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1950/11/27 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第2号
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1950/11/27 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第2号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第2号
昭和二十五年十一月二十七日(月曜
日)
   午後二時二十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食糧の輸入税を免除する法律の一部
 を改正する法律案(内閣送付)
○国民金融公庫法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会の第二回を開会いたします。
 本日の日程は食糧の輪人税を免除する法律の一部を改正する法律案の予備審査でありますが、その議事に入る前に一応お諮りをいたしたいのは、本日の日程に左の事項を追加いたしたいと思います。国民金融公庫法の一部を改正する法律案予備審査、それから租税制度改正案要綱についての説明を当局より聞くというこの二点を日程に追加いたそうと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小串清一君) それではさよう決定をいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(小串清一君) それではこれより第一の食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案の予備審査に入ります。政府委員の御説明を求めます。
#5
○政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案について、その提出の理由を御説明いたします。
 米、麦、雑穀、でん粉、かん詰類等の食糧に対しましては、昨年法律第二百二十三号をもちましてその輸入税を本年一年間免除することといたしたのでありますが、わが国現下の食糧事情に鑑みまして右の食糧の職人税を更に一年間免除することが適当と思われますので、本法律案を提出いたしました次第であります。
 次に国民金融公庫法の一部を改正する法律案について御説明いたします。
 最近の金融情勢におきましては、国民大衆が生活の再建のための生業資金として、一般の金融機関から資金の融通を受けることは極めて困難な状態でありますので、この種の資金の供給を行う国民金融公庫に対する資金の需要は甚だ多いのであります。本公庫は発足以来再度の増資を行い、本年十月末までに普通小口貸付三十三億一千万円、更生資金九億五千万円の貸付を行い、鋭意その目的の完遂に努力して参つたのでありますが、昭和二十五年度に入りまして本年度増資分十二億は八月までに貸付を終り、九月以降の貸付は既往の貸付金の回收金のみに依存せざるを得ず、増大する資金需要に対処するには極めて不十分な状態となつたのであります。よつてこの際、国民金融公庫法の一部を改正いたしまして資本命三十億円を四十億円に増加する法律案を、提出した次第でございます。何とぞ御審議の上、以上二法案につきまして速かに御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
#6
○委員長(小串清一君) 只今の食糧の問題、国民金融公庫法の問題、いずれも一括して審議に入りますからさよう御承知願います。御質疑ありましたら……。
#7
○黒田英雄君 この国民金融公庫法の一部を改正する法律案ですが、今回三十億円を四十億円に増加することにせられたのですが、十億円増加ということは、貝下り現状において、これで適当でありとお考えになつたのか、或いは予算の関係によつて差当り十億円を増加しようというのでありますか、その点を一つお伺いしたい。
#8
