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2000/03/15 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第3号
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2000/03/15 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第3号
平成十二年三月十五日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        谷津 義男君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       外務省経済協力
       局長       飯村  豊君
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
       食糧庁長官    高木  賢君
       林野庁長官    伴  次雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成十二年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成十二年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成十二年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管及び農林漁業金融公庫)

    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産省経済局長石原葵君、同構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長木下寛之君、同食品流通局長福島啓史郎君、農林水産技術会議事務局長三輪睿太郎君、食糧庁長官高木賢君、水産庁長官中須勇雄君及び環境庁水質保全局長遠藤保雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(若林正俊君) 昨十四日、予算委員会から、三月十五日の一日間、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 まず、玉沢農林水産大臣から説明を求めます。玉沢農林水産大臣。
#5
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 平成十二年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成十二年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係省庁計上分を含めて三兆四千二百八十一億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千六百四十八億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆四千三百九十四億円、主要食糧関係費が二千二百三十九億円となっております。
 平成十二年度の農林水産予算は、食料・農業・農村基本法が昨年七月に成立したことを受けた最初の予算編成であること等を踏まえ、従来の予算全体について、地域のニーズ、事業の効果等を勘案しつつ徹底的な見直しを行い、新たな政策展開に即して予算の一層の重点化、効率化を行って編成いたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一は、新基本法に則した農政改革の推進であります。
 食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展及び農村の振興といった新基本法の基本的な理念に即した政策展開を図ってまいります。
 食料の安定供給の確保関係では、まず従来の米の生産調整対策を抜本的に見直し、需要に応じた米の計画的生産の推進と水田における麦、大豆等の積極的な生産を行うための水田農業経営確立対策を創設するとともに、既存の生産振興対策につきましても、麦・大豆・飼料作物対策に重点化するなど、土地利用型農業の活性化対策を抜本的に強化してまいります。
 また、食べ残し等の食品のむだの削減や栄養バランスの改善に重点を置いた食生活の改善運動を推進するとともに、食品産業の競争力を強化するため、食品産業の技術開発に対する支援の充実等を図ってまいります。
 次に、農業の持続的な発展関係では、まず農業生産基盤整備について、麦、大豆等の生産の定着、拡大や、農業水利施設の管理体制の整備、環境への配慮に重点を置いて新展開を図ってまいります。
 また、従来の農業構造改善事業にかえて、地域農業の実情に応じた多様な担い手の育成を図ることに着目した新たな経営構造対策を創設するなど、地域の創意工夫を生かす効率的な経営対策を推進してまいります。
 さらに、麦、大豆等の価格政策について、市場原理を重視した価格形成の実現とそれに伴う経営安定対策の実施の観点から見直しを行ってまいります。
 加えて、ミレニアムプロジェクトとして、稲の有用遺伝子の解析、活用、有機性資源の循環利用の促進、ダイオキシン類・内分泌攪乱物質対策の強化等を進めてまいります。
 次に、農村の振興関係では、農業生産基盤整備とあわせて集落排水等の生活環境整備を総合的に行うこと等により、農村の総合的な振興を図ってまいります。
 また、二十一世紀に向けた活気のある農村づくりを推進するため、情報通信技術の活用の促進、グリーンツーリズムの振興等を推進するとともに、景観形成活動、伝統文化継承活動等の美しい農山漁村の創出活動に対する支援を強化してまいります。
 さらに、中山間地域等における耕作放棄の発生を防止し多面的機能の確保を図る観点から、中山間地域等における直接支払い制度を導入いたします。
 第二は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の着実な推進であります。
 農業生産基盤の整備等に要する経費として公共事業に六百十億円、経営近代化施設整備や農地流動化対策等に要する経費として非公共事業に六百九十五億円、合計千三百五億円を計上し、引き続き着実な推進を図ってまいります。
 第三は、持続可能な森林の管理、経営の確立であります。
 おくれている間伐の促進に向け、市町村の役割等を強化した緊急間伐五カ年対策により間伐を緊急かつ重点的に実施するとともに、間伐材の利用促進対策等を推進してまいります。
 また、地域全体の林業経営の集約化と森林資源の循環的利用を推進する新たな林業構造改善事業を創設するとともに、木材産業の活性化と木材利用の推進に必要な施策の充実を図ってまいります。
 さらに、国有林野事業の抜本的な改革について引き続き着実な推進を図ってまいります。
 第四は、新たな水産政策の方向に沿った資源の持続的利用の推進と水産業、漁村の活性化であります。
 昨年十二月に取りまとめられた新たな水産政策の方向に沿って、資源状況を的確に把握するための資源評価調査の充実など、資源管理施策の強化を図ってまいります。
 また、漁業者の自主的な努力による経営改善を助長するため、漁業者による資源管理型漁業への参加等の前向きな取り組みを支援する資金の創設や、自主的な減船に対する支援の充実など、漁業経営対策の強化を図ってまいります。
 さらに、流通・加工・消費対策を推進するとともに、新たな沿岸漁業構造改善事業の創設等により、漁村の振興や水産基盤の整備を推進してまいります。
 次に、特別会計につきましては、食糧管理特別会計等についてそれぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額四千四百二十七億円を予定しております。
 以上、平成十二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#6
○委員長(若林正俊君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○岩永浩美君 おはようございます。自民党の岩永浩美です。
 昨日に引き続いて、四、五点、大臣並びに政務次官にお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、農業後継者対策について伺いたいと思います。
 近年、農業従事者の減少が大変多くなっていますし、かつまた高齢化が進んでいます。農業生産の維持と拡大をしていく上において、農業後継者が少なくなっていくことは憂うべき事態であります。きのう、私は学習指導要領に基づく小学校、中学校あるいは進路指導のあり方について文部省当局にいろいろ伺いました。きょうは、農業後継者を確保していくために最もそれにかかわりの深い農林当局に具体的にいろいろお伺いをしたいと思います。
 今まで、戦後の農政を推進してきたその活力は昭和一けた時代の人であったことは言うまでもありません。その方々がリタイアの時期に来、新たな農業後継者を探していることはもうここで論をまたないところであります。今回、新規青年就農者施策等々をいろいろ予算の中で農林当局は具体的に御提案されました。しかし、昨日、文部当局との質疑の過程の中で、皆さん方にお示しをした、最も進路を決定していかなければいけない中学校の進路指導の中で、偏差値教育の最も悪い点というべき個々の問題について指摘をいたしました。
 政務次官にきょうはそのことについてお伺いをしたいと思いますが、昨日、文部当局の御答弁をお聞きになって、金田政務次官はどういう見解をお持ちになったのか、まずその御見解をお聞きしたいと思います。
#8
○政務次官(金田勝年君) 昨日、農業教育の重要性につきまして委員の御指摘とそれから文部省側の答弁を聞かせていただきました。その中で、特に委員が言っておられましたが、農業教育の重要性、子供たちに生きる喜び、そして収穫の喜び、育てる喜び、そういうものをしっかりと教えていかなければいけないというその情熱をお聞きして非常に私も感銘を受け、かつそのとおりだというふうに思ったわけでございます。
 農業教育につきましては、申し上げるまでもなく、将来を担う子供たちが農業・農村の果たしている役割を正しく理解する機会であります。また、将来の農業の担い手の育成に資するという観点からも非常に重要な役割を持つものと考えておるわけであります。このために、私ども政府全体としても積極的に取り組んでいく必要がある、こういう思いを昨日の質問を聞いて新たにした次第であります。
#9
○岩永浩美君 昨日、小中学校における体験学習の実態を私は申し上げました。まず、小学校において体験学習は七〇%、中学校で三〇%。本来なら中学校でも七〇%以上の体験学習をすることによって、収穫の喜びや食料に対する認識を新たにしていく教育があってしかるべきだ、そういう問題が進路指導の過程の中で欠落していることは大変残念でならない、そういう思いを強く訴えたわけであります。
 今、大臣からは、文部当局の指導そのものについて、いろいろな農林当局としての御見解も一部は御披瀝をいただきましたが、進路指導のあり方として文部当局が学習指導要領の決定等々についてやっていくことは言うまでもありませんが、少なくとも食料の自給率を高めるという農林当局の考え方からすれば、教育の一環としてこうあるべきだという強い姿勢が文部当局にあってしかるべきだと、そういう思いをいたしますが、具体的に、今年度そのことが不可能であったとしても、将来に向けて文部当局とそういう話し合いの場を持って対処していくという姿勢があるのかどうか、それもあわせてお聞きをしておきたいと思います。
#10
○政務次官(金田勝年君) ただいまのお話につきましては、文部省とも連携して、現在、小中学生の農業体験学習圃場の設置あるいは農業学習に協力できる指導者の紹介、そしてまた農業体験学習のマニュアル中学生用というものを新たにこのたびつくった次第でありまして、これを用いてのPRあるいは小中学校の先生たちを対象とします農業に関する研修会を実施する、さまざまな施策を文部省とも連携してやっていくということを都道府県への支援を中心に実施しているということでございます。
 具体的な取り組みの方向としましては、平成十年十月に農林水産省、当省とそれから文部省との間で連携協議会というものを設置いたしました。これは局長レベルでの協議会でございまして、そして両省の政務次官が直接協議をしてこの取り組みを図るというものでございます。
 こういう連携協議会はその後も開催いたしておりまして、一緒になって小学校、中学校、高校におきますそういう農業の体験学習、こういうものの実施割合を高めていこうという努力をこれからも積極的に取り組んでいきたい、こういうふうに思っておる次第であります。
#11
○岩永浩美君 ぜひ、学習指導要領のカリキュラムの中に入れていただく御努力を農林当局の方でもしていただきたいと強く要請をいたしておきたいと思います。
 次に、農業用水の水利権の問題について伺いたいと思います。
 我が国の水資源使用量の三分の二相当が食料の安定供給に重要な役割を果たしている農業用水であるといっても私はいいと思います。生活用水、防火用水など地域の用水機能を果たしていることは言うまでもありません。
 きのう、私は土地改良制度について質問した際、大臣から、農業用水は水利権の関係から私権的に売水はできない旨の答弁がありました。私は、農家戸数、農業用の受益面積自体が農業用ダムを建設した当時に比べると二分の一あるいは三分の一に減っていると思います。また、三十年ないし二十年前に建設をされた農業用ダムは、国の農業政策の転向に伴って米はつくらなくなり、約三〇%ないし四〇%の休耕田ができている。当時の水利用から比べると、現実の問題として水そのものが余剰水として残っていることは事実だと思います。
 私は、きのうも大臣の御答弁をお聞きしていて、もちろんそれぞれの地域の中における水利権があることは十分わかります。農業用水のダム建設に伴って河川の最低の流量を確保しつつ地域の水としてほかに活用していく方法というものを考えていいのではないのか。そういう意味で、私は農業用水のほかに活用していく方途というものを見出していくこと、それが必要だと私は申し上げたわけでありますが、その水利権の問題等々でどうしてもできない、こういうお考えを申されたわけですけれども、私は私的権利というそういう観点に立たなくてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 水は限りある貴重な資源でありまして、極めて公共性の高いものであります。
 したがいまして、河川法におきましても、河川の流水は私権の目的となることはできず、その売買は行えないこととしているところでありますが、しかし一方におきまして、河川法上の手続を経た上で農業用ダム等の施設を管理している土地改良区等と当該施設を上水道等の用途に活用しようとする者の間で合意がなされた場合におきましては、当該施設をその本来の用途を妨げない限度において上水道等の用途に使用させることが可能であります。この場合、当該土地改良区は他の用途の使用者から施設の使用料を徴収することが可能でありまして、その使用料は維持管理費などに充てることができることとなっております。
#13
○岩永浩美君 私は大臣の御答弁をお聞きしていて、ほかに活用することが、その流域のほかの管理者との合意ができればそれは他に転用することが可能だという御答弁を今なさいました。まさに土地改良施設、特に農業用水のダムから放流される水は、国土の保全や水資源の涵養、自然環境の保全という役割を担っているということが一点。それと同時に、上流と下流域の中においてだんだん混住化をしている地域社会を考えていくと、混住化している地域社会の中における非農家の皆さん方の排水の役割は、農業用水ダムが十分にそのことの機能をしていることを考えていけば、もっともっと土地改良施設の水として活用していく方途を積極的に進めていくべきではないかという強い思いをいたしております。
 私はぜひ、今まで建設省と農林水産省との間で決してそれぞれの立場で権益争いをしたとは言いたくありませんが、ただ単に水利権が現存しているということの壁を乗り越えられなくてそのままになっている部分が多分にあるのではないのか。そして、ややもすると、その交渉をしていく過程の中で、すぐ門前でその話し合いに乗ることができない場面というのが多分数多くあるのではないかという思いがいたしますが、そういうふうなことは今までなかったのかどうか。
#14
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今までにそういうことがあったかどうかということにつきましては、これはちょっと私、質問項目にございませんでしたものですから質問にお答えできるかどうか十分ではありませんが、いわゆる水道等の例を申し上げたわけでございますが、私権にはなかなか利用するということは無理かもしれませんが、公共対公共、こういう観点からの調整は可能であるというふうに考えますので、過去の事例等につきましては、追って調べた上で申し上げたいと思います。
#15
○岩永浩美君 それでは、土地改良組合が今大変財源不足に悩んでいます。そういう土地改良組合の今後の財源の捻出をしていく過程の中で、農林水産省は新たに農業構造改善事業の一環で農業集落排水事業等々を一方で進めています。今まで上水道用のダムとしてそれぞれの地域が目いっぱいのダムの容量しかないときに、農業用水用ダムの水を活用することによって、地域の下水道の水資源として確保していくことによってその集落間の下水道事業を推進していく、そういう地域が数多くあると私は思います。
 その水資源を確保する上においても今後、農業用水用ダム等々の活用を思い切ってしていく、その一つの仕掛けをぜひ農林水産省の方でやっていただきたい。そうすることは、地域の公共事業に対する二重投資をする必要がなくなってくるメリットが一方に出てきますので、ぜひそのことを推し進めていきたい、そんな思いをいたしますが、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 我が国の水資源は九百億トンあると言われております。そのうちの約六百億トンが農業用水その他で管理されておる、ここが大事なところではないかと思います。
 それで、管理されたものができるだけ国民の皆様の公共の用に使われるということは大事なことであると思いますので、そういう観点に立って、できるだけ有効に使われるように努力していくということが大事なことだと考えております。
#17
○岩永浩美君 ぜひ、そういう一つの形をつくり上げていただきたいと私は思います。
 私は、それぞれの地域の中で、農業用のダムあるいは公共用のダムにしても、ダムの建設できる地域というのはだんだん限られてきたと思います。そういう中にあって、有効的な活用をしていくためには、これは建設省所管の多目的ダムであり、一方は農業用水専門のダムだという一つの区分けではなく、地域の実態に合った水資源を大いに活用していく。そのことが今後一面において、農林水産常任委員会ですからここで申し上げることは農家の経費負担、そういう受益負担をできるだけ少なくしていくことにつながっていくことになる。かつまた、今後、土地改良組合が主管をしてきた農地の基盤整備事業等々が終わり、今後は改良やあるいはその管理維持の分野にだんだん出ていくとすれば、更新事業等についてその補助事業として採択がされることができないようなことになっていくとする嫌いが多分にありますので、新たな財源として地方公共団体がそういう形のものを買水できる、買い取ることができるような仕組みをぜひお願いしておきたいと思います。
 次に、農業委員会制度の見直しについて伺っておきたい。
 玉沢大臣は先日の所信表明で、幅広い担い手を確保し、足腰の強い農業経営の展開を図るため、法人化を一層推進することとし、株式会社形態の導入を含む農業生産法人の要件の見直し等の取り組みを推進していくと述べられました。
 今までの農業委員会は、それぞれの地域の中における農地の転用等々に対する農業委員会の仕事しかなかったと私は思います。新たに農業生産法人の見直し等について、具体的に今後どういうところを機能強化していこうとなさるのか、その力点は何なのか、まずお示しをいただきたい。
#18
○政務次官(金田勝年君) 農業委員会制度の見直し、機能強化に向けてどういうことを考えておるか、こういうことの御指摘でございますが、農業委員会制度につきましては、ことしの二月でございますが、学識経験者等から成ります農業委員会制度研究会、これにおきまして農業委員会の系統組織の果たすべき役割に応じた組織体制のあり方に関する報告書というものを取りまとめたところでございます。
 この報告書におきましては、農業委員会の系統組織は、今後、構造政策の推進に活動を重点化するんだ、そして市町村の実態を踏まえた農業委員の定数等の見直し、あるいは関係団体等との業務の連携、共同事務局を設置する、あるいは統合等、そういった検討を行いまして、それを踏まえて、今後一年以内に組織の見直しに関します改革プログラムを策定すべきであるという報告をことしの二月一日に出しておる次第であります。
 農林水産省としましては、この報告を受けて、全国農業会議所等の農業委員会系統組織と一体となって改革プログラムの策定に取り組んでいきたい、そして着実に組織の見直しを推進していきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#19
○岩永浩美君 今回、株式法人の農地の購入を認可することについて、一部農家の皆さんあるいは団体の不安があったことは御承知のとおりです。それを監視していく役割は農業委員会が担っていかなければいけないことは言うまでもありません。
 今までの農業委員会が一部形骸化しているという批判を受けたこともこれまた事実であり、そのことを機能強化していくことによって、農業を営むことのない株式法人の農地の購入を監視するという役割は、この農業委員会の制度を強化していく、今御答弁があったそのとおりだと私は思います。そういう意味で、今後とも農業委員会に対する適切な行政指導と監視もあわせて強くお願いをしておきたいと思います。
 次に、中山間地域対策について伺います。
 昨日、中山間地域の定義あるいは直接支払い制度の創設については同僚議員から質問がありました。
 きょう私は、大臣の所信表明の中にあった、去年の十月末に取りまとめた水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱に基づいて、我が国農業の基幹である水田農業の活性化と食料自給率の向上を図る観点から、水田における麦、大豆、飼料作物等を積極的に生産することを柱とする総合的施策を講ずると述べられました。
 新たな水田営農対策のもとで地理的条件の悪い、あるいは農業の生産条件が不利な中山間地域では、麦や大豆よりははるかに米をつくることが耕作放棄地の発生を防止することになります。そこで、農業・農村の有する多面的機能を発揮していくためには中山間地域においては米作を中心につくってもらう、あるいは集団化できる平野部において麦、大豆等々を中心につくってもらうことによって均衡のとれた地域や農村ができていくと私は思っています。
