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2000/03/16 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第4号
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2000/03/16 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第4号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第4号
平成十二年三月十六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十五日
    辞任         補欠選任   
     日笠 勝之君     森本 晃司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                岡崎トミ子君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                末広まきこ君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                月原 茂皓君
                奥村 展三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   政務次官
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       通商産業政務次
       官        茂木 敏充君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       環境政務次官   柳本 卓治君
       国土政務次官   増田 敏男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       人事院事務総局
       職員局長     中橋 芳弘君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       環境庁企画調整
       局地球環境部長  浜中 裕徳君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  西尾 哲茂君
       環境庁自然保護
       局長       松本 省藏君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       大蔵省理財局た
       ばこ塩事業審議
       官        西川  聰君
       厚生省保健医療
       局長       篠崎 英夫君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       通商産業省貿易
       局長       中村 利雄君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  下田 智久君
       建設省河川局長  竹村公太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土整備及び環境保全等に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務に関する件)
○国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
○特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨十五日、日笠勝之君が委員を辞任され、その補欠として森本晃司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土整備及び環境保全等に関する調査のため、本日の委員会に、人事院事務総局職員局長中橋芳弘君、防衛施設庁長官大森敬治君、環境庁企画調整局地球環境部長浜中裕徳君、環境庁企画調整局環境保健部長西尾哲茂君、環境庁自然保護局長松本省藏君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、環境庁水質保全局長遠藤保雄君、大蔵省理財局たばこ塩事業審議官西川聰君、厚生省保健医療局長篠崎英夫君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、通商産業省貿易局長中村利雄君、労働省労働基準局安全衛生部長下田智久君及び建設省河川局長竹村公太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石渡清元君) 国土整備及び環境保全等に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○脇雅史君 自民党の脇雅史でございます。
 環境庁長官の所信表明に関しまして、幾つかお尋ねをさせていただきます。
 環境庁発足以来、約三十年ほど経過をいたしました。来年の一月から新たに環境省として発足される。非常に我が国の環境行政にとって大事な時期に現在あるというふうに認識をするわけであります。
 そんな中で、これから環境行政というのはどんな方向へ進んでいくんだろうかということなんですが、長官の過日の所信の中で、基盤となる環境を守って子孫に引き継いでいくということを言われております。
 従来の環境行政、これは、今ある良好な望ましい自然環境をできるだけそのまま子孫に引き継いでいく、残していくということ、そして我々人間にとって害のあるものはできるだけなくしていこう、どちらかというとその辺だったのではないかなと、スタンスが。
 ところが、これからはそれだけではだめだと思うんです。守るということではなくて、環境というものをもう少し大きくとらえていただきたい。環境即自然環境ではなくて、我々の身の回りはすべて環境であります。生活環境、住環境、いろんな環境があります。そのすべての環境を網羅した環境省であるべきではないか、私はそう思うわけであります。
 去年、環境省設置法が通りましたけれども、設置法の記述が必ずしもそういう解釈であるかどうかは若干分かれるかもしれませんが、読んでみますと、「環境省は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下単に「環境の保全」という。)を図ることを任務とする。」。つまり、これをそのまま素直に読みますと、良好な環境をつくっていく。それは自然環境だけではなくて、例えば道路をつくれば何かは失われますが何かが得られる、得られるものと失われるものとを比較して、一体その道路をつくることが環境としていいことか悪いことかを判断しなければいけない。これは、口で言うのは簡単なんですが、極めて難しいことがあります。国民の間でも必ずしも意見が一致するわけではない。
 例えば、原子力発電所をつくる。これは、電気が皆さんのところへ行き渡るようにして快適な生活環境を保障するものであるかもしれないが、そのつくられる地域ではさまざまな不安を引き起こす、それをどう判断するか。それを環境省という役所はあわせてこれからは判断をしていただきたい、国民に、こういう理由で今回はつくった方がいいと思う、今回はやめた方がいいと思うと。それをやるには、それぞれの行政についてのプロ、エキスパートでなければいけないのであって、エネルギー政策にも精通している、あるいは公共事業のさまざまな分野についても精通している、そしてそれらを総括的に広く考えて、環境ととらえて判断をする。
 この判断は、一朝一夕にできるものではもちろんありませんし、先ほども申し上げましたが、国民の間でもきちっと決まっていくものではなくて、さまざまな議論を常に積み重ねていく、そしてその議論を公開しながら、これから我が国が二十一世紀に向かっていくときに、こういうことで今回はこれをやるということを明確に示していかなければいけない。その意味で、環境省の職員になられる方々は非常に大きな責任を負わされることになるというふうに思うわけであります。その責任をいかに果たしていくのか。
 今私が申し上げたようなことについて、長官としてどのようにお考えなのか。これは、長官お一人の意見というよりも、長官の後ろには我が国の環境の皆さんがずっとついておられて、長官がどの山に登れと言うのかを見ていられるわけです。あの山に登るんだ、非常に高い険しい山だけれどもみんなで苦労してでも登ろうというような意欲があるのか、もう山に登るのは大変だから今までどおりぐらいでいいや、この平地でちょこちょこしていましょうと言うのか、やっぱり指揮官としてその辺の意思を明確にするということが、今できるできないは別にして、極めて大事だと思うわけで、少し前向きに、その辺の所信をもう一回お聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生から環境行政に対する基本的な考え方について御質問がございました。
 環境省になるから特にということではないのですけれども、やっぱり今、二十一世紀、新しい時期に向かって、この環境を大きなテーマにして、これは世界じゅうと思いますが、特に日本がこの問題にもっと積極的にかかわっていかなきゃいけないという意識が非常に高くなってきているというふうに思うんです。それは、環境省だけでそういうことを頑張ってもだめなわけでして、これは各省それぞれの施策の中にも、環境問題を相当考えながら進めるというふうに変わってきているというふうに思います。
 環境省の中での考え方としましては、環境基本法あるいは環境基本計画等によりましてこの環境の考え方をあらわしているわけでございますけれども、そういった中で、当然のことながら大きな環境行政の進むべき方向を示しながら、各省もそれぞれにその方向にマッチしたような施策を進めていただくということになろうかと思います。
 先生おっしゃったように、たくさんの期待が今寄せられているわけでございますけれども、ちょっと御参考までに今私どもが考えております環境並びに環境行政に関する理念を申し上げさせていただくとすれば、まず、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことができないものであること、そして、人類の存続の基盤であります限りある環境が人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じている今、そういう現状認識のもとから、環境の保全というのは、将来及び現在の世代の人間が、今おっしゃったように、健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受することができるように、また人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われることが必要であるという認識を持っているわけでございますし、また、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されること、科学的知見の充実のもとに環境の保全上の支障が未然に防がれること、さらに加えて、環境問題が地球的規模の広がりを見せているために、地球環境保全について国際的協調によりましてその積極的推進ができるというふうなことが環境基本法に書かれている方針でございます。
 これは当然のことながらこれからも日本の環境行政の指針になるものでございまして、以上を踏まえまして環境基本法の中では、循環を基調とする経済社会システムの構築、自然と人間との共生の確保、行政、事業者あるいは国民による自主的、積極的な環境保全活動への参加、我が国の国際社会に占める地位に応じた国際的取り組みの推進、こういったことを長期的目的として推進しよう、こう考えているところでございます。
#8
○脇雅史君 どうもありがとうございました。
 各省庁の皆さんも、環境庁がお考えになっておられるのとほとんど同じレベルで環境は大事だと思っているんです。環境を悪くしてもいいと思いながら仕事をしている人はほとんどいないわけで、それぞれ考量しながら、若干各省の設置目的の方に引っ張られてやるやるということを主張されているわけですが、必ずしも環境を軽視しているわけではない。そこへ環境省が、環境ということを頭にしてすべての役所の仕事をやるならやれというようなことを言われるということについては多分相当な抵抗があると思います、これはなかなかそうはなりにくい実態だと思いますが。
 そこで、環境庁長官が今言われたようなことを本当にやっていくために、環境省、今の庁でもそうですけれども、力をうんと上げていかなければいけないわけです。非常にすぐれた識見を持つ人をたくさん集めてくる、知見を集める。各省も環境省がそう言うならそうかなと思うぐらいの力をつけなければいけない。そういう意味で、これから来年に向けていろんなことをなされると思いますが、特に人をうまく集める、役所の中の人も優秀な人は環境省へ引っこ抜く、そんな気持ちでやっていただきたいですし、民間の方々のさまざまな意見も集約しながら、若い人もいっぱいおられるわけですから、環境省になられる皆さん方が大いなる努力をしていただくことを心からお願いいたします。
 そこで、次に移りますが、ただいま長官のお話にもありましたが、循環型社会ということを言われました。今、循環型社会、いわゆるリサイクルといいますと、悪いことなしでとにかくリサイクルをすればいいんだというふうに思ってしまいますが、ここがまた若干頭を冷やす必要もある。
 確かに、私も、物を大切にする、使い捨て文化はやめてかつてのような物を大事にする文化に戻るべきだというふうに思うわけです。そんな中で、必ずしもリサイクルしてもよくないケースもあるんです。これは最近本が出たようですが、リサイクルしてはいけないものがあるんだと、金属類はリサイクルすべしと。そうでないものを変にリサイクルしますと、トータルのエネルギーで見ると余分なエネルギーを使うということがあるんです。リサイクルするために新たなエネルギー、石油を使ったり電力を使ったりしながらリサイクルが初めてできて、それを使うといかにもよかったみたいでも新たにつくった方がいいんだと。そのものが地球上にどれだけあるかということももちろん考えなくちゃいけないんですが、単純にリサイクルよしとは言えない。
 例えば、太陽エネルギーとか風エネルギーとか、ああいう非常にエネルギー密度の低いものを使うときも同じことがあると思うんです。ソーラーシステムでも、下手をすると、ソーラーが五年か十年か耐用年数があるわけですが、もっと長いかもしれませんが、そのシステムが例えばアルミを使っていればアルミをつくらなければいけない。それを使って、つくるためのエネルギーのトータルが、できて動いている間のエネルギー、得られるエネルギーよりも高かったらやっぱりこれは余り意味がないんです。それから、形式は別としてエネルギーのトータルみたいなこともよく考えていかなければいけない。
 また話が飛んで恐縮ですが、例えば割りばしはやめよう、資源のむだだという言い方があって、小学生なんかは、それを聞いてまじめに自分の家からはしを持っていって、給食なんかでも割りばしを使わないということを一生懸命されている方もいる。その精神は非常に大事なんです。ところが、よく考えてみると割りばしというのは間伐材なんです。間伐材をうまく使わないと、間伐材もただ切っただけじゃだめなので、それが売れれば森林を管理するエネルギー源になるわけで、むしろ皆さんに積極的に割りばしを使ってもらった方が日本の自然はうまくいくんです。だから、ただあるから使って、使い捨てはむだだという、これも単純に考えてはいけない。
 だから、いろんな意味で循環型社会といいながら、それぞれの分野について、先ほど申し上げたようなさまざまな知見を動員して、これはやるべきです、これはやるべきではありませんということを環境庁が率先して皆さんに情報を提供しなければいけない。ただ漫然と見ていて、みんなでいいことだから省資源型あるいはリサイクル型に走ろうと言っているだけではだめなわけで、そういったことについてきちっとこれから方向性を出してほしい、あるいはもう出されているのかもしれませんが、どんな状態にあるのか、お聞きをしたいと思います。
#9
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生の御指摘、ごもっともだというふうに今承っております。
 たまたま平成十一年度の環境白書におきましても、これからの時代、「それぞれの主体が、経済社会活動を持続的に行えるよう資源効率を高め環境負荷を最少限にとどめるなど、環境が人類にもたらす価値を重視した合理的な判断に基づいて行動する」というようなことで、環境合理性というようなことを言葉をつくって出しておりますけれども、そういった考え方がやはり非常に大事なことではないかというふうに思っております。ただリサイクルだけにというようなことではやはりだめではないかというふうに思います。
 そういう意味では、循環型社会の構築をこれからしなきゃならないわけでございますけれども、こういった先生のおっしゃったような考え方も頭に置きまして、物質循環の確保によります環境負荷の低減という考え方を基本にいたしまして、また物質の循環的利用に際しましても、環境保全への配慮がなされる必要があるというふうに深く考えているところでございます。
#10
○脇雅史君 環境合理性という言葉が出ました。私もそういうことを申し上げているんです、経済合理性から環境合理性へと。合理性ということは、理屈に合うわけですから本来いいことなんですが、その前に言葉がつくと、経済にとっていいことが経済合理性ですから、経済というのは人間のさまざまな分野すべてをあらわすわけではないのでちょっと間違うことがあり得た。環境というのは、さっき申し上げたように、我々の周り、森羅万象すべてをひっくるめて考えればいいわけですから、環境合理性という言葉を生かして、いかに負荷を少なくして将来に向けてよい環境をつくっていくか。このよい環境というものが何かということを具体的にお示しをしなければいけないわけでありますが、その辺に今後とも努力をしていただきたい。
 なお、ちょっとつけ加えておきますと、よく節水節水といって、水を使わない方がいい、これも割りばしと同じような議論がありまして、必ずしも水を使わないことがいいことじゃないんですね。
 水というのは、ぐるぐる太陽エネルギーで回っているわけですから、ほっておけば海へ流れていくわけで、一生懸命ちまちまやって、どんどん自然に海へ流れていけばそれがいいことだと必ずしも、悪いことではないかもしれませんが、我々の生活全般を考えたときにいいことばかりでもない、特に水道局の立場からすれば、どんどんお金にかえていただいた方が償還もできるわけでありがたいわけですから。ただ、日ごろ余り水を使っていますと、いざというときに渇水対策ができなくなってしまいますので節水節水と言っておりますが、冷静に考えれば、水はあるときにはそれこそ湯水のように使えばいいし、なくなったらうまく使うと。ただ、水の場合にはもう一つ別な要因があって、使えば必ず汚れるということがあるんです。それをどうしていくかという問題があるので単純には申せませんが、そんなこともあると思っております。
 それから、今まで申し上げたようなことをいろいろ考えた上で、都市の環境というのをぜひともお考えいただきたいわけです。
 環境庁、これから環境省になってもついつい目が行くのが自然環境です。ただ、大多数の方は都市部に住まわれているわけですから、都市の環境を一体どうしてくれるんだ、都市の環境は今はどうなっているんだと。非常に住みにくいとかみんなは言うけれども、本当に住みにくいのか、いいのか悪いのか、やはりきちっと見ていなければいけません。観察をして測定をして評価をして、東京なら東京をどういう環境にしたいのか、しようと思うのか、しなければいけないのかを提案しなければいけない。
 私、特に都市部で大事なのが緑だと思うんです。草木であります。そういう緑を大事にするということがさまざまな生物環境を呼び起こして非常に我々人間が住むにもいい環境になると思うわけであります。東京都市部、二十三区あるいは大阪市内、一体全体緑は減っているのかふえているのか、どんな状態なのか。私、東京なんかにおりますと必ずしもそんなに悪くはないと思うんです。
 子供のころからいろいろ見てみますと、鳥なんかも、子供のころは随分ツバメがいっぱい来ました。それから、スズメが随分いました。カラスは今よりは随分少なくて、オナガといったようなちょっとした鳥がいた。ただ、さまざまな鳥は、当時私が興味がなかったせいかどうかわかりませんが、余り見かけた記憶がなかったんです。セキレイなんか、ちょろっとたまに善福寺川という川の上を飛んでいたこともあったんです。最近ちょっと朝見ているといろんな鳥の鳴き声がするので、何鳥かな、ムクドリとか何とか、結構調べてみますと種類いるんです、私のところは練馬の辺でまだ若干緑が残っているせいかもしれませんが。鳥なんかも環境の指標として非常に大きな要素だと思うんですが、必ずしもそんなに東京は悪くなっていないんじゃないかなというふうに感じます。
 それから、カラスです。このカラスというやつは非常に賢い鳥なんですが、やたらふえていまして、ごみ収集に非常に悪さをして、最近カラスよりちょっと早目にということで収集時間を早めたりしているところもあるようですが、随分苦労されている。
 話が余談になりますが、カラスというのは本当に賢い鳥で、ごみ置き場に行って、かぶせた網を二羽で行って一羽が持ち上げてその間に引き出すとか、カラスは数が数えられて必要な分だけソーセージでも取り出す。五つまで数えられるんだそうです。それから、枯れ木の中にいろんな幼虫がいますよね。それを、枯れ木を見つけてぱっと飛んでいってこんこんこんこんとやって穴をあけてくちばしを入れて食べるんです。人間は見えません。ところが、その後がすごいんで、小さい枝を持ってきてそれをすっと入れてその棒の先に虫をつけて取り出す、そんなある意味では人間よりすごい能力がある。なぜかそのカラスも非常に嫌われて、悪い鳥だと言っているんです。
 これまたおもしろい話がありまして、毎日ごみが荒らされるものですから、あのカラスを何とかしろというふうに奥さん方みんな思われていたんですが、新聞の投書で見ていますと、カラスはしようがないわねと言いながら楽しそうにその後片づけをしている奥さんがいて、ああ心の広い人だな、カラスは悪さをするけれども、そういうカラスとも一緒に生きていこうと思っている人もいるんだという意見を述べられた方もいました、少数だと思いますが。そういうカラスをどうするか。人間の都合で、悪いからみんなやっちゃえ、殺しちゃえと。シカも数を減らしましたけれども、カラスも減らせと。
 カラスの肉というのは、また余談ですが、おいしいんだそうです。山形で何年か前に、イノシシの肉とか豚肉、牛肉、さまざまな肉を十種類集めて、目隠しをして食べさせて順番をつけて、おいしい順を並べたらカラスは二等賞だったんです。だから、あるいはこれからカラスは食料になるかもしれないんです。こういう都合の悪いカラスを、やめるのがいいかあるいは一緒に暮らすのがいいか、一緒に暮らすとしたらどうするのか、冗談まじりで申し上げましたが、これは環境のかなり基本なんです。
 考えてみたら、トキという鳥は今は神様のような鳥になっていますね。もう絶滅危惧種で、トキ御殿じゃないけれども、新潟の方もおられますが、かつては物すごくおられて、おられてと言わないといけないんでしょう、そのトキさんは、当時は田んぼの邪魔だからどんどん殺しちゃえとやたらに殺して、それで減ってきたら、大変だ、大事な鳥だから保護しよう、これが人間様のやることです。
 その時々、我々はみんな正しい判断をしていると思っていますけれども、過去三、四百年の歴史を見れば正しい判断なんかほとんどなかったんです。私がこうやって申し上げているのも間違ったことを言っているのかもしれません。そういう危惧を持ちながら申し上げているわけです。
 そういういっとき邪魔になる鳥に対してどういうことをしようとするのかという人間の姿勢こそが環境行政の基本になるはずなんです。その積み重ねがさっき申し上げた、言葉で言えばなかなか格好いいことを言えるわけですけれども、環境行政の理念になるんです。だから、カラス様をあだおろそかにしてはいけないんで、カラス対策なんかはどう考えておられるのかといったことについてもお聞きをしたいんです。
 それから、花粉症。これはいつかも取り上げたことがあるんですが、毎年何千万人という方が大変な思いをしている。こういうことはやっぱり環境庁としては見過ごせない。何かいい対応策がないのか知恵を働かせるべきだと。何かおやりになったことがあるようでありますが、その辺ももう一度お聞かせをいただければと思います。
 それから、石原知事さんが言われていますが、やはり都市部で一番問題になるのは車、排気ガスです。あの大型車の排気ガスというのは私も本当に腹立たしい思いがして、車で走っても、大型車が前に行ったらもう換気はやめて車の中だけ循環式に変えなくちゃいけないとか、そんな思いです。みんながそんな嫌な思いをしている。みんなが嫌な思いをしているのをほっておいては行政はいけないのであって、すぐ取り上げなければいけない。そういう意味では、石原都知事の決断というのはいいことだなと私は思っているわけであります。そういうディーゼル車対策といったことについては本当に真剣に取り組んでいただきたい。
 もちろん対策をすればお金がかかるんですが、一人一人お金を使ってもいいじゃないですか。道路関係でもたくさんのお金を使っているわけですから、その一部でもいいから使って良好な環境が得られるように努力をすべきだと私は思っております。
 それから、騒音なんかの問題があります。同じく道路でございますが、騒音対策といったことについても、最近の裁判所の判例で一定以上の騒音を出してはいけないといったような判例も出ているわけですから、そういったことを踏まえた上でやはり環境庁としてきちっとしたことを言わなければいけないだろうと、道路屋さんとけんかになるわけでありますが。ただ、道路も必要、環境も必要なんで、どこで折り合うかということでありますから、それは恐れずに言っていただきたいというふうに思います。
 私も都市部に長いこと住んでおりまして、大阪にも住みました。随分いろんないい公園もできて、最近は言われるほどには私は日本の大都市の環境は暮らしにくいとは思っておりません。ただ、もっとよくしなければいけないこともたくさんあるということで幾つか例示をいたしましたが、それぞれにつきましておわかりになる範囲でお答えをいただければと思います。
#11
○政府参考人(松本省藏君) 先生の方から、都市部の自然環境にもっと目を向けるべきではないかということで幾つかの例を引き合いに出しながら御質問があったわけでございますが、まず一つは緑でございます。
 緑の現況につきましては、環境庁で昭和四十八年度から全国の自然環境の現状を把握するために自然環境保全基礎調査というのを実施しております。いわゆる緑の国勢調査と言われるものでございますが、その中で全国の五万分の一の植生図を作成してきておりまして、そういう中で植生の現況について把握をしておる。第四回の自然環境保全基礎調査の結果によりますと、例えば東京都二十三区の例で申しますと、樹林地、木が植わっているところ、それから草原、農耕地など何らかの植生に覆われている地域が東京都二十三区内で全体の約六%という状況でございます。
