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2000/03/23 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 労働・社会政策委員会 第5号
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2000/03/23 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 労働・社会政策委員会 第5号

#1
第147回国会 労働・社会政策委員会 第5号
平成十二年三月二十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     水島  裕君     斉藤 滋宣君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     内藤 正光君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事
                大島 慶久君
                大野つや子君
                小山 孝雄君
                川橋 幸子君
                長谷川 清君
    委 員
                上杉 光弘君
                斉藤 滋宣君
                常田 享詳君
                溝手 顕正君
                笹野 貞子君
                高嶋 良充君
                内藤 正光君
                直嶋 正行君
                但馬 久美君
                浜四津敏子君
                八田ひろ子君
                大脇 雅子君
                高橋紀世子君
   国務大臣
       労働大臣     牧野 隆守君
   政務次官
       厚生政務次官   大野由利子君
       労働政務次官   長勢 甚遠君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   政府参考人
       人事官      市川 惇信君
       人事院事務総局
       給与局長     大村 厚至君
       厚生省老人保健
       福祉局長     大塚 義治君
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )

    ─────────────
#2
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に人事官市川惇信君、人事院事務総局給与局長大村厚至君、厚生省老人保健福祉局長大塚義治君及び労働省職業安定局長渡邊信君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(吉岡吉典君) 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○大野つや子君 おはようございます。自由民主党の大野つや子でございます。質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今回の改正の具体的な質問に入ります前に、まず大臣にお尋ねしたいと思いますが、改正の背景や改正のねらい、考え方について確認をさせていただきたいことがございますので、よろしくお願いいたします。
 今回の改正案は、厳しい雇用失業情勢のもと、緊急な課題となっている雇用機会の創出をも視野に入れたものであると思われます。そこで、まずこうした改正の背景となっております厳しい雇用失業情勢とその対策についてお尋ねをいたします。
景気が少し上向いてきたとのお話もお聞きいたしておりますけれども、雇用失業情勢についてはまだまだ厳しい状況にあるようでございます。そこで、これにつきまして、今後の見通しも含めまして労働大臣の御認識をぜひお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#6
○国務大臣(牧野隆守君) おはようございます。
 今、大野先生の御質問ですが、現在の雇用失業情勢につきましては、所定外労働時間の増加や有効求人倍率、これは先行指標でございますが、この倍率等を見ますと一部に上向きの指標が見られます。また、失業率は一月は四・七%と高水準にありますが、この中で特に気にいたしておりました新規学卒予定者の就職内定率、これが依然として厳しい状況にあります。
 しかし、例えば有効求人倍率の中で新規の求人数、ここに変化が実は見えておりまして、例えば情報サービス業だとか、あるいは医療、教育、社会福祉等、これらで全体の四分の一、二五%近い新規求人が出ている、こういうことでございまして、この傾向は十二月、一月と出てきておりまして、私どもとしてはさらにこれが伸びることを期待いたしております。
 そうしまして、新卒の就職内定状況ですが、最近のいろんな調査によりますと、どうも昨年よりは少なくとも三%はふえるんじゃないかという、このような調査も行われておりまして、私どもとしては、特に新卒につきましては講座数をふやすだとかいろんな措置を講じておりますが、関係者の御努力によりまして徐々に伸びてきている、こういうことでございまして、今月または来月の調査結果を実は期待を持って注視いたしているというのが現状でございます。
#7
○大野つや子君 ただいまの大臣の御答弁を踏まえた上での質問をさせていただきたいと思います。
 厳しい雇用失業情勢が続く中で、雇用機会の創出に向けて労働省はさまざまな工夫を凝らし、施策を講じてきたことは私も存じておりますが、大変な御努力をなさっていらっしゃると感じております。これまでの雇用機会創出に向けた主な施策の概要とその実績についても改めて御開示いただければと思います。
 また、これらの施策の多くが活用されている中にあって、周知徹底が行き届いておらず、それゆえ活用が十分になされていない施策もあると聞いております。緊急雇用創出特別奨励金制度や新規・成長分野雇用創出特別奨励金制度などの助成制度の活用促進がいま一歩図られてはいないように思われますけれども、せっかくの施策が十分に活用されていないということは大変に残念なことでなりません。
 そこで、総力を挙げて頑張っていただきたいのでございますが、労働省としては今後十分な活用に向けてどのような工夫や制度の改善を行っていこうとなさっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(牧野隆守君) 平成十二年度におきまして私どもとしては、例えば雇用の維持安定につきましては大体約十九万三千人の方を対象としていろんな助成を行います。また、雇用の創出、再就職促進、これについては七十六万一千人の方を対象として行います。さらに、能力開発の促進につきましては約十四万人の方々を対象といたします。これらの措置によって、雇用が安定し、さらに創造される、またその基本となる能力開発が促進される、こういうことで大きく期待をいたしているわけでありますが、今先生が御指摘の、例えばこういう補助金についてはまだ十二分に効果が出ていないじゃないか、こういう御指摘でございますが、これらの実績等々については政府参考人からお答えをさせていただきます。
#9
○政府参考人(渡邊信君) 雇用対策といたしましては、今まで補正予算等々をお認めいただきまして、幾つかの対策を行ってきているわけでありますが、御質問のその実績でございますけれども、まず中小企業労働力確保法に基づきます新規雇い入れの助成ですが、昨年一月から実施しておりますが、この二月前の実績で雇い入れ予定数が約八万人ということになっております。これはかなり順調に助成措置が行われているかと思います。
 次に、地方公共団体におきます二千億円の特別交付金奨励金でございますが、これはすべて自治体に配付をいたしまして、計画によりますと三十万人の雇用創出の予定ということになっております。
 それから、新規・成長十五分野などにおきます前倒し雇用、こういったことによる雇用の創出対策でございますが、本年の三月十七日までの支給申請は一千八百四十七人でございますが、相談件数の方は約二万件ぐらいになっております。
 それから、雇用情勢の変化に対応して、特にブロック別に失業率が上がった場合の対応策でございますが、これは既に沖縄県や近畿ブロック等において発動いたしましたが、三月十日現在で、支給申請が一千八百九十一人、申請件数が約一万件というふうになっております。
 それから、次にお尋ねのありました、余り利用されていないものについてどうしていくのかということでございますが、先ほど御指摘ありましたように、緊急雇用創出特別奨励金制度あるいは新規・成長十五分野の特別奨励金制度、こういったものについてはまだ件数がなかなか出ておりません。御指摘のように、確かにまだこの周知が不徹底だというふうな問題があるかと思いまして、この制度の周知を中心にいたしまして、これら制度が活用されるように努力をしていきたいと思っております。
 具体的に申し上げますと、これらの制度につきましては従来から、求人開拓をする際、あるいは求人を受け付ける際にこういった制度の周知を図るようにしておりますが、そのほか、リーフレットをつくりましたり、あるいは新聞等にも広告を出すというようなことを努力をいたしてきました。特に十五分野の奨励金制度につきましては、雇用保険の適用事業主を中心にしまして二百万通のダイレクトメールを発送したというふうな努力をしております。
 こういったことを努力を重ねてきておりまして、徐々に効果が出てきているかと思いますが、新規・成長分野の助成金につきましては相談件数が二万一千件になったというふうなこと、あるいは緊急雇用創出特別奨励金につきましても、先ほど申しましたように一万件ぐらいの相談になってきているというふうな、徐々にその制度についても周知が行われつつあるんじゃないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、これら二制度につきましては平成十三年度末までの制度ということになっておりますので、この周知が図られて活用が促進されますように最大限努力していきたいと思います。
#10
○大野つや子君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、今回の改正案の具体的な内容についてお伺いをしたいと思います。
 我が国は急速な高齢化の進展を迎え、国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、今後六十五歳以上の人口は、平成十二年が二千百八十七万人、平成十六年には二千四百三十七万人と、今後四年間で二百五十万人増加することが見込まれております。また、十五歳から六十四歳までの生産人口は、平成十二年が八千六百四十二万人、平成十六年には八千四百九十八万人と百四十四万人減少するとともに、この生産人口と六十五歳以上の人口との比率は、平成十二年の二五・三%から平成十六年には二八・七%と急激に上昇することが見込まれていると言われております。
 このように、我が国は急速な高齢化を迎えておりますことは周知のことですが、高齢の方がふえれば当然介護を必要とされる方もふえると考えられるわけでございます。今後の要介護高齢者の増加の見通しをいかがお考えでしょうか。また、そのことにつきましてもお聞かせをいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(渡邊信君) これは厚生省の推計でございますが、寝たきりや痴呆などによって要介護、要支援とされる高齢者の方は、平成十二年度で約二百七十万人、平成十六年度には三百十万人ということで、四年間で約四十万人増加すると見込まれておりますし、それ以降もさらに増加を続けるということを厚生省の方で推計をしております。
#12
○大野つや子君 ただいま御答弁をお聞きいたしましたが、それだけ介護を必要とする方がこれから増加すれば、当然介護の仕事を担う人たちの育成も必要と考えます。現在、その仕事の中心的担い手でありますホームヘルパーの養成は順調なのでしょうか。
 また、平成十一年度末でホームヘルパー二級課程修了者が二十六万人、三級の修了者が二十三万人とのことでございますが、さきに申し上げましたように、今後四年間で六十五歳以上の方の増加は二百五十万人、ただいまのお話にもございましたが、二百五十万人見込まれております。その中で、どの程度のホームヘルパーの養成が必要と思われますでしょうか。御認識をお伺いしたいと思います。
#13
○政府参考人(渡邊信君) これも、昨年末に策定をされましたいわゆるゴールドプラン21でございますが、この中で厚生省が介護保険のサービス量の見込みを推計しておりまして、これによりますと、訪問介護に従事するホームヘルパーにつきましては、平成十二年度当初で約十七万人の方が、これは従事される方がいらっしゃるということですが、十六年度には三十五万人のホームヘルパーが必要になるというふうに見込んでおりまして、このほか、施設介護や訪問看護等についての人員も合わせますと、平成十二年度当初で四十七万人、これが十六年度には八十万人必要になるだろうというふうに見込んでおります。
 こういったことに加えまして、介護保険制度の対象外のサービスということもふえてくると思われますので、介護分野の労働需要は今述べました数字以上にふえてくるのではないかというふうに見込んでおります。
#14
○大野つや子君 ただいま御答弁のとおり、相当数のホームヘルパーが必要であることは間違いない事実でございます。
 そこで、総括政務次官にお尋ねしたいと思いますが、これに関連いたしまして、これだけ多くのホームヘルパー養成の必要性に対し、今回の介護労働法の改正においてはどのような施策を講じていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
#15
○政務次官(長勢甚遠君) 先生おっしゃったとおり、今後介護労働力の確保ということが極めて大事でございますし、かたがた、良好な雇用機会を創出するということも必要でございますので、そういう観点から今回介護労働法の抜本的な改正を図ったところでございます。
 従来の、現行の介護労働法では主として家政婦さんを対象にして養成を行うということをやってまいりましたが、今回、対象者も離転職者に重点を置いた体制にするとともに、養成訓練の内容もいろいろ高度化を図り、多様化を図る。内容的にも二級、三級の方々を中心にして約三万人の訓練体制にする。また、一級の方々等も含めた高度の訓練も行うというような方向で今回の改正を御提案申し上げておるところでございます。
#16
○大野つや子君 いよいよこの四月一日から介護保険制度が始まります。それに伴いまして、新規に介護分野に参入する事業主や新分野展開を行う事業主が増加することは今日までの報道等でも明らかでございますけれども、これら事業主の労働力の確保と良好な雇用機会の創出に対する施策についてお伺いをしたいと思います。
 これら新たに参入する事業主は、準備期間中はもちろん、事業開始後すぐに介護報酬等の収入が得られるわけではございません。また、介護サービスは人対人のサービスのため、人件費の負担は非常に重くなると存じます。このことが事業主の新規参入に二の足を踏ませたり、雇用の促進を阻んだりすることになりかねません。また、労働者にとって働きやすい魅力的な職場づくりも雇用促進には重要なことであると思われます。
