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2000/04/18 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 交通・情報通信委員会 第11号
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2000/04/18 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 交通・情報通信委員会 第11号

#1
第147回国会 交通・情報通信委員会 第11号
平成十二年四月十八日(火曜日)
   午後一時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     木俣 佳丈君     内藤 正光君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     吉田 之久君     柳田  稔君
     筆坂 秀世君     畑野 君枝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         齋藤  勁君
    理 事
                景山俊太郎君
                釜本 邦茂君
                簗瀬  進君
                弘友 和夫君
                渕上 貞雄君
    委 員
                岩城 光英君
                加藤 紀文君
                鹿熊 安正君
                鈴木 政二君
                田中 直紀君
                野沢 太三君
                山内 俊夫君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                柳田  稔君
                日笠 勝之君
                畑野 君枝君
                宮本 岳志君
                岩本 荘太君
                戸田 邦司君
   国務大臣
       運輸大臣     二階 俊博君
   政務次官
       運輸政務次官   鈴木 政二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
       運輸省海上交通
       局長       高橋 朋敬君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(齋藤勁君) ただいまから交通・情報通信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
 また、本日、吉田之久君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君及び畑野君枝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(齋藤勁君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に運輸省運輸政策局長羽生次郎君、運輸省海上交通局長高橋朋敬君、運輸省海上技術安全局長谷野龍一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(齋藤勁君) 運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩城光英君 二階大臣、毎日御苦労さまでございます。特に有珠山の噴火対策等もありまして御心労がお続きかとは存じますけれども、もし仮に一段落おつきになるときがありましたら、お休みをとって自転車に乗ってサイクリングでもしていただければと思います。お許しいただければ私もお供をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、運輸施設整備事業団、以下事業団と申し上げますが、この事業団法の一部を改正する法律案でございますが、この改正によりまして昭和五十三年に設立されました造船業基盤整備事業協会、これが解散することになりまして、高度船舶技術に関する技術開発支援業務、また造船ダンピング調査業務がこの事業団へ移管されることとなっているわけでありますが、このうちの技術開発支援業務、この内容はどういったものでしょうか。また、この業務を事業団の業務として追加する理由についておただしをいたします。
#7
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の技術開発支援業務は、船舶や船舶用機関等の性能や品質が飛躍的に向上するような技術である高度船舶技術に関しまして民間が試験研究を行う場合に、これに対して造船業基盤整備事業協会が助成等を行うものでございます。
 同協会は、平成元年に同業務を開始して以来、テクノスーパーライナーやメガフロートなど数々の画期的な新技術の開発を支援してきております。現在は、NOx等の排出量が極めて少ない次世代の舶用機関として期待されますガスタービン、スーパーマリンガスタービンと呼んでおりますが、これの開発に対して支援をいたしているところでございます。
 一方、運輸施設整備事業団は、輸送に対する国民の需要の高度化、多様化などに的確に対応した大量輸送機関を基幹とする輸送体系の確立を図ることをその目的としております。この目的を達成するために、現在、海上輸送に関しまして、共有建造業務を通じた船舶整備を資金、技術の両面から支援をいたしております。
 今次法改正によりまして、造船業基盤整備事業協会が実施しております、先生御指摘の技術開発支援業務を同事業団に移管し、あわせて同事業団に対しまして、TSLなど高度船舶技術を用いた船舶等の実用化を図るため、その製造資金の借り入れに対する債務保証業務を追加することといたしております。これによりまして、同事業団は、海上輸送に関しまして技術開発からその実用化、さらには共有船の建造という一連の過程において資金、技術の両面から総合的に支援することとなり、極めて効率的な業務遂行が可能となることから、技術開発支援業務等を同事業団に追加することとさせていただいた次第でございます。
#8
○岩城光英君 ただいまのお話にありましたテクノスーパーライナーですけれども、これは物流の高速化あるいは輸送時間の短縮といった点から地域経済の活性化につながるという、こういった指摘もありますし、さらに今度の有珠山の対策に備えて防災船兼カーフェリーであります「希望」、これがいつでも出動できる態勢をとっておると伺っておりますが、このように大規模災害時における輸送ルートの確立という点でも非常に期待されるわけであります超高速の海上輸送手段としてのTSL、テクノスーパーライナーが期待を担っていると思っております。
 平成七年の九月二日のことでございました。福島県の重要港湾であります小名浜港に前の実験船の「飛翔」が入港いたしました。この開発に携わられました戸田邦司先生それから田中直紀先生にもおいでいただいたような記憶を私はしているんですが、当時私は市長でありましたものですから、その歓迎セレモニーに臨ませていただきまして、多くの市民とともに大歓迎をし、そして一日も早い実用化、これを期待していたわけであります。地元の新聞にも、海の新幹線が小名浜港へ入港ということで大きく取り上げられたわけであります。それ以来、いわき市としましては、TSL実用化促進情報センターに特別会員として入会もしております。
 ところで、平成三年十月に、当時の自民党の国会議員の有志でテクノスーパーライナー実用化促進議員連盟、これが発足しておりまして、二階大臣は幹事長をお務めになられたということで、この開発に向けましては意気込みが相当なものがあるんじゃないか、こんなふうに私は勝手に思っております。
 これまでテクノスーパーライナーの研究開発が進められ、実用化へ向けた取り組みがなされてまいりました。去る二月から三月にかけましては、先ほど申し上げました「希望」が、上海ですか、国際実験航海を実施し、そして計画どおり成功裏に終了した、こんなふうに伺っております。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、このテクノスーパーライナーの実用化の意義と実用化に向けたスケジュール、さらにはどういった課題があるのかということについてお示しを願いたいと存じます。
#9
○国務大臣(二階俊博君) まず、有珠山の問題につきまして大変温かいお言葉をいただきましてありがとうございました。
 実は、ただいまこの時間に運輸省の中におきまして、有珠山の特に観光関係の落ち込みがひどいものですから、日本の代表的な観光旅行関係の皆様、そして北海道の地元観光関係の代表の方々、一堂に会しまして、北海道の観光の落ち込みをどう取り返すかということを今協議している最中でございますが、大変温かいお言葉をいただきまして感激をいたしております。
 テクノスーパーライナーにつきましては、今仰せのとおり、かつて岩城委員が市長をなさっておられた当時のことを御披露ございましたが、全くそのとおりだと思っております。
 私も、ちょうど今から十年ぐらい前に、自民党に籍を置いておりましたころ、たしか海部内閣だったと思いますが、運輸政務次官を担当いたしまして、当時ここにおられる戸田委員が海上技術安全局長をなさっておられました。そういうことで、戸田さんに仕込まれたようなものでございますが、テクノスーパーライナーに私も大変興味を持つようになりました。
 最初は、立川からもう少し奥へ入ります昭島というところに四百メートルプールの実験船で実験をやっておりましたときには、こんな小さな船を浮かべて、これに自動的に波を起こしたりいろんな抵抗を加えながら、これが嵐の海も乗り越えていける船だということで関係者が一生懸命取り組んでおる姿を今に思い浮かべるわけでございます。
 その後、関係の皆さんの一層の御努力によりまして、今日静岡県に引き取っていただいております「希望」という船が、先ほど岩城委員からお話ありましたとおり、先般長崎から上海へ航行いたしまして大変な成果を上げて帰ってまいりました。長崎の金子知事は、ちょうど県議会開会中であったようでありますが、休憩をとって議会の議員の皆さんと全員でその船にお乗りになりまして実験航海に参加されたようでございますが、県議会さえ開かれていなければ上海まで行きたかった、こういう手紙をこの間私にくださっておりました。
 そんな関係者の皆さんの御支援をいただいて、通称海の新幹線と呼ばれるTSLは、地域経済の活性化等、大きな期待を受けて、今一層の開発に努力をいたしておるところでございます。
 TSLの実用化を進める上で主要な課題はどうかということでございますが、TSLが全く新しい技術を用いた船舶であると同時に建造コストが比較的高額である、ここに問題があると思っております。特殊な船体構造、推進形式を有することから、一般船に比較しまして保守管理コストが割高になっていることなどが投資リスクという面では大きいのではないかというふうに心配をいたしております。
 これらの問題を解決するために、運輸省は平成十二年度の予算及び本法案による支援措置を講じまして、平成十二年度にTSL保有管理会社を設立し、平成十四年度までに国内においてTSL第一船の商業実運航を開始するということにいたしておるわけでございます。
 関係者の皆さんの今日までの御努力、そして超党派に及びつつあります議員連盟等、皆さんの積極的なお力添えを今日までちょうだいしておるわけでありますが、今後実用化に向けて一層の御支援をお願い申し上げたいと思います。
#10
○岩城光英君 今、二階大臣から、いろんな課題を乗り越えながら平成十四年度の第一船の就航ですか、それに向けて努めるということで、大変力強いお言葉をいただきまして意を強くしております。何とか実現させていただきたいと思っております。
