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2000/05/23 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 経済・産業委員会 第17号
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2000/05/23 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 経済・産業委員会 第17号

#1
第147回国会 経済・産業委員会 第17号
平成十二年五月二十三日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任   
     木俣 佳丈君     羽田雄一郎君
 五月十九日
    辞任         補欠選任   
     羽田雄一郎君     木俣 佳丈君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任   
     藁科 滿治君     竹村 泰子君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任   
     竹村 泰子君     藁科 滿治君
     水野 誠一君     奥村 展三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 守重君
    理 事
                加藤 紀文君
                畑   恵君
                円 より子君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
    委 員
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                須藤良太郎君
                保坂 三蔵君
                真鍋 賢二君
                足立 良平君
                今泉  昭君
                木俣 佳丈君
                竹村 泰子君
                加藤 修一君
                西山登紀子君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   国務大臣
       通商産業大臣   深谷 隆司君
   政務次官
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       通商産業政務次
       官        茂木 敏充君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       科学技術庁原子
       力局長      興  直孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    今村  努君
       外務省総合外交
       政策局軍備管理
       ・科学審議官   服部 則夫君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        藤冨 正晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藁科滿治君が委員を辞任され、その補欠として竹村泰子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として科学技術庁原子力局長興直孝君、同原子力安全局長今村努君、外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官服部則夫君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び同長官官房審議官藤冨正晴君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(成瀬守重君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案の審査のため、来る二十五日の委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(成瀬守重君) 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○加納時男君 加納時男でございます。特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について質問させていただきたいと思います。
 これまで私ども人類は、さまざまな夢を描き、これを実現してまいりました。病気を治して長生きをしたい、風のように地上を走りたい、あるいは鳥のように空を飛びたい、地球の裏側の人と話したい、さまざまな夢は実現してまいりましたが、これは科学技術によるものだったと思います。
 科学技術にはこのような光の面と同時にリスクがございます。原子力も同様だと思います。
 石油に代替しエネルギーの安全保障を実現する、あるいは発電端では自然エネルギーと同じようにCO2を発生しないというクリーンさ、あるいは長期的な経済性といった光の面はありますが、同時に陰の面として、事故のリスクであるとか、あるいは短期的な経済性に欠けることとか、廃棄物の問題があります。
 きょうは廃棄物の問題に絞りたいと思いますけれども、廃棄物というのは、私の理解するところでは、世の中にある役に立つもので廃棄物の出ないものはないと思います。原子力は廃棄物が出るから嫌だと言う方がいらっしゃいますが、ほかのどのようなエネルギーを選んでも必ず廃棄物が出ます。
 したがって、問題は、廃棄物が出るからいいか悪いかじゃなくて、廃棄物の量が多いか少ないか、その質がどのようなものであるか、そして最終的に我々人間がこれを技術的、社会的にコントロールできるかどうか、これで決まると思います。そういうことでまず質問を展開したいと思います。
 初めにお伺いしたいと思います。原子力発電は他の火力発電、例えば石炭火力とか石油、LNG火力とありますが、他の火力発電と比べて廃棄物は多いんでしょうか少ないんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#10
○政府参考人(藤冨正晴君) 御説明いたします。
 発電方式のうち、火力発電では硫黄酸化物、窒素酸化物及び二酸化炭素が発生いたします。これらの量に関して、出力百万キロワットの発電所を一年間運転した場合について、一定の条件のもとに試算を行った結果を御説明します。
 硫黄酸化物につきましては、LNG火力からは発生いたしませんが、石炭火力発電からは年間約二千トン、石油火力発電からは約四千五百トンが発生することになります。
 また窒素酸化物につきましては、石炭火力発電からは年間約三千トン、石油火力発電からは約三千トン、LNG火力発電からは約九百二十トンが発生することとなります。
 また二酸化炭素につきましては、石炭火力発電からは年間約五百十万トン、石油火力発電からは約四百十万トン、LNG火力発電からは約二百七十万トンが発生することになります。
 これらに加えて、石炭火力発電及び石油火力発電では、ばいじんや燃え殻が発生いたします。その量につき同様の計算をいたしますと、石炭火力発電からは年間約十九万トン、石油火力発電からは約二千八百トンが発生することとなります。
 これに対し原子力発電の場合は、硫黄酸化物、窒素酸化物、二酸化炭素、ばいじんなどは発生いたしませんが、使用済み燃料が発生いたします。使用済み燃料のうちプルトニウムなどは再処理によって回収されますが、残りは高いレベルの放射性を有する廃棄物となり、ガラス固化体にして処分する必要が生じます。
 廃棄物の量に関して、出力百万キロワットの原子力発電所を一年間運転した場合について、同様の条件下で試算を行った結果は、使用済み燃料としては年間約三十トン、再処理した後のガラス固化体としては約十一トン、ガラス固化体として約三十本分が発生することとなります。
 以上でございます。
#11
○加納時男君 ありがとうございました。
 今のお話で、他の火力発電所に比べてSOx、NOx、CO2、ばいじん等は発生しないこと、出てくるのは使用済み燃料が出てくる、それは三十トンである、ガラス固化体にして十一トン程度であろうと、こういうお話でございました。
 我々、よく十の何乗ということを言うわけですけれども、十の五乗とか十の六乗といったいわば廃棄物、CO2が外へ出ているといったことが今ので明確になっているわけですが、それに対して出てくる使用済み燃料は十の一乗であるといったことが特徴かなと思っております。
 ただし、使用済み燃料の中で、今お話があったように、これをそのまま捨ててしまえば別ですけれども、これを再処理することによって、まだ使えるものを取り出すことによって核分裂生成物、FPと言っていますけれども、これは極めて少ないと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
#12
○政府参考人(藤冨正晴君) そのように考えてございます。
#13
○加納時男君 最近、産業廃棄物、一般廃棄物の処分場のことが非常に問題になっております。この国会においても、別の委員会でもいろいろ議論しているところでございますが、よく産業廃棄物が年間四億トン出るとか、それから一般廃棄物が五千万トン、合わせて約四億五千万トンから五億トンのものが年間我が国で発生すると言われております。人口で割ってみますと、一人当たり三・何トン、あるいは全部入れると四トンぐらいのものかと思います。
 こういった四トンといったことをまず頭に置いて、今お話があった高レベル廃棄物、これは一体一人当たりにすると年間どのぐらいになるのか、何トンか、何キログラムか、何グラムか伺いたいと思います。
#14
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 我が国におきます高レベル放射性廃棄物の年間の発生量は概算で、核燃料サイクル開発機構の仕様によりますものをベースにして計算いたしますと、高レベル放射性廃棄物は約四百六十トンございまして、これを国民一人当たりに換算しますと約四グラムである、このように考えてございます。産業廃棄物の約百万分の一ぐらいかと、こう考えております。
#15
○加納時男君 ありがとうございました。約四グラムということですから、こんなものだと思います。
 私もちょっと計算したことがあるんです。別な計算をしまして、人が一生の間に使う電気の半分を原子力で賄ったとしてどのぐらいになるのかと計算しましたら、ショートホープ一個といいますか、大体今持ってきたこのぐらいの大きさでございますので、今のお話とぴったり合うと思います。要するに百万分の一ぐらいのオーダーである。
 今までの質疑の中から極めて明確になったことは、原子力発電所も確かに廃棄物は出る、けれども量が圧倒的に少ない。産廃、一般廃棄物を合わせたものに比べると、一人当たり百万分の一程度であると。
 それからもう一つ大事なことは、ほかのものは、例えば火力発電ですとSOxとかNOxとかかなり、脱硝とか脱硫とか排煙脱硫とかいろいろやりまして、発生しても排出しないようにしておりますが、それでもやっぱり外には出ます。CO2に至っては、今、全く野方図と言ってはいけませんけれども、コントロールしようがなくてそのまま大気中に出ちゃう。これに対して原子力の場合には、廃棄物はしっかりと閉じ込めるというところが特徴だったのかなという感じがします。性質の悪さといいますか、それも十分わかっていることでありますので、管理が可能ではないかというので今回こういう法律が出たんだというふうに背景を理解したところであります。
 次の質問に行きたいと思いますけれども、燃料を使うと、先ほど藤冨さんからもお話があったように使用済み燃料というのが出てまいります。これは二酸化ウランのベースで大体三十トン、百万キロワット動かすときには三十トンの燃料が必要となり、終わるとそのまま三十トンのものが出てくる。三十トンの内訳は、圧倒的多数がウランであり、わずかなプルトニウムと、それからまたわずかなFPと言っています核分裂生成物等があるわけであると思います。
 そこで、使用済み燃料をどうするかというので世界で二つの流れがあるように思います。一つは、直接処分、いわばワンススルーと言っている、使用済み燃料をそのまま高レベル廃棄物として処分する。もう一つの考え方は、高レベル廃棄物を再処理して、いわばリサイクルして有用なものを、ウランとかプルトニウムを取り出してリサイクル利用し、リサイクルしがたいような現在の技術では難しいものを高レベル廃棄物として処分するんだと、こういう二つの流れがあるように思うんですけれども、これらの特徴について伺いたいと思います。この双方はどういうところが特徴なんでしょうか。
#16
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力発電を行った後の使用済み核燃料の中に実際に燃えて核分裂生成物となって残っておりますのは三ないし四%でございます。その核分裂生成物だけを取り出して、これは非常に放射能が強いものでございますので、これを廃棄物とする、これが再処理をする方式でございます。
 それから、残りの九十数%、ウランまたプルトニウムも含めたままそのままで処分をする、これが使用済み核燃料をそのまま処分する直接処分、いわゆるワンススルーでございます。
 このワンススルーは、先ほど御説明申し上げましたように、ウランそれからプルトニウムをそのまま捨ててしまうということでございますので、将来有用な資源を捨ててしまうという欠点がございます。また、そのまま捨ててしまいますので処分する放射能量もふえる、環境に対する負荷も大きくなるという欠点がございます。
 再処理をする方式は、有用なウランやプルトニウムを資源として再利用できる、将来のエネルギー源として再利用できるという利点がございますし、フィッションプロダクト、核分裂生成物だけを取り出して、そのほかにも超ウラン元素等ございますけれども、そういう要らない放射性物質だけを取り出して処分するということで放射能の量を低減するというメリットがございます。
#17
○加納時男君 今のお話を易しい言葉で言うと、捨てればごみとなるものも生かして使えば宝の山というような感じかと思います。プルトニウムとかウラン、まだ使えるものを活用するんだということ、またプルトニウムを除くことによって高レベル廃棄物の中からお邪魔虫といいますか、プルトニウムを除くことができるわけですから、より放射能レベルは下がるし処分しやすくなるということかと思います。
 これに関連して伺いますけれども、世界ではどのような国がワンススルー、どのような国が再処理路線をとっているでしょうか。
#18
○政務次官(斉藤鉄夫君) 再処理を選んでいる国は、代表的にはフランス、ロシア等でございます。ワンススルーを選んでいるのは、アメリカ、スウェーデン等でございます。
#19
○加納時男君 大事な国が抜けていると思うのですが、ドイツはどうでしょうか。ドイツはたしか両方選択できるように変えたと。昔は、私がこういうことに関心を持っていたときはドイツは再処理路線一本だったと思うのですが、その後再処理だけでなくてワンススルーも選択肢に入れるという柔軟な発想に変えたように思うんですけれども、よろしいでしょうか。
#20
○政務次官(斉藤鉄夫君) ドイツにおきましては、再処理と直接処分の双方が選択可能なような体制になっております。
#21
○加納時男君 ありがとうございました。世界の動きもよくわかったと思います。
 そこで次に、リサイクルを日本はやるということで進んできているわけでございますけれども、先般、我々の委員会で原子炉等規制法の改正を審議して可決したわけでございます、国会で成立したわけでありますが、その中で中間貯蔵という日本の原子炉規制法の中では新しいコンセプトが同僚議員と議論して可決されたわけであります。この中間貯蔵とリサイクルというのはどういうふうに関係してくるのでしょうか。例えば、中間貯蔵というとリサイクルと違うのではないかという疑問を持つ方もいるかと思うんですけれども、この辺についてはどのように考えられますか。
#22
○政務次官(細田博之君) 先ほど斉藤政務次官からもお答えしましたように、エネルギー資源の大宗を輸入に依存する我が国におきまして、使用済み燃料の再処理、核燃料サイクル政策というものは非常に重要であると政府は認識しておるわけでございます。そのために、平成九年一月の原子力委員会決定、それを踏まえた同年二月の閣議了解に従いまして核燃料サイクル施策を推進しておるところでございますが、その中にもきちんと位置づけておりまして、中間貯蔵対策については、使用済み燃料の発生の状況と使用済み燃料を処理する再処理事業の進捗を調整するための措置として、従来からの原子力発電所内での貯蔵に加えまして、原子力発電所外の施設において中間貯蔵する事業を核燃料サイクルの中に位置づけたものでございます。
 中間貯蔵施設を実現することによりまして、現状に即した対応を行って核燃料サイクル政策を円滑に推進していく、そういった位置づけでございます。
#23
○加納時男君 今の御説明ですと、中間貯蔵というのはあくまでも使用済み燃料の発生状況と再処理能力、あるいは再処理状況との両方見合ってのバッファー措置であるというふうな理解でよろしいんだと思います。
 今まで使用済み燃料というと、アト・リアクターといいますか、よくARという言葉で言っているようですけれども、サイトに置いておくということでありまして、それから再処理工場へ直接運んでいくということでありますが、それに行くまでの間に、アウエー・フロム・リアクターといいますか、AFRとかよく専門語で言っているようですけれども、サイトの外でも貯蔵できるという、そういう柔軟な発想になったんだと。
 確認ですけれども、このことは、今政務次官が言われたように、あくまでも使用済み燃料の発生状況とそれから再処理施設の稼働状況との両方をにらんだ措置であって、その緩衝措置といいますか、その間の時間的、空間的措置であるということであって、これが最終のものではない、最終処分ではないということを再度確認したいと思いますが、よろしいでしょうか。
#24
○政務次官(細田博之君) おっしゃるとおりでございます。
#25
○加納時男君 ありがとうございました。
 次に、高レベル廃棄物の特徴について、二、三伺いたいと思います。
 ガラス固化体を三十年ないし五十年地表で貯蔵することによって冷却するんだということになっています。冷却するというのは、熱いから冷却するわけであります。熱いというのは恐らく崩壊熱が出ているんではないかと思いますが、この発熱量というのはどのように時間の関数で推移するものでしょうか。恐らく当初は非常に高温である。けれども、短期間に放射能が減衰する。言いかえると、崩壊熱をたくさん出して熱が下がるような核種があり、他方で、放射能レベルは低いんだけれども非常に長寿命の核種がある。これがまざったのが高レベル廃棄物だと思うんです。熱はどのように下がるのか、それはなぜかといったあたりを、これは科技庁でしょうか、伺いたいと思います。
#26
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 特に、ガラス固化体、高レベルの放射性廃棄物の中には、例えば半減期が三十年程度のセシウム137あるいは二十九年のストロンチウム90、こういう核種が存在していると同時に、半減期が二百十四万年のネプツニウム237や、さらには半減期が百五十三万年のジルコニウム93などが包含されてございます。したがいまして、ガラス固化体というふうな形で高レベル廃棄物が製造されました以降は、当面、半減期の短いものが崩壊することに伴いまして、こういう大量に存在してございますセシウム137、ストロンチウム90などが低減してまいるところでございます。しかし、時間の経過に伴いまして、長寿命のネプツニウム237、さらにはジルコニウム93などの存在の意義が出てくるところでございます。
 このような事情によりまして、具体的なガラス固化体の発熱量に戻ってまいりますと、一本当たり平均約二キロワット程度の発熱量がございますが、例えば、三十年後にはそれが約三分の一、さらには五十年後には五分の一の約四百ワット程度に低減してまいります。さらに、百年後にはこれが十分の一程度の約二百ワット程度になり、さらには一万年程度になりますと、通常の状態と変わらない程度になるものと考えてございます。
#27
○加納時男君 わかりました。非常に半減期の短いものと長いものがあるということでございました。
 例示として挙げられました長寿命のもの、ジルコニウム93とかネプツニウム237のお話がございましたけれども、そのほかにも例えばテクネチウム99とかそういうものも長いものかなとも思います。短いものとしてセシウム137とか、それからストロンチウム90を今例示されていましたけれども、例えばコバルト60なんというのはもっと短くて、たしか五年ぐらいかと思います。
 このように、短いものと長いもの、強いものと弱いものがあるので、一定の期間を置けば発熱量は急激に下がってくるというのは今の御説明で計量的に非常によくわかりました。
 そこの上に立っての質問でありますが、例えば、今三十年ないし五十年冷却してからオーバーパックして深地層に埋めるというふうに方針は検討されて決まったようでございますけれども、では三十年間冷却したとします。しかもオーバーパックをしたとします。一メートルぐらいの距離で、何のために何秒間いるのかよくわかりませんけれども、数秒間いたとしますね、あるいは一分間いたと。一定時間そういう、三十年冷却したという前提で、オーバーパックしたという前提で、一メートルぐらいの至近距離でもってどのぐらいの影響があるものか。シーベルトという単位がありますので、線量程度で例えばレントゲン何回分とか、そんな表現で、もしわかれば教えてください。
#28
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 高レベル固化体とした上でさらに、ただいま先生の方からお話がございましたオーバーパックをした状態のもとで、その表面から一メートル離れましたところの放射線量、線量当量率は、一時間当たりミリシーベルトという単位で〇・二〇程度でございます。この数字は、胸部のレントゲン撮影を一回行うといたしますと〇・三ミリシーベルトでございますので、その場所に一時間い続けるとした状態で大方一回の胸部レントゲン撮影量と同じ程度かと考えてございます。
#29
○加納時男君 わかりました。
 では、そういうものをこれから地下に将来は埋めるわけでありますけれども、今盛んに地下研という言葉が使われています。地下研究施設の略だろうと思うんですけれども、その地下研の状況について伺いたいと思います。
 今いろんな国が高レベル廃棄物の処分に先立って地下研究施設の研究を開始していますけれども、何のために、どのような調査をしているんでしょうか。
#30
○政務次官(斉藤鉄夫君) 深地層の研究はなぜ必要なのか、また、どういう調査をしているのかという御質問でございます。
 この高レベル放射性廃棄物の処分方法いろいろございますけれども、原子力長期計画、また原子力安全委員会等におきまして、深地層に処分をする方法が最も技術的に妥当であるという結論が得られております。この結論に従いまして、深地層の環境条件として考慮されるべき特性等の正確な把握、それから地層処分を行うシステムの性能を評価するモデルの信頼性向上などの地層処分研究に共通の研究基盤となる施設を深地層研究施設としております。
 したがいまして、これまでの学術研究で、そういう安全に処分ができる地層は広く存在するというところが明らかにされているところでございますが、それをより具体的に、堆積岩でありますとか花崗岩質でありますとか、そういう具体的な岩盤を対象にその安全性を確認するというのが深地層処分研究施設でございまして、その必要性でございます。
#31
○加納時男君 私は、地下研究施設というのは実は一カ所しか見たことがなくて、スウェーデンのエスポというところに行ったんですけれども、四百五十メートルぐらい岩盤のところを掘り下げまして、トンネルをずっと車で入っていくわけでありますが、そこで驚いたことは、たしかスリー・ハンドレッド・ミリオンと言ったように思うので、三億年ぐらい前の地層が動いていないといったようなことが研究の結果わかっているというようなことを言っておりました。
 私の理解するところでは、この深地層の研究というのは地下水の挙動を調べることかなと。酸素がどのぐらい少ないとどのように物質がさびにくいかとか放射性廃棄物が溶けにくいかとか、そんなようなことも調べるのかなと思うけれども、そういう理解でいいんでしょうか。
#32
○政務次官(斉藤鉄夫君) そのとおりでございます。
 先ほど私、答弁で原子力安全委員会と申し上げましたが、失礼いたしました、原子力委員会の間違いでございます。
 この深地層の研究施設で具体的に行う研究でございますが、一言御説明申し上げますと、これまで研究開発を行ってきました地質環境モデルの妥当性を確認するため、地質構造、それから水理、水質に関する深部地質環境の特性の研究、それからこれまで個別に研究開発を行ってまいりました地質環境調査の要素技術を系統的に組み合わせ、その有効性を確認するための深部地質環境の調査技術開発及び関連機器の開発、それから坑道の掘削技術等の処分システムの設計施工に関する技術の開発、それから安全評価手法の信頼性確認のための人工バリア材の化学的健全性評価、地下水との反応、熱の影響等でございます。
 原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書に示されておりますように、「深地層の研究施設は」「一般の人々が実際に見て体験できるという意味で社会的な観点からきわめて重要な役割を持つ」ものとされておりまして、科学技術庁といたしましてもこの研究施設の早期実現に努めてまいりたいと決意しております。
#33
○加納時男君 今、斉藤政務次官は科学技術庁としても早期実現に努めたいとおっしゃったんですが、日本の状況はどうでしょうか。
 例えば岐阜の東濃であるとか北海道の幌延とか、どういう状況になっているでしょうか。
#34
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 現在、核燃料サイクル開発機構が日本の代表的な二つの地層、一つは結晶質岩系、一つは堆積岩系でございますが、この二つにつきまして深地層の研究の計画を有してございます。
 このうち、岐阜県の瑞浪市におきまして結晶質岩系を対象としました超深地層の研究所計画を持っておりますが、平成七年、地元と旧動燃事業団との協定書が取り交わされ、研究所建設が進められているところでございますが、現在、主孔の掘削に先立ちまして千メートル級のボーリングを行っているところでございます。
 他方、北海道幌延町におきます堆積岩を対象といたしました深地層研究所計画につきましては、北海道及び幌延町に申し入れを行っておりまして、現在、北海道においてその受け入れについての御検討をいただいているところでございます。
 先ほど先生お話しございましたとおり、深地層の研究施設は技術的にも社会的にも重要な施設でございます。当庁といたしましてもその推進に積極的に努力しているところでございます。
#35
○加納時男君 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと話題が変わりますけれども、高レベル廃棄物の処分場は世界じゅうどこでも実現していないときょうAという新聞に載っておりましたけれども、私の理解は若干違いまして、世界で初めて高レベル廃棄物処分場が具体的に決定したと言ってもいい状態にあるところはフィンランドのエウラヨキ市のオルキルオトだと思います。このオルキルオトについてどのように評価しておられるのか。けさの朝刊とは私は若干ニュアンスを違って理解しておりますけれども、現状についてわかっている範囲でお答えいただければありがたいと思います。
#36
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 フィンランドにおきます高レベル放射性廃棄物処分方策は、一九八八年に施行され九四年に改正されました原子力法に基づき取り進められてきておりまして、商業用の原子力発電所から発生します使用済み燃料を再処理せずに直接処分することとしてございます。
 当該処分につきましては、電気事業者によりまして一九九五年に設けられました民間会社でございますポシバ社が地層処分を実施することとされているところです。同社は、同法律に基づきまして九九年の五月、エウラヨキ市オルキルオトに最終処分地の建設に必要な政府の基本決定を得るための申請を国に対して行ったところでございます。
 なお、フィンランドの電力会社が一九九九年一月から二月にかけまして同市民を対象といたしまして行いました世論調査では、同市民の約六割が最終処分場の招致に賛成されたということでございます。
 同法に基づき、政府の基本決定を得るために、フィンランド放射線・原子力安全センターによる建設アセスメントの実施、さらには地元自治体によります本件受け入れ肯定の意見表明を経て安全性等に関する報告書の提出、また貿易産業省によります所要の審査が必要となるところですが、二〇〇〇年の一月、ことしの一月には、処分場の技術的安全性や環境影響には問題なしとします放射線・原子力安全センターの建設アセスメントの結果が発表されたところでございます。
 さらに、エウラヨキ市議会におきましては、賛成二十票、反対七票で、処分場建設を受け入れる決議が行われたところでございます。
 今後、ポシバ社の安全性等に関します報告書の提出、さらには貿易産業省によります審査が行われる予定と聞いております。
 なお、今後、所要の審査が終了しますと、政府によりまして基本決定がなされ、国会の承認を得た上で、二〇一〇年には処分場の建設が開始され、二〇二〇年より運用が開始される予定と承知してございます。
 このフィンランドにおきます実態をつぶさに解析、評価しまして、今後の我が国におきます本件取り組みに反映させていくことが必要だろうと、このように考えている次第でございます。
#37
○加納時男君 ありがとうございました。
 今るる具体的な経過の御説明がありました。いずれにしても、二〇一〇年に建設が開始される具体的な地点が事実上決まったというのは大変大きな出来事ではないかと思います。
 私、この一月に実は、アメリカのヤッカマウンテンとカールスバッドにありますWIPPという施設、これは軍事用のTRU廃棄物の施設でありますが、それの最終処分場が現実にありますので、このWIPPの施設を現実に見て、その中に廃棄物が入っている状況も確認してまいりました。こういった具体的に進んでいる状況もまた世の中では事実としてもっと知られなければいけないんじゃないかという感じもいたします。
 特に、今、興局長から御紹介のあったオルキルオト、この成功から何を学ぶか、こういったことを伺いたいと思います。
#38
○政務次官(斉藤鉄夫君) フィンランドのオルキルオトの例から何を学ぶかという御質問でございますが、一言で申し上げますと、その地域住民の皆様の理解を得る、そのことがいかに大切かということを我々は学んでおります。
 フィンランドにおいてその処分場立地が成功した背景には、処分事業と立地地域の共生に成功したこと、その結果として地元住民の理解と協力が得られたことが挙げられると思っております。
 処分事業の実施主体であるポシバ社は地元へ本社を移転し、社員も大部分が地元に居住する予定でございまして、ポシバ社を初めとする企業が移転してくることにより、地元へは資産課税や勤労者の所得税などの税収増加が見込まれております。このような背景のもとで住民の理解と協力が得られました。昨年行われた世論調査では、先ほど原子力局長が答弁申し上げましたとおり、約六割の住民の方が最終処分場誘致に理解を示されているということでございます。
 このように、放射性廃棄物の処分場の立地に当たっては処分事業と立地地域の共生を図り地元の理解と協力を得ることが不可欠でございまして、処分場選定に当たっての第一歩であると考えております。このため、科学技術庁といたしましても放射性廃棄物シンポジウムを行うなど放射性廃棄物に対する理解の促進を図っているところでございまして、さらに情報公開、広報等を行うことによって国民の皆様の理解と協力が得られるよう最大限の努力をしていきたいと決意しております。
#39
○加納時男君 ありがとうございました。その方向でぜひ研究をしていただきたいと思います。
