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1950/12/09 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第14号
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1950/12/09 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第14号
昭和二十五年十二月九日(水曜日)
   午前十時十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方公務員法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○平衡交付金補正に関する請願(第三
 号)
○平衡交付金の増額および地方債のわ
 く拡大に関する請願(第一七号)
○平衡交付金の割当に関する請願(第
 三七号)
○地方債の許可撤廃に関する請願(第
 三九号)
○平衡交付金増額に関する請願(第二
 六九号)
○平衡交付金に関する請願(第四三五
 号)
○平衡交付金に関する陳情(第六二
 号)
○災害復旧費全額国庫負担継続に関す
 る請願(第一八号)
○地方公務員の給與ベース引上げおよ
 び年末給與支給に関する請願(第一
 一五号)
○地方公務員の給與改善に関する請願
 (第二一八号)
○地方公務員の給與引上げ等の財源に
 関する請願(第二九八号)
○地方公務員の給與べース改訂等に伴
 う財源措置の請願(第四四二号)
○地方公務員給與改訂等に伴う財政措
 置に関する陳情(第二六号)
○地方税法改正および地方財政の確立
 等に関する請願(第三〇四号)
○地方公務員の給與ベース改訂等に伴
 う財源措置等の請願(第二五七号)
○旅館の遊興飲食税減免に関する請願
 (第三一号)
○旅館に対する地方税減免の請願(第
 三六号)
○赤十字事業に対する地方税免税の請
 願(第四八号)
○地方税法第三百四十四條および第三
 百四十八條改正に関する請願(第八
 七号)
○木材引取税撤廃に関する請願(第一
 七七号)
○定置漁業漁網綱の固定資産税免除に
 関する請願(第一九一号)
○市町村民税の賦課適正化に関する請
 願(第一九四号)
○地方自治法中一部改正に関する請願
 (第二一号)
○宮城県根白石村と黒川郡吉田村との
 郡村界決定に関する請願(第六四
 号)
○国費支弁職員の身分移管に関する請
 願(第二五六号)
○地方自治法附則第二條改正に関する
 請願(第二八二号)
○地方公務員法案に関する請願(第四
 四五号)
○消防署経費に対し国庫支弁の請願
 (第八五号)
○消防団員に対する公務員災害補償法
 適用内容を持つ地方公務員法制定の
 請願(第一〇二号)
○危險物取締條例中一部改正に関する
 請願(第三三三号)
○自治警察の選挙取締費交付に関する
 請願(第三八号)
○福知山市の警察吏員定数増加に関す
 る請願(第二六五号)
○古書籍営業を古物営業法より除外す
 るの陳情(第三五号)
○地方議会議員の選挙期日繰上げ反対
 に関する請願(第八一号)
○公職選挙法中一部改正に関する陳情
 (第五四号)
○地方公共団体の議員及び長の選挙期
 日等の臨時特例に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○行政書士法案(衆議院提出)
○地方行政の改革に関する調査の件
 (調査報告書に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。地方公務員法案の審議を続行いたします。逐條審議の途中でありますが、今日は二十四條から審議いたします。
#3
○相馬助治君 この際鈴木政府委員に一点お尋ねして置きたいと思うのでありますが、先ず国家公務員に対します人事院勧告の例においても明らかでありますように、真に本法案が地方公務員の福祉を守ろうとする基本的な意図を持つといたしますならば、当然給與に関しましてなされる人事委員会の勧告のですね、実質的効果というものを法制化する必要があるのではないかとこう考えまするが、それを明文化しなかつた理由、而も又こういうふうにして実質的効果は挙げ得られるとお考えであるかどうか。この二点についてこの際お尋ねいたして置きたいと思います。
#4
○政府委員(鈴木俊一君) 給與に関しまして、人事委員会が勧告をいたします場合におきまして、それを如何ように取上げるかということでございまするが、これは二十四條の三項、それから五項にございまするように、職員の結與をきめるべき基準が生計費なり、国や他の地方公共団体の職長、或いは民間事業従事者の給與というものを考慮して定めて置きますと同時に、五項で国や他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮を拂うというようなことがやはり具体的な給與を定める場合の規則條件として定めておりますので、情勢適応の原則を一方に定めておりますのと相待ちまして、人事委員会の勧告がございました場合には、長なり議会におき出してはこの趣旨に副うてできるだけ職員の給與について考慮するということになるであろうと考えております。
#5
○相馬助治君 進行をお願いします。
#6
○委員長(岡本愛祐君) 二十四條ございませんか……。二十五條に移ります。二十五條御質問ございませんか……。じや二十六條に移ります。二十六條御質問ございませんか……。それでは第五節二十七條に移ります。二十七條御質問固ございませんか。二十八條に移ります。御質問ございませんか。
#7
○高橋進太郎君 一つお願いたしますが、この場合に「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」は任意にあれなんですが退職なんかで、特に優遇の途は考えてもらつておることになるのでしようか。
#8
○政府委員(藤井貞夫君) この点につきましては、いわゆる職制とか定数の改廃といういわば客観的な本人のいわゆる個人的な事由によらない退職、或いは降任の場合でございまするからして、この場合の退職手当等の取扱につきましては、一般の場合と異なりまして、何らか優遇の途を講じなければならないことは高橋委員お述べになりました通りでございます。現在におきましてもいわゆる行政整理に基きまする退職手当につきましても、一般の退職者の場合よりも優遇されておりますのでございますが、本法が施行された後におきましても、その点につきましては同様の措置が講ぜられることに相成るというふうに考えている次第であります。
#9
○竹中七郎君 ちよつとこの條には関係ないと思いますが、人事委員会ができまして、人事委員会というものが人事院と同じようなことになりまして馬鹿に強い性格になりますというと、その長というものは非常にやりにくくなる、これは逆に言いますというと、今まで公務員のほうから言いますれば弱くなつては困るというのですが、片一方の長のほうから言いますというと余りこれが強くなりますというとどうにもならん。全部のものをここでとられてしまうということになると地方自治のほうはやれない。知事或いは市町村長なんかこう苦しくなつては嫌だ、こういうふうなことが起つて来はせんかということを考えておりますが、その点につきまして自治庁におきましては御研究になつたことがありますか。
#10
○政府委員(小野哲君) 竹中君の御心配も御尤もな点があると思うのでありまして、任命権者たる地方公共団体の長の職務遂行と、それから人事委員会のこの権限に基いた職務の遂行とは相互十分な連絡協調を保ちながら寛大公正な人事行政を行なつて行くことが望ましいわけであります。従つてこの法律案を考える際におきましてもこれらの点をも考え、一面地方公供団体の長の地位、及びその自主性等をも兼ね考え併せまして、この程度の人事委員会の権限においては支障なく運営されるであろうと、かような結論に到達いたした次第でございます。只今竹中さんの御趣旨は十分に伺いまして、運営上遺憾のないようにして参りたいと考えております。
#11
○相馬助治君 第二十八條第二項につきまして二点お尋ねいたします。先ず第一号の心身の故障のため、長期の休養を要する場合という場合にですね。その職員の意に反してこれを休職とすることができるとありますが、これは万止むを得ない規定であるとも思われるのでありまするが、実際問題といたしまして、肺結核のごとき長期療養を必要とする病気にかかつた者に対しましてはですね、極めて冷酷な現実が起きはせんか。これに対する御見解は如何であるかということをお尋ねしたいのが第一点であります。第二点には刑事事件に関して起訴された場合とありますが、刑事事件に関し起訴された場合にも無罪となり得る場合があり得るわけでございます。その場合においてですね、この俸給その他に関する原状復帰と申しまするか、そういう損害の賠償要求というものは可能であるかどうか。勿論その無実の罪で留置場に繋がれたこというような場合には、刑事補償によつてそういう方面から償なわれるということは承知しておりますが、公務員としての立場からの起きた損害について、本法を規定するその裏にはそれらを償う用意があるんであるかどうか、そして概括的に申しましてですね、本決案は容疑をかけられただけで、而も破廉恥罪でないといつたものまでが休職処分を受けなければならない、そうしてそれが而も無実の罪であつたというような場合に、一体その物心両面から受ける損害というものをどうして償なわんとするものであるか、こういうことを総括いたしまして第二点としてお尋ねして置きたいと思います。
#12
○政府委員(藤井貞夫君) 第一点につきましては、結核療養者等の場合におきましては、その取扱に慎重な考慮を要しなければなりませんことは今御指摘の通りでございます。相馬委員も御承知のように、教員につきましてはこの点相当の配慮が教育公務員特例法において設けられておるわけでございます。併しながら一般職員に関しましてそのことは取扱を異にすべき理由は実はないわけでございまして、恐らくその点につきましては十分の考慮がめぐらされるというふうに考えられるのでございまして、第三項にございまするように休職の効果というものはすべてこの法律に特例がありまするもの以外は條例で定めるということに相成つておりまするので、それらの占につきましては地方団体において適切な考慮が拂われることを期待いたしますると共に、理事者といたしましてもそれらの條例の内容等につきましては適切な指導、実質的な助言を與えてもらいたいと考えておる次第であります。第二の刑事事件で起訴された場合の取扱でございますが、この点につきましては、従来の公務員の待遇とは若干その建前が異なつておりまして、即ち刑事事件についての、いわゆる刑事訟手続の進行と、職員としてのいわゆる身分取扱の待遇とは、それぞれ異なつて進行して参る建前をとつておるのであります。従いまして刑事事件は刑事事件であり、又職員の身分関係は身分関係といたしまして、別々に取扱われて参りまする関係上、今までのように、刑事事件で起訴された場合には、懲戒ができないというようなことに相成つておりましたのが、今度は任命権者といたしましては、情状により独身の判断に基きまして、若し刑事事件について起訴された事案について、その職員に懲戒事項に当る事由があるというふうに認定いたしました際には、これを懲戒処分に付することもできることに相成つておるのであります。併しながら刑事事件に関して起訴されたような場合には、その事案が裁判所においてどのように判定されるかということの兼ね合いは、十分に考慮して参らなければならないことは当然であると考えるのであります。で、刑事事件について起訴された場合につきましては、これを休職にするということになつておりますが、これは飽くまで休職にすることができるということでございまするので、任命権者は恐らく起訴されましても、その事案が非常に軽く或いは非常に不確実なものであるというふうに認定いたしました場合におきましては、休職しないことも勿論これは自由でございまするからして、その点の考慮は十分に加えられて参る、こういうふうに考えるのであります。又今お尋ねになりました、若し休職処分にいたしまして、その結果、例えば刑事事件について起訴はされたけれども、全くそれが事実無限であつて青天白日であるというようなことに相成りました暁には、その裁判の結果が、任命権者の取扱にも手心を加えられて参ることは当然でございますし、又そのために不利益なる処分を受けました場合には、職員から不利益処分の審査を人事委員会なり、公平委員会なりに提訴いたしますることによつて、十分なる保障が與えられることに相成る、こういうふうに考える次第であります。
#13
○石川清一君 只今の不利益処分を受けておる最中に死亡したというような場合には、やはりこれが継続されて最後的な判定まで続けなければならんですか、そのときには誰が代ることになりますか。
#14
○政府委員(藤井貞夫君) 若しも不利益処分の審査を請求中に死亡いたしましたような場合におきまして、若しその事案が人事委員会なり公平委員会なりにおいて、愼重審議の上判定されて、その処分が取消されるということがありまする場合におきましては、勿論本人がすでに死亡いたしておりまするから、復職命令ということはこれは事実上ございません。併しながら前の免職処分が取消されたということによりまして、身分を遡つて取得したというような扱いに相成りました暁におきましては、在職期間中におきまする給與その他の当然受けるべかりしこういう給與については、本人の遺族その他について適当な、救済が行われることに相成るわけであります。
#15
○竹中七郎君 この際ちよつとこれに関連してお伺いしたいと思いますが、長期欠勤ということは、幾ヵ月或いは何年と申しますか、というときである長期欠勤をしたときにおきましては、他の公務員がその職務を代行せなければならん。特に教職員におきまして現実にあるのでございまして、小さい学校におきまして、或いは二割ぐらい、十二、三人のところで二人も三人も長期欠勤をしておる、ところがこれが定員増加につきましては、非常に困ります。この定員増加におきましても、平衡交付金との関係がありますので、なかなかその補充をしない、そういたしますというと、あと残つた教職員でこれを補わなければならん、そのために授業ができない、教育の面におきまして非常に父兄が困る、そういうことに相成りまして、その際臨時にやるということは、PTA会費とか、いろいろなもので補わなければならんという関係が起きますが、長期欠勤におきましては、どれくらいこれをやるか、その以後におきましては平衡交付金や何かで見てやつて、子の欠員をやるか、或いは臨時雇を臨時にするか、こういう点につきまして、自治庁におきましてはどんなふうにお考えになつておられますか。
#16
○政府委員(藤井貞夫君) 今の点につきましては、休職期間は、現在の取扱では、まあ大体一年、二年というふうに相成つておるわけでございまするし、教育公務員特例法におきましてはその点の例外が認められておりまして、先刻相馬さんからお尋ねがございました点につきまして、関連して申上げたように、結核性疾患のために長期の休養を要する場合の休職においては、二年というふうに特にこれが長く相成りまして、教員の身分保障ということに万全を期しておるわけでございます。併しながらこの休職期間をどのくらいにして参るかということにつきましては、大体の基準は今後運用上種々示して参ることに相成ると思いまするけれども、この法律の建前自体におきましては、当該地方団体の條例でこれをきめて行くことしに相成るわけでございまして、併しまあ大体一年乃至二年ということに相成るのではないかと思います。その際におきまして、今御指摘がございましたように、余り長く空席にいたして置きまするために、特に職員数が少い事務所或いは学校等におきましては、非常に事務の処理にも支障があるというようなことが起きて参ることは当然又これ予想されるところでございまするが、まあその点につきましては、或いはやはり職員の利益保護、職員の利益のためでございまするからして、同僚が力を盡しまして、自分が與えられた仕事よりも余分に、その休職されておる職員の分までやつて行くというような、或る程度の自己犠牲というものは、これは当然拂わなければならんということが起つて参ると思いまするけれども、併しそれにも限度がございますることは御指摘の通りでございまして、そういうような場合におきましては、定員法の措置によりまして、或いは特に休職中の者につきましては、定員外とするとか、その他の適当な措置を講ずることによつて、その間の処理に万遺憾なきを期することに相成るというふうに考える次第であります。
#17
○竹中七郎君 それにつきまして、定員外にするというのでございますが、只今のお話のように、結核は二年ということは私も知つておるのでございますが、この二年間長期欠勤せられておつて、これの補充ができないということが、実際困つた問題になつておるのでございますので、私は今後、これは希望でございますので返答は要りませんが、半年以上欠員と申しますか、休職になつたときにおきましては、定員外を認めるようなふうに御努力を願いたい、こういうことをお願いいたしまして私の質問を打切ります。
#18
○委員長(岡本愛祐君) それでは二十八條御質問ございませんか。次に移ります。二十九條御質問ございませんか。それでは第六節服務に移ります。三十條御質問ございませんか。三十一條に移ります。三十二條ございませんか。三十三條、三十四條御質問ございませんか。三十五條ございませんか。三十六條に移ります。
