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2000/04/13 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第9号
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2000/04/13 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第9号
平成十二年四月十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     森下 博之君     坂野 重信君
     羽田雄一郎君     岡崎トミ子君
     泉  信也君     鶴保 庸介君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     森下 博之君
     岡崎トミ子君     羽田雄一郎君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     浅尾慶一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                中川 義雄君
                森下 博之君
                浅尾慶一郎君
                郡司  彰君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        平林 英勝君
       警察庁刑事局長  林  則清君
       文部省教育助成
       局長       矢野 重典君
       文部省体育局長  遠藤 昭雄君
       農林水産大臣官
       房長       竹中 美晴君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省農産
       園芸局長     木下 寛之君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       農林水産省食品
       流通局長     福島啓史郎君
       食糧庁長官    高木  賢君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料・農業・農村基本計画に関する件)
○食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、泉信也君が委員を辞任され、その補欠として鶴保庸介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(若林正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長竹中美晴君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同農産園芸局長木下寛之君、同畜産局長樋口久俊君、同食品流通局長福島啓史郎君、食糧庁長官高木賢君、公正取引委員会事務総局審査局長平林英勝君、警察庁刑事局長林則清君、文部省教育助成局長矢野重典君及び同体育局長遠藤昭雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(若林正俊君) この際、玉沢農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。玉沢農林水産大臣。
#6
○国務大臣(玉沢徳一郎君) このたび、農林水産大臣に再任されました玉沢徳一郎でございます。
 委員長初め委員の諸先生方におかれましては、日ごろから農林水産行政の推進に格段の御理解と御支援をいただき、改めて厚く御礼申し上げます。
 現下の農林水産行政におきましては、食料・農業・農村基本計画に基づく施策の着実な推進、WTO交渉に向けた対応、今後の森林・林業・木材産業基本政策の検討、新海洋法秩序のもとでの新たな水産基本政策の確立等のさまざまな課題があると承知いたしております。これらの課題は、いずれも二十一世紀における我が国農林水産業、農山漁村のあり方に深くかかわる重大な課題であり、引き続き全力で取り組む所存であります。
 もとより、農林水産行政は国民生活に密接に関連するものであり、国民の皆様の御理解と御支持をいただきながら推進していくことが不可欠であると考えております。
 また、今般、農林水産省に不祥事が起きましたことは、国民の皆様の不信を招き、重大な時期にある農林水産行政の円滑な推進に支障を生じかねず、まことに遺憾であり、残念に思っているところであります。
 今後、農林水産省の仕事のあり方全体を見直し、事業実施の適正化を図るとともに、職員一人一人に公務員としての自覚を促し、国民の皆様に信頼される農林水産行政を確立していくため、先頭に立って取り組んでまいる所存であります。
 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御叱咤、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。
    ─────────────
#7
○委員長(若林正俊君) 農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○亀谷博昭君 自由民主党・保守党会派の亀谷博昭であります。
 ただいま玉沢農林水産大臣から再任に当たっての所信、決意表明がございました。我が党の中でも屈指の農政通の大臣でいらっしゃいますので、今後さらなる御活躍を御祈念申し上げたいと思いますし、構造改善局を中心とする問題についての言及もございました。しっかりした形でこの問題の解決に向けてさらなる御尽力を賜りたいと思っております。
 きょうは基本計画についての質疑ということでありますが、先立ちまして口蹄疫の問題につきまして何点かお伺いをさせていただきたいと思います。
 四月九日深夜ということになっておりますが、三度目といいますか三例目の疑似患畜が宮崎県高岡町において確認をされたという報道がなされております。三月二十五日の宮崎市、そして四月三日の高岡町、このたびもまた同じ町で三度目と、こういうことになるわけでありますが、まずこれまで疑われた頭数はどのぐらいあるのか。それから、疑似患畜という表現がよくなされますが、疑似ではない、口蹄疫そのもの、何というんですか、真性患畜とでも言うんでしょうか、それがあるのかどうか、あったとすれば何頭ぐらいというふうに確認をしておられるのか、まずその点をお伺いいたします。
#9
○政府参考人(樋口久俊君) 私の方からお答え申し上げます。
 お話ございましたように、これまで三度といいますか三つのケースといいますか、宮崎県下で口蹄疫の患畜、それからお話ございました疑似患畜発生ということでございます。そのうち、いわゆる患畜に該当すると私どもが判断をいたしましたのは三月二十五日に発生が確認されておりますものでございまして、その他は疑似患畜という診断でございます。最初の一例だけでございます。
 それから、この口蹄疫が発生いたしますと原因究明がまず大切なことでございまして、最初の農場からでございますが、まず家畜の導入がどこから行われたかということが一つでございます。それから、近接の農場、それと人や車の移動で関連しているんじゃないかという農場を探し出して、農場関係ではそういう農場について調査をするということでございます。
 それから、最初に確認をされました農場で使われております粗飼料につきまして同一の飼料を使用している農場、これをポイントといいますか重点的に調査を行ったということでございまして、これが一番最初に着手をした調査対象のいわば農場等でございます。
 それから、最初のケースではウイルスを捕捉できなかったわけでございますが、その断片が見つかりまして、そのウイルスの塩基配列を私どもの方で増殖いたしまして、英国の口蹄疫の世界で最も権威がございます、かつ、レファレンス機関とされております研究所に送りまして解析を行ったということでございまして、ダブりますけれども、最初の農場のものが患畜ということをその後判断を変えておりますが、残りの二件は疑似患畜でございます。これらについて引き続きこのような手法で侵入源等の感染経路を鋭意調査しているところでございますが、現在のところ判明をしていないわけでございます。
 これまでの調査で出ました患畜と疑似患畜の発生農場、これらを中心とする疫学的な関連を含めて、引き続き原因究明と情報の収集、分析に努めてまいりたいと思っておるところでございます。
#10
○亀谷博昭君 一九〇八年以来九十二年ぶりに疑似ではない患畜が確認をされた、こういうことでありますし、それが三月二十五日の宮崎市、以後二度にわたって、宮崎と高岡町というのは、私よくわかりませんが、七キロぐらい離れているとか聞いておりますけれども、そこで二度にわたってまた発生をした。
 今、畜産局長から感染経路、原因究明等の取り組みをしているというお話がありましたが、敷きわら、わら、あるいは粗飼料、あるいは人や車の移動、あるいは空気伝染、いろいろなことが考えられるんでしょうが、今のところ全くこれに近いのではないかというようなものも特定はされていない、あるいはそこまでも突き詰められていないということでしょうか。
#11
○政府参考人(樋口久俊君) 本当は余り憶測を交えてお話をするとそのことが波紋を呼びますので、できれば御容赦をお願いしたいんですが、あえて御質問ございますから申し上げますと、これまでの調査結果からは当初の農場を含めまして空気伝播というものではないんじゃないかなということは考えられるわけでございます。
 それからもう一つは、その後確認をされました二件につきましても、当初の防疫措置を開始しました三月末よりもずっと以前に感染をしていた可能性があるんじゃないかというようなこと等々を考えているところでございますが、これは正直言いましてまだ感染経路等々を確認いたしておりませんので、その程度でお許しを願いたいと思いますが、その際に、飼料となりました麦わら等々が必ずしもその原因になっていないというふうに確定ができないものですから、私どもとしては外国からの輸入について事実上の停止をしたという経緯がございます。
 なお、先ほど御質問ございました処分をした頭数はどうだったかというお話がございまして、答弁が漏れておりましたので、恐縮でございますが、最初の一例目のケースでは十頭、それから二例目のケースでは九頭、それから三例目のケースでは十六頭の殺処分をいたしております。
#12
○亀谷博昭君 予測を交えてこうではないかということはもちろん言えないわけでありますが、とにかく九十二年ぶりでびっくりしたところに追っかけてあと二例も発生をしたということは大変重大なことでありますので、まずもって感染経路、原因究明への取り組みをしっかりしていただきたいというふうに思います。
 それから、三月二十五日に発生してから蔓延防止あるいは防疫措置等々一生懸命やってこられたんだと思いますが、結果としてその後また発生をしている。これは、局長がおっしゃったように、前からそういうものがあったのかもしれないという疑いもないわけではないんでしょうけれども、要するに、今のところは移動制限をしている二十キロの中で三件とも発生しているわけで、移動制限とかそういうものは今のところ拡大されておりませんけれども、これからまたこの二十キロの外とか、場合によっては他県でまたこういうものが出てくる。局長がお話しのように、既にそういうものが体内にあったのではないかということであれば、そういう疑いも当然持たれるわけであります。
 そういう意味で、まず防疫措置あるいは蔓延防止措置等についてこれまでとってこられた方法でよかったのかどうか、あるいはまた二十五日以来二例も発生しているということを踏まえて、何か今後の防止措置ということについて特に研究をしながら進めておられるということがあるのかどうか。どうも今までのことだけで事足りるのかなという素朴な疑問がありますから、御質問をさせていただきます。
#13
○政府参考人(樋口久俊君) お話ございました防疫措置、蔓延防止の措置の中で、私どもとしてはまずその中で生体、いわゆる家畜等対象になるものの移動できない地域、これは半径二十キロメーターでございますが、それとそこから生きた家畜が持ち出せない、搬出制限の地域五十キロということで、今いわゆる移動規制等を講じているわけでございます。この規制は、多分、先生御承知だと思いますけれども、家畜衛生の国際機関でございますOIEというものがございまして、これは国際獣疫事務局でございますが、ここの国際衛生規約というのがございまして、ここの中に定められております五十キロメーターの範囲内で設定すればいいだろうというコードがまずございます。
 そういうことを踏まえまして、私どもとしては、万一のために、実はあらかじめ定めて関係者に周知をしております防疫のための対策要領というのがございまして、この要領に従って、今回、家畜伝染病予防法の規定に基づくさまざまな措置をとったわけでございます。
 今ほども少し申し上げましたが、これまでの調査等々からいたしますと、現時点で私どもが把握をしております情報その他でこれを広げないといけないのではないかというようなことは、これらのコード等々を考慮しますと、現時点ではこの範囲でよかろうじゃないか、こういうふうに考えているところでございます。
#14
○亀谷博昭君 ぜひ、これより広い範囲に広がらないように願っているわけでありますし、しっかりしたお取り組みをいただきたいと思っております。
 前の委員会のときにもこの問題について、これによって影響を受けた畜産農家への支援策という議論がありましたけれども、改めて、だんだん頭数もふえてきている、影響もふえてきている。それで、特に、私も九州の人のお話を聞いたんですけれども、畜産農家の人たちは本当に見えない影におびえているといいますか、今、局長は五十キロのところで今のところは大丈夫だろうと考えているというお話がありましたけれども、その外の、例えば熊本も鹿児島もちょっとかかっていますけれども、かかっていないところの人もかなり見えない影におびえている。そしてまた、できるだけ人の集まる会合はやらないというようなお話も聞きました。ひたすらじっと耐えながらこの問題が終息するのを息を殺して待ち望んでいる、こんな感じがしたわけであります。
 それだけに、畜産農家の方々に対して、つまり直接、患畜あるいは疑似患畜が出た農家だけではなくて、そういう意味で、人も集まらない、それから移動制限もある、いろんなことがあるといろんな形での農家への影響が出てくるわけですが、支援措置について改めて、簡潔で結構ですから、お話しいただきたいと思います。
#15
○政府参考人(樋口久俊君) それでは、今回の移動制限等によりまして家畜等の出荷に支障を来しておられる畜産経営の皆さんへの影響緩和対策を四つほどに分けて簡単に御説明いたしたいと思います。
 一つは、金融機関に対しまして、経営の継続に必要な資金の融通とか、既に貸し付けを受けておられるものの償還猶予というものを依頼したということが一つでございます。
 それから、当座、運転資金が必要だろうということで、低利の運転資金の融通のための利子補給ということが二つ目でございます。
 三つ目が、特に豚の場合でございますが、日々、子供が生まれてくるわけでございまして、収容能力を超えてくるということも考えられますし、飼養環境がよくないということになるわけでございますので、家畜防疫員の指導に基づいて子豚を淘汰されるという場合にその必要な経費を助成しようじゃないかということが三つ目でございます。
 四つ目が、現に飼養しておられる豚について、今度は出荷ができないということになりますので、適齢期を超えて大きくなってしまうということがございますので、品質、肉質の低下ということで販売収入が下がってしまう、これについての減少の助成をしようと。
 今のところ四つについて措置を決めたということでございますが、今後とも状況の的確な把握に努めながら、畜産経営が円滑に継続できるよう、私どもとしては適切な対応をしたいなと考えておるところでございます。
#16
○亀谷博昭君 これからどのような形でこれが展開するかわかりませんので、今の措置だけで十分かどうかということも推移を見なければ判断できないと思いますけれども、天災みたいなものですから、できるだけしっかりした対応をしていただきたいと思います。
 次に、この問題が宮崎にとどまらず、我が国全体の畜産あるいは肉牛あるいは豚、そういうものに対する不安感、不信感を増幅させて、我が国の畜産そのものに大きな影響を与えないかということを非常に危惧するわけでありますけれども、そういう意味では、口蹄疫というのは人体に全く影響がないということを農水省は言っておられますが、それでよろしいわけですね。
#17
○政府参考人(樋口久俊君) おっしゃるとおりでございます。
#18
○亀谷博昭君 そういうことをもう少しきちっと国民に知らせる必要があるのではないか。
 ここに「宮崎県民の皆様へ」というパンフレットをちょうだいしました。現在、流通している肉や牛乳は全く問題ありませんよ、検査していますから御安心ください、県内で口蹄疫が確認されましたが、これらの牛は直ちに処分されましたと、こう書いてあるんです。ただ、人体に影響はありませんとはここに書いてないんです。私は、そこが一番国民の方々の不安な部分ではないかと思うんです。
 だから、今出ているものは大丈夫ですよ、検査していますよ、あるいは口蹄疫にかかったものは処分しました、それだけではなくて、局長がおっしゃるように全く人体には影響ありませんということであれば、そのことももっと知らせていく必要があるのではないか。
 これがいろんな県で、宮崎についても何かどこかで購入を制限するとかいう地域も出てきているという話も聞きますが、これは風評被害とはちょっと違うのかもしれませんが、真実が伝わらないためにそういうような影響が大きく広がっていくということを非常に懸念しますので、その辺の国民に対する理解を深めるための努力、方策というものについて、もう一回見解を伺っておきたいと思います。
#19
○政府参考人(樋口久俊君) これは私どももいろんな議論をしたわけでございます。
 実は、人体に全く影響がない、食べてもいいんですよ、まさに科学的にそうだと思いますし、その情報は小売の方々までは私どもとしては厚生省さんあるいは地方自治体の協力を得ながらきっちり伝わっていると思っております。
 今、先生からお示しがあったのは多分宮崎の新聞に掲載されたものじゃなかろうかと。かなりその原稿が使われておりますけれども、そのときに私ども聞いてみたんです。いろいろな考え方があろうかと思いますが、食べてもいいですよと言うといかにも流通しているような印象を与えてかえってよくないのじゃないかという話もありまして、とにかく出ていませんと言うのが要するに安心感を与えるのじゃないかという御判断があったというふうに私ども聞いております。
 もちろん、食べてもいいというのを余り言い過ぎると、いかにもあるよというような話になってしまうのでいかぬかなと。いろんな御判断があろうかと思いますが、今の表現については何かそういう判断があったのでそういうパンフレットにしたのじゃないかという話を聞いておりますので、食べても大丈夫だよ、人体に影響ないよということを余り意図的に言わないということでは決してございませんで、私ども十分いろんなルートから流しているつもりでございますので、御理解いただきたいと思います。
#20
○亀谷博昭君 これだけやっているわけにもまいりませんからこの辺にいたしますが、ぜひ原因究明とともに、国民の皆様に正しい報道、広報をしていただくようにお願いをしたい。これが我が国全体の畜産に大きな影響を与えるようなことにならないようにぜひお願いをしたいと思っております。
 そこで、基本計画について幾つかお伺いをいたします。
 この基本計画は、基本法に掲げられた基本理念あるいは施策の基本方向というものを具体化して的確に実施していくための基本的な計画、こう位置づけられているわけであります。私も、ぜひ新しい基本法の示す方向が我が国農政の中に確実に展開をされていくように、そのためにはこの基本計画がきちっと実行されなければいけない、こう考えるわけでありまして、そういう意味で、今回の基本計画の中でちょっと不明確かなと思われる点について幾つかお伺いをしていきたいと思います。
 最初に、この基本計画は、今申し上げたような基本法に掲げるさまざまな理念の実現を図るために総合的かつ計画的にこれからの農政を推進していく、こうなっておりますが、各論になりますと、積極的に推進するとか、何々が課題であるとか、何々の推進に努める、こういう表現におおむねなっているわけです。
 つまり、ここに盛られている施策というのを文字どおり具体的に進めるためには、この基本計画のもとにもう一つ実施計画あるいは実施プログラムみたいなものがないといけないのではないかと思うんです。これにはそういうことが書いてありませんけれども、基本計画を見て、ああ、こういうふうにこの政策は展開されるんだなというふうにはどうも読みにくい。
 そこで、このもとにもう少し具体的な実施計画なり実施プログラムなりそういうものをつくられるということになるのかどうか、まずその点についてお伺いいたします。
#21
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 基本計画はつくったわけでありますが、実施計画は今検討しておるというのが実情でございます。当然、基本計画をつくった以上は、それをいかに具体的に実施していくかという実施プログラムをつくるということが大変重要であると認識をいたしておるところでございます。
 既に、一昨年の十二月、農林水産省におきましては、農政改革大綱を踏まえまして、五年間に講ずべき施策の内容、手法、スケジュール等を取りまとめた農政改革プログラムを策定しておりまして、これによりまして新たな農政改革の着実な推進を図ってきたところであります。
