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2000/05/09 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第14号
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2000/05/09 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第14号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第14号
平成十二年五月九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任   
     吉川 春子君     緒方 靖夫君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任   
     佐々木知子君     長峯  基君
     前川 忠夫君     岡崎トミ子君
 五月一日
    辞任         補欠選任   
     長峯  基君     坂野 重信君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                福山 哲郎君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                末広まきこ君
                月原 茂皓君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                岡崎トミ子君
                北澤 俊美君
                佐藤 雄平君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣     中山 正暉君
   政務次官
       建設政務次官   加藤 卓二君
       建設政務次官   岸田 文雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
   政府参考人
       沖縄開発庁振興
       局長       襲田 正徳君
       国土庁土地局長  小林 新一君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        杉山 秀二君
       中小企業庁長官  岩田 満泰君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
       建設省都市局長  山本 正堯君
       建設省道路局長  大石 久和君
       建設省住宅局長  那珂  正君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十七日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として緒方靖夫君が選任されました。
 また、去る四月二十八日、前川忠夫君及び佐々木知子君が委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子君及び長峯基君が選任されました。
 また、去る一日、長峯基君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に緒方靖夫君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石渡清元君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、沖縄開発庁振興局長襲田正徳君、国土庁土地局長小林新一君、通商産業大臣官房商務流通審議官杉山秀二君、中小企業庁長官岩田満泰君、建設省建設経済局長風岡典之君、建設省都市局長山本正堯君、建設省道路局長大石久和君及び建設省住宅局長那珂正君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(石渡清元君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の審査のため、来る十一日午前九時三十分、本委員会に、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科客員教授伊藤滋君、都市プランナー・法政大学法学部非常勤講師野口和雄君、神戸市長笹山幸俊君及び日本福祉大学情報社会科学部教授片方信也君、以上四名を参考人として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(石渡清元君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○上野公成君 私は、自由民主党それから保守党を代表いたしまして、都市計画法について主に質疑をさせていただきます。
 都市計画法もいろいろ理屈を言いますと非常に細かいところに入るわけですけれども、私は、非常に私から見ると常識的だと思うことについて大臣の御見解をお聞きしながら、この法案について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 まず、都市計画法でございますけれども、都市計画法は大正八年にできました。八十一年前に公布されたわけでございますけれども、その法律が片仮名の法律で戦後もずっと残っておりまして、昭和四十三年に今の都市計画法ができるまでこの法律が続いていたわけであります。四十三年に法律を変えたそのときと現在の経済的な背景がもう全く違う状況なので、その辺の認識についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
 昭和四十三年当時といいますと、東京オリンピックが三十九年に終わりまして、都市が大変スプロールをして、非常に都市集中も激しいダイナミックな時期だったわけでございまして、そんなときに、大変都市が無秩序になっていくので何とかしなきゃいけないということでこういう法律になったわけであります。
 大臣のお地元、選挙区じゃないわけですけれども、豊中市に庄内地区という地区がございます。大阪から見るとちょうど川の北側のところなんですけれども、これは大変なスプロールの結果できた地域であります。大阪の門真なんかにもあるわけでありますけれども、文化住宅とか、関西は非常にそういった意味でスプロールの激しい傷跡ができているわけであります。
 特に豊中の庄内地区へ行ってみますと、道路が大体一間ぐらい、二メーターぐらいです。住宅の間口も一間半とか、そういう形であります。地図で見ますと、意外と整然としていまして、ちゃんとした都市計画でできたんじゃないかなということですけれども、行ってみますと、道路は二メーターぐらい、間口は一間半ぐらいですから、前の家から向こう側に飛び移れるんじゃないかと思うほどであります。
 あの地域は、近くにも市場がありまして大変住みやすいということもあるんだと思いますけれども、いつまでたっても次から次へと新しい人が入ってきて、なかなか新しい状況にならない。多分、最近私は行っていませんけれども、今でもそんなに違わない状況じゃないかと思うわけであります。火事があったら大変じゃないかと思うんですけれども、人がいっぱい住んでいますから、ぼやぐらいでおさまってしまう。消防自動車なんかとても入れないような、そういう状況であります。
 そういう無秩序にやっておりますとそんな状況を何とかしなきゃいけないということで、開発をするところと、開発をしないと言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども市街化調整区域と、こういうような分け方をしたんじゃないかと思います。そういう都市計画にいろんな問題ができてきて今回の改正になったということじゃないかと思います。
 今の状況を考えてみますと、状況は全く違っておりまして、今大都市に人口が集中してくるような状況ではとてもないわけでありまして、恐らく都市計画法がなくてもそんなに活発な状況にないんじゃないか。どちらかというと、もう少し建物が建ちやすいとか経済をこれから活性化するためにも少し緩めた方がいいんじゃないかと、そういう状況ではないかと思うわけであります。
 私は、今まで規制緩和の議論がありましたが、経済的な規制はなるべくやらない方がいい、しかし社会的な規制はやはり必要だと、基本はそうかもしれませんけれども、社会的な規制でも規制はなければないほどいいんじゃないかなというふうに思っておりまして、そういった意味で、この都市計画法の規制というのは社会的な規制の代表的なものでありますけれども、やはり状況を考えてみますと、本来は、こういう一部の改正じゃなくて、もっと抜本的な弾力的な都市計画ができるというような状況にしないと新しい時代に対応できないんじゃないかなと思うわけでございます。
 私の考え方としてはそういうことでありますけれども、どうも昭和四十三年の当時と現在、都市計画法を改正されようとするこの時期の経済的な状況その他は大変違っているんじゃないか、これを同じような考え方でやるのではちょっとまずいんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、当時の状況と今の状況の違い、背景といいますか、そういうものについての大臣の御認識をまずお伺いしたいと思います。
#11
○国務大臣(中山正暉君) もう都市工学の専門家でいらして、建設省の御経験もおありの先生でございますから、私なんかごく経験的、哲学論的な話しかできませんで恐縮なんでございますが、私も昭和三十八年に大阪市議会に出まして、三十九年がオリンピックでございました。大阪駅新駅周辺区画整理事業というのが紙一枚で、減歩率を幾らに決めて、それから清算金の問題とかいろんな、九十三万ヘクタールでしたか、そこへ今度はオリンピックが始まりまして、それでど真ん中を抜き取り買収しました。区画整理、紙一枚で引っ越していくところと、それから抜き取り買収で新幹線を早くオリンピックまでにつけなきゃいけないからというので大混乱した。新米の市議会議員でございましたが、私どもまで動員されまして、交渉を小学校の教室で地元市議会議員としてやってくれなんと言われて駆り出されたことを覚えております。
 戦前の大阪の例を出していただきましたので、戦前の大阪というのは三百六十万の市民でございまして、今二百六十三万で百万人減りました。先生のお話でございましたように、バブルが崩壊する前、いわゆる昭和三十五年ごろからではないかと思いますが、経済繁栄の時代というのが来ましてどんどんバー、キャバレーなんかができて、今の庄内なんというのは、北新地とかそういうところに近いというので、新地のおねえさん方がタクシー代も安いので川を越えたところへどっと集中をした。今の先生のお話を伺いながら庄内を頭に思い浮かべ、こういう都市づくりはしょうないこっちゃななんて冗談を言い合いながらあの地区を思い起こしておりました。
 あの辺は、豊中市の北の方は大変豪華な塀を引き回したような家があったりして、それがいわゆる大正十三年以来市域拡張をしていない大阪市の私は責任だとよく市議会議員時代に言っておりました。
 例えば、東大阪市というのも、布施とか枚岡とかそういうところを全部まとめて東大阪市にしてしまいましたから、もう大阪市の周りに高い塀ができたみたいになってしまいまして、それで都市計画の専門家なんかがいわゆる衛星都市にはおりませんで、大阪市には立派な専門家がおりますが口が出せない。
 私は、昭和四十四年に国会へ出ましたときに豊中の市長と地方行政委員会でやり合ったことがあります、バスを豊中へ出せと。合併しなさいと私が言いましたら、合併するわけにはいかぬけれどもバスや地下鉄は延伸させろなんという話がありまして、いわゆるゼロとゼロが一緒になったってゼロじゃないですかと。だから、やっぱり大阪という中心を持って、それで市域拡張をしてと。
 私は一九六七年にモントリオールの万博へ行きました。ドラポーという向こうの市長に、今度の大阪万博に来てくださいと言って手を出しましたら、大阪万博と首をかしげられたんです。何で首をかしげるのかと。あれは吹田万博でしょうと言われたんです。それで、私は大阪市の財政総務委員会で、大阪の吹田万博に三十三億円の金を出すと言いますから、何でよその市域に金を出すんだ、地方財政法違反ではないかと、内山という財政局長でしたが、議論をしたことがあります。それじゃ寄附だと言う。赤字の大阪市が何で寄附をするんだと。私は万博に反対というんじゃない。ドラポー市長に大阪万博じゃない吹田万博だと言われたぞという話をして、だからというので、私は万博を機会に大阪市と吹田市を合併しようという看板を立てたら、大阪市議会議員の領土意欲だ、領土拡張侵略主義だなんて言われたことがございました。
 これからの地方の時代に今度のこの改正案というのは、先生が今非常にうまい御表現をなさいました。社会的な規制は少しはないといかぬというお話がありました。そんな意味で、大阪市みたいな指定都市のトップにいって、財政規模は一番上が東京都、その次が大阪市、三番目が北海道、四番目が大阪府でございますから、大阪市と大阪府というのは逆転現象が起こっております。財政規模は大阪市の方が大きい。その大きいところが小さいところへ閉じこもっている。
 私は、今度は介護保険で百六十八ぐらいの市町村が合併するなんという話がありますが、こういう都市計画なんかでもっとどんどんいわゆる中核都市と周辺がいかに連携をしていくか、そしてその地域に密着した市町村というのがいかに建設省それから都道府県とあうんの呼吸でやっていくかという、そういう形のものが今度の改正案じゃないかなと、役所の説明を私自体そしゃくしながら承っているわけでございます。
 現行の都市計画法は、昭和四十年代の高度経済成長の過程で都市へ急速に人口や諸機能が集中して、市街地の無秩序な外縁化、いわゆるスプロール化が始まりまして、今お話のありました庄内なんというのはまさにドーナツ部分、ドーナツの真ん中は人口がどんどん抜けていって周辺地域にドーナツ化したという全国共通の課題が深刻化し、緊急対応することを眼目として私は制定されたものと思っております。
 その後、三十年以上が経過し、経済社会状況が大きく変化しましたし、また人口動態については都市への人口集中が今は鎮静するという逆転現象が起こってきました。
 それから、全国的に少子高齢化が進行しまして、私どもの地元大阪市内なんかでも、十三の商店街なんというのは、シャッターをおろしましたら二階で寝ていましたのが、今はシャッターをおろしたらみんな豊中とかそういうところへ家を持って、シャッターをおろしたら二階は倉庫になっているような形になってしまいました。
 そういう産業立地につきましても、交通通信網の整備やモータリゼーションの進展に伴いまして都市計画区域の外側も含めて広域的な立地が進展をしてきております。国民の意識につきましては、多様な住まい方を望む意識が高まるとともに、住民みずからが町づくりに主体的に参画しようとする動きが広がっておりますし、各地域の固有の自然的な環境や景観の保全、さらには地球環境の保全の要請が高まっておりますところから、今回の改正はこれらの状況の変化に的確に対応すべく、時代もそういう意識がみんなの中に育ってきたように思いますから、それを調整する機能みたいなものが社会情勢の変化に伴う今回の改正案ではないかな、かように考えております。
#12
○上野公成君 そこで、今までの都市計画法のいろいろな問題について少し大臣にお聞きいただきたいと思います。
 私は群馬の選出で、高崎市の出身でありますけれども、その高崎市に隣接して前橋市という県庁所在地があります。それとちょうど三角形の位置に伊勢崎市というのがございまして、この圏域で大体百万ぐらいの人口がいるんじゃないかと思います。その真ん中に玉村町という町がございます。ここで、都市計画区域でございますけれども、たしか平成三年か四年に線引きをしました。
 そのときの、平成三年の人口が二万五千人でございます。平成十年ですから、七年間に三万六千三百人、五割はふえておりませんけれども四割強の人口がふえております。そのふえた一万二千人弱の人口の市街化区域でふえたのがたったの六百五十九人です。市街化調整区域で実に一万六百六十四人ふえている。市街化調整区域は開発を調整する区域で、市街化区域は市街化を推進する区域だということでありますけれども、全く逆の結果になっているわけでございます。
 そして、この調整区域がなぜふえたかというのは、既存宅地というのを認め過ぎたということがあるわけです。結果的に一万数千人が川に挟まれた三つの市の人口、その大きな市に行く通勤圏になるわけですけれども、調整区域ですから、下水は流域下水道が玉村町にあるものですから多少の整備はしているわけですけれども、道路も整備を何もしない、調整区域だから後々になっている、こういうような状況でございまして、この七年間それを放置しておった、またそういう制度だという、今までの都市計画法というのが大変問題のある制度じゃないかなというふうに思うわけでございますけれども、こういう経済状況に合っていないという状況をひとつお考えいただきたい。
 大臣にこの点についていろいろお聞きしようと思ったんですけれども、これはちょっと飛ばしまして、そういう状況があるということだけお話しさせていただいて、そこで、今最初に言いましたように、今の時代に合った制度にしなきゃいけないという点で私は不満はあるわけですけれども、こういうことがなくなる可能性があるという意味では今回の改正は一歩前進だというふうに言っていいと思います。
 私も何度もこの都市計画法を改正しろということをこの委員会でも、予算委員会でも言ったことがあるんですけれども、なかなか腰を上げていただけませんでした。大臣のときに腰を上げていただいたということは大変すばらしいことだと。本当の価値観からいうとそうすばらしくないかもしれませんけれども、過去のことを振り返りますと大変画期的なことではないかなというふうに思っております。
 そこで、その一つが市街化区域と調整区域の線引きを三大都市圏の既成市街地だとか近郊整備地帯、それから政令指定市、これ以外のところについては線引きをしなくてもいい、選択制にしたということがこの法律の一つの大きな改正点であります。このことは、今の玉村町のような状況にならないという点で非常にいいことだと思います。
 しかし、現在、都市計画のこういった線引きをしているところを、一たん線引きをしたら不必要になっても今の玉村の例のように、それだけ人口がふえたら市街化区域に早く入れて必要な道路や何かも整備できるような体制にしなきゃいけないわけでありますけれども、それをなかなかやらない。
 そういう意味で、この法律そのものは建設省が変えたからいいわけでありますけれども、実際に選択制になったところで、不必要になった市街化区域と調整区域のえり分け、これを実際に地方分権に移行する中で都道府県が本当にこの法律の趣旨を酌み取ってやってくれるかどうか。
 建設省は法律だけ改正した、あとは地方の責任だということだけではどうも責任逃れになるのじゃないかなと思うわけでありますので、要するにこの法律をつくっていただいたら、その趣旨に沿って建設省がいかに不必要になった線引きというものを変えていくか、そういう指導がどれだけできるか、こういうことがこの法律が本当に生かされる点じゃないかと思うわけでありますけれども、建設省が各都道府県その他の地方公共団体を本当に指導していただけるかどうかというのをお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(中山正暉君) 今、玉村町の例をお出しになりましたが、土地の問題が絡みます問題というのはなかなか、いろいろ立場によって見方が違いますものですから、小回りのきかないみたいなところが確かに、いらいらするような地域を私もいろいろあちこちで例を見ております。
 今度は、そういう意味で、いわゆる地方の時代という、地方に対する意識と、それからまた細かい市町村の意識と、そして建設省が積極的にそういう地域が有利になるような、地域の将来が発展につながるような、そしてまた皆さんが持っていらっしゃる、それぞれのお立場は違いますが、財産権に関係のありますものが有利に展開をしていくような見通しをいかにサジェスチョンしていくかということ、法律の基本にある精神を地域と国と都道府県が三位一体になって一致点を見出すかということを主導的な立場で高い国家的な見地から見て地方に指示する、それが今回の線引きの制度見直しに当たった意味ではないかと思っております。
 三大都市圏等の都市計画区域を除きまして線引きの要否を都道府県の判断にゆだねるということにいたしておりますが、都道府県が制度を的確に運用することによりまして線引きの廃止、それからそれを含めまして地域の実情に合った線引きの見直しが行われることがその地域の有効なこれからの歴史をつくっていくことにつながっていくと思っております。
 例えば、現在線引きをしております都市であっても、人口や産業の現状、それから将来の見通し等から、線引きを廃止しても無秩序な市街化が進むことがないと判断をいたしましたら廃止することもあり得ることでございまして、実際に検討を始めている地方公共団体も今大分話題に上っておるときでございます。
 国といたしましては、線引きの選択制の導入に際し、地方公共団体が制度の趣旨を十分に理解して、見直すべき都市計画は的確に見直しが行われ、制度改正の実が上がるように運用の参考となる具体性を持った指針等を積極的に示してまいる、そんな所存でございます。地域といかに連携を持つか、情報を交換し合うかということが大変重要な問題になってきますし、地域の皆さんの意識を高めていただくというこの法律の効果を私どもは期待いたしております。
#14
○上野公成君 どうもやはり地方公共団体の方にお任せするというようなニュアンスが非常に強いんですけれども、例えば玉村の線引きというのは、今御説明したとおり、こういうものはとにかく最初にだれが見ても外さなきゃいけないわけですけれども、これも本当に外してくれるかどうか私は実は疑問を持っているんです。
 といいますのは、この新しい都市計画法ができましてから大体百二十七万ヘクタールが市街化区域になりました、都市計画でありましたけれども。そのうち、その都市計画区域の見直しをしたのがたったの二万ヘクタールです。一度都市計画をするとほとんど変えないというのが現状なんです。四十三年からもう三十二年間ですけれども、ほとんど見直しをしていないというのが現状です。時間がありませんので、事務局にその数字についてはもうお尋ねしません。間違っていたらそちらから手を挙げてもらえばいいと思うんですけれども。
 そこで、なぜ都市計画を変更することをこれほど嫌がるか、それが一番の問題でございまして、と申しますのは、私も建設省にいましたけれども、都市計画をやっている人というのは非常にかたいんですね。これは地方の都市計画課にいる人も、私も県庁に課長で出たことがありますけれども、物すごく頭がかたい。
 なぜかというと、これは四十三年までは大臣認可でした。大臣が都市計画を決めていました。その後は知事になりましたけれども建設省が承認する。しかし、承認するということに変わりましたけれども、やはり頭の中からどうしても建設大臣が決めていたということが抜けないものですから、地方公共団体から都市計画の変更をしようと思いますと大変なんです、これは。十年前ぐらいまでも、とにかく都市計画の地方の担当者が来て、稟議書を持ち回って決裁をしていたという事実があるんです。今はとてもそんなことはやっておりません。
 ですから、都市計画を変更しようと思っていても、また建設省へ行って大分搾られるから嫌だなと。建設省以外に農林省が建設省以上になかなか厳しいところがありまして、とにかく都市計画の一たん決定したものは、決定をするときはやらなきゃいけないから行きますけれども、それを変更するときにまたあの苦労をするのは嫌だと、こういうのが本当のところじゃないかと思います。
 建設省から都道府県の都市計画課長に出て都市計画の変更をしようとした人も同じ思いをしているわけです。建設省にいた人もそういう思いをしているわけでありますので、今大臣からは、いろいろ指針を示されたりガイドラインみたいなものをつくって、なるべく必要のなかったところについては市街化区域の線引きをやめる、こういう指導をされるということであるんですけれども、この辺の頭の切りかえをしないとなかなか地方公共団体の方々も、これは必要ではないと思っても、本当に素直に建設省に上げてこない。そういうことをぜひ大臣に指導していただいて、本当に手続も簡単にして、本当は承認というのもなくした方がいいかもしれないですね。そういうことを指導してやっていただくか、あるいはもうかなり強制的にこういうところはやめなさいと、こういうふうに言うか、この二つのうちのどちらかだと。
 前段の今の大臣の答弁でありますと、やはり地方公共団体の自主性といいますか良識でやろうということでありますから、その良識を持った都市計画の部局の方が建設省に来たときには、本当に来てよかった、これからもまた何か変更しようと思ったら喜んで来ようと、こういうことにしていただくのが、これは大臣のぜひ御指導をお願いしたいと思うので、その点についてひとつお願いします。
#15
○国務大臣(中山正暉君) 確かに、私もその線引きを外す外さないの問題で何度か関与したことがありますので、一遍建設省とか都道府県で筋を引いてしまうとなかなかそれが意識の中で固定してしまうという、先生のおっしゃるとおりだと思います。
 これからは、国として高い立場に立って、環境の問題とか周辺の将来性の問題とか、地元の自治体の人は選挙とかそんなものがいろいろ絡みますものですから、いろんな関係で逡巡をされるような場合には、私はやっぱり建設省が国家的な見地、それから地域的な広範囲な立場に立って、その意味での新しい出だしをする意味を持たせるのがこの法律改正の根幹にあるべきだと、もう先生の御趣旨、よく私は徹底をさせなきゃいけないと思っております。
#16
○上野公成君 ぜひ、そのことがこの法律を改正することと同じかあるいはそれ以上に大事なことだと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、社会的な規制は、あってしかるべきなんですけれども、できるだけ最低限にした方がいいということを私は申し上げましたけれども、今回の改正の中で規制を強化している部分があります。
 それは、準都市計画区域だとか、それから線引きされない、もう全然都市計画に関係ない用途の白地の地域について特定用途制限地域を指定して土地の利用を制限するということです。これは大規模店舗、それから風俗営業店、こういうものを規制するということが本来の趣旨であろうと思います。しかし、これが間違って使われると大変なことになるんじゃないかという懸念でございます。
 都市においては、都市だけじゃありませんけれども、どこにおいても、例えば廃棄物の処理施設でありますとか火力発電所、原子力発電所、これはどこかに立地しないと日本の経済も国民生活もうまくいかないと、こういう施設でありますけれども、どちらかというと、その地域の方からいいますと迷惑施設だというように受け取られがちです。そういう運動も大変多いわけであります。本来は、こういったものはまず都市計画の中にきちっと定めると、こういう法律の建前でありますから、これを定めていただければいいんですけれども、なかなかこういうものを定めているという例が少ないわけであります。
 そこで、都市局長に伺いますけれども、この都市計画法で、過去五年でいいわけですけれども、そういう本来都市計画で定めるべき施設を都市計画決定した例というのは過去五年間でどのくらいあるか。都市計画決定しないで建築基準法で個別に許可をしたという、王道を歩まなかったそういう例がどのくらいあるかということについてお伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(山本正堯君) 今先生御指摘の産業廃棄物処理施設の過去五年間の件数についてでございますが、平成五年度から九年度までの五年間に都市計画決定されました廃棄物の処理施設は八十三件でございます。一方、今先生がおっしゃいました建築基準法の五十一条ただし書きに基づきまして特定行政庁の許可の対象となる一定規模を超える建築物等のうちの許可を受けた廃棄物処理施設は二百五十九件ということでございます。
#18
○上野公成君 王道でないこと、三倍以上がそういう違うやり方でやっているわけであります。
 そこで、都市計画ではやはり正面から本当に取り組むべきだということについて一つお話をさせていただきたいと思います。
 東京都の北区に自衛隊の施設がございます。約十一ヘクタールでございますけれども、これは最初は工業地域だったんです。ところが、昭和四十三年ですから都市計画法ができる寸前ですけれども、なぜか住居地域になりました。その十一ヘクタールもの自衛隊の施設が建てかえをしようとするとほとんどのものが既存不適格と、こういうことになったわけでございます。