 今回の改正におきまして、事業主の新規参入や雇用促進のためにどのような施策を講じていらっしゃるのか、政務次官、お聞かせいただきたいと思います。
#17
○政務次官(長勢甚遠君) まことにおっしゃるとおりだという認識で今回の改正を考えております。
 介護分野に進出していただく、あるいは新たに参入していただくという立ち上げの時点で、雇用環境につきましても、働きやすい職場をつくるという観点も含めて、種々の施策を講じていかなければならない、このように思っております。
 具体的に今回の改正によりまして幾つかの助成措置を実施する予定にいたしておりまして、一つは、新たに労働者を雇い入れる事業主に対しまして、雇い入れにかかる費用の一部、具体的には常勤の方については賃金の二分の一助成を一年間ということを考えておりますが、こういう介護人材確保助成金というものを創設する予定でございます。
 また、能力開発のための訓練をなさる、あるいは人材交流をされるというような事業主に対しましては、その派遣なり訓練に要する運営費、また賃金を支払っておられる場合にはその四分の三を助成する介護能力開発給付金を創設することにいたしております。
 さらに、雇用環境を改善していただきたいと思っておりますので、新たに雇い入れた労働者に対しまして、例えば健康診断の費用を出すとか、そういったような制度をつくるとかという雇用管理改善事業をなさる方に対しましてはその費用の一部、二分の一助成をする、百万円を限度にいたしておりますが、こういう介護雇用管理助成金。
 さらに、労働環境改善のための設備、または福祉施設の設置あるいは整備、具体的には託児施設だとか仮眠所だとかといったようなことが考えられますが、こういう方々についても最高限度千五百万までの範囲で介護雇用環境整備奨励金という制度を今考えておるところでございます。
#18
○大野つや子君 今お話しいただいたように、確かに雇用促進を高めるという観点からは、新たに雇い入れる労働者の賃金相当分を助成するという制度は大変有効だと思います。しかし、より重要と思われますのは、今お答えをいただいた中の雇用管理改善及び雇用管理整備にかかわる助成制度であると存じます。
 介護分野は、その労働の特殊性から、身体介護を中心に肉体的に大変過重な負担がかかるわけでございまして、私も自分の親の介護をいたしまして大変肉体的な負担というものを実感いたしております。また、介護は決められた時間だけ働いていればいいというものでは決してないと思います。そういった観点から二十四時間巡回介護が行われておりますが、これも労働者にとっては大変ハードな就労であると思います。
 このことを踏まえまして、お話しいただいた介護分野で働く労働者の方々にとって魅力的な就労の場の形成、環境整備に役立つ助成制度等の対策でどの程度の雇用創出効果を見込んでいらっしゃるか、お話しいただきたいと思います。
#19
○政務次官(長勢甚遠君) 先ほど御説明いたしましたように、約三万人程度の養成訓練を実施することにいたしておりまして、これは大体平成十二年度に増加をすると見込まれる雇用者数の相当部分をなすと思いますが、この方々が当然大半がそういう職場につかれると思いますので、そういう雇用機会の創出に寄与すると思っております。
 さらに、今回の改正によりまして新たに介護分野に進出される、あるいは企業を創設されるという方々のところでこういう方々を雇っていただければ、賃金助成を先ほど言いました人材確保助成金という形でお支払いするわけでございますから、さらに雇用効果が上がる。この方々に対しては約一万人の予算を組んでおりまして、ぜひ御活用いただきたいと思っておるわけでございます。
 また、こういうふうに新たな事業を、先ほど先生からも御指摘のような雇用管理の改善も含めた助成措置を講じますので、さらに雇用に入りたいという方々がふえると思いますので、そういうことも含めれば今回の改正による施策を通じて相当数の雇用創出効果が出てくる、このように期待しておりますし、それを実現していきたい、このように思っておる次第であります。
#20
○大野つや子君 ありがとうございました。良好な雇用機会を創出するといった観点から、その支援策は幅広い範囲で実施されることが望ましいと考えますので、可能な限り一層の御努力をお願い申し上げたいと存じます。
 次に、介護保険制度の開始に伴い、今後介護分野には民間企業や社会福祉法人以外の法人も参入してくることが考えられますが、今回創設される助成制度はどのような事業主を対象としていらっしゃるのか、今もいろいろお話しいただきましたけれども、その辺もまたお聞かせをいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(渡邊信君) 介護分野につきましては、先ほどからいろいろ議論されていますように、これから雇用の面について見ましても相当大きく伸びていく分野だというふうに見ておりまして、そういった点からもこの助成の対象となります事業主というのはできるだけ広くとらえていくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
 そこで、まず介護関係業務というものを法律で規定しておりまして、これにこういった介護関係業務を行う事業主を対象とするということにしております。
 まず、この介護関係業務の定義自体が、現行では身体介護というふうにしておりましたが、これを機能訓練や看護あるいは療養上の管理等要介護者に対します福祉サービスや保健医療サービスを広く含む概念としてまずこの介護関係業務というものを規定しております。そういった介護関係業務を行う事業主を助成対象にするということが一つでございます。
 さらに、この事業主につきましては、現行法では専ら介護の事業を行う事業主というふうにいたしまして介護事業のみを行っている事業主を対象としておりましたが、今般、事業の一部として、例えば病院を経営する傍らで介護業務を始めようという事業主も対象にするということで、介護の関係業務を行う事業を介護事業というふうに定義をした上で、先ほど申しましたように事業の一部において介護事業を行うという事業主も対象にするということにしております。
 さらに、先ほど御指摘のありましたNPO、農協あるいは生協、こういったところもこの介護にはこれから参入が見込まれる分野でありまして、法人格を持ったNPO、農協等、あるいは医療法人、こういったところも事業主の対象として含めていくというふうにしておりまして、できるだけ介護関係業務を行える事業主の範囲を広く定義した上で助成対象も広く認めていきたいというふうに考えておるところであります。
#22
○大野つや子君 ただいまの質問に関連いたしまして、改正案の第八条についてお伺いをしたいと思います。
 この条文には、改善計画の認定を受けられる者は、介護関係業務に係るサービスで現に提供しているものと異なるものの提供または介護事業の開始に伴い改善計画を作成とあります。雇用機会の創出に向けました新規事業の展開を進めるということが読み取れますが、このことはよいのでございますけれども、これだけですと介護に係る新たな事業転換や新規の開業などが対象となり、従来の介護業務を維持する中で労働環境の改善が行われてもこの法律の対象にはならないようにも読み取れるのでございますけれども、この点はどう考えたらよろしいのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(渡邊信君) この点につきましては、現在中小企業労働力確保法の方で一般的な立ち上げの支援をしておりますが、今般の介護労働の助成につきましても基本的な考え方は立ち上げ支援ということで、中小企業労働力確保法と思想を一にしております。立ち上げのときにいろいろと訓練経費、採用の経費あるいは労務管理について、こういったことをしたいというような経費がいろいろかかるわけでありますと同時に、先ほどもお話がありましたが、立ち上げて直ちに収入が保障されるわけではないということで、企業を新しく立ち上げる、あるいは新しくそういう事業を始めるというときの経費の助成をするということによりましてこの介護分野における雇用の確保等を助成していきたいというふうに見ているところであります。したがいまして、従来例えば医療の事業を行っておりまして、その事業主が新しく介護も手がけるということになりますと助成の対象になりますが、従来の介護業務をそのままの形で規模だけを拡大するというものについては助成の対象としないということにしております。
#24
○大野つや子君 ありがとうございます。
 介護分野は短時間労働者の割合が多い分野であると私も承知をいたしております。平成九年の日本労働研究機構が行いました調査で見ますと、ホームヘルパーの雇用形態は、団体等の職員として本採用されている正規職員は二一・五%であるのに対し、正規職員以外で一日六時間以上かつ週五日以上働いている常勤ヘルパーが二六・三%、正規職員及び常勤ヘルパー以外のパートヘルパーが四七・七%となっております。
 短時間労働者の比率が高いという結果が出ているわけでございますが、その理由としては、介護分野は女性の労働者が多く短時間就労の希望が多いこと、また先ほど申し上げましたように二十四時間巡回介護等の多様な就労時間への対応の必要性などが考えられますが、今回の助成措置で短時間労働者の取り扱いはどうなっているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#25
○政府参考人(渡邊信君) ただいま御指摘ありましたように、介護の分野は短時間労働者の比率が大変高い分野でございます。今御指摘の日本労働研究機構の調査によりましても、常勤の方は二割程度ということで、そのほかは常勤的パートあるいはいわゆるパートによりましてこのホームヘルパーの仕事が行われているわけでございます。
 こういった実態にかんがみまして、今回の法案も短時間労働者の雇用等についても助成をすることにしております。先ほど申しました中小企業労働力確保法では常用労働者を雇用した場合だけの対象でございますが、今回の介護に関する改正によりましては、雇用保険の被保険者になります週所定労働時間が二十時間以上三十時間未満の短時間労働者についてもこれを助成の対象とすることにしております。
 ただ、そうは申しましても、できるだけ常用化を進めていくことが望ましいということを考えますと、助成率につきましては、常用労働者の賃金助成は二分の一、短時間労働者については三分の一、こういった格差を設けることにしております。
#26
○大野つや子君 ありがとうございます。
 次に、介護分野における労働力の需給調整機能についてお伺いをしたいと思います。介護分野におきましては、従来より、在宅介護の需給調整に大きな役割を果たしておりました有料職業紹介所、家政婦紹介所がございます。今後、この家政婦紹介所は介護保険制度の開始によりましてどのような役割を担っていくのか、お考えをお聞かせ願えたらと思います。
#27
○政府参考人(渡邊信君) 現在、家政婦の仕事をしておられます方は約八万人ぐらいおられるかと思いまして、特に在宅介護の面につきましてはこの家政婦さんたちの果たしている役割は現在も大変大きいというふうに思っております。
 四月以降、介護保険制度が開始されました後のこの家政婦さんあるいは家政婦紹介所の役割と申しますのは、大きく二つの機能を担うことになるというふうに見ております。
 まずその第一は、家政婦さんを従来どおり職業紹介によって介護を必要とする家庭等に紹介をするという機能であります。このような形態の介護は介護保険法に基づきます給付の対象にはならないわけでありますけれども、この給付の対象になるサービス以外の、いわゆる上乗せとか横出しサービスとか、あるいはケアプラン以外の突発的な臨時的ニーズ、こういったものはこれからも生じるわけでありまして、こういったものへの対応は従来の紹介によります家政婦さんの派遣といったことで、まだまだ働いていただける分野というのは大変大きいのではないかというふうに思っているわけであります。
 その第二ですが、家政婦紹介所が介護保険対象サービスも提供する機能を担うといった場合でございます。このためには個人事業者を法人化しなければなりませんが、家政婦紹介所が紹介機能のほかに、例えば請負事業主として法人化をいたしまして、その事業者としての資格も得るといったケースでございます。こういった兼業化によって直接介護保険法の対象になる介護の業務を開始するということも考えられます。このためには、もちろん今般の改正法によります助成措置を受けることができるということになると思いますし、家政婦紹介所が幾つか共同して例えば請負事業主になるというふうな事業を行うときには、別途の助成制度でそのための助成もする、モデル事業として助成をするというふうなことも予算に計上しているわけでございます。
 こういったふうな第一の形態、あるいは第二の形態を通じまして、今後とも家政婦さんの果たす役割というものは大きいものがあるのではないかというふうに見ております。
#28
○大野つや子君 ありがとうございます。地元でも大変家政婦紹介所の方々が御心配をしていらっしゃるものですから、今後もよろしくお願いしたいと思っております。
 それでは、最後の質問になりますが、大臣にお伺いしたいと思います。
 今回の改正法は、成立から施行までの期間が非常に短いことが見込まれるわけでございます。しかし、今後の介護分野における労働力の確保と良好な雇用機会の創出を図っていくためには、この短い期間ではありましても、今まで以上の改正の徹底的な周知、広報が不可欠であると感じております。その点に関しまして大臣の御決意をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(牧野隆守君) この法律をお認めいただきますと、もう四月一日から保険法が実施されますから、私どもは大車輪でこの普及と円滑な運営に努力をしなければなりません。
 ここで一番問題になりますのは、実はこれらの助成を受ける方々は、都道府県知事の計画についての認定を必要とするわけです。現実にどの程度出てくるかわかりませんが、厚生省で介護事業という形で認可されたケースが二万以上に、ここ二カ月間、三カ月間でもう三倍、四倍近く伸びているというのが現実の姿でございまして、早急にこれに対処しなきゃいけないということ。したがって、この認可に当たりまして、もう簡潔に要点だけお伺いして認定できるような作業を進めるということ。このためには、都道府県なり中心になります介護センターに東京に集まっていただいて早急にこの法律の趣旨の徹底を図らせていただきたい。これが第一であります。
 第二は、介護センターを中心として、もうぜひワンストップサービスというような形で、ここは専門家の集団でございますから、ここへ相談すればすべての手続が間に合うような形で推進をさせていただきたい。
 それから第三番目はいわゆるPR、関係の方々について短時間のうちに周知徹底を図らなければなりません。したがいまして、インターネットを利用したり、あるいは特に新聞に、要領等も含めまして、ぜひやりたいという起業家の方々に十二分に認識していただく。新聞広告、その他のメディアを使ってPRに最大の努力をいたしたい。
 いずれにしましても、一斉にそういう申請があるわけですから、窓口で混乱をするとか、あるいは手続がおくれる、こういうことがあってはならないわけでありまして、これに万全の策を講じたい。また、急に計画をつくって認定を受けなさいというんですから、その計画を、過渡期の問題として、ある程度人を雇われても、それから、例えばその一カ月なり適当な猶予期間を、後ほど申請してもきちっと処理できるようにと、このような経過規定もとらせていただきたい。
 いずれにしても、御心配になっている円滑に運用されるかどうかという点について最大の努力をさせていただきます。
#30
○大野つや子君 ありがとうございました。
