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2000/03/09 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第8号
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2000/03/09 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第8号

#1
第147回国会 国民福祉委員会 第8号
平成十二年三月九日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任   
     小宮山洋子君     松崎 俊久君
     直嶋 正行君     柳田  稔君
 三月八日
    辞任         補欠選任   
     森下 博之君     尾辻 秀久君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                田浦  直君
                山崎 正昭君
                勝木 健司君
                山本  保君
                小池  晃君
    委 員
                尾辻 秀久君
                久野 恒一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                水島  裕君
                今井  澄君
                佐藤 泰介君
                松崎 俊久君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                入澤  肇君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
   政務次官
       厚生政務次官   大野由利子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   政府参考人
       法務大臣官房審
       議官       高橋 恒一君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛睦君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       社会保険庁運営
       部長       小島比登志君
       労働省職業安定
       局長       渡邊  信君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇政府参考人の出席要求に関する件
〇国民年金法等の一部を改正する法律案(第百四
 十五回国会内閣提出、第百四十六回国会衆議院
 送付)(継続案件)
〇年金資金運用基金法案(第百四十五回国会内閣
 提出、第百四十六回国会衆議院送付)(継続案
 件)
〇年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関す
 る法律案(第百四十五回国会内閣提出、第百四
 十六回国会衆議院送付)(継続案件)

    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、直嶋正行君及び小宮山洋子君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君及び松崎俊久君が選任されました。
 また、昨八日、森下博之君が委員を辞任され、その補欠として尾辻秀久君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律案、年金資金運用基金法案及び年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省大臣官房審議官高橋恒一君、厚生大臣官房障害保健福祉部長今田寛睦君、厚生省年金局長矢野朝水君、社会保険庁運営部長小島比登志君及び労働省職業安定局長渡邊信君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(狩野安君) 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案、年金資金運用基金法案及び年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○松崎俊久君 昨日、沖縄の女性の年金の問題について共生社会調査会で質問しましたので、若干のダブりを御容赦いただきたいと思います。
 一九七二年に沖縄が復帰いたしました。その二年前の一九七〇年に琉球政府は、本土に倣った独自の年金制度を発足させております。沖縄が復帰以来、日本政府は、年金を本土並みに足並みをそろえるために、三回のいわゆる手当てを行っております。その歴史的な経過と内容について御説明いただきたいと思います。
#7
○政府参考人(矢野朝水君) 沖縄の年金制度は発足が大幅におくれたわけでございまして、そのため累次にわたって特例措置を講じてまいったわけでございます。
 まず、国民年金でございますけれども、復帰時におきまして、本土の老齢年金の受給資格期間を満たすよう、生年月日に応じまして九年から一年の期間をみなし免除期間といたしまして、短期間の加入でも老齢年金を受けられるようにしたわけでございます。このみなし免除期間につきましては、追納を認めることによりまして年金額の増額を図っております。
 それから、昭和六十一年でございますけれども、昭和六十一年の特例措置といたしましては、昭和二十五年四月一日以前に生まれた方につきましては本土並みの加入ができないということで、満額の基礎年金受給ができなかったことに配慮いたしまして、本土と加入可能年数に差がある期間につきまして保険料免除期間とみなし年金の増額を図ったということでございます。さらに、その期間について保険料の追納を認めることによりまして、満額の老齢基礎年金を受けることができるようにしたものでございます。
 続きまして、厚生年金でございますけれども、厚生年金も本土と比べまして制度発足が二十八年おくれたわけでございます。このため、復帰時におきまして、昭和四十五年当時四十一歳以上であった方に対しまして、短期間の加入でも老齢年金を受けられるように受給資格期間の短縮を図るとともに、最低四年加入した場合に二十年分の定額部分を保障するなど、年金額の増額を図ったわけでございます。
 二つ目の措置としましては、平成二年に、本土復帰時に受給資格期間短縮の特例の対象となった方につきまして保険料の特例納付制度を設けまして、報酬比例部分が十五年まで計算されるように配慮いたしたところであります。
 さらに、平成七年には、報酬比例部分につきまして本土並みとなるよう、過去に沖縄に厚生年金がなかった期間分の保険料につきまして、保険料の特例納付制度を認めることとしたものでございます。
 これらの措置を講じましたことによりまして、現在では沖縄の年金水準はほぼ本土並みになっておるわけでございます。
#8
○松崎俊久君 厚生省は、沖縄の県民は本土とまずほとんど並んだという認識に立っておられるようであります。
 しかし、問題がないわけではございません。なぜならば、御存じのように、日本は戦後、一九四七年に平均寿命の点で世界の先進国の中で一番びりというような地点にいました。むしろ短命国家と言われる仲間入りをしていたわけであります。それが、戦後、現在から約二十年前に急速に延びてきた寿命が、ついに世界一と言われるようになりました。
 その世界一と言われる日本の中で、沖縄は戦前から代表的長寿県というふうに言われておりますが、復帰後、統計がはっきりして以来、男は一九八〇年より第一位をキープし、それが一九九〇年に他県に追い抜かれた。ところが、女は一九七五年から終始一貫第一位の長寿を続けております。この問題をきちんと認識しておきませんと、沖縄の年金が完全に平等に本土と並んだとは言い切れません。
 なぜならば、人類の平均寿命というのは集団で見る限り八十五歳で収れんしていく、それ以上恐らく延びないだろう、そこにまとまっていくという、アメリカの有名なフリーズという寿命学者が既に三十年も前にこの問題を提起しております。沖縄の女性は既に平均寿命が八十五というところに来ております。こうなってまいりますと、いわゆる寿命の点では他県が沖縄にだんだん追いつきながら八十五歳に収れんしていくというようなことになるわけです。
 その中で、いわゆる受給年齢、今回の改正の中にある問題点として、女性の六十五歳の受給年齢をもしも六十歳に繰り上げた場合に四二%の年金支給がカットされる、しかし今これを補正すれば何か三五%になると言われております。これは、昭和三十六年、一九六一年の生命表に基づいた計算であります。この一九六一年の生命表に基づいた計算というものは何年に厚生省で計算をなさった結果なのでしょうか。この三十六年の平均寿命を取り入れられた計算の根拠、それは平成何年に行われたのでしょうか。
#9
○政府参考人(矢野朝水君) この減額率につきましては国民年金制度が発足するときに決められたものでございますけれども、その根拠になりましたのは昭和三十年の生命表でございます。
#10
○松崎俊久君 昭和三十年の生命表で計算されているわけですが、当時、沖縄は占領下ですから満足な統計を持っておりません。とにかく、沖縄が本土を超えた長寿を既に達成した状態で日本へ復帰してきたわけでありますが、俗に言われます空洞化という問題は沖縄では極めて深刻だと言われております。なぜならば、沖縄県民の保険料の免除率、未加入率、未納率は日本一高い。一説によりますと、一九九八年では八〇%を超えるというふうに言われております。
 この沖縄県民の免除率、未加入率、未納率、これに関して厚生省がつかんでおられます具体的な数字をお知らせいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(小島比登志君) お尋ねの沖縄県の免除率、未加入率でございますが、沖縄県の公的年金加入者数は六十六万三千人ということになっておりまして、そのうち未納者数の方が二万七千人、一号未加入者の方が一万三千人ということになっております。
#12
○松崎俊久君 今、私の要請したのは、免除率が何%か、未加入率が何%か、未納率が何%かという具体的な数字をお願いしているわけですから、お答えください。
#13
○政府参考人(小島比登志君) 沖縄県の場合には、一号の未加入者の率は一・九%ということでございます。それから、一号被保険者のうちの未納者の率は四・〇%。一号被保険者だけですと、六・〇%が未加入者と未納者を合わせた数ということになっております。
#14
○松崎俊久君 一号の問題にだけ触れられたようですが、一九九五年では免除率は全国一七・六%に対し沖縄は四〇・八%、そして未加入率は一三・一%、未納率一〇・三%という数字が統計として出ております。このように沖縄の免除率、未納率は極めて高く、また徴収も大変なんだろうと思います。このままでいきますと、幾ら形の上では本土並みとはいっても、沖縄県民の年金というのは無年金者が大量にふえる危険性、同時に、フルにはもらえない、大分カットされてしかもらえないというような結果が起こるだろうことは、当然この数字を見ただけでもわかります。
 おまけに、沖縄には悪い条件がそのほかに大量にそろっております。まず、厚生年金の受給者の問題にしてみれば、県民全体の問題としてまず低所得という問題があります。ですから、当然これは、低所得は低賃金の問題と一緒になりまして、厚生年金受給者のいわゆる比例部分がかなりカットされてしかもらえない。
 ちなみに、低賃金の実態を言いますと、五人以上の従業員を抱えている企業では、全国を一〇〇の賃金とした場合、沖縄は七九・六、その沖縄の男性を一〇〇とした場合、沖縄の女性は六四%。これをもう少し大きな企業にした場合、三十人以上の従業員では、全国を一〇〇とした場合の沖縄の勤労者の賃金は八四・八、それを男を一〇〇とした場合に女は六七%と、とてつもない低賃金であります。
 おまけに、失業率は本土の常に倍と八%を割ることなく、一時は九・三%まで参りましたが、失業者が多い。失業者が多いということは、リストラの場合、当然女性が一番最初にねらわれますから、沖縄の女性の場合にはすぐに年金の切りかえという問題が出てまいります。ところが、ここで登録などの手続その他で大量に落ちていく人たち、ドロップアウトする人がかなりおります。
 おまけに、先ほども申し上げたように、沖縄の女性は、一番寿命の短い青森県とか大阪府とかに比べますと三歳も寿命が長いわけであります。おまけに離婚率に至っては本土の一・三倍、日本一の離婚率と。離婚率が何も自慢になるわけではないでしょうが、とにかくひとり暮らしの女性がたくさんいる。そして、離婚率はまさにもうヨーロッパ並みというレベルまで来ております。
 さらに、島が二百近くあるわけですから、この中での徴収という問題は大変な問題であります。そういう中で、年金の知識すらない状態の県民が離島にはたくさんおります。このような人たちが皆、無年金あるいは年金を大分カットされた状態で受給者という年齢になっていくわけであります。
 こういう問題は、沖縄で単に形がもう本土並みに整ったし安心だという状態ではないことを今申し上げた理由が説明していると思います。この沖縄に対する具体的な対策というものを厚生省はどのようにお考えになっているか、伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど年金局長から御答弁を申し上げたわけでございますが、沖縄が大変厳しい環境下に置かれておった、こういうことを十分に考慮に入れまして、これまで追納を認めるとか、あるいは保険料の免除措置の期間の特例であるとか、さらに受給資格の短縮など、沖縄県につきましては特例措置としてさまざまな措置を講じてまいったところでございます。
 今回の改正案というのは、あくまでも将来世代の過重な負担というものを防ぐとともに将来にわたって確実な給付をお約束する、こういう考え方に立っておるわけでございまして、制度全般の見直しを行う中において、年金を将来にわたって安心して信頼できるものにする、こういうことが最大のねらいでございます。
 そういう中におきまして、先生御指摘のような、沖縄県だけに着目しているわけではございませんけれども、今回の改正におきましては、いわゆる半額免除制度であるとか、あるいは学生が社会人になってから保険料を追納できる仕組みを導入する、こういうことであるとか、それからしばしば御指摘されておりますけれども、国庫負担を三分の一から、附則の部分でございますけれども、安定した財源を確保しながらできるだけ早く二分の一にする。こういう中で、年金制度全体を長期的、安定的、そして国民の皆さん方に信頼されるような制度の確立を目指しているところでございます。
 先生の御指摘の中で、沖縄県については離島などにおいてまだまだ年金そのものに対する知識というものが非常に希薄である、こういうような御指摘がございました。沖縄県におきましては、大都市圏と同様にテレビのスポットの放映をふやしていくとか、あるいは路線バスが中心であると聞いておるわけでございますけれども、ポスターを掲示するなど沖縄県民に対します年金制度に対する周知徹底を重点的に行いまして、沖縄県民の皆さん方の年金に対する関心、さらに加入促進に努めてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
#16
○松崎俊久君 努力されることは結構でありますが、とにかく離島の住民たちに対する周知徹底は特に力を入れてやっていただきたい、このままでは相当な無年金者が出ることだけは確実でありますので。
 今回の大きな改正に対しまして、私たちは、既に同僚議員がこの改正に関する反対意見をさまざまな点で展開済みでありますので、あえてここで再び繰り返すまでもないとは思いますが、とにかく一番の問題点は、沖縄のように恵まれないところから見た場合に大事なことは、まず雇用の問題であります。
 六十五歳までの雇用を確立していくこと、それを保障していくこと、いわゆる年金受給者との接続の問題。これが行われませんと、特に女性の場合は深刻です。離婚率が日本一高いことや、男性に比べて数段低い賃金、そして高い失業率、しかも定年制の問題ということになりますと、沖縄の女性は生活が苦しくて六十歳で受給するという形にどうしてもならざるを得ません。
 ただでさえ低い生活水準、賃金、そして年金はさらにカットされた状態で受給するというような問題、これに対しましての見解を伺いたいと思います。
#17
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来、先生が御指摘していらっしゃる問題といたしましていわゆる基礎年金の繰り上げ減額率の問題、これと、沖縄県におきます女性の皆さん方が大変長生きなさる一方で非常に雇用の機会に恵まれない、こういうような御指摘で、この減額率についての御指摘だと認識をいたしておるような次第でございます。
 先ほど局長の方からも御答弁申し上げましたように、昭和三十六年の制度発足当時の生命表をもとにいたしまして、六十歳の方々に対する繰り上げ支給の場合で四二%を減額する、こういうことになっておるわけでございます。
 確かに、制度発足当時に比べますと平均寿命が延びていることも事実でございます。昭和三十六年当時の平均寿命は、男性が六十三・六〇歳、女性が六十七・七五歳でございましたけれども、平成十年では、男性は七十七・一六歳、それから女性も八十四・〇一歳。
 私も沖縄にお邪魔をいたしまして、女性の皆さん方、男性の皆さん方も全国でたしか三番目ぐらいですかということで、食生活の話であるとかさまざまお聞きをいたしましたけれども、いずれにいたしましても、沖縄県のみならず全般的に大変平均寿命が延びておるということは大変喜ばしいことでございます。そういうことを十分に配慮しながら、実はさきの臨時国会におきます衆議院の厚生委員会におきまして、新たに年金を受け始める方につきましては平成十三年度から見直す方向で早急に検討をしたい、このように私自身が御答弁を申し上げたわけでございます。
 いずれにいたしましても、十分に精査をいたしまして、今申し上げましたことを踏まえましてできるだけ早く結論を出したい、このように考えているような次第でございます。