 そういう意味で、米の生産調整、大豆、麦の振興対策、それは地域間調整を十分に図っていくことによってそのことを可能ならしめることになると私は思いますが、過日、農業新聞の一面で、私の地元佐賀県の取り組みについて紹介をしてありましたが、今後ともそれぞれの地域の特性に見合った作物をつくっていただく地域間調整を推進していくように私はぜひお願いをしたいと思いますが、その件について大臣の所見を伺っておきたい。
#20
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 米の生産調整の地域間調整につきましては、従来より生産者団体等が主体的に実施してきたところでありまして、今回の委員のおっしゃられました佐賀県の事業につきましても、麦、米、大豆等の計画的な生産を進める上での地域独自の取り組みとして極めて望ましいものであると考えます。
 ただ、米の作付と麦、大豆等の作付の調整については生産調整目標面積の配分段階で行うところもあれば、目標面積の配分後の調整により行うところもあり、国が助成等により一定方向に誘導するということよりも、当該地域の実情を踏まえた取り組みを進めることが重要と考えております。
 いずれにしましても、今回の佐賀県の事業につきましては優良事例の一つとして広く紹介し、望ましい水田農業の実現に向けた主体的な取り組みが進められるよう努めてまいる所存であります。
#21
○岩永浩美君 ぜひ、そのことを強くお願いしておきたいと思います。
 そこで、平場における大豆、麦の推進をしてこられました。国内生産量が百四十五万トンに対して、輸入量が五千五十七万トンと、大豆の自給率はわずかに三%であります。輸入量の八割近くをアメリカが占めておりますが、外国の輸入大豆の品質が向上して国産大豆との競合が強まってきていることは事実です。
 そういう中で大豆に対する振興策を十分とってこられましたが、ことしの大豆の平均収穫単価を見ると、何か去年よりもはるかに下がってきたということを漏れ聞いております。一方の新しい農業政策の推進策で大豆、麦をぜひ転作作物と、重要な作物と位置づけている大豆がこれ以上価格の低落をたどっていくようなことになれば、農家の不信を増幅するようなことになりはしないかという心配が私はあります。
 そこで、今後、大豆、麦の振興策をさらに推し進めていくとするならば、今低落傾向にある大豆の価格政策をどういうふうな形で維持しようとするのか。今後、大豆振興策を安心して進めていくとすれば、そういう不安を払拭するような政策を打ち出さなければいけないと思いますが、大臣の御見解をお聞きしておきたいと思います。
#22
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、数字を見ますと、平成十一年度大豆の販売価格は、二月を見ますと六十キロ当たり八千百二十円と、前年同期と比較して八%程度低い水準にありますが、例年と異なりほぼ横ばいで推移しております。これは集荷数量が前年度比で三割増となっていることに加えまして、早期集荷・販売を行った結果、年内にエンレイ等の中程度の価格の銘柄が例年より多く販売されたこと、輸入大豆の価格の低下、納豆、豆腐等の短期的な消費の落ち込み等の影響が重なった結果と見られます。
 季節的なものもあるという考えでございますけれども、大豆につきましては既に大豆大綱を発表し、その政策を遂行しているという観点に立っておるわけでございますので、価格動向も見ながら進めていかなければなりませんけれども、水田の有効利用という観点から本格的な生産を行いまして、そして要件が整いますならば反当たり七万三千円の支援も行う、こういうことになっておるわけでございますので、それらを通じまして大豆の振興を図っていくということが大事である。
 また、消費者の方々からもやはり国内の大豆を消費したい、こういう傾向もあることから、これらに十分対応できるような対策を進めていくことが大事である、このように思います。
#23
○岩永浩美君 米以外の新たな主要作物としての大豆、麦を定着させていくために、農家の不安を払拭する力強い政策を進めていただくことをお願いして、私の質問を終わります。
#24
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。
 国の一般会計予算審議も参議院におきましてはそれぞれの委員会に付託されまして大詰めになっております。国の予算八十四兆九千八百七十一億円、うち農林水産予算三兆四千二百八十一億円、中でも公共事業費一兆七千六百四十八億円、ただいま大臣からも表明されたところであります。公共事業の占める割合は五一・五%でございます。平成十一年度予算については、補正後を見ますと、何と五六・八%を占めております。
 そこで、中海や諫早湾の干拓など大きな問題となりましたが、私は公共事業の必要性を否定するつもりはありませんが、それが農業者の利益をもたらさないものであってはだれのための事業かということになります。ただいまも岩永議員よりダムの関係で指摘されておりますが、私は必要としない大型公共事業については中止すべきと思いますが、まず大臣の見解をお聞かせ賜りたいと思います。
#25
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 確かに、公共事業におきましては予算の中で五一%を占めるわけでございますが、やはり日本の農業の特質を考えていただきたいと思います。
 例えば、七割の地域が山岳地帯であって、そして雨が非常に多いと。そうしますと、集中豪雨とか台風が来ますと平地は水浸しになりまして、災害でせっかくの農地が壊れるという、そういう日本の地理的条件にあります。
 したがいまして、日本の農業政策の一環としましては、海外に領土がない限り、国内の耕地をできるだけ有効利用するという観点に立って、もう江戸時代から鎖国をすると同時に国内の開発を進めてきた。そういう中におきまして、やはりダムをつくり、あるいはため池をつくり、それからまた水路をつくり、そして水田を開削する、こういうようなことを常にやっていなければ、やはり農地は災害によってどんどん荒廃に帰していくだろう、こういう観点が挙げられると。やはり、そういう観点から、農業におきましてはそうした事業が大事な点を占めておるということが第一点であります。
 それから、同時にまた、干拓の問題のお話をされましたけれども、やはり自給率を向上せしめていくという上において一番大きな要素は、何と申しましても農用地がたくさんあるということが大事なことではないか、こう考えるわけでございまして、これも、可能でありますならば、農地を造成していくという努力もまたなされなければならないと考えます。
 したがいまして、今挙げられました諫早湾等におきましても、災害を防ぎながら、なおかつ農地を造成する。それで、これは今に始まったことではございませんで、山からどんどんおりてきた土砂が、さらに今度は海から潮が上がってまいりまして、そしてどんどんヘドロがたまっていく。それをそのままに放置しておきますと、水が今度は流れないためにさらにこれも災害になっていくという歴史でございまして、諫早湾におきましては、みずからの努力によってヘドロを農地に転換してきたという歴史であります。
 したがって、そういう観点に立ちまして、堤防を築きまして災害を防ぐ、洪水の害から防ぐと同時に高潮の害から防ぐという観点で、さらにまたヘドロのところを有効な農地に転換していくということでございますから、私はこれは意義があるものと考えるわけであります。
 中海の干拓等におきましても、既に干拓したところもあります。ここは非常に立派な農地として既に営農を開始しておるわけでございますから、こういう点も見てまいりますと、一概に干拓はすべてだめだ、こういうことにはならないと私は考えます。
#26
○藤井俊男君 私は、農林水産予算については真に農林水産業のためになるものと考え、現在の公共事業中心の予算を見直すべきと訴えております。所得政策など非公共事業分野に重点を置く農業予算へ再編成するなど、抜本的に見直す必要があると思っております。
 大臣とちょっと見解は違っておりますけれども、では農政改革はどうなったんだろう。先日、三月一日に私は農水部会の同僚と大臣室を訪問いたしまして、ただいまお話がありましたけれども、国営中海干拓事業本庄工区の事業中止について申し入れをいたしました。大臣も快く受け入れてくれたのはよかったのでございますけれども、いい返答がなかったような気がしてなりません。
 近くその検討委員会の最終結果が出る予定とお聞きいたしておりますが、この事業について大臣の、ただいまもお話がありましたけれども、中止に対するお考え等、この陳情はどうなったのか、ちょっとお聞かせ賜りたいと思います。
#27
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 先日、委員初め先生方においでいただきまして御懇篤なる御意見も承りました。これは大事な御意見といたしましてお受けとめいたしたわけでございますけれども、現在、中海干拓事業本庄工区の取り扱いにつきましては、中国四国農政局に設置した本庄工区検討委員会におきまして御検討をいただいておりまして、平成十一年三月からこれまで十回開催をし、現在、代表的な三つの利用案につきまして検討をいただいておるところでございます。
 今後、さらに委員会として十分議論を尽くし、結論を取りまとめていただくことといたしておるわけでございまして、農林水産省といたしましては引き続きその検討状況を見守っているところでございまして、必ずしも返事は、結論を得ておりませんので、もう少しお待ち賜りたいと、こう思います。
#28
○藤井俊男君 民主党は、国、県の厳しい財政事情のもと、二〇〇〇年度末の国、自治体の債務残高は御承知のとおり六百四十五兆円であります。GDPの一・三倍にも達する財政赤字であります。営農の展望がない、農耕地として有効利用の展望がなく、地域の自然を破壊する干拓事業は中止すべきと思っております。大臣、ただいま検討中ということでございますけれども、御賢察の上、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 時間の関係で次に入らせていただきます。
 次に、補助事業についてでありますが、農林水産予算の特徴といたしましては、補助金等が六割を超えていることが挙げられます。昨日も構造改善事業に関する不祥事について多くの議論がなされました。昨日は、農林水産省が所管する補助金の不正使用について行政監察が行われ、不適正な交付金の返還と厳正な審査など、改善措置が勧告されております。新聞でも大きく報道されておるところでございますけれども、これについて大臣はどう受けとめられているか、お聞きしたいと思います。
#29
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今回の行政監察の勧告は、補助金の執行の適正化等を図る観点から、土地改良区が実施した補助事業について総務庁が調査をし、その結果として、四件で国庫補助額約二百十万円が不適正な交付であると農林水産省に対し勧告したものであります。
 農林水産省としましては、今回の勧告の趣旨を踏まえ、不適正交付となった国費については早急に補助金返還等適正な対応措置を講ずるとともに、今後このような事態が生じないように、都道府県等の関係機関に対し審査の適正な実施を図るよう、また土地改良区に対しましては関係機関等を通じ、規約、規程を遵守するよう、それぞれ指導の徹底を図ってまいりたいと考えておるところであります。
#30
○藤井俊男君 ただいま大臣から、農林水産関係については二百十万円とお答えいただきましたけれども、一九九五年から九七年の間、農林水産関係については四件発生をしておるということであります。これについては、ただいまも都道府県等、返還の関係でお答えいただいております。
 監察は、九八年の四月からことしの三月まで、全体的に農林省や建設省七省庁、関連自治体が行ったということでありますけれども、いずれも農林省関係の土地改良にまつわる関係でございますので、この辺については大臣はどう見ておられるか、お聞かせ賜りたいと思います。
#31
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この事案をちょっと申し上げますと、一つは補助対象とならない水田均平化工事の費用に充当するため事務費を増額請求したこと。それから、農道整備事業の立ち会い、調整に自治会役員を補助員として雇い、本人に支払わず自治会に払ったことだとか、事務費で補助対象外物品を購入した圃場整備事業費補助金、こういう問題があります。事業関連の研修で補助対象にならない食事代、土産代の支出、この四件が指摘されているところであります。
 したがいまして、この事業主体である土地改良区が補助金の適正な執行について認識が乏しかったことにより、補助目的から逸脱した経費を経理上過って補助対象経費としたこと、また補助事業者である県が、限られた期間や審査体制の中で多数の確認行為を行っていたことにより不適正な行為を発見できなかったことが原因であると考えております。
 早急に補助金返還等、適正な対応措置を講ずるとともに、今後このような事態が生じないように指導を徹底してまいりたいと考えております。
#32
○藤井俊男君 実際に購入していないものを購入したかのようにうその報告をしておる状況でありますが、補助金行政の悪い部分が露見していると言っても過言ではないと私は思いますので、この辺、指導の徹底方ということで、ぜひ返還を含め、今お答えいただいておりますので、厳正な処分等もぜひひとつよろしくお願いしたいと思っております。
 次に入ります。食料自給率の向上についてであります。
 昨日もこれにつきましては多くの議員の皆さんからも議論がなされておるところであります。きょうも私どもの部会の方では、この関係等について提案等も承ったところでございますけれども、カロリーの自給率も一九六〇年、昭和三十五年に七九%のものが、何と一九九〇年に四七%、一九九八年は四〇%、二〇一〇年は五%高い四五%に設定するということでございますけれども、低下傾向に歯どめがかからないということで、昨日も大きな議論になりました。
 国民は食料供給に不安があるということで、総理府の調査の、食料・農業・農村の役割に関する世論調査でも、七割の国民は不安を抱いているという状況でございまして、二十一世紀は地球規模での食料問題に発展するということも言われております。
 そういった中で、「新しい食料・農業・農村政策の方向」が農水省で一九九二年、八年前にも出されておりまして、これについても低下傾向に歯どめをかけていくということが言われております。また、「新たな国際環境に対応した農政の展開方向」ということで、農政審議会の報告書、一九九四年でございますけれども、これについても引き続き自給率の低下傾向に歯どめをかけていくんだということを言っているわけです。
 いずれにしても、政策は掲げてはおるんですけれども、実際のことを言って、政策と現実がどうも乖離しているのじゃないか、実態が違うのじゃないか、このように思うわけでございますけれども、その辺はどうお考えになりますか。
#33
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは、一つは日本の国土上の制約がありまして、例えば穀物の自給率等を見ますと、輸入している農産物を農地に換算すれば千二百万ヘクタールである。日本の農地は五百万ヘクタール弱である。これが飛躍的に拡大をしていけるというような状況であれば、さらにこれも歯どめをかける一つの要素にはなるかとは思うわけでございますが、まず第一に制約があるということと同時に、農地もやはり減少をしておる、減少しつつある、こういう点も見ておかなければならぬと思うわけでございます。
 それからまた、食生活という面から見てまいりますと、やはり主食である、しかも一〇〇%自給できる米の消費が減りつつある。こういうことと同時に、食生活が、米は消費が減っている一方、その他の食品についてはふえておる。例えば、肉食その他はふえておるわけですから、肉食を生産しようと思いましたならば、牛、豚、鶏、これらの生産は飼料穀物を輸入することによって可能になってくる。こういうことでございますから、穀物を輸入しなければ畜産が維持できないという体制にあります。したがって、食生活が米を少なく消費してその他のものをふやしていくというような形になってまいりますと、やはりこれもカロリー計算からいいまして自給率が低くなっている、こういうことも考えられるわけでございます。
 それからまた、一方におきましては、とにかくマグロにしましてもあるいは魚介類にしましても、日本で一番大きな漁港はどこかというと成田空港であると言われるくらい、かなり魚介類も本来自給率が高かったものが外国からの輸入が相当ふえてきておる。
 こういうようなことを考えてまいりますと、やっぱりこれもそれなりに影響しておる、こういうふうに考えるわけでございまして、大まかなところで申し上げたところでございますけれども、それらの要素がそれぞれ組み合わさっているものと考えます。
#34
○藤井俊男君 さらに、食料・農業・農村基本計画案を見ますと、これまで二回にわたりまして自給率の低下傾向に歯どめをかけるという政策の方針が定められてはおりますけれども、一向に、今、大臣からもお話がありましたように、歯どめは実際きかないんですね。ですから、政策転換をどのようにしていくのか。今、食料の関係やらあるいは農地の関係等もお話がありますけれども、食生活の関係もありますけれども、私は言葉だけではだめだと思うんです。
 ですから、この辺については抜本的に御飯を中心とした日本型食生活を定着させる。これは各食生活の企業体等も運動展開ということで列記はされておったようでありますけれども、戦後、アメリカからパン食普及を目的としたキッチンカーということで、これは逆の立場になりますけれども、大分これは取り組みが協力的だったわけですね。こういう取り組み、何か私たちも具体的な協力を、なかなか見当たらないんですけれども、もっともっと協力の取り組みを打ち出していかないと、これはもう言葉だけで終わってしまうのかなということで非常に心配をきわめておるんですが、いかがなものでしょうか。
#35
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今までも、例えば米の消費拡大等につきましてもいろいろな努力をしてまいりました。例えば学校給食とか、そういうところ。それから、私は防衛庁長官のときにやりましたけれども、できるだけおいしい御飯を自衛隊の皆さんにも食べてもらわなきゃいかぬと。だから、それまで古米であったものを新米を提供する、こういうようなことだとか、レトルト食品をつくりましていろんな演習とかそういうところに使っていただく。これは、米を中心とするレトルト食品は自衛隊だけでも十億円も購入する、こういうようなこともございます。
 いずれにしろ、国民全体が米の消費拡大に向かって努力していく。国民の皆さんにも、自給率というものを上げるためにはただ心配ばかりしているんじゃなくして、みずから実践するということが大事だということを理解していただくことが大事だと思うんです。ですから、政府が幾ら米を食べろと強制したところで、我々は、自由意思によってやるわけでございますから、国民の皆さんには十分理解をしていただくという努力をまずやっていく。それから、日本の農業というものがこういうような現状にあるということも理解をしていただく。そういうことがあわせて行っていく大事なことではないかな、こう思うわけでございます。
 さらにまた、自給率を向上するという観点からいいますならば、麦、大豆、飼料作物の自給率が低い、これもまた反当収量も従来余り高くないんです。ですから、本格的な生産を行っていくという上におきましては当然これは反当収量をふやしていく、それは決して不可能ではないというようなところにウエートを置いてやっていきますならば自給率は必ず向上することができる、こういうふうに考えております。また、反当収量もふやす努力もしていかなきゃいかぬと思います。
#36
○藤井俊男君 ぜひ、自給率向上に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
 次に、農地の確保について伺いたいと思います。
 この農地の関係については、先ほどから自給率の関係等で出されておりますけれども、農地面積が一九六〇年、昭和三十五年ですが、六百八・六万ヘクタールありましたけれども、何と一昨年の一九九八年には四百九十・五万ヘクタールということに平成十年にはなっております。食料自給率と同様、農地転用、耕作放棄、養蚕業、農地面積の減少にも歯どめがかからない状況であります。
 食料・農業・農村基本計画で必要な農地確保目標も示されてはおりますけれども、その目標をどう実現するかが私は重要な政策課題ではないかと思っておりますが、農地確保のための具体的政策は何なのか。この辺をまずお聞かせ賜りたいと思います。
#37
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 昭和三十六年から約二百万ヘクタール以上、二百三十万ぐらいですね、壊廃、転用その他あるわけでございますが、しかしこの間におきましても、壊廃したのが二百三十万でありますけれども、拡張したのが百十万町歩です。したがって、今の先生の示された数字からいいまして、百二十万ヘクタールが減少したということになるわけです。
 私が強調したいのは、いろいろな公共的な用途に使う、かなり農地転用についても厳しくしておるわけでございますから、そういう中におきましても三万町歩ないし四万町歩は転用しているというような状況の中におきましては、これに見合った農地の拡張といいますか、造成といいますか、これを進める努力をしなければならぬのじゃないか。先生がいみじくも歯どめをかけると、こう言われましたけれども、歯どめをかけるというのであるならば、諫早の干拓でも中海の干拓でも、やはり農地造成をするという努力をしなければこれはどんどん減っていく、こういうことになるわけですから、先生、どっちをとられるのかよくお考えを賜りたい。できれば、農地を拡張するということについて、歯どめをかけるというところに御協力をいただければより前進すると考えます。
#38
○藤井俊男君 後ほど、それの関係については私は逆に指摘しておきたい点もございますので、質問させていただきますけれども、その前に、私は、目標の手だてがないのかどうかということが一つあるわけです。それは、国土利用計画が平成八年二月二十三日に閣議決定されておりますが、平成十七年、二〇〇五年の目標四百九十万ヘクタールということで、もう既に、平成十七年の関係において四百九十万でありますけれども、一九九八年のときに、もう二年前にこの四百九十万ヘクタールになっているんですね。
 何のために閣議決定しているのか、閣議というのはどういうことなのか、だれが責任をとるのか、まずこの辺について冒頭お聞かせ賜りたいと思います。
#39
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国土利用計画においての平成八年の閣議決定においては、平成十七年を農地四百九十万ヘクタールとしているところはそのとおりであります。そうですね。
#40
○藤井俊男君 はい。
#41
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ですから、十七年において四百九十万ヘクタールを維持するように努力して、その時点で四百九十万ヘクタールを確保するという趣旨が大事だと思うわけでございまして、先生の御心配にならないようにという趣旨でございます。
#42
○藤井俊男君 わかりました。