 四月一日に介護保険制度がいよいよ始まるわけでございますので、どうぞ大臣、労働省の皆様方、しっかりと心を引き締めていただきまして、もうこの介護制度、本当に十分機能していただけますようによろしくお願いしたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#31
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。
 私は、介護労働分野での雇用創出ということに焦点を当てて質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、労働大臣にお伺いをしたいわけですけれども、政府の雇用対策の基本というのは、雇用と産業競争力強化策を一体のものとして行っていくというそういう方向になっていますね。その中でも成長分野における雇用創出が重視をされてきているわけでありますけれども、労働省として、この成長分野の雇用創出という中で、福祉、とりわけ今の法律の関係でいいますと、介護分野での雇用創出という位置づけというのはどの辺に置かれているのか、どういうふうに重視をされているのかということについてお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(牧野隆守君) 介護分野を含みます医療・福祉関係は、今、先生御指摘のとおり、成長分野の一つとして一九九五年から二〇一〇年までの間に百三十二万人の雇用規模の増加が見込まれ、成長分野全体の増加分七百四十万人の一八%を占める非常に重要な分野と考えられております。
 当然のことながら、労働省といたしましても、こういう需要が見込まれるわけでありますから、適正に雇用が増加されるように、雇用機会の創出等の支援はもちろんでありますが、今までの制度等も十二分に活用いたしまして促進していかなければと、当然のことながら日本全体の中長期の構造変化に対応した重要な雇用分野である、このように考えております。
#33
○高嶋良充君 今、大臣答弁をされて、福祉・介護分野をかなり強調されているわけでありますけれども、ただ、最近の政府の雇用対策の概要というのを見せてもらいましたけれども、この中では、公共事業とか、それから今花形だと言われている情報関連分野、それらと比較をすると、どうしてもこの福祉分野が弱いように思えてならないんですね。
 ある経済学者も言っていますけれども、確かに成長分野の三Kと言われる産業があるようですけれども、そこでは、一つは高度情報産業だ、そして二つ目のKというのは高齢者福祉だ、三つ目は環境産業だと、こういうふうに言われています。この三つは、確かに成長分野の十五分野の中でトップから順番に書かれているわけですね。しかし、成長産業はそうだけれども、雇用ということをとらえると、逆に高度情報産業あるいはIT革命というのは雇用創出力はかなり弱いというふうに言われているわけですね。雇用面だけを見る三Kの産業というのは、介護とそれから環境と教育だというふうに言われています。
 労働組合の連合は、介護、環境、教育のこの分野だけで百万人の雇用創出というのも政府にも提言をしているというふうに思うんですけれども、それらも含めて、政府は福祉を重視した雇用対策を具体的にどう進めるのか、この辺について再度大臣にお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(牧野隆守君) 先生も御指摘また御認識のとおり、雇用の面から見ますと非常に大きい分野でございまして、将来の人口年齢構造等も考えまして、これはどうしても強化していかなければならない大切な分野であるわけです。
 我々として今御審議いただくわけですが、じゃ介護分野にどういうように対処していくか。まず第一に、介護保険制度を利用して介護分野に新規に参入される場合、事業開始後もすぐに介護報酬等の収入を得られるわけではないというこういう特殊な分野であります。それから、労働者の働きになる皆さんの立場から見ますと、身体介護を中心に肉体的に相当の負担がかかる、しかもホームヘルパーの資格を持っていることが必要だと、こういう条件がございまして、私どもとしましては、非常に大切な分野でこういう状況にございますから、どうやって雇用創出の助成あるいは雇用環境の整備の支援ができるか、こういうことで、例えば人件費補助を基本に、差し当たりスタートするわけですから、スムーズにスタートできるようにということで人件費補助も考えておりますし、それから、さらに長期的に見ますと、ホームヘルパーの資格取得等のために教育訓練をさせていただく、これが非常に大切なところでございまして、これらを中心にして具体的に政策を進めさせていただきたい、こういうように考えております。
#35
○高嶋良充君 わざわざ厚生政務次官にもおいでをいただきました。厚生省の側から見た介護労働の関係についてお伺いをしたいというふうに思います。
 この今審議している法律も含めて、平成四年、一九九二年ぐらいからマンパワーの確保ということでかなり施策を充実はされてきたというふうに思うんですけれども、現在、福祉だけを見ると統計的にはどれぐらいの労働者がいるかというのはすぐわかるんですけれども、介護だけで分類しているのが非常にないものですから、もしおわかりでしたら、現在介護関係業務に携わる労働者がどれぐらいおられて、九二年ぐらいから約八年から十年ぐらいこの政策が遂行されてきてからどういう増加率になっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#36
○政務次官(大野由利子君) 高齢者介護に従事する人の報告をさせていただきたいと思いますが、ホームヘルパーや特別養護老人ホームの介護職員等の高齢者保健福祉サービスに従事している者の数は、平成十年度におきまして約五十二万人となっております。平成六年が二十七万人でございましたので、約二倍で、大体毎年六万人から七万人従事者がふえているという状況でございます。
#37
○高嶋良充君 じゃ、将来の見通しを含めてお伺いしたいんですけれども、政府の方で新ゴールドプランを含めた計画をつくっておられますけれども、今後どれぐらいこの分野での雇用増が見込まれるのか、次官、お願いいたします。
#38
○政務次官(大野由利子君) ゴールドプラン21によります雇用者数を幾つかのサービスについて推計いたしますと、ホームヘルパーについては現在十七万五千人から、平成十六年度末には、一定の仮定を置いた推計、機械的な試算でございますが三十五万人になる、このように見込まれておりますので、二倍、十七万五千人が増になる、このように思っております。
 また、特別養護老人ホームにつきましては、正確な数を算出するのは難しいわけですが、十六年度末までに特別養護老人ホームの定員の増加を六万人分、このように見込んでおりますので、平均的な定員の規模による特別養護老人ホームを想定した場合に、職員数を試算いたしますと二万九千人程度の増になると見込まれます。
 それから、老人保健施設につきましても特養と同じような試算を行いますと、四万八千人程度の増になります。この主な三つのサービスを合計いたしますと、大まかな粗い数字でございますが、二十五万二千人程度の増と見込まれるところでございます。
#39
○高嶋良充君 そこで、再度労働大臣に決意も含めてお伺いしたいんですけれども、雇用政策を先ほどから言っていますように福祉重点に転換させるということは、僕は非常に重要な課題だしそうする必要があるのではないか、こういうふうに思っているんです。
 今、厚生省の大野政務次官からゴールドプラン21の説明がございました。こういう緊急の雇用政策をやるときには、労働省としては厚生省のそういう計画よりもやっぱり上回る施策を政府の中で要望していただく必要があるのではないかなというふうに思うんですね、三百万を超える失業者がいるわけですから。
 その皆さん方をかなり流動化させて、福祉分野、介護分野に政策誘導してくるということになると、今次官が言われたようなゴールドプラン21に言う、これは一つの例ですけれども、ホームヘルパーは十七万五千人増、こういうふうに言われました。これは要介護者十・五人にヘルパー一人という計算なんですよね。
 我々が言いたいのは、その施策を上回るということになると、当然のこととして、要介護者六・五人に一人のヘルパーが必要だというふうにすべきではないかと思うんです。そうすると、十七万五千人ではなしに三十万人の雇用がそこで創出される、こういうことになるわけですね。これは、施設の関係もそういうことになるというふうに思いますけれども、そういうことを含めて労働大臣としてこの現在の失業不安を解消するという気構え、気概をお示しいただきたいなというふうに思うんです。
#40
○国務大臣(牧野隆守君) 今、厚生政務次官からお話ございましたとおり、この数字だけで実は二十五万人新たに雇用がふえるということになります。二十五万人というのは非常に大きい数字でございまして、現在の失業者は三百万人と見ますと、まさにそれだけで一〇%になんなんとする、こういうことになるわけです。
 したがいまして、今回のこれにつきましては、私どもとしましては、労働省は普通、非自発的失業者を中心にして失業者ということにしておるわけですが、今回は私どもは、助成対象にする方々は、失業者というそういう制限をかけずに、どなたでも結構ですよ、お雇いください、その場合にはスタートダッシュとして給与の補てんをいたしますと。
 もう一つは、先ほど申しましたホームヘルパーさんをどうやってこれらの需要に適合するように養成するか。これについては、先ほど私どもの政務次官が御返事しましたとおり、二、三級のヘルパーさんを中心にして差し当たり三万人ということを考慮しているわけです。
 昨年実施いたしました二千億円を各都道府県にお渡ししましたが、その地域で必要なところにきちっとお使いくださいと。ところが、各都道府県のあれを見ますと、実は福祉サービスヘルパーさんの養成等につきましても、単に労働省の助成措置でなくても、各県でもこういう制度を利用して、必要に応じて需要が増大するという見込みのもとにそのような措置をとっているということで、私どもはあらゆる手段を講じてヘルパーさんの養成に努力をいたしたい、こう考えております。
#41
○高嶋良充君 ぜひ一層の努力を要望しておきたいというふうに思います。
 そこで、今回の法律とそれから労働条件との関係についてお尋ねをしておきたいというふうに思います。
 労働政務次官にお伺いしますけれども、介護労働者法の目的というのは、当然のこととして介護労働分野への労働力の参入と定着を図ることだと、そういうふうにとらえてよろしいんでしょうか。
#42
○政務次官(長勢甚遠君) 介護労働者法の目的は、我が国における急速な高齢化の進展等に伴い、介護関係業務に係る労働力への需要が増大をしていることにかんがみ、介護労働者について、その雇用管理の改善、能力の開発及び向上等に関する措置を講ずることにより、介護関係業務に係る労働力の確保に資するとともに、介護労働者の福祉の増進を図ることを目的とするものであります。
 少し長く申し上げましたが、先生御指摘のとおりであります。
#43
○高嶋良充君 「雇用管理の改善」という法律名もついているんですが、今も雇用管理の改善ということを言われましたけれども、雇用管理の定義というのはどういうふうにとらえればいいんでしょうか。
#44
○政務次官(長勢甚遠君) 雇用管理の定義というお尋ねでございます。
 我々としては、労働者の募集、採用から配置、配置転換、昇進、福利厚生などの在職中の処遇を含め、退職に至るまでの労働者の雇用に関する一連の計画的、体系的な管理のことを雇用管理としてとらえ、施策を講じていきたい、このように思っております。
#45
○高嶋良充君 じゃ、採用から退職までということですから、当然のこととしてその中の賃金、労働条件も含まれているというふうに解してよいわけですか。
#46
○政務次官(長勢甚遠君) そのように考えております。
#47
○高嶋良充君 じゃそこで、労働条件、とりわけ賃金の問題に絞って御質問したいというふうに思うんです。
 調査室の方からいただきました法律案の参考資料なんですが、先ほども大野委員からも質問がその中でありましたけれども、日本労働研究機構のホームヘルパーの調査結果が掲載されているわけですけれども、その結果を見ると、介護労働者の仕事というのは重労働で賃金が安くて雇用も不安定だ、そういうふうに結果としてとらえられるのではないかというふうに思っているんですが、その実態を労働省としてはどのようにとらえておられるんでしょうか。
#48
○政務次官(長勢甚遠君) 日本労働研究機構が平成九年に行った調査によりますと、ホームヘルパーさんの仕事上の悩みや不満等の内容としては、正規職員、常勤ヘルパー、パートヘルパー、それぞれの方々によって若干差がございますが、社会的評価が低いとか、腰痛など健康面に不安があるとか、雇用が不安定であるとか、あるいは収入が不安定であるとか等々の項目が主なものとして挙げられておるところでございます。
 介護分野はその労働の特殊性から身体介護を中心に肉体的に大変な負担がかかる、また二十四時間巡回介護への対応等のために就労時間も多様なものとなっておるわけでございますので、こういう面での雇用管理の改善というものが極めて必要な分野である、このように我々は考えておる次第であります。
#49
○高嶋良充君 大臣にお伺いしたいんですが、今政務次官の方から調査結果も含めて介護労働者の労働実態は非常に厳しいということが実態としても指摘されたわけです。
 その上に立って、どのように改善されてきたのかということについてお伺いしたいんですが、この法律は八年前に雇用管理の改善ということで出たわけです、平成四年ということになりますけれども。それから八年たっているわけですが、雇用管理の改善の中で、先ほどお聞きしたように賃金、労働条件もきちっと含まれているんだと、こういうことですから、この八年間の中でどのようにこの法律の効果によって雇用管理が改善をしてきたのか、そこの部分についてお伺いをしたいと思います。
#50
○政務次官(長勢甚遠君) 正直申し上げまして、現行の介護労働者法を今回抜本的に改正いたしました。特に申し上げたいのは、従来はいわゆる家政婦紹介所の方々が介護労働分野にできるだけスムーズに、また有効な形で転換できることを援助しようということが主たる目的でありましたから、また制度もそのような対象になっておりました。そういう中で、雇用管理の改善に関する相談援助事業を実施したり、雇用管理のための研修の受講に対する助成を行う等々をやってまいったわけでございますけれども、何よりもホームヘルパーの養成研修ということが一番大事でございましたので、その点におきましては平成四年から十一年度までに約七万五千人の方々に受講いただくという成果を上げてまいりましたが、一方、家政婦紹介所さんの方でなかなか転換についての意欲あるいは企業の規模等から意欲的に取り組む状況がまだまだ醸成されない状況もありましたので、正直申し上げまして、従来の、現行の介護労働者法で先生御指摘の点でどの程度の効果があったかと言われますと、正確なお答えができないのかなというのが私の正直な印象でございます。
 しかし、今回の改正によりまして、家政婦紹介所だけではなくて、あらゆる民間法人、社会福祉法人も含めて、雇用管理の改善にこの法律に基づいて実効を上げていこう、こういうことにいたしておりますので、今後その成果を上げていきたい、このように思っておる次第でございます。
#51
○高嶋良充君 今次官から、一定改善できているという、そういう御答弁だったように思います。
 ただ、その中身も、家政婦の紹介関係を含めた分野と、それとやっぱりホームヘルパーの確保というそういうところにこの八年間は焦点を置かれてきたのかなというふうに思うんです。その上に立って、今度改正をされるわけですから、今申し上げたように、介護労働分野に事業主もあるいはそこで働きたいという労働者もより参入しやすい、そういう方向に持っていく必要があるんではないか。
