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2000/04/20 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第11号
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2000/04/20 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 農林水産委員会 第11号

#1
第147回国会 農林水産委員会 第11号
平成十二年四月二十日(木曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     亀井 郁夫君     岸  宏一君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     仲道 俊哉君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正俊君
    理 事
                岩永 浩美君
                亀谷 博昭君
                小林  元君
                須藤美也子君
                谷本  巍君
    委 員
                金田 勝年君
                佐藤 昭郎君
                鶴保 庸介君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                三浦 一水君
                森下 博之君
                郡司  彰君
                羽田雄一郎君
                藤井 俊男君
                峰崎 直樹君
                鶴岡  洋君
                渡辺 孝男君
                大沢 辰美君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
   政務次官
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       農林水産省畜産
       局長       樋口 久俊君
       林野庁長官    伴  次雄君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       運輸省海上技術
       安全局長     谷野龍一郎君
       運輸省港湾局長  川嶋 康宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○漁港法の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ─────────────
#2
○委員長(若林正俊君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、亀井郁夫君が委員を辞任され、その補欠として岸宏一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(若林正俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁港法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省構造改善局長渡辺好明君、同畜産局長樋口久俊君、林野庁長官伴次雄君、水産庁長官中須勇雄君、運輸省海上技術安全局長谷野龍一郎君及び同港湾局長川嶋康宏君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(若林正俊君) 漁港法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○岩永浩美君 自由民主党の岩永浩美です。
 玉沢農林大臣には、大変山積する諸問題の解決のために東奔西走、御精励いただいていることに敬意を表したいと思います。なお、健康には大変御自信がおありだと思いますが、突発的ないろいろなことがございますので、くれぐれも御自愛のほど切にお祈りをいたしておきたいと思います。
 まず、今回政府から提案されました漁港法の一部を改正する法律案について、何点か当局にお伺いをしたいと思います。
 今回の法律の改正によって、第一種漁港の指定については原則的に市町村、第二種漁港については都道府県というふうに権限が委譲されることになっております。今回の権限委譲が単なる管理そのものの委譲だけならある程度理解いたしますが、その権限の委譲が管理以上に漁港の整備やあるいは今後の管理していく費用の面までもし地方で負担するということになると、なかなかこの法律案を素直に認めるわけにはいかない思いがいたします。
 そこで、漁港の今後の指定権限の委譲について、地方負担のあり方、今後地方がそういう一つの管理していく上において負担増につながっていくというようなことがないのかどうか。そして、あるいは今後漁港の整備に対する国の助成のあり方の変更等がもしあるとするならば、大変困難な問題が生じると思うので、この際、こうした変更をしていく経過の中で今までの財政負担等々については見直しをしないんだというはっきりした一つのお考えを示していただくことによって、この改正案の趣旨に私自身は賛同したい。一応そういうそれぞれの問題についての確認を先にいたしておきたいと思いますが、お示しを願いたいと思います。
#7
○政務次官(金田勝年君) ただいまの委員の御指摘でございますが、漁港に関します指定権限の委譲に伴いまして、まず漁港整備についての考え方が変わるのかという点でございます。
 今回の改正は、ただいま御指摘のありましたように、漁港のうち約九割を占めます第一種漁港と第二種漁港に係ります指定権限を国から地方公共団体に委譲することとしておるものであります。そしてまた一方では、漁港整備につきましては、地方公共団体は農林水産大臣が定めます漁港の整備計画等に基づきまして事業を着実に進めるとともに、国はそのための所要の予算を確保してきたところであります。
 今回の指定権限の委譲によりまして地方の発意に基づく漁港の指定は可能となるわけでありますが、このことによりまして従来の整備の考え方が変更されるものではないというふうに考えておるわけであります。
 そして、費用負担の点でございますが、今回の改正によりまして地方公共団体に国の権限が委譲されますけれども、これまでも地方公共団体は漁港の指定や管理に関する業務を行ってきておりまして、この委譲によりまして新たな財政負担を伴うものではないというふうに考えておる次第であります。
#8
○岩永浩美君 今、金田政務次官から今後漁港管理のあり方について地方負担がないという御答弁の確答をいただいたので、ぜひ地方自治体にとってそういう不安がないように、今後も管理運営面についてはそれぞれの当該する市町村並びに県が管理するとしても、財政負担についてはそういう不安を今後も与えないように、ぜひそのことについての力強い行政指導もあわせてお願いをいたしておきたいと思います。
 次に、プレジャーボートをめぐる問題について伺っておきます。
 だんだん国民生活における余暇の時間や余暇活動が増大をしてまいりました。その中で、海洋レジャーであるマリンスポーツが盛んになっていることはもう御承知のとおりです。しかし、マリンスポーツが大変増加して盛んになっていることと相反して、それぞれの地域の漁業者との間でいろいろなトラブルが生じていることもこれまた事実であります。
 船の係留をめぐるトラブルや漁場の競合、漁協内における不法駐艇、あるいは漁港の中における不法駐車、ごみの投棄などトラブルが発生していることはもう既に皆さん御承知だと私は思います。特に、プレジャーボートの運航者の人は、その漁港内並びに地域の漁場のあるべき本来の姿をよく存じなくて漁場を航行される方が多分におられます。そういうことがあって、漁民の方とのトラブルが絶えない事態があることは既に皆さん御承知だと私は思います。
 その中で、今一番私ども問題にしているのは、プレジャーボートの所有者が漁港並びに漁場の中に放置したままにしておられる船があります。それを処理しようとしても、処理することに大変お金がかかる。あるいは、漁場を非常に荒らしてしまっているので何とか移動させてほしいという考えを持っても、その所有者がはっきりしないためにどうしても動かしていくことができない。プレジャーボートを放棄した人たちが大きな顔をして、いわばひとり勝ちしたような関係になっていることはどうしても漁民の皆さん方の理解を得ることはできません。
 昨年の十二月に策定された水産基本政策大綱の中でも、「漁港区域内のプレジャーボート対策として、漁港の適正な利用を可能とする制度や船舶の廃棄等及び放置艇対策を講じるための制度の導入を検討する。」としています。しかし、プレジャーボートの所有者の体系的な把握についてはまだ全然なされていないと私は聞いております。漁民の方々はそれぞれ漁船を既に登録して、漁船そのものについては届け出制になっていますから、それぞれの所有者がちゃんと管理されていますが、プレジャーボートの登録制度が十分にできていないために、どうしてもそういう放置艇を動かしていくことができない。これは何とかしなければいけないという非常に強い要望があります。
 プレジャーボートの所有者の管理体制を一元化する必要があると思いますが、そのことについて当局はどういうお考えをお持ちか、お示しを願いたい。
#9
○政府参考人(谷野龍一郎君) 御説明をさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、プレジャーボートの利用に関連をいたしましてさまざまな問題が出ております。そして、この問題を解決するために基本となる所有者の明確化が重要であるというふうに私どもも認識をいたしております。
 しかしながら、現在の登録制度、とりわけ船舶法という国籍を公証する基本となる登録制度がございますが、この制度におきましては、総トン数五トン未満の船舶にはその所有者を特定する制度が設けられておりません。このため、現在では総トン数五トン未満の船舶に関しましては、放置艇対策等、その公共性の高いものに限りまして、昭和四十九年に船舶安全法に基づく二十トン未満の小型船舶の検査機関として設置されました日本小型船舶検査機構の検査の際に得られました所有者に関する情報を自治体等の問い合わせに応じて提供いたしているところでございます。
 ある程度の効果は上がっていると認識しておりますが、先生御指摘のとおり、基本的には所有者を把握するための登録制度をきちっと検討していく必要があると我々も考えておりまして、実態を見てみますと、既に幾つかの地方自治体においては条例による届け出制度等を実施いたしております。したがいまして、こうした自治体独自の取り組み等を十分見きわめながら、全国一元的な登録制度の制定につきまして、関係省庁とも十分御相談を申し上げながら積極的に検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
#10
○岩永浩美君 それでは、今何県ぐらい条例による届け出制ができていますか。
#11
○政府参考人(谷野龍一郎君) まことに申しわけないんですが、条例に基づいてつくられております都道府県すべて、今、ちょっと私データをお持ちしておりませんが、知っておりますところでは静岡とか広島とかございますが、まだまだ四十七都道府県の数からいいますとごく限られた都道府県でございます。
#12
○岩永浩美君 現実的に、プレジャーボートにおける不法駐艇、不法駐艇の問題というのはどこでどういう処理をしていいかわからないでいるのが大方の都道府県の見解だと私は思います。
 特にFRP艇、あれはどうしても不燃物であり、そしてまた処理に非常に余計お金がかかるために、そのまま放置されていて漁場が荒らされてしまっているんです。そのFRPのプレジャーボート、その処理をどうしていくかということを地方自治体は一番悩んでいるんです。それに対する対策はどうしていますか、今まで。
#13
○政府参考人(谷野龍一郎君) お答え申し上げます。
 先生の御認識のとおり、今プレジャーボートは一般の廃棄物と同じ取り扱いを受けておりまして、そういう意味では基本的には所有者とそれから地方自治体がそれを処理するということになっておりますが、御指摘のとおりなかなか難しゅうございます。
 一般的な処理の仕方としましては、ある程度小さく刻みまして埋設をするという方法をとっております。しかし、この方法ではこれからたくさん出てまいりますプレジャーボートに対処できませんので、私ども平成十二年度の予算で予算措置を講じていただきまして、一つはFRPの廃材をセメント等の原材料としてリサイクルする技術、それからもう一つは、艇体を幾つかのブロックに分けまして、例えば真ん中だけ傷んだ場合には船首尾だけをまた次の新しい船として使うとか、あるいは部品については次の新しい船に対して使うとかいうリユース技術、この二つを技術開発しようということで予算措置を講じていただいております。
 一億三千万円という大変大きな予算でございまして、ミレニアム枠からいただいておりますので、この予算措置に基づきまして処理技術を確立し、それの事業化について具体的に進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#14
