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2000/04/04 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第8号
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2000/04/04 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第8号
平成十二年四月四日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     尾辻 秀久君
     山下 栄一君     渡辺 孝男君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     岸  宏一君
     斉藤 滋宣君     三浦 一水君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     泉  信也君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                泉  信也君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       文部省生涯学習
       局長       富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       厚生省児童家庭
       局長       真野  章君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関
 する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十日、山下栄一君が委員を辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。
 また、同月三十一日、斉藤滋宣君が委員を辞任され、その補欠として三浦一水君が選任されました。
 また、昨三日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として泉信也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(若林正俊君) この際、玉沢農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。玉沢農林水産大臣。
#4
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今般の有珠山噴火災害に関し、農林水産省の対応につきまして御報告申し上げます。
 最初に、このたびの有珠山の噴火により避難されている方々、また農林水産業の活動に支障を来している方々に心よりお見舞い申し上げます。
 農林水産省といたしましては、噴火前の三月二十八日に北海道森林管理局函館分局に災害対策本部を、また三十一日の噴火後直ちに本省に事務次官を本部長とする有珠山噴火災害対策本部を設置し、災害対策に万全を期すよう対応してきているところであります。また、二十九日には本省から担当官四名を現地に派遣し、さらに四月一日からは現地に構造改善局、林野庁、水産庁の担当課長及び担当官を派遣し、現地調査及び連絡調整に当たらせたところであります。
 具体的な対応といたしましては、まず避難者への食料供給のため、札幌食糧事務所を通じ約二百万食に相当する精米三百トンを供給できる体制を確立するとともに、当省から関係団体等に対しまして食料供給の要求を行っており、関係市町村に対しまして弁当あるいは即席ラーメンなどが供給されております。
 さらに、避難地域からの家畜の移動につきましては、希望する農家の家畜の移動が円滑に行われるよう北海道庁を通じて指導しており、肉用牛、乳用牛等につきましては既に移動が行われたところであります。
 現在、以上のような取り組みを行っておりますが、農林水産省といたしましては、今後、現地の状況の推移を見ながら、現地での判断を最優先にして遅滞なく対応するということで、農林水産業に被害が生じた場合には適切に対処するなど、対策には万全を期してまいる所存であります。
 以上であります。
    ─────────────
#5
○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省経済局長石原葵君、同構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長木下寛之君、文部省生涯学習局長富岡賢治君、同初等中等教育局長御手洗康君及び厚生省児童家庭局長真野章君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(若林正俊君) 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○岩永浩美君 おはようございます。自由民主党の岩永浩美です。
 ただいま大臣より、有珠山の災害対策について万全の措置をとっていただくことについての力強い御決意をお示しいただき、安堵いたしております。
 今回の有珠山の地震について、予知機能が遺憾なく発揮されて最小の被害にとどまっていること、ひとえに私どもは、心強い思いと同時に、被災を受けられた皆さん方にお見舞いを申し上げたいと存じます。
 さて、青年等就農促進法の改正案について、数点にわたって大臣及び関係者の皆さん方に質問をしたいと思います。
 まず、先月の二十四日、国会に報告をされた食料・農業・農村基本計画において、新規就農者に対する農業技術及び経営管理手法の習得の促進を図ることや、新規就農者が農地等を円滑に取得できるようにするための施策を講ずると御説明がありました。
 申すまでもなく、担い手が減少していることは言うまでもありません。と同時に、高齢化が一方において進んでいる、かつまた深刻化している中で、このまま推移していけば、新たな基本法の目指す農業の持続的な発展、食料自給率の向上を確保することは困難と言わざるを得ないと私は思います。
 そこで、玉沢大臣から今回の改正案の趣旨については過日御説明をいただきましたのでその件については触れませんが、基本計画には、先ほどから申し上げたように、新規就農者数あるいは今後具体的に確保すべき新規就農の目標数字などはどこにも見当たりません。就農促進に対する政府の意気込みや取り組みの姿勢がややもすれば希薄で、具体的な数値目標等々が示されていないので、何か口先だけではないかという懸念がしないでもありません。
 そういう懸念を払拭するためにも、大臣の一つの心意気、どういう方途を目指してこの就農促進法に向かって対処していこうとお考えになっているのか、まず大臣の御決意と姿勢をお尋ねしたいと思います。
#9
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、農林水産省が示しました今後の農業構造の展望におきましては、効率的かつ安定的な農業経営の数を、家族農業経営が三十三万から三十七万戸程度、法人経営及び生産組織が三万から四万戸程度と見ております。これを確保するために必要な新規就農者の数につきましては、世代交代年数を勘案し、毎年一万三千人から一万五千人程度と考えております。今、新規就農の数を見てまいりますと、大体一万一千人ぐらいまで来ておるところでございます。
 したがいまして、一万三千人ということになりますとかなり数値が近づいてきておる。これをできるだけさらに促進していくというところに今後の政策の課題があると考えておるわけでございまして、新規就農対策につきましては、食料・農業・農村基本法の基本理念の一つであります農業の持続的な発展を図っていく上での基本的施策の一つとして考えているところでありまして、今後は農業技術の習得、資金の手当て、農地の確保を施策の柱としまして、近年のUターン就農や新規参入等、就農ルートの多様化に対応したきめ細かな施策の展開を図ることといたしておるところであります。
#10
○岩永浩美君 それでは、具体的にお伺いをしていきたいと思います。
 まず、今、大臣の御答弁の中に新規就農者に対する技術支援、技術指導並びに資金援助等々で新規就農者がさらに間断なく増加していくための施策を講じていきたいというお話、もっともなことであり、具体的にそういう増加の一途をたどることを私たちも期待したい。
 その中で、新規就農に当たって、農地の取得等々すぐ目の前に問題を解決しなければいけない区域が出てくると私は思います。新規就農の中にあっても、農家の子弟の皆さん方は稲作部門を中心として土地利用型農業に従事する人が私は多いと思います。そういう意味で、農家の子弟の新規就農は農地の取得はある程度可能であると思いますが、逆に非農家の皆さん方は花卉や花木、施設野菜など労働集約型の経営部門を選択する人が多いと私は思います。なかんずく、それは土地の取得が非常に不可能であるがために、ある一定の農地取得をすることによって複合経営あるいは労働集約型の経営が農業を営んでいく大きな一つの要因になると思います。
 今後、食料自給率の目標を四五%と設定をされました。その中で、土地利用型農業部門の参入を促進させることが必須の課題だと私は思います。
 そこで、その四五%の自給率を高めていくために、どの部門にどういう形の新規就農を割り当てようとしておられるのか、そういう方策が政府当局におありになるとすれば、それをお示し願いたいと思います。
#11
○政府参考人(木下寛之君) 今お尋ねの新規就農者と今後目指すべき自給率の観点からのお尋ねでございますけれども、私ども先ほど申し上げましたように、全体として一万三千人から一万五千人程度を確保したいというふうに考えているところでございまして、具体的にそれぞれ部門ごとに幾ら程度というふうに張りつけているわけではございません。ただ、先生御指摘のとおり、今後、ともすれば農地の取得というのは非常に難しい点もございますので、私ども、土地利用型農業での参入について非常に重要な課題だというふうに考えているところでございます。
 私ども、土地利用型作物の場合には、御指摘のとおり、農地の確保が重要な課題でございますので、一つは新規就農ガイドセンターの行います農地情報の提供、また市町村の農業委員会の行う農地のあっせん事業を行ってきたところでございますけれども、今回の法改正によりまして、認定就農者に対します農地等取得資金の据置期間の延長等の措置を講ずることとしたいというふうに考えているところでございまして、これらの措置によりまして土地利用型作物についての新規就農を促進していきたいというふうに考えておるところでございます。
#12
○岩永浩美君 その土地利用型農業を営んでいく場合においては、平場における土地利用型の農地というものはある程度就農する人が多いと思いますが、それが中山間地域における土地利用型の農業、そこに就農する人たちに対する支援策というのが具体的に示されない限り、中山間地域の荒廃は促進されることはあっても、その利用の密度がだんだん多くなっていくということにはならない心配をいたしますが、中山間地域における農地の確保と就農促進についてどういうお考えをお持ちか、お示し願いたいと思います。
#13
○政府参考人(木下寛之君) 中山間地帯における就農促進対策でございますけれども、これまでも中山間地帯における就農促進につきまして、平場におきます就農促進に比べていろいろ困難な面があるというのは先生御指摘のとおりだと思います。
 したがいまして、具体的な就農準備資金の中で、一般の平場に比べましていろいろ経費がかかる、準備に当たって経費がかかるという点も考慮いたしまして、平場に比べて中山間について手厚く融資をしたいというふうに考えているところでございます。
#14
○岩永浩美君 手厚く援助したいというのは、具体的には中山間の直接支払いはもちろん、今回の法律の改正によって直接支払いは可能になりました。
 そういう中山間地域における新規就農者に対する手厚い支援策というのは具体的にどういうことがあるのか、お知らせ願いたいと思います。
#15
○政府参考人(木下寛之君) 現在の新規就農の準備資金あるいは研修資金でございますけれども、ソフト資金につきましては中山間地域の条件不利地域における特例といたしまして、償還期間の延長等の措置を講じているところでございます。
#16
○岩永浩美君 今までの直接支払い以上の新規の就農支援策を中山間地域には施してあげない限り、その地域に対する就農者というのは出てこないと私は思いますから、特段の御支援をお願いしておきたいと思います。