 このプログラムに示された考え方が新基本法及び基本計画に反映されているところでありまして、今後さらにこの考え方に基づきまして具体的に実施する実施プログラムをいかにつくっていくかということで、これらの考え方を反映させて実施プログラムをつくっていく、こういう考えでございます。
#22
○亀谷博昭君 そのプログラムで具体的な、今年度は何をする、来年度は何をする、こういうことが示されていくんだと思いますが、基本計画もそうでありますけれども、これは政府だけでやるものではなくて、生産者、あるいは食品産業にかかわる人たち、消費者、あるいはまたさまざまな団体等、それぞれの役割がみんなあるわけです。
 そうすると、実施プログラムをつくられてこれから具体的に進めていかれるという中で、全体的にかかわる人たち、あるいはかかわる分野がいっぱいあるわけですから、その進行状況とか目標達成の状況というのはどこがチェックして、把握して、管理をし、そしてまたさらにそれを推進するということになるんですか。
#23
○政務次官(金田勝年君) 委員御指摘のとおり、基本計画の達成に向けましては農業者あるいは食品産業、消費者、関係団体、それぞれの立場でしっかりと努力していただく、基本理念の実現に自主的に努力していただくということは、これは法の精神として第九条から十一条、そして国も国民の理解を深めるように努めていく、第七条、そういうものがございます。
 そういう基本計画に即して、政府としても、農業者の自主的な努力の支援のために、まず農地、担い手の確保、あるいは創意工夫を生かしました農業経営の推進、技術の開発普及といったような努力を図りますし、また食品産業の事業者に対しては、国として事業基盤の強化、あるいは農業との連携強化といったような努力を推進するわけでございます。そしてまた、消費者に対しては食生活指針の普及啓発、あるいは食料消費に関する積極的な情報の提供といったような努力をしていくわけでございますが、その実際の全体の進行状況あるいは目標達成の状況といったようなものを把握するに当たりましては、やはり毎年施策の評価を行いまして、そしてその結果を踏まえて必要に応じて施策内容の見直し等を行いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 基本計画やプログラムの進行状況についての把握を行っていくわけですが、時折しも来年の一月には新体制になります。大臣官房、それから各局・庁に政策評価を担当する課が設けられることになっておりますので、施策の進行状況につきましては、各局、各庁の政策評価担当課が把握したものにつきまして官房の政策評価を担当する課で集約していくことになるのではないか、このように具体的には考えております。
#24
○亀谷博昭君 実施プログラム等についての評価のお話まで踏み込んで政務次官に御答弁をいただきましたが、そこでもう一つ、それに関連して評価のことで伺いますけれども、評価を行う仕組みについては今、官房を中心にというお話がありました。
 ただ、行政改革の中でこの評価というのは非常に重要なものであるということを位置づけられて、各省庁も、あるいは省庁横断的にも評価システムというものがつくられることになった。
 この評価には、いわゆる事前評価と事後評価と普通言いますけれども、真ん中に、事中評価という表現がいいのかどうかよくわかりませんが、事中評価という部分も当然あるわけですね。いわゆる事前評価というのは環境アセスみたいなものを含めた部分、そして事後評価は、できた後どう使われているのか、あるいはそれを次の施策にどう生かすかという意味での事後評価。こういうことになれば、今施策が進行している中での評価をどうしていくかという事中評価という部分が当然なければいけない。そういう意味では、常時、評価といいますか進捗状況のチェックというのはなされなければいけないと思うんです。
 そういう意味では、この計画によれば、適切な時期に評価を行う、こういう表現になっているんですけれども、私は、適切な時期に評価を行うということではなくて、今、政務次官も触れられたと思いますけれども、実施プログラムというのは毎年毎年やっていくものであります。そして、基本計画は五年ごとに見直す、こうなっているわけですね。であれば、やっぱり常時、チェックをしていくということが必要であり、常時、評価をしながら次の施策にそれを展開していくということが求められるのではないかと思いますが、必要に応じということではなくて、常時、チェックする体制あるいは評価システムというものを常設しておいて、間断なく施策を効率的に進めるということが必要だと思いますが、いかがですか。
#25
○政務次官(金田勝年君) 委員御指摘のとおり、まさに食料・農業・農村をめぐる諸情勢の変化に対応して、効率的な、そして効果的な施策の推進を図るということが重要でございますので、各施策の効果につきましては不断の検証を、そして評価を行っていく必要があるというふうに考えております。
 その結果を踏まえて、必要に応じて施策内容等の見直しもまた行っていく、こういうことではないかと、こういうふうに思う次第であります。
#26
○亀谷博昭君 見直しは適宜で結構ですけれども、チェック体制は常時ということでぜひ進めていただきたいなと思っております。
 それから、この計画の中に農林水産省だけではできない事業といいますか、他省庁との連携が必要なものというのがいっぱい書き込まれていますね。私もちょっと驚いたんですが、市町村合併まで言及されておりまして、大変幅の広い表現があります。これは農村の振興ということを考えれば当然そういうことが必要になってくる、よってこういう表現が出てくる、これはわかるんですけれども、事前に関係省庁とこういう点について、例えば「市町村道から高規格幹線道路に至る道路ネットワークの整備を進める。」とか、こういう表現がいっぱいあるんですね。こういうものについてはどのような打ち合わせがなされ、そしてまた今後どういう形で連携を図っていかれるのかということについて御説明をいただきたいと思います。
#27
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 御指摘のように、基本計画に基づく施策につきましては関係する省庁が多岐にわたっております。例えば、食品の衛生管理、食生活指針の策定及び普及啓発等につきましては厚生省であります。また、食料消費や農業に関する教育の振興につきましては文部省となります。また、農村の振興等につきましては国土庁、建設省、自治省などの省庁との連携協力を図りつつ施策を推進することが必要であると考えております。
 このため、基本計画が閣議決定されました三月二十四日に、総理を本部長、官房長官と私を副本部長として、関係大臣を本部員とする食料・農業・農村政策推進本部を設置し、政府を挙げて基本計画の着実な推進を図ることとしたところでございます。
#28
○亀谷博昭君 農業振興のバックボーンといいますか、基本は農村でありますから、農村を住みよいものにして、そしてまた人が集まる、そういう農村づくりのために、今、大臣お話しのような連携をよくとられながらぜひお進めをいただきたいと思っております。
 きょうは文部省から、私の質問の担当局長さんではないようでありますが、何か別な委員会が衆議院であるようで、教育助成局長においでいただいております。せっかくおいでいただきましたので、二点ほど伺わせていただきます。
 さきの青年就農促進法の質疑のときも農水省と文部省の連携事業ということが大分話題になりました。私は二点だけ伺いますが、今、農水省なり文部省でやっている事業は、夏休みなんかに募集をして、例えば親子五十組というような形で募集をして体験学習をさせる、あるいは学校の中に農園をつくって体験をさせる、いろんな形がとられておりますけれども、私は、できれば小学校高学年あるいは中学校の時代に一度は全員が経験をするというようなことがあってもいいのではないか。
 そういうことになると、クラス単位に、例えば中学一年二組、次は三組というふうにまとめて体験をするということがあっていいのではないかな。今のスタイルですと、興味のある人あるいは機会があった人しか参加できないということになりかねませんから、ぜひ組織的に体験をさせるという方策が考えられるべきではないか。
 これは農水省側の受け入れ体制の問題もありますけれども、きょうのところは文部省に、そういうことになるとカリキュラムの中に組み込んでいかなくちゃいけないわけですね。今は教科書にありますよとか農園ありますよというお話になるんですね、カリキュラムの話をすると。そうじゃなくて、クラス単位に四年から六年の間に一回は行くとか中学三年間に一回は行くとか、そういうような形でもう少し組織的に体験学習というものに取り組まれたらいかがかと、こう思うんですが、いかがでございましょうか。
#29
○政府参考人(矢野重典君) 教育におきましては、生命の大切さや思いやりの心などを育成することは極めて重要なことでございまして、こうした子供の豊かな人間性を育てる上で自然体験活動を行うことは大変有意義なことであるというふうに考えているところでございます。
 そこで、現行の学習指導要領におきましても、小中高等学校の各段階を通じまして、理科や特別活動などの時間の中で自然に親しむ体験的な活動などが行われているところでございまして、例えば、具体的に申し上げますと、学校におきましては、教育活動の一環として近隣の森や林で動植物を観察する、あるいは学校の空き地を利用して草花を植え、世話をする、さらには地域の地元の農家の方に御指導をお願いして田植え等を行う、さらには泊まりがけで農業畜産体験を行うといったような地域の特色を生かした自然体験活動を行っているところでございます。
 また、平成十四年度から始まります新しい学習指導要領におきましても、それぞれの教科、道徳、特別活動におきまして、自然体験活動や勤労体験などの体験的な学習の充実を図ることといたしておりますと同時に、新たに総合的な学習の時間というものを設けまして、自然体験やボランティア活動などの社会体験、また物づくりや生産活動などの体験的な学習を積極的に取り入れることといたしているところでございまして、今後、体験的な学習や問題解決的な学習が、委員御指摘のような形で、より積極的に授業に取り入れられることになるというふうに私どもとしては考えているところでございます。
#30
○亀谷博昭君 局長がおっしゃることは文部省の基本見解として存じ上げておりますが、私は組織的にやってくださいというお願いを申し上げておりますので、ぜひ関係局とも連携をとっていただきまして、組織的に子供たち全員が、例えば海辺の子供は山にやればいいんですよ。何も都会と農村という発想だけじゃなくていいと思うんです。森林地帯の子供を海にやるとか、そういうことでもいいわけですから、少なくとも小学校高学年あるいは中学校ぐらいのとき、ぜひ一回ぐらいは全員そういう体験ができるというような指導要領、カリキュラムの編成を強くお願いしておきたいと思います。
 もう少しお伺いしたいことがあるんですが、時間がありませんので、局長、一問だけにさせていただきます。
 基本計画の最後に「農業生産の努力目標」という言葉があります。これについては、全国段階の生産努力目標とあわせ、地域段階においても、これから地方公共団体、生産者団体等々、地域の条件を踏まえた生産努力目標の策定を促進する、こうなっているわけです。
 そこで、これをどんなふうに策定していくのか、それから例えば地方公共団体がそれぞれ生産努力目標を策定したとして、その把握あるいは目標達成のための指導、そういうものは農林水産省がどんな役割を担ってやっていくのかというこの二点についてお伺いをいたします。
#31
○政府参考人(竹中美晴君) 地域段階の生産努力目標についてのお尋ねでございますが、市町村の段階も含めまして、第一義的にはそれぞれの地域の実情を踏まえまして地域の関係者が自主的に取り組んでいただく、そういう性格のものであろうと考えておりますが、私どもとしましても、各地域と密接な情報交換を行うこと等によりまして、その取り組み状況につきましてきちんと把握をしていきたい、こう考えております。
 食料自給率の目標の実現を図るための生産面の対策といたしましては、国の段階では優良農地の確保でありますとか生産性の向上、あるいは技術の開発普及による単収や品質の向上、また需要者のニーズに即した生産の推進、そういった各般の施策を推進していくことにしているわけでございますが、こういう各地域地域におきましても、それぞれの実情も踏まえながらこういった国で考えております施策の活用をしていただきますとか、あるいはまた地域独自の取り組みを展開していただくとか、そういったことで生産努力目標の達成に向けて取り組んでいただきたいというふうに考えておるところでございます。
#32
○亀谷博昭君 自給率の問題のときも大臣がおっしゃっておられましたけれども、これは多くの方の御協力がないと実現できないと。そして、この基本計画もまさにそうだと思うんです。地方公共団体あるいは消費者、食品産業関係者、あらゆる人たちの御協力をいただいて、結果として目標とするものが実現されるのであり、そしてまたその道筋がつくられる。
 しかしながら、それをやはり総括的に管理し指導し、そしてまた目標達成に向けての役割を担っていくのは農林水産省、こういうことでありますので、今、官房長のお話がありましたが、さっきからお尋ねしております点も含め、ぜひこの基本計画、そしてまたこれに基づいてつくられる実施プログラム、そういうものが着実に推進をされ、目指す方向で我が国の二十一世紀の夢と希望のある農業というものが生まれてきますように心から今後のお取り組みに御期待を申し上げながら、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#33
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。
 最初に有珠山の噴火災害についてお尋ねをしておきたいと思います。大臣、有珠山の噴火が起きて以降、現地に入られたことがございますでしょうか。
#34
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 私は、四月六日に現地に赴きまして、避難者の方々にお見舞いを申し上げまして、現地の状況を視察してまいったところでございます。また、その際におきましては、対策本部等におきましてもいろいろとお話を申し上げ、ホタテの作業等につきましてもしかるべき配慮をしていただくようにお願いをしてきたところでございます。
#35
○峰崎直樹君 一週間前ぐらいには、近々のうちに大噴火が起きるかもしれないというような警報が発令されたわけですが、どうやらきのうあたりは小康状態を保ち始めた、こういうことなので、自分のうちに一時的に帰ることが可能になったりしています。ただ、引き続き今の大臣がおっしゃいましたホタテの問題と、それからあそこはハウス栽培とか果物とか酪農畜産関係も一次産業として持っておりますので、ぜひ万全の対応をお願いしたいなと。たしか私は六日よりももっと前に、一日の日に出向いたのでありますが、そのときにも一次産業の方々から熱烈な要望が出ておりましたので、この点はしっかりとやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 そこで、実は私、昨年の十一月に、たしかWTO関連のときに質問させていただきました。その際、大臣に、北海道のいわゆる農家の負債の問題について、しっかりと調査をして、その上で具体的な対応をしていきたい、こういうお約束をしていただいたわけです。その後、私のところには何の報告もございませんので、この場をおかりして、その調査はどうなったのか、そして、それについてはどういう対応をされようとしているのか、その点を明確にしていただきたい。
#36
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員に申し上げたわけでございますが、報告がおくれましてまことに申しわけございません。
 これは、その際にも申し上げたわけでございますが、北海道庁が本年の三月までに負債の状況等につきまして詳しく調査をしますと、その調査に基づきまして負債対策等を講ずると、こういうことでお話を申し上げました。
 ところが、北海道庁におきましては今調査内容とかちょっとおくれておりまして、いまだに現時点におきまして明確になっておるところではございません。したがいまして、調査内容の精査、再調査等を行っておると聞いておりまして、農林水産省といたしましてはその結果を待っているところでございます。
 今後、この北海道庁の調査結果を踏まえて運用面も含めて分析検討し、農家負債対策の円滑な推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#37
○峰崎直樹君 去年の議事録をここに持っておるのでありますが、その際に、「北海道の農家におかれましては借入金が非常に高いことからも現在調査を行っているところでありまして、」と、何となく農林水産省が調査をしているのであって、北海道庁に調査をさせているんだというふうに聞き取れないんですね。農水省は、これはしっかりやってくれているんだなと思っていたんですが、その点は北海道庁にやらせていたわけですか。
#38
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 同じ政党の方から衆議院で質問がございまして、同じ質問だと思いましたものでありますからその点を省略しましたのが大変誤解を生んだのではないかと思います。
 一応、この調査は北海道庁が行っているものでございまして、その結果を踏まえてやるというところまで言えばよかったのでございますが、説明が不十分で大変申しわけないと思っております。しかし、やる気は十分ございますので、できるだけ早くと思っておるところでございます。
#39
○峰崎直樹君 これは院が違えば当然、私も初めて、私は衆議院の方で同じ質問があったということは聞いておりませんので、同じ党派の人が質問しても、ぜひそこは正確に答えていただきたいというふうに思います。
 できる限り調査を急いでいただいて、農業をある意味では発展させようという意欲にあふれた農家が多い地域でございますので、その点、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、きょうは北海道庁絡みの話が多くて大変恐縮なのでありますが、余りいい話ではありません。北海道庁の農政部次長が収賄容疑で逮捕されたといいますが、警察庁お見えになっていますか。どういう要件で逮捕されたんでしょうか。
#40
○政府参考人(林則清君) お尋ねの件につきましては、北海道農政部次長が農林水産省農産園芸局総務課調査官をしておりました当時、香川県所在の農業協同組合の代表理事組合長らから、米貯蔵庫の建設事業に関して国庫補助金の交付を受けるに際し有利便宜な取り計らいを受けた謝礼として、自己が飲食店において飲食して自己が支払うべき代金合計約百九十万円を平成九年七月ころから十一年十月ころまでの間、前後二十数回にわたって支払わせていたという収賄容疑で、本年三月二十七日、この農政部次長を逮捕いたしたものでございます。
#41
○峰崎直樹君 ということは、この方は農林水産省から出向されている方だということですね。
 大臣にお聞きします。この北海道庁の農政部次長というポストに農林水産省からずっとこういうふうに、たしか前もそうだと思います、私も二十数年間北海道庁の職員組合にいたことがございますが、大体このポストというのは指定ポストになっていますが、いつごろから始まっておるのですか。
#42
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 地方公共団体への出向はその団体から要請を受けて行っておるものでありまして、北海道農政部につきましては昭和四十八年から出向しているところでございます。
#43
○峰崎直樹君 いつも農水省のトップキャリアの方があのポストに座っているというふうに聞いておりますが、大臣、また農水省から収賄容疑で逮捕される事態が生じたわけですが、このことについてどのように考えておられますか。
#44
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省から出向していた北海道農政部次長が収賄容疑で逮捕されたことにつきましては、公務員の倫理が厳しく問われている中でまことに遺憾であり、不信を招くような事態に至ったことに対しまして国民の皆様に大変申しわけないと考えております。
 本件につきましては、現在、捜査当局の手にゆだねられておりますので、その推移を見守り、捜査の結果が明らかになった段階で、処分すべきは処分し改善すべきところは改善するなど、厳正に対処してまいりたいと考えております。
#45
○峰崎直樹君 そこで、ちょっと警察にまたお聞きしたいんですが、このいわゆる百九十万円のツケ回しをしたのはある農協だと思いますが、その農協にはどんな便宜を図っていたんですか。そして、その便宜を図っていた仕事というのは直轄事業なんでしょうか、補助事業なんでしょうか。
#46
○政府参考人(林則清君) 先ほど申し上げましたように、図りました便宜は、国庫補助金の交付を受けるについて有利な取り計らいを図ったというのが便宜でございます。
#47
○峰崎直樹君 直轄事業は後でまた改めて話があるんですが、かつてから農業と補助金という問題は、広瀬道貞という朝日新聞の有名な方が「補助金と政権党」という本を書かれています。それ以来ずっと、農業の補助金というもののあり方について改革をすべきではないかという提言が出ています。
 さてそこで、この十年間ぐらいで構いませんが、私、事前に通告しておりませんでしたけれども、補助金というのは農業に関してはふえているんですか、減っているんですか。その点だけちょっと教えてください。
#48
