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1950/11/28 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第3号
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1950/11/28 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第3号
昭和二十五年十一月二十八日(火曜
日)
   午後一時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○所得税法臨時特例法案(内閣送付)
○酒税法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○砂糖消費税法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○揮発油税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。日程を追加いたしまして酒税法の一部を改正する法律案、所得税法臨時特例法案、砂糖消費税の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、順次これらを日程に追加して上程するごとにいたします。政府委員において法案の説明をお願いします。
#3
○政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました所得税法臨時特例法案外三法律案につきまして提案の理由を説明いたします。
 政府は、本年すでに国税、地方税を通ずる税制の大改正を行い、国民租税負担の軽減合理化を図つたのでありますが、国民の租税負担は、現在尚相当重いものがありますので、極力歳出の削減に努め、以つて所得税を中心として一層の軽減合理化を行うよう検討を加えて参つたのであります。然るところ昭和二十六年度予算におきましても、又本年度補正予算におきましても、相当の減税財源を生ずる見通しを得ましたので、先ず、昭和三十五年度補正予算に関連しまして、所得税につきまして、昭和二十六年上月一日から同年三月末日までの間に支払われる給与に対する源泉徴収税額を暫定的に軽減し、また酒税につきましては、本年十二月一日からその税率を引き下げ、更に昭和三十六年一月一日からは物品税、揮発油税及び砂糖消費税につきましても軽減を行うこととして、ここに物品に関するものを除く関係法律案を提出いたすこととなつた次第であります。
 先ず、所得税法臨時特例法案について申上げます。政府としましては、国民租税負担の現状に鑑み、昭和二十六年から所得税の負担の一層の軽減合理化を図るよう目下検討中で、ありますが、差当り昭和二十六年一月一日から同年三月三十一日までの間に支払われる給与に対する所得税の源泉徴収税額につき、暫定的に軽減を行う特例を設けることといたしたのであります。即ち、取りあえず基礎控除を年三万円、扶養控除を年二万五千円、税率を課税所得金額五万円以下に対する百分の二十から始まり、百万円を超える金額に対する百分の五十五に至る超過累進税率として計弄した場合の税額程度まで、その負担の軽減を図ることといたしました。これかため給与の金額並びに扶養親族及び不具者の有無及びその数に応じて所得税法別表第二の源泉徴収徴表の月額又は日額表の各甲欄に掲げる税額から、それぞれこの法律の別表に定められた一定額を控除した税額によつて、源泉徴収することといたしたのであります。これによりまして勤労所得者は相当負担の軽減を受けることとなるのでありまして、例えば、月収五千円の独身の勤労者では、現在の四百二十三円が八十円軽減されて三百五十三円となり、また扶養親族二人の月収一万円の勤労者について見れば、現行の八百九十五円が百九十五円軽減されて七百円となり、更に扶養親族四人の月収三万円の勤労者は、現行二千百七円が七百円軽減されて二千四日七円となるのであります。尚日傭労務者の源泉徴収税額につきましても、右と同一の基準でその軽減を図ることとし、また賞与についても同様の軽減措置を及ぼすことといたしました。
 次に、税制の執行に当りましては、特に申告所得税の執行状況を改善することが焦眉の急務となつておりますが、その一助としまして、課税年度終了後から申告期限までに相当の余裕をおいて、納税者の十分な協力によつて自主的な申告及び納税の向上を期すると共に、税務官庁が納税者の所得の実態を的確に調査し、公平且つ適正な課税を行うことができるように、確定申告書の提出期限及びその納期を一ケ月延長することといたしております。
 次に酒税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 酒税につきましては、本年度当初予算編成当時に比して、原料事情の好転等に伴ひ、酒類の生産が著しく増加したにもかかわらず、現在の税率及び酒類の価格が高きに過ぎ、購買力がこれに伴わないため、正規酒類の需給に混乱を生ぜしめ、酒税の円滑な徴収に支障を与えるとともに、酒類密造の弊害を大きくしている現状であります。政府といたしましては、これらの事情を考慮し、酒類の円滑な需給を図るとともに密造の防止に資するため、今回税率につき、特に焼酎及び清酒第二級等一般の需要の多い酒類に重点を置いてその引き下げを行うことといたしました、即ち、これによりまして自由販売の酒類の小売価格は、清酒一級は一升当り現行九百五十円が七百五十円程度に、二級は六百四十五円が四百六十円程度に、合成清酒二級は一升五百円が三百七、円程度に、焼酎は一升四百五十円が三百二十円程度に、又ビールは一本百二十二円が百十五円程度に、それぞれ安くなる見込みでありまして配給酒類におきましても同様に若干の値下げとなることを予定してあります。而してその実施時期は、酒類の年末年始における特殊な需給関係を考慮いたして、来る十二月一日を予定し速かに実施いたしたいと考えておるのであります。
 次に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案について申し上げます。砂糖消費税につきましては、最近における輸入砂糖及び飴、ぶどう糖等の甘味品の増加によりまして国内産糖の価格か相当値下りを来たしており、その負担が相当重くなつておりますので、今回その税率を、黒糖及び白下糖については現行百斥当り千八百円を四百円に、白砂糖については二千円を千円に、それぞれ引き下げ、昭和二十六年一月一日から実施することといたしました。
 この外、砂糖消費税延納の際の担保物件の範囲を社債及び保証人等にまで拡張する等所要の改正を行うことといたしております。揮発油税は、昨年五月以降揮発油の小売価格の百分の百という相当高い税率で課税して参つたのでありますが、その後における揮発油の供給の増力及び代用燃料価格の下落等によつてその税率が極めて重いものとなりましたので、今回その税率を約三五%がた引下げて、一キロリットル当り一万一千円とすると共に従来の従価税率を従量税率に改めることといたしました。この軽減は、昭和二十六年一月一日から行う予定でありますが、徴収猶予の関係から本年度の税収入額には影響がないのであります。