○説明員(舟山正吉君) 国民金融公庫に対する貸付の申込みは相当多いのでございまして、四月から十月までの平均を取つてみましても月十一億ぐらいでございます。併しこの中で、もう初めから問題にならんと思われますものも相当入つておるのであります。大体六割見当はもう貸付を受ける能力のないものと認められるのでございます。これは公庫の過去一年有余の営業の実績から出ておるのであります。併しこれから見ましても、今回千億の増資ということでは資金は足りないようにも見受けられるのでございますが、実は今度の公庫法の改正が成立いたしましても、今年度の営業といたしましては一―三月しか期間もございません。それから別途公庫といたしましては既往の貸付金の回收が毎月一億四、五千万ずつございます。それから、先程は四月から十月までの一ケ月の借入申込みの平均額を申上げましたが、四月から十月までの貸出しの実績は二億七千万ぐらいになつております。これは一面、資金量が足りなかつたからこれだけに抑えられたという面は確かにあるのでありますが、併しこれらを勘案いたしまして、且つ公庫の要務処理能力ということを考えますれば、一月から三月まで十億の金、月三億有余、この外に回收金の一億四、五千万円ばかりの金が出るわけでございますが、これが限度と見た次第でございます。これに引続きまして、来年度の公庫の活動資金としましては、更に通常国会で増資法なり適当の提案をいたす予定であります。
#9
○黒田英雄君 それでは收入金もあるから、三月まではこれでよかろうというお考えですか。どうも需要が相当多いに拘わらず、資金がないから出せないという声が、随分聞えるのですが、お見込で大体三月まではこれで枯渇するようなことはない、ということにお考えになつておるのですか。
#10
○説明員(舟山正吉君) 今年度初めからの経過を見ますというと、今提案の説明にございましたように資金が足りなかつたために、十二億の増資分は八月で使つてしまつた。その分として回收金だけを更に貸付に廻しておつたということでございまして、もう少し資金が欲しかつたところでございますが、今後三月末までの問題といたしましては、公庫の事務処理能力も考え、それから一月の回收金のことも考えますれば、まあこれくらいが硬い得る最大限度じやないかというふうに考えました次第でございます。尚、資金需要といたしましては、いろいろもつともつと希望はあるかと思います。併し只今申しましたように、公庫の現実の事務処理といたしましては、この程度で精一杯のところじやないかというふうに考えておる次第でございます。
#11
○黒田英雄君 それではまあその点は了承しましたが、この食糧の輸入税を免除する法律の一部を改正する法律案について、一つお尋ねいたしますが、関税率の改正というようなことは、通常国会には大体出されるような予定であるのですか。又その一般の改正をしても、尚その食糧にいては、どういう税率になるとしても、少くとももう一年はこういうものはやはり免除した方がいいという考えで、それに拘わらず、一年は免除しようという趣旨であるのですか、どういうふうになつていますか。
#12
○説明員(石田正君) 御質問の御趣旨は、関税率の改正の提案をする意思があるかどうか、それから関税率の提案をした場合に、依然この法律をそのまま残して置くかどうか、こういう二点かと思いますが、第一の点につきましては、我々の作りました案は、関係方面に出してございまして、そのほうの審議を今司令部の中でやつておる次第でございます。我々といたしましては、できる限りそれが早く終了いたしまして、そうして今度の通常国会に提出して御審議を受けるようにいたしたいと存じております。それからその新らしい関税法の改正案が提出いたされました場合に、この法律をどうするかという点につきましては、まだ関税率の改正の内容がはつきりいたしませんので、適確に申すことはできないのでありますが、こういう場合には新らしくきまりました内容の改正案というものに関連いたしまして、でき得ればこの法案は置き替えることにいたしたい。その場合に内容におきましては相違が出て来ることが予想されるのじやないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#13
○松永義雄君 国民金融公庫についてちよつとお尋ねいたしたいと思います。これはまあ、従来一口五万円とか決つておつたと思いますが、そういうふうになるのですか。
#14
○説明員(舟山正吉君) 只今は一口一人五万円、例外の場合に倍額の十万円、尚十人連帯まで認めるということになりますから、最高限は普通の場合で五十万円、例外の場合で百万円でございます。
#15
○松永義雄君 各府県に対する割当というものはあるのですか。
#16
○説明員(舟山正吉君) これは一般の銀行でも、そのあります資金が限られておりますので、これを全国の支所に割振りまして、大体どのくらいその地方で使つてよろしいということの割振りができるわけでございます。
#17
○松永義雄君 偉い人が行くと割合に借りられて、普通の人が行くとなかなか借りられないという不平があるのですが、それが当つておるかどうか知らないですが、そういう不平が相当あるのです。それで金の必要な人は今日誰でも感じておることでありますから、恐らく申込は実に沢山あると思いますが、ところがその中で借りられる人は極めて少数であつて、顔のきく人について行くと借りられる、そうでないと借りられないということがあるのですが、それでみんなが借りられるように私の希望だけ申して私の意見を終ります。