 そして、このような状態がずっと続いてきたわけでございますけれども、平成五年に、この自衛隊の施設が非常に古くなりまして、自衛隊の庁舎、それから隊舎とかいろんなものすべてを全面的に建てかえするということになりました。しかし、住居地域で三階建て以上の庁舎とかというものはつくれないということであります。本来であれば、こういうことはわかっているわけですから、住居地域にするなんということは王道から全く反した話なんです。仮に、これだけの十一ヘクタールもの面積でありますから、そうであれば用途地域を変更して堂々と建てかえができるようにすればいいわけでありますけれども、やはりそういったことをしませんで建築基準法ただし書きで許可をしたと、こういうやり方をしているわけでございます。
 そこで、やはり先ほどの迷惑施設を都市計画決定した方がいいんじゃないかということと同じことなんですけれども、こういう例もございますので、なぜそういうことになったかというのももう四十三年のことですからよくわかりませんけれども、やはりもう少し、十一ヘクタールですから、そこだけを工業地域のままにしておいたってよかったわけであります。なぜそんなことにしたかということも、やはりいろんな政治的な当時の背景があったかもしれません。やはり自衛隊も迷惑施設なのかもしれませんけれども、そういうものもきちっと都市計画で正々堂々と位置づけて王道を歩むということがいいんじゃないか、これからはぜひそういう姿勢で取り組んでいただきたいということで、大臣の御見解を。
#19
○国務大臣(中山正暉君) 私は、国の存立の基盤の四本の柱というのは国防と治安と外交と教育の中身だと、こう思っております。そういう意味で、国を守る組織というものに対する特別の配慮というのは、自衛隊というものがあるものでございますから、命をかけて日本を守ろうとしている人たちに対する配慮というのは国の政治の中で私は基本的に大切にしなきゃいけないものだと思うんです。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 また、産業廃棄物というのは、人間の体でも栄養を摂取する部分と排せつする部分は一体になっていますから、私は、都市の機能の中でもそういうものは一体。しかし、現実の問題で、産業廃棄物処理場を、それは必要だと言うけれども、それじゃあなたの家の横につくらせてくれと言うと反対だと、こう言う。そういう風潮が世の中にありますので、そういうものこそ大所高所から、地方自治体と一般の市町村と相談をしながら住民の理解を得るための努力というのは私はむしろ建設省が率先垂範をしなきゃいけないんじゃないかと。
 そういう説得の重要性というのと、それから国家として、それからまた地方自治体としての組織としての形というのは、もうこれは先ほど申しました人間の体の機能と一緒で、住民にそういう理解をしていただくためのこの法律の広報、それからそういうものの趣旨を徹底する必要があると思います。
 今の先生の御指摘の自衛隊の問題もいろいろあったようでございますけれども、当時の資料によりますと、昭和三十九年以降の区部の都市計画街路の再検討にあわせて用途地域の検討を行いまして、この一環として当該地区についても周辺地域の土地利用状況を踏まえて工業地域から住居地域に変更をしたという記録が残っておるようでございますが、その辺はこれからの対応には心してかかるべきだと思っております。
#20
○上野公成君 そういうまま子扱いを自衛隊にするようなことは、ぜひきちっと取り組んでいただきたい。
 それから、都市計画というのは、最初に申し上げましたように経済の状況を一番反映しているわけです。地価の監視区域というのがございました。地価と都市計画というのも本当に密接な関係があるわけであります。
 監視区域については、昭和六十二年に監視区域を指定していた市町村が四十一だったんです。これがだんだんふえていきまして、六十三年のバブルが絶頂になるころが四百二十。バブルの絶頂というのは平成元年とか言われておりますから、絶頂の前の年が四百二十です。平成五年、もう大分バブルが崩壊したときに千二百十二。その十月に千二百。バブルが崩壊しているのに監視区域をどんどんつくっているんです。完全におさまっても、その翌年、六年になっても千百市町村。平成七年が三百三十。平成八年で百二十二。今はもうほとんどなくなったと思います。
 これは、高熱で解熱剤をやらなきゃいけないんだけれども、どうも熱が下がって平熱になっているのに解熱剤をやっていて、平熱以下になっているのにもやっているという、こういうような感じなんです。
 これは土地政策ですから建設省の問題じゃありませんが、これと都市計画というのは表裏一体なんです。ですから、都市計画も、先ほど言いましたように、できるだけそういう経済の情勢に合わせて弾力的に臨機応変にやっていく、そういうことがぜひ必要でありますけれども、今までもお話ししましたように、とてもそういう状況ではなかったので、ぜひ経済の状況に合わせて臨機応変な都市計画の変更をやっていただく、そして、これは抜本的な改正では私はないと思いますので、そういう本当の抜本的な改正に向けてのお取り組みをぜひしていただくということで、大臣の御決意を最後にお聞きしたいと思います。
#21
○国務大臣(中山正暉君) 確かに、監視区域を設けましたのは、日本を売ればアラスカからチリまで買えるなんという、それを全部含めてGNPだなんて言っていた時代がありました。ですから、それを何とか規制しようというのが、今解熱剤の話がありましたが、本当にそういう意味での国と地方との連携、それから経済問題、土地価格の問題とかそういうものをいかに連動させて緊密に連絡をとりながら建設省が主導的な立場をとって、そういうものに対して役所の中でも、縦割りと言われていますが、そういうものを一体化して、今度は、来年の一月六日から国土交通省ということになりますから、動きは私は少しはやりやすくなるんじゃないか、こういうふうに思っております。
 先生のお話にございましたように、そういう土地使用、収益、処分という三つの私的な権利が一つになって、それが財産価値になって土地に対する大きなこだわりがある日本でございますので、その意味で私は、十分な配慮をしながら地方との連携を緊密にする、地方分権と言いますけれども、任せきりにするのではなしに、地方分権が両々相まって日本じゅうの地方分権の均衡がとれるような中央官庁としての務めを果たさなければならないんじゃないか、かように考えております。
#22
○上野公成君 終わります。
#23
○末広まきこ君 自由民主党の末広まきこです。
 女性や高齢者や障害者に優しい町づくりを必ず実現させたいという切実な思いでこの都市計画法に素人ながら取り組んでみました。まことに難しくて歯が立ちにくいというのが勉強してみた実感でございます。もう途中でくじけそうになりましたが、とにかく女性や高齢者、障害者のためにいい町をつくりたい、この一念で、三十分の時間を切ってしまっておりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 都市計画法が制定されました昭和四十三年と今とを比べますと、確かに都市を取り巻く経済社会状況はがらりと一変しております。都市計画中央審議会は、高度成長期の都市化社会から安定・成熟した都市型社会への変化という表現で整理していらっしゃるようです。
 私は、この間の変化は次の四つに整理できるのではないかと思います。まず第一に人口集中が停滞して安定化したこと、第二に地方分権と市民参加、第三に自動車の普及によるライフスタイルの変化、そして第四に地球環境の保全であろうかと思います。
 まず、今回の改正の意義について、地方分権を前提とした今回の改正によって地方の独自性が発揮できることになったことと市民参加の重要性が確認されたことについては高く評価したいと思います。今まで都市計画の事務が国の事務であるということを前提に都市計画制度が組み立てられていたことを考えますと、これは大きな転換であり、個性ある町づくりを進める上では貴重な第一歩と認識しております。
 それで、一問目はもう飛ばします、時間の関係で。一九九二年に改正された都市計画法で市町村に対してマスタープランづくりが求められたわけですが、これはいつまでにやれという期限を切っていないんです。
 それで、八年たって現在の進捗状況はどうなのか、市町村の戸惑いの声といったものも実際には聞こえてまいりますが、課題は何であるのかというところを御報告願いたいと思います。
#24
○政府参考人(山本正堯君) 市町村のマスタープランにつきましては、現在、平成十一年十二月現在でございますけれども、六百九の市区町村において策定済みでございます。策定市町村数は順次着実に増加しつつあるという状況であろうかと思います。
 この市町村マスタープランは、市町村がみずから決めます都市計画の基本方針でございまして、それぞれの市町村の自主性を極力尊重するために手続、内容ともに自由度の高いものになっております。また、市町村マスタープランを策定すること自体が都市計画への住民参加を促進する機会でもあるということで、大変重要な役割を担っているということでございます。
 市町村によりましては、こういうことでございますので、シンポジウムや公聴会の開催でありますとかパンフレットの作成でありますとか、いろんなところを通じまして地区別の整備構想を作成するなど、独自の取り組みに十分な時間をかけておる、こういう状況であろうかと思います。
 しかし、先生今御指摘のように、市町村によっては組織体制が大変脆弱であるといったような点でありますとか、あるいは地元住民との合意にかなり時間がかかっておるといったような点でありますとか、また、先ほどもお話がございましたように、十分な独自色を盛り込みたいということで、独自色が盛り込めずになかなか苦慮しているといったようなところもあるというふうに考えております。
 したがって、市町村における人材の育成とか他の事例を研究することがこの市町村マスタープランをより地域に密着した内容の濃いプランとしていくためには大変効果的であるということでございますので、私どもといたしましても、優良な事例の紹介でありますとか等を通じましてこの市町村の取り組みを支援していくということに努力していきたいというふうに考えておるところでございます。あるいはまた、さらにこういう必要な点検、見直し等を支援することによりまして順次市町村マスタープランの策定をふやしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#25
○末広まきこ君 ある商店街の活性化でなかなか意見集約ができないでいたときに、いろんなところ、やっていらっしゃって成功した現場を見せて歩いたところが、帰ってきたら議論がわっと一気に盛り上がったということがありますので、やっぱりなかなか観念だけでやりとりしていくのは限界があるのではないのかなと思いますし、今おっしゃったように、スタッフの育成ということも重要な課題ではないのかなとつくづく思う次第でございます。
 町づくりが現場においてなかなか進んでいかない原因としてさまざまなことが指摘されております。
 例えば、制度面について言えば、欧米では計画なきところに開発なしという理念が定着している一方、日本では未線引き都市計画区域、いわゆる白地地域、計画なければ開発オーケーというこんな解釈がまかり通って、計画がないのをよいことに土地所有者は土地を自由に開発して建物を建てられる結果になっています。本来町づくりというのは、地権者が勝手に土地を利用して処分するということではなくて、地権者みずからがマナーを守り、町づくりのビジョンに沿って土地を活用すべきであると考えます。
 町づくりの理念について、この計画法には残念ながら見当たらないんです。公共性という都市計画法の大前提になる理念を前文で堂々とうたうべきだと私は思ったのでございますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#26
○国務大臣(中山正暉君) 夢とか理念とかいうのは、一生懸命法律で書きましてもなかなか難しいものだと。皆さんの呼吸が合っていくこと、まあ夢がなければ計画はない、計画がなければ実行はない、実行がなければ成功はない、成功を持つためには夢がなければいけないなんていうことわざがありますけれども、その意味で、先生のおっしゃるように、日本のそれぞれの個性を持った町づくり、これが、夜中にNHKを見ましたら、歴史の町づくりなんという、非常に個性的な町に対する世間の注目が社会的に集まっているときだと思います。
 この間も大阪の天六の商店街で夫婦橋というのを、もう高速道路になっているんですが、その高速道路になった下にわざわざ夫婦橋という橋を復元しました。これは、川も何も流れていないんですが、皆さんがそれを非常に楽しく商店街の活性化のためにやっていらっしゃるのを見まして、こういうことを、ほのぼのとして、大阪市が四千万ぐらい出したんだと思いますが、そんなことをやっております現場に私も呼ばれまして、非常にいい企画だと思いました。
 そういう町づくりというのは、地方公共団体と地域住民が主体となってそれぞれの地域ごとに目指すべき都市の将来像とか都市計画の目標を充実すること、また、その目標の達成に向けて、解決すべき課題が何かを公共団体と地域住民があらかじめ町づくりビジョンを具体化して、その具体的なビジョンに基づいて都市計画を定めることが重要だと思います。
 都市計画マスタープランということを明示することによりまして、都市計画への住民の理解が高まり、個別の都市計画の決定に当たりましてはその円滑な決定が期待できるほか、その決定された内容については住民みずからが町づくりのルールとして受け入れて遵守することに大いに貢献をする法律ではないかと思っております。
 既成市街地の再構築と都市間の連携、それからまた経済活動の活性化に寄与する都市の整備、それから地球環境問題などの新たな潮流への対応、こういうものを新しい都市政策の観点からこの理念の中に読み取っていただきたい、こういうふうに法律の改正案についての考え方を持っております。
#27
○末広まきこ君 たとえ自分がその土地を所有していても共有財産であるという、そういう心の部分を基本理念として次回ぜひお取り組みいただきたいなと思います。我々日本人に一番欠けていることではないのかなと思うんです。
 さて、いよいよ人に優しい町づくりについてお伺いしたいと思います。
 今回の改正案からは、二十一世紀の日本の都市の姿というのは大変見えにくうございます。経済成熟化や人口の少子化、高齢化からはコンパクトな町づくりとか、あるいは持続可能な、サステーナブルという言葉が使われて、そういう題目は出てまいるんですが、具体的にはそれではどんなイメージの都市なのか。大臣に二十一世紀の日本の都市のイメージについて、大変大きな質問をしますが、手短にお答えをいただければと思います。
#28
○国務大臣(中山正暉君) おっしゃるとおり、これからバリアフリーの問題とかユニバーサルデザインとか、いわゆる既成市街地の再構築、それから先ほど申しました都市間の連携とか、経済活動の活性化に寄与するような都市の整備とか地球環境問題など新たな潮流への対応とか、今先生がおっしゃった優しい町づくりというのは、妊婦の方にも身体障害者の方にも視覚障害者の方にも安心して歩いていただける町づくりと、日本はそれぞれ地域が特徴を持っておりますので、そういう特徴を持った都市が人の郷愁を呼び覚ますような、それからまた思い出を若い人につくってあげられるような町で、何年たってからでも若いときはこうだったなとみんなが思い出を共有できるような町づくりというのがこれからの個性ある町づくりで優しい町になるべき要素じゃないかと思っております。
#29
○末広まきこ君 今大臣は、まさしく、安心して歩ける、そして特徴がある、金太郎あめではいけないんだ、自分が年老いたときに思い出を持って語れる町でなければいけないんだということをおっしゃったと思うのでございます。これは、今後どんどんと議論を広げていっていただきたい。これからの都市の具体的なイメージを国としても固めていくことが必要であろうかと。きょう大臣に一回手短に聞いただけではなかなか煮詰まるような話ではないと思います。
 今まで建設省が町づくりをしていますと言っても、実際にはハードなインフラの整備にかかわる町づくりしか視野に入れていませんでした。都市計画制度の見直しを契機に、この際、国として都市の具体的なイメージを検討するための部局はないんですかと建設省に伺いました。ないんですね。そういうソフトなところを議論したり考えたりするところがないんです。
 そういうソフト面の開発をやらないと優しさはとてもじゃないけれどもイメージで出せません。そういうソフト面の開発を試みてはどうかと考えますが、大臣の御所見をお伺いします。
#30
○国務大臣(中山正暉君) 先生のお話のように、日本は城下町、幕末には二百七十四名ぐらいの大名がおりまして、旗本が三十名少しおりましたが、それぞれその地域を自分の理想の町にした。外国と違いまして、都市国家を築いて城壁の中に住宅をつくったんじゃなくて、城の外側に町づくりをしたみたいなところがありますから、それには攻めにくいように道路をわざと曲げてみたり、いろんな個性があります。
 それと現代の社会とが合わないようなところがありますが、そういうものを地域の民間の方々にお寄りいただいて、東京も一遍やりましたが、いわゆる都市再生の諮問委員会みたいなものをつくって、やわらかく考えていらっしゃる、いろんな夢を持っていらっしゃる方の夢を行政に取り入れていこうというような私は動きが建設省では最近盛んになってきていると思います。やがて三大都市圏、大阪、名古屋とやっていく考えを持っておりますけれども、そんな意味で、石原慎太郎知事にも江戸城を復元したらどうかなんて言っているんです。
 名古屋の方々は城を見て、地域の方々も町のシンボルを見て育ってこられた。私は、東京でさえそういういろいろ歴史的な雰囲気をよみがえらせるような町づくりみたいなものには、民間のソフト、それから役所のハード、そのソフトとハードを組み合わせていって、民間の知恵を拝借しながら先生のおっしゃるような潤いのある町といいますか、そんなものをつくっていったら末広がりになっていくんじゃないかと思っております。
#31
○末広まきこ君 どうも、名前を織り込んでいただきましてありがとうございます。
 省庁再編で、まちづくり推進課という課が新たに誕生するそうでございますけれども、ぜひそういうところにまちづくりコーディネーターというようなものを設置なされて、文化、風土に着目した町づくりが将来にわたって具体化されていくお手伝いができる窓口となりますよう、これは御期待申し上げたいと思います。
 次に、高齢化社会に対応した都市づくりについてお尋ねいたします。
 公共施設の整備についてはバリアフリー化が進んでいるんですが、都市計画については今回の改正案でも高齢化社会への対応を特にうたっておりません。ぜひ次回の都市計画では高齢化社会への対応を正面からうたっていただきたい。
 また、このことによって国民の不安、年をとったときに地縁、血縁が薄くなっていくこの現代社会で自分の身をどのように処していけばいいのかという、この年をとることへの不安、これは早い人ではもう四十代に入ったときからお持ちになっているそうでございます。こういう不安が解消されるものと私は思いますので、都市計画の中に高齢化社会への対応というのを次回ぜひうたっていただけるよう、これは大臣の決意をお聞かせいただきたい。
 また、あわせて女性、高齢者、障害者と都市のかかわりについても大臣の現在の御認識をお聞かせください。
#32
○国務大臣(中山正暉君) 今度の国会にも運輸省から出されておりますバリアフリー、建設省では、駅だけでなくてその周辺の町づくりにもそのバリアフリー化、先ほど申しましたように、妊婦の方にも、視覚障害の方、身体障害の方々、それから外国から来られる方々、そういう方々に日本というものを楽しんでいただき、日本というものに親しみを持っていただけるような町づくりというのは、基本的に、そういう高齢社会の、安心してお年を召した方が町に出てこようという意欲を持たれるような、そんな町づくりを私は目指していくべきであると思いますので、先生のおっしゃるように、ほかの法律で補っておりますが、また高齢者がどんどんふえていきますこれからの社会に建設省でもそういうものを基本にしていろいろこれから対応してまいりたいと思います。
#33
○末広まきこ君 例えば、郊外に大型ショッピングセンターができた。車のある人はそちらが安いからまとめて買いに行く。ところが、高齢者には車なんてものは縁がございませんから行けない。歩いて近場の商店街へ行く。これは、郊外にできたショッピングセンターに押されてどんどんシャッターを閉めていく。そうすると、日常生活にも事欠くというような、もう歩いて買い物にすら行けないというような状況が出てきている現実でございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、環境についてお伺いします。
 地球環境の保全という点から見ますと、生物の多様性と自然生態系の保全というのが重要な柱でございます。今後の町づくりの目標としても、地球環境という点から見て持続可能な社会をつくっていくことを旗印に掲げていくのであれば、都市計画においても環境の保全、なかんずく生物の多様性と自然生態系の保全に正面から取り組むべきではないのでしょうか。
 今までの都市公園といいますと、サツキばかりオンパレードであったり、あるいは砂場と鉄棒と滑り台の三点セットのオンパレードであったり、どこを見ても生物多様性とか自然の生態系保全というような観点からつくられた公園というのは探しにくいというのが現実でございます。言ってみれば、都市公園が緑のマネキン人形を置いている、そういった感じです。確かに緑はあるんです、そこに。公園はあるんです。でもそれは生きていない、マネキン人形ではないか。
 ですから、ぜひその都市公園に命を吹き込んだ本物の生きている公園を、そこで命のはぐくみが行われている公園というのをつくっていくような取り組みをやはり前面に打ち出していくべきではないのか。これも今後の取り組み課題の一つだと。
 今後のことばかり言って申しわけないのでございますけれども、最初に本改正案は大変貴重な一歩であるという高い評価をしておりますので、あえて大臣に御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(中山正暉君) この間の四月二十九日のみどりの日に、香川県で満濃池という空海さんがおつくりになった貯水池の周りが国営公園になっておりまして、十六番目ぐらいになりますでしょうか。
 日本にも国立公園、国定公園、国営公園という三つの公園がありますが、大都市の中ではなかなか公園というのを確保しにくくていろいろ問題があると思いますので、私はその意味で、そのまま公園になるところと、木を植えて公園にするところ、木を抜いて公園にするところというと語弊がありますけれども、そういう日本全体のそういう緑の空間をどう利用して、そして、きのうも私は大深度の河川、地下四十メートル、直径十二メートルの河川を新宿のあたりで見せていただきました。それから、東京電力さんの高圧ボルトの送電をするための地下の大深度を見てまいりました。今度国土庁でも大深度法を出しておりますが、これから大深度を利用しながら地上のいわゆるコンクリートで固めたような川をどう再生していくか。
 これもテレビで見ておりましたら、いろんな川の中に生息している虫が汚濁したものを食べてくれる、そういう自然の循環みたいなものをよみがえらせるのは、大都市の中でも公園をつくることと、それから、かつてはただがむしゃらに排水を考えたりしたものがいかに地域と自然環境に適合していくかという意識が我々も出てきましたので、先生の御趣旨を体しまして、そういう意味での大都市の中のわずかでもいいですから、マネキンの公園ではなくて、本当に子供さん方が楽しみにして行ってくださるような、そして高齢者の方々がしばらくの憩いをとっていただけるような公園づくりというものにも励んで、さっき言いましたが、産業廃棄物のようなものではない、いわゆる前頭葉が安らぎを得るような場面をつくるところも私は都市の空間の中に必要なんじゃないかと。先生の御意見に同感でございます。
#35
○末広まきこ君 ありがとうございます。
 今の大臣の答弁を聞いて、何かきょう質問させていただいてよかったなという思いでほっとしております。
 中央審議会の中間取りまとめを公表して広く一般から意見を求めるなどして、この都市計画法改正案については非常に画期的な努力がなされていることも拝見しております。その中で多くの環境保全への意見が出ておりましたのに、残念ながら法案の方を拝見しますとたった一行しか書かれていない。それでも、これも大切な一里塚だと思って、私はこの一行に万感の思いを注いでいるわけでございます。今後に大きく期待したいと思います。
 それから、都市公園というものの維持管理というものを今後こんなふうには考えていただけないだろうかと思うんです。
 今までは、都市公園をぽんとつくると、そこを市町村が管理する、そうすると何となく町の人たちはそこへ一度ぐらいはどんなのと見に行っても次はもう利用しない。それは、何か通い合うものがないというか、そういう関係のような気がするんです。
 そこで、つくるときに、まず、この場所にこの広さでどんな公園をあなたは求めていますか、どんな公園を使いたいですかという、計画段階に住民に参加をしていただいて意見を出していただく。とりわけ、男性は寝に帰る町、女性は二十四時間そこにいるものですから、女性の方の町づくりへの参加、これはやはり当然ながら五割は必要だと思います。半数の女性に参加していただいて計画を出してもらって、その後できた公園の維持管理を住民たちに思い切って任せてみるというのが一つあるんじゃないかと。
 つまり、今これだけのガーデニングブームでございますから、自分たちの住んでいる片隅にそうやってガーデニングをみんなで力を合わせてやっていいよというところができたとしたら、そしてそこに何段かの座る段がこしらえてあったら、そこに来ておのずと、きれいな花を見て腹を立てる人はいませんから、丹精を込めている人とつい会話も弾みます、きれいに咲きましたねと。そういうのが地域コミュニティーの言ってみればきっかけになっていくのではないのかなというふうに思っております。ぜひ、そういうところも御勘案していただきたいと思います。
 最後に、町づくりのビジョンについてお伺いします。
 男性というのは町に寝に帰る、女性は二十四時間町を守っている、こういう現実のもとで都市計画は女性の参加が必要なんだということを先ほども申し上げておりますが、審議会やマスタープランのメンバーにぜひ女性をたくさんお加えになること、そしてきょうは女性二人の方の御意見を御紹介してみます。
 例えば、森まゆみさんは「谷中スケッチブック」で、路地のようにだれでも行き来でき、すだれ、のれんの奥に人の気配がするような空間が心優しい都市空間であると指摘しまして、町づくりのソフトの部分を拾い上げています。
 一方、サンフランシスコ市の都市計画局長を務め、現在は都市計画研究家であるジェーン・ジェイコブスさんは、町づくりのポイントとして四つ挙げています。第一に都市の多様性。例えば、多様な機能や職業の人が暮らしていること。第二に、町はコンパクトに、街路は狭く、車には不便になった迷路的な驚きのある等身大の町。第三に、古い建物の保存と活用。第四に、過密ではない、高密度に暮らし、働いている町こそ快適さを創造すると、このように指摘していらっしゃいます。
 二人の女性の考え方にはお国柄を超えた共通点が感じられます。例えば、この道の先に一体何があるんだろう、もう少し歩いてみたいと思わせる人情や細かい配慮というのが求められているんだと思います。
 大臣の先ほど来お話しの中の小道が大事なんだ、曲がりくねった道がいいんだというのをお聞きして思い出したのが、大阪の法善寺横町に何年たってもあれだけの人が行くのは、やっぱりあの細さ、狭さ、路地裏、横町がいいのかなというのを思ったのでございます。
 これらの指摘を踏まえて、今後の町づくりのビジョンについて大臣のまとめをお願いいたします。
#36
○国務大臣(中山正暉君) 今、森まゆみさんとかジェーン・ジェイコブスさんのお話がございましたけれども、次世代の都市生活を語る懇談会というのを、これは十五人の中で十二人が女性という、そういう懇談会もつくっておりまして、女性の視点、おっしゃるように、今お勤めになられる方もたくさんいらっしゃいましょうが、地域でお仕事をしていらっしゃるような女性もふえているわけでございますから、その方々のお知恵みたいなものが、家と庭と書いて家庭でございますから、日本の場合はガーデニングをしようにもする場所がないようなマンション生活とかそんなのもあるわけでございますので、共通の庭という意味で、私は、先生のおっしゃったような愛着を持てる町づくりというのがこれからの都市の中での潤いの空間になるんじゃないかなと、かように思っております。
 そんな意味で、十五人中十二人なんて逆セクハラなんて言われると困りますけれども、そういう男女共通したいろいろ憩いの空間をこれからの町づくりのビジョンの中に大きく取り上げるようなことを、今法善寺横町のお話もございましたが、そういう先生の口から出てくるような町の名前になるような町づくり、そんなものが私は望まれるのではないかと思っております。
#37
○末広まきこ君 ありがとうございます。ぜひお取り組みをお願いしたいと思います。
 今回、都市計画法改正案を改めて見て気がつきましたのは、都市計画法、建築基準法が住民の目から見て本当にわかりにくい。町づくりの道具である都市計画法こそ住民にとってわかりやすいものでなければ、道具がわかりにくければ使いこなせないと思うんです。
 今回の改正案でも、「国及び地方公共団体は、都市の住民に対し、都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならない。」と第三条に書いてございますので、ぜひ冊子やパンフレットを作成しまして、現場での知識の普及に努められることをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#38