#19
○中田吉雄君 三十六條の最初の見出しに(政治的行為の制限)とありますが、投票すること以外には殆んど禁止的な條項のように思いますが、それを禁止と書かずに制限と謳われた理由はどういう点にありますか。
#20
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。御承知のごとく政治的な自由は国民か持つものであり、憲法によつて保障されているのでございますが、この法律案の考えておりまする政治的行為を制限をいたしておりまするのは、地方公務員たる身分によりまして、その本質から考えまして、この程度の制限は止むを得ない、こういう意味で制限という言葉を使つておる次第でございます。
#21
○中田吉雄君 敗戰後今年で六年目でありますが、日本の民主化の過程を振り返つて見ますると、――――前半におきましては、例えば民主的な憲法の制定とか、或いは労働三法の実施というふうに、かなり日本の民主化に対する政策がとられておるようでありますが、――――後半におきましては、労働組合法の骨抜きである、或いは国家公務員法によつてその政治活動を制限するとか、或いはレツド・パージ或いは今回提案されました地方公務員法の制定による政治活動の制限というような、全く――――前半とは異なつた政策がとられておるのではないかと思うわけであります。そうしてこの最近の動向を見ますると、丁度日本が太平洋戰争に突入いたします当時と、殆んど同様な過程を辿つておるのではないかとまあ思うわけであります。例えば治安、維持法の制定を初めといたしまして、緊急勅令による或いは総動員法によりまして、国民の一切の自由なる意思の表現が抑えられまして、我が国が運命を誤るような動向に突入したのですが、私は現在の最近とられていますところの一貫した政策というものが太平洋戦争の直前を彷佛させるものがあるのではないか、特に百万近いところの国家公務員、並びに百三十万人に及ぶ地方公務員というような、殆んど我が国の知性を代表するような人に対しまして、我が国の運命を判断しなくてはならん決定的な瞬間に際しまして、そういうもの一切を弾圧するということは、極めて憂りべき事態ではないか、そういうような意味におきまして、私は最近とられつある政策というものは、一連のまあ日本の反動化の立法の一環をなすものであるというふうに考え、この公務員法の及ぼす影響を非常に重大に思うわけでありますが、そういうような心配は全然ないと国務大臣は思われますか。
#22
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。――――非常に変つたようなお考えのように承わつております。又法律を制定しますにつきまして被占領下直ちに出ました情勢と、只今の情勢とは変つて来たのじやないか、こういうような御質問のようにも受取れます。いろいろの点におきまして、動向としまして何か日本の民主主義を阻むような制限が、特にこの地方公務員法に出ておるのじやないかというような御意向のように伺われますが、併しながら我々といたしましては、法の規定と申しまするか、こういうふうな法律を出しますにつきまして、大体において日本というものが民主化されるのには、いろいろな過程を経なければ私は完成しないのじやないかと思います。でございまするから被占領面後におきましては、非常な手放しの自由とかいうものができた次第でございますけれども、併しその後いろいろ社会情勢を見ておりますというと、これくらいのことは少し制限をして置いたほうが、社会秩序を守るのに工合がいいのではないかというようなことなんかが出て来るわけでございまして、それで国家公務員法もああいうふうに出ました後に、又政令二百一号が出たりなんかしまして、お考えの通り被占領直後におきまするときに考えました法制上の考え方と、それから只今の現段階におきまする法制上の考え方には、多少の差があつて然るべきじやないか、これは実に社会情勢の変化による次第でございます。併しながら私どもといたしましては、とにかくこの公務員法を作るにおきましては、現段階が如何である、かということを十分考慮いたしまして、そうしてこの法案を作つたわけでございまして、それかといつてこの法案が全く地方公務員の自由を取止げてしまつて、そうして何ら手も足も出ないというふうになつたとは考えておりません。むしろ国家公務員法において、現行法では非常に制限をきつくしておりますのが、この地方公務員法におきましては、その後社会情勢が変つて来ましたから緩和して来た、こう私は思つておる次第でございます。でございますから若し社会情勢がもう少し変り、同時に国民のクオーリテイー、国民の素質というものが非常に向上、改善されて行くということになれば或いは又変つたような法律を作る、若しくは改善をして行くということになつて行くだろうと思います。要は被占領下の日本におきまして、社会秩序を維持し、又民主的に中央並びに地方の行政が円満にやつて行けるというものに合わせるためには、こういうような地方公務員法を作つたほうがいいのじやないかということが大体の趣旨でございまして、変化のございましたことはお説の通りでございます。
#23
○中田吉雄君 お話の点はわかりますが、先に申上げましたように八、九十万即ち百万近い国家公務員、百三十万に及ぶところの地方公務員は何といつても我が国の知性を代表する極めて健全な階層であろうと思うわけであります。そういうものの自由に表明されるところの政治的な意思の発表行動を制限するということは、私は健全なる民主化の運動を阻害いたしまして、極めて超保守的な、或いはフアシズムの二つの、両派の激しい対立になりまして、日本が従前に犯したと同じような過失を再び犯すような過程になりはしないかというようなふうにまあ心配するわけであります。特に世界の現在直面していますところの迫り来りつつあるところの危機というようなものに対しまして、日本の運命をどう決定するかというよう庁際に、その二百万以上の日本のインテリゲンチャの政治的な意思の表明を弾圧いたしまして、そうして超保守的なもの並びに極左的なものだけの対立に委ねるということは私は非常に危險だと思うわけであります。いろいろな公務員に対する保護、擁護というような点もありますが、むしろそういうことよりも、この臨時国会に特に急いで出されたこの法案の底を流れるものは、やはりそういうような最近の動向の一環を……非常に早めるものであるというふうにまあ考えるわけでありますが、これは見解の相違で仕方がないと思いますが、私はそういう極めて憂うべきでこの過程を一歩々々進みつつあるのではないかということを申上げまして、この質問は打切りたいと思います。
#24
○委員長(岡本愛祐君) 三十六條御質問ありませんか。
#25
○竹中七郎君 三十六條におきまして、公務員各位の選挙の制限が出ておるのでありまするが、我々考えて見まして、この制限は民衆の公僕であるこの方々におかれまして、制限をしなければならないのじやないかという観点は持つておりまするが、ここに出ておりまするような全面的禁止ということに対しまして、特に第四のように施設、その他に対する制限とかいうようなものがありますが、ほかの点におきましては、もう少しいろいろの点におきまして考えなければならないと思うのでございます。或る意味におきまして、これまでやらなければ国家公務員の方々の或いは政治的に、或いはいろいろなところに弊害があつた、そのためにやられたのか、或いはそうではなくてそのほかの面におきまして公務員はこれぐらいまで選挙に対しまして制限しなければならなかつたという点があるか、その問題につきましてお伺いいたします。
#26
○政府委員(小野哲君) 政府がこの法律案を提案いたしました基本的な考え方は、第三十六條にも現われておりますように、地方公務員の性格に基礎を置きまして、この考え方をまとめた次第でございます。併しながらそれぞれのお立場お立場によつて、いろいろの議論があるであろうと私も推測をいたす次第でございます。さような基本的な考え方から出ておりますがために、従つて我が国の公務員制度を通じまして、一つの公務員に対する政治的行為の制限の一貫した考え方から出発しておる。かように御了承願いたいのであります。
#27
○竹中七郎君 私は国家公務員法ができました時代と、現在の時代とは二年の間隔がある。こういう間隔は、世の中の推移によりまして、現段階はどう、その前の段階はどうだということでもありますので、私はこの点につきましては、政府がとられましな措置につきましては、国家公務員法を作られたときの何と申しますか、社会情勢と、現在の情勢におきましては相当緩和がされております。又二面におきましては、いろいろ騒擾が起つておる、その他の点がありますけれども、国家公務員の方々におかれましては、二年前の状態と、現在の状態とは相当違うのであるにかかわらず、かような全面的禁止をせられました点につきまして、もう一度お伺いしたい。その間隔は我々は、二年前と同じであると考えまする政府の御意図であるかどうかお伺い申しげます。
#28
○政府委員(小野哲君) 先ほど御答弁を申上げましたように、各種の立場、或いは各種の考え方からいろいろの御批判や御議論もおありになろうかと存じまするので、十分この点につきましては、この委員会及び国会において御審議を頂きたいと思うのであります。
#29
○小笠原二三男君 たくさんの方がこの問題については申上げて論議になつておる点でありますから、私は簡單に一つお伺いしますが、法律は、やはり国民の常識と申しますか、民主主義の過程における一断面を現わすものであるであろうと思うのでありますが、日本の民主主義が前進して行く可能性のある限り、この三十六條における禁止的な制限というものは、公務員であつても逐次解けて行く面があるであろうということを考えるのでありますが、この点政府として御承認しますか。又どうしても憲法上の全体の奉仕者であるという建前で憲法の動かざる限り動き得ない面、極小限はこれこれであるという点が政府の見解としてあるならば、この際この点をお伺いいたします。
#30
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。公務員に関しまする秩序の保持が必要であるということは、御同感願えるかと思うのでございまするが、情勢の変化に伴いまして、これに対処する種々なる方途につきましては、変化が生ずるであろうということは考えておる次第でございます。なお附加えてお答えいたしまするが、只今仰せになりましたように、禁止的な制限というふうなお言葉でございましたが、秩序の維持につきましては、何らか最小の線はやはり維持して行くことが必要ではないか、併しお説は御尤もの点もございますので、十分に拝承いたして置きたいと存じます。
#31
○小笠原二三男君 では岡野大臣にお伺いしますが、その前に昨夜保留になつている点をお答え願いたい。そうしてそれによつて現在の日本の置かれている情勢、或いは公務員の現実的な情勢、これらのものを一先ず括弧に入れて公務員制度における法そのものだけを考える場合には、この制限は、これは望ましいものであるか、民主主義国家としてあつてはならないものであるか、こういう点について御答弁を願いたいと思います。ついでに念のために申しますが、昨夜御質問申上げておりましたのは、マ書簡が指摘している日本の伝統的な旧官僚制度の正体というものをどう把握しておられるかということであります。
#32
○国務大臣(岡野清豪君) 昨晩の問題でございますが、マ書簡には、「本制度は日本における民主主義の成功を阻んだ旧官僚制度の種々の宿弊を是正するに足る建設的計画を定めている。」こう書いてあります。それで小笠原さんの御質問は、旧官僚の制度の宿弊を如何に見るかという御質問のように伺います。私も民間におりまして、小笠原さんの説に至極同感でございます。併し万全とはまだ行つていますまい。小笠原さんの昨日のお説の通りのことがございますけれども、だんだんとそれが改善されて行きつつあるとは私も考えております。同時に昨夜も申上げましたように、或る一部の官僚は、昔のやはり宿幣が抜けきれないで、地方の知事を選任するにつきましても、中央の官庁と非常に連絡のいい知事を望むというようなことは、これは一つの現われでございます。併し又一面から見ますというと、官僚というものは、やはり非常に忠実に仕事をして、政党政派に何ら支配されることなく、自分自身の義務を中正に守つて、そうして事務に没頭している。こういう面も大多数ございますので、一時に旧官僚の宿弊が是正されて行つてしまうというわけには参りますまいか、追々に私は直つて行くと考えております。それからその次に今日の質問は何でございましたか。
#33
○小笠原二三男君 うわのそらで開いておられるから……。(笑声)
#34
○国務大臣(岡野清豪君) もう一度お願いいたします。
#35
○小笠原二三男君 どうもおしまいになりましたら緊張味が欠けておるようでありまして誠に遺憾であります。
 私のお伺いしておるのは、これはやはり社会の現実と相関的な関係に立つて、いわゆる情勢即応の原則でこの政治制限等の問題等があるのでありますが、理想の民主主義社会となつた場合、公務員制度として全体の奉仕者である立場を存続し、而も基本的な自由を與えるという点で調整される。結論から言うならば、こういうふうな制限的な規定は解放されて行くでありましようが、それでもなお残るものは何か、公務員に残るものは何であるか、公務員に対する制限として残るものは何であると大臣はお考えになつておられるかと言うのであります。
#36
○国務大臣(岡野清豪君) 誠に御質問を失念いたしまして恐縮であります。私は極く概観的に申しますれば、一体、一般の国民が本当の民主主義になつてしまつて、又官吏が自分自身の務めに対して自分の職責並びに義務というようなものを完全に把握するということになれば私はこの法律は要らんと思います。これは昔法三章で天下が安穏に治まつたということもあります。従いまして何を申しましても、民主主義ということは二千六百年に初めてできたところの非常な革命でございます。でございますから我々といたしましても、お互いについ五年前までは天皇の官吏として務めておつたのであります。それが急速に全体の奉仕者と、即ち国民全体の奉仕者ということに切り替つたのでございますから、その点におきましてはいろいろ新らしい民主主義政治というものに適応して行く、即ちアダプトして行くということがなかなかむずかしいものでございまして、いろいろ自分自身では自分自身の良心の命ずるところに従つて民主主義というのはこういうものであるかと思つて善意でやつておることであるけれども、やはり本当の民主主義から、行けば、社会の秩序を保ち、又全体の奉仕者としての観念を持ち、公共の福祉から離れるということもないとも限りません。そういう意味におきまして、一応こういうように国家公務員法もありますし、又地方公務員法もこういうような制度をして率いて行つて本当の民主主義になつて行うとこいうことでありますから、これは先ほど申しましたように社会の情勢、国民のカルチュアが進み、公務員の自分自身の自覚というようなものが進んで来るときには、当然こういう法律は自然に体形を変えて行くことであろうと、こう私は考えております。
#37
○小笠原二三男君 それではあとで解釈上実際の問題となつて疑義を残しては相成りませんので、具体的な、現在各地の公務員がやつておる政治活動についてですね、この程度はいい、惡いというような部面について解釈を與えて頂きたいと思うのであります。
 一つは地方公共団体並びに国会等に対する陳情請願の問題でありますが、これは漠然と申上げては困る、そのここの問題によるというふうなお考えでありましようが、法に定められている請願陳情そのものが公務員に許されるか許されないかということを一般の分として第一点にお伺いいたします。それから署名運動でありまするが、そうした場合の請願陳情に必要な署名運動をするということ自体これはどうであるか。それから三番目には、請願陳情のために仲間が東京に出て来るのに対して寄附金等を集める。そうして出張に要する旅費等に與えるという場合、これはここに掲げる寄附金その他の金品の募集というものに入るか。以上先ずお伺いいたします。
#38
○政府委員(鈴木俊一君) 第一点の請願陳情を公務員がやれるかということでございますが、例えば給與を引上げてくれ、或いは俸給の号俸を調整するようにしてくれというような、何ら政治的な目的を持つておりませんそういう請願陳情は何らこの法案の禁止する。或いは制限するところではございません。それからそういうことのために署名運動をする、そうして企画し、主宰し、或いはこれに事実署名をするということも、何ら政治的目的を持つていないものでありますればこれも支障はないわけでございます。それからそういうことのために必要な経費を寄附金という形で集めるということもこれも支障はないわけであります。
#39
○中田吉雄君 岡野国務大臣にお尋ねしますが、国家公務員法の百二條には国家公務員の政治活動の制限の規定がありますが、六月四日に行われました参議院の選挙に際しまして、国家公務員が政治活動をやつたことについてまだその違法を問われた人がありませんが、岡野大臣は国家公務員が政治活動をやらなかつたとお思いでありますか、その点お伺いいたします。
#40
○国務大臣(岡野清豪君) 私はこう考えております。それはやはり国家公務員がこの百二條の規定をよく守つておつたから自然問題になるようなことかなかつたと、こう考えております。
#41
