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2000/04/27 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第13号
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2000/04/27 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第13号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第13号
平成十二年四月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任   
     脇  雅史君     溝手 顕正君
     羽田雄一郎君     北澤 俊美君
     藤井 俊男君     岡崎トミ子君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任   
     坂野 重信君     長峯  基君
     溝手 顕正君     脇  雅史君
     緒方 靖夫君     吉川 春子君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任   
     長峯  基君     佐々木知子君
     岡崎トミ子君     前川 忠夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                佐々木知子君
                末広まきこ君
                月原 茂皓君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                前川 忠夫君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                吉川 春子君
                大渕 絹子君
                奥村 展三君
   国務大臣
       建設大臣     中山 正暉君
       国務大臣
       (環境庁長官)  清水嘉与子君
   政務次官
       建設政務次官   加藤 卓二君
       環境政務次官   柳本 卓治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       防衛庁参事官   小林 誠一君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       厚生省生活衛生
       局水道環境部長  岡澤 和好君
       通商産業省環境
       立地局長     中島 一郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     岡本  巖君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○悪臭防止法の一部を改正する法律案(内閣提出
 )
○都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日、羽田雄一郎君及び藤井俊男君が委員を辞任され、その補欠として北澤俊美君及び岡崎トミ子君が選任されました。
 また、昨日、坂野重信君及び緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として長峯基君及び吉川春子君が選任されました。
 また、本日、岡崎トミ子君が委員を辞任され、その補欠として前川忠夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 悪臭防止法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、防衛庁参事官小林誠一君、環境庁大気保全局長廣瀬省君、厚生省生活衛生局水道環境部長岡澤和好君、通商産業省環境立地局長中島一郎君、通商産業省基礎産業局長岡本巖君及び建設省建設経済局長風岡典之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石渡清元君) 悪臭防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 長官並びに政務次官におかれましては、先日の滋賀での環境大臣サミット、大変お疲れさまでございました。私も滋賀の地に行かせていただきまして、長官や政務次官が頑張られている姿を拝見しました。これからCOP6に向かってさらによろしくお願い申し上げます。
 きょうは、悪臭防止法の改正案ということで質問させていただきます。
 悪臭というのは、いわゆる環境問題の中では余りなじみがないというか、いろんなところでは出てきていたと思うんですが、現実に日本の公害問題の中では、いわゆる七大公害、大気汚染、土壌汚染、水質汚染、騒音、振動、地盤沈下、そして悪臭というような七大公害として指定されているわけですけれども、余りなじみがない方がいいに決まっているので大きくクローズアップはされていないんです。
 私も勉強不足で、今回の法案の改正に当たりまして大変びっくりしたんですけれども、九八年度の日本全体の苦情件数を見ると、この七つの中で悪臭が騒音を抜いてワースト一位になっている。それで、九八年度の苦情件数が二万件、もうウナギ登りでこの悪臭に対する苦情がふえている、過去最悪だった一九七二年にほぼ並びかけている。これは、先ほど私はなじみのない問題だと言いましたが、なじみのない問題などと言うと、それで苦労されている住民の皆さん等にとっては大変失礼な済まされない話でございまして、深刻に受けとめなければいけないというふうに思います。
 今回、この改正案を出していただいたことに対しては大変感謝をするわけですが、まず長官にお伺いします。この悪臭に関する苦情件数が急増している原因、理由をどのようにお考えか、そして今回の改正の意義について、まずはお答えをいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、近年悪臭の苦情が非常にふえているわけでございまして、平成十年で二万件を超えるというようなものになってきているわけでございます。その要因でございますけれども、野外焼却に係ります苦情がふえていること、あるいはやはりこういった問題に対する国民の皆様方の意識が高まってきているということもあるのではないかというふうに思っております。
 今回の改正でございますけれども、このような悪臭苦情の増加に対応いたしますために、悪臭を伴う事故への対応、それが一つ。そしてもう一つは、臭気指数の測定体制の整備を図る、この二点が改正の主な点でございます。
 まず、事故時の措置のことでございますけれども、例えばよく例に出されますのが、中古タイヤの集積場の火災でありますとか、あるいは工場におきます化学物質が漏れ出してきている、そして悪臭が出てきているという事故を見ますと、応急措置が適切に行われない。もしそれが行われませんと、一時的に大変な悪臭物質が出て、そして国民の皆様方にも非常に被害が及ぶということでございます。また、特に何が原因物質なのかということもはっきりいたしませんと、余計住民の皆様方の不安も高まるということでもございますし、行政の対応もおくれるというような問題がありますために、この事故時の措置について対策の強化を図ろうということがあります。
 そしてまた、もう一つ申しました臭気指数の測定体制の整備という点でございますけれども、臭気測定業務従事者、いわゆる臭気判定士という職業の方々がおられるわけでございまして、このちょうど四月から悪臭防止法の規制だとか測定に関する事務が市町村長の自治事務になりました。そういうこともありまして、市町村の測定体制の整備が求められておりますものですから、市町村長が測定業務を円滑に実施することができますようにいわゆる臭気判定士に関します制度を今度は法律に規定しよう、こういうものでございます。
 悪臭の苦情件数につきましては、こういった悪臭防止法の改正で事故時の措置が強化されることとあわせまして、今国会には廃棄物処理法の改正におきまして悪質な廃棄物の野外焼却の禁止を盛り込んでいるというようなこともありますので、これらが成立、施行されますことによって苦情件数も減ってくるのではないだろうかというふうに思っているところでございます。
#8
○福山哲郎君 ありがとうございます。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 今お話しをいただいて、一つ長官のお話で非常に関心というか興味を持ったのは、国民の意識が高まった。国民の意識が高まって苦情件数がふえたというのは非常に逆説的な表現なんですが、ダイオキシンも含めて、逆に言うと今までは変なにおいがしていてもまあいいだろうとうっちゃらかしていたものが、これはやっぱりダイオキシンの問題とかいろんな問題があって自分の体に害があるかもしれないから一応届けるなり、こんなものだよと言って知らせておかなければいけないのではないかという、そういうどちらかというと肯定的な意味で今長官がとらえられたということに対しては僕もそのとおりだと思います。逆に言うと、それはイコール国民のチェックがそれだけ厳しくなってきたということでございますから、そこもしっかりと我々は認識しなければいけないなというふうに思っています。
 実は、ごく当たり前の話なんですが、これだけ苦情件数がふえていまして、業種で見るとサービス業が圧倒的に多い。中でも野焼きによるものがずば抜けて多いわけです。その中で問題は、どのような物質による悪臭が一体多いのか。悪臭防止法で規制されている化学物質というのは二十二種類なわけですが、どの物質による苦情が多くて、実態は、その苦情の中で一体どのぐらい規制基準をオーバーしていて、苦情はあるけれども数値的には基準内におさまっているのかどうかとか、その辺のことがちょっと今の現状わかりにくい場合があります。