○政務次官(金田勝年君) 事前に通告をいただいておりませんので、ただいま手元にある資料で答弁させていただきますが、農林水産関係補助金等、交付金とか負担金とかあろうかと思います。補助金等の推移については、その時期によって減った年もあればふえた年もあります。しかし、傾向的に見ますと横ばいないし少しふえているということが言えるのではないかと思います。年によって減っている時期もございますが、そういうことでございます。
#49
○峰崎直樹君 実は補助金というのは、これは我が党としては、そういう個別の補助金というのはできる限りなくしていくべきじゃないか、あるいはそれを一括して包括補助金にしていくべきじゃないかという考え方を持っているわけであります。と申しますのは、どうもこの補助金が、中央でどこにそれを指定するのかという箇所づけの問題だとか、裁量の余地が非常に働きやすいわけであります。
 その意味で、補助金制度のあり方をやはり抜本的に改革していかなきゃいけないし、私はきょうの問題についても、実は農業の基本法の精神にのっとって、例えば今課題として挙げられている中に、これは分権化をしなきゃなかなか難しいものがあるんじゃないかという気がしてならないんです。
 例えばそれはどういうことかといいますと、農業の自然循環的機能を発揮しなきゃいかぬ、あるいは農業・農村の多面的な機能を発揮しなきゃいかぬ。北海道のような積雪寒冷地のところがあります、あるいは沖縄のように非常に亜熱帯のところがあります、こういうところに一つの基準でもって実は補助金が支給されるわけですね。これは仕方ないことだと思うんです、国がやるとしたら全国画一的な基準でなきゃいかぬ。そうすると、積雪寒冷地用に向けてだけ特別に補助の単価をふやすとかといういろんな手法はあるにしても、そういうところはもう国がやるべき分野というのはないのではないか、そこがふえてきているのではないかというふうに思えてならないのであります。
 大臣、これは補助金のそういった抜本的な見直し、つまりある意味では非常に政官業という、癒着の問題も後でまた出ますけれども、そういう補助金を使ったいわゆる官の側の、官僚の側の権限があるがゆえに実はそこに群がってくる、ここに一番大きい問題がずっとかねてから指摘され続けたわけでありまして、今回、公務員の倫理の問題で、私もここまでやるのは行き過ぎじゃないかなと思うような倫理規程が出されましたね。
 例えば、実はある税務署に勤めている同級生が、同級生と一緒に一杯会があるんだと、学校の卒業生で。そのときにどうしたらいいだろうかと上司に聞いたら、行くなと言われたと。どうしてかというと、要するに税務署だったら税を払う人間というのはみんな関係業界の人ですよね。そうすると、同級生と一杯会をやるときも割り勘でもだめだと言われた、私たちどうしたらいいんでしょうかねというふうに陳情を受けたことがあるんです。
 同じことで、農水省だって、農業というのは北海道なんかへ来ると農業に関連しているところを探すと不思議なぐらい多いんです。そうすると、公務員の皆さん方が、自分は身ぎれいで割り勘で農家の同級生が一生懸命やろうとしているのに、一生懸命というか、農家の同級生で同窓会をやっているときに参加できなくなるような事態が訪れるわけですよ。
 私は、これはいかがなものかなというふうに思うんです。しかし、もうそれはしようがない、今これだけ環境の厳しい世の中だから我慢しなきゃいかぬというふうに本人は思っていますが、私はいつかこういうことをやっていると逆におかしくなっちゃうんじゃないか。むしろ、そういう弊害が起きてくる補助金みたいなものをなくしていくという方が私ははるかに効果は大きいだろうと思うんですが、大臣、どう思われますか。
#50
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは、いみじくも委員がおっしゃったように、多面的機能であるとか自然の循環機能、やはり農業が果たしておる役割といいますのは大変たくさんあると思うんです。したがいまして、基本的には、これらの事業をもし減らしていくというふうなことになれば、やはり多面的機能とかそういうことにも影響を及ぼすということを考えなきゃいかぬのじゃないかと思います。
 それから同時に、災害対策等につきましては、先ほど委員も御指摘されたわけでございますけれども、有珠山の対策でございますが、昭和五十二年に噴火してから今日まで、あの山の周りに少なくとも砂防ダムだけで千百基以上つくっております。こういうことを考えていきますと、仮に災害対策の補助事業等を減少させていって、果たして突発的な災害の対策になるかどうかということを考えた場合は、これは農業の今後の持続的発展を期すという上におきましても、必要な事業というものは展開していかなきゃいかぬじゃないかと。
 そうしますと、これは何も全部禁ずるとかなんとかというよりは、あるいはシステムを、透明性を明確にすべきだとか公正性を明確にすべきだ、そういうことも大事なんでございますけれども、やはり公務員の倫理がしっかりしておるということが根本になるべきではないか、私はそう思うわけでございまして、その倫理を高めていく、割り勘でやったのまで全部禁止だ、こういうことよりは、本人の倫理観というものがあって初めて使命感を持って事業等にも取り組んでいくことができる、こういうふうに考えているところであります。
#51
○峰崎直樹君 倫理観の問題については、私も倫理観はもちろん重要だと思うんです。私が言っているのは、いわゆる補助事業をなくせと言っているわけじゃないんです。治山治水というのは国がやはり一番やらなきゃいかぬ根本ですね。ですから、横に樽前山というのがありますよ、まだ依然として火を噴いていますね。これが噴火をしたらいつあの地域に泥流が訪れるかもしれぬとか、いろいろな問題があるわけです。ですから、そういうことについては、時間をかけながらでもとにかくそういうものをつくりましょうということはだれも否定をしているものではないわけです。
 私が言っているのは、国が一律的に画一的な基準を設けてやらなきゃいけない、そういう補助事業、こういったものは徐々に少なくなってきているんじゃないですかと。そこをある意味では補助事業を依然としてしっかり持って、さっき言ったように微増しているわけですよ。
 そうすると、その補助事業に伴ういわゆる箇所づけだとか、あるいは後でも触れますが談合だとか、そういう問題をめぐって実はいろんな問題が起きてきているんじゃないですかと。だから、それはもう地方自治体なら地方自治体に任せていく、あるいは市場なら市場に任せていく、こういうことを我々としてはできる限り進めていくべきじゃないんですかということを言っているわけでありまして、今おっしゃっているのを聞いているとちょっと、ピントが外れているんじゃないかなというふうに思えてならないのです。
 改めてまた大臣にお伺いしますが、この間も実は構造改善局を中心にして調査をやりました。我が党の昨日の代表質問、とにかく身内だけで調査をやったってなかなか大変じゃないかというようなことを申し上げたんですが、また今度はこういうキャリア組の補助金に絡む問題で実は不正が起きてきている。こういう問題が起きてくるということは、もう一回新たに農水省全体の調査をきちんとやり直さないと、次から次へとこういう問題が起きてくるんじゃないかと思えてならないんです。
 今後のこういう問題、不祥事の問題を含めて、さっきは倫理の問題とおっしゃいましたけれども、私は何か構造的な問題と思えてならないわけで、そういった点について御意見があったら伺いたいと思います。
#52
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 確かに、構造改善事業を始めた当初につきましては、担当者の権限といいますか、あるいは担当者がみずからやれる範囲とか、そういうものは非常に大きかった。したがいまして、事件を起こすようなことになったという点については確かに反省をいたしておるわけでございまして、その透明性を明確にし、公正を期すために第三者委員会等を構成しまして、こうした事案が起きないように改善をいたしたところでございます。
 なおまた、公共事業全般等につきましては従来から第三者委員会がございまして、そしてそこで厳しく事業の評価をしながら今日まで来ておるところでございまして、全体的に見直すことも必要であります。同時にまた、今日ある体制におきましても事業の執行におきまして厳正な執行をやっていく、こういうことも大事であると思っているところでございます。
#53
○峰崎直樹君 何だか後半よくわからないところが、意味がちょっと明瞭でないところがありましたが、そこで、事業の公正な執行というお話になりましたので、実は北海道庁の農業土木談合疑惑事件というのがございます。これは北海道新聞だけかなと思ったら、読売新聞とか全国的に報道されているわけでありまして、私もきょうこうして質問するのは本当に情けなくなるような感じがしてならないわけであります。農業王国といいますか、将来の食料生産基地である北海道にしなきゃいかぬ、そんな思いを持っているものですから、改めてこの問題について少し触れさせていただきたいと思っているわけです。
 まず最初に、公正取引委員会にお聞きいたしたいと思います。
 北海道庁の上川支庁管内を中心とした農業土木談合疑惑事件、こういうふうに言われていますが、これは現在どんな状況になっているのか、教えていただけますか。
#54
○政府参考人(平林英勝君) ただいま御質問の件につきましては、既に報道されているところでございますけれども、昨年十月に立入検査を行いまして、その後、関係者から事情聴取をするなど鋭意審査を進めてまいっているところでございます。
 何分にも関係者の数も多うございますので、いつとは申せませんが、できるだけ早く審査を終わらせたいということで、現在、鋭意審査を進めているところでございます。
#55
○峰崎直樹君 いつごろ全容解明になりますでしょうか。大体のめどでよろしゅうございますが。
#56
○政府参考人(平林英勝君) これはまだ現在審査を進めているところでございますので、いつとはなかなか申せないわけでございますけれども、できるだけ早く終わらせたいというふうに考えて担当の方で頑張っているところでございます。
#57
○峰崎直樹君 政治家が談合の口ききということで関与しているというふうに報道されておるわけでありますが、その点はどうなっておりますでしょうか。
#58
○政府参考人(平林英勝君) 本件につきましては現在まさに審査中でございますので、審査の具体的内容につきましては、お答えにつきまして御容赦させていただければというふうに思っております。
#59
○峰崎直樹君 警察にお聞きします。
 この問題についてはどのように今考えておられますか。
#60
○政府参考人(林則清君) 先ほど来御指摘がありましたような報道があったことは十分承知しておりますけれども、個別具体的な案件に関して現在警察が捜査しておるかどうか、あるいは今後捜査するかどうかということについては、何分具体的な問題でありますので答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
 ただ、一般論として申し上げれば、警察は、当然のことでありますけれども、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に照らして厳正に対処してまいる所存でございます。
#61
○峰崎直樹君 自治省にお聞きしますが、私の手元に入札手続等調査委員会がこの三月に出した第二次報告というのがございます。この存在は御存じでございましょうか。
#62
○政務次官(橘康太郎君) 承知いたしております。
#63
○峰崎直樹君 実はこの中で、これはたしか北海道庁の中でつくられて、農政部それから水産林務部及び建設部、要するに公共事業発注官庁の対応する部の中で入札手続に関して過去どうであったかということが調べてある資料でございます。
 この中で、本庁農政部及び各支庁において長年にわたり組織的かつ構造的に受注調整が行われていた、この受注調整は建設談合と表裏一体の関係にあったということを公式に認めているんですが、そういうことでよろしゅうございますか。そういうことをつかんでおられますか。
#64
○政務次官(橘康太郎君) 私は現場を把握しておりませんので、そのようなことについての細かいことは現在は把握しておりません。
#65
○峰崎直樹君 農水大臣は御存じでしょうか。
#66
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 把握しておりません。
#67
○峰崎直樹君 一北海道庁のことですから、そう直ちに資料入手ができないのかもしれませんが、私ども北海道に住んでいる人間からすると、そういう公的な報告書で、これはたしか自治省から天下っている方が総務部長をやっておられまして、その方を中心にしながらこの入札の全貌を調べられたというわけなんです。
 公正取引委員会にちょっとお聞きしたいんですが、実は談合していたのは業者だと、これは受注業者ですよね。発注している側が実は業者の選定、あるいはそれに対してことしはどれだけやりますよ、あるいは支庁をまたがるところについては本庁で実は需給調整をしていたというわけです。これは一体全体どういうことになるんでしょうかということで、一九九五年から事例でいえば今回のものを入れて五件目に当たるんじゃないかと思いますが、過去、発注業者が実は受注業者の談合を、表裏一体の関係でやっていたというような事例はございましたですか。
#68
○政府参考人(平林英勝君) 私の記憶で申し上げれば、表裏一体かどうかは別にいたしまして、発注者が何らかの形で関与していたという事例は過去幾つかございました。
#69
○峰崎直樹君 過去四つの事例が、これは私はある新聞を見たわけですが、一九九五年、日本下水道事業団発注の電気設備工事、一九九七年、東京都発注の水道メーターをめぐる入札談合、九八年、郵政省発注の郵便物区分機をめぐる大手電機メーカー二社の入札談合、それから九九年、去年です、防衛庁の調達実施本部の燃料の入札談合、こういったものがある。今回は恐らく五件目だと思うんです。
 実は、発注者がそういうことに関与しているということについては処分というのが非常にしにくい、こういうふうに言われていますが、その点はいかがでございますか。
#70
○政府参考人(平林英勝君) 確かに、御指摘のように独占禁止法が対象にしておりますのは事業者とかあるいは事業者団体の違反行為を対象にしておりまして、発注者が違反行為に関与したとしましても、なかなか発注者に対して独占禁止法上の措置はとれないという実情にあるわけでございます。
 ただ、私どもとしましては、そのような場合には発注者に対しまして、入札制度の仕組みでありますとか運用のあり方、あるいは情報管理のあり方につきまして改善を図るように要請してまいってきているところでございます。
#71
○峰崎直樹君 どうもこの種の問題について、きょうも警察の方がお見えになっていますが、今日の法律でもって法的に談合に対する発注者側の関与した場合の責任問題というのはなかなか問いにくい構造になっているように思います。これはまた別途考えていかなきゃならない。
 そこで、大臣、談合についてはどう思われますか。いいか悪いか。
#72
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 談合はいいとは言えません。
#73
○峰崎直樹君 言えませんね。
#74
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 悪いです。
#75
○峰崎直樹君 だと思うんですね。これは実は農水省の構造改善局に絡んでの発注事業です。さっき言った補助金に絡んでいる。
 今お手元に、皆さんに資料をお渡ししたのは三月十日に予算委員会である議員が出された資料でございます。これは吉野川下流防災地域の過去三年間の工事契約実績、それから吉野川下流地域で再入札をしたときの、要するに一回目の一番札を引いた人が再入札しても必ずそれが落札決定しているという事例なんです。
 公正取引委員会に聞きますが、落札率を見ていただきたいんですが、最低が九五・五から最高が九九・五ぐらいじゃなかったかと思うんです。非常に、とにかくもう物すごい見事な、野球でいっても、この間ちょっと、プロゴルファーの話でタイガー・ウッズというのは二百ヤード先に打つときに二、三ヤードのドローボールを打ち分けると言っていたのでびっくりしたと書いてありましたけれども、これぐらい見事なものなんです。これはもう本当にすさまじい。資料をあらかじめお渡ししておきましたけれども、これをごらんになってどう思われますか。
#76
○政府参考人(平林英勝君) 個別具体的な事案につきまして私どもがどういうふうに考えているかというのは、いろいろ支障がございますので従来からお答えは差し控えさせていただいておりますので、御容赦願えればと思います。
 なお、一般論として申し上げれば、私ども、違反行為に関する情報の収集には常日ごろ努めているわけでございまして、違反の疑いがあれば、必要と認めれば調査をする、法律がそうなっておりますので、それに従って対応しているところでございます。
#77
○峰崎直樹君 談合は悪である、大臣がおっしゃいました。談合はなぜ悪いのかというと、同じものでも談合によって非常に高いものを買わされる。これは消費者にとって公共事業の場合は悪ですね。それと同時に、談合をし始めると努力をしないんですよ、いわゆる技術革新とかそういった点で。そういう意味でも悪であるわけです。
 そこでお伺いするんですが、この談合事件問題は、日米構造協議以降いわゆる入札を改革していこうじゃないかという努力が進められてきたと思うんです。これもちょっと事前に言っておらなかったので答えられなければ結構ですが、農水省は入札のやり方としてどのようなやり方を自分たちの直轄事業ではおやりになっているんですか。
#78
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 御質問が最初からなかったものですから正確を期しているかどうかわかりませんが、とりあえずお答えをさせていただきます。
 地方農政局が発注する直轄工事の入札契約手続におきましては、平成五年度以前にはほとんどの工事が指名競争入札方式により行われていましたが、平成六年度以降は、入札手続の透明性、客観性及び競争性の確保を図る観点から、一定規模以上、現在七億二千万円以上の工事について一般競争入札方式を導入しているところであります。また、指名競争入札におきましても、一般競争入札方式の基準額未満の工事を対象に、公募型指名競争入札方式は二億円以上七億二千万未満、及び工事希望型指名競争入札方式は一億円以上から二億円未満を導入しているところであります。
 なお、これらの入札方式による工事につきましては、毎年度、予算成立後速やかに当該年度の発注予定工事名、入札予定時期等を農政局等での掲示及びインターネットにより公表しているところであります。さらに、地方農政局におきましては、入札結果の閲覧及び予定価格の事後公表等を行うとともに、競争参加資格者の選定理由、経緯等について審議する第三者から成る入札監視委員会を設置し、より一層の透明性の確保に努めているところであります。
#79
○峰崎直樹君 指名競争入札、それから一般競争入札、随意契約。今、希望型、要するに新しい一つの型が出されましたけれども、この間、入札制度の改革で中央建設業審議会というところから随分といろんな提言がなされています。
 私は、談合は悪である、談合をどうやったら防止できるか、本当にこれは我々の税金をかけてやっているわけでありますから公共事業の場合特に重要だというふうに思っているわけでありますが、そのとき、ひとつ諸外国ではどういうことをやっているかという例も考えるべきじゃないか。
 ちょっと公正取引委員会にお聞きしますが、アメリカに入札分析システムというコンピューターを使ってやっている、ビッド・アナリシス・マネジメント・システム、BAMS、こう言われているものがあるやに聞いているんです。これは道路工事とか、ある州の道路庁が入札分析のために使った高度な情報分析システムだと言われています。これは実は、先ほど北海道庁の業者だけですごい数です。全道で千八百とか、二千近い業者が登録されている業者であります。恐らく農水省の直轄も含めていくと全国で膨大ないわゆる入札データというのがあると思うんです。私は、なぜこの資料を先ほど公取にお見せしたかというと、こういうデータを一つ一つ、入札の情報を集積して、そしてその中から、こういうことがあった場合にはどうやら談合が行われているんじゃないかという疑惑を発見するシステムをぜひ共同で開発されたらどうかなと思うんです。
 きょうはたまたま農水大臣がおられます。農水大臣あるいは公取それから警察の方で、もしそういった点について、これは結構お金がかかるようでありますから、建設省も必要でありましょう、いわゆる入札と言われているもので談合を防ぐための仕組みづくりというところに力を入れていくということを、ぜひ大臣、そして公取と警察も御意見があったらお聞かせ願いたいと思うのであります。
#80
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省における公共工事の発注は、会計法等に基づきまして一般競争入札、公募型指名競争入札の導入によって透明性の確保を図るとともに、第三者から構成される入札監視委員会によってその妥当性について審議をいただいているところであります。こうした第三者委員会等におきまして、委員が今おっしゃられた情報分析システム、こうしたものも取り入れれば、より客観的な透明性が明確になるものと考えるところであります。
#81
○政府参考人(平林英勝君) 私ども、談合も含めまして独占禁止法違反行為に関する情報の収集、分析には常日ごろ努めているわけでございますけれども、先ほど御指摘のありました外国の例なども勉強させていただきまして、なお一層努力したいというふうに考えております。
#82