 そこで、平成十四年にとりあえず第一船の就航ということでありますが、その普及の見通しなんですが、大臣は衆議院の委員会でこのようにお話をされております。「国内輸送に関しては、現在の輸送実態から、トラック輸送との組み合わせが容易であり、事業者からの要請も多いカーフェリーの方が導入しやすい」という判断をしているということでございますが、事業化しやすいということで当面はフェリーだということで、その点についてはよく理解できるのですが、問題は、将来的にはどういった分野での利用をお考えになっているかということであります。
 例えば、これまで二つのタイプ、大型船と小型船というんですか、その二つのタイプの開発に向けて研究をしてきたとも伺っておりますが、それらをどう将来使い分けていくのか。あるいは、上海への実験をされましたけれども、コンテナ船による国際航路への利用、こういったものの見通しをどのようにお考えになっているか。これは上海に出向かれました鈴木政務次官からお答えをいただければと思います。
#11
○政務次官(鈴木政二君) 岩城委員におかれましては本当にいろんなことをこのテクノスーパーライナーはよく御存じでありますから、性質的なもの等は控えさせていただきますが、結論から言いますと、今お話の中で、国内状況を見ましてもフェリータイプもどうだ、こういう話が出ております。これはもう大臣からもお話が前にあったとおりであります。
 船の大きさや、いろいろ比較しまして、輸送できる貨物量を見ながら、やはりコンテナ船も必要ではないかと運輸省としては思っておるわけであります。特にアジア諸国といいますか、近隣の諸国、特にこの船は航続の距離が五百海里といいますから大体約九百三十キロは行ける船でありますし、高速で九十三キロというものを持っているわけでありますから、そういう性質も踏まえまして、お隣の韓国や中国やロシアがこの九百キロ圏内に入るわけでありまして、コンテナとしても大変重要だと思っております。
 また、商船以外におきましても、冒頭お話しいただきましたように、例の有珠山の話で大臣から今お話しいたしましたように、待機をして災害にたえるような防災船の活用とか、また海上保安庁の巡視船も私は活用ができると思っておりますし、何にしましてもこの船、スピードもさることながら、引き波といいますか、船が動くときに波も大変小さな波でありますので、内航的にも漁船の走行にも影響も少ないようでありますので、今後とも商船以外の分野も考えているということでございます。
 以上であります。
#12
○岩城光英君 時間の関係上、端的に最後の質問をさせていただきます。
 我が国経済の発展を考えましたときには、このテクノスーパーライナーとか、あるいはメガフロート、さらにリニアモーターカーのみならず、運輸技術全般の技術開発の活性化とその実用化の促進がどうしても必要である、こんなふうに考えておりますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#13
○国務大臣(二階俊博君) 岩城委員御指摘のとおり、二十一世紀に向けて我が国が今後とも活力を維持し、さらに国際社会におきまして堂々たる地位を確保していくためには、やはり何といっても未来志向の技術開発に意欲的に取り組むことが極めて重要だと認識をいたしております。
 運輸省としましては、二十一世紀に向けた諸課題を解決するために、新たな時代にふさわしい交通システムの構築に向け、先ほどから御質問をいただいておりますテクノスーパーライナーのほかに、フリーゲージトレーン、つまり軌間可変電車、それからメガフロート、これは海に浮かぶ大地と通称呼んでおりますが、陸海空にわたる多様な技術開発に取り組んでおるところでございます。
 今申し上げましたフリーゲージトレーンは、新幹線と在来線の直通運転を可能にするわけでありますから、まさに国土の均衡ある発展に期待がされるものと考えております。今、御承知のとおりアメリカのプエブロ実験線で新幹線と同じ軌間で時速二百五十キロ程度まで高速走行試験を行っているわけでありまして、その結果を踏まえて実用化のめどを立てることにしたいと懸命の努力をいたしておるところでございます。
 海上空港等、広範な活用が期待されます海に浮かぶ大地、いわゆるメガフロートは、首都圏の第三空港にもこれを活用してはどうかという御意見もございますが、私もそれは十分傾聴に値する御意見だというふうに理解をいたしております。
 横須賀に現在設置しております浮体のモデルは、ちょうど約一キロでございます。ですから、一キロの空港にふさわしい飛行機といいますと少し小型になりますが、十二、三人乗りの飛行機を、この夏には航空機のいわゆる実機離着陸の実験を予定いたしております。これが始まりましたら、当委員会におきましても機会があればぜひ御視察をお願いいたしたいとさえ思っております。
 いずれの技術開発の課題につきましても可能な限り早期に実用化を図り、国民の皆さんに常に情報を開示しながら、国民の皆さんの御理解、多くの皆さんの御支援をいただく、そして国の将来のために大いに運輸技術開発がお役に立てるようにしたい、そういう思いで懸命に取り組んでおるところでございます。
#14
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。
 きょうは、特にテクノスーパーライナーに焦点を絞って幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず、今私の手元に平成九年五月に提出をされましたTSL事業化支援調査報告書の概要がございます。この報告書を見ますと、TSLを事業化するに当たってさまざまな問題点が指摘をされております。多くの経済的なリスク、さらには技術的なリスク等々が指摘をされております。
 また、実際にこの報告書の作成に当たった西村前総務審議官も、運輸省を去る際に多くのことを言い残して去っているわけなんです。例えば、このTSLについてなんですが、燃料費の問題、あるいは重さ的キャパシティーの問題などなど、問題は山積みだと。あるいはまた、軽くて運賃負担力のある荷物、TSLに適した荷物があるということなんですが、これがあればよいが、これがだめだったらもうどうしようもないというような言葉を残して去っているわけなんです。
 ここで、まず大臣にお伺いをしますが、これらの経済的あるいはまた技術的な問題がその後どのように解決をされたのか、お答えいただけますでしょうか。
#15
○国務大臣(二階俊博君) 御指摘のとおり、TSLの事業化に際しましては、経済的な面、技術的な面で今後克服すべきものはたくさんあると思います。それらの問題点に対して十分対応できるよう、関係者挙げて取り組んでおるところでございます。
 まず、経済的、技術的課題を克服する事業化支援措置として、個別海運事業者の投資リスクの分散を図るためにTSL保有管理会社を今回設立することとしたわけであります。建造資金の調達円滑化のために運輸施設整備事業団が債務保証をすること、TSLの安全で効率的な保守管理を可能とするため運航支援・保守管理システムの開発を補助することなどを平成十二年度の予算及び運輸施設整備事業団法の改正により実施しようとしているところであります。
 今回の実用化プロジェクトにおきましては、TSL保有管理会社の設立の後に運航者を公募し、各航路の事業採算性等を検討して最も条件のすぐれた航路にTSLを投入することとしており、TSL適合貨物の輸送需要が十分に見込まれることは当然航路選定の前提となっております。
#16
○内藤正光君 大臣、先ほど経済的リスクについては保有管理会社を設けて対応するということでわかりました。一方で技術的なリスクも指摘をされているわけなんですが、それについて何ら答弁がなかったのか、あるいはまだ解決策が見出されていないのか。
 ということは、逆に言えば、もしまだ技術的なリスクについて何ら打つ手がないということであるならば、今回のカーフェリーによる事業化というのはこういった技術的リスクを背負ったまま突入するというふうな理解になってしまうんですが、答弁願います。
#17
○国務大臣(二階俊博君) 既にTSLは、日本国内におきましても志布志港と清水港、以下金沢港、室蘭港等におきまして十三コースを選んで航行テスト等を行っておりますし、また先般、先ほど御質問にもございましたとおり、長崎から中国上海に航行しまして中国の専門家等によりましても非常に高い評価を受けておるわけでありまして、私は、技術的な問題というのは、これは委員もそうした面で、大変技術的な面での研さんが深いわけでございますが、やはり技術的な面でこれがすべて一〇〇%だという世界は私はあり得ないと思うんです。
 ですから、かつて、これ比較するのはいかがかと思いますが、例えばエジソンの研究にしたって、その時代に受け入れられたかというとなかなかその当時は評価はされなかった。松下幸之助さんの二またソケットにしたって、夫婦でとぼとぼこれを開発したという歴史がある。しかし、それが今日このような大きな評価を受け、世界の科学の進展の大きな役割を御両者とも果たしておることは歴史が示すとおりであります。
 私は、TSLの問題につきましては、今は完全完璧なものでなくとも、これを十四年の商業化の実船を配置するまでに十分技術的な問題はクリアできるという確信を持っております。
 同時に、静岡県がこの船を払い下げを受けられて、今防災船として活用されておるわけでございますが、先ほどもお話に出ましたように、今度の有珠山のいわゆる災害に対しまして、最初は大変多くの皆さんが避難所におられて、ふろに入るということにしても大変ままならぬような状況でございました。場合によってはこのTSLで運んではどうかということまで意見が出ました。
 今静岡県の船は二百五十人の座席を用意しておるわけでございますが、短い航路を、短い区間を運ぶということならば一千人までは大丈夫だということが調査の結果判明をいたしました。ですから、私も先般二度目に有珠山の方へ参りましたときには、何とかこのテクノスーパーライナーを就航させて、今避難所におられる方を少しでも気分転換といいますか、船に乗っておふろに行くということも、これも一日じっとあの体育館で座っておられるよりいいのではないかとさえ思ったのですが、幸いにして周辺に適当な温泉地がありまして、そこで関係者がみんな二日に一回ならということでおふろへ入れてくれることになって、TSLの出番は今のところはないんですが、いつでも参画できるということでスタンバイしております。これは一日で清水から北海道に急行できるわけであります。
 私は、技術的に今何がしという人が退職の前に意見を述べたと言われますが、大いにそういう意見は結構でございますが、ここに一番先にこのことに携わった、これはやっぱり最高の権威者だと私は思っておるんですが、戸田委員がここにじっと座っておられる限りは心配ないものだと私は思っております。
#18
○内藤正光君 私も戸田さんにはまたいろいろ御指導賜りたいと思います。
 続きまして、この報告書を受けまして、平成九年の九月十六日を皮切りにTSL事業化促進協議会というのが実際に会議として開催をされ始めたわけでございます。この会議には御存じのとおり業界関係者も多数参加をしたわけでございますから、事業化に向けたより具体的な議論がなされたんだろうと思います。
 そこで、この協議会では具体的に何を議論してきたのか。そしてまたさらに、第四回目だというふうに聞いておりますが、カーフェリーも視野に入れるということがこの第四回目の会議の中で出てきたということなんですが、これに至った経緯について簡単に説明をしていただけますでしょうか。
#19
○政務次官(鈴木政二君) おっしゃるとおりでありまして、平成九年から、これはやはり各分野をお招きして御意見を賜らなきゃいけないということで、海運、造船、物流の分野の民間の専門家の方々と、そして私ども、今大臣からお話がありましたように省内の関係局長を初めとしてこの協議会を設置して、当初一回、二回、三回目はいろんな問題点とか課題点を出し合って、じゃ対策の処置をしようということでやってまいりました。
