつも言われる文句をどう受けとめるかというのは、日本人自体が心の中でよっぽど真剣に考えないと、どんどん外国からおくれていく。いかに情報通信が発達したって、これは見えないものでございますから、その株だけどんどん一億円の株ができたって、私はそれは国家の建設には何もならないような気がします。
 お金というものが収入として得られるのは結構なことかもわかりませんが、ただキーボードをたたいただけでお金をもうけるというようなことでは私は余り国家としての意気は上がらない、そんな感じもしておりますので、物づくりに徹します建設省関係の私ども、それからまた国土庁の国土づくりを心がけている者がしっかりしなきゃいけない、私はこんなふうに思っております。
#209
○島袋宗康君 連日大変御苦労さまです。
 ところで、大臣は、施策の中に豊かな環境の保全と創造を掲げておられます。そして、ゆとりある住生活を実現するために、高齢者や子育て世代に対応した良質な住宅の供給促進を進めていくとおっしゃっておられます。
 その具体化はどのように進めていかれるのか、また平成十二年度予算においてどのような手当てをなされているか、御説明願います。
#210
○政府参考人(那珂正君) まず、高齢者に配慮した住まいづくりといたしましては、バリアフリーを標準仕様とした公営住宅の供給、また住宅金融公庫によります金利の優遇及び貸付額の増額、それから特に福祉施策との連携によるシルバーハウジング、あるいは民間の土地所有者による高齢者向け優良賃貸住宅の供給などの施策を総合的に推進していくこととしております。特に平成十二年度予算案におきましては、高齢者向け優良賃貸住宅等につきまして一万五千戸を計上したところでございます。
 また、子育て世代に対する施策としては、まずは何よりも広くゆとりある住宅取得のための住宅金融公庫等の制度の充実のほかに、特定優良賃貸住宅等のファミリー向けの賃貸住宅の供給、しかも先ほども御議論ありましたけれども、なるべく働く場所である都心に近い、都心居住の推進というようなことに意を用いていきたいと思いますし、さらに同じ福祉施設でも保育所等の子育てに適した環境の整備と一体となった住宅供給にいろいろ意を用いて、総合的に推進してまいりたいと思います。
#211
○島袋宗康君 国土の均衡ある発展、地域の競争条件を確保し、地域間の連携交流を強化する観点から、引き続き高規格幹線道路、地域高規格道路等の体系的な整備を重点的に進めていくと言われております。
 ところで、沖縄県は我が国唯一の離島県として地域間の連携交流という点では相当なハンディがあるわけであります。その辺のことについてごしんしゃくいただいて、適切な施策を講じていただきたいというふうに思います。
 ところで、せんだって、大臣は沖縄県を訪問したようでありますけれども、それを含めて御感想と所見があればお伺いしたいと思います。
#212
○国務大臣(中山正暉君) 突然の御質問でございますけれども、この間、南風原の高速道路とそれから首里のサミットのいわゆる宴会が行われるところ、それから名護のサミット会場、それからプレスセンターを見てまいりました。私は大阪で七百億のサミット会場を建てておったんですが、沖縄へ今度のサミットが行ったことは私は本当によかったなと思っています。
 私は、牛島中将という方が摩文仁の丘で腹を召されたときに「秋待たで枯れゆく島の青草は御国の春によみがえらなむ」というのと、それから大田少将は「大君の御旗のもとに死してこそ人と生まれしかいぞありける」、後年沖縄に特別な配慮をと言って亡くなっていっておられます。
 陸上戦闘が本当にあったところは沖縄だけでございますから、私は沖縄には本当に特別の、今度はミレニアムが明けます前にサミットが行われるということは、沖縄の七五%の基地を各国の首脳に認識してもらえるいい機会だ、こんなふうに思っております。これからモノレールもできるようでございますし、沖縄にはそれこそ大田少将以下の皆さんがおっしゃったような戦後沖縄には特別な配慮をと。十八万人の方が亡くなっておられます。アメリカもバックナーという司令官が日本の狙撃兵に撃たれて死んでおりますし、有名なアーニー・パイルという新聞記者も亡くなっておりますから、アメリカも一万八千人ぐらいがそこで亡くなっております、日本の十分の一の犠牲者でございますが。
 その意味で、私は慶良間列島にも郵政大臣のときに集団自殺をされた方々のところへお参りをしてまいりました。沖縄には本当に特別の感謝と敬意と、それから大変あそこに沖縄があるということで、いわゆるゲオポリティークといいますか、その地政学的な大変御迷惑をおかけしているということは、私も政治家の一人として本当に沖縄には特別配慮をするべきだと思いますので、建設行政の中でもそういう眼目で対応していかなければいけない、かように考えております。
#213
○島袋宗康君 いろいろ沖縄の思いについて語っていただいたわけでありますけれども、本論にちょっとそれたような感じもありますけれども、それはまたそれで、また後ほど質問させていただきたいと思います。
 ところで、行政改革の一環として来年一月六日には国土交通省という巨大官庁が誕生するわけでありますが、許認可権の集中、公共工事の実施等を通じて巨大な権力を掌握することになり、弊害が発生する可能性も全くないとは言えないと思います。大臣は統合のメリットを最大限生かしていく所存だとおっしゃっておりますけれども、統合のメリットについて御所見を承りたい。