 そこで、新規就農者の方々が、先ほど来議論申し上げているように、中山間地域、土地利用型農業じゃない花木、施設園芸等々をしていくその一つの仕事は非農家の出身の子弟の方が私は大変多いと思います。今まで、それぞれの地域、集落は、農業・農村を取り巻くそれぞれの人間関係によって地域が成り立っていることは言うまでもありません。
 そこで、農村の地域社会とその新規就農者との関係を良好に構築していくためには、新しく入ってきた人に対する、結婚式で言う仲立ちみたいな形の、そういう仲介の労をとっていただく方がその地域に存在しないと、新規就農者の人がその地域で農業を営むことは大変困難ではないかという気がしてなりません。
 そういうものに対する支援策はどういうふうに確保していこうとされるのか。新規就農者に対する支援、あるいは今まで農業をやっておられた皆さん方との仲介の労をとっていただくリーダーを育てていかなければいけないと私は思いますが、それについてどうお考えになるのか。
#17
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員から御指摘がございました新規就農者への支援、これが地域社会においてどういうふうなみずからの生活上の課題として意識を持っておるかという、全国新規就農ガイドセンターが行いましたアンケート調査というのがございます。
 これによりますと、やはり当面する課題として、集落の慣習あるいは集落の人との人間関係あるいは友人関係、多い方もいるでしょうけれども少ない方が多い。そして人づき合い等、非常にそういう課題を抱えているという、その地域との融和を課題とする回答が多く見受けられるわけであります。
 新規参入者の円滑な定着ということを考えました場合には、御指摘のとおり、地域社会との融和を図る努力というものが非常に重要だと、このように考えます。このため、各県にあります農業改良普及センターが中心となりまして、青年農業者等育成センターあるいは市町村といいました関係機関が連携しながら、一つには、水利用に関する決まり事などの地域慣行等に関する情報の提供を行ったり、あるいは地域の青年クラブ等への加入促進を図ったり、そしてまた既に就農した青年農業者による農業技術研究等の自主的な活動に対します支援といったような取り組みを積極的に行いまして、新規参入者が速やかにその地域社会に溶け込んで定着していくことができるように支援を行っていきたい、このように考えておる次第でございます。
#18
○岩永浩美君 今、政務次官から御答弁をいただきましたが、それぞれ新規就農者に対する支援センター並びに改良普及センターが仲立ちの労をとっていくことによって融和策をおとりになるというお考えですが、果たしてそれで具体的な仲立ちの役割が果たしていけるのか甚だ私は疑問であります。それぞれの地域の中におけるリーダー的存在である認定農業者の皆さん方が新規就農者を温かく迎えていくというそういう雰囲気ができ上がっていかない限り、後ほど改良普及センター等々について御指摘を申し上げたいと思いますが、十分な対策を講じていくことは不可能だと私は思います。その件については、もう少し具体的にそれぞれの村落社会のあるべき姿について御検討いただくことを要請いたしておきたいと思います。
 次に、中高年の就農支援資金の返済能力についてお伺いをしたい。
 今回、就農支援資金が拡充をされて、従来のソフト型から、農業経営を開始するに必要な施設あるいは機械の購入など、いわゆるハードに対しても貸し付けることが可能になったことは大変前進だと私は思います。その限度額は、十八歳から四十歳未満まで、いわゆる青年就農者に対して経営開始年度二千八百万、次年度からは九百万とされています。逆に、四十歳以上五十五歳未満までは、一応青年就農者よりも一千万ほど低い一千八百万、次年度からは九百万とされることになっておりますが、既に中高年の皆さん方には就農前に他産業に就業して一定の資産を持っているということで一千万の減額になっていること、これは理解をいたします。
 私はそのことで、六十五歳までに仮に一千八百万の就農資金を借りて、青年就農者と同じように返済期限が、六十五歳から新規就農者として農業に参入をされた方がある一定の期間でそれだけの償還ということが果たしておできになるのかどうか、そのことに非常に疑問を抱いております。もしそういう焦げつきの状態が続いていくようなことになれば、都道府県の農業信用基金協会の債務保証の対象ということで今回の資金を貸し出すことになっていますが、その返済が滞っていくことによって基金協会の運営がおぼつかなくなってしまうという嫌いがないのか、そういう心配はないのか、それに対する対処を具体的にどうやってやっていくのか、それについてのお考えをお示しいただきたい。
#19
○政府参考人(木下寛之君) 今回、ハード資金でございますけれども、委員御指摘のとおり、中高年の新規就農者につきましては一千八百万円というふうにしているところでございます。これはあくまでも限度額でございます。
 具体的な貸し付けに当たりましては、まずその前提といたしまして都道府県知事の認定を受ける、それぞれの新規就農を計画している人たちからこういうような就農計画ですよという意味での就農計画につきまして都道府県知事の認定を受けるということがまず必要だと思います。そのような都道府県知事の認定を受けました就農計画に即しまして、借り受け者の返済能力も踏まえ、適切な貸し付けが行われることが必要だというふうに考えているところでございます。
 したがいまして、私どもも、今回のハード資金につきまして新たな資金を貸し付けることにするわけでございますけれども、返済能力に応じた適正な貸し付けが行われるよう貸付機関に対しまして指導を行いたいというふうに考えているところでございますし、また就農後につきましても、早期に経営が定着し得るよう、普及組織を初め関係機関が一丸となって指導するというようなことにつきましても指導していきたいというふうに考えているところでございます。
 また、第二点目の御質問でございますけれども、今回、民間の金融機関が貸し付ける場合には農業信用保証保険制度の対象にしているわけでございます。基金協会の財務基盤を強化するというために、債務保証に要する経費につきましてその全額を都道府県が基金協会に対して出資をするというような予算措置も講じているところでございます。今後とも、具体的な実施状況を踏まえながら基金協会の財務基盤の強化については努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#20
○岩永浩美君 基金協会の運営を優先させるがためにその貸し出しが非常に厳格になって就農資金の融資が非常に狭められることのないように、バランスをよく保ってもらいたいことを要請いたしておきたいと思います。
 そこで、農地取得資金の今回の償還の期限が三年から五年に延長されました。これはどういう理由で、これは三年から五年に延長されたことによって貸し出しが増加するというような形で延長されたのかどうか、そこをちょっとお聞きしておきたいと思います。
#21
○政府参考人(木下寛之君) 現在の農地取得資金の貸し付け条件につきましては、償還期間が二十五年以内、また据置期間が三年以内というふうにされているところでございます。
 今回、据置期間三年を五年に延長したいということで今御審議をお願いしているところでございますけれども、先ほど御説明いたしました機械、施設等々に対します新規就農資金のハード資金の据置期間が五年であるというふうなところでございますので、それにそろえたというのが実情でございます。
 このような貸し付け条件、三年から五年というふうに延長する結果、どの程度貸し付けがふえるのかということにつきまして具体的に述べることはできませんけれども、いずれにいたしましても実態に即した貸し付けが一層行われるというふうに期待をしているところでございます。
#22
○岩永浩美君 それでは、最後に大臣にお伺いをしたいと思いますが、今まで限られた時間の中で数点において御質問させていただきました。新規就農のための研修について最後にお伺いをしたいと思います。
 もう既に大臣には釈迦に説法、農業に従事する人、それから農業経営については多くを言わなくても十分に御理解をいただいていることは言うまでもありません。特に、新規就農者の皆さん方が新たな一つの経営として農業に新規に参入される場合には、技術の研修なくして本当の農業経営を営むということはできないと私は思います。今までそれぞれの地域の中にある県立の農業大学校あるいは財団法人の支援センター等々で就農前に半年ないし一年間の研修期間を経、そのことを終了と同時に新規就農ができるように技術指導並びに行政指導をやっていくというお話も承りました。
 しかし、私は、今までそれぞれの地域の中における農業改良普及センター等々を見学し、かつまたいろいろな御意見をお聞きする過程の中で、普及改良所の職員の皆さん方もそれぞれ大変汗を流し御尽力いただいていることは高く評価をいたしますが、今それぞれの地域にある普及センターの職員の数は多岐にわたった農業経営の実態に即した経営指導員の数が確保できているのかというと、私はそうではないような気がしてなりません。だんだん農業もそれぞれの分野において専門化してきています。それに伴った技術指導を行っていける普及センターの数が充実をしていかない限り、その地域の農業の発展はあり得ないと私は思います。
 特に、新規農業に従事をされる方々はその経験にまだまだ乏しいし、かつまたいろいろな御意見をお聞きするにしても十分な体験がなく、いろいろ時間的な要素もあり、習得をするまでに時間が必要だと私は思います。
 そういう点で、新規就農者、あるいはそれぞれの地域における農業経営の基盤をつくっていく上において、今までの普及センターのあり方で果たしていいと思っておられるのか。もう少し具体的に、どういう作物について普及所の職員をふやそうとされるのか。あるいは職員の数等々について今後鋭意、定員の中においてシフトを少し変えてそういう専門職の皆さん方をふやしていこうというお考えをお持ちになっているのか。そういう点について大臣のお考えをお示しいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これまでも普及の重要性を訴えてまいりまして、その定員の確保等に努力をしてきたところでありますけれども、今後ともこの新規就農者の経営の定着を図っていくためには普及の技術をいかに研修していくか、これが最も大切なことだと、こう考えておるわけであります。
 したがいまして、今後、普及センター内におきまして栽培指導担当、経営指導担当等、幅広い分野をカバーする改良普及員がチームを組んで新規就農者に対する指導を行うなど、これに重点的に取り組んでいくという体制をとりたい。さらに、農協、市町村、青年農業者等育成センターとも連携をとりながら、就農時に必要な技術、経営管理等についての実践的な研修の実施、さらに資金の手当て、生産物の販売先の確保等の助言等、積極的な実施に努めてまいりたいと考えているところであります。
#24
○岩永浩美君 どうもありがとうございました。
#25
○羽田雄一郎君 民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。
 本日は有珠山噴火後初の農水委員会でございますので、避難されている方々に対しお見舞いを申し上げ、またそのことに触れさせていただきます。
 三月二十七日より火山性地震がふえ、三十一日十三時十分、二十三年ぶりに噴火してしまいました。しかし、周辺地域には二十九日より避難勧告・指示が発令され、初動としては人的被害も出ていないようなのでほっとしているところでございますが、農林水産業に携わっている方々にしてみれば、ただでさえ不安を抱えている中、残してきた動物、育苗期間中の苗、収穫期に入っている作物、養殖中のホタテなど、気になって家に戻ってしまうケース、また避難を拒むケース等もあると聞いております。死活問題に発展しかねないことなので対策等には万全を期していただき、またぜひ安心して避難できるような対策をお願いしたいと思います。
 二十三年前には被害に対して何の補償もされなかったということを言われている農家や、またやっと二十年ローンを返し終えた農家等があると聞いております。特に、離農しなければならないような最悪の事態にならないよう、お考えいただければと思います。
 先ほど、大臣から決意を述べていただきましたので、補足することがなければそのまま……。
#26
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 有珠山の火山につきましては、農林水産業に対しての今直接的な被害というものは生じていないところでありますが、今後長期化することによりまして、いろいろな作物とか動物とかあるいは水産業にも影響を及ぼしてくるものと考えられます。
