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2000/05/16 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第16号
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2000/05/16 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国土・環境委員会 第16号

#1
第147回国会 国土・環境委員会 第16号
平成十二年五月十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任   
     久野 恒一君     青木 幹雄君
     松岡滿壽男君     奥村 展三君
 五月十五日
    辞任         補欠選任   
     青木 幹雄君     斉藤 滋宣君
     北澤 俊美君     本田 良一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石渡 清元君
    理 事
                市川 一朗君
                田村 公平君
                岡崎トミ子君
                高野 博師君
                緒方 靖夫君
    委 員
                上野 公成君
                太田 豊秋君
                斉藤 滋宣君
                末広まきこ君
                月原 茂皓君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                本田 良一君
                森本 晃司君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  中山 正暉君
   政務次官
       建設政務次官   加藤 卓二君
       国土政務次官   増田 敏男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉谷 洸大君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき
 、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件(
 内閣提出、衆議院送付)
○大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案
 (内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(石渡清元君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、松岡滿壽男君及び久野恒一君が委員を辞任され、その補欠として奥村展三君及び青木幹雄君が選任されました。
 また、昨日、青木幹雄君及び北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として斉藤滋宣君及び本田良一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石渡清元君) 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中山建設大臣。
#4
○国務大臣(中山正暉君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 中央省庁等改革の一環といたしまして、国土交通省の地方支分部局として、東北地方整備局、関東地方整備局、北陸地方整備局、中部地方整備局、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局及び九州地方整備局をそれぞれ設置する必要があります。
 このため、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#6
○岡崎トミ子君 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について、反対の立場から討論を行います。
 反対の第一の理由は、この案件で設置を予定している地方整備局が余りにも多くの、そして強い所掌事務、権限を有しており、また、地方分権、自治を進めようという動きに逆行するものだということです。
 昨年提出され、審議されました中央省庁等改革関連法案を準備する過程で国土交通省という巨大官庁の創設を批判され、その権限、財源を地方整備局に大幅に移譲し、地方分権を推進するのだとしました。しかし、地方整備局は国の機関であることは変わらず、地方自治体にとっては、国の関与の度合いが強まりこそすれ減らされることはないのであります。
 さらに、この地方整備局は、現在の地方建設局が行っていなかった都市行政や住宅行政、さらに公共事業の箇所づけ等についても行うとされております。これは地方自治体にとってみれば、あらゆる業務についてより身近な立場から監視し口出しをされる体制が形づくられることを意味します。これが地方分権に逆行すると言わずして何と言うのでありましょうか。地方分権が目指すものは、中央から地方への分権、さらには自治の確立であって、中央省庁内部の中で形ばかり地方に権限を移すことは全く意味がありません。
