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2000/04/04 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第9号
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2000/04/04 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第9号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第9号
平成十二年四月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任   
     世耕 弘成君     坂野 重信君
     笹野 貞子君     岡崎トミ子君
     菅川 健二君     北澤 俊美君
 四月四日
    辞任         補欠選任   
     坂野 重信君     森下 博之君
     岡崎トミ子君     羽田雄一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                末広まきこ君
                森下 博之君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                羽田雄一郎君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                月原 茂皓君
                奥村 展三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
       建設省住宅局長  那珂  正君
   参考人
       住宅金融公庫総
       裁        望月 薫雄君
       住宅金融公庫理
       事        五十嵐健之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十一日、菅川健二君、笹野貞子君及び世耕弘成君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君、岡崎トミ子君及び坂野重信君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、沖縄開発庁総務局長玉城一夫君、大蔵省理財局長中川雅治君、建設省建設経済局長風岡典之君及び建設省住宅局長那珂正君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石渡清元君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、住宅金融公庫総裁望月薫雄君及び住宅金融公庫理事五十嵐健之君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(石渡清元君) 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○山下善彦君 おはようございます。自由民主党の山下善彦でございます。
 今般提出されております法案に関しまして、まず住宅政策の中での住宅金融公庫の位置づけと今後の役割について質問をさせていただきたいと思います。
 この問題につきましては私は全くの素人でございまして、素人的発想と申しますか、そういう中で住宅金融公庫が果たしてきた役割をまずおさらいさせていただきながら質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 住宅金融公庫は、持ち家取得政策を進める中核的役割を担って今日まで運営をしてこられたと思いますが、持ち家の中で住宅金融公庫の融資シェアというのは一体どのくらいあるのか、この点についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
#9
○参考人(五十嵐健之君) お答え申し上げます。
 建設省の住宅着工統計によりますと、平成七年度は五〇%、平成八年度五二%、九年度四三%、十年度四五%、十一年度はこの二月まででございますけれども四九%ということで、おおむね最近五年間では五割程度というところでございます。
#10
○山下善彦君 ありがとうございました。
 持ち家政策として住宅金融公庫は、融資条件として、これは当たり前のことでありますが建築基準法に違反してはならないということ、また床面積を定めたり防火性能や居住環境の基準を設けたりして、高度成長期に大都会に集中してきた勤労者に対して、良質で安全な、しかも都市計画との整合性もある持ち家整備の牽引力としての役割を果たしてきたと私は認識しております。
 本家であります住宅金融公庫としてはこの辺についていかが認識をされておるのか、総裁に伺いたいと思います。
#11
○参考人(望月薫雄君) ただいま先生お話しのように、私ども公庫は国民の持ち家支援ということで金融面でバックアップさせていただいているわけでございますが、昭和二十五年に公庫創設以来、平成十年度までで申しますと、おおむね千七百五十万戸余の住宅に対して御融資を申し上げてきております。
 ちなみに、この数字はその間におきます我が国の住宅建設のおおむね三割を超える数字でございまして、言うならば量的な面で大変な支援をさせていただいていますが、当然のように、単に量の確保というばかりでなくて、その間においては質の誘導、よりよい住宅をいかに実現するか、こういった観点からの取り組みを精力的にさせていただき、ありがたいことに、国民の中にも定着しつつ我が国の住宅の質向上に大変な寄与をしているんじゃないか、こんなふうに手前みそでございますが確信しているところでございます。
 この役割は、当然ながら今後とも変わらない基本線の一つでありまして、私どもとしては長期で固定の低金利で今後とも公庫の融資制度というものを堅持しながら頑張ってまいりたい、このように思っております。
#12
○山下善彦君 ありがとうございました。
 それこそ、住宅金融公庫にお金をお借りするときにいろんな条件がついてくるわけでございますが、その中で床面積の問題。
 今総裁から昭和二十五年に創設をされて頑張ってきたというお話をいただいたわけでございますが、この床面積は、恐らく、昭和二十五年には何平米だったけれども、ゆとりの問題だとかいろんな問題が出てきて、立ち上げのときからこの下限がだんだん上がってきたのではないかなと思いますが、最初は何平米ぐらいのところからスタートを切って今日どのくらいの平米数になっているのか、その点について伺いたいと思います。
#13
○参考人(五十嵐健之君) 今先生御指摘のとおりでございます。公庫の融資対象となります住宅の床面積の下限につきましては、居住水準の向上を目的とする国の住宅政策にのっとりまして、市場の供給実態等も考慮いたしまして順次見直しを行ってまいりました。
 昭和二十五年度公庫創設でございますが、当時は、通常の住宅、マイホームでございますが、マイホーム建築につきましては三十平米が下限でございました。順次、五十六年度にはそれを五十平米に引き上げ、六十一年度に六十平米、六十二年度に七十平米に上げまして、現在、平成八年度からでございますけれども八十平米ということになっております。マンション等の共同住宅につきましては五十平米以上ということでございます。
#14
○山下善彦君 平米数は、今御説明がありましたように、昭和二十五年から三倍近くのゆとりのある容量に変わってきたわけでございますが、こういう中で一つ心配になるのが、最近ではいろいろ欠陥住宅の問題が新聞等で見られるわけでございます。また、東海地震等に対応する耐震性の問題、これも大変重要な問題であると思うわけでございます。それと同時に、最近ではシックハウス問題というのが挙がってまいりましたが、これらについてどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
#15
○政府参考人(那珂正君) お答えいたします。
 ただいま先生から、住宅政策上の幾つかの最近の課題についてお尋ねがございました。
 まず、欠陥住宅問題でございます。
 欠陥住宅というのは、住宅そのものの物理的な問題というよりは国民の生活あるいは健康にまで重大な影響があるような問題でございまして、私どもとしても、その発生を防止するための施策を推進することが非常に重要だと認識しております。このような観点から、本年四月一日付で施行されました昨年の通常国会でお認めいただきました住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づきまして、住宅供給者の瑕疵担保責任を十年に強化するというようなことなどを行ったところでございます。
 また、住宅の耐震性の確保についてでございます。
 これにつきましても、一昨年の建築基準法の改正を受けまして、施工中の建築物の検査を行う、いわゆる中間検査を導入することとか、あるいは、建築確認検査の民間開放と言いまして、従来、地方公共団体だけで行ってきたものを民間の機関でもこういうことをできるようにするというような措置によりまして、全体として効率的な建築行政の執行体制を確保し、結果として検査体制の強化充実を図ろうとしているものでございまして、その徹底に努めているところでございます。
 それから、さらに化学物質等による健康への影響、いわゆるシックハウス問題についてもお尋ねがございました。
 これにつきましては、学識経験者や関連団体あるいは私ども建設省のほかに通産省や厚生省、林野庁など関係省庁から成る健康住宅研究会を設置いたしまして、化学物質による健康への影響を低減するためのいろんな方策について研究を重ねまして、昨年に住宅生産者向けの「設計・施工ガイドライン」あるいはユーザー向けの「ユーザーズ・マニュアル」を取りまとめて、その周知普及を図っているところでございます。
 さらに、具体的に健康被害といいますか影響に関する個別の相談体制を今関係団体とも協力して充実しているところでございますし、また、体的に住宅を生産し供給する企業の集まりであります関係団体の協力のもとに、健康に配慮した内装材の選定を実際の生産時にきちっとしてもらうというような自主的指針をまとめてもらいまして、これの普及を図っているところでございます。
 これらの新しい課題につきましても、今後とも適切に対処して実施していきたいと思っております。
#16
○山下善彦君 ありがとうございます。
 いただきました住宅宅地審議会の資料、この中で見させていただきますと、審議会では新たな政策の方向として、アフォーダブルな住宅が目標ということをこの中に掲げられておるわけでございますが、当然、住宅金融公庫融資の目標もここに置かれていることと思うわけでございます。
 このアフォーダブルな住宅、なかなか最近は英語を使うものですから、この表現の仕方、意図している人が思っているのと我々の受けとめ方が若干違ってくる点もございます。いずれにしても、建設省としてはこの用語を使ったアフォーダブルな住宅というものをどのように考えているのか、教えていただきたいと思います。
 また、床の面積等もある程度具体性を持って教えていただければありがたいと思います。
#17
○政府参考人(那珂正君) 住宅政策の基本としては、国民一人一人がまずその適正な負担のもとで多様な選択肢の中から自由な住まい方を選択できるかどうかということが一つの柱、基本でございます。もう一つは、その結果、適切な規模の良質な住宅を確保できるということが二つ目の基本だと思うわけでございます。
 建設省におきましては、このため、住宅ストックの質の向上を誘導すべき指針として、例えば三人世帯では都市型誘導居住水準七十五平方メートルなどの目標を定めまして、適正な負担でそういう住宅が確保できるようなそういうような政策をいろいろと実施しているわけでございます。
 具体的には、例えば税制ですとか住宅金融公庫を初め融資上の措置による良質な住宅取得の支援、あるいはまた、借家のことになりますが、定期借地借家制度の普及等によって取得、利用しやすい市場を活性化するというような措置を講じているところでございます。
#18
○山下善彦君 家の広さ、住まいの広さというものは、例えば大都市の場合、それから地方都市、中山間地とかそういう地域もあるわけでございますが、そういう地域ですべて同じ建物ではない、こういうふうに思うわけでございます。土地と建坪の関係も含めて、今申し上げているように大都市と地方とは違ってくる、そういうふうに思うわけでございますが、私はそういう意味で地域ごとにいろいろ幅があっていいんじゃないかと。
 昔から、田舎に建っている家というのは、一つの典型的な例で言えば、大きな門構えがあって、土地はもうただのようなものですから、住宅を建てる場合も近所の大工さんに頼んで安くやってよということで、象徴されるのはそんなような家でありますが、東京の銀座へ来て門構えを構えて今から家を建てるととてつもない金額になってしまう。
 そういう意味でも、これは一律的にそういうふうに考えることはないと思います。やっぱり北海道と沖縄とはまた違うでしょうし、いろんな地域で違うと思います。その辺の幅というものをいろいろ勘案して持った方がいいのではないかな、こう思いますが、この点について御意見を伺いたいと思います。
#19
○政府参考人(那珂正君) おっしゃるように、地域によって住まい、具体的には住宅とか住宅がある敷地の大きさは随分と差がございます。
 我が国の実態を専用住宅の、これは持ち家、借家すべてで全住宅の平均床面積で申し上げますと、平成十年時点でございますが、全国平均が住宅一戸あたり専用面積九十一平方メートルでありますが、三大都市圏ではこれはずっと下がって七十八平方メートル、一方その他の地域では百四平方メートルというように、三大都市圏とその他地域を比べましても相当数、五割以上の差があると思います。
 また、敷地面積につきましても、これは統計上一戸建てについて申し上げますが、全国平均が二百九十平米であるのに対して、三大都市圏ではずっと下がって二百二十六平米、その他の地域では三百三十四平米で三大都市圏の五割増しになっているというように、やはり地方圏の方がかなり広いという状況でございます。
 これは、もちろん大都市圏では借家あるいは共同住宅の割合が高いというようなこととか、先生御指摘のように、そもそも土地価格が高いというようなことが住宅あるいは住宅の敷地の広さに影響しているのだと思います。
#20
○山下善彦君 ありがとうございます。
 そういうように地域ごとにいろいろ異なってくるということでございますが、こうした点を考えて、住宅金融公庫の融資は全国一律だというような声も多くあるわけでございます。そんなことで地域性を十分勘案しているかどうかというと、甚だその点についてはクエスチョンマークがつくということでございます。その点について、どのように考えておられますか。
#21
○政府参考人(那珂正君) 御指摘のように、住宅金融公庫の融資は広く国民を対象とするということから、制度の基本としては全国を念頭に置いているものでございます。しかしながら、ただいま先生から御指摘がありましたように、住宅建設費とか土地の地価は地域ごとに異なっているものでございますので、具体の融資額の設定に当たっては、地域の実態を基礎にいたしまして一定の差を設けているところでございます。
 また、地域性を踏まえた住宅整備の促進という、より積極的な観点から申し上げれば、例えばデザインなどについて、地域に固有のものを地方公共団体が誘導しているというような裏づけがあれば、そういう住宅割り増しをする制度もございます。
 そういうようなものを含めて単価あるいは特別の地域政策割り増し等によりまして地域の特色を生かしながら融資制度の運用をしている、必ずしも全く画一的、全く一律というわけではないということを御理解賜りたいと思います。
#22
○山下善彦君 一〇〇%一律的ということじゃないんですね。
 実は、私の地元にもそういう今言ったあれがあるわけです。掛川市という城下町がありまして、お城の近くの商店街、住宅はいわゆる昔の白壁で土蔵が建っているような、そんなものを市が誘導しながら、もう大分昔の話になりますが、公庫へそんな話を恐らく持ってきたと思います。こういう町づくりをということで大分御苦労されたということも聞いておりますが、そういうのはもう本当に静岡県でも一カ所ぐらいであるわけでございます。やはり全体的にそんな考えを持って今後施策を進めていただきたい、こんな願いも込めまして質問をさせていただいたような次第でございますので、よろしくその点はお願いしたいと思います。
 そこで、先ほど住宅審議会の中で出てきたアフォーダブル、こういう視点に立ってみて、今回のこの法律の改正はどのような位置づけになるのでしょうか、教えていただきたいと思います。
#23
○政府参考人(那珂正君) アフォーダブルということでございますが、これは良好な居住環境を備えた住宅を負担可能なコストで取得できるというふうに理解いたしますと、今回の法改正、あるいはこれと連動して平成十二年度予算の内容でございますが、これらにつきましては、例えば新築住宅について、一定の耐久性の要件化とあわせた償還期間三十五年一本化というようなことによって毎月の返済負担額を軽減いたします。
 それから、ゆとり償還制度の廃止、八十歳完済時年齢の設定、さらには住宅債券制度、「つみたてくん」と言っておりますが、この住宅債券制度の充実による適切な頭金の確保の支援などによっていわゆるアフォーダブルな住宅取得を支援できると考えております。
#24
○山下善彦君 ありがとうございました。
 冒頭申し上げましたように、アフォーダブルだとかなんとか、英語が多過ぎてどうもわかりづらい、こんなことも、今お答えいただいておる中でもここで話が出ていたんですが、ぜひその辺はしっかり国民にわかりやすい言葉を使ってやっていただきたい、こんなことをちょっとつけ加えさせていただきます。
 今、住宅局長の方からもいろいろ御説明をいただいたんですが、そういうことも含めて、今後の日本の住宅政策をどういう方向に進ませようと考えておられるか、建設大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(中山正暉君) 先生に先ほどから大変適切な御指摘をいただいておりますが、私は大阪市内でございまして、三大都市圏の中でも個人の住宅面積が一番小さいのが大阪でございます。三十年前に私が国会に出たときには塀を引き回したような家がまだ市内にも残っていましたが、今はもうほとんど塀を引き回したような家はありません。
 私は、ある意味で今地方自治体が細分化され過ぎているんじゃないかと。
 大阪市を例にとりましたので申し上げますと、大正十三年に市域を拡張したまま、狭い狭い大阪府下に四十四の自治体がありまして、地下鉄は市域から外へ出ていかない、大阪府がやっているモノレールは入ってこない、交通体系も一体化していませんから、通勤に大変時間がかかったり、交通体系を一本化して使えない。
 都市政策上そういう地方自治体の広域行政化というのをやって、大阪市内の狭いところに土地を買おうと思ったらえらい高い値段になりますから、もっと市域を拡張する。神戸市なんか私はうらやましいと思うんです。神戸市なんかに行きますと、有馬温泉も神戸市内でございまして、そういうのを見ていますと、住宅政策というのは、狭い国土をもっとうんと活用する方式というのを、交通体系の問題とか通勤時間の問題とか、それから緑の地域をいかに組み入れるかとか。
 私は、二十一世紀の住宅政策というのは、住まいの広さが人の考えを決めるといいますから、地方で大きな家に育った方が勉強をして大都市に勤めたら、自分の生まれ育った家とは全く違う、家具を持ち込まなかったらまだいいんですが、家具を持ち込んだら横になって通らなきゃ廊下も通れないような住宅に住んで、それで奥さんをもらって子供が生まれて、たんすの上から物が落ちてきて子供の頭に当たったりすると、もうたちまち政府が恨まれるようになります。どこの政党が政権をとっても私はそういう心の配慮、アフォーダブルですからアフォーダブルがあほうにならないように、政策というのをもう少しスマートに地方自治体に語りかけて、中央政府も広域行政化というのをもっと地方自治体と相談すべきじゃないかと思います。
 とにかく、住宅政策の基本というのは、国民一人一人が適正な負担のもとで多様な選択肢の中から、多様な選択肢というのは今申し上げたような、地域をどう選択するか、住まいをどこに持つかということにかかると思いますが、自由に住まいを選択して、そして適切な規模の良質な住宅の確保が実現できるようにすること。このためには、大都市圏の賃貸住宅を中心に依然として大きく立ちおくれている我が国の住宅事情を勘案しまして、定期借家権の普及促進等による市場の活性化を通じた良質な賃貸住宅の供給促進、それから低所得世帯に対する公営住宅の適切な供給を行うこと。それからまた、税制とか融資上の措置なんかによりまして先ほどの地域の特性に応じた住まいをどうつくるかというような良質な持ち家の取得の推進を図ることが各政策を一層積極的に推進していくもとではないかという感じがしております。
 この国土は山ばかりで、八割方が山の狭いところに、三・六%の東京圏に全人口の二六%が住んでいる。こういう地域の再編成みたいなもの、適切な人口配置というのを大きな政策の中で考えていくことが住宅政策のもとではないか。家と庭と書いて家庭ですし、人があるじと書いて住まいですから、そういう意味で心の問題にどう配慮していくかということを政策の基本にするのが私は住宅問題に関する政治じゃないか、こう思っております。
#26
○山下善彦君 大臣から大変力強い御答弁をいただきまして、頑張ってやっていただきたいと思います。お願いいたします。
 次に、建築基準法や都市計画法との関係を伺いたいと思います。
 建築基準法に違反している建築であれば公庫の融資は当然受けられないわけでございますけれども、我が国の違反の多くは、建物の安全性そのものだけではなくて四メーター幅の道路への接道違反、こういうことをよく聞くわけでございます。