○岩永浩美君 ミレニアム予算としてそういう技術開発を進めていく、それは私は結構なことだと思います。
 ただ、今放置されている不法駐艇問題に係る経費、そのことが非常にやっぱり自治体の中で困っているわけです。それに対する措置を講じない限り本質的な問題の解決はできないんです。そのことが原因になって小さな漁場が荒らされているんです。そういう不法駐艇の問題を具体的にどうやってやっていくのか。
 今お答えいただいたように、今後それぞれ切って、そして埋設をしていく。埋設をしていく分は何%にも満たない、まだまだ数多く不法駐艇されている問題についての財政的な支援を自治体に出してでもそれを処置するということをお考えになっているのか、そこはどうなんでしょうか。
#15
○政府参考人(谷野龍一郎君) 正直申し上げましてまだそこまで詰めてはおりません。
 ただ、この問題の一番大きなポイントは、プレジャーボートを例えば低温で燃焼させますとダイオキシンが出てしまうとか、あるいはそのままほっておいてもなかなか腐らないという問題がございます。したがって、やはりどのようにして処理をするかという技術をまず確立して、その上で、既に捨てられているものも含めまして、廃船処理をしていく事業化の仕組みを関係者の方々の費用負担も含めまして検討していくべきだ、こういうふうに考えております。
#16
○岩永浩美君 今回、法の改正をされますね。地方分権にのっとってそれぞれの権限を自治体にお任せになること、これは私は結構だと思うんです。そのことについては私は多としています。
 ただ、今御当局から御説明があったような形では、今既に不法駐艇になっている処置に困っているもの、そういうふうなものを切り刻んだり、新たな技術開発を一方で推し進めていく、それは、技術開発を一方で進めなければいけないだろう。今荒らされている漁場の整備は、権限を委譲された市町村だけで今後はやっていくようになってしまうんです。それに係る経費はどうしますかということを申し上げているんです。
#17
○政府参考人(谷野龍一郎君) 私、運輸省の海上技術安全局長でございまして、FRPのボートをつくっております産業を所管させていただいております。したがいまして、その産業の中からそういった廃棄物を出さない仕組みを産業を育成指導する観点から整理させていただくつもりでおります。
 例えば、製造事業者が所有者に対して転売をいたしますときに製造事業者を特定する番号を振らせるとか、あるいは先ほど言いましたように、新しい処理技術を開発するときに応分の負担をもって技術開発に参加させるとか、さらに事業化の際にその事業についての費用負担について参入を検討するとか、そういった形でやらせていただきたいと思っております。
 それを超える枠組みについては、私だけではなかなかお答えできませんので、関係省庁とよく相談をさせていただきたいと考えております。
#18
○岩永浩美君 そういう船をつくっていくメーカーの指導をなさる立場におられるなら、それはそういう不法駐艇をしているFRPの船、プレジャーボートのメーカーに対する指導というのはあってしかるべきだと思うんです。そのメーカーに対しては、今の不法駐艇、今までずっとつくってこられたメーカーはおわかりになるはずです。それぞれの船はそれぞれの原因者の負担によって、あるいは原因者負担と同時に、購入をされた人、役所との間で今後協議をして具体的にそのことについては処置をされますか。
#19
○政府参考人(谷野龍一郎君) 十分なお答えができないかもわかりませんが、今の制度の仕組みは、売り切って、利用者が自分のものとして受け取った後、その方が最終的に処理をするという一般の廃棄物の処理と同じ原則でやっております。ところが、これではなかなかできないことだという御指摘と受けとめておりますので、新しい事業化の仕組みの中でメーカー負担も含めてどのようにすればいいのか考えていきたい、こういうふうに考えております。
#20
○岩永浩美君 ここでいろいろ質問してもその域を超えた御答弁をいただけないようですから、玉沢大臣にお尋ねをいたしますが、今、運輸省の局長から御答弁がありました。私も質疑をさせていただいた中で、プレジャーボートの一元化した登録制度がないために不法駐艇等々が非常に数多く出ております。そういうことが限られた漁業資源を荒らしてしまっている原因になっていることは否めない事実です。
 このプレジャーボート、漁船においてはある程度届け出ができておりますから管理できていますが、登録の一元化に向けて農林水産省、運輸省、水産庁等々とあわせた体制を早く確立すべきだと私は考えますが、その件についてどう対処していただけるか、御答弁願いたいと思います。
#21
○国務大臣(玉沢徳一郎君) やはり三省で協力をして体制を整えることが急務だと思います。また同時に、このプレジャーボートが、遊漁というような観点から漁業資源等をとっておるということに対しましても有効な手だてをやる。すなわち、外国等におきましてはいろいろと料金を取ってやっておる、遊漁に対して。そうしたことも今後検討する必要があるんじゃないか、こういうふうに思っております。
#22
○岩永浩美君 ぜひそのことは大臣を中心にして力強く推し進めていただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 では、運輸省さん、結構です。
 次に、栽培漁業の振興のことで伺いたいと存じます。
 漁港の整備等々について地方自治体が管理運営をすることになりました。今、それぞれの離島並びに漁村は大変冷え切った状態の中にあります。私の住まいする九州、玄界灘を中心とした漁場並びに有明海を中心とした漁場、漁業資源が枯渇をしてしまって大変苦労いたしておりますが、その中で栽培漁業を中心とした活路を見出すべくそれぞれ努力を今いたしています。
 栽培漁業を振興していく上において、魚種が少ないとどうしても価格がうまくいかない、ある程度それぞれの地域に合った魚種もふやしていかなければいけない。魚種をふやしていくためには、漁民の方だけでは魚種をふやしていくこともできないので、そういう栽培漁業に携わる技術者の数がどうしてもそれに伴ってふえてくると私は思います。
 遠洋漁業についても大変採算に合わなくなり、日韓、日中の漁業協定も大臣の御努力によってある一定の成果を見ましたが、まだまだ潤わすほどの状況にないことは大臣一番御理解いただいているとおりだと私は思います。
 そういう中で魚種をふやす。魚種をふやすために先ほど申し上げたように技術者の数をふやす。今までの栽培漁業の技術者だけで、今後、日本の栽培漁業を振興させていく上において、人員において大丈夫なのかなと心配をいたしておりますが、今後、技術者をふやしていくためにどういう考え方をお持ちになっているのか。
 そのことをお示しいただくと同時に、それぞれの漁港修築整備事業等々とあわせて、その近くの今あるそれぞれの漁港、今まではやっぱり船の乗りおりに対する利便性を追求した漁港の整備でした。しかし、今後は地域の皆さん方と共生のできる環境を重視した漁港をつくり上げていかなければいけないことは言うまでもありません。そういう二十一世紀に向けた新たな漁港整備に向けて、技術者並びに漁港修築事業に対する当局のお考えをお示し願いたい。
#23
○政府参考人(中須勇雄君) 私から前段のお話に関しまして御説明を申し上げたいと思います。
 ただいま先生から御指摘ございましたとおり、我が国周辺海域の水産資源の状況は大変厳しいものがございます。こういった中で沿岸漁業の振興を図っていくという上では、つくり育てる漁業、栽培漁業をどう振興していくかが極めて重要な課題だと、こういうふうに認識をしております。
 このため、先般、第四次の栽培漁業基本方針というものを出しましたけれども、良質な種苗の増産、放流効果の増大を図るための技術開発、あるいは資源管理の促進等に努めていく、こういうことと同時に、責任ある栽培漁業の推進、こういう方針を打ち出して取り組んでまいりたいと思っているところであります。
 そういう中におきまして、先生から御指摘ありましたとおり、国において基礎的な技術開発を行いましても、それを都道府県段階で実用化していく、そういう意味におきましては都道府県段階における技術者の養成が大変重要な課題でございます。そのために、現在、国の栽培漁業センターというところが中心になりまして、都道府県、市町村等の技術者を集めて研修会等を開く、それもいろいろ三種類ほど現在やっておりますけれども、そういうことを通じて技術移転、国で開発された技術がスムーズに都道府県段階に移転をする、そういうことが可能になるように努力をしていきたいというふうに考えております。
 こうした国営の栽培漁業センターみずからの技術開発と同時に、その移転ということに力を入れて取り組んでまいりたいというふうに思っているわけであります。
 それから、二点目にございました自然環境との共生に関する漁港整備につきましては、別途……。
#24
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員が御指摘されますように、海の環境をいかに守っていくかということは極めて大事なことだと思います。
 そこで、本格的な二百海里体制が、日中、日韓の基本協定が実施されることになりましてスタートするわけでございます。やはり日韓の関係におきましては、もう既に十二海里までかつては韓国の漁船が来ておったんですが、これが暫定水域の中に行く、それからまた漁船等も少なくなってきた、こういうことから資源は相当回復してきていると思います。具体的に、例えば二、三年前からことしの漁獲高とを見れば大きくふえておるわけでございます。これが中国との関係においても行われるということは非常に大事なことだと思うわけでございますし、全海域において整々とした資源管理を行いまして、資源を増大させていくということがまず大事だと思います。
 そして、今お尋ねのつくり育てる漁業については、水質管理、環境面が大事でございますから、これは集落排水とかあるいは下水とか、陸の方におきましても十分環境対策を図りまして、水質がいつもよく保全されているということを維持していくことが大事である、このように考えているところであります。
#25
○岩永浩美君 なお一層の支援策を講じていただくことを要請して、私の質問を終わります。
#26
○小林元君 民主党・新緑風会の小林でございます。
 またまた大変な問題が生じております。
 けさの産経新聞によりますと、農水省所管の三法人で一億五千万円の申告漏れがあったということでありました。この委員会でもたびたび農水省の過剰接待あるいは収賄というようなことで取り上げられたわけで、非常に残念な事態が続いているという状況でございますが、このようなことについてそれぞれ状況を把握しておればお伺いしたいと思います。
#27
○政府参考人(渡辺好明君) まず初めに、日本農業集落排水協会の件につきまして御説明を申し上げます。
 平成十年度の税務申告でありますけれども、この協会は、公認会計士の指導を得まして四億三千万円の未払い金の申告をいたしました。この四億三千万円の未払いの申告の中に、四月以降に支払うべき工事代金として四千五百万円が計上されておりましたので、税務当局の指摘によりましてこの四千五百万円は翌年度に計上するということで、結果的にはこの四千五百万円の申告不足というふうに判断されたものと聞いております。
 協会では、税務当局に対しまして、修正に応じて平成十一年の十一月と十二月に納税を行っております。言ってみれば、申告に当たっての仕分けについての考え方の相違ということがこういう結果になったのだろうと思っております。
#28
○政府参考人(伴次雄君) 日本林業技術協会でありますが、昨年の十一月に平成八年、九年、十年の税務監査があったわけでございまして、経費上の計上区分の誤りとそれから消費税の一部未納がありまして、一千三百万円を追加納税したと聞いております。
 同協会としては、従前より公認会計士とも相談し、税務会計というものを適正に進めたところでありますけれども、本事案は物品購入費とそれから建物の修繕費が課税の対象かどうかというような見解の相違と、それから林業の会館の貸与収入の消費税が未納であったことというふうに聞いております。
 本日、早速指導した次第であります。
#29
○政府参考人(樋口久俊君) 社団法人の家畜改良事業団につきまして御説明申し上げます。
 先生御承知のとおり、家畜改良事業団の行っております収益事業の大半は、所有をいたしております優良な種雄牛、種牛ですね、それからとりました精液を販売したことに係る収入がほとんどでございますけれども、本件は事業団がその販売額を正しく申告しなかったというようなことではございませんで、保有に係ります種牛の管理施設、五カ所ほど全国にございますが、施設の修繕等を行っております。
 それの修繕について、八年度と九年度で損金として申告をいたして、全体の納税の扱い上そういう申告をしていましたところ、十一年の七月になりまして税務署、これは京橋の税務署と聞いておりますが、修繕費は損金に算入しないで減価償却の扱いにするように指摘を受けたということでございます。これに従って直ちに修正申告を行い、所要の額について追加の納付を行ったと承知をいたしております。
 結論から申し上げますと、修繕費についての考え方の違いによるものだったというふうに聞いているところでございます。
#30