#18
○森下政一君 今の点ですが、今度仮に、十億の増資が行われると、そうすると、それがどういうふうに各地方に割当られるか、一応の腹案を持つてお出でになるのではないかと思いますが、それを御説明願えるわけには行かんのですか。
#19
○説明員(舟山正吉君) この資金の全国的な割振りは、公庫がその業務上の問題といたしまして、大体の計画を捕えて、そうして監督者といたしまして、それに対して我々も監視するという態度をとつております。十億につきましてはまだ案ができておらんと思います。
#20
○森下政一君 中央のほうはどういう工合に配分されるかということはわかつておりますが、それで私は参考までに聞いて置きたいと思いますが、勿論各地方の金融情勢とか資金需要の情勢、そういうものを重点的にお考えになつて、配分されるのだと思いますが、どういうふうになつておるかということを知つて置きたいと思います。それから地方へ一定の枠が授けられたら、公庫の事務をいろいろな金融機関が代行を仰おせつかつておるのじやないのですか。そうするとそれらに対するかなり細か心割振りが行われるのじやないかと思いますが、それもやはり同様にですね、例えば、人口比率だとか、或いは地方に散在しておる金融機関の数だとか、いろいろなことが議案されるのだと思いますが、そういうのは一体どういうふうにして公庫がやつておるのか、そういうことも一応承知したいと思います。地方に行きますとこういう声を我々はしばしば耳にします。例えば東京あたりが大半を占めておるらしい。そこで地方では相当需要があるのだけれども、何しろ與えられておる枠が非常に少い。いわんや事務を代行しておる金融機関の場合においては、微々たる金額であつてどうにもならんというふうな声が聞えるのですが、そういう点からもこれはお尋ねしたいのですが、一つ参考に知りたいと思います。
#21
○説明員(舟山正吉君) 只今の御質問点につきましては資料を取り寄せまして、尚、公庫の当事者も参りますから、資料について御説明申上げたほうがよろしいかと存じますが、大体の方針といたしましては、お話にございましたように、各地の人口とか経済金融上の指数とかを参酌いたしまして、各地方に割振る。それから各支所では、その傘下に無盡会社、信用組合を代理所として使つておりますが、これに対して一定の枠を與えるということでやつております。東京に相当部分が集中いたしますことは、経済力がら申しまして止むを得ないと存じますが、資金の全体の量が足りませんために、それに均霑し得ない人々から、いろいろの不満が出ることと存じますが、後刻資料を持つて参ります予定でございますから、そのときに説明さして頂きたいと思います。
#22
○佐多忠隆君 先程の御説明によりますと、十億の増資分と、それから月回收の一億五千万円、従つて一――三月で四億五千万円、両方で十四億五千万円程度のものがあるから、これで一応処理ができるというようなお話のように伺つたのですが、この提案理由の説明によりますと、九月以降の貸付には殆どストツプの状態、或いはもつと正確に言えば回收金だけを更に再貸付して来ておるという状態であります。そこで今後一月から三月まで十分だというお話ですけれども、すでに九月以降の貸付が行われていない。ストツプしておるという状態であつて、その分も補完しなければならないと思うんですが、そうだとするならば、十四億五千万円という数字は非常に少くて、今までの貸出実績も守れないという程度の資金にしかならないと思いますが、その点はどういうふうにお考えですか。
#23
○説明員(舟山正吉君) 本年度の増資分十二億円を八月くらいに使つてしまつたのであるから、この九月、十月は貸出実績はそれぞれ二億一千万円ずつやつております。と申しますのは、その半面、九月には回收金が一億四千八百万、十月には一億五千九百万、約一億六千万、回收金があつたのでありまして、これは直ちに貸付のほうに廻しておるのであります。こうなりましたのは、実ば前国会当時に、この預金部資金を公庫に導入いたしまして、貸付資金に廻したいということを考えておつたのでありますが、当時補正予算の提出がないということになつておりますので、それが不可能になり、止むを得ず、まあ九月以降については世間の期待に副わなかつた憾みがあるのであります。
 そこで一月、三月になりましては、従来通り一億四、五千万ずつの回收金も見込まれますし、それからこの出資金と合せて十四、五億の資金ができることになりますが、この九月以降申込のあつた分については、その当時としては審査をし、貸出の適、不適は確めておつたことと思いますが、これを一月以降直ぐ貸出を認めるというわけに参りません。そうすると一月ー三月のやはり貸出事務の処理として扱わなければならないので、公庫の従来の能力から申しましても、十四、五億の金がありますれば、まあその処理上は精一杯のところでないか、という点も考えまして、その程度の増資にした次第であります。