○中田吉雄君 私の県を例に取つて申上げたいと思います。これは岩澤さんがおられますが、このほうには全然関係のないことを改めてお断わりいたして発言いたします。或る農林省の林野庁を背景にして立ちました議員に対しまして、鳥取県に打たれ手は、どこの何村に林道をつけるからそこで何百票獲得せよ、ここに砂防工事をやるから、山林砂防をやるから何百票というふうに殆んど確実にその予定された票が全部でております。或る耕地関係の職員につきましても、耕地整理をやつているところの金額に応じましてここで何百票、用水の排水施設に対して何百票、更に或る金融関係の人に対しましては、日本銀行の鳥取事務所を通じましていろいろな銀行に対してこれまで頼んでいる手形を割つてやるとか、或いは融資をどうとかいうようなことをやりまして、この参議院からもらいましたあの当選された人の公報をいろいろ調べて見ましても、国家公務員法の百二條に違反いたしまして当選されている人が相当あるわけであります。鳥取県でも私は、例えば労働基準局長が鳥取県に来まして鳥取県の労働部長を浜村温泉に呼びまして、自由党の立候補している人の選挙違反、それに対する対策というようなことを伝授して帰つています。そうして百二條に対して違反した者に対しましては、百十條の何項ですか、違反した者に対しては三年以上の懲役又は十年以下の罰金に処するという規定があるわけであります。少くともの自由党の内閣とされてはこういうような地方公務員に対して嚴格な鉄の枠をはめるようなこの法案を出す限りにおきましては、少くとも自己反省をされまして、先ずそういう人に対して粛正のメスを振つて、そうしてすつきりした形においてこういうものを出されるのが、私はいいと思うわけであります。そこで岡野国務大臣は、我々がそういう例証を挙げればそれに対して対処されますか、或いは五月五日頃から六月三日頃までに中央官庁の全部の役員の出張名簿を調べられまして、いろいろそういう選挙活動をやつておる、出張名簿を調べて見ればわかりますが、そういうことを嚴重に調べられまして、この公務員法を率先垂範される用意はありませんか。お尋ねします。
#42
○国務大臣(岡野清豪君) 寡聞にして鳥取県の実例を実は存じませんで……。(「全国の公然の真実ですよ」と呼ぶ者あり)併し仮に若しこの百二條に違反したようなことがありますれば、これは人事院と司法当局と両方とでこれを監視し、同時にそれに対して適当な処置をとるべきではないかと思いますが、とつていないところを見ますと、私は実は寡聞にして知らなかつたということでございますが、併し今後政府といたしましては、そういうことを十分法に合つたような方針でやつて行きたい、これはそういう考えでおります。
#43
○中田吉雄君 幸い自由党には大橋法務総裁、検察の最高の責任者もおられるわけでありますが、今日の私の発言を直ちに通達されまして、嚴重に捜査活動を始められる用意がありますか。
#44
○国務大臣(岡野清豪君) お説を大橋法務総裁に伝えまして、一つ善処するようにいたさせます。
#45
○委員長(岡本愛祐君) 三十六條でほかに御質問ございませんか。
#46
○小笠原二三男君 そこまで行かないうちに打切られると思いますので、この際三項の罰則についてお聞きしますが、この三項の「何人も」という中には、公務員は入つておるのでありますか。
#47
○政府委員(鈴木俊一君) これは公務員もその他の者もすべて入つておるわけであります。
#48
○小笠原二三男君 この一項の禁止しておるようなことを、三項の者が行うという場合には、これは刑法的にはどつちが主犯で、どつちが従犯なのですか。
#49
○政府委員(鈴木俊一君) この三項の規定は、そういうふうに職員に対して禁止されておりまする行為を求めるとか、或いはそそのかし、あおるということ自体が公務員の政治的中立性を維持する上から申して適当でない、こういうことになつてそのこと自体が一つの犯罪になるわけでありまして、刑法の主犯、従犯というような観点というものはないのでありまして、このこと自身が本犯をなす、かように考えております。
#50
○小笠原二三男君 それで二項のほうはするように、又しないように第二項の一号では勧誘運動をする、よその者が仲間にする、こういうような場合でも罰則がない。然るに三項のほうではそういうことをやれば罰則があるというのはどういうことですか。
#51
○政府委員(鈴木俊一君) 職員が自己の自主的なる意思によりまして勧誘運動をするということが今の二項の一号に該当するわけでありますが、その職員がそういうふうにいたしますように、他の何人もこれに対して求めるということになりますと、その求めたことの結果としてそういうことが起り、或いは職員の政治的中立性が失われますので、そういう他から働きかけること自体を一つの犯罪といたしましてこれを制限する、禁止する、こういうのが第三項の趣旨であります。
#52
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとその前にお諮りいたします。岡野国務大臣を予算委員会並びに厚生委員会から呼掛けておりますので、正午頃まで席を外すことに御異議ございませんか。
#53
○石川清一君 私は実は公務員法の内容については公務員自身の経験がないのと、公務員に余り接しておらない関係上、控えておつたのでありましたが、只今同僚中田委員の質問に対しまして岡野国務大臣は寡聞にしてこれを知らなかつたということ、これを私考えますに日常の業務に支障がなかつたから問題にしなかつた、寡聞に、黙認しておつたように私は考えておるわけであります。若し今まで、本年の参議院の選挙に各地でいろいろ起きました国家公務員の政治活動に対する噂、これを黙認をしておる、黙認をしなければいかんような日本の選挙事情にあるという考えの上に立つて寡聞にしたんだということが若しあるとしましたならばこの法案の内容の中で最も重要視をしておつた公務員の選挙活動も今の国家公務員法の中における政治活動のような形に寡聞にされるというお考えを持つておるかどうかお伺いいたします。
#54
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。寡聞にして知らなかつたということは、実は鳥取県の例なんであります。中田君から非常に詳しいことを承わつておつてそういうことがあつたのかなあと思つて実はお答えした、(「それは全国的ですよ」と呼ぶ者あり)金田的にいろいろございます。それはよく知つております。ということは結局今度の地方公務員法もこういう形で出るということになつた一つの考え方でもあります。併し今後政府といたしましては、そういうことは綱紀粛正の意味を以ちましても又人事院並びに司法当局を国の秩序をよく保たせるために努力する、こう考えておりますので……。
#55
○石川清一君 私は当然中田委員の中されましたことは最後にありますところの「職員の政治的中立性を保障する」というよりもむしろ中立性を守るという建前に立つて起きた行動だと私は考えておるのでありまして、将来もああしたことが起きるのは職員が政治的中立性を守るのだという考えの上に私は立つておるわけでありまして、これについてお答えをお願いいたします。
#56
○国務大臣(岡野清豪君) お説御尤もで私は職員自身がやはり自主的に中立性を保つてくれることが一番理想であります。これはあなたのお説の通りであります。
#57
○石川清一君 私が申上げましたのは、こういうように考えて申上げたのでありまして、二十四時間拘束力はないという、いわゆるこの法案に政治的活動に対しては二十四時間の拘束力がない。従つて職員個人がみずからの生活の中から起きて来るところの活動、こういう法によつて定められたところの公務以外、みずからの生活の中から起きて来る政治的な活動を時間外において、同僚のため、みずからの生活を守り得る代表者を出すためにする政治的活動、行動は政党を別にして起き得るのでありまして、これに対しては尤も正しい中立だという考えの上に立つて申上げておるのであります。
#58
○国務大臣(岡野清豪君) ここに三十六條にきめておりますところの政治的活動と申しますことは、單に一種の目的を持つて或る種の行動をするということだけでございまして、公務員といたしましても一般国民でございますから、この三十六條で制限せられました以外のことは、自由に私は政治的権利を行使していいものだと、こう考えます。
#59
○委員長(岡本愛祐君) それではおいで頂いて差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(岡本愛祐君) それでは、成るべく早くお帰り願いたい。(「進行」と呼ぶ者あり)
#61
○委員長(岡本愛祐君) それでは三十六條ございませんか。三十七條に移リます。三十七條御質疑ございませんか。一十八條に移ります。三十八條御質問ございませんか。それでは第七節、三十九條に移ります。三十九條御質問ございませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)四十條に移ります。四十條御質疑ございませんか。(「質疑なし」と呼ぶ者あり)第八節に移ります。四十一條、御質問ございませんか。(「了承」と呼ぶ者あり)四十二條に移ります。四十二條、御質問ございませんか。(「質疑なし」と呼ぶ者あり)四十三條に移ります。四十三條、御質問ございませんか。(「質疑なし」と呼ぶ者あり)四十四條に移ります。
#62
○相馬助治君 四十四條の第二項にですれ。公務による負傷疾病による死亡に対しまして、職員又は遺族に対する年金、或いは一時金を実施させることができるとこういうふうに書いてございまするが、なぜこれを実施せねはならん一という積極的な表現をとつて義務付けをしなかつたか。少くともその額については幾分考えられる点があるといたしましても、ともかくこういう明らかに公務によるこういう災害に対しましては、この年金、一時金の実施というものは当然義務付けられるべきものであろうと思いますが、政府の見解を承わつて置きたいと思います。
#63
○政府委員(藤井貞夫君) 相馬委員の御質問の点は至極御尤もでございまして、公務による負傷疾病等に起因いたしまする死亡とか、退職する場合に退職年金、退職一時金が給與されなければならないことは当然であると思います。ただ公務災害に基きまする退職年金、遊戯一時命を、いわゆる従前の恩給制度の一環として取扱つて参りますかどうかという点につきましては、まだはつきりとした、実は結論が出ておらないわけでございます。そこで四十五條に公務災害補償というのがございますが、これが別個の建前といたしまして、当然この損害というものは補償されなければならんということがここで義務付けられておるわけでございます。それで問題は公務災害に起因いたしまするそれらの救済措置は、退職年金、退職一時金、いわゆる恩給制度の一環として処理いたすか、それとは別個の、いわゆる公務災害補償制度の一環として処置して参るかということはこれは今後の問題として処理して参りたいということに考えておる次第でございます。国の場合におきましては、仄聞するところによりますれば国家公務員の公務災害補償法というものが目下研究せられておりまして近い将來これの御審議を国会においてお願いをいたす段階に来るのてはないかというふうに予想しておるのでありますが、地方公務員の体系におきまして国の恩給制度並びに公務災害補償制度の確立と並行いたしまして、適宜な措置を講じて参るということにいたしたいと考えておる次第でございます。現行法の建前といたしましては、公務災害補償につきましては労働基準法というものを適用しておりまするので、これか当然に適用になつて参ります結果、御指摘になりましたような御心配は差当りはないわけでございます。併しながら先刻も申上げましたように、これらの総合的な施策に関しては恩給制度並びに公務災害補償制度が将来確立せられる段階に立至りますれば、そのときにはつきりとした制度を樹立いたしまして、公務員の身分保障に遺憾なきを期したいというふうに考えている次第であります。
#64
○委員長(岡本愛祐君) ほかに四十四條御質問はございませんか。第二款に移ります。四十五條御質問ございませんか。
#65
○鈴木直人君 四十四條四十三條まで関連するのですか、これは全般的な特別職には適用が除外されるということになりますか。若しそうだとすれば消防団員等については別個の法律的措置をするということになりますか。その点にいて一つ。
#66
○政府委員(藤井貞夫君) お答えいたします。本法の建前自身といたしましては、この法律は一般職の職員に適用されることに相成つておりまするので、今御指摘のございました非常勤の消防団員等につきましては直接本法の適用は受けないわけでございます。併しながら消防団員等につきましても公務災害によりまするいろいろな救済措置というものは講じて参らなければならないことは政府といたしましても考えていることでございまして、開くところによりますれば国会においてもその面の措置が進行中であるというふうに承わつておりますが、それが一日も速かに成立いたしますることを我々といたしましても期待をいたしているわけでございます。
#67
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。
#68
○石川清一君 四十五條ですが、「職員が公務に因り」となつておりますが、この「公務」は職は二十四時間拘束力を持つているのかどうか伺いたいと思います。
#69
○政府委員(藤井貞夫君) 「公務」は、いわゆる勤務時間中のみならず勤務時間外でございましても公務の執行に当つております際におきましては、当然本法の適用を受けるわけでございます。
#70
○石川清一君 若一週間の休暇を得ましてと旅行したときに列車事故その他で死亡したというようなときには、これはこの補償を受けることができますか、できませんか。
#71
○政府委員(藤井貞夫君) 只今の場合一週間の休暇で以て旅行している場合に災害を受けたという場合、これは公務ではございませんので本制度の適用はないわけでございます。
#72
○石川清一君 その場合職員でないというのですか。それは私人というのですか、どちらですか。
#73
○政府委員(藤井貞夫君) それは職員であることには間違いございませんが、公務ではないということになるわけであります。
#74
○石川清一君 その場合に政治活動をいたしましたらどういうように……。
#75
○政府委員(藤井貞夫君) 本法の適用につきまして政治的行為の制限の場合は、これは公務員たる身分を有しているという事実に基いての制限でございまするので、この点については勤務時間中、或いは勤務時間外いずれをも問わないという建前になつております。
#76
○委員長(岡本愛祐君) 四十六條御質問ございませんか。四十七條に移ります。
#77
○竹中七郎君 四十七條の中に「審理その他の方法による審査を行い」と書いてありまするが、審査を行うだけでは変で審査を行なつたならば或いはこれを判定するとか裁定するとかというような強い意思をなぜ入れなかつたかどうか。それから四十八條も同じようでありまして、審査の結果と書いてありますが、審査だけでは非常に弱いように感じますが、それは常識で考えよと、こういうような意味でありますか。その点。
#78
○政府委員(小野哲君) 「審査を行う」と申しておりまするのは審査を行いまする場合においては勿論その中で結論が出ることを予想しておるわけでありまして、只今お用いになりました判定という考え方は審査の中に包含されておる。「従つてその結果に基いて」ということで、その判定に某いてという、こういうふうな考え方をいたしておるわけでございます。
#79
○委員長(岡本愛祐君) ほかに四十八條御質問ございませんか……。では四十九條に移ります。ちよつとお諮りいたします。この四十九條並びに次の五十條につきまして昨日の連合委員会におきまして原虎一君から質問をするはずでございましたが、持時間が切れましたので、本日委員外議員として発言を求めておられますが、これを許可することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。
#81
○委員外議員(原虎一君) 地方公務員がその意に反して不利益な処分を受け、人事委員会又は公平委員会に対して当該処分の審査を請求した場合に、直ちに審査を開始し、慎重且つ速やかに結論を出してその処分に対する措置を決定することは、不利益な処分を受けた者の利益を保護するために絶対必要であると言わなくてはならないと思います。又不利益処分に対する審査が政治的意図によつて長期間遅延せしめられることは、全体の奉仕者たる実を挙げるため提出された地方公務員法案の趣旨に副わぬものであると言わなくてはなりません。そこで以上のような事情からして次の諸点につき御答弁を願いたいと思うのであります。第一に、地方公務員法案第四十九條第三項はその意に反して不利益な処分を受けたと思う地方公務員が、不利益処分に関する説明書の交付を要求した場合、請求を受けな日から十五日以内に交付しなければならないとしています。この場合(イ)「十五日」の期間は、任命権者のほうで遵守しない場合にも何らこれに対し交付を強制すべき手段がないと思うのですがどうか。(ロ)地方公務員の利益を厚く保護しようとする立場に立てば請求と同時に、又はできるだけ短期間(一定期間内)に交付すべしとすべきでとあつて、十五日は長きに失する。何故十五日としたか。その根拠を明示されたい。(ハ)不利益分に関する審査を請求するには、人事委員会、公平委員会規則等によつて、不利益処分に関する説明書を添付することを要するようになり、審査の開始に重要な資料となると思うのであります。従つて説明書の交付が遅れれば審査が遅れる結果になると思うが如何。(ニ)国家公務員法には期間の定めがなかつたと思うが、特にこれを設けた理由は何か、それを伺いたい。第二に、(イ)法案第五十條一には審査の請求があつた場合、直ちに審査を開始するよう規定してありますけれども、審査期間については何ら規定がないのであります。従つて、審査機関が、政治的意図其他の理由によつて、故意に審査を遅延せしめても、それに対して請求者は自己の利益を擁護でき、ないことになるわけであります。不利益処分か政治的なものであればあるほど、かかる懸念が多くなるのでありまして、このような審査機関の不当措置に対し、対抗すベき保護手段は果してあるものでありますかどうか。(ロ)に、地方條例を以て審査期間を定めうるかどうか。以上の諸点につき御願いいたしたいと思うのであります。