 それから、鳥のお話もございました。
 鳥類に関してでございますけれども、都市部の鳥類の生息状況、一九七〇年代から八〇年代にかけまして都市環境が悪化していった、それとの関係で大変鳥類の生息状況も貧弱化してきているという報告があったわけでございますけれども、その後、私ども環境庁あるいは東京都の独自の調査によりますと、例えばカワセミとかコゲラとかそういうような種類の鳥については近年分布が回復をしてきているというような報告もございます。
 いずれにいたしましても、都市部の緑あるいはこういう鳥などの動物、これはやはり日本全体の多様な生態系の一部をなすものでございますし、特に都市部は、それとは別に我々人間が潤いのある生活をしていくという観点からも大変重要な要素であろうと思います。これからそういうものをしっかりと守っていくという視点が必要であろうかと思います。
 それからまた、カラス対策のお話がございました。
 カラスも都市の中で人間と共存をしていく動物でございますが、カラスにつきましては、一つは、四月から七月ぐらいの期間、これは繁殖期でございまして、その期間を中心として巣に近づいた人を攻撃するという問題、あるいは、一番問題になっておりますのが都市部でごみの食い散らかしを行うというような問題、大変深刻になっているということでございますが、それへの対策として、一定の駆除というのはやはり必要であろうとは考えますけれども、先生のお話にありますように、ただ駆除をすればいいというものではないと思います。原因そのものが我々人間の生活に基づく部分というのが大変大きいわけでございますので、被害を未然に防止するという観点から、ごみ処理の適正化とか、生息状況、被害状況の追跡などを行うことによりまして、この問題についても適正に対応していくことが必要ではなかろうかと考えております。
#12
○政府参考人(西尾哲茂君) 花粉症の問題でございます。
 近年、多くの方々が花粉症で悩んでおられるわけでございまして、環境庁初め関係省庁の協力のもとに取り組んでいるところでございます。
 環境庁におきましては、まず花粉症と大気汚染との関係の解明ということが大事でございますので、その相互作用に関する調査研究ということを鋭意実施しております。
 それからまた、現に花粉症で苦しんでおられる方々に今何かできることはないのか、こういうことで、本年二月には、花粉症患者さんへの保健活動に利用していただくということで、花粉症に関する最新の科学的知見でございますとか、関連の情報を収録いたしました花粉症保健指導マニュアルというものをつくりまして各自治体、保健所などにも配布させていただいたところでございます。
 今後とも、関係省庁の連携のもとにさらに一層の工夫、努力をしてまいりたいと存じております。
#13
○政府参考人(廣瀬省君) ディーゼル対策についてお答えいたします。
 先生のおっしゃるように、自動車から出る排出ガス、その中の特にディーゼルから出る排出ガスということに対して緊急に取り組んでいかなきゃいけないというふうに考えております。
 一つは、自動車の単体にかかわる規制ということになりますが、中央環境審議会において、ディーゼル自動車に関して、平成十四年から十六年にかけて排出ガスを現行から約三割削減する、それから平成十九年ごろを目途にさらに半減するということが提言されておりますが、先月の二十二日、清水大臣から石油連盟会長及び自動車工業会会長に対して技術開発の促進を要請したところでございまして、平成十九年ごろを目途とする規制強化の時期の前倒しを含めて、今後とも一層強力に取り組んでまいるという考え方を示しております。
 それから、当面の問題がございます。自動車単体から発する粒子状物質対策として、ディーゼル廃棄微粒子の除去フィルターという問題について、早急に技術評価を行うということで検討会を設けて、三月三日から開始して早急に結論を出してまいりたいというふうに考えております。
 それから、もっと広い立場での考え方でございますが、現在、自動車NOx総量削減計画ということで点検、評価を行ってございます。その中に車種規制ということがございますが、その中で、ディーゼル自動車のガソリン自動車への代替の義務づけ、ディーゼル乗用車のより実効ある抑制方策、低公害車の一層の普及を図るための制度的な普及方策、それから交通量の実効ある抑制方策などの自動車NOx対策の充実強化について検討しておるところでございます。
 環境庁としては、先ほど先生がおっしゃられましたように、環境庁だけの技術の問題ではございませんで、警察庁それから通商産業省、運輸省、建設省などの関係省庁や地方公共団体との連携をとりつつ、都市の大気環境の改善のための総合的な対策の一層の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#14
○脇雅史君 どうもありがとうございました。
 さまざまな分野で積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、スピードが少し遅い。もう三年なんて言わずに一年とか、健康に関することが多いわけですから、役所の場合はどうしても時間が長くなってしまうんですが、もう今やそれは国民の間で非常に大きな不満のあるところですから、ぜひとも早く対応していただきたいとお願いをしておきます。
 それから、次に環境関係の研究ということに話題を移したいんですが、日本という国は非常に自然環境が厳しいわけですけれども、ある意味では恵まれた環境にあります。そんな中で人間が非常に数多く暮らしているわけですから、本当にさまざまな環境の問題が出てくる。これまでも公害の問題については世界に先駆けて成果を上げたわけでありますが、環境問題全般について、冒頭に申し上げたような環境行政をどうしていくかといったような、そういった理念的なことをきちっと打ち出していきますと、本当に日本という国が先進国の中でも、とりわけ環境については日本に聞け、日本は大した国だというふうに言われる可能性のある分野だと思うんです。
 私は、今後の日本をどうするかというときに、いろんな意見を言われますけれども、環境という問題で名をなす国になってほしいなというふうに思うんです。そのためには、やはりさまざまな知見、識見が要るわけですから、研究ということが欠かせない。現在、既に研究所もありますけれども、さらにこれまでにない柔軟な、民間の方も学界の方も行政の方も本当に自由に行き来ができるようなさまざまな工夫が要ると思うんです。そういう柔軟な形の環境研究所というのができないかなと。今ある研究所が独立行政法人になってそういう方向を目指していくのかもしれませんが、本当に大胆な考え方で、二十一世紀に向けてそれこそ日本の知識を集約して、そしてそれを高めていくという研究所にしていただきたい。
 例えば、環境ホルモンなんかの話でも、どの物質がどれだけ人間に悪さをするかみんなわかっていない。それを今世界でどんどんやっていますが、アメリカが圧倒的に進んでおりますね。ヒトゲノムでも、アメリカが力づくであれだけ進めてしまいました。我が国もこの分野に本当にお金と人材をつぎ込んで世界に先駆けてさまざまな成果を上げていかなければいけないというふうに思うわけで、さっきの大気汚染、ディーゼルの粉じんの話もそうですけれども、何がどれだけ人間の健康に影響を与えるのかということは本当に初めはわからないわけですから、研究を充実させていかなければ解決のしようがないわけで、その意味で、研究の充実ということ、体制の充実ということに大きく力を注いでいただきたいと思うわけでありますが、この件についてお尋ねいたします。
#15
○政務次官(柳本卓治君) 環境問題の複雑化、多様化に対応いたしまして、学際的かつ国際的な視野を持ちつつ、大学、自治体、民間など、さまざまな主体と連携をいたしまして環境研究を推進していくことは重要な課題と認識いたしております。
 これまでも、国立環境研究所では、環境研究に関する中核的な機関として、新たな社会ニーズに対応しつつ、幅広い分野の調査研究を大学、自治体、民間などと連携しつつ推進をしてきたところでございます。
 最近の例といたしましては、地球温暖化や海域の油汚染対策などについて国内外の研究機関との共同研究を行うほか、ダイオキシンなどに関する国際ワークショップの開催、自治体の研究機関との交流シンポジウムの開催、客員研究員等として国内外から年間約五百名の研究者の受け入れ等の研究交流を行うなど、他の機関との連携について活発な取り組みを進めているところでございます。
 環境庁としては、今後とも、国立環境研究所を中心といたしまして、国内外の関係機関と連携しつつ、我が国全体としての環境研究の一層の推進を図っていきたいと考えております。
#16
○脇雅史君 従来型の延長で充実していくという方向では多分難しいので、抜本的につくり出すような意気込みでお願いしたいと思います。
 次に、環境教育ということを取り上げたいわけであります。
 我が国が二十一世紀にすぐれた環境下に暮らしていけるということにするためには、国民一般がすぐれた環境に関する知識を持たなければいけないわけで、ここにおられる方はもう大体が手おくれなんですが、若い方がたくさんおられますから、若い方が正しい環境認識を持っていただくように環境教育ということを本当に充実させなければいけないと思うんです。
 幾つか問題点というか、感じるんですけれども、例えば、若い人が極めてばい菌を嫌がる。抗菌グッズとか、無菌状態が正しい状態だというふうに誤解をしています。これが大変な誤解で、無菌状態がさまざまな悪いことを引き起こす引き金になっているというのはさまざまな分野で言われているわけです。
 また、最近の都会暮らしの若い人は、チョウやトンボを見てもキャーと言って逃げます。ところが、蛍を見ると、わあきれいと言うわけです。私はよく冗談で、ゴキブリの後ろに夜光塗料を塗れば立派な蛍だろうと言うんですが、ゴキブリが来ると逃げるんです。本質は大して変わらないんです。ザザ虫は食べてもウジ虫は食べないとか、ちょっと表現が悪いんですが、要するに、人間の今の日常生活の中で非常に偏った価値判断で動物にいい悪いを下しちゃうんです。それがまた環境に関する意見を大きくゆがめていくと思うんです。
 ですから、環境とは何だろうか。きれいな鳥がいれば鳥が食べる虫もいる、それぞれがまたみんな食物連鎖でつながったり、かわいそうな部分も見ればあるわけで、かわいそうという感情が人間にだけあるのかどうか知りませんが、それがあるだけに、また環境問題としてはゆがんでしまう部分もあるんです。
 だから、一体環境というものをどう見ていくのか。自然環境あるいはさまざまな社会環境や新しい物質的なものが出てくる化学環境みたいなものもあるかもしれません。そういったことをきちっと教材として与えていくという、これは環境庁がみずからおやりになるよりも文部省にお任せをするのかもしれませんが、そういうことについても積極的にやってほしいですし、これだけインターネットが発達してまいりますと、それぞれみんな独自に見れば見られる。教師が一人一人教えるよりも、いい教材をつくればみんなが使えるという時代ですから、どこかで集中的にいい教材をつくっていただければ、これまた非常に有効なわけです。
 そんなこともお考えいただきながら、教育ということ、体験教育とかいろんなことをされていますけれども、もうちょっと広い意味で、国民の環境に関する知的なレベルを上げていくという意味での教育問題についてお考えをお聞きしたいと思います。
#17
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生から環境教育、環境学習の問題について御指摘がございました。
 確かに、日本じゅうでそういう環境に配慮したような生活をみんながしていれば、別に特別なプログラムをつくらなくてもいいのかもしれませんけれども、今先生おっしゃるように、なかなか自然にも触れるチャンスのない、何が本当に環境にいいのかわからないというような中で生活している人たちが多くなってまいりましたものですから、この問題についても私たちも一生懸命努力しているところでございます。
 中央環境審議会の中でも、さまざまな主体がさまざまなアプローチをとってやらなきゃいけないということが出ているわけでございます。
 具体的には、やっぱり子供をまずということで、小学校、中学校の子供たちにこどもエコクラブという事業を進めているんです。これも今、全国七万人くらいいるんですが、クラブに入っている子供たちが学校のクラブ活動の中で、いろんな環境の問題、自分たちで農作物をつくってみたり、あるいは自然環境を観察してみたり、自分たちで近くの川の水をとってきて調べてみたりというようなことから、自分が体験していろんなことがわかる、そんなことが進められております。
 これも、今子供たちだけじゃありません。先生方それからPTAの方々も含まれて、かなり幅広く進められているところでございます。
 また、国立公園管理官、子どもパークレンジャーなんということで、自然環境だとか環境保全の大切さを学ぶなんということもやっております。
 それから、幾つかやっているんですが、指導者の育成も大変大切だということで、環境カウンセラーなんというのもつくっていろいろやっておりますし、それからシルバー層と言ったら申しわけないんですが、退職した方々でかなりそういうことに関心を持っている方々がおられますので、こういった環境教育に参加していただくというようなことも含めまして、物を大切にする、そして価値観を少しずつ変えていくというようなことから、そういう環境をつくろうということを一生懸命やっているところでございます。
 もちろん、先ほどの絡みで環境教育の総合的推進に関しまして文部省とも協力をいたしまして環境教育を進めておりますし、また建設省、文部省とも一緒になって子どもの水辺再発見プロジェクトなんというのも進めておりますし、いろんな形でしているところでございます。
 子供だけじゃなくて大人も含めてこういった問題に関心を持っていただきたいというふうに思っているわけでございまして、例えば国会見学なんかに子供たちがいっぱい参りますけれども、国会の中で、本当に日本の国会はすごく環境に気をつけているななんということも勉強してもらえれば本当は一番いい環境の学習の場かななんて思っているんです。
 きょうは、たばこの灰皿も何もないですし勉強になるかもしれませんけれども、やっぱり全体的に変えていかないといけないんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
#18
○脇雅史君 ありがとうございました。どなたも異存のない、異論のないところでしょうから、ぜひとも環境教育といったことで充実をさせるように御努力いただきたいと思います。
 次に、廃棄物、ごみの不法投棄という問題なんです。
 何度かいろんな場面で国会でも取り上げられますが、ごみ処理、ごみ対策ということをきちっとやっていこうと思えば思うほどにその抜け穴を探す人たちの手口がますます巧妙化、悪質化していくということが必ず出てくるのかなと。もう既に出始めているかもしれません。一部の善良なお金をかけてでもきちっとやっていこうという人たちにとって非常におもしろくない人たちがいる。そこをいかにうまく是正させていくかということが、環境全般の中でごみ処理というのも非常に大きな問題でしょうから、その中で不法投棄対策といったことに力を入れていただきたいというふうに思うんです。
 環境庁みずから取り締まるというわけにはいかないので、またよその省庁と常に一緒になるんですが、そういう意味で、それは環境省になって特に宿命なんでしょうが、ちゃんとやれというふうに、もう上位官庁だというふうに思ったらいいんです、先ほど申し上げましたが。そういうふうな格好で取り締まりもきちっとしていけるように、これは具体的に措置を講じてほしいわけでありますが、いかがでございましょうか。
#19
○政務次官(柳本卓治君) 特に廃棄物というのは都市で多いわけでございまして、こういう問題も環境政策の中の一番大きな課題でもあります。
 まして、脇先生は都市工学、都市政策の専門家でございまして、私も、かつて近畿地建の局長をなされておりましたときにいろいろと御高説を拝聴した仲間でもございます。
 ただ、来年一月六日に環境省に移行するから、ある日突然に環境省が責任を持つというような無責任さではだめでありまして、今その準備にかかっているところでございます。
 今御指摘されましたように、廃棄物の不法投棄の未然防止、原状回復を速やかに行うことは環境保全からも重要な課題でありまして、対策をより迅速にするためにも、不法投棄の問題に対処するために厚生省、事業所管官庁、警察庁等との協力が必要不可欠と考えておりますし、二十一世紀に廃棄物処理行政を担う環境庁としては、このような関係省庁との連携、不法投棄の問題に積極的に取り組んでまいる覚悟でございます。
#20
○脇雅史君 ぜひともよろしくお願い申し上げます。
 もう余り時間がありませんので、あと一、二問で終わります。
 環境税といいましょうか、税金という言い方が正しいのかどうか、いろんな考え方があるんですが、要は、国民の諸活動を環境にとって有効な方向に誘導していくという意味で、環境に悪いことをする人からはお金を余計取る、つまりエネルギーをいっぱい使う人からはたくさんお金をいただく。例えば、ガソリンでもある一定規模以上使う人にはうんと高くする。水道料金でも一定量以上使う人は高く取る。大きくなったら安くするんじゃなくて高く取る、ガスでも電気でも。うんとエネルギーをこれから減らそうと思えば、一定規模以上使ったらもう自動的に電気もとめちゃうとか、そんな手もあるかもしれません、極端な話を言っているわけですが。
 そういう意味で、国民のさまざまな生活の方向を誘導する施策、そういう料金問題とか税金問題でやっていくということが、税の本質からは外れるかもしれませんが、私は必要だと思うんですが、時間がありませんので、一分ちょっとぐらいで簡潔にお願いします。
#21
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、これから社会の仕組みを大きく変えていこうというところでございますので、今先生おっしゃったような経済的な負担を課す措置というのはやっぱり極めて有効なことであろうというふうに思います。
 ただ、こういった問題につきましては、やはり国民の皆様方に環境問題を考える中でこの経済的手法をどういうふうに使っていくのかということについて十分御理解をいただきたいというふうに思いますし、先生の御指摘も十分踏まえて、参考にさせていただきたいというふうに思います。
#22
○脇雅史君 いろいろ思いつくままに環境行政のあり方、気になる点を申し述べてきましたけれども、これ以外にもたくさんあると思います。ぜひとも、環境省になるに当たって、皆さん方の絶大なる努力に期待を申し上げて、これは国土・環境委員会みんなそうだと思いますけれども、お願いして、質問を終わります。
#23
○山下善彦君 自由民主党の山下善彦でございます。よろしくお願いいたします。
 ただいま同僚の脇委員から、これからの環境行政の理念等について大変中身の濃い質疑が行われたわけでございますが、いずれにしましても、これから迎える二十一世紀というのは環境の世紀だと言われておりまして、長官もこの所信表明の中で、大量生産、大量消費、大量廃棄の二十世紀世界から決別をして資源循環型社会の形成こそが二十一世紀の最大の課題であると、こういうふうに言われております。
 ところが、この資源循環型社会のイメージが私自身どうもまだ定まってこないんです、これだというような感じの。ゼロエミッションの試み等が行われ、またライフスタイルの変更を国民に求められておるわけでございますけれども、これはとり方はいろいろあろうと思いますが、いわゆる率直に国民側からしてみると、何かこれから耐乏生活を強いられるのじゃないかなと、こんなことを感じ取る国民も中にはあると思います。
 そこで環境庁長官に、この資源循環型社会に対して、こんなようなイメージだということをわかりやすく国民に伝えるためにおっしゃっていただきたいなと、こんなふうに思います。
#24
○国務大臣(清水嘉与子君) 循環型社会ということのイメージでございます。
 確かに、今までの生活の仕方、余りにも大量につくって大量に使って大量に捨てていたということを改めようということでございますので、ともすれば何か耐乏生活というふうにつながるかもしれませんけれども、そうではなくて、やはり環境への負荷が少なく、かつ、これまでの豊かな暮らしを続けていけるような、そんな仕組みができないだろうかということでございまして、今、政府・与党におきまして、その具体的な法案の作成作業を進めているところでございます。
 具体的には、製品を使ったら捨ててしまうということよりも、なるたけまず最初には廃棄物を出さない、できるだけ出さないようにする。物を長く使える。だから、つくるときから生産者の方でも、そういった製品について、すぐに捨ててしまうんじゃなくて、それが長く使え、そしてまた使った後が有効に利用できるような製品もつくってもらわなきゃいけないと思います。そして、それでもごみになりましたときに、それをできるだけ再度使えるものは使う、そしてリサイクルできるものはリサイクルにかけるというようにする。つまり、ごみもまた資源であるという考え方をしていただく。そして、リサイクルが本当にできないものについては、まあ熱回収もいたしますし、それから適正に処分するということで、今までぱっと捨てられていたごみがまた資源に返ってくる、こういう社会を考えているわけでございまして、決して耐乏生活をしろという話ではない。そこがまた難しいところでございますけれども、ぜひそういった形で、そういった新しいライフスタイルに合ったような社会をつくりたい、こう考えているところでございます。
#25
○山下善彦君 ありがとうございました。
 実は、私はこれからの二十一世紀は所有という近代社会の価値観、こういうものが転換する世紀であるんじゃないかなと、こんなふうに思うわけでございます。
 環境庁もこのたびの国会に循環型社会基本法案を準備されて、説明もいただいたわけでございますが、また、各省庁から個別の、どのくらいの数かちょっとわかりませんが、いずれにしても、リサイクル法の提出が予定をされておるわけでございまして、廃棄物を減らすことが今おっしゃったようなことでまず重要ではあると思いますけれども、それだけではこれは十分ではない、こんなふうに思うわけでございます。
 一番の基本は、水があります、さっき脇さんが水の話をしましたものですから。基本は、この大もととなる水道の蛇口をしっかり締めておかなければならない。そこから想像されてくる社会につくり上げていかなければいけないな、こんなふうに思うわけでございます。
 また、これは最近特にこの環境循環型、環境のこういう社会を見るにつけて、例えば車にしてもそうですし、電化製品にしてもそうです。今までの我々の感覚からいくと、車何百万、定価幾らですよと、月賦にしても何にしても自分の所有にしていた。これからの二十一世紀に向かう中で、この車の購入についても、リースというものが最近は出てきておりますけれども、こういうひとつの消費者が所有する時代から借りる時代というか、リースやレンタルする社会になっていくんではないかなと、こんな想像をするわけでございます。
 また、そういうことで、リースの期間が来て返れば、これは製造者責任という形でそこにはそれなりの処分をしてもらう、こんな一つの言うなれば循環型社会じゃないかなと、こんなふうに思うわけでございますが、長官はこの考えについてどんなように思っておられるか伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のような、物を所有するという時代からレンタルとかリースというような時代に変わるんじゃないかという御指摘、まことに説得力のある御意見かなというふうにお伺いしました。これが日本の社会でどれだけ定着するのかはわかりませんけれども、かなり今でもそういったものにシフトしている部分があろうと思います。
 確かに、将来、消費活動の重点が、狭い家にたくさんの物を置いているよりも、それを一時期借りておくと。自動車なんかもそうかもしれません。そういうような時代、あるいはサービスそのものもレンタルするような時代になる。そういうことも十分考えられるのかなというふうに、今お話を伺ってそういうふうに思いました。これも、当然のことながら、これからの時代に十分考慮していかなきゃならないんじゃないかなというふうに思いました。
#27
○山下善彦君 それと、この所信表明の中にもうたわれておると思いますが、環境庁がライフスタイルの変更という形でうたっておるわけでございます。このような具体的なイメージをもっとしっかり示す必要があると思いますが、その点について御意見を伺いたいと思います。
#28
○政務次官(柳本卓治君) 環境負荷の少ない持続可能な経済社会の構築のためには、国民一人一人のライフスタイルの変更は避けて通れない課題でございます。
 例えば、冷暖房温度の適正な設定とか、アイドリングストップの励行、照明機器や電気製品の小まめな管理など、日常生活に即した取り組みのほか、製品の購入に当たって、できるだけリサイクル、省資源に配慮した製品を選択することなど、取り組みを国民がごく当たり前に行うことができるように、国民の意識改革や経済社会の仕組みを変えていくことが大切であると認識をいたしております。
 環境庁といたしましては、こうしたライフスタイルの転換を一層促進するために、引き続き、国民に対する適切な情報提供、環境教育、環境学習の推進を図りながら、リサイクルの推進のための仕組みや環境配慮型の製品の購入促進のための仕組みなど、経済社会システムの変革を目指した取り組みの推進に努めてまいりたいと考えております。
#29
○山下善彦君 わかりました。ありがとうございます。
 次に、地球温暖化防止の方に移らせていただきます。
 ことしの十一月十三日から二十四日ですか、COP6が開催されるということですが、京都議定書での排出権取引と森林吸収源の細目を決めるということでございます。いよいよ我が国も、課せられた例の六%削減、この実効性をきちっと問われることになるのではないかなと。
 そんなことで、もちろん御努力はされておると思いますが、このCOP6に向けて、もう日にちも余りないわけでございますけれども、六%削減の中身をどのように今後詰めていかれるのか、その点について伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御承知のとおり、京都でそれぞれ先進国の間での削減計画、目標を決めたわけでございまして、日本は一九九〇年に比べてマイナス六%ということを決めたわけでございますが、昨年の四月には世界に先駆けまして地球温暖化対策推進法という法律をつくりました。今、それによりまして閣議決定されました地球温暖化対策に関する基本方針、これに沿いまして各種の国内施策を進めているわけでございます。
 また現在、中央環境審議会におきまして、環境基本法の見直し作業の一環といたしまして、通産省からのヒアリングあるいはエネルギー分野の有識者との意見交換、昨日も議論されましたけれども、これからのエネルギーの問題につきましても見直しがされるということでございますものですから、そういったことも含めて、最近のエネルギー需要をめぐる状況の変化等を念頭に置きつつ、こういったエネルギー政策の視点も踏まえて地球温暖化対策のあり方を検討しているところでございます。
 こうした国内対策をまずいたしながら、先生御指摘のように、この十一月のCOP6のときの京都議定書に決められました中での国際的な取り決めにつきまして、最終的にきちんと中身を詰めたいというふうに思っているわけでございまして、このCOP6を成功させて、ぜひマイナス六%を必ず守るという方向を示したいというふうに考えているところでございます。