 今委員のおっしゃるとおり、十年九月の四回目の協議会から、じゃ具体的にどう展開をしていこうという話になりまして、当初コンテナ輸送を中心として考えておりましたけれども、これももう一つ現状のトラック輸送の関係が非常にこの十年近くで伸びてまいりましたので、トラックとの輸送の兼ね合いをどうしたらいいんだろう、こういうテーマになりまして、御存じのようにカーフェリーにしますとトラックを荷物を入れたままカーフェリーに載せまして、次のところでまた道路で出発するという手間も非常に効率的なものになるわけでありまして、カーフェリーも視野に入れてきた、こういう話でございます。
 それから、先ほど大臣からもいろんな問題点が出ましたので、そういう二、三の技術的な問題、そして保有リスクの問題、そういうものをあわせてそういう問題も出まして、今回のこういう法案の運びになった次第でございます。
#20
○内藤正光君 わかりました。
 ところが、実験船「飛翔」でいろいろ実験が行われたと、その「飛翔」が今静岡県で活躍しているということなんですが、その実験船を使った研究開発は平成七年で終わっているわけですね、一応。それが大分間を置いて平成十年、それも九月にカーフェリーとして事業化しようということが突然出てきたわけで、何か余りにも唐突な感が否めないんです。個人的な感想かもしれませんが、余りにもブランクがあり過ぎるんです。唐突感はどうしても私は否めないと思うんです。確かに平成元年から七年までの間にこのTSLの研究開発には百六十九億円もの巨費が投じられている。これをむだにしちゃいけないという気持ちはわかるんですが、しかしこれからさらに実用化に向けていろいろやっていこうとしたら、さらに巨費が投じられなければならない。
 私は、本当にそうなると、何かとりあえずのカーフェリー、TSLカーフェリーというものにそれだけ巨費を投じていくのが妥当なんだろうかというのがやっぱりちょっと疑問としてふつふつとわいてくるんです。加えて、万が一このカーフェリーの事業化が失敗をしたらさらに国民に重い負担を課すことになるわけなんです。
 ここでちょっと確認というかお伺いをさせていただきたいのは、このTSL事業化、確かにここまでもうお金を投じていろいろな実験を進めてきたわけなんですが、取りやめるということは、そういう選択肢はあり得ないんですか。
#21
○政務次官(鈴木政二君) 最高責任者であります大臣がお見えになりますので、大臣の方から答弁をさせていただきたいと思います。
#22
○国務大臣(二階俊博君) 先ほども申し上げましたように、どんな実験でも、どんな発明でも一朝一夕に効果をあらわすものばかりではありません。このように世界的な造船業界での革命的な技術革新であります。ちなみに、ジャンボジェット機の二十倍の貨物を積むことができるわけでありますし、普通の船の速さの二倍でございます。しかも、運賃はトラックと同じ程度の運賃で運べるわけでありますし、トラック輸送から比べますと三、四割速いスピードで到着、到達するわけであります。
 これは特に、環境問題等につきましても内藤委員は大変見識が深いわけですが、環境問題、モーダルシフト、そういう面におきましてもこの船は大変大きな効果が期待されるわけでありますから、私たちはこの船が、現に成功しておりますし、今後も成功するであろうということを期待して、一層の努力を続けていきたいと思っております。
 失敗したらどうかということでありますが、そのようなことは考えておりません。
#23
○内藤正光君 先ほど大臣の方からモーダルシフトという言葉が出たんですが、確かに運輸省の説明資料としてこういうカラー刷りのものをいただきました。その中で一番最初に書いてあるのが、このTSLカーフェリーを導入することで革新的なサービスを創出できる、そしてさらにまた大規模なモーダルシフトを実現できるというふうにうたい上げてあるんですが、モーダルシフト、果たして本当にこれで、特にこのTSLカーフェリーで実現できるのか。
 つまり、まずお伺いしたいのは、今までの技術では航行できなかったような航路、新たな航路をこのTSLの技術でもって切り開くことができるのか、何をもってしてモーダルシフトと呼んでいるのか、ちょっと御説明願いたいんですが。
#24
○政務次官(鈴木政二君) 現在の航空とか、それからトラック輸送とか、国内につきましてはそういう形の中で、このTSLの船舶というのは、御存じのように直線に船というのは走りますね、そうすると、今、日本列島をよく見ていただくと先生おわかりのとおり、当然ながら今までの定期航路やまた新しい航路をつくろうとしたときに、やはり今までにない発想的なものが大胆に、そこのところに定期的に行ける。そして、先ほどちょっと申し上げましたように、今の現状の中でトラックとの競合といいますか、それこそ複合一体化の形というのが非常にとりやすい形に、委員も御理解いただけると思いますけれども、そういう面で全般的なコスト的なもの、いろんなものを総合的に見ましても私は十分いけると思っております。
#25
○内藤正光君 ただ、私思いますのに、今回TSLカーフェリーを導入するのは、実績のある既存の航路に古い船からTSLカーフェリーに取りかえるだけなんです。確かに輸送速度が二倍になるだとか積載量がちょっとふえるだとかいろいろありますが、基本的には何も大きくは変わらないわけです。
 私は、運輸省が言うような、それも何百億円もかけて本当にそれに見合ったモーダルシフトが実現できるんだろうかというのを問題点として指摘しておきたいんです。本当に何百億円もかけてこの程度のモーダルシフトというか、では逆に、もしあれば数値的、定量的におっしゃっていただきたいんですが、これだけのモーダルシフトが実現できるんですよということは言えるんですか。
#26
○政務次官(鈴木政二君) 百何億という予算で研究をしてきたわけでありますけれども、一つは既存の航路といいますか、それもそうでありますし、前に岩城委員のときに大臣が答弁しましたように、運航者の公募の問題もあわせまして、新規の航路もやっていきたいという意向を公募の状況を見て判断していきたいと思っております。
 例えば既存の話でいいますと、今まで二隻でフォローしていたのが今度は短期間で一隻になるわけですね、考え方によりますと、一つの航路をとってみるとすれば。そうすると、当然ながら人件費だとかそれから管理費等も一隻の分、二隻にかかった分が、これがまた二分の一どころか四分の一に、三分の一にもなる可能性もあって、コスト的に安くなったりします。それともう一つ、宅配を見ていただくとわかりますように、ある地域におきましては今まで午後しか配達できなかったのがたったの四時間、五時間で、今度は午前にできたり指定的な時間が相当早まるということも考えられます。
 大変そういう面で、トータル的に見ますと私どもは非常にこれは大変利益の高い効率的な事業だと思っております。
#27
○内藤正光君 走行速度が二倍になるから今までの二倍の荷物が運べるとおっしゃったわけなんですが、私はこんな簡単に机上の計算のようにうまくいかないんだろうと。それは、すごくお客さんがいればそれはそういう計算が成り立つんですが、はっきりいえばまだ海上輸送はそんなに主流にはなっていないわけですよね。ですから、速度が二倍になっても仕事が早く終わるだけの話で、二倍のものを運べるかどうか、私は現状を見た場合にそれは大いに疑問なのではないかなと思います。
 そこで、これとあわせて二点目にお伺いしたいのは排出ガスを削減、そして環境負荷の大幅な低減とありますが、ここまでうたっているからには定量的にどのぐらいの排出ガス削減効果があるのか、多分試算されているでしょうけれども、挙げていただけますでしょうか。
#28
○政務次官(鈴木政二君) 例えば一つの例を取り上げますと、関東から九州までの例を取り上げますと、同じ量のトラック輸送に比べますと二酸化炭素で約二割減ります。そして、窒素酸化物については約半分、五〇%削減できる。また、今大変問題になっております粒子状物質や一酸化炭素についてはほぼ消却される。今後、エンジンや船型に関する技術革新の進展により、私どもはさらに環境負荷の低減が図れるというふうに思っております。
#29
○内藤正光君 CO2二割削減できるというふうに断言をされたわけなんですが、ところがこれまだ技術的に不確定要素がありまして、燃費がかなり違うわけなんです。運輸省につい最近聞いたところによれば、どれだけ運航するかにもよりますが、年間の燃料費が十億円だと言ってみたり、あるいはまたある筋から聞けば四十億かかるとか言って、何か随分違うわけです、燃費の話で。これだけ違うとCO2二割削減なんて断定できないんじゃないかなと。場合によっては、既存の船と比べても何倍ものCO2を排出することになったり、あるいはまたトラック輸送と比べてみても果たして本当に削減になるのか大いに疑問なんですが、これはまだ不確定要素ではないんですか。
#30
○政務次官(鈴木政二君) 私ども運輸省としては、試算をさせていただいて、トラック輸送に比べれば関東から九州まで二割を削減できる、こういうふうな運輸省としての調査であります。
#31
○内藤正光君 あと、さっきの新航路の開拓にちょっと戻るんですが、新たな航路を開拓するということもあり得るということだったんですが、このTSLカーフェリーが着岸するには何かまた港も大幅な改良を加えなきゃいけないという大変大きな問題があるというふうに聞いているんですが、そう簡単には新航路というのは開拓できないんじゃないんですか。
#32
○政務次官(鈴木政二君) 冒頭に言いましたように、運航者の公募を十分踏まえまして、各航路に適合したTSLを設計して、航路の採算性を十分審査して最も条件のすぐれた航路を設定していきますから、そういう面では間違いないと思います。
#33
○内藤正光君 岸壁の話なんですが、その途中じゃなくて。それはそんな簡単には変えられないと思うんですが。
#34
○政務次官(鈴木政二君) ですから、今お話ししましたように、そういう適地のところを、ある面では公募を踏まえて利用者の方々のニーズに合った岸壁等を支障のないように進めていきたいということであります。
#35
○内藤正光君 さらに続けますが、またこの運輸省の、これを出した方が悪いと思うんですが、「新サービスの創造、雇用の創出」とあるんですが、じゃ具体的にどの程度の雇用創出効果を期待しているんでしょうか。
#36
○国務大臣(二階俊博君) TSLは、海上輸送におきまして私たちは革新的な新たな輸送システムだということを考えておるわけでありますが、新規の物流ルートを開拓したり従来の輸送機関よりも大幅に輸送時間を短縮するということが可能となるわけであります。
 この結果、TSLが投入された地域において、企業の立地条件の改善、観光振興、地域産品の市場の拡大、先ほど申し上げましたようにジャンボジェット機の二十倍も積めるというこの状況の中で新たな経済の活性化や雇用の拡大ということが当然期待できるわけであります。新たな輸送サービスが物流を刺激し、また海運、造船等、海事産業全体の活性化と雇用増にもつながっていくであろうということを考えておるわけであります。
 このほか、TSLによる高速海上輸送ネットワークの構築は、輸送事業における労働効率をさらに向上させ、少子高齢化時代に対応するとともに、大気汚染物質の排出や沿道における騒音、振動を低減し、交通事故及び道路渋滞を回避できるなど、環境に優しい新たな物流体系として期待をされておるわけであります。
 このTSLの開発が始まりましたころ、各地からそれぞれ商工会議所だとか市町村から、ぜひ自分の港に立ち寄ってもらいたい、そういう希望が殺到した日のことを思い浮かべるわけであります。北海道におきましても、御党の鳩山代表を初めとして関係者の皆さんが大変な努力を重ねてTSLの議員連盟で御協力をくださっておることも承知をいたしております。
 したがいまして、どうしてもTSLが困るというふうな御判断のところに関しましては、運輸省としてはまた再検討をしていくというふうに考えております。
#37
○内藤正光君 私がなぜ雇用創出効果がどれぐらい期待できるのかとお尋ねしたかといいますと、政府がつい最近やってきたいろいろな施策、余りにも目標とするものと実績とが大きく乖離しているわけなんです。