 そういう観点から言えば、先ほども申し上げましたように、調査結果に出ていますけれども、重労働で賃金が安くて雇用が不安定、こういう実態があるわけですから、今回の法律改正の主要な眼目というのは、賃金水準の引き上げや身分保障やあるいは健康管理というものをきちっとできるような雇用管理の改善というものを図らせていくというそういうことが必要なんではないかなというふうに思っています。そういうことをぜひ、これは要望として申し上げておきますけれども、そういう面で一層の努力を要請しておきたいというふうに思っております。
 そこで、民間分野の介護労働者の賃金水準を引き上げていくための施策、それをどうとらえていくのかということがあると思うんです。そこで一つの例というか、例というよりも、これはもう政府なり、厚生省、労働省も含めて、人事院も来ておられますから後で伺いますけれども、そういうねらいというか目的を持ってやられた施策が一つあるわけですね。そのことについてどう生かしていかれるのかということも含めて聞いていきたいというふうに思うんです。
 まず、人事院にお伺いをしたいと思います。
 昨年の人事院勧告で福祉職俸給表の新設が勧告をされました。聞くところによると、国家公務員の福祉介護に携わる職員の皆さん方はこの一月からその俸給表で賃金が上がって支給をされておると、こういうふうに聞いているんですが、その中身を具体的に教えていただけませんか。
#52
○政府参考人(市川惇信君) ただいま御質問のございました福祉職俸給表、これのまず目的からお話し申し上げたいと思います。
 既にここで御議論がございますように、我が国の社会の高齢化、核家族化が進行しておりまして、これに伴いまして福祉分野における直接的な対人サービス業務、これに対する社会的需要が増大してきております。このような状況のもとにおきまして、このサービスを担う福祉関係職員の業務内容の高度化と多様化が進んでおります。これに伴いまして、介護福祉士制度の導入とか専門的研修の充実など諸施策が積極的に進められてきているところでございます。これらの専門的な知識、技術を持った福祉関係職員の量的拡大と質的充実が社会的に求められているところでございます。
 このような社会的な環境の変化を踏まえまして、国における福祉関係職員について、その専門職としての職務内容の複雑、高度化や人材確保の必要性の増大等に対応して、適切な処遇を確保したいと考えておるわけでございます。これらを専門職種として適正に評価した新たな俸給表をこの意味で創設することとしたところでございます。
 次に、この俸給表の適用対象について申し上げます。
 この俸給表の適用を受けます職員は三つの要件を満たす必要がある。一番目といたしまして、社会福祉に関する専門的知識、技術を持って、二番目でございますが、自己の判断に基づいて独立して、三番目といたしまして、老人、児童、心身の障害のある者等に関し必要な援護、育成、更生のための指導、保育、介護等の対人サービスを行う者、こういたしております。三番目は裏返して申しますと、福祉業務に属していてもこのような対人サービスをしていない方には適用しないということでございます。具体的には、国立リハビリテーションセンター、国立光明寮、国立児童自立支援施設、国立知的障害児施設、国立保養所及び国立療養所等に勤務する指導員、保育士及び看護員等でございまして、現在約千人程度が適用を受けるものと考えております。
 最後になりますが、俸給表の内容について申し上げます。
 福祉関係職員が専門的な知識、技術等を持って当初から一定レベルの専門的な職務に従事するということがございますので、一般の行政職に比しまして初任給等の入り口部分に相応の高さを保ちまして、そしてまたその職務が簡素な職制に基づいて遂行されているという実態を踏まえまして、六階級制という簡素な級構成としているところでございます。
#53
○高嶋良充君 具体的な説明をいただきました。
 ちょっとわかりやすくお聞きしたいんですが、一般職の国家公務員と比較してどのぐらい、何%ぐらい上がったんでしょうか。
#54
○政府参考人(市川惇信君) いろんなレベル、先ほど申しましたように入り口部分が高く、それから全体としてかさ上げしておりますが、例えば大学卒一級の六号俸というレベルで申し上げますと、行政職(一)よりも三%程度アップいたしております。短大卒に対しましては一級三号俸でございますが六%程度、それから高校卒におきましては、これは一級一号俸から出発いたしますけれども、これはV種の六%アップという数字になっております。
#55
○高嶋良充君 専門職、さらに重労働というようなことも含めて福祉職俸給表を新設されたことは私どもも歓迎をするわけですし、こういう形で給与をアップして処遇をするということも人材確保にもなるということで評価はしています。
 そこで、この福祉職俸給表の目的、先ほど言われましたけれども、簡単に言うと介護労働者の、福祉労働者と言ってもいいと思うんですが、人材確保と処遇改善、それから社会的評価の向上、それと先ほどちょっと聞き漏らしたんですが、私はさらにそこに民間社会福祉施設への波及効果というか、そういうものも入っているんではないかなというふうに思うんですが、そのようにとらえていいんでしょうか。
#56
○政府参考人(市川惇信君) 福祉職俸給表と申しますのは公務員給与といたしましての俸給表でございますので、あくまでも直接的には国の社会福祉施設等に勤務する職員を対象としておりまして、その専門職種としての立場を適正に評価いたしまして、その職務の専門性にふさわしい処遇を図り得るようにするためのものでございます。したがいまして、地方公共団体あるいは民間等で働いておられます福祉関係職員の処遇に関しましては、基本的にはそれぞれの地方公共団体あるいは民間等において御検討になるものと、こう認識をいたしております。
#57
○高嶋良充君 人事院にもう一つお尋ねしたいんですが、この種の公務員の賃金に関する勧告は、一般的に言ったらなんですけれども、最近はずっと労働側の要望によってなされてくるという傾向が強かったというふうに思うんですけれども、どうも聞いてみると今回のものは労働側が要求はしていないんですよね、若干しているかもわかりませんけれども。厚生省が長年にわたって厚生大臣から要望書を人事院まで出されてこれをやってほしいということで強い働きかけがあった、こういうふうに聞いているんですけれども、その辺、人事院どうでしょうか。
#58
○政府参考人(市川惇信君) 人事院におきます給与等に関する勧告と申しますのは情勢適応の原則に従って考えておりますところでございますので、関連する省庁あるいは諸団体等々の御意見を踏まえまして、人事院として検討しているところでございます。
 今御質問のございました厚生省からの御要望でございますけれども、福祉関係職員の職務の専門性を考慮した特別な俸給表の新設について長年御要求をいただいてきております。これを一つの問題提起として踏まえまして、先ほど申しました情勢適応の原則で勧告をいたしたところでございます。
#59
○高嶋良充君 厚生政務次官にお伺いしますけれども、私は、これは平成四年の部分ですけれども、厚生大臣が人事院の総裁にあてられた要望書を今持っているんですが、平成四年というと今回の法律ができた年でもあるんですけれども、いずれにしてもマンパワーの確保ということが叫ばれていた時代ですが。厚生省はなぜ大臣要望書まで出されて福祉職の俸給表を強く要望されてきたのか、その理由についてお伺いしたいと思います。
#60
○政務次官(大野由利子君) 委員御指摘のように、厚生省といたしまして福祉職俸給表を要請してまいりました。平成二年から長年要求をしてまいりまして、福祉事業従事者の職務の専門性を評価いたしまして、社会的なその評価を高めるためにも大変有効である、こういった観点から、福祉事業に優秀な人材、質の確保、質の向上、また量の拡大、こういった面に注目をいたしましてこの福祉職俸給表の導入を要望してきたものでございます。
#61
○高嶋良充君 人事院の場合は、当然国家公務員に対する第三者機関としての給与改善を勧告する機関ですから、それはそれで先ほどの御答弁でいいというふうに思うんですが。厚生省がこれだけ長きにわたって働きかけを大臣要望書まで出して、ある年は、これは橋本総理のときですか、橋本総理から総理答弁まで引き出して、この部分を強く働きかけてこられた経緯があるわけです。それは国家公務員だけの処遇改善ということではなしに、そこから波及をする民間のマンパワーというんですか、人材確保、処遇改善を図るという目的があったと思うんです。
 それで、平成四年の福祉職俸給表の創設についてという、山下徳夫厚生大臣ですけれども、その要望書の中に書かれている中にも、民間社会福祉施設への効果という項目があって、民間社会福祉施設職員の確保に大きな効果が期待される、これを導入することによって。その中で、民間的に言えば約三十二万人というふうに言っていますけれども、国家公務員だけだと千人なんですね、対象。ここで言われている要望からいけば三十二万人に波及をするという、そういう形で出されています。
 そういう観点から言っていくと、この福祉職俸給表を当然国家公務員から、先ほども人事院から言われましたけれども、地方公務員に波及をしていく、これは地方公共団体の労使によって決まっていく部分ですけれども、その地方公共団体から当然のこととして民間に波及をする、そういうことが必要なんではないか。そのために厚生省としては強く働きかけてこられたというふうに思うんです。
 そういう意味で、厚生省の考え方として、公務員は別にして、この福祉職俸給表を民間の介護労働者にどのように処遇改善に生かしていこうとされているのか、そこのところについてお伺いをしたいと思います。
#62
○政務次官(大野由利子君) 民間福祉労働者にどのようにこの福祉職俸給表が波及するか、こういう御質問かと思いますが、現実には、民間社会福祉法人等が福祉職俸給表を考慮いたしました給与体系にするかどうかは基本的には民間の給与に関することであり、社会福祉法人の経営状況等も踏まえつつ労使の合意によって決定されるべきものである、このように認識をしております。
 しかし、福祉職俸給表に関しましては、厚生省としましては措置費や補助金について所要の予算を平成十二年度予算に計上しております。民間社会福祉法人等が福祉職俸給表を考慮した俸給表への移行をする場合には導入は可能になる、このようになっております。
 いずれにいたしましても、この介護従事者、福祉従事者の待遇とかまた研修等々に力を入れていくということが有能な人材を確保することにつながっていくのではないか、このように思っております。
#63
○高嶋良充君 次官から言われるように、民間の賃金というのは当然労使の間で合意をされて決まるという、これはもう大前提ですから、そこに厚生省や労働省、政府が介入するということにはならないと思うんですね。
 ただ、先ほど御答弁がありましたように、この福祉職俸給表ができたことによって国からそういう福祉施設の人件費に見合う措置費とかそれから補助金というような手当てをすると、こういうことですね。
 約二十億ぐらいことし予算を組まれたんですが、これは国は一月からもう給与は上がっていますが、国の予算はこの四月からということですから、民間の関係の措置費は、四月から措置費は上がるんですか。ちょっとその辺をお伺いします。
#64
○政務次官(大野由利子君) 新たな追加所要額といたしまして、十二年度予算で十八億円が計上されております。仰せのように四月からでございます。それ以外にも措置費等々が給与等の改善費の振りかえが可能な措置費もございます。
#65
○高嶋良充君 そういうことですからぜひ要望しておきたいんですが、国が税金でそういう措置費を含めて福祉職俸給表ができたことによってそれだけの措置をするわけですから、労使の問題まで介入できませんけれども、しかし民間の事業者に対して、この福祉職俸給表が先ほどの経緯も含めて創設をされた本旨というか趣旨ですね、それをきちっと民間事業者に厚生省として説明をして、そして民間事業者がそのことを理解してそれが労働条件の向上につながるように、そういうことをできるようにやっぱり適切な処遇、処置を厚生省として説明会なんかを開いてきちっとやるということが必要なんだと思いますが、もう開かれていたらそれはもうそれで結構なんですけれども、その辺について再度努力方法も含めてお願いをしたいと思います。
#66
○政務次官(大野由利子君) 既にいろんな機会を通して説明をし、理解を求めております。
#67
○高嶋良充君 ぜひよろしくお願いをしておきたいと思います。
 次に、この福祉職俸給表と、介護保険が導入されるわけですけれども、その関連について厚生政務次官にお伺いをします。
 介護保険の導入によって、ホームヘルプ事業もそうですし、特養老人ホームですね、そこに働く皆さん方の労働条件がかなり低下している実態が、これはある新聞の一月二十七日に出されているものですけれども、こういうものも出てきているわけです。
 そういう介護保険の導入によって民間の介護労働者の労働条件が悪化しているというような状況は実態として把握されておるんでしょうか。
#68
○政務次官(大野由利子君) 全体的な把握まではしておりません。
#69
○高嶋良充君 この新聞なりそこの労働組合の調査によると、介護保険の導入によって、ホームヘルプ事業でいうと、人件費補助方式から事業者補助方式に切りかえられたことによって、そういう原因があるんだという意見も出ているわけですね。
 今、そのアンケートの中で、介護保険の導入で一番不安なことは何かという問いに対して、三八%の人が労働条件が下がる、そこに働く労働者のこの調査ですよ、アンケートなんですけれども、労働条件が低下をすることが一番不安だと、こういう言い方をされています。
 先ほど申し上げました人件費補助から事業者補助方式に切りかえたという部分等々も含めて、やっぱりそこに原因があるのかどうかという部分についてどのように認識をされておるでしょうか。
#70
○政務次官(大野由利子君) 今回、ホームヘルパーの給与等の労働条件につきましては基本的には労使間で決定をする、こういう問題ではある、このように思っておりますが、去る二月十日に告示でお示しいたしました介護報酬の中で、ホームヘルプサービスにつきまして、三十分以上一時間未満については、身体介護は四千二十円、複合単価が二千七百八十円、家事援助は千五百三十円、このように設定したわけでございますが、この設定した基準は、現在のホームヘルパーの全国の実態調査を踏まえて、その平均をとって適切な価格を決定した、このように認識しているところでございます。
#71
○高嶋良充君 じゃ、そこでお伺いしたいんですけれども、その介護報酬単価ですね、全国の介護労働者の実態、平均だと、こういうふうに言われました。その平均の中に先ほど申し上げました福祉職俸給表を前提にしてその単価の計算はされていますか。
#72
○政務次官(大野由利子君) 介護報酬は基本的には、そのサービスに要する費用の実態を把握して、そして平均的な費用を算出している、こうして設定をする、このようにされているわけでございますので、福祉職俸給表というのの実態はこれからでございますし、職員の給与としてどのくらいの額を要しているかという費用の一つとして勘案されるわけでございますが、どのような俸給体系になっているかということ自体は直接考慮されていないということで、実態に即して介護報酬の額は決められている、こういうことでございます。
#73
○高嶋良充君 民間の関係で措置費にかかわる部分については約十八億ほどの措置費補助金を出されて、先ほど申し上げたようにそれがやっぱり私は波及をしていくと思うんですよね。じゃ、介護保険の分野では、これは今のを聞いていると、その波及効果は全くないと、こういうふうに理解していいんでしょうか。
#74
○政務次官(大野由利子君) 介護報酬の単価の見直しは、その時点における介護サービスの事業に関する費用を実態調査して、その実態調査をもとに算出をしている、こういう状況でございます。
