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1950/12/07 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第12号
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1950/12/07 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第12号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
   午後九時二十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方公共団体の議員及び長の選挙期
 日等の臨時特例に関する法律案(内
 閣送付)
○全国選挙管理委員会法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○本委員会の運営に関する件
○専門員の選任に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
#3
○吉川末次郎君 緊急という意味ではありませんが、一言この機会に岡野国務大臣がお見えになつておりますので、現在時事問題になつておりますところの地方自治に関する一つの問題につきまして、特に発言いたしまして御見解を承わりたいと思うのであります。それは新聞紙上でも問題になつておることでありますが、地方自治法において、先に選挙されましたところの地方自治体の長及び地方自治体の議会の議員の任期というものが、大体においてその四ヶ年が来春の三月、四月に満了するようになつているところの人が非常に多いと思われるのであります。ところがその来春の改選期を前にいたしまして、自己の任期を政治的に実質上延長せしめて、そのまま居坐つて行こうというところの政治的意図を以ちまして、策略的に特に首長でありまするところの知事或いは市町村長が、一般の選挙民に対して政治的に有利なる何らかの好印象を与えて選挙を有利に展開せしめるような事柄を策略的に作りまして、そうしてわざと辞表を提出いたしまして、選挙を新らしく施行することとして、そうして自分はその機に乗じて再立候補いたしまして、当選を期そうとするようなことが昨今頻々と行われておりまして、すでに新聞紙上に幾多それについての例が記事として出ておるようなことは、大臣も御承知のことだろうと思うのであります。例えて申しまするならば、そのことの魁けをなしました例の一つといたしましては、青森県の知事の津島君であります。津島君は青森県の県税の收入として同県におけるところの「りんご」税收入というものが相当多額を占めておつた。ところが税制の改革によりまして、県税としての「りんご」税收入がなくなつたが故に、自分は今後青森県政を持続して行く上において財政上非常な苦しみを受けるので、県民諸君の信を問うというような意味で辞表を提出いたしまして、そうして新らしい選挙に打つて出て見事再選されておるのであります。地方の人人に聞きまするというと、津島君は真意は決してそういうところにはなかつたのであつて、いやがつておつたけれども、有志が無理矢理に再出馬せしめるように慫慂して出したのであるというようなことを言つておるところの人もありますが、真偽のほどははつきり、その点は主観的なことでありますから、なかなかわかりませんが、少くとも客観的な事実から判断いたしますならば、先に私が申しましたような意図を以て行われたものであるというようにも考えられるのでありまして、結果はまさにそのようになつておると思うのであります。又現にすでに選挙が開始されておると聞いておるめでありますが、岐阜県の知事でありますところの武藤嘉門君でありますが、前衆議院議員であつたと思いますが、その人も又同様なるところの手段によりまして、策略的にわざと、あますところ三、四ヶ月であるところの知事の任期途中におきまして辞表を提出いたしまして、聞くところによりまするというと、何ら大義名分の立つたところの理由がないということでありますが、やはり出馬いたしまして、現在の状態においては選挙情勢は武藤前知事に対して極めて有利に展開されておるということが伝えられておるのであります。同様に政治的な極めて卑劣なるところの意図を以ちまして、改選期直前数ヶ月前でありまするときにおいて、そうした辞表を出しまして、そうして居住民大衆の人気を博するようなこうした時弊を作りまして、そうして自己の実質的な任期延長を策略しておりまするところの市町村長等が全国を通じて、相当右の人にならつて、そういう挙に出ておる人があるということでありますが、これは極めて地方の自治の上におきまして、重視すべき一つの最近の現象ではないかと考えておるのであります。で、そういうことが許されるところの法の不備がありましたならば、これは国会におきまして何とか直して行かなければならんものであると考えておるのであります。で、未だ極めて素朴に漠然としか考えおりませんが、明らかにそういう意図を持つてするところの者には再立候補を許さないというような規定を設けて、これを禁圧するというようなことを考える必要があるのじやないかと思つておるんでありますが、我々みずからも法案に対する立案権を持つておるんでありますが、この最近の極めて卑劣なる謀略的な自治体の選挙に対する、殊に府県知事、市町村長等の自治体の首長のそうした行動を前にいたしまして、右についてどのようにお考えになつておるかということをよく承わりたいと思うのであります。
#4