○峰崎直樹君 警察、もし見解がありましたら。
#83
○政府参考人(林則清君) 警察といたしましても、法に触れる、刑罰法令に触れる談合行為、これはどんどん検挙しなきゃいけませんので、議員御指摘のようなものも情報を分析するという意味では大変有用なものということで、いろんな形で情報収集には努めてまいりたいというふうに考えております。
#84
○峰崎直樹君 もうほとんど私の時間がなくなってまいりました。次回、必ずまたきょう質問を予定したものを出したいと思います。
 最後に、こういう指摘を受けて、私は農水省としてもぜひデータをきちんとしていただきたいと思っているんですが、それは農林水産業から生み出される一年間にどのぐらいの生産額があるのか。それに要した農水省予算、これは都道府県分も含めて、それからいわゆる税制上の優遇措置、さらには例の財政投融資の資金、さらに価格補てんとか、外国から輸入したものの価格を補てんして、それをどのぐらい実は消費者に上乗せしているのかとかですね。そういった点の総額は大体どのぐらいになるかということについて最後にお聞きして、これはまた次回以降その内容についての精査をお願いして私の質問を終わりますが、とりあえずその答弁をお願いします。
#85
○政務次官(金田勝年君) どのぐらいの国内総生産に対応する農林水産業の補助金、政府の補助あるいは国、県、市町村の事業に対する補助があるかという御質問だと思うんですけれども、国あるいは地方公共団体の農林水産業に関します財政支出は、一定の政策目的への誘導を伴いますソフト事業あるいは施設整備を行うハード事業、それから生産条件の不利の補正を行うための直接支払い等々いろいろな形にわたっているのは御承知のとおりであります。
 そして、先ほどからの議論がございましたが、それらの事業の中には生産基盤整備のように効果が長期的に及ぶといったような内容、あるいは自然循環的機能とか多面的機能とかなかなか市場において経済的効果が把握しにくいものもたくさんあるわけでございます。
 そういう意味におきまして、単年度で見合う農業総生産額に対して、補助金の効果といいますか費用対効果という形で国や地方公共団体の農林水産業に関します財政支出を積み上げたあるいは税制を積み上げたものと、単年度のそういうものと国内総生産額とを結びつけて論ずるというのは難しいのではないか、こういうふうに考えておる次第であります。
#86
○峰崎直樹君 また別の機会によろしく。ありがとうございました。
#87
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 基本計画についてお尋ねをしたいと思いますが、昨年の基本法の議論の中で三点の修正がなされまして、その一つがまさに今回の基本計画を遅滞なく国会に報告する、そのような形で修正がなされたわけであります。
 報告をいただきまして読ませていただきましたところ、これまでの農業白書と違いまして農政のすべての施策をこの基本計画によって行うということでありますから大変重要な計画になってくるわけであります。そして、一から四までそれぞれ記載がありますけれども、私自身からしますと、すべての施策をこの基本計画によって行うということからすると、一日あるいは一人何十分という時間ではなくて、もう少し時間をかけた審議というものが必要なんではないかな、そのような感じがしております。
 そして、基本計画ができ上がりまして、この基本計画に基づいて国や農水省がそれぞれの施策を行っていく。受ける側の農業者の方がこれを真っ当に受けとめてくれまして、このとおりやれば農業をやっていても生活ができるぞ、農業をやっていて自信が持てるぞということになればいいわけであります。今、そこのところが若干揺らいでいるんではないかなと。
 つまり、三十八年間に及びました旧基本法のあり方につきましても、昨年の基本法の議論の中でも行ったわけでありますけれども、私自身からすると、どうも農民が農政に対して信頼よりも不信感を生じているようなところがないかなと。私自身も、数少ないところで先見的な事例でありますとかあるいは自治体等に伺ったときに、ややもすると、比喩的な言い方なのかもしれませんけれども、農水省の言ったことと違ったものをやっていれば間違いなく成功したんだなどということを言う方もいらっしゃるわけであります。
 私は、そういうことは基本的にはまずいぞと。これからはそういうことがないようにしなければいけないということに立って、まず何よりもこの三十八年前に成立をしました旧基本法が目指したもの、ねらったもの、それが三十八年間たって思うに任せなかったところが多々あるんだろうと思っています。そこのところを国や農水省がはっきりと認めた上で、こういうところを是正して基本計画ができ上がったんだと。そのことがまず信頼関係を醸成する上では大事なことだろうと思っております。
 この三十八年間に及びました旧基本法の評価といいますか総括といいますか、そのようなものを改めて農水省として行う予定はおありでしょうか。
#88
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 当然、旧基本法が目指したものはそれなりに成果を上げて今日まで来たと思います。
 しかしながら、旧基本法におきましては、制定後の諸情勢の変化に対応する仕組みがなかったことなどから、食料自給率の低下、担い手の減少、高齢化や中山間地域等における過疎化の進行といった制定時には想定できなかった問題に適切に対応することが困難な面もあった。
 こういう点を反省いたして、今回、今までの旧基本法といいますものはともすれば生産をいかに上げていくかというところに非常に大きなウエートがあったわけであります。しかし、その後の経済社会情勢の変化等におきましては、同じ食品であってももっと質の高いものを、安全なものを消費者が求めておるとか、あるいは経済が発展をしてまいりますと農業から工業の方に人口がどんどん移動していく、こういうようなこともあって、担い手の不足とかあるいは過疎状態というものが出てきた。
 こういうようなことに対しまして、新しい基本法におきましては、これはただ生産面を強調するだけではなくして、社会経済の変化に応じて、消費者の課題あるいは農村の持っている課題、食料全体が有する意義、こういうようなものに着目をいたしまして、生産者、消費者、あるいは流通業者、食品加工及び農村、こういう点に思いをいたしまして、幅広い観点から農業政策を進めていく、こういう点を強調しておるということが言えると思います。
#89
○郡司彰君 新たな部分について強調をしているということについては私もそのとおりだと思いますけれども、私自身はこの基本計画が国会の中の議論とか、あるいは生産者団体だけの間でもってやりとりがされているということを危惧しているわけでありまして、実際に一人一人の農民がこの基本計画の意図するところをきちんと理解する、そのためには、大臣が今おっしゃったこれまでの時代の変遷の中で、当初の旧基本法が思い至らなかった流れが出てきたということが十分わかっているわけでありますから、その間に植えつけてしまった一定の不信感を払拭する意味でも、やはり改めて農水省として文章化をして、国民の間にそれを知らしめるということが必要ではないかということでありますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#90
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員のおっしゃられるとおりでございます。
 したがいまして、基本計画を立てまして、なおかつ実施本部等も内閣総理大臣を本部長として設立いたしたわけでございますが、その場におきましては、内閣総理大臣から明確なる談話を出していただいて、決意と国民の皆さんに対する呼びかけをいたしておるところでございます。しかし、これだけでは十分ではございません。今後とも基本計画等におきまして国会で十分なる御審議を賜りながら、実際にやっている施策等につきましても御理解をいただき、御審議をいただき、そしてまた国民の皆さんに対しましても、幅広く計画の趣旨について御理解をいただき、御協力をいただくということが大事であると考えておるところであります。
#91
○郡司彰君 大臣のお話を聞きまして、非常に意を強くしております。
 昨年の基本法の議論のときに、当時の大臣はあえて総括的なことは行わない、国会の審議がそういうことになるんだということでありましたけれども、重ねてそのようなことを知らしめるあり方というものを農水省の中で検討いただければと思っております。
 次に、この基本法が新しくなったところの境をまたがってUR対策の六兆百億円の六年間、それが二年間延びたという形で続いているわけであります。私自身は、先ほどの峰崎議員の質問の中にも若干感じるところがあったんでありますけれども、国全体がバブルがはじけた、そしてその後遺症に対して今どういうふうな形でもって戻していくかということを考えている。どうも農水省の中にありましては、ウルグアイ・ラウンド対策の六兆百億円というものがあったというふうなことで、意識の中で農水省だけがひとりバブルが続いていたような感覚というものがもしかしてあったとすれば、そのようなことから不祥事が多発をしたということになれば、この点についてはしっかりと反省をしていただかなければならない。
 そして、期間が限定されて、しかも予算が限定をされているものについてはしっかり総括をすべきだというふうに思いますし、その期間中にどこまで進捗をしてこれから残りどうするんだということを行うべきではないかという質問がございましたけれども、私も同様なことで質問をしてまいりましたが、なかなかそうはなってまいりませんでした。
 今後、UR対策の期間が終了した時点で、どのような総括的なことを行おうとしているのか、その際の視点というものがこれまでの評価ということに対してのものと同じなのか、あるいは特別にこのような形の視点を反省、評価の中に加えるということがあればお聞かせをいただきたい。
#92
○政務次官(金田勝年君) 委員ただいま御指摘のUR対策事業でございますが、これは平成六年度から実施してきておるところでありますが、非公共事業、公共事業と両方ございまして、公共事業は平成十四年度が最終年度となっておるわけであります。
 したがいまして、現在、本対策が実施中ということでもあり、その対策完了後の姿についての評価を行うことはできないわけですけれども、この対策につきましての現時点での評価ということは重要なことだということで検討中であるわけでございます。
 まず、この対策のこれまでの実施状況で見てみますと、今の時点で、申し上げるまでもなく農業生産基盤あるいは農業近代化施設の整備、そして農地の利用集積といったような観点で、担い手の経営規模の拡大それから労働時間の短縮といったような面で着実な成果を上げているというふうに考えておるわけであります。
 具体的に申し上げますと、例えば担い手育成型圃場整備事業等でございますと、平成八年度から十年度までに完了した九十八地域につきまして、事業の実施前に比べて担い手の経営規模が約二・五倍に拡大したということ、あるいは担い手の稲作の労働時間が約六割短縮するといったような成果が現実に上がっているというふうに受けとめておるところであります。
 また、非公共事業でございますが、農業構造改善事業によります農協等の水稲育苗施設、あるいはカントリーエレベーター等の乾燥調製施設といったものの整備を通じまして、水稲の育苗にかかる労働時間は半減しておる、あるいは乾燥調製コストが約二割削減しておるといったような効果が生じておるところであります。
 また、農地流動化対策で見てみますと、農地保有合理化法人や農地流動化推進員の活動等によりまして、利用集積の促進を通じて、平成十一年三月までの四年間で、担い手への集積面積が約三十五万ヘクタール増加いたしまして二百四万ヘクタールとなっており、担い手農家の経営規模の拡大に貢献している。
 以上、申し上げたような効果があるというふうに受けとめておるわけでございますが、今後とも、残された対策期間内に本対策を着実に推進していきたい、そしてまた所期の目的が確実に達成されるようにしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#93
○郡司彰君 今、政務次官からお話しいただきましたように、まだ完了していない部分がございますので、完了後改めまして全体の評価を行っていただきたいと思いますし、その行いました報告につきましても、私どもにも遅滞なく知らしめていただければありがたいというふうに思います。
 次に、旧基本法の中の目的の一つとして構造改善事業があったわけであります。そのことによりましていろいろな事業が行われてきたわけでありますけれども、新しい基本法に変わりまして構造改善局そのものが変わるというふうなこと、あるいはまた土地改良制度の見直しについてもこの基本計画の中で言及をしているわけであります。
 私自身は、日本の農業土木というのは世界に類を見ないような分野の技術を抱えている。その基本的なところは水田をベースにした農業を考えているわけでありますから、水の管理ということを基本に置いた圃場整備やその他をやってきたんだろうというふうに思っています。そういう意味で、これまでの技術の集積、蓄積を日本以外の地域にもっと使っていただきたいという思いがあります。
 そして、逆な意味でいいますと、旧基本法にのっとる構造改善事業そのものの推進がかなり行われたことによって、旧基本法の中で当初目指した稲作については、もっと集約化をして違うものをつくるような農家をつくり出そうということが、逆に全国的に水田を中心にした農業に押し込んでいったんではないか、そういう反省もあるんではないかと思っております。
 いずれにしましても、構造改善事業を見直す、土地改良事業を見直すということでありますから、これまで充てられた予算あるいは技術を今後の公共事業としてどのような方向に向けて行おうとしているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#94
○政務次官(金田勝年君) 食料・農業・農村基本法の理念あるいは具体的な思想というものを踏まえて、今後の公共事業のあり方、土地改良事業のあり方についてどういう方向を持っておるのかと、こういう御指摘だと思うわけでございます。
 公共事業であります農林水産省の土地改良事業は、水と農地といった基礎的な生産条件の整備を行う事業である。それはとりもなおさず食料の安定供給と農業の体質強化を図るための大事な事業であるというふうに認識しておるわけでありまして、これはもちろん水稲のみならず麦とか大豆といったようなものを初めとする多様な畑作物の生産振興にも資するものであろう、こういうふうに考えておるわけであります。
 したがいまして、この土地改良事業の実施によりまして、水田の大区画化によります生産性の向上にも加えまして、汎用化によります麦、大豆といった畑作物の生産条件の整備、あるいは畑地かんがい施設の整備によります優良な畑作農業地帯の形成といったような成果をこれまでも上げておるところであります。
 そうした食料・農業・農村基本法を踏まえまして、麦、大豆等の生産振興を図るという観点からも、例えば十二年度予算におきましても、麦、大豆等の畑作の集団化あるいは土地利用率の向上といったような目的への誘導を図るための新たな仕組みを導入いたしましたり、それから担い手の育成とあわせて水田の汎用化、畑作農業の振興に資する事業への重点化といったようなことを行ったところであります。
 例えば、十二度予算におきまして、これは新規でありますが、公共事業の中に、麦、大豆等の土地利用型作物の生産、振興に資する水田の汎用化を緊急に実施するために機動的な排水対策と土づくり対策を推進していこうという五億円の新規事業を設けたりいろいろとしておるわけでありまして、今後とも、稲作のみではなくて、麦や大豆といった畑作物の生産振興にも資するように事業の重点的、効果的な推進を考えていきたい、こういうふうに思っております。
#95
○郡司彰君 次に、食料の自給率向上に関しましてお尋ねをしたいと思いますが、三十八年間続いた基本法の間に三八%ダウンをしてきたわけであります。現在もこの低下の傾向というのは依然として続いているわけでありまして、この原因についてもこれまで言及をされております。
 さらに、向上させるために何を行うかということになれば、この中に記載をしているわけでありますけれども、食生活の見直しも含め、あるいは農地を確保し、利用率を上げるというふうなこと、さらに主要作物をどのように拡大していくのか、あるいは機械あるいはそれらに対する技術の研究その他をきちんと行っていく等々あろうかと思っておりますが、結論からいいますと、その低下傾向をとりあえず維持の段階にする、そしてさらに向上させるということになりますと、先ほど言いましたように、ずっと続いてきた低下傾向でありますからなかなか容易なことではないだろうというふうに思っております。
 今言いましたようなポイントも含めまして、この中に網羅されていること、それを全部やれば全部そうなるんだということになるのかもしれませんが、大臣の方でポイントとしてこことこことここぐらいをきちんと押さえてやりたい、そのことについてお聞かせをいただきたい。
#96
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率の向上、具体的に言うと、生産者サイドにおきましては耕作放棄地の解消や耕地利用率の向上、コストの低減と消費者ニーズに対応した生産が大事であると思います。食品産業事業者サイドにおきましては、販路開拓や新製品開発の取り組みを通じた農業サイドとの連携の強化、また消費者の適切な商品選択のための原産地表示等の徹底。さらに消費者サイドにおきましては、我が国の農業や食料供給事情についての理解を深める、さらに栄養バランスの改善や食べ残し、廃棄の減少等食生活の見直し。こういうことが具体的な点として挙げられるわけでございまして、これに積極的に取り組んでいくことによりまして食料自給率の向上を図っていくことが大事ではないかと思います。
#97
○郡司彰君 時間が余りありませんので細かいところまで言及をしませんが、耕地利用率も九四から一〇五ということになっておりますけれども、もう少し上げる努力もしていただきたいなということ、あるいは麦についてもパーセントが出ておりますけれども、二〇%ぐらいは何とかならないのか、あるいは大豆の食用についても、うち半分ぐらいは国内でというふうな、そんな計画もお願いをしたいということはありますけれども、時間がありませんので別に移らせていただきます。
 今、大臣のお答えの中にも、バランスもありますけれども、消費者の消費性向といいますか、そういうものも変えていかなければならないというようなことがあったと思います。
 私も、国会図書館や何かに資料を探しに行きまして、例えば牛乳でありますと、消費が伸びないのはどういう原因なのかなということを調べに行きましたところ、生産調整に関するような研究論文というのは相当あるんですけれども、消費を拡大するためのものというのはほとんどないんです。私が探し出したのは一つですけれども、その一つのところにも、実は日本の中でこういうものはこれ一つしかないんだと書いてありましたからそうなのかもしれません。
 だとすると、この予算の中でいきますと、例えば日本型食生活の見直しをしていこう、農業白書なんかにも今度随分部を割いてそういうものが書いてありますけれども、予算が一億七千万ということで、これは昨年もちょっと指摘をしたのでありますけれども、ほかの団体がいろんなこともやってくれていますよということもあります。しかし、国が食生活を変えていこう、そのための予算はあんなに農業白書にボリュームをとりながら一億七千万。本当に気概が感じられないような感じがしているわけであります。
 その辺の、消費を拡大するということ、そしてこの基本計画の中には今言いました日本型食生活というような文言さえも出てこないわけでありまして、ちょっと迫力を欠くなという思いがいたしますが、どうでしょうか。
#98
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 非常に大事な点だと思います。
 生産は確かに一生懸命やってきた、しかし牛乳が過剰になった場合に消費の拡大をどうするかと。今までは例えばチーズをつくるとか、バターも過剰ですからチーズをできるだけつくるとか、加工食品にいろいろと転換してきたところがあります。したがいまして、米もそうでありますけれども、米も御飯として食べるよりはいろんな形での食べ方があると思うんです。牛乳もいろんな形での加工食品があると思うんです。そういう面でやっていけば私は今後まだまだ可能性はあると考えておるところでございまして、そういうところの工夫も大事ではないかと。
 だから、国としましては、確かに一億七千万で少ないんじゃないかという御指摘ではございますが、新しい加工食品をやっていくという上におきまして官民そろって努力していくということが大事ではないかと思います。
#99
○郡司彰君 官民そろってということで結構なのでありますが、官の方ももう少し力を入れていただきたいなと思っております。
 それから、ちょっと時間がありませんので先に進みますが、「農業の持続的な発展に関する施策」という中で、効率的かつ安定的な農業経営をやっていこうと。主たる従事者が同等の年間労働時間で他産業と同じような水準を確保できるというふうなことがございます。
 現在、例えば認定農家というふうな形でもってつくられてきているかと思いますけれども、農家として農業を主にしてやっているのが四十八万ぐらいあって、その他の農業者が二百七十六万、計三百二十四万ぐらいいらっしゃる。これを、計画でいきますとかなり減少をした数字に認定農家を含めて経営体としては集積をしていこうと、こういうような考え方になっているわけでありますけれども、このような考え方は一方でやっていかなければならないわけですね。
