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2000/05/26 第147回国会 参議院 参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第24号
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2000/05/26 第147回国会 参議院

参議院会議録情報 第147回国会 国民福祉委員会 第24号

#1
第147回国会 国民福祉委員会 第24号
平成十二年五月二十六日(金曜日)
   午前十時五十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任   
     堀  利和君     柳田  稔君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任   
     尾辻 秀久君     日出 英輔君
     松崎 俊久君     本田 良一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         狩野  安君
    理 事
                田浦  直君
                山崎 正昭君
                勝木 健司君
                山本  保君
                小池  晃君
    委 員
                入澤  肇君
                久野 恒一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                日出 英輔君
                水島  裕君
                今井  澄君
                佐藤 泰介君
                本田 良一君
                柳田  稔君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚生大臣     丹羽 雄哉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
〇社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一
 部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送
 付)

    ─────────────
#2
○委員長(狩野安君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十五日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君が選任されました。
 また、本日、尾辻秀久君及び松崎俊久君が委員を辞任され、その補欠として日出英輔君及び本田良一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(狩野安君) 次に、社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本案につきましては、昨二十五日、質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#4
○井上美代君 私は、日本共産党と、そしてまた、けさも随分来ているんですが、たくさんの問題点をまだあいまいなままにして、慎重審議、徹底した審議を求めるという要請書がたくさん入っております、こうした方々を代表いたしまして、社会福祉事業法等の一部改正案について反対の討論をいたします。
 反対理由の第一は、本法案が、社会福祉事業の基本理念から実施主体としての国と地方公共団体を削除し、その公的責任を大幅に後退させていることです。
 現在でも日本の障害者福祉は社会福祉法人や共同作業所など民間によって担われ、国と地方公共団体の役割は非常に小さいのが特徴です。国と地方公共団体の実施義務がなくなれば、サービス基盤の整備のおくれなど、一層深刻な事態を招くことは必至です。
 反対理由の第二は、サービス基盤整備のおくれの中で契約制度に移行すれば、事業者側が障害者を選別する逆選択という事態になることです。
 障害者プランは順調に進んでいると政府は説明されております。しかし、例えば障害者向けホームヘルパーについて、政府の示す実績のうち八割は介護保険などとの兼任のヘルパーです。これでは、目標達成したといっても数字のトリックではありませんか。
 また、障害者プランの目標自身が低過ぎることも明らかです。それは、法定外の小規模作業所の設立数の伸び方が障害者プラン策定後の方がふえているという事実からも証明されております。
 このように貧困なサービス体制にありながら、事業者側が正当な理由があれば利用が拒否できるというこのような契約制度の仕組み、そこに問題があります。さまざまな理由づけによって、負担能力のない人が排除される危険は避けられないのではないでしょうか。
 反対理由の第三は、障害者の居宅支援事業に営利企業の参入を認め、社会福祉法人の会計制度を変更することなどにより、福祉の営利化を徹底して進めようとしている点です。
 福祉に充てられるべき支援費の一部が営利企業の利益や減価償却などに充てられるようになれば、福祉分野の費用の大半をなす人件費の削減につながるのは火を見るよりも明らかです。参考人も述べられたように、現在でも劣悪な福祉関係職員の労働条件、これが一層切り下げられ、サービスの後退を招く危険は避けられません。
 日本共産党は、国民とともに力を合わせ、障害者の完全参加と平等が達成されるまで全力を尽くしてまいります。その決意を表明し、反対の討論といたします。
#5
○委員長(狩野安君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、勝木君から発言を求められておりますので、これを許します。勝木健司君。