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。最近ニ、三改選期を前にしてやめて、そうして再出馬するというような例が見受けられるのでございます。併しまあいろいろその本人の御意思がどこにあるか、私はよく存じませんが、非常に悪意にとればお説のような弊害が出て来るかもわかりませんが、とにかく住民の負託を受けて満四年間就任しておらなければならない。又就任する権利があれば同時に義務もあるわけですから、やはり自分の体が動かないとか何とかいう最も止むを得ないような事情がない限りは、やはり任期満了までおつて頂くのが、これが公人としての責任でもあり、徳義でもあろうと存じます。併しながら世の中はそういうふうに動きませんで、いろいろ選挙の策戦で今おつしやつたような寓意の下にやられるかたもないとは限りませんが、只今のところではそれを禁止するまでに私は考えがまとまつておりません。同時にそういうことは一つ住民の良識に待ちまして、そうしてそういうような若し仮に自分の選挙対策のために任期中の権利義務を放棄して、そうしてやめて行つて、再出馬するというようなことは、住民がそれを排除するというふうに、やはり啓蒙して行かなければならんことと思います。まあ私の考えはそうでございます。併し只今のところで、そういうようなものの再出馬を禁止するとか、何とかいう法律を出すとか、出さぬとかいうことは、私はまだ結論を得るに至つていないことをお答え申上げまして、私の答弁といたします。
#5
○吉川末次郎君 本日は非常に時間も迫つていることでありますから、一応そうした考えを岡野さんが持つていらつしやることだけを承わつて置くということだけに私はとどめて置きます。
#6
○安井謙君 只今の吉川さんの御質問に関連しておるのでありますが、今後選挙期日を延期するという趣旨がいろいろな地方行政の事務上の面から来ているということに相成りますと、知事の選挙が約一月延びて、その間約二ヶ月間のブランクがあるということになるのでありますが、これは公職選挙法によりましても、知事その他は現職のまま選挙ができるというような解釈になつておると思うのです。事務上の都合で延ばすならば、ついでに知事の任期もその立候補までは延ばすというようなことは考えられませんものかどうかという点についてお尋ねいたします。
#7
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。その点につきましては、この選挙期日の変更をいたしまする法律案を出します事前にいろいろ考えたのでございますけれども、選挙期日を変更するということは事務的、財政的、又予算を編成する時期で非常に工合が悪いとか、いろいろ事情で変更したほうがいいという結論に達しましたけれども、まる四年間という負託を受けて出ておられる知事の、その事務的な理由において選挙期日を変えるから、その任期までも変えるということまでにその現職の知事を優遇するという結論に到達しなかつたので、それで只今提案しておりますようなものになつたわけであります。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(岡本愛祐君) それでは全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案を議題に供したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(岡本愛祐君) それでは右法律案の本審査をいたします。質疑はございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(岡本愛祐君) 別に御発言もございませんから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは、それぞれ賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います……。別に御意見もありませんから、討論は終結したものと認めて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案について採決をいたします。右法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#13
○委員長(岡本愛祐君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告については、委員長よりあらかじめ結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。
 なお本院規則第七十二条により、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を付することになつておりますから、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    鈴木 直人  堀  末治
    高橋 進太郎  安井  謙
    石村 幸作  吉川 末次郎
    竹中 七郎  相馬 助治
    石川清一  西郷 吉之助
   小笠原 二三男
#15
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはございませんか……。御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(岡本愛祐君) 次に、明日の日程につきましてお諮りをいたします。明日は午前十時から成るべく時間通り連合委員会を開催いたしたいと存じます。先ほど連合委員会におきまして話のありました通り、二時間半のうちに質疑を終了いたして連合委員会を打切りたいと思います。御了承願います。なお午後連合委員会が済みまして、食事をいたしましてから、地方行政委員会としての地方公務員法案に対する質疑を続行いたしたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(岡本愛祐君) そういうふうに決定いたします。