 道路が四メーターないからだめだよと、こういうことになるわけですが、この四メーターというのがどのような根拠なのかわからないわけです。なぜ三メートルではいけないのか、こういうことになるわけで、この四メーターなければいけないという基準は、恐らく消防自動車が火事になって入ってきたり救急車が人を運搬に来る、そういうときに道に入れないので困ってしまう、そんなようなところからどこかでこの四メーターという基準をつくったと思うんですが、絶対的な基準ではないと思うわけでございます。
 今言った、四メーターに接道していないから公庫の融資が残念ながらあなたは受けられませんよという話をよく公庫で決めていただくときに聞くわけです。建築基準法の規制との関係は確かにいろいろな難しい面があると思いますけれども、多少ここを流動的に考える必要があるんじゃないかと思いますが、この点についてはいかがですか。
#27
○政府参考人(那珂正君) 建築基準法は、建築物の敷地、構造、設備に関する最低の基準を定めて生命、財産の安全性を確保しているものでございます。
 一方、政策金融としての住宅金融公庫といたしましては、良質な住宅ストック形成という観点からは、少なくともその最低の基準たる建築基準法に適合していることが必要ではないかというふうに考えております。
 ただ、建築基準法自体も必ずしもしゃくし定規な制限ばかりではございません。例えば、今の御指摘の建築物のいわゆる四メートル道路への接道義務のことでございますが、これについては、建築基準法が適用されたときに既に住戸が建ち並んでいるというようなところを建てかえる場合等につきましては、全体が四メートル未満の道路であったとしても、当該敷地の前だけ中心線から二メートルセットバックしてもらえれば建築基準法上は適法でございます。
 また、接道すべき建築基準法上の道路、つまり四メートル以上ない通路というような場合でありましても、その建物の用途とか規模、あるいは本当の四メートル以上の道路への接続距離、こういうことについて一定の判断を特定行政庁がして安全だということを確認されたならば、許可の手続が必要でございますが、その特定行政庁の許可により建築が可能となる、適法になるというような規定になっております。
 そういうことでございますので、こういう建築基準法への適合という住宅金融公庫融資の条件としては、少なくともこの適合条件は満たしてもらいたい、こういうふうに思っております。
#28
○山下善彦君 ありがとうございました。
 建築基準法の集団規定、それと都市計画との関係での融資ですが、この点についてはどのように考えているのか伺いたいと思います。
 特に自治体では、例えば町づくり条例だとか市町村の第何期マスタープランだとか、そういうような制定があるわけでございますけれども、その辺の関連がどうなってくるのか、その点もあわせて伺いたいと思います。
#29
○政務次官(加藤卓二君) 建築基準法の集団規定及び都市計画とか市町村のマスタープランについては大臣から非常に丁寧に御説明があったので、公庫融資と町づくりの関係についてお答えしたいと思います。
 公庫融資においては、自治体が進める町づくりと連携を図っていくことは最も重要な課題であると認識しております。これまで自治体の町づくりに関連し、市街地再開発事業など、都市計画に基づく土地の高度利用を図る建築物や住宅マスタープランに基づき自治体が誘導する住宅などに対する貸し付けを実施しております。
 さらに、今回創設する都市居住再生融資制度は、都市計画や建築基準法に基づく協調建てかえなどに際して支援していくのが目的でつくられているものでございます。
#30
○山下善彦君 それでは、危険地帯の造成、急傾斜地の指定を受けている場所、また今国会に提出をされております土砂災害地区等ではどのようになっているのか、この点も伺いたいと思います。
#31
○政府参考人(那珂正君) 住宅金融公庫融資におきましては、地すべりあるいは急傾斜地崩壊等の一定の災害危険区域からの移転につきまして特例的な融資制度を設けているところでございます。
 具体的には、例えば地すべり等防止法に規定する関連事業計画に基づく家屋の移転及び除却、それから急傾斜地法に基づく家屋の移転、あるいは密集法に基づく建物の除却、こういうものにつきましては、その条件として返済期間全期間を通じまして基準金利を適用、あるいは三年間の据え置き期間の設定などの優遇措置を講ずることとしております。
 先生今御指摘の今国会に提出させていただいております土砂法につきましても、同様の措置を講じることとしております。
#32
○山下善彦君 ありがとうございます。
 そのようなことにも目を配っていただいて融資条件をつけていかないと、町づくりや都市計画、さらには景観面、災害対応も考えたことにはならないのではないか、こんなふうに思うわけですが、その点についての御意見はいかがですか。
#33
○政府参考人(那珂正君) おっしゃるとおりだと存じます。
 そこで、今ほど御説明申し上げましたいわゆる災害危険区域等からの移転について融資優遇をするということのほかに、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、地域の実情に応じて市町村がつくる住宅マスタープランにのっとった住宅のつくり方、例えば先生から今、景観の御指摘がありましたけれども、特にその地域によってこういう景観を大切にした住宅をつくろうということになれば、そういう景観をつくるために要する費用が普通の建築費より増嵩するならば、その部分について割り増し融資をしようとか、あるいは環境に配慮した高規格住宅の場合には二百万円の割り増しをしよう、こういった言ってみれば町づくり支援のための積極的な融資優遇というようなことを行っているところでございます。
 また、今般の公庫法の見直しにおきましては、特に居住環境の整備が必要な都市の中の密集市街地等において協調建てかえ、共同建てかえというようなことを促進するために、ただいま総括政務次官からお答え申し上げましたような都市居住再生融資というようなもので積極的に町づくりにこたえていこうというような考え方でございます。
#34
○山下善彦君 ありがとうございました。
 一番肝心なことは、都市政策としてはこれからは既存市街地の再生が中心となってくると思われますし、既に住宅の都市回帰が始まってきておると思います。そうなりますと、郊外の新興住宅地への融資というのは、ストックとしてふえておるけれども利用価値の少なくなるストックになるおそれもあるのではないか、こんなふうに考えるわけでございます。さらに、少子化が進む中でこれまでストックした狭い一戸建てやマンションが余ってくるのではないか、こんな見通しを述べる人もいるわけでございます。
 これまで公庫の融資は、基本的には勤労者向けの郊外の新興住宅造成に対しての融資ということを前提としてきたと思いますが、住宅の政策金融としてこのままでいいのか、この点について御所見を伺いたいと思います。
#35
○国務大臣(中山正暉君) 確かに高層化すれば都市の住宅政策、広いところに一般の勤労者の方々に住んでいただけるというのは、高層建築物というのはどうしても高くつきますから、先ほどから申し上げておりますような一般勤労大衆を中心街から遠距離に追い出してしまうような効果になっていると思います。その辺で、そういう意味での今後の政策金融としてのあり方というようなものはいろんなことを考えていかなきゃいけないと思います。
 今後、成長社会から成熟社会へ移行する中で、中心市街地の活性化などの都市の再構築が大切な課題となってくる。それから、住宅政策におきましても、住宅の建てかえや既存の住宅地の再生が重要な課題となってきて、広いもので良質でなければ回転をしていかない結果になります。もし良質な住宅でありましたら回転をして、定期借家権というような制度もできましたし、今回の住宅金融公庫法の問題にいたしましても、住宅市街地における共同建てかえなどを促進するための都市居住再生融資制度の創設とか、それからまた本格的な住宅ストックの形成に向けまして、耐久性の高い住宅の融資の重点化とか、マンション建てかえや修繕に向けた融資制度の充実、そういうような制度の見直しを図りながら、現在のところ、ニーズの変化を踏まえた適切な住宅政策金融の充実を図ってまいりたいというのが私どもの意図でございます。
#36
○山下善彦君 ありがとうございます。
 引き続いて、公庫の資金面について伺っていきたいと思います。
 政策金融として、住宅金融公庫は日本政策投資銀行とは別なものとされてきたわけでございます。ところが、その資金源である財投について今回も大きな改正が行われようとしているわけでございます。今回のこの改正では、どちらかというとそちらの面がどう見ても本質的なように思われるわけですが、冒頭申し上げましたように私も素人でございまして、なかなかそこら辺が理解できないわけでございます。
 そこで、きょうはこの委員会に大蔵政務次官に御無理を言って来ていただきましたけれども、資金運用部をこれで廃止して特別会計をつくっていくということでありますけれども、この辺がどのような内容になっていくのか、できるだけわかりやすく、詳しく教えていただきたいと思います。
#37
○政務次官(林芳正君) お答えを申し上げます。
 今度の改革は、法律的には平成十年の六月に成立いたしました中央省庁等改革基本法の二十条にその根拠規定がございまして、これに基づきまして財政投融資制度を今委員がおっしゃったように抜本的に改革をしていこうということでございます。
 この背景には、今までの財政投融資制度は、郵便貯金や年金で集めたお金を一回全部預託しまして、これを一回まとめたところに入れて、それからいろんな今おっしゃった政策投資銀行ですとか住宅金融公庫、こういうところへやっていくということで、全額預託ということでございました。
 そこで、巨額な資金が自動的にそこへ入っていくものですから、どうしても要る資金だけ集めるということでなくて、入ってくる方が膨らむ、それでどんどん出ていくということが指摘をされておりました。また、金利面でどうしてもきちっとして返さなきゃいけないものですから、必ずその目標に到達するようにしていかなければいけないという配慮をしなければいけなかったということがございました。
 また、政策コストの分析等余り将来的にわたってやっていなかったものですから、後年度にいろんな補助金等で穴埋めをしなければならないということが必ずしも最初に決めたときに明らかでなかった。これは将来の国民の負担になるわけでございますから、この辺の分析が余りきちっとなされていなかったのではないか、こういう御議論がありまして抜本的にこれを見直していこうということになったわけでございます。
 大きく分けまして三つほどございまして、一つ目は今委員がおっしゃったように、資金の調達面でこの資金運用部の預託義務を廃止しようと。
 そうなりますと、今度は財投機関に必要な資金をそれぞれの機関で市場の評価を受けながら集めてもらうということになるわけでございまして、市場の評価を受けることによって運営効率化への、これは英語でございますが、インセンティブが働く。また、その財投機関債の発行による調達を検討していただくわけでございますが、なかなか財投機関債だけで難しいところは、これは大変に重要な政策であるということをきちっと説明していただいた上で新しく、資金運用部特別会計と言っておりましたが、これを改めまして、財政融資資金特別会計というところがいわゆる財投債というものを出します。小さくなったそこから今度は融資を受けるということになっておるわけでございます。
 それから二つ目は、今申し上げましたように、財政投融資というのは公的なものでございますから、将来にわたってどれだけお金がかかるのだろうということをきちっと分析していただきます。もう一つは民業の補完で、民間でできることは全部民間でやってもらいまして、できないことをやるという趣旨を徹底していただくとともに、ちゃんとお金を返してもらわなきゃいけませんから、償還確実性ということを精査するということが二番目の改革でございます。
 そして三番目には、これとも関連いたしますけれども、資金を調達するところ、それから出ていく貸し付けの方、両方とも市場原理というものに調和していただく、マーケットを通していただくということですから当然ディスクロージャーをしていただきまして、例えば発生主義というものを今度はきちっと経理基準として取り入れていくというようなことを行いまして、財務をきちっと透明で明朗なものにしていただく、こういうことを改革の中身としてうたっておるわけでございます。
 なお、最初から一遍にがしゃっとやりますと、小さい池に大きな鯨が入るようなものだと、こうよく言われておりますが、そういうことがないように市場に対しては適切に経過措置を講ずることになっておるところでございます。
#38
○山下善彦君 丁寧にありがとうございました。
 この資金運用部の廃止というのは、第二の予算と言われました財投の合理化が目的であるというふうに思うわけでございますが、住宅金融公庫の資金に対してはどのように考えておられるのか、この点も続いて伺いたいと思います。
#39
○政務次官(林芳正君) 今申し上げましたように、大分財投の抜本的な改革をいたしますので、住宅金融公庫の資金についても、こうした考え方を踏まえましてまずは必要な資金を住宅金融公庫さん御自身で調達していただくということが第一の基本でございます。これによりまして、今申し上げましたように市場の評価を受けていただいて公庫の運営の効率化へインセンティブをきかせていただく、これが第一点、基本的な考え方でございます。
 そして、一方、今申し上げました政策コスト分析というものをやっていただいて、住宅金融というものが将来にわたってどれぐらい国民の負担をちょうだいいたしながらやっていくのかということを明確にしていきながら業務を見直していただくということでございますが、住宅金融というものは、やはり民間金融を補完する分野として今後とも基本的には政策融資という分野の中で必要であろうということを資金運用審議会懇談会でもお認めいただいているところでございます。
 ですから、今申し上げましたように、政策として民業補完として本当に必要な部分をきちっと詰めていただいて、その財投機関債で間に合わない部分について先ほど申し上げました財投債の方でも対応することが考えられるわけでございます。
#40
○山下善彦君 ありがとうございました。
 住宅金融公庫は住宅の政策金融として継続的に進められることとなっておりますが、このことの意義を建設大臣はどのように認識をされているのか、特に資金面について伺いたいと思います。
#41
○国務大臣(中山正暉君) 私は、これは卵が先か鶏が先かという議論になっていくと思うんです。要するに、景気回復のためには住宅政策というのは一番の根幹的な、住宅があれしますと、電気が売れる、テレビが売れる、カーテンが売れる、カーペットが売れる、ベッドが売れる、それが一番すそ野が広い。経済政策の根幹はやっぱり私は住宅だと思いますから、これに国民の蓄積を拝借するというのは私は大変ありがたい制度だと思いますし、これはまた重要な制度だと思います。
 特に私も、昔、十二年ほど前でございますが、郵政大臣をしておりますとき、昭和天皇様が御不快でございましたので余り遠いところへ行けない。全部回るわけにはいかない。どこへ行くかということで、そのすき間をねらいまして私は礼文、利尻へ行きました。七つの郵便局。二万四千七百の郵便局がありますが、明治十八年にできた逓信省あたりが、地域の裕福な方々に三等郵便局というのをつくって小さな資金を集めたのが今や二百六十兆。この四月一日から集中満期を迎えて百六兆が逃げていく、五十八兆ぐらいは戻ってくるんじゃないかと思いますが。そういう資金を大変うまく使っているのが日本のこの住宅金融公庫政策の根底にあると私は確信をいたしております。
 ですから、これが来年の一月六日から自治省と郵政省が一つになるわけで、その先行きがどうなるのかなと、行政改革の中で私もいろいろ想像はいたしておりますけれども。
 この住宅金融公庫の基本的な役割というのは、広く国民に対して長期、固定、それから低利の住宅資金を安定的に供給することが大切な問題であると考えております。先ほどから申し上げておりますようなことでございますので、このためには、公庫の資金調達は長期、固定、それから低利の政府からの借り入れが中心となることが重要なことであると。
 それから、財投改革の議論というのは基本的には私は是認したいと思うのでございますが、財投機関債の発行を図る一方で、住宅取得資金は個人にとって金額が大きく長期資金が必要となるにもかかわらず容易に調達ができないなどのことから、真に必要な場合に政府の有償資金の活用は基本的に、先ほど申しました是認されてしかるべきと、かように考えております。
 今後とも、政府借り入れを中心にしながら、今回の公庫法改正が目的といたしております政府保証債や資産担保証券の発行を組み合わせて適切な住宅政策の知恵を増してまいりたい、かように考えております。
#42
○山下善彦君 このたびの法改正には証券化という言葉が出ております。これが盛り込まれているわけでございますけれども、この証券化の内容について、どのようなものか具体的に御説明をいただきたいと思います。
#43
○政務次官(岸田文雄君) 証券化の内容につきまして御質問をいただきました。
 今回の法改正におきましては、昨今の繰り上げ償還の増加等の状況を勘案しまして、適切なALM、資産と負債の管理、こういったことを行わなければいけない、そのために資金の調達手段を多様化するという目的、さらに先ほど林大蔵政務次官からもお話がございました財投改革、そういった大きな改革の一端という意味合いも含めまして資産担保証券の発行、つまり公庫の住宅ローン債権の証券化を行うこととしているところでございます。
 その具体的な内容でありますが、住宅ローン債権について、投資家を受益者として信託会社等に信託をいたしまして、この信託の受益権を担保として公庫が公庫債、資産担保証券というものを発行するということになっております。そして、これにつきまして、住宅ローンの利用者からの住宅ローンの元利払いに応じまして公庫が投資家に元利払いを行う、こういう仕組みになっております。
 ちなみに、平成十二年度は約五百億円の発行を予定しております。そして、参考までに申し上げますと、同じような目的から政府保証債六千億の発行もあわせて予定しているということになっております。
#44
○山下善彦君 平成十二年度の発行量が五百億ですか。
#45
○政務次官(岸田文雄君) そうです。
#46
○山下善彦君 大変な金額になるわけですけれども、この発行に対して債券市場への影響はどの程度になると考えておられるのか、その辺を伺いたいと思いますし、また引受手は機関投資家になるんですか、その辺も伺いたいと思います。
#47
○政府参考人(那珂正君) 十二年度予算におきまして予定しております資産担保証券については、今政務次官から御答弁したとおり五百億円の規模を予定しているわけでございますが、これは我が国の公社債発行市場が約七十兆円であることを考えますと、債券市場全体への影響はほとんどないのではないかと考えております。
 ただ、我が国におきましては、まだこうした住宅ローン債権の証券化という例は余り多くありませんので、当面その引受手は、生命保険会社などの繰り上げ償還リスクなどにも十分リスク管理ができる能力がある機関投資家に引き受けてもらえるものと考えております。
#48
○山下善彦君 公庫としては、今後できるだけ資金コストの低い資金を確保していく必要があると思いますけれども、最後に住宅金融公庫の資金面についてどのような展望を持っておられるのかを建設大臣に伺って、質問を終わりたいと思います。
#49
○国務大臣(中山正暉君) 今後の公庫の資金面の展望でございますが、長期、固定、それから低利の住宅ローンを安定的に供給するためには、財投機関債の発行を図りつつ、今後とも公庫の資金調達は、長期、固定、低利の政府からの借り入れが中心になることが必要だと私は思っております。
 今般、繰り上げ償還等によりまして資金調達とローンによる運用の期間のミスマッチに対応するために、財投改革の趣旨も踏まえまして、政府保証債の発行及び貸付債権の証券化、いわゆる資産担保証券の発行ということでございますが、これを行いたいとしておるところでございまして、それぞれの資金調達手法の特徴を生かしつつ、引き続き長期、固定の住宅ローンを安定的にかつ低コストで供給できるように努めてまいって、良質の住宅を志向していらっしゃる一般庶民の皆様方、民衆の皆様方、勤労大衆の皆様方に希望のある家族設計をしていただけたらと、かように考えております。
#50
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 まず冒頭に、大臣、北海道の有珠山の噴火等でいろいろ即座の対応、本当に御苦労さまでございました。これからも万全の体制をぜひとっていただきたい。
 それと同時に、ちょうど四月のスタートで、被災地の皆さんのところにいる子供さんを見ていると何ともいたたまれない。やっと今度一年生になるとか、新たに中学に入学するとか、そんなことを思うと、やっぱり子供さんたちの噴火による一つの衝撃というか、ある意味では失望というか、そんなことにぜひ勇気づけるためにも、他閣僚も、自信を持ってまた一生懸命頑張るような話でもしていただければ幸いかなと。万全の対策をまず冒頭お願いいたします。
 昨年からこの国土・環境委員会の中で私は一番審議をしているのはこの住宅政策であろうなと、そんなふうに思うんです。その中でも、昨年、住宅の品質にかかわる施策、そしてまた借地借家法、さらにまた公団法、農住法、それぞれ審議をしているわけでありますけれども、時々我々が耳にするのに不良住宅の話があります。
 そこで、私は先般も建築基準法の質問をさせていただきました。先ほど山下議員からも建築基準法のお話がありましたけれども、私はやっぱり建築基準法というのはある意味では住宅法の中の憲法であるかなと。あの条項を読んでみると、最低の基準という話になっているんです。しかしながら、これらのさまざまな良質な住宅を供給しなければいけないというような時世の中で最低の基準なんというのはとても私は考えられない。
 そういうふうな中で、私は、建築基準法の中で今日までさまざまな良質な住宅を提供するというような法案をつくってきているわけでありますから、その建築基準法、そのようなところとどういうふうに整合させていくのか、この辺についてまず一つただしたいと思います。
 さらにまた、今後の一つの住宅政策の中で、私は、持ち家それから分譲、これを中心に建設省としては進めていくのか、また賃貸、こういうふうなことで住宅政策を進めていくのか、建築基準法といわゆる住宅対策、賃貸なのか、分譲なのか持ち家なのか、この辺の基本的な考え方をまずお尋ねしたいと思います。
