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2000/03/21 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第5号
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2000/03/21 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第5号
平成十二年三月二十一日(火曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     須藤美也子君     井上 美代君
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     森下 博之君     中原  爽君
     谷林 正昭君     峰崎 直樹君
     井上 美代君     須藤美也子君
     阿曽田 清君     鶴保 庸介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                中原  爽君
                三浦 一水君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                鶴保 庸介君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産技術会
       議事務局長    三輪睿太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業に関する技術の研究開発の促進に関する特
 別措置法を廃止する法律案(内閣提出)
○大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安
 定法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、谷林正昭君、阿曽田清君及び森下博之君が委員を辞任され、その補欠として峰崎直樹君、鶴保庸介君及び中原爽君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(若林正俊君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に須藤美也子君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省農産園芸局長木下寛之君及び農林水産技術会議事務局長三輪睿太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(若林正俊君) 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○佐藤昭郎君 自由民主党の佐藤昭郎でございます。
 きょうは、基本法が制定されて非常に農業に関する技術開発というのが重要な時期に来ていると思うんですけれども、それを廃止する法律案ということで少し戸惑っておりますけれども、この生研機構にかかわる問題以外にも少し幅広く農業の技術開発についての質問をさせていただく場面もあるかと思いますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 まず、全体でございますけれども、これは先般の大臣の趣旨説明で御説明ございましたが、
  これまで、この法律に基づき、生物系特定産業技術研究推進機構は、民間の研究開発能力を活用して、生産現場に直結した農業技術の研究開発を推進してまいりましたが、これらの研究開発については、本年度中に所期の成果が得られる見通しとなっております。
  この法律は、平成十二年三月三十一日までに廃止するものとされている時限法であり、また、以上のような研究開発の実施状況にかんがみれば、この法律を規定どおり廃止することが必要と考えられます。
と、こういうふうに御説明を伺ったわけでございますが、これは全般的な状況なので政務次官にお答えしていただきたいと思うんですけれども、ここでおっしゃっておられた本年度中に所期の成果が得られるということを中心に、この特別措置法の成果なり評価についてのお考えを少し具体的にわかりやすく御説明をお願いしたいと思います。
#9
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘の点でございますが、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法、この法律に基づきます研究開発は八十七の研究テーマのうち二十二テーマの成果が既に商品化され、現場への普及段階に至っておるわけであります。そしてまた、特許百六件、農薬登録一件、品種登録二件の出願、こういった実績を、ことしの一月現在でございますが、もう既に上げていることなど、五十億円の政府出資を活用して、生産現場に直結した農業技術の研究開発を実施するという特別措置法の所期の成果が得られる見通しにあるわけでございます。
 また、委員ただいま御指摘のとおり、特別措置法は平成十二年三月三十一日までに廃止するものとされておる時限立法でございました。そういうことを考慮いたしまして、このたび本廃止法案を提出させていただいた、そういう経緯でございます。
#10
○佐藤昭郎君 バックグラウンドはよくわかりました。
 普及関係について経過措置等も含めて少し伺いたいと思うんですが、これは後ほど伺いたいと思います。
 この農業技術の研究開発について、今回の特措法とは少し離れるかもしれませんけれども、今、我が国の特に自給率の向上にとって大事な農業の機械化、機械化一貫体系の取り組み状況について農産園芸局の方に少し伺いたいと思うんです。
 これはもう委員の皆さんも御案内だと思うんですけれども、今いろいろ自給率についての議論がなされておりまして、自給率向上のいろんな手段が議論されておるわけですけれども、私は、野菜の自給率向上にとって機械化あるいは機械についての技術開発、これは非常に重要だと思います。ちょっと数字を申し上げますと、今、野菜の輸入量というのは、九八年で二百二十三万トンということでこの二十年間で十倍になっております。国内作付面積も、この十年間で六十二万七千ヘクタールから五十四万四千ヘクタールということで一五%下がってきている。
 この大きな理由の一つが、農業従事者の農家の方々の高齢化それから労働力不足、こういったところが多く挙げられているわけでございますが、特に、これは重量物野菜、キャベツとか白菜とか大根とか、こういうものに対して農業機械を開発することによって今のこの状況を打開できるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 従来、野菜作における新しい農業機械の開発というのは、マーケットが小さいということもありまして、なかなか進まなかったんですが、近年、農産園芸局を中心に農業機械の開発それから普及に取り組んでおられるということを伺いましたので、その点についてお答えいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(木下寛之君) 野菜関係の機械の開発状況についてお答えしたいと思います。
 私ども農産園芸局では、農業機械等緊急開発事業等によりまして、野菜関連の農業機械の開発に取り組んでいるところでございます。これまでキャベツなどの移植作業をすべて機械化した乗用の野菜全自動移植機、またキャベツの引き抜きから収容までを自動で行う乗用のキャベツ収穫機など、十一種類の機械につきまして開発、実用化に成功したところでございます。また、現在、ホウレンソウなど軟弱野菜につきまして、その収穫から包装まで一貫して行う軟弱野菜調製装置、またレタス等につきまして、損傷を与えることを少なくした収穫を行うレタス収穫機など、七機種の開発に取り組んでいるところでございます。
 これら実用化された機械につきましては、生産現場への早急な普及を図るという観点から、第一点といたしまして、全国の主要産地の関係者の参集のもとに現地の検討会を開催したり、あるいはパンフレット、ビデオ等による情報提供、また第二点といたしまして、実証展示圃の設置、また開発されました収穫機等の共同営農用機械の整備等につきまして、補助事業なり制度融資等の対象とすること等によりましてその早急な普及を図っているところでございます。
#12
○佐藤昭郎君 ありがとうございます。
 私も農産園芸局の方から少しパンフレットをいただきまして、この緊急プロジェクトの農機のパンフレット等をいただいてお話を伺ったんですけれども、今も局長の答弁に尽きるわけですけれども、ひとつこの普及、せっかく二十五機種を開発された、この普及が僕はポイントだと思うんですけれども、コストの面で、例えばキャベツ収穫機というのは一号機が大体四百九十万ぐらいしている、これを二号機以降なるべく下げるように、二百万ぐらいになるように努力されているとか、それからこの間は、私は北海道の富良野のてん菜の収穫あるいはジャガイモの収穫でしたか、のテレビの放映を見ていたんですけれども、芋、バレイショ収穫機、これはいいんだけれども高いという農家の声が、一千万、今、汎用芋類収穫機というのがかかるようです。
 今御説明のように、普及が進んで生産台数が伸びていけば、また農水省の助成があればこれはかなり下げられると思いますので、この点ひとつよろしくお願いしたいと思います。これはお答えは結構でございます。
 さて、それから次に、特措法についての関連で少し、これは技術会議の三輪事務局長さんの方になろうかと思うんですが、伺いたいと思うんです。
 先ほど金田政務次官からもお話がございました。研究開発の成果として百六件の特許を申請しておられると。これは政務次官の御説明にあったんですけれども、五十億を五年間で出資して、その中から民間企業に対して八十七件というんですか、私ちょっと計算してみますと大体六千万ぐらいになりましょうか。五年間で六千万程度のお金を民間企業と共同で、民間企業に委託されて開発されたと。非常に成果が上がっております、パンフレットを見せていただきましたけれども。
 この場合、これからこれはどんどん普及していかなきゃいけない、あるいはこういった形を今後とも続けていくということは必要だと思うんですけれども、例えば特許の共同開発ですから民間企業と生研機構の間の持ち分の比率なり、さらには、民間企業にとってみればこれはビジネスですから、そういうものに取り組んだ成果というのはどうやって手に入ることになっているのか、そこら辺の仕組みについて御説明いただきたいと思うんです。
#13