#82
○政府委員(鈴木俊一君) お答えいたします。
 先ず第一についてでありますが、そのうちの(イ)につきましては任命権者の良識に待ちたい。而も、万一説明書の交付がない場合にも、第四項の規定で、提訴はできることにして保障の遺憾なきを期している次第であります。(ロ)につきましては、原則的には請求と同時にではなく、不利益な処分を行う際に、処分説明書を交付しなければならないものとして職員の利益を厚く保護しておりますし、職員から請求のあつた場合に十五日の期間を置きましたのは、任命権者においてもともと不利益処分は考えていないときでありますから、調査等にこの程度の期間を必要とすると考えたからであります。(ハ)、につきましては、処分説明書の交付を受けたかつた職員も審査の請求ができますので職員の利益保護に欠けますところはないとこう考えております。
 次に第三の点(イ)につきましては、国家公務員法の場合におきましては職員は処分説明書を受領しなければ審査請求ができず、処分説明書の交付を受けられなかつた場合の審査請求権については明確な規定がありませんので、本決案におきましては特に規定を設けまして、かかる場合、審査請求ができる旨を明確にし、以て職員の利益保護に欠くるところがないよう措置した次第であります。次に(ロ)につきましては、審査は特に愼重にこれを行わなければなりません関係上、或る程度の日時を要するのは止むを得ないことと存じます。又一品に事案と申しましても、その内容は多種多様でありますので、條例で一概に審査期間を定めますことは適当ではないと存じます。御質問の御趣旨は御尤もでございますが、人事行政機関の良識と相待ち、人事委員会又は公平委員会が適正な期間を定めることにより、審査の適正を期したいと存ずる次第でありす。
#83
○委員長(岡本愛祐君) では次に移ります。第五十條御質問なければ五十一條に移ります。……五十一條御質問がなければ五十二條第九節職員団体。
#84
○相馬助治君 本法案におきまして、公務員というその職種の特殊性に基きましてストライキ権であるとか、サボタージュ権というものを制限したということは、理論的にはいろいろ訳もありまするが一応百歩を譲つて納得しないものでもないのでありまするか、私は思うに平和的に事をなさんとする団体交渉権、団体協約権、そういうものをも否定することは怪しからんことであると考えておるものであります。その上に第九節の職員団体の項におきまして、特にこの五十二條を読んだだけでも明らかでありまするように、地方公務員の団結権すらも脅やかそうとする政府の意図がありありと見ることがができるのであります。従いましてこの問題に関しまして、団結権すらも脅やかさんとする政府の意図はその辺にあるのであるか。これを先ずお尋ねしたいと思うのであります。これにつきまして政府の答弁は恐らく団結権はいささかも脅やかしておりません。又団結できるのです。こういう答弁があることはよくわかつておるのでありますが、若しそういう御答弁ならばほかの煩雑なる本法のいろいろの條例を挙げまして、再度質問の用意のあることを附加えて置きます。それからそれに連関いたしまして、この五十二條の法文を荒みますと奇異の感に打たれる。「当該地方公共団体の当局と交渉するための団体を結成し、若しては結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。」こういうことが書いてある。これは普通の法文の体裁であると、結成することができる、加入することができると書いて置けばよいのである。することができるということは、しないこともできるという意思を十分含めておる。何を好んでこんなしち面倒な表現をしたか。この真実の意図についてちよつとお尋ねいたして置きたいと思います。関連いたしまして五十二條の三項は「事実上結成し」、或いは「事実上加入する」とあるけれども、一体「事実上」というのはどういうことなのですか。これについて承わつて置きたいと思います。私の質問は以上三点。
#85
○政府委員(鈴木俊一君) 第一点の団結権を制限をしておるということでございますが、これはお言葉にもありましたように、私どもといたしましては、公務員としての性格にふさわしい姿において職員団体を結成する権利を確認したつもりでおります。それから第二点のお尋ねでございますが、「結成し」、「結成しないことができる。」と消極的の面は言わないでいいじやないかという御指摘でございますが、御意見も確かに御尤もだと思いまするが、ただここで消極的の面も特に書きましたことは、やはり職員が職員団体に加入してもよいし、加入しなくてもよいという両方のことが常に自由であるという、その両者の自由なる点をより積極的にはつきりと表現するためにかように書いたわけでございまして、こういうような例は公労法なり、公共企業体労働関係法にもございまするし、国家公務輿法には勿論相当する規定があるわけでございます。それから第三点の事実上連合組織を結成する。この「事実上」という意味はどういう意味であるかということでございます。この点は五十二條の第一項に規定してございまするように、職員団体は「給與、勤務時間その他の勤務條件に関し当該地方公共団体の当局と交渉するための団体」とかように考えておりまするので、要するに千円の俸給を上げるように條例を改正してもらいたい、こういうことを「地方公共団体の当局と交渉をするための団体」でございまするから、結局はその予算或いは條例を提案し、或いは作成する、そういう地位にありまする地方公共団体の当局との交渉のためのものでありまして、例えば或る市の職員が府県單位で構成をしておりまするところの自治団体の職員の連合体に加入するという場合におきましては、その連合会自身の問題といたしましては別にその予算の問題、條例の問題でその單位において炎渉すべき相手方はないわけでございます。県知事は要するにその県の職員の交渉相手にはなりまするけれども、市町村の職員が結成しておりまするような連合組織の当然の相手方にはならんわけでございます。そういう意味で現在日教組でございまするとか、自治労連でございまするとか、或いは自治労協でございまするとかいうような全国的な連合体、或いは府県單位の連合体があるわけでございます。こういうものは事実は事実として認める。但しこの職員団体というのは当該地方公共団体の当局と交渉するための団体であるから、こういう意味の職員団体ではない。併し事実上の連合組織をこれは注の上で否認するようなふうにとられてもこれは本意でございませんので、そういう事実上の連合組織というものは、これは存在することを何ら妨げるものではない。こういうことを特に念のために法の上で確認をしよう。こういう趣旨でございます。
#86
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか。それでは五十三條に移ります。
#87
○相馬助治君 鈴木政府委員の答弁は極めて法律的な見解としては妥当であつて、当初予想した通りの答弁でありますが、特にこの五十三條を見まするというと、私が五十二條について申したことかいよいよ明確になつておるであります。と申しまするのは、この條項は、第五十三條は、全般に亘つてあらゆる制約というものを設けて、職員団体の結成についての制肘を加えることが非常に法文の上に強く現われております。具体的に申しますると、特にその審査によつて取消処分をできるというふうに書いてあり、その処分をできるものは人事委員会であると規定してあります。御承知のように前のほうの條文について質疑しましたように、人事委員会のこの三人の委員の構成というものは、任命権者によつて推薦されております。そういたしまするというと、職員団体が任命権者と給與その他労働條件についての交渉をする。それをこれは目的として結成するところの職員団体か、その言葉はおかしいのでありまするが、喧嘩相手が作つた人事委員会によつてその組織はいいの悪いのと難癖をつけられる。この一つを以てしても明らかでありましてこの五十三條というものは、明らかに職員団体を圧迫するために利用される公算が非常に多いと思うのでありまするが、その辺の見解について承わつて置きたいと思います。
#88
○政府委員(鈴木俊一君) 一旦登録を受けました職員団体が、その登録を取消すことがあるということは御指摘のように第四項に謳つておりまするが、その手続といたしましては、この法律及びこれに基く條例の規定に適合しないという條件に合致することになつたときに取消すことができるというのであります。必ず取消さなければならんというのではなくして先ず第一に取消すことができるということであります。それから更にその取消をいたしまする場合におきましては、條例でこれを定める。又方法を條例で定める。單に人事委員会の規則でこれをやるのではありませんで、地方議会が参加いたしました條例でその手続を定める、こういうことにおきまして、やはり手続を愼重にいたして職員団体のほうの布望等が議会を通じてやはり十分に反映できるような形にしておるわけであります。更に第三には、取消をいたします場合、法律上の保障といたしましてあらかじめ口頭、審理を行わなければならん、こういうことも一つの保障といたしておりまして、而も職員団体から請求がありました場合には、更に第四の要件としては、その口頭審理を公開してやらなければならん。こういうふうに四重のいわば過重なる手続を考慮しておるわけでありまして、御心配のようなことは先ず万々ございますまい、かように考えておる次第でございます。
#89
○小笠原二三男君 それに関連して昨日から私はしつこく言つておるのでありますが、規則條例をお手盛で作るような結果になり、そしてその範囲内で口頭審理もするのですから、この点問題があるわけですが、口頭審理によるその判定の基準はやつぱり條例によるものでしよう。條例を乗り越えても判定を下すことができるのですか。
#90
○政府委員(鈴木俊一君) この判定の基礎は今申上げましたように、この法律及びこれに基く條例の規定に適合しないものとたつたときということで、要するにこの法律に定めておる要件を欠くかどうかということを人事委員会が認知するわけでございますが、その認定の方法、手続等は條例でこれを定めるということでございます。
#91
○小笠原二三男君 それでは或る府県では適格であり、或る府県では不適格であるという全国的にばらばらな水準に基く団体ができて、同じ地方公務員としそ全国的に同等に保障さるべきはずのものが、地方の制約によつて団体結成を保障されないという場合が法律の形式上起るように思いますし、事実そういう紛争が起ることを懸念せらるるのですが、そういうことについて予想される点につきお伺いすると共に、そういう場合には如何なる指導、助言を與えられるお考えであるか、お伺いしたい。
#92
○政府委員(鈴木俊一君) 地方自治を認めております建前から申しまして法律がこのような、先ほど御説明申上げましたような、四段階の保障の方法を考慮いたしておりましても、そこに地方々々によりまして若干の食い違いが出て参りますることは止むを得ない結果でございまするし、又地方自治の建前から申せば当然のことであろうとも言われております。併しながら技術的な立場から見まして甚だしく不適切であるというような場合におきましては、これは地方自治庁の技術的な助言或いは協力的な助言というようなことも場合によつては考えていいと思いまするが、併し最後の究極的な問題といたしましては、要するに一度登録せられました職員団体が、違法の状態になつたからこれを取消すわけでございまして、その違法であるかどうかということの審査決定の終局的な権限は裁判所が行い、人事委員会の取消処分は一つの行政処分でございまするから、その処分が違法であるかどうかということについては訴訟事項に相成つておりまするから、これは裁判所において最後まで争うという場合には争う、かような趣旨でございます。
#93
○小笠原二三男君 それは手続上誠に完備しているようで体裁は大変いいのでありますが、労働組合法の適用を受けることなしに、而も相成るべくは公共の福福に反しない限り、そういう団体結成を認めて行こうという努力がある場合には、裁判所に対しまする前に、全国的にもつと條例等によつて特殊に彈圧され圧迫されて骨抜きにされるというようなことのないように、裁定の基準はここにも書いてありますけれども設けて、全国的に何か不満なり或いは審査要求に対して考えてやるというようなものが欲しいような気もするのですが、この点如何ですか。
#94
○政府委員(鈴木俊一君) 條例において規定いたすべき條項等につきましては、これはできるだけ事が愼重に公正に運ばれまするように、一つのモデル條例と申しますか、そういうようなものを地方自治庁につきまして示すようにいたしたいと考えております。その結果におきまして非常に甚だしく違法の状態にあるような場合につきましては、これは協力的な助言をいたすようにしたい。又情報の交換等によりまして、こういう地方団体においてはこういうようなものは適法なものである、こういうふうになつているとかいうような相互の情報の交換というものも、この法案におきましては特に規定をいたしておりまするし、自治庁におきましてもそういうようなものを基礎にして十分な適当な努力をいたしたいと思います。
#95
○小笠原二三男君 この際あとで疑義が起きると困りまするので、前例もあることですから、自治庁にお伺いして置きますが、自治庁の指導、助言的な凡例的な條例案その他一般的な原則的な事項を地方にお流しになるだろうと思いますが、それを上廻り下廻つて各府県が決定することについては、何ら精神的なその後のですね、圧力をかけないということをこの際言明できますか。
#96
○政府委員(鈴木俊一君) その点はまさにお考えの通りでございまして、地方自治庁のなしまするのは、今の協力的助言と技術的な助言でございまして、これは全く單なる助言でございます。地方公共団体としては、何らこれに法的に拘束されるものではございません。
#97
○小笠原二三男君 希望して置きますが、労働運動を制限してですね、そしてこういうふうに移行する場合に、得てしてトラブルの起り勝ちなのは、この中央の指示、示達というようなものを金科玉條として県当局、その他が金縛りせられる通弊があつたような点が必ず紛争の元になるのでありますから、この点については至極御理解のある鈴木次長において、いささかもそういうことのないように御指導相成りたい。過去について年末給與のそれらについてですね、国は五割できめた、それでお前の県も五割以内にせよ、五割以上出すならば、今後配付税において云々する等という、その精神的な圧迫を加えてコントロールした実例があるので、この際そうでない公務員制度に則つて近代的な地方指導をやつて頂くように希望いたして置きます。
#98
○鈴木直人君 職員団体りを作る、單位職員団体を作るところの範囲は、第七條によつて設置するところの人事委員今、或いは公平委員会を置くところの範囲と合致するものであるかどうか。例を取つて見れば、町村の吏員は單位町村を單位として職員団体を作るとか、或いは県の職員は県の人事委員会の範囲とするとすれば、県全体を一つの單位職員団体として結成する。従つて地方事務所等の職員は、地方事務所ごとの單位職員団体を結成するのではなくして、県全体の職員団体の中に包含されて一つの單位の中に結成される、又県の教育委員会に所属しておるところの職員、教員は、その県庁の職員と一緒になつて單位職員団体というものを一個作るというような組織のやり方になるのであるか。そういう点をお聞きして置きたい。
#99
○政府委員(鈴木俊一君) 県の場の例を取つて申上げますると、例えば県内に十六の地方事務所があるといたしまして、この場合におきましては、それぞれの十六の地方事務所の單位ごとに一つの單独の、独立の職員組合を作る、そうして県庁の職員も又一つの單独の職員組合を作る、これらのそれぞれの單位の職員組合が一緒になりまして、その県全体の一つの職員組合の連合会を作る、こういうことが実情として考えられますが、この場合の県庁なり、地方事務所の個々の職員組合は、單位職員団体であり、それらの一諸になつてつくりましたその県の職員団体の連合会はこれは一つの連合団体でございまするが、いずれもこの五十二條の第一項に申しまするところの給與、勤務時間、その他の勤務條件に関し、当該地方公共団体の当局と交渉するための団体という観念に入りまするので、これはこの公務員法案において言つておりますところの、職員団体となると思うのでありまして、これに反しまして、例を町村に取つて申しますと、町村の職員かその町村の職員組合を作る、県内の、或いは地方事務所管内の町村の職員組合が一緒になつて運命会を作る、或いは県内の町村が全部一緒になつて職員組合の連合会を作る、こういう場合を考えますると、この場合吉におきまての、いわゆる交渉相手というのは、その地方事務所長でもございませんし、知事でもないわけでございまして、そういう場合は、やはり個々の町村長が当同として交渉相手になるわけでございますから、そういう地方事務所管内の町村の職員組合の連合会、或いは県全体の町村の職員組合の連合会というのは、この五十二條の第一項にいう職員団体にはならないわけであります。これは飽くまでも事実上の組織、こういうことになるわけでございまして、そういうものも差支えないわけであります。