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 本日は、都市計画法及び建築基準法の一部改正案についての質問をさせていただきます。
 私は、都市計画や建築行政については余り詳しくございませんで、先ほど御質問されました上野委員を初め、本当に専門家の委員の方がいらっしゃる中で、私はこの法案をずっと見させていただいて、連休をつぶして勉強したんですが、なかなかイメージがわかない、本当に難しい。言葉の使い方も含めて、同じような言葉だけれども、線が引いてあるとか非線引きだとか、準都市だとか都市だとかいう話で本当に難しいなということを、自分の能力の不足を反省しながら感じておりまして、次の委員会では参考人も来られるということですし、また質疑もあるということで、徐々にイメージをしていきながら、より深い審議ができるように頑張っていきたいというふうに思っておりますので、きょうは若干そもそもの話も含めて大臣にお伺いをしていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 私がまず直感的に都市計画と建築基準法の一部改正をされると伺ったときに──私の地元は京都でございまして、京都でいろいろ問題になっている、木屋町に風俗店がいっぱい出ている。京都の人間は非常に悲しんでおるわけですが、一時期だけ来られる観光客の方にとっては、京都で文化も観光も見られて風俗店もあるということで逆に喜ばれている方も多いみたいなんです。ですから、それなりにお店としては営業としては営業としていいのかもしれませんが、我々としてはそれで本当にいいのかなと思っていることがあったりとか、御案内だと思いますが、つい先日も、俵屋旅館という大変昔から有名な旅館のすぐ横にマンションができる。ある日突然高層マンションの計画が立って、俵屋旅館の前が象徴的ですが、実は京都の祇園祭のいろんな周辺に高層マンションの予定というのはまだ幾つかありまして、それに対して住民が反対をする。ただ建築基準法にかなっているからということで計画は進められる。
 僕は単純なもので、この法案の改正があったときには、こういったことが少しでも是正される方向なのかなということをまず願ったわけです。ですから、本当にこういうことが是正される第一歩なのかどうかということを大臣に後でまた御答弁をいただきたいというふうに思いまして、一つまず、そもそもの話をお伺いします。
 とにかく第二次世界大戦後、日本はゼロからスタートしました。経済発展に伴う工場立地用地の確保や住宅の確保、それから過疎の問題、農地の荒廃、いろんな問題の中で建設省さんとそれなりにずっと政治に携わってきた方々が御苦労されてこの都市計画法をつくられて、役割としては非常に大きかったと思うのですが、今回三十年ぶりの改正になった。
 まず、これまでの都市計画法の果たしてきた役割について大臣はどのようにお考えなのか、御所見をお伺いいたします。
#39
○国務大臣(中山正暉君) この法律が四十三年ぐらいから考えられ始めた。五十四年前に戦争に負けて、海外におられた二百万人ぐらいの人がどんどん日本に帰ってきて、住むに家なく働くに職なしというところから、もう本当に戦後のいろんな荒れた時代がありました。それから、権利をやたらに主張して公共の福祉というものを余り考えない時代とか、そんなところから、これは何とかしなきゃいけないというのが最初のこの法律ができたところじゃないかと思います。
 今先生のおっしゃっているように、私もイメージ、いろいろ先生と同じ気持ちでございます。京都の町を見ると、ろうそくだと言われればろうそくのような感じがするのですが、京都のど真ん中にでっかいタワーみたいなのが建ちましたり、それから、京都の駅を通ると、何となくどうしたのかなというふうな気持ちになりましたり、率直に言いまして、個人として言いましたらいろんな思いがあります。だから、石原知事にも吉原を見せて江戸だと言うなという話をしたんです。
 そういう都市計画にこれから合致していくまでには、まだまだ皆さんの一致したコンセンサスで町をどうしようかと。この間、明日香村へ行きましたら、明日香村の中にセメントをミックスするようなタワーが建っていましたり、村長さんは、もう全部みんな立ち退いてもらうような明日香村にしてもいいですよというようなことをおっしゃいましたので、私は、それこそコンセンサスじゃないかと。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 ですから、昭和三十年代以降の我が国の人口、産業が急速に都市に集中して都市が拡大する状況から続いてきたものを、どんなふうにこれから、いわゆる既成市街地の再構築とか都市間の連携とか、それから経済活動の活性化に寄与する都市整備とか、環境問題など新たな潮流にどう対応していくか、それに対するだんだん積み上げていく国民のコンセンサスの一里塚と、こう思っております。
#40
○福山哲郎君 そうですね。そういった話の中で今回、都市計画法の改正があったわけです。今の一里塚の流れの中で、一里塚といっても大変大きな流れが来ていまして、基本的には、少子高齢化の中で住宅の需要が本当にこれまでのように伸びるかどうかというのが大変疑問でありますし、地価がどんどん下落していますから団地やマンションの需要も本当に起きるかわからない。それから、一軒家に需要がシフトするかもわからない。そこら辺についてはまだ不透明な部分がある。
 そうかというと、例の女性の社会進出の問題やマイカー、非常にモータリゼーションが進んでいることによって、核家族化とマイカーと女性の社会進出ということは、いいこともたくさんあるわけですが、非常にライフスタイルを変えて、女性が働いているわけですから、なかなか毎日毎日買い物に行けないから休みのときになると郊外の大きいショッピングセンターに車で出かける。そこで全部終わらせて一週間分の買い物をしていく。それはある意味でいうと、便利なのかもしれないですけれども、現実にはその発展に伴って市街地にある商店街とかが寂れて、実はふえているはずのお年寄りにとっては、そういったところの需要が、車でお年寄りは移動できないわけですから、お年寄りは逆に言うと、そこでどんどん商店街とかが寂れていくと自分らの行き場がなくなるみたいな話で非常に両極化の現象が起こっている。
 そういった社会の現状や将来像から見て、今大臣は一里塚だと言われましたけれども、この法改正の意義をどのようにお考えなのか。
#41
○国務大臣(中山正暉君) 私は、やっぱり戦後の日本経済が発展したのは、地主が一人であと小作人が九人いたところが全部地主になった、それから労働組合の解放と女性の解放、これがもとだったと思います。それだけに、地主が一遍にふえましたから、その人たちのコンセンサスを得ていない部分でいろんな乱開発とかにつながって、今お話しのありましたような一軒の大きな店へ行って何でも買える、いわゆる衝動買いをするぐらい、歩いていたらこれも欲しいあれも欲しいというようなところと単品を売っている商店街、これが今は先生の御指摘のようにそれぞれ使命が分かれてきてしまっています。
 そんなものをどういうふうに、全体の地域を見て地方自治体が、地方分権でいろんな権利を地方に考えていただく。それは、地元に密着しているんですからその人たちに考えていただいたらいいんですが、先ほどもちょっと申しましたように、地元と密着した地方自治体はやっぱり選挙というものがありますから、それに対して、住民の反応に敏感に反応してしまって動きがとれなくなる。そういうものをどう調整していくかで建設省の責任が重い。地方自治体との話し合い、住民との話し合い、そんなものでみんなが目的にするような新しい町づくりを規定していく、それへの示唆を与えるのがこの法律の意義ではないか、こう思っております。
#42
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 先ほど申し上げた郊外にいろんなショッピングセンターとかができることもあながち悪いことではないですし、大臣も言われましたように選挙のこともございますから、それが乱開発だといってなかなか否定もできない現状でして、その分逆に今回の改正で、都道府県にマスタープランをつくれと言って、都道府県の全体のコンセンサスをとっていけというような趣旨なんだろうというふうに私も受けとめさせていただいています。
 そういう状況の中で少し具体的な話をさせていただきますと、今までの流れからちょっと変わって、高齢化やライフスタイルが多様化してきた、そういう状況の中で都市計画を再構築していかなければいけないというときに、現在の土地利用規制のあり方というのは大変複雑だと。私が冒頭難しいと申し上げたのもまさにその点でございまして、例えば、御承知のとおり都市計画法のほかに農業振興地域整備法、森林法、自然公園法、自然環境保全法など、とりあえずさまざまな法律によって日本全国の土地が個別に縦割りで色分けされて規制されているわけです。もちろん、所轄の官庁も農水省や林野庁、環境庁とさまざま。
 ちなみに、資料によりますと、都市計画法による都市地域は日本全体の二七%、農業振興地域整備法による農業地域というのは四六%、森林法による森林地域は六八%、自然公園法による自然公園地域は一四%、あと自然環境保全法による自然保全地域は〇・三%で、足し算すると一五〇%を超えてしまうわけです。
 つまり、いろんな法律が地域を指定して、重複されて土地の利用がある。これはある意味でいうと、当然環境のことや保全のことですからダブるのは仕方ないと言うんですが、大変典型的な縦割り行政のもとで今回の改正の新しい都市計画、大臣が今言われたような趣旨で全国一律じゃなくてあちこちで柔軟にそれぞれやってくださいとメッセージを出したとしても、現実に都市計画法だけではできない。ほかの法律がいっぱいあるわけですね。この都市計画法だけでは逆に言うと難しい部分も出てくるのではないかというふうに思っております。
 これは他の省庁とのこともありますから大臣の御一存で御発言できる問題ではないのかもしれませんが、そういった状況の中の日本の国土利用について大臣はどのように今お考えでしょうか。
#43
○国務大臣(中山正暉君) 今御指摘がありましたように、本当に土地利用につきましては、都市計画法とか農振法、森林法、いろんな土地規制が行われておりますけれども、都市計画法は、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るために農林漁業との健全な調和を図ることを基本理念といたしまして必要な土地利用規制を行っていかなければならないという基本的な現段階における私はある意味の指針だと思っております。
 今までにいろんな法律がありますのでそれを調整しなければなりませんが、例えば線引きにおいても、優良な集団的農地やすぐれた自然の風景を維持し、都市の環境を保持すべき土地の区域は市街化区域に含まないこととして、都市的土地利用と農業的土地利用と自然的土地利用の調整を図っているところでございます。
 また、今回の改正では、個別の都市計画の決定に当たりましては、自然環境の整備または保全に配慮すべきことを都市計画基準に追加をいたした。ここが、追加をしたというところが重要な点だと思いますが、そういう意味で、今後地方公共団体が都市計画を定めるに当たりましてこうした趣旨が生かされるように、後は政令によりましていろんな基準を示していきたい、具体的な運用指針等の技術的助言というものをしっかりとつくり上げていく必要があると。
 先生の御指摘、これから省庁も統合されて、国土庁と建設省も一つになって国土交通省という名前になっていきますので、私は、その意味でいわゆる縦割りの欠点からいかに調整が可能な役所の機構の中での指針を、後発の法律でございますので、先に施行されております法律との調整をする役割も大きなものだと思っております。
#44
○福山哲郎君 ありがとうございます。
 そうなんですね。つまり、調整をしていかなければいけないという大臣の今まさにおっしゃられた御認識のとおりで、まだ調整もこれから多々出てくるということだというふうに思います。
 さらに申し上げますと、今回の法改正で、都市計画区域に指定されたエリアについては、先ほど申されたように線引き実施の有無を自治体にゆだねるとか、都市計画区域に指定されていない地域を必要に応じて準都市計画区域に指定するとか、またピンポイントで大規模な開発行為について許可制度を適用するとか、都市部での容積率の移転とか、さまざまなメニューが講じられているわけです。
 これは、地方分権の時代ですし、それぞれの自治体が選択できるためのメニューを都市計画法の中で提示することによってそれぞれ皆さん判断してくださいということで私は大変評価をしているんですが、ただ先ほども申し上げましたように、土地が縦割りでいろいろ利用されている、そういう状況の中で、例えば具体的に先ほど大臣が言われた調整をしなければいけないという点は、一つのこれからのデメリットというか、時間がかかる点も含めて、こういう新しくメニューを入れたことによって一体どういう問題が自治体を含めて起こり得るのか。
 やっぱり、法律をこれだけ大きく改正するからには、言いにくい話かもしれませんが、デメリットの部分も考えておかなければいけないというふうに思うんです。これだけメニューがそろうことは、選択の自由といういいことはありますが、自治体にとってはひょっとすると混乱ということもあり得るわけで、デメリットについて、ちょっと言いにくいかもしれませんが、大臣、どんなふうなデメリットを想定されているかお答えいただきたいと思います。
#45
○国務大臣(中山正暉君) おっしゃるとおり、政治というのは想像力、空想力、いかに将来を想像するか、いかに予測するかということが私は要諦だと思いますので、お若い先生のそういう意味でのそういう感覚に敬意を表したいと思います。
 特に、デメリットというのを予測しておかないと、効果だけを考えておいちゃいけないと思います。確かに、地方公共団体がいつどこでどの制度を使うべきか判断がつきにくいのではないか。また、住民の理解が、先ほど申しましたように民主主義国家で一人一人の有権者の意見というのが政治の根幹の部分に反映してくるということがございますので、その辺の住民との関係というのは難しくなるんじゃないか。それから、制度を知らないために制度が使われずに都市の土地利用などに関する問題が引き続き放置されるおそれがある。デメリットを予測せよとおっしゃれば、そんなことが予測できるんじゃないかと思います。
 建設省といたしましては、制度の趣旨を説明いたしまして、その的確な運用の確保と、先ほどから申しております政令でできるだけ事細かにそういう面での指針をつくって、デメリットを少しでもメリットに転換していくような具体的な運用の指針など技術的助言、実際には中央は企画行政で実施行政をやるのは地方公共団体でございますから、その辺の難しさはありますが、地方公共団体にそういう意味の資料を提供いたしまして制度の円滑かつ積極的な活用を図りたい。
 今改正でございますが、国及び地方公共団体が都市の住民に対し都市計画に関する知識の普及、それから情報の提供に努めることを責務にいたしたい。都市計画のすそ野を広げまして円滑な運用を図るために自治体との一体感をどうつくっていくかということで先生方の御指導を仰がなければならないと思っております。
#46
○福山哲郎君 大変言いにくいことを本当に率直に御答弁いただきましてありがとうございました。
 本当に大臣がおっしゃられたように、その辺のデメリットが出てくる可能性は十分あって、先ほど大臣が言われた情報の提供等は、絵にかいたもちではなくて、末広先生も言われましたようにやっぱりしっかりとやっていただきたい。せっかくこれだけのメニューがあるわけですから、その技術的なことも、自治体によってはまだまだそこまで行っていないところも中にはあると思いますので、ぜひそこは御配慮いただきたいというふうに思います。
 少し具体的なことになりますが、都市計画区域全体の中で線引きされているエリアというのが半分ちょっとだというふうに思いますが、今回この線引きが選択制になりました。選択制になったことによって線引きされていない非線引き区域というのはふえるのか減るのか、どのように予測をされていらっしゃいますでしょうか。
#47
○政府参考人(山本正堯君) 線引き制度の選択制によりまして、地方公共団体が線引きを廃止するかあるいは新たに線引きをするかということの選択をするわけでございますので、基本的にはその地方公共団体の意思によりましてふえる場合もあるし減る場合もあるということでございます。
 現在、この制度の改正を検討していただいておりますが、線引きにつきまして廃止の方向でいろいろ検討したいということで従来からやっておるところもございますし、あるいはまた、線引きをさらに、現在のところは線引きの義務化はやっておりませんけれども、この選択制によりまして選択したいというところもございます。
#48
○福山哲郎君 どっちかよくわからないんです。要は、全然予想がつかないということですか。
 それは、あくまで自治体にゆだねることですから、もちろん自治体の判断に任せなければいけないので、今建設省さんがふえるとか減るとか言う話ではないということはよくわかるんですが、大体各市町村の状態を見ればおわかりいただけると思うので、もしよろしければいかがでしょうか。
#49
○政府参考人(山本正堯君) 現在、私どもで具体的に要望を取りまとめているわけではございません。
 各市町村によりまして、各市町村の状況によって線引きを廃止しようというところ、例えば人口が非常に減少してきておるといったようなところ、例えば炭鉱の都市等でだんだん人口が減ってきている、あるいはその周辺の地域であるといったようなところについては人口圧力が大変減少してきておるわけでございますので、市街化区域、市街化調整区域といったようなスプロールの対応に資するような制度については線引きを廃止してもいいのではないかということで地元でいろいろ協議をされているというようなところもございます。
 あるいはまた大都市圏の周辺で、三大都市圏という格好で線引きはされていないわけでございますけれども、そういう周辺のところで市街化圧力が強い、将来大きな開発構想があるといったようなところ、やはり人口の圧力が依然として高くなってくるというようなところにつきましては、地元で線引きを新たに導入しようと具体的に検討を始められているといったようなところも見受けられます。
 したがいまして、全体としてふえる方向なのか減る方向かということにつきましては、私ども現在の段階ではにわかには申し上げかねますけれども、全体としては、選択制にすることによりまして、人口圧力が非常に減少しているといったようなところについては、全国的にはそういうところもかなりあるわけでございますので、そういう意味では減少の傾向にあるのかなと、こういうふうに考えております。
#50
○福山哲郎君 減少ということは、非線引き地域は減るということですか。
#51
○政府参考人(山本正堯君) 人口圧力が減ってまいりますところについては線引きが非線引き地域になる、こういうことでございます。
 全体として非線引き地域がどれだけふえて、あれがどれだけふえるのかといったようなことについては、地元の調整でございます。
#52
○福山哲郎君 そんなに難しいことを聞いているつもりはないんですけれども、要は、線引きの選択制によって、今でも線引きしなさいと言われているのに利害関係などの調整がつかなくて線引きしていない地域が半分近くあるわけですから、それは今おっしゃられた話も含めて常識的に考えると、非線引き地域というのはやっぱりふえるんじゃないかなというふうに思うんです。
 そうすると、逆に非線引き地域がふえるということは、冒頭申し上げましたいろんな農用地やほかの土地利用、そういった話の中で調整しなければいけないところがたくさん出てくると。市街化調整区域もそうなんですが、都市計画区域に指定しながら線引きしなかったエリア、言いかえれば他の土地利用の法律との調整を全くと言っていいほど行っていない、だから簡単に言うと、線引きを選択制にすると恐らくいろんなところとの調整をしなければいけないいろんな土地利用と重複するエリアがどんどんふえていくと。他の法律との調整、規制のかけ方、それが複雑になる。先ほど大臣がまさに言われたように、自治体にとっても混乱し大変だ、土地を利用しようとする住民にとっても大変だということを大変懸念しているわけです。
 さっき大臣は、デメリットの方でもそのように言われましたし、調整をしていかなければいけないということを言われていましたけれども、この辺について、政府参考人で結構でございますが、非線引き地域がふえて、いろんな土地との調整がふえてきて自治体とかがかえって混乱するというようなことは想定されているのかされていないのか、そこら辺について御答弁いただけますでしょうか。
#53
○政府参考人(山本正堯君) 非線引き地域においても都市的な土地利用が見込まれる地域につきましては、用途地域でありますとか、今回改正で法案に盛り込んでいただいております特定用途制限地域などの指定によりまして適切にその土地利用の整序が図れるということであろうかと思います。
 この際、農地や森林などの土地利用を積極的に守るべきようなところでは農用地や保安林が具体的に指定されておるわけでございますので、本来建築敷地として利用されることはそういうところは予定されないということでございますので、その意味では、非線引き地域のそういう農用地とか保安林に指定されているというようなところについては用途地域や特定用途制限地域と重複することはないということであろうかと思います。
 なお、いわゆる農業振興地域内でも農用地に指定されていない地域、農振白地といったようなところにつきましてはいろんな土地利用の可能性があるわけでございまして、建築物の敷地として利用されることも当然想定されるということでございます。したがいまして、そういうところにつきましては農業施設用地等、農業上必要な土地利用との調整が必要な場合が当然出てまいります。その調整に当たりましては、具体的な運用指針を定め、技術的助言として地方公共団体に提供することとしたいというふうに考えております。
 すなわち、線引きが行われておりますと市街化調整区域ということでございますので、市街化調整区域では非常に厳しい規制がかぶっている、こういうことになるわけでございますが、それが非線引き地域ということになりまして非線引きの白地地域ということになりますと都市計画の市街化調整区域の厳しい規制がなくなるということで、それと重複してかぶっております農振法とか森林法とか、そういうようなところはそういう法律でもろにその規制が出てくる、こういうことでございます。
 ただ、そういう白地の中でも、農振法等で農振白地という格好で、農用地、優良な農用地とかそういうようなところが指定されていないところについては都市的な土地利用と農業的土地利用についての調整が必要な場合が出てくる、こういうことであろうかと思います。
#54
○福山哲郎君 やっぱり難しいですね。難しいんですが、次に行きます。
 都道府県が今回マスタープランをつくれることになっているわけですが、このマスタープランについて、市町村からの提案の申し出については、都道府県のマスタープランに市町村の提案をかなり尊重してもらう必要があるのではないか。
 それからもう一つは、都道府県のマスタープランについて、市町村のマスタープランの作成のように公聴会など住民参加の機会をある意味でいうと義務化をしていく必要があるのではないかというふうに思っているんですが、その件についてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#55
○政府参考人(山本正堯君) 都道府県のマスタープランと市町村のマスタープランの関係ということをも含めての御質問と思いますが、都市計画法上では、市町村マスタープランは都道府県が定めるいわゆる今回お願いした改正で加えさせていただいております都市計画マスタープランに即して市町村マスタープランを定めなければならないという規定になってございます。
 都道府県が都市計画マスタープランを定める際は、都市計画手続の中で都市計画決定をするわけでございますので、必ず関係市町村の意見を聞くという格好の手続になってございます。そういう点では、市町村は、都市計画マスタープランとの整合性の観点から都道府県に即して定めるということでございますし、また現在の状況から見て都道府県に意見を述べるということが可能でございます。
 また、今回の改正によりまして、先生今も御指摘ございましたように、都道府県が定める都市計画の案につきまして市町村がその内容の申し出をすることができるということになっております。必要に応じまして市町村が市町村マスタープランとの整合性の観点から都道府県マスタープランの内容の申し出を行うことを可能としている、こういうことでございます。
 それから、都道府県のマスタープランにつきましては、これは一つの都市計画ということでございます。したがいまして、都市計画決定という手続を経るわけでございますので、当然住民の意見を聞くと同時に、必須の手続としまして、公衆の縦覧、それから意見書の提出というふうな手続が当然義務づけられておる、こういうことでございます。それからまた、必要に応じて公聴会を開催することができるということになっておるわけでございます。
 こういう措置を通じまして、都道府県マスタープランに住民の意見が的確に反映されるというふうに考えておるところでございます。
#56
○福山哲郎君 今お答えいただいたこととちょっと重複するかもしれませんが、市町村というのは自治法に基づいて基本構想とか基本計画を定めています。その基本構想や基本計画と今回の改正にあります都道府県のマスタープランがある意味異なっていたり対立をしているというような状況は想定しておられないんでしょうか。
#57
○政府参考人(山本正堯君) ただいまお答えを申し上げましたように、都市計画法上は、市町村マスタープランについては、今先生御指摘の地方自治法の規定に基づいて定められます市町村の基本構想に即して定めなければならない、こういう格好になっておるわけでございます。
 この規定の趣旨に沿いまして各市町村が市町村マスタープランを定める際には、当該市町村の基本構想とか基本計画と整合性を図って定めるということになっておるわけでございまして、その整合性はその中で十分保っていく必要がある、保たれるものであるというふうに考えております。
#58
○福山哲郎君 例えば、横浜市などの都市計画区域が、横浜市一つの市で市町村のマスタープランと県のマスタープランというのが出てきたときに、一つの区域に対して二つのマスタープランが存在することになってしまうというような状況になれば、恐らく住民も混乱するでしょうし、そこの整合性という話で、県は全体を見る、県全体の調整の中でここの指定区域のマスタープランをつくりますよと言っている。ただ、そこの当該市町村は、その市町村の住民のニーズやいろんなことを考えてマスタープランをつくったときに、県は全体を見ているから、こことここは取り入れるけれどもここは取り入れないみたいな話の中で、市町村と県のマスタープランが対立したりそごを来したりする可能性は僕は、今いろんな調整をしながらとおっしゃられましたけれども、起きてくる可能性があるんじゃないかなというふうに思うんですが、もう一度御説明いただけますか。
#59
○政府参考人(山本正堯君) 県のマスタープランにつきましては都市計画で決めることになっております。したがいまして、県の都市計画を決めます場合に市町村の意見を聞くことになってございます。そういう意味では、そこで十分市町村の意見を尊重して決めるということになると同時に、そこで調整が図られるということが一つでございます。
 それから、市町村のマスタープランの策定でございますが、市町村のマスタープランは県のマスタープランに即して定めなければいかぬ、こういうことに規定上なっております。即してということは、そこで十分調整が図られるということが前提だというふうに考えております。
#60
○福山哲郎君 時間がないのでこれで終わりますが、また少し私も勉強して、より審議を深めていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#61
○佐藤雄平君 佐藤雄平でございます。
 きょうのそれぞれ議論を聞いている中で、大変な都市計画法の改正であるなという感じを持ちました。
 どうしても都市計画の話になると、先ほど大臣の方から江戸城の話があったんですけれども、太田道灌が江戸城をつくって、ある意味ではそれが一つの都市計画のスタートかなと。それからまた、東京については後藤新平、これは我が県とも関係ありますけれども、そんなところから都市計画がスタートしているのかなと。昨今の地方の盛衰、これはもうすべからく何か都市計画の運用次第にかかってくるんじゃないかな、そんな思いをするところでもあります。
 今の同僚の福山議員の話の中でも、本当に権限移譲、地方分権というのは、言葉は非常にいいけれども、しかしながら国と県、県と市町村、この中で複雑な関係が出てくる。その議論の中で、しからば都市計画の最終的な決定はだれがするのか。市町村がするのか県がするのか建設省がするのか、この辺がある意味では責任の所在が非常に分散されて、権限移譲を受けたところがむしろ困ってしまうんじゃないかな、そんな今感じをいたしました。そういうような世の中の推移の中でそれぞれ都市計画が改正されてきたと思うんです。