 もう一つお諮りをいたします。連合委員会の途中で岩木委員から実は動議が出ました。それは連合委員会におきまして、会期を一日延長するように委員会に諮れという動議であります。私はそれは連合委員会に諮るべき問題じやない。それはお諮りするとすれば地方行政委員会であるからというので、お断わりをしたのであります。それからそれでは中継をして地方行政委員会に相談をしてくれという申込みがありましたから、それでは連合委員会が済んでからということになつておりますが、これにつきまして、皆さんの御意見を聞かせて頂きたいと思います。
#18
○小笠原二三男君 こういうふうになごやかになつておるときに言いたくないことを言わされるような結果に陥ることは、委員長の不手際であるとは言いませんが、全く以て困る次第であります。この点は各会派の意思の決定をしまして、本国会が召集になりました場合には、九日一杯まで会期を持つことが至当であるということを慎重検討の結果結論を出しておつたにもかかわらず、政府与党である自由党のほうにおいて八日という御決定があつた。それで十分行けるものであるという確信のほどを示されたので、あえて友好的に同調をしたという建前になつておるので、審査ができないというようなことの責任は一方的に、政府与党のほうにありますので、審査を終局したいという御意思があれば、自由党のほうでお考えになる点においては一向差支えありませんが、私たち党派は態度を決定しておりますので、この動議に対して意見を申上げることは、あえて自由党のために差控えます。
#19
○堀末治君 会期の問題について小笠原君から、与党が一方的に……、ちよつとお叱りをこうむつたようで非常に恐縮いたしますけれども、これは参議院の自由党がやつたのではなく、衆議院がきめられたのでありまして、それに参議院が法制上同調した。かようなことになつておるのであります。つきましてはまだ予算のほうの関係もございまするし、そのほうは私ども今日まだこんなことで一向情勢がわかつておりませんでございまするから、我々のほうも連合委員会の審査もあり、引続いて又本審査もあることでございまするから、予算のほうと睨み合せて、明日の情勢によつてお取りきめを願うということが最も妥当であると存ずるのでございますが、そういうことで今のお諮りは一時保留の形にして頂きたいと存じます。
#20
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#21
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……。
#22
○相馬助治君 私は八日ときめたのですから、八日のうちに十二時までかかつても、誠心誠意を尽してこれをあげるというのが我々の責任であろうと思うのです。従いまして地方行政委員会がこれについて一日延ばせなどということを本日新らしくきめるということは、それ自体の権威を失墜するだけでなく、義務感を喪失したものの言うことであつて、私は本委員会はそんなことを議すべきでない、それは目標に向つてこれをあげるべく努力してこそよろしいのであつて、本委員会はそんなことを今後議題に供する必要はない。そのためにこそ理事もあり、それから委員長もあるのであります。本問題は自由党においてやはり主としてお考えなさるべき問題でございますので、私はこの問題は保留して置く必要はないし、もう一度あとで議論する必要もない、こう申して置きます。
#23
○鈴木直人君 実は議運等において会期延長をするかしないかということを決定する場合には、議運だけではなかなか決定できないわけです。そこで予算委員会なり、或いは地方行政委員会あたりにおいて、委員長はどう考えているかというようなことを一応参考にしまして、そうして行く場合もございます。それで審議情勢を見たり、その場合にはこの委員会の意向を或いは正式でなくても聞く場合もあるかも知れない。そういうことは今あまり言わないで、今日はまあ会期の延長のことは決定しない、今日はそんなことを言わないで行くという程度にしておいたほうがいいのじやないか。(「了解々々」と呼ぶ者あり)
#24
○委員長(岡本愛祐君) 皆さんの御意見によりまして、本件は取上げないのだ、取上げたのは間違いである。そういうふうに決定いたします。取上げないということにいたしまして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうに決定いたします。
  ―――――――――――――
#26
○委員長(岡本愛祐君) それから、もう一件お願いいたしたいと思います。それはこの前皆様に御承認をお願いいたしました一人欠員の専門員でございます。この前御承認を願いましたのですが、武井群嗣君、これを委員長責任を持ちまして御推薦申上げたいと存じます。曲げて御承認を得たいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。それではさように決定いたしまして、手続を取り運ばして頂きます。
 それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後九時四十二分散会
 出席者は左の通り
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           堀  末治君
           吉川末次郎君
           竹中 七郎君
   委員
           石村 幸作君
           高橋進太郎君
           安井  謙君
          小笠原二三男君
           相馬 助治君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           石川 清一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
ソース: 国立国会図書館
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