 だから、苦情は来ているけれどもその本質的なものは一体何なんだ。苦情としてはわかるけれども、それは先ほど申し上げましたように、ある一定のレベルよりも低いのか上なのかということで考えますと、そこら辺は実はこれから規制をするに当たっても重要なことだと思うんですが、そういった実態については環境庁は把握をされているんでしょうか。
#9
○政府参考人(廣瀬省君) 苦情の実態についてですが、これについては毎年報告をしていく形でおります。そして、先ほど先生がおっしゃいましたように、昭和四十七年のピークがありましたが、今回それに近い形での、今まで漸減してきまして平成八年から増加の傾向をたどっているという形をとっているわけでございますが、その中で特に物質については現在二十二の物質を決めておりまして、その二十二の物質についてはそれぞれ規制基準というのを持っております。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 そして、その規制基準にかかわって具体的にどのような形でどのようなものが一番多いかということをおっしゃられておりますが、それについては具体的にどのような形で処理しているかと申しますと、具体的な測定という形では平成十年度百四十八、平成九年度百二十九という形で、そのうち基準を超過しているものというのが平成十年度百四十八のうち二十六という形でございます。そして、立入検査というのは四千八百五十五しております。
 そういう中で考えていきますと、この法律の現在の運用というのは、苦情があったことに対して具体的にどう処理をするか、そして具体的にどう改善をしていくかということを主眼に置きながらしているということだというふうに思っております。
 それから、内容的に、先生がおっしゃいましたように野焼きの問題ということにかかわっては、一番大きいのは、ダイオキシンの問題が発生したこととあわせて八年から増加しているということは、間違いなく煙に関して大変敏感になってきている。そして、特にその中で産業廃棄物にかかわるような問題に強く国民の関心が行っている。それからもう一つは、自宅の中で燃やすことについても大変神経質になってきているということが今回反映されている部分というふうに思っております。
 そして、先ほど大臣が申したとおり、その反映をもとにして今回の法改正も行ってまいりたいというふうに考えたわけでございます。
#10
○福山哲郎君 済みません、私が今聞き逃したのかもしれませんが、平成十年百四十八、平成九年百二十九と言われたんですが、これは何の数字でございますか。
#11
○政府参考人(廣瀬省君) 先ほど先生の御質問の中に、悪臭に関してどういう基準を設けてどのような形で把握をしているかということに関して、具体的に問題になった苦情のことに関してどのような形で測定をしたか、その測定回数が、立入検査は四千八百五十五しておりますが、具体的に測定しているのは百四十八という形で、そのうちの超過しているのが二十六という形です。
 ですから、対応としての問題は、大変深刻な状況を迎えているものに関しては測定をし、それに基づいて改善勧告もするような形に持っていこう。それからもう一つは、具体的な改善対策を業者にお願いしていくという形で問題解決を図っていくというやり方をしているということになっています。
 ただ、問題は、先ほど申した産業廃棄物とかそういう煙に関しての問題というのがなお大きな問題として残り、それについて具体的な対応がなされていなかったという反省を踏まえていますということでございます。
#12
○福山哲郎君 今の百四十八、百二十九というのが多いか少ないかという議論はまたしていかなければいけないんでしょうが、要は苦情が二万件ぐらいある状況の中で、百四十八、百二十九に関して言うと測定をした。立入検査は二万件のうちの四千八百五十五ですから、立入検査は行ったけれども、現実問題として測定に当たられたのに関して言うと百四十八とか百二十九というような受けとめ方でよろしいんでしょうか。
#13
○政府参考人(廣瀬省君) 具体的に悪臭問題はその程度をどう把握するかという考え方です。それから、具体的に原因になっていることが最初からはっきりしていて苦情がある場合には指導をし、具体的に立入検査をすることによって改善がなされるということのために事前にかなり、苦情に基づいて測定しない前に入るというやり方もします。
 ですから、そういう意味では対話を中心にしながら悪臭の処理に当たっていくというのが基本でございまして、そういう形でやってきました。それで、測定をしなきゃならないケースというのが具体的に百四十八ございましたという形でございます。
#14
○福山哲郎君 測定をされた場合には、原因化学物質がどのようなものであって、それの数値がどうであるということは、その百四十に関してはきっちり持っておられるということでございますね。
#15
○政府参考人(廣瀬省君) そのとおりでございます。
#16
○福山哲郎君 二万件について測定をしているのが百四十八で、その数が多いか少ないかという水かけ論を今ここでしても仕方がないというふうに思っていますが、私は、本質的には一体どのような物質が苦情の対象として非常に多いのかとか、その測定値みたいなものが現実問題として人体もしくは付近の生態系に対してどのような影響を及ぼすのかというのをやっぱりある程度理解していかないと、法案の改正の趣旨がなかなか実効性が伴わないような気がするわけです。
 それで、環境庁さんの人員的な問題、予算の問題も含めて限界があるのも重々存じているわけでございますが、ここは苦情を言ったからといって現実の中身、先ほど申し上げた物質がどんな状態でどのぐらいの量出ているのかということがわからないと、これは住民の不安とか、苦情として言ってきた人たちの思いというのはなかなか晴れないということもあると思いますので、ここは少し前向きにというか積極的に対応を図っていただきたいというのは、まず要望をさせていただきます。
 これを言っているともうあれなので、先にとりあえず進みます。
 現在の悪臭防止法で規制されているのは、規制対象地域に指定されているエリアがありますが、その中で規制対象事業に指定されている事業者が悪臭を放っている場合だけです。もしそれが規制対象地域に指定されていなければ網にかかりませんし、ましてや対象事業でなければだめなわけです。つまり、地域と業種の両方の要件に当てはまらないと規制がかからない。
 そうすると、この要件に当てはまる苦情というのは事業者が原因となっている苦情の全体の七割で、残りの三割はこの要件から外れて規制の対象外になるという状態だと私は今見ているんですが、この件についてはどのようにお考えでしょうか。
#17
○政務次官(柳本卓治君) 福山委員御指摘のように、事業活動に係る悪臭苦情のうち悪臭防止法の規制対象外の苦情割合が約三割を占めていることにつきましては承知いたしております。
 悪臭防止法の規制地域外で悪臭苦情が生じている地域につきましては、地域の実情に応じまして都道府県知事が速やかに指定地域を拡大するなどの適切な対応を講じるものと考えておりまして、この指定地域の拡大によりまして問題の解決が図られるものと認識をいたしております。
#18
○福山哲郎君 今の話の流れでお伺いしますと、地域指定状況を見ますと、市町村の中で、市レベルでは九〇%以上が指定をされている、それから町になりますと五〇%以下、村になりますと二割そこそこで、結局トータルでは五〇%ちょっとなわけです。要は、逆に言うと約半数の市町村は地域指定を全く行っていない。
 今政務次官が、速やかに各首長なり自治体が指定をすればということを言われているんですが、現実問題としては約半数の市町村は地域指定を行っていないわけですが、こういう実態についてはどのようにお考えでしょうか。
#19
○政務次官(柳本卓治君) 悪臭防止法の規制地域に関しましては、当該地域を管轄する都道府県知事が地域の実情に応じまして順次規制地域を拡大してきたところです。
 福山委員御指摘のように、三千二百七十七の市区町村数のうち千七百十九、約五二%が規制地域を有する市区町村数でございまして、今回の悪臭防止法の改正とともに臭気指数に関する規制基準の設定作業が間もなく終了することによりまして一層苦情の実態に即した対応ができるようになる、法に基づく悪臭苦情への対処が速やかになると考えております。
 このことから、現在、規制地域を持たない市町村におきましては、都道府県知事に対し新たに規制地域の指定を希望するケースが増加すると見込んでいるところでございます。
#20
○福山哲郎君 ぜひそこはしっかりとお願いをしたいと思っています。
 もう一つ申し上げると、先ほど政務次官言われたように三千二百七十七のうちの千七百十九指定地域があるとおっしゃっていますが、これは半分の市町村で全部の地域が指定地域になっているわけではなくて、いろんなエリアがあって、ひょっとするとカバーをしている面積、エリアの範囲でいうと一体どの程度なのかが全くわからないわけです。しっかりと苦情の件数をチェックされることも作業としては大変だと思いますけれども、苦情の中身を精査していただいて、そこはきっちり規制地域に指定していって、先ほど言われました規制外、蚊帳の外にならないように積極的な御配慮をお願いしたいというふうに思います。
 次に移りたいと思います。
 私は、先ほども申し上げましたように環境庁さんの人員的な問題、そして予算の問題も含めてなかなか全部が全部カバーするのは大変だというふうに思っているんですが、冒頭申し上げましたように悪臭の質的な変化、六〇年代からこの九〇年代にかけて悪臭の質的な変化というのはかなり変わってきていて、それまではいわゆる家畜とか動物臭というような形で、あそこのふん尿が臭いとか、あそこで家畜を飼っているから臭いとかいうのがあったわけですが、今はやはりそういう肥料や家畜というよりは、先ほど長官も言われましたようにばい煙、それから化学物質、そして先ほども出てまいりましたダイオキシン、それから産廃の焼却、そして今回もいろいろ問題になっています古タイヤの火災など、苦情の原因というのは大変多様化をしています。