 以上、各法律案につきましてその大要を申し上げたのでありますが、今回の税制改正による減収額は、源泉徴収の所得税において約五十六億二千百万円となり、物品税において約八億一千万円を予定しており、砂糖消費税において約八千五百万円となり、酒税については相当の減税を行うのでありますが、酒税率の引下げに伴う酒類の消費増加等により、結局において一億二千九百万円の増収が見込まれるのであります。従つて、税法改正による減税額は通計六十三億九千七百万円となるのであります。他面、本年度当初予算の租税及び印紙収入額四千四百四十六億円に対し、最近における経済諸情勢の推移、徴収の状況等を勘案して、総額において約六十八億六千二百万円の自然増収を見込みましたので、右に申し上げました税法改正による減収額と通算いたしますと、本年度の租税及び印紙収入の総額は約四千四百五十億円と相成るのであります。
 何とぞ御審議の上、速かに賛成せられるよう切望してやまない次第であります。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(小串清一君) それでは酒税法の一部を改正する法律案について、御質疑をお願いいたします。
#5
○杉山昌作君 この酒税の税率の引下げによりまして、小売価格の方は何でございますか、税が下つただけこのまま正確に下げるのでございますか。途中の冷売人の手数料とか何とか、そういうところに多少の調整があるのでございますか。
#6
○政府委員(平田敬一郎君) 大体税金の分だけに止めたいと思つております。焼酎その他若干のものにつきまして、マージンの調整を図る部分も予定いたしております。でございますが、例えば清酒につきましては、本年度の清酒は米が変りますので、いずれこれを近く変えなければならん。来年四月になるかと思いますが、その分は今回見ない。焼酎等については従来から若干マージンについて問題があつた点がございます。そういう点を補正いたして参りたいと思います。
#7
○黒田英雄君 酒税法の改正について、酒の税が今度十二月一日から安くなるのですが、そのときに今まで持つておつた酒についての改正が規定されておるようですが、これを一つどういうふうな順序で、どうなるかということを具体的に説明して頂きたい。
#8
○政府委員(平田敬一郎君) 小売業者、卸売業者が手持ちと相成る酒につきまして、卸売業者は小売業者に戻税の措置はいたしておりません。ここで規定しておりますのは、製造場に戻し入れた場合、或いは指定販売まで、戻入した場合におきましては、これも物品税は、従来から税額から控除する規定があつたのでありますが、酒税法につきましても同様の措置を認めております。経過的の値下りによる対策といたしましては、未練税で移入することを認めまして、それでできる限り市場に出ております改正前の税率の摘要を受けました酒を少くする。小売業者も過渡期におきましては、売れる限りにおいて仕入れて貰う。販売価格のほうにおきましても、十二月一日から酒の改正をいたしましても、販売価格は若干、四、五日か一週間、余裕期間を置きまして、それまでは高い値段で売ることができるようにいろいろな措置を講じまして、極力手持品を、前に持つておりましたことによる損失を少くするようにいたしておるのであります。繰返して申上げますが、法律案に出しておりますのは、卸売業者の手持ちしておるものについて、その業者の戻税等の措置はいたしません。未納税でやる。或いは戻入の場合におきまして、初めて今度出る酒の税額から、前縮めた税額を控除しまして、その際に改正される。そういうような関係になるのでございます。
#9
○黒田英雄君 そうすると小売業者はそれを卸売業者に手持ちのものを戻して一そうして卸売業者が更にこれを製造する着丈は指定卸売業者でもいいのですが、そこに戻して、今度更に引取るときに新しい税額をかけたものを引取る、こういうことになるわけですか。
#10
○政府委員(平田敬一郎君) さようでございます。
#11
○黒田英雄君 そうすると小売業者の手持ちの酒は、これは運搬しなければならんのですね。製造者に送るということになると、遠隔の地に送らなければならん。或いは指定卸売ならば、東京にすれば、東京の指定卸売業者のほうに持つて行つていいのですが、普通の指定卸売でないものは、これはやはりどこかの指定卸売業者に持つて行けばいいのですか。
#12
○政府委員(平田敬一郎君) 持つて行けばそれでいいという簡単なお話でございますが、外のものにつきましても申上げておりますように、手持ちを、いやしくも正確に調べまして、厳重にその手持ちしているという事実だけで戻税するということは外の場合には困難でございますが、酒の場合においてもそういう問題が若干ございます。それで今申上げましたように、できるだけ戻入等をやりまして、事実がはつきり確認いたしたようなもの、そのものにつきましては、今お話のような処置を講じまして、結局損をかけないようにいたしたい、こういう提案でございます。でございますが、先程も申上げましたように、その前に未納税で引取りを認めたり、或いは小売業者が手控えたものは、小売業者が一定の余裕期間内に前の価格などで売れるというような処置によりまして、でき得る限り救済いたしまして、戻入等によらなければ救済できないということは最小限度に止めたい。そういうような考えております。
#13
○黒田英雄君 先程御説明の中に、或る一定の余裕期間をおいて、元の問い値で売つてもいいということにしもりというお話だつたのですが、これはこの法律ではどこに掲載されているのですか。
#14
○政府委員(平田敬一郎君) これは御承知の通り、公定価格があるわけでございまして、公定価格の施行を四、五日か、一週間ぐらい時期を延ばすわけであります。この期間におきまして手持ちをできるだけ売りさばかせるということをやつておるわけであります。これは今回やつたわけでありまして、従来の改正におきましても、そのような処置をとつております。従いましてこれは、物価庁で決めます公定価格の告示に出ております。
#15
○黒田英雄君 その公定価格の問題でお尋ねしたいのですが、昨日頂いたもの、今日の提案理由の説明に五百円程度というようにありますが、この程度ということは、多少それが動くという何か含みが劣るのですか。それともう一つ、この税額とそれから売値の差額ですね、マージンですね、それがどういうふうにきまる予定になつておるのでありますか。割振りはどういうふうにやるというような腹案ができておるのですか。その点を一つ……。
#16