○政府参考人(三輪睿太郎君) まず、研究開発により得られました特許についての配分でございますが、通常こういう委託をする場合、国から民間企業に委託をいたしますと、民間企業が受託をして汗をかいた発明も一〇〇%国のものということになって、非常に民間企業側は意欲を失うというのがよく問題として指摘されておるんですが、本特措法の研究開発、これは生研機構という法人から民間への委託でございますので、双方の話し合いで特許の持ち分が決められます。この研究による成果は生研機構と受託者とが五〇対五〇、いわゆるフィフティー・フィフティーで均等に共有することにしております。
 こういったことで、資金的な研究助成とともに、知的所有権の確保という面で企業等に対するインセンティブ、これは十分働いたのではないかというふうに推測しております。
#14
○佐藤昭郎君 新しい仕組みを本当に有効に働かせていただいているということで、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、今回、法律で廃止ということになるんですけれども、私が冒頭申し上げたように、新しい技術開発、そして普及というのが本当にこれからの我が国の食料・農業・農村を左右する非常に大事なポイントだと思うんです。
 この法律が制定されたときの参議院の附帯決議を少し見てまいりますと、一、二、三とあるんですけれども、三の方に、本法は廃止することになっているけれども、そのことによって研究開発及びその成果の普及に支障を来すことがないように十分に配慮することということが附帯決議になっております。そういう観点からこの附則で経過措置もつけられたわけでございますが、民間企業やそれから研究機関の大学の研究能力を本当に結集して技術開発を進めるためには、生研機構の果たす役割というのはすごく重要だと思うんです。
 いろいろな制度改正をされまして研究業務の幅も広げてこられたわけでございますが、一つの研究開発業務というのが、特措法に基づくものが今回限りで廃止されるわけですが、今後の見通しなり戦略、そういったものについて伺いたいと思います。
#15
○政府参考人(三輪睿太郎君) 生研機構は、そもそも産学官の結節点として官民共同出資により設立された認可法人でありますが、民間企業や大学の研究能力を結集いたしまして、技術開発を進める上でその役割は大変重要なことと認識しております。
 このような生研機構の役割、機能を活用しまして、農林水産業や食品産業等の分野における試験研究を推進するために、平成八年度から、大学、民間等の研究者から広く研究課題を募集し、新しい発想に立って生物の持つさまざまな機能を高度に利用するための提案公募型研究を開始することにしております。また、平成十二年度からは、ミレニアムプロジェクトの一環といたしまして、すぐれた技術のシーズ、ノウハウを有する民間企業や大学を結集し、産学官連携による新事業創出のための研究開発に取り組むこととしております。
 今後とも、生研機構の有する企業、大学等の技術、人材等に関する幅広い知見や民間ニーズを踏まえた研究の立案、調整能力を活用しまして効果的な研究開発を進めてまいりたいと思っております。
#16
○佐藤昭郎君 生研機構の役割というのは本当に私は大事になってくると思います。民間と研究機関、そして大学の間のコーディネーターといいますか、その役割というのはすごく大事だと思います。最近、特に民間企業、あるいは公立の研究機関の研究者にとっても、新技術開発のためのインセンティブの確保とかいろんな面で新しい仕組みがいろいろ考案されておりますけれども、生研機構もどうかそういった仕組みを検討されて、個々の研究者あるいは技術者がある意味で励みを持って研究できるような仕組みもひとつ考えていただきたい、こんなふうに思っております。
 研究開発の事例ということで、ちょっと私、さっき野菜のところで紹介しようと思って、少しおくれてしまったんですけれども、本当に大事だと思います。
 これは、農水省からいただいたパンフレットを見ますと、野菜の全自動移植機というのがありまして、キャベツ収穫機を導入した事例というのが、福岡の小郡市の赤川野菜生産組合というのがやっておりまして、組合員八名で、八戸でキャベツ十五ヘクタールを栽培しておられるんですけれども、新しい収穫機を導入することによりまして労働時間が単当百六十三時間から四十三時間へ四分の一になったということで非常にいい収益を上げておられますし、これで大規模キャベツ産地としての位置を確保されたという事例が紹介されておりましたけれども、全国各地でこういう技術の成果が出てくれば我が国の自給率も上がるのではないか、こんなふうに思っております。ほかにもいろいろございますけれども、まず機械化というのは非常に大事なポイントだと思います。
 それから次でございますが、これは今度の特措法の廃止と間接的に絡むと思いますけれども、二〇〇一年の四月から、来年の四月から新しく農林水産省関係の研究機関も御案内のように独立行政法人化されます。いろいろ議論があるわけでございますけれども、私はいろんな研究開発の普及に効率的、効果的に取り組むのにはメリットも大きいんじゃないか、こういうふうに思っております。五年間で中期計画を立てて、それで研究をしっかり管理されていかれるということになろうかと思うんですけれども、この新しい農業に関する技術の研究開発等、独立行政法人に移行する場合の取り組み、この点について伺っておきたいと思います。
#17
○政府参考人(三輪睿太郎君) お話のように、明年四月から農林水産関係の試験研究機関の独立行政法人化をする予定でございます。この独立行政法人の制度の何よりの特徴は、各研究機関、法人の自律性、それから運営の弾力性を高めることができることであります。
 さらに、具体的に申し上げますれば、法人の中の組織編成等については、法人の判断によりまして機動的な取り組みが行われる、人員配置も同様であるということがありますし、それから予算の面でも、例えば運営費交付金という形で国費が交付されますけれども、その使い方につきまして、例えばその費目間の使い方の柔軟性といいますか、あるいは年次間の繰り越しの可能性、そういった意味で、ある意味では研究業務を行うということに対して非常に効率化が期待できるような仕組みではないかというふうに考えております。
 したがいまして、私どもはこういった制度の特徴、よいところを生かしながら、かつ農業政策にきちっとこたえられるような適切な中期目標、こういったものの設定等を通じまして、試験研究がこれまで以上に積極的に推進できるように努めていきたいというふうに考えております。
#18
○佐藤昭郎君 最後になりますが、大臣に少し決意をお願いしたいと思うんです。
 今ほどずっといろいろ議論がございましたけれども、この特措法の廃止ということで、いささかも農業技術開発についての政府の力の入れ方というのは減るものではないと。基本法の論議のときもいろいろございました。基本法の理念ですね、食料の安定供給、多面的機能、持続的な農業、そして農村振興、これをすべてブレークスルーしていこうと思えば、農業技術、農村環境技術、そういった新しい技術の開発、普及がなくては成果は上げられないのではないかと思います。
 こういった非常に大事な時期に当たって、農業に関する技術、あるいは農村に関する技術、この研究開発に取り組む姿勢といいますか、それについての決意を大臣にお願いしたいと思います。
#19
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員がおっしゃられたことは極めて大事なことであると考えております。食料・農業・農村基本法の目指す食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興という課題に積極的に対応し、新たな展開を図る上で技術の研究開発は極めて重要なものであると考えております。
 食料・農業・農村基本計画につきましては、三月十五日に食料・農業・農村政策審議会から答申をいただいたところでありまして、この中におきましても、技術の研究開発の目標を明確化し、これに基づいて具体的な技術の確立に向けた戦略を定めることとともに、国及び都道府県の試験研究機関、大学、民間等の連携を強化すること等がうたわれておりまして、技術の研究開発の効果的、効率的な推進を図ることが大事であると考えます。
 具体的には、研究・技術開発の展望に、明確に基本計画の中に示されておりますように、高品質な小麦・大豆品種の育成、さらに世界をリードするイネゲノム解析研究、遺伝子組みかえ生物の安全性の確保、ダイオキシン類等の汚染防止、分解・浄化技術の開発等に取り組んでまいる決意であります。
 技術の研究開発につきましては、新しい状況に対応しながら的確な推進がなされるよう督励をしてまいりたいと考えております。
#20
○佐藤昭郎君 終わります。
 ありがとうございました。
#21
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。
 佐藤議員の質問とかなり重複をしたところがございますので、ちょっと角度を変えましてお聞きしたいと思っております。
 まず、この特措法の関係でありますけれども、UR対策の一環として五年間の時限立法が、成果が上がるという見通しの中で廃止をされる提案だと思っておりますけれども、きょうの日本経済新聞の記事の中に、「「科学技術基本計画」の作成に取り組む科学技術会議」ですか、この新計画の指針が明らかになったという記事がございます。
 農水省も、昨年の七月にはバイオテクノロジー産業の創造に向けた基本戦略というものを関係する省庁とともに作成をしているところでありますので、あながち無関係ではないということでお聞きをしたいと思いますが、その指針の中で、「日米間の技術格差が開いた」という分析をしているようでありまして、原因が三つほど挙げられておりますけれども、一つは「国家戦略がない」、二つとして「競争的な研究環境づくりが不十分」、三つとして「研究成果が産業競争力の強化に結びついていない」ということを挙げているようであります。
 先ほど、金田政務次官の方から成果についてお聞きをいたしまして、私も資料を見て、相当五年間に成果が上がったんだというふうに認識をしておりますけれども、外国との比較において、この五年間の成果というものは、その比較においても誇れるようなものであったんでしょうか、お聞きをしたいと思います。
#22
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、いろいろ説があるかもしれませんが、我が国で世界的なリードしている分野はどこかといいますとイネゲノムの解析だと、こう言われております。決して日米間の格差があるというようには考えておりませんが、一生懸命予算も確保しながら、今後、必要な研究分野においておくれをとらないようにやっていくということが一番大事かと思うわけでございます。
 そこで、生研機構はどのようなことをやったか具体的に申し上げてみたいと思います。
 まず、稲作、畑作、畜産、果樹及び野菜の各部門における生産性の向上、高付加価値化、労働快適化及び環境保全型農業の確立に資する研究開発を実施してきたところであります。この成果として特許百六件、農薬登録一件、品種登録二件の出願の実績を上げておるところであります。