 次に、法案の具体的な内容に少し触れてみたいと思います。
 まず、政府の関与というところであります。
 今回まとまった法案によりますと、国は何をするのか、これは高レベル放射性廃棄物処分の基本方針、それから最終処分計画等の策定、公表、これが大きな仕事であります。それからまた、実施計画でありますとか、それから指定法人等の承認という仕事、あるいは安全規制の決定、さらには不測の事態が起きたときへの対処など、さまざまな面で国の役割が書き込まれていると理解いたします。
 政府の関与の仕方、例えば政府が直接やる場合、それから民間に対してこれを認可したり監督したりする場合、いろんなケースが国際的にもあるようですけれども、諸外国では政府の関与というか政府の役割はどういうふうになっているでしょうか。
#40
○政府参考人(河野博文君) 特に今お尋ねの海外におきますいわゆる処分実施主体の性格についてお答えさせていただきますが、具体的にはさまざまな形をとっておりますので、次のように御説明させていただきたいと思います。
 まずアメリカでございますが、これはエネルギー省民間放射性廃棄物管理局自体が実施主体ということになっております。ドイツにおきましては、連邦放射線防護庁が処分場の建設、操業の責任を負っておりますけれども、実際の建設、操業の業務は、放射性廃棄物処分場建設・操業会社に委託をするという方式がとられるということになっております。スペインでは、公企業といいますか、放射性廃棄物管理公社というものが実施主体になると承知しております。さらにスウェーデン及び先ほどもちょっと御紹介がありましたフィンランドでございますが、ここでは処分実施主体は民間主体でございます。いずれも電力会社が出資した株式会社という形態をとっていると承知しております。
#41
○加納時男君 今、実施主体と国との関係といいますか、国営でやるか、公営でやるか、民間に委託するか、純民間かと、いろんなケースのお話がございました。その中で日本では民間を採用したということだろうと思います。
 そこで、私の質問は、実施主体と国の責任というところに焦点を絞って伺いたいと思います。
 原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会、平成十年五月二十九日の文書によりますと、この実施主体を決めるに当たって二つの考え方があるという紹介をしています。国がやるという考え方、これが一つあって、これはどういう考え方かというと、高レベル廃棄物は国民全体の問題であり直接国が実施するのがいいんじゃないか、それは信頼性それから長期安定性、資金の確保の面から見ても国がやるという考え方が一つある。それからもう一つの考え方は、民間がいいんではないかという考え方で、これはやはり発生者責任を考え、民間がやる場合は経済性、効率性にすぐれていて、柔軟で機動的な発想ができるのでいいんじゃないかという二つの意見を紹介した上で、結論としては、民間主体の事業としつつ、国は廃棄物処分政策を担っていることから、立法、監督、安全規制を行うことが妥当だというような結論になっていると私は理解しております。これでいいかどうかの確認が一つ。
 もう一つは、自民党の高レベル放射性廃棄物処分プロジェクトチームというのがございまして、ここでは、結論だけ簡単に言いますと、高レベル放射性廃棄物処分事業は極めて公共性が高く、かつ長期にわたるものだから、国は処分事業の円滑かつ安定的な推進に関し最終的な責任を負うべきだと、こういうふうに言っております。最終的な責任と。
 先ほどの処分懇の報告とこの自民党のプロジェクトチームの書きぶりと、それから先ほど来の御説明と法案をずっと眺めたときの印象から見て、私の質問は、この高レベル放射性廃棄物の処分については国が最終的な責任を負っているんだというふうに理解してよろしいでしょうか、これをぜひ伺いたいと思います。
#42
○政務次官(細田博之君) 加納委員御指摘のとおり、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会において、おっしゃいましたとおりの指摘がされたことは事実でございます。その方針に従いまして、本法案及び安全規制により必要とされる事項につきましては一義的に原子力発電環境整備機構が責任を負うこととしております。また、国は、同機構に対しまして監督及び安全規制を行うことによりましてその責任を果たすこととしておるわけでございます。
 なお、経済事情の変動や天災等により同機構が業務困難に陥った場合は、別に法律で定める必要な措置がとられるまでの間、国が最終処分業務を一時的に引き受けることとしておるわけでございます。
 御指摘のように、私も参加しておりましたが、自由民主党の電源立地調査会の中でも真剣な議論が行われておりまして、国も最終的な責任を負うべきである、その一つの形がこの法案でもあるということで一致しておったわけでございます。
#43
○加納時男君 今の政務次官の御説明は非常によくわかりました。ぜひこれはこの場で確認したことなので実行していただきたいと思います。
 今の御説明の中で例に挙げられたのは、一つの例として実施主体が存続できなくなったときの国の責任ということを触れられました。これは法文で言うと七十四条だと思います。この七十四条についてそれでは質問させていただきたいと思います。
 法案の七十四条は、「機構が」、機構というのはこの原子力発電の放射性廃棄物を処分する機構でありますけれども、原子力発電環境整備機構というたしか名前になっていると思いますが、「機構が経済事情の著しい変動、天災その他の事由により最終処分業務の全部又はその大部分を行うことができなくなった場合における当該最終処分業務の全部又は一部の引継ぎ、当該機構の権利及び義務の取扱いその他の必要な措置については、別に法律で定める。」と書いてあるわけであります。これは第一項ですが、第二項は、「前項の場合において、同項の法律に基づく必要な措置がとられるまでの間は、通商産業大臣が、政令で定めるところにより、当該最終処分業務の全部又は一部を行うものとする。」。
 今、条文を読んだだけでございますが、この条文をざっと読んでみて感ずることが三つあるわけであります。一つは、別に法律で定める措置をとると。二つ目は、その措置をとるまでの間は大臣がやるよと。三つ目は、大臣のやり方は政令で決めるんだよと。これだけ読んでいると非常に明快ですべてクリアになるんです。ただし、具体的によく考えるとイメージがわかないんです。どうしてわかないのかと思ったら、別に法律で定めるというけれどもどういう法律かわからないので、例えばどんなような法律を考えていらっしゃるのか。内容は結構ですけれども、どんなようなことを扱う法律を考えているのか。それから、その措置をやるまではMITIの大臣が行う、それはやり方は政令によるというけれども、どんな政令なんだろうか。この二つがどうもちょっとよくわからないので、もし今お答えができればで結構ですけれども、法律の具体的な内容はこれから決めるので結構なんですけれども、こんなようなことを盛り込む法律とか言っていただけたら、こんなことを入れる政令だと言っていただければありがたいと思います。
#44
○政府参考人(河野博文君) この七十四条が想定しておりますのは、まさしく不測の事態ということでございますので、今の段階でそのすべてを想定してどのような法律を定めるかということをお答えすることは非常に難しいわけでございますけれども、例えば、今回御提案申し上げておりますこの法律では、拠出金をどうするか、あるいは処分の実施主体をどうするかということが中核的に定められているわけでございまして、この不測の事態におきまして費用の問題に非常に問題が生じた場合、あるいは実施主体の機能が遂行できなくなるような事態がこの不測の事態でございますので、それぞれに対応した内容を法律で定めるということでございます。一時的に通産大臣がその間この機構の役割をかわるということになりますので、それに必要な手続等々を政令で定めるということになろうかと思います。
#45
○加納時男君 かなり具体的にイメージがわいてまいりました。ありがとうございました。これは、不測の事態がないようにするのが一番でございますから、不測の事態がないように国も努力をしてもらいたいと思っております。
 次に、立地プロセスについて少し踏み込んで伺いたいと思います。
 立地プロセスについて今度の法案は、基本方針と最終処分計画は国が原子力委員会の意見を聞いて閣議で決定する、いわば国が作成するということになっております。具体的な実施計画は機構がつくって国が承認するということになっています。それから、サイトの具体的な選定については三つのステージを予定していて、概要調査地区と精密調査地区と最終処分施設の建設地、こういったことを選定していくわけでありますが、これは機構が案をつくって国が承認する、もちろん衆議院でも修正がありましたように、立地地点の首長さん、知事とか市町村長さんの御意見を聞き、これを十分尊重しながら国が承認するというふうにたしか衆議院で修正されたと思っておりますが、国が承認するということであります。
 こういうふうにちょっと整理をしてみますと、ということは最終処分地の立地に関して国はどういう立場なのか。積極的に関与してオーソライズに努めていくという立場なのか、それとも機構が持ってくる案を待っていてこれを承認するのか、どっちでしょうか、伺いたいと思います。
#46
○政府参考人(河野博文君) この法律では、最終処分に向かいまして国がまず基本方針を定め、そして処分計画を定めます。そして、機構の調査等に基づきまして閣議決定を経、さまざまな手続を経て、その最終処分計画において立地地点の絞り込みなどの決定も行っていくわけでございます。
 またさらに、そのプロセスにおきましては地方公共団体の方の御意見をいただき、まさに先生おっしゃいましたように、衆議院におきます修正によりまして十分に尊重するということでございますので、地方自治体関係の皆様あるいは国民全般の皆様とのかかわり合いは持つわけでございまして、理解と協力なくして進まないこの事業につきまして、さまざまな方々に対して御理解を得るべく最大限の努力をするというのが国としての立場でございます。
#47
○加納時男君 状況はわかりました。
 続いて、もう一つ法文の内容で伺いたいのは、損害賠償のことであります。これもこの委員会で議論しまして原子力損害の賠償に関する法律の改正というのが先般国会で成立したわけでありますが、そこでは、原子炉等規制法に中間貯蔵を認めたということに伴う改正とともに、損害賠償額を変更していると思います。
 そこで、私の質問は、今回法律で出てまいりました高レベル廃棄物処分事業というものは、この法律が成立した後、原子力損害の賠償に関する法律、原賠法の対象となるのかどうか。それを私もちょっと調べようと思って読んだんですけれども、原賠法の二条に「定義」というのがありまして、その定義のところで、「この法律において「原子炉の運転等」とは、」といってずっと定義がしてありますが、「核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵又は廃棄であつて、政令で定めるものをいう。」というので、こういうところで読むんでしょうか。ちょっと読み方がわからないので、対象になるのかどうか、根拠は何か、それを教えていただきたいと思います。
#48
○政務次官(斉藤鉄夫君) 処分事業に伴って原子力損害が発生した場合、その損害賠償制度については原子力損害賠償法において措置すべきものと考えております。その根拠は、先ほど加納委員が読み上げられた条文でございます。
 また、例えばいろいろ金額等具体的に決める必要がございますが、それは今後安全規制体系を整備してまいります、その進展に合わせて措置をしたい、決めていきたいと考えております。
#49
○加納時男君 ありがとうございました。
 それでは、法文の細かいことはこのぐらいにしまして、これも原子燃料サイクルの一環で高レベル廃棄物処分事業があるわけでありますから、それとの関連で、原子燃料サイクル全体について若干の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、「もんじゅ」の問題について伺いたいと思います。
 「もんじゅ」は、一九九五年十二月八日に二次系、二次系ということですから放射能がないという意味ですけれども、放射能は入っていないけれども二次系のナトリウムが漏れたというので大きな騒ぎになりました。これは、実はどなたも被害者は出ていないし、国際的にはレベル1という極めてグレードの低いものでありますけれども、世間を騒がせたという点では大きな事件というか事故であったと思います。それに加えて、これは温度計の設計施工管理に私は問題があったと思いますが、加えてVTR、ビデオを隠したりした。データ隠しというのはとんでもないことでありまして、国民の怒りを買った、私も非常に怒ったわけでありますが、こういう事故でありました。
 その結果、「もんじゅ」はずっととまっちゃったままで既に五年近くたちます。これは、国民の怒りそれから我々議員の怒りというのは私は当然だったと思いますけれども、五年たって、その間にこの責任のあった動燃は解体され、今、核燃料サイクル開発機構に組織がえもして、精神も入れかえて、幹部も一新して再建に当たっていると思います。
 今冷静に考えて、この「もんじゅ」はどういう状況にあり、どういうことがこれから望ましいのか、これは科技庁だと思いますけれども、見解を伺いたいと思います。
#50
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生の方からお話しございましたとおり、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」につきましては、平成七年、一九九五年十二月、ナトリウム漏えい事故以来四年余にわたりまして運転停止が行われているところでございます。
 事故後、これまで政策面におきましては、国民の意見を反映した上で、平成九年十二月に原子力委員会高速増殖炉懇談会報告書が取りまとめられているところでございまして、将来の有力なエネルギー源の選択肢である高速増殖炉の研究開発におきます「もんじゅ」の位置づけを明確にしたところでございます。
 また、安全面におきましては、原子力安全委員会におきまして平成十年四月に、ナトリウム漏えい事故の原因究明、さらには再発防止策の審議が終了し、報告書が取りまとめられたところでございます。また、科学技術庁の安全総点検チームも平成十年三月には安全総点検結果の報告書を取りまとめたところでございまして、段階を踏んで種々の対応を着実に進めてきているところでございます。
 今後、「もんじゅ」の運転再開に当たりましては、事故の教訓を踏まえましたナトリウム漏えい対策について、国の安全審査を通じ、「もんじゅ」の安全性を確認することが必要になります。その後、所要の改造工事を実施するなど、順次所要の手続を進めていくことが必要でございます。現在、これに先立ちまして地元の理解を得るための努力を払っているところでございます。
 また、本年二月には原子力委員会の中にございます原子力政策円卓会議から御提言をいただいてございまして、「もんじゅ」は研究開発の手段として依然として重要なものであり、「もんじゅ」の維持コストが大きいことも考慮すると、関係者が安全に万全を期した上で早期の運転再開へ向けて努力することを望むとされているところでございます。
 現在、原子力委員会で原子力開発利用長期計画の策定作業が取り進められているところでございますが、この推移を見はかりながら、今後とも安全の確保を大前提に、運転再開に向けまして地元の方々の御理解と御協力を得つつ、そのゴールに向かい努力を続けてまいりたいと考えている次第でございます。
#51
○加納時男君 状況はわかりました。
 実は、この「もんじゅ」の件については、民主党、公明党、共産党、自由党、当時の自由党ですね、今も自由党ですけれども、それから社民党さんの代表の方と私が自民党から出まして、原子力委員会の円卓会議に呼ばれまして、そのとき議論したときに一つの話題がこの「もんじゅ」でございました。そのときにも各党の方々といろいろ議論してそれを参考にしていただくというふうに原子力委員会にはお話ししたわけでありますが、今お話しの中で安全対策というのが私も非常に気になったので、実はサイクル機構の方に来ていただいて検討の状況を全部伺いました。
 例えば、温度計の改善と今お話がございましたけれども、温度計を太く短くして、しかもナトリウム漏れをとめる漏れどめ装置をつける、それから漏れたときにすぐわかるようにITVを設置するとか、ナトリウムの回収を迅速にする必要があるんじゃないかと私は申し上げたんです。今までだと五十分かかるんですが、これを弁を二重にしたり太くすることによって今度の改造では二十分でできるというような御説明もありました。
 それから、私はやっぱり窒素封入ということを考えるべきじゃないかということを申し上げていたわけですが、全体を封入するとなるとこれは大変なコストがかかるけれども、間仕切りをつくって区分ごとに漏れたところに窒素を封入するということをやればいいわけで、これをやってくれるということになっているようです。
 実は、そういう話は話だけしていてもしようがないので、私は安全審査をやって、そこで安全審査をしっかりやっていただいて、ゴーとなれば運転を再開し、これは何といったって原型炉ですから、原型炉というのは営業運転じゃなくて、学校で言うと、小中高大とあると中学生なんですね。実験炉が小学校、原型炉というのは中学生です、高校生が実証炉、大学生が商業炉だと。こういうふうに考えると、まだまだ時間のある第二段階ですから、中学校でもう将来のことをやめちゃうとかやめないとかじゃなくて、義務教育として私は原型炉はしっかりその義務を果たしてほしいと思うわけであります。
 その上に立って、実はウランの需給は至近年度では逼迫しない、やや中長期的な問題はありますけれども、至近年度でウランは何とかなりそうだという見通しも出ましたから、これ幸いに十分時間をかけてFBRの将来についてRアンドDの方向性を議論して決めていくと。
 だから、「もんじゅ」は、一たん決めたからもう「もんじゅ」はやるんですというのは私はいけないと思うし、「もんじゅ」はうそをついたからもう絶対許しませんというのもやや感情的かなと思うので、ここは冷静に長期的に見ていくべきではないか。
 大体、原子力を選んだということは、選ばないという方もいらっしゃるかもしれませんが、日本としては選んだわけです。選んだという以上は、化石燃料にない取り柄があるはずなんです。ただウランを燃して終わったら捨てちゃいますというなら、化石燃料が種類が変わっただけなんです。ウラン燃料を選んだ、原子力をやったということは、これをリサイクルできる技術的エネルギーとして初めてウラン燃料を採用した特質があると思うんです。
 そういう意味で考えると、世界でよその国が、お金がない、また差し迫って人手もないということからこのFBR開発という長期的な課題に手が出ない今、日本がむしろこれを手がけることによってトップランナーになり得るんじゃないだろうか。
 先ほどの御回答の中にも、F懇と言っていますが、FBR懇談会が将来の有望なエネルギーの選択肢としてこれをやっていこうというのは私は正しい回答かと思っております。そういうふうに私はFBRの将来については思い、早く安全審査の再開をすべきだと思いますが、これについての科技庁の御見解を伺って、この問題は終わりにしたいと思います。
#52
○政務次官(斉藤鉄夫君) 加納委員おっしゃるとおり、高速増殖炉はウランの利用効率を飛躍的に向上させます。普通の軽水炉ですとウランの中に〇・七%しか含まれていないウラン235が燃えるだけでございますが、高速増殖炉はこのウラン全体の資源の六〇%を有効に、これは原理的にでございます、無限回サイクルを回せばでございますけれども、六〇%のウランを有効利用できる。〇・七%しか利用できなかったものが六〇%が利用できる。数十倍にエネルギー効率を高めることができます。
 そういう意味で、エネルギー資源の乏しい我が国にとりまして高速増殖炉の研究開発は極めて重要でございまして、長期的観点から着実に進めていく必要があると、このように考えております。
 海外の研究者からも、エネルギー資源が十分ある国はこの高速増殖炉について研究をやめたというところもございますが、そういう国の研究者からも、ある意味でこの研究開発が十分安全上人間の管理のもとにおいて実用化されれば人類にとってこれ以上の福音はないわけで、日本がもしそれを実現したとしたら人類に対する貢献もこれにまさるものはない、しっかり研究してほしいという海外の研究者からの声も届いております。
 そういう決意で科学技術庁としても研究開発、この「もんじゅ」、先ほどおっしゃいましたように中学生、まだ基礎研究の段階でございますので、この基礎研究を実行できるように、またその体制を整備できるように、国民の皆様の理解を得られるように頑張っていきたいと思っております。
#53
○加納時男君 ありがとうございました。
 FBRの今後の方向性とそれから「もんじゅ」の運転再開について質問をこれで終わりたいと思います。
 次に、去年は原子力をめぐっていろんな事件とか事故がありました。最大の事故はジェー・シー・オーの事故でございまして、これはもうこの委員会で何度も取り上げましたので、きょうは私は取り上げません。
 もう一つ、原子力の世界では私は非常に遺憾なことが起こったのは、原子力のデータの信頼性を揺るがすような事件があったわけであります。これはイギリスの核燃料公社BNFLに日本の関西電力が委託しましたウラン・プルトニウム混合酸化燃料、MOX燃料のデータの改ざんであります。
 これについて、一体どういうことが問題なのか、その後のわかった状況も踏まえて、これは通産省の方でしょうか、伺いたいと思います。
#54
○政府参考人(河野博文君) 先生の御指摘のとおり、原子力発電におきまして、発注者である電気事業者とその受注を受けますメーカーとの間で品質保証体制が健全に機能してその信頼性が確保されるということは大前提であります。
 御指摘のBNFL社におきましては、品質保証用抜き取り検査データに改ざんが行われたということでございます。このBNFL社におきます品質保証体制が健全に機能していないということを示したものと思っております。したがいまして、基本的にこの問題は、技術的安全性の問題というよりは、社会的な信頼性の問題、あるいは品質管理に関します信頼性の問題というふうに考えております。
 したがいまして、信頼のできないようなデータを有する燃料について使用することは適当でないと判断した関西電力の判断、これを私どもも理解しているところでございます。
 したがいまして、この燃料の取り扱いにつきましては、昨年来英国政府と協議を続けているところでございます。
#55
○加納時男君 私もこのBNFLのデータ改ざんというのは非常に遺憾だと思いましたので、いろいろ資料を集めたり情報を集めてみたわけであります。
 BNFLでどんなことをやっていたのかというと、ペレットですね、これは燃料、ペレットを研削した後、全数をレーザーで計測しているわけですね。この段階で一応不良というものははじかれているんじゃないかと私は思います。
 問題は、第二段階として、一ロ、一つのロットに三千個から四千個こういうペレットがあるんですけれども、ここから二百個をサンプリングしてこれを一つ一つまたはかるわけであります。その二百個サンプリングしたうち五個以上が規格外であれば、そのロット全部、三千個とか四千個全部を使わない、アウトとするということでありまして、これはまさに契約の内容がそういうことのようでありますけれども、これは一つの考え方であるし、こうであるとすれば、それに従ってやるべきだろうと思います。
 私は、話を聞いていて問題だなと思ったのは、このサンプリングして記録するのを手作業でやっているんですね。手作業でやって、その結果をコンピューターにインプットしている。手作業というものを省くために、データの改ざん、ほかのデータを流用したというのがどうも真相のようであります。
 これはそういうことで間違いないと思うんですけれども、だとすると、今、河野長官が言われたように、私は、安全性以前に品質保証といった信頼性の問題があるんじゃないか。信頼性のないものは使えない。使えなきゃどうするのか。使えないものは引き取ってもらうということになろうかと思うんです。
 これは、政府間の交渉になると外務省になるんでしょうか、返還交渉でございますけれども、既に日本に搬入された高浜四号機用のMOX燃料について地元では返還すべきだという声が非常に強いわけであります。これは当然政府間の交渉ということもあろうかと思うのでございますが、イギリス政府との返還交渉はどんなふうになっているのか、これは外務省でわかれば教えていただきたいと思います。
#56
○政府参考人(服部則夫君) お答えいたします。
 私どもといたしましても、今回このような問題が起きた責任はイギリス側にあるという認識でございまして、そういう認識に基づきまして、本年二月に、イギリス側より日本へ参りましたイギリス政府の代表団との間でもって政府間協議の第一回目を行ったわけですけれども、その場におきましても、今申し上げた、責任はイギリス側にあるという前提のもとで、この返還輸送も含めまして早急に責任ある対応策をイギリス側から我が方に提示するように強く要請をいたしました。
 イギリス政府におきましても、我が方のこういう強い要求をベースにいたしまして、現在、責任ある回答を日本側にすべく検討をいたしているというふうに理解しております。
 我々といたしましても、できるだけ早くこの問題を解決する必要がございますので、引き続き、イギリス側に対しましては至急そういう対応策を提示するよう求めていきたいというふうに考えております。
#57
○加納時男君 私は、日英関係、日本とイギリスの関係は非常に重要だと思います。これは二国間の関係、日英関係を大切にするということは基本にあります。
 と同時に、現実に地元では、信頼のできないものは使えないんだと、早く持って帰ってくれと言っているのも事実であります。
 今の御回答で、既に政府間交渉も開かれているようでありますし、イギリスに対して返還を含め早急に対応策を提示するようにということでやっていらっしゃるそうでございますので、その成果を見守りたいと思います。ぜひしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、最後の質問になりますけれども、プルサーマルについて伺いたいと思います。
 日本でも、プルサーマル、いよいよ実現の運びとなったところで、今も話題になりましたMOX燃料のデータ改ざんといったようなこともあって若干実施がおくれているかと思いますが、プルサーマルはそれにもかかわらず基本的に進めていく必要があるという判断かと思いますが、これについて海外での利用実績、日本での現在の状況、こういったあたりを伺いたいと思います。これは通産省でしょうか。
#58
○政府参考人(河野博文君) それでは、まず利用実績といいますか、海外の動向について御説明させていただきます。
 ヨーロッパ等の海外でプルサーマルをおおむね一九六〇年代から実施してきているのでございます。これまでに二千体以上のMOX燃料の装荷実績が報告をされております。現在もフランス、ドイツ、スイスなどで、三十基以上の原子力発電所におきましてプルサーマルが実施されているところでございます。プルサーマルの実施におきまして、ウラン燃料を使用する場合と比べて安全性、信頼性の面で特段の問題が生じている状況にはないというふうに理解をいたしております。
 基本的な考え方につきましては総括政務次官の方からお答えさせていただきます。
#59
○政務次官(細田博之君) プルサーマル実施の意義あるいは計画の現状、今後の課題等をあわせてお答え申し上げます。
 使用済み燃料を再処理することの必要性については、先ほど来のお話でもはっきりと方針が決まっておるわけでございます。プルトニウム等の最も確実な利用方法として進めておるわけでございます。電気事業者各社は、二〇一〇年までに十六基ないし十八基の軽水炉におきましてプルサーマルを実施する計画を公表しておるところでございます。
 このうち関西電力のプルサーマル計画は、英国のBNFL社のデータ不正問題により当面はおくれざるを得なくなっておるわけでございます。東京電力福島第一原発でのプルサーマル計画は別会社のMOX燃料を使用するものではありますが、MOX燃料の品質管理状況の再確認を厳格に実施すべき旨指示した結果、本年二月までの定期検査においては装荷は行わないということになりました。
 今後の課題といたしましては、データ不正問題の発生にかんがみ、その再発防止対策を確立することが最優先の課題だと考えております。
 プルサーマル計画はエネルギー政策上重要な課題でございますので、国民の信頼を得て、今後とも安全確保を大前提に着実に進めていくことが必要だと考えております。
#60
○加納時男君 通告しなくて申しわけないんですけれども、最後にこの法律にかける大臣の御決意といいますか、この高レベル廃棄物処分事業というのは日本ではいわばトイレなきマンションと言われていた原子力のアキレス腱でございます。これを今回、何とか解決していこうという法案だと思うのでございますが、大臣の御決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#61
○国務大臣(深谷隆司君) 高レベル放射性廃棄物の処分というのは、原子力政策の中で残されている最大の課題でございます。
 今お話がありましたように、トイレなきマンションという状態で、国民の皆さんが安心して対応することはできません。そこで、これに対するきちっとした道筋を立てて、その処分を明確にし、かつまた安全を確保しようというのが本法案のねらいでございます。皆様方の御審議を経た上でこの法律が成立いたしましたら、所期の目的に向かって全力を挙げて対応していきたいと、こう考えます。
#62
○加納時男君 力強いお言葉をいただき、ありがとうございました。
 質問を終わります。
#63
○竹村泰子君 おはようございます。民主党の竹村泰子でございます。
 今お話がございましたように、大きな大きな課題であった高レベル放射性廃棄物、この最終処分に関する法案が国会に提出をされました。
 先日、我が党の足立議員が本会議で代表質問をいたしました。その中にも、ここに速記録がございますけれども、今回の法案の中身を精査いたしますと、多くの疑問点が生じてまいりますと。この法案は、核燃料サイクルを前提にして地層処分することとしている。我が国はなぜ核燃料サイクル政策を推進しようとするのか。今後のプルトニウム需給の見通し、核不拡散の観点もあわせて答弁を願いますと、そういった代表質問を行っておりますとおりでございます。
 私もずっとこういった問題にかかわってまいりまして、きのうも質問をつくっておりましたら六十三問になってしまいました。とてもこんなにたくさんの質問は消化できませんので、絞りましてきょうは質問させていただきたいと思いますが、これまで日本の原子力政策の中で多くの疑問点を抱いてきたり、それからこれではとても危険なのではないかと考えたり、そういった全国の研究者、学者、市民の方々と私はきょうともに質問を、疑問点をただしたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 この特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案という名前でございますけれども、原子力政策はこれまでのような再処理、プルトニウム利用一辺倒ではなく、柔軟であるべきだというお考えが、これは二〇〇〇年四月十三日の朝日新聞でありますけれども、元東京電力副社長豊田正敏さんの御意見です。「柔軟な原子力政策を」と。「プルトニウム利用一辺倒でなく、柔軟であるべきだ。情勢次第では中間貯蔵に重点を置くことも考えておく必要がある。全部を再処理するなんて、いま決める必要はない。」というふうな御意見が載っていることはよく御存じのとおりであります。
   〔委員長退席、理事加藤紀文君着席〕
 今回の法案は、原子力発電所からの使用済み燃料をすべて再処理することを前提にしております。これは柔軟な体制とは相矛盾するものではないでしょうか。
#64
○政務次官(斉藤鉄夫君) 資源の乏しい我が国におきましては、次の二点、つまり将来にわたるエネルギーの安定確保、それから二点目として放射性廃棄物の環境への負荷の低減、この観点から、使用済み燃料は廃棄物として処分するのではなく再処理をして、回収されるプルトニウム等を再び燃料として有効利用する核燃料サイクルを着実に推進していくというのが国の方針でございます。