 一方で、これまで生産の四割近くを占めてきた兼業農家といいますか零細農家といいますか、そのことに対する手当てといいますか、例えば先ほど言った水管理の問題にしましても、集落そのものでもって管理をやってきた。農地を例えば株式会社が取得した場合に本当にそういう水管理ができるのかということもありますので、その辺のところをどうしていくのか。
 それから、認定農家そのものがことしから切りかえになっているわけであります。先ほど北海道の話が出ましたけれども、バブル期に土地を取得して規模拡大をしたところは、今切りかえをするときに改めて構造改善の計画を出しますと、田畑の値段がかなり下落をしておりますので、改めての計画が成り立たないようなところも出ている。そこのところは目をつぶって昔の数字のまま使ったりいろいろ工夫をしておりますけれども、そういうことも出ている。いずれにしましても、認定農家の認定の仕方がかなり市町村によって、数が多いところ少ないところというのがあったり、平準化がされていなかったりする。
 そして、問題は、この基本計画にのっとって、このぐらいの地域のところはこのぐらいの規模の類型でやっていけばこれだけできますよというものについてはこれまでも農水省が出しているわけであります。しかしながら、現実の問題としてこの認定農家の切りかえのときにも問題になっているように、個々の農家に対して、この地域で見てください、あのAさんのところは基本計画に基づいて、農水省の指導に基づいてやったらばこうやってやっていられますよと、収入も上がっていますよ、農家として後継者もできていますよ、そういうものがないんですね。そういうものを一応プランとしてのものは出されておりますけれども、現実に即してそれぞれの地域で、あそこのだれさんがこの方がというふうなものを、きちんとそこまで指導をするようなことがなければなかなか信用されないと思うんですけれども、そのような指導についてどうお考えでしょうか。
#100
○政務次官(金田勝年君) 委員御指摘のように、営農類型といいますか認定農家につきましても非常にさまざまなタイプがあるのが実態であります。
 御指摘を踏まえていろいろやっていることを考えてみますと、地域の実態あるいは個々の経営状況を踏まえました経営改善指導が可能になりますように、市町村等に経営改善支援センターを設置して、経営改善に関する相談活動、あるいは認定農業者を目指す農業者に対しては農業経営改善計画の策定支援、それから農業経営改善計画に即した経営改善が実際に進んでいるかどうかといったようなフォローアップ活動といったようなものを市町村等に経営改善支援センターを設置して行っておるわけであります。
 こういうことをさらに進め、また今後とも、効率的で安定的な農業経営を育成しなければいけないわけでございますから、できるだけ意欲ある担い手に施策を集中していき、また経営改善支援センターを初めとして地域農業改良普及センター、農協といったような関係団体、機関の連携強化を通じて、体系的、総合的にきめ細かく実施していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#101
○郡司彰君 いずれにしましても、大臣の方でいつも言っております、農地を確保するのが大事だと。その農地は、耕作放棄地等は今やそのようなところからもふえてきているわけでありまして、何とかきちんとしたモデル農家をつくっていただきたい。
 それから、農村という形の名前が入ったわけでありますけれども、農村というものが、旧基本法のときにもそうでありましたけれども、定義づけされていないわけであります。今、混住化を含めていろんな形でもって出されてきている、農村に対する施策を行うということでありますけれども、農村というのはどういうものなんだということをもう少し農水省の方ではっきりした定義ということになるのかどうか、今回の基本計画の農村というのはこういうものですよということをまとめていただきたいと。
 そして、きのう資料をいただきましたが、八〇年から九〇年にかけまして集落が消滅をしたのが二千二百五十五ということであります。しかし、これを見ますと、それ以外に九戸以下の集落は逆に六百十一ふえているんですね。国全体は今まで増加傾向の中で、九戸以下とか何かがふえているというのは、減りつつ今そこの段階にとどまっているということでありましょうから、早晩この辺も相当減ってくるというようなことを考えますと、五千近い集落が消滅をするようなことにもなってくるわけであります。
 もう時間がありませんので結構でございますけれども、このような状態の中で本当にこの基本計画がこの辺のところを網羅できるのか。
 それから八〇年から九〇年の十年間の数字だということで、今現在行われようとしている中山間地を含めた農村に対する施策というものが実際にどのぐらいの集落に対して行われるかということをつかんでおられないのかなというふうにも思いますので、その辺の調査もあわせて行うことをお願いいたしまして、質問を終わります。
#102
○委員長(若林正俊君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#103
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として浅尾慶一郎君が選任されました。
    ─────────────
#104
○委員長(若林正俊君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査のうち、食料・農業・農村基本計画に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#105
○渡辺孝男君 公明党・改革クラブの渡辺でございます。
 基本計画に関する質問に先立ちまして、午前中も亀谷委員の方から質問がありましたけれども、現在大きな問題となっております宮崎県で発生しました口蹄疫に関して質問させていただきたいと思います。一部重複するところもありますので、その点は簡潔にお答えいただいて結構でございます。
 まず最初に、宮崎県で発生しました家畜伝染病口蹄疫の発生状況と感染経路究明の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
#106
○政府参考人(樋口久俊君) お答え申し上げます。
 まず、三月二十五日に最初に宮崎市に所在します肉用牛の肥育農家の一戸で疑似患畜と確認されました。その後、四月三日と九日に新たに抗体を持った牛が確認されておりまして、これらも疑似患畜と診断されたところでございます。
 なお、三月二十五日に確認されましたものにつきましては、その際私どもが捕捉をいたしましたウイルスの断片をイギリスに送りまして確認をしていただいた結果、患畜であるという診断をしたという経過はもう既に先生にはお耳に入っていると思いますが、これについて、まず感染経路を解明することが大変大事なことではなかろうかということで、まず最初の農場につきまして、どこからその家畜が入ってきたか。これは十頭いるわけでございますが、その導入元の農場、それから近くに農場がございますが、これは感染の可能性、要するに空気伝染の可能性がありますので、そこの農場、それから人や車の交流があった農場、それから最初に確認されました農場と同一の飼料を使っている農場、これらについて血清をとるとかいうような調査をして重点的にやっておるのが一つでございます。
 それから、検出されましたウイルスの遺伝子を解析しまして、他の国に発生をしていますものと同じであるのかないのかという同定をお願いしていますが、これは現在のところやや近縁ではあるけれどもかなり新しいタイプではないかというところまでの結論をちょうだいしているということでございます。
 これらの調査の結果、さっきお話をしましたように、最初の農場からそれほど遠くないところでさらに二件がわかったということで、同じような調査を、今いわば疫学的な調査をやっておりますけれども、今のところどこから来たか、感染経路はどうなっているのか、今の調査の結果だけではまだ判明をしていないというのが実情でございますが、さらに手持ちの資料等々分析をいたしまして、これらの解明に努めたいと思っているところでございます。
#107
○渡辺孝男君 まだはっきり感染原因等々がわからない、原因といいますか感染の経路はわからないということで、これからのウイルスの遺伝子の分析等々で、同時多発ということはないんでしょうが、恐らく同一の感染源なんだと思いますけれども、その辺の調査をよろしくお願いしたいと思います。
 二番目に、これまで農林水産省が行ってまいりました口蹄疫の蔓延防止措置につきまして、先ほども簡潔にお答えいただいたわけですが、もう一度お伺いしたいと思います。
#108
○政府参考人(樋口久俊君) 原因究明と、さらに大事なことは蔓延の防止でございます。三月二十五日発生を確認しました後に、直ちに家畜伝染病予防法の規定に基づきまして四つの措置がとられております。
 一つは、疑似患畜の殺処分、埋却、これは直ちにとられております。それから、発生農場や車両等を消毒するということで、これも関係者の協力でやられているわけでございます。それから、半径二十キロにつきましては移動制限をするということで、その地域が設定されて、県の告示という措置がとられております。それから、搬出制限地域の設定、これは生体で出してはいかぬという地域でございまして、これらの措置を講じましたほか、さらにこれは海外からの侵入の可能性も否定できないわけでございますので、私どもとしては侵入防止のための措置ということで、豚肉、牛肉等の輸入、さらにわら等の事実上の輸入ができないような措置をとっております。
 その結果、現在、宮崎県におきまして一万四千三百戸ほどの立入検査が行われておりまして、感染の確認と今後の清浄性の確認のための検査に必要な血清が採取されております。これまでのところ一万四千検体ほどの検査を実施しておりまして、全体としてはまだ届いていない分も含めますと大体二万数千の検体について検査を実施することになろうかと思っております。
 なお、三件ともについて疑似患畜として殺処分をしたというのはもう既に御承知のとおりだと思います。
#109
○渡辺孝男君 まだ検体の方の検査が終わっていないということでありますけれども、今のところ三検体が感染あるいは疑似感染ということであります。このまま検査を続けていってほかにはさらに感染のおそれがないということになりますと、いつの時点かで感染の終息宣言ということがなされるんだと思うんですけれども、その見込みについて現時点ではいかがでしょうか。
#110
○政府参考人(樋口久俊君) 率直に申し上げまして、事柄の性格上、何日に終息するという確定の日取りをもってお話しできないのは、むしろ先生の方が御専門でございますので、こういうものでは言えないものだということは御承知だと思いますが、あえてシステムを申し上げますと、今後新たな発生等、先ほどお話をしましたような形で発生等がないとすれば、最終の処分がございました、これは四月の十日でございますが、これから潜伏期間ということで三週間という期間を要するわけでございまして、その移動制限の期間の経過が一つでございますが、それとあわせて臨床検査、それと血液検査により口蹄疫ウイルスの存在がもうないということを確認いたしましたら終息するということでございます。先ほどお話をしましたように、血液検査を鋭意私どもは今急いでいるわけでございまして、特にこの点がポイントでございましたので、私どもの担当の職員はそれこそ文字どおり昼夜兼行でこういう検査に対応しているということでございます。
#111
○渡辺孝男君 移動制限等、かなり地元の農家の方々には苦労を伴っておりますので、なるべく早く検査が終わって、安全ということの宣言をしていただきたいなというふうに思っております。
 次に、この口蹄疫による患畜が出た、あるいは疑似患畜が出たというような直接的被害、それに伴う農家の方々の被害の推定額、それから蔓延防止措置に伴う間接的な農家被害の推定額についてお伺いしたいと思います。
#112
○政府参考人(樋口久俊君) 先ほどもお話を申し上げましたとおり、三戸の農家につきまして、最初は十頭、その次九頭、それから十六頭、これはいずれも処分をいたしますときは疑似患畜として法律の規定に基づきまして殺処分いたしております。これらの処分につきましては、家畜伝染病予防法に明確な規定がございまして、家畜の評価額の五分の四を手当金として交付するということになっておりますし、また埋却に要した経費の二分の一を国が負担するということで、法律の規定に従いまして評価をする手続が決まっておりますので、それに従って負担をするということになろうかと思います。
 それから、それ以外の部分につきましては、正直言いまして現在移動規制がかかっておりますので全く取引が行われていない地域がございまして、一体その取引の価格がどうなるかということにも関係しますので、いろんな要因と移動制限とを結びつけるというのは非常に難しゅうございますので、影響を推計するというのは必ずしも私ども適当じゃないんじゃないかと思っておりますが、いずれにしてもそういう影響緩和のための措置はできるだけいろいろ配慮をしなきゃならぬなと思っているところでございます。
#113
○渡辺孝男君 それから、風評被害という言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、これまで農林水産省としまして、誤解に基づくようなそういう風評被害というようなものが起こらないようにどういう対策を行ってきたか、並びに今回のこの伝染病に伴いまして宮崎県あるいはその周辺以外に遠隔地でそういう風評被害と言われるようなものが起きているのかどうか、どういう調査をされておってどういう結果が得られているのか、お聞きしたいと思います。
#114
○政府参考人(樋口久俊君) 先生のおっしゃるとおり、まさに私どももその点が実は心配をしている部分でもございまして、今回の発生に伴い、一部の小売の方に移動制限地域の解除が行われるまでは宮崎県産の食肉からほかの産地のものに変えるような動きがあったということは承知をいたしております。
 それで、私どもとしましては、複数回にわたりまして関係の方々に役所においでをいただいて、安全性とか人体への影響とか繰り返しお話をしているところでございまして、これについてはまた今後も粘り強くといいますか、引き続きそういう話はしていかないといけないと思っているところでございます。
 ただ、一つ具体的なことをお話し申し上げるといたしますと、宮崎県につきまして全国団体あるいは宮崎県から聞き取りをいたしておりまして、現時点の状況について聞いておりますところでは、まず産地の食肉センター等において、移動制限がかかっているところについては物が取引できませんものですから量自体は当たり前でございますが減ってはおりますけれども、卸売業者等への販売価格について、発生後際立った変化が見られていないということは聞いておるわけでございます。
 それから、生産者が産地食肉センターへ引き渡しをされる、そのときにいろんな条件がございます。例えば東京の価格の何%引きとか何円引きとかという条件がございますが、そういう条件も今のところ変更されていないというふうに聞いておりますので、現時点ではこのことによって具体的な影響が出ているということではないと思います。
 いずれにしても、注視しないといけないのは、先ほども先生からお話がございましたが、解除された後にそういうことが出てくるということが懸念されるものですから、そのために私どもとしてはその辺のことを十分配慮していかないといけないんじゃないかと思っております。
#115
○渡辺孝男君 価格の方は余り変化は起こっていないということで安心したわけですけれども、これからも正しい科学的な知見を消費者の方に発信していただきたいな、このように思っております。
 農水省としまして、もし今回の家畜の伝染病が起こらなかったらば推移したであろうような価格がこの風評被害と言われるようなもので下がってしまって、生産者あるいは流通業者が影響をこうむった、損失をこうむったというような場合に、何らかの支援策というものがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。これは大臣に。
#116
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、この支援策いかんということでございますが、この口蹄疫の影響によりまして一定期間出荷ができないことに伴う畜産経営への影響を緩和するため、運転資金を低利で融通するための利子補給や肉質低下による販売収入の減少に対する助成等を措置したところでございまして、さらに輸入物にかわる稲わらの安定供給のため国産稲わらの緊急確保対策等を講じておるところでございます。
#117
○渡辺孝男君 風評被害というようなものに対する支援というのはなかなか難しいものがありまして、でもそれが現実に起こってしまった場合に何らかの支援というものも行っていただければなというふうに願っております。
 最後に、今回の口蹄疫の原因が、まだ感染経路がよくわかっていないということでありますけれども、そうしますと今後また再発生が日本全国各地で起こり得る可能性があるわけですが、その再発生を予防していくというような対策をどのようにとられていくのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、委員の先ほどの質問でございますが、やはり風評被害に対して、これは人間には影響しないんだということと、風評被害が起こることによりましていろんな被害を農家に及ぼすということがないようにPRには万全を期していくということが大事である、こう思います。
 と同時に、この口蹄疫の再発生防止のために、蔓延防止措置を的確に実施していくとともに、今般の発生の原因を解明することが重要と考えておりまして、引き続き関係県とも連携しつつ最大限の努力を注いでいく、こういう決意で取り組んでまいりたいと思います。
#119
○渡辺孝男君 では、本題の食料・農業・農村基本計画に関しましての質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、この基本計画は基本法に掲げます食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興、このような四つの基本理念の実現をするために策定されたものでありますが、昨年の七月十二日の法成立後、基本計画策定に当たりまして農林水産省としてどのような取り組みをこれまで行ってきたのか、簡潔にで結構ですけれども、大臣にお聞きしたいと思います。
#120
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 基本計画の策定に当たりましては、昨年九月以降、食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして、計十一回にわたる御審議の上、三月十五日に答申をいただき、それを踏まえて閣議決定をしたところであります。また、その過程におきましては、国会などの場で御論議をいただくとともに、都道府県等の御意見もお聞きをしまして、幅広い御議論を賜りながら検討を進めてきたところでございます。
 基本計画はこうした経過を経て策定されたものでありまして、今後とも国民各位の御理解と御支持をいただきながら、本計画に即し、各般の施策の着実な推進を図ってまいりたいと考えておるところであります。
#121
○渡辺孝男君 食料自給率の目標を定めるに当たりまして、基本的な考え方の中で「食料自給率の目標を掲げることは、国民参加型の農業生産及び食料消費の両面にわたる取組の指針として重要な意義を有する。」、このように述べているわけであります。
 カロリーベースで四五%という二〇一〇年度までの食料自給率の目標の達成のために、国民参加型の農業生産及び食料消費に関しまして農林水産省としてどのように取り組んでいく方針か、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#122
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料自給率をある一定の水準に目標を定めてこれを達成すべきであるということはやはり国民的な合意に基づいて行われてきた、こういうように考えております。つまり、不測の事態等が生じた場合、外国から食料輸入その他が途絶えてきた場合におきましては、あくまでもこれは自国の農林水産業を通じて主要な食料の確保を図っていかなきゃいかぬ、こういう観点に立ちまして基本計画を策定いたしたわけでございます。
 したがいまして、この計画に基づく自給率は十年後に四五%をめどということにいたしておるわけでございますが、それにつきましては、生産者におきましては、特に農業におきましては、農地の確保、それから優良農地における収量の拡大、こうしたところに力を入れていかなければならぬと思うわけでございます。
 それからまた、消費の面におきましては、日本型食生活を明確に国民の皆さんにも理解していただきまして、御飯を中心とした食生活をしていくことが非常にバランスのとれた栄養を確保する、こういう観点からも推奨されるべきでありまして、こういう点もよく理解していただきまして、やはり国内でとれるもの、地産地消の精神に基づいてやっていくことが大事であるということで、消費拡大等についても自国産のものを使っていくということが大事であると思います。
 また、食品流通あるいは食品加工等におきましても、いろいろな工夫を凝らしながら新しい加工食品を開発する、それからまたそれを流通する、こういう観点からもこの施策を進めていくということが食料自給率の向上に向けての主要な政策である、このように考えておるところであります。
#123
○渡辺孝男君 それでは、食料自給率向上への具体的な取り組みについて少し質問させていただきます。