#24
○佐多忠隆君 処理は成る程一月─三月になるのでしようけれども、今のお話でも九月以降は余り出していなくて、需要に対しては非常に少い額しか出していない。それで減資ができれば、その分の回收もしなければならないというのは、そういう意味からは十分であるとは言えない。
 もう一つ問題は、この事務処理能力がないから、そのくらいでいいんじやないかというお話ですけれども、これは問題が逆で、事務処理能力その他は便宜的な問題で、必要とあらば、これは適当に増資するなり何なりして、対処すべき問題だと思いますが、これらの点はどうお考えになりますか。
#25
○説明員(舟山正吉君) 事務処理能力からだけ割出して、この増資額をきめたということはありませんので、それらも勘案いたしまして、今年度の問題といたしましては、十億程度が適当と考えているわけでございます。資金の需要はもつとこれを上廻ることと考えます。併し別途考えなければなりませんことは、中小金融につきまして、成程国民金融公庫は、言わば、個人の生業資金の供給ということを主体とするわけでありますから、金詰りの時代になりますと、本当は公庫に来るには業態が大き過ぎるといつたように、中小企業者も何とか名前を借りまして、公庫に借入れをしに来るという者もございます。これらは別途中小金融の措置を図ることが必要でございまして、その点に対しましては見返資金の中小融資の増額、或いは中小信用保険制度の創設とかをいたしまするので、まあ公庫の重荷というものも若干軽減されるという向もあろうかと存ずるのでございます。尚、来年度におきましては国民金融公庫も支所の増設をいたしまして、人員の若干の増加もございます。これに対しまして更に増資を考えたいと考えておる次第でございます。
#26
○九鬼紋十郎君 ちよつと関連して……、あの国民金融公庫の支所の増設の分につきましては、大体どういう予想をしておるのでございますか。
#27
○説明員(舟山正吉君) 来年度はまだ決定はなつておりませんけれども、大体八ケ所程度の増設をする予算を要求中でございます。各府県一ケ所は必ず支所を置きたいという気持を以ちまして、例えば人口、経済力の多い都市からこれを実施して参りたいと考えております。
#28
○木村禧八郎君 預金部資金の利用の問題でございますね、それはどういうふうになりましたですか。
#29
○説明員(舟山正吉君) 預金部資金運用に関する制約の現在までの解釈におきましても、この国民金融公庫は政府機関でございますから、預金部資金を使つて使えないことはないという解釈を下しておつたわけでございます。ところがこれまで黄金部資金が出ませんでしたゆえんのものは、この国民金融公庫の資金の調達及び貸出をこの予算として組まなければならんということで、この貸出額が殖えますと、それだけ補正予算を必要とするという、こういう予算面からの制約であつたわけでございます。このたび預金部資金の運用範囲が拡大されまして、金融債まで運用が認められることになりました。国民金融公庫は政府関係機関でありますから、勿論金融債に優先して金を使い得るものと考えておるのでありますが、荷、法制的にもその趣旨をはつきりいたしますために、預金部の資金の運用に関する法令等について、十分考えてみたいと考えております。
#30
○木村禧八郎君 これまでの解釈によつても預金部資金を使える。併しながら従来の、まあ愛知君が銀行局長をやつておつた当時でありますが、あちらさんでなかなか使わせないというので、我々はやはり預金部資金は、こういう公庫あたりで使うのに一番適しておるのに、何故使わせないかというので、非常にアイドルの金があつたのに使わせない。只今のお話では使えるような、一応途を開きたいというお話でしたが、その見込はあるかどうか。それから又向うは許すかどうか。今度の金融債券について、あれとまあ関連してそれに使う途が出て来るのかどうか。そうしますれば予算上の措置も非常に楽になつて来るわけですね。で資金需要は沢山あるのですから、これでも無論足りないと思うのですが、それを、予算措置をしよつちゆう取らなければ枠を拡大できないというのは、非常に窮屈で、預金部資金を使えば非常に弾力性があつていいと思うのですが、その見込はまあどうなんでしよう。
#31
○説明員(舟山正吉君) 預金部資金の使い方の範囲が拡大せられましたので、市中の金融機関であるところの銀行その他の債権債務を引受けるということであれば、政府関係機関である国民金融公庫の債券を発行させましてこれを引受ける。或いは債券を発行しないで、長期の預託をするといとことは、可能ではないかと考えておる次第でございまして、これは関係先にも従来幾分かは非公式に当りまして、空気も打診しておるのでありますが、可能ではないかという推測を下しておる程度でございます。尚、本格的な話合いは今後いたしたいと考えておるわけであります。