 一方、国内の再処理能力を上回る使用済み燃料については、再処理するまでの間、適切に貯蔵管理することといたしまして、昨年当委員会でも御審議いただきました中間貯蔵を可能にする法律を整備していただいたところでございます。この中間貯蔵は、使用済み燃料の発生状況と再処理能力を調整するための措置として位置づけられるものでございます。これにより、我が国の核燃料サイクルをより柔軟に行うことが可能になるもの、このように考えております。
#65
○竹村泰子君 本法案で、使用済み核燃料の直接処分、アメリカなどではその選択肢もあるわけですが、直接処分が選択肢の一つとして位置づけられていないのはなぜなんでしょうか。例えばアメリカのほかにもフランス、スイスなど、地層処分をするとしても回収可能性の確保、これが条件となりつつあることは御存じと思いますが、どうでしょうか。
#66
○政務次官(茂木敏充君) 今、斉藤政務次官の方からも答弁させていただきましたように、我が国におきましてはエネルギー資源の大半を輸入に依存している、このためにエネルギーの長期的な安定供給の確保、これが大切でありまして、こういった観点から、ワンススルーではなくて、使用済み燃料を再処理して得られたプルトニウムなどを再び利用する核燃料サイクル政策を着実に推進していくことが極めて重要である、このように認識をいたしております。
 このため、平成九年一月の原子力委員会の決定、さらに同年二月の閣議了解に従いまして核燃料サイクル政策を推進しているところであります。したがいまして、本法案では、再処理に伴い生じた高レベル放射性廃棄物の最終処分を対象といたしたところでございます。
#67
○竹村泰子君 ちょっと私が聞いたことにダイレクトにお答えいただいていないと思うのですけれども、つまり地層処分のみではなくて、回収可能な地表処分とか、あるいは管理が可能なそういった方法も選択肢の一つとしなかったのはなぜなのかという質問だったんですけれども、今のお答えでよろしいですか。
#68
○政府参考人(河野博文君) 先生のお尋ねのうち、再処理後の使用済み燃料の固化体といいますか、これを処分するいわれにつきまして今政務次官が御答弁申し上げました。
 一方、回収可能性を残すべきではないかという議論について御説明させていただきますと、諸外国の例を御紹介させていただきますと、米国あるいはカナダのように一定期間回収可能性を確保している国、あるいはドイツのように回収可能性を元来不要としているという国があるように区々でございます。しかし、いずれも、各国とも一定期間の後には処分施設を閉鎖するという考え方で対処しているというふうに理解をしております。
 具体的に、それでは我が国におきまして回収可能性をどのように確保するか否か、あるいは確保する場合にどの程度の期間を設けるのか、これにつきましては、最終処分施設の安全確保に関するものだというふうに考えておりますので、現在行われております安全規制体系の検討の中で議論されるべきものというふうに考えております。
#69
○竹村泰子君 いろいろとありますので、何しろ六十三問も質問ができちゃうくらいの法案ですから、少し先を急ぎますけれども。
 この法案のとおり二〇一五年までに四万本のガラス固化体を発生させる。ということはすなわち、使用済み燃料からプルトニウムを四百五十から六百トン抽出するということを意味しますね。大量の余剰プルトニウムを備蓄することになります。国際社会に対してどのように説明できるんでしょうか。──これは大臣だと思いますが。
#70
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学技術庁の所管でございますので、科学技術総括政務次官でございますが、答えさせていただきます。
 我が国の原子力開発利用は、プルトニウムの利用も含めまして、原子力基本法に基づいて厳格に平和目的に限って進められております。また、国際的にも、核不拡散と原子力平和利用の両立を図るための国際的枠組みであります核不拡散条約、NPT上の義務を遵守し、国内にあるすべての核物質について国際原子力機関、IAEAの厳格な保障措置の適用を受けております。
   〔理事加藤紀文君退席、委員長着席〕
 我が国のプルトニウム利用が平和目的に限られ、国際的な核不拡散努力に沿うものであるということは国際的にも広く認められているところでございます。さらに、これに限らず、プルトニウム利用の透明性向上のための取り組みとして、毎年、分離プルトニウムの管理状況を原子力白書等で公表しております。また、国際プルトニウム指針というのを日本のイニシアチブでつくりました。これは、プルトニウムの保有量等をIAEAに報告して、それをIAEAが公表しているところでございます。
 我が国の当面のプルトニウムの全般的な需給の展望につきましては、海外再処理委託によって回収されるプルトニウム及び二〇〇五年以降の運転が予定されている六ケ所再処理工場により回収されるプルトニウムは、一部は「常陽」、「もんじゅ」等の研究開発に使う、そして残りの、大宗になりますけれども、プルサーマル計画により利用することとしておりまして、今後プルサーマルの着実な進展を図ることによりまして適切なプルトニウム利用を図っていくことができるものと考えております。
 我が国がプルトニウム利用を円滑に進めていくためには、我が国の原子力平和利用政策に対する国際的な理解と信頼を得ることが重要でございまして、今後とも原子力開発利用を厳に平和利用に限り核不拡散条約上の義務を誠実に履行していくことはもちろん、国際的な核不拡散体制の維持強化に積極的に貢献するとともに、プルトニウム利用の透明性の一層の向上に努めるなど、国内外の理解を得て円滑にプルトニウム利用が進められるよう努力してまいります。
#71
○竹村泰子君 政務次官、大変御丁寧なお答え恐縮ですけれども、私、質問がたくさんございますので、どうか。
 これまでも何回もそれはお聞きした方針でありまして、しかし高速増殖炉計画は滞り、また軽水炉でのMOX燃料使用での需要はなかなか限られているわけであります。再処理路線を固定化すれば、供給と需要のバランスはなかなかこれはとれないのではないかと危惧しているわけでありますけれども。
 ちょっと矛先を変えまして、今度のこの法案で第二条で、深地層処分だけを唯一の処分地にするのは唐突なんではないか。最終処分の基本方針をこれから通産大臣が定めるとして、処分地選定も処分技術の開発もこれからと表現しているにもかかわらず、すべてはこれからにもかかわらず、処分方法の選択肢を深地層処分だけに限定して結論づけているのはなぜなのでしょうか。
#72
○政務次官(茂木敏充君) 高レベル放射性廃棄物の処分方法につきましては、これまで各国、国際機関におきましても、地層処分以外に例えば宇宙処分であったりとか氷床処分、海洋底処分等々の方法も検討されてきたわけでありますが、現在は最も好ましい方策として地層処分が国際的に共通の考え方となっております。我が国におきましても、平成六年六月二十四日の原子力開発利用長期計画におきまして、「高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後、三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分することを基本的な方針とします。」とされているところであります。
 なお、諸外国におきましては、地層処分を実施するために、既に処分費用の確保、処分実施主体の設立等の整備が進んでいるところでございます。
#73
○竹村泰子君 日本の社会や国土の条件に適した形で最終処分の研究と論議が今はまだ十分に尽くされているとは言えない。こういう現状の中で、国民的論議も待たず、ほとんどの国民はまだこういった法案が出されてそして国会で審議されているということを、原発とかさまざま核の問題にかかわってきた人々以外はほとんど知らされていない。国民的議論は全くないと言ってもいいくらいのところで、こういう形で唐突に出されてくる法案、しかも非常に私は拙速な法案で、うまくよくできた法案だとは言えないというふうに思うんですね、失礼ながら。
 地層処分に対して国際的にも、先ほどフランス、スイス、アメリカなどと言いましたけれども、回収可能性の確保が条件となりつつあることについて、日本ではどのようにこれを評価しておられますか。
#74
○政府参考人(河野博文君) 先ほどお答え申し上げたことと若干重複することをお許しいただきたいと思いますけれども、諸外国におきまして、米国あるいはカナダのように一定期間の回収可能性を確保している国もございます一方、ドイツのように回収可能性を元来不要としているという国もあるわけでございます。ただ、各国とも一定期間を過ぎました後には処分施設を閉鎖するという考え方となっていると承知しております。
 それでは我が国はどういたすかということでございますが、具体的に我が国において回収可能性を確保するか否か、また確保する場合の期間等をどうするか、これにつきましては最終処分施設の安全確保に関するものだというふうに考えますので、現在行われております安全規制体系の検討の中で議論されるべきものというふうに考えております。
#75
○竹村泰子君 日本のような地震列島と言われますこういう地質の中で、長期安定性を保障することが可能なのでしょうか。同時に、核燃料サイクル開発機構の言う技術的信頼性というのは、技術的にどの程度確立したことを言うのでしょうか。
 昨年十一月、核燃料サイクル機構から第二次取りまとめが出ておりますけれども、その技術的信頼性を示したとされています。しかし、技術的信頼性というのは技術的にどの程度確立したことをあらわすのか、報告書では全く不明確です。お答え願えますでしょうか。
#76
○政務次官(斉藤鉄夫君) サイクル機構の技術報告書によりますと、過去数十万年程度の地震・火山活動などの地層の活動履歴の情報に基づきまして、将来十万年程度にわたって天然現象が及ぼす影響について地質環境の長期安定性を検討した結果、安定した地層が我が国に広く存在すると考えられるということが示されております。
 サイクル機構の技術報告書でございますが、この専門部会は外部のたくさんの地質また各分野の研究者の検討によって得られたものでございます。その報告書によって、地層の長期安定性を確保する技術的な信頼性についても書かれておりますけれども、今逐一それを報告する時間的余裕がございませんけれども、地層処分が安全であるということを確保するのに、放射性廃棄物がどういうシナリオで人間に達するかというそのシナリオ、そのシナリオを一つ一つ数学的なモデルに置きかえなくてはなりません。そのモデルの構築。そして、そのモデルに入れる具体的な数字。例えば、地下水がどれだけ核種を移行する能力があるのかとか、またその地下水の中にあっても地盤が核種をとらまえる能力がどれだけあるのか、そういう一つ一つの要素の数字、この三つを組み合わせて将来の人類が被曝するであろう量を計算するわけでございますが、その三つのステージにおいて検討した結果、十分技術的に可能であると結論づけられたものでございます。
#77
○竹村泰子君 全然わかりませんね。
 地層処分を実施するに当たっては、以下の三つの前代未聞の技術的な問題を解決しなきゃいけないんです。これはクリアされていないのではないかと思いますが、例えば、地下深く巨大な処分場をつくる。そして、人間が直接作業できないほど放射能が強い廃棄物をそこへ運搬、輸送するんです。そして、何万年以上にもわたって安全性を確保するんです。このような地下約一キロの深さに二キロ四方の処分場をつくって、総延長二百キロ前後という輸送道をつくろうとしていらっしゃいますね、この法案で。二百キロ前後というと東京―箱根間往復です。こんな長い処分坑道を張りめぐらせる、しかも安定した地盤に、何事があっても漏れたり動いたり流れたりしない岩盤に、地層に。こういうことが可能なんでしょうか。
#78
○政務次官(斉藤鉄夫君) 地層処分は、地下一千メートル、そして二キロメートル四方の処分場でございますけれども、地層処分に必要な技術に関して、この第二次取りまとめにおきまして、処分施設の設計、建設それから操業、そして閉鎖についてそれぞれ技術的に報告がされております。
 具体的には、処分施設の設計については、坑道の力学的安定性の評価を行いまして、先ほど委員おっしゃいました熱的影響の検討も行いました。また、このような処分坑道の配置、それから廃棄体定置ピッチについて検討した上で処分場のレイアウトが示されております。これらの設計や力学的安定性評価は、トンネルなどの岩盤地下空洞において一般に適用されている手法でございます。
 また、建設についても、いろいろな現状の技術の適用が可能であることを確認しております。操業についても、先ほど、放射線が非常に強いということで遠隔操作になるわけでございますが、この遠隔操作についても技術的成立性が示されております。また、閉鎖につきましては、坑道の埋め戻しに係る要素技術でございますが、道路建設工事と類似している巻き出し、締め固め工法など、現状の技術を適用することが可能であるとされております。
 このように、現状の工学技術において所期の仕様を十分満たし得る、このようにこの報告書では報告されております。
#79
○竹村泰子君 核燃サイクル機構の報告書では、さっき私が申しましたように、処分施設全体が一つの岩盤である必要があるとされています。そのような巨大な岩盤が日本に存在するんですか。
#80
○政務次官(斉藤鉄夫君) 全く割れ目のない一つの岩盤であるという必要はございません。ただ、安定した同様の性質を持つ岩盤が広がっている必要はございますが、そういう、それに適した岩盤は存在すると、このように結論づけられております。
#81
○竹村泰子君 さっきお触れになりましたけれども、人間が直接作業できないほどの高レベルの廃棄物、これを運搬、埋設する。貯蔵から処分まで運び、そして専用の金属容器に入れて溶接密封し、それを地下におろして坑道内を運搬し、定置した後埋め戻すこと、これが実際にできるのでしょうか。ガラス固化体は三十年から五十年の間貯蔵、空冷される。厚さ五ミリの金属容器、キャニスターですね、これはガラス固化体の強い放射線によって劣化することが指摘されているのではないでしょうか。人間が管理できない深地層に入れてしまって大丈夫なのでしょうか。仮に、ガラス固化体をつり上げて、つり手が落ちるかもしれません、腐って。つり上げて、それをどのような交通手段を使って処分場まで運ぶのか、大変素朴な質問かもしれませんが、お答えいただきたいと思います。
#82
○政務次官(斉藤鉄夫君) 貯蔵したところから、三十年ないし五十年貯蔵いたします、そこから最終処分場に運ぶ、その運搬手段でございますが、これは輸送容器、これはもう現に使われているものでございますが、その輸送容器に入れて外部への放射線被曝が全くない状態にして運びます。また、いろいろな放射線が出る、その作業は遠隔操作をしなければならない、技術的にそれは可能なのかという御質問かと思いますけれども、現在のいろいろな、例えば自動倉庫等遠隔操作についてはかなりの技術の蓄積がございます。十分可能だという結論になっております。
 また、長期間放射線が出る、その放射線によってその人工バリア等が劣化するのではないかということでございますが、これについても技術的検討が加えられております。出てくる放射線がガンマ線でございますので、これについては人工バリアの劣化の心配は無視できる、このような技術的な報告書になっております。
#83
○竹村泰子君 埋設場所として、法案では地下三百メートル以深が安全だということになっています。これはいかなる根拠のもとでこうなったんでしょうか。
#84
○政府参考人(河野博文君) 御指摘の点は、この法案第二条第二項「定義」でございますが、「「最終処分」とは、地下三百メートル以上の政令で定める深さの地層」という表現を使わせていただいております。これは原子力委員会等におきましても、地層処分を地下数百メートルより深い地層に処分するというふうに考えを示されておられます。また、米国等諸外国の処分計画におきましても、処分を行う深度は地下三百メートルよりは深いという状況でございますので、本法案において地下三百メートルを最低限必要な深さと定義したわけでございまして、今後の知見の蓄積あるいは安全規制の明確化が進みますと、さらに地層の深さを限定する必要性が生じるような場合には、政令で三百メーター以上の深さに限定するということはあり得るわけでございます。
#85
○竹村泰子君 わかっていることは繰り返さないでいただきたいと思います。
 なぜ三百、なぜ二百五十メートルじゃないのかと聞いているわけです。根拠は、データはあるのかと聞いているんです。
#86
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 本法案におきまして、地下三百メートル以上とした理由につきましては通産省の御答弁のとおりでございますけれども、技術的には、処分深度は深度が深い方がよい要因と深度が浅い方がよい要因とのバランスで決められるものでございます。深度が深い方がよい要因といたしましては、例えば人間環境と処分場の距離を稼ぐことによりまして天然バリアの効果を大きくすることができるということ。他方また、オーバーパックの腐食低減及び核種移行抑制の観点から好ましい周囲の環境を確実に確保できること。さらに、第二次取りまとめの成果によりますと、堆積岩で深度百数十メートルよりも深いところ、さらには花崗岩で深度五百メートルよりも深いところでは還元状態となる実測例が示されているところでもございます。また、人間が近づく可能性を排除できることなどがございます。
 また、深度が浅い方がよい要因といたしましては、一般的に深度が深くなるほど地圧が上昇し、処分場を建設するための空洞の力学的な安定性が得られなくなる。また、一般的に深度が深くなるほど地温が上昇し、高温になると施設の操作性が低下するとともに、人工バリアの性能を損なうことがございますし、深度にはおのずと制限があり、また深度が深いほど経済的なコストは高くなるものと考えてございます。
 第二次取りまとめにおきまして、花崗岩及び堆積岩の硬度の違いを加味しながら上述のバランスを考えました結果、標準的なケースの深度といたしまして、花崗岩のような硬岩系では深度一千メートル、堆積岩のような軟岩系では深度五百メートルをこの報告書では採用しております。このことはそれぞれの深度でなければならないということではございませんで、実際には具体的な処分地に応じまして、上記のバランスを満たす範囲内で適切な地層が存在している深度に処分場が選ばれることが可能であり、またその必要性があるものと考えてございます。
#87
○竹村泰子君 つまり確たる根拠はなくて、このぐらいが人工バリアとか自然バリアとかいろんなことでいいのではないかなということで決められたのかなというふうなお返事だったと思いますけれども。
 大臣にお伺いいたします。
 安全確保、まあ安全評価、調査技術、そういったこともありますが、安全確保のための科学的根拠や技術基準の妥当性についての検討、これはなぜ先送りされているんでしょうか。
#88
○国務大臣(深谷隆司君) 今までの議論を聞いておりまして、これらは科学、工学の世界ですから、技術的な面では十分な研究がなされた答えを我々は信頼して進めていくということでございます。
 まず、今の御質問に対しまして申し上げますと、各国では高レベル放射性廃棄物の地層処分を行うための資金の確保とか、あるいは処分の実施主体の設立などは進んでいるのでありますが、日本の場合にはまだ制度的な整備が行われておりません。現在、高レベル放射性廃棄物の貯蔵を受け入れていただいている地方自治体からも、早く処分体制の確立が求められているわけでございます。また、費用負担に係る世代間の公平性確保という点からいきましても一刻も早い取り組みが不可欠だというふうに考えております。そのために本法案を提出いただいたのでありますが、安全確保の規制につきましては、現在、原子力安全委員会において検討が進められております。そして、最新の知見を反映させるという必要も含めて、第二十条に基づいて「別に法律で定める」こととしたわけであります。
#89
○竹村泰子君 電力会社の発生した高レベル放射性廃棄物以外に、「もんじゅ」、「ふげん」等から発生したものも受け入れることとされておりますけれども、これらの廃棄物発生責任者が安全技術の開発も行うというのは変じゃないでしょうか。安全規制の中立性の観点からおかしいのではないでしょうか。
#90
○政務次官(斉藤鉄夫君) 核燃料サイクル開発機構がいろいろな地層処分の研究を行っておりますけれども、これは核燃料サイクル開発機構法に基づいて原子力委員会の方針のもとに行っているものでございます。
 一方、安全規制については、原子力安全委員会における審議を踏まえて原子力安全委員会が主体的に行っているものでございます。この際、サイクル機構が取りまとめた技術的な取りまとめ、第二次取りまとめが参考とされている、技術的よりどころとされている、こういう役割分担になっております。
#91
○竹村泰子君 それでは、今のお答えよくわからないし、これはちょっと今追及しても恐らくそれ以上のお答えは出てこないのではないかと思いますので、引き続き宿題とさせていただきます。
 廃棄物の総量ですけれども、アメリカの核廃棄物政策法では、第一処分場における廃棄物の上限が明記されております。重金属七万メトリックトンというふうになっておりますけれども、特定放射性廃棄物の総量を第三条に定めるべきではないかという質問でございます。
#92
○政府参考人(河野博文君) この第三条は、基本方針を定める条文でございます。これは、長期間にわたります特定放射性廃棄物の最終処分を総合的かつ計画的に実施させるための基本的な方向性を示すということでこの条文を用意させていただきまして、また提案させていただいているわけでございます。
 他方、最終処分計画が第四条に基づいて定められることになっておりまして、ここでは計画的な実施を図るために全体の計画を定めるということで、十年を一期として五年ごとに改定を行うということにしております。
 こういう考え方に基づきまして、放射性廃棄物の量をこの第四条の最終処分計画の中で実態に即して計画として定めていくという考え方を採用させていただいております。
#93
○竹村泰子君 大臣にお伺いいたしますが、基本方針、最終処分計画、これは閣議決定をすればよいことになっておりますけれども、国会の承認事項とするべきではないでしょうか。国会軽視ではないでしょうか。
#94
○国務大臣(深谷隆司君) 基本方針及び最終処分計画は、特定放射性廃棄物の最終処分に関しまして、本法案の目的、趣旨及び規定等に従ってその基本的な方針を、あるいは全体計画を定めるものでございます。
 政府といたしましては、本法案に従いまして、国会における御審議を踏まえて責任を持って策定してまいりたいと考えております。
#95
○竹村泰子君 今の御答弁は、国会で処分計画をどのようにするかということを審議を、今も審議しているということになりますかね、審議を含めて国会が決めていくと、だから決して閣議だけで決めるわけではないという御答弁ですか。
#96
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま申しましたように、この法案を通していただく過程の中でも十分な議論を国会で尽くしていただいておるわけであります。そして、基本的な方針及び全体計画を定める。政府としましては、その法案の内容に従って国会における御審議も踏まえて責任を持って策定していきたいということであります。
#97
○竹村泰子君 大臣が十分な審議と言っておられるのは一体どのぐらいのことなのかわかりませんけれども、衆議院においても本当に一日か二日か、参議院においてはこれからまだどのぐらいの審議がされるか私はよくわかりませんけれども、これだけの、将来世代、未来世代、私たちの子供たちや孫たちの世代に、あるいはもっともっと先まで影響が及ぶ、一万年二万年のタームであるこれらの問題をたった一日や二日の国会審議で決めちゃっていいのか、何年もかけて十分に審議をしてそれから採択をしていくべきではないかというふうに思いますので、物理的に現実の問題としてはそういうことは不可能だとしても、やはり慎重に審議されるべきだと。しかも、通産省もこういう唐突な法案の出し方をするべきではないと。私は、もっともっと練った上で、もっと慎重な法案を出してくるべきだと考えますけれども、この法案をつくられる段階で原子力安全委員会の意見は聞かれたのでしょうか。
#98
○政務次官(茂木敏充君) 実際上の問題としまして、これまでも緊密な連携はとってまいりましたし、原子力安全委員会の意見を聞いてまいりたいと考えております。
 原則論を恐縮ですがまず申し上げますと、原子力安全委員会は原子力利用に関する重要事項のうち、安全の確保のための規制に係るものを法律上の審議事項といたしているわけでございます。しかしながら、従来より原子力安全委員会に対しましては、実際上原子力の安全に係るさまざまな事項を幅広く御相談させていただいてきているところでありまして、本法案の運用に当たりましても、同委員会に幅広く御相談させていただく心構えで今後とも進めてまいります。
 なお、本法案の策定に当たりましてどうかと、こういう御質問でございましたが、閣議決定の前に、その概要を原子力安全委員会に御説明をいたしているところでございます。
 いずれにいたしましても、最終処分に係る安全規制につきましては、原子力安全委員会の検討を受けまして別途法律で定めることとしておりまして、同法が施行された際には、原子力安全委員会のダブルチェックのもとで安全規制が実施されることになります。したがいまして、原子力安全委員会は最終処分の安全の確保に十分関与するものだ、このように考えております。
#99
○竹村泰子君 そうあっていただきたいと思いますけれども、今お答えいただきましたように安全の確保のための規制に関するものに限られていると。原子力安全委員会の発足以来の同委員会軽視が今も続いているのではないかと思いますけれども、この法案を作成する過程でも私どもが聞いておりますのは、形式的な報告のみであったと、基本的な方向は原子力委員会、総合エネルギー調査会が決めて、安全委員会はそれに従って安全規制をすればよいというふうな形であったと聞いておりますが、ちょっとそれは時間の関係で深追いするのはやめておきます。
 ぜひ、今政務次官お答えいただいたように、今後も原子力安全委員会の意見をしっかりと重視されて、そして施策を進めていただきたいと要望しておきます。
 それでは、処分地選定のことなんですけれども、この処分地選定につきましても、文献調査でありますとかもうさまざまたくさんの問題点がありまして、これだけでも質問が何十問もできてしまうぐらいなんですけれども。例えば、精密調査地区の調査を行うにしても、調査技術ですらまだ今後の課題なのではないでしょうか。施設の建設への影響が主要な選定基準となっていますね、第七条第二項第二号、第三号、これで十分かどうか、非常に疑わしいと思うんですけれども。
 同じく、見込みで最終処分場をつくるのは極めて危険であるというふうに思います。実証が不可能な以上、見込まれるといった表現にならざるを得ないと思いますけれども、より精密に条件を選定する必要があるのではないか。
 そこで、精密調査をどれぐらいの期間をかけて行うかが明示されていないのはなぜなのでしょうか。
#100
○政府参考人(河野博文君) この法案は、先生御承知のとおり、三段階に分けて最終処分地の選定を行っているわけでございますが、それぞれ必要な調査事項は極力具体的に列記をさせていただきました。また、さらに「その他通商産業省令で定める事項」というようなことで、今後の知見を反映して調査をするべき事項も今後定められる仕組みを採用させていただいております。
 具体的に精密調査地区の期間がどのぐらいかかるかは、これは実際に調査に取りかかってできるだけ十分な調査をするということですので、法律上具体的な年数については例示をいたしておりません。
#101
○竹村泰子君 精密調査地区の調査を行う技術もまだ確立されていないと思われますけれども、それで選定は進められるんでしょうか。
#102
○政府参考人(河野博文君) 先ほども科学技術庁の方からも御答弁がございましたけれども、この高レベル放射性廃棄物の処分について、我が国におきましても昭和五十年代から地層処分の研究が進められてきております。処分の技術的可能性、信頼性についてかなり知見が集積しているということは先ほど御紹介があったとおりでございます。
 また、諸外国におきましては、地下研究所を整備し、既に研究実績を有する国もあるというような状況でございまして、精密調査に必要なさまざまな技術が確立されてきているというふうに認識をいたしております。
 我が国におきましても、精密調査地区の選定が具体化されるまでにさらに調査技術等の一層の研究開発を行って、適切な選定がなされるように最大限の努力をしてまいる所存でございます。
#103
○竹村泰子君 どうもそこのところがよくわかりませんけれども。
 大臣、地元の理解を得るためにも、環境影響評価、私も環境委員会で環境影響評価法をつくるときにはいろいろと苦労いたしましたが、それでもまだ今の法律十分ではないと思いますけれども、せめて環境影響評価法と同等以上の手続が必要と考えますけれども、どうお考えでしょうか。
#104
○国務大臣(深谷隆司君) 本法案中では、処分実施主体が最終処分施設の立地点を絞り込んでいく各段階で、通商産業大臣が国の最終処分計画の改定を行い、その際に当該地域の所管である都道府県知事あるいは市町村長の意見を聞き、十分に尊重するということを義務づけております。
 さらに、処分実施主体が最終処分施設の立地点の選定を進めるに際しまして行うべき情報公開、意見聴取等については、具体的なニーズに合わせてより具体的なルールを省令で明確にしたいというふうに考えています。これらの措置で十分な処分地等の選定手続が定められるものと考えております。
#105
○竹村泰子君 文献対象地区、これはどのように選定されるんでしょうか。なぜ明らかにされていないのでしょうか。
#106
○政務次官(茂木敏充君) 文献調査は、地震等の自然現象に関する文献の所在の確認から始まりまして、文献データの収集、さらにはさまざまな文献を調査するものであります。そこの中で、幅広い地域に当たりまして一般的な調査を行っている段階では調査対象地区などを特定して公表することは困難だと考えております。
 しかしながら、文献調査が進展をいたしまして、機構が概要調査地区を選定しようとする場合には、地元に対しましてあらかじめ選定の理由も含めてその旨を十分に説明し、地元の理解と協力を得ることが必要となってまいります。この過程におきまして、当該地区に関する文献調査の内容、それから評価及びその根拠などにつきましても幅広く情報公開をしてまいりたいと考えております。
#107
○竹村泰子君 法案では直接住民の意見を聞くことが制度化されておりませんけれども、これはなぜなのでしょうか。
#108
○政府参考人(河野博文君) この法案におきましては、三段階に分かれて最終的な処分地を選定するまでのそれぞれの段階でその地域を管轄されます地方公共団体の長、つまり都道府県知事あるいは市町村長の方からお話を伺い、これを十分尊重するということを考えているわけでございます。
 そのそれぞれの地方公共団体がどのような形で意思決定をされるかは地方自治の問題で、それぞれの地方自治に任されるべきもので、私どもがコメントすることは控えるべきかというふうに考えております。
#109
○竹村泰子君 公共事業などで御存じのように、地方自治体の首長の意見とそこに住む住民の意見とが必ずしも一致しないことが多々ございます。このごろ住民運動の人たちも非常によく勉強して、そしていろいろな方法で自分たちの意見を問いかけ、そして政策に生かしてほしいと願って活動しているわけでありまして、地元の地方自治体の首長の意見を聞いたからそれはもう住民の意見を代弁しているものであるからというふうな決め方は絶対にしないでいただきたいということを一つお願いしておきたいと思います。
 それで、今の問題に続きますけれども、処分地選定に際してもしも地元の首長とか住民が反対をした場合、土地の強制収用は行いますか、行いませんか。行わないとすれば、なぜ法律案に明記していないのでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#110
○国務大臣(深谷隆司君) 本法案における概要調査地区等について、土地収用法の対象とはなっておりません。土地収用法第三条は、「土地を収用し、又は使用することができる事業」として同法の適用対象である事業を限定列挙しております。したがいまして、同法同条に規定されていなければ同法による土地の収用を行うことはできないということに相なりますから、あえて定めていないわけであります。
#111
○竹村泰子君 ありがとうございます。
 原則として強制収用のような手段はとらないということですね。
 それで、斉藤政務次官にお伺いいたしますが、これちょっとレクしてなくてごめんなさい。衆議院の審議の中で、斉藤政務次官は、地元とのお約束は厳格に守ってまいりますとお答えになっているんですね。ということは、北海道、岐阜、青森が候補から除外されると考えてよろしいんでしょうか。