 四百九十万ヘクタールにはもう既に達しておるんですけれども、減ったりふえたりしているわけですから、平成十七年もその努力目標にしたいということで、ぜひこの水準に、減少するようなことがあっては私はいかぬと思いますので、ぜひ大臣ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 大臣から先ほど、歯どめをかける、農地の関係で、ぜひ私にもということで努力の関係で求められましたけれども、私は、この農地転用の関係を見ますと、昭和五十五年のときに農地の大転用が、農家の人、これは第四条とか第五条というのがありますけれども、この第四条、第五条以外の公共転用地、これが非常に多いんですね。
 この公共転用用地が何と昭和五十五年から毎年約八千ヘクタールほど転用されているんです、公共用地が、転用ということで。平成九年にはこれは六千九百七十五ヘクタールということで、農地転用合計では二万六千二百七十八ヘクタール、この約四分の一はもう公共転用なんです。この公共転用ということは、自治体が中心に転用しているわけですね、自治体が中心に。これは、学校用地だとか公共施設だとかいろいろあろうかと思いますけれども、地価が郊外が安いということでつくっておるんでしょう。実際、公共施設をつくったらその道路を、付近も広がっているわけですね。拡大されていくわけですよ。
 この辺について、私は、大臣、どう見ているのか、ぜひお聞かせ賜りたいと思います。
#43
○政務次官(谷津義男君) 先生御指摘のとおり、国や都道府県が行う公共事業、いわゆる公益性の高い転用目的の実現の確実性が高いものについては農地転用の許可を不要としていますけれども、今、先生御指摘のとおり、平成十年度では四千五百ヘクタールが転用されています。これは転用全面積の二割を占めております。これらの許可不要となっているものにつきましては、国それから都道府県が行う大規模な事業については開発部局と農地部局との間で調整が行われております。
 また、市町村が行う土地収用法対象事業、これは道路とか公園とか学校等でございますけれども、これについては自治省より、許可基準に則した適正かつ合理的な土地利用が確保されるように指導がされているところであります。
 また、道路公団等が行う事業については、所管省庁の指導のもとに、農業上の土地利用との事前調整を許可権者との間で行うこととされておりまして、このような措置によりまして、許可不要となっている事業について適正な農地転用が行われ、優良農地が確保されることが可能であるというふうに考えております。
#44
○藤井俊男君 公共転用は非常にそれぞれの自治体で思いをはせてやられていることでございますけれども、例えば農地法の農地転用許可基準を環境保全や景観保全、防災などの新しい視点を加えて私は強化すべきではないかと思っております。また、農振法による農用地区域は十年間ぐらいは除外、転用を禁止するような検討もしていかなければいけないと思っております。
 これは、昨日、何か新聞でも一部報道されておりましたけれども、線引き見直しの関係で都道府県の方に権限を移管するようなことも報道されておりましたけれども、この辺について、私は今お話ししましたような関係を検討すべきと思っておりますが、いかがなものでしょうか。
#45
○政府参考人(渡辺好明君) 御指摘の点は、新しい農振法のもとでの運用の問題だろうと思います。
 地方分権計画に基づきまして自治事務化をしたわけでございますが、やはり基準が明確でなければならないということで、基準自体、これまでの通達から法令にきちんと掲げるということになりまして、各都道府県あるいは市町村の間で運用に差異が生じないような措置をとったところでございます。
 それから、十年固定という問題でありますが、社会経済情勢の変動はなかなか変化が激しいものでございますから、むしろ新しい農振法のもとではおおむね五年を一区間として見直しをせよというふうに指定をされておりまして、そういうことで国会の御議決もいただいたわけでございます。
#46
○藤井俊男君 次に、都市農業の振興について伺いたいと思います。
 私は、埼玉でございますので、埼玉はすぐ東京近隣でございますので、都市農業ということに非常に関心を持っております。
 都市と農村の交流等、食料・農業・農村基本法第三十六条二項には、「国は、都市及びその周辺における農業について、消費地に近い特性を生かし、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるものとする。」ということでここに列挙させていただきまして、これは私は大きな成果だろうと思っております。私は、高くこの辺については評価をいたしておる一人であります。
 地方自治体では、それぞれ独自で都市農業の振興やら農のある町づくりの取り組みをいたしておりますが、水害防止のための、結局、先ほども大臣からもありましたけれども、遊水地の機能の活用だとか水田保全の関係等、これらについて独自でやられておりまして、助成金も出しているんです。
 私の地元越谷市とか市川市とか、あるいは愛知県の岡崎市だとか、こういうところでは条例まで定めて取り組まれております。こういう姿。あるいは計画的な土地利用による宅地、あるいは緑地保全、環境、景観保全などの取り組みもいたしておりまして、静岡県の掛川市だとか兵庫県の神戸市とか、私もいろいろな条例等も見させていただきましたけれども、それぞれの自治体の中ですばらしい取り組みをいたしておるところでございます。
 私は、都市農業の振興や農のある町づくりについて、国としても積極的な支援をしていく必要が考えられるわけでございますけれども、その施策について検討しておるかどうか、お聞かせ賜りたいと思います。
#47
○政務次官(谷津義男君) 先生の御指摘のありました点につきましては、地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができるということになりまして、農地や景観を保全する観点から各地で今条例がつくられているということであります。また、特に農地の保全等を含めた計画的な土地利用を図ることにつきましても、地方分権が推進される中で、市町村の自主的な取り組みが重要であるというふうに考えておるところであります。
 例えば、高生産性農業地域や触れ合いの農園地域等、市町村の判断で特別な農業上の用途を定めることができるようにするなどしまして、地方公共団体がみずから自主的に、計画的に土地を利用しているということは、農水省としましても支援をしていきたいというふうに考えております。
#48
○藤井俊男君 ぜひ、抜本的な支援策をさらに要望するわけでございます。
 今、谷津筆頭政務次官からもお話ありましたけれども、昨年、地方分権推進法が成立をしまして、まさに地方分権の時代に入っているわけでございます。地方がよくなれば県も国もよくなる、私はそういう持論を展開している一人でございますので、ぜひ国が地方自治体にももっと目を向けて配慮していただきたい、このようにも思っております。
 特に、市民農園の関係では、私はいろんな意味で注目をしておるんですが、埼玉県の宮代町等においては、一区画三十平方メートルということで区画をいたしまして、約二十億円かけて取り組んでいる市民農園等もあるわけでございます。
 また、生産から消費ということで、昨日も話題になっておりましたけれども、生産直売の、私たち埼玉の花園町では、政務次官も知っていると思うんですが、町の角に直売所をつくって、これが大反響で大収入を得ている、こういう状況もあるわけです。
 また、体験交流も私は大いに進めるべきだろうと思っております。私は、できれば東京のど真ん中にそういう農地もつくって、あるいは東京湾の近隣にも、あいているところも、これは都知事の関係もあろうかと思うんですが、東京のど真ん中にでも農地をつくって、それで農園をやらせて、本当に交流も図る。そうすると、生産も直売できて、野菜をつくっている、すぐ野菜が食べられる、あるいはいろんな意味でいい交流ができる。
 私は、アグリカルチャーパーク、そういう公園的なものもつくって、ディズニーランドではないけれども、それに対抗する抜本的な、本当の日本の農というのはこういうものだというものを見せていく、こういうことも必要ではないか、こんなことも考えたりするわけなんですけれども、いかがなものでしょうか。
#49
○政務次官(谷津義男君) 藤井先生と私どもの情熱は一緒なんです。
 そこで、最近は緑や土に対する関心がかなり高まってきまして、観光農園等による食の教育、あるいは農業体験、レクリエーションの場の提供、あるいはまた今、先生もおっしゃいました防災の空間の提供というのも非常に大事だというふうに考えています。
 市民農園あるいは直売所の件でありますが、都市住民の農業に対する理解を深めるためにも市民農園というのは非常に大事です。それから直売所、私も時々行くんです、花園は。すばらしいですね。本当に新鮮なものがあそこから買えるわけでありますし、農家が自分で値をつけているんですね。それで、いい物は自分で価格を決めるということで、非常に私はすばらしいことだというふうに思っております。こういうところから地域の活性化が出てくるのではないかと思います。
 もう一つ、私が体験したことを申し上げておきたいと思います。
 これは埼玉県と東京都の関連する話なんですが、私のところに東毛酪農というのがあるんです。ここは利根川の土手の草で牛が飼えるわけなんですが、実はそこにカラシナという外来種の根の深い、すごい草というよりも木に近いようなものが生えて、これを建設省がどうしても強力な薬品によって枯らさなきゃいかぬというお話が出たんです。
 そのときに消費者団体の皆さん方が、そこに農薬をまかれると、それを食べる牛、そしてその牛乳を私どもは買っているんだ、だから絶対に農薬はまかないでくれという話が出てきまして、そこで建設省も困ったんです。私も間に入りまして、何とかまかないでくれと。そうしたら、このカラシナをどうするんだという話がありまして、そのときに消費者団体、これは埼玉の方がかなり多かったんですが、それは私たちが切りますと言うんです。そんなことができるはずがないと私は思ったんですが、広大な堤防に本当に五千人ぐらい来ました。そして、切るのに血を出しながら、かまでとても切れないのに切って、そしてカラシナを全部退治したといういきさつがありまして、そこは農薬をまかずに、そこの草を牛が食べて、それをその人たちが飲んでいるというような状況がありました。
 私は、そういう感動的な場面を見ましたものですから、まさにそれで農業が非常に大きく理解されているという実例を今申し上げさせていただきました。
#50
○藤井俊男君 ほとばしる情熱で取り組まれておりまして、本当にありがとうございます。
 次に、私は一番関心のあるのを忘れては困りますので、平地林の保全についてであります。
 平地林と申しますと、これは埼玉県では一万七千四百三十五ヘクタールほど平地林があるんですね。その平地林にはコナラだとかあるいは雑木林が、平地ですから茂っているわけです。
 この関係については、既に皆様も御承知のとおり、昨年の二月に埼玉県所沢市で起きたダイオキシンの問題が大きな問題となりまして、大騒動となりました。このときにホウレンソウの問題も大きな問題となりまして、ようやくおかげさまで皆さんの努力によって落ちついてまいりましたけれども、そういった中で平地林が売り渡されているんですね。売り渡されて、そこにみんな産業廃棄物等が来てしまう。こういう状況が一つ現にあるわけです。
 その関係を見ますと、農地と平地林の相続の問題なんです。相続の問題で、農地については課税優遇措置があるわけです、猶予措置が。しかし、平地林についてはないわけです。ないから、どうしても農家の人も困ってしまって売却せざるを得ないということで、そこにみんな産廃業者が来てしまった。
 こういう状況下でございますので、これについて平地林の相続税軽減対策、開発規制の関係で私は非常に注目をしておりますので、この辺の関係についてどう検討されているのか、大臣の見解をお聞かせ賜りたいと思います。
#51
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 昨年の埼玉県におけるダイオキシンの問題等につきましても、本来、平地林であったものが売られてそこに工場が建てられた、そしてああいう形になったということが指摘されております。
 そこで、今相続税の問題が提起されたわけでございますが、私どもとしましては保安林制度があるわけでございます。だから、平地林であっても保安林に指定されることができますので、そういうようなことでぜひ平地林を保安林にするということをまず活用していただきたい、これを強調したいと思います。相続税のことにつきましては、立木評価の一五%を減額する措置や延納制度の特例といった優遇措置が講じられております。
 また、平地林を含む森林につきましては、公益的機能の高い森林については保安林制度により、保安林以外の森林については林地開発許可制度により、その開発が規制されているところであります。
 なお、森林が保安林に指定された場合には、その伐採制限の程度に応じまして相続税に関する評価額が最大八割減額されることになっておるわけでございます。
 こういう点をぜひ御理解の上、検討していただきたい、このように思います。
#52
○藤井俊男君 ありがとうございます。
 平地林の屋敷林を守るための相続税の猶予制度の適用に関して、請願の関係もそれぞれ両議長に出されておるところでございますので、また都市近郊緑地総合研究機構設立記念大会ということでも、これはJAの入間市や川越市を中心として行っておりますので、私はこの点も質問したい面もありましたけれども、時間の関係で終わらせていただきますが、これの資料を大臣にお渡ししたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
#53
○小林元君 民主党・新緑風会の小林元でございます。
 先ほど来、藤井委員からも、そしてまた昨日もこの食生活指針の問題が議論をされているわけでございます。
 きょう基本計画の答申が出されるという話を伺っておりますけれども、けさ農林省の方から食生活指針というようなものを説明いただきました。「「食事」を楽しみましょう。」から始まりまして、「ごはんなどの穀類をしっかりと。」とか、あるいは「美しさは健康から。無理な減量はやめましょう。」などという大変きめの細かい指針が出されるというふうに聞いております。
 この日本型食生活を定着させるということは大変難しい問題もあるわけでございますが、昨日の消費者との共生あるいは生産、消費両面にわたる課題というようなことを解決することによって自給率の向上を図るという極めて重要な問題だと考えております。
 従来、農林省の所管で農業改良普及所には生活改良普及員というのがいるわけでございますけれども、これまで自給率の向上というふうなことではなくて、いわゆる衣食住の改善、もう時代にマッチしないのではないかというような議論もありまして、定員増といいますか、退職に従って補充はしないというようなことできたわけでございます。
 そしてまた、一方では保健所には栄養改善指導員、あるいは先ほど来出ました学校給食の話とか、幅広い分野で総合的な力でやっていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。
 しかし一方では、現在の家族のあり方といいますか現状を見ますと、朝の食事も夜の食事も家族一緒にするというような状態ではありませんし、当然、そうなりますときちんとお母さんが料理をしてくれるというようなことではなくなってしまうことも多いわけでございます。本当に健康な食生活あるいは日本型食生活を守るといいますか、やっていくというのは大変なことだと思いますが、その辺の政策といいますか、大変だろうと思いますけれども、どのようにされるかお伺いしたいと思います。
#54
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員が御指摘されました食生活指針は、食料・農業・農村基本法第十六条第二項に基づく健全な食生活に関する指針を策定するということで、私ども農林水産省におきましても食生活指針検討委員会を設置して、そして健全な食生活に関する指針の検討を進めてきたところでございまして、近々、厚生省と文部省ともども共同して策定するということで考えておる次第であります。先ほどお話にもありましたように、十項目から成る対応を、きめ細やかというお言葉をいただきましたけれども、策定するということにしておるわけでございます。
 現在の我が国の食生活につきましては、脂質の摂取割合が適正範囲を上回る世代が見られるということなど、栄養バランスが崩れてきておるといったような問題、あるいは食べ残しや食品の廃棄などの資源の浪費といったような問題も生じておるわけでありまして、今後、厚生省や文部省とも協力しながらこの食生活指針の普及、定着を図るために努力していきたいというふうに思っておるわけでございます。
 昨年の十二月十七日には、食に関する多方面の関係者から構成されます食を考える国民会議を設立いたしました。この活動など、食生活を見直す国民的運動を展開いたしまして、食生活指針の普及、定着を図りながら、食生活の見直し改善について国民の皆様の理解と実践を働きかけていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#55
○小林元君 大変な課題だというふうに私は受けとめております。頑張っていただきたいと思います。
 次に、食品の安全性の問題でありますけれども、遺伝子組みかえ農作物の安全性について今議論がされていると思います。また、日本がこの問題につきましてコーデックス委員会ですか、議長国というふうなことで世界をリードしているといいますか、仕切っているといいますか、そういう大変重要な役割を担っているわけでございます。農林水産技術会議で環境とのかかわり合いにつきましても検討を開始しているわけでございます。
 同僚議員が聞くところによりますと、この安全性が確認されたものについて環境に対する影響その他非組みかえの農産物と全く同様であるので、一般の圃場で栽培していても区別する必要がないというふうに答弁をされたわけでございますけれども、ただ、これはいろいろ言われておりまして、こういう遺伝子組みかえの食品は、自然交配といいますか、遺伝子組みかえでない同種の作物に対する影響とか、そういう問題は出てくるんじゃないかと。これが安全だからどうなのかということで、実験的なデータによって安全性を確認するということだけではなくて、他の生物に影響があるか、もちろん人間にあるかということが最大の問題でありますけれども、他の生物への影響等々いろんな問題があるのではないか。そういう意味で、相当やはりこれについて広範なフォローというものが必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#56
○政府参考人(三輪睿太郎君) 御説明申し上げます。
 環境への影響ということで、遺伝子組みかえ植物、作物を一般圃場で栽培するまでに二段階に分けて慎重な調査を行うところであります。
 第一段階は、屋外で栽培する前に実験室でもちまして十分なデータをとりまして、隔離されたとはいえ、屋外で栽培しても大丈夫かという点を確認いたします。
 次に、一般の圃場で栽培するというところに持っていくまでに、これは一般の圃場で植物を栽培した場合、一度、先生がおっしゃるような汚染その他のことが起こりますと、これをもとに返すのが大変難しいことは、セイタカアワダチソウとかあるいはセイヨウタンポポといった外来の雑草の実態を見るとよくおわかりだと思います。
 そういうことがございますので、一般の圃場で栽培することの安全性を確認するために隔離条件を設けまして、そこで十分入念な調査をいたします。花粉の飛散距離その他、今おっしゃった従来のものとの交配の可能性、そういったものについて十分な調査を行った後で一般圃場での栽培を確認するというふうな手順をとっております。
#57
○小林元君 大変これは難しい問題であります。やはり、世に出したら、いわゆる安全性をそういう形で確認した、したがってそれで終わりだということではなくて、その後につきましても、今のような問題といいますか、他の生物への影響、人体影響についても長期的な視点というものが必要だろうと思いますので、そのようなフォローにつきまして十分考えていただきたいと思います。
 それから、本年四月からJAS法が改正されまして表示法がスタートします。そういう中で、原産地表示とかいろいろありますが、遺伝子組みかえ食品についても表示をするというふうなことでやっているわけでございます。これはアレルギーの表示とかあるいは栄養補助食品表示、そういうことも検討をされているというふうに伺っております。
 ただ、これは流通の広域化あるいは食品の高度化ということで、生産者と消費者の間に加工業者といいますか食品業者といいますか、そういうものは当然入ってくるわけでございまして、なかなか顔が見えないといいますか、農産物の顔が見えない。そういう中で消費者というものは、合理的な判断で、自己責任といいますか選択をする、賢明な選択をできるかということになりますと大変難しゅうございます。
 これは一つの例でございますが、遺伝子組みかえ表示の中で、不分別というような言葉を使って、耳なれない、要するに区分をしていないという意味だそうでありますが、そういう難しい表示、これは不明だと言うに等しいと思うんですけれども、不明というような表示をすることは大変不名誉だろうと思いますのでこういう言葉になったのかと思いますが、この辺についてどういうふうに進めていくのか。
 それからもう一つは、これは時間がないのであわせてお聞きします。
 いわゆる食品表示の問題につきましては、保健所といいますか厚生省も関係しておりまして、食品衛生法によりまして食品衛生監視、これはもう非常に伝統、歴史等もありますし、きっちりした体制が整っているわけでございます。しかし、このJAS法の表示問題につきましては、なかなか現場で保健所の衛生監視員、食品衛生監視員がやるようにきめ細かな監視というものは現在の体制では大変難しいのではないかと思いますが、その辺についてどうなのか、お尋ねしたいと思います。
#58
○政府参考人(福島啓史郎君) まず、最初の御質問でございますが、今回の改正JAS法に基づきます遺伝子組みかえ食品の表示につきましては、食品を分類いたしまして、要するに加工工程後も組みかえられたDNAまたはこれによって生じたたんぱく質が存在するものと、それが加工工程によって除去、分解されまして組みかえられたDNAあるいはこれによって生じましたたんぱく質が残っていないもの、その二つに分けまして、加工工程後も組みかえられたDNAまたはこれによって生じたたんぱく質が残っているものにつきましては義務表示の対象とする。その際、表示につきましては、大豆につきまして例をとりますと、「大豆(遺伝子組換え)」等の義務表示をするか、あるいは、今、先生御質問ございました「大豆(遺伝子組換え不分別)」といいますのは分別をしていないという意味でございます。
 分別といいますのは、別途、この一月末にIPハンドリングという生産・流通管理のマニュアルを示しました。そのマニュアルに沿って分別流通管理をしているかしていないかによって、IPハンドリングに従ってやっておるものにつきましては分別という表示でございます。そうしたIPハンドリングに従って分別していないものにつきましては不分別という表示を行うということで整理をいたしているわけでございます。正式には、JAS調査会の意見も聞きまして、四月にも告示をし、一年後に適用するというふうに考えております。
