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2000/05/30 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 経済・産業委員会 第19号
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2000/05/30 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 経済・産業委員会 第19号

#1
第147回国会 経済・産業委員会 第19号
平成十二年五月三十日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任   
     北澤 俊美君     藁科 滿治君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任   
     藁科 滿治君     佐藤 雄平君
     加藤 修一君     大森 礼子君
 五月三十日
    辞任         補欠選任   
     続  訓弘君     弘友 和夫君
     梶原 敬義君     福島 瑞穂君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 守重君
    理 事
                加藤 紀文君
                畑   恵君
                円 より子君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
    委 員
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                陣内 孝雄君
                須藤良太郎君
                保坂 三蔵君
                真鍋 賢二君
                足立 良平君
                今泉  昭君
                木俣 佳丈君
                佐藤 雄平君
                大森 礼子君
                弘友 和夫君
                西山登紀子君
                福島 瑞穂君
                水野 誠一君
                渡辺 秀央君
   国務大臣
       通商産業大臣   深谷 隆司君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       通商産業政務次
       官        細田 博之君
       通商産業政務次
       官        茂木 敏充君
       科学技術政務次
       官        斉藤 鉄夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   政府参考人
       科学技術庁原子
       力局長      興  直孝君
       科学技術庁原子
       力安全局長    今村  努君
       資源エネルギー
       庁長官      河野 博文君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        藤冨 正晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)



    ─────────────
#2
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、北澤俊美君及び加藤修一君が委員を辞任され、補欠として佐藤雄平君及び大森礼子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(成瀬守重君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案の審査のため、本日の委員会に政府参考人として科学技術庁原子力局長興直孝君、同原子力安全局長今村努君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び同長官官房審議官藤冨正晴君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(成瀬守重君) 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○加納時男君 おはようございます。加納時男でございます。
 まず、本日の質問はネーミングから始めたいと思います。
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案という名称で出ておりますが、この名称について先週この場で行われた参考人質疑で、富士常葉大学の学長の徳山明参考人から次のようなお話がございました。自分は、というのは徳山先生ですが、二十年以上この問題に取り組んできているけれども、これまで高レベル放射性廃棄物の地層処分ということで理解をし議論をしてきた。この言葉はかなり定着しているのに今回の法律の名前がそうなっていないのはなぜかというような御指摘がございました。
 これについて伺いたいと思います。なぜ高レベル放射性廃棄物というかなり人口に膾炙した名前を使わずに特定放射性廃棄物としたのか、また地層処分というこれもかなりいろんなところで使われている言葉があるにもかかわらず最終処分としたのか、この理由をまず伺いたいと思います。
#7
○政府参考人(河野博文君) この法律の対象になります廃棄物自身が高レベルの放射性を持つということを否定するものではもちろんございません。ただ、高レベル放射性廃棄物という用語自身は、核燃料サイクル開発機構法第二条第二項におきまして定義されているわけでございますけれども、これはさまざまな原子炉からの使用済み燃料に由来するものを含みますし、またガラス固化する前の液体の状態も含んでいるわけでございます。
 この法案におきましては、対象を限定いたしまして、高レベル放射性廃棄物のうち発電用原子炉等から生ずる使用済み燃料の再処理に伴って生ずる高レベル放射性廃棄物をガラス固化したもの、いわゆるガラス固化体に特定しておりますので、特定放射性廃棄物という用語で法律上整理をしたということでございます。
 また、地層処分という用語がこれまで長年用いられてきたのは御指摘のとおりでございますけれども、他方、語源といいますか、ジオロジカルディスポーザル、この邦訳として地層処分ということがよいのかどうかという点については若干の御議論もあるというふうに聞いております。
 いずれにいたしましても、こうしたことで、この法案では第二条第二項におきまして地下三百メートル以深の地層において処分する等々の規定を置きまして、しっかりした定義をいたしました上で、特定放射性廃棄物を最終的に処分する点に着目いたしまして最終処分という用語で整理をさせていただいたものでございます。
#8
○加納時男君 経過はわかりました。私はこのネーミングに反対しているわけじゃなくて、これでいいと思うんですけれども、学識経験者の方に御指摘を受けますとそういう疑問があるのも当然かなということで質問しているわけであります。
 今のお話をちょっと私なりに理解しますと、一つは核燃料開発機構法ですか、そこの定義と今回の定義と若干違う観点がある。これは法の目的が違うんだからいいと思いますけれども、私がちょっとひっかかりますのは、これまで、例えば原子力委員会の高レベル放射性廃棄物処分懇談会というのがあるんですが、ここでもまさに高レベル放射性廃棄物処分懇談会と、高レベルという言葉を使っているわけですよね。
 答申が出ているんですけれども、その報告では「高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方」とはっきりと高レベル放射性廃棄物と言っていますし、総合エネ調の原子力部会の中間報告を見ましても、これ去年ですか、三月に出たものですけれども、「高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方」と書いてあります。それから、地層処分については、例えば原子力委員会の原子力バックエンド対策専門部会、平成九年のものがありますが、これは「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方」と、地層処分とはっきり書いてあるわけですね。
 今、長官がおっしゃった、私は英語は余り強くないんですけれども、ジオロジカルディスポーザルというのが地層処分と訳してちっともおかしくないと思うし、国際会議等で議論しているときも、あるいは外国の方といろいろ議論していてもハイレベル・ラジオアクティブ・ウエースツという言葉を平気で使っていますから、高レベル廃棄物というのは国際的にも認知されている言葉ではないかとは思います。
 そういう意味で、考え方によっては、例えば高レベル廃棄物と書いておいて、この法律で言う高レベル廃棄物はということで、今の二条の一項、引用されたように、ありますように、この法律において、例えば高レベル廃棄物、あるいは特定放射性廃棄物とは使用済み燃料を再処理した後に残存するものを固型化したものというふうに今回の法律は見事に定義していますから、この定義を使えば仮に高レベル放射性廃棄物と言ってもこの法律で言う高レベル放射性廃棄物というのは誤解がないだろう、つまり使用済み燃料は言わないんだよということが明確になるのかなと。使用済み燃料という言葉を使えば、それを再処理したと言えば非常に明確になって、使用済み燃料をそのまま高レベル廃棄物にするんじゃないんだよということもわかるのかとは思います。
 また、地層処分についても、先ほどお話があったように、この法律において地層処分とは地下三百メートル以上深いところで云々と、こういう表現にすれば地層処分はこの法律では少しも、何の疑いもなくできるとは思いますけれども、私は別にこれ反対しているわけじゃないんで、こういう疑問があったということでありますので、この程度にしておきたいと思いますが、何か御感想があったら伺いたいと思います。
#9
○政務次官(細田博之君) 日本の法文のあるいは法律の伝統としてドイツの成文法主義でがちがちに定義が必要十分条件であるかどうかということで法制局等でも審査をしていただいておるわけでございまして、今の法律に掲げている定義であれば必要にしてかつ十分であるから、そこで紛れがないのでこれでよかろうというようなお話もいただいていると、こういう性格の、法律的な議論の結果でありまして、加納先生がおっしゃることも一つの考えでありますが、ただあいまいな定義を従来使われているからといってそのまま使うことはなかなか慣習法の国と違って難しいという事情もあったことは事実でございます。
#10
○加納時男君 今の細田総括政務次官のお話は非常に説得力に富むと思いますので、私は私の意見を申し上げたということで聞いておいていただくということにしたいと思います。
 次に、やはり同じく五月二十五日の参考人質疑のときに、財団法人地球環境戦略研究機関の理事長をやっていらっしゃる森嶌昭夫先生からある大事な御指摘がありました。これについて伺いたいと思います。
 結論は、原子力に関する専門家と一般国民との間の情報ギャップがあるんじゃないか、この対策をどう考えるのかという、簡単に言うとそういうことでございます。
 先週、森嶌参考人は、原子力に関する一番の問題は国民の理解がかぎではないか、その中でもリスク評価について原子力関係者、これは国とか電力ということだと思いますが、原子力関係者と一般国民との間に共通の基盤が乏しいという御指摘でございました。特に今回議論しております高レベル放射性廃棄物、今の言葉で言うと特定放射性廃棄物というんでしょうか、それについては専門家の常識と一般国民の常識がかけ離れている、こんな御指摘がございまして、なかなか説得力のある御指摘であったと思います。
 それに対してどうしたらいいのかという我々の質問に対して、森嶌参考人は、両者の間の、つまり専門家と一般国民との間の翻訳者といいますか、先生はインタープリターという言葉を使われたんですが、インタープリターが必要だという御指摘がありました。
 そこで、質問でございますけれども、政府としては、インタープリターとしてどういうことを考えてきておられるのか、あるいはこれから考えていかれるのか、伺いたいと思います。
#11
○政務次官(斉藤鉄夫君) 諸施策の中でも特に原子力、また放射性廃棄物処分の政策につきましては、専門家と国民の間に共通の知識基盤がないという点において、特に理解を得るためにインタープリターが必要だという点を我々も非常に強く認識をしております。
 高レベル放射性廃棄物の処分懇におきましても、わかりやすい形で正確な情報を伝えることの重要性、それから誠実な対応、それから各層の人々に応じた対応の必要性ということが指摘されているところでございます。
 この処分懇の報告を受けまして、科学技術庁といたしましても、原子力委員会専門部会構成員を中心といたしまして、放射性廃棄物シンポジウムを全国で開いてまいりました。
 このシンポジウムでは、高レベル放射性廃棄物処分の取り組みについて、映像やパンフレットを用いながらわかりやすい説明に努めてきたところでございます。そして、シンポジウムに参加された方々が周りの方に専門的な知識をわかりやすくかみ砕いて伝えていただけるいわゆるインタープリター、橋渡し役となっていただくように実はシンポジウム終了後もいろいろな資料、情報等を提供しているところでございます。今年度はシンポジウムの開催回数を十五回程度にふやしまして、より充実した内容、そしてたくさんの方がインタープリターになっていただくように努めていく所存でございます。
 私自身も党のエネルギー政策の責任者をさせていただいておりまして、いろんなところに行きます。各地域で、反対派の人の意見を聞くとどうもそれも本当らしい、専門家の推進側の人の意見も聞くとどうも本当らしい、一体どっちが本当なんだという話をして、一生懸命こちらが御説明申し上げますと、専門的にはわからないけれども、最終的にはあなたを信用しようと、こういうことで納得していただくケースが多々ございます。そういう意味でも、誠実な対応、エネルギー政策者また専門家の誠実な対応というのが本当に原子力にとって必要だなということを私自身も痛感をしております。
 そういう意味で、科学技術庁としても、そういう誠実な対応を通しながらインタープリターの養成を図っていきたい、このように考えております。
#12
○加納時男君 今、斉藤政務次官は非常に大事なことを言われたと思います。
 今引用されました処分懇の「高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方」の中で一章を起こしております。これは第二部の各論の第一章ですが、「社会的な理解を得るために」というところだと思います。私もこれを読みまして非常に関心を持ちました。今、政務次官は、わかりやすく正確な情報を相手に応じて誠実に伝えていくんだと、非常に大事なキーワードを言われたと思います。私もそのとおりだと思います。
 この処分懇の報告書の中では、透明性の確保と情報公開というのをまず言っていますが、透明性の確保というのは私はプロセスだと思います。意思決定プロセスとか、いろんなこれから処分地を考えていくときのその決定プロセス、これについての透明性の確保。それからもう一つは、情報公開というのは、サブスタンスについて、中身についての情報公開だろうと思います。これらを今おっしゃったようにわかりやすく、多様な手段で相手に応じたわかりやすい情報を提供していくことが大事だと。
 今お話の中で、シンポジウムをやってきた、これからもふやして十五回にすると、私は心強く思います。私もシンポジウムに自分自身も参加しましたし、そういうのもまた拝聴もしました。それから、新聞等で報じられたのも読んでいますけれども、シンポジウムというと一回に集まる方が三百人とか五百人とか、多くても千人なんですね。およそ一億人以上いる国民で五百人、千人で何がわかるのか、どこまで伝わるかというけれども、そうじゃないんですね。これをやったことが、またそこに来られた方、関心を持った方が次々とお仲間の方に、賛成する方、反対する方はこういう論点だったよというふうに話していただく、これは非常に大事なことだし、それをメディアが報ずることで何百万人という国民が見ますから。
 特に私は提案したいんですけれども、日本でやっぱりジャーナリストの役割は非常に大きいと思うんです。科学ジャーナリストですね。そういう科学ジャーナリストの方に入っていただいて、賛成の方、反対の方を公平に入れながらジャーナリストの方に仕切ってもらう、司会をしてもらうとか、あるいは加わってもらってその成果を新聞等でも伝えてもらうというのがこういう問題の国民的理解を促進するために非常に大事ではないか。ジャーナリストの問題ということを一つ問題提起したいと思っているわけであります。
 マスメディアというのは何といっても国民が情報を、よく情報公開が足りない足りないとこういう席でも出るんですけれども、これは科学技術庁にも伺いたいんですが、科学技術庁は情報を出しているはずですよね。いろんなところでプレスの方々にブリーフィングをやったりいろんな形で情報提供している。だけれども、一般国民が知るのはメディアを通じて知るわけです。だから、メディアの方がいかにテレビのニュースなりニュース解説で取り上げていただくか、新聞で書いていただくかというのが決定的に大事だと思うんです。その点については、もう少し突っ込んだお話といいますか、どんなことを考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#13
○政務次官(斉藤鉄夫君) 我々も、国民の皆様にいろいろな我々のことを知っていただくためにマスメディアの役割は非常に大きいと考えております。科学技術庁にもクラブがございまして、我々もそこにしょっちゅう出かけていっていろんな話をさせていただいているところでございます。これからも正確な情報を誠実に、そして各層の皆様にわかっていただきやすい形で提供していくように努力をしたいと考えております。
 また、シンポジウムにつきましても、なかなかマスメディアに取り上げていただけませんけれども、こういうちっちゃい努力も積み重ねていきたいと思っております。
#14
○加納時男君 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 きょうは実は、斉藤次官の話を伺っていて、私が一番ここだと思ったことがあるんです。それは、いろいろシンポジウムや何かがあって、いろいろ地元の方と話していて、最後に、インタープリターについてですけれども、あなたが言うから信用しましょうと、実は原子力の問題というのはここが最大のポイントじゃないかと思うんです。テクネチウム幾つとかストロンチウム幾つとか言ったって、正直言ってみんな目で見てわかるわけじゃないですよね。だからやっぱり、理屈はいろいろあるけれども、最後に大事なことは、あなたはどの人の言っていることを信用するかというのが大事だろうと思います。
 これで思い出したんですが、高レベル放射性廃棄物が世界で初めて商業用の地点として定まったところがあります。事実上定まったのが前回、前々回のときにもちょっと一言だけ御披露しましたオルキルオトというところなんです。これはフィンランドのヘルシンキから飛行機で三十分ぐらい飛んでポリという西の方の町なんですけれども、そこからまた車で二十分ぐらい行ったところなんです。割と近いところなんです。ヘルシンキから非常に近いところなんですが、そこに高レベル放射性廃棄物が決まったわけです。
 それで、高レベル放射性廃棄物というと、何か日本では恐ろしいものだということをおっしゃる方が随分いらっしゃいますし、国民の中にいまいち不安感がぬぐえないということも私は事実だと思います。そういうものを地元で受け入れた。どうして受け入れたんだろうというのが私の最大の関心事でした。
 それからまた、スウェーデンの原子力発電所が一基この間十二月にとまったわけです。バーセベックというところですが、これはデンマークのコペンハーゲンの目の前に、二十五キロですから、私も行ったら目の前に見えるんですね。格納容器が見える。目の前にあるBWRの発電所で一基とまったんですけれども、ここの発電所はもともと地元で嫌がられていたのかどうかというのが私は非常に関心があったので行ったんです。そうしたら、地元の世論調査では圧倒的に安全性あるいは信頼性の数字が高いんですね、世論調査の結果を見ても。これは必要だと思うかというのは、圧倒的に七、八割の方が必要だと。やめるべきかというと、やめるべきじゃないと言っている。そういう信頼性があっても、スウェーデンの場合には国策といいますか政府の、これは連立与党を組んでいますから、その合意でやめたというのは私なりにはわかりましたけれども。
 じゃ、また戻しまして、いずれにしてもオルキルオトでどうして高レベル廃棄物を受け入れたのか、これを聞いたらこういう答えが返ってきた。地元の方にいろいろ聞いたんですが、いや、私たちは、ここで働いている人、ここの発電所の、発電所と一緒になっているところなんですが、責任者とずっとつき合っていますと、私どもは、原子力は確かにリスクがあるけれども、このようにコントロールされているという仕組みも目で見ているし、現実にチェルノブイリみたいなものは起きないような設計だということもわかっている、何よりもあの人の言うことだから信じたと。その地域の例えばリーダーの方だとか自治体の長の方とか、そういう方の言うことをあの人だから信じたんですと、こういうのが一番説得力があるなと思って感心しました。それで、非常に私は関心を持ったので、その辺もちょっと申し上げたいと思います。
 何か御感想がありましたら、一言お願いしたいと思います。
#15
○政務次官(斉藤鉄夫君) 大変すばらしいお話を聞かせていただきました。
 我々も、科技庁のおまえが言うんだから、わかった、信用すると、こう言っていただくような行政を進めていくよう努力してまいります。
#16
○加納時男君 ぜひともそのためには、ちょっと辛口のことを申し上げますと、何かトラブルだとか嫌なことがいっぱい世の中あり得るんですね、これは科学ですから必ずリスクがある。一番大切なことは、みんなが心配する、ある事故が起きた、事件が起きた、もう即刻情報を公開していくということ、嫌な話でもどんどん出していくという、これをぜひこの場でお約束していただきたいと思います。いかがですか。
#17
○政務次官(斉藤鉄夫君) 当然、信頼を得るためには情報を公開する、すべてを正直に胸を開いて議論するということがもう大前提でございます。科学技術庁としてもそのように努力をしてまいります。
#18
○加納時男君 ありがとうございました。ぜひそれを今おっしゃったとおりやっていただきたいと思っております。
 次に、岐阜県の瑞浪市の高嶋芳男市長さんから伺ったお話で見解を伺いたいことがあります。これは誤報に対する対応ということであります。
 瑞浪市は深地層研究所を受け入れられたわけですけれども、そのときに、放射性廃棄物は瑞浪市には持ち込まないよ、そして高レベル廃棄物の、特定放射性廃棄物ですか、それの最終処分地にはしないよということを約束し、それを明確にした上で、日本のためあるいはさらに原子力のために不可欠な深地層研究所を受け入れるということで市長さんは市民に約束をしました。そのとおりもちろん科技庁さんが約束を守ってやっているわけでありますが、これに対して一部の週刊誌で核のごみの最終処分地を建設中だというような事実と違う報道があったということがございました。
 このことは非常に迷惑したと市長さんがおっしゃったんですが、科学技術庁としてはこういったような誤報があった場合に、仕方がないといって黙認しているんでしょうか、それとも何らかの意思表示をなさっているんでしょうか、伺いたいと思います。
#19
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま御指摘のございました事実に反する報道の取り扱いの問題でございますが、このような報道等がなされた場合には、その社会的影響が大きいことから、サイクル開発機構はもとより、当庁といたしましても、その訂正を求めるなど迅速にして適切な対応をとってきているところでございます。
 例えば、今御指摘のございました週刊誌の問題につきましては、平成十一年の四月以来、当該雑誌社に対しまして事実誤認や不適切な報道、記述ごとに事実関係を指摘申し上げ、当該記述の訂正を求めるとともに、文書による訂正の申し入れも行ってきたところでございます。
 さらに、このような対応につきまして当庁のホームページに掲載しまして、一般の方々がどのような対応をとっているかをわかっていただくように努めているところでもございます。
 また、このほかにも、事実に反する記述が掲載されました新聞記事につきましても、ちょうど、昨年でございますが、平成十一年の十二月からことしの二月にかけまして、担当される方々と面談をいたしまして、事実関係の説明、さらには訂正の要請を行うとともに、文書により改善も求めてきているところでございます。
 当庁といたしましては、この放射性廃棄物対策を含めて原子力につきましては、事実に反する報道等がなされた場合には、今後とも正確な報道等がなされますように迅速かつ適切に対応をとってまいりたいと考えてございます。
#20
○加納時男君 今の回答で一つ伺いたいのは、訂正を文書で申し入れられた反応はいかがですか。いつ付で訂正しましたか、していませんか、伺いたいと思います。
#21
○政府参考人(興直孝君) まず口頭でお話を申し上げた上、文書によってこのあたりの要請もしたところでございますが、これを直接受けるような形で私どもの真意が伝わるような報道がなされているわけではございません。
 他方、ある新聞関係の方につきましては、その趣旨を十分御理解いただきまして、機会がある折、そういうふうな点を踏まえた報道の仕方に努めていこう、このようなお約束をしていただいている方もいらっしゃいます。
#22
○加納時男君 私は、人間というのは過ちを犯すものだと思っております。私たちもこういう商売、政治家をやっていますと寛大になっちゃって言えるのでございますけれども、しかし人間は過ちはあるけれども、過ちがわかったときには潔く間違っていたと言って撤回すべきだと思います。違う話じゃないんですけれども、一般論を言っています。
 そこで、例えば週刊誌も私は大事なメディアだと思うんですね。あくまでも今はこの話をしている、高レベルの話ですから。週刊誌も大事なメディアなので、日常、やっぱり週刊誌に対しても私は誠実に情報を提供してほしいと。週刊誌に対する情報の提供が不十分なままに書かれているのだとすると、ただ週刊誌けしからぬじゃなくて、週刊誌に対する対応に遺漏がなかったか反省していただいて、大切なメディアとして敬意を持って、週刊誌にも謙虚に情報を日常差し上げるということをぜひやってほしいと思います。
 その上でなお、ある故意によって事実をゆがめたとすれば、これは堂々と抗議していただく、そして場合によったらこれは告訴の話だろうと思います。そういうことを堂々とやっていただくことが大事だと。その前に、あらゆるメディアに対して、さっきおっしゃった誠実に対応をしていただくということがすごく大事だろうと思っております。これをよろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、参考人のことで伺いたいと思います。これはガラス固化体の過去分の扱いについてでございます。
 五月二十五日にこの委員会での参考人、電気事業連合会の原子力開発対策委員会前田肇委員長は次のように言っておられます。
 ガラス固化体は既に一万三千本近く発生しています。これは二〇一五年までの発生数量四万本の約三分の一になります。処分費用を世代間で負担していくわけですが、これの公平を図る観点から今後十五年間に過去分の処分費用も積み立てていきたいというようなことをおっしゃいました。
 この発言について政府の方ではどういうふうにお考えか、過去分についてはどのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#23
○政務次官(細田博之君) 我が国が商業用原子力発電を開始いたしましたのは一九六六年でございますが、それ以来、九八年の九月現在での使用済み燃料は約一万七千トンウラン生じております。
 本使用済み燃料からは約一万二千六百本の高レベル放射性廃棄物、ガラス固化体が発生することとなります。このため、高レベル放射性廃棄物の最終処分の実現は、費用負担に係る世代間の公平性確保の観点から、過去分に関する拠出金を早期に徴収することが望ましいと考えております。他方、余りに短期間に過去分に関する拠出金を納付させることは、特定の時期の消費者に過度の負担を課することにもなります。
 この両者を勘案した結果、過去分に関する拠出金の支払いを十五年間で行うこととすることが適当と判断したものであります。この場合、過去分に関する拠出金の額は、発電用原子炉設置者から年間約三百億円、原子力発電電力量一キロワットアワー当たり約八銭となります。
 以上でございます。
#24
○加納時男君 今の御発言は、総合エネ調の原子力部会の中間報告というのを私は読んでいるんですけれども、その中にあるものとフレーズが合っていると思います。
 その中間報告の中では、「高レベル放射性廃棄物処分事業の制度化のあり方」というタイトルですけれども、「資金手当て開始時点以前に発電した電力量に係る処分費用についても、手当て開始後適切な期間において手当てを行うことが適当である。」、こう指摘しておりますよね。