#112
○政務次官(斉藤鉄夫君) 私のその答弁は、幌延町そして岐阜県の瑞浪の研究施設に関連する御質問に対してお答えしたものでございます。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分に関しては、青森県知事、北海道知事及び岐阜県知事からの照会に対して、科学技術庁長官が文書によりそれぞれ回答を行っております。
 青森県知事あての文書では、知事の了承なくして青森県を最終処分地にできないし、しないことを確約しますとしております。また、北海道知事あての文書では、北海道知事を初めとする地元が中間貯蔵施設及び処分場を受け入れない意思を表明されているもとでは、北海道内が高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設及び処分場の立地場所になることはないものでありますとしております。さらに、岐阜県知事あての文書では、「貴職をはじめとする地元が処分場を受け入れる意思がないことを表明されている状況においては、岐阜県内が高レベル放射性廃棄物の処分地になることはないものであることを確約します。」としております。
 このことを指しまして、いや、お約束は厳格に守りますと、こういうふうに答弁をいたしました。
#113
○竹村泰子君 ぜひ約束は守っていただきたいというふうに思います。
 それでは、その最終処分の実施拠出金などについて伺ってまいりたいと思います。
 最終処分の実施に必要な金額が確保されている保障がない。これは毎年度の予算で確保していくというおつもりだろうと思いますけれども、何しろ一万年先までのことでありますから、どう考えればいいのかなと思うんですが、前年の廃棄物発生量に単位数量当たりの必要額を乗じるという拠出方式、第十一条にあります、で果たして過去の発生分の処分も含めた必要な金額が確保できるのでしょうか。
#114
○政府参考人(河野博文君) 先生も御引用になりましたように、この法案第十一条第二項の拠出金額につきましては、この特定放射性廃棄物の単位数量当たりの最終処分業務に必要な金額である処分単価に年間の発電電力量から算定をいたしました発生量を乗じて算出するということでございまして、これによって基本的には本法施行後の原子力発電に係る処分費用が確保されるということになります。
 また、過去分でございますが、これは附則第四条におきまして、本法の施行後十五年間で確保するという規定になっておりまして、この十五年間で確保していくことになります。
 なお、処分単価でございますけれども、これは法案第十一条第三項に基づいて決定されるわけでございまして、必要が生ずれば見直しを行うということでございまして、これらを総合いたしまして過去を含めた必要な処分費用の確保は図り得るというふうに考えております。
#115
○竹村泰子君 回収作業が必要になった不測の場合、中レベル放射性廃棄物の比較的浅い地層の回収ですら容易ではありませんけれども。
 例えばイギリスのドーンレー処分場では、七七年五月に爆発事故が起きました。九八年三月に回収を認可、その際の見積もりで、所要期間は二十五年、費用は五百から八百億円でありました。
 また、回収による被曝、環境汚染、回収時の事故、私たちがそういったことを思うとすぐ思い出しますのがチェルノブイリの事故であります。これは再処理場ではありませんけれども、原発の事故ですけれども。四月の朝日新聞、この事故処理作業員、死者三万人、うち四割が自殺者。ロシア国内だけで現在も生存している元作業員は十七万四千人、うち五万人は障害認定。
 こういう悲惨な結果を見ますと、やっぱりこの回収作業が必要になった不測の事態に対する費用、一体これはどれぐらいでどこから出してくるんだろうかと考えてしまいます。いかがでしょうか。
#116
○政府参考人(河野博文君) 回収可能性の問題とも絡みますので、先ほどの答弁と若干重複することをお許しいただきたいと思いますけれども、どの程度の期間回収可能性を確保していくか、この問題は今後の安全規制の中でさらに検討されるべき問題だというふうに考えております。
 また、処分費用につきましては、先ほども申し上げましたけれども、処分単価は毎年見直すというふうにしておりまして、将来の状況の変化などによりまして処分費用を仮に変更する必要が生ずれば、その時点で処分費用への反映を適切にしてまいりたいというふうに思っております。
 なお、天災その他不測の事由で大幅な資金需要の変動が生じたような場合につきましては、これはただいま御提案申し上げております法律に基づきまして、その具体的な措置も含めて別途法律を定めて対応するというふうにしているところでございます。
#117
○竹村泰子君 不測の事態が起きたときにどうするかという法律を別途お定めになる。いつごろでしょうか。
#118
○政府参考人(河野博文君) この法律では、非常に予測しがたいいわゆる不測の事態、天変地異等が生じた場合に、この機構が処分を実行し続けることができなくなる、そういった事態におきましては、まず通産大臣がその責任の一部または全部をかわりに遂行するという規定になっておりまして、同時に、基本的な対応策を別途の法律で定めるということを明定しているわけでございますけれども、これはその不測の事態が起こった時点ということになります。
#119
○竹村泰子君 不測の事態が起こってからでは大変なことですので、これは別途違う法律でお定めになるとすれば、できるだけ早く制定していただかなければならないと思いますけれども、そう考えてよろしいんですね。大臣、それでよろしいですか。
#120
○国務大臣(深谷隆司君) 不測の事態が起こるということを前提にしてその費用の額を今打ち出すということは不可能でございます。そういう意味で、その状況に応じて大臣が責任を負う、そして法律をつくっていくということであります。
#121
○竹村泰子君 それでは、処分費用を今後の電気料金に転嫁することになるとなりますと、これまでの受益者とこれからの消費者の間に非常に不公平が生じるのではないだろうかと。ことし三月からの電力部分自由化により電力消費量の四分の一に当たる大口電力消費者は既存の電力会社以外からも電力を購入できるようになりましたよね。過去に原発の電気の大きな受益者であった大口消費者、今後原発を所有しない新規の電力会社からどんどん電気を買うようになれば、過去発生した廃棄物の処分費用を負担しなくても済んでしまいます。これまでの受益者とこれからの消費者との間の不公平について先ほどちょっと、ちらっとお触れになったかなと思いますが。
#122
○政務次官(細田博之君) 現在の試算によりますと、過去の一九六六年から一九九九年末までの、過去というかこの法律施行の前、去年までということで計算しておりますが、この過去分につきましては、一キロワットアワー当たり約八銭になるわけです。それから、これからの一キロワットアワー当たりの拠出金負担額は十四銭。そして、この過去分は十五年間でございますので、合わせて二十二銭。その後は、二〇一五年以降は平年度ベースの十四銭になるということでございます。
 この額自体はかなり、額としてはそれほど大きくないのではないかとは思うわけでございますが、この議論は二通りあります。
 そもそも電力を需要する者が全部負担すべきかという議論もございました。しかし、これは例えば沖縄電力などを想定していただくとわかるように、過去も将来も当面は原子力発電ないわけですから、そういう方はやっぱり除外した方がいいだろうという議論。
 それから今度は、過去に原子力発電を使っていたというのは、電力に色がありませんから、結局、過去の割合に応じてやらなきゃいけない。しかし、独立のこの新しい電力事業者から買う量というものは現在のところではそれほど大きくないということ、大口電力需要家がそれほど原子力のこのお金を避けて大量な電力を買うようになるかどうか、まだ見通しとしてはそこまで行っていないということで除外をして、むしろ今後の中から負担をしていただければいいのではないかという考え方でやっておるわけでございます。
 ただし、このような議論が衆議院でも行われまして、実際に不当に拠出金が業務用や家庭用の小口ユーザーに転嫁されるような実態があれば、さらに公平の確保を図るために検討しようという御指摘をいただいて、附帯決議もいただいておることを申し添えたいと思います。この趣旨は十分尊重してまいりたいと思いますが、基本的な考え方としては今申し上げたところでございます。
#123
○竹村泰子君 累積している今までやらなかった分、核廃棄物の処分のための資金確保、これには負担を等しく分担する形のものが法案に盛り込まれるべきではないのかという趣旨でありますけれども、電力会社の発生者責任、これはガラス固化体の搬入までとされていますよね。さっきの質問者に答えておられましたけれども、実施主体が非常に不明であるということで、これでは不十分ではないのか、電力会社の発生者責任というのももう少し盛り込むべきではないのかなと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#124
○政府参考人(河野博文君) この機構は処分を実施いたしますけれども、当然のことながら、安全確保を旨として処分に当たるわけでございます。そういう意味では、安全管理上の責任をはっきりしておくということが必要かと思います。このために、原子力発電環境整備機構がこの高レベル放射性廃棄物を引き取って最終処分する場合には、安全規制上必要な措置を講ずる義務、これをこの機構が全面的に負うというのが私どもの考え方の整理でございます。
 他方、原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会において考えをお示しいただいておりますけれども、処分の責任が発生者たる電気事業者にあるという一般的な意味での責任問題はあるわけでございまして、したがいましてこの法案においては、拠出金納付義務を負うことのみならず、国及び機構と協力いたしまして概要調査地区等の選定あるいは最終処分の理解の増進に努めることが必要であり、また処分実施主体であります機構の設立についても主体的な役割を負うべきものというふうに考えております。こうした点につきましては、極力その旨を基本方針で明示するという考え方でございます。
#125
○竹村泰子君 原子力発電環境整備機構が最終処分の実施主体であると定められているわけですけれども、そして各段階の調査地区を選定することになっています。この実施主体は、これまでの高レベル放射性廃棄物の研究主体であった核燃サイクル開発機構とどのような関係になるんでしょうか。
#126
○政務次官(細田博之君) 本法案によります最終処分事業を行う主体は本法に基づく認可法人に限られておりまして、特殊法人であります核燃料サイクル開発機構とは全く別の法人であります。核燃料サイクル開発機構はあくまで研究開発を行う機関でありまして、本法案の最終処分業務を行うことはできません。
#127
○竹村泰子君 最終処分施設の閉鎖以降の責任の所在、これがよくわからない、具体的に示されていない。事業終了後の安全責任を国が継承するとされていて、地下利用制限等を引き続き行うようにと通産省の説明資料にあります。国は規制責任に徹するのが本来のあり方であるべきではないかというふうに思うのですけれども、最終処分や閉鎖後の区域管理まで委託が可能とされているのはおかしいのではないでしょうか。第五章第五十七条「業務の委託」ですが。
#128
○政務次官(細田博之君) 原子力発電環境整備機構は、法案第十六条の規定によりまして、納付された拠出金に係る最終処分を行わなければならないものとされており、最終処分業務の実施は同機構が責任を持って行うものであります。
 他方、最終処分の業務の遂行に当たりまして、最終処分時の高レベル放射性廃棄物の収容容器の構内輸送や、最終処分施設の警備等の業務の委託など、最終処分に付随的な作業につきましては同機構が適切に委託を行うことができることが必要であることから本法案第五十七条の規定を設けたものでありますが、御懸念のように、本法案の最終処分業務の中核的業務を他の機関に委託することは、法の目的から見てあるいは精神から見てあり得ない、あるいは条文上もはっきり明記しておりますのであり得ないと考えております。
#129
○竹村泰子君 最終処分施設閉鎖後の管理、これは永久にということでありますけれども、永久にという法定の仕方はあり得ないんじゃないでしょうか。通産大臣は最終処分施設に関する事項の記録したものを永久に保存しなければならないと、永久にという法定の仕方があり得るんでしょうか。第四章第十八条「最終処分施設の閉鎖」というところにございますが。
#130
○政府参考人(河野博文君) まず、最終処分施設閉鎖後どのような管理がどのような期間必要かということについて、これは具体的な内容は今後の安全規制に関する事項として別に定める法律で定めるということになりますので、本法案におきまして詳細な安全面での規定を設けることにはしていないことは再三申し上げているところでございます。
 ちなみに、その管理に永久という言葉のようなものが例があるかということでございますけれども、施設等のものについて永久にというような規定は法律上例が見られないというふうに承知しております。ただし、ある種の帳簿ですとかそういったもの、例えば鉱害賠償登録令の登録簿の保存期間ですとか、あるいは公職選挙法の永久選挙人名簿の保存期間のようなものは永久という言葉が使われた例があるように承知しております。
#131
○竹村泰子君 今のは最終処分施設に関する記録を永久にということですけれども、もしそれがあり得るのならば、最終処分を行っても永久に安全を確保できるということを実施の要件として規定するべきではないかと思いますが、大臣いかがですか。
#132
○政府参考人(河野博文君) 先ほど申し上げましたように、この最終処分施設をまずどういう時点で閉鎖をするか、また仮にこれを閉鎖いたしまして、その後どのような管理方法あるいは期間、具体的に閉鎖後の措置を講ずるか、これらは今後安全規制の問題として検討をさせていただくというふうに申し上げているところでございます。
#133
○竹村泰子君 私の質問時間がそろそろなくなってきたのですけれども、少し総論的なことに戻って恐縮でありますけれども、私たちは高レベル放射性廃棄物とずっと呼んでおりました。今もそう呼んでおりますけれども、高レベルという呼称を今回特定と変えるのは、法律の性格をよりわかりにくくするのではないでしょうか。ごめんなさい、ここのところはちょっと通告しておりませんけれども。既に国会でもマスコミでも、つい最近、論説などでも社説などでも一月、二月ぐらいまでは高レベル特定放射性廃棄物処分法というふうに出ておりますけれども、なぜこれが特定放射性廃棄物と変わったのでしょうか。
#134
○国務大臣(深谷隆司君) 高レベル放射性廃棄物という用語は、核燃料サイクル開発機構法第二条第二項において定義されておりますが、さまざまな原子炉からの使用済み燃料に由来するものを含み、またガラス固化する前の液体の状態も含んでおります。
 今回の法案におきましては、対象を限定して、高レベル放射性廃棄物のうち発電用原子炉から生ずる使用済み燃料の再処理に伴って生ずる高レベル放射性廃棄物をガラス固化したもの、ガラス固化体に特定をしているところから特定放射性廃棄物という用語で整理したものであります。
#135
○竹村泰子君 ちょっとよくわからない御説明なのですけれども、それまでは高レベル放射性廃棄物と言っていらしたし、高レベル放射性廃棄物処分懇談会とかございますよね。でも、法律は高レベルという言葉は一切使っていない、この理由は何なのでしょうかと言っているんです。
#136
○政府参考人(河野博文君) 私どもも、この法律で対象になります処分するべきものが、その廃棄物が高レベルの放射性廃棄物であるということについて一切否定するものではございません。したがいまして、私どもが今まで基礎的なデータとして御紹介をしてまいりました資料、あるいは科学技術庁が高レベル処分懇談会とまさに先生おっしゃいましたように検討の場につけました名前も、一般的な意味では高レベル放射性廃棄物という名前を使わせていただいております。
 ただし、この法律を立案するに際しまして、先ほど大臣の答弁と重複して大変恐縮でございますけれども、ここで対象といたしますのは、いわゆる高レベル放射性廃棄物のすべてではございませんで、発電後に生じ、そしてそれを再処理してガラス固化体にしたものという、そういう意味では、定義上、高レベル放射性廃棄物の中の一つの形態を明示的に取り出しているわけでございまして、そういう意味で、整理上、特定放射性廃棄物という法律上の言葉を使わせていただいたわけでございます。
#137
○竹村泰子君 その範囲を狭めたということでおっしゃっているんだと思いますけれども、もしこの法案が高レベル放射性廃棄物処分法というふうな名前になっていたとしたら、もっと私は、さっきもちらっと触れましたが、国民的な議論が巻き起こっていたのではないかと思うんですね。えっ、高レベルということで、そこのところが何か違う言葉になっているので国民的な議論が充実していない。
 私もこれまでこうやって電気を使い、そして五十六基の原発を運転してきて、日本の国がどこかにきちんとした処分場をつくるということは、これは当然の義務であると思いますし、私たち国会議員がきちんと考えなければならないと思っております。でも、急ぐべきこととじっくり議論するべきこととがごちゃまぜになっている、すごく拙速な法案であるということを先ほどから言っております。だれからも余り快く受け入れられない、嫌われる施設といいますか、それをどこかにつくる必要があるとすれば、まさにそういった国民的議論を巻き起こし、そしてコメントを求めて、長時間にわたり実行力を持ち続けなければならない、そういう法律であるというふうに私は考えます。
 このまま法案が、あっという間に国民の知らない間にこういう重要な法案が成立をしてしまっていいのかなと、非常にそのことについては疑問に思っている一人です。
 高レベル放射性廃棄物処分懇の報告書には、国民「一人一人が自らの身に迫った問題であるという意識を持つことが望まれる。」となっております。現状はそれとはほど遠いですね。国民的な議論ができるような仕掛けをつくるべきではないかと、最後に大臣にお伺いをして、私の質問を終わります。
#138
○国務大臣(深谷隆司君) 既にこの件に関しましては、原子力の仕事の中の最終的な課題として解決しておらなかったわけでありますが、数年前からこれらについての議論というものは尽くしてまいりましたし、また国民に知っていただくための会議なども私の知っている限り五回ぐらい開いております。また、このたびの法案の審議に当たって、衆議院では本会議で一回、一日、それから委員会では四日間議論をいたしました。私自身がその何時間もの長い議論の中で、さまざまな御質問や御提言も含め、非常に大事な部分もあると、勉強させていただきながら、かなりの議論を尽くしたものと考えます。そして、そういう中で、御党を含めた修正案等も出されたわけでありますから、これを受け入れるということにしたわけであります。
 引き続いて、この委員会においてさらに十分な審議を尽くしていただきたいと思っております。
#139
○竹村泰子君 終わります。
#140
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#141
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹村泰子君が委員を辞任され、その補欠として藁科滿治君が選任されました。
    ─────────────
#142
○委員長(成瀬守重君) 休憩前に引き続き、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#143
○木俣佳丈君 民主党・新緑風会の木俣でございます。
 午前中の質疑に引き続きまして、同僚議員に続きまして本案に対しての質疑を続けさせていただきます。
 この原子力発電、そしてまた放射能関係の問題ですと、きょうは時間が非常に短いものですから情報公開というところをまず一番の柱にしながら質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、国民の皆さんが、どれだけ情報が開示されて情報をまさに生のまま提示できるのか、必要な情報がもらえるのかといったところがかなり、最大の懸案であり、そこが一つの安心剤になっていくのではないかというふうに思うんですね。
 この議題とはちょっと離れますけれども、我々民主党も求めておりますが、今週も行われなくなりました党首討論がございます。
 私どもは、国民の前に情報をつまびらかにしながら公開していくというのがやはり何といっても国会の役割であるというふうに思っておりまして、非常に強くこの討論の再開というのを求めておりましたけれども、これが相ならずということでございまして、やはり内閣の一員たる大臣から、ちょっとこれは通告にはございませんけれども、どのような思いを持ってこういった状況を見ていられるか。これは、テレビそしてラジオ、マスコミの方がどんどん報道をされていて情報が開示されているという姿は、やはり国会が一番先頭に立つという意味からしても出おくれがあるように思うんですが、その点もあわせて一問だけ伺いたいと思っています。
#144
○国務大臣(深谷隆司君) 党首討論については、今までもやってまいりましたし、これからもやっていくべきだと思います。
 ただ、この党首討論の問題に関しては、本会議場で総理が答弁するときとか、いろんな議運を中心としたお話し合いもあったようでありまして、そういう意味では議会側でよく相談をしていただきたいと思いますが、私としてはできるだけやるようにと関係者に申し添えたいと思います。
#145
○木俣佳丈君 ぜひ大臣からも、やはり選挙の直前でございますし、国民は何が争点で何を現与党がされようとしているのか、そしてまた我々が何を今から求めていくのか、そういうのをオープンにしていきながら議論の中で投票行動に結びつけていただくというのが民主主義の第一だと私は信じておりますので、今の御発言をぜひ総理にも官房長官にも強くお訴えいただきますように重ねてお願いを申し上げます。
 さて、この法案につきまして特に私が気になりました今の情報公開の絡みでございますけれども、立地地点選考の方法でございます。どのような形で立地の地点を選考していくのか。
 今までもいろんな方からいろんな角度で御発言がありましたので重なる部分もあるかと思いますけれども、先般も中部電力管轄の中の芦浜の原子力発電が、三重県知事の御英断と言っていいのかわかりませんが、これによりまして白紙撤回となりました。計画から三十七年もたって、いろいろ関係者、もちろん通産省の方々もそうだと思いますけれども、まさにかかわってきた一番の末端の従業員の方々そしてまた現地の住民の方々や、そういう方々の思いをもう一回白紙にすると。三十七年というと私が今三十五なものですから生まれる二年前でございまして、これは大変な決断ではなかったかと思うんですね。
 今回のこの法案によりますと、数年かけて文献調査を行い五カ所に絞り込んだ後、さらに数年かけてボーリング調査、適性を調査して二カ所に絞り込んでいく、さらにサイトの特性を調査して二〇二〇年には最終処分施設建設地を決定するというふうになっているわけですね。
 原子力発電が三十七年たってもできないのに、この廃棄物の処分地が果たして二十年でできるのかどうか非常に疑問があるわけでございますが、そのあたり、お答えいただけますでしょうか。
#146
○政務次官(細田博之君) 木俣委員おっしゃいますように、この問題は長年先人が非常に苦労に苦労を重ねながら取り組んでまいった問題でございます。
 原子力発電所の立地でも今日は既に、福井県のようなたくさん原発立地をしておられる県もありますし、またそれらを含めますと五十一基の原子力発電所ができ、さらに二〇一〇年までに現在のところ十三基ほども話が進んでいるということでございまして、大変苦労の多いところでございますし、またいろんな事例でもわかりますように、一たん住民の方々との話し合いがこじれてまいりますと本当に大きな苦労を重ね、また実際に立地を断念するようなところもあるわけでございますので、まして高レベル放射性廃棄物最終処分の問題につきましては、安全性に絶対的な配慮をしてまいるわけでございますが、何といっても地元の御理解、御協力を得ることが不可欠でございます。
 したがいまして、情報公開によりまして透明性を確保いたしまして、また地元の御意見を適切に反映いたしまして、地元と処分事業との共生の実現を着実に行っていくことが不可欠だと考えておりますので、むしろこれは国会も政府も含めましてどうしても必要なことでございますので、国民の御理解をいただきますようにみんなで努力すべき問題であると考えております。
#147
○木俣佳丈君 それと、その中でやはりその立地に当たりましては、再度申し上げたいんですけれども、本当に国民の理解というのが必要であります。
 有馬前文部大臣がある雑誌で御討論されている中で、日本国民の例えば小学生、中学生のレベルは非常に高い、算数とか数学とか理科、社会といった点数は高いけれども、しかし成人の教育が非常におくれている、特に原子力に関するまたは自然科学に対する知識の薄さというのは欧米と比べますとポイントでたしか記憶によれば半分ぐらいの点ではなかったかということをおっしゃっていたのを伺うんです。
 非常にそのあたり、国民への理解を増進、そしてまた教育という意味かもしれませんし、また特に立地されんところの住民の皆さんの御理解をどう得ていくのか。そこまでのやはりプロセスというもの、その決定の過程と手続というものをわかりやすくしておく必要があると思うんですが、今し方政務次官がおっしゃったものにつけ加えまして、具体的にどのような方法で御理解を増進させていくのか、お示しいただけますでしょうか。
#148
○政務次官(細田博之君) この法律に基づいては、原子力発電環境整備機構につきまして、六十条におきまして、「適切な情報の公開により業務の運営における透明性を確保するとともに、概要調査地区等及び最終処分施設の周辺の地域の住民等の理解と協力を得るよう努めなければならない。」ことが明記されているわけでございます。
 この規定によりまして、同機構はすべての情報を公開するという気持ちで、これはすべてといっても森羅万象というわけにいきませんから、必要なものはすべてまず公開しますし、また御要請があればまたその情報もすべて公開するというふうに、段階的になる可能性はありますが、すべての情報公開ということで推進してまいりたいと思います。ただし、プライバシーとか知的財産権に関する情報など一定のやむを得ない場合、これは他の国民の権利との衝突がある場合がございますので、そういった場合は慎重に配慮しなければならないわけでございますが、そういった場合を除きましてすべてということでございます。例えば情報公開の手段につきましても、文書の公開、説明会の実施、インターネットの利用等、情報公開に有効な方法を積極的に活用することを想定しております。
 また、先ほども他の委員からの御質問の中でもありましたけれども、高レベル放射性廃棄物といっても、一つ一つの固化体を見ればレントゲンで照射する程度のものであるとか、あるいは深さとか広さとかいいましても、国内の炭鉱とか鉱山でたくさん同じような深さまで行っておりますので、何か驚天動地の深くて広いものを掘るというようなことではないかとかいろいろ、他の事故の例を先ほどおっしゃった方がありますけれども、事故の例とこういう固化体を埋めるということはまた全く次元の違うことであります。やっぱり国民の皆さん方は何か危ないものじゃないかというような、理解が十分でないために起こる誤解というのもたくさんあるわけでございまして、そういったことを十分説明してまいりたいと思っております。
#149
○木俣佳丈君 今六十条のお話がありましたが、衆議院の審議の中で同じようなことを広く解釈して運用する、国会への報告も運用で行うという御答弁がありました。国会への報告というのはどのような形で行われようとされますか、例えば。
#150
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のように、この法律におきましては六十条でこの機構の情報公開については申し述べておるわけでございまして、それについては今総括政務次官の方からお答え申し上げました。これ以外にも、第三条の基本方針、あるいは第四条の最終処分計画、これは政府が定めるわけでございますけれども、これについても手続そして公表、こういったことが法律上定められております。
 国会においてさまざまお尋ねがあれば、もちろん十分な説明をさせていただきたいというふうに考えております。
#151
○木俣佳丈君 もちろん尋ねがあればということではありますけれども、やはり尋ねがある前にどのようにお考えになりますか。尋ねがあればもちろんやっていただくんですが。
#152
○政府参考人(河野博文君) 政府といたしまして現在考えておりますことは、お尋ねをいただいたときに十分に御説明申し上げるということが基本的な考え方でございます。
#153
○木俣佳丈君 私は、今回質問に立たせていただいて、また立たせていただくかもしれませんけれども、非常に複雑でまた高度な技術の問題でございまして、理解をするのにも非常に難しいわけですね。ですから、そういう意味で、やはり国会への報告というのを、例えば定時に、定期的に行うとか、どのような形かわかりませんが、今いろいろなメディアがあるわけでございますので、そういうものをいろいろ駆使しながら報告をしていただきたいと思うんですね。要請に応じてというのは、まさに、もちろん聞かれれば言うけれどもということでかなり後ろ向きな感じがするんですが、再度。
#154
○政府参考人(河野博文君) 国会御審議ということで申し上げれば今申し上げたようなことでございますけれども、この制度の運用に当たりまして、先ほど来申し上げておりますように、基本方針の策定あるいは最終処分計画、さらにはこの機構が実施いたします実施の計画、これらについて最大限の情報公開を旨としているわけでございまして、これは先ほど総括政務次官もお答え申し上げましたように、インターネットの活用など、おっしゃるような新しい情報伝達手段もあるわけでございまして、こういった手だてを使いまして、広く多くの方々に情報を差し上げたいというふうに思っております。
#155
○木俣佳丈君 続きまして、安全規制につきまして午前中も御審議がございました。二十条に書いてありますような、別途定めるということでございます。別途定めるというのは、今の時点では十分に検討できないということだったと思いますけれども。衆議院の方の答弁でも、どのぐらいの期間で行うのかという問いに答えられまして、できれば五年から十年、遅くとも二十五年で行うというお答えがございました。先ほど二〇二〇年には大体調査を終わって、今から実施していくということでありますけれども、これ五年も十年も、遅くとも二十五年というお答えありましたが、そういう形でいいんですか。というか、ちょっと余りにも時間が長過ぎると思うんですが。これは最後の質問になると思いますけれども、明確にお答えいただきたいと思います。
#156
○政府参考人(河野博文君) 確かにこの法律で安全規制を別に法律で定めるということになっておりますが、現在、原子力安全委員会でまず基本的な考え方を検討していただいております。これについてそれほど、多日を要せずに一定の考え方が示されるのではないかというふうに期待をしております。引き続きましてさらに指針を定める、そういったさまざまな手順があろうかと思いますので、ある日突然安全規制の中身が生ずる、しかもそれについて非常に長期を要するということよりは、段階的に安全規制の考え方も今後展開し、それが最終的に法律という形になってあらわれるというふうに考えております。
#157
○木俣佳丈君 時間が参りますのでお願いをしながら終わりたいと思いますけれども。
 いずれにしても、先ほど申しましたような、非常にこの立地地点になった地域にとっては大変実際の首長の方が苦労されることになります。アメリカの場合には、御案内のとおりでございまして、例えばそこの地域のまたは州の拒否があった場合でも、国会の方に持っていきまして、そちらで、国会の議決がありますとそれをもって国家の議決にいたします。それである意味での強制というのか、要するに上位の決定ということでそこで執行していくということになっておりますけれども、日本の場合、そうするとだれがどのように最終決定をするのかというのが、我々が修正案を出して可決させていただきました、衆議院の方でも。やはり十分に各自治体の長の意見を聞き、そしてまた十分に尊重をするんだという文言が入りましたが、その反面、ではだれが最終的に決めていくんだというのを一つお答えいただいて、質問を終わりたいと思いますが、大臣。