 歌の中で、かつて守屋浩が「僕の恋人東京へ行っちっち」と、まさに大都市にみんな人口が集中してきて、さらにその後、四十年後半になると北島三郎が「帰ろかな」という歌を歌って、ふるさとに帰ろうかなと、それぐらいいろんな変遷があるんです。そのたびに私はその改正がなされたのかなと。
 昭和四十三年の改正のとき、市街化区域を設け、調整区域を設けた。さらにまたこの線引き。この改正案の中でも最大の問題であろうと思う線引きを設け、また開発許可。さらにはまた、昭和五十五年に地区計画制度、これを創設した。それで、平成四年の用途地域の細分化、市町村のマスタープラン。そして、平成十年の中心市街地活性化法。さらには今国会におけるこの法律なんです。
 全体の中身の推移を見てみると、まず住居、いわゆる衣食住の中での住居の確立、それに伴った生活の利便性の中のまず下水道とか街路、さらには今国会の最大の中心は市街地空洞化、これに対する対策も含めた中での法の改正ではないかなと思うんです。
 まず、大臣にそのつかさごとの改正、このバックになったのはどういうことなのか、主眼はどういうふうなことであったのか、御所見と過去の経緯の背景をお伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(中山正暉君) まさに今先生御指摘になられましたようにいろんな歴史的経過があって、日本もその意味でいわゆるバブルが崩壊をしてから土地に対する認識が私は変わってきたと思います。みんなでやっぱり協力しないと町というのはよくならないんだという、私は何か言葉にはなって聞こえてはきませんけれども、皆さんの意識の中に。この間も六本木六丁目の六六開発というところへ行きました。そのときのいわゆる地域組合の皆さんとかそんな方々のお顔の色を見ておりましたら、大都市の大変難しいところでそういう新しい意識が始まったなという感じがいたしました。
 それから、地方の時代、先ほど福山先生のお話の中でもいろんなデメリットが予測されますが、私はそれを乗り越えるところに新しい日本の二十一世紀があると。そういう意味で、今回の法律改正というのは私は非常に時宜を得たと。皆さんのコンセンサスにで決断をしてください。
 私は、あくまでも主導的な都市計画の専門家がいらっしゃる建設省、地方の方々が地面に定着した位置から見ているのと、鳥の目といいますか鳥瞰的な形の建設省の立場と、それから中途段階で位置を変えて、鳥の目と地表の目との間で実態を中位のところで把握している都道府県との三位一体がいい効果をもたらすことにも期待をいたしておりますので、そんな意味の効果がこの法律の改正案には、特に地方分権とかそういうもので新しい対応が始まるときでございますので、うまくギアが入りましたらいい方向に車が進んでいくんじゃないか、こんなふうに思っております。
#63
○佐藤雄平君 三位一体、うまくいくことを期待しております。
 その中で、やっぱり線引きというのが一番中心になってくるのかなと。それぞれの都道府県が都市計画のマスタープランをつくる、さらにまた市町村がマスタープランをつくる、先ほどの話でもありましたけれども、その中でどのように線引きをしていくかというのが、市街化区域と市街化調整区域の峻別ということが非常に難しいと思うんです。
 そういうふうな中で、今度、都道府県に権限が移譲して都道府県が線引きを選択する。これに至った一つの経過についてのお尋ねをしたいと思います。
 局長にちょっとお願いがあるんですが、ゆっくりしゃべっていただけますか。
#64
○政府参考人(山本正堯君) 失礼しました。
 今の先生の御指摘でございますが、線引き制度の見直しは、線引きを行うべき都市区域を現在法令で定めており、一部当分の間線引きをしないというのも法令で定めておるわけですが、少なくとも線引きを行うべき都市計画区域を法令によって定めておりますのを改めまして、線引きを行うか否かの判断を一部の大都市等の都市計画区域を除きまして都道府県の判断にゆだねるということでございます。
 この改正の背景でございますが、昭和四十三年当時はスプロール対策を全国で講じなきゃいかぬというような課題がございましたが、今日では人口増が鎮静化してきている、こういう状況でございますので、線引きという手段によって都市計画区域の無秩序な市街化を防止する必要があるかどうかというのは地域の実情によって大変違ってきている、こういうことであろうかと思います。
 そういう状況のもとで、都市計画区域を指定する主体が都道府県でございますので、都市計画区域を指定する主体である都道府県がそれぞれの地域の実情に応じまして線引きをするかあるいは現在の線引きを廃止するかといったようなことについての判断をすることが最も適切であるという観点から今回の線引きについての選択制を採用させていただく、こういうことでございます。
#65
○佐藤雄平君 線引きのときに、今まで建設省がおやりになっていた、都道府県は建設省と御相談というか、当然そういうふうなことはあると思うんですけれども、この辺の建設省と都道府県の線引きの判断、さらにはまた線引きと同時に開発の問題も出てくるわけですけれども、この二点についての局長の御所見を。
#66
○政府参考人(山本正堯君) 線引きにつきましては、今現在、先生おっしゃいました点につきまして、都市計画区域のマスタープランにおいて線引きをするかしないかということを決めるということでございます。
 先ほどから申し上げておりますように、都道府県の都市計画のマスタープランというのは都市計画決定をするということでございます。したがいまして、その手続の中で都市計画の案をつくったときに市町村の意見を聞くということでありますとか公聴会でありますとか、そういう手続を通常の都市計画手続に基づいてやるわけでございます。
 一方、現行の制度においては、線引きが農林漁業との土地利用上の調整を図るといったような必要性などから国の利害に重大な関係がある都市計画である、こういう位置づけをされておるわけでございまして、そういう観点から今建設大臣の認可を得るという対象になっておるわけでございます。
 したがいまして、今回の改正に際しましても、都市計画のマスタープランにつきましては都市計画決定の手続に基づいて行われるわけでございますが、この線引きが国の利害に重大な関係があるということで、建設大臣の同意を得るということでその手続に関与していく、こういう格好になるわけでございます。
#67
○佐藤雄平君 もちろん国の利害は大事なんですけれども、一番やっぱり心配するのは、きょう通産省に来てもらっておりますけれども、むしろ自治体同士の利害、これがどうしても私は出てくると思うんです。
 隣接している全国三千二百の町の中で、平均一万人ぐらいの町なんですけれども、ということはやっぱり地方に行くと本当に二、三千人の小さな町がいっぱいくっつき合っているという現況がある。それを見たときに、町としては、極端な話、量販店を進めようかなと。ところが、その隣接の町の商工会は反対する。しかし、それを県が見た中で、現実問題としてどの辺に線引きをしていいのか。町のマスタープランを持って県に行ったときに、県のマスタープランと町のマスタープランに相違があるときというのは出てくると思うんです。
 そんなときは建設省として、ですから私はこの線引きの功罪があって、線引きと大きな都市計画というのはむしろ建設省でやってもらった方がいい、今までのとおりの方がよっぽどいいのかなと思う部分もあるんですけれども、そんな問題が起こったときはどんなふうな調整をなさるのかお伺いしたい。
#68
○政府参考人(山本正堯君) 今、大量大型の量販店というような例示をされましたが、都市計画は商業機能の需給調整を行うことを目的とするわけではございませんけれども、こういうような大規模な店舗を商業調整の観点から規制対象とすることではございませんけれども、大規模な店舗の立地について大きな影響を与える、こういう観点から都市計画上のいろんな調整があるわけでございます。
 市町村が定める都市計画につきまして、広域調整等の観点から都道府県と協議をしその同意を得なければならない、こういう格好になってございます。都道府県と市町村、または市町村と隣接する市町村との広域調整はこの段階で最終的になされる、こういうことであろうと思います。
 それから、市町村マスタープランにつきましては、先ほども御説明申し上げましたように、都道府県が定める都市計画マスタープランに即して定められなけりゃならないと、こういうことで規定されております。当該都道府県の都市計画マスタープランの活用を通じまして都市計画区域内の町づくりについて広域的な調整がなされるということを期待しておるわけでございます。
 建設省としても、そういう際に地方公共団体の自主性を損なわない範囲で必要な技術的助言あるいは指針等を積極的に示していることによりまして市町村と市町村の間あるいは市町村と都道府県の間の調整が円滑にいくように支援をしてまいりたい、こういうことでございます。
#69
○佐藤雄平君 局長、そうすると、最終的な都市計画の決定権というのはどなたになりますか。
#70
○政府参考人(山本正堯君) 都市計画の決定権は、町づくりの主体である市町村、それから広域的な観点からの決定、国道でありますとか大規模な公園でありますとか、そういうようなものにつきましては都道府県の都市計画の決定権限が基本でございます。
 ただ、市町村の決定権限はそうでございますが、市町村の都市計画につきましても都道府県の認可といいますか、そういう関与は当然ある、こういうことでございます。あるいは都道府県の都市計画決定につきましても、大臣の国の利害の関係からの関与はある、こういうことでございます。
#71
○佐藤雄平君 その辺をよく大所高所から見て、その地域の立場に立ちながらも、やっぱり最後はよく都道府県を指導していただかないと本当に混乱を招く心配の疑がありますから、その点はよく建設省としてもバックアップしていただきますように心からお願いを申し上げておきます。
 次に、量販店、大規模大型店とこの都市計画なんです。
 先ほどからもいろいろ話の中で出しておりますけれども、本当に商業というのは、それぞれ商業者の立場、また消費者の立場、さまざまな立場から考えるとこれは難しいところがあるなと。
 私は、都市計画の後段の一番の中心というのがこの量販店とその空洞化の問題なのかなと思います。多分これは全国各地域でいろんな問題が起きていると思うんです。
 今後、大型店について地域の都市計画プランニングの中でいろいろ考えていくということでありますが、それと同時にやっぱり空洞化している市街地の中での対応、それぞれあると思うんですけれども、まず私は、先ほどの中で、仮に町が量販店をさまざまな要因から誘致したいということで、町がその審議会に上げて、線引きの中でもいわゆる都市計画区域の中に入れてくださいというような希望があって、しかしながら県として全体の状況を見ると、どうしてもやっぱり周りの商店街また商工会の人が反対である。周りのというのは、他の町村からすればと、こういうふうなケースというのも出てくる。そんなとき、今度の都市計画法はどういうふうな位置づけ、進め方をしていくのか。
 それと同時に、これはそれぞれまた中小企業対策の中小企業庁と、大型店の産業政策局、これは今通産省の問題を何か建設省が解決の糸口を進めているような感じがして不思議でしようがないところがあるんですけれども、これは一つのトライアングルというか、建設省と通産省、中小企業庁、それぞれ地域に合ったと言うとこれも語弊があるんですけれども、本当に消費者か大型店か、それこそ商工会かと、この辺はそれぞれの立場でどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(山本正堯君) 都市計画法は、先ほど申し上げましたように土地の利用のあり方等について規定している法律でございまして、商業機能の需給調整を直接行うことを目的とするものではないわけでございまして、大規模な店舗を商業調整の観点からどうこうするということはないわけでございますけれども、大規模な店舗の立地というのは、先ほども申し上げましたように、大変町づくり、土地利用に大きな影響を与えるということでございますので、そういう用途地域等によって都市計画上の位置づけを明確にしておく必要があるということであろうかと思います。
 一つは、都市計画区域の外に大規模店舗が立地される、あるいは用途地域、今回、非線引きの白地のところに立地をされるといったようなことがあるわけでございますが、そういったようなところになることによりまして中心市街地が空洞化する、その隣の市町村が空洞化するといったようなことが起こるわけでございますが、そういったようなところにつきましては、準都市計画地域につきましてはこういう大規模店舗の立地は抑制をする、あるいは非線引きのところについては特定用途制限地域という格好で大規模な店舗についての規制をするといったようなことによりまして大規模店舗の環境上の問題等から立地が結果的に抑制されるということがあるということでございます。
 それで、そのときに県と市町村の意見が異なった場合とか、あるいは複数の市町村の意見が異なる、隣の市町村との意見が異なるといったような場合につきましても、都道府県がこれらの市町村の意見を十分に聞きながら広域的見地から適切に判断する、線引きをするといったときにはそういう格好で線引きを作成するという格好になろうかと思います。
#73
○政府参考人(杉山秀二君) 町づくりの重要性を佐藤先生ずっと御指摘でございますが、その重要性につきましては私どもも十分認識をしているところでございます。これに対応するために、都市計画法それからいわゆる大店立地法それから中心市街地活性化法といいますいわゆる町づくり三法というもので対応したいというふうに考えているわけでございます。
 まず、大型店を立地することが適当かどうかという問題につきましては、いわゆる土地利用規制という手法によって都市計画法などで対応するということにしているわけでございます。平成十年の国会におきまして都市計画法の改正が行われましたけれども、本日御審議をいただいている改正によりましてさらに土地利用に関します制度が整備されるというふうになると考えているところでございます。
 それから、この土地利用規制と並びまして、いわゆる大店立地法によりまして大型店の周辺地域の交通問題とか騒音問題といった生活環境の問題に関する規制を行いまして、大型店の設置者に対しまして生活環境の保持ということを求めるというのが第二点でございます。
 さらに、こうした規制とは別に、中心市街地の活性化を図るために中心市街地活性化法のもとに、これは建設省も私どもも入っているわけでありますが、関係十三省庁が連携をいたしまして中心市街地の整備改善とか商業等の活性化のための支援措置を行うということにしているわけでございまして、このいわば町づくり三法というのがそれぞれの役割に応じて総合的に活用されて対応していくというふうな考え方をとっているところでございます。
#74
○政府参考人(岩田満泰君) 中小企業政策の観点からお答えを申し上げます。
 私ども、先般、国会に提出をさせていただきました今年度の中小企業白書の中にも分析をいたしておりますが、商店街あるいは大規模小売店舗というものについての消費者の見方というものからかなり参考になる点が浮かび出てきているように思います。
 大規模小売店舗につきましても、一方で評価があると同時に、最近の消費者と申しますのは近くにあるということを極めて望んでいるという傾向が出ております。その意味におきまして、今建設省あるいは商務流通審議官から答弁がございましたように、こうした消費者の声と申しましょうか、そうしたものがどのような形で土地利用規制、土地利用計画の中に盛り込まれていくのかというのが一つの方向を示唆するものではないか、そうしたものがどのようにくみ上げられていくのかということが重要であるかと存じます。
 同時に、商店街、いわゆる中小小売商のサイドで見たときに消費者はどのように見ているかということについて申し上げますと、やはり駐車場の問題でございますとか品ぞろえの問題でございますとか、店というものについての魅力の問題でございますとか、いろいろと商店街として考えなければならない課題が消費者から提起をされているというふうに存じます。
 中心市街地活性化法等々によりまして面的な対策を講じ、それによって町あるいはエリアとしての駐車場の整備とか、そういったようなものが行われ得るような措置が既に講じられておるわけでございます。
 さらに、商店街の問題として申し上げますと、商店街と申しますのは御指摘のとおり、空洞化というお言葉をお使いになりましたが、いわゆる空き店舗が一部に発生することによって商店街全体の魅力を失うという、そうした特徴を持っております。その意味において、中心市街地活性化法の体系の中でもTMOという極めて斬新な発想が出てまいりまして、商店街全体をマネジメントするという手法が今現にとられておるわけでございます。
 私ども、中心市街地の商店街に限らず商店街一般につきましても、中小企業政策の中でこうした商店街トータルとしてのマネジメントをどうするか、そのために現に存在している空き店舗をどのように利用するか、チャレンジショップというような形で使われたりもろもろのイベントのために使われるということがございます。同時に、商店街の中にあります業種とか機能とかというものについて消費者から見て不足を感じられる部分がございます。そういうものがあることによって商店街全体の魅力が失われるということがございますので、そうした不足した業種、機能というようなものをどのように補っていくかという商店街全体としてのマネジメントというようなことがございます。
 さらに、お客様がお見えになるわけでありますから、できる限りきれいなところであることが望ましい。その意味で、きれいという以前に、まず駐車場がないので車で来ようと思っても来れないというようなそういったものの対応と同時に商店街全体のハードウエアの整備というようなものをあわせまして、こうした形での商店街の振興施策というものをこれからも引き続き充実させていきたい、このように考えております。
#75
○佐藤雄平君 商店街の中でもいろんな方がおられて、たばこ屋をやってきて、もう我々の世代で終わっちゃうという人もいるし、また跡取りがあって、その若者がやっぱりお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんを継いでいこうと。意欲のある商店主、これについては特に、岩田長官、いろんな情報を差し上げながら、そのニーズは何であるかと、そんなこともそれぞれその地域の中での、またある意味では町づくりの中での商店街の立地というんですか、そんなことも含めていろいろ本当に指導してあげていただきたいなと、そんな思いをいたすところでもあります。
 空洞化に絡んで次に行きます。
 町づくり、これももう当然商店街と絡んでくる話なんですけれども、その地域を歩いていますと、それぞれ町並みづくりとか町づくり、地元のJCそれから商工会の皆さん、いろいろ考えているんです。
 どうしてもその最大の障害になっているのにやっぱり景観を壊している電柱があるんです。それで、何とかその電柱を地中化したいなとか、また移設したいなという話があるんですけれども、これは電柱を持っているそれぞれの電力会社で経費もかかるし、また地元での負担も必要とされる。たまたま地元の会津若松の古き町並みがあるんですけれども、その中で町の活性化、町おこしのためにいろいろ考えたらどうしても電柱が邪魔になってしまうので建設事務所に話した、また電力会社に話したら、五十年先ぐらいの話に実はなっておりまして、そうこうしているうちにもう全部町が退廃してなくなっちゃうんじゃないかなと思うんです。
 多分街路事業の一環として、また道づくりの一環としてやっていると思うんですけれども、都市計画も大事でありますけれども、目の前の話として電柱の地中化、その中で一緒に共同溝等についても進めるについて建設省はどのようにお考えになっているか。そしてまた、ある意味では建設省だけでできないものですから、これは電力会社にも、場合によってはNTTにも協調しながら早く進めようよと言ってもらえるようなことをしていただければ、これはある意味では空洞化が防げる一里塚にそれこそなるのではないかなと、そんな思いがいたしますけれども、その件について、道路局長。
#76
○政府参考人(大石久和君) 電線類の地中化は、今委員御指摘のとおり、都市景観の向上や都市災害の防止を図るために必要不可欠な事業であると認識いたしておりまして、これまで、昭和六十一年度から開始いたしまして平成十年度まで十三年間で約三千四百キロメートルの地中化を実施してきたところでございます。
 しかしながら、なかなか進捗が思わしくないといったようなことから、今委員からもお話しございましたが、平成十一年三月には関係省庁あるいは関係業界の皆様方と新電線類地中化計画を策定いたしまして、平成十一年度から平成十五年度までの五カ年間に三千キロメートルの地中化を推進するということといたしました。これは、過去の実績が年間二百六十キロメートルであったのに対しまして、今後は年間六百キロメートルを地中化していこうというものでございまして、二・三倍のスピードで地中化を進めたいと考えております。
 平成十二年度におきましては、このため事業費約二千億を確保いたしまして地中化を推進することといたしておりますが、従来、大規模な商業地域、オフィス街、駅周辺の道路を主な対象といたしておりましたが、今後は中規模程度の商店街の道路や住居系地域の幹線道路など、あるいは景観を保全すべき歴史的町並みの地域等についてこういった事業をやっていきたいと考えておるところでございます。
 超長期的には、あるいは中長期的には、人々の主要な生活空間である商業系、住居系の地域のすべての幹線道路について地中化を図っていきたいと考えているところでございます。
#77
○佐藤雄平君 ぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、これも関連してくるんですけれども、やっぱり古い城下町、町並み、それぞれある。これも町おこし、村おこしの一環なんですけれども、どうしても町家風の前と同じようなものにつくり直したいということになると、建築基準法の建ぺい率の問題があったり、また目の前の道路の幅員が四メーター弱であるということになると、どうしてもいろんな制約の中で再現することができなくなって、結果的にはその町から逃げ出すしかないような状況があるんです。
 現行法ではなかなか難しいんでしょうけれども、今回の都市計画の一部改正の中で何かその辺をうまく運用できるような方策があるかどうか、この件についてお伺いしたいと思います。
#78
○政府参考人(那珂正君) 先生御指摘のとおり、町づくりにおいて歴史的、文化的なたたずまいを残した建築物群を何とか保存していこうということは大変大切なことだと思います。
 そのためには、まず保存措置というものが、あるいは現状変更の規制という措置というものがある一定程度コンセンサスを得られて形になってあらわれてこないといけないと思いますが、そういう規制措置を実効あらしめるためには、現行の例えば建築基準法を一律に適用するということはやはり問題が多いというような御指摘だと思います。
 具体的には、文化財保護法による伝統的建造物群保存地区内におきましては、今申し上げました現状変更の規制や保存のための措置を実効あらしめるために、市町村の条例によって建ぺい率制限、道路内建築制限など、建築基準法上の根幹の規制についても一定の制限を緩和できる措置がとられることとなっております。現に、指定されている地区ではこういうような措置が講じられて、おっしゃるような伝統的、文化的なたたずまいの保存ということに一定の効果を果たしていると思います。
 また、今回の改正案でも、街区の建築ルールとして壁面線を指定して建ぺい率制限を緩和するという措置がございますが、こういうものと例えば美観地区とか他の規制措置とを組み合わせて、今先生がおっしゃったようなことに効果をもたらす方法もあるのではないかと、研究してみたいと思います。
#79
○佐藤雄平君 時間も迫ってまいりまして、最後に大臣に。
 本当に都市計画の重要性というのをしみじみ感じているわけでありますが、都市計画の基本はやっぱり町づくりなのかなと。町づくりに要望されることは、きょうのいろんな質問の中でも、場合によっては高齢化、場合によっては少子化、これは学校の区域、学区制なんかも含める、そしてまた、地域の文化、それから都市としてのある意味では機能性というか、いろんなことが要望されると思うんですけれども、二十一世紀に向かっての新しい都市計画、この決意を大臣にお伺いして、質問を閉じます。
#80
○国務大臣(中山正暉君) いわゆる産業構造の変化がありまして、加工産業国でございますから、できるだけ海岸に近いところで資源を外国から輸入して、そこで工業化して、そこへまた地方で教育を受けた方々が産業に従事されるということで、太平洋ベルト地帯に人が集まって、そして今また新しい二十一世紀に、環境の問題とかそんなもので、先ほど先生も歌の文句を引かれましたが、人間もサケみたいなものかなと思うんですが、何かふるさとへ帰ろうというようなムードも出てきました。
 ところが、千百七十一の過疎市町村があります。ですから、太平洋ベルト地帯の人が集まったところと千百七十一の過疎市町村と、そういうものをどういうふうに調和させていくか。
 それでは、大都市で生活していた人がふるさとへ帰るときに、いわゆるバリアフリーの問題とか、それから高齢者の方々に住みやすい地方づくりとか、その地方でふるさとに戻ってよかったなというような、またあこがれている町へ行けてよかったなというような、そういう総合的な見地をこれからの都市計画づくりの中に私は入れていくべきと。
 先ほどからお話しのございました線引きをなくしていくのかという話は、一時土地が高騰したときに熱病のようにそういう地域に対して網をかけてしまったところにもう一回地方の意識を戻そうというのが線引きの見直しとか地方の意見を参酌するとか、それは全く地方を信頼し、そして日本の国土を平均的に、過密と過疎をあわせて、どんなふうにみんながそれぞれ自分の生涯の生活の場所を選んでいくかというそんなものの指針になるような、あそこにはお城があっていいなとか、若松城、鶴ケ城というんですか、それを見て故郷へ帰ろうかなとか、そんなふうな先生のふるさとにも機運がわいてくるような、それぞれの地域である意味で都市計画が見直されると。
 今までは、本当に五十年ぐらいかかって、私の生まれたところの大阪あたりでも計画を立てた橋がつい最近できたなんということがございますが、そんなふうな間延びのした都市計画ではなしに、二十一世紀の初期の段階で、二十一世紀の希望が持てるような私は都市計画を立案していくような基本になればいい、そんなふうに思っております。
#81
○佐藤雄平君 ありがとうございました。
#82
○委員長(石渡清元君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十一分開会
#83
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○高野博師君 それでは、都市計画法の改正案等について御質問いたします。
 この法律について、私も読んだのですが、なかなか難しい法律で、今の日本が抱えている都市問題が難しいから法律が難しいのか、法律が難し過ぎるから問題が大きくなっているのか、もっとこれはすっきりした法律にすれば、今の都市問題というのはもっとすっきりするんじゃないかなという印象を持ちました。
 そこで、まず冒頭、そもそも都市とは何かということについて、大臣に定義についてお伺いいたします。
#85
○国務大臣(中山正暉君) 大変難しい御質問でございまして、都市の定義というのは何かなと私自身も思いますが、ある程度の人口を持って、農業的な基盤は余り地域を占めていなくて、むしろ商業活動を中心にして、それからまたその地域の中核的な行政の中心で、また学術関係の機関、学校とか、特に大学とか、そんなものが周辺地域にあって、そういう人たちの憩いの場と申しますかレクリエーションの場、それからまたいわゆる歓楽の場といいますか歓楽街を備えていて、そして先ほど申しましたように一定の人口があって、商業、工業の基盤となる各種の施設が立地して、それから企業投資活動があって、生産活動があって、消費活動があって、そういうものが集中して行われる場所。
 それから、一般的に都市ととらえることが可能ということは、都市において必ず必要な道路、公園、上下水道、それから環境、景観、それから防災のための機能が整っていて、そして先ほど歓楽と申しましたが、にぎわいがあって、それから一般の全国民にかなりの都市として知られているといいますか知名度が高いという、そんな雰囲気ではないか。
 都市計画法上は、都道府県が一体の都市として総合的に整備、また開発及び保全すべき区域を都市計画区域ということに指定をしておりますが、都道府県及び市町村が具体の都市計画を定めることにより、都市の健全な発展と、それから秩序ある整備を図ることとされていますが、そういうものが付随をしてくる場所。
 それから、我が国の土地利用の実情を見れば、都市計画区域以外の区域においても、住宅とか商業施設とか、工業、工場等の敷地としての土地利用が進んでいて、それから都市と都市以外の区域を明確に峻別することは困難だと思いますが、今回の改正では、こうした我が国の現実の土地利用の状況にも対応した内容として、都市というのは、衛星都市なんという言葉がありますが、ある一定の周辺地域にそれなりの後背地を、中核的な都市を支える基盤として衛星都市を持っているというようなところが都市という形になるんではないか。