 問題は、この「手当て開始後適切な期間」に過去分を回収する、「適切な期間」とは何かという考え方を伺ったわけですが、今の細田総括政務次官のお話で、二つの観点、できるだけ早く回収したいということと、もう一つは、余りにも早過ぎると、五年とか六年とかといった短期間でやると特定の世代に集中しちゃうんじゃないか、だからもう少し負担を公平にしよう、この両方の折り合いだというふうに私は理解したんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
#25
○政務次官(細田博之君) そういう御理解で結構でございます。
#26
○加納時男君 ありがとうございました。この件はこれでわかりました。
 では、話題をちょっと変えまして、最近新しいニュースが入っております。経済協力開発機構、OECDでありますが、ここに原子力機関がございます。NEA、ニュークリア・エナジー・エージェンシーと言っていますが、そのOECD・NEAの最近のレポートで、ワンススルーとMOXの放射能影響比較という大変刺激的なタイトルのレポートでございます、このレポートが発表されたということでありますが、これについて伺います。おわかりになる範囲で結構ですから。これは何を目的にした調査でしょうか。
#27
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 この五月十五日に、使用済み燃料の管理オプションの放射線影響の比較に関する技術レポートがOECD・NEAから発表されてございます。これは、このレポートをまとめるために、一九九五年以来、北大西洋、北海地域の環境保護を目的とするオスロ条約及びパリ条約に基づき設けられましたOSPARという委員会の要請に応じて開始されたものでございまして、このOECD・NEAの放射線防護と公衆の健康に関する委員会において検討が行われたものでございます。
 この研究の主な目的は、使用済み燃料を再処理して分離プルトニウムをMOX燃料として再利用する場合と、再処理せずに直接処分する場合の二つのオプションについて、燃料製造や輸送を含め、各段階から放出されます放射線に関します最新情報をまとめ、放射線影響の分析を行い、科学技術的な解釈を加えてその結果を発表し、NEAの加盟国における核燃料サイクルに係ります種々の検討に貢献することである、こういうふうにされているものでございます。
#28
○加納時男君 放射線防護であるとか公衆の健康保全といった観点からの両オプションの比較ということはわかりました。
 当然のことながら、これはどういう前提を組むかで話が変わってきます。例えば、何ギガワットの発電所をどのぐらい動かしたときに半径何キロぐらいのところとか、いろんな条件があったと思うんです。何ギガワットでの燃焼であるとか、そういうデータについてはどういう前提条件でしょうか。
#29
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 このOECD・NEAの技術レポートによりますと、調査は百万キロワットクラスの加圧水型の軽水炉、PWRの燃料につきまして、輸送や廃棄物のほか、ウラン探鉱、燃料製造を含む各段階の放射線影響を考慮するということ、また再処理オプションにつきまして、使用済み燃料を全量再処理して回収されたプルトニウムはMOX燃料として一度だけリサイクルするということ、またガラス固化されます高レベル廃棄物を含むすべての廃棄物と使用済みMOX燃料は貯蔵処分するとしてございまして、さらに集団の線量の問題に当たっては半径二千キロメートルというものを想定しているものでございます。
#30
○加納時男君 前提条件はわかりました。半径二千キロというと、大体ヨーロッパというような感じかなと思います。
 この結果どんなことが言えるんでしょうか。結果がどんなものであって、それから一番大事なことは、我々がこういう場で聞きたいことは、この結果からどういうことが言えるんでしょうか。
#31
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 このレポートの結論として、再処理する場合としない場合のどちらのオプションとも公衆及び作業者に対します放射線の影響は小さく、いかなる法定の被曝限度よりも十分低く、また自然放射線による被曝と比較しても低いということが報告されてございます。
 また、二つのオプションの放射線影響の差異はどちらのオプションを選択すべきかといった議論に結びつくような差異があるわけではない、このようなものとされてございます。
 また、この研究において公衆の被曝を試算するために用いられます仮定に基づく固有の不確実性が大きいことという認識が提示されておりまして、また、資源の利用の効率、エネルギーセキュリティーあるいは社会経済的側面など、他の要素もオプション決定の過程においてより重要視されるものであることも強調されているものでございます。
#32
○加納時男君 自然のバックグラウンドに対して十分に低いとか、二つの間で幾らも差がないとか、物すごく二つともレベルとしては低いんだというのは感覚的にはわかるんです。さっきのまさに情報公開の話じゃないんですけれども、すごくわかる、抽象的にはわかるんですけれども、具体的に、例えば自然バックグラウンドについては何ミリシーベルトぐらいだけれども、これでやっても〇・〇〇ミリシーベルトだから影響がないとか、もしそんな数字があるとすごくわかるんですね。すごく低いとか十分に低いとか、だから大丈夫ですというよりも、自然バックグラウンドはこうですよ、それと同じようなものだとか、それよりか低いんだとか、例えば十分の一とか、何か数字があると非常にわかると思うんですけれども、そういう数字は、きょうは用意がなかったらしようがないんですけれども、あったら教えてください。一つで結構です。
#33
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 ただいま先生がお話しになられました、御指摘いただきました自然放射線による被曝との対比の問題でございますが、これは世界の年間平均個人被曝量が二・四ミリシーベルトでございますが、今回この計算に当たりまして公衆の年間平均個人線量を出してみますと、これは例えば探鉱、製錬、転換、濃縮あるいは発電、再処理、ガラス固化、輸送などいろんな分野にわたってそれぞれのその作業に携わる方々あるいはその周りの方々が異なるわけでございますので、一概に集積をする意味がないのかもしれませんが、例えば探鉱、製錬ですと〇・三から〇・五ミリシーベルト・パー・イヤーでございますし、これがある意味では一番高い数値でございます。再処理、ガラス固化の段階ですと〇・四ミリシーベルト・パー・イヤー、大体同じぐらいでございますでしょうか、このような数値が報告されているところでございます。
 このほか、先ほど申し上げました公衆の年間集団線量ということで、半径二千キロメートル以内のその線量の数字でございますが、例えばワンススルーのオプションですと一・六人シーベルト、百万キロワットの原子炉を一年運転した状態の場合というふうな数字で、これが再処理をするケースの場合ですと、二・六ぐらいの数字でございます。
 これらは、例えばICRPの勧告が、作業者に対しまして五年以上の平均値で年間二十ミリシーベルトが制限値であり、かつ単年度実効被曝量が五十ミリシーベルトを超えるべきではないとされているそのあたりの数字との比較で見ても、先ほど申し上げたような形になろうかと思います。
#34
○加納時男君 たくさん数字を言われたんですけれども、私はこういうときに大事なことは、例えばバックグラウンドに比べて少ないよというときの一つの例として、今いろんなケース、探鉱するケース、再処理のケース、ガラス固化で埋めた後のケースとかいろいろありましたけれども、例えば〇・三とか〇・四がマキシマムですと。バックグラウンドは二・四ミリシーベルトと言われました。これはラドンを含んだ数字だろうと思いますけれども、いずれにしても二・四というのがバックグラウンドにあるし、普通にありますと、それに比べて〇・三ですと言えば、聞いた人は、ああそうか、そんな小さいのかとわかるわけで、そういうふうに説明してくれるといいなということを申し上げまして、これは意見でありますから、この問題は終わりたいと思います。
 法文の内容について、一、二伺ってみたいと思います。
 今回の法案では、処分事業の実施主体と処分費用の資金管理団体についていろいろ記述してあります。法案では、処分事業の実施主体は原子力発電環境整備機構という名前を使ったものを認可法人とすると。それからもう一つ、処分費用の積立資金の管理団体は指定法人として一つに限定と、こういうふうになっていますけれども、この実施主体と資金の積立団体を一つに、同じものにするのか分離するのかといろいろ議論があってこういうふうに分かれたんだと思います。
 そういった経過についてちょっと、一つにしないで区分した理由を伺いたいと思います。
#35
○政務次官(細田博之君) 平成十年の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書におきまして、制度や組織への不安を少なくし、信頼を得ていく上で透明性を確保することが大前提であり、そのためには法制化などによって透明性の高い制度や仕組みを整備することが必要とされているわけでございます。
 この報告書を踏まえまして、当省としましては、拠出された資金の管理については、第一には処分事業という公益性の極めて高い事業に充てる資金であって長期間に安定かつ確実に管理される必要があり、かつこれが国民、社会に十分に理解される資金管理形態とすることが必要であるということ、そして第二に、単なる資金管理に加えまして、処分実施主体が取り戻した資金が確実に最終処分業務に支出されたことを確認することが必要であるという二つの認識に立ち、処分実施主体内の区分経理による資金管理方式ではなく、処分実施主体から独立した資金管理主体に資金管理及び支出確認を行わせることが適切である。
 一種の指定法人であるこの資金管理団体が監査、支出確認、そういった役割を別に担うということによって、先ほどの報告書の目的、透明性の高い制度、仕組みの実現ということに沿ったものになったのではないかと考えている次第であります。
#36
○加納時男君 二つを一つにするかどうかというのは確かに議論はあり得ると思います。一つにした場合には業務効率がいいとか、積立金は区分経理すればいいというような意見がありますが、今細田次官が言われたように、外部から見た資金のより透明性という点で分けたというのは私は賛成であります。これは分けてよかったんじゃないかと思います。
 そこで、次なる質問なんですけれども、世の中に法律に基づく法人というのはさまざまにあります。総合エネ調の原子力部会の中間報告というのを見ていますと、この法人の例示が幾つかしてあります。例えば、特殊法人、これは核燃料サイクル機構。それから特別認可法人というのがあります。これは下水道事業団だとかいうところです。それから、特殊会社というのもあります。これは関空なんかがそうです。それから、指定公益法人というのもあります。これは産業廃棄物適正処理推進センター。それから、指定会社とか特定目的会社とかいろいろ法律に基づく法人というのはあるわけです。
 そのさまざまな候補のある中で、原子力発電環境整備機構を認可法人としたわけです。認可法人とした理由は何でしょうか。
#37
○政府参考人(河野博文君) 高レベル放射性廃棄物の処分実施主体のあり方につきましては、今もちょっと御紹介がございました平成十年五月の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書におきまして次のような指摘がございます。
 一つは、国が直接事業を行うのではなく、民間を主体とした事業とすると。また、事業に対して法律と行政により監督と安全規制が行われることが適当ということでございます。
 一方、高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、その公益性あるいは社会的受容性等の観点から、処分事業を長期にわたって安定確実に継続させるための法的担保が必要でございます。処分実施主体の解散に対する歯どめ、あるいは拠出金の確実な徴収等の措置を規定することが必要になってくるということになります。
 こういった点を総合いたしまして、処分実施主体は民意により設立する民間主体の法人であって、しかしながら、かつその事業の長期確実性を法的に担保するという両面を満たすため、特別な法律に基づいて通商産業大臣の認可を得る法人、つまり認可法人ということにすることが適当だという判断に至ったわけでございます。それがこの認可法人に至った背景でございます。
#38
○加納時男君 かなり詳しく説明されましたけれども、私の理解するところでは、要するにこれは永続性、公益性、それから民間という言葉で使われましたけれども、効率性といったようなことを柱にして考えていったならば認可法人がいいんだ、こういうことだろうと思いますから、わかりました。
 次は、指定法人について伺います。
 積立資金の管理団体は一個の指定法人だということになっていますけれども、なぜ一個で、なぜ指定法人なんでしょうか。指定法人が選ばれた理由を伺いたいと思います。
#39
○政府参考人(河野博文君) 先ほどの総括政務次官の答弁と若干ダブることをお許しいただきたいと思いますけれども、この原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告書におきましては、先ほど申し上げましたように、制度や組織への不安を少なくし、信頼を得ていく上で透明性を確保することが大前提、そのためには法制化などによって透明性の高い制度や仕組みを整備することが必要というふうにされたわけでございます。
 この報告書の趣旨を踏まえまして、私どもといたしましては、拠出された資金の管理につきましては処分実施主体が最終処分積立金を積み立てるべき組織を事前に特定しておく必要がある。それから、公益性の高い最終処分積立金の管理主体については、法律に基づいて厳格な監督を行う必要があるけれども、こうした厳しい監督の対象は極力特定されていることが適当だということでございましたので、資金管理主体は本法案に基づき指定するという考え方をとったわけでございます。
 なお、資金管理主体については、その業務が資金の管理といういわば画一的なものでありますので、一に限定して指定をするという考え方を持ったものでございます。
#40
○加納時男君 今の回答はわかりました。
 次に、この積立金がいよいよ集まってきたというときですけれども、この運用について伺います。
 法の七十九条では、この運用について使途を厳しく限定しているわけでございます。例えば三つの、例えばというよりも限定ですから、三つ書いてあって、一つは「国債その他通商産業大臣の指定する有価証券の保有」、二つは「銀行その他通商産業大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」、それから三つ目が、「信託会社又は信託業務を行う銀行への金銭信託」と極めて限定してありますが、極めて限定した理由は何でしょうか。
#41
○政府参考人(河野博文君) ここで、拠出されます資金の管理につきましては、処分事業という公益性の極めて高い事業に充てる重要な資金でございますので、長期間に安定かつ確実に管理される必要があるということでございます。このため、指定法人が行う資金の運用については、法律によりまして、ただいま御指摘のように使途を限定したということでございます。
#42
○加納時男君 安全性、安定性というのは大事だと思うんですけれども、同時に、せっかく預かったお金ですから、これを無利子みたいなところへずっと塩漬けにしておいてもしようがないだろう。
 安全、確実、有利なといったらどこかのコマーシャルみたいになってしまいますけれども、私考えると、世の中リターンの高いもの、ハイリターンのものはハイリスクである。これは当然であります。ローリスクのものはローリターンである。今回どっちをねらうかですけれども、ローリターンでもいいからローリスクという考えなんでしょうか。これが伺いたいこと。
 それからもう一つ、法案には銀行と書いてあるんですけれども、とか国債はいいとしましても、有価証券の保有、いろいろ書いてあります。ペイオフが解禁になったときに、やはり銀行預金には私はリスクはあると思うんですけれども、この辺はどうお考えでしょうか。
#43
○政府参考人(河野博文君) まず、実はこの法案では、指定法人が次のような規定を受けることになっております。
 つまり、資金の管理の実施方法について、資金管理業務規程を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。また、資金管理業務に関し事業計画書を作成し、通商産業大臣の認可を受けなければならない。こういったことがあわせて規定をされておりまして、通商産業大臣の厳正な管理監督のもとで指定法人の適正な資金運用が行われるという仕組みを確保しているつもりでございます。
 また、具体的な資金運用の考え方でございますけれども、基本的には国債その他通商産業大臣が指定する安全な有価証券の保有などで行う、これが原則ではなかろうかというふうに思っております。しかし、原子力発電環境整備機構が資金を取り戻す際に必要となる分、つまり一定の流動性を確保するという観点から短期間に金融機関への預け入れ等を行うこともあり得るという考え方でございます。
 いずれにしましても、資金の運用に当たりまして安全性、確実性を第一とする、長期安定的運用が行われるような十分な監督をしたいというふうに考えております。
#44
○加納時男君 大体今の回答を聞いてイメージがわいてきました。つまり、公益性の高い資金を安全に、しかし決して非効率な運用ではなくやっていきたいというときに、長期的に資金として確保しておくものは例えば国債のようなものにする。と同時に、短期的にいろいろお金の出し入れがありますから、流動性の高い分野については銀行に預ける、こういう理解でいいでしょうか。
#45
○政府参考人(河野博文君) 基本的にはそういう考え方でございます。
#46
○加納時男君 わかりました。
 もちろん、きょうそう言われたから、銀行の方が多いとか少ないとか個別なことをごちゃごちゃ言うつもりはないんですけれども、考え方だけきょうは確認しておきたいと思います。ありがとうございました。
 次の質問に移りたいと思います。
 廃棄物処分立地の推進例で一つ伺いたいことがあります。前にも私は一回聞きましたので重複は避けます。
 五月二十五日の参考人質疑の中で、やはりヤッカマウンテンというのはかなり皆さん印象に残っているようで、そういう質疑もございました。
 そこでまず、きょうはヤッカマウンテンがアメリカで商業用高レベル廃棄物の処分地として選定されるまでになったいきさつについて概要を伺いたいと思います。
#47
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 米国におきましては、一九八二年に制定されました放射性廃棄物政策法に基づきまして、原子力発電によって生じる使用済み燃料、あるいは軍事施設から発生いたしますガラス固化体を高レベル放射性廃棄物として地層処分することとしてございまして、この地層処分の研究開発及び処分場の建設から閉鎖等に至る過程、行為はエネルギー省が実施することとされております。また、その資金については、発電事業者等が高レベル廃棄物基金に払い込むなど、制度面が整備されているものでございます。
 この法律に基づきまして、エネルギー省は、一九八三年に予備的に九つのサイトを選定いたしまして環境アセスメントを行い、一九八四年にはこの九サイトを五サイトに絞り込み、さらに二年後の八六年にはワシントン州のハンフォード、ネバダ州のヤッカマウンテン、テキサス州のデフスミスの三つのサイトに絞り込んだところでございます。
 さらに、一九八七年には、ネバダ州のヤッカマウンテン以外のサイトでの活動を行わないこととします放射性廃棄物政策法の改正を行い、ヤッカマウンテンを唯一の候補地としてサイト特性調査を行うこととしたところでございます。その結果、一九九一年からサイト特性調査が行われ、九四年には調査研究用のトンネルの掘削を本格的に開始したところでございます。
 エネルギー省は、廃棄物修正法に基づきまして九六年に発表いたしました高レベル放射性廃棄物管理プログラムによりますと、今後二〇〇一年までサイト特性調査を行い、大統領に候補地の答申が行われ、立地箇所として承認された場合、原子力規制委員会による処分場建設の許可を得て二〇一〇年には処分場の操業を開始する予定と承知してございます。
#48
○加納時男君 ありがとうございました。
 日本では何かヤッカマウンテンというのは、アメリカでというか世界でも最も進んでいるように言われているんですが、私は実はヤッカマウンテンにもこの正月に行きましたし、隣のニューメキシコ州にも行ったんですが、進んでいるのは、一番進んでいるのは実はさっき申し上げたフィンランドのオルキルオト、これはエウラヨキ市、何か舌が回らないんですけれども、そういうところにあるんですけれども、そこが一番進んでいて、その次はやっぱり今局長が言われたように、一九八二年のアメリカの放射性廃棄物政策法で、民間の商業用の使用済み燃料は地層処分する、連邦政府が責任を持ってやる、と同時に軍事用施設の廃棄物も高レベル廃棄物として地層処分と言っている。軍事用のものは実は世界で最も進んでいるものの一つだろうと。それは実はヤッカマウンテンのお隣というか、隣ではないんですけれども、そばのニューメキシコ州のカールスバッドの郊外のウエースト・アイソレーション・パイロット・プラント、頭文字をとってWIPPと言っていますが、これが実は世界で最も進んでいると思うんです。というのは、そこで現実にもう去年から、高レベル廃棄物がというか、TRU廃棄物が持ち込まれて処分されているわけです、岩塩層のところでありますが。
 ここが地元から非常に誘致を受けて決まったというふうに私はいろいろ聞いているわけでございますが、このヤッカマウンテンはちょっとおきまして、このWIPPが非常に成功した理由というのは何なんでしょうか。あそこはサンタフェで原子力反対運動家がいっぱい乗り込んできて集会をやっていたというのもニュースで見たことがありますけれども、それでもその運動が自然消滅といいますか、なくなっちゃって、WIPPが正式に決まったというふうに聞いていますが、何かわかることがあれば、WIPPから何を学ぶのか、学ぶことがあれば教えていただきたいと思います。
#49
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 一九九九年に世界で初めて長寿命核種の地層処分を開始いたしました米国のカールスバッドのWIPP、廃棄物隔離パイロットプラントと申すものでございますが、におきましても、地元住民のサイト開発誘致をもとに調査研究が進められたところでございます。
 さらに、この問題は、さかのぼりますと一九九三年に責任主体として設けられましたカールスバッド地域事務所が積極的に地域住民の理解を促進するための活動を進めてきておりまして、最終的には地元住民を初めとする国民の理解を得て処分場の建設・操業に至ったものと承知してございます。
#50
○加納時男君 おっしゃるとおりだと思いますが、私はここで幾つかポイントがあるのは、彼らが原子力についてなじみがあった。原子力施設が州内にあるということが一つ。ニューメキシコ州にあります。それから、カールスバッドというのは炭酸カリウムの鉱山があった上に、石油とか天然ガスも実はとれるところだったんですね。鉱山というのは必ず便益もあります。けれども、リスクがあります。そのリスクというものはエネルギーにはつきものだ。しかし、そのリスクはどうやってコントロールできるのかということも地域の方はわかっていたということも私がインタビューした方は大分言っていました。
 何よりも私が非常に印象を受けたのは、積極的な情報公開、きょうのテーマは情報公開になりますが、これをやるんだということで、DOEの方、それから現地で実際に処分作業の運営をやっていらっしゃるウェスチングハウスの責任者の方にお会いして、この成功の秘訣は何ですかと言ったら、オープンニス、オープンニス、オープンニスと三回言いまして、これだというので、私はこの情報公開の積極的な姿勢は、日本でもこれから実際に処分地を選定していくに際しても、大事な大事なポイントではないかと思います。
 彼らは、ともかくここへ来て私たちの施設を見てくださいと、何と言ったんですかね、カム・アンド・ルック・アット・アワ・ファシリティーズとかなんとか言っていましたけれども、ともかく来てください、見てくださいということで、いろいろ疑問を持った方々に積極的にパイロットプラントを見せていった、で地層処分というものがわかってもらえたというようなことを言っておりましたので、この辺はぜひとも今後日本においても情報公開を徹底してやっていく。
 それから、さっきお話ししたサンタフェでは、確かに反戦運動家とかアメリカにもそういう方はもちろんおられます。それから、原子力反対派の方がおられます。そういう方々が各地から集まってくる。そして、横断幕をやったりいろんな集会をやる。それをまたテレビで放送すると、地元が反対しているように見えるんですけれども、実は地元じゃなくて、ほかから来た方がかなりそういう宣伝をされた。その方々についても決して逃げずにどんどんどんどん乗り込んでいって説得をしたということをDOEとかウェスチングハウスの方が言っておられました。そのときも絶えず、まず来てください、見てください、そして情報はどんどん出しますよと。この姿勢が大事だったということは成功の秘訣だったということでございますので、これからぜひ参考にしていただきたいと思います。
 さて、時間がだんだん迫ってまいりましたので、プルトニウムの需給バランスについて一言伺いたいと思います。
 日本では、積極的な情報公開をやるということを世界に約束しております。日本のプルトニウムの保有量、情報公開、これはどのようになっているでしょうか、伺いたいと思います。
#51
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 我が国におきましては、原子力の平和利用を大前提にその研究開発利用を進めているところでございまして、プルトニウム利用の透明性を高め、国内外の理解を得ていくため、プルトニウムの保有量等について、核不拡散に配慮しながら、公開するよう努めているところでございます。
 これらのプルトニウムの保有量につきましては、我が国のプルトニウム管理状況としまして毎年原子力白書やインターネット等で公表しているところでございます。また、我が国のイニシアチブによりまして欧米先進諸国と共同しまして作成しました国際プルトニウム指針に基づき、これらのプルトニウム保有量等をIAEAに報告し、それをIAEAが公表しているところでございます。
#52
○加納時男君 白書で公開している、それからインターネットでも公開している、IAEAにも管理状況を報告し、公表されているということがわかりました。私の質問は、何トンあるんですか、どこにあるんですか、こういうことです。
#53
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 一九九八年末現在の我が国におきますプルトニウムの保有量は、合計四千九百六十五キログラム、全プルトニウム量でございまして、サイクル機構の再処理施設の中に五百三十七キログラム、サイクル機構の燃料加工施設に三千五百九十六キログラム、「常陽」、「もんじゅ」、「ふげん」に四百三キログラム、また臨界実験装置等の研究開発施設に四百二十九キログラムがそれぞれ原子炉等規制法に基づきまして国と国際原子力機関IAEAの保障措置のもと管理されているところでございます。
#54
○加納時男君 わかりました。
 こういった状況は、国民もインターネットで調べればわかるというかもしれませんけれども、ともかく折に触れて、白書でももちろん書いていただいているわけでありますけれども、わかりやすく国民に実態を明らかにしていくということが大事だろうと思います。
 最後になりましたけれども、エネルギーの総合政策について、これは通産省、科学技術庁、両方に関係するかもしれませんけれども、主として通産省に伺う話かと思いますが、伺いたいと思います。
 先週以来、新聞にいろんな見出しが載っております。例えば「原発推進トーンダウン」、これは毎日新聞の見出し。全く違う見出しが、「原発、今後も推進 環境税は検討必要」、これは読売新聞。それから「天然ガスに転換」、エネルギー政策ですが、日経。「増殖炉の早期商業化を否定」、これは東京新聞。「原発・天然ガス利用を求める」、朝日。「新エネ過大評価に警鐘 あくまで補完的役割」、日刊工業。
 これは、違ったものじゃなくて、同じものに対する見出しでありますから、見出しだけ見ていると何を言っているのかちょっとわかりにくいところがありますけれども、いずれも一部分の内容を全部とらえている正確なことであろうと思いますけれども、何だか結論はよくわからない見出しになっていますが、何の話かというと、これは自民党の政務調査会のエネルギー総合政策小委員会の中間報告をプレス発表したことを受けて出たタイトルでございます。
 内容はどこも非常に正確に書いてありますけれども、タイトルだけ見ると、日本のエネルギー政策を自民党はどう考えているのかわかりにくいかと思いますけれども、よく読んでいただくと内容はすっきりしているかと思うんです。これをごらんになったかどうかわかりませんけれども、通産省では今総合エネルギー調査会でエネルギーの総合政策も御検討を始めておられると聞いています。エネルギー需給見通しも改定をするんだというので今鋭意検討中と伺っていますけれども、今申し上げたようなこういう新聞の見出し、それから新聞の記事、あるいはもしごらんになっていれば、内容にも触れまして、感じておられること、今後通産省としてはどういうことを考えていくのか伺いたいと思います。