#31
○山下善彦君 申し上げましたように、大変短い期間でありますけれども、しっかり中身を詰めて頑張っていただきたい、こんなことをお願い申し上げます。
 次に、我が国の温室効果ガスの推移、これは一九九〇年が基点となっていると思いますが、どんなふうになっているのか伺いたいと思います。
#32
○政務次官(柳本卓治君) 我が国の温室効果ガスの排出量は、一九九〇年から九六年度までは増加傾向でございましたけれども、九六年度から九七年度にかけましては少し減少に転じております。
 なお、御承知のとおり、エネルギーの使用に伴う二酸化炭素の排出量は温室効果ガスの約八割を占めておりますけれども、このエネルギー起源の二酸化炭素につきましては、一九九八年度には前年度に比べまして三・五%程度減少しております。ただし、一九九〇年度の排出量と比較をいたしますと、一九九八年度は依然として五・四%の増加となっておりまして、京都議定書で約束をいたしました我が国の削減目標、一九九〇年度比六%削減まではなお隔たりが大きいものがございます。
#33
○山下善彦君 今、政務次官から率直に隔たりがあると、こういうようなお話が出ておりました。
 なかなかこれは大変な問題だと思います。今後、これはもう一生懸命努力をされていると思いますけれども、この六%削減の実効性をどのようにしていくのか、その辺の心意気というか、そんなものを教えていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(清水嘉与子君) お答えする前に、先ほど私は言い間違えたようでございまして、環境基本計画の見直しをしているということを申し上げるつもりでございましたのに環境基本法の見直しと申し上げてしまったようで、済みません、訂正させていただきます。
 今の先生からの六%削減の実効性が本当に上がるのかというきつい御指摘でございます。
 確かに、温室効果ガスがなかなか改善されないということもあるわけでございますけれども、削減するために単独の政策手段だけではもうこれはなかなか効率的、効果的に削減することが難しいわけでございまして、実効性のある総合的な国内制度の構築に当たりましては、これまでやってまいりました規制的な措置あるいは経済的な措置、先ほど脇先生からもございましたこういった経済的な措置、あるいは企業がやっておりますような自主的な取り組みなど、いろいろな施策、措置の適切な組み合わせを検討することが重要であるというふうに考えております。
 環境庁といたしまして、二〇〇二年の京都議定書の発効を目指して、京都メカニズムの具体的なルールについては、先ほど申しましたように、国際交渉の進展も踏まえながら京都議定書の締結に向けた法的な拘束力のある総合的な国内制度の検討を進めてまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
#35
○山下善彦君 頑張ってしっかりやっていただきたいと思います。
 先ほど脇委員からも触れられましたけれども、東京都の石原知事がディーゼル車に対する対策強化、これは新聞でもがちっと見出しが大きく出ておりました。我が政府もこれに後追いをするような形で対策強化策を出してきております。我が国ではCO2削減とともにNOx問題、SPM問題を抱えておるわけでございますが、このような自動車公害への対策強化を今度どういうふうにしていくかという大変重要な問題があるわけでございます。
 現在、実際に使用されている車への規制導入などの単体規制の強化だとか総量規制の導入で、石原知事のように一種の混雑税を導入するのか、そろそろ国としても性根をしっかり据えて取り組まなければいけない時期に来ているのではないか、こんなふうに思うわけでございます。そういう中で、特にこの地球温暖化防止での我が国の課題は、今申し上げている自動車と家庭用電気とされております。ここからのCO2排出を抑えることが先ほど来言っております六%削減を確実にすることになるのではないかなと。
 こういう一つの環境の中で、自動車は特にディーゼル車の問題、公害問題を抱えているわけでございますが、これを解決する方法として現在期待されているのが燃料電池、これの技術開発。ただ、この問題は、今この開発が自動車業界の死命を制するということで既に血みどろの開発競争がグローバルな形で始まっていると伺っておるわけでございますが、この燃料電池の技術開発、この点について今どのような状況にあるのか、お忙しい中、経済・産業委員会からわざわざ抜け出ていただきまして答弁に来ていただいた茂木通産政務次官に伺いたいと思います。
#36
○政務次官(茂木敏充君) 自動車業界の動向等々につきまして大変お詳しい山下委員からの御質問でございますが、燃料電池につきましては、例えば企業の側でいいますと、カナダのベンチャー企業でありますバラード社等々が有名でありますが、このバラード社がダイムラー・クライスラーと今協力を進めている。それから、日本のトヨタ自動車とアメリカのGMが協力を進めている。そういった、ここ数年国際的に技術開発に関する企業連携が大変積極的になってきております。二、三年前から燃料電池自動車、それから民生用の燃料電池、コージェネレーションの試作品等々も発表されている状況でございます。
 では、いつごろこれが実用化されていくか、こういうことでありますが、自動車の分野、家電の分野、少し違いはあると思いますが、これらの商品開発の中には二〇〇三年から二〇〇四年ころの商品化を目指したものもあり、そのための開発競争が大変加速している、このように認識をいたしております。
#37
○山下善彦君 見通しについては最後に聞こうかと思いましたら、もう答えをされたものですから、最後の一問だけはカットさせていただきます。
 ということは、これで最後になるわけでございますが、こういうミレニアムプロジェクトとして政府が取り上げているわけです。ただ支援をしていくといってもなかなかこれは大変な問題だと私は感じているわけでございますが、基本的にこのようにしっかり支援していくよということがあるはずですから、その辺について教えていただきたいと思います。
#38
○政務次官(茂木敏充君) 先ほど来、山下委員の御意見を拝聴いたしておりまして、この地球温暖化問題、これは企業の側それから消費者の側そして政府、行政の側、それぞれで意識改革も進めながら積極的な取り組みをしていかなきゃならない、そこの中で一つの企業と行政の接点になってくるのがこの燃料電池の問題だと、こんなふうに我々は強く認識をいたしておりまして、政府といたしましても、平成十二年度の予算案におきましては、燃料電池関係の予算として平成十一年度、昨年度の大体倍になります八十一億円を計上しているところであります。
 特に、今委員の方から御指摘をいただきましたミレニアムプロジェクト、この中でも十三億五千万円を盛り込みまして、燃料電池の安全性と耐久性についての基準や標準の策定を図るための必要な実証研究などに取り組む予定でございます。
 また、通産省といたしましても、昨年十二月に燃料電池実用化戦略研究会を設置いたしまして、学界、産業界の有識者の参加を得まして、今後の燃料電池の実用化に向けた戦略の検討を開始いたしております。
 何にいたしましても、委員御指摘のとおり、当省といたしましても、産学官の連携のもとでこれらの措置を初めとして燃料電池の実用化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#39
○山下善彦君 ありがとうございました。
#40
○末広まきこ君 自民党の末広まきこでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、藤前干潟に対する環境庁の御努力、御英断に対して感謝を申し上げたいと思います。大変うれしかったのでございます。
 藤前干潟の場合は、処分場にするための事業計画が明らかにされて公有水面の埋立免許申請をする段階での変更、いわば土壇場、もう本当に最後の最後というところで間に合ったと言えるのでございます。
 ところで、愛知万博の場合は、それよりも前の段階でBIEから見直し要請によるものと今回なってきているわけでございます。藤前干潟の場合と異なるのは、そこに環境庁のお姿が見えない。通産省や県を動かしたのは、残念ながらBIEだった。理念を自然との共生としながら環境庁の役割としての指導性が発揮できなかったというのは、これは大変私も残念でございます。
 二〇〇一年に環境省への昇格も決まっておりますが、この点についてどのように思われていらっしゃいますか。
#41
○国務大臣(清水嘉与子君) ぜひ御理解いただきたいのですけれども、環境庁といたしまして、この件に関しましては、まず国際博覧会の開催が閣議了解されたのが平成七年、そのときにも通産省等と協議いたしまして、自然環境の保全上極めて重要な地域を万博事業の対象地域から外しているわけです。そして、昨年またオオタカも出てきたというようなこともあって、海上の森地域だけの会場計画であったわけですけれども、愛知青少年公園を活用して分散するというような方向になりました。そしてまた、昨年十二月末でございますけれども、環境アセスメントに際しまして環境庁長官意見を付したわけでございます。その中でも、海上の森への環境負荷の一層の低減あるいはオオタカ保護への十分な取り組みを求めるなど、さらに対応すべき点を指摘したところでございます。
 現在は、事業者であります愛知県あるいは財団法人二〇〇五年日本国際博覧会協会におきましていろいろな角度から幅広く万博計画が検討されているというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、自然の叡智というテーマで開かれるという万博でございます。それにふさわしい万博の実現に向けて十分な検討がされることを期待していきたいと思いますし、また通産省ともよく連携をとってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#42
○末広まきこ君 縦割り省庁の制約があって余り表に出られない、だけれども陰ながら精いっぱいやってきているよと、こういうような御意見だと思うんですけれども、入っていきづらい問題なんだという点は私もよく理解をしているつもりでございます。その上でお尋ねします。
 アセスの結果、万博予定地の海上の森については絶滅危惧種が多い、それから自然の生態系が大変見事である、こういう報告がされています。環境庁長官はお行きになりましたね、現場に。あの森の何を残さなければならないとお考えでしょうか。
#43
○国務大臣(清水嘉与子君) 私も就任早々予定地を見せていただきまして、大変すばらしい環境のところだなというふうに拝見してまいりました。
 しかし、いずれにいたしましても、会場予定地とか周辺、人とのかかわりの中でできてきた二次林を主体とした里山的な環境のところでございます。そしてそこには、御指摘にもございましたけれども、オオタカでありますとかギフチョウというような希少なものも生息しているわけでございますし、また湿地には特徴的なシデコブシというような希少な植物もあるというふうに見てきたところでございます。
 確かに、市街地の近郊にありながらああした形で保存すべき動植物がまとまってあるという地域でございまして、非常に豊かな里山の自然がはぐくまれている地域であると認識しているわけでございまして、これからの万博の開催に当たりましても、そういった自然を保全しながらぜひ開催していただきたいということをお願いしているところでございます。
#44
○末広まきこ君 湿地と里山が大事であるというお考えであると思うんですが、また、この機会でございますから、環境行政の一般論として、湿地とともに里山保全が自然の生態系保全の大きな基盤になっている、我が国の生物多様性を守っていく上では大変重要であるという認識についてお伺いしたいのと、それを今後の行政にどう展開していくのかお伺いしておきたいと思います。
#45
○国務大臣(清水嘉与子君) 今先生も御指摘のように、生物多様性国家戦略というのができておりまして、平成七年に関係閣僚会議で決定したわけでございますけれども、そうした長期的目標といたしまして多様な生態系の保全が掲げられております。これに基づきまして、湿原だとか干潟などの湿地あるいは里山の二次的な自然環境等を保全することが重要だというふうにもちろん認識しているところでございます。
 環境庁といたしまして、全国の湿地及び里山の状況把握を進めているところでございまして、これらの保全のための施策に積極的に取り組んでおります。また、来年度予算では、この国家戦略の見直しの時期になるものでございますので、国家戦略の見直しに向けての生態系別の保全戦略策定作業を行うということで予算をいただいているわけでございまして、この中で湿地等の保全につきましても十分検討してまいりたいと考えているところでございます。
#46
○末広まきこ君 環境行政の新しい柱としてぜひ頑張っていただきたいと思います。
 万博に話を戻しますと、環境庁は大変遠慮なさっている、どうしてもっと国家、国益のためにという大きな視点で活発な意見交換を事業官庁となさらないのかなというふうに私は思うわけでございます。
 BIEが問題にしたのは跡地利用の点だと思うんです。里山を生かした形で跡地利用を考えていくべきじゃないんでしょうか。
 この問題は、通産省から総括政務次官にお越しいただいておりますので、通産省とNGOとの対話が始まったというふうに聞いております。近いうちに通産大臣が自然保護団体と直接お話し合いをなさる。対話の中で里山公園構想というのをお出しになればうまくいくんじゃないのかなと思うのでございますが、どういうふうにお考えですか。
#47
○政務次官(細田博之君) 末広委員御指摘のように、この問題は大変大事でございます。博覧会を成功させますためには、地元を初めとするさまざまな関係者と幅広く意見交換を行って、内外の広い理解と協力を得ていくことも肝要であると思っております。BIEからも、自然保護団体を含めいろいろな方々と話し合いを行って理解を深めることが必要である旨の示唆を受けております。
 通産大臣は、この一環といたしまして、当初予定では、明日スケジュールを組みまして自然保護団体の方々、具体的には世界自然保護基金日本委員会、そして日本自然保護協会、日本野鳥の会の首脳の方にお会いをして、全く白紙の状態で自然保護団体の方々の御意見をお聞きして、白紙というのは何の偏見もなくかつ率直に承るという意味でございますけれども、御意見をお聞きいたしまして意見交換をしようと予定しておりましたけれども、あしたは大臣のスケジュールの都合で延期になりましたけれども、必ずこの意見交換会を開催することを決定しておりますので、その結果をまた見たいと思っております。
#48
○末広まきこ君 ぜひそうなさってください。
 BIEを動かしたのが世界の自然保護団体であり、世界の自然保護団体を動かしたのが日本の自然保護団体でございますから、深谷通産大臣に御期待申し上げたいと思いますので、細田総括政務次官からもよろしくお伝えいただきますようお願いいたします。
 産業博から環境博へ変わりましたのは歓迎いたします。ところが、平成七年の閣議決定以降その肝心の環境博とはどういうものかというのが一向にはっきりしてこない。パビリオンは絶対要るんだ、箱は要るんだという人もいれば、いや要らない、自然があればいいんだという、本当に全く異なる意見がごちゃごちゃになっている。
 私は、エコとITの両輪がお互いに技術革新をしながら産業全体の技術革新をしていくのが今度の二〇〇五年の万博なんだと、そのように意義を考えているわけでございます。計画が練り直しになったのをいい機会にコンセプトをはっきりさせることがBIEの理解を得る道だと思うのでございますが、意義についてどういうふうにお考えでしょうか。
#49
○政務次官(細田博之君) 愛知万博は、テーマといたしまして自然の叡智、自然との共生を掲げているわけでございます。そして、この自然の叡智のテーマが国際的に評価されまして開催が決定したということでございます。したがいまして、愛知万博ではこのテーマに沿いまして、海上の森という身近な自然を舞台に、来るべき時代の実験場として、二十一世紀における人と自然の交わりについて一つの姿を提示することとしております。
 ただいま末広委員からは、エコとITというようなお話もございました。また、パビリオンがいいのか、人々が多く散策できたり、自然と親しむような形も盛り込んだらいいのか、そのほか、さまざまな環境関係の方々の参加するような会議、シンポジウム等を開いた方がいいのかという、いろいろな開き方があると思いますけれども、考え方としては、自然の叡智のテーマにふさわしい内容にしていこうということ、この大筋が決まっただけでございますので、諸方面からの御提案を取り入れながらすばらしい万博を実現してまいりたいと思います。
 現在問題となっておりますのは、跡地問題という非常に限られた問題でございますので、それはそれとしてきっちり対処いたしますけれども、万博自体のコンセプトはすばらしいものだと理解しております。
#50
○末広まきこ君 ぜひ苦労の報われるような、そして喜んでいただけるようなすばらしい博覧会をお願いしたいと思うんですが、愛知万博を環境博としたことによって従来の産業博と違う取り組み手法が必要なのではないかと思うわけなんです。
 つまり、今までの万博といいますと、箱物をつくって、直前までいろいろ隠しておいて、博覧会の開幕と同時にぱっと幕があいて、レディーズ・アンド・ジェントルメン、ディス・イズ・万博みたいな、みんなは、どう、見た、驚いたというような万博が今までの万博だったんですが、環境博というのはその手法はどうも通用しないと。
 これは何が必要かというと、甚だ地味な努力が要る。三年も四年も前から地元のボランティアやNGOとこつこつと環境運動や学習を積み重ねていって、日本はここまでやりました、これからも世界の皆さんと地球環境保全の問題を一緒に考えていきましょうと。この万博は、日本の技術革新がすごいと思うんで、日本の技術とそれに取り組んできた心、これを見ていただきたい、こういう万博じゃないか。
 それを持っていって納得していただくためには、そこへ向けての助走期間が要る、そう思うんです。何をするかというと、環境に関する行事の開催とか活動の展開、積み重ね、そういったことが必要だと思うのでございます。そういう助走期間の必要、意識の向上を図ることの必要について相当な努力が要ると思うんですが、その辺はどうお考えでしょうか。
#51
○政務次官(細田博之君) 末広委員は大阪万博のころから御活躍で、大変万博にもお詳しいと伺っておりますけれども、確かに、おっしゃいますように、万博のコンセプトというのは、今までは、たくさんの人を集め、みんながびっくりするような新しい展示を見て、後は家族で遊んで帰るというような、そういうようなコンセプトだったわけでございますが、愛知万博は環境博ということで、そこに新しい二十一世紀の環境にとって、世の中がこうなるんだというものを皆さんにごらんいただくということが一番大事だと思っております。そういった意味では、参加者が身近にその問題を考えられるようにということが第一でございます。
 もう一つは、ここで念のため申し上げたいんですが、たくさんの方にやはり見ていただく、そして意識を深めていただくということも大事でございますので、たくさんの方の受け入れができるような施設なりあるいはインフラ整備、これは必要なことだということで検討はしなきゃなりません。そしてまた、お年寄りとか子供さんたちあるいは御家族でも楽しんでいただくということも大事ですし、また外国の方にそれが意義が深いということを認識していただくような中身でなきゃいけません。そこには大勢の人手がかかりますし、コストばかりかかってもコスト回収をどうするかというような地元の議論もあります。そういったところではボランティアとかNGOの方々にも大いに貢献していただかなければならないと考えておりますので、御趣旨の方向に沿いましてできるだけいい万博に仕上げていきたい。これからでございますので、よろしくお願い申し上げます。
#52
○末広まきこ君 ありがとうございます。
 本当に気持ちの上では何も違っていない、意見は一緒なんだということが確認できましたし、それから、ゼロからというふうにおっしゃっていらっしゃいます。虚心坦懐にいろんな意見をこれからお聞きになって、何よりも跡地問題ということが肝要だと思いますので、きょうは細田総括政務次官にお越しいただいて本当によかったと思っております。ありがとうございました。
 最後になりますが、環境庁長官が所信の中で「環境立国として」というふうにお述べになっていらっしゃるんですから、もう少し通産省を交えていろんなアイデアを愛知県に出してあげて、いきなり素人が衣装だけぱっと着て、はい環境博というふうに舞台にのっかっちゃうという、そんな恥ずかしいことのないような、事前の助走段階での取り組みなんかにぜひ御配慮をお願いしたいと思うんです。同じことを通産省にもお願いしたいと思うのでございます。
 事は万博、世界が注目しておりますので、これは日本の取り組みというふうにとらえております。各省庁の取り組みというふうには世界は見ておりませんので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、最後に二点お伺いしたいと思います。
 環境保全の意識を高めるために、愛知県などのように環境政策の展開上重要な地域に対しまして、藤前干潟があり、海上の森がありと非常に重要な地域でございまして、そこに環境教育を本格的にてこ入れする必要があるのではないか、これが一点。
 それからもう一つ。世界で初めて環境博を成功させるのに、何のとっかかりもなくつながりもなく、いきなり愛知県にばん。COP3は京都、何たらはどこという感じでよそでやっていて、愛知県と環境というのは果たしてどこでつながるのというような面食らいもありますので、そういうことのないように、環境庁としても本腰を入れて、愛知県を舞台に国民の環境意識を高めるような国際会議の誘致、開催、それから海上の森にエコミュージアムをまずつくって活動の拠点、地道な第一歩を始めるとか、具体的な施策が要るんじゃないかと思うんです。
 以上、二点といいますか三点といいますかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#53
○国務大臣(清水嘉与子君) 特に愛知県の地域に絞っての御質問でございますけれども、まず環境教育。けさほども環境教育・学習の必要性がずっとうたわれておりましたけれども、やはり愛知県におきましてもぜひそれを進めていただきたいと思っているわけでございます。
 環境庁といたしまして、ちょうど昨年度、十年度に総合環境学習ゾーン・モデル事業というのを実施しているわけでございます。全国四つのゾーンに分けているんですが、その中の一つに東海地域が含まれておりまして、ここで体験的な環境学習が行える現場を整備しているところでございます。本年度、十一年度におきましては、各ゾーンごとに環境学習講座等のモデル事業を実施するなど、地域に根差した主体的な環境学習活動の展開をできるように支援しているところでございます。
 先ほど来出されております環境学習・教育の問題については、中央環境審議会の答申の中でも指摘されております。いろいろなところで連携をとりながら、いろんなテーマで、アプローチによりまして広範な実施を推し進めていきたいというふうに思っているわけでございますし、またいろんな経験を持っている指導者もいらっしゃるし、民間団体もいらっしゃるわけでございますので、そういう知恵をおかりしながら進めていきたいというふうに思っております。
 それから、先生がおっしゃった国際会議等も招集して先にやったらどうかというお話でございます。
 確かに、そういったことでこういった地域の方々に環境意識を高めるということは本当に必要なことだというふうに思っております。しかし、最近は、愛知県におきましても、こどもエコクラブの事業でありますとかダイオキシン問題のシンポジウムの開催ですとか、あるいは今月の十八日から二十日までは内分泌攪乱化学物質メダカ試験国際シンポジウムなんというのが開催されるようになっております。そういう意味では、かなり環境に関心を持っていらっしゃる方々もふえますし、またそういうことをやることによって地域の方々にもこういった問題も広がっていくのかなという感じもいたします。
 御指摘の海上の森におけるエコミュージアムの開設などにつきましては、地元のお考えもあることと存じますけれども、環境庁としてもどのような取り組みができるか、今後の課題として検討してまいりたいと思います。
#54
○末広まきこ君 ありがとうございました。
 すべてはこれからという感じでございますけれども、本日、通産そして環境庁両方の御意見を伺いまして、見事に車の輪を上手に回して成果の上がる万博にしていただきたいと思います。
 時間が少しあるようですけれども、皆さんは早く終わるのは歓迎だと思いますので、この辺で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#55
○委員長(石渡清元君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#56
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土整備及び環境保全等に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#57
○岡崎トミ子君 岡崎トミ子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 長官は所信の中で、環境を真に豊かで安心できる暮らしを実現するための基盤であると位置づけられました。そして、大変よく言葉として目立ったのは、国民の不安ということに対して、またそれに対しては安心をという、これが大変目立っているなというふうに思いました。やはり国民が環境に対して大変な不安を抱いているんだということ、それに対してこれを取り除くことが環境行政の重大な責任であるというふうに任務を位置づけていらっしゃいました。全くそのとおりだというふうに思うんです。
 さらに長官は、我が国の社会全体のあり方を見直すんだと、環境への負荷が少なくてかつ豊かな暮らしを確保することができる循環型社会を目指していると、この必要性についておっしゃられました。これは本当に、皆さんがおっしゃっていましたけれども、本気で取り組むとすれば社会全体を変えていくということですから、そのことに合わせて環境行政も本当に転換しなければならない面が多いというふうに思うんですね。その政策分野、環境の視点、そういうことが他の省庁に対してのきちんとしたことのチェック、しかも環境上これは望ましくないよというようなことがありましたときには、それに対して是正するように強く働きかけていかなければなりませんし、さらに地方分権という、こういう時代ですから、国の仕組み、そして地方のあり方に関してどういうような関係をつくっていくのかということもはっきり示していかなければいけないというふうに思うんですね。縦割り行政の中で環境庁の範囲の仕事だけを守っていたのではもうだめだということがはっきりしてくるわけなんです。
 四月にG8環境大臣会合が日本で行われますが、日本政府が招待状を出した各国の環境庁のすばらしい方々がおいでになって、与える影響も非常に大きいなというふうに思って期待もしているわけなんです。一九九七年のG8環境大臣会合、フロリダでの会合では、乳幼児に基準を置いた環境政策を訴えて注目を浴びて、また実績を上げてきたと思います。