 運輸省の施策ではないにしても、例えば新規・成長分野雇用創出特別奨励金なんていうのは、平成十一年度第一次補正で予算額九百億円が計上された。これの創出効果は何と十五万人とうたっているんですが、ところが今日までのその実績たるや百八件しかない。また同じようなものとして緊急雇用創出特別奨励金も、平成十年度の第三次補正予算で計上された予算額六百億円。それで、目標とした対象者が二十万人とうたわれていた。ところが、現時点までの実績は何と五百九十三件。余りにもこの目標とするものと実績とに乖離がある。使った額、使おうとする額はもう何百億円。余りにも対投資効果というんですか、これがかけ離れ過ぎていて、普通民間だったらこんな計画を立てた人は即刻首が飛ぶぐらいのものだと思うんです。
 私は何としても、政府がやることだからいいのかというと、政府がやることだからこそこれは厳しくちゃんと対投資効果、税金を使ってやることですから厳しくこの辺の効果について考えていただかなければならないと思うんです。
 ちょっと時間もありませんが、ぜひこのことを、単にこういうふうにカラーコピーの一文を飾るというんじゃなくて、ちゃんと裏づけのあることを考えていただければと思います。
 答弁、短目にお願いします。
#38
○国務大臣(二階俊博君) 今いろんな例をお引きになりましてテクノスーパーライナーに対して御意見をちょうだいしましたが、他の雇用の問題は私がここで反論する場所ではないと考えておりますのでそれに対してあえて申し上げませんが、テクノスーパーライナーというのは、もう今から十年も、もっと前から開発を始めたものでありまして、きのうきょういろんな政策が打ち出されていることとこれと同列に並べてどうだというのは、これは技術開発が問題なんです。
 ですから、技術開発の場合、幾らまでかけるのがいいのか、幾ら予算をかければどういう効果が起こるのかというようなことをあらかじめ考えながら開発研究などできるものではありません。それだったら、もうロケットなんかは打ち上げない方がいいわけです。だけれども、ロケットを打ち上げることによって、一回や二回失敗しても、これを重ねることによって必ず科学技術の上においても日本の国益においても将来の展望が開けるということならば、今のような多少の失敗を乗り越えてでもやっていこうというのが、これが政府の政策であります。
 ですから、私たちはテクノスーパーライナーにつきましては、今御指摘のありましたような点は十分これを謙虚に受けとめてまいりますが、今そういう御指摘を受けたからといって直ちにこれを引っ込めるというようなつもりは全くありません。
#39
○内藤正光君 この後、採算性の問題だとかいろいろお伺いする予定でしたが、時間も来てしまいました。
 最後に、あくまで今回のTSLの目標は物流の改善、モーダルシフトにあったんだろうと私は思うんです。今回のカーフェリーによる事業化というのはその第一歩、前段だろうというふうに思っておりますので、これからもたゆまぬ技術の向上、経済性、採算性の向上をとことん追求していって所期の目標を達成していただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
#40
○弘友和夫君 公明党・改革クラブの弘友でございます。
 私は、まず造船業基盤整備事業協会の運輸施設整備事業団への移行の問題について何点かお伺いしたいと思います。
 今回の移行は平成九年六月六日の閣議決定であります特殊法人の整理合理化によるもので、行政改革の一環であるわけでございますけれども、事業団の設立当時から、最初からの鉄道関係業務、それから船舶共有建造業務、基礎的技術研究業務に加えまして、平成十年度第三次補正予算において今かかっているバリアフリー関係の補助金交付業務が追加されました。そして、今回の改正で造船関係業務がさらに追加をされまして、運輸施設整備事業団の業務というのが非常に増加をしているわけでございます。
 国民の目から見ましたら、特殊法人の整理合理化ということでいろいろやってきて、それのスリム化という方針に、むしろこの施設整備事業団そのものを見れば、二つを一つにしていろいろ吸収していっているわけですから確かにスリム化になっているわけですけれども、逆に肥大化しているんじゃないかという懸念なきにしもあらずということです。それぞれがあったときに比べると確かにスリム化をしている。しかし、運輸施設整備事業団そのものがいろいろな業務を受け入れることによって大変な肥大化をしているんじゃないかという、こういう懸念があるわけですけれども、これに対しまして大臣はどういう御所見でございましょうか。
#41
○国務大臣(二階俊博君) 運輸施設整備事業団は、簡素で効率的な行政の実現等の観点に立った平成八年十二月の御承知のような閣議決定に基づきまして、鉄道整備基金と船舶整備公団を統合して平成九年の十月に発足をしたわけでございます。
 統合に当たっては、二つの特殊法人の業務を単純に統合したわけではありません。すなわち、港湾運送用の船舶の共有建造及び使用、譲渡を初めとする多数の業務を廃止するとともに、時代の要請にこたえるために必要な運輸技術に関する基礎研究の業務を加えるという見直しを行ったわけであります。
 今回の造船業基盤整備事業協会の廃止に当たりましては、TSLの建造資金の借り入れに係る債務保証業務等を追加する一方、造船業構造転換業務、共同研究のあっせん業務、海外からの研究者の招聘業務を廃止することといたしております。また、業務の実施体制につきましては役員の削減等を行っております。管理部門の縮減など、従来よりも大幅にスリム化を図っておるということでございまして、今委員御指摘の肥大化ということに関しましては、私どもは大幅にスリム化を行ったという認識を持っておる次第でございます。
#42
○弘友和夫君 それで、今回一緒になります造船業基盤整備事業協会というのは、造船業の設備処理のために昭和五十四年度及び六十二年度、二回にわたって造船所の土地及び設備の買収というのを行ってきて、聞くところによりますとこの二回で、大手が中心でありますけれども、十四カ所の四百七十億というそういう過剰設備の処理をされているわけです。
 今回、中小造船業に対して平成十年度から三カ年計画で第三次の買収を実施している。これの事業規模というのが約十五事業所、総額百億円と、こういうふうに想定されて事業を行われたわけですけれども、その十五事業所、総額百億円というのはどういう根拠で想定されたのかお聞きしたいと思います。
#43
○政府参考人(谷野龍一郎君) 御説明申し上げます。
 平成九年十二月に、海運造船合理化審議会の造船部会で構造不況に陥っております中小造船業の対策を取りまとめました。この対策の中で、需給不均衡を解消するために中小造船業の供給能力を二〇ないし三〇%減らせないかということが提言されたわけでございます。
 中小造船業は当時約百二十社程度ございましたが、削減目標は、事業者数で申し上げますと、二ないし三割というのは約三十社程度に相当いたします。半分程度は自己資金による撤退でありますとか、あるいは他の事業者との集約、連携によります設備の削減等が可能と考えられますので、その三十社の約半分であります十五事業者を買収制度によって当面の目標として置いたわけでございます。
 百億円の予算規模を立てましたのは、その当時の中小造船業の平均的な土地、設備の価額をこの十五に乗じて出した数字でございます。
#44
○弘友和夫君 これは第三次の実績を見ましたら、既にもう今年度で、十年度から三年計画ですから終わると思うんですけれども、今の買収実績というのは一事業所、五億円にとどまっている。十五事業所、総額百億円、これも設備のオーバーした部分の半分なわけですね。その百億円の中のまた五億円しか実績がない。これ終わってしまったときに、平成十二年度から運輸施設整備事業団と一緒になった場合は清算業務だけしかやらないという、買収業務はやらないわけですから。
 百億円考えているうちの五億円しかやっていない、あとはどうなるのかということなんですけれども、いかがでございましょうか。
#45
○政府参考人(谷野龍一郎君) 買収業務の実績は、先生御指摘のとおり、現在のところ一事業所、五億円のみにとどまっております。設備等の買収処理は、先ほど先生御指摘ございましたが、複数の設備を有しましてその一部だけを処理して合理化措置を講じていける大手の造船業と中小造船業の場合は大いに異なっておりまして、その設備の処理等を行っていくというのは直接その事業を撤退するか存続するかの選択をしていくことにつながるわけでございます。
 御承知のように、中小造船業は主として家族を中心に家業としてずっと営んでおられる事業主体でございます。そして、地元に密着をしながら事業を営んでおられる特別な思い入れのある事業だと理解をいたしております。もとより設備処理をしていくのは、全体の需給バランスの問題もございますが、事業者が担保解除をする資金を手に入れるためであるとか、あるいは設備を造船業用としては処理してそこを使って別の関連事業を営まれるとか、そういう目的で行われるわけでございます。こういった個々の造船事業者の思い入れと状況を勘案しながらこの設備処理を、買収事業を進めていく必要があります。
 他方、買収事業の位置づけは、全体として中小造船業の需給バランスを解消していく、均衡化を図っていくという目的もございますが、先ほど申し上げましたように、個々の事業者さんが持っておられる担保解除等の特別な事情にも対応し得るようにということでつくった制度でございまして、いわば最終的な中小造船業にとっては受け皿になっている制度でございます。
 ですから、私どもとしましては、予定どおり進むのもよし、もし予定どおり進まないでみずからいろんな手法で自己撤退あるいは自己で解決をしていかれる状況になればそれもまたよしというふうに考えておりまして、この十二年度は、そういった事情を十分に踏まえながら関係事業者の方々ともよく話し合いをしてこの設備処理事業を最終時期まで継続していきたい、こういうふうに考えております。
#46
○弘友和夫君 要するに、設備が二、三割過剰だ、三十社ぐらい過剰だということで、そのうちの半分が百億円だと。そのうち五億円しか使われていない。今年度でその事業が終わってしまう。これはあとはじゃどうするんだと、その過剰な状況というのは解決していないわけですから。それを、自分でみずから改善するもよしと言われましたけれども、改善できるような状況じゃないからそのままになっているわけですよ。極端に言えば、あとはそれぞれの自由な競争の中でつぶれるところはつぶれなさいということにしかならないんじゃないかと思うわけです。
 大臣、通告をしておりませんけれども、所期のそういう事業の目的というのは達成されていないんですけれども、このままほっておいていいのかどうかということはどうなんですか。
#47
○国務大臣(二階俊博君) 所期の目的を達成するということでは、私ども中小造船業対策においての設備削減は長期的な需給不均衡を是正することを目的としたものでありますので、協会の買収業務は当該設備削減を促進するために実施しているものであり、中小造船事業者の円滑な撤退を支援するものとして非常に有効であるという認識を持っております。しかしながら、中小造船事業者の多くはいわば家業として古くから地域の経済に貢献してきており、造船業からの撤退の決心はなかなか容易ではないことも事実であります。
 このため、運輸省としまして、本法案により協会が解散するまでの間、日本小型船舶工業会などの業界団体に対し、本制度の趣旨とメリットを十分説明の上、着実な成果が上がるよう努めてまいる所存であります。
#48
○弘友和夫君 これ以上論議してもあれですから、頑張っていただきたいと思います。
 次に、高度船舶技術開発支援業務というのが業務として追加されているわけですけれども、平成十一年度までの試験研究資金助成金として総額七十四億円、利子支払い助成金として五億円が交付されている。それの助成の対象となったプロジェクトの数、具体例はどのようなものがあるのか、また試験研究実施者から納付してもらっている納付金、この実績は幾らでしょうか。