#55
○政務次官(細田博之君) 通産省といたしましては、既に申し上げておりますとおり、総合エネルギー調査会総合部会、部会長は東京大学名誉教授の茅先生でいらっしゃいますが、四月から審議を開始しておりまして、約一年の計画でさまざまな我が国エネルギーを取り巻く情勢の変化とか、あるいは今後のエネルギー政策のあり方、これはあらゆる部門、エネルギー部門を統括してもう一度見直してみようということを進めておるところでございます。
 ちょうど、自由民主党におかれましてエネルギー総合政策小委員会が、特に加納委員が中心になられまして精力的に会合を持たれ、そして中間報告書を出された。その中身が非常に広範囲にわたっておりますし、先ほど申しました総合エネルギー調査会における検討に非常に役に立つ、示唆に富む報告書であると考えておりますので、先般、加納小委員会事務局長も通商産業大臣のところへお越しになりまして御説明いただいたと伺っておりますが、ぜひこの報告書を活用して、調査会の議論に反映させていきたいと思っておりますし、またそのほかの議員の先生方、あるいは各党の御意見も賜って、いいエネルギー政策の構築を実現してまいりたいと思っております。
#56
○加納時男君 読んでいただいたようで、ありがとうございました。
 今おっしゃったような方向でぜひとも総合エネルギー調査会でも立派な研究をしていただくことを期待しているわけでございます。
 ごく短い時間が残っておりますけれども、一つだけ伺いたいと思いますが、今回の報告書の中でパートナーシップというのを実は自民党の方では打ち出したわけであります。これは自民党としては新しい提言をしたつもりなんですけれども、例えば燃費のいい自動車、それから効率のいい自動車、環境に優しい自動車というのを開発するのは企業の役割だ、これのコストダウンを図るのも企業の役割だ。次に、これを若干高くても買って、環境にいい車を買って大切に使うのは生活者の役割だ。こういった車を買いやすくするように税制措置をとるのがあるいは法制措置を整備するのが行政の役割だ。行政と生活者と企業がそれぞれ役割を分担しながら、信頼関係に立って一緒に環境改善をやっていこうというパートナーシップというのを打ち出したんですけれども、これについてもしきょう御見解があれば一言いただいて、質問を終わりたいと思います。
#57
○政務次官(細田博之君) パートナーシップという考え方は非常に重要でございます。これからの省エネルギーとかあるいは環境に優しいさまざまな技術を用いたものを使っていくとか新しい自動車を使っていくとか、これはやはり何といっても消費者の皆様方、国民の皆様方が率先して実行していただかなければならないわけでございますし、太陽光発電にしてもその他のクリーンエネルギーの問題にしてもそういう問題があるわけでございます。
 コストの問題とそれから国民の理解というなかなか難しい問題もあるわけでございますが、そういった中におきまして、政府も税制とか金融とか財政措置等を講じまして、その連携関係をうまくとっていくことが大事ではないかと考えております。
#58
○加納時男君 そのような方向でぜひ検討していただきたいと思います。我々立法府と行政府の間も信頼関係と同時に緊張感も大事だと思います。緊張と信頼、この上に立ってそれぞれの持ち場でパートナーシップを組んで総合エネルギー対策をやっていきたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。
#59
○木俣佳丈君 おはようございます。民主党・新緑風会の木俣でございます。
 私は、現在検討されていますこの法案につきましては前回も質問をさせていただきまして、広く国民に公表してください、そしてまた、まだまだガイドライン等々安全面の不備があるということを御指摘させていただきました。本日は、今加納議員から御指摘がありました我が国のエネルギー政策や戦略について広く問いたいと思っております。
 けさも、アメリカのワシントンに所在するCSISという戦略研究所の所長さんほか中東の研究者の方とも御飯を一緒に食べながらいろいろ話を伺ってまいりました。日本にエネルギー戦略といったものがあるのか、国家戦略というものがあるのかどうかと。
 まず初めに、政務次官からあるかないか伺いたいと思います。
#60
○政務次官(細田博之君) 我が国は資源小国でございますので、そのことが非常に大きな制約になってきた歴史がございます。まさに第二次世界大戦、太平洋戦争でもエネルギーの問題というものに立脚して発想した人がいたぐらいでございますが、戦後、できるだけ多くの国から石油あるいはその他のエネルギー資源を活用しよう、そしてみずからも開発を促進していこう、安定的な供給のためには資源外交を展開しようということで非常に努力を積み重ねてきたわけでございまして、それが不幸にして第一次、第二次オイルショックのときに我が国の物価とか雇用とかその他大きな経済的打撃をこうむったわけでございますから、そのときに、原子力発電の推進とともにLNG、石炭、そういった方面への多様化を図っていこうということで、非常に長期的かつ広範にエネルギー戦略をとってきたところでございます。
 ただ、需給見通しが経済成長などによって変わりますから、このたび、御存じのように四月からの総合エネルギー調査会総合部会で議論をし直そうということで、この原子力も含めたエネルギー政策のあり方を検討するということになっておるわけでございます。
#61
○木俣佳丈君 もう一度伺いたいんですけれども、日本の国として総合的な戦略があるかないか、イエスかノーかということであります。お答えいただくとして、きょう、アメリカはじゃあるんですかと言ったら、ありませんと言っていました。非常におもしろい答えだなというふうに私なりに思ったんですけれども、もう一度、五秒で答えてください。
#62
○政務次官(細田博之君) その総合戦略は私はあると思っております。もう長期的に、外交からあるいは資源自体を調達する面から、あるいは消費者、消費、省エネルギー、そういった面であると思っております。
#63
○木俣佳丈君 それはちょっと無理があるんではないかというのが私の思いでございまして、きょう、総合エネルギー調査会ということで、先ほども同僚議員から問いがございました。そしてまた、昨今、毎日のようにエネルギーの問題で大見出しで新聞、マスコミの方々等々が取り上げております。そして、二月には不幸なアラビア石油の撤退ということがありまして、その当時、深谷大臣、そしてまた通産省・エネ庁の方も談話として、今までの政策に変更はないんだ、そしてまた、何ら変わることなく、特に石油の戦略については変えないんだと、自信満々でこうお答えになっている。
 しかしながら、記憶をたどるに、一九九九年、去年の一月、二月あたりが石油の底値で、ドバイ原油でございますけれども、十ドルぐらいになっていた。ところが、現在は約三十ドル近く、三倍近くになっている、こういう状況でございます。もちろん短期的な戦略をどうとるかというのは非常に難しいものですから、そんなことは言いません。きょうはもっと超長期な話をさせていただきたいと思って参ったわけでございます。
   〔委員長退席、理事加藤紀文君着席〕
 それで、きょうは特に特定廃棄物ということで原子力の話でございますので、この原子力の話からさせていただきますと、COP3の後、環境配慮もあり、CO2の削減という制約条件もあり、それでいながらやはりエネルギーの安定供給ということもあり、原子力発電を、原子力発電の話に移りますが、十六基から二十基は打ち立てる、こういう御方針を二年前の長期見通しということで立てられましたですね。それはいいと思うんです。
 ところが、最近、これは電力会社が中心になってもちろん出されておりますが、供給計画においては十三基ということで、大体通産省もそういうことですかねということでエネ庁の方もそれを認めていらっしゃるわけですね。これは三月末の発表でございました。こんな短期間に二十基から十三基というふうに急展開をするというのはどういうことか、何を根拠にこれ減少できるのかというのをまず伺いたいと思います。
#64
○政務次官(細田博之君) 一九九八年六月に策定されました長期エネルギー需給見通しでは、二〇一〇年度までに原子力発電所を十六基から二十基新増設することが目標となっております。しかしながら、近時のエネルギー情勢における需給両面での各種の変化というものがあったことは事実でございます。
 つまり、見通しをつくった時点ではGDPが年々二・二%ずつは伸びていくだろうということを九六年をベースにいたしまして考えておりましたところ、九七から九九年度の三年間で、九八年の落ち込みがマイナス一・九と大きかったためもありまして、ならしますと、むしろ三年間でマイナス〇・五%ずつ下がってきたと、そういう状況もございます。
 したがって、私どもが電力各社に本年三月末に調査をいたしましたところ、届け出られました供給計画におきまして、必ずできそうだというもの、つくりたい、稼働させたいというものが二〇一〇年度内で十三基、約千六百九十四万キロワットとなったわけでございます。
 もちろん、原子力発電は住民の方々との一〇〇%の合意のもとに進めておるものでございますから、無理やり政府が強引に何基やれということを言ってできるというものではございませんけれども、他方では需要面の先ほど申しましたような伸びの低下、そして供給面におきましては建設の若干のおくれ、このおくれも二年、三年程度のおくれにとどまっているものも多いわけでございますので、そういったものを総合的に判断する必要があるということで、この際、需給見通しを含めましたエネルギー政策をまた見直していこうということで先ほどの総合エネルギー調査会総合部会の検討を始めた次第でございます。
#65
○木俣佳丈君 需要が昨今、景気の後退もあり減ということではございますが、しかし、エネルギー全体、これは通産省の資料でもありますけれども、確かに産業部門においては一九七三年、オイルショックのときを考えても、これを一〇〇としても、九六年度で一〇四でございました。九八年度でも一〇一でございました。しかし、だんだん全体のうちの比率が下がりまして、六六%から四八%に減少している。言ってみると、産業側は非常に省エネということに気を使いながら、そしてまた、最近出てきましたCO2削減等々ということも加味しながら努力をしているということなのかなということも言えるんですが、ただ、この三分野、あと二分野ございますね。
 民生部門、家庭、オフィス等というものと、運輸部門、これは自動車、トラックということで考えてみます。これは一次エネルギーの消費ということでありますが、これを見ますと格段に上がっている。そしてまた、その構成比も、七三年度、民生部門、運輸部門、それぞれ一八%、一六%から、九八年度には何と民生部門が二六%、運輸部門が二五%へ上がっているということなんです。ですから、もっと言うと、民生部門そして運輸部門、これは通年、七三年からずっとグラフをとってみますと、要はずっと右肩上がりである、不景気とかそういうことではなくて、どんどん消費が伸びているということでありますね。
   〔理事加藤紀文君退席、委員長着席〕
 ですから、私が申し上げたいのは、二十基をつくるというのが九六年で、四年間たつとそんなに、七基も減らしていいんですか、そんな計画はあるんですかということを言いたいんです。というのは、現在五十二基原発があるわけでございまして、七基といったら何割でしょうか、もう一四%ですか、ということなんですよね。
 ですから、そんなでたらめなと言ったらいけませんが、計画というのは私はないと思うんですが、再度御答弁いただけますか。
#66
○政務次官(細田博之君) 先ほど需給見通しの方で申し上げましたけれども、十六基ないし二十基と言っております。それから、CO2の方のCOP3の関係でいいますと、これは実は二〇〇八年から二〇一二年の間にという四年間の幅がありまして、したがって、絶対に二十基をつくると言っておったのが十三基になったのはおかしいというふうにはおっしゃらないでいただきたくて、十六基もあり得るな、十六ないし二十であると言っておったのがさまざまな事情によって十三基になったということと、それから、十三は二〇一〇年度末までの完成でございますが、さらに数基は二〇一〇年度、一一年度、一二年度というCOP3の期間の中には一応稼働するというめどは立っておりますので、ただ、もちろん地元の関係がなお残っているところはありますが、したがっておっしゃるほど大きなものではないということも御理解いただきたいと思います。
#67
○木俣佳丈君 といいながら、これは総合エネルギー調査会の部会に出されたこの資料、もちろん見られていると思うんですが、この最終ページに「一次エネルギー総供給の見通し」と書いてある。これは五月にたしか配ったものですね。二〇一〇年度で四千八百億キロワットアワーに原子力がなっているんです。これは、何と二十基分のワットアワーなんですよ。こんな資料を何でまた使っているんですか、ちょっと伺いたいんですが。
#68
○政府参考人(河野博文君) 御指摘の資料は、現存いたしますいわゆる長期需給見通し、つまり一九九八年六月に策定いたしましたものを資料として審議会に御紹介したものでございまして、審議会の検討事項の中にはこの需給両面にわたる検討が含まれておりますので、この審議の結果によってはこれが見直されることが当然あるということで審議が始まっております。
#69
○木俣佳丈君 それは非常に硬直的だと思いますよ。というのは、三月に電力の方から供給計画が出て、十三基ですよねと、こうやって言っているわけですよ。これだと二十基でしょう。七基もこれは差があるんです。それで、だから全体の戦略を練っていますよと言ったって、七も違っていて戦略も何もないと思うんですが、もう一度ちょっと政務次官。
#70
○政務次官(細田博之君) おっしゃいますようにいろいろ事情が変わってまいりましたので、基本的に考え直します。
 ただ、もう一つの要素がございまして、やっぱりCO2の関係では国際的にコミットしております。そして、おっしゃるように自動車が、不況の結果、トラックなどは非常に輸送が下がっておりますが、小型車が売れた。だから、CO2が少なくなったかと思ったら、案外国民の皆様方がどんどん走行をされまして、ガソリンの売れ行きはまあまあ横ばい。しかも、余り廃棄しませんので、古くはなっておりますが、どんどん、消費は横ばい、保有も横ばいという状態になっております。しばらくふえてきたわけです。
 したがいまして、この辺も予測とまた若干変わった面もございますので、関係の運輸省などもございますけれども、やはり総合的に見直す必要があるということは事実でございますので、おっしゃいますような御意見を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
#71
○木俣佳丈君 資料をこれからお使いになるときには、その部会に出ている人、調査会に出ている方がやっぱりわかるような資料でなければ、どうやったって結局アリバイづくりの調査会になると私は思うんです。
 さらにちょっと申し上げますと、先ほどの供給計画というのがありました。電事連さんからいただいた資料で見ますと、平成二十一年度まで、これは二〇〇九年でございますから、二〇一〇年までではありません。しかしながら、千二百六十三万キロワット、これが要するにプラスになる電力量ということなんですが、これだと十基分なんです。十基分が二〇〇九年まで。そうすると、二〇一〇年であと三基ということは、一年で三基も本当にできるのかなと。だから、その数字が、いろんな数字を多用されていて非常にわかりにくいんです。そのあたりどのようにお考えでしょうか。
#72
○政府参考人(河野博文君) 本年三月末までに電力会社から届けられました供給計画は、確かに御指摘のように二〇〇九年までが基本的な目標でございます。ただ、その中で大規模な投資案件については別途記述するということになっておりまして、原子力発電所につきましてはその後の計画についても記載をされております。今の御指摘がありました年度展開、全部私は正確にこの時点で覚えているわけではございませんけれども、二〇〇九年でたしか十基、さらに、これは運開でございますので建設はそれをさかのぼって前に始まり、建設が徐々に進み、最終的に運転開始が二〇一〇年度内というものが合計して十三基と。もちろんこの中には既に建設中の四基も入っているわけでございます。
#73
○木俣佳丈君 とはいっても、結局電力が供給されなければ当然ながら見通しが立たないわけですから、これは電力総連がつくった資料によれば、じゃ十基までといって今から数え上げますと島根原発ができると十基になるんですよね、お地元だと思いますが。敦賀以降は十一基、十二基に入ってくるわけなんです。
 だから、そのあたり、もっと正確な資料を討議するときに使わなければ到底その戦略には私はならないというふうに思いますので、以後調査会、そしてまた部会というものが行われていくと思いますけれども、明確に、やはり変更変更が甚だ今著しくあると思います。芦浜の原発が中止になってということも含めて、大きく変更するときだと思いますけれども、それだけに細心の注意を払っていただいて、やはりデータを使っていただかなければならないと私は思うので、お願いをしたいと思います。
 特に、今、原子力発電のことについてもう少し申し上げますと、これは一次エネルギー消費全体がこれから二〇一〇年に向かって減少すると考えられるのか、それとも、伸びてはいくけれども、しかしその伸びた分をほかで供給するのか、どういうお考えでしょうか。
#74
○政府参考人(河野博文君) 先ほど申し上げましたが、総合エネルギー調査会で検討を開始するに当たりまして、一つの契機は一九九八年に十六年ぶりに我が国のエネルギー消費が減少したということも背景の一つとしてあるわけでございます。今後どの程度の需要増加があり得るかということも、この総合エネルギー調査会の需給見通しを見直していく上での課題でございます。したがって、余り予断を持って申し上げるのはどうかという気もいたしますけれども、政府としてはこの経済的な困難の中で日本経済の回復に対する手だてを講じているわけでございまして、長期的に我が国経済が順調な安定軌道に乗っていくことを政策目的としているわけでございますので、代替エネルギーはGNPの伸びにある程度応じて増加していく傾向があろうかと思いますので、もちろん省エネルギーその他最大限の努力をするといたしましても、エネルギー消費自身が増大するということは想像にかたくないところではないかと思っております。
#75
○木俣佳丈君 ちょっと伺っておきたいんですが、特に民生部門の伸び、こういったものを、例えばごみでもそうですよね、そしてまた例えばGNP全体の民間消費支出だって六割を占めておるわけですから、もちろんそれがエネルギーと比例するとは言いませんけれども、私はこの民生部門のところをどう減らすかというのが省エネのときには最重要だと思います。政務次官、アイデアをいただきたいんですが、例えばどのような方法で省エネを促進する予定でございますか。
#76
○政府参考人(河野博文君) 先生も御案内のとおり、国会でもいわゆる省エネ法を改正していただきました。この中では、民生用のエネルギー消費機器でございます家庭用の電気製品でございますとか、あるいは自動車などについてもいわゆるトップランナー方式というものを採用いたしまして、エネルギー消費効率のよいものができるだけ国民の皆様方に使っていただけるようにというような課題を設定してやってきているわけでございます。
 ただ、これをもってして、先ほど御指摘のありました、今後伸びるのかという、この伸びを十分に抑制し得るのかどうか、その点についてはさらに検討が必要だと思います。
 また、現在検討しております例えば新しい考え方の一つといたしましては、各御家庭でその時点でお使いになっておられる電力等の料金が瞬時でわかるというようなモニタリングシステムを導入していただくことによって、消費節約といいますか経済意識をさらに国民の皆さんに持っていただくというようなことも一案かということで検討しているところでございます。
#77
○木俣佳丈君 これからインターネットがここにも入り込んでくると思うんですよね。例えば、二十八度設定にしまして、それでそれが二十八度を超えますとおのずとコンピューターが作動して、それ以上は行かないような設定をし、そうすると、いわゆる電力でもそのピークカットをどうするかというのが問題でございますから、そこがカットされるようになると。だから、そのあたり心配しなくても済むようになるとか、いろいろアイデアをどんどん出していただかないと、もう民間の方が先出ししているんですよね。
 だから、こういった省エネというのも、まさに国家の戦略でございますので、やはりエネルギー小国の日本としては早々にこれはつくらなければいけないというふうに思います。
 続きまして、一次エネルギーの中で何といってもその依存度が一番高いのが石油でございます。最近減ったといっても五五・二%でありまして、依然として高いということ。そしてまた、依然として高いのみならず、輸入量がまた非常に高い。そしてまた、この輸入量の中でも中東の依存度というのが高いということであります。
 このことについて、特に第一次、第二次オイルショックというお言葉が政務次官ありましたが、この経験はどのように生かされていると思われますか。
#78
○政務次官(細田博之君) まず、石油依存度自体を低くする努力は随分できてきたと思いますね。原子力発電、あるいはLNG、石炭火力、そういった面で石油自体への依存度は減ってきました。
 ところが、石油の原産国の分散化ということは随分政策的にも努力してまいりましたが、インドネシアですとか中南米ですとか中国ですとか、開発の努力も含めまして努力してまいりましたが、結局アジアの方も消費がどんどん膨らみまして、インドネシアも輸出国から次第に輸入国に転ずる、中国もしかりというふうに、どうしてもやはり資源賦存という意味では中東に依存せざるを得ないような状況がまだまだ続いております。
 これからは、あるいは中央アジアですとかサハリンですとか、分散をしていかなきゃならないわけでございますが、そういった努力は続けていかなきゃならないと思っております。
#79
○木俣佳丈君 再度ちょっと申し上げたいんですが、第一次、第二次オイルショックの経験、中東依存し過ぎてしまったというのをどのように今生かされておるというふうにお考えですか。今言われたかもしれませんが、再度ちょっと。
#80
○政務次官(細田博之君) それは、今の例えば発電を見てみるとわかるのでございますけれども、石油依存度がかつては一番高かった、それが今実績ベースでいいますと、原子力、それからLNG、石炭、そして石油が来ると。石油はいわばバッファーで使われている、十数%以下の発電量になっておるということは、非常に我が国としては画期的な構造変化であるというふうにも考えております。
#81
○木俣佳丈君 いやいや、きょうはもちろん原子力発電のことでございますけれども、発電のみならず、要は一次エネルギーの供給ということでいえば五五・二%でございますから、もちろん減ったとはいっても半分以上を石油に依存していると。
 しかも、私が申し上げたいのは、これもやはり通産省の方がつくった資料でもありますが、要は中東依存度の推移なんですよね。第一次オイルショックのときに、中東依存度、つまり全体の一次供給エネルギーの中で中東にどのぐらい、掛け算したわけですね、依存していますかというので考えると、第一次オイルショックのときは七七・五%、そこからふえたり減ったりしまして、第二次オイルショックでも七五・九%。そして、がんと下がっていき、そしてまたバブルの上昇に伴ってどんどん急激にふえ、実は一九九八年には八六・二%になっている。ですから、オイルショックのときよりも九ポイント高まっているというのが現状なんです。
 ですから、実はエネルギーの問題というのは石油の問題で、石油の問題というのは中東の問題だと。ですから、セキュリティーを考える場合に、どう中東とつき合っていくか、これが最大の戦略のポイントだと思うんです。
 ところが、その中東依存度が八六・二%になってしまっている。こういった現状をどのようにお考えですか。
#82
○政務次官(細田博之君) 確かに、石油の輸入依存度においては、一度下がったものがまた上がり出すと。その原因は、アジア諸国などが、大きな需要爆発もございますので、そういった面もあることは事実でございます。
 ただ、実際の量ベースで見ていただきたいと思うんですが、一九七三年ごろの中東地域からの原油輸入量が三百八十五万BDであるのに対して、一九九九年の輸入量は三百六十八万BDと。したがって、実輸入量におきましては、この間の経済成長率を考えると数十%は成長をしておると思います。これは紆余曲折はありますが、数十%は成長しておるにもかかわらず実輸入量が減っておるということも念頭に置いていただきたいと思います。
 ただ、他の供給基地がなかなか見つからないということ、それから、その間自動車が爆発的に需要がふえましたので、我が国としては、国民経済の発展に伴ってそちらの面の消費もふえた中でこの程度におさまっているということも一つの努力であるとお考えいただきたいと思います。
#83
○木俣佳丈君 これはちょっと伺いたいんですが、九九年度に十二年ぶりに中東依存度が若干、八五・二%に下がっていますね。これ通産省の戦略ですか。
#84
○政務次官(細田博之君) それは必ずしもそうは申せないと思います。経済の停滞等が影響していると思います。
#85
○木俣佳丈君 さて、それで備蓄の方にちょっと移りますが、IEAベースで備蓄日数が日本は百十七日ございます。アメリカが百五十五日、フランスが九十二日ございます。ところが、備蓄ということをかなり重点的に今までも日本の戦略でやってきたと思うんですが、この備蓄、対応可能日数といいまして、これ特別に、各国の備蓄量から中東からの輸入量を、これが断絶した場合にどのぐらいもちますかというこの日数で考えますと、日本が百四十六日に対して、例えばアメリカだと七百七十九日、フランスだと二百四十九日になるんですよね。
 ですから、それでいて例えばフランスなんかは原子力なんかの一次エネルギーに対する依存度が非常に高い。日本は、先ほどから申しますように石油に対する依存度が高い。しかしながら、やはり中東依存というものを脱却しなければ、この戦略分析にありますように、極めて脆弱な戦略が今練られているというふうに言うしかないと思います。
 そうしますと、もう一つ考えられることは、日本国政府は、通産大臣は、そしてまた政務次官は、中近東のこの政治情勢に対して、リスクは余りないというふうに考えていらっしゃるかどうか、ちょっとその辺を伺いたいんですが。
#86
○政務次官(細田博之君) 若干外交的配慮もありますので、必ずしも余りあからさまなことは言えないと思います。しかし、中東戦争、先般の湾岸戦争以降は非常に、アメリカ合衆国を中心としまして、アラビア諸国、湾岸諸国との間の友好関係、連携関係も深まっておりますので、その前の段階の、何が何でも独立して、みずからが石油価格を動かして石油戦略をとって、自分たちが豊かになったり外交的な力を持とうという動きからは相当違う方向に行っているのではないかと。
 したがって、このたびのOPECにおける増産についても、余り高くなり過ぎてはいけないと。これは、一九八六年にオイルの価格がバレル三十ドルから一挙に八ドルまで急落した経験もございますし、やはり需給というものを大切にしようという基本的な戦略が中東産油国にも芽生えておることの反映でございますから、これからの友好関係をさらに深めていくことが大事だと思っております。
#87
○木俣佳丈君 特にそれを考える場合に、二月のアラビア石油の失策があると思うんですけれども、このときに多くの専門家が言うには、やはり日本と国王のファハドさん、そしてまた皇太子がいらっしゃいましたね、そういう方々とのパイプが十分にできていないんだというようなお話がありました。もちろん、そこの国が民主国家かという言い方はちょっと危ない話なんですが、日本と違う体制を持った国であるかどうかということはともかくとして、いずれにしてもそういった太いパイプがあるかどうかということが問われたわけなんですね。
 結論から言うと、そこがなかったのではないかと。がゆえに、山下太郎さんがあれだけ大変な御努力をされて築き上げてこられた日の丸原油というものがやはり消滅してしまったのではないかというような答えが専門家の答えだったと思うんですが、そのあたりはいかがでございますか。
#88
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のように、二月にアラビア石油のサウジアラビア分の契約が切れまして、これの更新ということには至らなかったわけでございます。
 ただ、これに至りますまでに、政府といたしましても、通産省の場合には荒井審議官を先頭といたします交渉団をたび重ねて派遣し、協議をしてまいりました。また、外交当局からもさまざまな情報提供等の協力を得てやってきたところでございます。
 また、一月には深谷通産大臣が直接サウジに赴きまして、ナイミ大臣はもとより皇太子殿下ともお話をし、日本側の意のあるところをいろいろお伝えしたわけですけれども、いかんせんサウジアラビア側が鉱物鉄道というプロジェクトの供与という問題に対して非常に強い考え方でございましたので、これは妥結に至らなかったということでございました。
#89
○木俣佳丈君 答えがありませんが、結論づけて言えば、そういった太いパイプがやっぱり十分なかったということだと私は思います。
 さて、先ほど政務次官がおっしゃったような、三十年代からやはり多極分散というのかリスク分散ということを考えられて、日の丸原油を初めとして自主開発ということで進められたというふうに言われました。
 それでは、現在の自主開発の輸入量と全く原油輸入と、パーセンテージで何対何でございますか。