 要は、それぞれが一筋縄ではいかないような問題で多様化しているわけで、その原因というのは先ほどから何回も申し上げていますが、化学物質でございます。そういった化学物質による悪臭が出ていることに対して、人体への被害も含めて、この悪臭の質的な変化ということに対して現在環境庁はどのような御認識でいらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
#21
○国務大臣(清水嘉与子君) 先生御指摘のように、以前は確かに畜産業でありますとか、あるいは化学工場からのアンモニアでありますとか、そういった物質があったわけでございますけれども、今はかなり複合的なといいましょうか、一つのにおいだけでない、いろんなにおいがまざったようなもの、例えば飲食店などから発生するようなものが非常に苦情としても多くなっているというふうに考えております。そういったいわゆる複合臭というようなものが事業場に係る苦情の四割を占めているというような状況でございます。
 においというのは、これは人によってはいいにおいに感ずる人もいるし悪いにおいに感ずる人もいる、いろいろな難しい点があるわけでございますけれども、全体的には苦情の中身を見ますと、今申し上げたような複合的なにおいが非常に圧倒的に多くなっているということがございます。今回の法改正によりまして、これらの悪臭苦情に対しましても適切な対応が図れるというふうに考えているところでございます。
#22
○福山哲郎君 適切な対応がなされるようにと。ということは、余り対応としては質的な変化について具体的に今のところ何か、適切なことで今回改正が行われたとは思うんですが、そこは具体的にはいかがですか。何かございますでしょうか。
#23
○国務大臣(清水嘉与子君) 今の改正の中で出しておりますことでございますけれども、もしそういうことになりますと、当然事故の発生したときに直ちにその事故についての応急措置ということが講じられなきゃいけないわけでございまして、そういう問題が起きますと当然市町村長にその事業者が通報しなきゃならない、そしてまたそれに対して応急措置を講ずることを市町村長は命ずるというようなことが今度はきちんと規定されることになっております。そのことに対して臭気測定業務従事者、いわゆる臭気判定士でございますけれども、そういった方々が活躍をしてその臭気に対してきちんとした評価をして、そして対応を図れるようにするというようなことを規定したわけでございますので、それがまた市町村の事務になったということもございます。
 つまり、そういう臭気の苦情があって、問題が出たときに早く対応することができるようになったということを申し上げているわけでございます。
#24
○福山哲郎君 今のお話もそうなんですが、例えば事業者が悪臭を発生することを防止するような責務規定、中央環境審議会が、「事業者が悪臭の発生の防止に努める責務の明確化を図ることが必要」だというふうに言っているんですが、今回の改正では盛り込まれなかった。
 今環境庁長官がおっしゃられましたように、起こったことに対して応急措置をするということは、これはもうはっきり申し上げて、先ほど言ったように質的な変化をしているわけですから、人体にも生態系にも影響が起こる可能性がある、そこで応急措置をしていかなければいけないというのはもちろんなんですが、起きる前の予防的な措置としてもこの悪臭防止という点に関してはそろそろやっぱり積極的に対応していかなければいけない時代になってきているのではないかというふうに私は思っております。
 今回の事業者に対する悪臭の発生をしないための責務規定等が今回外されたわけですけれども、こういった点についてはどのようにお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(清水嘉与子君) 中央環境審議会からの御答申もいただきまして、今回の改正案に事業者の責務規定を設けるということについても私ども実は検討したわけでございます。
 しかし、あらかじめ指定した地域において規制を行う制度をとっております現在の悪臭防止法の体系でございますと、必ずしもすべての事業者に対する責務を規定するということに対して、それとはちょっと整合しないというような法制上の判断がございまして、今回の改正案には盛り込まれなかったわけでございます。
#26
○福山哲郎君 非常に私としてはそこは不満な点なんですが、さらにもう一つは、やはり審議会でもそうですし、今大変問題になっているのは野焼きの問題ですね。その野焼きを防止するために規制を強化するということは大変必要だというふうに思うんですが、実はこの改正案を見ると野焼きの文字はどこにも見当たらない。これも先ほど申し上げた事業者の悪臭を放つことを防止する責務ということと、この野焼きに対する対応ということは非常に重要なことだったんですが、残念ながら今回、野焼きの字が入っていなかった。
 これは一体どういうことだったのか、御答弁いただけますでしょうか。
#27
○国務大臣(清水嘉与子君) この野焼きの問題もいろいろ問題になったのでございますけれども、廃棄物の野外焼却につきましては、既に今国会に提出されております廃棄物処理法の改正案におきまして一定の廃棄物の焼却行為の禁止が規定されております。そしてまた、その違反者に対する直罰の適用も規定されておりまして、これで廃棄物の野外焼却は相当程度カバーされるというふうなことでございまして、今回は入れていないわけでございます。
 悪臭防止という観点からの野外焼却の規制ということにつきましては、現行の悪臭防止法の規制措置が改善勧告でありますとかあるいは改善命令などございますので、そういうことで対応することにしているわけでございまして、今相当程度、廃棄物処理法の改正案によりまして、この廃棄物処理法におきましては十六条の二におきまして、「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。」という規定がございまして、幾つかございます。そして、その廃棄物処理法の第二十六条には、八号におきまして、「第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者」に対しては「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、」というようなことが記載されておりまして、こういったところで廃棄物処理法と相まってこのことをきちんとしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#28
○福山哲郎君 恐らくそう御答弁されるだろうというふうに思っておったんですが、廃掃法の改正はまだ通るかどうかわかりませんね。まだ法案が通るかどうかわからないし、さらには廃掃法で野焼きを全面禁止しているのも存じているんです。
 廃掃法というのはあくまでも廃棄物の処理について定めたものでございまして、これは燃やしているものが廃棄物ではないと言われたらどうしようもないんです。それから、この悪臭防止法でも住宅密集地域の野焼きしか禁じていませんから、結果的には、地域的にもそうですし、燃えている物質的にもそこからこぼれ落ちるものが何個も出てくる。
 それは野焼きをする人間が悪いわけで、それを全部環境庁に面倒を見ろということも僕は余り言いたくはないんですけれども、その辺では法律的には今抜け穴が少しできているのではないかなというふうには思っているんですが、そこはいかがでしょうか。
#29
○国務大臣(清水嘉与子君) 例えば古タイヤなんかにいたしましても、これが廃棄物であるのかあるいは有価のものであるのかという問題はいつも起きているわけでございますけれども、大体は廃棄物のものが多いわけでございます。しかし、そういったところで問題が起きているということもよく承知しているわけでございます。あとは、例えば電線等を焼却したり金属を有価物として回収する事業というのはあるわけですけれども、今は有価物を野外焼却しているというようなことについては余り行われていない実態だというふうに聞いているところでございます。
 先生の御指摘ではありますけれども、これも重ねての御答弁になりますけれども、有価物を野外焼却する場合には、やはり現行の悪臭防止法の規制措置で対応することにしたいというふうに考えるわけでございます。
#30
○福山哲郎君 もう時間がありませんのでこれで終わりにしますが、来年環境省となって、廃棄物行政も厚生省から引き取って環境省でやられるとなると、廃掃法もこの悪臭防止法も両方環境省の所管になるわけでございます。そういう点も含めて、今回の改正については私は大変評価をするものではございますけれども、いろんな時代の変化さらには法律的な抜け穴の点も含めて、より一層しっかりと対応していただきますことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#31
○岩佐恵美君 悪臭に対する苦情は、先ほどからも話がありますように近年急増しています。悪臭防止法は、基準を超える悪臭に対して市町村長が改善の勧告や命令を行う、そういう仕組みですけれども、規制区域外や事業場以外の悪臭は、これは対象外となっています。
 ところが、九八年度の苦情について見ると、規制対象によるものが五五%、対象外の事業活動によるものが二二%を占めています。事業場の悪臭に対する苦情の半分以上が規制地域外という自治体が十四件もあります。これではせっかくの法律が生かされないと思います。規制地域以外は野放しという法の仕組みが大変大きな問題です。
 そこで、自治体が悪臭防止法の規制地域に指定していない、そういうところで悪臭被害が発生して大きな問題になった場合、環境庁として自治体に対して規制地域指定の指導をする、そういうことはあるのでしょうか。