#51
○政府参考人(那珂正君) まず、建築基準法の基準と住宅金融公庫等誘導基準といいますか、この関係でございます。
 建築基準法は、御案内のとおり、国民の生命、財産保護という観点から、すべての建築物が絶対守っていただくべき安全衛生にかかわる最低の基準を定めまして無保証で守っていただく、こういう形をとっております。
 一方、今回お願いしてございます住宅金融公庫法につきましては、基本的に金融機関でございますので、債権保全という観点がございます。この債権保全の観点と良質な住宅ストックの形成という両方の観点から個々の融資対象住宅について一定の基準を設けているところでございます。
 今回、さらにこの考え方を徹底するために、住宅の基準の根拠規定でございます第十八条の二というものを追加させていただきまして、融資住宅に必要な安全性、良好な居住性及び耐久性に関する根拠規定を置かせていただいたわけでございます。
 具体的には、例えば住宅の断熱構造だとか耐久性に係ることですが、柱の寸法、こういうようなことを具体的な基準として定めておりますし、また公庫融資対象住宅としては少なくとも、例えば居室は二つ以上とか、トイレは専用のトイレを確保するとか、こういうような基準を定めているところでございます。
 なお、これらにつきましては建築基準法においては特段の定めがございません。
#52
○佐藤雄平君 良質な住宅、それはもう本当にいいことなんですけれども、良質な住宅良質な住宅と言うと、今までの建築基準法に基づいてつくってきた住宅が何か良質でないような錯覚に陥る。
 本当に、不良住宅、欠陥住宅が昨年来これだけ議論している中でもまだ出ているわけですから、根本的に建築基準法の中に、まあ建築基準法というのはある意味では必要条件である、さらにまた良質な住宅というのは十分条件である、そんなふうな一つの位置づけをしないと、確かにその融資の中での今度の良質なという意味合いからは十分理解はできるんですけれども、それでもなおかつ私はやっぱり欠陥住宅的な話がこれからも出てくるのではないのかな、そんなふうに思うところであります。
 建築基準法の施行について、もう少しチェックというか、厳しくこれは遂行していただきたい。その件についての所見をお伺いしたい。
#53
○政府参考人(那珂正君) 先生おっしゃるように、建築基準法はいわば必要条件で、この住宅金融公庫法が良質住宅のための十分条件、こういうような整理をしていただきましたけれども、全くそういう見方が妥当だと私どもも思います。
 必要条件たる建築基準法の実効性の確保ということにつきましては昨年、一昨年もいろいろと御議論いただきまして、私どもも、先ほどちょっと山下先生の御質疑にお答えいたしましたけれども、やはり一定の基準を決めたならばこれが的確に実行されるようにすることが必要だと思います。
 そういう意味で、例えば中間検査の導入ということをお決めいただいたわけでございますが、その執行に当たって、昨年六月施行されて以来、特定行政庁におきまして中間検査の体制を順次準備を進めまして施行に入っているところも相当出てきておりますし、また、一般的な検査の実効性を上げるために、従来、公共団体だけにお願いしていた確認検査業務を広く、一定の技術水準のあるところならば民間機関でもやってもらおうということで、民間機関の指定も国及び各県において順次進めているところでございます。
 そういうこと、いろいろ万般あわせて、やはりそういう執行体制の充実ということにこれからも努めていきたい、こう思っております。
 また、先ほどちょっとお答え漏れがございました。賃貸か分譲かというようなお尋ねでございます。
 住宅政策の基本というものは、やはり国民一人一人がそれぞれのニーズ、それぞれの家族構成とかいろんな状況に応じてなるべく適正な市場から自由に選択して一定の水準を確保できるということに尽きるわけですが、従来、実態として我が国の賃貸住宅の水準が非常に悪い、こういうことから、この数年は正直申し上げまして賃貸住宅の居住水準の向上ということに私どもとしては相当力を入れてきておるつもりでございます。
 だからといって、では、分譲といいますか持ち家はもういいのかということではなくて、あえて賃分分けるならば両々相まってと、こうお答えすべきだと思いますが、どちらかということではない、こういうふうに思っております。
#54
○佐藤雄平君 住宅政策のこのところの中心というのはやっぱり賃貸ということを中心にそれぞれ議論しているのかなと、そんなふうに思っておるところであります。
 さて、今度のいわゆる公庫法の改正の中で耐久性を要件化するという大前提になっているわけであります。この中で換気、防腐・防蟻、柱等のさまざまなところで良質なものをつくっていこうというわけでありますが、これはもう当然のことながらコスト的にも高くなると思うんです。それは、将来の流動化からすれば売れる住宅になるのかなと思いますけれども、それと同時にコスト高になる。
 それについて、公庫法の改正の中で、割高になる分についての例えば融資を増額するとか、それからまた別な恩典があるとか、そんなことを考えていらっしゃるかどうか、お伺いしたいと思います。
#55
○政務次官(加藤卓二君) 耐久性の要件化と循環社会の形成に対する公庫融資についてのお尋ねだと思います。
 要件化させる耐久性の基準については、現在、金利や融資額の優遇を行っている耐久性木造住宅と同様の水準を予定しておりますが、この水準の木造住宅の普及率はもう既に八割を超えておりますし、木造住宅の一般的な水準になっております。特に建て売り住宅の粗悪なものをなくしながら耐久性を持たせるという形でぜひひとつコスト減を図っていきたい、こう思っております。
 これに伴う費用の増加は百万円から百五十万円程度を考えておりますが、耐久性の要件化にあわせて公庫融資の基準融資額を増額し、償還期間を三十五年に延ばすということで、それは月額に換算すると消費者にとっては十二分にプラスになると思っております。
#56
○佐藤雄平君 続いて、今各省庁とも環境問題、資源問題に取り組んでいるわけであります。その中で、建設省も今度お出しになる循環型社会、いわゆるリサイクル等についてでありますけれども、そういうふうな見地が公庫法の中でございましたら御所見をお伺いしたいと思います。
#57
○政務次官(加藤卓二君) 循環型というのは、もう本当にこれは避けて通れない大事な問題だと思いますが、これに関しても、公庫融資は限りある資源を有効に活用しようという観点から耐久性の高い住宅の普及を図っております。
 リサイクル材使用に係る割り増し融資制度の創設、これは二百万円程度を考えております。分別解体に対応した除却工事分の融資額というもの、これは、建てかえするときに分別解体された場合には平成十二年度予算から百万円を百五十万円にしようということによって循環社会の形成に対応した良質な住宅ストックの形成の促進に努めてまいりたいと思います。耐久年限が延びるということで循環社会にも十二分にたえられるものだと、こう思っております。
#58
○佐藤雄平君 次に、マンションの修繕積立金についてのいわゆる住宅公庫での受け入れ制度。
 ちょうど私もマンションに住んでおりまして、三年前ですか、雨漏りがして本当に困って、それで管理組合の管理費でやったらもうほとんどなくて、結果的にはまた改めて集めた、それで修繕したということになったわけでありますけれども、そういうふうな意味合いからすると、今度の公庫でこれを受け入れてくれるというのは管理組合にとっても本当にありがたいことであろうと思います。
 その中で、一定の維持管理基準を満たしたものということになっているわけでありますけれども、この一定の維持管理基準というのはどのようなことでございますか、お伺いしたいと思います。
#59
○政府参考人(那珂正君) マンション修繕積立金を公庫が受け入れる場合の基準でございますが、修繕積立金が戸当たり平均月額がそのマンションの築年数に応じた一定金額以上と。例えば、経過年数五年未満の場合は六千円以上とか、あるいは十年以上十七年までは九千円以上とか、そういうことを考えておりますし、また屋根防水とか外壁補修工事が築二十年以内に実施されていることなどを予定しているところでございます。
#60
○佐藤雄平君 次に、その頭金の確保の話であります。
 住宅ローンについては、公庫も民間もそれぞれやっているわけであります。いろいろ資料等を見させていただくと、民間の方が多少多く、また次に公庫の方で対応していると。基本的には、その法の成案ができたときには、民間のできないことを住宅金融公庫がおやりになるということになっております。その中で、やっぱり民間の金融機関とこの公庫の関係というものがうんと大事になってくるのかなと。
 この頭金の積み立て等について、今度は地域的にも拡大していくということであります。
 私は、大都市圏は別としても、地方にどんどんそれが拡大していったときに、地方の信用金庫、信用組合、これもまた住宅ローン等でお貸しになっているわけですから、片方に偏重しちゃうんじゃないか、そんな危惧さえ感じるところがあります。
 もう一つは、頭金の積み立て等を施行するについて地域の中で金融機関との連携関係をどのように保っていくか。それからさらに、また次の時代、これはいろいろこの後質問をさせていただきますけれども、財投についてのそれぞれの自主運用について、公庫の方も基本的に自己調達という中で行かなきゃいけない制度がこれから進められるわけでありますけれども、そのときに至っての公庫と他の金融機関との関係、この点についてお伺いしたいと思います。
#61
○政務次官(岸田文雄君) 住宅宅地債券の全国拡大によります民業の圧迫の問題、さらに公庫融資全般につきまして官民協調について御質問をいただいたわけですが、まず住宅宅地債券ですが、計画的な住宅資金の積み立ての受け入れと融資面での優遇、この二つを一つの主体が組み合わせて行うという制度、住宅債券制度、「つみたてくん」という制度ですが、こうした仕組みの制度は民間金融機関には存在しないというふうに認識しております。
 加えまして、金融商品という面を見ましても、まずは市場の金融商品よりも利回りが低いということ、発行金額は予算上制約されているということ、それから積立期間、回数、金額はあらかじめ決められているということ、こういったことを考えますときに、民間と競合するというような問題までは生じないというふうに考えております。これが「つみたてくん」に関する認識であります。
 一方、もう一つの公庫業務全般についての御質問についてでありますが、これまで公庫業務につきましては、特殊法人の整理合理化等の議論を踏まえまして、政策誘導機能を強化するとともに、特別割り増し融資について段階的に縮減するというようなことを行いまして、民業補完の徹底を図る取り組みを行ってきたところであります。
 特別割り増し融資につきましても、平成六年度一千二百万だったものが、平成七年度には一千万、平成九年度には八百万と段階的に縮減を行ってきたところであります。ところが、現下の厳しい経済状況の中で、景気対策の観点から、特別割り増し融資につきましては、同じ平成九年度途中から逆に一千万に戻すというような増額措置を講じているところでありますが、これにつきましても、平成十二年度までの措置というふうに考えておりまして、その後は経済状況等を見きわめつつ段階的に縮減を検討していくという所存でございます。
 こういった方策、考え方によりまして、民業圧迫にならないよう、民業補完に徹するよう心がけていく所存でございます。
#62
○佐藤雄平君 政務次官、その頭金の「つみたてくん」がないから、それが全国に今度拡大していくときに、それぞれの地方の信用金庫とか信用組合が対等に競争できなくなっちゃうんです、頭金の積立金制度がないから。だから、そこで地元の金融機関、地域の金融機関の今までのローンがみんな住宅金融公庫に行ってしまうなんというようなことがないように、提携してというか、地域の金融も考えて施行していただきたいというお願いであるわけです。
#63
○政務次官(岸田文雄君) 先生の御指摘、ごもっともだと思います。
 要は、住宅宅地債券というものは一つの政策目的を持っているわけですから、この目的を果たす中で弊害が生じないように配慮しなければいけない、それは十分感じるところでございます。
#64
○佐藤雄平君 ちょっと時間が迫ってきておりまして、大蔵省に移らせていただきます。
 今度、財投改革、今法案として出しているわけですね、郵便にしても年金にしても自主運用ということで。しかしながら、今日まで財投というのは第二の予算と言われて、これに期待する度合いというのは大変多かったと思うんです。私自身は、その財投改革を何でするのかなと思うぐらいの気持ちなんですけれども、この財投を当てにしている公社、公団が相当あると思うんです、もちろん住宅金融公庫もそうだったわけでありますけれども。
 これが、今度自主運用になった際に、要するに資金の調達が仮にできないというような公社、公団が出たときに大蔵省としてはどのような対応をしていくのか、御所見をお伺いしたい。
#65
○政府参考人(中川雅治君) 今回法案を提出させていただいております財政投融資制度の改革におきましては、郵便貯金、年金積立金の全額預託義務を廃止することといたしまして、改革後の資金調達につきましては、まず各機関において必要な資金を自己調達することを検討していただく、財投機関債の発行に向けて努力していただくこととしているわけでございます。これにより、各機関が市場の評価を受けることを通じて運営効率化へのインセンティブが働くというように考えられるわけでございます。
 他方、財投機関債による資金調達では必要な資金需要を満たすことが困難な重要施策実施機関あるいは超長期資金を必要とする事業等につきましては、新しい特別会計が発行する国債、いわゆる財投債と通称呼ばれているものでございますが、この財投債によって調達した資金の貸し付けを受ける方式を認めることといたしております。
 今先生御指摘になられましたように、自己調達する資金だけでは十分に必要な資金を賄えない機関におきましては、当該事業が真に政策的に必要なものかどうか、これを政策コスト分析などを活用して御判断いただきまして、真に必要な事業であるということでございますれば、今申し上げました財投債という新しい特別会計の発行する国債によって調達した資金の貸し付けをいたす、こういうことでございます。
#66
○佐藤雄平君 財投債はわかるんですけれども、今の一つの金融市場の中で財投債をお願いするというふうなことになると、国債と一緒になってしまうんじゃないかなと思うんです。ある意味では金融市場が混乱しちゃうのかなと。
 この辺については、これは国債、これは財投債という明確な中でその金融市場に入れていくわけですか。
#67
○政府参考人(中川雅治君) 財投債と申しますのは、これは新しく設けます財政融資資金特別会計が発行する国債でございます。
 この財投債と一般の赤字国債、建設国債とはまず償還財源が違う。一般の国債は将来の租税によって償還していくわけでございますけれども、財投債は見合いの融資によって回収された資金で償還をしていくということでございます。したがいまして、例えば国連のSNA統計におきましても財投債は一般政府の長期債務残高にはカウントされないといったような統計上の扱いも違いますし、またいろいろな財政面での制度の仕組みも一般の国債とははっきり区別して扱うということにいたしております。
 ただ、マーケットから見ますと、財投債も一般の国債も債務者は日本国政府ということで全く同じものでございます。したがいまして、これは一体発行をさせていただくということにいたしております。
 これは、財投債と一般の国債とが別々の市場ということになりますと、例えばそれに伴って必要となるいろいろなインフラ、先物市場とか日銀のネットとかがみんな別々になる、大変日本の債券市場が非効率になる。マーケット関係者からずっとヒアリングを続けましたけれども、発行、流通は一体にしてほしいというのがほとんどの方の意見でございました。また、諸外国におきましても財投債と一般の国債というものは一体発行いたしておりますし、地方債におきましても既に公募地方債の場合に普通会計債と企業会計債、これは会計は別々ですけれども、一体発行しているといったようなことを考えまして、これは一体で発行すると。
 したがいまして、財投債と申しましても当然マーケットのキャパシティーの制約を受けるわけでございますので、これはそんなにたくさん発行できるものではございませんので、本当に必要な事業に限っていただくというふうにマインドを変えていただく必要がある。また、発行に当たりましても、市場のニーズやいろいろなマーケット関係者の意見に沿った形で発行をいたしまして市場に影響を与えないようにしたい。必要な経過措置につきましては、郵政省、厚生省とも十分に相談をしながら円滑な発行に努めてまいりたいというふうに考えております。
#68
○佐藤雄平君 ある意味で私は市場が混乱しちゃうんじゃないかなと思うんです。財投機関債と財投債と国債、もう一緒に入っちゃうわけですよね、金融市場には。このときの金利はずっと一緒、同じレートになるわけですか。
#69
○政府参考人(中川雅治君) まず、財投債と一般の国債とは一体発行でございますから、これは全く金利は同じになります。
 財投機関債というのは、個々の特殊法人が市場の評価を受けながら発行をいたすものでございますので、それぞれの法人のマーケットの評価によりまして金利が変わってくるものと考えております。
#70
○佐藤雄平君 では、最後に大臣に一つお伺いをさせていただきます。
 住宅金融公庫、通常十兆円以上の財政投融資である意味では運営してきた。これが、財投改革によって平成十三年四月一日からこれが当てにできなくて自己資金を集めてそれで運営して、場合によっては政府からの借り入れをしながら運営していかなきゃいけない。行財政改革、そしてまた住宅金融公庫独自の自立心という前提の中でこういうふうなさまざまな法案が今出ていると思います。
 しかしながら、先ほどから、住宅政策はある意味では建設省の重点的な施策になっているのかな、それがまた経済対策にも、その結果よしというふうなことになれば大変な相乗効果を生んでいく、そんなことを考える中で、十三年からはある意味ではうんと大変な試練を迎えているのかなと思いますけれども、建設省としてのこれからの住宅対策の考え方、そしてまた住宅金融公庫が何をこれからなすべきなのか、このことについての御所見を伺って、質問を終わります。
#71
○国務大臣(中山正暉君) お答え申し上げるに先立ちまして、先ほどは有珠山の噴火問題の非常災害対策本部設置に関しましてのお話をいただきましたことを心から感謝いたしておりますし、委員各位、理事各位におかれましても、先ほど国土庁の防災局長からの事情説明を御聴取いただきましたことにも感謝を申し上げます。
 先般、現地にもすぐ行ってまいりました。予兆がございましたので万全の対策を期しておりますが、あそこはアルカリ性のマグマだそうでございますので、大変粘り気があって、今吹き上げておりますのは水蒸気でございますから、まだ熱を持っておりませんので噴火口のすぐそばにある家も燃えておりませんし、枯れ木もたくさんありますのにこれに火がついておりませんが、溶岩ドームがあと二、三日すると爆発するのではないかという岡田先生あたりの予測もあるわけでございますので、万全を期して今後とも対策を立ててまいりたい、お見守りをいただき、万遺漏なきを期すべく対策本部としても万全を期したいとここにお誓いをいたしておきます。
 それから、いろいろ御質問をいただきましてありがとうございました。
 新しいミレニアムにこれからの日本の住宅政策をどうするかということと行財政改革の問題。
 財政改革は三年ばかり停滞をするわけでございますが、これからの日本の住宅政策の中にどういう新しい基盤組織をつくり上げるかという重要な法案の改正に際しまして、長期、固定それから低利の住宅ローンを安定的に供給することが、先ほども御質問がありました山下先生にもお答え申し上げましたが、財投機関債の発行を図りつつ、今後とも公庫の資金調達は長期、固定それから低利の政府からの借り入れが中心となるものと考えておりまして、財投債の発行というものを私どもは上質の住宅を供給するための基本的な対策と考えております。
 繰り上げ償還等によりまして資金調達とローンによる運用の期間ミスマッチに対応するために、財投改革の趣旨も踏まえまして政府保証債の発行及び貸付債権の証券化を行うこととしているところでございまして、それぞれ資金調達手法の特徴を生かしつつ、引き続き長期、固定の住宅ローンを安定的にかつ低コストで供給できるように住宅金融公庫の皆さん方にも御検討をお願いしたいと、私も所管の国務大臣として期待をいたしておるところでございます。
 どうぞ今後ともよろしくお願いを申し上げます。
#72
○福山哲郎君 佐藤委員に引き続きまして福山でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 まずは冒頭、佐藤委員も言われましたけれども、有珠山の火山活動に関しまして、国土庁長官並びに国土庁におかれましては大変迅速な対応をしていただきまして、おかげさまでけが人も負傷者もないような状況でございまして、大変感謝をいたしております。今後も引き続きまして万全の対策を期していただきますように、まずは心よりお願い申し上げます。
 今回、この住宅金融公庫法の改正ということでございまして、住宅金融公庫がこれまで住宅政策に大きな役割を果たしてきたのは大変評価に値する。日本の住宅事情が悪いということをずっと言われ続けてきたわけですが、悪いと言われている住宅事情をよりよくするためにも金融公庫がいろんな面で役割を果たしてきた。しかし、別の方面で見ますと、土地神話や持ち家奨励という別の意味の役割も果たしてきたというふうに考えております。
 後で質問させていただきますが、今、土地が下落したり賃金がカットされたり失業が起こったりというような状況の中で、やはり住宅政策も、今回の改正に見られるように、少し曲がり角というか、転換点を迎えているような気がしております。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 ましてや、先国会では良質な賃貸住宅の供給促進法が可決されて、賃貸住宅とのバランス等も建設省がお考えをいただいているところだというふうに思いますけれども、先ほど山下委員も聞かれましたが、これまでの住宅金融公庫の存在意義と将来に向けて建設大臣がお考えになります公庫の今後の役割について、これまでとは違った役割も出てくるかと存じますが、ぜひ、まずはその点についてお答えをいただきたいと思います。