#49
○政府参考人(谷野龍一郎君) 先生御指摘の高度船舶技術開発支援業務の助成対象プロジェクトはこれまでで五件ございます。具体的には、テクノスーパーライナー、それから高信頼度舶用推進プラントと称しまして、セラミックでつくった軽量のエンジンでございます。それから、新形式舶用電気推進システム、これはいわゆる燃料電池と呼ばれているものでございます。さらに、これにメガフロート、それからスーパーマリンガスタービン、この五つのプロジェクトを実施いたしております。既に前の三つはプロジェクトが終わっておりまして、現在は後の二つについて研究開発を継続中でございます。
 それから、納付金の実績でございますが、まだまだ開発が終わったところで、実用化について今努力をしておるところでございまして、まだ余り多くの実績を上げておりませんが、舶用推進プラントにつきましては約三百万円に当たる納付金を納入いただいております。今後TSL、メガフロート等のプロジェクトが実用化の段階に入ってまいりますと、その結果として納付金も増加していくものと考えております。
#50
○弘友和夫君 先ほど来テクノスーパーライナーの件でいろいろ論議があっておりました。私は、テクノスーパーライナーにしてもメガフロートにしても、そういう技術というのは、先ほど大臣がおっしゃった技術開発というのは非常に大事だと、私は今かけているお金は少ないんじゃないかと思うぐらいなんです。
 研究実施者から納付金をもうかったときにはもらうんだと、例えばテクノスーパーライナー一そう建造して、実際になったからそこから何千万か納付してもらったとかいうお話ですけれども、それは採算に合うようになったから納付したわけじゃなくて、そういう制度になっているから納付したのであって、こういうのは納付してもらうとかどうこうよりも、本当にどんどん要る研究費なりなんなりというのはもっとかけて使うべきじゃないか。もちろんIT、今から情報技術にお金を使えとかなんとかいう話もあります。それは当然そちらの分野も結構ですけれども、こういう新しい分野にもやはりどんどんお金をかけるべきじゃないか。
 後の質問にも関連しますけれども、TSLの債務保証枠というのは百億円ですか、それをやるから次の事業というのは考えていないと、その百億円全部を債務保証の方に充てるというお話です。その百億の債務保証、それはやるわけじゃないんです、債務保証ですからね。そういう技術開発にもっと力を入れるべきじゃないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#51
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 ちょっと私の説明が悪かったからかもわかりませんが、納付金はいわゆるパテント収入に対するほんの低い、四%程度の低い還元率で納付していただくわけですが、納付していただきましたお金は再び、現時点でありますと造船業基盤整備事業協会が新たな技術開発に投入をしていくという形になっております。
 それから、債務保証の問題でございますが、債務保証は御承知のように高度船舶技術を用いた船舶等の製造資金の借り入れに係る債務保証ということで、これは事業団が行うわけでありますので、事業団の目的であります輸送に対する国民の需要の高度化、多様化に的確に対応した大量輸送機関を基幹とする輸送体系の確立を図るためということで、例えばTSLというのはそれに当たりますし、先ほどちょっと御紹介をいたしました環境に優しい環境低負荷型の舶用推進プラント等もこれに相当いたします。また、これから新たに始めるいろんな高度船舶技術についても、この仕組みを活用しながら、技術が発展することについて、この法案をお認めいただいた後は運輸施設整備事業団の事業として充実強化していきたい、こういうふうに考えております。
#52
○弘友和夫君 先ほど来論議のある、私はこのテクノスーパーライナーの建造によって、物流体系の中でテクノスーパーライナーのモーダルシフトの位置づけというんですか、トラックだとか鉄道だとかそれからこのテクノスーパーライナーだとかいろいろあります、そういう位置づけというか、そういうものをある程度明確にした上で進めていくべきじゃないかなと。実験段階で、実用化が十四年ぐらいになるわけですからそこまでできないかもしれませんけれども、じゃそれはその中でこれぐらいの分野はテクノスーパーライナーでやろうとか、そういう目標なりきちっとしたものはあるんでしょうか。
#53
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 大変難しい御指摘でございます。テクノスーパーライナー、まだ防災実験船しか実績がないわけであります。この中で、今回幾つかの課題を掲げながら実用化に向かっていろんな対応措置についてお諮りを申し上げているわけでございます。
 我々としては、まず第一船をつくり、それによってテクノスーパーライナーの経済性とかあるいは効率性でありますとか、あるいは環境に対する優しさでありますとか、そういったものを関係の事業者の方々あるいは国民の皆様に御理解をいただき、その結果としてさらなる実用化がどんどん進んでいくものだと理解をしております。
 したがって、今の思いといたしましては、全体的にこのテクノスーパーライナーでどれだけのモーダルシフトを促進し、どれだけの量的な環境対応をしようということではなくて、むしろそういう要素を持ったテクノスーパーライナーをまず世に送り出し、それについて認知をしていただき、その上で促進を図っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#54
○弘友和夫君 時間がありませんので、最後に、そういう意味において「希望」が長崎から上海に行って、政務次官も行かれたというお話でございますけれども、そういう実験航海をやることによってどのような成果があったのか。また私の地元の福岡の方も中国等とのいろいろ交流を進めたいという希望も非常にあるんですけれども、国際航路の開拓に期待の声も上がっておりますけれども、それぞれの今後の見通しについて。
 最後に、大臣にもこの推進についての決意を聞かせていただいて、終わりたいと思います。
#55
○政務次官(鈴木政二君) 先日行かせていただきまして、長崎から上海でありました。本当に弘友議員の地元であります北九州市からもぜひ今度機会がありましたら行っていただきたいと思います。
 当時、運輸省の関係職員はもちろんでありますけれども、民間の方々、そして長崎県やまた他の市町村の方々も行かれまして、航行八百六十キロでありましたけれども、非常に安定した穏やかな航行をさせていただきました、御存じのようにそういう仕組みの船でありますから。よく大臣が、たばこが立つぐらい安定していると。たまにはたばこも倒れますけれども、水は本当にきちっとなったり、ちょうど感覚的に言えば新幹線と同じような乗り心地だというふうに皆さん同じように言っておりました。
 そして、これは実用化計画の中で非常に大きな弾みになりまして、中国、特に上海の、大臣が北京の会合のときに担当の中国の運輸省といいますか港湾局の方々に言っていただいたものですから、幹部の方々が上海へわざわざ来ていただきまして、大変な歓迎を受けました。そして、歓迎を受けるとともに、中国のそういう港湾関係の人たちが非常に多くこの船を上海で停泊のときに見ていただきまして、みんな本当にこれからの船だという感じをいたしました。特に上海は大きな国際港でありますので、商用的にもこれはできるなというふうにも言っていただきましたし、その旨の趣旨を言っていただきました。
 そしてもう一つ、私も知りませんでしたけれども、二〇一〇年に上海が国際博覧会を開催したいと誘致をしているそうでありまして、これにも大きな影響力があるな、貢献できるなということも言っておりました。
 そして、国際的には、先生御存じかもわかりませんけれども、英国のロイズ・リストという国際的な権威のある海事関係の新聞も非常に高い評価をしていただきまして、行ったこの成功が、本当に今後とも内外ともに実用化の計画に向けて進んでいけるなという感想を持ちました。
 以上であります。
#56
○国務大臣(二階俊博君) 先ほど来、弘友委員からもっと実験には予算をかけてでもしっかりやれという激励をいただきまして意を強くしているところでありますが、私は、やっぱりこういう実験というのは少しおおらかに見ていただかないと、これだけ金をかけたからどれだけCO2を減らすことができるんだ、こう言われましても、どこをまだ走るかわからぬ船ですから、即座にそれにお答えするわけにはまいりません。
 私の方は、今長崎と上海に向けて実験をやったわけですが、今後これから韓国に向けて、あるいはシンガポールに向けてこれからの実験も引き続いてやらせていただこうと考えております。そして、それらのデータを十分踏まえた上で、さらにアジアの各地域からもこの船についての引き合いも出てくるかもしれない。
 この間、実は日本でかねて小渕総理が提唱されました海賊会議というものの実務者会議が行われました。私はその席に参りまして、この間海賊を捕まえてくれたインドの関係者に、あなた方の技術はすばらしいらしいがと言ったら、船がもう古いんです、日本からずっと前に払い下げてもらった船で古いんだ、だからもっとスピードのある船が欲しいんだという話をされておりましたので、実はテクノスーパーライナーというこれは時速九十三キロで走れるんだと言ったら、びっくり仰天しておりました。ですから、あなたが帰るまでにビデオを届けるから必ずそれを持って帰ってくれと言いましたら、この間、会議の途中にこのテクノスーパーライナーについての説明を聞きたいということで、御説明をしたようであります。
 私は、これなど紛れもなく海賊の、そういう悪いたくらみをする人たちに対しまして抑止力になる、これがしょっちゅうずっと巡回しているということによって抑止力になるのではないか。ですから、海上保安庁や防衛庁等とも相談しまして、そういう面での活用もできるのではないか等々これから幅広く考えていきたいと思っております。
 どうぞ御支援のほどをお願い申し上げます。
#57
○宮本岳志君 我が党は、衆議院の議論でも同僚議員が述べましたように、テクノスーパーライナーなどの新しい技術開発については決して否定をするものではございません。しかし、その事業化を国民の大切な税金を使って国が支援するというのは重大な問題だ、見過ごすわけにはいかないというふうに思っております。
 そこで、お伺いをいたします。
 テクノスーパーライナーの実用化が進まなかった理由は、先ほど来議論されているように、建造コストも保守管理のコストも大変高い、投資リスクが大きいということであります。しかし、私が指摘したいのは、建造コストや保守管理コストの低減を図って民間ベースで事業化できるようにしてこそその技術開発は成功と言えるのではないか。船体をつくるのに一千億円以上かかる、運航コストもエンジンの整備だけで年間数億円かかる。これでは民間の会社はだれもやりたがらないのは当然だと思うんです。つまり、この技術開発は真の意味ではまだ成功したとは言えないのではないか。
 大臣、これはいかがですか。
#58
○国務大臣(二階俊博君) テクノスーパーライナーに関する研究開発は、通常の船舶の二倍の速力であるということは先ほどからも申し上げておりますが、さらに大量の貨物を輸送することができる、あらしの海もこの船は航行することができる、そのように大変効果のすばらしいものだというふうに考えております。
 これを実用化していくためには、いろいろの実験の結果、研究開発に対しましてできるだけの問題点を乗り越えていかなくてはならないというふうに考えておりますが、これを直ちに実用化するという面につきまして、民間の企業がこの船を購入する、あるいはこういう船を建造するということになれば宮本委員御指摘のとおり大変理想でございますが、今直ちにそういうことが期待できないという中で、さらに実用化等についての実験も重ねながら、この船を我が国の産業の一つの物流の基本としてこうしたものを取り入れていくためにはあらゆる工夫をする必要がある。