#18
○松崎俊久君 今のお答えでは、私は沖縄の離島の問題あるいは女性の問題が解決するとは考えていません。
 とにかく、千円の保険料を徴収するのに本土でも百円の経費が必要であり、多くの未納者に対する対策としては膨大な事務費がかかっているわけであります。この膨大な事務費は、沖縄の離島のことや、あるいは長崎県、鹿児島県なども同じような問題を抱えていると思いますが、幾ら人口希薄とはいえ、こういうところの例を見ても、膨大な人件費、徴収費というものをあえてこのまま続けていくことは大変なむだでもあり、非効率的でもあります。
 そういう意味で、既に民主党はこの保険という問題、保険に依存する形で基礎年金を考えるのではなく、いわゆる目的税化した消費税を基礎にした置きかえというものを主張しております。やはり、きちんとした安心のできる保障というものを得るには税方式に立たなければならないと思います。
 そういう意味で、与党の中でも自由党は、考えの基礎は若干違いますが、消費税を基本とした税金で置きかえていくということ。これは、空洞化の激しい沖縄のような状況を見ていけば、さらに不況が進行し未納率が高くなっていく危険性を考えたならば、やはり国税化しなければ基礎年金というものはもうもっていけないし、危ないだろうというふうに思われます。
 この点に対して、切りかえるという意思はいかがでしょうか。大臣、いかにお考えでしょうか。
#19
○国務大臣(丹羽雄哉君) 確かに、御指摘になったような年金の空洞化の問題が大変大きな課題になっていることは事実でございます。
 そこで、私どもは保険料を納めやすいような環境づくりといたしまして、先ほど申し上げたような半額免除制度であるとか、あるいは学生の追納制度、こういうことを申し上げましたけれども、今、委員から御指摘のありましたような、例えば離島などにおいても具体的にどうするのか、こういうことでございますので、口座振替の推進など、あるいは文書であるとか電話であるとか戸別訪問などによって納付督励の強化というものを進めていきたいと思っております。
 それから、空洞化するから現在の社会保険方式よりは税方式の方がよろしいのではないか、こういう御指摘でございます。
 確かに、税方式になりますれば、これは国民にひとしく年金が支給されるわけでございますので、それは間違いなく空洞化が起こるということはあり得ないわけでございますけれども、私は、だからといって社会保険方式というものから税方式という考え方については、いささか率直に申し上げて疑問を持っておるような次第でございます。
 この問題につきましては、今回の改正案の中におきましても「給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成十六年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合」を二分の一に引き上げる、こういうような附則が設けられておるわけでございます。その中の特に「財政方式を含めて」ということが問題で、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、平成十六年までの間にこの問題について一つの結論といいますか方向性というものを見出していかなければならない、こう考えておるわけでございます。
 私は、かねがね申し上げておりますけれども、これは年金に限らず我が国の社会保障制度、医療であるとか、そして間もなくスタートいたします介護保険制度、これは要するに負担と給付の関係というものを明確にしていかなければならない、特に少子高齢化というものが進んでまいりまして、若年世代の皆さん方のいわゆる社会的な連帯、こういうようなこともお願いをしていかなければならない、こういうことを考えておるわけでございます。
 そして、我が国の社会保険方式、ドイツで介護保険の話をしましたときに、私の方から国庫負担が日本の場合には介護だけではなくてすべてに、社会保険方式と申し上げても国を初めとする公費というものが納められているということを申し上げたら、それは純粋な社会保険方式じゃないんじゃないか、こういうような御指摘を受けたわけでございます。しかし、私どもは、これは国民の間に定着をしておるということでありまして、いわば日本型の社会保険方式と申しますか、このことが私は今日のいわゆる高い給付水準というものを維持できる、こう考えておるわけでございます。
 私個人といたしましては、社会保険方式というものが最も現実的であり、これからの少子高齢化社会にも、話が脱線して恐縮でございますけれども、欧米並みに例えば消費税を、ドイツが一六%、デンマークが二五%、こういうことでございますし、こういうような考え方があれば、もし国民の間で容認できればそういうことも可能であると思いますが、現実問題として三分の一から二分の一に引き上げるにも二・二兆円もかかるということをどうやってやっていくか、大変頭の痛い問題でございます。
 現実問題としては、現時点においてはあくまでも社会保険方式というもので国民の皆さん方の御理解をいただかなければならない。しかし、先ほどから申し上げましたように、与党間の合意の中でそういうような事実があることも紛れもない事実でございます。
#20
○松崎俊久君 終わります。
#21
○佐藤泰介君 民主党の佐藤泰介でございます。
 私は、今回新しく提案されました年金資金運用基金法案と、それに引き継がれる年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案に絞って質問をさせていただきます。
 まず、グリーンピア事業についてでございます。大変素朴な質問をさせていただきますけれども、今回撤退されるということですが、グリーンピア事業をなぜ撤退されるのか、最初にこの点について大臣に伺いたいと思います。
#22
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは、年金福祉事業団の中で加入者に対する大変重要な還元事業の一つとしてスタートしたわけでございます。既に三千五百万人の方々がこの大規模保養基地を御利用なさっておるわけでございますけれども、近年、このようなものが民間施設などで大変ふえてまいりまして、そういうものと競合するのではないか、こういうような御指摘がございまして、そういったような観点から、今、少子高齢化社会を迎えて年金の保険給付の還元にできるだけ絞っていこう、こういう大きな流れの中で今回のグリーンピアの撤退というものを決めたものでございます。
#23
○佐藤泰介君 今、大きな流れの中で、民間でできる事業だというような御答弁だったと思いますけれども、グリーンピアがいろいろ取り上げられるようになって、私も一度見ておこうということで、昨年初めてグリーンピア恵那に行って、その様子を見てまいりました。確かに利用率も低いし、状況を見た限りでは私は撤退した方がいいのではないか、このようにも思いました。
 しかし、なぜグリーンピア事業を構想したのか、当時の厚生大臣の談話の要旨や設置目的を読んでみました。そこには今でも通用する崇高な理念が述べられております。そして、その理念に私も感動しました。これは単なるレジャーランドではないし、あるいは公的施設でもない、本当にこれが民間でできるんだろうかというようなことも思いました。
 確かに、経済的なことを考えれば、今、大臣が言われたような部分はあると思います。問題は、私はグリーンピア恵那しか見ていませんけれども、グリーンピア恵那に関しては当初の理念、構想が生かされた保養基地とはなっていない、ここに私は問題があったんではないかというふうに思うわけですけれども、大臣、どうでしょうか。
#24
○国務大臣(丹羽雄哉君) グリーンピアの構想が打ち出された経緯というのは、私が承知している段階では、経済成長はこれからますます伸びていくだろう、こういう大前提がたしかあったと思います。そういう中において、いわゆる国民の皆さん方の余暇の時間をいかにして活用するか、こういうような最大の問題があったと思います。
 そういう中で大変スケールの大きい構想が打ち出されたことは事実でございますが、反省を踏まえて申し上げますならば、あれだけスケールの大きいことを一つ一つ考えてやってみますと、現実問題として、予定されていた例えば土地の部分であるとかこういうものが必ずしも十分に加入者の皆さん方に還元されていたかどうかということも一方では反省としてあるのではないか、このように考えているような次第でございます。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような事情で、その理念それから目的とするところは大変すばらしいことでございますけれども、こういったような経済情勢、そして社会の変化に伴いまして、これからこういうものを年金福祉事業団そのものが経営していくということは、あるいはそれを実際に行っておりますのは県とかそういうところ、違った形で行っておりますけれども、なかなか難しいし、やはり先ほどから申し上げましたような年金の問題に力点を置いていくべきではないか、こういった考え方に立つものでございます。
#25
○佐藤泰介君 今、大臣が言われたように、当初の保養基地整備計画を見ますと、これは多分厚生省が出されたものだと思いますけれども、老人問題。矢印で健康保険、勤労、教養文化、住居、コミュニケーション。居住者施設として、健康増進センター(理学療法施設、サナトリウム、リハビリテーション施設)、牧場・酪農工場、農園・盆栽園、果樹園・養魚場、あるいは医療管理センター、屋外・屋内体育施設、四季の森、湖畔公園、多目的広場。非居住者施設として、ホテル、別荘マンション、コテージ、キャンプ場、そして老人の生きがいというような大構想だったわけでございます。
 それがこういう経済状況の中でだめになっていったということでございますけれども、経済的な効率を追っていくのはやっぱり民間だろうと思います。と同時に、そうした高齢者問題、老人の生きがいというようなことを考えていく事業はやはり国が中心となって進めていく。しかし、経済的にそういう状況でこういう計画が達成できなかった、そういう部分の反省がやっぱり前面にまずあるべきであるというふうに思います。
 昭和五十九年からこの大規模保養基地についてのさまざまな閣議決定がなされてまいりました。五十九年一月には新設は行わない、五十九年十二月にはこれが六十年度には新設しない、平成七年には地元の意向を踏まえつつ県に運営委託をしていく、そして平成九年には大規模保養基地業務から撤退をしていくというような閣議決定がされていったわけです。
 とすると、当初のこの計画、グリーンピアが全国で十三カ所つくられていったわけでございますけれども、私はグリーンピア恵那しか見ていないので、こういう構想が現実に達成されたグリーンピアは一カ所でもあるんでしょうか。
#26
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私自身、十分にその十三カ所のグリーンピアについて承知をいたしておるわけでございません。しかし、そういう中において、一部の地域においてはほぼそれに近い形で実現をされておるということでありまして、数多くの年金加入者が御利用なさった、先ほど申し上げましたように三千五百万人以上の方々がこのグリーンピアを何らかの形で御利用なさったと、こういった側面があるわけでございます。
 先ほどから申し上げておりますように、率直に申し上げて、こういうような経済情勢であるとか、それから各地域において民間施設がさまざまな形で各地区において、ちょっと話は変わりますけれども、例えば東京のディズニーランドから始まって、長崎のハウステンボスであるとか、こういったさまざまな国民のニーズに十分に対応できるような施設が次々に、宮崎においてもあるようで、これも経営が非常に厳しいという問題があるようですけれども、こういう中において私どもが当初考えておりましたような理想とするものが十分にこれから果たしてやっていけるかどうか、こういったような問題もございますし、また経済状況の変化、こういったような観点からこのような措置をとらせていただいたと、こういうような経緯でございます。
#27
○佐藤泰介君 経済状況で、反省もしているという答弁がございましたけれども、ハウステンボスとグリーンピアとはちょっと比べ物にはならないのではないか。ハウステンボスの場合は相当な個人の費用もかかるわけで、それとグリーンピアと一緒に論じられるとすると、これは高齢者の生きがい施設として、あるいは勤労者が使うものなので、ハウステンボスと一緒に論じられるということは私ちょっと理解できないんですけれども。
#28
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私が申し上げましたことは、私は国会議員を始めましてもうかれこれ二十年近くになります。そういう中で、例えば労働時間を当初四十八時間から四十時間、こういうことを打ち出しましたのがもう十数年前であります。そのときに何が必要かということを申し上げましたのは、要するにこれからは一度限りの人生において、働くときは一生懸命働くけれども余暇の時間というものは増大してくるんだと。こういう余暇の時間をいかにして国民の皆さん方が有効に使うか。こういう中で、今申し上げたような施設であるとかさまざまな形の、それぞれの国民のニーズに応じたものがこれからますます栄えていくのではないか、こういう例として申し上げたわけでございます。要は、あくまでも余暇の時間を充実して、そして国民の皆さん方が求めていく、こういう観点から申し上げたと、こういうことでございます。
 また、それぞれの、私も幾つか知っておりますけれども、スケールは全然問題になりませんけれども、民間施設においてもこのようなさまざまな形で、いわゆるテニス場をつくったりあるいはゴルフ施設をつくったり、同時に温泉の施設を併設したり、それからトレーニングジムがあったり、こういうものが民間の施設においてどんどん進出しているということも事実でございます。
 こういうことを勘案しまして、私どもの基本的な、行政改革と申しますか全体的な、そして同時に規制緩和、そういう中においていわゆる官の役割といいますか、そういうものはあくまでも民が十分にできない部分といいますか足りない部分について官が補っていこうではないか、こういうような位置づけをさせていただいた、こういうこともありまして先ほどから申し上げているような措置をとらせていただいた、こういうことでございます。
#29
○佐藤泰介君 これはこの辺でやめますけれども、私は、やはり当初の構想に立ち返る、それが官の補っていく部分ではないかなと、グリーンピアを見てそう思いました。確かに、高齢者の生きがいを見つけていくようなそうした大規模な保養基地というのはやっぱり経済性の追求だけではできないんではないか思いますが、そんなことをちょっと申し添えながら、しかし当初の構想が経済状況でできなかったということの反省も大臣が述べられましたので、次の質問に移ります。
 そういうこともあって、現在各施設の運営を委託している県等にこれの売却交渉をしていると聞いておりますけれども、現在売却に応じた県等は出てきているんでしょうか、あるいは交渉はどの程度進んでいるんでしょうか。
#30
○国務大臣(丹羽雄哉君) これはなかなか大規模でございます。これを今後とも地域住民の皆さん方あるいは国民の皆さん方、当然のことながら年金の加入者の方々も含めまして全般的に御利用していただく、この趣旨は生かしていきたい、こういうことで、今、関係自治体のところにいろいろお願いをいたしておりますが、現時点ではなかなか譲渡の引き受けというのは難しいというのが大勢でございます。
 いずれにいたしましても、今交渉中でございますし、最終段階に向けましてさらに地元の関係団体ともいろいろ協議をしていきたい、このように考えているような次第でございます。
#31
○佐藤泰介君 精力的に交渉を進めていくということでございますけれども、これまでの交渉の障害になっている問題点は何だと考えられておみえになりますか。
 この間の経過で、年福事業団の土地と施設を提供し、施設修繕費や固定資産税などは年福事業団が負担することになり、運営を支えてきたので、そのすべての経費を負担した上、買い取りを県等に依頼しても、仮に黒字のグリーンピアでも、運営の部分ですけれども、地方自治体の財政状況の悪化では引き受けられないと判断するのですが、私は、そういうのが障害になっているのではないか、それでなかなか進まないのではないかというふうに思いますが、その辺はどのようにお考えでございましょうか。
#32
○国務大臣(丹羽雄哉君) 地元の、いわゆる道県でございますけれども、古いことで恐縮でございますけれども、昨年三月の中間回答では、譲渡の引き受けが難しい理由として、今、委員が御指摘のように、自治体の財政状況が大変厳しいので、自治体としても行財政改革に取り組んでいるから、なかなか引き受ける根拠であるとか財源の面でさまざまな障害がある、こういうことが内容の中心になっているところでございます。
 先ほど申し上げましたけれども、私どもはあくまでも地方自治体にグリーンピアについて引き受けていただきたいということで最善の努力をいたしておりますけれども、自治体の引き受けが最終的に難しいところにつきましては、例えば福祉であるとか、あるいは教育など学校ですね、こういったようないわゆる公的団体にまず第一義的といいますか第二義的になりますか、いわゆる自治体、それからそういうような福祉や教育団体、そしてまたさらには、場合によっては民間企業まで譲渡の対象を広げていきまして、いずれにいたしましても、その後もきちんと運営をしていただけるに信頼に値するようなところにお願いをしていきたい、このように考えているような次第であります。
#33
○佐藤泰介君 民間はともかくとして、まず自治体、その次に福祉、教育。この教育というのは国の教育機関でしょうか。
#34
○国務大臣(丹羽雄哉君) まだ申し上げる段階ではないのでございますが、例えばさまざまな学校法人の中にはこういったものに関心を示す向きがある、こういうことでございます。
#35
○佐藤泰介君 ともかく、自治体が第一義で、だめなら幅を広げていくということですけれども、撤退完了までにかなり私は時間を要するものとなるというふうに今思っています。
 では、時間を要する場合に、事業の運営はどのようにしていくのか。売却できるまでの間の具体的な方針はどう考えてみえるのか。一応、法案の中では十年をめどというようなことになっておりますけれども十年の根拠みたいなもの、その十年の間に大変難しい今の状況が、景気の問題があわせて回復して、その十年というのは可能な期間を設定されてみえるんだろうと思いますが、その辺の根拠というのはどんなものでございますか。