○小林元君 今の説明を聞いていますと余り悪いことはなかったんだというようなことでありますが、やはり税金、しかも農水省の役人が天下りをしているというようなことであります。国の役人が、現職ではないでしょうけれども、税金を納めないんだ、何かごまかしているんだというような、年度の違いとか減価償却云々とかいろいろあるんでしょうけれども、やっぱりこれはきちんとやると。公認会計士あるいは税理士にお任せするということではなくて、そういうことがなければ国民の信頼は得られない。もう役人が国税を納めないというふうにみんな見るわけです。ということになったら、国民の皆さんは何で税金なんかを納めるのか、ばかばかしくてやっていられないということになってしまう。これが第一印象だと思うんです。ですから、単なる間違いだ、区分の違いだということではなくて、こういうことをきっちりやっていただきたい。
 それから、問題はこういう公益法人がこれほどの大きな収益事業をやっていると。本来、公益法人の目的はそういうものではなかろうというふうに考えるのが当然だと思います。
 そういう意味で、これは前からの問題もこれあり、十分に見直しといいますか、法人のあり方、あるいは廃止を含めて見直しをするというような抜本的な対応が必要なのではないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#31
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林水産省所管の公益法人に対しましては、公益法人に対する指導監督基準に即して、会計経理を含め、今後とも適切に指導してまいりたいと考えております。
#32
○小林元君 見直しにつきましては御答弁がなかったような気がいたしますが、十分総合的な観点から見直しをして、こういうことの二度と起きないようにしていただきたい、こういうふうに思います。
 関係の局長、結構でございます。
 それから次に、昨日の、これも突然の通告で恐縮でありますけれども、中国が遠洋マグロ漁業に参入をするというような動きがあると。現在、国際的なマグロの資源管理というようなことで関心を持っているわけでございますが、そういう考えに逆行するということになると思いますけれども、そうはいいましても参入は自由だという問題もございます。
 そういう意味で、対応に苦慮しているとは思いますけれども、その辺についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#33
○政府参考人(中須勇雄君) ただいま先生御指摘のとおり、世界のマグロ漁業の現状は、資源に対して漁獲努力量が過大である、過剰漁獲が進んでいるというふうにFAOからも指摘を受けております。二割以上の減船が必要だということで、我が国は二割の百三十二隻の減船を昨年実施したところであります。当然、これに伴いまして我が国としては他の国に対しても協調して減船をしてマグロ資源の持続的利用を図っていく、こういうふうに改善をしようという呼びかけをしているわけであります。
 そういう中にありまして、先生今御指摘のとおり、中国において、これは具体的にじかに私どもが聞いたわけではございませんが、超低温マグロはえ縄漁業技術交流会というのを中国の地において開催する、日本の一部のメーカー等にも招待が来ている、こういうことでありまして、中国がマグロはえ縄漁業へ進出することを目的としているのではないか、大変大きな懸念を持っているわけであります。
 もちろん、そういう漁業に参入すること自体は自由ではありますが、世界的に見て資源と漁獲努力量の間に大きなアンバランスがある、漁獲努力量を削減しなければならない、こういう事態にあることも事実でございますので、私どもとしては中国に対してこういう状況を十分御説明し、慎重な対応、やはり中国としても漁獲努力量の削減に取り組んでいただくという観点での要請をこれから機会をとらえて実施していきたい、こういうふうに思っております。
#34
○小林元君 今の答弁にもありましたけれども、参入は自由だとはいいながら、国際的な資源管理の観点で十分な話し合いを進めていただきたい、こういうふうに要望する次第でございます。
 次に、有珠山噴火による被災者の皆さんに心からのお見舞いを申し上げる次第でございます。本委員会におきましても既に、農業関係あるいは漁業関係、大変関係がありますので、同僚議員から十分に取り上げられているわけでございます。
 きょうは水産の関係ということでございますので、今回の有珠山の噴火で国内有数のホタテ養殖地であります内浦湾の虻田漁協あるいは有珠漁協の養殖場が危険にさらされているということで立ち入りが制限をされている、禁止をされるというような状態でございますけれども、どのような状況なのか、あるいは今後の対策についてどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 四月六日、私は現地に赴きまして、伊達市の漁協や虻田町の虻田漁協においてなかなかホタテの養殖管理作業ができない、こういう状況を見まして、短時間でありましても安全を確保しまして作業ができないかということを現地の対策本部に要請いたしたところでございます。これを受けまして検討していただきまして、四月九日には厳重な監視、救難態勢のもと、一時的ではありますけれども、養殖管理作業が実施されました。
 その後、火山の状況等を見ながら作業が行われておるわけでございまして、現在は有珠漁協におきましてはほぼ通常の放流用稚貝の出荷を行い、虻田漁協におきましても、漁港使用に時間的制約を受ける中で耳づり作業や養殖用稚貝の出荷を行って、作業のおくれを取り戻すことに努力しているところであると報告を受けております。
 農林水産省といたしましては、ホタテ養殖業に対する噴火の影響を最小限に食いとめる観点から、引き続き北海道庁、関係機関と協力して、養殖管理作業が順調に行われるよう、出漁指導等、適切に対処してまいる考えであります。
#36
○小林元君 噴火の鎮静化を望むものでありますけれども、これはいかなる事態が発生するやもわからぬという状況でございますので、どうぞ適時適切な対応をしていただきたいと要望いたします。
 次に、水産政策の基本政策についてお伺いしたいと思います。
 もう既に御承知のとおりに、二百海里時代を迎え、遠洋漁業が衰退をする、あるいは資源が枯渇をする、環境悪化という状況の中で、我が国の水産業は大変低迷といいますか厳しい状況にあるわけでございます。生産量でも五十九年をピークにして今や半減をするというような状況でございますし、経営体につきましても相当な、約五万体の経営体が減少する、あるいは就業者数もここ十年で八万人ぐらいですか、減少するというような状況でございますが、そのような現状の厳しさといいますか、御認識について大臣にお伺いしたいと思います。
#37
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 平成八年に海洋法条約の批准によりまして二百海里時代が到来いたしたわけでございますけれども、今日までの状況を見ますと、各国がそれぞれ漁業に熱心な余り資源をかなり減少させてきた、こういう印象を持ちます。
 したがいまして、二百海里時代の到来におきましてまず隣国との関係におきまして漁業秩序を明確にしていくということが第一である。こういう観点から、日韓、日中の漁業協定をいかに効果的に実施していくか、こういうことで、日韓につきましては昨年の十二月に暫定水域におけるルール化につきまして合意を得、また日中につきましては六月一日から条約の発効ということになったわけでございます。これによって隣国との関係における課題は解決をしたことになるわけでありますから、二百海里時代における漁業資源は我が国の管理下に置かれる、こういうことになると思うわけでございます。
 したがいまして、この二百海里体制の中における漁業資源の回復を図りながら継続的に利用していく、こういうことによりまして現在直面しております漁業生産の減少、担い手の減少、漁村の活力の低下に対応していかなきゃいかぬ、こういうふうに考えるわけでございます。そのためには、まず基本的な問題を明確にして政策を打ち立て、水産基本法を取りまとめて対処をしていくということが大事ではないかと考えているところであります。
#38
○小林元君 今の御答弁でございますけれども、大綱によりますと、今答弁にもありましたけれども、水産資源の適正な管理あるいは持続的な利用を基本とした安定供給を図るというようなことで書いてあるわけでございます。
 ただ、そういうことというのは沿岸漁業をメーンにするというようなことになろうと思いますし、言ってみれば今の趨勢というものは低下傾向、減少傾向というものに歯どめがなかなかかけにくい、そしてまた大幅な減船あるいは漁業生産量の低下というのもやむを得ないというようなことを心配しているわけでございますが、その辺についてはいかがでしょうか。
#39
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 私は、減船というよりはむしろ休漁という方がよろしいんじゃないかと思います。
 資源を回復するために魚礁とかそういうものを投下するということも一つの方法でありますけれども、海はみずから資源を生み出す力を持っておりますから、小さい魚とかこれから育っていく資源、そういうものをとり尽くすような漁法はできるだけ制限しまして、なおかつ資源の少ないものに対しては休漁していく、その間はどうするかという方向をお互いに考えてやっていく、支え合っていくということが大事じゃないかと思います。例えば、ほとんどだめになったと言われた秋田のハタハタにつきましても、かなりの間休漁することによりまして資源が回復してきておるわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、日韓漁業協定が発効することによりまして沿岸におきましての資源はかなり回復してきている、私はそういうふうに考えておるわけでございますので、余り悲観せずに、資源は天から与えられるものである、海は人類の母である、こういう観点から大いに前進を図っていくということが大事ではないかと思います。
#40
○小林元君 天から与えられる、あるいは海はそういうものの母であるということは、それはそうだろうと思うんですけれども、しかし現実は大変厳しいということだと思います。
 そこで、今、私は漁業の生産量というものも低下をするのではないかというふうに懸念をしている一人でありますけれども、食料・農業・農村基本計画によりますと、食料自給率の趨勢値というようなことで、平成十年六百四万トン、二十二年六百九十九万トン、魚介類の自給率六六%を七七%にするというようなことになっておりますが、これはこのように理解をしてよろしいのでしょうか。
#41
○政府参考人(中須勇雄君) 食用魚介類の自給率目標につきましては、私ども、現在の数値が五七%でございます、これを六六%に引き上げる、こういうような考え方で、これを食料・農業・農村基本計画の食料自給率の算定に当たりましての、目標値設定に当たりましての水産の部分ということで基礎としているわけであります。
 国内での漁業の生産量がふえるという前提でありますが、そのまたさらに前提としては、当然のことでありますが、現在の資源状態をある程度回復させないとそういった国内生産は実現をしないということでございまして、十年後を目途に今から四、五年前の水準、資源状態に回復させるということを見込んで、ただいま申し上げましたような数値を目標として示しているわけでございます。
#42
○小林元君 これはこれから漁業基本法を詰めるというような中で詰められる問題だろうと思います。
 そこで、最後に簡単にお聞きしたいと思いますけれども、基本法にいろんな項目を盛り込むということであります。農業基本法の場合には基本計画というようなことで大変わかりやすい計画というものが出てきたわけでございますが、漁業の場合にはその辺はどういう、例えば漁業・漁村の基本計画みたいなものをお考えになっているのかどうか。ああいうものは大変国民にわかりやすいものだろうと思いますけれども、その辺はいかがお考えでしょうか。
#43
○政府参考人(中須勇雄君) 昨年暮れに取りまとめました水産基本政策大綱におきましては、幾つかの新しいこれからの水産政策の柱ということで、もちろん一番重要な点は資源の回復とその持続的利用体制をいかにつくっていくかということでありますが、そういった形で施策を整理しているわけであります。
 ただ、現実にそういった施策を掲げ、それをどういった手順で実現していくかということを新しい基本法の中で書かなければならない、こういうことでございまして、現在、実はそういった柱をどういうものを立てればいいかということについて、水産基本政策大綱の説明会ということで全国各地に人を派遣いたしまして、漁業者あるいは消費者を含めてお話をし、いろいろ意見交換を行っているところであります。
 そういう中で、これから約一年かけてどういう形で基本法をつくっていくか、どういうものを柱にしていくかということを詰めていきたいと思っておりますが、ただいま先生から御指摘がありましたように、食料・農業・農村基本法では基本計画という一つのシステムがとられたわけであります。そういうことも視野に入れながら、水産の分野ではどういうふうに考えていくか十分検討していきたいと思っております。
#44
○小林元君 どうぞ、国民に向かって漁業はこうあるんだというようなものをお示しいただければ大変わかりやすいのではないかと思っております。
 次に、ちょっと通告順ではございませんけれども、順序を違えまして環境保全の問題をお尋ねしたい。
 二千九百三十七の漁港があるわけでございます。日本の海岸線の十一キロに一港ある。例えば、うちの茨城県におきましては平潟港というのがございます、福島県境でございますけれども。その隣に勿来港というのがございます。これは一キロも離れていない、本当に隣接をしている。県境であるがためにそういうことになったのかなと思うわけでございます。
