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1950/12/01 第9回国会 参議院 参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第6号
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1950/12/01 第9回国会 参議院

参議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会 第6号

#1
第009回国会 大蔵委員会 第6号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○塩田等災害復旧事業費補助法案(内
 閣送付)
○物品税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時三十八分開会
#2
○委員長(小串清一君) これより大蔵委員会を開会いたします。日程に従いまして、先ず第一に塩田等災害復旧事業費補助法案の御説明を政府委員に要求いたします。
#3
○政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました塩田等災害復旧事業費補助法案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。
 国民生活必需品である塩につきまして、その生産用施設中塩田、濃縮施設又は塩田防災施設につき、暴風、こう水等による災害がございました場合には、従来は予算措置によつてこれらの災害復旧事業費の補助を行なつて参りましたが、財政補助は法律に基いて行うことが好ましい次第でありますので、第七国会において制定されました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の例にならい、塩田及び濃縮施設にかかる災害復旧事業につきましては、その事業費の十分の五、塩田防災施設にかかる災害復旧事業につきましては、その事業費の十分の六・五という比率によつて算出いたしました金額の範囲内で補助を行うことといたしこれによりまして塩の生産を確保し、日本専売公社の行う塩に関する国の専売事業の健全な運営を図るために所要の規定を設けたものでございます。
 何とぞよろしく御審議の上、速みかに御賛成のほどをお願いいたします。
#4
○委員長(小串清一君) 都合によりまして、只今の塩田等災害復旧事業費補助法案についての質疑を行いたいと思ます。
#5
○杉山昌作君 只今の政府委員の提案の理由の御説明なり、或いはこの法案を提出したこと自身から考えまして、政府の意図奈辺にありやということは大体想像されるのでありますけれども、大事な問題でもありまするので、一つ根本的な塩の問題についての御見解を承わつておきたいと思います。御承知のように、塩は絶対必要でもあるしということであるが、同時に又外国の塩のほうが日本の国内塩よりも安く入つて来るというような事情がありまして、その間に立ちまして国内塩業をどうするか、塩の自給をどうするかということはこれは古くからの大きな問題なのであります。併しながら国内の塩が不足したために、国民はその健康を害するというような問題が出て来て難儀をいたしましたことは、先般の終戦後の実情でよく国民はその苦労を知つておるわけであります。どうしても多少内地の塩は外国のものよりも高くても、その程度の犠牲は払いましても、どうしても国内の食用塩につきましてはこれは国内で確保するだけの万全の策を講じなければならない。同時に外国より高いのでありますからして、政府、塩業者ともどもに生産費の軽減を図るような施設の改善その他の研究も十分にすべきであるけれども、とにかく根本は食用塩の全部、全部と申して何だつたら、大部分は国内で確保するということが根本でなければならないと思うのであります。たまたまこの十一月十一日の東京新聞その他二、三の新聞に「たばこ」の専売制度をやめるということに関連いたしまして、塩も民営になるのだ、そうして安い外国の塩を入れるのだ、だからして内地の製塩業は潰れるかもわからぬ、非常に経営が困難になるだろうという相当大きな記事が出ておりました。これによりまして塩業者は非常に心配をするし、又我々食用塩の自給問題ということに常に関心を持つておるものからいたしましても、非常に重大なことであると考えておるのであります。併しながら今回この法案を御提案になつたということで、政府はそういうことを考えておらないということがわかりますが、たまたま又昨日は衆議院におきまして、吉田首相は「たばこ」は民営にする方針であるというふうなことを言明されておるのであります。そういたしますと、やはりこの新聞記事から関連いたしまして、「たばこ」が民営になるなら塩も又内地塩が駄目になるのではないか、内地の食用塩の自給はどうなるだろう、政府はどういう見通しを持つておられるかということが国民の大きな関心になると思いますのでこの際その点についての御見解をはつきり一つ御説明願いたいと思います。
#6
○政府委員(西川甚五郎君) 御承知の通り今日の食用塩は殆んど輸入に仰ぐことなく、内地のものを以て充当しておるような恰好であり、又そういうような方針に従いまして、技術の改善とか或いは経営の合理化、その方面について万全を期するように現在やつておる次第でございます。ただ只今おつしやいました専売を民営にするかという問題でございまするが、現在政府といたしましては、民営の問題については何も考えておりません。ただここに昨年の当初から「たばこ」の民営という問題が盛んに申されまして、内閣におきましても「たばこ」の民営に関する審議会というものを作られ、ここにおられまする黒田さんがその委員長となつていろいろと研究せられたのでありまするが、結局結論を得ず、昨年の末からもう中断いたしておるような恰好であります。でありまするから、若しも「たばこ」の民営が果して妥当であり、又その方針に向つて結論が出て民営になるようなことがありました場合には、やはりこの塩も同じように乗つて来るかとも思うのでありまするが、承わるところによりますと、その審議会においても、塩の問題については何も触れなかつたというような次第でございまして、ただ一部内地の工業塩を使用しまする例えばソーダ工業とか、そういう方面のほうで専売を通ぜずに、民間から或いは直接に輸入をやつてみたらいいのじやないかという声は聞いております。このような関係でございまして、現在のところは政府といたしましては、民営ということは絶対に考えておらないということをお答え申上げたいと思います。
#7
○油井賢太郎君 この際この問題は相当重大な問題だと思いますが、或いは委員長において懇談会等の形式をとられて、専売公社のかたがお要えになつておるなら、災害の復旧に関するところの構想とか、或いは状況というようなことをもつと詳しく我々に話をする機会を頂きたいと思いますので、お諮り願いたいと思います。
#8
○委員長(小串清一君) わかりました。ちよつと専売公社の監理官にお尋ねしますが、懇談で詳しく説明してもらうほうが御都合がようございますか。
#9
○政府委員(久米武文君) 後程専売公社の塩脳局長も見えますので、その際に懇談に入りたいと思いますけれども、その前に一応政府としての補足的な説明を懇談会の前に御説明申上げたいと思います。
#10
○委員長(小串清一君) それではその通り取計らいまして、このまま続行します。
 ちよつと先刻申上げませんでしたが、塩田等災害復旧事業費補助法案の外に、物品税法の一部を改正する法律案を同時に先ず政府の提案理由を聞きまして、その両案に対して御質疑を願うという順序にいたそうと思います。
 それでは物品税法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を願います。
#11
○政府委員(西川甚五郎君) 只今議題となりました物品税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を説明いたします。
 政府は、昭和二十五年度補正予算に関連いたしまして、国民租税負担の一層の軽減合理化を図るため、所得税、酒税、揮発油税及び砂糖消費税につきまして軽減を行うこととして、すでに関係法律案を提出いたしておるのでありますが、更に明年一月一日から物品税につきましても、軽減合理化を図ることといたしまして、ここにその改正に関する法律案を提出いたした次第であります。
 以下、本法律案の内容について申上げます。
