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2000/05/16 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 労働・社会政策委員会 第12号
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2000/05/16 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 労働・社会政策委員会 第12号

#1
第147回国会 労働・社会政策委員会 第12号
平成十二年五月十六日(火曜日)
   午前十一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     森山  裕君     清水嘉与子君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     斉藤 滋宣君     坂野 重信君
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     斉藤 滋宣君
     清水嘉与子君     中川 義雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉岡 吉典君
    理 事
                大島 慶久君
                大野つや子君
                小山 孝雄君
                川橋 幸子君
                長谷川 清君
    委 員
                斉藤 滋宣君
                中川 義雄君
                笹野 貞子君
                高嶋 良充君
                直嶋 正行君
                但馬 久美君
                浜四津敏子君
                八田ひろ子君
                高橋紀世子君
   委員以外の議員
       発議者      吉川 春子君
   衆議院議員
       修正案提出者   森  英介君
   国務大臣
       労働大臣     牧野 隆守君
   政務次官
       労働政務次官   長勢 甚遠君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働
 者の保護に関する法律案(橋本敦君外一名発議
 )

    ─────────────
#2
○委員長(吉岡吉典君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二日、森山裕君が委員を辞任され、その補欠として清水嘉与子君が選任されました。
 また、本日、清水嘉与子君及び坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として中川義雄君及び斉藤滋宣君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉岡吉典君) 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案及び企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の保護に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。牧野労働大臣。
#4
○国務大臣(牧野隆守君) ただいま議題となりました会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ会社分割の制度を創設するため、今国会に提出された商法等の一部を改正する法律案に合わせ、これと一体のものとして、会社の分割に伴う労働契約の承継等について商法の特例等を定めることにより、労働者の保護を図ることを目的とするものであり、その概要は次のとおりであります。
 第一に、分割をする会社は、分割によって設立する会社等に承継される営業に主として従事する労働者及びそれ以外の労働者であって労働契約を設立会社等に承継させる労働者に対し、事前に分割に関する情報を書面で通知しなければならないこととするとともに、労働協約を締結している労働組合にも同様に通知しなければならないこととしております。
 第二に、労働契約の承継に係るルールを定めております。
 その一として、設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がある場合、分割の効力が生じたときに当該労働契約は設立会社等に承継されることとしております。
 その二として、設立会社等に承継される営業に主として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がない場合、労働者は分割会社に対して異議を申し出ることができることとし、異議を申し出たときは、その労働契約は設立会社等に承継されることとしております。
 その三として、設立会社等に承継される営業に従として従事する労働者の労働契約について分割計画書等に設立会社等が承継する旨の記載がある場合、労働者は分割会社に対して異議を申し出ることができることとし、異議を申し出たときは、その労働契約は設立会社等に承継されないこととしております。
 第三に、分割会社と労働組合との間で締結されている労働協約について、労働組合の組合員である労働者に係る労働契約が設立会社等に承継されるときは、分割の効力が生じたときに、設立会社等と労働組合との間において同一の内容の労働協約が締結されたものとみなすこととしております。
 また、労働条件その他の労働者の待遇に関する基準以外の部分について分割会社と労働組合との間で設立会社等に承継させる旨の合意があったときは、合意部分については分割計画書等の記載に従い設立会社等に承継されることとしております。
 第四に、労働大臣は、分割会社及び設立会社等が講ずべき労働契約及び労働協約の承継に関する措置に関し、必要な指針を定めることができることとしております。
 なお、この法律は、商法等の一部を改正する法律の施行の日から施行することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 以上であります。
#5