 そういう点をよく見まして、今後、噴火の活動状況によって起こる被害及び講ずべき対策、これを十分検討しまして、被害状況の早期把握に努めて、そしてそれに対する対策も、今、前回は何らの対策も講じられていないということが言われましたけれども、災害対策等におきましては災害補償制度等もございますので、そうした制度も活用しながらできるだけの対策を講じてまいりたい、このように考えております。
#27
○羽田雄一郎君 それでは、法案についてお聞きしますが、特に私は福祉教育の基礎になる保育士の資格を持つ者として、また就農促進のためには教育が重要であると考えている者として、若干幅広く聞かせていただきますので、簡潔にお答えいただければと思います。
 まず最初に、近年、いわゆる新規就農青年が増加傾向にあり、平成十年度では一万一千百人に達しています。平成二十二年にはこれが一万五千人程度まで増加すると農林水産省は見込んでいますが、食料・農業・農村基本計画における食料自給率の目標を達成するため、現在の水準は十分とは言えないのではないか。また、基本計画には食料自給率の目標達成に必要な新規就農者数の目標も盛り込むべきではなかったのかと思いますが、お答えいただければと思います。
#28
○政務次官(金田勝年君) 新規就農青年の数が増加をしてきておる、ただいま委員の指摘のとおりでありまして、平成十年で一万一千百人というお話ですけれども、そういうことで一万人を超えておるわけであります。
 一方で、我が省、農林水産省が本年の三月にお示しいたしました農業構造の展望におきましては、先ほど大臣からもお話し申し上げましたけれども、効率的でかつ安定的な農業経営の数を、家族農業経営が三十三万から三十七万戸程度、そして法人経営及び生産組織が三万戸から四万戸程度ということで、効率的でかつ安定的な農業経営の数を見込んでおるわけであります。これは平成二十二年ということで見込んでおるわけであります。
 これを確保するために必要な新規就農者の数につきましては、世代交代年数を勘案いたしますと、毎年一万三千人から一万五千人程度ではないか、こういうふうに考えておる次第でありまして、先ほど御指摘ありましたように、平成十年には新規就農青年の数が一万人を超えたという現状ではありますけれども、今回お出ししております青年等の就農促進法の改正を含めまして各般の施策を体系的に実施いたしまして、この目標の確保を目指していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#29
○羽田雄一郎君 土地利用型の経営部門のことについて御質問しようと思いましたが、岩永委員が御質問されましたので割愛させていただきまして、次に行かせていただきます。
 新規就農に当たっては一般に三大困難が存在すると言われています。すなわち、資金の確保、農地の確保、技術の習得の困難であります。改正案では農業経営を開始するに必要な資金として、施設の設備、機械の購入等に必要な資金、すなわちハード資金を就農支援資金として拡充することになりますが、ハード資金については農協や銀行等の金融機関が貸し付けることとしていますが、青年農業者等育成センターも貸し付けることができると聞いております。その場合は担保物件等の提供が必要となるのでしょうか。
 また、研修等就農の準備に必要ないわゆるソフト資金については従来どおりセンターが貸し付けるとしておりますが、農協や銀行等の金融機関は貸付主体となっていない。これはどういうような理由によるものか、お答えいただければと思います。
#30
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、今回拡充いたしますハード資金につきまして、青年農業者等育成センターから貸し付ける場合には農業信用保証保険制度を適用せず、したがいまして従来の研修資金同様、担保なり保証人をとることとしているところでございます。
 このような理由といたしましては、農業信用保証保険制度でございますけれども、民間の金融機関の信用リスクを債務保証により補完し、融資の円滑化を図るという趣旨から設けられているものでございます。したがいまして、都道府県に指定された公益法人でありますセンターの貸し付けにはなじみがたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、具体的な運用に当たりましては、資金の円滑な貸し付けを図る観点から、担保なり保証人のとり方につきまして適切に指導していきたいというふうに考えております。
 また、第二点目の従前の研修資金につきまして農協なり銀行等の金融機関が貸し付けない理由についてのお尋ねでございます。
 青年農業者等育成センターは、新たに就農しようとする青年に対しまして、就農前の啓発活動なり就農の相談、また農業の技術、経営方法の習得のための研修に関する情報提供、相談活動、また就農後のフォローアップなど、一連の就農支援業務を行っているわけでございます。
 ソフト資金の貸し付けに当たりましては、このような就農前の支援活動と一体的に行う方がより効率的であるというふうに考えておりまして、このような観点から、いわば研修資金のソフト資金につきましては青年農業者等育成センターから貸し付けることとしておるところでございます。
#31
○羽田雄一郎君 次に、就農先に地縁のない新規参入者が農地を確保するに当たってはさまざまな困難が伴うと考えられます。
 新規就農ガイドセンターや各自治体が連携しながら、新規就農者に対する現地物件情報の提供、物件の購入あっせん、また仲介等の支援を行っていますが、これらを補完するため国レベルで広域的なネットワークを構築するなど、売却希望者と購入希望者のマッチングのための何らかの施策を講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#32
○政府参考人(渡辺好明君) 御指摘のとおりだろうと思います。
 今、先生から御指摘ありましたように、新規就農ガイドセンター、これは全国段階とそれから都道府県段階にございまして、農地情報も含めて各種情報の収集、提供、それから蓄積といったことを行っているわけですが、具体的にこれを現場レベルに落としていくということがこれから先は必要だろうと思っております。
 先ほど御指摘がありました三大困難、農地と技術と資金、この点については、とりわけ私どもの方では、この相談窓口である就農ガイドセンターにいらしていただきますと、みずから情報提供もいたしますけれども、現地のそれぞれの農業委員会、どこで就業したいというふうな御希望があればそこの農業委員会の御紹介をする。さらに、技術等の面でも資金の面でも、県の農業者大学校であるとか就農準備校における技術研修あるいはセンター等の貸付機関の紹介といった、かゆいところに手が届くような、そんなことをもう少しきめ細かにやっていきたいというふうに思っております。
#33
○羽田雄一郎君 食料・農業・農村基本計画は新規就農者に対する農業技術及び経営管理手法の習得を促進することとしていますが、具体的にどのような施策を講ずる方針か、お聞かせいただければと思います。
#34
○政府参考人(木下寛之君) 新規就農者に対します技術なり経営管理手法の習得の支援につきましては、新規就農対策の大きな柱でございます。近年、就農ルートが多様化してきているという状況にも対応しながら、その体制の整備に努めているところでございます。
 具体的な技術なり経営管理手法の習得のための研修教育の体制といたしましては、まず第一に高校卒業者を主な対象とした農業大学校、また市町村などにおきます現地の実践研修農場や指導農業士などの農家に泊まり込むような研修、また第三点目といたしましては都市の在職者が働きながら農業を学べる就農準備校というふうに、各般の研修のための支援を行っているところでございます。
 今後とも、基本計画に即しまして多様な新規就農者のニーズに即応した研修教育が効果的に実施し得るよう、一層各般の取り組みを支援していきたいというふうに考えているところでございます。
#35
○羽田雄一郎君 新規就農者が円滑に就農して早期に安定的な経営を実現するためには、従来の営農資金に加えて住宅等の生活基盤を確保するための資金がぜひとも必要であると考えますが、これについて国が自治体等の施策を支援していくべきと考えております。いかがでしょうか。
#36
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、生活の本拠としての住宅の確保というのは重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 これまでは県の農業会議に設置をされております新規就農ガイドセンターにおきまして、農地情報のほか住居に関する情報の収集なり提供を行っているところでございますし、また現場の市町村におきましては住宅の増改築なり修繕の助成なり住居のあっせん等の措置が講じられているところでございます。また、資金手当てでございますけれども、特定農家住宅資金、農業近代化資金の中でこのような貸し付けも行っております。
 いずれにいたしましても、住宅の確保は重要な課題でございますので、今後とも相談活動等、あるいは自治体の施策と連携をとりながら住宅の手当てに関する情報の提供に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#37
○羽田雄一郎君 次に、現在、地方自治体レベルでは、本法にかかわる就農支援資金の償還金の一部を助成したり、経営開始資金を貸与し、当該地で一定期間営農を継続すれば償還を免除するなどのさまざまな支援制度が設けられていると思います。
 諸外国においては、フランスのDJA、デンマークのグリーン・サーティフィケート制度など、一定の研修を終了するなどの資格要件をもとに国が新規就農者に助成金を支給する制度が導入されている例が見られますが、我が国においても同様の措置を講ずることはできないのかどうか。ぜひ、これは政治的なこともあると思いますので、大臣にお答えいただければと思います。
#38
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 世界のいろいろなケースを申し上げられたわけでありますけれども、新規就農の確保につきましては各国の事情によりそれぞれ施策が講じられてきているところでありまして、例えばドイツ、フランスでは一定の要件を満たす青年農業者が農業経営を開始する場合に助成金を交付しております。具体的に見ますと、ドイツは百七十四万円、フランスは百八十二万円、フランスの山岳地帯におきましては三百七十八万円、こうなっております。なお、アメリカにおきましては、初期の経営開始者に対しまして低利融資を実施しているところであります。
 我が国におきましては、農業という職業につくことに着目して助成金の交付を行うことは他産業とのバランス等から困難と考えておりますが、新規就農者に対する支援策といたしましてはいわばアメリカ型の方でございまして、低利融資、まあ無利子資金の貸し付けということになるわけでございます。技術習得等の実践的研修教育の実施、農地に関する情報提供やリース農場方式の推進等に取り組んできておるところであります。
 無利子資金の貸し付けという点におきましては、例えば一千万円貸し付けして五年間で三%と仮にした場合、利子を無利子にするということになれば大体五年間で百五十万ぐらいは援助するということにもなるわけでありますから、最初に百七十万円あるいは百八十万円を交付しておるドイツ、フランスとも大体見合った制度というふうに私は考えておるところでございまして、今回の就農支援資金制度の改正におきまして資金内容の充実を図ることといたしておりますが、今後とも施策の充実に努めてまいりたいと考えているところであります。
#39
○羽田雄一郎君 丁寧にお答えいただきましてありがとうございました。
 次に、政府は去る三月二十四日に第二次出入国管理基本計画を官報告示し、その一環として農業分野における外国人の技能実習制度がスタートし、施設園芸、養豚、採卵鶏の三業種がその対象となっていると思います。
 今回、農業分野で外国人の技能実習制度を導入するに至った経緯とその意義はいかなるものか。また、多様な担い手を育成、確保するという観点から今後の農政において本制度はどのように位置づけられるのか。
 本年一月、小渕首相の諮問機関である「二十一世紀日本の構想」懇談会が取りまとめた報告書によりますと、少子高齢化の進展に伴う労働力不足に対処するためには、外国からの移民を受け入れる移民政策の実施が必要となるとしているようでございます。また、これを裏づけるように同月発表された国連による人口動態推計も、日本が急速に減少する労働力人口を維持するためには、今後五十年間にわたり毎年六十万人以上の移民を受け入れる必要があると指摘しています。