 いずれにしましても、漁港の建設といいますか整備に伴っていろんな問題が出てきている。自然環境の問題についても、御存じかもしれませんが、建設省土木研究所河川部長の宇多さんという方が書いた「日本の海岸侵食」という本によりますと、漁港の防波堤等の建設によって、どの程度のことかは私も判断できませんけれども、白砂青松が失われつつある、漁港だけではないと思いますけれども、というようなことでありますし、環境庁の自然環境保全基礎調査によりますと、この二十年で八百七十キロの自然海岸が失われた、こういうことになっております。こういうことにつきまして水産庁長官はいかがお考えでしょうか。
#45
○政府参考人(中須勇雄君) いわゆる砂浜が消失をいたします海岸侵食の原因については、いろいろ言われているわけでありますが、もちろん防波堤等の構造物が海に突き出るということによりまして海の中の水の流れ、海流の流れ、つまりそれが土砂を運ぶわけでありますが、それが一面で遮られて反対側において侵食が生ずる、こういうことがあるということも言われておりますし、またもう一つは河川からの供給の土砂量が減少している、これが海岸侵食の原因の一つをなしている、こういう話もございまして、いろいろな説があるわけであります。
 そういう状況でございますから、もちろん私ども漁港の整備を行うに当たりましては、調査とか計画段階におきまして、そういった施設をつくることによって自然に影響が出る、これを最小限にするように努力をするということでの自然環境への配慮ということに心がけているつもりであります。
 またそれと同時に、個別の具体的な各地区の状況に応じて、一方において漁港でも土砂がたまるということがございまして、たまった土砂を侵食された砂浜海岸に供給していく、こういうような事業も実施しております。また、海岸侵食ということではございませんが、藻場の機能を果たすような防波堤の整備、あるいは港の中の水質が悪化しないように防波堤に簡単に言えば穴をあけて海水が内外で交流して水質の改善が実現する、そういった工法も随時取り入れながら、漁港の整備ということに当たりまして、できる限り自然環境に配慮するということに今後とも努力をしていきたいというふうに思っております。
#46
○小林元君 時間がなくなっておりますので、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
 平成五年に環境基本法が制定されました。そういう中で、河川法、海岸法あるいは港湾法につきまして、いずれも自然環境あるいは環境保全というようなことが明確に目的規定の中に位置づけられております。しかし、今回の漁港法の改正につきましてはそういうものがないというようなことでございます。
 漁業者自体も漁場の環境といいますか海の環境保全、例えば豊かな海づくり大会というようなことをやって、そういうことに大変関心が高いわけでございます。この漁港法がそういうものに何も触れていないというのは非常に残念でございます。本来であれば修正案というようなことで出せばいいんでしょうけれども、やっぱりそのようなみずからの姿勢を正すといいますか、きっちり示すべきだったんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#47
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘の漁港法の今回の改正におきまして環境保全の観点が盛り込まれていないではないかというような御指摘でございますけれども、漁港の整備に当たりましては第九次漁港整備長期計画の基本目標がございまして、この重要な基本目標の一つの美しい海辺環境の保全と創造に基づきまして、自然環境と調和した整備を漁港につきましても推進していくんだという方針のもとに、従来から自然環境と調和した漁港の整備ということに努めてきておるところであります。
 漁港法の目的であります水産業の発展を図る上で、御指摘のとおり、申し上げるまでもなく漁港周辺の環境を保全するということは極めて必要不可欠な課題であって、これまでの第九次長期計画に基づきます位置づけを十分踏まえながら、環境の保全に配慮しながらこれまでも漁港整備に努めてきたということもございます。
 そういう意味におきまして、今回の改正において改めて環境の保全に配慮することを規定する必要はないというふうに判断した次第であります。
#48
○小林元君 いわゆる大規模開発とは違いまして、漁港というのはどちらかといえば小規模なものでございます。ですから、自然環境への影響というものも小さかろうというふうにお考えだろうと思いますし、私もそのように考えています。しかし、やはりここは姿勢でございますから、きちんとするというのが非常に大事ではないか、実際にやっているというにしきの御旗を高く上げるということはやっぱり大事なことなんではないかというふうに思っております。
 そこで、これは時間がありませんので要望をしておきたいと思いますが、沿岸漁業等振興審議会というふうに今回なるわけでございますけれども、この委員を見ますと、いわゆる一般の有識者というものが非常に入りにくい、専門家の集まりあるいは漁業関係者の集まりというようなことになっているわけでございます。こういう中に、本来、環境の専門家ですとか、一般の有識者といいますか、仲間内の審議会ではなくて開かれた審議会というようなものにすべきではないかと思いますが、今後の委員選任に当たって十分考えていただきたい。
 それから、これまで漁港はふえることは余りない、今回指定の権限委譲があったわけでございますが、そんなにふえていくという状況にはないと思いますし、むしろ取り消しをするといいますか、廃止をするということが出てくるんだろうとは思います。そこで、これは実態を私つかんでおりませんが、廃止をした漁港、いわゆるその残骸が放置されているというような状況がないように十分に配慮をしていただきたい、こういうふうに思っております。
 もう時間がありませんが、最後に、先ほどプレジャーボート対策ということで岩永議員からも極めて適切な御意見があったと思います。マリンスポーツあるいは海洋性レクリエーション、これはやはり漁業を理解する上でも大変大事なことでありますし、共存共栄を図る、しかし、そうはいっても漁港は原則自由使用であるというふうに考えておりますけれども、やはり秩序があってしかるべきだというふうに思っております。
 そういう中で、放置艇対策につきましては、先ほど岩永議員から所有者の登録表示制度が不十分であるというふうに、私も全く同じ考えでございますので、どうぞ、時代はもう規制を緩和する方向かもしれませんけれども、これはきちんと放置艇等の対応ができるように、車の場合には車検制度あるいは税の徴収まできっちりシステム化されているというようなことがあるわけでございますから、これはやはり利用する以上はそういうような協力といいますか、することが必要んではないか、そういうふうに思っております。どうぞ、せっかく来ていただきましたが、同じことでございますので御要望にとどめさせていただきたいと思います。
 それから、放置艇問題につきまして先ほどのメーカー云々というようなことができれば大変よろしいと思います。しかし、そうはいいましてもメーカーだけが負担するのではなくて、これは利用者も当然負担があってしかるべきである。それが消費税とかいろんな負担になっているんでしょうけれども、現実はこのプレジャーボートというのは一切税金がかかっていないという現状があるわけでございます。事業用資産の船舶については固定資産税ということになっております。ところが、車の方はバイクに至るまですべて課税対象になっているというようなことでございまして、そういう自動車税並みに取れということを今直ちに申し上げるつもりはございません。二十万隻ですから徴税コストが大変だとかいろんな問題もあると思いますけれども、そういう問題もこの放置対策を含む環境保全というものの財源として考えていく必要もあるのかなと。
 この辺につきまして、お考えがありましたらお聞かせいただきまして、質問を終わらせていただきます。
#49
○国務大臣(玉沢徳一郎君) プレジャーボートから税金を取るかどうかということでございますが、管理をきちっとするという観点からも、またいろいろな問題を解決していくという上におきましても、やはりそういう方向で検討することが望ましいのではないか、私の考えであります。
#50
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 漁港法の一部を改正する法律案に関連しまして質問させていただきたいと思います。
 最初に、地方分権の推進の観点からちょっとお聞きしたいと思います。
 本改正案では、第一種漁港については市町村長が指定することとし、第二種漁港及び二つ以上の市町村の区域にわたる第一種漁港については都道府県知事が指定することとするということで、地方分権の観点から指定権者が一部国から地方自治体へと移行されるわけでありますけれども、近い将来、新しく漁港をつくりたいというような地方からの要請があるのか否か、また本改正による新たな漁港指定の見込みがあるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。これは金田政務次官、よろしくお願いします。
#51
○政務次官(金田勝年君) 今後、漁港の新規指定の要請等の状況はどうだと、こういう御指摘でございますけれども、昭和二十五年に漁港法が制定されまして以来、漁港の指定は関係地方公共団体の意見を聞きながら順次行われてきております。平成五年度末には二千九百五十三港に達したわけでございますけれども、昨年末には指定の取り消し等もあり、二千九百三十七港となっておるわけであります。
 今回の改正によりまして、指定権限の一部が市町村長そして都道府県知事にゆだねられることになるわけでございますけれども、このことによりまして今後新規指定の要請がどの程度出てくるかということにつきましては、現時点では必ずしも明らかではありません。そういう状況でございます。
#52
○渡辺孝男君 次に、違法な放置艇の処置等について質問したいと思いますけれども、この法案の三十九条第五項では、漁港の区域内においてみだりに船舶、自動車等を放置する等を禁止する、また、区域とは、漁港の保全上特に必要があると認めて漁港管理者が指定した区域に限るということになっております。
 現在、都市生活者の海洋レジャー人口が増大し、そのマナーが問題になっておりますけれども、このような中で船舶や自動車等の放置の禁止、あるいは指定区域の周知徹底を図ることは大変な努力が要ることと思います。この周知徹底に関し、農水省としてはどのように対応していこうとしているのか、政務次官にお伺いしたいと思います。
#53
○政務次官(金田勝年君) 今回の改正におきましては、漁港の保全上特に必要があると認めて漁港管理者が指定した区域内におきましては、みだりに船舶あるいは自動車を捨てたり放置したりすることを禁止することにしておるわけであります。
 漁港管理者は、この区域の指定を行いましたときには利用者に確実に周知がなされますように、区域指定について公示をすることとしておるわけであります。この公示方法につきましては、具体的には農林水産省令で定めることとしておりますけれども、公報への記載、その区域の周辺の見やすい場所へ掲示を出すなど、さまざまな形で示していきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
#54
○渡辺孝男君 やはり漁港周辺、遠いところからいらっしゃる人にとっては区域の指定等がわからないということも十分考えられますので、その周知等はしっかりやっていただきたい、そのように思います。
 次に、プレジャーボートの全国実態調査の結果を見ますと、放置艇というのが全体で十三万八千隻にも及びまして、その中で漁港単独区域内では約四万隻にも上っているということであります。
 このような多くの放置艇をどのような方法でだれがどのように取り締まっていくのか、また罰則がどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。また、指定されていない区域での放置艇についてはこれをどのように改善していくのか、その対応についてもお伺いしたいと思います。
 これは水産庁長官、よろしくお願いします。
#55
○政府参考人(中須勇雄君) 今回の改正によりまして、漁港管理者である都道府県または市町村が必要に応じて放置禁止区域を設定する。放置船舶に対しては、所有者が明確な場合には撤去の命令を発するし、不明な場合には簡易代執行を行って撤去が可能になる、こういうことであります。日常的には、漁港は多くの漁業者が利用しているわけでありまして、こういう利用者からの通報によりまして放置艇等を発見、確定をする、こういうことが当然のことながら取り締まり方法として出てくるということだろうと思います。
 それから、このような放置艇に対しては罰則が定められておりまして、これは警察あるいは海上保安庁による取り締まりの対象になり、最終的には三十万円以下の罰金が科せられる、こういうことも法定されているわけであります。
 これらの規定を実施するためには、一義的には漁港管理者が撤去命令等を発する、それで放置艇の撤去に努めるということで、そういうことに全く応じない悪質なケースに対しては取り締まりとか罰則の適用、こういうことになるのではないかというふうに考えております。
 なお、放置禁止区域外につきましては、むしろ漁船とプレジャーボートを、私どもは決してプレジャーボートを一切漁港から排除しようと思っているわけではないわけでありまして、漁業活動に支障のない範囲では一定の受け入れということも可能でありまして、そういう意味でのすみ分けがこういう禁止区域を設定するという形を通じて実現すれば大変いいことではないか、こういうふうに思っているわけであります。