 それから、二番目の御質問でございますが、基本的に食品の表示につきましては、事実に関する消費者への情報提供でございますので、食品関係の事業者が責任を持って品質表示基準に従って事実に即した表示をするというのが原則、基本的な考え方でございます。
 これを事後的に公的機関がチェックする場合の対応といたしまして、農林水産消費技術センター、農政局あるいは県が買い上げ検査等を通じまして遵守状況の把握を実施しているわけでございます。これは一般にJASの品質表示につきまして行っている仕組みでございますが、遺伝子組みかえ食品の表示につきましてもこの仕組みを活用していきたいというふうに考えております。
 これらを通じまして、仮にこの品質表示基準に従った適切な表示がなされていないおそれがあると認められる場合には、必要に応じまして生産、流通の過程をさかのぼって証明書なり伝票なりあるいは分別流通の実際の取り扱い等をチェックしていくと。表示が事実に即した適正なものであるかどうかを確認した上で、その結果に応じまして、指示、公表、改善措置命令等の措置を講ずることになるわけでございます。
#59
○小林元君 要するに、現行体制でこういう表示の問題がいろいろと広範になってくるという問題でございますので、現行体制でそういうことが十分にできるということなのか、あるいは本年度から体制を強化する、そういう予算の裏づけもあるのか、その辺はいかがですか。
#60
○政府参考人(福島啓史郎君) 今まで農林水産消費技術センターで買い上げ検査等を実施しております。十年で見ますと約千六百件、また市販JAS品の検査につきましても二千件以上実施しているわけでございます。今後、こうした買い上げ検査等の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
#61
○小林元君 ちょっと時間がなくなりそうなので、通告順に従っていないことを御了承いただきたいと思います。
 けさも基本計画の説明を聞いておりまして、自給率を拡大する、そういう中で、先ほど来お話もありましたが、麦、大豆の生産拡大というようなこともあるわけでございます。
 しかし、実際問題としましては、農林省の方でも、大臣からもお話がありましたが、経営的に本当に大丈夫なのか、あるいは技術的な問題が確立されているのかということになりますと、なかなかそう簡単ではないわけでございます。この基本計画の中でも、技術開発について今後、力を入れていくということで、前からちょっと読ませていただいております、このパンフレットもいただきました。麦の新品種とか大豆の畑作物の新品種とかあるのでございますけれども、いわゆる飛躍的な向上、開発ができたということにはちょっとほど遠いのではないか。
 そしてまた、基本計画におけるいわゆる科学技術開発の開発戦略といいますか、そういうものにつきましてももうちょっと頑張って使ってもらいたいなというふうに思っているわけでございます。
 しかも、農林省の技術開発費は、どうも調べてみますと、例えば平成五年は国立で七百一億円、平成九年が七百二十八億円、今年度予算はちょっとあれでございますが、公立の試験研究機関等では減少しているというようなことで、トータルでいきますと平成五年が二千七百四十九億円、平成九年は二千六百六十七億円というふうな減少、傾向かどうかは別でございますけれども、減少をしているというようなことでございます。
 科学技術基本法というような法律ができて、その段階で農林省にも五十億円の、現在も続いておりますけれども、予算もつけられた。ウルグアイ対策費でも五十億円ついた。しかし、これはもう終わりだということでございまして、なかなか技術開発というのは増額をするというか手厚くなるという見通しはどうかと思うんですが、その辺、横ばい状況ではないか、そういう状況にもっと頑張っているのかということもあわせてお答えをいただきたいと思います。
#62
○政府参考人(三輪睿太郎君) 具体的な数字でお示しいたしますが、平成十二年度は一千二十六億円の予算案をお諮りしております。この予算額を科学技術基本法が制定されました平成七年度に比べると三〇%の伸び率となっておりまして、関係省庁と比べても農水関係の技術開発関係予算は遜色のない伸びというふうに私どもは認識しております。
#63
○小林元君 しかし、国はそうやって頑張っているかもしれませんけれども、やはり地方の方は非常な財政状況でございまして、どうもなかなか力が入らないというような現状もあるわけですね。やはり、これはトータルの力で成果というものが発揮できるのではないかと思いますので、その辺については、技術会議といいますか農林省としてもどういうふうな協調を図っていくのか、お伺いしたいと思います。
#64
○政府参考人(三輪睿太郎君) 都道府県の関係の試験研究機関が財政状況のもとで予算についてかなり悩んでいるという状況はございます。
 それで、私どもは、先生のお話にございました今度の新しい基本計画に即しました麦とか飼料作物、そういったような重要作物の品種改良、そういった研究につきましては、都道府県についても大いに参画をしていただきまして、先ほど申し上げました農水省の研究予算を委託という形で都道府県に回しまして、国と県が一体となって研究をするというようなことでしております。
 例えば、麦の研究ですと、六つの国の研究機関が参画しておりますが、二十五道県の研究試験場にも麦の品種改良等を一緒にやっていただいております。また、その他、都道府県の自発性に基づく研究につきましても、国の施策に沿うものにつきましては研究の補助をしております。
#65
○小林元君 昨日来、私も前の質問でもお伺いしましたけれども、昨日の大臣の答弁にもありました。イギリスとかドイツでは麦につきまして大変な増収というものがあったと。もちろん、麦、小麦につきましてはなかなか適作かどうかという問題もいろいろあると思います。
 しかし、これだけ科学技術というものが発達してきたわけでございますから、そういう自然条件を克服するというようないわゆる種子の開発というものにつきましても十分頑張れるのではないかというふうに私は楽観的に見ているわけでございます。そういう中で、やはり麦、大豆というものに力を入れるということであれば、もっともっと開発費をつぎ込んでもいいのではないか。簡単に麦、大豆の現状、そして見通しというものをお聞かせいただきたいと思います。
#66
○政府参考人(三輪睿太郎君) まず、麦の品種改良につきましては、平成十年の五月に取りまとめられました新たな麦政策大綱、これに基づきまして年次計画をつくりまして、具体的に先ほど申し上げたように国と都道府県、協力をして一定の目的を達成しようというふうにしております。
 その目的の中に、先生がおっしゃいましたような我が国の自然条件で麦作に一番不利な条件といえば、収穫期に降雨があるということでございますが、その梅雨期による降雨を早目に避けたわせ、あるいは早期収穫が可能な品種開発、それから品質面での改善で、特に製粉性、色相、製めん性、こういったものを改善された品種、それから雨に伴って病害があるわけでございますが、特に被害の大きな赤カビ病耐性を強化する、こういった品種改良の具体的な目的を地域ごとに策定いたしまして、これを三年の期間に大幅に改善しようと。すなわち、収穫期を早めるのに関しましては四日ないし五日早めて梅雨を避けよう、そういうようなことで十一年度から本格的な取り組みをしております。現在、候補の品種としましては、早熟で製めん適性の高い、これは西南暖地に適した品種でございますが、イワイノダイチとかあやひかり、こういったような品種が出ております。現在、そういう品種の現場での定着に向けて、三年間の期間の中で実現すべく研究を進めているところでございます。
#67
○小林元君 収穫期の問題もあるんでしょう。収穫期がうまくないと梅雨にかかるというようなことで、いわゆる日本の麦の収量というものは上がらないといいますか、そういうものはどの程度影響しているのか、お考えはありますか。
#68
○政府参考人(三輪睿太郎君) ヨーロッパで非常に麦、小麦が特に多収なのでございますが、その比較で申しますと、一番大きく響いているのは麦の作付期間における日照時間と温度でございます。日本の方は、温度はまあまあなんですが、日照時間がヨーロッパの条件に比べましてかなり短いというところが一番響いております。
 それで、梅雨の問題は、収量の問題もありますけれども、収穫時に湿ることで穂発芽を起こしまして、その穂発芽によりまして品質、収量両面において大きな被害を受けるといったところが一番のポイントとなっておりまして、それを回避することで我が国の麦作については一つのステップが進むのではないかというふうに思っております。
#69
○小林元君 昨日来、飼料米の問題がいろいろと議論をされました。飼料米、ホールクロップサイレージといいますか、いわゆる経営上といいますか、価格の問題で転作の助成金をやってもなかなか割に合わないというふうな問題があったと思いますけれども、むしろこの問題はどうも農水省は途中からペースダウンをしたというようなことがあるんじゃないか。それは、やはり農民に対する不信感といいますか、青刈りもそうでありますけれども、米を収穫してしまうのではないか。例えば、ホールクロップサイレージにしましても、今の技術でいけば食用米として出荷してしまうのではないか。そういう中でどうも自信がないとか確信が持てないとか不信感とか、いろいろあるのかもしれませんけれども、そういうことでうまくいかなかったのではないか。
 そういうことではなくて、やはり団地化をするとか、そういう転作の管理といいますか、飼料米の部分についてどういうような管理をすればそういうことができるのか。まさに水田の、谷本先生からもお話がありましたけれども、水田で麦、大豆をつくることもそれはそれで大変大事だと思いますけれども、米をつくるといいますか、飼料米という形で推進することも非常に技術的には確立しているわけでございますから、その辺についてどのようにお考えでしょうか。
#70
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、十二年度から水田の活性化対策を進めているところでございます。
 先生御指摘のように、湿田地帯のように畑作物の転換困難な地域等におきましては、水田の有効利用を進める観点からホールクロップサイレージ等々については非常に有効な対策だというふうに考えておるところでございます。したがいまして、今回の対策におきましても麦、大豆と同じように、最高七万三千円というような水準の助成体系を組んでいるところでございます。
#71
○小林元君 いや、お答えがなかったように思いますが、主食用といいますか、いわゆる米として収穫されてしまうのではないか、そういう点についてはどのようにお考えになっておりますか。
#72
○政府参考人(木下寛之君) ホールクロップサイレージの場合は、御案内のとおり、穂あるいは茎、葉、全体を利用するわけでございますから、いわゆる主食に回るというようなことは考えられないというふうに考えております。
#73
○小林元君 いや、考えられないということではなくて、そういうことになり得るというようなおそれがあって飼料米というものの取り組みが進まなかったのではないかなというふうに思うんですが、どうですか。
#74
○政府参考人(木下寛之君) ホールクロップサイレージのほかに、私たちの転作の中では青刈りの稲あるいは飼料用米というのを対象にしているわけでございます。
 ホールクロップサイレージ以外の、先生御承知のように飼料用米でございますけれども、確かに主食に回るというような可能性はございますので、これにつきましては現場段階で食糧事務所が来て確認をするというところで処置をしているところでございます。
#75
○小林元君 飼料用米はそうなんでしょうけれども、ホールクロップサイレージについてもそういう懸念があるというようなこともあって、余りこれをやれというようなことがどうも進まなかったんじゃないか。
 それと、ホールクロップサイレージというのは、当然、畜産農家が近在にあって、そういう形での取引といいますか需給の中で整理するわけですから、ミスマッチといいますか、つくろうとしても需要がないとか供給できないとか、そういう問題があったのかどうか、その辺はいかがですか。
#76
○政府参考人(木下寛之君) ホールクロップサイレージを活用する際には、先生御承知のとおり、耕種農家と畜産農家との連携が大事であるというふうに考えております。したがいまして、平成六年には十九ヘクタールというふうに落ち込んだわけでございますけれども、私ども畜産局とも連携をとりながらこの振興に努めているところでございまして、十一年度には八十七ヘクタールというふうに相当程度回復基調にあるというふうに考えております。
#77
○小林元君 これは通告をしていないんですけれども、せっかくきょうは農林水産技術会議の事務局長さんが来ておりますので、ちょっとお伺いしたいんですけれども、突然で恐縮でございます。
 いわゆるトウモロコシのF1といいますか、そういう種子が日本全国を今席巻していると言っても過言ではないと思いますけれども、これはいわゆるアメリカの種子戦略といいますか、国を挙げてやっているかどうかということになりますとわかりませんけれども、いわゆるそういう種子戦略というものがあるのではないかと思うわけでございます。
 遺伝資源をもうずっと以前から集めて、そういう中でそういうものが出てきたということであります。これは日本においても、これは世界的にもそういうことを重視するという傾向が高まっていると思います。現に、中国でも雲南省あたりに遺伝資源がたくさんあるのではないかというようなことでありますが、絶対持ち出しは禁止だというふうなことになっております。
 そういうことはさておきまして、食料危機といいますか、食料生産を今後やっていく、そういう中で主食用の米とか麦とかについてそういう開発をするということは大変大事だと思いますけれども、しかしそれを独占的に使用するといいますか利益を享受するといいますか、そういうことになりますと、これは全地球、グローバルな観点からいきますと、そういうもので利益を得るということではなくて、やっぱりこれは人類共有のものだろうというふうにも考えているんですけれども、いわゆる日本のそういう種子戦略というようなもののお考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#78
○政府参考人(三輪睿太郎君) 十分な御説明ができるかどうかわかりませんけれども、いわゆる種子といいますか、今の種子、品種、種苗、そういったものについて、例えば日本の農業が使うものが外国支配されているかといいますと、先生がお話の中で例示されましたトウモロコシとかビートとかそういった作目においては、あるいは牧草、それから花の球根みたいなもの、そういったものについては日本の種子は外国から輸入をしてやっているものが大宗でございます。しかし、米、麦、豆、それから蔬菜、それから果樹、そういったものにつきましては日本の種子もかなり高いレベルにありまして、国内ではもちろん日本の種子がほとんど使われておりますし、また一部のものは海外に輸出されて使われているという状況であります。
 そういったことで、現在のところ種子が寡占を、外国に支配されているという状況は私は冷静に見て当たらないと思います。ただ、御指摘のように遺伝資源から始まりまして、さらに遺伝子というレベルで、物質のレベルで財産権の問題が国際的に大きな関心を呼んでおります。特に、遺伝子につきましては、医薬品等でその有用性に着目した特許が認められておりまして、遺伝子で特許が認められますと、その遺伝子を使った品種改良その他につきましても従来なかったような概念、競争が導入されるということについては十分我々も備えないといけないというふうに思っております。
 そういった意味で、遺伝子のもとになります遺伝資源につきましては農林水産ジーンバンク事業というものを前から始めておりまして、アメリカが三十万点の申請をしておりますが、我が国も二十万点を目指して遺伝資源の充実を図っていると。
 さらに、遺伝子の特許につきましては、特に米、麦、トウモロコシ、そういった主要作物については大変心配されますので、今度の予算でもお願いをしておりますが、イネゲノム解析といったところに大変力を入れまして、遺伝子レベルで有用な遺伝子を世界に先駆けて我が国が確保し特許化するということに年次的な目標を定めて取り組んでいるところであります。
#79
○小林元君 時間が超過しておりますけれども、最後に玉沢大臣にお伺いしたいと思います。
 ただいまの話、メモをとっていたかどうかわかりませんけれども、技術開発というのは非常に大事だというふうに先ほど来の質問でもおわかりいただけたと思いますけれども、重要だというふうに私は考えております。そういう中で、予算もふえてきているということはあると思いますけれども、やっぱり基本計画の目標を達成するということにつきましては、技術開発に相当もっともっと力を入れていく必要があるのではないかと思いますが、最後に大臣の所信をお聞きしておきたい。
#80
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 技術開発の問題につきましては、一国内の自給率を上げるという観点からばかりではなくして、やはり世界戦略ということを考えて展開しなきゃいかぬと思うわけでございます。
 先ほど来話がありましたように、アメリカはヒトゲノムの遺伝子の読み取りにおきましては世界の第一等、今、マラソンランナーでいえばゴールに向かって走っておる、我が方はイネゲノムで第一等を走っておる、何としてもこの優位性は我が国はイネゲノムでとっていかなきゃいかぬ。
 それから、世界じゅういろいろ標本その他あるわけでございますけれども、いろいろなものを組み合わせいたしまして技術開発をやっていくということにおきまして、世界に絶対におくれをとってはいかぬ、むしろ先頭を切って走るというぐらいの意気込みで頑張らなければならぬという決意でやってまいりたいと思いますので、委員の御指導、御理解も賜りたいと思います。
#81
○委員長(若林正俊君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二分開会
#82
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に林野庁長官伴次雄君、外務省経済協力局長飯村豊君及び文部省生涯学習局長富岡賢治君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#84
○委員長(若林正俊君) 休憩前に引き続き、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#85
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 平成十二年度の農林水産省予算に関連しまして質問させていただきたいと思います。
 最初に、漁業に関して質問させていただきたいと思います。
 我が国の漁業生産量は、一九八四年の千二百八十二万トンから一九九八年の六百六十八万トンと、この十四年間で約半分に減少しております。そのため我が国では、国際海洋法条約の指示に沿いまして、平成九年より水産資源の保存管理の観点から七魚種を対象に漁獲可能量、TAC制度を導入しておりますけれども、採捕実績は五〇%を割り込んでいる魚種もあります。
 まず最初に、その原因についてお伺いしたいと思います。
#86
○政府参考人(中須勇雄君) ただいま御指摘のございましたTACの制度を平成九年から、海洋法条約を批准したことに伴い、新しい制度として実施をいたしました。六魚種で、途中一魚種を追加いたしまして七魚種で実施しております。
 率直に申しまして、漁獲可能量の設定に当たって私どもの資源量の把握が必ずしも十分ではなかったこと、あるいは資源自体はかなりの水準ということが確認できても、水温等の変化によりまして魚の集まりが悪い、漁場がなかなか形成されないということによって漁獲しにくい状況があらわれる、こういったことが影響いたしまして一部の魚種において漁獲実績がTACの五〇%を下回る水準となっている例がある、御指摘のとおりでございます。
 私ども、今後とも資源調査の充実を図るとともに、資源水準の実態を踏まえた適切な漁獲可能量の設定がなされるように努力していかなければならない、このように考えております。
#87
○渡辺孝男君 それに関連しまして、今後の主要魚種のTACと採捕量の動向予測についてお伺いしたいと思います。
#88
○政府参考人(中須勇雄君) 昨年十二月に決定を見ました水産基本政策大綱に示されておりますように、我が国周辺海域においては総じて水産資源の状況、低位の水準にございます。これを計画的に回復していく、このためには資源水準の実態を踏まえた実効のある漁獲可能量の設定が求められている、こういうふうに私ども認識をしております。
 ただ、今後におきます個別の魚種ごとの漁獲可能量あるいは実際の採捕量ということになりますと、なかなか現段階で数字でお示しすることは難しいわけでありますが、基本的な考え方としては、そういう資源が悪化している場合、資源の回復が図られるまでの間は資源状況に即して漁獲可能量を抑制し、漁獲可能量と採捕量の大きな乖離が生じないように努めていかなければならない、こういうふうに思っております。
#89
○渡辺孝男君 金田政務次官の秋田県では、ハタハタを三年間休漁にして最近またふえてきている、そういうこともありますので、やはり資源管理と、どの程度までとったらいいのか、正確に実態を調査しながら目標を定めていただきたい、そのように思っております。
 次に、魚介類の自給率が昭和六十年の八六%から平成十年には五七%に低下しているわけであります。農林水産省の品目別食料自給率の趨勢試算値では、平成二十二年には五〇%に落ち込む、そのような見通しを立てておるわけですけれども、今回の基本計画案では自給率目標を六六%としております。
 この趨勢試算値の算定根拠と基本計画案の目標値六六%に対する水産庁の所見を伺いたいと思います。
#90
○政府参考人(中須勇雄君) 初めに、御指摘の趨勢試算値について申し上げたいと思いますが、まさに趨勢という言葉のとおり私ども試算をいたしました。
 魚介類の消費量については、御承知のとおり、近年、横ばいないし微増ぐらいの傾向で推移しております。したがいまして、過去の平均値程度が今後も十年先に実現するのではないか。そういう意味で消費量を見込み、また国内生産量については、ただいま先生から御指摘のとおり、周辺海域での資源状況の悪化等に伴ってかなりの減少傾向で推移しております。今後ともこの減少傾向が続くということで推移するというふうに見込みまして、漁獲量については二十二年度五百七十二万トンというような推計をいたしました。こうやって消費量と国内生産量というのが出てまいります。そこで、計算をいたしますと自給率五〇%というのが趨勢における十年後の見通しと、こういうことでありました。
 ただ、ただいま御議論を願っております自給率目標という中におきましては平成二十二年度に六六%という目標を掲げる、こういう考え方で今検討しているわけであります。