 物品税につきましては、本年一月事務用品及び日常生活用品について相当大幅に課税の廃止を行うと共に、税率の引下げを行なつたのでありますが、その後における課税物品の生産、取引の実情及び一般日常生活の正常化等を考慮いたしますと、現在の税率はなお高率に過ぎると認められ、又課税物品の範囲につきましても、なお検討を要すると考えられますので、政府は、今回重ねて明年一月一日から物品税の軽減合理化を図ることといたしたのであります。
 即ち、先ず、ミシン、扇子、安全剃刄、万年筆、シャープペンシル、紅茶、碾茶、普通電球類及びアイロン等事務用品及び日常生活用品と認められる物品について、課税を廃止すると共に、税率を第一種物品については、現行百命の七十乃至百分の十を百分の五十乃至百分の五とし、第二種物品についてはおおむね現行の三分の一程度に軽減することといたしました。更に、家具、漆器、陶磁器、玩具類、鞄類及び時計等につきまして、課税最低限の大幅な引上げ及び新設を行うことといたしております。なお右の外、最近における納税状況に鑑みまして、物品税延納の際の担保物件の範囲を社債及び保証人等にまで拡張する等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上本法律案につきまして、その大要を申上げたのでありますが、今回の物品税の改正によりまして、平年度におきまして、約百六億円の減税になるのでありますが、本年度収入としましては、徴収猶予等の関係もあり、明年一月の課税分だけ収入が減少することになりますので、八億一千万円の減収を見込んでいるのであります。
 何とぞ御審議の上速かに賛成せられるように切望してやまない次第であります。
#12
○大矢半次郎君 この際資料の要求をいたしたいと存じます。物品税に関しましては、外の法律と違いまして、命令に委ねておる事項が多いのでありまして、従いましてこの際物品税改正に関する命令案の要綱、それから各物品についての課税、非課税の区分、免税点等についての新旧対照表を提出して頂きたいと思います。
#13
○委員長(小串清一君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(小串清一君) 速記を始めて……
#15
○油井賢太郎君 この際資料の要求をいたしたいと思います。砂糖の消費量の統計及び価格、消費税の推移というようなものについて、並びに砂糖の生産高及び輸出入の量、金額の統計について、昭和五年以降我々の方に資料として提出をお願いいたしたい。それからもう一つ、ガソリンの消費量の統計及び価格、揮発油税の推移並びに揮発油の生産高、輸出入の量、金額の統計、それと次に又砂糖及びガソリンに関する販売の統計、以上の資料を要求いたしたいと思います。
#16
○森下政一君 今度臨時国会に提案されておる減税案によると、所得税法にも臨時特例が設けられようとしておる、物品税も只今御説明にありましたように軽減されようとしておる。直接税、間接税も共に軽減の措置が講ぜられるようでありますが、この案がいよいよ実施されるということになりますと、総括的に見て、直接税と、それから間接税との税収入の割合というものがどういう比率になるかということを一つお伺いしたいと思うのです。それから同時に政府当局は一体この両者の率というものはおおむねどういうふうな比率であることが理想であるとお考えになつておるか、一つのそういう何か目安を持つておられるのであるか、そういうことも併せて御説明頂きたいと思います。
#17
○政府委員(平田敬一郎君) 先に、今回の改正によりまして、直接税、間接税の比率がどうなるかということに関して御説明申上げますと、結論を申上げますと殆んど両者に余り移動がないようでございます。則ち国税につきましては、現在直接税が五四・四%を占めておりますが、これは改正後におきましても動きがないようでございます。間接税におきましては、改正前が四四一%でありますが、四三・五%に減つております。それから大蔵省は流通税系統その他として整備しておるのでございますが、その他の分が改正前は一・五%でございましたのが、二・一%に殖える、これは技術的に、今度の補正予算で従来の取引高税等の収入が出て参りましたので、それを歳入に見込んだ、その結果の比率の修正でございまして、従いまして今度の改正で、今年度に関する限りは直接税、間接税の比率に大した動きはないようでございます。なお地方税を入れましたこの数字を参考に申上げますと、直接税がこれはやはり動きがなくて六一・六%……
#18
○森下政一君 現行がですか。
#19
○政府委員(平田敬一郎君) 現行が……。補正後も地方税は若干違いますが、本年度は当時の見積通りで一応計算しておりますが、それによつて六一・六%であります。それから間接税現行が三七・一%、補正後は三六・三%、その他が一・三と二・一、やはり今度の改正では殆んど大した動きはないのであります。明年度になりますと、若干動きがあるかも知れませんが、そのほうはまだ計数整理ができておりませんので、本予算提出の際に申上げたいと思う次第でございます。なおこの直接税、間接税の比率の問題は、確かに一つの税制を見る場合において参考材料になりますが、我が国の推移を見ると、戦前は比較的間接税の方が多かつたようでありますが、どちらかと申上げますと、昭和十年頃の数字を申上げますと、国税だけで申上げますと、直接税が三五%、間接税が五七・二%、それからその他が七・八%・こういう数字がございます。それが戦時中は漸次直接税が増加しまして、直接税が一番多くなつたのは昭和十九年でありまして、昭和十九年におきましては、直税が六五・一%、間接税が三〇・七%、その他が四・二%に相成つております。そして戦後いろいろな事情で直接税の比率が若干低下しまして、今年の税制改正でそれぞれ直接税、間接税共に大幅の改正を行い、なかんずく間接税の中でも各種の雑多な税は殆んど整理する方針でいたのでありますが、併し間接税の大宗であります酒と煙草については、依然一つの大きな収入を期待するという方針で参つておる関係上、間接税の各種の整備にも拘わらず、比率はそれほど動いておりませんのでございまして、今申上げましたように、大体半分強が所得税、半分弱が間接税その他というようなところに参つておる次第でございます。これはアメリカ等の例を見ますと、もつと直接税が多いようでありますが、御参考に数字を申上げますと、アメリカの場合でありますと、直接税が非常に多くなつておりまして、一九五〇年度の税収入の比率を見ますと、直接税が八〇・四%、所得税と法人税とが大部分を占めておる状態でございます。間接税が一五・一%、その他が四・五%こういう構成を示しておるようであります。ただアメリカは州税に若干の売上税的な税がございますので、地方税はほかの国程直接税依存主義ではございません。併し地方税も大部分直接税でございまして、アメリカは大部分が直接税で賄つておる、こういうことが言えると思います。尤もアメリカにおきましても、戦前寸例えば一九三四年頃は必ずしもそうではないのでございまして、直接税は三九%、間接税が四三・一%、その他が一七・五%、こういう租税の構成比率を示したような時代もございますが、やはり戦時中におきまして、経済も膨脹いたしましたことと、直接税方面に非常な増徴が行われました結果、このような数字になつておるようであります。今申上げました比率は、大体戦時中からずつとほぼ同様な比率を示しております。終戦直前の年でありまする一九四四年には、直接税が八五・七%という更に高率を示した時代もあるようでございます。イギリスのほうは、もう少し直接税のほうが少いようでございますが、一九五〇年度におきましては、五三〇九%、間接税が四三二%、その他が二・九%、イギリスの比率と日本の国税の比率と、ほぼ同様だという数字に現在のところなるようであります。イギリスも戦時中は、併し今申上げましたように、六〇%を越えておるような時代もあつたようであります。戦前から直接税がイギリスは大体五〇%強、こういう状況でございまして、比率は一応の参考になりますが、ただ私どもとしては、一般的にこれだけで税制の大体をどうこうするという考え方もどうかと思いますが、経済が非常に発展して参りますと、直接税の比率は大きくなり得るのじやないか、反対に縮少いたしますと、勢い間接税に依存せざるを得ないという事情がございまして、結局間接税の比率が多くなつて来る。財政の事情等にも関連いたしまするが、そのときの情勢によりまして、歳入構成の比率も余程食違つて来るのじやないか。建前といたしましては、本年度行いました税制の改革は、できる限り直接税、なかんずく所得税、法人税等が税金の中での税金だという考え方をとつております。間接税につきましては、酒、「たばこ」その他若干の大宗たる間接税につきましては、これは勿論相当重視すべきでありますが、余り雑多な間接税はできる限り廃止したほうがいいのじやないか、こういう建前をとつて参つておる次第でございますが、この問題は一概にはどうも結論しがたいのだということを御了承願いたいと思います。