 それからもう一つ、今度の預金部資金の運用方法改善につきましては指示がございまして、郵便貯金或いは簡易保険の拂戻しについては、政府が確保する、信証する、という仕組を何らかの形で法制上入れなければならんということになつております。これを言い換えますれば、預金部資金の運用について欠損が出た場合には、一般会計から補填するという趣旨を調わなければならんとことになつております。それでこれまでのことは法制上、或いは資金の性質上の議論は別といたしましても、国民金融公庫の貸付金が、或いは欠損を生じはしないか。それに対して郵便貯金を中心とする資金を使つてはいけない。使うことは相当危険性があるという反対論もあり得たかと思いますが、その部面が解消されることになります。それでまだ本格的には交渉したわけではございませんが、これまでの内々当つたところでは、私はこれが可能ではないかという見込みを立てる程度であることを、御了承題いたいと思います。
#32
○木村禧八郎君 ついでに……、ドツジさんの預金部資金の運用について指示の書簡があつたというお話がございましたが、今その作業をやつておることだろうと思いますが、どういう構想で……それで本国会にはその法律の措置が出るか出ないか。次の議会にはどうかという、その説明をして頂きたと思うのでございます。それからもう一つ、金融債が発行されますと、政府は今まで預金を銀行にしておりますね。それが還つて来るものかどうか。銀行に債務の振替になりますか。その点はどうなりますか。
#33
○説明員(舟山正吉君) 預金部資金の運用範囲の拡大につきましては、ドツジ氏から書面が参りまして、これに基きまして法律案を作成中でございますが、国内的にも関係する部局が多いので、国内的な折衝にも若干の時間がかかりますし、それから特別会計の解消ということがあるのでありますが、年度途中でそれを実施することが非常に困難であるということもありまして、まあ来年四月から施行のめどを以ちまして、法案の提出は或いは通常国会になるのではないかと考えております。預金部資金につきましてドツジ氏の指示されましたところは、預金部資金は本来長期の資金である、であるにも拘らずこれを現在は短期に混用をしておる量が相当ある。これは改善を要する、という点と、それから尚、運用を拡大いたしまして、市中銀行に対する債雰の引受をすることにされたについては、郵便貯金その他をいたします国民に十分な安心を與えなければならない。そこで只今申上げましたように、預金部資金の運用について欠陥があれば、政府が一般会計からこれを補填するという趣旨の制度を取入れなければならないということが根幹になつておるのであります。それで大体でき上ります法案を想像いたして見ますと、各特別会計に対しまする積立金、余裕金というものは、強制的に預金部特別会計に預入せしむることにするのであります。
 面この際に預金部という名称も変更する予定でございまして、トラストファンド・アカウントというものにしたらどうかという意見がございます。これをまあ私共のほうでは暫定的に資金運用部といたしたらどうかというふうに考えておりますが、これに各特別会計の余裕金を預かるのであります。この余裕金の中には相当長期のものもあるわけであります。そこで長期の資金と短期の資金とを分けまして、長期資金の中、例えば六割以上といつたようなものは従来通り国債、地方債に運用する。若しそれでその外に資金の余剰がありますれば、これを金融債に投資してよろしいということに相成るのであります。この意味におきまして、やはり郵便貯金その他現在預金部資金といつておりますものは国民が政府を信頼して描けた金であるから、安心、確実を第一とすべきである。その意味で国債、地方債の運用を中心としろという思想が抜けておらないわけであります。併しこの余裕金がありますれば金融債に限つてこれが運用を認める。この半面から申しますと、社債その他の事業債に運用することは、依然として認められておらないのであります。これは大体金融債を引受けて市中銀行を通じて運用することが、この情実その他に動かされることが少ないという見方が入つておるのでございます。只今申しましたように、長期資金につきまして一定の枠を拵えまして、国債、地方債それぞれ長期なものに運用する建前であります。