#36
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほどから申し上げておりますように、いずれにいたしましても、今後ともこのグリーンピアをさまざまな方々に御利用していただく、こういう基本方針に変わりはございません。
 その間、当然、率直に申し上げて、反省も含めて、運営方法にいわゆるむだがなかったかどうか、こういったことも十分に検討しながら効率的な運営に努めていきたい。そして、今申し上げたような、経営形態が変わってもこれがきちんと今後とも維持できるような環境を私どもは整えていく責任があると、このように考えているような次第であります。
#37
○佐藤泰介君 そういう状況ですので、売却する場合も、かなり簿価、時価が下がった値段での交渉になっていくんだろうというふうに思いますが、大変難しい状況にあろうというふうに思いますが、その間の具体的な運営の方針というのは、それまではある程度続けられていくということでございますか、売却するまでは。
#38
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど申し上げましたように、これを何か無責任にやめてしまうとかそういうことではなくて、あくまでも効率的に努めながら維持していく、こういうことでございます。
#39
○佐藤泰介君 それでは次の質問に移りますけれども、高知に続いて、岐阜県にある先ほど申し上げたグリーンピア恵那は売却できずに本年四月いっぱいで閉鎖されることが決まったというふうに私は聞いておりますけれども、確かにこの施設は入場者数が伸び悩んで、累積赤字も昨年度末で八千七百万円に達しているそうです。
 撤退するに際して、施設で働いた職員の雇用に不安を招くことがあってはなりません。事業団職員の雇用の確保に最大限配慮して雇用不安を招かないようにすると、特にグリーンピアが問題だということも指摘をされて、この委員会で大臣はそのような答弁をされた、私もそれを聞いているわけでございますけれども、グリーンピア職員の再就職は現在どの程度決定しているのか。四月で閉鎖ですので、今もう三月でございますので、どの程度決定しているのか、お伺いをしたいと思います。
#40
○国務大臣(丹羽雄哉君) 四月に閉鎖されますグリーンピア恵那の問題でございますが、この運営を委託いたしております岐阜県などにおきまして、四月末をもって営業を停止する、こういうことがなされておるわけでございます。
 その際に、委員御指摘のいわゆる従業員の再雇用につきましては、県、市、さらに地元の大変代表的な企業でございます名鉄グループが中心となって全力を挙げる、こういうことをお約束いただいておるわけでございます。これによりまして、三十名の職員が在籍しておりましたけれども、紹介がもう要らないというような方を除きまして、二十三名のうち再就職のめどがついた者が現在十七名、このように聞いておるような次第でございます。
 いずれにいたしましても、引き続き岐阜県などが努力をいたしましてこれらの方々が路頭に迷わないように万全の策を期していく、このように聞いておりますし、私どももそうした方向で御支援を申し上げたいと、このように考えております。
#41
○佐藤泰介君 この三十名というのは正社員。パートは含んでいるんですか、含んでいないんですね。
#42
○国務大臣(丹羽雄哉君) 正社員だけでございまして、パートは含んでおりません。
#43
○佐藤泰介君 パートで働いてみえる方もその地域の方々が中心だろうと思いますので、やっぱりその辺までの配慮も、県任せ、市任せということではなくて、大臣も不安のないようにしていくということをたしか清水委員の質問だったかどこかでお答えになられたわけでございますので、国の方としてもきっちりと県、市と連携をして、そうした正社員、パートの雇用の問題についてもこれから一層の努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、年金の保険料を集めている国民の財産がこのような無残な形で当初のグリーンピア構想が私は失敗したというふうに思いますけれども、そうした責任をどのように感じてみえるのか、このグリーンピアの結果の責任はだれがとるのか、最終的にはやっぱり私は国民にツケが行くのではないか、このように考えるわけでございますけれども、大臣はどうお考えでございますか。
#44
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、前段の委員の御要望としてお聞きいたしましたいわゆるパートの方々でございますけれども、これにつきましても岐阜県当局においては最善の努力をしたいということを申しておりますし、私どももそういった方向で十分に連携をとりながら、先ほども申し上げましたように、こういう方々の雇用の確保のためにも努力をしていきたい、こう思っております。
 それで、では現実問題として損失が生じた場合どうするのか、こういう御指摘でございますけれども、これはいわゆる年金福祉事業団の出資金を減資する、こういう形でこの損失の補てんを埋めたい、このように考えております。
#45
○佐藤泰介君 最後に。では、グリーンピアは、土地の取得、施設の建設に約千九百億円ですか、維持費として一昨年が三十億、昨年は二十億、今後もどれぐらいになるかわかりませんけれども十億から二十億の維持費が出ていくんだろうというふうに思います。このような国民の貴重な財産を、撤退することによってそうした財産を失っていくことは大変私は問題があろうというふうに思いますので、地元の意向等を十分踏まえながら、先ほどは教育施設なり福祉施設という話も出ましたけれども、新たな活用も考えるべきではないかということを最後に申し上げて、時間が参りましたので質問を終わります。
 ありがとうございました。
#46
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。
 私は、最初に大臣に御質問したいと思います。
 年金というのは老後の所得保障が目的だと思います。その給付水準は高齢者の生活を大きく左右しています。年金の政策を考えるに当たっては、高齢者の生活実態を十分に踏まえる必要があると考えます。そこで、日本の高齢者世帯のうちどれぐらいが最低生活を下回る貧困な低所得水準なのかということをまず確認しておきたいと思います。
 その際に、一つの目安になるのは生活保護の水準です。これを基準としますと、年間所得がひとり暮らしで百二十五万円、夫婦で二百万円ぐらいの水準となります。この最低生活費を下回る貧困な高齢世帯は、厚生省の一九九五年の国民生活基礎調査によれば百六十八万世帯で、高齢者の二九・八%、言ってみれば三割に当たります。
 そこで、大臣に質問をしたいのですが、社会保障政策、とりわけ老後の生活保障である年金制度の政策を考えるに当たっては、こういった高齢者の現状、多くの低所得者がおり、そして貧困な世界がある、この実態をよく踏まえる必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
#47
○国務大臣(丹羽雄哉君) 一つは生活保護的な問題でございます。これは私から申し上げるまでもなく、国民の最低限度の生活を保障する制度でありますし、憲法二十五条にこういうことが明記されておるわけでございます。資産、能力、そのほかあらゆるものを活用してもなお最低生活を営めないときに保護を行うものでございまして、生活費に充てる資産も収入もないということが、もう委員十分に御承知のことだと思いますけれども、受給の要件になっております。
 一方で、年金でございますけれども、先ほどから申し上げておるわけでございますが、社会保険方式によりまして、低所得者に限らず全国民に共通する基礎的な需要というものを保障するために設けられたものでございます。
 その水準でございますけれども、高齢者の基礎的な消費などを勘案して設定されたものでございます。具体的には、衣食住ということを中心にいたしまして、そういったものを十分にカバーできるような水準に達しておる、このように考えている次第であります。
#48
○井上美代君 私は、この間の委員会で、最後の一問で基礎年金の問題を取り上げて質問させていただきました。そのときに取り上げましたのは、今回の制度改正では厚生年金の報酬比例部分について六十五歳以降に賃金スライドが事実上廃止されるということ、そして基礎年金についても同じように政策改定が廃止されます。
 政策改定というのは、数年に一度の年金財政の再計算の際に厚生年金の賃金スライドとあわせて実施されてきたものです。基礎年金は、四十年間保険料を納めれば、満期、毎月六万七千十七円という支給があります。基礎年金制度が一九八五年に導入されておりますけれども、それ以後、政策改定は四回行われてきました。
 もし、政策改定がなく物価スライドだけだったらどうなるかというのがこの間の最後の質問でございました。そして、参考人は、六万七千十七円は物価スライドだけであれば五万九千百三十六円となっているということを御答弁されました。そして、これは月々でいいますと約八千円、年額でいきますと十万円近くが減額になるというのがこの間の質問に答弁していただいたことなんです。
 それに引き続きまして、これが出てきたというんでしょうか、基礎年金の政策改定の目標というもの、今回の制度改正ではこの数年に一度受けてきた政策改定を六十五歳以降なくしてしまうということなんですね。
 私は、お年寄りの方が本当に低い年金額の中で、もうつめに火をともすような生活をしている、三食の食事も二食にして生きることで頑張っている、こういう現状を見ているのですけれども、この政策改定の問題に行く前に、月に満額積み上げてきて六万七千十七円にしかならないというこの基礎年金の低い年金額について、一体政策目標、これは何なんだろうかということを参考人にお聞きしたいと思います。
#49
○政府参考人(矢野朝水君) 基礎年金の水準の問題でございますけれども、これは衣食住、すなわち食料、住居、光熱水道、家具、家事用品、被服及び履物、こういった支出を賄うのに足る水準を確保するという基本的な考え方に立っておるわけでございます。
 そして、今回、政策改定を行おうとしているわけでございますけれども、これは平成六年改正以降の消費水準を見ますと、全世帯の消費水準で見ますとほとんど伸びがないわけです。過去五年間の消費水準の伸びというのを見ますと〇・六%ということでございまして、この間の物価上昇率が三・一%でございましたので、消費水準の伸びというのはほとんどない、物価水準を下回っておるということでございます。そういうことから、今回の制度改正におきましては、購買力の維持という観点から、物価の伸びに応じて基礎年金額の政策改定を行おうとしておるわけでございます。
#50
○井上美代君 今、基礎部分になるところが衣食住その他あるわけですけれども、そこを言われました。
 年金額が非常に低いということは、一つには大きな理由としてここのところがあるのではないかというふうに思います。やはり、私たちが生活するには、食べて寝るだけというわけにはいかないと思うんです。老後の基礎的な生活保障というふうになれば、基礎年金の中にやはり保険だとか交通費だとか医療だとかというのも含まれてくる、生きるためにはそういうものも含まれてくるというふうに思います。
 今回、その部分について質問することは時間の関係上できませんけれども、問題は、言ってみれば六万七千十七円というこの現在の水準が、衣食住という厚生省が言うところの生活の基礎的な部分さえもカバーしていないのではないかということを私ははっきりとさせていきたいと思っているんです。
 それで、皆さんのお手元に資料をお出しいたしました。
 一九八五年の政策改定のときは、基準となったのは一九七九年の消費実態調査の六十五歳以上のひとり暮らしで無職の高齢者の消費支出だったということがこの表の一番上でわかると思います。その基礎的な消費支出は四万六百八十五円でした。この四万六百八十五円に一九八〇年から八三年までの消費者物価の上昇率を掛けて、そしてプラスアルファで五万円というのを一九八五年に決めているんです。一九八九年の政策改定も同じようなやり方で、一九八四年の消費実態調査でひとり暮らしの無職の高齢者の基礎的消費支出五万七百二十六円をベースにして五万五千五百円という金額が決まっているというのがこの表でわかると思います。
 ところが、今回、一九九九年の政策改定ですが、最も最近の消費実態調査は一九九四年のものなんです。それによりますと、ひとり暮らしの無職の高齢者、六十五歳以上ですけれども、基礎的な消費支出は七万二千六円になるんです。ところが、今回の六万七千十七円というのは、実は七万二千六円の基礎的な消費支出よりも四千九百八十九円少ない金額が出されているんです。言ってみれば五千円も低いということになります。そういうふうになりましたら、六十五歳以上単身・無業者の基礎的消費支出というのをずっと考慮してきたわけなんですけれども、これでは衣食住、食べて寝るだけのかつかつの生活さえ満たされない金額になっていく。それは、下の棒グラフでも、それからその下の支出のところでもわかるわけなんですけれども、そういうふうになってまいります。
 それで、なぜ八五年の段階から変わってきたのかということを大臣にお聞きしたいんですが、御答弁お願いします。
#51
○政府参考人(矢野朝水君) これは非常に細かな問題、技術的な問題も含んでおりますので私の方から答弁させていただきたいと思います。
 まず、一九八五年に基礎年金制度が設けられまして、そのとき五万円という金額が設定されたというのは御指摘のとおりでございます。ただ、これは、私も当時の記録をいろいろ当たって調べたわけでございますけれども、当時、その五万円を設定するに当たりましては、ここにございますように六十五歳以上単身・無業者の基礎的消費支出、これを勘案したということもこれまた事実でございます。
 ただ、これ以外に、現役の消費生活の実態ですとかその他もろもろの要素を勘案いたしまして、総合的な判断といたしまして五万円という基準を設定した、これが六十年改正の経緯でございます。したがいまして、六十五歳以上単身・無業者の基礎的消費支出、これだけを根拠にして五万円を設定したということではないということはぜひ御理解いただきたいと思います。
 それから、今回、ここの表にもございますように、政策改定の基礎年金六万七千十七円でございますけれども、これは六十五歳以上の単身・無業者の方の基礎的消費支出を下回っておるわけでございます。
 なぜこれを下回っておるかということでございますけれども、確かに六十五歳以上単身者の生活水準というのはここにございますように非常に上がってきております。ただ、これは、それじゃ高齢者だけを見て基礎年金水準を決定すべきかといいますと、やはり現役世代を含めた全世帯の消費支出の伸び、こういったものも考慮すべきじゃないかと。つまり、現役の方の消費生活と高齢者の方の消費生活、このバランスも当然私どもとしては考える必要がある、こう思っておるわけでございます。
 それからもう一つは、六十五歳以上単身・無業者の方の消費支出でございますけれども、先生の資料は平成六年ベースだと思いますが、直近では平成十年ベースで私どもは七万五千四百円と見積もっておりますけれども、この平均値と中央値との間に非常に大きな乖離がございます。平均値は七万五千四百円でございますけれども、中央値は六万三千三百円ということで、大きな乖離がございます。これは一部の高額所得者の方が平均値を押し上げているということでございまして、平均値だけを見るというのはいささかいかがなものか、こう思っておるわけでございます。
 それからもう一つは、六十五歳以上でひとり暮らしの方というのは約一割程度でございます。年金受給者全体という立場から見ますと、ひとり暮らしをモデルにして、それでその水準を決定するというのはいささか問題があるんじゃないかということを考えた次第でございます。
#52
○井上美代君 今言われましたとおりに、計算の仕方が変わってきているんですね。そこははっきりしているんです。そして、現実にはそれが少なくなってきている、だから生活が大変なところにさらに大変になるという内容があるわけです。
 いずれにしても、今説明されたのが理由なんだとは思いますが、大臣、現実的には非常に大変だと思うんです。ここのところをどのようにお考えになりますでしょうか。
#53
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいま局長の方から答弁がございましたけれども、基礎年金の給付につきましては、昭和六十年の導入当時は五万円からスタートいたしまして、その後、消費の伸びであるとか物価の上昇などを踏まえまして、今回は月額六万七千十七円、年間にいたしまして八十万四千二百円といたしたところでございます。
 この基礎年金の水準は夫婦世帯では十三万四千円となるわけでございますし、また高齢夫婦世帯の基礎的な消費支出に、先ほど私は、これはあくまでも衣食住など老後の基礎的な生活部分を賄うんだと、こう申し上げたわけでございますけれども、委員の方から御指摘がございましたような保険、医療関係を含めました金額、これは合わせて大体十三万四千円で賄える水準になっている、このように考えている次第でございます。
 確かにひとり暮らしの方々が、いわゆる夫婦二人で暮らすよりも余計出費がかかるということはこれまでもしばしばよく言われていることでございますけれども、この問題と年金の給付水準というものを結びつけて、ひとり暮らしならば給付水準が高くて、そして二人暮らしの場合にはややそれよりも低くてもいいんじゃないかという考え方は、現実問題としてそういうものが妥当かどうかについて私はいささか疑問に思っております。
#54
○井上美代君 今、大臣もお答えになりましたように、単身と夫婦二人という場合では違ってくるんですけれども、昨年出された厚生省の年金白書のところには、高齢者の無職の夫婦のみの世帯の基礎的な消費支出が一カ月当たり十二万一千四百八円、これを二で割って一人当たりにすると六万七百円だ、だから六万七千円で足りるんだと、こういうふうに計算をされているんですね。
 しかしながら、国民生活基礎調査でも今ひとり暮らしの世帯が一番ふえているんです。これはもう皆様方が現状の生活の中で気づいておられるとおり、ひとり暮らしが一番ふえているんです。だから、そういう意味でも私は、ひとり暮らしの無職の人たちの基礎的な消費支出を勘案していたのを外すということ、ここに大きな問題があるというふうに思うんです。