 基本計画では、食料消費に関する課題としまして、「健康で充実し、活動的な長寿社会の実現を目指し、脂質の摂取過多の改善等適正な栄養バランスの実現を図るとともに、食料資源の有効利用、環境への負荷の低減といった観点から、食品の廃棄や食べ残しを減少させることが、食料消費に関する重要な課題となっている。」。その上で、「食料自給率の目標が食料消費の指針としての性格を有することを踏まえれば、単にこれまでの動向が継続した場合のすう勢によるのではなく、消費者その他の関係者が食生活の見直し等に積極的に取り組むことを前提として定める必要がある。」と。
 そういうことで、その前提となります基本計画の「第二 食料自給率の目標」の中の「望ましい食料消費の姿」に関しまして少し質問させていただきたいと思います。
 この中で、平成二十二年度における食料消費について、「供給ベースの脂質熱量割合が現状の二九%から二七%程度に低下する」と。二番目としましては、「米を中心とする穀類の消費が堅調に推移し、糖質の消費が増加すると見込むとともに、カルシウム等微量栄養素及び食物繊維の摂取の増加の必要性から野菜、豆類及びいも類の消費が増加する」と。三番目に、「近年の供給熱量と摂取熱量の差の約一割が減少し、供給熱量が二千五百四十キロカロリー程度になる」などの見込みが示されておりまして、その上で平成二十二年度における自給率目標を決定したということでございます。
 それでは、これらの消費の見込みを達成するために、農水省としましては厚生省とか文部省などとの連携を含めて具体的にどのような対策を講じていくのか、その点について金田政務次官にお伺いしたいと思います。
#124
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘のとおりでありまして、我が国の現在の食生活の現状というものは、脂質のとり過ぎといったような栄養バランスの偏りとか食料資源の浪費といったような諸問題が顕在化しておるわけであります。こういうことで、農林水産省におきましては、健康・栄養面では厚生省、そしてまた子供たちへの食に関する指導の面では文部省という形で共同して食生活指針というものを策定したところであるわけであります。
 なお、今後とも厚生省、文部省との協力を維持しながら、協力し合いながら、この食生活指針の普及あるいは定着に向けて、昨年の十二月に設立いたしました食を考える国民会議の活動あるいは保健所、保健センターを通じた普及活動などの取り組み、そしてまた学校の教育活動における食生活に関する指導といったような努力を通じまして国民の理解と実践を働きかけてまいりたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#125
○渡辺孝男君 後でまた具体的なことをお聞きしたいと思うんですけれども、食料の自給率の向上に関連しまして、都道府県レベルでの取り組みとして、秋田県が本年度から予定しております学校給食の県産食材の自給率向上を目指しました「子供達の給食に秋田の食材を」推進対策事業というのが注目されている。これは秋田県が一九九七年、九八年に学校給食でどれくらい県産の食材が利用されているのか、その利用率を調査しておりまして、県産自給率が一六%という結果が得られました。その結果に基づきまして、二〇一〇年までにその二倍の三二%に自給率を高めていこう、県産の自給率でありますけれども、高めていこうという事業でありまして、私はこのような取り組みは大変重要であるというふうに考えているわけであります。
 金田政務次官は秋田にいらっしゃいますので、まずこういう事業に関しましてどのようにお考えになっているか、所見をお伺いしたいと思います。
#126
○政務次官(金田勝年君) 秋田県が平成十年度からやっております事業に、ただいま御指摘がございました、まさに「子供達の給食に秋田の食材を」推進対策事業を実施しておるということを私も聞いておりまして、非常にいい試みだと、こういうふうに思っておるわけであります。国の支援のもとに学校給食におきます自県産の農産物の利用拡大を図っていこうということと、それから食を通じまして農業・農村への理解を子供たちにはぐくんでいこう、こういうことを目的としておる事業でございます。
 具体的内容としましては、県段階で学校給食に利用する自県産の農産物の選定あるいは生産組織の育成等の検討を行います推進会議を開催していこう、また優良な事例集を作成して配布していこう、こういうことを行うこととしておりますし、また市町村段階では、市町村の実態に応じました農産物の供給をふやすための方策、あるいは学校・生産者間の交流促進といったような協議を行います推進会議も開催する、そして農産物の消費の推進プランを策定していくということを具体的に実施する、こういう内容のようであります。
 これによりまして、ただいま御指摘のとおり、今後十年間で県内産の野菜を使用する割合を一六%から倍の三二%に引き上げていこう、こういう内容でございまして、野菜十二品目にわたって倍増させよう、これは学校給食用でございますが、こういう目標でやっておる。また一方で、十二年度から学校給食に限らずに自県産農産物の消費拡大を総合的に推進していく事業も実施していこうということを聞いております。
 また、お米につきましては、平成十二年度におきまして給食用の全量を秋田県産の自主流通米で供給する、こういう予定だというふうに承知しておりますので、これは委員御指摘のとおり非常に有意義な試みだというふうに考えております。
#127
○渡辺孝男君 自給率を向上させるためには、今の秋田県のように、県や地域でどのような取り組みが可能なのかを検討する、そういう協議機関を置いて地方からも自給率向上を推進していく、そういう必要があると考えますけれども、この点に関しましてもう一度金田政務次官からお答えをいただきたいと思います。
#128
○政務次官(金田勝年君) ただいまの例にも見られますように、また委員御指摘のとおり、食料自給率の目標というのは、国だけではなくて、地方公共団体、生産者、消費者、皆さんの幅広い関係者がそれぞれの課題の解決に積極的に取り組むことによって達成が可能になるものであるというふうに私どもは考えておるわけでございまして、協議会の設置といったようなことを通じまして、地域段階で地域のそれぞれの条件や特色を十分に踏まえながら自主的な地域農業づくり、地域農業の活性化、そして食生活の見直しなどに向けました取り組みが行われることは極めて重要だというふうに考えておる次第であります。
 したがいまして、私ども農林省といたしましても、今後、地域段階においてこうした取り組みが促進されますように情報提供などの面で必要な連携協力を行ってまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#129
○渡辺孝男君 その地域の取り組みに関しまして、農林水産省は平成十一年度に行いました食料・農業・農村基本計画要旨に対する都道府県の考え方の調査をまとめておりますけれども、その中で、青森県、茨城県などからは、食農教育推進の観点も踏まえまして県産、国産農産物を学校給食へ提供する施策の重要性の指摘がなされております。また、大臣のおられます岩手県からは、具体的に文部省と連携して米飯給食の拡大を図る国策を求める声が上がっております。そのほか、宮城県、山形県などからは、日本型食生活の普及、教育の重要性が挙げられているわけであります。
 そこで、食糧庁長官、それから文部省の方にお伺いしますけれども、学校給食に地域農産物を積極的に活用するための施策につきましてどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
#130
○政府参考人(高木賢君) ただいま御指摘がありましたように、学校給食におきまして米を初めとした地域で生産された農産物を積極的に活用するという視点は極めて重要で意義深いものというふうに考えております。このために、地域農産物の活用方策の検討会につきましての助成措置をこれまで講じてきましたけれども、これを引き続き講ずることといたしたいと思います。
 それから、今いろいろな県の御指摘がございましたが、ほかにも幾つかの県で積極的に取り組む県も出てきております。そういうものの取り組みを学校給食におきます優良事例ということで取りまとめ、また位置づけまして、これを全国的な運動として盛り上げていきたいというふうに考えております。
#131
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えします。
 学校給食の食材として地域の農産物を活用するということにつきましては、食事内容を多様化するとか、あるいは児童生徒に地域の産業や文化に関心を持たせる上でよい教材になるというふうに考えております。また、地域の農業に従事している方々に対する感謝の気持ちとか、あるいは地域との触れ合いを実感するといった効果などもございます。
 そのため、文部省では、学校給食指導の手引とか通知におきまして、郷土食や地場産物の導入につきまして一層工夫をするよう指導をしているところでございまして、今後ともその趣旨を徹底していきたい、このように考えております。
#132
○渡辺孝男君 この食あるいは農業の教育に関しましては、やはり日本型食生活に関しましての普及の取り組みあるいは教育というものが大事だと思います。この点に関しまして、何回も聞いておるわけですけれども、改めて農水省、それから文部省の取り組みについてお聞きしたいと思います。
#133
○政府参考人(福島啓史郎君) 先ほど金田政務次官の御答弁にありましたように、厚生省、文部省、それから農林水産省の三省で食生活指針を策定したわけでございます。その趣旨は、要するに現在の食生活の実態や環境変化を踏まえながら、健康増進あるいは生活の質の向上などを実現する観点から、いわば新しい日本型食生活の普及定着を図っていこうということでございます。具体的には、食を考える国民会議ということで、国民各層各団体から成ります、そこでの自主的な活動とも連携いたしまして、国民的な運動を展開していくということが一つでございます。
 また、教育分野におきます推進につきましては、文部省と連携いたしまして学校教育におきます食の重要性あるいは食生活に関する指導等を一緒になって推進してまいりたい。具体的には、この食生活指針を受けまして、三省におきまして食生活指針推進連絡会議というようなものを設けまして具体的に推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#134
○政府参考人(遠藤昭雄君) 学校におきましては、食に関する指導におきましては、この日本型食生活の中でも触れていますような、多様な食品を組み合わせて栄養的にバランスのとれた食事を行うこととか、あるいは朝食をしっかりとることなどの指導を各教科等で行っております。また、学校給食におきましても同様の配慮を行うとともに、米飯給食の実施とか、それから先ほども申しました郷土食や地場産物の導入につきましても十分に工夫をするよう指導をしているところでございます。
 特に最近、子供の食生活が乱れているという指摘がされておりまして、将来、生活習慣病が心配される、そういった状況になっておりますことから、平成十年度の学習指導要領の改訂におきまして、食に関する指導の充実ということを図っております。
 さらに、学校栄養職員というのが学校に置かれておりますので、こういった方々を活用しまして効果的な食に関する指導に努めるよう指導しているところでございまして、今後ともその充実に努めてまいりたい、このように考えております。
#135
○渡辺孝男君 私も医療の現場にいたときには脳卒中の対策等を行っておりまして、食生活、食事の影響をもろに感じておりました。昔は高血圧が多かったので脳内出血が多かったわけですけれども、最近は脂質、血清脂質が高くなってきておって脳梗塞等がふえてきている。そういうことはやはり食事と直接に関係しておると考えますので、今後とも日本型食事のいい面を普及していただきたい、そのように思っております。
 次に、食料自給率を上げるために家庭でどのように取り組むかというような研究論文が、碓井彰子さんという方ですか、大学院生の研究論文がありまして、興味深く読んだわけですけれども、これの論点は、意識をしていけばより多くの国産品を摂取することができる、すなわち食料自給率を上げることができる。あるいは二番目としましては、自給率ポイントを向上させる要因の半分以上は野菜や果物が占めている。それから三番目としまして、和食にすると自給率が向上する、あるいは外食では自給率を上げられないというような単純な考えは誤りでありまして、自給率は食材によって決まることをきちんと認識する必要がある等々の結論を導いておるわけです。この中で、その碓井さんという方は、レストランなどで店の食品や店舗全体の食料自給率を表示あるいは公表することによって、消費者に対しても食料自給率の向上や栄養改善の啓発効果があるのではないか、そのように述べられているわけであります。
 そこで大臣にお伺いしたいんですけれども、公的機関の食堂やレストランでも、この提案のように、そのお店の食品とか店舗全体の食料自給率を示していったらばいいのではないか、そういうことですけれども、この点、大臣はいかが考えておられるでしょうか。
#136
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員の御提言はもっともであると思います。
 レストラン等の外食産業におきまして食料自給率、エネルギー等の情報を提供することは消費者の適切な選択に資する重要なことと考えております。このため、農林水産省におきましては、メニューごとの食料自給率換算ソフトを開発し広く一般に配布しておるところでありまして、省内の食堂におきましても、事業者の協力を得てメニューに食料自給率や栄養素を表示しているところであります。
 今後、食に関する多方面の関係者から構成される食を考える国民会議を活用するほか、外食事業者向けのマニュアル作成や展示会等による啓発活動などを通じまして外食メニューにおける食料自給率やエネルギー等の情報提供の促進を図ってまいりたいと考えておるところでありまして、これを通じて、国民の皆さんにより食の自給率の重要性、食材の健康に与える影響、こういう点をよく理解していただければ大変ありがたいと思っております。
#137
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#138
○須藤美也子君 私は、口蹄疫で第三の被害が発生した四月十日、宮崎に調査に行ってまいりました。そこで、余りダブらない点で若干質問をしたいと思います。
 畜産農家は、移動制限がしかれている中で取引もできず、その間のえさ代はふえ、収入がないまま深刻な打撃を受けている。仮に移動制限が解かれても、宮崎牛あるいは豚は風評被害もあり、今後の畜産経営の将来を大変心配しております。緊急問題でございますので、私は宮崎に行っていろいろ生産者から出されました問題等について御質問をしたいと思います。
 まず第一は、政府が今回出されました新規事業としての五百億円の融資枠であります。
 多くの農家の方々は、融資では返済できる見込みがない、つまり融資制度ではだめですよと、こうおっしゃっています。仮に制限が解除されても、おくれた分のえさ代が余計かかっている。その分、今後高く売れる保証はない。その上、風評で買いたたかれ、価格が下がるおそれがあり、融資を受けても返す見込みがない。借金すれば今後の経営が圧迫されて、六十五歳以上の方はやめてしまうだろう。そうすれば、宮崎の和牛の生産地盤が崩れてしまう。このように大変深刻な声が出されております。
 そこで、融資だけでなく、さらに特別の対策が必要と考えます。例えば、都城の農協さんにお邪魔をしたとき、そこの畜産課では特別対策として市場に出せない家畜について一頭二十万の立てかえ払い制度をつくり、後で売れた場合精算をする、そういう方法を進めようとしております。しかし、三月には平均で一頭四十三万円で売れた。これが二十万では半分の価格であります。従来どおりの予定価格で立てかえ払いができるよう国が助成し、後で損失が出た場合、その分は国が持つなど思い切った支援策をとることなどを検討すべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
#139
○政府参考人(樋口久俊君) 私の方からお答え申し上げます。
 現在移動制限がなされておりまして、その結果どのような形になるか、私どもとしては注視をしていかないといけないと思っておるわけでございまして、状況の的確な把握をしながら、畜産経営を円滑に継続できるよう対処をしていかないといけないと思っております。
 豚につきましては、当面、もう子供が産まれてきている、あるいは大きくなってどういう取引になるか、ある程度私どもとしては予測がついているものですから、それについての対策は講じたということでございます。
 今お話がございましたものを含めて、今後については状況を見ながら対応していくということになろうかと思います。
#140
○須藤美也子君 ぜひ前向きで検討していただきたいと思います。
 さらに、融資はこの新規事業の中で償還が三カ月とありますね。宮崎の県議会でもいろいろ議論した上で、三カ月では短過ぎる、この融資の償還期間を延ばしていただけないかと、こういう要望もありますが、その改善はいかがでしょうか。
#141
○政府参考人(樋口久俊君) 先生からお話がございました都城の仮払いのお話とこの部分、実は関連をいたしておりますけれども、都城の仮払いも最終的には無利子の資金にかわるということを、私ども聞いております限りではその可能性があるというふうに聞いております。
 当方で今措置をいたしております運転資金、これも二%ということに国の方では考えておりますが、現在、地元の県でも、これに上乗せの利子補給を検討されておりまして、結論は出ておりませんが、現在私どもが聞いております限りの、もしうまくいきましたら最終的には無利子ということになろうかと思いますので、それとあわせて御活用をいただければなと思っておるところでございます。
 なお、現在の償還期間を設定しておりますものにつきましては、これは当初、なるべく早くこういうことはお出しした方がよかろうということで設定をいたしておりまして、これにつきましても事態の推移を見ながらいろいろ検討する対象になろうかとは思っております。
#142
○須藤美也子君 緊急事態ですので地元の方々の要望に国が先頭に立ってこたえていくという、そういう姿勢を示していただきたいと思います。
 さらに、私が訪ねた生産者の話では、輸入わら三トンを焼却処分にせよ、こう言われたそうであります。三日三晩かかって焼却した。三トンのわら代は約十五万、その上新しいわらを買わなければならない。この方は、患畜や疑似患畜の使用したわらなどについては処分費用が出るのに我々には出ない、補償がないのは納得がいかないと、こう言っております。
 つまり、農水省の監督下にある全国家畜畜産物衛生指導協会が配布している中に、輸入の稲わら、乾草の使用は避けること、こういうふうに宣伝していますね。これは配布しています。さらに、先ほど亀谷さんがおっしゃっていましたが、この中には「人は口蹄疫の家畜の肉を食べても影響はありません。」と、この文もついているということについては、私はこれはさすが農畜産業振興事業団のパンフだなというふうに思ったんです。
 しかし、現地に行って、宮崎牛の焼き肉用の肉が半分の値段でスーパーに出されたそうです。宮崎の方々でこの口蹄疫について知識を持っている人は、今のうちにそれを買おうといって買って、そしてもりもり焼き肉を食べた、おいしかったと、こういうようなことをおっしゃっています。そういう安全なんですよという問題も含めて宣伝する必要があると思います。
 この中で輸入の稲わらの使用は避けるということを指導しているわけですから、これを焼却処分したりあるいは捨てたり、そういうことをする費用についてはこれは当然国が補償すべきだと思うんですが、その点はどうお考えでしょうか。
#143
○政府参考人(樋口久俊君) 確かに輸入されております稲わらが原因であることを現在否定できないという状態でございますので、お話がございましたような形で私どもは指導をしているわけでございます。
 その中身は、例えば畜産農家がみずからの経営内においても家畜の感染を予防していただく、そういう観点からもその利用を回避していただく必要があるんじゃないかということを考えているわけでございまして、さらにそれとあわせて蔓延防止という観点もあるというふうに考えております。このことについては、自分の家畜に感染をさせない、回避する、さらにほかにも及ばさない、そういうことについて関係の皆さんの御理解の上でほかに使ってくださいということを言っているわけでございまして、焼くのが私どもとしては一番いい方法であるかどうかというのは疑問でございまして、例えば園芸用等ほかにも使えるところがあるわけでございますので、できればそちらの方で使っていただくとか、そういうことをお願いいたしております。
 ただ、いずれにしましても、本来の目的にお使いにならないということについて補償をするということはなかなか難しいといいますか、そういうものになじまないものじゃなかろうかというふうに考えておるところでございます。
 なお、その結果、粗飼料が不足するということは当然考えられるわけでございまして、これにつきましては全国団体にお願いをしておりまして、必要な量は確保され、既に必要な地域へ供給されていると私どもは聞いておるところでございます。
#144
○須藤美也子君 私は、輸入わら処分の補償については、やはりこういう立場で推進しているわけですから、ぜひその点も検討をしていただきたい。
 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、この輸入わらについて今回の事態を契機に完全自給を目指すべきだと思いますが、これは基本計画の中にも飼料についてはいろいろ明示をしておりますけれども、その点についてどうお考えでしょうか。
#145
