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2000/03/16 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第11号
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2000/03/16 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第11号

#1
第147回国会 国民福祉委員会 第11号
平成十二年三月十六日(木曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任   
     尾辻 秀久君     野間  赳君
     中原  爽君     森田 次夫君
     佐藤 泰介君     伊藤 基隆君
     柳田  稔君     石田 美栄君
     井上 美代君     須藤美也子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                田浦  直君
                山崎 正昭君
                勝木 健司君
                山本  保君
                小池  晃君
    委 員
                久野 恒一君
                野間  赳君
                南野知惠子君
                水島  裕君
                森田 次夫君
                伊藤 基隆君
                石田 美栄君
                今井  澄君
                松崎 俊久君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                須藤美也子君
                清水 澄子君
                入澤  肇君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣     中曽根弘文君
       農林水産大臣   玉沢徳一郎君
       自治大臣     保利 耕輔君
   政務次官
       大蔵政務次官   林  芳正君
       厚生政務次官   大野由利子君
       自治政務次官   橘 康太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   政府参考人
       文部大臣官房総
       務審議官     本間 政雄君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省構造
       改善局長     渡辺 好明君
       自治省行政局公
       務員部長     木寺  久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇政府参考人の出席要求に関する件
〇国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
 案(第百四十五回国会内閣提出、第百四十六回
 国会衆議院送付)(継続案件)
〇私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律
 案(第百四十五回国会内閣提出、第百四十六回
 国会衆議院送付)(継続案件)
〇農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(第百四十五回国会内閣提出、第百四
 十六回国会衆議院送付)(継続案件)
〇地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(第百四十五回国会内閣提出、第百四十六
 回国会衆議院送付)(継続案件)
〇公聴会開会承認要求に関する件

    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤泰介君、柳田稔君及び中原爽君が委員を辞任され、その補欠として伊藤基隆君、石田美栄君及び森田次夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部大臣官房総務審議官本間政雄君、厚生省年金局長矢野朝水君、農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省構造改善局長渡辺好明君及び自治省行政局公務員部長木寺久君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(狩野安君) 次に、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○伊藤基隆君 民主党・新緑風会の伊藤基隆でございます。
 私は、ずっと予算委員会の理事をしておりまして、本委員会のこの重要問題の審議の中身について余り詳しく知っているわけではございませんので、あるいは既に解明された問題の質問があるかもしれませんけれども、その点は御容赦いただきたいと思います。
 まず質問の前提として申し上げたいわけでございますが、今回の法案は国民生活を左右する公的年金制度の五年に一度の財政再計算見直しに関して行うものでございます。我が国が経済成長とともに福祉国家をその目指すべきビジョンとして掲げて以来、国民はそれらの制度から数々の恩恵を受けるとともに、さらに人間らしい生活のための権利を求めて、勤勉に社会と国の建設に参画をし、汗を流し、その発展を支えてまいりました。
 言うまでもございませんけれども、社会保障は種々の分野に分けることができますが、大別すると、医療、福祉そして年金となります。中でも年金は、その給付総額から社会保障の最も大きな柱であって、その制度は今後どのような理念と方向性に基づいて運営されていくかで、年金以外の社会保障分野はもちろん、国民の将来にわたる生活のあり方と質を左右する重要な問題でございます。
 個別の年金制度の沿革は別としまして、我が国が全国民への社会保障として国民皆年金を導入して四十年が経過しようとしております。国民皆年金が実現した一九六一年当時はまだ給与所得者は全就業者の半分ほどでありまして、それが経済成長に伴い現在では八割を超え、その構造的変化は日本の伝統的姿であった子が親を直接扶養するという構造を根本から変えました。また、ほとんどの国民が年齢とともに定年退職を迎え、労働による所得を失うという人生が当たり前となったわけでございます。そして、生活の質の向上による長寿の実現もこれに付加されております。
 いずれにしても、高齢者の経済的自立を実現するとともに、社会や経済の構造転換に伴い、高齢者を子供が直接扶養するのではなく社会全体で経済的に支えるという考えのもとで、社会連帯と世代間の連帯が新しい理念として必要とされてきたわけであります。それが、高齢者とそうした人たちを取り巻く社会と現役世代の関係として制度化されたものが公的年金であります。
 さらに続けますと、全公的年金加入者七千万人のうち七割以上を占める厚生年金、共済年金の加入者とその妻五千二百万人、つまり国民の圧倒的多数である給与所得による生活者の生活設計そのものと直結しているわけでございます。そうであるからこそ、年金制度改革は、まず給付と負担の水準、財源のあり方を含めた福祉と社会保障の全体像を明らかにした社会保障のトータルビジョンが前提として求められるわけでございます。
 それらと同時に、社会保障制度というものは、本来、社会的な連帯や世代間の支え合いという理念、そして助け合いと安心、信頼の理念に根差しておりまして、財政収支のみの理由からその改廃を判断すべきではございません。そのことについて、現在最も急務な我が国の年金制度にかかわるテーマとしては、人口構造の急激な変化にも耐え得る持続可能な社会保障システムの再構築を進めなければならないところでございます。
 一方で、ここ幾度かの年金改正では、そのような趣旨で十分な改革がなされ、効果が上がっていると言えるでありましょうか。国民と世論は必ずしもそのような評価はしておらず、また今後の展望についても悲観的なものを持っているのではないかと考えます。
 そこで、本日は政務次官がおいでのようでございますけれども、年金の将来展望について国民の多くは悲観的に考えているのが現状であるというふうに私は思いますが、政務次官の認識をお伺いしたいと思います。
#7
○政務次官(大野由利子君) 今、委員が御指摘のように、我が国は世界一のスピードで大変な勢いで少子高齢化が進展をしております。この少子高齢化の進行そしてまた経済情勢の変化の中で、国民の一部の中に、特に若い人たちの中に将来年金制度が破綻するんではないか、自分たちの支払った年金に見合う給付が受けられないんじゃないかというような不安感があるのは事実でございます。将来にわたって安心して信頼のできる年金制度を確立するということが大変重要なことである、このように思っております。
 こうした観点から、今回の改正におきまして、将来世代の過重な負担を防ぐとともに、また確実な給付を約束する、こういう考え方に立ちまして制度全般を見直すこととしておりまして、今回の改正によって国民の年金に対する安心感を確立できるように、こういうふうに思っております。将来にわたっても年金の給付時の段階において六割程度の給付が確保できるように、また掛金の方においては年収の二割程度でできるようにというような改正を図ろうということで今回御審議をいただいている状況でございます。
#8
○伊藤基隆君 今、政務次官は確実な給付を保証することによって安心感の醸成を図るという答弁でございましたが、私はそのことが崩れているから問題になっているんだというふうに思います。
 私は、今申し上げたとおり、我々が生きていく上で、自分のことは自分で処するというまず大原則があるというのは認識しております。自助努力でございます。自助努力がかなわない状況が起こってきたときにどうするかと。これが行政の力であります。政治の力と言ってもいいかと思います。しかし、その両方とも私は限界というものがあって、その限界は今国民はよく知っているんじゃないかと。かつてのように要求すればいいということではなくなっているんじゃないかと思いますが、それを補うのがお互いの連帯感といいますか相互に助け合うシステム、これは意識しようとしまいと、制度として国の中に定着させることによってそれが生かされていくというふうに考えておるわけであります。
 私は、国家公務員共済組合関係の質問をするわけでありますが、実は長年そこの労働組合の役員をやっておりまして、常にそのことを組合員に言ってきたわけであります。ですから、自助努力をいかにしっかりと持った上でさまざまなことを考えていくかということは十分承知しておりますし、そのように指導をしてきました。しかし、ならぬときがあることを考えてやるわけであります。そのことを安心感の前提としてしっかりと受けとめていただきたいと思います。
 さて、引き続き厚生政務次官にお尋ねいたします。
 一九九八年に経済企画庁が実施した国民生活選好度調査によりますと、老後不安のうち生活費などに関する不安を訴える人が五二%に達しました。これは、健康不安や介護不安よりもはるかに高い数字でありました。また、これを一九八六年の総理府による老人福祉サービスに関する世論調査と比べてみますと、同調査では生活費などに不安を感じている人は二六・二%にすぎなかったということから見て、この十年の老年期の経済生活についての不安、すなわち年金不安は驚くほど強くなっております。
 かつて、社会保障の中で医療、年金を介護と比べたときに、医療、年金というのはある程度の措置を自分でもでき得るけれども、介護というのは絶対それができない、介護だけは自分の力ではどうにもならない、そういう声は私もいろんな人と話してありましたが、今、経済的不安が非常に強くなっておるということを我々は銘記すべきだろうというふうに思います。日々の報道や国民の声、どれをとっても年金制度への不信と不安、それがこの数年とみに高まっている事実は枚挙にいとまもなく、否定のしようがございません。だが、その一方で、国民生活の中で実際に年金の占める存在は、大きくなることはあっても小さくなることはないと言わざるを得ません。
 一九九七年の厚生省の調査では、六十五歳以上の人がいる世帯の九六・五%が公的年金を受給しておりまして、高齢者世帯の所得に占める公的年金の割合は六二・五%となっております。また、公的年金を受けている高齢者世帯の五六%が公的年金だけで生活しているという実態でございます。
 このように、公的年金の高齢者の経済と生活を支える役割は、現時点でもかなり大きなものがあるということがわかります。それゆえに、今後直面する我が国の少子高齢化の急速な進展は、今後の年金制度の安定的維持にとってもさらに重大な影響を与えることとなります。その影響は、将来のものではなく、既に現実のものであります。少子化の影響下、国民年金の被保険者数は現在をピークとして減少が予想され、受給者は高齢者の増加ということもあって上昇の一途をたどっております。
 また、この少子高齢化は経済と就業構造にも大きな影響を与えまして、そのことが公的年金にもさまざまな影響を与えることが予測されます。例えば、被用者を対象とする厚生年金を見ても、二〇〇〇年をピークに被保険者は減少に転じて、その反面、受給者は急速にふえるという構造になります。
 こうした構造的大変動とも言える変化に対して、一九八〇年代以降、政府は、制度改正のたびに、今までの制度がもたないという理由で、保険料の引き上げや支給水準の引き下げの提案を繰り返して、国民の間には公的年金への不信が広がっているわけであります。そして、今回の改革についても抜本的な見直しは先送りして、年金不信解消への道筋をどうつけるかが見えてこないという声が強いわけでございます。
 厚生政務次官、この状況をどのようにとらえているか、お伺いしたいと思います。
#9
○政務次官(大野由利子君) 年金が老後生活の大変基軸になっているということは、議員の御指摘のとおりと思っております。本当に二十一世紀、老後生活を不安のない安心できる、そういう社会にしていくことが喫緊の課題であろう、このように思っております。
 先ほどの答弁をちょっと繰り返しますが、今回の改正案の中におきまして、この大変な少子高齢社会、また経済基調の変化を踏まえながら、将来世代の過重な負担にならないように制度全般にわたる見直しを今回やっております。そして、将来最も負担が重くなる時点で年収の二割程度、そしてまた給付におきましては、この年金法の改正後も現役世代のおおむね六割程度が確保できるという、こういう改正をしておりまして、今回の改正で老後を安心して暮らせる年金制度を構築することができる、このように確信している次第でございます。
#10
○伊藤基隆君 私は、共済組合法の問題について質問するといいながらも基本的な問題について問うているのは、問題の根っこが同じだからなんです。今の政務次官の答弁は、国民に対する答弁になっていない。口で安心を与えると言っても、安心を与えるシステムを構築しなければならないんじゃないでしょうか。それは、システムをどうするかというところが問われているわけであって、政府が見解を述べてもそれでは解決しないんじゃないかというふうに思うわけです。