#90
○政府参考人(河野博文君) いわゆる自主開発原油の輸入量は約六十五ないし六十七万バレル・パー・デーぐらいでございまして、日本の輸入量に占める割合がおおむね一五%程度と認識しております。
#91
○木俣佳丈君 元通産大臣の方が文芸春秋でしたか、論文を発表されました。石油公団の不良債権ということでありましたが、結局三十年代から四十年近くやってこられてようやく一五%という、この数字を見られて政務次官はどのようにお考えですか、お感じですか。少ないと感じるのか、それともよく頑張ってきたとお感じになるのか。
#92
○政務次官(細田博之君) 石油探鉱開発はなかなか成功いたさないのは世界的にも事実でございます。しかし、日本は大消費国でございますから、世界の中で役割分担を果たして、やはり人類としての石油を探していく、ガスを探していくということは大事なことでございますので、そういった意味では、十分とは言えないかもしれないけれども、これまで役割を果たしてきたと。
 それから、歴史がなかなかございませんので、技術的にも資金的にも大変でございます。つまり、オイルメジャーなどはただでさえ巨大な資金量を持っておりますし技術者を抱えておりますから、ポテンシャルが何倍も高いわけですね。そういった中にありまして、私としては非常によくやってきたのではないかと思っております。
#93
○木俣佳丈君 私は、今の中東依存の状況を見まして、必ずしもというか十分にやってきたとは思えません。一兆円を超える負債がございます。もちろん千三つだというふうにオイルマンたちは言うわけでございますが、それでは済まされないものがあると思います。要は国家がやることでございますので、やはりそれではちょっと許されないだろうと。
 というのは、例えばこれから先、自主開発かそれとも買い付けに移っていくのか。大きな流れで言うと、恐らく今度のエネルギー調査会の方で出されると思うんですが、自主開発から国際買い付けの方に大きく流れがシフトする、こういう考え方でよろしゅうございますか。
#94
○政務次官(細田博之君) そこまではまだ行っておりませんで、つまりもう既に既存の既発見油田をリスクが小さくなった段階で開発資金を投入してそこを分担して開発輸入を行うという考え方は当然あるわけでございますけれども、それだけでも今後の資源戦略を考えますと十分ではございませんので、資源小国の日本は当分の間やはり石油自身を見つけていく、そしてみずから開発していく努力を、優秀な技術者もいるわけでございますし、そういった技術を維持していく。人任せにしてお金だけ出していくということだけでは、これから日本の二十一世紀の資源問題は十分な対応ではないと考えております。
#95
○木俣佳丈君 戦略というのは、軸足をどこに置いて何をするかということを考えていくことであります。
 可採年数が石油が大体四十四年と、何年たっても四十四年というのは不思議なんですが、言われております。しかし、確実に言えることは、例えばヨーロッパの北海そしてまた北米の国土の中の石油、こういったものは、きょう朝もCSISの方々と話をしていても十年で枯渇すると言われております。これは多分間違いないことだと私は思っておるわけでございます。
 しかし、中東からすれば、日本のバーゲニングパワーというのはどんどん落ちていくことになるわけですね。と申しますのは、現在中東輸出の中で日本の買い付けの量というのが大体二割ぐらいになっております。かつては三割以上、四割近くあったころからすると非常に小さくなり、そして今申し上げましたように北海がなくなる、そしてまた北米がなくなる。そうすると、全世界の、特にアジアの石油の需要というのはどんどん中東へ向かっていき、そしてまた中国もこれは純輸入国になりましたという意味で、バーゲニングパワーはこの十年で激変するということになるんです。そのときに買い付けだけに頼ってということで本当にいいのだろうかということを思いたいんです。
 いずれにしても、なかなか自主開発というのがお金がかかる割にはうまくいかない、こういうことであるならば、それでは輸入先の多極化ということをより深く考えていかなければならないというふうに思うんですが、いかがでございますか。
#96
○政務次官(細田博之君) まさに私が先ほどお答え申し上げましたのと御意見はほぼ一致しておると思うんです。
 長期的に見ますと、オイルショックの後、やはり北海油田があれだけ大規模で開発されたということが日本を救った面があると思います。それがおっしゃるように、だんだんあそこも減少を始める、そしてまた中東依存度が高まる。しかし、過程においてまたカスピ海とかシベリアあるいはサハリンとか、そういったほかを探していかなければいけないわけでございますし、それからいつまでも輸入資源に頼っていてはいけませんから、国内でも石油公団はかなり探鉱活動もやっておりますが、可能性もゼロというわけではありませんので、この努力も続けていかなければならないと。それから、あとアジア諸国はこれからかなりの経済拡大が行われますから、アジアで見つけたものはほとんどアジアの他国で消費されてしまうという面がございますが、しかしこれも開発を促進しなければならない、総合的に検討すべきであると思っております。
#97
○木俣佳丈君 今挙げられたような中で、例えばサハリンなんかはSODECO、ワン、ツーと二つあります。二、三年たつと供給がされるというふうに思われますけれども、これは天然ガスが多分多いと思います。そういった意味でも石油をどう確保していくかというふうなことが非常に大事かと思います。
 例えば、ぐるっと見渡しますと、私も親しくさせていただいておりますが、大慶というのが中国にございます。大慶というのは、きょうは電力の話でございましたので、電力関係の方々がほとんど買い付けられており、一番最盛期には全日本の総輸入量の三%を超えるエネルギー、石油の、しかも専門用語で言うと生だきできる、そのまま使えるようなそういう非常に質の高い原油でございます。
 先ほど政務次官が言われたとおり、中国も純輸入国にはなっておるんですけれども、最近の江沢民さんの中東歴訪、これを見た場合に、かなり布石を打ってきているなと。つまり、今は国際価格が高いから買わないようにしていると。ですから、大慶からの要はLTですよね、長期の取り決めというのはまさにどんどん細くなっていると。だけれども、これで国際価格が低下していくのは必定でございますけれども、なった場合には外から安いものを買って中のいいオイル、つまり中国大陸の中のいいオイルは外へ売ってやろう、そこで外貨を稼いでいこうというのは、やはり私は自然な流れではないかなと思うんです。
 ですから、ちょっと個別具体的な話にはなりますけれども、そういう多極化というのを考えるならば、今まだ余力のある日本経済のうちにそういう布石をまさに日本国としても、江沢民さんがあれだけ勢いのいい中国でありながら今のうちから布石を打っているように、やはりもっともっと積極的に打たなければいけないと思うんですが、いかがでございますか。
#98
○政務次官(細田博之君) ロシアも中国も東南アジアも含めて、アジアの開発はいろいろなポテンシャルは高いと言われておるわけです。しかも、その中では、かなり天然ガスも出てくる、あるいは内陸部も出てくるということでございまして、できればお手伝いをして、そして内陸部を開発したい。
 しかし、それはガスの場合はパイプライン、あるいは石油の場合もどうやって運ぶかと、パイプその他の敷設。そういったインフラストラクチャーの整備に非常に金がかかるために発展途上国といいますか関係諸国も手をつけかねている面がございますので、おっしゃいましたように、中東依存に余り過度にならないこと、それからアジアのこれからの需要増大に即応するためには、日本もできるだけ力をかしてそういったものに総合的に対応する必要があるんですが、なかなか相当巨額な金もかかるということもございまして、財政の面もございますので。
 しかし、大変お励ましのお言葉をいただきまして心強いのでございますが、そういうことはやっぱりやれと、人類の二十一世紀、二十二世紀を踏まえたエネルギー問題を考えたときに絶対に必要ではないかとおっしゃることはまさにそのとおりであると思っております。
#99
○木俣佳丈君 励ましたというようなことを言われてしまうと何かなれ合いみたいな感じがしますので、ちょっとそれはあれなんでございますが、やっぱり本当に国家戦略というのを練らなければいけないと思うんです。
 例えば、今パイプラインの話がありましたが、中国の西域、タリム、このあたりでは天然ガスの埋蔵が相当確認されており、二年後ぐらいにはもう上海ぐらいまでパイプラインを敷くというような、こんな計画もあるようでございまして、例えばそういうところに日本がもっと積極的に参画して、それを助けていったり、そしてまた、大慶でも二〇〇〇年度では八万BD、八万BDというのはどれだけの量かというと、実は今度のアラ石でなくしただけの量なんですね、日本が買い付けている量が。ですから、そういうところへ、特に中国東北部というのは開発が非常におくれておりまして、高速道、港湾、空港、あらゆるものが足りないんですね。
 ですから、そういったものを例えば国際協力銀行などで要はファイナンスをして信頼関係をつくり、そして、韓国なんかは特に今経済が冷え込んでおりまして、しかしコンストラクティングの技術なんか持っていますので、韓国の人にそこで協力して都市計画をし、そしてまた公害配慮で日本の環境の脱硫装置とかそういうのを発電所なんかにつけるというようなことを、信頼関係をつくりながら、例えば長期間の、超長期の貿易約束などはきちっとしていく。やはりこういった信頼関係の醸成というものが何よりも必要だと思うんです。
 ですから、きょうは調査会のお話から始まりましたけれども、今のような例えば国際的な協力プログラム、特に環境に配慮した協力プログラム、都市計画づくりというのは全世界が喜ぶことでありますから、私どもも真剣に考えていきたいと思いますし、通産省・エネ庁の方もぜひ考えていただきたいと思っておりますが、いかがでございますか。最後の質問にしたいと思います。
#100
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のように、原油輸入の輸入先の多角化を図ることは非常に重要でございます。その中でもアジアから調達できるということは非常に魅力のあることでございます。
 また加えて、アジアの需要が今後石油についても伸びていく中で、中国自身が原油の生産能力を拡大していくということもこれまた重要なことではないかというふうに思いますので、こういった方面で日本として果たしていく役割があり、あるいは具体的な考え方があるならば、そういったものを検討してまいりたいと思います。
#101
○木俣佳丈君 終わります。
#102
○足立良平君 この法案の審議をずっと通じて言えることでありますが、それぞれこの法案についての賛否の問題は別として、一番のポイントはいわゆる原子力発電が今日の日本のエネルギーの大変大きな重要な位置を占めている、そしてそれは使用済み燃料というのが生じてきているということもこれまた事実、これはすべての人が認めている。
 問題は、議論の中心としては、使用済み燃料のいわゆる直接地層処分をするのか、再処理を行ってそれで処分をしていくかというこの二つの点が、どちらを選択するかということが私は一番のまず焦点になってくるのではないかと思っています。
 したがって、そういう点で、これは科技庁になると思いますけれども、今日まで議論としてなされておりますけれども、本日のこの委員会での議論というのはきょうが最後になっておりますから、再度、この法案のように、いわゆる再処理をしてそして地層処分をするという、その選択をした理由とは一体何だということを明確に端的に整理をまずしていただきたいと思います。
 それと、第二点目として、先ほどの同僚議員の質問の中に、我が国のプルトニウムの今日の状況といいますか、四千九百キロ強、約五千キロ前後のなにがあるということも明確になったわけでありますが、このプルトニウムをこれから国際的に見てもどう使っていくかというのが一番大きなポイントになるわけであります。そして、現実的には、いわゆる核燃料サイクルという高速増殖炉をめぐっての、これがきちんとまだ完成していないというところをめぐって、今はとりあえずMOXとかいろんなことをやっているわけでありますけれども、これに対して一体MOXというのは、本当にこれからMOXだけを考えて進めていくことがこれから可能かどうかということも含めて、二点目にひとつ考え方として提起をしておいていただきたいと思います。
 まず、この点お願いします。
#103
○政務次官(斉藤鉄夫君) まず直接処分、ワンススルーか、再処理いわゆるサイクル路線かという点でございますが、私ども科技庁は、再処理路線の方が我が国の国情に合っている、このように考えております。
 その理由は、一つは、使用済み核燃料の中に含まれておりますウランそしてプルトニウム、これは大きなエネルギー資源である、その資源を再利用する方が資源の有効利用に結びつくという点が一つ。
 それから、使用済み核燃料をそのまま処分してしまいますとたくさんの放射能をそのまま処分することになります。地球環境に対する負荷が大きくなる。できるだけウラン、プルトニウム等の再利用できる放射能については、それを取り出して、本当に捨てなければいけないものだけを捨てる、処分をするという方が環境上有利である、この二点におきまして我々はサイクル路線の方が我が国の国情に合っている、このように結論をしております。
 それからMOX燃料でございますが、最終的にはプルトニウムは高速増殖炉という大きなサイクルの中で使っていかなくてはなりませんので、その時点では必ずしもMOX燃料ということになるとは限らないと思いますが、現時点ではプルトニウムの利用はその大宗を我々はプルサーマルで考えております。そのプルサーマルで燃やす場合MOX燃料が最も適当と、このように考えております。
#104
○足立良平君 ちょうど大臣もお見えになりましたから、これはちょっと後ほど議論をいたしたいと思っているんですが、今電力の自由化をめぐり、あるいはまた電力のコストというものをどういうふうに下げていくかということは大変今重要なファクターになっているわけでありますが、このMOX燃料というのは一般的な核燃料よりも実際的には一割以上高いということも、これまた事実であります。
 そうすると、「もんじゅ」のいわゆる高速増殖炉というものが将来、これはこれからの問題でありますけれども、今完全にストップしている状況の中で、一方でコストを引き下げていかなきゃならないというふうなそういう状況を踏まえた上での、例えば高い燃料を意識的に使うということは、これは一体いかがなものかという感じがいたします。
 これは私は、平成九年の二月四日に「当面の核燃料サイクルの推進について」という閣議了解が行われて、MOX燃料というのを使っていこうということになっているということも承知をしています。承知をしているけれども、いわゆるコストを引き下げるということは、すべての、今の状況の中でそれは一体いかなることにあるのかということが一つであります。
 それから、今政務次官がちょっとおっしゃっておりますけれども、いわゆる核燃料サイクル全体でぐるっと下げる、これは理論的にはまさにこれから大切なことだというふうに私も実は思っています。思っているんだけれども、現実的に今日まで、ここ数年間振り返ってみても、原子力のいろんなトラブル、とりわけこれは残念ながら科技庁所管の問題が極めてざっとメジロ押しになっている。そして、しかもこれは本来起こるべきでないような事故がどんどん繰り返し行われているというところに、原子力に対する国民の不安というものは大変に強いわけであります。
 したがって、そういう面を含めて、今おっしゃったような核燃料サイクル全体を含めた点について、もう一度ちょっと次官の考え方をお聞きしたいと思います。
#105
○政務次官(斉藤鉄夫君) まず、MOX燃料のコストでございますけれども、経済協力開発機構、OECDの中にあります原子力機関NEAが核燃料サイクルコストについて試算をしております。
 その試算によりますと、まずMOX燃料といわゆるウラン燃料のコストでございますが、これはいろいろな仮定がございますけれども、先ほど足立委員がおっしゃいましたように約一割高でございます。こういうことも含めて直接処分方式とそれから再処理核燃料サイクル方式、そのコストについて比較しておりますけれども、燃料サイクルコストの占める割合が二割程度にとどまることから、総発電コストから考えれば有意な差はない。数字でいいますと、ワンススルーが一に対してサイクル方式は一・〇一五ないし一・〇二五、有意な差とは言えないと、こういう結論が出てきております。
 したがいまして、コストも一つの方式を選ぶ重要な要素でございますが、先ほど申し上げましたような他に重要な環境上の問題、またエネルギー確保の問題という重要な要素から考えまして、この再処理方式を選ぶ方が私どもは有益であると、このように考えている次第でございます。
 それから、高速増殖炉を含みます大きな核燃料サイクル開発に当たって、これまで科技庁所管のところでいろいろな事故を起こしまして、原子力に対する、また核燃料サイクルに対する国民の不信を招いたのではないかという御指摘でございますが、まさしくおっしゃるとおりでございまして、私ども、動燃につきましては抜本的に改革をして核燃料サイクル開発機構という形にさせていただきました。また、情報公開についても徹底して行っているところでございます。そういう努力を通して国民の皆様の理解を得ていきたい、また核燃料サイクルに対する理解を得ていきたいと思っております。
#106
○足立良平君 私は、エネルギーを考える場合は、先ほどもエネルギー政策でいろんな問題で話がございましたが、原則があると思っているんです。
 それは一つは、やっぱりいかにコストが安いかというコストの概念というものを離れてエネルギーというのは考えるわけにはいかないだろう。ただし、それは当然量が確保されなきゃならないだろう。そして、今次官がおっしゃったように、環境の問題というものをどう考えるか。
 私は、エネルギーを考えていく場合、とにかくどんなにコストが高くてもいいんだとか、あるいはまた量が少なく、本当に太陽の光というのは、この時計も含めまして、量が少ないと実際的には経済活動、国民生活に全然意味をなさないわけですから。そういう原則をきちんとして、そしてその上で情緒的でなしに極めてクールにこの議論というものを進めていかないと、エネルギー問題というものは議論が前へ進んでいかないと、私はこう思っています。
 ですから、そういう面からすると、この核燃料サイクルというものは、日本のエネルギーのセキュリティーの面とか環境問題とかいろんな問題があります。そして、それを総合的に考えていったときに、本当に経済的に一体これはいかがなものかというのを常に検証していく姿勢が私は一つ必要なのではないかというふうに思います。だから、そういう面で今ちょっとお聞きをしているわけであります。
 それと同時に、私は、通産大臣がお見えになりましたし、文部政務次官もお見えでしょうから、ちょっとそれぞれ皆さん方にお聞きをしたいと思うんです。
 この原子力問題というのは、私はこれから大変重要だと思っているんです。思っているんだけれども、現実に、先ほどちらっと申しましたように、こんなことは理論的には起こり得べくもないと思っているような事故が全部起きている。ここには人間が介在しているというか、人間の教育なり、あるいはまた、私は人材というものは実は大変原子力問題については大きな要素を持っている。
 例えて言いますと、まずこの法案をめぐっての問題一つとりましても、これはこれから相当長期というよりももう超超長期の問題。しかも、この問題はある面においては華やかな業務でない。華やかでなくて、しかもそれは安全がきちんと担保していかなきゃならない。人材を養成するということは実は大変に難しいというふうに私は思います。
 したがって、そういう面からすると、今日までの原子力をめぐっての、例えば原子力のプラントメーカーで、一方で原子力発電の新設がほとんどいっていない段階では、この技術者の維持というのは実はメーカー側にすると大変な難しい問題を抱えています。あるいはまた、大学においても、原子力の教育なり、これに対する言われているような教育に学生がもう極端に減ってきている。あるいはまた、その他いろんな問題を含めてみると、私はこの人材の養成ということが本当のところ、まさに国として考えていかなきゃならない課題ではないかと思うんですが、その点に関してそれぞれひとつ簡単に考え方を述べていただきたいと思います。
#107
○政務次官(茂木敏充君) 委員御指摘のとおり、原子力発電の技術開発や安全運転におきましては、有能な人材の確保が必要不可欠でございます。このような観点から、原子力発電及び関連産業に携わる人材の養成や確保は、通産省といたしましても重要な課題の一つである、このように認識をいたしております。
 具体的に申し上げますと、通産省といたしましては、原子力分野の技術の向上のみならず、技術開発に携わる人材の養成及び確保にも寄与するため、本年度、提案公募型の実用原子力技術開発制度を創設することといたしたわけであります。
 また、通産大臣によります原子力発電実務功労者表彰制度によりまして、現場における原子力発電の安全に関する意識の高揚を図り、人材の養成及び確保に寄与してきております。
 また、文部政務次官の方から御答弁もあるかと思いますが、学校教育における原子力発電等のエネルギーに関する知識の普及を促進しておりまして、原子力発電に携わる人材の養成及び確保に長期的に寄与するものだ、このように考えております。
#108
○政務次官(河村建夫君) 委員御指摘の原子力関係の人材養成の問題でございます。
 さきのジェー・シー・オーの事故が起きましたときに、教育現場も非常にショックを受けるといいますか憂慮したのは、日本のこういう原子力関係に対する総合力が、技術力、人材力が落ちたのではないかというようなことに対して真剣に考える必要があると、委員の御指摘のとおりでございます。
 今、各大学にも原子核工学科とかそういう学科を持った大学もあるんですが、かなり幅広く原子力というのをとらえようということで、最近は原子力という名称を外して別の名前、量子エネルギー工学科というような名前に変えた大学もございます。例えば東北大学の工学部では、原子核工学科を量子エネルギー工学科というのに変えまして、原子力分野を含むより幅広いエネルギー関連分野の教育研究をやるようになっておりまして、各大学もそういう傾向に今あるわけでございます。
 今挙げましたジェー・シー・オーの事故を受けまして、このような原子力関係学科の卒業生だけではなくて、広く大学の理工系の学部の学生に対しても原子力、放射能、放射性物質といいますか、そういうものに対する知識を習得させる必要があるということで、原子力安全教育の充実を図るために平成十一年度も関連の設備を整備いたしたところでございます。
 文部省といたしましても、今後とも理工系の学部を有する大学に対しては、原子力関連産業に携わる人材の育成という広い観点から、人材の育成、そして原子力の安全教育の充実に取り組んでいくという姿勢をさらに強めてまいりたい、このように考えておるところであります。
#109
○政務次官(斉藤鉄夫君) 科学技術庁が受け持ちますのは、どちらかといいますと学校を卒業して職業につかれた方、生涯教育という形で一生懸命頑張らせていただいております。
 具体的には、日本原子力研究所、それから放射線医学総合研究所、それから原子力安全技術センターなどでいろいろな研修事業をしております。そして、その結果、国家資格を取ってもらおう、原子炉主任技術者免状、核燃料取扱主任者免状、放射線取扱主任者免状、こういう国家資格を目標に頑張ってくださいということで、各種の講習会等を行っております。
 これが科学技術庁の努力でございます。
#110
○足立良平君 今、それぞれお聞きしていまして、本当にこれ大丈夫かなと、正直言ってそういう感じがするんです。
 五月二十五日に参考人質疑をこの場所でやりました。六ケ所村の橋本村長も、いろんな原子力施設を抱えて、いろんな点、お話をお聞きいたしました。私も六ケ所村へ行って村長とひざを交えていろんな話をいたしたところであります。
 実際に、今日、原子力施設というのはちょっとしたトラブルあるいはまたそれによって大変な事故を起こしている。その繰り返しで、やっと積み上げた信頼が、国民の方からまた原子力というのは危険なものだという、さいの河原のような感じで実は今やっている、現実問題として。
 それで、そういう中で原子力施設を抱えた首長、村長として、あるいはまた極端に言ったら知事も含めてなんでしょうけれども、大変な悩みを個人的には持っておられると思う。その持っておられる一番の基礎になっているのは何かというと、私は日本のエネルギー政策の一端を支えているんだ、自分たちの村はそれをやっているんだという自負心、そういうものが私は一面あると思う。そして一方では、反対運動でおまえ何しているんだという話ががんがんやられている中で、そういう気持ちを持って、日本の国策、原子力問題というのは日本の国策だろうと、エネルギーの中心として。それをおれが支えているんだという一つの自負心が私は村の施政者の中にあることが今日のああいう点になってきているというふうに、大臣、私は思うんです。
 ですから、そういう面では、今ずっとそれぞれお話をいただきましたけれども、そんな形式的なものではなしに、私はこういう問題に関しては、ある面においては本当に日本のエネルギーを支える、そして原子力というものを本当に安全にしかもきちんとやっていくというそういう姿勢が訴えられてこないと、やっぱりこれでいいのかなという感じを率直に言って受けるんです。三人の政務次官はそうでないと思いますけれども、私は実はそう思う。
 だから、通産大臣、やはり原子力問題というのはそういう面ですそ野の広いいろんな問題を抱えている。これはやっぱり国策として、六ケ所村の村長が言われているようなそういうものとしてやっていくんだというふうに受けとめていいんでしょうね。ちょっとお聞きしたいと思います。
#111
○国務大臣(深谷隆司君) 六ケ所村の村長さんの話もありましたが、私も各所の原子力発電所の状況を視察するために出かけてまいりまして、そこでは必ず地元の首長さんたちとお目にかかるのでありますが、ただいま足立委員がおっしゃったように、背後の激しい批判の中で、大きな自負心を持って頑張っておられるという、そういう実感をそのたびごとに受けとめまして、この人たちの努力や決意にきちっと報いていかなければならないというふうにつくづく思ったものでございます。
 そのためには、原子力エネルギーというのは今日の日本にとっては不可欠なものである、そしてその安全性を確保して安定的なエネルギーの供給に原子力発電が貢献するという形を国を挙げてやっていくんだと、こちら側の取り組みの姿勢も明確でなければならない、そのように思っております。
 ただいまそれぞれの政務次官から人材の育成についてもお話がありました。迫力がないというおしかりはあるかもしれませんが、それぞれが全力を挙げてこれらに携わる有為な人材を育てようと考えておることは間違いがありませんで、これからも連携をいたしながらしっかり取り組んでいきたいと考えています。
#112
○足立良平君 迫力は多分あるのでしょう。私の耳がちょっと悪いのかもしれません。年いくとだんだん耳が遠くなりますので、そうするとそういうことになるかもしれない。
 これはついでにと言ったら悪いけれども、ちょっと大臣にお聞きしておきたいんですが、先ほどもちょっと触れたんですが、電力は一方で自由化をしていこうと。これは私は一つの流れとしては当然だと思うんです。電力の自由化ということと同時に、今度は原子力問題というものをどう考えるかという問題なんです。
 これは先ほども同僚の木俣議員の中で議論としてありましたが、大臣おられなかったんですが、従来二十から十六か、大体二十くらいを想定してCOP3のもとでやろうとしておる。それはちょっと無理だよということになって、需要も落ちてきているんでしょうけれども、今度は十三くらいでやる。電力会社がこう言ってきたから十三になっちゃったよという話になってきているわけですね。これは、電力の自由化の中における原子力というものを大臣として一体どういうふうにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせ願えますか。
#113
○国務大臣(深谷隆司君) まず最初に、今御指摘がありましたが、原子力発電所の二〇一〇年の計画は二十基でありましたが、今十三基というふうに発表しています。私は、国民の皆様に実態をそのままきちっとお届けするということは大変大事なことだと考えて、エネルギー政策を基本的にもう一回一年かけて見直そうではないか、こういう考え方を示したのでございます。
 そして、そういう趣旨に沿って、それぞれの電力会社から二〇一〇年までに可能な数を出したのが十三基であります。
 ただ、それは七基はできないのかということになりますとそうではありませんで、一年、二年、三年と若干のおくれが出るということで、その目標に関してはきちっと二十基の目標に向けて努力をしていくということでありますが、そういうありのままをきちっと示していくということはとても大事なことだと考え、これからもそうしたいと思っています。
 また、今お話しの電力の自由化というのは、競争を通じて電気事業全体の効率化を達成するということを目的にするわけでございますが、その実施に当たってはエネルギーの安定供給だとか環境保全といった課題との整合性を保ちながら行っていくということが基本だというふうに私は思います。
 原子力について、安定供給や環境保全のためには欠かせない電源でございますので、今回の制度においても、新規参入者の発電所に優先して稼働させるという仕組みを設けて、自由化を進める中でもその導入に支障が生じないように措置することといたしておるわけでございます。
#114