 将来、外国人の方が農業の担い手として位置づけられる可能性についてどう考えられるか。この三点をお答えいただければと思います。
#40
○政府参考人(渡辺好明君) まず、導入の経緯と背景でありますけれども、農業分野の外国人研修につきましては最大一年間の研修期間ということでございまして、これではちょっと実践的な技術移転には不十分であるという、そういう御意見が送り出し国、中国とかインドネシアから出てきたわけでございます。
 こういう状況でございましたので、技能実習への移行のために受け入れ側、つまり日本側としてどういう体制づくりができるかということを平成十年度から全国農業会議所を中心に検討を進めてきたところでございます。この結果、施設園芸、採卵鶏、そして養豚につきましては、技能評価システムが財団法人国際研修協力機構によって認定されました。そういった状況を受けまして、今般、研修期間を含めて最大三年間、技術習得期間となる技能実習への移行が可能となったものでございます。
 次に、担い手の育成、確保との関係でありますけれども、この外国人研修あるいは技能実習制度は、送り出し国への技術移転を通じまして我が国の国際貢献の一環として実施されているものでございますので、我が国農業の担い手の確保なり育成対策とは目的を異にするものと考えております。あくまでも相手国側への国際貢献という観点から実施されるべきものでございます。
 外国人労働者の受け入れ問題につきましてはいろいろと議論があるわけでございますが、これはやはり出入国管理政策の観点から別途検討されるべきものというふうに考えておりますし、我が国農業の担い手ということを考えますと、やはり担い手の数が拡大し充実するような、そういう魅力を農業なり農業経営に与えていくということからスタートすべきだというふうに考えております。
#41
○羽田雄一郎君 担い手育成のためには、家庭の教育機能低下が指摘されている現代において、次代を担う子供たちに食料やそれを生み出す農業の重要性を教えていくため、学校等の教育機関の果たす役割がますます重要となると考えられます。特に、幼児期は食生活の基本的方向づけがなされる時期であるために、幼稚園等における教育の果たす役割は大きいと考えております。
 現在、幼稚園や保育園において行われている食料や農業に関するしつけ、また教育の実態はどうなっているのか。文部省、厚生省から来ていただいておりますので、ぜひお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
#42
○政府参考人(御手洗康君) 幼稚園におきます食料あるいは農業の大切さを教える教育、あるいは健康や生活習慣に対する基本的なしつけということでございますけれども、御指摘のとおり、幼児期におきます教育は将来の人格形成の基礎を担う、極めて重要でございます。
 幼稚園におきましては、具体的には健康あるいは環境、こういう領域を通じまして、一人一人の子供たちが自主的、自発的に遊びを主体とした活動を通じて、しつけなり食べ物の大事さなり、あるいは小動物や草花に触れるなどの具体的な体験を通じて指導しているわけでございますし、また園庭や園外の農園におきまして、例えばサツマイモの栽培あるいは収穫というようなことを幼稚園全体で行っているというような活動も多く見られるところでございます。
 また、幼稚園におきましても、お弁当を持ってきたりあるいは給食を出したりという幼稚園があるわけでございますけれども、そういった時間などを通じまして、食事のしつけのみならず食事を大事にしていく、あるいは毎日きちっと食べていくということは健康を維持していく上で非常に大切であるというようなことを具体的な食事の指導を通じて教えているという実態でございます。
#43
○政府参考人(真野章君) 保育所におきましては、入所している児童がゼロ歳から就学前の幼児までということでございますので、授乳、離乳食の提供、その後はそしゃく・嚥下機能に応じた調理の実施など、子供の発育、発達の段階に留意しながら給食という形で提供がされております。先生御案内のとおり、二歳までは完全給食、主食と副食でございますし、三歳以上は副食の給食という格好になっております。
 保育所の保育のガイドラインでございます保育所保育指針におきましても、食に関しましては食事を基本的生活習慣の主要な柱として位置づけまして、楽しい雰囲気の中での食事、それから偏食をしない努力、さらには体と食物の関係への関心の涵養など、それぞれの子供の発達段階に応じて指導をすることといたしております。
 また、初等中等教育局長からもお話がございましたが、保育所におきましても、園外活動といたしまして、例えば芋掘りというような格好で身近な自然との触れ合い、また給食でございますので配膳の手伝いというような格好で、直接的な自然体験や手伝いということを通じまして、食事に至るまでにさまざまな人々の仕事がかかわっていることに気がつくように、実情に即した保育所の工夫がなされているというふうに思っております。
#44
○羽田雄一郎君 農水省が実施したアンケートによれば、農業体験学習を実施している小学校は七割、中学校については三割に達していると。農業体験学習は、子供たちが農業・農村の果たすさまざまな役割を理解する格好の機会になるとともに、社会体験の場として極めて有意義であると考えますが、現在、小中学校で実施されている農業体験学習の内容はどのようなものなのか。また、どのような成果が上げられているのか。それをアンケートをとられた農水省の方でお答えいただければと思います。
#45
○政府参考人(木下寛之君) 私どもが実施したアンケート調査の結果によりますと、具体的に農業体験学習の内容でございますけれども、学校農園などで日常的に作物の栽培を体験するもの、これが大体小学校で六〇%、中学校では一七%実施されております。また、農家を訪問したり農家を学校に呼んで農業について学習するもの、これにつきましては一九%の小学校等が実施いたしております。また、第三点目といたしましては、先生の引率によりまして農家の圃場等に出かけて農作業体験を行うものが一五%の小学校で実施されているところでございます。
 また、その効果でございますけれども、児童なり生徒の反応といたしまして、第一点が、収穫の喜びを体験できたというのが実施をいたしました小学校では八一%、また中学校では六〇%の生徒がこの点を指摘いたしております。また、第二点といたしましては、自然への興味あるいは関心が醸成された、また勤労の大切さがわかったというのが主な効果だろうというふうに考えております。
 子供たちが食べ物をつくり育てる喜びを学び、また食べ物を大切にする心を養うことを通じまして、農業なり農村の果たしている役割を正しく理解するよい機会となっているというふうに考えております。
#46
○羽田雄一郎君 平成十四年度から公立の小中学校で完全週五日制がスタートし、総合的な学習の時間が導入されることになっています。これを大いに食料や農業に関する学習に活用していくべきと考えております。
 また、学校が週五日制となることにより子供たちの余暇の時間がふえ、これを利用してグリーンツーリズム等の体験が可能になると考えられますが、学校のカリキュラムにおける農業体験学習等の取り組みはどのような扱いになっていくのか。学校五日制になると時間が減っていきますので、その点をお答えいただければと思います。
#47
○政府参考人(御手洗康君) 現在、小中学校段階になりますと、地域の様子や生産、販売、あるいは我が国の産業や国土の様子など、かなり体系的に小学校、中学校、各段階を踏んで教えることにしているわけでございますけれども、主として社会科を中心に農業につきましてもこういった学習の中で行うことにしております。
 例えば、三、四年生では、地域の様子、地域の生産ということで、身の回りにある農家の畑であるとか田んぼであるとか、そういったところを調査、見学するということも含めまして学習を始めるということになっておりますし、また五年生になりますと、我が国全体の産業や国土について学習するという中で、農業が自然環境と深いかかわりを持って営まれていること、また国民の食料を確保する上で大変重要な役割を果たしていること、さらには食料生産における品種改良や生産効率の向上、あるいは消費者の需要にこたえた良質な食料の生産の工夫など、こういったものを例えば稲作や野菜づくりなど、それぞれの我が国全体における農業の盛んな地域の具体的な事例を取り上げながら学習するということになっております。
 中学校になりますと、さらに地理的分野ということでこれらの学習を一層発展させることにしてございますが、さらに特別活動におきましても、先ほど来ございますような、児童生徒が勤労体験のたっとさや生産の喜びを体験するということで、小学校段階から学校内の花壇づくりあるいは小動物の飼育、あるいは地域の田んぼや畑を借りた生産的な活動ということに取り組んでいる学校が多いわけでございます。
 今後、御指摘のように、平成十四年度から完全学校週五日制ということで、授業時数は全体として小中学校とも週二時間程度減るということになりまして、中学校でいいますと二十九時間程度になるわけでございますけれども、その中でこういった学習をどう充実していくかという御指摘でございますが、とりわけ今回の学習指導要領におきましては、子供たちが単なる知識の詰め込みではなくて、自分で考えてそして問題を解決していく、そういった学習を重視し、さらに勤労体験、自然体験、ボランティア体験などのこういった体験学習を、各教科あるいは道徳、特別活動全体を通じて充実を図るということをひとつ工夫しております。
 また同時に、新たに総合的な学習の時間が小学校三年生以上で三時間、中学校でも二時間ないし三時間ぐらい設けることとしておるわけでございますけれども、これは主として各教科横断的に総合的に、体験的な問題解決的な学習をする場面といたしまして全国すべての学校に、今申し上げたような三時間ないし二時間導入するということをしているわけでございますけれども、ここでの活動は、専ら自然体験やボランティア活動などの社会体験あるいは生産活動などの勤労体験などを積極的に取り入れるということにしておりますので、むしろこういった時間の中で、とりわけ今までの活動事例を見ましても郷土学習というのはこの一つの柱になってございますので、農業体験も含めまして地域の生産的な活動に従事していくという活動は今まで以上に重視されるものと私ども考えておりますし、またそういった形で指導もしてまいりたいと考えております。
#48
○羽田雄一郎君 平成十年十二月に文部省・農林水産省連携協議会が開催され、文部省・農林水産省連携の基本的方針が合意されています。これはどのような取り組みを目指すものなのか、その一環で今あったのかもしれないのですが、私はこの取り組みには、保育園や児童館を管轄する厚生省も巻き込んでいかなければ、学校週五日制となるこのときに一つ欠けて中途半端なものになってしまうのではないかと考えます。
 まず文部省、そして厚生省、そしてぜひここは政治が中心になって変えようとしなければ変わっていかないと思いますので、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#49
○政府参考人(富岡賢治君) 今、先生御指摘いただきましたように、文部省と農林水産省におきまして、両省における取り組みにつきまして情報交換、意見交換を行うということで平成十年十二月に、両省の関係局長で構成いたします文部省・農林水産省連携協議会を設置いたしまして両省の連携の基本的方針を合意いたしまして、それに基づきましていろいろ実施をしているところでございます。
 その方針におきましては、両省が手を携えまして、今、先生御指摘いただきました平成十四年度からの完全学校週五日制のもとにおきまして、子供たちの自然体験学習への取り組みを強化するということとか、あるいは農林水産業への就業を希望する青少年育成のための教育の充実などを目的といたしまして手を携えていこうということで始まったわけでございます。
 具体的には、学校外を中心としました農林水産業体験学習の連携、それから学校教育におきます農林水産業等に関します学習について両省でいろいろ連携していこうとか、あるいは青年農業者等の育成についての連携を推進することについての効果的な実現を目指すということで相互に話し合って進めているという体制でございます。
 今後、今、先生御指摘のようなこと、お考えなどにつきましても、両省間で話し合う場の中でも議論させていただきたいというふうに思っております。
#50