 この目標値に当たりましては、先ほど申しました趨勢値に関しまして、消費量、いわゆる供給ベースの消費量でございますが、これについては食料全体で食べ残しとか廃棄を減らす、抑制に取り組む、こういうことも踏まえまして趨勢よりもやや減少する、こういうふうに見込みました。一方、国内生産量につきましては、今後、周辺水域における水産資源の回復等に積極的に努力をする、そのことによって十年後の資源の回復、それに伴う国内生産の一定の増大を見込むということを前提に試算をしたわけでございます。その結果が平成二十二年度に六六%という数字になっているわけであります。
 したがいまして、この目標の達成のためには、特にこの国内生産量、資源の回復、これを実現するために減船、休漁等による漁獲努力量の相当程度の削減とか、つくり育てる漁業等による資源の積極的な造成、こういった課題に積極的に取り組むということが重要な課題になる、こういうふうに考えております。
#91
○渡辺孝男君 六六%、大変な目標値を掲げて努力する、これが設定されるとすれば、大変な目標値を掲げて努力していかなければならない、そのように思うわけです、かなり趨勢値との隔たりがありますので。今、一部述べていただきましたけれども、もし六六%の目標値を設定した場合に、今後、水産庁としてどのような取り組みをしていくのか。今、一端をお述べいただきましたけれども、そのほかにもし何か追加することがあればお伺いしたいと思います。
 これは大臣にお聞きしたいと思います。いいですか。では水産庁から。
#92
○政府参考人(中須勇雄君) ただいまちょっと触れたわけでありますが、このほかにも、例えば魚の場合には日本国内でとれた魚が必ずしも全部人間のおなかに回っているわけではございません。養殖のえさであるとか飼料だとか、そういうものにも回っている部分があります。したがいまして、私どもできる限り自給度を向上するという意味においては、例えば一定の魚については食用向けへの比率を高める、こういうことにも取り組んでいきたい。
 これは実は資源回復等とも密接に関連するわけでありますが、例えばサバ等の魚種については、小さなものをとるとなかなか食用に回りません。むしろ、輸入した形のいいサバの方が国内で売れる、こういうことが起きます。そのために、小さなサバを一年待って、一歳年をとった大きくなった魚をとる、こういうことをみんなで取り組んでいただければ、同じサバをとっても、それを我々が食べることができて自給率の向上につながる。ですから、そういうことも大きな課題であるというふうに思うわけでございます。
 それと同時に、もちろん資源の問題のほかに、担い手の確保であるとか漁村の活性化とか、そういう課題に総合的に取り組んで、自給率、資源の回復と我が国漁業の安定的な持続的な生産、そういう体制をつくり上げていかなければならない、こういうふうに考えております。
#93
○渡辺孝男君 ますます資源管理型漁業というのが大事になってくるということでありますけれども、去る二月二十七日に玉沢農林水産大臣は新日中漁業協定合意文書に署名されたわけでありますけれども、本当に御苦労さまでした。大臣はこの合意文書の意義につきまして、「日本の漁業関係者に不満は残ると考えるが、中国船の操業を我が国の管理下に置くことで、資源管理体制の基盤が確立できる」と、このように述べられておるわけであります。
 日本漁業関係者の思いについては私も大変そういう思いを強くしておりますけれども、今後やはり諸外国との交渉等を含めまして、日本の漁業の存続にかかわる管理型漁業への取り組み等が非常に大事になってくると思いますけれども、今後の方針について大臣の御所見をお伺いできればと思います。
#94
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この日中漁業協定が締結をされましてから二年間以上、条約が発効に至らないという異常な状態が続いておったわけでございます。この間約二十回にわたる協議を行ったわけでございますが、なかなか合意に至らない。合意に至らない最大の原因は、やはり現在のままでありますと、中国側の漁船も我が国の十二海里から外の方へ自由に操業できる、こういうことでかなりの数の船が来ておるわけです。
 一方、二百海里体制の趣旨は、お互いに二百海里の中におきましては専管事項として自国でその資源を主体的に扱っていく、こういうことでございますが、隣国同士の関係になってまいりますと、二百海里ずつお互いに主張した場合は当然バッティングするところが出てくる。そのところを暫定水域として設けまして、日中も日韓もここのところの扱いがなかなか話し合いがつかなかった、こういうことでございます。
 そこで、日韓につきましては、昨年の十二月に暫定水域における操業条件等につきまして合意を得たわけでございます。これによって、韓国側におきましても七百数十隻にわたる減船をせざるを得ないという話でございます。
 今回の点におきましても、中国側が合意をしなければ協定を破棄して、そして徹底的な取り締まりを行うべきだ、こういう御意見等もお寄せいただいておったわけでございますけれども、しかしお互いに隣国同士でございますから共存共栄を旨としまして、暫定水域につきましてもお互いにつらい決断ではありますけれども、減船も承知してそしてやらなきゃいかぬ。
 特に中国側は、日本海域においては四千隻も操業している、こういうようなことを主張したわけでございまして、それを九百隻にすると。そういうような中での苦労があって、向こう側も減船におきましては相当漁民の皆さんにも不満があると思うわけでございます。
 一方、我が方におきましても、やはり新しく中間水域というところを設けまして、これは日韓ともぶつかるところでございますので非常に厳しい形でございますけれども、中間水域を設けて許可の要らない船が両国で操業できるというふうにしたわけでございます。
 ところが、これに伴いまして、例えばアマダイのはえ縄漁業等の重要な漁場がこの中に入るというようなこともございまして、そういう対象の方々には強い不満がある、こういうことで、私も趣旨をよくお話をしました。百二十七度三十分から日本側の方におきましては底刺し網が完全に禁止されました。そうしますと、アマダイ等はそれによってかなりふえてくる可能性があります。そういうこともよく説明しまして御理解をいただいたところでございますけれども、いずれにせよ、六月一日から発効するということになりまして、九州海域ばかりではなくして、日本水域全体におきまして漁獲の資源を特定しまして、そして漁獲高をどれだけ向こう側に示すかというような点についてこれから随時詰めていかなきゃいかぬ、こういうことになるわけでございます。
 いずれにしましても、これで本格的な二百海里体制をしくことができるわけでございますので、我が国はこの二百海里体制の中における漁業資源を回復させ、永続的に漁業を展開することができる基盤をしっかり保つ、これが大事であると、こう思うわけでございまして、そういう観点につきまして、つくり育てる漁業、栽培漁業等も振興せしめて、我が国の基本的な水産政策を打ち立てて進めていきたい、このように考えておるところであります。
#95
○渡辺孝男君 漁業に携わっている方には大変つらい思いをされている方もいらっしゃるので、その点も十分配慮しながら進めていただきたい、そのように思っております。
 今、大臣の方から、つくり育てる漁業への転換というようなお話もありましたけれども、次に栽培漁業に関して質問させていただきたいと思います。
 水産庁から委託を受けております社団法人の日本栽培漁業協会という協会があるわけでありますけれども、先日、私もちょっと訪問させていただいてお話を聞いてきたわけでありますけれども、この協会は昭和三十八年に発足して、重要な水産資源を積極的にふやすために魚介類の種苗生産、放流を中心に栽培漁業を行っておるということであります。
 とる漁業からつくり育てる漁業への転換を目指した栽培漁業を推進している日本栽培漁業協会、どういう業務内容なのか、それから今までの実績、それから予算とか研究内容、成果等について簡単にお知らせいただければと思います。
#96
○政府参考人(中須勇雄君) ただいまお話のございました日本栽培漁業協会、基本的には国の委託を受けまして、全国に十六カ所の国営の栽培漁業センターを運営しております。ここにおきましては、最近の重点課題としては、例えばクロマグロとかイセエビなど重要魚種の栽培漁業を実施するのに必要な基礎的な技術開発ということに取り組んでいるわけでございます。こうした技術開発を通じて得られました成果を各都道府県等にございます都道府県のセンター、そういうところにお渡しをして、そこでかなりの規模で放流等を行って栽培漁業を実施していく、その技術開発に主たる任務として当たっているわけであります。
 先生御指摘のとおり、昭和三十八年に設立されて以来、これまで主要魚種で申しますと、クルマエビ、マダイ、ヒラメ等につきましては、種苗の生産、育成、放流等の技術をこの協会が開発をいたしまして、現在こういった魚種については都道府県を中心として栽培漁業という形で大きく進めているところでございます。
 ちなみに、現在では全国で八十八種の種苗生産、八十魚種の種苗放流を行っておりまして、その中でマダイ、ヒラメ、クルマエビ、クマエビ、ヨシエビ、ガザミ、あるいはクロアワビ、ホタテガイ、ハマグリ等々十三種はそれぞれ一千万尾を超える種苗の生産、放流が行われている、こういうふうな状況にございます。
 予算的には、委託費といたしまして、平成十二年度の予算におきましても二十二億円余を計上いたしておりまして、これは昨年に比べて一億円ばかりふやしております。養殖業支援のための新しい技術開発ということにも取り組んでおりますし、またこの国営栽培漁業センターの施設整備等にも十三億円余を計上している、こういうような形になっているわけでございます。
#97
○渡辺孝男君 非常に大事な役割を担っているわけでありまして、これからも推進していただきたい、そのように思います。
 この栽培漁業のパイオニア的存在がサケの放流事業というふうに言われているわけでありますけれども、これに関連して、山形県にもサクラマスというのがおりますけれども、ただし山形県のサクラマスは一番、赤川というところに生息しておったわけですけれども、この赤川のサクラマスが昭和三十年から五十年代にかけては大体四千から五千匹も水揚げされていたということであります。しかしもうやはりいろんな環境の影響か、平成十一年には百数十匹まで減ってしまったということであります。サクラマスは河川の環境のバロメーターとも言われておりまして、今の赤川の現状というのは、やはりサクラマスの生息地としての環境が悪化しているのではないかということを示唆しているものと残念に思っているわけであります。
 現在、この赤川流域の住民で河川の環境に関心のあるグループが、サクラマスが以前のように赤川に戻ってこられるように、そのような運動を展開しているわけであります。この問題の解決には、河川の改修とか砂防ダムの撤去、魚道の設置、ダムの水位や放水量の調整などが検討課題となっているわけでありますけれども、これには農水省、建設省、通産省など多くの省庁が関係しているわけでありまして、私は、これらの省庁と環境庁の連携、協力が不可欠であると、そのように考えるわけであります。
 環境庁の方にお伺いしたいんですけれども、今度、環境庁は来年から環境省になるわけでもありまして、私は環境が中心になっている問題では環境庁が関係省庁のパイプ役となり、またかなめとなって、そしてまたリーダーとなっていただいて問題の解決に当たっていただければと、そのように大変期待しているわけであります。
 こういう問題に対しての環境庁のこれからの決意をお伺いしたいと思うんです。
#98
○政府参考人(遠藤保雄君) 先生御指摘のように、来年一月六日から環境庁は環境省に昇格いたします。したがいまして、環境問題につきまして、今後とも一層関係省庁と連携をとりながらきちんと対応してまいりたいと思っております。
 御指摘の赤川のサクラマスの減少の問題でございますけれども、これがどういう原因によるのか、いわゆる水質なのか、あるいはそれ以外の要因なのかということでございますけれども、まず水質を見てみますと、山形県の赤川は水質環境基準のA類型が当てはめられております。このA類型といいますと、水質の中で生物化学的酸素要求量、いわゆるBODというものでございますけれども、それですと一リッター当たり二ミリグラム以下が環境保全上望ましい水質であると、こうなっております。それに対しまして、赤川の実績は、平成十年度で見ますと、水質がBODで〇・五から一・二ミリグラム・リッターであるということでございまして、水質としては望ましい条件であろう。したがいまして、水質以外の事情がいろいろ影響しているんじゃないかと、こう推定するわけでございます。
 いずれにしましても、山形県におきまして、二月十四日の地元団体による要請を受けまして、関係部局がまずは実態把握などの調査を始めていると承知しております。
 環境庁といたしましては、今後、山形県と連絡をとり合いまして、その上で環境庁として協力できる事柄がありますならば、関係省庁への働きかけを含めまして善処してまいりたいと思っております。
#99
○渡辺孝男君 山形県の魚というのがサクラマスになっておりまして、県の魚がどんどん少なくなってしまうというのは県民にとっても大変残念なことでありますので、いろいろ関係省庁と連携をとり合ってふえるようにしていただきたい。また、サクラマスが上がってくれば、子供たちも川を大事にする、あるいは漁業に対する関心というものも大変大きくなってくるのではないか、そういう効果も期待されますので、よろしくお願いしたい、そのように思います。
 次に、これはまた特殊な技術、これから開発になると思うんですけれども、海洋深層水というのを利用した水産資源の増大というのが考えられておるわけであります。
 この海洋深層水というのは、海面からおおよそ二百メートル深度の海水であり、日光が届かない、そのために植物プランクトンや海藻の光合成が行われない、したがって窒素や燐などの栄養分が消費されずに残っており、その割合が表層水の数倍から数十倍になっているということでありまして、一般に魚がよくとれるところは栄養分の豊富な深層水が湧出する海域であるというふうにも言われております。
 水産庁でこの深層水の研究を行うことになったと聞いておりますけれども、水産庁としては、この海洋深層水についてどのように認識し、また研究を推進しようとしているのか、お伺いしたいと思います。
#100
○政府参考人(中須勇雄君) 海洋深層水の中身については、ただいま先生から御指摘のあったとおりでございます。動植物の生育に必要な栄養塩類が豊富に含まれている、それから細菌等が極めて少ない、そして水温が年間を通じて七、八度ということで極めて安定している、冷水性である、こういう特徴を持っております。こういった特性を活用することによって水産分野でどのようなことができるか。
 まず第一は、先ほども話題になりましたが、栽培漁業等において、冷水性魚介類の栽培対象魚種の種苗の安定生産、こういうものに非常に役立つのではないか。細菌等が少ないということも大変なメリットであります。それからもう一つは、活魚とか鮮魚の鮮度保持、漁港においてこういう水で処理することによって鮮度保持が図られる、そういった意味での活用ができないかと、こういうことが検討されております。
 もちろん、このほか漁業以外の分野といたしましても、冷熱源としての利用、あるいは食品とか医薬品の開発、一部にはアトピーにこの水がいいのではないかと、こういうような話も出ております。こういった多方面の活用が予測される資源でございます。
 私どもといたしましては、水産分野におけるこの有効活用を図るために、高知県それから富山湾、静岡県の現在三カ所において平成十年度からこの海洋深層水を取水する施設について助成を行う、こういうことを行っております。
 また、十二年度からは、この海洋深層水の特徴を生かした種苗生産、あるいは先ほど申しました水産加工への利用技術の開発、あるいは海の中で海洋深層水を海面上にポンプアップいたしまして、拡散をして漁場を形成する、そういったことに活用できないかというふうなシステム開発にも取り組んでまいりたいと考えております。
#101
○渡辺孝男君 余り僕らも知らなかった、そういうすばらしい希望の持てる研究も進んでいるということですので、何とかこれが大きく展開していくように期待しているわけであります。今後ともよろしくお願いします。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、いよいよ水産基本法の制定の準備が本格的になってきたわけであります。この中にはやはり今後の資源管理型漁業のあり方とか栽培漁業の本格的育成とか、あるいは先ほども述べましたような海洋深層水の活用などのそういう新しい研究開発の方向等も盛り込まれるのかなというふうに考えておるわけでありますけれども、この新しい水産基本法に関しての大臣の御所見をお伺いできればと思います。
#102
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 御承知のとおりでございますが、昨年十二月に新たな基本政策の具体的内容と実施手順を水産基本政策大綱プログラムとして取りまとめたところであります。
 この大綱におきましては、二百海里体制という新たな海洋秩序のもとで、将来にわたる水産業の持続的発展を図るために政策体系を再構築するとの考え方に立ちまして、水産資源の適正な管理と持続的利用、これは先ほどから申し上げてきたとおりでございます。さらに、担い手の確保育成、さらに漁業地域の活性化と水産基盤の整備、さらに技術の開発普及、ここのところが先ほど先生がおっしゃられた深層水の利用とか新たな展開が期待できるそういう技術を展開していかなきゃいかぬ、こういうことでございます。
 今後、大綱につきまして、漁業関係者はもとより、国民的な理解を深めるとともに、法制的な整備を進め、平成十三年の通常国会に向けまして水産基本法案を取りまとめることといたしております。その中で、水産資源の維持増大対策や技術の研究等の重要性について適切な位置づけがなされるよう十分検討してまいる考えであります。
#103
○渡辺孝男君 次に、秋田県の八郎湖の水質改善問題についてお伺いしたいと思います。
 秋田県は金田政務次官のふるさとでもございまして、私も八郎湖の方にたびたび行くことがあるわけでありますけれども、昨年の十二月から公明党の宮地正介衆議院議員を議長とします公明党の農業問題全国協議会というのがありまして、秋田県の我が党の本部とそれから児玉秋田県大潟村農業協同組合長らとともに八郎湖の水質改善を求める要請を玉沢農林水産大臣、金田政務次官に対して行っておりまして、また地元の皆さんも大変関心を持っていただきまして、六万三千名もの署名を添えて再度要請を行ったわけでございます。
 要請の内容は、主にポイントとしましては、家庭から水を守るとの視点から、周辺住民へ水を汚さない調理方法などの普及と意識啓発の強化、二番目に生活雑排水の汚濁軽減へ下水道整備や合併浄化槽の設置、三番目としまして湖に流れ込む河川の上流部にブナなどの広葉樹の植林を進めて土壌の流出防止を図る、四番目に水環境に負担の少ない農法への助成ということでございまして、このような浄化策を国に対しても要望したわけでございます。
 大臣にお伺いしたいんですけれども、農水省としてこの要請に対してどのような対策を考えておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。
#104
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 御質問の点につきましては、先般、二月二十四日にこの署名ともどもに御要請をいただいておるところでございます。
 八郎湖は近年、水質の悪化が進みつつあり、その対策の検討に当たりましてはまず徹底した原因究明が不可欠と考えております。農林水産省といたしましては、八郎湖の水質が西部承水路等で農業用水基準より悪くなっている状況であることから、秋田県と連携しつつ、平成十二年度から干拓地内の水路の水質調査を実施することといたしておるところでございます。
 ただ、八郎湖は二級河川でありまして県管理となっておるわけでありますけれども、八郎湖の水質が農業用水基準を上回っていることから、今後進められる調査検討結果や秋田県からの具体的な要望を踏まえ、環境庁などの関係機関とも連携しつつ、できるだけ早くこれに対処してまいりたいと考えておるところであります。
#105
○渡辺孝男君 なかなか今、県の予算も大変な中でございますので、やはり国もそれを支援して、いわば国家プロジェクトという形で推進していただければなと、そのように考えております。
 やはり、この調査に対しましては予算というものが当然必要になるわけでありまして、平成十二年度から調査を始めていただくというお話がありましたのですが、大体どの程度の予算計上が予定されているのか、もし答弁いただければと思います。
#106
○政府参考人(渡辺好明君) 調査内容が固まりますと額も確定をいたしますけれども、今のところ排水機場一カ所と取水口十カ所、それから今、大臣からお話をした干拓地内の水路での水質調査、こういうことになっておりますので、少なくとも一千万円ぐらいのオーダーになるのかなと。
 いずれにしても、秋田県からよくよく事情を聞くようにいたしました上で予算額の確定をしたいと思っております。
#107
○渡辺孝男君 大臣もよろしく御支援をお願いしたいと思います。
 次に、先ほども環境庁のお話も出ましたのですが、ここで私ももう一度環境庁の方にもお伺いしたいのですけれども、大潟村の農家の方、それから周辺住民、さらにはこの大潟村からお米を買っている消費者などが一致協力しまして、馬場目川、これが八郎湖に注いでいるわけですけれども、馬場目川上流部にブナを植える会というのを一九九二年に結成しまして、上流部の山地の保水力を回復し、また馬場目川を清浄化することを目指しまして、毎年、千本の苗木を植林する運動を行っております。これまで約六千本のブナを植えてきたということであります。
 また、大潟村では不耕起栽培などを導入しまして、環境保全型農業にも積極的に取り組んでいる。現在、栽培面積でいいますと、減農薬・減化学肥料栽培が七三%ぐらいになっている、無農薬・無化学肥料栽培が七%ということで、日本最大級の環境保全型米の産地となっているということであります。
 しかし、残念ながら、先ほどもお話がありましたように、八郎湖は閉鎖水系となっておるため水質悪化というのが非常に懸念されている。環境庁も省庁再編で環境省となるわけでありますので、関係の他の省庁と協力して、この八郎湖を閉鎖水系の水質改善のモデル地区と考えていただいて環境改善に取り組んでいただければなと、そのように望んでおりますけれども、この点いかがでしょうか。
#108
○政府参考人(遠藤保雄君) 御指摘の八郎湖の水質問題でございますけれども、私どもいろいろ県から聞いておりますけれども、やはり有機汚濁が進んでおる。具体的に言いますと、環境基準が三ミリグラムでございますけれども、実態は五から十と、こういうことでございます。しかも、アオコの発生も見られるということでございます。
 やはり、この八郎湖の水質改善のためにはまずは県がなすべきことをなしていただきたいということで、汚濁負荷の発生源に関する現状の把握、あるいは環境基準が未設定の窒素、燐、これについての類型指定の検討ないしは検討して実施可能な汚濁負荷削減対策、これの実施が必要であろうと考えております。
 環境庁といたしましては、県におけるこのような取り組みの実施につきましていろいろ技術的な支援はやってまいりたいと思っております。かつまた、必要があれば、先ほど先生御指摘になりましたエコクッキング的な要請もございましたし、あるいは生活排水対策について、下水道とかあるいは合併浄化槽の話もございましたし、あるいは環境保全型農業ということもございましたので、関係省庁への働きかけなど国としての支援策なんかについてはいろいろ検討もしてまいりたい、こう思っております。