○足立良平君 きょうは時間が三十九分までということになっていますから、余り深い議論というのはちょっとしにくいんですが。
 大臣、今話を聞いているとまさにそのとおりだなと思うんです。競争を通じて、今おっしゃいました自由競争ですね、競争を通じてサービスをよくしていくということはこれは当然だと。サービスというのは、価格を低くするということもこれは当然です。エネルギーのセキュリティー、環境等も云々と、こういうふうに大臣の今答弁の中にございました。
 一般的に、競争を通じてという中で、例えばエネルギーのセキュリティーというものの概念というのが本当に入り込んでくるんだろうか。厳しい競争の中で、それでは環境問題というもの、一方で環境の規制法とか別としてあって、それで従わなきゃならないという問題はあったとしても、その競争が極めて厳しい中で、こちら側の別のファクターというものがそこに大きなウエートとして持ち得るのだろうかということを考えると、私は大臣、この視点というものをちょっと変えていかないと、いわゆる自由競争でどんどん料金を安くしていきましょう、あるいはもうやっていこうということとは若干、全く相反するとは言わないけれども、そういうものがついてくるものだろう。
 ですから、私はそういう点を考えてみると、この原子力問題、とりわけIPPを含めて、これは火力部門だけが一応やっているということでありますけれども、この原子力問題というものを考えて、そして我が国のセキュリティーなりいろんな周辺の部分を含めてこれを考えていこうとするなら、私はこれは別のサイド、別の視点で、国の政策、国家戦略というか、それほど大きなものかどうかは別としても、その種の概念がここに導入されないとちょっと難しいのではないかというふうに実は思えてならないんです。これが一点。
 それから二点目に、これもちょっとお聞きをしておきたいと思うんですが、自由化をどんどん進めていったときに、今度は電気事業法十八条で言ういわゆる供給責任の問題なんです。
 これは、自由化をどんどん進めてやっていくと、一方で今度は供給責任、大変コストのかかるところの供給義務というものは、今は総合的に一応やっているんですが、これは体制がとれないという問題がある。したがって、私はこの自由化の問題と、そしてこっちで言う、電気事業法十八条で言う供給義務という問題との兼ね合いというのがどうもひっかかってくるんです。
 大臣、どうでしょう、ちょっと考え方をざっくばらんに一回聞かせてくれませんか。
#115
○国務大臣(深谷隆司君) 電力の自由化に伴い、自由化対象の大口需要家向けの供給については電力会社の供給義務を原則廃止するといたしておりますが、万が一だれからも供給を受けられないというそういう大口需要家が生じた場合に限っては、電力会社に薄い供給義務を残すという形にいたしました。
 おっしゃるとおり、自由化を一方で進めてコストを抑えていくということと、原子力の需要にこたえていくということには若干矛盾するところもあるかもしれませんが、ただいま申しましたように、電力会社はある意味で薄い供給義務にしているというところが大変苦労なところでございます。また、電力会社にとって、こうした薄い供給義務に伴う負担が自由化部門における競争上の不利にならないようにということも考えなきゃなりませんで、その料金については適切な水準での設定を認めるとともに、電力会社に供給の余裕がない場合には供給を断ることができるというようなそういう形にもいたしております。
 いずれにいたしましても、この制度を開始いたしましてからおおむね三年後ぐらいをめどにいたしまして検証を行って、自由化の範囲のあり方等について検討をいたしていくということを考えております。こうした供給義務のあり方についても再度検討していくときが来るだろうと思っております。
#116
○足立良平君 薄いということを言われると、ふっと手が上に挙がってしまいましたんですが、それは別として、薄い供給義務というのは一体どういうことを意味するのか、ちょっと私理解しにくいんですが、これは後の問題にいたしたいと思います。
 文部政務次官、忙しいと思いますから、どうぞもうお帰りください。
 それで、次の課題に行きたいと思います。この法案に関して、これはちょっと科技庁にお聞きをしておきたいと思うんです。
 安全規制の制定が実は大変におくれてきているというふうに思います。具体的に機構が進めていこうとすると、やはり今日の原子力に対するいろんな国民の意識というものがあるわけでありますから、この安全規制というものをきちんと持っていないと、私は地元の皆さん方との話は全然前に進まないというふうに思えてなりません。
 ですから、今までの議論の中では、斉藤政務次官が衆議院の商工委員会で、いわゆる基本的な考え方は間もなくこの秋ごろ云々と言われているし、あるいはまた細田通産政務次官は、五年から十年の法制度を一応目指していくとか、どんなに遅くても二十五年後くらいだと。二十五年後ですから二〇二五年ですかね、というふうなこともおっしゃっている。本当にちょっとゆったりして、これどうなっているのという感じがするんです。
 したがって、そういう面で、今日まで安全規制がおくれてきた原因というのは一体どこにあるのかということを端的にひとつお聞かせ願いたいと思います。
#117
○政務次官(斉藤鉄夫君) 安全規制の制定がおくれたという足立委員の御指摘でございますが、決しておくれていると我々は考えておりません。
 高レベル放射性廃棄物の処分概念が明確に規定されたのが平成十年の原子力委員会でございます。その直後から、原子力安全委員会放射性廃棄物安全規制専門部会におきまして、この処分に係る安全規制の基本的考え方について鋭意検討してまいりました。その基本的考え方につきましては、この秋ごろ取りまとめを予定しております。
 ここで基本的考え方を決めますけれども、その先の具体的な安全規制につきましては、今後最新の知見を取り入れながら、きちんとしたものにしていきたいと思っております。
#118
○足立良平君 わかりました。それはもう早急に、これは所管マターはこれからは通産の方に、いわゆる経済産業省になるんでしょうか、そちらに移ると思いますが、これは早急に立法措置をひとつやっていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。
 それで、科技庁の方も忙しいでしょうから、席を外していただいて結構です。あとは通産の方にいたしましょう。
 それでは、これは通産省にお聞きしておきます。
 認可法人、先ほどもこれは同僚議員から話がございました。実施主体を認可法人としたということで、これはそれぞれ答弁も一応承知をいたしております。同じことをお聞きするつもりはございません。
 問題は、先ほど来言っていますように、これはもともと相当国策的なものであります。国策的なものであるいわゆる実施主体というものを認可法人にした理由なんです。私は、ある面でいったら、国策的なものということを考えてみると、本来は特殊法人として考えるべき性格のものではないかというふうに実は思っているんです。
 これは特殊法人総覧、もうこれも時間が余りございませんから内容は一々申し上げません。ここに特殊法人というものは国家施策云々と概念を明確にいたしております。それから認可法人というのは、判例時報の千四百五号の中にも、認可法人というのはいわゆる民間の企業を中心にして、しかし云々ということで、公益的なものということの概念もここで明確にいたしておりますから、そういう一つの特殊法人、これをきちんと国が責任を持ってこれから進めていこうとするときに、認可法人ということで本当にいいのかというふうに私は実は疑問に思うんですが、この点に関してちょっとお聞きをいたしたいと思います。
#119
○政務次官(細田博之君) 高レベル放射性廃棄物の処分実施主体のあり方につきましては、先ほども答弁ありましたように、平成十年五月の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書において、発生者責任の原則にかんがみまして、国が直接事業を行うのではなく、民間を主体とした事業とし、事業に対して法律と……
#120
○足立良平君 同じことは要らないんだよ。そんなこと質問していない。
#121
○政務次官(細田博之君) 法律と行政により監督と安全規制が行われることが適当だとしておるわけでございます。
 今おっしゃいましたように、特殊法人として考えたら不適当なのかと言われれば、別に不適当だと思いませんけれども、行政改革で、どんどん特殊法人ができていいのかという議論も片方でございましたし、それからきちっとした責任を明確にして行政が行われるのかといえばこの規定によりましてできますので、認可法人で対応したいと考えておるわけでございます。
#122
○足立良平君 そこで、それはできるというふうにおっしゃったからできるんでしょう。ただ、私はちょっと明確にしておきたいと思います。
 例えばこの法案をずっと私読ませていただいて、それでずっと見たら、このいわゆる実施主体というか機構は、例えば通産大臣の認可と承認、これはもう設立から、定款の変更から、役員の選任及び解任から、評議員の任命から、業務の委託から、業務の方法書から、毎事業年度の予算、事業計画、資金計画、短期借入金及びその借りかえの問題、そして承認は、実施計画の作成、変更、概要調査地区等の選定に関するいわゆる実施計画事項の変更、あるいはまた役員の兼職、最終処分積立金の取り戻し、毎事業年度の財務諸表とか、もうはしの転んだようなところまで全部これは通産大臣の認可と承認ということになっている。私は今までこんな認可法人は見たことがない。
 ですから、やれというのは、これは法律を行使しておるんだからひょっとしたら特殊法人以上のことをやっているわけです。だから、実際的には本当のところを言うと、こういう法案として一体これでいかがなものかということは、単に特殊法人の数を云々するとかいう問題ではない。これは明確に、もう時間がありませんからちょっとこの辺本当はきっちりと詰めたいと思っておりましたけれども、きょうはやめます。もう時間がありません。ですから、その辺はちょっと問題点があるということを私はあえて指摘をいたしておきたいと思います。
 それで、これは大臣にお聞きしたいと思うんですが、本来はもうちょっと皆さんから聞いた上で大臣総括答弁、こういうことで考えていたんですが、もう時間がありません。
 これは、そういうふうに実施主体というのは現実的に本当に通産の承認を事前に何かを受けないことには全く動きがとれない。それで、現実にこれやろうといたしますと、それはもう本当に原子力発電所をつくるより難しいと思う。その面では、これみんな実施主体、機構は通産省に顔が向いておって、本当に住民の皆さん方とひざを突き合わせてこれの問題を処理する体制がこれでできるんだろうかなという感じがしてならないんです。
 だから、そういう面でこれは本当に私は、無責任な体質にならないように本当は歯どめをきちんとしないといけないように思えてなりませんので、その点をちょっと通産大臣に一点お聞きをしておきます。
 それから、もうあと三、四分しか時間がございませんから、もう一点お聞きをしておきたいと思いますのは、そういう意味合いでこの法律を見ますと、法の七十五条の一項第二号、これは一つの象徴的なものとしてあえて、これは通産大臣が答弁しにくかったら政務次官でもいいですよ、いいというふうに申し上げておきますけれども。
 この七十五条というのは処分積立金、全部、機構があって、それから指定法人にお金を預けていますね。それをまた取り戻す、取り戻すという表現がいいかどうかわかりませんが、そういうふうにする。これを取り戻すときのこの指定法人の業務内容というのは、「最終処分積立金の取戻しに関して、取り戻された最終処分積立金の額に相当する金額が確実に最終処分業務の実施に必要な費用に支出されることを確認する」、これが指定法人の業務になっているわけであります。
 ところが、私はずっと法案を見ていますと、これは一体どういうことなのかなというふうに思うのは、一たん積み立てた指定法人から、それは法第五十九条で最終処分積立金を取り戻す許可、通産大臣がそれを承認しないとお金は出ないんです、まず指定法人から。通産大臣がオーケーと言わないと、もともと指定法人から一たん預けたものが出てこない。こうなっています、法律で。
 それから、第六十五条の一項の中にも、機構の財務諸表は通産大臣の承認事項でありますから、これはもう通産大臣が全部チェックするということにきちんとなっているわけです。にもかかわらず、今度はまた一方で、この指定法人の中で七十五条の一項第二号でそれは確認をするというふうなことで、もう屋上屋もいいところの法案になっている。
 私は、これは確認だから、まあまあこんなものは形式的なものだろうなと善意に解釈をしているんですが、その辺のところを含めて、総括的に大臣の方のお考え方をお聞かせ願っておきたい、このように思います。
#123
○国務大臣(深谷隆司君) 原子力発電環境整備機構につきましては、機構が民間の活力だとか効率性というものを発揮して主体的に最終処分事業を行うように、必要最小限の監督を行うべきと基本的には考えています。
 ただ、事業の継続性の確保とか情報公開とかあるいは安全規制などについては、国が十分な責任と監督を行って事業をきちっと進めていくことが必要だろうと思っております。
 後段の部分については、足立委員の善意で受けとめたというその形を含む内容と御理解いただいて結構であります。
#124
○足立良平君 終わります。
#125
○委員長(成瀬守重君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時三十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十三分開会
#126
○委員長(成瀬守重君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、続訓弘君及び梶原敬義君が委員を辞任され、その補欠として弘友和夫君及び福島瑞穂君が選任されました。
    ─────────────
#127
○委員長(成瀬守重君) 休憩前に引き続き、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#128
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 前回に引き続いて質問をさせていただきますが、まず最初に、大臣の御感想を聞くことになっておりましたこのビデオです。これは、核燃料サイクル開発機構がつくりました「未来への選択」という地層処分に関するPRビデオなんですけれども、大臣、このビデオをごらんになって御感想はどうでしたでしょうか。
#129
○国務大臣(深谷隆司君) 過日、委員から御指摘をいただいて早速見まして、全体的に科学技術庁がこのビデオで地層処分についてリスクと安全性を含めてわかりやすく説明しようとしている、そういう形で制作したという、そういう印象でございます。わかりやすさを重視したということが伝わってくるような気がしました。
#130
○西山登紀子君 前回、私がとりわけ注意をして見てほしいということで申し上げたのはこれですよね。このキャニスターのそばにキャスターが無造作に立っている。これは、前回旧動燃が八四年のパンフレットにもこのような、この前は女性がそばにいるという写真なんですけれども、それは四十万キュリーのキャニスターのそばでにこにこ笑っているこの女性は数分間で死亡するじゃないかということを批判されまして、慌ててこの写真は撤回したという経過があるということを私は大臣にお示しをして、これは昨年つくられたビデオなんですけれども、これも同じように危険なキャニスターのそばにキャスターが立っている。こういうのが安全神話を振りまくんじゃないかということでお示しをして大臣の感想を求めたんですけれども、大臣は今、全体としてわかりやすくリスクと安全性を示したものだから問題がないという御感想でしょうか。
#131
○国務大臣(深谷隆司君) 隣に円筒形の物体があって、これは実物大の高レベル放射性廃棄物ですという話から始まっておりますが、隣に映っているこれはいろんな形にサンプルとして変わっていく画面で、その危険な物体の隣にじっと立っているというそんな印象では全くありませんで、説明する場合にこの隣の画像が次々に変わっていくというようなことでしたから、私は危険なもののそばに立っていてそれで安全性を強調しているといったような、そういう意味合いでは受けとめませんでした。
#132
○西山登紀子君 そういう受けとめは私はやっぱり納得いかないんですよ。
 といいますのは、私も繰り返しこのビデオを見ました。専門家が見ますと、あんな危ないことを強調するようなことという反面、素人が見ると、あああの程度の安全かということがむしろ印象に残ってしまう、こういうビデオです。
 これは全三巻のうちの一つなんですけれども、この全三巻のビデオというのは、高レベル放射性廃棄物をライオンに例えて、将来猫になるというふうな、非常に私は不見識なものだと思いますけれども、永久隔離処分の説明をそういうアニメに例えております。よく繰り返して見ましても、危険という単語は一回、高レベルの放射能という単語が数回出てくる程度でございまして、安全対策の側面からの説明は全くありません。しかも、高レベル放射性廃棄物の放射能がどれほど強いものなのか、その説明がないんです。
 また、ずっと見てまいりますと、リスクの説明をされているコーエン教授という方なんですけれども、例えが非常に適切さを欠いているというふうな印象を持ちました。例えば、十万年後の人々が最大受けるリスクは自然の放射能の一%を超えることはないんだ、これは通常体重が一グラムふえるぐらいのリスクなんだというような例を出しての説明がありまして、まだこの地層処分の技術それ自体実証もされていないにもかかわらず、安全に処分ができるというふうな面が非常に強調されたビデオになっているわけです。
 旧動燃の場合は、例えばプルト君といって、プルトニウムは飲んでも大丈夫だというようなビデオをつくって大変問題になりました。これは、私も昨年調査に行きましたときにそのビデオを欲しいと言ったんですけれども、さすがに、絶版にいたしましたという説明があったわけですけれども、私はやっぱり本質的に、名前は変わったけれども、体質が変わっていないんじゃないかなという危惧を大変持ちます。
 無責任な安全神話を振りまくものになるのではないかと思いますけれども、科学技術庁の責任も重大だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
#133
○政務次官(斉藤鉄夫君) キャスターがキャニスターの横に立ってという部分でございますが、キャニスターの大きさをわかりやすく理解していただくということが第一義的な趣旨でございます。
 先ほど通産大臣がおっしゃいましたように、ある意味でグラフィックスを使って現物がその隣に立っているんではないというイメージを出すように努力した、そういう趣旨もございまして、議員御懸念の点については十分配慮をしたつもりでございます。
 それから、先ほどライオンが猫になるという表現がございましたが、あれは群分離、長寿命核種を加速器や原子炉を使ってその寿命を短くする技術をわかりやすく説明するときに使った例でございまして、決してこの地層処分について使ったものではございません。
 動燃の体質が変わっていないのではないかという御指摘でございますが、これはもうここで改めて説明する必要はないかと思いますけれども、動燃改革検討委員会の結果を受けて動燃を解体し、核燃料サイクル開発機構を設置いたしました。その際、その業務の進め方、そしてまた国民の皆様に情報を開示しそして信頼を得ていくという方策についても十分手を打ったところでございます。ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#134
○西山登紀子君 やはり、国会でこういう私も意見を言わせていただいておりますので、これからも十分指導をしていただきたいと思うんです。
 やはり、私のような者が見てもこれはいかがなものかなと思う箇所が幾つも幾つも出てきているわけですから、これはやっぱり安全神話を振りまくという批判を私が国会でさせていただいたということを十分御認識していただきたいと思います。
 次に、地層処分の選定についてお聞きしたいと思いますが、こういう「地層処分の技術的信頼性」第二次取りまとめというレポート、非常に分厚いものですけれども、四分冊いただきました。
 ざっと見てみたわけですけれども、この結論といたしまして最初のところに、「これまでの研究開発により、地層処分概念の成立に必要な条件をみたす地質環境がわが国に広く存在」しているというふうに記述がございます。それに関連して、「総論レポート」の第Y章なんですけれども、このY章には「処分予定地選定と安全基準策定に資するための技術的検討」をしているがということで、四十六ページですが、「処分予定地の選定においては、地層処分にとって不適切な地質環境を除外する観点から、@断層活動、火山活動、隆起・侵食によって処分システムの性能が損われるような地域ではないこと、A対象とすべき岩盤が必要な規模の処分施設を建設するうえで十分な空間的な広がりを有すること、B将来における人間侵入の動機となるような地下資源が存在しない地域であること、が重要な地質環境上の要件として明らかになった。」と述べています。
 それではお聞きいたしますが、この地層処分に適さない地域は具体的にはどことどこか、日本地図にプロットして示していただきたいのですが、どうでしょう。
#135
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 サイクル機構の第二次取りまとめ第Y章では、サイト選定の可否にかかわります重要な地質構造の要件といたしまして、地質環境の長期安定性について「断層活動の影響によって、処分システムの所期の性能が損われるような場所ではないこと」、「火山活動の影響によって、処分システムの所期の性能が損われるような場所ではないこと」、「隆起・侵食によって、地下深部に埋設した廃棄体が地表付近に接近するような場所ではないこと」、処分場の建設可能性について「処分場を建設するうえで十分な規模の岩盤が、適切な深度に分布していること」、人間侵入について「地下資源が存在する地域でないこと」が挙げられているところでございます。
 これらの要件を満たさない地域については、可能な限り処分候補地の選定段階における文献調査によって除外することが重要であるとした上で、処分予定地の選定段階においてボーリングや物理探査などの現地調査を行うことによって、これらの要件が満たされていることの確認を行う必要があるとしているものでございます。
 ただいま先生の方からお話がございましたとおり、この第二次取りまとめにおきましては、我が国における処分に関しまして、火山、断層などの活動地域とその影響範囲を除けば将来十万年程度にわたって十分に安定でかつ人工バリアの設置環境及び天然バリアとして好ましい地質環境が我が国に広く存在すること、工学技術につきましては、我が国の幅広い地質環境に柔軟に対応させ、現在の技術レベルで所期の性能の仕様を満たし得る処分場を設計し、その建設、操業、閉鎖を安全かつ合理的に行うことが可能であることを示すとともに、地層処分の長期にわたる安全性を評価する手法を確立し、それを用いて我が国における地層処分の安全性を確保できることが確認できたことから……
#136
○西山登紀子君 質問に答えていないので、ちょっと……
#137
○政府参考人(興直孝君) 今、その上ででございますが、「わが国においても地層処分を事業化の段階に進めるための、信頼性のある技術的基盤が整備されたもの」としているところでございます。
 このように、二次取りまとめでは、我が国の地層処分概念を一般的に検討し、その成立性を概括的に論じたものでございまして、個別具体の地域における地層処分の適不適については、今後本法案が成立すれば設けられます予定の処分実施主体による概要調査地区から精密調査地区、最終処分施設建設地の選定の各段階において行われます調査によって明らかにされていくものと考えているものでございます。
#138
○西山登紀子君 質問に端的にお答えいただきたいと思います。私が言ったことをまた繰り返さないでください、時間が少ないので。
 今の結論は、地層処分に適さない地域を具体的にどことどこか日本の地図の上にプロットしてほしいと言ったら、それはできないという御答弁ですね、結論を言えば。
#139
○政府参考人(興直孝君) 具体的に最後に申し上げましたとおり、我が国の地層処分概念を一般的に検討してその成立性を論じたものでございまして、今後の地層処分の適不適の問題は今後の調査によって明らかにされていくもの、具体的には明らかにされていくものでございます。
#140
○西山登紀子君 その答弁は私は説得力がないと思いますよ。
 見せていただきました第V章の四十三ページです。ここのところで、「まとめ」ということでこんなふうに述べていらっしゃるじゃないですか。
 地質環境の長期安定性に影響を及ぼす可能性のある天然現象については、現象の種類や地域によって得られる情報の量や精度に違いはあるものの、おおむね過去数十万年程度まで遡って、活動の場所や変動の規模を追跡することができた。また、天然現象によっては、過去数十万年程度よりも古い時代における活動の特徴や傾向を推定することができた。それらの情報を分析し、過去から現在までの活動の中に見い出される傾向や規則性に基づき、将来における天然現象の活動の可能性や変動の規模などを検討した。その結果、地層処分に際して、天然現象による重大な影響が及ばないような地域を選定し、あるいは想定される変化を考慮して必要な対策を講じることができるとの見通しを得た。
こういうふうに書いてあるわけですね。活動の場所、それから変動の規模、これも追跡することができた、そして将来における活動や変動の規模なども見通しを得たと。
 ここまでこれだけの分厚いレポートを出して報告をなさっているわけですから、どこでどのくらいの規模の変動があって、それから将来の可能性を調べたらこことここはだめだよ、適地じゃないよ、除外できるよというようなことが示せないというのでは、これはこのレポートの信頼性にかかわる問題ではないでしょうか。短く言ってください。
#141
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 この報告書に報告されてございますとおり、その結果として、「地層処分に際して、天然現象による重大な影響が及ばないような地域を選定し、あるいは想定される変化を考慮して必要な対策を講じることができるとの見通しを得た。」、このように報告書は結んでいるところでございまして、また今後の問題に関しましては、これらの地層に適切な「想定される影響の程度や範囲を人工バリアの性能との関係で把握し、そこから十分に離す、あるいは、それを考慮して処分施設や人工バリアを設計することが可能である。」としているものでございます。
#142
○西山登紀子君 ここまで、活動の場所とか規模とかいうものまで追跡することができたと言っているわけですから、では、その活動それからその変動の規模で先ほど言った三つの内容に当てはまって不適切だというところを日本列島のどこなのかということをプロットするということは、それは私はできて当たり前じゃないかというふうに思うわけです。
 先日、参考人の松田先生もこういうふうに資料を出されまして、活断層の地図だとかそれからこういうふうな地震の分布密度なども出されまして、ここはマグニチュード最大八、九以上の規模の地震が起こるところだとかというようなことをこういうふうに地図に落としているわけですから。
 これだけのレポートを出されたのに、それがプロットできないということはほかに理由があるんじゃないでしょうか。国民は、自分たちの地域が地層処分の適地、逆に言えば地層処分に適さない地域になるのか、あるいは適する地域になるのか、これは非常に具体的な問題でございます。具体的に心配の問題なんです。ですから、これをきちっとここは不適切な地域だよということを、除外地域をプロットして示してくださるという、これは大変重要なことだと思うんですが、それが示せないということは国民の反対を恐れてプロットができない、こういうことではないでしょうか。
#143
○政務次官(斉藤鉄夫君) この第二次取りまとめの目的は、地層処分をするに当たっての技術的な可能性、そしてその技術的可能性を追求するプロセス、そして日本にそういうそもそも地層処分に適当な地域があるのかどうか、そういう空間があるのかどうかということを示すのが目的でございます。個々別々にこの地域は適している適していないということを示すことが目的ではございません。したがいまして、ここで明らかになったいろいろな技術的な基礎を使って今後一つ一つのサイトについて検討していく、こういうプロセスになります。ですから、第二次取りまとめの目的がそもそも違うということでございます。
#144
○西山登紀子君 一般的に地層処分の適地を評価するというようなものであれば、今までだって火山や地震の影響を受けない地域というのは、例えば「火山カタログ」だとか「日本の活断層」などの既存の蓄積や資料などがたくさんあると思います。これほどの手間をかけた調査をしなくてもいいことではないかと思うんです。
 処分場に適さない活動の場所もわかったし、規模もわかったというふうなことで条件等はわかっているんだけれども、地図の上にはプロットできないということであれば、逆に言えばこのレポートの意味するところは、活火山の火口だとか、だれもが認める活断層の上を除けば日本列島ならどこでも任意な場所をボーリングして、そしてその岩盤に対応した対策をとれば地層処分が可能だと、逆にそういうふうに言っているに等しいということになりはしませんか。
#145