 こういう舞台に対して、議長国日本、環境庁長官は何を訴えて、どのような日本の姿を見せるおつもりなのか、そのメッセージをまずこちらの方でお聞かせいただきたいと思います。
#58
○国務大臣(清水嘉与子君) 環境省ができますことに当たりまして、環境問題についてしっかりとせよというお励ましの言葉とお受けいたしました。そしてまた、各省庁に対してもリーダーシップをとれというふうなお言葉だと思います。そのとおりだというふうに思います。
 私ども、新しい省になりまして、そして国の環境行政の基本的な施策については環境庁がつくり、そして各省庁がそういったことについてその施策を遂行していただくという形になると思いますし、またいろんな形で環境省、今もそうですけれども、政府の環境に関する率先実行する省にもなっておりますので、いろんな面で努力してまいりたいというふうに思っております。
 それから続いて、G8環境大臣会合の議長国として一体何をするのかというお話でございましたけれども、特にことしは新たなる千年紀に向かう節目となる年でもございますし、我が国が特に議長国で取りまとめました京都議定書を発効させる上では非常に重要な節目となる年でないかというふうに考えております。そういう意味では、この四月に行われますG8の環境大臣会合というのは、そういった国際社会が直面する重要な環境問題について率直に意見を交わすという意味では非常に大きな場だというふうに考えております。
 具体的に何をするのかということなんですけれども、具体的には一つには気候変動問題について、これはこの十一月のCOP6におきまして各国の京都議定書締結の引き金となる合意を確実に得なきゃいけないということでございますので、政治的なリーダーシップの発揮など、閣僚がそこで果たしていただく役割についてそれぞれの大臣と御意見を交わしたいというふうに思っているわけでございます。
 さらに、温室効果ガス、特にCO2の主要な排出国でございますG8、こういった先進国がまず国内対策を率先して着実に進めるということ、そしてそういうことによってみずからの責任を果たしていく。そしてさらに、それだけでなくて途上国の参加を促進していくということが大事なことでございますので、そういうこともお話しをするわけでございますけれども、たまたま先月、二月にG8環境未来フォーラムというのを開きまして、温暖化対策のベストプラクティス、優良事例を各国が発表し合いました。こういう経験交流が非常に成果を上げたと思いますけれども、こういった成果をもとにG8の各国内におきます温暖化対策の推進に資するような議論をぜひ行いたいというふうに考えております。
 また、二十世紀にさまざまな環境問題を引き起こしてまいりました大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会、こういった経済システムの反省に立ちまして、二十一世紀のあるべき発展の姿を議論したいというふうに考えるわけでございます。その中で、最近その重要性が各方面で議論されております水の問題等についても議論したいと思っております。さらには、地球サミットから十年に当たる二〇〇二年に開催されますリオ・プラス10、このあり方についても議論を発展させていきたいというふうなことで、こんな課題を抱えて、ぜひ本会合の議長としていい成果が上がりますようにリーダーシップを発揮していきたいというふうに考えているところでございます。
#59
○岡崎トミ子君 今、大臣がおっしゃってくださった中にもありましたけれども、昨年のG8環境大臣会合の中での温暖化問題では、まず国内対策、ここをきちんと主としてやるべきだということの合意がなされた。私はこれは大変目を引いたところで、もちろん発展途上国の参加を促していくということが次の段階ではとても大事なことだというふうに思いますけれども、私はここに主眼を置くべきだというふうに考えているわけなんです。今、COP3の議長国だったそれ以降のこと、そして環境未来フォーラムの中でもいろんな取り組みをということでたくさん挙げてくださいましたので、ぜひ一歩前進するという意味では、そのことを推し進めていっていただきたいなというふうに思います。
 この温暖化物質排出の六%削減というのは日本の国際公約であるわけで、きのう福山議員の質問に対しても京都議定書の批准について前向きの御答弁をしていただいたわけですけれども、一方でこの六%削減を実現するについてはエネルギー政策の変更がございましたね。そうしますと、この見直しが迫られていてなかなか大変だなというふうに思っているんです。これは見直しを迫られている趣旨の発言もされていらっしゃいますので、その辺についてももう少し具体的に教えていただきたいなというふうに思うんです。
 この京都メカニズムについて五月に、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの特別報告が出される予定になっております。それによって、例えば日本の当初のもくろみどおり吸収源で三・七%も稼ぐことはできなくなるというふうに私は思うんですけれども、この基本的な戦略の見直しが不可避となった現在、日本が無理やり柔軟路線を出しまして、いろんなことを出しながら京都議定書を骨抜きにする事態も心配されているということですから、この温暖化進行を食いとめるためには、昨年の環境G8で確認されましたとおり国内対策を主としてやっていくんだということについて、ここの面に関してだけ環境庁の覚悟をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#60
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生の御指摘のとおりに、昨年のG8環境大臣会合におきまして、気候変動枠組み条約及び京都議定書に基づきます義務を果たすために、国内的に効果的な措置をとることによりまして排出量の増加傾向を低減するための努力をするということを約束したわけでございまして、今もその方針に変わりはないわけでございます。
 そのために、先ほども申しましたけれども、去年のこのコミュニケの中でも、G8環境未来フォーラムにおいて、国内対策のベストプラクティス等を進めてその情報とか経験の交換を行いましょうということが提言されたわけでございます。ことしはその結果を報告するために二月にこういった環境未来フォーラムを開きまして、そして今度のG8の大津での会議に反映させるということを申し上げたわけでございまして、やはりこのことに絞ってぜひ成果を上げたいというふうに考えているわけでございます。
 昨年こうしてつくられましたコミュニケが着実に進められることによりまして、ことしのG8の会議におきましても十分検討され、そして参加いたしますG8の国々もやはりこの国内対策の重要性をさらに確認する場になるのではないかというふうに考えているところでございます。
#61
○岡崎トミ子君 今おっしゃってくださったことなんですけれども、具体的に、本当に国際公約としてこれを日本は守っている、国内対策としてきちんとこれをやっていることを世界にぜひ示していただきたいんです。そのためには、サミットで充実した議論を期待したいというふうに思っております。ぜひ、七月に行われます九州・沖縄サミットの中にも反映をさせていただきたいというふうに思いますし、議長としてサミットに対してと、環境庁長官として今度小渕総理に対してそのことをしっかりと訴えていただきたいというふうに思っております。
 よろしいですね、それは。一々答えなくても大丈夫ですね。うなずいていらっしゃいますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 二十一世紀におきまして、水というのが世界の大きなテーマになっておりますけれども、既に水をめぐる情勢は世界に非常に大きな動きをつくっているというふうに思います。
 水をめぐる国家間の争いが予言されております一方で、例えば昨年のラムサール条約締約国会議では、ウエットランドの保全と賢明な利用を流域管理に盛り込むためのガイドライン、これが採択されました。この流域管理型のアプローチで水資源の利用と生態系の保全を行うことが世界的な流れになっているんだということが私たちもわかったわけです。
 こうした動きをつくり出しました背景に世界のNGOの活躍があります。昨年のラムサール条約の会議では、世界的な環境NGOでありますWWFインターナショナルが、持続可能な流域管理型の保全活動を実施して検討すること、そして生態系の保護区ということに拡大することを目標とし、このことを開始するということを宣言したわけなんですが、私が注目して報告したいのは、このキャンペーンの一環として、WWFインターナショナルが長良川をモデル地域として選んで、生きている水環境キャンペーンの一環として持続可能な流域管理の研究を始めたということであります。事業は、WWFジャパンと長良川河口堰建設をやめさせる市民会議で共同実施されるというふうに伺いました。
 長良川が選出された理由なんですけれども、日本の川の中で自然度が非常に高いということと、長良川の保全には全国的な関心が集まっていて、今後は流域管理型の生物多様性の保存あるいは水資源の管理を日本とかほかのアジアの地域で普及させることが非常に効果的なんだという意味だと思うんです。ここで私は、長良川はますます世界の中で注目されていくというふうに思います。
 この長良川なんですけれども、これはもう本当に反対運動の広がりが私は世界の中にも浸透していっているなということを感じるんですけれども、環境庁も実は建設省の方に、環境庁としての希望を入れる形で、建設省の河口堰の運用開始から五年間行ってきた長良川河口堰モニタリング委員会の調査、これは三月三日に五年間の調査の報告書を発表いたしました。
 ここでの問題点なんですけれども、環境庁が環境行政に当たって他の省庁の政策に対してどのように関与していくのかということを、私もほかの人たちも注目をしてきたというふうに思います。
 今ここにも、モニタリングの中身ということについての資料を私も手にいたしましたけれども、堰の上流の淡水域で継続的に高いクロロフィルaの値が観測された。それは水質の悪化を認めているということで、実際、水道水を供給している知多半島では水が臭いと。私も県庁を訪ね、市民に実際にその声も聞いてまいりました。また、堰の下流、ここでは専門家の調査の言い方ですけれども、河床の上昇が見られる、底質が細粒化して還元状態となり強熱減量が高くなっている。これはいわゆるヘドロという意味なんですね。ヘドロの状態となっていることを認めております。
 環境庁長官、この結果についてどのような見解をお持ちでしょうか。
#62
○国務大臣(清水嘉与子君) この長良川の河口堰に関しまして、建設途上の平成二年に環境庁長官が建設省に働きかけをいたしまして、調査検討を要請いたしまして、それからモニタリング等が始まったというふうに伺っております。その後、建設省が具体的にモニタリングを始めてきたわけでございます。そして、これまで五年間にわたりましてフォローされていろんなデータが出ているということでございます。
 私どもといたしましてもこういった推移を十分関心を持って見ているところでございまして、これからまだ長期的な監視が必要であろうというようなこともございます。このモニタリング調査も建設省におかれましてまだ引き続きされるということでございますけれども、環境庁も協議しながらこの結果を見ているわけでございまして、非常に関心を持って見ているということを申し上げたいと思います。
#63
○岡崎トミ子君 今のことでは全然答えになっていないわけなんですね。
 これは客観的に見守られては非常に困るので具体的に申し上げたいのですけれども、この水質とか底質とか建設省もこの影響を認めているんです。こういうことについて、すぐにでもやっぱり堰の運用ということに関して変更せざるを得ない、そういうようなことについて私は環境保全措置をとるべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(遠藤保雄君) お答え申し上げます。
 まず、先生、モニタリング調査結果をどう見るかということでございますけれども、私ども建設省から発表された三月三日のものにつきましてもいろいろ分析しております。
 その結果によりますと、まず第一は、河川水質でございますけれども、御案内のとおりBODあるいは溶存酸素量というものがございますけれども、それにつきましては河口堰の運用前後で大きな変化はないということでございます。言いかえますと、これまでのところ環境基準、すなわちBODは三ミリグラムリッター以下であり、溶存酸素量は五ミリグラムリッター以上である、これは達成されている。
 それ以外の点でございますが、先ほど先生御指摘のように、堰の上流水域におきまして藻類増殖の指標でございますところのクロロフィルaの発生頻度が高まっている、あるいは堰付近あるいは下流側の底質について細粒化現象とか有機物の蓄積傾向が一部見られるなど、こういう若干の変化が見られるという指摘がなされております。
 なお、藻類の発生等の事態に対しては堰のフラッシュ操作の対策なんかが行われているということでございますので、私どもこういった対応を見守りますと同時に、水環境上への影響につきましては長期的な観測監視が必要だと、こう判断しております。
#65
○岡崎トミ子君 今の中でも環境基準を満たしているというふうにおっしゃったんですけれども、環境基準を満たしていても私は堰の影響なしというふうには言えないと思うんです。
 少なくともモニタリング委員会の調べ方では、見えないけれども環境は間違いなく悪化しているんだという心配があるわけで、堆積しました泥の性状ですとか厚さとか堆積が起こっている水域の広さ、こういったことの変化をきちんと確認しなければ底質にあらわれる影響についての結論は出せないんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
#66
○政府参考人(遠藤保雄君) お答え申し上げます。
 今回、結果が発表されましたのは、五年間行われました長良川河口堰モニタリング委員会のものでございます。それは防災、水質・底質、生態、この三側面から調査をまとめてきたというものでございます。
 これだけではなくて、今後もきちんとモニタリングが続けられるべきであろうということで新たにフォローアップ委員会というものが設けられております。それには、植物あるいは河川鳥類、それから河川水質、プランクトン、魚類などの専門家の方にも入っていただきまして、建設省の方でモニタリングを続けていくということでございますので、私どももその長期にわたるモニタリングにつきまして注意深く見守っていきたい。さらには、環境保全上問題が認められた場合には建設省に対しまして所要の追加的な措置などは求めていきたい、こう考えております。
#67
○岡崎トミ子君 続きまして、アユとサツキマスのことなんですけれども、建設省の方は遡上も降河も順調というふうにアユのことについては言って、サツキマスについては、これは堰の運用開始後、実は漁獲量は著しく減少しておりますし、漁師はもう生計も立てられなくなっているという現状なんです。
 そうしますと、このモニタリング委員会の報告書の中でははっきりは実は述べていないんですが、他の建設省の資料によりますと、アユと同じように両側回遊魚であります小卵型カジカ、これは壊滅的な打撃を受けておりますし、私は客観的な調査の結果と建設省の影響は軽微というその結論との見解の間に非常に飛躍があるんだと。このことについてはどのようにお考えですか。
#68
○政府参考人(松本省藏君) 今、お話のございました建設省の調査とそれから地元の漁業関係者の方々が行った調査。
 私どもの受けとめとしては、まず建設省の方の調査は科学的かつ客観的なものとなるように専門家の方から成りますモニタリングの委員会、この指導、助言のもとに行われておりまして、その結果、魚類に関して現状においては著しい影響は見られていない、総体的に、個別の種によってはいろいろ評価がございます。そういう見解であったと承知をしております。一方、漁業関係者の方々が行いました調査、これは地元の漁師の方々へのアンケート調査でございます。したがいまして、この二つの調査の性格というのはもともとかなり違うわけでありまして、私どもとしてどちらがどうというのもなかなか判断がしにくいところがあります。
 したがいまして、漁業関係者の方々の行った調査についてはきちっと事業主体でございます建設省の方にこの内容を伝えておりますし、また魚類の遡上量を含めまして生態系への影響というのはもう少し長い時間をかけて見ていく必要があるということでございますので、先ほど来出ております今後とも継続的に建設省で実施されていくモニタリング調査について十分注目していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#69
○岡崎トミ子君 国会にも漁師の方々においでいただきまして、その実感ということに関して、本当にアユは極端に少なくなったんだ、漁業組合の経営にも影響があらわれている、そして工事開始後、アユの放流量をふやしても漁獲量は減少したんだ、堰が運用され始めてからさらに下がり続けているんだというこの実感を私は信頼していきたいというふうに思っておりますので、これを建設省に言うだけでなくて、ぜひとも貴重な判断材料として受けとめていただきたい。漁業組合も自分たちでさらに調査をするところまでこぎつけているというふうに聞いております。
 そこで、環境庁がこれからもずっと見守っていきたいということについておっしゃったんですが、実は過去において、今ここに長良川の救済を考える議員と議員OBの会の重立ったメンバーの名前があるんですけれども、大石武一、鯨岡兵輔、北川石松、岩垂寿喜男という、元環境庁長官それから三野党の党首の名前がありまして、独自の調査を環境庁がしてほしいんだ、十二年間一度も長良川の調査をしていないことは大問題ではないかということと、それから岩垂元長官は独自の調査をしてほしいというふうに命じたとも聞いておりますし、水質保全局では一昨年から昨年にかけて数名の研究者からヒアリングも行ったということも聞いているわけなんですけれども、これは環境庁みずからが調査する必要があるんじゃないか。
 いろんな乖離があることについて環境庁としてはどうなんだということについて、私はすべきだと思いますけれども、長官にお聞きしたいと思います。
#70
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生のお気持ちもわからないではないのですけれども、河口堰の環境への影響についての調査につきましては、やっぱり事業者であります建設省が行うべきものだというふうにまず考えております。
 ただ、当然のことでございますけれども、その調査の中身、環境庁と建設省の間で河川環境問題について話し合う連絡会議を持っておりまして、この会議等を通じまして建設省と十分協議してまいりたいというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#71
○岡崎トミ子君 では、今すぐにでも独自調査というのは難しいというふうにおっしゃるのであれば、建設省の調査結果とそれ以外の専門家あるいは漁業協同組合がこれまでに行った、そしてこれからも実施しようとしているそういう調査結果を第三者として公平に評価して、そういう方向で考えていきたいという方向性だけでも、方向、前向きに取り組むよと、それだけでもいただけないでしょうか。
#72
○国務大臣(清水嘉与子君) 私ども同じ行政をやっている者といたしまして、当然、漁民の方々からの御意見もちょうだいしておりますし、そのことにつきましても十分配慮しながらこれから行政を進めてまいりたいと思います。
 一次的にはやはり事業者であります建設省に調査をしていただきますけれども、モニタリングもこれから続きますので、私どもも当然そこに参加しながら調整を図ってまいりたいということを、重ねてのお答えで申しわけありませんけれどもさせていただきたいと思います。
#73
○岡崎トミ子君 長官、今聞こえましたでしょうか。長官がおっしゃってくださっている間に、建設省環境課にしちゃうよと、そういう言葉が聞こえてきてしまったわけなんですけれども、環境庁独自の姿をあらわすということ、私はこういうことが出たということをおっしゃるだけでも建設省に与える影響があるというふうに思うんです。
 独自の姿をあらわしていただく、その方向性だけでも、見守るとか、何となく下がった形で、建設省に対しては反抗できない姿が何となく私のところに感じ取ってしまうんですが、ぜひ独自なんだと、私たちは省にもなっていくんだから他の省庁に対して影響も与えるんだという気持ちで、ちょっともっと前向きの御答弁を一言いただきたいです。
#74
○国務大臣(清水嘉与子君) そういうふうに誤解していただくと大変困るのですけれども、環境庁としてもこの問題について非常に関心を持っておりますので、そして建設省がなさることについても、十分環境を配慮してやっていただくという姿勢でこれから各省も臨んでいただかなきゃいけないと思います。
 そういう意味では、直接今ルートもございますので、その中で十分検討してまいりますということを申し上げているわけでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
#75
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 最後に、八王子の工場跡地の水銀汚染について、報道でも取り上げられておりますので、この点についてお伺いしたいと思います。
 これは水銀汚染だけではないと思うんです、ここで農薬がつくられておりましたので。そして、どんなようなものが出ているのか、何が汚染されているのか。
 そのことについて、実は日本バイエルアグロケムという会社が、調査の結果を公表していないというだけで実は調査はしているんですけれども、この土壌の浄化が始まりますと、周辺住民が健康の異常を訴えていらっしゃるんですね。私も国会においでいただきました。そういう方々が実はもう大変細かく、口の中にちょっと金属の感じがあるだとか、手足がしびれるだとか、目まいだとか、吐き気だとか、子供の場合は倒れてしまうだとか、それで化学物質過敏症というふうに言われているわけなんですけれども、いろいろと健康の異常を訴え始めている。それから、市民団体が周辺の土壌を調査したところでも都の処理基準を上回る水銀が検出をされましたということで、健康異常というのはどんなところでどんなふうになっているのか、これはぜひ調査をしていただきたいという気持ちも含めて環境庁の方ともお話をしたことがあるんですけれども、大変深刻な状況になっているんですね。
 私は、これは自治体とか企業とか国がそれぞれ義務とか権利とか権限といったものに縛られることなく、ぜひ命と健康を第一に、清水環境庁長官のことですから、殊に大臣の所信で繰り返された「安心」ということを大切に、熱意を改めて強く望んでおります。
 G8の環境大臣会合の中でも、乳幼児を基準に環境政策を強化して合意をしたということで、子供を基準に物を考えていこうと。子供というのは大人の基準よりももっともっといろんな影響を受けるんだ、暴露を受けたら本当に健康だけではなく命にまで害を与えてしまう、命を縮めることにもなってしまう、そういうことがこの環境大臣会合の中で決められているわけなので、私はぜひとも再び水俣のようなこういうことを起こさないその教訓という意味でも前向きの取り組みをしていただきたい。
 どうでしょうか、長官。自治体も動いていない、企業も動いていない、実は水面下で行き来はしているというのは漏れ伝わってくるんですが、公表されていないために、私はこれも環境庁独自で調査をして発表するだけでも企業に与える影響、自治体に与える影響というのは大きいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(清水嘉与子君) 今の先生御指摘の日本バイエルアグロケムの問題でございますけれども、この八王子工場の跡地で水銀による土壌汚染が発覚したということで、環境庁が昨年一月、土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針というのをつくったわけでございますけれども、そういったものにのっとりまして、汚染土壌から水銀を分離するという浄化事業を始めているわけです。
 その中で今、先生御指摘のような浄化作業、汚れた土をとにかく浄化しようとしている、その浄化しようとしている中で水銀が蒸気になって飛散するんじゃないか、拡散するんじゃないか、そして健康被害があるんじゃないかということを住民の方が心配されているということでございます。
 しかし、汚染された土壌がやはりそのまま放置されるのではなく、浄化対策が必要ではないかというふうに私どもも思っているわけでございまして、その際、住民の方に御心配をかけているような二次的な汚染を防止する、あるいは周辺環境の万全に努めるということが大事なことであるということはもう十分承知しております。
 昨年でございますけれども、十二月に環境庁からも職員を派遣いたしまして、東京都並びに八王子市とともに現場の確認をいたしてまいりました。そして、今後ともいわゆる浄化対策に当たりまして周辺環境の保全が図られますように八王子市に対しましても技術的な助言を行っていくつもりでおりますので、その辺もぜひ御理解いただきたいと思います。
#77
○岡崎トミ子君 この八王子のことに関してではありませんけれども、自治体に対して土壌汚染の実態を把握するためのアンケートを行っているということを聞いておりますけれども、それは全体的にはもう本当にヨーロッパなどから比べて物すごく土壌汚染のことについて日本はおくれているわけなんですね。今やっとアンケートというところにたどり着いたというところではありますけれども、環境庁が出しておりますこの参考値、三ppmですよ、環境基準が。それがここで出ているのは五〇〇〇ppmです。東京都は二ppmですから、都の二千五百倍。それで子供がしびれ、大人も過敏症になっているというようなことで健康に影響があるわけです。
 そういう意味で、私は環境庁が独自にもっと具体的に、分権であるときにどういうふうに影響を与えるのかということも含めて、ぜひともその環境行政の役割について最後に一言お伺いして、終わりたいと思います。
#78
○国務大臣(清水嘉与子君) 土壌についての先生の御指摘でございます。
 私ども、土壌の情報をやはり的確に収集して管理するというために、環境庁は昨年一月に先ほど申しましたように土壌汚染の調査・対策指針を策定いたしまして、まず事業者がみずから調査を行って汚染が判明した場合に地方公共団体へ連絡すること、そしてまた土壌汚染の調査・対策の記録を保持すること等を事業者に対しまして指導するように都道府県に通知したところでございます。これによりまして、最近、土壌汚染の事例が的確に把握できるようになってきているという事実がございます。
 また、環境庁におきましては、地方公共団体が行います土壌汚染調査に対しまして補助をいたしておりまして、地方公共団体が把握した事例が毎年全国的に集計されてきておりまして、それを公表するという仕組みになっております。
 さらに、この平成十二年度の新規事業といたしまして、土壌汚染に係ります情報の効果的な収集、登録、伝達等について検討いたします土壌汚染リスク情報管理調査事業というのを実施することにしておりまして、今、先生御指摘のように、土壌汚染の情報管理の仕組みをきちんとしたいというふうなことでいたしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#79
