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2000/04/04 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 交通・情報通信委員会 第9号
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2000/04/04 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 交通・情報通信委員会 第9号

#1
第147回国会 交通・情報通信委員会 第9号
平成十二年四月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     青木 幹雄君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     青木 幹雄君     岩城 光英君
     吉川 春子君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         齋藤  勁君
    理 事
                景山俊太郎君
                釜本 邦茂君
                簗瀬  進君
                弘友 和夫君
                渕上 貞雄君
    委 員
                岩城 光英君
                加藤 紀文君
                鹿熊 安正君
                鈴木 政二君
                田中 直紀君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                吉田 之久君
                日笠 勝之君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
                戸田 邦司君
                岩本 荘太君
   国務大臣
       運輸大臣     二階 俊博君
   政務次官
       運輸政務次官   鈴木 政二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
       運輸省海上交通
       局長       高橋 朋敬君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
       運輸省港湾局長  川嶋 康宏君
       海上保安庁次長  長光 正純君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三十一日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(齋藤勁君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に環境庁大気保全局長廣瀬省君、運輸省運輸政策局長羽生次郎君、運輸省海上交通局長高橋朋敬君、運輸省海上技術安全局長谷野龍一郎君、運輸省港湾局長川嶋康宏君、海上保安庁次長長光正純君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(齋藤勁君) 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○釜本邦茂君 おはようございます。自由民主党の釜本でございます。
 大臣におかれましては、連日の有珠山火山活動の対策等、また先週末来いろんなことがございました。大変御苦労さまでございます。その激務の中、本委員会に御出席賜り、ありがとうございました。
 本日は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部改正の法律案ということで御質問させていただきたいと思います。
 今我々が暮らしている母なる大地、この地球は、永遠に続く時間の流れの中で、清らかな大気や水、豊かな緑を形づくり、多くの生命をはぐくんでまいりました。
 しかし、近年、人間の活動規模の拡大に伴い、地球の自然の持つ回復力の限界を超えて環境に負荷をかけた結果、その被害や影響は一つの地域や国にとどまらず、国境を越えて地球規模にまで広がっていると言っても過言ではないと思います。それぞれの環境問題は独立した別々の問題ではなく相互に複雑に関連しており、私たち人間も被害者であると同時に加害者であると再度認識すべきではないでしょうか。
 また、地球環境問題のメカニズムを正確に分析することは大変困難ですが、有効な対策を講じなければ、時間の経過とともに確実に環境汚染は進行し、人類の生存そのものを脅かしかねない、将来の世代にもかかわる大変重要な問題に発展することは間違いないと思います。
 一九九七年六月にニューヨークの国連本部で開かれた環境開発特別総会では、環境に関する条約や民間部門において幾らかの進展が見られるが、多くの国が環境汚染を抑制しているが、まだまだ全般的な傾向は悪化しているという報告がなされております。国連環境開発会議以降、気候変動枠組み条約、生物多様性条約、砂漠化防止条約など、環境に関する条約がつくられ、取り組むべき課題は明確になりつつあります。今後必要な具体的な行動とは、一つの行動を地域的ネットワークや地球レベルでのネットワークとして積み上げていくことではないでしょうか。
 環境問題は、その現象面から、一般的には九つに分類されております。その中での環境汚染、その問題を議題にして特にお伺いしたいと思います。
 環境汚染は、タンカー事故や海洋への汚染物質の投棄、先日の荏原製作所のような河川などを通じた陸起源の汚染物質の流入、沿岸の開発など、さまざまな人為的要因により進行しています。巨大な容量を持つ海洋にはかなりの浄化機能が備わっていると考えられますが、そのような浄化機能を持つ海洋においても深刻な汚染が潜在化することは、危機的な状況にあるとも言えるのではないでしょうか。
 平成九年一月二日に島根県沖北北東約百キロの日本海で沈没したロシア船籍のタンカー、ナホトカ号から五百キロリットルの重油が流出し、日本海沿岸の九府県への重油漂着など、自然環境や水産資源に大きな被害を及ぼしたことはまだ記憶に新しいところです。まだまだその海底には重油が取り残されているとも聞いております。
 このナホトカ号による重油流出事故を教訓とした油防除体制の強化に関する運輸省の総合的な取り組みについて、まず大臣にお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(二階俊博君) ただいまは、我が国のサッカー界の大スターであられた釜本議員から大変温かい激励の言葉をいただきまして、恐縮に存じますと同時に大変うれしく思います。しっかり期待にこたえるべく、有珠山の問題につきまして全力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
 油の流出の問題、その前に環境問題につきまして基本的なお考えをお述べになりましたが、私も地球上の環境をよくするということに関して人類共通の課題であるという認識を持っておりますが、同時に、経済力にまさる国、あるいはまた教養文化の面におきましてもすぐれておる国々の人々は、世界じゅういずれも同じような責任を共有しなければならないことは当然でありますが、中でも私はそういう国は責任が重いというふうに考えております。
 にもかかわらず、我が国は、例えばCO2排出量等はアフリカの五十一カ国をはるかに上回る排出量を記録しており、CO2排出大国とさえ言われる、余りありがたくもないそういう称号を贈られておるわけであります。私たちすべての国民がお互いに協力してこれらの問題に取り組まなくてはなりませんが、中でも政府の責任は極めて重いというふうに痛感をいたしております。
 そして、ただいまナホトカ号による油の流出問題につきまして言及されましたが、ナホトカ号による油流出事故の教訓を踏まえて、運輸技術審議会に設置されております流出油防除体制総合検討委員会におきまして検討が行われ、平成九年十二月に提言として取りまとめられました。この提言を受けて、私どもはこれまで大きく三つの施策について取り組んでまいったところであります。
 まず第一点目は、事故の未然防止対策であり、外国船舶の監督の強化のために全国に六十四名の外国船舶監督官を配置いたしておるところであります。
 二点目は、事故発生時の防除体制の強化であります。
 具体的には、油防除資機材の整備等につきまして、既に実用化されております中で、荒天のときの対応能力の高い大型油回収装置三基を現在新潟、門司、そして千葉県の市原に配備するとともに、大型しゅんせつ兼油回収船二隻を建造中であります。北九州に配備をする予定の海翔丸という船は、本年十月に完成の予定でございますが、先般進水式を行ったところであります。六十三億円の予算を費やしてこの船の建造をいたしておるところでありますし、新潟県に配備します船は、平成十四年の秋ごろになると思われますが、五十六億円の予算を投じて対応いたしておるところであります。
 三点目につきましては、国際協力の推進であります。
 国連環境計画が提唱しております地域海行動計画の一つであります北西太平洋地域海行動計画、NOWPAP、関係国は日本と中国と韓国及びロシアでありますが、この本部事務局の誘致の表明を行うとともに、油防除等の国際協力体制構築のために活動しているところでございます。
 今申し上げましたNOWPAPの関係国におきまして、その本部事務局は韓国の釜山も立候補いたしておりまして、我が国の富山県と激しく競争いたしておるところでございますが、ロシア及び中国の支援が得られるかどうかということでありますので、けさほど閣議の席におきまして河野外務大臣に対してこのことに対しての協力を要請してまいったところでございます。そうした対応をとるとともに、今申し上げましたNOWPAPの本部事務局予算も千七百万円計上いたしまして対応いたしておるところでございます。
 しかし、今日までのナホトカ号を初めいろんな油の流出に対する災害を考えますと、いずれも数十億、数百億単位での被害を生じてございます。これらに対して今足の速いしゅんせつ船を準備いたしておりますが、これらの対応によりましてただいま釜本委員御指摘のようなことに対して十分対応できるものと信じておるところでございます。