#56
○渡辺孝男君 そういう意味では、指定されていない区域においては、漁業関係者とそういうプレジャーボート等々を利用する方々の話し合いがきちんとされていって、マナーをよく守るというようなことが大事になってくるということであると思います。
 では、次にお伺いしたいんですけれども、本改正案の第三十九条の二におきまして、放置された船舶、自動車等の除去命令等、漁港管理者が監督処分しようとする場合において、相手方を確知できないときであっても当該措置を漁港管理者みずからが行うことができるように手続を整備することが改正点のポイントであります。
 一方、改正案の第六条では、漁港の指定権限の移譲を、第一種、第二種漁港は地方自治体の指定に移しているわけであります。権限を移譲された自治体としては、今後どのような処分方法をとることが可能になってくるのか。また、処分の費用負担がこれから多くなってくるのかなというふうに感じるわけでありますけれども、その処分の費用負担についてどのようになっていくのか、お伺いしたいと思います。これは政務次官に。
#57
○政務次官(金田勝年君) 今回の改正によりまして、漁港管理者が必要に応じて放置艇を処分するということを可能とすることにしておるわけでありますけれども、これに要する費用につきましてはどうなるのかということなんですが、漁港管理者が一義的には負担することになるわけであります。
 しかしながら、当該処分にかかります費用につきましては所有者に負担させることが原則でありまして、その後の手続におきまして所有者が判明した場合には、当該費用を所有者が負担する義務を負うことにつきましても法律上あわせて明確化をしておるところであります。
 こうした点から考えまして、今回の放置艇対策の導入につきましては直ちに新たな財政負担を伴うこととなるものではないというふうには考えております。そういうことでございます。
#58
○渡辺孝男君 所有者がよくわからないという場合には、管理者の方で処分あるいは転売していくようなことも必要になってくるわけでありますけれども、やはりそういう意味では負担がふえてくるような心配もあるわけであります。そういう場合に、国の支援策というものがどういうふうになっていくのか、この点、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
#59
○政府参考人(中須勇雄君) ただいま政務次官から申し上げましたとおり、基本的にはその所有者を後続手続によって判明させて、その方に負担をしていただくというのがあくまでも基本であります。
 ただ、すべてがそれで解決できるかということになりますと、その場合には漁港管理者が一義的に負担をしておりますから、その負担が漁港管理者に及ぶ、こういうことも当然あり得るわけであります。
#60
○渡辺孝男君 そういう場合には、何らかの国の支援というものがあるのかどうかをお聞きしたいんです。
#61
○政務次官(金田勝年君) 直ちに新たな財政負担を伴うことになるものではないというふうに考えておるわけですけれども、今後の実態も踏まえながら検討をしていくことになろうかと思います。
#62
○渡辺孝男君 では、次の質問に移りますけれども、プレジャーボートの係留あるいは保管対策に関する提言では、プレジャーボートを所有するに当たって、保管場所の確保を義務づける制度の創設をうたっております。
 違法係留対策の第一はやはり保管場所の義務づけではないかというふうに思うわけでありますけれども、水産庁としてはどのように対応していくのか、今後の方針をお伺いしたいと思います。
#63
○政府参考人(中須勇雄君) 先ほどお話もございましたとおり、プレジャーボートの係留・保管対策は大変難しい課題でありまして、現在、私どもと運輸省、建設省、三省庁共同でいろいろ議論を進めているところであります。
 特に、平成十年には学識経験者から成る調査委員会を設けまして、提言をいただきました。この提言の中では、適切な規制措置と係留・保管能力の向上ということを車の両輪として進めるべきだという前提に立って、将来的にはプレジャーボートを所有するに当たって保管場所の確保を義務づける、あるいは所有者が明確にわかるような制度を導入する、こういうことが提言されているわけであります。
 したがいまして、私ども、今回の改正を含めて、これですべて建設、運輸とも足並みがそろいます。その場合に、簡易代執行制度がどういうふうに動いていくか、その効果、実施状況等も踏まえながら、保管場所の義務化の必要性等も含めて関係省庁で連携して検討を進めていきたいと思っております。
#64
○渡辺孝男君 保管場所を義務づけるというのも大変な作業かなとは思うんですけれども、実際上はその保管する場所が十分整備されていないというのもまた現実かなと思います。港湾整備に保管場所の確保を義務づける、その大前提としては、やはり港湾においてプレジャーボートの係留場所であるマリーナを整備するような事業、あるいは漁港においては、漁船と遊漁船等との利用の調整を図りまして、漁業と海洋レクリエーションとの調和ある発展を目的として進められておりますフィッシャリーナ事業の整備を推進する、そういうことが重要になるわけでありますけれども、このマリーナの整備事業の今後の推進方針、あるいはフィッシャリーナの事業の推進方針についてお伺いしたいと思います。じゃ、まず運輸省の方から。
#65
○政府参考人(川嶋康宏君) 放置艇対策につきましては、先ほどもお話がございましたように、適正な規制措置とそれから係留・保管能力の向上ということが車の両輪というふうに考えているところでございます。
 私どもも、去る三月三十一日に港湾法の改正をお認めいただきまして、規制措置については確保したところでございます。
 一方、係留・保管能力の向上につきましては、港湾の中でも約六万隻ぐらいの放置艇があるというふうに確認をしております。そういう意味で、放置艇の現状と、それからさらにこれからプレジャーボートの普及というようなものを考慮いたしまして対策を講じていく必要があろうかというふうに思っております。
 具体的な収容施設の整備に関しましては、お話にございましたように、従来から進めておりますマリーナの整備に加えまして、特に今放置艇の多くを占めておりますのは小型船でございますので、そういうモーターボート等を収容するために、平成九年から、港の奥の中で水路でありますとかあるいは静穏な水域がございますので、そういったところを簡易な係留施設で低料金で係留施設を提供できるような、私どもはボートパーク事業というふうに呼んでおりますが、こういった事業を展開させていただいております。
 また、民間の皆様のお力をかりるという意味で、民間事業者の投資を促進するために無利子貸付制度でありますとかあるいは財投による支援措置、そういったものを講じてまいっておりますし、さらにそのスキームの充実を図りながら民間の皆さんの御協力も仰いでいるところでございます。
#66
○政府参考人(中須勇雄君) 先ほど先生から御紹介ございましたように、私どもも、漁港における漁業生産活動とプレジャーボートの利用の適正化を図る、こういう観点から漁港利用調整事業、いわゆるプレジャーボート等を収容するフィッシャリーナをつくる、こういう事業に取り組んでいるところでございまして、既に全国現在までのところで十六地区においてフィッシャリーナの供用を開始しております。平成十二年度におきましても、約二十二億円の事業費で十三漁港について事業を継続している、こういう状況でございます。
#67
○渡辺孝男君 先ほど運輸省の方からのお話にもありましたけれども、そういう民間の活力も利用しながらマリーナの整備を推進していく、そういう観点も大変重要かなと思いますので、そういう場合の支援ということも充実していただきたい、そのように考えております。
 運輸省の方、どうもありがとうございました。
 フィッシャリーナ事業についてもう少し述べてみたいと思うんですけれども、東北におきましては、六県中で三陸海岸を有します岩手県が唯一この事業を行っている県でありますけれども、種市などを含めまして四漁港が事業指定を受けて既に供用が開始されているということであります。
 このフィッシャリーナ整備事業の推進によってもたらされている効果について判明しておれば、岩手県が地元であります玉沢農林水産大臣の方からお伺いしたいと思います。
#68
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 全国でも有数のリアス式海岸を有しております我が岩手県におきましては、フィッシャリーナ十六のうち四カ所を有しておる。その効果でございますけれども、まず漁船とプレジャーボートの係留場所を明確に区分した結果として、入出港時の混雑が緩和され、スムーズな漁船の航行が可能となるとともに、漁業活動の場である岸壁に係留していたプレジャーボートがフィッシャリーナに移動したことによって円滑な漁業活動が可能となることなどが挙げられておるところであります。
#69
○渡辺孝男君 そういう意味で効果が認められているということでありますので、これからもそういう都市部の方々が海岸に来る、そしてレジャーを楽しむということと、現地で漁業を営んでいる人が本当に共生していけるような事業の展開をさらに進めていただきたい、そのように思うわけであります。
 次に、都市部住民と漁港住民との交流促進と海のマナーの啓蒙につきまして質問させていただきたいと思います。
 係留場所の早急な確保とともに大事な点は、海洋レジャーを楽しむ人々と漁港に生きる人々との交流を通じまして、海のマナーを理解していただく、またひいては健全な海洋文化の担い手として育っていただく、こういうことにあると考えるわけであります。都市部住民と漁村住民との交流並びに海のマナーの啓蒙については、これまでどのような取り組みがなされており、また今後さらにどのような取り組みをしていく方針か、大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
#70
○国務大臣(玉沢徳一郎君) これは非常に大事なことだと思います。都市と農村の交流ということはよくうたわれますけれども、国民的な大きな理解を水産業に求めるという上におきましては、都市と漁村の交流というのは大変重要になってくると考えるわけでございます。
 そういう中におきまして、とかく海洋性レクリエーションの進展に伴いまして、漁港を訪ねる都市住民がともすればごみとか空き缶とかそういうものを投げ捨てましたり、釣り糸やごみの放棄、不法駐車などいろいろな問題が生じておるわけでございます。
 そこで、都市と漁村の交流を進めるという観点から、美しく便利な漁港、漁村づくりを行うためのごみ処理施設、トイレ、駐車場の整備やマナー向上のための立て看板の設置等を進めるとともに、平成十二年度からは新たにマナー啓発のパンフレットの配布等への助成を行うこととしたところでございまして、これは非常に大事なことだと思っておるわけでございます。
 今後とも、都市と漁村の交流を促進しまして、漁村の活性化に資するため、こうした施策を通じて漁港利用者に対するマナーの向上を図ってまいりたいと考えているところであります。
#71
○渡辺孝男君 日本人は海洋水産物を本当に喜んでとって食事を楽しむというような文化を持っておりますので、そういう海洋水産物を育てていただいている、そういう漁港に住んでおられる住民との交流というのが非常に大事なのかなと。また、そういう意味で感謝の思いを持って都市部住民もそういう漁港を使わせていただく、遊ぶ場合もそういう思いが大事なのかなというふうに思います。今後ともその啓発については一生懸命やっていただきたい、そのように思います。
 次に、周辺環境に配慮した漁港の整備、管理ということでお伺いしたいんですけれども、漁港の整備や管理に当たりましては、やはり周辺環境への配慮、自然生態系の保全という観点に立って計画を立て、また漁港を整備し管理していくことが大変重要になってきている、そういうふうに思っております。漁港関連の審議会とかあるいは漁港管理会にそういう自然生態系の専門家の意見を取り入れていくようなことを農水省として今後どのように行っていくのかをお伺いしたいと思います。金田政務次官、よろしくお願いします。
#72
○政務次官(金田勝年君) ただいま御指摘の漁港の整備や管理に当たりましての自然環境との調和が大事であると、まさにそのとおりでございまして、第九次漁港整備長期計画の基本目標におきましては、美しい海辺環境の保全と創造という観点を盛り込んでおりますし、またそれとともに整備方針の中では、環境の保全及び景観との調和に十分配慮することを明記しておるわけでありまして、漁港、漁村の整備に当たりましては、海辺環境の保全等に配慮するとともに、自然との共生を図ることに一生懸命努めてきたところであります。
 したがいまして、今後ともこうした考え方に基づきまして、御指摘のとおり、関係行政機関や有識者と連携あるいは調整を一層図りながら、漁港の整備や管理を進めていきたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#73
○渡辺孝男君 ありがとうございます。
 最後の質問になるんですけれども、近年、海面遊漁者はやはり年々増加しておりまして、平成十年度で三千八百六十八万人にも達するという状況であります。そういう状況を反映しまして、魚種によりましては、一定の海域においては、遊漁者の採取量が漁業者の漁獲量を超えてくる地域も出てきているというふうに指摘されているわけでありますけれども、この現状につきまして、簡潔に御説明をいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(中須勇雄君) 遊漁者による漁獲状況につきましては、私どもの統計情報部の方で、平成九年に全国で遊漁船を利用した船釣り二万九千トン余の釣獲量があるというデータがございます。この量は、沿岸漁業の漁獲量の一・七%、二%弱に相当する量ということであります。