#158
○国務大臣(深谷隆司君) 今までしばしば申し上げてまいったことでありますが、とにかく事を進めるに当たりましては地元の方々の御理解と御協力は絶対必要であります。そのために都道府県知事及び市町村長の意見を十分に聞かなければならない。それをさらに強く示されたのが修正案だったというふうに思っております。
 しかし、これら全体を進めていく最終的な責任というのは、これはもう当然国にあるわけでありますから、国の責任で事を進めますが、その際には十分に意見を聞くということをおろそかにしてはいけないという考えであります。
#159
○木俣佳丈君 終わります。
#160
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 私は、まず最初に、最終処分の定義についてお伺いしたいと思います。第二条第二項でございますけれども。
 最終処分については、この定義については、法案作成の根拠としております総合エネルギー調査会原子力部会報告、平成十一年、その中で、「安全確保の基本的要件として、」、一番目としては、「廃棄物と地下水の接触を抑制」、第二点としては、「(地下水と接触しても)放射性核種の溶出・移動を抑制」、第三点としては、「(地下水に溶出・移動しても)放射性核種が地下水を介して人間環境に有意な影響を及ぼさない環境安全を確認」するという、こういう三点を挙げているわけでありますけれども。
 この第二条第二項に書かれている定義でありますけれども、これはどういう形で今言った三点について反映されているか、その辺について詳しく御説明いただきたいと思います。
#161
○政府参考人(河野博文君) この定義、第二条第二項はごらんのとおりでございますけれども、「特定放射性廃棄物及びこれによって汚染された物が飛散し、流出し、又は地下に浸透することがないように必要な措置を講じて安全かつ確実に埋設する」といった最終処分の定義を述べているわけでございます。これは、高レベル放射性廃棄物の地層処分の概念をいわば包摂的に表現したというふうに考えております。
 ただ、より詳細、技術的な安全要件ということになりますと、最終処分の安全確保の基本的要件に関することになりますので、今後、安全規制体系が確立されていく中で、さらに具体的に明確化されていくというふうに考えております。
#162
○加藤修一君 今、原子力部会報告の三点についてその対応関係を求めたわけでありますけれども、極めてこれ、最終処分という意味合い、その定義というのは重要でないかなと思うんですね。
 ですから、その三点についてどういう対応関係、例えば「特定放射性廃棄物及びこれによって汚染された物が飛散し、流出し、又は地下に浸透する」と、こういうふうに書いてあるわけですけれども、三点とどういう関係性で最終的にこの定義の第二条第二項の話になってきているのか、ちょっと私わかりづらい法文だなと思っておりまして、そこをちょっともう少し御説明いただきたいなと思うんです。
#163
○政府参考人(河野博文君) 先生が御引用になりましたように、原子力部会の中間報告では、一つとして、廃棄物と地下水の接触を抑制する。それから二番目に、仮に地下水と接触しても放射性核種の溶出、移動を抑制する。また三番目に、放射性核種が地下水を介して人間環境に有意な影響を及ぼさない環境安全を確認というふうに述べておられるわけでございます。
 ここで、私どもは、汚染されたものが飛散せず、流出せず、また地下に浸透することがないように、そうした必要な措置を講ずるということが最終処分の概念ということで、先生が御引用になりました原子力部会の中間報告の三点を包摂する概念規定としてこの表現を使わせていただいたわけでございます。
#164
○加藤修一君 特に、二点目、三点目の関係については、余り明確に私は定義の中に反映されていないと思いますけれども、また別の機会にやりたいと思います。
 地下処分の関係でいきますと、前に私は、平成十二年三月十四日でございますけれども、科学技術庁に質問しておりまして、そのときは、一九九九年一月七日の読売新聞、そこに出ておりましたアメリカの研究者のグループが地層処分の関係について調査した結果だということで、地下埋設の放射性物質について従来の予想よりも早く拡散するということが出ておりまして、流動性コロイド状になって運ばれたためと、そういうふうに理由をつけられておりますけれども、つまり、拡散のスピードは非常に速いと、従来考えられているよりはですね。
 これまでプルトニウムなどと、私、そういうふうに説明しておりますけれども、そのことについて科技庁の答弁というのは、プルトニウムについての検討は対象外のことでございますと。私は、プルトニウムなどということで、プルトニウム以外の核種の話もしているわけでありまして、そのとき時間がないからあえて私は質問しませんでしたけれども、この辺についてどのようにお考えですか。
 これ、私、質問通告したと思っていますけれども、行っていませんか。
#165
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 前回、先生がこの問題で御質問なさいました折に、プルトニウムを含めた問題ということで、コロイド状の問題を私の方から御説明申し上げた次第でございますけれども、プルトニウムは、いわゆる高レベルの廃棄物の処分というふうな観点から見て、再処理をしていくと。したがいまして、プルトニウムは当然含まれてはおりますけれども、量的に非常に少ないと。そういうふうな意味で、プルトニウムの影響が非常に少ない状態下におけるコロイド状の解析結果についての御説明を申し上げた次第でございます。
#166
○加藤修一君 いや、プルトニウムなどということですから、プルトニウム以外のものも入っているわけでありまして、その辺については、ちょっと質問通告が伝わっていなかったようですので、別の機会にやりたいと思います。
 それでは、午前中、ほかの方々の質問を聞いておりましたときに、斉藤政務次官の方から数学的モデルの話がございました。私は、実は科技庁からいただいたレポートでありますけれども、「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性 地層処分研究開発第二次取りまとめ」ということで、総論レポートがあります。
 これを読んでみました。読んでみまして、精査しているわけじゃないですから、現時点で私が言えることは、第一点は、かなりの仮定を前提としているということですね。つまり、不確実性が極めて高いのではないか。そういった意味では、累積された誤差が考えられる。これに対してどういうふうに所見があるのかどうなのかということが一切書いてない。
 それから、一般的に数学モデル、社会的モデル、経済的なモデルなんかもそうですけれども、再現性の確認というのは必ずしているわけなんですね、モデルについては。そのモデルの検討が、私が見る範囲では、この中では説明されていない、精度検定が行われていないということなんですけれども、これが二点目ですね。
 それから、ガラス固化体が群として存在するわけでありますけれども、その群に至る過程の計算が私はどうもされていないんではないかなと。一個についてはやっておりますけれども。
 あと、感度分析についてのアウトプットが紹介されていない。そのほかに、やはり仮定に基づいたデータをもとにして計算がされているというとらえ方ができるんではないかなと思います。そういったことを考えていきますと、物によっては大きく結果が変わり得るということも言えるのではないかなというふうに考えております。
 ただ、私がちょっと午前中の件で斉藤政務次官に確認したいことは、一般的に数学モデルを使ったときには、これは質問通告しておりません、一般的に数学的モデルを使った場合には、再現性の確認は少なくとも私はモデルについてすると思うんですけれども、一般的な答えでよろしいです、そこは。
#167
○政務次官(斉藤鉄夫君) 今回のこの技術的検討が、先ほど午前中もお答え申し上げましたけれども、シナリオを設定し、そのシナリオを体現したモデルをつくり、そのモデルの中に具体的なデータを当てはめて計算をする、こういう手法であるということはもう加藤委員御承知のことかと思います。
 再現性についてでございますけれども、当然それは一般にも再現性についての検討は、このシナリオをつくりモデルをつくるときに検討されるものと、これは一般論としてですね、ものだと思っております。
 また、一般に、このシナリオもモデルもデータも、かなり安全側といいましょうか、実際の数値が高く出る方向に設定をして行うのが通常でございまして、そういう意味では、もちろん不確実性を含んでおりますけれども、その不確実性を考慮に入れた上でも安全である、こういう結論が第二次取りまとめで出ていると、このように私は認識しております。
#168
○加藤修一君 そこで、このモデルの再現性がこういう報告書の中に出ていない、精度検定が行われていないということを考えていきますと、それにかかわる資料だけは少なくとも出していただきたいと思います。
 私が見る範囲では、精度検定はどこのページにもないように思います。目次にもないと思いますので、これ、突然の質問ですから、資料だけはちょっと提出してほしいと思います。
#169
○政務次官(斉藤鉄夫君) いろいろな学会、いろいろな協会において学術的に評価をされた、またある意味で確立をされた手法、そういう意味では、再現性についてもきちんとした学術的な評価がされた手法で行われていると思っておりますが、その点についてはちょっと調査をさせていただきます。
#170
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生の方からお話しございましたこのモデル、シナリオ、それに対するまた数値モデル、また数値モデルに投入する個々の研究データ、これらの問題についての信頼性の問題、御指摘でございますけれども、今、この二〇〇〇年レポートの中で、サイクル開発機構が取り上げましたモデルの内容につきましては、もとより国内の研究者の方々の英知も結集したところでございますが、同時にヨーロッパを初めとします世界の関係の方々との議論も経て、今回そのモデル結果をこの二〇〇〇年レポートの中に記載したところでございます。
 ただ、同時に、サイクル開発機構がこの二次取りまとめの中で、例えば今後データの信頼性の向上を図っていく必要があること、またこのモデル自体をさらによりよい形に精選していく必要があることなどは言及しているところでございまして、それが今回のいわゆる実証性の問題についても同時にまた間接的に実証し得たという性格のものかと思います。
 また、先生の方から今お話しございました、具体的にどういう形で解析をしてきたか、その数値等の問題につきましては、この二〇〇〇年レポートのバックデータになり得るものでございますので、これらについては先生の方とまた御相談を申し上げまして、必要な資料をお出し申し上げるようにしたいと思います。
 なお、今回この数値モデルは、ケーストータルで三十七ケースを想定いたしまして、その三十七ケースのいずれをとってみても、この解析では諸外国で提案されております安全基準を下回るそういう放射線の最大線量値を得てきていると。いわゆる処分後の、時間経過後の環境に与える最大の線量値がそうであるということであり、同時にその数値は我が国の自然放射線レベルをはるかに下回るものであるという証左を示しているものでございます。
#171
○加藤修一君 いや、私が加えて言いたいことは、要は、モデルを使ってやっているということですから、それをもとにして午前中の答弁もあったように思いますので、それでひっかかりが生じたのでちょっと質問したわけなんですけれども。要は、再現性とか精度の検定を本来は少しでも書くべきだと思うんですね。そういう意味での情報開示がなされない中で、どういう精度があるかわけがわからない。少なくともそういう部分については章を割いてきちっと記載をすべきではないか、そういう意味合いで質問しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから二点目でございますけれども、国際的には、午前中の質問にもございましたけれども、地層処分見直しの動きがあると。仮に地層処分するにしても回収可能性、こういったことも考えていかなければいけないんではないかと思います。少なくとも何らかの事故が発生したときに備えて回収可能性を法的に保障するべきではないかというふうに考えているわけでありますけれども、この辺についてはどうお考えでしょうか、かなり長期的な処分の話になっているわけですから。
#172
○政府参考人(河野博文君) 諸外国の例についてのお話がございましたけれども、米国あるいはカナダのように一定期間の回収可能性を確保するということを考えている国、またあるいはドイツのように回収可能性を元来不要としている、そういった国もあるようでございます。ただ、各国とも一定期間の後には処分施設を閉鎖するという考えになっております。
 そこで、具体的に回収可能性をどの程度確保するかどうか、また確保する場合にそれはどの程度の期間が必要かどうか、これにつきましては、最終処分施設の安全確保に関するものでございますので、現在行われております安全規制体系の検討の中で議論されていくというふうに考えております。
#173
○加藤修一君 それでは、第四条第五項でございますが、これは衆議院の方で修正された部分でございますが、都道府県知事あるいは市町村長の意見の尊重という部分でございます。
 運用の面に視点を当てて質問をしたいと思いますけれども、概要調査地区等の選定に当たりまして地元の首長の意見を尊重しなければならない、こういうことでございますが、この意見が選定に反対の場合、そういった場合についてはどういうふうに考えるのか。例えば賛成するまで繰り返し意見を求めるとかそういうことになるのか、どういうふうなお考えをお持ちですか。
#174
○政府参考人(河野博文君) この概要調査地区等の選定では地元の御理解、協力が不可欠であるということで、御指摘のように都道府県知事あるいは市町村長の御意見をいただき、これを重く受けとめ、十分に尊重して決定をするということでございまして、地元の御理解と協力を得るべく、私どもとしては最大限の努力をしてまいる所存でございます。
 しかし、それでもなお最終的に地元の都道府県知事あるいは市町村長の御理解が得られないという場合には、その意に反して概要調査地区等の選定を行うことはないということをこれまでも御答弁させていただいております。
#175
○加藤修一君 じゃ、ちょっと別のケースですけれども、その概要調査地区選定の段階で知事か市町村長のいずれかが反対した場合、最終処分計画に概要調査地区としてその地点名は書き込まれない、そういうふうに解釈して差し支えないのか。あるいは尊重とは、概要調査地区としてはその地点名は挙げるが精密調査地区として選定しない、そういうことであるのかどうなのか。どうでしょうか。
#176
○政府参考人(河野博文君) そうした場合でも、私どもとしては地元の御理解と協力を得るために、地元の関係の皆様方の御意見が統一されますように最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#177
○加藤修一君 いろいろと多方面からちょっと確認させていただきたいわけですけれども、文献調査で適地とされた地点すべてで地元の首長が反対した場合、概要調査地区の選定はどのように行うことになるでしょうか。
#178
○政府参考人(河野博文君) 文献調査を行いまして概要調査地区を選定するに当たり、先ほど来先生お尋ねのように、しかるべき手続として都道府県知事あるいは市町村長の意見を聞き、これを十分尊重するということでございますので、そうした都道府県知事あるいは市町村長が御理解をいただけるような地区を選定するということに最大限の努力を尽くしてまいるわけでございます。
#179
○加藤修一君 それじゃ、意見を聞かれた地元首長は、意見の取りまとめに当たって、例えば住民投票あるいは公聴会など、そういった独自の手続を条例で定めることはできるのかどうなのか、この辺はどうでしょうか。
#180
○政府参考人(河野博文君) 繰り返しになりますが、地元の関係の皆様の理解と協力を得ること、これが大変大事でございます。
 ただ、先生が御質問になりましたような地元の方々の御意見がどのように地方自治体の長に反映されるか、これは地方自治の問題というふうに考えております。
#181
○加藤修一君 それじゃ、地元首長の意見を聞く場合ですけれども、回答に期限は付されるのかどうなのか、この辺についてはないわけでありますので、例えば期限を付す場合は十分余裕を持ったものとなるようにすることが大切だと思いますけれども、余裕といった場合にどの程度の長さを考えるか、その辺についての御見解はどうですか。
#182
○政府参考人(河野博文君) 先生が御指摘の御趣旨はよく理解しているつもりでございますけれども、ただ、ただいま現在、じゃ具体的にどの程度の時間的余裕を付して回答をいただくことにしているかという具体的な検討が進んでいるわけではございませんので、今後その点については検討させていただきたいと思います。
#183
○加藤修一君 それでは、意見を聞かれた地元の首長が意見の取りまとめをできない場合があると思うんですね。紛争状態になって、賛否両論相半ばしてなかなか取りまとめができない、そういった場合の手続についてどういうふうに考えられているか。つまり、そういったときには意見なしとして手続が進められることがあるのかどうなのか、この辺についてもちょっと確認をしたいと思います。
#184
○政府参考人(河野博文君) 現実に起こりますことをすべて想定することはなかなか難しいのかもしれません。また、関係の自治体の数も多いのかもしれませんが、仮に関係の自治体の皆様方の間で意見が分かれているようなとき、私どもといたしましては、そうした関係の自治体すべての方々に理解と御協力を得られるように最大限努力をさせていただきまして、意見が統一されることを期待いたしたいと思います。
#185
○加藤修一君 なかなか明快な部分が少ないかなとは思って聞いておりますけれども、精密調査の場合ですけれども、複数の地区で行われた後、最終処分場建設地の選定の局面に至って反対意見が出された場合についてはどうかということなんですけれども、反対の意見を尊重して選定を断念するときには、一たん選んだ地区以外の別の精密調査地区から改めて建設地を選定しようとすることになるのかということなんですけれども、そういう理解でよろしいですか。どういうふうになりますか。
#186
○政府参考人(河野博文君) 精密調査地区は、現在の考え方では、三段階に分けて進むそれぞれの段階が極力複数で検討を進めるという考え方になっておりますので、そういう意味では精密調査地区についても複数の候補地を検討する可能性が十分あると思います。
 そして、最終的に絞られました最終処分候補地といいますか、これについて地元の御意見を求める、しかし最大限努力してもなお御理解を得られないということが確定的である場合に、その意に反して選定は行わないというふうに申し上げておりますので、それ以外の選択肢を探るということが恐らく論理的な帰結であろうというふうに思います。
#187
○加藤修一君 それ以外の選定地を探るという話ですけれども、その場合は複数の残りの部分、当該の部分じゃなくて残りの部分を充てるということではないかと。どういうふうに考えているんですか。
#188
○政府参考人(河野博文君) それ以外に精密調査を進めており、あるいはそれについて合否の可能性が十分ある地区があるということであれば、それが最も近い候補になるということはあり得るものと思います。
#189
○加藤修一君 複数あってプライオリティーが第一位のものがだめになった、そして二番目が残っていると。その二番目にするという意味でとらえていいですか。
#190
○政府参考人(河野博文君) その他の選択肢について地元の御意見を伺うことは当然あり得ることではないかと思います。
#191
○加藤修一君 じゃ、確認ですけれども、相対的により条件の悪いところを選定することになるという理解も決していいかげんな理解じゃないということになりますね。
#192
○政府参考人(河野博文君) それが、何といいますか、最終処分地としての要件を満たさないようなことであれば当然選定はされないわけでございますけれども、要件を満たすようであればそういう可能性はもちろんあるというふうに思います。
#193
○加藤修一君 第八条の関係に移りますけれども、精密調査の期間についてでありますけれども、精密調査にはどのくらいの時間を要すると想定しているか。あるいは処分費用の見積もりの前提とされる計画スケジュールですけれども、これは期間としては余りに短過ぎるんではないか、このように認識しておりますけれども、どのようにお考えですか、この辺については。
#194
○政府参考人(河野博文君) 精密調査に要します期間は、やはり具体的な精密調査地区の地層の状況などによって異なるものではないかというふうに思います。しかし、地下に必要な測定、そして試験を行う施設を設けて詳細な調査を行うということでございますので、十年程度はかかるのではないかというふうに思っております。
#195
○加藤修一君 第五十六条の確認でございますけれども、閉鎖後の管理についてでありますけれども、閉鎖後の管理が業務の一つとして挙げられておりますが、具体的にどのような管理方法を想定しているか、総合エネルギー調査会原子力部会報告に言うモニタリング、これはどういうふうに行うのか、管理はいつまで続けるのか、そういったことについて法文になぜ明記していないのか、この辺についてどうでしょうか。
#196
○政府参考人(河野博文君) 平成十一年三月、御指摘の総合エネルギー調査会原子力部会中間報告では、処分費用の試算の前提といたしまして、最終処分施設の閉鎖後三百年のモニタリングを行うということにしているわけでございます。
 ただ、安全確保の観点については、累次御説明させていただいておりますけれども、最終処分施設の閉鎖後にどのような管理を、しかもどの程度の期間行う必要があるかについても安全規制体系の中でさらに具体的な検討を行うということで対応させていただきたいと考えております。
#197
○加藤修一君 原子力安全委員会の役割の関係でありますけれども、基本方針を定めるところからいわゆる原子力安全委員会の意見を十分聞くべきだと思っておりますけれども、これについてはどうでしょうか。
#198
○政府参考人(河野博文君) もうこれは御承知のとおりでございますけれども、原子力安全委員会は、その設置法におきまして、「原子力利用に関する重要事項のうち、安全の確保のための規制に係るもの」、これを審議事項としているわけでございます。いわば法定審議事項ということでございます。
 このため、この法案におきましては、基本方針のうち第三条第二項の第四号と第五号の事項で安全の確保のための規制に関するものについて原子力安全委員会の意見を聞くというふうに明定しているわけでございます。
#199
○加藤修一君 それでは、再処理の関係でありますけれども、午前中でもちょっと議論になりましたけれども、プルトニウムを取り出すと。プルトニウムは国際市場のところでも極めて大きな余剰となっているわけでありまして、そういった点を含めて、あるいはウラニウムの余剰もございますけれども、再処理を進めることについては言っている意味がよくわかりづらいと私は思っておりまして、少なくとも再処理だけにする処分方法というのはちょっと慎重さに欠けるんではないかという意見もあります。
 私もそういうふうに思っているところでございますけれども、少なくとも使用済み燃料を直接処分する余地、そういったものを残すべきではないかと、こういった意見も強くあることについてはどのようにお考えですか。ダブった質問になるかもしれません。
#200
○政務次官(斉藤鉄夫君) 直接処分ではなくて再処理をする意味は何か、こういう御質問かと思います。
 一つは、再処理をしてプルトニウムを取り出す、これはプルトニウム、そしてウラン238についても取り出すわけでございますが、これは将来大いなるエネルギー資源でございます。その資源の確保という意味が一つ。
 それから、ワンススルーで使用済み核燃料のまま処分してしまいますと、ウラン238またプルトニウムも一緒に処分をするということになるわけで、処分する放射能量が非常に多くなる、これは地球環境への負荷を大変高くすることになるわけでございます。
 そういう意味で、この二つの意味で再処理をするというのが我が国の核燃料サイクル基本政策でございます。
#201
○加藤修一君 その辺の答弁について私はちょっと直ちに納得はできないんですけれども、別の機会にやりたいと思います。
 附則の第十条ですけれども、「この法律の施行後十年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、」云々と書いておりますけれども、これは政策転換も含めてこの中に入ってくるというふうに理解してよろしいですね。
#202
○国務大臣(深谷隆司君) エネルギー資源のほとんどを輸入に依存する日本としては、エネルギーの長期的な安定供給の確保という観点から、使用済み燃料を再処理して得られるプルトニウム等を再び利用する核燃料サイクル政策を着実に推進していくことが重要だと認識しております。
 このために、平成九年一月の原子力委員会決定、同年二月の閣議了解に従って核燃料サイクル政策を推進しているところですが、本基本方針を踏まえて本法案を策定したものであります。御指摘のような大きな政策転換があった場合には、附則第十条の規定に基づいて本法案の規定について見直しを行うこととしております。
#203
○加藤修一君 要するに、大きな政策転換についても当然のことながら含まれる、そういうふうに理解します。
 それで、原子力周辺地域の疫学調査の関係でございますけれども、以前に私が質問したケースでございます。原子力発電所施設から出る放射線は周辺住民にどう影響しているか。それについて我が国にあります疫学調査レポート、これは科学技術庁の放射線医学総合研究所の岩崎生物研究部長、かつての名前でございますけれども、今は別のところにいるというふうに聞いております。
 この調査では、悪性腫瘍やがん死亡率とは統計的に原発との相関関係はない、そういう結論をつけていたわけでありますが、この岩崎論文についてドイツのホフマン氏ら複数の専門家が分析手法に問題があると批判しておりまして、しかしながら岩崎氏はこれについて反論は一切していないと、当時そう聞いておりまして、現時点においてもそういう反論をしたというふうには聞いておりません。そういったことから、私は、統計データを積み重ねてその解析に基づく疫学的なアプローチを行うべきだと、そういう調査の実施を訴えたわけでありますが、科技庁としては原発周辺の疫学調査を実施するようになったようでありますが、その調査の内容についてお伺いしたいことが第一点と、私は従来原発周辺という言い方をしておりましたが、原発関連施設についての調査も、ぜひ私は今から原データを集積させて疫学的アプローチを進めていくべきである、このように思っておりますけれども、以上二点についてお願いいたします。
#204
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 先生の方から二点についてと御指示ございましたが、最初の岩崎論文に対しますホフマン博士のコメントに対しますその後の対応の問題がございますので、この点についてまず御説明をさせていただきたいと思います。
 昨年、本件につきまして、この委員会でございますが、御審議がございました後、放射線医学総合研究所では、昨年の八月に外部の研究者の協力を得ながら放射線疫学調査検討委員会を設けまして、我が国におきます原子力発電所施設周辺地域の潜在的放射線リスクに関します調査研究を行ってきているところでございます。
 この調査では、これまで岩崎氏が実施してまいりました一九七二年から十五年分のデータに関します調査に加えまして、さらに八八年から十年分のデータを追加することによりまして、統計的信頼性の向上を図るなど、そういう分析を行ってきているところでございます。平成十一年度は、調査検討委員会におきます議論を踏まえ、疫学調査についての過去の論文調査や原子力発電所周辺の線量評価についての調査及び二十五年分のデータを取りまとめた基礎資料の作成を行ったところでございます。
 また、この検討委員会からは、環境モニタリングデータなどを活用して住民の放射線被曝量を推定してはどうか、あるいは個人の定住性や日常活動の情報に着目すべきなどの示唆を得ているところでございますが、これらの指摘を今後の調査研究に反映していくこととしてございます。
 この指摘を得た理由は、岩崎論文とホフマン論文の両方について、この委員会で各先生方のコメントを得たところでございまして、両論文とも、例えば、地域全体を見ており個人を考慮していない評価になっているのではないか、さらに、もし放射線の影響があらわれるのであればまずその地域の線量を評価すべきではないかなどの、そういう指摘も踏まえたそういう見解でございます。
 また、岩崎氏におきましては、先生の御指摘あるいは当時の有馬科学技術庁長官からの御指示を受ける形で、二回にわたりまして放射線疫学に関します学術雑誌でございますジャーナル・オブ・ラジオロジカル・プロテクションへの反論を行ったところでございます。
 その中で岩崎氏は、各地域におきます原子力発電所の影響を検討しようという目的はホフマンさんの手法では不可能ではないか、白血病が増加しているとのホフマンさんの結論は他の要因を考慮していないことなどを挙げるとともに、放医研で新しく実施したこの調査にも言及したところでございます。
 これを受けまして、このジャーナル誌の編集者からは、放医研のさらなる調査研究への取り組みを評価するとともに、調査結果の投稿を歓迎したいとの回答を得ているところでございます。科学技術庁といたしましては、この調査が着実に進み、成果が得られるよう見守り、必要に応じ対処してまいりたいと思ってございます。
 また、先ほど先生の方からお話しになられました原発地域からさらに関連する地域までへの問題でございますが、これにつきましては、まずは今この問題に対します検討を急ぐことが大事である、このように考えてございまして、できるだけ早いタイミングでこの検討結果を出していただきたいと思っておるところでございます。その上で、現在実施しております調査を確実に行い、周辺施設に対する疫学調査の実施についてこの調査結果を踏まえて検討を進めていきたいと思ってございます。
 もう一方の問題は、先ほどの御説明の中に触れておりますので、これで終えます。
#205
○加藤修一君 まず初めに、原発の関係と原発それ自体という話でしたけれども、調査それ自体の中身というのは恐らく疫学的なアプローチでありますから、原発があったときとないときというそういう比較も極めて重要だと思うんですね。そういった点を考えていきますと、原発関連施設、放射性廃棄物を扱うそういった施設も含めて、要するに、建てる前の状態と建ててからの状態という、そういう前後比較ということも当然考えていかなければいけない調査の中身だと私は思うんです。
 ですから、そういった意味では、これから建設される前の部分について今からデータを集積しておくことが必要だと、そういった観点から私は申し上げておりますので、再度答弁をお願いいたします。
#206
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 今、私の方で御説明申し上げました、今行っておりますこの疫学調査の結果を踏まえて、その結果が出次第他の施設への展開をと、こう申し上げたものの中には、その際先生の御指摘の点も踏まえた対応が必要だろうと思ってございます。
 他方、また今回放医研の方でいろいろと検討する過程の中にありまして、これまでのいろんな知見を入れる必要があるというふうなことで、厚生省等の動態調査結果など、いろいろな知見を踏まえて多角的な評価を得てもらいたい、こう思っているところでございます。
#207
○加藤修一君 じゃ、先ほどの検討委員会の関係でございますけれども、その議事録ですか、その中にはいろいろな議論が出たようでありますけれども、「これまでの放射線疫学の知見から考えて発癌率調査まで必要な状況ではないと考えられる。」という意見があったり、それは意見は意見でしょうけれども、「環境放射線モニタリングとの結果を照合すれば放射線とがんリスクとの関係は否定されることが期待される。」、こういう議論があったということについては初めから予断があるような感じを私は受けてしまうんですけれども、この辺についてはどういう御見解をお持ちでしょうか。
#208
○政府参考人(興直孝君) この放射線疫学調査検討委員会は、この場におきましては今先生がお話しになられましたとおりのそういう指摘があったようでございます。