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
#80
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。
 昨日の委員会に続きまして、本日も長官、よろしくお願いを申し上げます。連日お疲れさまでございます。
 先週の委員会で長官の所信を伺いました。その中で長官は七つの柱を重点施策としてお示しいただきまして、その一つが、第一に循環型社会の実現、そして第三の柱は温暖化対策、きのう若干御質問させていただきまして、きょうも温暖化について御質問させていただこうかと思ったんですが、きょうは同僚議員の方から幾つか出ましたので、全くきょうは別件で、第五の柱であります「多様性のある自然の積極的な保全」ということに関連した質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願い申し上げます。
 まず、昨年ですか、皆様も御記憶があると思いますが、絶滅の危機にさらされていたトキの赤ちゃんが昨年の五月に佐渡で生まれて、環境庁が募集をして優優という名前がつきまして、ワイドショーも含めて大変話題になった。こうした絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する条約、いわゆるワシントン条約ですが、その締約国会議が来月、四月にケニアで開催をされます。
 日本の今の現状を少し御説明しますと、この絶滅のおそれがある条約で保護の対象となっている野生生物を何と日本は年間で約三万六千件も輸入をしている。今から十五年ぐらい前はその数が二、三千件だったということで、この十数年で十倍以上輸入の件数が伸びている。そして、この件数というのはアメリカに次いで二位なんですけれども、一人当たりの件数でいうと、これは世界一になります。そういった絶滅に瀕している動植物の世界第一位の輸入国が我が国だということですので、このワシントン条約に対する日本の姿勢が非常に重要であることは言うまでもないというふうに思っております。
 当然、今度の会議は我が国としても重要な会議でございますので出席をされると思うのですが、長官御自身も出席をされる御予定があるのか、それからこの会議での議題のポイント、それからそれに対して日本の政府はどういった姿勢でこの会議に臨まれるおつもりなのか、その辺についてまず冒頭御説明いただけますでしょうか。
#81
○国務大臣(清水嘉与子君) 今のワシントン条約の締約国会議でございますが、実はこれは実務者の会議なものですから、私は出席いたしません。
 この四月十日から、先生御指摘のようにケニアのナイロビで開催いたします。本会議は、国際取引の規制対象を定める附属書の見直しを初め、条約を実施する上でのさまざまな問題について議論される会議でございます。具体的には、南部アフリカ諸国からアフリカゾウに係る提案、象牙を少し規制を緩和してほしいというような提案でありますとか、あるいはタイマイに係る提案などにつきまして議論される予定でございます。
 環境庁といたしましては、関係省庁と協調しつつ、科学的な根拠に立脚し、種の保存と野生生物の持続可能な利用という原則を踏まえまして議論に臨む所存でございます。
 なお、今次の会議に向けて、我が国に対しましてはトラの骨等を原材料とします医薬品等の国内流通規制が要請されておりましたけれども、昨年の十二月に種の保存法施行令を改正いたしまして、トラの骨でありますとかトラの生殖器及びこれらを材料として製造されました医薬品でありますとかあるいは健康食品等の取引を原則として禁止するという措置を講じたところでございます。
 会議では、今申しましたように、世界的にも絶滅が危惧されるトラの保護について、このような我が国の取り組みをアピールしていくということも考えているところでございます。
#82
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 ぜひ積極的に会議をリードして、野生生物の保護を推進していただきたいと思います。
 そして、ちょっと御記憶に新しいと思いますが、お手元に新聞記事を配らせていただきました。先月、二月十八日の新聞でございますが、町田でトラがアルバイトの飼育の方をかみ殺したという事件がありました。
 東京の町田の動物プロダクションでトラがそういった形で従業員を死亡させた、そのトラも薬殺されるという事件が起こったわけです。この従業員の方は本当に若いアルバイトの方で、大変お気の毒なことだったと思いますし、心から御冥福をお祈りしたいと思っていますが、ただこれが人間をかみ殺した、けしからぬ、成敗してやるという形でトラを成敗したというような単純な問題ではございません。このトラの問題というのは根本的に日本の野生生物に対する行政のあり方、管理のあり方等が問われてきている問題だというふうに思いまして、ぜひ再発防止に対して必要な対策を講じていただかなければいけないというふうに思っております。
 そこで、お聞きしたいんですが、この問題について長官はどのように御認識をされているか、そしてこのトラが結局薬殺処分をされたというふうに承っておりますが、その薬殺処分をされるまでの意思決定、つまりどのような経緯でトラが薬殺処分に決まったのか、まずは御答弁をお願いします。
#83
○国務大臣(清水嘉与子君) 希少野生動植物でありますトラが違法に取引されておりまして、しかもそのトラによりましてこの若い飼育担当者が亡くなられたということは本当にお気の毒なことだというふうに思っておりますし、本当に心から御冥福をお祈りしたいというふうに思っております。
 環境庁といたしましては、事件直後担当者を、これは町田警察署でございますが、警察署に派遣いたしまして、情報交換を行う等警察の行います違法取引事件の解明に協力してまいりました。
 また、今回の事件を通しまして、一部の動物取扱業者あるいは動物商等におきまして種の保存法に基づく規制が必ずしも遵守されていない状況、また都道府県におきます動管法担当部局と種の保存を担当しております環境庁との連絡が必ずしもスムーズにいっていなかったということも指摘されているわけでございまして、私からは事務担当の当局に対しまして、その動管法を所管しております総理府、都道府県担当部局、そして十分情報交換を行いましてトラの飼育等の実態把握をまず行うということ、それから動物の所有者、占有者に対しまして種の保存法の規制の趣旨を徹底するというようなことを指示したところでございます。
 もう一つ、そのトラが薬殺された経過についてのお尋ねがございました。実は、私もそこまで存じませんので申しわけございませんけれども、後でそれは説明してもらうことにいたしますけれども、とにかくこのようなことで取り決めを強化いたしまして違法取引の未然防止を図るということと、それから捜査当局とも連携いたしまして取り締まりを強化していきたい、そして希少野生動植物の違法取引の根絶に向けて努力したいということをまず申し上げて、あと具体的に今のトラの薬殺の件については自然保護局長から御答弁させます。
#84
○政府参考人(松本省藏君) トラの薬殺処分の経緯などについてでございますけれども、警察当局の発表によりますと、町田のトラが薬殺をされましたのは二月三日の午後五時五十二分、こういうことでございますが、事件の際にこのトラの取り扱いについて環境庁に事前の連絡はございませんでしたし、また具体的にそういう経過、背景等について承知をしていない、また環境庁としてそのトラの薬殺処分に関して法令的にも関与する立場に実はないということであります。
 トラのずさんな飼育管理の結果、犠牲者が出たということは大変遺憾なことでございますし、その結果として多分トラが薬殺されざるを得なかったということは、法律に違反するということではないのですけれども、動物愛護の点から見ても大変残念なことであるというふうに認識をしております。
#85
○福山哲郎君 これは一つ誤解をいただくと困るんですが、トラを殺したことももちろん問題なんですが、今おっしゃられていました、まず環境庁に事前の連絡がなかったと。ということは、薬殺の処分については警察の方の判断で緊急避難的にやられたと。それは危険を伴うということですから、多少緊急避難的なことは仕方がないのかもしれません。
 では、もしここで警察の方から環境庁に対して、このトラの処分はどうしましょうと言って相談があったら、環境庁はどう答えていたんですか。
#86
○政府参考人(松本省藏君) 種の保存法の仕組みを少し御説明させていただきたいと思うのですが、種の保存法は国際的にもあるいは国内的にも大変希少な野生動植物を守っていくということですが、トラのように本来日本にはいない希少動物、これはもともと例えばインドとか中国の南部とかシベリアとかいろいろなところにまだいるんですが、そこのところにそもそもいるというのが望ましい形。したがって、そこから日本に入ってくるときには特別な環境庁長官の許可が必要ですよ、それもしかも学術目的でなければいけませんよ、こういうような制約がかかっているわけです。
 そして、日本国内でトラが、純粋に学術目的だけでなくて、例えば動物園とかいろいろなところで現におります。その中で、日本の中でもいろいろな繁殖で日本産のトラも実はいる。そういうようなトラについてはきちっと環境庁長官に登録をしていただいて、ここにこういうトラがいますということを手続上とっていただくということになっているわけでございまして、このトラのように国際希少野生動物種をそもそも殺処分にするということの是非について、種の保存法というのは規定をしていないということなのであります。
 それで、むしろ今は総理府の所管になりますけれども、動物愛護法、そういうような系統の中で様々の規制が自治体レベルの条例でなされているわけでございまして、そういうようなところでいろいろなこういう取り扱いについてその是非というのが判断されることは十分あると思います。
#87
○福山哲郎君 私が御説明をするまでもなく、今局長に御説明いただいたわけですが、おかしいですね。日本に入ってくるわけがないんですね。学術目的で、日本には生育をしていないトラが現実にはいて、それは種の保存法の枠外で環境庁は関与ができないとおっしゃったわけですね。
 では、今、警察からこのトラについてどうしましょうと言われた場合には、環境庁さんは私のところの法律の範囲外なので判断しかねるというふうにお答えになられるわけですか。
#88
○政府参考人(松本省藏君) 今申しましたように、まずこのトラというのがどういう経緯それから事情があってこういう事件を起こしたのかというようなものをきちっと把握した上で、その次の処分、対応というのがなされるのが望ましいというふうに環境庁としては答えることになると思います。
#89
○福山哲郎君 余りお答えになっていないんですが、ではこのトラは環境庁に登録されていたんでしょうか。
#90
○政府参考人(松本省藏君) このトラにつきましては、環境庁長官に本来ですと登録をしてもらうべきものである、あるいは許可を得るべきものであったわけでございますが、その手続がとられていなかったということでございまして、現に今、警察署におきまして、まさしく種の保存法違反という刑事事件として捜査が行われている、こういう段階でございます。
#91
○福山哲郎君 そうすると、環境庁に対して未登録の状態で、全く実態を把握していない状態で放置をされているこの種の野生生物等が現状日本には幾つもあって、そういった実態のデータというのは全く環境庁は手にしていないということでしょうか。
#92
○政府参考人(松本省藏君) 先ほど申しましたように、種の保存法に基づいて例えばこのトラというのに着目してみますと、環境庁長官の許可あるいは登録という手続をとりますときちっと把握ができるということでございます。その数値は数値として持っているわけでございますが、現実に今回のケースと同じように正規の手続を経ない形で現に日本の中にいるというのは事実だろうと思います。そして、その数が実は何頭いるのかというのは今の時点では環境庁として把握していない、正直言って把握する手だてがないということでございます。
 ただ、先ほど清水長官がお答えをいたしましたように、長官の方からそういう趣旨も踏まえて私ども事務当局の方に、まず関係の総理府、あるいは動管法と言われますけれども動物愛護法の実態把握を実際上一番よくやっております都道府県、そういうようなところあるいは警察当局とよく連携、連絡、情報交換をした上で最大限その実態把握に努めるようにという指示がございますので、許可、登録以外の部分でどれだけそういうトラなどがいるのかというのを現在可能な限り調査しているところでございます。
 また、その結果が出ましたら、それなりの形で公表させていただくということになろうかと思います。
#93
○福山哲郎君 今の問題は、大変大きな二つの問題を抱えていると思っています。
 まず一つは、やみで完全に入ってきたトラだった、だから環境庁が把握をしようがなかった、非合法で入ってきていますから、そのトラに対してはチェックが不可能だと。では、ここにも書いてありますが、たまたまこれは雄と雌が二頭、民間の動物園から出てきて動物販売業者に来たんですが、その未登録のトラが何かの形の繁殖で、また日本で子供を産んだりすると、環境庁が把握していない状態がどんどん続いて、未登録の野生動物がふえていってもそれがわからない。
 それから二つ目は、それに対して希少な野生動物を警察は緊急避難的に、私は仕方がなかったと思いますが薬殺をするという処分になって、世界全体でもトラというのはわずか五千頭から七千頭しかいない絶滅品種にかかわらず、日本ではそういうことが起こると簡単に薬殺をしてしまうというような世界的な問題が生じるということ。
 それからもう一つ、これは非常に危機管理の面で問題なんですが、こういったやみ動物というのは恐らく劣悪な環境で飼育をされ管理されている、今回の場合もそうだったと思います。劣悪な環境で飼育や管理をされているということは、それだけ危険も多いということですね。ということは、その危険が国民に対してどこで降りかかるのか全く環境庁は把握をしていないという状況にある。これは、実は大変問題だというふうに思っているわけです。
 ワシントン条約の批准に対して、この種の保存法というのができたんですが、現実にワシントン条約ができてそれを我が国が担保するという形で種の保存法をつくったにもかかわらず、こういった、ある意味でいうと環境庁も今お認めいただいたように法の不備がはっきりしているというのは非常に私は問題なのではないかなというふうに思っているんですが、長官、いかがですか。
#94
○国務大臣(清水嘉与子君) 幾つかの事件が起きて、そしてその実態を見ますと本当にいろいろ問題が出てきたということでございます。
 この国際的な違法取引を防止するためには、まず水際できちんと違法な持ち込みを禁ずる、チェックするということが基本になるわけでございますけれども、しかしそこをすり抜けて税関の網をくぐってきてしまうものがいるわけでございまして、そして持ち込まれた希少野生動植物、そういったものをどうやってチェックしていくか、規制していくのかということでございます。
 ワシントン条約で商業取引が禁止されている希少野生動植物につきましては、その国内取引を規制していく、そしてコントロールしていくということが当然重要なことでございますので、環境庁といたしましては、この種の保存法におきまして、ワシントン条約附属書Tに掲載された種についてその国内取引を規制しているわけでございますけれども、今般のトラの事件あるいは大阪でオランウータンもありましたけれども、こういった種の保存法に違反する事件が相次いで摘発されているということにかんがみまして、やっぱり法規制についても改めて徹底を図っていく必要があるというふうに認識しております。
 環境庁といたしましても、まず関係行政機関、総理府、警察庁と十分連携しつつ、先ほどから申しておりますように飼育の実態の把握、飼育者への種の保存法の徹底といったことについてもまずいたしていきたいというふうに考えているところでございまして、悪質な事案については、どうしても捜査当局と連携を図りながら徹底していかなきゃいけないんじゃないかというふうに考えているところでございます。
#95
○福山哲郎君 では、もう一つお伺いします。
 もし違法に希少動物を所持していたとして、それが見つかったとします。たまたま希少野生動物を違法に所有をしていた、たまたま国内のやみで入れたものがその人の手に渡ったと。そのときの所有に対して今の法制度上何か規制がありますか、所持に対して。短目にお答えください。
#96
○政府参考人(松本省藏君) 必要な登録ないしは許可の手続を速やかに求めるということになろうかと思います。
#97
○福山哲郎君 ということは、それを持っていること自体に対しては所持の規制はできないということですか。
#98
○政府参考人(松本省藏君) 今の種の保存法の体系で、そもそも日本国内で、例えば附属書Tという一番規制の厳しいトラなど、そういうようなものについてでも所持そのものを禁止するという仕組みにはなっておりません。
#99
○福山哲郎君 今のも大変問題でございまして、違法に取引をされた、やみで入ってきたものをたまたま持っていて、それが見つかってもそれに対して何ら規制する手段がないというのも実は大変な問題でございまして、これも僕は法律の不備だというふうに思っています。
 大げさだと思われるかもしれませんけれども、国際的に見ると野生動物の違法取引というのは麻薬や武器と同様の重みを持つような大きな犯罪です。それを日本がこういった形で法の不備をある意味でいうと放置をしながらいるというのは、国際的なやっぱり日本の存在や環境庁の責任の問題等も含めて大変大きな問題だと思いますので、早急にこの問題については、法の不備を何とか埋めていただくことも含めて御検討いただきたいと思います。
 時間がないので、もう一点だけ申し上げます。
 先ほど長官から水際の話が出ました。水際でいいますと、つい昨年の五月に大阪でオランウータンが四頭マンションから発見されました。これは完全に違法で、オランウータンもワシントン条約上で言うと附属書Tの動物でございまして、これが水際でチェックができなくてどんどん入ってきた。
 では、例えば日本に輸入をされるときに、税関ないし我が国に入るときに、この希少野生動物に対してチェックというのはどういうふうにかかるのか、簡単に御説明ください。
#100
○政府参考人(中村利雄君) ワシントン条約の対象動植物につきましては、附属書のカテゴリーに従いまして輸入の管理をしているわけでございます。附属書Tのものにつきましては、輸入割り当てをいたしまして、その後輸入の承認をするという手続をしまして、それを税関で確認する。それを受け取っていないと違法な輸入になるということでございます。そこでチェックをいたしております。
#101
○福山哲郎君 そこで、それを例えば今おっしゃられた手続をしないで違法に入れようというような状況があって、怒られるかもしれませんけれども、オランウータンか猿かわからなくて、これは違法かどうか税関でチェックできるような体制はあるんですか。
#102
○政府参考人(中村利雄君) 通常は、まず附属書Tというものに当たるかどうかということを私どもで判断するわけでございますし、その際には環境庁にも協議をして、そのものが該当するかどうかをチェックいたしますし、また税関においてチェックをするわけでございますが、わからないときには私どもに相談があるということになっております。
#103
○福山哲郎君 だれがチェックするんですか。
#104
○政府参考人(中村利雄君) 輸入の場合は、その輸入許可を得ているかどうかということについては税関がチェックをすることになっているわけでございます。
#105
○福山哲郎君 税関にはそれに対する専門家がいらっしゃるんですか。
#106
○政府参考人(中村利雄君) ですから、輸入承認に書いてあるものかどうかということについて、税関で判断をしかねる場合には私どもに相談があるということに相なるわけでございます。
#107
○福山哲郎君 では、判断しかねる場合に、わからない場合にうやむやに入ってきちゃう可能性というのはあるということですね。
#108
○政府参考人(中村利雄君) 私どもはそういうことがないように努力をいたしておりますし、引き続き税関ともよく連絡をして、そのようなことがないように最大限の努力をしたいと思っております。
#109
○福山哲郎君 では、現実には専門家はその場にはいないわけですか。税関でこれは危ないのかもしれないなと思ったら、初めて通産省や環境庁に相談が税関からあるということですか。
#110
○政府参考人(中村利雄君) 基本的には、手続的にはそのような形になるわけでございますが、例えばオランウータンでございますとかトラでございますと、通常は税関当局でもかなりわかるのではないかと思っております。
#111
○福山哲郎君 では、何で入ってきているんですか。説得力ないじゃないですか。もう去年入ってきているわけですから。
 それと、もう一つ申し上げると、もし税関でそれが附属書Tの違反だということがわかったときには、その種の保存法違反ということで、その動物、個体は強制的に没収とかができるんですか。
#112
○政府参考人(中村利雄君) 通常の場合でございますと、税関で発覚した場合には、これは違法な輸入ということになりますので、通常は輸入者がその場で所有権を放棄いたしまして、任意放棄という形で税関当局で押さえるということに相なるわけでございます。
#113
○福山哲郎君 その任意放棄というのはどういうことですか。
#114
○政府参考人(中村利雄君) つまり、輸入をしたということは、何らかの契約関係があって、所有権をその輸入者が違法であっても持っているわけでございますので、その輸入者からその所有権を放棄していただくということでございます。
#115
○福山哲郎君 輸入者が放棄するのを拒否したらどうなるんですか。
#116
○政府参考人(中村利雄君) 基本的には、この現在の外為法上は没収はできないわけでございますけれども、放棄しない場合には、直ちにそれは違法行為として我々としては制裁、制裁といいますか罰則を適用するということで、その任意放棄を促しておるということでございます。
#117
○福山哲郎君 いや、簡単に言うと、外為法違反で告訴して、罰則をしなきゃいけないという話なんですが、違法で輸入してきているのがわかっているにもかかわらず、その動物に対して没収するのは任意放棄しかない。任意で説得をするという話になる。
 今の話で、水際のところでと長官はおっしゃられましたけれども、水際のところでは専門家がいなくて、これは違反かどうか微妙なところは全部相談をする。相談をしたはいいが、それが違反だとわかったときには、それも没収する権限もないと。そうしたら、税関にしてもそんなわざわざ一々苦労して、本当にそれだけの手続をやるのかと。現実にオランウータンが入ってきている事実もあって、先ほどからおっしゃられたように環境庁は環境庁で、やみの取引に関しては全くノーケアだとおっしゃっているわけです。
 本当はもっと言いたいことがいっぱいあるんです。やっぱりこれはどう考えても、先ほど冒頭申し上げましたように若い男の方は本当にお気の毒だったと思います。お気の毒だったけれども、トラが人間を殺して、けしからぬ、成敗してやるなんという単純な問題ではなくて、本当にこのワシントン条約の問題、我が国にある種の保存法の問題、それから水際、税関でやみ取引なり違法取引をどう管理するかという問題、そして間違いなくやみ行為をするような方は、先ほども申し上げましたように非常にずさんな管理で環境の悪い中で野生動物を育てるわけですから、それが近隣や国民に対してどれだけの危険を及ぼしているかという問題、そして国際的に見れば、そういったずさんな管理の中で野生動物に対してひどい状態をつくっているという問題、本当にたくさんの問題をこのトラの問題一つで抱えているわけです。
 私は、もう時間が二分しかありませんから、もうこれ以上、本当はほかにも聞きたいところはいっぱいあったのですけれども、また今後もこの件についてはいろいろ質問をしていきたいというふうに思いますが、ぜひこれは長官、通産省さんとも共管なわけですから、本当にリーダーシップをしっかり持っていただかないと僕はまずいと思いますので、もう一度か二度でもこういった問題があると、やっぱり国民が危険だと思いますし、国際的にも信用をなくすと。オランウータンも、僕はよく知りませんが、生育をしていくと四十キロも五十キロにもなって大変実はどうもうな動物だというふうに聞いています。トラやオランウータンだけに限らない問題ですので、ぜひここは積極的に環境庁がリードしていただいて、水際の件、警察との件、そして種の保存法の不備な件、こういった点について前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、最後にちょっと御決意をいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(清水嘉与子君) 今いろいろと御議論いただきましたけれども、種の保存法、そしてまた動物愛護及び管理に関する法律、これはきちんと、環境省に来るわけでございますから、今それの実際に問題が起きていることについては十分問題を洗い、そして対処していきたいというふうに思っております。
#119
○福山哲郎君 ありがとうございました。
#120
○岩佐恵美君 午前中話題になっておりました愛知万博に関して、博覧会国際事務局と日本側との会談の様子が全文新聞に発表されました。これを読んで私は非常にショックを受けました。博覧会国際事務局の代表は「山を切り崩し、木を切り倒し、四―五階建ての団地を建てるこのような計画こそ二十世紀型の開発至上主義の産物にほかならないのではないか。」、こういう指摘をして、環境破壊の隠れみのに国際博覧会が利用されているとの理解だ、こういう幾つか発言があるんです。
 私は、博覧会国際事務局というのはまさに事業をやる事務局なわけです。そういうところが、環境にこのように思いをいたさなければいけない、つまり環境を守る、破壊しない、そういう立場に立たなければいけないという大胆な発言といいますか、本当に踏み込んだ発言をしている。これがやっぱり国際的な流れなのかなと。環境保護団体が言うのなら別なんですけれども、いわゆる事業主体がそういうふうに言うというのが非常に衝撃を受けたんです。
 それからもう一つ、この中で、環境アセスはだれがやるのか、事業者がやると言ったら非常にびっくりしているんです。これは日本の法律でそうなっているのですから、私たちはそんなものだというか、そんなものだとは思いませんけれども、これは不備があるんですけれども、そういうことで言ってきているんですが、そこのところも非常に新鮮に驚いているということなので、やっぱり国際的なそういう感覚と日本の現状というのは乖離をしているなというふうに思いました。
 日本もこれから国際社会にきちっと信頼される、そういう環境保全をやっていくというようなことが今求められているというふうに思ったわけですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、先生BIEの記事を読み上げてくださったわけでございますけれども、そうした指摘に対しまして、今、万博の協会、通産省、愛知県、それぞれに見直しが進められているというふうに私も伺っております。
 何はともあれ、この万博が自然の英知を生かした万博にならなきゃいけないということで、環境庁といたしましてもそれなりの努力をしてきたわけでございますので、その一つのきっかけとなってそれの見直しをされ、そしてよりいい環境のもとで事業が進められるようなことになりますように私も願っているところでございます。