 具体的な成果の例としましては、水田の自動水管理システムの開発、天敵昆虫や微生物を利用した生物的防除技術の開発、光触媒による効率的な畜舎脱臭装置の開発、果樹の苗の大苗育苗ポットの開発、複数温室の遠隔コントロールシステムの開発などが挙げられるところでございまして、これをいろいろと評価するところはあるかとは思いますけれども、やはりそれぞれの成果を上げて今日に来たということが言えると思います。
#23
○郡司彰君 ありがとうございました。
 私の方も、大臣が今おっしゃっていただいたほかに、ロングマット育苗とか廃プラスチックのダイオキシンの処理システムとか、本当に成果として広く知らせる必要があるような成果がたくさん出ているんだなというふうに感じております。
 特許出願百六件ということでございますが、参考までに稲作、畑作、畜産、果樹、野菜、それぞれどのような件数になっておりますか。おわかりでしたらお知らせいただきたい。
#24
○政務次官(金田勝年君) 特措法に基づきます生研機構が実施した研究開発による特許出願は、委員御指摘のとおり、合計で百六件となっております。これを分野別に見ました場合には、稲作分野が五十三件、畑作分野が十件、畜産分野が二十件、そして野菜分野が二十三件という内容となっております。
#25
○郡司彰君 この数が、研究のテーマとして八十幾つおありになって、均等ではなかったんだろうと思います。稲作が五十三という形、それから果樹については件数がなかったんでしょうか、今数字がございませんでしたけれども、このような偏りというのは、初めからこちらの方に重点配分でやろうというようなことの結果なんでしょうか、それ以外のところの経過がまだ時間がかかってこれから出てくるということなんでございましょうか。
#26
○政務次官(金田勝年君) 委員がただいま御指摘の果樹についてということがございましたが、これはテーマ別には四件扱っておるのでございます。これからいろいろと出てくることを期待しておる次第であります。
#27
○郡司彰君 特許がどのような形でというのも先ほど佐藤委員の方からございまして、均等に共有をするということになるんだということをお聞きいたしました。これが汎用化、実用化をされる暁になりますと、当然、経済活動そのもののかかわりになってくるわけでございますが、この特許共有ということに関しまして、これらの汎用化、実用化に伴って国庫への収入というものが出てくるのでありましょうか。その場合、その流れはどのような形で国庫の方に入っていくのか。
 それから、出資の関係がございますので、国としては、これは株式を取得しているのかなというふうに思いますけれども、それらについて、今後この株式の関係については長期的にどのようなことになるのでありましょうか。
#28
○政務次官(金田勝年君) 生研機構が行いました研究開発の成果に係ります特許権は、委員御指摘のとおり、生研機構と受託者とが五〇対五〇の持ち分で均等に共有する、こういうことになるわけでございますが、これは先ほども佐藤委員の質問にお答えしましたが、民間企業等に対するインセンティブの付与に資するという観点からの配慮であったわけでございます。
 それから、株によるものかどうかという、その出資でございますが、これは株ではございません。出資金による生研機構への出資と、こういうことでございます。
 それから、収入につきまして御質問があったんですけれども、生研機構が行いました研究開発の成果に係ります特許に基づく収入につきまして、国庫に納付されるのかという御質問でございましたが、特措法に基づきます研究開発業務につきましては、その成果が民間における主体的な取り組みが期待できない農業技術の研究開発を国の責任と負担において実施していこう、こういう観点から緊急に取り組むものでございますから、その成果が直ちに収益に結びつく性格のものではないこともございまして、特措法では国庫納付規定は設けられておりませんでした。そして、このたびの特措法の廃止法におきましても、特許に基づきます収入によりまして研究開発費を補てんしてなお収益が生ずると見込まれないことから、これを国庫に納付することとはいたしていないところでございます。
#29
○郡司彰君 政務次官が今おっしゃいました生研機構への出資というのは五十億丸々の話になるんだろうと思いますけれども、各それぞれの民間のところへの出資というものも行っているかと思うんですが、その関係は、これは株式になるんでしょうか。
#30
○政務次官(金田勝年君) 御指摘の点につきましては、別の事業に行う場合は株式ということであります。
#31
○郡司彰君 そういうような形になってくる。必ずしも国が設けることは必要として行った事業ではないと思いますけれども、今言いましたようなところも若干不備なものがあるのではないかと思いますので、今後、精査をされまして、そういうところも整備をしていただければなというふうに思っております。
 それから、事後の評価システムというものが、この特措法にかかわりましても、あるいは生研機構にかかわりましてもいろんな機会でもって出されてきております。基礎研究あるいは応用あるいは開発というようなことで、その資源の配分、こういったものをどういうふうに配分するかということにかかわりましても、この事後評価システムというものがどうあるべきかというものが大事になってくるのかなと思っておりますけれども、その関係についてはどのようにお考えでしょうか。
#32
○政務次官(金田勝年君) 生研機構におきます研究開発についての評価の仕組みについてのお尋ねだというふうに受けとめましたのですが、特措法に基づきます研究開発につきましては、効果的に研究を推進するために評価の実施要領を定めまして、これに従いまして適正に評価を行ってきたところでございます。
 具体的には、生研機構に外部の学識経験者、農業団体関係者等で構成いたします研究開発推進委員会というものを設置いたしまして、毎年度、ただいま御指摘のありました開発課題、開発テーマといいますか、研究開発テーマごとに進捗状況、達成度合いについて評価を行うこととしておるところでありまして、この評価に伴いまして予算の配分の見直し等も行ってきたところでありますし、ただいま委員御指摘のとおり、事後評価につきましても非常に重要と受けとめておるわけでありまして、完成度あるいは普及性、そういった実情に応じましてしっかり評価する、研究開発推進委員会を設置して、そこでしっかりと事後評価も行う、こういうことで研究開発を効果的に推進してきたところであります。
#33
○郡司彰君 私の方の心配をしておりますのは、この特措法の立ち上げのときにも、どういう研究をするか、どういうものを行うかは現場のニーズをよく考えた上でということがあったかと思いますけれども、ややもすると、この種の研究が研究のための研究と言われるような形に陥って、先ほどの記事ではございませんけれども、実際の研究成果が産業競争力の強化に結びついていないということを呼び起こしておるのではないかというちょっと心配をしたものですから、そのように申し上げました。
 この事後評価システムは、いずれにしましても配分の問題にかかわるわけでございますので、しっかりとしたシステムを確立されるようにお願いをしておきたいというふうに思っております。
 それから、生研機構の人事といいますか、あり方についてでございますけれども、これも先ほど来、佐藤委員の方からもございました。来年から独立行政法人化されるということで、農水省の関係につきましても二十八機関が八法人ということになるように聞いておりまして、昨年来、法案が通過をしたところであります。
 たまたま私の住んでおります筑波にこの研究をする機関が多くございまして、その中で、前回のこの独立行政法人化の際に地元の方々の意見をお聞きしましたところ、すべてではないのでありましょうけれども、独立行政法人化をすることによって、これまで直属の場合にはそこの現場の長が所長という形でもって一番上に君臨してやってきた。ところが、独立行政法人化をするということになりますと、新しい機構ができ上がるというところで、そこに必ずまた役員といいますか、そういう人事が行われて、今まで以上に、そこの人たちが、自分たちがやりやすいような形ではなくて、そこの上にもう一つ人事というものが乗っかってくるというふうなことの話をお聞きいたしました。
 必ずしもそのことだけで判断をするわけにはまいりませんけれども、例えばこの生研機構の常勤の方を見させていただきますと、理事長が元食糧庁長官の堤さんを初めとしまして、常勤の理事で中央省庁出身以外の方というのは一名、それ以外は大蔵省の二名を除いて農林水産省の方がいわば天下っているというふうな表現を使いますと適切かどうかあれですけれども、そのような形になっている。
 今後、この生研機構も含めてでありますけれども、独立行政法人がそのような形に生まれ変わるごとに新たな役員が生まれ、結果として職員の士気をそぐようなことにはならないのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(玉沢徳一郎君) やはり、研究所の独立法人が新たな組織となってスタートするに当たりましては組織が硬直化しないように常に気をつけていかなければならぬ、このように思います。
 現在、生研機構の役員としましては十一名が任命されておりまして、その内訳は民間の出身者が四名、省庁出身が七名となっております。生研機構の役員人事につきましては、適材適所による適正な人員配置の観点から、農林水産業や食品産業に関する高い識見を有する者をそれぞれ幅広く登用しておる、こういう考えに基づいてやっておるわけでございます。
#35
○郡司彰君 適材を適所に配置した結果だろうというふうには思います。しかしながら、きょうの別な新聞にもありましたけれども、かなり農水省の場合にはそういう団体が多い、結果として天下っているというふうにカウントされる方の数が多い省庁だというふうに聞かされておりますので、そこのところは今の大臣の答弁とそごを来さないような形がどのようにとれるのかについてもきちんと考えをまとめていくべきではないかなというふうに思っております。
 それから、百四名の職員の中で七十九名は農業機械の関係の方だというふうにお聞きをしておりますけれども、この百四名の方の採用、身分というものはどのような形なんでしょうか。
#36
○政務次官(金田勝年君) 七十九名につきまして生研機構の採用ということでございます。よろしいですか。
#37
○郡司彰君 わかりました。
 それから、生研機構と技術会議との関係についてお尋ねをしたいと思います。
 これまでの研究が基礎、応用、開発というように、それぞれ分野によりまして全体を網羅しているわけでありますけれども、得意とするといいますか、基礎研究は例えば大学でありますとか国立のものが行う、開発については民間がより多く携わるという形があって当然でありますし、そのような関係になってきているんだと思います。
 今後、生研機構と技術会議の関係、あるいはまた国立の研究と民間の役割分担についてどのようなお考えでしょうか。
#38