#8
○釜本邦茂君 ありがとうございます。
 次の質問は、今現在その油回収船が、しゅんせつ兼油回収船の清龍丸一隻しかなかったということにおいて、今運輸省がどういうような対応をされるのかということをお聞きしようとしましたら、大臣からもう既に運輸省の取り組み方等ございました。特に冬場の日本海というのは非常に波のきつい中で、もし事故が起こりますと大変な流出問題、汚染というものが広がっていくというぐあいに思います。そういう意味で、しっかりと対応していただきたい、このようにお願いする次第でございます。
 わかる範囲で結構でございますが、今ナホトカ号のような船齢の高いタンカーはどのぐらい日本海に航行しているのか、わかる範囲の中でお聞かせ願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#9
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 平成九年ベースで、運輸省で調べました結果では、日本海においては約千隻のタンカーが一年間延べ約一万回の航海を行っていると承知しております。このうちナホトカ号のような船齢二十五年以上の高齢のタンカーの隻数につきましては、その航海数も含めまして全体の約三%だと承知いたしております。
#10
○釜本邦茂君 本当にナホトカ号の事故の教訓に照らし合わせて、油防除体制の強化とともに未然防止対策が重要となりますので、十分なる体制をとっていただきたい、重ねてお願いいたします。今回の重油流出事故の教訓を踏まえ、情報の収集、通報、連絡体制の充実強化その他、今大臣のお話にもございました。
 冒頭私が申し上げましたように、海の環境問題は今後我々が取り組むべき重要課題の一つでもあります。現在、船舶にしている船底防汚塗料から溶け出す有機すず化合物による海洋汚染が国際的に問題になっていると聞いておりますが、この問題への取り組みについて運輸省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#11
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の有機すず系の化合物の船底塗料の問題につきましては、御指摘のとおり海洋生物に大変悪影響を与えると我々認識をいたしております。したがいまして、運輸省といたしましては、既に平成二年から日本の造船事業者においてはこの塗料を使わないということで自粛を実施いたしております。さらに平成九年からは製造を中止したということでございます。
 ただ、御指摘のように船舶は国際性がございますので、いろんな国からの船が入ってまいります。したがいまして、国際的な枠組みでこれの使用禁止をしていく必要があると認識をいたしておりまして、我が国の自粛を踏まえまして、IMO、国際海事機関に対して我が国はずっと使用禁止を訴え続けてまいりました。
 こうしたかいがございまして、昨年の十一月に開催をされましたIMOの総会におきまして、この有機すず系の船底防汚塗料につきましては二〇〇三年の一月一日以降、船舶に新たに塗布することについて禁止をする、さらに二〇〇八年の一月一日以降、こういった塗料を塗った船舶については航行を禁止するという大変強い内容を条約という形で合意することに至りました。
 我が国のこうした提案につきましては、アメリカ等を含め賛同を得ておりまして、今後、二〇〇一年に予定されております条約会議を経て、最終的には国際的な条約として取りまとめられ、世界的な全面禁止の運びになる、こういうふうに考えております。
#12
○釜本邦茂君 最後になりますが、先週金曜日に、本当にいつ爆発するかというそういった中で有珠山がついに噴火をして、今本当に地域の人々、避難者が一万人にも及ぶというように聞いております。台風のようにすぐに去っていくものではございません。一年も二年もこういった地域の方々が避難生活を送らなきゃいけないというような事態にもなりかねないというように思います。
 そのことについて、政府の初動態勢は非常に早かったというぐあいに思いますが、今後地域の方々のそういった不安を取り除くために十分な対策をとっていただきたい。これは通告はしておりませんでしたが、運輸省のお考えをお聞きいたしまして終わりたいと思います。
#13
○国務大臣(二階俊博君) 火山の動きにつきまして、今日までの蓄積しておりますデータを中心にして相当早い段階からこのことを察知しておりました。しかし、厳密に何時何分にどこで爆発が起こるかというようなことは、これは神のみぞ知ることでございますが、いずれにしましても、毎日のデータをとっておりますと、やがてここらで何かが起こってもおかしくないというところに立ち至る少し手前で、先手先手を打つという意味で避難勧告をやっておりました。ですから、噴火が起こった瞬間にはもうその周辺は全部避難をほとんど終えた後であるということで、ばたばた慌てずに対応することができた。しかし、もう少し広目に避難をしていただこうというようなことで、とめておりましたJR北海道の列車も動かしまして、そして船も活用して避難をお願いしたところでございます。
 ただ、小渕総理ともいろいろ話を再々この問題について行いましたが、そのときに私ども非常に悩ましいことは、避難はしました、しかし爆発が起こりません、そういう状態が何日も何日も続きますと、うちへ帰りたいという希望が出てまいりますし、家畜にえさをやるのに対してどうするか、あるいはまた海での養殖もやっております、さらに電気とかガスをきちっととめてこなかったのではないかという不安が常にあって、避難生活をしておりながら御心配、そういうことに対しましてもこれはすべて対応していかなきゃいけない。
 阪神・淡路地震の際の教訓、反省の上に立って、今度は少し前広に対応することができたことで今日現場はどうにか平穏を保っておる、こういう状況でございますが、今後、ただいま委員御指摘のとおり、いつまで続くかということは十分これを予言することはできません。
 そこで、昨日から気象庁の最高幹部を現地に張りつけまして、そして機会あるごとにテレビにも出て関係者の皆さんに情報を提供する、同時にテレホンサービスなども活用して、お尋ねがあった場合に的確な情報が報告できる。
 さらにまた、災害が大きくなってまいりましたときの対応でありますが、今船も全部現場に配置しておりますし、海上保安庁の船などでも、おふろに入りたい人なんかは海上保安庁の船の中でおふろを使っていただくようなことも対応いたしております。足らざるところは商船をお願いするということも考えてございます。
 また、再々こうした場で御議論になりますテクノスーパーライナー、静岡県の防災船でございますが、このとき御活躍をいただこうということで、けさ中山国土庁長官とも相談をしまして、できるだけ早い機会に静岡県の御協力をお願いして現場に急行させる。これはたしか二百五十名程度の定員でございますが、短期の輸送でございますとその三倍、七百五十名は運べるということでありますし、御承知の時速九十四キロで走るというような船ですから、相当お役に立つのではないか。
 そうして、想定できるあらゆることを対応いたしておりますし、私の所管しております北海道開発庁米田政務次官もきょうも現地に派遣をしているところでございますが、万全の体制を整えて頑張ってまいりたいと思いますので、委員長初め委員各位の一層の御指導、御協力をお願い申し上げておきたいと思います。
#14
○釜本邦茂君 これで終わります。
 ありがとうございました。
#15
○谷林正昭君 民主党・新緑風会の谷林正昭でございます。
 質問に入る前に、四月二日、突然倒れられました小渕総理が一日も早く病を克服し、再び元気な姿を国民の前にあらわされ、職務に復帰されるよう心から祈念申し上げる次第でございます。
 また昨日、保守党結成ということをマスコミを通じて聞きました。そして、きょうの新聞では自公保の連立の見通しが立った、こういうお話も聞いております。引き続き運輸大臣として運輸行政の先頭に立ち奮闘されます大臣の心中を察しながら、今後とも国民の生命と財産そして生活を守るため、ぜひ大臣には健康に留意され、有珠山噴火災害を初めとする諸課題について対処されんことを心からお願いする次第でございます。よろしくお願いをいたします。
 さて、質問に入らせていただきますけれども、この法律改正の中身は、まさに「美しい海はみんなのもの」というキャッチフレーズで海上災害防止センターがパンフレットをつくっておりますけれども、これまでの歴史や、そして将来、子、孫、そして子々孫々とこの地球を残すための非常に大きな意味を持つ法案だなというふうに思います。しかも、それが日本の法案ではなくて世界の条約の中で日本もそれに準じる、こういうような内容でございますので、ぜひ少し議論をさせていただきたいところが二、三点ございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 専門的なことでありますから、本当は政府参考人ということもあるんですけれども、私たちの党は国会活性化ということでぜひ大臣、政務次官にも勉強していただく、そして議論していただく、こういうこともありまして、政府参考人ではなくて政務次官、大臣にお願いしておるところでございますので、あしからずよろしくお願いをいたします。
 そこで、まず第一点の質問でありますけれども、今このMARPOL条約附属書Uの改正に対応する法律改正でありますけれども、まず、日本の近辺、領海でケミカルタンカーによる事故がどれだけあったのか、さらには、世界でまさに海が汚れる非常に大きな事故が、自浄が非常に難しいというような事故がどれだけあったのか、お聞かせいただきたいと思います。
#16
○政務次官(鈴木政二君) 谷林先生のおかげでしっかり勉強させていただいてありがとうございます。
 今の御質問でありますけれども、海上保安庁が過去三年間でありますけれども統計をとらせていただきました。我が国の周辺海域におきまして確認しております今御案内のケミカルタンカー、化学薬品のタンカーでありますけれども、そのうちから有害液体物質の流出事案は三年間で百五十二件、そのうち取り扱いの不注意、簡単に言いますと岸壁で作業しているときに誤って流出した部分が六件であります。そして、海難による流出事故はありませんでした。
 なお、残りの百四十六件は違法排出でありますけれども、先生御案内のように化学薬品でありますから、タンクのクリーニングを次に運ぶときにしなきゃなりませんので、そのときに故意的に洋上あたりでこれをクリーニングしておって、それを私ども運輸省の海上保安庁の検査で発見したものが百四十六件ありました。