#122
○岩佐恵美君 私は、環境問題についてはやっぱり日本はおくれているなというのを思うのは、去年の六月にようやく環境影響評価法というのが施行されるという事態になる。先進国の中では一番おそいんです。そういう点も大変問題だと思うんです。
 何はともあれ六月に施行されているわけですから、では環境庁は環境アセスについてどう拡充していくのか、その基本姿勢です。それが今非常に大きく問われるのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、六月から施行されましたアセス法に基づきましてアセスを行ったわけでございまして、先ほども末広先生の御質問でお答え申しましたけれども、平成七年に閣議決定をいたして以降ずっと、環境保全という立場から会場が少し縮小され、場所が変わりというようなことでかなり現場の方々は努力してこられたと思います。
 その上で、環境庁といたしましては、これからの万博の開催に当たりましてぜひ御注意願いたいことについて御意見を申し上げたところでございまして、それが十分配慮されて事業が行われる方向にいきますことを願っているところということを申し上げたわけでございます。
#124
○岩佐恵美君 海上の森はちょっとおきまして、私が申し上げているのはそうではなくて、事務方でも結構なんですけれども、環境アセス法が通って、予算の説明の中で「環境影響評価制度の充実など、基盤となる施策の一層の展開を図る」という文がありますので、その点について具体的に何を考えて、どうしようとしているのかということについて伺いたいと思っているんです。
#125
○国務大臣(清水嘉与子君) 今、先生がおっしゃってくださいました環境影響評価法が施行されてどんな変化があったかということでございますけれども、例えば予算面について考えますと、環境影響評価法の企画立案作業に入る以前、平成五年あたりには八千四百万円くらいでございましたけれども、実際に環境影響評価法の企画立案作業に入った平成六年以降、ずっと格段の充実を図ってまいりました。現在、環境影響評価法の施行に伴って生じた新たな課題に取り組んでおりまして、平成十二年度予算におきましては約二億九千八百万円を計上しているところでございます。
 具体的には、例えば生態系や自然との触れ合い、温暖化ガス、廃棄物などの新たな項目に対するアセス技術の向上を図るための手法の検討でありますとか、環境庁長官の意見の提出に当たりまして必要な調査を行うということにしているわけでございます。さらに、環境影響評価法の国会審議の際の決議を踏まえまして、戦略的環境アセスメントの制度化に向けての検討を進めているところでございます。
 先ほど、万博について新しいアセス法に基づいてと申しましたけれども、これは通産省の環境影響評価要領に基づくものでございましたので、申しわけございません。
#126
○岩佐恵美君 環境庁は従来、事業者が実施する環境影響評価を審査して意見を述べるだけ、みずから調査はしない、そういうふうに言ってきたわけですけれども、それでは事業者の調査の信頼性、その検証は一体どうなるのか、十分できるのかどうかということが非常に問題とされてきたわけです。必要に応じて、環境庁としてこれからそういう事業者の行った調査の補足をするとかあるいは検証をするために独自にいろいろ対策をとるとかということが求められると思うんです。
 その点について、大臣、一言でいいですから、そう思うか思わないかで結構ですから御答弁いただきたいと思います。
#127
○国務大臣(清水嘉与子君) 基本的には事業者において行うのが当然でございますけれども、特別な問題につきましては環境庁自身がそういうことも行うということを申し上げておきたいと思います。
#128
○岩佐恵美君 今、川辺川で建設省が大規模な多目的ダム建設計画を進めています。そこでクマタカが生息している、そういうことがわかって今大きな問題になっております。
 一つは、建設省が調査を行っている。それからもう一つは、日本自然保護協会の協力で現地の自然保護団体による調査グループが調査を行っているということで、一体これからどうしていくのかということになるわけですけれども、クマタカの生息地を守るために、当然詳細なデータについては一般には公表できない、これは当然のことであります。
 しかし、環境庁として絶滅危惧種の種の保存に責任を持っている。それからクマタカ保護のマニュアルを決めている。そういう専門的な立場にあるわけですから、双方の調査の詳細なデータの提供を求めて、そしてクマタカの生息、繁殖を守るためにどう判断をしたらいいのかということで必要な対応をしていくべきだというふうに思いますけれども、その点いかがですか。
#129
○政府参考人(松本省藏君) 川辺川ダムの建設予定地でクマタカがつがいで生息をしているということに関する問題でございますが、川辺川ダムは大変昔からの建設事業でございまして、アセスメント法のアセスメントの対象にならないわけでございます。基本的には事業者でございます建設省においてクマタカに関する生息の調査、そしてそれを踏まえた保護策というのを十分に検討、実施をしていただくということだろうと思います。
 環境庁としては、そのためのガイドラインでございます猛禽類保護の進め方、これを平成八年八月に策定しておりますので、建設省はその環境庁の策定をいたしました猛禽類保護の進め方の考え方を踏まえて適切な保護対策が講じられることが基本になるだろうというふうに考えております。
 なお、地元の民間研究団体でございますグループが調査をいたしております。それについては私どもも承知しておりますが、建設省がみずから生息調査を実施していると聞いておりますので、その調査などについては建設省に対して環境庁も情報の提供を求めていきたいと考えております。
#130
○岩佐恵美君 建設省にもきょうお見えいただいているのですが、川辺川のクマタカの詳細なデータ、当然環境庁に提出をするというふうに思いますけれども、一応確認をさせていただきたいと思います。
#131
○政府参考人(竹村公太郎君) 川辺川ダムは治水、利水上重要な事業として私どもは認識しておりますが、その事業の実施に当たりまして猛禽類の保護につきましては非常に重要と認識しております。この希少猛禽類の調査につきましては、従来より環境庁と協力して行っております。
 具体的に申しますと、平成九年度より環境庁などほかの省庁と協力して希少猛禽類調査を実施しておりまして、イヌワシ及びクマタカの全国分布調査の一環として全国の管理中及び建設中のダムにおけるイヌワシ及びクマタカのデータを共有化しているところでございます。
 また、徳山ダムの猛禽類調査または長良川河口堰のモニタリングデータ等、社会的に話題になった個別の事業データにつきましても環境庁に対して情報提供を行っているところでございます。
 川辺川ダムのクマタカの調査等の結果につきましても、調査結果がある程度取りまとまり次第、環境庁に対して情報を提供してまいる所存でございます。
#132
○岩佐恵美君 次に、たばこと健康、環境への影響について質問をしたいと思います。
 世界保健機関、WHOは二〇〇三年にたばこ枠組み条約の締結を目指しています。昨年十一月には神戸でWHOのたばこと健康に関する国際会議が開かれ、国内でもたばこに関する施策についてのいろんな論議が高まっております。
 世界銀行も大変この問題に注目をして、一九九一年以来世界銀行はたばこが健康に及ぼす害を認識した上で正式なたばこ方針を掲げてきた。その方針とは、世界銀行がたばこに融資することを禁止し、対策努力を推進していくことであるということで、たばこ流行の抑制という「たばこ対策と経済」というこんな冊子も出しておりまして、これは去年の十一月に印刷されたものですけれども、そういう取り組みがあります。
 環境庁として昨年十月、三歳児のぜんそく症状と大気汚染との関係の調査結果を発表しておりますけれども、その中で母親の喫煙による影響も出ていると指摘をしていますけれども、どういう結果が出ているのでしょうか。
#133
○政府参考人(西尾哲茂君) 先生御指摘のとおり、環境庁におきましては昨年十月に発表いたしました平成九年度に三歳児を対象といたしました環境保健サーベイランス調査ということをやりまして、結果を発表しておるわけでございます。
 この調査は、大気汚染のほかアレルギーの素因や喫煙状況、家屋の構造などさまざまな要因とぜんそくとの関連性につきまして解析するものでございまして、八年度から本格的にやりまして、八年度、九年度と二つのデータが集まっておるわけでございます。
 この中で、母親の喫煙の有無とそれから子供のぜんそく有症率という関係につきまして解析しておるわけでございますが、八年は明確ではございませんが九年度の調査結果では、アレルギー素因それから男女差につきましてのぜんそく症状との相関があるという統計的結果は示されたところでございます。
#134
○岩佐恵美君 最近ではたばこ問題について大変大きな関心が集まっているんですが、官庁としては厚生省とそれからたばこ事業法を所管する大蔵省が主として対応しているわけです。
 ただ、今報告があったように、最近では有害化学物質対策あるいは化学物質過敏症、シックハウス症候群、そういう問題など日常生活の周りのミクロの環境も大きな問題になってきています。たばこの副流煙による受動喫煙被害についてアメリカの環境保護庁EPAは、受動喫煙の影響についての調査も行っているわけです。
 国民の命と健康を守る環境の保全に責任を負う、そういう環境庁も積極的に私はたばこの問題にかかわっていくべきではないかというふうに思うのですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
#135
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生の御指摘でございますたばこの健康影響、今は厚生省が所管しておられるわけでございますけれども、きれいなそれこそ空気を確保するという意味で環境庁も関心を持たざるを得ないと思います。
 個人的なことでございますけれども、環境庁といたしましては、やっぱり来年は環境省にもなるわけでございますし、特に官庁の中での率先活動をしなきゃいけないという省庁でもございます。今でも結構執務室に禁煙タイムなんかをつくったりやったりしているんですけれども、やっぱりそれを終日にするとか、それから環境省に移転したらきちんと分煙するなり、そういうことをきちんとして、職員一同そういうことに取り組んでいくような方向を出したいというふうに思っております。
#136
○岩佐恵美君 ちなみに、我が国のたばこ関連対策ということで資料が出ていまして、その中には人事院、総務庁、警察庁、大蔵省、文部省、厚生省、運輸省、労働省とあるんですが、環境庁はないんです。どうしてかなというふうに思うんですけれども、ぜひ積極的にやっていっていただきたいと思います。
 たばこの煙にはどんな有害物質が含まれているんでしょうか。
#137
○政府参考人(篠崎英夫君) たばこに含まれる有害物質のことでございますが、たばこでは複雑な不完全燃焼過程によりまして既知の物質だけでも約四千種類、うち約二百種類の有害物質が発生し、さらに約四十種類の発がん物質が含まれていると言われております。
 また、本人に対する作用についての物質のことでございますが、ニコチンが含まれておりまして、それが急性作用としては中枢神経系の興奮を生じたりあるいは全身の血管収縮、心拍数の増加、自律神経系の作用等がございます。また、精神作用といたしましては、たばこにつきましては促進と抑制という二つの急性効果がありますとともに、知的作業能率につきましても上昇と低下の相反する成績が報告をされております。それからもう一つ、一酸化炭素の作用というのもございまして、これには急性的には赤血球ヘモグロビンと結合して酸素運搬能力を低下させるというようなことも言われておるわけでございます。
#138
○岩佐恵美君 私もちょっと驚いたんですけれども、最近のたばこにはもともとたばこの葉っぱに含まれていた物質だけじゃなくて吸いやすくするために、あるいはニコチンの量を減らすそのかわりにということで種々さまざまな人工化学物質がまぜられているというんですね。
 専門家に言わせると、添加物、薬品の塊だと、それを煙として吸い込むんだから健康によいわけはない、こういう話があります。
 喫煙はどんな健康被害をもたらすのでしょうか。
#139
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほど、有害物質との関係でちょっと健康問題にも触れたのでございますが、繰り返しになりますけれども、一つは生理的に影響を及ぼす有害物質、これはメカニズムがはっきりしているという意味でございますが、先ほど申し上げましたニコチンと一酸化炭素がございます。それにつきましては申し上げましたので……
#140
○岩佐恵美君 発がんの死亡率の方は。
#141
○政府参考人(篠崎英夫君) もう一つ有名なのは喫煙と肺がんとの関係でございまして、これは古くから指摘をされておりますが、一九六六年から八一年にかけまして行われた計画調査によりますと、喫煙男性は非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が四・五倍高くなっております。それから、もう一つの作用で虚血性の心疾患の死亡のことでございますと、喫煙者では非喫煙者に比べて死亡の危険性が一・七倍高くなっているほか、喫煙は慢性気管支炎、肺気腫などにも関係していると言われております。
#142
○岩佐恵美君 そういう状況にあるんですけれども、喫煙実態を見てみますと、これは一九九五年の国民栄養調査ですが、日本の成人男性の喫煙率というのは五二・七%、スウェーデンが二六%、アメリカ、イギリスが二八%。ですから、日本の男性喫煙率というのは約二倍になります。カナダが三二%、ドイツ、オランダ三七%、イタリア三八%、高いフランスでも四〇%ですから、格段に先進国中、日本が高いわけです。
 そういう中で今問題になっているのは、最近二十代の女性の喫煙が急速にふえているということです。男性と同じ統計で二十代の女性の喫煙率は九一年調査では一一%程度だったのですが、九五年の調査では一七%と五割以上ふえているんです。この三十年で三倍になります。とり方によっては四倍になるという、とにかくすごく急速にふえているんです。特に心配されるのは妊婦の喫煙による出生児への影響だと思うのですけれども、その点どうでしょうか。
#143
○政府参考人(篠崎英夫君) 喫煙している妊婦から生まれた乳児の体重は非喫煙者の妊婦から生まれた乳児に比べて少ないと言われておりまして、つまり低出生体重児の頻度も約二倍高くなっております。それから、喫煙している妊婦につきましては、非喫煙者に比べて早産、自然流産、それから周産期死亡を起こす危険性も高くなっております。
#144
○岩佐恵美君 たばこによる日本人の超過死亡数、これは一九九五年には九万五千人で全死亡者数の一二%に達しています。たばこによる疾病や死亡のためにどのくらい余計に医療費がかかっているのでしょうか。
#145
○政府参考人(篠崎英夫君) 一九九七年の財団法人医療経済研究機構の報告によりますと、一九九三年に年間約一兆二千億円というふうに計算をされておりまして、この額は国民医療費の同じ年次の約五%に当たるということでございます。
#146
○岩佐恵美君 たばこの害というのは喫煙者だけではありません。特に周りの人に影響が及ぶ、これが大変大きな今問題になっています。
 一九九二年のEPAの調査では、受動喫煙と呼んでいますけれども、周りの人に迷惑、危険が及ぶということについて、受動喫煙で三千人に肺がんをもたらしているのではないかと推計をしています。受動喫煙による健康被害のリスク、これはどうでしょうか。
#147
○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生御指摘の全体の数字等は持ち合わせておらないのでございますが、母親と子供の関係で、これは一番距離的にも近いわけでございますが、母が喫煙する場合の子供の受動喫煙の害はどうかということに対するお答えにさせていただければと思います。
 これによりますと、私どもの方で、平成五年の喫煙と健康問題に関する報告書によりますと、両親の吸うたばこの煙を間接的に吸うことによって小児の呼吸機能が低下するという報告がなされておりますほか、母親の喫煙は乳幼児に対しまして、乳幼児の呼吸器疾患とも関係があるというふうにされております。
#148
○岩佐恵美君 受動喫煙の害について専門書では、有害物質は喫煙者が吸う煙、いわゆる主流煙だけではなく、たばこの点火部から立ち上る煙、副流煙にも含まれている。しかも、副流煙は主流煙に比べて多くの有害物質を含んでいる。そのため、非喫煙者であっても喫煙している人の近くにいるだけでいや応なしに有害物質を含んだ両方の煙を吸わされることになり、受動喫煙というのは健康に悪影響を及ぼすんだと、そういうことが記載されております。
 厚生省の九八年度喫煙と健康問題に関する実態調査結果によると、職場や学校では三四・五%の人がほとんど毎日受動喫煙を受けています。時々受けているという人を加えると半分以上に達します。男性だけで見ると実に七二%に達します。
 厚生省が医学の専門家などを対象に行ったたばこ対策の有識者調査では、公共の場所、職場等における禁煙、分煙の義務化が第一に求められているというのが六八%です。受動喫煙のリスクをなくすためには、公共の場、職場などでの分煙を徹底することしかない。この委員会はそういう意味では模範的だと思います。
 公共の場所については、九六年三月に、厚生省の公共の場所における分煙のあり方検討会報告書が出されたわけですけれども、公共の場所は空間を分ける分煙を行うべきとして、分煙の実態調査、分煙対策の推進状況の把握を求めていますけれども、公共の場所の分煙の実施状況、これはどうなっていますか。
#149
○政府参考人(篠崎英夫君) 今御指摘のございました平成八年三月の公共の場所における分煙のあり方検討会の報告によりますと、保険医療機関におきましては平成五年で七三%が何らかの喫煙制限を行っております。
 場所で見ますと、禁煙を含む分煙を行っているのは、外来の待合室が八七%、外来の診察室が九二%、病棟、病室が九八%、食堂、喫茶が五七%でございました。また、教育機関につきましては、平成八年には都内の四十の高校のうち、職員室の喫煙制限をしている高校は五八%でございました。また、金融取引機関につきましては、平成七年に調査を行った二十一行のうち、喫煙所を設置し分煙を行っているのは六二%でございました。
#150
○岩佐恵美君 労働省として民間の職場については、九六年に職場における喫煙対策のためのガイドライン、これを発表して普及に努めていますけれども、その後の状況はどうなっているのでしょうか。そして、今後どういう対策をとられるのでしょうか。
#151
○政府参考人(下田智久君) 平成九年十一月に、約一万二千の事業場に対して労働省では労働者健康状況調査というものを行っております。
 これによりますと、全事業場の四七・七%が何らかの喫煙対策に取り組んでいるということでございます。委員御指摘のガイドラインの公表前に同じような調査を平成四年に行ってございますが、そのときは同じ数字が三四・一%でございましたので、五年間で一三・六ポイントの喫煙対策が進んだというふうに考えております。
 労働省ではこのような実績をもとにいたしまして、各都道府県単位に快適職場推進センターというものを設けまして、そのセンターに快適職場推進アドバイザーというものを配置いたしておりまして、このアドバイザーを通じましてこのガイドラインの周知徹底に努めております。具体的には、ガイドラインをわかりやすくしたリーフレットあるいは喫煙対策の好事例、こういったものを配付いたしましてガイドラインの普及に努めておるところでございます。
#152
○岩佐恵美君 官庁については、九七年四月に人事院が職場における喫煙対策に関する指針、これを出して九八年三月に調査を行っております。それによると、事務室内一切禁煙にしている役所は一六・八%、それから室内に喫煙コーナーを設置している場合を含めても二九・四%、三割足らずの役所だけです。会議中の禁煙ですけれども、これは九八年の調査はその前の調査よりもかなりよくなって全体で六三・九%。本省庁について言えば五八・一%、でもまだ半数ちょっとですからなかなかだというふうに思います。
 比較のために人事院が調査した民間企業の喫煙対策実施状況というのは、これは事務室内の一切禁煙三三・八%ですから、どうも官公庁の方が悪いという気がするのですけれども、何でそうなっているのか。やっぱり対策を強めていく必要があるのではないかというふうに思うのですが、人事院、いかがですか。
#153
○政府参考人(中橋芳弘君) 公務職場におきます喫煙対策につきましては、ただいま岩佐先生からお話がございましたように、平成九年四月に喫煙対策に関する指針というのを出しております。私どもといたしましては、各省の実施状況につきまして調査をいたしております。この指針を出します前の平成八年六月と、それから指針を発出した後の平成十年一月に調査をいたしております。
 平成八年六月の調査時点におきましては、先生御指摘のとおり、その当時の民間の喫煙対策、各種対策実施状況に比べますと官庁は必ずしも立派じゃない、むしろ劣っているという状況でございましたが、この指針を出した後の十年一月の調査によりますと、いわゆる事務室内の一切禁煙あるいは官署内の一切禁煙を実施している省庁が一七・一%、そのほか会議中禁煙あるいは喫煙場所の設置、禁煙タイムの実施等々さまざまな禁煙対策が行われておりまして、何らかの意味で喫煙対策を講じている官庁が、平成八年の五八%に対しまして平成十年では九一%にまでふえてきております。
 私どもといたしましては、これが早く一〇〇%になりますように、各省庁に対しましてこの指針の遵守を呼びかけてまいりたい、かように存じております。
#154
○岩佐恵美君 私は、きょうは受動喫煙とそれからもう一つ大事な問題である未成年者の喫煙、これを申し上げたかったわけです。
 青少年期に喫煙を開始するとがんや心臓病などの危険率が高くなるんです。成人よりもやはりたばこへの依存も強くなると言われています。未成年の喫煙というのは急増していまして、九八年十月の喫煙人口の推計によりますと、十五歳から十九歳の未成年喫煙者が九十二万四千人、同年齢人口の一二%に及びます。現在、喫煙者の五四・七%が未成年のうちにたばこを経験して、その四分の三が未成年のうちに喫煙が習慣化しているということです。
 これは公衆衛生院の調査の中に出ているんですが、男性で見ると中学一年で約四分の一が既に喫煙を経験している。学年が上がるにつれ喫煙経験率は上昇し、高校三年では中学一年のおよそ二倍の約二分の一に達するという状況になっていて、大変未成年対策が重要だというふうに思います。
 未成年の場合、未成年者喫煙禁止法で二十歳未満へのたばこの販売は禁止されているんですが、今では自動販売機が大きな比重を占めています。ほとんど機能していない。総務庁の青少年対策本部がまとめた青少年と自動販売機に関する調査研究報告によりますと、喫煙している中高生の七割が自動販売機でたばこを買っているんです。
 お酒の業界では、ことしの五月までに青少年が自由にお酒を買えるような自動販売機は撤去しますということを決めました。たばこの自販機も対策を講ずるべきだと思いますが、大蔵省、いかがでしょうか。
#155
○政府参考人(西川聰君) 未成年者の喫煙防止は重要な課題と認識しておりまして、法律に基づきまして小売免許の許可に際しましては、店舗併設といった形でしか免許をおろさないということで法律上の運用は行っているところでございます。
 ただ、先生御指摘の点でございますけれども、たばこの自販機のあり方につきましては、実はこの業界と申しますのは中小零細が多うございまして、しかもお年寄りがかなりこれに従事しておられるという面がございまして、この問題の対処は非常に難しい問題があろうかと存じて今苦慮しているところでございます。
#156
○岩佐恵美君 その苦慮はよくわかるんですけれども、やはり受動喫煙だとか子供の問題を考えるときちっと対応していく必要があるというふうに思います。
 もう時間がなくなってきたんですけれども、最後に警告表示の問題について取り上げたいと思います。
 警告表示は外国では、例えばオーストラリアでは、喫煙は依存死をもたらすとか、喫煙は心臓病の原因になるとか、喫煙は肺がんの原因になる、こういう情報を提供しているわけです。韓国でも、喫煙はがんその他の疾病の原因となり、とりわけ妊婦と青少年に有害である。それからタイでは、喫煙は肺がんの原因となる。
 ここに実物を持ってきましたけれども、バンコクではあなたの子供に害がありますと、何か読めないんですけれども、そう書いてあるそうです。それから、これはオーストラリアですけれども、「スモーキング キルズ」と書いてあるんです。これはやっぱり表示の問題ですから、これで吸うか吸わないかはそれはもう本人の判断なのですからいいんだと思うんです。要するに表示をするかしないかの問題なんです。それから、これはカナダですけれども、「シガレッツ コーズ ストロークス アンド ハートディシーズ」、たばこは卒中と心臓病の原因となります、こういう大きな表示があるんです。たばこを吸う方の方を向いて示したりしてしまいましたけれども。
 いずれにしても、そういう警告表示が日本では大変おくれています。それで、これはバンコク、タイで売られているんですが、マイルドセブンなんです。日本製のたばこなんです。日本製のたばこも外国に行くときはこういう表示をすることになるわけです。ところが日本では、お持ちでしょうか、吸い過ぎに気をつけましょうだけですね。(「あなたの健康を損なうおそれがあります」と呼ぶ者あり)そこまであるんですか。
 そういうことで、「おそれがあります」ぐらいで、EUではもう欧州連合として一、二は必ず表示しなさいというのが、喫煙はがんの原因である、喫煙は心臓病の原因であるというのは、これはもう一、二は必ず表示しなきゃいけない、選択の中で。そういうようなことになっているんですね。表示問題について大変おくれています。それをきちっとやるべきだと。
 それから、屋外広告も今大変大きな問題になっています。そういう点についてもしっかりと取り組んでいただきたいということを、大蔵省とそれから環境庁長官に決意をお伺いしたいと思います。簡単にお願いします。
#157
○政府参考人(西川聰君) 簡単にというと、これはなかなか経緯がある問題でございまして、非常に難しい問題もございます。
 現在、私どもたばこを所管しております。それはたばこ事業法に基づいているわけでございますけれども、それは民営化するに当たって専売からのある意味では経過的な規定の中で置いているわけでございます。
 そして、ただいまありました警告表示の問題でございますけれども、法律をごらんいただきますと、日本の法律の場合は注意文言という考え方に立っておりまして、注意を促すんだという考え方の文章を考えなさいということになっております。そういう意味で、できるだけのことは私ども審議会を開いて御議論願って今の文言になっているということを御理解願いたいということでございます。
#158
○岩佐恵美君 そこが間違っているんだと思うんですが、そこも含めて、環境庁長官、ぜひ。
#159
○国務大臣(清水嘉与子君) 環境庁長官として今のことにお答え申し上げることはちょっとなかなかできにくいのですけれども、私個人としては、特に若い女性が非常にたばこを吸うことが多くなっていることを大変心配しております。そういう意味では、たばこの害をきちんと教育していくということは非常に大事なことであるというふうに考えております。