#109
○渡辺孝男君 私の生まれたところは茨城県の霞ケ浦の近くなんですけれども、やはり霞ケ浦で大分、閉鎖水系になってしまいましてからやはりアオコの発生とかさまざまな環境問題というのが非常に大きくなってまいりました。昔とれていたワカサギとかああいうのももう生息できないような、環境が悪化してきているわけで、閉鎖水系というものの問題点も十分私も実感しておりますし、やはりその点、後になってから環境改善をするというのは大変な努力が必要になってまいります。
 そういう意味で、八郎湖はまた違った意味で農業生産に非常に大事な地域でありますので、なおさらやはり八郎湖をきれいにしていくということが大変重要である、そのように思っておりますので、何とかいい状況で八郎湖の水質改善が進むように心から願っております。
 そしてまた、秋田県は白神山地とか、そういう山林の方もすばらしいものがありまして、それから住民もそういう環境問題に非常に関心を持っていただいて、ブナを植えるというようなこともやっておりまして、最近やはり農家の方も当然、山地の保全に対して一生懸命やっている、また漁業関係者も山に広葉樹を植えて、それがめぐりめぐって魚を育ててくれるようなそういう循環というものを非常に大事にしてきているということでありますので、やはり米どころ秋田を守るためにもそういう水をきれいにしていただいて、これからの子孫に残していただきたいというふうに思います。
 金田政務次官、何か一言、地元の人として、特別に予定しておりませんでしたが、御所見をいただきたいと思います。
#110
○政務次官(金田勝年君) ただいま先生から秋田の水質環境、八郎湖の水質浄化にかかわるお話がありました。本当に私もしっかり受けとめて、大臣と同じ考え方で対応してまいりたいと思います。
#111
○渡辺孝男君 ありがとうございました。よろしくお願いします。
#112
○須藤美也子君 私は、ウルグアイ・ラウンド対策がことし最終年を迎えておりますので、主にウルグアイ・ラウンド対策について質問いたします。
 まず、ウルグアイ・ラウンド対策費としての六兆百億円、この六兆百億円をつけたときに、ウルグアイ・ラウンド合意の実施に伴う影響を最小限に食いとめるために真に必要な事業として政府・与党が責任を持って決定したもの、こう明記されております。
 そこで、この目的が、最終年を迎えた今日、達成されたものとして評価しているのかどうか、その点を大臣にお聞きいたします。
#113
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策は現在なお実施期間中でありますが、これまでの実施状況を見ますと、農業生産基盤や農業近代化施設の整備、農地の利用集積等により、担い手の経営規模の拡大、労働時間の短縮等の面で着実な成果を上げているものと考えております。
 具体的に申し上げますと、例えば担い手育成型圃場整備事業等で平成八年度から十年度に完了した九十八地区につきましては、事業の実施前に比べ、担い手の経営規模が約二・五倍に拡大しますとともに、担い手の稲作の労働時間が約六割短縮するなどの成果が上がっているところであります。
 また、農業構造改善事業による農協等の水稲育苗施設、カントリーエレベーター等の乾燥調製施設の整備を通じ、水稲の育苗に係る労働時間の半減、乾燥調製コストの約二割削減などの効果が生じているところであります。
 さらに、農地流動化対策では、農地保有合理化法人等による利用集積の促進を通じ、平成十一年三月までの四年間で約三十五万ヘクタールの農地が流動化された結果、二百四万ヘクタールが担い手に集積され、担い手農家の経営規模の拡大に貢献しているところであります。
 今後とも、残された対策期間内に本対策を着実に推進し、さらに効果が上がるように万全の努力を払ってまいる所存であります。
#114
○須藤美也子君 大臣、ウルグアイ・ラウンド合意後、農業所得や農業生産額の減少、また耕地利用率の低下、耕作放棄地の増大、北海道などでは集団離農など、あらゆる面でマイナスになっております。
 先ほど担い手育成事業で大区画圃場整備の問題が出されましたけれども、この間、秋田の仙北郡の仙北平野に行ってまいりました。ここは大変です。大区画圃場整備はやりましたけれども、米価が下がって賦課金が払えない。今、一反当たり一万七千六百円、大体一反当たり半俵分、こういうふうに言われているのが常識であります。それが今一万五千円、一俵一万五千円なのに一万七千六百円、これだけ払わなくちゃならない。
 担い手育成事業を庄内平野でも行っています。私の地元であります。ここでどういう状況が起きているか、大臣、御存じですか。わからないと思いますよ、そういう答弁をなさっているわけですから。庄内平野で担い手育成事業、各地でやっております。しかし、この事業で土地集積がされているもの、あるいは委託をしようとして計画をしたにもかかわらず受託者がいない、こういう状況が生まれて、当初計画をした米価よりも五千円も下がった。六十キロのあの袋に五千円札をぺんと張って納めなければならないような状況の中で、本当に担い手育成が、この効果が上がっているとは私はどうしても考えられないんです。
 そういう点で、どうなんですか。余り長い文章を読まなくても、大臣の本音で結構でございます。
#115
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 担い手育成の土地の集積は効果があったということはお認めいただけると思います。
 ただ、今、委員がおっしゃられたとおり、米価が下がっておる。こういう点について、農家の皆さんが厳しい状況にあるということは確かに言われたとおりであるかと思いますが、その是正に向けましても今努力をいたしておるところでございます。
#116
○須藤美也子君 例えば、基盤整備が最も進んだ北海道で大型農家の離農がふえている。その原因は、そういう負担金に借金が重なって重なってもうやっていけなくてやめている、こういう状況は皆さんわかっているはずなんです。それでも公共事業を進める。ですから、予算委員会でもいろいろな委員の方々が農水省の公共事業にメスを入れろ、農水省でなくて公共事業省になっているのではないかと、こういうふうに言われている問題も出ているわけです。しかも、今減反が二八%です。こういう中で大圃場整備というのは私は問題がある、今の現場からの要求から乖離している、こういうふうに言わざるを得ないわけです。
 そこで、重点は、農民が最も要求しているのは価格制度を充実させること、所得補償を充実させること、そして農業経営が安定的に進んでいけること、やっていけること、未来に展望が持てる、そういうような農業になれば担い手だって育つんです。ところが、そういう状況になっていない。この六兆百億円、ウルグアイ・ラウンド対策費六兆百億円も投資して、結果的には現場の農民が暮らしていけない、農業をやめたい、こういう状況になっている。
 こういう点で、私は、今回のウルグアイ対策六兆百億円というのは農民のためのものであったのか、こう考えざるを得ないんです。この点どうでしょうか。
#117
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員から二八%の減反と、こう言われたわけでありますが、御承知のとおり、日本の米は千三百万トン生産できる能力があるわけでありますが、実際には九百五十万トンしか消費されない。その三百五十万トンを生産する圃場の転作をお願いいたしておるわけでございますけれども、それに対して今回は、麦、大豆、飼料作物の本格的な生産を進めよう、こういうわけでありますから、そういう場合におきまして、やはりそれらを水田の中で生産していく場合におきましては圃場をしっかりとつくって、しかも例えば四町歩なら四町歩というところに集積して、しっかりとした生産体制をやっていくということであれば、これまたウルグアイ・ラウンドでやってきた基盤整備対策というものが十分利用できる、こういうふうに考えるわけでございまして、水田において麦、大豆、飼料作物をつくる場合におきまして、少なくとも六万円から七万三千円までこれを支援できるというようなことは意欲を持って取り組める体制というものである。そういう基盤をつくってきたというところにウルグアイ・ラウンド対策の意義を認めていただきたいと思うわけであります。
#118
○須藤美也子君 そのためには、まず百姓をやっている現場の人たちが元気でなければ、元気であってこそそういう対策が生きていく、こういうふうに私は考えます。そういう点では逆立ちしていると。まず、整備から始めてそこに農民を入れていく、こういうのでなくて、現場のやる気が起こる、元気になるような農業を、施策を優先させていく、これが非常に重要だと思うんです。
 それでもう一つ、余り大臣から答弁していただくと時間がなくなりますので、先に進ませていただきますが、施設などの非公共にもウルグアイ・ラウンド予算が多くあるわけです。農業生産や農家の所得が、今申し上げましたように、維持されてこそ生きるわけです、この施設も。非公共の問題もです。
 例えば、先ほどカントリーエレベーターの問題をおっしゃいました。東北は、大臣のいるところもそうですけれども、至るところにごろごろカントリーエレベーターがあります。しかし、今どういう状況になっているかわかりますか。カントリーエレベーターは前は八〇%の稼働率、ところが今や三〇%から四〇%に低下しているんです。こういう実態も、現に私の方も、秋田もそれを調査してまいりましたから、そういう現状でありますから、きちんと私は把握すべきだと思います。
 それから、会計検査院、九年、十年の検査報告の指摘に、施設の運営について、赤字、中止、利用率低い、こういうふうに指摘されております。この原因についてはどう思われますか。
#119
○政府参考人(渡辺好明君) カントリーエレベーターの話が出ましたので、まずその数字の訂正をさせていただきたいと思います。私の手元の数字では、六年から九年産まで総じて八割の水準、十年は確かにやや作況が悪かったこと、それから作況が悪いと、当然のことながら被害を受けたもみについて品質事故防止の観点からカントリーでないものを使いますので利用率が下がるということになります。
 それから、指摘でありますけれども、確かに立ち上がりの段階で農協等の指導が十分でないために作付期間と収穫の時期が集中をする。集中をしますとやはり一定の時期の稼働率は高いのですが、その前後の稼働率が落ちるというふうなこともございまして、やはりこれは年々そういうふうな農家の作付、収穫と農協の指導というものをあわせていくということによって近年、改善を見ているところでございます。
#120
○須藤美也子君 さらに、検査院の報告の中には、農水省においても審査、指導が十分でない、こういうふうに指摘されています。これはもう検査報告をごらんになっていると思うんです。
 そういう中で、生産に直接関係する農業近代化施設だけでなく、全国でUR予算で都市交流施設がたくさんつくられております。その中には温泉ランドもあります。我が庄内地区にもあちこちに温泉がつくられております。
 秋田の角館町に構造改善事業として建設中の総合情報センターを見てまいりました。この事業費は十六億円、うち半分の八億円が国、あとは地元負担であります。この町で八億円の事業費、さらに土地購入のために五億円の出費であります。合わせて十三億円、町の予算額は七十億円ですから、約二割の経費をここにかけているわけです。ですから、町の人たちは、なぜ今このような施設が必要なのか、急に出た話で町民の間にはまだ合意ができていない。建設費が十三億円、施設管理費が毎年五千七百万円以上もかかる。財政難の中で、介護問題も含め、予算は町民の福祉、医療、そういうところに使うべきではないか、こういう声が上がっております。
 そこで、改善局長にお尋ねをいたします。審査に当たって、町の議論をつかんでいるのかどうか、さらに採択要件に問題はなかったのか、この二点についてお答えください。
#121
○政府参考人(渡辺好明君) お答えをさせていただく前に一言だけ。
 今、先生がおっしゃった総合情報センターはウルグアイ・ラウンド対策ではございません。平成十年十一月の緊急経済対策の中で情報通信等の社会資本の重点的な整備を行うこととされたことを受けまして、農村の情報化を推進するということで希望を募ったわけでございます。
 御承知のとおり、農村は情報の谷間というふうに言われております。情報のキャッチも、それから情報の発信も、それから情報に関する勉強も大いにこれからしていただいて、これが農村振興のベースになるわけでございます。先ほど申し上げた所得の問題も、こういったことでいろいろ情報を得て付加価値を高めるということが一つ一つにつながるわけでございますので、そういう点で御要望をお聞きしたところ、この角館においてこうしたものに自分の町も取り組みたいという御申請があったものですから、この事業をここでやることにさせていただきました。
#122
○須藤美也子君 情報センター機能や図書館をつくること、あるいはパソコンでカードを入れると自分の健康というようなところもみんなすっかり報告を調査して、お聞きをしてまいりました。
 しかし、図書館をつくり、パソコンをつくる。しかもパソコンで、そこで農村の状況、例えば泥物なんかはパソコンで買うことはできないわけです。幾らここのところにこういうものがありますよということでパソコンで入っていても、買うことなんてできるわけないんです。それはその町の役場の方もそれは認めております。なぜ農水省なのか。しかも、そのすぐ近くに図書館があるんです。すぐ近くに図書館があるのに、なぜ新たに武家屋敷のところにパソコン等情報センターと称して図書館までつくる必要があるのか。
 ここで文部省の、済みません、お忙しいところ。今、角館町に図書館がありますけれども、これは文部省の補助事業で建てたものに間違いありませんでしょうか。
#123
○政府参考人(富岡賢治君) 秋田県の角館町にあります公立図書館は、昭和三十八年度に文部省の公立図書館の整備費により建設された図書館でございます。
#124
○須藤美也子君 同じ国の補助金で、文部省でつくった図書館が近くにある。そして、さらに農水省の補助金でまた新たにその情報センターの中に図書館をつくる。今、国の財政は赤字なんですよ。これこそ国のお金のむだ遣いではありませんか。私はこういうふうに思うんですけれども、この審査の過程で、近くに図書館があって、しかもこの情報センターに図書館をつくるという、そういう必要性がどこにあったんですか。
#125
○政府参考人(渡辺好明君) 恐縮なんですが、私ももう五十をとうに過ぎたんですけれども、図書館というと、やはり古色蒼然とした本がずっと並んでいて、なかなか引っ張り出しにくいようなものをイメージするんですが、今回、私どもが緊急対策でつくろうとしたのは、言ってみるとデジタルアーカイブといいますか、要するに総合的な情報センターで、しかもそれが瞬時にいろいろなところからたくさんの情報をとれる、その中で農業情報が非常に重要な位置を占めるということで、伝統的ないわゆる書棚に本が並んでいる図書館とは違ったイメージであり、機能、そういうものを検討いたしまして、これが各方面から認められるところになった。しかも、町内でいろんな議論があるのかもしれません、それは町内で皆さん考えていることはそれぞれですから。しかし、町全体としてはこういうものがこれから角館の地域振興につながるであろうと。
 重ねて申し上げますが、農村地域における総合的な地域の振興というのは私どもは農林水産省の基本的な役割と考えておりますので、やらせていただいた次第でございます。
#126
○須藤美也子君 大臣にお尋ねしますけれども、補助金で建てた図書館が既にあるわけです。さらに、新たに国の補助で同じ近くの情報センターの中に図書館をつくる必要がありますか。一万人ちょっとの人口しかない町です。むだだと思いませんか、国の財政の使い方。
#127
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いわば、文部省さんの方でつくっている図書館は従来型の図書館、我々がつくっておる方は情報化時代に非常に対応した、しかも農業問題に集中してやっている。こういうことでございまして、今はパソコン時代でございますから、これは単に図書館一カ所の、一万人どころではなくして、そこから情報を発信できますから、だから角館のものは県境を越えて岩手県にも来ますので、私も大いにこれから利用させていただきたい、こう思っております。
#128
○須藤美也子君 一度、角館に来てみてください。どういう状況になっているのか。それから、町民の意見も聞いていただきたい。ですから、そういうものを国民の税金でつくるわけですから、慎重にやるべきだと思うんです、使うべきだと思うんです。
 さらに、急にできた事業と言われた、町の議会では。ですから、どこかこういう施設をつくりたい、例えば情報センターとかパソコンとか、そういうものは農水省なんだという頭は最初はなかった、しかし手を挙げたのは農水省だった、予算がありますよと、そこで農水省の予算をいただいた、こういうことを役場の担当の方はおっしゃっていたんです。
 ですから、私は、農水省にそんなお金が、本当はパソコンとか情報センターというのは郵政省か文部省の仕事だと思うんですよ、教育分野で。
 ですから、そういうむだな施設をつくる、こういうのはやめるべきだ、見直すべきだというふうに思います。
 手を挙げたら農水省が予算をつけてくれたというのがまた私はおかしい問題だなということで、それを感じてきたんですけれども、やっぱり農水省というのはお金があるところなんだ、ほかの省よりもそういうところに、むだだとみんなが思っている、地域の人たちが思っていても予算をつける、そういうところなんだなというふうに思われています。
 そういう点では、しっかりと採択のとき、あるいはそれを設置するときは、会計検査院が指摘しているように採択の場合もしっかりした審査をきちんとやっていただきたい、こういうことを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。
#129
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 答弁はいいですか。
#130
○須藤美也子君 答弁は要らないです。
#131
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、感想だけ。
#132
○須藤美也子君 さっき聞きましたので、後で最後に感想をいただきます。
 次に、我が国は予算の大部分が公共事業ですね、五二%が公共事業です。しかし、現場の農家は価格保障、国内助成、こういう問題を要求しているわけです。
 WTO協定で、ウルグアイ・ラウンド合意で削減対象になっている国内助成の問題について皆さんのお手元に資料をお配りいたしましたので、おわかりだと思います。これは農水省からいただいたものをもとにつくったものであります。これを見ていただきたいのですが、ウルグアイ・ラウンド合意では、国内助成量を基準期間、八六年から八八年、この基準期間から二〇〇〇年まで、本年度まで二〇%を減らす、こういうことを決めているわけです。しかし、日本の場合、この表を見てもおわかりのように、もう既に九五年で三兆五千億円、二〇〇〇年水準よりももう低くなっているわけです。九六年は三兆三千二百九十七億円、九七年には三兆一千七百八億円、さらに約五%ずつ減っております。
 農業団体の財団法人中央酪農会議の資料を見ますと、我が国はこれまで農産物の価格引き下げ等を行い、一九九二年には約三兆七千億円にまでAMSは減少しているので既に削減目標は達成されており、今後六年間に新たな削減を行う必要はない、こう言っております。ところが、九七年度で計算してみますと約三六%も下がっているわけです。
 そこで質問いたしますが、既にこのように下がっている、これは九五年度までの間に米、麦、大豆、こういう品種の行政価格を大幅に下げていたからではありませんか。これは大臣でなくて経済局長ですか。
#133
○政府参考人(石原葵君) ただいまAMSについてお尋ねがございましたが、AMSというのは二つ中身がございます。
 一つは、市場価格支持と言われるものでございまして、これはいわゆる内外価格差を計算しまして、これを足し算の一つの要素としてするものでございます。それからもう一つ、削減対象直接支払いというのがございます。これは基本的には補助金と考えていただいたらと思いますが、不足払い等の削減対象直接支払い、価格支持の予算がすべてこれになるわけでございます。
 AMSは、この市場価格支持、いわゆる内外価格差と削減対象直接支払い、これを合計したものでございまして、この内外価格差は行政価格とそれから生産量との掛け算で出ます。そういうこともありまして、AMSが減少した一つの原因は、行政価格の引き下げがその一因となっていることは間違いございません。
#134
○須藤美也子君 このまま五%ずつ引き下げていきますと、二〇〇〇年度、今年度では、計算しますと五〇%も下がることになりますね。今既に三六%下がっているわけです。国際的には二〇%下げればいい、これは約束でしょう。それを何で日本だけが五〇%も下げなくちゃならないんですか。
#135
○政府参考人(石原葵君) AMSは、先ほど先生から御指摘ございましたように、今配付されました資料の上の方の左をごらんいただきたいと思います。基準期間、これは八六、八七年の数字でございますけれども、これの八割を、要するに二割カットということで、二〇〇〇年度までに一番右の約束水準まで持っていくということでございます。
 これは既にもう九六年度、九七年度、この目標を達成いたしておりますので、この約束水準との関係からしますと、さらにこれを引き下げる必要はございません。しかし、先ほど先生がおっしゃいました点で、毎年度の行政価格は必ずしもこの約束水準があるからこれで引き下げているというものじゃありませんで、例えば米で見ましても、年々の需給状況、こういうものにかんがみまして一定の計算式に基づいて算出しているものでございます。
 ちなみに、この下の(2)に政策分類別国際比較というものがございます。これをごらんいただいたらと思いますが……
#136
○須藤美也子君 それはこれからやりますからいいです。そこまででいいです。下の方はこれから私がやります。
 今、経済局長が下の分も説明するような状況でしたけれども、私が言いたいのは下の部分なんです、この二ページ目。緑、青、黄色、この政策。
 ここで皆さん、見てください。日本、アメリカ、EU、豪州、カナダ、この中で黄色の政策、これは大体どの国も減らしております。しかし、その分、青と緑、これはふやしているんです。合わせますと、アメリカは計算しますと一一四%、EUは一〇四%、日本は一〇〇%を切っております。下がっているんです。
 私はこの間、国際農林水産業議員連盟の設立総会で韓国に行きました。このとき副代表になったフランスの代表の方がこうおっしゃいました。私どもの国でも価格保障を削減しなければならないと思っているが、しかし問題はグリーンボックスだ、こういうふうに発言をしておりました。ほかの国々は、自国の農家経営、この立場に立っていかに政策的な援助をするか、これを真剣に考えているんです。