 その工夫の一つとして、私は今回御提案しておりますことは大変時宜に適したことであって、リスクをできるだけ少なくし、そして国民の税金を投入するということをできるだけ縮減しながら対応していっておりますので、このことにつきましては後ほどいつか必ず宮本委員にも評価される日が来るだろうというふうに思っております。
#59
○宮本岳志君 直ちに実用化しようとならないものを国の支援で直ちに実用化しようとする、私はそこに無理があると思うんです。
 大臣はエジソンや松下幸之助と先ほど来言いますけれども、エジソンも松下幸之助も別に国の支援を受けて実用化したんじゃないんです。技術というものは、やはりそれが実用化されるところまで研究するというのは当然のことじゃないですか。大臣、いかがですか。
#60
○国務大臣(二階俊博君) エジソンや松下幸之助が国の支援でこのようなすばらしい開発をなし遂げたということを私は申し上げたわけではありません。私が申し上げたのは、エジソンであれ松下幸之助であれ、当時はそういう発明に対して多くの国民の皆さんの共感を得るというところまでは至っていなかった。しかし、それでも後に大きな評価を得るようになった。
 ですから、テクノスーパーライナーの問題につきましても、今さまざまな御議論があります。意見を言うことは極めて簡単であります。しかし、この問題をここまで持ってくるために関係者の皆さんの本当に努力をしてきた成果につきまして、これを何とか世に出す方法はないかということを我々は我々なりに苦心をしてようやくここまでこぎつけてきたものであります。
 御意見は御意見として十分承って、今後この運営に十分それを生かしていきたい、委員各位の御意見は十分これからのテクノスーパーライナーの進展の上に生かしていきたい、こう思っておりますが、私は今の対応は現在考え得る最高の方法だと考えております。
#61
○宮本岳志君 私は、それを国のリスクにかぶせるということに重大な問題があると思うんです。
 二階運輸大臣は衆議院で、今回の債務保証について、政府として十億円、日本政策投資銀行十億円、その他民間からの拠出金でつくる信用基金を財務基盤として、その範囲内で行うものだから国の負担が大きくふえることにはならない、こう答弁されました。これを聞くと、まるで最大十億円という枠が守られるかのように聞こえます。
 まず、運輸省に事実関係を聞きたい。
 この債務保証は、保証総額が基金の額の範囲内にとどまるものですか。
#62
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 法人が債務保証を行う場合、その債務保証限度額につきましては、通常、その債務保証の対象となります事業における事故、すなわち保証債務の履行の発生確率を勘案しまして、事故の発生により法人の経営に大きな支障が生じないように基金総額の数倍程度の設定をしているのが普通であります。
 ちょっと事例を調べてみましたが、例えば通信・放送衛星機構は、信用基金を六十億積んで、保証限度額はその六倍の三百六十億に設定して、高度通信施設整備等のための借り入れに対する債務保証をいたしております。
 したがって、運輸施設整備事業団がTSLの実用化に関して債務保証を行う場合にも、同様の考えで債務保証限度額を設定することとしたいと考えております。このため、運輸施設整備事業団に対しましてTSLの建造資金の借り入れに対する債務保証の希望がたくさん寄せられた場合には、債務保証限度額を上限といたしまして保証総額が信用基金の額を超えることも考えられると思っております。
#63
○宮本岳志君 通信・放送機構、今は通信・放送機構です。
 なるほど六倍程度、すべて基金の六倍の債務保証をやっているんですね。
 今回、あなた方は基金六十億とおっしゃっております、大体。六倍で三百六十億、五倍で三百億、四倍で二百四十億。三隻程度で軌道に乗せたいなどという話も出ておるわけですけれども、それは希望であって限度ではないわけです。基金の枠を超えて債務保証して、万一それが次々と破綻したら負債は基金の枠を超えることがあり得ると思うんですが、その可能性について、有無だけ御答弁ください。
#64
○政府参考人(谷野龍一郎君) 基金の額を超えて債務保証をするつもりはありません。
#65
○宮本岳志君 いや、可能なわけでしょう。いかがですか。可能なんでしょう、債務保証は。
#66
○政府参考人(谷野龍一郎君) 債務保証は、債務保証の限度額を超えて債務保証はしないということでありますが……
#67
○宮本岳志君 できないですよ。
#68
○政府参考人(谷野龍一郎君) 信用基金の枠を超えることはあり得ると申し上げております。
#69
○宮本岳志君 よくわからない。基金の枠は超え得るということですね。だから、基金の枠を超えて債務保証し、それが破綻をするということが、私は可能性は否定できないと思うんです。
 これは大げさな話じゃない。つまり、今回のスキームは、民間ベースではリスクが大きいから事業化されないような事業を事業化しようという話なんですから。本当に安全だと、絶対大丈夫だというんだったら民間でやればいいわけです。
 私は、ここで大臣に、ひとつ本当に根本問題を聞きたい。つまり、民間で負わないようなリスクは国や国民にも押しつけるべきではないと思うんです。私は、本当に大丈夫だと大臣がおっしゃるならば、それは民間に大丈夫だと説明してやらせればいい。大丈夫でないからこそ、民間でできないというんだったら、なぜそれを国民に押しつけることができるんですか。大臣のひとつお考えを。
#70
○国務大臣(二階俊博君) 宮本委員がおっしゃいますように、私は、やがて民間でこれらの船を購入し、あるいはこの船を運航しようというそういう民間業者が出てくることは当然だというふうに期待をいたしております。
 とりあえず今は、実験段階から、これから実用船に入っていく初期の段階でありますので、政府としては、今次の法律改正によりまして運輸施設整備事業団にTSL建造資金の借り入れに関する債務保証業務を追加する際に、国民に無用なリスクを負わせることのないように措置することが必要であるということは今委員御指摘のとおりであります。このため、運輸施設整備事業団による債務保証業務の実施に当たりまして、その財務基盤を強化するとともに、当該業務が適切に行われるよう指導監督する体制を整備することとしております。
 具体的には、衆議院でも申し上げましたが、政府の十億円、日本政策投資銀行の十億円及び民間からの出資金により構成される造船業基盤整備事業協会の資本金を活用して運輸施設整備事業団に信用基金を設け、債務保証業務の実施に伴うリスクに対応させるというふうに考えております。
 運輸施設整備事業団による債務保証業務の実施に際しましては、債務保証の対象となるTSLの事業性、当該TSLを運航する事業者の経営状況等について適切な審査が行われるよう、具体的な実施方法につきましては業務方法書等において規定し、これに基づき的確な監督をするというふうに縛りをかけておるわけであります。
#71
○宮本岳志君 十億円の出資金ということを繰り返し御答弁されるんですけれども、この債務保証は基金が行うのではなくて事業団が法的当事者として行うわけですから、先ほど申し上げたように当然その基金の枠を超えた債務保証が破綻した場合に事業団にそれだけの責任がかかってくるということは明らかだと思いますし、ただ十億の枠内でとどまるという話ではないと思うんです。
 それで、私は次に、時間がございませんので、二階運輸大臣の衆議院の議論についてもう一つお伺いしたい。中小企業がこれに参加できるかという議論です。参加しようという勇気のある企業があれば大いに歓迎をいたしたいと、こう御答弁されました。
 それで、まず造船の問題ですが、この技術は総合重工メーカー七社でつくる技術研究組合で開発してまいりました。今回の実用化、予想されるのは、三菱重工業や三井造船が進めてきたものであります、この二社がやはりつくるということになると思うんですね。この建造に中小造船業者が参画するということは私は不可能に近いと思うんですけれども、これはそうですね、大臣。
#72
○国務大臣(二階俊博君) 常識的には、そういう大手のすぐれた技術陣をたくさん抱えているところが今日まで研究等を続け、先ほども申し上げましたように例えば四百メートルのプールで常に実験を繰り返している。それでは中小の造船業に四百メートルプールを持っているそういう造船業が何社あるかということを思いますときに、とても難しいことではあるには違いありませんが、中小企業ではできないのかと、こう言われるから、中小企業でも勇気のあるそういう企業があればどうぞ御参加をしてください、オープンであります、入り口をあけております、こういう意味のお答えを申し上げたわけであって、あなたは、中小企業だから当然もうこのテクノスーパーライナーなんかに参加できませんよと。そんなつれないことを言うつもりはありません。ですから、参加される上におきましては、それだけの気概を持った中小企業だと思うわけであります。
 しかし、将来的には小型船も含めたテクノスーパーライナーの建造ということは期待できるわけでありますから、中小企業の皆さんにも大いに希望を持って参画していただけることを私はむしろ歓迎したいと思っております。
#73
○宮本岳志君 それは門戸は開いているというお話ですね。ただ、実際上はそういう技術を持ったところということになってくるだろうと思います。
 それから、海運業の方はどうか、これも少し検討してみたい。
 大臣はこれについても、運航する地域が極めて重要な、あるいはまた需要の大きい航路を選ばれた場合には中小海運事業者でも参画できるという趣旨の答弁をされております。
 これは海上交通局長に聞きますけれども、平成十年度の中長距離フェリーの旅客輸送実績で上位五航路とその事業者名、御答弁ください。
#74
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。
 平成十年度における中長距離フェリー航路、距離百キロ以上というふうに考えておりますが……
#75
○宮本岳志君 端的に。
#76
○政府参考人(高橋朋敬君) 旅客輸送実績で上位五航路について申し上げますと、一番目が大阪―別府航路でありましてその事業者は関西汽船、それから第二位が大分―神戸航路でございまして事業者はダイヤモンドフェリー、第三位が大阪―門司航路で事業者は名門大洋フェリー、第四位が大阪―東予航路でありまして四国開発フェリー、第五位が泉大津―新門司でありまして阪九フェリー。
 以上でございます。
#77
○宮本岳志君 今の航路を見ますと、関西汽船、資本金六十九億、これをトップに、資本金で見ますと、ダイヤモンドフェリーが九億、名門大洋フェリー八億八千万、四国開発フェリーが四億六千七百万、阪九フェリーが十二億。つまり、大手フェリー会社がやはりそういう運航実績を持っているわけです。だから私は、まずTSLを導入するのは今既に大量の輸送実績を持っているそういった大手フェリー会社が入れていくんだろうと。つまり、これに中小企業が参入していくというのはこれまたそう簡単な話でないというふうに思うんです。
 それで、もう時間がありませんので一つお伺いしたい。
 そもそも、今回のこのTSLというものを開発してきた技術開発は、造船業基盤整備事業協会の高度船舶技術開発支援を受けて進められてきたものであります。これは運輸省にお伺いしますけれども、この造船業基盤整備事業協会の技術開発支援業務、大企業の子会社を除いて中小企業がこの支援を受けたというその事例は何件ございますか。
#78
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答えいたします。
 先ほど五件のプロジェクトについて実行したと申し上げましたが、その中でメガフロートのプロジェクトにつきまして、参加企業十七社ございますが、大手造船七社以外の造船企業が六社参加をいたしております。その他の四つのプロジェクトにつきましては、技術開発の内容が極めて高度であるとか、中小造船業が直接需要源にしていないとか、そういう事情もございまして、結果として中小企業の参画はございません。