○政府委員(平田敬一郎君) まさにその程度と申しましたのは、若干の端数は或いは精密な公定価格の改正の結果出て来るかも知れないというような意味におきまして、この程度という字句を使つておるわけであります。それで結局酒税が決まりまして、それに基きまして、酒類の価格につきましても、さつき申上げましたように、根本的な改正は見合すほうがいいと思う。最近に現われております市場の中、この際緊急に行わなければならんと認められるようなものにつきまして、若干の調整をして新らしい公定価格を決めるというふうになるかと思います。それで現在その公定価格のマージンの問題につきまして目下研究中のようでありまして、これは通過次第、物価庁の告示でございますので、いつも即座に決定いたしまして、実行するという従来の慣例でございます心従いまして、いずれも税率と予定価格、一応要綱等にも示しておりますが、法律案にはその予定価格は全然勿論関係がないものでありまして、大体御参考までにああいう数字を出しまして、判断の資料にいたしておる次第であります。
#17
○黒田英雄君 併し、もう十二月一日、日もないのでありますから、そのマージンあたりはきまつておるのじやないですか。
#18
○政府委員(平田敬一郎君) 大体きまつておるものもございますが、尚たしか、今日も少し相談したいといつたような事情もございまして、これはぎりぎりのところできまるのではないかと思つております。でございますが、全体の価格の動きますものが殆んど僅かで、あの価格でぴたりと行きますか、或いははみ出ますか、或いは若干へこみますか、その辺のところだと見ております。
#19
○黒田英雄君 これに関連して、何とは違いますが、そういうふうに販売価格をきめるということでなく、成る税を確保するだけの最低の価格だけをきめて、あとは自由にするというようなことについてはどうお考えですか。
#20
○政府委員(平田敬一郎君) 最高価格制につきましては、段々に酒類についても再検討の機が近くなつているのではないかと考えますが、ただ清酒等は、やはり原料として米を使つておるわけでありますが、主食についてもリコントロールの問題でございますので、近い将来検討の余地があろうかと思いますが、今すぐ米を使つておる清酒については価格を外すということは少しどうかと思います。併し「いも」を主として使つております焼酎等につきましては、大体需給が平衡を得まして、公定価格を設けなくとも、大体バランスがとれるというようなときになりますと、最高価格は、むしろ外す。ただ業者の行き過ぎた競争を防ぐために、逆にお話のように、酒税法に基きまする一種の最低価格制みたいなものを設けるか設けないかで、これも将来研究して見る必要があろうかと思いますが、今のところ、まだ今度の改正に伴いましては、今の制度を据置きまして、それで極力需給状態等の平衡するのを見極めまして、その上でそのような問題につきましては、妥当な決定をいたしたらどうであろうかと、こういうふうに考えておる次第であります。
#21
○木村禧八郎君 配給酒ですが、配給酒というものはまだどのくらいあるものか。それから配給酒の値段を若干下げるというような提案理由の趣旨ですが、その後どうなつておりますか。
#22
○政府委員(平田敬一郎君) この数量を申上げますと、最初の予算で決めておりました数量は、自由販売酒が二百三十九万四千石でございます。で、それに対しまして改正後は売行き増加を成る程度期待いたしまして二頁七十六万八千石を見込んでおります。今後の補正予算で最終的に見込みました配給酒のほうは、最初の計画では五十万石と予定いたしたのでございます。当初予算がきまりました後におきまして五千石の原料米の若干の増加がございましたので、それで増石になつたものを配給に廻わすということになつたわけであります。本年は五十七万一千石に予定しております。合計こまして二百八十九万四千石の予定でございましたのが、当初予算の見込みでありましたのが、新たに見込んでおりますのは三百三十二万九千石、四十三万九千石の増加でございます。
#23
○木村禧八郎君 今配給酒というのは、どの方面に……。
#24
○政府委員(平田敬一郎君) 一番多いのは農村方面でございますが、農村の田植の植付け時期と刈入れ時期に配給するのが一番多いのでございます。その外工場、鉱山方面に対しましても相当配給いたしております。併し一番多いのは農村でございます。
#25
○木村禧八郎君 配給酒の値段というのは、どのくらいです。
#26
○政府委員(平田敬一郎君) 配給酒の値段は、これは清酒は三百九十五円をほんの五円下げまして三百九十円にする、合成酒は配給辞退等がありますので三百五十円を三百円に下げる、焼酎は三百四十五円を二百八十円に下げる、そういう予定でございます。
#27
○木内四郎君 小売業者の手持ちの酒、これが一番問題になるだろうと思うのですが、今、主税局長の話だと、公定価格を改訂する数日の間に売つてしまわないものは、指定販売所まで返さなければならんということになるのですね。そういうことは皆可能であるというお考えですか。
#28
○政府委員(平田敬一郎君) これは確実にする必要がございますので、特にそういう手続を踏んで来てまで税金を軽減して貰いたいというような場合におきましては軽減する。こういう意味で、そういう措置にしておるわけでございます。お話の通り、その期間に処分できないものにつきましては、戻入の措置が必要であります。
#29
○木内四郎君 屋台店などならば、そうたくさん持つていないかも知れませんけれども、都内の小売業者などですね、相当多数持つておる、多量に持つておるものがあるだろうと思いますが、そういう店は都内でも割台数が少いのじやないかと思いますが、そこに税務署の人が行つて、何か査定といいますか、調査をして、このくらい持つている、よろしいということで、簡単に行きませんかね。
#30
○政府委員(平田敬一郎君) そこで査定して全部税金を返すということになると、例えば料理屋等が持つておるものも、細かく言えば、やらなくてはならんことになりますし、極力手持ちを消化して貰うという趣旨で、どうしても消化し切れないで、或る程度まとまつて残つたものについて、それを戻入するようなことまでして返して貰いたいというようなものは、やはり返した方がいいのじやないかここういう意味で、そういう措置をとつておるわけでありまして、現にあるものを査定して返すということになると大変なことになる、こう見ております。
#31
○油井賢太郎君 今までのお話で、大体の趣旨は分つたのですが、一体業者が手持ちしておる酒を新しい値段で売らないで、元の値で売れるということは常識上これは不可能だと思う。主税局長は、その場合に何ですか、やはり前の高い値でも消化し切れるというふうに考えておるのですか。
#32
○政府委員(平田敬一郎君) 昨年自由販売酒の値を下げたときも、同様の措置をとつたのですが、微細な数量はそういう措置で消化できておるのでありますが、我々が手持ちしておる、或いは小売業者が持つておるものを売さばくというようなことは、これは私は相当解決ができるのじやないかと思う。併しまとまつておる毛のは、先程木内委員からお話のように、これはどうしても解決できない。そういう場合には戻入等の措置をとつて頂きまして、それによつて軽減するということにいたしたいと考えております。