 先ほども申し上げましたように、職員の給与として支払われました額は費用として勘案されますが、それがどのような俸給体系に基づいているかについては、直接には影響を及ぼさない、このように考えております。しかし、今後介護報酬の単価を見直す際には、その時点での実態が反映されるわけでございますので、その時点においてはこの実態の中にこういうものが反映をしてくるということは当然予想されるわけでございます。
#75
○高嶋良充君 次の介護報酬単価の見直しの時期というのは多分三年先だったというふうに思うんですけれども、それまで反映されないと、こういう御答弁だというふうに思うんですが、私は、福祉職俸給表が国家公務員あるいは地方公務員の介護労働者の賃金をアップして、そして民間の介護労働者の措置費の分野ではそれが連動する、政府としても十八億の予算を組んで連動させるんだと、そこまでは非常に正しいと思うんです。しかし、介護報酬は今まだ上がっていないんで平均をとってもそれは入らないのだと、こういうことで、次ということは三年後と、多分そういうことになろうかというふうに思いますけれども、やっぱりこの部分だけでも、人材確保という観点からも介護報酬単価に一刻も早い途中の見直しでもして連動させていただきたいということを、これは強く要望しておきたいというふうに思っております。
 そこで、労働大臣にお願いをいたしますが、介護保険の関係は今聞いていただいたような状況なんで、なかなかそこの部分でこの福祉職俸給表が賃金のアップにつながっていかないという状況があるわけです。
 これはある大手業者の募集例なんですけれども、これは新聞にも広告で出ていますけれども、先ほど次官の方から身体介護の報酬単価が四千二十円というふうに言われました。これはそれで一つの基準として持っておられるわけですけれども、民間会社が募集をする場合に、大手のあれですけれども、出ているのが、身体介護千五百十円なんです。だから、この報酬単価も連動していないというようなことも実態としてはあるわけですけれども、大臣、いずれにしても民間介護労働者の賃金、労働条件というのは非常に問題があるというふうに思っております。
 大臣も衆議院の我が党の同僚議員の質問に答えて前向きな答弁をいただいておりますけれども、やっぱりこの賃金、労働条件の実態を早急に調査していただいて、賃金、労働条件が、雇用管理改善という法律なんですから改善ができるような法律、法施行に持っていけるように努力をいただきたいというふうに思いますので、その辺の決意も含めてお願いします。
#76
○国務大臣(牧野隆守君) 労働省といたしましても、今回の決定が介護報酬という形でなされておりまして、個々の労働者の具体的な賃金をどうするかということについては触れておりません。したがいまして、私どもの立場としては、じゃこの介護報酬の中でどれだけ介護について働いておられる方々に行くのかと、非常に気になっておりまして、私どもとしましては、適正な賃金水準は確保されなければならない、こういう前提で法施行後、賃金実態を調査いたしまして、業務内容別、それから地域別に標準的な賃金額を毎年公表し、周知、関係者に知ってもらいたい、これが第一点であります。
 第二は、中心になって介護の助成等をやります介護労働安定センターに介護労働に関する相談窓口があるわけでありますが、ここで、労働者からの賃金水準等の相談等を受け付け、事業主に対し標準的な賃金額に関する情報提供を行いたい、これによって適正な賃金水準の維持について、もし不適切なところに対しましては改善の助言を行いたい、今このように考えております。
#77
○高嶋良充君 心強い御答弁をいただいたんですが、緊急を要すると思いますので、ぜひ早急にまず調査をしていただいて、問題のあるところはやっぱり改善措置等も含めて御検討いただきたいと、こういうふうに思っています。
 時間が参りましたので、あと二問、一括して御質問を申し上げますので、労働政務次官の方でよろしく取り計らっていただきたいと思います。
 法案の具体的な内容の中で、人材確保助成金、常用労働者については二分の一だと、しかし短時間労働者については三分の一だというそういう格差を設けるようなことを検討されている否やに聞いておるわけですけれども、これはやっぱり両方とも二分の一にすべきではないかなというふうに思うんですが、その考え方をお示しいただきたい。
 もう一点は、ホームヘルパーの教育訓練、養成ですね。今ホームヘルパーの有資格者は五十万人ぐらいおられるというふうに聞いているんですけれども、そういう意味から言っていくと中期的な労働需要は今のところ満たしているのではないかな。先ほど十七万人増というふうに言われました。私どもが言うように、六・五人にしても三十万人ふえると、こういうことですからその辺ではもう満たしているのかなというふうに思いますが、そういう観点から言っていくと、二級のホームヘルパーにやっぱり重点を置いて教育訓練を行って質の向上を図っていくということがこれから必要なんではないかなと思いますが、その二点について御回答いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#78
○政務次官(長勢甚遠君) 介護人材確保助成金については、今お話しのような方向で考えております。介護分野におきましては御案内のとおり、短時間労働者の割合が現実には大変高いわけでございますので、できるだけ雇用を確保するという観点からこういう方々についても助成の対象に含めたいという観点と、かつ、そうは言いましても、今後常用雇用を進めることが第一義であるというこういう認識でありますので、常用雇用のインセンティブも高めたい。さらに財政的なバランスも考えたい。今お話ししましたように、常用労働者については六人までに限って賃金の二分の一、短時間労働者については十二人までにふやして、ただ助成額は賃金の三分の一相当額ということにしておるわけでございますので、総合的な観点からの方向として御理解を賜ればありがたいと思います。
 それから、二級の養成に重点を置くべきではないかという点については、おっしゃるとおりだと思っておりますので、今後その方向で施策を進めてまいりたいと思っております。
#79
○高嶋良充君 ありがとうございました。終わります。
#80
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。
 まず初めに、マンパワー確保について二点確認的に質問させていただきます。
 世界に類例を見ないスピードで到来する超高齢社会に備えまして、政府はこれまで、平成元年十二月に高齢者保健福祉十カ年戦略、いわゆるゴールドプランを策定いたしました。また、次に平成六年十二月にはこれを全面的に見直して、新ゴールドプランとして平成十一年度までの整備目標を引き上げました。この新ゴールドプランが平成十一年度で終了することに伴いまして、昨年十二月には政府・与党で、今後五年間の高齢者保健福祉施策の方向、いわゆるゴールドプラン21を策定いたしました。これは、この四月からの介護保険法の施行等に備えまして、介護サービス基盤の整備を含む総合的なプランであります。
 この高齢者保健福祉施策を計画どおり実現するためには、殊に労働力確保が極めて大事な課題であります。このことにつきましては、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案に対する附帯決議として、第百二十三回国会、平成四年五月十九日、ここ参議院の労働委員会で可決した中にこの労働力確保対策が初めに挙げられております。
 このマンパワー確保、どのぐらいの確保が必要とお考えになっておられるのか、まずお伺いいたします。
#81
○政府参考人(渡邊信君) これは今御指摘のありました昨年末に策定されたいわゆるゴールドプラン21でございますが、これで厚生省の方で介護保険のサービス量の見込みを推計しておられるわけでありますが、訪問介護に従事するホームヘルパーにつきましては、平成十二年度当初で十七万人のところ、十六年度には三十五万人必要となるという推計でございます。また、施設介護や訪問介護等についての人員も合わせますと、平成十二年度当初四十七万人のところ、十六年度には八十万人必要となるというふうに見込んでいるところでございます。
#82
○浜四津敏子君 この四月に介護保険制度がスタートすることになりますと、新たな介護サービス需要がふえて、介護分野には新たな民間事業者の参入や、あるいは他分野の事業主による新たな介護業務分野への進出等による労働需要も大きく拡大することと思います。特に現在、四%台後半という大変厳しい失業率にあります。経済の調整局面においてはある意味で避けられないこととはいえ、この失業率をいかに今後下げていくかというのは最大の課題の一つでございます。そうした中で介護分野において成長が見込まれることは、新規雇用創出、そして失業率を低下させる、こういう視点からも望ましいことであると思っております。
 昨年十一月に策定されました経済新生対策でも、中小企業の創業支援等による雇用創出安定対策の一環として、介護分野における雇用創出について言及されております。このような状況を考えましたときに、本改正案が介護分野における雇用創出に真に実効性ある大きな後押しになることを期待するものであります。
 労働大臣は先日、私の質問に対しまして、IT産業関連分野の技術、ノウハウをマスターした人材と介護支援専門員など福祉サービスにかかわるマンパワーがこれからの新規雇用の創出に最も期待される分野である旨の答弁をされました。私もそれについては同感であります。
 今後、この福祉サービスにかかわる分野での必要な雇用創出等、マンパワー確保対策を具体的にどのように進められるのか、総括政務次官にお伺いいたします。
#83
○政務次官(長勢甚遠君) まさに先生お話しのとおりだと我々も思っておるわけでございまして、そういう観点から今回の改正法案の御審議をお願いいたしておるところでございます。
 今回、介護労働法を抜本的に改正いたしまして、この施策の対象に民間の営利企業のみならず、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動促進法に基づくNPO等も含めまして、そういう方々を対象にして労働力の養成確保を図っていこうと。具体的にこういう対象の事業主体において介護労働者を雇い入れていただく場合には賃金助成を行う。また、約三万人のホームヘルパーさんの養成を実行している。これは大体平成十二年度において増加が必要となるホームヘルパーさんの量に見合うわけでございまして、こういう形で必要な労働力の確保にこの法律の施行を通じて実現を図っていきたい、このように考えております。
#84
○浜四津敏子君 次に、現在、ハローワークが各都道府県に設けられております。その中で、特に介護分野の労働力需給調整などに中心的な役割を果たすものとして福祉重点ハローワークというものが各都道府県に一つずつ設けられております。この福祉重点ハローワークとそれから介護労働安定センターとの連携が従来必ずしも円滑でない、不十分だという声があります。それに基づきまして、先ほど申し上げました附帯決議の中でも、この十分な連携を図るということが挙げられております。
 今後は、介護保険の実施もありまして、十分な連携が不可欠と思われます。この介護労働安定センターがこれからの介護分野における労働力の確保、また良好な雇用機会の創出、そしてまた能力開発、労働者の福祉増進のための諸施策を担うことになることも踏まえまして、これら支援措置にかかわる事業主の求人情報を福祉重点ハローワークへ提供するなど、両者の連携を強化し、迅速で的確な労働力需給調整を図ることが大事だと考えます。今後の十分な連携をどう確保されるのか、その対応策をお示し願いたいと思います。
#85
○政務次官(長勢甚遠君) 現行介護労働法の施策の対象の中心が家政婦紹介所あるいは家政婦さんということでございました。そういうこともありまして、ハローワークと介護労働安定センターとの連携が不十分というか、余り必要がなかったというか、そういう状況にあったことは事実であったと思っております。
 しかし、先ほど御説明いたしましたとおり、今回の改正によりまして、対象事業主も社会福祉法人も含めた民間法人一般に広くすることにいたしましたし、また対象者も家政婦さん中心ということではなくて、離職者を中心にした、重点を置いた能力開発体制にしたところでございますので、当然紹介に当たりましてはハローワークとの連携が何よりも大事でございますし、また能力開発についても離職者の訓練指示等はハローワークを通じて行うことになるわけでございまして、先生御指摘のように、両者の連携の中でというよりも一体的な運営を目指して今後この施策を進めていきたいと考えております。
#86
○浜四津敏子君 福祉重点ハローワークと介護労働安定センターとの連携についてお伺いいたしましたが、それとともに、県に各一つずつのこの福祉重点ハローワークだけではなくて、一般のハローワークも介護労働安定センターと連携をとることによりまして福祉労働力の需給調整の後押しになるのではないかと思っております。
 この一般のハローワークがより自由にまた積極的にこうした福祉労働力の需給調整に対応できるようにした方がより効率的でありますし、また介護保険の事業主体である各市町村にとっても非常に便利になる、こう思っておりますが、これからの方向性といたしまして、この一般のハローワークと介護労働安定センターとの連携についてはどのようにお考えか、お伺いいたします。
#87
○国務大臣(牧野隆守君) 先生御指摘のとおり、非常に新しい分野で新しい組織でやるものですから、特に政府内部、自治体との関係がいかに円満に遂行するかということが一番大きな問題でございます。
 例えば権限は、この法律は改善計画の認定が基本になっておりまして、この認定権限は実は都道府県が持っております。そして、助成金の支給は介護労働安定センターでやろう、こういうことになっておりまして、したがって私どもとしては、ワンストップサービス的に何とか一元的にできないか、こういうことで、県の認定に際しましては介護労働安定センターと一緒になりまして同じ条件で、トラブルを起こさずに一定の条件で認可、認定ができるようにいたしたい。こういうことで、この法律が通りましたら直ちに安定センターとそれから都道府県の連絡会議を本省で実施いたしまして、こういう運営でやってくださいということでお願いいたしたい、こう思っております。
 それからさらに、介護センターでは、教育訓練、職業紹介と今御指摘のハローワークとの関係でございますが、例えば教育訓練で申しますと、介護労働センターあるいは公共職業能力開発施設、社会福祉協議会あるいは民間教育機関、こういうふうに分離いたしておりますが、連携をとりまして、特に介護労働センターにおけるヘルパーさんの教育訓練、これについては中核的にやらせていただきたい。それから、介護の職業紹介でありますが、これにつきましては、一応安定所にもどんどん来ますからいろんなことをするわけですが、ここは安定センターでもいろんな情報を持っておりますから、この連携をしっかり保たせていただきたい。
 それから、御指摘の市町村との関係でありますが、これも協議会等の連絡体制をぜひとらせていただきたい。特に、県に一つしかセンターがありませんので、非常に地域の広いところには、わざわざそこまで来なければならないかと。やはり介護に参画する人の立場を尊重して、そういう形の協議会あるいは連絡会等の調整をきちっといたしたい、こういうふうに考えております。
#88
○政務次官(長勢甚遠君) ちょっと補足をさせていただきますが、福祉重点ハローワークは県内の福祉労働者に関する求人求職情報を総括的にまとめて、あるいは登録を受けてこれを情報提供するという役割を果たすものでございますが、各ハローワークがその地域の実情に応じた紹介機能を果たしていかなければならないことは当然でございますので、それを一体的に求職者の、あるいは求人者の状況に対応した活動をしていくということはおっしゃるとおりでございます。