#32
○政務次官(柳本卓治君) ただいま先生御指摘されましたような問題が起こりました場合には、当然国といたしましても、規制する必要性について自治体から状況を聞いた上で必要に応じ規制地域を拡大するよう自治体に助言するなど、対応を図ってまいりたいと考えております。
#33
○岩佐恵美君 平成十年度悪臭防止法施行状況調査、これによりますと、悪臭関係の条例を制定している自治体は三十八カ所、指導要綱を定めている自治体が三十七カ所あります。
 条例の多くは対象地域は限定していないのですが、業種やあるいは施設については限定をしています。指導要綱の場合、よく丹念に見ますと、かなりの自治体が地域を指定しないで全地域、それから業種も全業種を対象にしております。しかし、要綱という性格上、改善命令はできない、そういう制約が現状ではあります。
 そこで、都道府県や市町村は条例によって地域、業種、施設、こうしたことに限定を設けないで違反事例に対する改善命令あるいは罰則を設ける、そういうことが条例で当然できるというふうに思いますけれども、その点確認をしておきたいと思います。
#34
○政府参考人(廣瀬省君) お答えいたします。
 悪臭防止法の現行第二十二条において、地方公共団体が条例において必要な悪臭の規制を定めることを妨げない旨規定されていることから、御指摘の点については条例により規制することができると考えております。
#35
○岩佐恵美君 悪臭苦情の急増のほとんどが野焼きによるものです。九八年度の野焼きの苦情件数は前年度の約六倍になっています。
 悪臭防止対策についての中央環境審議会の昨年十二月の答申、ここでは野焼きについて三つのパターン、まず第一に建設廃材や廃油、ゴムなどの廃棄物の野外焼却、二つ目に廃電線や廃自動車など有価物の野外焼却、三つ目に中古タイヤやシュレッダーダスト集積場の火災事故、これを挙げて野焼きの規制強化を求めました。
 今回の、まだこれから議論になるであろう廃掃法の改正案では、廃棄物の野焼きの原則禁止規定が盛り込まれ、罰則も設けられているわけです。しかし、悪臭防止法の改正案には、中環審が野外焼却禁止対策の強化を求めているにもかかわらず盛り込まれませんでした。特に、有価物だと称する第二のパターンの野焼きについては、私は大問題だと思っております。
 有価物の野焼きは余りないと先ほど長官は答弁されましたけれども、私はそうは思わないのです。その点について一体環境庁はどう対応されるのですか。改めて伺いたいと思います。
#36
○政府参考人(廣瀬省君) 先生のおっしゃられました有価物の部分で、廃電線、廃自動車ということが具体的に挙げられてございます。中環審でそのとおり申しておりますが、この今回の苦情それから問題について調査をしてみましたところ、野外で電線等を焼却し金属を回収するというような形等は現在ほとんど行われていないというような状況でございます。
 そして、有価物の野外焼却がある場合には、現行の悪臭防止法の法制措置で改善勧告、改善命令を活用してまいりたいというふうに考えております。
#37
○岩佐恵美君 有価物の野焼きの問題あるいは有価物の放置の問題というのは、香川県豊島のシュレッダーダストの放置による深刻な環境破壊に見られるように、社会的に大きな困難をもたらしています。私は、これは古くて新しい問題だというふうに思っています。
 実は、山梨県大月市で、炭焼きと称して建設現場で使ったコンクリートの型枠、これを大量に焼いている事例があります。二メートル四方、高さも二メートルくらいに積み上げて、鉄のかまをその上にぽんとかぶせて一昼夜くらい蒸し焼きにしているわけです。そういうかまが十個並んでいます。型枠はコンクリートがはがれやすいようにということで塗料で塗装されています。そして、その上ビニールなどもまじっています。
 百メーター足らずのところに集落があって、周辺の住民はもう臭くて気分が悪い、のどがはれる、木が五本枯れた、鶏が三羽死んだ、犬も目がしょぼしょぼになった。私もその犬を見ましたけれども、本当に目をしょぼしょぼさせてかわいそうでした。そういう訴えがある。ところが、市や県に訴えても、廃棄物ではないので規制できない、そう言って取り合ってくれないというんです。
 そこで、ちょっと建設省に伺いたいと思うんですが、使用済みのコンクリート型枠の処理の実態、これはどうなっているのでしょうか。有価物として流通する、そういう状況があるのでしょうか。
#38
○政府参考人(風岡典之君) 木製のコンクリート型枠についてでございますけれども、再使用できるものにつきましては当然再使用ということになるわけですが、再使用できないものにつきましては廃棄物処理法に基づきまして再資源化、焼却、埋め立て、こういった処分がなされているわけでございます。
 それでまた、再使用できなくなった型枠でございますけれども、それは利用価値がなくなるということになりますために、通常は型枠としての有価の取引というのは行われていない。それからまた、当然再資源化施設へ持っていくとチップ等になるわけでございますけれども、その段階では有価としての取引、流通というものが行われている、このように承知をしております。
#39
○岩佐恵美君 このコンクリート型枠が逆有償で廃棄物として処理されている、そういうことが大勢だとすると、本当に有償でこの場合仕入れているとは考えにくいんです。廃掃法の規制逃れの疑いが強いというふうに思います。
 厚生省は、昨年三月に建設廃棄物処理指針で再生利用の一つとして廃棄物の売却を掲げていますけれども、解説では、有価物に相当する品質を有するものの有償売却に限定をする、形式的、脱法的な有償売却は廃棄物の処理として扱われるものであると明記をしているわけです。
 大月の事例が形式的、脱法的な有償売却でないかどうか私は厳密に調べるべきだというふうに思いますけれども、厚生省、いかがでしょうか。
#40
○政府参考人(岡澤和好君) 御指摘の山梨県の件でございますけれども、山梨県に確認いたしましたところ、この業者は昨年から製炭などの木炭の製造を始めておりまして、木炭の原料となる木くずは有価で購入しているということを聞いております。有価で購入しているかどうかにつきましては県が伝票等でチェックいたしまして、確かに有価で購入しているということを確認しているというふうに聞いております。
 木くずを有価で購入してこれを原料として木炭を製造するという行為につきましては、廃棄物処理法の規制対象にはならないということではないかと思っております。
#41
○岩佐恵美君 先ほど建設省は、使用済みのコンクリート型枠の処理というのは大体逆有償で廃棄物として処理されている、これが大勢だと言っているんです。現地に本当に行って見ていただきたいと思うんですけれども、黄色い塗料がもう灰の中にまじって、その灰も放置をされているわけです、そこら辺に。
 県は住民に対して、市と一緒になって、いや、有償だから、有価物だから私たちはやるすべはない、こう言っているわけですから、その県の言い分をうのみにして、厚生省が住民の苦しみ、それを全く聞かないというのは私はよくないというふうに思うんです。ちゃんとやってください。どうですか。
#42
○政府参考人(岡澤和好君) 有価で型枠を購入しているということでございますけれども、有価で購入したとしても、製造した木炭が仮に売却されないでそれが廃棄されるというふうな状況があれば、これは廃棄物としての扱いを受けるものなのに脱法的に焼却しているというようなことになるんだろうと思います。
 今、県に問い合わせていますところでは、製造した木炭は確実に売却されているというふうに聞いておりますので、製造された木炭が売却されている以上、これは製品の製造工程であって廃棄物の焼却には当たらないというふうに考えているわけでございますが、事実関係については詳細を確認したいと思います。
#43
○岩佐恵美君 悪臭防止法十三条というのは、「何人も、住居が集合している地域においては、みだりに、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他の燃焼に伴つて悪臭が生ずる物を野外で多量に焼却してはならない。」、そう規定しています。
 大月の現場は集落に隣接したところです。実際に何軒も被害を受けています。当然、私は十三条に違反をすると思います。違反をやめさせるようにすべきだと思いますけれども、環境庁、いかがですか。
#44
○政務次官(柳本卓治君) 悪臭防止法におきます野外焼却禁止の規定は、罰則などの制裁を伴わないいわゆる訓示規定であります。事業者に強制することはできませんが、地方自治体においてはこの規定に基づき指導等の措置を行っているところでございます。
 今後とも、地方自治体においてその状況を踏まえまして必要な措置を講じられるように、環境庁から助言してまいりたいと考えております。
#45
○岩佐恵美君 千葉県の市原市、そこでも同じように炭焼きと称する現場を見ました。市原の場合は、伐採した木や枝、そういうものが大量に積み上げられているんです。山ができています。一見して、私は本当の炭焼きかなと思ってしまいました。ところが、いや、そんなことないんだ、よく中を見てくださいと住民の方に言われて中をのぞいてみたら、建設混合廃棄物の山でした。それをただ上から覆っているだけなんです。それを炭焼きだというふうに言っているわけです。きのうもちょっと問い合わせしてみたんですが、いまだに時々焼いているし、それから焼却灰がもう野積みにされたままなんです。
 この焼却灰は八百度以上で燃しているわけじゃありませんから、それはもう公的な施設では引き取れない代物だというんです。県もその処置に困っている。民間のところに入れるには業者は払うお金がない。その焼却灰は野積みにされたままなんですね。こういう市原の例です。
 あるいは、大月市の場合は、やっているその業者はこれはテストパターンだと言っているんです。つまり、全国的に建設廃材リサイクル法ができて木材の分別が義務づけられた場合、こういうやり方が全国に普及できるんだ、そういうトライアルケースとしてやっているんだ、こう言っているわけです。