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 本来、九百万トンも生産されておる国産の稲わらの六割が使われていないというところに問題があると思います。
 自給率を向上するという観点、また口蹄疫を持ち込ませないという観点からも、今後は稲わらについては自給を旨としてやっていく必要がある、このように思います。
#146
○須藤美也子君 もう一つお聞きしますが、検査体制についてであります。
 他県からも応援を受けて、家畜防疫員などわずか二十人程度で立入検査、臨床検査、採血、大変な労力を使っていろいろ消毒やら防疫やら頑張っているわけです。さらに、つくばの家畜衛生試験場、ここでは二十四時間体制でフル回転をしている、そういう努力をしているわけです。しかし、結果的にはまだ検査は終わっていない。先ほど来の答弁でそうですね。
 そこで、宮崎では早く採血してほしい、検査結果を出してほしいと。採血してから四、五日もかかるようでは不安で不安でしようがない、だから現場にそういう検査体制をつくることができないのか、そういう要望があります。宮崎で臨時に血清検査をやれる体制ができないのか。
 それから二つ目は、防疫員、獣医も含めて立入検査体制の強化を行うべきだと思うんですが、その点、大臣どうでしょうか。
#147
○政府参考人(樋口久俊君) 二つございました。
 一つは、血清検査のやり方でございます。やや技術的な点にわたって申しわけないんですが、これは非常に限られた地域、つまり気圧から空気の出入りをきちっと管理して、例えば中に危ないウイルスがあった場合にはそういうものが絶対に出ないという厳重な管理のもとで検査をするということでございまして、現在では小平市にある施設でしかできないということになっております。もしその中で事故が起きましたら、これは大変なことになるわけでございます。
 その中で、一日最大三千検体ほどの能力を有しておりますけれども、二十人ほどの職員が交代をしまして二十四時間やっているということは先生おっしゃったとおりでございます。そういう物理的な限界のもとでやっておりまして、これを外につくるとなりますと、これはまた大変な期間と金を要しますし、もともと小平につくるときに、周囲からもそういう施設をつくっていいのかと言われるぐらい、そういう地域では議論を呼ぶぐらい大変厳重な管理をしないといけない施設でございますので、なかなかほかのところでやれるという性格のものではないということを御理解いただきたいと思います。
 それから防疫員につきましては、各県に今御協力をお願いしておりますし、私どもの役所の中にも獣医といいますか、そういう能力を持った者もおりますので、これもまた状況を見ながら必要な人員を派遣して協力するという体制は既に整っておりまして、地元とよく協議をしていきたいと思っております。
#148
○須藤美也子君 そのことについては畜産局の方からよく説明をいただいた上で、現地の要求としてこういう問題がありますよと、それをしっかりと受けとめていただきたいんです、その気持ちを。そして、どうするかという体制を、やっぱり努力をして、こういうことならどうなのかという点での検討をしていただきたい。
 最後に、全国でも有名な畜産県、全国第三位ですね、この宮崎の生産を守り、絶対にこれ以上伝染させないという取り組みを農水省が先頭に立って取り組むよう大臣に要請して、次の基本計画の方に移りたいと思います。
 まず、基本計画では農業生産の努力目標が明示されております。ここではいろいろな種類によって生産者の努力課題が明示され、この課題が解決された場合、自給率向上ができる、こういうようになっているわけですが、非常に生産者にとっては厳しい努力目標だと思うんです。つまり、主要品目ごとの課題のうち、小麦、大豆、サトウキビは三割、生乳、牛肉は二割、生産コストを下げる、こういうことになっています。
 そこでお聞きいたしますが、この十年の間にこれらの品目の生産費で三割、二割も下がったものはあるのでしょうか。
#149
○政府参考人(木下寛之君) この十年間の生産コストの推移でございますけれども、まず小麦について申し上げますと、十アール当たりの全算入生産費が、昭和六十三年が六万七千九百七十三円、それが平成十年産になりますと六万一千八百九十七円ということで、約九%下がっているわけでございます。
 六十キログラム当たりの生産費でございますけれども、この間、小麦あるいは大豆とも共通することでございますけれども、非常に作況の変動が大きいという点がございます。このような作況変動が非常に大きいということを考慮いたしまして、平年単収を用いて計算いたしますと、この十年間当たりの平年単収が三百四十三キログラムから三百七十五キログラムということで約九%向上しているということでございまして、小麦でいきますと、一俵当たり、六十キログラム当たりの全算入生産費は約二割程度削減しているというような状況でございます。
 それから大豆でございます。同じように十アール当たりの全算入生産費が六十三年産から平成十年産にかけまして約一五%低減をしているという状況でございます。また、この間の平年単収でございますけれども、百七十二キログラムから百七十八キログラムと約三%向上しているということでございまして、一俵六十キログラム当たりの全算入生産費が二割程度削減されているというような状況でございます。
#150
○須藤美也子君 農水省からいただいた資料では、そういう資料になっていませんね。この十年間で米六十キロ生産費は、平成元年二万六十三円、十年度では一万九千九百九十一円。小麦、これは平成元年で一万六十二円、そして十年度では九千五百三十八円。二割も下がっていませんよ。二割も下がっているものはないです、生産費で。大豆はどうですか。元年度で二万二千二百四十二円、十年度では二万二千八百四十七円になっています。資料を見て言っているんですよ。
 この十年間といえば、新農政が始まり、ウルグアイ・ラウンド対策で担い手や大規模農家育成。こういう中で十年間かかっても生産費が下がらない、こういうことを認めないんですか。この資料を認めないんですか。出してきたこれはうそなんですか。
#151
○政府参考人(木下寛之君) この十年間の生産費の推移を比較するという観点からいたしますと、先ほど申し上げましたように小麦については六十三年産の作況が一〇七でございます。それに対しまして平成十年産が九四ということで、この間の生産の変動率が一三%に上っているわけでございまして、いわば一俵当たりの生産費を出す基礎となります生産量について相当の変動があるということでございます。
 したがいまして、先ほど御説明いたしましたように、統計情報部が出しております平年単収ということで出しますと、いわば十年間のいろいろな変化を比較し得るというふうに考えておりまして、平年単収で出した生産費について御説明したわけでございます。
#152
○須藤美也子君 それじゃ、そういうふうにしましょう。
 仮に、生産コストが下がる、それで農業所得が上がりますか。
#153
○政府参考人(木下寛之君) 先ほど申し上げましたように、生産費は平年単収で計算した数字でございまして、いわば所得につきましては十アール当たりから幾ら所得が上がるかということでございますから、平年単収にもかかわらず所得につきましては上がらないというふうに考えております。
#154
○須藤美也子君 農業所得は上がらないと。これは上がっていないですよ、はっきり言って。農家の所得は、いいものをつくり、やればやるほど下がるんです。そういう仕組みになっているんです。コストを削減して規模を拡大して一生懸命やればやるほど農業所得が下がっていく、こういう状況が今の現状であると思うんです。
 この間、大豆・菜種価格制度が改正されました。交付金制度支給に変わりました。この交付金の水準は生産性向上によって減額される方向が示されております。麦の民間流通はどうでしょうか。昨年の入札取引で小麦の二十八銘柄中十七が基準価格より下がっています。こういうふうに下がっているんです。
 ですから、十年間かかっても、コストはそういっていろいろな指標で下がったとしても農業所得は上がらない。それをこれから十年間かかって他産業並みの労働時間で他産業並みの農業所得を得ようとする、こういうことを生産者に明記をし、これをやりなさいということは非常に過酷な問題ではないですか。大臣、どうですか。
#155
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 制度の面からいいますと、今までの制度でありますと、いいものをつくりましても悪いものをつくりましても、それを平均して平均価格を出しまして、それに対する交付金を出しておった。そうしますと、いいものをつくっても悪いものをつくっても平均価格ということになりますから、銘柄ごとに意欲を持ってやるというところがそがれておった面があるのではないかと思います。
 今回の場合は、銘柄ごとにいいものをつくって、需要者の方もこれが欲しい、こういうことであれば、これは価格が上がっていくわけであります。それに対して一俵ごとに八千三百五十円の交付金をつける。そうしますと、極めて価格は安定していくと。
 さらには、水田において麦、大豆、飼料作物をつくった場合におきましては経営安定資金を適切にやるわけでありますから、そうしますとこれをプラスすれば他産業並みの収入を十分得られる、こういうことでございまして、一面だけをとれば委員のおっしゃることもある面においてはうなずけるところもありますが、これからやる政策の内容というものを見ていただければ、より意欲を持って取り組める内容になっておる、こういうふうに考えます。
#156
○須藤美也子君 いいものをつくればそれだけの分が返ってくると。いい例が米ではありませんか。新潟のコシヒカリ、どうですか。岩手、北海道、この五年間で六十キロで五千円も下がっていますよ、銘柄米が。いいものをつくるということで銘柄米で全部下がっているわけです。そういう点では大臣の考え方は現場から非常に乖離している、こう言わざるを得ません。
 後でまた議論しますから、今はいいです。何かもっといい答弁があるんですか。
#157
○国務大臣(玉沢徳一郎君) やはり農産物も市場価格によって影響されるわけでありますから、つまり最初見込んだよりもたくさんとれて過剰になってまいりますと、自主流通米の場合は価格が下がるのは当然のことでございます。したがいまして、この数年は過剰傾向で推移してきておるわけでありますから、価格は残念ながら下降的な方向でございます。
 しかしながら、かつては政府米ということで価格は政府で一定的に決めておった。それはいいものも悪いものも、悪いものといったら大変米に申しわけないんですけれども、品質が悪くても、あるいは味が悪くてもよくても政府米という価格で一定されておった。それをなぜ自主流通米にしたかといいますと、コシヒカリとかササニシキとかおいしいものはそれなりに高く評価される、こういうことをやって農家にも喜ばれてきたんじゃありませんか。今の政府米の価格で全部を統一した場合におきましては、そういうメリットはないんですよ。そういうことです。
#158
○須藤美也子君 前の答弁の方がよかったですね。
 しかし、生産コストを下げるやり方も問題があると思います。農水省で出している農業構造の展望というのがありますね。この農業構造の展望では、平成十一年、総農家戸数が三百二十四万戸、平成二十二年、十年後には五十万戸減少するんですね、この数字ですと。そして、これまで私どもが批判をしてきました新農政の延長をこれからも進めていく。つまり、家族農業経営は三十三万から三十七万戸、個別経営ではないですけれども、法人、組織経営が三万から四万、こういうふうになっていますね。
 一九九二年の新農政では、認定農家、個別経営は三十五万から四十万戸、組織経営では五万戸、こういう目標を立てたわけです。ところが、今現在、認定農家数は十四万六千百七十九戸、これは目標を達成できていないんです。ここで何が一番達成できないのか。これも農水省の資料です、そちらの方で出しているわけですからね。農産物価格の低迷が七六%、農地集積がうまくいかなかったが三五・九%、こういうふうに認定農家の農業経営改善に関するアンケートの結果が出ているんです。
 ですから、新農政というものは、これが決して農村や農業あるいは集落を活性化するものではない、これは九二年の新農政の今日までの結果で明らかだと思うんです。これをまた今回やって、どんどん農家戸数を減少させていく。私は、こういうやり方ではなくて、農業を続けたい人、高齢者も女性も若い人もやりたい人は、全部農村にとっては大事な担い手だと思うんです。
 そういう点で、認定農家だけに施策の集中を図るのではなくて、こういう人たちに、農業・農村を支えている人たちに担い手として十分な施策を進めていく、これが私は今本当に必要なのではないか、こういうふうに思うんですが、これは渡辺構造改善局長でしょうか、展望あるような答弁をお願いいたします。
#159
○政府参考人(渡辺好明君) 今、確かに先生からおっしゃられましたように、認定農業者の数が十四万六千という数字になっております。ただ、これは認定を申し出た農家ということでありまして、具体的に各市町村からの積み上げ、市町村がこれからどういう農業者を育成していくかという市町村の構想で積み上げてみますと、今およその数が三十万でございます。
 それから、既に認定農業者は、目標としているようなそういうレベルに到達をしている経営体が五万ほどありますから、これから先の展望としては、私は三十五万ぐらいの水準は達成可能だというふうに思っております。
 それから同時に、これは集落営農というような形、あるいは高齢者、兼業農家を切り捨てるものではなくて、集落というものはやはり大小相補の精神で、だれか一人だけが、だれか二人だけがその集落全体を引き受けるというわけではございませんので、相補いながら集落全体として生産性が上がり、農業生産の持続が可能になる、そういうふうな方向を目指しているのが今回の基本計画の骨格であります。
#160
○須藤美也子君 日本農業新聞の北海道版でしょうか、「二〇〇〇年一月までに、認定期間を終えた九百九十九人のうち、再認定されたのはわずか三百十八人と三割にしか過ぎない。」、「農業経営改善計画と、現実の所得減少とのギャップに苦悩する姿がある。特に、五年間で一俵(六十キロ)当たり三千円以上の米価格の急落の打撃を受けた」。そこで、こういうことを言っております。「国も認定農業者を担い手に位置づけるなら、所得補償の導入を真剣に考えるなど、本気で支援してほしい」。これが農業者の声であります。
 私は、認定農業者もそうですけれども、兼業農家も大規模農家も小規模農家も、こういう人たちが本当に日本農業を再建する担い手として、差別なくこういう農家の人たちにもきめ細かな施策を施していく、これが日本農業再建の道につながる、こういうふうに考えております。どうですか、大臣。
#161
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 水田活性化大綱、麦、大豆、飼料作物等は、決してこれは認定農家だけにやるものではなくして農家全般にやっていただく、その中におきまして認定農家の役割といいますのはそれぞれの地域で中核的な役割を担って指導的な立場でやっていく、こういう趣旨でございますので、やはり両者ともに相まって日本の農業を支えていただくということが大事だと考えております。
#162
○須藤美也子君 そういう立場で今回の基本計画、農業を続けたい人、やりたい人、認定農業者以外の方々にもそういう施策をきめ細かく進めていかなければこの自給率向上の目標は達成できない、こういうふうに私は言わざるを得ません。
 さらに、去年審議した基本法第七条に「国の責務」というのが明記されております。ところが、いただいた基本計画の中には国の責務というのがどこにも出てこない。ここが一つ私は問題だと思うんです。
 この政府の責務を果たす、当時、中川農水大臣は、基本計画を立ててその実施は政府の責任だ、こういうふうに答弁をいたしました。ですから、実行してもらいたくない、例えばさっき言ったように低コスト、どんどんコストを下げる、あるいは価格を下げる、そういうものはしてほしくありません。意欲を燃やすような、意欲が出るような、そういう面で政府がまず責任を持って取り組むべきではなかろうか。
 その第一に、先ほどから申し上げてきました価格の不安定、所得の低下があります。所得をふやすこと、このことをまず真っ先に行うべきだと思うんです。この点ではどうでしょうか。
#163
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 意欲を持って取り組める施策といいますのは、やはり所得の向上というのも大きな要素を占めておると考えております。
#164
○須藤美也子君 それでは、三月十五日の私の質問で、日本は既に価格保証などWTOで削減が約束された水準を超えているので、本来はその予算を切り下げることはない、緑や青の政策で予算をふやすことに政策展開の余地がある、大臣はこう答弁されました。
 価格・所得予算の拡大を計画に明記して、生産者の意欲を国の責務として引き出すべきだと思います。この点はどうでしょうか。簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#165
○国務大臣(玉沢徳一郎君) WTOの交渉におきましては、緑、青、黄色ですね、これらの施策、政策そのものも今後論議して、どういうような範囲でやるかという余地があると思います。
 そういうところでこれから交渉に入ってまいりますが、あくまでもその場合におきまして我が国が主張すべきことは、多面的機能を発揮するということは、やはり食料の安全保障に留意すると同時に食料自給率も向上せしめるための政策はどうあるべきか、こういう点でWTOとの条約におきましても整合性を持って各国に説明できるもの、あるいはそれらの考え方を変えるもの、そういうところにおいて今後頑張っていきたいと思います。
#166
○須藤美也子君 ところが、WTOはそういう前向きの姿勢で大臣が考えているのに対して、この計画には十二年度の現状の時点でWTOの問題から出発しているわけです。ですから、ここが問題ではないかと思うんです。
 そういう点で、多面的機能、食料の安全保障、あるいは米のミニマムアクセス、麦や乳製品、各種のアクセス数量、関税率の設定等の交渉の成り行きで国内生産は大きな影響を受けるわけです。何としても新しいルールをつくり、自給率を上げなければならない。それなのになぜ十二年度のウルグアイ・ラウンド合意を前提とした計画になっているのか、ここが不思議でしようがないんです。
 この点はまた最後に答弁していただくということで、もう一つ国が責任を持たなければならない問題として、一つは食料の消費に関してです。
 先ほど来お話がありましたが、国産のものを食べてもらう対策を強めること。この点で、例えば埼玉。学校給食御飯に続き、うどんを全量県産の小麦にしています。輸入小麦三百八十七トン、これを全部切りかえ、めん業界、製粉業界もなれてきている。評価も高い。県と業界で彩の国うどんを開発し、量販店からも取引がある。パンは不向き、こういうふうに言っておりますが、さきたまロールを開発し、この四月から学校給食で使う。こういう県もあるわけです。
 大臣の地元岩手県では、こういう意見書が出ております。自国の資源を活用して生産された農産物の消費によって自給率の向上と国土保全が図られることを国民に周知徹底させるため食を考える国民会議を国を挙げての国民運動として定着させること、特に麦、大豆の実需者に対し国産品の利用拡大を要請すること、これを国に対して要求するとあります。地元の岩手県からこういう意見が出ているわけですから、しっかりと大臣はこれを受けとめるべきだと思うんです。
 しかも、国産物の消費拡大、あるいは消費者に日本型食生活をやりなさいと、こういうようなことを言っているにもかかわらず、この基本計画の中には余りにもお粗末な表現があると思うんです。つまり、この十三ページに「国産小麦の多くの供給先である日本めん用の原料としては、輸入小麦に比べ品質面で劣り、かつ、ばらつきがあるという問題点が指摘されている。」と、こういうふうに書いてあるわけです。国産の小麦に何かけちをつけているというふうにしか思えないんです。
 国産の小麦は安全、新鮮、遺伝子組みかえの心配はない、そういうような形でやれば、国産物をもっと国が先頭に立って普及する、そういう姿勢がうかがわれると思うんですが、そういう点でどうでしょうか。国の、政府の責務として、WTO協定の問題と国産物の普及について、その姿勢をはっきりとお尋ねしたいと思います。
#167
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、WTOにつきましては、この計画に従って各施策を実施するに当たりましては、国際的な規律との調和を保つものとし、新たな国際的な規律の形成に際しては我が国の立場や主張を最大限反映させるよう努めるものとすると、この方針で臨んでまいりたいと思います。
 それから、小麦についてけしからぬ表現があるんじゃないかと。これは、けしからぬということよりも実情を言っているわけでございまして、より品質を向上せしめれば外国のものにも負けないぐらいの用途がたくさん出てくると、こういう趣旨とお考えをいただきたいと思います。
 なお、小麦につきましては遺伝子組みかえ農産物は出ておりませんので、もっと品質をよくしていくということが要請されていると考えます。
#168
○須藤美也子君 委員長、最後に。
 生産者や消費者に食料自給率の向上の努力目標を明示する。しかし、その前に国の責務として、食料自給率を向上させるための国の指導や援助、支援、価格保証はもとよりそうですけれども、国産物を愛する気持ちも含めて、国民運動でとよく大臣はおっしゃいますけれども、私はやっぱり国が先頭に立って食料自給率の向上を目指す、そういう立場で国民に見えるような姿勢をとっていただきたいということを要求いたしまして、終わります。
#169