#73
○国務大臣(中山正暉君) 福山先生にも有珠山のことで大変御配慮をいただく御発言をいただきましたことを、対策本部一同に成りかわりましてお礼を申し上げたいと思います。
 今の先生の御質問でございますが、住宅金融公庫の基本的な役割というのは、広く国民に対して長期で固定的で低利の住宅資金を安定的に供給するとともに、その融資を通じて住宅の質や居住水準を向上すること、それから我が国の住宅事情、ウサギ小屋とかなんとか外国から批判を受けたこともございますが、大都市圏を中心にした狭小な借家、それから高度成長期に形成された劣悪な住宅ストック、そういうものの存在を解決すべく、課題が多いところでございます。
 少子高齢化の進展に伴いまして、特に子供を産んでいただけるような環境の基本は住宅だと思いますから、それの進展、また省エネルギーそれから省資源型社会への移行、それから良質の住宅をいかにストックするかという、そのストックの形成に当たって新たな政策課題にも直面していかなければならないと決意を固めております。
 今回の公庫法の改正では、こうした政策課題を踏まえまして、一つには、新築住宅について一定の耐久性を要件化することとあわせて償還期間を三十五年に一本化して、いつから借りられるかということでは、八十歳までを限度として償還をしていただけるようなことを考えております。二番目には、良質な中古住宅に対する融資の充実、これは償還期間の延長を考えております。それからまた、計画的な共同・協調建てかえを支援する都市居住再生融資の創設、こういうものを行いたいと思っております。
 今後とも、住宅政策の諸課題の解決に向けまして住宅金融公庫が大変重要な役割を果たすものであると私どもも確信をいたすところでございます。
#74
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 そういった中で、大変私ごとで恐縮なんですが、私、今三十八歳でございまして、私の同年代の仲間は、サラリーマンをしている人は、早い人で三十とか二十代の後半でマンションとか家を買われてローンを組まれた。早い人はそのぐらい、次の波が実はちょうど僕の時代に来ていまして、この一、二年に私たちの友人とかが土地、住宅、マンションを買おうという動きが出ています。
 そのときに、私はこういう仕事をさせていただいている関係で、土地の値段が下がっているから、福山君、今買いどきなんやろかという話が来たり、でも買って下がったら困るなとか、そうかと思うと、給料がある程度上がってきたのがこの不景気でちょっと横ばいになりかかっているのが多いんですね、私たちの世代。本来だったら、一生のライフプランをつくるときに、ここから上がるはずがちょっとその上がり方の角度が弱くなっている。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
このときに長期のローンを組んでほんまにえんやろかという相談事とか、どうやろうという見通しをよく聞かれるわけです。
 私もそこで軽々な判断ができないという状況の中で、十日ほど前、国土庁から公示地価の九年連続下落と、住宅地が四・一%、商業地が八・〇%と下げ幅拡大というような発表がありまして、新聞にもそれが大きく出ていた。
 これは、単に建設省だけではなくて、現下の経済状況、金融の状態、いろんなものが含まれて土地の価格に反映するわけですから今見通しをいただくのは厳しいのかもしれませんが、現在の下げどまらない地価の下落傾向について大臣はどのようにお考えをいただいているのか、また今後の見通しについて、もし伺えることがあればお伺いをしたいと思います。
#75
○国務大臣(中山正暉君) 大変難しい御質問をいただきましたが、私ももう六月が来ますと六十八歳でございます。先生は三十八歳と、希望に満ちた日本国になってくれればいいなという気持ちから、土地の問題というのはなかなか難しい問題でございまして、百三十年ぐらい前には、大名でも、きのう福島にいたかと思ったら四国へ改易させられるといいますか、個人の所有というものはなかった時代がありました。
 こけんにかかわるなんというのは、武士がある程度土地を持っていて、こけんというのは武士が持っていた土地のことらしいんですが、それを手放すのが武士のこけんにかかわったというそういうものもあったようでございます。
 棟割り長屋といって、大家といえば親も同然、たな子といえば子も同然、落語のまくらによく出てきますけれども、そういう感覚でいきますと、土地の値段というのは、不動産関係の業者にしてみたら、何とか土地の値段が上がってくれるようにということをおっしゃいますし、家を買うまでの方には、先生の今御質問の中にありましたが、土地の値段が下がったら今買いどきだなと。しかし、一遍買った人は、今度は資産価値が下落しますから土地は下がらない方がいいとか、土地に対する思いというのは本当にいろんな思いがあります。
 そもそもは、神様からいただいた地球上の土地というのは、地球と言っていますが、私は七割が水ですから本当は水球と言うのが本当だと思っているんですが、地球というこの限られた場所をどういうふうにみんなが価値を尊重するか。
 私は、貸し家の感覚、いわゆる定期借家制度が発達していくことは、お若いときには借りて、ある程度の年齢になったら自分の家を持って、そしてまたそれが、相続税の問題なんかありましていろいろ難しい。御主人が死んで第一次相続から今度は二次相続のときの方が、奥さんが今度は亡くなって子供に渡すときも、二次相続のときの土地の問題というのは、相続分というのは残された方にありませんから、そういう土地の問題というのは、相続の問題なんかに関しても、税制の問題なんかに関しても大変いろんな問題があると思います。
 とにかく、今回の地価公示による昨年一年間の地価動向を概観いたしますと、地価は住宅地それから商業地ともに全体としては下落が続いておりますけれども、特に大都市圏では、前回の公示とは異なりまして下落幅が縮小した地域が多く見られたことが特徴だと思います。
 それから、下落幅が縮小した地域につきましては、住宅地では一連の住宅需要喚起策の効果によりましてマンションを中心に需要が顕在化してきたこと、商業地では緩やかな景気の改善がオフィス需要に反映したことなどがその要因と考えております。
 それから、今後の地価動向でございますが、現在と同様に基本的には実需を反映して推移すると見られておりますが、用途別に見ますと、住宅地については、一連の住宅需要喚起策によるマンションなどへの需要の顕在化が地価に反映された動きが持続的に推移するところが注目されているところでございます。
 それから、商業地につきましては、全体として景気動向を反映して地価は推移しますが、二つに分かれていく、二極分化といいますか、そういう二極的な動きをいたしておるというのが現状ではないか、これからの動向もそういう形で続いていくのではないかと思っております。
#76
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 こういうことはもうこれ以上はあれなんですが、ただ、今大臣がおっしゃられたように、土地のそれぞれの収益性において土地の価格が一部は上昇しているところがあって、あとは一般的には下落傾向だと。今大臣がまさにおっしゃったように二極化ということで、どうも収益性という観点で見ると、土地に対する見方が少しずつ、やっぱりそれは変化のあらわれではないかな、土地の評価に対する状況が少し変わっているのではないかなというふうに私は思っております。
 先ほど申し上げましたこれから買おうかと思っている私の友人の方は、まだ買おうかなと思っているだけいい方でございまして、次の質問は、逆にもうローンが厳しくなって、賃金も減ってリストラされてという状況の中で、今回この公庫融資にかかわる延滞債権というのが平成八年度、九年度、十年度、かなりの率で上昇している。それから、公庫保証協会の代位弁済も、平成九年度から十年度にかけて大体一・五倍ぐらい、それに伴う競売の状況も、平成九年度から十年度にかけては六千八百件だったものが九千三百件ということで約一・五倍にふえている。バブルと比較すると余り意味がないのかもしれませんが、九〇年のバブルが来る直前と比べると、住宅ローンの破綻は三倍ぐらいに膨れ上がっている。これはやはり大変問題だと思います。
 この問題点について、この住宅ローンの破綻が急増している現状について金融公庫の総裁はどのように御認識をされているのか、まずお伺いしたいと思います。
#77
○参考人(望月薫雄君) 先生が先ほど来るる御発言のような経済環境の中で私どもが御融資申し上げている住宅金融に関してだけでもかなりの破綻状況が進行しているということは、率直に言って事実でございます。
 トータル的に見ると、私ども住宅金融公庫の債権は、いわゆる破綻率、数字で言いますと十年度末でもって〇・四七というようなパーセントでございます。他に比べますとかなり優良な状況にはありますけれども、問題は、その一人一人の公庫を御利用いただいている方々の返済の状況がどうかとなりますと、お話しのように厳しい状況になっている。
 これは、もう言うまでもありませんが、その間におきます企業リストラ、倒産あるいは勤務時間の短縮等々もろもろの要因がかかわっているわけでございまして、御利用いただいている方々が長期の返済計画に大きな狂いが出ているということの証左であろうと存じます。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 私ども、こういった方々に対してどういうふうな対応をするかということが実は今大変に大きな課題であると認識しております。正直言って、だれにしましても、持ち家をお持ちになるまでの間に大変な御苦労もなさり、あるいはやっとの思いで我が家を手に入れられた。それが、給料も上がらない、あるいは場合によってはリストラを食う等々の中でこういうことが出ているわけでございます。
 そうなると、人によってさまざまな事情がございますけれども、私どもとしては、できる限り最大限の力を傾注して、金融機関にもお願いしながら、いかにこの方々にこの数年間を頑張っていただけるのかいただけないのか、その間に私どもの融資の返済条件をどう変えたらその道が開けるのかというようなことを相談し、見きわめながら、今個別の対応に精力を傾注しておる、こういう状況でございます。
 余り数字のことを言ってもいかがかと思いますけれども、端的に言って、平成十年四月からこの十二年一月までの数字をちょっと見てみますと、そういう格好で返済方法を変更した案件が七万件になっております。
 七万件というとかなりの数であるわけですが、私ども、その中で、とりわけゆとり償還利用者に対する条件変更だとか、あるいは平成十年に閣議決定されました方針に基づいて新しい特別措置を講じていますけれども、こういったもの等々を合わせますと一万八千件。
 いずれにしましても、こういった数字が出ているということは、そういった個別の相談、対応の中で何らかの条件変更をしながら頑張っていただくと、こういうふうな次第で努めているということでございます。
 なお、今先生御指摘の代位弁済。こういった努力を重ねながらも、どうしてもそれにうまく乗らない、対応できないという方々も正直言ってございまして、おっしゃるように、平成十年度の公庫融資保証協会による代位弁済の件数は一万四千件余りということになっております。金額で二千億円ということで、御指摘のとおり、これも前年に比べ、あるいは前々年に比べてもふえているということは事実でございます。
 こういったこと等を見ますると、私どもは、公庫融資をお貸し申し上げるときにも、やっぱり余り衝動的にお借りいただくということ、そういうことは、大変失礼かもしれませんけれども、やっぱり自分の長い生活設計というものを考えながらどうだろうかということについての我々の相談というものも、単に審査というレベルでなくて、相談業務も非常に大事だということで努力させていただいているさなかでございます。
#78
○福山哲郎君 大変誠実にお答えいただきまして、ありがとうございます。
 公庫で借りて住宅を建てる方は、今総裁がおっしゃられたように、ある意味でいうと、長年の夢を実現させる状況で公庫を使って家を建てた。ところが、社会情勢、経済状況の厳しい中で、今のようなどちらかというとつらい状況が起こっているということですので、先ほどの条件を変更することも含めて、ぜひ今後も引き続きそういった方々に対する対策を積極的に講じていただきたいと思います。
 そこで心配になるのは、公庫保証協会の代位弁済の額がどんどんふえていった状況の保証協会の財務状況でございます。現状では一体どのような状況になっているのか、お教えいただけますでしょうか。
#79
○政府参考人(那珂正君) 保証協会の財務といいますか経営の基本は、今先生御指摘になりましたように、近年大変ふえております代位弁済に対してどういう収入で収支相償うかという問題でございますが、一つには利用者から徴収する保証料、それから担保物件の競売等による処分代金、この二つで収支相償ってきているわけでございます。
 しかし、御案内のとおり、代位弁済も近年、毎年少しずつ金額はふえてきておりますし、一方で、例えば競売価格が下落しているというようなこともありまして、保証協会の財務、経営を取り巻く状況は大変厳しいものがあるというふうに理解しております。
#80
○福山哲郎君 余り具体的にはお答えいただかなかったんですが、今まさにおっしゃられたとおりでございまして、利用者にとって、例えば万々々が一手を上げて競売にかかったような状況の場合でも、思っている以上に土地の価格が値下がりし、住宅に対する評価が低くて、残っているローンよりも競売価格がずっと低くて残るは借金ばかりなりと。出ていかなければいけない状況の中で困っているという状況が大変あるわけです。
 私は、これはある意味でいうと自己責任の問題もあると思うんです。無理なローンを組んで無理な住宅を購入したという自己責任の問題は、これからの日本の社会においてはかなり問われてくると思います。すべてその住宅購入者に過失がないとは言えないと私は思っています。
 ただ、欧米なんかでお伺いをしますと、抵当権の設定の分だけ住宅ローンを組むと。ですから、その抵当権の分だけ、ある程度いけばもう残らないというような状況があるということも伺っておりまして、この住宅ローン破綻者を救済する、今の状況もそうですが、将来にわたってセーフティーネットの必要性みたいなものを私は感じております。
 これだけ経済も不透明な状況でございますし、終身雇用も崩れ出しておりますし、賃金の右肩上がりの上昇というのもちょっとクエスチョンマークがついているという状況の中で、今回、ローンの期間を延長したり金利を優遇したりするという住宅金融公庫の法案を改正しますけれども、それだけの長期のローンを組むというようなことに対するリスクというのは間違いなく高まっているわけでございます。
 そういう住宅ローン破綻者を救済するセーフティーネットの必要性等について建設大臣はどのようにお考えなのか、御答弁をいただきたいと思います。
#81
○国務大臣(中山正暉君) 確かに、先生御指摘のございましたずさんな人生設計からいいかげんに手を出した人は別のことといたしまして、ちゃんとまじめに計画を立てて、人生設計を立てていましたが世の中の変動についていけなかった人に対する配慮というのが、私はこれは大事なことだと思っております。
 特に、バブル崩壊後の今の失業率四・九とか、きょうも閣議で労働大臣から、いわゆる情報産業なんかは三〇%ぐらい伸びているけれども、それについていく技術者が一〇%ぐらいで、ミスマッチが起こっているという話がありました。それから、介護保険なんかの社会福祉関係、これも三〇%ぐらい伸びているけれども、それについていくそこで働く人が半分以下というふうなことで、期待できるような部門にもなかなか期待が持てないような社会情勢の中で、公庫の住宅ローンのいわゆる返済困難者対策というのは重要なことだと思います。
 公庫の住宅ローン返済が困難となった方々については、自力で返済を継続している多くの方々との公平性の問題も配慮しなければなりませんし、現在の公庫において最大限の措置を講じているものと。
 今、公庫の皆さん、この間も私、金融公庫を視察に行きましたが、事細かにそれに対応していらっしゃる姿を窓口で見せてもらいました。
 具体的には、返済が困難になった方々に対しまして返済期間の延長、これは最長十年を行うとともに、失業者等に対しましては元金の据置期間の設定、最長三年、それから元金の据置期間中の金利引き下げ、五%超えを五%に縮小するということでございまして、そういうことをやっていただいているようでございます。
 さらに、個々の住宅ローン利用者の延滞の原因は家計ごとにその事情が異なりますので、現在講じております枠組みの最大限の活用をして家計の実情に応じたきめ細やかな対応、それぞれの個人の状況というのは本当にミクロの世界に私は入り込んで御相談に応じなきゃいけないと、そういうふうに考えております。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 長期延滞者には六カ月間の猶予をするとか、いろいろ対策を立てておりますところでございますが、今後も、そういうことにきめ細かな対応を私どもは金融公庫に期待いたしております。
#82
○福山哲郎君 将来に向けてさらに具体的な方向を指し示していただきたいと思います。
 そういう中で、先ほどの質問で建設大臣が、景気回復の根幹が住宅政策だったというお言葉がありました。それは私もあながち否定する気もございません。堺屋経済企画庁長官は二番バッターだというふうにずっと就任以来言われておられまして、現実問題として昨年度のローン減税も含めてそういう政策をとってこられた。
 しかしながら、住宅ローンの返済負担率というのを家計調査で見ますと、昭和五十六年から五十九年、六十年代ずっと実収入における住宅ローンの返済の支出割合というのは大体一一%ぐらいで推移していたんですが、平成十年一三・九、そして平成十一年は一四・九と急拡大をしております。平成十二年一月の家計調査の速報を見ますと、実収入でマイナス二・五%、可処分所得は実質マイナス一・五%ということで、恐らく平成十一年の家計調査報告の一四・九%よりも返済負担率は、ことしに入ってまだ比率は上がっていて、有史以来というとオーバーですが、多分最高の返済負担率になっている。
 地価は下落している、リストラがあちこちで聞かれる、それぞれの返済負担率が過去最高になっているということになると、間違いなく消費というか、家計の中でほかのものに使おうというモチベーションは落ちるわけです。そうすると、二番バッターが住宅政策、三番バッターが消費だと言われて、二番バッターがそこそこ活躍をして消費に向くんだともともと政府が言われていた景気対策の中で、この住宅対策が逆に言うと消費を減退させているのではないか、住宅政策と政府の景気刺激策ということに対して多少矛盾した結果が起こりつつあるのではないかという問題意識が私の中にあります。
 この点に関して、建設大臣に御意見を御答弁いただければと思います。
#83
○国務大臣(中山正暉君) おっしゃるとおり、非常に当を得た御発言だと私は思います。
 特に、消費というのが経済の中で六五%、二番バッターが住宅という御指摘がありましたが、こうしてもう肥大化してしまって、世界第二番目の経済大国、そのうちのGDPに土地の値段が入って、それは何か上げ底のお菓子箱みたいな感じに、私は日本経済というものの底が、底の厚みだけ、そのお菓子箱の厚みだけ本当にお菓子が入っているかしらという思いをするのが先生の御指摘のようなお話で実感を持つわけでございます。
 しかし、タンカーのような大型の日本経済が、これは小回りがききませんので、今おっしゃったような急激な経済変動についていけないそういう状況を、まさしく先ほど御答弁申し上げましたように、きめの細かな配慮で。
 国というのは、これだけのまだ金融資産千三百三十三兆ある。制度は変わりましても、外国からお金を借りるんじゃなくて国民のお宝を借りながら金融公庫の政策を財投債のようなもので運営していくというのは、まさにそこは国民の皆さん方にしばらく辛抱してくださいということで私は対応していくような背景が先生のお話に対する、確かにそれもミスマッチだと思います。
 家計で消費に使う、旅行にでも行こうかとか思っていたものがみんな住宅のローン払いに回っていくようなそういうお若い家庭、子供さんに楽しみを与えてあげられるような御家庭への配慮というものが私は大事なことだと思います。
 これまで厳しい経済状況の中において、自己の投資額のみならず耐久消費財を拡大するなどの大きな経済効果を有する住宅投資の拡大を図ることは経済新生のために重要な課題と認識をいたしておりますので、住空間の拡大を図ること、それから二十一世紀の豊かな住生活を実現する上でも御指摘の点は重大な課題でございます。
 住宅投資についても、国民の適切な負担のもとでその持続的拡大を図るために、住宅ローン控除制度の延長とか、それから住宅金融公庫融資の大きな改善等の措置を講じてきたところでございますけれども、今後とも、これらの施策の積極的な推進を図るとともに、安定経済成長への移行に対応して、賃貸住宅市場それから中古住宅市場等の活性化を通じた居住水準の向上に努めていかなければならないと思います。
 堺屋経済企画庁長官のお話を聞きましても、六月ごろになってきたらと。大分設備投資もふえてまいりました。そういうものに期待をしながら、総理大臣の御不快はありますけれども株の値段も下がっておりませんし、そういう面でこれからの日本経済の回復を図ることが、そういう住宅問題という国民の基盤をつくり上げるために我々国会それから行政におります者の大変大きな使命だと思っております。
#84
○福山哲郎君 大変誠実にお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 実はもう少したくさん質問を用意していたのですが、もう時間がほとんどありませんので、あと二つだけお伺いをして、大臣に御答弁を。
 今回の法案改正で中古住宅に対してかなり優遇措置をして、ストック重視だと。これは、住宅宅地審議会等で出てきた市場重視、ストック重視という住宅宅地政策の転換についての提言が背景にはあると思うのですが、私は一つだけ先ほどの話と同様の矛盾を感じております。