#160
○大渕絹子君 きょうは朝からお伺いをしておりまして、地球温暖化の問題も何人かの委員が発言をされておりましたけれども、環境庁から明快な具体的な政策というのが私には聞こえてこないというふうに思っておりまして、原発の開発が非常に大変ということで、二十一基を建設して温暖化防止対策にするということが少し転換をされて削減がされたんですけれども、そのことと関連をして、どういう具体的な政策を推進していくのかというのを私は聞きたいと思っています。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 今までの取り組みとか、森林の吸収源への依存、あるいは海外との排出権取引というような問題では解決しないと思うんです。COP3の議長国として、COP6に向けて本当に六%のマイナス削減をどうやったら実現できるのかという具体的な政策がなければ、私は海外、アメリカなどを説得することは不可能だというふうに思うんです。
 それで、そのことをきょうはお聞きしたいと思いますが、いかがでございますか。
#161
○政務次官(柳本卓治君) 昨日来から、原子力発電設置の縮小の問題におきまして、エネルギー政策の見直しの変化ということで、温暖化ガス六%削減に向けての対応の御指摘でございます。
 申し上げるまでもなく、原子力発電所の立地を含めまして、エネルギーの需要と供給をめぐる状況に変化が生じるといたしましても、京都議定書の六%削減目標の達成に対する我が国の姿勢におきましてはいささかの変更もあってはならないと感じております。
 現在、中央環境審議会における環境基本計画の見直し作業の一環として、通産省からのヒアリングやエネルギー分野の有識者の意見交換を予定するなど、エネルギー政策の観点も踏まえて温暖化対策のあり方を検討しているところでございますが、環境庁といたしまして、このようなエネルギー政策の動向や本年十一月のCOP6の結果を踏まえまして、二〇〇二年までの京都議定書の締結に向けまして六%削減目標を確実に達成する総合的な制度の検討を進めてまいりたいと考えております。
#162
○大渕絹子君 それでは今までの答弁と同じですよね。
 森林・林業・林産業と地球温暖化に対する検討会みたいなものを林野庁が検討しているということで、それはそこに任せる、あるいはまたエネルギー庁が決めるエネルギー政策を後追いするというような形では絶対に環境庁がこの温暖化の問題について主導権が握れないと私は思っているんです。
 環境省へ移行していく中で、この問題は最も環境庁らしい、一番大切にしていく政策の課題だろうと私は思っているんです。この六%マイナス削減に向けて具体的な方向づけをきちっと環境庁として示しながら、その実現のために各省庁とまさに体を張って渡り合うぐらいの元気がなきゃだめなんじゃないですか。そう思います。
 私は、環境庁の皆さんが、今、政務次官がおっしゃったようなことでぐずぐずとしているのかなと思ったら、環境調査センター発行という本が出ていまして、そこの中に環境庁の職員の方が書いているんです。これは環境保全対策課長、もうかわっていられるかもしれませんけれども、竹内恒夫さんという方が書いています。今までの公共事業、いわゆるコンクリートと鉄を中心とした公共事業は、他の産業への普及効果が小さいとともに、これらの素材を製造する過程で膨大な二酸化炭素の排出が見られるんだ、だから公共事業そのものを鉄やコンクリート漬けから変えていかなければだめなんだということを明快に言っているんですね、こういうところで。こういうことを建設省にじかに環境庁から、これをやれば何%削減できるんだというようなことをちゃんと言ったことがあるかどうか。
 あるいはまた、環境チームでもいろいろなことをやっているんです。地球温暖化対策検討チーム、これは安原さんが座長をしていらっしゃる検討チームでは、具体的にもうCO2削減のためには炭素税導入を言わなければならない時期ではないかということで、世界がどういう形で導入をされているかというヒアリングを開始し、ここに向けて具体的な政策づくりを提言したいという方向が出ているわけでしょう。
 こういうことをなぜ今の時期、環境庁がばんと花火を上げて、この方向へ向かってやるんだ、これをやれば何%削減ができるんだということをきちっと言わないのですか。通産省に遠慮する余りに、そういうことを通産省側から言い出してくるまで環境庁が言わないようなら環境庁はもう要りませんよね。環境省なんか要らないですよ、それができないなら。そうでしょう。
 そういう具体的なことを温暖化に対して今のこの時期にきちんと打ち出して、五月には一定程度の方向を出して十一月の会議に向かうわけでしょう。この時期にまだ何にも具体的なものが出てきていない。私たちが追及しなければ言わない。恐らく省内ではさまざまなことを検討されているんだろうと思いますけれども、そのことを一切表に出さない。これではもう各省庁を牽制するとか、あるいは各省庁の政策づくりに環境省が主導権を持って温暖化防止のためにこういう方向に持っていかなきゃだめなんだということを指導するようなことは絶対できないと私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。
#163
○政務次官(柳本卓治君) 御指摘はそのとおりでございまして、今まさにチームにおきましてもその議論を進めているところでございます。早急にまた御報告をさせていただきたいと思います。
 また、炭素税導入等の環境税の問題におきましても、政府税調におきましてもその意向を踏まえましてその方向で進むところでございますので、御理解をいただきたいと思っております。
#164
○大渕絹子君 とにかくほかの省庁任せにしなくて、予算は幾らももらえないわけですから、せめて声ぐらい大きく張り上げて各省庁にびしっと言わないといけませんね。
 そうでなかったら、環境省にしていく、私たちは環境庁を環境省に格上げすることに随分努力をしてきたんですけれども、この環境庁のままで環境省になったとしてもちっともいいことはないわけでございますから、きちんと権限を持って、どんな省庁にも真正面から自分たちが正しいと思う方向、これからの地球環境あるいは日本の自然環境に対して正しいと思うことはやっぱり声を大にして言っていただきたいというふうに思うんです。
 きょうの討論の中からそういうことが本当に見えてこない。自然エネルギーの促進に対する方向とか、あるいは今、炭素税のことは大蔵でもやっているからということですけれども、ぜひ環境庁が声を大にして実現方できるようにやっていただきたいと思います。
 それでは、もう一つお伺いをしたいと思います。
 これは全く違う問題なんですけれども、きのうの夕刊を見ていましたら、防衛庁長官が神環保について国で買い取りをする必要があるかもしれないというような発言をなさっているんですね。
 この買い取り発言について、環境庁はどういうふうにお考えでしょうか。
#165
○政務次官(柳本卓治君) 大渕先生の御質問が、昨日の夕刊の瓦防衛庁長官の厚木飛行場視察関係の報道を前提にされているということでございましたら、防衛庁に確認をいたしましたところ、瓦長官が施設の買い取りを検討する旨述べたという事実はなく、またそのようなことを念頭に置いて発言したものでないとの回答を得ております。
 いずれにしましても、本問題についてのことは人の健康にかかわる深刻な問題でありますし、また米側から事態の早期解決の要請があることを踏まえまして、政府として早急な問題解決のため努力していかなければならないことでございます。
#166
○大渕絹子君 それでは、買い取り以外にどういう方法がありますか。
#167
○政務次官(柳本卓治君) これは今まさに三月十一日から実施をしているところでございますけれども、日米共同で継続的な大気モニタリングを実施し、これはもう毎日実施をしております。また、環境庁といたしましては、今後とも実態把握に努めまして、関係省庁、これは言うまでもなく外務省、厚生省、防衛施設庁及び神奈川県と連携して可能な限りの措置を講じまして、早急な解決へ向けて取り組んでいく所存でございます。
#168
○大渕絹子君 厚生省に聞きますけれども、現行法の中で、この問題になっている施設に対して何らかの措置はできないのですか。
#169
○政府参考人(岡澤和好君) 昨年夏に日米共同モニタリングというのが行われまして、その結果ダイオキシンの高い濃度が周辺の環境から検出されたわけでございますが、私どもとしましては、そのダイオキシン濃度が高い大気環境の原因の一つに神環保の焼却工場があるというふうに考えまして、この改善について神奈川県に要請を行っております。
 神奈川県は、昨年十月に神環保に対しましてバグフィルターを設置するように改善勧告を行っておりまして、現在、神環保はこれに従ってバグフィルターの設置工事を実施しているところでございます。また、今後廃棄物処理法上の問題が生じれば、県と相談いたしまして神環保に対して適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#170
○大渕絹子君 問題が生じればということではもう遅いんじゃないですかね。公害調停で、健康被害に及ぶおそれがあることで大幅に路線の変更が実現をされたりしていますね、こういう決定がされたりしていますね。
 こういう時代だから、健康被害が住民に及ぶという状況が予測されるような場合でも、きちんとそういう廃棄物処理施設に対して物が言える法体系をなぜつくらないんですか。
#171
○政府参考人(岡澤和好君) 大気環境の保全に関しましては、大気の環境基準をクリアすべく大気汚染防止法で排出基準が決められておるわけでございまして、私どもはその大気の排出ガスの規制を廃棄物処理施設にもそのまま当てはめまして、廃棄物の焼却に伴いまして周辺の大気環境を汚染することがないような基準をつくっているわけでございます。
 現在のところ、神環保がそうした基準に違反している事実がないというふうに承知しております。
#172
○大渕絹子君 それでは、国内法にのっとった正規の産業廃棄物処理施設であるから、米軍がどんなことを言っても、日本国民と同じ状況の中で住んでいただきますということを言えるんですか。
#173
○政府参考人(岡澤和好君) 私どもが神奈川県を通じましてバグフィルターの設置をいたしましてダイオキシン対策を講じるように指導いたしましたのは、直接排出ガスのダイオキシン濃度が基準を超えているからというわけではございませんで、周辺の大気環境を汚染している状況にあることから、法律違反ではないんですが、法律の趣旨から見てそうした操業行為を続けていくことが好ましくない、もう少し抑制すべきだという観点で勧告を行ったということでございます。
#174
○大渕絹子君 質問の趣旨が違います。
 米軍がこれを撤去してほしいという申し入れをしているわけでしょう、実際に。だから、防衛庁長官が視察に訪れて、ああこれは大変だな、撤去もしなきゃ、買い取りもしなきゃならぬかなとつぶやいたわけでしょう。だから、言っていないと言ったって、あなた、全部の新聞が書いているのに、マスコミの一人の人だけで言っているならあれですけれども、聞き間違えたということではないわけで、口から漏れたわけでしょう。正式に発表していないかもしれないけれども、買い取りも考えなければならないという発言が出ているわけでしょう。
 それならば、日本全国にあるこの産業廃棄物施設の中から、住民が自分たちの健康が心配だ、これではとても住むのに耐えられないという申し入れがあったときに国は買い取りをしてくれるかということになるわけですから、そのことを私は言っているんですよ。あなたはさっき、日本の法にのっとって違反がない施設だとおっしゃるから、それならその環境の中で米軍に駐留をしていただきたいと正面切って言えばいいじゃないですか。日本の国民と同じところで住むというのが、どうですか、それは。言えますか、厚生省は。言えないから苦慮しているんでしょう。
#175
○政府参考人(岡澤和好君) 神環保の問題につきましては、外務省、防衛庁それから環境庁、厚生省、関係省庁が相談しまして、それぞれの分野、専門知識を集めましてどう対応するかということを検討しているわけでございまして、私どもとしては廃棄物処理施設を廃棄物処理法の規定の中で何ができるかということを担当しております。
 そういう意味で、今申し上げたように私どもとしては廃棄物処理法の規定を最大限活用いたしまして、神環保の操業が適切になるようにしているというところでございます。
#176
○大渕絹子君 防衛庁長官が言ったことで厚生省にこれ以上聞いても、恐らく今のところからは出てこないだろうというふうに思います。
 そこで、環境庁長官、この問題に対して環境庁長官はどういうふうに対処をしていかれるつもりですか。
#177
○国務大臣(清水嘉与子君) これは日米問題になっている大きな問題でございますけれども、向こうからの御要望というのはやはり米軍の皆さんの健康の問題から、住んでいる環境をよくしてほしいという御要望と思います。
 私ども環境庁といたしましては、そこの環境がどのような状況になっているのかということをチェックしなきゃならないわけでございまして、昨年来ダイオキシンの汚染状況を調べているわけでございまして、今度バグフィルターを県の指導によりましてつけるということに、業者もやっているわけでございます。その業者がバグフィルターをつけた後、本当にそれが効果があるものかどうかということをやっぱりチェックしなきゃなりません。そういうことでモニタリングを始めるということを私どもの責任としてやろうとしているところでございます。
#178
○大渕絹子君 今度話題を変えますけれども、先ほどもちょっと触れましたけれども、環境省になるための準備としてどのようなことが今行われているんでしょうか。
#179
○国務大臣(清水嘉与子君) まず、環境省へ移行するための準備でございます。
 法的な準備をしなきゃならないわけでございまして、廃棄物処理法など既存の各法律の所管を整理いたしました中央省庁等改革関係法施行令や環境省設置法などによりまして、法律のレベルではもう既に整理が済んでおります。
 また、この法律によりまして環境省に付与されました機能を適切に担い得るように、平成十三年一月から発足いたします環境省の機構、定員につきまして一官房四局三部、千百三十一人体制でスタートするということも決まっているわけでございます。
 現在、こうした法律を踏まえまして、中央省庁等改革推進本部と連携いたしまして、環境省の内部組織を定める政令を初め、既存の各法律の施行令などの関係政令の立案など、事務的な準備を進めているところでございます。
 各省庁との環境分野における仕事の分担ということが先ほど来いろいろ御指摘いただいているわけでございますけれども、先ほど申し上げました法律によりまして既に整理が行われましたけれども、その基本的な考え方としては中央省庁等改革基本法に基づきまして、専ら環境の保全を目的とする業務については環境省に一元化する、そして環境の保全を目的の一部に持つ事務については環境省と他府省とが共同で所管するという整理をしているところでございます。
#180
○大渕絹子君 事業官庁、いわゆる建設省とか通産省とか農水省とか運輸省とか、ここは農水省だけは別にして、それぞれまた再編成で建設、運輸が一緒になるわけですけれども、そういう事業官庁の環境部門というのは今大変たくさんのスタッフも擁して、それから施策づくりもしているわけですけれども、そういう人、そういう分野も環境省に吸収できる状況でしょうか。
#181
○国務大臣(清水嘉与子君) 人のお尋ねでございますれば、今申し上げた範囲での千百三十一名体制で環境省はスタートいたしますけれども、今ここで申し上げたのは、環境省が所管しなきゃならない、所管というか共管しなきゃならない部分については一つの法律で二つの大臣が共管するという形になるわけでございまして、事業を進めるときには当然のことながら協議をしながら進めるということになるわけです。そういうものがたくさんふえてきているということになります。
#182
○大渕絹子君 できるだけそういうところを整理して、環境省にできるだけたくさんの権限を付与できるような形をとらないとだめだというふうに思います。
 循環型社会基本法なる法案、名前は違うのかもしれませんけれども、そういうものを準備しているというふうに聞いておりますけれども、この法案は、環境省になっていく段階の中で、これにかかわる廃掃法とか再生資源利用促進法あるいはグリーン購入法とか建設工事に係るいわゆる建設省のリサイクル法、それから食品廃棄物再生化法とかといういろんな所管の法律がありますけれども、これを束ねられる法体系がつくれるんでしょうか。
#183
○政務次官(柳本卓治君) ただいま先生からの御指摘の前段でございますけれども、いわゆる廃棄物リサイクルというのは厚生省、通産省にかかわる問題で、これが厚生省の廃棄物行政が環境省に移行されると、リサイクル部門のところがまだ共管だというような状況であるわけですけれども、こういうことのスムーズな運営ということの点につきましては御指摘のとおりだと思っております。
 ただいまの位置づけでございますけれども、循環型社会基本法案の提出を予定しているわけでございますけれども、関係する個別法による廃棄物リサイクル対策が総合的、計画的に推進されますように、まず第一に基本理念、第二に責務、第三に国の講ずる施策を明らかにいたしまして、循環型社会の構築に関する施策を一体的に進める枠組みを提示することを検討しているところでございます。また、より具体的な施策の方向は基本計画で示されることとなりますが、これらの個別の対策の整合性ある推進が確保されることになるような計画制度を設けたいと考えております。
 これによりまして、関係する個別法による廃棄物リサイクル対策につきましては、施策の実施に当たっての基本理念や優先順位など共通の考え方が第一に示され、第二に個別法に基づく関連施策が基本法案の計画制度に基づき総合的、計画的に遂行されていくこととなり、実効ある取り組みが推進されることとなるものと考えているところでございます。
#184
○大渕絹子君 環境基本法が環境省のこれからの基本法、憲法みたいなものになるというふうに思うんです。その環境基本法にもう少し実効性あるものをきちっとはめ込んでいくことと、新しい循環法というのをつくるのであれば、その法の中に事業官庁をきちっと統括できる、実効性ある権限が持てるような形の法体系にしなければ、なかなかこれは強いですよ、通産も国土交通省もそれから農水省も。
 そして、与党であられる自民党の議員先生方もその後ろにはばっとついているわけですから、環境庁が環境省になっていく段階で、今のこの時期に頑張ってきちんと環境省の所管にするんだと、廃掃法やリサイクル法のものについては環境省に任せてくれというぐらいなことで法案の取り組みをぜひやらなければならないというふうに思いますので、よろしくお願いします。
#185
○政務次官(柳本卓治君) その意気込みで清水環境庁長官以下頑張っておりますし、大渕先生、御協力よろしくお願いを申し上げます。
#186
○大渕絹子君 ずっと協力してきています。国会へ来てから環境庁の応援団として随分と頑張ってきたつもりですけれども、せっかく環境省になっていくのにまだ人員体制も不足ですし、法案も非常に弱いし、権限も持たないし、金ももらえないし、これではなかなか難しいなというふうに思いながら、しかし日本のあるいは世界の地球環境そのものが日本の環境省の働きいかんにかかっているという観点からすれば本当に頑張っていきたいというふうに思っておりまして、一緒に頑張りたいと思います。
 最後になりますけれども、恐らく岡崎議員からも質問があったんだろうと思いますけれども、私は席を外しておりまして申しわけありませんけれども、長良川河口堰の環境調査について、私も含めて多くの国会議員が環境庁の自然保護局に要請をしているわけですけれども、そのお答えについて、これは政務次官か環境庁長官にお願いしてあったかな。そのことについて、環境庁の取り組み姿勢をお答えいただきたいというふうに思います。
#187
○国務大臣(清水嘉与子君) 先ほどもお話を申し上げたところでございますけれども、今、長良川河口堰の環境調査の問題の御指摘でございますが、確かに建設省がモニタリングを五年いたしました。そして、市民団体も独自に調査をしてきたということでございますけれども、この市民団体の皆様方の調査を私たちも十分踏まえまして建設省にもお伝えしているところでございます。
 そして、建設省におきましてはこの河口堰の調査、さらにモニタリングを続けることになりましたものですから、環境庁といたしましても、この問題につきましては二省の間で連絡会議を設けておりまして、よくこの連絡会議を通じまして必要な調整をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#188
○大渕絹子君 そこが私がさっきから言っているところの問題なんです。まさに環境調査は環境庁の仕事なんです。そして、その調査結果において問題があるならば、建設省に対してはっきりと物を言っていくという立場が私は環境庁に求められるんじゃないかというふうに思いますけれども、時間ですので、やめます。
#189
○月原茂皓君 自由党の月原です。質問させていただきます。
 まず第一に、酸性雨問題など我が国周辺諸国の環境破壊、そういうものが我が国の環境にどのような影響を及ぼしているか、その事例を説明されたいと思います。
#190
○政務次官(柳本卓治君) お答えいたします。
 東アジア地域は、申し上げるまでもなく世界の三分の一強の人口を擁しております。目覚ましい経済成長を遂げる一方、エネルギー事情から石炭に依存せざるを得ない国も多く、酸性雨の原因となっている硫黄酸化物や窒素酸化物の排出量が顕著に増加しており、当該国のみならず周辺諸国にもその影響が懸念をされております。
 私も、今から六年ほど前に大連の方に行きまして、大連から瀋陽に行く道路を走っていたときに、鞍山ですか、あそこの製鉄所の前を、高速道路ですから大分離れておるんですけれども見ましたときに、もう空が赤くなっておりました。あれは何だろうと思ったら、あの平野そのものがそういう状況の粉じんであったように思うわけでございますけれども、そういうような状況。あれはいずれ日本に来るんだなと思っておったら、案の定日本に来ているわけでございますけれども、本当に大きな問題だと思っております。
 一方、我が国における酸性雨のこれまでの調査結果によりましたら、pHが四・七から四・九の酸性雨が継続的に観測されております。生態系への明確な影響については確認されておりませんけれども、今後も現状程度の酸性雨が降り続いた場合、近い将来、生態系への影響が顕在化するおそれがございまして、引き続き注意が必要な状況にございます。
 さらに、日本海や黄海等の閉鎖性の高い海域につきましては、沿岸諸国の活動による海洋環境汚染の防止が沿岸諸国の共通の関心事項となっておりまして、このための国際的に連携した取り組みが課題となっております。
#191
○月原茂皓君 今、政務次官がおっしゃった鞍山とかいうのは、私は満州からの引揚者ですから、今は瀋陽というところですが、そこから貨車に乗って、鞍山はB29がいつも攻撃してきておったところ、今のお話で思い出しながらお聞きしました。東北中国の工業地帯の中心地である、こういうことで、その影響が今、次官もおっしゃったように、このように日本にも来ておる。
 日本のODAというか海外の援助というものは、最近は環境問題に重点を移してきておる。これは世界的な傾向でもあるでしょう。そこで、それが単なる慈善事業と言ったらちょっと言葉は悪いんですが、世界全体のためにということも大切でしょうが、より日本にとって有益であり、また日本が協力すればその問題を最小に持っていけるという技術を日本が持っている場合には、そういうものを中心にした、ウエートを置いた援助をするのが筋でないか。
 とかく環境問題というと、グローバルな問題であることは間違いありません。しかし、そうかといって国民の税金を世界平和のためにというように薄く出すべきではない。やはりそれも大事だけれども、まずは自分の国に影響するものについて、できるだけ我々の健康を守るために金を使うという、私はウエートは置かぬといかぬと思うんです。一〇〇対ゼロだという話じゃないんです。私はそういう政策が、ややもすると環境といったら世界に広くやらぬといかぬなと。そうじゃなくて、やっぱり広くそれぞれ協力する場面があってもいいけれども、我が国自身に影響を与えるような問題については重点的に私はやっていると思いますし、そうしていただきたいな、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、ちょっと結論めいたことを申しましたが、思ったことを言っていただいたら結構なんですが、今言われた酸性雨の問題というのはCO2の問題で、その発生源というのを特定するのがなかなか難しいですね。フロンとかそういうものだったらそこから出ておるなと特定することができるんですが、そういった非常に難しい問題だと思います。
 そこで、今、政務次官がおっしゃった中に、例えばほかの話ですが、沿岸各国が協力するとかそういうふうな話もありましたが、私はたまたまほかの委員会で大臣が出張されるいろいろな計画を聞かせていただいた。中国にも行かれる、韓国にも行かれる。そういうところから、そういう協力をしながらお互いが近くの国の、世界の基準ではなくてEUなんかの国を考えたって、世界のことも話をするけれども、お互いが迷惑をかけて隣近所から憎しみが生まれたらいかぬ、この環境問題の破壊について。だからお互いに協力し合わないかと、もう一つそれが入るわけです。
 そういう意味で、大臣がいろいろ行かれたときの印象、そして各国がどういうふうな協力を日本に要請しようとしているのか、そういうことについてお話し願いたいと思います。
#192
○国務大臣(清水嘉与子君) 先般、中国に参りまして日中韓の三カ国の大臣会議をしてまいりました。そのときに朱鎔基総理にもお目にかかりましたが、その中でもやはり日中韓、空気にしろ水にしろ鳥にしろ、みんな運命共同体なんだ、環境共同体というような意識でしっかりしなきゃいけないんじゃないかということをお話し申し上げてきたわけでございます。
 今、政務次官の方から、酸性雨の問題ともう一つ北西太平洋地域海行動計画のお話を申し上げましたけれども、その点に絞ってお話を申し上げますれば、先生御指摘のように、酸性雨の問題の解決のためには、まず関係各国の酸性雨の状況に関する共通の理解、これがなければいけないというふうに思います。そのためには、酸性雨の現状を統一的な手法によって的確に把握できるようにその枠組みをつくっていく必要があるというふうに考えております。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 中国や韓国を初めといたします東アジア地域十カ国が合意いたしまして、平成十年四月から東アジア酸性雨モニタリングネットワークというものの試行稼働を始めてきたところでございまして、今そのセンターを新潟市に置かせていただいているわけでございます。そして、我が国がこの事業を積極的にリードいたしまして、試行稼働の期間暫定的な事務局をやってきたわけでございますが、平成十二年中にはこのネットワークを本格稼働できるようにぜひしたいということで、参加各国のモニタリング計画策定に対する支援等の取り組みを実施しているところでございます。我が国といたしましても、今後とも地域的な枠組みを確立できるように国際的なイニシアチブを発揮していきたいというふうに思っているところでございます。