 さて、さらにお尋ねしますが、年金制度の抜本的改革ということについてかつて提起されてきた問題点、そして最近の問題点、例えば空洞化とそれに関しての保険料の不払い率の深刻さ、大家族から一転しての核家族化や女性の社会進出の進展に伴い、年金制度の基本単位を世帯とするのか個人とするのか、保険制度の維持か税金によるシステムへ転換するのか、また民営化に対する議論など枚挙にいとまがございません。しかしながら、今回の改正は、こうした抜本的改革の必要性にどこまで対峙して真剣な議論を経て出されたものなのかという点で疑問が残るわけであります。
 今回の改正は、そうした抜本的改革についてこたえたものという認識があるのか、そしてこの法案への評価、また今後の課題として考えている項目があれば聞きたいわけであります。政務次官、今回の改正は抜本的改革の必要性にどこまでこたえたものなのか、改めてお答えいただきたいわけであります。
#11
○政務次官(大野由利子君) 今回の改正法案におきまして、基礎年金につきまして、財政方式を含めてそのあり方を幅広く検討し、当面平成十六年度までに安定した財源を確保し、国庫負担の割合を三分の一から二分の一に引き上げを図るものとする、このような附則が設けられた状況でございます。
 この三分の一から二分の一への引き上げに伴って、基礎年金のあり方、給付水準、こうした問題等々についても検討をしてまいりたいと思いますし、先ほど委員から御指摘の問題であります未納、未加入の問題、こうした問題について、また女性の年金の問題等々につきましても、この年金法の成立後に女性の第三号被保険者の問題についても即刻検討を開始する、このようにしております。
#12
○伊藤基隆君 さらに厚生省がどう対応するかは見守っていかなければならないというふうに思います。
 さて、具体的な問題についてお尋ねします。
 まず、文部大臣と農水大臣にお伺いしたいわけでありますが、農水大臣は政務次官もおいでにならないようですので、文部大臣にお尋ねいたします。
 共済年金のうち、定額部分の年金支給開始年齢については、平成十三年度から段階的に六十五歳に引き上げられることが決まっておりますけれども、国家公務員については再雇用制度が創設され、六十歳代前半の所得保障が図られたところでございます。
 そこで、農林共済も聞きたいわけなんですがやむを得ません、私学共済において再任用制度等を早急に整備していく必要があるのではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
#13
○国務大臣(中曽根弘文君) 私立学校に勤務をする教職員は、民間企業に勤務をする者と同様に労働関係法令の適用をひとしく受けるものでございます。
 これらの労働者の定年につきましては、現在、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律におきまして六十歳を下回ることができないとされるとともに、六十五歳までの継続雇用につきまして事業主が努力することと、そういうふうに規定をされております。
 私立学校の教職員の定年につきましても、こうした法令の規定に従いまして、各私立学校において自由に決定することができることとなっておりまして、文部省の調査では、私立大学等では教員の定年を六十五歳とするところが多うございまして、また六割を超える学校で教員の再雇用が行われていると承知をしております。
 なお、政府といたしまして、今国会に提出をいたしております高齢者雇用安定法改正案において、従来の継続雇用の努力義務規定にかえて、定年の引き上げや継続雇用などによる六十五歳までの安定した雇用の確保についての努力義務規定を盛り込んでいるところでありまして、これらの動きを踏まえながら、今後、定年や継続雇用のあり方等について各私立学校におきましても適切な対応が行われていくものと考えております。
#14
○伊藤基隆君 大蔵大臣にお尋ねいたします。
 連日、予算委員会に御出席なされながらこういう委員会にも出ておいでになって、大変御苦労さまでございます。
 今回の改正によって、将来的には報酬比例部分の年金支給開始年齢も六十五歳に引き上げることになることから、六十歳代前半における生活設計をどのように図っていくのか、ここは大蔵大臣のお考えをお聞かせいただきたいところでございます。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は、ただ年金の問題との関連だけでなく、これから展開いたします二十一世紀に、殊に少子高齢化ということがまずございますが、そういう状況の中で、いろんな意味で我々の経済社会が大変に変貌する時代であろうというふうに広く考えられております。
 その中で、今お話しのように年金支給開始年齢が六十五歳に引き上げられるという、社会全体が六十歳定年というものを六十五歳に引き上げていくという動きが支障なく起こっていくことがやはり大事であると思いますけれども、それがそう簡単にまいりません。したがって、その間にギャップを生ずる、そのギャップをどうするかということが、我々にとって、経済社会全体にとって非常に大きな問題であると思います。
 例えば公務員について申しますならば、現在定年は六十歳でございますけれども、実際には、仮に次官になるというような人でございますと六十歳を超える場合がございますけれども、その手前の人ぐらいでございますと五十歳代で職をやめていくという人がほとんど大部分でございますので、そこでその人たちに、それから後どうするかということは、人事院の関係なんかもいろいろございますけれども、既にかなりシリアスな問題で、そして天下りということが制度的に認められたとしても社会的には抵抗が多い、こういうことでございますから、したがって簡単に公務員も六十五歳まで働いてもらうといっても、なかなかそういうことは急にできることではない。
 おまけに、この公務員制度調査会では、いわゆる二十一世紀の高齢社会においても六十五歳まで働くことのできる社会を目指して、そして六十五歳までの雇用に積極的に取り組むべきだという公務員制度調査会の答申があったと思いますけれども、なかなかそのことは言うべくして今の状況では難しいことだと思います。
 どうも私が見ておりますと、まだこのいわゆる六十五歳までということは、平成三十七年までの間ということがその間に段階的にやっていくということがございますものですから、どうも公務員なんかの場合にも、まだ今の問題ではない、難しいのに加えまして、そういう多少時間の余裕があるというような感じがあるように見ますが、もう一つは、むしろ民間の雇用関係において早くこういう動きができていきますと、公務員も後からついていきたい、ついていけばいいというあれもあるのかもしれません。
 したがいまして、公務部門における六十五歳までの雇用というのは大事でございますけれども、どうも現実には、民間の雇用関係が先へ動くことを公務員社会もややある意味で見ているような感じがあると思いますので、したがってこういう六十五歳への引き上げということが、むしろ民間のそういう労働慣習を六十五歳の方に引き上げていくことの誘因になるといいますか、そういうことであれば、幸か不幸か、少子高齢化社会でございますし、平均年齢は確かに着実に上がっておりますから、生涯年齢は上がっておりますから、こういうことが一つの誘因になって六十五歳への定年延長ということがまず民間において、やがて公務員社会においてなっていくような、そういう動因に恐らく長期的にはなっていくのだと思いますけれども、まだこういうことでございますからどうも積極的な動きがもう一つで、それはしかしやはりそういうふうに仕向けていくと申しますか、そういうことをエンカレッジすることが大事ではないかと思います。
#16
○伊藤基隆君 私は、国民福祉という問題について国会の中で質問するのは初めてでありまして、今回も大変予算委員会の激しい毎日の中で質問をつくり上げてきたわけでありますが、今の大蔵大臣の御答弁をお聞きしていて、少し思うことがございます。
 年金というのは、私みたいな素人から考えてみて、今の御答弁を聞いておりますと、年金そのものというよりは国の安定したシステムをどうつくるかということなんだと。今の答弁は、雇用形態その他について政策誘導、ここで言えば年金制度によってそういう社会システムの変化をつくろうということの答弁があったと思うのでございますが、私は、年金が国の重要な柱の一つであり、国の安定、国民の安寧ということを目指すのであれば、国会という場はもっと違った議論の仕方があったのではないかというふうに思います。
 それは、年金法という法律を中心として与野党が対立するというところから果たして生まれてくるのかというと、大変それは難しいのではないか。審議会で年金制度について審議されますけれども、審議会は余りにも技術的に傾斜し過ぎた嫌いがあるのではないか。そうでなくて、国の根本政策として国のシステムそのものと年金との関係を議論するとすれば、それは国会において我々が根本問題を議論し、そこからあるべき年金の姿というものをつくり出すという議論がなされなければならないのではないかと思います。今回のこの年金をめぐる対立というものがずっと続いているわけでありますが、これは大変不幸なことであろうと、ただいま大蔵大臣の御答弁をお聞きしてそのように私は思ったわけでございます。ぜひそういう方向に福祉の議論が行くようにしていただきたいわけでございます。
 さて、年金財政の情報公開についてお伺いします。
 四法案、すなわち国家公務員、地方公務員、私立学校教職員、農林漁業団体職員共済組合法の改正案は、国民年金、厚生年金など他の公的年金見直しとの整合性を図りつつ、必要な見直しを行おうとするものであるというふうに私は思いますが、ただ、あくまでも他の年金制度、特に厚生年金の見直しに合わせるということではなく、社会経済情勢や年金財政環境の変化によって共済年金制度の長期的安定のために改正が必要になったはずでございます。
 大蔵大臣と文部大臣にお尋ねいたしますが、本件四法案が国会に提出されたのは昨年の八月でありますが、各共済年金の将来の見通し、すなわち財政再計算が公表されたのはいつなのか、お二人の大臣から御答弁願いたいと思います。
#17
○国務大臣(中曽根弘文君) 財政再計算につきましては、厚生年金におきまして、法案提出の二年ほど前から年金審議会の議論が始まり、それと並行してこの財政再計算の作業も進められる、そういうふうに承知をいたしております。
 共済年金の場合には、厚生年金の改正案の内容が明らかになりました時点で共済の方の改正案の作成に着手をいたしまして、これを踏まえて財政再計算の作業に入るという手順をとらざるを得ないところでございます。
 こういうような事情を考えますと、共済年金におきましては法案提出と同時に財政再計算の結果をお示しすることは物理的に非常に難しい状況でございまして、ぜひ御理解をいただければと思うところでございます。
#18
○政務次官(林芳正君) 国共済でございますが、今、文部大臣からも私学共済について御答弁があったように、十一年の十月一日に財政再計算を実施しておりまして、改正法案の提出は十一年の七月ということで、同じような状況であることを御理解賜りたいと思います。
#19
○伊藤基隆君 例えば、農林年金においては、
 近年、年金受給権者の増加、現役組合員数の減少が続く中で組合員の将来の掛金負担の急騰が見込まれ、制度の安定性に対する組合員の不安を惹起しております。
  本格的な少子高齢社会の到来を目前に控えて、国民の老後の生活設計の柱となる公的年金制度が今後ともその役割を十分に果たしていけるよう、
というふうに農水大臣は本法案の提出理由を説明しております。
 また、私学については、「少子高齢化の一層の進展等最近の社会経済情勢にかんがみ、共済年金制度の長期的安定を図る見地から、」と文部大臣は本法案の提出理由を説明しているところでございます。
 そこで文部大臣にお尋ねします。
 本来はそれぞれの共済年金制度の財政再計算がまずあって、それらの検討の結果、必要な制度の見直しや法律の改正が立案されることになるというのが順番だと思いますが、改正案の立案よりも財政再計算がおくれた理由は何なのか、このことについてお尋ねいたします。
#20
○国務大臣(中曽根弘文君) この財政再計算は適正な掛金率を決めるために行っているわけでございますが、私学共済の場合には、この掛金率の改定につきまして全国の学校法人など加入者に周知徹底を図る必要があるわけでございまして、そういうところから法案を提出した年の翌年の四月を掛金率改定の時期といたしまして、またその時期に合わせて再計算を行ってきたという経緯があるわけでございます。
 情報公開の観点からは、掛金率改定の時期は動かせないといたしましても、財政再計算の結果はできるだけ早く関係者にお示しすることが望ましいことでございまして、こういう点についても今後対応に努力をしていきたい、そういうふうに思っております。
#21
○伊藤基隆君 続いて、また文部大臣にお尋ねします。農水大臣にもお聞きしたいところでございますが、残念であります。
 財政再計算については、国民年金、厚生年金では、少なくとも五年ごとに再計算され、所要の調整が加えられるべきとの規定がございますが、私立学校、農林年金についてはこの規定がないようであります。公的年金である共済年金に財政再計算とそれに伴う調整措置が義務づけられていないのは問題があるのではないかというふうに思うわけです。検討と体制の整備を行うべきと考えますが、文部大臣のお考えはどうでしょうか。
#22
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済の場合には、御指摘のように国家公務員共済組合法のような財政再計算に法的な根拠というものは設けられておりません。この私学共済制度は、制度発足以来、保険者の責任において財政再計算を行い、必要な掛金率の設定を行ってきているところでございます。
 この財政再計算の時期につきましては、基本的にはほかの制度と同様に五年サイクルで行っておりますけれども、昭和四十年代のオイルショックのときに三〇%近く年金額が引き上げられまして、大幅な不足財源が生じたわけでございます。その際には、五年を経過しなくとも再計算を実施いたしまして、掛金率の引き上げを行うという弾力的な措置をとったわけでございます。
 このように保険者の努力が現在の比較的健全な財政状況に役立っているものと考えておりまして、法令による根拠規定がないということが年金財政に悪影響を与えることはないものと、そういうふうに考えております。
#23
○伊藤基隆君 私は、情報公開という問題でお伺いしているわけでございますが、共済年金についても国民年金、厚生年金と同様に大切なことではないかと思います。文部大臣は保険者の努力によって心配がないと言いますけれども、年金を受ける側から見て、あらゆる実態が把握されているかどうかということは極めて重要ではないかというふうに思います。
 参議院の本委員会資料要求で再計算資料が提出されるという事態は、私は改善されるべきだと思います。厚生省が年金白書を昨年から毎年公開して財政状況や資産運用の実態を明らかにしておりますが、このような前向きな取り組みが必要ではないかと考えまして、共済年金を所管する立場からの所見を伺いたいと考えます。
#24