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業技術の研究開発における国、民間の役割につきましては、農林水産研究基本目標において、民間におきましては基礎的な研究の成果の迅速な実用化に向けた技術開発を目指していく、また国の試験研究機関におきましては、国の政策の遂行上必要な研究開発を推進するとともに、研究投資の経済性が低く、民間等での研究開発が期待できない基礎的、先導的研究開発をそれぞれ担うものと位置づけておるところでございます。
 生研機構は、リスクの高い民間研究を促進するとの観点から、企業に対する出融資等の支援を行うとともに、企業、大学等の能力を効果的に活用して試験研究を実施するという産学官の結節点としての役割を担っているところであります。
#39
○郡司彰君 ますます特措法が廃止されるということでその任が大きく重くなってきている。時代もそのような時代に立ち至っているわけでありますので、そこのところをうまく活用できるようにお計らいをお願いしたいと思います。
 それから次に、二十一世紀グリーンフロンティア計画というものがございまして、昨年の補正も含めて予算化が相当され、特にこの中では先ほど大臣がおっしゃったイネゲノムの研究についても取り組まれているというふうにお聞きをしておりますが、ここと生研機構とのかかわりというのはどのようになってまいるのでしょうか。
#40
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 新たなミレニアムを展望しつつ、産学官の連携のもと、豊かで健康な食生活と安心して暮らせる生活環境を実現するため、平成十二年度からグリーンフロンティアプロジェクトを実施することとしておりまして、具体的には国の試験研究機関を中心とするイネゲノム研究の加速化、さらにその成果を踏まえた民間における実用化に向けた技術開発を一体的に推進することといたしておるところでございます。
 本プロジェクトにおきまして、生研機構は産学官連携による技術開発を戦略的に推進するため、すぐれた研究能力を有する企業、大学等から成る研究共同体を組織化し、アレルギー反応を起こさない作物や、農薬を減らせる作物等の開発を目指して取り組むことといたしておるところであります。
#41
○郡司彰君 ちょっと細かいことをお聞きして恐縮でございますけれども、このグリーンフロンティアプロジェクトの中でイネゲノムの研究をなさっている、この中で開放系の研究についても予測をされているかと思うんですけれども、開放系の研究が行われるとすれば何年ごろからになるか、もし大臣、おわかりになりましたらで結構でございますけれども。
#42
○政務次官(金田勝年君) 御通告のない御質問なので、ふだんそこまで勉強しておればというふうに私も今思いましたところですが、隔離圃場での研究は現在進行中でございますが、具体的時期については今の段階で申し上げる段階にはまだないというふうに思います。
#43
○郡司彰君 私も、日本という国が背負ってきた歴史を考えますと、このイネゲノムの研究というのは他に先んじて行ってしかるべき研究だろうというふうに思っておりますが、この開放系の研究、実験ということになりますと、これまで予測をされなかったようなことも考えられますので、その点は慎重に、行う際にはあらかじめこういう段階まで来ていてということをお知らせいただくようにお願いしたいと思います。
 そういうことの上に立ちまして、イネゲノムの研究で日本が今最先端を進んでいると。しかしながら、ふたをあけてみたらば、ほかの国もやっていて、そうそう日本だけが独占してやっているわけじゃなかったというふうなことにもなってきているんだろうと思います。
 これは稲だけではなくて、それ以外の作物もそうでありますけれども、総じて世界の飢餓人口というものが八億を上回ってきているのではないか、それから途上国の持続的な発展というものに関して、相当程度こういったゲノム研究が今後のところでもって影響を与えてくる、ほかの例えばモンサントやその他の大きな会社の種子戦略あるいは特許戦略というようなことも言われているわけでありますけれども、日本がこの種の先進的な研究を行ったその成果の汎用といいますか、世界の危機に対して、農業の発展に対してどのようなスタンスで臨もうとしているのかをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(玉沢徳一郎君) イネゲノムの解析等を通じまして、有用な遺伝子の働きをいかに産業化していくかということが問われておると思うわけでございまして、世界的に見まして例えば食料が非常に不足してくる、そういう場合にいかにして収量が多い作物をつくっていくか、あるいは味のいいものをつくっていくか、こういうものは、遺伝子をうまく取り出してその能力をいかに引き出していくかというようなところに結びつけていくことができればこの世界的な食料不足等にも十分対応できるのではないか、こう考えるわけでございます。
 イネゲノムばかりではなくして、いろいろ世界各国とも、例えばメコン・デルタにおきましては、米、養豚、淡水魚の複合生産技術の開発を行うなどの共同研究をやっておるとか、あるいはバイオテクノロジーを利用いたしまして乾燥に強い植物の開発を行うとか、あるいは開発途上国の研究機関と共同しまして、農作物の育種・栽培技術等、それぞれの国々の状況に応じた技術研究、こういうところをやっておるのが現状でございまして、こうした研究の成果をさらに国際的に普及していくということが大事ではないかと考えるわけでございます。
 今スタートしたばかりではありますけれども、国際的な視野に立って、食料不足にどう対応するか、そして必要な技術はどのようなものがあるかということを常に考えながらこれに対して取り組んでいくということが大事ではないかと思います。
#45
○郡司彰君 玉沢大臣のような考えが世界に広がればよろしいわけですけれども、例えばトウモロコシも、なったその次の年には発芽をしないような種子をつくって、それが安保の問題も含めて戦略物資のように使われるということが今出てきているわけであります。そういう意味で、生物に関する特許の問題はこのWTOの中でも大変問題になっているかと思っておりまして、アメリカなどは、知的所有権に関するものは前に決まったそのままでいいではないか、しかしほかの国は、そういうものが今決まった段階でそのままでやられると途上国の方はこれからの農業が発展をしない、そういうような考え方のぶつかり合いが今出てきているのではないかと思っております。
 今、大臣の発言を聞きまして意を強くしましたので、日本の場合は、必ずしも企業やあるいはその国の国益を優先するのではなくて、世界的に飢餓を救っていく、世界的に農業の発展に寄与する、そのような立場でなされるという考え方でありましょうから、ぜひともそれを貫いて今後ともWTOの場でも生かしていただければなというふうに思っております。
 それから、二〇〇一年、来年一月から省庁再編が行われるわけであります。農林水産省に関しましては省そのものが変化をするわけではないわけでありますけれども、しかしながらそれに時期的に合わせて行われる問題がある。それから、ほかの省庁と違うところは、基本法が変わったことによって当然それに伴った省庁の再編というものが出てくる、あるいはまたUR対策というものが一応の区切りがつくということで、ほかの省庁とは違った意味での再編というものが考えられるかと思っております。しかしながら、農水省の農政の役割というのは、関連をする各行政の中のPRではなくて、消費者、国民に向かってなされるという観点からするとちょっとPRが不足しているのかなと。
 改めてこの際、大臣の方から省庁再編に対する全体像、考え方についてお聞かせをいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 新しい基本法は、農業だけでなく、消費者にもそれからまた国民一般にも理解していただく、あるいは食品産業等にも理解をしていただく、こういうことで食料・農業・農村基本法と、こうなっておるわけでございます。
 そこで、食料政策、農業政策及び農村政策のそれぞれを効率的に推進するという観点から、内部部局を一官房五局から一官房四局に平成十三年一月に抜本的に再編をすることとしておるところであります。
 具体的に申し上げますと、食料の課題につきましては総合食料局が担当し、食料の安定的供給を図ることといたしております。農業の課題につきましては生産局が生産の分野を担当するとともに、経営局を設けまして、これが担い手、経営の分野を担当することとしております。農村の課題につきましては農村振興局に担わせ、農村や中山間地域の振興を図ることとしております。
 このような組織の整備等を通じまして、食料・農業・農村基本法の基本理念であります食料の安定的供給の確保、農業の多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興の実現を図ってまいる考えでございます。
#47
○郡司彰君 大臣の方から明快に答弁をいただきまして、食料・農業・農村基本法のそれぞれに対応する部局をつくったんですよということなんですけれども、いかんせん、何としてもPRが不足しておりまして、そのような形で今度改まるんですよということを知らない方が多い。
 それとあわせまして、地元のそれぞれの市町村単位に行きますと、農林省の方がいらっしゃるというのは食糧事務所とか統計事務所ということになるわけですね。この食糧事務所、統計事務所も今後三年ぐらいの間にきちんとそういうものを考えていきましょうという形でもってこれまでの仕事が変わってくるわけです。
 そういうことも含めて、地元にいる人たちは東京の農林水産省の局や部がこのように変わったということを余りよく知らないで来ている。しかし、食糧事務所がなくなるということになるとこれはまた大変だなというふうなことになってくる。総じてPRが不足していると思いますので、より一層の食料・農業・農村基本法にのっとった農水省の対応の考え方を知らしめていただければなというふうに思っております。
 それから、これは大臣、政務次官にそれぞれ最後にお尋ねをしたいと思います。
 十九日、おととい、総理がラジオの番組で、省庁再編が進まないのは官僚の抵抗があって進まないんだというような発言があったそうでございます。農林水産省に関しましてはどうなのでございましょうか。大臣と政務次官、それぞれから御感想をお聞きしまして、質問を終わらせていただきます。
#48
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 総理が、省庁の抵抗のため施策がうまくいかないことがあるというようなことを言ったやに聞いておるわけでございますが、農林水産省におきましては決してそういうことはございません。
 この中央省庁等改革につきましては、平成九年十二月に行政改革会議の最終報告が行われまして、国の行政組織及び事務事業の減量、効率化を図ることとされたところであります。この報告を踏まえまして、中央省庁等改革の着実な推進を図るため中央省庁等改革基本法が制定されたところでありまして、この法律に基づきまして農林水産省におきましては、食料政策、農業政策、農村政策を効率的に推進し得るよう農林水産省の内部組織を再編する、先ほど申し上げたとおりでございます。