 新築住宅をやはりある意味で言うと一定の方向で政策としては打っていかなければいけない。新しいものがどんどん建って、例えばローン減税も含めてやろうとしているのに、中古を幾らリフォームを推進して優遇したからといったって、これはマーケットで言えば、やっぱり中古のマーケットというのは、新車のマーケットがどんどん出てきて大きくなっている状況の中で中古のマーケットを拡大して価格を上げようというのは、これは審議会で言われている市場重視という観点で言うとちょっと僕は難しいんじゃないかなと。そのためには、やっぱり最低限必要なのは、その中古住宅に対する評価の仕組みをもっときちっとつくらなければいけないのではないかと。
 今回も中古住宅に対する融資の中で規格みたいなのがあって、維持管理状況とか新築並みの基準とか維持管理体制というのがあるんですが、こういう画一的なものではなくて、もう少し中古住宅に対する評価の仕組みが整わないことには、審議会の言っている市場重視で中古をそこそこマーケットとしてでかくしようというのは、それは逆に言うと僕は非常に難しいのではないかなというふうに思っております。
 中古住宅を大切にしよう、ストックを大切にしようというのは、私はヨーロッパの町並みは好きですから大変いい政策だとは思うんですが、ちょっとマーケットを重視するとここは厳しいのではないかなというふうに思っているので、ぜひ中古住宅の評価システムを早急に建設省で御検討いただいて、国民に広くやっぱり御通知をいただきたいというふうに思っていることに対して御見解をいただきたいということと、先ほど申し上げた私が感じている矛盾についてどう思われるか、御答弁をいただきたいというふうに思います。
#85
○政府参考人(那珂正君) 先生おっしゃるとおり、中古住宅の市場、ストック重視というようなことも含めまして、その前提としては中古住宅の適正な評価システムの確立が絶対の条件だと思います。
 そこで、私どもとしても、まず新築時における住宅の性能評価をきちっとやっておいて、それがそのまま中古住宅として使われるということが一つと、その後、新築された住宅が経年変化とともに適宜リフォームされたり修繕されたりします。そういう修繕履歴をきちっとまた蓄積していく、この二つが基本になろうかと思います。その上で、一定のマーケットがあれば適正な評価は行われるということになると思うわけでございます。
 新築時の評価につきましては、この四月から発足いたしました性能評価法で対応できることになると思いますし、また修繕履歴についてどういうふうに蓄積していったらいいだろうか、すべての住宅についての客観的なデータをだれがどういう形で保管していくのかというようなことも含め、現在早急にこれは検討を進めていくべき課題だと、こう思っております。
 その上で、もしそういう評価システムが確立されて健全な中古住宅市場が活性化されてくれば、私どもは、冒頭に先生が矛盾だとおっしゃったストック重視の一つの柱である中古市場の活性化というものは進むと思います。
 しかし、ストックについては、やはりマーケットに新しいいいストックが投入されるということと、その投入されたものが適切に維持管理されて適切に円滑に流通されるということはいわば車の両輪であります。
 そういう意味で、戦後間もないころから高度成長期に、どちらかというと資材不足の中で余り丈夫なものが建たなかったというような背景のもとで、更新期を迎えているそういう膨大な良質とは言えない住宅ストックの更新を建てかえという形で、これは新築になりますが、建てかえという形になるわけでございまして、そういう更新時期を迎えたストックについて新しいいいものを加えていくということと市場の活性化ということはまさに車の両輪だと、こういうふうに思っております。
#86
○福山哲郎君 もう時間ですから。
 ありがとうございました。
#87
○委員長(石渡清元君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#88
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#89
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。
 まず、有珠山噴火の対策で非常災害対策本部がつくられ、国土庁長官である大臣が各関係省庁との協議また対策に当たられているということで、きょう午前中に理事会で報告がございました。
 私たちの党の志位書記局長を初め何人かの国会議員も現地に赴き、そこでのお見舞い、激励をしているところですけれども、何といいましてもこの問題は今全国が注視しておりますし、大臣を先頭にきちっとした万全の対策をお願いしたい、このことを冒頭申し上げておきたいと思います。
 さて、住宅金融公庫法の改正案でありますけれども、私たちの党はこれに賛成であります。良質な住宅ストックの形成、維持管理などの促進を図り、その融資制度を改善する、これは当然必要不可欠なことだと考えます。
 その中でも、全国で三百五十万戸、約一千万人が居住する分譲マンション、この問題は非常に大事だと思うんです。特に共有部分のリフォーム、大規模修繕問題は、資産の耐久年限を延ばし資産価値を高めていくという上で、居住者にとっても非常に切実かつ重要な課題だと考えております。
 きょうは、マンションの大規模修繕にかかわる問題について質問したいと思います。
 改正案は、中古住宅に対する融資を充実し、一定の規格に適合する新築並みの中古住宅について新築と同様の融資を行うとしておりますけれども、新築並みの優良中古マンションの場合、その規格、これはどういう内容なのか、まずお尋ねいたします。
#90
○政府参考人(那珂正君) お尋ねの基準でございますが、現在考えておりますのは、まず維持管理状況が一定の要件を満たしていること、すなわち外壁からの雨水の浸入がないこととか、給排水とかエレベーターなどの設備がきちっと維持管理がなされているというようなこと。二番目に構造的基準でございますが、例えば一定の断熱材が入っていることとか、スラブ厚、床厚ですが、これが今十三センチほどを考えておりますが一定以上あることとか、設備の保守、交換、管理が容易に行えるものであること。そのほかに、三番目といたしまして維持管理体制がきちっとなされている。具体的には、午前中にもお答え申し上げましたけれども、修繕積立金の一戸当たり月額が築年数に応じて一定額以上あること等でございます。
 それらの要件を基準として現在予定しております。
#91
○緒方靖夫君 維持管理体制で平均月額一定以上、今言われた点ですけれども、具体的な金額は幾らになりますか。
#92
○政府参考人(那珂正君) 築年数に応じて金額が変わっていくものだと思っておりまして、五年未満のところが六千円以上、それから五年から十年が七千円、十年から十七年が九千円、十七年以上がたしか一万円と記憶しておりますが、そういうような素案を今考えているところでございます。
#93
○緒方靖夫君 建設省の資料によれば、九八年のマンションの総ストック戸数、これは先ほど申し上げた三百五十万戸ですけれども、このうち、今局長が言われた規格に適合すると想定されるのはどのぐらいになりますか。
#94
○政府参考人(那珂正君) 平成五年ベースの調査結果に基づくもので申し上げますと、おおむね四分の一程度でございます。
#95
○緒方靖夫君 四分の一ということですけれども、それではちょっと別の聞き方をいたします。
 建設省が行った直近の調査、平成五年ということになるんですか、その調査で修繕積立金の一戸当たりの平均月額が五年未満ということで六千円と言われましたけれども、六千円以下のマンションの割合はどのぐらいになっていますか。
#96
○政府参考人(那珂正君) 先ほどの築年数別の基準で判断すれば、四分の一の残り七五%になるわけでございますが、具体的にならして平均ベースで六千円とかそういうことでとらえれば、八〇%強が六千円以下ということになります。
#97
○緒方靖夫君 もう一回確認したいんです。そんなに高いですか、数字は。私が伺っているのでいっても半分に行くか行かないかという、そんなふうに思っていたんですが、もう一回確認したいんですが。
#98
○政府参考人(那珂正君) 失礼いたしました。
 トータルで、築年数にかかわらず月額平均六千円以下のところが約半分でございます。
#99
○緒方靖夫君 平成五年の調査で約半分ということで、大体そういうことだろうと私も思うんですね。
 そうすると、これはちょっと話の本筋からそれますけれども、大臣、今ここで議論している話は非常に大事な話なんだけれども、結局どの資料で議論するかというと平成五年の調査の資料なんです。私はこの間のことをずっと考えてみても、九六年、九七年、これは大体年間二十万戸の分譲マンションが建てられるということが続いてまいりました。九八年に落ち込んで、近年またずっと急増しているという状況があると思うんです。
 そうすると、マンションをめぐる状況というのは随分変化が大きいと思うんですけれども、それを国会のこの委員会で、建設省ともあろうものが平成五年の調査をもとにしてしか答えができない、それはちょっと基礎資料が余りにも古過ぎると思うんですね。私はその点で怠慢ではないかとさえ、いろいろ研究しながら、検討しながら思ったわけです。この間も例えば昭和五十五年、六十二年、それから平成五年と調査をやってきているわけで、ですから私はその点で、やはりこういう委員会で議論をするときに平成五年の資料をもとにして建設省が答弁するというのは非常に情けないと思うんですね、率直に申し上げまして。
 ですから、その点で大臣にお願いしたいのは、やはりきちっとした調査をして、なるべく新しい数字で現状を踏まえてこういう議論、委員会を開くべきだと私は思うんですけれども、その点、大臣にその調査をお願いしたいと思います。
#100
○国務大臣(中山正暉君) 御答弁に先立ちまして、先ほどから各先生方からもちょうだいをいたしております有珠山の非常災害対策に対して、先生からも御激励をいただきまして、私どもも懸命に、先生のお話また各党からもいろいろお申し入れをいただいておりますので対応してまいりたいということをお誓いすることを最初に申し上げ、それからまたこの法案に関しても、質問の冒頭にこの法案に賛成であるというお話をいただいたことにも感謝をいたしております。
 今お話がありましたように、五年というのはいかにも古いなという感じは私もお話を伺いながらいたしておりまして、大抵役所の資料というのは二年ぐらい前のでもそれでも古いなという感じがしますのに、もう平成十二年でございますので、平成五年という七年前の資料というのは、数が多いものですから詳細に集積ができていない、こういうものもIT時代、情報化時代にもっと整備をしなきゃいかぬなと今お話を伺いながら感じておりました。
 住宅局としては、先生方に確かな資料をお渡ししないといけないという努力がこの辺ならばという最大公約数の資料になったんじゃないかと想像いたしておりますが、できるだけ直近の資料がお手元に渡りますような努力を今後いたしたい、これは住宅公団にも住宅金融公庫にも協力をいただいたりしてあらゆる手段を講じてみたい、かように思います。
 長期修繕計画というのは、建築工事では外壁の塗装とか屋上の防水、タイルの補修、それから機械設備では給排水管、消防設備、ガス設備、それから電気設備としてはエレベーターとか照明、共用分電盤とか、それから外構の工作物では駐車場とか自転車置き場とか、こういうものが大体その修繕積立金の大規模修繕の対象になるものだということでございます。
 建設省の調査によりますと、今の古い資料でまことに恐縮でございますが、戸当たり約六千七百円の積立金の目安、戸当たり約八千九百円に比べて低くなっております。このために、今回創設する住宅債券制度を活用したマンションの修繕積立金については、公庫が受け入れる制度とともに、長期修繕計画の策定の促進等によりまして管理組合における修繕積立金の積み立ての促進を指導してまいりたい。今申しましたような中身を充実させまして、こういう大型にはかなりの資金を要しますから、皆さんの安堵感を持つような制度にしてまいりたいと思っております。
#101
○緒方靖夫君 話をもとに戻しまして、修繕積立金の一戸当たりの平均月額が六千円以下のマンションが半分以上ある、しかも相当古い調査のものでそれだけあるということです。
 東京都の場合、私は伺ってみましたけれども、東京都は九八年十月、一年数カ月前に調査を行っているわけですけれども、その分譲マンションに関する実態調査によりますと、大規模修繕を行った管理組合の約半数で修繕積立金が不足する、融資や臨時徴収で補っているという実態が浮かび上がってまいります。
 我が党は、以前からこうした大規模修繕における管理組合の積立金不足を問題にしてまいりましたけれども、事態は今日でも解決されていない、そういう事態だと思うんです。昭和六十年代の議事録を見ても、この問題はずっと連続した質問をしております。政府にもこの対処を求めておりますけれども、これがいまだに解決しない、こういう事案なわけです。
 大臣にお伺いしますけれども、この点で、この大規模修繕の重要性を大臣はいかに認識されているのか、お尋ねしたいと思います。
#102
○国務大臣(中山正暉君) これは先生のお説のとおりで、住宅というのは入って一年したらもう不満が出てくると言います。
 ですから、その意味で、特に生活の基盤を支えるいろんな社会活動をする安住の場所といいますか、いろいろ激しい社会生活を営んでおられておうちへ帰ってこられて、くつろぎの場所でくつろげないというようなことにならないように、御不満を解消するために、特に小さな御不満は御辛抱をいただく場合もあってもよろしゅうございますが、大規模修繕のための対応というのは心がけて、先生のお説のように特に東京でも半分だということで、まして地方においてをやという感じがいたしますので、その上の対策を私どもも懸命にひとつ立ててまいりたいと思います。
#103
○緒方靖夫君 そういう事態になる原因は何か、これがやはり非常に大事だと思うんですね。原因は、分譲業者が初期設定する修繕積立金が余りにも不十分だ、この点にあると私は思うんです。
 分譲業者の多くは、依然として修繕積立金の初期設定を将来必要となる金額よりも相当低目に設定している現状があると思うんです。そういう実態についてはそう認識されていますか、建設省。
#104
○国務大臣(中山正暉君) マンション分譲会社による修繕積立金の設定の問題でございますが、この修繕積立金の額は、マンション管理組合が定めるものではありますけれども、実際には分譲時に分譲会社によって案が提示され、購入者はそれを承諾する形、こういう形になっておりますから、したがって分譲会社の金額の設定を適切に行うことがまず算定の基礎になりますから、これは大事なことだと思います。
 このために、建設省としては従来より分譲業者に対しまして、マンション実態に即した長期修繕計画の策定とこれに基づく適切な修繕積立金の必要性について購入者に説明するように指導していきたい。
 分譲した当初の、何といいますか一段落した心理的な状態の中で私はそういう低い設定をしているのではないかという感じがいたしますが、こういう問題を受けて業界団体が、平成七年三月でございますが自主基準というのを設けまして、そして、これは社団法人の日本高層住宅協会というものでございますけれども、そういう自主基準を策定する等の取り組みが行われているところでございます。
 建設省といたしましても、今後とも業者に対する指導の徹底に努め、それから管理の本来の主体である管理組合に対しても計画的な積み立ての必要性について啓発を行っていきたいということでございます。
#105
○緒方靖夫君 大臣みずからが、修繕積立金の金額が低く設定されているのではないかなと思われていると言われた、このことは非常に大事な点だと思うんですね。それが私は一番大きな原因になっていると思うんです。その点で、今大臣が業界への指導を徹底すると言われた、これは本当にぜひやっていただきたいと思うんです。
 管理組合の啓蒙、これも大事だと思いますけれども、これまで建設省は、業者に管理組合への徹底をきちっとするようにということはよく言われてきた。しかし、直接業者、業者というのは建設省が認可してやっているわけです。大臣が認可されている業者はたくさんあります。そこにやはり建設大臣として直接業者への指導を徹底する、このことがこの問題を解決する上で一番大事だと思うんです。
 と申しますのは、私はちょっと手元に持ってまいりましたけれども、ついこの間の新聞の折り込みを持ってまいりました。(資料を示す)これは名前を言うとなんですけれども、Jコーポレーションが、これは板橋、それからこれは文京区で売り出しているものなんです。この会社というのは東証二部の上場なんですけれども、ここには積立金の掲示が一切ないんです、この二つの広告に。こういう現状があります。それから、これはHコーポレーション、埼玉県の物件なんですけれども、これは管理費等は未定、そうなっているわけです。こういうことが横行しているわけです。すべてとは言いません。しかし、かなりの部分でこういうことになっている。
 ですから、大臣が言われた管理費の設定がかなり低いということももちろんあります。しかし、それと同時に、何も表示していなかったり未定といってみたり、そういう業者がたくさんあるわけです。これが大臣が直接認可されている業者が行っている実態でもあるわけです。そして、それが購入者にはね返るという問題になっていると思うんです。ですから、私はその点で大臣が今言われた点は非常に大事だと思うんですけれども、重ねてお伺いしたいと思うんです。
 と申しますのは、これは「マンション住まいの基礎知識」というかなりの人が読まれる本だと思います。その中にこういう記述があるんです。マンションは管理を買えという言葉がある、これはよくわかりますね。それに加えて、マンションは修繕積立金を買えと言っても言い過ぎではない。つまり、購入した資産の資産価値を高めていく、いつまでも安心して住み続けられる、そういう点でいうと、やはりこの問題というのはこの二言にあらわされている言葉が非常に大事になるわけです。
 しかも、こういう実態が生まれてくる原因、源の一つに、すべてとは言いませんけれども非常に重要な原因、今大臣がいみじくも言われた業者が低く設定し過ぎているという問題、あるいは私が今お示ししたように一切記載がないあるいは未定ということで済ませている、そういう現状があるわけです。ですから、その点でやはり大臣が答弁された業者への指導を徹底する、その点をぜひぜひお願いしたいと思うんです。
#106
○国務大臣(中山正暉君) 大臣認可の建設会社というのは一万二千社ぐらい、それから平成四年は五十二万二千社ぐらいの建設会社がございますが、今五十六万八千社になっておりまして、平成四年から今までで一二%ぐらい、景気が悪くて一つつぶれると三つできたりする、そういう業界でございます。
 今先生がおっしゃったような、またマンションを買われたときには修繕のときのことなんか余り想像なされないということもあるのかもわかりません。自分の経験なんかでも、まだ私もローンを全部払い切っておりませんけれども、修繕をしてもらおうと思って言ってもなかなか来てくれないというのは一戸建てで注文して建ててもらった会社でもそうですから、マンション会社がそういう建築をいたしましたものについての管理、大規模な修繕は特に先生の御指摘の大事な問題だと。ですから、買われる方にも認識していただくような、そういういわゆる広告物に対する広告責任みたいなものも、私は今お話を聞きながら、そういうことをちゃんと表示することを義務づけることになるかどうかわかりませんけれども、啓蒙周知を徹底させたいという気持ちで聞いておりました。
#107
○緒方靖夫君 そういう点で、業者がなぜそうするかというのは理由が非常によくわかるんです。つまり、早く完売したい、そのためには後の修繕計画に支障をもたらすことがわかっていても、やはり当初の額をなるべく小さくしたいというそういう動機があるということは非常によくわかります。やはりそこで建設省また建設大臣の指導が非常に大事だということを痛感するんです。
 それで、その点で私は思うんですけれども、これまで管理組合の啓蒙という点では、例えばこれは手元にもありますけれども、建設省住宅局長と建設経済局長の連名の通達も出ております。しかし、これは読んでみますと、結局、業者を通じて管理組合に対する周知に努めるという、それに限られているわけです。ですから、私はその点でやはり今大臣が答弁されたように、業者に対してきちっとした形でのこの辺の徹底、例えば通達を出すとか何らかの具体的な指導を行うとか、その点がどうしても今求められていると思うんですけれども、これは大臣がこれまで答えられた延長でありますけれども、その点もぜひ検討していただきたいと思います。
#108
○国務大臣(中山正暉君) 私は、先ほど大臣認可業者一万二千と申しました。不動産関係の業者は一万三千だそうでございまして、ちょっと数字が間違っておりましたから訂正をいたしたいと存じます。
 建設経済局長が来ておりますので、建設経済局長から事務的なそういう行政としての対応を御答弁申し上げたいと思います。
#109
○政府参考人(風岡典之君) マンションにおきまして修繕積立金を適正に積み立てていくということは、先生御指摘のように非常に我々としても大切なことだと思っております。本来は管理組合自体がそういった問題意識を持って取り組むということが基本でございますけれども、先ほど大臣がお答えしましたように、実際には分譲業者が初期の段階で設定するということでありますので、まず分譲業者に適切に修繕積立金の額を積み立てるようにしていただくということで長期の修繕計画をつくる、そういったものを根拠にして具体的に幾ら積むことが必要なのか、そういった指導を業界団体にもしてきたところであります。
 これも先ほど大臣から御紹介がありましたけれども、平成七年には業界団体において自主基準をつくりました。特に積み立ての仕方も、当初、先生御指摘のとおり分譲業者が安く設定するという傾向があるわけでございますけれども、それですと後の積み立てが非常に大変になります。したがいまして、できるだけ均等積み立てということで必要な所要額を出しまして、それを期間で案分しまして、それを月々計画的に積んでいく、そういったことが一番望ましい方法であるというふうに考えておりまして、そういった方向で業界団体とも協力をし、またマンションの管理組合にもそういったことが重要であるということを指導してまいりたいと思っております。