#33
○油井賢太郎君 その場合ですね。一方の酒屋は大変安い酒を売出しておる、片方は高いのをそのまま売つてるということが現われる。そうすると、これは政府の処置の仕方によつて、国民に不当な、不公平な配給がされておる恰好になる。一面においては、まあ安く、手数をかけて安く売つてやろうという業者があり、一面におきましては、こういうふうな措置が出たのを幸いに、こういう法令が出たことを知らない人には高く売つてしまうというちよつと面白くない傾向が出るのですが、それはどう考えられますか。
#34
○政府委員(平田敬一郎君) この小売業者が手持ちしておる酒は、一定期間は、余り一律に下げないで処分するということこなりやしないかと思います。何となれば、この期間に処分しますと戻入等の措置ができませんから、損して売るつもりならば低く売れますが、或る期間は成る価格で維持されるのじやないかと思います。その期間ば売行きが悪くて、それが終つた後売れるというふとになるかもしれませんが、各個人業者間においては、凸凹な販売は生じないだろう、こう見ておるわけであります。勿論配給でありますと非常にそういうことを厳密にしなければなりませんが、自由販売でございますので或る程度調節はできるのではないか、このように考えております。
#35
○油井賢太郎君 先程の御説明によつて切替えどきの数量というものは明白なんですね。そうしますと、明白な以上は、その明白なものに対して税額を決めて処置した方が却つて簡単に、スムースに行くのではないですか。
#36
○政府委員(平田敬一郎君) 明白だとおつしやいますが、これはなかなか私は全国の酒場、料理店等にありますものまで調べましてやりますことは、なかなかやはり的確を期しがたい場合もあるのではないかと思います。二三日分を持つておるようなものにつきてまして一々正確な数字を調べ上げまして的確にやるということは、やはり相当困難があろうと思います。全体としてどれくらいあるという数字は私共掴んでおりますし、実行に当りましては、できるだけ十二月の手持高というものを確認する処置はとり失いと思いますが、それで完全かと申しますと、そうは行きません。結局やはり只今申しましたように或る期間を置いてどうしてもさばけなかつたものを戻入してまで何とかしてくれという場合にやるということでやりますれば、大体過渡期の業者の損、不損を調整することができるじやないか、こう考えて処置をいたしたいと考えておるわけであります。
#37
○油井賢太郎君 もう一つ伺いたいのは、一週間なら一週間の間に、安い酒を仕入れてたまたま手持を切替えることになつて、安い酒を仕入れた店において高い値で売るということも可能になるわけですね。それは構わないとこういうふうになるのですか。
#38
○政府委員(平田敬一君) その辺の問題は何でございますが、従いまして、余り長い期間は置くべきではない。併しその間若干得する者と若干損する者と出て来ると思います。同じ手持の品物につきましても、値引して売つたり、或いは少し高く売るというようなことがあるかも知れませんが、それくらいのことは過渡期の調整上仕方がないと考えております。
#39
○大矢半次郎君 減税と同時に密造の取締強化が必要であると思うのでありますが、これに対する対策はどう考えておりますか。
#40
○政府委員(平田敬一郎君) 非常に御尤もな御意見でありまして、是非今度の減税を機会に密造取締を強化いたしたいと考えております。たしか、当初予算では三千万円程度国税庁に計上いたしましてやつておりますが、本年度は差当り節約額の中から復権を認めまして、三千万円程度密造に追加して、余計にいたしております。来年度は又もう少し余計にすることを目下計画中のようでございます。この機会にできる限り取締強化いたしまして絶滅を期するよう努力いたしたいと考えております。私は昨年の焼酎の値下の例によつても分りますように、値段がここまで下りますと余程密賢酒と対抗し易くなるのではないか、これが一番よい好機と考えておりますので全力を挙げてやりたいと考えております。ただ国家警察は割合に緊密でありますが、自治体警察がやはりなかなか思うような関係に参らない実情もございます。併しこれも自治体といたしましても都市の近郊、都市の内部に密造部落がありまして、或る意味においては犯罪の温床みたいになりますことは、秩序を紊す原因にもなりますので、自治体警察といたしましてもこれを州絶することは本来の任務だと考えておりますし、そういうことにつきましても緊密な連絡をいたしまして、できるだけ警察の協力を仰いで根絶し得るように努めて行きたいと考えております。
#41
○大矢半次郎君 シヤウプ勧告を見ても密造の取締について四つばかりの態様を考えておりまして、農家の密造、朝鮮人その他密造を専業にして販売しておる者の取締、それから工業用酒精の横流れ防止、それから免許営業者の反則取締、こういうふうに分けて大分細かく考えておるようですが、それらについての対策も相当具体的に考えておられるのですか。
#42
○政府委員(平田敬一郎君) 実はシヤウプ勧告が我々が提出した問題をうまく容れて整理して呉れておるようですが、やはり正規業者の密造につきましては、最近相当厳重な検査方針を立てまして、相当大きな工場等につきましても徹底した調査を実行いたしております。その結果苟くも洩れがありますれば厳重な方針で臨むことにいたしておりまして、先般も僅か一%か二%くらいの洩れですけれども、それだけの洩れでもいやしくも正規業者がやるのはどうも面白くないということで、適当な制裁を加えることを実行しておる例もございますので、これは業者の自粛と監査の徹底ということによりまして根絶を期する。少し悪質と認められるものにつきましては免許取消の方針等も考えて行きたいというふうに考えておるのであります。