#20
○森下政一君 そうすると、只今の御説明においては、そのときの国民経済の趨勢に大いに左右されて、必ずしも理想として直接税、間接税の割合というものはどういう比率でなければならないかという目安はないけれども、併しできることならば、直接税に間接税よりもより多くのウエートを置かれるという状態が出て来ることが、結局経済が繁栄しておる、こういうふうな考え方である、こう了承してよろしいのですね。
#21
○政府委員(平田敬一郎君) 大体おおまかに申しまして、そういうことが言えるのじやなかろうかと思います。なお附加えて申上げますが、生産が殖え、国民所得が実質的に増加しますと、やはり所得税、法人税、なかんずく法人税等は飛躍的に今後収入が殖えるのじやないかと見ておりますが、そういうことになりますのが、望ましい税制の姿ではあるまいか。ただ勿論なお所得税等の控除、税率等につきましては、今回の改正で大分合理化されると思いますが、そういうものの合理化を期しつつ相当巨額な収入が入つて来ると、こういうような経済の情勢になつて参りますのが、方向としては望ましいのではあるまいかというふうに考えております。二面におきましては、資本蓄積との関連で、又どう考えるかという問題等もございますが、そういう問題は又別途にそういう角度から議論すべき余地はあろうかと思いますが、大体の顧問としては、今お話のような点が言い得るのじやなかろうかと考える次第でございます。
#22
○大矢半次郎君 一ケ月程前に新聞で見たことがありますが、国民所得の推計について、従来日本がやや過少ではないかということで、関係方面の方から示唆があつたというような記事がありますが、果して事実であるかどうか。そうして若しも事案だといたしまするならば、それに基いて再検討の結果、或いは課税捕捉率等について、なお一段考慮しなければならない点が出て来るものかどうか。それから本年度においては、朝鮮事件以来大分経済界の状況は変つて来たからして、従つて当初見積つた園長所得の推計が余程変つて来るのではなかろうかと思つておりますが、今度の補正予算において、は、それをどういうふうに見ておるか、それから明年度の予算の比率も大体推計ができておると思うのでありますが、これはどんなふうになつておるか、一応御説明願いたい。
#23
○政府委員(平田敬一郎君) 国民所得につきましては、安定本部から、必要がありますれば詳細御説明してもらつたほうがいいんじやないかと思いますが、なかなか大矢委員御承知のことくむずかしい問題でありまして、実際の統計が不十分なのと、国民所得の推計の技術が最近大分進歩して参りましたが、データーの確実なものがない。ありましても、少数のものを元にして、それを引伸すというような計算をやらなければならないという事情が多少ありまして、見方の差によりまして、実は大分国民所得の計算が動いて来るという要素が多いのでございます。今お話のヒユーバー氏は、司令部のリサーチ・デイヴイジヨンに臨時に参られまして、日本の国民所得の内容を検討されたようであります。その結果といたしまして、新聞紙等に伝わつておるように、安本に対しまして、或る程度見積り替えの必要があるということを勧告して参つておるようであります。それはそれぞれ勤労所得、法人の所得、各項目に分ちまして、補正の必要を強調いたしておるようでございます。安本におきましては、それに基きまして若干の修正を加えておるようであります。ただデーターがかなりはつきりしない部分がありますので、余り好い加減な推定で殖やすということもどうかということで、その必要のところについては愼重に検討いたしておりまして、若干補正した数字を、或いは近々公表できる運びに行くのではなかろうか、こう考えております。
 それからもう一つは、昭和二十四年度の国民所得の実績に基く国民所得の推計の問題であります。二十五年度以後六年度の国民所得がどうなるか、これはまだ予測の問題になるわけでありまして、これは御承知の通り、賃金、物価、雇用、生産等の状況と睨み合せまして、一定の期間の一定のときに調べました数字をそれぞれ伸して、再検討いたしておるようなわけでございます。この推計は卒直に申上げまして、今年の六月頃と、最近と、大分指数が変つておるようであります。それで物価指数、それから生産の見通し等が、最近は大分高くなつておるようでございますので、それに応じまして、これも見積り替えをいたしておるようであります。私どもは課税所得におきましては、すでにお手許に配付したかと思いますが、それぞれ最近の状況から見まして、二十四年度の補正実績に対してどういうふうに増減があるかということを見積つて、それを最終見積りの基礎にしたわけですが、同様に国民所得におきましても、それとほぼ同じ歩調をとりまして、同様の推計をいたすことになつております。これも近く計算ができまして、恐らく近日中に内容を御説明できることに相成るのではないかと思いますが、やはり当初に比べますと、或程度の増加が期待できるようでございます。併しいずれこの数字は安本で最後的に整理しておりますので、その上で又内容は御説明申上げたいと存じておるわけであります。ただそれから課税と国民所得との関係でありますが、これは実は率直に申上げまして、私も歳入見積りは御承知のように国民所得の上には載つていない。過去で実際において課税しましたいわゆる税務統計の課税所得、この上に実は載つかつておるわけであります。本年度は、二十四年度におきまして、現実に税務官庁が把握した所得、それを元にいたしまして、それぞれ生産、雇用、物価、賃金等の動きを見まして、それによつて今年の課税見込所得というものを算定いたしております。而ういたしまして、その増減を見る場合におきましては、課税所得と国民所得と計算方法の違う場合もございますが、同じであるような場合におきましては、やはり同じようなやり方をとつておりまして、ただ出て来ました国民所得全体を、実は税金の直接の見積りの基礎にはしていないのでありますが、今お話の通り把握の関係等で参考にする場合も勿論ございますし、財政力全体を見る場合においても、国民所得との関係において、税の総負担額の中で判断いたしまして、或いは財政負担がどうなるかというような場合におきましても、国民所得の点も十分に判断の一つの要素には入れておりますが、直接にはあまり繋がりはないのでございます。ただ実際問題としまして、営業所得等につきましては、よく調査して見ますと、やはり従来課税が徹底していなかつた面が相当あるようであります。従いまして今回の見積りにおきましては、そういう要素をも若干課税所得を見積る場合におきまして算入いたしまして、所得を計算しておるわけであります。必要でございますれば、その内容点別途御説明申上げてもよろしいかと思いますが、国民所得との関連におきましては、只今御説明申上げましたようなふうに考えておる次第であります。
#24
○委員長(小串清一君) 塩田等災害復旧事業費補助法案について、政府より提案の理由の御説明がありましたが、只今日本専売公社の塩脳局長が見えておりますが、その内容等についてもう少し詳しく御説明を願いたいと思います。
#25
○説明員(村岡信勝君) 委員長のおつしやいました点でございますが、今回の災害関係の補助法の内容の点でございましようか。或いは本年度の災害の現状の御説明でございましようか。
#26
○委員長(小串清一君) 災害の現状等をもう少し詳しく説明を聞いたほうが、皆さんの質問の材料にいいだろうと思います。
#27