 反対の第二の理由は、地方整備局の事務及び権限をチェックするシステムが欠如していることであります。
 地方整備局の設置に際しては、所要の予算額を一括して地方整備局ごとに配分するとされており、それゆえ地方整備局の予算の執行が現状よりも不透明で、よりチェックしにくくなることが懸念されるのであります。
 国民から集めた税金の使途は、国民のチェックしやすい仕組みのもとで管理されなくてはなりません。地方整備局の予算の執行については、内閣の一員として国会に対し責任を負うべき大臣の手からも離れた遠い場所で実施されることになります。一方、地方議会などを通しての地域でのチェックがされるわけでもありません。
 反対の第三の理由は、地方整備局の設置に当たり行政のスリム化の観点が全く欠落していることであります。
 全体の業務量を削減することなく地方整備局に権限を移譲するだけでは、行政のスリム化につながらないのは当然です。今回、五つの港湾整備局及び八つの地方建設局が八つの地方整備局に統合されますが、統合によるスリム化のメリットは全く見えていません。整備局によっては新たに庁舎を借り上げなければならないことなども想定されております。
 今回想定されている整備局のあり方を通して、政府の言う地方分権、行政改革の正体が見えたというものです。
 以上三点の理由から本案件に反対することを表明して、討論を終わります。
#7
○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について、反対討論を行います。
 中央省庁改革関連法は、独立行政法人制度の導入や労働省と厚生省の統合などによる国民生活部門の縮小を促進する一方、国土交通省の新設など、事業官庁の肥大化、防衛、治安部門を温存強化し、首相権限、内閣機能の強化を図ろうとするものであります。国民の望む医療や介護、年金の拡充や雇用、高齢化社会対策の保障など、国民が求める国づくりに逆行し、強権性の強い国家体制を推進するものであります。
 以下、反対する理由を四点申し上げます。
 反対する第一の理由は、この法律の目的、理念はさきに述べたように我が党は反対しましたが、地方整備局の設置はこの法律の地方行政機関づくりだからであります。
 第二の理由は、建設、運輸、国土、北海道開発庁を統合させた国土交通省が公共事業の八割を占める巨大公共事業官庁となり、対米公約六百三十兆円の公共事業、幾つもの巨大海峡大橋建設に見られる大型プロジェクト中心の五全総など、従来の浪費型公共事業推進の中核となるものだからであります。公共事業の巨大権限を持つことになる国土交通省は、公共事業につながる利権構造をさらに増幅させかねないものであります。
 第三の理由は、八カ所の地方整備局設置は、事実上、それぞれの地方自治体の上に立つ新たな巨大公共事業官庁とならざるを得ないからであります。
 地方整備局に事業の決定や執行に関する権限が移譲され、一括して予算額が配分されます。北海道開発局の実態が示すように、前年度の実績とその多くは継続事業となっており、各地方整備局は前年実績を上回る予算の獲得が最大の目的となるでしょう。
 しかも、問題は、地方整備局に権限が移ることで国会のコントロールが一段と及びにくくなり、一方、地域でも地方整備局に対する自治体、議会が存在しないということです。こうして国も自治体も関与できず、民意の反映が現状よりも困難となり、本来の公共事業のあり方や地方自治からますます乖離する事態となります。また、公共事業にまつわる政官財の癒着構造をそのままにしての権限移譲は、腐敗や浪費を地方にばらまくだけであります。
 反対する第四の理由は、中央省庁のスリム化を標榜していますが、地方整備局の幹部ポストは局長のもとに二人の副局長または次長を置きポストを確保しつつ、その一方で国民生活に直結する事務所や出張所に働く職員の削減が目標とされていることです。
 今、国民が求めているのは、このような地方整備局の設置ではなく、むだや浪費をなくし、国民生活を支え国民が必要とする公共事業であり、これを保障するシステムです。地方整備局の新設はこうした国民の要望からほど遠いものであることを指摘し、反対討論を終わります。
#8
○大渕絹子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件について、反対討論を行います。
 中央省庁再編に伴って建設省、運輸省、国土庁を統合する国土交通省によって、公共事業の大部分を握る巨大官庁が誕生いたします。
 一方、我が国の公共事業は、本来の必要とされる社会基盤の整備から景気対策の有効手段として活用され過ぎてきたことなどにより、多くのゆがみを生じさせてまいりました。いわば公共事業主体の経済とも言えるこれまでの状況は、経済構造の転換をおくらせて、我が国経済再生にとって決して好ましいものではありません。
 今求められているのは、公共事業依存型経済から脱却し、効果的、効率的で真に必要とされる公共事業を住民参加のもとに、透明性のある手続のもとに計画を立て、実施していくシステムだと言っても過言ではありません。
 今回、承認を求められた地方整備局の設置は、むしろこれまでの矛盾を解消できないばかりか、これを拡大するおそれがあることが懸念され、反対するものであります。
 第一に、中央官庁主導で行われてきた公共事業が、シェアの固定化、類似事業との重複、事業申請の陳情合戦に見られる手続のむだ、特に社会経済情勢の変化に対応できない多くの大規模プロジェクトのむだを生む一方、それを通じての中央官庁、官僚の権限拡大や縦割り行政の弊害が象徴的にあらわれ、政官財の鉄のトライアングルのもと、環境と財政に破壊的な影響を与えてきたことは国民周知のことであります。