○委員長(吉岡吉典君) 次に、会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員森英介君から説明を聴取いたします。森英介君。
#6
○衆議院議員(森英介君) 会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案に対する衆議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 この修正部分は、「分割会社は、当該分割に当たり、労働大臣の定めるところにより、その雇用する労働者の理解と協力を得るよう努めるものとする。」との一条を加えるものであります。
 これは、会社の分割に当たり、分割会社に、その雇用する労働者の理解と協力を得るよう努めることを義務づけることにより、労働者の保護を図ろうとするものであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#7
○委員長(吉岡吉典君) 次に、企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の保護に関する法律案について、発議者吉川春子君から趣旨説明を聴取いたします。吉川春子君。
#8
○委員以外の議員(吉川春子君) ただいま議題となりました企業組織の再編を行う事業主に雇用される労働者の保護に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 本法案は政府案と異なり、企業の合併・分割・営業譲渡・子会社化などあらゆる形態の企業組織再編に対応して、労働者の雇用と既得の権利を守ろうとするものであります。
 現在の雇用情勢は、政府の経済失政による大不況と大企業を中心とするリストラの横行で、戦後最悪の状態が続いています。特に最近では、銀行にも見られるように合併による大規模人減らし、営業譲渡・分社化に伴うリストラの強行が横行し、小渕内閣以来、株式交換・移転制度を内容とする商法改正、産業活力再生法、そして今国会に提出されている会社分割法と法制面でもその支援策が強められ、労働者の雇用はかつてない重大な危機にさらされています。
 既にヨーロッパにおいては、こうした企業組織の再編から労働者の既得権を守るための法制が整備されておりますが、我が国においては、ほとんど野放しというのが実情であります。我が国においても、雇用を守るルールの確立を求める広範な世論があるにもかかわらず、政府は今般、商法改正による会社分割を法制化するに当たって、その場合に限った労働契約承継を内容とする法律案を提出したにすぎません。しかもその内容を子細に検討すれば、分割を容易に行うため、主要な労働者の民法六百二十五条に基づく異議申し立ての余地を完全になくすための法整備という性格のものであり、到底、労働者保護の名に値するものではありません。
 本法律案はこうした企業組織の再編から労働者の雇用と労働条件を守ろうとするものであります。したがいまして、第一に、労働者が保護される企業組織の再編の範囲を、合併、営業譲渡・譲り受け、及び今回政府から提出されております会社分割のほか政令で定める場合といたしております。
 第二に、こうした企業組織再編を理由とした解雇を禁止する措置を講じました。さらに、企業組織再編後の企業経営上の負担をあらかじめ軽減することを目的とした解雇も禁止することといたしております。実際には後者の例が多いことにかんがみ、この措置は、解雇制限措置を実効あるものにする上で不可欠であると考えます。
 第三に、労働契約承継について、本人同意を原則とした承継を基本にしながら詳細な労働者の雇用に関する権利保護を定めました。
 合併の場合には、合併に当たって合併消滅事業主に雇用される労働者の労働契約は合併存続事業主にすべて承継されること、その場合、同意のない労働者は合併存続事業主との労働契約を解除できることとしております。
 会社分割の場合にも、労働契約の承継について本人同意を前提としております。したがって、分割計画書に記載された労働者は労働契約を承継されますが、同意しない労働者の労働契約は承継されません。この点が、政府の労働契約承継法案とは根本的に異なる部分です。当然、承継されないことについても異議申し立て権が保障されていることは言うまでもありません。
 営業譲渡の場合にも、会社分割の場合と同様の権利を確保することとしています。
 そして、労働者の雇用を守り、民法六百二十五条で確保されている本人同意原則を疑問の余地なく明らかにすることができるのであります。
 第四に、これらの企業組織の変更を行おうとする場合には、事業主は労働者に対し、労働契約の承継等必要な事項を通知しなければならないこととしました。
 第五に、企業組織変更後一年間の労働条件の不利益変更を禁止しました。
 第六に、労働協約について、労使の間で承継について合意のあった部分すべて、承継について合意がない場合には企業組織再編後の企業労使においてそれまでの労働協約が締結されたものとみなすことといたしました。
 第七に、企業組織の再編を行おうとするときは、あらかじめ過半数労働組合もしくは過半数代表者との間で事前協議を義務づけております。
 第八に、労働契約及び労働協約の承継、労働条件の不利益変更の制限、その他労働者の権利保護のために労働大臣が指針を定め、労働者保護のために必要な指導助言をできることとしています。
 第九に、本法律またはこれに基づく命令違反の事実があるときには、労働者から都道府県労働局長、労働基準監督署長または労働基準監督官に申告できる旨を定め、本法律の実効性を確保しております。申告したことによる不利益取り扱いの禁止は言うまでもありません。
 以上が法律案の主要な内容です。
 日本共産党は、本法案以外にも解雇規制法案及びサービス残業根絶特別措置法案の二法案を提出しておりますが、本法案とあわせて施行されることになれば、先進諸国と比べ我が国に決定的に欠けている雇用に関するルールが確立し、リストラから雇用を守るだけでなく、雇用の拡大にも資することは間違いありません。
 以上、本法律案の提案理由及び内容につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(吉岡吉典君) 以上で両案の趣旨説明及び会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律案の衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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