 今お話しの世界ではどうなっているかという話でありますけれども、大変申しわけありませんけれども、今現在、世界の統計がきちんとできていないようであります、早速調べさせましたけれども。そういう集計的にはできませんので、これからは、今後国際機関を通しまして私ども運輸省としても世界の海もどんなふうになっているのかのきちっとした把握をまた要望していくつもりであります。
#17
○谷林正昭君 ぜひ世界の例を把握されながら、そして今後の万が一の場合の対処の方法だとか、化学薬品によってそれぞれ違います、多くの化学薬品がこの対象になるというふうに思いますので、単なる重油、軽油、そういうものではないというふうに思っておりますので、参考にするべきだというふうに思います。
 そこで、より具体的な中身に入らせていただきますけれども、法案を勉強させていただいたところ、有害液体汚染防止ということに関して、ケミカルタンカーに船長が管理者という人を選任して、そして運航しなければならない、こういうふうになっております。
 ところが、よくよく勉強させていただきましたところ、油濁防止のときの手順書をつくるときに、これはもう既にでき上がっておりますけれども、二百トンから百五十トンに下げた。しかし、そのときも管理者というものを二百トン以下の船にはつけなくていい、こういうふうなことになっているとお聞きしました。そして、今度またこのケミカルタンカー、百五十トンまで幅を広げたんですけれども、二百トン以上には管理者を選任しなさい、しかし百五十トンから二百トンまでの船には管理者を選任しなくてもいいというような解釈がされるわけであります。
 私はこれはおかしいなと。せっかく海を守ろうといって手引書をつくる、手引書を乗せるその対象を百五十トンまで下げながら、そこには管理者を選任しないというのはおかしいなというふうに思うわけでございまして、ぜひそこらあたりの見解をお聞かせいただきたいと思いますし、その管理者という資格というのがどういう資格で選任されるのか、これは船長が選任するということになっておると思いますけれども、そこらあたりをお聞かせいただきたいと思います。
#18
○政務次官(鈴木政二君) 今回の法律改正でありますけれども、委員御指摘のとおりMARPOL条約の改正に対応するということで、油の方はお話ありまして、基本的には流出事故時における適切な初動措置というのが今回の条約の趣旨であります。
 そういう面では、百五十トン以上の船舶は、委員おっしゃるとおり緊急措置の手引書を船内に備え置く。ただ、有害液体汚染防止管理者については、事故等の未然防止の観点から、有害液体物質の取り扱いに関する業務の管理のために選任するものであると今回お願いしておるわけでありますけれども、我が国においては有害液体物質を輸送するタンカーは、二百トン以上が今言いましたように選任の義務づけということであります。
 今回は二百トン以上から百五十トン以上に引き下げたらどうだという委員の御指摘でありますけれども、そもそも今言った条約の要件にはないわけでありますし、委員御承知のとおり、現在二百トン以上のケミカルタンカーは四百五十隻ぐらい我が国は持っております。百五十トンから二百トンあたりが九十隻ぐらいでありまして、百五十トン以下が三十隻ぐらい。簡単に言いますと、二百トン以下の船につきましては、委員御承知のとおり大変規模の小さい、特に内航の海運のタンカーの方がいらっしゃって、船長そして機関士と、大体が二人でございます。
 そういう意味におきましても、そのような措置は正直言いますと、二人ですので、大体二人で対応できるのではないか、大きい船になりますときちっとした対応もしていかなきゃなりませんけれども。今後、そういうことの法的以外の面で、委員おっしゃったように、きちっと私どもも関係者によく周知徹底をさせていただきたいなと思います。
 ですから、はっきり言いまして、現実の問題として今そういうことができるのではないかというふうに私どもは思っております。
#19
○谷林正昭君 済みません、タンカーのトン数によって乗組員の人数は基準が定められているのかどうか、ここらあたりを実は通告していたんですけれども、ほとんどのというよりも、調べたら全部満たしている、こういう回答が返ってきたんです。
 したがって、そこらあたりをもう少し聞きたかったんですが、今政務次官の答弁の中では、二百トン以下の船は二名だ、船長と機関士二名で運航していると、そうおっしゃいましたね。これはちょっとおかしいんじゃないですか。この辺をしっかりしておかないと、基本的な問題でありますから、二名でやっているから万が一の場合は船長と二人で何とかするんだというのはおかしいと思います。
 では、政府参考人でもいいですから、二百トン以下には何名乗せなければならないのか、これしっかり聞かせてください。
#20
○政務次官(鈴木政二君) 大変言葉足らずで恐縮でございました。
 簡単に言いますと、実質の責任を有する船舶職員は船長及び機関士の二名でありまして、そこにあと乗務員が普通は二人いらっしゃるということでありまして、私の言葉足らずで恐縮でございました。
#21
○谷林正昭君 四名が基準だと思います。そういったときに、万が一のときに、これは万が一のときの話でありますから、万が一のときに船長は船長の役割があるんです。そうなってきますと、残りの三人が、だれの指示でその対策をとるか。こうなってくると、必ず私たちは現場で、いつも現場の話で恐縮でございますけれども、二人以上作業するときはだれかがリーダーになって指示をする、その指示に基づいて組織的な統一的な仕事をする、こういうふうな教えをこれまで先輩の方々にしていただきました。それがまた事故を起こさない、そしてスムーズに物事を運ぶ原点だというふうに思っております。
 今の場合でいきますと、この法律案の簡易な解説書の中で、例えば参考の中に手引書の主な記載事項とありますけれども、有害液体物質流出事故時に連絡すべき当局の一覧表だとか、事故後乗船者が有害液体物質の排出を減少させ、または制御するため直ちにとるべき措置と、こういうものを記載しなきゃならぬ、記載するべきだというふうになっております。
 そうなってきますと、当然船長の役割とその他の乗組員の役割、これがしっかり、まず船長は船長の役割を果たさなきゃならぬということになれば、たとえ二百トン以下であっても、少人数であっても、当然そこに管理者を選任するべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。
#22
○政務次官(鈴木政二君) お答えさせていただきます。
 管理者の業務は、御案内のように船長を補佐して船舶から有害液体物質の不適切な排出の防止に関する業務を管理することでありまして、基本的には有害液体物質の排出の未然防止ということであります。
 今先生のお話のように、事故当時のときの初動措置というのは、有害液体汚染防止管理者のみが行うわけでなしに、やっぱり船長の指揮のもとで乗組員全員が行うものだと私どもは思っております。総トン数二百トン未満の船舶においては、その貨物である有害液体物質の量が少ないとか多いとかいう話はともかくとしましても、やはり万一の事故が発生した場合であっても、有害液体汚染防止管理者が選任されていなくとも、私どもはそういう面では適切な初動の措置が可能である、できるというふうに確信を持っております。
#23
○谷林正昭君 どうも、おっしゃっていることはわかるわけでございますけれども、私は、せっかく対象の幅をわざわざ百五十トンまでに下げるのですから、ではその下げたときに、これまでも二百トン以上は管理者を選任しなきゃならないんですね、ところが、今度はわざわざ百五十トンまで下げるのにもかかわらず管理者を選任しなくてもいい。その理由は、少人数だから船長の指揮のもとにやれるだろう、こういう考え方なんですが、私はこの際、船長は船長の役割、そして船長を補佐する管理者が万が一の場合にそれを指揮する、そして船長の補佐をするという法律に変えた方がいいと思います。ぜひそのあたりを検討いただきたいというふうに思います。
 いつまでもこの議論をしておりましてもなかなか今ここで結論が上がるとは思いませんので、次に入らさせていただきます。
 手引書の作成に当たりまして、運輸省としてその指針を示すということになっております。この条約は来年の一月一日から効力が生ずる、二年間の猶予期間がある、こういうような状況になっておりますけれども、来年の一月一日といえばもうすぐなんですね。それまでに船主の方々は、その船に合った、その積み込み貨物に合った手引書をつくらなきゃならない。そうなってくると相当な時間がかかるというふうに思いますので、いつまでにこの指針を示すのか、お聞かせいただきたいと思います。
#24
○政務次官(鈴木政二君) 御指摘のとおりだと思います。船舶所有者が早期に適切な手引書を作成するためには、具体的に言いますと通報の手続だとか排出削減または制御する手続などの措置を可能な限り委員おっしゃったように示すことが大変私どもも重要だと思っております。
 したがいまして、今回の法案が皆様方に御可決いただくならば、こうした内容を規定する関係省令を可能な限り早くしたい。今御案内のように、遅くとも法案成立後六カ月以内には公布できるように頑張ってみる所存でございます。
#25
○谷林正昭君 ぜひお願いしたいというふうに思います。
 次に、法律を勉強しておりましたら、法律用語の中で、「有害液体物質の不適正な排出」があるとき、こういう言葉が使ってあります。
 この「不適正な排出」というのはどのようなことを想定されるのか。私の想定した限りではすごくたくさんあると思うんです。過ってバルブを開閉したり、あるいは台風で船がどうにかなったり、あるいは思いも寄らないモーターボートが突っ込んできたり、いろんなことがあって化学薬品が海に漏れる。いろんなことが想定されるわけでありますけれども、その不適正な排出によって、そのケースごとに手引書というのは当然違ってくる、こういうふうに私は今思っているんですけれども、そこらあたり、その不適正な排出という技術的なものはどういうことなのか。
 もう一つ先に進ませていただきますけれども、この手引書というのは紙に書いて船に乗せておけばいいということではなくて、法律にもありますように、それを乗組員に周知させなければならないという義務が生じてまいります。
 この周知というのはどの範囲を示すのか。私が勉強した限りでは、周知というのは、その手引書に基づいて万が一の場合を想定した実務訓練、機材器具の使い方、こういうことをしっかり事前に乗組員に周知させる。ただ文章を暗記させるのではなくて、その機材器具の使い方や、そしてそれを使った訓練、こういうものを定期的に行って万が一に備えるというのが私は周知だというふうに思います。