○谷本巍君 基本計画につきましては、私は大臣の所信表明、それから委嘱審査の際にも伺っておりますので、きょうは問題を限定いたしまして、農地問題と都市農業について若干伺いたいと存じます。
 初めに、大臣に伺いたいと思います。
 基本計画は、農地面積は減っていくであろうが、農地の利用率を高めていく、そうすることによって、実質作付面積でいうならば平成九年現在四百七十二万ヘクタールのものを平成二十二年には四百九十五万ヘクタールにすることができるとしております。
 さて、それではこの四百九十五万ヘクタールによって供給可能なカロリーは何ぼかといいますと、基本計画が言うには、平成九年の場合には一千八十キロカロリーであるが、平成二十二年の供給力は一千百五十キロカロリーになるとしております。これは供給サイドのカロリーでありますから、摂取カロリーで見ますというと一千百キロカロリーをかなり割り込んでいくのではないかと思われます。第二次世界大戦直後の一九四六年の主要都市での食料消費水準を見てみますというと、一人一日当たり一千七百二十一キロカロリーというふうに出ております。これを大きく下回るということになってまいります。
 不測の事態に備えて食料安全保障を確立していこうというのであれば、私は今申し上げた事実をそのまま率直に国民の皆さんに訴えながら、そしてさらなる農用地の確保問題について力を入れるべきではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
#170
○国務大臣(玉沢徳一郎君) やはり国民の皆さんが関心を持っておるのは、第二次世界大戦の直後には、戦中もその後もそうでございますが、大変飢餓状態に陥った。当時、戦争末期におきましては、アメリカの潜水艦及び空中からの機雷投下によりまして完全に日本列島は封鎖されました。そういう中におきまして、配給制度その他があって辛うじてやってきたわけでありますが、戦後におきましても大変な飢餓状態が続いたわけでございます。そういう点から考えますと、食料の自給率を上げていくために、今、委員が言われましたように農地を造成していく努力はいついつまでも続けるべきものである、このように考えております。
 ただ、今御指摘の千百五十キロカロリーの点でございますが、二十二年度におきましての農地面積を四百七十万ヘクタールとしておりますけれども、そこで生産されるカロリーベースを計算した場合には千百五十キロカロリーでございます。やはりこれも国民の皆さんにもよく知っていただく必要がある。
 ただし、もし不測の事態が生じて外国から食料が入ってこないという事態になった場合におきましては、まだ農用地として利用できる空間がたくさんありますと。それから、同じ農地でもカロリーの多い、例えば芋類とか生産量の多いものに切りかえていく、こういうような工夫をしてまいりますならば、試算でありますけれども、一応昭和二十年代の後期のころまでの、あるいは三十年代の初め、このくらいは確保できるのではないか、こういうふうに考えているわけです。
 例えば、戦前におきましてもゴルフ場は全部芋畑に変わりました。今、日本じゅうのゴルフ場は十五万ヘクタールぐらいだと思いますけれども、これを仮に芋畑にすれば何百万トンもの生産が可能である。こういうことからいえば、不測の事態に対応する施策は出てくると思うわけであります。
#171
○谷本巍君 例えば、葉たばこを生産しているところを芋畑にしていくとか、花を生産しているところも芋畑にしていくとかいうようなこと等をやっていけば、基本計画では一千百五十キロカロリーというのが一千九百から二千キロカロリーの供給力が出てくるというふうに言っているんです。これは、私は机の上の計算だと思いますよ。
 といいますのは、そういう状態が起きたときに、果たして第二次世界大戦の当時のように乏しきを分かち合うという国民的精神というのがあるのかどうなのか。あの当時でもたらふく食っている人と餓死した人がありましたよ。今はもう市場原理の時代ですから、みんなで仲よく分けて配給でやりましょうよというようなことが果たしてうまくいくのかどうなのか。
 さらにはまた、生産の規制と流通規制ですね。これは現行法でもかなりやれますというお話を伺いました。ところが、やっぱり刀というのはしょっちゅう抜いていないとさびちゃうんですね。結局、そういう状況に来たときに、果たしてうまく法の運用でもって国民全体が結集力が出てくるかというと、私はそうはならないと思いますよ。そういう意味では、どうもこれは机上のプランでしかないなと、歩どまりが何%まで行くかは別としまして。それだけに、一つは農用地の確保問題について、もっともっとひとつ研究を重ねていただきたいということをこの際要望しておきたいのです。
#172
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員のおっしゃられる机上のプランだと、こういうことでございますが、外国から食料が途絶えるという事態になるまでは相当時間的な経過があるものと思われます。
 したがいまして、新食糧法によりましても配給制度そのものはやはり制度としては残しておく、こういうこともやっておるわけでございますし、経過の中におきまして、備蓄の食料その他、あるいは畜産物等におきましても、これも計画的に調達しながら、例えば飼料穀物等も食用に回すとか、いろんな工夫を凝らすことができるんじゃないかと。そういうふうな時間的な経過をある程度置きまして、そして自給の体制というものをどのようにしていったらいいかということはやはり今後検討していく必要があるのではないかと思うわけでありますし、農地を造成していくあらゆる工夫は、委員の主張するとおり私もそういうふうに考えております。
#173
○谷本巍君 そこで、農用地の確保問題について実務的な話を構造改善局長に伺いたいのであります。
 基本計画は、これからは耕作放棄や農用地の転用はこれはもう成り行き任せにしませんということを明確に言い切っておるわけであります。そこで、若干の注文を申し上げたいのであります。
 例えばという話になってまいりますけれども、農用地区域内の転用について申し上げますと、転用規制、それからまた農振制度、これはかなり厳格に私は運用をすべきではないかと思います。また、農用地区域への編入計画について申し上げますというと、農用地区域への面的な囲い込みという従来型手法で果たしてこれがどれだけ通用するのか。何かやっぱりここのところも説得力を欠きます。一工夫も二工夫も必要ではないかと思うのですが、その点、どうお考えになっておりますか。
#174
○政府参考人(渡辺好明君) 今お話がございましたように、その農地を良好な状態で確保するというためには二つの手法、一つはゾーニングの問題、線引きの問題ですね、それからもう一つは個別の農地について転用をどうするかという、この運用の問題だろうと思います。
 幸い、さきの国会で農振法の改正をさせていただきました。この基本計画と軌を一にいたしまして、三月に今まではございませんでした国の基本指針というものをまず出しました。その中で、今、先生からお話がありましたように、必死の覚悟で現状程度の農用地区域内農地、つまり優良農地を維持していこうということでございます。これは現行四百十九万ヘクタールなんですが、自然体でいきますと五十万ヘクタールほど減るという状況の中で、この減るのを押しとどめるというのが最大の課題でございます。
 一番きくのが、やはり連担をして圃場整備をすることで良好な状態をつくり出し、それを担い手に集積をするということです。それからもう一つは、やはり耕作放棄をこれ以上発生させないようにということで、中山間地域の直接支払い制度なんかはその有効な手法だろうと思います。そうしてもなお転用が起こるわけですが、これは最小限度に押しとどめるということで、この指針の中では約八万ヘクタール見込んでおりますけれども、その転用につきましても線引きにつきましても、これまでは通達でやっておりました指導を法定いたしますので、言ってみれば恣意的な運用が図られないようにすると。先生の御指摘でいえば厳格な運用ということになろうかと思います。
 できるだけこのボーダーライン上に接している農地を圃場整備して農用地区域内に編入をするということはこれからも心がけたいと思いますが、もう一工夫とおっしゃられますと、さてすぐには思い浮かびませんので、またみんなで議論をしてみたいと思っております。
#175
○谷本巍君 次に、都市農業について大臣に承りたいのです。
 大臣も御存じのように、八〇年代半ばのマスコミから労働組合まで総動員しての都市農業たたきというのはすさまじいものがありました。もう最近はすっかり影を潜めて、都市農業の持つ農業生産の機能から多面的機能、これがまともに評価されるような時代になってまいりました。この状況を受けて、基本法も三十六条二項で多面的機能のみか、都市農業の農業生産をうたっております。大臣、これは私は画期的なことだろうと思うんですよ。
 といいますのは、都市農業はこれまで生産緑地と呼ばれたけれども、都市農業とは一度も呼ばれていないですよ、法律の上では。都市農業は存在していないんです、生産緑地は存在しても。ところが、新しい基本法によって初めて都市農業というものが法的に認知されたのです。そういう意味で私は画期的だと思うのです。そこのところをこれから農政にどう生かしていくのか、この点についての所見を大臣に初めに承りたいのです。
#176
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員がおっしゃられますように、農業に対する偏見といいますのは五年ほど前は大変なものでございました。これは財界、経済界がみずからの権益を守るために農業を犠牲にする、こういう論調があらわれた結果だと思います。
 しかしながら、その後、自由化その他の経過におきまして、例えば銀行とか金融が国際自由化の中にどれだけもまれてきたか。こういうようなことを考えれば、自由化ばかりが発展につながるものではなくして、それぞれの機能を果たしながらやっていくということが一番大事だと。そういう観点から、農業というものが非常に見直されたということは極めて画期的なことであったと思います。そういう観点から、農業の持っておる多面的機能というのが今、日本ばかりでなく国際的にも認識が広がっているということはいいことだと思うわけであります。
 それから、都市農業をそういう観点からどういうように評価するかということでございますが、都市農業の場合におきましては消費地が極めて近い、こういうことから高付加価値的な農業の展開というものをやっていける非常に大きな利点を持っておると考えるわけでございまして、防災の観点からとか、あるいは緑の空間を持って環境を維持するとか、こういう観点からも多面的機能を大いに発揮しておる、こういうふうに考えるわけでございますので、都市農業というものを積極的に評価しまして、その発展を図っていくということが大事ではないかと認識しています。
#177
○谷本巍君 さて、そこで、今の大臣の答弁と関連しまして、局長に実務的な話を若干伺いたいのであります。
 今も大臣が言いましたように都市農業の優位性とは一体何なのかと。地場生産、地場消費、これが一つですね。その優位性を生かしていくのには、生産のあり方というのは私はやはり環境型を追求するということだろうと思いますし、それから流通について言うならば、直売型施設等々も含めた地場流通をどう伸ばしていくか、確保していくかということが政策としての基本になるだろうと思います。さらにはまた、もう一つの都市農業の武器というのは市民との交流ですね。この点については、もう市民農園から学童農園、そしてこれから福祉農園の需要にどうこたえていくか、行政側からどうこれをバックアップしていくかということが課題になってこようと思います。
 また、それには産地間情報の交換、これも盛んにやっていかなきゃなりません。同時に、土地利用や農村空間の整備も含めた農住調和型の農業のある町づくりについての自治体によるマスタープランづくり、この辺のところも積極的に追求していかなきゃならぬ時代に来たと思うんですが、局長、どうお考えになっておりましょうか。
#178
○政府参考人(渡辺好明君) 大変難しい御指摘でありますけれども、都市、とりわけ市街化区域内の農地が別の意味で多面的な機能を果たしているというのは、今、先生がおっしゃったとおりであると思うんです。従来はゾーニングという形で都市的利用と農業的利用ということでぱしっと切りましたけれども、どうもそれだけでは話が済まないということで生まれてきたのが生産緑地の制度であります。
 生産緑地は、大都市圏の市街化区域内、特定の市になりますけれども、四割が生産緑地の指定を受けております。ここで一定の営農がなされた場合には、これまではどちらかというと余り投資はしないということでありましたけれども、先ほどおっしゃっておられたような集出荷施設のようなものはこれからは投資をしていくということに私どもも方針を変えつつございますし、後段でおっしゃられた触れ合いといいますか都市住民との交流という点で、いわゆる特定農地貸し付け法その他に基づく市民農園、こういったものをこれから先も進めていきたいと思っております。
 ただ、とかく生産緑地などが使われないという状況があるものですから、そういう状況が来ましたときには市町村に買い取ってもらうなり、それから他の農業者へのあっせんをするなりという形で、制度もございますので、そういった点にも目配りをしたいと思っております。マスタープランはぜひとも必要なことではないかと思います。
#179
○谷本巍君 今、局長は生産緑地の営農継続が困難となった場合は市町村が買い取る、そして農業希望者にあっせんできる制度があるということを言っておりましたけれども、そういうことが行われたという実例を私は知らないんです。法律の上だけでこれがあるというような感じがしてならないんです。それよりも、むしろ発足当初非常に難しいと言われた市街化整備の見込みのないものを逆線引きで調整区域に入れていくという制度は、一定のまとまりがないとだめだという話があったのでこれは難しいだろうと思っていたのだが、むしろそっちの方が結構うまくいっているという状況があるんです。
 しかし、今、局長が言われた話、この二つの制度をうまく運用していくにしても、これはやっぱり限界があります。都市農業はどんどん衰退していかざるを得ない。そうしてきますと、これは難しいことなんですけれども、都市計画の上で農地というのをきちんと認めさせる、区分でもそういうぐあいにきちんとするというふうにしていけば農政の施策にしても、もっと大っぴらに堂々とやれるようになってくるわけでありますから、そこを考えるべき時期に来たんじゃないのかと思うんです。難しいが、どうでしょう。
#180
○政府参考人(渡辺好明君) ついせんだっても衆参の建設委員会あるいは国土・環境委員会で農地の宅地化推進に関する法律が通ったような状況の中で、随分議論もさせていただきました。日本の国土の事情を考えると、都市的利用にもこたえていかなきゃいけないという中でいろいろな調和をするわけですから、後からそういう巻き返しをするという逆線引きも相当ありますし、逆線引きをする場合には規模は多少小さくてもいいというふうな特例もございます。
 ただ、やはりどうしてもスタートのところの線引きが一番大事なんだろうと思いまして、私ども、農林水産委員会で改正をしていただきました農振法のこれから先の運用の適切を期するということで、当面状況を見守りたいと思っております。
#181
○谷本巍君 次に、相続税の見直し問題について伺いたいと存じます。
 農業継続の条件がなくなるなどの状態が生じておりまして、こんな状況の中で新たな都市農地保全のための仕組みづくり、これを考えていかなきゃならぬ状況が出てきたと思います。
 その一つ目の問題としては、私は相続税の見直しだろうと思うのです。生産緑地に対する相続納税猶予は自作地にしか適用されません。農地として残すのなら、貸し付けしてあっても農地として存続する限り相続税の納税猶予制度を適用させるようにしませんというと都市農地はなくなっていくんですね。ここのところはどうですか。
#182
○政府参考人(渡辺好明君) この点は率直に申し上げまして極めて困難と言わざるを得ないところでございます。もちろん、この猶予制度自身がみずからその経営を適切に継続するということで御本人が営農するということで成り立っておりますし、もう一つ、これは私どもは中で農地が大事だということはだれもわかっていることなんですけれども、農地と農業者にだけ適用されている制度なものですから、そのほかの業種とのバランスなどもございまして、私どもは壁にいろいろな形で少しずつ穴をあけるような要求は毎年やっております。
 例えば、猶予制度の中で農地の借りかえというふうなものは十二年度から認められるように実は農振地域ではなりましたけれども、少しずつ前進はしておりますけれども、今おっしゃったようなところは率直に言ってなかなか難しいというふうに言わざるを得ませんので、都市農業の存続のためにはこの制度はもちろん即効性があるのかもしれませんが、もっと別な手法を同時にやっていくということで、先ほど申し上げた集出荷施設なり販売施設、そういう面の新たな投資も可能にするというふうなことでこたえていくのではないかと現状では思っております。
#183
○谷本巍君 もう少し私はしぶとさがあってもいいと思うんですね。
 それで、局長、例えば市民農園だとか学童農園だとか防災対策上必要な農地、そういう公共性の高いものについては相続税の評価引き下げをもっと積極的に拡充していくということも考えるべきだと思うのだが、そこはどうですか。
#184
○政府参考人(渡辺好明君) 研究はしてみたいと思いますが、現状でも、例えば特定農地貸し付けの形で市民農園になったものにつきましては相続税の評価額から百分の三十を控除するというふうな一定の優遇措置がとられております。
 税というのは全体のバランスの中ででき上がっているものですから、そういったバランスが少しずつ動くときに、またこちらの方も新たな要求なり改正を持ち出すということではないかと思います。
#185
○谷本巍君 都市農業問題の最後に伺いたいのは、税制改正大綱が決められるとき、これは毎年決まってと申し上げた方がよかろうと思うのでありますが、都市農地の相続税猶予制度廃止の声が不動産業界等からよく出されます。これに大蔵省も悪乗りするんですよ。これから先、またこれが出てきそうな気がいたします。これはどう見たって、新しい基本法で都市農業の位置づけがぴしっとしてきた、そしてこれから積極的に都市農業というものを守っていこうという時代に入ってきた。時代逆行ですよ。これらの点についてはぜひひとつ今後とも、大臣もきちっとやっていただいておりますが、そういう逆行は抑えていただきたいということを要望しておきたいのですが、いかがでしょうか。
#186
○国務大臣(玉沢徳一郎君) ともすれば取れるところからたくさん税金を取りたいという趣旨で大蔵省その他は考えると思います。また、都市農業の中におきましても、農業さえやっておれば優遇税制を受けられるという点から、余り営農にも力を入れていなかったところもあるやに聞いておるわけでありますけれども、都市農業というふうにこの基本法の中にも位置づけておるわけでありますから、やはり積極的に農業生産をしまして積極的に農業の意義を発揮していくと、こういう観点からでありますならば、いかなる税金を取ろうとしましても断固としてこれは我々は断っていくと、こういう決意で臨んでまいりたいと思います。
#187
○谷本巍君 ありがとうございました。
 終わります。
#188
○委員長(若林正俊君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。
    ─────────────
#189
○委員長(若林正俊君) 次に、食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。玉沢農林水産大臣。
#190
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 食品産業は、国民生活に不可欠な食品を消費者に安定的に供給するという重要な役割を果たしており、食料・農業・農村基本法におきましても、その健全な発展を図るため、事業基盤の強化、農業との連携の推進、流通の合理化等の施策を講ずることとされているところであります。
 このため、食品産業と農林漁業との連携の強化、卸売市場の活性化及び食品産業の技術開発力の強化を図るための施策を講ずることとし、今回この法律案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、食品生産販売提携事業の拡充であります。
 現行の食品生産販売提携事業を拡充し、原材料である農林水産物を含む食品の生産から製造または加工に至る一連の流通行程を改善するため、食品製造業者等と農林漁業者等との間の連携の推進及びそのために必要な農林漁業施設の整備等の措置を追加するものであります。
 第二に、卸売市場機能高度化事業の拡充であります。
 現行の卸売市場機能高度化事業を拡充し、卸売市場の開設者が他の卸売市場の開設者と連携して卸売市場の活性化を図る事業を追加するものであります。
 第三に、新技術研究開発事業の創設であります。
 食品製造業者等、食品製造事業協同組合等または農業協同組合等が、食品の流通の円滑化等に資する新技術の研究開発を実施する事業を新技術研究開発事業として創設するものであります。
 第四に、構造改善事業の実施に対する支援措置であります。
 構造改善事業の実施に当たり、農林漁業金融公庫から長期かつ低利の資金の貸し付けを行うとともに、食品の流通の円滑化等に資する新技術の研究開発を実施するに当たっての税制の特例措置を講ずるものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#191
○委員長(若林正俊君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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