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども御答弁申し上げましたような事情で財政再計算の時期というものがおくれておるわけでございますけれども、できるだけ速やかに関係者にお示しするということは大変必要でもあり大事なことだ、そういうふうに思っておりますので、今後そういう情報公開の観点をよく踏まえまして努力をしていきたいと、そういうふうに思っております。
#25
○伊藤基隆君 なお質問がございますけれども、与えられた時間が参りましたので、これで終わります。
 どうもありがとうございました。
#26
○石田美栄君 引き続きまして、民主党・新緑風会の石田美栄でございます。
 私は、文教・科学委員会が担当なので、年金の改正、改正というと正しくするということですが、私たちは改悪というふうに思っておりますが、当委員会では随分議論が重ねられてきました。その間の議論全般を承知しているわけではありませんので、ちょっとずれたというか、知らないで稚拙な質問もあるかもしれませんが。
 私自身、実は私学共済年金の受給者でございます。国会議員で収入がありますから一割くらい、ほんの少し入っています。学校を出ましてから私立の学校に一年おりまして、それから公立の学校に四年おりまして、その後また私立の学校に行きまして、平成五年に議員になるまで私学共済の中でいろんな実情を感じてきた、そういう立場から幾つか質問をさせていただこうと思っております。
 数字の上では厚生年金の加入者は三千三百四十七万人、そして共済年金加入者数は五百三十四万人というふうに一くくりになっておりますけれども、共済年金の中の特に国家公務員と地方公務員共済組合の加入者と私立学校教職員の共済では、実情が相当異なります。先ほど中曽根文部大臣も、私学共済の場合は一般の企業と同様にと、そういうふうにおっしゃった。本当にそうでございます。ですから、公務員共済の方はいわば親方日の丸であるのかもしれませんが、私学の場合は本当に民間企業と似たようなところで、巨大なものから中小企業、零細までさまざまな私立学校があります。
 法律によりますと、昭和二十七年に既にこの私立学校振興会法の附帯決議のところで「国公立の教職員と均衡を保てるような別途の施策を考慮すること。」というのがあって、今回のこの提出理由にもきちっと「制度創設以来、国公立学校の教職員にかかる共済制度等との均衡を保つことを本旨とし、逐次」と、こうなっています。ですから、国家公務員共済組合法を準用しているというふうにも書いてございますけれども、私が体験上実感したのではなかなかそうではない。もちろん、公務員よりも大きく上回る学校もありますけれども、実態はなかなか、先生もそうですし、そこに働く職員なんというのは本当に大企業と零細企業といった差がございます。
 それで、それに加えて少子化の中で、今、私立学校では、東京というのは特殊なのかもしれませんが、私は岡山ですが、実感しているのでは、定員に満たなくて学校の存続が危ういというようなところも出ています。ついこの間も、私の前の職場は短期大学ですが、そこの友達に会ったら、まだ定年よりも大分あるのだけれども、リストラで僕はこの春でもう首切りだと。たまたまその人は園業をされていますから、そちらに行かれてそれをされるようですけれども、そういうことも目の当たりに実感しております。
 私立学校共済の加入者数を見ると、大学が最も多くて、次は幼稚園なんですね。私もこれは意外だったんですけれども、それから高等学校というふうになっています。これは難しいのかもしれませんが、一般企業なんかの場合ですと、大企業に働く人と中小企業に働く人の率というのも、意外に中小企業が多いわけですけれども、学校の場合は大中小企業くらいに考えてみて加入者数というのはどれくらいの比率でしょうか。
#27
○政府参考人(本間政雄君) 私学を大企業、中企業、小企業というふうに区分するというのは、私どもではそういうふうな区分の仕方をしておりませんので、私学共済の長期給付の加入者数を学校種別ごとに申し上げさせていただきます。
 平成十年度末現在で四十万三千六人ということになっております。主な学校種別ごとの加入者の比率でございますが、先生がおっしゃいましたように、短大を含みます大学が全体の四四・七%、その次が幼稚園でございまして二一・五%、次いで高等学校が二〇・一%、中学校が二・八%、小学校が〇・九%となっております。そのほかに専修学校、各種学校、それから盲聾等の特殊教育諸学校、さらには高等専門学校、それから事業団関係の職員ということになっております。
 なお、つけ加えますと、学校のいわゆる職員の規模とは関係なくこの長期給付につきまして保障をするということで制度ができ上がっております。その点については申し上げておきたいと思います。
#28
○石田美栄君 先ほども申し上げましたが、「国公立の教職員と均衡を保てる」という言葉がありますが、この私立学校共済、今、共済と振興事業団とが一緒になっていますが、短期給付だとか福利事業についてもほかの共済組合と大体同じような制度になっているんでしょうか。
#29
○政府参考人(本間政雄君) 他の共済事業の詳細につきましては詳しくは承知しておりませんけれども、適切な福利厚生事業等を事業団で計画いたしまして行っているところでございます。
#30
○石田美栄君 今おっしゃったように、詳しくは承知しておりませんがというふうにおっしゃいましたが、私立学校振興・共済事業団と今同じ事業団、一緒に特殊法人の統合ということでなっていますが、私学共済は文部省の管轄にあってどの程度の監督、指導をされているのでしょうか。これは文部大臣の方に。そして、特に積立金の運用については文部省はどういう関与をされているのでしょうか。
#31
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済制度の保険者は、特殊法人であります、委員からも今お話ございました日本私立学校振興・共済事業団でございます。
 この事業団に対する文部大臣の監督、指導についてのお尋ねでございますが、これは、事業計画、予算の認可、また決算の承認及び検査等を通じまして行っているところでございます。この事業団において、私学共済法の定めるところにより適切に共済業務を行っているものと考えております。
 また、積立金の運用の現状に対するお尋ねでございますけれども、私学共済の積立金は平成九年度末現在で二兆六千九百四十三億円でございます。この運用に当たりましては、法令の定めるところに従いまして安全でまた効率的に行っておりまして、私学共済の健全な運営に役立っている、そういうふうに考えているところでございます。
 運用環境の厳しい中ではございますけれども、今後とも安全な運用を基本としながらより一層効率的な運用に努めるよう指導していきたい、そういうふうに思っております。
#32
○石田美栄君 多分今の御答弁でも察しがつくのですが、厚生省が厚生年金をやっているような、そういう関与はないんだろうと。安全に効率的にやれと指導し、あるところで報告を受けてチェックしている。ですから、実質は多分自主的に運用しているという実態なんだろうなというふうに思うのですが、次の質問に行かせていただきます。
 各種年金制度の財政見通しの中で最終保険料率到達年度が最も遅いのが私学共済とありますが、私学共済の年金会計の現状はいいというふうに聞いていますし、数字でも出ていますが、少子化が進んで学生が集まらなかったり、将来の状況というのは地方では特に不安を持っている。そういう中で、少子化の予測はもちろんでしょうけれども、私立学校がこれから淘汰されていって加入者数が減ると思うんですけれども、そういうものも予測に入れてこの会計の現状というのは出されているのでしょうか。
#33
○国務大臣(中曽根弘文君) 私学共済の年金財政の将来の見通しにつきましては、今回の改正案と掛金率の据え置きを前提といたしまして、四共済ともでございますけれども、将来加入者数の見込み方について三通りのケースを想定して行っております。
 このうち、最も厳しい出生率の低下に伴う学齢人口の減少に比例して加入者が減少していく、そういうケースについて見てみますと、これは加入者数が将来、平成七十二年でありますと現在の六割程度になるという厳しいものでございますけれども、この場合、現行の掛金率一三・三%について、次回再計算時以降五年ごとに一・八%ずつ引き上げることによりまして、平成五十七年度の二八・三%をピークにいたしましてそれ以降は財政が安定するものと、そういうふうに見込まれておるところでございます。
 厚生年金の最終保険料率は平成三十七年度時点でたしか二七・六%と見込まれておりますけれども、それと比較いたしますと、私学共済の方は穏やかな掛金率の段階的な引き上げによりましてほぼ同程度の最終掛金率による財政の安定が可能である、そういうふうに考えているところでございます。
#34
○石田美栄君 そこで、私、ちょっと疑問に思うのですが、私学共済というのは規模も小さいし状況はなかなか大変なのかなと思っていたら、実際にはそうでもない。厚生年金と比較しても、どうやら厚生年金の方が大変みたいです。
 そうすると、厚生年金というのは本当に大規模で、それを厚生省が直接やっている。そういうのよりも、私学共済のようにある程度の規模で自分たちで、文部省から運用そのものは直接は干渉されないで、自主運用で責任を持ってやっていく。今回も厚生年金が将来少子化もあって非常に危機的な状況になるからということで一連の改正が行われるんですが、私学共済の運用、私も専門的にきちっと認識してではありませんけれども、おおよそ感じているところで結構いいということは、何か厚生年金の運用、年金福祉事業団のことなんかもいろいろ問題になったり、私なんかも身近にそういう施設があるのを見たりしていますと、私立学校共済のいろんな施設の運用なんというのは、すごく営業としてうまくやっているのを利用して感じています。
 厚生年金の会計と比較して、私学共済のように自己責任でやった方がお役所がやるのよりもうまくいくのかなというのを感じているんですけれども、厚生政務次官、こういう感想をどういうふうに思われますか。
#35
○政務次官(大野由利子君) 社会全体の就業構造の大変な変化、またそれぞれの年金制度の今までの変化というようなものを経てまいりまして、昭和六十一年には船員保険と厚生年金の統合が行われてまいりましたし、また平成九年の四月には日本鉄道、日本たばこ産業、また日本電信電話の各共済組合と厚生年金の統合が行われてきたところでございます。
 被用者に対する趣旨というのは同じような趣旨であるわけですけれども、それぞれが分立した形で年金制度が今までは発展してきたわけでございますが、それぞれの制度が分立して発展してきた段階ではその中その中の大きな就業構造の変化で、私学共済に関してはそれほど現状では深刻ではないという状況のようでございますが、今、私もちょっと例に取り上げましたけれども、それぞれの職種なりそういうところによっては大きく就業構造の変革を迫られているということがあって今日の厚生年金の一つの大きな再編成が進められてきた、こういうふうに言えるのではないかと思っております。
#36
○石田美栄君 その再編成の中で、確かに私学共済の加入者の場合というのは、私自身実感したんですが、私は平成五年に議員になりましたから、やめる時点では私学独自の計算方法でしたから、実際に六十歳を超して計算が来ましたら、年金が物すごく少なくなっちゃった、やめた時点でもらっていた資料ですとね、私学共済独自の年金の計算の仕方と。統合の中で金額にして多分十万くらい減っていたみたいです。
 そのことは、社会全体、今、政務次官もおっしゃったように統合する中で合わせていくということで、それはそれで納得しておりますが、私学共済独自でやるとそういうことができたのかもしれませんが、何か護送船団方式かなという感じを持ちました。いろんな事情がありますけれども、一番おくれているというか状況が悪い、あるいは対応が遅くなった、そういうところに合わせるということでそうなったのかなというふうに思いました。
 私学共済の加入者の場合は基礎年金と報酬比例の共済年金だけで、いわゆる厚生年金なんかの適格退職年金とか厚生年金基金といったものはどこの私学も多分それはないのでしょうね。その相当分というのが多分、統合、一律になったときに職域相当部分がそれに当たるんだろうと思いますけれども、この職域相当部分というのは、私自身計算をもらっていてわからないんですけれども、どういうことなんでしょうか。担当の方で結構です。
#37
○政府参考人(本間政雄君) ただいま委員御指摘のとおり、私学共済の加入者につきましては、厚生年金のような適格退職年金、厚生年金基金といったようなものはございません。
 我が国の公的年金制度でございますが、これは従来、民間サラリーマンを対象といたします厚生年金、それから公務員や私学教職員等を対象といたします数種類の共済年金、さらには自営業者等を対象とする国民年金等に分立をしておったわけでございますが、御案内のとおり昭和六十年に抜本的な改正が行われまして、被用者年金制度間における給付の統一化あるいは共通化というものが図られたわけでございます。
 こうした経緯を踏まえまして、現在の共済年金制度でございますが、まず一階部分といたしましては国民年金、これは基礎年金と言われている部分でございます。それから、二階部分といたしまして厚生年金相当部分、これは報酬比例部分というふうに言っております。それに加えまして三階部分、職域部分という三階建ての体系となっております。
 この職域部分についてのお尋ねでございますけれども、一般の民間企業におきます適格退職年金あるいは厚生年金基金といった企業年金が普及を見ている、おおむね三分の二ぐらいの企業でこういうものが設けられているという状況でございますので、これを考慮しまして設計されたものでございます。
 御案内のとおり、私学共済制度でございますが、教育基本法の趣旨を踏まえまして、私学教職員につきまして国公立学校教職員の共済制度と同様の制度を設けて、私立学校教育の振興に資するという目的を持っているわけでございます。このような趣旨から、私学共済年金の職域部分につきましても国家公務員等の共済制度に準じて設けられたということになっております。
#38
○石田美栄君 多分、そういうふうになったことで、それ以前の私学共済年金をもらっていた人にとっては改悪になったんだろうなというふうに思うのです。それはそれといたしまして、こういう改正によって一律、前回そうなったんだと思います。
 私なんかも同僚のを聞いていると、大学を出てから公立の高等学校にいて、それから私立の大学に勤めて、今度国立の大学に勤めると、どこのところでも二十年には達しない、それで将来どれかをつながないと年金が全然ないという状況の友達がいましたが、そういうことは多分もういろんな形でさかのぼって改善措置がなされているんだろうと思います。また、ほかにも、国立大学の先生をずっとして、やめられて私学に行きますと、共済が違いますから、私学でまた五年、十年勤めると、それはまた割引にはなりますけれども私学の年金ももらえるというふうな状況があって、非常に喜ばれた先生も、そういうのも経験しましたけれども。
 こういうあたりは、今特にこれからは転職とか、先ほども申し上げたように私学はいろいろな厳しい状況がありますから、公立にかわるだけじゃなくて一般会社に勤めるようなこともありますけれども、こういう中での年金の継続性、特に報酬比例のところがそれによって不利にならないような、そういうところの制度はどういうふうになっているんでしょうか。