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 今回、サイクル開発機構が二〇〇〇年レポートを取りまとめるに当たりまして、原子力委員会の原子力バックエンド対策専門部会において高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方についてその報告を取りまとめたところでございますが、この報告書において二〇〇〇年レポートがどのような視点に立って報告を取りまとめるべきかということを明らかにしてきたものでございます。その結果、先ほど来御説明申し上げておりますような二〇〇〇年レポートが報告されてございまして、現在原子力委員会のもとでその評価を行っているところでございます。
 ただいま先生の方からお話しございましたとおり、明らかになっております活断層、さらには文献調査、そういうもので調べられました結果をもとに、そういう適当でないような場所を外すことにより、またさらにその上で、サイトの所要の場所の広がりも例えば二キロ平方であるとかあるいは四キロ平方であるとか、いろんなケースはあろうかと思いますけれども、そういうふうなことを考えまして、距離の広がりを考慮した上で具体的な可能性のある概要調査地点を選ぶことは十分可能であると。その上で、現在ございますような技術をもとに、さらにボーリングでございますとか、あるいは空中からの地上のデータの、地上の調査を進めることによって、不確かさというものが確実性なものに転換することによって具体的なサイトの絞り込みが可能になってくる、このようにあの報告は結んでいるものでございます。
#146
○西山登紀子君 一般的なことを言っているんじゃなくて、もうこうやって法律も出していらっしゃって、地層処分をやるんだ、これが最もいいんだといって法律を出してきていらっしゃるわけですから、その根拠になっているのがこのレポートなんですよ、取りまとめの。なので、そこで除外できるところを、活動の場所も規模もわかったと言っているんだから、じゃ、除外するところはどこなんだと具体的にプロットして国民に示してほしいと言っているのに、それはできない、急にまた一般的な話に戻っちゃうから話が進まないわけです。
 このレポートについて、じゃ、専門家はどういう評価をなさっているかといえば、地震学者の石橋克彦神戸大学教授は、「高レベル放射性廃棄物地層処分と日本列島の地震・断層活動」という論文の中で、結論的に地震・断層活動の影響をこうむらない地域が我が国に広く存在することを地震科学から論証することは現時点では難しいと言っていらっしゃいます。上部地殻の地震発生機構、活断層、地震テクトニクスなどの基礎研究をさらに推し進めなければならないと指摘をしているわけであります。
 こうした指摘を謙虚に受けとめるべきではないでしょうか。
#147
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 先ほど来御説明申し上げましたとおり、この第二次取りまとめにおきまして、過去数十万年の地質情報に基づきまして、我が国の数十万年間の間に活動いたしました活断層の分布が取りまとめられたところでございまして、「わが国における主な地震・断層活動は、少なくとも過去数十万年程度にわたり、既存の活断層帯において同様の活動様式で繰り返し起こっており、この間、地殻応力場はおおむね安定して持続してきたとみなすことができる。」、このように結んでございます。その上で、「このことから、十万年程度の将来については、現在までと同様の活動が継続するものとして、地震・断層活動を評価することが妥当と考えられる。」、こういうふうに結んでいるものでございます。
 今、先生のお話しになられました地震・断層活動による地質環境への影響につきましては、断層活動によって岩盤が破壊された領域である破砕帯の幅が例えば数メートルから最大でも数百メートル程度であるようなこと、さらには大規模な断層の周辺岩盤中に変位が認められる範囲につきましては、小断層の分布が二キロメートル程度以内との事例や断層の長さとの相関に関する報告があること、また、保守的な想定として仮に現存します活断層の影響範囲の幅を一律数キロメートルとみなしたとしても、その範囲外となる地域は我が国に広く存在するとされてございまして、こういう観点から、これまでの調査によって我が国における活断層の分布がすべて明らかになったとしているわけではなく、処分場の選定に当たりましては、詳細な調査を実施して活断層の有無やその性質などを確認することが必要であるとしているものでございます。
 また、その際、地下に伏在してございます活断層の存在の可能性にも十分留意して、物理探査やボーリング調査などの地下構造調査を慎重に行う必要があることを指摘されているものでございまして、処分地の選定を進める段階で詳細な調査を実施することによりこのような伏在する活断層を把握することは十分できる、こう考えているものでございます。
 また、先ほどの参考人質疑におきましても、徳山先生のお話も、まさに今回のサイクル開発機構の二〇〇〇年レポート、また原子力委員会の専門部会の報告も、このような考え方に立って我が国には十分そういう場所を選ぶことができる、このように結んでいたものと考えてございます。
#148
○西山登紀子君 参考人の松田先生は、「問題点」というところで、この間の参考人のところで、「地表でみつかる活断層はマグニチュード七程度以上の大地震の跡であり、それによって予測できるが、それよりも小規模(マグニチュード六・七程度以下)の地震では一般に地表に跡を残さないので現状では予測困難である。」と問題点にきちっと書いて出しておられます。さらに言えば、「岩盤中にみつかる多数の小断層も付近で大地震が起こった時に小規模なずれを起こすことがある。そのような小断層やそのずれの量を的確に予測することは困難である。」というふうに専門家である松田先生はこういうふうな御意見も出していらっしゃる。
 今御紹介しました石橋先生も、今、現状では我が国に広く存在することを地震科学から論証することは現時点では難しいと言っているのに、政府は、いや、難しくないんだ、除外する地域は広く存在するんだと、こういうことを言っていらっしゃるのはおかしなことですよね。
 それでは、地下水の問題についてお伺いしたいと思いますが、岩盤地下水工学の研究者の方は、数億年から数十億年もの間安定した地層が広く分布する大陸と比較して、日本が極めて複雑な多くの地質学的イベントを受けている日本列島の特徴についてこんなふうに述べていらっしゃいます。
 日本列島を取り巻くプレートに起因するもので、プレート活動が続く限り将来もこのような地質学的イベントを受けるであろう、このような地質学的イベントを定性的に予言することは可能であっても、具体的、定量的に予測することは今日の科学的知見では不可能である、今後の科学技術の発展、進歩を待たなければならないと指摘をしているんです。
 さらに、地下水の流動について、かなり専門的になりますが、極めて超長期的な安全評価と精度の要求される地層処分の解析にダルシーの法則がたえ得るか否か、理論的、実証的に考察することは極めて困難である、新たな理論が求められなければならないとも指摘をしているわけです。
 私たちの常識を超える時間的な長さを持つこの地層処分の研究には、こうした専門家の科学者としての真摯な態度、これがやはり求められているわけですけれども、それは何も科学者だけではなくて、こういう地層処分を行おうとしている政府、科学技術庁に対してもこういう真摯な態度が求められるんじゃないでしょうか。どうでしょうか、地下水。
#149
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 また若干長くなろうかと思いますが……
#150
○西山登紀子君 いや、短く。時間がないので。
#151
○政府参考人(興直孝君) はい。
 ただいま先生の方からお話がございました、ダルシーの法則の適用性についてもお話がございました。
 今回、このサイクル開発機構の調査が定性的な調査なのか定量的な調査なのかというふうなこともございますけれども、今回の調査に当たりましては、地下深部の広域的な地下水の流れは、地下水面の勾配、これを動水勾配と申し上げておりますが、これと岩盤自体の水の通しやすさ、これを透水係数と言っておりますけれども、この両者の積として予測することができると、これがダルシーの法則であるわけでございます。
 このダルシーの法則をもとにというか、こういうのをベースといたしながら、例えば岩盤の透水性につきましては、土木工学などの分野に蓄積されております三十種類の公開文献から千五百十七件のデータを収集しまして、地下深部における実測データと比較検討することによって、地下深部の岩盤の平均的な透水係数が文献値よりも小さい傾向があることを今回明らかにしたものでございます。
 と同時に、動水勾配につきましては、全国各地の井戸データなどから地表付近の動水勾配を求めたところ、地形の勾配に依存しており、低地、台地、丘陵地、山地の順にこれが大きくなること、また、深層ボーリングでの実測によりますと、地下深部の動水勾配は地表付近よりも小さいことが今回のこの報告で明らかにされてございまして、さらにこの上で、東濃の鉱山周辺地域においてこれまで実施されました深度一千メートルのボーリングによる動水勾配の測定結果、さらにはボーリング孔による透水係数の測定結果などの知見をもとに、定性的な解析から定量的な解析に今回この報告書では成果を上げたものでございます。
 このような調査によって、我が国における地下深部の地下水の挙動が一定の幅を持って定量的に示され得ると今回この報告書はしているものでございます。
 そんなことでございますので、いろいろな方々のいろんな御意見があることは重々承知してございますが、今回、サイクル開発機構が二〇〇〇年レポートを取りまとめるに当たりましても、我が国のみならず世界の関係の地質学の方々の御意見などもちょうだいし、またそれらをもとに提出されました二〇〇〇年レポートが原子力委員会の評価の場で現在議論されているところでございます。
 私どもの方としましては、詳細なきちっとした結果報告がなされたものと、こう考えてございまして、さらなるその信頼性を高めるための努力を今後とも続けていくことが必要だろうと思っている次第でございます。
#152
○西山登紀子君 先ほど私が御紹介しました岩盤地下水工学の専門家の方は、このレポートをお読みになっての御意見として述べられたわけでございます。科学者が、日本列島における地層処分の安全性がまだ実証されていないよ、研究段階であるよというふうに主張されている、そういう専門家がいらっしゃる。そういうことをやっぱり踏まえて、いきなりもう大丈夫なんだということで法律をつくって地層処分に乗り出すということになれば、私は、新たな安全神話をつくることになるということを指摘させていただいて、次の質問に行きたいと思います。
 大臣にお伺いしたいわけですが、政府の方針では、ガラス固化体を埋設した坑道は一定のモニタリングの後は埋め戻しすることになっていますが、この地層処分の安全性に関する研究の到達点を踏まえれば、安全性が確保されているかどうかチェックするためのモニタリングや、不測の事態が発生したときにもう一度取り出すことができるように、埋め戻さないで常時管理するシステムが必要ではないでしょうか。
#153
○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘がありました点は、いわゆる回収可能性を持ったシステムとするべきではないかどうかということではなかろうかと思います。
 諸外国の例を出させていただきますが、米国、カナダのように、一定期間の回収可能性を確保している、そういう考え方の国もございます。他方、ドイツのように、回収可能性を元来不要としている国もあります。
 そういう意味では区々ではございますけれども、各国とも一定期間の後には処分施設を閉鎖するという考え方は共通のもののように受けとめております。
 ただ、具体的に我が国において回収可能性を確保するかどうか、また確保する場合の期間、あるいはモニタリングの期間等につきましては、最終処分施設の安全確保に関するものでございますので、現在行われております安全規制体系の検討の中で議論され結論を得られるべきものというふうに考えているところでございます。
#154
○西山登紀子君 いつごろ、全部埋めちゃうかと、埋め戻しをするとか、そういうこともまだ決まっていない。これから決めるということなんでしょうか。
#155
○政府参考人(河野博文君) 最終的な回収可能性を確保するかどうか、これは例えば主坑道を完全に埋め戻すかどうか、またそれはどの時点で行うべきかどうか、これは安全規制と密接に関係する問題でございますので、安全規制の中で最終的な結論を得るということでございます。
#156
○西山登紀子君 その安全規制の関係で、例えば常時管理する必要があるということになれば、それは埋め戻さないでずっと管理を続けると、こういうこともあり得ますか。
#157
○政府参考人(河野博文君) 繰り返しの答弁になって大変恐縮でございますけれども、回収可能性については、先ほど来申し上げておりますように、外国においても、考え方は異なりますけれども、ただ一定期間経過後においては主坑道も埋め戻すという基本的な考え方は共通のもののように思っております。
 ただ、一定期間の回収可能性の確保、あるいはその期間をどうするのか、これは、繰り返しで大変恐縮でございますが、安全規制の一環としてこれから結論を得るべきものというふうに考えております。
#158
○西山登紀子君 では、質問を急ぎます。
 ところで、政府はこうした処分場を何カ所おつくりになるつもりですか。
#159
○政府参考人(河野博文君) 最終処分施設の数は、これは特定放射性廃棄物の総発生量あるいは最終処分施設の能力、規模によって決まるものでございますから、これらの諸条件を踏まえて今後決定されるということでございます。
 ただ、私どもが経済性の計算ということでいろいろの試算を試みました結果、少なくとも四万本程度まではスケールメリットが働くというふうに考えておりますから、四万本程度までは一つの施設で処分するということは経済的には合理性があるというふうに考えております。
#160
○西山登紀子君 原子力発電が始まって現在までガラス固化体に換算しますと一万二千六百本分が蓄積されている。二〇一五年までを予測すると、それは四万本になる。九八年五月の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告書によりますと、二〇三〇年までの原子力発電による発電量では既に存在するものと合わせると約七万本相当になると予想されているわけでございます。
 現状のまま原子力発電をどんどんふやし続けますと、およそ五年ごとに一万本ずつガラス固化体が新たに発生し続けていくことになります。したがって、一カ所四万本の処分場をつくるならば、二十年間に一カ所の割合で処分場をつくり続けなければなりません。それらの場所は将来数万年から十数万年にわたって要注意の場所となるわけでございます。
 大臣にお伺いいたしますけれども、日本列島のあちこちにこうした高レベル放射性廃棄物の処分場をこれからおつくりになるつもりか、そのことがまた可能かどうか、お答えいただきたいと思います。
#161
○国務大臣(深谷隆司君) 原子力発電は今我が国の電力の三六%を占める電源でございます。また、燃料供給、価格の安定性に加えて発電過程でCO2が発生しないという環境特性がございまして、今後相当程度原子力に依存するということになると認識します。
 一方で、原子力発電を行えば確実に特定放射性廃棄物が発生するわけでありますから、その最終処分の実現は原子力発電を続けていく上で不可欠なものだと思います。
 最終処分施設の立地が容易ならざる問題であるというふうに私も十分に認識しておりますが、本法案が可決いたしましたら、直ちに最終処分の実現に向けての最大限の努力をいたしていきたいと思います。
#162
○西山登紀子君 もう少し具体的に。今四万本だと、将来ふえていくと七万本だと、もっとふえると。こういうときに何カ所もつくるんですか。どうなさるんですか、ふえてきたら。
#163
○政府参考人(河野博文君) 私どものこの拠出金を計算するに際しましての試算、これは四万本以上であってもその規模の利益はもうそれ以上余り働かないということでございますので、四万本程度以下で処分場をつくることは経済合理性にいかがなものかということになろうかと思います。実際の処分場の規模がこれからどうなりますかというのは、適地の選定、その地層の状況あるいはその時点におきます埋設処分技術等々にも依存するわけでございますので、現時点で何万本分を幾つつくるということを明確に申し上げることは避けたいと思います。
#164
○西山登紀子君 じゃ、次に移りたいと思います。
 参考人でお越しいただきました岐阜県の高嶋市長さんの方から、東濃地区の超深地層研究所について地域住民の皆さんが非常に心配をなさっていて、その懸念が払拭されないという御意見をるる述べられましたので、私もその点についてお伺いしたいと思います。
 岐阜県東濃地区の超深地層研究所、これの計画の概要、それから現状を簡単に御説明してください。
#165
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 この超深地層研究所におきまして、深部地質環境の科学的研究を行う研究施設で、この施設は研究施設でございまして、その研究開発から得られますデータは地層処分研究開発の基盤として活用されるものであること、また地下深部についての学術的研究にも寄与できる開かれた研究の場として重要な施設であると、このように考えてございます。
 この研究所につきましては、結晶質岩を対象としまして約二十年間研究を行う予定でございます。平成七年十二月、地元の岐阜県、瑞浪市、土岐市及び旧動燃事業団の間で協定書が取り交わされ研究所の建設が進められているところでございますが、現在主坑の掘削に先立ち千メートル級ボーリングを行っているところでございます。
 先日の参考人質疑におきまして、高嶋瑞浪市長から、地元では研究所の施設が将来処分場になるのではないかという不安が払拭されていないこと、また超深地層研究所が瑞浪市にもたらされて以来ことしの七月で丸五年を迎えようとしておって、この間、関係者が地元理解を得るため鋭意努力を重ねてきているけれども、残念ながら地元の理解を得るには至っていないのが実情であると発言をされたところでございます。
 私どもといたしましては、この研究所が北海道幌延町に計画されております深地層研究所計画とともに、技術的にも社会的にも重要な施設であり、当庁としてその推進に努力してまいりたいと考えております。
#166
○西山登紀子君 二十年がかりの計画で、今第一段階、深さ千メートル規模のボーリングを掘っているということですけれども、その研究の一部がこちらのレポートにまとめとして載っているんだということでしょうけれども、やはり千メートルのボーリングをやって今から二十年にわたって研究をしていくということなんですから、この地域の皆さんからいたしますと、これはもうそこを最終処分場にするための研究開発じゃないかという心配を持つのは私は当然だろうなというふうに思うんです。
 具体的にお聞きします。この研究は二十年かかるという計画のようですけれども、研究期間が終了したら施設は撤去されるんでしょうか、それとも地層処分関連の研究をずっと続けるということで施設はそのまま残るのでしょうか。短くお願いします。
#167
○政務次官(斉藤鉄夫君) この協定書の中に次のような内容がございます。約二十年間の地層科学研究の終了後について、「事業団は、」、事業団というのは今の核燃サイクルでございますが、「関係自治体の意向を尊重し、地層科学研究終了後の研究所の利用計画を策定するため、出来る限り速やかに、関係自治体の参加を得た検討機関を設置する。」と、こうなっております。
 したがいまして、この協定にのっとりまして、今、地元自治体の関係者も参加する超深地層研究所跡利用検討委員会を設置し、検討を行ってきているところでございます。
#168
○西山登紀子君 続いてお聞きしますが、この超深地層研究所の計画というのは、この法案が今出されているわけですが、この法案の前にもう既にスタートしている施設でございます。ですから、処分場ということでもありませんので、この法律の対象外の施設である、このように考えてよろしいですか。
#169
○政府参考人(河野博文君) 現在御審議をいただいておりますこの法案では、最終処分事業を行う主体はこの法案に基づく認可法人、つまり機構に限られております。したがいまして、特殊法人であります核燃料サイクル開発機構とは全く別の法人を考えているわけでございますので、現在、この核燃料サイクル開発機構が推進しております深地層研究所のプロジェクトとこの法案は別のものであるということを申し上げさせていただきます。
#170
○西山登紀子君 続いてお伺いいたします。
 これは二十年続けて研究をするというわけですけれども、高レベル放射性廃棄物の処分を行う際に必要なデータを得るというこの計画の、そもそもの計画はそういうところから出ているということでありますと、そのことは、政府はいろいろそうじゃないというふうにおっしゃっても、この地域が高レベル放射性廃棄物の処分場の適地になる可能性がないのかといえば、ここに住民の不安が一番あるわけでございます。
 仮にこの地域を処分場にしようとするときには、法律の仕組みとしては改めてこの法律によって実施主体の認可や実施計画の承認を初めとする一連の手続や認可が必要であるということでしょうか。その点はどうですか。
#171
○政府参考人(河野博文君) 処分地の選定につきましては、どのような場所であれ、まず文献調査によって概要調査地区を選定いたしまして、その概要調査によりましてそうした地区の中から精密調査地区を選定いたしまして、さらに精密調査によってそれらの地区の中から最終処分施設建設地を選定するという手順がこの法律上明記されているところでございます。
 概要調査地区等の選定に当たりましては、この法案に基づきまして、当該地区等を管轄する都道府県知事あるいは市町村長の意見の聴取、そして最終処分計画の改定、これには閣議の決定等を要するわけでございますが、こういったすべての手続を経ることが必ず必要でございます。
#172
○西山登紀子君 大臣にお伺いしますけれども、繰り返し大臣も岐阜には持ち込まない、青森、北海道にも持ち込まないとこの法案の審議の中でも答弁をなさっていますよね。しかし、住民の皆さんはそれでも不安なんだと、信頼できないんだという御意見もあるわけですね。
 そこでお伺いいたしますけれども、私は、核燃料サイクルとその各自治体に協定があるとかどうとかいうことではなくて、それはもちろん重要な問題でございますけれども、政府が、法律に基づいて例えばある機構がここを処分地の適地として設置したいという申請を出してきても、政府としては許可しないということを明言していただけますか。
 大臣がというと、大臣がかわっちゃったらどうだというようなことになっちゃうので、だからもうはっきりとこの法律で申請が出てきても一切それは許可しないんだと、岐阜はもちろん、北海道、青森ですね、そういうふうに御答弁をいただけますか。
#173
○国務大臣(深谷隆司君) この北海道、青森、岐阜に関しましては、科学技術庁長官が、地元が処分場を受け入れる意思がないことを表明されている状況においては、高レベル放射性廃棄物の処分地となることはないときちっと記しております。これらの回答について、現在もその方針には変更は全くありません。
 なお、今お話がありましたように、本法案というのは概要調査地区等の選定手続を定めておりますが、同手続に基づいてこの地区を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を極めて重く受けとめて十分に尊重して最終処分計画を策定していくということになっております。したがいまして、その地域、当該知事の意に反して選定を行うものはないものと考えております。
#174
○西山登紀子君 もう少しこの法案に沿って具体的にお伺いしたいんですが、ということは、この岐阜、青森、それから北海道は概要調査地区にも精密調査地区にも最終処分施設建設地域にもならない、そういうふうに理解していいですか。
#175
○国務大臣(深谷隆司君) 概要調査地区等の選定においては、地方自治体の理解と協力がなければやれるわけがありません。
 そこで、これを管轄する都道府県の知事及び市町村長の意見を極めて重く受けとめて十分に尊重して最終処分計画を策定していくことになると、こう申し上げてきたわけであります。
 しかし、あくまでも地元の理解と協力を得るべく最大限の努力をするというのはそれはもう当然のことでございまして、それでもなお御理解が得られない場合には、当該地区等を管轄する知事及び首長の意に反して選定を行うことはないものと考えます。
#176
○西山登紀子君 その御答弁だとちょっと微妙なんですよね。知事とかそれから首長の意向によっては許可することもあり得るというふうになりませんか。住民が反対していても自治体の長がオーケーするというようなことがあれば。今までの答弁は、もうこれは一切除外するんだという、こういう御答弁だったと思うんですが。
#177
○政府参考人(河野博文君) 何度も御答弁申し上げるようで恐縮でございますけれども、これまで科学技術庁長官が地元の皆様に文書によってお答えを申し上げたこの考え方は、政府、私どもとしても同じように考えているということは何度も申し上げているところでございます。
 この法律におきましては、立地地点の選定は三段階に分けて進められるわけでございますけれども、いずれの段階におきましても、地元を管轄する都道府県知事あるいは市町村長の御意見をちょうだいして、これを極めて重く受けとめるし、また十分に尊重してということにしておりますので、その地元の都道府県知事あるいは市町村長の方々の意に反して選定が行われることはないということを何度も申し上げておるわけでございます。
#178
○西山登紀子君 ぜひその方向を堅持していただきたいと思います。
 時間がないので、あと一問お伺いしますけれども、本法案の第二十条によりますと最終処分の安全確保の規制は別の法律で決めるということになっているわけですけれども、処分方法については決めておきながら安全規制の基準は先送りということの理由は何なのでしょう。また、いつまでにつくるおつもりですか。
#179
○政府参考人(河野博文君) 地層処分の件については、先ほど来御議論がありましたので余り繰り返して申し上げるのはいかがかと思いますが、御紹介してまいりましたとおり、各国におきましてもこの高レベル放射性廃棄物の処分を行うための地層処分というものがある種共通の考え方になっているところでございますけれども、既に各国におきましては資金確保あるいは処分実施主体の設立を進めているという状況にあるわけでございますけれども、我が国においてはいまだこの制度的整備が行われていないわけでございます。
 そういう現状におきまして本法案を提出いたしたわけでございますけれども、安全確保の規制につきましては現在原子力安全委員会において検討が進められているところでもございますし、また最新の知見を反映するということが必要であるということから、第二十条に基づきまして「別に法律で定める」ということにさせていただいたわけでございます。
 なお、安全規制に係る法案につきましては、現在原子力安全委員会において進められております検討を踏まえるとともに、最新の知見を反映いたしまして、極力速やかに整備を進めてまいりたいと考えております。
#180
○西山登紀子君 安全規制が後回しになって、そして仕組みだけが、そして法律だけが先に突っ走って、これで処分をやっていくんだということなんです。ですから、この法律を見ますと、第一条にも安全という言葉がありませんし、第三条に規定されている通商産業大臣の基本方針の中にも安全という言葉がないし、第四条の最終処分計画、第四十一条の機構の認可基準、第五十六条の機構の業務についても安全確保の方針、安全確保の能力の有無などが全然明記がされていないということであります。全体としてこの法律というのは、安全が非常に空洞化している、そして仕組みだけが先走っているということなんですが、私はこれでは本当に国民を納得させることができないというふうに思います。
 今私が述べました幾つかの条項の中にもきちっと安全確保の文言を盛り込むべきでありますし、安全規制をきちっと、別々に後回しにするんじゃなくて、きちっと法律として同時に出すということが政府の責任ある態度であるということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#181
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。
 まず、高レベル放射性廃棄物を完全に処分できるところが見つからなかった場合、どうなるのでしょうか。
#182
○国務大臣(深谷隆司君) 我が国における地層処分の技術的可能性ということでありますが、これまで科学技術庁及び核燃料サイクル開発機構を中心としてかなりの検討を続けてまいりました。同機構の技術報告書では、地層処分に必要な条件を満たす地質環境が我が国は広く存在するということが示されております。
 国会で本法案を可決、成立させていただければ、情報公開の徹底などにより、地元の理解と協力をいただきながら、最終処分の実現に向けて最大限の努力をいたすつもりであります。
#183
○福島瑞穂君 先ほど他の同僚の委員からもありましたが、二十条の規定の問題を次にお聞きいたします。
 安全基準としての候補地選定基準が示されておりません。この法案は単に高レベル放射性廃棄物処分をどうするかということだけであって、安全基準としての候補地選定基準が示されていない段階で、私たちは高レベル放射性廃棄物の処分をするかどうかなど決められないというふうに考えております。選定作業の前に基準がないのはおかしいのではないですか。