#89
○浜四津敏子君 次に、官民連携について伺います。
 これにつきましては、今回の改正案の十四条の二項にも示してありますけれども、今後、ハローワークと介護労働安定センターとの連携とともに民間の需給調整機関、例えば福祉人材センターとかあるいは民間の職業紹介事業など、こうした民間の機関と福祉重点ハローワークを中心とした公共職業安定機関、この官民の連携、介護労働市場の情報の交換等につきましても連携を図っていくということが大事になってくると思います。
 しかし、福祉人材センターは厚生省の所管、ハローワークは労働省の所管。来年からは中央省庁の統合で同一の省になりはしますけれども、従来からの経緯からいたしましても、実際に現実に円満な連携が図れるのかどうか危惧をしておりますが、具体的にどう対応されるか、どう連携をとっていかれようとされているのか、お伺いいたします。
#90
○政務次官(長勢甚遠君) ミスマッチを解消するためにも各種の紹介機能を持っているものを総合的な中で体制を強化していかなければならないということは、介護労働のみならず一般的な方向でございます。
 このため、先般施行されました改正職業安定法におきましても、公共及び民間の労働力需給調整機関がそれぞれの特性、活力等を生かし、労働力需給調整を円滑、的確に行えるようにするとともに、公共職業安定機関と民間の労働力需給調整機関が相互に協力することにより、我が国における労働力の需給調整機能の強化を図るということにされたところでございます。これに基づきまして具体的に公共職業安定機関と民間の労働力需給調整機関との協議会を設ける等して、官民連携のあり方について検討を行うことといたしております。
 そういう基本を踏まえまして、福祉人材センターと福祉重点ハローワークにつきましても、合同求人選考会の共催などこれまでも連携を図ってきたところでございますけれども、来年度におきましては、各県において福祉重点ハローワーク、福祉人材センター、都道府県等を構成員とする協議会を定期的に開催しまして、情報交換を行う等々一層の連携を強化して、需給調整に万全を期していきたいと考えております。
#91
○浜四津敏子君 今回の助成措置の支給対象事業の中にNPOが含まれることになりました。現在、この介護分野でどのくらいのNPOが活動しているのか、把握しておられるでしょうか。
#92
○政府参考人(渡邊信君) 介護分野で活動しているNPOの全容については把握をしておりませんが、法に基づきまして二月現在で認証を受けたNPOのうち保健・医療分野で活躍しているというものは約一千程度と推計をしております。
#93
○浜四津敏子君 ところで、全国を回ってよく相談を受けることの一つに、民間の宅老所を運営している方から何とか公的な財政支援を受けられないだろうか、こういう点があります。
 全国には相当数の民間の宅老所があります。そのほとんどが私費を投じて善意で、またボランティアの方々の力をかりて何の公的支援もない中でデイサービスなどいわゆる通所型の介護サービスに取り組んでおられます。地域で大変重宝がられておりまして、特にきめ細かい家族的な温かい雰囲気の中で介護サービスが行われている、それが大きな特色であると言われております。これは生きがい対策にもなりますし、寝たきり予防あるいは介護予防に大変大きな力になっているというふうに思われます。これからも恐らくふえていくだろうと思いますが、しかし、財政的に非常に厳しい中では途中で挫折せざるを得ないということも聞いております。
 この民間宅老所への資金面を含む何らかの公的支援をすべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(大塚義治君) 民間のいわゆる宅老所につきましてはさまざまな形態がございまして、それぞれの御工夫によりまして広い意味での高齢者介護あるいは高齢者福祉を担っていただいておると承知をしております。
 こうした活動につきましても、今年四月からの介護保険制度のスタートによりましていろいろな意味で影響といいましょうか、環境が変わろうかと思いますが、一つには、いわゆるNPO法人でございましても、法人格を取得してデイサービスでありますとかいわゆる痴呆性老人のグループホームでありますとか、一定の定められた基準を満たすならば、これは都道府県知事の指定を受けまして、いわば事業者となるわけでございますけれども、介護報酬で経営するということが可能になります。
 また、介護保険外、介護保険のサービスそのものではございませんけれども、周辺の、あるいは関連のサービスを充実するということも私ども重要な問題だと思っておりまして、予算面でも相当大幅な増額をいたしておりますが、これは市町村が、介護予防なり生きがい対策なりということで、介護保険そのもののサービスではございませんけれども、関連の事業を実施する、それに対して国が助成をする考えでございますが、例えば市町村がそうしたNPOにこの事業を委託するということはもちろん可能でございます。
 そうしたさまざまな方法があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、それぞれの法人のお考え、一方では市町村の御判断ということになりますけれども、厚生省といたしましては、全般にそれらをうまく活用いたしまして、高齢者福祉の推進に役立てるように、そうした観点で関連施策を進めてまいりたいと考えております。
#95
○浜四津敏子君 また、民間の介護サービス事業者の方々からも御意見、御要望を伺う機会が何回かありましたが、その中で提起された疑問及び要望の中で二点お伺いいたします。
 一つは、民間の介護サービス事業者のもとでホームヘルパーの皆さんが一生懸命仕事をされておられるわけですけれども、その介護サービス事業者の不動産については固定資産税がごく普通に課税されております。ところが、同じ介護サービスに携わっている例えば社会福祉法人の不動産につきましては、地方税法三百四十八条、ここに固定資産税の非課税の範囲が規定されております。その二項で、社会福祉法人の不動産については非課税となっております。同じ福祉サービスに携わるのに、一方は課税、一方は非課税、土俵を同じにしてもらえないだろうか、こういう声がありました。これはバランスを欠くのではないかという御意見がありましたが、この疑問についてはどうお答えになりますでしょうか。
#96
○政府参考人(大塚義治君) 税制上の取り扱いでございますけれども、これは介護事業そのものの性格による違いというよりも、むしろ法人としての性格の違いに着目した取り扱いであろうと考えております。例えば社会福祉法人で申しますと、いわゆる配当は法律上禁止されておりますし、同様に、仮に残余財産が生じますと、最終的には国庫に帰属をするということもこれも法律で規定されてございますし、収益事業から仮に利益が生じますと、これはすべて本来の社会福祉事業に充当しなければならないといったような規制もございます。
 そうした法人自体の性格の違い、これによりまして税制上の違いが生じているものというふうに私どもは認識しておりますし、全般の税制上の取り扱いに関連する項目でもございますので、最終的には税の全体のバランスの中から税務当局の判断によらざるを得ない、こういうふうに考えております。
#97
○浜四津敏子君 それではもう一点お伺いいたします。
 ある代表の方は、介護保険の準備状況について、ケアプランの作成作業が大変でおくれている、恐らく四月末までかかるだろう、こういう見通しを示されました。
 ケアプランを作成するケアマネジャーの仕事の中に給付管理業務というものが含まれております。この方々は、ケアプラン作成すら間に合わない、それに加えて給付管理業務、こういうものを要求されても、当分、とてもこの管理業務までは手が回らないと。二、三カ月は恐らく追いつかないのではないだろうか、こういう声が上がっておりました。
 この給付管理業務、各サービスの介護報酬を一つ一つ計算して、トータルでどれだけの利用料になるか、こういった計算をしてそれを利用者に示す。これは利用者にとっては、自分がどれだけのサービスを受けることによって幾ら負担するのか、こういうことを知る大事な問題でもありますけれども、しかし現状ではケアマネジャーは手いっぱいでとても間に合わない。この仕事になれるまでの間、せめて二、三カ月間この給付管理業務を何とか凍結できないだろうか、こういう声もありましたが、何らかの支援、応援体制が必要と思われますけれども、厚生省はこれにどう対応しようとされておられるのでしょうか、お伺いいたします。
#98
○政府参考人(大塚義治君) 制度の施行を間近に控えまして、ケアプランの作成が間に合うかというお話はよくございますし、御懸念ごもっともな実情もございます。
 全般に見ますと、私どもが把握している範囲ではまずまず間に合うところが多いわけでございますが、地域によっても差もございます。今、先生がお示しのような不安も私どもも耳にいたします。そういうことから、一つには、これまでも関係者の会議を繰り返し開きまして、事前に広報などを徹底するお願いをいたしましたし、また特異な事例といたしましては、市町村が工夫をいたしまして、これは利用者みずからがケアプランをつくることも可能でございますから、それをアシストするという、当面ですね、そういう工夫をとられている市町村もございます。
 さらには、私どもも、確かにもう制度施行間近で手いっぱいという地域もございますので、言ってみれば、制度施行当初の暫定的な措置といたしまして簡略なケアプランの作成、それを追っかけてきちっとしたケアプランをするというような、一種暫定的取り扱いを認めると申しましょうか、一つのアイデアとして情報提供をいたしました。これも既に各都道府県を通じ市町村に御連絡済みでございます。
 さらには、お話しの給付限度管理、給付管理でございますが、これも確かに細かくてわかりにくい、大変だということもございますけれども、既に何度か研修も繰り返しておりますし、最終的には電算処理ということを基本に置きたいと思っております。この電算処理が全市町村に行き渡っているかどうかというとこれからでございますけれども、そういった点も並行して進めながら、制度施行ぎりぎりの時点でございますけれども、なお引き続き円滑施行に向けて努力をいたしますし、制度施行後もそうした実態をよく把握しながら、特に利用者に御迷惑のかからないように、こういう観点で努力をしてまいりたいと考えております。
#99
○浜四津敏子君 終わります。
#100
○委員長(吉岡吉典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#101
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律にかかわってお伺いをしたいと思いますが、今回の改正によりまして人材確保助成金が新たに創設をされることになりましたが、この助成金を受けるには都道府県におきまして雇用管理の改善計画の認定を受ける、これが条件になっています。現行こういう仕組みでは、介護労働法においても介護労働者福祉施設助成金の受給に当たっては設けられているわけなんですけれども、そこで都道府県において行われております現行の雇用管理の改善計画の申請、認定状況をお示しください。
#103
○政府参考人(渡邊信君) 現行の介護労働者法は平成四年に制定、施行されておりますが、現時点までで、申請件数は六件、認定件数も六件というふうになっております。
#104
○八田ひろ子君 現行制度の発足以来、雇用管理の改善計画の申請、認定、また実際にこれが支給されたのが六件ということですね。これは四十七都道府県の大半が一件もこういうのを取り扱っていないということになります。この認定を条件とした助成金の支給というのは利用実績が上がっていないというふうに見えると思うんですけれども、現行法制定の参議院審議の中で附帯決議がされました。これによりますと、「本法に基づく各種助成・援助制度については、介護労働者の雇用管理の改善が確実に促進されるよう適切な運用に努めること。また、介護労働安定センターについては、その業務が適切に行われるよう、十分指導すること。」というふうにされているんですが、この趣旨が全く生かされていないのではないかと思います。また、労働省の介護雇用管理改善等計画というのには、介護労働者の福祉の増進に資する福祉施設を設置し、整備することを促進するため介護労働者福祉施設助成金の活用を促進する、こういうふうに書かれておりますけれども、今の数字を伺いますと、本当に活用の促進に努められているのかどうか疑問を持たざるを得ないんですけれども、大臣はどういうふうにお考えになるでしょうか。
#105
○国務大臣(牧野隆守君) 先生御指摘のとおり、現行の法に基づく助成措置の実績は極めて低調であります。その原因として考えられることは、助成措置の内容が労働者の福祉の向上を目的としたものに限定されていること、また、介護労働者福祉施設助成金の支給対象事業主について、現在介護サービスの中心的な運営主体である社会福祉法人が除外されている、こういう実情にございます。
 先生御指摘のとおり、従来は、雇用管理改善計画の提出は都道府県に、実際の支給申請は介護労働安定センターに別個に行うなど、事務が複雑であったり、周知広報が行き届かなかった点もあったと考えております。したがって、今回の介護労働者法の改正に基づくいろんな助成措置の運用に当たっては、介護労働安定センターと都道府県が密接に連携し、私としては、ワンストップサービスという形で本件が処理できないかと。と申しますのは、認定権限は都道府県にあるわけでありますが、都道府県に出す前にセンターで十二分に相談をしていただく。センターとして大体これは条件に合っているなというものについては都道府県でも同じに取り扱う。事前に都道府県の認定条件と、それから介護センターでそれを受けるときの、これでいいですよというような条件を一緒にするというような形で、ワンストップサービスの効果を上げさせていただきたい、こう考えております。
#106
○八田ひろ子君 今御説明があったんですけれども、実際に今回の改正案では、御説明があったように、これ一つではなくて人材確保助成金とか能力開発給付金、雇用管理助成金、雇用環境整備奨励金、いずれもこの雇用管理の改善計画の認定というのが前提ですよね。
 今、ワンストップサービスというふうに言われていますが、従来は、私ども愛知県なんですけれども、都道府県の職業安定主管課へ紙を持っていって認定をしてもらう、その認定の写しを添えて介護安定センターへ行って助成金の受給資格の認定と事業計画の承認を得る。ですから、午前中も問題になりましたけれども、県庁へ行くのと、それから大変離れたところの介護安定センターへ行くのと、非常に大変です。しかも、県の中にそれぞれ一つずつしかありませんので、これはやっぱり少なくともワンストップサービスということが、御当人、事業者、利用者が一枚の紙を一カ所で出せばそれでいいのかどうか。それから、出すところが、ちょっともう少し詳しく御説明もいただきたいのですけれども、介護安定センターというのは県に一つしかないですよね。でも、それぞれの地域の身近な職業安定所というのがありますので、そういうところに出してもできるとか、そういう改善が私は必要だと思いますし、先ほど、目的が狭い、対象が少ない、だから少なかったんだというふうにおっしゃいますが、これからは非常に目的も広くなりますし、事業者が幅が広がりますので、集中して介護安定センターにずっと行っちゃうということになったら事務量も大変だと思うんですけれども、そういう点では、事務的な話になるんですけれども、局長でも結構ですが、細かい話ですけれども、非常にこれが利用できるかどうかという重要な話ですので、お願いしたいと思います。
#107