#110
○緒方靖夫君 業界にもこれまで指導してきたと今局長は答弁されましたけれども、そういう中でもこういう事態が、さっき言ったような記載がない、あるいは未定ということが起こっているわけで、これはもう新聞に折り込みされるわけで、いつでも気がつくわけで、隠れてやっているわけじゃないんですね。ですから、私が述べているのは、こういうようなことが起こらないように指導を徹底していただきたいという点なんです。
 せっかく管理組合の啓蒙についてはこういう通達が出されている。これは平成四年十二月二十五日付です。ですから、新たに業界への指導徹底、これは大臣が先ほどから言われていることですけれども、そうしたことについても検討していただきたい、そのことを要請しておきたいと思います。
#111
○政府参考人(風岡典之君) いずれにしましても重要な御指摘であるということで、私どもとしてもそういったことについて努力をしていきたいと思います。
#112
○緒方靖夫君 しっかりとやっていただきたい、そう思います。
 次に、共有部分のリフォームローンの問題についてお尋ねしたいんですけれども、大規模修繕の積立金不足が問題になる中、住宅金融公庫では管理組合を対象とするリフォームローンを実施しております。この融資を利用するためには建設省所管の財団法人マンション管理センターによる債務保証を受ける必要があるわけですけれども、申し込みのできる管理組合の主な条件、これは何になりますか。
#113
○政府参考人(那珂正君) 御指摘のように、住宅金融公庫の共用部分リフォームローンを利用する場合には担保保証人をつけるか、あるいは無担保の場合であれば事実上マンション管理センターの保証をつけるか、どちらかでございます。
 今御指摘のこのマンション管理センターの無担保融資の保証を受ける際には、あらかじめ同センターへの管理組合としての登録を要件としてございます。
#114
○緒方靖夫君 それだけですか。あと幾つかあると思うんですけれども。
#115
○政府参考人(那珂正君) 保証契約を結ぶということはもちろん必要ですけれども、その保証契約以外に前提となる要件という意味では、マンション管理センターへ事前に登録しているということでございます。
#116
○緒方靖夫君 では聞き方を変えますけれども、マンション管理センターへ登録して住宅金融公庫に融資を申し込む際に、その保証を、つまり連帯保証人となってもらうための要件は何ですか。
#117
○政府参考人(那珂正君) あらかじめこのマンション管理センターに登録されていることは必要でございますが、当然登録料を一定額をお払いいただくということが必要であります。
 また、具体個別に保証契約を結ぶときには、それも保証期間、例えば五年あるいは十年とか期間に応じてあらかじめ定められた保証料をお支払いいただくことになると思います。
#118
○緒方靖夫君 その保証料をマンション管理センターの側からいえば受け取って、そして連帯保証人になるその要件というのは、建設省からいただいた資料の中にその条件がずらりと書かれていると思うんです。その中には、例えば積立金が定期的に積み立てられていることとか、積立金の滞納がないこととか、そうした条件が細かく明記されております。
 したがって、これを見ると、もともと融資返済を滞らせるような管理組合には貸し付けない、そういう条件かなと思うんですけれども、今局長が答えられた、債務保証に当たって管理組合から保証料を徴収しているわけですけれども、その額はどのぐらいになりますか。
#119
○政府参考人(那珂正君) 先ほど申し上げましたように、保証期間によって異なりますけれども、例えば保証期間五年の場合は保証金額十万当たり千九百五十九円でございます。
#120
○緒方靖夫君 事業開始から今日までの保証料収入は幾らになりますか。
#121
○政府参考人(那珂正君) 昭和六十一年から平成十年度までの累計で約十六億円でございます。
#122
○緒方靖夫君 契約不履行などの事故による代位弁済の発生件数と金額は幾らになりますか。
#123
○政府参考人(那珂正君) このセンターの債務保証業務開始は昭和六十一年度からでございますが、今日まで幸いにして事故に伴う代位弁済件数はございません。
#124
○緒方靖夫君 代位弁済の件数がゼロ、そして保証料の収入が十六億円ということで、その額を聞いて改めて驚くわけです。事故は一件もない。その一方で、管理組合から徴収する保証料収入だけは年々増加する。これには組合関係者からおかしい、保証料を納める意味があるのか、そういう声が上がっているわけです。つまり、取りはぐれがないわけです。
 それもそのはずで、非常に厳しい条件がある。局長は何度聞いても言われなかったけれども、その条件の中には、毎月の返済額が毎月徴収する修繕積立金の額の八〇%以内となる、そういう非常に高いハードルが設定されていると思うんです。その中でこういう事態が起こっているわけです。
 それではお伺いしますけれども、リフォームローンの九八年度の一団地当たりの平均融資額は幾らになりますか。
#125
○政府参考人(那珂正君) 平成十年度の実績で、一件当たり二千四百九十三万円でございます。
#126
○緒方靖夫君 これを計算すると、保証料は幾らかというと、大体四十八、九万円になると思うんです。ですから、そういう額を管理組合から徴収しているわけです。
 管理センターの財務資料を見ますと、代位弁済の発生に備えて既に七億円もの保証債務責任準備積立金をプールしているわけです。仮に不測の事態があったとしても、そういう事態というのは先ほど言った条件から見ても、これは非常に厳しい条件ですから考えにくいんだけれども、仮にそういう事態があっても十分に体力があるんじゃないですか。
#127
○政府参考人(那珂正君) 十分に体力があるのではないかというお話でございますけれども、制度発足以来十四年間たっております。この十四年間という時間の長さでございますが、私どもとしては、マンションという耐用年数の非常に長いものの融資保証をしているというようなこと等、あるいは地震等による大規模都市災害というようなことも、予定はできませんけれどもやっぱりリスクは覚悟しておかなければいけないこと等考えますと、この十七億円の準備金等につきまして、これで十分か絶対大丈夫かと言われると必ずしもそうとは言い切れないところがあるのではないか。
 結果として保証料が高いのではないかという御指摘だと思いますが、それについても、十四年間という期間ではこの保証料の水準が高いということはまだ断定できないというふうに理解しているところでございます。
#128
○緒方靖夫君 局長、大変苦しい答弁だと思います。だって、考えてみなさい、常識で。これまで十五年近くやってきて一件もないわけです。平均の団地の修繕の融資の平均額、そこで仮に焦げついても大した額じゃないわけです。何億円もある。したがって、これまで一件もなかったこと、それが今後年間十件、二十件起きるなどということも考えられない。
 ですから、仕組みとして返済を滞らせるような管理組合に貸し付けない定めになっているわけです、これだけ厳しい条件があるわけだから。そこでそういうことが生まれるなどということは考えられないでしょう、局長。それを、地震があるかもしれない、何があるかもしれないと、そういうことを言うのはやはり私は非常におかしな話だと思うんです。
 それで大臣、僕は率直に思うんですけれども、初期の段階ではこれだけのものを取るのは妥当だったかもしれない。しかし、今七億円のそういうプールができて、これまで一件も代位弁済がない。そうした中で今後も取り続けるのはどうか、これは考えるべきだと思うんです。やはり管理組合の方々もこういう仕組みがあると聞いて、そして一体これは何だということになったときに非常に大きな疑問がわくと思うんです。
 ですから、その点で果たしてこのままでいいかということについて、これはやっぱり大臣の良識と常識で御判断いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#129
○国務大臣(中山正暉君) 今後、常識と良識でひとつ検討をさせていただきたいと思います。
#130
○緒方靖夫君 もう一つ、管理センターでは保証料収入に加えて、管理組合が債務保証を受ける上で不可欠な加入条件として納める登録料があるわけですけれども、幾ら払うんですか。
#131
○政府参考人(那珂正君) 御指摘の登録料は、マンション管理センターが登録された管理組合に対して管理についてのいろいろな相談とかセミナーの開催、それらのために登録維持費としていただいているものでございますが、一棟当たり年間五千円をいただいております。
#132
○緒方靖夫君 事業開始から今日まで、登録料収入は総額で幾らになりますか。
#133
○政府参考人(那珂正君) 二億六千七百万円でございます。
#134
○緒方靖夫君 融資を受けるために管理センターに支払う登録料もかなりの額に上るわけで、問題はこれらの収益の使い道だと思います。
 ところで、管理センターの役員は現在何名で、そのうち建設省OBは何名おりますか。
#135
○政府参考人(那珂正君) 理事長以下十二名の理事と二名の監事がおります。そのうち元国家公務員は三名でございます。
#136
○緒方靖夫君 それは退職後十年を経過した者を除いているからだと思うんですね。実際は、ここにリストがありますけれども、理事長ポストが建設省事務次官経験者の指定席であるほか、住宅局長経験者が四名おります。それからまた、その他、国土庁とか建設省その他の部局を合わせると全部で八名いると思うんです。こういう形で、このマンション管理センターそのものが役員が高級官僚の天下りで占められているという機関とも言えるわけです。
 そのうち、専務理事の役員報酬は年間幾らになりますか。
#137
○政府参考人(那珂正君) 年間約一千九百二十万円であると報告を受けております。
#138
○緒方靖夫君 その退職金は在職年数で幾らになりますか。
#139
○政府参考人(那珂正君) 専務理事の退職事例は一例しかございませんが、在職五年二カ月で約二千六十万円であると聞いております。
#140
○緒方靖夫君 五年ちょっと勤めただけで二千万を上回る退職金を得ている、こういう状況があるわけで、私は大臣によくお聞きいただきたいんですけれども、これも税制上の優遇措置を受けている公益法人のあり方としてそれでいいのかという気がするんですね。
 これは、こうした役員にとどまらずに管理センターの職員にも言えるんじゃないかと思うんです。管理センターの職員は何人いて、出向者、それから勤務形態はどうなっていますか。
#141
○政府参考人(那珂正君) マンション管理センターの職員数でございますが、平成十一年度、十六名でございます。そのうち民間企業等からの出向者は八名で、これらの方はすべて常勤でございます。
#142
○緒方靖夫君 民間の損保会社とか管理会社の出向者がいると思いますけれども、そのほかに基盤整備公団とか住宅公庫とか、そういうところの出向者がいると思うんです。ですから、私はこういうこともそのあり方としてやはり検討されるべきだなということを改めて痛感いたします。
 つまり、役員に限らず出向者の給与についても、管理組合から吸い上げた、あえて吸い上げたと申し上げますけれども、多額の保証料や登録料の収入を原資に払われているわけです。これでは関係者から疑問の声が上がるのも当然だと思います。
 こうした運営について、私は幾つかの角度から申し上げました。そもそも保証料のあり方がおかしい、それから登録料で相当の額がある、それからまた役員構成、これは天下りではないか、天下りが大半の役員を占めているではないかという問題、それからまた職員の出向者、そうした問題もある。そうすると、こうした問題についてやはり改めて見直す必要があるんじゃないかということを痛感いたします。
 先ほど大臣は私の質問に答えて、この問題について良識と常識で検討させてもらうと答弁されました。私は非常に大事な点だと思うんです。しかも、現在建設省は、「マンション対策への取り組みについて」という方針を出して、これはことしの一月二十五日付の文書ですけれども、幾つかの取り組み、見直しについて述べている中で、財団法人マンション管理センターの見直し、それを挙げているわけです。「十二年夏を目途に改革(案)を作成する。」となっております。
 私は、大変な期待の中で生まれたマンション管理センター、そしてその役割も、いろんな相談に乗るとかそういう形で果たしてきたと思うんです。しかし、今ここに至って、保証料を最初のように取り続けるのかという問題、それから構成の問題、役員の出向の問題等々含めて、やはり私は今この問題について、改めて消費者の立場に立って、それから管理組合、居住者の立場に立って、どういうあり方が一番いいのかということをやはり検討する、そういう時期に至っていると思うんです。
 その中で私は特に申し上げたいのは、先ほどから申し上げております保証料の徴収のあり方、これを抜本的に見直す、このことなんですけれども、その点について改めて、すべてやりとりをお聞きになったと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#143
○国務大臣(中山正暉君) 実際の問題に関しては、局長から御答弁申し上げることにいたしたいと思います。
 お話を聞いておりまして、大変な期待を込めてつくられた組織でございますから、十四年というと立ち上がって余り時間もたっておりませんし、その間には経済的な変動もありましたし、いろんな問題があると思います。
 ですが、いわゆる住宅局長をやった方が四人とか事務次官をやった方が入っておられるとかいう話がありますが、やっぱり物事というのは詳しい人がそういう実態に即したものを、行政での経験を持って民間の出向者と一緒になって組織を磨き上げていくということも私は必要だと思いますから、その十四年の体験の中でどういうふうにこれから、今十二年の中ごろというお話がございましたが、そういう見直し。いわゆる政府関係機関すら行政改革、行政を取り巻く組織の見直しとかそういうものが、実際に今見直しの時期を全体的に持っている時代でございます。
 私は、先生のような御指摘を参考にしながら、適切な組織、適切な規模、適切な人的配備、そんなものに努めていくのも我々の責任のような気持ちで聞いております。
 あとは住宅局長から御答弁いたします。
#144
○政府参考人(那珂正君) マンション管理センターの業務について種々御指摘いただいたわけでございますが、マンション管理センターは御指摘の住宅金融公庫共用部分リフォームローンの無担保保証という業務のほかに、現下マンションの問題にとって一番問題なのは、やはり長期修繕計画をきちっと管理組合ごとに立ててもらってそれを実行に移せるように資金的裏づけといいますか、具体的には積立金でございますが、そういう積立金を積んでもらうというようなことが一番問題なわけでございますが、その一番の基礎たる長期修繕計画を実際は管理組合の方々でなかなかうまく立てられないというのが実態だろうと思うんです。
 そうすると、いろんなところに相談されるわけですけれども、いきなり修繕業者の方にあるいは管理業者の方に相談するというのもあるかもしれませんが、やはり公益法人といいますか、こういう中立的な立場にいろいろ相談するという管理組合も大変多うございます。そういう方々が、今では五千五百管理組合になっておりますが、当マンション管理センターに登録されておりまして、そういう長期修繕計画を立てる、その運用をするのにいろんな相談にあずかっているというのが二本目の柱でございます。
 もう一つ、このマンション管理センターの業務の柱は、日常それぞれのマンションにおきますいろんな法律問題、修繕だけではありません、いろんなことに関する法律問題が起きるわけでございますが、そういう法律問題をも含めてどこに相談に行ったらいいだろうかということで、これまでは行政による相談窓口の整備も十分ではなかったわけでございますが、当マンション管理センターにはそういう法律の専門家、技術の専門家などがそこに集まりまして、そういう相談会を頻繁に開くとか、こういうことも日常の業務の柱としておるわけでございます。
 なお、私どもはこのセンターの業務についてもっと見直したい、こういうふうに思っております。その趣旨は、今申し上げましたような管理組合に対する指導あるいは相談、情報提供、こういうことをもっときめ細かく、もっと行き渡るように、五千五百組合が先ほど多いというようなつもりで申し上げたんですが、実態からすると決して多くはなくて少ないぐらいだと思います。この五千五百組合が五万組合ぐらいになってもっとカバー率を上げていけるように、どういうふうなことをしたらいいかというようなことも含めてセンターの業務のあり方を検討してもらいたい、こういうふうなつもりで先ほどの研究会をその一部として検討を進めている段階でございます。
#145
○緒方靖夫君 もう時間がありませんので最後になりますけれども、今局長が述べられたセンターの業務についての見直し、それはもっときめ細かに、そしてまたいろんな形で期待にこたえるような形でぜひやっていただきたいと思うんですけれども、私がきょう提起した問題、それもきちっと見直しの中に位置づけていただきたい。大臣の方から適切にという御答弁をいただいておりますのでこれ以上言いませんけれども、そのことを要望しておきたいと思うんです。
 それで、詳しい人が要るんだと言われましたけれども、詳しい人はいろんな形であり得ると思うんです。それこそ法曹界の代表を入れてもいいだろうし、いろんな形であると思います。役員が十数名しかいない中に住宅局長が四名もいることはないじゃないかと私は思うんです。これでは住宅局長の吹きだまりじゃないかと言われてしまうような話にもなってくると思うんです。ですから、少しバランスのとれたそういう配置を考えていただきたいと思うんです。率直に思います。
 ですから、そうした点で私は、マンション管理センターがよりよく仕事をしてもらいたい、そしてまた、かつて役割を果たしたものであっても、保証料徴収等々のそういう問題でもやはり今の時期に見直していただきたい、そのことを申し上げているわけで、そのことについては大臣から御答弁をいただきましたので今後見守りたい、そのことを申し上げて質問を終わります。
#146
○大渕絹子君 連日、大臣におかれましては有珠山の問題に取り組まれておりまして、大変御苦労さまでございます。
 私は、連日テレビの避難場所の映像を見まして、経済大国日本においても、何か災害が起こって避難というと、いつも学校の体育館であったり町の公民館であったりという、いわゆるプライバシーが守られない、おふろも毎日入れない、食事は炊き出しのおにぎり、これで本当にいいのかなという思いをしながら見ています。
 近在のあるいは北海道じゅうの民宿や旅館やホテルと交渉し、ごく安い価格で宿泊を受け入れる先を見つけて、安心してプライバシーが守れて、避難生活でも、心配はしつつではありますけれども、少なくとも普通の暮らしが送れるような状況をつくっていかなければまさに難民状態ですね、今の状況は。阪神・淡路のときもそういう議論をずっとしてきたわけですけれども、今度の有珠山の問題も、避難住民に対してもう少しプライバシーが守れるような避難体制というのはつくれないものか。
 それに対して、私たちは予備費というものを認めて予算の中で確保してきておりますのに、予備費をそういうところに大盤振る舞いをして使うことに対して国民は否とは言わないというふうに思うわけでございますので、ぜひこういうことも検討をする必要があるのではないかと思いまして、きょうの冒頭の質疑に言わせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
 さて、きょうは住宅金融公庫の法律の改正でございますけれども、私自身も自分の住宅をつくるときに住宅金融公庫のお世話になりましたし、大変助かりました。そして最終的には少し早く償還ということで、これは公庫には迷惑をかけたのだなときょうの法案を見ながらそう思っているわけでございますけれども、今まで住宅金融公庫が果たしてきた役割と今後の果たすべき任務について、大臣からお答えをいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(中山正暉君) 御質問にお答えする前に、先生から今御指摘をいただき、私も何カ所か避難住民が入っていらっしゃるところを歴訪してまいりました。
 介護が始まった四月一日からで、老人ホームがありましたり、それからまた病院などがあって、かえって網を打ったように自治体、特に災害対策基本法六十三条で市町村が指示を出すということになっておりますものですから、指示というのは半強制的な面がございますものですから、私も現場に行きまして、もう少しその場その場、素人が見てもこの辺は安全だなというような場所もございますものですから、それに対していろんな今検討をしております。
 学校も始まりますものですから、大きな施設というと学校しかありません。今先生からいろんなお知恵をいただきましたが、そういう意味で学校をあけなきゃいかぬとか、大分ストレスがおっしゃるようにたまっておりますし、おふろもありません。それから間仕切りがありません。皆さん自治組織をつくって非常に整然とやってくださっているのに私は感激をいたしました。
 そういう御指摘をいただきましたので、今仮設住宅の問題も検討し始めております。阪神・淡路大震災のときに四万八千の仮設住宅、五年で一月十四日に最後の方もお立ち退きになりまして全部解消しておりまして、トルコの地震とか台湾の地震にその仮設住宅をお分けしたりした実績もあるわけでございますから、業界の方々にどのぐらいの仮設住宅が準備できるのかとか、いろんな手だてを各省庁御協力をいただいておりますので対応いたしておりますが、先生から今御指摘のありました点も重視して、検討の一つの材料に加えてまいりたいと思います。
 今の御質問でございますが、住宅金融公庫の役割と任務というのが今日までどんな評価を受けているかということでございますが、住宅金融公庫の基本的な役割は、広く国民に対して長期、固定、それから低利の住宅資金を安定的に供給することでありまして、これまでに戦後つくられた住宅の約三割、千七百五十一万戸に融資を行ったということでございます。それから、国民の自助努力による住宅取得の支援を行ってきたということで評価をされていると思います。また、省エネルギー住宅とか、それからバリアフリー住宅等の政策上の誘導すべき住宅の質の向上について公庫の優遇融資等によりまして促進を図ってきておりまして、中身が随分向上してきたように思われております。