 それからその次はアルコールの横流しでありますが、これも一時大分激しい事情もございましたので、最近は税務官吏に或る程度立ち会わしめるシステムを導入することにいたしておりますが、なかなか併しこれ一旦卸売業者に流れました後で密造して売るような事情もあります問題があるようでございますが、シヤウプ勧告はこの点については、主としてアルコールの問題は、酒との関係ではなくて、密造の関係で重要だから所管を通産省から大蔵省に移してしつかりやつたらどうかと、こう言つておりますが、こういう問題につきましては、よく一つ検討しました上で政府として結論を出すようにいたして参りたい。それから都会近郊で主として販売専門でやつております密造、これを先程も申しました密造取締の最重点におきたい、今度大分値が下りましたので、余程競争しやすくなりまして、自然に淘汰される面も出て来るのじやないかと思いますが、こういう機会にやりますと、消費者も最近は大分経がありますので、危ない密造酒は飲まないように、正規の酒を飲むというような傾向に余程行くのじやないか、そういう宣伝を併せていたしまして、できるだけ根絶を期して参りたい。これが当面の一番大きな取締を要すべきところじやないかと思います。それから農村等の密造は、この自家密造は、全国的に普遍しておりまして、昔は大矢さん御存じのように、殆んど東北或いは四国、九州等の一部くらいしがなかつたのが、今日では殆んど全国的に蔓延しておるわけでございますが、これにつきまても清酒の引下げ、焼酎の引下げ等によりまして、できるだけ少くすることを期しておりますが、ただ一挙に今回の措置でそこまで旭絶するように行きますことは、少し無理じやなかろうか、そういう問題につきましてはできれば将来の問題といたしましては、超過供出の酒とリンクしまして、少し安い酒を配給してやるような方法も考えたことがあるのでございますが、そういう問題ももう一遍検討するとか、その他のことをやりまして極力少くするように誘導して行くより外ないのじやないか、まあ大体のところ、そういうふうな点を考えておる次第でございます。
#43
○木内四郎君 指定販売所のところへ戻入をする方法ですね、これはトラツクで運んで行かなくても、話合で帳簿上の整理で行けるのじやないかと思いますが……。
#44
○政府委員(平田敬一郎君) 戻入を付しなければできない。
#45
○木内四郎君 現実にそこまで持つて行かなければならんのですか。実際はそういう戻入をしなければできないのだが、帳簿上の整理でやるようなことはどうしてもできませんか。
#46
○政府委員(平田敬一郎君) 私ども税法を作ります者といたしましては、これはやはり税法に書いてあります通り、戻入というのは現実に現物を倉換えして、した場所に移し戻すという意味に解釈いたしたいと思つております。
#47
○木内四郎君 極端な場合は、三十日の十二時に持つて行つて一日の朝早く持つて来るというその間の処理をあなたのほうでそうお考えになつても、実際の業者はそういうようなふうに処理する虞れはありませんか。
#48
○政府委員(平田敬一郎君) 先程申しましたように、大体私は普通の細かいものは戻入まで行かないで問題が解決するのじやないか、あとは少しまとまつたものでございますから、余程はつきりした事実があります場合におきまして、実際上便宜の措置をとるかとらないか、これは一つの問題ではあろうと思いますけれども、法律的に申しますと今申しましたように、あくまでも運搬して倉まで運び戻すという行為が必要だという前提でやつております。
#49
○愛知揆一君 今のお話、どうですか。主税局のほうの見込みでは、戻入を法律上必要とするようなものの数量は、極めて微々るものじやないでしようか。大体酒税の減率というものは可なり期待をしておられた。考慮もしておられたこともあるので、その辺の見当がつけばおのずから今木内さんのような問題も少くなるように思うのですが、どんなものでしようか。
#50
○政府委員(平田敬一郎君) 全体としては、大体愛知委員のお話のような方法で解決する場合が大部分じやないかと思いますが、ただ例外として相当纏めて持つておりまして、やはり木内委員の指摘されたような現実に戻し入れるという行為をしなければ、解決もつかないような場合もあろうかと思います。併し相当前から発表しておりますし、それから未納税の移出等の措置も併せて考えておりますので、先ずそう大きな数量にはならないだろうと考えております。
#51
○油井賢太郎君 戻入の期間はいつまでですか。
#52
○政府委員(平田敬一郎君) これは政府の承認を受けてやらせることにいたしておりまして、その承認の方針等については、正確を期するように目下国税庁では扱いかたの案を練つております。余り後まで認めるというようなことはいたさないつもりでおります。
#53
○木内四郎君 密造の問題ですが、今度は密造を防止する目的もありまして、合成清酒の二級酒、焼酎などを大いにお下げになつたのは結構ですが、大体これで危険を冒して密造しないでと言いますか、密造が大いに減つて来るだろうというお話ですが、仮りに闇の米を買つて密造したらどのくらいの値段であがるものでしようか。
#54
○政府委員(平田敬一郎君) その問題は曽つて大分研究したことがございますが、現在の濁酒の販売価格ですね。これは原価、プラス闇利潤が入つておると思いますが、それが私ども、今手許にある調べでは百八十円。濁酒でございますが、濁酒はアルコール成分は清酒の半分でありまして、大体清酒との效率比較は、その場合には半分と見なくちやならん。従つて清酒に換算すると約四百円前後の濁酒の闇値。今度は清酒の本物のほうが四百本十円でありますから、ここまで来ますと大体対抗しやすくなるのじやないかと見ておるような次第であります。それから焼酎についても、密造焼酎のものは、原価は二百六、七十円のが多いようであります。これはアルコールの度数が少いので、正規に換算すると三百二十円くらいです。そうすると焼酎は三百三十円にしたので、これは相当競争できる。下げますと恐らく闇業者は闇利潤を下げるだろうと思いますが、そうなると相当しめたものになるだろうと考えております。
#55
○大矢半次郎君 配給酒は将来も相当継続してやつて行くつもりですか。
#56
○政府委員(平田敬一郎君) 農村とか鉱山等については、やはり目下のところ存続したほうがよいのじやないか。ただ自由販売酒の値段はもつと下げて、外の物価と釣合のとれるような、均衡がとれるところまで下げ得るならば、これはなるべく一本にした方がよいと思いますが、今の段階では残した方がよい。来年度も本年度と同じように五十万石前後といたす予定であります。酒類は、原料が非常に少くなつておりますので、御承知の通り戦前は、米は四百万石前後使つておりましたのか、本年は五十万石で非常に正規の酒が減つております。従つて原料事情がよくならなければ、全体を本当に正常化することはできないたろうと思います。そういう点については、私ども極力努力しておりますが、主食の事情もありますので、従いましてまだ若干の無理は残つておると思います。そういうものについて、段々更に正常化を期し得るような状態になれば、これはやはり早く配給と自由販売酒は一本にするのがよいのじやないか。来年度としては、差当りまだ存置する考えでおります。
#57
○大矢半次郎君 これは趣く小さな問題ですが、ビールの配給酒の改正価格は、外のものと比べてどうも少し低過ぎるような感じがしますが、どういうわけですか。
#58
○政府委員(平田敬一郎君) これは実は、或いはもう少し高いのも一つの案ではないかと思つていたんですが……ちよつと速記を止めていいですか。大したことじやないので……。
#59
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
#61