○説明員(村岡信勝君) すでに大蔵省の方から或る程度一般的な御説明があつたことと思いますが、なお若干敷衍して申上げたいと思います。本年度のジエーン並びにキジア両台風によります塩田方面の災害状況でありますが、災害直後者罹災地区から災害速報という形で専売公社の本社のほうに報告を取寄せたのでありますが、目下その報告等に基き、更に本社から人を現地に派遣いたしまして、正確な実態、事情を調査中でございますので、最後的な固まつた数字として実は報告いたすまでの段階にはまだ至つておりません。すでに御説明いたしましたように、本年度の災害に対する補助の必要上、数字として一応別途補正予算の要求として四億八千万円をお願いしてございますが、大体現在までの調査ではその程度の数字を以て希望の補助をなし縛るという見通しでございますが、一応我我のほうで集まりました資料で算定いたしましたところによりますと、実はこれはまだ今後の調査によつて附加えて参らなければならない数字もあるのでありますが、全国総計で以て塩田の面積から申しますと、全国大体稼働面積五千町歩ございますが、その約八割に当ります四千町歩余が両台風によつて被害をこうむつておる面積に相成つております。又生産の量から言いますと、本年度は年度当初の計画といたして、専売公社の直営工場を含み、民間製塩業者全部で以て大体五十二万トンと予定いたしておりましたところ、台風被害によりまして、大体十一万トン程度減産いたし、従いまして本年度の生産は当初の五十二万トンの目標に対して、約十万トンを下廻つた四十二万トン程度に終るであろう、大体さように考えております。そこで今回の被害でありますが、新らしい補助法によつて救済を受け得られますものは、すでに御説明があつた通り、塩田関係の被害のみでありますが、その他の塩業団体、或いは業者が、自分の地元に生産いたして未だ公社に収納いたさない塩、それから塩にいたすまでにまだ至らない鹹水、苦塩等の被害を総計いたしますと、その被害の総計は報告のみによりましても、大体十一億程度に相成つております。そのうち塩、鹹水等の損害につきましては、現在の塩専売法の規定で、すでに或る程度の補償を受け得るような建前になつております。そこでその他の被害のうちには塩田方面の被害もあるわけでありますが、今回の法的措置によつて、農林、水産業施設関係と同趣旨によりまして、塩田方面の被害の救済をいたしたいというのであります。先程申上げましたように、大体補正予算の方に置き換えまして、四億八千万円程度を以て大体このほうの補助が満足にいたし得るのではないかと考えております。一応概括的な御説明でありますが、なお御質問等によつて申上げて行きたいと思います。
#28
○政府委員(久米武文君) 只今日本専売公社の塩脳局長から御答弁申上げたのでありまするが、大蔵省といたしまして、補正予算を組みます際に、どういうふうに被害の規模を認定いたしておりますかということにつきまして、昨日衆議院のほうの大蔵委員会で御説用いたしましたが、こちらにも同じ数字で以て御説明を申上げます。ジエーン、キジア両台風による被害の規模につきましては、塩田につきましては、全国約五千ヘクタールの塩田の八四%、即ち約四千二百三十ヘクタールが被害をこうむつたと認めております。堤防につきましては、全国塩田堤防の総延長約八百七十キロの約一五%に当る約百三十キロが決壊、大破、小破しておると認めた次第でございます。なおこの際お許しを得まして今回の補助法案を提出いたしました背景になつておりまする方針、或いは法案の大体の構成の方式等について御説明申上げることができますれば、御説明いたしたいと思います。
#29
○委員長(小串清一君) 御説明をやつて下さい。
#30
○政府委員(久米武文君) それでは申上げます。従来塩田等の災害につきましては、予算補助で実行をいたして参つたのでございます。例えて申しますれば、昭和十六年の八月の暴風、同年十月の高潮、昭和十七年八月の津浪、昭和二十年九月の風水害、昭和二十一年十二月の南海震災、これらにつきまして、いずれも予算補助によつて災害復旧事業の円滑な実施と、専売事業の健全なる運営を図つて参つたのであります。今回この種の補助金は法律の根拠に基いて行うことが好ましいという結論に達しましたので、これをここに塩田等災害復旧事業費補助法案として提出いたしました次第でございます。先程杉山委員から御質問がありました国内塩業政策に関する政府の根本方針はどうかという御質問に対して御答弁申上げました通り、政府としては国内主要の食用塩については、その全量を国内で確保することを目途とするということを根本方針といたしまして、そのために製塩設備、製塩技術の改革によつて、国内塩の増産と生産費の逓減を図り、又経営の合理化を図るために、企業形態についても努めて健全なるものにする、又それに必要な資金、資材の確保を講ずるということをきめておるのでございまするが、これは本年三月十七日の閣議決定で確認されております。今回この補助法案を出しますのも、この根本方針に従つて国内製塩の確保を図る、塩の確保を図るということがその背景となつておるのでございます。法律の全体の体裁は第七国会できまりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、これと条文の体裁は大体同じになつておるのでございます。補助率につきましては、農林水産業施設と同様に十分の五、十分の六・五の二つを使い分けにしておるのでございまして、塩田の場合の十分の五と申しますのは、農地の場合の十分の五と同様でございます。それから塩田堤防の十分の六・五と申しますのは、農業用施設の十分の六・五と同じでございます。なお神正予算の関係について申上げますならば、今回の補正予算におきまして、日本専売公社歳入歳出予算の第一款、専売公社事業費、第二項、塩事業費、第一目、購入費の中に、特に新たに塩田等災害復旧事業費補助金という新らしい節を立てまして、そこに四億八千万円を計上いたしております。同額の四億八千万円は予備費のほうで同時に款を立てております。今後この法律によりまする補助は、すべて只今申しました款項目に属しまする塩田等災害復旧事業費補助金という節に掲げられた金額の範囲内で実行いたすことに相成ると思つております。
#31
○九鬼紋十郎君 そうすると、これは補正予算の問題ですが、来年度予算と……、今後の予算にやはりこういつた法律はずつと続けて行くというような考え方なんですか。
#32
○政府委員(久米武文君) この法律は今後国内塩の生産を確保し、塩の専売事業の健全な運営に必要があると認められる限り、ずつと継続して参る予定でございます。明年度予算にも所要の額を計上いたす予定にいたしております。
#33
○杉山昌作君 只今のお話ですと、大体塩田の決壊なり、その他の復旧の費用は十億円くらい要る。ところが今度の補助金は大体五割乃至六割五分で、その総額は四億八千万円。そうすると、五億くらいのものは自己資金で賄わなければならないということになるのですが、塩業者も引続く今までの仕事の不振その他で、なかなか五億という金は大きな金で非常に問題だろうと思いますが、この自己資金で賄うものについての融資なりその他の面につきましては、何か政府側で十分のお手当をしておられるのでございましようか。
#34
○政府委員(久米武文君) 専売事業に属しまする塩の健全な運営を図つて参りまするためには、政府といたしましても、国内塩業関係の資金、長期資金及び短期資金の供給の斡旋について、できるだけの努力を従来もいたしておりましたし、又今後もいたして参りたいと思います。特に塩業関係につきましては、低利の長期資金が必要だという場合もございましようと考えますが、これにつきましては、別の委員会でございまするが、参議院の水産委員会で御質問もございまして、その節もお答えをいたしたのでございます。政府といたしまして、初め農林漁業の金融公庫を作るという案を検討いたして参つたのでございますが、その案が審議の中途で特別会計に切替えるということに相成つております。この特別会計におきまして、農林水産等の資金と相並びまして、塩田関係の資金もこの特別会計の一部において運用をいたして参りたい、そういうことを考えております。
#35
○杉山昌作君 その御趣旨なり御政策は誠に結構なんですが、ただ堤防の決壊はすでに夏であるし、この冬の間に修繕をしなければ、春以後の製塩にも差支えがあるので、現実にもう工事はやつておる。今取りかかつておるであろうと思うのですが、今の御方針で、これから特別会計ができて云々じやちよつと遅いので、現に何か手を打たれておるか、或いは手を打たなくても、塩業者の方で側かその途が付いておるか、その点を伺いたい。
#36
○政府委員(久米武文君) 日本専売公社の塩脳局長からも御答弁があるはずでございまするが、先に大蔵省としてのお答えをいたします。ジエーン台風、キジア台風の直後に内閣に設けられました対策委員会等におきましても、この塩田堤防の災害復旧についての金融措置の問題が議題に供せられております。大蔵省といたしましては、日本銀行等を通じまして、復旧に必要な応急資金の供給を確保するようにということは、金融機関にその趣旨がよく徹底するように措置を講じて参つたと考えております。或いは御期待に副う程度にまで実行されなかつた憾みがあろうかと思いますが、私どもといたしまして、その御斡旋の労だけは十分にとつたと考えております。あとは日本専売公社塩脳局長がお答えします。
#37