 今度の法律改正によりましても、またそれが一段と公庫融資の役割として、国民に対する長期、固定、低利の安定的な住宅資金の供給を基本としながら、改めてまた市場を重視するとか、それからストック重視の住宅政策に即応して、成熟社会に向けた良質な住宅ストックの形成を促進していきたい。人の満足度にも随分変化が見られておりますから、その方々の心の満足を得ていただく安眠の場所になるような住宅政策に私は貢献してもらいたいと公庫に期待をしております。
#148
○大渕絹子君 今後の果たすべき役割、任務についても期待をしておるという大臣の御答弁でございました。今度の改正案の中に公庫の解散に関する規定が追加をされたのは、私は今の答弁からすると、ここはどうして解散という言葉が条項に盛られなければならなかったのかなというふうに思うんですけれども、ここをちょっと答えていただきたいと思います。
#149
○政府参考人(那珂正君) 今回、解散の規定を整備いたしました。これは、実質的に近々公庫の解散を予想しているとかそういうことではございませんが、他の政府系金融機関の法制度の並びとして整備させていただいたものでございます。
#150
○大渕絹子君 並びということですけれども、大臣がおっしゃったように今後も住宅金融公庫の果たすべき役割が重大であるという認識であるならば、あえて今回の改正にここを盛る必要があったのかどうかというのも含めて私は指摘をしておきたいと思います。
 これは、特にそのことは考えておらないけれども、ほかの法案との並びで入れざるを得なかったということですか、そういうことでいいですね。──わかりました。それでは確認をさせておいていただきます。
 それでは次に、市場からの資金調達のために住宅金融公庫債券を発行することができるようになりますけれども、発行の見込み額はどのぐらいになりますか。
#151
○参考人(五十嵐健之君) 平成十二年度におきましては、公庫債券全体で六千五百億円を予定しているところでございます。このうち、政府保証債につきましては六千億円、それから資産担保証券につきましては五百億円を予定しているところでございます。
#152
○大渕絹子君 その金額は資金調達の予定表を見ればわかるわけですけれども、その金額になった根拠を教えてください。
#153
○参考人(五十嵐健之君) まず資産担保証券でございます。資産担保証券につきましては、最近、この数年といいますか特にこの一、二年でございますけれども、急激に市場ができてきたというようなところでございますが、何分にもまだ発展途上にあるというような状況にあります。
 そういうような市場環境をよく見てまいりますと、一回当たりの起債額は大体五百億以下でございます。まれに超えるものがありますけれども、ほとんどが五百億以下となっております。そういうような市場環境を見たり、あるいは公庫が発行いたします資産担保証券につきまして、今申しましたようにどんどん拡大していく、それから公庫が発行いたします債券にまたおなれいただくというようなところなどを勘案いたしまして、五百億円の発行ということを考えているところでございます。
 それから、政府保証債につきましては、これは公庫の資産と負債の期間のミスマッチみたいなのがちょっと生じておりますので、それを総合的に調整する、管理するというような観点から六千億円の発行を予定しているところでございます。
#154
○大渕絹子君 政府保証の六千億円に金額はミスマッチ、いわゆる先ほど私が冒頭言いましたけれども、償還期間を繰り上げて償還する場合があったり金利の差が出たりということで損失と見込まれる金額を六千億円、これを公債を発行して補てんするという受けとめ方でよろしゅうございますか。
#155
○参考人(五十嵐健之君) そういうことではございません。
 先ほど申し上げましたのは、公庫の融資をさせていただく、例えば今までのケースでまいりますと、マンションの場合は三十五年ですが、木造住宅の場合は二十五年で融資させていただきます。それに対しまして調達財源、今財投でお借りしているわけですが、公庫の場合には財投から二十三年でお借りしています。二十五年あるいは三十五年でお貸ししている債権につきましても繰り上げがありますので、大体二十二、三年同士で両方の、借りている方それからお貸しする方も大体期間が一致していたわけです。
 ところが、最近はこの繰り上げ償還が大変多く出ておりまして、お貸ししている方の期間とそれから今財投からお借りしている期間とが合わなくなってしまった。ここの期間をうまく合わせておきませんと公庫の財務が傷んでまいりますので、その期間の調整ということでございまして、損失とかそういう問題ではございません。お貸ししている期間とそれから私どもが財投からお借りしている期間、この期間をできるだけ合わせようとしているということでございます。
#156
○大渕絹子君 平成十一年度と十二年度の資金構成の推移というところの表を見ますと、この六千五百億円を新たに公債発行して資金として調達するにもかかわらず、政府借入金等々の枠というのはそうそう変わっていないわけですね。
 そういう中で、私自身は低金利においてキャッシュフローのミスマッチが生ずるために公債を発行せざるを得ない場面が起こっているというふうに理解をしていたわけですけれども、今はそうではないというお答えです。そうすると、これから先、もうこの公債を発行するのに何が基準になって金額が設定をされていくんですか。政府保証は何を基準にして六千億を決めたのですか。
#157
○参考人(五十嵐健之君) 説明が不十分であったのかもしれませんが、繰り返しになって恐縮でございますけれども、お貸ししている債権と資金運用部からお借りしているお金の両方の期間をできるだけ合わせたい。最近はそこがかなりずれてしまったわけでございます。
 そこで、このままでまいりますと、借りる方は今までのままで行きますと二十三年一本になってしまいます。ですから、十年物という政府保証債をお借りすることによりまして借りる方の期間を短くしたい、それでお貸しする方の期間とだんだん合わせていきたいと考えております。今後も、十三年度以降の予算につきましてはまだ全体の予算編成とかなんとかあると思いますので申し上げられないわけでありますけれども、まだこれだけでは足りないという状況にあるわけでございます。
#158
○大渕絹子君 また後ほどにいたします。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 それでは、政府が会社その他の法人の債務について保証契約することは、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の規定により原則禁止をされていますが、この公庫債券に政府保証をつけるのはなぜでしょうか。大蔵省に聞きます。
#159
○政府参考人(中川雅治君) 今の住宅金融公庫の方から御答弁がございましたように、今回発行いたします政府保証債はいわゆる公庫の資金調達、運用の両面にわたるキャッシュフローがマッチングするように、いわば適切な資産、負債の総合的な管理、ALM管理と言っておりますけれども、ALM管理が適切になされるように十年元金一括償還型の債券を発行するということでございます。
 この債券につきましては、平成十二年度において良質な住宅ストックを形成し、居住環境の整備を促進するため現下の景気対策にも対応した公庫への資金需要にこたえるように、いわば政策的に必要な資金調達ということでございますので、できるだけ低コストの資金調達にする必要があるということで政府保証をつけるということにしたものでございます。
#160
○大渕絹子君 これから先どのくらいの期間を想定していますか。
#161
○政府参考人(中川雅治君) これはこれからの住宅金融公庫の繰り上げ償還がどのようになっていくのか、それから財政投融資の改革をした後は、これは実は基本的にまず財投機関債ということで先ほど来お話しが出ております住宅金融公庫の債権の証券化といったような手法による資金調達、それから財政融資資金特別会計におきましても、これから財政融資資金を通じて住宅金融公庫に財投債によって発行した資金を貸し付けることになるわけでございますけれども、この貸し付けが財投改革をした後どのような期間でどのような条件で貸し付けることができるのか、そういったような住宅金融公庫側から見まして資産、負債がどういうふうなことになっていくのか、いろいろ見通しながら各年度の予算編成、財投編成の過程を通じて検討していくということになろうかと思います。
#162
○大渕絹子君 財投債を国債として発行して、その原資によって住宅に対しては政府借入金がこれからも続けていかれるということだというふうに思うんですけれども、平成十三年度はそうしますとこの資金調達の構成比というのはかなり大幅に変わってくる可能性はございますか。
#163
○参考人(五十嵐健之君) 大変お答えできないのでございます。つまり、来年度の予算編成全体についての御方針がまだないわけでございますので、お答えが大変しにくいわけでございます。
 ただ、十三年度を見通しますと、その間に、先ほど大蔵省から御答弁なさいましたように財投改革というのが進むわけでございます。それに必要な項目といたしましては、今回の法律改正で政府からの借り入れでありますとか、それから今申し上げました政府保証債、それから資産担保証券、この三つの種類の組み合わせで来年度以降の予算が構成されるものと理解しております。
#164
○大渕絹子君 今は法案の改正ですし、八月になると予算編成が始まるわけですね。それで、今この時点で見通しが立たないというようなことであってはならないのではないですか。もう少しきちんとした見通しの中で、法改正を行う現時点において将来どういうことになっていくのかということを国民の前にきちんとあらわせなくては、私たちはこの法案の審議はできないのじゃありませんか。
 そこらはどう考えていらっしゃいますか。
#165
○参考人(五十嵐健之君) 厳密には先ほど御答弁申し上げたようなことなのでありますけれども、私どもが基本的に考えておりますのは、政府からの借り入れというものを大宗、原則にしていきたいと考えているわけでございます。それは、現在の財投借り入れで持っております長期の固定低利という資金調達が可能なやり方につきましては、現在の財投、政府借り入れが私どもの組織の財源としては一番ふさわしいのでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたのは、それで繰り上げ償還や何かがたくさん出た場合に期間の調整をしなきゃいけない。そうすると、二十三年とかそういう長いものじゃなくて短いものも入れることによって両方のバランスをとらにゃいかぬというふうになる。だから、そういう補完的な役割としてこの政府保証債でありますとか資産担保証券を使っていきたいというのが現在の私どもの考えでございます。
#166
○大渕絹子君 公庫はできるだけ政府からの借入金で運営していきたいというふうに思うでしょうけれども、政府側がこの法案を出してくる過程の中では、民間金融機関、市場とのバランスをとりながらということを前面に出し、できるだけ公庫は縮減化していく方向というのを出そうとしているのではないかという懸念が私はあるのであえて言っているわけでございまして、公庫は毅然として十三年度以降におきましても資金調達をどうしていくのか、国民にどういうサービスをちゃんとしていくのかというやっぱり地図をかいて示さない限り、それはやられてしまいますね。ぜひそこをしっかりと取り組まなければならないというふうに思うところでございます。
 それで、さっきの政府保証なしの五百億円の債権ですけれども、これは政府保証がなくても市場で消化できる公算はあるのでしょうか。
#167
○参考人(五十嵐健之君) 五百億の資産担保証券の方でございます。これは先ほど申しましたように、急激に市場が今膨らんでいるというような状況にあります。私どもの公庫のローン債権を証券化いたしますときに、もととなる資産、つまり住宅ローン債権ということになるんですが、住宅ローン債権がどういう性格かというようなのが恐らく市場の関心をお持ちになるところであると思います。
 午前中の御審議にもございましたけれども、私どもの住宅ローンといいますのは九九・五、六%まで完全に返ってくる、デフォルト率と言うんだそうですが、債務不履行率は極めて低い債権なのでございます。そして、この資産担保証券をいたしますときには、それに加えまして、信用リスクと言っているんですが、金が返ってこないようなリスクは発行者が負担するというのを原則といたします。それから、先ほど来先生御指摘の繰り上げ償還リスクというのがあるわけです。早目に返ってきちゃうリスク、これは投資家が買っていただく、このバランスで買ってまいります。そういうようにいきますので、恐らく市場の方からごらんになりまして、現在のもととなる公庫のローン債権が大変優良なものであるという認識をいただけるんではないかと思います。
 それから、繰り返しになりますが、資産担保証券そのものがここ数年、特にこの一、二年でございますけれども急激に拡大しておりまして、これにつきまして市場の認識が非常に深くなっているところでございます。五百億そのものは全体からまいりますと、市場の規模からまいりますと大変小さい額でございますので、私どもは市場におきます消化についてはそれほどの心配は持っていないところでございます。
#168
○大渕絹子君 その金額が年々増大をしていく懸念もありますので、あえて質問をさせていただきました。
 信託会社に貸付債権を信託し、その信託した受益権を譲渡することができるというシステムになりますけれども、そのようにして資金調達を行うメリットは何なのかということを公庫にお聞きしたいと思います。
#169
○参考人(五十嵐健之君) 資産担保証券をやりますときに、つまり市場から民間の資金を集めるということになるわけでありますが、お金をお出しになる投資家の方々は、この金がちゃんと公庫の方から支払いがされるであろうかという心配をされるというのであります。私どもは全く問題ないと思っているわけでありますが、公庫自身が言ってもしようがないわけでありまして、市場サイドから見てちゃんとお金が支払われるかどうか、そのためにどういう仕組みができているんだということが問われるわけであります。
 この場合に、現在の日本の制度の中では信託という制度が一番投資家の納得する制度になっているわけでございます。ツルーセールとか真正売買とか、何かいろんな約束があるようでございますけれども、こういったような約束事にぴたり当てはまるのがこの信託ということになります。
 基本的には公庫の債権というのはどういうことになるかといいますと、ローン契約がありまして、ローン契約の債務者でありますお客様から元利金が返ってきますと、それを基本的にはそのまま投資家の方に渡していくという仕組みでございます。この仕組みがちゃんと守れるかどうかというのを担保するものとしてこの信託制度がいいという位置づけになりますので、これを使って投資家の皆さんに安心していただこう、こういうことでございます。
#170
○大渕絹子君 その仲立ちというか、債務者から資金を回収する役割を公庫が担うわけですね。しかし、もうけは全部投資家の方に行くわけで、その調達コストは物すごくかかってきて、公庫に負担がかかるシステムだと思うんです。ですから、これは当分の間採用しないんでしょう。使わないわけでしょう、このシステムは。「受益権を譲渡することができる。」という、ここの部分の条項は使わないわけですね。
 だから、公庫において使われないシステムをあえてこの法案の改正の中に入れる必要があったのかどうかということを建設省に短く答えていただきたいと思います。
#171
○政務次官(岸田文雄君) 先生御指摘のように、法案の中に信託受益権譲渡方式というものを盛り込んでいるわけですが、これは例えば信託した貸付債権の信託受益権をSPC、特定目的会社等に譲渡して、このSPCが社債を発行する方式、これを念頭に置いた条文でございます。
 この方式につきましては、今国会におきましてSPC法の改正案が提出されております。まだこれから審議だというふうに聞いておりますが、こうした法案の改正が行われて制度の枠組みが整備される、あるいは市場の動向等を見きわめた上で環境が整えばこうした方式が大いに活用できるのではないかというふうに期待しておりまして、これは証券化に当たって重要な手段の一つであるという認識から、将来の調達手段として今回の法案の中には盛り込んでいるということであります。
 ですから、先ほど来話が出ております信託受益権の担保方式とそして信託受益権の譲渡方式、この将来の動向をにらみながら両方式をセットした、これが法案の中身でございます。
#172
○大渕絹子君 住宅ローンを組んでいる消費者、いわゆる国民の側がその担当者になるわけですね、この債権の場合は。直接の取引の相手というか公庫は間に入りますけれども、そういう中でちょっと懸念があるのではないかというふうに思うんです。当分は採用しないということですから仕方がないかなというふうにも思いますけれども、国民が組んでいる住宅ローンまで債券化をして買ってもらわなければ住宅公庫が維持できないということであるならば、これは極めて問題なのではないかなということも私は指摘をしておきたいというふうに思っております。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 それから、平成十年度の貸付残高は七十一兆四千八百四十億円、同じく財務の借入残高は七十一兆七千三百五十六億円と、既にその財務借入残高の方が多くなっているという状況がありますね、公庫の収支の中で。そうすると、さらにこうした受益権譲渡に伴う調達コストが上がっていくことによって収益の悪化というのはますますひどくなってくるのではないかというふうに思うのですけれども、そのたびに政府保証の公債を発行し続けていかなければならないという、この悪循環の中に入り込んでいきはしないかという懸念が一つございます。
 そしてもう一つは、公庫債権がこれから年々とかさんでいって国鉄の債務やあるいは国有林の債務のように焦げついてきた場合の処理というのはどういうふうになるのかということなんです。これから先の問題ですけれども、こうならないための工夫や準備がどういうふうになされているかということを最後にお聞きしておきたいと思います。
#173
○参考人(五十嵐健之君) 公庫の場合に、財務内容が悪くなってという動きではないわけでございます。
 先ほど、借りたお金と貸しているお金の残高でずれがあるではないかという御指摘をいただきましたけれども、これは資金繰りの関係でございまして、金融機関でございますので一時的に現金、預金等としていつもある程度持っていなきゃいけないわけでございます。これはある瞬間、つまり三月三十一日で切ってしまいますと、現預金がいつも残ってしまうということになります。だから、貸している金より借りている金の方がふえちゃうというのが出てくるわけでございます。これは金融機関としてはいつでもどこかでばたっと切ってしまいますとそういう状態になってしまうという姿なのでございます。
 基本的に私どもの財産の内容はどういうことかと申しますと、大変にお客様に恵まれておりまして、契約をお守りいただいて、ほとんどの方が契約どおりにお返しいただいている。資産として見るのもちょっと不見識ではございますけれども、資産的に見ますと大変優良な状態になっているということでございます。
#174
○参考人(望月薫雄君) 先生から、たしか公庫が膨大な焦げつきを出したときにどうかという御心配の向きをいただいたと記憶していますけれども、今理事から申し上げましたように公庫債権は、言い方がちょっと誤解を招くかもしれませんが、かなり優良な債権である。端的に言いまして、延滞率等については午前中以来の御答弁でもありましたように〇・五%近くとか、若干上がっているとかいうことがございますが、いずれにしましても、これらについては御案内のとおり今、公庫融資保証協会の保証というシステムで私どもは代位弁済を受けるという立場になっております。
 もちろん、公庫の業務を本当に健全に長期にわたって安定的に運営していくためには、そういった意味での保証協会の保証システムが完全に円滑に機能するということが極めて大事でございますが、いずれにしても、ともども含めて公庫の財務というものはその限りにおいてはいわゆる焦げつき等でどうこうなるということは今のところ余り心配しておりません。
 問題は、ちょっと一言だけせっかく立たせていただきましたので申し上げさせていただきますが、先ほど来御質問がございましたようないわゆる公庫債券の発行に関する点では、大臣が御答弁申し上げましたように、私ども公庫の使命というのは今後ともいささかも変わりないものであるし、また国民の御理解も格別そこについてはいただけるものと、こう思っているわけでございまして、そのためにはやはり長期、固定、低利の融資というものは今後とも私どもは基本として堅持する必要がある、かように思っております。
 こういった前提に立ちますと、私どもは、申し上げましたように政府からの借り入れというものを今後とも大切にさせていただきたいわけですが、一方で財政改革の動きというものがあることは事実でございます。その流れの中では、公庫も正直言いまして資産、負債の総合管理をしなきゃならない、あるいはマーケットにどう評価されるかというマーケットにさらされなきゃならぬ、こういう一つの大きな流れがございます。
 こういった中で、私どもとしてはすべてこういうすばらしいことをやるんだから政府からの借り入れが一〇〇%なきゃならぬという立場でもないし、またそういう流れでもないという認識の中では、この際いろんな意味で、言うならば期間のミスマッチ問題等々もどうこたえるかとか、人繰りのリスクをどう評価するかとか、こういったものに備えての総合的な資金調達方式というものをぜひ多元化させていただきたい。もちろんそれについては、前提となりまして申しましたが、長期、固定、低利の融資というものを完全に全うしていくためには、おのずから節度あるボリュームでの実行、こういうことになろうかと存じます。御理解いただきたいと思います。
#175
○大渕絹子君 終わります。
    ─────────────
#176
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として森下博之君が選任されました。