 ただ、まず第一番目の「放射線疫学の知見から考えて発癌率調査まで必要な状況ではないと考えられる。」ことに関しましては、「平常時の一般住民が被曝する線量は最大でも年間二十マイクロシーベルトと言われており、」という、そういう前提のもとでこのような判断が出たようでございます。
 そのほか、先生の方にどのような報告がお手元に届いているのか存じ上げませんけれども、極めて簡単なその会議の指摘事項でございますので、その会議の詳細を踏まえてその全体の文脈の中でこういう指摘がどういう形で出ているかをフォローする必要があるものと思ってございます。
 実は、昨年八月に第一回会合を開催いたしました上で、昨年は先生方御案内のとおりジェー・シー・オーの事故が起こりました関係で、放射線医学総合研究所の各研究者の方々はそれに対する対応で手いっぱいでございました。ことしの二月に第二回目会合を開いたところでございますが、追加的に考えてございます十年分のデータ結果などの評価も踏まえる形で真摯な検討が進められるものと思ってございますので、その上でさらに先生に御説明をさせていただきたいと思っている次第でございます。
#209
○加藤修一君 委員会の会議の内容についてフォローするという答弁でありましたけれども、私がこれから申し上げることについても私はぜひフォローしていただきたいと思います。
 これはつい数時間前に出てきたものでありますけれども、ことしの四月二十六日のアメリカの話でありますけれども、放射線の健康に与える影響を調査しているアメリカの研究機関の関係でございます。その研究機関が、いわゆる免疫学や環境問題を専門とする研究機関でありますけれども、レイディエイション・パブリック・ヘルス・プロジェクト、ここが「一九八七年から九七年までに原子炉を閉鎖した全米七カ所の原子力発電所を対象に、半径八十キロ以内の居住の生後一歳までの乳児死亡率を調べた。」と。閉鎖後ですよ。「調査は、原子炉閉鎖前の死亡率と、閉鎖二年後の死亡率を比較しているが、それによると、八七年に閉鎖したワイオミング州のラクロッセ発電所では、一五・三%の死亡率減少だった。もっとも減少率の大きかったのが、九七年に閉鎖したミシガン州ビッグロック・ポイント発電所周辺で五四・一%の減少だった。」と。その減少の理由として、「がん、白血病、異常出産など、放射線被害とみられる原因が取り除かれたことによるものとしている。」ということなんですね。
 これは極めて参考になるレポートではないかと思うんですね。要するに、物があったときと物がなかったとき、それを比較しているわけですよね。明確にそういった意味では結論が出ているように私なんかは受け取ってしまうんですけれども、これについても私は十分調査して、今やっている疫学調査の関係についても参考になるように十分考えていただきたい、検討していただきたいと思いますけれども、どうでしょうか。
#210
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 しかと受けとめて放医研の方に伝えると同時に、他方また行政庁としての事実関係の確認も必要だろうと思いますので、これにつきましてはまたフォローしてまいりたいと思います。
#211
○加藤修一君 このレポートについては手元になかったということですか。お持ちではないですか。
#212
○政府参考人(興直孝君) 私は今持っておりません。
#213
○加藤修一君 それでは、委員会の関係でございますけれども、平成十一年度中にモニタリング調査などの基礎データを集計することになっていたわけでありますけれども、この辺の状況についてはどうでしょうか。
#214
○政府参考人(興直孝君) もう一度、恐縮でございますがお願いできますでしょうか。
#215
○加藤修一君 平成十一年度中にモニタリング調査などの基礎データ、これを集計するということで疫学アプローチに進んでいくんだと、そういうふうに回答していただいたように思うんですね、以前に。この辺についてはどういう状況になっているかということと、それから分析結果の報告、これ先ほどちょっと言ったかもしれませんが、もう一度確認しておきたいと思います。
#216
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 まず最初の方の基礎データをということに関しましては、第二回目の会合でそれを準備している段階であるというふうなのがその議事録にとどめられてございます。その後のフォローの詳細につきまして得ておりませんので、それ以上の回答は勘弁してください。
 それで、二番目の点は、まことに恐縮でございますが、今打ち合わせをしているさなかでございまして、フォロー不十分でございます。申しわけございません。
#217
○加藤修一君 分析結果はいつ出ますか。
#218
○政府参考人(興直孝君) 放医研の方といたしましては、この結果をできるだけ早くというふうなことで年内、今年度中を目途に結果を取りまとめていきたいという考えでございます。
#219
○加藤修一君 ちょっと時間がありませんからスキップいたしますけれども。
 科技庁の安全規制部門のいわゆる経済産業省への移管問題であります。これまで、科学技術庁時代というふうに例えば言ってしまいますと、高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故あるいはアスファルト固化施設事故、さまざまな事故があったわけでありますけれども、しっかりした引き継ぎが当然のことながら重要でありますけれども、この引き継ぎ体制というのは一体どういうふうになっておりますか。人員を含めて明確に御答弁していただきたいと思います。
#220
○政府参考人(今村努君) お答え申し上げます。
 来年一月からの省庁再編に伴いまして、これまで科学技術庁が所管をいたしておりましたもののうち、「もんじゅ」「ふげん」など研究開発段階炉でありましても発電を行うもの、あるいは再処理事業、加工事業など専らエネルギーに関する規制につきましては、経済産業省の原子力安全・保安院において行われることとなっております。これに伴いまして、現在科学技術庁原子力安全局におります定員も約六十名が振りかえられることとなっております。
 現在、科学技術庁と通産省の間でこの省庁再編時にどのような形で引き継ぐかということについて相談をいたしておりますけれども、科学技術庁で再処理事業あるいは加工事業等の安全規制を担当しておりました者が経済産業省の原子力安全・保安院の関係部局に移り、引き続いて担当するといったようなことも念頭に置きながら、目下検討を進めております。
 また、省庁再編に向けまして、現在、通産省から科学技術庁原子力安全局に出向者を受け入れておりまして、今後移管する事業規制行政事務につきましてあらかじめ習熟していただくなどの措置を講じているところでございます。
 さらに、現在、申請文書など法定されました文書を円滑に移管するよう、その準備も行っているところでございます。
 以上でございます。
#221
○加藤修一君 人員の関係はどうですか。七十七名いるわけですね。それがそれぞれどういうふうに配置されますか。
#222
○政府参考人(今村努君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、今後省庁再編に伴いまして経済産業省の原子力安全・保安院において行われる「ふげん」「もんじゅ」などの発電あるいは発電を行う研究開発段階炉あるいは再処理事業、加工事業などエネルギーに関する規制、これを経済産業省の方で行っていただくことになりまして、文部科学省におきましては試験研究炉あるいは……
#223
○加藤修一君 いや、人員、人員。同じことを言わないでください。
#224
○政府参考人(今村努君) そういう移管がございまして、これに伴いまして、現在原子力安全局の定員は百三十五名おりますけれども、省庁再編時に文部科学省に六十三名、経済産業省の原子力安全・保安院等に六十四名が振りかえられる、同時に内閣府の原子力安全委員会事務局にも現在の原子力安全局から八名が振りかえられる予定になっております。
 なお、これに先立ちまして既に本年四月に、原子力安全委員会の事務局機能の移管に伴いまして二十三名が原子力安全局から総理府原子力安全室に移っております。
 以上でございます。
#225
○加藤修一君 もう時間がございませんから最後の質問をしたいと思います。
 科技庁の方の地層処分の関係でジオフューチャー21という、「世界初、ドームスクリーンによる立体映像モーションシアター」という、いわば未来の地層処分場を仮想体験できるというこういう施設があるんですけれども、先ほど数学モデルで、いろいろと仮定、前提条件を含めて、最終的に精度の上がったものをつくるということについては今後また検討していこうという話があったわけですけれども、それ以上にこれなんかは非常にラフな中身じゃないでしょうかね。
 未来の地層処分場を仮想体験できるというんですよ。つまり、「モーションシステムにより、エレベータの降下感覚を忠実に再現。処分用トンネルがある地下一千メートルの深さを体感することができます。」ということで、映画と似たような形でつくっているわけなんですけれども、「処分後一千年経過した人工バリアの状態をご覧いただけます。」「人工バリアの核種吸着効果をゲーム感覚で体験することができます。」、乗った状態で、これ映画を見るような状態で、振動もいすから伝わってくるとか、音とかそういったことがいわゆる疑似体験できるというんですけれども、これは何のためにつくったんでしょうか。
#226
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 高レベル放射性廃棄物の地層処分を行うに当たりましては、国民の理解と信頼を得ることが重要でございます。そのため、国民各層が深地層の環境を経験し、深地層の環境についての科学的な理解を深めていただくことが肝要であろうかと思います。
 諸外国では、御案内のとおり、深地層の研究施設の展開が進んでございまして、そういう観点で、例えば米国では、ユッカマウンテンでございますが、ユッカマウンテンの山腹から地下方向に斜めに進む直径八メートルの主坑道をトロッコでおりて地表から約三百メートルの実験室を見学することができるとか、カナダでは、研究所建屋内のリフトで二百四十メートルレベルの実験エリアと四百二十メートルレベル実験室エリアへおり、その中で放射性核種移行試験等が、また掘削が岩体に及ぼす影響の試験等の性能試験を見ることができるなどの状況でございまして、かかるそういう見学施設を持つことによって国民の方々に高レベル廃棄物処分のあり方についての理解を得ているところでございます。
 しかしながら、御案内のとおり、我が国の実態を見てみますと、かかる深地層の研究施設はまだ現実にでき上がっている状況ではございません。岐阜県の瑞浪市、北海道の幌延町においてサイクル開発機構の方で計画を進めているところでございますが、このような地下の環境を体験できる施設の整備は国民的レベルから見ても期待されるものかと考えてございます。
 こういう状況のもとで、サイクル開発機構は、仮想体験することのできる施設として平成十一年の十二月にサイクル開発機構の東海事業所の中に展示館としてジオフューチャー21を設けたものでございます。
 この施設は、三次元の映像によりまして、地層処分場の構造や安全確保の仕組み、地震に対する地下深部の安全性について見学者の方々に理解を深めていただくことができるものとして設けたものでございまして、昨年十二月の開業以来、十二年四月末までの五カ月間で約三千六百名の方々が体験をされたところでございます。
 この方々のアンケート調査を私も見させていただいたものでございますが、その中では、地層処分の理解がこれによってよくわかるようになったという方が七割の方々、さらに高レベル放射性廃棄物の理解が進んだという方が、わかったという方が五六%、少しはわかったという方が四三%、さらに知り合いや友人に勧めたいということをおっしゃった方が九〇%の方々であるなど、それなりに評価できる状況になっているものと思ってございます。
 なお、資金的な制約がございまして十全なものではないかと思いますけれども、高レベルの廃棄物処分についての国民的な展開を今求められているところでございますので、そういう観点からの施策として御理解をいただきたいと思ってございます。
#227
○加藤修一君 時間がないからあれですけれども、理解してくださいと言ったけれども、理解していません、理解できないです、こんなの。
 大体、地下千メーターとか処分後一千年、これですよ、実体験と全然違うわけですからね、少なくとも。しかも、五億円かけて、毎年、一千三百万、平成十二年度予算で五千六百万。
 別の機会にやります。
 終わります。
#228
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 まず、大臣と科技庁にお伺いいたしますけれども、政府の原子力行政に対する基本姿勢をただしたいと思います。
 昨年九月に起きたジェー・シー・オーの臨界事故は、痛ましい犠牲者を出し、広範な被害を及ぼしたわけでございます。外国でも、日本には原子力についての安全文化がないんじゃないかと、厳しい批判を受けたものでございます。このジェー・シー・オーの臨界事故は、これまでの日本の原子力行政のあり方について抜本的な反省を迫るものでした。
 したがって、こういう教訓を学んで、今度の法案もやはり生かされたものにしなけりゃいけないというふうに思うわけですけれども、改めて、ジェー・シー・オーの臨界事故から何を学ばれたのか、また国の原子力行政全体、特に安全対策を考える上での教訓について確認をしておきたいと思います。
#229
○国務大臣(深谷隆司君) ジェー・シー・オーの事故は、原子力発電所そのものの事故ではありませんけれども、原子力に対する国民の信頼を揺るがしかねない大変残念な事故でございました。今回の事故から、安全規制の面で申しますと、検査制度の充実等、厳しい緊張感を持続するための枠組みの整備、それが必要な課題だと挙げられたところであります。
 これに対応するために、さきの臨時国会で原子炉等規制法の改正を行いまして、一つは、保安規定の遵守状況に係る検査制度を創設する、また原子力保安検査官の主要施設への配置、また事業者による従業員教育の義務の明確化等について制度化したところでございます。
 また、実際にその災害が起こったときの対策、原子力防災対策に関しましても、関係機関の連携強化の必要性、緊急時対応体制の強化の必要性等が課題として挙げられて、これに対応するために新たに原子力災害対策特別措置法の可決、成立を見たところでございます。
 いずれにいたしましても、これらの取り組みを通じまして、安全確保の一層の徹底を期し、原子力に対する国民の信頼を回復するために全力を挙げたいと思っております。
#230
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学技術庁から答弁させていただきます。
 昨年九月三十日にジェー・シー・オーの事故が起こりました。大内久さん、それから篠原理人さん、お二人がお亡くなりになりましたし、また周辺住民の方々に多大な不安、損害を与えることとなりました。科学技術庁といたしましても、結果としてこのような事故が起きたこと、その責任を痛感しております。また、この事故を極めて重く厳しく受けとめております。
 何を学んだかということで、先ほど通産大臣からお話がございました原子炉等規制法の改正、また原子力災害対策特別措置法、全力を挙げてその法の精神にのっとって頑張って、二度とこういう事故が起きないようにしていかなくてはならないと思っております。
 また、東海村の周辺住民の方々は、まだまだ不安を抱いていらっしゃる方がございますので、そういう方に対しても万全の措置をとる、また損害賠償についても、順次今進んでおりますけれども、まだ一〇〇%済んでおりません。そういうことに対してもきちんと誠意を持って対応する、このように決意をいたしております。
#231
○西山登紀子君 そのような努力をさらに進めていただくということは当然のことなんですけれども、私先ほども申し上げましたように、この事故というのが今までの日本の原子力行政の抜本的な反省を迫るものであったというふうに申し上げました。
 私たちは、七〇年代から国会で日本の原子力行政の根本的な欠陥を改める三つの提案をしてきたところでございますが、改めて申し上げますと、その第一は、安全神話の一掃でございます。安全神話と手を切って、正直で科学的な行政へ転換すること、これが一つ。それから二つは、安全確保のための独立した規制機関を確立して、質、量ともに十分な専門的スタッフを配置するということ。三つ目が、プルトニウム循環方式をやめて二十一世紀にふさわしいエネルギー政策に真剣な努力をしていこうということなどを提案させていただいてきたわけでございます。
 安全神話の一掃という問題は、後ほど法案に即して随時質問をさせていただくといたしまして、まずは推進と規制の分離の問題なんですけれども、政府は省庁再編に伴いまして原子力安全委員会には専属の事務局を置くとか、科学技術庁から切り離して総理府に移したとか、こういうふうなことを答弁していらっしゃるんですけれども、果たしてこれで推進と規制の権限が分離されたと言えるのでしょうか。科学技術庁、──大臣、お答えいただけますか。
#232
○国務大臣(深谷隆司君) 先に私から。
 御質問の一次規制の強化については、通産省としましては、本年に入りましてから原子力規制担当の人員を大幅に増強して、特に現場である原子力発電所への配置に重点を置いて、結果的には現地に駐在する人員を四十七人から八十三人とほぼ倍にさせたところでございます。
 また、原子力安全・保安院に関しましては、従来政令である通産省組織令で資源エネルギー庁の一部局である公益事業部の中に規制担当部局が位置づけられていたのでございますが、これに対しまして原子力安全・保安院は経済産業省設置法において特別の機関として位置づけられ、その長である院長が安全規制に専念するという体制をとっております。
#233
○西山登紀子君 ちょっと待ってください。具体的に科技庁にお伺いします。
 推進と規制の権限がこれで分離されたのかどうか、その点だけ。
#234
○政務次官(斉藤鉄夫君) この四月一日から原子力安全委員会の事務局を総理府に移しました。また、来年一月六日からは内閣府に移されることになっております。
 したがいまして、これまでも事務局が科技庁の中にあったからその推進と規制が癒着していたとは決して私は思っておりませんけれども、それを外から見ていただいても明確にする上で今回このような分離を行いました。この推進と規制の分離はきちんと行われている、このように考えております。
#235
○西山登紀子君 そういう認識が問題だと思うんです。今度の改革で原子力安全委員会が原子力施設の許認可の権限、つまり安全上問題があるときは、施設の新増設はもちろんですけれども、既存の施設についても閉鎖を含むような行政の権限を持つことになるのかどうか。これは科技庁。
#236
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力安全委員会がそのような提言をすれば、それを尊重するというのが行政庁の立場でございます。
#237
○西山登紀子君 許可権限、こういう行政上の権限を持つのか、原子力安全委員会が。持つんですか、許可権限ですよ。
#238
○政務次官(斉藤鉄夫君) 許可権限については行政庁が持っております。
#239
○西山登紀子君 だから結局は、安全委員会というのは意見を述べる単なる諮問機関というようなことになるわけです。
 それで、大臣にお伺いいたしますけれども、先ほど先に御答弁があったんですけれども、十七日の本会議の質問で、大臣が、通産省としては一次規制の体制強化を図るとともに、来年一月の省庁再編に伴って独立性のより高い原子力安全・保安院を設置するというふうに述べられたわけです。その答弁でおっしゃる一次規制の体制の強化というのは何なのか。独立性のより高いという場合に、何と比べてどのように高いのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
#240
○国務大臣(深谷隆司君) 今、先に私が申し上げたのでありますが、一次規制の強化という点に関して言いますと、原子力規制担当の人員を倍にふやしていく、そういうことできちっと間違いのない保安体制をつくっていく。
 それから、原子力安全・保安院に関して申し上げれば、今までの形というのは通産省の組織の中の資源エネルギー庁の一部局である公益事業部の中に規制担当部局が位置づけられていた。今度はそうではなくて、特別の機関として経済産業省設置法で置いておりまして、その長は院長でありますけれども、安全規制に専念する体制になっている。ですから、今までの形と比べるとかなり前進したものと確信をしております。
#241
○西山登紀子君 かなり前進したとおっしゃるんですけれども、結局その原子力発電所の設置の許可権限というのは新しい経済産業大臣が持つということでありまして、この原子力安全・保安院の長というものは持ってはいない、持たないということなのでございます。
 今までは、科学技術庁それから通産省、いずれも規制と推進が同時になっていたということについて私たちは問題にしてまいりましたけれども、今度省庁再編になりますと、結局その二つがむしろ枝分かれをして、推進と規制が一緒になってやっていたというのをむしろ一体化して幹を太くして規制と推進を一緒にやってしまう、こういう私は矛盾が拡大するんじゃないかと懸念をしております。
 これでは、一九九四年の原子力の安全に関する条約第八条第二項で定めます「締約国は、規制機関の任務と原子力の利用又はその促進に関することをつかさどるその他の機関又は組織の任務との間の効果的な分離を確保するため、適当な措置をとる。」、こういう締約国の義務を果たすことにならないんじゃないでしょうか。その点は大臣、どうでしょうか。
#242
○国務大臣(深谷隆司君) 例のチェルノブイリの大きな事故の後に、原子力安全条約、これらを一層きちんと強化していこうということでございまして、ここでは規制の機関の任務と原子力の利用または促進をつかさどる機関の任務との効果的な分離を確保する、そういうことになっているわけです。
 逆に言うと、この条約は、これらの機関が同じ組織内にあってはならないということを要求しているものではないというふうに私は思います。
 原子力発電所の規制及び利用促進は通産省が担当していますが、政令で規制機関に当たる部局と原子力の開発及び利用に当たる部局とが明確に区分されていまして、その任務が効果的に分離されています。加えて、原子力安全委員会が行政庁の安全審査をダブルチェックする仕組みになっていて、現在でもそういう意味では我が国は条約の要求を満たしていると認識しているところであります。
 また、このことは、昨年四月に条約加盟国会合がありましたけれども、他国の御理解を得られているものと私どもは思います。
 省庁再編後は、原子力の安全確保を行う組織として法律上定められた原子力安全・保安院の設立によって規制と促進の分離が一層明確に位置づけられると考えております。
#243
○西山登紀子君 経済産業省の中で大臣が最終的には推進も規制も責任を持つという、そういう体制にむしろなってしまうという点について、私はやはり条約上の義務を履行することにならないのじゃないかと、この問題点については指摘をさせていただいて、次に移りたいと思います。
 本法案の立法の根拠になっております総合エネルギー調査会原子力部会中間報告というのは昨年三月に出されたものなわけですけれども、九月に起きたジェー・シー・オーの臨界事故が起こる前のものなんです。だから、したがって、臨界事故によって示された我が国の原子力の安全行政の問題点、これを改めるという問題意識がないままにまとめられたものでございますが、そこで大臣にお伺いしたいと思います。
 ジェー・シー・オーの臨界事故調査委員会の最終報告は、「原子力の「安全神話」や観念的な「絶対安全」という標語は捨てられなければならない。」というふうに述べているわけです。
   〔委員長退席、理事加藤紀文君着席〕
 安全神話、いろんなところで神話が問題になりますけれども、原子力の安全神話という場合は、原子力というのは安全なんだということで、むしろその安全神話の呪縛に行政の側も執行機関もみんななっちゃって、そして安全対策を怠ってしまう、これが安全神話の危険性でございます。
 そういう事故調査委員会の最終報告が述べているこういった指摘を今度のこの法案にはどのように反映をさせてこられたのか、お伺いをいたします。
#244
○国務大臣(深谷隆司君) 高レベル放射性廃棄物の最終処分は安全の確保が大前提でありまして、さきの報告書でもそのことが述べられていることはそのとおりでございます。
 このため、現在行われております原子力安全委員会における検討を踏まえて、この安全規制についてはできるだけ最新の知見を得ながら別の法律で定めていこうということを規定しているわけであります。
#245
○西山登紀子君 その点についてはまた後で議論をしたいと思いますが、法案の内容について伺っていきたいと思います。
 政府の高レベル放射性廃棄物の最終処分の方針というのは、俗に三点セットと言われているものですが、廃液をガラス固化する、二つ目は三十年から五十年中間貯蔵して冷却保管をして、最終的には深地層に埋める、こういう三段階で処理処分をしていくということなんです。
 それぞれの段階での安全性の確立について次に質問していきたいと思うわけですが、その前に、放射性廃棄物という、こういう廃棄物の中でも非常に特異なものでございます。この放射性廃棄物の処分の基本的な考え方、専門家の方はこういうふうに言っていらっしゃいます。「人類にたいして有害な放射性物質を人間の生活環境から隔離することにある。この隔離は処分の時点だけでなく、処分した固化体が変質して内容物が環境に流出し、処分地点から移動することがあっても、自然条件や社会的条件が変化しても、将来にわたって人類の生活圏に放射性物質が出現しない」、こういう隔離でなければならない、定義でございますけれども、そういうふうに基本的なお考えを述べていらっしゃるんです。私もこういう基本的な考えでなければならないというふうに思っております。
 そこで、お伺いいたしますけれども、法案の第二条第一項、特定放射性廃棄物について規定がございますが、これは「使用済燃料の再処理後に残存する物を固型化したもの」と定義がされております。この規定からいえば、必ずしもガラス固化したものに限定していないと解釈していいのかどうか、この点、通産省、お願いします。
#246
○政府参考人(河野博文君) この条文は、使用済み燃料を再処理した後、これ自体は液体でございますけれども、それをガラス固化体にしたものが念頭に置かれております。
#247
○西山登紀子君 それではこの固化、あえてガラス固化とは書いておりませんね。書いてないけれども、これはガラス固化なんだと読みかえるということですか。
#248
○政府参考人(河野博文君) この法案を策定いたしますに当たりまして、原子力委員会等の検討、そして総合エネルギー調査会におきます原子力部会の検討を経ましてこの法案を提出させていただくに至ったわけでございますけれども、そこで議論されてまいりましたことは、この再処理後に残存するものをガラス固化したものが念頭にあるということを申し上げているわけでございます。
#249
○西山登紀子君 非常に専門的な内容になるんですが、私も少し勉強させてもらいました。
 固化といえば、ガラス固化がすべてではありませんよね。固化というのには硼珪酸ガラスのほかに、セラミックあるいはシンロックというような合成岩石を使う方法もあると言われておりまして、一番安定度が高いのはシンロック、こんなふうにも言われています。しかし、加工がやや複雑で高レベル放射性廃棄物が相対的に少ない量しか入れられないというので費用が高くなるというようなことなんですが、もし政府が経済性を優先して、すぐれた材質がほかにあるのに使わないということでは、これは安全性を軽視したと言われかねないんですけれども、その辺のお考えはどうでしょうか。
#250
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 いろいろな固化処理の方法があるわけでございますけれども、我が国では高レベル放射性廃棄物の処理方法といたしまして、これまで日本原子力研究所におきまして、今先生御指摘のございましたシンロック、核種を構成鉱物内に固溶体として固定する人工鉱物、このようにお考えいただいたらよろしいかと思いますが、やセラミックの固化、これは核種を粉体の鉱物と混合いたしまして焼結させたものなどの研究が行われてきてございます。
 これまでの研究によりますと、シンロックはガラス固化体より核種の浸出率を低くし得るとされるわけでございますが、廃棄物を一たん酸化物にする必要がございますし、また固化の工程が複雑であるほか、元素の取り込みが選択的であるという問題もございます。また、そのほか、セラミックの固化の方法は、高レベル放射性廃棄物の分離・変換過程で生じます濃度の高いTRUの廃棄物を固化できるとされておりますけれども、廃棄物を一たん酸化物にする必要があり、固化の工程が複雑であることとされてございます。
 これに比べますと、ガラス固化体の特徴は、高レベル廃液に含まれます何十種類もの元素のほとんどを均一に固溶あるいは分散できるという特徴があること、また物理的、化学的安定性にすぐれていること、熱的な安定性とか浸出性に耐えられるとか、放射線の耐性がいいとか、そういうことでございますが、このほか一般産業での長い蓄積のある工業用のガラスの製造方法が応用できることの特徴がございます。
   〔理事加藤紀文君退席、委員長着席〕
 このような観点から、単にガラス固化体の技術的な特徴にかんがみまして、ガラス固化体によります高レベルの固化体が採用されてきているものでございます。
#251
○委員長(成瀬守重君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#252
○委員長(成瀬守重君) 速記を起こしてください。
 西山さん、引き続いて質問をお願いいたします。
#253
○西山登紀子君 極めて重要な法案の審議がこのような形で途中で中断するというのは大変残念なことだというふうに思います。
 質問を続けさせていただきます。
 それで、先ほど御答弁がありましたけれども、専門家の八木健三東北大学名誉教授の論文を少し勉強させていただきましたら、硼珪酸ガラスというのはそんなに安全じゃない、室内の条件下では安定しているんだけれども、製造方法も簡単ではあるんですけれども、高温になると再結晶作用が進んで、細かな割れ目ができて、水中の溶解度が高くなると、こういう点について非常に問題があるというような指摘もあるわけですね。私はこの是非をさらに続けようとは思いませんが、こういう意見もある中で、この法案がもう処分の仕方は固化なんだと。それもガラス固化なんだということで最終的な結論を出しているという点について、私はやはり問題を指摘しておきたいというふうに思うわけです。
 ほかに、じゃ、そういう放射性廃棄物の処分の方法がないかというと、そうではもちろんないわけですね。固化以外にもいろんな方法が検討されております。
 そこで、去年の第二回原子力政策円卓会議で、この委員会にも参考人で来ていただきました元原研の研究者であります市川富士夫先生が「高レベル放射性廃棄物処分について」という発言をされておりますが、私はやっぱりこの御発言は示唆に富んでいるものじゃないかというふうに思いました。
 たくさんの問題を指摘していらっしゃるわけですけれども、例えば、「高レベル放射性廃棄物の対象は再処理工程で分離される高レベル廃液の固化体を主とするが、今後の再処理見通しによっては使用済核燃料そのものを半永久的に保管せざるを得ない場合も考えられ、」るというようなことも御意見で述べていらっしゃるし、また、「ガラス固化を急ぐべきではなく、」という御意見を幾つかの中の一つとして述べていらっしゃるわけです。もちろん、「固化体としてガラス以外の材質についての検討が充分なされたとは言い難い」という御意見も言いながら、最後の四点目にこんな御意見を言っていらっしゃるわけです。「群分離、消滅処理などのオプションの研究開発は地層処分という政策課題に圧迫されて極めて不十分である。もし、群分離、消滅処理を行なうのならば、ガラス固化を急ぐべきではなく、再処理工程に群分離を組入れるシステムを開発すべきである」というふうにおっしゃっているわけです。原研でも消滅の研究をしておられますし、予算もつけていらっしゃる。