 そして、それが基礎的な部分もカバーできないようになってきているそういう政策改定。私は、高齢者が基礎的な部分もカバーできない上に今回の政策改定、いわゆる賃金スライドになる部分ですけれども、これを廃止してしまうことになったら、基礎年金であえぎながら暮らしている人たちに二重の過酷な負担を高齢者に課していくということになるのですけれども、大臣、ここはどうしても私は納得がいかないんです。答弁をお願いします。
#55
○政府参考人(矢野朝水君) 先ほど申し上げたことの繰り返しになるわけでございますけれども、今回の六十五歳時点での老齢基礎年金の給付水準につきましては、前回改正以降の全世帯の消費水準の伸び、これを考慮いたしまして、全世帯の消費水準の伸びがほとんどないということで物価スライドに見合う政策改定を行ったということでございます。
 今、先生の御意見の中で賃金スライドを廃止するというお話がございましたけれども、これは、年金を受給し始めて六十五歳以降につきましては物価スライドだけということでございまして、政策改定ということについては従来と同じ考え方に立っているわけでございます。
#56
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは、あくまでも基礎年金というのは個人単位の問題でありまして、合算して先ほどから委員が御指摘のような水準になる。こういうことで、基礎年金、夫と妻に対して今回でそれぞれに六万七千十七円になる。
 それと、この問題と消費の問題、確かに一般的に、私も申し上げたわけでございますが、ひとり暮らしよりは二人暮らしの方が生活にゆとりが出るんじゃないかというふうに言われておりますけれども、年金の給付水準そのものをそこに着目するということについては私はいささか疑問に思っておりますし、そういう制度ではない、こう考えております。
#57
○井上美代君 私は、計算の方法を変えられているというところに納得がいかないでいるわけです。
 そもそもが六十五歳以上の単身・無業者の基礎的な消費支出、これで計算すれば五千円も少なくなくて済むわけでしょう。それは大変なことです、基礎年金をわずかしかもらっていない人たちにとってこのお金というのは。だから、私はどうしても納得いきませんので、今後についてもこの問題については大臣にはっきりしてもらわなければいけないというふうに思います。
 時間が過ぎていきますので、まだ幾つも私は質問をしたいというふうに思っております。次に移ります。
 私は、国民年金の減額率についても質問をしたいと思っております。
 現在、国民年金の減額率というのは、六十歳から受給した場合は四二%です。昨年十一月十九日に我が党の児玉議員が厚生委員会でこの問題について質問をいたしました。大臣は、「できるだけ早く年金審議会にこの問題をかけて、この減額率が適当かどうか結論を出したい、このように考えている」ということを答弁しておられます。
 大臣、具体的にいつ、どのぐらいの割合のものを実施するつもりなのか、答弁をお願いしたいと思います。高齢者はそれを待っています。
#58
○国務大臣(丹羽雄哉君) これは法律事項ではなくて政令事項でございます。先ほども御答弁を申し上げましたように、この減額率は三十六年当時の生命表をもとにいたしておるわけでございます。当時と比べまして明らかに平均寿命が延びていることでございますので、いずれにいたしましても、三十六年当時の現在の四二%というものをこのまま使用していくということは適当に対応しておるとは思っておりません。
 そういう中におきまして、あらあら三五%前後になると思いますが、さらに十分に検討いたしまして、早い機会にこのことにつきまして私どもの考え方をお示しさせていただきたい、このように考えております。
#59
○井上美代君 減額率については、ドイツで一一%です。そして、アメリカでは二〇%、日本では二八%というふうになっております。今、大臣は速やかに検討していきたいということを言われましたけれども、速やかということはいつごろを考えておられるか、ぜひ御答弁ください。
#60
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいまこの委員会で年金法の改正について御審議をいただいておるわけでございますが、もしこの審議の過程でこの法案について御了解をいただければ、その前後には明らかにしなければならない、こう考えております。
#61
○井上美代君 今、法案と引きかえのようなお言葉だったように思いましたけれども、ちょっと違うんじゃないでしょうか。
 私はやはりこの減額率については、生活が大変で早くもらいたいという人たちが非常に私の周りにも多くいらっしゃいますので、急いでこれは検討して減額率を少なくしてほしいというふうに思います。
 次は、障害者の問題です。
 今回の制度改正では、「賃金再評価や政策改定を行わず、物価上昇率に応じた改定のみを行う」と、年金白書にはそういうふうに書いてあるんです。ということは、物価スライドのみにするというのは障害年金といえども例外ではないということがここに示されているというふうに思います。障害基礎年金を受けている百三十万の人たち、この将来が本当に不安になってきているということを感じます。障害者が自立し、そして社会参加していくノーマライゼーションが叫ばれている今日、この基本となる障害者の所得保障は、増額こそあれ減額などということは考えられないです。
 今回の政策改定を廃止することは、政府や厚生省の言われている「老齢年金との均衡に配慮する必要があることから、」と、こういうふうに書いてあるんです。私はこれも納得がいかないんです。こういう理由で障害基礎年金まで物価スライドだけにしていくなどということ、これはもう理由にもなりませんし、人権保障の点からもこれは許されないことだというふうに思うんです。
 先日、私の部屋にも障害者の方が要望書を持ってたくさんおいでになりました。そして、私はその要望書を見たときに、この件についてその要望書になかったんです。あなたたち、このことは知っているんですかというふうに申し上げましたら、そんなことがあるんですか、全く知りませんと、こういうふうに言われたんです。
 国民の皆さんも当事者である障害を持った方々の中でも政策改定を廃止するということを知らないでいらっしゃるということ、このことについて私は非常に国として、国民の知らない中でこういう改悪がやられるということについては、これも許されないことだというふうに思っております。
 その答弁を大臣に求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
#62
○国務大臣(丹羽雄哉君) 障害基礎年金の水準でございますが、これまでも老齢基礎年金とのバランスというものを配慮いたしまして、二級の場合において老齢厚生年金と同額の水準にすると、こういうことでございまして、一級の場合にはその一・二五倍の額を設定している、こういう経緯がございます。諸外国におきましても障害年金の給付水準の設定は老齢年金を基礎としているところでございますし、スライド方式においても老齢年金と同様の扱いをするということは適当と考えています。
 なお、これは年金の世界ではございませんけれども、重度な方々に対しましては、十一年度の四月以降、特別障害手当といたしまして二万六千八百六十円が加算されているところでございます。
#63
○井上美代君 質問を終わります。
#64
○清水澄子君 社会民主党の清水澄子です。
 まず、障害者の無年金対策についてお伺いをしたいと思います。
 現在、各自治体において定例議会で意見書が採択をされている中に、障害者の無年金を解消すべきだということを求めている採択が非常に多くあると聞いておりますけれども、厚生省は意見書採択をしている自治体の数について把握をしていらっしゃるでしょうか。
#65
○政府参考人(矢野朝水君) 無年金障害者の問題につきましては、自治体から数十件、その対応を講ずるようにと、こういう意見書をいただいております。
#66
○清水澄子君 各自治体から決議が来るということは、もう既に、各自治体で障害者の無年金の問題を放置しておけないという状況の中で、自治体が独自にその対策に乗り出しているところが五百四十二カ所もあるわけです。
 このように、地方自治体が無年金の人たちの救済に乗り出しているという状況にもかかわらず、なぜ厚生省はこの障害者無年金の問題、もちろん高齢者の無年金もあるんですが、ここでは特に障害者の無年金について伺いますけれども、なぜ救済措置ができないのか、その理由について明確にお答えいただきたいと思います。
#67
○政府参考人(矢野朝水君) 現在の公的年金制度は、御案内のとおり社会保険方式をとっているわけでございます。制度に加入してその保険料を納めるということが年金受給の要件でございます。
 障害無年金の方は何らかの理由によりまして制度に加入していなかったり、あるいは保険料を納めていなかったという方でございまして、こういった方に年金を支給するということは、これは制度の根幹に触れる問題でございますので、この問題につきましては年金審議会でも御議論いただいたわけですけれども、年金サイドとして対応することは困難だと、こういう御意見もいただいているわけでございまして、なかなかこれは難しい問題だということでございます。
#68
○清水澄子君 おかしいですね。保険料を納めていなかった人には支給することができない、それは制度の根幹にかかわるとおっしゃいましたね。そうすると、この間から問題になっているサラリーマンの妻は一切保険料を納めなくても基礎年金が支給されるというのは、すごく問題が、ちょっとおかしいんじゃないですか。
 今、制度の根幹にかかわる問題だと。障害を受けた人は所得もないし働く機会も少ない。そして、二十歳を超えても年金を掛けていなかったということにおいて、もうずっと一生涯その対象にならない。こういうことを放置しておけるというのは、一切このことについては今度の改正の中では検討されなかったわけですか、してこられなかったわけですか、お伺いします。
#69
○政府参考人(矢野朝水君) この問題につきましては、前回改正時の附帯決議にも触れられておるわけでございまして、今回改正に当たりましても検討課題であったわけでございます。それについては審議会でも御議論いただいたんですけれども、やはり年金サイドとして対応することは困難だということになったわけでございます。
 なお、サラリーマンの妻につきましては、これは強制加入をして、費用負担につきましては夫の属する公的年金制度全体でその費用負担をする、こういう仕組みが明確にされているわけでございまして、障害無年金の方の問題とは別の次元の問題だと考えております。
#70
○清水澄子君 私は、女性の年金のところはまた別の機会にやりますけれども、本当に救済しなければならない障害者の無年金の問題を、そういうふうな一片の答弁で、これはなかなか難しいとか、そういうことで片づけられる問題ではないと思っているわけです。
 例えば、一九九五年に策定されました障害者プランには、この障害者の無年金問題について検討するとはっきり明記されていたわけですね。九五年にそういうふうになっていたわけです。障害者プランはあと二年で終わります。どういうふうに検討されたんでしょうか。そして、なぜ今の改正に当たってこの問題を解決しようと努力をされていないのか、大臣、お答えください。
#71
○国務大臣(丹羽雄哉君) 昭和六十年の改正におきましては、妻の年金の支給といいますか受給権の確立ということをまず第一歩として踏み出したわけでございます。
 それで、先ほどから委員が御指摘の問題でございますが、社会保険方式というものは堅持をする、それと障害との間の矛盾はどうかということでございますけれども、これは夫がその社会保険料を払っているということで、あくまでも世帯の保険料の部分でございます。
 給付の部分と保険料の部分がまだまだきちんと整理されていない嫌いはあるわけでございますけれども、保険料においては、現実問題として、前回以来、女性の議員の皆さん方から御指摘がございました第三号被保険者の問題を絡めまして、一千二百万人もいらっしゃるわけでございますので、こういった問題がまだまだ未解決の問題としてあるわけでございますが、基本的には、障害者の場合には社会保険方式の中においてどうするか、こういう考え方を基本といたしておるわけでございますので、あくまでもそこだけに着目をして、もし仮に年金を払っていらっしゃらないで障害になられた場合、不幸にも障害になられた場合に給付をするということとはちょっと次元が違うと考えているような次第でございます。
#72
○清水澄子君 基礎年金を税方式にすればすべての人たちに年金の最低の権利が保障されるわけですから、私たちは基礎年金を税方式にせよ、そして今回は二分の一国庫負担を実現しなさいと、そのことを絶えず主張してきましたけれども、それもまたなかなか甘い。二〇〇四年までの間に、それも財政が安定したらというお答えですが、ぜひその点でも基礎年金の二分の一税方式実現、そのことを強く要望いたします。
 私は、社会保険方式と障害者の無年金という問題につきましてもぜひ早急に、救済措置はどういう方法があるか、そしてこれらについてもどのように制度を改正、改革すればいいのかということを緊急に検討されることをここで強く要望いたしますが、大臣、それはやるとお答えいただきたいんです。
#73
○国務大臣(丹羽雄哉君) かねてからの大変重要な課題と考えておりますし、この法案の決着がつき次第、当然のことながら年金審議会で大きな課題として、重要な課題として取り上げさせていただきます。
#74
○清水澄子君 引き続いて、今、井上議員も質問しておりましたけれども、障害者の年金受給者、これは国民年金で百三十四万人、厚生年金に三十万六千人ということです。障害者の基礎年金の平均月額というのは、さっきもお話がありましたけれども、一級で八万三千七百七十五円という状況です。特別障害者手当二万六千八百六十円を加えても、障害年金受給者の中の六%ですね、その受給者というのは。
 ですから、障害基礎年金とあわせて、今後やはり障害基礎年金受給額というものを思い切って引き上げる、そういう対策をぜひ私はこの委員会の討論の中から強く要求したいと思いますので、その点もあわせて取り組んでいただくことを要望いたしますが、お返事いただきたいと思います。
#75
○国務大臣(丹羽雄哉君) 障害基礎年金をもっと引き上げろ、こういうような御指摘でございますが、検討をすることにはやぶさかではないわけでございますけれども、現実問題として障害者の問題をどういうふうにするのか。一方で、委員は障害者のこういうような問題については税方式の方がいいんじゃないかと、こういう問題がございます。
 ですから、私どもは、基本的には社会保険方式を堅持しながらも、先ほど申し上げたような、いわゆる手当的なものでどう解決ができるか、こういうことも含めて総合的に検討しなければならない問題だと思っております。
 現時点において、障害者のこれまでの、従来までの一般の基礎年金における二級を中心とするということについては変更する考え方は持っておりません。
#76
○清水澄子君 今、障害者の基礎年金受給額を変更する気はないとおっしゃいましたけれども、やはりこれは私は変更して全体が平等になる必要があると思います。今、障害者の基礎年金受給額は十一万六百三十五円ですから、それで自立はなかなか難しいです。ですから、これは無年金者を含めて本当に再度施策を打ち出すことを求めておきたいと思います。
 次に、年金福祉事業団の問題ですけれども、この福祉事業団の解散に関する法律には三つほど問題があると思います。
 第一は、そこで働く職員の身分保障の問題ですが、これは先日大臣から御答弁いただきましたので、引き続いて新規の事業団で働けるようにするということで、ぜひそれはお願いしたいと思います。
 第二は、事業団で行われてまいりました被保険者、つまり幅広い国民に対する還元融資ですが、それをやめようとしている問題です。特にこの還元融資の中で被保険者住宅資金、これは私はサラリーマンの持ち家取得として欠くことのできない制度だと思っております。そして、ここ数年は不況とリストラで減ってはおりますが、これまで毎年二十万件近く、累計では三百九十万件、二十四兆円のサラリーマンへの住宅資金として融資をされているわけです。こういう融資の制度というのは、やはり被保険者に直接的なメリットを与えるものですし、年金への理解を深めるという効果もあると考えます。
 一方、共済年金等でもこのような組合員向けといいますか被保険者向けの住宅融資をやっているわけですから、こうした中で年金事業団及び改組後の基金が、被保険者への住宅融資を縮小したり廃止するという方向ではなくて、やはり今後も住宅融資については新設される資金運用事業の中の一つとして継承していくことが必要だと。そうしないと、共済の方には住宅融資があるとすれば官民格差がそこに生ずる、私たちの納めた同じ年金の保険料の還元のあり方に不公平を生ずると思いますので、その点についてぜひこれを継承していただきたいと思います。大臣の御答弁を求めます。
#77
○国務大臣(丹羽雄哉君) 年福事業団が解散をして事業から撤退することになりましたけれども、この問題につきまして、被保険者などのニーズが、現に委員が御指摘のように、住宅融資につきましては非常に多いことも現実でございます。そういうことから、別に法律で定めるまでの間、新しい基金において実施することにすると、こういうことにしておるわけでございます。
 この住宅融資事業の期限でございますが、二〇〇九年、次々回の財政再計算の時点で事業の実施状況、まさに委員から今御指摘がございましたようなサラリーマンなどのこの問題に対するニーズ、こういうものを総合的に十分に考慮して判断をしたい、こう考えているような次第でございます。
 いずれにいたしましても、被保険者であるとか関係者の皆さん方にこれによって悪い影響が出ないように最大限配慮していきたい、このように考えております。
#78
○清水澄子君 ぜひその点よろしくお願いいたします。
 次に、年金資金の自主運用についてですが、きょうは時間がもうありませんから全体の百四十兆円もの予算ということについてはまた次の機会にいたしますが、今までの財政投融資の使い方というものは、非常に旧態依然たる公共事業とか腐敗した政権への資金提供、疑惑の多い国際協力などに極めて利権的に割り当てられてきた経過があります。ですから、今までの財政投融資を通してのあり方には非常に問題があると思っておりますので、今回のように財政投融資の抜本的見直しという点において年金資金の引き揚げには賛成であるわけです。