#79
○宮本岳志君 メガフロートというのは、我々も見てきましたけれども、まさに大企業が中心になって進めている事業じゃないですか。もちろん、中小企業が子会社という形で加わったり、あるいは大企業と一緒になってやったりというものも中にはあるのかもしれません。しかし、これは大半大企業が進めてきたものであり、そもそもこの技術支援は五億、十億というような大きな技術開発を想定したものであって、そういう趣旨で進められてきたという御説明すら私は運輸省からいただいたぐらいであります。
 きょうは、一九八九年、このスキームをつくったときの議事録を持ってまいりました。八九年六月二十一日、参議院運輸委員会、我が党の小笠原貞子議員が、まさにこのとき既にテクノスーパーライナーの議論があるんですよ、この技術支援を、挙げて造船大企業支援ではないかと追及したのに対して、当時の石井海上技術安全局長はこう答弁しております。「中小企業に対しましても、いい技術開発のテーマがありましたらこういう制度を通じて支援できるようになっておるわけです。しかし、御指摘のように、平成元年度の予算では非常に先端的な技術開発をねらっておりますために、大手企業が参加した超高速船の開発あるいは高信頼度推進プラントの開発というのがテーマになっております。」と。たまたま元年度だけ大企業で、行く行く中小企業がどんどん入ってくるんだと、こういう御答弁なんです。
 それから十一年たった。しかし、実際上五件、そして実際は大企業がやっているものばかりじゃないんですか。これは国民を欺いたということになるんじゃないですか、大臣。
#80
○国務大臣(二階俊博君) それは、国民を欺いたと言いますが、私どもはその当時何の関係もありませんから、その議事録を持ってきて国民を欺いたと言うのは少し言い過ぎじゃありませんか。
 TSLが普及することによって、大手造船業のみならず中小造船業も含めた超高速船の市場というものが新たに私は開かれてくるであろうということを考えております。したがいまして、小型のTSLの建造等一定の役割を担うことが可能となるものでありますし、今神戸に、小さい方のTSLの実験船は、これはおかに上がっておりますが、神戸港に陳列をされております。こうした船でありますれば十分中小企業もそれに対応していくことができる。
 いずれにしましても、我が国造船業全体の将来にとって重要な政策であるということを確信しておる次第であります。
#81
○宮本岳志君 一言だけ。当時何の関係もないということこそ言い過ぎじゃないですか、これは運輸省として国会でやった答弁なんですから。そのことは指摘したい。
#82
○国務大臣(二階俊博君) 我々は国民を欺くという気持ちなんか全く持っておりませんから、そのことをもって、その議事録を持ってきて、これで国民を欺いたと言うことは少し言い過ぎではないかと申し上げたんですが、私は今も言い過ぎではないかと思っております。
#83
○宮本岳志君 終わります。
#84
○渕上貞雄君 一刻の猶予もならない有珠山に、関係者各位の労苦に対してまず感謝を申し上げておきたいと思います。頑張っていただきたいと思います。
 そこで質問ですが、造船業基盤整備事業協会の解散と業務の事業団への移管についてまずお尋ねをしたいと思います。
 本法律案の成立によって、造船業基盤整備事業協会に働く職員について、当時の与党の合意に基づいて雇用の確保に万全を期していただきたいと考えますが、いかがでございましょうか。
#85
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 造船業基盤整備事業協会の運輸施設整備事業団への統合に際しましては、行政改革の趣旨を踏まえて、管理部門の圧縮とか効率的な業務運営によってその職員数は十九名から十二名には減らします。ただ、事業団に移行しない職員については、その雇用がきっちり確保できるように対処をいたしております。
#86
○渕上貞雄君 よろしくお願いを申し上げておきます。
 もう一つの、今回の法案におきましてはテクノスーパーライナーの実用化支援のための債務保証業務を事業団に新たに実施させようとするということでございますけれども、テクノスーパーライナーの実用化について幾つかの御質問を申し上げたいと思います。
 まず第一点は、テクノスーパーライナーの実用化に当たっては国内航路を考えておられるのでしょうか、それとも国際航路をお考えなのでしょうか。
 また、運航を開始することによって海上輸送へのモーダルシフトを推進するとのことですが、テクノスーパーライナーの運航によってどのような効果があるとお考えなのですか。
 さらに、これまでの実用化に向けた実験においてどのようなメリットとデメリットが浮き彫りになったのでしょうか、御質問申し上げます。
#87
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 まず最初の国内、国外、いずれの航路で実施するのかということでございますが、TSLの実用化は物流活性化や環境負荷低減効果のあるモーダルシフト推進策の実行という政策課題にこたえるということと、それから対応する港湾の整備や運賃収入等、事業採算性の見通しが容易で商業用船舶の成功裏な実用化が予測しやすい国内航路から始めることにしたいと考えております。
 それから、第二点目のモーダルシフト等の政策あるいは物流関係への影響評価についてでございますが、TSLの実用化によってトラック輸送の機動性とうまく組み合わせた形で高速海上輸送ネットワークが実現することが期待されますので、結果として大量輸送を志向する海上輸送の方へ陸上輸送から量的にはシフトが進むのではないかと考えております。そして、この結果として、排出ガスの削減など交通による環境負荷が低減をしていくだろう、こういうふうに考えております。
 それから、最後の御質問でございますが、メリット、デメリットの問題でございますが、TSLは御承知のように最高速度五十ノット、大変高い積載能力を有する、さらに長い航続距離を持っております。それから、荒れた海でも安全に航行が可能であります。こういう画期的な性能を持っておりますので、将来的には大量の貨物と大量の旅客の高速輸送を可能とする世界でも類を見ないメリットを持った高速船だと認識しております。
 他方、全く新しい技術を活用した船舶であり、在来船に比べて建造コストが高額であるとか、あるいはガスタービン等の採用等特殊な推進方式、船体構造等を有しておりますので、運航管理あるいは保守管理に関するコストが在来船に対して若干割高となるというような課題がございます。したがって、事業化についてはこうした課題の克服が必要になる、こういうふうに考えております。
#88
○渕上貞雄君 テクノスーパーライナーはその建造費のコストが非常に高い上に保守管理コストも高いために、保有管理会社を設立して、そこが建造、保有、運航事業者にリースすることによって初期の負担の軽減を図ろうとするようでございますけれども、まずは、運航事業者の選定などはどのようにされるのでしょうか。また、リース料はどれくらいになるとお考えになっておるのか。仮に運航事業者が赤字運航のためリース料に耐えられなくなり撤退するような事態になった場合、初期の負担の軽減どころか費用の増大が見込まれるわけでありますけれども、このような事態が発生をした場合どのように対応されるのか、御質問をいたします。
#89
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 TSLの運航事業者の選定でありますが、リース料とかあるいは用船期間あるいは用船先を決定するための客観的な基準を策定し、それを公表したいと考えております。そして、広く用船希望事業者を公募して、各応募事業者の提示条件を客観的な基準に基づき評価して最も条件のすぐれた事業者を用船先とするなど、すべての事業者に対しまして透明性と公平性を持ってオープンにして対象航路の選定をしていきたい、こういうふうに考えております。
 それから、お尋ねのリース料につきましては、建造資金等、保有管理会社にかかわってまいります所要の経費を回収できる適切なリース料を設定する予定でございます。
 最後の質問でございますが、事業者の選定に当たっては、その財政基盤や事業採算性につきまして慎重に審査をすることといたしておりますので、我々としては事業継続が困難となるような可能性は招かないだろうと期待をいたしておりますが、万が一そういった事態になった場合には、保有管理会社がこれまでの運航事業者にかわる新たな事業者を速やかに選定いたしまして、引き続きTSLによるサービスの提供をとめないようにいたしたい、こういうふうに考えております。
#90
○渕上貞雄君 最初から失敗することを考えて質問する方もどうかと思ったけれども、まあひとつ頑張って。
 次に、設立されます保有管理会社は、テクノスーパーライナーの建造、リース、保守管理、サービスの提供が業務となっておるところでございますけれども、会社の実態が明確でありません。出資者及びその機能などについて具体的にお教えを願いたいと思います。
#91
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 まず、設立を予定いたしております保有管理会社の役割でございますが、一つは、みずからTSLを建造、保有して、これをリースすることによって運航事業者の負担を軽減するということ、それからもう一つは、高度な技術を活用する船舶であるTSLの安全で効率的かつ経済的な運航支援、それから保守管理を実施する主体として役割を果たす、この二つの役目で設立をしたい、こういうふうに考えております。
 それから、この保有管理会社への出資につきましては、日本政策投資銀行からの十億円を限度とする出資に加えまして、造船事業者、それから機器メーカー、それから物流事業者などできるだけ幅広く出資を募りたい、こういうふうに考えております。
#92
○渕上貞雄君 出資者のところは明確に今答弁いただきましたかね。
#93
○政府参考人(谷野龍一郎君) 出資者の分類分けといいますか、業種分けを申し上げました。
 もう一度申し上げますと、はっきり決まっておりますのは、日本政策投資銀行からの十億円を限度とする出資、それからこれに加えて造船事業者、それから舶用機器メーカー、それから物流事業者など幅広く求めていきたいと思っております。
#94
○渕上貞雄君 最後になりますけれども、大臣にお伺いいたしますが、テクノスーパーライナーの建設に当たって大変御苦労される、同時にその将来についても危惧される、いろんな問題があると思うのでありますけれども、具体的な実用化に向けての今後の課題と将来の見通しについて大臣としてどのようにお考えなのかお伺いいたして、質問を終わります。
#95
○国務大臣(二階俊博君) 段々の御議論で問題点も明らかになってきておりますが、建造コストが高額であるということが第一点であります。続いて保守管理のコストが一般の船に比較しまして割高になる、これが問題の第二であります。
 これらの課題を克服するために、今回の運輸施設整備事業団法の改正及び平成十二年度の予算措置によりまして事業化支援措置を講じることにしたところであります。これらの措置によりましてTSLの事業化に必要な基盤が整備され、さらに平成十四年度にTSLの実用化第一船が運航を開始して、その商業利用時の経済性、信頼性が明らかとなればTSLの普及に将来弾みがついてくるものだと期待をいたしております。
 国内においてのTSLの事業化が成功すれば、TSLを国際航路へ投入することが次の課題となるであろうと思っております。このため、静岡県が所有するTSL希望号を用いて上海への国際実験航海を成功裏に実施したところでありますが、今後私は、これを韓国、香港、シンガポールなどを対象にしまして、今後とも実験を繰り返していくと同時に諸外国に対してのデモンストレーションにもしてまいりたいと考えております。
 TSLが近い将来アジア航路に投入され、高速海上ネットワークが実現すれば、新たな輸送需要が生まれ、アジア諸国間の貿易経済の一層の発展にも貢献するものというふうに考えておる次第であります。