#184
○国務大臣(深谷隆司君) 安全規制につきましては、現在原子力安全委員会で検討が進められているところであります。そして、最新の知見を反映させたいというような必要性も考えまして、第二十条に基づいて「別に法律で定める」ということにいたしておるのであります。
 原子力発電環境整備機構は、最終処分施設建設地を選定した後に、当該安全規制体制に従い厳格な規制を受けることになるというわけであります。
#185
○福島瑞穂君 いや、納得いかないんですよね。
 つまり、処分することだけ決めて、後から安全基準としての候補地選定基準が示されると。それは国会で議論されるにしても、今の段階では全く白紙です。白紙委任のことについて私たちは同意することはできないと思うんですが、いかがでしょうか。
 まず候補地選定基準が示されて、それが安全確保できるものかどうかの議論があって、その後に処分方法やスケジュールが決められるべきです。安全基準は別途法律でつくるということですけれども、何ら今の段階で明文で示されていないということについて、再び答弁をお願いします。
#186
○政府参考人(河野博文君) この高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、処分に要する費用が非常に大きな金額になります。したがいまして、原子力発電を行っている時点でできるだけ速やかにその負担を開始することが適当だというふうに考えます。
 また立地選定にも、この法案では三段階に分けての立地選定の考え方が述べられているわけでございますけれども、長期間を要するということでございまして、こういった作業に着手いたしますには資金の調達と同時に処分主体の確立、これが急がれるわけでございます。
 諸外国におきましても、こうした枠組みを整備した上で最新の知見をもって安全規制を行うという意味で、拠出金の徴収あるいは処分主体の設立の後に安全規制を詳細に定めていくというのが一般的な傾向でございます。
 そういうことを反映いたしまして、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この第二十条では「別に法律で定める」ということにしているわけでございます。
#187
○福島瑞穂君 今の答えでは、経済的なことがあるのでというふうにおっしゃったと思うのですが、経済的なことを優先させて、安全面、少なくとも国会の中で今の段階でも安全基準としての候補地選定基準が示されていないということは非常に重大だと思います。概要調査、精密調査の段階で安全基準が存在し、安全審査が行われなければならないのじゃないですか。
#188
○政府参考人(河野博文君) この安全審査といいますか安全規制の考え方でございますけれども、第二十条で「別に法律で定める」ということにしておりますのは、先ほど来申し上げておりますように、安全規制そのものは最新の知見を反映する必要があるということであり、また原子力安全委員会においても現在検討中の状況にあるということを申し上げているわけでございますけれども、最終的な最終処分地点あるいは施設の安全性につきましては、別に定められます、つまり第二十条で規定しております別の法律によりまして、その地点の特性そしてそこにつくられます施設の設計あるいは高レベル放射性廃棄物をオーバーパックする資材等々の仕様も含めまして、総合的に安全審査が厳格に行われる、こういった制度を担保するものでございます。
#189
○福島瑞穂君 なぜ法案の成立を急ぐのでしょうか。衆議院で四日間、参議院が四日間で、非常に重要な法律を安全基準が示されていないにもかかわらず急いでつくろうとしている。中間貯蔵を受け入れさせるためのアリバイづくりではないかということも考えられますが、いかがですか。
#190
○政府参考人(河野博文君) 安全規制についての考え方についてもう一つ御紹介をさせていただきますが、平成十年五月の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会の報告書でございますけれども、「処分地の選定後、実施主体は処分場の設計を行うとともに処分に係る事業申請を国に行い、国の安全審査が始まることとなる。」というふうにされているわけでございまして、この原子力発電環境整備機構は最終処分施設建設地を選定した後に当該安全規制体系に従って厳格な規制を受けるというのが全体としての法体系の考え方でございます。
#191
○福島瑞穂君 安全基準としての候補地選定基準が示されていない段階で、処分だけ決める法律に賛成することはできないと思います。
 ところで、高レベル放射性廃棄物処分の海外での状況についてお聞きします。実際に処分を実施した国はありますか。
#192
○政務次官(斉藤鉄夫君) 実際に処分をした国のお尋ねでございますが、使用済み燃料それから再処理をしたもの、両方含めて処分を実施した国はないと承知しております。
 なお、高レベル放射性廃棄物ではございませんが、地層処分を行っているものとして、アメリカで超ウラン核種を含む放射性廃棄物の地層処分の例がございます。これは軍事活動に伴って発生しました超ウラン元素廃棄物について、ニューメキシコ州カールスバッド近郊のWIPP、廃棄物隔離パイロットプラントにおきまして地下六百五十メートルの安定な岩塩層に処分をすることとしておりまして、一九九九年、昨年三月より廃棄物の搬入が開始されたところでございます。
#193
○福島瑞穂君 諸外国ではまだ実施されていないわけです。
 それから、五月二日、アメリカではネバダ州の高レベル放射性廃棄物処分計画について一時的な貯蔵所をつくることと処分場建設の手続を加速する法案について、科学的な調査が尽くされるべきであるという理由で大統領は拒否権を行使しております。諸外国でも非常に慎重にやっている。日本でなぜこんなに急ぐのかというふうに思います。
 次に、再処理の方針についてお聞きをいたします。
 再処理自体が世界では行われなくなってきております。使用済み核燃料の直接処分が世界の主流となっているのに、なぜ本法案では再処理を前提としているのでしょうか。
#194
○政務次官(斉藤鉄夫君) 原子力発電を行った後の使用済み核燃料でございますが、一〇〇あるウランのうちの三ないし四%が燃えただけでございます。この三ないし四%の燃えた部分につきましては、これは核分裂生成物、強い放射能を持っておりますので、これを取り除いて処分をする必要がございます。しかし、残りの九十数%についてはウランないしプルトニウムで有用な物質でございます。日本はこの有用な物質を再びリサイクルして使おう、エネルギー確保の面からも使おう、この方が有効であるという考え方に立っております。
 また、その全部をそのまま処分してしまいますと、その九十数%あるウラン、プルトニウムの放射能も一緒に処分してしまうことになります。そういう意味で、地球環境に課する負荷が大きい。そういう意味で本当に要らないものだけを、そういう放射能だけを処分するという方が環境的にもすぐれている。このようなことから私どもは直接処分ではなくて、再処理をして本当に要らないものだけ高レベル放射性廃棄物として捨てる、処分するという方式を採用しているところでございます。
#195
○福島瑞穂君 なぜプルトニウムをそんなに取り出すんですか。
#196
○政務次官(斉藤鉄夫君) それは新しいエネルギーの資源になるからです。
#197
○福島瑞穂君 日本のプルトニウムは今何トンありますか。
#198
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 五トンございます。
#199
○福島瑞穂君 私は日本にあるプルトニウムとは申し上げておりません。外国にあるプルトニウムを含めて日本のプルトニウムはどれぐらいありますか。──時間がもったいないので、お願いします。速記をとめてください。
#200
○委員長(成瀬守重君) 待ってください。
 通告してありますか、質問を。
#201
○福島瑞穂君 プルトニウムのことについてちゃんと通告しています。
#202
○政府参考人(興直孝君) 正確に調べて御報告申し上げます。
#203
○福島瑞穂君 外国のプルトニウムの分量について把握していらっしゃらないということで、ちょっと驚いております。
 イギリスに六トン、フランスに十八トン、日本に五トン、約三十トン日本のプルトニウムがあります。大変プルトニウムはだぶついております。しかも毒性が極めて強い。なぜこんなにだぶついたプルトニウムがあるんでしょうか。
 ごめんなさい、質問を変えます。このプルトニウムは備蓄をするのでしょうか。
#204
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど福島委員おっしゃいましたように、海外再処理で約三十トンのプルトニウムができてまいります。また、日本では六ケ所の再処理工場で、これはまだ動いておりませんけれども、将来年間約五トン生まれてまいります。ですから、三十トンがベースにあって、日本でこれから五トンずつ毎年生まれてくるということでございます。
 その五トンにつきましては、「もんじゅ」等のいろいろな研究施設で年間一トン弱、そしてプルサーマルで四トン弱を使っていく予定でございまして、ふえていくとかだぶついているということはございません。
#205
○福島瑞穂君 いや、明らかにだぶついています。「もんじゅ」はとまっておりますし、政府は、四万本の高レベルガラス固化体が生まれることは四百トンのプルトニウムが生まれることを意味すると答えていらっしゃいます。これは何に利用するのでしょうか。
 今、世界では核弾頭のプルトニウムが全世界で二百五十トンあると言われております。アメリカが百トン、ロシアで百トンです。今、世界じゅうにある核弾頭のプルトニウムが二百五十トン、日本はこれから四百トンのプルトニウムをつくろうという、これは何に使おうとされているのでしょうか。
#206
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本で生産できるプルトニウムは、今建設しております六ケ所村の再処理工場で年間五トンでございます。それ以上のプルトニウムを生産する能力を日本は持っておりません。そういう意味で、四百トン云々というのは少し根拠が薄弱かと思いますけれども、この五トンにつきましては先ほど申し上げましたような使い方をしてまいります。
#207
○福島瑞穂君 プルトニウムは備蓄しない方針なのではないですか。
#208
○政務次官(斉藤鉄夫君) 先ほど申し上げましたように、つくられるプルトニウムについては使っていく、プルサーマル及び研究原子炉で使っていくというのが基本方針でございます。しかし、つくってから使うまで時間があるわけでございまして、当然そこにプルトニウムが国内に存在します。その存在するプルトニウムについては透明性を明らかにして、どこにどういう形でどれだけあるかということは明確に世界じゅうに示してまいります。
#209
○福島瑞穂君 世界の中で日本の原子力政策は明らかに孤立をしております。再処理自体が世界で行われなくなってきているにもかかわらず、今だぶついているプルトニウムがあるにもかかわらず、これからどんどんプルトニウムを多くまたつくっていこう、再処理をしようとしております。この法案、今議論になっている高レベル放射性廃棄物処分法案の議論をする以前に、プルトニウムの議論を先行させるべきではないでしょうか。
#210
○政務次官(斉藤鉄夫君) 日本が持つプルトニウム、そしてこのプルトニウムについての我々の利用計画、これはある意味で明確である、このように考えております。
#211
○福島瑞穂君 明確であるだけに、だぶついているプルトニウムが、備蓄をしないことを前提にプルトニウムがあると思うんですが、もう既に三十トンあり、処理に困り、にもかかわらずこれから再処理をしようとしていることは極めて問題だと思います。そのことを前提にこの法案があること自体も問題だと思います。
 次に、試験施設についてお聞きいたします。
 試験研究と実施主体とは別ということですけれども、深地層研究所やそこでの研究結果は選定、処分の実施主体の事業にどのように反映されていくのでしょうか。
#212
○政府参考人(河野博文君) この高レベル放射性廃棄物の最終処分の実施に当たりましては、地層深部の技術的な知見の蓄積が必要だということでございます。深地層の研究は平成六年六月の原子力開発利用長期計画に示されているところでございますけれども、深地層の環境条件として考慮される特性等の正確な把握や地層処分を行うシステムの性能を評価するモデルの信頼性向上と地層処分研究に共通の研究基盤になるというふうに認識をしております。
 こうした科学的知見は処分実施主体によりますより適切な概要調査地区等の選定あるいは最終処分施設の設計等に反映されるとともに、国の安全規制の検討におきましても基礎的なデータとして活用されるというふうに理解をしております。
#213
○福島瑞穂君 ほかの方の質問とちょっとダブるのですが、試験研究と実施が別ということであれば、深地層研究所などの試験研究施設のあるところは処分実施の候補地には選定されないということを明記すべきではないですか。
#214
○政府参考人(河野博文君) この深地層研究所、核燃料サイクル機構が運営するわけでございますけれども、とこの法律で定められております処分の実施主体でございます機構は全く別物でございます。
 そして、この法律に基づきまして最終処分地が決定に至りますためには三段階の、つまり文献調査、概要調査、詳細調査等を経て、しかも各段階におきまして地点を決定するに際しましては地元の都道府県知事及び市町村長の方の意見を伺い、そしてそれを十分に尊重することを義務づけているわけでございまして、その上で閣議決定を経なければ当該概要調査地区等に選定されないという仕組みが確保されているところでございます。
#215
○福島瑞穂君 別ということであれば、選定されないということを明記すべきではないか。再びお聞きします。
#216
○政府参考人(河野博文君) 御指摘の点は、それぞれの研究施設におきまして地元の方々の御意見があり、科学技術庁長官との間で文書によりますやりとりがあるということを恐らく前提にしておいでだろうと思いますけれども、その基本的な考え方は、地元の方々の御意見を十分にお聞きし、そしてこれを十分尊重して地点の選定を進めるというこの法律の考え方と基本的に同じでございます。
 それが反映されておりますので、繰り返しになりますけれども、この法律におきましては三段階の地点選定のその都度、地元の市町村長あるいは都道府県知事の方々の御意見をいただき、そしてこれを十分尊重して、加えて閣議決定等の諸手続を経なければ地点選定に至らないということでございますので、そういった意味での地元の方々の御意見の反映は十分行える仕組みになっているということを申し上げております。
#217
○福島瑞穂君 昨日の本会議で通産大臣は、都道府県知事と市町村長の意見を重く受けとめ、十分に尊重していくこととしておりますと答弁をいただきました。この場合、都道府県知事と市町村長のみが地元であるとお考えなのでしょうか。
#218
○国務大臣(深谷隆司君) 知事及び首長はその地方自治体を代表する立場であり、その地域の自治体の住民の声を十分に反映して言動を行うものと考えています。
#219
○福島瑞穂君 議会や住民の同意は含んでいないのでしょうか。
#220
○国務大臣(深谷隆司君) それは地方自治体にかかわる問題でありまして、私どもがとやかく言うべきではありません。当然のことながら、その知事ないしは首長が議会の件あるいは住民投票の件をお考えになれば、それはそのとおりになっていくでありましょうが。
 繰り返しになりますが、地方自治体がどのような意見をまとめていくか、その過程については地方自治の問題だと認識しています。
#221
○福島瑞穂君 ちょっと食い下がって済みませんが、住民投票もすべきではないでしょうか。なぜならば、もちろん首長、県知事はそこで選ばれてはおりますけれども、住民の利害にとても関係が、非常に極めてあります。住民投票で多数の住民が反対をしても、それは首長がオーケーと言えばオーケーになるのでしょうか。
#222
○国務大臣(深谷隆司君) 今申し上げましたことの繰り返しになってまいりますが、私どもとしましては、概要調査地区等の選定において、これを管轄する都道府県知事あるいは市町村長の意見を極めて重く受けとめて、十分に尊重して最終処分計画を策定していくんだという対応がきちっとできているわけであります。
 地元の声をどのように反映させるのかということについては、これは首長が議会ないしは住民投票も含むさまざまな形で御判断なさるべきであって、挙げて地方自治の問題だと思っております。
#223
○福島瑞穂君 首長の意見を重く受けとめ十分に尊重していくとおっしゃってくださいましたが、これは同意ということと同義語でしょうか。
#224
○政府参考人(河野博文君) これは、繰り返しになりますが、意見を伺う以上は十分に尊重するということでございまして、加えて法律上も十分に尊重するというふうに定められているところでございます。
 私どもといたしましては、具体的な地点の選定に際しまして、地元の理解と御協力を得るために最大限の努力をしてまいります。そのためにさまざまお話し合いをしてまいる所存ではありますけれども、それでもなお地元の御理解が得られないというような状態でありましたならば、これはその意に反して選定を行うことはないというふうに考えていることは何度もお答えしているところでございます。
#225
○福島瑞穂君 食い下がって済みませんが、法律的には十分に尊重していくということと同意ということはやはりちょっとランクが違うように思います。
 今おっしゃったように、意に反して決めることはないということは、同意がなければやらないというふうに理解してよろしいでしょうか。
#226
○政府参考人(河野博文君) 立地選定に至ります決定といいますか、この責任は、こういった法律を出させていただき、国が基本方針を定め、処分計画を定め、そしてこの機構を監督していく以上、最終的には国の責任であるというふうに考えます。
 しかし、法律上も明記されておりますように、地元の御意見を十分伺って、そしてこれを十分尊重して決定を下すということは何度も申し上げているところでございますし、加えて、さまざまな私どもと地元の方々の意見交換の結果、なおも御理解が得られないというときに、その意に反しては最終的な決定はないのだということを申し上げておりますので、これで十分御理解いただけると思います。
#227
○福島瑞穂君 十分に尊重していくということは、意に反しては行わない、それは同意が必要であるというふうに理解してよろしいわけですね。
#228
○政府参考人(河野博文君) その時点での都道府県知事あるいは市町村長からのお答えによりまして、これはもうとにかく理解と協力が得られないということであれば、その意に反しては行わないということでございます。
#229
○福島瑞穂君 手続的にはどこまであれば地元同意と考えられるのでしょうか。つまり、高レベル廃棄物ですと、要するに行政区画とは全く別の環境問題が生じ得る余地があります。例えば県境あるいは市町村単位ではとても区切れない、地下はつながっているわけですから。どこまでを地元と言うのでしょうか。例えば半径何キロ、何十キロ、何百キロ、どこまでが同意なのでしょうか。
#230
○政府参考人(河野博文君) 何度もお答えすることになりますが、こういった意見をいただくという仕組みは、概要調査地区等が所在する行政区域を管轄し、当該概要調査地区等を含む地域における行政責任と知見を有する自治体の意向を適切に反映するために制度化するということでございます。
 概要調査地区等の選定に当たりまして、国とこの機構は、地元の自治体を初め、皆様方の御理解と御協力を得るよう最大限努力するということでございます。
#231
○福島瑞穂君 それは困ると思います。
 例えばジェー・シー・オーの事故にしてもスリーマイル島の事故にしてもチェルノブイリにしても、県境も国境も関係ないというのが環境問題ですから、行政区画でやることは問題だと考えますが、いかがですか。
#232
○政府参考人(河野博文君) この考え方は、やはり概要調査地区等が所在する行政区域を管轄して、当該概要調査地区等を含む地域における行政責任を負う方の御意向を受けるというのが適切であろうというふうに思います。
#233
○福島瑞穂君 いや、それはやっぱりおかしいと思うんですね。
 例えば、長野県には原子力発電所はありませんが、新潟で事故が起きれば長野県にもかかってくる。当然ですが、地下は御存じのとおり地球レベルでつながっておりますから、行政区画の首長が幾らオーケーと言ったからといっても、それは十分ではないと考えますが、いかがですか。
#234
○政府参考人(河野博文君) 繰り返しの答弁になって大変恐縮でございますが、概要調査地区等が所在する行政区域を管轄する当該自治体がこの問題について地元の意見の反映という意味では責任を負われるわけでございますので、この方々の御意見を十分伺い、これを十分尊重するという考え方でございます。
#235
○福島瑞穂君 被害を受けるのはその行政区画の人たちだけではありません。ワシントン州のハンフォードで、こちらは核兵器の方ですが、核兵器の貯蔵でひびが入って地下水脈の移動が行われております。どうなるか、つまり万が一事故があったときに、例えば地下水脈自身も動くわけですし、どうなるかわかりません。
 行政区画単位の同意ということはぜひ見直していただきたいと思いますが、いかがですか。
#236
○政府参考人(河野博文君) やはりこういった施設をつくるために地元の御意見を伺うということになりますと、まずその概要調査地区等を管轄するという意味では都道府県知事が含まれているわけでございまして、非常に広範な地域を管轄されます都道府県知事、また市町村長の御意見も伺うというふうに定められておりますので、そういう意味では広範な地域を管轄されます都道府県知事、そしてその中の一部を管轄されます市町村長の御意見を十分反映することはできるというふうに考えております。
#237
○福島瑞穂君 法案作成の根拠とされている総合エネルギー調査会原子力部会報告一九九九年では、安全確保の基本的要件として、一、「廃棄物と地下水の接触を抑制」、二、「(地下水と接触しても)放射性核種の溶出・移動を抑制」、三、「(地下水に溶出・移動しても)放射性核種が地下水を介して人間環境に有意な影響を及ぼさない環境安全を確認」という三点を挙げ、多重バリアシステムと呼んでおります。
 法案の定義は、このうち一の要件のみで安全性が確保できるような定義となっておりますが、いかがですか。
#238
○政府参考人(河野博文君) この法律の第二条の定義におきましては、最終処分の定義といたしまして、「地下三百メートル以上の政令で定める深さの地層において、」ということのほか、「特定放射性廃棄物及びこれによって汚染された物が飛散し、流出し、又は地下に浸透することがないように必要な措置を講じて安全かつ確実に埋設することにより、特定放射性廃棄物を最終的に処分することをいう。」というふうに定義をしておりまして、総合エネルギー調査会原子力部会中間報告に言います基本的な考え方を概念的といいますか包括的に表現しているというふうに理解をいたしております。
 他方、やや繰り返しになりますけれども、最終処分の安全に関しましては、法律第二十条によりまして、別途の法律で安全規制を厳格に行っていくということになっておりますので、その詳細の技術的な内容等は安全規制に係ります法律によりまして明らかになり、規制が厳格に行われるということでございます。
#239
○福島瑞穂君 先進国でも処分計画における地層処分はむしろ見直されようとしております。最終処分を地層中への埋設のみに限定していることは問題ではないでしょうか。つまり、万が一地下三百メートルのところで漏れたり事故が起きたときに一体どうやってそれを救済するのか。地層処分のみに限定していることは問題ではないでしょうか。
#240
○政府参考人(河野博文君) 地層処分を選択している点につきましては、先ほど来るる御議論ございますけれども、これは平成六年六月二十四日の原子力開発利用長期計画におきまして、高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後、三十年から五十年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分することを基本的な方針とするということを受け、また平成十年の原子力委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書に示されておりますように、長年各国及び国際機関においてさまざまな方策の検討が行われてきましたけれども、現在では我が国を含めて国際的にも最も好ましい方策として地層処分が共通の考え方になっている、こういった考え方に基づいているところでございます。
 ところで、地層処分を行った場合に回収可能性をどう考えるかという点が御質問の趣旨でございますと、これは、回収可能性の確保につきましては諸外国におきましても実はさまざまでございます。アメリカあるいはカナダのように一定期間の回収可能性を確保しているという国もございますし、ドイツのように回収可能性を元来不要としている国もあるのでございます。ただし、どの国も一定期間の後にはこの処分施設を閉鎖するという考え方が基本になっているというふうに理解をいたしております。
 我が国でございますが、それでは具体的に我が国の場合には回収可能性をどうするかという点につきましては、回収可能性を確保するかどうか、また仮に確保する場合の期間をどうするか、こういった点につきましては、最終処分施設の安全確保に関するものでございますので、現在行われております原子力安全委員会によります安全規制体系の検討等の中で議論され、最終的に決定されるべきものというふうに考えております。
#241
○福島瑞穂君 閉鎖をする云々という以前の問題で、素朴な疑問で、私たちは一万年、二万年後のことについてまで責任がとてもとれないわけです。万が一漏れ出したときに、つまり地下の深いところで漏れ出しているようだというふうになったときに、一体それはどうやって回収するのかということが明確に今の答弁ではわからないわけですよね。それは別の法律に任されていますと言われても、地中に深く埋めてしまって、動き出して、地下水脈に漏れ出して、日本は水の国ですから地下水脈がたくさんありますし、それから御存じのとおり断層もたくさんあります。一体どうするのかという点についてお聞きします。
#242
○政府参考人(河野博文君) 安全の確保の考え方でございますけれども、この法律でも、地域選定に当たりまして地層の性格、物理的特性あるいは化学的特性も十分調査をしてやっていくということになります。
 また、この法律第二十条で定めます安全規制でございますが、その内容につきましては現在原子力安全委員会で御検討でございまして、将来の法律規制にまつわけでございますけれども、基本的な考え方は、こうした地層によります天然バリア、そしてオーバーパック、あるいはその周辺の緩衝材等によりますいわゆる人工バリア、これをあわせて安全を確保していくということでございます。
 それが具体的にどのような安全確保策になるかという技術的な内容につきましては、今後の検討にゆだねられている点がまだあるわけでございますけれども、そういった全体としての安全確保策を検討する中でこの回収可能性の問題も議論されていくということになろうかと思います。
#243
○福島瑞穂君 高レベル廃棄物の処分を決めるに当たって、事故が起こり得る可能性はゼロではありませんから、万が一事故が起きたときに、その回収の方法すらこの審議の過程で明らかにされないということに非常に疑問と、やはりおかしいというふうに思います。
 つまり、こういう形でやりますと、地層処分やるにしても、事故が起きたらこういうふうに回収しますという説明ができないわけですよね、今この法案の審議の中で。別の法律でつくりますと言われても、それは納得できない。
 この法案は、その安全審査基準の法案と少なくとも込みで両方双子のようにして議論されるならともかく、今の段階であらゆる問題を先送りにしてこの法律だけ成立させようとすることは非常に問題だと思います。特に、日本の原子力政策、プルトニウム政策、再処理の問題、使用済み核燃料やさまざまな問題、特に今安全審査基準も決めない、事故が起きたときの回収方法も将来決めるということでは、この法案は全く説得力を持たない、処分することだけ、トイレに捨てることだけ決めたような法律であるというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。
#244
○水野誠一君 昨年来、ジェー・シー・オー事故などによって当委員会でも原子力政策のあり方について議論する機会がたびたびございました。現実に今現在三五%以上のエネルギー需要を賄っている原子力発電そのものを否定するものではありませんが、プルサーマルやあるいは高速増殖炉の実現可能性、そしてリスク管理や廃棄物処理を含めた全体のデザインを描かなければ国民の理解を得ることができない、たびたび申し上げてきたわけであります。
   〔委員長退席、理事加藤紀文君着席〕
 使用済み燃料の中間貯蔵事業をめぐる原子炉等規制法の審議の際などにも、廃炉をめぐる問題や原子力エネルギーの本当のコストは一体どうなっているんだ、本当に原子力というのはコストとして安いのかどうかというような問題についても触れさせていただくとともに、高レベル放射性廃棄物処理について検討状況などを確認させていただいたことがございます。
 高レベル放射性廃棄物処理の問題は、原子力政策においては最大そして最後の課題でありまして、これまでも各同僚議員から指摘がございましたように、今まで先送りされてきたこと自体が大いに批判に値すると言っても過言ではないと思います。したがって、この道筋を明らかにすることの必要性は極めて高いものと認識をしているわけでございます。