 したがいまして、質問は二点にわたるわけでございますが、不適正な排出という技術的な位置づけ、そしてそれに伴ういろいろなケースによる手引書の作成の仕方といいますか作成方、そしてそれに基づくそういう訓練というのはどこまでやるのか、そして周知というのはどういう方法で行うのか、その辺を少し聞かせていただきたいなというふうに思います。
#26
○政務次官(鈴木政二君) おっしゃるとおり、不適切というのは一体何だという話、これは漏れてしまうというのが不適切でありますけれども、いろんなケース、委員のおっしゃるとおりだと思うんです。
 大ざっぱに言えば、船の衝突だとか座礁、その他海難による排出、これは一つの外的な要因でぶつかること、それから委員おっしゃいましたように、貨物の取り扱いのときにバルブが、忘れたとか失敗したとかいう作業的な重大な誤りで漏れること、大体大ざっぱに言うとその二点だと思われます。そのようなものを頭に描きながら、有害液体汚染防止緊急措置手引書、これらをケースごとに措置の手順を定めることが、私も委員のおっしゃるとおりだと思っております。そうした排出した場合に、やはり海上保安機構等への通報も当然ながら必要でありますし、手引書には今言ったケースごとの手順を、やっぱり通報の形もしていくべきだと思います。あらゆる想定をしまして、きちっとしたケースごとにやるべきだと思います。
 御案内のように、ケミカルタンカー、いろんな薬品の種類がありますけれども、五百六十三種類あるそうであります。キシレンとかベンゼンとか、私も余りよく詳しいことはわかりませんけれども、スチレンとかそういうたぐいのもので五百六十三種類ありますので、いろんな用途関係、火薬だとかまた合成樹脂だとかいろんなものがありますので、それらもあわせてやっぱりケースごとにすべきだと思っております。
 参考までになんですけれども、これは油のときの手引書でありますけれども、こういう形でキャビンかどこかに置くか何かして、きちっとわかるようにする。(資料を示す)この手引書がこういう形でございます、委員御案内のとおりでありますけれども。
 そういう面で、もう一つ、今言った訓練とかをどうしたらいいか、こういうのは周知徹底すべきじゃないか、当然だと思います。乗組員の講義等をきちっとやるように運輸省としてもきちっとした指導をしていきたいと思っております。
#27
○谷林正昭君 そんな分厚いものですから、これはなかなか頭で覚えるというのは無理だと思います。やっぱり体で覚えるというのが万が一の場合の最高の意義になってくるというふうに思いますので、ぜひそのように徹底をお願いしたいなというふうに思います。
 次に、海上災害防止センターの情報公開がこの法律でされるということになりました。まさに、果たしてきた役割、あるいは二十一世紀に向けての海洋環境を守るという大変大きな仕事もあります。このパンフレット、一部だけを見させていただいても、なかなか日常的に大変な御苦労をなさっているなというふうに思うわけでございます。
 具体的な例といたしまして、あのナホトカ号が真っ二つに船体が折れ、そして重油が流出する、それが風によって日本海沿岸に流れ着く。私も三日間寒風の中でボランティアに行ってきました。もうどろどろになって、ヘドロになって、もうこんな海が再生するのかというふうに思いながらも、ひしゃくで少しずつその油をかき集めて、そしてドラム缶に移してそのドラム缶を運ぶ、そういうのを実は三日間行ってまいりました。富山県は来なかったんですけれども、私は石川県と福井県へ行ってきました。
 そういうようなこともありまして、あのナホトカ号の流出事故で果たした役割、この海上災害防止センターがどういう役割を果たして、どこまで頑張ったか、こういうことを具体的に聞かせていただければより一層この海上災害防止センターの役割の重要性が国民にわかるというふうに思いますので、お聞かせいただきたいと思います。
#28
○政務次官(鈴木政二君) きょうも委員を初めたくさんの皆さん方が、日本海側の選出の先生方もたくさんいらっしゃって、ちょうど思い起こしますと三年前であります、平成九年の一月二日だったと思いますけれども、大変な事故で、委員の先生方も、地元のこと、また近隣の県のことで御苦労されたという話を承知しております。
 今先生のおっしゃるように、海上災害防止センターというのは意外とそのときでも名前は余り知られませんでした。しかし、委員おっしゃるように大変な活躍をしていただきました。
 これは許可法人でありますけれども、具体的に言いますと、海上での油回収船、そして油回収の装置、そしてガット船等を使用して浮いていた浮油を回収した。そして、陸上からも強力なバキュームカーみたいなもので吸いまして、そしてコンクリートポンプ車等を使用してあの漂着油の回収もさせていただきました。そして、福井県の三国町沖に漂着しましたナホトカ号の船首に残留する油の回収等も、実は急遽道路をつくりまして、道路からトラックで行って、そこで回収をしたという実績をさせていただきました。
 そして、今お話しのように、自治体の皆さんやボランティアの皆さん方が回収した油の処理も十分やらせていただきました。特に自治体やボランティアの人たちの回収した油、そしてこの回収した油は、御存じのように油ですから今度処理に非常に困るので、産業廃棄物といたしまして、日本海側のそういう処理場とか、ちょっと足りませんでしたので中部圏や、遠くは四国まで行きまして、この油等のものを焼却させていただいた。
 そうした活躍でありまして、一般的には余り有名にはなりませんでしたけれども、実質大変な御活躍をいただいたことを報告させていただきます。
#29
○谷林正昭君 ありがとうございました。
 そういう意味で、私も海上災害防止センターという名前がほとんど出てこなかったというふうに思います。そういう意味で、こういうところが一生懸命日常頑張っているということも、私も正直言って今この法律改正の中で勉強させていただきましたので一言申し上げさせていただきました。これからもこのセンターについては頑張っていただきたいなというふうに思います。
 最後の質問になりますけれども、幾つか質問申し上げましたが、やっぱり将来にわたってきれいな海を残すというのは我々人類に課せられた大きな使命だというふうに思っております。そういう意味では、日本は日本の役割をきっちり果たす、そして世界の先頭になって、きれいな海を守ろうというその先頭に立つ、こういう心構えが大事ではないかというふうに思います。
 そこで、海洋汚染防止、環境保全、そして海上災害の撲滅に向けて、ぜひ運輸大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
 昔からの言葉に、仏つくって魂入れずという言葉がございます。まさにこの法律はそういう意味では魂を入れなかったら何にもならない、こういうふうに思いますので、最後に大臣の運輸省としての御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(二階俊博君) 谷林委員から、いつも運輸行政につきまして、現場の状況等を踏まえて適切な御質問や御指導をいただいておるわけでありますが、先ほども美しい海はみんなのものだということにつきまして力を込めてお話をいただきましたが、私どもはその感覚でもって対応してまいりたいと思っております。
 四方海に恵まれております我が国が海洋汚染防止対策に取り組むことは極めて当然のことでありますが、将来の世代にすばらしい環境を継承していく点からも重要な仕事であるというふうに認識をいたしておるところでございます。
 海洋汚染防止、海洋環境保全につきましては、海洋汚染防止法に基づく油、有害液体物質及び廃棄物の排出規制、海上保安庁による監視、取り締まり等に引き続き取り組むことにより、これらに対して十分責任を果たしてまいりたいと考えておるところであります。
 海上災害の撲滅につきましては、ナホトカ号による油流出事故の教訓、まずはその反省に立って、引き続き防除体制の強化に取り組んでまいりたいと思っております。
 先ほども答弁申し上げましたが、これらにつきまして最近関係者の皆さんの大変御協力をいただきまして、外国船舶の監督強化のために全国に外国船舶監督官を六十四名にふやして対応を強化いたしておるところでございます。
 また、荒天の場合の能力の高い大型油回収船、しかも足の速い船が必要だということを常々国民の皆さんからも御指摘を受けておるところでありまして、ただいま大型しゅんせつ兼油回収船二隻等の資機材の整備に三年間で約百億円の予算を投入して対応しようとしておるところでございます。
 また、国際協力体制の整備のために、私どもは北西太平洋地域海行動計画における本部事務局を我が国に、特に富山県に誘致をすることの準備に予算を計上し、懸命の外交努力をいたしているところでございます。
#31
○谷林正昭君 終わります。
 ありがとうございました。
#32
○弘友和夫君 公明党・改革クラブの弘友和夫でございます。
 先日来からさまざまな出来事が起きまして、大臣も本当に心労を尽くされていることと思いますけれども、健康に御留意されて頑張っていただきたい。
 しかしながら、法案の審議は、病床にある小渕総理の国家、国民のためにこれを推進していくという強い意思だと思いますので、粛々と審議をさせていただきたい。そしてまた、先ほど戸田先生も、どういう事態が起ころうともどういう立場になろうとも法案審議はがっちりやるんだ、こういうお話がございましたので、十五分程度でございますのでやらせていただきたい。
 先ほど釜本先生からも御質問ございましたけれども、船底塗料の有機すず化合物の使用禁止の問題でございますが、これは御答弁にありましたように平成二年から日本では自粛されている。そして、平成九年からはもう製造を中止している。二〇〇八年一月一日より、それを塗った船は航行禁止だ、こういうことになっておりまして、そういう全面禁止の方向にあるわけですけれども、条約の発効まで十五カ国の賛成が必要だと、これに対してバハマだとかリベリア等はまだ反対の意向を表明されている。
 非常に紆余曲折が予想されているわけでございますが、これは国内ではもう既に製造も禁止しているわけですけれども、日本の国内だけでやっていたんでは、海はつながっているわけでございますので効果が余りないということで、周辺の近隣諸国への早期使用廃絶の働きかけというのが必要だと思いますけれども、それに対して具体的にどう取り組まれているのか、お伺いします。