 しかし、これにかわって今からやろうとしている厚生大臣の自主運用の内容についてなんですけれども、国の方針では何か非常に不安です。極めて投機的に用いられる可能性が強いのではないか。そういうことになると、最終的には国民から集めた年金資金に大きな欠損をつくってしまうという危惧もないわけではありません。やはり厚生省は、これは絶対に元本を割らない、そしてそれだけではなくて、もっと運用益を上げるということについてはさまざまな角度から検討されるべきですし、ぜひ投機的にならないように、安全確実な運用を目指すということで、私は現在の原案よりさらに強い歯どめをかけるべきだと思いますが、お考えはいかがでございましょうか。
 もう一つ、一緒に二つ答えてください。
 そして、この運用にはもっと被保険者を参加させるということが非常に大事ではないかと思うわけです。本当は保険料を払っている者が全然意見を反映できないというこれまでの資金の運用のあり方に問題があると思いますので、被保険者が十分意見を反映させることのできるシステムをつくっていくべきだと思います。
 ここで投資理事会というのも書かれているわけですけれども、何かそこには専門家ということのみが強調されているわけですけれども、専門家は必ずしも十分ではありません。今までのバブルが崩壊をしたのを見ても、みんな専門家がおやりになったわけでございますから、そういう意味では投資理事会にも被保険者の代表の参加を重視する、そしてもっと透明性を明確にして確保していくということを強く要望いたしますが、大臣のお言葉をいただいて終わりたいと思います。
#79
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、安全な運用を心がけろ、こういうことでございます。公的年金の積立金の運用は当然のことながら安全確実性に十分に配慮しなければならないわけでございますが、御案内のように、今回の財投改革後に発行されます例えば財投債を買うにいたしましても、どうしても自主運用というのはリスクを伴うものでございます。
 私どもは、十分にこの安全性のリスクというものを低下させるためにどうしたらいいかということで、研究会をこれまでもしばしば開いております。そういう中において、例えば国内の株式を一割程度に抑えるとか、それからこれまでと違って長期的なタームで問題を考える、そして何よりも、先ほどから申し上げているような資産形成というものを分散することによって安全性というものが確保される、このように確信をいたしておるような次第でございます。
 それから、もう一つの点でございますけれども、要するに十分に年金加入者の意見を聞いていくべきだ、こういうことでございます。運用の目標であるとか年金資産の構成割合など、最も重要な内容を決める運用の基本方針の策定につきましては、社会保障審議会の意見を聞きまして策定することにいたしておりますし、この審議会には金融の専門家のほかに年金の加入者を迎える方向で検討いたしております。
#80
○清水澄子君 終わります。
#81
○堂本暁子君 私も座ったまま伺いますので、大臣もどうぞおかけになったままでお答えください。
 ここに、男女共同参画二〇〇〇年プランというのがございます。これは内閣総理大臣が本部長で、あと各大臣がメンバーである男女共同参画推進本部が決定したプランですけれども、これは二〇〇〇年までに国内で実行に移す行動計画です。その中に、税制のことも書いてございますが、一番年金と関係のある部分は、「個人のライフスタイルの選択に中立的な社会制度の検討」という項目があります。これは先日来るる伺っております、女性にとって必ずしも今の制度が中立的ではないという視点からここに書かれているのだというふうに思います。
 読んでみますと、「税制、社会保障制度、賃金制度等、女性の就業を始めとするライフスタイルの選択に大きなかかわりを持つ諸制度・慣行について、様々な世帯形態間の公平性や諸外国の動向等にも配慮しつつ、個人のライフスタイルの選択に対する中立性等の観点から総合的に検討する。」ということが書かれています。
 これは平成八年十二月に決定されたものですが、二〇〇〇年、平成十二年度内にこのことを実現するということを目途としています。ことしなんですけれども、そういう観点から申しますと、先日来伺っております女性の三号被保険者の問題というのは、本来ならことし何らかの実行をするなり、あるいは方向を出すべき計画に、この視点からいうとなっているわけです。
 私は、そういう意味で申しますと、先日来、五年後の改正までにとかそういうふうに先延ばしされていることは大変におかしいんではないか、国の方針としてここに、税制もそうですが、社会保障制度を早く二〇〇〇年までにやりなさいと書いてあるわけです。
 それはなぜそういうことになるかといいますと、三カ月後ですが、ことしの六月にニューヨークで、北京からちょうど五年たったところで女性に関する特別総会が開かれる。北京に私どもはみんな参加しましたけれども、そこで日本国も採択した行動綱領をどれだけ具体化したかということの報告が出されるわけです。少なくとも国内的約束でもあるし、国際的約束からいってもこれはもっと早くやるべきではなかったのかという気がいたします。
 今までに余りなされていない以上、十二年度中ということはまだ時間がございますので、一刻も早く女性の年金に関しての問題を、ここに書いてありますように中立的な社会制度、公平性のある制度、個々のライフスタイルの選択できる制度に変えるべきだと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#82
○国務大臣(丹羽雄哉君) 男女共同参画二〇〇〇年プランにございますように、男女共同参画の視点に立って社会制度を男女中立的に機能するよう見直しをするということはここにも書いてございますし、委員の御指摘のとおりだと思います。
 そして、女性の社会進出であるとか、あるいは家族・就労形態の多様化を踏まえまして、年金制度についても、先日来お話を申し上げていますように、検討が必要になっていることは大変重要なことだと認識をいたしておるような次第でございます。現行制度も過去の改正過程の中で真摯な議論が行われてきた中で決められてきたものでございますし、女性の年金権の確立、六十年度はいろいろな議論がございますが第一歩だ、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、女性をめぐる年金権の問題がございまして、ここで申し上げることが適当かどうかわからないのですが、早速私はこの問題に大変関心の深いある有力団体の方に、こういう問題が今提起されていますがどういうふうにお考えになりますかということを聞きましたら、実際問題として非常に難しい問題であるということがございました。
 いずれにいたしましても、御主張は十分に理解できますけれども、男女の差別によるそういうものではなくて、男性の中にも女性の中にもさまざまな議論があって、相当議論を重ねて集約への努力が必要だな、私自身はこのように今のところ認識をいたしておるようなところでございます。
 いずれにいたしましても、前回も申し上げましたけれども、今後、税制の問題、社会保障あるいは年金、こういうような専門家から成る検討の場を設けまして、大変重要な課題でございますので、できるだけ早く結論が出る方向で検討させていただきたいと思っています。
#83
○堂本暁子君 先ほど障害者の問題も出ましたけれども、同じように難しいから、議論が対立しているからといって先送りしていいわけではない。なぜなら、刻々とみんな年をとっていくわけです。六十歳になり六十五歳になるわけです。そのときに、年金額が少ないとか、それからもらえないとか、そういう状況に一人一人の人がなるから、どんなに議論が難しいからといっても、私はそれは理由にならないと思うんです。
 ただ、いつも厚生省の御答弁も大臣の御答弁も、常に難しいから、これは審議会で対立しているからといって、その審議会に出ている何人か、この人数の方のその対立のために日本の人口全部の人たちが一年送られるたびに不合理な不公平を受けるとすれば、やはりそれはどうしてもおかしいんです。ですから、難しいからといって、障害者の問題にしても女性の問題にしても先送りをしていただくことは困るというふうに私は思っております。
 次の質問なんですけれども、前回も伺いましたが、もう一回確認させていただきたいと思いますのは、今、派遣労働ですとかリストラとか、そういったことで就業形態がパートタイムあるいは非正規な雇用者がふえています。女性が中心です。急速にその数はふえていますが、今の年金制度というのは大企業の正規社員及びその家族がモデルになっている。そこが一番優遇されてもいるし、確実に年金がいただける制度になっているわけですが、今この非正規な雇用者の老後が十分に保障される制度に変える必要があると思います。
 具体的には、そういった非正規な雇用者は今の場合には国民年金基金でかろうじて厚生年金のようないわゆる二階部分が適用されるわけですけれども、これには遺族年金もないわけです。ですから、やはり非正規の雇用者であっても厚生年金が適用されるようなことを促進すべきなのではないか、あるいは国民年金の受給額をもっと上げる必要があるのではないかと考えますが、この点についての御所見を伺わせていただきたいと思います。
#84
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員十分に御承知のことと存じますけれども、労働時間の四分の三以下で百三十万円以上の収入の方は第一号でありますし、労働時間が四分の三以上の方は第二号被保険者、こういうような位置づけになっておるわけであります。パートの派遣労働者などの正式な就業者といいますか社員といいますか、そういうのではなくて、厚生年金への適用については常用雇用者をなるべく厚生年金の被保険者とするという基本的な考え方に立って検討していくということがまず大前提になるわけでございます。
 具体的には、女性や高齢者などのパート労働につきましては、現行の厚生年金の適用をまず拡大化することにつきましては幾つかの問題点があると思います。
 一つは、パート労働者や企業の負担がふえることについて、先ほどからそういつまでも議論していても始まらないということでございますけれども、そういっても振り切ってやれることではございませんので、どこまで果たして合意が得られるかという問題。
 それから第二番目といたしまして、労働時間であるとかあるいは賃金額、雇用期間などが大変多様化している中において、いわゆる常用労働者の範囲というものをどういうふうに考えていくのかという問題でございます。
 それから三つ目としては、パート労働者の厚生年金の給付額が増加いたしますと世帯単位の給付額が結果的に増加する、こういうことになるわけでございますから、現行の厚生年金の給付水準を引き下げるなどの給付設計を見直す必要が出てくるのではないか、こういったような課題がございますけれども、いずれにいたしましてもこういった問題も十分に検討していかなければならない、こう考えております。
#85
○堂本暁子君 ありがとうございます。
 質問の三と四を飛ばしまして、最後の質問に入りたいと思いますが、専業主婦の保険料を、今のところは本人が払っていないわけですけれども、これを配偶者が負担する場合どのようになっているか。あるいは、改正をして払い方を変えた場合、幾通りかあると思いますけれども、どのような可能性があるのか。そういった場合には税制などほかの問題と関係なく実際に運用していくことが可能かどうか、そこの点をお伺いします。
#86
○政府参考人(矢野朝水君) 三号制度をやめるという場合には、御本人から保険料をいただくか、あるいは……
#87
○堂本暁子君 質問が違います。そうではなくて、五番目の質問は、今、三号被保険者は保険料を払っていないわけですね。二号被保険者とその企業、事業主が払っていることになっていますが、そうではなくて、いろいろな形でそれを改正していく場合、この間からるる申し上げているように、例えば具体的には本人が払う、あるいは保険を納めている夫が払う、あるいは夫と事業主が払うといったような形、そういう形で、今は、この間一兆六千億を第二号の人が払っているわけです、三号のために。そうではなくて、もう少しそこに不公平性をなくすために払う方式がいろいろ考えられるのではないか。そういった場合、税制と連動しなければならないのか、それとも税制の問題と連動しなくてもそういった改正が可能かどうかということを伺っているわけです。
#88
○国務大臣(丹羽雄哉君) そこまでまだ勉強しておりませんので、今基本的な考え方をここで断定的に申し上げることはいささか控えさせていただきたいと思いますが、基本的にはその問題とは関係のない問題ではないかなと、こう思っております。
#89
○堂本暁子君 先日伺いました、例えば離婚した場合に現在非常に不利益になる、そういった場合に、カナダのケースのように分割をして、そして女性が泣き寝入りをするというようなことのないように、まさに今お隣の西川先生のところに来ている投書にそのとおりの投書がありました。妹が二十五年結婚していたんだけれども、今度離婚するんだけれども、年金はどうなるのかという切実な問題です、一人一人にとっては。これは五年待つといったら、みんな五年間離婚しないで我慢をして、今でも退職金まで我慢をしている女性がいっぱいいる。やはりそれは大変不幸なことなので、そういうことのないようにこれは可及的速やかにそういうことを実行していただきたいのですが、可能でしょうか。
#90
○国務大臣(丹羽雄哉君) 先ほど来申し上げておりますように、さまざまな問題に絡んでおりますけれども、できるだけ早く結論を出して方向性を示さなければならない問題だと、このように認識しております。
#91
○堂本暁子君 大変複雑な問題というふうにおっしゃっているんですけれども、やはり世の中が急速に変わっているわけですね。これだけリストラがあり、失業者があり、そして離婚率がふえている。そういう一方で変わっているのに、制度がそれに対応しないということは、そういった制度と現実の間に落ちている方たちがこういうたくさんのはがきになって、もうほかの政策と年金は全然違うと思います。物すごく切実にみんな考えて、自分は五万円来るのか、それとも八万円来るのかというのは、それから後の人生にとって大変なことだと思います。
 もう一つ伺いたいと思っておりますのは、国民年金の未加入の問題、未加入、未納の解決なんですが、これも大変に女性が多いわけです。今回の改正で本当に信頼を回復することができるのか。そういった意味で、その三分の一に達していると言われる第一号被保険者の国民年金の保険料未納者に、本当にこれを払えばあなたは必ず年金がどういう形にしろ、非常に有利な形でもらえるんだと説得のできるような、そういう制度改正になっているのかどうか。
 今まさにそういったことで悩んでいる多くの女性未納者がいるわけですけれども、大臣はその人たちに、今度の改正の中で未納ではなくて実際にどうやって納入するようにお勧めになるおつもりですか。
#92
○国務大臣(丹羽雄哉君) 未納、未加入の解消のためには、まず国民の皆さん方の年金制度に対する信頼が一番大切だ、こういうことでございます。そういうことで、今回の改正におきまして、将来にわたって過重な負担を防ぐとともに確実な給付を約束する、こういう考え方に立って今回の改正の実現を目指して年金制度の改正案をお願いいたしているところでございます。
 保険料を支払うことの困難な方に対しましては保険料の免除というものが現にございますし、これが行われておるわけでございますが、今回の改正案におきましては、これに加えまして保険料の半額を免除する制度であるとか、あるいは学生が社会人になってから保険料を追納できる仕組み、こういうことで御提案をさせていただいております。
 いずれにいたしましても、先ほど来お話も出ておりますように、国庫負担の三分の一から二分の一というものも大変大きな問題になってくるのではないか。こういうものをあわせまして、加入が促進されて、保険料が納めやすい環境づくりのために今後なお最善の努力を続けていきたいと思っております。
#93
○堂本暁子君 どうも御答弁が現行制度の御説明であったり、それからその三分の一の人たち、その半分は女性でしょうが、そういう人たちに、今度はこう改正するんだから、まあ今回は改正されていないわけですが、近い将来このような不公平はなくすというようなことのお約束は結局いただけなかったように思います。
 ずっと毎回毎回この問題を伺ってきましたけれども、やはりみんなが払いたいという気持ちになるためには、少なくともこの二〇〇〇年プランに沿って今年度内に具体的にどういうことをやるんだというようなことをぜひお答えいただきたかった。今年度内にこういうところを検討して変えますと、せめてそこまでは。聞いてみたけれども難しいからということでは、何としても払おうというようなインセンティブが起きないと思うんです。ですから、そこはどうしても、いや、そこまでやるなら払いましょうというふうに皆さんが思うような御答弁が次回はぜひいただきたいというふうに思います。
 予算委員会のようですので、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#94
○久野恒一君 自由民主党の久野恒一でございます。
 先日来の年金関係法案の審議に参加いたし、また各党の先生方の御意見を大変参考にして聞いておりました。また、参考人の方々の質疑でございますけれども、大変有意義に聞かせていただいたわけでございます。
 ただ、いろいろな考え方はありますけれども、現在の法律がある以上は、そこをうまく接続していかなければならないのじゃないかと私は思っております。今回の年金法改正は現時点では妥当なものであり、この間、指摘された基礎年金の財源の問題、女性の年金の問題などについては、これからよりよい案を協議して次の改正につなげていかなければならないと思っております。
 そこで、私は今後の課題について私なりの考え方を述べ、厚生省の方々にお伺いするわけでございます。
 まず、質問でございます。
 基礎年金の水準でございますけれども、この間論議されましたが、やはり六万七千十七円では私自身は少ないのではないか、そう思うわけでございます。この基礎年金の水準がある程度高ければ、六十歳定年と六十五歳の年金支給開始のギャップがある程度、相当多くの方は何とかしのいでいけるのではないか。後でこれはまた述べますけれども、そういうふうに思うわけでございます。
 ギャップがない方がいいにこしたことはないんですけれども、年金の水準が低いと六十五歳以降の心配をどうしてもせざるを得ないわけでございます。雇用と年金のギャップがより深刻になると思うわけでございますけれども、要するに五年間だけの心配なのか、死ぬまでずっと心配がついて回るのか、その差は大変大きいのではないか、そういうふうに思うわけでございます。