#39
○政府参考人(本間政雄君) 御案内のとおり、私学も少子化という状況の中で学生の確保等が大変厳しい状況にございますので、今後は私学の先生が転職をされる、民間企業に移られるというようなことも考えられるわけでございますし、またそれとは別に、国立の学校の先生が私立に移られる、あるいはその逆のケースもあるのではないかというふうに思います。
 そうした場合の各種年金制度とのつなぎといいますか、連携についてのお尋ねでございますが、委員御指摘のとおり、このあたりにつきましては、まず公的年金制度の一階部分に当たります国民年金、いわゆる基礎年金と言われている部分でございますが、これは一般サラリーマンであってもあるいは共済の加入者であっても全国民共通の制度ということになっておりますので、転職による影響は一切ございません。
 また、報酬比例部分、いわゆる二階部分に当たります共済年金及び厚生年金の年金受給資格はどうかということでございますが、この期間につきましては、ある一つの制度の加入期間のみならず、他の制度に移った場合、その制度の加入期間も通算をするということになっておりまして、通算をして二十五年以上の期間を満たせば、これを要件として加入期間に応じた年金がそれぞれの制度から支給をされるということになっております。
 具体的に例を挙げて申し上げますと、例えば二十年間私学で勤務をした教職員、この間、私学共済の加入者ということでございますが、この方が何かの事情で民間企業に転職をしたというような場合でございますが、民間企業に移られて厚生年金の加入者になられまして例えば二十年間加入をするとした場合には、合計で四十年でございますので通算して二十五年以上の加入期間を有しているということになりますので、私学共済からは二十年分の退職共済年金が、また厚生年金の方からは二十年分の老齢厚生年金が支給されるということでございまして、これと合わせまして、先ほど申し上げましたように国民年金の方から四十年分の老齢基礎年金が支給されるということになっております。
 このように、我が国の公的年金制度におきましては、転職によりまして制度を渡り歩くというようなことがございましても、それぞれの制度の加入期間に応じた年金が支給されるように適切な仕組みが設けられているということでございます。
#40
○石田美栄君 そういうふうになって、同じ種類の年金にいたのとそれから違うので別々にもらうことで不利が起こるということはないんですか。
#41
○政府参考人(本間政雄君) ただいま申し上げましたように、それぞれの共済制度の加入期間に応じた年金が支給をされるということでございますので、仮に一つの共済制度に加入していた場合と比べてどうなのかというお尋ねでございますが、それぞれ加入期間でございますとか共済制度等に応じまして事情が異なるというふうに考えられますので、ちょっとこの段階では詳しくは調べておりませんので一概には申し上げられません。お許しをいただきたいと思います。
#42
○石田美栄君 いろいろ現実的なことをお尋ねいたしましたが、最後になるかと思いますけれども、将来的にはどうなんでしょう、こういう厚生年金、共済年金。国民年金だけの人はちょっと別としましても、私が最初に質問を考えたときには、私学というのは本当は一番不安なんだろうなと思っていたら、現実は私学共済の将来というのはそうでもないというのを知って安心したのですが。
 私の地元なんかでは、私の身内も私立の大学に勤めたりしていまして、将来自分たちは年金をもらえるだろうか、私学は細っていくのにというふうに思っていたのに対して、日本の国全体の私学ですからそうはならない、実態はそうではないようなので、その点では多少安心いたしましたけれども。
 こういった幾つかの各種の年金がございますが、将来的には、厚生省が中心になるのかと思いますけれども、本当に安心できる年金をつくり上げるという意味では、どういう方向に行くのでしょうか。
#43
○政務次官(大野由利子君) これから社会構造、就業構造の変化がますます大きくなってくる、このように思いますし、各共済制度等々の制度の成熟化の進展というものも考えられるわけでございますが、制度の安定化と公平化を図るために、平成八年の閣議決定で、被用者年金制度の再編成を着実に推進をしていく、このように決定をしている次第でございます。
 閣議決定におきましては、被用者年金制度の分立による不安定な負担や制度運営の不均衡な問題というのは、主として各制度の成熟化の進展に伴って生ずるものであることから、今後、二十一世紀にかけて各制度が成熟化する段階において徐々にこの再編成を進めていく、このようにしている次第でございます。
#44
○石田美栄君 もうちょっと時間がありますので、せっかく文部大臣がおいでになっていますので。
 きょうは年金を中心にした福祉事業の話でありますけれども、子供たちの四分の三が何らかの形の高等教育を受けると言われている現在、大学の七三・二%、短大の九二・二%、専修学校の九三・一%を占める私学教育について、そこに働く教職員の年金の話でありましたけれども、最後にひとつ文部大臣、こういう日本の私学教育に対する御所見、そして将来の展望といいますか、そういうあたりの御所見をお伺いできたらと思います。
#45
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、委員からお話がございましたように、我が国の私立学校の果たしている役割というのは、今数値を挙げてお話しいただきましたけれども、高等教育機関のうちの在学者数で申し上げますと約八割、高等学校では三割というような数を占めておりまして、日本の学校教育の発展に大きな貢献をしてきた、そういうふうに思っております。
 しかし、最近、社会情勢が大きく変化をいたしまして、少子化等によって児童生徒数も減少してきている、そういう私立学校を取り巻く環境も厳しくなってきております。それぞれの私立学校がこれらに適切に対応していかなければならないわけでありますけれども、こういう中で、各私立学校におきましては、それぞれ教育の研究条件の向上を図りながら、国際化とか情報化あるいは生涯学習への積極的な対応等をとることにより、また個性豊かな学校づくりを行うことによりまして、さらにまた経営基盤を強化するなどして、さまざまな取り組みを行いながら教育環境の維持に努めておるところでございます。
 今後とも、この大きな役割を果たしている私立学校が魅力ある教育研究活動を積極的に進めていくということが強く期待されるところでありますので、文部省といたしましては、厳しい国の財政事情の中ではございますけれども、各般の私学振興施策を講じることによりまして、各私立学校のさまざまなこういう努力、取り組みを支援していきたい、そういうふうに思っておるところでございます。
#46
○石田美栄君 終わります。
#47
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 本日は、私の方からは四共済の中から地共済に絞ってお伺いをいたしたいと思います。
 地方行政改革、私も以前は地方行政委員会に大変長い間お世話になっておりました。当委員会にまさるとも劣らないいい雰囲気でお仕事をさせていただきました。現在もそうですけれども、自治省のホームページなどを開かせていただきますと、今は「言いたい知りたい!地方行革」、この行革に対していろいろ自治省が取り組んでおられることだとか、そして全国の方々のお声をたくさんお聞きになっている。
 そこで、まず自治省に、今後どういうふうに地方行政改革をやっていかれるのかというところからお尋ねをしたいと思います。
#48
○政府参考人(木寺久君) 自治省といたしましては、平成九年十一月に地方行革の指針を策定いたしまして、その中で定員管理の数値目標の設定等取り組み内容の充実を図りますとともに、これらの内容を広く住民にわかりやすい形で公表しながら積極的に行政改革の取り組みを進めるよう地方公共団体に対して要請をしているところであります。
 各地方公共団体におきましては、この地方行革指針に沿いまして、定員管理の数値目標の設定や民間委託の計画の推進など主体的かつ積極的に行政改革に取り組んできたところであります。
 自治省といたしましては、今後とも自己決定、自己責任の原則に基づき、地方公共団体が住民の監視のもとで主体的にみずからの行政改革に取り組むよう要請するとともに、主体的な地方行革を促すための行財政支援を積極的に行ってまいる考えであります。
#49
○西川きよし君 ありがとうございました。
 私がお世話になっているころは白川自治大臣でございまして、細かいことをいつもお願いしておったんですけれども、そのときには固定資産税約四十六億円と不動産取得税約六十億円、合わせて百六億円ですか、大変なお金ですけれども、御質問させていただいて実現をさせていただいたこともございます。そういった中で、この地方行政に対する熱い思いを随分大臣にも聞かせていただいたんですけれども、その中で、今もございましたけれども地方公務員の数、こういう御見解も随分お伺いいたしました。
 今後のこの地方公務員数のあり方について自治省さんではどういうふうにお考えになっておられるのか、また地方公務員が削減傾向に向かった場合、将来、地共済に与える影響というものをお伺いしたいと思います。
#50
○政府参考人(木寺久君) 地方公務員の定数管理につきましては、先ほどもお話し申しましたように、各地方団体におきまして主体的に数値目標を定めた定員適正化計画を策定して、その適正化に取り組んでいるところであります。
 地方公務員総数につきましては、平成七年から五年連続して減少しておりまして、この五年間で約五万人減少しているところであります。
 国、地方を通じます行財政改革の推進は現下の喫緊の課題でありますことから、自治省といたしましては、これまでも地方団体に対して定員管理の適正化を要請してきたところでありますが、今後とも定員適正化計画の着実な実行と見直し、数値目標の公表など定員の縮減、増員の抑制に積極的に取り組むよう要請をしていく考えであります。
 それから、このような地方行革でありますとかあるいは少子高齢化の影響等によりまして地方公務員の数が今後減少していくこともあり得るという見通しに立ちまして、今回の財政再計算におきましては、再計算の前提であります将来の組合員数を、これまでの前提でありました一定とするケースに加えまして、対人口比率一定で減少する場合、それから対厚生年金被保険者数比率一定で減少する場合の三通りの推計を行っております。
 この中で、減少幅が最も大きくなります対厚生年金被保険者数比率一定で減少の場合につきましては、二〇六〇年度、平成七十二年度には現在の地方公務員総数に比べまして約三分の一程度減少するという見込みでございます。いずれのケースにおきましても、今回の制度改正を前提にいたしますれば、最終保険料率は、前回、平成六年の財政再計算におきます最終保険料率の見込みを下回る水準となる見込みでございます。また、この時点で一定の積立金を保有し、将来の年金給付に備えることができる見込みであります。
 このように、今回の制度改正によりまして、給付面での見直しを行う一方、保険料率につきましては当面据え置きますものの、財政再計算の結果に基づき適切な水準に、なだらかに引き上げていけば長期的に見て収支の均衡を図ることができるものというふうに思っております。
#51
○西川きよし君 御丁寧にありがとうございました。
 それでは次に、ちょっと具体例をもって御質問をさせていただきたいんです。先日、地元の新聞で大きく報道されたものですけれども、ぜひこの機会にお伺いしておきたいな、こういうふうに思ったものですから。
 まず、自治省にお伺いしたいんですけれども、昭和六十年のこの改正時のことですけれども、「懲戒処分等による給付制限措置については、今回の改正後、本人の掛金相当部分については行わないこととすること。」と、このような附帯決議が衆議院の地方行政委員会で決議されているわけです。この点につきまして、その後どのような措置がとられたのか、ぜひお伺いしたいと思います。
#52
○政府参考人(木寺久君) 昭和六十年の法律改正におきましては、長期給付の給付設計が変更されましたために支給制限の方法についても変更されることとなったわけでありますけれども、地方公務員共済年金制度が社会保険制度の一環でありますことから、組合員本人の掛金相当部分についてまでも支給制限を行うことは不適当であるとの趣旨から、先ほど御指摘のありました附帯決議がなされたものと考えております。
 支給制限の方法を定めます政令におきましては、この附帯決議を受けまして、禁錮以上の刑に処せられた場合または懲戒処分を受けました場合には職域年金部分の百分の五十を支給制限することとされているところでございます。
#53
○西川きよし君 次に、照会書というのがあるんですが、「照会書偽造の元警部補、年金一部差し止めを 市民オンブズが監査請求 奈良」という大阪の新聞での記事ですけれども、「捜査の照会書を偽造し、個人情報を漏えいしたとして有印公文書偽造罪などで起訴され、懲役二年を求刑されている県警の元警部補について、県警が懲戒免職処分としなかったのは違法だとして、市民オンブズ・ならが八日、県の監査委員に、被告への地方公務員共済年金の一部の支払い差し止めを求める住民監査請求をした。」、続きまして「監査請求書では、この事件は懲戒免職が相当として、地方公務員共済組合が、職域年金相当部分の一部の支給を停止するよう求め、仮に支給する場合は本人や県警幹部に、差額を賠償させるよう求めている。」、そして「代表委員は「懲戒免職となるべき犯罪を犯しているのに依願退職を認め、不当な利益を与えることになるので問題を提起した」と話した。」というふうな文でございます。
 こうした事案に関連いたしまして、この地方公務員共済年金の支払い差しとめを求める住民監査請求が行われたことについては、どういうふうに自治省の方ではお考えでございましょうか。
#54
○政府参考人(木寺久君) この種の事案につきましての制度でございますが、組合員が禁錮以上の刑に処せられた場合または停職以上の懲戒処分を受けたときは、その者に支給する退職共済年金等の額のうち、いわゆる職域年金部分の額の全部または一部を支給しないこととされております。
 具体的に申しますと、組合員が禁錮以上の刑に処せられた場合は職域年金部分の額の百分の五十、それから組合員が懲戒処分によって退職した場合には職域年金部分の額に懲戒処分による退職までの組合員期間を年金の算定の基礎となった組合員期間で除して得た率を乗じて得た額の百分の五十、それから組合員が停職処分を受けた場合には職域年金部分の額に停職処分を受けた組合員期間を年金の算定の基礎となった組合員期間で除して得た率を乗じて得た額の百分の二十五、それから退職共済年金等の受給権者が禁錮以上の刑に処せられた場合には職域年金部分の額の百分の五十の給付が制限されることとなっております。
 これらの給付制限は、当該給付制限を開始すべき月から通算して六十カ月、五年間に限り行われるわけでありますが、退職共済年金等の受給権者が禁錮以上の刑に処せられその刑の執行を受けるときは、その間は職域年金部分の額が停止されるという制度になっているところであります。
#55
○西川きよし君 ありがとうございます。