#33
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおりでありまして、この問題は日本だけで自主規制をしてもなかなか効果が上がりません。
 我が国は、御指摘のとおり平成二年から日本の造船業でこの塗料を使うことを禁止といいますか自主規制をいたしました。そのときに何が起こったかといいますと、日本の造船業で修繕をしなくなってしまいました。そして、規制をしていない国に船がすべて流れまして、日本の造船業は仕事をたくさんなくしたわけです。
 ただ、その中でも、やはり環境の問題の方が非常に大事だということで、造船業は歯を食いしばって頑張ってまいりました。そして我々は、やはり先生の御指摘どおり、これは世界全体で取り組まなければ効果が上がりませんので、そのための努力を続けてまいりまして、ようやく、これも先ほど御指摘のとおり、条約採択の見込みまでこぎつけたわけでございます。
 世界の船を自由に航行させることについては海洋法の基本原則として認められておりますので、国際的な規制がない限りなかなか一国で入港規制をしていくというのは難しゅうございます。したがって、我々としてはこの条約が一日も早く発効するように努力するとともに、これを先取りするような形で何とか世界で実行できないか、そういう働きかけもIMOの場でしていきたい、こういうふうに考えております。
#34
○弘友和夫君 条約ですから、それぞれの国が批准しなければ効果がない。しかし、それを待っていたのではなかなか難しい。
 これは素人考えですけれども、条約が発効すれば日本に入ってくる船に対してそういう証明書等も見せろと、こういうことができます。だけれども、それまでに、私は核じゃありませんけれども、つくらず持たず持ち込ませずというか、せめて日本の国に入る船はそういう有機すず化合物を使っていないという何かそういう証明書、そうじゃないと日本に入れさせませんよと。これは独自で何かそういうことはできないのかどうかということをお聞きしたいと思います。
#35
○政府参考人(谷野龍一郎君) 我が国独自の入港規制の問題については余り多くの例がございませんで、この問題についても、規制した場合にどんな影響がいわゆる輸出入の貨物輸送について出るか慎重に検討しなければいけないと思いますが、先ほどちょっと条約の発効まで待たないでそれを先取りする形でと申し上げましたのは、国際条約の中でなかなか発効しない条約というのはたくさんございます。
 ただ、そういったものについても、非常に重要なものについては例えば総会決議を提案して主要国が先取りをするとかそういった手法もございますので、先生の御理解をいただいて、我々としては何とか国際的な枠組みの中で一日も早く実行に着手するように努力をさせていただきたいと考えております。
#36
○弘友和夫君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 それと、海洋汚染の大きなまた原因の一つとして、近年バラスト水排水の問題というのが起きております。
 これは、ヨーロッパで積んだバラスト水で、米国の五大湖だとかそういうところで積んでいったムラサキガイが大量発生したとか、また、今までは北米大陸の沿岸だとか日本などに限られていた麻痺性の貝の毒が、今度は東南アジアとかオーストラリア、ここでまた非常に爆発的拡大をしているということで、バラスト水がこれは原因だと、こういうふうに言われているわけでございますけれども、何らかのやはり国際的な対策というのを講じる段階に来ているんじゃないか。
 海洋環境保護委員会、MEPCでは、排水規制についてオーストラリアとかアメリカが規制強化を提案して、この会議は規制案のたたき台に合意した、こういうふうに報じられておりますけれども、全体的な取り組み、そして我が国の取り組みについてお答えいただきたいと思います。
#37
○政府参考人(羽生次郎君) 先生の御指摘のとおり、船舶のバラスト水の自然環境、生態系への悪影響が国際的にも指摘されているところでございまして、何らかの規制が必要だと私どもも考えております。
 具体的に申し上げますと、御指摘になったようにアメリカの例あるいはオーストラリアの例がございまして、特に日本のごとくその貿易構造から、行きは空荷でバラスト水を積んでいって外国で排出をするような国、これは当然こういう措置をとっていかなければならないと考えております。
 それで、これに対応するために、現在、先生御指摘の国際海事機関のMEPCにおいて、バラスト水が国境を越えて移動する場合、この場合をどうコントロールするかという方法、それからバラスト水中の有害海洋性生物をどう殺していくか、これの方法等を盛り込んだ国際条約について検討が行われております。
 我が国も、当然このバラスト水問題、今申し上げたようなところから積極的に対応が必要でございますし、その際に、バラスト水というのは安全性を担保するために積むものでございますから、環境問題と安全問題、同時にクリアしなければならないわけでございます。その辺も考慮して具体的な提案をIMOに対してやっております。
 我が国の提案といいますのは、バラスト水管理計画を中心としたものでございまして、一定の規制水域を航行しようとする船舶はバラスト水管理計画を搭載するという内容でございます。これと、我が国の案のほかにも、先生が今御指摘になったアメリカの案あるいはノルウェーの案が出ておりますが、私どもといたしましては、関係各国とよく協調しながら、このバラスト水に関する国際的な条約が一日も早くできるようにIMOの場で積極的に行動していきたいと考えております。
#38
○弘友和夫君 次に、老朽船舶のスクラップについてお聞きしようと思いましたけれども、時間の関係等もありまして、これは外務省、バーゼル条約等の関係がございますのでちょっと省略をさせていただきたいと思います。
 次は、これは本法案にも関係がございますけれども、有害物質の流出事故に対処する国家的緊急時計画というのが、IMOで緊急計画の策定を加盟国に義務づける議定書が採択されたわけでございますけれども、これに対応して環境庁、海上保安庁を中心として計画の策定作業に入るという、こういう報道もなされておりますけれども、これの見通しについてお伺いしたいと思います。
#39
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のIMOの議定書でございますけれども、これは本年三月に採択されております。これは新たに採択されましてOPRC・HNS議定書と言われておりますけれども、私ども海上保安庁といたしましては、OPRC条約、この条約の締約国の本議定書に対する締結等の動向等も踏まえつつ、危険物質及び有害物質の流出事故に対処するための国家的緊急時計画、これは先生が御指摘でございますが、この策定に向けて環境庁等関係省庁とも連携しつつ積極的に対応してまいりたい、このように思っております。
#40
○弘友和夫君 これについては、採択されたけれどもまだ全体の準備が整っていないのでそれを見ながらというようなお話もありましたけれども、ぜひ率先して日本がこれはリードしていくという形でやっていただきたいなと、こういうふうに思います。
 もう一つは海賊対策についてでございますけれども、これはマラッカ海峡で日本船舶の海賊襲撃事件というのが発生しておりまして、大変な被害といいますか、こういうのが今どき起こるのかなというように思っているわけですけれども、日本は昔、倭寇ということで向こうに進出をしてやっておったようなことですけれども、今は非常にこういう被害が多い。
 これは非常に対策が難しい部分はあると思いますけれども、先日、海賊対策の国際会議というのも日本で大臣も出席されて行われておるようで、またもう一回四月にも行われると聞いておりますけれども、これに対する取り組みについてお伺いしたいと思います。
#41
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 近年、特に東南アジアにおきまして日本関係船舶に対する海賊事件が多発しているという状況がございます。これを踏まえまして、昨年の七月に運輸省が中心となりまして、海上保安庁、外務省、それから船主協会など民間の方も含めまして官民関係者で対策検討会議をつくりまして、沿岸国政府に対する警備強化の要請とかあるいは船会社自身の自衛策の強化といったことで、官民一体となって対策を実施してきているところでございます。
 このような中、昨年の十一月にフィリピンで開催されました日本とASEANの首脳会議におきまして、小渕首相がこの問題に対する関係国家の連携強化のために沿岸警備機関等の関係者による国際会議の開催を提案いたしまして、皆さんの御賛同を得ました。今月末にも同会議を開催すべく準備をしていまして、先月には海事政策当局あるいは海上警備機関、それから船主協会等の関係者による準備会合を開催いたしております。
 これまでの準備会合では、各国の機関等が海賊問題につきまして危機意識を共有いたしまして、それぞれの立場と果たすべき責任をお互いに理解した上で国際的に連携して対策を実施していくことが必要であるといった認識を共有いたしているところでございます。
 具体的には、関係各国の各機関が相互に直接コンタクトがとれる情報連絡体制の確立とか、特に問題になっております国際的なシージャック事件、これを念頭に置いた対策の実施などにつきまして認識を共有いたしております。これらをベースにしまして、今月末の本会合でさらにハイレベルで検討いたしまして対策を実施してまいりたいと考えているところでございます。
#42
○弘友和夫君 これはASEANで小渕総理が提案したわけでございますので、ぜひリーダーシップをとってやっていただきたいと思います。
 短時間でありましたけれども、今までのこういう海洋汚染の防止だとかまた海上災害についてどう取り組んでいくのか、大臣の御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#43
○国務大臣(二階俊博君) 海洋汚染及び海上災害の防止につきまして先ほどから弘友委員から御指摘がございましたが、私たち、国際社会において海洋環境を大きく変化させる、いわゆる影響する事項につきまして国際的な対応をしてまいらなくてはならないと思っておりますが、現在まで各国で大きな事故等が発生をいたしておりますので、それらに対して国内的に目下各般の対策を講じてまいっておりますが、私どもも決意を新たにして海洋環境の保全に取り組むということに特に力を入れてまいりたいと思っております。