 私は、国庫負担を二分の一にした上で、最低一人十万円ぐらいは必要なのではないかと思うわけでございます。厚生省はいつも夫婦二人で計算しておられますけれども、老後のひとり生活での必要経費を念頭に置くと一体どうなるのか。先ほど来いろいろお話もございましたけれども、ひとり生活の場合の必要経費を想定して、いろんな点を教えていただきたい。
 まず第一問、そういうことでございます。
#95
○政府参考人(矢野朝水君) 基礎年金の水準でございますけれども、これはいろいろな観点から考える必要があると思っておりまして、一つは高齢者の基礎的な消費支出を賄うのに足りるものであるかどうか。あるいは、これは当然負担する方がいらっしゃるから給付ができるわけでございまして、負担能力、負担ということもあわせて考慮しなければいけないと思います。
 一人月額十万円、あるいは六十五歳以上単身・無業の方の消費支出、こういったものを水準とすべきじゃないか、こういうただいまの御指摘でございますけれども、これは確かに六十五歳以上単身・無業の方の基礎的消費支出平均値を見ますと七万五千円程度になっております。そういうことで、これは私どもが今提案している基礎年金の水準六万七千円をかなり上回っておるわけでございます。
 ただ、単身・無業六十五歳以上の方の七万五千円、これを基礎年金の水準にするということにつきましては幾つか大きな問題がある、こう思っております。
 一つは、現役の方の消費水準とのバランスを考える必要があるということでございまして、現在、これはあくまで全体としての数字でございますけれども、一人当たりの消費支出ということを見ますと、実は高齢者の方が現役の方を若干上回っている、こういう状況がございます。こういった現役の方の一人当たりの消費支出とのバランスも必要じゃないか、これが一つ問題としてあるのじゃないかと思います。
 それからまた、六十五歳以上単身・無業の方の基礎的消費支出の平均値は確かに七万五千円でございますけれども、下から順番に並べていきまして中央値を見ますと六万三千円でございます。これは一部の高額所得者の方が平均値を押し上げているということでございまして、こういう点から見るといささか問題があるのじゃないかと思います。
 それからまた、ひとり暮らしの高齢者の方というのは全体の高齢者から見ますと一割程度でございまして、何らかの形で夫婦あるいは家族の方と生活されている高齢者がまだまだ非常に多いわけでございます。
 そういうことで、単身者の方の消費支出をモデルにするにはまだいささか問題があるのじゃないか、こう思っておるわけでございます。
#96
○久野恒一君 私もそこのところをつこうと思ったら先に言われてしまったもので、でもあえて言わせていただきます。
 基礎年金の水準を高くすることは、女性の年金問題もある程度解決できると私は思っております。厚生大臣も年金の個人化に賛成のようでございますので、そのためにも、男性よりも老後の長いひとり暮らしの女性が安心できるように基礎年金の水準を上げなければならないのではないか、そういうふうに思うわけでございます。その結果、遺族年金を廃止することもできるし、例えば専業主婦の場合は扶養控除額がございます。その主婦の年金料として控除された部分を掛け込んではどうかということなどいろいろ工夫があるのではないか、そういうふうな可能性があるのではないかと思うわけでございます。
 もちろん、税制などいろいろ解決すべきことは多々ありますけれども、ことしの年金制度の論議の出発点は、基礎年金の水準についての国民の合意がぜひとも必要なんだと私は思います。それが年金制度への信頼にもつながっていく。
 真剣な御答弁をぜひもう一度お願い申し上げます。
#97
○政府参考人(矢野朝水君) 基礎年金の水準につきましてはいろいろな御議論があるわけでございます。
 私が今御答弁いたしましたのは、単身者の生活費を水準とするということについてはいろいろ問題があるのじゃないか、こういうことを申し上げたわけでございまして、基礎年金水準自体についての見直しということは、これは当然必要なことだと思っております。特に、これは衆議院段階で与党の修正がございまして、附則の規定で基礎年金のあり方については給付水準それから財政方式、こういったものを含めて幅広く検討するということで、給付水準についての検討規定が盛り込まれたわけでございます。
 私どもとしましては、これは特に国庫負担二分の一引き上げということと現実的には絡んでおる問題だと思っておりますし、今後、基礎年金の水準につきましては国庫負担の引き上げ問題と絡めて議論していかなきゃいけない非常に大きな課題だ、そう認識しておるわけでございます。
#98
○久野恒一君 この問題をやると長くなりますので省略させていただきますけれども、私は、年金というのは本来は個人のものであろう、そういうふうに思います。これに対する御答弁は結構でございます。
 年金制度に対する国民の不信感の原因の一つとしては、掛けた保険料が戻ってこないんじゃないか、そういうことも一つはあるのではないか。この考え方にはいろいろな誤解があるにしても、これは十分承知しておりますけれども、それを払拭する努力も必要であると私は思っております。
 しかしながら、所得配分の効果は全国民に共通する基礎年金で行いまして、厚生年金の比例報酬部分の給付はきっちりと反映するべきだ、そういう制度にはっきり読み込んだ方がだれもが納得するのではないか、私はそう思うわけであります。一挙に実現することは、これは困難ではございますけれども、この点も真剣に考えるべきであると私は思います。
 今後の改革の方向性はこうあるべきではないかというものを、その方向性を出していただきたいと思います。
#99
○政府参考人(矢野朝水君) 年金制度のあり方をめぐってはいろいろな御議論があるわけでございます。個別の問題から制度全体にかかわるものまで抜本的な改革を求める声が非常に強いということも十分認識いたしております。
 そういう中で、大きな議論としましては、基礎年金につきまして税方式を導入すべきじゃないか、こういう議論が一つございます。それから、二階部分につきましては、これはもっと保険原理を徹底すべきじゃないか、こういった議論、そういうことから積立方式にすべきじゃないか、こういう議論もございます。それから、積立方式にするのであれば、これは何も国でやる必要はないんじゃないか、だから民間でやってもらったらどうだろうか、こういう民営化論もございます。
 そういうことで、基礎年金あるいは報酬比例部分の年金、これをめぐりましても大きな議論があるわけでございまして、私どもは、今回の改正をまずしっかり仕上げていただく、その上に立って、中長期的に今後どうあるべきかということは、これは大きな中長期的な課題としてさらに引き続き検討する必要がある、こういうことを考えておる次第でございます。
#100
○久野恒一君 私は、一〇〇%税方式というのはいかがなものかなと思うわけでございます。
 と申しますのは、これを一〇〇%税方式にしてしまったらば第一号被保険者でもって働かない方が得だ、掛けない方が得だということになってしまうわけでございます。この前の参考人質疑の中でも神野先生がおっしゃっていたように、やはりある程度は掛けるべきだと私は思うわけでございます。
 そういう意味で、この次は、局長が言われたように税方式がいいのか積立方式がいいのか、それはそれとして、一〇〇%税というのは、私自身個人的には納得がいかないわけでございます。
 そこで、今度はちょっと政策的な提言の質疑になってしまうわけでございますけれども、最初に雇用と年金のギャップについて述べたわけでございますが、このギャップというものはなければいいことは当然でございます。支給年齢の引き上げは二〇一三年から二〇二五年という長期にわたって徐々に実現していくということでありますので、この間に高齢者の雇用問題の解決を図るべきであると私は思います。
 少子高齢化とともに労働人口がシフトしてまいります。既に十五歳以下の人口と六十五歳以上の人口構成はもう六十五歳以上の方が多くなっているわけでございますから、少子高齢化の中では労働人口というのは少しずつ高齢化していくのではないか。そうじゃないと、どうしても若年者が一人の御老人の方を非常に少数で背負うようになりますので、そういう意味でシフトしていくべきだ、そう思うわけでございます。
 どうしても六十歳を過ぎますと、だんだん年をとりますとあちこち痛くなりますし、若いときと違ってパワーもなくなってまいります。しかし、知恵と経験、そういうものは豊富でございますので、そういうところで働く機会もあるのではないか。
 今までの労働省の発想ですと、六十歳前半の人たちが六十五歳まで働けるようにしたらば助成金を出す。そういう発想ではなくて、私は、そういう出ていくものを抑えて、むしろ六十歳以上で働いてくださった方は減税する、所得税はいただかない、そういう発想の方がお互いにいいのではないか。会社側もそれでいいでしょうし、もらう人は減税されるわけですから、結局はそれでありがたいと思うでしょうし、そういう意味では、年金を掛ける人も、また将来もらうときもそれでありがたいんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
 そういうことで、若い人と同じに八時間、週四十時間労働するということではなくて、むしろ生涯現役という意味でもって、高齢者の方もある程度は年金を、六十五歳で一〇〇%年金をいただきながら、そして生きがいとか健康とか、あるいは友人づくりとか、そういうものの中でもっていろいろと生涯現役でもって働く喜び、そういうものをやっていく。そのためには、得た所得、シルバー人材センターやあるいはNPOで働いたそういうお金は無税とする。所得税、例えば百三十万以上取ったとしてもそれは無税とするということにした方が私はいいんじゃないかと。それでもって、年金をいただきながら社会保障費を掛け込んでいく、そうすれば財源が膨らむんじゃないかと、私はそういうふうに思うわけでございます。
 一体、それでは幾らぐらいがよろしいのかというのは、これは議論がいろいろございましょうし、これからディスカッションしていかなければならない問題だと思いますけれども、何としても基礎年金を厚くするためにはそれだけの財源を確保する必要がある、そのためには高齢者といえども社会保険料分ぐらいは共助の精神で払っていただく、そのような雇用体系が必要なのではないかと思うわけでございます。
 そして、残念なことに、大学卒の若い人たちが就職ができない、こういう現状をある程度改善するためには、六十歳過ぎて補助金までつけて働いていただくというよりも、違うところでもって働いていただくような体制づくりというものが私は必要なんではないか、そういうふうに考えるわけでございます。
 これは私の勝手な考え方でございまして、それについて労働省側でどういうお考えをお持ちなのか。六十歳定年を過ぎて働いて、それについては補助もしないけれども税はかけないという考え方、これについてどうお考えなのか、それをお聞きいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#101
○政府参考人(渡邊信君) 私どもも六十歳前半層、特に六十歳から六十五歳までの層の方の雇用の確保ということは大変大きな問題だというふうに考えておりまして、将来におきましては意欲と能力があれば年齢に関係なく働き続けられる社会、エージレスとかエージフリーとか言っておりますが、そういった社会が望ましいというふうに思っておりますが、当面は六十五歳現役ということで今いろいろと施策を進めているところでございます。
 今、先生御指摘の税の問題ですけれども、先ほど御指摘のように現在は助成金等を使いながら高齢者の雇用を進めている現状でございます。この助成金は、雇用保険の特別会計におきまして事業主からのみ徴収しております、いわゆる雇用三事業の会計をもってその助成金の財源にしているわけでございます。これは、高齢者の雇用の進んでいる企業に高齢者の雇用のおくれている企業から助成金を支出するという事業主の共同連帯の姿勢、そういった考え方で雇用保険から奨励金を出すということにしているわけであります。
 これを将来どういった仕組みにするか、税一般の問題にするのかどうか、それは大変それ自体が大きな課題であるというふうに思っておりまして、当面は雇用保険におきます事業主連帯の思想に基づく助成金、こういったことで雇用対策を進めていこうというふうに思っております。
#102
○久野恒一君 もう時間ですから終わりますけれども、ただ一点だけ。
 六十歳過ぎたら事業主が出すというのではなくて、稼いだお金の分の一部を、年金受給者の方もそれ以上に働いていただく、そのような雇用体系をつくっていただいて、働いたものに対して課税をするんじゃなくて、要するに社会保障費プラス小遣い程度の分は働いていただけるような社会づくりということで御了解願いたい、そういうふうに思うわけでございます。
 ありがとうございました。もう時間ですので結構です。
#103
○山本保君 公明党・改革クラブの山本保です。
 大分審議が進んでまいりまして、私もこれまで大臣にいろんな方針をお伺いしたりしたわけですけれども、議論の流れとして、本来あるべき年金の姿といいますか、また中長期的な課題についても話が進んでいるようでありますので、私もきょうはその辺につきまして、少し技術的なことになるかと思いますので、専門的な官僚の方を中心に二点ほどお聞きしたい。時間が二十分しかございませんので、論点整理の意味も込めてちょっとやってみたいと思っておるんです。
 第一問の方は、きょう実は他の先生からもいろいろ出た話であって、やっぱり同じようなことを皆さん考えておられるなと思っていたんですが、私も、繰り返しになるかもしれませんけれども、年金局長にお願いしたいわけでございます。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 それは、この前、参考人の御意見を伺った中に、やはりきょう問題になっております女性の自立といいますか、また、男女同権という言い方は古いかもしれませんので、男女共同参画でございますか、こういう意味合い、ただ先日は年金財政の問題からというような視点も一つあったかとは思ったんですが、女性、今の第三号被保険者ですか、この問題が出ております。私は、この点については専門ではありませんので、ちょっと勉強させていただく意味でお聞きしたいわけでございます。
 単純に考えまして、最近の若い御夫婦などはやはり結婚するときに、それは離婚するということじゃなくして、離婚という言葉も何回も出たわけですが、離婚というようなそんなことを前提としたわけではなくして、夫婦も最後はやはりどちらか片方が一人残るわけでありますし、人間は基本的に考えればひとりなわけですから、御主人しか働かないとしても、そこで得られた収入というのは奥さんと当然半分ずつだよというようなことで、お互い半々でやっていこうというようなことを考えられる若い御夫婦というのは私は当然おられるんじゃないかなという気もするわけです。
 ですから、先日の議論などを見ておりますと、どちらがよろしいかというのは、きょうもありましたが、早くこう直すべきだという議論も当然あるかと思いますけれども、私はその一つ前に、そういうような形でお互い半分ずつ、この前、専門家のお話の中に二分二乗方式という言葉なんでしょうか、ちょっと正確ではないかもしれませんが、例えばそういうようなものを御本人同士が選択すればよろしいというような気もするわけなんです。
 しかし、そのためには、そういう制度を入れるとすればどういうメリットがあり、またはどういうデメリットといいますか、これは年金だけではない、いろんな今までの日本の文化とか家族制度とも絡むかもしれませんし、きょう税金というお話も先ほど出ておったようでございますけれども、ちょっとお願いしておきましたけれども、この辺につきまして、こういう制度を入れればどんな効果があり、また逆に入れれば今までの状況にどのような問題があるのかということについて、少し整理して厚生省の方からお話ししていただけませんでしょうか。
#104
○政府参考人(矢野朝水君) これは、年金を離婚に際して分割する年金分割、あるいは賃金を分割して年金も夫婦等しくいただけるようにする、こういった方法が提案されているわけですし、あるいはまた、現に実施している国もあるわけでございます。
 このメリット、デメリットということにつきましては、これは御本人が納得すればそれでいいんじゃないか、こういう考え方もあろうかと思いますけれども、ただ制度として見た場合には、現在民法などがとっております夫婦別産制、こういう点から見ますと国民感情になじむのかどうか。あるいは、中にはそういった形で夫婦が等しく年金を受給できるようにするということになりますと離婚がふえるんじゃないかとか、そういったことを言う人もいるわけでございます。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 いずれにしましても、この問題につきましてはほかの制度、例えば民法とか税法あるいは社会保障、こういったものと非常に密接に関係しておりますので、この問題につきましては、しばしば大臣も御答弁申し上げておるわけですけれども、女性と年金にかかわるあらゆる問題について早急に検討会をつくって検討しよう、こういうことを決めておりますので、その場でこの問題についても御議論いただこうと思っております。
#105
○山本保君 これからやろうということではあると思いますけれども、例えば、もし一遍に全部変えてしまうということになれば、今、局長からお話があったように、家族制度をどうするんだとか、離婚がしやすくなるのじゃないかということになるかもしれませんけれども、私は、こういう民法のいろんな問題というのは五十年単位ぐらいで考えなきゃいかぬそうでありますから、急に法律を変えればみんなそうなるなんという議論も乱暴なわけですし、こうあるべきだから変えるべきだというのも、現実がそうなっていないときに法制度が先に動くなんてことも、これも非常に乱暴な方式だと思いますから、さっき申し上げましたのは、例えば選択でやったらどうですか、こういうことだと何か具体的に問題点がありますかと、こういうふうにお聞きしておるわけですが、ちょっと聞き直したいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#106
○政府参考人(矢野朝水君) これは省内でも十分検討したことがございませんし、厚生省の方針というものが現時点であるわけではございません。