 もう一つ、閉鎖性の高い海域の環境保全につきまして、これはUNEP、国連環境計画が地域海計画を世界各国で進めているわけでございますけれども、我が国の周辺海域につきましては、日本海及び黄海を対象といたします北西太平洋地域海行動計画、NOWPAPというのができているわけでございまして、それが平成六年九月に日本、中国、韓国、ロシア四カ国で発足いたしております。
 ここでは、海洋環境に関しますデータベースの整備あるいは対象海域のモニタリングプログラムの作成あるいは海洋汚染への準備及び対応等のプロジェクトが決定されておりまして、順次検討に着手しているところでございます。
 陸上の活動に起因いたします海洋汚染も、それが汚染源の約七〇%を占めているということでございまして、現段階ではNOWPAPには今の問題は含まれていないんですけれども、これもやはり重要な問題でございますものですから、汚染負荷量の把握手法を確立いたしまして、海洋環境の影響評価を行うようなプロジェクトを実施しようということで、先般の日中韓の三カ国大臣の会議におきましても提案をいたしまして、皆さんから賛成をいただいたというようなことでございまして、なかなか目立たない事業かもしれませんけれども、こうした着実な地域ごとの作業を進めているところでございます。どうぞ御支援よろしくお願いいたします。
#193
○月原茂皓君 先ほどちょっと私は混同して申し上げて申しわけなかったんだけれども、温暖化の問題、CO2については、これがなかなか発生源がわからなくて、酸性雨の方はややわかるんだろうと思うんです。中国なら中国の地方からどういうものが来ると。かつて、中国で核実験があったときに、科学技術庁の委嘱で、防衛庁、自衛隊は飛行機を三カ所、四カ所というところから飛ばして、気流に乗るちりを科学技術庁に提供して分析したという過去の経緯があるだけに、非常に大きな流れがあって、それによって我が国にいろいろな影響が出てくる。それは政務次官の言われたとおり、そういうことがあるわけです。
 これは細かい話ですから事務当局でも結構ですが、モニタリングというのはどうやってやるんですか。精緻でなくていい、アバウトでいいですから。
 政務次官、答えてください。
#194
○政務次官(柳本卓治君) 恐縮でございますけれども、測定地で数カ所ほどモニタリングの機械を設置いたしまして、それで数値を出し合って報告をするようになっております。
#195
○月原茂皓君 ちょっと失礼しました、あらかじめ言わないことを聞きまして。
 だから、私が言いたいのは、モニタリングの方法とかそういうことについて日本はいろいろ勉強しておるから、そしてどこの国から来たんだということがわかるようなモニタリング、そういうことをお互いに協力しながら実現すべきだろう、こういうふうに思って申し上げたわけであります。
 そこで、私は時代が変わってきたんだなと思うのは、まずきょう質問するときに考えたのは、私は五八年に、木下恵介監督の「この天の虹」という映画を見たんです。パートカラーといいまして、当時カラー映画はまだなくて、部分だけカラーがあったというときですが、そのときに高峰秀子さんだったと思いますが、男優は忘れたんですが、八幡製鉄のもくもくと上がる煙を、真っ黒い煙です。それを眺めて、これが日本の動脈だ、これから日本が発展するんだ、こう言っている。今そんなことを言ったら環境庁にしかられて大変だろうと思う。
 もう時代が変わってきたんだな、こういうふうに私は思うわけで、その後、「サイレント・スプリング」とかカーソンのそんな本が出たり、日本においても四日市から始まっていろんな問題が出てきたわけですが、そういうことを起こさないで持っていかないといかぬということです。
 国内の問題については多くの方々がもう質問されておるので、私はあえて海外からの影響に対してどういうふうに対処するのかということをお尋ねしたわけでありますが、最後に大臣にお尋ねしたい。
 今のお話はわかりました。これから先、中国、韓国と一緒になって海の方についてもやる。そのほかに、大臣が自分として外国とこういうこともやっておくべきじゃないか。しかもそれは、グローバルな話はこれはもう当たり前です、国連の。しかし、周辺でお互いが遠い話じゃなくて身近なところから、EUなんかもう競り合っておって、おまえのところでそんなをガス出したらいかぬやないか、技術があるんだったらおれがやるぞとか、そういうふうにしながらお互いが共同体という意識を固めていくわけです。日本の場合も、こういう環境面の方がお互いにテーマとして非常に関心のあることだし、政治をやっている人にとっても国民の幸福のためにはそれをやらぬといかぬ。
 今や安全保障といったら環境だと、それ以上の価値があると、こういうふうに言われておる時代でありますから、大臣としては今後どういうふうに、国内の施策じゃなくて、諸外国とまだこういう問題が残っておるんだと思いますよと、そういう抱負を聞かせていただいて、私の質問を終わります。
#196
○国務大臣(清水嘉与子君) 大変いい質問をしていただいたわけです。
 私も短い経験でございますけれども、先進国の皆様方、途上国の皆様方とお話をいたしまして、日本が非常に環境の面で期待されている、リーダーシップを発揮してほしいということを本当に期待されているということをつくづく思います。
 それに対してどうこたえるのか。地球温暖化の問題についても、これはきちんと対策を立てなきゃいけませんけれども、やはり日本が今までやってきた知識、技術、これはこれから途上国がやがて開発をしようとしているわけでございますから、そこに当然技術移転をしていく、あるいは教育していくというようなことを具体的に私たちにはできる力があるだろうというふうに思っております。
 企業の取り組みなんかも随分前向きでございますし、そういった日本がこれまでやってきたことについて、さらにこれからやろうとすることについて、どんどん地球規模でお役に立てることについてはやっていただく。日本がやってきた昔の失敗は絶対してもらいたくないということを肝に銘じているところでございます。
#197
○月原茂皓君 終わります。
#198
○島袋宗康君 防衛施設庁はいらっしゃいますか。
#199
○委員長(石渡清元君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#200
○委員長(石渡清元君) 速記を起こして。
#201
○島袋宗康君 沖縄県における環境問題の大部分は、米軍基地絡みの問題が非常に多くございます。本日は、その幾つかの問題についてお尋ねしたいというふうに思っております。
 まず最初は、米軍のキャンプ・ハンセン演習場における山火事の問題であります。
 そこでは過去数え切れないほどの山火事が発生しております。最近においても発生しておりますけれども、周辺の水源涵養林やあるいは森林の焼失といったものが実際起きております。いわゆる大規模な山火事が発生している、そういった問題がつい最近もございましたけれども、どうもその規模等について、県と防衛施設庁あるいは米軍が発表している焼失跡の面積が食い違っているというふうな状況がございます。これは非常に県民は大きな関心を持っているわけですから、正確に発表して食い違いのないようにしていただかないと、どうもその辺の対応がいまいち米軍の言うことをそのままというふうな感じで、実際に皆さん方が調査した結果に基づいて発表したのか。そういった点について、やはりもう少し慎重にそういった食い違いのない発表をしていただきたいというふうに思います。
 それから消火体制、それも非常にこの間の山火事については問題があるというふうな指摘がございます。そういった消火体制の問題についてももっと米軍にしっかりした要求をすべきじゃないかというふうに思いますけれども、面積それから消火体制、その辺についての各データを出していただきたいと思います。
#202
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 沖縄の米軍演習場に関係いたします山火事の問題でございますけれども、確かに山火事の発生につきまして周辺住民の皆様方に非常に大きな不安と申しますか御懸念を与えているのは事実でございまして、私どももその辺を踏まえて対応しなければいけないと思っているところでございます。
 御指摘の沖縄県でまとめているデータと私ども防衛施設庁との間に確かに相違といいますか、そごがございます。この点につきまして、県との情報交換の考え方が十分統一されていなかったということが大きな原因ではないかと思います。私ども那覇防衛施設局の方は、緊急を要するということで電話でやっていたところがございまして、この辺はさらにきちっと相互に確認されるようなシステムにしなければいけないというふうに確かに思います。この辺につきましては県ともよく相談いたしまして、私ども防衛施設庁として持っているものと県の方の認識等が一致するように、さらに県ともよく相談して努力してまいりたいというふうに思っております。
 それからまた、山火事の問題につきましては、基本的におっしゃいますように山火事が起こらないようにすることが一番重要でありまして、この点につきましては米軍の方にも常々注意を喚起するといいますか、訓練の方法につきましても、季節によっていろいろ山火事が起こりやすいところもあります。また、演習の内容とかその辺も工夫するように言っているところでございますけれども、いずれにしましても、山火事の未然防止ということで私どもまた米軍側ともよく話をして努力していきたいと思いますし、また万一起こった場合の消火活動ですとか関係方面との連絡ということにも万全を期してまいりたいというふうに思っております。
#203
○島袋宗康君 面積は。
#204
○政府参考人(大森敬治君) 面積の相違につきましても、とりあえず報告するということで、ややその後第二報、第三報といいますか、そういうところでの確認がとれなかったところによりまして結果的に面積の相違が出てきたところもあるんだと思います。この辺も相互において確認するといいますか、状況を正確に把握するように今後努力してまいりたいというふうに思っております。
#205
○島袋宗康君 今回燃えた面積は食い違っていますので、その面積を今皆さんはお手持ちじゃないんですか。正式の皆さん方のデータとして何ヘクタール燃えたのか、その辺を聞きたいんです。
#206
○政府参考人(大森敬治君) 失礼いたしました。
 今回の山火事の面積につきましてはちょっとデータを持っておりませんので、後ほどお知らせすることにさせていただきたいと思います。
 トータルの燃焼面積でしか現在持っていないわけでございますけれども、昭和四十七年から平成十一年までの山火事の面積につきましては二千九百五十五ヘクタールというふうになっております。
#207
○島袋宗康君 米軍としては、山火事が起きても消火体制が非常に不十分である。要するに一機のヘリコプターが周辺をぐるぐる回って消火しているというふうな状況で、何かしらわざわざ燃えさせているような感じがあるというふうな、付近の住民も非常にその点については批判しているわけです。その辺については、やっぱり消火体制というものをもっと充実してもらうように米軍に強く申し入れていただきたいというふうに思います。その辺については。
#208
○政府参考人(大森敬治君) 先般の山火事につきましては、米軍の消火体制、ヘリコプターが一機というふうなことで、確かに不十分といいますか十分でなかったように思います。
 この辺につきましては、さらに米軍にもよく申し入れまして、早期の消火ということに努力するように私どもも強く働きかけたいというふうに思います。
#209
○島袋宗康君 次に、米軍北部訓練場の半分ほどが返還されるということで合意されておりますけれども、その合意に基づいて海兵隊の七つのヘリパッドが新たにつくられる、つくって提供するというふうなことになっていると思いますけれども、その予定地に非常に貴重な動植物がすんでいる、生息しているというような状況から、学者グループの皆さんが非常にこれについて大きな懸念を持って反対しているという状況がございました。こういった自然破壊をするというふうなことで、ヘリパッドを新たにつくっていくというふうな姿勢そのものがどうしても我々は考えられないわけです、実際問題として。
 この七つの新たにつくるという場所、そしてこの進捗状況はどのようになっているか、お尋ねします。
#210
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 北部訓練場につきましては、先般日米での基本合意がありまして、今、先生御指摘のように七カ所のヘリパッドを移設するというふうな条件のもとに返還が合意されているものでございます。しかし、私どももその北部訓練場の所在いたします山原地区におきましては、貴重な自然環境を有しているということの認識を踏まえまして、まず北部の自然環境の保全にできる限り配慮していかなければならないというふうに思っております。
 現在、防衛施設庁におきまして自然環境調査を実施しているところでございまして、この自然環境の調査を終えましたところで、この結果につきまして関係の機関、環境庁ですとか沖縄県でありますとか、関係機関と十分調整の上、米軍の運用上の所要とそれから自然環境保護をどういうふうに調和していくのかということで考えてまいりたいと思っておるところでありまして、現在先ほど申し上げましたように防衛施設庁で環境調査を実施しているところでございます。
#211
○島袋宗康君 やはり絶対に貴重な自然を破壊することのないようにというふうなことが、私の最大限のきょうのもう精いっぱいの質問でありますけれども、今申し上げたようにやはり自然破壊というものが、非常に山原で貴重な動植物が失われる結果になりはしないかというような心配がございます。
 その辺について、防衛施設庁では独自で調査をされているというような今の御答弁でありますけれども、その問題について環境庁としてはどういうふうな考えを持っておられますか。
#212
○政府参考人(松本省藏君) ヘリパッドの移設候補地として言われております北部の訓練場は南東部でございますけれども、ここは亜熱帯性の自然が大変広がっておりまして、保有種あるいは希少種が生息する自然性の大変高い地域であるというふうに私どもも認識をいたしております。
 今、防衛施設庁の方からお話ありましたように、那覇防衛施設局が独自に自然環境調査を実施しておりますので、これらの豊かな自然環境が十分保全されるように、防衛施設局等関係当局において十分適切な配慮がなされるものと私ども考えております。
 環境庁としては、貴重な野生動植物の保存などの観点から、必要に応じ那覇防衛施設局などに対して助言、指導を今後行ってまいりたいと考えております。
#213
○島袋宗康君 以前、恩納通信所が返還されました。その返還地に多量のPCBが米軍によって放置されたというような大問題が起きたわけでありますけれども、そのPCBの現在の保管量と保管状況はどのようになっているか、そのことからお伺いします。
#214
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 旧恩納通信所の返還に伴いまして、PCB等の汚染物質を含みます汚泥の保管でございますけれども、現在那覇防衛施設局におきまして、関係法令に基づきまして航空自衛隊の恩納分屯基地の中に一時保管をしている状況でございます。
 このPCB等を含む汚泥の処理でございますけれども、現在PCB等の含有汚泥処理方法につきましては、いまだ技術的に確立していない状況だというふうに、これは私ども理解をしております。
 この保管中のPCBの処理につきましては、技術開発状況を見きわめる必要があろうかというふうに思っているところでございます。私どもは、その辺のことが明確になるまで関係法令に基づいて保管をしているわけではありますけれども、保管をしていくことになろうかと思います。また、最終的な処理につきましては、引き続き関係機関とよく鋭意調整をして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
 それで、現在保管をしております量でございますけれども、ドラム缶に約七百本ほどの量になりまして、これを先ほど申し上げました航空自衛隊の恩納分屯基地に保管しているということでございます。
#215
○島袋宗康君 PCBの処理についてはかなり私は技術が開発されているんじゃないかというふうに思うんですけれども、まだまだその辺まで至っていないんですか、そのPCBの処理の問題については。環境庁でもよろしゅうございます。
#216
○政府参考人(遠藤保雄君) お答え申し上げます。
 PCBの分解技術につきましては、いろいろ環境庁といたしましても関係業界等と論議してその開発に努めておりますけれども、依然まだ今後検討を要する課題が残っておるという段階でございますので、その点御了承を賜りたいと思います。
#217
○島袋宗康君 PCBがいつまでも分屯地に保管されるという事態がおかしいのであって、やはり早目に処理してもらうよう適切な処理をしていただくように要望しておきます。
 それから、騒音問題についてでありますけれども、騒音に対する環境基準はどういうふうなことになっているのか。環境庁、騒音問題について御説明願いたい。
#218
○政府参考人(廣瀬省君) 航空機騒音にかかわる環境基準についてでございますが、航空機騒音にかかわる環境基準というのが定められております。その単位についてでございますが、加重等価平均感覚騒音レベルという単位を用いておりまして、飛行機の騒音の特性をとらえるための単位でございます。この単位を使いまして、専ら住居の用に供される地域については七十以下、これ以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域については七十五以下ということで定められております。
#219
○島袋宗康君 それで、嘉手納基地周辺の米軍航空機による騒音の発生状況はどのようになっているのか、防衛施設庁、御説明願いたいと思います。
#220
○政府参考人(廣瀬省君) 嘉手納基地周辺地域における航空機騒音は、沖縄県による平成十年度の測定結果によりますと、環境基準を達成している測定地点は全体の二三%とはかばかしくなく、周辺住民の生活環境に大きな影響を及ぼしてきている環境問題の一つと認識しております。
 環境庁としては、今後とも防衛施設庁との連携を図って、環境基準の達成に向けて航空機騒音の一層の低減を図るよう努力いたします。
#221
○島袋宗康君 防衛施設庁としては、その騒音の対策についてはどのようにお考えですか。
#222
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 嘉手納飛行場周辺の騒音問題につきまして、私ども、周辺地域の皆様方に非常に大きな負担といいますか危険といいますか、そういうものを課しているというふうに思います。また、嘉手納の騒音に関係しましては、先般の一次訴訟での裁判の結論におきましても受忍限度を超えるというふうな判決がなされておりまして、私どもこの騒音問題への対応というものをさらに全力を挙げてやらなきゃいけないものというふうに思っております。
 騒音対策といたしましては、基本的には飛行機の運航といいますか運用上の工夫をしていくというふうなことだと思いますけれども、嘉手納飛行場の騒音問題に関しましては、いわゆる合同委員会で騒音防止協定というものが合意されておりまして、基本的には私どもこのいわゆる騒音防止協定に基づきまして、米側の方に地元状況を配慮した運航を、運用をお願いする。
 また、さらに私ども騒音の防止対策といたしまして、防音工事ですとか住宅防音ですとか、そういうものにさらに力を入れていきたいというふうに考えているところでございます。
#223
○島袋宗康君 この騒音の問題について、嘉手納飛行場周辺の住民五千人以上が原告となって第二次嘉手納騒音訴訟が、爆音訴訟が提起されることになっております。前回の裁判は確定し、国に対し総額十三億七千三百万円の支払いが命じられているところでございます。基地の訴訟では、住民の健康被害、生活妨害への賠償も求めていくというふうなことを言っております。県の健康影響調査では、騒音性難聴や低体重出生児など、重大な被害が爆音によって発生しているということが医学的に証明されております。
 このような重大な騒音公害に対して、国の対策は十分ではないというふうに言われております。環境庁及び防衛施設庁の御見解を承りたい。
#224
○政府参考人(大森敬治君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、嘉手納飛行場騒音に関連いたしまして訴訟が提起される見込みというふうな報道がなされていることを私ども承知しております。また、その規模もかなりの規模の方が提起されるというふうな見込みのようで、私どもも承知しております。
 先ほど申し上げましたように、第一次訴訟の判決におきましても、現在の航空機の騒音状況は受忍の限度を超えるものがあるというふうな裁判の認定でございまして、私どもこの司法の判決というものを厳しく認識して、さらにその施策に努力をしていかなければいけないというふうに思います。基本的には、先ほど申し上げました航空機の運用上の工夫をしていくというふうなことだと思います。私ども、さっき述べましたいわゆる騒音防止協定に基づきまして、米側の運航も地域の方々の要望に何とか沿ったような形での配慮というふうなものを求めてまいりたいと思っているところでありますし、またその周辺対策におきましてもさらなる防音工事の充実に努めてまいりたい。
 いずれにいたしましても、現在の状況におきましてさらにどのような対策が必要なのか。これにつきましては、周辺住民の方々、また関係市町村の方々の御意見といいますかお考えを十分伺わさせていただいた上で、私どもできることに最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っているところであります。
 それからまた、先ほど先生御質問の山火事関連の資料、私が先ほどお答えできなくて非常に失礼をいたしましたけれども、今年二月に起こりましたキャンプ・ハンセンでの山火事の面積でございますけれども、三十五ヘクタール、三十五万平米ということになっております。
 どうも失礼いたしました。
#225
○国務大臣(清水嘉与子君) 騒音の問題について、住民の皆様方が大変苦しんでいらっしゃるということをよく承りました。
 今後とも、環境庁といたしましても、防衛施設庁とよく連携をとりながら一層の努力をしてまいりたいというふうに思います。
#226
○島袋宗康君 もっと質問したいんですけれども、時間ですのでこれで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#227
○委員長(石渡清元君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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#228
○委員長(石渡清元君) 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。中山国務大臣。
#229
○国務大臣(中山正暉君) ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 国土調査は、国土の開発、利用等に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査することを目的として行われるものであり、その成果は、不動産登記行政の基礎資料として活用されるほか、公共事業の円滑な実施や土地利用計画の策定、災害の際の円滑な復興などに必要な基礎となるものであります。
 今日の土地政策の目標は、所有から利用へとの理念のもと、土地の有効利用による適正な土地利用の推進を図ることであり、これにこたえるためにも、その基礎となる国土調査の促進がぜひとも必要であります。
 このような国土調査の重要性にかんがみ、その計画的実施を促進するため、政府は、国土調査促進特別措置法に基づき、平成二年度を初年度とする十カ年計画を策定して事業を進めてまいりました。
 この計画は、平成十一年度をもって終了することとなっておりますが、なお、今後とも国土調査の計画的実施を促進する必要性がありますので、さらに新たな十カ年計画を策定する必要があります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、内閣総理大臣が新たに平成十二年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすることを内容とするものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。
 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この臨時措置法は、居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、水田の宅地化に資することを目的とするものであり、昭和四十六年の制定以来、過去六回の改正を経て、現在は平成十一年度まで適用期限が延長されております。
 これまで、この臨時措置法により、農協資金等を積極的に活用した農地所有者等による賃貸住宅の供給が行われてまいりましたが、三大都市圏など都市地域においては良質な賃貸住宅の供給の促進を図ることがなお大きな課題となっており、この臨時措置法は、今後とも住宅政策上重要な役割を有するものであることから、その適用期限を延長する必要があると考えております。
 以上がこの法律案を提案した理由でありますが、次にその要旨を御説明いたします。
 この法律案におきましては、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を六カ年延長し、原則として平成十八年三月三十一日までとすることといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この臨時措置法は、三大都市圏の特定の市の市街化区域に所在する農地について固定資産税の課税の適正化を図るに際し、これとあわせて、その宅地化を促進するために必要な事業の施行、資金に関する助成、租税の軽減等の措置を講ずることを目的として昭和四十八年に制定されたものであります。
 大都市地域においては、良質な住宅宅地が依然として不足し、職住近接のゆとりのある居住へのニーズも高まっております。こうした中で、住宅宅地の計画的な供給を図っていくためには、低未利用地の有効・高度利用等とあわせて、引き続き市街化区域農地の宅地化を促進していく必要があります。
 このような状況にかんがみ、特定市街化区域農地の宅地化の促進を図るため、この臨時措置法に基づく措置について、期限の延長等の改正を内容とする本法律案を提案した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 この法律案におきましては、土地区画整理事業の施行を市に要請できる期限及び住宅金融公庫の貸付金利の特例措置の適用期限をそれぞれ六カ年延長し、平成十八年三月三十一日までとする等の改正を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#230
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は来る二十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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