○説明員(村岡信勝君) 只今のお尋ねに対して、なお補足して申上げたいと思いますが、制度的な問題については監理官の方からのお答えの通りでございますが、今回の対策についての差当りの資金的な措置につきましては、御指摘の通り非常に困難な事態に当面いたしたのでございますが、災害直後、今お話がございました内閣におかれて災害対策協議会に呼応いたしまして、専売公社においても本社には塩田災害対策協議会を設置いたしまして、早速必要なる手を打ちたいということで、各地方局には又地方局内部にそれぞれ協議会の設置をする。それには地方局のみならず、各府県の当事者もその協議会に加わるというようなこともいたしまして、これはひとり資金面のみの問題ではございません。広く災害についての対策の協議機関でございますが、資金の問題につきましても、協議会を表面立てて運動する。ただ何分災害復旧事業というものが、性質上非常に長期な事業になり、又これが資金の運営につきましても、長期化する性質のものでございますが、御案内の通りの地方金融機関の資金事情でございますので、なかなか思い通りの長期資金の手当は困難でございますから、公社といたしましては、何らかの形において財政的な補助も考え得るのであるからというようなことも縷々説明いたしまして、これまで何とか当座の資金を融通いたすように努力して参りました次第であります。一〇〇%満足すべき実は融通は受けておらないのでありますが、地方によりましては、公社その他いろいろなものの運動もいたしまして、地方銀行から或る程度の繋ぎ資金の融通は、これは短期資金の融通の形で受けております。いずれ正式に補助金等の決定がいたされた暁には、これは返すのだという条件付きで実は融通を受けております。併しながら今回御提案になりましたこの法案が、正式に実施に至るということがはつきりいたしまして、これを地方に流すに至りましたならば、又各地方の小口機関等も更に一層のここに裏付けができるわけであります。現在より更に一層円滑なる資金融通ができるのじやないかと、その方面に我々としても大いに期待を持つ次第であります。
#38
○森下政一君 今の杉山さんのお尋ねになつた根本の趣旨は、今回の被害総額が十一億と先刻説明された。それに対して四億八千万円の補正予算で補助が計上されておる。あとはそうすると業者が自己資金で賄わなければならんということを前提にされておられるのですか。その通りなんですか。先刻御説明のときには私はこう考えたのです。四億八千万円というのは今後の法律で言うところの塩田及び濃縮施設或いは塩田防災施設に関するところの被害に対する補助である。ところがその外に塩が精製されたものが公社に納入される前に流失した、或いは冠水があるというようなものがある。その分については別途に何か措置を講じられておるのじやないですか。そうであれば十一億の被害と補正予算に計上してある四億八千万円の差額全体を直ちに業者が手持資金で何とかしなければならんのじやないですか。
#39
○説明員(村岡信勝君) 只今御指摘の通りでございます。杉山委員からの御指摘になりました数字の十一億と申しますのは、或いは全国の塩関係の協議会で一応集計いたした数字かとも思いますが、実は先ほど申しましたように、今度の法的措置によつて補助を受け得るものの対象になる問題について、現在公社の方で数字をとりまとめて査定中でございます。最終的な数字は今のところ申上げ兼ねるのでありますが、先程の十一億の損害と申しますのは、今回の補正によつて救済を受け得る対象のもののみならず、その他の一般の塩、鹹水等の被害も含めての数字かと思うのであります。手持の塩、鹹水等が損害を受けました際の救済につきましては、これは申上げました通り、現在の塩専売法に救済規定がございまして、大体受けました損害の三分の二程度の救済を受け得るのでございまして、それにつきましては、すでに現在の塩事業特別会計の予算にその救済するだけの財政的な措置がございますので、新らしく措置を講ずる必要はないのでございます。従つて今回の四億八千万円の補正予算の数字は、今回の新らしい補助法に基いて必要が生じて参る分についてのみの財源でございます。
#40
○油井賢太郎君 四億八千万円というのは今回限りであつて、来年は改めて予算に計上されるようなお話ですが、それは補正予算でなしに計上されるのですかそれともやはりそういう災害ができたときに補正予算として計上されるのですか。
#41
○政府委員(久米武文君) 明年度の予算につきましては、当初予算に必要と思われる相当の金額を計上いたす予定にいたしております。これは従来の塩田災害がどの程度に起つて来たかということから、大体その台風が或る程度あろうということは推察ができますので、併しどの程度の規模で被害が現われるかということは、本年ここに災害復旧事業補助を与えまして、堤防の改修等を行いますれば、将来来る台風の被害というものは或る程度防げる、被害は恐らく今年ほどは起らないだろうということは、又これも想像の付くところであります。それでありまするので、来年は本年よりはずつと内輪の数字になるかと思いまするが、それで以て当初予算に計上いたします。万一不幸にして、明年九月なりの台風が非常にレコード破りの強烈な台風が来たというふうなことで、もつと大きな被害が出たというふうな場合には、明年度予算を又補正しなければならんというふうなことが想像される次第でございます。ちよつと委員長速記を停止して頂きたいと思います。
#42
○委員長(小串清一君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#43
○委員長(小串清一君) 速記を始めて下さい。
#44
○政府委員(久米武文君) なお先ほどの御質問との関連で、この際付け足して申上げまするが、四億八千万、今年度の補正予算に上げました四億八千万の補助金の算出の根拠となつておりまする事業費の総額は、約八億五千万円でございます。
#45
○油井賢太郎君 災害が起きた場合にいつでもこうやつて補助を受けなければ復旧ができないというような制度でなしに、ふだんから業者が保険的に、自己保険をするというような方策はとれないものかどうかという点と、もう一つは、やはり或る程度買上値段というものも、そういうものを含めて、将来塩田のいわゆるこういう災害を受けたときの復旧にも充てられるし、又更に優秀な機械も入れて塩の生産を増加させるといつたような資にするというような考えはないのですか。
#46
○政府委員(久米武文君) お尋ねの点の第一点でございまするが、保険の点につきましては、損害保険としてこの種の災害関係を保護しようというふうな運用は、現在の損害保険の制度としては、実行が困難であろうと思います。それからこの塩業だけの災害を対象といたしまする特別の保険制度というものも、これも実行が困難であろうと思います。それから第二点の賠償価格の点であろうかと思いまするが、賠償価格をもう少し引上げて、そうして業者の手許に何と申しまするか、自己資金と申しまするか、災害が起つた場合に自分の資力で以て復旧できるというふうなことを考えたらどうかというふうな御意見も、我々ときどき拝聴いたすのでございまするが、相手が天災でございまするので、それをどの程度賠償価格の引上げに、仮にですね、引上げを考慮いたしましても、どの程度織込んでいいかということはなかなか技術的に困難な問題でございますので、やはりこの種の災害の場合の復旧事業につきましては、今回御審議願つておりまするような、補助の形式で参るのが一番実際に適して弊害がない方法ではないかと考える次第でございます。
#47
○油井賢太郎君 この際ちよつとお尋ねしたいのですが、輸入塩と我が国の生産塩との比率はどのくらいになつておるか。それからその輸入の価格はどんな程度になつておるか、ちよつとお伺いいたしたいと思います。
#48
○説明員(村岡信勝君) 最近一両年乃至今後一両年内の期間を前提として申上げたいと思いますが、塩の需給の関係から申しますと、大体食料恥の塩、それから工業用に供せられます塩を合せまして、年間百五十万トンを最低といたして、工業の操業度の上昇等によつて若干の増加をいたしますが、最低百五十万トン程度の需要があろうかと思うのであります。それに対して供給のほうでは、国内の生産は現在の設備による能力から申しますと、大体六十万トン程度の能力を持つておりまするが、最近までの実績からいいますと、戦後は六十万トンに達した年度は一度もないのでありましで、逐次上昇はいたしておりまするが、今年度も先ほど申上げましたように計画は五十二万トンでございましたが、災害によつて十万トンの減少を来たして、大体四十二万トン、来年度は仮に災害なきものとすればということでありますが、到底無理でありますが、予算上には五十七万トンを予定いたしております。従いまして需要最低百五十万トンとして、三分の一前後は国内で供給される、あとの三分の二乃至それ以上は輸入に待つというのが現状でございます。将来この比率はできるだけ変更しないで、国内塩に依存する量を殖やして参りたいということを努力はいたしておりますが、現状はさような次第になつております。そこで国内塩と輸入塩の価格の問題が出て参るのでございますが、輸入塩の価格ばこれは御案内の通り今年の四月以降、いわゆる民間貿易に移行いたしましたその前とその後とでは大分開きがございます。最近の輸入塩の値段はこれ又朝鮮事変の前後と若干の開きがございます。最近運賃が相当高くなつておりますので、やや増加いたしておりますが、最近の引合等によりますと、遠海塩、近海塩を平均いだしまして、大体十ドルと十一ドルの間を前後いたしておるというような状況でございます。従いまして仮に十一ドルといたしますと、三百六十円のレートで換算して、三千九百円と四千円の間というのが、日本の港で引渡す値段であります。