 私は、全国的にこういう事例が広がるということになったら、もうそれは大変だと思うんです。建設業者が脱法的な業者に廃棄物を処分させる、そういうことがないように具体的に対応していくべきだというふうに思いますけれども、建設省、いかがですか。
#46
○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘のように、今国会に建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案というのを御提案させていただいております。この法律案におきましては、木材について特定建設資材として指定をすることにしております。これが指定されますと、受注者の方は分別解体それからまた再資源化等の義務づけが行われる、こういうことになります。
 したがいまして、木製型枠の取り扱いにつきましても、この法律の施行後は、一定規模以上の新築工事につきましては、そこから出る廃材については、工事現場からの一定の範囲内に再資源化施設がないというそういう特別な場合を除きまして再資源化施設への搬入が義務づけられる、こういうことになります。
 私どもとしては、そういった制度を周知徹底を図っていく。分別解体をして再資源化の義務づけになるということで周知徹底を図るとともに、当然受け皿となる再資源化施設がないとうまく回りませんので、再資源化施設の立地の促進ということもあわせて努力をしていきたい、このように思っております。
#47
○岩佐恵美君 今の千葉県市原の件について、私は、近所の皆さんは悪臭でも悩んでいるわけですので、環境庁としても調査して対応してほしいと思うのですけれども、いかがですか。
#48
○政務次官(柳本卓治君) 悪臭防止法は、規制地域内の事業場における事業活動に伴って発生する悪臭原因物を事業活動の内容を問わず規制しているものでございます。
 御指摘の事例が規制地域内である場合は、発生している悪臭原因物が規制基準に適合せず、その不快なにおいにより住民の生活環境が損なわれていると認めるときは、現行の悪臭防止法第八条に基づきまして改善勧告等の措置を行うことができるものであります。
 また、御指摘の事例が規制地域外である場合は、当面行政指導で対応することとなりますけれども、地域の実情に応じまして都道府県知事が規制地域の指定を検討していくこととなっております。
 ちなみに、先生の大月市の事例は規制地域内でございます。また、市原市の事例は規制地域外でございます。
#49
○岩佐恵美君 環境庁としてしっかり対応していただきたいと思います。
 防衛庁に伺いたいと思います。
 茨城県茨城町で、自衛隊から有価物として一括払い下げを受けたジェット機やエンジン、廃車、古タイヤ、ソファー、古着などが山のように野積みをされ、汚染水を垂れ流す、あるいは悪臭を放っていた。そういう問題について、私は昨年十一月十五日の行政監視委員会でこの件を取り上げましたけれども、厚生省の指導で、廃棄物であることが明らかなものについては廃棄物処理業者に処理をさせるということで処理がされたようです。しかし、問題の根源は、有価物と廃棄物を一括して払い下げた、そういう自衛隊のやり方にあったわけです。
 防衛庁の依田政務次官は、実態をよく調べて適正な廃棄物処理を徹底する、そういう答弁をされましたけれども、その後どうなりましたでしょうか。
#50
○政府参考人(小林誠一君) お答えいたします。
 今、先生がおっしゃられました十一月の御指摘を踏まえまして、防衛庁の関係全機関に対しまして、前年度、つまり平成十年四月からの十一年度につきましては当該時点までのすべての売り払い契約及び廃棄物処理委託契約につきまして、これは総計二千三百件になりますけれども調査を行いました。
 その結果、契約には基本的には問題ございませんでしたが、私どもとして次のような通達といいますか通牒を発したところでございます。
 まず、売り払い契約に関する留意事項といたしましては、廃棄物の処理に当たりましては、今後の動向として排出事業者の責任の徹底とそのための規制の強化が見込まれている状況でございます。ますます私ども、いわば一種の事業者でございますので、事業者としての管理責任が重くなっていくことを踏まえまして、売り払いの場合でございますと、どうしても構成素材だけで、例えば鉄くず一式とかとなりますけれども、構成素材だけではなく物品名を把握できるように努めるというふうにしております。
 なお、当然のことではございますけれども、家電、OA製品、机、いす等、現在、有償引き取りが恒常化している物品については、原則、廃棄物として処理委託する。
 それから、廃棄物処理委託契約に関する留意事項といたしましては、産業廃棄物の処理委託契約に当たっては、産業廃棄物管理票を交付して委託処分した廃棄物が適正に処理されたことの確認を徹底する。
 以上のような措置を講じて、これは本年の二月二十九日に発したところでございまして、関係機関挙げてこの実施に取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#51
○岩佐恵美君 私は、防衛庁のこの件というのは、廃棄物問題というのは、もとできちっとその整理をしていく、そうすればかなり防げるということを示したものだというふうに思っております。
 それで次に、野積みされた中古タイヤの火災、これが大きな問題になっているわけですけれども、改正案で対応策が盛り込まれたのは前進だと思います。しかし、火災が発生してから緊急対応しても、なかなか根本的な解決にはなりません。
 九七年十一月に岐阜県内で起きた二万七千本の古タイヤ火災は、消火までに七十時間かかっています。昨年一月、栃木県佐野市の山林で二十万本が燃えたときは、最終的な鎮火まで九カ月もかかったといいます。群馬県境町の場合は、二年間もくすぶり続けて何回も燃え上がった。最終的には行政代執行で撤去することになったけれども、五億五千万円の費用、これは結局税金で負担することになったといいます。事故時の対応はもちろん必要ですけれども、そうした事態を起こさないようにすることが肝心だと思います。
 廃タイヤの発生量というのは年間一億本、百万トン近くに達します。九九年のリサイクル率八八%とのことですが、九四年から九五年は九二・六%でしたから、リサイクル率は落ちています。反対に、不明分は九五年の七万トンから九九年は十一万六千トンに六五%もふえています。半分くらいは流通在庫が含まれるとしても、数百万本が不法投棄や野積みになっている、そう推定をされます。
 廃タイヤは指定一般廃棄物、指定産廃として事業者の回収ルートが確立されているはずなのに、なぜこれほどの不明がふえてしまっているのでしょうか。通産省、いかがですか。
#52
○政府参考人(岡本巖君) 廃タイヤのリサイクルは、かつて九〇%を少し上回るというレベルにあったわけでございますが、直近の九九年には八八%ということで減ってまいっておりますが、その内訳を見ますと、マテリアルのリサイクルの方が減っております。
 これは、背景としまして全般的な経済活動の低迷というのがあろうかと思うんですが、主要な用途でございます更生タイヤにつきまして、トラックやバスについて輸出用もそれから国内用も更生タイヤの需要というのが落ちてきているというのが第一にございます。
 それから二つ目に、トラック、バスというユーザーの方々が、いわゆるタイヤを履きつぶすところまでお使いになるということで、更生タイヤの台として使うというのが難しくなるというような事情も出てまいっております。
 それから、いわゆるバージンのタイヤと更生タイヤとの間の価格差というものが、いわゆる新タイヤの方の価格が下がってくるという中で縮小してきて更生タイヤの需要が伸び悩むというような事情がございまして、マテリアルについては今のような事情から減ってきているわけですが、他方サーマルのリサイクルの方は、新たに高炉でも使うというというようなこともございまして、こちらは着実にふえてきております。
 御指摘の不明分でございますが、先生もおっしゃいましたように、これは総発生量からリサイクルされた量の差し引きということになってくるわけですが、その不明分というのは、先生御指摘のように流通在庫の部分が含まれているというところはあろうかと思うんですが、大口のセメントとかあるいは鉄鋼用に出していくという場合に、どうしても一定の流通在庫を抱えておくという必要があるということも一つにはあろうかと思います。私どもは、いずれにしましてもこれを減らすためには、リユースであれリサイクルであれ、廃タイヤについてのリサイクルを着実に進めていくということが根幹的な対応になってまいろうかと思いますので、その方向での努力を引き続き強めてまいりたいと考えております。
#53
○岩佐恵美君 これまでの経緯を見ますと、経済情勢、特に石油や石炭などが逼迫したときは有価物としての取引が活発に行われてリサイクル率が上がるんですね。ところが、燃料価格が下がると逆有償になってリサイクル率が落ちる、こういうことがもう繰り返されているわけです。
 九九年のリサイクル量を九五年と比べますと、熱利用はふえているけれども原形・加工利用分が大幅に減っている。特に、日本はタイヤを再生利用する更生タイヤが少ないんです。今、話にあったとおりです。九五年の九%が九九年には六%に落ち込んでいます。これではタイヤのリサイクル率を上げることができないと思います。熱利用中心、いわゆるサーマルリサイクル中心、そういうリサイクルではなくて、再生利用あるいは再生ゴムなどの利用にこそ力を入れるべきだと思います。
 欧米諸国のタイヤの再生利用率、これはイギリスで三一・二%、フランスで一九・八%、イタリア二三%、ドイツ一六・九%、アメリカ九・七%となっています。更生タイヤの使用はトラック、バスがほとんどで、日本では一時三〇%近くを占める、そういうこともあったわけですけれども、昨年は一八・二%にとどまっています。アメリカは五七%、ドイツは四三%だといいます。アメリカでは、更生タイヤは消費税が免除される、そして九五年から大統領令で公用車の更生タイヤ利用が義務づけられた。ドイツでは乗用車のタイヤについても更生技術の改善を進める、確実な管理のもとで乗用車の更生タイヤを生産する、一〇%のシェアになってるそうです。