#214
○国務大臣(中山正暉君) 国土交通省に来年の一月六日からなるわけでございますが、それが大くくりにされることによりまして、国土の総合的また体系的な利用、開発、保全、そのための社会資本の整合的ないわゆる整備、それから交通政策の推進等についての計画から事業までの一体的な行政が展開されることができるという私はメリットがあると思います。
 いわゆる港湾と地方建設局が一つになるということで、港湾が五つで地方建設局は八つありますが、それが全部統合されて八つになるということでございますから、国土交通省におきましてもその広範な行政分野にかかわる多様な施策を連携等を通じて総合性を持って行政機能を発揮し、国民にとってよりよい行政サービスの提供を目指すために、現在、四省庁共同で中期的な政策ビジョンや総合的施策の検討を進めているところでございます。その中で、町づくりと交通施設の融合、整備、それから物流効率化、それから循環型社会の構築など、さまざまな分野にかかわる総合的施策について四省庁の担当部局の横断的ワーキンググループを設けて共同作業を開始しているところでございます。検討成果は平成十三年度の国土交通省予算等に反映をさせて、統合のメリットを生かして政策展開を図ってまいりたい。
 私は、国土交通というのは交通と道路と、毎回申し上げることでございますが、それが一体化されることは大変遠隔の地にあります沖縄にとってもよい結果を得るのではないか、こう思っております。
#215
○島袋宗康君 中山大臣は、来年国土交通省に移行する建設省における最後の建設大臣というふうになるわけであります。ぜひ有終の美を飾っていただきたいと思っております。
 それで、平成十二年度における予算執行に関して、円滑な建設行政を推進していくために、新たな建設大臣としての決意のほどをお聞かせ願いたいというふうに思っております。
#216
○国務大臣(中山正暉君) そういう意味で、新たにこれから建設行政というのは一府十二省になるわけでございますから、基地の沖縄、名護市に今あります普天間基地も移ったりしますから、都市再開発の問題とか、その移った後は建設省が都市再開発をしなければいけませんので、それこそ先ほど御質問がありましたように、沖縄における新たな模範的な都市建設といいますか、そんなものが長い間御迷惑をかけたその御恩返しと言ってはなんでございますが、それに耐えていただいた、その結果としていい町づくりができるような、そういう典型的なことが実施できればいいなと思っております。
#217
○島袋宗康君 沖縄の問題に関してはぜひ適切な措置をしていただきたいというふうに、御高配をお願いしたいと思います。
 最後に、昨日の朝日新聞によりますと、「不適正補助金 四年で三百二十万円」という見出しでありますけれども、これは農水、建設両省として、農水省と建設省が過去四年間に民間団体へ支出した補助金のうち、誤った報告をもとに不適正に交付した事例が五件、約三百二十万円に上ることが総務庁の行政監察でわかっております。総務庁は十四日、不適正に交付した補助金の返還を早急に求めるよう両省に勧告するというように報じております。
 巨額な建設省予算の中にあっては額は必ずしも大きいとは言えませんが、もとをただせば納税者の汗の結晶である税金のむだ遣いに違いありません。心すべきだというふうに思いますけれども、事実の概要と建設省の対応について説明を求めたいと思います。
#218
○政府参考人(山本正堯君) 先生御指摘のように、今般、総務庁から出されました補助金等に関する行政監察結果に基づく勧告の中で、不適正交付事例といたしまして建設省分、建設省所管補助金等で一件、国庫補助額で約三十三万でございますが、その指摘をいただいたところでございます。
 その内容は、一つの区画整理組合が平成九年度に行いました区画道路の側溝のふたに関する工事につきまして、設計書上に記載されたものと実際の工事に用いられたものとが異なっておるということで、補助金につきましては設計書記載の工事価格によって額の確定支払いを行ったというような事例でございます。
 また、同じように勧告におきまして、市街地再開発組合及び区画整理組合が発注するコンサルタント業務あるいは工事につきましても競争入札実施の範囲が限定されているというような例が見られるといったようなことにつきまして、組合の発注についての競争入札を原則とするよう指導を徹底するという措置を行うことについても勧告をいただいたところでございます。
 これらの点につきまして、私どもとしましては本勧告の内容等を踏まえまして、説明会で徹底を図る等々といったような必要な措置を早急にとってまいる所存でございます。
#219
○島袋宗康君 終わります。
#220
○委員長(石渡清元君) 以上をもちまして、本委員会における平成十二年度一般会計予算外二案の委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は明十六日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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