○政府参考人(真野章君) 保育所におきましては、先ほど御説明申し上げましたように、ゼロ歳から就学前の児童を対象に、遊びを通じまして自発性、自立性、社会性をはぐくんでいこうということを目標といたしております。
 就学前の児童につきまして、今、先生御指摘の文部省・農林省連携の基本的指針を直ちに適用できるかどうかというのは検討させていただきたいと思いますが、原則といたしまして、保育所におきます保育所教育というのは幼稚園教育と整合性を図っているところでございまして、日常生活の基本となります食につきましても、連携状況を踏まえながらどういうことができるか検討を進めてまいりたいと思っております。
 また、児童館でございますが、これはいわば児童全体ということで就学前に限っておりません、就学後のいろんな活動も行っております。現在のところ、地域の実情に応じまして、キャンプ、ハイキング、野菜づくりその他、自然を体験できる活動などもそれぞれ児童館活動の中での活動の一環として行っているわけでございまして、そういう意味では対象年齢も高い児童もおりますので、いろんな形でこの連携の中にその一環として御活用いただくということも十分考えたいと思いますし、また児童館の活動に対してそういう文部省、農林省の基本方針というものも十分説明をいたしまして、協力ができるところは協力するように指導したいというふうに思っております。
#51
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業教育は、将来を担う子供さんたちが農業・農村の果たしている役割を正しく理解する機会であります。また、生命産業である農林水産業に触れることによりまして子供たちの生きる力をはぐくむ、こういう観点からも重要な役割を持っておると考えております。
 このため、農林水産省といたしましては、文部省と連携して取り組んでいるところでありまして、今後とも小中学生に対する農業体験学習圃場の設置や農業学習に協力できる指導者の紹介、また小中学校の先生方を対象とした農業学習に関する研修会の実施や農業の役割を紹介した副読本の作成、また農業高校生等に対する就業体験のための情報提供等を両省の関係施策を活用して実施してまいりたいと考えているところであります。
#52
○羽田雄一郎君 児童館というのは小学生、中学生とか放課後集まるところでありますし、また学校五日制になって地域に子供たちが活動を移していく場でございますので、ぜひ厚生省も含めて考えていっていただきたいと最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#53
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 本改正案は、近年、新規就農者が増加してきており、また就農ルートも多様化しており、新規就農希望者の就農支援資金の制度を充実する、そういうものでありまして、時宜を得たものと考えております。
 まず、現行法及び改正法案の就農支援資金に関連しまして質問させていただきたいと思います。
 新規就農に必要な平均的な準備資金について、新規就農者の主要な経営部門であります稲作、施設野菜、花卉・花木、露地野菜、果樹類に分けて伺いたいと思います。
#54
○政府参考人(木下寛之君) 農業経営を新たに開始するのに必要な資金額でございますけれども、全国農業会議所が実施をいたしましたアンケート調査によりますと、水稲で約九百万円、それから果樹の場合で約一千万円、また施設野菜なり花卉の場合で一千五百万円、それから酪農の場合で三千百万円と、それぞれ平均でございますけれども、大体以上のとおりでございまして、平均いたしますと一千六百万円というふうになっているところでございます。
 また、農家子弟の離職就農者の場合には、現に基盤があるということでございますので、一千万円程度が平均になっているという状況でございます。
#55
○渡辺孝男君 この準備資金の中で現行法の研修、調査、資格取得などのいわゆるソフト資金がどの程度手当てされているのか、準備資金の中でソフト資金がどれくらいあって、その中でこの現行法制度で資金援助がどれくらい手当てされているのか、その点に関してお伺いしたいと思います。
#56
○政府参考人(木下寛之君) 平成十年度の就農資金の貸付実績でございますけれども、千五百二十一件、貸付額で十七億円でございます。青年への貸し付けが千四百六十件、貸付額が十六億円でございます。また、平成十年度から貸付対象になりました中高年につきましては六十一件、貸付額が一億円というふうになっているところでございます。
 就農支援資金でございますけれども、就農研修資金とそれから就農準備資金から成るわけでございますけれども、十年度の資金の種類別貸付額の実績を見ますと、青年の場合には就農準備資金の割合が一五%というふうになるのに対し、中高年が五〇%というふうに高くなっている状況にございます。また、中高年でございますけれども、青年に対しまして研修よりも住居なりの移転費あるいは就農先の調査費などに対する資金需要が高まってきているという状況でございます。
#57
○渡辺孝男君 貸付金額の返済に関しまして据置期間というものがあるわけでございますけれども、これはどの程度、最高限度まで据え置かれている人が多いのか、それとも途中でもう返済を順繰りにしていくと、そういう方が多いのか、その点に関しましてはどうでしょうか。
#58
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、具体的に調査をしているわけでございませんけれども、新規就農者の場合、大体五年を経過いたしますと、かなり生産にゆとりが出てくるという状況にございます。据置期間いっぱいに使う人たちと、あるいは据置期間前に返済を開始する人と、いろいろございます。
#59
○渡辺孝男君 先ほども中高年と青年の方で貸付資金に関して違いがあるというようなことを少し述べていただいたわけですけれども、青年層とそれから中高年層とに分けた場合、この就農資金の借り受け者の何か特徴とかありましたらもう一度確認したいと思うんですけれども、その点よろしくお願いします。
#60
○政府参考人(木下寛之君) 就農準備資金の青年と中高年での状況でございますけれども、青年の場合は就農のための研修資金が千三百二十四件に対しましていわば準備資金が百三十六件というふうに、件数で見ますと圧倒的に就農研修資金が多いわけでございます。
 一方で、中高年の場合をとりますと、就農の研修のための資金が三十四件、また準備資金が二十七件というふうに、青年の場合と逆の傾向が出ておりまして、研修のための資金と準備の資金がほぼ拮抗しているというような状況でございます。
#61
○渡辺孝男君 青年と中高年の違いはそのようなものだということですが、同様に、農家の継承者の新規就農者と農家以外の方が新規就農する場合の資金の借り受け状況の違いについても教えていただければと思います。
#62
○政府参考人(木下寛之君) 新規の就農支援資金の借り受け実態に関するアンケート調査の結果によりますと、農家子弟の場合には現に自分の親の生産基盤で就農するという場合が多いというような実態もございまして、研修資金が七〇%を超え、一方で就農準備資金、調査のための資金だとかという場合は五割を切っているという状況でございます。
 一方で、農家の子弟以外、いわば新規参入者の場合には、研修資金が二六%というのに対しまして、準備のための資金、就農先を調査したりあるいは移転のための引っ越し費用等々の準備資金がその倍の五〇%を超えているというような状況でございまして、いわばある程度、生産なり生活基盤がある場合の農家子弟の場合とこれから生活基盤なり生産基盤を探すというような新規就農の場合では、逆の傾向が出ているというふうに承知をいたしております。
#63
○渡辺孝男君 平成五年の六月から平成八年の五月までの調査では、新規就農者が主に従事する経営部門というのは稲作が第一位で、次に施設野菜、次に花卉・花木、次に露地野菜、次に果樹類、その次に酪農という順序になっておりますけれども、平成九年から十年度の調査では認定就農者が就農を予定している経営部門というのは、まず第一番目に施設野菜であり、二番目に花卉・花木、三番目に稲作、四番目に酪農、五番目に果樹類、それから六番目に露地野菜、そのような順序でありまして違いがあるわけでありますけれども、この原因についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#64
○政府参考人(木下寛之君) 平成五年から平成八年までの新規就農者についてのアンケート調査結果は、委員御指摘のとおりでございまして、稲作、施設野菜、花卉・花木、露地野菜、果樹類、酪農の順番になっている。また、平成九年あるいは十年に認定を受けた認定就農者の割合につきましては、御指摘のとおり、施設野菜、花卉・花木、稲作、酪農、果樹類、露地野菜の順番になっているわけでございます。
 このように傾向が違いますのは、一つは、認定就農者につきましては農家子弟以外の出身者の割合が相対的に高いということが言えるかと思います。また、農家子弟以外の就農者は経営開始に際しまして農地などの経営基盤を持っていないという点でございまして、初期投資の負担が比較的軽い施設野菜なり花卉部門に従事する割合が高いということによりまして先ほど申し上げたような傾向になっているというふうに理解をいたしております。
#65
○渡辺孝男君 次に、今回拡充されます施設の設置の資金支援あるいは機械購入資金支援、このようなものが拡充されるわけでありますけれども、これらを希望する者の見込み数と、それからどれくらい借入するのか、その予測額、そういうものを農林水産省の方では調査あるいは把握しているんでしょうか。その点をお伺いしたいと思います。
#66
○政府参考人(木下寛之君) 今回、施設なり機械の購入等に要する資金につきまして就農支援資金として拡充したいということで、貸付額につきましても百五十億円を確保しているところでございます。
 今回の資金の借り受け希望者がどの程度になるかにつきまして具体的に述べることはできませんけれども、例えば平成十二年度の認定就農者に対しますと二百十九件であったというふうに考えているところでございます。
 冒頭、新規就農者の平均投資額、一千六百万円というふうに申し上げましたけれども、一千六百万円につきまして全額借りるというふうに前提をいたしますと、大体九百件程度の貸し付けについて対応が可能だというふうに考えております。
#67
○渡辺孝男君 次に、本法案で今回拡充されます施設の設置や機械購入等のいわゆるハード資金について、経営開始年度には青年の場合は二千八百万円、中高年の場合は千八百万円、経営開始次年度以降は青年及び中高年で同額の九百万円、そのようになっておるわけでありますけれども、この限度額設定の根拠についてお伺いしたいと思います。
#68
○政府参考人(木下寛之君) 新たに拡充いたします資金の貸付限度額についてのお尋ねでございます。
   〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕
 私ども、貸付限度額につきましては、新規就農者が実際に借り受けする場合に想定し得る一番高い額について想定をしているわけでございます。先ほど申し上げましたように、新規就農者につきましては平均で一千六百万円ということで、一番高い場合には酪農の場合三千百万円というようなアンケート調査の結果もあるわけでございますけれども、私どもが今回想定をいたしておりますのは稲作と施設野菜をあわせて経営する、いわばある意味では一番投資がかさむというような経営体についても対応し得るようにこの額を算定しているわけでございまして、そういう意味で三千七百万円というふうにしているところでございます。
 また、中高年につきましては、現にいろいろな調査によりますと一千万円程度貯金があるということでございますので、一千万円を差し引いた一千八百万円プラス九百万円を貸付限度額というふうに設定いたしております。
#69
○渡辺孝男君 これまで就農支援資金を借り受けた方で就農維持が不可能になってしまった人も中にはいると思うんですけれども、そのような方々の人数及び全体に占める割合と断念の理由並びにその後の資金の返済状況についてお伺いしたいと思います。
#70
○政府参考人(木下寛之君) 現行の就農支援資金、研修なり準備資金を借り受けた方々で現に就農を断念した方々の状況でございます。
 平成六年度から平成十年度末までの借り受け者、三千二百四十五名いらっしゃるわけでございますけれども、この中で百二十名の方が研修の途中または研修の終了後に就農を断念しているという状況にございます。
   〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕
 これらの方々が就農を断念した理由といたしまして、一つは、経営開始に当たりまして資金を借り受ける際の保証人の確保ができなかった。また第二点といたしまして、現実の研修の中で栽培なり経営管理等の技術習得がうまくいかなかったという点が挙げられるというふうに承知いたしております。
#71
○渡辺孝男君 残念ながら断念してしまった方には保証人の問題とか研修が予想と違ったというような面もあると思うんですけれども、このように断念しないで済むように、事前のいろいろな相談等に十分乗っていただければと、そのように思います。
 次に、大臣にお伺いしたいんですけれども、今回の就農支援資金の拡充や農地等取得資金の据置期間の延長を含む法改正によりまして青年等の就農促進の効果についてどの程度見込まれているのか、お伺いをしたいと思います。
#72
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今回の青年等就農促進法の改正は、新規就農者にとっての最大の課題が資金の手当てであることから、これに対応しまして資金面での支援策の充実を図るものであります。
 具体的には、認定就農者が営農開始のために必要とする施設の設置、機械の購入等に要する資金を就農支援資金として拡充し、資金をより借りやすくする観点から改正を行うものであります。これにより相当程度、新規就農の促進に資するものと期待をいたしておるところでございます。
 平成七年の青年就農促進法施行以来、新規に就農した青年の数は着実に増加をしてきておりまして、平成十年には一万人を超えるまでになっておりますが、今回の青年等就農促進法の改正を含め各種施策を総合的に実施し、世代交代を考えました場合におきましては一万三千人から一万五千人の新規就農者を将来見込んでおるわけでございますが、その目標の達成に向けて努力してまいりたいと考えております。
#73
○渡辺孝男君 今回の法案とは直に絡まないんですけれども、先月、食料・農業・農村基本計画が閣議決定されたわけでありますけれども、この目標の達成のためには農業の担い手の育成というのが大変重要になってくると思います。本基本計画を踏まえて、今後、新規就農支援に関して今回の法改正以外にどのような具体的な施策を行っていく方針なのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 基本法の基本理念の一つであります農業の持続的な発展を図っていくためには農業の担い手の確保が不可欠であります。したがいまして、今後もこの就農対策につきまして、これを基本的な施策の一つとして位置づけましてその推進を図ってまいりたいと考えております。このため、この新規就農の課題である資金の手当て、農地の確保、技術の習得についてよりきめ細かな施策の充実を図っていくことといたしております。
 具体的には、今回の青年等就農促進法の改正によりまして資金を拡充するほか、新規就農ガイドセンターにおける農地情報の提供、新規就農者を重点指導対象とした普及活動の実施、農業大学校における実践的な研修の実施等の施策を総合的に推進しているところでありまして、今後ともこうした取り組みを進めてまいりたいと考えているところであります。
#75
○渡辺孝男君 次の質問ですけれども、有珠山噴火に対する農林水産省の対応につきましては冒頭に大臣の方からお伺いいたしました。
 今、家畜等を移動させたりしている対策もお聞きしたわけでありますけれども、今後どれくらいこの火山噴火が続くのかまだわからない面があるわけですけれども、さらなる家畜の移動とか、ハウスの水をやることを考えるとか、あるいはまた火山灰の処置が必要になってくる、そういうこともこれから考えられるわけであります。
 昭和五十二年の噴火のときには農林水産関係の被害額が約六十七億円に及んだということを聞いておるわけでありますけれども、今後どのような対策、先ほどお聞きしましたけれども、追加で何か御発言があればお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 今、委員御指摘のとおりでございますが、農作物につきましては秋まき小麦、それから野菜類につきましてはトマトとか早出しイチゴが収穫中でございます。また、牧草とかあるいはてん菜、花卉、いろいろと、今後、火山灰その他が降ってくることによってどういう影響があるかというところを見て回りたいと思っておるわけでございます。その被害に応じて対策を講ずると。
 さらにまた、家畜の方におきましては避難をほぼ完了いたしたところでありますけれども、まだほかに噴火が起こるというようなこともありますので、こういうところもよく見ていかなければならぬと思います。それから、大事なところは、水産におきましては、ホタテガイの生産におきましてはこれは大変な生産を上げておられるところでございますので、この火山灰等あるいはその他、噴火したものが海に流れていってどういう影響を及ぼすか、こういうところも見ておかなきゃならぬのじゃないか。また、森林等に与える影響等も見ておかなければならぬのじゃないか。
 そういう点を見ながら、今後、状況に応じて対策を講じてまいりたいと考えておるところであります。
#77
○渡辺孝男君 被災者の方々にお見舞い申し上げると同時に、この有珠山噴火対策には心を砕いておられました小渕総理の病気の平癒を心よりお祈り申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#78
○大沢辰美君 最初に、私も有珠山の噴火災害についてお見舞いを申し上げると同時に、一点だけ質問させていただきたいと思います。
 冒頭にも、適切に対応するという大臣のあいさつがあったわけですけれども、やはり今後長期化するという可能性が強いわけですから、特に今答弁がありましたように、畜産、水産、農業に対する被害も拡大すると見られます。牛などの家畜の緊急に対応すべき点は行っていただいたようにお聞きいたしておりますが、これまでの災害でも現行制度の枠内で農家は救われなかったというのがはっきりしてきているわけですから、私は、この厳しい避難生活を送られている被災者の皆さんが本当に少しでも安心できるような対策を講じていただきたい。それは、現行制度にとらわれず、農水産物の被害の救済、復旧、再建に万全を期していただきたいことを求めたいと思うんです。
 特に、きのう有珠漁協の皆さんが集まられましていろいろと相談をされたようですけれども、ホタテガイが大変だということで、作業をやりたくてもやれない。主にこの漁民の方たちは消防隊員に携わって頑張っていらっしゃる、だから自分のことは本当に構っておれないという状況のようですけれども、この人たちは本当に一年の生計をこのホタテにかけていらっしゃる。これがだめになったらもう首をつるしか仕方がないというぐらいのきのうは漁協の皆さんの集会であったようです。私は、この人たちが共済も掛けていらっしゃらないことも一部お聞きしましたし、大変な事態になるのではないかと。
 ですから、様子を見るという今の大臣の答弁ですけれども、ここでやはり現行制度だけの枠内では救済できないかもしれないと。だから、本当に国が誠意を持ってこの対策を講じるということを私は言明していただきたい、そして今避難されている方に安心を与えていただきたいと思いますが、お尋ねします。
#79
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 現行における救済制度、対策等あらゆるものを動員しまして対策に当たることは当然でございますが、今後の被害の状況等におきましてまた特別の必要な処置があるとするならば、今後検討いたしまして対応してまいりたいと考えております。
#80
○大沢辰美君 本当に特別な対応を求められると思われる長期化の予想が発表されていますので、特にそのことをお願いいたしまして、法案の審査に入りたいと思います。
 青年就農の大切さというのはもうみんなが認識しているわけですけれども、農業労働力の激減がされた中での対策だと思いますけれども、高齢化も本当に加速度的に進行していますし、日本農業の担い手である青年の就農者を本格的にふやしていくという任務は大きいと思うんです。ですから、緊急度も高い課題だと思っております。
 新規就農者数、九〇年が一番最低だったんですか、底を打って以後、増加傾向になっているという数字が出ていますが、特に三十九歳未満の青年就農者も一万一千人ということで一万人を超えたということでとても喜ばしい現象があるわけですけれども、私は今後のリタイアの増加を考えるととても十分とは言えないと思っております。農業高校の卒業生のうち、現在、就農するのは八百七十二人なんですね。ですから、パーセンテージにしたら二・三%ですし、農業大学の卒業生でも千百四十人という、五八・二%という数字ですね。ですから、農業に今かかわっている青年の皆さんの話を聞きましたら、農家の後を継ぎたいと言っても、親がそれでは家族が食べられないから外で働いてくれと、せめて年金の受給権が得られるまで、四十歳過ぎまで働いてほしいと、こういうふうに言われるという意見も私は聞きました。
 ですから、根本的には農業を取り巻く状況を変えることだと思います。将来に展望が持てる農政が必要であると考えています。実際に就農を促進するための私は総合的な多面的な対策が必要となっているのが今日の現状ではないかと思います。
 そこで、全国の就農ガイドセンターのアンケートの結果の分析はとても興味深く私も見たんですけれども、新規参入者ですね、この人の状況に地域差が出ているということです。それは担い手不足に対処するためにそれぞれの市町村段階での就農支援措置に大きく左右されている数字が出ていますね。支援措置がある市町村は五百四十九、新規就農がやはり七一%あると、新規就農なしは二八・六%なんですね。支援措置がない市町村は千九百三十四、新規就農ありがやはり二六・八%で下がっているわけですね、新規就農なしが六六・七%。
 ですから、自治体でのさまざまな支援措置のある、ない、これが新規参入の格差に非常に大きくはっきりと数字にあらわれているということが言えると思うんですが、この状況について大臣はどのように認識されますか。
#81
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 各市町村におきましては、それぞれのニーズに応じましてそれぞれの支援措置を講じておると思います。
 したがいまして、それぞれの市町村の取り組みと、それから国が取り組んでおる施策と、これは相連携をとりながらやっているということが大事なことではないかなという感じでございます。
#82
○大沢辰美君 私は、自治体は頑張っていて国の方がおくれているんじゃないかということを指摘したいと思うんです。
 新規就農者の希望者は増加しているわけですよ。だから、市町村が独自に行っている相談窓口の設置だとか農地だとか住宅のあっせん、それからまた取得の支援、営農資金の助成などの対策を行っているけれども、私は国が行っている就農支援資金制度とセットになって就農者への総合的なサポートというのが確立することが望ましいと思うんです。
 だけれども、新規参入者が営農しやすいということは、今やっている人たちも就農しやすいという条件を整備することになるわけですから、地方の財政もとっても今厳しいわけなんです。国も厳しいわけですけれども、やはりそこは自治体によるアンバランスが、支援措置をしているところとしていないところとあるわけですから、やはり全国どこで農業をやっても本当に総合的に支援体制がやれる、カバーできるという、そこを私は言いたいわけです。
 本当に自治体がやっているものに対して総合的なサポート体制を国として私は支援を強めるべきだと思いますが、いかがですか。
#83
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは地方分権の問題ともかかわるわけでございますけれども、財政措置についてはいろいろと地方に対しましては交付金その他行っているわけでございまして、国が何をこうしろああしろというよりは、市町村の自主的なやはり取り組み、熱意というものが私は大事だと思います。
 したがいまして、現在、私どもは青年就農対策等に取り組んでおるわけでありますが、この対策と市町村が取り組んでおる対策とできるだけ情報を提供いたしまして、そしてともどもに同じ目的を達成するために相連携してやっていくということが一番大事なことではないかと考えます。
#84
○大沢辰美君 連携をすると言っているけれども、現実には本当に自治体で差が出ているという実態を私はもう一度把握していただいて総合的な対策を講じていただきたいと思います。