 ちなみに、日本の乗用車の更生タイヤ、これはほとんどゼロです。〇・〇五%しかありません。更生タイヤの活用を含めて廃タイヤの回収、再使用、処理まで、私は自動車メーカー、タイヤメーカーが一貫して責任を負う、そういう仕組みがつくられてこそ初めてこうしたタイヤの問題というのは前向きに解決されていくというふうに思うのですけれども、通産省いかがですか。
#54
○政府参考人(岡本巖君) 廃タイヤのリサイクルを進めるに当たって、先生御指摘のように可能な限りマテリアルリサイクルを進める、どうしてもやむを得ない場合にサーマルということで進めていくのは御指摘のとおりだと思います。
 マテリアルリサイクルとして、これまでのところ更生タイヤというのが大きな分野でございますが、この分野で引き続き努力をしていきますことに加えまして、ゴム粉にして例えば緩衝剤に使うとか、道路の騒音防止でありますとか、それからジョギングなんかをした場合にもゴムをまぜた舗装で衝撃を吸収するというようなことで、そういう新しい用途の開拓ということを、実はリサイクルあるいは廃タイヤの再生利用を業としている方々がいろいろ工夫なさっております。
 私ども、昨年、産構審で御議論いただいて、マテリアルリサイクルということについて数値目標を設定するという方向を打ち出しておりまして、関係者の英知を集めてマテリアルリサイクルをさらにこれから高めていく、そのための具体的な方途を今検討しているところでございます。
 それから、自動車業界とかあるいはタイヤメーカーのこの面での協力ということでございますが、自動車業界はリサイクルということで業界を挙げていろんな取り組みで御協力いただいておりますし、それからタイヤメーカーは、例えばセメントのキルンに廃タイヤを入れるという場合に、キルンまで持ち運ぶためのコンベヤーでありますとか一定の装置というのが必要なんですが、そういったものを無償でタイヤメーカーが提供するというような貢献などもしているわけでございます。
 業界を挙げて可能な限りマテリアル、どうしてもしようがない場合にはサーマルのリサイクルをさらに大きく進めていくということで、今関係者が英知を集めるべく作業をしているところでございまして、私どももこういった努力をさらに促してまいりたいと考えております。
#55
○岩佐恵美君 最後に、通産省任せにしないで資源循環させる、そういう観点から環境庁としても、埋めたり焼いたりということではなくて本当に発生者が、排出者が責任を持って一貫して最後まできちっとその責任を負う、そういうような体制をつくるために環境庁としても努力をしていただきたいというふうに思うのですけれども、長官の御意見を伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(清水嘉与子君) 今ずっと御審議いただいていました中で野積みタイヤの問題が出ておりますけれども、使用済みタイヤというのがリサイクルするための有価物であるとして廃棄物処理法の適用を受けずに、そして結果的にはリサイクルもされずに放置されている、そして火災による事故を起こすというようなことが問題なわけでございますけれども、考えてみますれば、これはもう大量に廃棄物を発生させている我が国の経済社会のあり方そのものに根差しているものだというふうに考えます。
 今回の悪臭防止法の改正案あるいは廃掃法の改正等によりまして、ある程度野積みタイヤの問題も解決すると思いますけれども、先生御指摘のように、基本的にそのことを考え直ししなければいけないという問題に立ち向かっていると思います。
 こうした問題に適切に対処いたしますために、今国会に、また別途御審議いただきたいと思っているわけでございますけれども、今提出しております循環型社会形成推進基本法案、ここにおきましては法の対象となりますものを有価、無価を問わず廃棄物等と定義いたしまして、その発生をできるだけ抑制するとともに、このうちの有用なものを循環資源として循環的な利用及びその適正処分を推進するということにしております。
 こういった法案が成立いたしますれば、このような考え方を踏まえまして、環境庁が中心になりましてしっかりと循環型社会の形成に取り組んでまいりたい、こんなふうに考えております。
#57
○岩佐恵美君 終わります。
#58
○大渕絹子君 御苦労さまでございます。
 環境庁にお伺いをいたしますけれども、今回のこの悪臭防止法をつくるのに中央環境審議会の答申を得て政策決定をしてきたというふうに思うわけですけれども、その中環審の答申の位置づけについてお伺いをしたいと思います。
#59
○国務大臣(清水嘉与子君) 中央環境審議会の答申は、環境庁が環境行政を進めていくに当たりましての非常に重要な指針であるというふうに認識をしているところでございます。
 今回の悪臭防止法の改正に際しましても、本年三月に「悪臭防止対策の強化のため講ずべき方策の在り方について」という御答申をいただいておりまして、この答申を踏まえて今回の法案がまとめられているところでございます。
#60
○大渕絹子君 答申を踏まえてつくられた法案にしては、大変中身が不十分であるというふうに思います。
 答申の内容の中の第一番目に、事業者の責務の規定の新設、二番目に野外焼却に係る禁止規定の強化、それから事故時の措置の強化、臭気指数測定体制の充実強化に関する規定の整備等、所要の措置を講ずることということになっているわけですけれども、三番、四番につきましてはなるほどこの法案には盛り込まれておりますけれども、一番、二番については全く触れられていないというのが実態だろうというふうに思っております。
 今回のこの法改正で、事業者の責務規定について盛り込まなかったのはどういう事情があるからでしょうか。
#61
○国務大臣(清水嘉与子君) 先ほどこの点につきましては、福山先生からも御質問をちょうだいいたしまして御答弁申し上げたわけでございますけれども、実は私どもも今回の改正案につきましては事業者の責務規定を設けることも検討いたしました。
 しかし、あらかじめ指定した地域において規制を行う制度をとっております現行の悪臭防止法の体系と、すべての事業者に対する責務規定を定めるということについては、やはり法制上ちょっと整合しないという点も指摘されまして、そういう法制上の判断から今回の改正案にはこのことを盛り込まなかったわけでございます。
#62
○大渕絹子君 先ほど岩佐委員の質疑の中でも、規制地域と規制地域外ということで対応が違ってくるという御答弁がありましたけれども、悪臭というのは国民全体が同じに感ずるものだというふうに思いますので、地域を指定していることそのものを、この法案のそこのところが改正をしなければならない点だったのではないかと思うんです。
 もし事業者の責務を入れるのに地域指定が、規制地域が妨げになるというのであれば、そこらからまず手を入れて規制地域の概念というものを変えていくということが必要じゃないかと思うんですけれども、この規制地域制度を見直すというようなことにはならないのですか。そこがまず肝心だと思いますけれども。
#63
○政務次官(柳本卓治君) お答えいたします。
 悪臭による被害は人に不快感、嫌悪感を与えるものでございまして、人口の少ない地域など悪臭による生活環境への被害が問題とならない地域については規制する必要はないという考えから、悪臭防止法では都道府県知事が指定した地域に限って規制を行う制度を採用しているところでございます。
 規制地域外で人口増加等によりまして悪臭苦情が新たに問題になるような地域につきましては、地域の実情に応じまして都道府県知事が指定地域を拡大するなどの適切な対応が図られるものであると、かように考えております。
#64
○大渕絹子君 それでは、悪臭はどこから発生しますか。
#65
○政府参考人(廣瀬省君) 悪臭の発生に関しては、一つは自然的に発酵した形でにおいを出すという形がございます。それから、化学物質そのものが持っているもの。それから、先ほどから出ているように化学的変化を起こすというような、焼却とかそういう形の中で悪臭が発生するという形になります。それからもう一つは、自然的にはサービスの中で行う焼くという一つの作業の中でも起こるということで、かなり変化が広く行われております。
#66
○大渕絹子君 自然の中で発生するのは悪臭とは言わないんじゃないんですか。花のにおい、土のにおい、あるいは海のにおい、これは人間にとってそんなに悪臭と言えるものでない、むしろ心地よいものだというふうに思っております。
 人間の生活の中から、あるいは暮らすことによって発生する原因で起こってくる、あるいは生産する体制の中で起こってくる、そこには必ず人間がいるんです。ですから、悪臭が発生をしているところには、そこに住んでいる、あるいはそこで事業に携わっている人たちというのは必ずいるんです。ですから、人間の健康とか生活の環境を守るという観点からすれば、地域指定、地域の規制があること自体がおかしい。日本じゅうの悪臭であれば、どこであってもそれを規制の対象にできる法律をつくらなければならないというふうに思うのです。
 ここは、私は環境庁がそこをきちっとやりながら事業者の責務をきちんと明文化していく作業がこの次の改正には必要だと思いますけれども、きちっと御答弁いただきたいと思います。
#67
○政務次官(柳本卓治君) もちろん事業者の責務、地域の指定等の問題ということは十二分に考慮していきたいと思っております。
#68
○大渕絹子君 大臣、事業者の責務規定について、これからも改定をしていく、検討されるという御答弁をしていただけますか。
#69
○国務大臣(清水嘉与子君) 先ほども申しましたように、私どももこの改定に当たりまして、そのことについて十分考慮したわけでございます。