 遊漁者の漁獲が多い例としては、データで確認できるものは、これは実は神奈川県、静岡県沖の太平洋におけるマダイの漁獲量というのがございます。これは、商業的な漁業による漁獲量が約二百トンであるのに対して遊漁による漁獲量が約三百七十トンと、こういう例がございまして、明らかに遊漁による採捕量の方が上回っている、こういう状況も一部では見られるわけでございます。
#75
○渡辺孝男君 これに関連しまして、漁業者ばかりでなくて遊漁者も参加した水産物の資源の保存、管理の重要性が指摘されているわけでありますけれども、農水省としてはこれを今後どのように支援していく方針なのか、お伺いしたいと思います。
#76
○政府参考人(中須勇雄君) 遊漁者も参画した資源保護という観点からは、先ほども言及いたしましたが、昨年十二月に策定した水産基本政策大綱にも盛り込まれているわけでありますが、海域や魚種によっては遊漁が資源管理上無視し得なくなっている。こういう場所において、例えば小型魚の採捕制限、そういうものを含めた遊漁の適正な管理というものをモデル的に実施する、こういう仕組みをぜひ検討するということを大綱に盛り込んでおります。
 そういった検討を含めて、遊漁の管理を推進していきたいと、こう考えております。
#77
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#78
○須藤美也子君 共産党の須藤美也子です。早速質問をいたします。
 諫早干拓から三年たちました。工事は六年も延長され、総工事費は当初の一千三百五十億円から一・八倍の二千四百九十億円にも膨れ上がりました。さらに大変なのは、漁業被害が深刻になっているという問題であります。
 例えば、諫早湾で漁をする佐賀県太良町の大浦漁協では、二枚貝のタイラギやアサリが壊滅状況を受けている。先日、抗議行動を行いました。さらに、長崎県の小長井町漁協、ここはかつて天然資源の保護で水産庁長官賞を受けている。以前は水揚げ三億五千万円あったタイラギが七年間休漁を余儀なくされ、廃業に追い込まれている。代替漁業として養殖アサリも三億円あったものが三分の一に減少。島原半島のワカメ養殖にも大きな影響が出ていると。
 この漁業への被害、諫早干拓を推進してきた構造改善局長として、漁業被害に対するこういう状況をどのように深刻に受けとめられているのでしょうか。
#79
○政府参考人(渡辺好明君) 干拓と漁業との関係でありますけれども、私たちはかなり丁寧に干拓の工事に伴う水質がどうなるかということをモニタリングをしております。
 例えば、諫早の潮受け堤防の中では一週間に一遍、かなりの項目について調査をしております。それから、締め切り堤防の外側でも月に一度の調査をしております。それからさらに、底生生物についていえば、三カ月に一度はきちんとした調査をしております。
 そういうものを突き合わせまして状況を見ておりますと、この潮受け堤防の締め切りの前後で水質に顕著な差がないという状況にございますので、諫早湾干拓事業の実施が漁業に対して影響があるとは判断できないものでございます。
 ただ、こういった状況につきましては、丁寧に漁業関係者の方々に情報をお知らせするということが大事でございますので、昨年もたしか、これらの情報について御意見を承ったり情報交換をする、そういう場を二十八回、漁業関係者の方々と持ったというふうに記憶をいたしております。
 今後も情報の提供、お話し合い、そういうものに努めていきたいと思っております。
#80
○須藤美也子君 そういうことを言っていいでしょうかね。地元の漁業者は怒ると思いますよ。
 例えば、農水省は、魚も貝も影響はさほどありませんと、今言ったようにおっしゃった、地元で。それでもある程度の影響は予知していたと。しかし、最悪の予想以上です。約一千坪のアサリ養殖場では、水揚げが多いときで年間十トンありました。それがことしは百キロ。ないのも同然です。
 さらに、干拓工事の影響であるということは明らかだと思います。つまり、堤防を締め切ったために、本明川から流れる生活排水や工場排水あるいは農業排水もあると思います。水質が悪化した水が調整池に流れ込む。そして、水位調節のために湾内に排出される。この水を地元の漁民は毒水と呼んでいると。
 そしてこの中には、湾内を北上しているのを目撃している。潮受け堤防の向こうにあるのは広大などぶ池と化した調整池である。それは魚介類の生息を許さない毒水の塊である。その毒水は干潮どきに放流され、青い海水とまじり合うこともなく北上し、小長井沖にまで達しているのを我々は三月十七日に確認したと。このまま放置するなら、やがて有明海全体が汚され、死の海にされてしまうのは目に見えている。一日も猶予は許されないと。干拓水門の開放を訴えているわけです。
 さらに、長崎大学の東教授らの調査では、堤防を締め切る前と今では、ゴカイやヨコエビ類の底生動物の生息が六割も減っていることがわかった。これはごらんになっていると思います、いろいろなマスコミで報道されておりますから。堤防の外側の湾で生物の生育の環境条件が大きく悪化していることを示しています。
 大臣は農林水産大臣であります。漁業、水産へのこのような打撃を深刻に受けとめていらっしゃるとは思いますが、どうですか。
#81
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農業も漁業も大事であります。
 したがいまして、諫早湾の干拓事業が今進められておるわけでございますが、できるだけ環境面におきましても影響がないように配慮しながら努力し、水産業も成り立つように対応していかなければならない、このように思います。
#82
○須藤美也子君 大臣は、農業の多面的機能を強調しております、国際的にもアピールをしているようであります。
 一方、この国営干拓事業で浄化機能を有する大規模な干潟の喪失、調整池の水質悪化、漁業への被害など、環境と漁場の破壊を行っている、こういう状況は漁業白書に示されているわけです。干潟は浄化能力を持っているというふうにきちんと明記されているわけです。
 この問題と、今、構造改善局長がおっしゃったことは矛盾しているのではありませんか。私は大臣に問うているのです。多面的機能というのであれば、こういう干潟をきちんと保護していく、国際的にもそういう世論が今広がっているのではありませんか。
#83
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 干潟を全部残せばいいということにはならないわけです。つまり、干潟も残しますし、同時にまたそのほかの目的にも利用できるものは利用していくと。やはり、我々は狭い国土にお互いに住んでいるわけですから、その中において有効に国土を利用していく、こういう考えがなければならぬと思います。干潟は干潟の役割を果たしておると思うわけでございますし、また干拓は干拓の役割を果たしておると考えるわけでございまして、そういうことを調整しながら多面的機能の発揮をそれぞれやっていただくということが大事かなと思うわけでございます。
#84
○須藤美也子君 さらに大臣にお尋ねいたしますけれども、食料自給率基本計画で、魚介類の自給率を五七%から六六%、海草類の自給率を六三%から七二%に引き上げる計画を立てております。魚のとれる環境あるいは漁場を破壊して、こういう沿岸漁業もやれないような状況をつくって、この魚介類の自給率を引き上げることができるんでしょうか。
#85
○国務大臣(玉沢徳一郎君) いつも、時々でございますが、要するに一部的な問題を全体的なところにすりかえて議論しますと全部がだめになってしまいます。つまり、我々は広大なる太平洋あるいは日本海を持っておるわけでございまして、その中における海洋資源というものは利用の仕方によってはかなり多くのものを期待することができるわけでございます。一事をもって万事となすという考え方ではならぬわけでございまして、それこそ多面的に物を考えて対処しなければならぬ、こう思います。
#86
○須藤美也子君 干拓計画は農水大臣の権限でありますね。大臣は漁場、水産資源を守る責任があるわけです。水産資源を守るという立場から農業干拓計画と調整ができる、こういう課題であると思うんです。それは大臣がやらなければだれもやれないわけですよ。諫早干拓の再検討を私は漁業の立場からやるべきだと思うんです。
 つまり、来年は時のアセス、この時期が延びた、あるいは費用対効果がどうなっているのか、そういうことも含めて第三者の再評価委員会がつくられるわけです。しかし、それは漁業の問題が議題になるかどうかはわかりません。さらに、いろいろな委員会がつくられる。環境モニタリングですか、こういった問題も開かれるわけです。さらに、地元の漁業調査委員会も五、六年たっているんですけれども、その資料はなかなか私どもが見ることができないんですけれども、こういう問題も開かれるわけです。
 こういう中で、例えばきのうの毎日新聞の社説で、「「農水省は農、林、水がバラバラ」という声を聞くことがあるが、この際、それでもよい。来年の諫早湾干拓事業再評価では水産庁としての意見を反映させてほしい。」と、こういうことを社説で「転換期の水産行政に望む」と。ほかのいろいろな新聞も諫早湾の干拓について意見を言っているわけです、ごらんになっていると思うんですけれども。
 そういう点で、真剣に私はこの問題を考えていただきたい。そうでなければどんどん膨大な財源をそこにつぎ込むことになる。これでいいんですか。国の財政が大変なときに、しかも漁業が今深刻な状況に陥っているときにこのままこういう形で続けていいのですか。
#87
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず堤防でございますけれども、これはどういうふうにして築かれたかということを考えていただければ、今まで漁業者の皆さんとも十分話し合いをしまして、もっと大きな干拓の計画があったものを了解のもとに縮小してつくったわけです。
 その結果どうなったか。諫早市の方々は、長年の災害から解放された、こういう喜びを語っておるわけです。それを、水門を全部ぶっ壊してしまえ、ぶっ壊してとは言いませんけれども、開放しろ、それで全部平らにしてしまえ、これをやったらどうやって災害対策の役に立つのでございますか。だから、そういう災害に大きな役割を果たしてきておるということを評価するということが第一。
 それから、漁業者の皆さんに対しましても、今までの話し合いによってここに堤防を築いて、漁業権との調整も図ってやってきた、こういうことだと思うんです。それで、つくった結果、一応堤防内における水がどのように漁業資源に影響を与えているか、今それを調査しておるわけでございます。どうしてもこれが原因だというようなことになった場合におきましては、漁業に対する対策をどう講じたらいいかということをやらなきゃいかぬと思うわけでございまして、決して漁業だけを犠牲にしているという考えではございません。
 例えば、今までのタイラギの漁獲量の推移等におきましても、水門とは全然関係なくても資源は上がったり下がったりするわけなんです。ですから、水門との関係だけで今けしからぬけしからぬと言っているわけでございますが、ある一定の自然的な周期というものもあるのではないか、こういうような関係も考えて漁業資源の問題について対応していくということが大事かと思うわけでございます。
#88
○須藤美也子君 私は、今までいろいろ漁業者の声をお伝えいたしました。そういうふうにおっしゃっても、そこで漁をやっている人たちは、先ほど申し上げましたような深刻な、生活の問題も含めて、もう孫子の代まで、この海が死んでしまえば私も死ぬのと同じだ、こういう切実な気持ちを訴えているわけです。こういうことは聞いているわけですね、今私が申し上げましたから。
 ですから、そういう影響に対しては検討も加えて、問題があったら話し合いもするということを先ほどおっしゃいました。そうであるならば、これからいろいろ再評価委員会とか、この問題は重要になっていきますよ、これから。
 そういう中で、私は、とりあえず水門をあけて、そしてその間にこういう問題についての話し合いをする、漁業者と話し合いをする、環境問題についても地元の意見を聞く。これは今始まったことではないんです。諫早干拓をしてから三年たって、しかも計画が六年間延びて、さらに費用もかかる状況の中で深刻に私は受けとめなければならない問題だと思っているんです。
 そういう点で、大臣の果たす役割というのは極めて重要だと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#89
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員は水門をあけて対策をとれということですが、私は水門をあけないで対策をとる、こういう方針で臨みたいと思います。
 したがいまして、これは一干拓の問題だけではなくして水産業にもかかわる問題でありますので、水産庁長官とも、水産政策の観点からこの問題に真剣に取り組んでいこうじゃないか、こういうことを今話し合っておるところでございます。
#90
○須藤美也子君 それでは、その再評価委員会なり、あるいは今現場で開かれている漁業の調査委員会、そういうところに水産庁長官としてその意見をどれだけ反映されてきたんでしょうか。
#91