 都市国家とか、外国の例でいいますと、一つの国家を形成するような貫禄といいますか、そういう多種機能といいますか、人口的にも、それから学術的にも、それから文化的にも、歴史的にも基盤を持っている、そういうのが何となく都市というような感じがいたしております。
#86
○高野博師君 もう少し定義を整理して発言していただけるのかと思ったんですが、古代都市とか中核都市とか、都市という言葉が非常にいろんな意味で使われるんですが、都市というものについて共通の意味内容を持った上での議論でないとこれは議論にならないと思うんですが、そこで都市という概念をやっぱりきちんと整理しておく必要があるんではないかと思います。
 これはもう大臣の得意の分野だと思ったんですが、「都市」というのはそもそも「宮処」と「市」ということでありまして、「宮」というのは天皇を指して、「処」というのは場所なんですね。ということは、要するに天皇がいる場所というのは政治の中心だった。「市」というのは「市」でありますから、ここは物品等を交換する、要するに市場、経済の中心。都市というのは基本的には政治経済の中心だと。これに対比する言葉で村落があるわけですが、村落というのは村、人家が集まっている。これは生活圏を形成しているだけであるということで、都市というのはやっぱり中心性がある。したがって、都市の要件としては、この中心性があることによって人口が集中する、あるいは人口が移動する、村に比べると当然開放的だということが言える。
 それから、当然人間が集まる、物が集まる、情報が集積しているということ、この人口の集中と移動、情報の集積がある。最近では、インターネット等があって、どこでも情報が手に入るようになりましたが、必ずしもこれは要件が当てはまるかどうかわかりませんが、いずれもこういう要件を備えている。
 そして、都市はどういう目標を持つべきかということなんですが、これは私の先輩議員であった牛嶋正先生の著書によるんですが、すべての市民が目指す生活目標がある。すなわち、健康で文化的でそして安心できる生活で、徐々にでも生活水準が向上していくという、そういう市民が持っている目標をかなえられるのが都市の目標だと。
 そこで、都市の機能として今大臣がおっしゃられましたように、市民のいろんなさまざまなニーズにこたえられる機能を持っていなくちゃいけない。そこには住居の機能もある、それから生産機能、商業あるいは流通、金融、こういう機能も持たなくちゃいけない。それから、教育、文化、あるいは情報、レジャー企業、さまざまな多様な機能が求められている。これが簡単に言う都市ではないかと思うんです。
 そこで、この都市計画法あるいは建築基準法の改正の背景あるいは理由について、けさほどもいろんな議論がありましたので余り繰り返しませんが、なぜ今回これだけ大幅な改正をするのかということについて、簡単にお答え願いたいと思います。
#87
○政府参考人(山本正堯君) 御案内のとおり、現行制度は昭和四十三年に創設をされたわけでございますけれども、昭和四十年代当時の急激な都市の人口の増加とスプロール、市街地の拡大に全国緊急共通課題として対応するということを主眼としておったわけでございます。
 それで、昭和四十三年にそういう制度を創設いたしましたが、その後、例えば四十九年には都市計画区域の開発許可制度を未線引きの都市計画区域に拡大するとか、あるいは五十五年に地区計画制度を導入するとか、あるいは平成四年には市町村マスタープランあるいは用途地域を細分化するとか、その後の経済情勢の変化に対応して制度の新設、拡充をやってきたわけでございますが、現在の状況は、将来をも含めて勘案してみますと、少子高齢化社会であるとか環境問題でありますとか住民参加でありますとか、いろんな現在の課題あるいは将来に向かっての課題に対応して、社会経済状況の変化に十分対応し切れないといったような状況になりつつある、こういう状況であろうかと思います。
 こういう状況に対応いたしまして、私どもとしても速やかに法改正が必要であるというふうに判断をいたしたわけでございまして、今回の法改正におきまして、現在の制度の根幹でございます線引き制度などの制度の見直しも含めまして、都市計画の決定、変更が柔軟に行い得るような透明性の高い制度を目指して、現行制度について必要な見直しを行おうとしたところでございます。
 なお、また近年、地方分権の流れ等につきましても、平成十年に地方分権の推進について都市計画を含めまして全体の大改正が行われたわけでございまして、そういう改正の方向も踏まえまして今回の改正を行うということでございます。
#88
○高野博師君 これだけスプロール現象と言われるものが頻繁に見られるようになるまでほうっておいてよかったのか、交通渋滞の問題とか、あるいは非効率な投資を余儀なくされたとか、いろんな事情があったわけですが、この改正についてはもっと早目に手を打ってもよかったのかなという感じがいたします。
 そこで、けさほども同僚議員から質問がありましたように、都市計画の基本的な理念とか哲学、これをやっぱりきちんとしておかないといけないのではないかという気がいたします。経済社会環境の変化に対応できる都市づくり、成熟高齢化社会あるいは情報化社会に対応できる都市づくり、そしてまた環境問題と循環型社会を目指すような、そういう都市づくりが求められていると思います。
 今回の改正で重要な点は、線引きの要否を都道府県の判断に任せたという点で、これは適切であって時代の要請にもかなっているのではないかと思うんです。若干今度の改正とは離れますが、都市づくりにおいて各自治体がその独自性とか創意工夫とか、あるいは都市づくりにおいて個性化を図るためには補助事業ではなくて単独事業の方が望ましいのではないか。しかし、最近の経済低迷等によって単独事業の財源確保をするというのは非常に難しくなっている。
 この点について、建設省はどういうふうにお考えなのか。統合補助金制度等が新しく創設されたりしていますが、補助事業とは基本的に画一化する傾向にあるし、市民のニーズと乖離するおそれもあるわけですが、この点についてどうお考えでしょうか。
#89
○政府参考人(山本正堯君) 中心市街地の活性化でありますとか、今先生がおっしゃいましたようにバリアフリー化でありますとか循環型社会でありますとか、新しいニーズにも対応し都市の再構築を推進していくという上で、地方公共団体の都市整備財源を確保していくということが非常に重要であるということはおっしゃるとおりだと思います。
 そのためには、現在私どもは補助金を中心にした行政をやっておるわけでございますが、補助金制度につきましても、従来からこういう町づくりに大変使いやすい、そういうような補助金の制度のあり方にしようということで考えてきたわけでございまして、特に本年度につきましては、地方公共団体が柔軟にそれぞれの個性豊かな町づくりを進められるように、まちづくりに係る統合補助金、まちづくり総合支援事業というものを創設したところでございます。
 この事業は、先生も御案内のとおり、各市町村の一定の区域について、例えば公園でありますとか下水道でありますとか街路でありますとか、そういったようなものを個別の縦型の補助、個別の補助をするのではなくて、一つの地域について市町村が計画をつくりまして、それについてパッケージで一括助成をすると、こういう制度でございまして、その中での使い方については市町村の自主性を尊重するといったようなことでございます。そういったように補助金の制度につきましても、そういう町づくりに使いやすいような補助金の制度に改めていくということも私どもは本年度からやることにしたわけでございます。
 なお、またいろんな財源の問題につきましては、先生今御指摘のように町づくりに対する財源として、例えば開発利益を自主財源に充てるといったような話でございますとか、いろんな自主財源、あるいはまた単独事業についての交付税の問題でありますとか、いろんな問題があろうかと思いますが、そういう点につきましても私どもといたしましては現在、使い勝手のいい補助金についての制度の改善を図っている、こういう状況でございます。
#90
○高野博師君 都市計画の案の作成において都道府県と市町村の役割分担を、これも明確化されるということになるわけですが、計画の中身の都市づくりあるいは都市経営においても都道府県と市町村の役割分担の明確化が必要ではないかと思うんです。
 もう一つ、民間部門と政府部門の役割分担、これもきちんと明確にすべきではないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#91
○政府参考人(山本正堯君) 町づくりについて、官民の役割分担といいますか政府と民間の役割分担ということでございますが、町づくりにつきましては計画の分野から事業に至る幅広い分野で官民の役割分担あるいは連携が必要であるということであろうかと思います。
 都市計画につきましては、地域の実情に応じた町づくりを推進する観点から、住民団体等地域住民の意見を踏まえて都道府県または市町村が所定の手続を経て定めているところでございますが、今回の法改正におきましても、市町村の条例によりまして地区計画等について住民または利害関係人からの都市計画の決定、変更等の申し出を可能にするように措置しておるといったようなことが一つございます。
 それからまた、都市計画事業におきましては、これは当然のことながら、市街地開発事業や区画整理事業を例にとれば、大規模な公共施設の整備を伴うものと、あるいはまた民間主体のみでは実施が困難な事業については公共が、官の方が主体となって基盤整備を行いますけれども、基本は民間の活力を期待する、こういったような状況でございます。こういうふうに町づくりにつきましては、計画あるいは事業につきましては公共団体、民間事業者あるいは住民団体等、多様な主体がそれぞれの役割を発揮いたしまして総合的に進められていく性格のものであるということであろうかと思います。
 私どもとしましても、そういうようなそれぞれの主体の円滑な活動を引き出して地域の実情に応じた町づくりが進められるようにいろんな制度の整備、運用に当たってのいろんな指針、指示あるいは各種事業の支援を行っていくことが必要であるというふうに考えております。
#92
○高野博師君 市民の生活の中での上下水道とかごみの問題、あるいは消防、保育、義務教育、こういう日常必要とするサービスについては市町村が主体になってサービスを供給していると思うんです。公共サービスの供給あるいは都市基盤の整備等については国あるいは都道府県も関係があるわけですが、都市における資源配分についてはその役割分担の明確化が求められていると思います。
 特にまた、財源の調達という点でも、社会的なコストをだれが負担するのかということも含めて、この財源の調達はどこがやるのか。そしてこれはどういう方法でやるのか。税金でやるのか、あるいは受益者負担の料金でやるのか、あるいは借り入れをするのか、こういう問題についてもきちんとやっぱりする必要があるのかな。それから、高齢化社会に向かって老後の生活が安心できるような環境をつくる、これもこれからの都市づくりにとって最も重要な課題の一つだと思うんです。社会保障という点でも当然市町村が主体になると思うんですが、これについても国とかあるいは都道府県の役割も重要になってくると思います。
 そこでもう一つ、ちょっと難しい言葉なんですが、特定用途制限地域制度について、この制度によって非線引き白地地域において特定の用途の建築物の建築を制限できるということになるわけですが、これは良好な地域環境を確保することを目的とするということなんです。
 そこで、ある建物を制限するかどうか、この建物は環境を劣悪にするとか教育上よくないとか、何を根拠にそういう判断をするのか。制限される側にとっては、これは財産権の制限とか職業選択の自由とかいろんな制限をされるわけです。この資料なんかにもよくパチンコ店が出てくるんですが、このパチンコ店など目のかたきにされるのも気の毒な話で、私の支持者にもパチンコ店をやっている方がいるものですから。しかし、そういうものがいけないという判断をだれがやるのか、どういうふうにやるのか。この判断の基準について、お伺いいたします。
#93
○政府参考人(山本正堯君) 特定用途制限地域につきましては、今回の法改正で線引きを都道府県の選択制としたことにあわせまして、選択によって線引きを廃止したといったようなところにつきましては非線引き白地と、こういう格好になるわけでございますが、そういうところについての良好な環境の形成、保持を図るために創設するという性格のものでございます。
 先生今御指摘のように、パチンコ屋とかレジャー施設といったようなものを一つの例に挙げさせていただいておりますが、そういう非線引き白地のところで、例えば住宅が立地されている、あるいは学校が立地されているといったようなところにつきまして、住宅の隣にパチンコ屋というか、そういうようなものができるということによりまして非常にその周辺が交通渋滞を起こす、騒がしくなるといったような点。あるいはまた、学校の周辺に工場ができる、工場が場合によっては騒音といいますか、ある程度の音が出るといったような点。そういったようなところにつきましては、その地域の良好な環境が阻害されるおそれがあるということでございますので、そういうところにつきましては市町村の判断によりまして、市町村がそういうところを特定用途制限地域という格好で具体の用途について規制をしていこうということでございます。
 これにつきましては、特定用途制限地域については市町村が指定し、それについて都市計画決定を行うわけでございますので、市町村がそういう手続の中で、そこの地域についての具体的な用途が良好な環境を保全するために好ましいか好ましくないかといったようなことについて判断をしていく、こういうことでございます。
#94
○高野博師君 僕が聞いているのは、市町村がこれの許可を与え、制限を加えるか加えないかというそこのところの判断で、これからもパチンコ店は恐らくできてくると思うんですが、そのときに、これは建てていい、あるいは悪いというその基準は何かと言っているんです。
 そこで、主観とか恣意が入らないかどうか、あるいは利害が関係しないのかどうか。客観的に公正に判断を確保する必要があると思うんですが、恐らくそういう中で住民の意見というのが最も重要になってくるのかなと思うんですが、これをどう反映させるのか、今度そういうことについてはいかがでしょうか。
#95
○政府参考人(山本正堯君) 先ほども申し上げましたように、その特定用途制限地域につきましては市町村が都市計画決定を行うということでございまして、都市計画決定につきましては住民の意見、それから縦覧、公告をする、それから都市計画審議会にかける、第三者機関である都市計画審議会でいろいろ御議論をいただいて決定するという手続をきちっと踏むということでございます。
 それから、先生の御指摘の基準ということでございますが、これにつきましても市町村が指定をするわけでございますので、自主性を尊重することは当然でございますけれども、特定用途制限地域については、特定用途制限地域にどういうところで、どういう考え方でかけていくのかといったような点についても、場合によっては例えばマスタープランの中で基本的な考え方というものを明らかにするとか、いろんなそういう格好でのやり方があろうかというふうに思っております。
#96
○高野博師君 それでは、別の質問で、モータリゼーションが進展したということに伴って店舗が大型化する、あるいは郊外化が進む、あるいはまたバイパスをつくるということによって、例えばバイパス通りにさまざまな建物や施設がにわかにでき始めるというケースがよくあります。
 その場合も、無秩序に形成されることがないように、この特定用途制限地域制度の枠組みを使ってこれを防ぐことができるだろうと思うんですが、一方で店舗の郊外化によって、郊外につくるということによって既存の商店街が衰退していくという、これも全国的に相当の地域で起こっていると思うんですが、とりわけ駅前の商店街等の衰退をもたらしていることについて、既存の商店街の活性化についてはどういう対応策をお持ちでしょうか。
#97
○政府参考人(山本正堯君) モータリゼーションの進展によりまして郊外部に大規模店舗が立地をするということによりまして、既成の中心市街地の商店街が衰退しているという例が幾つか見られるわけでございます。
 そういうような点について、今回の法律の改正につきましては、基本的な考え方、これは先ほどから大臣からも御答弁させていただいておりますように、中心市街地においては土地の有効高度利用と活力ある都市の核づくりを進める。中心市街地については、そういうようなものを進める。一方、郊外部においては良好な田園環境でのゆとりある居住を実現する。こういったようなことが両々相まって都市、町づくりを推進しようというのが今回の法律の改正の大きな目標でございます。
 郊外部において、今のような場合に、適切な土地利用コントロールを実現するために特定用途制限地域とか、あるいは都市計画区域の外での準都市計画区域等の制度を創設するということを考えておるわけでございますが、一方、商業地域内の中心市街地の活性化等につきましては、商業地域内の一定の地区についての特例容積率適用区域制度でありますとか、あるいは密集市街地での建ぺい率制限の緩和でありますとか、あるいは立体的に整備される道路等の都市施設についての建築規制の緩和でありますとか、そういったような措置につきまして中心市街地についての活性化を図っていこう、こういうことでございます。
 なお、先ほどもお話がございましたように、中心市街地の活性化につきましては、おととし中心市街地の活性化法、いわゆる中心市街地法に基づきまして積極的に中心市街地の整備を図っていこうということで、市町村が基本計画をつくり、その基本計画を踏まえまして、関係省庁十四省庁が一体となって、町づくりの推進とそれから商業振興を両輪として、その中心市街地の活性化を図っていくということの施策を推進していくということでございます。
 したがいまして、今回私どもが改正をさせていただく制度と、それからおととし改正を新しくつくりました中心市街地活性化法とが両々相まって、今現在、先ほど先生御指摘のような大規模店舗の立地の観点と、それから中心市街地の衰退に対する振興策ということをやっていこうということでございます。
#98
○高野博師君 中心市街地あるいは既存の商店街は、その町に特有の、その地域の歴史とか文化とかあるいは伝統が生きているわけで、何よりも古くからの人間関係があるわけですが、そういうものが崩れる、壊れるということについては非常に残念なことでありますので、今回の法律でこれがまた活性化する方向に働いてもらいたいと思うんです。
 そこで、今お話がありました特例容積率適用区域制度の創設についてでありますが、これもなかなかよく理解できない制度でありまして、既存の市街地の土地の高度利用が促進されるということでありますが、一定の地域内で未利用容積率をほかの敷地で活用するという考え方の根拠は何なんでしょうか。要するに、最初からこの地域は一定の高さまで建物を建てていいというそういう指定をすればいいんではないかと思うんですが、空中権の売買とかいろんな複雑な要素が入ってくるんですが、そもそもこういう考え方はどこから来ているのか、これについてお伺いいたします。
#99
○政府参考人(山本正堯君) 特例容積率適用区域制度でございますけれども、これは要件を限っておりますが、要件の方についてちょっと御説明させていただきたいと思いますが、一つは、商業地域内の区域であること、それからもう一つは、道路、公園、下水道の基盤施設が十分に整備されているということ、それから地区全体の高度利用を図っていく必要があるというようなところであるといったような要件に該当するようなところについて、こういう区域を設定しようということでございます。
 今先生からお話がございましたように、この地域については、商業地域について例えば四〇〇%、五〇〇%といったような容積率が指定されておるわけでございますが、そういう容積率の指定が、一定の道路あるいは下水道といったような公共施設が整備されているというところで、ある一定の地域、同じような公共施設のキャパシティーが十分あるといったようなところについて、そういう地域について、都心部のところについて四〇〇%という容積率を例えば指定いたしますと、そのところについての地域の高度利用を図る必要があるといったようなところで、なおかつ、例えばその一定の区域の中で、伝統的な建物でありますとか、そういったようなところで四〇〇%の容積率を十分使えないといったようなところについては、全体の区域としては高度利用を図り、道路とか下水道のキャパシティーがあるといったような場所については、その使えない容積率については、その区域の中であれば有効利用を図っていく必要があるんじゃないかといったような観点から、今回の特例容積率の適用区域という格好の制度を設けたわけでございます。
#100
○高野博師君 何となくわかった気がするんですが。
 つまり、一定の地域の中で合計したその容積率が確保されていればいいというその根拠が、今おっしゃったようにインフラがそこの地域について整備されていると。しかし、安全上あるいは交通上あるいは衛生上、防火上等の、このインフラの整備の許容範囲内でそれが認められるということだと思うんですが、インフラ整備はそもそも一定の地域だけにやっているわけじゃなくて、相当の広範囲に道路なりいろんな施設がつくられているわけで、なぜ一定の地域に限ってしまうのかという根拠がちょっと薄いんではないかと私は思うんです、これはこれ以上聞きませんが。
 構造物が高層化した場合に、それではビル風というか電波障害の問題あるいは日照権とか環境権の問題、こういう問題が起きてくる場合もあると思うんですが、その対応策はどうでしょうか。
#101
○政府参考人(山本正堯君) 今申し上げましたように、特例容積率を指定するに当たりましては、今先生がおっしゃいましたように特定行政庁が指定をするわけでございますけれども、周囲の状況等を考慮するということとともに、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないこと、そういったようなことをチェックして特例容積率の指定を行うということにいたしております。
 したがいまして、今先生おっしゃいましたようなビル風、具体的にそれが当たるかどうかちょっとまだ最終的にまたいろいろ検討が必要かと思いますが、電波障害でありますとかそういうような点が、今申し上げました交通上、安全上、防火上、衛生上といったような観点等々から、あるいは周囲の状況等々から、そういうようなものについて該当するということであれば、今のような特例容積率の指定はできないと、こういう格好になるわけでございます。
 運用につきましては、今後具体の点について詰めていきたい、こういうふうに考えております。
#102
○高野博師君 それでは、開発許可制度についてお伺いいたします。
 都市計画区域あるいは準都市計画区域外における一定規模以上の開発行為に適用されるということですが、一定規模の基準は何でしょうか。要するに、規模だけで、あるいは用途の制限がなくて許可すべきか否かというのはどうやって判断できるんでしょうか。
#103
○政府参考人(風岡典之君) 先生ただいま御指摘をいただきましたように、今回の改正案におきましては、準都市計画区域、それからもう一つは都市計画区域及び準都市計画区域外の区域において開発許可という制度を導入することにしております。一定の規模以上ということでありまして、準都市計画区域におきましては開発区域の面積が三千平米以上のもの、それからまたもう一つの方の外側の区域につきましては一ヘクタール以上と、こういうことになっております。
 その場合、用途の規制についてどう考えるのかという御指摘でございます。まず、準都市計画区域におきましては、都市計画で用途地域というものを定めることができることに今なっております。したがいまして、用途地域が定められている場合には、開発許可におきまして予定建築物の用途がその定められました用途地域に適合しているかどうかということをチェックして開発許可をおろしていくと、こういうことになります。
 それから、もう一つの都市計画区域及び準都市計画区域外の区域、準都市計画区域の外側でございますが、そこにおきましては、一定規模以上の開発について開発許可の対象とするわけでございますけれども、この場合においては用途のチェックというところまでは行いません。内容として審査をしますのは、開発の対象の土地についての技術基準をチェックすると。具体的には、宅地としての安全性を有しているかどうかとか、あるいは道路とか公園とか公共施設の整備というものの一定の整備がされているかどうか、そういうようなことを見て判断するということであります。
 用途の問題を見なくてもいいのかという御指摘かと思いますけれども、この都市計画区域及び準都市計画区域外の区域というのは、これはそもそも都市的な土地利用が一般的に行われるというようなものではありませんので、用途地域については、都市的な土地利用が集積する可能性の大きい地域について土地利用の方向を定めると、そういう考え方で用途地域を指定しておりますので、当該地域についてはある意味ではスポット的な取り扱いということになろうかと思いますので、用途地域までは定めずに技術基準の適用ということで判断をしていきたい、このように考えております。
#104
○高野博師君 この開発許可制度も含めて今回の改正、あるいは都市計画、この法律そのものを、外国の企業が日本に入ってきて開発事業か何かをしようといったときに、果たしてこれはよく理解されるのかなという私は懸念を持っております。
 今の開発許可制度についても、これは行政側の裁量権の拡大というようなことにはならないのかどうか、これについてお伺いいたします。
#105
○政府参考人(風岡典之君) 開発許可につきましては、技術的な基準というのと立地基準と。立地基準というのは市街化調整区域にのみ適用される基準でございますが、この内容につきましては法令で具体的に基準を定めております。
 したがいまして、その法令の基準に適合するかどうかを判断するということでございますので、基本的には裁量というようなことは発生しない、このように考えております。
#106
○高野博師君 終わります。
#107
○緒方靖夫君 このたびの都市計画法などの大幅改正というのは三十二年ぶりということで、どういう総括のもとで、どういう理念で、どのような改正になるのか注目してまいりました。
 私は、本委員会でたびたび町づくりの問題を取り上げて、大都市の市街地で高層マンションが乱立するとか、そこで日照障害、景観破壊など周囲の住環境を悪化させるとかそういう問題、それを防ぐためにいろんな提案をしてまいりました。住民や自治体の町づくりの構想と願い、これらと都市計画法、建築基準法との間に大きな矛盾があって、その問題を発展的にどう解決していくのか、これが大きな課題かなと、そういうふうに思ってまいりました。
 町づくりという市民にとって最も身近な問題について、市民の目線でわかりやすく主に大臣に質問したいと思います。
 まず、基本的な事柄なんですけれども、今回の改正で、今述べた都市環境の保護の問題、さらに市街化調整区域や都市計画区域外での大型建築物の建設が各地で大きな問題になっているわけですけれども、今回の改正はその解決に寄与するということを大臣は胸を張って言われるのかどうか、その点についてお伺いいたします。
#108
○国務大臣(中山正暉君) 今回の改正でございますけれども、自然的な環境や景観の保全と創出などの質の高い都市環境を保護するための政策としましては、まずすべての都市計画は自然的環境の整備それから保全に配慮をして定めなければならないということを法律上明示いたしております。
 それから、都市の風致の維持に資する緑地等を都市計画に位置づけまして、保全しやすくするために小規模な風致地区の決定権限を市町村に移譲することを予定いたしております。
 それからまた、加えて非線引き白地区域での特定用途制限地域、それから都市計画区域外での準都市計画区域など、地域の良好な環境を保持するための新たな土地利用規制のツールを導入しまして、さらに開発許可の技術基準を地域の実情に即し条例により上乗せすることを可能とすることによりまして、開発行為の段階でも一層の質の高い都市環境の確保を図ることができる、かように胸を張って改正案を提案しております。
#109
○緒方靖夫君 大臣は胸を張ってと言われましたけれども、私は果たしてそうかなと、そのことを非常に痛感するわけです。
 確かに、今大臣が言われたように自然に対する保全等々は文言としては書かれている、繰り返し書かれているわけですけれども、それが実際どうなっているのか。現在起こっている問題、そして放置すればこれからさらにひどくなるであろうという、そういう問題に有効に対処できるのかどうか、それを私はこの質問を通じて検証していけたら、そういうふうに願っております。
 その点で、まず第一に環境、景観の保全・創出の問題なんですけれども、環境や景観の保全に重要な意味を持つ都市の里山、平地林等の緑地を保全し、さらに新たな創出を図っていく、これは都市計画法改正に当たって極めて大きな観点であろうと思います。この点で都計審ではどのような論議がされたのか、それをお伺いいたします。
#110
○政府参考人(山本正堯君) ただいま大臣から御答弁を申し上げましたように、今回の法律改正の中で、都市計画基準の中で自然環境の保全といったようなことを明示させていただいた、これは今までなかったことでございます。
 その結果、そういう格好の制度改正もさせていただいたわけでございますが、今先生御指摘のように、都市計画中央審議会の中で環境や景観の保全についてさまざまな議論がございました。