 法制上の規定のしぶりによることに関しまして今回はこのままにしたわけでございますけれども、十分検討してまいりたいと思います。
#70
○大渕絹子君 平成十年度の苦情件数は二万九十二件、平成九年度よりも五千五百三十八件ふえていると言われています。これは、野外焼却に係る苦情が大変増加をしている。ちなみに、平成九年度の野外焼却に係る苦情は千四件、平成十年度は五千八百八十一件と急増しているわけです。
 この答申にも、野外焼却に係る禁止規定の強化ということがうたわれていますけれども、今回この規定についても見送られました。これはなぜでしょうか。
#71
○国務大臣(清水嘉与子君) 野外焼却、特に問題になります例えば野積みタイヤによる火災に伴いまして発生する悪臭等がございますけれども、こうしたことに対しましては、今回の改正法案第十条第三項に設けられた事故時の応急措置命令によりまして住民の生活環境を保全することができるというふうに考えております。
 ただ、先生おっしゃいましたように、野外焼却禁止規定が今回の改正には盛り込まれていないわけでございますけれども、これは今国会に廃棄物処理法の改正案が出されるわけでございまして、この廃棄物の焼却行為の禁止と、それから違反者への直罰の適用が盛り込まれております。そういうことで、それで十分対応できるというふうに思っておりますし、また現行の悪臭防止法の規制措置においても対応が可能であるということで、今回はこちらの方には入れなかったわけでございます。
#72
○大渕絹子君 廃掃法の改正で適用ができるということですけれども、先ほどの同僚委員の御指摘にもありましたけれども、有価物に対しては、廃棄物でないと言い張られたときに本当に廃掃法の適用が可能でございますか。
#73
○国務大臣(清水嘉与子君) その点があるわけでございますけれども、今、有価物の問題について出てきている事件、事例というのが実際にはそれほど多くないというふうに聞いております。
 ただ、タイヤの場合につきましては、これが本当に有価物であるのか無価物であるのか。有価物ということで廃掃法の適用を逃れているという点があるわけでございますけれども、ただいまはこの悪臭防止法に関しましては、悪臭防止という観点からのチェックをするということになっているわけでございます。
#74
○政府参考人(岡澤和好君) 廃タイヤの野焼きについては、廃棄物処理法上から見れば野焼きが有効利用ということはあり得ないわけでございまして、処分のために野焼きするわけですから、そういうケースはすべて廃棄物処理法上の不法焼却に該当するというふうに考えられると思います。
#75
○大渕絹子君 野焼き、実際に火をつけて焼いたということになればそういうことになりますけれども、自然発火という状況が起こってきたときに、ここはなかなか今の法律では規制ができない状況です。だから、せめてこの悪臭防止法の中でそこの部分の規制をしっかりと入り込まないとこの苦情処理というのはできないと思っております。
 今回、中環審もそういうことでここに規定をしろということを言ってきたというふうに思いますので、引き続ききちっと検討していただいて、廃掃法では規制はできないということをきちっと認めて処理すべきだというふうに思いますけれども、大臣からお答えをいただけますでしょうか。
#76
○国務大臣(清水嘉与子君) 悪臭防止法で野外焼却の禁止規定をいたしまして、そして罰則を伴う強化を行うことについては、これは法制的に非常に困難なところがございます。
 しかし、これは非常に国民的な関心も高いところではございますし、今後の悪臭苦情の状況等も見ながら、どのような対応が可能なのか十分検討してまいりたいというふうに思います。
#77
○大渕絹子君 今回の悪臭防止法が、野外焼却に係る部分の規制強化が期待をされていたわけですけれども、見送られたということで非常に残念でございますが、見直し規定の期間にかかわりなく即刻変えていける準備をしていただきたいというふうに思います。
 それでは、この悪臭に関連をして、先日NHKのテレビを見ておりました。「クローズアップ現代」という番組で、福岡県の筑紫野市の安定型最終処分場、いわゆる産業廃棄物の処理場なんですけれども、そこで硫化水素の毒によって水質検査をしようとしていた三人の方たちが亡くなるという事件が起こりました。
 それは昨年の十月に起こったんですけれども、その起こったときにも大変大きなニュースになったわけですけれども、悪臭の対象として規制がされている硫化水素が本当は人をも死なせてしまうだけの猛毒があるということが全国に知らしめられたわけです。そういう中で、硫化水素というものが規制をされているわけですけれども、もっともっと規制を強めていかなければならないということになっていっているというふうに思います。
 そういう中で、「クローズアップ現代」の中では、なぜ硫化水素が多量に発生をしたのか、安定五品目だけでつくられていた処理場なのになぜそれが発生をしたのかということで、花島先生という方が会長で現地の事故調査委員会がつくられているわけですけれども、その花島先生がこの半年間研究をされてきたところ、硫化水素ガスのにおいを消すために硫酸第一鉄を散布したと。そして、硫酸第一鉄を散布したために、さらに硫化水素を多量に化学反応によって引き起こすことになってしまったというふうに結論づけておられました。
 環境庁は、硫化水素のにおいの対応としてどういう処置をすべきであるかということをそれぞれ事業所や自治体に指導していらっしゃるんでしょうか。硫化水素についての対応策。
#78
○政府参考人(廣瀬省君) 先生のおっしゃいました、昨年、福岡県の廃棄物処分場に硫化水素が発生した事故について具体的に調べましたところ、処分場周辺の大気モニタリングが実施されたほかは悪臭防止法に基づく対応は行われていなかったという現実をつかんでおります。
 ただし、二十二物質の硫化水素の成分については指導しておりますし、その内容についてはわかっていただいているというふうに思っておりますが、この具体的な場面でその力が十分発揮されていなかったというふうに理解しております。
#79
○大渕絹子君 いや、どういうふうに対応したらこのにおいを消すことができると指導していらっしゃるのですか。何を使ったら。
#80
○政府参考人(廣瀬省君) この問題について具体的に問い合わせを受けていなかったことで、指導はしておりません。
#81
○大渕絹子君 悪臭防止法の中で、硫化水素は悪臭の物質として決められていますね。それなのに、硫化水素が発生をしたときにその悪臭を防ぐためにどう対応するかという指導が環境庁からはなされていないんですか。
#82
○政府参考人(廣瀬省君) 大変失礼いたしました。
 その技術的処置についての指導は当然しております。悪臭防止の観点から、発生した硫化水素を処理する技術が重要であって、この分野で直接燃焼法などの有効な技術が開発されているということで、その辺のことについては指導しております。したがって、技術を事業者が円滑に導入できるように情報の提供とか支援に努めるという形で、研究会も行って実際に指導しております。
#83
○大渕絹子君 この業者は、硫酸第一鉄を散布することによって硫化水素のにおいを消したということを言っているんです。その処置をした硫化第一鉄が化学反応を起こして硫化水素をさらに大量発生させていったということですから、この硫化水素のにおいを消すために行った処置が間違ったということなんです。
 そうしますと、こういう間違った処置ができないような指導の仕方をしていないわけですね。今の答弁もなかなかよくわからないですけれども、きちんとした指導が行われていなかった。一つ一つの規定されている物質について、そのにおいが発生したときにはどう対応するかというマニュアルみたいなものが私は当然あるというふうに思うんですけれども、もう時間がないのでこれに余り触れていくことはできませんが、そういう対応のミスというのがあって大量に発生をしたということが一つ。
 それから、調べていったところ、平成九年度の廃掃法の改正によって石こうボードが安定型の処理場には入れられなくなって、もう法改正ができているんですけれども、その以前、石こうボードは安定型処分場に埋め立ててきています。その石こうボードがこの硫化水素の発生原因だと、花島教授はこう言っているわけなんです。
 そうしますと、石こうボードがつくられてから平成九年度の規制が入るまでの間、どのくらいの量が処分場に埋設をされているのか、厚生省にお尋ねをいたします。
#84
○政府参考人(岡澤和好君) ただいま御指摘のように、平成九年の法改正によりまして最終処分基準が強化されまして、新規の安定型処分場につきましては平成十年六月から、既存の処分場につきましては平成十一年六月から、紙が付着した石こうボードの処分が禁止されております。
 平成十年度までに最終処分された石こうボードの総量でございますけれども、社団法人石膏ボード工業会というのがございまして、そこの試算によりますと約千二百三十万トンということでございます。
#85
○大渕絹子君 この調査委員会がほかの安定型の処分場もボーリング調査をしたところ、石こうボードが埋められている地域には基準値の何千倍でしょうか、とても想像もできないような高濃度の硫化水素が存在をしているというふうに指摘されています。
 そうしますと、今の量が全国の処理場に埋設をされているということになりますと、今回の筑紫野市の事故のようなことが至るところで起こってくる可能性、これから先さらに蓄積されていきますので、さらに強くなっていくというふうに思いますので、ぜひ厚生省、環境庁、力を合わせて、この硫化水素による事故が再び起こらないような対策をきちんととっていただきたいと思いますが、それぞれにお答えをいただきたいと思います。
#86
○政府参考人(岡澤和好君) 硫化水素というのは比較的天然下にもよく存在するような物質でございまして、特に厨芥類などの有機物を埋め立てる管理型処分場では必然的に硫化水素が発生するわけでございまして、廃棄物処理法に基づく構造基準におきましてもガス抜き管を設けるなどの規制をしているわけでございます。