○政府参考人(渡邊信君) 今般の助成事務等の簡素化というふうなことでございますが、これは先ほど大臣から御答弁したとおりでございますけれども、基本的には現行法と同じように雇用管理の改善計画の認定そのものは都道府県知事が行いますし、その認定がおりた段階で介護労働安定センター、各県ですと支部が支給事務を行う、助成事務を行うということになるわけですが、実際の運用といたしましては、介護労働安定センター、各県の支部におきまして助言、相談等をしながら適正な計画というものができるように指導していく、その結果できましたものについては、センターとしての意見を付して知事の方に、要請があればまたセンター自身で知事の方に送付するという手続もしようというふうに考えています。
 各安定所等との関係ですが、この事務は介護労働安定センターがやるということにしていますので、事務は県一つの支部で担当させていただきますが、ただ、請求者、申請人から郵送でセンターに送っていただくということはもちろんできるようにしたいと思います。
 ただ、新しい制度ですから、少なくとも滑り出しにおきましては、いろいろその計画の規定の仕方とかそういったものについては、できるだけセンターで事前に相談をされた方がその後の事務処理としては的確にいくかと思いますが、手続としては郵送でももちろんできますし、知事への送付も先ほど申しましたようにセンターから送付する等いたしまして、実質的には介護労働安定センターの各県の支部でワンストップサービスというものの提供に心がけていきたいと考えているところであります。
#108
○八田ひろ子君 わかりました。事務手続が簡素化されるというふうに、一カ所に行けばそれで事業者の方は手続がとれるということで、そういうことの周知徹底も含めて図っていただいて、実効ある制度として取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、この雇用管理の改善計画を策定して実施することは重要なんですけれども、その改善計画の中に、働いている人、雇用されているパートの方たちとか、そういう方の意見や要望がどういうふうに反映されているかというのも実は大事だと私は思います。中小企業雇用創出人材確保助成金というのでは、そのほかにも、女性局がやっておりますこういう中小企業関係の助成金ですけれども、支給要件に、改善計画を立てるときには労働者の声を聞く、労働者の過半数を代表する者が確認していること、あるいは労働者の意見を聞くと。いろいろな助成金によって違いますけれども、実際にはそういうふうに働く人の声を聞くというのが要件にあるというふうに伺っています。
 介護分野で働く方というのは低賃金で不安定雇用の中で悩みや不安を抱えて働いておいでになることは、いただきました関係資料や参考資料などを見るまでもなく本当に大変だと思います。今回の場合も、こうした雇用されている方の意見や要望というのを改善計画に反映させることが私は大事だというふうに思うんですけれども、その点ではどうでしょうか。
#109
○政府参考人(渡邊信君) ただいま御質問の点につきましては、中小企業労働力確保法と同じ仕組みにしておりまして、改善計画の知事の認定に当たりましては労働組合等の意見が必要というふうにはしておりませんけれども、介護労働安定センターに助成措置を申請するその段階におきましては、労働者の過半数を代表する組合があればその意見、ない場合には従業員の過半数を代表する方の意見を付して申請していただくということにしております。
 ただ、新しくこれから事業を起こすという場合については労働者がいないわけですから、そういった場合の工夫は要ろうかと思いますが、新たに事業を展開するというようなときに労働組合等があればそういった者の意見を聞くということで考えております。
#110
○八田ひろ子君 雇用されている方のための改善計画ということですので、今おっしゃったことが実効あるものになるようにというふうに思います。
 次にお伺いすることなんですけれども、今回の措置は介護分野における雇用機会の創出、こういう角度で午前中からも人数のお示しなどがありましたけれども、この人材確保助成金なんですけれども、期限が一年間ということになりますね。この助成金が出る一年間は、確かに助成金の出る間は雇用する、だけれども、一年間の助成金だから後は保障できないよなんということになっては困ります。こういう本当の雇用機会の創出、この助成金が雇用の安定につながるように運用すべきであるというふうに思いますけれども、そういう雇用の安定というところにつなげるという、これではどういうふうな運用の仕方になるんでしょうか。
#111
○政府参考人(渡邊信君) この介護の分野は、これから新しい雇用の場としても拡大が相当望まれるという分野で、雇用対策の観点からも大変期待している分野であります。そういう観点から、あくまでこの助成措置は一年を超えて雇用される、常用雇用されるというふうなことを前提にした助成制度とすることにしておりますし、それから、事業の立ち上げで当然必要な方を雇われるわけでしょうから、助成期間が切れたから、それだけを理由にして解雇するということは普通は考えられないと思いますが、その点につきまして、助成の申請等の段階において十分指導したいと思います。
#112
○八田ひろ子君 無論、一年が期限で十二カ月で終わりということはないんですけれども、やはり短期雇用という不安が今の働く皆さん方では大変大きいものですから、最後におっしゃいましたように、長期雇用につながる、当然この趣旨は長期雇用なんですけれども、それにつながるような指導を申請が出されるときのチェックとしてやっていただきたいと思います。
 私、ここでちょっと心配があるんですけれども、この人材確保の助成金というのは短時間労働者にも適用されます。常用雇用と短時間雇用、特にこういうホームヘルプサービスに従事する労働者というのは短時間労働というのも実際には多くて、それを一概に否定するものではありませんが、常用雇用をこの際少なくして、パート労働、短時間労働に切りかえることの促進にこの助成金がなっては本末転倒だというふうに私は思いますので、そういうものに対する歯どめの措置、これはどういうふうになっているんでしょうか。
#113
○政府参考人(渡邊信君) これから介護事業を開始しようとされる方がどういった労働力の配置でこの事業を展開しようとするか、それはそれぞれの企業の判断によろうというふうに思いますが、ただこの助成金制度があってパートも助成されるというふうなことを奇貨として常用をパートに切りかえようというふうなことはないようにしなければいけないというふうに思っておりまして、その点は十分指導したいと思いますが、制度の内容としても、常用雇用であれば賃金の二分の一、パートであれば三分の一の助成というふうに助成の率に差をつけるというふうにしまして、常用雇用を促進する、制度的な仕組みはそういうふうに考えております。
#114
○八田ひろ子君 常用雇用は二分の一補助、短時間雇用は三分の一補助が歯どめだとしかおっしゃいませんけれども、パートにも助成が受けられるからといって、正規職員を削減するとか、あるいは拡大するときに短時間労働者で事業の展開の拡大、そういうのは私は制度の乱用だというふうに思うんです。ですから、そういうものは厳しく対応して、やっぱり働く人の労働環境をよくするということが実際には必要ではないかと思いますので、運用の面では私そういうことは指導されるべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
#115
○政府参考人(渡邊信君) 中小企業労働力確保法も同じ趣旨なのですけれども、人を雇いさえすればいいという趣旨の法律にはなっていないわけで、この介護労働法の今回の改正も、雇用管理の改善というものをしながら、午前中の質問にもありましたけれども、介護労働者の企業への定着を促進するということを大きい目標にしているわけでありまして、したがって、そのために雇用管理の改善計画というものを知事に提出していただいて、そこでオーケーが出れば初めて助成の対象となるということでありますから、雇用管理全般につきましてチェックをしながら、果たして適正な労働力配置と労働条件が確保されているかどうか、雇用管理の改善にどういうふうに努めるようにしているかどうか、そういうことをチェックしてオーケーが出れば初めて助成をするということでございますから、そういった知事のチェックの段階あるいはセンターでの助成の段階、そういうところで十分指導できるというふうに考えております。
#116
○八田ひろ子君 本当にそういうふうにきちんと厳しくやっていただきたいと思います。
 ホームヘルパーさんの非常勤パートが多いというのは問題になっているんですけれども、これは朝日新聞の一月十八日付で特集がされまして、そこに日本ホームヘルパー協会の因会長さんが談話を寄せてみえます。これによりますと、ヘルパーの場合、一日の実働五時間がほかの仕事のフルタイムに匹敵する、家から家への移動時間のほか、利用者宅の様子を記録する時間、消毒器具の準備や引き継ぎ、研修の時間も必要だが、多くの非常勤ヘルパーの場合、こうした時間は無給扱いになっている、こういうふうに訴えておいでになるんです。非常勤ヘルパーでも対象者の家から家へ移動する時間とか結果を記録する時間、それから消毒器具の準備、引き継ぎというのはいずれも業務そのもので、事業主の指揮命令にあるというふうに私は思うんです。
 労働基準法上は個々の事例ごとに判断ということになるんでしょうけれども、一人一人が苦情を申し立てなければ改善されていかないようでは実態にそぐわないというふうに思うんですが、今回の介護労働法の改正によって、介護労働者の雇用管理の改善の一環としてこういう拘束時間にどのように対応をされるのか。この会長さんがおっしゃるように、こういう部分の改善に資するのかどうかを伺いたいと思います。
#117
○政府参考人(渡邊信君) 介護先からその次の介護先への移動というようなものは当然拘束時間で労働時間に算入されるわけでありまして、厚生省が在宅の訪問看護、身体介護をするときの介護報酬を四千二十円と出しておりますのも、大体五時間ぐらいは介護をして三時間ぐらいは移動するというふうなことを一応算定の基礎にして算定しているというふうに伺っております。
 したがって、私どもも当然介護から介護の間のつなぎ、あるいは介護のための準備の時間、そういったものは拘束時間で労働時間に入ると考えております。
 そういうことで、余りに僻地から僻地に移動するというようなことで実労働が大変少なくなって、結果的に例えば時給が非常に低くなるというふうなことについては、適切な人員配置ということについて指導もしなければいけないというふうに思っていますし、また、これからはこの介護の分野は非常に成長が期待される分野ですから、民間事業主の新しい参入というのも当然多くなってくるわけで、そういったところで労働条件の不当に低い介護事業主が生き延びていけるとも思えませんから、市場における適正な競争というのもこれから起こると思いますが、私どもとしても、先ほど申しましたような観点から時宜適切な人員配置等について十分な指導をするという考えでおります。
#118
○八田ひろ子君 日本ホームヘルパー協会の会長さんが現状をこういうふうに非常勤ヘルパーの大変さというのを訴えておられますので、雇用管理の改善という観点からはやっぱりこういう訴えがなくなるようにぜひ努力をしていただきたいというふうに思いますし、私自身も夫の両親の介護をしてまいりましたけれども、非常に肉体労働だと思うんです。だから、そういう意味でもぜひお願いをしたいと思います。
 ホームヘルパーの就業意識調査報告書を見ますと、腰痛など健康面に不安という回答が四六・六%ということで大変多いわけです。こういう腰痛対策なども雇用管理改善の観点からはどういう対策をとられるようなことになるんでしょうか。
#119
○政府参考人(渡邊信君) 介護につきましては、ホームヘルパーさんたちに相当の肉体的な荷重がかかるということは事実でありまして、そういったことのためにいろんな補助用具等も使いながら介護を行っていくということが必要になろうかと思います。
 今回の法改正に伴います助成措置の中に介護雇用環境整備奨励金というものを設けておりますが、これは、主としてはそういった介護をする方に必要な補助用具の購入等をしていただいてその助成をしたいと考えておりまして、具体的には体位変換用具でありますとか簡易昇降便座とか車いす等、こういったものを購入していただいて、それに対する助成をするということで考えておりまして、こういったものは一度購入すればかなり長期間使用に耐え得るかと思いますし、そのほかにも、これは立ち上げの場合ですけれども、介護雇用管理助成金というものの中におきましては、事業主が行います健康診断、これについて一定の助成の対象にするというふうなことを考えておりますので、こういった助成も活用していただいて腰痛防止等に努力をしていただきたいと考えているところであります。
#120
○八田ひろ子君 立ち上がりの部分での健診とかあるいは補助用具というのはよくわかりましたけれども、実際にはこれは短時間の労働者にとっても大変不安で、それで働けなくなったということになりますと生活全体にかかわるわけです。だから、そういう意味では、後でもお伺いしますけれども、やっぱり健康問題というのを重視していただきたいというふうに思います。
 大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、現状では家庭責任の大部分を担っているのが女性ですよね。多くの女性労働者が仕事も家庭責任もと頑張っている。それがなかなか困難であるというのを私も取り上げさせていただいてきましたけれども、家族の中に介護の必要な人が生まれますと、働き続けることが困難になるというのが今大変大きな社会問題になっています。
 私、九九年度の国民生活白書を見ましたら、就業構造基本調査の中で、これは九七年の数字ですけれども、一年間に家族の介護、看護のためにそれまでの仕事をやめたり転職した方が十二万五千人、そのうち女性が八五・六%です。これは転職をされた方ですけれども、会社をやめられた方、離職された方が十万一千人で、そのうち女性は九万人で八九・一%、もうほとんど女性が仕事をやめているという数字が出ています。
 今、介護サービスはまだまだ量もそれから質も足りないというふうに言われていますけれども、こういった貧困な介護サービスの向上や真の意味での介護の社会化というのは女性が働き続けるために非常に重要で、女性の自立にとっても大問題だと思います。
 そういう意味で、この重要な役割を担っている介護労働者のほとんどが、現状ではまた女性で言えばホームヘルパーの九七%が女性です。その大半がお示しになったようにパートや登録、常用は二割というふうに伺ったんですけれども、低賃金で不安定雇用です。介護サービスをする側も介護サービスを受ける側も両方とも女性労働者が構造的に犠牲になるという構図が今あるわけですよね。
 だから、こういう状況を打開するために、私は労働省の果たす役割、女性局などの果たす役割は大きいと思うんですけれども、そういう面、女性労働対策としての認識を持って真剣に対策を考えていただきたいと思いますけれども、大臣どうでしょうか。
#121
○国務大臣(牧野隆守君) 介護関係でこのたび先生方に御審議願っているのは二つございます。
 一つは介護休業手当の問題でありますが、これを三カ月間、給与の四割ということで育児休業と同じにいたしたわけでありますが、御家庭に要介護人が出てまいりますと、ヘルパーさんだとかほかの方々が実は我が家に入ってこられるわけですね。これはもう人的関係、非常に大きい問題であるわけなので、職場と介護という見地から休んでいただいて、どういう看護をお願いしたらいいのか、あるいはどういう人に来ていただいたらいいのだろうか。ある程度の時間的余裕がありますから、どうかその介護休業のときにはそういうことを考えてぜひ選んで対策を講じていただきたい。