#100
○鈴木直人君 そうしますと、第七條によるところの人事委員会を置くところの範囲と必ずしも一致しておるものではない、その職域別の職員団体を作り得るのであつて、人事委員会の範囲を、区域を包括して一個のものを作るのではないということになるわけでありますが、例えば小学校の教員のごときは、それぞれの小学校内に單位職員団体を作つて、そうしてその連合体を結成するということになりますか、或いは県全体というような形になりますか、その点をお聞きして置きたい。
#101
○政府委員(鈴木俊一君) 小学校の教員の場合でございますると、今お話のように、それぞれの学校を一つの単位といたしまして、職員組合を作ることは勿論一の能でございますと同時に、この県全体の教員の職員組合を作るという問題でございまするが、これは教育公務員特例法との関係がございまして、小学校の教員を市町村の公務員と見るか、府県の公務員と見るかというところに問題があるわけでございます。これは今文部省当局と話合いをいたしておりまして、将来全部市町村の教育委員会が教員を任命するということになりまするならば、これは市町村の地方公務員ということになりまして、従つて職員団体といたしましても、町村ごとにばらばらになるわけでございます。その場合の連合体は丁度普通の町村吏員の職員組合と同じような扱いになると思います。併し現在政府におきまして考えておりまするのは、職員、小学校の教員が、現在都道府県の教育委員会によつて任命をされておるわけでございまして、そういうふうに任命権が都道府県の教育委員会にございまする限りは、やはりこれは都道府県の地方公務員と同じような立場におきまして、都道府県全体の職員団体を作るということが法律上最も適当であろうし、そういうことが必要であろう、こういうように考えまして、地方公務員法案との調整につきましては、教育公務員特例法を改正をすべきである、かように考えております。
#102
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか、次に五十四條に移ります。御質問ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○委員長(岡本愛祐君) 五十五條に移ります。御質問ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(岡本愛祐君) 五十六條に移ります。御質問ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(岡本愛祐君) では第四章補則に移ります。第五十七條、御質問ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(岡本愛祐君) じや五十八條、に移ります。御質問ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(岡本愛祐君) 五十九條に移ります。御質問ございませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(岡本愛祐君) それでは第五章罰則に移ります。第六十條……。
#109
○相馬助治君 ちよつと待つて下さい。五十九條にですね、地方自治庁のすることのできる助言というのは、地方の公共団体から求められた場合にのみするのでありまするか。それとも絶えず地方の自治体の様子を見ていて、積極的にこれをなさんとするものでありまするか。それとも二つの場合を含むものでありまするか。その辺の見解を承わつて置きたい。
#110
○政府委員(鈴木俊一君) この点は、今御指摘のように二の場合を含むわけでございます。
#111
○相馬助治君 これは私がずつと法案の審査に当つて参りましたことと首尾一貫しない矛盾したことを言わざるを得ないのでありますが、実は地方財政の非常に脆弱な、状態、且つ又地方行政の人的構成、その他から今日極めて不満不備な状態からいたしまするという、事実の問題としては中央における地方自治庁がこれに対しまして強力にして、而も有効なる指導助言を與えなくちやならんということはわかつておりますけれども、これをこの地方公務員決の中にわざわざ積極的に一項設けたということは、どうも別の観点から眺めまするというと、又再び、曾つて猛威を振いましたる内務官僚の勢力をこの法文に隠れて温存せしめんとするやの意図が衣の袖に隠れてちらちら見える鎧のごとく見えるのでありますが、これは私の行過ぎた懸念であるかどうかわかりませんが、少くとも市長、知事、それらの者は公選されておるのでありまして、こういうことは又言わずもがなだろうと思うのでありますが、これを積極的に一條設けましたその理由、又その意図するもの、これらにつきまして大胆率直なる御意見を承わりたいと思います。
#112
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。第五十九條は別に他意はないのでありますが、折角の御質問でございまするのでお答えをいたしまするが、国家公務員につきましては人事院がこれを担当する。従いましてこれらの点を明らかにいたしますためには、地方公務員はどこでお世話するかということになりますと、強力なる技術的の助言を地方自治庁がやるのだということを法律で書くのが運用上安全だろうということになつたのでありまして、地方自治庁かその設置法に基いて行いまする権限がこれによつて加えられたわけでもありませんし、他に特別な意図を持つておるわけではないのであります。
#113
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質問ございませんか……。
 それでは第五章罰則に移ります。六十條御質問ございませんか……。それでは六十一條に移ります。
#114
○相馬助治君 六十條、六十一條を通じて考え得られることは、極めてこの罰則が総括的に多過ぎるということであります。而も第六十一條の四号におきまして、「第三十六條第三項の規定による禁止に違反した者」に対しまして、行政的な措置だけでなくして「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する」と嚴格に謳つておりますが、これは甚だ当を失したものであろうと、こう考えるのでありますが、この辺も見解について伺つて置きたいと思います。
#115
○政府委員(鈴木俊一君) この罰則につきましては、国家公務員と比較いたしまして重要な点だけにとどめまして、その他の事項は成るべく罰則を付さなようにいたしております。例えば職員の服務規律違反につきましては、国家公務員法におきましては罰則と懲戒処分とは並行するようにいたしておりますが、この法案におきましては服務違反につきましては懲戒処分だけで行く、こういうような建前にいたしておるのでございまして、一般方針といたしましては罰則は情勢に即応して緩和をいたしたつもりでいるのでございます。六十一條の第四号でございますが、これは先ほど御説明を三十六條におきまして申上げましたことを、公務員の政治的中立性を保障いたしますために公務員自身がそれぞれ規定せられました政治的行為をするとを禁止いたしますと共に、外部からこれに対してそういう行為をすることを求め、そそのかし、あおると、こういうことをやはり制限をいたしまして、真に公務員の政治的中立性を可能であるようにしよう、こういう考え方で立案をいたしたものでございます。
#116
○竹中七郎君 今の問題に対しまして、外部からやるということに対しまして私は公務員という方は、まあ地方におきますればインテリで、その人たちがあおられてどうなるということまでお考えになることはちよつと行き過ぎじやないかと、かように考えるのでございますか、この点につきまして一つ……。
#117
○政府委員(小野哲君) 只今鈴木政府委員から詳細お話を申上げたので一応御了承が願えるかと思うのでありますか、この法律は建前から申しまして、外部から求められたり、そそのかされたり、或いはあおられたりした場合におきまして職員の中立的な立場を保護して行きたいと、こういう点から出ておりますので、そういう意図から考えますると、この罰則も意味があるかと考えております。
#118
○委員長(岡本愛祐君) ほかに、ございませんか……それでは六十二條に移ります。六十二條御質問ございませんか……場それでは附則に移ります。附則の第一項御質問ございませんか……では二項に移ります。二項ございませんか……三項に移ります。附則の三項……
#119
○相馬助治君 附則を一括して議題に供して下さい。
#120
○委員長(岡本愛祐君) それでは附則以下一括して議題に供します。
#121
○相馬助治君 極めて大まかな質問で恐縮ですが、附則の施行期日を見ますと、大部分のものをニカ月と、こう押えてありまするが、これは国家公務員法の旅行当時の経緯等その他に鑑みましても、私は技術的にちよつと無理があるのではないかと、こう思うのです。又うるさいようですか、逆にひつくり返しますと、来春あたり行われます地方選挙を目途といたしまして早急にこの際、先般岡野大臣がいみじくも申されましたように、縛つて置くのだと言つた、その縛つて置くという考えで出された政府の政治的意図があるのではないかと……私が言つているのではなくて、世上流布されている。従いましてこれが二カ月というふうに押えたということが私はどうしても技術的に無理があると思うのでありますが、その辺の見解を承わつて置きたい。
#122
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。この法律が成立いたしました暁に施行する場合の段取りをこの附則できめているのでありますが、中には或いは研修を行うような必要のあるものもございまするし、或いは又相当期間を置きまして、例えば職階制のごときは愼重に研究しなければならんものもあるのでありまするが、その他の事項で準備が可能のものにつきましては大体二カ月もありますれば、従来の法律公布並びに施行の経験から申しまして支障はないものと考えまして、さような意味におきまして施行の段取りをきめたような次第でございます。
#123
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御質疑ございませんか……。
#124
○吉川末次郎君 非常に愼重に質問応答が行われまして審議が行われたと思われるのであります。一応これを以て質疑応答を打切りまして休憩に入りまして、午後二時から討論を開始するように議事をお運び願いたいと思いますが、如何でございますか。
#125
○委員長(岡本愛祐君) 只今古川委員から御発議がございまして、質疑は大体盡きたようであるから、これで質疑を打切つて休憩に入つて、午後三時から討論並びに採決を行うようにしたいという御動議でありますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(岡本愛祐君) それでは質疑は盡きたものと認めまして、質疑はこれで打切ります。休憩前にちよつとお諮りいたしたいことがあります。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#127
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。それではこれで休憩いたします。なお午後三時、時間厳守でいたしたいと思いますからどうぞ……。
   午後零時五分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十二分開会
#128
○委員長(岡本愛祐君) 休憩前に引続き地方行政委員会を開会いたします。地方公務員決につきまして討論を行いたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○岩木哲夫君 この際緑風会及び民主党の両党によりまして協議成案されましたる修正案を提出いたしたいと存じますので、御採択あらんことをお願いいたします。
#130
○委員長(岡本愛祐君) それではこれより討論を行います。御意見のおありの方はそれぞれ替否を明らかにして、お述べを願います。なお修正の御意見は討論中にお述べを願います。岩木哲夫君。
#131
○岩木哲夫君 地方公務員法案の政府原案、衆議院送付の案に対しまして、次のような修正を求めたいと存じます。それぞれお手許に刷りものが御配付申上げてありまするので、その全條文を一応私より朗読いたします。地方公務員法案の一部を次のように修正する。(1)第五條第三項中「人事委員会を置き、又は他の地方公共団体の人事委員会に委託して第八條第一項に規定する人事委員会の事務を処理させる」を「人事委員会を置く」に改める。第七條第二項中「人事委員会を置き、若しくは他の地方公共団体との契約によりその地方公共団体の人事委員会に委託して第八條第一項に規定する人事委員会の事務を処理させる」を「人事委員会を置く」に改める。同條第三項本文中「人事委員会を置き、又は他の地方公共団体に委託して第八條第一項に規定する人事委員会の事務を処理させる地方公共団体」を「人事委員会を置く地方公共団体」に、同項但書中「公平委員会を置き、又は他の地方公共団体との契約によりその地方公共団体の人事委員会若しくは公平委員会に委託して第八條二項に規定する公平委員会の事務を処理させる」を「公平委員会を置く」に改める。(2)第八條第一項第九号及び第二項第一号中「審査し、」の下に「判定し、」を加え、同條第七項中「決定」を「決定(判定を含む。)」に改める。(3)第十一條第一項中「二人以上」を「全員」に改める。(4)第三十六條第二項に次の但書を加える但し、公立学校(学校教育法(昭和二十二年法律二十六号)に規定する公立学校をいう。以下同じ。)勤務する職員以外の職員は、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第百五十五條第二項。市の区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区の所管区域)外において、公立学校に勤務する職員は、その学校の設置一着たる地方公共団体の区域(当該学校が学校教育法に規定する小学校、中学校又は幼稚園であつて、その設置者が地方自治法第百五十五條第二項の市であるときは、その学校の所在する区の区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。(5)第四十七條中「審査を行い、」の下に「事案を判定し、」を加える。(6) 第四十八條中「審査」を「審査、判定」に改める。(7) 第五十五條第二項中「申合せ」を「協定」に改め、同條第三項を第四項とし、第一項の次に次の一項を加える。
 3 前項の協定は、当該地方公共団体の当局及び職員団体の双方において、誠意と責任をもつて履行しなければならない。(8)第五十七條中「職員のうち」の下に「公立学校の教職員(学校教育法に規定する校長、教員及び事務職員をいう。)、單純な労務に雇用される者その他」を加える。(9)第六十一條中第四号を削り、第五号を第四号とし第六号を第五号とする。(10)第六十二條中「第六号」を「第五号」に改める。(11) 附則第一項中「第六号」を「第五号」に改める。(12) 附則第七項中「附則第二十項」の下に「及び第二十一項」を加える。(13) 附則第二十項の次に次の一項を加える。
 21 第五十七條に規定する單純な労務に雇用される職員の身分取扱については、その職員に関して、同條の規定に基き、この法律に対する特例を定める法律が制定実施されるまでの間は、なお、従前の例による。
  條文は以上でありますが、その要旨とする点をかいつまんで申上げます。即ち第五條及び第七條等に修正を加えました趣旨は、それぞれ人事委員会を設置いたしたいということに関連する整理せる條文であります。第八條の中の審査一の下に「判定」を加えました理由は、勤務條件に関しまする措置の要求があつた場合には、人事委員会又は公平委員会は、審査を行いますると共に、必ずこれに基く判定を明らかにし、そうして職員にその要求の趣旨の適否につきまして委員会の見解を了知させる段階を設けようとするものでありまして、又これによつて職員の要求が委員会による明瞭な判断を與えられないままで放置されることのないようにしようとする趣旨であります。即ち右の判断を明らかにする段階を判定と称したのでありまして、この用語は国家公務員法の第八十七條において用いられておる例を引用いたしました。更に「決定」という事項を入れましたのは、決定の中には、今私が説明申上げました判定の意味をも同様に加える場合を考慮いたしまして、決定もこの判定の趣旨と同様の意味合をも兼ねることをここに明記したのであります。