 ところが日本はどうでしょう。これ比較しただけでも、アメリカ、EU、豪州、カナダよりもはるかに削減している。国内助成を削減すれば、もう農業は、先ほど申し上げましたように、大変深刻な事態になっています。農業を続けるかやめるか、そういうところで今苦しんでいるんです。その実態を皆さんにわかっていただきたいんです。
 なぜこのようなことを農水省はやるのか、日本はやるのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
#137
○政府参考人(石原葵君) 先ほど私が申し上げようといたしましたのは、ウルグアイ・ラウンドの結果で決まっておりますのは黄色の部分、これを二割カットするということでございます。これを日本、米国、EU、それぞれごらんいただいたらわかると思いますが、日本は既に三六%、しかしながら米国は七四%ということで、決して日本だけが進んで削減しているということではございません。
 それから、先ほど先生から御指摘ございました黄色と緑、これを加えるということ、これにつきましては、黄色の方につきましてだけ削減のあれが決まっているということで、各国とも黄色の削減をこなしつつ補助金として一切問題のないような緑の補助金をふやす努力をしてきている、その結果がここにあらわれているということでございます。
 それで、我が国も、ごらんいただきましたら、緑の部分につきましては、基準期間助成量と実績を比べまして必ずしも増加率は芳しいものじゃありません。しかし、我が国といたしましても、できる限りこれから安定的に助成をすることができる緑の部分をふやすという努力をしているところでございまして、この十二年度予算におきましてもいわゆる直接支払い、三百三十億円の予算がまさしくそれでございます。
 こういう点につきまして、日本としても努力してきているということは御理解いただきたいと思います。
#138
○須藤美也子君 この表を見ても明らかですね。黄色の部分、日本は三六・二%減らして、緑の部分では二〇・三%。アメリカでは七四%減らして、緑の部分で九六%ふやしているんです。さらにEUはどうでしょう。黄色の部分で三八%減らして、緑のところで一三九・七%ふやしているではありませんか。
 農民のことを本当に考えるならば、私は、もっと真剣に、このように二割削減すればいい、既に九五年まではどんどん削減していたわけですから。しかも農業団体では、もう削減しなくてもいい、二〇%削減まで行っているはずだと、こういうふうに言っているにもかかわらずこういうことをやっているということについて、私は、農水省が本当に農民の経営や農家の実情を踏まえた農政をやっていない、こういうふうに言わざるを得ないんです。
 さらに、アメリカでは緑の政策と称して総額六十億ドルの農家救済策を出しています。価格・所得対策費をふやしているんです。その国々の今の現状に見合った予算の使い方、こういうものを、私は農水省の皆さんはキャリアもあるし頭もいいと思いますから、この点は予算の組み替えなりいろいろな問題を考えていただいて、農家に不利になるようなことでなくてこれを最優先に、農家の経営を守るということを最優先にした国内助成を進めていただきたい。
 青と緑についての政策も、これも黄色の分、その分、青や緑の方にこれらをもっとふやす、こういう点を考えていただきたいと思うんですが、この具体的な表をごらんになって、大臣、どうですか。決意だけでいいです。
#139
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは我々にまだ政策的な展開の余地があると、こういうように数字を見ております。したがいまして、農民の皆さんを決して苦しめるという考えはございませんで、可能な限り国内支持その他につきまして、緑の部分におきまして今後も工夫しまして対策を講じてまいりたい。
 今回の麦、大豆、飼料作物等の大綱等につきましても積極的にそういう面を出しておるというところをやはり評価していただきたい。
 以上です。
#140
○須藤美也子君 今現時点では評価はできません、このように減っているわけですから。これからのそういう大臣の答弁、期待をかけております。黄色と緑、その価格保障あるいは直接所得補償、こういうところに力を入れる、そういう点で私は期待をしております。
 それからもう一つ、私は質問しないつもりだったんですけれども、昨日の大臣の答弁でちょっと気になりましたので質問をいたします。
 それは食料自給率の問題です。食料自給率のきのうの答弁を聞きながら、自給率を引き上げる責任、これは国民にある、全国民みんなが一緒になってこそ初めて自給率を向上させることができるんだと、こういうような趣旨のことを申されました。
 しかし、ウルグアイ・ラウンド合意から六年目を迎えました。この間、食料の自給率は四六%から三九%、七%落ち込みました。この六年間に七%自給率が落ちた。この間、それでは食生活はどうだったのか、簡単にお答え願いたいんですけれども、供給熱量は農業合意から九八年度までどういう変化があったんでしょうか。数字だけでいいです。
#141
○政府参考人(竹中美晴君) 国民の食生活というものはその消費形態によって大いに変わるわけでありますが、一般論としまして、自給品目である米の消費が減少する一方で、輸入飼料に頼らざるを得ない畜産物や輸入原料に頼らざるを得ない油脂の消費が増加するというようなことで我が国の食生活は大きく変わってきております。基本的に、こういった食生活の変化が自給率の低下の大きな要因になっているものと考えております。
 そうした中で、御指摘の九四年から九八年までの間に供給熱量自給率が四六%から四〇%まで低下しているということでありますが、その要因はこういうことであろうと思います。
 すなわち、平成六年度、九四年度でありますが、これは御存じのように前年の平成五年度は米が大不作でございました。それを踏まえまして在庫を積み増すための生産調整を緩和したということで、作況指数が一〇九と平成六年度は大豊作になったわけであります。したがいまして、平成六年度の品目別自給率は一二〇%でございます。これに対しまして、平成十年度は米の自給率は九五%であります。この自給率の一二〇%から九五%への低下が、御指摘ありました供給熱量の自給率の低下に大きく影響したものでございます。
#142
○須藤美也子君 私は、九四年から九八年までの供給熱量について聞いているんです。
 食糧庁で出しているデータを見ますと、米は一〇〇から九八・五、肉は一〇〇から一〇〇・九、牛乳・乳製品は一〇〇から一〇二・八、油脂は一〇〇から一〇一・五と、こうなっているじゃありませんか。この間に供給熱量は変わらないということなんです。それなのに、食料自給率、カロリーベースではいじくって四〇%ですね、それはそれでいいですけれども、六%か七%下がっている。しかも、農産物の輸入は一〇八%、金額で一一八%上がっているんです。ということは、食料自給率の低下というのは農産物の輸入自由化拡大によって起こった、その要因は輸入自由化の拡大にあるということを私は申し上げたいんです。そういう点でこの問題を検証していただいて、きちんとした食料自給率の目標を掲げるのであれば、こういう問題を検証し反省した上でなければ生きたものにはなっていかない、絵にかいたもちになる、こういうことを申し上げたいと思うわけです。
 最後に、大臣のまた決意のほどをお願いします。
#143
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 簡単に申し述べます。
 やはり、委員が指摘されるのは、全体のうちの一部を突出して全体的にそれを理解したり、全体の中もありますけれども、経過の中におきましてですよ、資料の受けとめ方によりましては解釈の仕方もいろいろ違う。そういうところも十分検証した上で、さらに検証した結果も今度御報告申し上げたいと思います。
 以上です。
#144
○谷本巍君 きのう、基本計画についての基本的姿勢について伺いましたが、引き続ききょうもその点を伺いたいと存じます。
 初めに伺いたいのは、基本計画づくりに向けて当初示された自給率目標策定の考え方の一ページには次のようなことが述べられております。自給率低下の要因として米の消費の低下と畜産消費の増大を挙げながら、そして結論として言っていることは、日本は農地が狭く、かつ平たんではない、このハンディキャップが輸入依存となったというぐあいに言っているんです。
 農地が狭い、平たんではない、だから輸入依存になる。こういう論理でやられたのでは、これから引き上げようとする自給率引き上げというのは一体どういう取り組みをすればいいんですか。どうもこの事実認識については、これは飼料問題にかかわっての話とはいえ、いわば私は今の時代ではもうこれは俗論だと言わなきゃならぬと思う。その点どうお考えでしょうか。
#145
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、これは農業問題に精通する委員の御意見に反論するようで大変恐縮でございますけれども、農地によって農産物が生産されるわけですから、農地が大きいか小さいかは自給率に当然影響するわけでございまして、もし自給率だけを取り上げていくならば、現在の食生活をずっと縮小してやる、そうすれば自給率は上がる、こういうことにもなるわけであります。
 あえて言いますならば、現在の食生活を維持していくということを考えていきますならば、これはこの食肉も……
#146
○谷本巍君 そんなことを言ってやしませんよ。狭い、平たんではない、これが問題だと言っていることが問題だと。食生活の問題はこの後やりますよ、時間をかけて。だから、こっちの質問に答えてくださいよ。
#147
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いやいや、あえて言えば関連しているわけですから。だから、農地が狭いということによって、それは関係ないと言うなら、おかしいですと、これだけ言います。農地が広くなければ自給率もだめだと、基本的にはそのことを主張しておきます。
#148
○谷本巍君 それでは、大臣、農地が狭く、平たんではないという典型はどこですか、中山間地域でしょう。そういう地域はもはやだめだと言える時代でしょうか。そうじゃないですよ。時代は変わりましたよ。昔は低コスト、これを消費者が一番要求した時代があった。今はそうじゃないでしょう。安心、安全ですよ、今の時代は。
 そういう農業生産ということで見てみたならば、確かに中山間地は高齢者が多い。しかし、高齢者はそれは違いますよ、若い人とは。農薬はまず嫌いです。そして、農作業についても入念な農作業がやれるという特徴を持っています。つまり、安全食料生産をするという意味では、中山間地域は適地だという時代が僕は来たと思います。
 それにまた、人と資源と技術力を生かしていくという意味では、それは中山間地域でも、西日本などで過疎地を脱却することができたところはそういうことをやってきたということはきのうも申し上げたとおりであります。
 さらにはまた、中山間地で見てみますというと、海抜何メートルだったらこういう花がいい、クマザサだったら千メートルなきゃだめだと年寄りはみんな知っていますよ。
 さらにまた、果物をつくるということになってきたら、これは大臣の地元というか岩手の西和賀農協なんかの場合だったらイチゴの生産をやっていますよね。平野部で、平場でイチゴ生産が絶えたときに、アメリカから高いイチゴが入ってくる時期ですよ、この時期に高い値段でもってイチゴを出していますよ。作期調整がやっぱり中山間地域がやれるということですよ。さらにまた、この地域でいいますと、傾斜地の活用については上の方と下の方で収穫時期がずれるんですね。だから、傾斜地というのをうまく活用してやっているなということを私は勉強させてもらいました。
 さらにまた、小諸農協の組合長さんは言っていますよ、豪雪は資源なりと。おまえ、どうするんだと言ったら、いやいや、これから農産物の貯蔵施設、雪利用で、これをおれたちは今考えているんだという話が出てまいりました。
 つまり、不利を有利に変えることが可能になった時代というふうに私はとらえたいんです。それはやっぱり何といったって、安全食料生産の時代というのはそういうものですよ。そういう積極的なとらえ方をしていくということが私は大事になってきたと思うんです。
 ところが、当初の示されたものの中では、もう一度繰り返しますが、米消費、畜産消費の増大はこれは問題だということを挙げながらということですよ。農地は狭く、平たんではないと、これはハンディキャップの条件として挙げているというのは私は間違いだと思うんです。いかがですか。
#149
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いや、委員のおっしゃられることは、確かに中山間地域農業の積極的な意義を見ておるということは理解します。
 しかし、一般的に言いまして、やはり地理的に困難なところは営農においても困難な事情を有しておると。確かに、それぞれの特産物におきまして、例えば高知の野菜であるとか、それから我が岩手県でいえばリンドウの花とか、いろいろ有利な作物を展開して中山間地域において積極的なところをやっている、これは確かにそのとおりです。
 しかし、なかなか特産物がそのように全部中山間地域に行き渡って可能であるかということになってまいりますと、一般作物その他については、平地の場合と比べまして、収量の場合であるとか、営農条件の場合において不利な条件になっているというのが全体的な一つの評価ではないか、私はこう言っておるわけです。
#150
○谷本巍君 私は、大臣が言うそういう不利な条件というのをどう有利な条件に切りかえていくか、それが大事になってきた、そのために我々はバックアップしなきゃならぬ時代に来たということを強調したいんです。そのことは大臣もおわかりですね。
 それで、大臣、もう一つ申し上げたいのは、特に中山間地もそうですが、平場もそうですね、超高齢化時代ですよ、農村社会は、今や。そういう時代を迎えて、そういう時代であるから、農業・農村というのを武器としたビジョンを積極的に描いていく、これが僕は大事になってきたと思うのです。高齢者向けの福祉施設でいいますというと、中山間地が一番大変ですね。もう維持費で自治体はバンザイですよ。
 しかし、そういうふうな状況の中でどんな動きが出てきているかといえば、先ほどもちょっと触れましたけれども、例えば人と資源と技術力を生かしながらいろんなことをやっていくと。特に、お年寄りなんかでいいますというと、山に生えているキノコ、どんなところに生えているなんというのは年寄りが一番わかりますよ。このごろの若い人たちは毒キノコも食えるキノコもわからなくなってきましたよ。そういう年寄りが持っている技術力というもの、これを生かしながらいろいろなことを始めるという例が出てきております。
 それに、私は、これは知っている、鳥取県でありますけれども、福祉センターなんかの場合は、センター自身でコンニャクやハムや、それからソバやパン、これをつくって、そしてこれは施設でやっているんですよ。施設の経費の足らないところを埋めていきながら、そしてこれを福祉建設だということを言いながらやっておられる例を見受けることができるんです。ですから、大量生産、大量消費になじめなかった中山間だから福祉革命なんだという話を聞かされてきているのでありますけれども、私もまさしくそのとおりだろうと思うのです。
 それにまた、大臣、平場ではこれから何といってもお年寄りでも参加できるような地域営農システム、これを考えなきゃならぬという話が多くなってまいりました。終生現役で行けるような、何といいましょうかシステムというか、そういう仕組みですね、そういったような工夫等々が今出てきているわけです。それだけに、農業政策というのは農業政策だけに絞るんじゃなくて、農村政策、とりわけ福祉農業的視点、こういうものを入れ込んだトータル的な発想でもって今度の基本計画ではやってほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員のお話を聞きまして、アフリカのことわざを思い起こしました。一人の老人は一つの図書館であると。私も小さいときから祖父に連れられまして、山を回りまして、それから牛を追いまして、そしていろいろな知識を教えられて今日の私があると思っております。
 したがいまして、今、日本の教育に必要なのは、家族間の断絶、やはり祖父、おばあさんが孫を育てる、これは日本の非常に立派な伝統でございました。こういうものがなくなっておるということは残念なことです。また、中山間地域におきましても、たくさんの豊富な経験と知識を持っておる老人の方々が今朽ち果てんとしておる、これは極めて残念なことであります。
 したがいまして、集落協定その他をつくりまして、老人の皆さんの高い知識と経験をできるだけ利用して、そして地域営農対策というものをつくっていく、こういうことは極めて大事なことであると思いますので、その点については委員の御意見に全く賛成であります。
#152
○谷本巍君 大臣とはぶつかり合うことが多かったけれども、積極的に賛成だと伺いまして安心をいたしました。
 次に、食べ方の問題について伺いたいと思います。
 これも自給率の当初目標策定の考え方、これは八ページの中に次のようなことが書いてありました。
 昭和五十年代ごろには米を中心とした畜産物、魚介類、野菜、果実等多様な食品から構成され、平均的には栄養バランスのとれた日本型食生活ともいうべき健康的で豊かな食生活が形成されていったという表現であります。その後の文章を私が読んだ限りでは、この種の考え方は出てはおらぬようであります。こういう見方というのもちょっと私は問題だと思うんです。
 平均的でとらえますと、昭和五十年代の初頭ころに今申し上げたようなバランスのとれた食生活になっていたんでしょう、平均的には。ところが、米の消費について世帯主の世代別で見てみますというと、四十歳から四十五歳のところが平均であって、年代が下がるごとに米の消費が落ちていく、これは見事に出てまいります。これを見まして、これは平均で見るのは間違いを起こしやすいなということを私は痛感いたしました。
 米の消費が足りないというか、少ない若い世代の皆さんの家庭というのは、パンとかいろいろ肉等もありましょうけれども、割と加工食が多い。そして、添加物の多いものを割と召し上がっている可能性というのも高い。そういう意味で、これは大変なことだなということを私はかねがね思ってまいりました。
 それだけに、これからの対策というのはターゲットを絞っていく、世代的にいうと、どこのところのどの辺のところに対してどういう施策をすればどうなってくるか、この観点が大事になってきたと思うんです。これはいかがでしょうか。
#153
○政府参考人(福島啓史郎君) 先生、今言われましたように、世代別の米の消費といいますのは非常に特徴が出ております。つまり、若い世代ほど米を食べない、要するに年をとった方、高齢者の方が米を食べているということでございます。また逆に、肉類につきましては、逆な現象でございまして、若い世代の方が肉類をたくさんとり、高齢者の方は肉の消費は少ないということでございます。
 したがいまして、食生活、これから望ましい食生活といいますか、食生活指針を三省でもって、厚生省、文部省、農林水産省でもって定めて、その普及、定着を図る場合にもそうした世代別あるいは性別といったような、その問題点に応じた普及、定着を図っていく必要があるというふうに考えております。
#154
○谷本巍君 次に、これはどなたがお答えいただけるのかわかりませんけれども、米消費の少ない若い世帯主で見てみますというと、世代の高いところは世帯主の食の嗜好でもって主として家庭の食生活が決まっているという度合いが高い。若い方はどうかといいますと、食の主導権は今、父ちゃんじゃないです、母ちゃんと子供なんですね。そんな時代の中で最近注目すべき幾つかの事実を私は見ました。
 一つはバケツ稲、これは去年、随分全国的にやられました。バケツ稲、バケツでもって稲を育てるというものです。それからもう一つは稲作体験学習、これもやっぱり米の産直グループ、農家の皆さんが働きかけてやった例です。産直グループの皆さんがこれをやって米の販売額が上がりましたと、これを私が聞いたのは福島県の会津の方ですけれども、その中で出てくる話というのが、子供が稲をつくることの楽しさを知った、命を育てることを知らなかった子供たちがそのとうとさを知る中で子供たちが変わった、その影響は母親にも出てきましたという話を耳にいたしました。これで、なるほどと私は目の前が明るくなるような気がいたしました。
 今、我々が取り組まなきゃならぬのは食と農の乖離をどう縮めるか、そのためにどんな世代層を重視し何をやるか、これを基本に据えた取り組みが大事になってきたのではないかと思います。その辺のところはどう考えていますか。
#155
○政府参考人(福島啓史郎君) 今、先生の言われました食の大切さなりあるいは食料の生産活動、また農業・農村に対する理解の促進を図る、そのためには、食習慣やあるいは人格形成の重要な時期に当たります子供たちに対しまして農業体験やあるいは調理体験といったような学習を行っていくことが重要であるというふうに考えております。
 こうした観点に立ちまして、農林水産省といたしまして、文部省と連携いたしまして、子供たちの農業体験の実施の支援あるいは食に関する指導の充実、また子ども相談電話の設置など、消費者の部屋の活動の対応等を行っているところでございます。
 今後とも、先ほど申し上げましたように、三省でもって食生活指針を定め、特に生活改善関係者と並んで教育関係者におきます取り組みの充実ということをその中でも盛り込むように考えておるわけでございますが、そうした連携によりまして、次世代を担う子供たちに対しまして、学校などにおきます農林水産業体験の機会の充実などを図ってまいりたいというふうに考えております。
#156
○谷本巍君 それから、今度は大臣に伺いたいのでありますけれども、公的給食事業の見直し問題であります。
 食生活というのは本来、保守的なものでありますが、戦後これが日本にあっては急変をしてしまったという背景にあったことの一つは、私はやっぱり給食事業というのがあってのことではなかったかと思います。これまで、そういう意味で随分議論されてまいりましたのは学校給食でありました。私も、学校給食もその一つだと思います。しかし、それ以上に大事なのは、私は保育園の給食だと思います。なぜなら、人間の食の嗜好の基本が決まるのが三歳だと言われているからであります。
 保育園の食生活というか給食を見てみますというと、やっぱりよくないですね。それはどういうことかというと、パンそれから豚肉、卵、モヤシそして油脂、それから最近はレトルト食品が出るようになってきた。日本型でやっている保育園なんかの場合には、米、魚それから根菜類、海藻、豆等々であります。どっちかというと日本型食の方が一品多いです。だから、食材は大体五対十です、東京の場合。手数は三割、日本型の方が余計かかっております。ですから、安上がりで済むのは洋風なんです。
 今、非常にアトピーがふえています。ですから、最近は日本型が徐々にふえてきているのでありますけれども、残念ながら規制緩和の時代に入った。規制緩和の時代に入って、給食の職員は常勤でなくともよい、給食の外部委託も結構ですよという格好になってまいりました。こうなってきますと、一番肝心なところの給食はどうもよくないような状況がさらに固定化されるような気がしてなりません。
 これまで農林水産省は、文部省とは連絡会議をつくり、それから厚生省とは食の指針づくり、それから保健所等を通じた普及活動等々について協議をしているという話を伺っておりますが、大臣、公的給食事業の見直し問題についてどういう御所見をお持ちでしょうか。