#49
○岡崎真一君 先ほど塩田の災害復旧の問題について、災害が起つたときには業者が自分で復旧費をリザーブして置く方法がないかということについていろいろなお話がありましたが、事実上困難であるというので、それをこのような借入金制度によつてやるということでありますが、業者の方にはそういうリザーブを経常費として既定支出のうちに含めて手許に積立てて置いて、それを不時の災害の復旧に充てたいという考え方があるのですが、そういう場合に決算面に利益として計上され、当然それに対して税金がかかつて来るという悩みを持つておるらしいのですが、かかる事情に対していろいろとお考えになつておりますかどうか。これは塩田が普通の仕事と違いまして、今のように災害が始終起るということが考えられますが、これは専売品を扱うのですから、他の方法においてカバーするということはできないので、とにかく特別の計らいで別途の資金を積立てるようにするといいのですが、切角ためて置いたものを、結局全部利益金として税金にとられてしまつては、元も子もなくなるというわけです。そういう問題はどうですか。それは税金の問題と関係がありますがね。最近私は兵庫県の赤穂に行きまして聞いたのでありますが、この問題について税金にも関連してお役所の方ではどういうお考えですか。
#50
○説明員(村岡信勝君) 税法上の取扱いについては私の方から実は申上げる筋ではありませんが、御質問がございましたので、実情について御参考までに申上げたいと思います。お話のように、現在或る地方によりましては、専売公社が収納代金を払いますと、そのうちの一定パーセントを積立てて置いて、すぐさまは各塩業者に渡さないという制度を実はとつております。この制度を実は開始いたしました動機は、最近の非常に遅れました設備、特に平釜式の製塩設備、或いは蒸気式の設備を合理化いたしまして、真空式の設備に改良いたしたいということで、公社側としてもいろいろ指導いたしておるわけであります。そういう資金を捻出いたしますのに、やはり金融機関等から融資を受けるにしましても、塩業者自身に何らか蓄積があつて、自己資金もこれだけあるのだということにいたしませんと、金融機国側でも容易に融通いたしかねるという実情がありましたので、塩業者の方から起りました声として、塩業協議会等が取上げて斡旋いたしました結果、昨年の夏、或いは暮当りから、そういう空気が非常に強くなりました。所によりますと、トン当り五十円程度積立てを開始いたしまして、現在では相当金額に達したろうかと思いますが、その際に特に多額な税金がかかつて来るのだが、何とか特別の考慮を払つて貰えないだろうかという申出が実は塩業者の側から後者の側に持込まれております。ただほかに、一般の場合に比して特に塩業の場合にかかる積立金について特別の考慮を払うということは、どうも非常に説明が困難であります。現在のところ勿論実現いたしておりませんですが、なお若し何らかの方法が講ぜられるならば、積極的に考慮して頂きたいと公社側としては考えております。
#51
○大矢半次郎君 この法律は大体農林水産業施設災害復旧事業国庫補助の暫定措置に関する法律の例に倣つたといつておりますが、農林業者と塩業者とはその経営規模、或いは態様等、おのずから異るところがあるのではなかろうかと思います。例えば企業的に相当大きな会社でもやつており、相当収益も挙げているところもあるのではなかろうかと考えられますが、それが農業方面と同一の率によつて補助するのが適当と考えられる理由を伺ひたい。それからもう一つは、農林水産業の方は暫定措置になつておりますが、これは恒久法の形をとつておりますが、それはどういう関係でありますか、その二点についてお尋ねいたしたいと思います。
#52
○政府委員(久米武文君) 只今大矢委員からお尋ねの点でございますが、第一点のこの塩田等災害復旧事業につきまして、なぜ農林水産業施設と同じように考えたかという御質問かと思いまするが、塩を作ります仕事は、まあ大体二つに分けて考えられると思います。先ず鹹水を作りまするまでの段階、海水から鹹水を作りまするまでの段階は、これは農業と同じカテゴリーに属すると大体言えると思います。その鹹水を或いは平釜式、或いは蒸気式、或いは真空式で塩を作り上げるという煎熬の部門、この部門は工業、インダストリーのガテゴリーに属する、その前者のほうの鹹水を作りまするという段階は、これは農業の場合と同様に非常に利潤の低い、且つ原始産業に類する部面でございます。大体これは農業と同じように考えて行つでいいだろう。大体そういう観点から農業と同じような形の補助率を適当と考えたわけでございます。なおやや枝葉に亘りますけれども、この非常に収益率の低い、且つ原始産業に類するような実体のこの採鹹部門に対しまする従来の予算補助はどんなふうにやつて来たのであろうかというようなことを考えて見ましても、例えば昭和十七年の八月の津浪の際には、塩田に対して七〇%の補助を与えております。昭和二十年の九月の風水害、或いは二十一年十二月の南海震災におきましては、塩田に対しては八五形の補助を与えております。それでありまするので、塩業を担当しておりまする部門の方からは、今回の補助率が低過ぎるのではないかというような御意見も承わるのでございまするが、大蔵省といたしましては、国が専売公社にやらしているところの補助金の率というものは、先ほども申したような意味におきまして、農業の場合と同じように考える。但し前にも申しました通り、工業部町に属する方の工場施設、このほうの披露は例えば工場の屋根が飛びましても、真空製塩の機械が全部風水害で壊れましても、これは補助の対象になつておらないのであります。それは工業に属するという観点から外れております。第二点の、この法律を何故恒久法にしたのであるかというお尋ねでございまするが、これは先ほど申しました通り、国内の食糧塩は国内製塩で確保して行きますという政府の方針がはつきりしております。で、これは今後相当長い間続くと考えまするので、この国内塩を確保するというためには、今回御審議を煩わしておりまするような恒久法を適当と考えた次第でございます。
#53
○岡崎真一君 今のお尋ねのさつきの質問にちよつと引続きまして、お答えを承つて、そういうことは考えてないということであるのですが、補助金制度というものは結構ではありますが、自分で自分のことを賄おうとして行くような気持というものを助長するということについて、我々としてもそれをむしろ歓迎すべきことだと思いまするので、特に塩田のような場合は、特別でないからというようなお話しで、できないというお考えのようですが、特に専売益金もありますし、そういう点を考慮せられて、今後はそういうことについて研究をして頂くようにしたいとい号希望を申上げて置きます。
#54
○油井賢太郎君 物品税のことをちよつとお伺いしたいのですが、法律によりますと、別に免税点という措置はないのですが、免税点というのはどういうものを基準にして大蔵省当局が決定されるのですか、この際その方針について承つて置きたい。
#55
○政府委員(平田敬一郎君) 物品税の免税点は政令できめることになつておるわけでありますが、この免税点を設ける際におきましては、課税から除外しまする場合と同様な方針をとりまして、例えば家具だとか、陶磁器、漆器、玩具、こういうような、一般的に国民の広く使用しているようなものにつきましては、やはり免税点を置きまして、それで相当程度以上のものに課税することによりまして、本当にどつちかと申しますと、担税力のある方面に課税したいという趣旨で免税点を設けているわけであります。具体的にはそれぞれ品目の種類によりまして差が出て来ると思います。例えば甲類のようなものにつきましては、仮に免税点を設けるといだしましても、ほんの徴税枝術等の関係を考慮しまして、実際上殆んど意味のないよろな免税点を設ける。これに反しまして、家具だとか、陶磁器、漆器、その他日用品を兼ねるようなものにつきましては、相当高い免税点を設けまして、本当に相当贅沢だ、担税力があるというような方面だけに対して課税する、そういうようなふうに考えまして、各品目ごとにそれぞれ妥当なものを定める方針で、従来からもいたしているような次第でございます。今その案につきましては、殆んど歳入に大きく響くものにつきましては、大体案を作つておるのでございますが、なお歳入に殆んど影響のないような細微なものにつきまして、若干補正的な検討をい出しておりますので、それが整理でき次第提出いたすつもりでございます。