 法律を読ませていただいたり、そしてまた法律や制度やそういう行監、そしてまた法律にのっとってやるべきことはよくわかるんですが、そこにはまた子供さんや奥様や家族のことやと、いろいろこう目を通させて勉強させていただきますと、難しい部分も多々ございますけれども、本当に今まさに公務員の処分のあり方が問われているというような時期でもございますし、住民感情からしますとさらにこの規定を厳しくすべきだというような声ももちろんございます。
 この懲戒処分等による給付制限の措置のあり方、もう時間が参りましたのでこれを最後の質問としたいのですけれども、ぜひ自治政務次官の方から御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
#56
○政務次官(橘康太郎君) お答え申し上げます。
 ただいま公務員部長の方から御説明申し上げましたとおり、いわゆる職域年金部分のうち地方公共団体負担相当分である百分の五十を支給しないこととし、組合員本人の掛金相当部分である百分の五十は支給することとしているところと、こういうふうに部長は申し上げました。
 議員御承知のとおり、公務員の年金制度は公的年金制度としての性格とともに、公務員制度の一環としての性格を持っているわけでございまして、厚生年金にはこのような制度はないわけでございます。公務員としてのいわゆる罰を受ける部分と、それからもう一つは本当に自分が一生懸命今日まで掛けてきた部分、これはいわゆる年金部分でございますが、これまでも取り上げてしまうということにつきましては、これは先生も人間でございますから、せっかく一生懸命掛けてきたものを全部取り上げてしまうということは、これは先生も御理解いただけるんではないかと、このように思うところでございますので、五〇%は残すということで御理解賜りたいと思います。
#57
○西川きよし君 終わります。
    ─────────────
#58
○委員長(狩野安君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、井上美代君が委員を辞任され、その補欠として須藤美也子君が選任されました。
    ─────────────
#59
○須藤美也子君 日本共産党の須藤美也子でございます。
 共済年金の一つである農林年金について質問させていただきます。
 本法案によって二〇一三年より支給開始年齢が引き上げられ、二〇二五年には六十五歳になる。農業団体の定年は大体六十歳。六十歳以上になかなかならない中で、当面は退職金などで食いつないでいても無年金の年が発生するわけです。そのときの生活の保障は何もありません。その間の生活をどう暮らしていったらよいのか、農水大臣、どのようにお考えでしょうか。
#60
○国務大臣(玉沢徳一郎君) お答え申し上げます。
 農林漁業団体では高齢化の進展に対応して定年年齢の延長に努めてきており、六十歳以上の定年年齢を定めている農業漁業団体の割合は平成七年の七七%から平成十一年度には九五%となっております。また、農協系統組織では、高齢者雇用対策として、農協等の業務を受託する人材センターを四十四都道府県で設置し、定年退職者の再雇用に努めているところであります。
 今後における高齢化の一層の進展を考慮いたしますと、こうした農協系統組織の高齢者雇用への取り組みは望ましいものと考えられ、農林水産省といたしましてもこのような取り組みがさらに促進されるよう適切に指導してまいりたいと考えております。
#61
○須藤美也子君 高齢者雇用といっても非常に今厳しい状況になっていると思います。四十四ですか、JAグループで人材センターをつくられているのが。
#62
○国務大臣(玉沢徳一郎君) そうです。
#63
○須藤美也子君 そうですね。
 毎年約三万人の農業団体の職員が退職をなさっております。人材センターの再雇用実績はどのようになっているでしょうか。
#64
○政府参考人(石原葵君) 人材センターの雇用の実績でございますけれども、平成十年六月末現在で一千百六十四人となっております。
#65
○須藤美也子君 毎年三万人の方々が退職をなさる。そういう中で、人材センターの再雇用の実績は、これは一年間でしょうか、千百六十四人というのは。
 年間で千百六十四人というのでは余りにも再雇用ということでは展望がない、このように言わざるを得ないと思うんです。
 さらに、農林漁業団体においては定年年齢が延びていく。しかし、六十一歳以上の定年、これを実施している団体はどのくらいあるでしょうか。
#66
○政府参考人(石原葵君) 農林年金加入団体の定年年齢の実施状況でございますけれども、六十歳以上の定年を定めているものは九五%ということでございます。
#67
○須藤美也子君 六十一歳以上の定年のことを私は申し上げているんですけれども。
#68
○政府参考人(石原葵君) 失礼いたしました。
 六十一歳以上は四・五%となっております。
#69
○須藤美也子君 大変少ないですね。そういう中で六十五歳に定年を引き上げるということになりますと、雇用情勢も含めて非常に厳しい問題が出てくると思うんです。
 そこで、六十歳にならないうちに農業団体の方々は、退職勧奨や団体の解散によって非常に最近退職がふえている傾向にあります。例えば、農業団体の退職状況は、五十歳代が前年の二二・五%から二五・四%、二・九ポイントふえております。
 先ほど六十一歳以上の定年は四・五%と。こういう状況の中で、今、人材センターも余り稼働はしていない、高齢者雇用対策を非常に強化しなければならない、こういう状況に今あると思いますが、そういう中で退職者がどんどんふえている、退職せざるを得ないような状況に追い込まれながら退職している、再雇用も厳しい。とすれば、この雇用の問題をどのように強化していくのか、具体的に示していただきたいと思います。
#70
○政府参考人(石原葵君) 二点申し上げたいと思います。
 まず、六十一歳以上の定年を定めておりますのは、先ほど四・五%と申し上げましたが、今回の改正は二階、三階部分、給与比例部分につきまして支給開始年齢を十分な準備期間をとった上で平成二十五年度から段階的に六十歳から六十五歳まで引き上げるということでございますが、また引き上げ後も六十歳から年金を繰り上げて受給できる道を開くということをしているという点を申し上げたいと思います。
 それで、この六十五歳の定年の問題でございますが、現在、六十五歳の定年年齢の導入につきまして検討中の団体、これは全中それから農林年金の方で平成十年に調査したものでございますが、検討予定というのが四〇・二%になっております。なお、既に導入しているのが二・九%、導入検討中は四・七%ございまして、検討予定というのは四〇・二%ということで、半数ほどが六十五歳の定年につきまして何らかの検討に入っているというふうに理解しております。この実施まで若干時間がございますので、先ほど大臣が申し上げましたように、我々といたしましてもこういう方向での努力を進めていきたいと思っております。
 それから、もう一つ申し上げたいのは、現在、勤務延長制度というのと再雇用制度というのを系統の方では採用いたしております。勤務延長制度といいますものは、定年年齢が設定されたまま、定年年齢に到達した者を退職させることなく引き続き雇用する制度でございます。これが現在五・七%になっております。それからもう一つ、再雇用制度というのがございまして、これは定年年齢に到達した者を一たん退職させた後に再び雇用する制度でございまして、この制度があるJAは二三・七%ということになっております。
 いろいろ申し上げましたが、人材センターのほかにもこういう制度を持っているJAがかなりございます。我々は、こういう方向での努力も進めていきたいと考えているところでございます。
#71
○須藤美也子君 いろいろ数字をお述べになったようでございますけれども、今、農業団体では退職勧奨で五十歳代の退職者がふえていると先ほど申し上げました。雇用確保とは逆の方向に今行っていると思うんです。このような中で、支給開始年齢が引き上げられたら本当に大変だと、現場ではそう言っております。その上、支給総額も減額される。五%削減、賃金スライドの廃止と合わせて、二〇二五年に年金支給の対象になる人は現行制度に比較して生涯の給付総額はどれだけ削減されるのか計算しておられると思いますが、いかがですか。現行制度と二〇二五年に削減される金額との差額です。
#72
○政府参考人(石原葵君) モデル世帯の設定でございます。二〇二五年度に六十歳で退職する夫と妻につきまして、六十五歳及びその平均余命、十八年間ととらえておりますが、それまでの間に受給する退職共済年金及び老齢基礎年金の生涯受給総額は、現行制度では五千五百万円となっております。改正案では四千四百万円という試算結果となっているところでございます。総額で見ますと、二割程度減少するということでございます。
#73
○須藤美也子君 つまり一千百万円、これが削られるということですね。二割削られるということになるわけです。この農林年金がこのように削減される。こういうことは、国民の食料供給のために農業・農村で長い間苦労して働いてきた組合員の老後の生活を削り取るような改悪になると思いますが、これは本当に認めるわけにはいかないと思います。
 大臣、このような老後を削り取るような改悪法、二割も削り取るような改悪法に対して、大臣は改正法と思うんでしょうけれども、私どもは改悪と思っておりますので、それについてどのようにお考えでしょうか。
#74
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 現行のままですべてが推移できればこれにこしたことはないわけでございますけれども、御承知のとおり、我が国の社会は高齢化が進んでいる一方で少子化が進んでおる、こういう状況でございますから、そういう中におきまして、何とか工夫して将来ともに国民の老後生活の安定を確保するために、安心して年金が受給できるようにしていくということが大事である、こういうふうに思うわけでございます。
 確かに、委員のおっしゃられるように減少はするわけでございますけれども、制度を維持しまして、そして将来世代の負担が過重なものとならないように制度全体の見直しを行っていく必要があると、こういうふうに考えております。
#75
○須藤美也子君 そうしますと、大臣が今おっしゃったことは制度を維持していくということなんですね。そうですね。
 では、改正しなくてもいいということですか。
#76
○国務大臣(玉沢徳一郎君) つまり、老後の心配がないように、この制度全体がなくならないように維持していくということが大事だと思います。
#77
○須藤美也子君 本当に老後を安心して暮らしていけるためには、現行制度を維持していくということなんですよ。現行制度を悪くしておいて、どうして老後の安心な生活が送れるとお思いですか。
#78
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 将来を考えますと、現行制度を維持していくということになってまいりますと財源が枯渇するわけでございます。そうしますと、将来全く年金がもらえない、こういう人も出てくるわけでありまして、そういうところにも配慮する必要があるんじゃないかと。
 確かに、理想は委員のようにやることが一番大事なことでございますけれども、いずれかの将来、現在のままでいった場合におきまして必ず行き詰まると。その責任について何にも言っておらないというのは一方的ではないか、こう思います。
#79
○須藤美也子君 私は、現行の制度を維持していくためにどう努力していくのか、これがやっぱり重要だと思うんです。もう先のことを恐らく何も努力もしないとは言いません。しかし、このままいったらもらえない人も出てくるかもしれないと、そういう考え方では、老後の生活を守っていく、そういう立場に立った政治というのは生まれてこないと思うんです。
 そこで、財政の問題についてお尋ねしたいと思うんです。財政の問題について、JAは九七年の第二十一回大会で二〇〇〇年までに五万人の人員削減を行うことを決めました。これは御存じですね。
#80
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林大臣として当然のことでございます。
#81
○須藤美也子君 今の答弁で、五万人をリストラするということが当然なのか、それともJA大会で五万人削減することを知っていたということが当然なのか、どちらなんですか。
#82
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 知っているかと聞かれましたから、知っているのは当然であると、こういうことです。
#83
○須藤美也子君 それでは、九四年の財政再計算のときに、農林年金加入者はピーク時の五十一万人、こういうふうに対象として計算をしているわけです。しかし、九八年度には既に四十八万人に減少しています。そして、今でも減少し続けている。九四年度の財政再計算の時点では、将来組合員数は五十一万人と見込んでいるんですが、このように減っている。これは農水省の見込み違いではありませんか。
#84
○政府参考人(石原葵君) 見込み違いとおっしゃられましたが、この財政再計算につきましては、人数の問題、運用利回りの問題、多々ございます。こういうもろもろのものをあわせまして財政再計算として計算いたしまして、制度の改正につなげていくという性格のものでございます。
#85
○須藤美也子君 九四年というのはどういう年なのか。きのうも聞きました。農水省であればわかっているはずです。九四年という年はウルグアイ・ラウンドに合意した年であります。米を初めとする農畜産物の輸入拡大が始まった年、こういう年です。こういう中で農業・農村が深刻な状況に今落ち込んでいます。
 こういう状況がわかっていながら五十一万と計算をした。そして、今、財政が大変深刻になってきている、このままいったら年金を払えないような状況を迎えることになる、このような極端な答弁を大臣はおっしゃっておりますけれども、九四年度にこういう財政再計算をした時点で私は農水省の責任は重大だと思うんですが、その点はどうですか。局長でもいいです。
#86
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 確かに、いろいろな情勢が影響して農協の経営その他に影響を及ぼしているものがあるかとは思うわけでございますけれども、やはり金融の問題であるとかいろいろな社会情勢の変化等に伴いまして農協系統もスリム化しまして、そして地域農業の振興や担い手農家の営農活動の支援を的確にやっていく、こういうようなことからも組織自体で討議をしまして決定したものと考えておるわけでございます。
#87
○須藤美也子君 農業を取り巻く情勢が非常に厳しい中でこのような年金問題も含めて政策がとられているわけです。組合員の減少というのは、農協の合併、解散、そういったような中で職員を減らせ、こういう状況が進んでいるわけです。退職者の理由の中には、団体の解散、合併がふえているわけです。
 組合員減少の背景に農産物価格の低下や輸入の増大、こういうことによって農家と農協の経営が圧迫されている、こういう問題があると思いますが、そう思いませんか。
#88
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 社会一般におきましても、この間におきましてはそれぞれの経済情勢に応じまして、会社におきましてもリストラとかそういう形で改革が行われてきておる。農協組織であったとしましても、そうした経済社会上の変化にやはり対応せざるを得ない、こういう側面もあったものと考えております。