 特に、具体的に農地確保に対する支援についてお聞きしたいと思うんですけれども、就農相談は年間五千人近くあるそうです。だけれども、実際就農するには農地、資金または技術など数多くの障害が存在しています。特に、農地は就農地の選定や経営基盤の確立という点では欠かせないものでありますから、その確保が一番大きな課題となります。先ほど紹介しましたガイドセンターの調査では、農地確保の形態は売買で二四%獲得している、賃借で六九%、結局多くは借地に頼っています。
 その点で、自治体が独自に行っている農地のリース事業は本当に大事だと思うんですが、国の農地リース事業に就農促進リース事業がありますけれども、二〇〇〇年度の予算額とその対象地区数を教えていただけませんか。
#85
○政府参考人(木下寛之君) 農地なり施設のリース事業の取り組みでございます。
 平成十二年度におきましては、新規就農総合対策事業、それから経営構造対策事業、また畜産経営活性化事業におきまして国として地域の取り組みを支援していくこととしているところでございます。
 また、予算でございますが、新規就農総合対策でございますけれども、十二年度予算二千二百万、また畜産経営活性化事業、これは例えばハードの事業あるいはソフトの事業あわせまして各般の事業を実施しているところでございまして、お尋ねのリース事業だけでございませんので比較はできませんけれども、予算額として九億五千万というふうに予算を計上いたしております。
 また、経営構造対策事業でございますけれども、これはまたメニュー事業でございまして、メニューの一環として事業が実施し得るというふうな段階でございますので、予算額については全体の予算額二百十七億でございますけれども、この中で具体的なメニューとして実施をされるというふうになっております。
 また、地区数でございますけれども、私ども、新規就農総合対策事業、現在、要望地区と把握いたしておりますのが四地区、また畜産経営活性化事業につきましては十六地区の要望地区を把握いたしております。
 それから、経営構造対策事業におきますリース事業でございますけれども、これにつきましてはメニュー事業でございますのでまだ具体的な地区数については把握をいたしておりません。
#86
○大沢辰美君 やはり、全体として私は非常に不十分だと思うんです。ですから、経営を安定させるためには、先ほども申し上げましたが、農地の確保が大変だ、農業施設等のリース事業を推進するためにこれからも万全の対策を強化すべきだということを述べておきます。
 私は、今就農を目指して農学部や農業者大学校などで学ぶ青年の話を聞きまして、この人たちが窓口に行って、地域によっては農家出身でない新規参入者はなかなか支援資金を貸してもらえない、こういう苦情と申しますか相談がありました。センターの窓口で農家出身者でないとなかなか対処してもらえない地域があるということで、農地確保のめどがやっぱり立たないわけです。研修を終えた時点で就農するかどうか確実でないからだと相手は言っているようです。今、構造改善局長がかゆいところに手が届くような窓口設置はしているという答弁がありましたけれども、確かに農業を取り巻く環境は甘くないと思いますけれども、正しい認識をしてもらうことが私は大事だと思うんです。
 だから、そういうところで門前払いはやってはいけない、公益的な農地確保のあっせんなど本当に親身な指導と援助、そして現状を把握していただいて、その対策の強化をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#87
○政府参考人(木下寛之君) 新規就農に際しましての農地の確保は、特に農外からの新規参入を中心にしまして主要な課題の一つというふうに認識をいたしております。
 このため、新規就農ガイドセンターにおきまして、就農相談の一環として農地情報の提供なり現地の農業委員会とも連携を図りながら新規就農者が就農を希望する市町村や土地条件、作物生産に適した農地を紹介できるよう努めているところでございます。
 当初、希望いたしておりました就農地に適当な候補地がないという場合も間々あるわけでございます。そのような場合には近隣の市町村の農業委員会とも連絡をとりながら、可能な限り希望する農地が紹介できるよう、就農希望者のニーズに応じた相談活動を行っていきたいというふうに考えております。
 それから、このような農外の新規就農者の場合には、具体的に就農資金を借りる場合、確かに就農予定地が未定の場合が間々あるわけでございます。私ども、そういうような具体的な就農予定地が未定の場合であっても研修や就農準備が開始できますように、就農希望者が就農計画を作成するのに際しまして、一応希望する地域名を記載すれば足りるというふうに指導しているところでございます。
#88
○大沢辰美君 本当に、やっているということですけれども、実際にそういう相談が出てきているということはやっぱり不十分な点が地域によってはあるということですので、特に指摘をさせていただいて対応を強化していただきたいと思います。
 新規就農者を本格的に軌道に乗せていくためには、やはり新規就農者を確保していく、担い手を育てるということに対して就農時のハードル、これは今言った農地とか資金になるわけですが、それを引き下げることと経営開始後の支援が私は要ると思うんです。これは、現在お米の暴落も含めて農産物価格が下落しているわけですから、この新規就農者の人たちが経営が成り立たないというのが実態であるということ。だから、この人たちの就農後の経営を軌道に乗せるために私は負担軽減が大事だと思うんです。
 特に、青年の皆さんは中高年の皆さんと違うという点で、退職金の初期投資をして自己資金を充てられた中高年の皆さんとはまた違うと思うんですが、青年は生活資金とか運転資金は借りることも非常に困難だという点で、その点、多くの県、自治体が就農支援資金の償還免除制度や助成制度を使っていることは私は重要なことだと思うんです。それも最初に申し上げましたが、国の免除制度がないために自治体は頑張っているという状況です。
 この点について統計が出されておりましたが、九九年に出された農林水産新規就業者の調査報告に、九三年から九六年の就業実態の調査結果が出ているのを見て私は驚いたんですが、この三年間で新規就農者の八・一%が農業をやめているわけですが、農業の従事が一〇%となっているんですが、その理由を調べたら、所得が確保できなかったというのが二二・五%なんです。将来の経営、将来展望が持てなかったというのが一二・三%です。経営資金が確保できなかったというのが三・六%、その他になっているわけです。やはり、本当に希望を持って就農しても経営基盤が確立していない、新規就農者が農業経営を成り立たせることが私は今いかに大事かということを述べたいと思うんです。
 こういう中で就農の支援資金の償還がこれから始まるわけですね。この人たちの負担を軽減するために、研修資金そして準備資金については、せめて農業を継続している人については償還を免除する、これは一部、県でやっているわけですが、この負担を軽減することを国としても検討するべきではないかと思いますが、いかがですか。
#89
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 就農支援資金につきましては、現在、十八の道府県において地域の実情に対応し独自の施策として償還免除措置が講じられているところであります。
 一方、国の施策として償還免除制度を設けることは、既存の融資制度において償還免除が認められているのは教師であるとかあるいは看護婦等の公共的サービスの担い手に対する奨学金に限られております。そういう観点から、農業も基本的には営利を目的に行われる点で他の産業と同じであり、農業者についてのみこのような措置を講ずることはバランスを失すること等から難しいものと考えております。
 いずれにしましても、地域の実情に応じた新規就農の促進を図るために、今後とも国と地域が連携をとりながら取り組んでまいりたいと考えております。
#90
○大沢辰美君 時間が参りましたので、特に免除の点を強化していただきたいことを申し上げて、質問を終わります。
#91
○谷本巍君 初めに、大臣に伺います。
 今、大臣からお話がありましたように、十八の県では一定期間就農した場合に就農支援資金の償還免除を行っております。約六百の市町村では、役場から農協から農業委員会等々がぐるみになって研修生の受け入れを行う、そして就農のあっせんも行うといったような取り組み等々を進めてきております。新規就農者が六万を超えるという状況まで到達することができたのには、やはりそうした自治体と関係者の努力があってのことでもあったと言ってよろしかろうと思うのです。
 大臣、その辺はどのように受けとめておられるでしょうか。
#92
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、どのように受けとめているかと。
 私は高く評価いたしております。県、市町村、農協におきましては、地域の実情に応じ、例えば新規就農者に対する情報提供、就農相談、研修の実施、また就農奨励金の支給、営農資金等への利子補給等の就農支援施策に取り組んでいるところであります。これはやはりそれぞれの地域におきましての熱情、熱意、こういうものを感じられるわけでございます。これらは地域における担い手の状況等に応じまして地方自治体や農協が独自に取り組んでいるものでありまして、今後とも国と地域が連携をとりながら取り組んでいくことが重要であると考えております。
#93
○谷本巍君 次に、農産園芸局長に伺います。
 就農支援資金のうち、就農研修二百万、就農準備二百万円の融資を受け、また拡充された就農支援資金二千八百万円を借りた場合、返済がどうなるか。十二年間でこれらの借金を返すとしますと、青年就農者の場合は年間二百五十万円を超えます。そうしますと、二百六十万円毎年返して農業者として生活もできるようにするのにはどんな経営を想定してこうした融資制度というのが設計されたのか、そこはいかがでしょうか。
#94
○政府参考人(木下寛之君) 今回、拡充の審議をお願いしているわけでございますけれども、就農支援資金、ハード資金でございますが、新規就農者のさまざまなニーズにこたえ得るよう、現実の投資規模に比較いたしまして余裕のある貸付限度額を設定しているところでございます。
 私ども把握いたしておるところでございますと、新規就農者が平均いたしますと大体一千六百万円程度の投資があるというのが実績でございまして、その中でも相当程度、自己資金も準備をしているというのが現実の姿だろうというふうに思っております。
 ただ、そういうような前提を置きましてどのような設計をしたかということについて御説明いたしますと、認定就農者が同世代の他産業従事者と比較して遜色のない所得水準を確保するためにどの程度の規模が必要かということで設定したわけでございまして、一番投資規模がかかる水稲プラス施設野菜というような複合経営を想定いたしまして、ここに御提案いたしましたような初年度二千八百万、それから二年度以降九百万円というふうに設定をしたところでございます。
 冒頭申し上げましたように、限度額でございますので、現実の貸し付けに当たりましては、まずは都道府県知事の認定計画につきまして承認をいただくという手続を経まして、具体的にはそれぞれ個別のニーズに即しまして適切な貸し付けが行われるものというふうに考えているところでございます。
#95
○谷本巍君 そうしますと、局長、個別のニーズということは基本にあるのであって、貸す方も融資の金額というのが先にあって、それで大規模拡大やってくださいよというものでは必ずしもないというふうに理解しておいていいですね。イエスかノーかだけお答えください。
#96
○政府参考人(木下寛之君) まさに、それぞれの新規就農者のニーズにこたえた融資が行われるのが原則だろうというふうに理解をいたしております。
#97
○谷本巍君 次に、大臣に伺います。住宅確保の対策問題であります。
 大臣、この法案が前に出た当時に言われたことは、やっぱり四つのネックが挙げられていましたね。まず、何といったって技術習得、その次は資金、次は農地であり、そして住宅と四つの条件が挙げられておりました。私、思うに、この六万人のラインを大きく突破していくのには、一つは農地ということがありますが、もう一つ大きな問題になってくるのは私は住宅取得の問題だろうと思うのです。
 といいますのは、年々、就農されている最近の皆さんの状況というのを伺ってみますというと、全く農外からの人というのは、これは相談所にはたくさん来ております。ところが、就農が実現できた人は非常に少ないんです。なぜそういうふうな状況になってくるのかということを聞いてみますと、一つには農地の取得が難しいと。技術や資金の方は何とかなりそうだ、農地が難しいと。農地の問題にしましても最近は農業公社が間に入りまして上手にやってくれるといったような状況等々が出ておりますから、これは工夫次第で何とかいけるのかなという気がするのでありますが、住宅はおっとどっこいそうはいきませんね。