 片方、今この法律でお願いいたしておりますように、いいへルパーさんができるようにということでいろんな助成措置を考えているわけですが、片方で、今度介護をなさる方の人材を養成するということで、この二つの両方からの措置で相当緩和されるのではないか、こう期待を持たせていただいている次第でございます。
 いずれにしても、この二つの措置で御関係の方々の安心感と申しますか、こういう点は非常に緩和される、安心してお任せできるという状況になるのではないか、こう考えております。
#122
○八田ひろ子君 女性が働き続けるために、今二つの施策をお示しいただいて、それも本当に前進の第一歩へ向けてありがたいことだと思いますけれども、実際には自分自身の健康や自立した暮らしに不安を持つ方が女性だというのが大変強いという面でお考えいただきたいと思います。
 最後に、時間もありませんので、この介護保険が実施されることに伴って、介護事業が介護保険による介護報酬が経営基盤になっていくということで、介護報酬単価で賃金が決まっていくということで低賃金の固定化というのが心配をされているわけですけれども、労働省として賃金の調査をされるとおっしゃっておりますけれども、賃金の調査をして毎年公表をするというのは非常に大事だと思いますが、賃金を初めとして、労働環境改善のために企業側からの調査だけでなくて働く人から意見を聞いて、そういう実態調査をしていただいて、抜本的な指針、ガイドラインをつくっていただきたいというふうに思うんですけれども、そういう実態調査とガイドラインではどうでしょうか。
#123
○国務大臣(牧野隆守君) 私ども、今度の介護保険の実施と介護に当たられる人の労働条件、これは非常に重大な、大切なことでございまして、これに対して万全の措置を講ずることは当然でございます。
 そのうちの一つとして、賃金実態を調査する。それも業務内容別、地域別にきちっと標準的なものを求めて、公表をする。関係者の方々には、タイマーでお勤めの方も私はこれだけの時間給でもらえるんだなと、やはりそこまで賃金体系についてはきちっと標準を公表させていただいて、それに準拠してやっていただく。
 それから第二の、その他の労働条件でありますが、これは深夜だとか、非常に腰痛を起こすとかいろいろ問題が起きてくるわけでありますが、こういうものの基準については労働基準法で、例えば時間外手当の問題だとか、そういう形できちっと基本は守らせていただくわけでございまして、その場合にいろんな御相談を受ける場合があるわけなので、特に介護労働安定センターにおける相談ということについては、いろんな調査をするわけですから、補助金も出す、あれもするということですから、一番情報をまとめてとることができ適正な判断ができるというのはこの安定センターではなかろうか、こう考えており、またそういうようになってほしいということで、安定センターがいろんな事業主に対しても、あるいはそこで働かれる労働者の方々に対しても適正な助言等が行われるようにいたしたい、こう考えております。
#124
○八田ひろ子君 ありがとうございました。
#125
○大脇雅子君 まず介護労働者の労働条件の確保あるいは保護について、各委員の方からさまざまな問いただしがございました。
 介護保険の中で、介護保険法のもとで介護労働に対する報酬単価というものが決まっているわけですが、とりわけ常勤、非常勤のパート労働者の労働条件の確保については具体的にどのような対策をされようとしているのか。とりわけパートの人たちの不安というのは、まず雇用が不安定であるということ、それから正規職員への道が開かれていないということ、それから賃金が非常に低いということが不満のトップスリーを構成しているわけですが、この点についての配慮ということがどのように考えられているのか、お尋ねをいたします。
#126
○国務大臣(牧野隆守君) パートタイマーの皆さんがこの分野で非常に大きなウエートを占められ働かれるということは、私どもはよく承知いたしております。したがって、賃金その他を含めまして労働条件をきちっと確保するということは、今先生御指摘のパートタイマーの皆さんは社会的に評価されないとか、あるいは雇用条件が不安定だとかいろんな御不安をお持ちになっておられるわけでありまして、しかも今後の雇用を確保する一つの非常に大きい分野でありますから、なおさら私ども労働省としては細心の注意を払って対処しなければならない、こういうことでございます。
 したがいまして、労働基準法の基準を守ることは当然のことながら、私としましては一番関心のありますのはいわゆる賃金体系がどういうふうになるか、こういうことでございまして、これから毎年、介護報酬の中でどの程度の支払われ方をするかということで、先ほども御返事いたしましたけれども、賃金実態の調査、業務内容別、地域別に標準的な賃金、これはいろんな形でお働きになりますから、こういう介護についての時間給はこうだとか、きちっと皆さんにおわかりになるようなそのような公表をして、賃金体系は例えばこういうふうになっているということをきちっと関係の皆さんにわかっていただく。
 それから、その他の条件については、当然労働基準監督署等は、一般の雇用条件と同じように時間外給与あるいは深夜労働等当然でありますが、こういうことも含めまして介護労働安定センターで十分に実情を調査し、被雇用者、労働者の方はもちろんでありますが、適正な運用がなされるように事業主に対しても適切に助言等を行いたい、こう考えております。
#127
○大脇雅子君 介護労働者のとりわけパートの労働者に対しては、介護労働安定センターによる教育訓練によるキャリアアップということが将来非常に重要になると思います。
 とりわけ介護労働に従事する人たちの一番大きい不満は社会的な評価が低いということであります。これは先ほど八田議員が言われましたように、やはり女性がずっと今まで担ってきた労働であり、家族のうちの労働としていわゆるアンペイドであったというようなことが大きく左右しているのではないか。
 それからまた、将来こういう仕事は専門職化していかなければいけないということになりますから、教育訓練の内容、それから具体的なカリキュラムの立て方というのは非常に大きく重要な意味を持ってくると思うのですが、介護労働安定センターによる教育訓練の実施というものはどのように取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
#128
○政府参考人(渡邊信君) 今回の改正によりまして、介護労働安定センターでホームヘルパーの二級、三級の養成訓練を行うことにしておりまして、離転職者や在職者に対してこういった訓練を行うことにして三万人を当面計画しているわけであります。
 この訓練につきましては、経費の負担について離転職者についてはこれを無料で講習をする、交通費等の実費は負担していただきますが、研修費そのものは無料で行いたいと思いますし、在職者につきましても事業主が研修の費用等を負担した場合には一定限度でこれを助成するということにしまして、在職者訓練も受けやすいようにするというふうに考えているところであります。
 こういった措置を通じまして、離転職者やあるいは在職者の能力開発、研修、そういったことに努めていきたいというふうに考えているところであります。
    ─────────────
#129
○委員長(吉岡吉典君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として内藤正光君が選任されました。
    ─────────────
#130
○大脇雅子君 それでは、法律の内容について、二、三解釈等についてお尋ねをいたします。
 第二条の第三項は、改正前には「介護労働者を雇用して、専ら介護業務を業として行う者」というふうに書いてあるわけですが、今回の改正によってこの「専ら」というのを削除したわけです。そうしますと、主たる業務と従たる業務というような形でわっぱもかけずに専らを取ってしまった場合に、このいわゆる事業主というのは非常に広がっていくのではないかというふうに思うわけですが、新規参入その他いろいろあると思いますけれども、これを削除した意味と効果についてお尋ねをいたします。
#131
○政務次官(長勢甚遠君) 「専ら」を削除いたしましたのは、御案内のように新しく訪問介護等の居宅サービス事業に民間企業の参入が認められることになりましたので、異業種の民間企業からもたくさん参入するという動きがあるわけでございます。その際に、専業でやっている企業もありますし、兼業というかあわせてやっておられる企業もあるわけでございますが、これらの方々を同じようにこの対象にする、そういう意味で範囲を拡大するということでこの専らを削除させていただいておるわけでございます。
 異業種から介護事業に参入をし、兼業されるという事業主についても、この法の目的でございます介護事業部門における雇用機会の創出に対する効果は非常に重要でございますし、またこういう方々についても、雇用管理改善についての支援の必要性は何ら専業の事業主と変わるものではないと、このように思っておるわけでございまして、そういう意味で、この両者を区別して取り扱う理由はないのではないか、こういう趣旨からこの専らを削除したわけでございます。
 ただ、介護事業に従事される事業主、兼業であれ専業であれ、しっかりしたものでなきゃならないということは当然のことでございますから、その方向で指導もしていきたい、このように思っております。
#132
○大脇雅子君 第八条第一項に定める改善計画というのが適当である旨の認定を受けた場合に、その改善計画の適否について、あるいは変更後の認定計画の適否について判断するというのは都道府県知事ということになっているわけですが、これまでの事例で、その認定を取り消した例とか、あるいは改善計画の策定などについて変更を求めたような例というのはあるのでしょうか。この改善計画に対しては何か基準というか、マニュアルというか、それがどのように実務の中では行われているかを御説明いただきたいと思います。
#133
○政府参考人(渡邊信君) 現行法に基づきます改善計画で認定を受けたものは六件でございまして、これについて、これが取り消されたとか変更されたとかいうことはございません。改善計画につきましては、先ほど申しましたように、あくまで雇用管理の改善というものが適正に計画をされているかどうか、これは具体的にはいろいろと労働条件についてチェックをしたいと思いますが、そういったものをチェックしながら、知事の方でこれは適正なものであるかどうかという認定をすることになると思います。
#134
○大脇雅子君 「専ら」を外すと、この改善計画がどのように整備されているのかとか、あるいはその施行がどうなのか、実施がどうなのかということがやはり私は重要になるのではないか。だから、法律の施行令などを見ましても、何か非常に簡単でございますし、少し詳しいマニュアル等が必要になるというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
#135
○政府参考人(渡邊信君) 改正法案におきましても、計画が適切でないという場合には知事がその変更を命ずることができる規定がございますし、それから国、都道府県知事がその改善措置の実施について指導及び助言をするという規定が例えば十一条にございます。それから、知事が実施状況について報告を求めることができるという規定が十二条にございます。こういった規定の適正な運用によって計画が適切に実施されるということを確保していきたいと思いますが、その具体的な運用基準等については法改正後にマニュアル等で定めていくという考えでございます。
#136
○大脇雅子君 第三十三条の罰則が今回の改正で強化されておりますが、その趣旨はどういうところにあるのか、これまでになされた罰則適用措置というのはあるのでしょうか、お尋ねをいたします。
#137
○政府参考人(渡邊信君) 罰則につきましては、都道府県知事への報告を怠ったり、または虚偽の報告をしたような場合の罰金を二十万円から今般五十万円に引き上げるということにしておりますが、これは最近における類似の立法例に額を合わせたということでございます。
 現在までに現行法によって罰則の適用を受けた事例は承知しておりません。
#138
○大脇雅子君 雇用環境整備奨励金が問題になっております。介護の補助器具とかあるいは健康診断とか仮眠所とか託児所というようなことが今まで議論の中に出てきているわけですが、私は十年前にスウェーデンでそういうさまざまな老人介護施設や二十四時間ヘルパーの体制について調べたことがあります。そのときに、腰痛という言ってみれば職業病みたいなのが介護労働にはつきものでありますし、それからストレスというのもこれもはかり知れないものがあるわけです。そのために、例えば施設においては介護労働者のためのトレーニング室とかあるいはカウンセリング室、これは介護される人のトレーニングルームとかリハビリセンターじゃなくて介護労働者のためにそういう施設があったり、地域にそういうのが非常に整備されていて、いわゆる予防措置としての健康管理体制が非常にしっかりしかれていたということを見て感嘆したことがあります。
 それから、病院に家族の人たちが泊まりに行く施設などがあって、そして介護労働者の人たちとコミュニケーションをしながら介護に非常にアトホームな雰囲気を出していくとか、システムそれ自体に大変愛情が行き渡るというか、社会一体となってそうしたシステムができているということを見たことがあります。
 したがってこれは、とりわけ雇用環境整備奨励金などの場合は、腰痛とかストレスの予防対策のための施設あるいは環境整備ということも積極的にぜひやっていただきたいというふうに思います。
 それから、第十七条の業務に関しまして、改正前には「その負傷、疾病等に関する援助その他」とあったものが、今回の改正では「賃金の支払を受けることが困難となった場合の保護その他」というふうにもなっておりますが、これは何か具体的な内容としてどういうふうに変わるんでしょうか。
#139
○政務次官(長勢甚遠君) 現在、介護労働安定センターで家政婦紹介所の家政婦さんを対象にしたケアワーカー福祉共済制度というものを運営しておりまして、十七条二号はそれの根拠をなす条文でございます。現在のこの福祉共済制度は、一つは傷害補償の分、二つは賃金不払い事故補償の分、三つは賠償責任補償の分等々の給付を行っておるわけでございますが、このうちの傷害補償の分を条文上は代表的な例示としておっしゃったように「負傷、疾病等に関する援助」という表現で例示をしておるわけでございます。
 今般、個人家庭において介護業務に従事する家政婦さんを労災保険の特別加入の対象とするということを今考えておりまして、所要の準備が整い次第そうする方針でございますが、そうなりますと、現行のケアワーカー福祉共済制度から傷害補償の分を廃止するということになるわけでございますので、その残ったケアワーカー福祉共済制度の根拠条文としては現行の規定は例示として不適切になりますので、いわゆる賃金の支払いを受けることが困難となった場合の保護、つまり賃金不払い事故補償を例示として条文上整理をさせていただくということでございます。
#140
○大脇雅子君 介護労働法が本当に平等で公正な労働条件に守られた介護労働者の創出に役立つことを祈ってやみません。
 終わります。
#141
○委員長(吉岡吉典君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(吉岡吉典君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(吉岡吉典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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