 都市計画中央審議会の中の法制度小委員会、二十数回開かせていただいたわけでございますが、この審議の過程では、一つは安全で安定、成熟した都市型社会において、都市に残された貴重なストックとしての自然的環境や景観の保全が非常に重要な政策課題であるということでございまして、それの都市計画制度としてもできる限り積極的に対応し得るような仕組みが必要であるということを指摘され、それについての具体策について検討がなされたということでございます。
 一つは、目指すべき都市像を規定するマスタープランにおいてこれらの諸課題への基本的な考え方を明記し具体の都市計画等に反映していくということで、マスタープランにこういう自然環境についての基本的な考え方を明記するというのが一つでございます。
 それから二番目が、環境や景観の保全に特に重要な意味を持つ都市内の緑地を保全・創出するための制度を強化するといったような点、これについての具体的な制度についての検討がなされたわけでございます。
 それからもう一つは、開発規制や建築規制を地域の実情に応じて柔軟に適用するといったようなこと等の検討がなされまして、現行の諸制度を含め積極的あるいは総合的に環境、景観についての制度の運用が必要である、こういうような議論がされたというふうに聞いております。
#111
○緒方靖夫君 今、環境、景観の保全等々、またその他仕組みの必要性、それに基づいてさまざまな施策をということが議論された、そういう報告がありました。
 それならば、昨年九月に審議会の中間報告が行われております。そこでは、緑地の保全・創出のための制度強化として、緑地保全のための税制や財源の充実を検討することによって緑地保全の実効性を担保することが必要という形で、税制や財源上の措置の必要性、これがきちっと述べられているわけです。
 ところが、この重要な指摘、これが二月に出された答申ではどうなっているのか。これが私は重要だと思うんですけれども、どうなっていますか。
#112
○政府参考人(山本正堯君) 都市内の緑地を保全するための新たな制度につきまして、先ほど先生がおっしゃいましたように中間取りまとめでは、今広く緑地を保全・創出するための制度の強化について検討すべきだ、こういう指摘がございましたが、いろいろ審議会の検討の中で、緑地の保全・創出というものにつきましては、開発を規制するといったようなことだけじゃなくて容積率とかそういったような建築規制を含めた措置が必要じゃないかとか、あるいは土地利用規制といった規制だけじゃなくて事業制度のあり方についても検討する必要があるんじゃないかと。さらに、財源措置とか税制も含めた総合的な観点からの検討が必要であるといったようなことが指摘をされたわけでございます。
 その結果、最終答申におきましては、自然的環境や景観など都市環境の保全のための取り組みとして、今度の法律に提案させていただいておりますような風致地区についての市町村決定の観点、それからもう一つはいわゆる白地地域での建築物の用途規制の導入等、容積率、建ぺい率等の規制の土地利用の状況に応じた見直し、あるいは開発許可基準の条例によって、環境に必要がある場合には上乗せができるといったような制度等が盛り込まれたわけでございまして、これは今回の改正でそれぞれ措置をされたわけでございます。
   〔委員長退席、理事田村公平君着席〕
 先生今御指摘の財源とか税制といったような点については、法律のところに何もあれしていないじゃないか、最終答申では書いていないじゃないか、こういう御指摘かと存じますが、財源とか税制上等も含めまして最終答申の中では引き続き取り組むべき課題という格好で、緑地等の自然的な環境の保全を確実に図るために、財源措置や関連税制のあり方なども含め総合的な観点から必要な措置を講ずる必要があるということで、今後も引き続き検討課題ということになってございます。
 私どもとしても、引き続き鋭意検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
#113
○緒方靖夫君 今局長は長々と答弁されたけれども、要するに落ちているわけですね。最終答申では落ちている、中間報告で言われたことが。緑地の保全のための税制や財源の保持を検討することによって緑地保全の実効性を担保すると、私はこれは非常に重要な指摘だと思うんですね。なぜ落ちたのかということを今いろいろ言われたと思うんですけれども、私はこれを落としたということは非常に大きな問題だと思います。
 というのは、中間報告に対する募集意見、これはいろいろあって私も逐一読ませていただきました。それによると、都市内の緑地を保全・創出するための制度の創設に賛成する、そういう個人意見は多々あります。それに加えて、日本商工会議所とか全国農業会議所など、こういう重要な団体が緑地の保全・創出の実効性を高めるための税制や財源の充実を図るべきだと、そういう意見をわざわざ述べているわけです。また、全国市長会、町村会、全国農業会議所などがこれを強く要望しているわけです。
 ですから、今局長が言われたけれども、なぜこれを落としたのか。私は、これは大臣、非常に大きな問題だと思うんですよ。こういう形で全国市長会、町村会、日本商工会議所、農業会議所等々が緑地の保全ということをきちっとやってほしい、明記されているといってもこれは活字の上だから、ただ言葉だけじゃなくて、はっきりと措置としてやってほしい、そのために税制とか財政上の措置もとってほしいと、そういうふうに意見を述べているその問題を、今回、最終答申ではそれが落とされている。
 したがって、この法案では、この答申をもとにしてつくられているわけですが、当然そうしたものが法案の中には反映されていない。この問題というのは、局長は今後の検討課題と言っていたけれども、やっぱりこのことについては今回その点では不十分である、こういう広範な提起された要望が入っていない、このことははっきりしているんじゃありませんか。大臣にお尋ねいたします。
#114
○国務大臣(中山正暉君) 都市計画中央審議会の中間の取りまとめでは、広く緑地の保全それから創出するための制度の強化について検討すべきとの指摘があったことは御指摘のとおりでございますが、その後の審議会の検討の中で、緑地の保全・創出のためには開発規制だけでなくて建築規制をも含めた措置が必要であること、それから土地利用規制のみでは限界がございますので、事業制度のあり方、さらには財源措置や税制も含めた総合的な観点からの検討が必要であることなどが指摘されました。
 その結果、最終答申におきましては、自然的環境や景観などの都市環境の保全のための総合的取り組みとして、風致地区については地域の実情に応じたきめ細かな規制を行うための見直し、それからいわゆる白地地域での建築物の用途規制の導入等、それから容積率、建ぺい率等の規制の土地利用の状況に応じた見直し、それから開発許可基準の条例による上乗せが盛り込まれまして、今回の改正でそれぞれ措置をいたしております。
 最終答申では、引き続き取り組むべき課題として、今御指摘のありました緑地等の自然的な環境の保全を確実に図るための財源措置、それから関連税制のあり方なども含めまして総合的な観点から必要な措置を講ずる必要があると指摘されておりまして、建設省といたしましても、今後ともそういうふうな総合的な万全の措置に一歩でも近づけていきたいという検討を進めていくということをみんなで話し合っているといいますか、これから検討を加えていこうということにいたしております。
#115
○緒方靖夫君 大臣の方から、一歩でも進めて、そしてみんなで協議していきたいと言われましたけれども、ぜひ大臣自身のイニシアチブでやはりそういう方向を、これは広範な方々が、団体が望んでいることであり、また二十一世紀に向けて環境、景観の保全、これは当然のことだと思いますので、そのことを要望しておきたいと思います。
 加えて申し上げますと、先ほどの中間報告に対する募集意見の中には、例えば日本ショッピングセンター協会などが、広範囲にわたって開発規制や買い取り協議などを行うこととする制度創設に反対だと、そういう意見もあるわけですね。また、こういう協会とか不動産協会などが、過度な開発規制を伴わないよう留意すべきだと、そういう意見も述べている。
 今回、答申でこういう私が先ほど述べた中間報告の前進面、緑の保全等々が落ちた背景、それにはこういう意見も反映しているのかなと思わざるを得ないような、そういうふうには思いたくありませんけれども、そうかなとも思うようなところがあるわけです。ですから、やはりこれからも社会の価値観、これも大きく前進していくと思いますし、ますます環境への配慮、これは建設省、そしてまた大臣自身がいつも強調されたことでありますけれども、そうしたことを配慮した町づくり、これをぜひ進めていっていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 町づくりに当たって土地の有効利用が強調され、したがってその容積率アップが提起される、それに従って容積率の許されるぎりぎりいっぱいの建物がつくられ、それがもたらす町づくりの弊害、高層の建物が町の雰囲気にそぐわない形でつくられてしまう、そうした事態がこの間深刻になってきたと思います。こうした問題は、この間私は、亀井、瓦、関谷大臣、歴代の建設大臣と議論し、私からも改善を提案してきたところです。
 例えば、東京の三鷹の下連雀に高層マンションの建設が計画されて、その高さが市のその地域の高さの制限協定を大幅に超えるという問題が起こって、その問題をこの委員会でも取り上げたことがありました。市が町づくりのために努力している。それなのに、建築基準法に適法だということで町づくりの方針にそぐわないものを市の建築主事が建築確認を行う、そういうことが起こってしまうという非常に矛盾した状況が進んできたと思います。
 三鷹市長は、おととしでありますけれども、建設大臣に要望書をあてました。私は最近も三鷹市長に、安田養次郎三鷹市長でありますけれども、お会いして、二年前のものでありますけれども、中山建設大臣にこれを渡していただいて結構だというお許しをいただいておりましたので、ちょっと大臣にこれをお渡ししたいと思うんですけれども、この中にはやはり非常に大事なことが書かれていると思います。
 こういうくだりがあるんですね。「事業者からは、建築基準法に適合する建築計画であることをもって、地域のまちづくりへの理解と協力が得られないこともしばしばあるところです。」、控え目に言っておりますけれども、そのとおりですね。そしてさらに、「建築基準法に基づき建築確認処分を行う建築主事を指揮監督すると同時に、他方で、地方公共団体として、」「地域のまちづくりに合致する建築計画となるよう事業者を指導するという両面を有しており、その対応に苦慮しております。」、このようにも述べております。三鷹市長は「苦慮しております。」と、そういうように述べている事態ですね。
 こうした苦悩は、大臣は文字どおり町づくりの問題、都市計画の問題にそれこそ長い間取り組んでこられてきたので実感としてもわかっていただけると思うんですけれども、こうした三鷹市長の訴え、これを大臣自身どのように理解されるか、お伺いいたします。
#116
○国務大臣(中山正暉君) 私もいろんな経験をいたしておりますが、委任事務ということで、建設省としてもこれは地方の建設局で認可が出ましたらこれはいかんともしがたいということでございましょうが、これからの都市計画は住民に最も身近な基礎的な自治体である市町村が中心となりまして、地域住民と連携しつつ都市計画の目標を定め、当該目標を実現すべく具体の都市計画を決定していくことが重要でありまして、このためにも市町村の都市計画マスタープランの策定が重要と認識をいたしております。
 今回の法改正によりまして、都市計画区域ごとに都道府県が都市計画マスタープランを策定することとなるわけでございますが、その策定に当たりましては市町村の意見を聴取するとともに、市町村からの案の申し出を通じて市町村マスタープランの内容が適切に反映されることから、都道府県とそれから市町村のより緊密な連携が確保されるものと。
 さらに、地域住民に最も身近な都市計画である地区計画につきましても、今回の法改正によりまして、地域住民等からの地区計画の案の申し出等が可能となるよう措置しているところでございまして、これらの積極的活用により、これまで以上に地域住民、市町村及び都道府県の密接な連携のもとに地域の特色を生かした町づくりが促進されるものと。
 先生の御指摘のありました瓦大臣に対する「地域の特性に応じたまちづくりと建築基準行政との連携について」の要望、三鷹市長の安田さんのお話があるわけでございますが、こういうことで徐々に総合的な計画というものの中でこういう意見が参酌されていくような結果を私も期待いたしております。
#117
○緒方靖夫君 大臣、安田市長は私とは党派はもちろん違いますけれども、党派を超えて、市長としてやはり非常に能力がある、そしてまた勇気がある、そういう方だと私自身尊敬申し上げている方なんです。その方が率直に建設大臣に対して、苦慮していると、その表明、やはりそれは重く受けとめていただかなきゃ困る、そういうふうに思う次第です。
 それで、安田市長は最後に書かれておりますけれども、要望の結論として、「地域の特性、実情に応じたまちづくりを推進するため、」「市町村が主体性を発揮し、より柔軟に対応することができるように、建築基準法による条例委任等で一定の裁量を市町村に付与する制度を創設すること。」、これを要望しているわけです。
 この問題というのは、各地で市町村長の皆さんのこういう要望を聞くわけですけれども、私はこれは非常に大事な点ではないかと思うんです。最近も安田市長とお話ししたときに、せめて個性的な町づくりをするにはこのぐらいのことはやってもらわなきゃということを述べられていました。
 その点で、ペーパーは結構ですから、大臣の肉声として、こういう具体的な要望に対してどのように考えられるのか、それをお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(中山正暉君) 住宅局長から。
#119
○緒方靖夫君 いや、結構ですよ、大臣で。時間がないから、大臣のお話で。
#120
○国務大臣(中山正暉君) 技術的な問題で、今の技術的な問題は。
#121
○緒方靖夫君 いや、技術的な問題はわかっているからいいです。政治的なお話。
#122
○国務大臣(中山正暉君) 私も地方議会以来いろいろ経験をいたしておりますもので、いろんな問題に直面をしております。皆さんのお気持ちもよくわかりますし、これからのそういう地方分権の時代にどんなふうにこれを解決していくのか、これからの課題であると、先生の御指摘を受けとめておきたいと思います。
#123
○緒方靖夫君 この三鷹の下連雀の建設紛争の問題では、業者の大手マンション会社と近隣住民、市長が話し合って、階を減らす、高さを下げるということで合意したわけですね。業者は利潤の追求で、これは企業の論理にそぐわないとかなり主張いたしました。しかし、同時に、地域の理解を得られてこその営業だと、その点を統一させて折り合ったと。住民も譲歩して解決したわけですね。これはなかなか見事な解決だったと思います。話し合いによって双方妥協の解決をしたわけです。
   〔理事田村公平君退席、委員長着席〕
 ここで、私は、今問題になっている国立市での大規模高層マンションの新築工事計画について取り上げたいと思うんです。もう大臣は、その中身についてはよく御存じだということを承知しております。
 また、マスコミでも大きく取り上げて、全国でも大きな問題になっていると思いますけれども、国立駅南口をおり立つと、四十四メートルの本当に広い道が一・四キロメートルにわたって通っていて、その両わきに桜とイチョウが交互に植えられている見事な景観のところです。新東京百景にも選ばれたところであって、この大学通りを中心にして、その沿道を含む地域は文教都市として国立を代表する景観を提供しているわけです。そこに、何と十四階建て、高さ四十四メートルのマンション建設計画が進められ、市当局、住民と業者の間で大きな問題になっているわけです。
 景観破壊、日照障害、風害、電波障害、そういう住環境を破壊する問題だということで、また地域の宝が奪われるということで、市長を初め市の当局もそれから住民も、それに対しては本当に大変な思いで今それをやめてほしいという声を上げているわけです。北側には桐朋学園の小学校があって、子供たちからも太陽を奪う、そういう事態になってしまうわけです。
 細かい経過は、この際こういう場ですから省きますけれども、市は一月三十一日に建築物制限についての条例の改正案を可決して、条例に基づき景観形成条例に基づく勧告を行っております。業者の明和地所は、一月五日に建築確認を得たとして計画どおりの建築を進めると、そういうふうに述べているわけです。
 国立市が五月二日に明和地所に対して、「国立市都市景観形成条例に基づく勧告」を行ったわけですが、この勧告文はこのように述べているわけです。高さ四十四メートルの建築計画については、内容を精査、再考し、大学通り重点地区候補である学園・住宅地区及びその周辺の建築物や二十メートルの高さで並ぶイチョウ並木と調和するよう建物の高さを低くする、このことを勧告しているわけです。勧告に従わない場合は、審議会の意見を聞き、公表ということになると、こういうことになるわけです。
 私は、ここに大臣、三鷹の先ほど述べたケースと共通した問題が含まれていると思うんです。言いかえれば、市町村が独自の特徴ある町づくりに努力しているのに、都道府県知事が都市計画を定め、用途地域が定められ、そこでは建築基準法によって容積率等の基準が決められている。建築基準法というのは技術的なまた機械的な、言ってしまえばそういう法律ですから、市町村の思いを超えて結局建築確認がおりてゴーサインが出てしまう。そこに非常に大きな問題があると思うんです。今回大幅な改正ですけれども、その大幅な改正の中でもこの問題には触れられていない。しかし、この要望が一番強い、そういう問題だと思うんです。
 ですから、この問題というのは、実は国立だけではなく三鷹もそうだったし、そこかしこで起きている問題。そしてまた、きょう午前中、同僚議員が質問した中でもそのことが出されていたと思うんです。
 都道府県が決める都市計画に対して市町村が異議のある場合、その処理の仕方、方法、やはりこういうことも法律で決めておく、そういう必要があるんじゃないか。これは私が日ごろから痛感してきたことでありますし、そしてまた、この審議の機会に大臣に改めて提案したいことなんです。
 同時に、これは都市計画の専門家でもある石田頼房教授の考えでもあって、石田教授は、市町村と都道府県が十分に議論できる場を制度的に設ける。そこで意見調整して、市町村と都道府県が一体化する矛盾のない都市計画、つまり、市町村がせっかくこう計画を立てているのに、都道府県の考えによってそれが阻害されることのないような都市計画をつくっていく必要があるんじゃないか、そういうことを提案しております。
 私自身がこの間、ここでも提案してきたことと軌を一にすることだと思うんですけれども、そういう方向での法改正、これが必要ではないかと私は率直に思うわけですけれども、これまた大臣の率直なお考えを伺いたいと思います。
 大臣で、時間がありませんから。
#124
○国務大臣(中山正暉君) 先に住宅局長から。
#125
○緒方靖夫君 簡潔にお願いします。
#126
○政府参考人(那珂正君) ただいま個々の建築活動と都市計画、さらにはそのまた前提となる地域、市町村レベルでの住民の方々のいろんな思い、あるいは市町村の行政当局者のいろんな思い、いろんな段階において町づくりあるいは建築活動に関する具体的な対応がいろいろあると思うんです。それぞれ今回の一連の法改正におきましても、最も問題だと思います市町村のレベルでの地域の町づくりの理念といいますか、こういう景観にしたいとか、こういう環境にしたいとか、そういうものをどういうふうな形にしたらいいかということについて大変重要な改正がなされていると私は思います。
 それは、先ほど大臣からお答え申し上げましたけれども、例えば地区計画を定める際に、地域住民から案の申し出ができるように措置されたこと、それからそのまた前提として都市計画法三条三項で、地域住民に対する市町村あるいは国、都道府県もそうですが、公共団体や国からの情報提供義務が明記されたこと、これらはいずれにしても先生るる例を挙げて御指摘であります地域の町づくりについてのいろんな考え方、活動、そういうものを都市計画の制度に具体的にのせていくための前提となるわけでございます。
 そこがきっちりしませんと、おっしゃるようにこれまでも一度決められた都市計画はすべて正しいというわけではないわけでございまして、ただ決められた都市計画を機動的に未来に向かって改正していくためにも、そういうような基礎的な枠組みというものはぜひ必要だと思うわけです。そういう意味では、くどくなって恐縮でございますが、先生が御指摘になったような方向というものは今回の法律改正で相当程度盛り込まれているのではないか、こう思います。
 ただ、建築基準法のことを申し上げますと、やはり先生も御指摘のように、これは技術的に機械的に判断していくべきものだと思いますので、それはその前提としての都市計画ないし建築基準法に基づく条例できちっと基準なり制限内容が明示されているということがぜひとも必要だと思いますので、その点については今回も特に考え方をいじっているわけではございません。
#127
○緒方靖夫君 今局長から答弁いただきましたけれども、確かに活用できるそういう中身の改正というのはあるんですね。地区計画の話もありました。
 ただ、私が問題にしているのは、各自治体で共通して悩んでいる問題、それは建築基準法に適法だからこれでいけるんだと、容積率何%が建つんだという、そういう論理なんですね。そこは局長が今最後に言われたけれども、私が問題というのはそこなんです。
 大臣、例えば国立の問題でいえば、ああいう土地柄のところ、ああいう雰囲気のところで、第二種中高層住専、容積率二〇〇%なんです。そのために、異常に高い建物が建つことが許容される仕組みになっているわけです。そして、それは自治体が幾ら頑張ってもどうしようもない問題、これは東京都の問題、さらに言えば国の問題になってくるわけで、そこを言っているわけです。ですから、結局そこのところを解決するにはどうするのかということ。
 大臣は、やっぱりこれからそういう方向というのは検討されていくだろうと先ほど言われました。また局長も、今決められているものが未来永劫も正しいものではないだろうということも言われました。ですから、私は確かにそういう点ではこの問題、ここの問題をどうしていくのかということがまさに根幹の問題だと思うんです。
 それが実は、先ほどの三鷹市長の話でもあり、そしてまた国立市が提起している問題であり、そしてまた全国各地で都市問題の共通した今のネックだと思います。ですから、その点で、この問題をどうしていくのかということが非常に大きな問題だと思うんです。
 そこで、私は、国立市の上原公子市長がこの三月議会で述べた市政の所信、それをちょっと紹介したいと思うんです。彼女はこう言っているわけです。「そもそも都市とは、その地域の自然環境をベースとして、そこに住む市民の暮らしの営みの歴史の積み上げの結果であり、培われてきた文化性が地域の個性として都市景観を形成してきました。だからこそ、まちづくりの歴史・文化の総体としての景観は、市民にとって財産であり、ましてや市民の不断の努力によって築き上げたすぐれた景観は、市民の誇りとして次世代の子どもたちに引き継ぐべきものといえます。」と。しかし、国立市のようなこういう町でも、「景観条例を持った自治体でありながら、まちづくりの法的裁量権がいかに小さいかを思い知らされています。」と。これはちょうど安田市長の話と共通すると思うんですが、そこが投げかけられている問題だと思います。
 ですから、今回の法改正で、確かに活用して、そして改善できる方法はあると思います。しかし、この問題について大臣はどう考えられるのか、そこをお尋ねしたいと思います。
#128
○国務大臣(中山正暉君) 私が覚えておりますのは、国立の条例は後でできたものだったんじゃないか。それから、今おっしゃった建築物は幹線道路に面していて、先に確認申請が出ていた。それに東京都がもう認可をおろしていた。
 だから、その人の財産権の問題というのが、自分の土地に建築基準法上何にも瑕疵のない建築物を建てて何が悪いんだということになりますと、損害賠償とかそういうものは、ですから国立がそれを買収してしまうというようなことになって、その人の財産権として保障されるというような措置がなされるのならば、今の法律の中で解決するのはそういうことしかないのかなと。
 私も、国立の駅前の太い桜の木、広い歩道、あれを見ると、本当にいい町だなと。私は家に帰って女房に、いいところだよと言った覚えがあるのでございますが、そういう雰囲気のところでございますから、先生おっしゃるように、今御質問を伺いながら、そういう私権制限というものができない、いわゆる個人の財産を保障するという国家体制の中でどう考えていったらいいのかなということを疑問に思いながら、それに対する地域のプランというものを立てることで少しでもそういう問題に近づいていって、後でできた条例じゃなしに、そういうことに事前に対応するような法律の雰囲気というのを持っているのが今回の私は法律改正の趣旨ではないかなと。
 先生も私もそうして理想を追いたいと思いますけれども、今のところそういう財産権の問題というのはお金の問題がつきまといますし、その人がマンションをお建てになるのかビルをお建てになるのか、そこから得られる財産的な将来の収穫、いわゆる価値の問題というものも含めて考えなきゃいけませんので、本当に風致地区としての財産か、その人の本当に生の資産的な、不動産を持っていらっしゃる方のこれからまた将来にわたる無形の財産をどういうふうに調和したらいいのか、これはいろんな矛盾を含んでいる問題だなという感じで承っておりました。
#129
○緒方靖夫君 大臣、財産権等と言われましたけれども、あるいは私権の制限とか、そういう問題ではないんです、私が言っているのは。私が言っているのは、こういう今の建築基準法のもとでそれに合致するからというふうになっていると。しかしそれを、例えばこの都市計画をつくり直して容積率を今の二〇〇%から下げればもともと建たないわけで、それは財産権の制限にもならないわけですよ。それはそうですね。国と自治体が公共の利益のために決めるわけですから、そこには私権の制限等という余地はない。
 そして、先ほど午前中に、都市計画が一度決まったら未来永劫のように貫かれちゃう、建設省の都市局の頭はかたいんじゃないかとか、そんな話もございました。私は別にそうは思いませんけれども、本当に一度決めたら未来永劫みたいになって、それが適法だ合法だ違法ではないという形でなってしまうわけです。ですから、大臣の言った話と私が提起している問題はちょっと違うので。
 それから、国立というのは一九九八年に国立市都市景観形成条例というのが既にあるわけです。今回つくったのはそれに基づく条例の改正ですけれども、地区計画をつくったわけです。しかし、その前に業者がそのことを察知して駆け込み的に建築確認を得たという経過があるわけです。しかし、私はこの問題についてはここで深入りしようとは思いません、ここでお話ししてもますます込み入ってしまうばかりですから。ですから、問題点をちょっと整理して考えていただきたい。
 今大臣が言われた財産権の問題、私権の制限という問題は、そもそもこの地域の自然を守る、これは今回の法案の改正で進めるということ以外に、根本問題として、用途地域の変更、都市計画の変更を東京都が行えばできるわけだし、そもそもそれによって財産権の侵害等々ということは一切起こらない、そういう形で自然を守る方法はあるわけです。
 しかし、るる話がありましたように、この問題というのは非常に難しい問題で、自治体としてもヒマラヤを越えるような話になるわけで提起できないわけです。ですから、そこに建設大臣として、やはり自治体の首長がどんな苦労を持っているかということを察知していただいて、理解していただいて、その上で建設行政を進めていただきたい、また都市づくりのためのイニシアチブを発揮していただきたい、それがきょう私がここで問題提起させていただいている問題なんです。
 ですから、その点で三鷹市長も国立市長もいかに自治体の裁量権が小さいかということを提起しているわけで、私は小さいことは議論の余地がないと思うんです。その点で、私は今後どういうふうにしてこの問題を解決していく必要があるのか。大臣がいみじくも言われましたように、町づくりの主役というのは市町村であり、またそこに住んでいる住民と言われました。そのとおりだと思うんです。しかし、それを担保するだけの法的な仕組み、これが必要ではないかということを私はきょうここで述べているわけです。
 ですから、財産権がどうこうなんという話に変な形で飛躍しないでこの問題をしっかりと受けとめていただいて、大臣は都市問題というのに非常に豊かな経験をお持ちですから、その点でみずからの経験とも重ね合わせ、あるいは自分の選挙区でいろいろやられている、例えば市長さん等々のそういう思いもはせながら、どう考えるかということを再度お伺いしたいと思います。
#130
○国務大臣(中山正暉君) 情緒的と言ったら悪いのかもわかりませんが、私は先生と同じ情緒の中におるつもりでございまして、そうかといってピンポイントで国がどうするかという、いわゆる今建築確認を出していらっしゃるそういう私権の問題を無視してかかるわけにもいかない。その間には東京都という行政組織が入っていて、その三重構造の中で、今おっしゃる問題は、私も地元の経験、今お話のありましたようなことでいろんな紆余曲折のあった、自治体が二十一日間ぐらいで確認申請を建設省の方に持ってこなきゃいけないものを、いろんな反対運動が起こって複雑な問題になったことを私も経験しております。