#89
○須藤美也子君 つまり、年金の財政問題を今日ここまで深刻にしたその一つの要因は、組合員が減少している、激減している、こういう問題が一つあると思うんです。そうすれば、どうするのか。
 まず一つは、食料・農業・農村基本法の中では自給率の向上、それから生産の増大をうたっております。しかし、こういう中でも農協の職員が減少している。こういう農協職員の減少が基本法に定めている自給率の向上や生産の増大に大きなマイナスになっているんです。
 例えば、ある雑誌にこういうことが訴えられております。農協の広域合併によって、今まで農産物を集落まで出向いて出荷していたが、合併と同時に旧支所まで農家が持っていくことになり、車の運転のできない高齢者農家は農業経営を続けることが困難になってきた。農協職員の果たしている役割、これまで果たしてきた役割というのは極めて重大な問題なんです。農村の活性化にとって欠くことのできない役割を果たしてきたんです。その農協職員を農協の合併あるいは解散、こういうことで計画では五万人も削減する。このこと自体、私は非常に大きな問題がある。
 ですから、職員を確保するために雇用拡大、組合員をふやすためにどうするのか、こういうことを前向きに考える必要があると思うんですが、大臣はどうでしょうか。
#90
○国務大臣(玉沢徳一郎君) まず、組合員をふやすかどうかということにつきましては、農業の機会をできるだけ大きくしまして、担い手が意欲を持って取り組めるような施策を講ずることによりまして後継者もふえていく、こういうことが大事かなと、こう思います。
#91
○須藤美也子君 私は担い手の問題を言っているんじゃないんです。農林年金ですから職員、組合員をふやすということなんです。ですから、その見通しはあるんですかと聞いているんです。
#92
○政府参考人(石原葵君) 先生の御指摘でございますが、農協系統は先ほど大臣が答弁いたしましたようにスリム化を図っております。しかしながら、そのスリム化の中で、合併等を行うことに伴いまして職員に退職を強制したりすることは一切いたしておりません。合併等を行った場合には、従来の雇用計画が新たな農協の方に承継されるということでございまして、決して退職を強制するようなことはいたしておりません。
 農協は、みずからの判断といたしまして、先ほど大臣が金融事業のことを申し上げましたが、他の金融業態との競争、それから経済事業につきましても、いろんなスーパー等が田舎の方にも進出してきております。こういうところとの競争が激しくなっております。そういう激しい競争の中で、あくまで農協系統が地域農業の振興や担い手農家の営農活動の支援を的確に行っていくという判断のもとにスリム化を行ったということでございますので、御理解いただきたいと思います。
#93
○須藤美也子君 それはちょっと違うんじゃないですか。全中は五万人の削減をすると決定しているわけでしょう。ですから、農協の合併とか統合とか解散というのが生まれているわけです。ですから、農協職員、組合員を削減しないように、維持するように、そういう目標を改めて持つ必要があるのではないか、新たに持つ必要があるのではないか、こういうことを申し上げているんです。
 そういう目標はない、こういうことですか。
#94
○政府参考人(石原葵君) 一般の会社でも同様でございますが、今後、厳しい競争を勝ち抜くためには必要なスリム化、言葉が悪ければリストラということでございますけれども、そういうことをすることが必要であろうかと思っております。
#95
○須藤美也子君 組合員、農協職員を本当に必要な人員は確保する、そして農業発展のために、活力ある農業をつくるためにも私は農協職員あるいは農業団体の職員の削減はやめるべきだと、こういうふうに申し上げたいと思います。
 また、人員の問題とともに財政見通し悪化の一因に運用利回りの低下があると思います。九四年度の計算のときは何%を前提にしてきたのか、そして現在はどうなっていますか。
#96
○政府参考人(石原葵君) 平成六年度の財政再計算における予定運用利回りは、公的年金制度共通に五・五%となっておりました。また、運用利回りは年々低下してきております。平成十年度は三・七%となってきております。
 これも先ほど申し上げた点でございますが、このような運用利回りの低下、それから組合員数の見込み、これがかなり予定より少なくなってきたこと、こういうもろもろのことを踏まえまして、新たに財政再計算を行って制度の改正を行うということでございます。
#97
○須藤美也子君 約二兆円の積立金の運用からすれば、二%の利回りの低下は約四百億円の収支見通しの違いになっています。これも政府の低金利政策による影響だと思いますが、これはどう考えていますでしょうか。
#98
○政府参考人(石原葵君) 運用利回りは、金融状況の影響を受けているものであろうかと思っております。
 なお、先ほど運用利回りの話を申し上げましたが、その他の要素といたしまして消費者物価の上昇率、これは財政再計算のときには二・〇%ということで計算したわけでございますが、御案内のとおり、その後の物価指数は、平成八年が〇・一、九年が一・八、十年が〇・六と、これは予定より下回っているということでございまして、こういうもろもろのことを考慮いたしまして財政再計算を行うということでございます。
#99
○須藤美也子君 今日の財政状況をつくった背景には、農政や金融等の政府の施策が背景にあると思われます。
 その点からすれば、衆議院の厚生委員会の附則、基礎年金の国庫負担の割合を引き上げることについて総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずると。これは平成六年の衆議院の厚生委員会においてこの附則がつけられたわけです。これを実施することだと思うんです。つまり、基礎年金拠出金の国庫負担率を現在の三分の一から二分の一にふやせば農林年金の収支状況はかなり好転すると。どのくらいこの収支がよくなるとお考えですか。
#100
○政府参考人(石原葵君) 国庫負担の引き上げにつきましては、その時期を含めて安定した財源確保のための具体的な方法と一体として検討する必要があると考えておりますが、お尋ねの点につきまして、あくまでも数字上の単純な計算でございますが、それで行いますと、現行の基礎年金拠出金、三分の一の負担額は四百二十六億円となっております。仮にこれを二分の一に引き上げられるということで計算いたしますと六百三十九億円となりまして、国庫負担が約二百億円程度増加することになります。それを逆にいいますと、農林年金の負担はその分軽減されるということにはなります。
#101
○須藤美也子君 大臣、国庫負担をふやせば収支がよくなる。これについて大臣、あなたは大臣ですから、内閣ですからこれを実施しなさいと、こういうふうに強く申し上げたらいかがでしょうか。
#102
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 国庫負担をふやせば問題は解決すると。確かにそうでございますが、これは全体としてよく検討をしましてやっていく必要があると考えます。
#103
○須藤美也子君 では、検討をしていただきたい。期待を申し上げたいと思います。
 最後になりますが、統合問題とのかかわりでちょっとお聞きをしたいと思います。
 二〇〇一年の農林年金の厚生年金への統合のためには今の年金法の早期成立が必要だ、こういう要請が私のところにもたくさん来ております。しかし、統合と年金法改定とは全く別の次元の問題であると思いますが、どうですか。これは別の問題ではないですか。
#104
○政府参考人(石原葵君) 農林年金と厚生年金との統合のためには、現在御審議いただいております新たな年金制度の枠組みのもとで財政再計算を行いまして、社会保障制度審議会年金数理部会で検証していただくことが第一に必要でございます。その後、公的年金制度に関する一元化懇談会におきまして、関係者間の調整や合意形成を図るという手続が必要でございます。このような二つの手続が必要だということでございます。
 農林水産省といたしましては、関係省庁と連携しながらこれらの手続を順次進めまして、早期統合ができるよう努力していきたいと考えているところでございます。
#105
○須藤美也子君 私は、早期統合の問題を聞いているのではないのです。統合の問題と今回の年金制度の改正とは次元が全く別の問題でしょうと聞いているのです。
#106
○政府参考人(石原葵君) 統合ということになりますと、農林年金から厚生年金への移換金、こういうものを計算する必要がございます。こういう移換金等を計算する場合に、一定の年金制度の枠組みが前提として必要だということでございまして、政府といたしましては、現在、年金共済改正法案を提出して御審議をお願いしているところでございますので、この法案の成立を前提といたしまして統合手続を進めていく必要があるものと考えているところでございます。
#107
○須藤美也子君 それは問題だと思います。現に三年前、JRなどの三共済が厚生年金に統合されたとき、制度の根幹を改定する年金法の改定は前提になかったでしょう。どうですか、大臣。わからないですか。わからなければ局長でいいです。
#108
○政府参考人(石原葵君) 私もその過去の話はよくは承知しておりませんが、しかし我が方といたしましては、現在こういう年金それから共済法案を提出している、これが現実でございますので、あくまでその現実を踏まえまして、あくまでそういう現実の年金制度の枠組みのもとで計算をいたしまして移換金等の議論をする必要があると考えておるところでございます。
#109
○須藤美也子君 何回も繰り返してもしようがないですね。その答弁を繰り返すだけでしょう。統合と今回の年金改正法とは全く次元が違うでしょうということです。性格が違う問題です。そこから出発しなければ、統合問題も私は正しく進んでいかないというふうに思います。
 早期統合をそういうふうに早くせい早くせいというようなことを農水省の方で言っているのか、考えているのかわかりませんけれども、制度改悪の年金法でも早く通してしまって早く統合の方に行ってほしいというのは、私は言語道断だと思うんです。基本となる年金制度の改悪をやってから、では統合をやりましょう、これでは余りにもひど過ぎる、農林年金の場合にこう言わざるを得ません。
 例えば制度を守って職員の老後を守る、そういう年金へ統合するのであればベターだと思うんです。ところが、悪くなった年金制度に統合するというのは、これは全く間違いだと思っています。大臣、この点はわかるでしょう。
#110
○国務大臣(玉沢徳一郎君) また最初の議論に戻って恐縮なんですが、農林年金関係者からも一致してこれは統合を進めてください、こういう要請もあるわけでありますから、それは確かに委員がおっしゃられるように条件その他は低くなる。改悪という言葉を使っておられるわけでありますけれども、しかしながら、全体としましてはベストではないけれどもやはり老後の安心を図るためにはこの制度を維持していくことが大事だ、こういう観点から、統合等についても農林年金関係者が団体としても組織決定をしまして要請しておるわけでありますから、やはり我々はそれに対してもこたえていく必要がある、このように考えます。
#111
○須藤美也子君 答弁が全くすれ違っていますね、大臣。
 私ごとで大変恐縮ですが、私の夫も農林年金の受給者であります。しかし、そういう考えは持っていません、受給者であっても。基本的な農林年金の土台となる改正、今回これはやめるべきだ、こういうふうに考えています。ですから、あたかもみんなが、受給者がそういう考えだというようなことはやめていただきたい、こう思います。
 時間が来ましたので、重要なことは、農林年金の財政悪化を来さないためにも直ちに基礎年金拠出金の国庫負担をふやすこと、さらに農協職員、漁協、森林組合職員を確保し、雇用できる農林水産業の維持発展、とりわけ生産者の経営を守ること、これを重点にした農政の転換がこの際必要ではないか、こういうふうに考えますが、大臣、最後にどうですか。
#112
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 委員の御夫君は、夫唱婦随でございますから一応考え方は委員と同じであるかもしれません。しかしながら、全体の組織の決意がやはり総意としてあらわれておる、こういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この際におきましては、確かにいろいろな政策をとることも大事かとは思いますけれども、やはり制度を維持してこれが破綻しないようにしていくということが現在の時点では大事である、こういうふうに考えますので、早期統合についての御理解をいただきたいと存じます。
#113
○須藤美也子君 最後に、農林年金の問題は活力ある日本農業の再建を抜きに考えられない、このことを大臣に強く申し上げて、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございます。
#114
○清水澄子君 社会民主党の清水です。農林大臣にお伺いをいたします。
 農林年金と厚生年金を統合した場合に、そこに必ず雇用問題が発生をすると考えられます。と申しますのは、平成九年四月に統合いたしましたJRとかJTとかNTT、そういう単一企業体の共済組合とは農林年金は異なっていまして、農林年金の場合は全員が共済プロパーの職員であるということです。ですから、どこか親会社に戻るとか健康保険業務に移るとかということができないわけです。したがって、厚生年金との統合後は清算業務以外に事業がなくなるというおそれがございます。ですから、ここに雇用されている職員の皆さんの雇用問題について、この人たちが不安を抱かないように責任ある対処をしていただきたいと思いますが、お答えいただきたいと思います。
#115
○国務大臣(玉沢徳一郎君) この問題は直接農林年金のプロパーの職員の皆さんとも私もお会いしまして、いろいろと実情を聞きました。したがいまして、この農林年金の職員の処遇や雇用の確保は、厚生年金との統合を円滑に進める上で極めて重要な問題であると考えております。
 特に、農林年金の職員はすべて共済プロパーの職員であり、農協や連合会からの出向者でないため、当然に戻れる職場がないということにも留意する必要があるものと考えております。このため、農林年金においては、定年退職の不補充、希望退職者等により時間をかけて減員に努めるなど、雇用上の問題にも留意する方向で組織協議が進められていると聞いております。
 農林水産省といたしましても、今後の統合に向けての検討の状況を見ながら、職員の方々の雇用上の問題にも十分留意しつつ、適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。
#116
○清水澄子君 その場合、農林年金制度の統合というのは平成八年三月の政府の閣議決定を踏まえた上で決定されておるわけでございます。ですから、政府の方針に沿っての統合と言えるわけですから、雇用問題が全然そこで生じないようにしていく全責任があると思います。
 そこで、平成七年二月の特殊法人の整理合理化についての閣議決定がございますね。この閣議決定の趣旨に沿って、行政の責任において具体的な雇用対策を講じていくということと大臣が責任を持って進めるということを、ここでひとつしっかりお約束をいただきたいと思います。