 それから十一條中の二人以上を全員に改めました理由は、人事及び公平委員会のいろいろな審査、判定ということは、事人事に関しますことはもとより職階制、給與或いは勤務條件その他各般。重要なことを議題といたしまして、これを審査、判定いたしまするが故に、やはり三人の委員であるならば、全員が会合出席してこれらを取運ぶということが最も適正妥当であろうという深い考慮から、全員に改めたわけであります。第三十六條の政治活動の禁止に関しまする要旨は、大体先の国家公務員法の制定されましたる客観情勢と申しますか、或いは国内情勢の事態と今日の事態とは著しく相違がありまするのみならず、ポツダム宣言でも新らしい憲法でも、人権の基本的な擁護は申すまでもなく、この政治活動の自由も許されておりまする現在の段階におきまして、殊に地方公務員のその住居せる、いわゆる土着性と申しますか、かような事態、或いは地方におきましての最も知識人であり、社会指導者の立場にあります者の、ことごとく政治を全面的に禁止するということは、前段に申しましたような人権の蹂躙であるのみならず、諸般の情勢から、これは政府原案は多少行過ぎの感を感じますが故に、ここに次のような修正点を要求したわけであります。即ちその要旨といたしますところは、要点といたしますところは、一般公務員の場合は、都道府県庁に勤務せる者は、その都道府県外なら自由を認めていいではないか。又地方事務所に勤務せる者は、その管轄区域外なら差支えないではないか、又市町村に勤務せる者は、その地域外なら許しても差支えないではないかという観点から、かような措置を考慮したのであります。又公立学校その他教育機関に勤務せる職員につきましては、都道府県立の学校に、或いは教育機関に勤務せる職員は、その都道府県外におきましては差支えないことにし、又市立、都立の学校に勤務せる職員の場合は、その市、部外なら差支えないことにし、又市町村の学校に勤務せる職員の場合なら、その市町村区域外なら差支えないことにし、特別区、或いは政令によります五大市の学校に勤務せる職員の場合は、その区の外なら差支えない。又特別区、又は政令に定めまする五大市にありまする義務教育の教育法による中学校、小学校及び幼稚園に勤務せる、職員の場合も、その区の外なら差支えない。又二ヵ町村の組合によつて設定せられましたる学校に勤務せる職員は、その関連せる町村の地域外なら差支えないではないかという点を指摘いたしまして修正点の骨子といたしたわけであります。但しそれは原案の第一号から第三号まで、及び條例によります第五号に掲げる政治的行為のみを指摘いたしたのでありまして、その四号は即ち「文書又は図画を地方公共団体の庁舎、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。」の事項の全面的制限はそのままであることであります。
 次に第四十七條及び第四十八條の「審査」の下に「判定」の字句を入れましたることは、先ほど第八條の場合に説明を申上げました趣旨と同じであります。次に第五十五條の「申合せ」を「協定」に改めた理由といたしましては、申合せなる語は単なる話合で、如何にも当事者間におきまして、その事項についてややもいたしますれば誠意と責任とを以て行くということの趣旨が十分に現われ難い。よつてその趣旨を用語の上でも又よりよく表現し得るように考慮いたしまして、この場合申合せよりはやや強い響とその内容を持つ「協定」の語に改めんとするわけであります。それから同じく第五十五條の誠意と責任を持つて履行しなければならない。この趣旨を入れましたことは、前段申上げました「申合せ」を「協定」に改めること、及び「審査」を判定一又は「決定」にいたしましたような趣旨等から、それぞれの地方公共団体と当該職員団体との双方において文書において協定ができました場合には双方がこれを誠意と責任を持つて履行しなければその趣旨が具体化しない。又良識を持つてこれを履行した以上はそれを実行するということでないとしうとその意味を表現することができないわけでありまするが故に、特にこの点を強調して双方の立場を公正に取扱つたわけであり度す。それから第五十七條中に公立学校の職員を特に掲げましたゆえんは、これは本條に例示といたしまして單純労務者を掲げた結果、法文の技術上もう一つの典型的な場合の例示も考慮いたしまして掲げたのに過ぎないのでありまして、特に別個の意味を含んだものではないのであります。従つて原案の趣旨を変更しようという考えではもとよりないことは明らかであります。即ち原案に対しまする政府の説明といたしましては、差当り本條に該当するものと考えられるものとして公立学校の教育公務員等があると述べられておるところをそのまま取入れたわけであります。又五十七條中に教育委員会の教育長及び専門的職員を例示しておらないという点につきましては、只今第五十七條の冒頭に掲げたものは典型的なものの例示に過ぎないのでありまして、これに準じて考え得る性質のものは結局例示の後にその他……特例を必要とするということを特に入れてあるところに包攝いたしまして、この取扱をいたさんとする場合であります。それから又公立学校の技術職員等につきましても特例は設けておらないのは先ほど申上げましたような工合に若し「職務と責任の特殊性に基いて」必要のある場合にはその他の場合にこれをも包攝し得るという解釈を持つておるのであります。又公立学校の事務職員が例示いたしておりまするのは、本條は特例を設け得る規定に過ぎないと解釈しておることでありまして、従つて常に例示のすべてにその特例を設ける趣旨ではない。結局はその「職務と責任との特殊性に基いて」必要な範囲のこれは職員についてのみ特例を設けるということを附加えて置きたいのであります。又單純労務者の範囲の特例を定めましたのは、第五十七條の規定によりまして特例を定め得る單純労務者といたしましては、道路公園その他営造物の清掃、塵芥屎尿の汲収、収集、運搬、処理、消毒衛生作業、港湾の雑役荷役人夫等の作業、土木工事、食堂、宿泊所、屠場、火葬場等の現場労務に従事する者などが一例としてありまするが、これらのものに対しまする特例といたしましては、政治的行為の制限を緩和し、又はこの解除をすることができる趣旨を謳つたのであります。それから第六十一條第四号を削りましたる理由は、本法は公務員に関する各柿の基準を定めました法律でありまして、えの規律の中心はすべて公務員自体であります。第三十六條も詰るところは公務員自身の政治活動の制限をしようとするのが規定の眼目でありまして、同條の第三項はその趣旨を確保するための側面的補強規定に過ぎないと考えるのであります。而も制限を受ける中心的主体である公務員自身につきましては、本條の規定に違反した場合でも刑罰を科せられないので、懲戒等の行政処分による制限に過ぎないのでありますから、第三項の規定によりまして側面的な立場において制約を受けまする第三者、一般人に対しましてその規定違反の場合に、第六十一條第四号におきまして刑罰を以て臨むということは適当でないと考えまするわけであります。要するに本法は公務員中心の法律であるべきでありまして、公務員以外のものに対して強い制約を加える法律とすべきでない。かような意味合で第六十一條第四号を削除いたしました次第であります。
 以上が大体修正案の骨子及びあらましの説明であります。何とぞ御協賛を賜らんことを切望いたします。
#132
○西郷吉之助君 只今若木委員より修正案につきまして御説明がありましたが、なおこの修正案は民主党と緑風会の共同提案になるものでありまするが、その修正の内容につきましては詳細に只今御説明になりましたので煩瑣を避け、私は民主党が緑風会に提示されました修正案において緑風会か二点修正を加えましたので、そのことに一言触れて置きたいと存じます。
 その第一点は三十六條でありまするが、最初の案には教職員の通学区域を單位としたものとございましたが、緑風会におきましてはこれでは少し範囲が狭過ぎるという意見がありましてその結果勤務市町村、即ち設置者が数カ町村に亘る場合はその関係市町村につき活動を制限するというふうに改めましたのであります。第二点は附則の最後に、第二十一として單純労務者の問題でありまするが、この問題は先ほど岩木委員の御説明にもございましたが、土木建築、道路清掃等のごとき現業員はこの五十七條の特例かできるまでは本法案の適用を排除いたしまして従前通りとすることとしたのであります。この二点につき微風会におきましては修正を加えたわけであります。その点以外は只今岩木委員から御説明になりました通りでありまして、この二点だけ緑風会が特に修正を加えたということを一言加えて置きます。一つ皆さんの御協賛を得たいと思います。
#133
○相馬助治君 私は日本社会党を代表いたしまして只今議題と相成つておりまする衆議院送付の地方公務員法案に反対いたしますると共に、ここに緑風会及び民主党共同提案にかかりまする修正案に対して賛成の意を表するものであります。皆さますでに御承知の通りに、本法案は全国百三十万の地方公務員の任用、職階制、給與、勤務時間その他動務條件、分限、懲戒、服務、研修、勤務成績の評定、福祉及び利益の保護、団体、人事行政、こういうふうに広汎に亘りましてその根本基準に関する規定でございます。誠に重要なる法案であると言わざるを得ないのであります。従つて先ず指摘しなければなりませんことは、この重要なる法案が会期が至極短く、而も会期延長の余地のないこの臨時国会に提案された政府の処置は、極めて妥当を欠くものでありまして、本委員の不満とするところでございます。一国の運命はその国の持つ公務員の素質如何にかかる場合が多いことは、東西の歴史がこれを雄弁に証明するところでありまして、一国の公務員の性格の如何というものは、
 実に一国の與亡にかかるのであります。このことに関しましては多くの例証を挙げる必要を認めません。私はただ一点ドイツの例を示してこのことについて言及して見たいと思うのであります。御承知のようにドイツにおきまするところの国家法人説というものは、王権神授説とその後に発達いたしました民主主義思想の妥協したものでありまして、この思想は日本に参りまして天皇機関説となり、曾つて議会においても問題と相成つたものでありまするが、要するに明治憲法の制定に当りまして、その範をプロイセンにとりました結果、日本人古来の事大主義と相マッチいたしまして、いわゆるその後におきましては法科万能の官僚群を日本に発生せしめました。即ち民衆の意思に忠実ならざる官僚と申す特権階級が誕生したのでありまして、これが政友会、民政党、この両保守政党を中心といたしまする政党政治の陥落の機に乗じて勃興いたしました軍閥と結び、遂に我が国をして今日かくのごとくみじめな敗戰にまで至らしめたものでありまして、これはまさにドイツの敗戰と揆を一つにするものでございます。この意味で私は一つの例証をドイツに求めたのでありまして、誠に意味ないことでないと思うのでありまするが、ドイツ官吏の発生並びにその生格を歴史的に考察いたしますると、十八世紀末より十九世紀にかけて、時のドイツの国王は小ブルジヨアと土地貴族の勢力均衡の上に立つて、国家内部を統一する手段としてはそのアプソリュティズムによる特権階級たる官僚を養成し、一方に軍隊を養成し、これを手先として使つて参つたのでありまして、これは欧米にも他に類例を見ない一つの特殊な型を持つ官僚をここに作り上げたのであります。後はドイツにおきましてはこの国におけるところの革命により、社会民主党の天下と相成り、ワイマール憲法治下におきまして、この官僚に対する反省が求められたのでありまするけれども、真に当時においてもドイツを動かしたものはいわゆる政治的中立を持つ々言われる、時のドイツ官僚であつたのであります。そうして当時の民主化運動によりまして、この官僚の特権組織を打破せんとする試みは、当時の強大なる官僚一団の反撃に遭つて所期の目的を果さず、かくして、ドイツ官僚団の特殊なる地位はいよいよ強化され、次いでそれはヒットラーのナチス治下の独裁政治に至りまするや、直ちに時の政権の利用するところとなり、下請機関として彼らは武断政治、警察政治の走狗となり、遂にあの敗戰に至らしめたのであります。それは常に統治権者の権力を背景とし、統治権者に代つて権力を振い、社会民衆とはまるで別個の社会群を形成して参つたのであります。これを賞讃する言葉を以てするならば政治的中立を持つ公僕であるということができると思うのでありまするが、非難する言葉を以てするならば、買弁的或いはブローカー的存在を彼らは保持したに過夢ないときめつけるべきであろうと思うのであります。この官吏の持つ常に中間的な存在として、その義務観念に生きるがごとき外貌に隠れ、事実は彼らは節操を売り、経済的には遂に国を売り、民族を亡ぼしたことは、歴史がこれを雄弁に物語るところなのでございます。これは私がこの際貴重な時間を費やしまして、何が故に長々とドイツ官僚について歴史的追憶をしたか。それは実に日本の官僚の発達と、その歴史的に果した役割というのは誠に彼我相通ずるものがあると信ずるからでございます。先にマッカーサー書簡は述べております。国家公務員法は本来日本における民主的諸制度を成功させるには、日本の官僚制度の根本的改革が不可欠であるとの事実の認識の下に考えられたのである。言葉を進めてマッカーサーは又こう述べております。従つて本改革の成功が占領政策の第一義的目標の一つたるのみならず、それは日本国民の将来の福祉のための前提條件の一つである。我らはこの際ドイツ敗戰の歴史におきまして、官吏の果したその役割、そうして公務員制度の内容と一国の運命というものを考え合わせますと共に、マッカーサー書簡の趣旨を真実に理解せんとする場合、先ず襟を正して日本の官僚制度の反省を求めざるを得ないのであります。マッカーサー書簡に基いて、国会が先にみずからの意思において決定いたしましたる国家公務員法は、以上のような歴史的な事実と現実における日本民主化の過程における要求に対して、果して何を応え得たでありましようか。今日国家公務員に対する非難というものは、国内の問題ではなくて、講和を前にするところの日本に対して全世界の非難の一つとさえ相成りつつあるやに聞いておるのであります。而もここに私たちが審議しておりまする地方公務員法はその範を国家公務員法にとつているのでありまして、我々が政府原案に対しまして反対せざるを得ない理由の第一は実にここにあるのでございます。その反対の根拠を別の一面から眺めて見まするならば、即ちアメリカ、イギリスにおける官僚群というものは、文字通りこれは事務官僚であつて、ドイツ及び日本のそれとは本質的に異なるのであります。官僚制度自身も民主化されておりまするし、民衆の生活にとけ込んでおりますと共に、これを囲繞いたしまする地域社会の民主化も又高度に進んでおるのであります。官僚が時の政権によつて、或いは民衆の意思によつて容易に動かされるところの基本的性格を持つものであるのであります。こうしたアメリカというような国においてこそは、国家公務員法案なるところの中立性を官吏に確保せしめる身分法が必要なのでありますが、日本の場合においては完全に事情を異にしていると訴えざるを得ないのであります。我が国の官僚は政治的中立の言葉に隠れて常に時の政権を背景といたしまして、政治勢力の実体を形成して来たところの長き伝統を持つものであります。下層官吏は暫らく措くといたしまして、上級官吏において常に左翼たると右翼たるとを問わず、政治権力の上にあぐらをかき、政治の実権を掌握して今日に至りました。日本の民主化のために我々が日本の公務員制度に今日要求せんとするものは、これらの公務員の政治活動を制限することでもなければ、人事委員会を設けてこれを保護せんとするものでもなくて、実に官僚制度それ自体の持つ宿幣に対する民主化でなければなりません。即ち権力者の下僕たりし官僚をして真の大衆の下僕たらしめねはならないと思うのであります。それは第一に社会と官僚との間にあるところの断層を埋めることであり、第二には任用の制度を改めることでありまして、官僚制度自体のうちで、各公務員の自由な意思によつて、自由に部内の民主化運動の推進される機会を與えるべきであります。通覧いたしまするに、地方公務員法は、むしろこの傾向と逆行するものであることを指摘せざるを得ないのであります。而も地方自治法において、知事、市長、町村長というようなものは公選となつておりますることは、誠に理由なしとしないのでありますけれども、ここで我々が現実の数字の上について考察して見なければなりません一点は、先に政府が本地方行政委員会に提出いたしました資料について見まするというと、地方公務員数詞、昭和二十五年六月三十日現在に特別職としての知事、市町村長の数は、二百三十六名であります。一般職の数歩は二十三万八千四百二十九名を数えておるのであります。これをアメリカの例に比ベて見ますというと、アメリカにおいては、連邦職員、において、特別職が三〇%と政府は答弁の中に発表いたしておりますると共に、我々の調べたところによりますと、イリノイ州という一つの州におきましては、二万四千人の地方公務員のうちで、実に八千名は自由任用の制度による特別職であるのであります。アメリカにおいて然り、而も日本において知事、市長、町村長というようなものが公選されたといたしましても、この厖大なる数の官僚群の上に乗つかつて、果して真実に民衆のための政治ができるでありましようか。而も本法案におき参ましては、般職の制案いよいよ拡大し、特別職の範囲をいよいよ縮小するがごときことは、極めて問題でありまして、総体的に日本の地方自治の実態に即しない政府原案に対しましては、断乎として我が日本社会党は反対いたさざるを得ないのであります。