 これは場外馬券場なんかの問題がありましたり、そんなことを経験しておりますから、心情的に、おっしゃるとおり全体の景観というものをどう考えたらいいのかなという大きな問題がありますと同時に、それではということでピンポイントで考えると、それはなかなか難しい問題だなというと、行ったり来たりでございます。相矛盾する計画がみんなの意識の中で、東京都も入って、それから国立も三鷹も入ってそういう一致点を見出すようなプランづくりというものがこの法案の中に私は、先生のおっしゃっていることと私が御答弁申し上げていることの凝縮したものが将来の希望として読み込まれているのがこの法案じゃないかなと、そんなふうに考えております。
#131
○緒方靖夫君 大臣、その希望をもっと大きくしていただきたいんですけれども。
 確かに、今度の改正の中には使えるものは入ってはおります。しかし、るる問題提起している問題、これについてはやはり正面から受けとめていただく。大臣が今言われた希望を大きくしていく、その点については賛成ですけれども、ぜひそういう方向を進めていただきたいし、その両市長の問題提起、これは全国の自治体に共通する問題提起だと思いますので、そういう点で受けとめていただきたいと思います。
 それから、国立での大規模高層マンションの問題でもう一つ大きな問題がある。これを提起したいと思うんです。
 これは、結局業者の考え方、やり方の問題なんです。つまり、私は先ほど三鷹の問題を提起いたしましたけれども、三鷹では業者が市長とも住民ともよく話し合って解決策を見出し解決にこぎつけた、解決のための協定書にサインした、それで問題解決したわけです。私は、業者が市とそれから住民に対してしっかりと話し合いをする、これが非常に大事な点だと思うんです。
 この点でちょっと振り返ってみますと、問題の発端、これは業者の明和地所が市の都市景観形成条例に基づいて審議会で審議中であって、また市の開発行為の指導要綱に基づく開発審査委員会にもかけられずに、さらに東京都にあります建築紛争予防条例による近隣住民への説明会も全く不十分な段階で、突如、都に対して建築確認申請を駆け込み的に提出した、こういう経過があるわけです。
 さらに、仮に法整備が不十分な面があるとしても、私は問題解決のためには市と業者の話し合い、協議を粘り強く進める、これが肝心だと思うわけです。ところが、この業者は話し合いを拒否しているんです。住民の代表が国会議員も同行して渋谷の本社に面会を求めても拒否、国会議員が門前払いされる。私じゃありませんけれども、私の同僚議員がそういう目に遭っている。そういうことがあるわけです。
 明和地所が近隣住宅に配付した「建築・近隣説明書」、これを読んで私は驚きました。ここにありますけれども、その説明書には、同社が「広く一般に採用されている近隣説明会を開催する方法には色々と欠点が多いために、これを採用しませんでした。」、近隣の住民に一切説明しない、こう宣言しているんです。これをばらまいているわけです。そして、その理由なるものをるる述べているわけですが、大事な点なので少し長いですけれども紹介いたします。
 「建築主から十分な内容の説明を聞きたいというよりも、@計画建物の建築に反対である(一人で戦うよりも同志を多数集めて戦った方が有利である。)、A自己PRのためである、等がその主たる目的である。と解するのが相当であるために、因って、これを採用できません。」とあるわけです。そして、坊主憎けりゃけさまで憎い、これを言いかえて、「建設計画憎けりゃその説明方法まで憎いと同様論法であると解するのが相当である(本末転倒の請求である。)ために、因って、これを採用できません。」と、こういうことを述べているわけです。
 私は、その法的仕組みは必要だと思います。しかし、それは今ないわけで、今あるものを活用するということしかできないわけで、そうすると大臣、やっぱりこういう問題の解決のためには当事者間の話し合い、幾ら利害がぶつかったり離れたりしても当事者間が話し合わないで問題解決ができるわけがないと思うんですね。その点で、やはり私は業者のこうした姿勢、これは正常ではないと思うわけですけれども、大臣のお考え、いかがですか。
#132
○国務大臣(中山正暉君) 私もいろんな経験の中で、反対運動をしていらっしゃる方がビルを見渡す限り一軒に幾ら出せとか、そんな非常に強烈な交渉を見たことも、話に入ったこともあるのでございますが、その業者の方は全く門前払いという方でございました。先生のおっしゃるように、何とかその方々に地域の方々が説得をされて話し合いに入れなかったものかと。
 特に、いわゆる私権を自分の思う限りに享受するというそういう方針に対抗するための道というのは、これは解決の方式というのはなかなか見出しにくいなと、先生のお話伺いながら。そうして、頑として受け付けない、いろんな箇条書きにして相手に通告をしているということ、これはだから私がどうしろということを正直言って言えないという感じで受けとめておりまして、その物を持っている人の心の問題。
 物を建てさせる人は昔から施し主、お施主様といって、それをインドではダーナー、物を施す人のことをだんなさん、ダーナーというのはインド語だそうでございます。ですから、そういう物を持っている人の施しの心というのが、施主、施し主の心というのを持っていない寂しさみたいなものを私は感じまして、その意味では心寂しい話と受けとめております。しかし、だからといってそれを政府がどうする、建設省がどうするということはできないという、何とも言えない焦燥感といいますか心の中を風が吹くといいますか、そんな思いで、両方がもっと冷静になってちゃんと道筋をつけた何かいい方法はないのかなと。
 全国各地でそういう問題がございます。特に、風致地区の問題なんというのはそういうのが大変ありまして、うんとさかのぼれば、パリでもエッフェル塔が建つときには、あんな鉄の恐ろしいアンテナみたいなものを建てて何するんだという大議論になりましたが、今はそれが観光の材料になっている。建物というのはその時代時代で一体どうなっていくのか、それが将来の景色の一部になるのか、何なんだろうと。途中で、今の評価で建物をどう検討していくかということの大きな問題を含んでいるように思いました。
#133
○緒方靖夫君 大臣が今おっしゃられた業者が心寂しいという点、私は心貧しきと思いますけれども、その点については同意いたします。また同時に、両方冷静にと言われましたけれども、私は市の側も住民の側も非常に冷静で当たり前のことを言っていると思うんです。
 その点で、こういうこともあるわけです。そういう点を示せると思うんですけれども、例えば先ほど申し上げました高層マンションに隣接するところに桐朋学園があるんです。そこの山下校長、この校長先生は社会的にも地域でも大変尊敬されている先生、教育者でありますけれども、その先生が明和地所の社長への抗議文を書かれているわけです。そこにも先ほど紹介しました近隣説明書のことが書かれていて、その一つを紹介いたしますと、いきなり近隣住民を原告と称する対決的態度、そのことを挙げているわけです。この説明書には一貫して原告近隣住民と被告建築主という表現で書かれており、非常に教育者としても驚いているわけです、こういう発想、こういう色分け。
 私は、ここにはやはり問題をきちっと解決する、そういう客観的な問題が非常に見出しにくいと思います。
 大臣は、建設省としてはこの問題についてどうかかわっていいか、かかわりにくい、したがって焦燥感を感じるとおっしゃられました。しかし、私は、こういう全国的に大きな問題になっていて、しかも業者がこういう態度をとる。つまり、近隣説明会を開くというのは当たり前で、それを何回どういう形で開くかということが問題になっている中で、一切開かないと宣言して、こういうものまでその中で配って宣言しているという、そういう業者のあり方について、やはり私は建設省として、この問題について、またこういう業者のあり方について物を言うことは当然できると思うんです。大臣、いかがですか。
 その点については、やはり本当にこの問題を解決の土俵に乗せるためには話し合いが必要です。戦争したってそうです。外交官同士は話し合って、乾杯だってするわけですよ。ちょっとこれは例が違いますけれども。
 ですから、テーブルに着く、それがどうしても必要なわけで、それを進めるために私はその点でぜひ大臣として、大臣みずからということは別として、やはり建設省が何らかの形でこの問題を解決する上でのイニシアチブ、あるいは表に出なくても陰に陽にこの問題できちっと業者を指導する、そのことが必要ではないかと思うんですけれども、いかがですか。
#134
○国務大臣(中山正暉君) 法律の中で権限を行使されている方に、法律で決まっていないことを押しつけるという権限は私どもにはいまだ存在をしておりませんので、その辺は地域の方々、それから国会議員まで行かれたということでございますから、そういう説得力に私どもはむしろ期待をして、その業者の方とうまく話し合いをしていただくようなあらゆるチャンネルを通じてやられる御努力に期待する以外にない。
 先生のような御情熱を持って説得されて、努力をされることにむしろ期待して、法律上の権限でどうするこうするということは、建設省としては私はできないということしか御答弁できないような気がします。
#135
○委員長(石渡清元君) 時間が来ていますので、まとめてください。
#136
○緒方靖夫君 大臣、建築基準法で適法とされることをどうこうするという話じゃなくて、話し合えということですよ。話し合った結果、私はいろんな解決方法が出てくると思います。また、知恵も出てくると思います。ですから、その点で建設省が何らかの行動をとるということは、別にこれは法律に書いていないことを、法律にないことを押しつけるということにならないと思うんです。
 とりわけ私がこの問題で考えることは……(「先生、時間だよ」と呼ぶ者あり)失礼いたしました。
 そういうことで、私は大臣に改めて、最後になりますけれども、その点でやはりそれなりのイニシアチブを発揮していただきたい。このことをお願いして、そして最後に、これは委員長、申しわけありませんが、私たちも入っております超党派の国会議員有志の会とそれからまた住民の会の要望書、これと上原市長の述べたもの、これを大臣にお渡しすることをお許しいただきたいと思います。これは後ほどで結構ですが、それでは大臣、済みません、一言。
#137
○国務大臣(中山正暉君) 今までのお話、いろいろ参考にさせていただきたいと思います。
#138
○緒方靖夫君 終わります。
#139
○大渕絹子君 今回の都市計画法の改正は、今までの町づくり全体の見直しが必要という観点に立って改正が行われていると思いますけれども、これまでの都市計画制度そのものの評価も含めながら、今後の経済社会の動向も踏まえて都市政策をどのような方向に推進しようとしていくのか、まず大臣にお伺いをしたいと思います。
#140
○国務大臣(中山正暉君) 今後の都市政策の方向ということでございましたが、社会が進展いたしていきます中に、我が国の都市には人口の大半が居住する、特に三・六%の地域に人口の二六%が住んでいるという東京が最大の象徴だと思いますが、経済活動の大部分が営まれているその都市のあり方は、我が国の経済活動や国民生活の質のあり方に直結する重要な課題であると認識をしております。
 今後の都市政策は、都市への人口集中の鎮静化、それからモータリゼーションの進展、少子それから高齢化の進行など、都市を取り巻く環境が大変大きな変化をしつつあります。既成市街地の再構築とそれから都市間の連携、先ほどから申しておりますように過密と過疎という両極端に分かれていく日本の地域の問題があるわけでございますし、それから経済活動の活性化に寄与する都市の整備、住みやすい環境をバリアフリーとかユニバーサルデザインとか、そういうもので都市の環境問題なども新たな潮流として加味されてまいりますから、こういうことに重点を置きながら、地域が主体となって地域ごとの課題に的確に対応しながら都市構造の再構築を進めていく。
 日本列島、縦に長い列島でございますし、六千八百五十二の島がありますし、そういう意味での日本列島をもう一回見直して、そしてそれぞれ地域に散らばった都市がそれぞれの地域で地方分権の時代にふさわしい地方での責任ある役割を持っていくような、そういう地域づくりの基本にするいわゆる都市政策というものが、それぞれの地域の特性を発達させていくことによって人口がバランスよく全国に拡散をしていくのではないか。そんな意味での新しい都市政策というのは大変重要な課題であると、かように私は思っております。
#141
○大渕絹子君 大臣がおっしゃったその方向を目指すには、まだまだ今のこの都市計画法ではだめなのではないかなという思いをしますけれども、これから少し、今まで現行の都市計画法で問題点と指摘をされていた部分について、このたびの改正ではどのようになっていくのかということを踏まえて質問していきたいと思っています。
 その一つは、一元的な土地利用計画の不在という問題です。
 国土利用計画法をもとにしながら、都市計画法、あるいは農業振興地域の整備に関する法律、森林法、自然公園法、自然環境保全法などがあり、これらの個別法との整合性が必要ですけれども、個別法によって独立に計画が運用される、あるいはそれぞれ計画が立てられるために行政内部に目的や方法の異なる計画が乱立をし、一貫した土地利用計画を定めることが困難だと指摘をされていました。これにどう対応するのでしょうか。
#142
○政府参考人(山本正堯君) 一元的な土地利用計画が不在のまま個別法があるといったようなことの御指摘でございますが、我が国の土地利用状況を見てみますと、欧米のように都市と農村とが地域的に非常に峻別されておるといったような状況ではなくて、農村においても都市的な土地利用が行われている。その一方、都市計画区域内においても農林漁業が営まれておる。
 こういったような実態でございますので、そういうような実態からすれば、農林漁業の健全な発展を目的とする農地法あるいは農業振興地域の整備に関する法律、そういったような農業関係の法律と、都市的土地利用の整序を目的とする都市計画法といったような土地利用を規制する法律、そういう法律が互いに連携しながら役割を分担していくといったような現在の法体系になっておるわけでございます。
 こういう法体系で現在運用をやっておるわけでございますが、法体系そのものとしては我が国の現在の状況から見れば適切ではないか、こういうことでございますが、ただ先生今御指摘のように、運用面において各個別法間の連携を十分図っていくことが必要であるということは十分私どもも認識をいたしておるところでございます。
 都市的土地利用とか農業的土地利用、あるいは自然的土地利用を含めまして、我が国の国土全体の土地利用のあり方を総合的、計画的に管理していくための法制度として国土利用計画法が存在をしておるわけでございまして、都道府県単位で土地利用基本計画を定めて、各法律に基づく土地利用と国土全体の利用計画との整合性を図っているところでございます。
 こういう点について、今回の改正との関係でございますけれども、都市計画審議会の答申におきましても、国土全体の利用計画との連携の充実を図ることが引き続き取り組むべき検討課題であると、こういうふうに指摘をされたわけでございまして、私どもとしましても一層の取り組みを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#143
○大渕絹子君 国土交通省になる機会に関連する法律の整理統合を図り、わかりやすい土地利用計画が定められるようにすべきだということを私は強く主張しておきたいと思います。
 法律を読みましても、本当に屋上屋、重なっているみたいなところもございまして非常にわかりづらい。これでは市町村の皆さんが本当に自分の町づくりを自分の手でやっていきたいと思っても、法律の解釈に手間取ってしまうというような状況になってしまいはしないかと思いますので、省庁再編成を機会にもっともっと利用しやすい法律にすべきだというふうに思っています。
 また、問題の二番目は、いろいろな開発規制があったわけですけれども、これが有効に機能してこなかったのではないかという指摘です。
 モータリゼーションの発達などにより、従来は都市活動の対象外と考えられていた都市計画区域外や市街化調整区域における開発が進んでいます。とりわけ、郊外への大型量販店の出店によって中心市街地の衰退は深刻な問題になっています。中小小売店舗保護のための商業調整のための大店法が、相次ぐもう規制緩和に骨抜きにされてしまいました。この責任を私は通産省に問わなければならないというふうに思っています。
 通産省の担当の方、見えていると思いますけれども、例えば日米構造協議の中で大店法の廃止というのがアメリカから強く求められて、その外圧に屈したかのように出店調整協議期間というのが無期限だったのが一年半に短縮をされる、あるいは店舗面積の基準がもう本当に緩和をされていくという状況。それから、商業活動調整協議会制度というものがあったわけですけれども、これは大型店の出店についてどうするか、その地域で協議できる内容だったわけですが、それも九二年には廃止される。そして、九四年にはついに千平方メートル未満の大型店の出店はもう本当に自由になってしまうという状況の中で、都市計画の区域にも指定されていない地方都市の郊外にわあっと今大型店が出店をして、そして大事な町中の商店街が衰退をしている状況。
 これを招いたのは、まさにこの法律を本当に盾に闘わなかった、あるいはこの法律を盾にその地域の商店街を守ろうとしなかったところに私はあると思うんですね。その責任というのは厳しく問われなきゃならないと思っていますが、通産省、答えてください。
#144
○政府参考人(杉山秀二君) ただいま現行の大店法についての御指摘がございましたが、現在の大店法は大型店の立地の適否それ自体を規制するものではございませんで、実際のところ、郊外出店が加速をしたり、あるいは中心市街地がいわば空洞化が進むとか、あるいは大型店出店による交通混雑が発生をする、それによって周辺生活環境に影響が及ぶといったような、むしろ今日的な問題に現行の大店法というのはこたえられなくなっているのではないかというような問題意識がございました。
 また、地域間での商業集積競争というのが大きくなる中で、従来の大企業対中小企業という対立のいわば図式が崩れまして、地域社会と調和のとれた小売業を確保するということが必要になりつつあるというような大きな環境の変化があったというふうに考えております。
 こういった中で、欧米では地方公共団体レベルでもって都市計画の手法によって大型店のいわば土地利用規制の観点からの規制を行うというのが主流になっている一方、国際的に、我が国の大店法というのは需給調整を目的としていることから、WTOに違反するのではないかというような指摘もあったわけでございます。
 こういった観点から、午前中の佐藤先生の御質問にも答えましたけれども、都市計画法によりますいわば土地利用規制による手法、それから新しい大店立地法によります生活環境の保持の観点からの規制、それから中心市街地活性化法に基づく支援策、こういったいわゆる町づくり三法を総合的に組み合わせをしながら対応していくというのが適切な対応の仕方ではないかということで、一昨年大きな政策転換をし、国会で関係の法案をお認めいただいたということだと考えております。
#145
○大渕絹子君 一昨年の改正のときにはもう全く骨抜きの状況になっていて、地方の都市が著しく変わってきている現状を踏まえての法改正だったんでしょう。私がさっき申し上げたような例示は九〇年代に入って嵐のごとく規制緩和だったんですね。アメリカからWTO違反じゃないかという指摘を受けたとき、通産省はアメリカの都市が州法によって大店の規制をしっかりとやっていて、自分のところはそういう地方できちんと守れていたということをわかっていたはずなんですね。
 ですから、日本の国内法のこの大店法によって、日本の政府が自分の国の商店街を守ろうとすることに対して絶対にそんな外圧などを言わせなくてもよかった、きちっと応戦する手だてはあったはずなのに、そのことは一切やらずにアメリカの言いなりにずるずると規制緩和をして今のような町づくりをつくってきたことは、私は都市計画法の責任ではなく、まさにこの大店法の規制緩和をした省庁の責任だということを強く主張しておかなければならないと思っています。きょうは都市計画法の審議ですから、これぐらいでやめます。
 それでは、この衰退をした商店街を活性化させるために、平成十年度の改正のときに中心市街地活性化法というのを町づくり三法というような形でつくられましたけれども、その運用の状況はどうなっているか、通産省に問います。
#146
○政府参考人(杉山秀二君) 中心市街地活性化法は平成十年七月に施行をされておるわけでございますが、現在までに二百四十の町村におきまして基本計画が作成をされているという状況にございます。また、ソフト面を含めた町づくりの推進機関でありますいわゆるTMOにつきましては四十一件について認定がされているというような状況でございます。
 政府といたしましては、関係十三省庁の統一窓口を設置いたしまして、市町村等からのいわゆるいろんな御相談、問い合わせに対応いたしますとともに、連絡協議会を通じまして各省よく連携をとりながら、かつ重点的に支援を行うということでやってきておるところでございます。
 通産省といたしましては、駐車場とか多目的ホールといった商業基盤の施設、あるいは店舗等の整備、あるいは店舗のバランス上不足している業種をどうやって誘致してくるかといったようないわゆるタウンマネジメント手法による活性化といったようなことを中心に支援措置を講じてきているというところでございます。
#147
○大渕絹子君 具体的にはどんなことをやってほしいという要請が多いのでしょうか。
#148
○政府参考人(杉山秀二君) 一つ二つ具体的な例を御紹介申し上げたいと存じますが、例えば岡山県のある市では、駅前の市街地再活性事業にあわせまして大手百貨店、これが核テナントになるわけですが、これを中心として音楽ホールとか図書館とか駐車場を備えた複合的な商業ビルをつくるとかいう例がございます。
 また、岩手県のある市では、民話のふるさとをイメージいたしました町並みの景観を整備するために商店街の外壁を整備するとか、あるいはポケットパークをつくるとか、こういったことで取り組んでおります。それに対する支援策をやっていると。一つ二つ御紹介をすればそういう例がございます。
#149
○大渕絹子君 私の新潟県でもアーケードを新調して、とてもきれいな町並みをつくったという都市もあります。これはこれを活用させていただいたんだろうと思うんですね。私は大変うれしく思って、町がきれいになったなというふうに思うんですけれども、店を見るとシャッターが三軒に一軒ぐらいおりているというこんな状況。これは本当に情けないなというふうに思っていて、これから先も中心市街地活性化法によって巨額な予算が恐らく費やされていくだろうけれども、その中小の小売店が引き続き店を張っていけるような状況にはなっていかないという状況が全国じゅうに広がってきているというふうに思うんです。
 私は、きょうの末広先生の質問ではないですけれども、これから高齢化社会を迎えるに当たって自動車を使わない、いわゆる居住地に隣接をした商店街の活性化というか、商店街を維持していくということはこれからの社会にとって極めて重要なことだろうというふうに思うのですけれども、これとあわせてシャッター街と化した今の中心的市街地を今後どのように立て直していかれるのか、その再生の条件は何だと考えておられるのか、高齢化社会を迎えている日本の現状も踏まえて答えていただきたいと思います。
#150
○政府参考人(岩田満泰君) まず一つ目の商店街の振興と申しましょうか、そうした観点と中心市街地活性化法の関係でございますけれども、中心市街地活性化法はいわば町づくりを進めるための法律として関係省庁が協力をしてこれに支援をする体系でございます。
 この中で商店街との関係について申し上げれば、これまでいわゆる商店街対策あるいは中小小売商対策として、中小企業庁におきましてはアーケードの問題でございますとかカラー舗装をするとか、そういったようなもろもろの商店街という単体に着目をした政策を講じてきたわけでございます。その中で、もろもろの要素がございますが、典型的には駐車場といったような、車社会になっているにもかかわらず商店街にアプローチをするために車で行けない、そういうような現実的な制約があったわけでございます。その意味で、メーン対策としていわば町づくりの中で商店街の周りにあるいは近くに例えば駐車場というようなものを整備し、いわばインフラの整備をすることによって商店街の振興を図ろうという趣旨があるわけでございます。
 今、ややハードに偏ったお話を申し上げておりますが、私は二番目の高齢化社会というような関係も含めて考えてみた場合に、午前中にも御質疑があったわけでございますけれども、中心市街地法の政策体系の中にはTMOというタウンマネジメントという概念がございます。商店街に即して言えば、私どもは中心市街地に限らず商店街マネジメントと申しておりますけれども、商店街というものがその地域の周辺におられる消費者の方々の俗に言うニーズということでございますけれども、こういうものに沿ったものになるために商店街がどうあるのがいいか、あるいは場合によりますと周辺にある大型店あるいは郊外にある大型店との関係において我が商店街は一体どのような特色を持った商店街になるのがいいのか、そのためのマネジメントをしていくという手法が、これはアメリカにおいても大変に注目を浴びている手法であるわけでございますが、そうした考え方が中心市街地活性化法には導入をされておるわけでございます。
 そうした意味で、そうしたむしろハードのみならずソフト面において商店街の個店というものがどういう個店の集合体としてなるのがいいのか、あるいはさらにはその個店の品ぞろえという言葉をよく使いますけれども、どういう品物を置くことがいいのか。例えば同じ衣類であったとしてもその中身は随分と幅があるもの、これは先生よく御存じのとおりでございまして、そうしたソフト面での対応を図るというのは、これは必ずしも中心市街地活性化法の体系のみならず、小売商業対策あるいは商店街対策として私どもこれまでも意を用いてきたところでございますし、これからますますむしろ基本的に重要な政策の課題になるであろうというふうに考えております。
 それから、お触れになりました高齢化社会の点でございますが、私どもさきにこの国会に御提出をさせていただきました今年度の中小企業白書の中でも一部分析をさせていただいておりますが、高齢者、例えば私どもの白書の中では六十歳以上という形でとっておりますけれども、高齢者の方というのは基本的に車でお買い物には余り行かれない、相対的に。身近な商店街に行かれるという傾向がございます。その上に、大体二十年ぐらい前、一九八一年のデータと比較をいたしますと、高齢者の方々が買い物にお出かけになる割合が高くなっている。これはお元気な高齢者がふえたということを意味するんだろうと思いますけれども、そういうことでございます。
 これからの時代は、その高齢者の比率、つまり身近で買い物をしたいと思われる方々であって、元気で自分でお買い物に行かれる方々というのがふえるわけでございますので、その意味においては私どもは、商店街のサイドから見ればむしろビジネスチャンスがこれからの社会はふえる社会であるというふうに思っております。その意味で高齢者の方々に合ったような商店街づくり、品ぞろえという意味においてもそうでございますし、介護関係の仕事も含めたようなもの、あるいは宅配をするというようなサービスを込める、あるいは商店街をハードの面でもバリアフリーのものにつくりかえていく、そういったような努力を商店街サイドの問題としても対応していく必要があり、こういうものを私どもは大いに応援をしていきたい、このように考えております。
#151
○大渕絹子君 商店街が立ち直るのを待つことができるかどうかという極めてその瀬戸際のところに来ているというふうに思いますので、ぜひ総力を挙げて頑張っていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事市川一朗君着席〕
 そこで、建設省に聞きます。通産省の方、ありがとうございました。建設省に聞かせていただきますけれども、平成十年の大店法の改正のときにこの都市計画法も改正がされました。都市計画によって出店規制をしようというのが法案の改正の中身だったというふうに思いますけれども、特別用途地区ですか、これを市町村が条例で定められるということになったわけですけれども、これは市街化区域で制定される用途地域を補完する制度としてつくられたために、市街化調整区域や都市計画区域外で展開される大型店の出店には全く効果がない規則でありました。
 今回、これらの規制のために準都市計画区域制度が創設されましたけれども、これはもう本当に遅きに失したのではないかというふうに私は思っているわけなんです。地方都市に行くと、もうどこの郊外にも大型店が軒並み出ているという状況でございまして、今回この準都市計画区域制度が創設をされて大型店出店の歯どめになるのかどうかということをお答えいただきたいと思います。
#152
○政府参考人(山本正堯君) 今回、私ども準都市計画区域制度について御提案をさせていただいておるわけでございますが、都市計画制度が先ほどからお話がございますように三十年を経過いたしまして、モータリゼーションの進展等で大変経済情勢が大きな変化をしてきておるという中でかねてからこういう議論があったわけでございます。