 それからその他の一時余裕金と申すべき預託金につましては、これに応じまして、その短期資金である性質に応じまして、食糧証舞とか、その他短期用途に運用することに相成るかと思います。現在簡易保険とか、或いは厚生年金とかいうものは特別会計がございますが、郵便貯金は郵政特別会計で一括して処理しておるので、只今申しましたような仕組みにいたしますためには、郵便貯金特別会計というものを拵えなければならないことに相成るのであります。それで只今のところでは、各特別会計から長期の金を預かりまして、これに対して支拂利息というものは一律ではどうか、大体五分五厘あたりはどうか、という話もあるのでありますが、いわばこれを言葉を換えて申しますれば、資金運用部特別会計から五分五厘の一種の債券を他の特別会計に交付するという形になるのでございます。この点は各特別会計の收支に非常な影響を與える問題でありまして、どうしたらよろしいかを検討中でございます。
#34
○木村禧八郎君 簡易生命保険の資金の運用につきましては、もう御承知のように国会で、何回も預金部から切離して流用されるということになつているのですが、今度のドツジさんの指示によりまして、この問題はどういうふうになりますかそれを伺いたい。
#35
○説明員(舟山正吉君) 簡易生命保険の特別会計の独立運用の問題は、国内的には意見が決つておつたところでございますが、このドツジさんの書面によりまして明らかにこれと相反する指示を受けたのでございまして、国内政治問題もからむと存じますので、私はただ事務的な経過だけを申上げておきたいと思います。
#36
○木村禧八郎君 そうしますと、事務的なお答えで結構なんですが、このドツジんの指示によればこれは独立営業できないと非常にはつきりしているわけなんですか。只今お話ありましたけれども……。
#37
○説明員(舟山正吉君) 各特別会計の金は、資金運用部に総括して運用するという精神がはつきりいたしておりますので、従来の決定とは相反する結果になるかと存じます。尚ドツジ氏の書面の中には、かくのごとくにして資金運用部に集つて来た資金の源泉については、運用の際に考慮する必要はない、というような字句が入つているのであります。この源泉と申しますのは、非常に地方還元的な思想を否定しているのではないかとも解せられます。即ち或る地方にどれだけ集つたから、その地方にどれだけ返さなければならんという思想に囚われることは適当でないということを謳つたのではないかと解釈せられる次第でございます。
#38
○木村禧八郎君 大体まあ御説明で輪郭が分つたのですが、その意図ですね、どうしてこの際ドツジさんがそういうふうに決められたか、我々ちよつと突如という感じがするのですが、いろいろな財政金融政策と何か一貫した関連がないのじやないかと思います。それは金融政策として相当大きな画期的な問題だと思うのです。これと又見返資金との関係も出てくるわけです。前に復金の機構を回復して、そうして設備資金をどうしたらいいかというような意見も一部にあつて、又局長からもそういうお話をこの間聞いたのですが、今後の長期金融政策ですか、そういうものと関連して非常に大きな影響を持つて来ると思うのですけれども、なぜドツジさんがこの際そういうことを言い出したのか、その根本的な考え方ですが……。
#39
○説明員(舟山正吉君) ドツジ氏がこの際こういうような裁断を下されたことの動機につきましては、推測の外はないわけでありますが、一つは日本の産業設備の改善、近代化ということについて長期資金が非常に要る。それを預金部資金といい、又見返資金といい、政府筋に棚上げしておつて、これを産業界に還元しない。日本銀行の短期信用で繋いで来たということに対する批判というものが、今度ドツジさんが見えまして、政府筋それから日本銀行筋、あるいは金融界、産業界挙げて預金部資金の解放ということが待望せられたのでありまして、このことについての金融的意味の御理解があつたのではないかと思うのであります。それからこれは予算問題と並行して審議が進められて参つたのでありますが、この時期に決定を発表されましたということにつきましては、一つは例えば予算で財政支出の出資をしなければならん場合に、預金部資金でもつて債券を引受けることによつて、金融機関の債券を引受けることにより解決がつくといつたような問題もあつたわけでございます。そこでこの意味においては予算と不可分の関係にあつたのではないかと推測いたしております。
#40
○木村禧八郎君 そうしますと、見返資金のガリオア・ファンド、あれについてはドツジさんが相当考慮されるようですが……。
#41
○説明員(舟山正吉君) 実は預金部資金よりも更に見返資金のほうの放出を急いで、而もその目的は産業設備の改善近代化ということにあることば窺えるのでございまして、今年度只今において、その財源となりますものには、かねがね申上げております国鉄、電通の国債、昨年度見返資金が引受けました二百七十億の国債を預金部の方に肩替りまして、それだけ余裕金を出しまして、これを放出するという構想でございます。その趣旨といたしましては、見返資金による中小金融の来年度の継続分、それから私企業の枠の十七億円の増加、或いは輸出銀行に対する出資の見返資金からの出資の分の二十五億、こういつたようなものが予定されているわけでございますが、ころ数えましても尚二百億見当の使途未決定の資金があるわけであります。これはドツジ氏が帰られます迄に、その使用の具体的方法についてきめられるというふうに仄聞しております。