    ─────────────
#177
○島袋宗康君 質問に入ります前に、有珠山の火山活動について、国土庁を中心として各関係省庁がその地域住民の安全確保のために日夜努力されていることに対して、敬意を表する次第です。今後はまた、その対策に万全が期せられるように祈ってやまない次第です。よろしくお願いしたいと思います。
 我が国の長寿高齢化社会の進展に伴って、住宅のバリアフリー化と高齢者にとって安心、安全な居住空間の確保が今後ますます強く要請されるものと思われますが、現在、住宅のバリアフリー化はどの程度実現しているのか、そして今後どのような取り組みをなされるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#178
○政府参考人(那珂正君) 現在の住宅のバリアフリー化の状況を見ますと、平成十年の時点でございますが、手すりの設置、段差のない室内、廊下等が車いすで通行可能、三項目すべてに対応する住宅は約百二十万戸にとどまっておりまして、全住宅ストックのうち二・七%でございます。
#179
○島袋宗康君 結局、百二十万戸で二・七%がバリアフリーの状況が完備されているということでありますけれども、今後のこの対策、それについてどういうふうな考えを持っておるのか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#180
○政府参考人(那珂正君) 基本的には、新築時においてバリアフリー化の設計計画にしていただくということが最も合理的だと思うんです。そのため、一定の設計指針等の普及に努めるとともに、住宅金融公庫等におきましても基準金利適用の条件の一つとしてこのバリアフリー化というふうなこともきちっと条件化、要件化するというようなこと等をしているわけでございます。
 また、新築のものだけバリアフリー化されたとしても膨大なストック、五千万戸という住宅ストックをどうするんだというようなこともありますが、それにつきましてもなるべく改造をお勧めする。その改造に要する費用についても、住宅金融公庫等から融資を積極的に勧めていくということをしていきたいと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、お住まいになっている方あるいは住宅の所有者の方のこういう高齢者対応といいますかバリアフリー化への意識というものをもう少しいろんな形で高めて誘導してまいりたいと思います。
#181
○島袋宗康君 既設の建物は相当あるわけですから大変難しい問題とは思いますけれども、高齢化社会に向けて、ぜひその辺を考えながらこれからの建設を進めていただきたいというふうに思っております。
 それから、ゆとりのある住生活を実現するためには、一人当たりの居住面積が適切に確保されなければならないと思います。現状ではどのようになっているのか。満足すべき状況なのか、それともなお改善の余地があるのかどうか。欧米諸国との比較においてどのような状況になっているか、御説明願いたいと思います。
#182
○政府参考人(那珂正君) 我が国の住宅床面積は、長い目で見ますと着実にそれなりに向上してきていると思います。一人当たり床面積で申し上げますと、昭和六十三年時二十八平米でございましたものが、平成十年時点では三十三平米となっております。
 しかし、今先生御質問の欧米諸国との比較でどうかということでございますが、ヨーロッパ諸国と比べますと、なお一割程度少ない、狭いということ。アメリカに至っては六十平方メートルにも至っておりますので、とても比較にもならないぐらいまだまだおくれているという状況であろうかと思います。
#183
○島袋宗康君 次に、住宅金融公庫の公庫融資利用者調査報告によりますと、公庫資金利用者の主要指標で、マイホーム新築融資利用者の年齢はほぼ四十一歳、マンション購入融資利用者は三十七歳、建て売り住宅購入融資利用者は三十八歳というようになっておりますけれども、今後このような状況が続くとすれば、三十五年のローンを支払い終わるころにはよわい七十歳を超えていることになるわけであります。
 したがって、公庫融資を利用できる年齢がもっと若返る必要があるのではないかというふうに思います。例えば三十歳とか三十五歳とか、もう少し若い世代が公庫融資を利用できるような政策誘導が図られていいのではないかというふうに思いますけれども、その辺についてどうお考えか、お伺いします。
#184
○政務次官(加藤卓二君) 若年層の住宅取得方策についてお尋ねでありますが、若年層の円滑な住宅取得を支援するために、住宅金融公庫融資においては、「つみたてくん」の活用による一定の資金を積み立てた者に対する融資額の増額を図っております。住宅価格の高額な三大都市圏におけるマンションの取得に対する融資額の増額は、はじめてマイホーム加算は三百万円加算を行っておるところであり、マンション購入については二十代の利用者も二割弱となっております。
 また、今回の公庫融資の見直しにおいては、新築住宅については一定の耐久性を要件化した償還期間を三十五年に改善することとしており、これにより月々の返済額は大変軽減され、熟年層に比べて収入の低い若年層にとっても住宅は取得しやすくなると考えております。
#185
○島袋宗康君 三十五年にするからということで、一概にそういうものが解決できるということにはちょっとならないんじゃないかと思いますけれども、もっと若い者に住宅を与えていくというふうな政策、そういった誘導的なものがないかどうか。三十五年だけでそういったものが済まされるのかどうか、その辺はどうですか。
#186
○政務次官(加藤卓二君) 島袋委員のおっしゃられるとおり、こういう問題は非常に徐々にではありますが、建設省としても若い人たちに焦点が絞られるように十二分に努力していくつもりでおりますので、今後とも御指導をお願いします。
#187
○島袋宗康君 住宅金融公庫の資料によりますと、住宅金融公庫に対する繰り上げ償還額が年々増加しております。低金利の民間金融機関からの借りかえ等もあろうかと思いますが、その理由をお聞かせ願いたいと思います。
#188
○参考人(五十嵐健之君) 最近の任意繰り上げ償還の状況でございますけれども、平成七年度に九兆円台というピークがございまして、以後、恐らく今年度もそうでございますけれども六兆円台、八年度は五兆円でございましたけれども、九年度、十年度、十一年度と六兆円台で推移するということになりそうでございます。
 原因は何かというお尋ねでございます。当然のことながら、公庫が融資申し上げた段階では民間住宅ローンの金利より低い金利でその当時お貸ししていたわけでありますけれども、原因の一つは、先生おっしゃるように住宅ローンの金利水準全体が下がってしまった、逆にお貸ししているローンが割高だという印象を持つようになったのではないかというのは確かにございます。
 ただ、それ以外に、全体的なことになるわけでございますけれども、大変に現在の預貯金金利の金利水準が低くなってしまったというようなことから、ローンのお客様方は預貯金をしておくよりは早く借金を返したいというお考えが強くなってこられたという傾向があると思います。できるだけ早く返してしまいたいというお考えが強くなってきたようでございます。
 それから、もう一つの傾向といたしましては、経済の先行き、特に所得が今後どうなりそうかというところがちょっと読みにくくなった。これもまた早く借金をなくしておきたい、少なくしておきたいというお考えになっておられるようでございます。
 こういったことが影響したものと考えております。
#189
○島袋宗康君 公庫金利が高くて民間金融機関の金利が低いという状況が現出していることは、政府の金利政策の整合性がとれていないんじゃないかというふうに思います。それは一種の政策破綻ではないのかというふうに思われます。
 ここに表がありますけれども、平成七年度では物すごい倍近くの繰り上げ償還額が、推移を見ていますとだんだん上がってきています。そういう状況からすると、私は金融政策の問題があるんじゃないかというふうに思いますけれども、どのように対応しますか。
#190
○政務次官(岸田文雄君) 住宅金融公庫の金利についてのお尋ねでございますが、公庫融資の役割、先生も御案内のとおり国民に対して長期、固定、低利の住宅資金を供給するということでございますが、この金利というものは原資であります財投金利を踏まえて定めているわけですが、その時々、融資の実行時におきましては、長期、固定の融資としまして最も低い水準ということで定められているわけであります。過去の金利水準の資料を見ていただきますならば、間違いなく常に民間金利と比べまして公庫金利というものは低い水準で定められているわけです。
 現在も公庫金利は二・八〇ですが、十年固定の民間金利が三・六〇ですから、これは間違いなく低い水準で定められているわけですが、先生御指摘いただきましたように繰り上げ償還がふえている。そういった状況が起こる原因として金利の逆転があるという御指摘でありますが、これは市場の金利の急速かつ大幅な低下によりまして、融資実行時点では最も低い金利であり、そして長期、固定の公庫金利と比べて、変動金利を中心とする民間の金利が下回ったという状況によってこういった状況が発生してしまうわけです。ですから、金融環境が大きく変化したことによってそういった状況が起こる、こういったことは想定されるわけであります。
 しかし、それにしましても、融資実行時におきましては最も低い金利で融資を実行している、なおかつこれは長期、固定で融資を実行しているわけですから、将来の資金計画を立てる等考えますと、長期、固定そして低利の資金を貸し出しているということ、これは大変大きな意義があるというふうに思っております。住宅取得を支援する融資として大切な資金だというふうに考えております。
 そして、よりわかりやすく考えていただくためには、金利低下局面では今言ったような問題が生じるわけですが、金利上昇局面におきましては逆にこの公庫融資というもののメリット、ありがたみ、これがますます高まるわけですから、そういったこともお考えいただきまして、この長期、固定、低利の住宅金融公庫の融資というものの意味合い、存在意義、そういったものを考えていただければと存じます。
#191
○島袋宗康君 資料によりますと、公庫融資に係る延滞債権の件数と金額の年次別の増加の状況、公庫債権に係る公庫信用保証協会代位弁済の件数と金額の年次別の増加の状況は平成十年度に急増しております。その原因はどの辺にあるのか、お尋ねいたします。
#192
○参考人(五十嵐健之君) 返済が困難になられましたお客様に対しましては、公庫の支店でありますとか、それから委託申し上げております金融機関の公庫窓口で、全力で先ほど来御説明申し上げておりますような御相談を申し上げている。いろんなやり方があります。例えばボーナス返済をやめられたらどうでしょうかとか、いろんな条件変更や何かでそれぞれもとへ戻るような御相談をやらせていただいているわけでありますけれども、ただそこでも勤め先の問題でありますとかいうような問題で代位弁済に至るというケースもあるわけでございます。
 今先生御指摘の点は、十年度に保証協会の代位弁済がふえているではないかという御指摘ではなかったかと存じます。これにつきましては、御記憶のように平成九年度、特に十一月に金融危機が一気に起こったあの時期でございます。それから十年度、さらに現在に至りますまで個人の破産申し立て件数が急にふえております。それから、完全失業率は御案内のように大変に悪い、厳しい状況にございます。さらに、企業の倒産、リストラ、所得の減少といったようなことがございます。そういったようなところがこういう数字になってあらわれたものではないかと理解しております。
#193
○島袋宗康君 資料によりますと、住宅ローン貸出残高の推移を沖縄振興開発金融公庫について見ますと、件数約八万件、金額にして約八十四億円であります。ともにこの数年ほぼ横ばいの状況でありますけれども、これはどういう状況なのか、御説明いただけませんか。
#194
○政府参考人(玉城一夫君) お答えを申し上げます。
 今先生から御指摘のございました沖縄公庫におきます住宅資金の貸し付けの件数と残高でございますが、平成九年度が八万五千百二十六件、残高が九千二十五億円、平成十年度が八万三千二百七十件、残高が九千八十四億円とほぼ横ばいで推移をしております。
 その背景でございますが、消費税率が引き上がりまして、その後の需要の反動減や、また景気回復のおくれなどから、平成九年度と平成十年度の融資実績が平成八年度までの実績を下回りましたこと、また繰り上げ償還もなお高水準にあったことによるものと考えております。
#195
○島袋宗康君 現在、沖縄県における住宅の需給の状況はどのようになっているか、お尋ねします。
#196
○政府参考人(那珂正君) 沖縄県内におきます本年度の新設住宅着工戸数で申し上げますと、ほぼすべての月において対前年同月比を上回っております。二月までの十一カ月の総戸数は一万一千八百戸で、既に昨年度の一万二百戸を上回っているわけでございまして、全国平均の着工動向に比べましても大変沖縄の着工動向は堅調だ、こういうふうに思えます。
#197
○島袋宗康君 最後の部分がちょっと聞こえにくかったんですけれども、沖縄県の状況というものは全国に比べてどういう位置づけですか。
#198
○政府参考人(那珂正君) 大変堅調に推移していると思います。
#199
○島袋宗康君 どうもありがとうございました。
 さきに住宅のバリアフリー化等、高齢化に対応した住宅対策についてお尋ねいたしましたけれども、この点についての沖縄県の現状はどうなっているのか、お伺いします。
#200
○政府参考人(那珂正君) 沖縄県の場合につきましては、全住宅ストック四十一万戸のうち約一・二%でございまして、先ほど申し上げました二・七%という全国の平均に比べて少ない状況でございます。
#201
○島袋宗康君 全国よりも低いということですけれども、これからの対策としてはどのようにお考えですか。
#202
○政府参考人(那珂正君) 先ほどもお答え申し上げましたように、これは各県ごとというよりは全国どこの県も押しなべて同じだと思いますが、やはり新規のものについてこういうバリアフリー化の措置をきちっととっていただくということと、既設の住宅について改造、改善ということを融資等を通じて積極的に推進していくこと、この両方が必要だと思います。
#203
○島袋宗康君 沖縄における住宅政策として、もう一点、沖縄の風土に適合した伝統的な赤がわら屋根住宅の普及を図るべく、その辺の景観も配慮しながら住宅政策を進める必要があるのではないかというふうに思っております。その辺についての御見解を承りたいと思います。
#204
○政府参考人(那珂正君) 住宅政策のいろんな側面があると思いますが、おっしゃるように町づくりというような観点はそれぞれの地域の風土、気候に適したものとして進めなければいけないことはもう御指摘のとおりだと思います。
 沖縄では、先生御指摘の赤がわら屋根というような一つの様式化したものがあるというふうに承知しておりますが、こういうものについても、一部の地域ではございますが、例えば住宅金融公庫の割り増し融資と連携するというようなこともやっているというふうに聞いておりますし、また別な観点からは、そういう伝統文化だけではなくて、新しい観点からの地域政策的ないろんな県なりあるいは地元市なりのいろんな施策があると思います。
 住宅金融公庫融資も、そういうものと協調して支援していくような体制をとっていきたいと思います。
#205
○島袋宗康君 県民も赤がわら屋根住宅については非常に関心が大きいわけです。ここで申し上げるのは何かと思いますけれども、実は四月一日から開館されております平和祈念資料館、これは集落を模造した赤がわら屋根で大きな建物がずっと並んでいて、本当に沖縄らしい建物ができ上がっております。大変赤がわら屋根のすばらしさが見られるんじゃないかというふうに私は思います。
 そういった関係もありますので、あえて質問をさせていただきました。これについてもっと地域に配慮して、伝統文化あるいは赤がわら屋根を普及するための政策的なお考え、推進できるような政策的な考えはないのかどうか、その辺はどうですか。
#206
○政府参考人(玉城一夫君) 先生から赤がわらぶきの住宅について特別に融資面からの支援措置はないかということでございますが、沖縄公庫では既に平成元年度から沖縄公庫独自の制度といたしまして割り増し融資をいたしております。この十年間で二割増しの融資をしておりますが、六百九戸、お金にしまして百三十五億円余の融資をしてございます。
#207
○島袋宗康君 今後ともその融資アップをひとつ図って、赤がわら屋根の普及を進めていただきたいと要望しておきたいと思います。
 最後になりましたけれども、ゆとりある住宅の普及対策に対する建設大臣の御意見、御決意を承って、私の質問を終わりたいと思います。
#208
○国務大臣(中山正暉君) 御質問の冒頭で、先ほど有珠山非常災害対策本部に対する御激励と御示唆をいただきました。日本には八十六の火山がございますが、南の沖縄出身の先生から北海道の問題で御示唆をいただきましたことを肝に銘じて、感謝をしながら今後の対策を立ててまいりたいと思います。
 特に今先生からお話のありました赤がわら屋根、シーサーが屋根の隅に鎮座しているあの赤がわらを脳裏に思い浮かべるわけでございますが、そういう民族の誇り、地域の誇りみたいなものが住宅政策の中にも特別割り増し融資のような形でできることもゆとりある住まいの一環ではないかと思います。
 とにかく、我が国の一人当たりの住宅面積は平成十年時点で三十三平米と、欧米に比較しましたらまだ大変低い水準にございます。アメリカが倍ほどでございますが、日本の国土の二十六倍ある国でございます。その上に、日本は狭いところに人口が、二十六倍ありますのに人口は日本の倍しかありません。
 そういう地域との差は歴然としておりますけれども、とにかくこのような状況を踏まえながら、少子高齢化等を背景に国民の高度化、多様化する居住ニーズといいますか満足度に合ったものをつくっていくために、税制とか融資等の措置により良質な持ち家の取得、それから高齢者向けの優良賃貸住宅の本格的な整備等の良質な賃貸住宅の供給を促進すること。それから、住宅市街地の美観の維持、先ほど申しましたようなその地域地域に合った、どなたかから掛川のお話がございましたが、そういう問題も含めまして地域の美観とか伝統的な町並みの保存というような各施策の推進を図って、日本らしいゆとりある住まいづくりと申しますか、そんなものを目的にすることを住宅政策の根幹に据えてまいりたい、かように思っております。
#209
○島袋宗康君 御丁寧な御答弁をありがとうございます。
 終わります。
#210
○委員長(石渡清元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#211
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
    ─────────────
#212
○委員長(石渡清元君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#213
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山哲郎君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
#214
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、自由党、参議院の会及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、今後の住宅政策の展開に当たっては、公共賃貸住宅、民間賃貸住宅及び持家住宅についてバランスの取れた施策を講ずることとし、民間賃貸住宅の居住水準の向上を図ること。
 二、公庫の資産負債管理の推進に当たっては、資金調達手段の多様化と財務状況の公開を積極的に行うこと。
 三、公庫の貸付けに係る住宅の耐久性に関する基準の周知及び技術の普及に努めるとともに、引き続き住宅建設コストの低減に努めること。
 四、良質な中古住宅の流通の円滑化のために、中古住宅の評価システムの確立、市場における住宅情報の提供機能の整備等に努めること。
 五、公庫融資に係る延滞債務が増加している現状にかんがみ、今後の経済情況を踏まえ利用者の事情に配慮した返済困難者対策を講ずるよう努めること。
 六、公庫の新たな業務については運営の健全化に努め、融資に当たっては利用者の利便を考慮し民間金融機関との協調を図りながら、その手続きの簡素化を一層推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#215
○委員長(石渡清元君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#216
○委員長(石渡清元君) 多数と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中山建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中山建設大臣。
#217
○国務大臣(中山正暉君) 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御高見やただいまの附帯決議について提起されました今後の住宅政策のあり方、公庫の資産負債管理のあり方、住宅の耐久性に関する基準の周知及び技術の普及等の課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに委員長を初め委員各位の御指導、御協力に、この法律を所管いたします建設大臣として深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。
#218
○委員長(石渡清元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#219
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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