 地方整備局の巨大な権限はこの延長線上にあり、公共事業見直しを求める住民や議会のコントロールを遠く及ばないものとしているばかりでなく、その矛盾を拡大することを恐れております。
 第二に、地方分権を推進する流れに対して逆行するものであります。
 すなわち、国から地方へ財源を移し公共事業を地方主体で実施することが求められている状況の中で、国の出先機関であるブロック機関の強化は、行政改革会議が国の肥大化を防ぐとして求めたブロック機関の強化に名をかりた地方分権推進に対する論理のすりかえであります。
 さらに、この地方整備局の設置が本省との二重行政になりはしないか、また地方自治体の上部機関として君臨するのではないかを懸念するものであります。分権型社会で資源の最適配分を行う主体は地方自治体であり、そのために国の直轄事業や補助事業を減らし、地方が自主財源で社会基盤整備を行えるよう、財源整備と国のコントロールを離れた地方単独で行えるようなシステムが求められているものであります。
 長期計画と補助、縦割りによって中央のコントロールのままに行われてきた公共事業体制を地方主体に再編することが、むだが少なく、しかも環境の負荷の小さい、住民にとって最も必要とされる社会基盤整備につながる道であることを再度主張し、その障害となる本承認案件の反対討論を終わります。
#9
○委員長(石渡清元君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方整備局の設置に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#10
○委員長(石渡清元君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(石渡清元君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#12
○委員長(石渡清元君) 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。中山国土庁長官。
#13
○国務大臣(中山正暉君) ただいま議題となりました大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 土地利用の高度化、複雑化が進んでいる大都市地域において公共の利益となる事業を実施する場合には、地権者との権利調整に要する時間が長期化しており、効率的な事業の実施が難しいことから、主に道路等の公共用地の地下を利用して行われておりますが、合理的なルートの設定が困難となる場合があり、また、道路の地下を中心に、浅い地下の利用はふくそうしてきております。
 このため、今後これらの事業を実施するに当たって、地上及び浅深度地下の利用に加えて、土地所有者等による通常の利用が行われない地下、すなわち大深度地下を、国民の権利保護に留意しつつ、円滑に利用するための制度を導入する必要性が高まっております。
 このような状況を踏まえ、平成七年八月に施行された臨時大深度地下利用調査会設置法に基づき臨時大深度地下利用調査会が設置され、三年にわたり技術、安全、環境及び法制の両面から慎重な検討が行われた結果、平成十年五月、内閣総理大臣に答申され、直ちに国会に対して御報告しているところであります。
 この法律案は、この答申を踏まえ、公共の利益となる事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るため、大深度地下の公共的な使用に関し特別の措置を講ずるものであります。
 以上が、この法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、この法律において大深度地下とは、建築物の地下室の用に通常供されることがない地下の深さとして政令で定める深さ、または通常の建築物の基礎ぐいを支持することができる地盤、いわゆる支持層の上面から政令で定める距離を加えた深さのうち、いずれか深い方の地下をいうこととしております。
 第二に、この法律による特別の措置は、人口の集中度、土地利用の状況等を勘案し政令で定める地域において、道路、河川、鉄道、通信、上下水道等一定の公共の利益となる事業について講じられることとしております。
 第三に、国は、大深度地下における事業の円滑な遂行に関する基本的な事項や安全の確保、環境の保全その他大深度地下の使用に際し配慮すべき事項等を定めた大深度地下の公共的使用に関する基本方針を定めることとしております。
 第四に、法律の対象となる地域ごとに、必要な協議を行うため、関係行政機関等で組織する大深度地下使用協議会を設置することといたしております。
 第五に、国土交通大臣または都道府県知事は、使用認可申請書の公告及び縦覧、利害関係人の意見書の提出、関係行政機関の意見書の提出等所要の手続を経て使用の認可を行うことができることとしております。
 第六に、使用の認可を受けた事業者は、原則として補償することなく大深度地下を使用することができることとしておりますが、例外的に補償すべき損失がある場合には請求を待ってこれを補償することとしております。なお、事業区域に井戸等の既存物件がある場合は、事前に補償をした後、その物件の移転を求めることができることとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#14
○委員長(石渡清元君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は来る十八日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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