#56
○油井賢太郎君 只今のお話ですと、何か奢侈的なようなものに対しては免税点を設けられない。これは当然ですが、実用品ということだけを標準にされておるのですか。それともそのほか例えば輸出品の不合縦品で、どうしても国内の輸出増進のためには、そういうものの不合格品に課税するよりも、免税点を設けて処理してやりたほうがいいといつたようなことはお考えにならないのですか。
#57
○政府委員(平田敬一郎君) その点もものの種類によつて違うと思いますが、例えば化粧品の場合には、クリームに例をとつて見ますと、苟くもクリームに課税するかしないかということは、税率をどの程度で課税するかというのが問題で、クリームの中で半分は免税し、半分は課税するという性質のものではないのではないか、クリームにつきましては、全体として課税するかしないか、するとすれば、どの程度の税率が妥当か、こういうものも中にはあると思います。それからライターのようなものも希望がありまして、研究して見たのでありますが、勿論若干いいものと悪いものとの差はありますが、例えばマッチに対して課税しておりますが、そういうものとのバランスもありまして、課税すれば、やはりライターというものには免税点を設けないで課税したらいいんじやないか。ライターの用途によつてさように判断するわけでございます。いろいろ種類によりまして、従つて考え方を違えなくちやならんと思いますが、今申上げましたように、個別的にそれぞれ実情に応じて考えたい。こういう方針でございます。
#58
○大矢半次郎君 今の物品税の免税点に関連してお尋ねをいたしたいのでありますが、物品税の免税点のごとく、非常に範囲の広い、影響の多いものは、成るべく命令ではなくして法律で規定するのが適当ではなかろうかと思つております。従来のように物品税の課税範囲が広く、状況の変化によつて或いは命令で免税点を変更する必要のある場合については、今までのようなやり方もいいと思いますけれども、すでに今度の提案のように非常に整理されて来た以上は、やはり免税点のごときは法律で規定するのがいいのではなかろうかと思いますが、それについてのお考えを伺いたい。
#59
○政府委員(平田敬一郎君) 成るべく法律で規定するという方針は私ども異存がございません。物品税は御承知の通り相当詳細に細目に亘るものがございまして、今お話しの通り、年度途中におきましては、成るべく動かさない方針にいたしておりますが、状況の変化がございます場合におきましては、場合によりますと変更する必要のあるものもございます。従いまして一々法律に規定しますと、やはり全部規定せざるを得なくなるのではないかと見ておるわけでありまして、私どもといたしましては、まあ前も大矢さんも御存じの通り、相当いろいろなものにつきまして、政令で物品税を規定されましたが、同様な意味におきまして、特にこの際全面的に法律に引直す必要はないのではあるまいか。ただ併し非常に実際の課税にも影響しますので、成るべく案は委員会等に提出いたしまして、御審議を煩わしたいと考えておる次第でございます。
#60
○大矢半次郎君 免税点をどの程度にするかということは非常に重要なことだと思うのですが、そこで先程資料としても要求しましたが、できるならば、こういうものは法律で規定して、審議を十分にやつた方が適当かと考える次第であります。
#61
○油井賢太郎君 大矢委員に関連するのですが、この第一種の甲乙丙丁と、こういうふうに分けると言いますけれども、成るほど甲とか、乙というようなものについては免税点を作ることは困難でもあり、或る程度常識に外れておる点もあるかも知れません。併し丙以下の点につきましては、単に実用向きだとか、或いはまあ輸出に向かないものであるとかいつたような理由でなしに、やはりこれは只今大矢委員が言つたように、この委員会等において十分検討して、国民の輿論を或る程度反映した適切な免税点を設けるのがいいのではないかと思いますが、例えば先ほど主税局長から例に引かれましたライターなどというものは、殆んど高い輸出ものであつて、国内で使う部分と輸出の比率は大分違う。そういうもののいわゆる輸出適格品みたいなものに又課税をするというようなことになりますと、結局輸出の価格の方へそのコストが廻つて行くというふうな点もあるのであります。そういう点を十分勘案せられて、やはりこれは国民の大衆に最も直接関係のある物品が、まあいろいろと並んでおるのですが、そういうものの免税点等については十分委員会等において審議する。できることなら法案に盛込むというふうな制度の方が我々としては然るべきではないかと思うのですが、そういう案は今までないのですか。
#62
○政府委員(平田敬一郎君) 今お話のライターにつきましては、私ども実情もいろいろ聞いておりまするし、又委員会におきましても審議の対象になつたことを記憶しておりまするが、請願等もございまして、先ほど申上げましたように、どうもライター等に免税点を設けるというのは、少しものの性質上如何であろうか。マツチに対して今改正しておるわけでございますが、マツチに課税する。例えば免税点を設けるのはどうであろうかという問題もございますが、このライターはそれと若干違いまするけれども、単に輸出不適格品なるが故にそれを課税から除外するというのはどうかと思いますが、ライターの中で特別高級品だけをとるのがいいのか、或いはライターというのは、やはり用途からいたしまして、或る程度の物品税を全面的にきめるのがいいのか、その辺の判断でこの問題を研究すべきではなかろうか。そういう点私から申上げますと、現在の段階といたしましては、やはり免税点を設けないほうがいいのじやなかろうかと、このように考えております。これに関連しまして、時計につきましては、これは今まで免税点を設けていないのでございますが、これはやはり本当に実用的なものと、そうでないものと区分いたしまして、腕時計、柱時計等につきましては、免税点を設けてやつたらどうかというような考え方もございますが、結局それはものの性質に応じまして、妥当なものを適宜きめるのがいいのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
#63
○油井賢太郎君 どうもこの物品税の区分けの仕方がまだ納得の行かない点が数点あるように思われるのですが、例えば丙類と丁類と比べてどつちが実用であるか、どつちが身近の実用品であるかというようなものが、いろいろ錯綜しておる点もありはしないかと思うのです。こういう点について、単に免税点の問題等においても、大蔵省内において政令でどんどん決めて行くというやり方だけでは、少し国民が納得できない点があるのじやないかと思うのですが、主税局長はここらで一つ大衆的のお考えを以て、法案を折角お出しになるのなら、免税点については国会の審議に待つというようなところまで進歩して頂きたいと私は思うのですが、そういうふうなお考えはないでしようか。
#64
○政府委員(平田敬一郎君) 免税点の問題等につきましては、すでに請願等の問題もありまして、平素から国会の御意見は十分に尊重いたしておるつもりでございますが、なおその御要望もございますれば、いつでもそういう御審議に十分私どもも応じますことは当然のことと考えますので、よろしく願いたいと思います。
#65