 そういう意味で、あくまで個人的な認識だということでございますけれども、ただいま御提案がありましたような年金分割について御本人の選択を認める、それで二人のお話し合いによって年金分割もできますよと。今は年金というのは一身専属ということで、これは非常に権利が強く法律上保護されておるわけでございまして、分割どころか、これを担保に供したりとかそういうことも、特に法律上手当てがない限り勝手に処分できない、こういうことになっておるわけでございまして、そこのところに風穴をあけて、御両人の合意で分割もできますよ、そういう規定を設けるということについては私は特段の問題はないんじゃないか、それはあくまで御本人の選択の問題じゃないか、こう思っておるわけでございます。
#107
○山本保君 希望するところとしましては、そろそろもうそういう具体的な、大臣も先ほど、次のときにはとかいうお話がありましたし、委員の方からは五年先なんて何だというお話もあったと思うんです。私も五年先なんて本当に何だという気がします。こういうところは、専門家がそろっておられるわけですから、いろんな方式についてお出しになって、またそれを取り入れる方式についても国民の一人一人がなるほどというようなものをぜひ出していただきたいと思うんです。
 一言だけ申し上げれば、そうなりますと、先ほどから百三十万円ですか、第三号の基準がございますね、そういうのも、例えばそれはやはりもうなくなってしまうよということで、当然働いている分については出していただきますよというふうになるわけですけれども、それはしかし、女性の権利とかそういう個の確立ということから考えましたら当然じゃないかなというふうにおっしゃる方も当然出てくると思うんですね。ですから、もちろん税の優遇とか基礎控除の問題も同じだと思います。それがあるからできないというんじゃなくて、こうなれば、しかしこういう今までのメリットはなくなりますよという点についてもわかりやすくこれから議論していくべきだと思っておりますので、どうぞこれはお互いにまたやっていきたいと思っております。
 では、次の問題にもう一つ、余り議論にならなかったかもしれないんですが、日系人の年金といいますか、在留外国人の年金についてちょっとお伺いしたいと思うんです。
 私は愛知県におりまして、特に日系ブラジル人の方などが大変多く働いている県でありまして、これはまた労働省とじっくりやらなきゃいけない話なので、きょうはもう年金だけについてお聞きしたいんですけれども、ちょっとその前提として、突然お願いしまして法務省さんには本当に申しわけなかったと思いますけれども、日本にいる日系人と言われる方、どれぐらいというふうに言っていいんでしょうか。お願いします。
#108
○政府参考人(高橋恒一君) お答え申し上げます。
 出入国管理法令上、いわゆる日系人につきましては、日本人の子または孫というその身分関係に応じまして日本人の配偶者等または定住者の在留資格を決定いたしております。
 なお、平成十年末の日本人の配偶者等の外国人登録者数は二十六万四千八百四十四人、定住者は二十一万一千二百七十五人でございますが、この中には当然日系人が含まれておりますが、日系人のみに限った統計というものはとっておらないわけでございます。
#109
○山本保君 審議官、ちょっと確認でございますが、いわゆる在日韓国人とか在日朝鮮人とか、また台湾の方とか、こういう方は今の数字には入っていないんでしょうね。
#110
○政府参考人(高橋恒一君) 今、御質問ございました方々につきましては、今、私が申しました日本人の配偶者等または定住者というよりは、むしろ永住者、もしくは特別永住者、そういう在留資格で日本に滞在される方が多いというふうに承知いたしております。
#111
○山本保君 どうもありがとうございます。今のはちょっと余分でございましたけれども、確認させていただきました。
 それで、もう一つ法務省さんにお聞きしたいんですが、これは私も本当にしっかり調べずにお聞きするのであれですが、そういう働いている方、またその方たちを使用している会社の方からお聞きしますと、いわゆる日系の例えばブラジル人の方などは、そうでない短期間在留されている方と違って長期に仕事ができるとか、いわゆる外国人扱いというよりは日本人に近いような、そういう法律的な扱いがされているというふうによく聞いておるんですけれども、これは間違っておりますでしょうか。
#112
○政府参考人(高橋恒一君) いわゆる日系人につきましては、日本人の子または孫というその身分関係が確認されますと、日本人の配偶者等または定住者の在留資格により我が国への入国及び在留が認められております。これに対しまして、日系人以外の外国人の入国及び在留につきましては、当該外国人が専門的な技術、技能、または知識を生かした活動に従事する者であるかどうか、さらにはその活動内容が我が国の産業及び国民関係、国民生活へどういう影響を与えるか、その他諸般の事情を勘案した上で判断するということになっております。
 したがいまして、先生御案内のとおり、いわゆる日系人とそれ以外の外国人の入国及び在留の取り扱いにつきましては、かなり大きな違いがあるということはそのとおりだと思います。
#113
○山本保君 労働省にお聞きしようと思ったことも大分出ましたので、ちょっと先に進ませていただきます、渡邊局長、申しわけありませんけれども。
 ここで、端的に申し上げまして、こういう方に年金を掛けなさいと。これはもうそういう制度になっているそうですね、一九八二年ですか、内外差別を撤廃せよということできちんとできているそうですけれども、しかし、そういう方は短期で帰られるとこれは全く掛け捨てになるんじゃないかということで、記録はないそうですが、研究者のものを見ますと、年金など入っているのは一〇%か二〇%もないんじゃないかというような数字も見ました。また、現実のその方たちのお話を聞いてもそのようでございます。
 これは、こんなことでは、せっかく差別をなくそうとか、そういう条約もあるそうでございますが、趣旨と違うんじゃないかという気もするんですけれども、厚生省、この辺はどうなんでございましょうか。
#114
○政府参考人(矢野朝水君) これは年金の世界では、日本だけじゃなくて世界じゅうどこでも同じですけれども、外国の方が制度に入って本国に帰るということになると、受給資格を満たさない以上、保険料が掛け捨てになるというのが一般的でございます。これを防ぐためには年金協定を結んで掛け捨てにならないような特別の措置を講じなければいけない、こういうことになるわけでございます。
 ただ、年金協定を結ぶというのは非常に時間もかかるものですから、それを待っておれないということで、平成六年改正、前回改正で脱退一時金の制度を設けて、六カ月以上三年未満ということ、そういう方について、払った保険料の半分程度はお返しする、こういう脱退一時金の制度を設けたということでございます。
#115
○山本保君 私も今回調べてみました。そういう制度がもう先回、五年前にできているということでありまして、ところが実際現場ではなかなかそういうのを聞かない。それで、どれぐらい入っているのかという数字でございますけれども、余り入っていないんじゃないかなという気もするんですが、局長、どうですか、その辺は。入っていないというか、支払った実績ですね。
#116
○政府参考人(矢野朝水君) これは、こういう外国人の方は帰るときに保険料が還付されますと、こういうPRは私どもなりに一生懸命やっているわけでございまして、現に十年度の実績で見ますと、厚生年金で一万六百十七件、国民年金で六十九件の脱退一時金をお支払いいたしております。
#117
○山本保君 問題は、はっきり言って、それは払った分に見合った分返ってきているのかどうかということであります。
 もちろん、年金というのは、もしその間に亡くなったり、障害を持ったりした方にはずっと永続的に続くわけでしょうから、そういうことも考えますと、普通の貯金とか預金、投資よりは健康な方にとっては分が悪いという面も短期間ですからあるかもしれない。しかしながら、万が一そういうことになったときには、こんなにお互いに助け合ってできるんですよということですね。こういうことをもう少しわかりやすく出していただければと思っておりました。
 それからもう一つだけ申し上げますけれども、先ほど法務省の方からもお話しありましたように、日系人の方は時間的に長く働くこともできると思うんです。ところが、今見ますと、この一時金は三年までで頭打ちになっております。この辺をぜひ私は、これはできてから古い、最近変わったわけですから、何年にしたらいいのかこれはわかりませんけれども、もう少し長期のものもつくるべきではないかということを一つ申し上げまして、お答えする余裕がありましたらお願いいたします。
#118
○政府参考人(矢野朝水君) 三年が脱退一時金の限度にされておりますけれども、中には三年を超えて滞在するケースも出てきておるわけでございまして、こういった実態を踏まえまして、この脱退一時金のあり方につきましては今後十分検討してまいりたいと思っております。
#119
○山本保君 終わります。ありがとうございました。
#120
○西川きよし君 大臣、どうも御苦労さまでございます。
 それでは、私の方から御質問をさせていただきます。座ったままで失礼をいたします。
 最近は、特にここのところ開かれた国会を目指すということで、例えばこの委員会もインターネットを通じて中継されているわけです。先日もこの委員会で質問をさせていただきまして、終了と同時に、インターネットで中継をごらんになっていた九州の方からですけれどもお電話をいただきまして、事務所の方にいただいたわけですけれども、後で聞きました。
 そういうことで、本日は年金制度につきまして、そういう方々、私ども個人にいただきましたお便りがたくさんあるんですけれども、きょうははがきも持ってまいりました。少し違った意味での地方公聴会になるのではないかな、そういうふうな気持ちでお伺いしたいと思うんです。
 厚生省におかれましても、今回の年金制度改革については広く一般の方々から意見の募集をされておられるわけですけれども、これまでに寄せられた御意見の内容、例えば、どういった内容とか、どういった傾向のものがあったか、そしてまた、そういう内容をどういうふうに政策に反映されたのかというのを、私も二十分間でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
#121
○政府参考人(矢野朝水君) 今回の改正に当たりまして、一般の方の意見を広く求めたわけでございます。はがき、手紙、あるいはメールという形で六百通ほどいただいております。ただ、その内容につきましては、制度全体にわたるものから個別の問題まで非常に幅広く分かれております。こういう形で全体を取りまとめまして、平成十年七月の年金審議会にも提出をして、審議の材料にしていただいたということでございます。
#122
○西川きよし君 それでは、まず私の方から一通御紹介をさせていただきます。
  日ごろ、いろいろと疑問に思うことがありますが、主人に聞いても「政治家でもないから、わからぬ」と言いますし、私も人に聞いて「こんなことも知らぬの」って言われるのも恥ずかしいので、ぜひ、聞いてください。
  長男が二十歳になり、区役所より送られてきました「国民年金取得届」。長男は働いておりますが、バイト収入で住民税、所得税など払うに至りませんので、毎月一万三千三百円の保険料は払えません。区役所へ問い合わせると親に収入がある場合親が払ってくださいとのこと。仕方がなく親が払っております。
  個人で保険会社の年金に入っている分は間違いなくためた分だけ年金額が保障されますが、今の国民年金は現在のお年寄りのために使われることがメーンで私たち夫婦が六十五歳になって、さて、今と同額の年金額を受け取ることができるでしょうか。
  新聞によると、国民年金を払っていない人、途中でやめた人が多くいるとか、「二十歳から六十歳の全員、国民年金の加入が義務づけられています」と案内状が送られてきたのに、どちらでもよいのなら、実際のところ、将来何の保障もない国民年金払わなくてもよいのならやめたいですし、毎年、ふえる保険料、これから、どれくらい値上げされるのか、不安です。来年は次男(大学生)も二十歳になりますし、また、親が負担しなければなりません。それと、新しい介護保険料、夫婦とも支払わないといけません。
  毎月、保険料だけでも大きな負担額になります。
こういうお便りでございますけれども、この中で、長男は働いているがバイト収入だけのため毎月の保険料は払えない、しかし親に収入がある場合は親が払いなさいという内容でございます。
 親が子供の保険料も払う。今回のこの改正案で、学生の場合の取り扱いについてもたくさんの議論があったところですけれども、子供の保険料について親が支払う、このことが世代間扶養の考え方をとっている公的年金制度としてどのように考えられるかというのも、もう一度初心に返って局長にお伺いしたいと思います。
#123
○政府参考人(矢野朝水君) 親が子供の年金のために保険料を払うというのは、これはよくよく考えるとおかしい、こういう御意見ももっともなところだと思います。そこで今回、学生については卒業して稼ぐようになってから払っていただく、こういう特例制度を設けるということにした次第でございます。
#124
○西川きよし君 それから、ここは本当に今の本音の部分だと思うんですけれども、新聞によると、国民年金を払っていない人、途中でやめた人が多い、二十から六十歳までの全員国民年金の加入が義務づけられている、案内状が送られてきた、どちらでもいいのなら、本当に将来保障がないのなら不安ですから国民年金払わなくてもいいのならやめたいというお便り、切実ですし、毎年加算されるこの保険料、これからどれぐらい上がるのかというのも不安でしょうし、新しい介護保険料も夫婦ともども払わないといけない、毎月保険料だけでも大きな負担になるという奥様のお気持ちですけれども、年金だけではなく、社会保険料全体に対する負担感、そうしたことによる年金に対する不信。
 ただ、この方の場合ですけれども、そうはいっても現実に保険料を支払っている方ですから、このような状況の中で一生懸命お支払いしているわけですから、ひょっとすれば滞納する側にこの方が回るかもわかりません。そういうことになったらいけないと思いますし、そうしたときにそうした不安や不信に対して誠実に対応していかないと、いわゆる国民年金の空洞化はもっともっと広がっていくんではないかなというふうに僕自身は思うわけですけれども、こういう意味では大臣はどういうふうにお考えでございましょうか。
#125
○国務大臣(丹羽雄哉君) 委員の御指摘の中で、特にお手紙をお聞きいたしておりますと、公的年金による個人年金よりもむしろ貯金した方がいいんじゃないか、こういうような何かその背景にあるんじゃないかと思いますが、私から申し上げるまでもなく、公的年金は民間の個人年金と比較いたしますと、生涯にわたって支給されるんだと、それから物価のスライドがある、これは民間の場合はありません。それから、国庫負担が現在は三分の一でございますが、いずれにしても二分の一にしなければならないということを私はしばしば言明しておりますけれども、こういうような特徴がありまして、老後の生活の保障という点から、私どもの方、もっと努力しなければいけませんけれども、この年金制度のあり方というものを十分に周知徹底をしなければならないかな、このように考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、性格が違うんです。民間の個人年金の場合は、五年とか十年とか限った期間しか受給できない限られた年金であるというのが普通でございます。それから公的年金の場合には、とにかくこれから高齢化社会を迎えて、人によっては八十歳になる方もいらっしゃれば九十歳もいる。終身受給できる年金だということをぜひとも御理解いただきたいと思って、余り損得勘定ということではなくて、やっぱり自分のライフサイクルの中においてこの公的年金の占める割合は大変大きいんだということをぜひとも先生の方からも御理解いただけますように一層の御協力をお願い申し上げます。
#126
○西川きよし君 今、大臣の御答弁は自分も理解をさせていただきたいので、どうしても日々の暮らしの中では損とか得とかということもございます。
 私も、大阪の方ですけれども、十三年近くラジオで毎週こういう医療や年金や福祉やということで、今も介護のお話なんかもさせていただいているんです。あくまでも中立的な立場からの内容ではありますけれども、年金をテーマにしたときは本当に、きょうは年金だけで介護のおはがきは持ってきておりませんけれども、たくさんいただいております。
 やはり政府に対して、もちろん国会に対しても、いろいろ声なき声というんですか、国会で取り上げてもらうはがきとかお手紙とかというのは本当に少ないですし、あと我々がどうするかといいますと、みんなで一緒にデモをしてみようとかいうようなことになって、やっと取り上げていただいて制度や法律になったりもするわけです。
 もう一つのおはがきですけれども、
  年金のお話は大変役に立ちますが、私たち現在五十五歳くらいの人は六十歳ぐらいより支給されますか。だんだん年々遅くなりつつあると心配です。頑張って加入金を掛金し、支給の年がおくれれば体も弱ってきますし、心配です。いい方法で解決をしていただきたいのです。支給額をいただけないなら、働いて頑張っている私たちには夢がありません。政府の上の役の方は、自分だけいい目になるだけのことで議員になられているように思います。
この部分だけ、「議員になられている」というのは自分も随分ぐさっときたんですけれども、そんなことはないということは本当に御説明をさせていただいておりますし、悪い人ばかりではありませんし、一握り、どういう社会でも悪いことをしたり贈収賄だとかというようなことで捕まったり起訴されたりという方が現実にいるわけですから、一山何ぼみたいなことで、我々タレント議員もそうですけれども、一くくりに、一山何ぼにされないように自分は一生懸命頑張らないといけないと思うんです。
 このはがきに「夢」と書いてあるんです。本当に庶民にとって老後を安心して暮らしたい、それが夢なんですと、こう書いてあるわけですけれども、この夢は大きいと思うんです。将来に対するその不安感を少しでも払拭していただけるように皆さんに努力をしてもらわないといけないんですけれども、現実に年金額が少なくなるわけですから不安感を持つのは当然ですし、それを払拭してもらわないといけないわけです。もちろん、個々に自助努力として将来の準備もしなければいけません。