#96
○岩本荘太君 参議院クラブの岩本でございます。最後の質問でございますので、よろしくお願いいたします。
 今回の法改正は、特殊法人等の整理合理化についてという閣議決定に基づくもののようでございまして、造船業基盤整備事業協会の解散と運輸施設整備事業団法の改正、こういうことで、特殊法人がいろいろ言われている中でこういう整理合理化をされた御努力には敬意を表する次第でございます。また、こういう組織の組みかえというのは往々にしていろいろな問題があるかと思いますけれども、その辺を先取りしてうまく動かしていただきたいなと思うわけでございます。
 先般も、有珠山の災害対策について大臣に先手先手に打っていただくのが大事だということで御同意いただいたと思いますが、災害ばかりでなく、こういう組織の改編とかも先手先手に問題点を受けとめてやっていただくのが一番いいんじゃないか、こういうふうに思う次第でございます。
 先ほど来の議論をお聞きしておりますと、やはりテクノスーパーライナーに議論が集中しているようでございまして、私もこれが一番わかりやすいものですから質問を準備したわけでございますが、私と同じ会派に私以上の専門家がおりますが、どういうわけか素人の私に質問が当たりまして、どうも素人っぽい質問でございますが、素人にもわかりやすいお答えをいただきたいなと思うわけでございます。
 そうは言いますものの、昨日質問通告いたしました中で大半今までにもう御答弁いただきましたので、大体私自身も理解したと思っております。
 特に今、渕上議員の御質問にお答えになって、問題点あるいはこれからの予定、いわゆる建造コストが高いことが問題である、それから保守管理費が割高であるということのようでございますが、これは運輸省の技術力並びに能力をもってすればおいおい解決されるのではないかと思いますし、ぜひ平成十四年の商業化に向けて努めていただきたい。そういう意味で私、この開発について否定するものでもございませんし、これは我々、便利なもの、どんどんこういうものに進むことはいいことだと思っております。
 ただ、今の日本を見ますと、いろんな面でいろんな開発ができて、それぞれぎりぎりの技術力の状態で動いている中にさらに新しいものが組み込まれるという状況になると思うんですが、これは終戦直後みたいなときには、皆さん開発の空間といいますかそういうものがありましたからどんどんやってもいいのかもしれませんけれども、今のような時代になりますと、新しい開発によって影響を受けるところということに一つやっぱり関心を持たなきゃいけないんじゃないかなと。
 先ほどの御議論で、どういうような将来構想を持つのかというような御議論もございました。それと同じ質問かもしれませんが、私はもっと具体的に、今まであるどういうものが影響を受けてどうなるのか。これは、ただただ運輸省が技術開発を目指す、これも一つの運輸省の機能であると思いますけれども、同時にやはり民間企業と違うわけですから、開発された状態がどうなるか、それを先取りして、いわゆるそれによって影響を受けるところのソフトランディングなりハードランディングなり、どちらでも構いませんけれども、要するに影響を受けるところの影響ができるだけ小さくなるようなことを考えなきゃいけない。
 そういう見通しを立ててこういう開発もしていただきたいな、こう思う次第でございまして、そういう意味から、いわゆるコンテナかフェリーかわかりませんが、こういうことをやられることが将来どのぐらいの規模になるのかなということを実は質問として考えたんですけれども、これも先ほどの御答弁でまだそこまでは行っておられないと、確かにそうだと思いますけれども、おいおい考えなきゃいけない問題であると思っております。
 そういう意味で、こういう新しい技術で大変大きな開発でございますし、私は運輸省の技術力をもってすればできるだろうと思っておりますが、同時に、将来どういうふうな影響を想定されるのか、あるいはそういうものに対してどういうふうに対応されていくようにお考えになっているのか、その点をぜひ御答弁いただきたいと思います。
#97
○国務大臣(二階俊博君) TSLは、御承知のとおり、これまでの船舶では提供できなかったような大量高速輸送サービスということが可能になるわけでありまして、まさに革新的な輸送機関となり得るものだというふうに考えております。
 TSLの実用化によりまして既存の輸送機関が影響を受けることは私は当然否定できないと思うわけでありますが、一方では、貨物列車あるいはトラック輸送等、従来の輸送機関との組み合わせによりまして新しい高速物流システムを提供することができるなど、国民が望む利便性の高い効率的な輸送システムの構築が期待できるのではないかと。
 したがいまして、先般の長崎から上海に向けて実験航海をいたしました際にも、トラック事業関係者にもこの船にお乗りいただいて、この船の性能、特徴等を御理解いただくと同時に、トラックとテクノスーパーライナーとどう組み合わせていくかなどにつきまして既に関係者の皆さんにも協議をいただいておるわけでありますが、今後この法律の成立とともに幅広い物流関係の関係者の間で御議論をいただくように我々の方からも積極的に対応してまいりたいと思っております。
#98
○岩本荘太君 そういうお取り組みをいただきたいと思うんですが、今のお話で、確かにいろんな組み合わせで新しい方向に進む。プラスの方向に進まれる方はこれはかなりおると思うんですが、同時に、見捨てられると言ってはおかしいんでしょうけれども、新しいものに乗れないと。先ほど大企業とか中小企業のお話がございまして、中小企業はどうなるんだというようなお話がございましたけれども、私、大企業とか中小企業ということは申しませんけれども、時代に乗りおくれて困られる方がおるんじゃないかな、そういうようなものについての目配りもぜひやっていただきたいなというような感じがいたします。
 ただ単に新しいものだけを開発して、それに乗ってこいと言って後は知らないよというと、やっぱりこれは旗を振って大きな反対運動になるようなことにもつながりかねませんので、そういうことがない調和された形の開発をしていただきたいなというようなことでございます。
 そういう意味で、もう一つこれも素人っぽいあれなんですが、前々から思っていたんですが、運輸省は全部のいわゆる輸送機関を所管されているわけですよね、それで、例えば新幹線なり、道路は別ですけれども自動車もあるでしょうし、いろんな面でそれぞれが速く大量にといいますか、効率性を求めてどんどん開発されているわけでございますけれども、それが往々にして競合することがあるんではないかなという心配をするわけです。だからといって開発をしてはいけないと言うつもりはございませんし、新幹線につきましても、私は新幹線推進論者でございますので、効率を考えてだめだというようなことでなくて、新幹線は、東北新幹線あるいは長野新幹線を見ても予想もしなかった需要が出てきているというようなことでございますので、需要を創造する機関だというふうに思っておるんです。
 そういう前向きな格好で言いましても、いろいろ競合するところがあって落ちこぼれが出てくるような事態があるんだと思うんです。そういうものは、単に業界、民間だけに任すのではなくて、日本の国の大きな将来像という観点から、やはり運輸省なりがしっかり将来的な物の見方をしていかなきゃいけないんじゃないのかなというような気がしているわけでございます。
 先ほどの答弁でそのことは尽くされていると思うんですが、もう一度、大臣、大きな目で運輸省として、運輸省内の縦割り行政に陥らないという面も含めてひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#99
○国務大臣(二階俊博君) 仰せのとおり、運輸省としては、例えば新幹線の導入、航空機のジェット化、大型化に対応した空港の整備、コンテナ化に対応した港湾施設の導入、それぞれ時代における革新的な技術を積極的に導入し、全体として国民にとって利便性の高い総合的な交通、物流の体系の形成に今日まで努めてきたわけでありますが、今御指摘のような点につきましても十分配慮していくことは当然のことだと考えております。新たな技術開発による事業が市場で大きく成長し、既存の交通事業者の雇用等を通じ経営に急速かつ甚大な影響を与えるような場合には、行政として必要な措置を講ずることは当然のことだというふうに考えております。
 同時に、今後とも技術開発によって市場に大きな影響を持つものであるか否かということを十分注意を払うとともに、必要な対策を講じながら、関係者の御理解また納得の上にこうした問題に対しては進めていきたいというふうに考えております。テクノスーパーライナーが開発して成功して、周辺のトラック事業者や何かがみんな何かどこかに追いやられたというふうなことがないように、それは十分注意をしてまいりたいと思っております。
#100
○岩本荘太君 よろしくお願いをいたしたいと思います。
 あと政府参考人の局長お二人お呼びしてお尋ねする予定でございましたけれども、前もって前段の質問で済んでおりますので、時間を余しましたけれどもこれで私の質問は終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#101
○委員長(齋藤勁君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#102
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律案について反対の討論を行います。
 本法案は、造船業基盤整備事業協会の解散に当たって、運輸施設整備事業団に協会の業務を引き継ぐだけでなく、民間が設立するテクノスーパーライナー保有管理会社に事業団がその債務保証や補助を行うというものであり、我が党は断固反対いたします。
 反対理由の第一は、本来、民間の事業は民間事業者がみずからの資金と責任で行うのは当然だからであります。
 建造費や運航コストなどリスクが大きく、民間の自己責任では事業化できないようなものを国の支援によって無理やり事業化するなどというのは、そもそも本末転倒だと言わなければなりません。
 反対理由の第二は、そのリスクを結局国民に押しつけようというのは断じて容認できません。
 政府は、債務保証は事業団の中に置く信用基金によって行うと説明してきましたが、私の質疑でも、債務保証の総額は決して基金の枠にとどまらないこと、そしてその法的な当事者が基金でなく事業団であることが明らかになりました。万一破綻した場合の国民負担は決して政府出資金や基金の枠にとどまる保障はないのであり、まさに造船・海運大企業のTSL事業化リスクを国と国民に転嫁するものと言わなければなりません。
 反対理由の第三は、このスキームづくりが専ら大企業のもうけのためであり、中小企業のためにはならないことがいよいよ明らかだからであります。
 TSLの建造には中小造船業者の参画は望めないことはもちろん、海運事業者にとっても、TSLの導入で新たな利益を得られるのは大手フェリー会社など大手事業者であり、不況にあえぐ中小海運事業者にはとても活用できるようなスキームではありません。それは、十一年前、高度船舶技術開発支援業務の発足に当たっても、政府が中小企業も対象だなどと言いながら、その後十年間、結局大企業の支援に終始してきた事実一つ見ても明らかではありませんか。
 以上三点を厳しく指摘して、私の反対討論を終わります。
#103
○委員長(齋藤勁君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 運輸施設整備事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#104
○委員長(齋藤勁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(齋藤勁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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