#7
○勝木健司君 私は、ただいま可決されました社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党・改革クラブ、社会民主党・護憲連合、参議院クラブ、二院クラブ・自由連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、本法の施行に当たっては、これまでの措置制度の功罪を十分に認識し、事業者と対等な関係に立って利用者自らが福祉サービスを選択し決定できるよう、利用者、社会福祉事業者等の関係者への啓発と周知徹底を図ること。特に、福祉サービス利用援助事業、苦情解決制度、情報の提供及び公開等の利用者の権利を擁護し、サービス利用を支援するための仕組みが十分に機能するよう、社会福祉事業者への指導に努めること。また、地方公共団体が利用者に対するあっせん、調整、利用の要請を適切に行えるよう、その環境整備を図ること。
 二、障害者福祉サービスにおける支援費支給方式の導入に当たっては、障害者のサービス利用に支障をきたさないよう、指定事業者に応諾義務を課すなど必要な措置を講じるとともに、バウチャー方式を含め支給の在り方について検討を行うこと。また、利用者負担については、現行水準を上回ることのないよう十分配慮し、公費負担の後退を招かないようにするとともに、扶養義務者を算定の基礎に加えることの是非を含め、その基本的在り方の検討を行うこと。
 三、都道府県社会福祉協議会等が実施する福祉サービス利用援助事業については、成年後見制度との連携とNPOを始めとする多様な主体との提携が図られるとともに、利用者の代表を委員にするなど、運営適正化委員会の業務が公正、中立に行われるよう指導すること。また、社会福祉士とともに、専門員として精神保健福祉士の配置を積極的に行うなど、地域で暮らす知的障害者や精神障害者の権利擁護に努めること。
 四、福祉サービスの質の向上を図るため、利用者の意見を反映した客観的評価基準の策定に努めるとともに、早急に第三者機関や評価システムを構築すること。また、社会福祉士、介護福祉士及び社会福祉主事の適切な養成・確保に努めるとともに、社会福祉施設職員について、勤労条件等の改善、潜在マンパワーの就業の促進等を図ること。
 五、社会福祉法人に対する規制及び助成については、公益法人、住民参加型民間団体、民間企業等他の事業主体との適切な競争が行われる条件の整備に十分配慮しつつ、弾力的運営を図っていくこと。また、多様な民間のサービス提供主体の参入が促進されるよう環境整備に努めるとともに、NPOやボランティア活動等の住民参加型福祉サービスが円滑に行われるよう基盤整備を推進すること。
 六、利用者の多様な福祉サービスの選択を可能にするよう、障害者プランの着実な推進を図るとともに、著しく立ち遅れている精神障害者の福祉サービスの拡充のための見直しを行うなど、障害者福祉サービスの一層の充実に努めること。特に、居宅生活支援事業、デイサービス事業及び居宅介護支援事業等の在宅サービスの充実を図ること。また、身体障害者、知的障害者及び精神障害者のために地域においてきめ細かい福祉サービスを提供している小規模作業所の法定施設への移行に当たっては、運営の安定化に向けた財政的支援に十分配慮すること。
 七、地域福祉計画の策定に当たっては、各分野における個別計画との整合性に留意し、数値目標の設定も視野に入れ、全市町村が速やかに策定できるよう、財政的、技術的な支援を講じること。また、社会福祉協議会が、広く住民の参加を求めるとともに、他機関・団体との積極的な連携により、組織の強化、運営の適正化を図るよう指導すること。さらに、民生委員・児童委員については、任務の遂行、活動費の使用方法などの実態を調査し、また、年齢構成等その任命の在り方について配慮するとともに、委員に対する研修の強化を図ること。
 八、障害者の自立を促進するため、所得保障及び雇用確保の在り方について速やかに検討を進めること。
 九、家庭内暴力を始め、女性の性に対する侵害に関して、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設が被害者に対応している現状にかんがみ、現行のこれらの事業を社会福祉事業として位置付けるよう、所要の検討を行うこと。また、児童福祉法の枠内で対応されている被害女性について、女性福祉の観点で検討を行うこと。
 十、社会福祉基礎構造改革を踏まえた今後の社会福祉の状況変化や規制緩和、地方分権の進展、介護保険の施行状況等を踏まえつつ、介護保険制度全般の見直しの際に、介護保険サービスを行う社会福祉事業や養護老人ホーム、保育事業等今回法改正の対象とならなかった社会福祉事業の在り方、障害者に対するサービスの在り方及び生活保護の在り方について、十分検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#8
○委員長(狩野安君) ただいま勝木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(狩野安君) 多数と認めます。よって、勝木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、丹羽厚生大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。丹羽厚生大臣。
#10
○国務大臣(丹羽雄哉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力をいたします。
#11
○委員長(狩野安君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(狩野安君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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