 また、全省庁の中で最も多い、農業研究センター等二十六事務事業の独立行政法人化を図ってまいります。また、食糧検査の民営化を目指しておるところでございます。さらに、審議会の整理合理化、これは二十審議会を七審議会とする。
 こうしたことを行いまして、今後とも農林水産行政に期待される使命と役割を十分発揮するよう全力を挙げて効率化、簡素化に努めてまいりたいと考えておるところであります。
#49
○政務次官(金田勝年君) 大臣からお話がありましたとおりでございまして、農林水産省の職員の場合は、農林水産行政のこの非常に難しい状況の中にあって前向きに一生懸命に取り組んでおる状況でございまして、そういう御心配は全くないものと考えております。
#50
○郡司彰君 終わります。
#51
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案に関しまして質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、本特別措置法による研究成果について伺いたいと思います。
 まず、大臣に伺いたいんですけれども、この特別措置法による研究の成果とその普及状況について簡潔にお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この生研機構におきましては、特別措置法に基づきまして、稲作、畑作、畜産、果樹及び野菜の各部門における生産性の向上、高付加価値化、労働快適化及び環境保全型農業の確立に資する研究開発を実施してきたところであります。この成果としまして、特許百六件、農薬登録一件、品種登録二件の出願の実績を上げております。また、八十七の研究テーマのうち二十二テーマの成果が既に商品化され、現場への普及段階に至っております。
 しかしながら、本格的な普及、定着はこれからであると考えておりまして、農業関係者に研究成果に関する情報提供を行っていくということが大事であると思いますし、さらに都道府県の普及組織との連携や補助事業、融資制度の活用により、より普及を進めていくという考えでございます。
#53
○渡辺孝男君 政府は、ウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策の一環として、緊急かつ計画的に行う必要のある農業に関する技術の研究開発を促進する目的でこの特別措置法を制定し、生物系特定産業技術研究推進機構、略して生研機構でありますけれども、これに対しまして五十億円の出資をし、その業務を行わせたわけでありますけれども、これらの研究の成果を考慮しますと費用対効果というものは満足すべきものであったのかどうか、もう一度、農林水産大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この五十億円の政府出資を活用しまして先ほど申し上げたような成果を上げたわけでございますが、生産現場に直結した農業技術の研究開発を実施するという所期の成果を得られる、そういう見通しを持っておるところでございます。これで終わるわけではございませんで、これからそれをさらに実用化し普及していく、こういうことになっていくわけでございますので、今後の成果において見ていく場合におきまして、出資に見合うだけの研究成果は得られたものと認識をいたしておるわけでございます。
 しかしながら、本格的な普及、定着はまだこれからの段階であることでございますので、農業関係者に情報提供をするということと同時に、いかに研究の成果を普及という課題にのせてこれを定着させていくかということについてさらに努力をしてまいりたいと思っております。
#55
○渡辺孝男君 私もこの研究成果の一部分、代表的なものを読ませていただいたわけでありますけれども、この中に農業用廃プラスチックのダイオキシン発生を抑えた熱分解処理システムの開発というようなものもありまして、興味を持って拝見したわけであります。
 私の居住している山形県におきましては、本年度より県が補助金交付制度を新設しまして、全市町村が農業用廃プラスチックの対策の推進協議会をつくりまして回収に当たって成果を上げているわけであります。
 問題は、この回収した廃プラスチックが適正に処理されるのかどうかということでありまして、特に泥が付着したような、あるいはまた劣化したような農業用プラスチック類の再利用や、ダイオキシンの発生を抑制した適正処理には多くの困難を伴っているというのが現状でありまして、したがいまして農業用廃プラスチックの処理対策はまだまだ不十分かなと。そして、ダイオキシン発生抑制のための安全な、しかもまた安価で効率的な処理技術というのが求められている、そのように私は感じているわけであります。
 本法による研究開発、先ほどの研究成果ですけれども、一つに御紹介しました農業用廃プラスチックのダイオキシン発生を抑えた熱分解処理システムの開発があるわけでありますけれども、この研究開発の普及の見通しについてお伺いしたいと思います。また、普及するに当たりましてどのような公的補助というのが出るのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
#56
○政府参考人(三輪睿太郎君) 御指摘のように、現場でかなり、施設園芸それからマルチ栽培等で廃プラスチックの問題が生じております。これからその処理に当たりましてダイオキシン等の発生が心配されておりまして、都市型の廃プラですと高温焼却でダイオキシンを分解するわけですが、農村部でかなりこういう施設園芸等で廃プラが集まる、分散してから集まるというところではもうちょっと工夫ができるのではないかということでこの熱分解方式を開発したわけでございます。したがって、かなり効率的な分解の方式でありますので、ニーズが高いことを考えれば、大いに地方公共団体、農協等が主体となったこの方式の導入ができるのではないかというふうに期待しております。
 また、そういった趣旨で、この装置の導入に当たりましては、国の補助事業、いろいろなものの活用が可能ではないかと思っておりまして、こういった補助事業の活用でこの方式が現場で行き渡るように努力をしたいと思っております。
#57
○渡辺孝男君 まだまだこの廃プラスチック類、特に農業用のフィルム等々は再利用というのがなかなかまだ難しい、やっぱり泥がついていたりしますので。そういう意味で、埋め立て等でやられる、あるいは場合によっては焼却されるということであります。
 このシステムの研究、今回の本法による研究開発の方の文書をちょっと見てみますと、このシステムではプラスチックを減圧、無酸素状態で熱分解しガス化する、ダイオキシンの発生をそれで抑えるということでありますけれども、その過程で油が出てくるわけです。この油が燃料として使用が可能というすぐれたものであると私は感じるわけでありまして、そういう意味では再利用ができるということでありまして、まさに循環型社会づくりに大きな貢献をするものというふうに私も期待しております。
 そういう意味で、やはり農業分野は小規模でいろんなところから回収してこなきゃならないという問題点も、困難な面もありますけれども、こういうものを利用して何とか再使用までいくものもあるし、また油という形で再利用してもらう。そういう形で、埋め立てではなくて再使用、再利用という形で利用していただけるようにこの研究成果を十分に普及していただきたい、そういうふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、この成果の普及に関して、また財源に関連しまして質問させていただきたいと思います。
 平成七年二月九日の参議院農林水産委員会で決議されました農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法に対する附帯決議、今回、廃止する法律の附帯決議でありますけれども、この第三項にはこのようにあります。「本法は、平成十二年三月三十一日までに廃止するものとなっているが、そのことによって研究開発及びその成果の普及に支障を来すことのないよう十分に配慮すること。」とあるわけであります。この点に関連して少し質問をさせていただきたいと思います。
 今回の法案の第三条には、「この法律の施行の際旧法第六条の特別の勘定に所属する権利及び義務は、機構法第三十一条の規定により設けられている基礎的研究業務に係る勘定に帰属するものとする。」、このようにあるわけでございます。「この法律の施行の際旧法第六条の特別の勘定に所属する権利及び義務」というのは具体的にどういう内容を指しているのか、お伺いしたいと思います。
#58
○政府参考人(三輪睿太郎君) 具体的には、研究開発業務から生じました資産及び負債を意味いたしまして、固定資産、流動資産、固定負債、流動負債のほか、特許権やあるいは特許を受ける権利、こういった知的所有権を含んでいるものであります。
#59
○渡辺孝男君 この特別措置法の第四条第二項に基づいて政府が出資しました五十億円を受け入れて特別勘定ができているわけでありますけれども、この特別勘定の最終的な資産の内訳というものはどういうふうになる見込みなのか、お伺いしたいと思います。法案が通れば本年の三月三十一日で廃止されるわけでありますけれども。
#60
○政府参考人(三輪睿太郎君) 内訳は、第一に流動資産、これは約一億九千万円の現金及び預金であります。第二が固定資産、約九千万円、これは機器あるいは電話加入権等でございます。それから、第三に特許権七件が登録をされておりまして、以上合計約二億八千万円と見込んでおります。
#61
○渡辺孝男君 この残存資産がそのまま生研機構の基礎的研究業務勘定に帰属すると法案でそう書かれているわけですが、そのとおりでよろしいわけですね。確認です。
#62
○政府参考人(三輪睿太郎君) そのとおり、本法案の附則の第三条の規定によりまして基礎的研究業務勘定に帰属させます。
#63
○渡辺孝男君 この資産は今後、先ほどいろいろ研究成果の御紹介がありました、この研究成果の普及のためにきちんと使われるのかどうか、またこの成果の普及にはどの程度の期間を見込まれているのか、金田政務次官にお伺いしたいと思います。
#64
○政務次官(金田勝年君) 現在、特別措置法に基づき設置されております研究開発業務勘定に所属しております資産は、特措法の廃止後におきましては生研機構が行う成果の普及業務のために必要なものでございますので、当該業務のために活用していくことといたしておる次第であります。
 また、二点目の普及に要する期間につきましては、研究成果の本格的な普及、定着はまだこれからの段階でございますから具体的にお示しすることは困難ではありますけれども、農業関係者に研究成果に関する情報の提供を行っていくことが重要でありますので、これを行っていきますとともに、都道府県の普及組織との連携あるいは補助事業、融資制度の活用によりまして速やかな普及に努めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#65