○大矢半次郎君 これは一つ酒の価格のことについてでありまするが、今度酒の値段が余り高過ぎて売行きが思わしくない。そのために密造なんかも起るからどうしても下げなきやならんと、こういうふうな情勢からいたしまするというと、現在の古い物価統制令ですか、物価統制令に基づく酒価というものは果して適当なりや否やということは非常に疑問なんです。むしろああいうものは撤廃してしまつたらいいのではなかろうかというような感じがいたしますが如何でしよう。
#62
○政府委員(平田敬一郎君) 先程、黒田委員にお答えいたしました通り、焼配等につきましては需給が或る程度平衡を保つようなときになりますと、早い機会に撤廃するのも一つの方法かと思いますが、清酒等につきましては米を使つておりまして、主食の統制の問題もございますので、簡単に統制を止めるのは如何であろうかと考えております。ただ又違つた意味におきまして、最低価格と申しますか、専売品に準じまして政府の成る指定した価格以上で売らなければならないといつたような価格措置を講ずるかどうか。その辺の問題はむしろ将来の研究問題として残して置くべきじやないか。かように考えております。
#63
○大矢半次郎君 そうすると、物価統制令の方は技高価格を決めておると思つておりますが、あの価格以上に十分売れる見込みがあるというお考えですか。
#64
○政府委員(平田敬一郎君) 現在は生産数量と税率で調節いたしまして、大体あの価格前後に自然の価格も落ち着くのじやないかと見ておりますが、例えは飛び切りいい特級酒は年末一時あの価格を越えるかも知れないという事情もあるかと思います。そういうものは高く売らしてもいいじやないかというようなことにもなるかも知れませんが、さつき申しました通り何しろ貴重な米を消費しておりまして、その米について統制か行われているような事情にございますので、今直ぐ廃止をするのはまだ時期が早い。かように考えております。
#65
○清澤俊英君 ここに今、価格引下げになつておりますが、これは、米の値段か今度上りましたが、或いはその外にまだ石炭だとかいろいろなものが、大体物価が上るじやないかというような傾向もあるので、これだけのものが税金を下げただけで今発表になつただけで価格ができるでしようか。
#66
○政府委員(平田敬一郎君) いずれ本年度の米を使いましてできた酒につきましては、来年の四月頃やはり価秘の補正を必要とするかと思つております。原料が高くなりますれば映る程度引上げも止むを得ないと思いますが、ただ原料が若干増石が認められますと操業率がよくなりまして、その方で下るかと思いますので、そういう事情をよく検討いたしまして、その際は又そのようにしたいと思つております。現在のところは大体さつき申しましたように若干端数程度ですが、或いはつくかも知れませんが、この程度でおさまると思います。
#67
○清澤俊英君 そうしますと先程のお話では、こうやつて酒の値を下げれば、何石と言われましたかちよつと数字を忘れましたか、相当の売行きの増大を見てて、そうして増石が見込まれる。こういうようなお話がありましたが、又、大体米の値段は今のところでは二割以上の値上を見込まれしおるような状態のところへ、元通りの価格になれば、そういう計数が全然立たないことが考えられるのでありますが、そういう点に対してはどうお考えですか。
#68
○政府委員(平田敬一郎君) これは御承知の通り、酒の価格の大部分は、改正後におきましても、まだ実は酒税でございますと、二級清酒でございますと、今度は自由販売酒は四百六十円にいたしますが、そのうち二百九十円というのが実は酒税でございます。従つて今度価格が下りますのは税が下つたから下つておるわけでございままして、税金以外の価格の分というものは比較的率が少ない。従いまして米が上りましてその分をフルに認めましても、全体の価格に対しまして上る率というものは、価格全体に対しまして、大したことはございません、五円か十円程度動くか動かないかというところじやないかと思います。従いまして若干そういう事情が残つておりまするが、他方に切り下げる要素もございまするし、その際はやはり市価としましては合理的な値段をうけるということにいたしたいと考えておるわけでございます。
#69
○清澤俊英君 そうすると結論としまして、そういう価格税金の割合を持つというと、非常に幅の広い税金を持ちまするから、従つて今問題になつておる濁酒の取締なんというものが相当活躍する範囲をもつと思いますが、予想の通り競争価格で、相当これで濁酒の取締ができるんじやないか、こういう御議論にはどうもちよつとばかり何か納得しかねるものが残りますが、この点どうなんですか。
#70
○政府委員(平田敬一郎君) 確かに私、この価格で自然に放つておけば自然にすさびてしまうというところまでは行つていないと思います。併し、例えば六百四十五円のものが四百六十円になりまして、ざつと二百円程度減る、少くなる、下る。焼酎も四百五十円が三百三十円、市価の焼酎が二十五円、換算しますと三百十円か二十円減じておる。こういう情勢でありまして、余程私は食い入る力は今度の改正で出て来ておる。そこで密造の取締も一緒にこの際併せて行いますと相当密造の分野に食い込みまして、正規の酒が売れて密造酒かそれだけ衰微するという方向に堅持することかできるんじやないかと考えるのであります。勿請これだけで完全に密造が死滅するということは考えておりません。
#71
○清澤俊英君 その点はこれで打切りますが、次に改めてお伺いしますが、これは値下りの場合、手持ちと損失に対して大分御懸念がありましたか、今まで逆に税金が上るとか、たばこの値段が上るとかいう際に手持品等にはどういうような措置がとられたのでしようか。ちよつとそれは問題外だと思いますがお伺いして置きたいと思います。
#72
○政府委員(平田敬一郎君) 今まで公定価格がありました時代には、間接租税の増税をいたしますと、その価格は当然上るのでありまして、そういう事情の下では、手持品の課税を行なつたのであります。併しそれはそれだけ課税いたしますから高く売ればいいじやないか、又現実問題としては、高く売れておるときであつたのであります。公定価格かあることは、幾らでも高く売れることだと思うのでございますが、今までの一般的な通例はそういり措置をとつて来たのでありますが、併し自由価格になりましても必ずしも物価が税を下げたからといつて下がらぬ。或いは税を高くしたからといつて直ぐ高くならぬ。こういう事情になつて来ますと、ちよつとその関係は皺が伸びるのじやないか。今度新規に追加しますと、公定価格のない品物はストツク価格でやるかやらないか。これは少し研究する必要があるのではないかとこういうふうに考えております。
#73
○油井賢太郎君 これは、参考に伺いますが、酒の税金というのは、今までの値下りの場合どういうような措置をとつたというさつきのお話でありますが、相当値下りした場合が今まであると思いますが……。
#74