#44
○宮本岳志君 総理が大変なときですからしっかり行政をチェックしてまいりたいというふうに思っております。
 今回の法改正で有害液体物質の流出に備えた緊急のマニュアルを船に常備させると、これはむしろ当然のことだと思います。問題は、万が一の事態において適切な対応をするための平常からの備えが事業者の側、行政の側でしっかりとできているのかどうかという点だと思うんです。
 そこでまずお伺いしますけれども、本法案の対象となるケミカルタンカーで実際に運ばれている液体物質にどのようなものがあるか、上位十品目まで答えてください。
#45
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 上位十品目ということでございますので、順番にケミカルタンカーで運ばれております液体物質について述べさせていただきます。
 第一位がキシレンでございます。第二位がベンゼン、第三位がスチレン、第四位がメタノール、第五位がトルエン、第六位がシクロヘキサノン、第七位がアクリロニトリル、第八位がコールタール、第九位が1・2ジクロロエタン、第十位がクレオソートでございます。
 これらは全国内航タンカー海運組合の調べに基づく数字でございまして、総量で千六百七十万トン、上位十品目のトータルがその約半分に当たる八百五十九万トンでございます。
#46
○宮本岳志君 それらの化学物質の性質に応じた事故処理体制はどのようになっているか、端的にお答えください、海上保安庁。
#47
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 海上保安庁では、こういった化学物質を積載しております船舶からの流出事故が発生しました場合には、海上災害防止センターが取りまとめておりますが、各種有害液体物質の特性及び防除手法等を取りまとめました有害液体物質データシートがございますが、これに基づきまして防除処理に当たっております。
#48
○宮本岳志君 ケミカルタンカーの積み荷の大半というのは、運輸省のおっしゃる白物、つまり揮発性の高い石油類だと思っておりました。ところが、よく調べてみますと、先ほどお話がありましたように輸送実績の七位、八位のあたりから少し様子の違う物質が出てまいります。
 第九位の1・2ジクロロエタンは有機塩素化合物ですけれども、今答弁されたデータシートではどのような処理方法になっておりますか。
#49
○政府参考人(長光正純君) ジクロロエタンにつきましては、流出した場合には危険区域をまず設定いたしまして、自然拡散させることを基本に処理を行うこととなっております。
#50
○宮本岳志君 環境庁にお伺いをいたします。
 大気中及び海水中の1・2ジクロロエタンの環境基準について、どういう取り扱いになっておりますか。
#51
○政府参考人(廣瀬省君) お答えいたします。
 ジクロロエタンのうち1・2ジクロロエタンは、国際がん研究機関によって発がんの可能性があるとされるなど、人への健康影響が懸念されている物質でございます。
 環境庁においては、水質について1・2ジクロロエタンの環境基準を〇・〇〇四ミリグラム・パー・リッター以下と設定しております。また、大気については、有害大気汚染物質に該当する可能性がある二百三十四物質のうち二十二の健康リスクがある程度高いと考えられる優先取り組み物質の一つとしており、環境基準の設定も視野に入れて科学的知見の充実を図っているところでございます。
#52
○宮本岳志君 まだ基準はできておらないということだと思うんですが、少なくとも健康へのリスクが高いという認識は持っておられるわけであります。
 何か参考になるものはないかと探してみましたら、地下水の環境基準、この中に1・2ジクロロエタンというものがございます。この基準を見ますと一リットル当たり〇・〇〇四ミリグラム以下、この基準は鉛や六価クロムよりも厳しく、水銀やPCBよりは緩やかという水準の基準になっております。
 有機塩素類というのは、単純な石油類と違って、海産物の食物連鎖の中で濃縮されるという危険がある。まさにダイオキシン、ジベンゾパラジオキシンというのも有機塩素系の化合物ですけれども、それを海に沈めて事足れりという対処でいいのかどうか、これは真剣な検討が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○政府参考人(長光正純君) このジクロロエタンにつきましては、三日程度で拡散溶解していくという性状を持っておりまして、基本的にはその間に当該危険区域に立ち入らないという措置をとりつつ対処していくということになっております。
#54
○宮本岳志君 専門的に立ち入った話になるんですけれども、私どもが少し調べてみましたら、この1・2ジクロロエタンというものの物理化学的特性は水に難溶である、溶けにくいというふうに、これは化学的な本でも書いてあるというふうに思うので、ぜひこれの検討も改めてしていただいて、対処法に万全を期していただきたいというふうに思っております。
 時間がございませんので、第七位のアクリロニトリルについてどのような処理方法になっているか。
#55
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 アクリロニトリルにつきましても、同じく流出した場合に、まずは危険区域を設定していくということでございまして、それと同時に自然拡散させることを基本といたしまして、状況に応じてはいわゆる油ゲル化剤を使った回収ということを行う場合もございます。
#56
○宮本岳志君 これも有機有毒物質ということですけれども、年間五十一万九千トン船舶輸送されております。
 そこでお伺いしたいんですが、このマニュアルで作業する現場の職員にはアクリロニトリルの有害性や危険性についての認識が徹底されているかどうか、また、これを積む船にはその旨が目立つように表示されているかどうか、これをひとつ御答弁いただきたいと思います。
#57
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 私ども職員の日ごろの教育といいますか、この有害性の認識等の徹底でございますが、これにつきましては、アクリロニトリルのみならず、日ごろから有害危険物質に関しまして基礎知識の向上を図るように努めるとともに、計画的に防護資機材あるいは検知器等の取り扱い、慣熟訓練等を実施するよう通達し、これを現に行っているところでございます。
 アクリロニトリルの防除作業に当たりましても、現場では先ほども申し上げました有害液体物質データシート、こういったものを参考にし、引火性でありますとか爆発性あるいは有毒性、こういったものがございますので、これを考慮しつつ保護具を着用する等適切に対応するという体制をとっております。
 なお、輸送する船舶等の表示はどうかというお尋ねでございますが、これは、アクリロニトリルを運ぶ船舶につきましては、危険物船舶運送及び貯蔵規則、この規則上の引火性液体類になっておりまして、これを積載する船舶には、この規則によりまして、昼間は赤い旗、それから夜間は赤い灯、これをマストその他の見やすい場所に掲げなければならないということになっております。
 また、船舶交通の特にふくそういたします海域に適用されております海上交通安全法上では、いわゆる旗の信号でございますが、旗旒信号の掲揚でありますとか紅色の閃光灯の点灯、こういったものを義務づけておるところでございます。
#58
○宮本岳志君 極めて有害で危険な物質だと思うんですね。発がん性についても、例えば日本産業衛生学会の発がん性評価では人に対して発がん性があると考えられる物質、こうなっております。まとまった量が流出した場合に、大気中にまき散らすわけにいかないと思うんです。油ゲル化剤で処理をするということがどうしても必要だと私は思います。
 ゲル化剤というのは、処理に当たるすべての船に積み込まれておりますか。
#59
○政府参考人(長光正純君) 私どもの現在こういった事故に際して対応に当たります巡視船艇には搭載しておりません。
#60
○宮本岳志君 これをやはり常備するということが大切だと思うんですけれども、海上保安庁が備えつけている、現状での油処理剤というのを持っておられると思うんですが、これと同じ量の油ゲル化剤を備えつけるとした場合、その金額はいかほどになるかお答えください。
#61
○政府参考人(長光正純君) お尋ねの油処理剤の量、これは現在私ども海上保安庁で約二百キロリットル備え置きをしておりますけれども、これと同量ということになると、これはゲル化剤の単価に掛け算をして出てくるのでございますが、その金額は約三億三千万円ということになろうかと思います。
#62
○宮本岳志君 そもそもこういう危険な物質を船に積んでいいのかという問題もあるんでしょうけれども、行政としてそれを容認するというのであれば、万一のときの防災の体制は万全でなければならない、これはもう当然のことだと思います。油ゲル化剤を常備する経費等、最大限見積もっても三億三千万ということですので、ぜひ予算という点でもきちっと確保して、国民の安全と海洋の環境を本当に守るという観点で見直すべき点は見直していっていただきたいというふうに思います。
 次に、黒物と呼ばれる原油、重油などの大型タンカーの流出油事故対策についてお伺いしたいと思います。
 ナホトカ号事故の前と後で海上防災関係予算の総額はどのようになっているか、海上保安庁お願いいたします。
#63
○政府参考人(長光正純君) 海上保安庁の防災関係の予算でございますけれども、ナホトカ号事故等の教訓、これを踏まえまして、大規模流出油事故に対応するための必要な防除資機材、これを整備すべく予算要求を行ってまいっております。
 ちなみに平成八年度、これはナホトカ号以前でございますが、この段階での防災関係予算が約七千七百万円でございました。ナホトカ号事故後、平成九年度の予算になりますけれども、これが約六億九千百万円ということで大幅な増額をしていただいたところであります。
#64
○宮本岳志君 十分な額と言えるかどうかというのはあれでしょうけれども、ふえたことは大変評価をしたいと思っております。
 十六管区ごとの排出油防除計画に基づく原油防除能力の資料というのをいただきました。この間の国会での議論を踏まえて目標の水準をクリアするところがふえてきております。しかし、四つの管区ではまだ未達成であり、引き続き努力が必要だというふうに思うんです。
 この資料にある原油防除能力には、港湾局の清掃兼油回収船の能力は含まれているのか、そしてそれは何隻かお答えください。
#65