 今般、こういうような経済社会情勢の変化に緊急、的確に対応するということ、それから本年四月に施行されました地方分権の新たな枠組みのもとで都市計画制度が十二分に機能するように抜本的な見直しをやろうということで、その一環として準都市計画区域制度を創設させていただく、こういうことでございます。
 この準都市計画区域制度につきましては、都市計画区域外の中で相当数の建築物の建築や敷地の造成が行われておる、あるいは行われる見込みがあるというような一定の要件を満たす地域を対象にして区域を指定して、その区域内において用途地域の都市計画を定める、こういうことでございます。これによりまして、都市計画法自体は商業機能の需給調整を直接目的とするものではないわけでございますけれども、こういう良好な環境を保つ、土地利用を規制するといったような観点から、結果として大規模ショッピングセンターの立地を含めて必要な土地利用規制を実効ある形で行い得る制度であるというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、この準都市計画制度の活用を今後とも積極的に図るように、市町村等について私ども技術的な助言、提言、支援をしてまいりたいというふうに思っております。
#153
○大渕絹子君 大臣にお尋ねします。
 今お話しのように、これができれば何とかうまく回っていける。机上の空論なんですね。机上では確かにそうですよ、法律をつくって規制をかけていけば絶対につくれないと思っているけれども、現実にはもう全部できちゃっている。
 私の住んでいる新潟県上越市などは、大型量販店がずっと市街地のそばにできたんです。中心的市街地のそばに初期のころの大型量販店が出ているんですね。ところが、中心的市街地が衰退をして、それでモータリゼーションが発達をして、市街地に人が来なくなったのと同時にその量販店も淘汰をされる、そしてもっと郊外に出た巨大なショッピングセンターにお客が吸い取られてしまって、今度は大型店が淘汰をされてしまって、その跡地がもう町の真ん中に、大きくシャッターがおりたままになっている、看板は上がったまま。こういう状況になっていて、非常に景観も悪いですし、治安の問題にもかかわってくる。若者たちがそこの駐車場に集まってくるというような状況もあったりして、非常にそういう事態を招いています、地方の都市は。
 それなのに、まだ彼はああやって今度の法律で大丈夫と言って、それはもう違うと思うんだけれども、こういう法律や規制が非常に後手後手に回っていっているというのをどういうふうに考えますか。
#154
○国務大臣(中山正暉君) この間、二十九日の日にも四国の松山へ行きましたら、飛行場から今先生のおっしゃったような風景が広がっていまして、それで大変だなと。私どもの大阪あたりの大都市の商店街も、先ほど夫婦橋ができたという天六の商店街の話、これは二キロぐらいある大商店街なのでございますが、天神様の前に発達した商店街。ここでももうシャッターがあちこちおりまして大変なんですけれども、まだ天神様との関係で割ににぎやかな商店街の方です。
 今、経済的な変化というのが、都市計画みたいなものでどうだこうだと言っているうちに、もうその先へ進んでしまうという傾向はあります。それに拍車をかけているのが、自動車で行けてそこの一カ所にいろんなものを集中して売っている、そうしたら衝動買いまでして、そういう場所が意外と便利だということで、そのうちに中間的な規模の大きな店までがつぶれていってしまうという、この社会の変化というのがどこで落ちつくんだろうか。
 その意味で、そういう落ちつきを取り戻すための地方と都道府県とそれから国との、精神をうたっているということで後手後手だというお話がございますけれども、やっぱりそういうものを、こういう方針でいきましょうという再出発みたいな意味でこれからの対応をしていかないと、特に人口の希薄な地方都市の場合には、それの図体に合わないような店舗が幾重にも重なってくることの悲劇というのを、どこで総合的に計画を立ててそういう店舗の規模までを調整していくかということは、まさに三位一体で相談をしていくこの法律の趣旨みたいなものが徹底すれば、私は少しはそういう問題にお役に立つのではないかなと、こんなふうに考えております。
#155
○大渕絹子君 大臣のお力で、ぜひそういうことを全国に号令をかけてやっていただきたいというふうに思います。
 問題点の三点目は、全国一律の開発許可基準が適用されるために地方自治体が独自の町づくりを非常にやりにくいということがあったわけですけれども、今回の改正ではどう改善をされますか。
#156
○政府参考人(風岡典之君) 現行の開発許可制度でございますけれども、許可基準は全国的な視点からこれまでは国が法令で一律に定めている、こういう扱いをさせていただいております。
 しかしながら、近年、地方公共団体あるいは住民等におきまして町づくりに対する考え方が非常に多様化してきております。また、開発許可に関する事務も自治事務と、こういうような扱いにもなってきているわけでございまして、私どもとしましては地域の特性を踏まえた町づくり、そういった要請にもこたえていかなければならないと、このように考えております。
 今回御提案させていただいております改正案でございますけれども、開発許可の技術基準につきましては、公共団体が地域の特性に応じて条例で道路とか公園等に関する基準についてこれを強化したりあるいは緩和したり、そういったことができるようにするとともに、良好な居住環境を確保する、そういった必要性がある場合には最低敷地規模に関する制限、こういったものも定めることができるようにしております。
 こういうような措置を通じて、地域の実情に応じたきめ細かい町づくりを進めていきたいと、このように思っております。
#157
○大渕絹子君 時間が来ましたのでやめますけれども、通告していた部分はまた次回に譲らせていただきたいと思います。
#158
○島袋宗康君 最後でありますが、同僚議員からたくさんの質問があって重複するかもしれませんが、誠意を持ってお答えいただければありがたいと思います。
 まず、今回の法改正が必要となった背景について御説明を願いたいと思います。
#159
○国務大臣(中山正暉君) 今回の改正の背景でございますが、都市計画制度は昭和四十三年、今から三十一年前になりますか、その制度創設以来、経済社会の変化に対応して制度の新設、拡充を積み重ねてきたところでございますが、反面、運用の実態は必ずしも満足できるものではないという認識をしております。
   〔理事市川一朗君退席、委員長着席〕
 加えて、現行制度は、線引き制度を初め昭和四十年代当時の急激な都市人口の増加とスプロール化と市街地の拡大に緊急に対応することを主眼としておりまして、少子高齢化等の社会経済状況の変化に十分対応できていないということでございますので、建設省といたしましても都市をめぐる社会経済状況の変化を踏まえまして、現場において制度が的確に運用されることに意を用いつつ速やかに法改正が必要と判断したものでございます。
 具体的には、地域が主体となって地域ごとに課題に柔軟に対応し得る透明性の高い制度となるように制度全般にわたって見直しをして、地域の特性を生かした、そして先ほどから何度も申しておりますように国と地方とそれから地域とが三位一体になって新しいこれからの、どうしても日本の経済を再生させなきゃけいませんが、その時代に、消費経済が財政の基本、六五%は一般の方々の消費に頼るわけでございまして、公共投資とかそんなものはそれほど大きな効果はありませんので、そういう地域の消費経済に貢献するような町づくり、それが私は法律の背景ではないかと思います。
#160
○島袋宗康君 現行法では、都市計画区域外や市街化調整区域の開発規制が不十分なために中心市街地の衰退を招いていると言われています。郊外へのショッピングセンターの出店等による影響が原因の一つに挙げられております。しかし、現代はモータリゼーションの普及と国民のライフスタイルが変化しております。これは必然的な流れであると言えます。
 そこで、お伺いいたしますが、本改正により中心市街地の衰退化の傾向に歯どめをかけて中心市街地の再活性化を促進することができるのかどうか、その辺の御所見を賜りたいと思います。
#161
○政務次官(岸田文雄君) 中心市街地の活性化にどのように資するかという御質問でございます。
 まず、郊外部におきます土地利用というものが中心市街地のあり方に大きく影響しているということがあるわけですが、その部分につきまして、郊外部において都市計画区域外に準都市計画区域制度を創設しているとか、あるいは白地地域におきまして特定用途制限地域制度を創設しているとか、あるいは白地地域における土地利用の状況に応じた容積率、建ぺい率の指定等を措置する、こういった仕組みをつくって土地利用の選択とか制限を行う、こういった仕組みがまずあるわけです。
 その一方、中心市街地そのものにつきましては、特例容積率適用区域制度というものを創設したり、あるいは密集市街地等で老朽建築物の建てかえを促進するための建ぺい率規制の緩和、あるいは立体的に整備される道路等の都市施設についてその上下空間の利用を促進するために建築規制の緩和をするとか、こうした仕組みをつくることによりまして有効な中心市街地の利用を図る、こういった仕組みも中に持っているところでございます。
 こうした郊外部における施策、そして中心市街地における施策、この両方を法律の中に盛り込んでいく、このことによりまして、まずこの法律自体で中心市街地の活性化を図っていくということを大きく意図しているところであります。
 また、先ほど来いろいろお話が出ておりますように、もう既に成立した法律としまして、中心市街地活性化法ですとかあるいは大店立地法とかいう法律があります。その二つの法律と、そして都市計画法をあわせまして、この三法を町づくり三法と称される向きもあるわけでありますが、こうした法律の連係によりまして中心市街地の活性化を図っていこう、こうした大きな枠組みができていこうとしているわけでありますから、今回、都市計画法の改正を行うことによって、この町づくり三法の一角を占める都市計画法はやはり大きな存在感を示すことになると思っておりますので、こうした法律の枠組みの中における位置づけとしましても、この法律の改正は中心市街地の活性に資するものではないかというふうに感じております。
 そして、今先生の方からモータリゼーションほか大きな流れがあるからこれはなかなか難しいのではないかというようなお話もございましたが、私も先ほど出ていました中心市街地活性化法とかあるいは大店立地法が制定される当時、私自身衆議院の商工委員会の理事をしておりまして、そのときに何度か質問に立ったときのことを思い出すんですが、こうした法律の枠組みというもの、言ってみればそれぞれの地域がみずからの繁栄とたそがれをみずから選び取れる制度であるというような議論をしたことを覚えております。
 みずから選択をする可能性がある一方で、それぞれの責任を担わなければいけないという難しさもあるわけですが、しかしその地域の方々がそれぞれの意思を集約することによって、一つの町づくりの姿を選び取ってそれを実現するさまざまなツールがこの三つの法律の中にちりばめられているわけでありますから、こうしたツールをしっかりと使うべく地域の皆様方がしっかりとその方向性をみずから選択することができれば、必ずや大きな流れがある一方でしっかりとした町づくりもできるのではないか、そのように認識しております。
#162
○島袋宗康君 それで、中心市街地の再活性化に対して法律が整備されたということでありますけれども、全国でいわゆる中心市街地再活性化といいますか、そういったものを必要としている都市、それは何カ所ぐらいであるのか、そういったことについては調査されたことがありますか。
#163
○政務次官(岸田文雄君) 済みません。ちょっと具体的な数字は私、今手元にありませんので、参考人の方であればお出しできるかと思います。
#164
○政府参考人(山本正堯君) 中心市街地活性化の基本計画が策定されているところでございますけれども、ちょっと正確な数字を今持ち合わせておりませんけれども、二百数十カ所──失礼しました、五月八日現在で二百四十カ所ということでございます。
#165
○島袋宗康君 わかりました。
 現行の開発計画制度にはさまざまな抜け穴が存在するために、有効に機能していないと言われております。例えば、市街化区域と市街化調整区域との線引きが行われる以前に既に開発された地域は、市街化調整区域内であっても既存宅地制度が適用され建築物の増改築が自由にできるとか、また開発許可制度の対象となる開発行為とは建築物の建築等の目的で行う土地の区画、形質の変更であり、青空駐車場の設置などは開発許可が不要である。
 したがって、今回の改正案ではこの点に対してはどのように対処していかれるか、お伺いいたします。
#166
○政府参考人(風岡典之君) 現行の開発許可制度についての問題点の御指摘がございました。具体的に御指摘がありました既存宅地制度についてでございます。
 これにつきましては、現行制度におきましては既存宅地については一切の許可を必要としない、こういったことになっているわけでございます。しかし、これにつきましてはやはり土地の利用の面からいろんな問題点も生じておりますので、今回の改正におきましては、市街化調整区域内の土地について、市街化区域に隣接、近接する地域のうち条例で区域を指定しまして開発行為を許可対象として開発許可の基準に係らしめております。それとあわせまして、既存宅地制度についても許可制度というような形で変更をしているところであります。
 それからもう一点、青空駐車場とか資材置き場等上物が伴わないものについては開発許可の対象になっていないと、こういうような御指摘がありました。
 これにつきましては、確かにそういった御指摘もありますので、今回私どももいろいろ議論をしてまいりました。しかし、こういった駐車場とか資材置き場等は、それ自体は平面的、空き地的な利用ということでありまして、そもそも一般的なスプロールというものをもたらすおそれが比較的少ないのではないか、それからまたそういった土地利用というのは一時的、過渡期的なものであることが一般的に多いというようなことから、ここまで対象に加えることはいかがかということで、この点につきましては現行どおりという扱いをさせていただいたところであります。
 もちろん、脱法的なものについてはそれは厳しく取り締まっていくということをあわせてやっていきたい、このように考えております。
#167
○島袋宗康君 本改正案は平成十二年二月八日の都市計画中央審議会の建設大臣への第二次答申を踏まえてまとめられ、同三月十四日閣議決定、翌十五日国会に提出されたということでありますけれども、この第二次答申は、平成十一年九月に都市計画中央審議会基本政策部会計画制度小委員会が示した中間報告と比べると、都市計画区域外の規制については一歩後退しているのではないかとの感があります。
 中間報告では、ショッピングセンター等の大規模な建築物等の立地について、都市計画区域の内外にかかわらず都道府県知事への届け出を義務づけていたわけですけれども、第二次答申では大型店の出店の届け出制が削除されたとの報道がありました。その点について本法案ではどのように扱われているのか、その理由について御説明願いたいと思います。
#168
○政府参考人(山本正堯君) 大規模な建築物が建築されますと町づくりに大変大きな影響があるということで、都市計画審議会の中間取りまとめ段階では、先生今御指摘のように大規模な建築物についての届け出勧告制といったような方向が示されておったわけでございます。それは九月に中間の取りまとめをされたわけでございますが、この案に対しまして広く一般の方々から意見を募集させていただき、さらに検討させていただいた経緯がございます。
 そういう御意見の中で、あらかじめ規制対象区域を定めないで届け出勧告をするといったような点につきましては、事前明示制といいますか、あらかじめきちっと決めて、こういうようなものについてはいいとか悪いとかというようなことを定めないで勧告をやるというようなことは事前明示制の観点から問題があるんじゃないか、課題があるんじゃないかといったような点、あるいは届け出勧告制といったような規制手法として実効が上がるのかどうか、場合によっては許可制というような点についての検討が必要ではないかといったような点について、関係団体とか公共団体、学識経験者等からいろんな御意見が出まして、むしろ慎重意見といいますかそういうような意見が出された等々のことがございまして、最終答申ではこういう形では盛り込まれておらないわけでございます。
 ただ、最終答申の中あるいはまた今回の改正でもそれを踏まえて提案させていただいておりますけれども、地域の実情に応じまして良好な環境の形成、保持を図るという観点から、非線引き白地のところについての特定用途制限地域制度、あるいは都市計画区域外のところについての準都市計画区域制度の創設といったような点について、制度として今回提案をさせていただいたところでございます。こういう審議会で議論していただいた趣旨を踏まえまして、必要な土地利用規制が行えるというような制度に今回させていただこうということでございます。
#169
○島袋宗康君 本法案とは直接関係ありませんけれども、せっかくの機会でございますので、沖縄の五十八号線沿いにあります那覇市内のつぶれ地補償についてちょっと問題を提起しながら、ぜひ補償問題についての明確な御答弁をいただいた上で、そしてこれがどういう経過になっているかということを、おわかりとは思いますけれども、建設大臣に初めてこういった話をするわけでありますから、ぜひひとつこのつぶれ地補償の問題について何とか解決できるように努力していただきたいということを要望しながら、この問題について提起していきたいというふうに思っております。
 まず、この那覇市内の状況というものは、御承知のように米軍が占領して旧市内には全く一般住民が立ち入りできないというふうな状況でありまして、復帰前はいわゆる米軍の軍道一号線というふうな形で線引きされておりましたけれども、その一号線の向こう側、いわゆる西側、旧市街地には全く住民が入れないというような状況がございました。それで、今、那覇市内至るところにスプロール現象が起きているのもそのせいであります。
 そこで、一般住民がそこに入るためにはどうしても区画整理が必要であるというふうなことで、この区画整理をするためにいろいろと米軍と折衝をし、それで米軍の許可を得てこのすばらしい区画整理事業というものを当時の高等弁務官は高く評価して進めた実態がございます。
 ところが、区画整理事業を始める段階で、例えば五十八号線沿いの仮換地が決定いたしまして、そこで主としてこの国道五十八号線、当時一号線ですけれども、一号線沿いのところを一般の住宅地として地主に提供しようというふうなことで計画されたのが、私がこれから申し上げるつぶれ地なんです。
 それがなぜ一般に提供できなかったかといいますと、当時の軍政府がこの五十八号線沿いの七メーター五十、そこは軍道の補完道路として使用するのであけなさいというふうな布令でもって、布令百十七号ですけれども、それによって規制してしまったんです。そうすると、そこで仮換地をして一般住民が入る予定がその布令によって規制されたために、何回も交渉するけれどもらちが明かなくて、結果的にはそこは軍道の補完道路として使用する、そのために市としてはやむなく市道認定したわけです。その市道認定というものが、これは市としては非常に苦渋の選択というふうなことでやったわけでありますけれども、問題は布令百十七号というものが優先して軍道がつくられた。これは軍事優先政策ですから当然民意の反映というものはあり得ませんから、そういうような形でこれが事実上つぶれ地になったわけです。
 復帰直前に、これが政令の百十六号で国道五十八号線として認定されるわけです。復帰以後、私有地、市道、県道、国有地というふうに分かれていきますけれども、随分長い間かかって市道認定された部分、いわゆる個人用地で提供した部分を何分の何か補償していく、あるいは県道に収用されたものは一〇〇%とかいうふうな段階で補償をされたわけであります。これがつぶれ地補償と言いますけれども、そういうふうな経過をたどってつぶれ地補償がされたわけであります。
 実は、ちょうど那覇空港から明治橋というところがありますけれども、明治橋から泊大橋まで約千八百メーターあるんですね。その両側七・五メートルを補完道路として提供したためにこれを市道認定したわけです。それが事実上のつぶれ地になっているんですけれども、それがたまたま布令百十七号によって、ちょうど区画整理が完了した時点で布令を改正して補完道路だというふうにして指定してしまったと、これは軍のですね。そういったいきさつがありまして、全くこれの補償がなされていないというふうな状況であるわけであります。
 それで、私は当時那覇市役所におりましたから大概のいきさつは知っておるんですけれども、やはり一九五〇年代ですから、当時は広島、長崎、原爆を受けたところはもう大変な国の手厚い援助で戦災復興というものがなされてきたわけでありますけれども、残念ながら米軍の支配下にありますから、そういった壊滅的な戦災というものを受けていながらそれが該当されなくて、自分の手で、いわゆる減歩率二九・〇五というような形で減歩をしてつくったのがこの道路なんです。
 ですから、それは地主の負担によって提供された五十八号線沿いの道路ですから、当然どこでもそういった形で補償の対象になっているんですけれども、たまたまそれがやむなく市道認定されたために、国としては本土の他の地域においてもそういった事例があるので、市道に認定されたところは無償で国道に編入しなければならないという法律があるようで、そこで那覇市としてはどうしてもこれは補償してほしいというようなことをもうあれ以来ずっと、復帰以来今日まで何とかそれを補償してもらいたいというのが那覇市の今日までのいきさつなんです。
 ですから、そういうふうなことでありますので、せっかく大臣もかわられたので、何とかそういったものを改めてお勉強していただきまして、それでこれは何らかの形で政治的な配慮、法律的にはそれはやむを得ないと思いますけれども、これはあくまでも政治的な話し合いで何とか補償の対象にできないかどうかということが、私のきょうの質問の趣旨であるわけであります。
 それは、当時の米軍の工兵隊にも強く要請をしてやったんですけれども、工兵隊の方では、これはもう布令百十七号によって規制がされているのでどうにもならないというようなことで、一般的な回答でどうにもならないと。
 五八年ころでありますけれども、当然復帰前ですから、あれは一九五八年だから昭和三十三年、当時その戦災復興事業として那覇市も思い余って、五十億円ぐらいあれば何とかいろんな意味で区画整理事業というものを成功させることができるということで、本土に渡って当時の建設部長さんたちがやってきていろいろ要請をした経緯があります。それもいろんな形でやっておりますけれども、いまだに何の音さたもないというふうな状況が続いているわけです。
 当時の五十億円ですから今に換算すると相当なものだと思いますけれども、実はこの面積はどれぐらいあるかといいますと、先ほど私は延長にして千八百メートル、それで七筆ありますけれども二万七千八十平米あるわけです。それで、不動産鑑定士による鑑定評価が大体六百二十億円という評価が出ております。ですから、那覇市にとっては大変大きな負担なんです。
 ですから、これからもしそういったふうなことが仮につぶれ地補償という対象に政治的配慮をいただければ、これは那覇市にとっては大変な財源になります。今までの借金も、すべてとは言いませんが返せる状況になります。
 今、天久の新都心というのが区画整理をして大変すばらしい都市計画がなされようとしておりますけれども、そういった財政負担というものは非常に那覇市にとってこれからも、これは軍用地であったのを返還されて、約六十万坪がありますけれども、そこが今いろんな形で、この間沖縄振興開発金融公庫の建物がそこに新たに建設されて、私は呼ばれましたけれども、そういうふうに今どんどん建築が進んでいる状況です。
 だから、そういうふうにして区画整理事業も、軍用地が返還されて非常に自己負担が多いわけですから、市もそれなりの負担もしているわけですから、この区画整理事業というものは、当時政府に対して五十億円の何とか補助をしてくれ、援助をしてくれというふうな要請もいまだにナシのつぶてになっております。
 どうぞ、これはぜひ大臣の方で何らかの形で、政治的な配慮で那覇市の要請を、後でまた私はいろんな形で開発庁にもお願いをする立場でありますから、そういった面で建設省と沖縄開発庁とで何らかの対応をしていただければありがたいなというふうに思っております。
 開発庁、どういう経過になっているかを御説明いただいて、後で建設大臣から御所見を賜りたいと思います。
#170
○政府参考人(襲田正徳君) 国道五十八号に係る那覇市有地の補償の問題、これにつきまして那覇市からかねてより御要望があることは私も承知をいたしております。
 ただ、その御指摘の道路用地でございますが、お話にもありましたように土地区画整理事業の換地処分によりまして道路とされまして、昭和三十四年に那覇市道として認定、供用されておりまして、復帰時点まで十三年間市道として使用されておったわけでございます。これが復帰に伴いまして国道として移管をされたものでございまして、したがいましていわゆるつぶれ地、平たく言いますと米軍等によりましていわば強制的に無補償で道路として使わされた、そういう意味でのつぶれ地には該当しないというふうに考えております。
 このような市道から国道または県道への移管、あるいはその逆のケースもあるわけでございますが、こうしたケースにつきましては沖縄県を初め全国に多数あるわけでございますけれども、同じ道路として利用する場合には相互に無償で処理するというふうになっているところでございます。このため、当該用地につきまして買収等の補償措置を講じることは困難であると考えております。
#171
○国務大臣(中山正暉君) 沖縄に特別の事情があることをよく承知しておりますが、区画整理というのはもう先生も御承知のとおり、清算金を入れて最後はゼロにするという形になっております。
 これはまことに申しわけないのでございますが、私も大阪市議会議員のときにちょうど市電が廃止になりまして、市電の廃止になったところは大阪市の所有地でございましたから、これを道路に提供するのなら、計算したら二千四百億になりました、その当時。これは国に二千四百億要求したらどうかということを私ども言ったことがあるのでございますが、これも道路法の九十条に、「普通財産である国有財産は、都道府県道又は市町村道の用に供する場合においては、国有財産法第二十二条又は第二十八条の規定にかかわらず、当該道路の道路管理者である地方公共団体に無償で貸し付け、又は譲与することができる。」と。とにかくもう使っているものは、道路の用に供しているものはただだということが書いてあるようでございます。
 沖縄県におけるつぶれ地の補償は、沖縄の特殊事情により、第二次世界大戦中または戦後において日米両軍等により拡幅または新設されて新たな道路区域に編入された民地に対して行っているところでございまして、国道五十八号の当該用地は土地区画整理事業により那覇市に換地処分されたものでございますから、昭和三十四年に那覇市道として供用されて、昭和四十七年の復帰に伴い国道として移管されておりまして、このような市道から県道または国道への移管は同じ道路として利用する場合には相互に無償で処理することということになっておりますので、これは今の大阪市電の軌道敷内の問題と同じようにこれを補償するということになりましたら大変なことであるということでございます。
 考え方といたしましては、普通財産である国有財産を都道府県または市町村道の用に供する場合には、道路法第九十条第二項の規定により無償貸し付けまたは譲与することができるが、反対に国道昇格の場合には、都道府県道等の敷地を一般国道の用に供する場合の措置は規定されておりません。しかしながら、条規の趣旨にかんがみまして無償供与と無償使用ということになっておりますので、これはなかなか先生難しい、できない話じゃないかなと。
 そっけのない答弁で恐縮なのでございますが、もう十三年間も供用されておりましたら、これはなかなかお金には、ということで形にはならないんじゃないかというふうに思っております。
#172
○島袋宗康君 もう時間がないんですけれども、ただ私が言いたいことは、やはり布令百十七号というのが市道認定をして、後に区画整理が完成した。同時に布令を改正して、この軍道の一号線の補完道路としてわざわざ布令を改正しているんです。そういったところの問題があるものですから、やはり米軍のそういった特殊な事情によってどうしてもこれはおかしな市道認定の状況だということを私は申し上げておきたいと思います。
 それをぜひ何らかの形で私は努力していただいて、もちろん法令ではそういったことになっていることは承知しておりますけれども、やはりこれは政治的配慮で何らかの形で話し合いをしていただきたいというふうに要望いたしまして、終わります。
 ありがとうございました。
#173
○委員長(石渡清元君) 本日の審査はこの程度にとどめます。
 次回は来る十一日午前九時三十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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