 御指摘の安定型処分場でございますが、先ほど申し上げた法改正によりまして、搬入時には廃棄物を広げて展開検査をするというふうな義務づけを行っておりますし、先ほどの物の搬入制限も行っておりますので、とりあえずの対応はしたということでございます。
 しかし、それ以前のものについても問題がある、あるいは福岡県の筑紫野市のケースなどにもありますように、硫化水素が維持管理の方法によって生じることもあり得るということがございますので、現在、安定型処分場、管理型処分場を含めまして、こうした硫化水素等の発生につきまして全国的な調査をやっている最中でございまして、そうした調査結果を踏まえまして必要な対応については検討してまいりたいと思います。
#87
○国務大臣(清水嘉与子君) 廃棄物の安定型最終処分場におきまして、今後こういった硫化水素が発生するような事故があった場合、今回の法改正によりまして事故時の応急措置命令等の適用によりまして周辺住民の悪臭被害の発生を防止することが可能であるというふうに考えております。
#88
○大渕絹子君 最後に。
 発生してから措置をされてもだめなんです。吸った瞬間に死んじゃうんです。もう直ちに死んじゃうんですよ。ですから、発生をすることが予測されるところについては早急に対応をしないとやっぱり間に合わないと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 終わります。
#89
○委員長(石渡清元君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#90
○委員長(石渡清元君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、長峯基君が委員を辞任され、その補欠として佐々木知子君が選任されました。
    ─────────────
#91
○委員長(石渡清元君) 本案の修正について岩佐恵美君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩佐恵美君。
#92
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、議題となっております悪臭防止法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。
 近年、悪臭に対する苦情は急激にふえていますが、その大半は野焼きによる悪臭への苦情です。ところが、悪臭防止法の野外焼却禁止条項は、いわゆる訓示規定にとどまっており、本改正案でも改められていません。これでは、廃電線や廃木材などを有価物と称して野外で焼却し、悪臭を発生させる悪質な行為に有効に対処できません。このような事例により住民の生活環境が損なわれることがないよう、野外焼却の禁止規定を強化する必要があります。その立場からの修正案となっております。
 第一に、何人もゴム、皮革、合成樹脂、廃油など、燃焼によって悪臭が生ずるものを原則として野外で焼却してはならないこととしています。
 なお、他の法令に基づく場合や、公益上、慣習上やむを得ない場合、周辺の生活環境への影響が軽微な場合は対象外としております。
 第二に、この規定に違反したものに対する所要の罰則を設けることとしています。
 以上が、本修正案を提出する理由及びその要旨です。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#93
○委員長(石渡清元君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより悪臭防止法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、岩佐君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(石渡清元君) 少数と認めます。よって、岩佐君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 福山哲郎君から発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎君。
#96
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました悪臭防止法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    悪臭防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、野外焼却による悪臭問題に対しては、本国会に提出されている「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律の一部を改正する法律案」及び廃棄物処理行政との連携をとりつつ、悪臭防止の目的が達成されるよう努めること。
 二、悪臭苦情の実情や市町村等の測定結果に的確に対応した規制地域の指定や基準の見直しが行われるよう、法の周知徹底や情報の提供などの措置を講ずること。
 三、臭気指数を用いた測定法による規制基準が整備されたことによる測定体制の充実強化に努め、臭気指数規制地域の指定が促進されるよう支援すること。
 四、市町村中心の体制が活かされるようその主体性確保に十分配慮した法の施行に努めるとともに、市町村の人材等が十分確保されるよう支援措置を講ずること。
 五、行政指導中心の改善措置の実情にかんがみ、本法の実効性が確保されるよう市町村と十分連絡を取り合い、必要に応じ、的確な行政処分が行われるよう努めること。
 六、臭気判定士を積極的に活用し、専門性を活かした苦情処理の相談や処理の援助、知識の普及などの積極的活用策を検討すること。
 七、国、地方公共団体及び国民の責務とともに、事業者の責務についても指導に努めること。
 八、法の施行状況、特に悪臭発生の正確な状況と発生原因の十分な把握に努めるとともに、今後の悪臭防止法の在り方も含め、必要な見直しの検討を進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。
#97
○委員長(石渡清元君) ただいま福山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(石渡清元君) 全会一致と認めます。よって、福山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、清水環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。清水環境庁長官。
#99
○国務大臣(清水嘉与子君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
#100
○委員長(石渡清元君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#102
○委員長(石渡清元君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。中山建設大臣。
#103
○国務大臣(中山正暉君) ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現行都市計画法が施行されて以来三十年を経過しており、その間に、都市への人口集中の鎮静化、モータリゼーションの進展等、都市をめぐる経済社会環境は大きく変化をいたしております。
 このような状況を踏まえ、都市計画制度が、今日の安定、成熟した社会に対応し、地域が主体となって地域ごとの課題に的確に対応し得る柔軟性と透明性を備えた制度となることが求められているところであり、本法律案は、都市計画制度全般にわたって大幅な見直しを行うものでございます。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、市街化区域及び市街化調整区域の区分を原則として都道府県の判断にゆだねることとするとともに、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を充実し、あわせて開発許可制度について地域の実情に応じた適正かつ合理的な土地利用が実現されるよう見直しを行うことといたしております。
 第二に、良好な環境を確保するため、区域の区分をしていない都市計画区域のうち用途地域が指定されていない区域内において、特定の建築物等の用途を制限する特定用途制限地域制度を創設するとともに、既成市街地の再整備を図るため、商業地域内の高度利用を図るべき一定の区域内において、未利用となっている建築物の容積の活用を促進するための特例容積率適用区域制度を創設することといたしております。
 第三に、都市計画区域外において用途の混在を防止し、景観の維持等を図り、あわせて宅地としての最低水準を確保するため、用途地域等の指定を通じ土地利用の整序を行うことを目的とする準都市計画区域制度を創設するとともに、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても大規模な開発行為について開発許可制度を適用することとしております。
 第四に、都市計画決定手続の合理化等を図るため、都市計画の案の作成における都道府県と市町村の役割を明確化し、また都市計画の案の縦覧に際しその理由を記載した書面を添えることとするとともに、国及び地方公共団体は都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならないことといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#104
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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