 これまでのところ、空き家の活用というのは非常に多いんです。ところが、これから都市生活者の皆さんにもどんどん就農していただこうということになってくるというと、住宅問題が大きなネックになるだろうということはもう目に見えるような状況になりつつあります。残念ながら、農家の場合の住宅というのはアパート住まいではこれはどうにもなりません、納屋から必要でありますから。
 ですから、その辺の対策について今から考えていく必要があるだろうと、その点、大臣、どうお考えでありましょうか。
#98
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 新規就農者の住宅対策といたしましては、新規就農ガイドセンターにおきまして、農地等に付随した家屋の情報提供を行っているほか、資金手当てとしまして特定農家住宅資金の貸し付けを行っております。
 また、市町村におきましても、住宅の増改築、修繕への助成や住宅のあっせん等の措置が講じられているところもあるわけでございます。具体的には、北海道の長沼町としましては家賃の助成として月一万五千円、あるいは岩手県の九戸村におきましては村営住宅を準備しておると、こういう例があるわけでございまして、こうしたところと連携していくことも大事なことだと思います。
#99
○谷本巍君 確かに、近代化資金を使っての特定農家住宅資金ですか、これはどんどん活用されていかなきゃならぬ問題であろうと思います。しかし、これだけではどうも解決になるのかというと、これ難しいですね。
 そして、大臣、今までは、おやじが、おじいさんが亡くなったので後継ぎないし孫が帰ってきますといったようなケースが非常に多いんですね。ですから、町の中でも迎えるためのいろいろな手だてをするということについてはみんなが賛成するんです。ところが、何の縁故もない人が入ってくるということ、そしてその支援をしていくというのはなかなか難しくなってきますよ。それだけに、住宅対策についてはさらなるひとつ御検討をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 確かに、委員のおっしゃるとおりであると思います。地域社会に溶け込むことと適切なところに住宅を確保するということは大事なことだと思いますので、その点を留意して今後、対策を進めていきたいと思います。
#101
○谷本巍君 次に、木下局長に伺います。
 それは過疎地への新規就農をめぐっての話であります。例えば、広島県では過疎地定住促進対策、これを始めております。既に、政府は中山間地域に向けての直接支払いを実施しております。
 そこで、私ども思うのは、過疎地就農への何かもう一つ特別奨励対策的なものを考えることができないのかどうかということなのであります。
 先ほども質問の中にフランスのお話がございました。フランスでは御存じのように七三年から条件不利地等への就農助成をやっております。これは他産業とのバランスからして非常に難しいという話は以前にも伺っておるのでありますが、そこのところをもう一つ何か工夫の余地といいましょうか、検討の余地はないのかどうか。そこはいかがでしょうか。
#102
○政府参考人(木下寛之君) 私ども、新規就農助成でございますけれども、今回、施設なり機械の投資に対しましてハードの資金について提案をしているところでございます。このハード資金でございますけれども、据置期間五年というふうにしているところでございまして、無利子資金でございます。
 例えば、一千万円の資金を借り受けまして五年間の据置期間を想定いたしますと、金利情勢等々によりましてどの程度の助成になるか、いろいろあるわけでございますけれども、例えば三%というふうな前提を置きますと、このハード資金の据置期間内五年間におきます助成金額、合計いたしますと百五十万円になるわけでございます。
 いわば、フランスのような就農時に一括して助成をするか、あるいは無利子の資金を講ずることによりまして一定期間に助成をするか、いろいろあろうかと思いますけれども、私どもフランスのような就農助成を行うことは難しいというふうに考えております。
 また、従来から中山間地域につきまして就農準備資金あるいは就農研修資金につきましては据置期間につきまして延長措置を講じているところでございます。
#103
○谷本巍君 それから、フランスのようなやり方もありますけれども、もう一つの問題は、一定期間就農した場合に研修費返済を免除する、これは自治体が幾つかやっていますよね。この法案をつくるときにそこのところはかなりの議論になったんです。当面は、方法がないから、とにかく自治体でそういうことがやれるところからやってもらうようにしましょうというようなことでこの法案がスタートしたんです。その当時からこれは検討課題になっているんです。
 私が当時属していました社会党で申し上げますというと、八年か九年前ですよ、この返済免除の法案をつくって提案しようということでやってきたのは。この辺の点については、先ほども大臣がおっしゃいました、公的サービスの分野についてはそれができるというお話が、やっておるということは大臣おっしゃいました。農業の場合ということは大臣おっしゃった。
 しかし、大臣、私が申し上げているのは、中山間地帯の場合がどうなのかということで申し上げておるんです。この中山間地帯の場合は、やはり何といっても環境問題からして中山間農業を守るということはもう何といったってこれは公的な仕事をされなければならぬという時代になってきているんですね。
 そんな意味では、中山間地帯の就農についてはその種のことは当然私は検討課題に値すると思うのですが、いかがでありましょうか。
#104
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 多面的機能あるいは公的機能を果たしているという上におきまして中山間地域の農業は大事であると、確かにそのとおりであると思います。
 そういうところで営農する場合におきましては大変条件が不利なわけでございますから困難性が伴う、そういう意味を込めまして、先ほど局長が言いましたように、中山間地域の融資の条件についてはそれの返済期間等を延ばすと、こういうことで処置をしていると私は考えておるところであります。
#105
○谷本巍君 終わります。
#106
○委員長(若林正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について須藤君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。須藤美也子君。
#107
○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容につきましては、今お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 その趣旨と提案理由について御説明を申し上げます。
 農山村における農業の担い手の減少及び高齢化は、農業生産力を低下させ、集落の存続にも困難を招いており、放置するなら日本農業の存立、食料の安定的供給を脅かすことは必至であります。日本農業の将来のために、大切な担い手である青年農業者を確保し育成するあらゆる手だてを尽くしていかなければなりません。その点で、本法案によって就農促進のため制度が拡充することは評価できるものの、その対策を実効あるものにするにはさらなる施策が必要であると考えます。
 EUでは、四十歳未満の人が新たに就農する場合、二百万円程度の助成金を出すことが共通農業政策の力点の一つになっています。
 日本共産党は、五年前から、新たに就農する場合、月十五万円を三年間保障する青年農業者支援制度を創設するよう強く求めてまいりました。
 今、多くの自治体で、独自に就農支援資金の償還免除や新規就農者に対する助成制度を設けています。その実態も踏まえ、日本共産党は、研修終了後三年間継続して就農した者については、研修資金及び就農準備資金の償還を国の責任で免除する制度を設けるよう、修正が必要であると考えます。本修正案に必要な予算額は三十八億円となります。
 米を初めとする農産物価格の下落などで、新規就農者が農業経営を成り立たせることが極めて厳しい条件にあることは明白であり、その上、借入金の償還が迫られることは、経営の維持安定の障害になりかねません。本修正案の措置により、新規就農者の負担を軽減し、営農活動が定着する支えをつくることは、青年等の就農者の拡大につながるものであることは間違いありません。
 きょうの委員会でも、皆さんの審議の内容にいろいろな点が含まれておりますので、委員各位の御賛同を心からお願い申し上げまして、修正案の提案理由の説明を終わらせていただきます。
#108
○委員長(若林正俊君) ただいまの須藤君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。玉沢農林水産大臣。
#109
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ただいまの修正案につきましては、政府としましては反対であります。
#110
○委員長(若林正俊君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、須藤君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#111
○委員長(若林正俊君) 少数と認めます。よって、須藤君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(若林正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小林君から発言を求められておりますので、これを許します。小林元君。
#113
○小林元君 私は、ただいま可決されました青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  近年、農業就業者が急速に減少し、高齢化が進展する中で、新規就農者数は依然として十分とはいえない状況にある。農業の持続的な発展と食料自給率の向上を図っていくためには、次代の農業を担う人材を幅広く育成・確保することが喫緊の課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 新規就農者の確保を図るためには、就農しようとする者が意欲と希望を持って農業経営に取り組めるよう、土地利用型農業の推進を始め、地域の実情に応じ、魅力ある農業の実現に向けた施策の具体化に努めること。
 二 新たに拡充される就農支援資金の貸付制度が円滑に機能するよう、農協や銀行等の金融機関を十分指導するとともに、農業信用基金協会の保証基盤の整備を行い、農業信用保証制度の運営の健全性が確保されるよう努めること。
 三 都道府県、市町村・農業委員会、青年農業者等育成センター、新規就農ガイドセンター等の関係機関や団体が更に連携を密にし、農地等の取得の円滑化、住宅等の生活基盤の確保など、新規就農者の定着と自立を確保するための支援策を総合的に実施すること。
 四 新規就農を一層促進するため、就農支援資金のより積極的な活用が図られるよう努めること。
 五 食料・農業・農村に対する理解や関心を深めるため、農林水産省と文部省は更に連携を強化し、小中学生の段階から、総合学習を始めとする学校教育等における農林水産業に関する学習の充実を図るとともに、都市と農村との間の交流を促進するための諸施策を積極的に推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#114
○委員長(若林正俊君) ただいま小林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(若林正俊君) 全会一致と認めます。よって、小林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、玉沢農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。玉沢農林水産大臣。
#116
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
#117
○委員長(若林正俊君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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