○政府参考人(中須勇雄君) そもそも大前提として、今、諫早湾及び周辺海域においてタイラギの資源状態が大変厳しくなっている、これは事実でございます。そのために、関係しております長崎、佐賀、福岡、熊本の四県からも要請も受けておりますし、私どもも西海区水産研究所がございますので、その研究者を含めてタイラギに関する情報交換会ということで、それぞれ一体どういうことが原因でこういうことが起きているのかということの解明というか議論をしている、こういう状況がございます。
 ただ、タイラギを初め二枚貝については、御承知のとおりでありますが、必ずしもその理由は明確ではないわけでありますが、かなりの周期、一定の周期でもって大幅にふえたり、急速に減るということがあるのはもう間違いない事実でございます。そうした単なる変動の問題なのか、一体それ以外の原因があるのか、そこ自体がまだ解明されていないというのが率直な状況でありまして、我々はそういう点についてはもちろん努力をいたしますし、沿整事業等を使って一部覆土を行うとか、そういうことも福岡県とか佐賀県では取り組まれております。
 そういうことを含めて努力はいたしますが、現段階ではこの諫早湾干拓の影響でタイラギの資源が枯渇状態になっているということは確認されておりませんので、そういう前提に立っての行動は我々はとっておりません。
#92
○須藤美也子君 水産庁長官の答弁によりますと、調査をする、そういうことでございますね、これから、そうですね。
#93
○政府参考人(中須勇雄君) これからというか、既にそういう情報交換会を含めて、水産サイドとしても意見交換を含めて検討を行っているということであります。
#94
○須藤美也子君 漁業への影響について、私がきょう申し上げました点について早急に調査をしていただきたい。大臣も、漁業を守るために干潟の問題も含めて、あるいは環境問題も含めて、これを真剣に考えていただきたい。どうですか、大臣。
#95
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 漁業の問題についてはいつも真剣に考えております。
#96
○須藤美也子君 それは三陸海岸だけじゃないですか。
 それじゃ、大臣が真剣に考えているということですから、この諫早干拓の問題についてもこれから具体的に来年に向けて水産庁の意見も踏まえて早急に調査をしていただきたい、それから国の意見もきちんと反映するようにしていただきたい、こういうふうに思います。
 次に、今回の漁港法の改正について申し上げたいと思います。
 今度の十七条に地方公共団体の意見を聞く、こういう改正でありますが、きょう午前中、私は焼津に行ってまいりました。ここは特定第三種漁港であります。焼津漁港は、現在、平成六年から第九次長期計画で漁港整備が行われております。従来、海岸沿いにあった長い石積み堤防の外側に新漁港がつくられ、新しい堤防もつくっています。そして、平成九年、計画の途中からこの石積み堤防を壊してそこに四車線の臨港道路をつくる計画が漁港事業として追加されました。
 平成十一年、去年の五月、住民への説明会が行われました。住民からは、石積み堤防は九十年間台風や高波被害から地区住民の命を守ってきた貴重な財産である、この石積み堤防を残してほしい、こういう切なる願いがあったわけです。
 ところが、この石積み堤防は、住民の意見も聞かずに、先月、三月についに壊されてしまいました。そこに道路の二車線をつくる、あるいは四車線をつくる、そういうことで今どんどん事業が始まっています、進んでおります。
 ところで、こういう住民の声、あるいは焼津市議会の意向、こういったものを聞きもしないで、合意もしないままこのようなことが進められていいものでしょうか。これは水産庁ですね。
#97
○政府参考人(中須勇雄君) ただいまのお話は焼津漁港の整備の問題でありますが、これは御承知のとおり、もともと古い焼津漁港の外側に、外港というふうに言っておりますが、第八次の漁港整備長期計画、第九次の漁港整備長期計画を通じまして外港を整備して、ここは御承知のとおり遠洋カツオ・マグロあるいはカツオ一本釣りの重要な基地でありますが、そこを整備していこうという事業が進められているわけであります。
 この事業の実施に当たりましては、第八次漁港整備長期計画の期間から、漁港管理者は、事業は静岡県が実施をしているわけでありますが、市等の関係部局のほか生産者、流通加工業者、地元の商店街、観光協会などと意見交換を行いながらこういう整備に取り組んでこられた、幅広く地域の意見を聞いた上で整備を進めてきたというふうに私ども聞いております。
 特に、平成六年度から始まった第九次長期計画では、この期間中におきましても、今お話がございました、特に臨港道路に関しましては都市計画の中で道路として設定されているということで、平成九年に地元の説明会、十一年には事業内容や工事の内容について説明会を実施し、地域住民の意見を聞きながら進めてこられた、こういうふうに聞いております。
 今回の十七条の改正によりまして、私ども、関係地方公共団体の意見を聞いてこういった整備計画を立てていくということでありまして、そういう意味におきましては、私ども、関係地方公共団体の意見を伺いながら、事実上まだ改正はされておりませんが、この事業に取り組んできた、こういうふうに考えている次第であります。
#98
○須藤美也子君 私は、住民の合意の得られないままにこういう大がかりな工事をしてはいけない。しかも、住民のいろいろな環境に影響を与える、そういう点で、これから改正される中では形式的な意見を聞くというのでなくて、やはり住民の要望に沿った形での意見を十分聞いていただきたい。
 さらに、焼津の新漁港、これは六十三年から平成五年まで第八次計画で事業費は百二十億円で始まった、その漁港を見てまいりました。岸壁や施設用地が完成していますが、完成してから、用地が整備されてから五、六年もたっているのに、そこは何にもありません。これは一体どういうことなんでしょうか。
 ようやく来年三月から完成目指して魚市場がつくられる。しかし、そのまま整地されているんですよ。冷蔵庫がたった一つあるだけ、こういう第八次計画でつくられた漁港があるのに、さらにまた九次計画で漁港がその隣につくられている。これは百数十億をかけてやる。これは一体どういう状況なんでしょうか。当然、漁業者や水産加工者、漁協経営が非常に悪化している、こういうときにこういう大がかりな工事を進める。つまり、先に国の計画ありき、そこに入れ物、そういったものを入れていくといっても、具体的にどういうものが入るのか計画をお持ちなんですか。案でなくて、具体的にこうだああだということを言ってください。
#99
○政府参考人(中須勇雄君) ちょっと経過的に申し上げますと、第八次の計画期間自体は昭和六十三年から平成五年度までだったと思います。これによりましてほとんどの事業は平成五年度までに終了したわけでありますが、一部の埋め立てについてはこの計画期間に完了せずに、実際上、埋め立て部分は平成六年度から開始された九次計画に先送りをされました。そして、この埋め立ては最終的に平成九年度に完成をいたしまして、平成九年度に完了した埋め立て地に平成十一年度には冷蔵施設が完成し、平成十二年度には新しい魚市場が完成する予定になっている、こういうふうに私ども承っているわけであります。
 それから、外港の整備というのは八次計画と九次計画では一部途中まで実施しているわけでありまして、これから先、外港すべて含めて九次計画でどこまで最終的に行くかがございますけれども、焼津漁港全体の構想は九次計画を含めて終了する。
 どういう考え方かと申しますと、従来の内港では漁船の大型化によって狭くなり、内港では後背地にもう余裕がない状況でありました。これに対処して、陸揚げとか荷さばきの機能を含めて外港に移転する、これを計画しているわけでありまして、現在内港を利用しておりますカツオ一本釣り、マグロはえ縄漁船等、延べ一千隻がこの外港を使うことになる、こういうような計画だというふうに承知しております。
#100
○須藤美也子君 私はそういうことを言っているのではないのです。きょう行っても漁船一隻いないんですよ、ないんですよ、第八次で整備されたところがありながら。そして、さらにその隣に第九次の漁港をつくっているんです。これはむだじゃありませんか。しかも、加工業者は経営不振でどんどん倒産している。そういう状況の中で、私はこの事業の見直し、むだな公共事業が先にあって、何か来年は全国の海祭りをそこで開くとか、そういうための漁港をつくっているのではないでしょう。
 だから、その今整地されているところに何をつくるのか、具体的に何も答弁できない。そういう点では、まさに漁港が先にありき、漁業者や地域住民の方々の生活、あるいは加工業者の経営やそういうものは全然全く考えていない、私はこう言わざるを得ないのです。
 しかも、今回の改正法は、地方公共団体の意見を聞く、こういうふうになっています。先ほど申し上げましたように、形式的に聞くのではなくて、議会も含めて地方公共団体の皆さんの納得がいくような計画を、上から押しつけるのではなくて下から一緒につくっていく、そういうふうに進めていただきたいと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
#101
○政府参考人(中須勇雄君) 現在でき上がっている部分について利用されていないというのは、全体が完成して市場とか関連施設がつくられませんと利用できないわけでありまして、その途上にあるために利用されていない、そういう状況でありまして、完成した暁には内港の部分から外港に遠洋カツオ・マグロ及びカツオ一本釣りは移転をする、こういう計画が地元にあって、その計画に基づいて採択をしてこの事業が進んでいる。あくまでも地方公共団体の発意に基づいて実施されている、こういうことでございます。
#102
○須藤美也子君 ちょっと反論します。
 今のは詭弁だと思います。焼津市議会ではその計画については何も知らされていない、こうおっしゃっています。こういう問題も含めて、議会ですから、これは住民から選ばれた議会、議員の皆さんが選ぶ議会にそういう計画さえも提起されていない。
 つまり、国や県がこの事業をやるからそういう形でやりなさいよと押しつけられてきた、今度の改正案でそれを改正する、チェックする、こういう形で私はしっかりやっていただきたいと思うんですが、大臣、どうですか。
#103
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 漁港の整備計画の策定に当たりましては、従来から地方公共団体に対するヒアリング等を通じてその意向が反映されるように努めてきたところでありますが、このような手続につきましては現行法上は位置づけられておりません。
 このため、今回の改正により、漁港の整備計画の策定に当たって関係地方公共団体の意見を聞くことを法律上規定することとし、関係地方公共団体の意向を十分踏まえた漁港の整備計画を策定することを明確にいたしております。
 漁港は、最初つくったときよりも、船が大きくなりますと、例えば昔は手こぎのさっぱ舟が中心の沿岸漁業でしたが、今は全部エンジンがついた少なくとも五トン以上の船になっている。そうすると漁港は狭くなるんです。ですから、それを大きくしなきゃいかぬ。そういうことが常に課せられて漁港の母港たる役割を果たしている、私はそう考えるわけであります。
 そういうことでございますから、漁港事業につきましては、平成十年度より第三者機関から意見を聞き評価を行う再評価システムを導入しておりますが、十二年度からは、事前評価や再評価だけでなく、事後評価も含めた事業評価を進めていくこととしており、今後とも事業の効率性及び実施過程の透明性の確保に努めてまいるところであります。
#104
○須藤美也子君 終わります。
    ─────────────
#105
○委員長(若林正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岸宏一君が委員を辞任され、その補欠として仲道俊哉君が選任されました。
    ─────────────
#106
○谷本巍君 初めに、大臣に伺います。
 これまでの審議の中で、本法案を提起するに当たってどうして環境問題にもっと突っ込んだ問題提起をしてくれなかったかという指摘もありました。さらにはまた、指定権の譲渡も結構だが、もう少し漁港問題、漁政問題、そこのところについて問題提起ができなかったかという御意見等々もございました。私も同感であります。
 といいますのは、漁港問題には格別な経過があるからであります。典型例を申し上げますというと、大型漁船を入れる港をつくった、二百海里で使いものにならなくなってしまった港がある、そういう例もあります。ですから、かけた費用は膨大だが、水揚げはその百分の一とか五十分の一といったような例が見られます。また、プレジャーボートを受け入れるにも、片方で大きな負債があるわけでありますから、修理費がねという声が出てくる場合もございます。
 似たような例は農業構造改善事業にもあります。しかし、漁港の場合は農業構造改善事業と違うのは外的要因によって、当事者の判断よりも外的要因によって大きく狂わされたという面がやはり巨大なんです。
 それだけに、指定権の問題をめぐって譲渡をやっていくというのであれば、これまで何人かの先生方から出されましたように漁政問題を絡めた問題提起をしていただきたかった、私もそう思いますので、そのことを申し上げながら、ひとつこの際新しい基本法づくり、いろいろ進んでおるようでありますから、大臣の決意のほどを初めに承りたいのです。
#107
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 何と申しましても、平成八年に締結をされました海洋法の二百海里体制、これがいよいよ本格的な時代を迎えてまいりました。漁業におきましては資源を一網打尽という形でとり尽くす、こういう漁業が今まで一般的だったと私は思います。しかしながら、限られた海域の中で資源を大事にしながら漁業を進めていくということがこの二百海里体制の中には求められておると思うわけでございます。