○政府参考人(長光正純君) 原油防除能力の対象でございますけれども、港湾建設局の方で所管されております清掃兼油回収船、これを含んでおります。七隻でございます。
#66
○宮本岳志君 その清掃兼油回収船七隻のうち、既に耐用年数を経過しているのは何隻ありますか。
#67
○政府参考人(川嶋康宏君) 港湾建設局で所有をしております清掃兼油回収船の七隻のうち、関門航路に配備をしております「こうのしま」につきましては、本年三月に代替建造が完了いたしましたので、現状で船齢二十年を超えております船は五隻でございます。
 これらの船につきましては、適切に維持補修をしながら作業に当たらせておりますけれども、その中で特に老朽化の激しい京浜港におります第二蒼海につきましては、平成十一年度の補正予算により代替建造をお認めいただいておりますので、平成十三年三月に完成させるように今努力をしているところでございます。
#68
○宮本岳志君 今お答えにあったように、七隻中五隻が耐用年数を超えていると。防除能力が向上しているといっても実態はこういうことなんですね。本当に真剣に流出に対処しようとしているのかということが本当に問われる、姿勢が疑われかねない事態だと思います。
 清掃が本務だといっても、現に一九九七年七月のダイヤモンドグレース号の事故では大きな役割をこの船が果たしたわけであります。乗組員もそういう使命感を持って働いておられるというふうに思うんです。この人たちの熱意を生かすためにも、いつまでも古くなった船でお茶を濁すということではなくて、人員もふさわしい配置をし、そして船もぜひとも新しくしていく。そうでなければ、原油防除能力も本当に絵にかいたもちになってしまうというふうにも思います。
 以上、政府の海洋環境保全の体制に多くの不備があることを指摘したいと思うんですが、こうした点の改善、関係予算の大幅な拡充を求めて私の質問を終わります。
#69
○渕上貞雄君 大臣、連日の激務、大変御苦労さまでございます。
 大臣の激務に耐える体力をつくるためには、一つはストレスをためない、二つ目にはくよくよしない、三つ目には深刻なことはすぐ忘れる、そういうふうなことが秘訣だというふうに言われておりますが、どうか健康に注意して頑張っていただきたいと思います。
 そこで、質問に入りますが、海洋汚染防止の取り組みと今後の対策についてお伺いをいたします。
 近年、海上災害で、新しいところはナホトカの重油流出事故がございますけれども、その後もいわゆる周辺海域において海洋汚染事故が毎年発生をしております。平成十一年度を見ても、確認された油汚染は三百三十九件であり、そのうち約七六%は船舶からの排出が原因とされていると報告をされています。しかも、排出源が明らかになったもののうち約二三%が取り扱い不注意が原因であったとあります。事故後の緊急措置手引書の充実はもとより、事故原因の除去のための取り組みが重要と考えます。
 海洋汚染防止のための監視、指導、取り締まりにおけるこれまでの取り組みと今後の対策についてお伺いいたします。
#70
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 海洋における油の汚染流出事故、これがなかなか減っていないというのも事実でございまして、私どもといたしましては、まず指導啓発という面では、訪船指導、また海洋環境保全講習会、こういったものを開催いたしまして、海事関係者あるいは漁業関係者に対する環境保全のための指導啓発を行ってきているところでございます。
 また、こういった指導啓発とあわせまして、いわゆる取り締まりといった面におきましては、海洋汚染の発生する可能性の高い海域へ巡視船艇あるいは航空機を重点的に配備し、さらには海空から監視の行いにくい沿岸部におきましては陸上からの監視、こういったものを合わせまして、さらに入港船舶に対しましては立入検査、こういったものを行って、海陸空一体となった海洋汚染の監視、取り締まりを実施しているところでございます。
 今後とも、こういった点につきまして、やはり地道にこれを行っていくということがまず肝要であろうかと思っておりますが、海事関係者等に対しましてよりきめ細かく、実態の分析をも踏まえた指導啓発を継続してまいりたい、さらには関係省庁及び関係機関との連携をより一層深めまして、取り締まりの強化を図っていきたいというふうに考えております。
#71
○渕上貞雄君 国際協力による海洋環境保全の取り組みについてお伺いをいたします。
 海洋環境の保全は、先ほどの質問にありましたように一国だけでは大変無理があるということはわかりましたけれども、やはり沿岸諸国を初め地球的規模での取り組みが求められております。
 我が国として国際協力による海洋環境保全の取り組み状況と今後の課題についてお尋ねいたします。
#72
○政府参考人(羽生次郎君) ただいま先生御指摘になったように、沿岸諸国が一体となって国際協力を行うことが何よりも重要かと考えております。
 具体的に申し上げますと、地中海だとか日本海だとかいうような陸に囲まれた海、こういったものについてはどうしても沿岸国の協力が不可欠になるわけでございます。これにつきまして、国連環境計画、UNEPが現在、地域海計画というのを世界の各地においてつくっております。
 我が国を中心とした地域、日本海でいきますと、中国、韓国、ロシア、我が国をメンバーとする北西太平洋地域海行動計画、NOWPAPというものが策定されております。そして、ここで大規模汚染が起きたときに海洋関係各国が海洋汚染事故に対応する協力体制を行うこととしております。
 具体的には、各国の油防除機材、漂流予測等を行うのに関する情報交換、そして、それによります油防除ネットワークの構成、それから具体的な対応を定めるための緊急対応計画、こういったものの内容を取り決めることとなっております。
 現在、このNOWPAPに我が国も全面的に協力しているわけでございますが、重要なことが二つあると考えております。
 一つは、何よりもこのNOWPAPの早期発効、早期実施でございまして、ことしの秋、十一月だと思いましたが、日本で会議がございますので、その折に関係国の合意を得て、このNOWPAPの実施体制をつくる合意を得たいと思っております。
 それから第二の点は、大臣からもお話ししているとおり、この本部というのを何としても日本の富山に誘致いたしまして、効率的なNOWPAPの経営ができるようにということを考えております。
 この二つを当面の重点事項と置きまして、ますますこの海洋環境保全のための国際協力について取り組みを強めてまいりたいと考えております。
#73
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 次に、海洋環境保護委員会への対応についてお伺いいたします。
 本法律案のもととなったMARPOL73/78条約の附属書Uの改正の背景と、海洋環境保護委員会に我が国がどのような対応をとってきたのかお尋ねをいたします。
#74
○政府参考人(羽生次郎君) お答えいたします。
 このMARPOL条約でございますが、附属書Tというのが油に関する規制を、附属書Uはばら積みで輸送される有害液体物質に関する規制を定めております。
 基本的には油に関する規制も有害物質に関する規制も同様でございますが、やはり油というのがどうしても件数も多いし被害も多いということから、油に関する規制というのがかなり整備されまして、このマニュアルというのも、先に附属書T、油に関する規制に出てまいりました。それで、附属書Uについてはマニュアルを整備するという規制はございませんでした。
 しかしながら、国際的な対応といたしまして、その後、有害液体物質というのも各国がいろいろ協力する対象とすべきでないかという声が出てまいりまして、この有害液体物質というものも各国が協力してこれの汚染を防ぐというものの対象にするという傾向が出てまいりまして、これが国際的に一つの合意としてことしの三月採択されております。
 これによりまして、我々としても早急にこれに対応するという意味から、このIMOの海洋環境保護委員会においてマニュアルの整備を附属書Uについても行うという動きが出てまいりまして、我が国としてもこれについて積極的に対応して、これを賛成し実現すべきという立場を貫いてまいりました。その結果、昨年七月に、第四十三回の海洋環境保護委員会においてこのマニュアルを整備するという附属書Uの改正が採択されたわけでございます。
 これを今般、我が国も国内法の手当てをしてこれに参加したいと、こういうことを考えて、今審議をお願いしている次第でございます。
#75
○渕上貞雄君 次に、海上災害防止センターの職員の問題についてお伺いいたしますが、現在職員数は三十三名と伺っております。どのような基地管理をされているのか、お伺いいたします。
#76
○政府参考人(長光正純君) お答え申し上げます。
 海上災害防止センターでございますけれども、先生御指摘のとおり三十三名の人員でやっておりますが、全国で三十三カ所の港湾にオイルフェンスあるいは油処理剤等の防除資材、これを備えた排出油防除資材備えつけ基地、こういうものを設置しているところでございます。
 このセンターでは、この備えつけ基地につきまして、それぞれ地元のいわゆる防災事業に当たられる方々、防災事業者の方々にその管理を委託し、油排出事故に適切に備えることにしているところでございます。
#77
○渕上貞雄君 最後の質問になりますけれども、コンテナ貨物の安全確保の問題についてお伺いいたします。
 最近、産業廃棄物が国外に運ばれるということでちょっと話題になったところでありますけれども、コンテナの中身はチェックすることができない。書類などのものではわかるわけでありますけれども、中身についてはわからない。したがって、一度税関によって封印されたものは途中開封することはできない。しかし、港湾労働者やそこに携わっている船員の方々の安全確保の上でもコンテナ貨物の安全確保は必要だと考えます。
 したがいまして、通産省だとか税関だとかいろいろあるかもしれませんけれども、運輸省としてこの安全確保問題について検討いただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
#78
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のコンテナによる危険物輸送につきましては、やはりこれも国際的にIMOで基準を定めておりまして、我が国もこれを受けて国内制度として船舶安全法体系に取り入れております。