○渡辺孝男君 先ほどの廃プラスチックの研究等もやはり現場に普及するのにはかなり紹介をして、それを実用化した場合の費用対効果等々さまざまなことを検討しながら普及していくということになると思いますので、ある程度の期間は成果の普及に期間がかかるのではないか、そのための費用も当然かかってくるのではないか、そのように思うわけであります。
 最後に、ちょっと大臣にお伺いしたいんですけれども、本法によりまして生研機構の基礎的研究業務勘定に帰属することになる資産の使途がこれからも明らかになるように情報公開等の対策を検討すべきと考えるわけでありますけれども、この点に関してお伺いしたいと思います。
#66
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 従来からも、生研機構における財務諸表等の情報公開につきましては、書類の事務所備えつけを義務づけ、また一般の閲覧に供するなど、業務の透明性の確保に努めてきたところであります。今回の法律案により基礎的研究業務勘定に帰属することとなる資産につきましても、その使途が明らかになるよう情報公開を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#67
○渡辺孝男君 やはり、立派な研究成果等々がありますので、このために五十億円という資産も投じられたということでありまして、少し資産も残っているということでありますので、この成果の普及のためにきちんと使われるようにお願いしたい、そのように思います。
 では、最後の質問になりますけれども、これは大臣にお伺いしたいんですけれども、新しい食料・農業・農村基本法でうたわれました国内生産の増大と自給率の向上を図るためにはやはり新しい農業技術の研究開発というものが必要である、私はこのように考えるわけであります。これを担う国、地方公共団体、あるいは民間の研究開発機関の機能分担、連携を含めました研究開発の今後の方向に関しまして大臣にお伺いしたいと思います。また、その中で生研機構がどういう位置づけを持ち、どういう役割を果たしていくのか、その点に関してもお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今後の研究開発につきましては、国内の農業生産の増大や食料自給率の向上を目指していく、こういう観点から麦、大豆、飼料作物等の品質や生産性向上等、農業生産の現場を支える技術開発等、ゲノム解析等の革新的技術開発を推進することが最も大事なところと考えているところでございます。
 そのために、効率的な研究開発を推進するための機能分担としまして、民間におきましては基礎的な研究成果の迅速な実用化を目指していくということ、また公立試験研究機関におきましては地域に密着した技術の開発、改良が図られること、また国の試験研究機関におきましては国の政策の遂行上必要な研究開発及び基礎的、先導的な研究開発を行っていくことが大事だと考えておりまして、産学官の連携を強化していくことが重要と考えております。
 官民共同出資により設立されました生研機構につきましては、産学官の結節点として民間研究を促進するとの観点から、企業に対する出融資等の支援を行うとともに、企業、大学等の能力を効果的に活用して試験研究を実施するという役割を担ってしっかりやってまいりたい、このように考えております。
#69
○渡辺孝男君 農業、林業、水産業、そういう分野もかなり基礎的な研究も大変必要でありますし、また現場に直結した技術の開発研究等も必要でありまして、これはやはり産官学皆協力して民間の力もかりながら研究を進めることが必要でありますし、世界的な技術開発の競争の分野もあるものでございますから、これは今後とも推進しまして、何とか新しい基本法にある国内生産の増大、それから自給率の向上に結びつけていただいて、今後も日本の農業、林業、水産業等に夢が描けるような、そういう研究開発をどんどん進めていただきたいな、そのように思う次第でございます。
 きょうはどうもお答えをありがとうございました。これで質問を終わります。
#70
○須藤美也子君 先日、当委員会に配付されました「研究開発の成果と期待される効果」、これに基づいてこの間説明をいただきましたので、主にこれに基づいて御質問したいと思います。
 まず、ウルグアイ・ラウンド対策費から生研機構に五十億円を出資して、そこから約百三十一の民間企業に研究委託費として支払われている。その結果が、この間、パソコンですか、カラーのきれいな形で配付されたわけですが、私はこの説明を聞きながら、大規模経営、こういう経営に偏っている研究開発ではないか、こういうふうにまず第一の感想であります。
 この第一ページに「水田の自動水管理システムの開発」、これは大区画水田等における水管理の高度化技術として、数十ヘクタール単位で一ヘクタールの田んぼで七十万円の設置費用がかかるわけですが、自動で最適な水管理を行う遠隔・集中制御システムを開発したと。これですよね、これを持ってきのう私は規模拡大した庄内平野のところに行ったんです。一町歩当たり七十万円であなた方これを取りつけますかと。ただでならば試験的にやってみてもいいと、大体もう農家の方々はそういう考え方であります。ですから、これが数十ヘクタール単位で一ヘクタール七十万ですから、これはどうしても大規模経営でなければこういうものは設置できない、こういうふうに考えざるを得ません。
 さらに、この間の畜産の問題で一番いろいろ要望が出た「自動給餌機等の畜舎内機器を一括遠隔操作できるシステムの開発」、これは六ページにございます。この施設をつくるのに五百万かかるわけです。わざわざ今畜産が、この間の審議でもいろいろ論議されました、借金を抱えて大変なわけです。その上、五百万をかけてこのような施設を設置できるような余裕があるのかどうか、これも大規模経営でなければできない、このように思うわけです。
 そこで、大臣、大規模経営を中心にした研究開発だったのでしょうか。
#71
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員がおっしゃられた事例は二例にわたるわけでございますけれども、確かに大規模経営をするところに適用される技術でもあります。しかし、こればかりではございませんで、たくさんあるわけでございます。
 例えば、地域特産物の振興につながる品種改良であるとか、天敵生物を活用した防除技術の開発であるとか、土壌養分や作物の品質に関する測定機器の開発等、経営規模の大小のいかんにかかわらず生産性を向上せしめる、高付加価値を求める、こういうものが大部分でございまして、委員のおっしゃられるところは例は二つでございますが、そういう例は少ない。ほかは地域あるいは大小にかかわらず適用される技術を開発したというのが大部分である、こう申し上げていいかと思います。
#72
○須藤美也子君 そうでしょうかね。
 十ページをごらんください。十ページはこれは大部分ハウスで園芸をやっている、こういうところであります。「遠隔操作で多数の温室の環境制御が可能なシステムの開発」とあります。これは最大で六十棟の温室の管理が可能と。家にいてその温室を操作できる。四棟がガラス温室規模で、このガラスの建物以外にその中に入れる機械、器具だけで二千三百万円かかる、こういうことです。施設の圧倒的多数はガラスでなくて、今ハウスです。これまた費用額からしても規模の大きさからいっても一部の経営を対象にしたものではないかと。しかし、最大六十棟の温室管理が可能とあるわけですから、こういう施設は企業でなければ設置できないと私は思うんです。今の農業の実態を見れば、企業でなければこういうものは普及できない。
 せっかく開発したものを迅速に現場に効果が上がるように普及するのが農水省の仕事だと思うんです。また民間の仕事でもあると思うんですが、こういう点ではいろいろあるといいますけれども、私は今、この例をそちらの方からきれいなのをいただきましたから、これに基づいて冒頭申し上げましたように質問させていただいたわけです。
 それで、さっきもっといろいろな小規模の農家の方々にも普及できるものがありますよと。エノキダケとかいろいろありましたね、先ほど何か答弁でちょっと大変な横文字の、ダニが害虫を殺す農薬の発見、これはククメリスですね、余り長く言うと口が回らなくなりますから。これは十アール当たり三万二千円ですね。おわかりですか、三万二千円。これは環境にとってもいいと思うんです。しかし、今、化学農薬は二万七千円です。五千円高いんです。これを現場で普及しようとしても価格が高いんです。
 そういう点では、私はこの研究開発というのは普及するためにはもっと価格を安くしなくちゃならないのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#73
○政府参考人(三輪睿太郎君) 現在、生研機構が実施しました研究成果の八十七のうち二十二テーマは、先ほどから御説明がありますように、既に商品化されて現場で売り買いされておりますので、そういったものは比較的今のリーズナブルな価格で普及していると見ていいと思います。
 しかし、この研究が一番主眼を置きました効率的な経営の実現といったようなことになりますと、先生がお話をされました水管理システムとか施設の一括管理システムとかあるいは畜産多頭飼育の自動化とか、そういったようなことになるわけでございますが、そういった製品につきましては現時点では御指摘のとおり価格が高いということは事実であります。これは例えて言えば、我々は今三万円で買っておるワープロがこの研究開発の成果の段階では一台五百万円したというふうなことに近いものだと思います。
 こういった高度な製品につきましては、高度であるほど導入した場合の効果も大きいものですから、ぜひこれの普及に励みまして、量産効果による低価格化を急ぐ、図る必要があるというふうに認識しております。
#74
○須藤美也子君 例えば、二ページのロングマット苗の育苗システム、これを苗箱から今度はロング式にやる、これは私は非常に労働力も削減されて大変効果があると思うんです。しかし、これまでの育苗はこれもコストが十アール当たり一万三千二百円が、ロングマットになりますと一万四千八百円、一割以上アップになるわけです。ですから、今農業の現状がどういうふうになっているか。所得は下がる、担い手はいない、しかも大幅減反は強制される、その上、米を初めとする農畜産物の輸入拡大でそれと競争しなくちゃならない、大変な厳しい状況に置かれているわけです。
 そこで、私は重要な問題はこの研究がウルグアイ・ラウンド対策費による研究だということなんです。つまり、国がウルグアイ・ラウンド対策費から五十億円をこの生研機構に出資する。ということは、この研究で経営が圧迫されている農家の窮状を技術研究の力で何とか救っていかなくちゃならない、こういう思いがあると思うんです。
 ところが、今申し上げましたように価格の問題、さらには規模の問題、そういう点では、一部あるいはそういう余裕のあるところでしかこれを使うことができない。これでは、私は、非常にウルグアイ・ラウンドのこの技術開発の目的が達成されていないというふうに考えるわけですが、大臣はどう思われますか。
#75