○政府委員(平田敬一郎君) 自由販売というのは、昨年の五月の改正で相当引下げになつて、昨年自由販売でこれが問題になつたから、それを本年になつてから少し引上げた。それを又、今度下げる……昨年は下げまして、幾らか余裕期間を与えまして、業者に売さばかせたのであります。それと昨年はもう一つは公団がございまして、この公団が買戻すという措置によりまして、比較的操作は楽だつたのでありますが、今回はその点がないので非常にに軒労しておるので断ります。でございますから、先程から御説明申上げておりますような方法を講じますれば、細かい若干の損害が出る……全部というわけにはいかんかも知れませんが相当の徴収はできるものと見ております。
#75
○油井賢太郎君 それは法律案の提案理由の一番に最後ある理由に、「間接税の負担の適正化を図る措置の一環として、」というような言葉で書いてありますが、「間接税の負担の適正化を図る」というのは、酒についてはどういうところが適正な課税ということになるのですか。
#76
○政府委員(平田敬一郎君) 卒直に申上げまして、税率が高いために酒の値段が高くて売行きが悪い。これは間接税として、今の物価事情、消費事情に応じない高いものである。こういう考えに立つておるのでございます。物品税につきましても、物品の生産がこれだけ殖えて来まして、今のような供給事情になつて来た場合におきましては、どうも七〇%の税率は高過ぎやしないか。やはり五〇%にして負担の適正化を図る。砂糖についてもそれぞれやはり同様の理由がございますので、減税を図ろうという次第でございます。
#77
○油井賢太郎君 それでは、若しこれだけ引下げてもどうしても売行きが思わしくないというときには、順次下げるという意図は勿論我々はあると解釈していいのですか。
#78
○政府委員(平田敬一郎君) これは私ども、最近の物価事情、一般の酒の需給等に照しまして、今度としましては、この程度の改正で相当目的を達成するのじやないか。値段も下がりますし、密造も相当衰微するということになりますと、相当目的を達成できるのじやないかと考えております。今後事情が変化した場合はどうなるかということは、その際に又よく研究いたしまして対策を講ずるべきではないか。理想を申しますれば、まだ酒は供給が少くて、値段が高過ぎるという感じを持つております。と申しますのは、戦前六百万石ぐらいの消費がございましたが、先程申上げましたように、本年度若干それが殖えましたが、三百二十万石、まだ半分ちよつとぐらい程度でございますので、なかなか正常的な状態には達していない。数量を殖やしまして、値段を下げて需給のバランスを図ると同時に、財政も余り困らないようにする。こういう方向にできるだけ機会を捉えましてやりたいと思います。
#79
○油井賢太郎君 まあ、それに関連いたしまして、相当の消費税が下る。砂糖なんか御承知のように闇はえらい高い値で以て売れておる。そういうものはむしろ上げた方がいいと我々は思つておるのですが、それも下げて、間接税の負担の適正化というのは、どうも意味が分らんのですが……
#80
○政府委員(平田敬一郎君) 砂糖につきましては、今、油井委員がまだやや高いとおつしやいましたが、若干外のものよりも高いと思いますが、一時と比べまして、例えば黒砂糖の販売値段というものは、大分下つております。それから白砂糖の値段も一時と比べまして下つております。そういう事情もございまして、大体どの程度の税率が外の税と比べてどうかという点で算盤をとつてみたのでございます。今度の新税率によりまして、小売価格の二割くらいの税率になります。砂糖は考えようによりますと必需的性質が相当強いという考えもございまして、私共砂糖に対して余り高い税を付けるのはどうかと考えまして、二割程度の白砂糖に対する税率ということならば先ず妥当ではあるまいかと、そういう考え方を一方においてはとり、他方におきましては、最近まで輸入等も免税にいたしておりますので、これを特に免税にする理由等も乏しいようでございますから、来年の四月からは課税しようと、そういう考えで今度の税率を立案いたしておるような次第でございます。
#81
○大矢半次郎君 先程、酒類は一時増石高は六百万石程度であつたが、最近幾らか回復しても三百二十万石程度であるというお話でございますが、近い将来において酒類の清酒、合成酒、焼酎、ビール、それぞれどういうふうな増石の趨勢を辿つて行くか、お見通しを伺いたいと思います。
#82
○政府委員(平田敬一郎君) 御承知の通り、たばこは大体戦前の水準まで実は回復してしまつておるわけなんでございますが、酒は直接米、麦という日本の主食食糧を原料とする関係がございまして、まだ遺憾ながら生産が少いのでございます。私共の希望といたしましては、主食の事情さえ許すならば、やはり米、麦等につきまして相当原料を殖やすようなふうに持つて行きたいと思つております。その数量が相当殖えますと、税率を下げても結局同じ収入になりまするし、又値段が下つて密造酒もなくなるという関係もありますから、年々そういう傾向に持つて行きたいと思つておりますが、差当りの問題といたしましては、今年五十万石の米を使つたわけでありますが、できれば六十五万石程度にして行きたいという希望を持つております。これは主食の事情等の関係もございますので、なかなか簡単にはきまりにくい点もございますが、私どもの意見としましては、極力そういうふうな方向に持つて行きたいと思つております。麦につきましては若干緩和されておりますので、これも或る程度増加いたしまして、ビール等の生産も殖やして行きたい。いも類は今原則として自由でございますので、今度の値下げによりまして売れるとみられるだけの原料を恐らく生産者も確保すると思われますし、それによりまして極力供給の増加を図るようにして参りたいと思います。来年度は少くとも全体で四百万石の供給になるように持つて行きたいと考えておるわけでありますが、その後年々殖えて行きますれば、密造が減りまして正規の酒が殖える。それによつて値段も下つて行くと、税収も余り減らさないで明朗になると、こういうふうなところを目標にいたしまして、ここ二、三年のところは進んで行きたいと思つております。
#83
○委員長(小串清一君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#84
○委員長(小串清一君) 速記を始めて。
#85
○松永義雄君 間接税と直接税の今年度における予定額、それから尚、酒の配給はどの程度ですか。例えば農民とか、鉱山とか……
#86
○政府委員(平田敬一郎君) これは大体最近の配給見込石数でありまして…
#87
○松永義雄君 配給の対象……
#88
○政府委員(平田敬一郎君) 現在酒類配給規則による酒類の用途指定をやつておりますが、それによりますと、特配いたしておりますのは、石炭鉱業、鉄鋼業、鉱山精煉業、石油鉱業、金属工業、船舶工業、機械工業、電力業、化学肥料工業、その他若干ございまして、農業、林業、水産業、こういうようなものに特配をいたしております。その外若干非常用としまして、戦災、風水害等災害の救助のために必要な場合に配給いたしております。
#89
○松永義雄君 役所なんかでは別に配給するということにはなつていないのですか。