 また、いただきました核燃料サイクル開発機構のパンフレットの中にも、「高レベル放射性廃液に含まれる放射性物質を化学的な性質によって分離し、分離した放射性物質に原子炉や加速器を利用して中性子などを照射することにより半減期が短い、あるいは安定な物質に変換しようという研究が行われています。現在、この研究は基礎的な段階にありますが、もしこの方法が確立されれば、廃棄物の減量に寄与でき、環境への負荷の低減などの効果が期待されます。」というふうなここに説明もございます。
 ですから、私は、こういうふうな群分離や消滅処理という研究もやられてきたし、これからもやろうと言っている。ところが、ガラス固化という形に法律で決めてしまいますと、そういうことと矛盾してくるのではないでしょうか。利用する道を、研究する道を閉ざしてしまうことになりませんか。
#254
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生が御指摘になられました分離・変換技術、群分離・消滅処理技術と言っておりますが、この核種分離・消滅処理技術の問題につきましては、我が国におきましては原子力委員会においてこの技術の到達可能度あるいはどう研究開発を進めたらいいのかということについて検討を進めてきたところでございます。
 この三月に群分離・消滅処理についての原子力委員会としての考え方を取りまとめたところでございますが、ただいま先生御指摘のとおり、この技術自身は基礎的な段階にあるものであり、また、この技術では将来その技術が実用化したとしても、長寿命核種を一〇〇%分離・変換することは原理的、工学的に不可能であり、高レベル放射性廃棄物の地層処分についての必要性を変えるものではない、こういう見解を原子力委員会として出してございます。
 しかしながら、この分離・消滅処理技術は、特に日本の原子力界におきましても、特に若手の研究者の方々にとって、これまで用途のなかった溶液の中からきらきら輝く核種を現実の世界に持ち出すことのできる、そういう非常に期待度の高い技術でございまして、原子力に将来を託そうではないか、こういう若手の研究者の方を考えてみますと、やはりそれなりの投資をしていく価値のあるようなもの、このように考えている次第でございます。
 今、先生がおっしゃられました、この高レベルの廃棄物処分がガラス固化体を採用することによってこの核種分離・消滅処理技術の研究の道をふさぐことになるというふうなことに関しましては、全くそのようなことではなく、原子力委員会としましても、この研究開発を的確に進めていくことが必要である、このように考え方を打ち出しているところでございまして、これを踏まえまして、科技庁としてはこの具体的な研究を的確に進めていく、そういうふうな思いで今対応しようとしているところでございます。
#255
○西山登紀子君 もうガラス固化なんだと、それで地中に埋めてしまうんだということを法律で決めてしまいますと、そういう非常に意欲的に研究もしよう、将来の可能性も含めて一生懸命やってみようという、そういうふうな研究自体が私はやっぱり排除されていってしまうと思うんですよ。
 だから、数万年先のことを今議論しているわけですけれども、科学の進歩なんというものは本当に今から限定をするということはそれこそおかしなことでありまして、科学の進歩をもっともっとこういう分野にも利用していくという道をやっぱりちゃんとあけるべきであって閉ざすべきではない。それも法律で一つのことに閉ざしてしまうと。それで、ガラス固化とは書いてないけれども、固化と書いてあるんだけれども、これはガラス固化なんだというふうにむしろまた限定をしてしまう。こういうことでは本当に科学の進歩に私は逆行してしまうんじゃないかというふうに思うわけです。
 先ほどトイレなきマンションと言われた原発にトイレができて安心だというふうなお話がありましたけれども、私はそうではないと思います。言葉はあれですけれども、このトイレというのは、人類の数万年先まで保障のないトイレを先送りするということじゃないかと思うんです。これこそ私は安全神話そのものだというふうに思います。この法律をつくったからといって、トイレができたんだ、だからどんどんつくってもいいんだというようなことはとんでもないことだ、それこそ逆立ちしたことだというふうに思います。
 ではどうしようというんだというふうな御意見をお持ちになると思いますけれども、私たちはやっぱり原発をどんどんつくっていくということについては反対でございます。順次減らしていく。そして、再処理技術そのものが未完成な段階ですから、そういうものは進めるべきではない。ましてガラス固化に限定すべきではありませんし、使用済み核燃料というのは当面原発のサイトの中に安全に保管をして、現役世代の責任において安全な処理技術を確立する努力を全力を挙げてやるべきだ、こういうふうに思っているわけでございます。
 次に、三十年から五十年中間貯蔵して冷却するというその期間中のガラス固化体の健全性と安全性も心配なのでお聞きしておきたいと思いますけれども、このガラス固化体の製造技術、既存の技術で可能なようなんですけれども、三十年から五十年、中間貯蔵自体が強い放射能、影響を受けておりますが、この健全性と安全性に問題はないんでしょうか。
#256
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ガラス固化体の製造の問題と中間貯蔵時の健全性の問題、このほか今先生からお話はまだ出てございませんが、最終処分に当たっての安全性の問題があろうかと思いますが、今先生の方から貯蔵時の安全性の問題、こういうふうな観点で御指摘がございました。
 その中間貯蔵時におきましては、ガラス固化体の機械的な強度とか、あるいは熱的な安全性とか、あるいは化学的な健全性について模擬試験の結果などを用いましていろいろと評価もしてきてございますが、三十年から五十年の間空気冷却によってガラス固化体の健全性が確保できることが確認されてございます。
 実は、例えばガラス固化体を青森県の六ケ所村の方において三十年から五十年にわたって中間貯蔵を行ったり、あるいは東海村の核燃料サイクル開発機構において、再処理工場で出てきました高レベル廃棄物を固化体に処理をして現在貯蔵もしているわけでございますが、これらは基本的には大気循環、あるいは湿気を防ぐとか、そういう措置を講じたりすることもございますけれども、ガラス固化体が少なくとも、先ほど先生がお話しになられました八木先生でございますか、室内の高温あるいは水中溶解度というふうな問題もございましたが、そういうガラス固化体の表面に影響を与えるような状態がこの中間貯蔵時の状態において起こらないような環境を確保して、三十年から五十年空気冷却のもとでその健全性を確保することは十分できる、このように考えてございます。
 また、ガラス固化体の製造時においてはもう既に、先ほどいろいろな手法がある中でこのガラス固化体をと申し上げましたが、ガラス固化体の物理・化学特性の評価であるとか、あるいは高レベル放射性廃棄物による高線量の放射線とか発熱に耐して、このガラス固化体が極めて健全な結果を示しているというふうなことで、その製造時も何ら問題がない、このように客観的に見られているものと考えてございます。
#257
○西山登紀子君 ガラス固化体は国内でつくられるものとフランスやイギリスから返還されたもの、両方ありますね。フランスのものは、東京電力の事業所外廃棄確認申請書に添付されている強度や放射性物質の閉じ込めなどに関する説明を見ると、フランスの規格で確認したことになっているんですよ、フランスの規格。
 ガラス固化体の製造時はともかくとして、我が国で貯蔵するに当たってその健全性や安全性に問題がないのかということを一つはお伺いしたいということと、それから、三十年から五十年の長期間にわたる貯蔵、しかもたくさん一緒に貯蔵する。これは国内でつくられたものも含めて実証はされているんでしょうか。先ほどモデル試験とおっしゃったわけですけれども、実証されているんですか。この二つの点、確認をしておきたいと思います。
#258
○政府参考人(興直孝君) まず、高レベルの固化体の長期間貯蔵についての実証性の問題でございますが、本邦、我が国において高レベル固化体の長期間の貯蔵の事例ということでは、現在、東海村の再処理工場にございます旧動燃事業団が製造しました固化体がございます。これは平成八年三月に再処理工場の火災爆発事故が起こるまでの間、トータル、全体で六十二体の固化体を製造してございますが、これがサイクル開発機構の中に貯蔵されてございます。また、青森県の六ケ所村の方に、先ほど先生御指摘になられましたヨーロッパの方から移送されてまいりました返還固化体がございますが、最初に我が国に到着いたしましたのは平成七年四月でございます。
 現在、国内における実績では、その間の貯蔵がされておりますけれども、基本的には諸外国で固化体は既に製造されて長期にわたって貯蔵されている実績があるということ。と同時に、先ほどお話がございましたが、シナリオをつくり、その数値モデルをつくって具体的なデータを入れて解析をしてくる、そういう間接的な実証研究も既にいろいろと行われてございます。これらの知見があるということも同時にあわせて御報告を申し上げたいと思います。
#259
○西山登紀子君 先ほど言った、フランスから返還されたものを我が国で貯蔵するに当たって問題はないか、それは確認をしたんでしょうか。もし検証しているんだったらデータを出せますか。
#260
○政府参考人(興直孝君) 私は科技庁の原子力局長でございまして、本件は原子力安全局が担当してございますが、先ほど先生お話しになられました安全条約等の観点で、規制と推進が一体であるのはおかしいじゃないか、こういう点いろいろとあろうかと思いますが、原子力局の方は基本的にはこういう問題も含めて、安全の確保を含めた上で原子力の推進を図るべきだ、こう思いますので、規制庁の方で行われております問題について、廃棄物管理施設について事業許可の段階において厳正な安全審査をまず行うことになってございまして、詳細設計あるいは建設及び操業の各段階において、設計・工事方法の認可、あるいは使用前の検査、定期検査などを行うことによってその安全性が確認されてございます。
 また、個々のガラス固化体の受け入れに当たりましては、法令に基づき、その健全性を一本ごとに確認をして施設の中に受け入れてございます。また、受け入れるに当たりましては、ヨーロッパに職員を派遣し、かつまた受け入れ地において確認をしているところでございます。
#261
○西山登紀子君 データはじゃ出せますか。
#262
○政府参考人(興直孝君) 原子炉等規制法に基づきます外廃棄申請書がございますが、これの添付資料として既に公開されている情報としてございます。
#263
○西山登紀子君 では、後で私のところに届けてください。
 もちろん、いろんなモデルとか解析をやっていらっしゃるわけですけれども、高い放射能を含んだガラス固化体が実際五十年にわたってどうなるのか、健全性、安全性が本当にどうなるのかということについては実証されてはいないということですよね。
 次に、三十年から五十年というこの中間貯蔵の期間なんですけれども、一九八二年に出されました国際学術連合、ICSUの高レベル放射性廃棄物の処分問題を検討する委員会、これは委員長の名前をとってハリソン委員会というふうに言われているわけですけれども、この報告は、百年程度の中間貯蔵が望ましい、そうした努力をするようにと勧告しているのに、なぜ日本は三十年から五十年に短縮したんでしょうか。
#264
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 その前に、まず実証性の問題でございますが、先ほど私申し上げましたが、原子力の問題につきましては、高レベルの廃棄物の地層処分も同様でございますが、間接的に実証するという手法をるるいろいろと採用してきているものがございます。今回、長期間にわたる、三十年、五十年の貯蔵の問題は、そういうふうな形で間接的実証がなされているものと考えてございます。
 今、先生の方でお話しになられましたハリソン報告書で、百年間にわたって冷却期間を設けるべきではないかとの御指摘でございますが、これは勧告が行われました際に、確かに固化した放射性固体廃棄物を百年にわたる期間安全に保存するための努力がさらに必要であると。その理由として、固体廃棄物の熱量は時とともに急激に減少するから、処分材質への熱の影響を減少させることにより、処分に要する地下の空間を減少することが可能となる。いかなる場合にも現在のデータは施設の最適な選択には適当でないなど、こういういろいろな指摘がされてございます。
 高レベルの固化体廃棄物は、その放射能が高く、ガラス固化体の中の放射性物質の崩壊により発熱をするわけでございまして、地層処分を行う前段階において冷却のために長期間保存、貯蔵することが求められ、我が国の場合、これが三十年から五十年というふうな形になってございます。
 これまでの研究開発の結果、ガラス固化体の発熱量は、製造直後は一本当たり平均約二キロワット程度でございますけれども、三十年から五十年後にはその三分の一の六百ワットから五分の一の四百ワットに減少し、ガラス固化体は地層処分が可能な温度になることが示されてございます。さらに冷却を続けても百年後には約十分の一の二百ワット程度になるにとどまるものでございまして、初期の五十年に比べまして大きな温度低下が期待できない状況でございます。このような状況から、ハリソン報告に示されておりますような百年間冷却する必要性が必ずしもない、このように考えている次第でございます。
 なお、サイクル機構の二次取りまとめにおきましては、ガラス固化後五十年の冷却期間を経た後に処分することを想定し、安全評価を行っておりますが、これによって処分場が安全に設計できることも示されてございます。
#265
○西山登紀子君 ガラス固化の性質そのものについても八木先生が、硼珪酸ガラスというのは高温になると再結晶作用が進んで、細かな割れ目ができて、水中の溶解度が高くなる、こういう指摘もありますし、また御専門の方が、これは同じ、先ほどの市川先生は、ガラスというのは大量の放射性物質を含んで、やっぱりいろいろ細かなところが別の元素に変わる、ガラスの微細構造が変化する、こういう変化もあるんであって、だからハリソン報告では、百年中間貯蔵で努力をしなさい、その経過を見るべきだというふうに御専門の立場から勧告をしているんですね。
 それを、今の御説明を聞くと、表面温度が余り効果的に百年置いても下がらないようだから五十年でいいやというふうな感じで、できるだけ短くしている、省略している、こういう非常に安易な態度でいいのかなと思うんですね。だから、私は、それが本当に日本の根強い安全神話というか、もうこのぐらいでいいやというふうになっているところに、慎重に慎重にしなきゃいけない問題についてどうしてこう簡単に結論を急ぐのか。
 高レベル放射性廃棄物だって全部もう固化だと法律で決めちゃう。それもガラス固化だというふうに限定をしてしまう。埋める場合にも百年きちっと見なさいと言っているのに、いや、もう五十年でいいんだと打ち切っちゃう。しかも、じゃ実証的な安全性は確認されているのかと聞いたら、いや、モデルなんだ、シミュレーションなんだと、こういうことでしょう。
 ですから、私、やっぱり本当に皆さんが責任持っておやりになろうとしていることが、先ほど最初に私がこの高レベル放射性廃棄物の処分の基本的な考え方というところで考え方を紹介しましたけれども、人類に対する非常に有害な物質をつくってしまった、それをやっぱり責任持ってきちっとしなきゃいけないという、その責任感が私は大変薄いんじゃないかというふうに思うんですね。
 ちょっと先ほどのいろんなトラブルがあって時間があれになってしまったので、最後の質問で大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、やっぱりこの安全、どの段階にしても、日本の原子力行政の場合は、私は、安全対策というのがやっぱり二の次、三の次、安全神話に随分侵されてきた。そういうものですから、この法律もやっぱりそれが十分切りかわらないで出されてきているという感じは否めません。
 安全神話をいろいろな形で振りまいているという点で、私は一つ問題提起したいんですけれども、今、この核燃料サイクル開発機構、これ三部作になっているんですよ、大臣。これは「未来への選択 なぜ地層処分か」というビデオなんですけれども、三部作になっていて、各委員の方々にも届けられていると思います。(資料を示す)
 私、これをちょっと見せてもらったんですけれども、まず驚いたことに、ここに黒いガラス固化体があって、これはキャニスターという。ほぼ、立っている人よりも、このぐらいの背なんだという場面なんです、これ。立っている人がこうやって、私の背よりもこれぐらいですよという場面なんです。
 これは、実は一九八四年に旧動燃のパンフレットで、女性が同じようなキャニスターのそばに立っている写真をPRのパンフレットに載せたということで、四十万キュリーのキャニスターのそばににこにこ笑っているこの女性は数分間で被曝して死亡するという厳しい批判を受けて、動燃はその写真を撤回したというお話も聞いているんです。
 でも、そういう考え方というのは消えてなくて、ビデオを私が見せていただいたら、いきなりこのガラス固化体のそばに男性のそれこそキャスターが立っているんです、キャニスターの横に。こういう危険なものの、これは安全性を誇張しているのかどうかと思いますけれども、こういうそれこそガラスの安全性を言う場合にでも、遺跡の中からガラスが出てくるから安全だみたいな、そういうおよそ科学にたえられないような安全神話を振りまくようなPRはおやめになったらどうかと思うんです。
 大臣、ぜひこれ、ビデオをごらんになっていなかったら見ていただいて、御意見を次の機会に聞かせていただきたいと思います。それをお聞きして、もう御答弁はいいですから、質問を終わらせていただきます。
#266
○梶原敬義君 時間の関係で、私は、非常に関連するプルサーマル計画、この問題点やMOX燃料の安全性の問題、あるいは使用済みMOX燃料の処理処分、これらのことにつきましては後日に回したいと思います。きょうは基本的なことを伺ってまいりたいと思います。
 ちょっとその前に、大臣、五月十八日の新聞に「太陽光発電住宅に設置 補助二〇〇二年度で終了」という記事が載ったんです。今、国会でも議論されまして、エネ庁の皆さんも太陽光に力を入れよう、風力発電にも力を入れよう、新エネに力を入れようと言っているときにどうしてこういうような形になるのか。どうも読んだ瞬間に、いろいろな理屈はあるようですが、非常に不可解で信頼ができない。大体、通産省・エネ庁は何考えているのかわからぬ。この記事によりますと、「同庁は十七日の総合エネルギー調査会新エネルギー部会で、再延長する考えのないことを強調した。」、こういうことまで載っておるんですが、この点はいかがなものですか。
#267
○政府参考人(河野博文君) 新エネルギーの導入、これはもちろん太陽光発電なども含むわけでございますけれども、この促進に当たりまして経済性の向上が非常に重要だということはたびたび申し上げていることでございます。
 その観点から、新エネ財団を通じまして御指摘のような補助事業を実施してきております。これが初期需要の創出を図るという意味で有効に機能しているというふうに思っているところでございます。
#268
○梶原敬義君 ちょっと、よく聞こえにくいんだけれども。
#269
○政府参考人(河野博文君) 新エネ財団を通じての住宅用太陽光発電システムの補助事業についての設置者の負担軽減の補助システムは有効に機能しているというふうに考えているところでございます。
 ただ、こういった事業は、最終的には助成措置を必要としないような水準までシステム価格を引き下げて市場化されるということをねらいとしてやっていることもまた御理解をいただきたいと思います。
 そして、そういう観点からは、メーカーに対してコストダウンの時間的な目標を十分意識してもらう、また、価格引き下げ努力を引き出すというためにも、支援期間を一定期間に区切って終期を設定しておりますいわゆるサンセット方式ということでございまして、平成九年度に開始しました現在の仕組みでございますけれども、当初は終期を平成十二年度末というふうに設定をしていたところでございます。しかし、今般、平成十四年度末まで既に一回の延長を見ております。
 今後、この補助事業のあり方を含めて、新エネルギーの導入促進策については、先ほど御紹介ありました総合エネルギー調査会の新エネ部会あるいは総合部会、こういった場で政策のあり方を検討してまいるわけでございますので、延長の可能性を全く否定しているということではございません。
#270
○梶原敬義君 やはり、今大変な不況なときに、住宅建設やあるいは民需の伸びというものが経済的にも非常に期待されておるときでしょう。こういうときに、メーカーも一生懸命やろうとしている、あるいは販売店も太陽光発電というのは、これは将来希望があると、そしてまた一般の家庭は、この際もうちょっと安くなればつけようかと、こう言っている、そういう希望のあるときに、いかなる理由があるにしても、これはコストをメーカーに下げさせるためにこう言ったというのは、これは詭弁でありまして、そんなことを言わなくても指導ができるわけですから、私たちもメーカーの皆さんに新エネルギー研究議員連盟のところに来てもらって、いろいろ皆さん一生懸命何とかコストを下げようとして努力しているんです。これは理由にならぬと思うんだ。エネ庁の姿勢は変わったんですか。
#271
○政府参考人(河野博文君) 新エネルギーの導入を促進したいという熱意において、何ら変わるところはございません。ただ、制度を運用いたしております立場から、悩ましいことを正直に申し上げますと、いつまでも補助が続くということであってはコストダウンの意欲はそがれるという側面もまたどうしても見逃せないところがございます。
 そういう意味で補助制度そのものはサンセット方式ということでいたしておりますけれども、そもそも新エネルギーの導入促進策について新エネ部会あるいは総合部会で検討させていただいておりますので、その結論を待つことなく突如制度がなくなってしまうということもまた考えにくいというふうに考えております。
#272
○梶原敬義君 もうこれは議論しまいと思ったけれども、強弁するから言いますけれども、助成措置があれば価格が安くならないというのはどういう根拠ですか。
#273
○政府参考人(河野博文君) 一定の助成措置が恒久的であるということになりますと、どうしてもその期待感の方が高まってしまうという側面もまたどうしても事実としてあるように思われます。
 ただ、先ほど来申し上げておりますように、その補助制度の変更も含めてさらに今後検討していくというのが私どもの考え方でございます。
#274
○梶原敬義君 ああ言えばこう言いますが、これは素直に、やっぱり今はそういう時期ではないということは、長官、考えてもらわないと、理屈でここで済ませるような問題じゃないと思う。
 次に移ります。
#275
○国務大臣(深谷隆司君) 今、梶原委員のお話を聞きながら、むしろ委員の言われることはごもっともだと思います。せっかく二〇〇〇年を二〇〇二年まで延ばすことに決めたならば、二〇〇二年になる前に、これ以上は延ばしませんよと言うことは不必要なことであります。二年間延ばして、メーカーの皆さんも頑張って、この太陽エネルギーというものが有効に伸びていくように我々はしっかり見守り支えていくという姿勢でなければならぬと思っていまして、そのように職員を指導したいと思います。
#276
○梶原敬義君 いや、もうすっと納得しました。
 次に、本論に入りますが、高レベル廃棄物の処分の国際的な状況を、これをあらましでいいですが、先進諸国をひっくるめまして少し述べていただきたい。
 その場合に、国のかかわり、これちょっと質問通告なかったかもわからない、もう前の人がずっと自分の用意したのをやられましたものですから。ちょっと国際比較について、特に国のかかわりです。日本は認可法人でいくということですが、他国の例はどうなのかということです。
#277
○政府参考人(河野博文君) 例えば、米国の実情を御紹介させていただきますと、エネルギー省民間放射性廃棄物管理局が民間の放射性廃棄物の、この高レベル問題も含めて対応をいたしております。したがって、エネルギー省自身でございます。それから、フィンランド、スウェーデンの例でございますけれども、これは電力会社が出資いたしました会社、民間の株式会社といいますか、企業が担当いたしております。フランスの場合には、放射性廃棄物管理庁という、公社的な組織と理解しておりますけれども、そういう組織が担当いたしておりまして、ドイツの場合には、連邦放射線防護庁が建設、操業について責任を持ちますけれども、実際上の処分場建設、操業等は会社に委託をするというような形で、区々でございます。
#278
○梶原敬義君 申し上げたいのは、やはりこれは議論がありましたように、非常に国民の将来というか、国の将来、ずっと長い話でありまして。日本の場合は認可法人でいく。確かに政府が、通産省が基本方針を出して、基本計画をつくって、それに基づいてやってもらうということなんですが、アメリカにしてもフランスにしてもドイツにしても、国のかかわりというのが前面に出ているわけです。
 そういう点では、私はこの考え方というのは、我が国は口では言うけれども責任は国はとらぬという、どっちかというと腰の引けた内容になっているような気がします。この何でも民間というのは、それはわかるんです。今もう民間にやらせる、そういう流れはわかりますが、こんな大事な問題については、やはり国が腰を引けているというのは納得できない。その点はいかがですか。
#279
○政府参考人(河野博文君) この法案を作成するにいたしまして背景となりました原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会におきます検討の一部を御紹介させていただきますと、処分実施主体のあり方としては、発生者責任の原則にかんがみて民間を主体とした事業とするが、国は実施主体の活動を監督し、立地活動を含めたサイト選定のプロセスの中で適切な役割を果たすべきということで、国の役割を示していただいております。
 こうした考え方に基づきまして、国ではこの処分の基本方針をまず定めます。これも政府一体となって定める。また、さまざまな手続を規定しております。そして、処分計画についてもこれは国が定めることにいたしておりまして、実施計画を機構が定め、それをまた受けるという形でさらに処分地の選定等、三段階において選定していくプロセスも国が計画の改定という形で織り込んでいくということにしているところでございます。
 また、安全規制につきましては、当然のことながら、別の法律で定めることになりますけれども、国が全面的な責任を負うということでございます。さらに、不測の事態が生じた場合には、別に定める法律で最終的な新たな対応策を決定するまでの間、国が責任を持って管理をするというような形で国の責任を果たしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#280
○梶原敬義君 中身の話は結局懇談会の指摘が出発点になっておる。しかし、この懇談会における原案というのは、エネ庁、通産省の方である程度書いて、そして議論する。出発点はそこから行っているんじゃないですか。
#281
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 この原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会に関しましては、事務局を原子力局の方でとり行ってきてございまして、各界の専門家の方々の御見識、また御意見、そういうものによってこの懇談会の報告書がつくられてございます。特にこの懇談会は、高レベル廃棄物問題が社会的に受け入れられるにはどうしたらいいんだろうかというふうな観点から議論が進められたところでございまして、これまで原子力について極めて否定的と申しましょうか、厳しい御意見をお持ちの方も積極的にこのメンバーの中に入っていただいたところでございます。さらに加えまして、すべて公開のもとにおける議論を行ってきたものでございまして、今の先生の御指摘になるような状況ではなかったものと、このように考えてございます。
#282
○梶原敬義君 原子力局長が担当ですか、このまとめ役というのは。
#283
○政府参考人(興直孝君) 科学技術庁の原子力局は、原子力委員会の事務局というふうな形で担当をしてございます。この懇談会は、あくまで懇談会構成の座長さん、座長以下委員の先生方のイニシアチブのもとでこの懇談会が取り進められたものでございまして、私どもはその下で事務局を担当してきたものでございます。
#284
○梶原敬義君 この懇談会のメンバーの選び方には国会はかかわっておりますか、おりませんか。
#285
○政府参考人(興直孝君) 私、実はこの懇談会が発足いたしましたとき、当時原子力局の担当の審議官をしてございまして、この懇談会をスタートするに当たっては各界の有識者から成る御意見を……
#286
○梶原敬義君 だから、国会がかかわっているかおらないかです。
#287
○政府参考人(興直孝君) 国会でございますか。済みません。国会にはかかってございません。
 しかしながら、原子力委員会の委員が国会同意人事によるものでございます。
#288
○梶原敬義君 では、伺いますけれども、なぜ認可法人なのか。特殊法人とか、一番国の責任に近い形の法人システムもあり得るわけでして、その点はいかがですか。
#289
○政府参考人(河野博文君) 先ほど来御紹介させていただいておりますこの原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会におきまして、民間を主体とした事業とするが国はしかるべき責任を負うという、割愛させていただきましたけれども、民間を主体とした事業とするということで、この組織の設立そのものは民間の主体的な設立にかからしめるということでございまして、しかし、十分な監督をいたすという意味で法律に定めたさまざまな監督をいたす、そういう意味での認可法人ということにしたわけでございます。
#290
○梶原敬義君 私の希望的意見を申しますと、これはやっぱりアメリカやフランスやドイツにしても、非常に重要な問題だから国会が非常に前に出ておる。日本の場合は後退している。この点については、だれがどう言おうとその差というのは私は認めるべきだ。認めないと、これは問題点として指摘をしておきたいと思います。
 次に、この処分費用の問題ですが、何かどういう計算をされたのか、よく中身を理解しにくいんですが、キロワット当たり十四銭になっていますね。この根拠がいいのか悪いのかという議論がいっぱいあるんです。私どもも、この計算というのは、一回精査をしてみないとなかなか理解できないところがあるんですが、それはそれとして、十四銭の妥当性については、できれば計算方式、よくわかりやすいような資料をいただきたいと思います。
 それから、世代間の平等、公平というか、そういうことが強調されておりますが、仮にこういう議論もあるわけでしょう。もう一切原子力発電をどこかの世代でやめた、あと二、三十年してやめたというと、その世代から以降、その近辺の世代には物すごいコストの負担というか、処理にかかわる、もう発電をやめて金取れないんですから、これは大変国にもかかってくる話でありますから、その点もちょっと矛盾をしているなと、こう思いました。
 それから、よくここで議論しております電力の自由化ですね。今、Aという企業が発電をして、そして電力会社の配線を借りて今度はBという企業に、小売制度ができましたよね。それは石炭あるいは重油の発電、ガス発電とかそういうものですが、これには、こういう形の消費者については負担がゼロなんですよね。ここら辺も非常に矛盾していると。これはよく指摘をされていることですが、この点の考え方について伺います。
#291
○政務次官(細田博之君) その問題は衆議院でも御指摘を受け、また附帯決議等でも付されておりますが、なかなか全体をうまく統一する考え方がとりにくいというのが実態でございます。つまり、これは一種の税金みたいな賦課金でございますから、したがいまして原子力発電に起因するものにできるだけ賦課したいという要請が片方はございます。
 その中で、ということは、例えば沖縄のように原子力発電のないところの企業でも電力を使う以上は同じじゃないかといって取る考え方もあり得るとは思いますけれども、およそ電力を使用している人は。しかし、それは取らないようにしようと。原子力に起因するもの。それでは、その間隙を縫っていわゆる小売自由化によりまして電力を原子力発電でないものから買うようにする。今までは原子力発電が一部入っておった、三五%とか四〇%とか入っていた大手電力会社から買っておったけれども、小売業者から買ったときにはいわばこの中から逃げるのではないかと。しかも、大手の製鉄メーカーとか機械メーカーとか、大企業がそういうところをもし逃げれば、今までは原発を使っていながらこの負担を逃げるのではないかという御議論は確かにございます。