#157
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 米飯学校給食につきましては、その重要性を踏まえ、普及、定着等を図ってきたところであります。この結果、現在、米飯学校給食実施校比率は九九%、また週平均実施回数は二・七回となっておるわけでございます。米飯学校給食の重要性を考え、さらなる普及を図るように努力をすることが大切であります。
 保育園におきましては、米飯給食につきましては、今後その実態把握に努めながら厚生省と連携を図ってまいりたい、このように考えております。
#158
○谷本巍君 その点、特に大臣、よろしくお願いをいたします。
 時間がなくなってきました。最後に、ことし、来年は助走といいましょうか、そしてその先から本格的展開になる総合学習教育問題について若干伺いたいと思います。
 高度経済成長以来、家庭と地域社会の子供を育てる力というのが急速に衰えてしまいました。そうした土台の揺らぎにつれて学校教育もおかしくなってまいりました。学級崩壊とか少年犯罪が多発しているというのがそれであります。文部省も、これまでの知識注入一辺倒の教育の反省に立って、生の体験を積む学習でみずから学びみずから考える意欲を伸ばす総合学習に力を入れようとしております。
 こういう観点に立ってみますと、村の中にはその教材となるものが山ほどあります。例えば、稲をつくる、芋をつくって水あめをつくる、大豆をつくって豆腐をつくる、炭を焼く、土や水の浄化装置をつくる、いろいろあるんですね。今の子供に最も多いのは、三ない主義と言われておりますけれども、無関心、無感動、無意欲。産直、水田づくりの中で、こういうものが克服される可能性があるということを私は知りました。そうしてみますと、米の消費の減退というのと今言ったところの三ない主義というものの持つ本質というのはこれは同根だと見ることができます。
 政府はこの点をどう見ているか、それからまた総合学習教育の積極的支援、これは直接やれるものと間接的なものといろいろあるわけでありますけれども、その点どうお考えでありましょうか。
#159
○政務次官(谷津義男君) 先生御指摘のとおり、実は平成十四年度から新学習指導要領では総合的な学習の時間が設けられまして、学校教育の中で体験的な学習が積極的に取り入れられるということでございます。
 実は、農水省といたしましても、十二年度の予算の中で、これは文部省とも相談をいたしまして、小中学生のための農業体験学習等の設置、あるいは滞在型の農業体験学習の実施等を進めていく。それから一方、普及のOBあるいは農業者を指導してもらうようなそういう対応、例えば群馬県は来年度から始めるということですが、そういうこともやっております。
 問題は、都会の子供たちが、農業というんでしょうか、食べ物がどういうふうにつくられているかも知っていない。例えば、キュウリとかナスとかが工場でできていると思っている人もいるんですよ、実際。こういう人たちに実際に体験をしてもらうということになれば、これは都会と農村との交流を持たなければできないのではなかろうかというふうに思いますので、そういうものを積極的に進めていく必要があると思います。
#160
○谷本巍君 ありがとうございました。
 終わります。
#161
○石井一二君 大臣が農水大臣に御就任になったときの記者会見で、山林の手入れをする農林整備事業の重要性を強調されました。その後、所信に対する質疑においても、私もそのことについては一言二言申し上げて御機嫌を損じたこともあったかに思いますが、そのときはそのときのこととして改めておわびを申し上げるとして、きょうは俗に緑のオーナー制度と言われます分収育林制度について若干お伺いをしたいと思います。
 この制度は、簡単に言うと、民間からお金を集めて、木を植えて、その木を売って、もうけて配当をする、そういうことでございまして、今から約二、三十年前にこの制度が発足いたしましたとき、もう少し具体的に申しますと、昭和五十九年に国有林野法を改正して林政審議会の答申を受けて始まった制度でございます。ここにそのパンフレットもございますが、色もちゃんと緑にして非常に魅力ある投資だと、そういううたい文句でスタートをしたことでございました。その意義並びに意欲は大いに買いたいと思うところでございます。
 それで、どんどん歳月が流れまして、現在までに延べ八万六千人が契約しておられて、口数では十万、そういうことでございまして、約二十五年を経て先日、二月九日に本制度で初めて入札による材木の売買が行われたようでございますが、利回りが大体一ないし二%ということで、当初の期待を裏切ったのではないかと言われたわけでございます。
 ちなみに、発売された当時の国債発行条件としての公募利回りは、国債を買った場合は八・三二%、定期預金で六・二五から七・二五という高いものでありました。一回目はかろうじて一、二%の利益を出したんですが、二回目は元本割れになった、そして三回目は結局買う人がなくて不落札ということで惨めな失敗に終わったわけでございます。
 この元凶について、林野庁長官、まずどのように今お考えになっておりますか。
#162
○政府参考人(伴次雄君) 今お話がありましたように、いわゆる広く国民参加で国有林の森林を造成していきたいということで、この制度は昭和五十九年に出発したような状況にあります。この仕組みは、国とオーナーさんがいわゆる樹木を共有いたしまして、そして必要な経費を負担していただき、収穫期には伐採をして、いわゆる持ち分で配分するというような実は仕組みでやってまいりました。今御指摘のありましたように、結果として費用負担額を下回ったということは非常に残念に思っておる次第でございます。
#163
○石井一二君 私は、これはやはり二十五年待ったわけですから、中身が悪くなりそうであれば軌道修正とかいろんな努力をする機会もあったかと思うんです。でも、私があえてかわいくないというような大衆的な言葉を使うわけでありますが、それは今はやりのホームページでこの問題を拾ってみましたら、林野庁の業務課というところのホームページに、契約で定めた時期に樹木を販売して、代金を持ち分によって分けるというようなことを書いてあります。いいことずくめのことが書いてあるが、昨今はついに募集をやめたと。そのやめた理由が、木材生産林から資源循環利用林に変わってきたとか、木を植える適地な場所が結局ないからもうやめたんだというような、素直さというものに大いに欠けているわけです。
 当初のうたい文句から見て、これは私は公取に相談したら詐欺罪になるんじゃないかというような気さえするわけでございまして、昭和三十九年でいいますと約七〇%の木材が国産であった。ところが、今どんどん輸入材に変わって、それも加工材に変わっておるというような大きな流れの中で十万人からの人が関係しておられるわけですから、今後の方向転換というものを上手に誠意を持ってやっていただきたい。
 特に、私が先ほど申し上げましたように、スタートは法律まで改正して林政審議会の答申を受けてやっているわけですから、もう公募はやめたんだというときも、林野庁あたりで勝手に決めずに、審議会の意見も聞いてやっているのかどうか。その辺も踏まえて、簡単にちょっとそこのポイントと今後の決意だけ述べていただきたいと思います。
#164
○政府参考人(伴次雄君) 平成十一年度から新規の募集を今休止しているような状況でありますが、これは今お話ありましたように、いわゆる経営を従来の木材生産から公益林に大きく変換しまして、そういうことでそれにふさわしい林分がないというのが一番大きな理由でありますが、今御指摘のありましたような全体の林業の情勢というものが背景にあるということは否定はいたしません。
 それで、どういうようなルールでやっているかということでございますが、今御指摘のありましたような林政審議会に諮ってしているようなことはありません。
 なお、今後の問題でございますけれども、本問題は非常に大きな問題だと思っておる次第でございますけれども、やはり一定の契約書を結んでそれぞれの持ち分で分収するというルールで出発しておりまして、それを変更するということは非常に難しいんじゃないかというふうに考えております。
#165
○石井一二君 次に、今はやりのODAについて若干お伺いしたいと思います。
 我が国はODA大国と言われ、世界に貢献するのには軍事力をもってできないので、ODAというものが一つの大きな国際貢献の手法になっておるということは我々広く認識をいたしておるところであります。
 そういった中で、大蔵省発表の資料を見てみますと、我が国には経済協力庁というようなものがありませんので各省庁は総花的にいろいろやっておられますが、ここ一、二年、二けた台の減というものが数字の上、農水省関係でも出ておるわけであります。それで、全体としては一兆円台で推移しておってやや下り坂、こういう中で、農水省関連のODAの特徴とターゲット、政策的なねらい、そういった面でまず所見を伺いたいと思います。
#166
○政府参考人(石原葵君) ただいま御指摘ございました我が国のODAでございます。農林省関係につきましても政府全体のODAの一環として実施しているところでございますけれども、ただいま委員から御指摘ございましたように、昨今の財政状況を踏まえまして予算規模が減少の傾向にございます。こういうこともございまして、農林水産省のODAにつきましても予算の重点化、効率化に努めているところでございます。特に、平成十二年度予算の特徴といたしまして、WTO交渉等に積極的に貢献する、こういう事業に重点化を図っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、農業が持つ多面的機能を重視するという我が国の考え方を、途上国を中心といたしまして、これらの国に浸透させるために、途上国における農業が持つ多面的機能の実態について調査、評価を行いまして、その成果の普及を図る事業といたしまして二億三千万円を計上しているところでございます。
 また、アジア地域の食料安全保障の達成を支援する事業といたしまして、主要作物、米、麦等でございますけれども、こういうものの生産拡大のための小規模のかんがい、それから高収量品種等の普及を支援する事業を二億七千万円、それぞれ計上しておるところでございます。
#167
○石井一二君 立て板に水のごとくすらすらと数字を述べられましたが、願わくば、例えば借款、すなわち融資、贈与、技術協力、国際機関等に対する拠出、こういったぐあいに分けてお聞きできればなお理解をしやすかったかと思います。後でまた議事録を見て勉強のし直しをしたいと思います。
 外務省はどなたか来ておられますか。
 このODAの論議をしておりますと、タイドかアンタイドか、あるいは借款かグラントエレメントということで贈与かという論議になるのですが、世の中の流れというのは、国際会議では特にグラントがふえておりますとかアンタイドでいっておりますと言えば国際会議の席上では非常に居心地がいいわけですが、私はこれは間違っておるという考えなんです。やはり、日本企業に設計も施工もやらせた方が結局いいものができるし、我々の税金を使うんだからその方が本来の姿であるという考えです。ちなみに、九六年はアンタイドが一〇〇%だったけれども、今また押し返してタイドになっていっております。こういう意味で、今後の方針としてタイドかアンタイドか、いわゆる融資か贈与かという面で基本的な考え方を一言で申し述べていただきたいと思います。簡単で結構です。
#168
○政府参考人(飯村豊君) 今御質問の点でございますが、お答え申し上げます。
 まず、タイドかアンタイドかの問題でございますけれども、九六年度におきましては日本の円借款のアンタイド比率が一〇〇%になったことは御承知のとおりでございます。その後、タイド化を少しずつ進めておりまして、九八年には九一・五%ということで徐々にタイド化が進んでおります。さらに、今年度から特別円借款というものをアジア諸国を中心として始めておりますので、タイド化は徐々に一つの流れになっているかと思います。
 他方、途上国から見ますれば、やはりアンタイドの資金をもらうということが援助の効率性の観点からも望ましいということが言えると思いますので、私どもとしては一般タイドの方針は維持しつつ、最優遇条件が適用される環境案件とか人材育成案件等につきましては、二国間アンタイド、二国間タイドあるいは部分アンタイドといった形で日本企業のノウハウを活用するように努めてまいりたいと思っております。
#169
○石井一二君 それから、拠出についてお伺いしたいんですが、私が持っている資料ではわずか十六億円程度が最近の数字かと思いますが、拠出先を見てみますと、国連食糧農業機関、すなわちFAO、略語だけでいきますと、WFP、ITTO、CGIARといったようなところへ出ているわけですが、日本人の国際公務員の少なさというものがいろいろ論議されておる。外国にばかりやっているところへ金だけ出してもそれが生きない。こういった意味で、こういう拠出先における日本人の国際公務員の存在、あるいはまた拠出した場合のその後のフォローチェック、こういった面で具体的にどのような手法を用いておやりになっておるんですか。
#170
○政府参考人(飯村豊君) この点につきましては私の所管ではございませんけれども、知っている限りにおいてお答え申し上げたいというふうに考えます。
 先生御指摘のとおり、まさに日本の国際機関に対する拠出に比べて日本人のいわゆるプレゼンス、職員の数は少ないということは事実でございますけれども、私ども今国際機関に対してさまざまな形で働きかけて、日本人職員の数をふやすといったことに加えて、いわゆるJPO、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサーと称しておりますけれども、若い日本の有能な方々に日本政府のお金で国際機関に出向していただき、そこでいろいろな知恵を学び、ノウハウを学んで国際機関で活躍できるように、人材育成にも努めているところでございます。
#171
○石井一二君 次に、借款について一つお伺いしたいんですが、海外漁業協力事業資金融資制度というものがございます。これは百九十五億円ばかりですが、海外での漁場の確保というようなことが書かれて、それを行っておるのが財団法人海外漁業協力財団、こういうことでございますが、漁場を確保しようと思っても魚はどんどん動いていきますし、具体的にこういったことが可能なのかどうかと思っておるわけですが、構造改善局長、何か御意見おありですか。
#172
○政府参考人(中須勇雄君) 御指摘のとおり、海外漁業協力財団、融資を行っておりますが、これは海外において漁場を確保する、そういうことと結びつけて、関連づけてこうした事業を行っております。
 例えば、カツオ・マグロ漁業なんかの場合でございますと、大変高度に回遊というか広い海域をマグロの場合は動くわけでございますが、いろいろ南太平洋の国々の二百海里の中も動くわけであります。そうすると、そういう国の二百海里水域内に我が国の漁船が入って操業するということが安定した操業のために大変重要だと。そういう場合に、そういう国では漁業がまだ大変おくれております。そういった国の沿岸漁業あるいはマグロ漁業も含めていろいろ合弁事業で投資をする、そういうものに対して融資をすることによって相手国の漁業の発展と我が国の漁場確保を絡めて実現をしたい、そういうことで事業を進めているところでございます。
#173
○石井一二君 私が先ほど構造改善局長と、こう言いますとちょっと笑いの声が出ましたが、これは何も構造改善局長が壁際で眠たそうな顔をしておられたから申したんじゃないんです。現在の川合理事長は水産庁長官から行かれましたけれども、その前の理事長は構造改善局長です。そのまた前の前が水産庁長官、その前がまた構造改善局長、その前の理事長は水産庁長官。ひょっとしたら次に渡辺さんあたりがここへ行くんじゃないか、答弁の練習をしておいてもらったらどうかと思いまして、ひとつそういう意味で誤解のないようにお願いをいたします。そのように感じたわけでございます。力強くおわびを申し上げたいと思います。
 さて、農水省関係の補助金についてお伺いいたしますが、これは昨日の新聞でございますけれども、総務庁がチェックをしたところ四件、不適正補助金というものが農水省関係で指摘をされておるわけであります。こういった場合に、氷山の一角だけ発表されたんじゃないかと思うんですが、こういった数字、きのうの新聞ですからもう御承知と思いますが、どのような認識でこの数字を見ておられるか。農水省どうぞ。
#174
○政府参考人(渡辺好明君) 今回の行政監察の勧告は、補助金の執行の適正化等を図る観点から、農林水産省の中の農業農村整備事業費のうち平成六年度から九年度までに土地改良区などへ交付された補助金について指摘をされたものでございます。調査対象は二十九土地改良区、その中で国庫補助金合計八十七件、八十三億円が対象になっております。そこで、今、先生がおっしゃられたように、要返還件数として四件、二百十万円が指摘をされたということでございます。
 これは、しばらく前の大臣の答弁でも申し上げたんですけれども、やはり非常にたくさんの補助金を執行しているものですから、県の方の審査体制が、本来この工種に充てるべきではないとされた事務費、あるいはこの工種は補助金の対象にならないというふうな工種、そういうものが、言ってみると紛れ込んでいたというふうな形でございますので、やはり一番指導すべきは県の審査体制のところではないかというふうに思っております。もちろん、過って補助金を受けたものに対しましては返還を命ずるということでございます。
#175
○石井一二君 ちょっと通告していませんのでもしわからなかったらいいんですが、きのうある場所で会議をしておりましたら、これは大蔵省から外務省にお金が移って、外務省の補助金の話なんですけれども、民間団体等が補助金をもらう場合に、お金をもらいに行ってそのお金で何か事業をするんじゃなしに、先に立てかえて全部領収証とか使用明細をつけて、それから補助金の申請をして後からもらう。昔であれば、銀行がそういう予算がついているというだけで金を貸してくれたんだけれども、昨今は貸し渋りで金を貸してくれない、したがって事業ができない。そういう苦情を受けたんですが、渡辺さん、この場合の補助金はそういうやり方になっていますか、違いますか。そこだけ教えてください。
#176
○政府参考人(渡辺好明君) これは土地改良区が実施をするいわゆる間接補助事業でございます。
 土地改良区が補助金の申請を行って、その申請内容について都道府県が審査をし国から交付がなされるわけでありますけれども、同じように事業がなされた後、竣工検査に基づいて実績報告を都道府県に行い、都道府県から審査確認の上、国に対して実績報告書、審査確認、補助金というふうな流れでございますので、あらかじめ申請をして補助金の交付を受けるという事業でございます。
#177
○石井一二君 次に、独立行政法人についてお伺いいたします。
 御承知のごとく、二〇〇一年一月より中央省庁を一府十二省庁に再編する、そういった中央省庁改革関連法案の施行に伴いまして多くの独立行政法人ができる、こういうことになっておりますが、私は、この施策の基本は焼け太りはしてほしくないということであろうと思うわけであります。できるだけスリムに、生首は切りにくいですが、リストラ的な考え方がその根本にあろうと思うわけであります。特に、総務部とか人事部といったようなもの、あるいは秘書室といったようなものは寄ってくれば一つで済むというような考え方が当然生きてくると思うんです。
 例えば、農業技術研究機構、これは二千九百人の定員を超える非常に大きなものになります。七つの機関が統合される。こういった中で、役員が十一人までだけれども指定職ポスト等を加えれば最大二十一人の役員ができるとか、いろいろございますが、十七の独立法人を所管する農水省としてこういったことにどのような姿勢で取り組もうとしておられるのか、官房長、ちょっと教えていただきたいと思います。
#178
○政府参考人(竹中美晴君) 独立行政法人の関係でございますが、これはそもそも、先生御指摘ございましたように、独立行政法人化によって弾力的な組織運営を可能としますとともに、目標の達成状況の評価とか定期的な見直し等によりまして業務の効率化なり質の向上を図るということを目指しているものでございます。
 農林水産省といたしましては、この独立行政法人化に当たりまして可能な限り統合を行うという基本方針のもとで、全省庁で最も多い二十六の事務事業、四十九機関を十七法人に統合することにいたしております。農林水産省の独立行政法人の役員につきましても、それぞれの法人の規模、業務内容等を勘案いたしながら必要最小限としているところでございまして、十分抑制されたものになっているのではないかと考えております。
 お話にございました農業技術研究機構につきましても、理事長、理事、計九名というような体制でスタートすることを考えているところでございます。
#179
○石井一二君 今、大臣の最大の御関心は、将来的なWTOの戦略を頭の中で練っておられると私はかく想像をいたしておるわけであります。
 そういった中で、攻めることは最大の防御と言われますけれども、米国のいわゆる隠れた農業補助金と言われるエタノール生産振興策、それからカリフォルニア州における農業用水への補助、こういったことについてWTO会議において、特に第三者の国等に対してこういったことがあるというようなことを大いに吹聴して我が国の戦略を立てるべきだ、そのようにも考えておりますが、御所見があれば伺いたいと思います。
#180
○国務大臣(玉沢徳一郎君) このアメリカの政策は、緑の政策の中でWTO上は一応認められております。しかしながら、同じような条件を有しておる例えばカナダはどう言っているかというと、これは形を変えた輸出補助金であると。同じベースで生産しておって、片っ方は所得補償をやっている、片っ方はやらない、これは大変な格差が生ずるわけであります。
 WTOのシアトル閣僚会議に行ったときに、アメリカの農務長官の前でカナダの農業大臣、貿易大臣に、私は隠れた補助金だと思うがあなたはどう思いますかと言ったら、全くそのとおりですと、こういうことでございました。それで、アメリカの農務長官は、いや、これはこうこうこういうような趣旨でということは言っておりました。しかし、公平を期すという観点から言えば、アメリカはかなり無理な弁解をしているというふうに受けとめました。だから、公平な貿易ルールをつくっていくということにおきましては国内の支持の問題についても公平でなければならぬ、こういうことでございます。
 この農業協定第二十条によりますと、一応二十条の中に今までやってきた開放政策を振り返ってこれを反省点としようじゃないかという条項があるわけでございまして、第二十条で交渉をするということであればこういう点も問題にしてやっていくということが大事じゃないか。したがって、ケアンズ・グループの中におきましてもアメリカの先ほど言った国内の所得補償みたいな政策につきましては意見が分かれている、我々はそういうところもついていかなきゃいかぬ、こういうふうに感じた次第です。
#181
○石井一二君 ありがとうございました。
 終わります。
#182
○委員長(若林正俊君) 以上をもちまして、平成十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#183
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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