 具体的な安全規制の内容でございますが、危険物の荷送り人に対しまして、各コンテナに国際的に定められました危険物の標識を表示させる、それから物質ごとに定められた国連番号、品物がわかる国連番号の表示をさせる、さらにコンテナ危険物明細書を作成して船長に供与する、こういったことを義務づけております。そして、我が国独自のさらに上乗せ規制といたしまして、危険性の大きい危険物をコンテナに収納する場合には船積み前に危険物のコンテナへの収納方法について検査を実施いたしております。
 ただ、今御説明申し上げましたのは日本から出ていく場合の話であります。先生御指摘の入ってくる貨物、コンテナについてのチェックでありますが、私どもは、危険物を収納した輸入コンテナにつきましても、その主要港に到着した時点で立入検査を実施いたしております。
 今現在、具体的な数字は持っておりませんが、相当違反をしているという事実もございます。したがいまして、御指摘のように、今後特に入ってくる貨物、危険物について制度の拡充強化を図っていきたい、こういうふうに考えております。
#79
○戸田邦司君 私は、まず第一に、先日病に倒れられました小渕総理の一日も早い御回復を心から祈願したいと思います。
 また、二階大臣、常日ごろから大変お忙しい執務状況でありますが、有珠山の噴火以来さらにお忙しいことになっていると思います。御健康に気をつけられまして、どうぞ、御自愛くださいますようお願いしたいと思います。
 先ほど有珠山に関しまして大臣からお話ございまして、巡視船の派遣その他万全の措置をとっておられるということでございました。その中で、静岡県の防災船、TSLの希望、これの派遣を考えておられるということでありますが、あの希望はまさしく防災船でありまして、こういうときにその機能を十分発揮できる船ではないかと思っております。私もあの船の開発に関係した者として、非常に大臣の措置に感服している次第であります。
 さて、今回の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部改正でございますが、中身としましては、私、昔この部門を担当しておりまして、御質問申し上げることはございません。
 平成十三年の一月から条約が発効するということでありますが、それまで事務的な準備その他相当忙しいスケジュールになっているんじゃないかと思います。発効後十分な効果あらしめるようなことを考えて運輸相また運輸省の皆さん対応していただければということを申し上げまして、私の質問は終わります。
#80
○岩本荘太君 参議院の会の岩本でございます。
 私も、小渕総理の一日も早い御快癒と、それから二階大臣のこれからの御健康に十分御留意をしていただきたいと思う次第でございます。
 質問の中身としては、やはり日本国民のためということでございますが、質問の仕方としては余りストレスを高じさせないようなつもりで質問させていただきたいと思うんです。
 先ほどもお話ございましたが、この法律そのものは、これからいろいろ環境問題も大変対応が大事になってまいりますし、そういう面で法律そのものについては異存はないんですが、やはりこういう法律の議論となりますと、先ほど釜本先生が大変御親切に御質問していただきましたナホトカ号の事故、私、地元でございましたのでそれを思い出す次第でございまして、この機会をおかりしてその点についてちょっとお話を伺いたいなというふうに感じておるわけでございます。
 条文をざっと読みますと、要するに、海上の汚染防止のために予防的な措置、あるいは被害をできるだけ少なくするためにどうしたらいいかというようなことで、責務を国際間で決めて、それを各国内で法律にしてやるということだろうと思うんです。
 それはそういうことになろうと思うんですが、やはりこれだけ今国際化の時代といいますか、海洋でございますから海を連ねてほかの国と接触しているわけでございますので、そういう意味でほかの国の動向というのがもろに我が国にも影響してくるというようなものがございます。まさにナホトカ号もそういう影響の一つだろうと思うんです。
 法律でこのようにチェック機能を各国決められるのは結構なんですけれども、国際間でどういう情報の交換があるのか。余り世界的にという大きな場ですと問題が絞れませんので、端的に言って日本海につきまして、例えば重油を積んだ船あるいは化学物質を積んだ船というのが、この法律によって各国恐らく船を決めて、それで規定というか縛っているんだろうと思うんですけれども、そういうような各国の情報といいますか、各国がどういう現状にあるか、日本海をどこの国の船がどのぐらい通っているのか、そういうことをチェックする機能というのはあるんでしょうか。その辺ちょっとお伺いいたします。
#81
○政府参考人(谷野龍一郎君) 先生にお答え申し上げます。
 タンカー等船舶の航行状況を国際的に把握する仕組みはあるのかと、こういうことでございますが、これを体系的に把握する仕組みは残念ながらございません。
 ただ、私どもナホトカ号の事故を踏まえまして、我が国の周辺海域にいわゆるサブスタンダードという船舶がたくさん走っているのではないかということも心配になりまして、我が国の出入国船のデータをベースにして日本海を航行する船舶を調査いたしてみました。
 平成九年の実績ですけれども、トータルで日本海に七千四百隻ぐらい、航海数でいいますと七万五千航海ぐらいの船舶が走っております。そのうち特に油タンカーとかケミカルタンカー、御指摘の船舶については、先ほど釜本先生のときにもお答え申し上げましたが、一年間で約千隻、延べ一万航海を走っているというふうに把握しております。
 ポートステートコントロール等のネットワークも近隣諸国と組んでおりますので、今後サブスタンダードを中心にしてこういったものの情報交換については力を入れていきたい、こういうふうに思っております。
#82
○岩本荘太君 先ほど申しましたように、質問予告いたしましたものに重複がございますので、その辺は避けてお伺いしたいんですが。
 今局長もちょっと御答弁いただいたんですが、普通の安全な船が安全な航海条件で航海をする分については外国の船がどうあっても余り干渉するものでもないと思うんですが、ナホトカ号の事件を見てみますと、どうも危なっかしい船が通っていた。船齢三十何年とかで、だれが考えても危なっかしい船が通っていた。そういうものが通られると困る、心配になるということがあるんですね、それは、日本海側は特に冬場の荒海を考えますと、その辺が一番。
 相手国にいろいろ干渉するわけじゃないですけれども、そういう面についての阻止といいますか規制というのは、各国間で情報交換をうまくやって取り締まるというような、取り締まるというか通ってもらわないというような措置が必要じゃないかと思うんですけれども、その辺の国際間の取り組みといいますか、先ほど言われましたポートステートコントロールですか、何かそんな方法もあるというようなことですけれども、それも踏まえて御答弁をお願いします。
#83
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答えを申し上げます。
 特に、サブスタンダード船の排除というのは大変大きな国際的な課題になっております。このためにどういった取り組みをするかということは、基本的にはIMOの場でいろんな審議をし、その場で決められた枠組みに沿って我が国も活動いたしております。
 この場合、船舶は、一般的な国際条約で、これは海洋法でありますが、旗国主義をとっております。つまり、登録されている国が当該船舶の安全性について責任を有する、こういう仕組みになっております。
 ただ、登録国の中にはさまざまな国がありまして、安全について必ずしもきっちりと担保していない国もあるわけでございます。そうなりますと、先生御指摘のように、いわゆるもらい事故といいますか、サブスタンダード船が我が国の海域の近くを航行し、そして事故を起こして、結果的に我が国の海域が汚染されたり被害をこうむる、こういうことになるわけです。
 こういったことを阻止するために、やはり国際的な枠組みとして入港国が当該船舶に対して立ち入りをするということが認められております。これをポートステートコントロールと呼んでいるわけでございます。
 このポートステートコントロールは、国際的な枠組みで、しかも近隣諸国がお互いに情報を通報し合いながらその徹底を図っていく必要があるということで、我が国は、東京MOUと呼んでおりますが、アジア太平洋地域の国々とともに一つのチームを構成いたしまして、このポートステートコントロールの強化を図っているところでございます。
 ちょっと答弁が長くなりますのではしょらせていただきますが、ナホトカ号の事故以降もこのポートステートコントロールの仕組みを強化いたしまして、特に構造、設備面において欠陥のある船につき強度の立ち入り、それに対する対応をしていくということで国際的な取り組みに努めております。
#84
○岩本荘太君 いろいろ国際的な取り組みをやっていただいているようで感謝をいたしますが、各国の事情それぞれあるでしょうからなかなか日本の思いどおりにはいかないと思いますけれども、ひとつこれはナホトカ号の例もございますので、そういう国際的なものであっても理由が通る当たり前のことであれば日本の条件をのんでいただきたい。こういうようなことで進めていただきたいと思うんですが、大臣のその辺に対するお考えをちょっとお聞かせ願えたらと思いますので、よろしくお願いします。
#85
○国務大臣(二階俊博君) ナホトカ号のような老朽船、大規模な油流出を未然に防止することは、委員御指摘のとおり極めて重要なことであると認識をいたしております。
 今、国際海事機関等における我が国が提案し合意されております、先ほど委員からもお話にありましたようなポートステートコントロール等、あらゆる手段を講じて老朽タンカーの排除を国際的に積極的に進めてまいりたいと思います。
 答弁の終わりになりましたが、本日、各党の皆様から小渕総理の病状をお気遣いいただく心のこもった御発言をいただき、内閣の一員として改めて感謝を申し上げる次第であります。ありがとうございました。
#86
○岩本荘太君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#87
○委員長(齋藤勁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(齋藤勁君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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