○森下政一君 国会の意思を十分汲みとるというのですが、実際問題として、随分我々の手許へ物品税に関する請願めいたものがやつて来るのですね。ところがそれをみんなで協議したり、あなたがたの意見を聞いたりするという機会は殆んどないのです。私は大蔵委員で三年半やつておりましたが、そんなことは一遍もありはしない。そうして法律ができてしまつてから修正しようとしても、それはできない相談なんですね。実際問題として今日は……それで私はいつでもそう思うのですが、今油井君からもお話がございましたが、この類別ですね。どうも比較して、なぜ一方が丙類であり、一方が丁類であるか。或いは税率等についても、或るものは今回でも日常生活の物品と認めて課税廃止、これは実際の扱いとして、大蔵省はどうしてこういうことをきめておられるのですか。どういう方法で………、担当お役人さんが集まられて、いろいろ評定されて、その間でまあこんなものじやないかぐらいのことなんですか。一々業者を呼んで意見を聞くということをなさつておるのか。或いは主税局長の、どうもライターに課税しない手はないなんという、あなたの見通しで変つて行くのですか。どうも数多い品物なんですから、私はこれをどうしてやつておられるのか。そうして業者からいろいろな話を聞く。例えば写真機でも今日相当輸出が行われておる。そうして国内では相当の高率の税金がかかるので、国内の製品だけでは引合わない。輸出が行われるということで辛うじて事業が成立つておるのですというような話を聞くのです。そういう話を聞くと、もつと国内的に物品税率を下げたらいいではないかと思うのですが、そういうことについて、業者からこういうような意見が出ておりますが、どうお考えになりますかということを、肝心の大蔵委員会で聞くことはできないのです。そうしてぽんと出て来た法律を、これを審議せいということになると、これはどうにもならぬことです。今油井君は、主税局長英断を以て法律でやつたらどうかというようなことを訴えたのですが、これは実際の扱いをどうしておられるのですか。
#66
○政府委員(平田敬一郎君) 物品税につきましては、全体の比率をどうするかということは、税制の全体の権衡を考えまして、やはり今の段階となりましたならば、生活必需品の性質の強いもの、これは極力外す、それから事務用品を外す、それから税率につきましては、今申上げましたように、最高七〇を五〇程度まで下げる、最低を一〇にする。そういうような全体としての先ず基本的な考え方をきめるわけでございます。そこからスタートいたしまして、然らばどの程度まで外すかということにつきましては、一方につきましては歳入、物品税でどの程度税収入を期待するかということも含みにとつて考えまして、そうして各品目ごとに私ども主税局の内部といたしましては、係員の調査に基きまして、慎重な検討を遂げるわけでございます。勿論参考といたしまして、業界からの希望、陳情等もございますし、それから又こちらから調査に行きまして、個別に調査した資料もございます。それから勿論なお一番重要視いたしておりますのは、国会で請願がどういうふうになつておりますか。請願のありますものにつきましては、極力今申しました方針からしまして、尤もだというようなものにつきましては、できる限りそういうふうにいたします。併しながら必らずしもいろいろ検討いたしまして、まだ今回としては実現するのは無理だろうというのは、又次の機会に場合によつては解決を延ばさなければならん問題もございます。まあいろいろそういう点を考えまして、結局個別的の審査をしまして案を作り上げるわけでございます。その際に各方面の意見もできるだけ私ども聞くつもりでおるわけでありまして、参議院の大蔵委員会としましては、正式の御相談をする機会はございませんでしたが、そういう方面につきましても、御意見、御要望等がございますれば、後ほどよく調べました上で、私どもは極力取入れて行くというような考え方で案を作つておるわけでございます。従いまして、私どもできました法律案につきまして、御疑問の点がございますれば、その理由は如何ようにも説明するつもりでございますが、その内容をよく御検討を願いまして、幾らでも御追及を願つてお答えいたしたいと思います。
#67
○森下政一君 今そのお話を聞いていると、聞きようによつては、国会にでも請願をしなかつたら放つて置かれそうな気がするのですね。業者が寄つて請願でもやるとか何とかして、あなたがたに何回も折衝するというようなものは取上げられるが、そうでなければいつまでも放つて置かれるような気がするのです。例えばラジオの聴取機というようなものをここに一つの話題に提供しても、今は文化国家を造るというようなことですが、およそ文化の普及というものについては、ラジオの聴取機というものは大いに役立つものであると思いますが、これは殆んど日常生活用品と考えてもよかろうと思います。更に考えようによつて免税するということにまで行かなければ、小売の価格に幾ら幾らという一つの限度を設けて、価格がこれこれ以下のものは免税するとか、何とかいうような方法も考えてやつたらいいではないかというようなことも考えられる。私いつも疑問に思うことは、一体この数多い物品の物品税をどうして、これには幾ら、これには幾ら幾らが妥当であるかということを判定なすつておられるか、これは幾ら大蔵省のお役人で、税の専門家であつても、その隅々まで目が届くものではない。あなたがたが何人寄つてやられるか知らぬが、大体こんなものではないかというようなことで、そう申しては失礼かも知らんけれども、粗雑な観念的な一つの考えでやられておるのではないかというようなことを考える。これは只今のお話で相当大蔵委員会あたりの意見は尊重してもらえそうですから、これは将来の課題に残して、委員長に斡旋してもらつて、一遍これをお互いに再検討して、大蔵委員会案でも主税局長に提示して、尊重してもらうようなことが近くあることを要望して置きます。
#68
○政府委員(平田敬一郎君) ちよつと申上げて置きますが、今のラジオは、これは実は相当猛烈な要望があつたクラスでございますが、それにもかかわらず、原案では、一割を一割に引下げる。普通二割のものの原則を一割に引下げております。更に免税すべきではないかという議論も通産省方面或いは国会方面でも相当に意見がございましたわけでございます。併し私どもは、ラジオは成程一般の家庭に広く使われますが、やつぱり或る程度娯楽的な要素もないわけでもない。それで物品税を更に大幅に又整理する段階におきましては、これも考え方によりましては一つの考え方かと思いますが、今の段階といたしましては、二割が一割程度になりますので、この程度の課税はいたし方はない、又妥当であろう。収入からいたしましても、相当な収入になりますので、一割の税率で課税するということに決定いたしたのでございます。これはもう、決してお坐なりにきめたわけではございません。私ども事務官も、会合にもたびたび出たこともございまするし、その結果に基きまして慎重審議しまして、結局原案通りにすることにいたしたわけであります。勿論品目の中には非常に零細なものもございまして、それほど調査に手をかけることのできないものもございましたが、大きな品目につきましては、或いはデパート等に行つて調べる、或いは産地に行つて調べる等のことをできるだけやりまして、相互間に不会平がないように、少しでも実情にできるだけ即応し得るように、私どもとしましては案を作ることに努力い大しておるつもりでございますので、よろしく願いたいと思います。
#69
○油井賢太郎君 今のお話のうち、もう一つ具体的に言つて、只今ラジオの話が出ましたが、ラジオだつて奢侈品に相当するような非常に高級なものもある。それと大衆向きのものもある。大衆向きのものは、むしろ免税点を作つて税金をかけない。高級品については一割じや安いから二割とか、三割かけるというような行き方が当然だと思うのですが、この一つの例を挙げてもそういう矛盾があるのです。そういうふうに物品税については相当我々の意見が多いのですが、今日はもう……又この次の機会にこういう点を詳しく御意見承知したいと思います。
#70
○森下政一君 委員長午前中はこれで……。
#71
○委員長(小串清一君) 本日はこの程度でやめようと思います。午後は衆議院の関係で、多分主税局長は向うへ取られちやうようですから……明日は続行する考えであります。
 それから塩の方の問題は大してないようですから、明日は塩の関係はよろしうございます。
 以上を以て今日は散会いたします。
   午後零時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長
           小串 清一君
   理事
           大矢半次郎君
           山崎  恒君
   委員
           愛知 揆一君
           岡崎 真一君
           黒田 英雄君
           九鬼紋十郎君
           森下 政一君
           小宮山常吉君
           小林 政夫君
           杉山 昌作君
           高橋龍太郎君
           油井賢太郎君
           森 八三一君
  政府委員
   大蔵政務次官  西川甚五郎君
   大蔵省主税局長 平田敬一郎君
   日本専売公社監
   理官      久米 武文君
  説明員
   日本専売公社塩
   脳局長     村岡 信勝君
ソース: 国立国会図書館
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