 しかし、実際は、このような小売の自由化に伴います電力の調達というのは、今のところではそれほど大きくないのではないかとも予想されますし、これからの実態を見た上で、先生がおっしゃいますような大きな不公平が生ずるようなことがあれば見直しましょうと。しかし、そうでなくて、大口の需要家は原則として従来どおり大手電力から大宗を買うということであれば、考え方として原発で発電された電力を買っていることに着目した方が、税の理屈、税といいますかこういう賦課の理屈としては公平性がよりあるのではないかと思っております。
#292
○梶原敬義君 お話しいただいたことはわかりますが、この委員会で電力の小売の法案の審議もして、そのときの雰囲気では、そんなにふえぬのではないかというようなことはなかった。やっぱり進めていこうということでね。
 それで、十四銭を前提にした場合に、一年間平均して一般家庭の消費電力というのは大体どのくらいの計算になるんですかね。何かやればわかるんですか。
#293
○政府参考人(河野博文君) 標準家庭の計算根拠といたしましては、月二百八十キロワットアワーの使用ということでございます。
#294
○梶原敬義君 いや、年間どのくらいの負担になりますか、十四銭を前提にしていくと。
#295
○政府参考人(河野博文君) 概算で百六十八円ということになります。概算で標準家庭におきまして年間百六十八円という計算になります。
#296
○梶原敬義君 それのまた根拠をちょっと後で教えてください。後でこっちで計算してみます。
 それから、次に地層処分について、我が国の東濃あたりでこの研究をしておられるようでありますが、一つは、東濃のサイクル機構地科学センターでの成果というのが今度の法案の提出根拠に具体的になっているのか、あるいは先進ヨーロッパ諸国の例というものを参考にしているのか、その辺のことがなかなかわかりにくい。一体、東濃の地層の中で、水の流れとか何かそういうものの研究の成果等も出た上での話なのかどうなのか。
#297
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生おっしゃられましたサイクル開発機構の東濃地区にございます東濃地科学センターは、昭和六十一年の四月に旧動燃事業団の中部事業所が発足したときにこのような地層科学研究を進めたところでございます。特に、最近、平成六年の七月に東濃地科学センターに改称されて地層科学に対する抜本的な取り組みを進めてきたところでございまして、特に高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の基盤となる地層科学研究を行っておりまして、地質環境特性に関する研究、地質環境の長期安定性に関する研究、調査技術・機器の開発の三つの研究を中心に行っています。
 最初の地質環境特性に関する研究といたしまして、東濃鉱山の坑道を利用しまして、ウランなどの物質の岩盤中の挙動について研究を行い、ボーリング調査により広域にわたる地下水の流れや性質を調査して研究成果を上げております。
 また、地質環境の長期安定性に関する研究といたしまして、地質環境の安定性に関する火山活動、地震・断層運動、隆起・沈降運動などの特徴、影響の程度を明らかにし、また大学、国立研究機関等の協力を得ながら、各種の地質環境が将来どのように変化するのかを予測する手法の開発を行っています。
 さらに、三番目の調査技術・機器の開発といたしまして、地表から地下深部までの地質環境を明らかにするため、各種の、例えばボーリングによって地下水の動きや性質などを測定するための機器、地下水を採取するための調査機器の開発、また超音波等を利用して地表から地下の構造を把握するための調査技術の開発などを行っていまして、これらの成果は今回の二〇〇〇年レポートの中にも反映されてございます。
 と同時に、諸外国におきます知見もこの二〇〇〇年レポートの中に取り入れさせていただいているところでございます。
#298
○梶原敬義君 東濃の今言われました研究の成果というものは、これは国会並びに国民に開示をされているんでしょうか。
#299
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 サイクル開発機構の研究成果は、サイクル開発機構の報告書で、正式な名前は忘れましたが、技報であるとかそういうふうな形で公開されてございます。と同時に、特に東濃地区のこの地科学センターは、先ほど私の方から御説明申し上げましたが、広く国民の方々にこの活動を知っていただくことが重要である、こういう観点から、平成六年にこういう東濃地科学センターに改称されまして以降、一般市民の方々がその地底に入っていただいて、地層科学研究は何であるかというのを現場で見ていただくような努力も積極的にやってございます。
#300
○梶原敬義君 こういうものは、地層を科学するとか深地層における研究とかこういうののことを言っておられるんじゃないでしょうかね。これ私読んでみましたけれども、何のことはない、さっぱりそういう、なるほど水の流れがどうだこうだというような非常に切迫感のあるような説明になっていないんですよね。
 それで、やっぱり地域の人たちはなかなか皆さんの、核燃料サイクル機構のそれがどこまで公開しているかという問題との絡みもあるんでしょうが、非常に千数百本のボーリングまたはヘリコプターによる空中物理探査、地上物理探査等大がかりに行われておりますので、既に地元の人は、これは研究にとどまらず、この法律で言う概要調査に当たるようなことをやっているのではないか、こういう心配をしているんです。それもやっぱり、そうじゃないとしても、ないならないように、やはり地域の皆さんにもその研究の成果なりそしてこの範囲だというのもしっかりと知らせる必要があるだろう、このように思いますが、いかがですか。
#301
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 東濃地区の地科学センターに千メートル級の超深地層の研究所を構想いたしまして、地元の方々に御説明を申し上げた上で、平成七年の十二月二十八日、当時の動燃事業団と岐阜県並びに瑞浪市等との間でこの受け入れの関係の協定が整ったところでございますが、この協定におきましても、旧動燃の活動が広く一般の方々にも十分明らかになることが必要なことである、こういう形になったところでございます。
 特に、一千メートル級の深井戸を掘る、またそういう深井戸におきます科学的な研究と申しますのは、単にこういう地層科学研究を越えまして非常に多くの科学的な探求心をあおるものでございまして、岐阜県並びに瑞浪市、土岐市ではこれらを積極的に、例えば地震活動における科学研究であるとか、その他の活動にも活用させていただきたいと、このようになってございまして、この利用の委員会は瑞浪市長を議長として会合がつくられているところでございます。
 今、先生のお話しになられました地元の方々との問題につきましては、そういう状況でスタートしたところでございますが、地元の方々の御理解が十分得られる状況にないところもございまして、なかなか計画が十分進んでおりません。科学技術庁といたしましては、サイクル開発機構ともどもこの事業の重要性にかんがみまして積極的に地元の方々の御理解が得られますよう努力してまいりたいと思っている次第でございます。
#302
○梶原敬義君 瑞浪市の市長さんは、二十五日に本委員会においでになって参考人として御意見を承るようにしております。その際にいろいろお聞きしたいんですが、要するにいろんな地震とか何かの研究はそれはいいんですけれども、やっぱり地域の人が心配しているのは、ここに高レベル廃棄物の本格的な処理場を建設する取っかかりじゃないかと、なし崩されるんではないか、こういう心配があるわけですから、先ほど同僚議員の質問の中ではもうそれは大体、地域の知事さんが賛成しないものはやらないということを声明されておりますからもうそれを信用するしかないんですが、それはそういうことでいいんですね。
#303
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生のお話しになられました地元の憂慮するところは、この東濃の地区が高レベル廃棄物の処分場になる懸念があるのではないかというふうなことが周りの一般の方々のお気持ちでございます。瑞浪の市長さんを初め、土岐の市長さん並びに県知事もこの点は憂慮されてございまして、当時この問題が整うに当たりました協定書におきましても、事業団は研究所について放射性廃棄物を持ち込むことや使用することは一切しないし、将来においても放射性廃棄物の処分場とはしないとの合意取り決めをしているところであり、かつまた科学技術庁長官は岐阜県知事に先ほど来のお約束をしたところでございます。こういう状況のもとで地元の御理解を得るような努力を今しているところでございます。
#304
○梶原敬義君 時間がなくなりましたが、最後に一つ、きょうの朝日新聞によりますと、大きな見出しで「悩みは「核のゴミ」 高レベル放射性廃棄物地層処分計画」、「フランス 候補地漏れ反対に火 意見聴取、余儀なくネットで」、こういうことが出ておりまして、そしてその隣に仏放射性廃棄物管理機構のイブ・ルバルス総裁がこの会見で物を言っております。
 幾つか参考になるところがありますが、一つだけ申しますと、フランスにおける今後の見通しについてはこう言っているんですね。「廃棄物を地下に埋めてしまうというのではない。あくまでも地下貯蔵であり、常に監視し、取り出すことができるのだ。もちろん、地下研究施設が将来の地層処分の貯蔵施設になる」、こう言っているんですね。違いは、本法案の場合は埋めてもう回収しない、フランスのイブ・ルバルス総裁の考えは管理をするんだと。これは一体どう読めばいいんですか。
#305
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 フランスにおきます高レベル放射性廃棄物処分対策は、一九九一年に制定されました放射性廃棄物管理研究法に基づき取り進められてございます。ガラス固化体の地層処分を主なオプションとするものの、分離・変換技術、長期貯蔵をも含めました三つの分野について研究開発を行い、二〇〇六年までに研究の成果を総括評価し、最終的な管理方法を決定することになっているものでございます。
 この法律に基づきまして、一九九二年フランス放射性廃棄物管理庁、ANDRAが設けられ、廃棄物発生者からの出資を受け、ガラス固化体及び使用済み燃料の処分に関する研究開発が進められてございます。一九九八年には、ミューズ県のビュールの粘土層に地下研究施設候補地を決定し、さらに花崗岩層のサイトを調査することになっております。
 花崗岩サイトにつきましては、十五カ所の地域の中からことし六月選定委員会が適地を報告する予定であると聞いてございます。
#306
○梶原敬義君 長々と答弁されてありがたいんですが、時間がないんです。
 聞いておるのは、違いを聞いているんです。フランスは管理、いざというときは取り出せるように。日本の今度の法律は、もう密閉しまして永久処理。その違いをどう読めばいいんですかと言っているんです。
#307
○委員長(成瀬守重君) もう時間ですから、簡単に答えてください。
#308
○政府参考人(興直孝君) フランスは三つの手法、地層処分を主なオプションとするものの、先生がおっしゃられる長期貯蔵、そのほか分離・変換技術の三つについて研究開発を取り進め、二〇〇六年に最終的な結果を得た上で方向を決めようと、このようになっている国でございます。
#309
○渡辺秀央君 きょうは時間を少しいただいたんですけれども、残念なるかな余り後のスケジュールの関係で十分その時間を消化できないで、少し質問が前後するかもわかりませんし、あるいはまた同僚議員と若干ダブる面があるかもわかりません。まとめてきましたので、少し整理したものを申し上げながら質疑をいたしたいと思います。
 冒頭に、私は、この法律については賛成の立場で質問させていただきますが、後で質問の時間があったら申し上げますけれども、この法律は、先ほど来同僚議員の午前中からの質問であってみても、必ずしも完璧、すべて法律はそうですが、将来に向けて特に完璧ということでもない。しかし、今回はここからスタートだろうと。そのほかに、まだ整理しなければならない法律、あるいはまた補完しなければならない法律というのが幾つかあるのではないかというふうに思います。そこら辺のこともちょっと質問してみたいとも思いますが、時間があればであります。
 この放射性廃棄物については、昭和三十八年に我が国の原子力発電が運転を開始したときから処理処分対策の必要性について既にわかっていたことでありますが、欧米では既に十年以上も前から技術的研究が行われていた。いまだ現実に廃棄物処分は開始されてはいないものの、廃棄物処分事業の実施主体が設立されて処分費用の積み立てが開始されており、我が国は諸外国に比べて私はこの関係では十年から二十年おくれてしまっているというふうに思います。
 現在の高レベル放射性廃棄物の発生は、先ほど来質疑のとおり、固化体にして約一万二千六百本もあると言われておりまして、身動きがとれなくなってからやっと動き出したという感じで、残念なるかな遅きに失したと言ってもいいでしょう。
 ところで、この放射性廃棄物の処理処分について基本的な方針が出されたのは、今から三十八年前、原子力委員会の廃棄物専門部会が中間報告で初めて触れたわけであります。そこで、最終処分方法として二つの方式、いわゆる深海投棄あるいはまた岩石層による方式、埋設ですね、そういったことだろうというふうに思いますが、国土が狭隘で地震のある我が国としては深海投棄の方式が可能性のある方式とされて、高レベルについては安全性が確認されるまで行うべきでないということになった。
 しかし、一九七〇年代後半に入ると、OECDの原子力機関が地層処分に関する報告書を公表したこともあって、我が国も地層処分が基本的な方針となった。昭和五十一年に原子力委員会が出した放射性廃棄物対策についてと題する報告書では、高レベル放射性廃棄物は安全な形態に固化し、一時貯蔵した後処分するものとする。また、高レベル放射性廃棄物の処理については、長期にわたる安全管理が必要であることから国が責任を負うこととすると述べられているわけであります。それが今日の法案の形になってきている。
 その後、六十一年に決定された原子力開発利用長期計画の中で、高レベル放射性廃棄物の処分に関する国の責任と実施主体のあるべき姿に関する見通しが示された。そして、一九九〇年代に入ってようやく原子力委員会が地層処分計画の技術的、社会的側面に関する計画に着手し、いわゆる今後の指針となる答申が平成十年に出されて、また、翌十一年には総合エネルギー調査会から処分事業のあり方に関する答申が出されて、この法案がまさに今日ここに提出されてきているということであります。
 その経過を振り返ってみると、非常に長い年月を要して今日まで来たわけであるということでありまして、先ほどのどなたかの質問で何か非常に拙速だという話があったけれども、まさにそれは逆の話で、かなり相当な年月というか大変な年月を要してようやくここにたどり着いたなという感じがしてならない。
 私は実は若干不満を持っているわけでありまして、原子力サイクルの政策としてこの法案を一応の締めくくりとして考えた場合に、今日的にここで一応締めくくっておく必要があるだろうという観点から賛成の意は表しておきますけれども、同時に、大変長い間の関係者の御苦労に対しても敬意を表しながら御慰労申し上げたいと思うんです。
 今後のことを聞く前に、廃棄物の処分について具体的な検討をされてこなかった、もっと表面に出してこなかった。要するに私が言いたいのは、重要な国策の一つであるこの政策を先送りにしてきた。これは今のエネ庁に言うのではない、あるいはまた今の電気事業者の人たちに言うのではない。今の我々も含めて過去の政治というものに対する責任の観点から私はあえて申し上げているわけでありますが、大臣、どんな所感でありますか。
#310
○国務大臣(深谷隆司君) 原子力発電を利用する、これをエネルギーの大きな担い手にしていくという過程において当然、放射性廃棄物は出るわけでありますから、そのことは早々と対応を考え、具体的に乗り出していくという道筋があって当然であったとは思います。
 ただ、今、渡辺委員が御指摘のように、長い年月をかけて議論の末、ようやくここまで来たのかというそんな感慨も含めて、このときこそ皆さんで法案を仕上げていただいて、具体的なその対応に前進できるようにさせていきたい、そんなふうに思っています。
#311
○渡辺秀央君 最終処分事業についてちょっと伺います。
 これから事業を進めていくに当たっては、そうした高レベル放射性廃棄物の処分に関する国民の認識を高めることが、十分かつ広範な社会的理解を得ていくことが極めて重要だと思うんです。その意味で、まず今後の最終処分のイメージを国民にわかりやすく提示してその理解を得ていくことが大前提であると考えます。
 初めに、最終処分の今後のスケジュールについて伺いたいのであります。
 現行の原子力開発利用長期計画では、二〇〇〇年を目途に実施主体を設立して、二〇三〇年から遅くも二〇四〇年半ばには処分を開始するとしているが、この間、処分予定地の選定、サイト特性調査、処分技術の実証、さらには安全規制に関する法整備などの必要があり、また処分費用の資金の積み立ても必要となってくるのであります。
 そこで、最終処分実施の早急な制度化がなぜ必要なのかという説明と、あわせて、今後の高レベル放射性廃棄物の最終処分のスケジュールについて国民に理解が得られるように説明を願いたいと思うんです。いわゆる平成七年から固化体を進めてきたこと等を踏まえて、ちょっと今のを簡単にどうぞ。
#312
○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘のとおり、高レベル放射性廃棄物の処分を実施いたすためには、長期間にわたって資金の積み立てが必要でございます。また、立地選定をいたしますにも、相当の調査と長期間にわたる地元の御理解を得るための努力が必要でございます。
 そういう意味で、今回、処分に要する費用を徴収すること、そして実施主体を早期に設立すること、これを主として法制度の中心に置きましたのは、まさにこれが急がれるからでございます。
 具体的なスケジュールでございますが、立地の選定は三段階に分けて行うということになっておりまして、特に最終的な詳細調査には十年余りの年月を必要とすると思いますので、この三段階すべてを二十年ほどの期間をかけて実施してまいりたいというふうに考えております。
 また、安全規制は別の法律において定めるということにしておりますが、現在、原子力安全委員会においてこの安全規制の考え方についての御審議をいただいておりますので、これを受けまして速やかに対応してまいりたいと考えているところでございます。
#313
○渡辺秀央君 同僚議員からの質問もありましたからちょっと省いて、このガラス固化体のことについて本当は質問をしたいと思ったんですが、私は別の角度からだったんですけれども、ダブる面がありますからそれは先送りをいたします。
 この高レベル放射性廃棄物の特徴は、その放射能の高さが長期にわたることであります。このため、人間の生活環境から隔離するため地層処分を行うこととして、そのための技術的信頼性の確立に向けて研究開発が行われてきたことだろうと思います。
 聞くところによると、地層処分の際、ガラス固化体を封入する金属製の容器であるオーバーパックは設計耐用年数が千年と言われているようでありますが、そうした点を含めて、地層処分の安全性という点について一般の国民にもわかりやすくその考え方について説明をしておく必要があるのではないかと思います。これは若干さっきも話がありましたけれども、一言だけ申し上げておきたいと思います。
 もう一つ、廃棄物の地層処分を行う最終処分施設の地下施設の広さについて、むしろここは余り皆さんが今までの質問にも、あるいは私の中座したときに質問があったかもわかりませんが、この地下施設の広さについて、核燃料サイクル開発機構の第二次取りまとめでも数キロ四方とされております。その範囲は総延長百数十キロメートルなどと言われているわけでありますが、言われているその面積をちょっと概算やりますと、私は、千代田区全体の面積が十一・六キロ平方メートルでありますからかなりの広さになる。千代田区の半分ぐらい。そんな広いのが必要になるんですか。
#314
○政府参考人(河野博文君) 先ほど来御議論になっております核燃料サイクル機構の二〇〇〇年レポートによりますと、たしか二キロ四方という数字がございます。私どもの積算においては、さらに広いことも可能な積算になっております。
#315
○政務次官(細田博之君) イメージが十分おわかりの上御質問になっていると思いますし、皆さんもそうだと思いますが、要するにこれは巨大な平面、直方体のようなものをつくるのではございませんで、モグラの穴、アリの穴のようにきめ細かく穴をつくって、その中にまたさらに縦穴を掘って埋めるという形でやるものですから、何平方キロと言うときはそれらを集積した面積でありますので、その点はひとつ御理解を願いたいと思います。
#316
○渡辺秀央君 もちろんそういうことだと思うんです。
 そこで、最終処分施設の地下施設の規模は数キロ四方というわけですが、その地上部分はすべて原子力発電環境整備機構が用地取得を行うのか。また、本法律案では、原子力発電環境整備機構の申請により土地の掘削を規制する最終処分施設の保護区域を指定できることとされているけれども、その範囲については、結局やっていくことはやっていくんだけれども、しかし範囲は相当広いわけです。そのことについては、やっぱりある程度イメージとしてどういうことになるかということは明示しておかなきゃいかぬのではないかと思いますが。
#317
○政府参考人(河野博文君) まず、土地の手当てでございますが、基本的にはこの機構が用地を取得いたしまして実施をするということになると思います。
 それから、保護区域は鉱業権等との調整を行いまして、鉱業権者等が権利を設定し、そこに掘削で近寄るというようなことから守るために保護区域を設定することにしておりまして、これは処分地域全体について必要に応じてかけるという考え方でございます。
#318
○渡辺秀央君 そうしますと、その地下の部分はそういうことで利用している。しかし、地上について何らかの利用ということを考えられるのか。その先もありますけれども、まずその点はどうですか。
#319
○政府参考人(河野博文君) まず、この法律の枠組みといたしましては、資金の徴収そして処分主体の設立、用地選定の手続を定めております。これとは別に、第二十条に基づきまして別の法律で安全規制を定めることになります。
 したがいまして、この安全規制の中で実際の処分場の地上施設との関係、それから処分場の地下施設と地上の関係についての規制をさらに検討することになると考えております。
#320
○渡辺秀央君 そのさらに検討するというのは、これからその利用についていろんな施策を提示する、こういう意味ですか。
#321
○政府参考人(河野博文君) 今申し上げましたのは、安全規制的な側面からその地域についての規制をどのようにするかということでございますけれども、さらに広くこの立地地点とのある種の共生といいますか、そういうことについてのお尋ねでございますと、これはまたさらに立地地点の選定が進むに従いまして、地元の御要望あるいはそういったものを念頭に置きながらこの施設と地域がいかに共生していけるか、そういった計画をつくってまいる、そういうことになろうかと思います。
#322
○渡辺秀央君 それは非常に大事なことだと思うんです。
 時間に押し迫られているので、大変恐縮なんですが、飛び飛びの質問でどうも要領を得ないかもわからぬけれども、私は、その処分地となった地域の土地利用が仮に制限されていきますと、人口の減少、過疎化の方向に入っていく、要するに招致する地方自治体なんというのはなくなってしまう。だから、むしろあめとむちと言ってはおかしいが、同時に、地下にはそういうものがあっても地上には心配ないんだという、さっきの科学技術庁の論拠と相まってそのイメージというのをしっかり国民に提示する。
 しかる後に、それだけ広大な土地に対してのむしろ利用あるいは活用、場合によっては、安全神話というのがなくなったといえばなくなったのかもわかりませんけれども、しかし国民の前に万全の対策を講じて土地の有効利用を科学的根拠を持って説明することによる安心感というものを与えることでないと、法律はつくったけれども絵にかいたもち、絵にかいたものとして終わってしまうおそれがあるので、私は、本来ならばこの法律と同時に、まあこれはいいですよ、いいですけれども、科学技術庁もあるいはまたエネ庁も大変だったと思うが、本当はその法案が両方とも出てくるとよかったのかなという感じもいたして、政治感覚で、アバウトで大変恐縮ですけれども、そういう感じがいたしましたので、ちょっとその説明を求めたわけであります。
 そういう点についてどうですか。なかなか難しいか。
#323
○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘の点は二つあろうかと思います。
 地層処分を進めていくに当たりまして、安全規制を万全を期しながら、他方、地域の理解と協力を得てこの施設の建設を推進してまいるわけでございますので、地域の皆さんに御理解を得るには、その地域がこの施設といかに共生していけるかという課題もある。その二つながらの御指摘、まことにごもっともでございます。
 法律におきましては、まず二十条におきまして、安全規制については別途法律上の手当てを講ずるということでございます。また、地域との共生は、これはまだ文献調査も始まる前でございますので、今後地域選定について進捗があるごとに現実的な方法を考えてまいりたい、宿題と考えております。
#324
○渡辺秀央君 ぜひそういう意味でも、この委員会の今度の法律案の審議の中で前向きのそういう、建設的なと言うと、あと全部非建設的だとは言いませんけれども、そういう中から政策をエネ庁は立案していくということを私は非常に期待したいと思っております。
 極端なことを言うなら、その土地利用、地上の土地利用には、だって千年も一万年も後の話をしているわけですから、だから千年、一万年もピラミッドみたいなものをつくって残していくというのは、これは妄想かもわからぬけれども、しかしそれぐらいな大規模なものを、あるいはまたそれぐらい創造的なものを考えて次の政策を、むしろそうでないとこの法律が空論に終わってしまうおそれがあるので、法律はできたけれどもどこも誘致のしようがない、日本じゅうどこもなかったなんということにならぬようにするために、私はあえて、雑感ではありますが申し上げておるわけであります。
 あと、時間がもう大分来ましたので、どうもまとめてきたものを見ないと時間がオーバーする危険性がありますが、私は積立金の問題、要するに財源の確保について若干危惧の念があるんです。
 これは、エネ庁あるいは通産大臣、特に大臣がどういう感覚であるかちょっとお聞きしてみたいんですが、事前の通告していないんですけれども。要するに先ほどの議論を聞いておると、電力会社に、さっきの総括政務次官の説明もわからないわけじゃありません、大口利用者というものが負担をするのに適当であるという趣旨を理論的に述べておられたけれども、問題は、電力会社が今のようなままの力を持続できるだろうか、今後果たして。これは電力の自由化になって、しかも自然電力発電というものを考えたりしていく、しかもこれは三十年から五十年だ、百年だという計画というか責任を持っていく。しかも、三兆円、三兆円で済むかなという感じはしますが、アバウト。そういうことが果たして今の電力会社というのはそんな独占体制でもなければやっていけるものなのかなと。だから、ほかの事業にも大いに転換しているわけです、既にもう電力企業は。
 果たして本当にこの計画どおりいくものであるか、もしいかない場合のことも若干は危惧しておられるのか、当面は何が何でも電力企業を中心とするところからこの基金をあるいは政府と一体となってやっていかざるを得ないということなのか。そこら辺は同僚議員の足立議員が本会議で若干述べておったので私は思わずにっこりとしたわけでありますが、私も実はその危惧の念がいたすわけでありますが、その点はどう分析しておられますか。先にエネ庁長官から、後は政治的な感覚で大臣からちょっと承っておきたい。
#325
○政府参考人(河野博文君) 我が国のエネルギーの中で既に原子力は発電量の中で三六%を占めておるわけでございます。また、現在総合エネルギー調査会で検討中ではありますものの、二〇一〇年に向かってCOP3の課題などを抱えて原子力発電が引き続き主要な役割を占めていくというふうに考えております。こうした事情を考えますと、原子力発電に依存する年限といいますのはそう短い期間ではなかろうというふうに考えております。
 また、電力の自由化の問題は御指摘のようにありますものの、やはり自由化が進む中にありましても基本的な大きな投資を行う電力事業者の役割というのは依然として大きいわけでございまして、その中でこの制度も維持し得るというふうに考えております。
#326
○渡辺秀央君 要するに、国策として進めているわけですよ。しかし、電力事業者にこれを委託しているという形なんですよ、本当は、今までは。そうでしょう、今までは。その電力事業者はこれが独占であったわけですよ。ところが、今度はそうでなくなると。いろんな意味でそれだけの体力というものが、この大きな原子力事業というものに取り組んできたもののツケがこの企業体にずっとこれから影響されていく。
 僕は、電力事業者は余り心配していないのかもわかりませんけれども、それは自信を持っておられるんだろうと思いますが、しかし、国策として取り組んだものが、それがまた電力事業者の方に移管されていくようなことになって、結局その責任は国民に来ちゃうということが、今まで原子力発電の立地あるいはまた誘致等々を見ていても往々にしてそういう嫌いがある。それがこの問題についてまた同じようなことだとするとゆゆしきことになるのではないかなという懸念をいたしておりますので、ちょっとこれは大臣、どんなふうにお考えですか。
#327
○国務大臣(深谷隆司君) 原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告で、やっぱり廃棄物の発生者である電気事業者が処分に必要な資金を確保することが適切であると。つまり、受益者負担の考え方でまいる場合に、その電力事業者が今度は電気料金の原価に算入して電気利用者が負担するという形になっていくわけですが、この場合にやっぱり過度な負担になっていくということになったらこれは大変でございますから、そこは自動的に料金を引き上げるということでなくて、実際には料金の改定について各電力会社が判断をしていくことになろうというふうに思います。
 いずれにしても、費用の負担というものは世代間の不公平が出てはなりませんから、こういう形で恐らく今後もやっていけるというそういう検討結果、方向が示されておりますから、私は大丈夫だと考えております。
#328
○渡辺秀央君 大臣はそういう答弁をせざるを得ないだろうと。大丈夫だろうという前提でこの法律案を提示されておられるわけですから、それはそれで結構だと思うんです。
 ただ、非常にこの問題は私は将来問題になっていくおそれがあると思いますよ。ですから、今からというわけにはいかないかもわかりませんけれども、そういう意味でエネルギー庁は、この電力というものを自由化したその段階から、原子力発電における、あるいは原子力問題に関する枝葉の部分のところの責任というものは、国策として進めてきたんだから、これが国民にツケとして行かないように、危険性とか安全性とかというものを含めてもちろん言うんですよ、あるいは環境とか、そういうものを含めて私は申し上げているんですが、そういうことに留意していかなきゃいけないのではないかなと。それにしては、国はやっぱり最後までこの政策は責任持つということが、大臣、私は必要だと思うんです。国が最終的に責任持っていきますよということをやっぱり担保していくということでないと、地方自治体はどこもこれはよう誘致しませんよ。
 そういうことを若干申し上げて、ちょっと中途半端な質問になりましたけれども、私はちょっと質問をして御無礼をしなきゃなりませんが、大変御苦労さまでありましたと同時に、この法律がぜひ大いに効率を上げて、効果を上げて、そして国家国民のエネルギー政策に万全たる一歩を築いていくということを期待して、終わりたいと思います。
#329
○委員長(成瀬守重君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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