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 先ほどからお話しになりますように、いかに労働力を軽減していくかということとか、あるいはいかに機械化を導入していくかとか、こういうところは確かに単位当たりで見れば割高になっているようには見えますけれども、新しい技術の開発というのは民間に任すだけではできない。やはり、そういう技術の開発こそ、国が金を出して研究開発をやっていくというところに私は意義があるんじゃないかと。
 確かに、今、委員のおっしゃられたように、単位当たりにしますとこのロングマットも十アール当たりは一〇%アップだと、こう言われましたけれども、しかしこれからさらに大きく普及していく、一般化していくという過程におきまして、また改良したり、さらに研究開発等を行いまして、より安くすることができるのではないかと。今スタートした時点ではございますけれども、やはり国として投資して行う技術はだれもやらないこと、そういうようなことを率先してやっていくということが大事ではないかと考えるわけであります。
#76
○須藤美也子君 忘れてならないことは、この開発研究というのはウルグアイ・ラウンド対策費として国が財政を出しているということなんです。つまり、農民対策予算から出ているということなんです。であるとすれば、大規模経営が使うものも、あるいは全農家が活用できる場合も価格を安くする、これが筋だと思うんです。そういう努力を民間企業もやるべきだと思うんです。
 国からお金をもらって研究費は無料でやるわけです。その研究開発したものを民間企業が販売するわけですから、そういう点では、民間企業に対しても国がその指導、援助を進める必要があるのではないか。そして、価格は少なくとも安く、農民が本当に心から、これであれば効率的に、これを使っても今の農業の現状からすればこれはいいんだなというような、そういうようなものを普及するというのが非常に大事だと思うんですが、大臣、どう考えますか。
#77
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 価格が安ければ委員のおっしゃるとおり点数も非常によくなってくるわけです。しかしながら、価格は一応需要と供給の線で決まっていくというのが現在の日本の経済システムであるわけであります。研究開発等について国が率先して出したという点は評価してよろしいかと思うわけでございますが、今後、普及を徹底し、より技術を一般化することによりまして価格を下げていくということも可能であると、私はそう考えておるわけでございますので、そういう点を今後、評価していただければと思います。
#78
○須藤美也子君 私の質問とちょっと答弁が違うような気がするんですけれども、つまり国の金で開発したもの、それを農家は高いものを売りつけられる。企業は開発資金は無償で、国から五十億の金を百三十一の民間企業に研究委託費として配られているわけです。
 ですから、農民にその分を還元する、安く買ってもらう、商品を安くするというのが筋だということを先ほど来申し上げてきました。ですから、そういう形で国が指導、援助すべきでないか、民間企業に対しても。そうでなければ、何のための開発か、何のためのウルグアイ・ラウンド対策費かわからないでしょう。私はこのことを言っているんです。どうぞもう一度。
#79
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これから普及をしまして量産化が可能になってまいりますならば、これはやはり価格も低くなってくるということが見込まれるわけでございまして、最初から何でもかんでも安くして、企業はみんな赤字で次にやっていけないというようなことになってはいかぬと思うわけでございますし、試験研究開発に国として公的資金を使うことは大事であるとは思いますが、企業の品物を安くして、そして提供するというところまではやるべきではない、こう思います。
#80
○須藤美也子君 ちょっと理解がされていないようですね。
 農水大臣は、企業の立場に立っているのでなくて、農家経営をどう安定させるか。そのために技術開発としてこういうことをやっているわけですから、農家の経営安定のための立場に立って価格の安定、そして善処すべきだと私は思うんです。
 民間企業だから価格は高くてもしようがない、そんな冷たい考え方では農業経営はやっていけませんよ。
#81
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ですから、企業に金を出すということは邪道だと言っているんです。それよりも、いかに普及して、それを一般化して多くの人々に使ってもらうことによって価格を下げていくということは可能性がありますと。したがって、そのために農家の皆さんに対して補助事業としてこれをできるだけ推進していくということであれば普及が一般化するわけでありますから、それによって企業の量産化がなされて価格が安くなってくる、こういうことをもくろんでおるわけであります。
#82
○須藤美也子君 企業にお金をやるのが邪道だと言いながら、生研機構を通して企業にやっているじゃありませんか。あべこべですよ。私の言っていることがちょっと理解されていないと思うんです。
 ただ、こういう開発をせっかく委託してやったからには、この開発されたものが現場で生かされるように善処してほしい、このことを申し上げたいと思うんです。そうでないと、また言っても何か横道にそれるようになると思いますので、時間がもったいない。
#83
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、私の言ったことでお話は尽きると思いますよ。
 ですから、要するに、普及することによって量産が可能になってくるでしょうと。その普及については、国としましても農家の皆さんに対してやはりこれをできるだけ導入するようにしていただきたい、そのためには補助事業等も考えてできるだけ普及を図っていきましょうということを強調しているわけですから。
#84
○須藤美也子君 そうすると、普及のためには国が補助をつけて普及できるようにやるということでいいですか。
#85
○国務大臣(玉沢徳一郎君) そうです。
#86
○須藤美也子君 では、そういうことでここは確認をいたします。
 もう一問申し上げたいんですけれども、国立試験研究機関、先ほど郡司議員もおっしゃいましたけれども、私も筑波に独立法人のときに行っていろいろお尋ねをいたしました。この独立法人、国の機関の経常研究費、これがこの間下がっている、横ばいになっているんです。例えば五年前ですか、百四十二億八千万円から、十年度百四十一億八千七百万円に下がっています。一人当たりの研究費は大体横ばいであります。
 そういう状況の中で、今ウルグアイ・ラウンド対策費としては五十億円も生研機構に出資をする。国の研究機関であるこういう経常研究費にもっと予算をふやすべきではないかというふうに思うんですが、その点はどうでしょうか。
#87
○政府参考人(三輪睿太郎君) 経常研究費の推移、実態は先生のお話のとおりであります。
 この経常研究費は、いわゆる試験研究機関の運営費から人件費を控除した額でありまして、安定的に研究者の育成とかそういったことに使える研究費で非常に意義が高いわけでございますが、現在いろいろなプロジェクト研究あるいは農政推進上に必要な研究を通じまして、基礎的な研究から応用研究まで非常に研究予算が強化されておりますので、経常研究費の本来の役割を認めつつも、全体の予算は大きく伸ばしていきたいというふうに思っております。
#88
○須藤美也子君 大臣、どうですか。
#89
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 研究は大事でございますから、そういう考えに立って進めていきたいと思います。
#90
○須藤美也子君 終わります。
#91
○谷本巍君 新しい基本法は環境保全型農業重視の方向を出しました。その環境とは、日本の場合でいうならば、地域地域で気候も地形も風土も大きく違うという特徴を持っております。持続可能な農業とは、それぞれの地域地域で違う自然の力をどう発揮させるのかというところに焦点があるわけでありますから、したがってそれは画一型ではなくて地域個性型となっていくはずであります。
 こうしてみますというと、技術開発についても物別だけではなしに、地域型を重視しなければならない時代に来たと思うのです。技術会議はそれらの点をどう考え、どう対処されようとしていますか。
#92
○政府参考人(三輪睿太郎君) 我が国の農業に関して地域に根差した農業技術の必要性、先生のお話のとおりだと思っております。
 このために、私ども現在、農水省の研究機関として全国七地域に国の研究機関を設置いたしまして、都道府県農業試験場と協力をしまして麦、大豆の品種改良等に取り組むとともに、地域特有の環境保全型農業技術等の研究を推進しております。また、普及組織と連携しまして、まさに地域に密着した技術の研究開発を行っております都道府県の研究に対しましても助成を行ったり、研究員の研修等の支援措置を行っているところでございます。
 独立行政法人化等もございますが、今後とも地域ごとの研究体制を堅持したいと思っております。
#93
○谷本巍君 次に、民間開発技術との連携についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 民間開発農法というのは試行錯誤のものも少なくありませんが、現場の必要感に根差したという意味ではすぐれた特徴を持っております。しかしながら、官の技術と民の技術のドッキングの関係というのは、今まで非常に私の受けた印象では悪かった。民の皆さんから言わせるというと、官の皆さんは官優位主義があるからだという批判が多く見られました。
 最近で申し上げますというと、アイガモ農法あるいは不耕起栽培、当初取り組んでこられた皆さんの中にもそうした声が少なくありませんでした。最近で申しますというと、木酢液、それからまた米ぬか農法もやっておられる皆さんの間からも、もう少し役所が積極的にという声が少なくありません。
 民間事業は総じて自然を生かす農法が多いのであります。それだけに、これからは積極的にこれらの問題について官の方も一体的に取り組んでいく、そういう時代に来たのではないかと思うのだが、局長、いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(三輪睿太郎君) かつては、戦後の食料難を救った保温折衷苗代、こういった技術は長野県の農家から出た技術を研究機関の方で体系化して普及させたものでございますが、そういったように現場における農家、農民の発想をうまく体系化するといったことが非常に重要であると考えております。
 先生のお話のように、官優位といいますか、ちょっと適当でない官優位ですか、そういったことがあるとすればこれはとんでもない間違いでございますし、やはり国の研究機関といえども先ほど言ったような体制をとっておりますので、現場の声をよく聞いて、現場の中のすぐれたものについては研究に取り入れていくというような姿勢が大事ではないかというふうに考えております。