#42
○木村禧八郎君 見返資金の余裕金、この前お伺いしたときに大体六百億近い、それで、それが多分お話のようにドツジさんの話によつて、だんだんその使途が明らかになつて来るということなんですが、最近は、それはどのくらいありますか、その余裕金というのはどのくらいありますか、その点について……。
#43
○説明員(舟山正吉君) 最近たしか七百億前後の余裕金があると思つております。その内、公企業といい、或いは私企業の中の電力、海運関係といい、それぞれ枠がきまつておりますけれども、まだ現実化されないというので、只今私が申上げましたのは、その外に尚、今年度の枠外に使い得る財源を見出しまして、これを適当の、と申しましても、主として産業設備の改善という方向に振向けたい、それについては根本的な考え方は何かはつきりした具体的な運用方法を定めて帰りたいというお考えのようであります。漫然と、直接、外資とか或いは社債の引受とか、いうようなことに限りますと、その資金の出方が遅かつたり、或いは他に利用されたりする虞れが多分にある心だから、はつきりその目的に使い得る方法を発見したいということで考えておられるように、推測いたすのでございます。
#44
○木村禧八郎君 そうしますと要するにドツジさんが帰るまでに、これまでのように見返資金或いは又預金部資金、そういうほうが、ああいう余裕金が徒らにできないように、そういう指示がされて行く、こういうふうに解していいんですか。只今最近七百億ある。こういう七百億が遊ばないように今後なつて行く、そういうふうにドツジさんは措置して行く、こういうふうに解していいんですか。又そういう場合に一つお伺いしたいのは、あそこで食糧証券なんか引受けていますね、それから外国為替証券ですか、その関係も引受けている。そういうものをここで引受けなければ日銀が結局持つことになりますが、そうすると通貨は膨脹するわけであります。その影響はどうなりましようか。
#45
○説明員(舟山正吉君) ドツジさんが帰られますまでにどれだけ具体化し、現金が市場に放出せられるかは推測も困難でありますが、このドツジ氏が帰られたあとも、必ずそれらの資金が計画通り動いて行くように骨折つておられるということは推測できる次第でございます。それから、これらの政府筋に棚上げせられました実情の長期資金が市場に放出せられますならば、それだけ出しつ放しでは或いはいけないのでありまして、その半面、日本銀行あたりから出ている毎期信用というものは、或いはこれを回放して置き替えて行く、そこは資金の経済界における総量というものを検討して資金調節をして行かなければならない筋合かと思います。
#46
○佐多忠隆君 食糧の輸入税の問題ですが、大体今後一ケ年更に免除するとうお話ですが、今後の輸入食糧の輸入計画ですね、それと特に海外食糧の価格が規在どうなつておるか、今後どういうふうになるというお見込みなのか、その点一つ……。
#47
○説明員(石田正君) 御質問に対する具体的な数字につきましては或いは農林省のほうから資料を提出して頂くようにお話したほうがいいのではないかと思います。極く大ざつぱなことを申上げておきたいと思います。食糧の輸入につきましては、これは大体所要量を確保するために政府全体といたしまして努力する、こういうことに相成ると思います。
 それから又その食糧の獲得が微々たるものかどうかということにつきましては、必ずしも楽観できない、相当努力しなければならない、こういうことになるのではないかと想像いたします。術、この価格のほうの面におきまするところの事情を申上げますと、先行きのことを長い目で見ることはなかなか困難でございますが、朝鮮事変等もまだ片付かないのでありまして、海外の食料というものはなかなか下りそうで下らないというような実情であろうかと思うのであります。御承知のことく、現在の海外の食糧価格というものが、国内の配給価格を上廻つておりますることは御承知の通りでありますが、この状況は、主食、米とか、麦のようなものについては案外続くのではないかというふうな工合に推測されるのであります。この一年間においてどういうことが起るかということは、これは勿論推測でありまして分らないのでありますが、決して海外の食糧は絶対に日本の価格より安くなるものではないというような予断に立つておるわけではございません。ただ現状を基礎といたしますならば、まだそれが下つて来るという具体的な事例が、或いは兆候、は発生しておりませんものですから、取あえずこういうような緊急免除の法律を一年間延ばすことにしたい。尚その間におきまして、海外食糧が下るというような傾向が強く現れる、又その問題が現実問題化いたしますならば、この法案というものは当然再検討して改正せらるべきものである、かように考えております。