 さて、本法案が持つ側面、これは今各同僚議員からの質問を伺っていましても明らかなように、大まかに言って三つの面があると思います。一つは処分実施主体の設立と処分費用の手当ての問題、二つ目は処分地の選定に係る手続の問題、そして三つ目が最終処分の形態について、再処理後のガラス固化体を深層地下処分という方法を明文化するという問題であります。
 一つ目、二つ目の問題にも多くの論点があり、きょうも各委員からさまざまな指摘がされてきたところでありますが、私は、まず最初に三つ目の、つまり深層地下処分の妥当性について改めて確認をさせていただきたいと思います。
 過日、参考人質疑の際にもこの点は専門家から説明がございました。また、原子力委員会などでも処分方法についての報告がなされており、いずれもおおむね地下処分を妥当とするものであった、かように承知しております。
 きょうは、専門家同士の議論でもございませんし、技術的な点に深く触れることは適当とは思いませんが、世界的に見ても事業ベースでの前例がないこの深層地下処分という手法について、非常に多くの国民が疑問や不安を抱いていることは大臣も御承知のことだと思います。専門の科学者の中にもすべての技術的課題がクリアされているわけではないという指摘も多いと承知しております。
 本案の提案理由にもある高レベル廃棄物に対する取り組みが海外に比べ十年から二十年おくれているという説明は、処分実施主体や資金確保の面、そして制度を定めた法律がないことを示していたはずです。これらを手当てすることの必要性は高い、これはもう私も十分に承知をしておりますが、具体的な処分手法までを今この時点で決めてしまうことについては私も疑問を持っている一人と言ってよろしいと思います。
 深層地下処分という、研究開始から二十年先にもなる具体的な手法を今の時点で定めることについての必要性について、何度も説明があるんですが、どうもいま一つよく理解できないんで、改めて御説明いただければと思います。
#245
○政務次官(茂木敏充君) 水野委員の方から最終処分の形態、そして地層処分の問題について御質問いただきましたが、繰り返しになる部分も若干ございますが、我が国におきましては、平成六年六月二十四日の原子力開発利用長期計画において、高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後、三十年間から五十年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分することを基本的な方針とするとされているところであります。
 そして、高レベル放射性廃棄物の処分方法につきましては、委員の方からも御指摘がございましたが、各国でさまざまな可能性が既に検討されたわけであります。例えば、宇宙処分につきましてはロケット発射の信頼性の問題であったりとか宇宙技術を有する比較的少数の国しか実施できない等々の問題がございます。また、氷床処分につきましては南極条約により禁止となっております。また、海洋底処分につきましてもロンドン条約により禁止されております。また、超長期の管理となりますと将来の世代にも廃棄物監視の負担を負わせることになるので不適切ではないかと。こんなことから、現在、我が国を含めまして国際的に最も好ましい方策として地層処分が共通の考え方となっているわけであります。
 そして、現段階でそういう処分の最終的な方法を決めるべきかどうか、こういう点につきましても御質問がありましたが、委員御案内のとおり、諸外国におきましては既に地層処分を実施するために処分費用の確保、処分実施主体の設立等準備が進んでいる。こういうことを考えますと、地層処分を行うこと、現時点で日本はおくれているわけでありますから、決めることは妥当ではないかなと考えております。
#246
○水野誠一君 その研究開始がされまして、その後に安全性確保について重大な問題点が明らかになったり、あるいは予想しないアクシデントが発生する可能性というのも当然あるわけであります。そのときに、この地層処分という方向を転換することもあり得るのかどうか。処分手法についての研究をもっと幅広く進めてみる必要があるんじゃないかという識者の意見もあるようでありますが、この点についての所見を伺いたいと思います。
#247
○政府参考人(河野博文君) 先ほど政務次官が御答弁申し上げましたようなことで、我が国におきますこれまでの長時間の検討、そして国際的な検討、諸外国の例、こうしたものを考えまして地層処分という方法を選択をしております。
 ただ、処分方法の中で、回収可能性ということでございますと、これについては先ほど来御説明しておりますような幾つかの考え方があるわけでございまして、この回収可能性を確保するかどうか、あるいはその場合の期間等につきましては、今後の安全確保の検討の中で最終的に結論を得るということになろうかと思います。
#248
○水野誠一君 ちょっとしつこいんですけれども、結局、安全管理面ではこれから研究すべきことも多いというのは、安全規制について法律を本法案とは別に定める理由として通産省も何度もおっしゃっていることであります。
   〔理事加藤紀文君退席、委員長着席〕
 となると、その深層地下処分、つまり地層処分以外の方法を今の時点で排除してしまうということは、今申し上げた安全規制についての法律をこれから検討していく、あるいはその安全管理面はこれから研究するということと矛盾しないのかどうか、その点はいかがですか。
#249
○政府参考人(河野博文君) この法律は、これまでの原子力委員会の検討あるいは処分懇の検討、そしてまた総合エネルギー調査会原子力部会の検討を経まして立案をさせていただいております。先ほど来の答弁と繰り返しで恐縮でございますけれども、現時点におきまして地層処分ということが基本的には各国共通の考え方になっているというふうに理解をしているところでございます。
 ただし、他方、これは基礎研究の分野にも属しますけれども、例えば群分離あるいは核種変換、そういった可能性について私どもが将来にわたっての研究を全く否定しているわけではございません。こういった分野についても今後の研究課題としてこれに取り組んでいくという考え方でございます。
#250
○水野誠一君 最後の御答弁の部分が私は大変重要だと思いますので、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、核燃サイクル構想全体における廃棄物の流れについて幾つか確認をしたいと思います。
 国内の使用済み燃料の貯蔵量は、現在ガラス固化体換算で約一万二千六百本分という説明が繰り返されております。この使用済み燃料を再処理、つまりガラス固化体に変換する処理は二〇〇五年操業開始予定の六ケ所村再処理工場で行われるものと承知しておりますが、この再処理工場の処理能力でもってガラス固化体換算一万二千六百本分の使用済み燃料を処理するにはどれくらいの時間がかかるのか、前提条件によってももちろん違うと思うんですが、大まかに簡潔に御説明いただきたいと思います。
#251
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 今御指摘の一万二千六百本のガラス固化体につきましては、九八年の九月末までの原子力発電の結果発生いたしました使用済み燃料の量から相当します固化体の本数を計算したものであって、昨年三月の総合エネルギー調査会原子力部会中間報告に示されたものでございます。
 九八年九月末までの原子力発電の結果発生いたしました使用済み燃料を、海外再処理、東海再処理工場、六ケ所再処理工場でそれぞれ再処理した場合に発生しますガラス固化体の本数の合計につきましては、対応します使用済み燃料の量として総計約一万七千四百六十トンウランでございます。
 次に、仮にこれらの使用済み燃料をすべて現在建設中の六ケ所再処理工場で再処理するとした場合には、あくまで仮定の計算でございますけれども、先生お話しの八百トンウランを用いて単純に計算しますと約二十一・八年になろうかと思います。
 なお、このほか、実は約八千トンのウランにつきましては海外及び東海再処理工場向けであることから、残りをすべて六ケ所再処理工場で再処理することとして、再処理能力である年間八百トンウランを用いて計算いたしますと、十一・七年というふうな形になろうかと思います。
#252
○水野誠一君 ガラス固化体一万二千六百本相当の使用済み燃料というのは、今もお話があったように既に存在するストック分でありまして、また一方、国内の発電所から発生する使用済み燃料、いわばランニングで発生する分が年間約九百トンから一千トンウラン。六ケ所村再処理工場の処理能力が今もお話ありましたように年間八百トンウランとすると、このランニングの年間排出量をも下回る計算だということになります。これからふえ続ける使用済み燃料を貯蔵するために、まさに中間貯蔵施設の建設を可能とする法改正をさきの国会で手当てをしたわけでありますが、中間貯蔵として考えても当然限界があるのではないかと思います。
 現在、九百から一千トンウランという年間使用済み燃料発生量は今後どのように推移すると考えたらよろしいんでしょうか。また、このふえ続ける使用済み燃料を今後どうするおつもりなのか。第二再処理工場が必要となる可能性があるとすれば、それに向けた検討というのは現在どんな進捗状況にあるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
#253
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 国内の商業用原子力発電所からの使用済み燃料の現在の発生量は年間約九百トンウランであるわけでございまして、今後の発生量につきましては、九七年末現在での試算によりますと、二〇一〇年ごろには発電設備容量が七千万キロワット程度といたしまして年間約一千四百トンウラン程度になるものと見込まれます。
 また、六ケ所再処理工場に続きます民間第二再処理工場につきましては、現行の原子力長期計画、平成六年六月に策定されたものでございますが、六ケ所再処理工場の建設・運転経験や今後の技術開発の成果を踏まえて設計、建設することを基本として、二〇一〇年ごろに再処理能力、利用技術などについて方針を決定することとされてございます。現時点では具体的な計画が決められているわけではなく、今後、プルトニウム利用の進展等を踏まえ、具体的に検討が行われていくものと考えてございます。
#254
○水野誠一君 再処理をしなければいけない量がどんどんふえることはもう明らかなんですが、にもかかわらず、二〇一〇年までに結論を得るというのは伺っていると非常に何か悠長な感じもするんですね。これはやはり大変重要な問題なんで、一つその辺を指摘をして、次の問題に移りたいと思います。
 次に、発電所以外の核燃サイクル施設から出る放射性廃棄物について伺いたいと思います。
 昨年十月二十日のジェー・シー・オー事故をめぐる当委員会での審議におきまして、発電所から出る低レベル放射性廃棄物については六ケ所村の処分施設にて管理されるわけですが、それ以外の施設から出る廃棄物の処理はどうなっているのかという質問をさせていただきました。
 事業者は、もし許可が取り消しになるなどしてその事業が行えなくなった場合、施設内にある核燃料物質を譲り渡し、核燃料物質による汚染を除去するなどの処置を講じなければならないという責務があるはずであります。ジェー・シー・オーから出たその当時の参考人からは、ドラム缶に入ったウラン廃棄物を七千本保管しており、もし事業許可が取り消しになった場合には、どこにも今のところ持っていくところがないから私どもの施設で保管せざるを得ないと考えているという答弁がありました。
 さて、そのジェー・シー・オーの事業許可は既に取り消しとなったわけでありますが、この問題のてんまつはどうなったのか。また、ジェー・シー・オー以外の核燃施設も同じ状況のはずでありますが、発電所以外の施設から出る低レベル放射性廃棄物についてはどこに持っていくこともできないのでとりあえず保管しているという状況はその後何らかの進展、解決があったのか、その点について伺いたいと思います。
#255
○政府参考人(今村努君) お尋ねのジェー・シー・オーの問題についてのまずお答えを申し上げたいと思います。
 御指摘のとおり、ジェー・シー・オーにつきましては、三月二十八日に原子炉等規制法に基づく加工事業の許可取り消しを行いました。しかしながら、処分の後におきましても、実際に事故を起こしましたウラン溶液の搬出、あるいは低レベル放射性廃棄物の管理、在庫のウランの関係者への引き渡しなどが適切かつ安全に行われることが必要であると考えております。
 こうした観点から、ジェー・シー・オーの東海事業所におきまして引き続きこれらが原子炉等規制法のもとで安全に行われますように、ジェー・シー・オーの申請を受けまして、原子炉等規制法に基づきます使用変更許可を行ったところでございます。すなわち、ジェー・シー・オーは、事業ではなく使用者としてこうした放射性廃棄物、放射性物質の管理を行うということでございます。
 直接の原因となったウラン溶液につきましては、御承知のとおりでございますが、核燃料サイクル開発機構の東海再処理工場への移送を完了いたしたところでございます。
 また、ジェー・シー・オーの低レベル放射性廃棄物でございますが、これも今御指摘のとおりでありますが、ドラム缶で約七千本分保管されておりますが、使用変更許可を踏まえて行った施設検査時に、放射性廃棄物を保管する施設の健全性を確認するとともに、廃棄物の保管状況について確認を行っております。
 今後とも、こうした形で当該廃棄物が適切に施設内に管理されるよう指導していくことといたしております。
 以上でございます。
#256
○政務次官(斉藤鉄夫君) 後段の御質問についてお答え申し上げます。
 発電所や核燃料施設以外の施設から発生する低レベル放射性廃棄物の処分対策はどうなっているのかという御質問でございます。
 いわゆるRI、RIというのはラジオアイソトープの略でございますが、RI・研究所等廃棄物、こう我々は呼んでおります。この廃棄物については、平成十年五月に原子力委員会において基本的な考え方がまとめられました。
 この考え方によりますと、RI・研究所等廃棄物のほとんどは、放射能濃度が現在埋設処分が行われている低レベル放射性廃棄物と同等以下のものであり、その処理処分は現在の技術で十分に可能である。また、処分はRI利用者等の排出者の責任で実施することが基本である、こういうふうに基本的考え方が明らかにされました。
 現在、この考え方に基づいて、RI・研究所等廃棄物事業推進準備会というものが、原研、サイクル機構、それから社団法人日本アイソトープ協会、この三つが中心となって設立されておりまして、現在具体的な方策について検討しているところでございます。この検討結果について、科学技術庁としても注目をしてまいりたいと思っております。
#257
○水野誠一君 先ほどのジェー・シー・オーの問題なんですけれども、事業許可が取り消しになったけれども廃棄物の管理を行う、許可と言っていいのかわかりませんが、義務を負わせているということだと思うんですが、事業自体がもう行えなくなってしまったジェー・シー・オーという企業にそれだけの七千本ものドラム缶に入った放射性廃棄物をきちっと管理する能力といいますか、そういうものはあるんでしょうか。その辺はどういう確認をされているんでしょうか。
#258
○政府参考人(今村努君) この件につきましては、原子炉等規制法に基づきましてジェー・シー・オーから使用変更許可の申請がございました。その使用許可申請を審査いたしました際に、今申し上げましたが、実際に七千本分の低レベル放射性廃棄物を健全に保管する施設が十分かどうか、またそれを安全に保管することができる体制になっているかどうかという点についてあわせて確認した上で使用変更の許可をいたしたところでございます。
 したがいまして、今御質問の点につきましては、低レベル放射性廃棄物の保管、管理は安全に行えるというふうに考えております。
 ただ、今後、新たに改正されました原子炉等規制法に基づきまして施設検査等がございますので、この点につきましては、科学技術庁といたしましても、手落ちのないようにきっちりと安全管理ができているかどうかを確認していく所存でございます。
 以上でございます。
#259
○水野誠一君 いずれにしても、原子力行政というのは大変長期にわたるものでありますので、またその後のきちっとした追跡調査もしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、本法案に戻りまして、最大の課題である特定放射性廃棄物の最終処分地の選定手続について確認をしたいと思います。
 処分地の選定問題は恐らく困難をきわめるであろうということは通産省も十分承知していることだと思いますし、透明性を確保し、広く国民の理解を得るというこれまでの答弁は当然の大前提だと考えます。この処分地を選定するのは一体だれなのか、そして具体的な地名が出てくるのはどの時点なのかという視点から幾つか確認をしたいと思います。
 法案の第五十六条に、最終処分実施主体である環境整備機構の業務として「概要調査地区等の選定を行うこと。」とあります。一方、第四条には、通産大臣は、概要調査地区等の所在地を定めようとするときには、当該地区首長の意見を聞き、これを十分尊重しなければならないとあります。
 そこで、時系列を追って二、三確認をしたいと思うんですが、まず、本法案施行後、通産大臣が基本方針を定め、最終処分計画を定める。いずれも、あらかじめ原子力委員会または安全委員会の意見を聞き、いずれも閣議決定事項である。さらに、環境整備機構は最終処分実施計画を作成して通産大臣の承認を受けるとされている。そして、これら計画などのいずれにも概要調査地区等の選定に関する事項が盛り込まれるわけですが、環境整備機構が作成する最初の最終処分実施計画までの時点では具体的な所在地が盛り込まれることはないという理解でよろしいんでしょうか。ちょっと長い質問で恐縮ですが。
#260
○政府参考人(河野博文君) まず、この法律ができました場合のことでございますけれども、基本方針、そして最終処分計画、これは国が定めることになっております。そして、こういった基本的な考え方に沿ったものとして機構の設立が、これは民間の主導でございますけれども、提起され、これにつきましては、業務の内容等についての計画も含めて通産大臣の承認を受けるという手続が必要になっているわけでございますけれども、その時点におきましては、まだ恐らく文献調査等の開始もどうかというような時点になろうかと思いますので、一番最初に出てまいります、基本方針はともかく、最終処分計画あるいは機構の諸計画において具体的な地点名は記載されていないものと理解しております。
#261
○水野誠一君 次に、環境整備機構は、文献調査を経て概要調査地区を選定することになるわけですが、六条三項に、機構は概要調査地区を選定したときは、その実施計画を変更し、通産大臣の承認を受けなければならないとあります。ここで言う通産大臣の承認というのは、閣議決定を伴う最終処分計画の改定を必要とするものでありましょうか。その点はいかがですか。
#262
○政府参考人(河野博文君) ちょっと細かくなりますが、この機構は概要調査地区等の選定を行った場合には、おっしゃるとおり実施計画の変更について通商産業大臣に対して申請を行うということになります。この法案の第五条に基づきまして、実施計画は最終処分計画に適合している必要がございます。したがって、今度は通商産業大臣は、概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事あるいは市町村長の意見を聞いて、これを十分に尊重した上で最終処分計画の改定を行うという手続が必要になります。そして、この最終処分計画の改定を行いました後に、機構が申請した実施計画の変更の承認の可否を決するということになろうかと思います。
#263
○水野誠一君 さらに確認をしたいんですが、その後、機構が精密調査地区、最終処分施設建設地の選定を行った際には、いずれも六条三項を準用するとされています。通産大臣の承認にはいずれも閣議決定を伴う最終処分計画の改定が必要で、その都度、四条五項の当該地区首長の意見を聞き、これを十分尊重しなければならないという条文が生きるわけです。これをスキップして機構の実施計画を承認することはあり得ないというふうに理解してよろしいでしょうか。
#264
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のとおり、各段階におきまして機構が実施計画を策定いたします。そして、国の最終処分計画において、その地点を織り込んだ計画の改定が種々の手続を経てなされた後、これについての承認の適否が決せられるということになりますので、御指摘のとおりでございます。
#265
○水野誠一君 あえてその確認をさせていただいたのは、法文を読んでもなかなか難しくて、その手続のフローチャートがよくわからないということでありまして、私はこういうことかなと思って自分なりにこういうものをつくってみたんですが、今の説明で確認ができました。なるべくこういった手続、特に国民へのわかりやすさといいますか、それが今問われているわけでありますから、なるべくわかりやすい説明資料というものをぜひとも御用意いただくということが大事じゃないかなと思います。
 いずれにしても、廃棄物の放射性レベルが天然資源並みに下がるまでに何といっても一万年かかるという、こういう長期的な取り組みになるわけであります。また、数百年後、数千年後には、少なくとも今の形で原発を動かしていくことは恐らくないのではないかと言われるわけであります。この先の長い人類史上を考えてみれば、高レベル放射性廃棄物は二十世紀からしばらくの一時期において出される将来的な負の遺産であることは間違いないわけでありまして、一万年というようなロングタームにわたる国民の安全を確保していかなければいけない、これは非常に大きな課題であると承知しております。
 そこで、最後に大臣の今後この問題に取り組む抱負を伺って、質問を終わりたいと思います。
#266
○国務大臣(深谷隆司君) 最終処分業務というのは、今回の費用試算のためのモデルケースを見ましても、約四百年という非常に長期間にわたるものでございます。技術面、経済面でさまざまな変化がその間には生ずるものと思います。そこで、硬直的な運営を排して常に見直しを行い、状況の変化に適切に対応していくなど柔軟な運営に心がけていくことが大変大事だと思います。
 本法案を可決、成立させていただきますれば、原子力発電環境整備機構の設立、概要調査等の選定に努力をしてまいります。また、安全確保という点については極めて大事なことでありまして、原子力安全委員会の検討を踏まえて、速やかに整備していきたいというふうに思います。
 私は、高レベル放射性廃棄物の最終処分問題をこれ以上先送りしてはならない、そういう考え方に立ちまして、その信念から本法案の提出ということに相なったわけであります。最終処分の道のりは、本当におっしゃるとおり長い長い道のりではありますが、謙虚かつ真摯に努力をしていかなければならないと考えております。
#267
○水野誠一君 終わります。
#268
○委員長(成瀬守重君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#269
○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案に対し、反対の討論を行います。
 政府は、使用済み核燃料の再処理後に残る高レベル放射性廃棄物をガラス固化して地層処分することを方針としていますが、高レベル放射性廃棄物は数万年も継続する危険性を持つものであり、そのような長期間の処分の安全性については、実証はおろか、学術的にも技術的にも裏づけはありません。
 反対する第一の理由は、日本は四つのプレートがぶつかり合い、世界の地震の一割が集中する地域であり、数万年にわたって安定な地層の存在は、専門家からも疑問視されているのが現状だからです。
 第二の理由は、本法案が前提とする使用済み核燃料の再処理技術は、臨界事故を何回も繰り返している軍事技術の転用であり、安全性が確立された技術とは到底言えるものではないからです。
 また、プルサーマルが実施されれば、使用済みMOX燃料の再処理も想定されますが、MOX燃料の再処理はウラン燃料以上に技術的困難が多く、経済的にも成り立つ見込みがありません。こうした現状を無視して、再処理を前提とし、安全基準も先送りしたまま、ガラス固化・地層処分の推進を法律で決めてしまうことは無責任であり、無謀と言わざるを得ません。
 第三に、処分地選定に当たって、都道府県知事及び市町村長の意見を聞き、その意見を尊重するとはしていますが、その同意を明記していないからです。
 参考人として出席された青森県六ケ所村の橋本村長も、岐阜県瑞浪市の高嶋市長も、最終処分場だけは受け入れられないと強く反対しておられます。それほどこの処分地の選定には住民の同意が困難なことは、だれしも予測されることです。
 これまで、原発を初め核燃料サイクル施設の設置に当たっては、地元住民の意思を踏みにじり、力によって事実上押しつけることがまれではありませんでした。しかし、三重県の芦浜原発の計画白紙撤回に見られるように、地元の同意を前提にするのが今日の流れではないでしょうか。
 第四に、本法案で高レベル放射性廃棄物の最終処分制度を定めることにより、核燃料サイクルを制度的に整備したとして、プルトニウム循環方式を軸とする破綻した核燃料サイクル政策を一層推進するものだからです。
 日本共産党は、原発推進政策の転換を図り、使用済み核燃料は、当面、原子力発電所の敷地内に安全に保管し、群分離・消滅処理などの基礎研究を進め、安全な処分に現世代が責任を持つべきだと考えます。
 最後に、数万年も先の将来の子孫に重大な影響を及ぼす法案を、十分な審議を抜きにして慌ただしく採決することは認められないことを申し上げ、反対討論を終わります。
#270
○委員長(成瀬守重君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#271
○委員長(成瀬守重君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 円より子君から発言を求められておりますので、これを許します。円より子君。
#272
○円より子君 私は、ただいま可決されました特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 最終処分事業の推進に当たっては、概要調査地区等の関係地方公共団体の適切な判断、理解と協力が必要不可欠となることにかんがみ、的確かつ事前に情報等を提供するよう万全を期すこと。
   また、国及び関係地方公共団体は、原子力発電環境整備機構による概要調査地区等の選定に当たり、十分な情報交換を行うとともに、円滑な意思疎通を図るよう努めること。
 二 最終処分を円滑に実施するためには、同事業に対する広範な国民の十分な理解と支持が必須であることから、事業等に関する原子力広報の充実・強化及び必要かつ十分な情報公開を行うこと。
 三 最終処分の安全確保のための規制については、原子力安全委員会における基本的な考え方を早急に提示できるよう努めること。また、具体的な規制内容等の検討に際しては、今後の技術開発の動向等に十分配意すること。
 四 概要調査地区等の選定に当たっては、人口密度等の社会的条件についても十分に配慮するとともに、その選定過程の透明性・公正性の確保に十全の努力を払うこと。
 五 原子力発電環境整備機構による最終処分事業が、将来にわたり安全かつ確実に実施されるよう、同機構の体制整備及び効率的運営の確保について十分措置すること。
 六 最終処分積立金の資金管理業務を行う指定法人については、天下り機関との指摘を受けることのないよう厳正に対処すること。
   また、資金管理業務について外部監査制度を導入するなど透明性の確保を図るほか、最終処分積立金の運用は適切かつ確実を旨とし、安易に国債等の消化手段などに利用されることのないよう十分配慮すること。
 七 電力自由化に伴い、大口電力ユーザーが既存の原子力発電事業者から原子力発電設備を有しない独立系電気事業者に電気の供給源を切り替えた場合の過去の原子力利用見合い分の拠出金について、不当に業務用・家庭用の小口ユーザーに転嫁されることのないよう、公平の確保を図ること。
 八 高レベル放射性廃棄物処理処分の負担軽減等を図るため、分離変換技術の研究開発については、国際貢献・国際協力の視点からも、より一層の推進を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#273
○委員長(成瀬守重君) ただいま円君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#274
○委員長(成瀬守重君) 多数と認めます。よって、円君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、深谷通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。深谷通商産業大臣。
#275
○国務大臣(深谷隆司君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、本法律案の実施に努めてまいる所存であります。
#276
○委員長(成瀬守重君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#277
○委員長(成瀬守重君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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