#90
○政府委員(平田敬一郎君) 冠婚葬祭、それから会議用といつたようなものも若干の枠はあるようでございます。
#91
○委員長(小串清一君) 速記を止めて。
   〔速記中正〕
#92
○委員長(小串清一君) 速記開始。
#93
○政府委員(平田敬一郎君) 酒税法の一番主な問題はやはり酒税率の改正というところでございまして、あとは若干の必要に応じまして細かい改正を加えております。で、一つは八条の改正でございますが、これは味淋に入れます原料を法律で特定いたしておるわけでありますが、最近味淋の増量を計る必要がございますので葡萄糖とか水飴を味淋の増量として追加したいと思つております。そういうことを法律で規定するのは少しどうかと思いましたので「命令ヲ以テ定ムル物品」を味淋の原料にし得るというふうに改正いたしました。それが第八条の改正であります。
 それから二十七条はこれは酒税率の基本税率の改正でございまして、この点は今問題になつておる通りでありますので細かいことを説明する必要もなかろうかと思います。それから二十七条の二はこれは加算税率の改正であります。それと今まで加算税のかかる法律要件といたしまして、酒類を販売するという字句を用いていたのでありますが、むしろこれを「製造場又ハ販売場ヨリ移出スル」という改正に置換えるほうが、よりはつきりするというようなことで、そういうような法制的な改正を少し加えているのであります。それと実態的には雑酒につきまして加算税を廃止いたしまして、全部基本税に繰入れた点であります。雑酒は今配給がございませんので二本立にすることもないので、これは全部雑酒につきましては基本税に繰入れまして、加算税率は設けないようにいたしました。それが実質的な改正でございます。尚、雑酒につきましては一級につきまして今一種と二種の二つに分けて課税をしておるわけでございますが、税が僅少でありますのと、その区分がなかなかつきにくいという点がございますので、これは一本にいたしました。雑酒の一級の中の、外国等から雑酒が入つて来ますとなかなかどれに格付するかがむずかしいので一本にいたしました。そういう点が二十七条の二の改正点であります。
 それから三十三条の改正点は、これはさつき申しました字句の修正の結果でございます。つまり販売業者が移出するというような場合であります。
 それから主十四条の二は、これも今申上げましたように販売法律要件を販売場より移出するという工合に置換えました結果、条文の補正をいたしましたのであります。
 それから三十五条は単に雑酒の種別を削りました結果の字句の修正だけであります。
 それから三十五条の二はこれもさつきから申上げました「販売する」を変更したための改正であります。
 それから三十七条も同様でございます。指定販売場から移出するという言葉に旧法の規定を書き直したわけでございます。
 それから三十八条の規定につきましても大体同様でございますが、これは若干戻入の場合と移入の場合は違うのであります。従来はこの戻入につきましては、酒が製造所に戻入された場合にはその酒を更に庫から出しても税金はとらないという意味で二重課税を排除するようにいたしたのでありますが、今回は入つて来たときには税金を免除してやろう、その代り後で出て行くときに課税しよう、その方がむしろ合理的ではないか。物品税につきましては前々からすでこういうことになつておるのでありますが、酒は若干厳格にしておりましたのでございますが、今回の改正の方がむしろ合理的ではないかと、このように考えております。
 それから末項の部分は、控除の結果、税額がないような場合、つまり廃業をしてしまつて、酒屋をやめたような場合、その場合には還付しようという規定であります。
 それから六十六条は刑法を主として若干の条文を今までは排除いたしていたのでありますが、これはどうも新憲法下やはり適応しない条文を少くしたほうかいいというので、法律を知らざる者は罰を軽減するという規定の適用を排除しておりますが、それは適用になるということにいたしております。心神耗弱者、それから未成年者等の行為に対しましても従来は処罰するということになつておりますが、これは刑法の原則通りにやつて行こうということであります。これは所得税法につきましては、本年の四月から改正されておるのでありますが、酒間接税につきましても同様なことで行こうということになつております。
 条文を変えました点は以上であります。
#94
○木内四郎君 今の三十八条に附加えた一項ですね、これに基いて今後の戻入の場合も税金の払戻しをするわけですか。
#95
○政府委員(平田敬一郎君) この規定ができましたので非常にやり易くなるということになります。販売場に戻入する、或いは製造場に戻入するということになりますと、これはその際にその後に納める税額から前の税額を控除しますから、従つてその差額は減るということになります。
#96
○木内四郎君 その場合に小売業者の計算はどういうことになりますか。
#97
○政府委員(平田敬一郎君) 小売業者と生産者の取引の条件は、こういう措置を前提としまして、恐らく契約できまつております。
#98
○木内四郎君 今後小売業者が払戻して貰う計算はどういうことになりますか。これは納税義務者との関係でしよう。
#99
○政府委員(平田敬一郎君) 先程申上げましたように、小売業者は直接税金は払戻さないで、戻入いたしましたら、戻入しました場所の納税者の税額から払戻ししまして取引いたしますので、税金がそれだけ低くなります。から、その後は私的取引でやるということになります。
#100
○木内四郎君 簡単に言うと、戻入をしたときに前の金を払つて貰うということですね。新しく買うときは下つた酒を買つて来るということになりますね。
#101
○政府委員(平田敬一郎君) 大体そういうことになつて来ると思います。法律では税金は小売業者には返上ませんのであります。生産者、卸売業者、小売業者の間で取引するということになつております。
#102
○委員長(小串清一君) それでは今日の委員会は、外の案についてはすべてこれを延ばしまして、本日はこの程度で散会いたします。
   午後二時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           木内 四郎君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
           清澤 俊英君
           松永 義雄君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
           木村禧八郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
ソース: 国立国会図書館
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