 文面の中では「だんだん年々遅くなりつつある」、これが心配なようですけれども、本当にそうだと思います。将来、年金によってどこまでの生活費が保障されるのか、それぞれの将来の設計において年金というものを大黒柱として皆さん考えるわけです。その大黒柱がいつまでもふらふらメトロノームのように右に行ったり左に行ったりしているわけですけれども、そういう印象をどうしても持ちますし、皆さんもそういう印象を持つと思うんです。毎日の生活へのマイナス点というんですか、マイナス的な影響というのは本当に大きいと思うんです。
 そういう意味も含めまして、今後も給付と負担のバランスを図るためには、状況によっては年々厳しくなりますよ、そしてまた、今回の改革によって相当長期にわたって安定しますよ、また、安定させるために今後はこういった面に十分に我々は取り組んでいきますから安心をしてくださいというメッセージが僕は全国の人に本当に大切だと思うんですけれども、今回のこの改革案を通じまして、大臣は今のこの文面に対してどういうふうなメッセージを送られるでしょうか。
#127
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私は何度も申し上げておりますけれども、今、豊かさの中の不安の時代であると。そういう中において、特に老後の問題を国民の皆さん方お一人お一人が大変重大な問題と受けとめていらっしゃって、今、西川委員がお話ししましたような夢がないではないかと、事実こういうようなお話があることも私も十分に承知をいたしております。
 今回の国民年金を支える年金制度については、将来にわたって安心して信頼できるものにしていかなければならないんだと、この大前提でございまして、そして、その中にございましたけれども、あくまでも実質的な年金の価値そのものは変わらないんだと、いわゆる購買力という専門的な言葉で申しておりますけれども、ただ伸び率が変わっていくんだと、こういうことでございます。
 今回の改正案では、問題は負担の問題でございますけれども、ピーク時にも保険料を年収の二割程度に抑えて、それから給付はあくまでも働く現役労働者と比べてどうあるべきかということでありまして、一時、私の記憶ですと現役労働者の六八%ぐらいまであったと思うんです。一生懸命汗水流して働いている方の六八%もある。今まで社会的な貢献も大変大きいんですけれども、その辺のところをどういうふうに考えたらいいかという問題。
 実は、これは賦課方式でございますから、現役労働者の保険料によって賄われている。基礎年金の部分の三分の一は国によって賄われておるわけでございますが、そういうことを含めまして、やはり少子高齢化社会も迎えまして、今回の改正において現役世代の手取りの年収の六割ぐらいを確保するということが常識的な線ではないか、こういうことにさせていただいておる次第でございます。
 いずれにいたしましても、やっぱり年金がぐらぐらしているんじゃないか、こういうようなイメージがなきにしもあらずでございますので、やはり今回の改正を通じまして老後も安心して揺るぎのない体制というものを築きたい、こう考えている次第でございます。
 それから、もう一点だけ、恐縮でございますが。
 なお、今回、総理の肝いりで、これまでどちらかというと、年金は年金、医療は医療、介護は介護ということであって、縦割り的だったということで、総合的にこの問題について国民の皆さん方が安心して暮らせるような体制づくりを進めていこうではないかということで有識者懇というものが開かれまして、もう既に二回にわたって開かれております。
 恐縮です。
#128
○西川きよし君 ぜひいい方向でお願いいたします。
 そして、先ほど質問の中で中立というコメントを入れさせていただいたんですけれども、これにもぜひ大臣にお答えいただきたいんですけれども、こういうおはがきも来ております。
  私は六十三歳の女性で、老齢年金の受給者でございます。年金制度の見直しのお話、本当に重要です。私も現在厚生年金をいただいておりますが、考えると、少し減額も考えなくてはと思っております。これから若い者が支払い可能な程度にして、国民全体が幸せに生活ができるようにするのが妥当だと思います。
これは京都の方なんですけれども、いかがでございましょうか。
#129
○国務大臣(丹羽雄哉君) 今、年金制度というのは世代と世代の支え合いで成り立っている。こういう中においてこういうようなお考え方、こういう少子高齢化社会を迎えて将来の課題を、過重な負担を防ぐためには、やはり給付の伸びも負担をしなければならないし、自分たちもそれぞれの立場において給付の伸びも抑制していかなければならないと、こういう考え方に立って、御理解のある、私どもの考え方を支持してくださっていらっしゃるものであるということで、大変心強く感じております。
#130
○西川きよし君 途中まで不安だったんですけれども、最後のところで、ああ、御理解いただけたと。本当に中立な意味でこんなお便りもあることをまた御報告させていただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、年金のお話をしますと本当に反響がたくさんございますし、そういう意味で関心が高いのは当然ですけれども、むしろ一人一人の生活に大きな影響を与える問題ですから、先ほど大臣がおっしゃったようないろいろな国民にわかりやすいメッセージをこれからもよろしくお願いしたいと思います。情報が本当に不足をしているのではないかというふうに考えます。現在、公的年金制度の現状はどうなっているのか、そしてまた給付と負担はどのような状況にあるのか、将来は幾ら年金がもらえて、せんだって堂本先生から赤い封筒のお話もありましたけれども、夫がもしものときには妻や子にはどれくらいの遺族年金が受けられるか。
 インターネットといいましても、まだまだ庶民の皆さん方の隅々までは浸透もしておりませんし、そういう意味ではこういう医療や年金や介護、そういうものも、大臣、御一緒にラジオとかテレビとか、どこか御一緒にさせていただいて、皆さん方に少しでも御理解いただけるようなことがあったらいつでもまた声をかけていただきたいというふうにも思います。
 この負担をだれが、またどのように、それで高齢世代、若い世代、そして将来世代の負担はどうあるべきか。もちろん、厚生省といたしましては年金白書だとか審議会の議事録も公開されております。でも、朝早くから夜遅くまで皆さん仕事をしていらっしゃいますから一々そういうものには目を通せませんし、役所の広報板を見に行くようなこともできないでしょう。仮にこの負担についてもそういう必要性が理解されるというのであれば、もっともっとこういった内容の意見があってもいいのではないかというふうに思います。
 今回、この年金改革、この法律案が仮に成立したといたしましても、その後、国民の理解を求めるために、特に負担の必要性についてこれからは大臣にももっともっと、厚生省挙げて僕はPRに努めていただきたいと思います。この答弁をいただいて、おしまいにします。
#131
○国務大臣(丹羽雄哉君) 年金制度の意義と役割について十分に国民の皆さん方に御理解をいただく必要があると思います。
 また、年金白書であるとか、今私もここに持っていますが、こういうようなパンフレットをつくっておりますが、なかなかこれ難しくて、私自身もいろいろ考え込んだりするわけでございます。やっぱり国民の皆さん方にすぐにストレートに、特に若い人などを中心にして、例えばテレビであるとか新聞であるとかポスターであるとか、こういうことにもっともっと力を入れてこの制度そのものの必要性についてよくわかっていただく。それから、例えばもっと若いときから、中学生や高校生など学校教育の場で用いる副読本というのを実はつくっておるわけでございますが、まだまだ十分でありません。
 西川委員は大変社会的影響力が大きいわけでございますので、ひとつ私も先頭に立って頑張っていきますけれども、ぜひとも御支援のほどお願いを申し上げます。
#132
○西川きよし君 ありがとうございました。
#133
○入澤肇君 この年金法の改正、通れば来月から施行されるわけでございますけれども、そういう意味では国民生活にすぐ影響を及ぼすということで非常に関心が高まっております。来月から施行される部分につきまして、以下簡単に御説明いただきたいと思うんです。
 一つは、学生の納付特例、これは来月の施行を予定しているんですけれども、明確な運用基準、これがまだこの委員会でも明らかにされておりません。具体的な免除基準と対象学生、この範囲はどうなっているのか、まずお聞かせ願いたいと思います。
#134
○政務次官(大野由利子君) 今回の改正で、平成三年以来国民年金に強制加入されていました学生が今回は猶予される、こういう制度が創設をされました。親がかわりに払っているというケースも多いものですから、納付特例制度というものが設けられたわけでございます。
 具体的には、学生であって本人所得が一定の所得以下の者について、申請の手続に基づいて国民年金保険料の納付を要しない、ただし十年間は後で追納することができる、もし仮に追納しなかったり追納できなかったような場合もその間は資格期間として認める、こういう制度でございまして、学生特例期間中にもしも万一障害事故を起こした場合は障害の程度に応じまして障害基礎年金を満額支給することが可能と、こういうことでございます。
 今回の改正によって学生の方もより加入をしやすくなりますし、障害無年金者をつくるということの防止にもなるということで、大変大きな前進ではないか、このように思っております。
 それから、対象の学生の範囲は現在の学生免除基準の対象者と同じ範囲でございまして、具体的には夜間部、定時制及び通信制以外の大学、高校、高等専門学校及び専修学校に通っている学生を対象とする予定であり、さらに一部の各種学校に通っている学生も対象とする予定でございます。
#135
○入澤肇君 いや、趣旨そのものはもう他の委員が質問したので、私は質問を割愛したんです。ですから、質問したことだけを答えていただければ結構なんです。時間をできるだけ短縮しようと思っているものですから、端的に答えてください。
 それでは、学生が追納を行わなかった場合には国庫負担分が算定されないということになっておりますけれども、現行の年金制度は、保険料免除と同様に、保険料を免除されるとしても国庫負担分だけは支給するわけですね。そのような措置を講ずるつもりはないのかどうか。
#136
○政府参考人(矢野朝水君) 今回は学生の特性に配慮して特別な制度を新たに創設しようと、こういう考え方でございます。
 そこで、今、委員の御指摘にありましたように、追納しない場合には国庫負担分がつかないという点では確かにこれは不利になります。ただ、学生期間中は保険料納付を猶予されるわけですし、障害年金は満額障害になった場合はいただける、それからまた追納すれば国庫負担もつくわけですから、これは全体として今よりも格段にまともといいますか、いい制度じゃないかと思いまして、全体を見て判断していただければと思うわけでございます。
#137
○入澤肇君 これは他の制度とのバランスの問題ですから、ひとつバランスを欠くことのないように十分な配慮が私は必要であると思います。
 それから、申請漏れを原因とする障害無年金者の発生という問題が出ていましたけれども、これを防止するために制度の周知などにつきましてどのような措置を講ずるつもりか、お聞かせ願いたいと思います。
#138
○政府参考人(矢野朝水君) これは、四月一日ということになるともう余り時間がないわけでございまして、私どもも内心はらはらしているわけでございますけれども、まずポスターをつくって大学とか市町村等にたくさん掲示したい、それからチラシをつくりまして大学とか市町村の窓口に置いてできるだけたくさんの学生の手元に内容が届くように頑張りたい、こう思っておるわけでございます。
#139
○入澤肇君 次に、少子化対策の一環として、育児休業期間中の給与制度とか、各省寄り集まっていろいろな制度が設けられたんですけれども、この年金につきましても、育児休業期間中の保険料負担につきまして、これまでは本人負担分だけ免除されていたけれども、それに加えて事業主負担分も免除されることになった。これの趣旨はどういうことなんでしょうか。
#140
○政府参考人(矢野朝水君) これは、育児休業期間中の事業主負担分も免除することによりまして育児休業をとりやすくする、そしてそういうことによって少しでも少子化対策に寄与したい、それがひいては年金を担う次世代が育ってくるということで年金にとっても非常に意義のあることじゃないか、こう考えて、今回、事業主負担分を育児休業期間中は免除する、こういう措置を講じようと考えているわけでございます。
#141
○入澤肇君 年金制度でそういう育児休業をとりやすくするというふうなことで少子化対策に一歩踏み出すということは私は適切だと思います。
 そのほか、厚生省は少子化対策としていろんな制度をつくっておりますけれども、基本的に私は幼保の一元化を早急にやるべきじゃないかと思う。いつまでも文部省と厚生省が縄張り争いをして、そして幼稚園は私の方だ、保育園はこっちの方だとかいうのは問題なので、ここら辺について政治的な決断をもってきちんと対応するということが考えられないんでしょうか。
 要するに、保育に欠けるという要件を外しちゃって、厚生省、文部省一体となって、ゼロ歳児から就学前の子供たちまで一貫して保育に係る事項と児童教育に係ることを連携してやるというふうな仕組みを今やもうつくるべきときじゃないかと思うんですけれども、政務次官のお考えを聞かせてください。
#142
○政務次官(大野由利子君) 委員の御指摘の方向で、幼稚園また保育園がお互いに相互乗り入れというんでしょうか、そういう方向になってきておりますし、また施設の共用化につきまして、また研修プログラム等々につきましても共通して取り組む方向で今進めております。
#143
○入澤肇君 相互乗り入れはわかるんですよ。そうじゃなくて、基本的に児童福祉法を抜本改正して、そして保育に欠けるなんという言葉はもう要らない。就学前の子供たちの保育と教育のあり方についていろんな知見があるわけですから、それをまともに受けて制度改革をやってもらいたいというのが私の意見でございます。これはこれから自自公の社会保障のプロジェクトチームで、私もメンバーの一員でございますから強く主張したいと思っています。
 それから次に、昨年からいろんなことで保険料の引き上げが凍結されております。現行の保険料凍結による財政への影響と、それから将来これはまた取り戻さなくちゃいけないわけですが、その負担の問題がどうなっていくのか。急速に上がったらまた大変ですから、上げ方についての工夫、そういうことも含めてお聞かせ願いたいと思います。
#144
○政府参考人(矢野朝水君) これは昨年から保険料が凍結になっているわけでございまして、厚生年金でいいますと年間二兆円にも上る負担が先送りされておるわけでございます。これはもうできるだけ早く凍結を解除していただきたいというのが私どもの願いでございます。
 ただ、これは景気が回復しないことには保険料引き上げというのはなかなか容易でないわけでございまして、景気の回復を図って速やかに保険料の凍結解除をしていただきたいということでございます。その際、保険料の凍結解除と国庫負担二分の一への引き上げは同時期だというのが政府なり与党の方針でございまして、凍結を解除いたしますと凍結期間中の分をそれだけ余計に保険料を上げなきゃいけない、こういうことになるわけでございまして、あわせて国庫負担を引き上げることによってその引き上げ幅を緩和したい、こういう思いから凍結解除と国庫負担二分の一への引き上げは時期としては同時に実施をしたい、こういうことで今後検討してまいりたいと思っております。
#145
○入澤肇君 そのときに、介護保険料も実は四月から本来だったら取るべきだったんでしょうけれども、これは国庫助成で免除の措置といいますか、負担軽減の措置がとられたわけですね。景気対策としてとらえている保険料の凍結について、財政上の援助措置みたいなものは別途考えられないでしょうか。
#146
○政府参考人(矢野朝水君) 年金サイドだけを考えますとそういう措置をとっていただけると非常にありがたいんですけれども、日本の財政全体にかかわる問題でございますので、これは私どもだけでどうこうできるという問題ではない、こう思っております。
#147
○入澤肇君 それでは最後に、今回の改正案の中で、余り注目されていないんですけれども、厚生年金基金に関する事項といたしまして、厚生年金基金の掛金の株式拠出の話が盛り込まれております。
 これは、基金の財政状況から各企業がなかなか責任準備金を負担し切れない、そういう話の一環として株式を拠出して対応したらどうかというふうなことが経済界からも話が出まして、それに対応するというふうなことで改正がなされたと聞いておりますけれども、これはもう来月から施行が予定されているのでありまして、まだ十分に制度の周知が徹底しているとは思えないんです。
 そこで、ここで明らかにしていただきたいんですけれども、厚生年金基金の掛金を有価証券で拠出するということを認めた理由はなぜか、それから拠出を認める際の条件としてどのようなことを考えているのか。この二点についてお伺いして、質問を終わります。
#148
○政府参考人(矢野朝水君) まず、株式の現物拠出を認める理由でございますけれども、非常に運用環境が悪化いたしまして厚生年金基金は積み立て不足に苦しんでいるわけでございます。
 これは現金で積み立て不足を解消するというのが原則ではございますけれども、有価証券がある場合にはこれを市場で売却して現金化して積み立て不足に充てる、こういうことになると金もかかりますし時間もかかるわけでございまして、できるだけ速やかに積み立て不足を解消したい、できるだけ安いコストでやりたいということで現物拠出を認めることにしたわけでございます。
 その条件でございますけれども、四つほど考えております。
 一つは基金の積み立て不足を解消するための掛金に限定をするということでございます。二つ目が個別株式につきまして基金の資産総額に対する上限を設けるということでございまして、五%ということを考えております。それから、個別株式につきまして発行済みの株式総数に対する上限を設けるということで、これも五%という上限を設けたいと思っております。それから、四つ目が価格の評価でございまして、拠出した株式の価格は拠出時の市場価格で評価するということでございます。それから、株式が上場株式ということはもう当然のことでございます。
#149
○入澤肇君 終わります。
#150
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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