#117
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林年金と厚生年金との統合は、平成七年二月の特殊法人の整理合理化についての閣議決定に基づくものではありませんが、農林年金の職員の処遇や雇用の確保は、厚生年金との統合を円滑に進める上で極めて重要な問題であると考えております。
 今後の統合に向けての状況を見ながら、職員の雇用上の問題にも留意しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
#118
○清水澄子君 ぜひその平成七年二月の閣議決定の趣旨を踏まえて、責任を果たしていただきたいと思います。
 次に、農林年金が保有しております六つの宿泊施設がございますが、これが統合に際して今後どのようになっていくのか。施設の譲渡とか閉鎖が検討されているようでございますけれども、施設の現場で働いておられる方が約四百名おると聞いております。その雇用についても、やはり皆さんたちは非常に不安を持っていらっしゃるわけですけれども、ぜひ大臣としても、この施設に働く職員の雇用問題についても本体職員と同様に責任を持って対処していただきたい。このことについて、ひとつお答えいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農林年金の宿泊施設のあり方につきましては、厚生年金との統合に向けた検討課題の一つとして、農林漁業団体において、宿泊施設の職員の雇用上の問題にも留意しつつ、組織協議を行っているところであると聞いております。
 農林水産省といたしましても、農林漁業団体における検討結果を踏まえて、またその職員の雇用上の問題にも留意しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
#120
○清水澄子君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次は農林共済について、今回の年金改定の影響についてなんですけれども、そこで幾つか伺いたいんですが、給付水準の五%引き下げによって農林共済が受ける影響額、十二年度予算の上では幾ら影響を受けるのか、またそのうちに公費が負担する額の変化は幾らなのかということをお聞きしたいと思います。
 まず一つが、給付水準の五%引き下げによって幾らなのか、賃金スライドの停止の影響は幾ら受けるのかということ。そしてもう一つは育児休業です。育児休業については、今度は休業期間中の年金掛金の事業主負担については法案では免除されるわけですから、それらは幾ら軽減されていくのか。そういう意味で、公費の負担がどの程度減る部分と、それから負担の部分がどういう金額になるかをお答えいただきたいと思います。
#121
○政府参考人(石原葵君) 今回の改正案の共済年金給付額に対する影響につきましては、六十五歳以降の賃金スライド停止の影響と給付水準の五%適正化の影響、これが組み合わさったものでございますが、六十億円程度の減少が見込まれているところでございます。また、育児休業期間中の掛金の事業主負担分の免除額は三億円程度と見込まれているところでございます。
 なお、農林年金に対する補助金への影響はございません。
#122
○清水澄子君 全部で六十億。そんなにありますか。五%引き下げと賃金スライドの停止で公費支出は二億円減るということじゃないんですか。
#123
○政府参考人(石原葵君) 失礼しました。国庫負担分だけですと二億円ということでございます。
#124
○清水澄子君 余り公費負担が減るということではないわけですね。十二年度予算に影響はそんなに多くはないということだと思います。ですから、今この年度末に当たって予算案などほかに重要な法案もある中で、こうした年金とか共済関係の法改正の審議というのを何も年度内に強行する必要は私は余りないんだと、このようにここでその数字を見て感じます。このことを私は申し上げておきたいわけです。
 次に、農業者年金についてちょっとお聞きをしたいと思います。
 農業者年金の問題は、これは何回も議論をしてきておりますから、この農業者年金が全然改善されない、進展しないというのは、もう何回も質問した人はまた同じことどころか、ついに破綻かというふうに思いますけれども、この農業者年金というのは、政策年金とはいえ、農業者の方たちにとればこれは国民年金の二階部分に当たっているわけですし、そして法の「目的」には「農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資する」ということが明記をされているわけです。
 そういう状況の中で、昨年も社会保障制度審議会においても、この農業者年金制度の「基本的な検討を急ぐことを改めて強く要望する。」と答申しておりますし、また本委員会におきましても、昨年、政府は農業者年金制度のあり方について早急に根本的改革を行うようという附帯決議をしているわけでございますけれども、これについて農林水産省と厚生省とでいかなる協議をなさったのか、そのことをお聞きしたいと思います。
#125
○政府参考人(渡辺好明君) 今、先生から御指摘がございましたように、農業者年金制度につきましては、農業構造が大きく変化をしてきたこと、それから年金財政が悪化をしてきていること、こういったことを背景といたしまして、昨年八月の当委員会の附帯決議におきましても、御指摘の社会保障制度審議会からの根本的な検討の要請というのを引用されまして、早急に抜本改革を求めるという決議がされたところでございます。
 私ども、食料・農業・農村基本法、新しい基本法を踏まえまして、また財政的にも安定をした政策年金制度への改革という方向で、実は政府の検討会を昨年末まで十二回開催をいたしております。この検討会は、厚生省と農林水産省の共同で開催をいたしました。この検討を経まして、昨年の十二月に農業者年金制度改革大綱案を取りまとめたところでございます。この骨格は、長くお話をすると時間がかかりますが、基本的なものといたしまして、これまでの賦課方式を積立方式に変更するということで、言ってみれば基礎率に左右されない方式への変革ということでございました。
 ただ、その際、新制度への移行に当たりまして必要となる費用については、受給者も含めて一定の負担をお願いした上で、残余の部分は国庫負担とするという提案をさせていただいたわけでございます。ただ、その内容等につきまして、関係者の間でさらに議論を尽くす必要があるという議論がございましたので、現在、この制度のあり方につきまして、農業者団体において、現場からの組織討議、意見の集約ということで議論を行っている最中でございます。
#126
○清水澄子君 三月十五日の新聞に出ておりましたけれども、報道によりますと、農業者年金は毎年四百億円近い赤字で破綻寸前の状態である。そして、現在この年金を受給している人たちの年金額を三割削減するという案を昨年十二月に自民党の農業者年金小委員会に改革案を示しているということでございます。
 ですから、これは本当なんですね。こういう方向でやっていらっしゃるわけですね。今後は国庫負担において安全に農業者の老後を安定させるということを確信を持って今ここでおっしゃられますか。農林大臣、お答えいただきたい。
#127
○政府参考人(渡辺好明君) 大臣からお答えをいただきます前に、安定度におきましては、今までの賦課方式、つまり若い世代が年老いた世代を支える、この年金方式でいいますと、一人が三人を支えるという制度は安定的ではございませんので積立方式、つまり自分の積んだお金と政府の政策支援、それから利子、これは必ず返ってくるというふうな制度に切りかえるということで、方式を抜本的に改革をいたしますので、そういう点では安定度はこれまで以上のものになるということでございます。
#128
○清水澄子君 農林大臣、ではこれまで以上に農業者年金はよくなるわけですね。そういうお約束ができますね。
 それで、そうであるなら安心なんですけれども、私はきょうは時間がありませんので言いませんが、日本の農業生産の六割は女性が担っております。その場合も女性はほとんど所得を明確に得ておりませんし、家族経営協定とか、そういう話は今要らないわけですけれども、農業女性が農業に貢献している評価、役割というものについて、もっと農業労働を正当に評価すべきだという点においても、農家女性の年金権について私たちは何回もこれを求めてきたわけです。
 そういう中で、昨年もこういうものがいっぱい出ています、農業者年金は安心ですよ、将来の四十年先の生活を支えてくれますとか。本当ですか、これ。これは去年出ている資料です。毎年これが出ていて、私たちも女性たちがみずから経済的な地位を確立するために加盟しましょうということは提起しているんですけれども、土台が赤字だとか破綻寸前というのでは、これは私は本当に政府の責任は大きいと思います。
 特に、新しい農業基本法ができた中で、この中の二十六条には「女性の農業経営における役割を適正に評価する」とあります。そういう点も含めて、この農業者年金というのは、本当に安心しなさい、必ずこれは四十年先でも安心と、書いてあるとおりだとおっしゃられますか。そして、女性の年金権についてはこういうふうに確立しますということをぜひ農林大臣、お答えいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 食料・農業・農村基本法におきまして、女性の皆様の地位あるいは役割、これを高く評価しましてこれから政策展開をしよう、こういう考えでございます。
 今お尋ねの農業者年金制度でございますけれども、この改革に当たりましては、この基本法の理念に即した形で、関係者の理解と納得及び年金財政面での長期安定が得られる制度にしていくべく今後検討し、進めていきたいと考えております。
#130
○清水澄子君 今後検討するというのと四十年先安心というのは全然違います。それはまた次の委員会のときに私は質問したいと思います。
 次に、自治省ですけれども、これもさっき農水省にお聞きしたように、地方公務員共済も今回の年金改定の影響を受けるわけですが、給付水準の五%引き下げで地方公務員共済が受ける影響額は十二年度予算の上では幾らなのか、そのうち公費が負担する額の変化は幾らなのか、また賃金スライドの停止の影響でどうなるのかということと、育児休業についての事業主負担分は幾ら免除されるか、それから介護休業に伴う手当金の新設があるわけですけれども、これも支出増というのは幾らになるか。一つずつちょっと金額をお答えください。
#131
○政府参考人(木寺久君) 今回の地方公務員共済年金制度の改正のうち、まず給付水準の五%適正化と賃金スライドの廃止、これは組み合わさって影響が出てくるわけですが、それの影響につきましては、地方公務員共済への平成十二年度の影響額が八百五十億円程度と見込まれております。そのうち、公費負担に係りますものの影響でございますが、旧制度に係る公費負担が約一億円程度減少するものと見込まれております。
 それから次に、育児休業期間中の共済年金保険料の地方公共団体の負担が免除されることになりますけれども、この負担額、これは事業主負担としてのものでございますが、平成十二年度では百六億円程度減少するものと見込まれております。
 それから最後に、介護休業手当金の創設に伴います公費負担額の影響額でございますが、平成十二年度では四千万円程度の増加と見込まれております。
 以上でございます。
#132
○清水澄子君 ですから、これをお聞きしても余り影響がないんですね。むしろ自治体では、育児休業では百六億円払わなきゃならない雇用主としての財政が、免除されるわけですから、非常に財政的には地方公務員共済は助かるわけですね。ほとんど影響がないんです、十二年度の自治体予算に対しても。ですから、そんなに慌ててこの法案というのを、もっといっぱい問題があるわけですから、私はこれはもっともっと審議が必要だと思っております。
 そこで、もうあと時間がありませんので最後に厚生省にお伺いしたいわけですけれども、厚生年金と共済年金とではいろんな制度の違いがあるわけですね。例えば、障害年金や遺族年金を受け取る際の資格要件がそれぞれの共済年金と厚生年金と全然違っているわけです。それらはどういう問題があるかということと、それをどのようになさるのか。一元化の際にこれは大混乱です。もし皆さんがこのまま法案を通して四月一日から実施というとき、全部いろいろ違いますよ。加入すべき期間は、厚生年金の場合ですと障害年金は三分の二以上保険金を納めていないといけないんですが、共済年金は入っただけでいいんです。そのときからもらえるんです。ですから、それをぜひ厚生省お答えください。
#133
○政府参考人(矢野朝水君) 共済年金と厚生年金の違いでございますけれども、これはかつて官民格差というようなことがよく言われまして、六十年改正でそれを基本的に是正いたしまして給付については足並みをそろえた、こういうことをやったわけでございます。
 ただ、今御指摘がございましたように、遺族年金ですと遺族の範囲ですとか、あるいは障害年金ですと支給停止をどういった場合にやるのか、こういった点で若干の違いがあります。こういった問題は、特に公務員制度の一環として設けられているという問題もあるわけでございまして、いずれにいたしましても、これは今後再編成を進めていくわけですから、そういった際にこういった問題を含めて検討してまいりたいと思っております。
#134
○清水澄子君 終わりますが、もう一問だけ。これだけ格差の違いが、現実には一元化をしたときは大混乱になると思います。ですから、厚生政務次官、もっと一元化すればいいというものではないし、安い方に整理すればいいというものではありませんから、ぜひ事前に調整の期間が必要だと思いますが、その点についてどのようにお考えですか。
#135
○政務次官(大野由利子君) 今御指摘のように、共済年金と厚生年金の相違がございます。具体的にこれから再編成を推進していくに当たって、これらの問題についてよく連携をとりながらまた検討を進めてまいりたい、このように思います。
#136
○清水澄子君 終わります。
#137
○堂本暁子君 大分同僚議員の質問とダブるようなところが多くなってまいりましたが、農水大臣にやはり私も農林共済について質問をしたいと思います。
 厚生年金への統合ということが今問題になっているわけですけれども、その前に農業という場で働く方たち、農協を含めてそこで働く方たちと、私ども都会でサラリーマンをしていた人とが果たして同じような環境なのかどうなのかなということがとても気になります。今回の改正ではなく、もっとそういった産業の差からくる抜本的な改正が農林共済では必要だったんではないかというふうに考えます。
 例えば厚生年金ですと、今、四・三人で一人を支えている。それから、今同僚議員が問題にされました農業者年金は一人で何と二・五人を支えている。大変な逆の現象が起こっていて、成熟度は二五五%にも上っている。そして、きょうの議題になっております農林共済は、大体二人で一人を支えているというような状況にあるようです。
 農業者年金と農林共済は全く別の系統の制度ですけれども、先ほど局長も答えられたように、部長が答えられたのかもしれませんが、農業者年金は今度積立方式になるとか、それから政策的な資金の投入とか、いろいろ非常に大胆な議論がなされているわけです。