 次に政府が今般突如として、極めて反動的なる本法案を提出いたしましたるその政治的意図について、我らの見解を一言述べさして頂きたいと思うのであります。それは、政府は現在とりつつあるところの万般の施策を見れば極めて明瞭でありまするように、飽くまでも自己陣営の保全と、その支配態勢の強化のために、かかる法案を用意したのではないかと疑われるのでありまして、特に今国会に提案した直接的な意味は、来春四月の地方選挙を控えて、これら地方公務員の政治活動を封殺することにより、與党の選挙を有利に展開しようとする趣旨であると、世上噂されておりまするけれども、必ずしもこの噂というものは根拠のないものでないと思わざるを得ないのであります。先に述べましたように、極めて短期な臨時国会に重要法案を提出した政府の意図いずこにありや、我々は了解に苦しむと言わざるを得ないのであります。なお政府はマツカーサー書簡の精神に基いて云々と、この公務員法の提案の理由に説明しておるのでありますけれども、マ書簡の真精神というものは、何でありましようか。労働組合弾圧的な、或いは個人の基本的諸権利を奪つてしまうような非民主的なものでは断じてないのであります。当時の社会的情勢下にありまして、労働組合の、公務員を含めたところの、これら組合の極左的な傾向に対して、是正し、民主的なる労働組合の確立を期し、同時に進歩的なる公務員制度の確立を図り、これら公務員を保護せんとするの精神に出でたるものであるのであります。而もここに本法案を提案いたしますることによつて、公務員に義務を強要し、その保障を忘れたり、或いは基本的人権までを侵すような内容を持つ非民主的なる法案をいわゆるマッカーサー書簡の趣旨によつて提案したということは、我々の断じてとらないところなのであります。すでに明らかでありまするように、昭和二十一年の八月、当時の内閣総理大臣に対してよこされましたるところのマ指令の中に日本国政府は労働組合の結成を促進し、その民主化を図るべしとあることは、これを明らかに別な面で立証しておると思うのであります。こういう意味合を考えますると共に、我が国現実の労働界の姿が何であるか、又今日労働組合自身が極めて敬虔なる立場に立つて反省しつつある現実の上に追討的に本法案のごときものを覆い被せるということは、断じて許しがたきことであると言わざるを得ないのであります。先の国家公務員決におきましても、今般の地方公務員法案におきましても、これが施行の暁には、公務員及びその家族に物心画面において多大なる影響を與えるものであると言わざるを得ないのであります。それは折角芽生えつあるところの民衆における民主主義に対する理解、それに対する熱意というものを喪失せしめますると共に、反対に極右、極左的な反動性を助長し、正常な民主主義の発達に対しまして、著しい障害を與えるものであると言わざるを得ないのであります。このような悪結果を招来しておりまする政令二百一号及び国家公務員法に対しまして、公務員は今日強力に反対しつつあるのでありまするけれども、この公務員の要求それ自体を全部我々は承認され得ないといたしましても、現にこの国家公務法によつて與えられつつありまする各民主的諸国家への反響に対して我々は眼を覆うてはならんと思うのであります。とにかく当時の労働情勢と現在における情勢というものは、根本的に相違のあることは政府自身も認めるところであると思うのであります。即ち労働組合は自主的にみずからの責任において極左的偏向を排し、民主的労働組合は著々その歩を固めつあるので上ありまして、これを我々は断じて保護育成しなければならない責任を持つものであります。このような客観的情勢の推移に対しまして、あえて眼を覆うて、今全く国家公務員法と趣旨を同じうするところの、而も内容を等しくするところの地方公務員法を制定しようとしておることは本末を誤るも甚だしいものであると断ぜざるを得ないのでありましてこのことは一方において折角輿主的傾向に進みつつあるところの労働者をして、公務員を含めての労働者をして、フアツシヨ的傾向を再び助長する危險性を孕みますると同時に、他方極左勢力に対する好個の口実を與え、民主的傾向を持つ組合及び組合員大衆をして急激なコースに赴かせる誘因をなすものでありまして日本の民主化のために衷心より遺憾とするものであります。政府が今日真にマッカーサー元帥の書簡に応えんとするならば、よろしく積極的に国家公公務員の改正案をこそ我々の前に提示すべきであると主張せざるを得ないのでございます。
 次に時間もございませんので條文を逐うて概括的に政府原案の内容を批判して参りたいと存ずるのでありますが、先ず第一に、第三條に示されましたる一般職と特別職との区別でありまするが、如何なる基準によつたか、委員会における質疑を通じても、提案者の説明は本委量を納得せしめるものではなかつたのでありまするが、我々が真実に地方自治の伸長を重いますれば、首長が住民によりまして直接選挙を以て公選されておりまする経済に鑑みましても、公選された首長に政治責任を負わせるためにも特別任用の途を成るべく広く開くべきであるのであります。即ち一つの例を県に取つて考えますならば、幾つかの政策を掲げて当選して参りました知事は、当然これを忠実に履行いたさなければなりません。そのためには当然部課長級ぐらいは任命権者の自由意思に待つべきであろうと存ずるのであります。勿論このために、時として起るでありましよう弊害というものも、当然当初より予定されまするけれども、それは公選された者を信ずることによりまして別途救済の途ありと私は思うのであります。
 次に学校教職員とか、單純労務者の特殊性を政府自身は認めながら、而もこれを便宜的に一般職としての適用範囲に含め、実質的に何ら例外的考慮も拂つていない点は断じて許容いたしかねるものでありまして今般提案になりました緑風会及び民主党の修正案の提案の理由というものは実にここに存すると思うのであります。府県市町村等に雇用されておりまする土工、清掃夫、これらいわゆる單純なる労務に服するものについては、これを水法の枠より除外いたしまして特別職に入れますることによつて、当然労働三法を以て律すべきものが本来であると思いますると共に、教職員につきましては、その職種及び任命権所在の特殊性に鑑みまして、将来單独立法に委ねるべきであろうと思いまするので、この際便宜的にこれを一括して一般職に付括するというがごときことは断じて許し得ないのであります。同時になお且つ公共企業職員に関しましては、当然その関連法案を並列してここに上程し、我々をして審議せしむべきでありまして、まさにこれは政府の怠慢と言わざるを得ないのであります。なお、本決案は極端に大幅な労働基本権の制限を持つものであります。即ち第三十七條における罷業禁止、第五十五條における交渉、第五十八條における労働組合法、労調法の適用の排除、これらはまさに憲法第十四條、第十八條、第十九條、第三十五條、第二十七條、第二十八條に規定しておりまする国民の権利、特に勤労者の諸権利に基いて制定せられましたるところの労働三法の適用を排除いたしますると共に、この労働基準法適用の面におきましては一部の制限を加えておりまするが、とにかくこういうことは誠に我々のとらざるところなのであります。罷業権を剥奪するということは理由なしとも言えませんが、平和的な団体交渉権、団体協約権これらを否定するばかりでなく、進んで団結権すらも事実上否定しておるということは極めて重大なるところの関心事であります。公務員といえども明らかに勤労者であります。労働者であります。その労働権を尊重しなければならないことはあえて理論を付する必要を認めません。單に公務員であるからといたしまして四六時中こうした大幅の制限を受けなければならないということは、誠に我が国の憲法の精神に反するものであると指摘せざるを得ないと思うのであります。勿論公に奉仕しなければならない公務員といたしまして、公共の福祉に反するような労働権即ちストライキ、サボタージュこれらの種類のものの制限は止むを得ないと思うのでありまするけれども、何ら住民の福祉に影響のない平和的団体協約権等はむしろ公務員の保護と民主的な行政を促進せしめる意味におきまして、積極的にこれは本法案に規定すべきものであろうと思うのであります。現在までの民主的な団体交渉の結果におきまして、特に封建的でありましたところの日本の官界が、いわゆる情実的な行政というものが逐次その影を潜めておるということを我我は見逃し得ないのでありましてそもそも労働関係法というものが、民主的社会における社会法として民主化の一つのバロメーターであり、民主主義の支柱であるということを考えまするときに、これは十分この点を考えてこれらのことに対しまして労働三法より排除するということは極めて問題の存するところであると思うのであります。その職員団体と理事者の交渉におきましても、特に第五十五條におきまして職員団体は当該地方公共団体の当局者と書面によつて申合せを結ぶことができると規定いたしておりまするが、一体申合せということは、これは何でありましようか、このあいまい模糊たるでたらめな表現に本法案の反動性はありありと露呈されておると思うのであります。このような意識を持つところの法に対しましては我々は基本的に賛成しかねるのであります。
 次に公務員の政治活動の制限の問題でありまするが、これについて私は多くの例を引いて述べることはやめます。と申しまするのは次に賛成せんとする緑風会並びに民主党提案にかかる修正案が大幅にこれを修正しておるからでありまするが、一言附加えたいと思いますることは、先の公聽会におきまして市長代表である宇都宮の佐藤利三郎氏はその長い市長としての体験を通じて公務員をかくほどまでに政治的に縛る必要は牽末も認め得ないと申しておることを我々は忘れてはならないと思うのであります。
 以上要するに、この法律案の性格というものを一言で申しますならば、極めて上級官吏に対しましては都合がよろしく、下級官吏に対しましては都合の悪い、別な表現を以てするならば、地方公務員法案は上級官僚勢力温存法案であり、下級官僚弾圧法案であると断ぜざるを得ないと思うのであります。要するに本法案によりますると、任用、職階制、分限及び懲戒、勤務成績の評定というような條項においては、何々をしなければならん、何々の義務があるといつた規定を並べることによりまして、理事者が、一方的にどう判断してもよろしい、どうにでも左右できるような極めて理事者側に都合のいい模糊とした規定を羅列しておりまして、これに反しまして保護の面、即ち給與、或いは厚生福祉、災害補償の制度につきましてはすべて原則的にこうあらねばならんといつたような極めて拘束力のない、抽象的な、何ら期待のできそうもない規定を羅列しておることを見逃し得ないのでありますると共に、ここに最も声を大にして指摘しなければならないことは、極めて重要なる問題である財政的考慮というものは、特に公務員にとつての財政的考慮というものはまるつきり等閑に付されている現実であります。要するにこのような面におけるところの地方公務員の福祉を保護するという幾つかの規定は、單なるこれは公務員の気休めにしか過ぎない、現実の問題を律するに足らないものであると言わざるを得ないのであります。
 以上極めて概括的ではございましたけれども、私があえて日本社会党を代表して政府原案に対しまして強力に反対せざるを得ない理由であります。
 次に只今議案に供されておりまして岩木委員より説明されましたるところの修正案でありまするが、理想論を以ていたしまするならば、我が党はこれに対しても実のところ不満であります。(笑声)併しな皆様、ローマは一日にしてならずである、(笑声)我々は現実の政治情勢を考えまして、併せて政府原案に対しましては、次の諸点に関しまして確かに進歩していることを認めまするが故に、特に民主党並びに緑風会の同志諸君の努力を多といたしまして、我が党はあえて賛成をいたさんとするものであるのであります。
 先ず第一に、この修正案は第三千六條第二項の政治的行為の制限に関しましては地域的制限にとどめてその緩和を図つたという一事であります。本来ならば我々は当初より、勤務時間中、勤務場所における政治行為、地位職権を利用しての選挙運動、これらはいけないが、それ以外は大幅に自由であるべしと主張して参つたのでありますけれども、この本旨とは甚だ遠く離れるものではありまするけれども、先ほど申上げたような理由によりまして、この修正案はあの反動的なる政府原案に対して小気味のよい修正を加えたるものとして私どもは賛成するものであります。
 第二には第五十五條第二項の申合せを協定とし、且つ第三項に協定履行の責任を附して協定の効力の強化を図つておる点であります。
 第三には第五七七條の特例を認めるものにつきまして、原案においてはその内容が明記されずに、極めて不明確であつたのでありまするが、只今の岩木委員の説明にも明らかでありまするように、公立学校の教職員及び單純労務に雇用されておる者につきまして、内容を明らかにした点は格段の進歩を示すものであろうと思うのであります。
 第四点は第六十一條第四号の罰則、則ち第三十六條第三項の政治的行為を職員に教唆した場合の罰則というものを削除いたしましたる点は、これは法律のスタイルの土から眺めましても現実の上から眺めましても、当然なる削除でありまして、あの解釈に極めて我々が苦しんだところの、この馬鹿馬鹿しい一項を削除したということは極めて当然であると同時に、この修正のでき上りましたことを私は喜ぶものであります。
 第五には附則第二十一項を設けまして、単純労務者につきましては特例を定める法律が制定実施されるまでは、政令第二百一号を適用し、本法の適用を除外した点、これらにつきましてはまさに政府原案よりも相当の進歩を示すものでありまして、我が日本社会党といたしましては、非民主的なる衆議院海付の原案に対して飽くまで反対せんがために、あえてここに修正案に対して敬意を表し、賛成の意を表する次第であります。(拍手)
#134
○石川清一君 只今社会党から縷々討論がごさいました。私は第一クラブでございますが、クラブの意向を代表いたしまして、政府原案は先ず保護法でなくて、拘束法であるという建前から反対を申上げますと共に、民主、緑風会の修正案は、微かに保護法という点が出ておりますので、これに概略を申上げて賛成を申上げたいと弾じております。政府原案を表現いたしますと、板の間で鉄の鎖りで縛るという拘束法でございますが、民主、緑風会の修正案は、むしろの上で縄で縛るという拘束法でございます。(笑声)我々は憲法に許されておりますところの基本的な人権をどこまでも確立する意味から申しますれば、この法案がどこまでも公務員に対しましては、座布団を五枚重ねにした上で立派な洋菓子を以て優遇をするということを望まざるを得ないのでございますけれども、現下我が国の経済情勢は、すでに過般平衡交付金の増額を要請いたさなければならんというような実情に追込められているのでありまして、この点若干了承いたしまして、簡單に政府原案に反対をいたしますと共に、修正案に対しまして不本意ながら、最善の案なし、次善の案としてこれに同意をいたします。(拍手)
#135
○委員長(岡本愛祐君) ほかに御発言はございませんか……。別に御発言もないようでございますから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。それではこれより地方公務員法の採決に入ります。先ず討論中にありました岩木委員提出の修正案を問題に供します。岩木君提出の修正案に賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#137
○委員長(岡本愛祐君) 全会一致と認めます。
 次に岩木君の修正案にかかる部分を除いて本法案全部を問題に供します、修正部分を除いた原案に賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#138
○委員長(岡本愛祐君) 全会一致と認めます。よつて地方公務員法案は修正可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告につきましては、委員長よりあらかじめ結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。
#140
○西郷吉之助君 ちよつと今の委員長の発言の岩木君提出の点は、民主、緑風の共同提案というふうに訂正して下さい。
#141
○委員長(岡本愛祐君) そういう意味ですから……。御異議ないものと認めます。本院規則第七十二條により、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
 御署名になつておりますうちに申上げます。連合委員会の件につきましては委員長に御一任を願しましたか、委員長から労働、人事、文部各委員会に対しまして打切りを通告いたしました。御了承願います。
  多数意見者署名
   堀  末治  吉川末次郎
   竹中 七郎  安井  謙
   高橋進太郎  石村 幸作
   岩沢 忠恭  相馬 助治
  小笠原三円男  中田 吉雄
   西郷吉之助  鈴木 直人
   岩木 哲夫  石川 清一
#142
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか。御署名漏れはないと認めます。よつて休憩いたします。
   午後三時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後七時五十五分開会
#143
○委員長(岡本愛祐君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。