#95
○谷本巍君 局長、これは二年ほど前、私が茨城に行って自然食干し芋生産の話が出たときのことなんですが、若い方が紫色の斑点病が出て農薬でやったんだがだめなんだなという話が出てまいりました。そうしましたら、お年寄りの方が、それは芋の前に麦をつくらなきゃしようがないじゃないか、昔はみんなこの辺はそうやっていたよという話が出てまいりました。これで一件落着になったんですが、私は少々びっくりいたしました。ほとんどの方はそれを知らないんですよ。やっぱり時代が変わったのかなと思ったのですが、そういう消えつつある大事な技術、これが一つの問題点としてあるのではないのか。
 それからもう一つの問題は、消えた民間技術としてはいろんなものがありますが、例えば水田酪農、山地酪農とか山岳酪農という言葉がありましたけれども、そういったようなものも近代化の技術体系の中で消えてしまっていますね。そうしてみますというと、自然を生かした持続型農法を伸ばしていくのには消えつつある大事なもの、これをどう大事にしていくかということと、消えてしまったもの、これの掘り起こしということが大事になってきているのではないかと思うんだが、その辺はどうお考えでしょうか。
#96
○政府参考人(三輪睿太郎君) 消えていく技術には農業の状況なり何かの理由があると思います。したがって、なかなか難しいのでございますが、中には、先生がおっしゃるように、消えた状況が現在の科学の水準あるいは現在の状況から見直してみれば、また意味があるというものもございます。そういったものにつきましては、地域の研究でぜひ取り上げていきたいというふうに思っております。
#97
○谷本巍君 そこのところは強くお願いをしておきます。
 次に、水利用をめぐる技術開発について伺いたいと存じます。
 少々個人的な話になりますけれども、一昨年、IPUのモスコー会議がありました。私は、水の集会に出るのを目的にして参りました。集まったのは水の会議でたしか七十三カ国か四カ国の代表が集まりました。
 時間がありませんから簡単に申し上げますが、例えばアフリカの代表はこう言いました。二十一世紀に向けての我々政治家の最大の使命は何なのか、女性と子供にどう飲料水を確保するかだ、これが一番大きいという演説が出てまいりました。そう思いましたら、これは数人の方から出てまいりましたが、次に戦争が起こるとすればそれは石油をめぐる戦争ではない、水をめぐる戦争になるであろうと。大変物騒な話ですが、その種の話が幾つか出てまいりました。さらにまた、比較的多かったのは、穀物一トンを生産するのに必要な水は一千トン、牛肉を一キログラム生産するのに必要な水は二万キロだと、そういう水を我々はこれから先も確保していくことができるであろうかという発言等々がありました。
 日本でも、これは第三次全国総合開発計画の中では地域経済圏構想というのを取り上げていましたね。水を住むところにどう引っ張ってくるかじゃなくて、これから先は人が水の流域圏に向けて住み直すという時代に入っていくのではないのかというような立場から描かれたものでありました。
 これからの時代は、水なくして食料なしという時代に入っていくでありましょう。そういう意味で、一番水を使う農業の節水技術、これをどう徹底していくか。さらにはまたもう一つ、これは国土庁が、たしか昨年ですか、水資源白書の中で書いていましたね、途上国は一番水が足りない。そこに向けての技術開発ですね、どう援助するか。アジアも例外じゃありませんよ。
 ですから、そういう意味で、これからの技術開発では水問題というのを非常に大事な問題として重視していかなきゃならぬと思うのだが、技術会議、どうしておられますか。
#98
○政府参考人(三輪睿太郎君) まず、我が国のように降雨量が年間二千ミリ以上ぐらい見込まれるところでは、降った雨を海に流さないために貯留してこれをむだなく使うというやり方ですので、やっぱりかんがい技術の改善という研究があると思います。
 ただ、先生がおっしゃったように、地球規模で考えますと、むしろ雨量自体が大変少ないというところでかんがいの導入によるいろんな問題が起こっておるわけでございます。それを考えますと、日本のような降った雨をためて使うという施設利用型の技術だけではとてもそういった地域の水の問題には対応できません。
 したがいまして、その土壌の特性に応じたかんがい、ドリップかんがいとか、あるいは作物の方を塩分に強くて水が要らないように改善をするとか、いろんな先端技術を駆使してこれに十分力を注いでいかないと解決できないのではないかと思っておりまして、その面で力を入れているところでございます。
#99
○谷本巍君 局長、これらの点は省庁を超えての協力関係というのはあるんですか、ないんですか。そこはどうなんですか。
#100
○政府参考人(三輪睿太郎君) 例えば、乾燥地域で水を確保する方策は、わずかに降った雨を土壌中にためます。その土壌中にためた水を作物の生育にうまく使うということで、保水力が非常に重要なんですが、そういうところの土壌に限って保水力がありません。そこで、工業分野では、高分子の吸水剤のようなものが発明されておりまして、そういった工業分野の先端技術の発展と我々の農業技術、これがタイアップをするというようなことは行われております。
#101
○谷本巍君 大臣もお聞きですから、省庁を超えたこの種の取り組みについてぜひひとつ重視していただきたいことをお願いしておきます。
 次に、大臣に伺います。
 基本問題調査会、基本法をつくる前にメンバーが発表されたときに、私は少々ショックを受けました。といいますのは、技術研究家のメンバーが一人もいないんです。括弧して肩書が書いてありますからそれで見ていったところ、技術の専門家というのは一人もいなかった。これは一体どういうことなのかなということを私は考えました。環境型農業を取り入れていくことについても非常にこれから大変な時代に技術としては入っていくというようなことでありますから、どうも技術問題については国が手抜きをしていくという考えじゃあるまいかという感じすらいたしました。
 せんだってのエージェンシー問題、あのときの論議にもありましたように、国は直接やらないけれども、やるべきことはきちんとやるようにするんだと、これは大臣もおっしゃっておりました。ということになっておるわけでありますから、したがって農水予算に占める技術の比重で見ますというと、ここ数年ずっと慎重に少しずつふえてきていますね。これから先も特に技術問題は重大なことですから、ここのところは大事にしていただかなきゃならぬなと思うのだが、大臣、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 全く委員のおっしゃられるとおりであります。
 やはり、世界戦略を考えていった場合におきましても、技術研究でおくれをとればその分だけ日本の農林業がおくれる、こういう認識を持ちまして、前の独立法人の問題等についても申し上げたわけでございますが、イネゲノム等の解析等におきましては、できるだけ補正予算等におきましても予算を増額しまして頑張ってきた。
 今後とも、農林水産分野における技術開発は農林水産行政の推進上極めて重要な役割を果たしておるわけでございますので、平成十二年度におきましては、農林水産研究予算は一千二十六億円、七・六%の増ということになっておるわけでございまして、研究開発のための予算をふやしていくということについて、委員の言われるとおり、私も努力してまいりたい、このように考えております。
#103
○谷本巍君 最後に一言だけ。
 予算編成の作業が夏場から始まるわけでありますけれども、その先は省庁再編成とあわせて財政改革の問題が出てくるはずであります。それだけに財政事情は厳しくなってくると存じますが、ぜひこの点は重ねてお願いしたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#104
○委員長(若林正俊君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより採決に入ります。
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(若林正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#107
○委員長(若林正俊君) 次に、大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。玉沢農林水産大臣。
#108
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 大豆につきましては、食生活の面においても、また農業生産の面においても重要な農作物であることにかんがみ、これまで、いわゆる不足払い方式により生産者に交付金を交付する措置を講じて、その生産の確保と農家所得の安定を図ってきたところであります。しかしながら、この仕組みは、販売価格にかかわらずあらかじめ設定される一定水準の手取りが確保されるものであるため、生産者の生産・販売努力が促進されにくいものとなっております。
 また、菜種につきましては、その生産量が減少し、産地も特定の地域に集約されてきているところであります。
 このような状況を踏まえ、需要の動向に即した大豆生産を確保し、土地利用型農業の活性化を通じて食料の安定供給の確保を図っていくため、市場評価が生産者手取りに的確に反映されるよう交付金制度を見直すこととするとともに、菜種について、その生産事情の変化を踏まえ、交付金制度から産地の実態に即した措置に移行することとし、本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、いわゆる不足払い方式によってきた交付金制度を改め、事前に定める一定の単価により交付金を交付する方式とすることとしております。なお、ある銘柄につき販売価格が生産費水準を超えるときは単価を減額するほか、交付金の交付は価格低落が生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための積立金制度の対象としている大豆について行うこととしております。
 第二に、菜種についての助成措置を交付金制度から産地の実態に即した措置に移行することとし、菜種を大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の適用対象から除外することとしております。
 このほか、計画的かつ合理的な大豆の販売を確保するための生産者団体の調整販売計画に対する変更勧告制度の創設や規制緩和の観点も踏まえて、登録集荷業者制度を廃止する等の措置を講ずることとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#109
○委員長(若林正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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