 したがいまして、隣国である韓国と中国とは友好を旨としまして、お互いに資源を大事にしてやっていこう、こういう考え方から漁業協定が結ばれまして、共通のルールのもとに進められるということになりました。これは非常によかったと思います。また、ロシアとの間におきましても、既に長い間の経験においてこうした慣行が明確になっておるわけであります。
 したがいまして、これからは我が国が二百海里体制の中における漁業資源を自主的に管理していく、こういう時代となったわけでございますから、それぞれの漁種等におきまして、やはり資源をできるだけ大事にしながら漁業を進めていくという体制をとっていく。それからまた、沿岸漁業におきましては、つくり育てる漁業が非常に大事になってきておる。そういう点におきましては、委員が今指摘されました環境面のことが大事だと思います。
 これは、陸の上から川が流れて、その中にはいろいろと生活雑排水も入っておりますし、いろいろ海を汚染するようなものもあるわけでございますから、そういうことに対しましては国民的な理解をいただきまして、海の環境の浄化、環境をよくしていく、こういうことを十分考えて政策を進めていくことが大事ではないかと考えるわけでございまして、そういう考えを基本法の中に込めて進めていきたいと思う次第でございます。
#108
○谷本巍君 次に、水産庁長官に実務的な話を二、三伺います。ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと存じます。
 初めに伺いたいと思いますのは、今回の改正案は、漁港管理会の組織、議決方法、委員の任期、そして罷免問題に関する事項を法文から削除しまして、自治体が独自に漁港管理規程を定めるということにしようとしております。
 私が伺いたいのは、地方分権推進のための法律改正で、改正後にあっても、従来やってまいりました模範管理規程例をベースに管理規程をつくっていくというのであるとするならば、実態は今までと変わりはないのではないのか。何のための分権なのか。分権との整合性はどうなるのか。この点、どう長官はお考えでしょうか。
#109
○政府参考人(中須勇雄君) 一つ御説明申し上げたい点は、今回の地方分権関係の改正につきましては、地方分権推進委員会とのすり合わせというか、御説明を申し上げまして、地方分権推進委員会もこの案でいいだろうという御了解はいただいておるということでございます。
 そこで、御指摘の模範管理規程例の問題でございますが、これは現行法にこの規定がございまして、これは改正されておりませんので、基本的に私ども今後、もちろん内容的には変更があるわけでありますが、模範規程例は示していこう、こういうふうに思っております。
 ただ、もう委員も十分御承知のとおりだと思いますが、この模範規程例というのは一つのガイドラインとして示すものでありまして、地域の実情に応じてこれと異なる内容を定める、あるいは追加的に違う内容を定める、こういうことは当然できる性格のものだ、一つのガイドラインを示す性格のものだというふうに私ども受けとめております。
#110
○谷本巍君 としますと、模範管理規程の提示というのと分権推進の整合性が図れるかどうかというのは、今長官がおっしゃった、ガイドラインにしかすぎぬ、言うならば目安でありますよと、ここのところをきちっと徹底することが必要です。この徹底がありませんというと矛盾が生じますから、そこのところはきちっと徹底していかれますね。
#111
○政府参考人(中須勇雄君) そのように対応していきたいと思っております。
#112
○谷本巍君 次に伺いたいのは、漁港管理会の設置についてであります。
 ことしの四月から漁港管理会は任意設置ということになりました。任意となりましたが、設置するところにあっては、重要事項については管理会の意見を聞きなさい、意見を聞いたらその意見は尊重しなさいよということになっていますね。一方でそういうふうに言っているわけでありますから、とすると、設置しないとこれは一体どうなっていくのか。ここのところはそのままですか。
#113
○政府参考人(中須勇雄君) 今回の漁港管理会に関する関係条文を法律から削除したというのは、いわゆる分権等の観点から必置規制、必ず置かなきゃいかぬ、そういうことをやめて、基本的にそういうものを置くかどうかは地方公共団体の自主的判断にゆだねる、そういう趣旨だというふうに私ども受けとめております。
 したがいまして、地方公共団体として御自分の判断でこういう会を当然続けるところもあれば、それぞれの状況に応じてその他の手段を使って関係の方々の意見を反映させる、そういう道もあるわけでありまして、その辺は地方公共団体の判断の問題になるのだろう、こういうふうに受けとめております。
#114
○谷本巍君 私は、分権、したがって野放しでいいというふうに割り切っていいものと悪いものとがあると思うんです。この場合は、地方自治のあり方を徹底していくという意味からすれば、やはり移行過程の措置として行政が一定の指導ないし方向づけといいましょうか、これをやりませんと、おれのところは設置しないから関係者の意見を聞かぬでいいんだというむちゃなものが出てきます。そこはどうですか。
#115
○政府参考人(中須勇雄君) いずれにいたしましても、行政の基本的な姿勢として、漁港というのは公の施設でございます。多くの方々が利用するわけでありますから、関係の皆様方の声を反映して運営されていく、維持管理がなされていく、こういうことが重要だというのは御指摘のとおりだと思います。具体的にどういう手段でそれを行うかということは別にいたしましても、御指摘のような趣旨は国としても各漁港管理者に示すべきものというふうに思います。
#116
○谷本巍君 次に、漁港の適正利用の確保問題について伺おうと思いましたが、渡辺先生が根掘り葉掘り伺っておりますので、そこは省略をさせていただきまして、続いて、漁港、漁村の環境整備とブルーツーリズムについて大臣の所見を伺いたいのであります。
 農村に比べまして、漁村の場合の生活環境は非常に立ちおくれております。例えば、今急いでやらなきゃならぬのはし尿処理です。集合型のし尿処理槽をつくらなきゃなりませんといったようなことも大変重要な課題でありますし、それからまた、消防車が入れないところが非常に多いんです、漁村の場合は。そういったような整備等々の急がなければならぬ問題が一つあります。
 それと同時に、もう一つ今から考えていかなきゃならぬのは、ブルーツーリズムへの対応、受け入れ体制の整備も同時に考えられていくべきではないかと私は思います。
 グリーンツーリズムを含めて見ますというと、日本の場合は女性が忙し過ぎて、グリーンツーリズム、ブルーツーリズムというのはなかなか受け入れ体制ができないといったような問題があります。ここのところは、イギリスの場合を見るとはっきりしています。農業の合理化が進んで、女性の労働力が非常に何といいましょうか遊休的状況になって、そこで今度はグリーンツーリズムがドッキングしていくといったような過程がありました。
 それからもう一つは、都市の側でいいますと長期休暇がとりにくい。ILO百三十二号の批准がされていないといったような問題等々がありますけれども、ともかくも既に今イギリスでは逆都市化現象が出ておりますが、日本も間もなくそういう時代に私は入っていくんじゃないのかというふうに思います。
 既にもう教育の世界では、修学旅行なんかにしましても、体験旅行とドッキングさせてやっていくような時代になってきました。そして、学校では、総合学習教育が俎上に上るという時代になってまいりました。労働運動の世界では、やはり都市の人口を農村に持っていくことができるような条件整備をどうすべきかということが課題になるようになってまいりました。それだけに、漁村の生活環境整備とともにブルーツーリズム、ここのところについての大臣の考え方を承りたいのです。
#117
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員御指摘のとおり、漁村は、やはり農村に比べまして地理的に非常に不利なところに置かれているというのがあります。したがいまして、道路とかあるいはまた社会資本の充実等におきましては、まだまだ整備されていかなければならぬ問題がございます。したがいまして、し尿等におきましても、漁村の集落排水等もあわせて今行っておるところであるわけでございますが、我々は社会資本の充実については特に意を用いていかなきゃいかぬと思います。
 それから、グリーンツーリズムが非常に盛んになりつつあるわけでございますが、我々はブルーツーリズムも大いに大事にしなきゃいかぬと。やはりダイナミックなんです、海の方は。魚も釣ることができますし、とったばかりの魚をそこで食べることができますし、大気、それから太平洋から上がる太陽を見ながら浩然の気を養うことができる、こういうことを考えますと、ブルーツーリズムは極めてダイナミックなものがある、こういうことを考えるわけでありますから、都市部の方々にも大いに理解していただきまして、沿岸漁業の振興を基本としながら、地域資源を活用した余暇活動等の取り組みへの支援を今後進めていかなければならぬ、こういうふうに考えるわけでございまして、生活環境の整備の促進等もあわせてやっていく、こういう考えでございます。
#118
○谷本巍君 最後に、大臣にWTO交渉について二つほど伺う点がございます。
 初めに伺いたいのは漁業補助金問題であります。
 大臣も御存じのように、シアトルの閣僚会議で、ニュージーランド、オーストラリアなど、ケアンズ・グループの皆さんから、なぜか日本の漁業補助金がやり玉に上げられました。日本の漁業資源回復を図るための補助金がどうして問題なのか、私にはとんとわかりません。日本の漁業補助金というものの性格は、押しなべてやはり漁獲というのを継続的にやっていくことができるような条件整備等々が中心になっておるわけでありますから、そういう意味では、環境問題も含めて、漁業資源の保全問題も含めて極めて私は貢献度の高い性格を持っているのではないかと思うのです。大臣、そこをどうお考えでしょうか。
#119
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この問題は、確かに米国、ニュージーランド、アイスランド、豪州等が一応案を提出したわけです。ところが、農業委員会で一時間半で終わる予定の米国の計画だったんですが、我々が頑張りまして七時間やったものですから、それで結論がつかないでこれは凍結になったわけです。したがって、ほかの委員会はほとんど議論できないままに、関税の問題はやっていましたが、これは結論がつきませんでした。したがって、具体的な議論に入らないままになっております。
 そこで、彼らの考え方に対してでございますけれども、資源の問題は補助金だけを問題にするのではなくして、世界全体としまして漁業資源をどのように確保していくかということをまず議論していくのが重要だと考えるわけでございまして、漁業補助金のみを取り上げるのは過剰漁獲問題への対応として不適切であると考えておるわけであります。資源回復のための漁業補助金等、補助金の持つ肯定的な面についても積極的に評価すべきであると考えております。
 さらに、このような過剰漁獲に関する検討作業は、漁業に知見を有するFAOで実施すべきであることから、我が国としましては、FAOに対し、積極的な取り組みを行うよう求めているところであります。
 WTO次期交渉におきましては、FAO等の作業状況を踏まえつつ、我が国の考えが反映されるように努力してまいる考えでございます。
#120
○谷本巍君 最後の語尾が努力をしてまいるじゃなくて、断固やっていくという言葉を大臣には言ってほしかったところなんです。
 大臣、もう一つ伺いたいのはIQ制度の問題です。
 日本の水産物はもう十分市場開放されていますよ。残っているものは、アジだとかイワシだとか、それからノリと昆布とタラコぐらいでしょうか、とにかくごく少数ですよね。残ったこうしたIQ品目というのは、私はこれからも引き続き守っていくべきではないのかと考えます。
 といいますのは、一つは、これは日本の沿岸漁業を守るために何としても大事だと、これが一つありますね。それからもう一つ、ここのところを自由化しますというと、恐らくは乱獲状況が輸出国で日本の市場を目指してやってくるであろう。漁業資源の保全というのが非常に難しい局面が生じてくるであろうと思われます。そうした二つの意味合いを持って、これはもう断固守っていただきたいと思うのだが、大臣の決意のほどをひとつ聞かせていただけませんか。
#121
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 努力する言葉が足りないという委員のお言葉がございましたが、二つ合わせて断固として頑張ります。
#122
○谷本巍君 ありがとうございます。
#123
○委員長(若林正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 漁港法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#124
○委員長(若林正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(若林正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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