 先ず請願並びに陳情の審議をいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(岡本愛祐君) それでは本委員会に付託されました請願は三十一件、陳情四件、合計三十五件でございます。その内訳はお手許に廻しましたように、地方財政関係、地方税関係、地方自治関係、消防関係、警察関係、選挙関係等でございます。これにつきまして一括しまして専門員より説明を願います。
#145
○専門員(福永與一郎君) お手許に差出してございます一枚刷の一覧表によつて御説明申上げます。上のほうに算用数字で書いてありますのが請願陳情のそれぞれの番号であります。
 先ず地方財政関係といたしまして請願第三号、第十七号、三十七号、三十九号、二百六十九号、二百四号、四百三十五号、及び陳情第六十二号は、いずれも平衡交付金の増額、その配分方法の合理化、地方債の枠の拡大、起債許可制度の撤廃等を要望するものであります。次の請願第十八号は災害復旧費全額国庫負担制度の継続を望むものであります。次の請願第百十五号、二百十八号、二百五十七号、二百九十八号、四百四十二号及び陳情第二十六号は地方公務員の給與べースの引上げ及び年末給與の財源措置を国においてとられたいということを要望しておるものであります。以上のうち、前に戻りますが、請願の二百四号と同じく二百五十七号、この二件はそれぞれ平衡交付金の増額を要望すると共に、いわゆる第二次首切り反対、地方公務員法の撤回を要求するというような事項を含んでおります。第二百五十七号は地方財政の窮状を訴えて平衡交付金の増額を要望すると共に我々は憲法の保障する地方自治の本旨に鑑み、地方公務員法の制定それ自体に根本的疑義を抱くと共に、民主主義に背馳するような内容を持つたこの地方公務員法案の原案に対し、断じて承服しがたい云々というようなことを述べての請願であります。このことだげ御説明を附加えて置きます。
#146
○委員長(岡本愛祐君) 専門員より説明いたしたような関係のものでありますか、これについての処理意見をお伺いいたします。
#147
○堀末治君 只今専門員から詳細の御説明がございましたが、私はかように考えるのでございまするが、先ず第一に請願第三号、第十七号、第三十七号、第三十九号、第二百六十九号、第四百三十五号、並びに陳情六十二号、これが平衡交付金、地方財政等に関する件でございまするので、これは本委員会において採択いたしまして、政府に伝達する必要かあると思うのであります。
 次に請願第十八号も同じく災害復旧費全額国庫負担に関する件でございまするので、これもかねての政府の方針でございまするので、これも採択いたしまして政府に伝達する必要があると思うのであります。
 続いて請願第百十五号、第二百十八号、第二百九十八号、並びに第四百四十二号、陳情二十六号、これも地方公務員の給與ベース引上げ、年末給與支給に関する件で、これは本国会においてもなかなかに問題になつておるものでございますので、これは当委員会において採択いたしまして、直ちに政府に伝達する必要を認めるものであります。つきましては請願第三百四号、並びに二百五十七号、これは内容の趣旨にいろいろ疑義もございまするので、これは留保いたしまして次期の国会においてもう一遍請願者の意見を聞きまして、改めて審議の必要があると思うのであります。どうぞそういうことに御賛成願いたいと思うのであります。
#148
○委員長(岡本愛祐君) 只今堀理事から第三百四号及び第二百五十七号を除いて全部採択の御動議が出ました。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。
#150
○鈴木直人君 第二百五十七号と第三百四号は来国会において審議するというお話でしたが、これはもう次の国会まで継続しないからもう一度出し直さなければいけないということになつて、これはもうこの国会には保留というままにして置くのがよいと思います。
#151
○委員長(岡本愛祐君) 留保いたします。それではさよう決定いたします。
 次に地方税関係。
#152
○専門員(福永與一郎君) 請願第三十一号と第三十六号とはいずれも旅館の公共性に鑑みまして、遊興飲食税、固定資産税、事業税等を減免して頂きたいという趣旨のものでございます。次の第四十八号は赤十字社の事業に対する各種の地方税を免除して頂きたいという趣旨のものでございます。その理由とするところは、申すまでもなく赤十字社というものの公共性を主張するものであります。
 次の請願第八十七号は地方税法第三百四十四條及び第三百四十八條によつて公営住宅の使用者に対して固定資産税が課せられる規定に相成つておりまするのを、法律を改正して公営住宅の使用者に対しては固定資産税を課せられないようにして頂きたいという趣旨のものでございます。次の請願第百七十七号は、林業の振興を図るために、木材引取税を撤廃して頂きたいという趣旨のものであり、次の請願第百九十一号は定置漁業の漁網綱に対する固定資産税は免除して頂きたいという趣旨のものでございます。最後の請願第百九十四号は市町村民税について所得調査委員会の設置を法制化すると共に、均等割の軽減を図られたいという趣旨のものでございまして、以上申上げました請願はいずれも地方税関係のものでございます。
#153
○委員長(岡本愛祐君) 以上地方税関係の請願につきまして処理意見をお伺いいたします。
#154
○堀末治君 只今御説明を頂きました地方税関係請願第三十一号、第三十六号、その他第百九十四号までに至りまする七件は、いずれも先般改正になりました地方税に関する問題であります。これは私ども先般この地方税の審議に当りまして愼重審議を重ねたものでございまするが、何さまこの地方税は画期的の改正でございまするので、なかなかに地方住民の意見と合致するところがないことを私どもよく承知するのであります。従いましてこの問題につきましては将来とも地方税問題として非常に研究を要する問題でございまするので、直ちにこの請願その他を採択するということは非常に困難を感ずるのでござまいするから、留保いたしまして、次の機会において十分研究して行くことにいたしたい、かように存ずるのであります。
#155
○委員長(岡本愛祐君) お諮りいたします。只今堀理事から地方税関係の七件は留保するのが至当だという御意見が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。それではさよう決定いたします。
 次に地方自治関係。専門員、御説明願います。
#157
○専門員(福永與一郎君) 請願第二十一号は地方議会の常任委員会の機能を十分に発揮できるように、地方自治法の規定を改正するように願いたいという趣旨のものでございます。請願第六十四号は宮城県の根白石村と黒川郡古田村との郡村界についてはつきりしない点があるので、この点をはつきり決定されるようにお取計らいを願いたいという趣旨のものでございます。次の請願第二百五十六号は、現在都道府県に勤務いたしておりまする社会保險とか、職業安定等の国費支弁職員を、それでは人事の交流上制限を受ける等の不便があるから、地方自治法の附則第八條と、同法の施行規則第六十九條を削除して、その身分を全額国庫補助によるところの地方公務員に切替えるように、法令の改正を望むものであります。その次の請願第二百八十二号は地方自治の附則第二條の改正を要望するものでありまして、内容は戰時中強制的に市町村の合併が行われましたのを、住民の意思によつて分離することができるということに相成つております現行の規定でございますが、請願者たる富山県の高岡市新湊の一部地区、俗に庄西地区においての場合は分離させられることは困るから、強制的に分離させられるようなことのないように、只今申上げました地方自治法の附則第二條を適当に改正するようにして項きたいという趣旨のものでございます。次に請願第四百四十五号は、地方公務員法案に対するものでありまして、団体交渉権と政治活動の自由を略奪する地方公務員法を制定しないようにしてもらいたいということを内容といたしております。
#158
○堀末治君 只今福永専門員から説明を頂きました地方自治関係の請願五件、いずれもこれは先般発布されました地方自治法の関係に属するものでありますか、今の説明を一々承わりますると、我が国の地方自治の関係から考えまして、まだ本当に我が国の住民は地方自治ということに対する根本観念の薄い点も多々あるのであります。又いろいろ在来の封建的制度の関係から、古い思想を脱却せられないところから、新法に副い得ないというようなところから、いろいろと新らしいこういう請願が出ておるように思います。なお又戰時中いろいろと問題を引き起しておるのでございますか、いずれも今度の地方自治法の施行によりまして、新たなる問題が生じたものでございまするので、これを直ちに本国会において取上げまして審議するということは、非常に時間も要することでございますので、これは留保といたしまして、改めて各請願者から来国会において請願を頂きまして、とつくりその真相を究明して、これに結論を與えるということは、当委員会のなすべき仕事ではなかろうか、かように存ずるのでございまするので、これらの留保を希望するものでございます。
#159
○委員長(岡本愛祐君) お諮りいたします。只今堀理事から地方自治関係の五件の請願は留保すべきか適当であるという動議が出ました。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(岡本愛祐君) それでは留保に決定いたします。
 次に消防関係及び警察関係及び選挙関係を一括して御説明願います。
#161
○専門員(福永與一郎君) 先ず消防関係でございますが、請願第八十五号は消防署の消防施設に要する経費に対し国庫支弁の方途を講ぜられたいという趣旨のものでございます。(「簡單に願います」と呼ぶ者あり)次に請願百二号は消防団員に対する公務員災害補償法適用内容を持つところの地方公務員法を制定して頂きたいという趣旨のものでございます。飛びますが、警察関係に間違つて入れました請願の三百三十三号、これは労働省令の安全衛生規則というものの中に、映画の映写技術者の取締規定を設けておりますが、一方消防法に基くところの市町村條例で、技術者の資格を規定できるように相成つております。そこでそれでは制度か重複してその間に食い違いがあるとか、いろいろ不便なことかあるので、むしろ條例を今市町村條例の規定をダブらないように直してもらいたいという趣旨のものでございます。
 それから請願第三十八号は自治体警察の選挙取締費用を国庫から交付して頂きたいという請願であり、請願の二百六十五号は福知山市の自治体警察でありますか、福知山市の警察員の定数を五十五名から七十一名に定員増を図られたいという趣旨のものでございます。陳情第三十五号は古書籍、古本屋を古物営業から除外するようにお願いたしたいというものであります。最後に選挙関係といたしまして請願第八十一号、これは地方議会議員の選挙期日を明年一月に繰上げてやるとの噂があるが、それでは困ると、繰上げ反対を訴えるものであります。陳情第五十四号は公職選挙法の規定中、選挙人名簿に登録された後、同一府県内で住所を移転したものは元の住所地で投票ができるように現在の規定を改正して頂きたい、その他二、三の事項を挙げておりますが、そういうふうに公職選挙法の一部改正を要望した趣旨のものでございます。
#162
○堀末治君 只今議題になりました消防関係、警察関係並びに選挙関係三つの請願並びに陳情に対する福永専門員の意見を拝聽いたしましたが、これに対して私の意見を申上げます。八十五号、百二号、三十八号並びに二百六十五号、三百三十三号、これらはそれぞれ只今の説明によりますと、採択して政府に送付すべき適当な理由があると認めるのでございまするから採択をお願い申上げたいと存じます。請願八十一号並びに陳情三十五号並びに五十四号はいろいろ説明の理由を拝聽いたしますると、今国会においてこれを決定して採択いたしまして、国会に送るには多少疑義もございまするから、今回はこれを留保いたしまして、改めて来国会において更に請願並びに陳情を受けたい、かように取計らつて頂こうとかように存ずるのであります。
#163
○委員長(岡本愛祐君) お諮りいたします。堀理事から八十五号、百二号、三十八号、二百六十五号、三百三十三号の請願は採択とし、余は留保の動議が出ました。
#164
○鈴木直人君 この陳情三十五号の古書籍営業を古物営業法から除外するというのは、これはいけないわけですか。
#165
○専門員(福永與一郎君) 現在は古書籍業は古物営業の枠に入れられて取締を受けているのでありますが、請願者の申しますところには、古本というものはできるだけ広く、たやすく交流ができるように、転々と交流ができることが望ましい。現在はいろいろと嚴重な制限の取締規定を設けておりますが、他の古物営業とは区別して、その枠から外して、もう少し自由な営業ができるようにして頂きたいという趣旨のものでございますが、只今のところは、初めに申上げたように、古物の営業という枠の中に入れて古物営業法の取締適用を受けている次第であります。
#166
○安井謙君 これは採択しても特別支障があるようにも思われないですが、如何ですか。
#167
○高橋進太郎君 私はちよつと専門員に聞くのですが、今古物常業法というのは法律でできておりますか。県の條例でなく。(「法律」と呼ぶ者あり)
#168
○委員長(岡本愛祐君) これはもう少し研究したらどうですか。堀君の意見のように留保して……。
#169
○高橋進太郎君 福知山市の警察吏員の定数というのはこれも法律ですか。
#170
○委員長(岡本愛祐君) これは政令です。これは法律で定員をきめることになつておつて、まだその法律か出ない、その法律を早く出させることが必要です。国勢調査によつて人口が変つて来ましてたから……それでは御異議ないものと認めまして、堀理事の御動議通りに採択なり、留保に決定いたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。これで請願陳情三十五件終りましてございます。ちよつと速記を止めまし懇談に移りたいと思います。
   〔速記中止〕
#172
○委員長(岡本愛祐君) 速記を初めて、では九時まで休憩いたします。
   午後八時三十十分休憩
   ―――――・―――――
   午後九時二十七分開会
#173
○委員長(岡本愛祐君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。お諮りいたします。地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案及び行政書士法案、この二法案が本審査としてこの委員会にかかつております。只今休憩中に議事部のほうにおきまして取調べましたところ只今本会議に上程されております補正予算案は十一時四十五分までかかる見込であり、その後大蔵委員会関係の二法案がかかります。なお厚生委員会関係の健康保險法の一部を改正する法律案が上程されることになつております。それで折角御審議を願いまして御採決願いましても本会議に上程され、これが採決までには至らないと存じます。それで残念ながらこの岡法案はこれで以て審議を打切ることにいたして如何ですか。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#175
○委員長(岡本愛祐君) なお本会期末に地方行政の改革に関する調査をいたしておりました右の件に関し未だ調査を終りませんが、一応ここに多数意見者の署名を得まして、その経過及び結果を議長に報告いたしたいと存じます。御了承願います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(岡本愛祐君) それでは委員長に御一任を願います。では御署名をお願いします。
  多数意見者署名
    堀  末治  吉川末次郎
    竹中 七郎  安井  謙
    高橋進太郎  石村 幸作
    岩沢 忠恭  相馬 助治
   小笠原二三男  中田 吉雄
   西郷吉之助  岩木 哲夫
    石川清一
#177
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか。
 委員会はこれを以て散会いたします。
   午後九時二十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           堀  末治君
           吉川末次郎君
           竹中 七郎君
   委員
           石村 幸作君
           岩沢 忠恭君
           高橋進太郎君
           安井  謙君
          小笠原二三男君
           相馬 助治君
           中田 吉雄君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           岩木 哲夫君
           石川 清一君
  委員外議員
           原  虎一君
  国務大臣
   国 務 大 臣 岡野 清豪君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 鈴木 俊一君
   地方自治庁公務
   員課長     藤井 貞夫君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       福永與一郎君
ソース: 国立国会図書館
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