#48
○説明員(立川宗保君) 食糧庁企画課長でございます。只今のお答えにちよつと補足いたしたいと思います。来年の食糧輸入の見通しでございますが、これは会計年度四月――三月で申上げますと、三百二十万トン程を計画いたしております。米が九十万トン、小麦が百七十万トン、大麦が六十万トン、合計三百二十万トンを計画いたしております。それで海外の価格と国内価格との差でございますが、これは、米は大体トン当りCIF百四十ドルで押えて宜しい。それで国内のほうの価格は、まだ本年度の米価が確定いたしませんけれども、大体百十ドル見当と考えてよろしいと思います。百四十ドルに対する百十ドルそれから小麦のほうは平均といたしまして、CIF九十ドル、それから国内のほうは七十三ドル、大体その見当の開きがあるわけでございます。
#49
○佐多忠隆君 そういたしますと、今の価格は例えば米にすればトン当り百四十ドルとして、これ迄、四月――六月或いは七月――十月に比べて次第に上つて来ておるのですが、その点は今後は大体百四十ドルでそのまま継続して行くというようなお見込なんですか。もう少しこれは上るというお考えなのか。それから今の小麦の九十ドルというふうに言われたと思うのですが、我々が頂いておる資料によると、これまで九十五ドルとか、六ドルとかというようなものでお買いになつておるんじやないかと思うのですが、それは九十ドルに下がるというお見込みなのかどうか。それから国内の米の価路百十ドルというのは、今度の新しい、引上げた価格で百十ドルということなのかどうか。
#50
○説明員(立川宗保君) 海外の価格と国内価格の点でございますが、これは大体この一年間程ずつと見て参りますと、海外の価格が余り動いておりません。朝鮮事件がありましたにかかわらず、食糧の価格は殆んど変動がないわけであります。それで来年度も大体……、只今申しましたのが現在入つておるもののほぼ平均でありますので、それが余り変らぬだろう。こういう見通しでおります。それから小麦の価格でございますが、これは九十五ドル、六ドルと申しますのは、ガリオアで入つて参りますものの平均でありまして、カナダから入つて参りますものは八十五ドルぐらいであります。それからアルゼンチンから入つて参りますのは、若干それよりも安くて八十ミル前後であります。尤もそれは、品質の差もございますけれども、まあそんな見当で平均をいたしまして、九十ドル見当なら間違いないだろう、かように考えておる次第であります。
#51
○清澤俊英君 ついでにお伺いしますが、米は大体どの方面から入つて来る見込みなのですか。
#52
○説明員(立川宗保君) 米の一番主なコースはシャムでありまして、シャムとそれからビルマ、これが一番大口でございます。大体シャムとビルマで五十万トン乃至六十万トン、その間を動いております。それからあとは、非常に雑多な地域でありまして本年までは朝鮮から十万トンから二十万トンぐらい入つておりましたが、来年度は殆んどこれは困難であろう。で、あとは物によりますと非常に少量でありますが、エジプトから入りましたり、或いはアメリカから入りましたり、それから満洲のものが廻つて入つて来たり、かようなまあ、経路でございます。
#53
○委員長(小串清一君) ちよつと政府委員に申上げて置きますが、木内委員から食糧の輸入計画の内訳、輸入食料品の価格と内地価格との比較表を資料として、御要求がありましたからお願いして置きます。外に御質問ありませんか。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           佐多 忠隆君
           木内 四郎君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           九鬼紋十郎君
           黒田 英雄君
           清澤 俊英君
           野溝  勝君
           松永 義雄君
           森下 政一君
           小宮山常吉君
           杉山 昌作君
           木村禧八郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
  説明員
   大蔵省銀行局長 舟山 正吉君
   大蔵省主税局税
   関部長     石田  正君
   食糧庁企画課長 立川 宗保君
ソース: 国立国会図書館
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