 それは、二五五%なんという成熟度で、一人で二・五人なんて支えられっこないから、そういう状況下で言ってみれば私は背水の陣だろうと思います。ですけれども、なぜこの背水の陣をしかなければならなかったかといえば、それは農村における人口構造が非常に高齢化し、また農村に若い働き手がいなくなってきた、そういうことでこういう状況になってきていると思うんです。それでは、農林共済の方を見ると、今度の改正では都会のサラリーマンと同じ、厚生年金と同じような改正しかなされていない。
   〔委員長退席、理事田浦直君着席〕
 ですけれども、やはり本質的に農林共済は農村地で、農村で農業組合に働いている方たちですから、大分土台が違うわけです。そこのところでの抜本的な改正がないまま統合ということで先へ進んでいくことに私はむしろ危惧を感じます。そういうやり方をすると、農村のJA職員が加入する農林共済は、将来的に外の方たち、例えば厚生年金の側の人たちからは不信を買い、そして実際に農協の職員である方たちは、本当に自分はちゃんと年金がもらえるのかしらという不安を抱く、そういう立場に今あるんではないかと思います。
 大変お答えになりにくいような質問の仕方なのかもしれないんですけれども、やはり農業者年金の方はこういう大胆な改正をせざるを得ない、そういう土台の中にあった。そして、農林共済の方はむしろ都会型の年金制度の方へ統合しようと今している。そこにどうもギャップがあるような気がいたしますが、この点は大臣はどのようにお考えでしょうか。
#138
○政府参考人(石原葵君) ただいまの委員の御質問でございますが、農林年金、これは決して農業者ではございませんで、あくまで農協それから漁協、森林組合の職員でございます。
 こういう人たちの、日ごろからのといいますか、給与それから年金制度、こういうものと比較対照になりますのは市町村の職員の給与それから年金制度でございまして、農業者と同じところに今生活しておられますが、給与とか年金制度につきましてはむしろ市町村の職員とのバランスを考えるのが正しいのではないかと考えているところでございます。
#139
○堂本暁子君 それはもともとわかった上で伺っているわけですけれども、例えば確かに地方自治体の役場なんかに働いている方等のことがあるからこそ、かつて厚生年金を出て、そして独立して農林共済をつくったという歴史的な経過があったわけですね。また戻ろうとしている。まさにここが問題なんです。
   〔理事田浦直君退席、委員長着席〕
 それで、あえて農業者年金を出してきた理由は、これから女性の問題を伺おうと思っているわけですが、農協の職員の給与を見ますと、例えば大きい都会の企業から比べれば給与は低いわけです。それから、先ほどから話に出ているような定年の問題もあります。リストラの問題もあります。そういった中で、単に厚生年金にまた戻ればいいというものではないんじゃないか。農林あるいは水産も含めてですけれども、もっと別の組み立て方をして、外からもそれから内からも信頼されるような改正は必要ないのですかということを伺っているわけです。
#140
○政府参考人(石原葵君) 御指摘はわかりますが、公的年金制度につきましては、昭和六十年に全国民共通の基礎年金制度を導入したという経緯がございます。また、被用者年金制度の給付の公平化を内容とする改正が行われたという経緯がございまして、あくまで制度間の公平化を図るということが、この年金制度につきましての最も重要な点ではないかと思っております。
 そういうこともございまして、これまで各制度共通の改正が行われてきておりまして、今回の改正もあくまでもそういうような考え方から、少子高齢化や経済の低成長が見込まれる中で、給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担が過重なものとならないよう制度全体の見直しを行うという観点から改正を行うものでございますので、この点、御理解いただければと思います。
#141
○堂本暁子君 非常に理解しにくいですけれども、先に行くことにいたします。
 農林共済の、これは一九九四年に参議院で改正が行われたときの附帯決議なんですが、一九九四年に農林共済法が改正されたときに、農林水産委員会での附帯決議に六十歳代前半の退職、定年を延ばすということが書いてあります。これはもう同僚議員がさんざん質問されたのでこのことについては飛ばします。
 もう一つここで伺いたいことは、農協自体が果たしてどれだけ運営あるいは事業の発展に努力をしているのかということなんです。そういう努力が附帯決議の四番目に、「急速な国際化の進展等我が国農林漁業を取り巻く厳しい環境に対処し、本制度に加入している農林漁業団体の組織・経営基盤の安定強化が図られるよう適切に指導すること。」ということが書いてありますが、この点はどれほど努力し、そしてどの程度まで実を上げておられるでしょうか。
#142
○政府参考人(石原葵君) 農協の改革の取り組みでございますが、二つ申し上げたいと思います。
 一つは、農協の合併でございます。農協系統におきましては平成十二年度末、あと一年でございますが、平成十二年度末までに約五百三十農協とするという合併構想を推進しております。平成元年度末で農協の数は三千七百ございまして、それを合併を進めてまいりまして、この二月一日現在では千五百三十六となっております。これをさらに一年後に五百三十にするということで、当初の、平成元年の三千七百からしますと一千五百ということで、半分以下にしておるわけでございますが、目標が非常に高いということで、まだまだ合併につきましては十分なものでもございません。しかしながら、そういう努力をしてきているということでございます。
 それからもう一つは、県連と全国連の組織二段と我々は言っておりますけれども、県連部分をなくし、全国連と、単協と言っておりますけれども末端の農協とを直接結びつけるという取り組みをしております。
 この点につきましては各事業別で申し上げたいと思いますが、経済事業につきましては、平成十年十月に三つの経済連が全農、これは全国連でございますけれども、全農と合併しております。そして、平成十二年、この四月に三つの経済連がさらに合併をするということが既に決まっております。さらに、一年後の来年の三月末には二十四経済連が全農と合併を予定しておりまして、来年度末には三十の経済連が統合する予定となっております。
 それから、共済事業でございますが、この四月に四十七の共済連が統合することになっております。
 以上でございます。
#143
○堂本暁子君 そういう答弁を別に求めていたわけじゃなくて、今のは合理化、リストラの実態を話してくださったんですが、そういうことをやったからといって、農協で働いている一人一人がこの国際化の時代に新しい仕事を、それから仕事の転換、質の転換を図れるとは私はちょっと思えないですね。そういった意味で伺ったわけなんです。もっと本当に事業展開をどうやっていくのか、国際社会の中で日本の農業はどう生きていくか。
 もう結構です。また長い答弁をされると困るからやめますけれども、むしろそういう今のような御答弁をいただこうと、それはもう資料をくださいと言えばすぐ出てくる資料でありまして、そういうことを答えてほしいとは針の先ほども思っていません。もう局長には聞きません。大臣に伺います。
 大臣、ずっと年金のことで女性の問題を私は聞いてきたわけです。全部の女性の中で、やはり農村の女性と年金の問題というのは深刻だと思っております。
 ここに本がありますけれども、言ってみれば、子育てをし、農業で毎日毎日働き、それから家事をやり、そして高齢者の介護をして、そして結局「嫁なんか蚊帳の外」と書いてあります。相続にしても、男の兄弟、女の兄弟には行くけれども、嫁には来ない。本当に古い家の制度が今も農家の女たちを縛りつけているんだ、もう泣き寝入りはしたくないというようなことをこの本は書いていますけれども、年金も同じだと思うんです。非常に女性は不利だと。
 まず、農林共済にはどのぐらい女性がいて、そして三号被保険者は何人いるか、ぜひお答えいただきたいと思います。──では、後でそれは資料で出していただきます。
 財産も相続もそして年金もきちっと女性が得られないとなったら、今、農業人口の六〇%は女性ですけれども、女性たちはもうとてもむなしくて、この本に書いてあるように、農村できちっと農業を続けていこうという意欲を失うと思うんです。私は、憲法では男女の平等が書いてありますけれども、農村ほど男女の不平等が社会保障の中であるということを今まで大変恥じておりますけれども知りませんでした。大臣にこれはもうどんなことがあっても改正していくのだと、直していくんだということを伺いたいと思います。
#144
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 農村における女性の役割は、先ほども申し上げましたように大変大きなものがございます。したがいまして、この基本法の中におきましても明確にその位置づけをしておるところでございまして、今後、女性の方々がその役割に応じて十分報われるような施策を展開するということが大事ではないかと考えます。
 したがいまして、この年金の問題等につきましても、女性の年金が制度上確立をされるような努力を払っていきたい、このように思います。
#145
○堂本暁子君 ありがとうございます。
 もう一つ、育児休業中の農林共済は団体が負担することになっていますけれども、介護の場合にはそうなっていません。介護休業をとった場合に、そういう形で団体が負担するというふうになっていないんです。でも、これもまた農村の女性こそが介護を今や担っていると思いますので、その点もお願いして、自治大臣にお越しいただいているので、次に移りたいと思います。
 自治大臣に前回、二月十五日の委員会でも、私は、基礎年金部分の公的な負担で今度は地方自治体が四分の三を負担するということで、基礎年金部分の負担が大変ふえるのではないかということを伺いました。まさにここのところもまた、これからは介護保険もいよいよ始まりますけれども、こういった地方分権の中で今のシステムで果たして本当にやっていけるのかということをもう一度伺いたいのですが、御答弁いただきたい。
#146
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま委員御指摘のとおり、現在の基礎年金に対する負担割合というのは、掛金が三分の一、それから事業主負担が三分の一、さらにまた公的負担が三分の一ということになっております。公的負担と事業主負担というのは、これは地方自治体が負担をしているという格好になりますので、公的負担の部分を二分の一にしますと、全体で結局四分の三を自治体が負担しなきゃならぬということになって、計算してみますと、そうなった場合の地方の自治体の負担は大体七百億程度ふえるということになってくるんじゃないかと思うわけであります。
 そういう意味からいいまして、地方に負担がかかってくるので、これをどう処理するかというのが先生の御質問の御趣旨かと思いますが、そういったものを全部ひっくるめまして、今後、地方におきます財源充実ということは真剣に私たちも考えていかなきゃならないと思っております。
 いろんなやり方があると思うんですが、まずはやっぱり安定的な財源を確保する必要がございまして、今いろいろ言われております外形標準課税の導入というようなこともやろうとしているわけでございますけれども、これは例えば外形標準課税の場合は、ピークでは六兆五千億ぐらい収入がありましたが、今は三兆円台に落ちてきているというようなことがあります。したがって、外形標準課税を導入して六兆まで行くかどうかわかりませんけれども、できるだけショックのないようなやり方で、しかも応益負担をしていただくというようなやり方をしていきたい、こう思っておるわけでございます。
 同時にまた、地方自治体には歳出とそれから歳入といいますか収入といいますか、それのバランスをとっていくという努力も必要でございますし、そういったことも今後の地方自治体の運営のためには必要なことだと思っております。
 なお、これでは足りないということで、抜本的にいろいろなことを考えていかなければならないわけでありますが、今、交付税の原資になっておりますのは、御承知のように国税五税と言っておりますもののおおむね三割から三割五分ぐらいのところをお返しするという格好になっております。法人税について見ますれば、平成十一年度は三二・五%であったのでありますが、平成十二年度は三五・八%、これは減税見合いの措置ではありますが、こういうものをもう少し割合を高めていただくというお願いをして、そして交付税措置がきちんとできるようにしたいと思っておりますし、そのことが地方の財政に役に立つのではないかというようなことを考えておるわけであります。
 同時に、もっとドラスチックなやり方というのも場合によっては考えられるのでありますが、そこまではなかなか私たちも考えつきませんけれども、例えば所得税の大部分を今度は地方の住民税に移していくというようなやり方もあるのかなと。この辺は真剣に考えて、これは国全体の財政のあり方にかかわってまいりますので、いろいろまた御指導いただきながら私たちも抜本的な対策を考えて地方財政の健全化に寄与してまいりたい、そのように思っております。
#147
○堂本暁子君 大変前向きな御答弁をいただいてうれしいと思います。今まではいささか中央集権で、財政に関してはなかなか地方分権の制度にならない。だから、どうしても外形標準課税のようなことを東京都でもおっしゃり出すんだと思いますけれども、やはり今、大臣おっしゃったように、本当の意味の地方分権というのは、財政的に地方が独立していかないと、こういった社会保障制度も大変苦しいことになるんではないかというふうに思います。
 ですから、年金だけの問題ではありませんけれども、税制並びに社会保障制度の根幹をなすのは、そういった財政的な地方分権をどのようにしてきちっとこの国がやっていくかということだと思いますので、ぜひその点も反映をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
#148
○委員長(狩野安君) 本日の質疑はこの程度とし、暫時休憩いたします。
   午後四時五十一分休憩
     ─────・─────
   午後五時二十分開会
#149
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を再開いたします。
 本日、尾辻秀久君が委員を辞任され、その補欠として野間赳君が選任されました。
    ─────────────
#150
○委員長(狩野安君) 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民年金法等の一部を改正する法律案、年金資金運用基金法案及び年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案の審査のため、三月二十一日午前十時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#152
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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